(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】トランスデューサアレイ配置を最適化する医用画像強調のための方法、システムおよび装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/46 20240101AFI20240206BHJP
G01T 1/161 20060101ALI20240206BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20240206BHJP
G06T 3/4053 20240101ALI20240206BHJP
G06T 3/4046 20240101ALI20240206BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20240206BHJP
A61N 1/32 20060101ALN20240206BHJP
【FI】
A61B6/46 536Q
G01T1/161 D
G06T1/00 500Z
G06T1/00 340Z
G06T3/4053
G06T3/4046
A61B6/03 577
A61B6/03 560T
A61N1/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544383
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-09-20
(86)【国際出願番号】 IB2022050446
(87)【国際公開番号】W WO2022157645
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519275847
【氏名又は名称】ノボキュア ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ルーヴェン・ルビー・シャミル
(72)【発明者】
【氏名】ノア・ウルマン
(72)【発明者】
【氏名】ヤナ・グローツマン
【テーマコード(参考)】
4C053
4C093
4C188
5B057
【Fターム(参考)】
4C053JJ02
4C053JJ03
4C053JJ13
4C093AA22
4C093AA25
4C093AA26
4C093FD03
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4C093FF09
4C093FF35
4C093FF37
4C188EE02
4C188FF04
4C188FF07
4C188KK24
5B057AA07
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5B057CH11
5B057DB02
5B057DB09
(57)【要約】
3次元モデルを生成するためのコンピュータ実行される方法であって、コンピュータが、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサによってアクセス可能なメモリとを備え、メモリが、命令を記憶し、命令が、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、コンピュータに、コンピュータ実行される方法を行わせ、本方法が、第1の画像形式で患者の身体の第1の部分の第1の画像データを受信するステップ(1110)と、第2の画像形式で患者の身体の第2の部分の第2の画像データを受信するステップ(1120)と、第2の画像データを第2の画像形式から第1の画像形式に修正するステップ(1160)と、第1の画像形式における第1の画像データおよび第1の画像形式における修正された第2の画像データに基づいて、患者の身体の第1の部分および第2の部分の3次元モデルを生成するステップ(1170)とを含む、コンピュータ実行される方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元モデルを生成するためのコンピュータ実行される方法であって、前記コンピュータが、1つまたは複数のプロセッサと、前記1つまたは複数のプロセッサによってアクセス可能なメモリとを備え、前記メモリが、命令を記憶し、前記命令が、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、前記コンピュータに、前記方法を行わせ、前記方法が、
第1の画像形式で患者の身体の第1の部分の第1の画像データを受信するステップと、
第2の画像形式で前記患者の身体の第2の部分の第2の画像データを受信するステップと、
前記第2の画像データを前記第2の画像形式から前記第1の画像形式に修正するステップと、
前記第1の画像形式における前記第1の画像データおよび前記第1の画像形式における前記修正された第2の画像データに基づいて、前記患者の身体の前記第1の部分および前記第2の部分の3次元モデルを生成するステップと
を含む、コンピュータ実行される方法。
【請求項2】
画像形式変換モデルを生成するステップを更に含み、前記第2の画像データを前記第2の画像形式から前記第1の画像形式に修正するステップが、前記第2の画像形式における前記第2の画像データに前記画像形式変換モデルを適用するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像形式変換モデルを生成するステップが、
複数の被検者に対する前記第1の画像形式における前記患者の身体の前記第1の部分に対する複数の画像データを受信するステップと、
前記複数の被検者に対する前記第2の画像形式における前記患者の身体の前記第2の部分に対する第2の複数の画像データを受信するステップと
を含み、
前記画像形式変換モデルが、前記第1の複数の画像データおよび前記第2の複数の画像データの分析に基づいて生成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記分析が、敵対的生成ネットワーク(GAN)分析、MedGAN分析、超解像GAN分析、pix2pix GAN分析、cycleGAN分析、discoGAN分析、fila-sGAN分析、敵対的投影ネットワーク(PAN)分析、変分オートエンコーダ(VAE)分析、または回帰分析のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記患者の身体の前記第1の部分および前記第2の部分の前記3次元モデルに基づいて、前記患者の身体の前記第1の部分および前記第2の部分のうちの少なくとも1つに沿ってトランスデューサ・アレイ・レイアウト・マップを決定するステップを更に含む、請求項1の方法。
【請求項6】
3次元モデルを生成するためのコンピュータ実行される方法であって、前記コンピュータが、1つまたは複数のプロセッサと、前記1つまたは複数のプロセッサによってアクセス可能なメモリとを備え、前記メモリが、命令を記憶し、前記命令が、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、前記コンピュータに、前記方法を行わせ、前記方法が、
患者の身体部位の第1の部分の第1の画像データを受信するステップであって、前記身体部位の前記第1の部分が、完全な身体部位より小さい、ステップと、
複数の被検者に対する前記身体部位の複数の第2の画像データを受信するステップと、
前記複数の第2の画像データに基づいて、身体部位完全モデルを決定するステップと、
前記身体部位完全モデルおよび前記第1の画像データに基づいて、前記身体部位の第2の部分の第3の画像データを生成するステップと、
前記第1の画像データおよび前記第3の画像データに基づいて、前記患者の前記身体部位の3次元モデルを生成するステップと
