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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】二軸太陽電池アレイ追尾装置
(51)【国際特許分類】
   H02S 20/32 20140101AFI20240206BHJP
   G05D 3/00 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
H02S20/32
G05D3/00 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542863
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(85)【翻訳文提出日】2023-09-08
(86)【国際出願番号】 CA2022050049
(87)【国際公開番号】W WO2022150919
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】63/137,221
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523265881
【氏名又は名称】マクスン ソーラー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】アラブ,レッド
(72)【発明者】
【氏名】ロシャ,ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】アラブ,アブドッラー
【テーマコード(参考)】
5H303
【Fターム(参考)】
5H303AA16
5H303CC06
5H303DD01
(57)【要約】
複数の太陽熱集熱器ノードにおいて複数の太陽エネルギーハーベスティング素子を支持するための二軸太陽電池アレイ追尾装置。2つの直交する運動軸、具体的には、回転可能な横梁における回転軸と、横梁の軸に対する傾斜軸とが、安定した構成での正確な配向を可能にする。太陽追尾装置の二軸設計は、太陽熱集熱器を太陽に向けることができるように太陽熱集熱器の運動を可能にし、入射する太陽光線が太陽熱集熱器の太陽電池セル素子に対して垂直になると太陽放射線の収集が最適化される。本発明の太陽追尾装置アレイはさらに、ソーラー、電気および/または熱エネルギーコジェネレーションの一体化を可能にする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の機械システムを備える第1の縦梁と、
第2の機械システムを備える、前記第1の縦梁からオフセットされた第2の縦梁と、
前記第1の縦梁と前記第2の縦梁との間に延在する少なくとも1つの回転可能な横梁であって、
各々が集熱器ノード機械要素を備える複数の太陽熱集熱器ノード、
前記第1の機械システムと係合して前記横梁をその軸を中心として回転させるための第1の横梁機械要素を備える第1の端部、
前記第2の機械システムと係合して前記太陽熱集熱器ノード内の前記集熱器ノード機械要素を介して前記複数の太陽熱集熱器ノードを前記横梁に対して傾斜させるための第2の横梁機械要素を備える第2の端部、および
前記複数の太陽熱集熱器ノードの各々を接続する導管を備える中空断面
備える、少なくとも1つの回転可能な横梁と
を備える、二軸太陽追尾装置。
【請求項2】
前記第1の縦梁、前記第2の縦梁、または前記第1の縦梁および前記第2の縦梁は、前記横梁内の前記導管に接続する中空断面を備える、請求項1に記載の太陽追尾装置。
【請求項3】
前記導管は、電気導管および流体導管の1つまたは複数である、請求項1または請求項2に記載の太陽追尾装置。
【請求項4】
前記流体導管は、前記複数の太陽熱集熱器ノードを熱コジェネレーションシステムに流体接続する、請求項3に記載の太陽追尾装置。
【請求項5】
前記第1の機械システムを制御するために前記第1の機械システムに接続された第1のモータと、前記第2の機械システムを制御するために前記第2の機械システムに接続された第2のモータとをさらに備える、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の太陽追尾装置。
【請求項6】
前記複数の太陽熱集熱器ノードに接続された複数の太陽エネルギーハーベスティング素子をさらに備える、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の太陽追尾装置。
【請求項7】
前記複数の太陽熱集熱器ノードは、1つまたは複数の光起電力集光セル、集熱セル、複合光熱セル、またはそれらの組み合わせを備える、請求項6に記載の太陽追尾装置。
【請求項8】
前記横梁内の前記導管は流体導管であり、前記複数の太陽熱集熱器ノードは、前記流体導管に接続された一体型熱流体導管を備える、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の太陽追尾装置。
【請求項9】
前記第1の縦梁および前記第2の縦梁のうちの少なくとも一方は、縦方向電気本管を備え、前記複数の太陽熱集熱器ノードは、前記縦方向電気本管に電気的に接続される、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の太陽追尾装置。
【請求項10】
前記第1の縦梁および前記第2の縦梁のうちの少なくとも一方は、流体主導管を備え、前記複数の太陽熱集熱器ノードは、前記縦方向流体主導管に流体接続される、請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の太陽追尾装置。
【請求項11】
前記回転可能な横梁は、前記複数の太陽熱集熱器ノード上のウォーム歯車と係合するための複数のウォームドライブを備える、請求項1~請求項10のいずれか一項に記載の太陽追尾装置。
【請求項12】
複数の縦梁をさらに備える、請求項1~請求項11のいずれか一項に記載の太陽追尾装置。
【請求項13】
前記太陽追尾装置を取付面に対して上昇させるための取付構造体をさらに備える、請求項1~請求項12のいずれか一項に記載の太陽追尾装置。
【請求項14】
前記取付構造体は、前記取付面に対する前記太陽追尾装置アレイの角度を調整することができる、請求項13に記載の陽追尾装置。
【請求項15】
第1の機械システムを備える第1の縦梁と、
第2の機械システムを備える、前記第1の縦梁からオフセットされた第2の縦梁と、
前記第1の縦梁と前記第2の縦梁との間に延在する少なくとも1つの横梁であって、
複数の太陽熱集熱器ノード噛合要素を備える回転シャフトであって、前記第1の機械システム上の第1の縦梁噛合要素と係合して前記横梁をその軸を中心として回転させるための第1の端部と、前記第2の機械システム上の第2の縦梁噛合要素と係合して前記複数の太陽熱集熱器ノードを前記横梁に対して傾斜させるための第2の端部とを有する回転シャフト、
前記回転シャフト上の前記複数の集熱器ノード噛合要素のうちの1つと機械的に係合された複数の太陽熱集熱器ノード、および
前記複数の太陽熱集熱器ノードの各々を接続する導管を受容するための中空断面
を備える少なくとも1つの横梁と
を備える、二軸太陽追尾装置。
【請求項16】
前記導管は、電気導管および流体導管の1つまたは複数である、請求項15に記載の太陽追尾装置。
【請求項17】
前記横梁は、前記複数の太陽熱集熱器ノードの各々を電気本管に電気的に接続する電気導管を備える、請求項15または請求項16に記載の太陽追尾装置。
【請求項18】
前記横梁は、前記複数の太陽熱集熱器ノードを流体熱コジェネレーションシステムに流体接続する流体導管を備える、請求項16に記載の太陽追尾装置。
【請求項19】
前記複数の太陽熱集熱器ノードは、光起電力集光セル、集熱セル、複合光熱セル、またはそれらの組み合わせを備える、請求項15~請求項18のいずれか一項に記載の太陽追尾装置。
【請求項20】
各々が前記複数の太陽熱集熱器ノードのうちの1つに接続される複数の太陽電池セルをさらに備える、請求項15~請求項19のいずれか一項に記載の太陽追尾装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年1月14日に出願された米国仮特許出願第63/137,221号の優先権を主張するものであり、これにより、この特許の内容全体を参照によって本願明細書に援用したものとする。
【0002】
本発明は、太陽エネルギーハーベスティング素子または太陽熱集熱器素子を支持するための太陽電池アレイ追尾構造に関する。本発明はまた、太陽光発電および熱エネルギー収集ならびに太陽光発電熱エネルギーコジェネレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
