(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】シートベルトリトラクタ
(51)【国際特許分類】
B60R 22/34 20060101AFI20240206BHJP
【FI】
B60R22/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542474
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 KR2021018592
(87)【国際公開番号】W WO2022158711
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】10-2021-0009745
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0130264
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0164627
(32)【優先日】2021-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジュン ハン
(72)【発明者】
【氏名】ムーン,チャン キ
【テーマコード(参考)】
3D018
【Fターム(参考)】
3D018GA01
(57)【要約】
【解決手段】 本発明は、車両に設置されるシートの背もたれに形成された装着空間に装着され、ウェビングと、ウェビングが外周面に巻き取られているスピンドルとを含むスピンドルモジュールを備え、スピンドルは、装着空間で背もたれの厚さ方向に対応する、車両の長手方向に沿って配置され、これにより、ウェビングが巻き取られるスピンドルが設置される方向を回転させることによって、シートの背もたれに装着される長手方向の幅が最小化され、それによって、リトラクタをよりスレンダー化することができる、シートベルトリトラクタに関する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置されるシートの背もたれに形成された装着空間に装着されるシートベルトリトラクタであって、
ウェビングと、前記ウェビングが巻き取られるスピンドルとを含むスピンドルモジュールを備え、
前記スピンドルは、前記背もたれの厚さ方向に対応する、前記車両の前後方向に沿って前記装着空間に配設されている、シートベルトリトラクタ。
【請求項2】
前記スピンドルモジュールは、前記スピンドルの前側及び後側にそれぞれ配設された第1のブラケット及び第2のブラケットを更に含み、
前記前後方向における前記シートベルトリトラクタの幅は、前記前後方向における前記第1のブラケット及び前記第2のブラケットの幅内に制限されている、
請求項1に記載のシートベルトリトラクタ。
【請求項3】
前記ウェビングは、前記背もたれにおける前記スピンドルの設置方向とは異なる方向に引き出される、
請求項1に記載のシートベルトリトラクタ。
【請求項4】
前記ウェビングは、引き出し方向と引き出し角度とを有するように構成されており、前記引き出し方向及び前記引き出し角度は、前記装着空間と前記背もたれに設置されたウェビングガイドとの間で調整される、
請求項1に記載のシートベルトリトラクタ。
【請求項5】
前記ウェビングガイドは、前記背もたれの一方の側の上端及び前記背もたれの上面の縁部を部分的に覆うように配置され、
前記ウェビングは、前記ウェビングガイドに移動可能に設置された調整部材の位置に応じて前記引き出し角度が調整されるように構成されている、
請求項4に記載のシートベルトリトラクタ。
【請求項6】
前記スピンドルモジュールから前記車両の前記前後方向に引き出される前記ウェビングの両端部が、前記装着空間と前記ウェビングガイドとの間に形成された配置空間において前記車両の左右方向を向くように回転され、その結果、前記ウェビングの前記引き出し方向が変更される、
請求項4に記載のシートベルトリトラクタ。
【請求項7】
前記第1のブラケット及び前記第2のブラケットのうちの一方の側には、前記スピンドルに巻き取られた前記ウェビングが引き出される引き出し空間が形成されており、
前記ウェビングが前記スピンドルに巻き取られるか又は前記スピンドルから解放されるようにガイドするガイド部材が前記引き出し空間に設置されており、
前記ガイド部材の前端及び後端は、それぞれ、前記第1のブラケット及び前記第2のブラケットに回転可能に軸結合されている、
請求項2に記載のシートベルトリトラクタ。
【請求項8】
前記スピンドルモジュール、
前記車両の傾きを検出するセンサモジュール、
車両の衝突時に前記ウェビングを巻き取ることによって弛みを低減する緊急時張力付与モジュール、及び
前記車両の衝突直前に前記ウェビングを巻き取ることによって弛みを低減する事前張力付与モジュールが、これらの機能に応じてモジュール化されており、
各モジュールは、前記スピンドルモジュールと選択的に組み合わされている、
請求項1~7のいずれか一項に記載のシートベルトリトラクタ。
【請求項9】
前記スピンドルモジュールを除いた前記モジュールが、前記スピンドルモジュールの両側並びに上部及び下部のうちの少なくとも1つに配設されている、
請求項8に記載のシートベルトリトラクタ。
