(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】外科手術ロボットシステムで使用するためのアイソレータモジュール
(51)【国際特許分類】
A61B 34/35 20160101AFI20240206BHJP
【FI】
A61B34/35
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541249
(86)(22)【出願日】2022-11-25
(85)【翻訳文提出日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 GB2022052994
(87)【国際公開番号】W WO2023094825
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516263638
【氏名又は名称】シーエムアール サージカル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CMR SURGICAL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【氏名又は名称】中根 美枝
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【氏名又は名称】笠井 美孝
(72)【発明者】
【氏名】クローニン,イワン ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアートン,ベンジャミン オリバー
【テーマコード(参考)】
4C130
【Fターム(参考)】
4C130AA02
4C130AA04
4C130AA22
4C130AB01
4C130AD30
4C130BA02
4C130BA06
4C130BA08
4C130BA09
4C130CA01
4C130CA05
4C130CA07
4C130CA11
(57)【要約】
ロボットアーム及びコントローラを備える、外科手術ロボットシステムで使用するためのアイソレータモジュールが提供されている。アイソレータモジュールは、外科手術ロボットシステムのロボットアームとコントローラとの間のインターフェースを提供するように構成されている。アイソレータモジュールは、(i)ロボットアームに接続された第1のケーブルに電力を伝送し、かつ(ii)第1のケーブルとの間でデータを伝送するように構成されている、第1のインターフェース部分と、(i)コントローラに接続された第2のケーブルに電力を伝送し、かつ(ii)第2のケーブルとの間でデータを伝送するように構成されている、第2のインターフェース部分と、を備える。アイソレータモジュールは、第1のインターフェース部分を第2のインターフェース部分に接続するデータリンクであって、データリンクが、第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間で双方向にデータを伝送する一方で、第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間に電気的分離を提供するように構成されている、データリンクを更に備える。アイソレータモジュールは、第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間で電力を伝送する一方で、第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間に電気的分離を提供するように構成されている、分離された電力変換器を更に備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアーム及びコントローラを備える、外科手術ロボットシステムで使用するためのアイソレータモジュールであって、前記アイソレータモジュールが、前記外科手術ロボットシステムの前記ロボットアームと前記コントローラとの間のインターフェースを提供するように構成されており、前記アイソレータモジュールが、
(i)前記コントローラに接続された第1のケーブルから電力を伝送し、かつ(ii)前記第1のケーブルとの間でデータを伝送するように構成されている、第1のインターフェース部分と、
(i)前記ロボットアームに接続された第2のケーブルに電力を伝送し、かつ(ii)前記第2のケーブルとの間でデータを伝送するように構成されている、第2のインターフェース部分と、
前記第1のインターフェース部分を前記第2のインターフェース部分に接続する第3のケーブルであって、前記第3のケーブルが、前記第1のインターフェース部分と前記第2のインターフェース部分との間で双方向にデータを伝送する一方で、前記第1のインターフェース部分と前記第2のインターフェース部分との間に電気的分離を提供するように構成されている、第3のケーブルと、
前記第1のインターフェース部分から前記第2のインターフェース部分に電力を伝送する一方で、前記第1のインターフェース部分と前記第2のインターフェース部分との間に電気的分離を提供するように構成されている、分離された電力変換器と、を備える、アイソレータモジュール。
【請求項2】
前記第1のインターフェース部分が、第1の制御ユニットを備え、前記第1の制御ユニットが、
前記第1のケーブルから受信した電力を前記分離された電力変換器に伝送することと、
前記第1のケーブルと前記第3のケーブルとの間でデータを伝送することと、を行うように構成されている、請求項1に記載のアイソレータモジュール。
【請求項3】
前記第2のインターフェース部分が、第2の制御ユニットを備え、前記第2の制御ユニットが、
前記分離された電力変換器から受信した電力を前記第2のケーブルに伝送することと、
前記第3のケーブルと前記第2のケーブルとの間でデータを伝送することと、を行うように構成されている、請求項1又は2に記載のアイソレータモジュール。
【請求項4】
データが、CoaXPress(CXP)データプロトコルに従って、前記第1のケーブル及び前記第2のケーブルを通して送信される、先行請求項のいずれか一項に記載のアイソレータモジュール。
【請求項5】
前記第1のインターフェース部分及び前記第2のインターフェース部分の各々が、CoaXPress(CXP)トランシーバモジュールを備える、請求項4に記載のアイソレータモジュール。
【請求項6】
前記第3のケーブルが、光ファイバーケーブルであり、前記光ファイバーケーブルが、光を使用して前記第1のインターフェース部分と前記第2のインターフェース部分との間でデータを伝送するように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載のアイソレータモジュール。
【請求項7】
前記光が、赤外線である、請求項6に記載のアイソレータモジュール。
【請求項8】
前記ロボットアームから前記コントローラに伝送された前記データが、センサデータのストリームを含む、先行請求項のいずれか一項に記載のアイソレータモジュール。
【請求項9】
前記第1のインターフェース部分が、信号コンディショニングモジュールを更に備え、前記信号コンディショニングモジュールが、前記第3のケーブルからデータストリームを受信することと、前記データストリームから組み込みクロックを抽出することと、クリーンクロックを使用して、前記データストリームの新しいバージョンを前記第1のケーブルに再送信することと、を行うように構成されている、請求項8に記載のアイソレータモジュール。
【請求項10】
第1の信号コンディショニングモジュールが、前記受信したデータストリームの品質を監視することと、前記受信したデータストリームの前記品質を示すデータを送信することと、を行うように更に構成されている、請求項9に記載のアイソレータモジュール。
【請求項11】
前記第2のインターフェース部分が、第2の信号コンディショニングモジュールを更に備え、前記第2の信号コンディショニングモジュールが、前記第2のケーブルからデータストリームを受信することと、前記データストリームから組み込みクロックを抽出することと、クリーンクロックを使用して、前記データストリームの新しいバージョンを前記第3のケーブルに再送信することと、を行うように構成されている、請求項8に記載のアイソレータモジュール。
【請求項12】
前記第2の信号コンディショニングモジュールが、前記受信したデータストリームの品質を監視することと、前記受信したデータストリームの前記品質を示すデータを送信することと、を行うように更に構成されている、請求項11に記載のアイソレータモジュール。
【請求項13】
前記分離された電力変換器が、DC-DC電力変換器である、先行請求項のいずれか一項に記載のアイソレータモジュール。
【請求項14】
前記第1のインターフェース部分及び前記第2のインターフェース部分の各々が、スモールフォームファクタプラガブル(SFP)インターフェースモジュールを備える、先行請求項のいずれか一項に記載のアイソレータモジュール。
【請求項15】
前記モジュールが、分離されたイーサネットスイッチボードの部分を形成する、先行請求項のいずれか一項に記載のアイソレータモジュール。
【請求項16】
マイクロコントローラを更に備え、前記マイクロコントローラが、前記第1の信号コンディショニングモジュールに接続されており、かつ前記第1の信号コンディショニングモジュールによって実施される分析の結果を受信することと、これらの分析結果を使用して、前記ロボットアームから前記コントローラに伝送される前記データの品質を示す診断情報を提供することと、を行うように構成されている、請求項10に記載のアイソレータモジュール。
【請求項17】
請求項12に従属する場合に、前記マイクロコントローラが更に、前記第2の信号コンディショニングモジュールに接続されており、かつ前記第2の信号コンディショニングモジュールによって実施される分析の結果を受信することと、これらの分析結果を使用して、前記診断情報を提供することと、を行うように構成されている、請求項16に記載のアイソレータモジュール。
【請求項18】
前記マイクロコントローラによって提供される前記診断情報が、以下の表示:
前記第1のインターフェース部分及び前記第2のインターフェース部分の各々の過電流及び不足電流と、
第1のトランシーバモジュール及び第2のトランシーバモジュールが前記アイソレータモジュール上に存在するかどうかであって、前記第1のトランシーバモジュール及び前記第2のトランシーバモジュールの各々が、前記第3のケーブルとの間でデータ信号を送信及び受信するように構成されている、存在するかどうかと、
前記第1のトランシーバモジュール及び前記第2のトランシーバモジュールの状態と、
前記第1の信号コンディショニングモジュールが、前記アイソレータモジュールによって使用するためにロック解除されているかどうかと、
第2の信号コンディショニングモジュールが、前記アイソレータモジュールによって使用するためにロック解除されているかどうかと、
前記外科手術ロボットシステムに障害があるかどうかと、
前記第1のケーブル及び前記第2のケーブルの通信の品質及び信号の完全性と、
前記第1のインターフェース部分及び前記第2のインターフェース部分上に位置する第1及び第2の温度センサからそれぞれ記録された温度と、
前記外科手術器具に提供されており、それによって前記外科手術器具への電気的接続の品質の表示を提供する、電流及び電圧と、のうちの1つ以上を含む、請求項16又は17に記載のアイソレータモジュール。
【請求項19】
前記マイクロコントローラに接続された1つ以上のインジケータを更に備え、前記1つ以上のインジケータが、前記外科手術ロボットシステムに障害があるかどうかを示すように構成されている、請求項16~18のいずれか一項に記載のアイソレータモジュール。
【請求項20】
前記1つ以上のインジケータが、障害診断発光ダイオード(LED)である、請求項19に記載のアイソレータモジュール。
【請求項21】
前記ロボットアームが、カメラを有する外科手術器具を備える、先行請求項のいずれか一項に記載のアイソレータモジュール。
【請求項22】
前記第3のケーブルを介して、前記第1のインターフェース部分から前記第2のインターフェース部分に伝送される前記データが、前記外科手術器具からのデータの制御信号及び/又は問い合わせを含む、請求項21に記載のアイソレータモジュール。
【請求項23】
前記第3のケーブルを介して、前記第2のインターフェース部分から前記第1のインターフェース部分に伝送される前記データが、診断データ、位置データ、及びセンサデータのうちの1つ以上を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のアイソレータモジュール。
【請求項24】
請求項21又は22に従属する場合に、前記センサデータが、画像データである、請求項23に記載のアイソレータモジュール。
【請求項25】
請求項16又は17に従属する場合に、前記マイクロコントローラによって提供される診断情報が、以下の表示:
前記カメラが前記ロボットアームからプラグを抜かれているかどうかの表示と、
前記カメラによって消費される電流の表示と、のうちの1つ以上を含む、請求項24に記載のアイソレータモジュール。
【請求項26】
前記モジュールが、前記ロボットアームを備えるユニット内の前記外科手術ロボットシステム内に位置する、先行請求項のいずれか一項に記載のアイソレータモジュール。
【請求項27】
前記モジュールが、前記コントローラを備える外科医のコンソール内の前記外科手術ロボットシステム内に位置する、請求項1~25のいずれか一項に記載のアイソレータモジュール。
【請求項28】
外科手術ロボットシステムであって、
コントローラと、
前記コントローラによって制御される、ロボットアームと、
前記コントローラと前記ロボットアームとの間のインターフェースを提供するように構成された、アイソレータモジュールと、
前記アイソレータモジュールの第1のインターフェース部分に前記コントローラを接続する、第1のケーブルであって、前記第1のケーブルが、(i)前記コントローラと前記第1のインターフェース部分との間で電力を伝送することと、(ii)前記コントローラと前記第1のインターフェース部分との間でデータを伝送することと、を行うように構成されている、第1のケーブルと、
