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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】円筒形二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/533 20210101AFI20240206BHJP
   H01M 50/559 20210101ALI20240206BHJP
   H01M 50/567 20210101ALI20240206BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20240206BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20240206BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20240206BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20240206BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20240206BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/559
H01M50/567
H01M50/588
H01M50/593
H01M50/184 D
H01M10/04 W
H01M50/342 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546079
(86)(22)【出願日】2022-02-04
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 EP2022052713
(87)【国際公開番号】W WO2022167586
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】63/146,524
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521444701
【氏名又は名称】ノースボルト・エービー
【氏名又は名称原語表記】Northvolt AB
【住所又は居所原語表記】Alstroemergatan 20,112 47 Stockholm,Sweden
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】牧野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】井上 廣樹
(72)【発明者】
【氏名】坂本 卓誠
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
5H028
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011AA13
5H011CC06
5H011FF02
5H011GG02
5H011HH02
5H011HH03
5H011KK01
5H012AA01
5H012BB11
5H012DD05
5H012FF01
5H028CC12
5H028HH05
5H043AA04
5H043AA19
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA12
5H043GA23
5H043GA24
5H043JA01E
5H043LA02
5H043LA02D
5H043LA03D
(57)【要約】
円筒形缶(2)と、端子(3)と、ジェリーロール(5)を形成するように巻回された、第1の電極コーティングを有する第1の導電性シート(4)とを備える2つの円筒形二次電池(1)、及びそれらを組み立てるための方法。第1の導電性シート(4)は、第1の電極コーティングがない部分(4a)を備える。導電性電極鉛板(6)が、第1の電極コーティングがない部分(4a)の少なくとも一部と直接接触するように配置される。電極鉛板(6)は、缶(2)中の開口部(2c)を通って延在する突出部(6a)を備え、前記突出部(6a)は、缶(2)の外側上にリベット頭部(6b)を備える。リベット頭部(6b)は、端子(3)の少なくとも一部を形成する。代替として、電極鉛板(6)は、缶(2)中の開口部(2c)を通って突出する中空突出部(6a)を備え、缶(2)の外側に露出された突出部(6a)の一部は、ベント機構(11)を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形二次電池(1)であって、
-第1の缶端部側(2a)を備える円筒形缶(2)と、
-端子(3)と、
-前記缶(2)中に配置されたジェリーロール(5)を形成するように巻回された、第1の電極コーティングを有する第1の導電性シート(4)と、ここにおいて、前記第1の導電性シート(4)は、前記ジェリーロール(5)の第1の端部側(5a)上に突出する第1の電極コーティングがない部分(4a)を備え、
-導電性であり、前記ジェリーロール(5)の前記第1の端部側(5a)に配置され、前記第1の導電性シート(4)の第1の電極コーティングがない前記部分(4a)の少なくとも一部と直接接触する電極鉛板(6)と
を備え、前記電極鉛板(6)は、前記缶(2)中の開口部(2c)を通って延在する突出部(6a)を備え、前記開口部(2c)は、前記第1の缶端部側(2a)中に配置され、前記突出部(6a)は、前記缶(2)の外側上に配置されたリベット頭部(6b)を備え、前記リベット頭部(6b)は、前記端子(3)の少なくとも一部を形成することを特徴とする、円筒形二次電池(1)。
【請求項2】
前記リベット頭部(6b)は、前記端子(3)全体を形成する、請求項1に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項3】
前記リベット頭部(6b)の直径は、前記缶(2)の前記開口部(2c)の直径よりも大きく、前記リベット頭部(6b)の面積は、前記第1の缶端部側(2a)の総面積の50%未満である、請求項1又は2に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項4】
-前記缶(2)が前記端子(3)から絶縁されるように、前記缶(2)と前記端子(3)との間に配置された絶縁層(7)
を備える、請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項5】
-前記絶縁層(7)及び封止部(8)が前記電極鉛板から前記缶(2)を共に絶縁するように、前記缶(2)と前記電極鉛板との間に配置された前記封止部(8)
を備える、請求項4に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項6】
-第2の電極コーティングを有する第2の導電性シート(9)と、
-セパレータシート(10)と
を備え、前記第1の導電性シート(4)、前記セパレータシート(10)、及び前記第2の導電性シートは、前記ジェリーロール(5)を形成するように巻回される、請求項1~5のうちのいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項7】
前記リベット頭部(6b)は、ベント機構(11)を備える、請求項1~6のうちのいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項8】
前記ベント機構(11)は、前記缶(2)中の内部圧力が所定のレベルを超えると破裂するように構成された材料の薄肉部(11a)を前記リベット頭部(6b)中に備える、請求項7に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項9】
前記ベント機構(11)は、前記缶(2)中の内部圧力が所定のレベルを超えると破裂するように構成された少なくとも1つの切り込み(11b)を前記リベット頭部(6b)中に備える、請求項7に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項10】
請求項1~5のうちのいずれか一項に記載の前記円筒形二次電池(1)を組み立てるための方法であって、前記円筒形二次電池(1)の前記ジェリーロール(5)は、前記ジェリーロール(5)の前記第1の端部側(5a)と前記ジェリーロール(5)の第2の端部側との間に穴を有するように、中空円筒の形状を有し、前記電極鉛板の前記突出部(6a)は、前記電極鉛板上の中心に配置され、前記円筒形二次電池(1)を前記組み立てることは、