【請求項10】
前記シートベルトリトラクタに適用されるように組み合わされた前記モジュールでは、各モジュールに提供された軸が前記スピンドルの設置方向に対して平行又は垂直に配置され、
各軸は、動力伝達ユニットを使用することによって連続的に動力を伝達又は受け取る、
請求項9に記載のシートベルトリトラクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シートベルトリトラクタに関し、より具体的には、車両の衝突時にシートベルトが外れることを防止するシートベルトリトラクタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両は、乗員の安全性を確保するためにシートベルト安全デバイスをシートに装備し備えている。
【0003】
このシートベルト安全デバイスは、乗員を固定するための帯状のシートベルトウェビング(以下、「ウェビング」と称される)がスプールに巻き取られるか、又は引き出されることを可能にするために作動するリトラクタと、ウェビングの一端に固定されたタングが取り外し可能に挿入されるバックルとを含む。
【0004】
リトラクタは、車両が車両事故によって突然停止し、又は加速するとき、シートベルトを着用した乗員が駆動慣性によって前方に放り出される、又はシートから引き離されることを防止する。このようなリトラクタは、乗員がシートベルトを装着している通常状態ではウェビングの引き出しを可能にするが、車両の衝突によりウェビングの引き出し加速度の変化や車両の傾きが検出されると、更なるウェビングの引き出しを阻止するデバイス、及び、ウェビングの弛み又は垂れ下がり、すなわちウェビングの弛みを低減する緊急時張力付与デバイス及び事前張力付与デバイスを含んでいてもよい。
【0005】
例えば、以下の特許文献1及び特許文献2では、シートベルトウェビングの巻き取り及び巻き戻し動作を制御するためのリトラクタ技術が開示されている。
【0006】
一方、車両の衝突が発生したときなど、所定の値を超える加速度がシートベルトリトラクタに水平方向に適用された場合、又は車両の傾きが変化した場合、加速度若しくは傾きを検出する車両センサが適用され、シートベルトのロッキングデバイスを動作させることによりウェビングが引き出されることを防止する。
【0007】
慣性部材又は独立した慣性部材としてボールを使用する車両センサが、一般に当該技術分野で既知である。
【0008】
例えば、車両センサは、車両の通常のウェビングの減速度よりも高い減速度、又は傾きが車両にかかる危険な状況で動く慣性部材と、慣性部材に動かされてシートベルトリトラクタのスプールと共に回転する、制御ディスクの外歯と相互作用するセンサレバーとを含む。
【0009】
このようなシートベルトリトラクタは、車体、例えば、車両のセンターピラー、シートの背もたれ、リヤピラーなどに装着されることがある。したがって、センターピラー、シートの背もたれ、リヤピラーなどの構造に応じてシートベルトリトラクタの装着姿勢が多様に変更されることがある。すなわち、シートベルトリトラクタは、必ずしも水平状態で装着されるとは限らず、水平状態から左右方向又は前後方向に所定角度だけ傾いた状態で装着されることがある。
【0010】
特に、シートベルトリトラクタがシートの背もたれに設置されている場合には、背もたれの回転に伴ってシートベルトリトラクタの傾きが変化することがある。
【0011】
しかしながら、上記のように、関連技術のシートベルトリトラクタの姿勢が特定の範囲を超えて変化すると、加速度及び傾きを適切に検出することができない。
【0012】
例えば、車両センサを有するリトラクタが水平状態から特定の範囲を超えて傾斜した姿勢を有する場合、制御ディスクと車両センサのセンサレバーとの間の距離が過度に近くなり、その結果、センサレバーが敏感に作動するためロッキング動作が適切に実行されない可能性がある。
【0013】
加えて、車両センサを有するリトラクタがシートの背もたれに装着され、シートの背もたれが車両の前側に傾斜していると、車両センサのセンサレバーが制御ディスクの外歯に引っ掛かり、スプールの回転を制限する。
【0014】
このため、乗員がシートベルトを着用したいとき、スプールの回転が制限されるためにシートベルトを着用することが可能でない場合がある。
【0015】
上記の問題を解決するために、本発明の出願人は、以下の特許文献3における、固定構造が改善された車両センサを有するシートベルトリトラクタの構成を開示する特許出願を提出しており、ここに登録される。
【0016】
一方、最近の自律走行車両の開発に伴い、車両に適用されるシート及びシートベルトリトラクタの体積を最小化する技術が開発されている。特に、背もたれの厚さを薄く設計することにより、シートのスリム化が図られている。
【0017】
関連技術のシートベルトリトラクタでは、ウェビングが巻き取られるスピンドルの回転軸が、背もたれの回転軸と同一方向に配設されているため、ウェビングがスピンドルに巻き取られる回数に応じて総体積が大きくなり、背もたれに対応するシートベルトリトラクタの前後方向の幅を小さくすることには限界がある。
【0018】
