(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】ハフニウム前駆体化合物、それを含むハフニウム-含有膜形成用組成物、及び、ハフニウム-含有膜の形成方法
(51)【国際特許分類】
C07F 7/00 20060101AFI20240206BHJP
C23C 16/18 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
C07F7/00 Z CSP
C23C16/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547121
(86)(22)【出願日】2022-02-04
(85)【翻訳文提出日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 KR2022001746
(87)【国際公開番号】W WO2022169290
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0015965
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514183215
【氏名又は名称】ユーピー ケミカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】コ,ウォンヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジン シック
(72)【発明者】
【氏名】キム,ビョン グァン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ダ ソム
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジュン ファン
【テーマコード(参考)】
4H049
4K030
【Fターム(参考)】
4H049VN07
4H049VP01
4H049VQ39
4H049VR54
4H049VS39
4H049VU24
4H049VU29
4K030AA11
4K030AA14
4K030AA16
4K030BA10
4K030BA42
(57)【要約】
本願は、ハフニウム前駆体化合物、前記ハフニウム前駆体化合物を含むハフニウム-含有膜形成用前駆体組成物、及び前記前駆体組成物を利用するハフニウム-含有膜の形成方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化1で表される、ハフニウム前駆体化合物。
[化1]
(R
1R
2N)
xHf(NR
3R
4)
4-x
前記化1において、
xは、1、2又は3であり、
R
1、R
2、R
3及びR
4は、それぞれ独立に、線状又は分枝状のC
1-C
5アルキル基であり、
但し、-NR
1R
2及び-NR
3R
4は、互いに異なるものである。
【請求項2】
前記化1において、
R
1及びR
2は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、neo-ペンチル基又は3-ペンチル基であり、
R
3及びR
4は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、neo-ペンチル基又は3-ペンチル基である、請求項1に記載のハフニウム前駆体化合物。
【請求項3】
前記-NR
1R
2は、-NMeEtであり、
前記-NR
3R
4は、-N(
isoPr)
2、-NEt(
isoPr)、-N(
isoPr)(
tertBu)、NEt(
tertBu)、-N(
secBu)
2又は-N(
isoBu)
2である、請求項1に記載のハフニウム前駆体化合物。
【請求項4】
前記ハフニウム前駆体化合物は、下記化合物より選択されるものである、請求項1に記載のハフニウム前駆体化合物。
【化1】
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちいずれか一項に記載のハフニウム前駆体化合物を含む、ハフニウム-含有膜形成用前駆体組成物。
【請求項6】
前記ハフニウム前駆体化合物は、下記化合物より選択される1つ以上を含むものである、請求項5に記載のハフニウム-含有膜形成用前駆体組成物。
【化2】
【請求項7】
前記膜は、ハフニウム金属膜、ハフニウム-含有酸化膜、ハフニウム-含有窒化膜、ハフニウム-含有炭化膜、ハフニウム-含有酸窒化膜、及びハフニウム-含有炭窒化膜より選択される1つ以上のものである、請求項5に記載のハフニウム-含有膜形成用前駆体組成物。
【請求項8】
アンモニア、窒素、ヒドラジン、及びジメチルヒドラジンより選択される1つ以上の窒素源をさらに含む、請求項5に記載のハフニウム-含有膜形成用前駆体組成物。
【請求項9】
水蒸気、酸素、及びオゾンより選択される1つ以上の酸素源をさらに含む、請求項5に記載のハフニウム-含有膜形成用前駆体組成物。
【請求項10】
請求項1ないし請求項4のうちいずれか一項に記載のハフニウム前駆体化合物を含む膜形成用前駆体組成物を利用してハフニウム-含有膜を形成することを含む、ハフニウム-含有膜形成方法。
【請求項11】
前記膜形成用前駆体組成物に含まれるハフニウム前駆体化合物は、下記化合物より選択される1つ以上を含むものである、請求項10に記載のハフニウム-含有膜形成方法。
【化3】
【請求項12】
前記ハフニウム-含有膜は、化学気相蒸着法又は原子層蒸着法によって蒸着されるものである、請求項10に記載のハフニウム-含有膜形成方法。
【請求項13】
前記ハフニウム-含有膜は、100℃~500℃の温度範囲で形成されるものである、 請求項10に記載のハフニウム-含有膜形成方法。
【請求項14】
