(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】心電図信号を基にした慢性疾患の予測方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/346 20210101AFI20240206BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20240206BHJP
G06N 3/0455 20230101ALI20240206BHJP
G16H 50/20 20180101ALI20240206BHJP
【FI】
A61B5/346
G06N20/00
G06N3/0455
G16H50/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545252
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 KR2022001497
(87)【国際公開番号】W WO2022164230
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0011187
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520047532
【氏名又は名称】ビュノ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VUNO, INC.
【住所又は居所原語表記】9F, 479, Gangnam-daero, Seocho-gu, Seoul 06541 REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン ヨンチェ
(72)【発明者】
【氏名】ペ ウン
【テーマコード(参考)】
4C127
5L099
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127GG10
4C127GG16
5L099AA04
(57)【要約】
本開示の一実施例に基づき、コンピューティング装置において実行される、心電図信号を基にした慢性疾患の予測方法が開示される。前記方法は、前記心電図信号を基にリード(lead)別統合データを生成し、前記リード別統合データを基にN次元入力データを生成する段階、前記N次元入力データを基に慢性疾患を予測する段階、ユーザーに提供される前記慢性疾患に係る予測情報を生成する段階を含むことが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサーを含むコンピューティング装置によって実行される、心電図信号を基にした慢性疾患の予測方法であって、
前記心電図信号を基にリード(lead)別統合データを生成し、前記リード別統合データを基にN次元入力データを生成する段階と、
前記N次元入力データを基に、事前学習済み機械学習モデルを通じて慢性疾患を予測する段階と、
ユーザーに提供される前記慢性疾患に係る予測情報を生成する段階と、
を含む、
方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記リード別統合データは、前記心電図信号の勾配情報と前記心電図信号の波形別区間情報とのうち少なくとも1つを基に生成される、
方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記N次元入力データを生成する段階は、
前記心電図信号の勾配情報と前記心電図信号の波形別区間情報とのうち少なくとも1つを生成する段階と、
前記心電図信号の勾配情報と前記心電図信号の波形別区間情報とのうち少なくとも1つを基に前記リード別統合データを生成する段階と、
前記リード別統合データを基に前記N次元入力データを生成する段階と、
を含む、
方法。
【請求項4】
請求項3において、
前記心電図信号の勾配情報と前記心電図信号の波形別区間情報とのうち少なくとも1つを生成する段階は、
補間(interpolation)を通じて前記心電図信号をサンプリング(sampling)して心電図データを生成する段階と、
前記心電図データのサンプル別の微分値を基に前記勾配情報を生成する段階と、
前記心電図データに含まれている複数の心電図信号波形の数値を基に前記波形別区間情報を生成する段階と、
を含む、
方法。
【請求項5】
請求項4において、
前記心電図データに含まれている複数の心電図信号波形の数値を基に前記波形別区間情報を生成する段階は、
前記心電図データに含まれている複数の心電図信号波形の各々の特徴値を抽出する段階と、
前記複数の心電図信号波形の各々の特徴値と対応する数値を導出し、前記導出された数値を基に前記複数の心電図信号波形の各々を正規化(normalization)する段階と、
前記正規化された複数の心電図信号波形の各々を組み合わせて前記波形別区間情報を生成する段階と、
を含む、
方法。
【請求項6】
請求項4において、
前記リード別統合データを生成する段階は、
前記心電図データ、前記勾配情報、前記波形別区間情報のうち2つ以上を組み合わせて前記リード別統合データを生成する段階
を含む、
方法。
【請求項7】
請求項1において、
前記N次元入力データを生成する段階は、
前記リード別統合データを平面上に配列して前記心電図信号の時系列情報と空間情報を表すマトリックス(matrix)形式の2次元入力データを生成する段階
を含む、
方法。
【請求項8】
請求項1において、
前記慢性疾患を予測する段階は、前記機械学習モデルを用いて、前記N次元入力データを基に前記心電図信号に対応する被検者の慢性疾患を予測する段階
を含む、
方法。
【請求項9】
請求項8において、
前記機械学習モデルは、
前記N次元入力データの入力を受けて特徴を抽出するエンコーダー(encoder)と、
前記抽出された特徴を基にそれぞれ異なる種類の複数の慢性疾患に係る情報を生成するデコーダー(decoder)と、
を含む、
方法。
【請求項10】
請求項8において、
前記機械学習モデルは、
前記N次元入力データの入力を受けて特徴を抽出するエンコーダーと、
前記抽出された特徴を基に1つの慢性疾患に係る情報を生成するデコーダーと、
を含み、
前記デコーダーが2つ以上存在する場合、前記2つ以上のデコーダーの各々はそれぞれ異なる種類の慢性疾患に係る情報を生成するものである、
方法。
【請求項11】
請求項8において、
前記機械学習モデルは、
前記心電図信号の時系列情報と空間情報を含むN次元学習データを基に学習されたものである、
方法。
【請求項12】
請求項8において、
前記ユーザーに提供される前記慢性疾患に係る予測情報を生成する段階は、
前記機械学習モデルを通じて予測された前記慢性疾患に係る予測情報を基に、ユーザーインターフェース(user interface)を生成する段階
を含む、
方法。
【請求項13】
コンピューター可読保存媒体に保存されたコンピュータープログラムであって、前記コンピュータープログラムは1つ以上のプロセッサーにおいて実行される場合、心電図信号を基に慢性疾患を予測するための動作を実行させ、
前記動作は、
前記心電図信号を基にリード別統合データを生成し、前記リード別統合データを基にN次元入力データを生成する動作と、
前記N次元入力データを基に、事前学習済み機械学習モデルを通じて慢性疾患を予測する動作と、
ユーザーに提供される前記慢性疾患に係る予測情報を生成する動作と、
を含む、
コンピューター可読保存媒体に保存されたコンピュータープログラム。
【請求項14】
心電図信号を基に慢性疾患を予測するコンピューティング装置であって、
少なくとも1つのコアを含むプロセッサーと、
前記プロセッサーにおいて実行可能な複数のプログラムコードを含むメモリーと、
心電図信号を受信するためのネットワーク部と、
を含み、
前記プロセッサーは、
前記心電図信号を基にリード別統合データを生成し、前記リード別統合データを基にN次元入力データを生成し、
前記N次元入力データを基に、事前学習済み機械学習モデルを通じて慢性疾患を予測し、且つ
ユーザーに提供される前記慢性疾患に係る予測情報を生成する、
コンピューティング装置。
【請求項15】
ユーザー端末であって、
少なくとも1つのコアを含むプロセッサーと、
メモリーと、
コンピューティング装置から、心電図信号の分析情報を受信するネットワーク部と、
前記心電図信号の分析情報を提供する出力部と、
を含み、
前記心電図信号の分析情報は、前記心電図信号を基にして予測された慢性疾患に係る予測情報を含み、
前記慢性疾患に係る予測情報は、前記心電図信号から生成されたリード別統合データ及びN次元入力データを基に、事前学習済み機械学習モデルを通じて予測された情報と対応する、
端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体信号の分析方法に係り、具体的には機械学習を利用して心電図信号に基づき慢性疾患を予測する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
心電図信号を慢性疾患の診断及び予測のための元データとして用いる技術に係る開発が多方面で試みられている。その中の1つは、人工知能を活用する方式である。人工知能を活用するためには、心電図信号を人工知能が解析できるように処理する作業を予め行う必要がある。1次元の心電図信号をそのまま人工知能モデルの入力データとして用いると、心電図信号が測定されたリード(lead)の情報が演算チャンネルに含まれ、慢性疾患の診断及び予測のために考慮しなければならないリード間の相関関係を処理するための自由度が低下するという問題が発生する。従って、心電図信号の入力形式を調整する必要があり、入力形式を調整する過程において固有の情報が失われないように心電図信号を加工する作業が必要である。
【0003】
前述の必要性に対応するため、従来は周波数領域を変換する方法で1次元の心電図信号を2次元画像の形式に加工し、人工知能モデルに対する入力データとして用いていた。しかし、かかる従来の方式には、時系列情報の解析が難しくなるという問題が存在する。また、従来は1次元の信号をそのまま使うためにリード情報を別途入力する方式が試みられていた。しかし、かかる試みは、人工知能モデルが演算過程においてリード間の相関関係を活用することはできるが、ドメイン専門家が慢性疾患を診断するためにリード別の重要度を解析することが難しくなるという問題がある。
【0004】