前記アイソレータモジュールの第2のインターフェース部分に前記ロボットアームを接続する、第2のケーブルであって、前記第2のケーブルが、(i)前記ロボットアームと前記第2のインターフェース部分との間で電力を伝送することと、(ii)前記ロボットアームと前記第2のインターフェース部分との間でデータを伝送することと、を行うように構成されている、第2のケーブルと、を備え、
前記アイソレータモジュールが、前記第1のインターフェース部分と前記第2のインターフェース部分との間でデータ及び電力を伝送する一方で、前記第1のインターフェース部分と前記第2のインターフェース部分との間に電気的分離を提供するように構成されている、外科手術ロボットシステム。
【請求項29】
外科手術ロボットシステムであって、
コントローラと、
前記コントローラによって制御される、ロボットアームと、
請求項1~27のいずれか一項に記載のアイソレータモジュールと、
前記アイソレータモジュールの前記第1のインターフェース部分に前記コントローラを接続する、第1のケーブルであって、前記第1のケーブルが、(i)前記コントローラと前記第1のインターフェース部分との間で電力を伝送することと、(ii)前記コントローラと前記第1のインターフェース部分との間でデータを伝送することと、を行うように構成されている、第1のケーブルと、
前記アイソレータモジュールの前記第2のインターフェース部分に前記ロボットアームを接続する、第2のケーブルであって、前記第2のケーブルが、(i)前記ロボットアームと前記第2のインターフェース部分との間で電力を伝送することと、(ii)前記ロボットアームと前記第2のインターフェース部分との間でデータを伝送することと、を行うように構成されている、第2のケーブルと、を備える、外科手術ロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外科手術ロボットシステムで使用するためのアイソレータモジュールに関し、特に外科手術ロボットシステムのロボットアームとコントローラとの間で電力及びデータを伝送すると同時に、ロボットアームとコントローラとの間の電気的分離を提供することができる、アイソレータモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な外科手術ロボットシステムは、外科医のコンソール内に位置するコントローラに接続された1つ以上の外科手術ロボットを備える。各外科手術ロボットは、ベースユニット、ロボットアーム、及び外科手術器具を備える。コントローラは、1つ以上のロボットアームと外科医との間のインターフェースを提供し、それによって外科医がロボットアームを制御することを可能にする。コントローラは、データ信号及び電力信号をロボットアームに伝送するように構成されている。データ信号は、外科医によって送信される制御コマンド、及びコントローラ自体から送信される診断データの要求を含み得る。コントローラはまた、ロボットアームからデータ信号を受信するように構成されている。ロボットアームから受信されるデータ信号は、センサデータ、位置データ、及び診断データの組み合わせを含み得る。
【0003】
外科医のコンソールに位置するコントローラは、外科手術ロボットシステムの1つ以上のロボットアームから電気的に分離され得る。この電気的分離は、外科医のコンソール又は他の電子構成要素からロボットアーム、及び最終的には患者に送信される危険な電気エネルギーのリスクを低減する。逆方向では、電気的分離は、ロボットアームからの危険な電気エネルギーが外科医のコンソールを介して外科医に送信されることを防止する。
【発明の概要】
【0004】
第1の態様によれば、ロボットアーム及びコントローラを備える、外科手術ロボットシステムで使用するためのアイソレータモジュールが提供されており、アイソレータモジュールは、外科手術ロボットシステムのロボットアームとコントローラとの間のインターフェースを提供するように構成されており、アイソレータモジュールは、(i)コントローラに接続された第1のケーブルから電力を伝送し、かつ(ii)第1のケーブルとの間でデータを伝送するように構成されている、第1のインターフェース部分と、(i)ロボットアームに接続された第2のケーブルに電力を伝送し、かつ(ii)第2のケーブルとの間でデータを伝送するように構成されている、第2のインターフェース部分と、第1のインターフェース部分を第2のインターフェース部分に接続するデータリンクであって、データリンクが、第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間で双方向にデータを伝送する一方で、第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間に電気的分離を提供するように構成されている、データリンクと、第1のインターフェース部分から第2のインターフェース部分に電力を伝送する一方で、第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間に電気的分離を提供するように構成されている、分離された電力変換器と、を備える。
【0005】
第1のインターフェース部分は、第1の制御ユニットを備え得、第1の制御ユニットは、第1のケーブルから受信した電力を分離された電力変換器に伝送することと、第1のケーブルとデータリンクとの間でデータを伝送することと、を行うように構成されている。
【0006】
第2のインターフェース部分は、第2の制御ユニットを備え得、第2の制御ユニットは、分離された電力変換器から受信した電力を第2のケーブルに伝送することと、データリンクと第2のケーブルとの間でデータを伝送することと、を行うように構成されている。
【0007】
データは、CoaXPress(CXP)データプロトコルに従って、第1のケーブル及び第2のケーブルを通して送信され得る。
【0008】
第1のインターフェース部分及び第2のインターフェース部分の各々は、CoaXPress(CXP)トランシーバモジュールを備え得る。
【0009】
データリンクは、第3のケーブルであり得る。
【0010】
第3のケーブルは、光ファイバーケーブルであり得、光ファイバーケーブルは、光を使用して第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間でデータを伝送するように構成されている。
【0011】
光は、赤外線であり得る。
【0012】
ロボットアームからコントローラに伝送されたデータは、センサデータのストリームを含み得る。
【0013】
第1のインターフェース部分は、信号コンディショニングモジュールを更に備え得、信号コンディショニングモジュールは、データリンクからデータストリームを受信することと、データストリームから組み込みクロックを抽出することと、クリーンクロックを使用して、データストリームの新しいバージョンを第1のケーブルに再送信することと、を行うように構成されている。
【0014】
第1の信号コンディショニングモジュールは、受信したデータストリームの品質を監視することと、受信したデータストリームの品質を示すデータを送信することと、を行うように更に構成され得る。
【0015】
第2のインターフェース部分は、第2の信号コンディショニングモジュールを更に備え得、第2の信号コンディショニングモジュールは、第2のケーブルからデータストリームを受信することと、データストリームから組み込みクロックを抽出することと、クリーンクロックを使用して、データストリームの新しいバージョンをデータリンクに再送信することと、を行うように構成されている。
【0016】
第2の信号コンディショニングモジュールは、受信したデータストリームの品質を監視することと、受信したデータストリームの品質を示すデータを送信することと、を行うように更に構成され得る。
【0017】
分離された電力変換器は、DC-DC電力変換器であり得る。
【0018】
第1のインターフェース部分及び第2のインターフェース部分の各々は、スモールフォームファクタプラガブル(SFP)インターフェースモジュールを備え得る。
【0019】
モジュールは、分離されたイーサネットスイッチボードの部分を形成し得る。
【0020】
アイソレータモジュールは、マイクロコントローラを更に備え得、マイクロコントローラは、第1の信号コンディショニングモジュールに接続されており、かつ第1の信号コンディショニングモジュールによって実施される分析の結果を受信することと、これらの分析結果を使用して、ロボットアームからコントローラに伝送されるデータの品質を示す診断情報を提供することと、を行うように構成されている。
【0021】
マイクロコントローラは更に、第2の信号コンディショニングモジュールに接続され得、かつ第2の信号コンディショニングモジュールによって実施される分析の結果を受信することと、これらの分析結果を使用して、診断情報を提供することと、を行うように構成されている。
【0022】
マイクロコントローラによって提供される診断情報は、以下の表示:第1のインターフェース部分及び第2のインターフェース部分の各々の過電流及び不足電流と、第1のトランシーバモジュール及び第2のトランシーバモジュールがアイソレータモジュール上に存在するかどうかであって、第1のトランシーバモジュール及び第2のトランシーバモジュールの各々が、データリンクとの間でデータ信号を送信及び受信するように構成されている、存在するかどうかと、第1のトランシーバモジュール及び第2のトランシーバモジュールの状態と、第1の信号コンディショニングモジュールが、アイソレータモジュールによって使用するためにロック解除されているかどうかと、第2の信号コンディショニングモジュールが、アイソレータモジュールによって使用するためにロック解除されているかどうかと、外科手術ロボットシステムに障害があるかどうかと、第1のケーブル及び第2のケーブルの通信の品質及び信号の完全性と、第1のインターフェース部分及び第2のインターフェース部分上に位置する第1及び第2の温度センサからそれぞれ記録された温度と、外科手術器具に提供されており、それによって外科手術器具への電気的接続の品質の表示を提供する、電流及び電圧と、のうちの1つ以上を含み得る。
【0023】
アイソレータモジュールは、マイクロコントローラに接続された1つ以上のインジケータを更に備え得、1つ以上のインジケータは、外科手術ロボットシステムに障害があるかどうかを示すように構成されている。
【0024】
1つ以上のインジケータは、障害診断発光ダイオード(LED)であり得る。
【0025】
ロボットアームは、カメラを有する外科手術器具を備え得る。
【0026】
データリンクを介して、第1のインターフェース部分から第2のインターフェース部分に伝送されるデータは、外科手術器具からのデータの制御信号及び/又は問い合わせを含み得る。
【0027】
データリンクを介して、第2のインターフェース部分から第1のインターフェース部分に伝送されるデータは、診断データ、位置データ、及びセンサデータのうちの1つ以上を含み得る。
【0028】
センサデータは、画像データであり得る。
【0029】
マイクロコントローラによって提供される診断情報は、以下の表示:カメラがロボットアームからプラグを抜かれているかどうかの表示と、カメラによって消費される電流の表示と、のうちの1つ以上を含み得る。
【0030】
モジュールは、ロボットアームを備えるユニット内の外科手術ロボットシステム内に位置し得る。
【0031】
モジュールは、コントローラを備える外科医のコンソール内の外科手術ロボットシステム内に位置し得る。
【0032】
第2の態様によれば、外科手術ロボットシステムが提供されており、外科手術ロボットシステムは、コントローラと、コントローラによって制御されるロボットアームと、コントローラとロボットアームとの間のインターフェースを提供するように構成された、アイソレータモジュールと、アイソレータモジュールの第1のインターフェース部分にコントローラを接続する、第1のケーブルであって、第1のケーブルが、(i)コントローラと第1のインターフェース部分との間で電力を伝送することと、(ii)コントローラと第1のインターフェース部分との間でデータを伝送することと、を行うように構成されている、第1のケーブルと、アイソレータモジュールの第2のインターフェース部分にロボットアームを接続する、第2のケーブルであって、第2のケーブルが、(i)ロボットアームと第2のインターフェース部分との間で電力を伝送することと、(ii)ロボットアームと第2のインターフェース部分との間でデータを伝送することと、を行うように構成されている、第2のケーブルと、を備え、アイソレータモジュールは、第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間でデータ及び電力を伝送する一方で、第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間に電気的分離を提供するように構成されている。
【0033】
第3の態様によれば、外科手術ロボットシステムが提供されており、外科手術ロボットシステムは、コントローラと、コントローラによって制御される、ロボットアームと、上述のようなアイソレータモジュールと、アイソレータモジュールの第1のインターフェース部分にコントローラを接続する、第1のケーブルであって、第1のケーブルが、(i)コントローラと第1のインターフェース部分との間で電力を伝送することと、(ii)コントローラと第1のインターフェース部分との間でデータを伝送することと、を行うように構成されている、第1のケーブルと、アイソレータモジュールの第2のインターフェース部分にロボットアームを接続する、第2のケーブルであって、第2のケーブルが、(i)ロボットアームと第2のインターフェース部分との間で電力を伝送することと、(ii)ロボットアームと第2のインターフェース部分との間でデータを伝送することと、を行うように構成されている、第2のケーブルと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0034】