前記ハフニウム-含有膜は、1nm~500nmの厚さ範囲で形成されるものである、請求項10に記載のハフニウム-含有膜形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ハフニウム前駆体化合物、前記ハフニウム前駆体化合物を含むハフニウム-含有膜形成用前駆体組成物、及び、前記前駆体組成物を利用するハフニウム-含有膜の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハフニウム-含有酸化薄膜は、半導体(DRAM、Flash Memory、ReRAM、PCRAMなど)だけでなく、非半導体(logic)のようなマイクロエレクトロニック素子の駆動において必ず必要とされる薄膜の一つである。また、ディスプレイ分野においても、有機発光素子(OLED;organic light emitting diodes)の最先端技術において使用されている。メモリ素子には、ゲート絶縁膜、キャパシタ高誘電膜ハフニウム-含有酸化薄膜が使用されている。ディスプレイ分野では、有機発光素子において、ストレージキャパシタの高誘電膜としてハフニウム酸化膜が評価されている。
【0003】
現在、メモリ分野のDRAM、Flash Memory、ReRAM、PCRAMと、非メモリ分野のLogic Memoryとは、2次元的構造で物理的限界に到逹しており、この限界を克服するために、高い縦横比(high aspect eatio)、高い段差被覆性(excellent step coverage)及び3次元構造で製品を作っており、それに適合したハフニウム含有酸化薄膜を必要としている。これにより、様々な応用分野別の工程温度に適合したハフニウム含有前駆体を要求しており、さらに、高い縦横比による段差被覆性が克服できるように、熱安定性に優れてかつ広い工程ウィンドウ(process window)を確保できる原子層蒸着法(ALD;atomic layer eeposition)に使用可能なハフニウム含有前駆体を要求している。原子層蒸着方法を利用してハフニウム含有酸化薄膜を形成する場合、薄膜の厚さ均一度及び物性を向上させ、かつ、広い工程温度の範囲で半導体素子の特性を向上させることができると期待されている。また、高集積化及び素子のスケーリングダウン(scaling down)によって高誘電率物質を必要としており、新たなハフニウム前駆体の開発が必須的である。さらに、工程上発生し得る工程温度と、誘電特性及び拡散防止膜の特性確保のためにも、自己制御(self-limiting)の特性を有し、均一な薄膜を形成可能な蒸着方法である原子層蒸着法が用いられなければならず、それに適合したハフニウム前駆体を利用しなければならない。したがって、原子層蒸着法によって所望の特性の膜を得ることができるハフニウム含有酸化薄膜形成用前駆体化合物の開発に多くの研究が進行されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、ハフニウム前駆体化合物、前記ハフニウム前駆体化合物を含むハフニウム-含有膜形成用前駆体組成物、及び、前記前駆体組成物を利用するハフニウム-含有膜の形成方法を提供しようとする。
【0005】
しかしながら、本願が解決しようとする課題は、上記に言及した課題に限定されるものではなく、言及されていない他の課題は、以下の記載から通常の技術者にとって明確に理解できるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1の側面は、下記化1で表される、ハフニウム前駆体化合物を提供する。
[化1]
(R1R2N)xHf(NR3R4)4-x
前記化1において、
xは、1、2又は3であり、
R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、線状又は分枝状のC1-C5アルキル基であり、
但し、-NR1R2及び-NR3R4は、互いに異なるものである。
【0007】
本願の第2の側面は、第1の側面によるハフニウム前駆体化合物を含む、ハフニウム-含有膜形成用前駆体組成物を提供する。
【0008】
本願の第3の側面は、第1の側面によるハフニウム前駆体化合物を含む膜形成用前駆体組成物を利用してハフニウム-含有膜を形成することを含む、ハフニウム-含有膜形成方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本願の具現例によるハフニウム前駆体化合物を使用してハフニウム-含有膜を形成することができる。本願の具現例によるハフニウム前駆体化合物を使用して比較的低い温度でハフニウム-含有膜を形成することができる。本願の具現例によるハフニウム前駆体化合物を使用して約200℃~約300℃の比較的低い温度でも良質のハフニウム-含有膜を形成することができる。
【0010】
本願の具現例によるハフニウム前駆体化合物は、高い蒸気圧、低い密度、及び、高い熱安全性に起因して、原子層蒸着法又は化学気相蒸着法の前駆体として使用されることができる。
【0011】
本願の具現例によるハフニウム前駆体化合物を使用してハフニウム-含有膜、特に、ハフニウム酸化膜を形成する場合、形成される膜に含まれる炭素の含量を減少させることができる。また、本願の具現例によるハフニウム前駆体化合物を使用してオゾンを使用する原子層蒸着法によってハフニウム-含有膜、特に、ハフニウム酸化膜を形成する場合、形成される膜に含まれる炭素の含量を減少させることができる。
【0012】
本願の具現例によるハフニウム前駆体化合物を利用した薄膜蒸着方法は、ハフニウム前駆体化合物を使用して原子層蒸着法によって基板上にハフニウム含有酸化薄膜又は窒化薄膜を蒸着することである。このように原子層蒸着法を利用してハフニウム-含有金属膜又は薄膜、ハフニウム-含有酸化膜又は薄膜、ハフニウム-含有窒化膜又は薄膜、ハフニウム-含有炭化膜又は薄膜、ハフニウム-含有酸窒化膜又は薄膜、及び、ハフニウム-含有炭窒化膜又は薄膜を蒸着すると、蒸着の際に工程温度を低めることができ、薄膜の厚さ及び組成を正確に制御することができるため、複雑な形状の基板でも優れた被覆性を有する薄膜を蒸着させることができ、その薄膜の厚さ均一度及び物性を向上させることができる。
【0013】
本願の具現例によるハフニウム前駆体化合物を利用した薄膜蒸着方法は、メモリ素子、ロジッグ素子、ディスプレイ素子、又は、OLED素子の製造に使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本願の実施例のうち実施例1、2、3、5及び6の方法によって製造されたハフニウム前駆体のそれぞれの温度に対する成長周期を示したものである。
【
図2a】本願の実施例のうち実施例1、2、3及び5の方法によって製造されたハフニウム前駆体を使用したHfO