加えて、関連技術のシートベルトリトラクタは、複数の部品を組み立てて構成されているため、その構造が複雑である。個々の部品のいずれか1つが故障又は損傷した場合、対応する部品のみを修理することができないため、リトラクタ全体を交換しなければならないという問題がある。
【0019】
(特許文献1)米国特許第6,499,554号(2002年12月31日に登録)
【0020】
(特許文献2)米国特許第6,443,382号(2002年9月3日に登録)
【0021】
(特許文献3)韓国特許登録第10-1766844号(2017年8月9日発行)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本開示の目的は、上記課題を解決するためになされたものであり、車両の衝突時に乗員を固定して乗員を安全に保護するシートベルトリトラクタを提供することである。
【0023】
本開示の他の目的は、背もたれの厚さを低減することによってスリムに製作されたシートに適用されるシートベルトリトラクタを提供することである。
【0024】
本開示の更に別の目的は、それぞれの部品を機能ブロック別にモジュール化し、それぞれのモジュールを選択的に組み合わせることによって製造されるシートベルトリトラクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的を達成するために、本開示に係るシートベルトリトラクタは、車両に設置されるシートの背もたれに形成された装着空間に装着され、かつ、シートベルトリトラクタは、ウェビングと、外周面にウェビングが巻き取られるスピンドルとを有するスピンドルモジュールを備え、スピンドルは、背もたれの厚さ方向に対応する車両の前後方向に沿って装着空間に配設されている。
【発明の効果】
【0026】
上述したように、本開示によれば、ウェビングが巻き取られるスピンドルが設置される方向を回転させ、シートの背もたれに装着されるシートベルトリトラクタの前後方向の幅を最小化することによって、シートベルトリトラクタをスリム化させるという効果がある。
【0027】
すなわち、本開示によれば、ウェビングが巻き取られるスピンドルの配置方向を変更して背もたれの厚さを薄く設計することができ、シートベルトリトラクタをスリムなシートに適用する場合に必要な装着空間を最小化する効果がある。
【0028】
加えて、本開示によれば、シートベルトリトラクタに適用されるそれぞれの部品を機能ブロック別にモジュール化して製作し、必要な機能に対応するモジュールを選択的に組み合わせることができるという効果がある。
【0029】
したがって、本開示によれば、最近開発されているスリムなシートにシートベルトリトラクタを適用することができ、シートに一体化された一体型シートベルトを具現する効果がある。
【0030】
加えて、本開示によれば、スピンドルに巻き取られたウェビングの引き出し方向及び引き出し角度を自由に調整する効果がある。
【0031】
したがって、本開示によれば、乗員の体調又は使用目的に応じてウェビングの引き出し方向及び角度を調整することによって、安全性を高める効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、関連技術のシートベルトリトラクタの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の好ましい実施形態によるシートベルトリトラクタの分解斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示すそれぞれのモジュールを組み立てた状態を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、それぞれ、
図2に示すそれぞれのモジュールを異なる方法で組み立てた状態を示す図である。
【
図5】
図5は、それぞれ、
図2に示すそれぞれのモジュールを異なる方法で組み立てた状態を示す図である。
【
図6】
図6は、
図2に示すスピンドルモジュール及びセンサモジュールを詳細に示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6に示すスピンドルモジュール及びセンサモジュールを別の角度から示す斜視図である。
【
図8】
図8は、本開示の別の実施形態に係るシートベルトリトラクタの背面図である。
【
図9】
図9は、
図8に示すシートベルトリトラクタの斜視図である。
【
図10】
図10は、
図8に示すシートベルトリトラクタをシートの背もたれに装着した状態を示す図である。
【
図11】
図11は、ウェビングの引き出し角度を調整する状態を示す作動状態図である。
【
図12】
図12は、ウェビングの引き出し角度を調整する状態を示す作動状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本開示の好ましい実施形態によるシートベルトリトラクタついて、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
本開示の好ましい実施形態に係るシートベルトリトラクタの構成を説明する前に、関連技術に係るシートベルトリトラクタの構成を、
図1を参照して概略的に説明する。
【0035】
図1は、関連技術のシートベルトリトラクタの一例を示す図である。
【0036】
