(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】呼吸流治療システム内の鼻の分時換気量及び最大吸気流
(51)【国際特許分類】
A61M 16/00 20060101AFI20240206BHJP
【FI】
A61M16/00 370
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547244
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 IB2022050932
(87)【国際公開番号】W WO2022167960
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】ガリー アントン キム
(57)【要約】
封止されていない呼吸治療システム内の鼻の分時換気量及び最大吸気流を決定するシステム及び方法。デバイスは、患者の呼吸を示す呼吸デバイスのガス流のパラメータのデータを受信することができる。コントローラは、ノイズを除去するためにガス流のパラメータのデータを処理することができる。コントローラは、デバイスの分時換気量を決定し、デバイスの分時換気量を鼻の分時換気量に変換することができる。コントローラは、鼻の分時換気量、鼻の分時換気量の変化率、及び鼻の分時換気量の傾向の少なくとも1つに関連するデータを監視及び/又は表示することができる。呼吸デバイスは、鼻の分時換気量、鼻の分時換気量の変化率、及び鼻の分時換気量の傾向の少なくとも1つが、閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
封止されていない呼吸インタフェースを使用して、患者に呼吸治療を送達するように構成された呼吸デバイスであって、前記デバイスは、
コントローラを含み、前記コントローラは、
前記デバイスが封止されていないユーザインタフェースと共に使用されている間に、前記呼吸デバイスのガス流の、前記患者の呼吸を示す、パラメータのデータを受信し、
デバイスの分時換気量又はデバイスの分時換気量を示すパラメータを決定し、
ユーザの分時換気量を示すように構成される、呼吸デバイス。
【請求項2】
前記コントローラは、ノイズを除去するために前記ガス流の前記パラメータの前記データを処理するように更に構成される、請求項1に記載の呼吸デバイス。
【請求項3】
前記コントローラは、前記ガス流の前記パラメータに対するモータの影響に関連するノイズを除去するように構成される、請求項2に記載の呼吸デバイス。
【請求項4】
前記コントローラは、モータ速度についてのデータを受信するように構成され、前記ガス流の前記パラメータは、前記モータ速度が予め設定された閾値を下回る場合に廃棄される、請求項3に記載の呼吸デバイス。
【請求項5】
前記コントローラは、前記ガス流の前記パラメータが不十分な品質のものであると前記コントローラが判定した場合、前記ガス流の前記パラメータを廃棄するように構成される、請求項2に従属する請求項1~3のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項6】
前記ガス流の前記パラメータは、大きい一過性ピークを含むので、不十分な品質のものである、請求項5に記載の呼吸デバイス。
【請求項7】
デバイスの分時換気量を決定することは、前記ガス流の前記パラメータの前記データに複数のスプラインを適合することを含み、前記複数のスプラインは、最小二乗基準を使用して適合され、前記デバイスの分時換気量は、前記複数のスプラインに沿って積分することによって決定される、請求項1~6のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項8】
デバイスの分時換気量を決定することは、前記ガス流の前記パラメータの前記データに適合された直線の第1項の絶対値の積分を決定することを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項9】
デバイスの分時換気量を決定することは、前記ガス流の前記パラメータの前記データに適合された直線の絶対値の積分を時間範囲で除算した値を決定することを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項10】
デバイスの分時換気量を決定することは、時間範囲内の時点の範囲にわたる前記ガス流の前記パラメータの前記データに適合された直線の絶対値の平均を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項11】
前記コントローラは、前記デバイスの分時換気量に基づいて正規化されたデバイスの分時換気量を計算するように構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項12】
前記コントローラは、前記正規化されたデバイスの分時換気量に相関したノイズ補正係数を計算するように構成される、請求項11に記載の呼吸デバイス。
【請求項13】
前記コントローラは、前記正規化されたデバイスの分時換気量と前記ノイズ補正係数を前記デバイスの分時換気量と関連付けることにより、補正されたデバイスの分時換気量を計算するように構成される、請求項12に記載の呼吸デバイス。
【請求項14】
前記デバイスの分時換気量は、鼻の分時換気量に変換される、請求項1~13のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項15】
前記デバイスの分時換気量は、スカラ較正定数を使用して鼻の分時換気量に変換される、請求項14に記載の呼吸デバイス。
【請求項16】
前記コントローラは、前記鼻の分時換気量、前記鼻の分時換気量の変化率、及び前記鼻の分時換気量の傾向の少なくとも1つを監視するように更に構成される、請求項1~15のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項17】
前記呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、前記ディスプレイは、前記鼻の分時換気量に関連するデータを表示するように構成される、請求項1~16のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項18】
前記呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、前記ディスプレイは、前記鼻の分時換気量の変化率に関連するデータを表示するように構成される、請求項1~16のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項19】
前記呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、前記ディスプレイは、前記鼻の分時換気量の傾向に関連するデータを表示するように構成される、請求項1~16のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項20】
前記呼吸デバイスは、前記鼻の分時換気量が、予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、請求項1~19のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項21】
前記呼吸デバイスは、前記鼻の分時換気量の率が、予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、請求書1~19のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項22】
前記呼吸デバイスは、前記鼻の分時換気量の傾向が、予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、請求項1~19のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項23】
前記呼吸デバイスは、患者インタフェースを含み、前記患者インタフェースは、鼻カニューレを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項24】
前記呼吸デバイスは、経鼻高流量治療を送達するように構成される、請求項1~23のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項25】
前記患者への前記ガス流を加湿するように構成された加湿器を更に含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項26】
封止されていない呼吸インタフェースを使用して、患者に呼吸治療を送達するように構成された呼吸デバイスであって、前記デバイスは、前記患者の呼吸に関連した情報を提供するように構成され、前記デバイスは、
コントローラを含み、前記コントローラは、
前記呼吸デバイスのガス流の、前記患者の呼吸を示す、パラメータのデータを受信し、
患者の最大吸気流を決定するように構成される、呼吸デバイス。
【請求項27】
前記コントローラは、デバイスの分時換気量を決定するように構成される、請求項26に記載の呼吸デバイス。
【請求項28】
前記患者の最大吸気流は、前記デバイスの分時換気量に基づく、請求項27に記載の呼吸デバイス。
【請求項29】
前記コントローラは、ノイズを除去するために前記ガス流の前記パラメータの前記データを処理するように更に構成される、請求項26~28のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項30】
前記コントローラは、前記ガス流の前記パラメータに対するモータの影響に関連するノイズを除去するように構成される、請求項29に記載の呼吸デバイス。
【請求項31】
前記コントローラは、モータ速度についてのデータを受信するように構成され、前記ガス流の前記パラメータは、前記モータ速度が予め設定された閾値を下回る場合に廃棄される、請求項30に記載の呼吸デバイス。
【請求項32】
前記コントローラは、前記ガス流の前記パラメータが不十分な品質のものであると前記コントローラが判定した場合、前記ガス流の前記パラメータを廃棄するように構成される、請求項26~31のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項33】
前記ガス流の前記パラメータは、大きい一過性ピークを含むので、不十分な品質のものである、請求項32に記載の呼吸デバイス。
【請求項34】
前記デバイスの分時換気量を決定することは、前記ガス流の前記パラメータの前記データに複数のスプラインを適合することを含み、前記複数のスプラインは、最小二乗基準を使用して適合され、前記デバイスの分時換気量は、前記複数のスプラインに沿って積分することによって決定される、請求項27~33のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項35】
前記デバイスの分時換気量を決定することは、前記ガス流の前記パラメータの前記データに適合された直線の第1項の絶対値の積分を決定することを含む、請求項27~34のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項36】
前記デバイスの分時換気量を決定することは、前記ガス流の前記パラメータの前記データに適合された直線の絶対値の積分を時間範囲で除算した値を含む、請求項27~35のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項37】
前記デバイスの分時換気量を決定することは、時間範囲内の時点の範囲にわたる前記ガス流の前記パラメータの前記データに適合された直線の絶対値の平均を含む、請求項27~36のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項38】
前記コントローラは、前記デバイスの分時換気量に基づいて正規化されたデバイスの分時換気量を計算するように構成される、請求項26~37のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項39】
前記コントローラは、前記正規化されたデバイスの分時換気量に相関したノイズ補正係数を計算するように構成される、請求項38に記載の呼吸デバイス。
【請求項40】
前記コントローラは、前記正規化されたデバイスの分時換気量と前記ノイズ補正係数を前記デバイスの分時換気量と関連付けることにより、補正されたデバイスの分時換気量を計算するように構成される、請求項39に記載の呼吸デバイス。
【請求項41】
前記コントローラは、前記デバイスの分時換気量を鼻の分時換気量に変換するように更に構成される、請求項27~40のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項42】
前記デバイスの分時換気量は、スカラ較正定数を使用して鼻の分時換気量に変換される、請求項41に記載の呼吸デバイス。
【請求項43】
前記スカラ較正定数は、前記鼻カニューレ又は現在の流量に関連する患者インタフェース・パラメータを入力することによって決定される、請求項42に記載の呼吸デバイス。
【請求項44】
前記スカラ較正定数は、前記カニューレの型、患者の体格、及び鼻孔径の少なくとも1つを入力することによって決定される、請求項43に記載の呼吸デバイス。
【請求項45】
前記スカラ較正定数は、前記呼吸デバイスの少なくとも1つの流れパラメータを測定するために、患者が封止されていない鼻カニューレを着用している間、封止された顔マスクを前記患者の顔の上に一時的に置くことによって計算される、請求項44に記載の呼吸デバイス。
【請求項46】