2薄膜のXPS表面分析結果を示したものである。
【
図2b】本願の実施例のうち実施例1、2、3及び5の方法によって製造されたハフニウム前駆体を使用したHfO
2薄膜のXPS表面分析結果を示したものである。
【
図3】CpHf(NMe
2)
3及び本願の実施例のうち実施例2、3及び6の方法によって製造されたハフニウム前駆体を使用したHfO
2薄膜のSIMS成分分析結果を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、添付した図面を参照しながら、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように本願の具現例及び実施例を詳しく説明する。ところが、本願は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する具現例及び実施例に限定されるものではない。そして、図面において、本発明を明確に説明するために、説明とは関係ない部分は省略しており、明細書全体に亘って類似した部分に対しては類似した図面符号を付けている。
【0016】
本願の明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているという場合、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。
【0017】
本願の明細書全体において、ある部材が他の部材の「上に」位置しているという場合、これは、ある部材が他の部材に接している場合だけでなく、両部材の間にまた他の部材が存在する場合も含む。
【0018】
本願の明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0019】
本明細書において使用される程度の用語「約」、「実質的に」などは、言及された意味に固有の製造及び物質許容誤差が提示される場合、その数値で、又はその数値に近接した意味として使用され、本願の理解を助けるために、適確であるか絶対的な数値が言及された開示内容を非良心的な侵害者が不当に利用することを防止するために使用される。
【0020】
本願の明細書全体において使用される程度の用語「~するステップ」又は「~のステップ」は、「~のためのステップ」を意味するものではない。
【0021】
本願の明細書全体において、マーカッシュ形式の表現に含まれた「これらの組み合わせ(たち)」の用語は、マーカッシュ形式の表現に記載された構成要素からなる群より選択される1つ以上の混合又は組み合わせを意味するものであり、前記構成要素からなる群より選択される1つ以上を含むことを意味する。
【0022】
本願の明細書全体において、「A及び/又はB」の記載は、「A又はB、あるいはA及びB」を意味する。
【0023】
本願の明細書全体において、「膜」又は「薄膜」という用語のそれぞれは、特に区別されない限り、「膜」及び「薄膜」の両方を意味する。
【0024】
本願の明細書全体において、「アルキル」又は「アルキル基」という用語は、1~12個の炭素原子、1~10個の炭素原子、1~8個の炭素原子、又は1~5個の炭素原子を有する線状又は分枝状のアルキル基、及びこれらの全ての可能な異性質体を含む。例えば、前記アルキル又はアルキル基は、メチル基(Me)、エチル基(Et)、n-プロピル基(nPr)、iso-プロピル基(iPr)、n-ブチル基(nBu)、iso-ブチル基(iBu)、tert-ブチル基(tert-Bu、tBu)、sec-ブチル基(sec-Bu、secBu)、n-ペンチル基(nPe)、iso-ペンチル基(isoPe)、sec-ペンチル基(secPe)、tert-ペンチル基(tPe)、neo-ペンチル基(neoPe)、3-ペンチル基、n-ヘキシル基、iso-ヘキシル基、ヘプチル基、4,4-ジメチルペンチル基、オクチル基、2,2,4-トリメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、及びこれらの異性質体などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0025】
本願の明細書全体において、「ALDウィンドウ(ALD window)」という用語は、ALD工程がなされるに適合した温度範囲を意味し得るが、これは、ALDが工程の温度に応じて反応の様相、及び形成又は蒸着された膜の物性が変わるので、ALD工程において重要な要素である。
【0026】
以下では、本願の具現例を詳しく説明するが、本願がこれに限定されるものではない。
【0027】
本願の第1の側面は、下記化1で表される、ハフニウム前駆体化合物を提供する。
[化1]
(R1R2N)xHf(NR3R4)4-x
前記化1において、
xは、1、2又は3であり、
R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、線状又は分枝状のC1-C5アルキル基であり、但し、-NR1R2及び-NR3R4は、互いに異なるものである。
【0028】
本願の一具現例において、前記化1において、R1及びR2は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、neo-ペンチル基又は3-ペンチル基であり、R3及びR4は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、neo-ペンチル基又は3-ペンチル基であっても良いが、これに限定されるものではない。具体的に、前記化1において、R1及びR2は、それぞれ独立に、メチル基又はエチル基であり、R3及びR4は、それぞれ独立に、Et、(isoPr)、(tertBu)、(secBu)、又は(isoBu)であっても良い。
【0029】
本願の一具現例において、前記-NR1R2は、-NMeEtであり、前記-NR3R4は、-N(isoPr)2、-NEt(isoPr)、-N(isoPr)(tertBu)、NEt(tertBu)、-N(secBu)2又は-N(isoBu)2であっても良いが、これに限定されるものではない。
【0030】
本願の一具現例において、前記ハフニウム前駆体化合物は、下記化合物より選択されるものであっても良いが、これに限定されるものではない。
