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特表2024-506459ATSC 3.0リアルタイム放送モバイルアプリケーションのための高速チャネル変更を含む長期間誤り訂正
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】ATSC 3.0リアルタイム放送モバイルアプリケーションのための高速チャネル変更を含む長期間誤り訂正
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/4425 20110101AFI20240206BHJP
   H04N 21/438 20110101ALI20240206BHJP
   H04N 21/437 20110101ALI20240206BHJP
   H04L 65/611 20220101ALI20240206BHJP
   H04H 40/18 20080101ALI20240206BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240206BHJP
【FI】
H04N21/4425
H04N21/438
H04N21/437
H04L65/611
H04H40/18
H04W84/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540728
(86)(22)【出願日】2022-01-01
(85)【翻訳文提出日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 IB2022050001
(87)【国際公開番号】W WO2022144857
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】17/141,155
(32)【優先日】2021-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.UNIX
2.JAVASCRIPT
3.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】キャンデロア ブラント
【テーマコード(参考)】
5C164
5K067
【Fターム(参考)】
5C164FA04
5C164FA08
5C164TA15S
5C164UA04S
5C164UB21P
5C164UB26P
5C164UB42P
5C164YA25
5K067AA21
(57)【要約】
高度テレビジョンシステム委員会(ATSC)3.0テレビジョンプロトコルを使用して、モバイル受信機にTV番組をロバストに配信(400)しながら、誤り訂正(408)を確実にするための技術を説明する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルテレビジョン(TV)システムであって、
少なくとも1つのモバイル受信機を含み、前記少なくとも1つのモバイル受信機は、少なくとも1つのプロセッサを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、
第1のデジタルTV放送ストリームを受信し、
第1のストリームを提示する前に、前記第1のストリームの少なくとも1つの期間を少なくとも1つのバッファに記憶し、
前記第1のストリームにおける少なくとも1つのパケット不一致を識別し、
少なくとも1つのバックチャネルソースに、前記パケット不一致を直すためのデータを要求し、
前記バックチャネルソースから前記データを受け取り、
前記バッファに前記データを挿入して、前記パケット不一致を直し、
前記バッファから前記第1のストリームを再生する、
ための命令でプログラムされる、
ことを特徴とするデジタルTVシステム。
【請求項2】
前記バックチャネルソースは、少なくとも1つの無線電話ネットワークを含むことを特徴とする、請求項1に記載のデジタルTVシステム。
【請求項3】
前記バックチャネルソースは、少なくとも1つのWi-Fiソースを含むことを特徴とする、請求項1に記載のデジタルTVシステム。
【請求項4】
前記パケット不一致は、欠落パケットを含むことを特徴とする、請求項1に記載のデジタルTVシステム。
【請求項5】
前記パケット不一致は、破損パケットを含むことを特徴とする、請求項1に記載のデジタルTVシステム。
【請求項6】
前記命令は、前記第1のストリームをバッファするのと同時に、少なくとも第2のストリームをバッファするように実行可能であることを特徴とする、請求項1に記載のデジタルTVシステム。
【請求項7】
前記第2のストリームは、前記第1のストリームを含む多重化で受信されることを特徴とする、請求項6に記載のデジタルTVシステム。
【請求項8】
前記第1のストリームは、前記モバイル受信機の第1のチューナにおいて受信され、前記第2のストリームは、前記モバイル受信機の第2のチューナにおいて受信されることを特徴とする、請求項6に記載のデジタルTVシステム。
【請求項9】
前記命令は、
新たなチャネルを提示するためのチャネル変更コマンドを受け取り、
前記チャネル変更コマンドに応答して、前記新たなチャネルと関連付けられるパケットが前記バッファ内に存在するかどうかを判断し、
前記新たなチャネルと関連付けられるパケットが前記バッファ内に存在すると判断したことに応答して、前記バッファから前記新たなチャネルと関連付けられる前記パケットに直ちにアクセスして、前記新たなチャネルを提示し、
前記新たなチャネルと関連付けられるパケットが前記バッファ内に存在しないと判断したことに応答して、第1の期間よりも短い第2の期間にわたって、前記新たなチャネルのパケットをバッファすることを開始し、
前記新たなチャネルを提示する、
ように実行可能であることを特徴とする、請求項1に記載のデジタルTVシステム。
【請求項10】
前記命令は、
前記第1の期間にわたってバッファすべきストリームのセットに、前記新たなチャネルを追加すべきかどうかを判断し、
前記第1の期間にわたってバッファすべき前記ストリームのセットに、前記新たなチャネルを追加すべきであると識別したことに応答して、前記セットに前記新たなチャネルを追加する、
ように実行可能であることを特徴とする、請求項9に記載のデジタルTVシステム。
【請求項11】
前記命令は、
少なくとも1つのルートと関連付けられる少なくとも1つの機能停止期間を識別することであって、前記機能停止期間は、放送デジタルTVを受信できない期間である、ことと、
前記機能停止期間に少なくとも部分的に基づいて、第1の期間を確立することと、
を行うように実行可能であることを特徴とする、請求項1に記載のデジタルTVシステム。
【請求項12】
前記デジタルテレビジョンシステムは、少なくとも1つの高度テレビジョンシステム委員会(ATSC)3.0システムを含むことを特徴とする、請求項1に記載のデジタルTVシステム。
【請求項13】
前記命令は、
前記モバイル受信機上でのデジタルTVの提示を停止するためのコマンドを受け取り、