以下、車両の座席からハンドルに向かう方向を「前方(F)」と称し、その反対方向を「後方(B)」と称する。加えて、「左側(L)」、「右側(R)」、「上方向(U)」、「下方向(D)」のような方向を示す用語は、上述の前向き方向(F)及び後向き方向(B)を基準としてそれぞれの方向を示すように定義される。
【0037】
図1に示すように、関連技術のシートベルトリトラクタ1は、シートベルトウェビング(以下、「ウェビング」と称される)2が巻き取られるスピンドル3と、車両の傾きを検出するセンサユニット4と、車両の衝突時にウェビング2を巻き取ることによって弛みを低減する緊急時張力付与ユニット5と、車両の通常走行時にウェビング2を円滑に引き出し、車両の衝突直前にウェビング2を巻き取ることによって弛みを低減する事前張力付与ユニット6と、を含んでいてもよい。
【0038】
センサユニット4は、車両の衝突によるウェビングの引き出し加速度の変化や車両の傾きの変化を検出する。
【0039】
緊急時張力付与ユニット5は、車両衝突を検知した検知信号に応じて火薬が埋め込まれたインフレータ(図示せず)を作動させることができ、また、発生したガスの圧力を利用してウェビング2をスピンドル3に巻き取ることができる。これにより、緊急時張力付与ユニット5は、車両の衝突時にウェビング2を巻き取ることでウェビング2の弛みを低減して乗員の傷害値を低減することができる。
【0040】
車両に適用されたセンサを通じて車両の衝突が予測されると、事前張力付与ユニット6は、回転及び逆回転が可能なモータを作動させてウェビング2をスピンドル3に巻き取ることができる。すなわち、事前張力付与ユニット6は、車両の正常走行時には、事故が発生しなくても、車両のより強い加速又は減速が発生するまで、着用されたウェビング2の張力を維持してウェビング2が緩むことを防止することができ、車両の衝突直前にウェビング2を巻き取ることによりウェビング2の弛みを低減することによって乗員の傷害値を低減し得る。
【0041】
本明細書では、スピンドル3は固定フレーム7の内部に設置され、センサユニット4、緊急時張力付与ユニット5及び事前張力付与ユニット6は固定フレーム7の両側に配設され、各ユニットの外部には左右ハウジング8、9が結合される。
【0042】
すなわち、それぞれのユニット4、5、6は、スピンドル2の横方向に沿った両側に配設されている。
【0043】
上述したように、関連技術のシートベルトリトラクタ1は、スピンドル3、センサユニット4、緊急時張力付与ユニット5、事前張力付与ユニット6などのそれぞれの部品を複雑な構造で結合して製作されている。
【0044】
したがって、関連技術のシートベルトリトラクタ1は、固定フレームの両側壁の間にスピンドル3が設置され、ウェビング2は、一方の側がスピンドル3の外周面に巻き取られ、他方の側が上方向に引き出される。
【0045】
加えて、関連技術のシートベルトリトラクタ1は、固定フレームの両側壁の間にスピンドル3が設置され、ウェビング2は、一方の側がスピンドル3の外周面に巻き取られ、他方の側が上方向に引き出される。
【0046】
このため、関連技術のシートベルトリトラクタ1は、スピンドル3に巻き取られたウェビング2の長さが長くなると、必然的に前後方向の体積が大きくなる。
【0047】
最近、車両に設置されるシートは、背もたれの前後方向の厚さ(以下、「厚さ」と称される)を薄く設計することによってスリムに製作されている。加えて、一体型シートベルト(Belt In Seat(BIS))を適用してシートに一体化してもよい。
【0048】
特に、自律走行車両に適用されるシートは、左右方向に回転可能であり、背もたれを最大180°まで後方に回転させることができるように開発されている。
【0049】
上述したように、シートベルトリトラクタ1をスリムなシートに設置するためには、シート、特に、背もたれに装着されるシートベルトリトラクタ1の前後方向の幅を最小化しなければならない。
【0050】
しかしながら、関連技術のシートベルトリトラクタ1では、スピンドル3が固定フレーム7の両側壁間に設置された状態で、背もたれの回転軸と同一方向を向くように装着されている。
【0051】
このため、前後方向における関連技術のシートベルトリトラクタ1の幅は、外周面に巻き取られるウェビング2の長さに応じて増加し、それゆえに、スリムなシートの背もたれに関連技術のシートベルトリトラクタ1を適用することが困難であるという問題がある。
【0052】
このような問題点を解決するために、本開示は、シートベルトリトラクタに適用されるそれぞれの部品を機能ブロック別にモジュール化し、必要な機能に対応するモジュールを選択的に組み合わせてシートベルトリトラクタを製作する。
【0053】
加えて、本開示は、ウェビングが巻き取られるスピンドルを設置する方向を変更することにより、シートベルトリトラクタの前後方向の幅を最小化してシートベルトリトラクタのスリム化を図る。
【0054】
以下、
図2~
図5を参照して、本開示の好ましい実施形態によるシートベルトリトラクタの構成を詳細に説明する。
【0055】
図2は、本開示の好ましい実施形態によるシートベルトリトラクタの分解斜視図であり、
図3は、
図2に示されたそれぞれのモジュールが組み立てられた状態を示す斜視図である。
図4及び