を含む、方法。
【請求項7】
前記複数の第2の画像データの各々を第1の部分画像データおよび第2の部分画像データへ分割するステップを更に含み、前記第1の部分画像データが、対応する被検者に対する前記身体部位の前記第1の部分を含み、前記第2の部分画像データが、前記対応する被検者に対する前記身体部位の別の部分を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の被検者の各々に対する前記第1の部分画像データおよび前記第2の部分画像データの分析を行うステップを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記分析が、統計的形状分析、アクティブ外観分析、またはグローバル画像統計分析のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の画像データに基づいて、前記患者の前記身体部位の前記3次元モデルを生成するために前記患者の身体の前記身体部位の前記第2の部分の画像データが必要とされると判定するステップを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記患者の前記身体部位の前記3次元モデルに基づいて、前記患者の前記身体部位に沿ってトランスデューサ・アレイ・レイアウト・マップを決定するステップを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記身体部位が、頭部であり、前記身体部位の前記第1の部分の前記第1の画像データが、前記患者の前記頭部の頂部を含まない、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
3次元モデルを生成するためのコンピュータ実行される方法であって、前記コンピュータが、1つまたは複数のプロセッサと、前記1つまたは複数のプロセッサによってアクセス可能なメモリとを備え、前記メモリが、命令を記憶し、前記命令が、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、前記コンピュータに、前記方法を行わせ、前記方法が、
第1の画像解像度における患者の身体の一部分の第1の画像データを受信するステップと、
複数の被検者に対する複数の第2の画像データを受信するステップと、
前記複数の第2の画像データに基づいて、前記第1の画像データの解像度を高めるための超解像モデルを決定するステップと、
前記超解像モデルおよび前記第1の画像データに基づいて、第2の画像解像度における前記患者の身体の前記一部分の第3の画像データを生成するステップであって、前記第2の画像解像度が、前記第1の画像解像度より高い、ステップと
を含む、コンピュータ実行される方法。
【請求項14】
前記複数の被検者に対する前記複数の第2の画像データを受信するステップが、
前記第1の画像解像度における前記複数の被検者に対する前記患者の身体の前記一部分と同じ身体の一部分の第1の複数の第2の画像データを受信するステップと、
前記第2の画像解像度における前記複数の被検者に対する前記同じ身体の一部分の第2の複数の第2の画像データを受信するステップと
を含み、
前記超解像モデルを決定するステップが、前記第1の複数の第2の画像データおよび前記第2の複数の第2の画像データの分析を行うステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記分析が、回帰分析、畳み込みネットワーク分析、敵対的生成ネットワーク(GAN)分析、MedGAN分析、超解像GAN分析、pix2pix GAN分析、cycleGAN分析、discoGAN分析、またはfila-sGAN分析のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年1月22日に出願された米国仮出願第63/140,635号および2022年1月18日に出願された米国非仮出願第17/578,241号の優先権を主張するものであり、これらの出願は、あらゆる目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、トランスデューサアレイ配置を最適化する医用画像強調のための方法、システムおよび装置に関する。
【背景技術】
【0003】
腫瘍治療電場(TTFields)は、中間周波数範囲内の低強度交流電場であり、米国特許第7,565,205号に記載されているように腫瘍を治療するために使用され得る。TTFieldsは、患者の身体にトランスデューサが配置され、トランスデューサ間にAC電圧を印加することによって、関心領域へ非侵襲的に誘起される。患者の身体上でのトランスデューサの有効な位置決めを決定するために、患者の身体の一部分の3次元モデルが評価され得る。しかしながら、患者についての利用可能な画像データが身体の一部分を欠き得るので、画像データの解像度が3次元モデルを生成するには不十分であり得るので、または身体の第1の部分についての画像データが身体の第2の部分についての画像データと異なる画像形式のものであるので、3次元モデルを生成するのに十分な患者についての画像データは利用可能でないことがある。そのため、これらの問題のいずれも、患者の身体の一部分の3次元モデルの生成を妨げ、それによってTTFieldsを誘起するための患者の身体上でのトランスデューサの有効な位置決めを妨げることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様は、3次元モデルを生成するためのコンピュータ実行される方法であって、コンピュータが、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサによってアクセス可能なメモリとを備え、メモリが、命令を記憶し、命令が、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、コンピュータに、本方法を行わせ、本方法が、第1の画像形式で患者の身体の第1の部分の第1の画像データを受信するステップと、第2の画像形式で患者の身体の第2の部分の第2の画像データを受信するステップと、第2の画像データを第2の画像形式から第1の画像形式に修正するステップと、第1の画像形式における第1の画像データおよび第1の画像形式における修正された第2の画像データに基づいて、患者の身体の第1の部分および第2の部分の3次元モデルを生成するステップとを含む、方法を対象とする。
【0006】
本発明の上記の態様は、例証であり、本発明の他の態様およびバリエーションは、以下の実施形態の詳細な説明から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】患者の2つの画像走査に基づいて、患者の身体部位の3次元画像を生成するための方法例のフローチャートである。
【
図2】患者の単一の画像走査に基づいて、患者の身体部位の3次元画像を生成するための方法例のフローチャートである。
【
図3】患者の身体部位の低解像度画像に基づいて、患者の身体部位の高解像度3次元画像を生成するための方法例のフローチャートである。
【
図4】患者の身体の一部分へのTTFieldsの伝達のためのトランスデューサ・アレイ・レイアウトを決定するための方法例のフローチャートである。
【
図6】電気療法治療のための装置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明者らによって発見されたように、開示される主題は、不完全なまたは一貫性のない画像集合を所与として患者の身体の一部分の3次元モデルを生成するための方法およびシステムを提供する。3次元モデルは、次いでTTFieldsを発生させるために患者の身体にトランスデューサを配置する場所を決定するために使用できる。