-前記突出部(6a)が前記缶(2)中の前記開口部(2c)を通って延在するように、前記電極鉛板を配置することと、
-前記第1の導電性シート(4)の第1の電極コーティングがない前記部分(4a)の少なくとも一部が前記電極鉛板と直接接触するように、前記缶(2)中に前記ジェリーロール(5)を配置することと、
-前記ジェリーロール(5)の前記第2の端部側から前記ジェリーロール(5)の前記穴中にマンドレル(12)の少なくとも一部を挿入することと、前記マンドレル(12)は、マンドレル端(12a)を備え、
-前記突出部(6a)が前記マンドレル端(12a)と押圧部分との間で変形させられ、このことから、前記リベット頭部(6b)を形成するように、前記マンドレル(12)が挿入された側とは反対の側から、前記突出部(6a)上に押圧機構(13)を押圧することと
を備える、方法。
【請求項11】
前記電極鉛板の前記突出部(6a)は、前記円筒形二次電池(1)を組み立てる前に、前記缶(2)中の前記開口部(2c)を通って延在するべき、端部において閉鎖される中空円筒形突出部(6a)を備え、前記マンドレル(12)は、前記中空円筒形突出部(6a)中にフィットするような直径を有し、前記ジェリーロール(5)の前記第2の端部側から前記ジェリーロール(5)の前記穴中にマンドレル(12)の少なくとも一部を挿入することは、前記マンドレル(12)を、前記マンドレル端(12a)と前記中空円筒形突出部(6a)の閉鎖端との間に隙間を残す所定の長さだけ前記中空円筒形突出部(6a)中に挿入されるまで挿入することを備える、請求項10、及び請求項6~8のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記マンドレル(12)は、前記マンドレル(12)が前記ジェリーロール(5)の前記穴中に挿入されるとき、前記マンドレル(12)が前記中空円筒形突出部(6a)中に前記所定の長さだけ挿入されたときにマンドレルレッジ(12b)が前記電極鉛板と当接し、それによって、前記マンドレル(12)が更に挿入されることを防止するように、前記マンドレル端(12a)から所定の距離に配置された前記レッジ(12b)を備える、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
円筒形二次電池(1)であって、
-第1の缶端部側(2a)を備える円筒形缶(2)と、
-端子(3)と、
-前記缶(2)中に配置されたジェリーロール(5)を形成するように巻回された、第1の電極コーティングを有する第1の導電性シート(4)と、ここにおいて、前記第1の導電性シート(4)は、前記ジェリーロール(5)の第1の端部側(5a)上に突出する第1の電極コーティングがない部分(4a)を備え、
-導電性であり、前記ジェリーロール(5)の前記第1の端部側(5a)に配置され、前記第1の導電性シート(4)の第1の電極コーティングがない前記部分の少なくとも一部と直接接触する電極鉛板(6)と
を備え、前記電極鉛板(6)は、突出部(6a)の一部が前記缶(2)の外側に露出されるように、前記缶(2)中の開口部(2c)を通って突出する前記中空突出部(6a)を備え、前記缶(2)の外側に露出された前記突出部(6a)の前記一部は、ベント機構(11)を備えることを特徴とする、円筒形二次電池(1)。
【請求項14】
前記缶(2)の外側に露出された前記突出部(6a)の前記一部は、前記端子(3)の少なくとも一部を備える、請求項13に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項15】
前記ベント機構(11)は、前記缶(2)中の内部圧力が所定のレベルを超えると破裂するように構成された材料の薄肉部(11a)を備える、請求項13又は14に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項16】
前記ベント機構(11)は、前記缶(2)中の内部圧力が所定のレベルを超えると破裂するように構成された少なくとも1つの切り込み(11b)を備える、請求項13又は14に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項17】
-第2の電極コーティングを有する第2の導電性シート(9)と、
-セパレータシート(10)と
を備え、前記第1の導電性シート(4)、前記セパレータシート(10)、及び前記第2の導電性シート(9)は、前記ジェリーロール(5)を形成するように巻回される、請求項13~16のうちのいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
【請求項18】
請求項13~17のうちのいずれか一項に記載の前記円筒形二次電池(1)を組み立てるための方法であって、前記円筒形二次電池(1)の前記ジェリーロール(5)は、前記ジェリーロール(5)の前記第1の端部側(5a)と前記ジェリーロール(5)の第2の端部側との間に穴を有するように、中空円筒の形状を有し、前記電極鉛板の前記突出部(6a)は、前記電極鉛板上の中心に配置され、前記円筒形二次電池(1)を組み立てる前に、前記缶(2)中の前記開口部(2c)を通って延在するべき、端部側において閉鎖される中空円筒形突出部(6a)を備え、前記端部側は、前記ベント機構(11)を備え、前記円筒形二次電池(1)を前記組み立てることは、
-前記突出部(6a)が前記缶(2)中の前記開口部(2c)を通って延在するように、前記電極鉛板を配置することと、
-前記第1の導電性シート(4)の第1の電極コーティングがない前記部分(4a)の少なくとも一部が前記電極鉛板と直接接触するように、前記缶(2)中に前記ジェリーロール(5)を配置することと、
-前記ジェリーロール(5)の前記第2の端部側から前記ジェリーロール(5)の前記穴中にマンドレル(12)の少なくとも一部を挿入することと、前記マンドレル(12)は、前記中空円筒形突出部(6a)中にフィットし、マンドレル端(12a)を備えるような直径を有し、前記マンドレル(12)は、前記マンドレル端(12a)と前記中空円筒形突出部(6a)の閉鎖端との間に隙間を残す所定の長さだけ前記中空円筒形突出部(6a)中に挿入されるまで挿入され、
前記中空円筒形突出部(6a)が前記マンドレル端(12a)と押圧部分との間で変形させられ、このことから、リベット頭部(6b)を形成するように、前記マンドレル(12)が挿入された側とは反対の側から、前記中空円筒形突出部(6a)の前記閉鎖端上に押圧機構(13)を押圧することと
を備える、方法。
【請求項19】
前記マンドレル(12)は、前記マンドレル(12)が前記ジェリーロール(5)の前記穴中に挿入されるとき、前記マンドレル(12)が前記中空円筒形突出部(6a)中に前記所定の長さだけ挿入されたときにマンドレルレッジ(12b)が前記電極鉛板と当接し、それによって、前記マンドレル(12)が更に挿入されることを防止するように、前記マンドレル端(12a)から所定の距離に配置された前記レッジ(12b)を備える、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、円筒形二次電池及びそれらを組み立てるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化石燃料から再生可能エネルギーへの移行は、かなりの勢いを得ている。最も重要な要因のうちの1つは、より良好且つ安価な再充電可能バッテリの開発である。現在、リチウムイオンバッテリはますます普及しつつある。それらは、リチウムイオンが放電中に負極から正極に移動し、充電時に逆に移動するタイプの再充電可能バッテリを表す。
【0003】
再充電可能バッテリに対する需要が増大するにつれて、生産会社が需要を満たすことができるように生産速度がますます注目されている。再充電可能バッテリの効果的な生産を達成するために、製造プロセスのステップが最適化されることができる。
【0004】
考慮すべき別の態様は、再充電可能バッテリの使用が安全でなければならないことである。従って、再充電可能バッテリは、バッテリの内側の圧力が許容レベルを超えて上昇したときにガスを放出するための少なくとも1つのベントを有する。ベントは、複雑な機構であることが多い。
【0005】
再充電可能バッテリ、又は言い換えれば二次バッテリは、1つ以上の二次電池を備える。
【発明の概要】
【0006】
上記に鑑みて、本開示の目的は、再充電可能バッテリ用の改善された円筒形二次電池を提供することである。