大韓民国登録特許第10-2119169号(2020年5月29日)は、心電図信号の2次元画像生成方法について開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、前述の背景技術に対応して案出されたものであり、心電図信号の固有の情報を失うことなく、心電図測定のためのリード間の相互重要度も解析できる機械学習を基盤とした慢性疾患の予測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を実現するための本開示の一実施例に基づき、コンピューティング装置によって実行される、心電図信号を基にした慢性疾患の予測方法が開示される。前記方法は、心電図データから心電図信号の勾配情報及び波形別区間情報を生成する段階;前記心電図データ、勾配情報、波形別区間情報のうち少なくとも1つを基にリード(lead)別統合データを生成する段階;及び前記リード別統合データを基にN次元入力データを生成する段階を含むことが可能である。
【0007】
代替の実施例において、前記勾配情報及び波形別区間情報を生成する段階は、補間(interpolation)を通じて前記心電図信号をサンプリング(sampling)し前記心電図データを生成する段階;前記心電図データのサンプル別の微分値を基に前記勾配情報を生成する段階;及び前記心電図データに含まれている複数の心電図信号波形の数値を基に前記波形別区間情報を生成する段階を含むことが可能である。
【0008】
代替の実施例において、前記心電図データに含まれている複数の心電図信号波形の数値を基に前記波形別区間情報を生成する段階は、前記心電図データに含まれている複数の心電図信号波形の各々の特徴値を抽出する段階;前記複数の心電図信号波形の各々の特徴値と対応する数値を導出し、前記導出された数値を基に前記複数の心電図信号波形の各々を正規化(normalization)する段階;及び前記正規化された複数の心電図信号波形の各々の数値を組み合わせて前記波形別区間情報を生成する段階を含むことが可能である。
【0009】
代替の実施例において、前記リード別統合データを生成する段階は、前記心電図データ、勾配情報、波形別区間情報のうち2つ以上を組み合わせて前記リード別統合データを生成する段階を含むことが可能である。
【0010】
代替の実施例において、前記N次元入力データを生成する段階は、前記リード別統合データを平面上に配列して前記心電図信号の時系列情報と空間情報を表すマトリックス(matrix)形式のN次元入力データを生成する段階を含むことが可能である。
【0011】
代替の実施例において、前記方法は、事前学習済み機械学習モデルを用いて、前記N次元入力データを基に前記心電図信号に対応する被検者の慢性疾患を予測する段階をさらに含むことが可能である。
【0012】
代替の実施例において、前記機械学習モデルは、前記N次元入力データの入力を受けて特徴を抽出するエンコーダー(encoder);及び前記抽出された特徴を基にそれぞれ異なる種類の複数の慢性疾患に係る情報を生成するデコーダー(decoder)を含むことが可能である。
【0013】
代替の実施例において、前記機械学習モデルは、前記N次元入力データの入力を受けて特徴を抽出するエンコーダー;及び前記抽出された特徴を基に1つの慢性疾患に係る情報を生成するデコーダーを含むことが可能である。この場合、前記デコーダーが2つ以上存在する場合、前記2つ以上のデコーダーの各々はそれぞれ異なる種類の慢性疾患に係る情報を生成することが可能である。
【0014】
代替の実施例において、前記機械学習モデルは、前記心電図信号の時系列情報と空間情報を含むN次元学習データを基に学習されることが可能である。
【0015】
代替の実施例において、前記方法は、前記機械学習モデルによって予測された慢性疾患に係る情報を基に、ユーザーインターフェース(user interface)を生成する段階をさらに含むことが可能である。
【0016】
前述のような課題を実現するための本開示の一実施例に基づき、コンピューター可読保存媒体に保存されたコンピュータープログラムが開示される。前記コンピュータープログラムは、1つ以上のプロセッサーにおいて実行される場合、心電図信号を基に慢性疾患を予測するための以下の動作を実行させるが、前記動作は:心電図データから心電図信号の勾配情報及び波形別区間情報を生成する動作;前記心電図データ、勾配情報、波形別区間情報のうち少なくとも1つを基にリード別統合データを生成する動作;及び前記リード別統合データを基にN次元入力データを生成する動作を含むことが可能である。
【0017】
前述の課題を解決するための本開示の一実施例に基づき、心電図信号を基に慢性疾患を予測するコンピューティング装置が開示される。前記装置は、少なくとも1つのコアを含むプロセッサー;前記プロセッサーにおいて実行可能な複数のプログラムコードを含むメモリー;及び心電図信号を受信するためのネットワーク部を含み、前記プロセッサーは、心電図データから心電図信号の勾配情報及び波形別区間情報を生成し、前記心電図データ、勾配情報、波形別区間情報のうち少なくとも1つを基にリード別統合データを生成し、前記リード別統合データを基にN次元入力データを生成することが可能である。
【0018】
前述の課題を実現するための本開示の一実施例に基づき、ユーザーインターフェースを提供するユーザー端末が開示される。前記ユーザー端末は、少なくとも1つのコアを含むプロセッサー;メモリー;コンピューティング装置から、心電図信号の分析情報を基にしたユーザーインターフェースを受信するネットワーク部;及び前記ユーザーインターフェースを提供する出力部を含むことが可能である。この場合、前記心電図信号の分析情報は、前記心電図信号から生成されたN次元入力データを基にして、事前学習済み機械学習モデルを通じて予測された慢性疾患に係る情報を含むことが可能である。
【発明の効果】
【0019】
本開示は、心電図信号の固有の情報を失うことなく、心電図測定のためのリード間の相互重要度も解析できる、機械学習を基盤とした慢性疾患の予測方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本開示の一実施例に基づく、心電図信号を基に慢性疾患を予測するためのコンピューティング装置のブロック構成図である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施例におけるネットワーク関数を示す概略図である。
【
図3】
図3は、本開示の一実施例における心電図信号に対する前処理のプロセスを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、本開示の一実施例においてリード別統合データを生成するプロセスを示す概念図である。
【
図5】
図5は、本開示の一実施例における心電図信号を基にした慢性疾患の予測方法に係るフローチャートである。
【
図6】
図6は、本開示の一実施例における機械学習モデルの構造を示すブロック構成図である。
【
図7】
図7は、本開示の代替の実施例における機械学習モデルの構造を示すブロック構成図である。
【
図8】
図8は、本開示の一実施例におけるコンピューティング環境を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
多様な実施例について以下に図面を参照用いて説明する。本明細書において多様な説明が本開示に対する理解を容易にするために示される。しかし、かかる実施例がかかる具体的な説明がなくても実施されることが可能であることは自明である。
【0022】
本明細書において、「コンポーネント」、「モジュール」、「システム」等の用語は、コンピューター関連エンティティ、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、又はソフトウェアの実行を指す。例えば、コンポーネントは、プロセッサー上で実行される処理手順(procedure)、プロセッサー、オブジェクト、実行スレッド、プログラム、及び/又はコンピューターになり得るが、これらに限定されるものではない。例えば、コンピューティング装置で実行されるアプリケーションとコンピューティング装置は、両方ともコンポーネントになり得る。1つ以上のコンポーネントは、プロセッサー及び/又は実行スレッドの中に常駐することが可能である。1つのコンポーネントは、1つのコンピューターの中でローカル化されることが可能である。1つのコンポーネントは、2つ以上のコンピューターに配分されることが可能である。また、このようなコンポーネントは、その内部に保存されている多様なデータ構造を有する多様なコンピューター可読媒体において実行することが可能である。コンポーネントは、例えば1つ以上のデータパケットを含む信号(例えば、ローカルシステムや分散システムにおいて他のコンポーネントと相互作用する1つのコンポーネントからのデータ及び/又は信号を用いて、他のシステムと、インターネットのようなネットワークを介して伝送されるデータ)を用いてローカル及び/又は遠隔処理等を通じて通信することが可能である。
【0023】
なお、用語「又は」は、排他的な「又は」ではなく、内包的な「又は」を意味する意図で使われる。つまり、特に特定されておらず、文脈上明確ではない場合、「Xは、A又はBを利用する」は、自然な内包的置換のうち1つを意味するものとする。つまり、XがAを利用したり;XがBを利用したり;又はXがA及びBの両方を利用する場合、「XはA又はBを利用する」は、これらのいずれにも当てはまるとすることが可能である。また、本明細書における「及び/又は」という用語は、取り挙げられた複数の関連アイテムのうち、1つ以上のアイテムの可能なすべての組み合わせを指し、含むものと理解されるべきである。
【0024】
また、述語としての「含む(含める)」及び/又は修飾語としての「含む(含める)」という用語は、当該特徴及び/又は構成要素が存在することを意味するものと理解されるべきである。ただし、述語としての「含む(含める)」及び/又は修飾語として「含む(含める)」という用語は、1つ以上の他のさらなる特徴、構成要素及び/又はこれらのグループの存在又は追加を排除しないものと理解されるべきである。また、特に数が特定されていない場合や、単数の形を示すことが文脈上明確でない場合、本明細書と請求範囲において単数は、一般的に「1つ又はそれ以上」を意味するものと解釈されるべきである。
【0025】
そして、「A又はBのうち少なくとも1つ」という用語については、「Aだけを含む場合」、「Bだけを含む場合」、「AとBの組み合わせの場合」を意味するものと解釈されるべきである。
【0026】
当業者は、さらに、ここに開示されている実施例に係るものとして説明された多様な例示的論理的ブロック、構成、モジュール、回路、手段、ロジック及びアルゴリズム段階が、電子ハードウェア、コンピューターソフトウェア、又はその両方の組み合わせによって実現されることが可能であることを認識すべきである。ハードウェアとソフトウェアとの相互交換性を明確に例示するために、多様な例示的コンポーネント、ブロック、構成、手段、ロジック、モジュール、回路及び段階が、それらの機能性の側面で一般的に上述された。そのような機能性がハードウェアとして実装されるか或いはソフトウェアとして実装されるかは、全般的なシステムに係る特定のアプリケーション(application)及び設計制限によって決まる。熟練した技術者は、個々の特定アプリケーションのために多様な方法で説明された機能性を実現することが可能である。ただし、そのような実現に係る決定が本開示内容の領域を逸脱するものと解釈されてはならない。
