特表 2024-506481 制御弁

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-02-14

(54)【発明の名称】制御弁

(51)【国際特許分類】

   F16K 11/085 20060101AFI20240206BHJP

【ＦＩ】

F16K11/085 Z

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2023543112

(86)(22)【出願日】2021-09-26

(85)【翻訳文提出日】2023-07-18

(86)【国際出願番号】 CN2021120576

(87)【国際公開番号】W WO2022151760

(87)【国際公開日】2022-07-21

(31)【優先権主張番号】202110065261.1

(32)【優先日】2021-01-18

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

(81)【指定国・地域】

【公序良俗違反の表示】

（特許庁注：以下のものは登録商標）

１．テフロン

(71)【出願人】

【識別番号】523037370

【氏名又は名称】杭州奥科美瑞科技有限公司

(74)【代理人】

【識別番号】110002343

【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】フー、 メイヤン

【テーマコード（参考）】

3H067

【Ｆターム（参考）】

3H067AA23

3H067AA31

3H067BB02

3H067BB12

3H067CC02

3H067DD03

3H067DD12

3H067EA02

3H067EA24

3H067EB07

3H067EB10

3H067EB12

3H067EB24

3H067EB25

3H067EC13

3H067EC15

3H067FF11

3H067GG21

(57)【要約】

制御弁であって、封止部材（４）を含み、封止部材（４）は、側壁部（１２）と弁体部材との間に位置し、封止部材（４）は、一体構造の弾性パッド（４１）と封止部品（４２）を含み、弾性パッド（４１）は、外周壁部（４１０）と凸起部（４１４）とを含み、弾性パッド（４１）は、複数の第１通孔（４１１）と第１凹溝（４１２）とを有し、凸起部（４１４）は、外周壁部（４１０）から突出し、第１凹溝（４１２）は、外周壁部（４１０）から窪んでおり、凸起部（４１４）は、各第１通孔を取り囲み、凸起部（４１４）は、側壁部（１２）に当接し、弁ボディ部材は、側壁部（１２）から突出するリブ（１２３）を有し、リブ（１２３）は、第１凹溝（４１２）内に入り込む。このように、弾性パッド（４１）の第１凹溝（４１２）と弁ボディ部材のリブ（２３）とが係合することで、封止部材（４）を弁室内に位置させ、封止部材（４）が弁体部材の回動時に変位することを防止し、弾性パッド（４１）の凸起部（４１４）が各第１通孔（４１１）を取り囲み、凸起部（４１４）が側壁部（１２）に当接することは、弾性パッド（４１）と側壁部（１２）との間の封止信頼性を向上させることができる。

【特許請求の範囲】

【請求項1】

弁ボディ部材と弁体部材とを含み、弁室を有し、前記弁体部材は、少なくとも大部分が前記弁室に位置し、前記弁ボディ部材は、前記弁室の周壁または少なくとも周壁の一部である側壁部を含み、前記弁ボディ部材には連通孔が設けられている制御弁において、
前記制御弁は、封止部材を含み、
前記封止部材は、前記側壁部と前記弁体部材との間に位置して弾性パッドと封止部品とを含み、
前記弾性パッドと封止部品とは、一体構造であり、
前記弾性パッドは、前記封止部品と前記弁ボディ部材の側壁部との間に位置して外周壁部と凸起部とを含み、
前記弾性パッドは、複数の第１通孔と第１凹溝とを有し、
前記凸起部は、外周壁部から突出し、
前記第１通孔は、前記外周壁部を貫通し、
前記第１凹溝は、前記外周壁部から窪んでおり、
前記凸起部は、各前記第１通孔を取り囲んで前記側壁部に当接し、
前記弁ボディ部材は、前記側壁部から突出するリブを有し、
前記リブは、前記第１凹溝内に入り込むことを特徴とする制御弁。