【化1】
【0031】
本願の第2の側面は、第1の側面によるハフニウム前駆体化合物を含む、ハフニウム-含有膜形成用前駆体組成物を提供する。
【0032】
本願の第1の側面と重複する部分については詳細な説明を省略しているが、本願の第1の側面について説明した内容は、本願の第2の側面においてその説明が省略されているとしても同様に適用され得る。
【0033】
本願の一具現例において、前記ハフニウム前駆体化合物は、下記化合物より選択される1つ以上を含んでいても良いが、これに限定されるものではない。
【化2】
【0034】
本願の一具現例において、前記膜は、ハフニウム-含有金属膜又は薄膜、ハフニウム-含有酸化膜又は薄膜、ハフニウム-含有窒化膜又は薄膜、ハフニウム-含有炭化膜又は薄膜、ハフニウム-含有酸窒化膜又は薄膜、及びハフニウム-含有炭窒化膜又は薄膜より選択される1つ以上のものであっても良いが、これに限定されるものではない。本願の一具現例において、前記ハフニウム-含有膜は、ハフニウム酸化膜であっても良い。
【0035】
本願の具現例において、前記ハフニウム-含有金属膜又は薄膜、ハフニウム-含有酸化膜又は薄膜、ハフニウム-含有窒化膜又は薄膜、ハフニウム-含有炭化膜又は薄膜、ハフニウム-含有酸窒化膜又は薄膜、及びハフニウム-含有炭窒化膜又は薄膜は、メモリ、ロジッグ、半導体、非半導体、及び、ディスプレイに使用されることができ、その適用用途に応じて様々に応用されることができるが、これに限定されるものではない。
【0036】
本願の一具現例において、アンモニア、窒素、ヒドラジン、及びジメチルヒドラジンより選択される1つ以上の窒素源をさらに含んでいても良いが、これに限定されるものではない。
【0037】
本願の一具現例において、水蒸気、酸素、及びオゾンより選択される1つ以上の酸素源をさらに含んでいても良いが、これに限定されるものではない。
【0038】
本願の第3の側面は、第1の側面によるハフニウム前駆体化合物を含む膜形成用前駆体組成物を利用してハフニウム-含有膜を形成することを含む、ハフニウム-含有膜形成方法を提供する。
【0039】
本願の一具現例において、前記膜形成用前駆体組成物に含まれるハフニウム前駆体化合物は、下記化合物より選択される1つ以上を含んでいても良いが、これに限定されるものではない。
【化3】
【0040】
本願の一具現例において、前記ハフニウム-含有膜は、化学気相蒸着法又は原子層蒸着法によって蒸着されても良いが、これに限定されるものではない。前記化学気相蒸着法又は原子層蒸着法は、本技術分野において公知された蒸着装置、蒸着条件、追加反応気体などを利用して行われても良い。
【0041】
本願の一具現例において、前記膜の蒸着時に、ハフニウム-含有酸化膜や複合金属ハフニウム-含有酸化膜(HfSiOx、ZrHfOx、TiHfOx、HfAlOx、ZrAlHfOx、TiAlHfOx、ZrHfSiOx、ZrHfAlSiOx、HfC、HfCO、又はHfONなど)を形成するために、反応ガスとして、水蒸気(H2O)、酸素(O2)、酸素プラズマ(O2 Plasma)、酸化窒素(NO、N2O)、酸化窒素プラズマ(N2O Plasma)、窒化酸素(N2O2)、過酸化水素水(H2O2)、硫酸(H2SO4)及びオゾン(O3)の中で1つ以上を使用することが好ましい。
【0042】
本願の一具現例において、ハフニウム前駆体化合物を気化させるために、アルゴン(Ar)又は窒素(N2)ガスで搬送するか、熱エネルギー又はプラズマを利用するか、基板上にバイアスを印加することがさらに好ましい。
【0043】
本願の一具現例において、前記ハフニウム-含有膜は、約100℃~約500℃の温度範囲で形成されても良いが、これに限定されるものではない。具体的に、前記ハフニウム-含有膜は、約100℃~約500℃、約100℃~約450℃、約100℃~約400℃、約100℃~約350℃、約100℃~約300℃、約100℃~約250℃、約100℃~約200℃、約100℃~約150℃、約150℃~約500℃、約150℃~約450℃、約150℃~約400℃、約150℃~約350℃、約150℃~約300℃、約150℃~約250℃、約150℃~約200℃、約200℃~約500℃、約200℃~約450℃、約200℃~約400℃、約200℃~約350℃、約200℃~約300℃、約200℃~約250℃、約250℃~約500℃、約250℃~約450℃、約250℃~約400℃、約250℃~約350℃、約250℃~約300℃、約300℃~約500℃、約300℃~約450℃、約300℃~約400℃、約300℃~約350℃、約350℃~約500℃、約350℃~約450℃、約350℃~約400℃、約400℃~約500℃、約400℃~約450℃、又は、約450℃~約500℃の温度範囲で形成されても良いが、これに限定されるものではない。本願の一具現例において、前記ハフニウム-含有膜は、約200℃~約300℃、約200℃~約280℃、約200℃~約260℃、約220℃~約280℃、又は、約240℃~約280℃の温度範囲で形成されても良い。
【0044】
本願の一具現例において、ハフニウム-含有膜の形成方法は、反応チャンバ内に基板を収容した後、搬送ガス又は希薄ガスを使用して前記ハフニウム前駆体化合物を基板上に移送し、約100℃~約500℃、又は、約200℃~約300℃範囲の蒸着温度でハフニウム-含有膜を蒸着させることが好ましい。ここで、前記蒸着温度が約100℃~約500℃、又は、約200℃~約300℃であることは、メモリ素子及びロジック素子、ディスプレイ素子に適用可能な工程温度が広いため、様々な分野への適用可能性が高く、且つ広い温度範囲で使用可能なハフニウム前駆体化合物が必要とされるため、約100℃~約500℃、又は、約200℃~約300℃の範囲で蒸着がなされることが好ましい。また、前記搬送ガス又は希薄ガスとしては、アルゴン(Ar)、窒素(N2)、ヘリウム(He)又は水素(H2)より選択される1つ又はそれ以上の混合ガスを使用することが好ましい。
【0045】