【0009】
患者の身体の不完全なまたは一貫性のない画像集合は、例えば、患者の身体の一部分を欠く画像集合、解像度が3次元モデルを生成するには不十分な画像集合、または患者の身体の第1の部分に対して、患者の身体の第2の部分に対する画像データと異なる画像形式を有する画像集合であり得る。本発明による技術の1つまたは複数を使用して、そのような不完全なまたは一貫性のない画像集合を所与として、患者の身体の一部分の3次元モデルが次いで生成され得る。
【0010】
図1は、患者の2つの画像走査に基づいて患者の身体部位の3次元画像を生成するための方法例1100のフローチャートであり、2つの画像走査の少なくとも一部分が患者の身体部位の異なる部分を含み、2つの画像走査が異なる画像形式を有する。異なる画像形式における患者の2つの画像は、各々同じ患者身体部位の画像でよい。本明細書に記載される方法は、患者のいずれの身体部位に対しても実行されてよい。
【0011】
1110で、患者支援システム1002は、第1の画像形式で患者の身体部位の第1の部分の第1の画像データを受信し得る。例えば、患者の身体部位の第1の部分は、患者の頭部の第1の部分でよい。加えて、第1の画像データは、患者の頭部の第2の部分の少なくとも一部分を含まなくてよい。例えば、第1の画像データは、患者の頭部(例えば、または他の身体部位)の下部分を含んでよいが、患者の頭部(例えば、または他の身体部位)の上部分の少なくとも一部分を含まなくてよい。
【0012】
1120で、患者支援システム1002は、第1の画像形式と異なる第2の画像形式で患者の身体の第2の部分の第2の画像データを受信し得る。例えば、患者の身体部位の第2の部分は、患者の頭部の第2の部分でよい。加えて、第2の画像データは、患者の頭部の第1の部分の少なくとも一部分を含まなくてよい。例えば、第2の画像データは、患者の頭部(例えば、または他の身体部位)の上部分を含んでよいが、患者の頭部(例えば、または他の身体部位)の下部分の少なくとも一部分を含まなくてよい。
【0013】
受信した第1/第2の画像データのための画像形式は、X線コンピュータ断層撮影(CT)データでよく、第2の画像データは、X線CTデータでよい。別の例では、第1/第2の画像形式は、単一光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)データ、磁気共鳴イメージング(MRI)データ、陽電子放出断層撮影(PET)データ等のいずれか1つでよく、第2の画像は、SPECTデータ、MRIデータ、PETデータ等を含んでよい。第1/第2の画像データは、イメージングデータ610、ローカルデータベース1018またはリモート画像データベース1020から予測モデリングアプリケーション1014によって受信されてよい。第1の画像データおよび第2の画像データは、患者の身体部位の同じまたは異なる向きで撮られてよい。患者の身体の一部分の第1の画像データおよび第2の画像データは、同じまたは異なる時間に撮られていてよい。
【0014】
1130で、患者支援システム1002は、第1の画像データのための第1の画像形式が第2の画像データのための第2の画像形式と一致しないと判定し得る。予測モデリングアプリケーション1014は、第1の画像走査および第2の画像走査の各々のための形式が同じまたは異なるかどうかを判定するために第1の画像走査および第2の画像走査の各々のファイルに対する形式フィールドを比較し得る。形式フィールドは、画像走査の形式を示す標識を提供し得る。予測モデリングアプリケーション1014が第1の画像走査および第2の画像走査の各形式に対する形式フィールド内の情報を比較して、それらが同じであると判定すれば、予測モデリングアプリケーション1014は、1170で記載されるように実質的に患者の身体部位の完全な3次元画像を生成するために第1の画像走査および第2の画像走査を使用し得る。本例では、予測モデリングアプリケーション1014は、第1の画像走査および第2の画像走査の各画像形式に対する形式フィールド内の情報を比較して、形式が異なると判定する。
【0015】
予測モデリングアプリケーション1014は、他の被検者に対する身体部位の複数の画像にアクセスし得る。この複数の画像は、被検者に対する第1の形式における身体部位の第1の部分の画像データを含む画像の第1の部分および被検者に対する第2の画像形式における身体部位の第2の部分の画像データを含む画像の第2の部分を含んでよい。この複数の画像は、患者支援システム1002の画像データベース1018に記憶されてよく、および/または患者支援システム1002から離れていてよい、別の画像データベース1020からアクセスされてよい。
【0016】
予測モデリングアプリケーション1014は、1つの画像形式から別の画像形式に画像を変換するモデルを開発するための複数の画像を取り出すためにデータベース1018、1020を照会してよい。照会は、例えば、患者以外の被検者に対して、データベース内のどの画像が同じ被検者のものであり、第1の画像形式における被検者の身体部位の第1の部分の画像データおよび第2の画像形式における被検者の身体部位の第2の部分に対する別個の画像データを含むかを判定し得る。この照会を満たす画像データの群が形式変換モデルの作成における分析のために選択されてよい。
【0017】
形式変換モデルの作成のために使用される被検者画像の数は、設定可能でよく、患者以外の1人の被検者に対する画像データより大きい任意の数とすることができる。或る実施形態例において、形式変換モデルを作成するために、照会基準を満たす被検者の目標または閾値数が満たされなければならない。或る実施形態例において、目標閾値は、照会を満たす少なくとも5人の被検者に対する画像データでよい。例えば、目標閾値は、照会を満たす15~50人の被検者に対する画像データの範囲でよい。
【0018】
或る実施形態例において、予測モデリングアプリケーション1014は、目標閾値に等しい数の被検者に対する第1の画像形式における身体部位の第1の部分に対する画像データおよび第2の画像形式における身体部位の第2の部分に対する画像データを収集するだけでよい。他の実施形態例において、予測モデリングアプリケーションは、目標閾値を満たし、画像データベース内の利用可能である任意の数の被検者に対する第1の画像形式における身体部位の第1の部分に対する画像データおよび第2の画像形式における身体部位の第2の部分に対する画像データを収集し得る。
【0019】
データベース1018、1020の照会は、1つまたは複数の他の照会最適化要因も含んでよい。例えば、これらの要因の少なくとも一部分は、患者/被検者の1つまたは複数の身体属性に基づいてよい。例えば、照会最適化要因は、患者の年齢、年齢範囲、患者の身長、身長範囲、患者の性別、患者の人種、患者の体重、体重範囲、患者の1つまたは複数の疾患、状態または異常、身体部位の1つまたは複数の寸法、身体部位の1つまたは複数の寸法の比率、等の1つまたは複数を含んでよい。或る実施形態例において、これらの照会最適化要因の1つまたは複数に基づいて複数の超解像モデルが生成されてよい。照会に含める要因の数および/または種類の決定は、設定可能であり、および/またはユーザによって決定できる。
【0020】
1140で、予測モデリングアプリケーション1014は、多数の他の被検者に対する身体部位の少なくとも第1の部分の第1の複数の画像データを受信し得る。これらの他の被検者に対する身体部位の少なくとも第1の部分の画像は、第1の画像形式(例えば、MRI)でよい。身体部位の少なくとも第1の部分の画像は、データベース1018、1020の照会に基づいて受信されてよい。データベースの照会は、1つまたは複数の照会最適化要因を含んでいてもまたはいなくてもよい。
