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  • 特表-手術用プラーク 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】手術用プラーク
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/80 20060101AFI20240206BHJP
【FI】
A61B17/80
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540745
(86)(22)【出願日】2020-12-31
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 TR2020051481
(87)【国際公開番号】W WO2022146259
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】2020/22430
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523248459
【氏名又は名称】ベズミアレム ヴァキフ ユニバーシテシ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】クルチ,バヌー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL22
4C160LL34
4C160LL70
(57)【要約】
本発明は、特に顎の矯正手術において、下顎及び上顎の別個の骨部を固定するよう、少なくとも1つの固定プラーク(20)を有する、少なくとも1つの手術用プラーク(10)に関する。したがってその新規性は、第1の下顎骨の損傷部分を固定するよう、固定プラーク(20)の一方の側から接続された、少なくとも1つの垂直延長部(21)と、骨格の定着をもたらすよう、垂直延長部(21)で直線的に移動するよう設けられた、少なくとも1つのキャリア要素(30)と、を備えることである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顎の矯正手術において、下顎及び上顎の別個の骨部を固定するよう、少なくとも1つの固定プラーク(20)を有する、少なくとも1つの手術用プラーク(10)であって、下顎骨の損傷した部分を固定するよう前記固定プラーク(20)の一方の側から接続された、少なくとも1つの垂直延長部(21)と、骨格の定着をもたらすよう前記垂直延長部(21)で直線的に移動するよう設けられた、少なくとも1つのキャリア要素(30)と、を備えることを特徴とする、手術用プラーク(10)。
【請求項2】
前記キャリア要素(30)の少なくとも一方の側に設けられた、少なくとも1つのフック(31)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の手術用プラーク(10)。
【請求項3】
前記垂直延長部(21)は、前記固定プラーク(20)に少なくとも部分的に直角に係合された、矩形突出部であることを特徴とする、請求項1に記載の手術用プラーク(10)。
【請求項4】
前記キャリア要素(30)は、基本的に4つの隅部を伴い、部分的に円筒形状のチューブとして構成されることを特徴とする、請求項1に記載の手術用プラーク(10)。
【請求項5】
前記キャリア要素(30)は、基本的に十字形状のダブルチューブとして構成されることを特徴とする、請求項1に記載の手術用プラーク(10)。
【請求項6】
前記キャリア要素(30)は、基本的にブラケットヘッドチューブとして構成されることを特徴とする、請求項1に記載の手術用プラーク(10)。
【請求項7】
前記キャリア要素(30)は、基本的にリップバンパーチューブとして構成されることを特徴とする、請求項1に記載の手術用プラーク(10)。
【請求項8】
前記キャリア要素(30)は、基本的に摺動挿入チューブして構成されることを特徴とする、請求項1に記載の手術用プラーク(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に顎の矯正手術において、下顎及び上顎の別個の骨部を固定するよう、少なくとも1つの固定プラークを有する、少なくとも1つの手術用プラークに関する。
【背景技術】
【0002】
顎の矯正手術は、顎に関する変形を補正するために役立つ手術法である。従来の顎の矯正手術の取り組みにおいて、患者は手術に先立ち、歯列矯正処置を伴う歯科的装置を作ることで、手術の準備をする。外科手術は、全身麻酔によって実施され、理想的な咬合が、手術後の歯列矯正処置によってもたらされる。近年評判が高い、手術第1(SF:surgery first)の方法において、骨は、手術第1の方法を用いて、それらの理想的位置に設置され、その後歯は、これらの骨の新しい位置に整合される。この新しい方法における評判は、急激に高まっている。なぜならそれは、患者の手術時間の判断、加速された歯列矯正処置、代償障害に対する増加した有効性など、多くの利点を有するためである。しかし、安定した術後の咬合は不可能である。なぜなら、歯列医矯正処置は、この方法において、手術前に実施されないからである。この課題は、手術後に保持される手術用副木、及び垂直制御のために、手術中に後部に設置される4つの追加プラークまたは8つの小型ネジを用いて、解決される。プラークが位置される領域が、解剖学的な好機を制限するので、安定プラークを用いて設置することは問題となり得る。それは、余分なトラウマ及び費用を患者にもたらす。骨格の定着システムが使用されない事例において、垂直寸法が増加すると、下顎骨の位置は、術後の処置においてさらに予測できなくなる。使用するプラークを位置付けることは、必要な歯科矯正の動きと密接に関連付けられ、プラークにおける力の適用ポイントは、歯科矯正医の要望によって変化する。
