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特表2024-506496超音波エネルギーを用いた木材または他の植物製品の接合
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】超音波エネルギーを用いた木材または他の植物製品の接合
(51)【国際特許分類】
   B27N 3/18 20060101AFI20240206BHJP
   B27N 3/00 20060101ALI20240206BHJP
   B27M 1/08 20060101ALI20240206BHJP
   B27D 1/04 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
B27N3/18
B27N3/00 Z
B27M1/08 Z
B27D1/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544236
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(85)【翻訳文提出日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 US2022011355
(87)【国際公開番号】W WO2022159274
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】17/404,120
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/155,872
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523274506
【氏名又は名称】ハ・エリ,ボバク
【氏名又は名称原語表記】HA’ERI, Bobak
【住所又は居所原語表記】2369 Meeting Street, Minnetonka, MN 55391 US
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】ハ・エリ,ボバク
【テーマコード(参考)】
2B200
2B250
2B260
【Fターム(参考)】
2B200AA07
2B200EA03
2B200EA05
2B200EA06
2B200EG15
2B200FA50
2B250EA02
2B250FA21
2B250FA31
2B250FA37
2B250FA46
2B250HA01
2B250HA05
2B260BA18
2B260BA20
2B260BA22
2B260DA01
2B260DB01
2B260DB21
2B260EA03
2B260EB05
2B260EB06
2B260EB11
2B260EB19
2B260EB21
2B260EC03
(57)【要約】
充填材は、複数の木材要素に適用される。前記複数の木材要素は接合されて複合木材製品となり、前記接合は、前記複数の木材要素に超音波エネルギーを供給することを含む。前記超音波エネルギーは、10kHz~20MHzの周波数範囲内の周波数を有する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の木材要素に充填材を適用し、
前記複数の木材要素を接合して複合木材製品とし、
前記接合は、前記複数の木材要素に超音波エネルギーを供給することを含み、
前記超音波エネルギーは、10kHz~20MHzの周波数範囲内の周波数を有する、複合木材製品を製造する方法。
【請求項2】
前記超音波エネルギーは、超音波トランスデューサにより供給される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記充填材は、接着剤を含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記充填材は、接着剤を含まない、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記充填材は、プラスチックを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記充填材は、金属を含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記複数の木材要素は、前記複数の木材要素を接合する前に、相互に近接して配置される、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記複数の木材要素への前記充填材の適用と、前記複数の木材要素への前記超音波エネルギーの供給とは、同時に実施される、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記超音波エネルギーは、前記複数の木材要素に前記充填材を適用する前に、前記複数の木材要素に供給される、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記超音波エネルギーは、前記複数の木材要素に充填材を適用した後、前記複数の木材要素に供給される、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記複数の木材要素に圧縮力を加えることをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記複数の木材要素に前記超音波エネルギーを供給する前に、前記複数の木材要素に前記圧縮力を加える、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記複数の木材要素に前記超音波エネルギーを供給すると同時に、前記複数の木材要素に前記圧縮力を加える、請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記複数の木材要素に前記超音波エネルギーを供給した後、前記複数の木材要素に前記圧縮力を加える、請求項11記載の方法。
【請求項15】
前記超音波エネルギーは、15kHz~1MHzの周波数範囲内の周波数を有する、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記超音波エネルギーは、20kHz~100MHzの周波数範囲内の周波数を有する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記複合木材製品の欠陥を検査することをさらに含み、
前記検査は、前記複合木材製品に超音波エネルギーを供給することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記充填材を適用する前に、前記複数の木材要素を前処理することをさらに含み、
前記前処理は、前記複数の木材要素に超音波エネルギーを供給することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記前処理は、前記複数の木材要素に超音波エネルギーを供給し、前記複数の木材要素を洗浄することを含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記複合木材製品に接合した後、前記複合木材製品に処理を適用し、前記複合木材製品に超音波エネルギーを供給することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、超音波エネルギーを使用して木材または他の植物製品を接合するための装置、システムおよび方法を概説する。
【背景技術】
【0002】
木材加工製品は、木材、ベニヤ、木材片、または、その他の小さな木材要素を用い、それらを構造製品となるように樹脂を用いて接合し、製造される。これにより、より小さいもしくはより低品質の木材または木材要素を、大型木材の代替品の生産に用いることができる。木材加工製品は、桁、梁、根太、ヘッダー、間柱、柱などの構造用途に使用され、木材製品に代えて、もしくは、木材製品と共に使用されている。
【0003】
超音波エネルギーは、医療用途における画像診断に使用されてきた。超音波イメージングでは、高周波音波パルスをプローブから体内に送信する。その音波パルスは、波として体内に伝播し、いくつかの体液や体組織を通過しながら、他の体組織によって部分的に吸収される。この吸収は、音波の部分的な反射またはエコーをプローブに向けて戻す。プローブ内のセンサは、音波のエコーを測定し、その情報は、身体の検査領域における診断画像の作成に使用できる。
【0004】
超音波エネルギーは、金属の溶接部の検査、コンクリート内の欠陥の検出やコンクリートの一貫性の評価、木材の欠陥の検出など、産業用途における画像診断や非破壊検査にも使用されている。1つの用途では、プローブは、画像化または検査される物質中に高周波音波パルスを送信し、プローブ内のセンサは、プローブに戻ってくる音波のエコーを測定する。別の用途では、プローブから材料に高周波音波パルスが送信された後、プローブに対向する材料側の別の受信ユニットが画像化または検査される材料を通過した音波を受信する。
【発明の概要】
【0005】
一般的な態様では、複合木材製品を製造する方法は、充填材を複数の木材要素に適用すること、および、複数の木材要素を接合し複合木材製品にすることを含み、その接合は、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給することを含む。超音波エネルギーは、10kHz~20MHzの周波数範囲内の周波数を有する。
【0006】
実施形態は、以下の1以上を含むことができる。超音波トランスデューサは、超音波エネルギーを供給することができる。充填材は、接着剤を含んでもよいし、含んでいなくてもよい。充填材は、プラスチックを含んでもよい。充填材は、金属を含んでもよい。複数の木材要素を接合する前に、複数の木材要素を互いに近接して配置してもよい。複数の木材要素に充填材を適用すること、および、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給することは、同時に行われてもよい。超音波エネルギーは、複数の木材要素に充填材を適用する前に、複数の木材要素に供給されてもよい。また、超音波エネルギーは、複数の木材要素に充填材を適用した後、複数の木材要素に供給されてもよい。この方法は、複数の木材要素に圧縮力を加えることをさらに含むことができる。圧縮力は、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給する前に、複数の木材要素に加えられてもよい。また、圧縮力は、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給すると同時に、複数の木材要素に加えられてもよい。さらに、圧縮力は、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給した後に、複数の木材要素に加えられてもよい。超音波エネルギーは、15kHz~1MHzの周波数範囲内の周波数を有してもよい。また、超音波エネルギーは、20kHz~100kHzの周波数範囲内の周波数を有してもよい。この方法は、複合木材製品の欠陥を検査することをさらに含んでもよく、その検査は、複合木材製品に超音波エネルギーを供給することを含む。この方法は、充填材を塗布する前に、複数の木材要素を前処理することをさらに含んでもよく、その前処理は、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給することを含む。また、その前処理は、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給し、複数の木材要素を洗浄することができる。さらに、この方法は、複合木材製品として接合した後、複合木材製品に処理を施すこと、および、複合木材製品に超音波エネルギーを供給することを含んでもよい。
【0007】
1以上の実施形態の詳細は、以下の関連する図面およびその説明に示されている。 特定の実施形態では、1以上の利点を得ることができる。例えば、開示される方法の実施形態では、装置およびシステムは、従来の技術を使用して製造された複合木材製品よりも強い(例えば、より高い引張強度、より高い圧縮強度、より高いせん断強度のうちの1以上の)複合木材製品を製造するために使用することができる。別の例では、開示された方法、装置およびシステムの実施形態は、従来の技術を使用して製造された複合木材製品と比較して、耐久性を向上させた複合木材製品を製造するために使用することができる。さらなる別の例では、開示された方法、装置およびシステムの実施形態は、従来の技術を使用して製造された複合木材製品と比較して、耐湿性を向上させた複合木材製品を製造するために使用することができる。さらなる別の例では、開示された方法、装置およびシステムの実施形態は、従来の技術を使用して製造された複合木材製品と比較して、耐熱性を向上させた複合木材製品を製造するために使用することができる。さらなる別の例では、開示された方法、装置およびシステムの実施形態は、従来の技術を使用して製造された複合木材製品と比較して、硬度を高めた複合木材製品を製造するために使用することができる。さらなる別の例では、開示された方法、装置およびシステムの実施形態は、従来の技術を使用して製造された複合木材製品の硬化速度または硬化時間と比較して、複合木材製品の製造における硬化速度を向上または硬化時間を短縮(例えば、促進またはスピードアップする)するために使用することができる。さらに別の例では、開示された方法、装置およびシステムの実施形態は、従来の技術を使用して製造された複合木材製品と比較して、昆虫または害虫に対する耐性を向上させた複合木材製品を製造するために使用することができる。
【0008】
本明細書に記載された技術の他の特徴、目的、および利点は、記載事項、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。様々な図面における同様の参照符号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための環境を例示するブロック図である。
図2】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための例示的な製造プロセスの一部として、例示的なコンベア上に配置されるべき、例示的なファネル上または例示的なファネル内の例示的な木材要素の概念図である。
図3A】複数の木材要素への充填材の適用例を示す図である。
図3B】複数の木材要素への充填材の別の適用例を示す図である。
図3C】複数の木材要素への充填材のさらなる別の適用例を示す図である。
図4】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために、複数の例示的な木材要素に超音波エネルギーを供給する例示的な超音波トランスデューサを示す概念図である。
図5図4の例示的な超音波トランスデューサの概念図である。
図6A】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できる例示的なシンバル形状のホーンを含む例示的な超音波トランスデューサの概念図である。
図6B】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できる例示的なランジュバンホーンを含む例示的な超音波トランスデューサの概念図である。
図6C】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できる例示的なリング形状のホーンを含む例示的な超音波トランスデューサの概念図である。
図6D】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できる例示的なピラミッド形状のホーンを含む例示的な超音波トランスデューサの概念図である。
図6E】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用することができる例示的な球形状のホーンを含む例示的な超音波トランスデューサの概念図である。
図6F】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できる例示的なドーム形状のホーンを含む例示的な超音波トランスデューサの概念図である。
図6G】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できる例示的な楔形状のホーンを含む例示的な超音波トランスデューサの概念図である。
図6H】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用することができる、管または円筒などの一般形状であり、例示的なチャンバを含む例示的なホーンを有する例示的な超音波トランスデューサの概念図である。
図7】複合木材製品を製造するために使用できる例示的な方法のフローチャートである。
図8】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための例示的な環境のブロック図である。
図9】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための例示的な環境の概念図である。
図10A】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できる例示的なプレスと、そのプレスと一体化された例示的な超音波トランスデューサの概念図である。
図10B】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できる別の例示的なプレスおよびそのプレスと一体化された例示的な超音波トランスデューサの概念図である。
図10C】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できるさらなる別の例示的なプレスおよびそのプレスと一体化された例示的な超音波トランスデューサの概念図である。
図11A】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための例示的な環境のブロック図である。
図11B】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための例示的な環境のブロック図である。
図11C】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための例示的な環境のブロック図である。
図12A】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための例示的な環境の概念図であり、その環境は、例示的なローラー要素を含む例示的な超音波トランスデューサを含む。
図12B】別の例示的なローラー要素を含む別の例示的な超音波トランスデューサの概念図である。
図12C】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための例示的な環境の概念図である。
図13A】例示的なローラー要素の側面図である。
図13B】別の例示的なローラー要素の側面図である。
図13C】さらなる別の例示的なローラー要素の側面図である。
図14A】複数の例示的な突起を含む例示的なローラー要素の例示的な部分の正面図である。
図14B】複数の例示的な突起を含む例示的なローラー要素の例示的な部分の上面図である。
図14C】複数の例示的な凹部を含む例示的なローラー要素の例示的な部分を示す正面図である。
図14D】複数の例示的な凹部を含む例示的なローラー要素の例示的な部分を示す上面図である。
図14E】1以上の例示的な突起および1以上の例示的な凹部を含む例示的なローラー要素の例示的な部分の正面図である。
図15A】超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために、複数の例示的な木材要素に超音波エネルギーを供給する例示的な制御モジュールおよび例示的な超音波トランスデューサの概念図である。
図15B図15Aの例示的な制御モジュールのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
それぞれの図面において同様の参照記号は、同様の要素を表す。
ここでは、超音波エネルギーを使用して木材または他の植物製品を接着するために使用できる装置、システム、および方法について説明する。ここに記載される装置、システム、および方法のいくつかの実装形態では、複数の木材要素に充填材を塗布し、複数の木材要素を接合し複合木材製品とすることにより、複合木材製品を製造できる。この接合は、低周波数の超音波エネルギーを複数の木材要素に供給する。例えば、低周波超音波エネルギーは、10kHzから20MHzの範囲の周波数を有することができる。いくつかの実施形態では、低周波超音波エネルギーは、15kHzから1MHzの範囲の周波数を有してもよい。いくつかの実施形態では、低周波超音波エネルギーは、20kHzから100kHzの範囲の周波数を有してもよい。
【0011】
超音波トランスデューサは、複数の木材要素を接合し複合木材製品にする際に、超音波エネルギーを提供することに使用できる。様々な実施形態において、超音波トランスデューサは、超音波を生成し、複数の木材要素および充填材に超音波エネルギーを伝達することができる。いくつかの例では、超音波は連続波として供給でき、いくつかの例では、超音波はパルス波として供給されてもよい。いくつかの例では、トランスデューサは周期的な超音波を供給でき、超音波は様々な波形のうちの1つ以上を含むことができる。例えば、様々な実施形態において、波形は、正弦波形、長方形波形、方形波形、台形波形、三角波形、鋸歯状波形、または他の適切な波形のうちの1つ以上を含んでもよい。トランスデューサは、超音波の縦波、超音波の放射波、および超音波の横波のうちの1つ以上を含む超音波を生成することができ、例えば、超音波は、複数の木材要素、充填材または複数の木材要素および充填材の両方に超音波エネルギーを供給することができる。