太陽エネルギーハーベスティングシステムでは、システムの効率または採取されるエネルギーの量は、ソーラーハーベスティング素子が太陽に向けて配向されたときに最大になる。例えば、光起電力セル、光熱セルなどのソーラーハーベスティング素子、ならびに反射素子(ミラーなど)および他の光学素子(レンズなど)などの関連素子を使用して、光および熱の形態で太陽エネルギーを採取することができる。ソーラーハーベスティング素子の1つのタイプは、光起電力セルとも呼ばれる太陽電池セルであり、これは、太陽からの光としてのエネルギーを収集し、これを光起電力効果によって直接電気に変換する電気デバイスである。収集される光を最大化するために、ソーラーハーベスティング素子は、一般に、入射する太陽光線に対してほぼ垂直な向きに位置合わせされ、太陽電池セルの角度または向きは、理想的には、時間と共に、かつ太陽が太陽電池セルの位置に対して移動するにつれて、太陽電池セルを入射光に対して垂直に最適な形で位置合わせするように調整される。可動システムおよび追尾システムを備えていないソーラーハーベスティングシステムは、それらの設置場所(緯度など)に応じて特定の固定された向きで設置され、それらの太陽電池素子が入射太陽光線に対して垂直に近くなる期間を最大化する。太陽追従運動を可能にし、入射する太陽光線に対して垂直に太陽電池素子を方向付けて保持するシステムは、一般に太陽追尾装置または太陽電池アレイ追尾装置と呼ばれる。既存の追尾装置は、太陽電池セルの角度を制御するために、リンク機構、歯車、ジョイント、ベルト、ケーブル駆動装置、ならびに他の機械デバイスおよび電子デバイスを含む様々な機構を採用している。
【0004】
米国特許出願公開第20190199276号には、単軸追尾装置について記載されており、この装置では、1つまたは複数の太陽電池素子は、それらが回転する中心となる軸方向要素と、半円形構造部材とに接続される。この半円形部材は、歯車システムを介して回転される歯付き円形ラック(ラックアンドピニオン式の歯車におけるラックと同様)である。このことにより、太陽電池素子を回転させて太陽に向けるか、またはほぼ太陽に向けることができる。このことはまた、前記システムが設置される場所、利用可能な向き、および緯度に応じて、設置時に特定の向きで、前記システムおよび軸方向要素(その周りを太陽電池素子が回転する)を有することによって実現される。しかしながら、そのような単軸システムでは、前記太陽電池素子を太陽に向けて、またはそのような必要な向きに常に近づけることは不可能である。このことは、1年間を通して空における太陽の相対位置が移動するために、不可能である。
【0005】
他のシステムも同様の構成を使用しており、この構成では、太陽電池素子が軸方向要素に接続されて回転するが、それらの運動は電動要素によって命令される。他のシステムは、リンク機構、ベルト、ケーブル駆動装置、および他の機械デバイスを使用して、太陽追尾運動を達成する。スペイン公開特許第2404671(A1)号は、垂直回転軸上に任意に取り付けられた単軸太陽追尾装置のためのシザー型連係システム、または前記シザー型機構によって形成される軸に垂直な水平回転軸を提供し、二次回転軸を形成するシステムについて記載している。どちらの場合も、垂直構造要素は、補強構造を必要とするシステムの高さを増加させるために使用され、その結果、設置がかなり複雑になる。
【0006】
別の例では、米国特許第9729102号は、折り畳み式ソーラーパネルを用いた単軸太陽追尾ソリューションを記載している。ソーラーパネルは、垂直回転軸を有するシステムに取り付けられて、二軸追尾システムを形成する。他の一般的な追尾システムは、地上設置型の構成など、回転軸のうちの少なくとも1つが垂直であることに基づく。これらの構成の大部分は、垂直構造部材、または2つ、3つ、もしくは4つの垂直もしくはほぼ垂直な部材の組み合わせに依存しており、任意に追加の連係システム、スイベル、ボールジョイントなどを伴う。
【0007】
太陽電池アレイ追尾システムは、通常、水平面上のグラウンドマウントにおいて見られ、傾斜屋根などの傾斜した取付面上では、あったとしても見られるのは非常に稀である。これらのタイプのアレイシステムは、通常、限られた数の固定点、すなわち、それらを支持面積および/または支持構造体に固定するための小面積に依存しており、このことは、前記アレイシステムを屋根、壁、または傾斜した面もしくは平坦でない面に設置するには実現可能ではない。特に、風によるシステムからの荷重(重量など)は、これらのシステムが局所領域に取り付けられる面積および/または構造体に伝達されるだけであり、そのような荷重の強度を集中させ、結果として構造的な悪影響を及ぼす。したがって、このようなアレイは、一般に、アレイシステム自体と、これらのシステムが取り付けられる面積および/または構造体との両方において、さらに加えられた力を支持するために、それらの面積に構造補強材を適用する必要がある。この構造補強材の必要性は、結果として重量および複雑さの増加を伴う。
【0008】
太陽電池アレイ追尾装置の壁および屋上への取り付けは、このようなシステムを設置するための利用可能な面積のため、構造体を人から離しておくための安全上の理由のため、およびシャドーイングを回避するために理想的であるが、追尾装置を支持するために必要とされる構造補強材は、傾斜した屋根または壁などに適用することが常に可能である、または現実的であるとは限らない。さらに、垂直または準垂直構造部材に依存して、これらのタイプのシステムの高さを実質的に増大させることができ、このことは、システムの構造体を通して、前記のそのような局所取付領域における周囲構造体に伝達および移動される荷重およびモーメントの同等の増加をもたらし、構造補強材の必要性をさらに高め、結果として複雑さ、重量、およびコストを伴う。高さを増大させることはまた、より速い速度を伴う風への暴露を増加させ、その結果、より大きい荷重を生じさせる。高さを増大させることは、システムの上部が、例えば、システムが設置される表面(例えば、屋根)によって形成される流れ境界層の外側に向かって押されることを意味する。前記追加された垂直方向の高さは、生成されるシェーディングおよび安全対策にも影響を及ぼす。これらのシステムの高さが高いほど、それらの周囲領域により多くのシェーディングが生じる。その結果として、いくつかのシステムが隣接するシステムの陰にあるために十分に機能せず、十分に活用されない状態で、採取されるエネルギー量の特定の容量に到達するためには、より多くのシステムを設置しなければならず、そのことで生じるより高いコストを回避するために、設置されたシステム間の間隔を増大させなければならない。安全面では、1つのシステムに起こり得る損傷(例えば、強風によって引き起こされる)が隣接するシステムに影響を及ぼすことを回避するためにも間隔が必要である。
【0009】
ハイブリッドソーラーまたは単にコジェネレーションとしても知られるソーラーコジェネレーションは、光起電力(PV)セル技術および太陽熱技術を単一のシステム内で組み合わせて、電気および熱の両方を送達し、太陽からの吸収可能なエネルギーを最大化する。コジェネレーションは、そうでなければ浪費される熱を利用して生産的に活用することができるので、より効率的な太陽エネルギーハーベスティング方法である。面積当たりに収集されるエネルギーを最大化する複数の太陽熱集熱器を支持することができる太陽追尾装置が依然として必要である。また、二軸追尾が可能であるが、ホスト構造体への分散荷重伝達を可能にし、水平面および非水平面に取り付けることができる小さい外形または低い高さを有する正確な太陽電池アレイ追尾装置が依然として必要である。
【0010】
この背景情報は、本出願人が本発明に関連する可能性があると考える情報を知ってもらう目的で提供されている。前述の情報のいずれかが本発明に対する先行技術を構成することを必ずしも自認するものではなく、そのように解釈すべきでもない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、複数の太陽熱集熱器または太陽エネルギーハーベスティング素子を支持することができる追尾装置を提供し、太陽を正確に追尾するために太陽熱集熱器の角度を制御するための堅牢なシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一態様では、第1の機械システムを備える第1の縦梁と、第2の機械システムを備える、第1の縦梁からオフセットされた第2の縦梁と、第1の縦梁と第2の縦梁との間に延在する少なくとも1つの横梁であって、複数の太陽熱集熱器ノード噛合要素を備える回転シャフトであり、第1の機械システム上の第1の縦梁噛合要素と係合して横梁をその軸を中心として回転させるための第1の横梁機械要素を備える第1の端部、および第2の機械システム上の第2の縦梁噛合要素と係合して複数の太陽熱集熱器ノードを横梁に対して傾斜させるための第2の横梁機械要素を備える第2の端部を有する回転シャフトと、各々が回転シャフト上の複数の集熱器ノード噛合要素のうちの1つと係合する集熱器ノード機械要素を備える複数の太陽熱集熱器ノードと、複数の太陽熱集熱器ノードの各々を接続する導管を受容するための中空断面とを備える、横梁とを備える二軸太陽追尾装置が提供される。
【0013】
一実施形態では、第1の縦梁、第2の縦梁、または第1の縦梁および第2の縦梁は、横梁内の導管に接続する中空断面を備える。
【0014】
別の実施形態では、導管は、電気導管、流体導管、ならびに電気導管および流体導管から選択される。
【0015】
別の実施形態では、流体導管は、複数の太陽熱集熱器ノードを熱コジェネレーションシステムに流体接続する。
【0016】
別の実施形態では、太陽追尾装置は、第1の機械システムを制御するために第1の機械システムに接続された第1のモータと、第2の機械システムを制御するために第2の機械システムに接続された第2のモータとをさらに備える。
【0017】
別の実施形態では、太陽追尾装置は、複数の太陽熱集熱器ノードに接続された複数の太陽エネルギーハーベスティング素子をさらに備える。
【0018】
別の実施形態では、複数の太陽熱集熱器ノードは、光起電力集光セル、集熱セル、複合光熱セル、またはそれらの組み合わせを備える。
【0019】
別の実施形態では、横梁内の導管は流体導管であり、複数の太陽熱集熱器ノードは、流体導管に接続された一体型熱流体導管を備える。
【0020】