【請求項2】

前記凸起部は、複数の軸方向凸起部と複数の周方向凸起部とを含み、隣り合う第１通孔の間に複数の前記軸方向凸起部または複数の周方向凸起部が設けられ、
前記第１通孔と第１凹溝との間にも少なくとも１つの軸方向凸起部が設けられ、
前記周方向凸起部と前記軸方向凸起部との両端部は、交わって交差部が形成されていることを特徴とする請求項１に記載の制御弁。

【請求項3】

前記周方向凸起部の一端部が複数の前記軸方向凸起部の一端部と交わって複数の前記交差部が形成されており、
前記軸方向凸起部の一端部が複数の前記周方向凸起部の一端部と交わって複数の前記交差部が形成されていることを特徴とする請求項２に記載の制御弁。

【請求項4】

前記第１凹溝は、前記弾性パッドの縦方向において前記弾性パッドの一端から前記弾性パッドの他端まで延在し、
前記第１凹溝の数が、複数であり、
前記第１凹溝は、前記第１通孔の両側に分布され、
前記リブの前記側壁部から突出する高さが、前記第１凹溝の深さよりも小さく、
前記リブは、前記第１凹溝と締まり嵌めまたは隙間嵌めまたは中間嵌めされることを特徴とする請求項１に記載の制御弁。

【請求項5】

前記封止部品は、前記弾性パッドと接着により固定されてフランジング部と係合部とを含み、
前記係合部は、前記弁体部材に向かい、前記弁体部材と滑り可能に係合され、
前記封止部品は、第２通孔を有し、
前記第１通孔、第２通孔は、連通孔に対応して連通し、
前記フランジング部には、前記第２通孔が形成され、
前記フランジング部は、少なくとも一部が前記第１通孔内に入り込んで前記第１通孔の内壁に接着固定され、
前記フランジング部の高さが、前記第１通孔の長さよりも小さいことを特徴とする請求項１に記載の制御弁。

【請求項6】

前記封止部品は、前記封止部品の両側に位置する位置制限部を少なくとも２つ含み、
前記位置制限部は、外向き突出構造または外返り構造を呈し、
前記位置制限部は、前記弾性パッドの両側に位置し、
前記位置制限部の高さが弾性パッドの両側の厚さよりも小さく、
前記封止部品は、接続部を含み、
前記接続部は、前記フランジング部と係合部との間に位置して前記フランジング部と係合部とをスムーズに接続し、
前記接続部と前記係合部との接続部位は、前記弁体部材に向かう方向において直径が徐々に増加することを特徴とする請求項５に記載の制御弁。

【請求項7】

前記弁ボディ部材は、底壁部と前記底壁部から突出するボス部とを含み、
前記ボス部は、阻止部と支持部とを含み、
前記阻止部は、前記支持部から一定距離だけ突出しており、
前記支持部は、前記リブと底壁部との間に位置し、
前記リブは、前記支持部に接続され、前記阻止部とリブとの間に位置制限空間が形成され、
前記封止部材の一端が、前記位置制限空間に収容配置され、
前記封止部材は、前記支持部に当接し、
前記弁ボディ部材は、前記底壁部から突出する係合部を含み、
前記係合部は、前記弁体部材に係合され、
前記弁体部材の一部が前記係合部内に入り込み、
前記係合部は、欠け部とリブ板部とを含み、
前記係合部の高さが、前記ボス部の高さ以上であることを特徴とする請求項４に記載の制御弁。

【請求項8】

前記側壁部は、第１側壁と第２側壁とを含み、
前記第１側壁から前記弁室の中心軸までの距離が、前記第２側壁から前記弁室の中心軸までの距離よりも大きく、
前記弁ボディ部材は、前記第２側壁に少なくとも２つの突出部がさらに設けられ、各々の前記突出部は、それぞれ、そのうちの１つの前記連通孔の周辺部位に設けられ、少なくとも２つの前記第１通孔は、それぞれ、前記そのうちの１つの突出部と嵌合することを特徴とする請求項４に記載の制御弁。