【0012】
超音波エネルギーは、複数の木材要素に機械的刺激を与えることができる。例えば、超音波が木材要素を通過するか、木材要素により吸収されるとき、超音波は、木材要素内の分子を振動させることができる。木材要素内における分子レベルの振動は、振動する分子間に摩擦を生じさせ、木材要素内に熱を発生させることが可能である。さらに、いくつかの例では、超音波が木材要素を通過するか木材要素により吸収されるとき、超音波は、木材要素内に小さなまたは微小な圧力差を生じさせるであろう。そのような圧力差は、木材要素内にキャビテーションを発生させることができ、圧力差に起因して、木材要素内の高圧領域内のガスもしくは蒸気が木材要素内の低圧領域に向かって押し付けられ、また、押されるとき、ミクロレベルのガスまたは蒸気の泡が木材要素内に生成される可能性がある。これらの態様のうちの1つ以上において、超音波エネルギーは、例えば、木材または他の植物製品の接合における機械的刺激を提供するであろう。この機械的刺激は、例えば、超音波トランスデューサが木材要素もしくは充填材と物理的に接触していなくても提供できる。いくつかの例では、超音波トランスデューサまたはトランスデューサの一部は、1つ以上の木材要素、充填材、または充填材および1つ以上の木材要素の両方と物理的に接触していてもよく、前述の機械的刺激が提供されるであろう。
【0013】
超音波エネルギーは、マクロレベルで互いに近接して配置できる複数の木材要素に機械的刺激をさらに提供できる。超音波により提供される機械的刺激は、例えば、1つ以上の木材要素を移動または振動させ、そのような動きまたは振動による木材要素間の摩擦を生じさせてもよい。例えば、超音波により提供される機械的刺激は、1つ以上の木材要素の移動または振動を生じさせる可能性があり、第1の木材要素の1つ以上の表面は、1つ以上の他の木材要素(例えば、第2の木材要素、第2の木材要素および第3の木材要素、または、1つ以上の他の木材要素)の1以上の表面と接触し、移動、摩擦または振動するときに抵抗に直面する可能性がある。これらの態様のうちの1つ以上において、超音波エネルギーは、例えば、木材または他の植物製品の接合における機械的刺激を提供することが可能である。この機械的刺激は、例えば、超音波トランスデューサが木材要素または充填材と物理的に接触していなくても提供できる。いくつかの例では、超音波トランスデューサまたはトランスデューサの一部は、1つ以上の木材要素、充填材、または、充填材と1つ以上の木材要素の両方と物理的に接触していてもよく、前述の機械的刺激を提供できる。
【0014】
同様に、様々な実施形態において、超音波は、充填材に機械的刺激を与えることができる。例えば、超音波が充填材を通過するか充填材に吸収されるとき、超音波は、充填材内の分子を振動させることができる。充填材内の分子レベルの振動により振動する分子間に摩擦が生じ、充填材内に熱を発生させることができる。さらに、いくつかの例では、超音波が充填材を通過するか充填材によって吸収されるとき、超音波は、充填材内に小さなまたは微小な圧力差を生じさせるであろう。このような圧力差は、充填材内にキャビテーションを発生させることができ、充填材内の高圧領域から充填材内の低圧領域へ、圧力差によりガスまたは蒸気が押されるか押し出されると、充填材内にミクロレベルのガスまたは蒸気の泡が生成されるであろう。これらの形態の1つ以上において、超音波エネルギーは、例えば、木材または他の植物製品の接合における機械的刺激を提供できる。この機械的刺激は、例えば、超音波トランスデューサが木材要素または充填材と物理的に接触していなくても提供されるであろう。いくつかの例では、超音波トランスデューサまたはそのトランスデューサの一部が1つ以上の木材要素、充填材、または、充填材と1つ以上の木材要素の両方と物理的に接触していてもよく、前述の機械的刺激が提供されるであろう。
【0015】
超音波エネルギーは、さらに、マクロレベルで充填材に機械的刺激を与えることができる。例えば、ほんの数例では、超音波により提供される機械的刺激は、充填材を撹拌し、充填材の移動、振動、拡散、広がり、流動、または浸透を生じさせるであろう。これらの態様のうちの1つ以上において、超音波エネルギーは、例えば、木材または他の植物製品の接合における機械的刺激を提供できる。この機械的刺激は、例えば、超音波トランスデューサが木材要素または充填材と物理的に接触していなくても提供されるであろう。いくつかの例では、超音波トランスデューサまたはそのトランスデューサの一部は、1つ以上の木材要素、充填材、または、充填材と1つ以上の木材要素の両方に物理的に接触していてもよく、前述の機械的刺激が提供されるであろう。
【0016】
いくつかの実施形態では、超音波エネルギーは、充填材の拡散を刺激することが可能であり、充填材を、例えば、木材要素内に浸透させ、また、木材要素内へさらに深く浸透させることができる。いくつかの実施形態では、超音波エネルギーは、充填材の拡散を刺激し、充填材を、例えば、木材要素のより広範囲に渡って広げ、木材要素を覆い、もしくは、木材要素に接触させることができる。これらの形態の1つ以上において、超音波エネルギーは、木材または他の植物製品の接合における拡散刺激を与えることができる。この拡散刺激は、例えば、超音波トランスデューサが木材要素または充填材に物理的に接触していなくても提供されるであろう。いくつかの例では、超音波トランスデューサまたはそのトランスデューサの一部は、1つ以上の木材要素、充填材、または、充填材と1つ以上の木材要素の両方に物理的に接触していてもよく、前述の拡散刺激が提供されるであろう。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、超音波エネルギーは、複数の木材要素、充填材、または、複数の木材要素および充填材に熱刺激を与えることもできる。この熱刺激は、例えば、機械的刺激もしくは上述の刺激により生成される熱に付加されるであろう。いくつかの実施形態では、木材要素の温度は、トランスデューサが木材要素に供給する超音波エネルギーまたは超音波エネルギーの一部を木材要素が吸収するにつれて上昇するであろう。同様に、トランスデューサが充填材に供給する超音波エネルギーまたは超音波エネルギーの一部を充填材が吸収するにつれて、充填材の温度は上昇するであろう。いくつかの例では、充填材、木材要素、または、充填材と木材要素の両方の温度の上昇は、(例えば、充填材が液体であるか、流動可能な実装形態における)充填材の流れを刺激することにより、充填材のより良好な拡散を刺激し、木材要素への充填材のより深い浸透を刺激することができる。これらの形態の1つ以上において、超音波エネルギーは、木材または他の植物製品の接合に熱刺激を与えることができる。この熱刺激は、例えば、超音波トランスデューサが木材要素または充填材に物理的に接触していなくても提供できる。いくつかの例では、超音波トランスデューサまたはそのトランスデューサの一部が1つ以上の木材要素、充填材、または充填材と1つ以上の木材要素の両方に物理的に接触していてもよく、前述の熱刺激を提供できる。
【0018】
いくつかの例では、超音波エネルギーの適用により木材要素間、または、充填材と木材要素との間に発生する摩擦により、充填材は、1つ以上の木材要素中の割れ目、細孔、ギャップ、スペース、空隙、または間隙中に押し込まれるか、前進させられるであろう。いくつかの実施形態では、摩擦は、充填材の微粒子化(例えば、充填材がより小さい、もしくは、より微細な粒子に分離されること)を刺激する可能性があり、いくつかの例では、1つ以上の木材要素内の割れ目、細孔、ギャップ、スペース、空隙、または間隙中に、充填材が押し込まれるか、前進するように刺激するであろう。いくつかの例では、摩擦によりさらに熱を発生させることが可能であり、(例えば、充填材が液体であるか、流動できる実装形態では)充填材を加熱し、充填材のよい流れを促進することにより、例えば、充填材による木材要素へのより深い浸透も刺激できる。これらの形態の1つ以上において、超音波エネルギーは、木材要素間または充填材と木材要素との間に摩擦を生じさせ、木材または他の植物製品の接合に刺激を与えることができる。この刺激は、例えば、超音波トランスデューサが木材要素または充填材に物理的に接触していなくても提供されるだろう。いくつかの例では、超音波トランスデューサまたはトランスデューサの一部は、1つ以上の木材要素、充填材、または、充填材と1つ以上の木材要素の両方に物理的に接触してもよく、前述の刺激が提供されるだろう。
【0019】
さまざまな実施形態において、充填材は、多くの異なる形態をとることができる。いくつかの実施形態では、充填材は接着剤を含むことができ、他の実施形態では、充填材は接着剤を含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、充填材はプラスチックを含むことができ、他の実施形態では、充填材はプラスチックを含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、充填材は金属を含むことができ、他の実施形態では、充填材は金属を含まなくてもよい。前述の形態の組み合わせも可能である(例えば、充填材は接着剤とプラスチックを含む、充填材料は接着剤と金属を含む、または、充填材料は接着剤、プラスチックおよび金属を含む)。
【0020】
いくつかの実施形態では、充填材は液体である。いくつかの実施形態では、充填材は固体である。例えば、いくつかの実施形態では、充填材は粉末を含んでもよい。いくつかの実施形態では、充填材は気体である。いくつかの実施形態によれば、1つまたは複数の充填材の状態の前述の例の組み合わせも使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、充填材は、液体と固体の組み合わせもしくは混合であってもよい。いくつかの実施形態では、充填材は、液体と気体の組み合わせまたは混合であってもよい。いくつかの実施形態では、充填材は、固体と気体の組み合わせまたは混合であってもよい。いくつかの実施形態では、充填材は、液体、固体、および気体の組み合わせまたは混合であってもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、超音波エネルギーを複数の木材要素に供給する前に、充填材を複数の木材要素に適用することができる。いくつかの実施形態では、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給すると同時に、充填材を複数の木材要素に適用することができる。いくつかの実施形態では、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給した後、充填材を複数の木材要素に適用することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、複数の木材要素に充填材を適用する前、および、複数の木材要素に充填材を適用すると同時、の両方において、超音波エネルギーを複数の木材要素に供給することができる。いくつかの実施形態では、複数の木材要素への充填材の適用と同時、および、複数の木材要素への充填材の適用後の両方において、超音波エネルギーを複数の木材要素に供給できる。いくつかの実施形態では、複数の木材要素に充填材を適用する前、および、複数の木材要素に充填材を適用した後の両方において、超音波エネルギーを複数の木材要素に供給できる。いくつかの実施形態では、複数の木材要素に充填材を適用する前、複数の木材要素に充填材を適用すると同時、および、複数の木材要素に充填材を適用した後のそれぞれにおいて、超音波エネルギーを複数の木材要素に供給できる。
【0023】
いくつかの実施形態では、複数の木材要素への超音波エネルギーの供給に加えて、圧縮力が複数の木材要素に加えられてもよい。圧縮力に関しては多くの可能なオプションがあり、超音波エネルギーの供給に対して圧縮力がいつ適用されるかに関しても多くの可能なオプションがある。いくつかの例では、複数の木材要素に物理的な圧縮力を加えるためにプレスを使用できる。いくつかの実施形態では、複数の木材要素への超音波エネルギーの供給と同時に、その圧縮力を複数の木材要素に加えることができる。いくつかの実施形態では、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給する前に、その圧縮力を複数の木材要素に加えることができる。いくつかの実施形態では、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給した後、その圧縮力を複数の木材要素に加えることができる。いくつかの実施形態では、圧縮力は、例えば、木材要素間のより強い接合を開発するための有益な補助になりうる。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、複数の木材製品へ圧縮力を加えることに関連して、超音波エネルギーを供給する前述の例の組み合わせも使用できる。例えば、いくつかの実施形態では、複数の木材要素に圧縮力を加える前、および、複数の木材要素に圧縮力を加えるのと同時の両方において、超音波エネルギーを複数の木材要素に供給できる。いくつかの実施形態では、複数の木材要素への圧縮力の印加と同時、および、複数の木材要素への圧縮力の印加後の両方において、超音波エネルギーを複数の木材要素に供給できる。いくつかの実施形態では、複数の木材要素に圧縮力を加える前、および、複数の木材要素に圧縮力を加えた後の両方で、超音波エネルギーを複数の木材要素に供給できる。いくつかの実施形態では、複数の木材要素に圧縮力を加える前、複数の木材要素に圧縮力を加えると同時、および、複数の木材要素に圧縮力を加えた後のそれぞれにおいて、超音波エネルギーを複数の木材要素に供給できる。
【0025】
ここに記載される装置、システム、および方法のいくつかの実施形態は、超音波エネルギーを使用されない従来技術を使用して製造される複合木材製品よりも強い(例えば、より高い引張強度、より高い圧縮強度、より高いせん断強度のうちの1つ以上)複合木材製品を製造するために使用できる。ここに記載される装置、システム、および方法のいくつかの実装形態は、超音波エネルギーを使用しない従来技術を使用して製造される複合木材製品と比較して、耐久性を向上させた複合木材製品の製造に使用できる。ここに記載される装置、システム、および方法のいくつかの実装形態は、超音波エネルギーを使用しない従来技術を使用して製造される複合木材製品と比較して、耐湿性を向上させた複合木材製品を製造するために使用できる。 耐湿性の向上は、例えば、複合木材製品の劣化や腐敗を軽減または最小限に抑えるのに役立つ。ここに記載される装置、システム、および方法のいくつかの実装形態は、超音波エネルギーを使用しない従来技術を使用して製造される複合木材製品と比較して、耐熱性を向上させた複合木材製品を製造するために使用できる。ここに記載される装置、システム、および方法のいくつかの実装形態は、超音波エネルギーを使用しない従来技術を使用して製造される複合木材製品と比較して、硬度を高めた複合木材製品を製造するために使用できる。ここに記載される装置、システム、および方法のいくつかの実装形態は、超音波エネルギーを使用しない従来技術を使用して製造される複合木材製品の硬化速度および硬化時間と比較して、複合木材製品の製造における硬化速度を向上させる(例えば、促進またはスピードアップする)か、または、複合木材製品の硬化時間を短縮するために使用できる。ここに記載される装置、システム、および方法のいくつかの実装は、超音波エネルギーを使用しない従来技術を使用して製造される複合木材製品と比較して、昆虫または害虫に対する耐性を向上させた複合木材製品を製造するために使用できる。木材加工製品は、例えば、ハイブリッドポプラ、イエローポプラ、アスペン、ダグラスファー、西洋ツガ、サザンパイン、または、その他の適切な広葉樹もしくは針葉樹の種(これらに限定される訳ではないが)などの成長の早い木のような再生可能エネルギー源を使用して製造できるため、木材加工製品は、環境に優しく、鉄に代わる望ましい代替品となり得る。
【0026】
図1は、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための環境100を例示するブロック図である。様々な実施形態において、複合木材製品の例は、限定される訳ではないが、桁、梁、根太、L型根太、垂木、ヘッダー、間柱、トラス、柱、リムボード、合板、パーティクルボード、ファイバーボード、配向性ストランドボード、フレークボード、ウエハボード、チップボード、ラミネート材、積層ベニヤ材、クロスラミネート材、パラレルストランド材、ラミネートストランド材、フィンガージョイントを含むことができる。
【0027】
環境100は、木材要素準備領域102、充填材適用領域104、および、超音波エネルギー供給領域106を含む。木材要素準備領域102は、複数の木材要素に充填材を適用し、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給して複数の木材要素を接合して複合木材製品を形成するために、複数の木材要素を準備することに使用できる。いくつかの例では、木材要素準備領域102は、木材要素を製造するために使用でき、例えば、所望の木材要素を製造するために、木材、または、他の木もしくは植物ベースの構成要素を切断および加工できる。いくつかの例では、木材要素は、そのような処理の一次生成物を含むことができ、いくつかの例では、木材要素は、そのような処理の二次生成物または廃棄物を含むことができる。このような一次または二次木材要素は、限定される訳ではないが、例えば、木材シート、木製ベニヤ、木材ストリップ、木材ストランド、木材チップ、木材フレーク、木材スクラップ、おがくず、他の適切な木材、または、木材の粒子、要素、コンポーネントもしくは製品、または、その他の適切な植物ベースの粒子、要素、コンポーネントもしくは製品を含むことができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、木材要素準備領域102、充填材適用領域104、および超音波エネルギー供給領域106のそれぞれは、1つの施設内に位置することができる。いくつかの実施形態では、木材要素準備領域102、充填材適用領域104、および、超音波エネルギー供給領域106のうちの1つ以上は、他の領域102、104、106のうちの1つ以上とは異なる施設内に位置してもよい。ほんの一例ではあるが、いくつかの実装形態において、木材要素準備領域102は、第1の施設中に位置し、充填材適用領域104および超音波エネルギー供給領域106は、第2の施設に位置することができる。
【0029】
木材要素準備領域102内では、所望の木材要素の種類に応じたいくつかのケースにおいて、様々なプロセスを実施できる。いくつかの例では、木材は、木材要素準備領域102において、木材の樹皮を剥がすことができる。例えば、皮剥き機械は、この段階において、木材から樹皮を剥ぎ取ることができる。いくつかの例では、樹皮を剥ぐ前に、木材準備領域102において、木材を適切な長さに切断することができる。いくつかの例では、樹皮を剥いだ後、樹皮を剥いだ木材は、木材準備領域102において適切な長さに切断できる。いくつかの例では、木材要素準備領域102内において木材の繊維を柔らかくするために、樹皮を剥がされた木材は、例えば、液体浴(例えば、水浴)に浸漬されるか、または、蒸気(例えば、水蒸気)で蒸されてもよい。いくつかの例では、樹皮を剥がされた木材は、液体浴に浸漬されず、また、蒸気処理を受けない。
【0030】
いくつかの例では、樹皮を剥がされた木材は、例えば、木工旋盤、いくつかの例では、さまざまな種類の鋸のような1以上の切断装置を使用して、シート、ベニヤ、ストリップ、ストランド、チップ、フレーク、もしくは、他の種類の木材要素に切断することができる。いくつかの例では、1以上の切断装置は、特定の実施形態に応じて、特定の長さに切断でき、特定の所望の角度に切断でき、1以上の溝を切ることができ、もしくは、他の特殊な切断を行うことができる。いくつかの例では、そのような切断により、いくつかの実施形態において使用できる木屑もしくはおがくずを生成できる。いくつかの例では、1以上の乾燥機を1以上の乾燥ステップに使用して、木材シート、ベニヤ、ストリップ、ストランド、チップ、フレーク、木屑、おがくず、または、他の種類の木材要素の含水量を低減でき、様々な実施形態において、1以上の乾燥ステップは、木材要素準備領域102における切断ステップの前または後に実施できる。
【0031】
再び図1を参照して、いくつかの例では、充填材適用領域104に木材要素を提供する前に、木材要素は、木材要素準備領域102内で互いに近接して配置されてもよい。これを実施できる多くの異なる方法があり、そのうちのいくつかは、(例えば、1以上の配置装置を使用する)1以上の自動プロセスを使用し、(例えば、1人以上の作業者の手作業による)1以上の手動プロセスを使用し、もしくは、1以上の自動プロセスと1以上の手動プロセスの組み合わせを使用し、木材要素を互いに近接して配置することを含む。
【0032】