別の実施形態では、第1の縦梁および第2の縦梁のうちの少なくとも一方は、縦方向電気本管を備え、複数の太陽熱集熱器ノードは、縦方向電気本管に電気的に接続される。
【0021】
別の実施形態では、第1の縦梁および第2の縦梁のうちの少なくとも一方は、流体主導管を備え、複数の太陽熱集熱器ノードは、縦方向流体主導管に流体接続される。
【0022】
別の実施形態では、横梁上の回転シャフトは、複数の太陽熱集熱器ノード上のウォーム歯車と係合するための複数のウォームドライブを備える。
【0023】
別の実施形態では、太陽追尾装置は、複数の横梁をさらに備える。
【0024】
別の実施形態では、太陽追尾装置は、太陽追尾装置を取付面に対して上昇させるための取付構造体をさらに備える。
【0025】
別の実施形態では、上昇取付構造体は、取付面に対する太陽追尾装置アレイの角度を調整することができる。
【0026】
別の態様では、第1の機械システムを備える第1の縦梁と、第2の機械システムを備える、第1の縦梁からオフセットされた第2の縦梁と、第1の縦梁と第2の縦梁との間に延在する少なくとも1つの横梁であって、複数の太陽熱集熱器ノード噛合要素を備える回転シャフトであり、第1の機械システム上の第1の縦梁噛合要素と係合して横梁をその軸を中心として回転させるための第1の横梁機械要素を備える第1の端部および第2の機械システム上の第2の縦梁噛合要素と係合して複数の太陽熱集熱器ノードを横梁に対して傾けるための第2の横梁機械要素を備える第2の端部を有する回転シャフト、各々が回転シャフト上の複数の集熱器ノード噛合要素のうちの1つと係合する集熱器ノード機械要素を備える複数の太陽熱集熱器ノード、および複数の太陽熱集熱器ノードの各々を接続する流体導管を受容するための中空断面を備える横梁とを備える、二軸太陽追尾装置が提供される。
【0027】
一実施形態では、太陽追尾装置は、複数の太陽熱集熱器ノードの各々を電気本管に電気的に接続する電気導管を横梁内にさらに備える。
【0028】
別の実施形態では、複数の太陽熱集熱器ノードは、光起電力集光セル、集熱セル、複合光熱セル、またはそれらの組み合わせを備える。
【0029】
本発明、ならびに他の態様およびさらなる特徴をよりよく理解できるように、添付図面と併せて使用される以下の説明について言及する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】太陽熱集熱器ノードを示す二軸太陽電池アレイ追尾装置の一実施形態の等角図である。
図2】上に向けられた太陽熱集熱器に取り付けられた二軸太陽電池アレイ追尾装置の一実施形態の等角図である。
図3】ある角度の方向を向いた太陽熱集熱器ノードを有する二軸太陽電池アレイ追尾装置の一実施形態の等角図である。
図4】ある角度に向けられた太陽熱集熱器に取り付けられた二軸太陽電池アレイ追尾装置の一実施形態の等角図である。
図5A】歯車システムを有する横梁と縦梁との交差部の等角図である。
図5B】横梁がその軸を中心として回転した状態の横梁と縦梁との交差部の等角図である。
図5C】横梁がその軸を中心として回転し、集熱器ノード歯車が傾斜した状態の横梁と縦梁との交差部の等角図である。
図6】複数の太陽熱集熱器ノードを有する横梁の等角図である。
図7】熱導管が一体化された横梁の等角図である。
図8A】横梁上の単一の太陽熱集熱器ノード歯車機構の垂直断面図である。
図8B】左に傾斜した横梁上の単一の太陽熱集熱器ノード歯車機構の垂直断面図である。
図9】熱システムが一体化された横梁上の単一の太陽熱集熱器ノードの等角図である。
図10】集熱システムを有する単一の太陽熱集熱器ノードの拡大断面図である。
図11】集熱システムを有する太陽熱集熱器ノードの垂直断面図である。
図12】集熱および/または熱伝達および/または管理システムを一体化するための構成を有する、単一の太陽熱集熱器ノードの拡大断面図である。
図13】複数の円錐形太陽熱集熱器に取り付けられた複数の太陽熱集熱器ノードを有する横梁の側面図である。
図14】取付フレームに取り付けられた二軸太陽電池アレイ追尾装置の等角図である。
図15】中央縦梁を有する太陽追尾装置アレイの等角図である。
図16】太陽光集光器の垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
別段の定義がない限り、本明細書内で使用されている全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有するものとする。
【0032】
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに別段の意味を示す場合を除いて、複数の指示対象を含むものとする。
【0033】
本明細書において使用される「備える(comprising)」という用語は、以下のリストが非網羅的であり、任意の他の追加の適切な項目、例えば、必要に応じて1つまたは複数のさらなる特徴(複数可)、構成要素(複数可)および/または要素(複数可)を含んでもよいし、含まなくてもよいことを意味すると理解される。
【0034】
本明細書で使用される場合、「接続する(connect)]および「接続された(connected)」という用語は、本開示の要素間または特徴間の任意の直接的または間接的な物理的関連付けを指す。したがって、これらの用語は、接続されていると記載された要素間または特徴間に介在する他の要素または特徴が存在する場合であっても、部分的または完全に互いの中に含まれる、取り付けられる、結合される、上に配置される、接合される、連通する、動作可能に関連付けられるなどの要素または特徴を示すと理解され得る。
【0035】
本明細書で使用される場合、「機械システム」という用語は、互いに相互作用し、エネルギー/仕事、動力、力、運動をそれらの間で伝達するなど、同じ対象物(複数可)に向かって協働する機械要素の任意のセットを含む。エネルギー/仕事、動力、力、運動のそのような伝達を実行する機械システムのいくつかの例は、歯車機構(歯車のような2つ以上の要素、およびウォームドライブのような他のタイプの要素など)、噛合連係要素、継手、ベルトおよびケーブルシステム(プーリおよび他の要素を伴う)などを含むが、これらに限定されない。例えば、ウォームドライブ/ウォーム歯車機械システムは、不可逆性という興味深い特性を有し、ウォームドライブに加えられる運動、荷重、仕事、エネルギー、動力は、そのようなウォームドライブと係合されるウォーム歯車(複数可)への伝達をもたらすが、この逆(ウォーム歯車に加えられ、ウォームに伝達される)は起こらない。したがって、これらのシステムは、荷重、仕事、エネルギー、動力を絶えず加えなくても、係止構成または係止位置に維持され得る。
【0036】
本明細書で使用される場合、「機械要素」という用語は、そのような機械システム内の他の機械構成要素(複数可)と噛合する機械システムの構成要素を指す。機械要素は、機械システム内に1つまたは複数の機能を有してもよく、それは、限定されないが、運動、荷重、エネルギー、仕事、動力を機械システムに入力または機械システムから出力するための、またはそれらが係合される機械システム内の他の機械要素(複数可)に運動、荷重、エネルギー、仕事、動力を伝達するための伝達手段であることを含んでもよいが、これに限定されない。機械システムに含まれ得る機械要素のいくつかの例は、歯車、ウォームドライブ、リンク機構、継手、ベルト、ケーブル、プーリ、ディスクなどを含むが、これらに限定されない。
【0037】
本明細書では、複数の太陽熱集熱器ノードにおいて複数の太陽エネルギーハーベスティング素子を支持するための薄型二軸太陽電池アレイ追尾装置について説明する。説明する二軸太陽電池アレイ追尾装置は、2つの垂直な運動軸、具体的には、回転可能な横梁における回転軸と、横梁の軸に対する傾斜軸とを有し、それぞれが制御可能なモータに取り付けられた2つの異なる歯車システムによって制御される。本発明の太陽追尾装置の二軸設計は、太陽熱集熱器を太陽に向けることができるように太陽熱集熱器の運動を可能にし、入射する太陽光線が太陽熱集熱器の太陽エネルギーハーベスティング素子に対して垂直になると太陽放射線の収集が最適化される。現在説明されている太陽電池アレイ追尾装置の薄型および低い高さは、任意のタイプの屋根の上でのその容易な使用を可能にし、技術的に効率的かつ視覚的に魅力的である。光起電力集光セル、集熱セル、複合光熱セル、および他のタイプのセルを含む(任意に、例えば、ミラー、レンズ、および光方向付け光学素子などの光学素子を含む)がこれらに限定されない様々な太陽エネルギーハーベスティング素子を本発明のシステムと共に使用することができる。
【0038】
太陽電池アレイ追尾装置は、二軸追尾が可能であるが、外形が小さく、高さが低く、システム重量および風による荷重およびモーメントを低減する一方で、ホスト構造体への分散荷重伝達を可能にする。太陽電池アレイ追尾装置は、水平面だけでなく、屋根のような非常に傾斜した角度の付いた面にも取り付け可能である。さらに、本発明の太陽電池アレイ追尾装置は、可能なソーラーコジェネレーションのための機構を提供すると同時に、占有面積当たりの最大効率および荷重で動作する非常に高集光の太陽電池素子を可能にし、ひいては占有面積当たりの高集光の採取エネルギーおよび電力を提供する。本発明のシステムは、ソーラーハーベスティングシステムの設置のために利用可能な面積が小さく、制約があり、貴重であり、プラント面積当たりのエネルギー消費量が通常多い、平坦または傾斜した屋上への適用に理想的である。この追尾装置構成はまた、小さい外形または低い高さを示すので、隣接するシステムへのシェーディングを低減する。したがって、隣接するシステム間の間隔も低減され、太陽エネルギーを収集するために利用可能な空間利用を最大化し、利用可能な面積当たりの高い採取エネルギーおよび電力を達成することができる。構造上の複雑さおよび重量も低減され、太陽電池アレイ追尾装置は、ホスト構造体への分散荷重伝達を可能にし、水平面または平坦面だけでなく取り付けが可能である。ソーラーコジェネレーションもまたサポートされ得、例えば、利用可能な面積が小さい屋根などの局所領域において、占有面積当たりの高集光の採取エルギーおよび電力にも寄与する。