前記患者の最大吸気流は、較正定数を適用することにより、前記鼻の分時換気量を変換することによって決定される、請求項41~45のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項47】
前記較正定数は3である、請求項46に記載の呼吸デバイス。
【請求項48】
前記較正定数は4である、請求項46に記載の呼吸デバイス。
【請求項49】
前記較正定数は5である、請求項46に記載の呼吸デバイス。
【請求項50】
前記較正定数は6である、請求項46に記載の呼吸デバイス。
【請求項51】
前記較正定数は3~6の間である、請求項46に記載の呼吸デバイス。
【請求項52】
前記コントローラは、少なくとも前記最大吸気流又は前記最大吸気流の変化率を監視するように更に構成される、請求項26~51のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項53】
前記呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、前記ディスプレイは、前記最大吸気流に関連するデータを表示するように構成される、請求項26~52のいずれか一項に記載の呼吸。
【請求項54】
前記呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、前記ディスプレイは、前記最大吸気流の変化率に関連するデータを表示するように構成される、請求項26~53のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項55】
前記呼吸デバイスは、前記最大吸気流が予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、請求項26~54のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項56】
前記呼吸デバイスは、前記最大吸気流の変化率が予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、請求項26~55のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項57】
前記呼吸デバイスは、患者インタフェースを含み、前記患者インタフェースは、鼻カニューレを含む、請求項26~56のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項58】
前記呼吸デバイスは、経鼻高流量治療を送達するように構成される、請求項26~57のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項59】
前記患者への前記ガス流を加湿するように構成された加湿器を更に含む、請求項26~58のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項60】
前記コントローラは、1回換気量を決定し、前記1回換気量が予め設定された閾値を下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、請求項1~25のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項61】
前記コントローラは、1回換気量を決定し、前記1回換気量が予め設定された閾値を下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、請求項26~59のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項62】
前記コントローラは、デバイス流量を使用して、補正されたデバイスの分時換気量を正規化するように構成される、請求項1~25のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項63】
前記呼吸デバイスは、前記補正されたデバイスの分時換気量、前記補正されたデバイスの分時換気量の変化率、及び前記補正されたデバイスの分時換気量の傾向の少なくとも1つに関連するデータを表示するように構成されたディスプレイを更に含む、請求項62のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項64】
前記呼吸デバイスは、前記補正されたデバイスの分時換気量が予め設定された閾値を超える又は下回る、前記補正されたデバイスの分時換気量の変化率が予め設定された閾値を超える又は下回る、及び前記補正されたデバイスの分時換気量の傾向が予め設定された閾値を超える又は下回るのうち少なくとも1つの時に、警報又は通知を起動するように構成される、請求項62又は63のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項65】
前記コントローラは、デバイス流量を使用して、補正されたデバイスの分時換気量を正規化するように構成される、請求項26~59のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【請求項66】
前記呼吸デバイスは、前記補正されたデバイスの分時換気量、前記補正されたデバイスの分時換気量の変化率、及び前記補正されたデバイスの分時換気量の傾向の少なくとも1つに関連するデータを表示するように構成されたディスプレイを更に含む、請求項65に記載の呼吸デバイス。
【請求項67】
前記呼吸デバイスは、前記補正されたデバイスの分時換気量が予め設定された閾値を超える又は下回る、前記補正されたデバイスの分時換気量の変化率が予め設定された閾値を超える又は下回る、及び前記補正されたデバイスの分時換気量の傾向が予め設定された閾値を超える又は下回るのうち少なくとも1つの時に、警報又は通知を起動するように構成される、請求項65又は66のいずれか一項に記載の呼吸デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、呼吸流治療を患者に提供するための方法及びシステムに関する。詳細には、本開示は、封止されていない呼吸流治療システム内(すなわち封止されていない患者インタフェースを使用する開放呼吸治療システム内)の1つ又は複数の呼吸パラメータを推定することに関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸補助装置は、ガス流をユーザ又は患者に送達するために、病院、医療施設、在宅看護、又は家庭環境などの様々な環境で使用される。呼吸補助又は呼吸治療装置(集合的に「呼吸装置」若しくは「呼吸デバイス」)は、加熱されて加湿されたガスを送達するために、ガス流、及び/又は加湿装置で補充酸素又は他のガスを送達するために使用されてもよい。呼吸装置は、流量、温度、ガス濃度、湿度、圧力、その他を含む、ガス流の特性を調整して制御できることがある。流れセンサ及び/又は圧力センサなどのセンサは、ガス流の特性を測定するために使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
呼吸デバイスは、デバイスの患者の使用に関連した(すなわち呼吸パラメータとして公知の)様々なパラメータを監視して決定することができる。パラメータデータ(すなわち呼吸パラメータ)は、患者の健康、呼吸デバイスの使用、及び/又は患者の呼吸機能の向上について臨床医に知らせることができる。データは、患者に提供された高流量治療の有効性を決定する支援をすることができる。データは、呼吸デバイス自体の機能性を改善するために使用することもできる。
【0004】
呼吸デバイスを使用する患者による吸気及び呼気は、デバイス内のガス流に影響を及ぼす可能性がある。これは、患者がマスク又は鼻カニューレなどの患者インタフェースを通して吸う時に、患者インタフェース内のガス流への抵抗が低減し、患者が吐く時に、患者インタフェース内のガス流への抵抗が増加するからである。呼吸数などの一部のパラメータは、流れパラメータ信号における吸気及び呼気に起因する変化を監視することによって決定される。
【0005】
封止されたシステムでは、この吸気及び呼気は、封止されたインタフェースの使用に起因して測定が比較的しやすい。しかし封止されていない患者インタフェースを使用する、経鼻高流量システムなどの、封止されていないシステム(すなわち封止されていないインタフェースを使用する開放システム)では、患者の吸気及び呼気は、システムの開放性質(すなわち封止されていない性質)のために決定がより困難である。呼吸トリガイベントとしての信号、具体的には時間領域信号における不規則性を誤りやすい可能性がある。そのような分析から決定したパラメータは、(例えば患者が切り離されている、鼻を通して呼吸していない、及び/又は他の理由に起因して)呼吸がない時に、呼吸デバイスが信号内に呼吸を検出することがある時に、誤解を招く可能性がある。
【0006】
本開示は、患者の呼吸をより良く理解すること、具体的には、封止されていない高流量システム内の患者の呼吸パラメータを決定することに関する。これは、呼吸(breathing)パラメータ(すなわち呼吸(respiratory)パラメータ)を推定するために、ガス流パラメータの分析を行うことによって達成することができる。推定された呼吸(breathing)パラメータ(すなわち呼吸(respiratory)パラメータ)は、鼻の分時換気量(すなわち患者の分時換気量)及び/又は患者の最大吸気流を含むことができる。これらの呼吸(breathing)パラメータ(すなわち呼吸(respiratory)パラメータ)は、傾向データ(例えばある時間にわたる時系列のプロット)を視覚的に提示するために使用することができる。傾向データは、治療パラメータ(例えば流量)を調整して治療結果を向上させるために、ユーザ又は臨床医に警報、プロンプト及び/又は通知を提供するために使用することができる。
【0007】
ある構成では、呼吸デバイスは、封止されていない呼吸インタフェース(すなわち封止されていない患者インタフェース)を使用して、患者に呼吸治療を送達するように構成され、デバイスは、患者の呼吸に関連した情報を提供するように構成され、デバイスは、コントローラを含み、コントローラは、デバイスが封止されていないユーザインタフェースと共に使用されている間に、呼吸デバイスのガス流の、患者の呼吸を示す、パラメータのデータを受信し、デバイスの分時換気量又はデバイスの分時換気量を示すパラメータを決定し、ユーザに分時換気量(すなわちユーザの分時換気量)を示すように構成される。患者に提供された分時換気量(すなわち患者の分時換気量)の表示は、ユーザに1分当たりに提供される呼吸ガスの量を示す。分時換気量は、封止されていない鼻インタフェース、例えば鼻カニューレなどが使用される時の鼻の分時換気量(すなわち患者の分時換気量)である。
【0008】
ある構成では、コントローラは、ノイズを除去するためにガス流のパラメータのデータを処理するように更に構成される。ある構成では、コントローラは、ガス流のパラメータに対するモータの影響に関連するノイズを除去するように構成される。ある構成では、コントローラは、モータ速度についてのデータを受信するように構成され、ガス流のパラメータは、モータ速度が予め設定された閾値を下回る場合に廃棄される。ある構成では、コントローラは、ガス流のパラメータが不十分な品質のものであるとコントローラが判定した場合、ガス流のパラメータを廃棄するように構成される。ある構成では、ガス流のパラメータは、大きい一過性ピークを含むので、不十分な品質のものである。
【0009】
ある構成では、デバイスの分時換気量を決定することは、ガス流のパラメータに数学関数を利用することを含む。関数は、1つ又は複数の曲線を適合すること含んでもよい。一例では、デバイスの分時換気量は、ガス流のパラメータのデータに複数のスプラインを適合することを含み、複数のスプラインは、最小二乗基準を使用して適合され、デバイスの分時換気量は、複数のスプラインに沿って積分することによって決定される。関数は、測定されたデータを平均し、最良の適合を決定するために使用される。ある構成では、デバイスの分時換気量を決定することは、ガス流のパラメータのデータに適合された直線の第1項の絶対値の積分を含む。ある構成では、デバイスの分時換気量を決定することは、ガス流のパラメータのデータに適合された直線の絶対値の積分を時間範囲で除算した値を含む。ある構成では、デバイスの分時換気量を決定することは、時間範囲内の時点の範囲にわたるガス流のパラメータのデータに適合された直線の絶対値の平均を含む。
【0010】
ある構成では、デバイスの分時換気量は、ユーザに1分間に提供されたガス量を示すために、鼻の分時換気量(すなわち患者の分時換気量)に変換される。ある構成では、デバイスの分時換気量は、スカラ較正定数を使用して鼻の分時換気量(すなわち患者の分時換気量)に変換される。ある構成では、スカラ較正定数は、鼻カニューレ又は現在の流量に関連する患者インタフェース・パラメータを入力することによって決定される。ある構成では、スカラ較正定数は、カニューレの型、患者の体格、及び鼻孔径、並びに/又はユーザの鼻の閉塞量の少なくとも1つを入力することによって決定される。ある構成では、スカラ較正定数は、呼吸デバイスの少なくとも1つの流れパラメータを測定するために、患者が封止されていない鼻カニューレを着用している間、封止された顔マスクを患者の顔の上に一時的に置くことによって計算される。
【0011】
ある構成では、コントローラは、鼻の分時換気量、鼻の分時換気量の変化率、及び鼻の分時換気量の傾向の少なくとも1つを監視するように更に構成される。一部の例では、これらのパラメータは、患者パラメータである。
【0012】