図5は、それぞれ、
図2に示したそれぞれのモジュールを異なる方法で組み立てた状態を示す図である。
【0056】
図2及び
図3に示すように、本開示の好ましい実施形態によるシートベルトリトラクタ10は、
図1を参照して説明したスピンドル3、センサユニット4、緊急時張力付与ユニット5、事前張力付与ユニット6などのそれぞれのデバイスを機能ブロック別にモジュール化させて製作することができ、必要なモジュールを選択的に組み合わせて組み立てることができる。
【0057】
すなわち、本開示の好ましい実施形態によるシートベルトリトラクタ10は、シートベルトリトラクタ10に適用される各部品を機能ブロック別にモジュール化し、モジュール化されたそれぞれの部品を選択的に組み合わせることによって製作される。
【0058】
例えば、シートベルトリトラクタ10は、スピンドルモジュール20、センサモジュール30、緊急時張力付与モジュール40、事前張力付与モジュール50、及び追加機能モジュールを選択的に組み合わせることによって組み立てられてもよい。
【0059】
スピンドルモジュール20及びセンサモジュール30は、シートベルトリトラクタ10を構成する基本モジュールであって、
図2に示すように、別個のモジュールとして製作されて組み立てられてもよく、一体化された1つのモジュールとして提供され得る。
【0060】
センサモジュール30は、ウェビング21の引き出し加速度の変化を検出する加速度センサ、又は、車両の傾きの変化を検出する傾きセンサを含んでいてもよい。
【0061】
スピンドルモジュール20は、外周面にウェビング21が巻き取られたスピンドル22を備える。
【0062】
スピンドルモジュール20は、車両の衝突によりウェビング21の引き出し加速度又は車両の傾きが変化した場合に、ウェビング21を巻き取るように動作してもよい。
【0063】
スピンドルモジュール20は、チャイルドシートを固定するためにウェビングを所定区間だけ引き込む機能を更に提供することができる。
【0064】
以下の説明では、ウェビング21が引き出される方向を上方向(U)とし、スピンドル22が装着される方向を前後方向(F、B)とする。
【0065】
本実施形態では、シートベルトリトラクタ10の厚さ、すなわち前後方向の幅を最小化して、シートベルトリトラクタ10をスリムなシートに装着することを可能にする。
【0066】
例えば、本実施形態における各モジュールは、約40mm~90mm程度の同一の厚さを有するように製作されてもよく、スピンドルモジュール20の厚さを基準として、他のモジュールがスピンドルモジュール20よりも薄い厚さを有するように製作されてもよい。
【0067】
加えて、各モジュールは、スピンドルモジュール20の中心を基準としてスピンドルモジュール20の側面、すなわち、スピンドルモジュール20の右側若しくは左側、又は上部若しくは下部に配設される。
【0068】
すなわち、
図2及び
図3に示すように、スピンドルモジュール20の左側に事前張力付与モジュール50が配設され得、スピンドルモジュール20の右側にセンサモジュール30及び緊急時張力付与モジュール40が交互に配設されてもよい。
【0069】
当然のことながら、本開示はこれに限定されない。
【0070】
例えば、
図4に示すように、スピンドルモジュール20の右側にセンサモジュール30及び緊急時張力付与モジュール40が配設され、スピンドルモジュール20の下部に事前張力付与モジュール50が配設されてもよい。
【0071】
代替的に、
図5に示すように、事前張力付与モジュール50がスピンドルモジュール20の左側又は右側に配設され、センサモジュール30及び緊急時張力付与モジュール40がスピンドルモジュール20及び事前張力付与モジュール50の下部に配設されてもよい。
【0072】
本実施形態では、車両の仕様、シートベルトリトラクタ10の仕様に応じて、必要であれば、上述したモジュールの一部を省略し、又は追加機能モジュールを更に組み合わせて組み立てることができる。
【0073】
本実施形態では、スピンドルモジュール20以外のモジュールをスピンドルモジュール20と同じ厚さに製作するか、スピンドルモジュール20よりも薄い厚さに製作することによって、シートの背もたれに装着されるシートベルトリトラクタ10の前後方向の幅を一定に維持することができる。
【0074】
したがって、シートベルトリトラクタ10の各モジュールを最小限の厚さに製作し、他のモジュールをスピンドルモジュール20の中心を基準としてスピンドルモジュール20の両側又は上部若しくは下部に配置することによって、シートベルトリトラクタ10の総体積を最小化してスリムに製作することができる。
【0075】
上記のように組み合わされたそれぞれのモジュールは、それぞれのモジュールに提供された軸が同一方向、例えば、前後方向を向くように、平行又は垂直方向に配列され得る。
【0076】
したがって、各モジュールは、ギア、チェーン、ベルトなどの動力伝達ユニットを使用して連続的に動力を伝達又は受信するように構成されてもよい。
【0077】
図2~
図5では、各モジュールが実質的に六面体形状を有するものとして概略的に図示されているが、本開示では、それぞれのモジュールの形状をその機能又は構成に応じて様々に変化させ、かつ選択的に組み合わせることにより、シートベルトリトラクタを製作することができる。
【0078】
例えば、
図6は、
図2に示すスピンドルモジュール及びセンサモジュールを詳細に示す斜視図であり、
図7は、
図6に示すスピンドルモジュール及びセンサモジュールを別の角度から示す斜視図である。
【0079】
スピンドルモジュール20及びセンサモジュール30は、シートベルトリトラクタ10を構成する基本モジュールであって、
図6及び
図7に示すように、1つのモジュールに統合されて提供されてもよく、別個のモジュールに製作されてもよく、かつ、組み立てられてもよい。
【0080】
加えて、緊急時張力付与モジュール40及び事前張力付与モジュール50は、基本モジュールの一方の側、例えば左側に配設されてもよい。
【0081】
上記のように組み合わされたそれぞれのモジュールは、それぞれのモジュールに提供された軸がスピンドル22の設置方向と同一方向を向くように設置され、ギアなどの動力伝達ユニットを介して動力を伝達又は受け取るように構成される。
【0082】
ウェビング21が巻き取られるスピンドル22がスピンドルモジュール20に提供されている。
【0083】
図6及び
図7に示すように、スピンドル22は、前後方向に沿ってハウジング23内に配設されており、ウェビング21は、スピンドル22の外周面に巻き取られている。
【0084】
ハウジング23の上部には、ウェビング21の引き出し方向をスピンドル22が設置された前後方向とは異なる方向、例えば垂直方向、すなわち左右方向に変更するようにウェビング21をガイドするガイド部24が提供されている。
【0085】
ガイド部24は、それぞれ、ウェビングが引き出される引き出し空間251を形成するように所定間隔離隔して配置される一対のガイドフレーム25と、一対のガイドフレーム25の両端をハウジング23に連結する連結部材26とを含んでいてもよい。
【0086】
一対のガイドフレーム25は、直線状又は曲線状、又は、板状で提供され得る。
【0087】
当然のことながら、ガイドフレーム25は、その中心に引き出し空間251が形成された長方形の枠状又は円形又は楕円形の枠状に変更されてもよい。
【0088】
1つ以上の連結部材26は、それぞれ、ガイドフレーム25の両端部をハウジング23に連結するように提供され得る。
【0089】
したがって、ガイド部24は、正面から見たときの断面が実質的に「┐」形状となるように形成されてもよい。
【0090】
当然のことながら、ガイド部24の形状はこれに限定されるものではなく、ハウジング23の外観、ガイド部24の設置位置、その周辺の形状などの様々な条件に応じて、ガイド部の断面が実質的に「∩」形状又は「∧」形状、円弧状などの様々な形状に変更されてもよい。
【0091】
加えて、ガイド部24は、スピンドル22の設置方向に対して垂直に配設されている。
【0092】
これにより、ウェビング21の一端がスピンドル22の外周面に巻き取られ、ウェビング21の他端がハウジング23の外部に引き出された後、一対のガイドフレーム25の間の引き出し空間251を通って再び上方向に引き出される。
【0093】
この場合、ウェビング21は、ハウジング23の外部に引き出される際に前後方向を向くように配置され、一対のガイドフレーム25の間の引き出し空間251を通じて引き出される際に一方の側方向に回転されて左右方向に沿って引き出される。
【0094】
上述したように、本開示によれば、ウェビングが巻き取られるスピンドルの配置方向を変更することにより、シートベルトリトラクタをシートの背もたれに装着した際の前後方向の幅を最小化することができる。
【0095】
加えて、本開示は、スピンドルモジュールの前後方向の幅を最小化することによって、スピンドルモジュール及びこれを適用したシートベルトリトラクタがシートに装着される幅を最小化してスリムなシートベルトリトラクタを製作することができる。
【0096】
以下、
図8~
図10を参照して、本開示の別の実施形態によるシートベルトリトラクタの構成を詳細に説明する。
【0097】
図8は、本開示の別の実施形態に係るシートベルトリトラクタの背面図であり、
図9は、
図8に示すシートベルトリトラクタの斜視図であり、
図10は、
図8に示すシートベルトリトラクタが座席の背もたれに装着された状態を示す図である。
図10の(a)はシート前方を示し、
図10の(b)はシート後方を示す。
【0098】
図8~
図10に示すように、本開示の別の実施形態に係るシートベルトリトラクタ10は、その構成において、
図6及び
図7を参照して上述したシートベルトリトラクタ10と同様である。しかしながら、緊急時張力付与モジュール40及び事前張力付与モジュール50は、スピンドルモジュール20の上部に結合される。
【0099】
すなわち、本開示の別の実施例によるシートベルトリトラクタ10は、シートベルトリトラクタ10に適用される各部品を機能ブロック別にモジュール化し、モジュール化されたそれぞれの部品を選択的に組み合わせることによって製作することができる。
【0100】
加えて、スピンドルモジュール20は、外周面にウェビング21が巻き取られるスピンドル22を備える。
【0101】
スピンドルモジュール20は、車両の衝突によりウェビング21の引き出し加速度又は車両の傾きが変化した場合に、ウェビング21を巻き取るように動作してもよい。
