(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】心電図信号と呼吸信号を出力する装置および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/08 20060101AFI20240206BHJP
A61B 5/308 20210101ALI20240206BHJP
【FI】
A61B5/08
A61B5/308
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532122
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2023-05-30
(86)【国際出願番号】 KR2022018300
(87)【国際公開番号】W WO2023136451
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】10-2022-0003958
(32)【優先日】2022-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0019257
(32)【優先日】2022-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521367639
【氏名又は名称】メズー カンパニー、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジュンワン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、スンピル
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ミヘ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ヒョンソク
(72)【発明者】
【氏名】リー、サンヒ
【テーマコード(参考)】
4C038
4C127
【Fターム(参考)】
4C038SS04
4C038SS08
4C038SV03
4C127AA02
4C127GG10
(57)【要約】
本発明は、心電図信号と共に呼吸信号を出力する装置および方法に関するものである。本願の一実施例による呼吸信号出力デバイスは、対象者の身体に付着した少なくとも二つ以上の電極間の信号を測定する電極信号測定部と、前記測定された信号に基づいて前記対象者の呼吸信号を生成する呼吸信号生成部と、前記測定された信号に基づいて前記対象者の心電図信号を生成する心電図信号生成部と、前記心電図信号および前記呼吸信号を出力する出力部とを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心電図信号と共に呼吸信号を出力する呼吸信号出力デバイスにおいて、
対象者の身体に付着した少なくとも二つ以上の電極間の信号を測定する電極信号測定部と、
前記測定された信号に基づいて前記対象者の呼吸信号を生成する呼吸信号生成部と、
前記測定された信号に基づいて前記対象者の心電図信号を生成する心電図信号生成部と、
前記心電図信号および前記呼吸信号を出力する出力部とを含む、呼吸信号出力デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも二つ以上の電極間の信号はインピーダンス信号であり、
前記呼吸信号生成部は、前記インピーダンス信号に基づいて前記呼吸信号を生成するものである、請求項1に記載の呼吸信号出力デバイス。
【請求項3】
前記インピーダンス信号は、前記対象者の呼吸時に前記対象者の筋肉の収縮と膨脹によって変わるインピーダンス変化を示すものであり、
前記呼吸信号生成部は、
所定時間間隔に含まれた前記インピーダンス信号の複数の変化値のうち所定臨界値より大きい変化値の回数を検出し、前記検出された回数に基づいて前記対象者の呼吸数として決めるものであり、
前記呼吸信号は前記呼吸数を含むものである、請求項2に記載の呼吸信号出力デバイス。
【請求項4】
前記呼吸信号生成部は、前記心電図信号および前記インピーダンス信号に基づいて前記対象者の呼吸信号を生成するものである、請求項2または3に記載の呼吸信号出力デバイス。
【請求項5】
前記呼吸信号生成部は、前記インピーダンス信号に基づいて前記対象者の呼吸信号を生成し、
前記呼吸信号生成部は、前記心電図信号に基づいて前記生成された呼吸信号を変更するものである、請求項4に記載の呼吸信号出力デバイス。