【請求項9】

前記弾性パッドは、ゴム材料で加工されてなり、
前記弁ボディ部材は、アルミニウム材によって加工されてなり、またはプラスチック材料によって射出加工で形成されるものであり、
前記弁体部材は、プラスチック材料によって射出加工で形成されるものであり、
前記封止部品は、テフロンで加工されて形成されるものであり、
前記弾性パッドと前記封止部品とは、接着によって固定され、
前記弁体部材の突起部のうち、少なくとも一部が前記弁ボディ部材の前記封止部品と接触して設けられることを特徴とする請求項１～請求項８のいずれか１項に記載の制御弁。

【請求項10】

前記弾性パッドは、第２凹溝を有し、
前記第２凹溝は、周方向で設けられるように前記弾性パッドの上下両側に位置し、
前記第１凹溝は、上下両側に位置する前記第２凹溝と接続することを特徴とする請求項９に記載の制御弁。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本出願は、２０２１年０１月１８日にて中国特許庁に提出され、出願番号が２０２１１００６５２６１．１であり、発明名称が「弁装置」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が援用されることで、本出願に結合される。
本発明は、流体制御という分野に関し、具体的には流体制御弁に関する。

【背景技術】

【0002】

あるシステムは、流路を制御するように多通路の制御弁を用いる必要があり、例えば、自動車は、現在、一般的には、複数の制御弁を用いて制御する可能性があり、多通路の制御弁において、封止及び弁体との滑り嵌めを実現するために、二層別体構造の封止部品及び弾性パッドで実現する。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0003】

本発明の目的は、封止信頼性の高い制御弁を提供する。

【課題を解決するための手段】

【0004】

本発明は、制御弁であって、弁ボディ部材と弁体部材とを含み、弁室を有し、前記弁体部材は、少なくとも大部分が前記弁室に位置し、前記弁ボディ部材は、前記弁室の周壁または少なくとも周壁の一部である側壁部を含み、前記弁ボディ部材には連通孔が設けられている制御弁において、前記制御弁は、封止部材を含み、前記封止部材は、前記側壁部と前記弁体部材との間に位置して弾性パッドと封止部品とを含み、前記弾性パッドと封止部品とは一体構造であり、前記弾性パッドは、前記封止部品と前記弁ボディ部材の側壁部との間に位置して外周壁部と凸起部とを含み、前記弾性パッドは、複数の第１通孔と第１凹溝とを有し、前記凸起部は、外周壁部から突出し、前記第１通孔は、前記外周壁部を貫通し、前記第１凹溝は、前記外周壁部から窪んでおり、前記凸起部は、各前記第１通孔を取り囲んで前記側壁部に当接し、前記弁ボディ部材は、前記側壁部から突出するリブを有し、前記リブは、前記第１凹溝内に入り込む。

【0005】

このように、制御弁の封止部材は、一体構造を呈する弾性パッド及び封止部品を含み、それに、弾性パッドの第１凹溝と弁ボディ部材のリブとが係合することで、封止部材を弁室内に位置制限させ、封止部材が弁体部材の回動時に変位することを防止し、それに、弾性パッドの凸起部が各第１通孔を取り囲み、凸起部が側壁部に当接することは、弾性パッドと側壁部との間の封止信頼性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【0006】