ここで、添付図面を参照して、本発明を例として説明する。図は、以下のとおりである。
【0035】
【
図1】外科手術ロボットシステムの構成を示している。
【
図2】
図1の外科手術ロボットシステム内の構成要素の電気的分離を示している。
【
図3】
図1に示した外科手術ロボットシステムと併用するための、アイソレータモジュールの第1の例示的な配置を示している。
【
図4】
図1に示した外科手術ロボットシステムと併用するための、アイソレータモジュールの第2の例示的な配置を示している。
【
図5】
図3又は
図4に示したように、アイソレータモジュールを備える外科手術ロボットシステム内の構成要素の電気的分離を示している。
【
図6】外科手術ロボットシステム内のアイソレータモジュールの2つの例示的な場所を示している。
【発明を実施するための形態】
【0036】
例示的な外科手術ロボットシステム100を
図1及び
図2に示す。外科手術ロボットシステム100は、1つ以上の外科手術ロボット104a、104bに接続された外科医のコンソール102を備える。
図1では、1つの外科手術ロボット104aのみが外科医のコンソール102に接続されている。
図2では、2つの外科手術ロボット104a、104bが外科医のコンソール102に接続されている。当然のことながら、外科手術ロボットシステムは、相互の外科医のコンソール102に接続された1つ、2つ、又は3つ以上の外科手術ロボットを備え得る。
【0037】
図1の外科手術ロボット104aは、ベースユニット108から延在するアーム106を備える。アームは、複数のジョイント112a、112bによって結合される、複数の剛直な肢110a~cを有する。複数の剛直な肢110a~cは、任意の適切な数の剛直な肢を含み得る。同様に、複数のジョイントは、任意の適切な数のジョイント112a、112bを含み得る。ジョイント112a、112bは、肢110a~cに運動を適用するように構成されている。アーム106の各ジョイント112a、112bは、それぞれのジョイントで回転運動を引き起こすように操作することができる、1つ以上の駆動源を有する。各駆動源は、駆動源からジョイントに電力を伝送するドライブトレインによって、それぞれのジョイントに接続される。
【0038】
ロボットアームの最遠位肢110cは、外科手術器具114のための取付具を担持する。外科手術器具は、患者に動作を実行するためのエンドエフェクタを含む。エンドエフェクタは、任意の好適な形態を取り得る。例えば、エンドエフェクタは、滑らかな顎、鋸歯状の顎、グリッパ、一対の剪断器、ハサミ、縫合用針、レーザ、ナイフ、ステープラ、焼灼器、吸引器、又は単極ハサミなどの電気外科手術器具であり得る。外科手術器具は、代替的に、内視鏡などのカメラを備える装置であり得る。外科手術器具は、1つ以上の第1のデータリンクを介して、フィードバックデータを外科医のコンソール102に送信するように構成されている。フィードバックデータは、外科手術器具の位置の表示、診断データ、及び/又は外科手術器具の1つ以上のセンサからの測定値などの、外科手術器具114からの情報を含み得る。フィードバックデータは、代替的に、又は追加的に、アームの姿勢の表示、並びにアームに沿って位置付けられた1つ以上のセンサからの診断データ及び/又は測定値などの、ロボットアームからの情報を含み得る。外科手術器具114がカメラを備える場合、フィードバックデータは、画像データのストリームを含み得る。1つ以上の第1のデータリンクは、第1の端部で外科医のコンソール102に接続され、かつ第2の端部で外科手術器具114に接続された、電気配線116内に構成され得る。
【0039】
駆動源及びセンサの構成コントローラは、外科手術ロボット104aのアーム106内に分布する。構成コントローラは、第2のデータリンクを介してマスターコントローラ118に接続される。第2のデータリンクは、1つ以上の第1のデータリンクに加えて、電気配線116内に構成され得る。マスターコントローラ118(以降、「コントローラ118」と称する)は、外科医のコンソール102内に位置する。コントローラ118は、プロセッサ120及びメモリ122を含む。メモリ122は、非一時的な方法で、プロセッサ120によって実行可能であり、駆動源の動作を制御してロボットアーム106を動作させるソフトウェアを格納する。特に、ソフトウェアは、プロセッサ120を制御して、センサ及び外科医コマンドインターフェース124からの入力に依存して、駆動源(例えば、分散型コントローラを介して)を駆動させることができる。コントローラ118は、ソフトウェアの実行によって生成された出力に従ってそれらを駆動するために駆動源に結合される。コントローラ118は、それらのセンサからフィードバックデータを受信するためのセンサ、及びそのインターフェースから制御データを受信するためのコマンドインターフェース124に接続される。
【0040】
コマンドインターフェース124は、1つ以上の入力装置126を含み、それによって、ユーザーは、所望の方式でエンドエフェクタの運動を要求することができる。入力装置、又は入力コントローラは、例えば、制御ハンドルやジョイスティックなどの手動操作可能な機械的入力装置、タッチスクリーンなどのタッチ操作可能な入力、又は光学ジェスチャーセンサや音声センサなどの非接触入力装置であり得る。入力装置は、入力を受信するために目の動きを監視し得る。入力装置は、例えば、これらのタイプの入力装置のいくつかの組み合わせであり得る。入力装置によって入力されるコマンドには、例えば、x、y、若しくはz軸に沿った横方向の移動及び/又は回転などの特定の方法で器具を動かすための移動コマンドが含まれ得る。こうしたコマンドには、例えば、エンドエフェクタを器具114の遠位端に結合して制御し、エンドエフェクタを操作する、エンドエフェクタコマンドが含まれ得る。エンドエフェクタが内視鏡である場合、コマンドは、内視鏡をオン若しくはオフにするコマンド、又は内視鏡がズームイン若しくはズームアウトするコマンドを含み得る。
【0041】
メモリ122に記憶されるソフトウェアは、これらの入力に応答し、それに応じて、アーム及び器具のジョイントを、所定の制御戦略に従って、移動させるように構成されている。制御戦略には、コマンド入力に応答して、アーム及び器具の運動を緩和する安全機能が含まれ得る。したがって、要約すると、コマンドインターフェース124を適切に含む外科医コンソールの外科医は、所望の外科的処置を実行するように移動するように器具114を制御することができる。したがって、ロボットアーム106は、コントローラ118がマスターコントローラとして機能する、マスタースレーブマニピュレーターとして機能する。
【0042】
外科医のコンソール102は、外科手術ロボットシステムの異なる部分に電力を分配するように構成された1つ以上の配電ユニット128を更に含む。例えば、第1の配電ユニットは、第1の外科手術ロボット104aに電力を供給してもよく、第2の配電ユニットは、第2の外科手術ロボット104bに電力を供給してもよく、第3の配電ユニットは、コマンドインターフェース124に電力を供給し得る。単一の配電ユニットは、外科手術ロボットシステムの1つ以上の部分に電力を供給し得る。一実施例では、外科手術ロボットシステム全体が、単一の配電ユニットによって電力供給され得る。1つ以上の配電ユニットは、外科手術ロボットシステム用の電力を生成する主電源などの電源に接続される。1つ以上の配電ユニットの各々は、主電源などの電源に電気的に接続された第1のインターフェースユニット130を有する。配電ユニットの各々は、そのユニットが電力を供給するよう構成されている外科手術ロボットシステムの1つ以上の部分に電気的に接続された、第2のインターフェースユニット132を更に備える。第1のインターフェースユニット130は、第2のインターフェースユニット132から電気的に分離されている。電力は、1つ以上の電力リンクを介して、配電ユニットからシステムのロボットアーム104aに供給され得る。1つ以上の電力リンクは、電気配線116内に構成され得る。
【0043】
外科手術ロボットシステム100内の1つ以上の外科手術器具がカメラを備える場合、外科医のコンソールは、そのカメラから受信した画像データを処理するように構成されているビデオプロセッサカード(VPC)134を更に備える。ビデオプロセッサカードは、電気配線116内に含まれる第1のデータリンクから一連の画像を受信し、かつこれらの画像を処理して、外科医のコンソール102のコマンドインターフェース124の表示装置136に表示され得るデータを生成する。表示装置136は、外科手術ロボットシステムの1つ以上の外科手術ロボットを操作する外科医に視覚的なフィードバックを提供するように使用され得る。
【0044】
上述のように、外科手術ロボットの各外科手術器具114は、患者に対して動作を実施するために使用される。外科手術器具は、外科医のコンソールから制御され、コンソールからの制御信号は、電気配線116のデータリンクを介して外科手術器具に供給される。診断、位置、又はセンサデータを含み得る、外科手術器具からのフィードバックデータは、データリンク電気配線116を介して外科医のコンソールにフィードバックされる。電力はまた、電気配線116内にも構成され得る電力リンクを介して、1つ以上の配電ユニットから外科手術器具(及びロボットアーム)に提供される。本明細書に記載される実施例では、電気配線116は、異なるケーブルでデータ及び電力を伝送するのではなく、単一のケーブルでデータ及び電力を伝送するように構成されている。
【0045】
画像データなどのセンサデータを外科医のコンソールにフィードバックするための1つ以上の第1のデータリンクは、高速データ伝送が可能であるべきである。そのようなデータ伝送の典型的な速度要件は、10~40mの電気配線の距離にわたって1~15GB/秒である。速度要件は、10~25mの距離にわたって3~15GB/秒であり得る。システムの外科医のコンソール102と1つ以上の外科手術ロボット104a、104bとの間のデータ及び電力接続が必要とされる一方で、外科医のコンソール自体が各外科手術ロボット(及びそれゆえそれらのロボットの外科手術器具)から電気的に分離されていることが有益である。これにより、外科医のコンソールからの危険な電気エネルギーのリスクが最小化され、これは、外科手術器具を介して患者に伝送される、主電源などの電源によって生成される。
【0046】
図1及び
図2に示したシステムでは、外科医のコンソール102と外科手術ロボット104a、104bとの間の電気的分離は、部分的にVPC134によって提供され得る。VPC134は、一対の電気トランスを使用して、コントローラ118から1つ以上の外科手術ロボット104a、104bを電気的に分離する、シリアルデジタルインターフェース(SDI)を備え得る。データ信号は、誘導カップリングを使用してSDIのトランス間に送信される。電気的な分離を提供するためにVPCを使用することによる制限は、VPC134内に含まれるSDIが、各ロボットアーム104aを外科医のコンソール102の全ての構成要素から電気的に分離しないことである。これは
図2に示されており、破線138(
図2の右側)の内部の構成要素は、VPCによって提供される電気的分離があっても、互いに電気的に接続している。これらの構成要素には、外科手術器具114(内視鏡のカメラを含み得る)のエンドエフェクタ、外科手術器具114と外科医のコンソール102との間に延在する電気配線116、VPC134、及びVPC用の配電ユニット128が含まれる。これらの構成要素は、患者と導電性接触しているか、又は患者と中長期にわたって接触している。
図2に示した電気的分離は、外科医のコンソールの奥深く(すなわち、コンソールの様々なモジュール内)に提供される。このタイプの分離は、分離された構成要素をコンソール内で物理的に互いに分離する必要があるため、高レベルの設計の複雑さを提供する。
【0047】
1つ以上のロボットアームと外科手術ロボットシステムのコントローラとの間の電気的分離を提供するためのVPCの使用の更なる欠点を以下に示す。
・SDIトランスは、高速処理と広帯域幅の要件を必要とし、高い誘電体強度を提供しながら、大きな沿面距離及びクリアランス距離をブリッジできなければならない。
・トランスはカスタム設計の部品であり、反復可能な製造が課題であり、製品サプライチェーンにとって課題となっている。
・SDIトランスは壊れやすく、組み立てや点検作業中に損傷しやすい。
・無線周波(RF)電気外科手術の干渉が、SDIトランスにわたって生じ得る。
・SDIインターフェースは将来性がなく、4Kビデオの送信に必要な帯域幅など、より高い帯域幅のデータ送信をサポートできない。
【0048】
以下に記載されるものは、
図1及び
図2に記載されるシステムに対する改善である。上述のVPC分離の限界を克服するために、
図1及び2に示したシステムなどの外科手術ロボットシステム内に挿入され得る、アイソレータモジュールが設計されている。アイソレータモジュールは、コントローラからロボットアームに(又はより具体的には、ロボットアームの外科手術器具に)電力を送信し、かつコントローラとロボットアームとの間でデータを伝送すると同時に、コントローラとロボットアームとの間に電気的分離を提供することができる。アイソレータモジュールは、外科手術ロボットシステムのロボットアームとコントローラとの間のインターフェースを提供するように構成されている。アイソレータモジュールは、プリント回路基板などの任意のタイプの適切なモジュールとして、ハードウェアで構成され得る。こうしたアイソレータモジュール300の実施例を
図3に示す。
【0049】