本願の一具現例において、前記ハフニウム-含有膜は、通常のハフニウム半導体ウェハ、化合物半導体ウェハ、及びプラスチック基板(PI、PET、PES及びPEN)より選択される1つ以上の基材上に形成されても良いが、これに限定されるものではない。また、孔や溝のある基材を使用することもでき、表面積の広い多孔質の基材を使用することができるが、これに限定されるものではない。また、互いに異なる2種類以上の基材が接触又は連結されている基材に同時あるいは順次に基材全体あるいは一部に対して前記ハフニウム-含有膜が形成されても良いが、これに限定されるものではない。
【0046】
本願の一具現例において、前記ハフニウム-含有膜は、約1nm~約500nmの厚さ範囲で形成されても良いが、これに限定されるものではない。前記ハフニウム-含有膜は、約1nm~約500nm、約1nm~約400nm、約1nm~約300nm、約1nm~約200nm、約1nm~約100nm、約1nm~約50nm、約1nm~約40nm、約1nm~約30nm、約1nm~約20nm、約1nm~約10nm、約10nm~約500nm、約10nm~約400nm、約10nm~約300nm、約10nm~約200nm、約10nm~約100nm、約10nm~約50nm、約10nm~約40nm、約10nm~約30nm、約10nm~約20nm、約20nm~約500nm、約20nm~約400nm、約20nm~約300nm、約20nm~約200nm、約20nm~約100nm、約20nm~約50nm、約20nm~約40nm、約20nm~約30nm、約30nm~約500nm、約30nm~約400nm、約30nm~約300nm、約30nm~約200nm、約30nm~約100nm、約30nm~約50nm、約30nm~約40nm、約40nm~約500nm、約40nm~約400nm、約40nm~約300nm、約40nm~約200nm、約40nm~約100nm、約40nm~約50nm、約50nm~約500nm、約50nm~約400nm、約50nm~約300nm、約50nm~約200nm、約50nm~約100nm、約100nm~約500nm、約100nm~約400nm、約100nm~約300nm、約100nm~約200nm、約200m~約500nm、約200nm~約400nm、約200nm~約300nm、約300nm~約500nm、約300nm~約400nm、又は、約400nm~約500nmの厚さ範囲で形成されても良いが、これに限定されるものではない。
【0047】
本願の一具現例において、前記ハフニウム-含有膜は、通常のハフニウム半導体ウェハ、化合物半導体ウェハ、及びプラスチック基板(PI、PET、PES及びPEN)より選択される1つ以上の基材上に形成されても良いが、これに限定されるものではない。また、孔や溝のある基材を使用することもでき、表面積の広い多孔質の基材を使用することができるが、これに限定されるものではない。また、互いに異なる2種類以上の基材が接触又は連結されている基材に同時あるいは順次に基材全体あるいは一部に対して前記ハフニウム-含有膜が形成されても良いが、これに限定されるものではない。
【0048】
本願の一具現例において、前記ハフニウム-含有膜は、縦横比が約1以上であり、幅が約1μm以下の凹凸を含む基材上に形成されても良いが、これに限定されるものではない。例えば、前記縦横比は、約1以上、約5以上、約10以上、約20以上、約30以上、約40以上、約1~約50、約1~約40、約1~約30、約1~約20、約1~約10、約10~約50、約10~約40、約10~約30、約10~約20、約20~約50、約20~約40、約20~約30、約30~約50、約30~約40、又は、約40~約50であっても良いが、これに限定されるものではない。また、例えば、前記幅は、約1μm以下、約900nm以下、約800nm以下、約700nm以下、約600nm以下、約500nm以下、約400nm以下、約300nm以下、約200nm以下、約100nm以下、約10nm~約1μm、約10nm~約900nm、約10nm~約800nm、約10nm~約700nm、約10nm~約600nm、約10nm~約500nm、約10nm~約400nm、約10nm~約300nm、約10nm~約200nm、約10nm~約100nm、約10nm~約90nm、約10nm~約80nm、約10nm~約70nm、約10nm~約60nm、約10~約50nm、約10nm~約40nm、約10nm~約30nm、約10nm~約20nm、約20nm~約1μm、約20nm~約900nm、約20nm~約800nm、約20nm~約700nm、約20nm~約600nm、約20nm~約500nm、約20nm~約400nm、約20nm~約300nm、約20nm~約200nm、約20nm~約100nm、約20nm~約90nm、約20nm~約80nm、約20nm~約70nm、約20nm~約60nm、約20~約50nm、約20nm~約40nm、約20nm~約30nm、約30nm~約1μm、約30nm~約900nm、約30nm~約800nm、約30nm~約700nm、約30nm~約600nm、約30nm~約500nm、約30nm~約400nm、約30nm~約300nm、約30nm~約200nm、約30nm~約100nm、約30nm~約90nm、約30nm~約80nm、約30nm~約70nm、約30nm~約60nm、約30~約50nm、約30nm~約40nm、約40nm~約1μm、約40nm~約900nm、約40nm~約800nm、約40nm~約700nm、約40nm~約600nm、約40nm~約500nm、約40nm~約400nm、約40nm~約300nm、約40nm~約200nm、約40nm~約100nm、約40nm~約90nm、約40nm~約80nm、約40nm~約70nm、約40nm~約60nm、約40~約50nm、約50nm~約1μm、約50nm~約900nm、約50nm~約800nm、約50nm~約700nm、約50nm~約600nm、約50nm~約500nm、約50nm~約400nm、約50nm~約300nm、約50nm~約200nm、約50nm~約100nm、約50nm~約90nm、約50nm~約80nm、約50nm~約70nm、約50nm~約60nm、約100nm~約1μm、約100nm~約900nm、約100nm~約800nm、約100nm~約700nm、約100nm~約600nm、約100nm~約500nm、約100nm~約400nm、約100nm~約300nm、約100nm~約200nm、約200nm~約1μm、約200nm~約900nm、約200nm~約800nm、約200nm~約700nm、約200nm~約600nm、約200nm~約500nm、約200nm~約400nm、約200nm~約300nm、約300nm~約1μm、約300nm~約900nm、約300nm~約800nm、約300nm~約700nm、約300nm~約600nm、約300nm~約500nm、約300nm~約400nm、約400nm~約1μm、約400nm~約900nm、約400nm~約800nm、約400nm~約700nm、約400nm~約600nm、約400nm~約500nm、約500nm~約1μm、約500nm~約900nm、約500nm~約800nm、約500nm~約700nm、約500nm~約600nm、約600nm~約1μm、約600nm~約900nm、約600nm~約800nm、約600nm~約700nm、約700nm~約1μm、約700nm~約900nm、約700nm~約800nm、約800nm~約1μm、約800nm~約900nm、又は、約900nm~約1μmであっても良いが、これに限定されるものではない。
【0049】
本願の具現例において、前記膜形成用前駆体組成物に含まれる本願のハフニウム前駆体化合物は、高い蒸気圧、低い密度、及び高い熱安全性に起因して、原子層蒸着法又は化学気相蒸着法の前駆体として使用されて、ハフニウム-含有膜を形成することができ、特に、表面にパターン(溝)のある基材又は多孔性基材、プラスチック基材上にも約100℃~約500℃の広い温度範囲で数nm~数十μm、又は、約1nm~約500nm厚さの膜は、ハフニウム-含有金属膜又は薄膜、ハフニウム-含有酸化膜又は薄膜、ハフニウム-含有窒化膜又は薄膜、ハフニウム-含有炭化膜又は薄膜、ハフニウム-含有酸窒化膜又は薄膜、及びハフニウム-含有炭窒化膜又は薄膜を均一に形成することができる優れた効果を有する。
【0050】
以下、本願について実施例を用いながらより具体的に説明するが、下記実施例は、本願の理解を助けるために例示するものであるだけで、本願の内容が下記実施例に限定されるわけではない。
【0051】
[実施例]
実施例1:(ジイソプロピルアミノ)トリス(エチル(メチル)アミノ)ハフニウムの製造:[{((CH3)2HC)2N}Hf{N(C2H5)(CH3)}3]
【0052】
3Lの丸底フラスコにおいて、ハフニウム(IV)クロライド(hafnium(IV)chloride;HfCl4)50g(0.156mol)を-20℃付近でジエチルエーテル(diethyl ether)500mLに溶解させ、テトラヒドロフラン(tetrahydrofurane)500mLをゆっくり添加した後、撹拌しながら室温まで徐々に上げてから、1時間撹拌した。前記溶液にテトラキス(エチル(メチル)アミノ)ハフニウム[tetrakis(ethyl(methyl)amino)hafnium;Hf{N(Et)(Me)}4]192.42g(0.468mol)を-20℃付近でゆっくり添加した後、撹拌しながら温度を室温まで徐々に上げてから17時間撹拌させ、トリス(エチル(メチル)アミノ)ハフニウム(IV)クロライド[tris(ethyl(methyl)amino)hafnium(IV)chloride;Hf{N(Et)(Me)}3Cl]溶液を形成した。
【0053】
また、別の2Lの丸底フラスコにおいて、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(n-BuLi in n-hex.)173.9g(2.5M、0.624mol)を無水ヘキサン(anhydrous hexane)500mLと混合した。ジイソプロピルアミン(diisopropylamine)63.18g(0.624mol)を-20℃付近でゆっくり添加した後、撹拌しながら温度を室温まで徐々に上げてから、4時間撹拌した。形成されたリチウムジイソプロピルアミド[lithium diisopropylamide;LiN(iPr)2] 溶液を上記の合成したトリス(エチル(メチル)アミノ)ハフニウム(IV)クロライド溶液に-20℃付近でゆっくり添加した後、温度を室温まで徐々に上げてから、還流コンデンサーを利用して17時間還流反応した。反応終了後、反応中に生成された塩をろ過過程を通じて除去し、溶媒及び揮発性の副反応物は、減圧蒸溜によって除去して、下記化学式2で表される無色の液体化合物である(ジイソプロピルアミノ)トリス(エチル(メチル)アミノ)ハフニウム[(diisopropylamino)tris((ethyl)(methyl)amino)hafnium;{(iPr)2N}Hf{N(Et)(Me)}3]172.52g(収率:61%)を取得した。
【0054】
【化4】
b.p:100℃at0.282torr(308.9℃at760mmHg)
【0055】
1H-NMR(C6D6):δ1.150(N-CH2-CH
3、t、9H)、δ1.226、1.242(N-CH-CH
3、d、12H)、δ3.016(N-CH
3、s、9H)、δ3.335、3.352(N-CH
2-CH3、q、6H)、δ3.503(N-CH-CH3、m、2H)
【0056】
実施例2:(ジ-sec-ブチルアミノ)トリス(エチル(メチル)アミノ)ハフニウムの製造:[{((C2H5)(CH3)HC)2N}Hf{N(C2H5)(CH3)}3]
【0057】
ジイソプロピルアミン(diisopropylamine)の代わりにジ-sec-ブチルアミン(disec butylamine)を使用したことを除いては、上記実施例1と同様の方法により、下記化学式3で表される無色の液体化合物である(ジ-sec-ブチルアミノ)トリス(エチル(メチル)アミノ)ハフニウム[(disecbutylamino)tris[(ethyl)(methyl)amino)hafnium;{(secBu)2N}Hf{N(Et)(Me)}3]174.88g(収率:58%)を取得した。
【0058】
【化5】
b.p:110℃at0.313torr(321.0℃at760mmHg)
【0059】
1H-NMR(C6D6):δ0.946(N-CH-CH2-CH
3、t、6H)、δ1.141(N-CH2-CH
3、t、9H)、δ1.227(N-CH-CH