前記提示を停止するためのコマンドに応答して、前記バッファに少なくとも1つのデジタルTVストリームをバッファし続け、
前記モバイル受信機上でのデジタルTVの再生を開始するためのコマンドを受け取り、
前記再生を開始するためのコマンドに応答して、再生すべきストリームと関連付けられるパケットが前記バッファ内に存在するかどうかを識別し、
前記再生すべきストリームと関連付けられるパケットが前記バッファ内に存在しないと判断したことに応答して、第1の期間よりも短い第2の期間にわたって、前記再生すべきストリームのパケットをバッファすることを開始し、
前記バッファから前記再生すべきストリームを再生し、
前記第2の期間よりも長い期間を含む前記再生すべきストリームの複製バッファを作成し、
前記複製バッファ内のパケットの再生に選択的に切り替える、
ように実行可能であることを特徴とする、請求項1に記載のデジタルTVシステム。
【請求項14】
アセンブリであって、
デジタルテレビジョンの少なくとも1つのモバイル受信機と、
前記モバイル受信機によってOTAソースから受信可能な無線デジタルTV信号の少なくとも1つのデジタルテレビジョンオーバージエア(over-the-air)(OTA)ソースと、
前記モバイル受信機によってバックチャネルソースから受信可能な無線デジタルTV置き換えコンテンツの少なくとも1つのバックチャネルソースであって、前記バックチャネルソースは、少なくとも1つの無線電話ネットワーク、又は少なくとも1つのWi-Fiソース、又は無線電話ネットワーク及びWi-Fiソースの両方を含む、少なくとも1つのバックチャネルソースと、
を含むことを特徴とするアセンブリ。
【請求項15】
前記バックチャネルソースは、少なくとも1つの無線電話ネットワークを含むことを特徴とする、請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記バックチャネルソースは、少なくとも1つのWi-Fiソースを含むことを特徴とする、請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項17】
方法であって、
少なくとも1つのモバイル受信機にデジタルTV信号を放送するステップと、
携帯電話ネットワーク又はWi-Fiソースから前記モバイル受信機に、前記デジタルTV信号における欠陥又は損失パケットに対する置き換えパケットを送信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
携帯電話ネットワークから前記モバイル受信機に、前記デジタルTV信号における欠陥又は損失パケットに対する置き換えパケットを送信するステップを含むことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
Wi-Fiソースから前記モバイル受信機に、前記デジタルTV信号における欠陥又は損失パケットに対する置き換えパケットを送信するステップを含むことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記デジタルTV信号は、高度テレビジョンシステム委員会(ATSC)3.0信号を含むことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、コンピュータ技術に必然的に根付きかつデジタルテレビジョンを対象とする技術的進歩に関し、特に、高度テレビジョンシステム委員会(ATSC)3.0に関する。
【背景技術】
【0002】
高度テレビジョンシステム委員会(ATSC)3.0規格の組は、次世代の放送テレビジョンを配信するためのATSC A/300に示されるような十数個の業界技術標準のセットである。ATSC 3.0は、超高精細テレビジョンから無線電話まで、以下に限定するわけではないが、テレビ放映ビデオ、インタラクティブサービス、データの非リアルタイム配信、及び多数の受信デバイスに合わせた広告を含む広範囲なテレビジョンサービスの配信をサポートする。ATSC 3.0は、また、ブロードキャストコンテンツ(「オーバージエア(over the air)」と呼ばれる)と、関連するブロードバンド配信コンテンツ及びサービス(「オーバーザトップ(over the top)」と呼ばれる)との間の協調を調整する。ATSC 3.0は、技術が発展するにつれて、任意の関連する技術標準の全面的な見直しを必要とすることなく、進歩を容易に組み込むことができるようにフレキシブルであるように設計される。本原理は、後述するようなこのような進歩を目的とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本明細書で理解されるように、モバイル受信機によるATSC 3.0信号の受信は、オーバーパス、トンネル、山、及び高いビルに起因する信号の損失又は減衰によって損なわれる可能性がある。信号の損失は何分にもわたる可能性がある。更に、ATSC 3.0は、信号に対する多くの知覚された障害を克服するために変調スキームの一部として誤り訂正を提供するが、信号が1秒以上損失された場合、画像の完全な損失が生じる可能性がある。
【0004】
本明細書で更に認識されるように、メモリ及び処理能力が日々安価になってきている。したがって、本原理は、インフラストラクチャを利用して、これにより、受信デバイス(例えばモバイルTV)が、ブロードキャスタに、受信機の大きい(10~15分)バッファ内の欠落又は破損パケットに取って代わるためのパケットを要求できるようにする。5G又は4Gなどの携帯電話システムなどのバックチャネルから、置き換えパケットを受け取ることができるか、又は利用可能な場合には、バックチャネルをWi-Fiとすることもできる。
【0005】
大きいバッファの使用によるチャネル変更待ち時間に対処するために、現在同調しているチャネルと同じ多重化で複数のチャネルをバッファして、チャネル変更に応答して直ちに同調することができる。或いは、(2次チューナを通じて受信される)異なる多重化で複数のチャネルをバッファすることができる。複数のアンテナを使用して、(同じ正確な信号の代わりに)複数の異なる信号への同調及びそれらのバッファリングを可能にして、エラーのない迅速なチャネル変更機能を実行することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、デジタルテレビジョン(TV)システムは、少なくとも1つのモバイル受信機を含み、前記少なくとも1つのモバイル受信機は、少なくとも1つのプロセッサを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、第1のデジタルTV放送ストリームを受信するための命令でプログラムされる。前記命令は、第1のストリームを提示する前に、前記第1のストリームの少なくとも1つの期間を少なくとも1つのバッファに記憶するように実行可能である。更に、前記命令は、前記第1のストリームにおける少なくとも1つのパケット不一致を識別し、少なくとも1つのバックチャネルソースに、前記パケット不一致を直すためのデータを要求するように実行可能である。前記命令は、前記バックチャネルソースから前記データを受け取り、前記バッファに前記データを挿入して、前記パケット不一致を直し、前記バッファから前記第1のストリームを再生するように実行可能である。