図2は、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための例示的な製造プロセスの一部として、例示的なコンベア126上に載せられる、例示的なファネル124上または例示的なファネル124内の例示的な木材要素122の概念図120である。ファネル124およびコンベヤ126(または、コンベヤ126の一部)は、例えば、木材要素準備領域102のいくつかの実装形態に含まれてもよい。この例示的な実施例では、例示的な木材要素122は、木材シート128、木材ベニヤ130、木材ストリップ132、木材ストランド134、木材チップ136、木材フレーク138、木材スクラップ140、および、おがくず142を含む。いくつかの例では、他の適切な植物由来の粒子または植物由来の要素、コンポーネントまたは製品も同様に含めることができるが、簡潔にするために図2中には示されていない。例示のために、複数のタイプの木材要素128、130、132、134、136、138、140、142が図2のファネル124上に一緒に示されているが、いくつかの例では、単一タイプの木材要素だけ(例えば、木材シート128のみ、または、木材ストリップ132のみ、または、他の図示されている木材要素130、134、136、138、140、142のいずれかだけ)が所与の時間に処理でき、そのような例では、ファネル124は、一般に、その時点で処理されている特定の種類の木材要素のみを含むことができる。いくつかの例では、任意の2つの木材要素タイプ、もしくは、任意の3つ(またはそれ以上)の木材要素タイプなどの図示された木材要素タイプのサブセットを所定の時間に処理することができ、そのような例では、ファネル124は、一般に、これらの特定のタイプの木材要素を含むことができる。
【0033】
コンベヤ126は様々な形態をとることができる。いくつかの例では、コンベヤ126は、1つ以上のベルトを含むことができる。いくつかの例では、コンベヤ126は、1つ以上のローラ(例えば、一連のローラ)を含むことができる。いくつかの例では、コンベヤ126は、1つ以上のチェーンを含むことができる。これらのコンベヤの例を組み合わせることも可能です。いくつかの実施形態によれば、コンベア126は、一般的に、ファネル124からコンベア126上に載せられる木材要素を、充填材適用領域104に向かう方向144に輸送できる。図2は、木材要素をコンベヤ126上に載せるファネル124を示しているが、他の例では、ファネル124は使用されず、1つ以上の機械により木材要素をコンベヤ126上に載せてもよい。さらなる他の例では、木材要素は、例えば、作業者により手動でコンベアに載せられてもよい。
【0034】
いくつかの例では、コンベヤ126は、木材要素を特定の構成に配置または積み重ねる(あるいはその両方)ための配置機構または積み重ね機構を含んでもよい。いくつかの例では、コンベヤ126とは異なる1つ以上の機械または装置(簡潔にするために図2には示されていない)が、木材要素を特定の構成に配置または積み重ね(またはその両方)を実施してもよい。いくつかの例では、1人以上の作業者が手動で木材要素を特定の構成に配置または積み重ね(あるいはその両方)を実施してもよい。いくつかの例では、コンベヤは、充填材適用領域104、あるいは、超音波エネルギー供給領域106への木材要素の輸送に使用されなくてもよいし、例えば、領域104もしくは領域106内の木材要素の輸送に使用されなくてもよい。
【0035】
以下の例では、簡単のため、単一タイプの木材要素が充填材適用領域104および超音波エネルギー供給領域106で使用されるものとする。他の例では、複合木材製品を製造するために、2種類以上(例えば、2、3、4、5種類以上)の木材要素を充填材適用領域104および超音波エネルギー供給領域106において使用できる。
【0036】
図3Aは、複数の木材要素への充填材の適用例を示す図150である。複数の木材要素152は、コンベヤ154上に配置されており、コンベヤ154の動きに基づいて方向156に移動する。この例では、図示された木材要素152は、木材チップであるが、他の例では、木材要素は、代わりに、木材シート、木製ベニヤ、木材ストリップ、木材ストランド、木材フレーク、木材スクラップ、おがくず、他の適切な木材または木材粒子、要素、コンポーネントもしくは製品、または、他の適切な植物ベースの粒子、要素、コンポーネント、製品、あるいは、それらの組み合わせであってもよい。いくつかの例では、コンベヤ154は、図2のコンベヤ126に対応してもよいし、他の例では、コンベヤ154は、図2のコンベヤ126とは異なるコンベヤであってもよい。
【0037】
この例では、例示的なアプリケータ158はコンベヤ154の上に配置され、木材要素152がアプリケータ158の下を通過するときに、充填材160を木材要素152上に適用することができる。図3Aに示されるように、アプリケータ158はスプレーノズルであり、充填材料160を木材要素152上に噴霧することができる。この例では、アプリケータ158は木材要素152と物理的に接触しなくてもよい。いくつかの例では、充填材料160は接着剤を含む。いくつかの実施形態では、充填材160は接着剤を含まない。いくつかの実施形態では、充填材160はプラスチックを含み、いくつかの実施形態では、充填材160はプラスチックを含まない。いくつかの実施形態では、充填材160は金属を含み、他の実施形態では、充填材160は金属を含まない。ここで上述したように、充填材料160として、そのような材料の組み合わせも可能である。
【0038】
図3Aに示されるように、アプリケータ158の下を通過していない木材要素162は、木材要素162に適用される充填材160を全体的に有していないが、アプリケータ158の下を通過した木材要素164は、木材要素164に適用される充填材160を全体的に有している。図1を再び参照すると、図3に示す充填材の適用は、例えば、充填材適用領域104において実施されてもよい。図150では、4つのスプレーノズルアプリケータが示されているが、他の例では、代わりに、1つ、2つ、3つ、または5つ以上のアプリケータ158を使用して、複数の木材要素152に充填材160を適用してもよい。アプリケータ158には、例えば、充填材供給ライン166により充填材160が供給されてもよい。充填材料160が接着剤を含む例では、アプリケータ158は、例えば、個別もしくは全体的に、接着剤アプリケータとみなしてもよい。
【0039】
図3Bは、複数の木材要素への充填材料の別の適用例を示す図180である。複数の木材要素182は、コンベヤ184上に配置されており、コンベヤ184の動きに基づいて方向186に移動する。この例では、図示された木材要素182は木材ストリップであるが、他の例では、木材要素は、代わりに、木材シート、木材ベニヤ、木材チップ、木材ストランド、木材フレーク、木材スクラップ、おがくず、他の適切な木材または木材粒子、要素、コンポーネント、製品、または、他の適切な植物ベースの粒子、要素、コンポーネント、製品、あるいは、それらの組み合わせであってもよい。いくつかの例では、コンベヤ184は、図2のコンベヤ126に対応し、他の例では、コンベヤ184は、図2のコンベヤ126とは異なるコンベヤであってもよい。
【0040】
この例では、例示的なアプリケータ188はコンベヤ184の上に配置され、木材要素182がアプリケータ188の下を通過するときに、充填材190をアプリケータ188から木材要素182上に適用することができる。図3Bの例では、アプリケータ188はローラー要素であり、軸の周りに回転し、充填材を木材要素182上に付与することができる。この例では、アプリケータ188は、木材要素182に物理的に接触してもよい。いくつかの例では、充填材190は接着剤を含む。いくつかの実施形態では、充填材190は接着剤を含まない。いくつかの実施形態では、充填材190はプラスチックを含み、いくつかの実施形態では、充填材190はプラスチックを含まない。いくつかの実施形態では、充填材190は金属を含み、他の実施形態では、充填材190は金属を含まない。ここで上述したように、充填材料190として、このような材料の組み合わせも可能である。図3Bに示されるように、アプリケータ188の下を通過していない木材要素192には、全体的に、木材要素192に適用される充填材190を有していないが、アプリケータ188の下を通過した木材要素194には、全体的に、木材要素194に適用される充填材190を有している。再び図1を参照して、図3Bに示される充填材の適用は、例えば、充填材適用領域104で実施してもよい。図180には、単一のアプリケータ188が図示されているが、他の例では、代替的に、2つ以上のアプリケータ(例えば、2つ以上のより小さいローラー)を、複数の木材要素182への充填材190の適用に使用できる。例えば、充填材供給ライン196により充填材190をアプリケータ188に供給してもよい。充填材料190が接着剤を含む例では、アプリケータ188は、例えば、接着剤アプリケータとみなされてもよい。
【0041】
図3Cは、複数の木材要素への充填材のさらなる別の適用例を示す図200である。複数の木材要素202は、コンベヤ204上に配置され、コンベヤ204の動きに基づいて方向206に移動する。この例では、図示された木材要素202は木材ベニヤであるが、他の例では、木材要素は、代わりに、木材シート、木材ストリップ、木材ストランド、木材チップ、木材フレーク、木材スクラップ、おがくず、他の適切な木材または木材粒子、要素、コンポーネント、製品、もしくは、他の適切な植物ベースの粒子、要素、コンポーネント、製品、あるいは、それらの組み合わせであってもよい。いくつかの例では、コンベヤ204は、図2のコンベヤ126に対応し、他の例では、コンベヤ204は、図2のコンベヤ126とは異なるコンベヤであってもよい。
【0042】
この例では、例示的なアプリケータ208は、コンベヤ204の上に配置されており、木材要素202がアプリケータ208の下を通過するときに、アプリケータ208から木材要素202上に充填材料210を適用することができる。図3Cの例では、アプリケータ208は、木材要素202上に充填材210を塗布できる1つ以上のブラシ要素である。この例では、アプリケータ208は、木材要素202と物理的に接触してもよい。いくつかの例では、充填材210は接着剤を含む。いくつかの実施形態では、充填材210は接着剤を含まない。いくつかの実施形態では、充填材210はプラスチックを含み、いくつかの実施形態では、充填材210はプラスチックを含まない。いくつかの実施形態では、充填材210は金属を含み、他の実施形態では、充填材210は金属を含まない。ここで上述したように、このような材料の組み合わせも、充填材210として可能である。図3Cに示されるように、アプリケータ208の下を通過していない木材要素212は、全体的に、木材要素214に塗布される充填材210をまだ有していないが、アプリケータ208の下を通過した木材要素214は、木材要素214に塗布される充填材210を有している。再び図1を参照して、図3Cに示される充填材の適用は、例えば、充填材塗布領域104において実施できる。図200は、単一のアプリケータ208を示しているが、他の例では、複数の木材要素202に充填材210を塗布するために、2つ以上のアプリケータ(例えば、2つ以上の小さなブラシ)を代わりに使用してもよい。アプリケータ208には、例えば、充填材供給ライン216により、充填材210が供給されてもよい。充填材210が接着剤を含む例では、アプリケータ208は、例えば、接着剤アプリケータとみなされてもよい。
【0043】
様々な実施形態によれば、様々な例の接着剤が充填材160、190、210として使用できる。充填材として使用できる接着剤の例としては、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリウレタン樹脂、およびポリマーメチレンジフェニルジイソシアネート樹脂が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。いくつかの例では、ウレタン接着剤またはアクリルウレタン接着剤を使用できる。いくつかの例では、水系接着剤を使用することができる。
【0044】
図3A図3Bおよび図3Cの例における充填材160、190、210の適用に続いて、いくつかの例では、複数の木材要素164、194、214を互いに近接して配置できる。 いくつかの例では、木材要素は、互いに近接して垂直方向に配置または積み重ねられ得る。例えば、2つ以上の木材ストリップ194を垂直に積み重ねることができる。別の例として、2つ以上の木材ベニヤ214を垂直に積み重ねることができる。いくつかの例では、木材要素は、水平方向または横方向に互いに近接して配置し、または、積み重ねてもよい。いくつかの木材要素を互いに近接して垂直方向に配置または積み重ね、いくつかの木材要素を互いに近接して水平方向または横方向に配置または積み重ねるような、追加の配置も可能である。
【0045】
いくつかの例では、相互に近接する木材要素の配置は、一般に、構造的または系統的(例えば、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上の木材要素を垂直方向、または、垂直に積み重ねる)であってよい。いくつかの例では、相互に近接した木材要素の配置は、複数の木材要素(例えば、木材チップ、木材フレーク、木材スクラップ、おがくずなど)をランダムまたは可変的に配置するなど、一般的にあまり構造化されていなくてもよい。例えば、木材チップ164は、全体的に、相互に近接してランダムにまたは可変的に配置されてもよい。
【0046】
複数の木材要素を互いに近接して配置することは、1以上の自動プロセス(例えば、木材要素を配置するようにプログラムされた1つ以上の機械)により、1以上の手動プロセス(例えば、木材要素の配置を手動で実施する1以上の作業者)により、もしくは、1以上の自動プロセスと1以上の手動プロセスの組み合わせにより実施されてもよい。いくつかの例では、複数の木材要素は、「マット」内に並ぶこと、または、横になることにより互いに近接して配置されてもよい。
【0047】
図4は、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために、複数の例示的な木材要素234に超音波エネルギーを供給する例示的な超音波トランスデューサ232の概念図230である。図4に示される複数の例示的な木材要素234への超音波エネルギーの供給は、例えば、図1の超音波エネルギー供給領域106で実施できる。再び図4を参照すると、例示的な超音波トランスデューサ232は汎用の形状を有しており、ここで議論される超音波トランスデューサの形状またはトポロジーのいずれかを表現できる。一般に、超音波トランスデューサ232は、複数の木材要素234を接合して複合木材製品にするために使用できる超音波エネルギーを生成できる。例えば、超音波トランスデューサ232は、超音波エネルギーを複数の木材要素234に供給できる超音波236を生成してもよい。ここで使用されるとき、「超音波トランスデューサ」という用語は、超音波エネルギーを発生することができる装置を指すものと理解され、超音波トランスデューサから超音波または超音波の波の形態で、超音波エネルギーを放射できる。ここで使用されるとき、「超音波トランスデューサ」という用語は、装置が超音波(例えば、装置に反射して戻ってくる超音波)を受けることができる受信機を含むことを必ずしも意味する訳ではなく、超音波を測定できることを必ずしも意味する訳ではない。ここで議論されるデバイス、システム、および方法のいくつかの実装形態では、超音波トランスデューサは、超音波を受信し、いくつかの実装形態では、超音波を測定できる受信機を含むことができるが、ここで議論される特定の例において、そのような受信機または受信機能は、一般に、ここに示される例に関して説明される超音波トランスデューサには含まれない。
【0048】
図4のこの例では、複数の木材要素234は、相互に近接して配置された4つの木材要素238a、238b、238cおよび238dを含む。この例では、木材要素は一般に互いの上に積み重ねられ、第1の木材要素238aは表面240上に一般に配置され、第2の木材要素238bは一般に第1の木材要素238aの上に配置され、第3の木材要素238cは一般に第2の木材要素238bの上に配置され、第4の木材要素238dは一般に第3の木材要素238cの上に配置される。
【0049】
いくつかの例では、木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上は、図3Bの木材要素194または192のうちの1つ以上に対応してもよい。例えば、その要素のうちの1つ以上は、表面または表面の一部、あるいは、複数の表面上に適用された充填材を含んでもよい。例えば、充填材は、第1の木材要素238aの上面242に配置されてもよい。充填材は、第2の木材要素238bの上面244に配置されてもよい。また、充填材は、第3の木材要素238cの上面246上に配置されてもよい。また、例えば、木材要素238b、238c、238dの底面に充填材を配置してもよい。いくつかの例では、木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上は、図3Bの木材要素194に対応してもよく(例えば、その要素238a、238b、238cは、それぞれ上面242、244、246上に配置された充填材を有してもよい)、木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上は、図3Bに示される木材要素194に対応しなくてもよい(例えば、要素238dは、その要素238a、238b、238c、238dを互いに近接して配置する前に、要素238dの表面に配置される充填材を有しなくてもよい)。いくつかの例では、充填材は、木材要素238a、238b、238c、238dの表面のいずれにも配置されなくてもよい。この例では、充填材248は、表面242、244、および246上に配置されるものとする。
【0050】
この例における複数の木材要素238a、238b、238c、238dは、複数の木材ストランドに対応できる。 他の例では、複数の木材要素238a、238b、238c、238dは、複数の木材シート、複数の木材ベニヤ、複数の木材ストリップ、複数の木材チップ、複数の木材フレーク、複数の木材スクラップ、おがくず、前述のものの任意の組み合わせ、または、他の適切な木材もしくは木材粒子、要素、コンポーネントもしくは製品、あるいは、他の適切な植物由来の粒子、要素、コンポーネントもしくは製品に対応してもよい。
【0051】
いくつかの例では、超音波236によって伝達される超音波エネルギーは、10kHz~20MHzの周波数範囲内の周波数を有する。いくつかの例では、超音波236によって伝達される超音波エネルギーは、15kHz~1MHzの周波数範囲内の周波数を有する。いくつかの例では、超音波236によって伝達される超音波エネルギーは、20kHz~100kHzの周波数範囲内の周波数を有する。一般に、超音波トランスデューサ232は、複数の木材要素234に低周波超音波エネルギーを供給することができる。
【0052】
いくつかの例では、超音波236は、連続波として供給されてもよいし、いくつかの例では、超音波236はパルス波として供給されてもよい。いくつかの例では、トランスデューサ232は、周期的な超音波を供給することができ、超音波は様々な波形のうちの1以上を含むことができる。例えば、様々な実施形態において、波形は、正弦波形、長方形波形、方形波形、台形波形、三角波形、鋸歯状波形、もしくは、他の適切な波形形状、あるいは、それらの適切な組み合わせのうちの1つ以上を含み得る。トランスデューサ232は、例えば、超音波の縦波、超音波の放射波、および、超音波の横波のうちの1以上を含むことができる超音波236を生成してもよく、超音波236は、複数の木材要素238a、238b、238c、238d、充填材料248、または、複数の木材要素238a、238b、238c、238dおよび充填材料248の両方に超音波エネルギーを供給することができる。明確にするために、図4に示される超音波236は、超音波トランスデューサ232から複数の木材要素234の上に放射されるように示されているが、超音波236は、1以上(例えば、2、3、もしくは、全て)の木材要素238d、238c、238bおよび238aに照射され、吸収され、または、通過してもよい。
【0053】
いくつかの例では、伝達された超音波エネルギーは、複数の木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上に機械的刺激を与えることができる。例えば、超音波236が木材要素を通過して伝わるか、または、木材要素によって吸収されると、超音波236は、木材要素内の分子を振動させることができる。木材要素(例えば、要素238a、238b、238c、238d)内の分子レベルでの振動は、振動する分子間に摩擦を生じさせ、木材要素内で熱を発生させるであろう。さらに、いくつかの例では、超音波236が木材要素を通過するか、木材要素によって吸収されると、超音波236は、木材要素内に小さなまたは微小な圧力差を生じさせることができる。このような圧力差は、木材要素内にキャビテーションを発生させることができ、ガスまたは蒸気が、その圧力差により、木材要素内の高圧領域から木の要素内の低圧領域に向かって押し込まれるか、または、押されると、ミクロレベルのガスまたは蒸気の泡が木材要素内に生成されるだろう。これらの形態のうちの1つ以上において、超音波エネルギーは、例えば、木材または他の植物製品の接合に機械的刺激を提供できる。この機械的刺激は、例えば、超音波トランスデューサ232が木材要素238a、238b、238c、238dまたは充填材料248に物理的に接触していなくても提供されるだろう。いくつかの例では、超音波トランスデューサ232、または、そのトランスデューサの一部は、木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上、充填材248、もしくは、充填材248および木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上の両方に物理的に接触し、前述の機械的刺激が提供されてもよい。