3、t、6H)、δ1.519、1.593(N-CH-CH
2-CH3、m、4H)、δ3.004(N-CH
3、s、9H)、δ3.096(N-CH-CH3、m、2H)、δ3.329、3.346(N-CH
2-CH3、q、6H)
【0060】
実施例3:(tert-ブチル(エチル)アミノ)トリス(エチル(メチル)アミノ)ハフニウムの製造:[{((CH3)3C)(C2H5)N}Hf{N(C2H5)(CH3)}3]
【0061】
ジイソプロピルアミン(diisopropylamine)の代わりにtert-ブチル(エチル)アミン(tert-butyl(ethyl)amine)を使用したことを除いては、上記実施例1と同様の方法により、下記化学式4で表される無色の液体化合物である(tert-ブチル(エチル)アミノ)トリス(エチル(メチル)アミノ)ハフニウム[(tert-butyl)(ethyl)amino)tris((ethyl)(methyl)amino)hafnium;{(tBu)(Et)N}Hf{N(Et)(Me)}3]100g(収率:61%)を取得した。
【0062】
【化6】
b.p:95℃at0.308torr(300.2℃at760mmHg)
【0063】
1H-NMR(C6D6):δ1.147(N-CH2-CH
3、t、9H)、δ1.250(N-CH2-CH
3、t、3H)、δ1.263(N-C-CH
3、s、9H)、δ3.000(N-CH
3、s、9H)、δ3.240、3.258(N-CH
2-CH3、q、2H)、δ3.314、3.332(N-CH
2-CH3、q、6H)
【0064】
実施例4:(tert-ブチル(イソプロピル)アミノ)トリス(エチル(メチル)アミノ)ハフニウムの製造:[{((CH3)3C)((CH3)2HC)N}Hf{N(C2H5)(CH3)}3]
【0065】
ジイソプロピルアミン(diisopropylamine)の代わりにtert-ブチル(イソプロピル)アミン(tert-butyl(isopropyl)amine)を使用したことを除いては、上記実施例1と同様の方法により、化学式5で表される黄色の固体化合物である(tert-ブチル(イソプロピル)アミノ)トリス(エチル(メチル)アミノ)ハフニウム[(tert-butyl)(isopropyl)amino)tris((ethyl)(methyl)amino)hafnium;{(tBu)(iPr)N}Hf{N(Et)(Me)}3]65.7g(収率:61%)を取得した。
【0066】
【化7】
b.p:110℃at0.3torr(322℃at760mmHg)
【0067】
1H-NMR(C6D6):δ1.107(N-CH2-CH
3、t、9H)、δ1.259(N-C-CH
3、s、9H)、δ1.294、1.310(N-CH-CH
3、d、6H)、δ2.984(N-CH
3、s、9H)、δ3.246(N-CH-CH3、m、H)、δ3.312、3.329(N-CH
2-CH3、q、6H)
【0068】
実施例5:ビス(ジイソブチルアミノ)ビス(エチル(メチル)アミノ)ハフニウムの製造:[{((CH3)2CHCH2)2N}2Hf{N(C2H5)(CH3)}2]
【0069】
3Lの丸底フラスコにおいて、ハフニウム(IV)クロライド(Hafnium(IV)chloride;HfCl4)50g(0.156mol)を-20℃付近でジエチルエーテル(diethyl ether)500mLに溶解させ、テトラヒドロフラン(tetrahydrofurane)500mLをゆっくり添加した後、撹拌しながら室温まで徐々に上げてから、1時間撹拌した。前記溶液にテトラキス(エチル(メチル)アミノ)ハフニウム[tetrakis(ethyl(methyl)amino)hafnium;Hf{N(Et)(Me)}4]64.14g(0.156mol)を-20℃付近でゆっくり添加した後、撹拌しながら温度を室温まで徐々に上げてから、17時間撹拌させ、ビス(エチル(メチル)アミノ)ハフニウム(IV)クロライド[bis((ethyl)(methyl)amino)hafnium(IV)chloride;Hf{N(Et)(Me)}2Cl2]溶液を形成した。
【0070】
また、別の2L丸底フラスコにおいて、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(n-BuLi in n-hex.)173.9g(2.5M、0.624mol)を無水ヘキサン(anhydrous hexane)500mLと混合した。ジイソブチルアミン(diisobutylamine)80.69g(0.624mol)を-20℃付近でゆっくり添加した後、撹拌しながら温度を室温まで徐々に上げてから、4時間撹拌した。形成されたリチウムジイソブチルアマイド[lithium diisobutylamide;LiN(iBu)2]溶液を上記の合成したビス(エチル(メチル)アミノ)ハフニウム(IV)クロライド溶液に-20℃付近でゆっくり添加した後、温度を室温まで徐々に上げてから、還流コンデンサーを利用して17時間還流反応した。反応終了後、反応中に生成された塩をろ過過程を通じて除去し、溶媒及び揮発性副反応物は、減圧蒸溜によって除去して、下記化学式6で表される黄色の液体化合物であるビス(ジイソブチルアミノ)ビス(エチル(メチル)アミノ)ハフニウム[bis(diisobutylamino)bis(ethyl(methyl)amino)hafnium;{(iBu)2N}2Hf{N(Et)(Me)}2]111.84g(収率:65%)を取得した。
【0071】
【化8】
b.p:122℃at0.1torr(360.3℃at760mmHg)
【0072】
1H-NMR(C6D6):δ0.977、0.994(N-CH2-CH-CH
3、d、24H)、δ1.144(N-CH2-CH
3、t、6H)、δ1.846(N-CH2-CH-CH3、m、4H)、δ2.980(N-CH
3、s、6H)、δ3.104、3.122(N-CH
2-CH-CH3、d、8H)、δ3.342、3.359(N-CH
2-CH3、q、4H)
【0073】
実施例6:ビス(エチル(イソプロピル)アミノ)ビス(エチル(メチル)アミノ)ハフニウムの製造:[{(C2H5)((CH3)2HC)N}2Hf{N(C2H5)(CH3)}2]
【0074】