【0102】
スピンドルモジュール20は、チャイルドシートを固定するためにウェビング21を所定区間だけ引き込む機能を更に提供することができる。
【0103】
以下の説明では、ウェビング21が引き出される方向を上方向(U)とし、スピンドル22が設置される方向を前後方向(F、B)とする。
【0104】
本実施形態では、シートベルトリトラクタ10の厚さ、すなわち前後方向の幅を最小化して、シートベルトリトラクタをスリムなシートに装着することを可能にする。
【0105】
各モジュールは、スピンドルモジュール20の中心を基準としてスピンドルモジュール20の側面、すなわち、スピンドルモジュール20の左側又は右側、上部又は下部に配設される。
【0106】
例えば、
図8及び
図9に示すように、センサモジュール30、緊急時張力付与モジュール40、事前張力付与モジュール50は、それぞれ、スピンドルモジュール20の上部に配置されてもよい。
【0107】
本明細書では、スピンドルモジュール20及びセンサモジュール30は、シートベルトリトラクタ10を構成する基本モジュールであり、1つのモジュールに統合されて提供されてもよく、別個のモジュールに製作されてもよく、かつ、組み立てられてもよい。
【0108】
加えて、緊急時張力付与モジュール40及び事前張力付与モジュール50は、基本モジュールの一方の側、例えば上部に配置されてもよい。
【0109】
上記のように組み合わされたそれぞれのモジュールは、それぞれのモジュールに提供された軸がスピンドル22の設置方向と同一方向を向くように、垂直方向に平行に設置され、例えば、ギアなどの動力伝達ユニットを介して動力を伝達又は受け取るように構成される。
【0110】
例えば、緊急時張力付与モジュール40及び事前張力付与モジュール50に提供された軸がそれぞれスピンドル22と平行に配置され、事前張力付与モジュール50に提供された駆動モータの出力軸及びセンサモジュール30に提供された軸がスピンドル22と垂直となるように左右方向に沿って配置されてもよい。
【0111】
互いに結合されてハウジング23の機能を行う第1のブラケット27及び第2のブラケット28がスピンドルモジュール20の前側及び後側に、結合されてもよい。
【0112】
すなわち、第1のブラケット27がスピンドルモジュール20の前側に配設されてもよく、第2のブラケット28がスピンドルモジュール28の後側に配設されてもよい。加えて、第1のブラケット27及び第2のブラケット28の両側には、互いに結合される結合部材が設けられてもよく、第1のブラケット27及び第2のブラケット28の下端には、背もたれ12に設置される設置部材が提供され得る。
【0113】
これに伴い、第1のブラケット27及び第2のブラケット28のうちの一方の側、例えば
図8において左側の下端には、ウェビング21を引き出すことを可能にするための引き出し空間251が提供され得る。引き出し空間251には、スピンドル22と同じ前後方向に沿ってガイド部材29が設置されていてもよい。
【0114】
ガイド部材29は、ウェビング22の上方向への引き出しをガイドするように機能する。ガイド部材29は、ウェビング21がスピンドル22に円滑に巻き取られ、又は引き出されることを可能にするように、それぞれ、前端及び後端が第1のブラケット27及び第2のブラケット28に回転可能に軸結合されるローラとして提供され得る。
【0115】
このため、シートベルトリトラクタ10の前後方向の全幅を、第1のブラケット27及び第2のブラケット28の前後方向の幅に制限することができる。
【0116】
一方、シート11の背もたれ12には、シートベルトリトラクタ10が装着される装着空間13が提供され得る。
【0117】
背もたれ12の内部には装着空間13が提供され得、装着空間13の一方の側にはスピンドルモジュール20から背もたれ12の外部に引き出されるウェビングをガイドするウェビングガイド14が設置される。
【0118】
装着空間13は、背もたれ12の後側の上部に提供され得る。
【0119】
図10では、装着空間13が背もたれ12の上端の中心に配設されているが、本開示はこれに限定されない。装着空間13は、背もたれ12の上端から所定距離だけ下方に離隔した位置に形成されてもよく、背もたれ12の中心から左側又は右側に偏って形成されてもよい。
【0120】
ウェビング21がウェビングガイド14に向かって配設される空間は、装着空間13の一方の側に流体連通してもよい。
【0121】
ウェビングガイド14が背もたれ12の一方の側上端、例えば運転席11に適用される場合、ウェビングガイド14は、背もたれ12の左側面の上部及び上面の右側縁を部分的に覆うように提供され得る。
【0122】
本明細書では、ウェビング21は、ウェビング21の両端が前後方向を向くようにスピンドル22に巻き取られている状態で装着空間13及び配置空間15を通って背もたれ12の外部に引き出されており、ウェビング21の両端が実質的に左右方向を向くように、ウェビングガイド14によってウェビング21の引き出し方向が変更されてもよい。
【0123】
すなわち、ウェビング21の引き出し方向は、スピンドル22とウェビングガイド14との間、すなわち配置空間15に配置された前後方向の両端部が左右方向を向くように変更される。