【0039】
加えて、本発明の太陽電池アレイ追尾装置は、従来の単脚型、両脚支持型、または三脚型の二軸追尾装置と比較して、風および天候条件下で、システム重量による荷重および太陽電池素子およびアクセサリシステムを担持する荷重の分散を最適化する。薄型にし、太陽熱集熱器を移動させるために機械的角度付けシステムを一体化することによって、本明細書で説明する太陽電池アレイ追尾装置は、太陽エネルギーハーベスティングに利用される面積を最大化すると同時に、必要なモータおよび制御装置の数を最小限に抑えることができる。本発明の利点は、いくつかの太陽電池素子を有するアレイを移動させるために、最大で2つのモータ素子しか必要でないことである。したがって、本明細書で説明する二軸太陽電池アレイ追尾装置の動作(追尾、運動、および配向を含む)は、コンピュータシステム(例えば、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、および/または異なるタイプのいくつかのセンサ)を有する自動化システムによって管理され得る。本発明の太陽追尾装置はまた、電流の可能な伝導、および異なる太陽電池素子からの熱エネルギー採取および熱伝達(および場合によっては管理)のための流体移動、ならびにそのようなシステムの動作および管理のための対応する必要な構成要素の一体化を考慮した装置である。
【0040】
図1は、太陽熱集熱器ノード12を示す二軸太陽電池アレイ追尾装置10の一実施形態の等角図である。二軸太陽電池アレイ追尾装置は、第1の縦梁14aと、第1の縦梁に実質的に平行な第2の縦梁14bとを有する。第1の縦梁14aと第2の縦梁14bとの間には、1つまたは複数の横梁16がある。図示されている実施形態は4つの横梁を有するが、他の実施形態は、前記縦梁の間に延在し、前記縦梁に接続される1つ、2つ、3つ、5つ、6つ、またはそれ以上の横梁を有し得る。二軸太陽電池追尾装置は、複数の太陽熱集熱器ノード12において多種多様なタイプの太陽熱集熱器を支持することができ、太陽熱集熱器ノード12の各々において1つまたは複数のタイプの太陽熱集熱器が装着可能である。
【0041】
本発明の太陽追尾装置は、地面または他の水平面、平坦な面または平坦でない面に設置可能であるが、さらに屋根および壁などの角度が付いた面に(任意に、1つまたは複数の取付構造体または取付要素を用いて)設置可能である。太陽追尾装置の位置に対して太陽の位置を追尾し、入射する太陽光線が可能な限り垂直に近くなるように太陽に太陽熱集熱器ノード12を傾けることによって、最高のエネルギーハーベスティングを達成することができる。本発明の太陽電池アレイ追尾装置を使用することにより、太陽熱集熱器が太陽に向けられる時間を最大化することができ、採取されるエネルギーおよび電力を大幅に増大させる。さらに、本発明のシステムは、薄型であり、または取付面に対して低い高さを有し、このことにより、太陽追尾装置アレイまたは太陽追尾装置アレイが取り付けられる表面のいずれかに対する構造的または機械的な補強がほとんどない、または全くない容易な設置が可能になり、望ましい荷重分散が可能になる。
【0042】
太陽電池アレイ追尾装置において、縦方向支持構造要素または縦梁14a、14bは、1つまたは複数の横梁16を支持するために互いに実質的に平行に配置され、各横梁16は、1つまたは複数の太陽熱集熱器ノード12を支持する。第1の縦梁14a内の第1の歯車システムは、横梁16の軸X-X’を中心として縦梁14aに対して横梁16を回転させるために、各横梁上の横梁歯車とも呼ばれる第1の噛合歯車と接続する。この回転運動は、y-z平面内の太陽熱集熱器ノード12の角度を変化させる。第2の縦梁14b内または第2の縦梁14bと位置合わせされた第2の歯車システムは、横梁と動作可能に接続され、横梁は、太陽熱集熱器ノード12の各々に動作可能に接続されて、横梁の軸に対してx-z平面内で太陽熱集熱器ノード12を傾斜させる。一実施形態では、太陽電池アレイ追尾装置は、y-z平面が南北方向に位置合わせされ、横梁上の太陽熱集熱器ノードの角度が季節および空の太陽の高さに適応するように調整された状態で取り付けられることが好ましい。したがって、追尾装置は、好ましくは、東西の横梁と位置合わせされ、第2の歯車システムは、太陽熱集熱器ノード12が1日にわたって太陽を追尾するために正しい角度で傾斜されるようにする。第1の回転歯車システムの作動は、軸X-X’を中心として横梁を回転させ、第2の傾斜歯車システムの作動は、軸X-X’に対して太陽熱集熱器ノート12の各々を傾斜させることができる。
【0043】
横梁の第1の側では、第1の機械システムが横梁を第1の縦梁14a内の噛合要素と係合させ、この噛合要素は、好ましくはウォームドライブとウォーム歯車との組み合わせであり得る。第1のモータ32による第1の運動機械システムの作動は、第1の機械システムに接続された横梁の回転をもたらす。横梁の反対側または第2の側では、第2の機械システムが横梁を第2の縦梁14b内の噛合要素と係合させ、この噛合要素も好ましくはウォームドライブとウォーム歯車との組み合わせであり得る。第1の縦梁14aおよび第2の縦梁14bの各々に沿った運動伝達機械要素は、好ましくは、ウォームドライブが挿入された軸を含む。第2のモータ34が第2の縦梁内の第2の運動機械システムで作動されると、第2の縦梁14b内の第2の機械システムが回転して、第2の縦梁14b内のその出力軸に接続された軸方向要素の回転を引き起こす。これらの要素(好ましくは軸および接続されたウォーム)は回転して、横梁16の第2の側で係合されている機械要素(好ましくはウォーム歯車)の回転を引き起こす。横方向部材のこの反対側または第2の側の機械要素(上述したように、好ましくはウォーム歯車)は、横方向部材に直接接続されるのではなく、横梁部材に沿ったまたは横梁部材内の別の組の軸方向構成要素に接続され、その軸方向構成要素が第2の機械運動システムで使用されるウォーム歯車と共に回転して、太陽熱集熱器ノード12を傾斜させる。上述したように、本発明の図に示された機械システムおよび機械要素は、ウォームドライブおよび噛合ウォーム歯車を含むが、他の機械システムおよび機械要素も使用できることを理解されたい。
【0044】
横梁の各々は、所望の位置に、機械的伝達要素(好ましくは、ウォームドライブであり得る)が挿入された軸要素からなる軸方向構成要素を備える。これらの軸方向構成要素は、横梁内にまたは横梁に沿って延び、軸受、ガスケット、および/または横梁内を占める他の構造的構成要素を介して横梁と接合し、横梁によって支持される。これらの軸方向要素の長さ、ひいては横梁の長さは、縦方向部材と同様に、軸構成要素の長さ、軸構成要素の数、および適用される機械的伝達要素(例えば、ウォーム)の数を変更することによって変更可能である。使用される構成要素の長さおよび数の選択は、縦梁において適用される横梁の数に影響を及ぼすように、横梁1つ当たりの太陽エネルギーハーベスティング要素または太陽熱集熱器の数に影響を及ぼす。ウォームドライブおよび歯車の組み合わせが使用される場合、これらのウォームは、ウォーム歯車に接続される。縦方向部材と同様に、これを行うために、軸方向要素を含む横方向部材は、そのような機械的伝達要素(例えば、ウォーム)の位置に開口部を有する。これらの開口部は、好ましくは、天候、衝撃、浮遊微小粒子および化学物質、汚れ、デブリなどの外部要素から機械的伝達システムを遮蔽するために保護要素で包み込まれる。ウォームドライブおよび歯車の組み合わせが使用される場合、ウォームの回転と共に、ウォーム歯車は、横方向部材に垂直な軸、ひいては横方向部材に沿った追尾システムの第1の回転軸に垂直な軸と共に回転する。このことにより、ウォームドライブと歯車の組み合わせが使用される場合、これらのウォーム歯車も第1の追尾軸を中心として回転し、横方向部材が回転するときに横方向部材と共に回転するので、追尾システムの第2の軸が形成される。前記ウォーム歯車などの集熱器ノード位置におけるこれらの機械的要素は、そのような太陽熱集熱器ノード位置において、太陽電池素子を保持するために取り付けられる構造体、または直接取り付けられる太陽電池素子のいずれかを有する。次いで、これらは、2つの複合回転で回転して、二軸太陽追尾システムを形成し、横方向部材内の集熱器ノード位置(例えば、ウォーム歯車)で機械システム要素に取り付けられた太陽電池素子を常に太陽に向けて、最大エネルギーハーベスティング効率および前記太陽電池素子によって採取される最大エネルギー量のために、入射太陽光線に対するそれらの垂直性を維持することが可能になる。
【0045】
縦梁および横梁は、1つまたは複数の梁、バー、ロッド、中空梁、押出成形品、ロッド、またはそれらの組み合わせなどの任意の支持構造要素から作製され得る。梁は、それらの長さおよび/または断面の両方に沿って、単一または複数のこれらの要素からなり得る。2つの縦梁14a、14bは、支持構造要素として機能し、また、前記縦方向要素に沿った特定の固定点のみを利用して、例えば、ポール、昇降機構、または他の支持構造体に接続することによって、所望の表面積への太陽追尾装置の設置を可能にする。2つの縦梁はまた、説明するように、所望の数の横梁上の回転を命令するシステムの可動部を包囲するか、またはそれに接続する。