【0007】
この目的は、添付の特許請求の範囲に定義されるようなデバイス及び方法によって達成される。
【0008】
本開示は、円筒形二次電池を提供し、円筒形二次電池は、
-第1の缶端部側を備える円筒形缶と、
-端子と、
-缶中に配置されたジェリーロールを形成するように巻回された、第1の電極コーティングを有する第1の導電性シートと、ここにおいて、第1の導電性シートは、ジェリーロールの第1の端部側上に突出する第1の電極コーティングがない部分を備え、
-導電性であり、ジェリーロールの第1の端部側に配置され、第1の導電性シートの第1の電極コーティングがない部分の少なくとも一部と直接接触する電極鉛板と
を備える。
【0009】
電極鉛板は、缶中の開口部を通って延在する突出部を備える。開口部は、第1の缶端部側中に配置される。突出部は、缶の外側上に配置されたリベット頭部を備え、リベット頭部は、端子の少なくとも一部を形成する。
【0010】
これにより、第1の電極コーティングがない部分のための集電体である電極鉛板が、端子の少なくとも一部と1つの単一ピースを形成する。これは、円筒形二次電池中の部品数が低減されることができ、それはコスト及び生産時間の両方を低減する、ということを意味する。また、第1の電極コーティングがない部分からの電流は、端子への直接の中断されない経路を有する。これは、二次電池のエネルギー出力を増大させることができる。
【0011】
いくつかの態様によると、リベット頭部は、端子全体を形成する。これにより、リベット頭部に二次電池の端子全体を形成させることによって、部品数が更に低減されることができる。
【0012】
いくつかの態様によると、リベット頭部の直径は、缶の開口部の直径よりも大きく、リベット頭部の面積は、第1の缶端部側の総面積の50%未満である。直径は、リベット頭部が開口部中に入ることができず、そこで締結されるように、開口部よりも大きい。また、リベット頭部の直径は、開口部を封止するように、開口部よりも大きい。リベット頭部の面積は、二次電池間を接続するために使用されるバスバーのように、外部負荷に対して第1の缶端部側の面積が十分に大きくなるように、第1の缶端部側の総面積の50%未満である。
【0013】
いくつかの態様によると、円筒形二次電池は、缶が端子から絶縁されるように、缶と端子との間に配置された絶縁層を備える。缶の設計に応じて、これは、端子からの電流が缶を通過しないことを確実にするために必要であり得る。
【0014】
いくつかの態様によると、円筒形二次電池は、絶縁層及び封止部が電極鉛板から缶を共に絶縁するように、缶と電極鉛板との間に配置された封止部を備える。缶の設計に応じて、これは、電極鉛板からの電流が缶を通過しないことを確実にするために必要であり得る。
【0015】
いくつかの態様によると、円筒形二次電池は、第2の電極コーティングを有する第2の導電性シートと、セパレータシートとを備える。第1の導電性シート、セパレータシート、及び第2の導電性シートは、ジェリーロールを形成するように巻回される。このことから、タブレス円筒形二次電池が形成される。対照的に、多くの解決策では、タブがジェリーロールに接続され、キャップの下側に溶接される。
【0016】
いくつかの態様によると、リベット頭部は、ベント機構を備える。リベット頭部にベント機能を追加することによって、二次電池に必要な部品数が更に低減される。
【0017】
いくつかの態様によると、ベント機構は、缶中の内部圧力が所定のレベルを超えると破裂するように構成された材料の薄肉部をリベット頭部中に備える。
【0018】
いくつかの態様によると、ベント機構は、缶中の内部圧力が所定のレベルを超えると破裂するように構成された少なくとも1つの切り込みをリベット頭部中に備える。
【0019】
このことから、リベット頭部中にベント機構を達成するいくつかの方法がある。
【0020】
本開示は、円筒形二次電池を組み立てるための方法を提供する。円筒形二次電池のジェリーロールは、ジェリーロールの第1の端部側とジェリーロールの第2の端部側との間に穴を有するように、中空円筒の形状を有する。電極鉛板の突出部は、電極鉛板上の中心に配置される。円筒形二次電池を組み立てることは、
-突出部が缶中の開口部を通って延在するように、電極鉛板を配置することと、
-第1の導電性シートの第1の電極コーティングがない部分の少なくとも一部が電極鉛板と直接接触するように、缶中にジェリーロールを配置することと、
-ジェリーロールの第2の端部側からジェリーロールの穴中にマンドレルの少なくとも一部を挿入することと、マンドレルは、マンドレル端を備え、
-突出部がマンドレル端と押圧部分との間で変形させられ、このことから、リベット頭部を形成するように、マンドレルが挿入された側とは反対の側から、突出部上に押圧機構を押圧することと
を備える。
【0021】
この組み立て方法では、ジェリーロールを通る穴が、二次電池の内側からマンドレルを使用して電極鉛板の突出部をリベット留めするために利用される。これは、リベット頭部、及びこのことから端子の少なくとも一部を形成するための迅速且つ信頼性の高い方法である。それはまた、いかなる複雑な工具も必要としない。
【0022】
いくつかの態様によると、電極鉛板の突出部は、円筒形二次電池を組み立てる前に、缶中の開口部を通って延在するべき、端部において閉鎖される中空円筒形突出部を備える。マンドレルは、中空円筒形突出部中にフィットするような直径を有する。ジェリーロールの第2の端部側からジェリーロールの穴中にマンドレルの少なくとも一部を挿入することは、マンドレルを、マンドレル端と中空円筒形突出部の閉鎖端との間に隙間を残す所定の長さだけ中空円筒形突出部中に挿入されるまで挿入することを備える。これは、電極鉛板の突出部が中空である場合である。これは任意選択であるが、リベット頭部上にベント機構がある場合である。
【0023】
いくつかの態様によると、マンドレルは、マンドレルがジェリーロールの穴中に挿入されるとき、マンドレルが中空円筒形突出部中に所定の長さだけ挿入されたときにマンドレルレッジが電極鉛板と当接し、それによって、マンドレルが更に挿入されることを防止するように、マンドレル端から所定の距離に配置されたレッジを備える。所定の距離にレッジを有することによって、マンドレルは、電極鉛板の中空円筒形突出部中に過度に挿入されることを防止される。これはまた、他の方法で、例えば、マンドレルを移動させるための制御システムを使用して行われることができる。どちらの缶もまた、当然ながら、使用されることができる。
【0024】
本開示は、円筒形二次電池を提供し、円筒形二次電池は、
-第1の缶端部側を備える円筒形缶と、
-端子と、
-缶中に配置されたジェリーロールを形成するように巻回された、第1の電極コーティングを有する第1の導電性シートと、ここにおいて、第1の導電性シートは、ジェリーロールの第1の端部側上に突出する第1の電極コーティングがない部分を備え、
-導電性であり、ジェリーロールの第1の端部側に配置され、第1の導電性シートの第1の電極コーティングがない部分の少なくとも一部と直接接触する電極鉛板と
を備える。電極鉛板は、突出部の一部が缶の外側に露出されるように缶中の開口部を通って突出する中空突出部を備える。缶の外側に露出された突出部の一部は、ベント機構を備えることができる。
【0025】
これにより、第1の電極コーティングがない部分のための集電体である電極鉛板は、ベント機構と1つの単一ピースを形成する。これは、円筒形二次電池中の部品数が低減されることができ、それはコスト及び生産時間の両方を低減する、ということを意味する。
【0026】
いくつかの態様によると、缶の外側に露出された突出部の一部は、端子の少なくとも一部を備える。缶の外側に露出された突出部の一部に端子機能を追加することにより、二次電池に必要な部品数が更に低減される。また、第1の電極コーティングがない部分からの電流は、端子への直接の中断されない経路を有する。これは、二次電池のエネルギー出力を増大させることができる。
【0027】
いくつかの態様によると、ベント機構は、缶中の内部圧力が所定のレベルを超えると破裂するように構成された材料の薄肉部を備える。
【0028】
いくつかの態様によると、ベント機構は、缶中の内部圧力が所定のレベルを超えると破裂するように構成された少なくとも1つの切り込みを備える。
【0029】
このことから、缶の外側に露出された突出部の一部においてベント機構を達成するためのいくつかの方法がある。
【0030】