【請求項6】
前記呼吸信号生成部は、前記心電図信号に基づいて前記対象者の測定誤謬イシューが発生したと判断する場合、前記生成された呼吸信号を変更するものである、請求項5に記載の呼吸信号出力デバイス。
【請求項7】
前記心電図信号生成部は、前記呼吸信号に基づいて前記生成された心電図信号を変更するものである、請求項4に記載の呼吸信号出力デバイス。
【請求項8】
前記心電図信号生成部は、前記測定された信号に基づいて前記対象者の心電図信号および前記対象者の心臓病関連信号を生成し、前記呼吸信号に基づいて前記心臓病関連信号を変更するものである、請求項4に記載の呼吸信号出力デバイス。
【請求項9】
前記出力部は、
前記心電図信号と前記呼吸信号を一つのディスプレイ装置に同時に表示するものである、請求項1から3のいずれか一項に記載の呼吸信号出力デバイス。
【請求項10】
心電図信号と共に呼吸信号を出力する方法において、
対象者の身体に付着した少なくとも二つ以上の電極間の信号を測定する段階と、
前記測定された信号に基づいて前記対象者の呼吸信号を生成する段階と、
前記測定された信号に基づいて前記対象者の心電図信号を生成する段階と、
前記心電図信号および前記呼吸信号を出力する段階とを含む、呼吸信号出力方法。
【請求項11】
前記少なくとも二つ以上の電極間の信号はインピーダンス信号であり、
前記呼吸信号を生成する段階は、前記インピーダンス信号に基づいて前記呼吸信号を生成することである、請求項10に記載の呼吸信号出力方法。
【請求項12】
前記インピーダンス信号は、前記対象者の呼吸時に前記対象者の筋肉の収縮と膨脹によって変わるインピーダンス変化を示すものであり、
前記呼吸信号を生成する段階は、所定時間間隔に含まれた前記インピーダンス信号の複数の変化値のうち所定臨界値より大きい変化値の回数を検出し、前記検出された回数に基づいて前記対象者の呼吸数として決めることであり、
前記呼吸信号は前記呼吸数を含む、請求項11に記載の呼吸信号出力方法。
【請求項13】
前記呼吸信号を生成する段階は、前記心電図信号および前記インピーダンス信号に基づいて前記対象者の呼吸信号を生成することである、請求項11に記載の呼吸信号出力方法。
【請求項14】
前記出力する段階は、
前記心電図信号と前記呼吸信号を一つのディスプレイ装置に同時に表示することである、請求項10に記載の呼吸信号出力方法。
【請求項15】
前記呼吸信号を生成する段階は、前記インピーダンス信号に基づいて対象者の呼吸信号を生成し、前記呼吸信号を生成する段階は、前記心電図信号に基づいて前記生成された呼吸信号を変更することである、請求項13に記載の呼吸信号出力方法。
【請求項16】
前記心電図信号を生成する段階は、前記呼吸信号に基づいて前記生成された心電図信号を変更することである、請求項13に記載の呼吸信号出力方法。
【請求項17】
請求項10から16のいずれか一項の方法をコンピュータで実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、心電図信号と呼吸信号を出力する装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、韓国で高い喫煙率と速い高齢化により有病率がますます増加しており、世界的にも主要な慢性疾患として主要な死亡原因となっている。COPD患者の運動能力の減少には、肺活量の減少だけでなく、他の要素、すなわち呼吸筋肉、運動筋肉の機能異常などが重要な原因として作用すると知られている。呼吸リハビリは、多方面の評価に基づいて一人一人の状態によって提供される患者別のオーダーメード治療として、単純に運動だけでなく、教育、栄養、精神医学的治療などの全ての要素が含まれなければならず、これを通じて慢性肺疾患患者の身体的・情緒的状態を向上させ、長期的に健康増進状態を維持するように提供される必要がある。
【0003】
また、COPDの進行を管理するための最も効果的な方法は、早期診断である。肺機能評価は、呼吸器の病気を診断したり、肺機能を評価または管理したりするのに有用である。例えば、患者がCOPDで苦しんでいる時、定期的に肺機能評価を施す場合、病気の状態を測定することができる。
【0004】
また、呼吸流パラメータ(respiratory flow parameters)の測定は、患者の呼吸能力を評価するための道具の一つである。前記パラメータは、呼吸温度、流量、体積、圧力、そして、このような測定から抽出可能な呼吸機能パラメータ、例えば、呼吸速度、呼吸長さおよび深さ、無呼吸長さ、吸気および呼気の時間などを含むことができる。このような測定は、実際の呼吸流れを感知・測定・モニタリングする非直接式測定または直接式呼吸センサを使用して行われる。