【0007】
例示的な実施形態では、前記バックチャネルソースは、少なくとも1つの無線電話ネットワーク及び/又は少なくとも1つのWi-Fiソースを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記パケット不一致は、欠落パケット及び/又は破損パケットを含む。
【0009】
非限定的な例では、前記命令は、前記第1のストリームをバッファするのと同時に、少なくとも第2のストリームをバッファするように実行可能とすることができる。前記第2のストリームは、前記第1のストリームを含む多重化で受信されることができる。又は、前記第1のストリームは、前記モバイル受信機の第1のチューナにおいて受信されることができ、前記第2のストリームは、前記モバイル受信機の第2のチューナにおいて受信されることができる。
【0010】
いくつかの例では、前記命令は、新たなチャネルを提示するためのチャネル変更コマンドを受け取るように実行可能とすることができる。これらの例では、前記命令は、前記チャネル変更コマンドに応答して、前記新たなチャネルと関連付けられるパケットが前記バッファ内に存在するかどうかを判断し、前記新たなチャネルと関連付けられるパケットが前記バッファ内に存在すると判断したことに応答して、前記バッファから前記新たなチャネルと関連付けられる前記パケットに直ちにアクセスして、前記新たなチャネルを提示するように実行可能とすることができる。前記命令は、前記新たなチャネルと関連付けられるパケットが前記バッファ内に存在しないと判断したことに応答して、第1の期間よりも短い第2の期間にわたって、前記新たなチャネルのパケットをバッファすることを開始するように実行可能とすることができる。前記命令は、前記新たなチャネルを提示するように実行可能とすることができる。
【0011】
更に、これらの最後の例では、前記命令は、前記第1の期間にわたってバッファすべきストリームのセットに、前記新たなチャネルを追加すべきかどうかを判断し、前記第1の期間にわたってバッファすべき前記ストリームのセットに、前記新たなチャネルを追加すべきであると識別したことに応答して、前記セットに前記新たなチャネルを追加する、ように実行可能とすることができる。
【0012】
非限定的な実施形態では、前記命令は、少なくとも1つのルートと関連付けられる少なくとも1つの機能停止期間を識別するように実行可能である。前記機能停止期間は、放送デジタルTVを受信できない期間とすることができる。前記命令は、前記機能停止期間に少なくとも部分的に基づいて、第1の期間を確立するように実行可能とすることができる。
【0013】
非限定的な実施形態では、前記命令は、前記モバイル受信機上でのデジタルTVの提示を停止するためのコマンドを受け取るように実行可能とすることができる。前記命令は、前記提示を停止するためのコマンドに応答して、前記バッファに少なくとも1つのデジタルTVストリームをバッファし続けるように実行することができる。前記命令は、前記モバイル受信機上でのデジタルTVの再生を開始するためのコマンドに応答して、再生すべきストリームと関連付けられるパケットが前記バッファ内に存在するかどうかを識別し、前記再生すべきストリームと関連付けられるパケットが前記バッファ内に存在しないと判断したことに応答して、第1の期間よりも短い第2の期間にわたって、前記再生すべきストリームのパケットをバッファすることを開始するように実行可能とすることができる。前記命令は、前記バッファから前記再生すべきストリームを再生し、前記第2の期間よりも長い期間を含む前記再生すべきストリームの複製バッファを作成し、前記複製バッファ内のパケットの再生に選択的に切り替えるように更に実行可能とすることができる。
【0014】
別の態様では、アセンブリは、デジタルテレビジョンの少なくとも1つのモバイル受信機と、前記モバイル受信機によってOTAソースから受信可能な無線デジタルTV信号の少なくとも1つのデジタルテレビジョンオーバージエア(OTA)ソースと、前記モバイル受信機によってバックチャネルソースから受信可能な無線デジタルTV置き換えコンテンツの少なくとも1つのバックチャネルソースと、を含む。前記バックチャネルソースは、少なくとも1つの無線電話ネットワーク、又は少なくとも1つのWi-Fiソース、又は無線電話ネットワーク及びWi-Fiソースの両方を含む。
【0015】
別の態様では、方法は、少なくとも1つのモバイル受信機にデジタルTV信号を放送するステップと、携帯電話ネットワーク又はWi-Fiソースから前記モバイル受信機に、前記デジタルTV信号における欠陥又は損失パケットに対する置き換えパケットを送信するステップと、を含む。
【0016】
本出願の詳細は、その構造及び動作の両方について、同様の要素を同じ参照符号で示す添付図面を参照して最も良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】高度テレビジョンシステム委員会(ATSC)3.0システムのブロック図である。
図2図1に示すデバイスのコンポーネントを示すブロック図である。
図3】モバイル受信機と、OTA ATSC 3.0ソースと、訂正されたパケットのバックチャネルソースとを含む例示的なアセンブリを示す図である。
図4】モバイル受信機によって実行されるバッファリング及び誤り訂正のための例示的なフローチャートフォーマットにおける例示的なロジックを示す図である。
図5】モバイル受信機によって実行されるバッファリング及び誤り訂正のための例示的なフローチャートフォーマットにおける例示的なロジックを示す図である。
図6】ルートに沿った予想される機能停止エリアに基づいてバッファサイズを動的に確立するための例示的なフローチャートフォーマットにおける例示的なロジックを示す図である。
図7】モバイル受信機のコールドスタートのための例示的なフローチャートフォーマットにおける例示的なロジックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、高度テレビジョンシステム委員会(ATSC)3.0テレビジョンなどのデジタルテレビジョンの技術的進歩に関する。本明細書の例示的なシステムは、互いにデータをやりとりできるように放送を介して及び/又はネットワークを介して接続されたATSC 3.0ソースコンポーネント及びクライアントコンポーネントを含むことができる。クライアントコンポーネントは、ポータブルテレビ(例えば、スマートTV、インターネット対応TV)、ラップトップコンピュータ及びタブレットコンピュータなどのポータブルコンピュータ、並びにスマートフォン及び後述する更なる例を含むその他のモバイルデバイスを含む1又は2以上のコンピュータデバイスを含むことができる。これらのクライアントデバイスは、様々な動作環境で動作することができる。例えば、クライアントコンピュータの一部は、一例として、Microsoft社製のオペレーティングシステム、又はUnixオペレーティングシステム、或いはApple Computer社又はGoogle社製のオペレーティングシステム(Android(登録商標)など)を使用することができる。これらの動作環境を用いて、Microsoft社又はGoogle社又はMozilla又はその他のブラウザプログラムによって作製された、後述するインターネットサーバによってホストされるウェブサイトにアクセスできるブラウザなどの1又は2以上のブラウジングプログラムを実行することができる。