アイソレータモジュール300は、第1のインターフェース部分302及び第2のインターフェース部分304を備える。第1のインターフェース部分302は、二重破線306によって示されるように、第2のインターフェース部分304から電気的に分離されている。第1のインターフェース部分302は、外科医のコンソールのコントローラに最も近い、アイソレータモジュールの第1の端部に位置する。第1のインターフェース部分302は、第1のケーブル308を介してコントローラに電気的に接続される。第1のケーブル308は、コントローラと第1のインターフェース部分302との間で、双方向にデータを伝送するように構成されている。第1のケーブル308はまた、コントローラから第1のインターフェース部分302に少なくとも一方向に電力を伝送するように構成されている。第1のケーブル308は、コントローラと第1のインターフェース部分302との間で、双方向に電力を伝送するように構成され得る。言い換えれば、第1のケーブル308は、データ及び電力の両方をコントローラから第1のインターフェース302部分に伝送し、かつ第1のインターフェース部分からコントローラに少なくともデータを伝送するように構成されている。コントローラと第1のインターフェース部分302との間で双方向に少なくともデータ信号を伝送するように構成されているため、第1のケーブル308は、二方向のケーブルと呼んでもよい。単一のケーブル(第1のケーブル308)を使用して、データ及び電力の両方を、アイソレータモジュール300とコントローラとの間で伝送する。
【0050】
第2のインターフェース部分304は、外科手術ロボットシステムの1つ以上のロボットアームのうちの1つに最も近い、アイソレータモジュールの第2の端部に位置する。したがって、第2のインターフェース部分304は、第2のケーブル310を介してロボットアームと接合するように構成されている。第2のケーブル310は、ロボットアームと第2のインターフェース部分304との間で、双方向にデータを伝送するように構成されている。第2のケーブル310はまた、第2のインターフェース部分304からロボットアームに少なくとも1つの方向で電力を伝送するように構成されている。第2のケーブル310は、ロボットアームと第2のインターフェース部分304との間で双方向に電力を伝送するように構成され得る。言い換えれば、第2のケーブル310は、ロボットアームと第2のインターフェース部分304との間でデータ及び電力の両方を伝送し、かつロボットアームから第2のインターフェース部分に少なくともデータを伝送するように構成されている。ロボットアームと第2のインターフェース部分304との間で双方向に少なくともデータ信号を伝送するように構成されているため、第2のケーブル310は、二方向ケーブルと呼んでもよい。単一のケーブル(第2のケーブル310)を使用して、データ及び電力の両方を、アイソレータモジュール300とロボットアームとの間で伝送する。
【0051】
第1のケーブル308及び第2のケーブル310の各々は、データリンク及び電力リンクを備える。データリンクは、第1及び第2のケーブルの各々に沿って双方向にデータを伝送するために使用される。電力リンクは、第1及び第2のケーブルの各々に沿って少なくとも1つの方向で電力を伝送するために使用される。これらのリンクの各々を提供するために異なるケーブルを使用する代わりに、単一のケーブル内にアイソレータモジュールのデータリンクと電力リンクとを組み合わせることにより、アイソレータ機構のシンプルさとコンパクト性を最大化することができる。必要とされるケーブルの数を低減することは、ロボットアームが手術室内でコンパクトかつ容易に操作可能であることが重要である外科手術ロボットシステムにおいて特に有益である。ケーブルの数を減少させることはまた、外科手術ロボットシステムによってもたらされるトリップ危険、並びに患者に害を及ぼす可能性のあるケーブルによって引き起こされる静電容量式及び/又は誘導性カップリングを低減する。
【0052】
第1のインターフェース部分302は、コントローラに接続された第1のケーブル308から、アイソレータモジュール内に含まれる分離された電力変換器312に電力を伝送するように構成されている。第1のインターフェース部分は、第1のケーブル308とデータリンク314との間でデータを伝送するように更に構成されている。第2のインターフェース部分304は、分離された電力変換器312から、ロボットアームに接続された第2のケーブル310に電力を伝送するように構成されている。第2のインターフェース部分は、その第2のケーブル310とデータリンク314との間でデータを伝送するように更に構成されている。
【0053】
データリンク314は、第1のインターフェース部分302を第2のインターフェース部分304に接続するように構成されている。データリンク314は、第1のインターフェース部分302と第2のインターフェース部分304との間で双方向にデータ信号を伝送するように構成されている。言い換えれば、データリンク314は、第1のインターフェース部分から第2のインターフェース部分に、かつ第2のインターフェース部分から第1のインターフェース部分にデータ信号を伝送するように構成されている。同時に、データリンク314は、第1のインターフェース部分302と第2のインターフェース部分304との間の電気的分離を提供するように構成されている。
【0054】
データリンク314は、第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間でデータ信号を伝送することができ、一方でそれらの部分間で電気的分離を提供することができる、任意の適切なリンクであり得る。一実施例では、データリンクは、第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間を通過する、直接視界レーザビームを含み得る。更なる実施例では、データリンクは、第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間を通過する、無線周波数(RF)又はBluetooth(RTM)信号などの代替的な無線通信信号であり得る。別の実施例では、データリンク314は、第3のケーブルであり得る。データリンク314が第3のケーブルである場合、第3のケーブルは、第1のインターフェース部分302と第2のインターフェース部分304との間の電気的分離306の領域をバイパスし得る。すなわち、第3のケーブル314は、第1のインターフェース部分302から第2のインターフェース部分304まで、アイソレータモジュールの外部を通過し得る。別の方法として、第3のケーブル314は、アイソレータモジュールを統合し得、かつ第1のインターフェース部分302と第2のインターフェース部分304との間の電気的分離306の領域を横断し得る。第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間で双方向にデータ信号を伝送することができるため、第3のケーブル314は、二方向ケーブルと呼んでもよい。
【0055】
アイソレータモジュール300は、分離された電力変換器312を更に備える。分離された電力変換器312は、第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間で電力を伝送するように構成されている。同時に、分離された電力変換器312は、第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間の電気的分離を提供するように構成されている。分離された電力変換器312はまた、以下で更に詳細に説明される。
【0056】
本出願における開示の目的のために、用語「電気的分離」は、電流が第1の回路と第2の回路との間を通過することができないように、2つの回路間の電気的分離又はバリアを指す。例えば、モジュールの第2のインターフェース部分から電気的に分離されているような第1のインターフェース部分への言及は、電流が2つのインターフェース部分のうちの第1の一方からそれらの部分の第2の一方に流れることができないように、2つのインターフェース部分が互いに電気的に分離されていることを示す。
【0057】
これから、アイソレータモジュールの第1及び第2のインターフェース部分について更に詳細に説明する。第1のインターフェース部分302は、第1のポート316を備える。第1のポート316は、第1のケーブル308の端部と接合し、それによって、第1のケーブル308をアイソレータモジュール300に接続するように構成された物理的ハードウェアを備える。したがって、第1のポート316は、第1のケーブル308を介して、システムのコントローラと第1のインターフェース部分302との間の電気的接続を提供する。第1のインターフェース部分302は、第1の電気リンク320を介して入口端で第1のポート316に電気的に接続されている、第1の制御ユニット318を更に備える。第1の制御ユニット318は、第2の電気リンク324を介して出口端で分離された電力変換器312に電気的に接続されており、かつ第3の電気リンク326を介して出口端で第1のトランシーバモジュール322に別々に電気的に接続されている。
【0058】
第1の制御ユニット318は、第1のポート308を介して第1のケーブル308からデータ及び電力信号を受信するように構成されている。電力信号は、第1のケーブル308を介して外科手術ロボットシステムのコントローラから受信される。データ信号はまた、第1のケーブル308を介してコントローラから第1の方向に受信される。データ信号は、診断データなどの外科手術器具からのデータに対する制御信号及び/又は問い合わせを含み得る。第1の制御ユニット318は、第1のケーブル308から受信した電力信号及びデータ信号を分離し、かつそれらをアイソレータモジュール300上のそれぞれの構成要素に向けるように構成されている。例えば、第1の制御ユニット318の入口端で受信される電力信号は、第2の電気リンク324を介して分離された電力変換器312に転送される。第1の制御ユニット318はまた、第2のインターフェース部分304を介してロボットアームからデータ信号を受信するように構成されている。データ信号は、コントローラによって要求されたセンサデータ、診断データを含み得る。
【0059】
データ信号が第1のインターフェース部分302を横切って双方向に送信されると、第1の電気リンク320及び第3の電気リンク326は、第1のトランシーバモジュール322と第1のポート316との間で双方向にデータを伝送するように構成されている。したがって、第1の電気リンク320及び第3の電気リンク326は、二方向電気リンクと呼んでもよい。
【0060】
第2のインターフェース部分304は、第2のポート330を備える。第2のポート330は、第2のケーブル310の端部と接合し、それによって、第2のケーブル310をアイソレータモジュール300に接続するように構成された物理的ハードウェアを備える。したがって、第2のポート330は、第2のケーブル310を介して、ロボットアームと第2のインターフェース部分304との間に電気的接続を提供する。第2のインターフェース部分304は、第4の電気リンク334を介して入口端で第2のポート330に電気的に接続された第2の制御ユニット332を更に備える。第2の制御ユニット332は、第5の電気リンク336を介して出口端で分離された電力変換器312に電気的に接続されており、かつ第6の電気リンク338を介して出口端で第2のトランシーバモジュール328に別々に電気的に接続されている。
【0061】
第2の制御ユニット332は、データ及び電力信号を受信するように構成されている。電力信号は、分離された電力変換器312を介して外科手術ロボットシステムのコントローラから受信される。データ信号は、第1のインターフェース部分302を介してコントローラから第1の方向において受信される。上述のように、これらのデータ信号は、診断データなどのデータに対する問い合わせを含み得る。第2の制御ユニット332は、第2のポート330を介して第2のケーブル310に送信するために、受信したデータ及び電力信号を組み合わせるように構成されている。第2の制御ユニット332はまた、第2のポート330を介して第2のケーブル310からデータ信号を受信するように構成されている。データ信号は、ロボットアームからの位置データ、診断データ、及び/又はセンサデータを含み得る。
【0062】
データ信号が第2のインターフェース部分304を横切って双方向に送信されると、第4の電気リンク334及び第6の電気リンク338は、第2のトランシーバモジュール328と第2のポート330との間で双方向にデータを伝送するように構成されている。したがって、第4の電気リンク334及び第6の電気リンク338は、二方向電気リンクと呼んでもよい。
【0063】
データリンク314が第3のケーブルである場合、第3のケーブルは、第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間でデータ信号を伝送すると同時に、それらの部分間で電気的分離を提供することができる任意のタイプのケーブルであり得る。一実施例では、第3のケーブル314は、光ファイバーケーブルである。光ファイバーケーブルは、光のパルスとしてケーブルに沿ってデータを送信するファイバーの1つ以上のストランドを備える、ケーブルである。ファイバーのストランドは、ガラス又はプラスチックなどの光を透過することができる任意の適切な材料で作製され得る。第3のケーブル314に沿って(電気信号を使用するのではなく)光を使用してデータを伝送する利点は、データ伝送の堅牢な方法を提供することである。すなわち、第3のケーブル314に沿った光の伝送は、外科手術システムに存在し得る電磁干渉のために中断されない。これに加えて、光の使用によって、アイソレータモジュール300を通したデータの高速伝送、並びに広範囲の周波数にわたる一貫したデータ伝送が可能となる。更に、トランシーバモジュール322、328は、第3のケーブル314を通して送信されるデータの量に応じて、簡単に交換することができる。望ましい帯域幅に最も適したモジュールを選択することができるように、様々な帯域幅能力を有するトランシーバの範囲が、モジュールにプラグを差し込むために利用可能であり得る。したがって、データ伝送の望ましい速度にアイソレータモジュールを適合させることは容易である。
【0064】
第3のケーブル314が光ファイバーケーブルである場合、第3のケーブル314を通して伝送される光は、可視光であり得る。言い換えれば、光は、ヒトの目によって見ることができる光の形態であり得る。光は、300GHz~400THzの周波数範囲を有する近赤外光であり得る。あるいは、光は、400THz~800THzの周波数を有する白色光であり得る。光は、任意の他の適切な周波数の光であり得る。光の正確な周波数は、第3のケーブル314の各端部に位置する第1のトランシーバ322及び第2のトランシーバ328によって受信され得る、周波数によって決定される。