【0005】
呼吸流パラメータを測定するために幾つかの知られた方法および装置がある。例えば、換気(ventilation)および肺内外部の空気の移動を測定する肺活量の測定および肺機能試験のように、被験者がマウスピース中に、またはマウスピースからセンサに向かって人為的に呼吸をしなければならない。
【0006】
一方、換気(ventilation)および肺内外部の空気の移動を測定する肺活量の測定および肺機能試験において、非換気患者の場合、患者が覚めており、認識があり、協力をしなければならないという非連続的モニタリングだけに適用可能であるという限界があり、装置に含まれたセンサが呼吸流れに位置するように被験者の顔に装着する装置の場合、センサを被験者の鼻の穴、口を覆うマスクに配置しなければならないが、これは被験者に不便であるという限界がある。
【0007】
また、被験者の顔に装着されるウェアラブルセンサを含む場合、センサを呼吸流れに合わせるために被験者の顔にセンサ位置を正確に配置し、これを微細に調整すべきであるという点で限界がある。
【0008】
他に知られた方法は、装置に含まれたセンサが呼吸流れに位置するように被験者の顔に装着が必要な装置を含む。かかる装置の一例は、直接式呼気終末二酸化炭素測定機(capnography)である。他の例としては、センサが鼻の穴周りおよび口の近くに位置するように、例えば、顔・頭で被験者に装着されるウェアラブルセンサを含む。
【0009】
一方、呼吸パラメータ測定を通じて呼吸能力に問題があると判断される患者は、患者の状態によって自家運動または病院で医療陣のモニタリングの下で呼吸リハビリをするようになる。
【0010】
遠隔リハビリ訓練の医療機器に関する従来の一発明では、ウェアラブルデバイスを利用して生体信号を測定することで、家庭基盤の心臓および呼吸リハビリ治療のためのシステムを提供する技術を取り扱っている。
【0011】
呼吸リハビリは、呼吸器疾患患者において、リハビリ治療を通じて患者の呼吸疾患症状を緩和させ、運動能力を向上させて急性悪化を減らすことを目標として進行され、呼吸リハビリは、個人オーダーメード運動処方で医療陣のモニタリングの下で行われ、肺機能検査などで評価される。
【0012】
通常多く施行される方法である外来呼吸リハビリ治療は、効果を得るためには、少なくとも1回で20~30分、一週間で3~5回以上、最小6~8週間程度の期間が必要であり、その間に患者が訪問し続ける必要があるが、これは、交通および様々な与件上限界があるため、実際治療が受けられる患者の数が制限的であるという問題を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10-2278695号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本願は、前述した従来技術の問題点を解決するためのもので、着用型または付着型心電計の内蔵センサを通じてインピーダンス変化を測定することで呼吸パラメータの測定を可能にし、肺活量計の機能を行うにあたって、使用者に不便さを与えないウェアラブル機器を提供することを目的とする。
【0015】
本願は、前述した従来技術の問題点を解決することを目的とする。
【0016】
但し、本願の実施例が達成しようとする技術的課題は、上記のような技術的課題に限定されず、また他の技術的課題が存在し得る。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の技術的課題を達成するための技術的手段として、本願の一実施例による呼吸信号出力デバイスは、対象者の身体に付着した少なくとも二つ以上の電極間の信号を測定する電極信号測定部と、前記測定された信号に基づいて前記対象者の心電図信号を生成する心電図信号生成部と、前記測定された信号に基づいて前記対象者の呼吸信号を生成する呼吸信号生成部と、前記心電図信号および前記呼吸信号を出力する出力部とを含むことができる。
【0018】
また、前記少なくとも二つ以上の電極間の信号はインピーダンス信号であり、前記呼吸信号生成部は、前記インピーダンス信号に基づいて前記呼吸信号を生成することができる。
【0019】