ある構成では、呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、鼻の分時換気量に関連するデータを表示するように構成される。ある構成では、呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、鼻の分時換気量の変化率に関連するデータを表示するように構成される。ある構成では、呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、鼻の分時換気量の傾向に関連するデータを表示するように構成される。鼻の分時換気量値(すなわち数)は、デバイスのディスプレイ上に表示されてもよい。呼吸デバイスは、1つ又は複数の無線通信モジュール、例えばセルラ通信モジュール及び/又はWIFIモジュール及び/又はBluetoothなどの近距離通信モジュールも含んでもよい。決定された鼻の分時換気量は、呼吸デバイスにより通信モジュールを介してリモートサーバに一定の間隔で(例えば治療セッション後、若しくは治療中に一定の間隔で)送信されてもよい。サーバは、鼻の分時換気量を記憶又は処理してもよい。サーバは、特定の患者に対する適切な治療報告に鼻の分時換気量の情報を含むように構成されてもよい。サーバは、多重治療デバイスと連通し、複数の患者に対する鼻の分時換気量データを受信し、報告その他を発生するためにこのデータを管理するように構成される。
【0013】
ある構成では、呼吸デバイスは、鼻の分時換気量が、予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される。ある構成では、呼吸デバイスは、鼻の分時換気量の変化率が、予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される。ある構成では、呼吸デバイスは、鼻の分時換気量の傾向が、予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される。
【0014】
ある構成では、呼吸デバイスは、患者インタフェースを含み、患者インタフェースは、鼻カニューレを含む。
【0015】
ある構成では、呼吸デバイスは、経鼻高流量治療を送達するように構成される。
【0016】
ある構成では、呼吸デバイスは、患者へのガス流を加湿するように構成された加湿器を更に含む。
【0017】
ある構成では、呼吸デバイスは、封止されていない呼吸インタフェースを使用して、患者に呼吸治療を送達するように構成され、デバイスは、患者の呼吸に関連した情報を提供するように構成され、デバイスは、コントローラを含み、コントローラは、呼吸デバイスのガス流の、患者の呼吸を示す、パラメータのデータを受信し、ノイズを除去するためにガス流のパラメータのデータを処理し、ガス流のパラメータが、十分な品質であるかどうかを判定し、デバイスの分時換気量を決定し、スカラ較正定数を使用してデバイスの分時換気量を鼻の分時換気量に変換するように構成される。
【0018】
ある構成では、コントローラは、ガス流のパラメータに対するモータの影響に関連するノイズを除去するように構成される。ある構成では、コントローラは、モータ速度についてのデータを受信するように構成され、ガス流のパラメータは、モータ速度が予め設定された閾値を下回る場合に廃棄される。ある構成では、ガス流のパラメータは、大きい一過性ピークを含むので、不十分な品質のものである。
【0019】
ある構成では、デバイスの分時換気量を決定することは、ガス流のパラメータのデータに複数のスプラインを適合することを含み、複数のスプラインは、最小二乗基準を使用して適合され、デバイスの分時換気量は、複数のスプラインに沿って積分することによって決定される。ある構成では、デバイスの分時換気量を決定することは、ガス流のパラメータのデータに適合された直線の第1項の絶対値の積分を含む。ある構成では、デバイスの分時換気量を決定することは、ガス流のパラメータのデータに適合された直線の絶対値の積分を時間範囲で除算した値を含む。ある構成では、デバイスの分時換気量を決定することは、時間範囲内の時点の範囲にわたる時間範囲内の時点の範囲にわたるガス流のパラメータのデータに適合された直線の絶対値の平均を含む。
【0020】
ある構成では、コントローラは、デバイスの分時換気量に基づいて正規化されたデバイスの分時換気量を計算するように構成される。ある構成では、コントローラは、正規化されたデバイスの分時換気量に相関したノイズ補正係数を計算するように構成される。ある構成では、コントローラは、正規化されたデバイスの分時換気量とノイズ補正係数をデバイスの分時換気量と関連付けることにより、補正されたデバイスの分時換気量を計算するように構成される。
【0021】
ある構成では、スカラ較正定数は、鼻カニューレ又は現在の流量に関連した患者インタフェース・パラメータを入力することによって決定される。ある構成では、スカラ較正定数は、カニューレの型、患者の体格、及び鼻孔径の少なくとも1つを入力することによって決定される。ある構成では、スカラ較正定数は、呼吸デバイスの少なくとも1つの流れパラメータを測定するために、患者が鼻カニューレを着用している間に、封止された顔マスクを患者の顔の上に一時的に置くことによって計算される。
【0022】
ある構成では、コントローラは、鼻の分時換気量、鼻の分時換気量の変化率、及び鼻の分時換気量の傾向の少なくとも1つを監視するように更に構成される。これらのパラメータは、通信モジュールを介してリモートサーバに送信されてもよい。
【0023】
ある構成では、呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、鼻の分時換気量に関連するデータを表示するように構成される。ある構成では、呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、鼻の分時換気量の変化率に関連するデータを表示するように構成される。ある構成では、呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、鼻の分時換気量の傾向に関連するデータを表示するように構成される。
【0024】
ある構成では、呼吸デバイスは、鼻の分時換気量が予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される。ある構成では、呼吸デバイスは、鼻の分時換気量の変化率が予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される。ある構成では、呼吸デバイスは、鼻の分時換気量の傾向が予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される。
【0025】
ある構成では、呼吸デバイスは、患者インタフェースを含み、患者インタフェースは、鼻カニューレを含む。
【0026】
ある構成では、呼吸デバイスは、経鼻高流量治療を送達するように構成される。
【0027】
ある構成では、呼吸デバイスは、患者へのガス流を加湿するように構成された加湿器を含む。
【0028】
ある構成では、呼吸デバイスは、封止されていない呼吸インタフェースを使用して、患者に呼吸治療を送達するように構成され、デバイスは、患者の呼吸に関連した情報を提供するように構成され、デバイスは、コントローラを含み、コントローラは、呼吸デバイスのガス流の、患者の呼吸を示す、パラメータのデータを受信し、患者の最大吸気流を決定するように構成される。
【0029】
ある構成では、コントローラは、デバイスの分時換気量を決定するように更に構成される。
【0030】
ある構成では、患者の最大吸気流は、デバイスの分時換気量に基づく。
【0031】
ある構成では、コントローラは、ノイズを除去するためにガス流のパラメータのデータを処理するように更に構成される。ある構成では、コントローラは、ガス流のパラメータに対するモータの影響に関連するノイズを除去するように構成される。ある構成では、コントローラは、モータ速度についてのデータを受信するように構成され、ガス流のパラメータは、モータ速度が予め設定された閾値を下回る場合に廃棄される。ある構成では、コントローラは、ガス流のパラメータが不十分な品質のものであるとコントローラが判定した場合、ガス流のパラメータを廃棄するように構成される。ある構成では、ガス流のパラメータは、大きい一過性ピークを含むので、不十分な品質のものである。
【0032】
ある構成では、デバイスの分時換気量を決定することは、ガス流のパラメータのデータに複数のスプラインを適合することを含み、複数のスプラインは、最小二乗基準を使用して適合され、デバイスの分時換気量は、複数のスプラインに沿って積分することによって決定される。ある構成では、デバイスの分時換気量を決定することは、ガス流のパラメータのデータに適合された直線の第1項の絶対値の積分を含む。ある構成では、デバイスの分時換気量を決定することは、ガス流のパラメータのデータに適合された直線の絶対値の積分を時間範囲で除算した値を含む。ある構成では、デバイスの分時換気量を決定することは、時間範囲内の時点の範囲にわたるガス流のパラメータのデータに適合された直線の絶対値の平均を含む。
【0033】
ある構成では、コントローラは、デバイスの分時換気量に基づいて正規化されたデバイスの分時換気量を計算するように構成される。ある構成では、コントローラは、デバイスの分時換気量に基づいて正規化されたデバイスの分時換気量を計算するように構成される。ある構成では、コントローラは、正規化されたデバイスの分時換気量とノイズ補正係数をデバイスの分時換気量と関連付けることにより、補正されたデバイスの分時換気量を計算するように構成される。
【0034】
ある構成では、コントローラは、デバイスの分時換気量を鼻の分時換気量に変換するように更に構成される。ある構成では、デバイスの分時換気量は、スカラ較正定数を使用して、鼻の分時換気量に変換される。ある構成では、スカラ較正定数は、鼻カニューレ又は現在の流量に関連した患者インタフェース・パラメータを入力することによって決定される。ある構成では、スカラ較正定数は、カニューレの型、患者の体格、及び鼻孔径の少なくとも1つを入力することによって決定される。ある構成では、スカラ較正定数は、呼吸デバイスの少なくとも1つの流れパラメータを測定するために、患者が鼻カニューレを着用している間に、封止された顔マスクを患者の顔の上に一時的に置くことによって計算される。ある構成では、患者の最大吸気流は、較正定数を適用することにより、鼻の分時換気量を変換することによって決定される。ある構成では、較正定数は3である。ある構成では、較正定数は4である。ある構成では、較正定数は5である。ある構成では、較正定数は6である。ある構成では、較正定数は3~6の間である。
【0035】
ある構成では、コントローラは、少なくとも最大吸気流又は最大吸気流の変化率を監視するように更に構成される。
【0036】
ある構成では、呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、最大吸気流に関連するデータを表示するように構成される。ある構成では、呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、最大吸気流の変化率に関連するデータを表示するように構成される。ある構成では、呼吸デバイスは、最大吸気流が予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される。
【0037】
ある構成では、呼吸デバイスは、最大吸気流の変化率が予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される。
【0038】
ある構成では、呼吸デバイスは、患者インタフェースを含み、患者インタフェースは、鼻カニューレを含む。
【0039】
ある構成では、呼吸デバイスは、経鼻高流量治療を送達するように構成される。
【0040】
ある構成では、呼吸デバイスは、患者へのガス流を加湿するように構成された加湿器を更に含む。
【0041】
ある構成では、呼吸デバイスは、封止されていない呼吸インタフェースを使用して、患者に呼吸治療を送達するように構成され、デバイスは、患者の呼吸に関連した情報を提供するように構成され、デバイスは、コントローラを含み、コントローラは、デバイスが封止されていないユーザインタフェースと共に使用されている間に、呼吸デバイスのガス流の流量を受信し、受信したガスの流量に基づいて呼吸パラメータを決定するように構成され、呼吸パラメータは患者の換気量を示す。
【0042】
ある構成では、コントローラは、グラフィカル・ユーザインタフェース上に呼吸パラメータを表示するように構成される。
【0043】
ある構成では、コントローラは、ガス流に基づいてデバイスの分時換気量を決定するように構成され、コントローラは、デバイスの分時換気量に基づいて患者の換気量を決定するように構成される。
【0044】
ある構成では、コントローラは、ノイズを除去するためにガス流の流量を処理するように更に構成される。
【0045】
ある構成では、コントローラは、ガス流のパラメータに対するモータの影響に関連するノイズを除去するように構成される。
【0046】
ある構成では、コントローラは、モータ速度についてのデータを受信するように構成され、ガス流のパラメータは、モータ速度が予め設定された閾値を下回る場合に廃棄される。ある構成では、コントローラは、ガス流の流量が不十分な品質のものであるとコントローラが判定した場合、ガス流の流量を廃棄するように構成される。ある構成では、ガス流の流量は、大きい一過性ピークを含むので、不十分な品質のものである。ある構成では、コントローラは、上記の構成のいずれか1つに従ってデバイスの分時換気量を決定するように構成され、鼻の分時換気量は、上記の構成のいずれかに画定されたように計算されてもよい。ある構成では、呼吸デバイスは、封止されていない呼吸インタフェースを使用して、患者に呼吸治療を送達するように構成され、デバイスは、患者の呼吸に関連した情報を提供するように構成され、デバイスは、コントローラを含み、コントローラは、デバイスが封止されていないユーザインタフェースと共に使用されている間に、呼吸デバイスのガス流の流量を受信し、受信したガスの流量に基づいて患者の最大吸気流を決定するように構成され、患者の最大吸気流は患者の換気量を示す。