【0003】
下顎及び上顎に歯科矯正力を加えるために生成されたプラークが存在する。下顎及び上顎のための固定プラークも利用でき、かつ使用される。しかし、外科的に別個であるセグメントの固定をもたらし、かつ歯科矯正医のための骨格の定着ももたらすことができる、プラーク設計は存在しない。
【0004】
その結果、上述の全ての課題は、関連技術分野における改善を成すことを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の欠点を排除するため、及び新たな利点を関連の技術分野にもたらすための、手術用プラークに関する。
【0006】
本発明の目標は、固定プラーク及び歯列矯正の定着プラークの両方として機能する、手術用プラークを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、顎の矯正手術において、下顎及び上顎の別個の骨部を固定するよう、少なくとも1つの固定プラークを有する、少なくとも1つの手術用プラークである。それによって上述及び以下の「発明を実施するための形態」からもたらされる、全ての目標を満たす。したがって、その新規性は、以下すなわち:下顎骨の破損部分を固定するよう、上記の固定プラークにおける一方の側から接続された、少なくとも1つの垂直延長部と、骨格の定着をもたらすよう、この直接延長部に直線的に移動できるよう設けられた、少なくとも1つのキャリア要素と、を備えることである。したがって、手術プロセスにおいて、骨は固定され、次に歯科矯正医によって所望の垂直位置に変更することが可能になる。
【0008】
本発明の別の考えられる実施形態は、上記のキャリア要素の少なくとも一方の側に設けられた、少なくとも1つのフックを備えることを特徴とする。このように、骨格の定着部が所望の位置に作られるよう、フックを設けることができる。
【0009】
本発明の考えられる実施形態は、垂直延長部が、固定プラークに少なくとも部分的に直角に係合された、矩形突出部であることを特徴とする。このように、キャリア要素は、直線運動を容易に実施するよう設けられ、偶力を適用するのを可能にする。
【0010】
本発明の、別の考えられる実施形態は、このキャリア要素が、基本的に4つの隅部を伴う円筒形状の管として構成されることを特徴とする。それによってキャリア要素を、様々な顎の構造及び手術に従って変更することができる。
【0011】
本発明の、別の考えられる実施形態は、このキャリア要素が、基本的に十字形状のダブルチューブとして構成されることを特徴とする。それによってキャリア要素を、様々な顎の構造及び手術に従って変更することができる。
【0012】
本発明の、別の考えられる実施形態は、このキャリア要素が、基本的にブラケットヘッドチューブとして構成されることを特徴とする。それによってキャリア要素を、様々な顎の構造及び手術に従って変更することができる。
【0013】
本発明の、別の考えられる実施形態は、このキャリア要素が、基本的に穴あきチューブとして構成されることを特徴とする。それによってキャリア要素を、様々な顎の構造、及び手術に従って変更することができる。
【0014】
本発明の、別の考えられる実施形態は、このキャリア要素が、基本的にリップバンパーチューブとして構成されることを特徴とする。それによってキャリア要素を、様々な顎の構造及び手術に従って変更することができる。
【0015】
本発明の、別の考えられる実施形態は、このキャリア要素が、基本的に摺動挿入チューブとして構成されることを特徴とする。それによってキャリア要素を、様々な顎の構造及び手術に従って変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の手術用プラークの例示的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この「発明を実施するための形態」において、本発明の手術用プラーク(10)は、限定効果がもたらされないように、主題を明瞭にするためのみの例として説明する。
【0018】
図1に本発明の手術用プラーク(10)の例示的な斜視図が与えられる。このように、手術用プラーク(10)は、基本的に垂直定着の目的を伴って使用することが可能なプラークであり、その力の適用ポイントは、個人に従って、歯科矯正医によって手術後に変更することができ、顎の矯正手術の事例において、手術後における垂直方向の歯科矯正問題の解決策で使用される。手術用プラーク(10)は、少なくとも1つの固定プラーク(20)を有する。固定プラーク(20)は、下顎及び上顎の別個の骨部を固定するよう、歯科矯正力を適用する目的で生成された、プラークである。固定プラーク(20)は、少なくとも1つの穴(22)を有する。穴(22)は、固定プラーク(20)に順次開けられた、ネジを用いた接続を提供するための空間である。固定プラーク(20)は、少なくとも1つの形成セクション(23)を有する。形成セクション(23)は、基本的に固定プラーク(20)の穴(22)の間における表面に設けられた窪みである。
【0019】
固定プラーク(20)は、少なくとも1つの垂直延長部(21)を有する。垂直延長部(21)は、基本的に平坦なバーであり、固定プラーク(20)の一方の端部に設けられ、かつそれらの間に少なくとも部分的に直角が存在するよう設けられる。垂直延長部(21)は、下顎骨の破損部分を固定するための機能を実施することができる。本発明の考えられる実施形態において、垂直延長部(21)は、主に角があり、特に矩形のバーである。垂直延長部(21)は角があるので、垂直延長部(21)は、歯科矯正医によって適用される力を、偶力にすることを可能にする設計を用いて使用することが可能である。