【0054】
超音波エネルギーは、さらに、複数の木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上にマクロレベルでの機械的刺激を与えることができる。例えば、超音波236によって提供される機械的刺激は、例えば、1つ以上の木材要素を移動または振動させ、そのような動きまたは振動は、木材要素間に摩擦を生じさせるであろう。例えば、木材要素のうちの1つの表面は、別の木材要素の1つ以上の表面と接触して移動、摩擦、または、振動するときに抵抗を受けるであろう。これらの方法のうちの1以上において、超音波エネルギーは、例えば、木材または他の植物製品の接合における機械的刺激を提供することができる。この機械的刺激は、例えば、超音波トランスデューサ232が木材要素238a、238b、238c、238dまたは充填材248に物理的に接触していなくても提供されるであろう。いくつかの例では、超音波トランスデューサ232、または、そのトランスデューサの一部は、木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上、充填材248、または、充填材248と木材要素238a238b、238c、238dのうちの1つ以上の両方に物理的に接触していてもよく、前述の機械的刺激が提供されるであろう。
【0055】
いくつかの例では、超音波236は、充填材248に機械的刺激を与えることができる。例えば、超音波236が充填材248を通過するか、充填材248によって吸収されると、超音波236は、充填材248の内部の分子を振動させるであろう。充填材248内の分子レベルでの振動は、振動する分子間に摩擦を生じさせ、充填材248内に熱を発生させることができる。さらに、いくつかの例では、超音波236が充填材248を通過するか、充填材248によって吸収されると、超音波は、充填材248内に小さなまたは微小な圧力差を生じさせるであろう。そのような圧力差は、充填材248内にキャビテーションを発生させ、その圧力差によりガスまたは蒸気が充填材248内の高圧領域から充填材248内の低圧領域に押し込まれるか、または、押されると、充填材248内にミクロレベルのガスまたは蒸気の泡が生成されるであろう。これらの方法のうちの1つ以上において、超音波エネルギーは、例えば、木材または他の植物製品の接合における機械的刺激を提供できる。この機械的刺激は、例えば、超音波トランスデューサ232が木材要素238a、238b、238c、238dまたは充填材料248に物理的に接触していなくても提供できる。いくつかの例では、超音波トランスデューサ232、または、そのトランスデューサの一部は、木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上、充填材248、または、充填材248と木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上の両方に物理的に接触してもよく、前述の機械的刺激が提供されるであろう。
【0056】
いくつかの例では、超音波エネルギーは、さらにマクロレベルで充填材248に機械的刺激を提供できる。例えば、ほんの数例を挙げると、超音波236によって提供される機械的刺激は、充填材248を撹拌し、充填材248を移動、振動、拡散、拡張、流動、または、浸透させることができる。これらの方法のうちの1以上において、超音波エネルギーは、例えば、木材または他の植物製品の接合における機械的刺激を提供できる。この機械的刺激は、例えば、超音波トランスデューサ232が木材要素238a、238b、238c、238dまたは充填材料248に物理的に接触していなくても提供されるであろう。いくつかの例では、超音波トランスデューサ232、または、そのトランスデューサの一部は、木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上、充填材238、もしくは、充填材238と木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上の両方に物理的に接触していてもよく、前述の機械的刺激が提供されるであろう。
【0057】
いくつかの例では、超音波エネルギーは、充填材248の拡散を刺激し、充填材248を木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上に浸透させ、または、木材要素の1つ以上にさらに深く浸透させることができる。いくつかの実施形態では、超音波エネルギーは、充填材248の拡散を刺激し、例えば、充填材を1つ以上の木材要素にわたってより広範囲に広げ、覆い、または、接触させることができる。これらの方法のうちの1以上において、超音波エネルギーは、木材または他の植物製品の接合における拡散刺激を提供できる。この拡散刺激は、例えば、超音波トランスデューサ232が木材要素238a、238b、238c、238dまたは充填材料248に物理的に接触していなくても提供できる。いくつかの例では、超音波トランスデューサ232、または、そのトランスデューサの一部は、木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上、充填材248、または、充填材248と木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上の両方に物理的に接触していてもよく、前述の拡散刺激が提供されるであろう。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、いくつかの例において、超音波エネルギーは、複数の木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上、充填材248、または、複数の木材要素および充填材に熱刺激を提供することもできる。この熱刺激は、例えば、機械的刺激または上述の刺激により生成されるいかなる熱にも付加されるものであろう。いくつかの実施形態では、木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上の温度は、木材要素が超音波エネルギーまたは超音波エネルギーの一部を吸収するにつれて上昇するであろう。同様に、充填材248の温度は、充填材248が超音波エネルギーまたは超音波エネルギーの一部を吸収するにつれて上昇するであろう。いくつかの例では、充填材、木材要素、または、充填材と1つ以上の木材要素の両方の温度の上昇は、充填材248のより良好な拡散を刺激し、充填材のより深い浸透を刺激するであろうし、(例えば、充填材が液体であるか、または、流動できる実施形態において)、充填材248のよい流れを刺激することにより、木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上への充填材248のより深い注入を刺激できる。これらの方法の1以上において、超音波エネルギーは、木材または他の植物製品の接合における熱刺激を与えるであろう。この熱刺激は、例えば、超音波トランスデューサ232が木材要素238a、238b、238c、238dまたは充填材料248に物理的に接触していなくても提供できる。いくつかの例では、超音波トランスデューサ232、または、そのトランスデューサの一部は、木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上、充填材248、または、充填材248と木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上の両方に物理的に接触していてもよく、前述の熱刺激が提供されるであろう。
【0059】
いくつかの例では、超音波エネルギーの印加により木材要素間(例えば、木材要素238a、238b、238c、238dのいずれかの間)、または、充填材248と1つ以上の木材要素との間に生じる摩擦は、木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上の隙間、細孔、間隙、空間、空隙、または、空洞に充填材248を押し込むか、または、前進させることができる。いくつかの実施形態では、その摩擦は、充填材248の微粒子化(例えば、充填材248をより小さい、もしくは、より微細な粒子に分離させる)を刺激することができ、いくつかの例では、1以上の木材要素の隙間、細孔、間隙、空間、空隙、または、空洞に、充填材248が押し込まれるか、もしくは、前進することを刺激できる。いくつかの例では、その摩擦によりさらに熱が発生することがあり、例えば、充填材248を加熱し、充填材248のよい流れを刺激することにより、(例えば、充填材が液体であるか、流動可能な実装形態において)、充填材248による1つ以上の木材要素へのより深い浸透も刺激されるであろう。これらの方法のうちの1以上において、超音波エネルギーは、木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1以上の間、または、充填材248と木材要素との間の摩擦を生成でき、木材やその他の植物製品の接合における刺激を提供できる。この刺激は、例えば、超音波トランスデューサ232が木材要素238a、238b、238c、238dまたは充填材料248に物理的に接触していなくても提供できる。いくつかの例では、超音波トランスデューサ232、または、そのトランスデューサの一部は、木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上、充填材248、または、充填材248と木材要素238a、238b、238c、238dのうちの1つ以上の両方に物理的に接触していてもよく、前述の刺激が提供されるであろう。
【0060】
図4は、複数の木材要素238a、238b、238c、238dのほぼ上の位置から超音波236を供給する超音波トランスデューサ232を示しているが、他の例では、超音波トランスデューサ232は、複数の木材要素のほぼ横(例えば、ほぼ左または右)、前方(例えば、木材要素が接近するときの前)または、後ろの位置から、もしくは、複数の木材要素238a、238b、238c、238dのほぼ下の位置から、超音波236を提供できる。いくつかの例では、複数の木材要素に同時にまたは異なる時点で超音波を供給することができる2つ以上(例えば、2、3、4、5、6、または、それ以上)の超音波トランスデューサ232があってもよい。例えば、いくつかの実装形態は、複数の木材要素のほぼ上の位置から複数の木材要素に同時に超音波を供給することができる2つ以上の超音波トランスデューサ232を含んでもよい。別の例として、いくつかの実装形態は、複数の木材要素のほぼ側方、前方、後方、または、下方の位置から複数の木材要素に超音波を同時に供給できる2つ以上の超音波トランスデューサ232を含んでもよい。さらなる別の例として、いくつかの実装形態は、複数の木材要素のほぼ上の1つ以上の位置から複数の木材要素に超音波を同時に供給することができる1つ以上(例えば、1、2、3以上)の超音波トランスデューサ232を含むことができ、複数の木材要素のほぼ側方、前方、後方もしくは下方の1つ以上の位置から複数の木材要素に同時に超音波を供給できる1つ以上(例えば、1、2、3以上)の超音波トランスデューサ232を含んでもよい。当業者には明らかなように、他の組み合わせも可能である。
【0061】
図5は、図4の例示的な超音波トランスデューサ232の概念図260である。例示的な超音波トランスデューサ232は、例示的なハウジング262を含む。ハウジング262内には、1つ以上の例示的な超音波エネルギー発生要素264が配置され、例えば、例示的な接地電極266と例示的な正電極268との間に配置できる。いくつかの例では、1つ以上の超音波エネルギー発生要素264は、1つ以上の圧電トランスデューサである。例えば、1つ以上の圧電結晶または圧電素子などの圧電トランスデューサは、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する材料の圧電特性を利用できる。いくつかの例では、圧電結晶または圧電素子は、圧電セラミック材料を含むことができる。いくつかの例では、1つ以上の超音波エネルギー発生要素264は、1つ以上の磁歪トランスデューサである。例えば、1以上の磁歪材料の周囲に配置された1つ以上のワイヤコイルなどの磁歪トランスデューサは、磁歪材料の磁歪特性と、ワイヤおよび磁歪材料によって提供できる磁場と、に基づく機械エネルギーを生成できる。磁歪材料の例としては、ニッケル、鉄、コバルトなどがある。
【0062】
正電極268は、電気アース272に対して生きた電気信号を伝えることができる導電体270により通電することができ、接地電極266は、電気的接地272に電気的に結合できる。いくつかの例では、ハウジング262も電気的接地272に電気的に結合できる。いくつかの例では、導電体270および電気的接地272のそれぞれは、電力ケーブル274によりトランスデューサ232に提供されるであろう。
【0063】
正電極268に供給される生の電気信号は、正電極268と接地電極266との間に流れる電流を生じさせるであろう。正電極268と接地電極266との間に電流が流れると、上述したように、1以上の超音波エネルギー発生要素264がその電流により励起され、超音波を発生させることができる。
【0064】
トランスデューサ232は、ソノトロードとも呼ばれる例示的なホーン276を含み、複数の木材要素などの超音波の目標に超音波を向かわせることができる。いくつかの例では、1以上の例示的な整合層278が接地電極266とハウジング262に画された開口部280との間に含まれてもよい。1以上の整合層278は、ホーン276およびターゲットへの超音波エネルギーのより良好なエネルギー伝達を得るための導電性を有する材料を含むことができる。1以上の整合層278を含む実施形態に対し、1以上の整合層278に使用できる例示的な材料として、エポキシ、ポリウレタン、ポリスチレンなどを挙げることができる。1つ以上の超音波エネルギー発生要素264からみて正電極268の反対側に位置する1以上の例示的な裏打ち層282は、ハウジング262の開口部280から離れる方向に超音波が伝播することを防止することができる。さらに、例示的な音響絶縁層284は、一般に、ハウジング262の内面と1以上の裏打ち層282との間に配置され、ホーン276を介する開口部280以外において、トランスデューサ232からの超音波の漏れを防止または制限する音響絶縁を提供できる。
【0065】
一般に、超音波トランスデューサ232およびホーン276は、実施形態に応じて、多くの異なる形状およびトポロジーを有することができる。例えば、いくつかの超音波トランスデューサは、トランスデューサにより生成された超音波が1つ以上の位置もしくは方向から1以上の目標に影響を与えることができるように、トランスデューサのハウジングに2以上(例えば、2、3、または、4以上)の開口280を含むことができる。いくつかの超音波トランスデューサは、例えば、2組以上の超音波エネルギー発生素子(例えば、圧電素子、磁歪素子、または、これらの組み合わせ)と、2組以上の正電極および接地電極を有することができる。
【0066】
図6A~6Hは、超音波トランスデューサの様々な実装形態の図であり、様々なホーン構成を含む。図6Aは、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できる例示的なシンバル形状のホーン304を含む、例示的な超音波トランスデューサ302の概念図300である。前述のトランスデューサと同様に、超音波トランスデューサ302は、ホーン304を介して目標308(例えば、複数の木材要素)に向けられる超音波306を生成できる。いくつかの例では、シンバル形状のホーン304は、一般的な打楽器と同じ形状であってもよい。いくつかの例では、図6Aに示すように、短い円筒のような形状であってもよい。ホーン304では、ホーン304のほぼ中心付近に開口310が画され、超音波306は、開口310から放射されるであろう。シンバル形状のホーン304は、例えば、音響導波路として機能することができる。
【0067】
図6Bは、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できる例示的なランジュバンホーン324を含む、例示的な超音波トランスデューサ322の概念図320である。超音波トランスデューサ322は、ホーン324を介して目標328(例えば、複数の木材要素)に向けられる超音波326を生成できる。ランジュバンホーン324は、超音波326が放射される開口部330を画することができる。ランジュバンホーン324は、例えば、音響導波路として機能することができる。
【0068】
図6Cは、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できる例示的なリング形状のホーン344を含む、例示的な超音波トランスデューサ342の概念図340である。リング形状のホーン344は、ホーン内に画された複数の開口部346を有する。超音波トランスデューサ342は、リング形状のホーン344に画される複数の開口部346から放射され、ホーン344を介して目標350(例えば、複数の木材要素)に向けられる超音波348を生成することができる。リング状ホーン344は、例えば、音響導波路として機能することができる。いくつかの例では、複数の開口346は、リング状ホーン344がほぼ目標上に位置する実装形態において、例えば、リング状ホーン344の下側に画されてもよい。いくつかの例では、複数の開口346は、リング状ホーン344がほぼ目標の下に位置する実装形態において、例えば、リング状ホーン344の上面に画されてもよい。いくつかの例では、複数の開口部346は、目標または目標の一部がリング状ホーン344により画される空間の内部に位置する実装形態において、例えば、リング状ホーン344の内向きの表面上に画されてもよい。いくつかの例では、前述の可能なリング位置の組み合わせにより、開口部346を画してもよい。
【0069】
図6Dは、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できる例示的なピラミッド形状のホーン364を含む、例示的な超音波トランスデューサ362の概念図360である。超音波トランスデューサ362は、ホーン364を介して目標368(例えば、複数の木材要素)に向けられる超音波366を生成できる。図6Dに示される例では、ピラミッド形状のホーン364は4つの辺を有し、ピラミッド形状の底面は正方形または長方形の形状を有する。様々な例において、ピラミッド形状のホーンは、任意の適切な数(例えば、3、4、5、または、6以上)の側面を有してもよい。ホーン364では、ホーン364のほぼ中心付近に開口370が画され、開口370から超音波366を放射することができる。ピラミッド形状のホーン364は、例えば、音響導波管として機能することができる。
【0070】
図6Eは、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できる例示的な球形のホーン384を含む例示的な超音波トランスデューサ382の概念図380である。超音波トランスデューサ382は、球形ホーン384から放射され、ホーン384を介して目標388(例えば、複数の木材要素)に向けられる超音波386を生成できる。球形ホーン384は、任意の適切な直径を有するであろう。球形ホーン384は、例えば、音響導波路として機能することができる。
【0071】
図6Fは、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できる例示的なドーム形状のホーン404を含む例示的な超音波トランスデューサ402の概念図400である。超音波トランスデューサ402は、ホーン404を介して目標408(例えば、複数の木材要素)に向けられる超音波406を生成できる。ホーン404では、ホーン404のほぼ中心付近に開口部410が画され、超音波406は、開口部410から放射されるだろう。ドーム形状ホーン404は、例えば、音響導波路として機能することができる。簡潔にするために図6には示されていないが、いくつかの例では、ドーム形状ホーン404は、図6Fの超音波トランスデューサ402に対して記載された向きに対して反転されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ホーンは、受け皿またはカップのような形状であってもよい。
【0072】
図6Gは、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できる例示的な楔形状のホーン424を含む例示的な超音波トランスデューサ422の概念図420である。超音波トランスデューサ422は、ホーン424を介して目標428(例えば、複数の木材要素)に向けられる超音波426を生成することができる。図6Gに示されるように、くさび形状のホーン424は4つの側面を含み、くさびの基部は、長方形の形状を有する。様々な例において、楔形状のホーンは、任意の適切な数(例えば、3、4、5、または6以上)の側面を有してもよい。ホーン424には、スロット形状の開口部430が画され、超音波426は、開口部430から放射されるであろう。例えば、くさび形状のホーン424は音響導波路として機能できる。
【0073】