【0047】
ある構成では、コントローラは、グラフィカル・ユーザインタフェース上に患者の最大吸気流を表示するように構成される。ある構成では、コントローラは、デバイスの分時換気量に基づいて患者の最大吸気流を決定するように構成される。ある構成では、デバイスの分時換気量は、ガス流の流量に基づき、ガス流の流量は、上記の構成のいずれかに従って前処理される。ある構成では、デバイスの分時換気量は、上記の構成のいずれかに従って計算される。ある構成では、コントローラは、上記の構成のいずれかに従ってデバイスの分時換気量を鼻の分時換気量に変換するように更に構成される。
【0048】
ある構成では、コントローラは、少なくとも最大吸気流又は最大吸気流の変化率を監視するように構成される。ある構成では、呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、最大吸気流又は最大吸気流の変化率の少なくとも1つに関連するデータを表示するように構成される。ある構成では、呼吸は、最大吸気流が予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される。ある構成では、呼吸は、最大吸気流の変化率が予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される。
【0049】
ある構成では、コントローラは、1回換気量を決定し、1回換気量が予め設定された閾値を下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される。ある構成では、コントローラは、デバイス流量を使用して、補正されたデバイスの分時換気量を正規化するように構成される。ある構成では、呼吸デバイスは、補正されたデバイスの分時換気量に関連するデータを表示するように構成されたディスプレイを更に含む。ある構成では、呼吸デバイスは、補正されたデバイスの分時換気量の変化率に関連するデータを表示するように構成されたディスプレイを更に含む。ある構成では、呼吸デバイスは、補正されたデバイスの分時換気量の傾向に関連するデータを表示するように構成されたディスプレイを更に含む。ある構成では、呼吸デバイスは、補正されたデバイスの分時換気量が、予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される。ある構成では、呼吸デバイスは、補正されたデバイスの分時換気量の変化率が、予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される。ある構成では、呼吸デバイスは、補正されたデバイスの分時換気量の傾向が、予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される。
【0050】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、並びに利点は、特定の実施形態の図を参照して記載され、これらは特定の実施形態を概略的に示し、本開示を限定しないことを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1A】呼吸治療を患者に提供するように構成された呼吸システムを概略的に示す。
【
図1B】呼吸治療を患者に提供するように構成された呼吸システムの別の実施形態を概略的に示す。
【
図2】加湿チャンバが適位置にあり、ハンドル/レバーが上昇した状態の、呼吸デバイスの実施形態の正面図を示す。
【
図3】
図2の呼吸デバイスの実施形態の平面図を示す。
【
図4】
図2の呼吸デバイスの実施形態の右側面図を示す。
【
図5】
図2の呼吸デバイスの実施形態の左側面図を示す。
【
図6】
図2の呼吸デバイスの実施形態の背面図を示す。
【
図7】
図2の呼吸デバイスの実施形態の正面左斜視図を示す。
【
図8】
図2の呼吸デバイスの実施形態の正面右斜視図を示す。
【
図9】
図2の呼吸デバイスの実施形態の底面図を示す。
【
図10】呼吸デバイスの空気及び酸素入口配置の実施形態を示す。
【
図11】呼吸デバイスの空気及び酸素入口配置の別の実施形態を示す。
【
図12】
図11の空気及び酸素入口配置の更に詳細を示す、横断面図を示す。
【
図13】
図11の空気及び酸素入口配置の更に詳細を示す、別の横断面図を示す。
【
図14】
図11の空気及び酸素入口配置の更に詳細を示す、縦断面図を示す。
【
図15】呼吸デバイスの主要ハウジングの上部及び下部シャーシ構成要素の分解図を示す。
【
図16】モータ及び/又はセンサモジュール・サブアセンブリを受領するためのハウジングを示す、主要ハウジングの下部シャーシの正面左側面斜視図を示す。
【
図17】モータ及び/又はセンサモジュール・サブアセンブリのためのハウジングの内側の凹部を示す、呼吸デバイスの主要ハウジングの第1の裏側斜視図を示す。
【
図18】モータ及び/又はセンサモジュール・サブアセンブリのための凹部を示す、呼吸デバイスの主要ハウジングの第2の裏側斜視図を示す。
【
図19A】呼吸システムの構成要素と相互作用し、及び/又は呼吸システムの構成要素を制御して方向付ける制御システムのブロック図を示す。
【
図19B】例示的コントローラのブロック図を示す。
【
図20】モータ及びセンサモジュールのブロック図を示す。
【
図21】例示的モータ及びセンサモジュールの感知チャンバを示す。
【
図22A】鼻の分時換気量を推定する方法のためのフローチャートの実施形態を示す。
【
図22B】鼻の分時換気量を推定する方法のためのフローチャートの別の実施形態を示す。
【
図22C】鼻の分時換気量を推定する方法のためのフローチャートの別の実施形態を示す。
【
図22D】鼻の分時換気量を推定する方法のためのフローチャートの別の実施形態を示す。
【
図23】デバイスの分時換気量を推定する方法のためのフローチャートの別の実施形態を示す。
【
図24】最大吸気流を推定する方法のためのフローチャートの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
特定の例が以下に記載されているが、本開示は、具体的に開示された例を超えて広がり、及び/又は明らかな修正及びその等価物を使用することが当業者には認識されよう。従って開示された本明細書の開示の範囲は、以下に記載されるいかなる具体例にも限定されるべきではないことを意図する。
【0053】
例示的呼吸システムの概要
呼吸システム10の概略図は、
図1Aに提供されている。呼吸システム10は、主要デバイス・ハウジング100を含むことができる。主要デバイス・ハウジング100は、モータ/インペラ配置の形であることが可能な流れ発生器11と、任意選択の加湿器又は加湿チャンバ12と、コントローラ13と、ユーザインタフェース14とを含有することができる。ユーザインタフェース14は、ディスプレイ、及びボタン、タッチスクリーン、タッチスクリーンとボタンの組合せ、又は同種のものなどの入力デバイスを含むことができる。コントローラ13は、1つ若しくは複数のハードウェア及び/若しくはソフトウェアプロセッサを含むことができ、これに限定されないが、患者に送達するためにガス流を生成するために流れ発生器11を作動することと、ガス流を加湿及び/若しくは加熱するために加湿器12(存在する場合)を作動することと、呼吸システム10の再構成及び/若しくはユーザが画定した作動のためにユーザインタフェース14からのユーザ入力を受信することと、ユーザに情報を(例えばディスプレイ上に)出力することとを含む、装置の構成要素を制御するように構成又はプログラミングすることができる。ユーザは、患者、医療従事者、その他であることが可能である。
【0054】
図1Aを引き続き参照すると、患者呼吸導管16は、呼吸システム10の主要デバイス・ハウジング100内でガス流出口21に結合することができ、マニホールド19及び鼻プロング18を備えた鼻カニューレのような非封止インタフェースなどの、患者インタフェース17に結合することができる。
【0055】
ガス流は、流れ発生器11によって発生することができ、患者導管16を介して患者インタフェース17を通って患者に送達される前に、加湿されてもよい。コントローラ13は、所望の流量のガス流を発生するように流れ発生器11、及び/又は空気と酸素若しくは他の呼吸可能ガスの混合を制御するように1つ又は複数の弁を制御することができる。コントローラ13は、患者に送達するために所望のレベルの温度及び/又は湿度に達成する、所望の温度にガスを加熱するために、存在する場合、加湿チャンバ12内の加熱要素を制御することができる。患者導管16は、患者に通過するガス流を加熱するために、ヒータ線などの加熱要素16aを有することができる。加熱要素16aは、コントローラ13の制御を受けることもできる。
【0056】
システム10は、適切な治療を提供する手法でガス流の特性を監視し、及び/又はシステム10を作動させるために、コントローラ13と連通した超音波変換器、サーミスタ流れセンサなどの流れセンサ、圧力センサ、温度センサ、湿度センサ、又は他のセンサを使用することができる。ガス流特性は、ガス濃度、流量、圧力、温度、湿度、又はその他を含むことができる。圧力、温度、湿度、及び/又は流れセンサなどのセンサ3a、3b、3c、20、25は、主要デバイス・ハウジング100、患者導管16、及び/又は患者インタフェース17内の様々な場所に置くことができる。コントローラ13は、ガス流の適切な目標温度、流量、及び/又は圧力を決定するように、適切な治療を提供する手法で呼吸システム10を作動するのを支援するために、センサからの出力を受信することができる。適切な治療を提供することは、患者インタフェースで周囲空気の巻き込みを低減するように、患者の吸気需要を満たす又は超えることを含むことができる。
【0057】
システム10は、コントローラ13が、作動センサから無線でデータ信号8を受信し、及び/若しくはシステム10の様々な構成要素を制御することができる、無線データ送信機及び/若しくは受信機、又はトランシーバ15を含むことができる。追加として又は別法として、データ送信機及び/又は受信機15は、遠隔患者管理システム(すなわちリモートサーバ)にデータを送信することができ、又はシステム10の遠隔制御ができる。システム10は、コントローラ13が作動センサからデータ信号8を受信し、及び/又はシステム10の様々な構成要素を制御することができるために、例えばケーブル若しくはワイヤを使用するワイヤ接続を含むことができる。システムは、システムが1つ又は複数の他のデバイス(例えば携帯電話若しくはリモート・コンピューティング・システム)と通信できるために、1つ又は複数の無線通信モジュールも含むことができる。システム10は、移動通信モジュール、例えば3G、4G、又は5Gモジュールを含んでもよい。システム10は、Bluetoothモジュール及びWifiモジュールも含んでもよい。システム10は、追加の無線通信モジュールを更に含んでもよい。無線通信モジュールは、呼吸システムから遠隔患者管理システム(すなわちリモートサーバ)に双方向通信ができる。例えば測定された鼻の分時換気量データ(すなわち患者の分時換気量)は、リモートサーバ(すなわち遠隔患者管理システム)に通信し得る。遠隔患者管理システムは、遠隔患者管理システムを作動するための単一サーバ若しくはサーバ網、又はクラウド・コンピューティング・システム、又は他の適切なアーキテクチャであってもよい。遠隔患者管理システム(すなわちリモートサーバ)は、受信したデータを記憶するためのメモリ、及び複数の機能を行うように実行される様々なソフトウェア・アプリケーション又はサービスを更に含む。次いで例えば遠隔患者管理システム(すなわちリモートサーバ)は、受信したデータの少なくとも一部に依存して、システム10に情報又は命令を通信してもよい。例えば受信したデータの性質は、システム10に警告、警報、又は通知を通信するためにリモートサーバ(若しくはリモートサーバ上で動作するソフトウェア・アプリケーション)を起動してもよい。遠隔患者管理システムは、臨床医又は患者又は別の権限のある当事者などの権限のある当事者がアクセスするために受信されたデータを更に記憶してもよい。
【0058】
図1Bは、呼吸システム20の別の構成を示す。例示的呼吸システム20の概略図は、
図1Bに提供されている。呼吸システム20(すなわち「呼吸補助装置」)は、空気、酸素、酸素と混合された空気、又は空気及び/若しくは酸素と1つ若しくは複数の他のガスの混合などの、高流量ガス31を提供するための流源50を含む。一部の実施形態では、呼吸システム20は、流源50に結合するための接続部を有することができる。一部の例では、流源50は、呼吸システム20の一部を形成することができ、又は呼吸システム20と別個であることが可能である。一部の実施形態では、流源50の一部は、呼吸システム20の一部を形成することができ、流源50の一部は、呼吸システム20の外側に形成することができる。一部の例では、呼吸システム20は、構成要素の組合せを含むことができる。例えば、呼吸システム20は、流源、ガス流を加湿するための加湿器、吸気管、導管(例えば乾燥線又は加熱された呼吸管)、患者インタフェース、逆止弁、フィルタ、その他の組合せから選択することができる。
【0059】
一部の実施形態では、流源50は、酸素の内壁供給部、酸素のタンク50A、流れ発生器50Bを備えた他のガスのタンク及び/又は高流量装置を含むことができる。
図1Bは、流れ発生器50Bを備えた流源50を示す。一部の実施形態では、流源60は、入口50C及びO
2源50A(タンク又はO2発生器)を含むことができる。一部の実施形態では、入口50C及びO