【0046】
使用時に、二軸太陽追尾装置内の太陽熱集熱器ノードの向きを調整するために、マイクロコントローラ、またはマイクロコンピュータ、アナログもしくはデジタル回路、または任意の他の同様のデバイス/回路/システム、またはこれらの組み合わせを有するコンピュータシステムが、太陽熱集熱器ノードの向きを調整するための信号を受信し、第1の機械システムを備える第1の縦梁に動作可能に接続された第1のモータ32と、第2の縦梁および第2の機械システムに動作可能に接続された第2のモータ34とを制御する。第1の縦梁と第2の縦梁との間に延在する横梁の各々の回転角度は、横梁の第1の端部の第1の横梁機械要素によって制御される。第1の横梁機械要素は、第1の機械システム上の第1の縦梁噛合要素と係合し、第1の機械システムに対する第1のモータの動作は、横梁を第1の縦梁に対して回転させる。第2の縦梁内のまたは第2の縦梁に隣接する第2の機械システムに動作可能に接続された第2のモータの動作は、第2の機械システム上の第2の縦梁噛合要素を係合させ、第2の機械システムは、横梁の第2の端部の第2の横梁機械要素と動作可能に係合されて、横梁内の回転シャフトを回転させる。回転シャフトは、複数の集熱器ノード噛合機械要素を有し、各集熱器ノード噛合機械要素は、太陽熱集熱器ノード位置上の集熱器ノード機械要素と接続し、係合する。ウォームドライブおよび歯車の組み合わせが使用される場合、集熱器ノード歯車の回転は、そのようなノード位置において、複数の太陽熱集熱器を回転シャフトおよび横梁の軸に対して傾斜させる。これらの2つの動作は、本発明のシステムが、取り付けられた太陽電池素子を太陽光線に対して垂直に、常に太陽に向けることを可能にし、ひいては、エネルギーハーベスティングの効率を最大化し、エネルギーハーベスティングがそのような最大効率で実行されている持続時間を最大化し、その結果、電力および採取される総エネルギーを大幅に増加させる。図示されている構成は、第1の(右側)縦梁14aに第1の運動機械システムを有し、第2の(左側)縦梁14bに第2の機械システムを有するが、これらを逆にすることも可能であることを理解されたい。
【0047】
各モータ(すなわち、第1のモータ32および第2のモータ34)はさらに、位置決め感知システムを含み得、位置決め感知システムは、サーボ、ステッピングモータ、またはモータ作動および歯車位置に関するフィードバックを提供するための任意の他のタイプのセンサも含み得る異なるタイプの電気モータが使用され得るような、電気モータおよび関連付けられたコントローラとフィードバックループを形成する。第1のモータ32および第2のモータ34はそれぞれ、第1の縦梁14aおよび第2の縦梁14bのそれぞれの端部に接続され、それらの出力軸は、第1の運動機械システムおよび第2の運動機械システム内の軸方向要素に直接またはギアボックスを介してそれぞれ接続される。これらの軸方向要素は、それらの中間にウォームドライブまたは他の機械的伝達運動システムを有し、それらに接続されるいくつかの軸から成り得る。ウォームドライブおよび歯車の組み合わせが使用される場合、好ましくは、ウォームドライブは、各々の軸方向要素に沿った特定の点に、ひいては、縦梁部材に沿った特定の位置に位置決めされる。各縦方向部材の内側またはそれに沿って延びる1つの軸方向要素を有する各々の機械システムの軸方向要素は、任意の所望の長さを有することができ、軸方向要素の長さは、軸方向接続要素およびさらなる軸および運動機械的伝達要素(例えば、ウォーム)を使用して、または延長された軸を使用して、その長さを延長することによって、必要に応じて変更可能である。同様に、横方向部材の数は、軸方向要素内の運動機械的伝達要素(例えば、ウォーム)の数を増加させることによって増加させることができる。一実施形態では、軸方向部材が縦梁部材の内側に延びる状態で、軸方向要素を含む可動構成要素は、前記縦方向部材によって外部(天候、衝撃など)から保護される。この考え得る設計構成を可能にするために、縦梁部材は、例えば、軸受、ガスケット、スペーサなどの任意選択のまたは追加の構造、システム、および構成要素を含む、可動構成要素に対する支持体を備えるようにさらに設計され得る。
【0048】
第1および第2のモータの各々は、1つまたは複数のマイクロコントローラ、またはマイクロコンピュータ(複数可)、アナログまたはデジタル回路、または任意の他の同様のデバイス/回路/システム(複数可)、またはこれらの組み合わせを有する1つまたは複数のコンピュータシステムによって操作され、これらは、信号を各モータに送信して、横梁を適切に回転させ、および/または複数の太陽熱集熱器ノードを傾斜させて、太陽熱集熱器ノードが太陽の入射光線に対して実質的に垂直になるように太陽熱集熱器ノードの角度を最適化する。最適化された設計では、例えばソーラーハーベスティングユニット内の同じ場所に設置された各追尾装置または各少数の追尾装置は、専用の自動制御システムを有し、これらの自動システムのうちのいくつかは、主要自動装置に信号を送り、主要自動装置によって制御される。これらの自動装置は、1つまたは複数のマイクロコントローラ、および/またはマイクロコンピュータ、および/または専用の電子基板、メモリ、電源、データの入力および出力のためのインターフェース、ならびにセンサを含み得る。他のセンサが利用されてもよく、他のセンサは、1つまたは複数の光センサ、光強度センサ、体積流量、例えば風速および風向を含む流速などの流量関連センサ、ジャイロスコープ、加速度計、磁力計、傾斜計、慣性計測装置(IMU)、電流センサ、電圧センサ、および温度センサを含み得るが、これらに限定されない。1つまたは複数の電子ユニットはさらに、インターネットに接続され、天候、場所、季節、太陽の角度、太陽の挙動(太陽の黒点の活動など)、温度、風速、および他のデータに関する収集データに応答し得る。
【0049】
二軸太陽電池アレイ追尾装置は、必要に応じて、より長く、より大きく、またはより小さくすることができ、所望のサイズに応じて、さらなる支持のための追加の非歯車式横梁および/または縦梁をさらに備え得る。特に、1つまたは複数の縦梁は、単一のモータが、横梁を傾斜または回転させるための1つまたは複数の機械的につながれた機械システムに動力を供給することができるように、互いに機械的に接続され得る。さらに、単一の中央縦梁を使用して、両側に接続された横梁の傾斜または回転を制御することができる。アレイは、アレイを表面上に取り付けるための1つまたは複数の取付具をさらに備え得る。本発明の二軸太陽追尾装置は、他の太陽追尾装置システムと比較して製造、組み立て、および設置を簡略化する単純な構造を有する。先に述べたように、より低い高さまたはより薄型のシステムは、設置荷重の分散を単純化し、これは、追尾装置の組み立ておよび設置が傾斜した屋根などの傾斜面上で行われる場合に重要である。さらに、二軸追尾装置の高さが低いために、屋根へ設置するのに、視覚的に魅力的である。1つまたは複数の追尾装置システムを連係されることもでき、本発明の設計は、必要に応じて、1つの追尾装置を隣接する追尾装置に組み合わせて単一のユニットを作製することを可能にし得る。
【0050】
図2は、太陽熱集熱器を上に向けた状態で太陽熱集熱器ノード12に取り付けられた太陽熱集熱素子または太陽エネルギーハーベスティング素子を備える二軸太陽電池アレイ追尾装置の一実施形態の等角図である。この構成では、太陽エネルギーハーベスティング素子は、可動域を広げるために太陽熱集熱器ノードに対して持ち上げられ、そのことにより、本発明のシステムの表面積に対する太陽エネルギー収集が最大化される。図示されている二軸太陽追尾装置は、複数の太陽熱集熱器ノード12で多種多様なタイプの太陽熱集熱器18を支持することができる。太陽熱集熱器は、好ましくは太陽放射線を使用可能なエネルギーに変換するために、太陽から太陽放射線を収集する任意のタイプの太陽エネルギーハーベスティング素子である。太陽熱集熱器は、1つまたは複数の光エネルギー、機械的エネルギー、および電気エネルギーおよび/または熱エネルギーハーベスティング構成要素および/または熱伝達構成要素を備え得る。太陽熱集熱器は、さまざまな形状およびサイズであり得、さまざまな断面を有し得る。ここでは、本発明の設計の縦梁14および横梁16上の複数の太陽熱集熱器ノード12によって支持された複数のパネル型太陽熱集熱器18が示されている。各々の太陽熱集熱器18はさらに、例えば、反射構成要素(複数可)および/またはレンズ(複数可)などの1つまたは複数の光学構成要素を任意に含み得る。太陽電池セルには、光起電力セル、熱セル、太陽熱セル、および他の種類の太陽電池セルを含む様々な種類がある。太陽電池素子は、1つまたは複数の太陽電池セル、または所望の寸法のソーラーパネルを形成する複数のセルを含む。したがって、複数の太陽電池セルは単一の太陽熱集熱器ノードに接続され得、統合されたグループに配置または配列されて、太陽光発電、もしくは太陽熱、もしくはコジェネレーションパネルまたはモジュール(任意に、各太陽電池セルによって受け取られる光の量を最大化するために1つまたは複数の光反射構成要素および/または光集束構成要素をさらに含む)を構成し得る。
【0051】
図3は、ある角度の太陽熱集熱器ノード12を有する二軸太陽電池アレイ追尾装置10の一実施形態の等角図である。二軸太陽電池アレイ追尾装置は、横梁16a、16b、16c、および16dが横梁軸(図1に示すように)に対して回転した状態で示されており、回転の作動は第1のモータ32によって可能になる。縦梁14a、14bは横梁16a、16b、16c、16dを支持し、縦梁14a、14bの少なくとも一方は、横梁16a~16dをまとめて回転させるために横梁16a、16b、16c、16dと係合する第1の機械システムを備える。