いくつかの態様によると、円筒形二次電池は、第2の電極コーティングを有する第2の導電性シートと、セパレータシートとを備える。第1の導電性シート、セパレータシート、及び第2の導電性シートは、ジェリーロールを形成するように巻回される。このことから、タブレス円筒形二次電池が形成される。
【0031】
本開示は、円筒形二次電池を組み立てるための方法を提供する。円筒形二次電池のジェリーロールは、ジェリーロールの第1の端部側とジェリーロールの第2の端部側との間に穴を有するように、中空円筒の形状を有する。電極鉛板の突出部は、電極鉛板上の中心に配置され、円筒形二次電池を組み立てる前に、缶中の開口部を通って延在するべき、端部側において閉鎖される中空円筒形突出部を備える。端部側は、ベント機構を備える。円筒形二次電池を組み立てることは、
-突出部が缶中の開口部を通って延在するように、電極鉛板を配置することと、
-第1の導電性シートの第1の電極コーティングがない部分の少なくとも一部が電極鉛板と直接接触するように、缶中にジェリーロールを配置することと、
-ジェリーロールの第2の端部側からジェリーロールの穴中にマンドレルの少なくとも一部を挿入することと、マンドレルは、中空円筒形突出部中にフィットし、マンドレル端を備えるような直径を有し、マンドレルは、マンドレル端と中空円筒形突出部の閉鎖端との間に隙間を残す所定の長さだけ中空円筒形突出部中に挿入されるまで挿入され、
-中空円筒形突出部がマンドレル端と押圧部分との間で変形させられ、このことから、リベット頭部を形成するように、マンドレルが挿入された側とは反対の側から、中空円筒形突出部の閉鎖端上に押圧機構を押圧することと
を備える。
【0032】
この組み立て方法では、ジェリーロールを通る穴が、二次電池の内側からマンドレルを使用して電極鉛板の突出部をリベット留めするために利用される。これは、ベント機構を有するリベット頭部を形成するための迅速且つ信頼性の高い方法である。それはまた、いかなる複雑な工具も必要としない。
【0033】
いくつかの態様によると、マンドレルは、マンドレルがジェリーロールの穴中に挿入されるとき、マンドレルが中空円筒形突出部中に所定の長さだけ挿入されたときにマンドレルレッジが電極鉛板と当接し、それによって、マンドレルが更に挿入されることを防止するように、マンドレル端から所定の距離に配置されたレッジを備える。
【0034】
所定の距離にレッジを有することによって、マンドレルは、電極鉛板の中空円筒形突出部中に過度に挿入されることを防止される。これはまた、他の方法で、例えば、マンドレルを移動させるための制御システムを使用して行われることができる。どちらの缶もまた、当然ながら、使用されることができる。
【0035】
ここで、異なる態様が、添付の図面を参照して例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】リベット頭部が端子の一部を形成する実例的な円筒形二次電池の断面図である。
図2】断面図を伴わない図1の例を示す。
図3図1の例を側面から示す。
図4図1の例を拡大して示す。
図5】リベット頭部が端子全体を形成する実例的な円筒形二次電池の断面図を示す。
図6】断面図を伴わない図5の例を示す。
図7図5の例を側面から示す。
図8a】上方から見たときの可能な異なるベント機構の例を示す。
図8b】上方から見たときの可能な異なるベント機構の例を示す。
図8c】上方から見たときの可能な異なるベント機構の例を示す。
図8d】上方から見たときの可能な異なるベント機構の例を示す。
図8e】上方から見たときの可能な異なるベント機構の例を示す。
図8f】上方から見たときの可能な異なるベント機構の例を示す。
図9a】リベット頭部を形成するためにマンドレルがどのように使用されるかの例のステップを示す。
図9b】リベット頭部を形成するためにマンドレルがどのように使用されるかの例のステップを示す。
図9c】リベット頭部を形成するためにマンドレルがどのように使用されるかの例のステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本開示は、開示される実施形態に限定されず、特許請求の範囲内で変更及び修正され得る。
【0038】
ここで、本開示の態様が、添付の図面を参照して説明される。本明細書に開示されるデバイス及び方法は、しかしながら、多くの異なる形態で実現されることができ、本明細書に記載される態様に限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0039】
本明細書で使される専門用語は、本願の特定の態様を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図されない。単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別段に明示しない限り、複数形も含むことを意図される。
【0040】
「端子」という用語は、外部負荷に接続されるべき二次電池の一部を意味する。
【0041】
「缶」という用語に対する代替用語は、「ケース」及び「ハウジングケース」である。
【0042】
「導電性シート」という用語に対する代替用語は、「導電性基材」及び「集電体」である。
【0043】
図1~4は、リベット頭部6bが端子3の一部を形成する円筒形二次電池1の例を示す。図5~7は、リベット頭部6bが端子3全体を形成する円筒形二次電池1の例を示す。
【0044】
本開示は、第1の缶端部側2aを備える円筒形缶2を備える円筒形二次電池1を提供する。円筒形缶2は、このことから、円筒形二次電池1のハウジングを形成する。円筒形二次電池1は、端子3と、缶2中に配置されたジェリーロール5を形成するように巻回された、第1の電極コーティングを有する第1の導電性シート4とを備える。第1の導電性シート4は、ジェリーロール5の第1の端部側5a上に突出する第1の電極コーティングがない部分4aを備える。言い換えれば、第1の導電性シート4は、第1の電極コーティングがない部分を有し、ジェリーロール5に巻回されたときに、第1の電極コーティングがない部分は、ジェリーロール5の第1の端部側5aに配置される。これにより、第1の導電性シート4は、ジェリーロール5の第1の端部側に露出される。
【0045】
いくつかの態様によると、円筒形二次電池は1、第2の電極コーティングを有する第2の導電性シート9と、セパレータシート10とを備え得る。第1の導電性シート4、セパレータシート10、及び第2の導電性シートは、次いで、ジェリーロール5を形成するように巻回される。この例では、円筒形二次電池1は、タブレス電池を形成する。代替として、第1の導電性シート4、第1のセパレータシート10、第2の導電性シート9、及び第2のセパレータシート10がジェリーロール5を形成するように巻回されるように、2つのセパレータシート10が存在する。例えば、固体電解質が円筒形二次電池1中に使用される場合、セパレータシートが存在しない場合もあり得る。
【0046】
円筒形二次電池1は、導電性であり、ジェリーロール5の第1の端部側5aに配置され、第1の導電性シート4の第1の電極コーティングがない部分4aの少なくとも一部と直接接触する電極鉛板6を備える。電極鉛板6は、第1の導電性シート4の第1の電極コーティングがない部分4aから電流を収集するためのものである。電極鉛板6は、例えば、銅(Cu)、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、及び亜鉛(Zn)のうちの少なくとも1つで構成された、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金のうちの任意のもの、及び任意の組み合わせを備える。電極鉛板は、例えば、厚さが0.1mm~2.0mmであり、好ましくは、厚さが0.3mm~1mmである。
【0047】
電極鉛板6は、缶2中の開口部2cを通って延在する突出部6aを備える。開口部2cは、第1の缶端部側2a中に配置される。開口部2cの面積は、例えば、第1の缶端部側2aの面積の0.4%~10%である。開口部2cの面積は、例えば、第1の缶端部側2aの面積の0.5%~5%である。突出部6aは、缶2の外側上に配置されたリベット頭部6bを備え、リベット頭部6bは、端子3の少なくとも一部を形成する。これにより、第1の電極コーティングがない部分4aの集電体である電極鉛板6は、端子3の少なくとも一部と1つの単一ピースを形成する。これは、円筒形二次電池1中の部品数が低減されることができ、それはコスト及び生産時間の両方を低減する、ということを意味する。また、第1の電極コーティングがない部分4aからの電流は、端子3への直接の中断されない経路を有する。これは、二次電池1のエネルギー出力を増大させることができる。電極鉛板6の突出部6aは、電極鉛板6の残りの部分とは異なる厚さを有し得る。