2源50Aは、ガス流制御部50Dを通して接続される。ガス流制御部50Dは、例えば遮断弁、調整器、その他であることが可能である。一部の例では、流れ発生器50Bは、1つ又は複数の弁を使用して患者56に送達される流れを制御することができる。一部の実施形態では、流れ発生器50Bは、送風機を含むことができる。一部の例では、流源50は、流れ発生器50B、O
2源50A、及び空気源50Cの組合せを含むことができる。
図1Bに示されたように、流源50は、装置20の一部であることが可能である。一部の実施形態では、流源50が外部酸素タンク又は内壁源を含む時に、流源50は、別個の構成要素であるとみなされてもよく、その場合、呼吸システム20は、流源50に接続するために接続ポートを有する。一部の例では、流源50は、送達導管26及び患者インタフェース51を介して患者に送達することができるガス流を提供する。以下により詳細に論じるように、流源50は、ガスの高流量を患者に提供することができる。
【0060】
呼吸システム20は、患者インタフェース51を含むことができる。一部の実施形態では、患者インタフェース51は、非封止鼻カニューレなどの封止されていない(すなわち非封止)インタフェースであることが可能である。封止されていないインタフェースは、例えば高流量治療中に使用することができる。一部の構成では、患者インタフェース51は、高流量治療が患者に提供されている間に、気圧外傷(例えば周囲に対する圧力の差に起因する、肺又は呼吸系の他の器官への組織の損傷)を防ぐ助けとなるために使用することができる、非封止患者インタフェースである。高流量治療(すなわち封止されたインタフェースを介して加熱され、加湿されたガスの高流量を提供すること)は、封止されたインタフェースを介して肺内に生成された高圧に起因して、患者の肺及び/又は気道に損傷を生じる可能性がある。一部の構成では、流源50は、例えば0.5リットル/分~375リットル/分の基部ガス流量、又はその範囲内のあらゆる範囲、又は更により高い若しくは低い限界を提供することができる。流量の範囲及び性質の詳細は、以下により詳細に提供される。
【0061】
図1Bに示されたように、呼吸システム20は、加湿器52を含むことができる。一部の例では、加湿器52は、任意選択で送達されたガスに加湿を提供するために、流源50と患者との間に提供することができる。一部の構成では、加湿器は任意選択であってもよく、又は気道の状態を維持するのを助ける加湿されたガスの利点に起因して好ましいことがある。
【0062】
一部の構成では、呼吸システム20は、システムを通して及び/又は患者56に、患者56の上に、若しくは患者56の近くに置くことができる、センサ53A、53B、53C、53Dの1つ又は複数を含むことができる。一部の例では、センサ53A、53B、53C、53Dは、流れ、酸素分率、圧力、湿度、温度、その他などの、呼吸システム20のパラメータを検出するためのセンサである。一部の構成では、センサ53A、53B、53C、53Dは、流れ、酸素分率、圧力、湿度、温度、その他などの、呼吸システム20のパラメータを引き出すためのセンサである。一部の例では、センサ53A、53B、53C、53Dは、心拍数、酸素飽和度、血液中の酸素分圧、呼吸数、血液中の二酸化炭素分圧などの、患者の生理的パラメータを感知するための1つ又は複数の生理的センサであることが可能である。一部の例では、呼吸システム20は、EEGセンサ、呼吸を検出するための胴バンド、及び他の適切なセンサなどの、他の患者センサを含むことができる。一部の構成では、センサ53A、53B、53C、53Dの1つ又は複数は、呼吸システム20の一部を形成してもよく、又はその外部にあってもよく、呼吸システム20はあらゆる外部センサのための入力部を有する。センサは、コントローラ29に結合することができ、又はそれらの出力を送信することができる。
【0063】
一部の構成では、呼吸システム20は、患者が吸う空気の酸素分率を測定するためのセンサ24を含むことができる。一部の例では、センサ24は、患者の口及び/又は鼻に近接した(における/付近の/近い)酸素分率を測定し或いは別法により決定するために、患者インタフェース51上に置くことができる。一部の構成では、センサ24からの出力は、呼吸システム20の制御を支援するためにコントローラ29に送信され、それに応じて作動を変更する。コントローラ29は、流源50、加湿器52及びセンサ24に連結される。一部の構成では、コントローラ29は、本明細書に記載されたように呼吸システム20のこれら及び他の態様を制御する。一部の例では、コントローラは、ユーザの(すなわち患者の)吸気需要を満たす又は超えるのに十分に高い所望の流量で、ガス流を送達するように流源50を作動させることができる。流量は、ユーザ(すなわち患者)が吸う際に周囲ガスが混入しないほど十分に提供される。一部の構成では、センサ24は、患者の口及び/又は鼻における酸素分率の測定値をユーザに運ぶことができ、ユーザは、呼吸システム20/コントローラ29に情報を入力することができる。
【0064】
一部の構成では、呼吸システム20は、呼吸導管26を含むことができる。一部の例では、呼吸導管26は、逆止弁を含むことができる。一部の構成では、1つ又は複数のフィルタが空気入口50C及び/又は流れ発生器50への入口に提供されて、流入ガスが加圧されて高流量ガス31に入る前に、フィルタリングされて流れ発生器50Bに入ってもよい。
【0065】
一部の構成では、呼吸システム20は、一体型又は別個の構成要素ベースの配置であることが可能である。一部の例では、呼吸システム20は、構成要素のモジュラ配置であることが可能である。呼吸システム20は、
図1Bに示された構成要素の一部又は全てを含んでもよい。例えば、導管26及び患者インタフェース51は、呼吸システム20から分離することができる。
図1Bに示された装置/システムは、呼吸補助装置又は呼吸システムと呼ばれてきたが、これは、限定とみなすべきではない。呼吸補助装置及び呼吸システムは、ガス流量を患者に提供する、あらゆるものを含むように本明細書では広くみなされよう。一部の構成では、呼吸補助装置及び呼吸システムは、ガス流量が吸気需要を満たすかどうかを判定するために使用することができる、検出システムを含むことができる。
【0066】
一部の構成では、呼吸システム20は、主要デバイス・ハウジングを含むことができる。これは
図1Bに示されていないが、主要デバイス・ハウジングは、
図1Aに示された主要デバイス・ハウジング100に類似することが可能である。一部の構成では、主要デバイス・ハウジングは、流れ発生器50B、コントローラ29、及び入力/出力I/Oユーザインタフェース54を含有することができる。一部の構成では、流れ発生器50bは、モータ/インペラ配置を含むことができる。一部の例では、主要デバイス・ハウジングは、加湿器52も含有することができる。一部の例では、ユーザインタフェース54は、ディスプレイ、並びに入力デバイス、例えばボタン、タッチスクリーン(例えばLCDスクリーン)、及びタッチスクリーンとボタンの組合せ、又は同種のものなどを含むことができる。
【0067】
一部の構成では、コントローラ29は、1つ若しくは複数のハードウェア及び/又はソフトウェアプロセッサを含むことができ、システムの構成要素を制御するように構成又はプログラミングすることができる。例えば一部の構成では、コントローラ29は、患者に送達するためのガス流を生成し、ガス流を加湿及び/又は加熱するために加湿器52を作動させ、呼吸補助装置20の再構成及び/又はユーザが画定した作動のためにユーザインタフェース54からユーザ入力を受信し、ユーザに(例えばディスプレイ上に)情報を出力するために、流れ発生器50を作動させるように構成することができる。ユーザは、患者、医療従事者、又はその他であることが可能である。
【0068】
一部の例では、
図1Bに示されたように、患者呼吸導管26は、呼吸システム20の主要デバイス・ハウジング内でガス流出口(ガス出口又は患者出口ポート)に結合することができ、マニホールド及び鼻プロングを備えた鼻カニューレのような非封止インタフェースなどの患者インタフェース24に結合することができる。一部の構成では、患者呼吸導管26は、気管切開インタフェース又は他の封止されていないインタフェースであることも可能である。
【0069】
一部の構成では、ガス流は、流れ発生器50Bによって発生され、加湿された後、患者呼吸導管26を介して患者インタフェース51を通して患者56に送達されてもよい。一部の例では、コントローラ29は、流れ発生器50Bを制御して所望の流量のガス流を発生し、及び/又は1つ若しくは複数の弁が、空気と酸素若しくは他の呼吸可能なガスの混合を制御することができる。コントローラ29は、ガスを所望の温度に加熱するために、加湿チャンバ内の加熱要素又は加湿チャンバと関連した加熱要素を制御することができる。一部の構成では、加湿チャンバは、患者56に送達するためのガスの温度及び/又は湿度を所望のレベルに達成させるのを助けることができる。一部の例では、患者呼吸導管26は、患者56に通過するガス流を加熱するために、ヒータ線などの加熱要素を含むことができる。ヒータ線の例は、
図1Bに描かれていないが、
図1Aのヒータ線16aに見られる。一部の構成では、加熱要素は、コントローラ29の制御を受けることもできる。
【0070】
一部の例では、呼吸システム20の加湿器52は、湿度をガス流と組合せ、又はガス流の中に導入するように構成される。呼吸システム20の加湿器52は、様々な構成を使用して利用することができる。一部の構成では、加湿器52は、取り外し可能な加湿チャンバを含むことができる。例えば加湿チャンバは、流路及び/又は呼吸システム20から部分的に又は完全に取り外し又は離断されてもよい。加湿チャンバは、例えば補充、清掃、交換及び/又は修理のために取り外すことができる。一部の構成では、加湿チャンバは、加湿構成要素若しくは装置のベイによって受領され、又は加湿構成要素若しくは装置のベイ内に維持されてもよく、或いは別法により装置のハウジングの上又はハウジング内に結合してもよい。
【0071】
一部の構成では、加湿器52の加湿チャンバは、呼吸システム20のガス流路の中に接続できるように、ガス入口及びガス出口を含んでもよい。一部の例では、流れ発生器50Bからのガス流は、そのガス入口を介して加湿チャンバの中に受領され、加熱及び/又は加湿された後に、そのガス出口を介してチャンバから出る。加湿チャンバは、一定量の液体、具体的には水又は同様のものを含有することができる。一部の構成では、加湿チャンバ内の液体は、チャンバを通って流れるガスの湿度を増加させるために、水蒸気又は蒸気を発生するためにチャンバに関連した1つ又は複数のヒータ又は加熱要素によって制御可能に加熱される。一部の例では、加湿器は、パスオーバ加湿器である。一部の構成では、加湿器は、非パスオーバ加湿器であってもよい。一部の例では、加湿器52は加熱板を含んでもよい。加熱板は、例えばチャンバが加熱のために着座する加湿ベイに関連してもよく、又は加湿ベイ内にあってもよい。一部の構成では、チャンバは、加湿器の加熱板と接合又は係合する、伝熱面(例えばチャンバの基部若しくは他の面内の金属挿入、板若しくは類似のもの)を提供されてもよい。一部の例では、加湿チャンバは、チャンバの内側又は内部に内部ヒータ又は加熱要素を含んでもよい。一部の構成では、内部ヒータ又は加熱要素は、チャンバの内側に一体的に装着若しくは提供されてもよく、又はチャンバから取り外し可能であってもよい。
【0072】
一部の構成では、加湿チャンバは、あらゆる適切な形状及び/又は大きさであってもよい。一部の例では、チャンバのガス入口及びガス出口の場所、数、大きさ並びに/又は形状は、変化してもよい。一部の構成では、加湿チャンバは、基面、基面から上に延在する1つ又は複数の側壁、及び上面又は頂面を有してもよい。一部の構成では、ガス入口及びガス出口は、チャンバの同じ側面上に位置付けられてもよい。一部の例では、ガス入口及びガス出口は、両側若しくは場所、又は他の異なる場所などのチャンバの異なる面上にあってもよい。一部の構成では、ガス入口及びガス出口は、平行な流軸を有してもよい。一部の例では、ガス入口及びガス出口は、チャンバ上の同じ高さに位置付けられてもよい。
【0073】
上に論じたように、システム20は、ガス流の特性を監視し、及び/又は適切な治療を提供する手法でシステム20を作動するために、コントローラ29と連通する超音波変換器、サーミスタ流れセンサなどの流れセンサ、圧力センサ、温度センサ、湿度センサ、又は他のセンサを使用することができる。ガス流特性は、ガス濃度、流量、圧力、温度、湿度、又はその他を含むことができる。圧力、温度、湿度、及び/又は流れセンサなどのセンサ53A、53B、53C、53D、24は、主要デバイス・ハウジング、患者導管26、及び/又は患者インタフェース51内の様々な場所に置くことができる。コントローラ29は、ガス流の適切な目標温度、流量、及び/又は圧力を決定するように、適切な治療を提供する手法で呼吸補助装置20を作動するのを支援するために、センサから出力を受信することができる。適切な治療を提供することは、患者の吸気需要を満たすことを含むことができる。示された構成では、センサ53A、53B、及び53Cは、装置のハウジング内、センサ53Dは患者導管26内、センサ24は患者インタフェース51内に位置付けられる。
【0074】