【0052】
図4は、太陽に向けられたある角度の太陽熱集熱器ノード12に取り付けられた太陽熱集熱器18を有する二軸太陽電池アレイ追尾装置の一実施形態の等角図である。二軸太陽電池アレイ追尾装置において、縦梁14a、14bは横梁16a、16b、16c、16dを支持する。太陽熱集熱器18の所望の角度を達成するために、横梁16a~16dの回転、および接続される横梁に対する太陽熱集熱器ノード12のそれぞれの傾きは、第1および第2のモータを使用して、ならびに第1および第2の機械システムを通して調整される。追尾システムに設置することができる太陽電池素子の数は、横梁の数、ひいては、縦梁に沿った機械的伝達要素(例えば、ウォームドライブ)の数、および各横方向部材内の機械的伝達要素(例えば、ウォームドライブ)の数に応じて変更可能である。縦梁および横梁の両方の機械的駆動部(例えば、ウォーム)間の間隔は、異なるサイズの太陽電池素子に対応するように変更可能である。この間隔は、追尾中の任意の時点で隣接する太陽電池素子間の衝突を回避するために、太陽電池素子の寸法によって一意的に制限される。したがって、エネルギーハーベスティング素子による非常に高い面積密度占有率が得られ、ピーク効率で最大のエネルギーハーベスティングが得られる。
【0053】
図5Aは、実施形態のうちの1つにおける横梁16の第1の端部と第1の縦梁14との交差部であり、任意選択の安定フレームまたは取付フレーム38を有する交差部の等角図である。図示されている一体化により、横梁16が軸を中心として、第1の縦梁14に対して回転することが可能になるが、縦梁内の歯車システムは、太陽電池アレイ追尾装置のいずれの側にあってもよいことを理解されたい。明確にするために、太陽追尾装置における2つの縦梁の各々は、単一の機械システムおよび専用モータを有し、機械システムのうちの一方は横梁を回転させるためのものであり、他方の機械システムは太陽熱集熱器ノードを傾斜させるためのものであり、各機械システムは専用モータと一体化されている。この実施形態では、太陽熱集熱器ノード内の集熱器ノード歯車22は、横梁16の回転シャフト36上の集熱器ノード噛合ウォーム24と係合する。好ましい実施形態では、集熱器ノード22は、機械的伝達要素を有し、集熱器ノード噛合歯車24は、図示されているように、ウォーム歯車/ウォームドライブシステムであるが、かさ歯車システム、ラックアンドピニオンギアシステム、ならびに他の既知の歯車システム、リンク機構、ベルト駆動装置、ならびに他の運動および機械的伝達システムを含むが、それらに限定されない他の機械的伝達システムが使用されてもよい。図示されている縦梁噛合機械要素(この実施形態では、縦梁噛合ウォームドライブ30である)の係合を可能にするために、機械システムの縦軸方向要素を含む縦梁は、そのような機械的噛合要素(例えば、ウォームドライブ)の位置に開口部を有する。好ましくは、これらの開口部は、天候、衝撃などの外部要素から機械システムを遮蔽するために、保護要素で包み込まれる。
【0054】
ウォームドライブおよび歯車の組み合わせの好ましい使用は、それらの不可逆性に関連する。すなわち、本発明の目的のために、風、自重、歯車システムによる支持構造体の自重および結果として生じるモーメントなどによる荷重が、歯車システムまたは歯車機構による支持要素を所望の設定位置から移動させることができないということである。したがって、そのような所望の位置は、歯車機構の運動を(例えば、直接的にまたはモータを用いて間接的に)命令することによってのみ設定され得る。具体的には、ウォーム歯車セットが使用される場合、所望の位置に到達してその位置が設定されるまでウォームを回転させるように命令することによって、ウォーム歯車を調整して安定した構成に設定することができる。このような実施形態では、横梁の端部にあるウォーム歯車は、定位置に保持される第1の回転歯車システムの軸方向構成要素に接続され、ブラケットなどの構造要素によって、ウォームに対するウォーム歯車の正確な係合および間隔を保証し、安定させる。これらの構造要素(例えば、ブラケット)は、縦梁に取り付けられ、ウォーム歯車が接続される横梁からの軸方向歯車要素がウォーム歯車を貫通することができるようにする。そのような軸方向構成要素を定位置に保持し、同時にそれらの回転を可能にするために、軸受要素などの接続構成要素を使用することができる。
【0055】
太陽電池セルアタッチメント28は、太陽熱集熱器または太陽エネルギーハーベスティング素子を受容し、太陽熱集熱器との電気および/または熱流体一体化を提供して、太陽熱集熱器内の光起電力セルおよび/または光熱セルからエネルギーを採取するように設計される。縦梁および横梁を含む全ての構造要素は、電気および/または熱流体伝達を可能にする。これは、そのような位置におけるそのような構造要素および/もしくは可動機構の外部で電気配線導管および/もしくは流体導管ならびにそれぞれのコネクタを用いて、ならびに/またはそのような伝達要素およびコネクタを前記構造要素および機構と一体化することによって行われ得る。この最後の構成は、例えば、接続部およびそれぞれのコネクタを前記構造要素および機構と一体化することによって、ならびに/または構造要素および機構内の電気および/もしくは熱流体導管を中空断面、チャネル、空洞などに通すことによって、達成され得る。横梁および縦梁の中空断面(断面がいくつかの中空部分に分割されている場合、チャネル内または特定の断面セル内で完全にまたは部分的に中空である)内に電気配線および/または熱流体導管を通すこと以外に、可能な実施形態は、電気および/または流体熱エネルギーの回転フレームから静止フレームへの伝達を含み得る。例えば、これは、太陽熱集熱器の場合のような二軸回転フレームから、それらのウォーム歯車の内側を通って、単軸回転フレームのようなホストの横梁まで、または横梁(1つの回転軸)から、その端部に位置するそのウォーム歯車の内側を通って、縦梁に沿ってまたは縦梁内に延びる1つまたは複数の主導管まで検証され得る。
【0056】
図5Bは、想定される実施形態のうちの1つにおける、横梁がその軸を中心として回転した状態の横梁と縦梁との交差部の等角図である。横梁上の1つまたは複数の横梁歯車26は、横梁の軸に対して横梁16を回転させるために、縦梁噛合ウォームドライブ30と接続する。各横梁16の一方の側(追尾装置内の全ての横梁について同じ側である)において、横梁は全て、好ましくはウォーム歯車を介して、縦梁のうちの1つの同じ歯車機械システムに接続される。横梁は、例えば、梁、バー、中空梁、またはバー、押出成型品、または他のタイプの構造要素であり得、それらの長さおよび/または断面の両方に沿って、1つまたは複数のこれらの要素から成り得る。横梁に接続されることによって、ウォーム歯車は回転するときに、その縦軸に沿って横方向部材の回転を引き起こし、追尾の第1の軸を形成する。したがって、第1の縦方向部材14aに接続された第1のモータ32が回転すると、その出力軸に接続され、第1の縦梁14a内または第1の縦梁14aに沿った第1の機械システム内の軸方向要素の回転を引き起こす。この実施形態では、これらの軸および接続されたウォームが回転して、横方向部材の第1の側のウォーム歯車を回転させる。前述したように、ウォーム歯車が横方向部材に接続された状態で、ウォーム歯車の回転が、接続された横方向部材をそれらの軸に沿って回転させる。
【0057】
モータ32は、好ましくは、縦梁に固定され、縦梁に沿って延びる軸方向要素に直接またはギアボックスを介して接続される。縦梁モータ32は、縦梁14a内の第1の機械システムの運動を制御し、いくつかの太陽電池素子の向きを命令する。これらの軸方向構成要素は、1つまたは複数の機構を介して、回転運動を横梁要素に伝達する。すなわち、横梁に取り付けられた太陽熱集熱器ノードが、追尾システムの横梁の軸を中心として回転することが可能になり、追尾装置または追尾の第1の軸を形成するこが可能になるということである。「二軸」追尾システムについて言及するとき、横梁軸を中心とした横梁の回転は、第1の運動軸と呼ばれる。
【0058】
図5Cは、一実施形態における、横梁がその軸を中心として回転し、集熱器ノード歯車が傾斜した状態の横梁と縦梁との交差部の等角図である。第2の縦梁14bにおける横梁16の反対側または第2の側では、傾斜運動が、回転シャフトを介して横方向部材に沿った軸方向要素に伝達される。この傾斜運動は、第2の機械システム内の前記軸方向要素に沿ったいくつかの歯車機構セットを介して、前記歯車機構セットに接続された太陽熱集熱器ノード、または前記太陽電池素子を保持し、前記歯車機構セットから突出する構造体の、横梁に沿った傾斜に変換される。このような傾斜運動は、横梁に垂直な軸の周りで生じ、追尾装置の第2の軸を形成する。この第2の軸または傾斜は、第2の縦梁内の第2の機械システムに作用し、回転を横梁歯車26または他の機械要素から横方向部材の回転なシャフトに、ひいては1つまたは複数の集熱器ノード噛合ウォーム24に伝達する第2のモータ34によって作動される。各集熱器ノード噛合ウォーム24は、集熱器ノード歯車22に動作可能に接続され、集熱器ノード歯車22は、太陽熱集熱器ノード12を回転シャフトおよび太陽熱集熱器ノード12が取り付けられた横梁16に対して傾斜させる。集熱器ノード噛合歯車24および集熱器ノード歯車22は、噛合ウォームドライブおよびウォーム歯車としてそれぞれ示されているが、他の実施形態は、なる噛合機械要素を使用して同様の機能を実行することができることを理解されたい。