【図1】制御弁の一実施例の封止部材の立体図である。

【図2】図１に示す封止部材の断面図である。

【図3】制御弁の弁ボディ部材の局所断面図である。

【図4】図３の局所拡大図である。

【図5】制御弁の別の実施例の封止部材の局所立体図である。

【図6】図５に示す封止部材の断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0007】

以下、図面を結合して具体的な実施形態を説明し、図１～図４のように、制御弁は、弁ボディ１０と封止部材４とを含み、弁体部材（図示しない）を含み、弁室を有し、弁体部材は、少なくとも大部分が弁室に位置して回動するように駆動可能になっている。
封止部材４は、弾性パッド４１と封止部品４２とを含み、弾性パッド４１と封止部品４２とは、接着等により固定される。
そして、弁ボディ部材１０は、側壁部１２と底壁部１１とを含み、側壁部１２と底壁部１１とは、一体成形されてもよく、側壁部１２は、弁室の周壁または少なくとも周壁の一部であり、底壁部１１から突出する。
弁ボディ部材１０は、連通孔を有し、連通孔の数が複数であってもよく、例えば、連通孔は、５つであってもよく、無論、５つよりも大きく、または少ないであってもよい。
封止部材４は、側壁部１２と弁体部材との間に位置し、弾性パッド４１と封止部品４２とを含む。
弾性パッド４１と封止部品４２とは、固定接続され、弾性パッド４１は、封止部品４２と弁ボディ部材１０の側壁部１２との間に位置し、封止部品４２は、弁体部材２０と接触し、封止部品４２と弁体部材との間の付勢力は、摺動摩擦力を含み、弾性パッド４１と側壁部１２との間の付勢力は、静摩擦力である。
封止部品４２の材料は、テフロンであってもよく、封止部品４２は、封止の作用だけでなく、一定の潤滑性能を有しかつ摩耗し難しいこともでき、弁体部材と封止部材との摩擦力を低減することにより、制御弁の駆動力を相対的に低減することができる。

【0008】

図１及び図２に示すように、弾性パッド４１は、外周壁部４１０を含み、弾性パッド４１は、第１通孔４１１と第１凹溝４１２と第２凹溝４１３とを有し、第１通孔４１１は、外周壁部４１０を貫通し、かつ、連通孔１０１に連通して設けられ、第１凹溝４１２及び第２凹溝４１３は、外周壁部４１０に窪んでいる。
第１凹溝４１２及び第２凹溝４１３は、開口が側壁部１２に向かい、第１凹溝４１２は、弾性パッド４１の縦方向において弾性パッド４１の一端から弾性パッド４１の他端まで延在してもよく、第１凹溝４１２の数が複数である。
本実施例において、第１凹溝４１２は、第１通孔４１１の両側位置に分布され、それに、隣り合う両第１通孔４１１の間に位置する第１凹溝４１２は、隣り合う両第１通孔４１１の間の中間部位に位置してもよい。
第１凹溝４１２は、軸方向に設けられてもよく、第２凹溝４１３は、周方向に設けられてもよく、他の形式であってもよく、第２凹溝４１３により、弾性パッド４１が力によって圧縮される場合に弾性パッド４１のために膨張空間を残すことができる。
本実施例において、第２凹溝４１３は、弾性パッド４１の縦方向の少なくとも一側に位置し、第１凹溝４１２は、第２凹溝４１３に連通する。

【0009】

図３に示すように、弁ボディ部材１０は、側壁部１２から突出するリブ１２３を有し、本実施例において、リブ１２３は側壁部１２から突出して弁室内に位置する。

【0010】

リブ１２３の数が、第１凹溝４１２に対応し、リブ１２３は、第１凹溝４１２内に入り込み、リブ１２３は、第１凹溝４１２と締まりばめされ、または、隙間嵌めされ、または、中間嵌めされる。
リブ１２３及び第１凹溝４１２を設けることにより、封止部材４の位置決め装着を実現することで、第１通孔４１１の位置、第２通孔４２１の位置をそれぞれに連通孔１０１の位置に対応させて流体を通流可能にすることができるだけでなく、リブ１２３と第１凹溝４１２との係合方式により、封止部材４に対する位置制限の作用を奏し、封止部材４が弁体部材の回動時に変位することを防止することができる。
本実施例において、リブ１２３の側壁部１２から突出する高さが、第１凹溝４１２の深さよりも小さく、リブ１２３と第１凹溝４１２の底部との間に一定の隙間を有させることができる。
このように、弾性パッド４１を第２側壁１２２に当接させることができ、それに、リブ１２３と第１凹溝４１２の底部との間に残された隙間により、弾性パッドが弾性ひずみを発生する場合に、弾性パッドのために膨張空間を残すことができる。