【0021】
1150で、予測モデリングアプリケーション1014(例えば、または患者支援システム1002の別の部分)は、第1の画像データが受信された数の被検者に対する身体部位の少なくとも第2の部分の第2の複数の画像データを受信し得る。これらの被検者に対する身体部位の少なくとも第2の部分の画像データは、第2の画像形式(例えば、X線CT)でよい。身体部位の第2の部分の画像は、データベース1018、1020の照会に基づいて受信されてよい。データベースの照会は、1つまたは複数の照会最適化要因を含んでいてもまたはいなくてもよい。
【0022】
1160で、予測モデリングアプリケーション1014は、患者の身体部位の第2の部分の第2の画像走査を第2の画像形式から第1の画像形式に変換し得る。例えば、予測モデリングアプリケーション1014は、第2の画像形式における画像データを第1の画像形式における画像データに変換するための画像形式変換モデルを生成するために、第1の画像形式における他の被検者の身体部位の少なくとも第1の部分の第1の複数の画像データおよび第2の画像形式における他の被検者の身体部位の少なくとも第2の部分の第2の複数の画像データを使用する人工知能技術を利用し得る。
【0023】
例えば、予測モデリングアプリケーション1014は、画像形式変換モデルを生成するために敵対的生成ネットワーク(GAN)分析の一形態を適用し得る。例えば、予測モデリングアプリケーション1014は、画像形式変換モデルを生成するためにMedGAN分析を適用し得る。他の例では、予測モデリングアプリケーション1014は、超解像GAN、pix2pix GAN、CycleGAN、DiscoGANおよびFila-sGANを含むがこれらに限定されない、別の形態のGAN分析を適用し得る。他の実施形態例において、予測モデリングアプリケーション1014は、敵対的投影ネットワーク(PAN)または変分オートエンコーダ(VAE)など、画像形式変換モデルを生成するために別の形態のモデリングを適用し得る。
【0024】
一旦第1の画像形式における他の被検者の身体部位の少なくとも第1の部分の第1の複数の画像データおよび第2の画像形式における他の被検者の身体部位の少なくとも第2の部分の第2の複数の画像データに基づいて画像形式変換モデルが生成されると、予測モデリングアプリケーション1014は、第2の画像走査を第2の画像形式(例えば、X線CT)から第1の画像形式(例えば、MRI)および/または患者の身体部位の第1の部分の第1の画像走査と同じ画像形式に変換するために第2の画像形式における患者の身体部位の第2の部分に対する画像走査にモデルを適用し得る。
【0025】
1170で、予測モデリングアプリケーション1014は、第1の画像形式における患者の身体部位の第1の部分の第1の画像データおよび第1の画像形式における患者身体の身体部位の第2の部分の変換された第2の画像データに基づいて患者の身体部位の完全な3次元モデルを生成し得る。例えば、患者に対する第1の画像および変換された第2の画像が同じ画像形式であるので、予測モデリングアプリケーション1014は、患者の身体部位の第1の部分の第1の画像データの上に患者の身体部位の第2の部分の変換された第2の画像データの全てまたは一部分を重ねてまたはその他組み合わせてよく、変換された第2の画像データにあるが第1の画像データにない患者の身体部位の部分を第1の画像データに加えてよい。例えば、身体部位は患者の頭部でよい。第1の画像は、患者の頭部の一部分を含んでよいが、患者の頭部の別の部分(例えば、患者の頭部の上部分の少なくとも一部分)を欠いていてもよい。変換された第2の画像データは、第1の画像データから欠けている所望の身体部位の部分を含んでよい。例えば、変換された第2の画像データは、患者の頭部の上部分を含んでよいが、患者の頭部の全てを含まなくてもよい。予測モデリングアプリケーション1014は、組織、器官、腫瘍等などの内部構造を含め、患者の身体部位の全てまたは一部分の3次元空間でのデジタル表現を作成するために、第1の画像データに欠けている身体部位の部分に対する変換された第2の画像の画像データをとり、その画像データを第1の画像データに加えることによって、患者の頭部の完全な3次元モデルを生成し得る。
【0026】
図2は、患者の身体部位の一部分を含む単一の画像スキャンに基づいて患者の身体部位の3次元画像を生成するための方法例1200のフローチャートであり、画像データが患者の身体部位の別の部分を含まない。
【0027】
1210で、患者支援システム1002は、患者の身体部位の第1の部分の第1の画像データを受信し得る。第1の画像は、患者の身体部位の第2の部分の少なくとも一部分を含まなくてよい。
【0028】
1220で、患者支援システム1002は、身体部位の完全な3次元モデルを生成するために患者の身体部位の第2の部分が必要とされると判定し得る。例えば、患者支援システム1002は、第1の画像データを評価して、画像データが患者の身体部位へのTTFieldsの伝達をモデル化するために必要とされる身体部位の一部分を含むだけであると判定し得る。
【0029】
1230で、予測モデリングアプリケーション1014は、患者の身体部位と同じである1人または複数の被検者の身体部位の画像データについてデータベースを照会してよい。照会に応答して、予測モデリングアプリケーション1014は、患者以外の複数の被検者に対する身体部位の複数の画像データを受信し得る。予測モデリングアプリケーション1014は、患者の身体部位の第1の画像データに身体部位の追加の部分を表す画像データを加える身体部位完全モデルを開発するための複数の画像を取り出すためにデータベース1018、1020を照会してよい。例えば、身体部位の第1の画像データの身体部位の追加の部分を表す画像データを加える結果、患者の身体部位の完全またはより完全な画像になってよい。照会は、例えば、患者以外の被検者に対して、データベース内のどの画像が患者の身体部位と同じ被検者のそれのものであるかを判定し得る。照会は、患者の身体部位と同じ被検者のそれの画像に対する画像データを含むように絞ってよく、被検者の画像データは、患者に対する第1の画像データより身体部位の完全なまたはより完全な画像を表す。この照会を満たす画像データが身体部位完全モデルの作成における分析のために選択されてよい。
【0030】
1240で、予測モデリングアプリケーション1014は、各被検者に対する受信した画像データを少なくとも2つの部分へ分割し得る。例えば、予測モデリングアプリケーション1014は、各被検者の身体部位に対する受信した画像データを、身体部位の第1の部分を含む第1部および身体部位の第2の部分を含む第2部へ分割し得る。例えば、第1部は、通常臨床スキャンに含まれる身体部位の部分でよい。頭部の例では、第1部は、各被検者に対する頭部の頂部および/または頭部の1つもしくは複数の側部以外の頭部の大部分でよい。例えば、第2部は、通常臨床スキャンに含まれない身体部位の一部分でよい。
【0031】