図6Hは、一般に図6Hの管または円筒の形状を有する例示的なホーン444を含み、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用することができる例示的な超音波トランスデューサ442の概念図440であり、ホーン444は、例示的なチャンバ446を含む。様々な例において、チャンバ446には、例えば、様々な要素または材料をチャンバ446に導入した後、ホーン444内で超音波処理できるホーン444内の空間を画することができる。チャンバ446は、例えば、要素または材料をチャンバ446内に供給するために使用できる任意の適切な数の入力チャネルを有してもよい。チャンバ446は、2つの入力チャネル、例示的な第1の入力チャネル448(図6H中に「入力A」と示される)、および、例示的な第2の入力チャネル450(図6Hにおいて「入力B」と示される)を含む。他の例では、チャンバ446は、1つ、3つ、4つ、または、それ以上の入力チャネルを含んでもよい。入力チャネルを介してチャンバ446に導入できる要素または材料の例は、ほんの数例を挙げると、1以上の種類の木材要素、1以上の種類の充填材(例えば、ここで論じられる任意の種類の充填材)、または、それらの組み合わせを含むことができる。
【0074】
いくつかの例では、複数の木材要素452(例えば、おがくず、木材フレーク、木材チップ、木材スクラップなど)は、例えば、第1の入力チャネル448を介して、チャンバ446に投入でき、充填材454は、第2の入力チャネル450を介して、チャンバ446に投入できる。複数の木材要素452および充填材454は、チャンバ446内で超音波456に晒されてもよく、超音波456は、超音波トランスデューサ442により生成される。いくつかの例では、チャンバ446内の複数の木材要素452に充填材454を付着させ、または、コーティングすることができ、チャンバ446内の超音波456は、チャンバ446内の複数の木材要素452および充填材料454に機械的刺激および熱的刺激のうちの1以上を提供することができ、超音波が有する有益な影響に関して上述したように、例えば、木材要素452上および木材要素452中への充填材料454の拡散を刺激することもできる。
【0075】
木材要素452および充填材454は、ホーン444から押し出され、目標458(例えば、複数の木材要素)に向けられるであろう。超音波トランスデューサ442によって生成される超音波460は、ホーン444を介して目標458に向けられる。ホーン444は、例えば、音響導波路として機能できる。
【0076】
図6Hは、ホーン444を管状または円筒状の形状を有するものとして示しているが、ここで論じるホーン形状のいずれも、チャンバ446と同様の様々な要素または材料が通過することができるチャンバを含んでもよく、様々な要素または材料は、チャンバを通過する際に超音波処理されるであろう。いくつかの例では、ホーンおよびチャンバは、例えば、木材ストリップ、木材ストランド、木製ベニヤ、および木材シートのうちの1つ以上のような、より大きな木材要素を収容できるサイズであってもよい。
【0077】
いくつかの例では、ここで論じる超音波トランスデューサのいずれかと同様に、要素または材料を通過させ超音波処理するチャンバを含むことができ、いくつかの例では、ホーンを使用しなくてもよい。いくつかの例では、ホーンは、トランスデューサチャンバ内の要素または材料を超音波処理するためのチャンバを含むトランスデューサと共に使用することもできる。
【0078】
図7は、複合木材製品を製造するために使用できる例示的な方法のフローチャート500である。第1のステップ502では、充填材が複数の木材要素に適用される。充填材は、例えば、図3A、3B、および3Cに示されるアプリケータ158、188、208のいずれか、または、ここに記載される他の例のアプリケータのいずれかのような、1つ以上のアプリケータにより適用できる。いくつかの実施形態では、充填材は、接着剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、充填材は、接着剤を含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、充填材は、プラスチックを含むことができるが、他の実施形態では、充填材は、プラスチックを含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、充填材は金属を含んでもよいが、他の実施形態では、充填材は、金属を含まなくてもよい。前述の組み合わせ(例えば、充填材料は、接着剤とプラスチックとを含むか、充填材料は、接着剤と金属とを含むか、または、充填材料は、接着剤、プラスチック、および、金属を含む)も可能である。いくつかの実施形態では、充填材は、液体であってもよい。いくつかの実施形態では、充填材は、固体であってもよい。いくつかの実施形態では、充填材は、気体であってもよい。いくつかの実施形態によれば、1以上の充填材の状態における前述の例の組み合わせも使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、充填材は、液体と固体の組み合わせまたは混合であってもよい。いくつかの実施形態では、充填材料は、液体と気体の組み合わせまたは混合であってもよい。いくつかの実施形態では、充填材は、固体と気体の組み合わせまたは混合であってもよい。いくつかの実施形態では、充填材は、液体、固体および気体の組み合わせまたは混合であってもよい。
【0079】
ステップ504では、複数の木材要素は、複合木材製品となるように接合され、複数の木材要素に10kHz~20MHzの範囲内の周波数を有する超音波エネルギーを供給することを含む。超音波エネルギーは、例えば、図4に示される超音波トランスデューサ232、または、ここに記載される超音波トランスデューサの他の例のいずれかのような、1つ以上の超音波トランスデューサにより複数の木材要素に供給できる。いくつかの例では、複数の木材要素に供給される超音波エネルギーは、15kHz~1MHzの範囲内の周波数を有してもよい。いくつかの例では、複数の木材要素に供給される超音波エネルギーは、20kHz~100kHzの範囲内の周波数を有してもよい。いくつかの例では、複数の木材要素を接合する前に、複数の木材要素を互いに近接して配置できる。
【0080】
いくつかの例では、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給する前に、充填材は、複数の木材要素に適用される。いくつかの例では、充填材は、複数の木材要素へ超音波エネルギーを供給すると同時に、複数の木材要素に適用される。いくつかの例では、複数の木材要素に充填材を適用する前に、超音波エネルギーは、複数の木材要素に供給される。
【0081】
図8は、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための例示的な環境550のブロック図である。様々な実施形態において、複合木材製品の例は、限定されないが、桁、梁、根太、L型根太、垂木、ヘッダー、間柱、トラス、柱、リムボード、合板、パーティクルボード、繊維板、配向性ストランドボード、フレークボード、ウエハボード、チップボード、集成材、積層ベニヤ材、直交集成材、平行ストランド材、ストランド集成材、および、フィンガージョイントを含むことができる。環境550は、それぞれ図1および他の図を参照して上述した、充填材適用領域104および超音波エネルギー供給領域106を含み、圧縮力適用領域552を含む。簡潔にするために図8には示されていないが、いくつかの実装形態では、図1の木材要素準備領域102も、環境550に含まれてよいことが理解されるであろう。
【0082】
圧縮力適用領域552は、複数の木材要素に圧縮力を適用するために使用できる。いくつかの例では、複数の木材要素に物理的な圧縮力を加えるために、プレスを使用できる。図9は、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための例示的な環境580の概念図である。環境580は、例示的な充填材アプリケータ582、例示的な超音波トランスデューサ584a、584b、586a、586b、および、例示的なプレス588を含む。充填材アプリケータ582は、図3Bのアプリケータ188を参照して上述したのと同様の方法で、複数の木材要素590に充填材を適用することができる。図9に示される例では、アプリケータ582は、ローラー要素であるが、ここに記載される他のタイプのアプリケータ(例えば、1以上のスプレーノズル、ブラシ、ローラー、または、他の種類のアプリケータ)のいずれかを代替的に使用することができる。
【0083】
複数の木材要素594は、相互に近接して配置されるであろう。例えば、複数の木材要素594は、ここで上述したように、縦に積み重ねてもよいし、または、任意の適切な方法で配置できる。いくつかの例では、複数の木材要素594は、アプリケータ582により充填材が適用される1以上の要素592を含む。いくつかの例では、複数の木材要素594は、充填材が適用された1つ以上の木材要素592と、充填材が適用されていない1つ以上の木材要素とを含む。また、いくつかの例では、複数の木材要素594は、充填材を含まない。
【0084】
1つ以上の超音波トランスデューサは、複数の木材要素594に超音波エネルギーを供給できる。図9の例では、超音波トランスデューサ584aおよび584bは、複数の木材要素594を搬送できるコンベヤ595の側方に配置され、複数の木材要素が超音波エネルギーを受ける目標位置596に位置するとき、複数の木材要素の側方に配置される。第1の超音波トランスデューサ584aは、コンベヤ595の左側に配置され、第2の超音波トランスデューサ584bは、コンベヤ595の右側に配置される。さらに、この例では、超音波トランスデューサ586aおよび586bは、コンベヤ595の上に配置され、複数の木材要素が超音波エネルギーを受信する目標位置596に位置するとき、複数の木材要素594の上に配置される。この例では、コンベヤ595は、複数の木材要素594を超音波トランスデューサに対して目標位置596に移動させることができ、超音波トランスデューサ584aおよび584bは、複数の木材要素594に、木材要素の左横方向および右横方向の位置から右方向および左方向にそれぞれ超音波エネルギーを供給できる。同様に、超音波トランスデューサ586aおよび586bは、複数の木材要素594に上から下方向に超音波エネルギーを供給できる。
【0085】
他の例では、さらなる超音波トランスデューサ(例えば、5つ、6つ、7つまたは、8つ以上)、または、より少ない超音波トランスデューサ(例えば、1つ、2つ、または、3つ)を使用してもよい。いくつかの例では、超音波エネルギーは、一方向だけ(例えば、複数の木材要素の上にある1つ以上の超音波トランスデューサから下方向だけ、もしくは、他の任意の方向だけ)から提供されてもよく、これらの例では、それ以上、または、図9に示されるより以上、もしくは、少ない超音波トランスデューサ(例えば、トランスデューサ584aおよび584bは使用されなくてもよい)が使用されてもよい。いくつかの例では、超音波エネルギーは2つの方向(例えば、下方向および第1の横方向、または、上下方向、もしくは、左および右方向、あるいは、他の任意の組み合わせ)から提供でき、これらの例では、図9に示されているものよりも多く、または、少ない超音波トランスデューサが使用されてもよい。図9の例では、超音波エネルギーは、一般に3つの方向、すなわち、上から下方向へ(例えば、超音波トランスデューサ586aおよび586bから)、第1の横方向から(例えば、超音波トランスデューサ584aから)、および、第2の横方向から(例えば、超音波トランスデューサ584bから)提供される。いくつかの例では、超音波エネルギーは、3つ以上の方向(例えば、4つ、5つ、または、6つ以上の方向)から複数の木材要素に供給されてもよい。例えば、さらなる超音波トランスデューサ(簡単のため、図9には示されていない)を設けることにより、超音波エネルギーを木材要素に対して(例えば、木材要素の前方または前方の位置から)後方へ、(例えば、木材要素の後ろまたは後側から)前方向へ、または、(例えば、木材要素の下または下側から)上方向へ供給してもよい。当然のことながら、これらの代替の超音波トランスデューサの位置または構成のいずれも、単一方向、二方向、三方向、または、三方向以上から複数の木材要素に超音波エネルギーを供給するシステムにおいて利用することもできる。
【0086】
いくつかの実装形態によれば、いくつかの例では、図示された超音波トランスデューサ584a、584b、586a、586bのうちの1つ以上は、これらの他の方向または位置のうちの1つ以上から木材要素に超音波エネルギーを供給するために、移動または再配置できる。一方、図9を参照して上述した超音波トランスデューサは、プレス588を含む環境580内に示されているが、図9もしくは本明細書のいずれかを参照して記述された超音波トランスデューサまたは構成のいずれも、プレスを含まない実施形態、もしくは、圧縮力適用領域を含まない実施形態において使用できることが理解されるであろう。
【0087】
いくつかの例では、コンベヤ595は、超音波トランスデューサが複数の木材要素594に超音波エネルギーを供給する間に、一定期間停止することができる。いくつかの例では、超音波トランスデューサが複数の木材要素594に超音波エネルギーを供給している間、コンベヤ595は、移動し続けてもよい。いくつかの例では、音波トランスデューサが複数の木材要素594に超音波エネルギーを供給する間、コンベヤ595の速度は、一定期間調整(例えば、減速)することができる。いくつかの例では、1つ以上の超音波トランスデューサは、コンベヤ595の移動に対して、全体的に静止していてもよい。いくつかの例では、1つ以上の超音波トランスデューサは、移動するように、例えば、コンベヤ595に対して移動するか、目標位置596に対して移動するか、または、複数の木材要素594に対して移動するように構成されてもよい。
【0088】
プレス588は、1以上の圧縮力を複数の木材要素594に伝達することができる。いくつかの例では、プレス588は、複数の木材要素594に下向きの圧縮力を伝達することができる。いくつかの例では、プレス588は、1以上の横方向の圧縮力(例えば、左側からの圧縮力、右側からの圧縮力、もしくは、左側と右側の両方からの圧縮力)を伝達することができる。いくつかの例では、プレス588は、複数の木材要素594の前、複数の木材要素594の後、または、複数の木材要素594の前後の両方から圧縮力を伝達することができる。このように適用される圧縮力を組み合わせることも可能です。例えば、いくつかの実施形態によれば、プレス588は、下向きの圧縮力、および、1以上の追加の圧縮力(例えば、左から、右から、左と左の両方から、前から、後から、前後の両方から、左右前後のそれぞれから、もしくは、その他からの圧縮力)を複数の木材要素588に伝達することができる。いくつかの例では、プレス588は、コンベヤ595の移動に対して、ほぼ静止していてもよい。いくつかの例では、プレス588は、コンベヤ595に対して移動するように、木材要素594に対する圧縮力を受けるために目標位置597に対して移動するように、または、複数の木要素594に対して移動するように構成されてもよい。
【0089】
いくつかの例では、超音波エネルギーは、複数の木材要素に供給でき、その後、圧縮力を複数の木材要素に加えることができる。例えば、いくつかの実施形態によれば、コンベヤ595は、一般に第1の方向598に移動することができ、1以上のプレス(例えば、図9の例におけるプレス588)が1つ以上の圧縮力を複数の木材要素に加える前に、1つ以上の超音波トランスデューサ(図9の例では、トランスデューサ584a、584b、586a、586b)は、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給することができる。いくつかの例では、1以上の圧縮力が複数の木材要素に加えられてもよく、その後、超音波エネルギーが複数の木材要素に供給されてもよい。例えば、いくつかの実施形態によれば、コンベヤ595は、一般に第2の方向599に移動でき、1つ以上の超音波トランスデューサ(例えば、図9の例におけるトランスデューサ584a、584b、586a、586b)が複数の木材要素に超音波エネルギーを供給する前に、1以上のプレス(例えば、図9の例のプレス588)は、複数の木材に1以上の圧縮力を加えることができる。いくつかの実施形態によれば、前述の2つの例のそれぞれにおいて、圧縮力を加え、超音波エネルギーを供給する前に、複数の木材要素に充填材を適用してもよい。
【0090】
いくつかの例では、1つ以上の超音波トランスデューサは、プレス機と一体化することができ、1以上の圧縮力を複数の木材要素に伝達するプレスと同時に(または、実施形態に応じて、その前、その後、または、前述の組み合わせにおいて)、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給することができる。図10Aは、例示的なプレス602と、プレス602と一体化され、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できる例示的な超音波トランスデューサ604の概念図600である。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ604およびプレス602は、それぞれ、超音波エネルギーおよび圧縮力を複数の木材要素606に同時に供給することができる。図10Aの例は、コンベア608上の木材要素606(この例では、縦に積み重ねられた2枚の木製ベニヤであるが、ここで論じられる任意の木材要素を代替的に使用することができる)を示し、コンベア608は、複数の木材要素606をプレス602および超音波トランスデューサ604の下の目標位置609に移動させることができる。
【0091】
プレス602は、木材要素606が目標位置609にあるときに、複数の木材要素606に下向きの圧縮力610を加えることができ、同時に、超音波トランスデューサ604は、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給することができる。プレス602は、複数の木材要素606に圧縮610を加えることができる表面612を含む。いくつかの例では、超音波トランスデューサ604は、複数の木材要素606に圧縮力610を加えることができるプレス602の表面612と同一平面上に配置することができる。いくつかの例では、超音波トランスデューサ604は、複数の木材要素606に圧縮力610を加えることができるプレス602の表面612に対して凹むように配置することができる。この例では、プレス602および超音波トランスデューサ604は、それぞれ、第1の方向(例えば、この例では目標位置609に対して下方向)に圧縮力および超音波エネルギーを供給できる。いくつかの例では、プレス602および超音波トランスデューサ604は、それぞれ、異なる時間に圧縮力および超音波エネルギーを供給できる。例えば、超音波トランスデューサ604は、最初に、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給でき、その後、プレス602は、複数の木材要素に圧縮力を加えることができる。あるいは、プレス602が最初に複数の木材要素に圧縮力を加え、その後、超音波トランスデューサ604が複数の木材要素に超音波エネルギーを供給してもよい。いくつかの例では、プレス602および超音波トランスデューサ604は、それぞれ、圧縮力および超音波エネルギーを、同時に供給し、また、異なる時間に供給することもできる。
【0092】
図10Bは、例示的なプレス622、および、プレス622と一体化され、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できる1つ以上の例示的な超音波トランスデューサ624a、624bを示す概念図620である。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ624a、624bおよびプレス622は、それぞれ同時に、超音波エネルギーおよび1以上の圧縮力を複数の木材要素626に供給することができる。図10Bの例は、プレス622と一体化され、複数の木材要素626が目標位置627にあるとき、複数の木材要素626に向けて、第1の方向へ(例えば、この例では、複数の木材要素の上の位置から下方向へ)超音波エネルギーを供給するように配置された4つの超音波トランスデューサ624aを示す。図10Bの例は、プレス622と一体化され、複数の木材要素626が目標位置627にあるとき、第2の方向(例えば、横方向、すなわち、この例の複数の木材要素の右から左方向)から複数の木材要素に向かって超音波エネルギーを供給するように配置された1つの超音波トランスデューサ624bを示す。図10Bの例は、複数の木材要素626を目標位置627に移動させることができるコンベヤ628上の木材要素626(2×2(高さ2×幅2)に配置された4枚の木材シートであるが、代わりに、ここで論じた任意の木材要素を使用することができる)を示している。
【0093】
この例では、プレス622は、例えば、複数の木材要素626が目標位置627にあるとき、複数の木材要素626に下向きの圧縮力630を加えることができる。プレス622は、複数の木材要素626に下向きの圧縮力630を加えることができる第1の表面631を含む。この例では、プレス622は、例えば、複数の木材要素626が目標位置6に移動するとき、複数の木材要素626に横方向の圧縮力632を加えることもできる。この例では、横方向圧縮力632は、複数の木材要素が目標位置627に位置するとき、プレス622により複数の木材要素626の右から加えられる左方向の圧縮力であってもよい。プレス602は、横方向の力632を複数の木材要素626に加えることができる第2の表面633を含む。いくつかの例では、横方向の圧縮力は、複数の木材要素が目標位置627に位置するとき、プレス622により(例えば、図10Bの第2の表面633と反対側のプレスの表面を使用して)複数の木材要素626の左から印加される右方向の圧縮力であってもよい。いくつかの例では、2つの横方向圧縮力は、プレス622により加えられてもよい。例えば、いくつかの実施形態によれば、左方向の横方向圧縮力と右方向の横方向の力の両方がプレス622によって加えられてもよい。