また、前記インピーダンス信号は、前記対象者の呼吸時に前記対象者の筋肉の収縮と膨脹によって変わるインピーダンス変化を示すものであり、前記呼吸信号生成部は、所定時間間隔に含まれた前記インピーダンス信号の複数の変化値のうち所定臨界値より大きい変化値の回数を検出し、前記検出された回数に基づいて前記対象者の呼吸数として決めるものであり、前記呼吸信号は前記呼吸数を含むことができる。
【0020】
また、前記呼吸信号生成部は、前記心電図信号および前記インピーダンス信号に基づいて前記対象者の呼吸信号を生成することができる。
【0021】
また、前記呼吸信号生成部は、前記インピーダンス信号に基づいて前記対象者の呼吸信号を生成し、前記呼吸信号生成部は、前記心電図信号に基づいて前記生成された呼吸信号を変更することができる。
【0022】
また、前記呼吸信号生成部は、前記心電図信号に基づいて前記対象者の測定誤謬イシューが発生したと判断する場合、前記生成された呼吸信号を変更することができる。
【0023】
また、前記心電図信号生成部は、前記呼吸信号に基づいて前記生成された心電図信号を変更することができる。
【0024】
また、前記心電図信号生成部は、前記測定された信号に基づいて前記対象者の心電図信号および前記対象者の心臓病関連信号を生成し、前記呼吸信号に基づいて前記心臓病関連信号を変更することができる。
【0025】
また、前記出力部は、前記心電図信号と前記呼吸信号を一つのディスプレイ装置に同時に表示することができる。
【0026】
一方、本願の一実施例による呼吸信号出力方法は、対象者の身体に付着した少なくとも二つ以上の電極間の信号を測定する段階と、前記測定された信号に基づいて前記対象者の心電図信号を生成する段階と、前記測定された信号に基づいて前記対象者の呼吸信号を生成する段階と、前記心電図信号および前記呼吸信号を出力する段階とを含むことができる。
【0027】
また、前記少なくとも二つ以上の電極間の信号はインピーダンス信号であり、前記呼吸信号を生成する段階は、前記インピーダンス信号に基づいて前記呼吸信号を生成することができる。
【0028】
また、前記インピーダンス信号は、前記対象者の呼吸時に前記対象者の筋肉の収縮と膨脹によって変わるインピーダンス変化を示すものであり、前記呼吸信号を生成する段階は、所定時間間隔に含まれた前記インピーダンス信号の複数の変化値のうち所定臨界値より大きい変化値の回数を検出し、前記検出された回数に基づいて前記対象者の呼吸数として決めることであり、前記呼吸信号は前記呼吸数を含むことができる。
【0029】
また、前記呼吸信号を生成する段階は、前記心電図信号および前記インピーダンス信号に基づいて前記対象者の呼吸信号を生成することができる。
【0030】
また、前記出力する段階は、前記心電図信号と前記呼吸信号を一つのディスプレイ装置に同時に表示することができる。
【0031】
また、前記呼吸信号を生成する段階は、前記インピーダンス信号に基づいて対象者の呼吸信号を生成し、前記呼吸信号を生成する段階は、前記心電図信号に基づいて前記生成された呼吸信号を変更することができる。
【0032】
上述した課題解決手段は単に例示的なもので、本願を制限しようとする意図で解釈されてはならない。上述した例示的な実施例の他にも、図面および発明の詳細な説明に追加的な実施例が存在することができる。
【発明の効果】
【0033】
前述した本願の課題解決手段によると、着用型心電計の内臓センサを通じてインピーダンス変化を感知することで、呼吸流パラメータを測定して使用の不便さなく肺活量計の機能を行うウェアラブル機器を提供することができるという効果がある。
【0034】
また、着用型心電計を通じて得る連続的な呼吸パラメータ情報は、医療陣が家庭呼吸リハビリを進行する患者を容易にモニタリングすることができる。
【0035】
また、着用型心電計が測定する呼吸情報は、時間による呼吸数の変化をグラフで示すため、医療陣が家庭呼吸リハビリを進行する患者をモニタリングする時、リアルタイムだけでなく決められたリハビリ以後の時間にも患者がリハビリを行ったか否かとそれによる効果を評価することができる。
【0036】
但し、本願で得られる効果は、上記のような効果に限定されず、また他の効果が存在することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本願の一実施例による呼吸信号出力システムの概略的な構成図である。
【
図2】本願の一実施例による呼吸信号出力デバイスの構成を示した図面である。
【
図3】本願の一実施例による呼吸信号出力デバイスの概略的なブロック図である。
【
図4】本願の一実施例による呼吸信号出力デバイスにおいてインピーダンスを測定する電極を示した図面である。
【