一部の構成では、呼吸システム20は、データが1つ若しくは複数の外部デバイス若しくはサーバと、データ若しくは通信リンク又はデータ網を介して、有線、無線、又はそれらの組合せであっても、通信又は接続することができるように、1つ又は複数の通信モジュールを含むことができる。一部の構成では、呼吸システム20は、コントローラ29が、作動センサからデータ信号を無線で受信でき、及び/若しくは呼吸システム20の様々な構成要素を制御できるために、無線データ送信機及び/若しくは受信機、又はトランシーバ25を含むことができる。一部の例では、トランシーバ15又はデータ送信機及び/若しくは受信機モジュールは、アンテナを有してもよい。一部の構成では、トランシーバは、Wi-Fiモデムを含んでもよい。一部の例では、データ送信機及び/又は受信機25は、リモートサーバにデータを送達することができ、又は呼吸システム20の遠隔制御をすることができる。呼吸システム20は、コントローラ29が作動センサからデータ信号を受信することができ、及び/又は呼吸システム20の様々な構成要素を制御することができるために、例えばケーブル若しくはワイヤを使用する有線接続を含むことができる。呼吸システム20は、1つ又は複数の無線通信モジュールを含むことができる。例えば、装置は、例えば3G、4G又は5Gモジュールなどのセルラ通信モジュールを含んでもよい。モジュール25は、装置が適切な通信網を使用してリモートサーバと通信できるモデムであってもよく、又はモデムを含んでもよい。通信は、装置とサーバ又は他の遠隔システムとの間の双方向通信であってもよい。遠隔システムは、患者のデータ、例えば呼吸数、鼻の分時換気量(すなわち患者の換気量)、測定されたSpO2、並びに例えば流量、湿度、酸素濃度(すなわちFiO2)を使用した治療パラメータを記憶する、遠隔患者管理システムであってもよい。治療パラメータ及び患者データは、各治療セッションのために受信されてもよく、このデータは、記憶し、1つ又は複数の報告を発生するために使用することができる。1つ又は複数の報告は、権限のある当事者、例えば臨床医又は保険業者又は患者がアクセス可能である。1つ又は複数の報告は、権限のある当事者に送信もされてもよい。呼吸システム20は、例えばBluetoothモジュール及び/又はWi-Fiモジュールなどの他の無線通信モジュールも含んでもよい。Bluetooth及び/又はWiFiモジュールは、呼吸システム20を別のデバイス、例えばスマートフォン若しくはタブレットなどに情報を無線で送信し、又はLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)(local area network)若しくは無線LAN(WLAN)(Wireless LAN)を介して作動することができる。呼吸システム20は、データ転送及び/又はデータ通信をできるために、近距離無線通信(NFC)(Near Field Communication)モジュールを含むことができる。
【0075】
呼吸システム10及び/又は呼吸システム20は、高流量治療装置を含むことができる。本明細書に論じたように、高流量治療は、概してユーザの吸気流を満たす又は超えることを意図した流量を備えた、意図的に封止されていない患者インタフェースを介して、加湿された呼吸ガスの目標流れを送達する呼吸システムを概ね指すと当業者に理解されるように、その典型的な通常の意味を与えることを意図する。典型的な患者インタフェースは、これに限定されないが、鼻又は気管患者インタフェースを含む。成人用の典型的な流量は、これに限定されないが、1分当たり約15リットル~1分当たり約60リットル又はそれ以上の範囲であることが多い。小児ユーザ(新生児、幼児、及び児童など)用の典型的な流量は、これに限定されないが、ユーザの体重の1キログラム当たり1分当たり約1リットル-ユーザの体重の1キログラム当たり1分当たり約3リットル又はそれ以上の範囲であることが多い。高流量治療は、任意選択で補充酸素及び/又は治療用薬剤の投与を含む、ガス混合成分も含むことができる。高流量治療は、他の一般的な名称の中で、経鼻高流量(NHF)(nasal high flow)、加湿高流量鼻カニューレ(HHFNC)(humidified high flow nasal cannula)、高流鼻酸素(HFNO)(high flow nasal oxygen)、高流量治療(HFT)(high flow therapy)、又は気管高流量(THF)(tracheal high flow)と呼ばれることが多い。例えば一部の構成では、成人患者用の「高流量治療」は、1分当たり約10リットル(10LPM)以上、例えば約10LPM~約100LPM、又は約15LPM~約95LPM、又は約20LPM~約90LPM、又は約25LPM~約85LPM、又は約30LPM~約80LPM、又は約35LPM~約75LPM、又は約40LPM~約70LPM、又は約45LPM~約65LPM、又は約50LPM~約60LPMなどの流量で患者にガスを送達することを指してもよい。一部の構成では、新生児、幼児、又は児童用の「高流量治療」は、1LPM超、例えば約1LPM~約25LPM、又は約2LPM~約25LPM、又は約2LPM~約5LPM、又は約5LPM~約25LPM、又は約5LPM~約10LPM、又は約10LPM~約25LPM、又は約10LPM~約20LPM、又は約10LPM~約15LPM、又は約20LPM~約25LPMなどの流量で患者にガスを送達することを指してもよい。成人患者、新生児、幼児、又は児童患者用の高流量治療装置は、約1LPM~約100LPMの流量で、又は上に概説したあらゆる副範囲の流量で患者にガスを送達してもよい。
【0076】
高流量治療は、患者の吸気需要を満たす又は超える、患者の酸素化を増加させる、及び/又は呼吸の働きを低減するのに効果的であることが可能である。追加として、高流量治療は、上気道の解剖学的死腔が、高い流入ガス流によって洗い流されるように、鼻咽頭内に洗い流し効果を発することがある。洗い流し効果は、呼吸の度に利用可能な新鮮なガスの貯蔵部を生成することができる一方で、二酸化炭素、窒素、その他の再呼吸を最小にする。
【0077】
高流量治療に使用するための患者インタフェースは、気圧外傷を防ぐために非封止インタフェースであることが可能であり、気圧外傷は、大気との圧力差に起因して、肺又は患者の呼吸系の他の器官への組織損傷を含む可能性がある。患者インタフェースは、マニホールド及び鼻プロングを備えた鼻カニューレ、又は封止されていない気道インタフェースであることが可能である。
【0078】
図2~17Bは、主要ハウジング100を有する呼吸システム10の例示的呼吸デバイスを示す。主要ハウジング100は、主要ハウジング上部シャーシ102及び主要ハウジング下部シャーシ202を有する。主要ハウジング上部シャーシ102は、周壁配置106(
図15参照)を有する。周壁配置は、取り外し可能な加湿チャンバ300を受領するための加湿器又は加湿チャンバベイ108を画定する。取り外し可能な加湿チャンバ300は、患者に送達することができるガスを加湿するための水などの適切な液体を含有する。
【0079】
示された形では、主要ハウジング上部シャーシ102の周壁配置106は、主要ハウジング100の前後方向に配向された実質的に垂直な左側外壁110、主要ハウジング100の前後方向に配向された実質的に垂直な左側内壁112、及び左側内壁112の上端と左側外壁110の上端との間に延在し、左側内壁112の上端及び左側外壁110の上端を相互接続する、相互接続壁114を含むことができる。主要ハウジング上部シャーシ102は、主要ハウジング100の前後方向に配向された実質的に垂直な右側外壁116、主要ハウジング100の前後方向に配向された実質的に垂直な右側内壁118、及び右側内壁118の上端と右側外壁116の上端との間に延在し、右側内壁118の上端及び右側外壁116の上端を相互接続する、相互接続壁120を更に含むことができる。相互接続壁114、120は、主要ハウジング100のそれぞれの外縁部に向かって傾斜するが、別法として実質的に水平である又は内方に傾斜することができる。
【0080】
主要ハウジング上部シャーシ102は、実質的に垂直な背面外壁122を更に含むことができる。主要ハウジング上部シャーシ102の上部は、前方に傾斜した面124を含むことができる。面124は、ディスプレイ及びユーザインタフェース・モジュール14を受領するための凹部126を有することができる。ディスプレイは、リアルタイムで感知したガスの特性を表示するように構成することができる。システムは、患者インタフェースの患者検出状況を表示することができる。患者が検出されない場合、コントローラは、呼吸数値及び/又は表示するための他のパラメータを出力しなくてもよく、又は出力を停止することができる。コントローラは、ブロック2708で患者が検出されないということを表示するためのメッセージを任意選択で出力することもできる。メッセージの例は、アイコンであることが可能である。相互接続壁128は、背面外壁122の上端と面124の背面縁部との間に延在し、背面外壁122の上端及び面124の背面縁部を相互接続することができる。
【0081】
実質的に垂直な壁部130は、面124の正面端部から下方に延在することができる。実質的に水平な壁部132は、レッジを形成するために壁部130の下端から前方に延在することができる。実質的に垂直な壁部134は、壁部132の正面端部から下方に延在し、加湿チャンバベイ108の実質的に水平な床部136で終了することができる。左側内壁112、右側内壁118、壁部134、及び床部136は、一緒に加湿チャンバベイ108を画定することができる。加湿チャンバベイ108の床部136は、加湿工程の間に使用するために加湿チャンバ300内の液体を加熱するために、加熱板140又は他の適切な加熱要素などのヒータ配置を受領するために凹部138を有することができる。
【0082】
主要ハウジング下部シャーシ202は、例えばクリップなどの適切な締結具又は一体型取付特徴のいずれかにより、上部シャーシ102に取り付けることができる。主要ハウジング下部シャーシ202は、主要ハウジング100の前後方向に配向され、上部シャーシ102の左側外壁110と連続した、実質的に垂直な左側外壁210、並びに主要ハウジング100の前後方向に配向され、上部シャーシ102の右側外壁116と連続した、実質的に垂直な右側外壁216を含むことができる。主要ハウジング下部シャーシ202は、上部シャーシ102の背面外壁122と連続した、実質的に垂直な背面外壁222を更に含むことができる。
【0083】
下部ハウジングシャーシ202は、上部ハウジングシャーシ102の唇部142と連続する唇部242を有することができ、レバー500のハンドル部506を受領するための凹部の一部も形成する。下部唇部242は、レバー500のハンドル部506のための保持具として作用する、前方を向いた突起243を含むことができる。レバー500の代わりに、システムは、加湿チャンバベイ108内に加湿チャンバ300を保持するためにバネ荷重ガードを有することができる。
【0084】
下部ハウジングシャーシ202の裏側は、底壁230を含むことができる。それぞれの相互接続壁214、220、228は、実質的に垂直な壁210、216、222と底壁230との間に延在し、壁210、216、222、及び底壁230を相互接続することができる。底壁230は、加湿チャンバ300から(例えば流出部から)漏れる場合に液体を排水することができる、複数の孔を含むグリル232を含むことができる。底壁230は、追加として細長い前後に配向された溝234を含むことができる。溝234は、追加として加湿チャンバ300から漏れた場合に、液体が電子ハウジングに入ることなく液体を排水することができる。示された構成では、溝234は、液体の排水を最大にするために、グリル232の孔に関して幅広く細長いことが可能である。
【0085】
図17~18に示されたように、下部シャーシ202は、モータ及びセンサモジュールを受領するためのモータ凹部250を有することができる。モータ及びセンサモジュールは、主要ハウジング100から取り外しできなくてもよい。モータ及びセンサモジュールは、
図17~18に示されたように、主要ハウジング100から取り外し可能であることが可能である。凹開口251は、モータ/センサモジュールを受領するために、その背面縁部に隣接した底壁230内に提供することができる。連続した、ガスを不透過の途切れていない周壁252は、下部シャーシ202の底壁230と一体形成し、開口251の周囲から上方に延在することができる。周壁252の後尾部254は第1の高さを有し、周壁252の前方部256は、第1の高さより高い第2の高さを有する。周壁252の後尾部254は、実質的に水平な段258で終了し、段258は、次に周壁252の上部補助後尾部260で終了する。周壁252の前方部256及び上部補助後尾部260は、天井262で終了する。壁の全て及び天井262は、連続した、ガスを不透過の途切れていない、ガス以外の流路であることが可能である。従って、モータ凹部250全体は、ガスを不透過の途切れていない、ガス以外の流路であることが可能である。
【0086】
モータ及びセンサモジュールは、凹部250の中に挿入可能であり、下部シャーシ202に取り付けることができる。モータ及びセンサモジュールを下部シャーシ202の中に挿入すると、ガス流路管264は、下方延在管133を通って延在し、ソフトシールによって封止することができる。
【0087】
加湿チャンバ300は、ハウジング100の正面のある位置からハウジング100の背面に向かう方向に、チャンバベイ108に入る加湿チャンバ300の後部方向に線形の摺動運動する装置10に流体連結することができる。ガス出口ポート322は、モータと流体連通することができる。加湿は、気道に水分補給し、快適性を向上させ、欠陥のある気道に生理的安定性を維持するので好都合である。
【0088】
図8に示されたように、ガス入口ポート340(加湿されたガスが戻る)は、取り外し可能なL字形肘部を含むことができる。取り外し可能な肘部は、患者インタフェースにガスを送達するために、患者導管16に結合するための患者出口ポート344を更に含むことができる。ガス出口ポート322、ガス入口ポート340、及び患者出口ポート344のそれぞれは、装置10と加湿チャンバ300と患者導管16との間に封止されたガス通路を提供するために、Oリングシール又はTシールなどのソフトシールを有することができる。