【0011】

図３及び図４に示すように、弁ボディ部材１０は、底壁部１１から突出するボス部１２４を含む。
ボス部１２４は、阻止部１２５と支持部１２６とを含み、阻止部１２５は、支持部１２６から一定距離だけ突出し、支持部１２６は、少なくとも一部がリブ１２３と阻止部１２５との間に位置し、阻止部１２５とリブ１２３との間に位置制限空間１２７が形成されている。
封止部材４が弁ボディ部材１０内に装入された後、封止部材４の一端が位置制限空間１２７に収容配置され、それに、封止部材４は、支持部１２６に当接する。
ボス部１２４を設けることにより、封止部材４の端部に対して位置制限の作用を奏し、封止部材４の端部が、弁ボディ部材１０から分離することを防止することができる。

【0012】

側壁部１２は、第１側壁１２１と第２側壁１２２とを含む。
第１側壁１２１から弁室の中心軸までの距離が、第２側壁１２２から弁室の中心軸までの距離よりも大きく、弁ボディ部材１０は、さらに突出部１２８を含む。
突出部１２８は、弁室から離反する方向に沿って突出して第２側壁１２２に設けられ、各々の突出部１２８は、それぞれ、そのうちの１つの連通孔１０１の周辺部位に設けられ、少なくとも２つの第１通孔１０１は、それぞれ、そのうちの１つの突出部１２８と嵌合し、例えば、図３において、２つの第１通孔１０１の弁室円周方向に沿う位置が同じであることがあり、この場合、２つの第１通孔１０１は、弁室の軸方向に沿って配列され、この場合、該２つの第１通孔１０１は、それぞれ、そのうちの１つの突出部１２８と嵌合することができ、突出部１２８は、２つの第１通孔１０１と一々に対応して連通する２つの流路を有する。

【0013】

図２に示すように、封止部品４２は、位置制限部４２２と係合部４２３とフランジング部４２４と接続部４２５とを含む。
係合部４２３は、弁体部材と滑り可能に係合され、２つの位置制限部４２２は、それぞれ、封止部品４２の円周方向の両側に位置し、位置制限部４２２は、外向き突出構造または外返り構造を呈し、弾性パッド４１の両側をさらに位置制限して弾性パッド４１の押圧後の変形範囲を限定することができ、第２通孔４２１の位置と第１通孔４１１の位置とを対応させる。
本実施例において、リブ１２３と第１凹溝４１２とが係合する位置制限方式があるから、位置制限部４２２は、弾性パッド４１の両側に位置し、それに、位置制限部４２２の高さが、弾性パッド４１の両側の厚さ以下であり、弾性パッド４１の膨張空間を残すことができる。

【0014】

フランジング部４２４には、第２通孔４２１が形成され、フランジング部４２４の少なくとも一部が第１通孔４１１内に入り込んで第１通孔４１１の内壁に接着固定され、これにより、第１通孔４１１を第２通孔４２１に連通させる。
フランジング部４２４の高さが、第１通孔４１１の長さよりも小さく、このように、弾性パッド４１が圧縮される場合、封止部品４２が第２側壁１２２と接触することを防止でき、弾性パッド４１は、より多くの圧縮空間を有させることができる。
それに、一部の弾性パッド４１が第２通孔４２１を通って弁体部材と接触することも防止でき、弾性パッド４１が弁体部材と接触すると、弁体部材が回動する摩擦力を向上させるだけでなく、弾性パッド４１の摩耗により弁体部材が引っ掛かる可能性もある。

【0015】

本実施例において、フランジング部４２４を設けることにより、弾性パッド４１と封止部品４２との間の接触面積が増加され、弾性パッド４１及び封止部品４２という両者の間の接着力を向上させることができ、また、フランジング部４２４が、第１通孔４１１内に入り込むことにより、封止部品４２及び弾性パッド４１に対して位置制限の作用を奏し、封止部品４２及び弾性パッド４１が、弁体部材の回動の時に位置ずれることを防止することができる。