【0059】
図6は、複数の太陽熱集熱器ノードを有する横梁16の等角図である。この実施形態では、複数の集熱器ノード噛合ウォーム24a、24b、24c、24d、24eは、太陽熱集熱器ノード12a、12b、12c、12d、12eの各々の上の対応する集熱器ノード歯車とそれぞれ噛合して、太陽熱集熱器ノード12a~12eの各々を横梁16に対して傾斜させる。この実施形態では、電気および/または熱(例えば、流体ベースの)システムは、記載する追尾システム(設計上、電気および/または熱エネルギー伝達装置が追尾装置と一体化された)に接続されるか、または含まれ得る。例えば、電気配線および/または流体は、記載する縦方向および横方向の構造要素を通しておよび/もしくはその中で、または構造要素に沿って、構造部材内に取り付けられおよび/または一体化され得る非可動主導管から太陽電池素子へおよび太陽電池素子から非可動主導管へルーティングされ得る。外部配線導管および/または流体導管が使用され得るが、電気配線および/または流体はまた、好ましくは、歯車、軸、軸方向要素(既製または意図的に設計されたもののいずれか)、およびブラケットなどの構造部材を通過することができ、一方で、回転フレームとして、静止主導管から太陽電池素子へ、および太陽電池素子から静止主導管へルーティングされる。例えば、スリップリングが、そのような達成を助けるために使用され得る。この実施形態では、横梁歯車26a、26bの一方は、縦梁に対する横梁の回転運動を制御し、他方の横梁歯車26a、26bは、横梁の軸に対する太陽熱集熱器ノード12a~12eの傾斜運動を制御する。
【0060】
図7は、熱エネルギーを収集するおよび/または追尾装置および太陽電池素子内の熱流を制御するための熱導管が一体化された横梁16を有する一実施形態の等角図である。システムのこの実施形態では、光電子収集器は、熱エネルギー伝達を可能にする手段と共に使用され得、集熱器は、光電子収集器の代わりに使用され得る、または両方の組み合わせが適用され得る。光電子収集器と集熱器との組み合わせは、太陽光線からの収集エネルギーを増加させて、システムのエネルギーハーベスティング効率を向上させることができる。この実施形態では、太陽熱集熱器ノード12a、12b、12c、12d、12eはそれぞれ、集熱器ノード流体導管44a、44b、44c、44d、44eに流体接続される。熱流体システムはさらに、説明する追尾システムに、例えば軸40を支持する横梁の内側に、接続され得る、または含まれ得る。熱流体システムは、設計において追尾装置と一体化され、説明する縦梁構成要素および横梁構成要素の中にまたは縦梁構成要素および横梁構成要素と並んで埋め込まれ得る。一例では、流体導管は、可動フレームを通して、説明する構造要素を通しておよび/または構造要素内で、縦梁部材および横梁部材内に取り付けられおよび/または一体化され得る非可動主導管から太陽電池素子へ、および太陽電池素子から非可動主導管へルーティングされ得る。外部流体導管を使用することができるが、スリップリングの一体化は、例えば、流体導管(および/または電気エネルギー)を、歯車、軸、軸方向要素、およびブラケットなどの構造部材を通して通過させる一方で、静止流体本管から太陽電池素子へ、および太陽電池素子から静止流体本管へルーティングすることを支援することができる。このようにして、太陽熱集熱器ノードを通る電流および流体の伝達は、熱および光電エネルギー捕捉機構の組み合わせを通して、電気(および場合によっては、例えば加熱および/または冷却のために直接的に、他の形態の電力)のコジェネレーションを可能にする。流体導管システムはさらに、太陽電池セルの寿命を保ち、感熱性構成要素を過熱から保護するために、太陽電池で受け取られた集光太陽エネルギーのためのヒートシンクまたは冷却システムを含み得る。好ましくは、循環流体は、良好な熱伝導性、低粘度、長期の化学的および物理的安定性、低い光吸収性、良好な光安定性を有し、非毒性であり、費用効果が高く、適切な範囲の動作温度に対してその特性を維持するものである。
【0061】
図8Aは、第2の運動機械システムにおける、横梁16上の単一の太陽熱集熱器ノード歯車機構の一実施形態の垂直断面図である。第2のモータ34は、第2の縦梁および第2の機械システムに動作可能に接続され、第2の機械システムは、この場合、横梁16内の回転シャフト36を回転させるための横梁歯車26を備える。第2の機械システムの動作は、集熱器ノード噛合ウォーム24が係合される回転可シャフト36を回転させ、ひいては、集熱器ノード歯車22を回転させて、この実施形態では、太陽熱集熱器ノード12を回転シャフト36および横軸に対して傾斜させる。
【0062】
図8Bは、第2のモータ34による第2の運動機械システムの係合時に、左に傾斜した横梁上の単一の太陽熱集熱器ノード歯車機構の垂直断面図である。図示されているように、この場合、横梁歯車26は、横梁内の回転シャフト36を回転させ、集熱器ノード噛合ウォーム24は、集熱器ノード歯車22を回転させて、太陽熱集熱器ノードを回転シャフト36および横軸に対して傾斜させる。
【0063】
図9は、横梁16上の単一の太陽熱集熱器ノード12の等角図であり、一体化された流体式の熱および/または熱管理伝達システムのための1つの可能な構成を有し、提示される追尾装置ならびにそのそれぞれの構造要素および機構の外側を通るそのようなシステムのルーティングとは対照的である。提示される追尾装置は、(例えば、流体伝達に基づく)電気エネルギーおよび/または熱エネルギーの伝達を支援し得る。また、電気および/または熱エネルギー、および/または流体の伝達は、例えば、電気配線導管nおよび/または流体導管、およびそれぞれのコネクタを用いて、追尾装置の構造要素および/または可動機構の外部で、および/またはそのような伝達要素およびコネクタを前記構造要素および機構と一体化することによって行われ得る。熱エネルギー伝達のための流体伝達システムの一例が、提案される太陽追尾装置と共に示されている。この図に示されたこの構成では、明確にするために、横梁の端部のウォーム歯車、ならびに横梁へのその接続部および縦梁へのその支持ブラケットが省略されている。システムのこの構成において、熱エネルギー伝達流体システムは、提案される追尾装置と一体化されており、前記流体は、太陽熱集熱器ノードウォーム歯車の中心または回転軸を通り、その中空支持軸40およびブラケットの中心を通って、太陽熱集熱器ノード12から横梁内のそのようなブラケットの外側へ、および/またはそのようなブラケットの外側から太陽熱集熱器ノード12へ送られることが分かる。この構成では、いくつかの流体導管エルボ44が使用され、これらは中空の横梁(断面)の外側または内側のいずれかに取り付けられる。この構成では、流体は、横梁の中心から、または横梁の中心に向かって、横梁のそれぞれの端部にある省略されたウォーム歯車の中心を通って送られる。次に、流体は、ウォーム歯車を通過し、続いて、中心が中空の横梁支持軸40を通って横梁を通過する。したがって、この支持軸が、省略されたそれぞれの縦梁ブラケット内に(またはその内部に)支持され、着座した状態で、流体は、前記ブラケットを通過してブラケットの外側へ出入りする。この可能な構成のために、前記流体を主流体導管42へ出入りさせる別のエルボが図示されている。この導管は、それぞれの縦梁に沿ってまたはその内部に延在してもよく、これらの縦梁に組み込まれてもよい。
【0064】
図10は、集熱および/または熱伝達システムの可能な一体化のための可能な構成を有する単一の太陽熱集熱器ノード12(提示される太陽熱集熱器ノードならびにそのそれぞれの構造要素および機構の外側を通るそのようなシステムのルーティングとは対照的である)の拡大断面図である。この図では、太陽熱集熱器ノードの可能な構成の拡大図が示されている。軸40を支持する可能な横梁端部のウォーム歯車(続いて横梁)の断面の中心は中空である。横梁断面の両側に、流体導管エルボ44a、44bの断面図がある。この構成では、流体は、太陽熱集熱器ノード12の中心、または太陽熱集熱器ノードウォーム歯車の回転軸を通り、その中空支持軸およびブラケットの中心を通って、前記エルボから横梁内のそのようなブラケットの外側の前記エルボへ、および/またはブラケットの外側の前記エルボから前記エルボへ送られることが分かる。この構成では、太陽熱集熱器ノードウォーム歯車の前記中心または回転軸から中空支持軸40の中心を通る流体は、この構成で使用される前記太陽熱集熱器ノードウォーム歯車も含み得る機構およびその機械構成要素内の異なるチャネルを通って送られ得ることも分かる。次に、流体は、その機構の上部、したがって太陽熱集熱器ノードに出入りし、そこには、太陽電池素子が配置され、またはさらなるコネクタおよび/またはチャネルが存在し得、そのコネクタおよび/またはチャネルは、流体をさらに上へ、または他の方向に、太陽電池素子およびそれぞれの位置に(おそらく、そのような太陽電池素子を保持する他の既存の構造部材を通して)出入りさせることができる。
【0065】
図11は、集熱および/または熱伝達を一体化するための可能な構成を伴う、単一の太陽熱集熱器ノードの垂直断面図である。この図は、先の図に対して異なる平面方向の別の断面図であり、主流体導管への流体の流れを支持する横梁中空支持軸40を示す。図示されているように、横梁16内の中空支持軸40は、この構成では、太陽熱集熱器ノード12への流体の流れを可能にするために、横梁内の回転シャフト36上の集熱器ノード噛合ウォーム24と一体化される。
【0066】