【0019】
ATSC 3.0ソースコンポーネントは、放送送信コンポーネントとサーバ及び/又はゲートウェイとを含むことができ、これらは、インターネットなどのネットワークを介してデータを放送する及び/又はデータを送信するようにソースコンポーネントを構成する命令を実行する1又は2以上のプロセッサを含むことができる。クライアントコンポーネント及び/又はローカルATSC 3.0ソースコンポーネントは、Sony PlayStation(登録商標)などのゲーム機、パーソナルコンピュータなどによって例示することもできる。
【0020】
クライアントとサーバとの間では、ネットワークを介して情報を交換することができる。この目的及びセキュリティのために、サーバ及び/又はクライアントは、ファイヤウォール、ロードバランサ、一時記憶装置、及びプロキシ、並びに信頼性及びセキュリティを高めるその他のネットワークインフラを含むことができる。
【0021】
本明細書で使用する命令とは、システム内で情報を処理するためのコンピュータ実行ステップを意味する。命令は、ソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアに実装することができ、システムのコンポーネントが行うあらゆるタイプのプログラムステップを含むことができる。
【0022】
プロセッサは、アドレス回線、データ回線及び制御回線などの様々な回線、並びにレジスタ及びシフトレジスタによってロジックを実行できる汎用シングルチップ又はマルチチッププロセッサとすることができる。
【0023】
フローチャートによって説明するソフトウェアモジュール、及び本明細書におけるユーザインターフェイスは、様々なサブルーチン、手続きなどを含むことができる。本開示を限定することなく、特定のモジュールによって実行されるものとして開示するロジックは、他のソフトウェアモジュールに再分配し、及び/又は単一のモジュールに組み合わせ、及び/又は共有可能なライブラリ内で利用することもできる。フローチャートフォーマットを使用することができるが、ソフトウェアは、状態機械又は他の論理方法として実装することができると理解されたい。
【0024】
本明細書で説明する本原理は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせとして実装することができ、したがって、例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路及びステップについては、これらの機能面から説明する。
【0025】
上記で示唆したものに加え、論理ブロック、モジュール及び回路は、プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)などの他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲート又はトランジスタロジック、離散ハードウェアコンポーネント、又は本明細書で説明する機能を実行するように設計されたこれらのいずれかの組み合わせで実装又は実行することができる。プロセッサは、コントローラ、状態機械、又はコンピュータデバイスの組み合わせによって実装することができる。
【0026】
以下で説明する機能及び方法は、ソフトウェアで実装した場合、限定するわけではないが、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)-5、Java(登録商標)/Javascript、C#又はC++などの適当な言語で書くことができ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、電気的に消去可能プログラム可能リードオンリメモリ(EEPROM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、又はデジタル多用途ディスク(DVD)などの他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、又は取り外し可能なサムドライブなどを含む他の磁気ストレージデバイスなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶し、又はこれらを通じて伝送することができる。ある接続は、コンピュータ可読媒体を構築することができる。このような接続は、一例として、光ファイバ、同軸線、デジタル加入者回線(DSL)及びツイストペア線を含む有線ケーブルを含むことができる。
【0027】
1つの実施形態に含まれるコンポーネントを、他の実施形態においていずれかの適当な組み合わせで使用することもできる。例えば、本明細書において説明する及び/又は図に示す様々なコンポーネントのいずれかは、組み合わせ、置き換え、又は他の実施形態から除外することができる。
【0028】
「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム(同様に、「A、B又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」、及び「A、B、Cのうちの少なくとも1つを有するシステム」)」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとC全てなどを有するシステムを含む。
【0029】
図1を見ると、ATSC 3.0ソースコンポーネントの例は、「ブロードキャスタ機器(broadcaster equipment)」10と名付けられ、通常、直交周波数分割多重化(OFDM)を介して、1対多関係で、ATSC 3.0テレビジョンなどの複数の受信機14にテレビジョンデータを無線放送するためのオーバージエア(OTA)機器12を含むことができる。1又は2以上の受信機14は、Bluetooth(登録商標)、low energy Bluetooth、その他の近距離通信(NFC)プロトコル、赤外線(IR)などによって実装することができる短距離の典型的に無線リンク18を介して、リモートコントロール、タブレットコンピュータ、移動電話等などの1又は2以上のコンパニオンデバイス16と通信することができる。
【0030】