1250で、予測モデリングアプリケーション1014は、画像データから身体部位の全てまたは一部分の残りを生成するための身体部位完全モデルを決定し得る。予測モデリングアプリケーション1014は、患者の身体部位の画像データから身体部位の全てまたは一部分の残りを生成するための身体部位完全モデルを決定するために、人工知能技術および複数の被検者の身体部位の画像データの第1および第2部を利用し得る。1つの例では、予測モデリングアプリケーション1014は、身体部位完全モデルを決定するために複数の被検者の身体部位に対する画像データの第1部および第2部の統計的形状分析を利用し得る。別の例では、予測モデリングアプリケーション1014は、身体部位完全モデルを決定するために複数の被検者の身体部位に対する画像データの第1部および第2部のアクティブ外観モデリングを利用し得る。別の例では、予測モデリングアプリケーション1014は、身体部位完全モデルを決定するために複数の被検者の身体部位に対する画像データの第1部および第2部のグローバル画像統計を利用し得る。身体部位完全モデルを決定するために使用される提案した技術のいずれか1つが、複数の被検者の身体部位に対する画像データのセグメント第1部および第2部における頭部画像統計ならびに頭部および/または脳構造間の幾何学的関係をモデル化し得る。大きいデータセットでの訓練後に、第1の画像データから身体部位の欠けている部分を予測するために機械学習の遡及的推論(例えば、ランダムフォレスト)を組み込むことができる。別の例では、予測モデリングアプリケーション1014は、身体部位の多数の(例えば、100を超える、1000を超える、5000を超える)シミュレートされた画像スキャンを含むために評価されているデータセットを増やすためにGAN分析(例えば、MedGAN、超解像GAN、pix2pix GAN、CycleGAN、DiscoGANおよびFila-sGAN)を利用し得る。複数の被検者の身体部位に対する画像データの第1部および第2部は、次いで、それに幾つかの畳み込みブロックを含み、決定された身体部位完全モデル内で身体部位の欠けている部分を含む身体部位全体(例えば、頭部、胴、腕、脚全体等)の画像を出力するように訓練されることになる人工ニューラルネットワークへの入力として入力されてよい。
【0032】
1260で、予測モデリングアプリケーション1014は、患者の身体部位の第1の部分の第1の画像スキャンに身体部位完全モデルを適用し得る。例えば、身体部位完全モデルは、身体部位の第1の画像スキャンに含まれない患者の身体部位の残りの部分の全てまたは少なくとも一部分を決定するために患者の身体部位の第1の部分の画像データに人工知能技術として適用されてよい。
【0033】
1270で、予測モデリングアプリケーション1014は、患者の身体部位の第1の部分の画像データを補足し、それに基づく患者の身体部位の第2の部分に対する第2の画像データを生成し得る。身体部位の第2の部分に対する画像データは、患者の身体部位の第2の部分を表す3次元離散画像でよい。一例では、患者の身体部位の第2の部分を表す第2の画像データは、第1の画像データに含まれない身体部位のいかなる残りの部分であってよい。
【0034】
1280で、予測モデリングアプリケーション1014は、患者の身体部位の第1の部分の第1の画像データおよび患者に対する身体部位の第2の部分の生成された第2の画像データに基づいて患者の身体部位(または身体部位の一部分)の完全な3次元モデルを生成し得る。
【0035】
図3は、患者の身体部位の低解像度画像(例えば、SPECTスキャンまたはPETスキャン)に基づいて患者の身体部位の高解像度3次元画像(例えば、MRI)を生成するための方法例1300のフローチャートである。低解像度画像スキャンの画像データは、患者の身体部位全体または身体部位の一部分のそれでよい。
【0036】
1310で、予測モデリングアプリケーション1014は、第1の解像度における多数の他の被検者に対する身体部位の複数の第1の画像データを受信し得る。第1の解像度は高解像度(例えば、MRIまたはX線CT画像)でよい。第1の画像データの各々は、同じ画像形式のものでよい。複数の第1の画像データは、データベース1018、1020の照会に基づいて受信されてよい。照会は、最適化要因を含んでもまたは含まなくてもよい。
【0037】
予測モデリングアプリケーション1014は、患者の身体部位の低解像度画像データ(例えば、SPECTスキャンまたはPETスキャン)に基づいて高解像度画像データ(例えば、MRI)を生成するモデルを開発するための複数の画像を取り出すためにデータベース1018、1020を照会してよい。照会は、例えば、患者以外の被検者に対して、データベース内のどの画像が同じ被検者のものであり、被検者の身体部位の画像データを高解像度でも低解像度でも含むかを判定し得る。この照会を満たす画像データの群が超解像モデルの作成における分析のために選択されてよい。超解像モデルの作成のために使用される被検者画像の数は、設定可能でよく、患者以外の1人の被検者より大きい任意の数とすることができる。或る実施形態例において、超解像モデルを作成するために、照会基準を満たす被検者の目標または閾値数が満たされなければならない。或る実施形態例において、目標閾値は、照会を満たす少なくとも100人の被検者に対する画像データ(例えば、身体部位に対する低解像度画像データおよび高解像度画像データ)でよい。例えば、目標閾値は、照会を満たす50~5000人の被検者に対する画像データの範囲でよい。或る実施形態例において、予測モデリングアプリケーション1014は、目標閾値に等しい数の被検者に対する身体部位に対する低解像度画像データおよび高解像度画像データを収集するだけでよい。他の実施形態例において、予測モデリングアプリケーション1014は、目標閾値を満たし、画像データベース1018、1020内の利用可能である任意の数の被検者に対する身体部位に対する低解像度画像データおよび高解像度画像データを収集し得る。
【0038】
1320で、予測モデリングアプリケーション1014は、複数の被検者に対する身体部位の複数の第2の画像データを受信し得る。したがって、各被検者に対して、予測モデリングアプリケーション1014は、身体部位の第1の画像データも第2の画像データも受信し得る。複数の第2の画像データの各々は、第2の解像度でよい。第2の解像度は低解像度でよい。複数の第2の画像データの各々は、同じ画像形式のものでよく、第1の画像データの画像形式と異なってよい。複数の第2の画像データは、データベース1018、1020の照会に基づいて受信されてよい。照会は、最適化要因を含んでいてもまたはいなくてもよい。
【0039】
1330で、予測モデリングアプリケーションは、低解像度における患者の身体部位の画像データ(例えば、SPECTデータまたはPETデータ)に基づいて高解像度における患者の身体部位の画像データ(例えば、MRI)を生成するための超解像モデルを決定し得る。例えば、予測モデリングアプリケーション1014は、患者に対する身体部位の低解像度画像データに基づいて患者に対する身体部位の高解像度画像データを生成するための超解像モデルを生成するために、複数の被検者に対する身体部位の複数の第1の画像データおよび複数の被検者に対する身体部位の複数の第2の画像データを使用する人工知能技術を利用し得る。例えば、予測モデリングアプリケーション1014は、超解像モデルを生成するために複数の被検者に対する身体部位の複数の第1の画像データおよび複数の第2の画像データに敵対的生成ネットワーク(GAN)分析の一形態を適用し得る。例えば、予測モデリングアプリケーション1014は、超解像モデルを生成するためにMedGAN分析を適用し得る。他の例では、予測モデリングアプリケーション1014は、超解像GAN、pix2pix GAN、CycleGAN、DiscoGANおよびFila-sGANを含むがこれらに限定されない、別の形態のGAN分析を適用し得る。予測モデリングアプリケーション1014は、超解像モデルを生成するために別の形態のモデリングを適用し得る(例えば、回帰モデルまたは畳み込みネットワークなど)。
【0040】
1340で、予測モデリングアプリケーション1014は、患者に対する身体部位の画像データを受信し得る。身体部位の画像データは、低解像度である(例えば、MRI画像データの解像度より低い)第2の解像度でよい。