【0027】
ここに示す実施例に係る説明は、本開示の技術分野において通常の知識を持つ者が本発明を利用したり、又は実施できるように提供される。このような実施例に対する多様な変形は、本開示の技術分野において通常の知識を持つ者には明確に理解できるものである。ここに定義された一般的な原理は、本開示の範囲を逸脱することなく他の実施例に適用されることが可能である。従って、本発明はここに示す実施例だけに限定されるものではない。本発明はここに示す原理及び新規な特徴と一貫する最広義の範囲で解釈されるべきである。
【0028】
本開示において、ネットワーク関数、人工神経回路網及びニューラルネットワーク(neural network)は、相互置換可能に用いることが可能である。
【0029】
図1は、本開示の一実施例に基づく、心電図信号を基に慢性疾患を予測するためのコンピューティング装置のブロック構成図である。
【0030】
図1に図示されたコンピューティング装置(100)の構成は、簡略化して示した例示に過ぎない。本開示の一実施例において、コンピューター装置(100)には、コンピューター装置(100)のコンピューティング環境を実装するための他の構成が含まれることが可能であり、開示されている構成のうち一部だけでコンピューター装置(100)を構成することも可能である。
【0031】
コンピューター装置(100)は、プロセッサー(110)、メモリー(130)、ネットワーク部(150)を含むことができる。
【0032】
本開示の一実施例において、プロセッサー(110)は、1つ以上のコアで構成されることが可能であり、コンピューティング中央処理装置(CPU:central processing unit)、汎用グラフィック処理装置(GPGPU:general purpose graphics processing unit)、テンサー処理装置(TPU:tensor processing unit)等のデータ分析、ディープラーニングのためのプロセッサーを含むことができる。プロセッサー(110)は、メモリー(130)に保存されたコンピュータープログラムを読み取り、本開示の一実施例における機械学習のためのデータ処理を実行することができる。本開示の一実施例に基づき、プロセッサー(110)は、ニューラルネットワークの学習のための演算を行うことができる。プロセッサー(110)は、ディープラーニング(DL:deep learning)において、学習のための入力データの処理、入力データからのフィーチャーの抽出、誤差計算、逆伝播(backpropagation)を利用したニューラルネットワークの重みの更新等のニューラルネットワークの学習のための計算を実行することができる。プロセッサー(110)のCPUとGPGPUとTPUとのうち、少なくとも1つが、ネットワーク関数の学習を処理できる。例えば、CPUとGPGPUとがともにネットワーク関数の学習やネットワーク関数を利用したデータの分類を行うことができる。なお、本開示の一実施例において、複数のコンピューティング装置のプロセッサーを一緒に使ってネットワーク関数の学習やネットワーク関数を利用したデータ分類を行うことができる。また、本開示の一実施例における、コンピューティング装置において実行されるコンピュータープログラムは、CPU、GPGPU又はTPUで実行可能なプログラムになり得る。
【0033】
本開示の一実施例において、プロセッサー(110)は、心電図信号を、慢性疾患を予測するための機械学習モデルの入力形式に変換する前処理を実行することが可能である。プロセッサー(110)は、少なくとも2つ以上のリード(lead)を介して測定された1次元の心電図信号を基に、慢性疾患の予測に用いられるN次元(Nは自然数)の入力データを生成することが可能である。例えば、プロセッサー(110)は、12誘導心電図で測定されたアナログ信号である心電図信号をデジタル化するサンプリング(sampling)作業を行うことが可能である。プロセッサー(110)は、サンプリング作業を通じて生成された複数の心電図データから各心電図信号の固有の情報を抽出することが可能である。プロセッサー(110)は、複数の心電図データと複数の心電図信号の固有の情報のうち少なくとも1つを基に、2次元入力データを生成することが可能である。プロセッサー(110)は、複数の心電図データと複数の心電図信号の固有の情報のうち2つ以上をリード別に組み合わせ、組み合わせた結果を基に2次元入力データを生成することが可能である。かかる方法で生成された2次元入力データは、心電図信号の時間に係る情報と心電図信号のリードに係る情報との両方を含むことが可能である。従って、プロセッサー(110)は、心電図信号の時系列(time series)情報と空間情報を失うことなく、機械学習モデルにおいて解釈できるデータを生成することが可能である。
【0034】
プロセッサー(110)は、前処理によって生成されたN次元入力データを基に、慢性疾患を予測するための機械学習モデルを学習させることが可能である。例えば、プロセッサー(110)は、2次元入力データをモデルに入力して心電図信号に対応する被検者が特定の慢性疾患を患っているか否かを予測するようにモデルを学習させることが可能である。プロセッサー(110)は、2次元入力データをモデルに入力して心電図信号の被検者が患っている特定の慢性疾患の定量的数値を推定するようにモデルを学習させることも可能である。つまり、慢性疾患の予測結果を活用しようとする目的に応じて、プロセッサー(110)は、1次元の心電図信号に対する前処理によって生成された2次元入力データを基に機械学習モデルを多様な内容で学習させることが可能である。
【0035】
プロセッサー(110)は、事前学習済み機械学習モデルを用いて、心電図信号に対する前処理によって生成されたN次元入力データを基に、慢性疾患を予測することが可能である。この場合、N次元入力データには、心電図信号の時間に係る情報とリードに係る情報が両方失われずに含まれているため、機械学習モデルは、心電図信号の固有の情報だけでなく、リード間の相互重要度も解析可能な慢性疾患の予測結果を出力することが可能である。従って、プロセッサー(110)がリード別の相互重要度を別途分析したり、リード別の情報を把握するために機械学習モデルを再学習させる必要がないという長所がある。また、プロセッサー(110)が、リード別の相関関係をメイン専門家が解析できるように、別途のヒートマップ(heatmap)等のような視覚化作業を通じて加工を行う必要がないという長所がある。
【0036】
プロセッサー(110)は、機械学習モデルを通じて生成された慢性疾患の予測結果を基に、ユーザーインターフェース(user interface)を生成することが可能である。この場合、機械学習モデルによって出力された慢性疾患の予測結果は、心血管疾患、脳疾患、肺疾患を含む多様な慢性疾患の発生確率、多様な慢性疾患の各々の発生確率に基づく存在有無、被検者が現在患っている慢性疾患の定量的数値等を含むことが可能である。本開示の一実施例に基づくコンピューティング装置(100)の活用目的に応じて、前述の例示における出力結果の全体が1つの領域として構成されてユーザーインターフェースに含まれることも可能であるが、出力結果の一部だけがユーザーインターフェースに含まれることも可能である。
【0037】
本開示の一実施例において、メモリー(130)は、プロセッサー(110)が生成したり、決定した任意の形態の情報及びネットワーク部(550)が受信した任意の形態の情報を保存することができる。
【0038】
本開示の一実施例において、メモリー(130)は、フラッシュメモリータイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリー(例えばSD又はXDメモリー等)、ラム(Random Access Memory、RAM)、SRAM(Static Random Access Memory)、ロム(Read-Only Memory、ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、磁気メモリー、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも1つのタイプの保存媒体を含むことができる。コンピューティン装置(100)は、インターネット(internet)上で前記メモリー(130)の保存機能を実行するウェブストレージ(web storage)と連携して動作することも可能である。前述のメモリーに係る記述は、例示に過ぎず、本開示はこれらに限定されない。
【0039】
本開示の一実施例におけるネットワーク部(150)は、任意の形を有する公知の有無線通信システムと連携して作動することが可能である。
【0040】
ネットワーク部(150)は、心電図信号を信号測定システムから受信することが可能である。この場合、信号測定システムは、心電図信号の測定、保存、加工等が可能なすべての装置を含むシステムとして理解することが可能である。例えば、信号測定システムは、被検者(subject)の体に接触できるリードを含む持ち運び型心電図測定装置、持ち運び型心電図測定装置と連動可能なデータベースサーバー等を含むことが可能である。ネットワーク部(150)は、2つ以上の多様な組み合わせがあるリードを介して測定された心電図信号を、持ち運び型心電図測定装置との通信を介して受信することが可能である。ネットワーク部(150)は、持ち運び型心電図測定装置によって予め測定されてデータベースサーバーに保存されている心電図信号を、データベースサーバーとの通信を介して受信することも可能である。
【0041】
また、ネットワーク部(150)は、プロセッサー(110)によって処理された情報、ユーザーインターフェース等を、他の端末との通信を介して送受信することが可能である。例えば、ネットワーク部(150)は、プロセッサー(110)によって生成されたユーザーインターフェースを、クライアント(例えば、ユーザー端末)に提供することが可能である。また、ネットワーク部(150)は、クライアントに対してインプットされたユーザーの外部入力を受信してプロセッサー(110)に転送することが可能である。この場合、プロセッサー(110)は、ネットワーク部(150)から受け取ったユーザーの外部入力を基に、ユーザーインターフェースを介して提供される情報の出力、修正、変更、追加等の動作を処理することが可能である。
【0042】