【0124】
これに伴い、ウェビングガイド14の位置に応じてウェビング21の引き出し角度が調整されてもよい。
【0125】
例えば、
図11及び
図12は、それぞれ、ウェビングの引き出し角度を調整する状態を示す作動状態図である。
図11及び
図12の(a)は、それぞれ、シートの前方を示し、
図11及び
図12の(b)は、それぞれ、シートの後方を示す。
【0126】
運転席11に着座した乗員が大人である場合には、ウェビング21は、
図10に示すように、背もたれ12の一方の側、左側の上端、
図10で見たとき、上方に向けて配設される。すなわち、ウェビング21の一端はスピンドル22の外周面に巻き取られており、ウェビング21の他端はシートベルトリトラクタ10の外部に引き出された後、背もたれ12に設置されたウェビングガイド14に向かって上方に引き出されている。
【0127】
一方、
図11及び
図12に示すように、シート11に着座した乗員が女性、青年、又は成人よりも体格の小さい子供である場合には、ウェビング21の引き出し角度を調整して、ウェビング21を背もたれ12の左側の上端から下方にずれた位置から引き出すようにしてもよい。
【0128】
例えば、乗員が背もたれを後方に回転させて背もたれの角度を調整する際に、ウェビングが乗員の首又は肩に引っ掛かることがあり、不便を引き起こす。
【0129】
加えて、乗員の体調、すなわち大人、青年、子供の乗車時や、乗員の体型やチャイルドシート設置時などの使用目的に応じて、ウェビング21の引き出し角度を調整する必要がある場合がある。
【0130】
そこで、ウェビングガイド14に調整部材(図示せず)を背もたれ12の上面から左側面上部までの予め設定された範囲内で移動可能に設置してもよく、また、調整部材の位置に応じてウェビング21を、ガイド部材29を中心として回転させて引き出し角度を調整するようにしてもよい。
【0131】
以上説明したように、本開示によれば、スピンドルに巻き取られたウェビングが第1のブラケット及び第2のブラケットのうちの一方の側から引き出され、また、ウェビングの引き出し角度が背もたれの装着空間内で自在に調整される。
【0132】
したがって、本開示によれば、乗員の体調又は使用目的に応じてウェビングの引き出し方向及び引き出し角度を調整して安定性を高めることができる。
【0133】
この場合、ウェビング21は、スピンドルモジュール20の外部に引き出される際に両端が前後方向を向くように配置され、また、ウェビング21は、配置空間15及びウェビングガイド14を通って引き出される際に一方の側に回転されて両端が左右方向を向くように引き出される。
【0134】
以上説明したように、本開示は、ウェビングが巻き取られるスピンドルの配置方向を変更することにより、シートベルトリトラクタをシートの背もたれに装着した際に、前後方向におけるシートベルトリトラクタの幅を最小限に抑えることができる。
【0135】
加えて、本開示のシートベルトリトラクタは、スピンドルモジュールの厚さ及びウェビングの幅を最小化することによって、スピンドルモジュール及びこれを適用したシートベルトリトラクタがシートに装着される幅を最小化してスリムに製作することができる。
【0136】
加えて、本開示は、スピンドルモジュールから引き出されるウェビングの引き出し方向及び角度を自由に調整することができる。
【0137】
発明者らによる本開示は、上記実施形態に基づいて具体的に説明されてきたが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的本質の範囲内で様々に修正することができる。
【0138】
すなわち、上述した実施例では、スピンドルモジュール、センサモジュール、緊急時張力付与モジュール、事前張力付与モジュールを選択的に組み合わせてシートベルトリトラクタを製作することを例示したが、本開示では、前述したモジュールに追加して、追加的な機能を有するモジュールを更に選択的に組み合わせてシートベルトリトラクタを製作することもできる。
【0139】
加えて、上述した実施形態では、スピンドルの配置方向とウェビングの引き出し方向とが直角をなすものを例示したが、本開示はこれに限らず、スピンドルが設置される周囲の状況に応じて、スピンドルの配置方向とウェビングの引き出し方向とが直角以外の角度、例えば、鋭角や鈍角をなすように変更してもよい。
【0140】
発明者らによる本開示は、上記実施形態に基づいて具体的に説明されてきたが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的本質の範囲内で様々に修正することができる。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本開示は、シートベルトリトラクタに適用されるそれぞれの部品を機能ブロック別にモジュール化し、必要な機能に対応するモジュールを選択的に組み合わせてシートベルトリトラクタを製作し、ウェビングが巻き取られるスピンドルを設置する方向を回転させ、シートの背もたれに装着されるシートベルトリトラクタの前後方向の幅を最小化してシートベルトリトラクタをスリム化するシートベルトリトラクタ技術に適用される。
【国際調査報告】