【0041】
1350で、一旦複数の被検者(例えば、人)に対する第1の解像度における身体部位の複数の第1の画像データおよび第2の解像度における身体部位の複数の第2の画像データに基づいて超解像モデルが生成されると、予測モデリングアプリケーション1014は、第2の解像度における患者に対する身体部位の受信した画像データにモデルを適用し得る。或る例では、超解像モデルは、患者に対する身体部位の画像データの受信に先立ち生成されてよい。他の実施形態例において、超解像モデルは、患者に対する身体部位の画像データの受信後に生成されてよい。
【0042】
1360で、予測モデリングアプリケーション1014は、第1の解像度における患者に対する身体部位の画像データを生成し得る。第1の解像度における患者に対する身体部位の画像データの生成は、第2の解像度における患者に対する身体部位の受信した画像データに超解像モデルを適用することに基づいてよい。第1の解像度は、第2の解像度より高くてよい。第1の解像度における患者に対する身体部位の生成された画像データは、第2の解像度における患者の身体部位の画像データおよび超解像モデルに基づく患者の身体部位の完全な3次元モデルでよい。
【0043】
図4は、患者の身体の一部分へのTTFieldsの伝達のためのトランスデューサ・アレイ・レイアウトを決定するための方法例1400のフローチャートである。方法1400は、本明細書に記載される装置100、患者支援システム1002、患者モデリングアプリケーション608および/または任意の他のデバイス/コンポーネントの1つまたは複数によって完了されてよい。
【0044】
1410で、患者の身体の一部分の3次元モデルが受信されてよい。例えば、3次元モデルは、患者モデリングアプリケーション608によって受信されてよい。3次元(3D)モデルは、
図1~
図3の1つまたは複数において生成される3Dモデルでよく、患者の身体部位または身体部位の一部分を備えてよい。1420で、患者の身体の一部分の3Dモデル内に関心領域(ROI)が決定されてよい。1430で、シミュレートされた電場分布が決定されてよい。1440で、線量メトリックが決定されてよい。例えば、線量メトリックは、シミュレートされた電場分布に基づいて決定されてよい。例えば、線量メトリックは、トランスデューサアレイのための複数の対の位置のうちの各対の位置に対して決定されてよい。1450で、対のトランスデューサアレイ間の角度制限を満たす複数の対の位置のうちの対の位置の1つまたは複数の集合が決定される。例えば、角度制限は、複数の対のトランスデューサアレイ間の直交角度であり、および/またはそれを示し得る。角度制限は、例えば、複数の対のトランスデューサアレイ間の角度の範囲であり、および/またはそれを示し得る。1460で、1つまたは複数の候補トランスデューサ・アレイ・レイアウト・マップが決定されてよい。例えば、1つまたは複数の候補トランスデューサ・アレイ・レイアウト・マップは、線量メトリックおよび角度制限を満たす対の位置の1つまたは複数の集合に基づいて決定されてよい。一部の例では、方法1400は、1つまたは複数の候補トランスデューサ・アレイ・レイアウト・マップのうちの少なくとも1つの位置での少なくとも1つのトランスデューサアレイのためのシミュレートされた向きまたはシミュレートされた位置を調節すること、および少なくとも1つのトランスデューサアレイのためのシミュレートされた向きまたはシミュレートされた位置を調節することに基づいて、最終のトランスデューサ・アレイ・レイアウト・マップを決定することを含んでよい。
【0045】
図5は、患者支援システム1002の非限定的な例を備える環境1000を描くブロック図である。一態様において、いずれかの記載される方法の一部または全てのステップが本明細書に記載されるコンピューティングデバイス上で行われてよい。患者支援システム1002は、電場発生器(EFG)構成アプリケーション606、患者モデリングアプリケーション608、イメージングデータ610、オペレーティングシステム(O/S)1012、予測モデリングアプリケーション1014、画像データベース1018、等の1つまたは複数を収容するように構成される1つまたは複数のコンピュータを備えることができる。
【0046】
患者支援システム1002は、ハードウェアアーキテクチャの観点から、概して1つまたは複数のプロセッサ1004、メモリシステム1006、入出力(I/O)インタフェース1008およびネットワークインタフェース1010を含む、デジタルコンピュータとすることができる。これらのコンポーネント(1004、1006、1008および1010)は、ローカルインタフェース1016を介して通信可能に結合される。プロセッサ1004は、ソフトウェアを実行するための、特にメモリシステム1006に記憶されるソフトウェアのための、ハードウェアデバイスとすることができる。患者支援システム1002が動作中であるとき、プロセッサ1004は、メモリシステム1006内に記憶されるソフトウェアを実行するように、メモリシステム1006に/メモリシステム1006からデータを伝達するように、および一般にソフトウェアに従って患者支援システム1002の動作を制御するように構成できる。患者支援システム1002は、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサによってアクセス可能なメモリとを含むコンピュータでよく、メモリが、命令を記憶し、命令が、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、コンピュータに、本明細書に開示される方法の1つまたは複数を行わせる。
【0047】
患者モデリングアプリケーション608は、イメージングデータ610に従って患者の身体の一部分の3Dモデルを生成するように構成されてよい。イメージングデータ610は、任意の種類の視覚データ、例えば、単一光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)画像データ、X線コンピュータ断層撮影(CT)データ、磁気共鳴イメージング(MRI)データ、陽電子放出断層撮影(PET)データ、および光学機器によって取得できるデータを含んでよい。或る実装例では、画像データは、3Dスキャナから得られるまたはそれによって発生される3Dデータを含んでよい。患者モデリングアプリケーション608は、患者モデルおよび1つまたは複数の電場シミュレーションに基づいて3Dアレイレイアウトマップを生成するようにも構成されてよい。患者の身体の一部分でのアレイ配置を適切に最適化するため、MRIイメージングデータなどのイメージングデータ610は、腫瘍を含む関心領域を特定するために患者モデリングアプリケーション608によって分析されてよい。一態様において、患者モデリングアプリケーション608は、腫瘍の場所および範囲に基づいて患者に対する所望のトランスデューサ・アレイ・レイアウトを決定するように構成されてよい。一態様において、患者モデリングアプリケーション608は、患者に対する3Dアレイレイアウトマップを決定するように構成できる。
【0048】
ネットワークインタフェース1010は、患者支援システム1002から送受信するために使用できる。
図5の例では、患者支援システム1002のメモリシステム1006内のソフトウェアは、EFG構成アプリケーション606、患者モデリングアプリケーション608、イメージングデータ610、予測モデリングアプリケーション1014、画像データベース1018およびオペレーティングシステム1012を含むことができる。
【0049】