一方、本開示の一実施例におけるコンピューティング装置(100)は、クライアントとの通信を介して情報を送受信するコンピューティングシステムとしてサーバーを含むことが可能である。この場合、クライアントは、サーバーにアクセスできる任意の形の端末になり得る。例えば、サーバーであるコンピューティング装置(100)は、信号測定システムから心電図信号を受信して慢性疾患を予測し、予測された結果を含むユーザーインターフェースをユーザー端末に提供することが可能である。この場合、ユーザー端末は、サーバーであるコンピューティング装置(100)から受信したユーザーインターフェースを出力し、ユーザーとの相互作用を通じて情報の入力を受けたり、処理することが可能である。
【0043】
ユーザー端末は、サーバーであるコンピューティング装置(100)から伝達される慢性疾患の分析情報を提供するために提供されたユーザーインターフェースを表示することが可能である。図示は省略しているが、ユーザー端末は、コンピューティング装置(100)からユーザーインターフェースを受信するネットワーク部、少なくとも1つのコアを含むプロセッサー、メモリー、ユーザーインターフェースを提供する出力部及びユーザーによってインプットされた外部入力を受信する入力部を含むことが可能である。
【0044】
追加の実施例において、コンピューティング装置(100)は、任意のサーバーにおいて生成されたデータリソースを受け取り、追加の情報処理を行う任意の形の端末を含むことも可能である。
【0045】
図2は、本開示の一実施例において、ネットワーク関数を示す概略図である。
【0046】
本開示の一実施形態による慢性疾患予測のための機械学習モデルまたは心電図信号の前処理のためのディープラーニングモデルは、神経回路網を含むことができる。本明細書の全体を通して、演算モデル、神経回路網、ネットワーク関数、ニューラルネットワーク(neural network)は、同一の意味で用いることができる。神経回路網は、一般的にノードと呼ばれる相互連結された計算単位の集合で構成されることが多い。このようなノードは、ニューロン(neuron)と称することもできる。神経回路網は、少なくとも1つ以上のノードを含めて構成される。神経回路網を構成するノード(またはニューロン)は1つ以上のリンクによって相互連結されることが可能である。
【0047】
神経回路網において、リンクを介して繋がっている1つ以上のノードは、相対的に入力ノード及び出力ノードの関係を形成することができる。入力ノード及び出力ノードの概念は相対的なものであり、あるノードに対して出力ノードとなる任意のノードは、他のノードとの関係においては入力ノードになり得るが、その逆も成立する。前述のように、入力ノードと出力ノードとの関係はリンクを中心にして成立することができる。1つの入力ノードに1つ以上の出力ノードがリンクを介して繋がることができ、その逆も成立する。
【0048】
1つのリンクを介して繋がっている入力ノード及び出力ノードの関係において、出力ノードのデータは入力ノードに入力されたデータに基づきその値が決められることが可能である。ここで入力ノードと出力ノードとを相互連結するノードは加重値(weight)を持つことができる。加重値は可変的なものになり得るが、神経回路網が所望の機能を行うために、利用者またはアルゴリズムによって変わることが可能である。例えば、1つの出力ノードに1つ以上の入力ノードが各リンクによって相互連結されている場合、出力ノードは前記出力ノードに繋がっている入力ノードに入力された値及び各入力ノードに対応するリンクに設定された加重値に基づき出力ノードの値を決定することができる。
【0049】
前述のように、神経回路網は、1つ以上のノードが1つ以上のリンクを介して相互連結され神経回路網の中で入力ノードと出力ノードの関係を形成する。神経回路網において、ノードとリンクの数及びノードとリンクとの間の相関関係、各リンクに付与された加重値の値によって、神経回路網の特性が決まることが可能である。例えば、同数のノード及びリンクが存在し、リンクの加重値の値がそれぞれ異なる2つの神経回路網が存在する場合、その2つの神経回路網を、相異なるものと認識することができる。
【0050】
神経回路網は、1つ以上のノードの集合で構成することができる。神経回路網を構成するノードの部分集合は、レイヤー(layer)を構成できる。神経回路網を構成する複数のノードのうち一部は、第1入力ノードからの距離に基づき、1つのレイヤー(layer)を構成することができる。例えば、第1入力ノードからの距離がnであるノードの集合は、nレイヤーを構成することができる。第1入力ノードからの距離は、第1入力ノードから当該ノードに到達するために経由しなければならないリンクの最小限の数を基に定義することができる。しかし、このようなレイヤーの定義は、説明のために任意に取り挙げたものであり、神経回路網の中におけるレイヤーの構成は、前述の説明と異なる方法で定義されることができる。例えば、ノードのレイヤーは、最終出力ノードからの距離を基に定義することもできる。
【0051】
第1入力ノードは、神経回路網の中のノードのうち、他のノードとの関係においてリンクを経由せずにデータが直接入力される1つ以上のノードを意味することができる。または、神経回路網のネットワークの中で、リンクを基準にしたノード間の関係において、リンクを介して繋がっている他の入力ノードを持たないノードを意味することができる。これと同様に、最終出力ノードは、神経回路網の中のノードのうち、他のノードとの関係において、出力ノードを持たない1つ以上のノードを意味することができる。また、ヒドンノードは、第1入力ノード及び最終出力ノードではないノードで、神経回路網を構成するノードを意味することができる。
【0052】
本開示の一実施例による神経回路網は、入力レイヤーのノードの数が、出力レイヤーのノードと同数で、入力レイヤーからヒドゥンレイヤー(隠れ層)へと進むにつれ、ノードの数が一度減ってから、再び増加する形の神経回路網になり得る。本開示の一実施例による神経回路網は、入力レイヤーのノードの数が、出力レイヤーのノードの数より少なく、入力レイヤーからヒドゥンレイヤーへと進むにつれ、ノードの数が減少していく形の神経回路網になり得る。また、本開示の他の一実施例による神経回路網は、入力レイヤーのノードの数が、出力レイヤーのノードの数より多く、入力レイヤーからヒドゥンレイヤーへと進むにつれ、ノードの数が増加していく形の神経回路網になり得る。本開示の他の一実施例における神経回路網は、上述の神経回路網を組み合わせた形の神経回路網になり得る。
【0053】
ディープニューラルネットワーク(DNN:deep neural network、深層神経回路網)は、入力レイヤーと出力レイヤー以外に複数のヒドゥンレイヤーを含む神経回路網を意味することができる。ディープニューラルネットワークを利用するとデータの潜在的な構造(latent structures)を把握することができる。つまり、写真、文章、ビデオ、音声、音楽の潜在的な構造(例えば、ある物が写真に映っているか、文章の内容と感情はどのようなものなのか、音声の内容と感情はどのようなものなのか等)を把握することができる。ディープニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:convolutional neural network)、リカレントニューラルネットワーク(RNN;:recurrent neural network)、オートエンコーダー(auto encoder)、GAN(Generative Adversarial Networks)、制限ボルツマンマシン(RBM:restricted boltzmann machine)、深層信頼ネットワーク(DBN:deep belief network)、Qネットワーク、Uネットワーク、シャムネットワーク、敵対的生成ネットワーク(GAN:Generative Adversarial Network)等を含むことができる。前述のディープニューラルネットワークは、例示に過ぎず本開示はこれらに限定されない。
【0054】
本開示の一実施例において、ネットワーク関数は、オートエンコーダー(autoencoder)を含むこともできる。オートエンコーダーは、入力データに類似した出力データを出力するための人工神経回路網の一種になり得る。オートエンコーダーは、少なくとも1つのヒドゥンレイヤーを含むことができ、奇数個のヒドゥンレイヤーが入出力レイヤーの間に配置されることができる。各レイヤーのノード数は、入力レイヤーのノード数から、ボトルネックレイヤー(エンコード)という中間レイヤーに向かって減っていき、ボトルネックレイヤーから出力レイヤー(入力レイヤーと対称を成す)に向かって、縮小と対照する形で、拡張することもできる。オートエンコーダーは、非線形次元減少を行うことができる。入力レイヤー及び出力レイヤーの数は、入力データの前処理後に次元に対応することができる。オートエンコーダー構造において、エンコーダーに含まれたヒドゥンレイヤーのノードの数は、入力データから遠くなるほど減っていく構造を持つことができる。ボトルネックレイヤー(エンコーダーとデコーダーの間に位置する、ノードの数が最も少ないレイヤー)のノードの数が少なすぎる場合、十分な量の情報が伝わらない可能性があるため、特定の数以上(例えば、入力レイヤーの半分以上等)に維持されることもあり得る。
【0055】
ニューラルネットワークは、教師あり学習(supervised learning)、教師なし学習(unsupervised learning)、半教師あり学習(semi supervised learning)、または、強化学習(reinforcement learning)のうち、少なくともいずれか1つの方式で学習されることができる。ニューラルネットワークの学習は、ニューラルネットワークが特定の動作を行うための知識をニューラルネットワークに提供する過程になり得る。
【0056】
ニューラルネットワークは、出力のエラーを最小化する方向で学習されることが可能である。ニューラルネットワークの学習において、繰り返し学習データをニューラルネットワークに入力させ、学習データに関するニューラルネットワークの出力とターゲットのエラーを計算し、エラーを減らすための方向としてニューラルネットワークのエラーをニューラルネットワークの出力レイヤーから入力レイヤーの方向へ逆伝播(back propagation)してニューラルネットワークの各ノードの加重値を更新するプロセスが行われる。教師あり学習の場合、個々の学習データに正解がラベリングされている学習データを使い(つまり、ラベリングされた学習データ)、教師なし学習の場合は、個々の学習データに正解がラベリングされていない場合がある。つまり、例えばデータ分類に関する教師あり学習における学習データは、学習データの各々にカテゴリがラベリングされたデータになり得る。ラベリングされた学習データがニューラルネットワークに入力され、ニューラルネットワークの出力(カテゴリ)と学習データのラベルを比較することでエラー(error)を計算することが可能である。他の例として、データ分類に関する教師なし学習の場合、入力である学習データをニューラルネットワークの出力と比較することでエラーを計算することが可能である。計算されたエラーは、ニューラルネットワークにおいて逆方向(つまり、出力レイヤーから入力レイヤー方向)へ逆伝播され、逆伝播を通じてニューラルネットワークの各レイヤーの各ノードの連結加重値を更新することが可能である。更新される各ノードの連結加重値は、学習率(learing rate)によって変化量が決まることが可能である。入力データに対するニューラルネットワークの計算とエラーの逆伝播は、学習のサイクル(epoch)を構成することができる。学習率は、ニューラルネットワークの学習のサイクルの反復回数によって適用方式が変わることが可能である。例えば、ニューラルネットワークの学習初期においては、学習率を高くしてニューラルネットワークが早く一定のレベルの性能を確保するようにすることで効率を高め、学習の後半においては学習率を低くして精度を上げることが可能である。