図5】本願の一実施例による心電図信号および呼吸情報をディスプレイ装置に出力した結果を例示的に示した図面である。
【
図6】本願の一実施例による呼吸信号出力方法に対する動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下では、添付の図面を参照して本願が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、本願の実施例を詳しく説明する。しかし、本願は、様々な異なる形態で具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されない。そして、図面で本願を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて類似した部分については類似した図面符号をつけた。
【0039】
本願明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているとすると、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。
【0040】
本願明細書全体において、ある部材が他の部材「上に」、「上部に」、「上端に」、「下に」、「下部に」、「下端に」位置しているとすると、これは、ある部材が他の部材に接している場合だけでなく、二つの部材間にまた他の部材が存在する場合も含む。
【0041】
本願明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とすると、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0042】
本願は、呼吸信号出力デバイス10および方法に関するものである。
【0043】
図1は、本願の一実施例による呼吸信号出力システム1000の概略的な構成図である。
【0044】
図1を参照すると、本願の一実施例による呼吸信号出力システム1000は、本願の実施例による呼吸信号出力デバイス10およびディスプレイ装置30を含むことができる。また、呼吸信号出力システム1000の呼吸信号出力デバイス10は、電極信号測定部110、心電図信号生成部130、呼吸信号生成部120および出力部140を含むことができる。
【0045】
本願の実施例に関する説明において、ディスプレイ装置30は、対象者の心臓病関連情報、肺活量情報、家庭呼吸リハビリ情報、呼吸情報などの各種の情報を獲得して出力するための装置であることができる。例えば、ディスプレイ装置30は、呼吸信号出力デバイス10を操作する対象者が保有した装置であるか、呼吸信号出力デバイス10が出力する情報をモニタリングする地位にある管理者が保有(所有)した装置などであることができる。他の例として、ディスプレイ装置30は、呼吸信号出力デバイス10に対して一体で設けられ、呼吸信号出力デバイス10に対する対象者健康情報を受信するための入力インターフェース、各種の情報を出力するための出力インターフェースを備えた使用者操作モジュールを指称するものであることができる。
【0046】
呼吸信号出力デバイス10およびディスプレイ装置30の相互間は、ネットワーク20を介して通信することができる。ネットワーク20は、端末およびサーバのようなそれぞれのノード相互間に情報交換が可能な連結構造を意味するもので、このようなネットワーク20の一例としては、3GPP(登録商標)(3rd Generation Partnership Project)ネットワーク、LTE(Long Term Evolution)ネットワーク、5Gネットワーク、WIMAX(登録商標)(World Interoperability for Microwave Access)ネットワーク、インターネット(Internet)、LAN(Local Area Network)、Wireless LAN(Wireless Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、PAN(Personal Area Network)、wifiネットワーク、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))ネットワーク、衛星放送ネットワーク、アナログ放送ネットワーク、DMB(Digital Multimedia Broadcasting)ネットワークなどが含まれるが、これに限定されない。
【0047】