【0065】
第1のトランシーバモジュール322は、第3のケーブル314の第1の端部に電気的に接続されており、かつ第3のケーブル314を通して第1の制御ユニット318からデータ信号を送信するように構成されている。第1のトランシーバモジュール322はまた、第3のケーブル314から第2のインターフェース部分304からデータ信号を受信するように構成されている。第1のインターフェース部分302を第2のインターフェース部分304から電気的に分離しながら、第3のケーブル314を通してデータを送信するためには、データは、非電気信号を介して第3のケーブル314を通して送信されなければならない。したがって、第1のトランシーバモジュール322は、第1の制御ユニット318から受信した電気信号を、第3のケーブル314を通して伝送するための非電気信号に変換するように更に構成されている。同様に、第1のトランシーバモジュール322は、第3のケーブル314から受信した非電気信号を第1の制御ユニット318に送信される電気信号に変換するように構成されている。第3のケーブル314が光ファイバーケーブルである場合、第1のトランシーバモジュール322は、電気信号を光信号に変換するように構成されており、その逆も同様である。したがって、第1のトランシーバモジュール322は、光トランシーバと呼ばれてもよい。
【0066】
第2のトランシーバモジュール328は、第3のケーブル314の第2の端部に電気的に接続されており、かつ第3のケーブル314を通して第2の制御ユニット332からデータ信号を送信するように構成されている。第2のトランシーバモジュール328はまた、第3のケーブル314から第1のインターフェース部分302からデータ信号を受信するように構成されている。第1のトランシーバモジュールと同様に、第2のトランシーバモジュール328は、第2の制御ユニット332から受信した電気信号を、第3のケーブル314を通して伝送するための非電気信号に変換するように構成されている。また、第2のトランシーバモジュール328は、第3のケーブル314から受信した非電気信号を第2の制御ユニット332に送信される電気信号に変換するように構成されている。第3のケーブル314が光ファイバーケーブルである場合、第2のトランシーバモジュール328は、電気信号を光信号に変換するように構成されており、その逆も同様である。したがって、第2のトランシーバモジュール328は、光トランシーバと呼ばれてもよい。
【0067】
一実施例では、第1のトランシーバモジュール322及び第2のトランシーバモジュール328は、スモールフォームファクタプラガブル(SFP)トランシーバモジュールであり得る。SFPモジュールは、そのトランシーバを第3のケーブル314に接続するインターフェースとしてのモジュール式スロットを備えるネットワークインターフェースモジュールである。代替トランシーバモジュールではなくSFPモジュールを使用する利点は、SFPの個々のポートに任意の適切なタイプのトランシーバを装備することができることである。これは、将来、より高解像度のビデオを提供するために、アイソレータモジュールを容易にスケールアップすることができることを意味する。これに加えて、SFPファイバーリンクの使用は、第3のケーブルが光ファイバーケーブルである場合に、高速データ伝送速度を提供するので有利である。更に、SFPモジュールは、第3のケーブルから受信したデータ信号の均等化を行うことができる。均等化とは、信号歪みを除去し、データ信号の品質を改善することである。SFPモジュールはまた、有利にデータ信号を増幅することができる。
【0068】
データリンク314がケーブルを含まない場合、第1及び第2のトランシーバモジュールは、第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間でデータを伝送することができる任意の適切なモジュールであり得る。例えば、第1及び第2のトランシーバモジュールは、レーザ、RF、Bluetooth(RTM)、又は任意の他の適切な形態の無線データ伝送信号を生成し得る。第1及び第2のトランシーバモジュールは、このような適切な信号を受信するように更に構成され得る。
【0069】
分離された電力変換器312は、第1の部分から第2の部分に電気を伝送することなく、アイソレータモジュールの第1のインターフェース部分302から第2のインターフェース部分304に電力を伝送するように構成されている。分離された電力変換器は、第1のインターフェース部分に電気的に接続された第1の回路と、第2のインターフェース部分に電気的に接続された第2の回路と、を備える。第1の回路及び第2の回路は、互いに物理的に分離される。すなわち、第1の回路は、第2の回路と物理的に接触しない。言い換えれば、分離された電力変換器は、その電気入力(すなわち、外科医のコンソール)をその出力(すなわち、ロボットアームの外科手術器具)から電気的に分離する。第1の回路は第2の回路から電気的かつ物理的に分離されているが、分離された電力変換器は、依然として第1の回路から第2の回路に電力を伝送することができる。電力は、任意の適切な手段を使用して、第1の回路から第2の回路に伝送され得る。一実施例では、電力は、第1の回路内に位置する第1のトランス及び第2の回路内に位置する第2のトランスを使用して、電磁場を通して伝送される。
【0070】
分離された電力変換器は、分離されたDC-DC電力変換器であり得る。DC-DC電力変換器は、ある電圧レベルから別の電圧レベルへの直流(DC)源を変換する、電子回路である。言い換えれば、分離された電力変換器が分離されたDC-DC電力変換器である場合、コントローラから第1の回路を通過する電流は、直流であり、ロボットアームへの第2の回路を通過する電流はまた、直流である。直流電源は、他のタイプの電源よりもエネルギー効率が高いため、外科手術ロボットシステムで使用するのに好ましい。しかしながら、代替的な実施例では、コンバータを通過する電流のタイプは、交流電流などの異なるタイプの電流であり得る。この実施例では、分離された電力変換器は、代替的に、分離されたAC-AC電力変換器であり得る。更なる実施例では、電力変換器は、DC-AC電力変換器又はAC-DC電力変換器であり得る。これらの更なる実施例では、電源又は電源の宛先のいずれかは、必要に応じて反転又は整流され得る。
【0071】
上述の実施例では、分離された電力変換器は、コントローラから外科手術ロボットシステムのロボットアームに一方向に電力を伝送するよう構成されている。しかしながら、更なる実施例では、分離された電力変換器は、二方向電力変換器であり得る。この実施例では、電力は、電力変換器を通して双方向に伝送することができる。言い換えれば、分離された電力変換器はまた、アイソレータモジュールの第1のインターフェース部分302から第2のインターフェース部分304への電力の伝送に加えて、第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間に電気的分離を提供する一方で、第2のインターフェース部分304から第1のインターフェース部分302に電力を伝送するように構成され得る。
【0072】
第3のケーブル314は、ダブルファイバーケーブルであり得る。ダブルファイバーケーブルは、ダウンリンクファイバーとアップリンクファイバーの2本のファイバーで構成されているケーブルである。ダウンリンクファイバーは、ロボットアームからコントローラにデータを伝送するように構成されている。ロボットアームからのデータは、ロボットアームの外科手術器具からのセンサデータ、診断データ、及び位置データのうちの1つ以上を含み得る。ロボットアームがカメラを有する外科手術器具を備える場合、センサデータは、カメラからの画像データであり得る。画像データは、画像データ(又はビデオデータ)のストリームを含み得る。外科手術器具のカメラは、2つのチャネル、左チャネル及び右チャネルを備え得る。この場合、ロボットアームからコントローラに伝送される画像データは、画像データの2つの別個のストリームを、カメラチャネルごとに1つ含み得る。
【0073】
アップリンクファイバーは、コントローラからロボットアームにデータ信号を伝送するように構成されている。データ信号は、コントローラからの制御信号及び/又は問い合わせ信号を含み得る。ロボットアームがカメラを有する外科手術器具を備える場合、制御信号を使用して、カメラの性能を制御し得る。問い合わせ信号はまた、カメラの診断状態を示すデータを要求するために使用され得る。第3のケーブル314のダウンリンクファイバーに沿ったデータ伝送速度は、アップリンクファイバーに沿ったデータ伝送速度よりも速くてもよい。これは、ロボットアームからコントローラに伝送されるデータ(例えば、画像データストリーム)の量が、コントローラからロボットアームに伝送されるデータ(すなわち、制御データ)の量よりも大きいためである。
【0074】
アイソレータモジュールは、ロボットアームと、そのロボットアームのコントローラとの間のデータ通信リンクを提供するために使用される。より具体的には、データ通信リンクは、ロボットアームの外科手術器具とコントローラとの間のものである。データ通信リンクは、既知のデータプロトコルに準拠し得る。データプロトコルは、高頻度センサデータを伝送することができる任意の適切なプロトコルであり得る。一実施例では、データ通信リンクによって使用されるデータプロトコルは、CoaXpress(CXP)プロトコルである。CXPプロトコルは、マシンビジョンアプリケーションで高速画像データを通信するために使用される、デジタルインターフェース規格である。CXPプロトコルに適合するデバイスは、1つ以上の同軸ケーブルを使用して一緒に接続される。したがって、データ通信リンクによって使用されるデータプロトコルがCXPプロトコルである実施例では、外科手術ロボットシステムの第1のケーブル308及び第2のケーブル310は、同軸ケーブルである。また、この実施例では、アイソレータモジュールの第1及び第2のポート316、330は、CXPトランシーバモジュールである。すなわち、第1及び第2のポート316、330の各々は、CXPプロトコルに従ってデータを送受信するように構成されている。CXPプロトコルは、データの高速伝送をサポートするため、説明されたアイソレータモジュールでの使用に有利である。同軸ケーブルによるデータ伝送速度は、ケーブル1本当たり少なくとも6.25Gb/秒である。CXPプロトコルを使用する更なる利点は、このプロトコルによって、モジュールを通過するときにCXPストリーム内のデータをデコードすることなく、特に第1のインターフェース部分302と第2のインターフェース部分304との間で、データを、アイソレータモジュールを通して伝送することができることである。これは、論理の符号化及び復号化を含める必要がないため、アイソレータモジュールの設計を簡素化することができることを意味する。CXPプロトコルはまた、遅延の低減にも関連している。
【0075】
アイソレータモジュールのより詳細な実施例は、
図4に示されている。アイソレータモジュールは、
図3に示すモジュール内の対応する構成要素と同じ多数の構成要素を備える。これらの構成要素には、
図3の対応するコンポーネントに対応する参照符号が割り当てられている。例えば、
図4の第1のインターフェース部分402は、
図3の第1のインターフェース部分302に対応する。
【0076】
上述のように、外科手術ロボットシステムのロボットアームとコントローラとの間で送信されるデータ信号は、センサデータのストリームを形成し得る。より具体的には、ロボットアームに取り付けられた外科手術器具がカメラを備える場合、ロボットアームからコントローラに送信されるセンサデータは、画像データのストリームを含み得る。データがセンサデータのストリームである場合、外科手術ロボットシステムのケーブルを通してデータのストリームを伝送することは、データストリームに「ジッタ」を導入する可能性がある。ジッタは、受信したデータ信号の周期性の偏差として、その信号の元の周期性から記述される。ジッタは、センサデータが、第2のケーブル410を通して、ロボットアームからアイソレータモジュールの第2のインターフェース部分404へ、第3のケーブルを通して、第2のインターフェース部分404からモジュールの第1のインターフェース部分402(データリンクは第3のケーブルである)へ、かつ第1のインターフェース部分402から第1のケーブル408へ通過するときに導入され得る。言い換えれば、任意の有線送信手段を使用してデータ信号を伝送すると、ジッタがデータ信号に導入される。ジッタは、このストリーム内に含まれる信号の歪みを引き起こすため、受信したデータストリームの品質にマイナスの影響を与える。
【0077】
ジッタによって引き起こされるデータストリームの品質の劣化を避けるために、アイソレータモジュールは、1つ以上の信号コンディショニングモジュールを含み得る。例えば、
図4では、アイソレータモジュールの第1のインターフェース部分402は、第1の信号コンディショニングモジュール440を備える。第1の信号コンディショニングモジュール440は、第1の端部で第1のトランシーバモジュール422に、かつ第2の端部で第1の制御ユニット418に電気的に接続される。第1の信号コンディショニングモジュール440は、アイソレータモジュールの第2のインターフェース部分404から第3のケーブル414を通過した第1のトランシーバモジュール422から、データを受信するように構成されている。言い換えれば、第1の信号コンディショニングモジュール440は、ロボットアーム、又は特にロボットアームの外科手術器具からデータを受信するように構成されている。第1の信号コンディショニングモジュール440は、第1のトランシーバモジュール422から受信したデータストリームから組み込みクロックを抽出することと、クリーンクロックを使用して、データストリームの新しいバージョンを第1の制御ユニット418(及びそれゆえ第1のケーブル)に再送信することと、を行うように更に構成されている。そうすることで、第1の信号コンディショニングモジュール440は、受信したデータストリームの周期性のその元の周期性からの偏差を低減し、それによって、データストリームのジッタを低減することができる。このプロセスは、他には、受信された信号の「再タイミング」と呼ばれる。その再タイミング動作を実施する際に、第1の信号コンディショニングモジュール440は、データ信号から歪みを更に除去することができ、データ信号の全体的な品質を改善する。