【0057】
ニューラルネットワークの学習において、一般的に学習データは実際のデータ(つまり、学習されたニューラルネットワークを利用して処理しようとするデータ)の部分集合であることが可能であり、そのため学習データに係るエラーは減少するが、実際のデータに係るエラーは増加する学習サイクルが存在し得る。過剰適合(over fitting)は、このように学習データについて過度に学習したため、実際のデータにおいてエラーが増加する現象である。例えば、黄色い猫を見て猫を学習したニューラルネットワークが、黄色以外の色の猫を見ると猫であることを認識できない現象が過剰適合の一種になり得る。過剰適合は、マシンラーニングアルゴリズムのエラーを増加させる原因になり得る。このような過剰適合を防ぐために、多様な最適化方法を適用できる。過剰適合を防ぐためには、学習データを増加させる方法、正則化(regulaization)、学習の過程でネットワークのノードの一部を非活性化するドロップアウト(drop out)、バッチ正規化レイヤー(batch normalization layer)の活用等の方法を適用できる。
【0058】
図3は、本開示の一実施例における心電図信号に対する前処理のプロセスを示すフローチャートである。そして、
図4は、本開示の一実施例に基づく、リード別統合データを生成するプロセスを示す概念図である。以下にN次元入力データの一つである2次元入力データを基準に、本開示の一実施例に基づく前処理及び慢性疾患の予測の過程を説明する。
【0059】
図3に示すように、段階S110において、本開示の一実施例に基づくコンピューティング装置(100)は、心電図信号をデジタルサンプリングして心電図データを生成することが可能である。コンピューティング装置(100)は、補間(interpolation)を通じてアナログ信号である心電図信号からデジタル信号である心電図データを生成することが可能である。補間は、特定の時間間隔でアナログ振幅をキャプチャーすることで作られた複数のサンプルの間の欠けている値を再構成する作業として理解することが可能である。この場合、どれくらいの時間間隔で信号をキャプチャーしてサンプルを生成するかは、所定のサンプリングレート(sample rate)に基づいて決定されることが可能である。例えば、コンピューティング装置(100)は、事前学習済み機械学習モデル別に予め決められたサンプリングレートを基に補間を行い、心電図信号を加工することが可能である。コンピューティング装置(100)は、補間を通じてサンプリングされた心電図信号をモデルの入力長さに相当する長さに加工することが可能である。コンピューティング装置(100)は、前述の補間及び長さの加工を通じて、心電図信号から心電図データを生成することが可能である。
【0060】
段階S110において、コンピューティング装置(100)は、心電図データから心電図信号の勾配情報を生成することが可能である。コンピューティング装置(100)は、心電図データのサンプル別の微分値を基に心電図信号の勾配情報を生成することが可能である。この場合、勾配情報は、心電図信号のピーク値の方向を示す心電図信号の固有の情報として理解することが可能である。例えば、上述の過程を通じて生成された心電図データのサンプルが、N個(Nは自然数)だとすると、コンピューティング装置(100)は、N個のサンプルを基に微分値を計算し、N-1個の勾配情報を算出することが可能である。コンピューティング装置(100)は、サンプルの数に対して足りない最後の勾配情報を、コンスタントパディング(constant padding)やシンメトリックパディング(symmetric padding)等のような多様なパディング方式を通じて算出することが可能である。つまり、コンピューティング装置(100)は、N-1個と算出された勾配情報を、パディングを通じてN個になるようにし、心電図データのサンプルと同じ数の勾配情報を生成することが可能である。
【0061】
また、コンピューティング装置(100)は、心電図データから心電図信号の波形別区間情報を生成することが可能である。コンピューティング装置(100)は、心電図データに含まれている複数の心電図信号波形の数値を基に、波形別区間情報を生成することが可能である。例えば、心臓の電気的活性化段階を反映する心電図信号の波形は、基本的にP波、QRS-複合体(QRS-complex)、T波及びその他の波形に分類することが可能である。コンピューティング装置(100)は、P波、QRS-複合体、T波及びその他に該当する波形に係る複数の相異なる数値を正規化(normalization)することが可能である。この場合、正規化される数値には、P波、Q波、R波、S波、T波の各々のピーク値も含まれることが可能である。コンピューティング装置(100)は、心電図データの時系列情報を基に正規化された各波形別の数値を心電図データに相応する長さになるように構成し、心電図信号の波形別区間情報を生成することが可能である。
【0062】
具体的に説明すると、コンピューティング装置(100)は、心電図データに含まれている複数の心電図信号波形の各々の特徴値を抽出することが可能である。例えば、コンピューティング装置(100)は、事前学習済みの深層学習モデルを通じて、P波、QRS-複合体、T波等のように、心電図信号を構成する複数の波形の特徴値を抽出することが可能である。この場合、特徴値は、P波のオンセット(onset)ポイント時間、P波のオフセット(offset)ポイント時間、QRS-複合体のオンセット(onset)ポイント時間等といったP波、QRS-複合体、T波を含む複数の心電図信号波形の各々の固有の情報を含むことが可能である。コンピューティング装置(100)は、特定のルール(rule)に基づいて各信号波形の特徴値を抽出することも可能である。
【0063】
コンピューティング装置(100)は、各信号波形の特徴値と対応する各信号波形の数値を導出することが可能である。コンピューティング装置(100)は、各信号波形の数値を基に、心電図信号を構成している波形を心電図信号に対応する形態に加工することが可能である。コンピューティング装置(100)は、心電図信号に対応する形態に加工された複数の心電図信号波形を組み合わせて、波形別区間情報を生成することが可能である。例えば、コンピューティング装置(100)は、P波の特徴値と対応する数値は1、QRS-複合体の特徴値と対応する数値は2、T波の特徴値と対応する数値は3、その他残りの波形の特徴値と対応する数値は0と導出することが可能である。コンピューティング装置(100)は、各波形別の数値を基に、P波、QRS-複合体、T波及びその他残りの波形を正規化することが可能である。コンピューティング装置(100)は、正規化されたP波、QRS-複合体、T波及びその他残りの波形を組み合わせて、1つの波形別区間情報を生成することが可能である。なお、1、2、3、0のような具体的な数値は、一例にすぎず、当業者にとって理解できる範囲で、他の値に変更されることが可能である。
【0064】
段階S120において、コンピューティング装置(100)は、段階S110を通じて生成された心電図データ、勾配情報、波形別区間情報のうち少なくとも1つを基に、リード別統合データを生成することが可能である。コンピューティング装置(100)は、3つのデータのうち2つ以上を、順番は考慮せずに組み合わせてリード別統合データを生成することも可能である。この場合、リード別統合データの生成のために組み合わせられるデータの数及び種類は、慢性疾患の予測結果を活用する目的によって変わることが可能である。例えば、
図4に示すように、コンピューティング装置(100)は、心電図データ(11)、勾配情報(13)、波形別区間情報(15)を組み合わせて畳み込み演算を実行することが可能である。言い換えると、コンピューティング装置(100)は、畳み込み演算を実行して、心電図データ(11)、勾配情報(13)、波形別区間情報(15)を組み合わせることで、特定のリードの統合データ(17)を生成することが可能である。ただし、データの組み合わせのための演算には、上述の畳み込み演算以外にも乗算、合算、平均演算等のように、データを組み合わせるために提供できるあらゆる演算をすべて含むことが可能である。このような過程を通じて生成されたリード別統合データは、機械学習モデルが、ドメイン専門家の人間に類似した情報及び基準に基づいて、慢性疾患を予測するためのデータ解析を行えるようにサポートする。
【0065】
段階S130において、コンピューティング装置(100)は、段階S120を通じて生成されたリード別統合データを基に、慢性疾患を予測するための機械学習モデルの入力に用いられる2次元入力データを生成することが可能である。この場合、2次元入力データは、心電図信号の時系列情報と空間情報を表すマトリックス形式のものになり得る。例えば、コンピューティング装置(100)は、リード別統合データを同一の時点を基準にして平面上に配列してX軸は時系列情報を表し、Y軸はリード情報を表す2次元マトリックス形式の入力データを生成することが可能である。仮に、心電図信号の測定に用いられるリードの数がK個(Kは自然数)だとすると、コンピューティング装置(100)は、時間間隔Tを基準とする同一時点のK個のリード別統合データを平面上に並べてKxTの2次元マトリックス形式の入力データを生成することが可能である。2次元入力データに係る一例は、後述の
図6又は
図7に図示されている画像(20)を参照することで確認することが可能である。かかる過程を通じて生成された2次元入力データは、心電図信号の空間情報に対する統合処理を可能にし、特定の慢性疾患の診断に必要なリード別相関関係が機械学習モデルの推論過程に効果的に反映されるようにサポートする。
【0066】
図5は、本開示の一実施例における心電図信号を基にした慢性疾患の予測方法に係るフローチャートである。
【0067】
図5を参照すると、本開示に一実施例に基づき、心電図信号を基に2次元入力データを生成する段階S210は、前述の
図3に示すすべての段階に相当するものとして理解することが可能である。従って、段階S210に係る追加の説明は省略する。
【0068】