【0048】
リベット頭部6bが端子3の少なくとも一部を形成する場合、リベット頭部を備えない端子の一部は、リベット頭部6bの上部が端子3の上面と同じ高さになるように切り欠かれている。これは、図1、3、4及び9a~cに見られる。
【0049】
代替として、電極鉛板6は、突出部6aの一部が缶2の外側に露出されるように缶2中の開口部2cを通って突出する中空突出部6aを備える。缶2の外側に露出された突出部6aの一部は、ベント機構11を備える。これにより、第1の電極コーティングがない部分4aのための集電体である電極鉛板6は、ベント機構11と1つの単一ピースを形成する。これは、円筒形二次電池1中の部品数が低減されることができ、それはコスト及び生産時間の両方を低減する、ということを意味する。
【0050】
本開示の円筒形二次電池1は、第1の缶端部側2aを備える円筒形缶2と、端子3と、缶2中に配置されたジェリーロール5を形成するように巻回された、第1の電極コーティングを有する第1の導電性シート4とを備える円筒形二次電池と互換性があり、ここにおいて、第1の導電性シート4は、ジェリーロール5の第1の端部側5a上に突出する第1の電極コーティングがない部分4aと、導電性であり、ジェリーロール5の第1の端部側5aに配置され、第1の導電性シート4の第1の電極コーティングがない部分4aの少なくとも一部と直接接触する電極鉛板6とを備える。円筒形二次電池1の他の部分、例えば第2の缶端部側2bに関しては、当業者に知られている、それらを設計するための多くの方法があり、ここでは提示されない。第2の缶端部側2bは、図には見られないことに留意されたい。
【0051】
電極鉛板6は、当然ながら、端子3の少なくとも一部を形成し、且つベント機構11を備え得る。このことから、リベット頭部6bが端子3の少なくとも一部を形成する場合、リベット頭部6bもまた、ベント機構11を備え得る。リベット頭部6bにベント機能を追加することによって、二次電池1に必要な部品数が更に低減される。この場合、リベット頭部6bを備える突出部6aは、ガスがリベット頭部6b中のベントにアクセスすることを可能にするように中空である。
【0052】
缶2の外側に露出された突出部6aの一部がベント機構11を備える場合、缶2の外側に露出された突出部6aの一部は、端子3の少なくとも一部を備え得る。突出部6aの一部に端子3の機能を追加することによって、二次電池1に必要な部品数が更に低減される。また、第1の電極コーティングがない部分4aからの電流は、端子3への直接の中断されない経路を有する。これは、二次電池1のエネルギー出力を増大させることができる。
【0053】
全ての実例的な態様に関して、ベント機構11又は圧力逃し構造は、いくつかの方法で実現されることができる。好ましくは、ベント機構11は、所定の差圧で機能しなくなるように設計された弱化部分又は破断表示を有する非再閉圧力逃し構造として形成され得る。いくつかの態様によると、ベント機構11は、缶2中の内部圧力が所定のレベルを超えると破裂するように構成された材料の薄肉部11aを備える。いくつかの態様によると、ベント機構11は、缶2中の内部圧力が所定のレベルを超えると破裂するように構成された少なくとも1つの切り込み11bを備える。このことから、缶2及びリベット頭部6bの外側に露出された突出部6aの一部においてベント機構11を達成するためのいくつかの方法がある。図8aは、リベット頭部6bが材料の薄肉部11aの形態のベント機構11を備える実例的な円筒形二次電池1を上方から示す。図8b~8fは、リベット頭部6bが切り込み11bの形態のベント機構11を備える例を上方から示す。図は、切り込み11bについてのパターンの異なる例を示す。切り込みの深さは、どれほどの破裂圧力が所望されるかに応じて決められる。所望の破裂圧力は、どのような材料が二次電池に使用されたかに依存する。
【0054】
図8b~8fに見られるように、図8bは、十字形状を有する切り込みを示し、図8cは、線形状を有する切り込みを示し、図8dは、円形形状を有する切り込みを示し、図8eは、馬蹄形状を有する切り込みを示し、図8dは、2つの半円の形状を有する切り込みを示す。
【0055】
いくつかの態様によると、リベット頭部6bは、端子3全体を形成する。これにより、リベット頭部6bに二次電池1の端子3全体を形成させることによって、部品数が更に低減されることができる。再び、図5~7は、リベット頭部6bが端子3全体を形成する実例的な円筒形二次電池1の異なる図を示す。
【0056】
リベット頭部6bが端子3の一部を形成する場合も、リベット頭部6bが端子3全体を形成する場合も、リベット頭部の直径は、缶の開口部の直径よりも大きく、リベット頭部の面積は、第1の缶端部側の総面積の50%未満である。直径は、リベット頭部が開口部中に入ることができないように、開口部よりも大きい。言い換えれば、リベット頭部6bは、缶2中の開口部2cよりも大きい。また、リベット頭部6bの上側面の総面積は、第1の缶端部側2aの総面積の50%未満である。
【0057】
いくつかの態様によると、円筒形二次電池1は、缶2が端子3から絶縁されるように、缶2と端子3との間に配置された絶縁層7を備える。缶2の設計に応じて、これは、端子3からの電流が缶2を通過しないことを確実にするために必要であり得る。
【0058】
絶縁層7は、例えば、ガラス繊維強化ポリカーボネート(PC+GF)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)のうちの任意のもの、及び任意の組み合わせを備える。
【0059】
いくつかの態様によると、円筒形二次電池1は、絶縁層7及び封止部8が電極鉛板から缶2を共に絶縁するように、缶2と電極鉛板との間に配置された封止部8を備える。缶2の設計に応じて、これは、電極鉛板からの電流が缶2を通過しないことを確実にするために必要であり得る。
【0060】
封止部8は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等若しくはそれらの組み合わせなどの樹脂で作製されたガスケット、又はスチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)、シリコーンエラストマー、フルオロカーボンゴム(FKM)等若しくはそれらの組み合わせなどのゴムから作製されたOリングである。
【0061】
封止部8の設計に応じて、電極鉛板6と缶2との間に内部絶縁体が必要とされ得ることに留意されたい。そのような内部絶縁体の例は、封止部8及び突出部6aのための開口部を有するプレートの形態で、図1、3、4、5、7、及び9a~9cにおいて見られる。そのような内部絶縁体の材料は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)のうちの任意のもの、又は任意の組み合わせである。
【0062】
図9a~9cは、リベット頭部6bを形成するためにマンドレル12がどのように使用されるかの例のステップを示す。例示された例では、突出部6aは、中空であるが、中実構造の突出部でも同じ方法を使用することが可能である。以下に説明される方法のために、円筒形二次電池1のジェリーロール5は、ジェリーロール5の第1の端部側5aとジェリーロール5の第2の端部側との間に穴を有するように、中空円筒の形状を有する。また、電極鉛板の突出部6aは、電極鉛板上の中心に配置される。
【0063】
リベット頭部6b中にベントがない場合、本開示は、円筒形二次電池1を組み立てる方法を提供し、本方法は、
-突出部6aが缶2中の開口部2cを通って延在するように、電極鉛板を配置することと、
-第1の導電性シート4の第1の電極コーティングがない部分4aの少なくとも一部が電極鉛板と直接接触するように、缶2中にジェリーロール5を配置することと、
-ジェリーロール5の第2の端部側からジェリーロール5の穴中にマンドレル12の少なくとも一部を挿入することと、マンドレル12は、マンドレル端12aを備え、
-突出部6aがマンドレル端12aと押圧部分との間で変形させられ、このことから、リベット頭部6bを形成するように、マンドレル12が挿入された側とは反対の側から、突出部6a上に押圧機構13を押圧することと
を備える。
【0064】
図9aでは、マンドレル12がジェリーロール5中に配置され、押圧機構13が円筒形電池1の上にあるときが例示されている。図9bでは、マンドレル12及び押圧機構13は、リベット頭部6bを形成するために共に押圧されている。図9cでは、リベット頭部6bの上部が端子の上面と同じ高さになるように、リベット頭部6bが、ここでは、端子の切り欠きを充填していることが分かる。