【0094】
いくつかの例では、プレス622は、1以上の下向きの力(例えば、力630)および1以上の横方向の力(例えば、力632、または、上述の他の横方向の力)を同時に加えることができる。いくつかの例では、プレス622は、1以上の下向きの力および1以上の横方向の力を異なる時点で加えることができる。例えば、プレス622は、最初に、下向きの力630を加え、次に、横方向の力632(または、他の横方向の力)を加えてもよい。別の例として、プレス622は、最初に、横方向の力632(または、他の横方向の力)を加えてもよく、次に、下向きの力630を加えてもよい。
【0095】
いくつかの例では、超音波トランスデューサ624aは、複数の木材要素626に下向きの圧縮力630を加えることができるプレス622の第1の表面631と同一面に配置することができる。いくつかの例では、超音波トランスデューサ624aは、プレス622の第1の表面631に対して凹むように配置できる。同様に、いくつかの例では、超音波トランスデューサ624bは、複数の木材要素626に横方向の圧縮力632を加えることができるプレス622の第2の表面633と同一平面になるように配置でき、いくつかの例では、超音波トランスデューサ624bは、第2の表面633に対して凹むように配置できる。この例では、プレス622および超音波トランスデューサ624a、624bは、第1の方向(例えば、この例における目標位置627に対する下向き)、および、第2の方向(例えば、この例における目標位置627に対する横方向)に、1以上の圧縮力630、632および超音波エネルギーをそれぞれ提供してもよい。いくつかの例では、プレス622および超音波トランスデューサ624a、624bは、例えば、図10Aを参照して上述した同様の方法で、異なる時点において、1以上の圧縮力および超音波エネルギーをそれぞれ供給することができる。
【0096】
図10Cは、例示的なプレス642、および、プレス642に一体化され、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために使用できる1つ以上の例示的な超音波トランスデューサ644a、644bの概念図640である。いくつかの実装形態では、超音波トランスデューサ644a、644bおよびプレス642は、それぞれ、同時に、超音波エネルギーおよび1以上の圧縮力を複数の木材要素646に供給することができる。図10Cの例は、プレス642と一体化され、複数の木材要素646が目標位置647にあるとき、複数の木材要素646に向けて、第1の方向(例えば、この例における複数の木材要素上の位置から下方向)に超音波エネルギーを供給するように配置された3つの超音波トランスデューサ644aを示している。図10Cの例は、プレス642と一体化され、第2の方向(例えば、木材要素が目標位置647にあるとき、複数の木材要素646の前方の位置から後方の方向)から複数の木材要素646に向かって超音波エネルギーを供給するように配置された3つの超音波トランスデューサ644bを示している。図10Cの例は、複数の木材要素646を目標位置647に移動させることができるコンベヤ648上の木材要素646(2×2(高さ2×幅2)に配置される4つの木材ストリップであるが、ここで論じた任意の木材要素を代わりに使用することができる)を示している。
【0097】
この例では、プレス642は、例えば、複数の木材要素646が目標位置647にあるときに、複数の木材要素646に下向きの圧縮力650を加えることができる。プレス642は、下向きの圧縮力650を加えることができる第1の表面651を含む。この例では、プレス642は、例えば、複数の木材要素646が目標位置647にあるとき、複数の木材要素646に後方圧縮力652を加えることもできる。この例では、後方圧縮力652は、複数の木材要素が目標位置647に位置するとき、複数の木材要素646の前方の位置からプレス622により加えることができる。プレス642は、複数の木材要素646に後方圧縮力652を加えることができる第2の表面653を含む。いくつかの例では、プレスは、複数の木材要素が目標位置647に位置するとき、複数の木材要素646の後の位置から(例えば、図10Cの第2の表面653とは反対側のプレスの表面を使用して)前方への圧縮力を加えてもよい。いくつかの例では、プレス622は、複数の木材要素に後方への力と前方への力の両方を加えることができる。
【0098】
いくつかの例では、プレス642は、1以上の下向きの力(例えば、力650)および1以上の他の力(例えば、力652、または、上記の他の力)を同時に加えることができる。いくつかの例では、プレス642は、1以上の下向きの力および1以上の他の力を異なる時間に加えることができる。例えば、プレス642は、最初に、下向きの力650を加え、次に、後方の力652(または、前方の力、もしくは、他の力)を加えてもよい。別の例として、プレス642は、最初に、後方の力652(または、前方の力、もしくは、他の力)を加えてもよく、次に、下向きの力650を加えてもよい。
【0099】
いくつかの例では、超音波トランスデューサ644aは、複数の木材要素646に下向きの圧縮力650を加えることができるプレス642の第1の表面651と同一面に配置することができる。いくつかの例では、超音波トランスデューサ644aは、プレス642の第1の表面651に対して、凹むように配置できる。同様に、いくつかの例では、超音波トランスデューサ644bは、複数の木材要素646に後方圧縮力652を加えることができるプレス642の第2の表面653と同一面に配置できる。いくつかの例では、超音波トランスデューサ644bは、第2の表面653に対して、凹むように配置できる。この例では、プレス642および超音波トランスデューサ644a、644bは、第1の方向(例えば、この例における目標位置647に対して下向き)および第2の方向(例えば、この例における目標位置647に対して後方)に、それぞれ、1以上の圧縮力650、652および超音波エネルギーを提供できる。いくつかの例では、プレス642および超音波トランスデューサ644a、644bは、例えば、図10Aを参照して上述したものと同様の方法で、1以上の圧縮力および超音波エネルギーを異なる時点でそれぞれ供給することができる。
【0100】
図10Bおよび10Cの例は、いくつかの実装形態に従って、2以上の方向から超音波エネルギーを複数の木材要素に供給できることを示している。例えば、図10Bおよび10Cの例は、(例えば、複数の木材要素のほぼ上の位置から)下方向および下方向とは異なる別の方向(例えば、木材要素の左または右の位置から横方向、例えば、木材要素の前方の位置から後方、および、例えば、木材要素の後方の位置から前方向)に、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給できることを示している。
【0101】
図11Aは、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための環境670を例示するブロック図である。環境670は、図1および他の図を参照して、それぞれ上述された充填材塗布領域104および超音波エネルギー供給領域106であって、領域104および106に含められる構成要素を含む充填材塗布領域104および超音波エネルギー供給領域106を含むと共に、欠陥検査領域672も含む。いくつかの例では、複数の木材要素を接合し、複合木材製品とした後、欠陥検査領域672において、複合木材製品の欠陥検査を実施できる。様々な実施形態において、欠陥検査には、複合木材製品に超音波エネルギーを供給することが含まれてよい。いくつかの例では、木材要素の接合において複数の木材要素に超音波エネルギーを供給するのと同じ1以上の超音波トランスデューサにより、この追加の超音波エネルギーを供給してもよい。いくつかの例では、木材要素の接合において複数の木材要素に超音波エネルギーを供給するものとは異なる1つ以上の超音波トランスデューサにより、この追加の超音波エネルギーを供給してもよい。
【0102】
欠陥検査領域672は、複合木材製品に(例えば、1つ以上の超音波トランスデューサを介して)超音波エネルギーを供給する欠陥検査コンポーネントを含むことができ、製品の欠陥を検査することができる。いくつかの例では、欠陥検査コンポーネントは、1つ以上のカメラを含むことができる。いくつかの例では、超音波エネルギーは、欠陥検査コンポーネントとは別個の1つ以上の超音波トランスデューサにより供給されてもよい。簡潔にするために図11Aには示されていないが、いくつかの実装形態では、図8に示す圧縮力適用領域552の1以上、および、図1の木材要素準備領域102が環境670に含まれてもよい。
【0103】
図11Bは、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための環境680を例示するブロック図である。環境680は、それぞれ図1および他の図を参照して上述した充填材塗布領域104および超音波エネルギー供給領域106であって、領域104および106に含めることができる構成要素を含む充填材塗布領域104および超音波エネルギー供給領域106を含み、複合木材製品処理領域682も含む。いくつかの例では、複数の木材要素が接合され複合木材製品となった後、複合木材製品に、複合木材製品処理領域682で実施される処理が適用されてもよい。
【0104】
様々な実施形態において、複合木材製品に処理を適用することは、複合木材製品に超音波エネルギーを供給することを含むことができる。この追加の超音波エネルギーは、いくつかの例では、木材要素の接合において複数の木材要素に超音波エネルギーを供給するものと同じ1以上の超音波トランスデューサにより供給されてもよい。いくつかの例では、この追加の超音波エネルギーは、木材要素の接合において複数の木材要素に超音波エネルギーを供給するものとは異なる1つ以上の超音波トランスデューサにより供給されてもよい。
【0105】
複合木材製品に適用できる処理の例は、1以上のシーラント、難燃処理、防虫または害虫よけ処理、染色、塗装、または、他の後処理を含むことができ、記載されているように、そのような処理は、超音波エネルギーを複合木材製品に供給することを含んでもよい。いくつかの例では、エッジ処理が複合木材製品に適用されてもよく、記載されているように、そのような処理は、複合木材製品への超音波エネルギーの供給も含んでもよい。いくつかの例では、超音波エネルギーは、充填材に関して上述したものと同様の処理に関して、1以上の利点を提供できる。例えば、超音波エネルギーは、複合木材製品への処理の広がりまたは浸透もしくはより深くへの処理の浸透を刺激することができ、あるいは、液体または流動可能な処理剤に対する処理のより良い流れを刺激することができる。
【0106】
複合木材製品処理領域682は、複合木材製品に処理を適用することができる処理供給コンポーネントを含むことができる。いくつかの例では、処理適用コンポーネントは、ローラー、ブラシ、スプレーアプリケーターなどのうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの例では、処理適用コンポーネントは、複合木材製品に(例えば、1つ以上の超音波トランスデューサを介して)超音波エネルギーを供給できる。いくつかの例では、超音波エネルギーは、処理適用コンポーネントとは別の1つ以上の超音波トランスデューサにより供給できる。簡潔にするために図11Bには示されていないが、いくつかの実装形態では、図8の圧縮力適用領域552の1つ以上、図1の木要素準備領域102、および、図11Aの欠陥検査領域672も、環境680に含まれてよいことが理解されるであろう。
【0107】
図11Cは、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための環境690を示すブロック図である。環境690は、図1および他の図を参照してそれぞれ上述された、充填材塗布領域104および超音波エネルギー供給領域106であって、領域104および106に含めることができる構成要素を含む充填材塗布領域104および超音波エネルギー供給領域106が含まれると共に、前処理領域692も含まれている。いくつかの例では、複数の木材要素に充填材を適用する前に、前処理領域692で実施でき、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給することを含む前処理を、複数の木材要素に適用してもよい。いくつかの例では、超音波エネルギーによるそのような前処理は、木材要素を洗浄できる。例えば、その洗浄は、木材要素から汚れや他の不純物を除去するのに役立つ。前処理領域692は、前処理供給コンポーネントを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、木材要素の前処理は、複数の木材要素を接合する際に使用される超音波エネルギーレベルよりも低い超音波エネルギーレベルにおいて、超音波エネルギーを供給することを含んでもよい。例えば、1つ以上の超音波トランスデューサは、複数の木材要素の前処理として、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給することができる。この超音波エネルギーの前処理供給は、いくつかの例では、木材要素の接合において複数の木材要素に超音波エネルギーを供給するものと同じ1つ以上の超音波トランスデューサにより供給できる。いくつかの例では、この超音波エネルギーの前処理供給は、木材要素の接合において複数の木材要素に超音波エネルギーを供給するものとは異なる1つ以上の超音波トランスデューサにより供給できる。簡潔にするために図11Cには示されていないが、いくつかの実装形態では、図8の圧縮力適用領域552の1以上、図1の木材要素準備領域102、図11Aの欠陥検査領域672、および、図11Bの複合木材製品処理領域682も、環境690に含まれてよいことが理解される。
【0108】
いくつかの例では、ローラー要素を含む超音波トランスデューサは、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給することに使用できる。ローラー要素は、実施形態に応じて、さまざまな形状およびサイズを有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ローラー要素は、円筒形のボディを含むことができる。いくつかの実施形態では、ローラー要素は、球形のボディを含んでもよい。いくつかの例では、ローラー要素のボディは、超音波エネルギーを供給する間、複数の木材要素に物理的に接触するように構成された外面を含んでもよい。いくつかの例では、ローラー要素のボディは、超音波エネルギーを供給する間、複数の木材要素に物理的に接触して転がるように構成された外面を含んでもよい。いくつかの例では、ローラー要素のボディの外面は、実質的に滑らかであってもよい。いくつかの例では、ローラー要素のボディの外面は、複数の突起を含んでもよい。いくつかの例では、ローラー要素のボディの外面は、複数の凹んだ形状を含んでもよい。いくつかの例では、ローラー要素のボディの外面は、1つ以上の突起および1以上の凹んだ形状を含んでもよい。
【0109】
図12Aは、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための例示的な環境700の概念図であり、例示的な環境700は、例示的なローラー要素706を含む例示的な超音波トランスデューサ704を含む。環境700は、例示的な充填材アプリケータ702、例示的な超音波トランスデューサ704、および、例示的なローラー要素706を含む。充填材アプリケータ702は、図3Aのアプリケータ158を参照して上述したものと同様の方法で、複数の木材要素708に充填材を適用することができる。図12Aに示される例では、アプリケータ702はスプレーノズルであるが、ここに記載される任意の他の種類のアプリケータ(例えば、1つ以上のブラシ、ローラー、または、他の種類のアプリケータ)を代わりに使用することもできる。
【0110】
複数の木材要素710は、相互に近接して配置できる。例えば、複数の木材要素710は、縦に積み重ねてもよく、横に配置してもよく、あるいは、任意の適切な方法で配置してもよい。図12Aに示される例では、この例では木製ベニヤである木材要素は、2×2に配置されてもよい。いくつかの例では、複数の木材要素710は、アプリケータ702により充填材が適用された1つ以上の要素712を含む。いくつかの例では、複数の木材要素710は、充填材が適用された1つ以上の要素712、および、充填材が適用されていない1以上の木材要素を含む。また、いくつかの例では、複数の木材要素710は、充填材を含まない。複数の木材要素710は、コンベヤ714上に配置されてもよく、コンベヤ714上で方向716に移動してもよい。コンベヤ714は、超音波トランスデューサ704、ローラー要素706、または、超音波トランスデューサ704およびローラー要素706の両方に対する目標位置717に、複数の木材要素710を移動させてもよい。
【0111】
いくつかの例によれば、超音波エネルギーは、超音波トランスデューサ704により生成されてもよく、ローラー要素706を介して複数の木材要素710に供給されてもよい。超音波エネルギーは、超音波トランスデューサ704に結合できる例示的な超音波ホーン718により、超音波トランスデューサ704からローラー要素706に導くことができ、超音波トランスデューサ704からローラー要素706に導くように構成できる。ローラー要素706は、ローラー要素706をホーン718に連結することができる車軸720のような軸の周りに回転させることができる。いくつかの例では、ローラー要素706は、車軸720の周りを第1の方向722に回転させることができる。 例えば、第1の方向722は、時計回りの方向であってもよい。いくつかの例では、第1の方向722は、車軸720に対して時計回りの方向であってもよい。いくつかの例では、ローラー要素706は、車軸720の周りに第2の方向724に回転させることができる。例えば、第2の方向724は、反時計回りの方向であってもよい。いくつかの例では、第2の方向724は、車軸720に対して、反時計回りの方向であってもよい。いくつかの例では、ローラー要素706は、車軸720の周りを第1の方向722および第2の方向724の両方に回転させることができる。いくつかの例では、第2の方向724は、第1の方向722の反対であってもよい。
【0112】
いくつかの例では、ローラー要素706は、円筒状のボディ726を含むことができ、円筒状のボディ726の外面728は、超音波エネルギーが複数の木材要素710に供給されている間、複数の木材要素710の1つ以上の木材要素に物理的に接触するように構成されてもよい。例えば、ローラー要素706は、その軸の周りを第1の方向722または第2の方向724に回転させることができ、ローラー要素706の円筒形のボディ体726が回転するとき、ローラー要素706の円筒形のボディ726の外面728は、複数の木材要素710の1以上の木材要素に物理的に接触してもよい。図12Aに示される例では、ローラー要素706が複数の木材要素710の上面に渡って転がるとき、外面728は、複数の木材要素710の2つの木材要素(例えば、2×2のスタックの上面の2つの要素)に接触するであろうことが分かる。
【0113】
図12Bは、別の提示的なローラー要素732を含む別の例示的な超音波トランスデューサ730の概念図である。超音波トランスデューサ730は、図12Aを参照して上述した超音波トランスデューサ704と同じであってもよい。超音波トランスデューサ730は、例示的な超音波ホーン734により、超音波トランスデューサ730からローラー要素732に導くことができる超音波エネルギーを生成でき、超音波ホーン734は、超音波トランスデューサ730に結合でき、トランスデューサ730からローラー要素732に超音波エネルギーを導くように構成できる。この例では、ローラー要素732は、球形のボディ736を含む。つまり、ローラー要素732は、一般的に球の形状を有することができる。球形のボディ736の外面738は、複数の木材要素の1以上の複数の木材要素737に物理的に接触してもよい。 図12Aのローラー要素706と同様に、ローラー要素732は、木材要素上を転がることができるが、いくつかの実施形態では、ローラー要素732の球形のボディ736は、例えば、初期のコンピュータマウスに使用されていたボールがマウス パッド上で転がるのに類似して、方向739a、739b、739c、739d、739e、739f、739g、739h、7391、739jなどのうちの任意の数の方向に転がることができる。例えば、いくつかの実装形態によれば、ローラー要素732は、二次元平面内の任意の方向に回転することができる。いくつかの実施形態によれば、1つ以上の例示的な支持部材740は、ローラー要素732の球形のボディ736を機械的に支持できる。いくつかの例では、支持部材740は、ローラーであってもよい。いくつかの例では、支持部材740は、ホーン734に対してローラー要素732を少なくとも部分的に保持するためのパッド、クッション、止め具、または、他の適切な構成要素であってもよい。いくつかの例では、図12Bに示されるよりも多い、もしくは、少ない支持部材740があってもよい。いくつかの例では、超音波トランスデューサ730、ホーン734およびローラー要素732は、図12Aの超音波トランスデューサ704、ホーン718およびローラー要素706に置き換えることができる。