段階S220において、本開示の一実施例におけるコンピューティング装置(100)は、事前学習済み機械学習モデルを通じて、段階S210において生成された2次元入力データを基に、心電図信号を測定した被検者の慢性疾患を予測することが可能である。例えば、コンピューティング装置(100)は、心電図信号の時系列情報と空間情報がマトリックス形式に配列されている2次元入力データを、機械学習モデルに入力することが可能である。機械学習モデルは、2次元入力データに存在する特徴を基に、様々な種類の慢性疾患の存在有無、定量的数値等を推論することが可能である。この場合、機械学習モデルは、心電図信号に対応する被検者に係る生物学的情報、環境情報等の入力も合わせて受け、慢性疾患の予測を行うことも可能である。機械学習モデルが予測できる慢性疾患には、不整脈、心不全、心筋梗塞等のような心血管疾患、脳出血、脳梗塞、脳卒中等のような脳疾患、肺血栓塞栓症等のような肺疾患、糖尿病、高血圧等のようなその他の慢性疾患がすべて含まれることが可能である。従って、コンピューティング装置(100)は、活用の目的に合わせて、機械学習モデルが予測できるすべての慢性疾患、又はその一部に係る確率情報、線形的数値情報等を心電図信号の分析情報として導出することが可能である。
【0069】
段階S230において、コンピューティング装置(100)は、段階S220において生成された慢性疾患の予測結果である心電図信号の分析情報を基に、ユーザーインターフェースを生成することが可能である。コンピューティング装置(100)は、特定の慢性疾患の有無を表す確率情報、特定の慢性疾患の重症度を表す線形的数値情報等を含む心電図信号の分析情報の全体又は一部に基づくユーザーインターフェースを生成することが可能である。例えば、コンピューティング装置(100)は、心血管疾患の有無に係る確率情報を示す第1領域、心血管疾患の重症度に係る線形的数値情報を示す第2領域を含むユーザーインターフェースを生成することが可能である。コンピューティング装置(100)は、ユーザー端末との通信を介して慢性疾患の予測結果を出力するユーザーインターフェースを、ユーザー端末に提供することが可能である。
【0070】
図6と
図7の各々は、本開示の一実施例における機械学習モデルの構造を示すブロック構成図である。
【0071】
図6を参照すると、本開示の一実施例における機械学習モデル(200)は、2次元入力データ(20)の入力を受けて特徴を抽出するエンコーダー(encoder)(210)と、エンコーダーによって抽出された特徴を基にそれぞれ異なる種類の複数の慢性疾患に係る情報(31、33、35、36)を生成するデコーダー(decoder)(220)を含むことが可能である。機械学習モデル(200)は、心電図信号のリードに係る空間情報を含む2次元入力データ(20)の入力を受けるため、従来の方式とは違って1つのエンコーダー(210)を通じて入力データの特徴抽出を行うことが可能である。従って、既存の1次元モデル、又は周波数変換を基盤とした2次元モデルに比べて、モデルを軽量化することが可能であり、モデルのデータ処理速度を大幅に改善することが可能である。また、機械学習モデル(200)は、2次元入力データ(20)を用いることで空間情報に対する統合処理が可能になるため、特定の慢性疾患の予測及び判断の正確度を従来のモデルに比べ、大幅に改善することが可能である。
【0072】
機械学習モデル(200)は、1つのデコーダー(220)を通じて、エンコーダー(210)によって抽出された2次元入力データ(20)の特徴を基に、それぞれ異なる種類の慢性疾患に係る情報(31、33、35、36)を生成することが可能である。例えば、デコーダー(220)は、2次元入力データ(20)の特徴を基に、脳疾患情報(31)、心血管疾患情報(33)、肺疾患情報(35)、糖尿病等のようなその他の慢性疾患情報(36)のうち、少なくとも1つ以上を出力することが可能である。この場合、特定の慢性疾患に係る情報には、特定の慢性疾患の存在有無に係る予測結果、特定の慢性疾患に係る定量的数値に対する判断結果等が含まれることが可能である。デコーダー(220)は、機械学習モデル(200)に対するコンピューティング装置(100)の制御を通じて、脳疾患情報(31)、心血管疾患情報(33)、肺疾患情報(35)、その他の慢性疾患情報(36)を選択的に出力することも可能である。
【0073】
図7を参照すると、本開示の代替の実施例における機械学習モデル(200)は、エンコーダーによって抽出された特徴を基に、それぞれ異なる種類の複数の慢性疾患に係る情報(31、33、35、36)を生成する複数のデコーダー(221、222、223、224)を含むことが可能である。
図6とは違って機械学習モデル(200)は、慢性疾患のそれぞれ異なる種類と個別に対応する複数のデコーダー(221、222、223、224)を含むことが可能である。例えば、機械学習モデル(200)は、脳疾患情報(31)を生成する第1デコーダー(221)、心血管疾患情報(33)を生成する第2デコーダー(222)、肺疾患情報(35)を生成する第3デコーダー(223)、その他の慢性疾患情報(36)を生成する第Nデコーダー(224)を含むことが可能である。この場合、その他の慢性疾患をより細分化する場合、第Nデコーダー(224)も同様に複数のものに細分化されることが可能である。機械学習モデル(200)は、複数のデコーダー(221、222、223、224)を独立的に動作させて様々な慢性疾患に係る情報を選択的に生成することが可能である。
【0074】
上述の慢性疾患の種類は、位置の例示に過ぎず、当業者が理解できる範囲で、多様な種類の例示が適用されることが可能である。
【0075】
本開示の一実施例に基づき、データ構造を保存したコンピューター可読保存媒体が開示される。
【0076】
データ構造は、データに効率的なアクセスおよび修正を可能にするデータの組織、管理、保存を意味することができる。データ構造は、特定の問題(例えば、最短時間でデータ検索、データ保存、データ修正)を解決するためのデータ組織を意味することができる。データ構造は、特定のデータ処理機能をサポートするように設計されたデータ要素間の物理的または論理的な関係と定義することもできる。データ要素間の論理的な関係は、ユーザーが考えるデータ要素間の連結関係を含むことができる。データ要素間の物理的な関係は、コンピューター可読保存媒体(例えば、ハードディスク)に物理的に保存されているデータ要素間の実際の関係を含むことができる。データ構造は具体的にデータの集合、データ間の関係、データに適用できる関数またはコマンドを含むことができる。効果的に設計されたデータ構造により、コンピューティング装置はコンピューティング装置のリソースを最小限に使用しながら計算を行うことができる。具体的にコンピューティング装置は効果的に設計されたデータ構造を通じて演算、読み取り、挿入、削除、比較、交換、検索の効率性を高めることができる。
【0077】
データ構造はデータ構造の形態によって線形データ構造と非線形データ構造に区分されることができる。線形データ構造は、一つのデータの後に一つのデータだけが連結される構造である可能性がある。線形データ構造はリスト(List)、スタック(Stack)、キュー(Queue)、デッキ(Deque)を含むことができる。リストは、内部的に順序が存在する一連のデータセットを意味することが可能である。リストは連結リスト(Linked List)を含むことができる。連結リストはそれぞれのデータがポインタを持って一列に連結されている方式でデータが連結されたデータ構造でありうる。連結リストでポインタは、次や以前のデータとの連結情報を含むことができる。連結リストは形態によって単一連結リスト、二重連結リスト、円形連結リストで表現できる。スタックは制限的にデータにアクセスできるデータリスト構造である可能性がある。スタックは、データ構造の片端でのみデータを処理(例えば、挿入または削除)できる線形データ構造である可能性がある。スタックに保存されたデータは、遅く入るほど早く出てくるデータ構造(LIFO-Last in First Out)である可能性がある。キューは制限的にデータにアクセスできるデータ羅列構造であり、スタックとは異なり遅く保存されたデータほど遅く出てくるデータ構造(FIFO-FirstinFirstOut)であることができる。デッキはデータ構造の両端でデータを処理できるデータ構造になり得る。
【0078】
非線形データ構造は、一つのデータの後に複数のデータが連結される構造である可能性がある。非線形データ構造はグラフ(Graph)データ構造を含むことができる。グラフデータ構造は頂点(Vertex)と幹線(Edge)で定義でき、幹線は互いに異なる二つの頂点を連結する線を含むことができる。グラフデータ構造ツリー(Tree)データ構造を含むことができる。ツリーデータ構造はツリーに含まれる複数の頂点のうち、互いに異なる2つの頂点を連結させる経路が一つのデータ構造になり得る。すなわち、グラフデータ構造でループ(loop)を形成しないデータ構造になり得る。
【0079】
本明細書にかけて、演算モデル、神経回路網、ネットワーク関数、ニューラルネットワークは同じ意味で使用できる。(以下ではニューラルネットワークで統一して記述する。)データ構造はニューラルネットワークを含むことができる。そして、ニューラルネットワークを含むデータ構造は、コンピューター可読保存媒体に保存されることができる。ニューラルネットワークを含むデータ構造はまた、ニューラルネットワークに入力されるデータ、ニューラルネットワークの加重値、ニューラルネットワークのハイパーパラメータ、ニューラルネットワークから獲得したデータ、ニューラルネットワークの各ノードまたはレイヤーに関連する活性関数、ニューラルネットワークの学習のための損失関数を含むことができる。ニューラルネットワークを含むデータ構造は、前記開示された構成のうち任意の構成要素を含むことができる。すなわち、ニューラルネットワークを含むデータ構造は、ニューラルネットワークに入力されるデータ、ニューラルネットワークの加重値、ニューラルネットワークのハイパーパラメータ、ニューラルネットワークから獲得したデータ、ニューラルネットワークの各ノードまたはレイヤーに関連する活性関数、ニューラルネットワークのトレーニングのための損失関数など、全部またはこれらの任意の組み合わせを含んで構成されることができる。前述した構成以外にも、ニューラルネットワークを含むデータ構造は、ニューラルネットワークの特性を決定する任意の他の情報を含むことができる。また、データ構造は、ニューラルネットワークの演算過程で使用されたり、発生するすべての形態のデータを含むことができ、前述の事項に制限されるわけではない。コンピューター可読保存媒体は、コンピューター可読記録媒体および/またはコンピューター可読伝送媒体を含むことができる。ニューラルネットワークは、一般的にノードと呼ばれる相互接続された計算単位の集合で構成されることができる。このようなノードはニューロン(neuron)と呼ばれることができる。ニューラルネットワークは、少なくとも1つ以上のノードを含んで構成される。