【0065】
開口部2cの他に、第1の缶端部側2aが閉鎖され得、そのため、缶2の反対側の端部、即ち第2の缶端部側2bから電極鉛板を挿入することによって、突出部6aが缶2中の開口部2cを通って延在するように電極鉛板が配置され得ることに留意されたい。組み立て前に第1の缶端部側2aが缶2の残りの部分に取り付けられていない場合、電極鉛板は、第1の缶端部側2aを缶2の残りの部分に配置する前に、突出部6aが缶2の開口部2cを通って延在するように配置され得る。ジェリーロール5についても同様であり、第1の缶端部が穴を除いて閉鎖される場合には、ジェリーロール5は、第2の缶端部側2bから挿入される。組み立て前に缶2の残りの部分に取り付けられていない場合、ジェリーロール5はまた、第1の缶端部側2aを缶2の残りの部分に配置する前に缶2中に入れられることができる。この場合、ジェリーロール5は、電極鉛板が缶2中に配置される前に缶2中に配置され得る。また、そのような場合には、電極鉛板は、第1の缶端部側2aを缶2の残りの部分上に配置する前に、第1の導電性シート4の第1の電極コーティングがない部分4a上に配置され得る。
【0066】
この組み立て方法では、ジェリーロール5を通る穴が、二次電池1の内側からマンドレル12を使用して電極鉛板の突出部6aをリベット留めするために利用される。これは、リベット頭部6b、及びこのことから端子3の少なくとも一部を形成するための迅速且つ信頼性の高い方法である。それはまた、いかなる複雑な工具も必要としない。
【0067】
突出部6aが中空である場合、電極鉛板の突出部6aは、円筒形二次電池1を組み立てる前に、缶2中の開口部2cを通って延在するべき、端部において閉鎖される中空円筒形突出部6aを備える。マンドレル12は、次いで、中空円筒形突出部6aにフィットするような直径を有する。ジェリーロール5の第2の端部側からジェリーロール5の穴中にマンドレル12の少なくとも一部を挿入することは、マンドレル12を、マンドレル端12aと中空円筒形突出部6aの閉鎖端との間に隙間を残す所定の長さだけ中空円筒形突出部6a中に挿入されるまで挿入することを備える。これは、電極鉛板の突出部6aが中空である場合のためのものである。これは任意選択であるが、リベット頭部6b上にベント機構11がある場合である。
【0068】
いくつかの態様によると、マンドレル12は、マンドレル12がジェリーロール5の穴中に挿入されるとき、マンドレル12が中空円筒形突出部6a中に所定の長さだけ挿入されたときにマンドレルレッジ12bが電極鉛板と当接し、それによって、マンドレル12が更に挿入されることを防止するように、マンドレル端12aから所定の距離に配置されたレッジ12bを備える。所定の距離にレッジを有することによって、マンドレル12は、電極鉛板の中空円筒形突出部6a中に過度に挿入されることを防止される。これはまた、他の方法で、例えばマンドレル12を移動させるための制御システムを使用して行われることができる。どちらの缶もまた、当然ながら、使用されることができる。
【0069】
レッジはまた、上記で議論された封止部8を押圧する機能を有する。封止部8を押圧することは、封止部8の封止機能を改善する。
【0070】
突出部6aの端部側がベント機構11を備える場合、組み立ての方法は、突出部6aが中空であるときの上記と同じである:円筒形二次電池1のジェリーロール5は、ジェリーロール5の第1の端部側5aとジェリーロール5の第2の端部側との間に穴を有するように、中空円筒の形状を有する。電極鉛板の突出部6aは、電極鉛板上の中心に配置され、円筒形二次電池1を組み立てる前に、缶2中の開口部2cを通って延在するべき、端部側において閉鎖された中空円筒形突出部6aを備える。端部側は、ベント機構11を備える。円筒形二次電池1を組み立てることは、
-突出部6aが缶2中の開口部2cを通って延在するように、電極鉛板を配置することと、
-第1の導電性シート4の第1の電極コーティングがない部分4aの少なくとも一部が電極鉛板と直接接触するように、缶2中にジェリーロール5を配置することと、
-ジェリーロール5の第2の端部側からジェリーロール5の穴中にマンドレル12の少なくとも一部を挿入することと、マンドレル12は、中空円筒形突出部6a中にフィットし、マンドレル端12aを備えるような直径を有し、マンドレル12は、マンドレル端12aと中空円筒形突出部6aの閉鎖端との間に隙間を残す所定の長さだけ中空円筒形突出部6a中に挿入されるまで挿入され、
中空円筒形突出部6aがマンドレル端12aと押圧部分との間で変形させられ、このことから、リベット頭部6bを形成するように、マンドレル12が挿入された側とは反対の側から、中空円筒形突出部6aの閉鎖端上に押圧機構13を押圧することと
を備える。
【0071】
この組み立て方法では、ジェリーロール5を通る穴が、二次電池1の内側からマンドレル12を使用して電極鉛板の突出部6aをリベット留めするために利用される。これは、ベント機構11を有するリベット頭部6bを形成するための迅速且つ信頼性の高い方法である。それはまた、いかなる複雑な工具も必要としない。
【0072】
いくつかの態様によると、マンドレル12は、マンドレル12がジェリーロール5の穴中に挿入されるとき、マンドレル12が中空円筒形突出部6a中に所定の長さだけ挿入されたときにマンドレルレッジ12bが電極鉛板と当接し、それによって、マンドレル12が更に挿入されることを防止するように、マンドレル端12aから所定の距離に配置されたレッジ12bを備える。
【0073】
所定の距離にレッジを有することによって、マンドレル12は、電極鉛板の中空円筒形突出部6a中に過度に挿入されることを防止される。これはまた、他の方法で、例えばマンドレル12を移動させるための制御システムを使用して行われることができる。どちらの缶もまた、当然ながら、使用されることができる。
【0074】
[参照リスト]
1.円筒形二次電池
2.円筒形缶
a.第1の缶端部側
b.第2の缶端部側(図に見られず)
c.開口部
3.端子
4.第1の導電性シート
a.第1の電極コーティングがない部分
5.ジェリーロール
a.第1の端部側
6.電極鉛板
a.突出部
b.リベット頭部
7.絶縁層
8.封止部
9.第2の導電性シート
10.セパレータシート
11.ベント機構
a.薄肉部
b.切り込み
12.マンドレル
a.端部
b.レッジ
13.押圧機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図8f
図9a
図9b
図9c
【手続補正書】
【提出日】2023-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形二次電池であって、
-第1の缶端部側を備える円筒形缶と
-端子と
-前記缶中に配置されたジェリーロールを形成するように巻回された、第1の電極コーティングを有する第1の導電性シートと、ここにおいて、前記第1の導電性シートは、前記ジェリーロールの第1の端部側上に突出する第1の電極コーティングがない部分を備え、
-導電性であり、前記ジェリーロールの前記第1の端部側に配置され、前記第1の導電性シートの第1の電極コーティングがない前記部分の少なくとも一部と直接接触する電極鉛板と
を備え、前記電極鉛板は、前記缶中の開口部を通って延在する突出部を備え、前記開口部は、前記第1の缶端部側中に配置され、前記突出部は、前記缶の外側上に配置されたリベット頭部を備え、前記リベット頭部は、前記端子の少なくとも一部を形成する、円筒形二次電池。
【請求項2】
前記リベット頭部は、前記端子全体を形成する、請求項1に記載の円筒形二次電池。
【請求項3】
前記リベット頭部の直径は、前記缶の前記開口部の直径よりも大きく、前記リベット頭部の面積は、前記第1の缶端部側の総面積の50%未満である、請求項1に記載の円筒形二次電池。
【請求項4】
-前記缶が前記端子から絶縁されるように、前記缶と前記端子との間に配置された絶縁
備える、請求項1に記載の円筒形二次電池。
【請求項5】
-前記絶縁層及び封止部が前記電極鉛板から前記缶を共に絶縁するように、前記缶と前記電極鉛板との間に配置された前記封止
備える、請求項4に記載の円筒形二次電池。
【請求項6】
-第2の電極コーティングを有する第2の導電性シートと
-セパレータシートと
を備え、前記第1の導電性シート、前記セパレータシート、及び前記第2の導電性シートは、前記ジェリーロールを形成するように巻回される、請求項1に記載の円筒形二次電池。