【0078】
アイソレータモジュールの第2のインターフェース部分は、第2の信号コンディショニングモジュール442を更に備える。第2の信号コンディショニングモジュール442は、第1の端部で第2のインターフェース部分の第2の制御ユニット432に、かつ第2の端部で第2のトランシーバモジュール428に電気的に接続される。第2の信号コンディショニングモジュール442は、第2のポート430を介して第2のケーブル410からデータを受信するように構成されている。言い換えれば、第2の信号コンディショニングモジュール442は、ロボットアーム、又は具体的にはロボットアームの外科手術器具からデータを受信するように構成されている。第2の信号コンディショニングモジュール442は、第2のポート442から受信したデータストリームから組み込みクロックを抽出することと、クリーンクロックを使用して、データストリームの新しいバージョンを第2のトランシーバモジュール428(及びそれゆえ第2のケーブル)に再送信することと、を行うように更に構成されている。したがって、第1の信号コンディショニングモジュール440と同様に、第2の信号コンディショニングモジュール442は、受信したデータストリームのタイミングを調整するように構成されており、それによってジッタを低減し、ストリームの品質を改善する。その再タイミング動作を実施する際に、第2の信号コンディショニングモジュール442は、データ信号から歪みを更に除去することができ、これは有利にデータ信号を強化する。
【0079】
一実施例では、アイソレータモジュール400を通過する各データ信号は、第1の信号調節モジュール440又は第2の信号調節モジュール442のいずれかによって、一回だけタイミング調整される。代替的な実施例では、アイソレータモジュールを通過する各データ信号は、2回タイミング調整され、1回目は、アイソレータモジュールまで第2のケーブル410を通過した後に、第2の信号コンディショニングモジュール442によって、タイミング調整され、2回目は、第2及び第3のケーブルを通過した後に、第1の信号コンディショニングモジュール440によって、タイミング調整される。
【0080】
上述の信号コンディショニング動作を実施することに加えて、第1及び第2の信号コンディショニングモジュール440、442は、診断データに対するそれらの受信されたデータストリームの品質を監視するように更に構成され得る。すなわち、信号コンディショニングモジュールは、ロボットアームから受信した診断データを検出するように構成されている。信号コンディショニングモジュールは、ロボットアームの性能を特徴付け及び分析するために、診断データを分析するように更に構成され得る。ロボットアームからの診断データは、例えば、ロボットアーム内の配線、又はより具体的には、外科手術器具内の配線の品質を特徴付けるために使用され得る。次に、第1及び第2の信号コンディショニングモジュール440、442は、データのストリームの品質を示すデータを送信するように構成され得る。データのストリームの品質を示すデータは、その品質データのグラフィカル表現を生成するために使用され得る。グラフィカル表示は、例えば、外科医のコンソール上の制御ユニット118によって生成され得る。あるいは、グラフィカル表現は、信号コンディショニングモジュール440、442によって生成され得る。一実施例では、グラフィカル表現は、アイダイアグラムであり得る。アイダイアグラムは、マスタークロックによって駆動されるデータ信号の異なるセグメントをオーバーレイすることによって生成される。こうしたダイアグラムを使用して、ジッタを識別することができ、これはアイダイアグラム上のデータ信号セグメントの視覚的表現のずれとして示される。
【0081】
アイソレータモジュールは、マイクロコントローラ444を更に備え得る。マイクロコントローラ444は、第1の信号コンディショニングモジュール440及び第2の信号コンディショニングモジュール442のうちの少なくとも1つに接続され得る。
図4では、マイクロコントローラ444は、第1の信号コンディショニングモジュール440に間接的に接続されているものとして示されている。代替的な実施例では、マイクロコントローラは、第1の信号コンディショニングモジュール440及び第2の信号コンディショニングモジュール442の両方に接続され得る。マイクロコントローラ444は、第1の集積回路450を介して第1の信号コンディショニングモジュール440に間接的に接続され得る。マイクロコントローラ444は、第2の集積回路452を介して第2の信号コンディショニングモジュール442に間接的に接続され得る。したがって、第1の集積回路450は、アイソレータモジュールの第1のインターフェース部分402上に位置してもよく、第2の集積回路452は、第2のインターフェース部分404上に位置する。
【0082】
第1の信号コンディショニングモジュール440及びマイクロコントローラ444に接続されていることに加えて、第1の集積回路450は、アイソレータモジュール上に位置する第1のセンサ456に接続され得る。第2の集積回路452は、第2の信号コンディショニングモジュール442及びマイクロコントローラ444に加えて、第2のセンサ458に接続され得る。第1の集積回路450及び第2の集積回路452は、それぞれ第1及び第2の信号コンディショニングモジュールから周期データを読み取るように構成され得る。第1の集積回路450及び第2の集積回路452は、それぞれ第1のセンサ456及び第2のセンサ458からデータを読み取るように更に構成され得る。第1のセンサ456は、第1のインターフェース部分の状態の表示を提供するように構成され得る。第2のセンサ458は、第2のインターフェース部分の状態の表示を提供するように構成され得る。第1のセンサ456及び第2のセンサ458からのデータは、第1の集積回路450又はマイクロコントローラ444のいずれかによって比較されて、アイソレータモジュールが正しく動作しているかどうかを決定することができる。一実施例では、第1及び第2のセンサは、それぞれ第1及び第2のインターフェース部分の温度を感知するように構成された温度センサである。この実施例では、第1のセンサ456及び第2のセンサ458からの温度データは、第1の集積回路450又はマイクロコントローラ444のいずれかによって比較され得る。第1のセンサ456によって感知された温度データと第2のセンサ458によって感知された温度データとの間の有意な偏差は、アイソレータモジュールの問題を示すために使用され得る。
【0083】
第1の集積回路450及び第2の集積回路452は、第1のトランシーバモジュール422及び第2のトランシーバモジュール428からデータを読み取るように更に構成され得る。より具体的には、第1の集積回路450及び第2の集積回路452は、第1のトランシーバモジュール422及び第2のトランシーバモジュール428からデータを受信するように構成されており、そのデータは、それらの受信又は送信能力などのこれらのモジュールの状態を示すことができる。一実施例では、
図4に示すように、第1及び第2の集積回路は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であり得る。
【0084】
第1の集積回路450は、デジタルアイソレータ454を介して電気的分離406を横切って第2の集積回路452に接続され得る。デジタルアイソレータ454は、アイソレータモジュールの第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間の電気的分離を提供する一方で、データは、アイソレータモジュールの第1の部分と第2の部分との間を通過する。より具体的には、デジタルアイソレータは、診断データを第1の集積回路と第2の集積回路との間で通過させることを可能にする。
図4では、第1のトランシーバモジュール422及び第2のトランシーバモジュール428に対する独立した構成要素として、デジタルアイソレータ454が示されている。しかしながら、代替的な実施例では、デジタルアイソレータは、第1及び第2のトランシーバモジュール422、428内に構成され得る。
【0085】
マイクロコントローラ444は、信号コンディショニングモジュール440、442のうちの1つ以上によって検出された診断データを受信するように構成され得る。マイクロコントローラ444が両方の信号コンディショニングモジュールから診断データを受信するように構成されている場合、マイクロコントローラは、特定の時点でマイクロコントローラによって問い合わされる集積回路を選択する、インタラプタスイッチ456に接続され得る。したがって、インタラプタスイッチ456は、マイクロコントローラがデータを受信する集積回路をマイクロコントローラが選択することを可能にする。診断データは、マイクロコントローラ444に提供される前に、1つ以上の信号コンディショニングモジュール440、442によって分析され得る。言い換えれば、マイクロコントローラ444は、第1の信号コンディショニングモジュール440及び第2の信号コンディショニングモジュール442によって送信されるデータを受信し得、このデータは、これらのモジュールによって受信されたデータの品質を示し得る。追加的に、又は代替的に、診断データは、マイクロコントローラに渡される前に、アイソレータモジュール上に位置する集積回路450、452によって分析され得る。
【0086】
マイクロコントローラ444は、第1の集積回路450及び第2の集積回路452から受信した情報及び分析を使用して、ロボットアームからのダウンロードリンクの品質を示す診断情報を提供するように構成されている。すなわち、マイクロコントローラは、第1の信号コンディショニングモジュール及びFPGAによって実施される分析の結果を受信することと、これらの分析結果を使用して、ロボットアームからコントローラに伝送されるデータの品質を示す診断情報を提供することと、を行うように構成されている。より具体的には、マイクロコントローラ444は、受信した情報を使用して、ロボットアームの外科手術器具から取得されたセンサデータの品質の表示を提供するように構成されている。外科手術器具がカメラを備える場合、表示は、カメラの性能の表示であり得る。マイクロコントローラ444によって生成されるセンサデータの品質の表示は、以下の表示:
・第1のインターフェース部分及び第2のインターフェース部分の各々の過電流及び不足電流と、
・インターフェースモジュールの第1のトランシーバモジュール及び第2のトランシーバモジュールがアイソレータモジュール上に存在するかどうかと、
・第1のトランシーバモジュール及び第2のトランシーバモジュールの状態と、
・第1の信号コンディショニングモジュールが、アイソレータモジュールによって使用するためにロック解除されているかどうかと、のうちの1つ以上を含み得る。用語「ロック解除されている」は、以下の信号コンディショニングモジュールによるデータストリームの非同期を指す:
・第2の信号コンディショニングモジュールが、アイソレータモジュールによって使用するためにロック解除されているかどうか、
・ロボットアームに、外科手術器具の障害などの障害があるかどうか、
・外科手術器具がカメラを備える場合、カメラがロボットアームからプラグを抜かれているかどうか、
・外科手術器具がカメラを備える場合、カメラによって消費される電流の表示。
・第1のケーブル及び第2のケーブルの通信の品質及び信号の完全性、
・第1のインターフェース部分及び第2のインターフェース部分上に位置する第1及び第2の温度センサからそれぞれ記録された温度、
・外科手術器具に提供されており、それによって外科手術器具への電気的接続の品質の表示を提供する、電流及び電圧。
【0087】
第1及び第2のインターフェース部分の過電流及び/又は不足電流は、1つ以上の電流感知コンパレータを使用して測定され得る。電流感知コンパレータは、シャント抵抗器にわたって発生する電圧を測定し、かつその電圧を閾値電圧入力レベルと比較することによって、過電流を検出する。電流感知コンパレータは、外科手術器具によって消費される電圧及び電流を監視する、モニタ446内に構成され得る。
図4に示すように、外科手術器具がカメラを備える場合、モニタ446は、カメラによって消費される電圧及び電流を監視するように構成されている。モニタ446は、第2の集積回路452を介して電力スイッチ448に接続されている。電力スイッチ448は、第2のインターフェース部分404を介して電力をロボットアーム(及び外科手術ロボット)に供給する必要があるかどうかに応じて、第2の集積回路452によってオフ又はオンにされ得る。
【0088】
マイクロコントローラ444は、ロボットアームの外科手術器具から得られたセンサデータの品質の表示を、アイソレータモジュールから送信するように更に構成されている。この表示は、データパケットとして、アイソレータモジュールから送信される場合がある。マイクロコントローラ444は、こうしたデータパケットを定期的に(すなわち、定期的な時間間隔で)送信し得る。第3のポート434を使用して、アイソレータモジュールからのパケットの送信を実装し得る。第3のポート434は、イーサネットポートであり得る。第3のポート434は、マイクロコントローラからのデータパケットがイーサネット接続を介して外部インターフェースコントローラ(EIC)に送信されることを可能にし得る。これを行うために、マイクロコントローラは、物理層464を介して第3のポート434に接続され得る。物理層464は、第3のポート434とマイクロコントローラ444との間にインターフェースを提供し得る。EICは、外科医のコンソールに配置され得る。アイソレータモジュールから、外科医のコンソールに位置するEICに診断データパケットを送信することによって、ロボットアームの状態を示す情報を、アイソレータモジュールから外科医のコンソールに送り返すことができる。次いで、ロボットアームの予防保守を実施するために、又は代替的にアームの構成要素が交換及び/若しくは再接続されるべきであるという通知を提供するために、情報を外科医のコンソールで使用し得る。更なる実施例では、情報は、外科医のコンソールで使用されて、デバッグ動作を行ってもよい。