【0114】
いくつかの例では、超音波エネルギーは、ローラー要素706または732を介して、複数の木材要素に供給できる。様々な実施形態では、超音波エネルギーは、10kHz~20MHzの範囲内の周波数を有してもよい。いくつかの例では、超音波エネルギーは、15kHz~1MHzの範囲内の周波数、または、20kHz~100kHzの範囲内の周波数を有してもよい。いくつかの例では、超音波エネルギーは、外面728または738から複数の木材要素710に放射できる。様々な実装形態によれば、超音波エネルギーは、超音波の縦波、超音波の放射波、または、超音波の横波の1以上により、ローラー要素706または732から複数の木材要素710へ伝達できる。いくつかの例では、超音波エネルギーが供給されている間、外面728または738の少なくとも一部は、複数の木材要素710のうちの少なくとも1つの木材要素に物理的に接触したままであってもよい。いくつかの例では、外面728または738が、例えば、木材要素に接触する前、後、または、前後の両方のうちの1以上において、外面728または738が複数の木材要素710のいずれの要素にも物理的に接触していないときでも、超音波エネルギーは供給され続けるであろう。
【0115】
いくつかの例では、超音波トランスデューサ704または730およびローラー要素706または732をそれぞれ含むシステムは、複数の木材要素710に超音波エネルギーを提供することにより木材要素の接合を刺激できる。超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための他のシステムを参照して、ここに上述したように、供給される超音波エネルギーは、複数の木材要素710および充填材に様々な機械的刺激(例えば、分子レベルおよびマクロレベルでの振動刺激)を与え、複数の木材要素710に熱刺激を与え、充填材に拡散刺激を与え、さらに、超音波エネルギーの供給により木材要素間に発生する摩擦は、接合をさらに刺激できる。超音波エネルギーの提供による超音波処理圧力(例えば、超音波からの圧力)も、複数の木材要素の接合を刺激するであろう。有利なことに、超音波トランスデューサ704または730およびローラー要素706または732は、それぞれ、複数の木材要素710および充填材料を連続的に刺激でき、接合を有益に補助するであろう。
【0116】
ローラー要素706または732は、任意の適切な材料を含むことができる。いくつかの例では、ローラー要素706または732は、チタンを含む。 いくつかの例では、ローラー要素706または732は、アルミニウムを含む。いくつかの例では、ローラー要素706または732は、外面728または738が木材要素上を転がるとき、複数の木材要素710に圧縮力を提供できる。いくつかの例では、ローラー要素706または732は、外面728または738が木材要素上を転がるとき、複数の木材要素に圧縮力を提供しなくてもよい。
【0117】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ704または730は、ローラー要素706または732が複数の木材要素710上を転がるとき、ローラー要素706または732と同時に移動してもよい。図12Cは、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するための環境742を示す概念図である。いくつかの実装形態によれば、例示的な超音波トランスデューサ743は、例示的なホーン744および例示的なローラー要素745を含み、これらは、それぞれ、図12Aおよび12Bのトランスデューサ704または730、ホーン718または734、および、ローラー要素706または732を表すことができる。いくつかの実装形態において、例示的な動作コントローラ746は、トランスデューサ743の動作を制御することができる。いくつかの例では、動作コントローラ746は、トランスデューサ743の動きを制御し、さらには、ホーン744およびローラー要素745の動きを制御することができる。動作コントローラ746は、1つ以上のモータ(例えば、ほんの数例を挙げると、サーボモータ、ステッピングモータ、リニアモータ、ダイレクトドライブモータ、ACモータ、または、DCモータ)を含んでもよく、また、1以上の信号を1つ以上のモータに提供し、超音波トランスデューサ743の動きを制御するモーション制御モジュールを含んでもよい。図12Cの例では、動作コントローラ746は、超音波トランスデューサ743とは別に示されているが、いくつかの実装形態では、動作コントローラ746は、超音波トランスデューサ743と一体であってもよい。
【0118】
動作コントローラ746は、用途に応じ、様々な方向またはパターンにおいて移動させるために、超音波トランスデューサ743を制御できる。いくつかの例では、動作コントローラ746は、超音波トランスデューサ743(さらに、いくつかの例では、ホーン744およびローラー要素745)を、(例えば、前、後、または前後のそれぞれに)直線的748に移動させるように命令できる。いくつかの例では、超音波トランスデューサ743は、単軸動作系において移動するように構成できる。いくつかの例では、動作コントローラ746は、超音波トランスデューサ743(および、いくつかの例では、ホーン744およびローラー要素745)に、複数の木材要素の1つ以上の木材要素の表面を覆うパターンなどの2次元パターンにおいて移動する(例えば、二次元平面内で移動する)ように命令することができる。いくつかの例では、動作コントローラ746は、超音波トランスデューサ743に3次元パターンで移動する(例えば、3次元空間内で移動する)ように命令することができる。図12Cは、いくつかの例における超音波トランスデューサが(また、いくつかの例では、拡張によりホーン744およびローラー要素745)三次元空間において任意の方向に移動できることを示すように意図されたパターン749を示し、簡略化のために、パターン749では、ページの外、および、ページ内への矢印は示されていない。いくつかの例では、超音波トランスデューサ743(および、いくつかの例では、ホーン744およびローラー要素745)は、2軸動作系または3軸動作系などの多軸動作系において移動するように構成できる。
【0119】
いくつかの例では、動作コントローラ746は、処理コンポーネント、通信モジュール、メモリ、電源モジュール、および、1つ以上のセンサのうちの1以上を含むことができる。簡略化のために図12Cには示されていないが、いくつかの例では、動作コントローラ746は、図15Bの処理コンポーネント872、通信モジュール874、メモリ876、電源モジュール878、および、1つ以上のセンサ880のうちの1以上を含むことができる。これらは、図15Bを参照して以下でより詳細に説明するが、上述した動作制御機能を提供するために使用できる。
【0120】
いくつかの実装形態では、超音波トランスデューサ743は、1以上のトラックに沿って移動するように構成できる。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ743は、1以上のレールまたはスライダに沿って移動するように構成できる。いくつかの例では、超音波トランスデューサ743は、2次元グリッドを横切って移動するように構成できる。いくつかの例では、超音波トランスデューサ743は、所与の高さ(または、幅、もしくは、深さ)に設定された2次元グリッドを横切って移動するように構成されてもよく、また、さまざまな高さ(または、幅、もしくは、深さ)に設定された2次元グリッドを横切って移動するように(例えば、3次元空間内で移動するように)構成されてもよい。再び図12Cを参照して、超音波トランスデューサ743は、動作ガイド747に沿って、または、動作ガイド747を横切って移動するように構成できる。いくつかの例では、動作ガイド747は、1以上のレール、スライダ、または、トラックであってもよい。いくつかの例では、動作ガイド747は、二次元グリッドであってもよい。いくつかの例では、動作ガイド747は、グリッドの2次元とは異なる第3次元において移動可能である、移動可能2次元グリッドであってもよい。
【0121】
いくつかの例では、超音波トランスデューサは、ローラー要素が複数の木材要素の上を転がるとき、ほぼ静止したままであってもよい。いくつかの実装形態によれば、いくつかの例では、ホーンは、ローラー要素が複数の木材要素上を転がるときに伸長または収縮するように構成できる。
【0122】
いくつかの例では、ホーンとローラー要素の両方は、超音波トランスデューサの一部であるとみなされてもよく、いくつかの例によれば、超音波エネルギーが複数の木材要素に供給されている間、超音波トランスデューサのそのような一部は、木材要素または充填材と物理的に接触していてもよい。いくつかの例では、ホーンまたはローラー要素は、超音波トランスデューサの一部とみなされなくてもよい。
【0123】
いくつかの例によれば、ローラー要素が円筒状のボディを含むか、球状のボディを含むかにかかわらず、それぞれのボディの外面は様々な特徴を含むことができる。いくつかの例では、円筒形のボディ728または球状のボディ738の外面は、実質的に滑らかであってもよく、複数の突起を含んでもよく、複数の凹んだ形状を含んでもよく、または、1つ以上の突起および1つ以上の凹んだ形状を含んでいてもよい。
【0124】
図13Aは、例示的なローラー要素752、超音波トランスデューサ754、および、ホーン756の側面図750であり、それぞれ、図12Aの例のローラー要素706、超音波トランスデューサ704、および、ホーン718、また、図12Bの例のローラー要素732、超音波トランスデューサ730およびホーン734を表してもよい。図13Aに示されるように、ローラー要素752のボディの外面758は、実質的に滑らかである。
【0125】
いくつかの例では、ローラー要素のボディの外面は、複数の突起を含んでもよい。図13Bは、別の例示的なローラー要素762、超音波トランスデューサ754、および、ホーン756の側面図760であり、それぞれ、図12Aの例のローラー要素706、超音波トランスデューサ704、および、ホーン718、または、図12Bの例のローラー要素732、超音波トランスデューサ730、および、ホーン734を表すことができる。図13Bから分かるように、ローラー要素762のボディの外面764は、複数の突起766を含み、突起766は、外面764から突出している。
【0126】
いくつかの例では、ローラー要素のボディの外面は、複数の凹んだ形状、または、ローラー要素の表面に対して凹んだ形状を含んでもよい。図13Cは、別の例示的なローラー要素782、超音波トランスデューサ754、および、ホーン756の側面図780であり、それぞれ、図12Aの例のローラー要素706、超音波トランスデューサ704、および、ホーン718、または、図12Aの例、または、図12Bの例のローラー要素732、超音波トランスデューサ730およびホーン734を表すことができる。図13Cから分かるように、ローラー要素782のボディの外面784は、複数の凹部786を含み、凹部786は、外面784から凹んでいる。
【0127】
様々な実施形態において、突起766または凹部786は、様々な形状を有してもよい。図14Aは正面図800であり、図14Bは、複数の例示的な突起806、808、810、812、814を含む、例示的なローラー要素804の上面図802である。ローラー要素804のボディは、突起806、808、810、812、814が延びる外表面805を有し、または、突起806、808、810、812、814が位置する外表面805を含む。第1の突起806は、丸い外面807を含む。いくつかの例では、第1の突起806は、ほぼ「ドーム」形状を有してもよい。図14Bの上面図802からわかるように、第1の突起806の基部は円形であるが、任意の他の適切な形状(例えば、楕円形、正方形、長方形、三角形、菱形、ダイヤモンド、または、他の適切な形状)を、丸い外面807を有する突起806の基部に代替的に使用できる。
【0128】
第2の突起808は、実質的に平坦な外面809を含む。図14Bの上面図802からわかるように、第2の突起808の基部は、第2の突起808の外面809と同じように、正方形の形状を有するが、他の任意の適切な形状(例えば、楕円形、円形、長方形、三角形、ひし形、ダイヤモンド、または、他の適切な形状)を、実質的に平坦な外面809を有する突起808の基部、または、外面809に代替的に使用することができる。いくつかの例では、第2の突起808の基部および外面809は、異なる形状を有してもよく、前述の形状のいずれかの組み合わせを含む。
【0129】
第3の突起810は、点811を含む外面を有する。いくつかの例では、点811は、突起810の頂点であってもよい。いくつかの例では、第3の突起810は、ほぼ「ピラミッド」の形状を有してもよい。図14Bの上面図802からわかるように、第3の突起810の基部は、正方形の形状を有するが、他の任意の適切な形状(例えば、楕円形、円形、長方形、三角形、菱形、ダイヤモンド、または、他の適切な形状)を、代替的に、点を含む外面を有する突起810の基部に使用できる。
【0130】
第4の突起812は、リッジ813を含む外面を有する。図14Bの上面802からわかるように、第4の突起812の基部は、長方形の形状を有するが、他の任意の適切な形状(例えば、楕円形、円形、正方形、三角形、菱形、ダイヤモンド、または、他の適切な形状)を、代替的に、リッジを含む外面を有する突起812の基部に使用することができる。
【0131】
第5の突起814は、丸い頂部を有する円筒の形状を有する外面を含む。第5の突起814の外面は、円筒形の側面816と丸い上面815を含む。図14Aの正面図800に示されるように、丸い表面815は、円筒形状の側面816により、ローラー要素804の表面805から立ち上がり、オフセットされる。いくつかの例では、第5の突起814は、隆起したドームまたは円筒形のサイロの形状を有してもよい。図14Bの上面図802からわかるように、第5の突起814の基部は、円形であるが、他の任意の適切な形状(例えば、楕円形、正方形、長方形、三角形、菱形、ダイヤモンド、または、他の適切な形状)を、代替的に、第5の突起814の基部に使用することもできる。
【0132】
図14Cは、正面図820図14Dは側面図820であり、例示的な複数の凹部826、828、830、832、834を含む例示的なローラー要素824の例示的な一部を示している。ローラー要素824のボディは、凹部826、828、830、832、834が凹む外面825、または、凹部826、828、830、832、834が配置される外面825を含む。第1の凹部826は、丸い表面827を含む。第1の凹部826は、凹形状であってもよい。第1の凹部826は、ディンプル形状を有してもよい。図14Dの上面図822からわかるように、第1の凹部826の基部は円形であるが、他の適切な形状(例えば、楕円形、正方形、長方形、三角形、菱形、ダイヤモンド、または、他の適切な形状)を、代替的に、凹部826の基部に使用することもできる。
【0133】
第2の凹部828は、実質的に平坦な外面809を含む。図14Dの上面図822からわかるように、第2の凹部828の基部は、第2の凹部828の外面829と同様に、正方形の形状を有するが、他の適切な形状(例えば、楕円形、円形、長方形、三角形、ひし形、ダイヤモンド、または、他の適切な形状)を、代替的に、凹部828の基部もしくは外面829に使用してもよい。いくつかの例では、第2の凹部828の基部および外面829は、前述の形状のいずれかの組み合わせを含む、異なる形状を有してもよい。
【0134】
第3の凹部830は、点831を含む外面を有する。いくつかの例では、点831は、凹部830の底であってもよい。いくつかの例では、点831は、凹部830の逆頂点であってもよい。図14dの上面図822からわかるように、第3の凹部830の基部は、正方形の形状を有するが、他の任意の適切な形状(例えば、楕円形、円形、長方形、三角形、菱形、ダイヤモンド、または他の適切な形状)を、代替的に、点を含む外面を有する凹部830の基部に使用することができる。
【0135】
第4の凹部832は、リッジ833、または、凹状リッジもしくは逆リッジを含む外面を有する。図14Dの上面図822からわかるように、第4の凹部832の基部は、長方形の形状を有するが、他の任意の適切な形状(例えば、楕円形、円形、正方形、三角形、菱形、ダイヤモンド、または、他の適切な形状)を、代替的に、リッジを含む外面を有する凹部832の基部に使用することもできる。
【0136】
第5の凹部834は、丸い底を有する円筒の形状を有する外面835を含む。第5の凹部834の外面は、円筒形の側面836と丸い底面835を含む。図14Cの正面図820から分かるように、丸い表面835は凹んでおり、円筒形状の側面836により、ローラー要素824の表面825からオフセットされている。いくつかの例では、第5の凹部834は、窪んだドームまたは逆円筒サイロ形状を有してもよい。図14Dの上面図822からわかるように、第5の凹部834の基部は円形であるが、他の適切な形状(例えば、楕円形、正方形、長方形、三角形、菱形、ダイヤモンド、または、他の適切な形状)を、代替的に、凹部834の基部に使用することもできる。
【0137】
いくつかの例では、円筒形のボディの外面は、1つ以上の突起および1つ以上の凹部を含んでもよい。図14Eは、1つ以上の例示的な突起806および1つ以上の例示的な凹部826を含む例示的なローラー要素842の例示的な部分の正面図840である。ローラー要素842のボディは、突起806が突出し、凹部826が凹むか、または、突起806および凹部826が位置する外面844を含む。
【0138】
いくつかの例では、ここに記載される装置、システム、および、方法は、変化する量または異なる量の超音波エネルギーを複数の木材要素に供給するために使用されてもよく、または、複数の木材要素もしくはその内部の1以上の目標領域または目標位置に超音波エネルギーを伝達するために使用されてもよく、また、それらの組み合わせを提供するために使用されてもよい。いくつかの例では、第1の量の超音波エネルギーを複数の木材要素に供給し、その後、第2の量の超音波エネルギーを複数の木材要素に要求してもよい。いくつかの実施形態では、第1の量の超音波エネルギーは、第2の量の超音波エネルギーの強度よりも高い強度を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1の量の超音波エネルギーは、第2の量の超音波エネルギーの強度よりも低い強度を有してもよい。いくつかの例では、第1の量の超音波エネルギーは、第1の期間に渡って複数の木材要素に供給され、次いで、第2の量の超音波エネルギーは、第1の期間とは異なる(例えば、第1の継続時間より長いか短い)第2の期間に渡って複数の木材要素に供給されてもよい。
【0139】
いくつかの例では、第1の量の超音波エネルギーは、複数の木材要素、または、その内部の第1の目標位置に供給でき、次いで、第2の量の超音波エネルギーは、複数の木材要素、または、その内部の第2の目標位置に供給できる。いくつかの例では、超音波トランスデューサは、第1の目標位置への第1の量の超音波エネルギーの供給、および、第2の目標位置への第2の量の超音波エネルギーの供給の両方を通して静止したままであってもよい。いくつかの例では、超音波トランスデューサ、または、超音波トランスデューサの1以上の部分は、第1の量の超音波エネルギーを第1の目標位置に供給する間、第2の量の超音波エネルギーを第2の目標位置に供給する間、または、第1の量および第2の量を供給する時間の間において、移動するかまたは移動されてもよい。上述したように、超音波エネルギーの異なる量の様々な組み合わせを、異なる期間に、複数の木材要素もしくはその内部の異なる位置を目標として供給することを含んでもよい。
【0140】
図15Aは、超音波エネルギーを使用して複合木材製品を製造するために、複数の木材要素例856に超音波エネルギーを供給する制御モジュール例852および超音波トランスデューサ854を示す概念図850である。いくつかの例によれば、例示的な制御モジュール852は、1以上の制御信号857を例示的な超音波トランスデューサ854に提供し、超音波エネルギーの量、超音波エネルギーの強度、超音波エネルギーの継続時間、超音波エネルギーの伝達深さ、および、超音波エネルギーの伝達のための目標位置のうちの1以上を制御することができる。一般に、制御モジュール852は、ここに記載される例示的な超音波システムのいずれかと共に使用されてもよく、ここに記載される例示的なシステムのいずれかにおける1以上の超音波トランスデューサに1つ以上の前述の制御信号857を提供するために使用されてもよい。いくつかの例では、制御モジュール852は、1以上の制御信号を複数の超音波トランスデューサに提供することができるが、簡潔にするために、図15Aには、1つのトランスデューサ854のみが示されている。
【0141】
例示的な超音波トランスデューサ854は、一般的な形状を有しており、ここで説明される超音波トランスデューサの形状または接続形態のいずれかを表すことができる。例えば、トランスデューサ854は、ここで論じたトランスデューサとホーンの組み合わせのいずれかを表すことができ、また、ここで論じたトランスデューサ、ホーン、および、ローラー要素の組み合わせのいずれかを表すこともできる。
【0142】