【0016】

接続部４２５は、フランジング部４２４と係合部４２３との間に位置し、接続部４２５は、フランジング部４２４と係合部４２３とをスムーズに接続する。
本実施例において、接続部４２５と係合部４２３との接続部位は、弁体部材に向かう方向において直径が徐々に増加し、弁体部材が回動する過程において、接続部４２５は、緩衝及び案内の機能を奏することができ、弁体部材の回動にも寄与する。

【0017】

図３のように、弁ボディ部材１０は、底壁部１１から突出して弁室内に位置する係合部１１１を含む。
係合部１１１は、欠け部１１２とリブ板部１１３とを含み、欠け部１１２を設けることにより、係合部１１１内に入ったクーラントにおける不純物を適時に排出させることができ、弁体部材が引っ掛かることを防止することができる。
リブ板部１１３により、係合部１１１の強度を向上させ、係合部１１１の強度に対する欠け部１１２の影響を減少することができる。
それに、係合部１１１の高さが、ボス部１２４の高さ以上であり、このように、弁体部材の摩擦力を減少でき、同時に、ボス部１２４は、封止部材４が受圧して変形される時に弁ボディ部材１０から離脱しないことを防止できる。

【0018】

図３～図６のように、図５及び図６は、この実施例において、弾性パッド４１は、さらに複数の凸起部４１４を含む。
凸起部４１４は、外周壁部４１０から突出し、凸起部４１４は、第１通孔４１１を囲み、凸起部４１４は、側壁部１２に当接する。
本実施例において、凸起部４１４は、軸方向凸起部と周方向凸起部とを含む。
軸方向凸起部は、弾性パッド４１の軸方向に沿って延在し、周方向凸起部は、弾性パッド４１の周方向に沿って延在し、複数の軸方向凸起部及び周方向凸起部は、第１通孔４１１の周側に分布され、隣り合う第１通孔の間に複数の軸方向凸起部または周方向凸起部が設けられており、第１通孔４１１と第１凹溝４１２との間にも少なくとも１つの凸起部が設けられている。
周方向凸起部と軸方向凸起部との両端部は、交わって交差部４１５が形成され、周方向凸起部の一端部と複数の軸方向凸起部の一端部とは、交わって複数の交差部が形成され、軸方向凸起部の一端部と複数の周方向凸起部の一端部とは交わって複数の交差部が形成されている。

【0019】

複数の凸起部４１４を設けることにより、多重の封止を形成し、封止信頼性を向上させる。
また、封止部材４が弁ボディ部材１０に装着される前と比較すると、封止部材４が、弁ボディ部材１０内に装着された後、封止部材４の開口角度αが小さくなる。
この場合、弾性パッド４１の厚さが大きくて弾性パッド４１が複数の第１通孔４１１を有するため、開口角度αが変化可能とする場合、弾性パッド４１の各箇所に発生したひずみが均一ではなく、複数の凸起部４１４を設けることにより、封止信頼性を向上させることができ、封止部材の開口角度αが変化する場合にも適用可能であり、封止部材４の製造の難しさを低減する。
ここで説明するように、図面に示す封止部材４の形状は、封止部材４が弁ボディ部材内に組立られた形状であり、装着時、その形状が変化可能であり、開口角度αは、変化する。

【0020】

ここで説明するように、ほかの実施例において、封止部材４は、軸方向または周方向において、複数に分けて配置されてもよく、必要に応じて設けることができる。
軸方向及び周方向は、封止部材４が弁ボディ部材内に装入されることに対する記載である。

【0021】

説明しようとするのは、本明細書は、上記の実施形態を参照して本発明を既に詳しく説明したが、当業者が理解するように、当業者は、依然として、本発明に対して補正、結合、または、等同交替を行うことができ、本発明の精神及び範囲を離脱しないあらゆる改善は、本発明の請求項の範囲内に含まれるべきである。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【国際調査報告】