【請求項7】
前記リベット頭部は、ベント機構を備える、請求項1に記載の円筒形二次電池。
【請求項8】
前記ベント機構は、前記缶中の内部圧力が所定のレベルを超えると破裂するように構成された材料の薄肉部を前記リベット頭部中に備える、請求項7に記載の円筒形二次電池。
【請求項9】
前記ベント機構は、前記缶中の内部圧力が所定のレベルを超えると破裂するように構成された少なくとも1つの切り込みを前記リベット頭部中に備える、請求項7に記載の円筒形二次電池。
【請求項10】
請求項1に記載の前記円筒形二次電池を組み立てるための方法であって、前記円筒形二次電池の前記ジェリーロールは、前記ジェリーロールの前記第1の端部側と前記ジェリーロールの第2の端部側との間に穴を有するように、中空円筒の形状を有し、前記電極鉛板の前記突出部は、前記電極鉛板上の中心に配置され、前記円筒形二次電池を前記組み立てることは、
-前記突出部が前記缶中の前記開口部を通って延在するように、前記電極鉛板を配置することと、
-前記第1の導電性シートの第1の電極コーティングがない前記部分の少なくとも一部が前記電極鉛板と直接接触するように、前記缶中に前記ジェリーロールを配置することと、
-前記ジェリーロールの前記第2の端部側から前記ジェリーロールの前記穴中にマンドレルの少なくとも一部を挿入することと、前記マンドレルは、マンドレル端を備え、
-前記突出部が前記マンドレル端と押圧部分との間で変形させられ、このことから、前記リベット頭部を形成するように、前記マンドレルが挿入された側とは反対の側から、前記突出部上に押圧機構を押圧することと
を備える、方法。
【請求項11】
前記電極鉛板の前記突出部は、前記円筒形二次電池を組み立てる前に、前記缶中の前記開口部を通って延在するべき、端部において閉鎖される中空円筒形突出部を備え、前記マンドレルは、前記中空円筒形突出部中にフィットするような直径を有し、前記ジェリーロールの前記第2の端部側から前記ジェリーロールの前記穴中にマンドレルの少なくとも一部を挿入することは、前記マンドレルを、前記マンドレル端と前記中空円筒形突出部の閉鎖端との間に隙間を残す所定の長さだけ前記中空円筒形突出部中に挿入されるまで挿入することを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記マンドレルは、前記マンドレルが前記ジェリーロールの前記穴中に挿入されるとき、前記マンドレルが前記中空円筒形突出部中に前記所定の長さだけ挿入されたときにマンドレルレッジが前記電極鉛板と当接し、それによって、前記マンドレルが更に挿入されることを防止するように、前記マンドレル端から所定の距離に配置された前記レッジを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
円筒形二次電池であって、
-第1の缶端部側を備える円筒形缶と
-端子と
-前記缶中に配置されたジェリーロールを形成するように巻回された、第1の電極コーティングを有する第1の導電性シートと、ここにおいて、前記第1の導電性シートは、前記ジェリーロールの第1の端部側上に突出する第1の電極コーティングがない部分を備え、
-導電性であり、前記ジェリーロールの前記第1の端部側に配置され、前記第1の導電性シートの第1の電極コーティングがない前記部分の少なくとも一部と直接接触する電極鉛板と
を備え、前記電極鉛板は、突出部の一部が前記缶の外側に露出されるように、前記缶中の開口部を通って突出する前記中空突出部を備え、前記缶の外側に露出された前記突出部の前記一部は、ベント機構をえる、円筒形二次電池。
【請求項14】
前記缶の外側に露出された前記突出部の前記一部は、前記端子の少なくとも一部を備える、請求項13に記載の円筒形二次電池。
【請求項15】
前記ベント機構は、前記缶中の内部圧力が所定のレベルを超えると破裂するように構成された材料の薄肉部を備える、請求項13に記載の円筒形二次電池。
【請求項16】
前記ベント機構は、前記缶中の内部圧力が所定のレベルを超えると破裂するように構成された少なくとも1つの切り込みを備える、請求項13に記載の円筒形二次電池。
【請求項17】
-第2の電極コーティングを有する第2の導電性シートと
-セパレータシートと
を備え、前記第1の導電性シート、前記セパレータシート、及び前記第2の導電性シートは、前記ジェリーロールを形成するように巻回される、請求項13に記載の円筒形二次電池。
【請求項18】
請求項13に記載の前記円筒形二次電池を組み立てるための方法であって、前記円筒形二次電池の前記ジェリーロールは、前記ジェリーロールの前記第1の端部側と前記ジェリーロールの第2の端部側との間に穴を有するように、中空円筒の形状を有し、前記電極鉛板の前記突出部は、前記電極鉛板上の中心に配置され、前記円筒形二次電池を組み立てる前に、前記缶中の前記開口部を通って延在するべき、端部側において閉鎖される中空円筒形突出部を備え、前記端部側は、前記ベント機構を備え、前記円筒形二次電池を前記組み立てることは、
-前記突出部が前記缶中の前記開口部を通って延在するように、前記電極鉛板を配置することと、
-前記第1の導電性シートの第1の電極コーティングがない前記部分の少なくとも一部が前記電極鉛板と直接接触するように、前記缶中に前記ジェリーロールを配置することと、
-前記ジェリーロールの前記第2の端部側から前記ジェリーロールの前記穴中にマンドレルの少なくとも一部を挿入することと、前記マンドレルは、前記中空円筒形突出部中にフィットし、マンドレル端を備えるような直径を有し、前記マンドレルは、前記マンドレル端と前記中空円筒形突出部の閉鎖端との間に隙間を残す所定の長さだけ前記中空円筒形突出部中に挿入されるまで挿入され、
前記中空円筒形突出部が前記マンドレル端と押圧部分との間で変形させられ、このことから、リベット頭部を形成するように、前記マンドレルが挿入された側とは反対の側から、前記中空円筒形突出部の前記閉鎖端上に押圧機構を押圧することと
を備える、方法。
【請求項19】
前記マンドレルは、前記マンドレルが前記ジェリーロールの前記穴中に挿入されるとき、前記マンドレルが前記中空円筒形突出部中に前記所定の長さだけ挿入されたときにマンドレルレッジが前記電極鉛板と当接し、それによって、前記マンドレルが更に挿入されることを防止するように、前記マンドレル端から所定の距離に配置された前記レッジを備える、請求項18に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
[参照リスト]
1.円筒形二次電池
2.円筒形缶
a.第1の缶端部側
b.第2の缶端部側(図に見られず)
c.開口部
3.端子
4.第1の導電性シート
a.第1の電極コーティングがない部分
5.ジェリーロール
a.第1の端部側
6.電極鉛板
a.突出部
b.リベット頭部
7.絶縁層
8.封止部
9.第2の導電性シート
10.セパレータシート
11.ベント機構
a.薄肉部
b.切り込み
12.マンドレル
a.端部
b.レッジ
13.押圧機構
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[C1]
円筒形二次電池(1)であって、
-第1の缶端部側(2a)を備える円筒形缶(2)と、
-端子(3)と、
-前記缶(2)中に配置されたジェリーロール(5)を形成するように巻回された、第1の電極コーティングを有する第1の導電性シート(4)と、ここにおいて、前記第1の導電性シート(4)は、前記ジェリーロール(5)の第1の端部側(5a)上に突出する第1の電極コーティングがない部分(4a)を備え、
-導電性であり、前記ジェリーロール(5)の前記第1の端部側(5a)に配置され、前記第1の導電性シート(4)の第1の電極コーティングがない前記部分(4a)の少なくとも一部と直接接触する電極鉛板(6)と
を備え、前記電極鉛板(6)は、前記缶(2)中の開口部(2c)を通って延在する突出部(6a)を備え、前記開口部(2c)は、前記第1の缶端部側(2a)中に配置され、前記突出部(6a)は、前記缶(2)の外側上に配置されたリベット頭部(6b)を備え、前記リベット頭部(6b)は、前記端子(3)の少なくとも一部を形成することを特徴とする、円筒形二次電池(1)。
[C2]
前記リベット頭部(6b)は、前記端子(3)全体を形成する、C1に記載の円筒形二次電池(1)。
[C3]
前記リベット頭部(6b)の直径は、前記缶(2)の前記開口部(2c)の直径よりも大きく、前記リベット頭部(6b)の面積は、前記第1の缶端部側(2a)の総面積の50%未満である、C1又は2に記載の円筒形二次電池(1)。
[C4]