【0080】
データ構造は、ニューラルネットワークに入力されるデータを含むことができる。ニューラルネットワークに入力されるデータを含むデータ構造は、コンピューター可読保存媒体に保存されることができる。ニューラルネットワークに入力されるデータは、ニューラルネットワークの学習過程で入力される学習データおよび/または学習が完了したニューラルネットワークに入力される入力データを含むことができる。ニューラルネットワークに入力されるデータは、前処理(pre-processing)を経たデータおよび/または前処理対象となるデータを含むことができる。前処理はデータをニューラルネットワークに入力させるためのデータ処理過程を含むことができる。したがって、データ構造は前処理対象となるデータおよび前処理で発生するデータを含むことができる。前述のデータ構造は例示に過ぎず、本開示はこれに限定されない。
【0081】
データ構造は、ニューラルネットワークの加重値を含むことができる。(本明細書で加重値、パラメータは同じ意味で使用できる。)そして、神経回路網の加重値を含むデータ構造はコンピューター可読保存媒体に保存されることができる。ニューラルネットワークは、複数の加重値を含むことができる。加重値は可変的であり、ニューラルネットワークが望む機能を遂行するために、ユーザーまたはアルゴリズムによって可変することができる。例えば、一つの出力ノードに一つ以上の入力ノードがそれぞれのリンクによって相互接続された場合、出力ノードは前記出力ノードと連結された入力ノードに入力された値及びそれぞれの入力ノードに対応するリンクに設定されたパラメータに基づいて出力ノード値を決定することができる。前述のデータ構造は例示に過ぎず、本開示はこれに限定されない。
【0082】
制限ではなく例として、加重値は神経回路網学習過程で可変する加重値および/または神経回路網学習が完了した加重値を含むことができる。ニューラルネットワーク学習過程で可変される加重値は、学習サイクルが始まる時点の加重値および/または学習サイクルの間に可変される加重値を含むことができる。ニューラルネットワーク学習が完了した加重値は、学習サイクルが完了した加重値を含むことができる。したがって、ニューラルネットワークの加重値を含むデータ構造は、ニューラルネットワーク学習過程で可変される加重値および/またはニューラルネットワーク学習が完了した加重値を含むデータ構造を含むことができる。したがって、上述した加重値および/または各加重値の組み合わせは、神経回路網の加重値を含むデータ構造に含まれるものとする。前述のデータ構造は例示に過ぎず、本開示はこれに限定されない。
【0083】
ニューラルネットワークの加重値を含むデータ構造は、直列化(serialization)過程を経た後、コンピューター可読保存媒体(例えば、メモリ、ハードディスク)に保存されることができる。直列化は、データ構造を同一または他のコンピューティングデバイスに保存し、後で再構成して使用できる形態に変換する過程である可能性がある。コンピューティングデバイスは、データ構造を直列化し、ネットワークを介してデータを送受信することができる。直列化されたニューラルネットワークの加重値を含むデータ構造は、逆直列化(deserialization)を通じて同じコンピューティング装置または他のコンピューティング装置で再構成されることができる。ニューラルネットワークの加重値を含むデータ構造は、シリアル化に限定されるものではない。さらに、神経回路網の加重値を含むデータ構造は、コンピューティング装置の資源を最小限に使用しながら演算の効率を高めるためのデータ構造(例えば、非線形データ構造で B-Tree、Trie、m-way search tree、AVLtree、Red-Black Tree)を含むことができる。前述の事項は例示に過ぎず、本開示はこれに限定されない。
【0084】
データ構造は、ニューラルネットワークのハイパーパラメータ(Hyper-parameter)を含むことができる。そして、ニューラルネットワークのハイパーパラメータを含むデータ構造は、コンピューター可読保存媒体に保存されることができる。ハイパーパラメータは、ユーザーによって可変される変数である可能性がある。ハイパーパラメータは、例えば、学習率(learning rate)、コスト関数(cost function)、学習サイクル反復回数、加重値初期化(例えば、加重値初期化対象となる加重値の範囲設定)、Hidden Unit個数(例えば、ヒドゥンレイヤーの個数、ヒドゥンレイヤーのノード数)を含むことができる。前述のデータ構造は例示に過ぎず、本開示はこれに限定されない。
【0085】
図8は、本開示の実施例が具現化されることのできる例示的なコンピューティング環境に係る簡略で一般的な概略図である。
【0086】
本開示が一般的にコンピューティング装置により具現化されることができると前述されているが、当業者であれば本開示が一つ以上のコンピューター上で実行されることのできるコンピューター実行可能命令及び/またはその他のプログラムモジュールと結合して及び/またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして具現化されることができるということをよく理解できるだろう。
【0087】
一般的に、本明細書におけるモジュールは、特定のタスクを実行したり、特定の抽象的なデータ類型を実装するルーティン、プログラム、コンポーネント、データ構造、その他等々を含む。また、当業者なら本開示の方法がシングルプロセッサーまたはマルチプロセッサーコンピューターシステム、ミニコンピューター、メインフレームコンピューターはもちろん、パーソナルコンピューター、ハンドヘルド(handheld)コンピューティング装置、マイクロプロセッサー基盤、またはプログラム可能な家電製品、その他等々(これらは、それぞれ1つ以上の関連する装置と繋がって動作することができる)をはじめとする、他のコンピューターシステムの構成によって実施されることができることをよく理解できるだろう。
【0088】
本開示において説明された実施例は、さらに、あるタスクが通信ネットワークを通じて繋がっている遠隔処理装置によって実行される分散コンピューティング環境で実施されることができる。分散コンピューティング環境において、プログラムモジュールは、ローカルや遠隔メモリー保存装置の両方に位置することができる。
【0089】
コンピューターは、多様なコンピューター可読媒体を含む。コンピューターによってアクセス可能な媒体はいずれもコンピューター可読媒体になり得るが、このようなコンピューター可読媒体は揮発性及び非揮発性媒体、一時的(transitory)及び非一時的(non-transitory)媒体、移動式及び非-移動式媒体を含む。制限ではなく例として、コンピューター可読媒体は、コンピューター可読保存媒体及びコンピューター可読伝送媒体を含むことができる。コンピューター可読保存媒体は、コンピューター可読命令、データ構造、プログラムモジュール又はその他のデータのような情報を保存する任意の方法又は技術により実装される揮発性及び非揮発性媒体、一時的及び非-一時的媒体、移動式及び非移動式媒体を含む。コンピューター可読保存媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリーまたはその他のメモリー技術、CD-ROM、DVD(digital video disk)またはその他の光ディスク保存装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク保存装置またはその他の磁気保存装置、またはコンピューターによってアクセスされることができ、情報を保存するのに使われることのできる任意のその他の媒体を含むが、これに限定されない。
【0090】
コンピューター可読伝送媒体は、通常、搬送波(carrier wave)またはその他の伝送メカニズム(transport mechanism)のような被変調データ信号(modulated data signal)にコンピューター可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたはその他のデータ等を実装し、すべての情報伝達媒体を含む。被変調データ信号という用語は、信号の中で情報をエンコードするように、その信号の特性のうち1つ以上を設定または変更した信号を意味する。制限ではなく例として、コンピューター可読伝送媒体は、有線ネットワークまたは直接配線接続(direct-wired connection)のような有線媒体、そして音響、RF、赤外線、その他の無線媒体のような無線媒体を含む。前述の媒体のいずれかによる任意の組み合わせもまたコンピューター可読伝送媒体の範囲に含まれるものとする。
【0091】
コンピューター(1102)を含む本開示の多様な側面を実現する例示的な環境(1100)が示されており、コンピューター(1102)は、処理装置(1104)、システムメモリー(1106)、システムバス(1108)を含む。システムバス(1108)は、システムメモリー(1106)(これに限定されない)をはじめとするシステムコンポーネントを処理装置(1104)につなげる。処理装置(1104)は、多様な商用プロセッサーのうち任意のプロセッサーになり得る。デュエルプロセッサーとその他のマルチプロセッサーアーキテクチャもまた処理装置(1104)として利用されることができる。
【0092】
システムバス(1108)は、メモリーバス、周辺装置バス、そして多様な商用バスアーキテクチャの中から、任意のものを使用するローカルバスにさらに相互連結されることのできる複数の類型のバス構造のうちいずれかになり得る。システムメモリー(1106)は、読み取り専用メモリー(ROM)(1110)やランダムアクセスメモリー(RAM)(1112)を含む。基本的な入出力システム(BIOS)は、ROM、EPROM、EEPROM等の非揮発性メモリー(1110)に保存され、このBIOSは、起動中の時等にコンピューター(1102)の中の複数の構成要素間の情報のやりとりをサポートする基本的なルーティンを含む。RAM(1112)は、またデータをキャッシュするための静的RAM等の高速RAMを含むことができる。
【0093】
コンピューター(1102)においては、また、内蔵型ハードディスクドライブ(HDD)(1114)(例えば、EIDE、SATA)―この内蔵型ハードディスクドライブ(1114)はまた適切なシャシー(図示は省略)の中で外付け型の用途で構成されることができる―、磁気フロッピーディスクドライブ(FDD)(1116)(例えば、移動式ディスケット(1118)から読み取ったりそれに書き込むためのものである)及び光ディスクドライブ(1120)(例えば、CD-ROMディスク(1122)を読み取ったり、DVD等のその他の高容量光媒体から読み取ったり、それに書き込むためのものである)を含む。ハードディスクドライブ(1114)、磁気ディスクドライブ(1116)及び光ディスクドライブ(1120)は、それぞれハードディスクドライブインターフェース(1124)、磁気ディスクドライブインターフェース(1126)及び光ドライブインターフェース(1128)によってシステムバス(1108)に繋がることができる。外付け型ドライブの実装のためのインターフェース(1124)は、例えば、USB(Universal Serial Bus)やIEEE1394インターフェース技術のうち、少なくとも1つまたはその両方を含む。