また、受信機14のうちの1又は2以上は、インターネットなどの有線及び/又は無線ネットワークリンク20を介して、通常、1対1関係で、ブロードキャスタ機器10のオーバーザトップ(OTT)機器22と通信することができる。OTA機器12は、OTT機器22と同じ場所に配置することができるか、又はブロードキャスタ機器10の2つの側12、22は、互いに遠隔であることができ、適切な手段を通じて互いに通信することができる。いずれの場合も、受信機14は、同調されたATSC 3.0テレビジョンチャネルを通じて、OTAで、ATSC 3.0テレビジョン信号を受信することができ、また、OTT(ブロードバンド)で、テレビジョンを含む関連コンテンツを受信することもできる。本明細書において全ての図で説明するコンピュータ化された装置は、図1及び図2で様々な装置について説明するコンポーネントの一部又は全てを含むことができることに留意されたい。
【0031】
ここで、図2を参照すると、図1に示すコンポーネントの例の詳細が分かる。図2は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実装することができる例示的なプロトコルスタックを示す。図2に示され、ブロードキャスタ側に適切であるように修正されるATSC 3.0プロトコルスタックを使用して、ブロードキャスタは、コンピュータネットワークを介して(本明細書では「ブロードバンド」及び「オーバーザトップ」(OTT)と呼ぶ)、及び無線放送を介して(本明細書では「ブロードキャスト」及び「オーバージエア」(OTA)と呼ぶ)、1又は2以上のプログラム要素が配信されるハイブリッドサービス配信を送信することができる。図2は、また、受信機によって実施することができるハードウェアを含む例示的なスタックを示す。
【0032】
ブロードキャスタ機器10に関して図2を開示すると、本明細書で説明する任意のメモリ又はストレージなどの1又は2以上のコンピュータ記憶媒体202にアクセスする1又は2以上のプロセッサ200は、最上位アプリケーション層204において1又は2以上のソフトウェアアプリケーションを提供するように実装することができる。アプリケーション層204は、例えば、ランタイム環境で実行するHTML5/Javascriptで書かれた1又は2以上のソフトウェアアプリケーションを含むことができる。限定するわけではないが、アプリケーションスタック204におけるアプリケーションは、リニアTVアプリケーション、インタラクティブサービスアプリケーション、コンパニオンスクリーンアプリケーション、パーソナライゼーションアプリケーション、緊急警報アプリケーション、及び使用レポートアプリケーションを含むことができる。アプリケーションは、通常、視聴者が経験する要素(ビデオ符号化、オーディオ符号化及びランタイム環境を含む)を表現するソフトウェアで実施される。一例として、ユーザがダイアログを制御し、代替のオーディオトラックを使用し、正規化及びダイナミックレンジなどのオーディオパラメータを制御できるようにするアプリケーションを提供することができる。
【0033】
アプリケーション層204の下に、プレゼンテーション層206が存在する。プレゼンテーション層206は、ブロードキャスト(OTA)側において、受信機で実装した場合、1又は2以上のディスプレイ及びスピーカ上で、オーディオビデオコンテンツを復号し再生して無線放送するメディア処理ユニット(MPU)208と呼ばれる放送オーディオ-ビデオ再生デバイスを含む。MPU208は、国際標準化機構(ISO)ベースメディアファイルフォーマット(BMFF)データ表現210と、例えばドルビーオーディオ圧縮(AC)-4フォーマットのオーディオを含む高効率ビデオ符号化(HEVC)におけるビデオとを提示するように構成される。ISO BMFFは、「セグメント」に分割される時間ベースのメディアファイル及びプレゼンテーションメタデータのための一般的なファイル構造である。ファイルの各々は、本質的に、タイプ及び長さを各々含むネストされたオブジェクトの集合である。復号化を容易にするために、MPU208は、ブロードキャスト側の暗号化メディア拡張(EME)/共通暗号化(CENC)モジュール212にアクセスすることができる。
【0034】
図2に更に示すように、ブロードキャスト側において、プレゼンテーション層206は、アプリケーション層204にアクセス可能な非リアルタイム(NRT)コンテンツ218を配信するために、モーションピクチャエキスパートグループ(MPEG)メディアトランスポートプロトコル(MMTP)シグナリングモジュール214、又は一方向転送を介したリアルタイムオブジェクト配信(ROUTE:real-time object delivery over unidirectional transport)シグナリングモジュール216のいずれかを含むシグナリングモジュールを含むことができる。NRTコンテンツは、以下に限定されるわけではないが、記憶された置き換え広告を含むことができる。ROUTEセッションに、オーディオビデオ(AV)ストリームが含まれる。ROUTEセッション内に、階層符号化トランスポート(LCT)チャネルがセットアップされる。各LCTチャネルは、ビデオ、オーディオ、キャプション、又は他のデータのいずれかを搬送する。
【0035】
ブロードバンド(OTT又はコンピュータネットワーク)側において、受信機によって実装された時に、プレゼンテーション層206は、インターネットからオーディオ-ビデオコンテンツを復号して再生するための、1又は2以上の、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)を介した動的適応ストリーミング(DASH:dynamic adaptive streaming over hypertext transfer protocol (HTTP))プレーヤ/デコーダ220を含むことができる。この目的のために、DASHプレーヤ220は、ブロードバンド側のEME/CENCモジュール222にアクセスすることができる。DASHコンテンツは、ISO/BMFFフォーマットでDASHセグメント224として提供することができる。
【0036】
ブロードキャスト側の場合と同様に、プレゼンテーション層206のブロードバンド側は、ファイル226にNRTコンテンツを含むことができ、また、再生シグナリングを提供するためのシグナリングオブジェクト228を含むこともできる。
【0037】
プロトコルスタックにおいてプレゼンテーション層206の下に、セッション層230が存在する。セッション層230は、ブロードキャスト側において、MMTPプロトコル232又はROUTEプロトコル234のいずれかを含む。
【0038】
ブロードバンド側において、セッション層230は、HTTP-secure (HTTP(S))として実装することができるHTTPプロトコル236を含む。セッション層230のブロードキャスト側は、HTTPプロキシモジュール238及びサービスリストテーブル(SLT)240を使用することもできる。SLT240は、基本サービスリスティングを構築してブロードキャストコンテンツのブートストラップ発見を提供するために使用されるシグナリング情報のテーブルを含む。ROUTEトランスポートプロトコルによってユーザデータグラムプロトコル(UDP)を介して配信される「ROUTEシグナリング」テーブルに、メディアプレゼンテーション記述(MPD)が含まれる。
【0039】