【0089】
アイソレータモジュールは、外科手術ロボットシステムに障害が存在するかどうかを示すように構成された1つ以上のインジケータを更に備え得る。1つ以上のインジケータは、マイクロコントローラによって実施される分析の結果がインジケータを使用して通信され得るように、マイクロコントローラ444に接続され得る。一実施例では、1つ以上のインジケータは、アイソレータモジュール上の障害の可聴通知を提供するように構成されたマイクを備え得る。別の実施例では、1つ以上のインジケータは、アイソレータモジュール上の障害の視覚的通知を提供するように構成された視覚的インジケータを含み得る。特定の実施例では、1つ以上のインジケータは、障害診断発光ダイオード(LED)であり得る。
図4に示した実施例では、アイソレータモジュールは、2つのインジケータ466、468を備える。代替的な実施例では、アイソレータモジュールは、1つのインジケータ又は2つより多いインジケータを備え得る。
【0090】
図4の例示的なアイソレータモジュールは、第1及び第2の電源ユニット(PSU)460、462を更に備える。第1及び第2のPSUの各々は、ある形態から別の形態へ電力(例えば、AC電力からDC電力)を変換し、その電力をアイソレータモジュールのそれぞれのインターフェース部分の構成要素に供給するように構成されている。第1及び第2のPSUは、それらが、アイソレータモジュールのそれぞれの構成要素に供給する電力の量が所定の量であるように構成されている。所定の量は、アイソレータモジュールの電気構成要素が、電力を過負荷にすることなく十分に電力を供給されるようなものである。言い換えれば、第1及び第2のPSUは、アイソレータモジュールの電気構成要素に供給される電力が、その動作に対する許容限界内であることを確実にする。
【0091】
第1及び第2のPSUの各々は、第1のケーブル408を介して外科医のコンソールから電力を受け取ることと、第1の形態(例えば、AC電力)から第2の形態(例えば、DC電力)に電力を変換することと、その電力を、アイソレータモジュールの各それぞれのインターフェース部分の電気構成要素の間に分配することと、を行うように構成されている。第1のPSUは、第1のインターフェース部分402の電気構成要素のための電力を変換及び供給してもよく、第2のPSUは、第2のインターフェース部分404の電気構成要素のための電力を変換及び供給し得る。一部の実施例では、第1のPSUは、電力をある形態から別の形態に変換することなく、第1のインターフェース部分402の電気構成要素にその電力を供給し得る。同様に、第2のPSUは、電力を1つの形態から別の形態に変換することなく、第2のインターフェース部分404の電気構成要素にその電力を供給し得る。
【0092】
アイソレータモジュールの電気構成要素に提供される電力経路は以下のとおりである。電力は、第1のケーブル408を介して外科医のコンソールから伝達され、かつ第1のポート416でアイソレータモジュールによって受信される。その後、電力は、第1の電気経路424に沿って第1のPSU460を通過する。第1のPSU460は、第1のインターフェース部分402の電気構成要素に所定の量の電力を供給するように構成されている。第1のPSU460によって第1のインターフェース部分402の電気構成要素に供給されない電力は、分離された電力変換器412を通過し、かつ第2の電気経路436に沿って流れる。第2の電気経路436は、分離された電力変換器412を第2のPSU462に接続する。第2のPSU462は、第2のインターフェース部分404上の電気構成要素に所定の量の電力を供給するように構成されている。第2のPSU462によって第2のインターフェース部分404の電気構成要素に供給されない電力は、第2の電気経路436に沿って継続し、かつ第2のポート430に到達し、そこから第2のケーブル410を介してロボットアームに供給される。
【0093】
一実施例では、
図4に示すように、第1及び第2のPSUの各々は、それぞれ第1及び第2のインターフェース部分の複数の電気構成要素に電力を供給するように構成され得る。例えば、第1のPSU460は、第1のインターフェース部分の電気構成要素全てに電力を供給するように構成され得る。同様に、第2のPSU462は、第2のインターフェース部分の電気構成要素全てに電力を供給するように構成され得る。代替的な実施例では、第1及び第2のインターフェース部分の各電気構成要素は、それぞれのPSUを必要とし得る。したがって、この代替的な実施例では、第1及び第2のインターフェース部分の各々は、複数のPSUを備え得る。それぞれのPSUによって、アイソレータモジュールの各電子構成要素に供給される電力の量は、その構成要素のデータシート又は仕様によって決定される。例えば、動作に2.5Vを必要とする構成要素は、2.5Vの電力をその構成要素に変換して供給するように構成された2.5VのPSUに接続され得る。PSUによって供給可能な電圧は、任意の適切な量であり得る。例示的な量は、1.25V、2.5V、及び3.3Vである。
【0094】
図3及び
図4を参照して上述したアイソレータモジュールの各々は、データリンクを介した電気的分離及び電力リンクを介した電気的分離の両方を提供することができる、単一のモジュールである。これらの分離機構の両方を単一の分離装置に組み合わせることは、これらの分離機構を別個の装置に組み入れることと比較して、ロボットアームとコントローラとの間のデータ及び電力を伝送するための器械の全体的なコンパクトさを改善する。これは、外科手術ロボットシステムにおいて特に有益であり、このシステムは、これらのシステムが必要とする膨大な量のセンサ及び制御装置によって取り込まれる空間によって、空間的制限がある。上述のように、アイソレータモジュールを使用することによってもたらされる更なる利点は、データ伝送速度の増加、外科手術ロボットシステムを介してデータを伝送する必要のあるケーブル数の減少、外科手術器具のための電力及び診断の実装、並びに異なる帯域幅要件を満たすためのモジュールの適応の容易さである。更に、アイソレータモジュールは、外科手術ロボットシステム内の様々な場所に配置することができ、システム内のケーブルの配線に関して柔軟性を提供する。
【0095】
図5及び
図6は、
図3及び
図4に示したような、少なくとも1つの分離モジュール300a、300bを備える外科手術ロボットシステム500を示している。
図6の参照番号300a、300bは、外科手術ロボットシステム内のアイソレータモジュールのための2つの代替的な配置を示す。
図5は、こうしたアイソレータモジュールを含む外科手術ロボットシステムの構成要素の電気的分離を示している。外科手術ロボットシステム500は、
図1及び
図2に示したシステムの対応する構成要素と同じ多数の構成要素を備える。これらの構成要素には、
図1及び
図2の対応する参照符号を割り当てた。例えば、
図5及び
図6の第1の外科医のコンソール502は、
図1及び
図2の外科医のコンソール102に対応している。
【0096】
図2に示したシステムとは対照的に、アイソレータモジュール300a、300b(又は400a、400b)の存在は、ロボットアーム504aと外科医のコンソール502の全ての構成要素との間の電気的分離を、アイソレータモジュール自体は別として提供することが分かる。すなわち、アイソレータモジュール300a、300bは、システムの外科手術器具514と、外科医のコンソール502の全ての電源ユニット528(及びそれゆえに主電源)との間の電気的分離を提供する。アイソレータモジュール300a、300bはまた、システムの外科手術器具514と外科医コンソール502のコントローラ518との間の電気的分離を提供する。したがって、アイソレータモジュールは、外科医のコンソール502から外科手術器具514へ、そして最終的には患者に有害な電気エネルギーが伝送されることを防止する。逆方向では、アイソレータモジュール300aは、外科医のコンソール502を介して、ロボットアーム506から外科医に電気エネルギーが伝送されることを防止する。これに加えて、アイソレータモジュール300a、300bは、強化されたデータ伝送速度、及び分離機構の設計の柔軟性を確実にするモジュール設計を提供する。アイソレータモジュールはまた、診断データが同一の構成要素上にコンパイルされる際に、診断データをコンパイル及び送信するためのコンパクトな機構を提供する。
【0097】
第1の実施例では、アイソレータモジュール300aは、コントローラ518を備える外科医のコンソール502内の外科手術ロボットシステム内に位置し得る。この第1の場所にアイソレータモジュールを配置する利点は、電気手術の干渉に対する改善された耐性でモジュールを通過するデータ信号を提供することである。更なる利点は、モジュール上で実施される信号コンディショニングが、その信号がコンソールのモニタ上に表示される直前に完了されてもよく、それによって、その表示された信号の品質が改善されることである。第2の代替的な実施例として、アイソレータモジュール300bは、ロボットアームを備える、ユニット内に位置し得る。すなわち、アイソレータモジュールは、外科手術ロボット504a内に位置し得る。より具体的な実施例では、アイソレータモジュールは、ロボットアームのベースユニット508内に位置し得る。この第2の場所にモジュールを配置する利点は、静電容量結合電気手術のエネルギーが患者に届くのを、より良好に防止することである。
【0098】
上述の2つの例示的な場所の各々について、外科手術ロボットシステムは、コントローラを、アイソレータモジュール300a、300bの第1のインターフェース部分に接続する第1のケーブル528、530を更に備える。上述の第1の実施例では、第1のケーブル528は、外科医のコンソール502のコントローラ518を、アイソレータモジュール300aの第1のインターフェース部分に電気的に接続する。上述の第2の実施例では、第1のケーブル530は、外科医のコンソール502のコントローラ518を、アイソレータモジュール300bの第1のインターフェース部分に接続する。第1のケーブルは、コントローラ518と、アイソレータモジュールの第1のインターフェース部分との間で電力を伝送するように構成されている。第1のケーブルはまた、ロボットアーム506と第1のインターフェース部分との間で、双方向にデータを伝送するように構成されている。外科手術ロボットシステムの第1のケーブルの機能及び特徴は、上記で更に詳細に説明されている。
【0099】
システムは、ロボットアーム506を、アイソレータモジュール500a、500bの第2のインターフェース部分に接続する、第2のケーブル516、532を更に備える。上述の第1の実施例では、第2のケーブル532は、外科手術ロボット504aの基部508を、アイソレータモジュール300aの第2のインターフェース部分に電気的に接続する。上述の第2の実施例では、第2のケーブル516は、外科手術器具514を、アイソレータモジュール300bの第2のインターフェース部分に接続する。第2のケーブル516、532は、ロボットアーム506と、アイソレータモジュール300a、300bの第2のインターフェース部分との間で電力を伝送するように構成されている。第2のケーブル516、532はまた、ロボットアーム506と第2のインターフェース部分との間で、双方向にデータを伝送するように構成されている。外科手術ロボットシステムの第2のケーブルの機能及び特徴は、上記で更に詳細に説明されている。
【0100】
アイソレータモジュール300a、300bは、
図3及び
図4にそれぞれ示したモジュール300及び400と同じ方法で機能するように構成されている。すなわち、アイソレータモジュール300a、300bは、その第1のインターフェース部分とその第2のインターフェース部分との間でデータ及び電力を伝送する一方で、第1のインターフェース部分と第2のインターフェース部分との間に電気的分離を提供するように構成されている。より具体的には、アイソレータモジュール300a、300bは、これらの2つの部分間の電気的分離を提供する一方で、その第1のインターフェース部分とその第2のインターフェース部分との間で双方向にデータを伝送することと、その第1のインターフェース部分からその第2のインターフェース部分に少なくとも一方向で電力を伝送することと、を行うように構成されている。
【0101】
一実施例では、アイソレータモジュール300aが外科医のコンソールに位置する場合、それはイーサネットスイッチボードの一部を形成し得る。イーサネットスイッチボードは、分離されたイーサネットスイッチボードであり得る。イーサネットスイッチボードは、外科医のコンソールに位置し、イーサネットスイッチを備え、それがルーターと同様に機能することを可能にする。すなわち、データ信号は、イーサネットスイッチボードのイーサネットポートから、外科医のコンソール内の多数の異なる構成要素に送信されてもよく、ここで、各異なる構成要素は、それ自体のイーサネットポートと、それ自体が受信可能であり、かつ受信することができないデータを定義するそれ自体のIPアドレスと、を備える。アイソレータモジュール300aを外科医のコンソールのイーサネットスイッチボードと組み合わせることにより、外科医のコンソールの配電ユニットの数を減らすことができる。これは、アイソレータモジュールに電力を供給する電源ユニットが、イーサネットスイッチボードに電力を供給するユニットと同じユニットであり得るためである。必要な配電ユニットの数を減らすことによって、外科医のコンソール502用の他の構成要素及びモジュールを構築するために利用可能なハードウェア空間を増やすことができる。
【0102】
図5及び