【0094】
これらのドライブ及びこれらに係るコンピューター可読媒体は、データ、データ構造、コンピューターで実行可能な命令、その他等々の非揮発性保存を提供する。コンピューター(1102)の場合、ドライブ及び媒体は、任意のデータを適切なデジタル形式に保存することに対応する。前述におけるコンピューター可読保存媒体に係る説明が、HDD、移動式磁気ディスク及びCDまたはDVD等の移動式光媒体について触れているが、当業者ならジップドライブ(zip drive)、磁気カセット、フラッシュメモリーカード、カートリッジ、その他等々のコンピューターにより読み取り可能な他の類型の保存媒体もまた例示的な運営環境で使われることができ、さらに、このような媒体のうち任意のある媒体が、本開示の方法を実行するためのコンピューターで実行可能な命令を含むことができることをよく理解できるだろう。
【0095】
運営システム(1130)、1つ以上のアプリケーションプログラム(1132)、その他のプログラムモジュール(1134)及びプログラムデータ(1136)をはじめとする多数のプログラムモジュールが、ドライブ及びRAM(1112)に保存されることができる。運営システム、アプリケーション、モジュール及び/またはデータの全部またはその一部分がまたRAM(1112)にキャッシュされることができる。本開示が商業的に利用可能な様々な運営システムまたは複数の運営システムの組み合わせにより実装されることができることをよく理解できるだろう。
【0096】
ユーザーは、1つ以上の有線・無線の入力装置、例えば、キーボード(1138)及びマウス(1140)等のポインティング装置を通じてコンピューター(1102)に命令及び情報を入力することができる。その他の入力装置(図示は省略)としてはマイク、IRリモコン、ジョイスティック、ゲームパッド、スタイラスペン、タッチスクリーン、その他等々があり得る。これら及びその他の入力装置が、よくシステムバス(1108)に繋がっている入力装置インターフェース(1142)を通じて処理装置(1104)に繋がることがあるが、並列ポート、IEEE1394直列ポート、ゲームポート、USBポート、IRインターフェース、その他等々のその他のインターフェースによって繋がることができる。
【0097】
モニター(1144)または他の類型のディスプレイ装置も、ビデオアダプター(1146)等のインターフェースを通じてシステムバス(1108)に繋がる。モニター(1144)に加えて、コンピューターは一般的にスピーカー、プリンター、その他等々のその他の周辺出力装置(図示は省略)を含む。
【0098】
コンピューター(1102)は、有線及び/または無線通信による(複数の)遠隔コンピューター(1148)等の1つ以上の遠隔コンピューターへの論理的接続を利用し、ネットワーク化された環境で動作することができる。(複数の)遠隔コンピューター(1148)は、ワークステーション、サーバーコンピューター、ルーター、パーソナルコンピューター、携帯用コンピューター、マイクロプロセッサー基盤の娯楽機器、ピア装置またはその他の通常のネットワークノードになることができ、一般的にコンピューター(1102)について述べられた構成要素のうち、多数またはその全部を含むが、簡略化するために、メモリー保存装置(1150)のみ図示されている。図示されている論理的接続は、近距離通信網(LAN)(1152)及び/または、より大きいネットワーク、例えば、遠距離通信網(WAN)(1154)における有線・無線の接続を含む。このようなLAN及びWANのネットワーキング環境は、オフィスや会社では一般的なもので、イントラネット等の全社的コンピューターネットワーク(enterprise-wide computer network)を容易にし、これらはすべて全世界のコンピューターネットワーク、例えば、インターネットに繋がることができる。
【0099】
LANネットワーキング環境で使われるとき、コンピューター(1102)は、有線及び/または無線通信ネットワークインターフェース、または、アダプター(1156)を通じてローカルネットワーク(1152)に繋がる。アダプター(1156)は、LAN(1152)への有線または無線通信を容易にすることができ、このLAN(1152)は、また無線アダプター(1156)と通信するためにそれに設置されている無線アクセスポイントを含む。WANネットワーキング環境で使われるとき、コンピューター(1102)は、モデム(1158)を含むことができたり、WAN(1154)上の通信サーバーに繋がったり、またはインターネットを通じる等、WAN(1154)を通じて通信を設定するその他の手段を持つ。内蔵型又は外付け型、そして、有線または無線装置になり得るモデム(1158)は、直列ポートインターフェース(1142)を通じてシステムバス(1108)に繋がる。ネットワーク化された環境において、コンピューター(1102)について説明されたプログラムモジュールまたはその一部分が、遠隔メモリー/保存装置(1150)に保存されることができる。図示されたネットワーク接続が例示的なものであり、複数のコンピューター間で通信リンクを設定する他の手段が使われることができるということは容易に理解できることである。
【0100】
コンピューター(1102)は、無線通信で配置されて動作する任意の無線装置またはユニット、例えば、プリンター、スキャナー、デスクトップ及び/または携帯用コンピューター、PDA(portable data assistant)、通信衛星、無線で検出可能なタグに係る任意の装備または場所及、及び電話と通信する動作をする。これは、少なくともWi-Fi及びブルートゥース(登録商標)無線技術を含む。従って、通信は、従来のネットワークのように予め定義された構造であったり、単純に少なくとも2つの装置の間でのアドホック通信(ad hoc communication)になり得る。
【0101】
Wi-Fi(Wireless Fidelity)は、有線で繋がっていなくても、インターネット等への接続を可能にする。Wi-Fiは、このような装置、例えば、コンピューターが室内及び室外で、つまり基地局の通話圏内のどこからでもデータを送受信できるようにするセル電話のような無線技術である。Wi-Fiネットワークは、安全で信頼性があり、高速である無線接続を提供するためにIEEE802.11(a、b、g、その他)という無線技術を使う。コンピューターを互いに、インターネット及び有線ネットワーク(IEEE802.3またはイーサネットを使う)に接続するためにWi-Fiが使われることができる。Wi-Fiネットワークは、非認可2.4や5GHzの無線帯域において、例えば、11Mbps(802.11a)または54Mbps(802.11b)のデータレートで動作したり、両帯域(デュエル帯域)を含む製品において動作することができる。
【0102】
本開示の技術分野における通常の知識を持つ者は情報及び信号が任意の多様な異なる技術及び手法を利用して示されることができることを理会できる。例えば、前記の説明において参照できるデータ、指示、命令、情報、信号、ビット、シンボル及びチップは、電圧、電流、電磁気派、磁場等または粒子、光学場等または粒子、またはこれらの任意の組み合わせによって示されることができる。
【0103】
本開示の技術分野において通常の知識を持つ者は、ここに開示された実施例に係る説明で取り挙げられた多様な例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサー、手段、回路、アルゴリズム段階が電子ハードウェア、(利便性のために、ここでは「ソフトウェア」と称される)多様な形のプログラムまたは設計コード、またはこれらすべての結合により実装されることができることを理解できるだろう。ハードウェア及びソフトウェアのこのような相互互換性を明確に説明するために、多様な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、及び段階がこれらの機能に着目して前記で一般的に説明された。このような機能がハードウェアやソフトウェアで実装されるかどうかは、特定のアプリケーションおよび全体システムに対して付与される設計上の制限によって決まる。本開示の技術分野において通常の知識を持つ者は、個々の特定のアプリケーションについて多様な手法で説明された機能を実現することができるが、このような実現の決定は、本開示の範囲を逸脱するものと解釈されてはならない。
【0104】
ここに示された多様な実施例は、方法、装置、または標準プログラミング及び/またはエンジニアリング技術を使った製造物品(article)によって実現できる。用語「製造物品」は、任意のコンピューターで可読な装置からアクセス可能なコンピュータープログラム、キャリアー、または媒体(media)を含む。例えば、コンピューターで可読保存媒体は、磁気保存装置(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ等)、光学ディスク(例えば、CD、DVD等)、スマートカード及びフラッシュメモリー装置(例えば、EEPROM、カード、スティック、キードライブ等)を含むが、これらに限定されるものではない。また、ここに示されている多様な保存媒体は、情報を保存するための1つ以上の装置及び/または他の機械可読媒体を含む。
【0105】
示されたプロセスにおける複数の段階の特定の順番または階層構造は、例示的なアプローチの一例であることを理解すべきである。設計上の優先順位に基づき、本開示の範囲内で、プロセスにおける段階の特定の順番または階層構造が再配列されることができることを理解すべきである。添付の方法請求項は、サンプルとしての順番で、多様な段階のエレメントを提供するが、示された特定の順番または階層構造に限定されることを意味するわけではない。
【0106】
示された実施例に関する説明は、任意の本開示の技術分野において通常の知識を持つ者が、本開示を利用したり、または実施できるように提供される。このような実施例に対する多様な変形は、本開示の技術分野において通常の知識を持つ者には明確に理解できるものであり、ここに定義された一般的な原理は、本開示の範囲を逸脱することなく他の実施例に適用されることができる。従って、本開示はここに示す実施例によって限定されるものではなく、ここに示す原理及び新規な特徴と一貫する最広義の範囲で解釈されるべきである。
【国際調査報告】