プロトコルスタックにおいてセッション層230の下に、低待ち時間で損失を許容する接続を確立するためのトランスポート層242が存在する。トランスポート層242は、ブロードキャスト側においてユーザデータグラムプロトコル(UDP)244を使用し、ブロードバンド側において伝送制御プロトコル(TCP)246を使用する。
【0040】
図2に示す例示的な非限定的なプロトコルスタックは、また、トランスポート層242の下にネットワーク層248を含む。ネットワーク層248は、両側において、IPパケット通信のためにインターネットプロトコル(IP)を使用し、ブロードキャスト側ではマルチキャスト配信が一般的であり、ブロードバンド側ではユニキャスト配信が一般的である。
【0041】
ネットワーク層248の下に、2つの側と関連付けられるそれぞれの物理媒体上で通信するためのブロードキャスト送信/受信機器252及びコンピュータネットワークインターフェイス254を含む物理層250が存在する。物理層250は、関連する媒体を介して転送するのに適するようにインターネットプロトコル(IP)パケットを変換し、前方誤り訂正機能を追加して受信機において誤り訂正を可能にすることができ、また、変調及び復調モジュールを含んで変調及び復調機能を組み込むこともできる。これは、長距離伝送のために及び帯域幅効率を向上させるために、ビットを記号に変換する。OTA側において、物理層250は、通常、直交周波数分割多重化(OFDM)を使用してデータを無線放送するための無線放送送信機を含み、一方、OTT側において、物理層250は、インターネットを介してデータを送信するためのコンピュータ送信コンポーネントを含む。
【0042】
ブロードバンド側において、プロトコルスタックにおいて様々なプロトコル(HTTP/TCP/IP)を通じて送信されるDASH Industry Forum (DASH-IF)プロファイルフォーマットのデータを使用することができる。ISO BMFFに基づくDASH-IFプロファイルフォーマットのデータにおけるメディアファイルは、ブロードキャスト配信及びブロードバンド配信の両方のために、配信メディアカプセル化及び同期化フォーマットとして使用することができる。
【0043】
各受信機14は、通常、ブロードキャスタ機器のプロトコルスタックに対して相補的なプロトコルスタックを含む。
【0044】
図1の受信機14は、図2に示すように、(TVを制御するセットトップボックスに相当する)ATSC 3.0 TVチューナ256を含むインターネット対応TVを含むことができる。受信機14は、Android(登録商標)ベースのシステムとすることができる。受信機14は、代替的に、コンピュータ化されたインターネット対応(「スマート」)電話機、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、コンピュータ化されたウェアラブルデバイスなどによって実装することができる。いずれにせよ、受信機14及び/又は本明細書で説明する他のコンピュータは、本原理を実施する(例えば、他のデバイスと通信して本原理を実施し、本明細書で説明するロジックを実行し、本明細書で説明する他のいずれかの機能及び/又は動作を実行する)ように構成されると理解されたい。
【0045】
したがって、受信機14は、このような原理を実施するために、図1に示すコンポーネントの一部又は全部によって構築することができる。例えば、受信機14は、高精細又は超高精細「4K」又はそれよりも高精細なフラットスクリーンによって実装でき、かつディスプレイへのタッチを介してユーザ入力信号を受け取るタッチ対応とすることができるか又はそうでなくてもよい1又は2以上のディスプレイ258を含むことができる。受信機14は、本原理に従ってオーディオを出力するための1又は2以上のスピーカ260と、例えば受信機14に可聴コマンドを入力して受信機14を制御するための、例えばオーディオ受信機/マイクロフォンなどの少なくとも1つの追加の入力デバイス262とを含むこともできる。例示的な受信機14は、1又は2以上のプロセッサ266の制御下でインターネット、WAN、LAN、PAN等などの少なくとも1つのネットワークを介して通信するための1又は2以上のネットワークインターフェイス264を更に含むことができる。したがって、インターフェイス264は、限定するわけではないが、メッシュネットワークトランシーバなどの無線コンピュータネットワークインターフェイスの一例であるWi-Fiトランシーバとすることができる。インターフェイス264は、以下に限定するわけではないが、Bluetooth(登録商標)トランシーバ、Zigbee(登録商標)トランシーバ、赤外線データ通信協会(IrDA)トランシーバ、無線USBトランシーバ、有線USB、有線LAN、Powerline又はMultimedia over Coax Alliance (MoCA)とすることができる。プロセッサ266は、例えば、画像を提示するようにディスプレイ258を制御することや、ディスプレイ258からの入力を受け取ることなどの、本明細書で説明する受信機14の他の要素を含めて本原理を実施するように受信機14を制御すると理解されたい。更に、ネットワークインターフェイス264は、例えば、有線又は無線モデム又はルータ、或いは無線電話トランシーバ、又は上述したようなWi-Fiトランシーバなどの他の適当なインターフェイスとすることができることに留意されたい。
【0046】
受信機14は、上述の内容に加えて、(有線接続を用いて)別のCEデバイスに物理的に接続するための高品位マルチメディアインターフェイス(HDMI)ポート又はUSBポートなどの1又は2以上の入力ポート268、及び/又は受信機14からヘッドホンを通じてユーザに音声を提示できるように受信機14にヘッドホンを接続するためのヘッドホンポートを含むこともできる。例えば、入力ポート268は、有線又は無線を介してオーディオビデオコンテンツのケーブル又は衛星ソースに接続することができる。したがって、ソースは、独立型又は一体型セットトップボックス、或いは衛星受信機とすることができる。或いは、ソースは、ゲーム機又はディスクプレーヤとすることもできる。
【0047】
受信機14は、場合によってはスタンドアロンデバイスとして、又は受信機のシャーシ内部又は外部のオーディオビデオ(AV)番組を再生するパーソナルビデオ録画デバイス(PVR)又はビデオディスクプレーヤとして、或いは取り外し可能な記憶媒体として受信機のシャーシ内に具体化された、一時的信号ではないディスク型ストレージ又は固体ストレージなどの1又は2以上のコンピュータメモリ270を更に含むことができる。また、いくつかの実施形態では、受信機14が、以下に限定するわけではないが、例えば、少なくとも1つの衛星又は携帯電話タワーから地理的位置情報を受け取ってプロセッサ266に提供するように構成された、及び/又は受信機14が配置されている高度をプロセッサ266と協働して特定するように構成された、携帯電話受信機、全地球測位衛星(GPS)受信機及び/又は高度計などの位置又は場所受信機272を含むこともできる。しかしながら、本原理に従って携帯電話受信機、GPS受信機及び/又は高度計以外の別の好適な位置受信機を用いて、例えば3次元全てで受信機14の場所を特定することもできると理解されたい。