【0089】
加湿チャンバガス入口ポート306は、ガス出口ポート322と補完することができ、加湿チャンバガス出口ポート308は、ガス入口ポート340と補完することができる。それらのポートの軸は、加湿チャンバ300を線形運動でチャンバベイ108の中に挿入させることができるように互いに平行であることが可能である。
【0090】
呼吸デバイスは、モータが空気、酸素(若しくは代替補助ガス)、又はそれらの混合物を加湿チャンバ300に、それによって患者に送達できるように、モータと流体連通した空気及び酸素(若しくは代替補助ガス)入口を有することができる。
図10に示されたように、デバイスは、組み合わせた空気/酸素(又は代替補助ガス)入口配置350を有することができる。この配置は、ハウジング100の中に組み合わせた空気/酸素ポート352、フィルタ354、及びヒンジ358を備えたカバー356を含むことができる。ガス管は、任意選択で横方向又は別の適切な方向に延在し、酸素(若しくは代替補助ガス)源と流体連通することもできる。ポート352は、モータ402と流体結合することができる。例えば、ポート352は、ポート352と入口孔又はモータ内のポートとセンサモジュール400との間のガス流路を介してモータ/センサモジュール400と結合されてもよく、次いでセンサモジュール400は、モータに至るはずである。
【0091】
デバイスは、モータが空気、酸素(若しくは代替補助ガス)、又はそれらの適切な混合物を加湿チャンバ300、及びそれによって患者に送達できるために、
図11~14に示された配置を有することができる。この配置は、ハウジング100の下部シャーシ202の後壁222内の空気入口356’を含むことができる。空気入口356’は、孔及び/又は溝の適切なグリル配置を備えた剛性板を含む。消音フォームが、板の内側の板に隣接して提供されてもよい。空気フィルタボックス354’は、主要ハウジング100内部で空気入口356’に隣接して位置付けることができ、フィルタリングした空気をモータ/センサモジュール400内の空気入口ポート404を介してモータに送達するために、空気出口ポート360を含むことができる。空気フィルタボックス354’は、ガス流から微粒子(例えば塵)及び/又は病原体(例えばウイルス若しくは細菌)を除去するように構成されたフィルタを含んでもよい。Oリングシールなどのソフトシールは、構成要素間を封止するために空気出口ポート360と空気入口ポート404との間に提供することができる。デバイスは、その後端でハウジング100の1側面に隣接して位置付けられた別個の酸素入口ポート358’を含むことができ、酸素ポート358’は、タンク又はパイプで送る酸素源などの酸素源から酸素を受領する。酸素入口ポート358’は、弁362と流体連通する。弁362は、適切には加湿チャンバ300に送達されるガス流に加える酸素量を制御することができる、電磁弁であることが可能である。酸素ポート358’及び弁362は、ガス流への他の補助ガスの追加を制御するために、他の補助ガスと共に使用されてもよい。他の補助ガスは、これに限定されないが、ヘリオックス及び一酸化窒素を含む、ガス治療に有益な多数のガスの任意の1つ又は複数を含むことができる。
【0092】
図13~16に示されたように、下部ハウジングシャーシ202は、感知回路板などの適切な電子基板を含むことができる。電子基板は、下部ハウジングシャーシ202のそれぞれの外側壁210、216に隣接して位置付けることができる。電子基板は、これに限定されないが、マイクロプロセッサ、コンデンサ、抵抗器、ダイオード、演算増幅器、比較器、及びスイッチなどの、適切な電気又は電子構成要素を含有することができ、又は適切な電気又は電子構成要素と電気連通することができる。センサは、電子基板と共に使用することができる。電子基板の構成要素(これに限定されないが、1つ又は複数のマイクロプロセッサなど)は、装置のコントローラ13として作用することができる。
【0093】
電子基板の一方又は両方は、所望のガス流量を提供するためにモータを作動させ、ガス流量を適切なレベルに加湿して加熱するために加湿チャンバ300を作動させ、適切な量の酸素(若しくは代替補助ガスの量)をガス流に供給するために、ディスプレイ・ユニット及びユーザインタフェース14、モータ、弁362、並びに加熱板140を含む、装置10の電気構成要素と電気連通することができる。
【0094】
電子基板は、上部ハウジングシャーシ102の後壁122から突出するコネクタ配置274と電気連通することができる。コネクタ配置274は、警報、パルス・オキシメトリ・ポート、及び/又は他の適切な付属品に連結されてもよい。電子基板は、本管又は電池電源をデバイスの構成要素に提供するために、上部ハウジングシャーシ102の後壁122にも提供することができる、電気コネクタ276とも電気連通することができる。
【0095】
上述のように、流れ、温度、湿度などの作動センサ、及び/又は圧力センサは、
図1Aに示されたような呼吸デバイス、患者呼吸導管16、及び/又はカニューレ17内の様々な場所に置くことができる。電子基板は、それらのセンサと電気連通することができる。センサからの出力は、吸気需要を満たすことを含む、最適な治療を提供する手法で、呼吸システム10を作動するためにコントローラ13を支援するように、コントローラ13によって受信されることが可能である。
【0096】
上に概説したように、電子基板並びに他の電気及び電子構成要素は、安全性を向上させるためにガス流路から空気圧により隔離することができる。封止も水の侵入を防ぐ。
【0097】
制御システム
図19Aは、患者の状態を検出し、ガス源を含む呼吸システムの作動を制御することができる、例示的制御システム920(
図1Aのコントローラ13であることが可能である)のブロック
図900を示す。制御システム920は、ガスが患者に送達される際に、呼吸システムを通って流れるガスの流量を管理することができる。例えば、制御システム920は、送風機(以下では「送風機モータ」とも呼ばれる)930のモータ速度の出力又は攪拌機内の弁932の出力を制御することにより、流量を増減することができる。制御システム920は、設定値又は以下に論じるように特定の患者用の流量の個人用値を自動的に決定することができる。流量は、患者の快適性及び治療を向上させるために、制御システム920によって最適化することができる。
【0098】
制御システム920は、聴覚及び/又は表示/視覚的出力938、939を発生することもできる。例えば、流れ治療装置は、ディスプレイ及び/又はスピーカを含むことができる。ディスプレイは、制御システム920によって発生されたあらゆる警告又は警報を医師に示すことができる。ディスプレイは、医師が調整することができる制御パラメータを示すこともできる。例えば、制御システム920は、特定の患者用の流量を自動的に推奨することができる。制御システム920は、これに限定されないが、患者の呼吸数を発生することを含む、患者の呼吸状態も決定し、それをディスプレイに送信することができ、これについては以下により詳細に記載する。
【0099】
制御システム920は、加熱要素の1つ又は複数を制御する(例えば患者に送達されるガスの温度設定点を維持する)ために加熱器制御出力を変えることができる。制御システム920は、加熱要素の作動又はデューティサイクルを変えることもできる。加熱器制御出力は、加熱板制御出力934及び加熱された呼吸管制御出力936を含むことができる。
【0100】
制御システム920は、1つ又は複数の受信した入力901~916に基づいて出力930~939を決定することができる。入力901~916は、コントローラ600(
図19Bに示されている)によって自動的に受信されたセンサ測定値に対応することができる。制御システム920は、これに限定されないが、温度センサ入力901、流量センサ入力902、モータ速度入力903、圧力センサ入力904、ガス分率センサ入力905、湿度センサ入力906、パルスオキシメータ(例えばSpC)センサ入力907、記憶された又はユーザパラメータ908、デューティサイクル又はパルス幅変調(PWM)(pulse width modulation)入力909、電圧入力910、電流入力911、聴覚センサ入力912、電力入力913、抵抗入力914、任意選択でCO
2センサ入力915、及び/又は任意選択で肺活量入力916を含む、センサ入力を受信することができる。パルスオキシメータも任意選択であってもよい。制御システム920は、ユーザ又はメモリ624(
図19Bに示されている)内に記憶されたパラメータ値からの入力を受信することができる。制御システム920は、患者の治療時間にわたって患者のための流量を動的に調整することができる。制御システム920は、システムパラメータ及び患者パラメータを連続して検知することができる。あらゆる他の適切な入力及び/又は出力は、制御システム920と共に使用できることが、本明細書の開示に基づいて当業者には認識されよう。
【0101】
コントローラ
図19Bは、(
図1Aのコントローラ13又は
図1Bのコントローラであることが可能である)コントローラ600のブロック図を示す。コントローラ600は、入力条件を検出し、出力条件を制御するためのプログラミング命令を含むことができる。プログラミング命令は、コントローラ600のメモリ624内に記憶することができる。プログラミング命令は、本明細書に記載された方法、工程及び機能に対応することができる。プログラミング命令は、コントローラ600の1つ又は複数のハードウェア・プロセッサ622によって実行することができる。プログラミング命令は、C、C++、JAVA、又はあらゆる他の適切なプログラミング言語で実施することができる。プログラミング命令の部分の一部又は全ては、ASIC及びFPGAなどの特定用途向け集積回路628で実施することができる。
【0102】
コントローラ600は、センサ信号を受信するために回路628も含むことができる。コントローラ600は、患者及び呼吸補助システムの状態を送信するためのディスプレイ630を更に含むことができる。ディスプレイ630は、警告及び/又は他の警報も示すことができる。ディスプレイ630は、感知されたガスの特性をリアルタイム又は別法により表示するように構成することができる。コントローラ600は、ディスプレイ630などのユーザインタフェースを介してユーザ入力を受信することもできる。ユーザインタフェースは、ボタン及び/又はダイヤルを含むことができる。ユーザインタフェースは、タッチスクリーンを含むことができる。
【0103】
モータ及びセンサモジュール
これに限定されないが、加湿チャンバ、流れ発生器、ユーザインタフェース、コントローラ、及び呼吸システムのガス流出口を患者インタフェースに連結するように構成された患者呼吸導管を含む、本明細書に記載された呼吸システムのあらゆる特徴は、本明細書に記載されたあらゆるセンサモジュールと組み合わせることができる。
【0104】
図20は、(
図17及び18に示されている)呼吸デバイス内の凹部250が受領することができる、モータ及びセンサモジュール2000のブロック図を示す。モータ及びセンサモジュールは、送風機2001を含むことができ、送風機2001は、室内の空気を巻き込んで患者に送達する。送風機2001は、遠心送風機であることが可能である。
【0105】
1つ又は複数のセンサ(例えばホール効果センサ)は、送風機モータのモータ速度を測定するために使用されてもよい。送風機モータは、ブラシレスDCモータを含んでもよく、モータ速度は、別個のセンサを使用することなく、ブラシレスDCモータから測定することができる。例えばブラシレスDCモータの作動中に、逆起電力は、モータの通電していない巻線から測定することができ、それからモータ位置を決定することができ、これは次いでモータ速度を計算するために使用することができる。加えて、モータドライバは、モータ電流を測定するために使用されてもよく、モータ電流は、モータトルクを計算するために測定されたモータ速度と共に使用することができる。送風機モータは、低慣性モータも含んでもよい。室内の空気は、室内空気入口2002に入ることができ、これは入口ポート2003を通って送風機2001に入る。入口ポート2003は、弁2004を含むことができ、圧縮ガスは弁2004を通って送風機2001に入ってもよい。弁2004は、送風機2001に入る酸素流を制御することができる。弁2004は、比例弁又はバイナリ弁を含む、あらゆる型の弁であることが可能である。一部の構成では、入口ポートは弁を含まない。
【0106】
送風機2001は、1,000RPMを超え30,000RPM未満、2,000RPMを超え21,000RPM未満、又はあらゆる前記の値の間のモータ速度で作動することができる。送風機2001の作動は、入口ポート2003を通って送風機2001に入るガスを混合する。混合器として送風機2001を使用することは、混合にはエネルギーが必要であるので、そうでなければバッフルを含む静止型混合器などの別個の混合器を備えたシステムで起きるはずである、圧力降下を低減することができる。
【0107】
混合された空気は、送風機2001から出て導管2005を通ることができ、センサチャンバ2007内の流路2006に入る。センサ2008を備えた感知回路基板は、感知回路基板がガス流内に少なくとも一部が浸るように、センサチャンバ2007内に位置付けることができる。感知回路基板上のセンサ2008の少なくとも一部は、流れの中のガス特徴を測定するためにガス流内に位置付けることができる。センサチャンバ2007内の流路2006を通過後、ガスは2009から出て加湿チャンバに入ることができる。
【0108】