予測モデリングアプリケーション1014は、複数の被検者からの画像データに基づいて画像データモデルを生成するための1つまたは複数のモデリングアプリケーションとすることができる。予測モデリングアプリケーションは、敵対的生成ネットワーク(GAN)分析、MedGAN分析、超解像GAN、pix2pix GAN、CycleGAN、DiscoGAN、Fila-sGAN、敵対的投影ネットワーク(PAN)分析、変分オートエンコーダ(VAE)分析、回帰分析、または畳み込みネットワーク分析のいずれか1つまたは複数を行うように構成されてよい。例えば、予測モデリングアプリケーション1014は、被検者画像データの分析を行うために1つまたは複数の人工知能技術を利用し得る。
【0050】
図6は、電気療法治療のための装置例100を示す。装置100は、電場発生器102および1つまたは複数のトランスデューサアレイ104を備えてよい。装置100は、電場発生器102を介してTTFieldsを発生させて、1つまたは複数のトランスデューサアレイ104を通じて身体の範囲にTTFieldsを伝達するように構成されてよい。電場発生器102は、信号発生器108と通信している1つまたは複数のプロセッサ106を備えてよい。電場発生器102は、プロセッサ106および信号発生器108の性能を制御するように構成される制御ソフトウェア110を備えてよい。制御ソフトウェア110は、1つまたは複数のプロセッサ106によってアクセス可能なメモリに記憶されてよい。信号発生器108は、波形またはパルスの列の形状の1つまたは複数の電気信号を発生させてよい。信号発生器108は、例えば、約50kHzから約500kHzの範囲の周波数で交流電圧波形を発生させるように構成されてよい。電圧は、治療されるべき組織における電場強度が、例えば約0.1V/cmから約10V/cmの範囲であり得るようなものである。
【0051】
電場発生器102の1つまたは複数の出力114が、その一端において信号発生器108に取り付けられる1つまたは複数の導電リード112に結合されてよい。導電リード112の反対端は、電気信号によって作動される1つまたは複数のトランスデューサアレイ104に接続される。信号発生器108の出力パラメータは、電場の強度、波の周波数、および1つまたは複数のトランスデューサアレイ104の最大許容温度を含んでよい。出力パラメータは、プロセッサ106と連動して制御ソフトウェア110によって設定および/または決定されてよい。
【0052】
1つまたは複数のトランスデューサアレイ104は、1つまたは複数の電極116を備えてよい。電極116は、生体適合性でフレキシブル回路基板118に結合されてよい。1つまたは複数のトランスデューサアレイ104を身体上に適所にかつ皮膚と連続直接接触させて保つために、電極116、ヒドロゲルおよびフレキシブル回路基板118が低アレルギー性の医療用粘着包帯120に取り付けられてよい。各トランスデューサアレイ104は、トランスデューサアレイ104の下で皮膚温を測定するサーミスタなどの、1つまたは複数のセンサを備えてよい。1つまたは複数のトランスデューサアレイ104は、大きさが変化してよく、可変数の電極116を備えてよい。トランスデューサアレイ104は、患者の頭部、胴、腕または脚などの、患者の身体の特定部での配置のために構成されてよい。
【0053】
一例では、電極116はセラミックディスクでよく、セラミックディスクの各々は直径が約2cmで厚さが約1mmでよい。別の例では、電極116は、ディスク形状でないセラミック素子でよい。更に別の例では、電極116は、複数の平坦な導体の上に位置付けられる非セラミック誘電材料でよい。平坦な導体の上に位置付けられる非セラミック誘電材料の例は、プリント回路板上のパッドの上にまたは平坦な金属片の上に設けられる高分子膜を含んでよい。特定の実施形態において、容量結合されない電極のアレイを使用するトランスデューサも使用されてよい。この状況では、各電極素子116は、導体素子と身体との間に絶縁誘電層が設けられることなく、被検者の身体に対する配置のために構成される導電材料の領域を使用して実装されてよい。他の実施形態において、トランスデューサは、単一の電極素子だけを含んでよい。一例として、単一の電極素子は、基板上に位置付けられる可撓性の有機材料または可撓性の有機複合材料でよい。別の例として、トランスデューサは、基板なしで可撓性の有機材料または可撓性の有機複合材料を含んでよい。
【0054】
(a)被検者の身体にTTFieldsを伝達し、(b)本明細書に特定される場所に位置付けられることが可能である限り、本発明の実施形態と共に使用するためのトランスデューサを実装するための他の代替構造も使用されてよい。
【0055】
本発明は、以下などの、他の例示的な実施形態を含む。
【0056】
例示的な実施形態1:3次元モデルを生成するための命令を備える非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令が、コンピュータによって実行されるとき、コンピュータに方法を行わせ、本方法が、第1の画像形式で患者の身体の第1の部分の第1の画像データを受信するステップと、第2の画像形式で患者の身体の第2の部分の第2の画像データを受信するステップと、第2の画像データを第2の画像形式から第1の画像形式に修正するステップと、第1の画像形式における第1の画像データおよび第1の画像形式における修正された第2の画像データに基づいて、患者の身体の第1の部分および第2の部分の3次元モデルを生成するステップとを含む。
【0057】
例示的な実施形態2:3次元モデルを生成するための命令を備える非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令が、コンピュータによって実行されるとき、コンピュータに方法を行わせ、本方法が、患者の身体部位の第1の部分の第1の画像データを受信するステップであり、身体部位の第1の部分が完全な身体部位より小さい、ステップと、複数の被検者に対する身体部位の複数の第2の画像データを受信するステップと、複数の第2の画像データに基づいて、身体部位完全モデルを決定するステップと、身体部位完全モデルおよび第1の画像データに基づいて、身体部位の第2の部分の第3の画像データを生成するステップと、第1の画像データおよび第3の画像データに基づいて、患者の身体部位の3次元モデルを生成するステップとを含む。
【0058】
例示的な実施形態3:3次元モデルを生成するための命令を備える非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令が、コンピュータによって実行されるとき、コンピュータに方法を行わせ、本方法が、第1の画像解像度における患者の身体の一部分の第1の画像データを受信するステップと、複数の被検者に対する複数の第2の画像データを受信するステップと、複数の第2の画像データに基づいて、第1の画像データの解像度を高めるための超解像モデルを決定するステップと、超解像モデルおよび第1の画像データに基づいて、第2の画像解像度における患者の身体の一部分の第3の画像データを生成するステップであって、第2の画像解像度が、第1の画像解像度より高い、ステップとを含む。
【0059】
例示的な実施形態4:3次元モデルを生成するためのシステムであって、システムが、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサによってアクセス可能なメモリとを備え、メモリが、命令を記憶し、命令が、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、システムに方法を行わせ、本方法が、第1の画像形式で患者の身体の第1の部分の第1の画像データを受信するステップと、第2の画像形式で患者の身体の第2の部分の第2の画像データを受信するステップと、第2の画像データを第2の画像形式から第1の画像形式に修正するステップと、第1の画像形式における第1の画像データおよび第1の画像形式における修正された第2の画像データに基づいて、患者の身体の第1の部分および第2の部分の3次元モデルを生成するステップとを含む。