【0020】
手術用プラーク(10)は、少なくとも1つのキャリア要素(30)を有する。キャリア要素(30)は、基本的に垂直延長部(21)を直線的に移動できるように設けられる。キャリア要素(30)は、外科手術後に骨格の定着をもたらすよう、設置される。キャリア要素(30)は、矩形形状を保証され、使用者の要求に従って、固定して再び動かすことができる。本発明の考えられる実施形態において、キャリア要素(30)は、中空の円筒チューブ、十字形状のダブルチューブ、ブラケットヘッドチューブ、穴開きチューブ(22)、リップバンパーチューブ、または摺動挿入チューブ、として構成される。キャリア要素(30)は、垂直延長部(21)を直線的に移動可能であるので、外科医による物理的位置付けから独立して、手術後に歯科矯正医によって、様々な位置及びサイズに変更するのを可能にする。キャリア要素(30)は、少なくとも1つのフック(31)と係合する。フック(31)は、力が適用される領域を判断すること、及びプラークを設置して作業を実施すること、を可能にする。
【0021】
本発明の代表的な実施形態において、固定プラーク(20)は、顎の矯正手術中に、下顎及び上顎の別個の骨部を固定するように位置される。キャリア要素(30)は、歯科矯正医のために骨格の定着をもたらすよう、かつ垂直方向の歯科矯正問題を解決するよう、手術後に垂直延長部(21)に位置付けられる。プラークは、所望の位置に位置され、キャリア要素(30)を直線的に移動させることによって、力を適用できる。
【0022】
手術中に患者に適用されることになる、歯科矯正の定着プラーク、及び別の固定プラーク(20)は、この全ての構成を伴って、手術用プラーク(10)と共に使用する必要はない。したがって、プラークの数が半分に減少するので、患者が受ける麻酔の量は減少することになる。それは、外科医の集中力の喪失及び疲労によって生じ得る、困難な事態の量及び危険を軽減させる。なぜなら持続時間が短縮されるからである。使用されるネジの数は、単一の手術用プラーク(10)を使用することで減少し、それによって小型ネジによる困難な事態の危険を軽減させる。プラークの位置付けは、外科医によるセグメントの固定中に、粘膜から除去される部分の位置を計算することによって容易になる。なぜなら、垂直プラークを設置する必要がないためである。さらに、手術用プラークの垂直延長部(21)に位置されたキャリア要素(30)を、手術後の回復期間に、異なる特性を伴って、矯正歯科医によって選択及び装着することができ、その位置を変えることもできる。位置された、このキャリア要素(30)を、垂直延長部(21)を損傷させることなく、矯正歯科医の要求に従って、後日新しいものと交換することができる。垂直延長部(21)が必要のない場合、局所麻酔下における簡単な切開によって、固定プラーク(20)の垂直延長部(21)を切断して除去することができる。顎の矯正手術中に設置された、手術用プラーク(10)及び固定プラーク(20)は、手術後の歯科矯正における定着目的で使用される。
【0023】
本発明の保護範囲は、添付の「特許請求の範囲」で明記され、この「発明を実施するための形態」において例示目的で説明したものに限定されない。同様に、当業者は、本発明の趣旨から逸脱することなく、上述の説明を考慮して類似の実施形態を提示できることは、明白である。
【符号の説明】
【0024】
10 手術用プラーク
20 固定プラーク
21 垂直延長部
22 穴
23 形成セクション
30 キャリア要素
31 フック
図1
【手続補正書】
【提出日】2023-08-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顎の矯正手術において、下顎及び上顎の別個の骨部を固定するよう、少なくとも1つの固定プラーク(20)を有する、少なくとも1つの手術用プラーク(10)であって、
下顎骨の損傷した部分を固定するよう、前記固定プラーク(20)の一方の側から接続された、少なくとも1つの垂直延長部(21)と、
骨格の定着をもたらすよう、前記垂直延長部(21)で直線的に移動するよう設けられた、少なくとも1つのキャリア要素(30)と、
前記キャリア要素(30)の1つに設けられた、少なくとも1つのフック(31)と、
を備えることを特徴とする、手術用プラーク(10)。
【請求項2】
前記垂直延長部(21)は、前記固定プラーク(20)に少なくとも部分的に直角に係合された、矩形突出部であることを特徴とする、請求項1に記載の手術用プラーク(10)。
【請求項3】
前記キャリア要素(30)は、基本的に4つの隅部を伴い、部分的に円筒形状のチューブとして構成されることを特徴とする、請求項1に記載の手術用プラーク(10)。
【請求項4】
前記キャリア要素(30)は、基本的に十字形状のダブルチューブとして構成されることを特徴とする、請求項1に記載の手術用プラーク(10)。
【請求項5】
前記キャリア要素(30)は、基本的にブラケットヘッドチューブとして構成されることを特徴とする、請求項1に記載の手術用プラーク(10)。
【請求項6】
前記キャリア要素(30)は、基本的にリップバンパーチューブとして構成されることを特徴とする、請求項1に記載の手術用プラーク(10)。
【請求項7】
前記キャリア要素(30)は、基本的に摺動挿入チューブして構成されることを特徴とする、請求項1に記載の手術用プラーク(10)。
【国際調査報告】