-前記缶(2)が前記端子(3)から絶縁されるように、前記缶(2)と前記端子(3)との間に配置された絶縁層(7)
を備える、C1~3のうちのいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
[C5]
-前記絶縁層(7)及び封止部(8)が前記電極鉛板から前記缶(2)を共に絶縁するように、前記缶(2)と前記電極鉛板との間に配置された前記封止部(8)
を備える、C4に記載の円筒形二次電池(1)。
[C6]
-第2の電極コーティングを有する第2の導電性シート(9)と、
-セパレータシート(10)と
を備え、前記第1の導電性シート(4)、前記セパレータシート(10)、及び前記第2の導電性シートは、前記ジェリーロール(5)を形成するように巻回される、C1~5のうちのいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
[C7]
前記リベット頭部(6b)は、ベント機構(11)を備える、C1~6のうちのいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
[C8]
前記ベント機構(11)は、前記缶(2)中の内部圧力が所定のレベルを超えると破裂するように構成された材料の薄肉部(11a)を前記リベット頭部(6b)中に備える、C7に記載の円筒形二次電池(1)。
[C9]
前記ベント機構(11)は、前記缶(2)中の内部圧力が所定のレベルを超えると破裂するように構成された少なくとも1つの切り込み(11b)を前記リベット頭部(6b)中に備える、C7に記載の円筒形二次電池(1)。
[C10]
C1~5のうちのいずれか一項に記載の前記円筒形二次電池(1)を組み立てるための方法であって、前記円筒形二次電池(1)の前記ジェリーロール(5)は、前記ジェリーロール(5)の前記第1の端部側(5a)と前記ジェリーロール(5)の第2の端部側との間に穴を有するように、中空円筒の形状を有し、前記電極鉛板の前記突出部(6a)は、前記電極鉛板上の中心に配置され、前記円筒形二次電池(1)を前記組み立てることは、
-前記突出部(6a)が前記缶(2)中の前記開口部(2c)を通って延在するように、前記電極鉛板を配置することと、
-前記第1の導電性シート(4)の第1の電極コーティングがない前記部分(4a)の少なくとも一部が前記電極鉛板と直接接触するように、前記缶(2)中に前記ジェリーロール(5)を配置することと、
-前記ジェリーロール(5)の前記第2の端部側から前記ジェリーロール(5)の前記穴中にマンドレル(12)の少なくとも一部を挿入することと、前記マンドレル(12)は、マンドレル端(12a)を備え、
-前記突出部(6a)が前記マンドレル端(12a)と押圧部分との間で変形させられ、このことから、前記リベット頭部(6b)を形成するように、前記マンドレル(12)が挿入された側とは反対の側から、前記突出部(6a)上に押圧機構(13)を押圧することと
を備える、方法。
[C11]
前記電極鉛板の前記突出部(6a)は、前記円筒形二次電池(1)を組み立てる前に、前記缶(2)中の前記開口部(2c)を通って延在するべき、端部において閉鎖される中空円筒形突出部(6a)を備え、前記マンドレル(12)は、前記中空円筒形突出部(6a)中にフィットするような直径を有し、前記ジェリーロール(5)の前記第2の端部側から前記ジェリーロール(5)の前記穴中にマンドレル(12)の少なくとも一部を挿入することは、前記マンドレル(12)を、前記マンドレル端(12a)と前記中空円筒形突出部(6a)の閉鎖端との間に隙間を残す所定の長さだけ前記中空円筒形突出部(6a)中に挿入されるまで挿入することを備える、C10、及びC6~8のうちのいずれか一項に記載の方法。
[C12]
前記マンドレル(12)は、前記マンドレル(12)が前記ジェリーロール(5)の前記穴中に挿入されるとき、前記マンドレル(12)が前記中空円筒形突出部(6a)中に前記所定の長さだけ挿入されたときにマンドレルレッジ(12b)が前記電極鉛板と当接し、それによって、前記マンドレル(12)が更に挿入されることを防止するように、前記マンドレル端(12a)から所定の距離に配置された前記レッジ(12b)を備える、C10又は11に記載の方法。
[C13]
円筒形二次電池(1)であって、
-第1の缶端部側(2a)を備える円筒形缶(2)と、
-端子(3)と、
-前記缶(2)中に配置されたジェリーロール(5)を形成するように巻回された、第1の電極コーティングを有する第1の導電性シート(4)と、ここにおいて、前記第1の導電性シート(4)は、前記ジェリーロール(5)の第1の端部側(5a)上に突出する第1の電極コーティングがない部分(4a)を備え、
-導電性であり、前記ジェリーロール(5)の前記第1の端部側(5a)に配置され、前記第1の導電性シート(4)の第1の電極コーティングがない前記部分の少なくとも一部と直接接触する電極鉛板(6)と
を備え、前記電極鉛板(6)は、突出部(6a)の一部が前記缶(2)の外側に露出されるように、前記缶(2)中の開口部(2c)を通って突出する前記中空突出部(6a)を備え、前記缶(2)の外側に露出された前記突出部(6a)の前記一部は、ベント機構(11)を備えることを特徴とする、円筒形二次電池(1)。
[C14]
前記缶(2)の外側に露出された前記突出部(6a)の前記一部は、前記端子(3)の少なくとも一部を備える、C13に記載の円筒形二次電池(1)。
[C15]
前記ベント機構(11)は、前記缶(2)中の内部圧力が所定のレベルを超えると破裂するように構成された材料の薄肉部(11a)を備える、C13又は14に記載の円筒形二次電池(1)。
[C16]
前記ベント機構(11)は、前記缶(2)中の内部圧力が所定のレベルを超えると破裂するように構成された少なくとも1つの切り込み(11b)を備える、C13又は14に記載の円筒形二次電池(1)。
[C17]
-第2の電極コーティングを有する第2の導電性シート(9)と、
-セパレータシート(10)と
を備え、前記第1の導電性シート(4)、前記セパレータシート(10)、及び前記第2の導電性シート(9)は、前記ジェリーロール(5)を形成するように巻回される、C13~16のうちのいずれか一項に記載の円筒形二次電池(1)。
[C18]
C13~17のうちのいずれか一項に記載の前記円筒形二次電池(1)を組み立てるための方法であって、前記円筒形二次電池(1)の前記ジェリーロール(5)は、前記ジェリーロール(5)の前記第1の端部側(5a)と前記ジェリーロール(5)の第2の端部側との間に穴を有するように、中空円筒の形状を有し、前記電極鉛板の前記突出部(6a)は、前記電極鉛板上の中心に配置され、前記円筒形二次電池(1)を組み立てる前に、前記缶(2)中の前記開口部(2c)を通って延在するべき、端部側において閉鎖される中空円筒形突出部(6a)を備え、前記端部側は、前記ベント機構(11)を備え、前記円筒形二次電池(1)を前記組み立てることは、
-前記突出部(6a)が前記缶(2)中の前記開口部(2c)を通って延在するように、前記電極鉛板を配置することと、
-前記第1の導電性シート(4)の第1の電極コーティングがない前記部分(4a)の少なくとも一部が前記電極鉛板と直接接触するように、前記缶(2)中に前記ジェリーロール(5)を配置することと、
-前記ジェリーロール(5)の前記第2の端部側から前記ジェリーロール(5)の前記穴中にマンドレル(12)の少なくとも一部を挿入することと、前記マンドレル(12)は、前記中空円筒形突出部(6a)中にフィットし、マンドレル端(12a)を備えるような直径を有し、前記マンドレル(12)は、前記マンドレル端(12a)と前記中空円筒形突出部(6a)の閉鎖端との間に隙間を残す所定の長さだけ前記中空円筒形突出部(6a)中に挿入されるまで挿入され、
前記中空円筒形突出部(6a)が前記マンドレル端(12a)と押圧部分との間で変形させられ、このことから、リベット頭部(6b)を形成するように、前記マンドレル(12)が挿入された側とは反対の側から、前記中空円筒形突出部(6a)の前記閉鎖端上に押圧機構(13)を押圧することと
を備える、方法。
[C19]
前記マンドレル(12)は、前記マンドレル(12)が前記ジェリーロール(5)の前記穴中に挿入されるとき、前記マンドレル(12)が前記中空円筒形突出部(6a)中に前記所定の長さだけ挿入されたときにマンドレルレッジ(12b)が前記電極鉛板と当接し、それによって、前記マンドレル(12)が更に挿入されることを防止するように、前記マンドレル端(12a)から所定の距離に配置された前記レッジ(12b)を備える、C18に記載の方法。
【国際調査報告】