図15Bは、図15Aの例示的な制御モジュール852のブロック図870である。制御モジュール852は、処理コンポーネント872、通信モジュール874、メモリ876(例えば、いくつかの例では、保持されたデータを含む)、および、電源モジュール878を含む。処理コンポーネント872は、いくつかの例では、1つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、または、デジタル信号プロセッサを含むことができ、メモリ876に格納された命令を実行し、制御モジュール852のためのタスクを実行することができる。通信モジュール874は、いくつかの例では、直接、有線接続を介して、また、いくつかの例では、1以上のネットワーク(例えば、ローカル 領域 ネットワーク(LAN)、ワイド 領域 ネットワーク(WAN)、インターネット、Wi-Fiネットワーク、セルラーネットワーク、仮想プライベートネットワーク(VPN)、モバイルデータネットワーク(例えば、3G/4G/5Gネットワーク、前述の組み合わせなど))に渡る有線または無線通信を介して、情報を送信する送信機を含むことができる。
【0143】
いくつかの例では、通信モジュール874は、他のデバイスまたはシステムからメッセージを受信するために使用できる受信機を含む。メモリ876は、様々な例において、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、記憶装置(例えば、ソリッドステートハードドライブ、ハードディスクドライブ)を含む1以上の種類の揮発性メモリまたは不揮発性メモリ、および/または、他の形式の揮発性または不揮発性メモリを含んでもよい。
【0144】
電源モジュール878は、制御モジュール852の電力コンポーネント、または、他のデバイスもしくはコンポーネント(例えば、いくつかの例ではトランスデューサ854)に1以上の電源電圧を提供することができる。いくつかの例では、電源モジュール878は、壁コンセントなどから交流(AC)電力を受け取ることができ、そのAC電力を制御モジュール852または他の装置もしくはコンポーネントにより使用可能な供給電圧に変換することができる。いくつかの例では、電源モジュール878は、いくつかの例では、充電可能なバッテリを含む。
【0145】
いくつかの例では、制御モジュール852は、例えば、1つ以上の木材要素が、いつ超音波エネルギーの供給のための目標位置にあるかを検出可能な1つ以上のセンサのような、1つ以上のセンサ880を含む。いくつかの例では、1つ以上のセンサ880は、温度、湿度、気圧、空気の質、または、他の環境パラメータのうちの1つ以上であるような、周囲環境パラメータを感知できる。いくつかの例では、制御モジュール852は、1つ以上の外部センサ、または、1以上の外部センサに接触する1つ以上の外部デバイスから入力を受信することができ、そのような入力は、制御モジュール852に、前述のセンサーパラメータのいずれかに関する情報を提供できる。例えば、制御モジュール852は、1以上の木材要素が超音波エネルギーを供給するための目標位置に位置していることを示す外部センサからの入力を受信できる。
【0146】
超音波供給制御モジュール882は、複数の木材要素856への超音波エネルギー供給の態様を管理または制御するために使用できる。例えば、超音波供給制御モジュール882は、図15Aに示される1以上の制御信号857を生成できる。様々な例において、超音波供給制御モジュール882は、1つ以上のセンサ880から、通信モジュール874から、および、メモリ876からの入力を使用することができ、超音波エネルギー供給の態様を管理または制御するために処理コンポーネント872を使用することができる。図15Bは、簡単のために、超音波供給制御モジュール882をスタンドアロンモジュールとして示すが、いくつかの実装形態では、モジュール882は、処理コンポーネント872内に含まれてもよい。図15Aでは、制御モジュール852がトランスデューサ854とは別の筐体内に示されているが、いくつかの例では、制御モジュール852、または、制御モジュール852の1つ以上の部分は、トランスデューサ854内に配置できる。
【0147】
再び図15Aを参照して、制御モジュール852は、複数の木材要素856に超音波エネルギーの量を変えて供給するために、例えば、1つ以上の制御信号857を介して、超音波トランスデューサ854に指示することができ、複数の木材要素856は、この例では、図4の木材要素と同じ方法で縦に配置された木材要素858a、858b、858cを含む。いくつかの例では、制御モジュール852は、例えば、1以上の制御信号857を介して、複数の木材要素856の様々な位置または部分に超音波エネルギーを供給するように、超音波トランスデューサ854に指示することができる。
【0148】
制御モジュールは、第1の量の超音波エネルギー860を、例えば、木材要素858a、858b、および858cなど、複数の木材要素の第1の位置または部分に供給することを指示することができる。これは、例えば、木材要素858a、858b、および、858cの接合を刺激することができる。次に、制御モジュールは、より少ない量の超音波エネルギーなど、第2の量の超音波エネルギー862を、例えば、木材要素858dなどの複数の木材要素の第2の位置または部分に供給することを指示することができ、要素858dの要素858cへの接合を刺激することができる。要素858a、858b、および858cのそれぞれは、例えば、木材ストランドなどの1つの種類の木材要素であってもよく、要素858dは、例えば、木材ベニヤなどの別の種類の木材要素であってもよい。木材ベニヤ858dは、例えば、木材ストランド858a、858b、858cよりも繊細であり、例えば、要素858cへの接合を刺激する際に供給されるより少ない超音波エネルギー860の量から有利に利益を得ることができる。いくつかの例では、制御モジュール852は、図12Cの動作コントローラ746を含むことができ、に示されており、超音波トランスデューサ854に動作制御機能を提供することができる。
【0149】
一般的な態様では、複合木材製品を製造するためのシステムは、充填材を複数の木材要素に適用するように構成されたアプリケータと、超音波エネルギーを複数の木材要素に供給するように構成された超音波トランスデューサとを含み、超音波エネルギーは、10kHz~20MHzの周波数範囲内の周波数を有する。
【0150】
実施形態は、次の1つ以上を含むことができる。複数の木材要素を接合し複合木材製品にすることができる。アプリケータは、接着アプリケータを含んでもよく、充填材は、接着剤を含んでもよい。充填材は、接着剤を含まなくてもよい。充填材にはプラスチックが含まれていてもよい。充填材は、金属を含んでもよい。超音波トランスデューサが複数の木材要素に超音波エネルギーを供給する前に、複数の木材要素を互いに近接して配置することができる。アプリケータは、超音波トランスデューサが複数の木材要素に超音波エネルギーを供給するのと同時に、充填材を複数の木材要素に適用することができる。超音波トランスデューサは、アプリケータが充填材を複数の木材要素に適用する前に、超音波エネルギーを複数の木材要素に供給することができる。超音波トランスデューサは、アプリケータが充填材を複数の木材要素に適用した後、超音波エネルギーを複数の木材要素に供給することができる。このシステムは、複数の木材要素に圧縮力を加えるように構成されたプレスを含んでもよい。プレスは、超音波トランスデューサが複数の木材要素に超音波エネルギーを供給する前に、複数の木材要素に圧縮力を加えてもよい。プレスは、超音波トランスデューサが複数の木材要素に超音波エネルギーを供給すると同時に、複数の木材要素に圧縮力を加えることができる。プレスは、超音波トランスデューサが複数の木材要素に超音波エネルギーを供給した後、複数の木材要素に圧縮力を加えることができる。超音波エネルギーは、15kHz~1MHzの周波数範囲内の周波数を有してもよい。超音波エネルギーは、20kHz~100kHzの周波数範囲内の周波数を有してもよい。システムは、欠陥検査コンポーネントをさらに含むことができ、超音波トランスデューサは、追加の量の超音波エネルギーを複合木材製品に供給するようにさらに構成でき、欠陥検査コンポーネントは、複合木材製品の欠陥を検査するように構成されてもよい。欠陥検査コンポーネントはカメラを含んでもよい。システムは、欠陥検査コンポーネントおよび第2の超音波トランスデューサをさらに含むことができ、第2の超音波トランスデューサは、複合木材製品に超音波エネルギーを供給するように構成することができ、欠陥検査コンポーネントは、複合木材製品の欠陥を検査するように構成することができる。欠陥検査コンポーネントは、カメラを含んでもよい。超音波トランスデューサは、さらに、アプリケータが充填材を複数の木材要素に適用する前に、超音波エネルギーを複数の木材要素に供給するように構成できる。アプリケータが充填材を複数の木材要素に適用する前に、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給することにより、複数の木材要素を洗浄することができる。システムは、複合木材製品に処理を施すように構成された処理アプリケータをさらに含むことができ、超音波トランスデューサは、超音波エネルギーの追加の量を複合木材製品に供給するようにさらに構成できる。システムは、処理アプリケータおよび第2の超音波トランスデューサをさらに含むことができ、処理アプリケータは、複合木材製品に処理を適用するように構成でき、第2の超音波トランスデューサは、複合木材製品に超音波エネルギーを供給するように構成できる。超音波トランスデューサは、ランジュバントランスデューサ、リングトランスデューサ、シンバルトランスデューサ、ドームトランスデューサ、ホーントランスデューサ、ピラミッドトランスデューサ、ウェッジトランスデューサ、および、球状トランスデューサの群から選択できる。超音波トランスデューサは、超音波エネルギーを方形波として生成できる。超音波トランスデューサは、超音波エネルギーを正弦波として生成することができる。超音波トランスデューサは、台形波および三角波からなる群から選択される波として超音波エネルギーを生成できる。超音波トランスデューサは、超音波エネルギーを連続波形として生成できる。 超音波トランスデューサは、超音波エネルギーをパルス波形として生成できる。このシステムは、複数の木材要素を輸送するように構成されたコンベヤをさらに含むことができる。このシステムは、複数の木材要素をコンベヤ上に導くように構成されたファネルをさらに含むことができる。このシステムは、複数の木材要素を収容するように構成されたチャンバをさらに含むことができる。
【0151】
一般的な態様では、複合木材製品を製造するためのシステムは、複数の木材要素に充填材を適用するように構成されたアプリケータと、超音波エネルギーを生成するように構成された超音波トランスデューサとを含み、超音波エネルギーは、10kHz~20MHzの周波数範囲内の周波数を有する。このシステムは、軸周りを回転するように構成された円筒形ボディを含むローラー要素も含み、円筒形ボディは外面を含む。そのシステムは、超音波エネルギーをローラー要素に導くように構成された超音波ホーンをさらに含み、ローラー要素は、超音波エネルギーを複数の木材要素に供給するように構成され、超音波エネルギーが供給されるとき、ローラー要素は、円筒形ボディの外面が複数の木材要素の少なくとも1つの木材要素に物理的に接触したままであるように構成される。
【0152】
実施形態は、以下の1以上を含むことができる。円筒形ボディの外面は、実質的に平滑であってもよい。円筒形ボディの外面は、複数の凹部を含んでもよい。円筒状ボディの外面は、複数の窪みを含んでもよい。円筒形ボディの外面は、複数の突起を含んでもよい。複数の突起のうちの少なくとも1つの突起は、丸い外面を含んでもよい。複数の突起のうちの少なくとも1つの突起は、実質的に平坦な外面を含むことができる。複数の突起のうちの少なくとも1つの突起は、点を含む外面を含んでもよい。複数の突起のうちの少なくとも1つの突起は、リッジを含む外面を有することができる。複数の木材要素を接合し複合木材製品にすることができる。アプリケータは、接着アプリケータを含んでもよく、充填材は、接着剤を含んでもよい。充填材は、接着剤を含まなくてもよい。充填材にはプラスチックが含まれていてもよい。充填材は、金属を含んでもよい。ローラー要素が複数の木材要素に超音波エネルギーを供給する前に、複数の木材要素は、相互に近接して配置できる。アプリケータは、ローラー要素が超音波エネルギーを複数の木材要素に供給すると同時に、複数の木材要素に充填材を適用できる。ローラー要素は、アプリケータが充填材を複数の木材要素に適用する前に、超音波エネルギーを複数の木材要素に供給することができる。ローラー要素は、アプリケータが充填材を複数の木材要素に適用した後、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給することができる。このシステムは、複数の木材要素に圧縮力を加えるように構成されたプレスをさらに含むことができる。プレスは、ローラー要素が超音波エネルギーを複数の木材要素に供給する前に、複数の木材要素に圧縮力を加えてもよい。プレスは、ローラー要素が超音波エネルギーを複数の木材要素に供給すると同時に、複数の木材要素に圧縮力を加えることができる。プレスは、ローラー要素が複数の木材要素に超音波エネルギーを供給した後、複数の木材要素に圧縮力を加えることができる。超音波エネルギーは、15kHz~1MHzの周波数範囲内の周波数を有してもよい。超音波エネルギーは、20kHz~100kHzの周波数範囲内の周波数を有してもよい。このシステムは、欠陥検査コンポーネントをさらに含むことができ、ローラー要素は、複合木材製品に超音波エネルギーを供給するようにさらに構成でき、欠陥検査コンポーネントは、複合木材製品の欠陥を検査するように構成できる。欠陥検査コンポーネントは、カメラを含んでもよい。ローラー要素は、アプリケータが充填材を複数の木材要素に適用する前に、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給するように構成できる。アプリケータが充填材を複数の木材要素に適用する前に、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給することにより、複数の木材要素を洗浄することができる。このシステムは、複合木材製品に処理を施すように構成された処理アプリケータをさらに含むことができ、ローラー要素は、複合木材製品に超音波エネルギーを供給するようにさらに構成できる。超音波トランスデューサは、超音波エネルギーを方形波として生成できる。超音波トランスデューサは、超音波エネルギーを正弦波として生成できる。超音波トランスデューサは、台形波および三角波からなる群から選択される波として、超音波エネルギーを生成できる。超音波トランスデューサは、超音波エネルギーを連続波形として生成できる。超音波トランスデューサは、超音波エネルギーをパルス波形として生成できる。このシステムは、複数の木材要素を輸送するように構成されたコンベヤをさらに含むことができる。このシステムは、複数の木材要素をコンベヤ上に導くように構成されたファネルをさらに含むことができる。このシステムは、複数の木材要素を収容するように構成されたチャンバをさらに含むことができる。
【0153】
一般的な態様では、複合木材製品を製造するためのシステムは、複数の木材要素に充填材を適用するように構成されたアプリケータと、超音波エネルギーを生成するように構成された超音波トランスデューサとを含み、超音波エネルギーは、10kHz~20MHzの周波数範囲内の周波数を有する。このシステムは、球状ボディを有するローラー要素を含み、球状ボディは、外面を含む。このシステムは、超音波エネルギーをローラー要素に導くように構成された超音波ホーンをさらに含み、ローラー要素は、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給するように構成され、ローラー要素は、超音波エネルギーが供給されるとき、球状ボディの外面の一部は、複数の木材要素のうちの少なくとも1つの木材要素に物理的に接触したままである。
【0154】
実施形態は、以下の1以上を含むことができる。球状ボディの外面は、実質的に平滑であってもよい。球状ボディの外面は、複数の凹部を含んでもよい。球状ボディの外面は、複数の窪みを含んでもよい。球状ボディの外面は、複数の突起を含くんでもよい。複数の突起のうちの少なくとも1つの突起は、丸い外面を含んでもよい。複数の突起のうちの少なくとも1つの突起は、実質的に平坦な外面を含むことができる。複数の突起のうちの少なくとも1つの突起は、点を含む外面を含んでもよい。複数の突起のうちの少なくとも1つの突起は、リッジを含む外面を有することができる。複数の木材要素を結合し複合木材製品にすることができる。アプリケータは、接着アプリケータを含んでもよく、充填材は、接着剤を含んでもよい。充填材は、接着剤を含まなくてもよい。充填材にはプラスチックが含まれていてもよい。充填材は、金属を含んでもよい。ローラー要素が複数の木材要素に超音波エネルギーを供給する前に、複数の木材要素を互いに近接して配置することができる。アプリケータは、ローラー要素が超音波エネルギーを複数の木材要素に供給すると同時に、複数の木材要素に充填材を適用できる。ローラー要素は、アプリケータが複数の木材要素に充填材を適用する前に、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給することができる。ローラー要素は、アプリケータが複数の木材要素に充填材を適用した後、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給することができる。このシステムは、複数の木材要素に圧縮力を加えるように構成されたプレスをさらに含むことができる。プレスは、ローラー要素が複数の木材要素に超音波エネルギーを供給する前に、複数の木材要素に圧縮力を加えてもよい。プレスは、ローラー要素が複数の木材要素に超音波エネルギーを供給すると同時に、複数の木材要素に圧縮力を加えることができる。プレスは、ローラー要素が複数の木材要素に超音波エネルギーを供給した後、複数の木材要素に圧縮力を加えることができる。超音波エネルギーは、15kHz~1MHzの周波数範囲内の周波数を有してもよい。超音波エネルギーは、20kHz~100kHzの周波数範囲内の周波数を有してもよい。このシステムは、欠陥検査コンポーネントをさらに含むことができ、ローラー要素は、複合木材製品に超音波エネルギーを供給するようにさらに構成でき、欠陥検査コンポーネントは、複合木材製品の欠陥を検査するように構成できる。欠陥検査コンポーネントは、カメラを含んでもよい。ローラー要素は、アプリケータが充填材を複数の木材要素に適用する前に、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給するように構成できる。アプリケータが充填材を複数の木材要素に適用する前に、複数の木材要素に超音波エネルギーを供給することにより、複数の木材要素を洗浄することができる。このシステムは、複合木材製品に処理を施すように構成された処理アプリケータをさらに含むことができ、ローラー要素は、複合木材製品に超音波エネルギーを供給するようにさらに構成できる。超音波トランスデューサは、超音波エネルギーを方形波として生成できる。超音波トランスデューサは、超音波エネルギーを正弦波として生成できる。超音波トランスデューサは、台形波および三角波からなる群から選択される波として超音波エネルギーを生成できる。超音波トランスデューサは、超音波エネルギーを連続波形として生成できる。超音波トランスデューサは、超音波エネルギーをパルス波形として生成できる。このシステムは、複数の木材要素を輸送するように構成されたコンベヤをさらに含むことができる。このシステムは、複数の木材要素をコンベヤ上に導くように構成されたファネルをさらに含むことができる。このシステムは、複数の木材要素を収容するように構成されたチャンバをさらに含むことができる。
【0155】
上記の説明は、いくつかの実施形態の例を提供する。上述した特徴の修正および/または変形に基づく実施形態など、明示的に上記されていない他の実施形態も可能である。例えば、上記の技術は、1つ以上の追加のステップを含めて、および/または、1以上の特定されたステップを除外して、異なる順序で実施することができる。同様に、デバイス、システム、および、方法は、1以上の追加の特徴を含んでもよく、1つ以上の特定された特徴を除外してもよく、および/または、上に提示されたものとは異なる方法で組み合わせられる特定された特徴またはステップを含んでもよい。単数として記載されている特徴またはステップは、複数のそのような特徴またはステップとして実施されてもよい。同様に、複数として記載されている特徴またはステップは、そのような特徴またはステップの単一の例として実施されてもよい。さらに、いくつかのデバイスおよび/またはシステムによって実行されるものとして上述されたステップおよび技術は、代替的に、または、追加的に、上述された他のデバイスおよび/またはシステム、もしくは、明示的に記載されていない他のデバイスおよび/またはシステムによって実行されてもよい。図面は例示を目的としており、いくつかの実施形態を詳細に示していない場合がある。サイズ、配置、形状、角度、曲率、および/または、相互の位置的特徴の変更が可能である。したがって、他の実施形態も以下のクレームの範囲に含まれる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図15A
図15B
【国際調査報告】