図2は、本願の一実施例による呼吸信号出力デバイス10の構成を示した図面である。
【0048】
図2を参照すると、本願の一実施例による呼吸信号出力デバイス10は、少なくとも二つ以上の突出電極を含むウェアラブル機器と、少なくとも二つ以上の突出電極に電気的に連結される接触電極を含む電極パッチで構成されることができる。
【0049】
ウェアラブル機器は、円形、楕円形、直四角形状の平面形形態または円筒状、三角柱形状などを含む多面体の形態で形成されることができ、その使用目的および適用分野に合わせて多様な形態で提供されることができる。ウェアラブル機器の形状は、図面に限定されるものではなく、電極パッチの接触電極と接するように突出電極が形成可能な一面を有する形状であればいずれも適用可能である。
【0050】
本発明の一実施例において、電極パッチは、対象者の身体に付着してウェアラブル機器と電気的に連結される構成であり、内部に配線が形成された可撓性を有する材料からなることができる。これにより、電極パッチは、自由に撓うか曲げられるようになるため、屈曲を有する身体に容易に付着することができる。
【0051】
図3は、本願の一実施例による呼吸信号出力デバイス10の概略的なブロック図である。
【0052】
本願の一実施例による呼吸信号出力デバイス10は、対象者の身体に付着した少なくとも二つ以上の電極間の信号を測定する電極信号測定部110、測定された信号に基づいて対象者の呼吸信号を生成する呼吸信号生成部120、測定された信号に基づいて対象者の心電図信号を生成する心電図信号生成部130、心電図信号および呼吸信号を出力する出力部140を含むことができる。
【0053】
本願の一実施例によると、電極信号測定部110は、対象者の身体に付着した少なくとも二つ以上の電極間の信号を測定することができる。
【0054】
具体的に、電極信号測定部110は、少なくとも二つ以上の電極間のインピーダンス信号を測定することができる。
【0055】
また、吸気時には、体液量に比べて胸部のガス量が増加して伝導度を減少させ、吸気の間に伝導経路の長さは増加してインピーダンスを増加させることができる。インピーダンスの変化(すなわち、呼吸インピーダンス)は、電流注入時に変化する電圧成分を生成し、可変電圧構成要素を通じて対象者の呼吸情報を決めることができる。
【0056】
本願の一実施例によると、呼吸信号生成部120は、測定された二つ以上の電極間の信号に基づいて対象者の呼吸信号を生成することができる。
【0057】
具体的に、呼吸信号生成部120は、インピーダンス信号に基づいて呼吸信号を生成することができる。インピーダンス信号は、相対的に一定の値であるベースラインインピーダンスに基づいて対象者の呼吸時に筋肉の収縮と膨脹によって変わるインピーダンス変化を示す信号であることができる。
【0058】
また、呼吸信号生成部120は、所定時間間隔に含まれたインピーダンス信号の複数の変化値のうち所定臨界値より大きい変化値の回数を検出し、検出された回数に基づいて対象者の呼吸数を決めることで、呼吸信号に呼吸数を含むことができる。
【0059】
具体的に、呼吸信号生成部120は、所定の時間の間に所定の周期で変化された複数のインピーダンス信号を測定して各周期で測定されたインピーダンス信号の大きさが臨界値以上の場合、臨界値を超えた回数をカウントし、逆に、測定されたインピーダンス信号の大きさが臨界値以下の場合、回数をカウントしないことで呼吸数を決め、呼吸信号を生成することができる。
【0060】
また、呼吸信号生成部120は、心電図信号およびインピーダンス信号に基づいて対象者の呼吸信号を生成することができる。
【0061】
具体的に、呼吸信号生成部120は、心電図信号およびインピーダンス信号に基づいて対象者の呼吸充分指数、分当たり換気数、呼吸数、一日呼吸量、吸気パラメータ、呼気パラメータ、呼吸量および呼吸気流のうち少なくとも一つを含む呼吸パラメータに関する呼吸信号を生成することができる。
【0062】
また、呼吸信号生成部120は、時間経過による心電図信号およびインピーダンス信号に基づいてそれぞれの呼吸パラメータに対応する呼吸信号を生成することができる。
【0063】
また、呼吸信号生成部120は、心電図信号に基づいて生成された呼吸信号を変更することができる。
【0064】
具体的に、呼吸信号生成部120は、心電図信号の間隔と強度に基づいて変化量の大きい呼吸パラメータの手順に従って第1呼吸信号と第2呼吸信号に変更することができる。
【0065】