図12は、集熱および/または熱伝達システムを一体化するための可能な構成を有する、単一の太陽熱集熱器ノードの拡大断面図である。
【0067】
図13は、複数の円錐形太陽熱集熱器18a、18b、18c、18d、18eにそれぞれ取り付けられた複数の太陽熱集熱器ノード12a、12b、12c、12d、12eを有する横梁16の側面図である。一実施形態では、太陽熱集熱器は、角錐の頂部および/または底部に沿って位置決めされた1つまたは複数の太陽電池素子を有する逆角錐台である。この構造および太陽電池素子は、ここでは、本発明の二軸追尾装置によって作動されたときに常に太陽電池セルを太陽に向けることができるように太陽熱集熱器ノードおよびそれぞれの支持構造体に取り付けられ得る別の可能な太陽電池素子の一例として使用される。異なる横梁に沿った機械的運動要素(例えば、ウォーム歯車)の上部に、および/または前記要素(例えば、上述のウォーム歯車)の上部から所望の距離だけ離間して、直接または支持構造体を介して取り付けられる四角形または長方形の太陽電池素子を利用することにより、隣接する太陽電池素子間の最小間隔が保証され、面積活用が最大化される。図示されている例では、前記横方向部材機械要素(例えば、ウォーム歯車)の上部に接続された、逆角錐台ベースの構造体が利用され得る。逆四角錐の高さおよび底辺の長さは、利用可能な面積に対する前記逆四角錐の頂部における底部の面積の合計の比などの面積活用を最大化し、隣接する要素間の距離を最小限に抑えて追尾運動中の衝突および隣接する要素間のシェーディングを回避するように決定され得る。例えば、太陽電池素子(複数可)は、前記逆四角錐の底部(上部)に適用され得る。加えて、1つまたは複数の集光レンズ(複数可)は、1つまたは複数の太陽エネルギーハーベスティング素子、例えば、1つまたは複数の太陽電池セルもしくはソーラーパネルを利用して、逆角錐の底面において、その切頭領域、すなわち、その仮想頂点により近く、ひいては、横方向部材機械要素(例えば、ウォームドライブおよび歯車)の上部により近くに適用され得る。このようなレンズは、太陽電池素子(複数可)に向けられた光を集中させるために使用され得る。
【0068】
図14は、例えば、周囲からの(例えば、別のソーラーハーベスティングユニット、またはそれぞれの保持構造体からの)シェーディング、または雪の堆積による他の干渉を回避するために、例示的な取付フレームまたは取付構造体に取り付けられた異なる可能な太陽電池素子のうちの1つを有する二軸太陽電池アレイ追尾装置の等角図である。例えば、縦方向部材の縁部または角部は、上昇要素上に取り付けられ得、上昇要素は、追尾システムの自動制御と連携して命令され得る。このことにより、この追加の傾斜システムは、追尾システム全体を傾斜させて、さらに長時間にわたって太陽の完全な追尾を可能にすることができる。太陽追尾装置は、シェーディングを回避するために、取付領域から上昇した構造体にも取り付けられ得る。これは、例えば、雪が積もる傾向がある水平面またはより小さい傾斜での追尾システムの設置を考慮するときの追加の特徴であり得る。これは、地上設置、平屋根、またはある程度傾斜した傾斜屋の場合にも使用可能である。さらに、本発明の太陽追尾装置は、本発明の追尾システムを駆動することによって、または1つもしくは複数の追加のモータもしくはバイブレータを用いて、駆動太陽電池素子の上部から、雪、または他の粒子もしくはデブリを払いのけるまたは除去することを可能にし得る。これは、例えば、システム上またはシステムの近くで全体的に測定された光レベルと比較したときに、特定の太陽電池素子上に照射されるより低い光レベル、および/または特定の太陽電池素子による低レベルの出力エネルギーを検出し、次に、太陽電池素子を傾斜位置へ回転させて、太陽電池素子の上部から除去しなければならず、太陽電池素子を遮る上述の雪ならびに/もしくは粒子、ならびに/もしくはデブリを太陽電池素子から重力によって落下させることによって達成され得る。このような傾斜位置は、極端な風の条件下で想定され得る。図示されているフレームは4つの脚部を有するが、取付フレームは、他の設計、形態、形状などを採用することができ、または取付面に対してアレイを傾斜させるために任意に入れ子式である任意の数の脚部を有することも可能であることを理解されたい。加えて、取付フレームは、取付面に対する太陽追尾装置アレイの角度を調整するための任意選択の軸受を有する単一のポストまたはペデスタル、または、例えば、シザー型(フル、ハーフ)、ダイヤモンド形状の変形、リンク機構、または他のタイプの機構に基づくフレームであってもよい。
【0069】
図15は、中央縦梁14bおよび2つの周辺縦梁14a、14cを有する太陽追尾装置アレイの等角図である。横梁は、中央縦梁14bと周辺縦梁14aまたは14cの一方との間に延在する。図示されているように、横梁16aは、中央縦梁14bと周辺縦梁14aとの間に延在し、横梁16bは、中央縦梁14bと周辺縦梁14cとの間に延在する。中央縦梁14bは、横梁を回転させるように動作する機械システム、または各横梁内の太陽熱集熱器ノードを傾斜させるように動作する機械システムのいずれかを有し得、横梁は、中央縦梁14bの両側で動作し得る。周辺縦梁14aまたは14cは、他の機能を実行する機械システムを有し得る、すなわち、中央縦梁が回転に関与する場合、縦梁は傾斜に関与し、またその逆も言える。このようにして、単一の中央縦梁は、その両側の2組の横梁を単一のモータで制御することができる。
【0070】
図16は、現在説明されている太陽電池アレイ追尾装置と共に太陽熱集熱器として使用され得る太陽光集光器の垂直断面図である。太陽光集光器50は、太陽光集光器を支持する略逆角錐構造形状を有し得る集光器本体56を備える。光学素子52は、太陽光集光器内の光源光線を少なくとも1つの太陽電池セル54に集中および/または集束させるために、集光器本体56の上端または広い端部に位置決めされる。光学素子は、例えば、フレネルレンズであり得るが、凹レンズ、ミラー、または他の光方向付け光学素子などの他の異なるまたは追加の光学素子が太陽光集光器内で使用されてもよい。集光器本体56の狭い端部の上方の光学素子52は、好ましくは、太陽光集光器50の上部開口部を包み込む。光学素子52は、集光器本体56の上部開口部内に埋め込まれてもよい。集光器本体の側面は、異なる壁から構成され得る。集光器本体56の内壁はまた、太陽電池セル54上への入射光の集光をさらに支援するために、高反射性のミラー状材料で作られてもよく、またはそのような材料でコーティングされてもよい。外壁は、電気変換および熱変換の一方または両方を考慮して、1つまたは複数の可能な異なるタイプの太陽熱集熱構成要素からなる、それらの構成要素でコーティングされる、それらの構成要素を組み込むための構造体を有する、またはそれらの構成要素が追加されてもよい。
【0071】
太陽光集光器の狭い端部には、少なくとも1つの太陽電池セル54があり、この太陽電池セル54は、光学素子52によって集められた、または集束された光線を受け取る。太陽電池セルは、例えば、光エネルギーを収集するための光起電力(PV)セル、熱エネルギーを収集するための集熱セル、または場合によっては電気エネルギーに変換される光および熱エネルギーの両方を入射太陽光線から収集することができるように複合光熱収集セルであり得る。一実施形態では、太陽熱集熱器を太陽電池アレイ追尾装置に取り付ける集熱器ノードは、太陽熱集熱器を集光された光路内に、または集光された光路から離れるように移動させる機構をさらに備え得る。特に、太陽熱集熱器ノードの上部に位置決めされた太陽電池セルは、光学素子52によって形成される太陽熱集熱器の光焦点に向かって、またはそれから離れるように太陽電池セル54を移動させるために、または焦点を太陽電池セル54に対して移動させるために、セルの位置を変更するための1つまたは複数のモータを含み得る機械システムを使用して移動することができるように構成され得る。このようにして、システムは、入射光エネルギーを使用して、PVセルを通して電気を生成するのか、またはヒートシンクを通して熱を生成するのか、または両方の組み合わせを生成するのかを選択することができる。太陽熱集熱器を使用する1つの利点は、光学素子からの集光の効果により、太陽電池セルのサイズをより小さくすることができることである。このことにより、集熱システムはさらに、より低い強度の光/熱エネルギーを受け取る大型の集熱セルを用いて実現され得るものよりも小型かつより効率の良いものになり、熱流体伝導システムを単純化し得る。
【0072】
ここで説明する太陽追尾装置アレイは、グリッド接続用途に使用される大規模アレイから小規模住宅用途に至る用途に適応可能である。住宅設備の場合、集熱器は、屋根のソーラーパネルアレイとして設計されてもよく、この場合、1つの追尾装置は、隣接する太陽エネルギーハーベスティング素子で構成される。ここで説明する追尾装置の高架式バージョンおよび/または角度を付けられたバージョンは、地面から十分な高さで建てられ得、そのことにより、農業および他の目的のために下の土地を十分に活用することが可能になり、全体的な設置面積が最小限に抑えられる。
【0073】
本明細書内で言及される全ての刊行物、特許および特許出願は、本発明が属する当業者の技術レベルを示しており、本明細書内に参照により援用される。以上、本発明について説明したが、本発明は多くの点で変更可能である。そのような変形形態は、本発明の範囲から逸脱するものと見なされるべきではなく、当業者に明らかであるような全てのそのような修正は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】