【0048】
受信機14の説明を続けると、いくつかの実施形態では、受信機14が、熱探知カメラ、ウェブカメラなどのデジタルカメラ、及び/又は受信機14に一体化され、本原理に従って写真/画像及び/又はビデオを収集するようにプロセッサ266によって制御可能なカメラのうちの1又は2以上を含むことができる1又は2以上のカメラ274を含むこともできる。受信機14は、Bluetooth(登録商標)及び/又はNFC技術をそれぞれ用いて他のデバイスと通信するBluetooth(登録商標)トランシーバ276又はその他の近距離通信(NFC)要素を含むこともできる。NFC要素の例としては、無線周波数識別(RFID)要素を挙げることができる。
【0049】
更に、受信機14は、プロセッサ266に入力を提供する1又は2以上の補助センサ278(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、車輪回転記録器、又は磁気センサなどのモーションセンサ及びこれらの組み合わせ)、リモートコントロールからIRコマンドを受け取るための赤外線(IR)センサ、光学センサ、速度及び/又は歩調センサ、(ジェスチャコマンドを感知するための)ジェスチャセンサなどを含むこともできる。無線リモートコントロールからコマンドを受け取るために、IRセンサ280を提供することもできる。受信機14に給電を行うバッテリ(図示せず)を提供することもできる。
【0050】
コンパニオンデバイス16は、上記の受信機14に関連して示される要素の一部又は全てを組み込むことができる。
【0051】
図3に示すように、モバイルATSC 3.0受信機300は、本明細書で説明する受信機コンポーネントのうちのいずれかを含むことができ、図示の特定の例では、モバイル受信機300は、1又は2以上のアンテナ302(例えば2つ図示)を含み、アンテナ302は、信号を受け取って1又は2以上のチューナ304(例えば2つ図示)に提供し、チューナ304は、信号を処理して、信号で搬送されるパケットを、1又は2以上のコンテンツバッファ306にバッファすることができる。ATSC 3.0ブロードキャスト(OTA)ソース308から、信号を無線で受信することができる。バッファ306は、モバイル受信機300又はモバイル受信機300が配置される車両のデジタルビデオレコーダ(DVR)310の一部とすることができる。1又は2以上のプロセッサ314の制御下で、モバイル受信機300のディスプレイ312上に、バッファされた信号を提示することができる。
【0052】
更に、モバイル受信機300は、ATSC 3.0パケットの1又は2以上のバックチャネルソース318と無線通信するための1又は2以上の帯域外トランシーバ316を含むことができる。バックチャネルソース318は、例えば、以下に限定するわけではないが、1又は2以上の移動体用グローバルシステム(GSM:global system for mobiles)ネットワーク又は符号分割多元接続(CDMA)ネットワークなどの1又は2以上の無線電話ネットワークを含むことができる。バックチャネルソース318は、例えば、1又は2以上のWi-Fiサーバを含むことができる。
【0053】
図4は、図3に示すモバイル受信機300によって実行することができるロジックを示す。ブロック400から開始して、チューナ304によって、同調されたデジタルTVを復調し、ブロック402において、バッファ306にストリームのパケットを記憶する。バッファ306は、比較的大きく、例えば、数分(例えば、非限定的な例として、1又は2以上のストリームのうちの5分、10分又は20分)を保持することができる。
【0054】
更に、ブロック404において、受信機300は、また、1又は2以上の追加のデジタルTVストリームを復調し、ブロック406において、バッファにストリームのパケットをバッファする。これらのストリームは、同調されたストリームが受信されたのと同じチューナ304から同じ多重化で、又は(同調されたストリームが受信されたのとは異なるアンテナ302から無線信号を受信することができる)別のチューナ304から受信することができる。
【0055】
モバイルデジタルTVアプリケーションにおいて誤り訂正に対処するために、及び高価なサービスを作成するために、ブロック408において、モバイル受信機300は、バックチャネルソース318に、任意の欠落パケット又はエラーを含むパケットを要求し、図3に示すトランシーバ316を使用して、ATSC 3.0がIPパケットを使用することを認識する。ブロック410において、バッファ内の欠落又は破損パケットに対応する場所に、バックチャネルソース318から受け取られる置き換えパケットを挿入する。これらのステップは、バッファ306内の全てのストリームに対して実行することができる。
【0056】
図5に示すように、大きいバッファ306の使用によるチャネル変更待ち時間に対処するために、ブロック500において、現在同調しているチャネルであったものの代わりに新たなチャネルを提示するためのチャネル変更コマンドを受け取る。判定ダイアモンド502に進んで、新たなチャネルに対応する新たなストリームパケットがバッファに記憶されているかどうかを判断する。記憶されている場合、バッファから新たなストリームのパケットに直ちにアクセスし、復号して、知覚できる最小の待ち時間で直ちにディスプレイ312上に提示する。この新たなストリームバッファ内のコンテンツは、図4から誤り訂正されると仮定することもできる。
【0057】
他方で、判定ダイアモンド502において、ブロック500で選択された新たなストリームがバッファへの事前記憶によって予想されたものではないと判断された場合、ロジックはダイアモンド502からブロック506に進み、再生を開始するのに十分である新たなストリームの初期の短期間(例えば2秒)をバッファし、次に、この短いバッファ期間の後に、ブロック508において新たなストリームの再生を開始する。ブロック510において、図4のロジックに従って、新たなストリームに対する誤り訂正を実行する。
【0058】
判定ダイアモンド512に進んで、未来に長期にわたって(例えば数分間)バッファされるストリームのセットに新たなストリームを追加すべきかどうかを判断する。例えば、新たなストリームが閾値数回又は閾値期間にわたって同調されている場合、ブロック514において、バッファされたストリームのセットに追加することができるか、又はそのセットの別のストリームに取って代わることができる。
【0059】
図6で分かるように、いくつかの搬送ルートは、既知の機能停止(例えば、通常横断するのに15分かかるトンネル、又はデジタルTV放送信号の他の自然又は人工障害物など)を有する場合がある。したがって、ブロック600において、計画されたルート、現在のルート、又は繰返しルートを識別することができる。これは、モバイル受信機300と例えばユーザの携帯電話のナビゲーションアプリケーションとの間の無線接続を確立することによって、又はアプリケーションから共通のルート、計画されたルート、又は現在のルートを識別する他の手段によって行うことができる。ブロック602に進んで、ルートに沿って、デジタルTV放送を受信できない場合がある場所(例えばトンネル)を識別する。これは、ルートを含みトンネルなどを示す電子ルートにアクセスすることによって行うことができる。