例えば、不規則な心臓拍動、低心拍数または高心拍数の心電図信号が測定される場合、変化量が最大の呼吸数を第1呼吸信号に変更して、次に変化量が大きい呼吸量を第2呼吸信号に変更することができる。
【0066】
また、呼吸信号生成部120は、心電図信号に基づいて対象者の測定誤謬イシューが発生したと判断する場合、生成された呼吸信号を変更することができる。
【0067】
例えば、呼吸信号生成部120は、不規則な心臓搏動、低心拍数または高心拍数の心電図信号が測定される場合、生成された呼吸信号の再測定を要請する呼吸信号に変更することができる。
【0068】
本願の一実施例によると、心電図信号生成部130は、測定された二つ以上の電極間の信号に基づいて対象者の心電図信号を生成することができる。
【0069】
具体的に、心電図信号生成部130は、予め設定された時間の間に二つ以上の電極から測定されるインピーダンスの変化による電圧値の変化に基づいて対象者の心電図信号を生成することができる。
【0070】
また、獲得された心電図信号の波形のうち臨界範囲に属する信号が予め設定された時間の間に発生する波形が存在すると、当該波形に対応する信号、すなわち、既設定された特徴条件を満たす波形に対応する信号を非正常心電図信号の可能性がある非正常疑い心電図信号として判断することができる。
【0071】
また、心電図信号生成部130は、呼吸信号に基づいて生成した心電図信号を変更することができる。
【0072】
具体的に、心電図信号生成部130は、呼吸信号に含まれたそれぞれのパラメータに基づいて正常心電図信号である第1心電図信号と非正常心電図信号である第2心電図信号に変更することができる。
【0073】
例えば、それぞれの呼吸パラメータが予め設定された範囲内に測定される呼吸信号の場合、心電図信号を正常心電図信号である第1心電図信号に変更し、それぞれの呼吸パラメータが予め設定された範囲から外れる呼吸信号が測定される場合、心電図信号を非正常心電図信号である第2心電図信号に変更することができる。
【0074】
また、心電図信号生成部130は、測定された信号に基づいて対象者の心電図信号および対象者の心臓病関連信号を生成し、呼吸信号に基づいて心臓病関連信号を変更することができる。
【0075】
具体的に、心電図信号生成部130は、呼吸信号出力デバイス10から獲得された心電図信号のうち第1電圧値以上、第2電圧値以下の電気信号が予め設定された時間の間に発生すると、当該信号を非正常疑い心電図信号として判断し、心臓病関連信号を生成することができる。
【0076】
また、非正常疑い心電図信号であると1次判断された後、心電図信号生成部130は、データベース(図示せず)に既格納された複数の呼吸信号データと複数の非正常心電図信号の波形データおよび非正常疑い心電図信号の波形データの間の類似度の比較に基づいて、非正常疑い心電図信号が非正常心電図信号であるかを2次判断することができる。心電図信号生成部130は、2次判断結果と呼吸信号に基づいて心臓病関連信号を変更することができる。
【0077】
本願の一実施例によると、出力部140は、心電図信号および呼吸信号を出力することができる。
【0078】
具体的に、出力部140は、呼吸信号出力デバイス10を操作する対象者が保有した装置または呼吸信号出力デバイス10が出力する情報をモニタリングする管理者が保有したディスプレイ装置30に心電図信号および呼吸信号を出力することができる。
【0079】
また、出力部140は、心電図信号と呼吸信号を一つのディスプレイ装置30に同時に表示することができる。
【0080】
これと関連して、
図5は、本願の一実施例による心電図信号および呼吸情報をディスプレイ装置30に出力した結果を例示的に示した図面である。
【0081】
図5の(a)を参照すると、例えば、出力部140は、呼吸信号出力デバイス10を通じて測定された心電図信号および連続的な呼吸数情報を出力することができる。
【0082】
具体的に、出力部140は、心電図変化および呼吸信号に含まれたそれぞれの呼吸パラメータをディスプレイ装置30に出力することができる。
【0083】
また、
図5の(b)を参照すると、出力部140は、呼吸信号出力デバイス10を通じて測定された時間による呼吸数の変化を出力することができる。
【0084】
具体的に、出力部140は、時間による呼吸信号に含まれたそれぞれの呼吸パラメータの変化をディスプレイ装置30に出力することができる。
【0085】
また、出力部140は、使用者入力によって所定の値に設定されたそれぞれの呼吸パラメータに対して設定値以上または未満の呼吸パラメータが容易に識別されるように他の呼吸パラメータより優先してディスプレイ装置30に出力することができる。