図6に示す配置の代替的又は更なる例示的な配置では、外科手術ロボットシステムは、外科医のコンソールと、そのシステム内のロボットアームのうちの1つとの間の同じ電力及びデータリンクを提供するように構成されている、複数のアイソレータモジュールを備え得る。例えば、第1のアイソレータモジュールは、第1の外科手術ロボット504a内に位置し得、第2のアイソレータモジュールは、外科医のコンソール102内に位置し得る。1つではなく2つのアイソレータモジュールを同じデータ及び電力リンク内で使用すると、アイソレータ機構の分離、増幅、及び伝達速度の能力が更に増加する。
【0103】
本明細書によって、本出願人は、本明細書に説明される各個々の特徴及び2つ以上のかかる特徴の任意の組み合わせを、かかる特徴又は組み合わせが、当業者に共通する一般知識に照らして、全体として本明細書に基づいて行うことができるような程度まで、かかる特徴又は特徴の組み合わせが、本明細書に開示する任意の問題を解決するかにかかわらず、かつ特許請求の範囲を限定することなく、分離して開示する。本出願人は、本発明の態様が、任意のかかる個々の特徴又は特徴の組み合わせからなり得ることを示している。前述の説明を考慮すると、本発明の範囲内で様々な修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアーム及びコントローラを備える、外科手術ロボットシステムで使用するためのアイソレータモジュールであって、前記アイソレータモジュールが、前記外科手術ロボットシステムの前記ロボットアームと前記コントローラとの間のインターフェースを提供するように構成されており、前記アイソレータモジュールが、
(i)前記コントローラに接続された第1のケーブルから電力を伝送し、かつ(ii)前記第1のケーブルとの間でデータを伝送するように構成されている、第1のインターフェース部分と、
(i)前記ロボットアームに接続された第2のケーブルに電力を伝送し、かつ(ii)前記第2のケーブルとの間でデータを伝送するように構成されている、第2のインターフェース部分と、
前記第1のインターフェース部分を前記第2のインターフェース部分に接続する第3のケーブルであって、前記第3のケーブルが、前記第1のインターフェース部分と前記第2のインターフェース部分との間で双方向にデータを伝送する一方で、前記第1のインターフェース部分と前記第2のインターフェース部分との間に電気的分離を提供するように構成されている、第3のケーブルと、
前記第1のインターフェース部分から前記第2のインターフェース部分に電力を伝送する一方で、前記第1のインターフェース部分と前記第2のインターフェース部分との間に電気的分離を提供するように構成されている、分離された電力変換器と、を備える、アイソレータモジュール。
【請求項2】
前記第1のインターフェース部分が、第1の制御ユニットを備え、前記第1の制御ユニットが、
前記第1のケーブルから受信した電力を前記分離された電力変換器に伝送することと、
前記第1のケーブルと前記第3のケーブルとの間でデータを伝送することと、を行うように構成されている、請求項1に記載のアイソレータモジュール。
【請求項3】
前記第2のインターフェース部分が、第2の制御ユニットを備え、前記第2の制御ユニットが、
前記分離された電力変換器から受信した電力を前記第2のケーブルに伝送することと、
前記第3のケーブルと前記第2のケーブルとの間でデータを伝送することと、を行うように構成されている、請求項1又は2に記載のアイソレータモジュール。
【請求項4】
データが、CoaXPress(CXP)データプロトコルに従って、前記第1のケーブル及び前記第2のケーブルを通して送信される、
請求項1又は2に記載のアイソレータモジュール。
【請求項5】
前記第1のインターフェース部分及び前記第2のインターフェース部分の各々が、CoaXPress(CXP)トランシーバモジュールを備える、請求項4に記載のアイソレータモジュール。
【請求項6】
前記第3のケーブルが、光ファイバーケーブルであり、前記光ファイバーケーブルが、光を使用して前記第1のインターフェース部分と前記第2のインターフェース部分との間でデータを伝送するように構成されている、
請求項1又は2に記載のアイソレータモジュール。
【請求項7】
前記光が、赤外線である、請求項6に記載のアイソレータモジュール。
【請求項8】
前記ロボットアームから前記コントローラに伝送された前記データが、センサデータのストリームを含む、
請求項1又は2に記載のアイソレータモジュール。
【請求項9】
前記第1のインターフェース部分が、信号コンディショニングモジュールを更に備え、前記信号コンディショニングモジュールが、前記第3のケーブルからデータストリームを受信することと、前記データストリームから組み込みクロックを抽出することと、クリーンクロックを使用して、前記データストリームの新しいバージョンを前記第1のケーブルに再送信することと、を行うように構成されている、請求項8に記載のアイソレータモジュール。
【請求項10】
第1の信号コンディショニングモジュールが、前記受信したデータストリームの品質を監視することと、前記受信したデータストリームの前記品質を示すデータを送信することと、を行うように更に構成されている、請求項9に記載のアイソレータモジュール。
【請求項11】
前記第2のインターフェース部分が、第2の信号コンディショニングモジュールを更に備え、前記第2の信号コンディショニングモジュールが、前記第2のケーブルからデータストリームを受信することと、前記データストリームから組み込みクロックを抽出することと、クリーンクロックを使用して、前記データストリームの新しいバージョンを前記第3のケーブルに再送信することと、を行うように構成されている、請求項8に記載のアイソレータモジュール。
【請求項12】
前記第2の信号コンディショニングモジュールが、前記受信したデータストリームの品質を監視することと、前記受信したデータストリームの前記品質を示すデータを送信することと、を行うように更に構成されている、請求項11に記載のアイソレータモジュール。
【請求項13】
前記分離された電力変換器が、DC-DC電力変換器である、
請求項1又は2に記載のアイソレータモジュール。
【請求項14】
前記第1のインターフェース部分及び前記第2のインターフェース部分の各々が、スモールフォームファクタプラガブル(SFP)インターフェースモジュールを備える、
請求項1又は2に記載のアイソレータモジュール。
【請求項15】
前記モジュールが、分離されたイーサネットスイッチボードの部分を形成する、
請求項1又は2に記載のアイソレータモジュール。
【請求項16】
マイクロコントローラを更に備え、前記マイクロコントローラが、前記第1の信号コンディショニングモジュールに接続されており、かつ前記第1の信号コンディショニングモジュールによって実施される分析の結果を受信することと、これらの分析結果を使用して、前記ロボットアームから前記コントローラに伝送される前記データの品質を示す診断情報を提供することと、を行うように構成されている、請求項10に記載のアイソレータモジュール。
【請求項17】
マイクロコントローラを更に備え、前記マイクロコントローラが、前記第1の信号コンディショニングモジュールに接続されており、かつ前記第1の信号コンディショニングモジュールによって実施される分析の結果を受信することと、これらの分析結果を使用して、前記ロボットアームから前記コントローラに伝送される前記データの品質を示す診断情報を提供することと、を行うように構成されており、前記マイクロコントローラが更に、前記第2の信号コンディショニングモジュールに接続されており、かつ前記第2の信号コンディショニングモジュールによって実施される分析の結果を受信することと、これらの分析結果を使用して、前記診断情報を提供することと、を行うように構成されている、請求項
12に記載のアイソレータモジュール。
【請求項18】
前記マイクロコントローラによって提供される前記診断情報が、以下の表示:
前記第1のインターフェース部分及び前記第2のインターフェース部分の各々の過電流及び不足電流と、
第1のトランシーバモジュール及び第2のトランシーバモジュールが前記アイソレータモジュール上に存在するかどうかであって、前記第1のトランシーバモジュール及び前記第2のトランシーバモジュールの各々が、前記第3のケーブルとの間でデータ信号を送信及び受信するように構成されている、存在するかどうかと、
前記第1のトランシーバモジュール及び前記第2のトランシーバモジュールの状態と、
前記第1の信号コンディショニングモジュールが、前記アイソレータモジュールによって使用するためにロック解除されているかどうかと、
第2の信号コンディショニングモジュールが、前記アイソレータモジュールによって使用するためにロック解除されているかどうかと、
前記外科手術ロボットシステムに障害があるかどうかと、
前記第1のケーブル及び前記第2のケーブルの通信の品質及び信号の完全性と、
前記第1のインターフェース部分及び前記第2のインターフェース部分上に位置する第1及び第2の温度センサからそれぞれ記録された温度と、
前記外科手術器具に提供されており、それによって前記外科手術器具への電気的接続の品質の表示を提供する、電流及び電圧と、のうちの1つ以上を含む、請求項
16に記載のアイソレータモジュール。
【請求項19】
前記マイクロコントローラに接続された1つ以上のインジケータを更に備え、前記1つ以上のインジケータが、前記外科手術ロボットシステムに障害があるかどうかを示すように構成されている、請求項
16に記載のアイソレータモジュール。
【請求項20】
前記1つ以上のインジケータが、障害診断発光ダイオード(LED)である、請求項19に記載のアイソレータモジュール。
【請求項21】
前記ロボットアームが、カメラを有する外科手術器具を備える、
請求項1又は2に記載のアイソレータモジュール。
【請求項22】
前記第3のケーブルを介して、前記第1のインターフェース部分から前記第2のインターフェース部分に伝送される前記データが、前記外科手術器具からのデータの制御信号及び/又は問い合わせを含む、請求項21に記載のアイソレータモジュール。
【請求項23】
前記第3のケーブルを介して、前記第2のインターフェース部分から前記第1のインターフェース部分に伝送される前記データが、診断データ、位置データ、及びセンサデータのうちの1つ以上を含む、
請求項1又は2に記載のアイソレータモジュール。
【請求項24】
前記第3のケーブルを介して、前記第2のインターフェース部分から前記第1のインターフェース部分に伝送される前記データが、診断データ、位置データ、及びセンサデータのうちの1つ以上を含み、前記センサデータが、画像データである、請求項
21に記載のアイソレータモジュール。
【請求項25】
前記第3のケーブルを介して、前記第2のインターフェース部分から前記第1のインターフェース部分に伝送される前記データが、診断データ、位置データ、及びセンサデータのうちの1つ以上を含み、前記センサデータが、画像データであり、前記マイクロコントローラによって提供される診断情報が、以下の表示:
前記カメラが前記ロボットアームからプラグを抜かれているかどうかの表示と、
前記カメラによって消費される電流の表示と、のうちの1つ以上を含む、請求項
16に記載のアイソレータモジュール。
【請求項26】
前記モジュールが、前記ロボットアームを備えるユニット内の前記外科手術ロボットシステム内に位置する、
請求項1又は2に記載のアイソレータモジュール。
【請求項27】
前記モジュールが、前記コントローラを備える外科医のコンソール内の前記外科手術ロボットシステム内に位置する、請求項
1又は2に記載のアイソレータモジュール。
【請求項28】
外科手術ロボットシステムであって、
コントローラと、
前記コントローラによって制御される、ロボットアームと、
前記コントローラと前記ロボットアームとの間のインターフェースを提供するように構成された、アイソレータモジュールと、
前記アイソレータモジュールの第1のインターフェース部分に前記コントローラを接続する、第1のケーブルであって、前記第1のケーブルが、(i)前記コントローラと前記第1のインターフェース部分との間で電力を伝送することと、(ii)前記コントローラと前記第1のインターフェース部分との間でデータを伝送することと、を行うように構成されている、第1のケーブルと、
前記アイソレータモジュールの第2のインターフェース部分に前記ロボットアームを接続する、第2のケーブルであって、前記第2のケーブルが、(i)前記ロボットアームと前記第2のインターフェース部分との間で電力を伝送することと、(ii)前記ロボットアームと前記第2のインターフェース部分との間でデータを伝送することと、を行うように構成されている、第2のケーブルと、を備え、
前記アイソレータモジュールが、前記第1のインターフェース部分と前記第2のインターフェース部分との間でデータ及び電力を伝送する一方で、前記第1のインターフェース部分と前記第2のインターフェース部分との間に電気的分離を提供するように構成されている、外科手術ロボットシステム。
【請求項29】
外科手術ロボットシステムであって、
コントローラと、
前記コントローラによって制御される、ロボットアームと、
請求項
1又は2に記載のアイソレータモジュールと、
前記アイソレータモジュールの前記第1のインターフェース部分に前記コントローラを接続する、第1のケーブルであって、前記第1のケーブルが、(i)前記コントローラと前記第1のインターフェース部分との間で電力を伝送することと、(ii)前記コントローラと前記第1のインターフェース部分との間でデータを伝送することと、を行うように構成されている、第1のケーブルと、
前記アイソレータモジュールの前記第2のインターフェース部分に前記ロボットアームを接続する、第2のケーブルであって、前記第2のケーブルが、(i)前記ロボットアームと前記第2のインターフェース部分との間で電力を伝送することと、(ii)前記ロボットアームと前記第2のインターフェース部分との間でデータを伝送することと、を行うように構成されている、第2のケーブルと、を備える、外科手術ロボットシステム。
【国際調査報告】