【0060】
例示的な実施形態5:3次元モデルを生成するためのシステムであって、システムが、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサによってアクセス可能なメモリとを備え、メモリが、命令を記憶し、命令が、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、システムに方法を行わせ、本方法が、患者の身体部位の第1の部分の第1の画像データを受信するステップであり、身体部位の第1の部分が完全な身体部位より小さい、ステップと、複数の被検者に対する身体部位の複数の第2の画像データを受信するステップと、複数の第2の画像データに基づいて、身体部位完全モデルを決定するステップと、身体部位完全モデルおよび第1の画像データに基づいて、身体部位の第2の部分の第3の画像データを生成するステップと、第1の画像データおよび第3の画像データに基づいて、患者の身体部位の3次元モデルを生成するステップとを含む。
【0061】
例示的な実施形態6:3次元モデルを生成するためのシステムであって、システムが、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサによってアクセス可能なメモリとを備え、メモリが、命令を記憶し、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、システムに方法を行わせ、本方法が、第1の画像解像度における患者の身体の一部分の第1の画像データを受信するステップと、複数の被検者に対する複数の第2の画像データを受信するステップと、複数の第2の画像データに基づいて、第1の画像データの解像度を高めるための超解像モデルを決定するステップと、超解像モデルおよび第1の画像データに基づいて、第2の画像解像度における患者の身体の一部分の第3の画像データを生成するステップであり、第2の画像解像度が、第1の画像解像度より高い、ステップとを含む。
【0062】
例示的な実施形態7:3次元モデルを生成するためのコンピュータ実行される方法であって、コンピュータが、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサによってアクセス可能なメモリとを備え、メモリが、命令を記憶し、命令が、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、コンピュータに本方法を行わせ、本方法が、第1の画像形式で患者の身体の第1の部分の第1の画像データを受信するステップと、第2の画像形式で患者の身体の第2の部分の第2の画像データを受信するステップと、第2の画像データを第2の画像形式から第1の画像形式に修正するステップと、第1の画像形式における第1の画像データおよび第1の画像形式における修正された第2の画像データに基づいて、患者の身体の第1の部分および第2の部分の3次元モデルを生成するステップとを含む。
【0063】
例示的な実施形態8:例示的な実施形態7のコンピュータ実行される方法であって、第1の画像形式が磁気共鳴イメージング(MRI)を含む。
【0064】
例示的な実施形態9:例示的な実施形態7のコンピュータ実行される方法であって、患者の身体の第1の部分が患者の身体部位の第1の部分であり、患者の身体の第2の部分が患者の身体部位の第2の部分である。
【0065】
例示的な実施形態10:例示的な実施形態7のコンピュータ実行される方法であって、身体部位が頭部、胴、腕または脚の1つである。
【0066】
例示的な実施形態11:3次元モデルを生成するためのコンピュータ実行される方法であって、コンピュータが、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサによってアクセス可能なメモリとを備え、メモリが、命令を記憶し、命令が、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、コンピュータに本方法を行わせ、本方法が、患者の身体部位の第1の部分の第1の画像データを受信するステップであり、身体部位の第1の部分が完全な身体部位より小さい、ステップと、複数の被検者に対する身体部位の複数の第2の画像データを受信するステップと、複数の第2の画像データに基づいて、身体部位完全モデルを決定するステップと、身体部位完全モデルおよび第1の画像データに基づいて、身体部位の第2の部分の第3の画像データを生成するステップと、第1の画像データおよび第3の画像データに基づいて、患者の身体部位の3次元モデルを生成するステップとを含む。
【0067】
例示的な実施形態12:例示的な実施形態11のコンピュータ実行される方法であって、3次元モデルが患者の身体部位の完全なモデルである。
【0068】
例示的な実施形態13:3次元モデルを生成するためのコンピュータ実行される方法であって、コンピュータが、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサによってアクセス可能なメモリとを備え、メモリが、命令を記憶し、命令が、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、コンピュータに本方法を行わせ、本方法が、第1の画像解像度における患者の身体の一部分の第1の画像データを受信するステップと、複数の被検者に対する複数の第2の画像データを受信するステップと、複数の第2の画像データに基づいて、第1の画像データの解像度を高めるための超解像モデルを決定するステップと、超解像モデルおよび第1の画像データに基づいて、第2の画像解像度における患者の身体の一部分の第3の画像データを生成するステップであり、第2の画像解像度が、第1の画像解像度より高い、ステップとを含む。
【0069】
例示的な実施形態14:例示的な実施形態13のコンピュータ実行される方法であって、第1の画像解像度が磁気共鳴イメージングを含む。
【0070】
本開示のいかなる見出しの下でまたはいかなる部分に例示される実施形態も、本明細書に別段の指示がないまたはその他文脈によって明らかに否定されない限り本開示の同じまたは任意の他の見出しまたは他の部分の下で例示される実施形態と組み合わされ得る。
【0071】
特許請求の範囲に定められる本発明の範囲から逸脱することなく、記載される実施形態への多数の修正、変形および変更が可能である。本発明が記載される実施形態に限定されず、以下の請求項の文言およびその等価物によって定められる完全な範囲を有することが意図される。
【符号の説明】
【0072】
100 装置
102 電場発生器
104 トランスデューサアレイ
106 プロセッサ
108 信号発生器
110 制御ソフトウェア
112 導電リード
114 出力
116 電極
118 フレキシブル回路基板
120 医療用粘着包帯
606 電場発生器(EFG)構成アプリケーション
608 患者モデリングアプリケーション
610 イメージングデータ
1000 環境
1002 患者支援システム
1004 プロセッサ
1006 メモリシステム
1008 入出力(I/O)インタフェース
1010 ネットワークインタフェース
1012 オペレーティングシステム(O/S)
1014 予測モデリングアプリケーション
1016 ローカルインタフェース
1018 ローカル画像データベース
1020 リモート画像データベース
【国際調査報告】