【0086】
上記のような構成により、使用者は、健康異常信号区間を設定することができるだけでなく、一画面にディスプレイされた心電図信号および呼吸信号を基準として参考して、より正確に患者をモニタリングすることができる。
【0087】
図6は、本願の一実施例による呼吸信号出力方法に対する動作フローチャートである。
【0088】
図6に示した呼吸信号出力方法は、上述した呼吸信号出力デバイス10によって行われることができる。よって、以下省略した内容であるとしても、呼吸信号出力デバイス10について説明された内容は、呼吸信号出力方法に対する説明にも同様に適用されることができる。
【0089】
図6を参照すると、段階S601において、電極信号測定部110は、対象者の身体に付着した少なくとも二つ以上の電極間の信号を測定することができる。
【0090】
次に、段階S602において、呼吸信号生成部120は、測定された信号に基づいて対象者の呼吸信号を生成することができる。
【0091】
次に、段階S603において、心電図信号生成部130は、測定された信号に基づいて対象者の心電図信号を生成することができる。
【0092】
次に、段階S604において、出力部140は、心電図信号および呼吸信号を出力することができる。
【0093】
上述した説明において、段階S601~S604は、本願の具現例によって、追加的な段階にさらに分割されるか、さらに少ない段階で組み合わせられることができる。また、一部段階は必要に応じて省略されてもよく、段階間の手順が変更されてもよい。
【0094】
本願の一実施例による呼吸信号出力方法は、多様なコンピュータ手段を通じて行われることができるプログラム命令形態で具現されてコンピュータ読取可能媒体に記録されることができる。上記コンピュータ読取可能媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含むことができる。上記媒体に記録されるプログラム命令は、本発明のために特に設計されて構成されたものであるか、コンピュータソフトウェア当業者に公知されて使用可能なものであってもよい。コンピュータ読取可能記録媒体の例としては、ハードディスク、プロッピィーディスクおよび磁気テープのような磁気媒体(magnetic media)、CD-ROM、DVDのような光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気-光媒体(magneto-optical media)、およびロム(ROM)、ラム(RAM)、フラッシュメモリー(登録商標)などのようなプログラム命令を格納し行うように特に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例としては、コンパイラーにより作られるもののような機械語コードだけでなく、インタプリターなどを使用してコンピュータによって実行されることができる高級言語コードを含む。上記のハードウェア装置は、本発明の動作を行うために一つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成されることができ、その反対も同一である。
【0095】
また、前述した呼吸信号出力方法は、記録媒体に格納されるコンピュータにより実行されるコンピュータプログラムまたはアプリケーションの形態でも具現されることができる。
【0096】
前述した本願の説明は例示のためのものであり、本願が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本願の技術的思想や必須的な特徴を変更せずに他の具体的な形態に容易に変形可能なことが理解できるであろう。従って、以上で記述した実施例は、全ての面で例示的なものであり、限定的ではないと理解すべきである。例えば、単一型で説明されている各構成要素は分散して実施されてもよく、同様に分散したもので説明されている構成要素も結合された形態で実施されてもよい。
【0097】
本願の範囲は、上記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって表され、特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその均等概念から導出される全ての変更または変形された形態が本願の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【国際調査報告】