【0060】
ブロック604に進んで、ブロック602で識別された場所を通過する時間を識別する。これは、例えば全地球測位衛星(GPS)によって示されるような現在の速度を使用することによって、又は場所を通過する通常の速度を示すルートの電子地図にアクセスすることによって、又は他の手段によって行うことができる。ブロック606に示すように、通過時間に従って、バッファ306にバッファされるストリームの長さを設定することができる。例えば、バッファ長を、ブロック604で識別された最も長い通過時間に近似的に等しく設定することができる。
【0061】
したがって、モバイル受信機300は、(例えば、車両内で実行されて、Bluetoothを介してモバイル受信機に通信される)マッピングソフトウェアにアクセスすることができる。マッピングソフトウェアは、宛先及びルートを認識し、最も長い機能停止(例えば、特定の長さであり、平均レート移動(又はトラフィック速度に関するリアルタイム更新)+何らかのマージンを認識している特定のトンネル)を計算することができる。バッファ306の長さは、ちょうどそのサイズになるように動的に設定することができる。したがって、特定のルートは、移動を始める時に選択されるバッファサイズに影響を及ぼして、バッファをちょうど必要なものに最小化し、また、受信機/プレーヤが「オフ」である間、バッファを事前にキャッシュする必要も最小にする。そのシナリオでは、ユーザは、コンテンツがレンダリングされる前に、バッファがいっぱいになるのを数分待つ必要がある場合がある。
【0062】
図7に示すように、ブロック700において、もはやデジタルTVコンテンツを提示する提示モードではなくなったという意味で、モバイル受信機300がオフにされた時に、ブロック702において、モバイル受信機300は、選択されたチャネルのために、バッファ306にコンテンツを受け取り続けることができる。ブロック704において、受信機がデジタルTVの提示を再開した時に、バッファ306はいっぱいであり、ブロック706において、直ちに再生を行うことができる。代替的に、デジタルTVの再生を開始するモバイル受信機300の「コールドスタート」時に、ブロック704において、(例えば数秒の)小さいバッファを作成して、初期ストリームが比較的迅速に再生を開始することができ、一方、同時にかつ並列的に、ブロック708において、ストリームのためのより大きいバッファを作成することができ、ブロック710において、信号機能停止の場合、より大きいバッファに切り替えることができる。
【0063】
本明細書で説明する方法は、プロセッサ、好適に構成された特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)モジュールによって実行されるソフトウェア命令として、或いは当業者が理解すると思われる他のいずれかの便利な形として実装することができる。ソフトウェア命令は、使用する場合、CD ROM又はフラッシュドライブなどの非一時的デバイスに具体化することができる。ソフトウェアコード命令は、無線信号又は光信号などの一時的構成に、或いはインターネットを介したダウンロードを通じて具体化することもできる。
【0064】
いくつかの実施形態例を参照しながら本原理について説明したが、これらの実施形態は、限定的であることを意図するものではなく、本明細書において特許請求する主題は、様々な別の構成を用いて実装することもできると理解されるであろう。
【符号の説明】
【0065】
10 ブロードキャスタ機器
12 オーバージエア(OTA)機器
14 受信機
16 コンパニオンデバイス
18 無線リンク
20 有線及び/又は無線ネットワークリンク
22 オーバーザトップ(OTT)機器
200 プロセッサ
202 記憶媒体
204 アプリケーション層
206 プレゼンテーション層
208 メディア処理ユニット(MPU)
210 ISO BMFFデータ表現
212 EME/CENCモジュール
214 MPEG MMTPシグナリングモジュール
216 ROUTEシグナリングモジュール
218 非リアルタイム(NRT)コンテンツ
220 DASHプレーヤ/デコーダ
222 EME/CENCモジュール
224 DASHセグメント
226 NRTファイル
228 シグナリングオブジェクト
230 セッション層
232 MMTPプロトコル
234 ROUTEプロトコル
236 HTTPプロトコル
238 HTTPプロキシモジュール
240 サービスリストテーブル(SLT)
242 トランスポート層
244 ユーザデータグラムプロトコル(UDP)
246 伝送制御プロトコル(TCP)
248 ネットワーク層
250 物理層
252 ブロードキャスト送信/受信機器
254 コンピュータネットワークインターフェイス
256 ATSC 3.0 TVチューナ
258 ディスプレイ
260 スピーカ
262 入力デバイス
264 ネットワークインターフェイス
266 プロセッサ
268 入力ポート
270 コンピュータメモリ
272 位置又は場所受信機
274 カメラ
276 Bluetooth(登録商標)トランシーバ
278 補助センサ
280 IRセンサ
300 モバイル受信機
302 アンテナ
304 チューナ
306 コンテンツバッファ
308 ATSC 3.0ブロードキャスト(OTA)ソース
310 デジタルビデオレコーダ(DVR)
312 ディスプレイ
314 プロセッサ
316 トランシーバ
318 バックチャネルソース
400 同調されたデジタルTVストリームを復調
402 大きい(5~15分)バッファに記憶
404 追加のストリームを復調
406 バッファに記憶
408 バックチャネルソースに欠落/破損パケットを要求
410 バッファ内の正しい場所に置き換えパケットを挿入
500 チャネル変更コマンドを受け取る
502 新たなチャネルがバッファに存在するか?
504 新たなチャネルを直ちに再生
506 新たなチャネルの最小期間(例えば2秒)をバッファ
508 再生を開始
510 誤り訂正
512 長期バッファセットに追加すべきか?
514 追加
600 繰返しルート又は計画されたルートを識別
602 ルートに沿って機能停止の場所を識別
604 場所を通過する時間を識別
606 通過時間に従ってバッファ長を設定
700 モバイル受信機オフ
702 ストリームをバッファし続ける
704 オン
706 バッファから再生
708 ストリームの複製バッファを生成
710 より短いバッファに対して信号が損失された場合、複製(より長い)バッファに切り替える
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】