ジイソブチルアミン(diisobutylamine)の代わりにエチル(イソプロピル)アミン[ethyl(isopropyl)amine]を使用したことを除いては、上記実施例5と同様の方法により下記化学式7で表される無色の液体化合物であるビス(エチル(イソプロピル)アミノ)ビス(エチル(メチル)アミノ)ハフニウム[bis(ethyl(isopropyl)amino)bis((ethyl)(methyl)amino)hafnium;{(Et)(iPr)N}2Hf{N(Et)(Me)}2]55.13g(収率:51%)を取得した。
【0075】
【化9】
b.p:95℃at0.3torr(300.9℃at760mmHg)
【0076】
1H-NMR(C6D6):δ1.169(N-CH2-CH
3、t、6H)、δ1.216(N-CH2-CH
3、t、6H)、δ1.228、1.244(N-CH-CH
3、d、12H)、δ3.000(N-CH
3、s、6H)、δ3.264、3.282(N-CH
2-CH3、q、4H)、δ3.323、3.341(N-CH
2-CH3、q、4H)、δ3.483(N-CH-CH3、m、2H)
【0077】
[実験例]
<実験例1> ハフニウム前駆体化合物の温度による酸化膜の蒸着特性
上記実施例1、2、3、5及び6の方法によって製造されたハフニウム前駆体化合物を使用して、原子層蒸着法(ALD;atomic layer deposition)の工程を進行した。反応ガスとしては、酸素源であるO
3を使用した。先ず、硫酸(H
2SO
4)と過酸化水素水(H
2O
2)を4:1で混合したピラニア(piranha)溶液にシリコンウェハを10分間浸漬してから取り出した後、薄いHF水溶液に約2分間浸漬して、純粋なシリコン表面を形成した後、原子層蒸着法(ALD)によってハフニウム酸化物薄膜を製造した。温度による蒸着特性を測定するために、ALD周期を100回に固定し、基質の温度は200℃から300℃まで20℃間隔で加熱して蒸着した。ハフニウム前駆体化合物は、ステンレススチールを材質にした容器に入れて、それぞれ100℃、115℃、100℃、135℃及び105℃の温度に加熱して使用した。このとき、反応器の工程圧力は1torrであり、300sccmの流速を有するアルゴン(Ar)ガスを前駆体化合物の搬送ガスとして使用して、気化させた。ALD周期は、それぞれの気化された前駆体の供給5秒、前駆体のパージ(purge)10秒、O
3への露出時間5秒、O
3のパージ(purge)10秒にした。蒸着結果は、
図1に示した。
【0078】
図1から確認できるように、製造されたハフニウム前駆体化合物のうち、実施例1、3及び5の方法によって製造されたハフニウム前駆体の蒸着結果において、ALDウィンドウを確認することができる。このような比較的低い温度でALDウィンドウを現わす特性は、低温で工程を進行する場合、下部電極の酸化を抑制して電気的な特性を改善することができ、実施例1、2、3、5及び6の方法によって製造されたハフニウム前駆体化合物は、上記の特性を満足させられる優れた前駆体であり、半導体工程の様々な分野において使用されることができる。
【0079】
図2a及び2bは、実施例1、2、3及び5の方法によって製造されたハフニウム前駆体を使用したHfO
2薄膜のXPS表面分析結果を示したものである。XPS分析は、240℃で蒸着させたHfO
2薄膜を対象にした。分析した5つの薄膜のいずれも530.0eV付近でHf-O結合に対する強いスペクトラムを確認し、HfO
2によるHfピーク(18.2eV)、Hf亜酸化物(suboxide)によるHfピーク(16.6eV)を確認し、Hf:Oの比が1:2であることを確認し、比較的低い温度でもHfO
2薄膜を蒸着させることができる優れた前駆体であることを確認した。
【0080】
図3は、現在、常用化されて使用されているCpHf(NMe
2)
3及び実施例2、3及び6の方法によって製造されたハフニウム前駆体を使用したHfO
2薄膜のSIMS成分分析結果を示したものである。SIMS分析は、240℃で蒸着させたHfO
2薄膜を対象にした。成分比較の対象元素は炭素であり、分析の結果、実施例2、3及び6の方法によって製造されたハフニウム前駆体を使用したHfO
2薄膜の炭素含量がCpHf(NMe
2)
3を使用したHfO
2薄膜の炭素含量より低かった。スパッタ時間(sputter time)が75秒のときを基準に測定された炭素含量をCpHf(NMe
2)
3、実施例2、3及び6の順で比較してみると、それぞれ31937、28169、23494及び27388であり、減少率で比較すると実施例2、3及び6の方法によって製造されたハフニウム前駆体は、CpHf(NMe
2)
3に対比してそれぞれ11.8%、26.4%及び14.2%減少し、CpHf(NMe
2)
3の減少率が最も高く、実施例3の減少率が最も低かった(実施例3<実施例6<実施例2<CpHf(NMe
2)
3の順)。HfO
2薄膜に残存する炭素の量は、電気的な特性を劣化させる要因であるため、炭素含量が低いほど電気的特性に優れているので、実施例2、3及び6の方法によって製造されたハフニウム前駆体は、基準となるCpHf(NMe
2)
3より比較的低い炭素含量の結果を得ることで、炭素含量が低い膜を形成するにあたり、優れた前駆体であるといえる。
【0081】
上述した本願の説明は例示のためのものであり、本願の属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本願の技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態に容易に変形可能であるということを理解できるはずである。それゆえ、上記した実施例は全ての面において例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。例えば、単一型で説明されている各構成要素は分散して実施されても良く、同様に、分散したものと説明されている構成要素も結合された形態で実施されても良い。
本願の範囲は、上記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態が本願の範囲に含まれると解釈されなければならない。
【国際調査報告】