組み合わせた送風機と混合機2001の下流にセンサ2008を位置付けることにより、送風機及び/又は混合器の上流にセンサを位置付けるシステムの上の、酸素濃度を含むガス分率濃度の測定などの測定の精度を高めることができる。そのような位置付けは、反復可能な流れプロファイルを与えることができる。更に組み合わせた送風機と混合器の下流にセンサを位置付けることは、送風機の前に感知が起きる場合、バッフルを備えた静止型混合器などの別個の混合器が、入口と感知システムとの間に必要であるので、そうでなければ起きるはずである圧力降下を回避する。混合器は、混合器にわたって圧力降下を導くことができる。送風機の後に感知を位置付けることにより、送風機を混合器にすることができる一方で、送風機は圧力を増加させるのと対照的に、静止型混合器は圧力を低下させるはずである。また感知回路基板及びセンサ2008の少なくとも一部を流路に浸すことも、流れ手段に浸すセンサが、ガス流と同じ条件、例えば温度及び圧力などを受け、従ってガス流特性のより良好な表示を提供する傾向が多いので、測定の精度を高めることができる。
【0109】
図21を参照すると、送風機から出るガスは、センサチャンバ400内の流路402に入ることができ、センサチャンバ400は、モータ及びセンサモジュール内に位置付けることができ、
図20のセンサチャンバ2007であることが可能である。流路402は、湾曲形状を有することができる。流路402は、急カーブのない湾曲形状を有するように構成することができる。流路402は、湾曲端部の間に直線部を備えた湾曲端部を有することができる。湾曲した流路の形状は、流路の測定部を形成するために、測定領域の一部を流路と一致させることにより、流れ測定の感度を低減することなくガス流の圧力降下を低減することができ、これについては
図23A~23Bを参照して以下に記載される。
【0110】
聴覚送信機及び/又は受信機、湿度センサ、温度センサ、サーミスタ、及び同種のものなどのセンサを備えた感知回路基板404は、感知回路基板404が、流路402内に少なくとも一部が浸されるように、センサチャンバ400内に位置付けることができる。感知回路基板及びセンサの少なくとも一部を流路に浸すことは、流れに浸したセンサが、ガス流と同じ条件、例えば温度及び圧力などを受け、従ってガス流の特性のより良好な表示を提供する傾向が多いので、測定の精度を高めることができる。センサチャンバ400内の流路402を通過後、ガスは加湿チャンバに出ることができる。
【0111】
ガス流量は、少なくとも2つの異なる型のセンサを使用して測定されてもよい。第1の型のセンサは、ガス流とサーミスタとの間の伝熱を監視することにより、流量を判定することができるサーミスタを含むことができる。サーミスタ流れセンサは、ガスがサーミスタの周りを流れて通過する時に、流れの中で一定の目標温度でサーミスタを動作させることができる。センサは、サーミスタを目標温度に維持するために必要な電力量を測定することができる。目標温度は、ガス流の温度より高いように構成することができるので、より高い流量でサーミスタを目標温度に維持するために、より多くの電力が必要である。
【0112】
サーミスタ流量センサは、目標温度とガス流温度との差が小さ過ぎる又は大き過ぎることを回避するために、サーミスタ上を複数(例えば2つ、3つ、又はそれ以上)の一定の温度に維持することもできる。複数の異なる目標温度により、サーミスタ流量センサはガスの大きい温度範囲にわたって正確であることが可能になる。例えばサーミスタ回路は、2つの異なる目標温度の間で切り替えることができるように構成することができるので、ガス流の温度は、常に2つの目標温度の一方に対してある特定の範囲内に収まる(例えば近過ぎないが、遠過ぎない)。サーミスタ回路は、約50℃~約70℃、又は約66℃の第1の目標温度で作動するように構成することができる。第1の目標温度は、約0℃~約60℃、又は約0℃~約40℃の所望の流れ温度範囲に関連付けることができる。サーミスタ回路は、約90℃~約110℃、又は約100℃の第2の目標温度で作動するように構成することができる。第2の目標温度は、約20℃~約100℃、又は約30℃~約70℃の所望の流れ温度範囲に関連付けることができる。
【0113】
コントローラは、サーミスタ回路内の抵抗器を接続し又は迂回することにより、少なくとも第1の目標温度モードと第2の目標温度モードとの間で変化するために、サーミスタ回路を調整するように構成することができる。サーミスタ回路は、第1の電圧ドライバアーム及び第2の電圧ドライバアームを含む、ホイートストンブリッジ構成のように配置することができる。サーミスタは、電圧ドライバアームの1つの上に置くことができる。サーミスタ流量センサのより詳細は、2017年9月3日に出願された、国際特許出願第PCT/NZ2017/050119号に記載されており、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0114】
第2の型のセンサは、聴覚センサ・アセンブリを含むことができる。聴覚送信機及び/又は受信機を含む聴覚センサは、流れ治療装置内で使用することができるガス速度及び/又は組成物を決定するために、聴覚信号の飛行時間を測定するために使用することができる。1つの超音波感知(超音波送信機及び/又は受信機を含む)トポロジでは、ドライバにより、超音波変換器などの第1のセンサが、超音波パルスを第1の方向に生成する。第2の超音波変換器などの第2のセンサは、このパルスを受信し、第1の超音波変換器と第2の超音波変換器との間のパルスの飛行時間の測定値を提供する。この飛行時間の測定値を使用して、超音波変換器の間のガス流の音速は、呼吸システムのプロセッサ又はコントローラによって計算することができる。第2のセンサは、飛行時間の第2の測定値を提供するために、第1の方向と反対の第2の方向にパルスを送信することができ、第1のセンサは受信することができ、流量又は速度などのガス流の特性を決定することができる。別の聴覚感知トポロジでは、超音波変換器などの聴覚送信機によって送信された聴覚パルスは、マイクロホンなどの聴覚受信機によって受信することができる。聴覚流量センサのより詳細は、2016年12月2日に出願された、国際特許出願第PCT/NZ2016/050193号に記載されており、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0115】
第1及び第2の型の両方のセンサからの読み取りは、より正確な流れ測定値を決定するために組み合わせることができる。例えば前に決定された流量及びセンサの型の一方からの1つ又は複数の出力は、予測された現在の流量を決定するために使用することができる。予測された現在の流量は、次いで最終流量を計算するために、センサの第1及び第2の型の他方からの1つ又は複数の出力を使用して更新することができる。
【0116】
データの前処理
上に論じたように、経鼻高流量システムなどの封止されていないシステム内の流れデータは、決定が難しい可能性がある。システムの開いた性質により、信号とノイズの割合が非常に低くなる。測定されたあらゆる流れデータは、流れデータを不明瞭にする可能性がある様々な不規則性及びノイズを含む可能性があり、所望の測定値を正確に決定するためにそれらを考慮しなければならない。流れデータは、封止されていないシステム及び患者の呼吸流れの情報を提供することができるので重要である。
【0117】
あらゆる獲得した流れデータからノイズ及び他の不規則性を除去するために、流れ信号は前処理ステップを通して送り込むことができる。前処理により、コントローラは流れパラメータから特定の歪みを除去することができるので、デバイス出力及び/又は患者呼吸パラメータ(例えば鼻の分時換気量及び/又は最大吸気流)を決定するために使用される流れパラメータ信号は、患者の処置に使用したガス流パラメータが患者の呼吸への効果により良好に反映することができる。流れ信号の前処理についてのより詳細は、2020年3月4日に出願された、国際特許出願第PCT/IB2020/051816号に記載されており、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0118】
患者が呼吸システムに取り付けられ、患者インタフェースを通して呼吸している場合、前処理した流量又は開口システム内に獲得された他の流れパラメータデータの変動は、様々な源から発生した無作為の無相関のノイズ及び相関した呼吸信号から構成される。データの前処理は、流れパラメータデータ(処理されていないデータなど)を受信するコントローラから始まることが可能である。コントローラは、次いで前処理ステップを、例えば流れパラメータデータが良好である、又は使用に適しているかどうかを判定することによって実行することができる。データが使用に適さない場合、コントローラは、データを廃棄することができる。
【0119】
データの適合性を判定する際に、コントローラは、第1の流れパラメータデータと異なる型からなる、第2の流れパラメータデータを受信することができる。第2の流れパラメータデータは、第1のパラメータに相関したものを有すると想定される。第2の流れパラメータデータは、例えばモータ速度、圧力、及び/又は酸素流量、若しくは濃度、又はガス流量への患者の呼吸の効果とは別のガス流量の効果を有し、若しくは表示を提供することができる、あらゆる他のパラメータを含むことができる。コントローラは、第2の流れパラメータデータが、第1の流れパラメータデータへの相関パラメータとして有益であるかどうかを判定するように構成することができる。例えば、第2の流れパラメータデータは、第2の流れパラメータデータが、閾値レベルを満たす場合に、有益な相関メトリックであることが可能である。第2の流れパラメータデータが閾値レベルを満たさない場合は、第2の流れパラメータデータは、第1の流れパラメータデータに相互に関連しないと想定される。結果として、第2の流れパラメータデータは、無視できる又は切り捨てることができる(すなわち削除され、若しくはコントローラに利用されない)。不十分な第2の流れパラメータデータがある場合、コントローラは、第1の流れパラメータデータを使用するために不十分なデータを有すると決定することができ、第1のパラメータデータを廃棄してもよい。第2の流れパラメータデータが、最小閾値レベルを満たす場合、コントローラは、第1のパラメータデータが使用に適していると判定することができる。
【0120】
一例として、第2の流れパラメータデータは、モータ速度を表すことができる。第1の流れパラメータデータ内の患者の呼吸を同定するために、モータは、十分な速度で作動する必要がある。モータ速度が低過ぎる場合、流れデータ(流量など)へのモータ速度の影響又は相関性は、正確に予測できないことがある。従って、コントローラがモータ速度データを受信後に、コントローラは、モータ速度を最低モータ速度閾値と比較することができる。モータ速度が閾値を下回る場合、コントローラは、第1の流れパラメータデータが適切でないと考えることができ、第1の流れパラメータデータの一部又は全てを廃棄することができる。しかしモータ速度が閾値を超える場合、コントローラは、モータ速度の最近の変化を計算することができる。モータ速度の変化により、第1の流れパラメータデータの変化を引き起こす可能性があり、これにより第1の流れパラメータデータから患者の呼吸を同定することがより困難になる。モータ速度の効果は、第1の流れパラメータデータからある程度取り除くことができる一方で、モータ速度の変化がより大きいと、データは、患者の呼吸を同定するには信頼性が低過ぎることがある。従って、コントローラは、モータ速度の最近の相対変化を表す第1の値を発生するために、モータ速度の相対変化に走行フィルタを適用することができる。次いでコントローラは、第1の値を第1の閾値と比較することができる。第1の値が第1の閾値を超える場合、コントローラは、流れパラメータデータが適さないと考えることができ、流れデータ点は廃棄することができる。第1の値が第1の閾値を下回る場合、コントローラは、流れパラメータデータが使用に適すると考えることができる。
【0121】
別の例として、第2の流れパラメータデータは、補助ガス源から補助ガスの濃度を表すことができる。第1の流れパラメータデータ(流量など)は、補助ガス源からの補助ガスの流量又は濃度によって影響を受ける可能性がある。コントローラは、酸素流量データ又は酸素濃度データを受信することができる。コントローラは、酸素流量又は酸素濃度の最近の変化を計算することができる。酸素の流量又は濃度が変化する場合、全流量の得られる変化により、流量信号又は他の流れパラメータ信号内の患者の呼吸を同定することはより困難になる可能性がある。コントローラは、従って酸素濃度又は流量の最近の変化を表す第2の値を発生するために、ガスの酸素濃度又は酸素流量の変化に走行フィルタを適用することができる。コントローラは、第2の値を第2の閾値と比較することができる。第2の値が第2の閾値を超える場合、コントローラは、第1の流れパラメータデータが適さないと判定することができ、第1の流れパラメータデータ点を廃棄することができる。しかし第2の流れパラメータデータが閾値を下回る場合、コントローラは、流れパラメータデータが適切であると考えることができる。
【0122】
上記のように、コントローラがデータを適切であると考える場合、第1の流れパラメータデータ(又はあらゆる他の流れパラメータデータ)は、モータの効果(又は酸素濃度若しくは流量などの他の要因)を除去するために修正することもできる。第1の流れパラメータデータを修正することは、第1の流れパラメータデータ(モータ速度など)から他の変数の想定された効果を取り除くことに関わることができる。この想定された効果は、ガス流れパラメータデータが特定基準を満たす場合のみ有効である。上記のように、これらの基準が満たされない場合、データは廃棄されてもよい。
【0123】
工程は、モータ速度の効果を取り除くために、第1の流れパラメータデータを修正することができる。モータの効果は、モータ速度及び流れコンダクタンスを使用して推定することができる。コントローラは、瞬間流れコンダクタンスを測定することができる。流れコンダクタンスは、以下に提供したように計算することができる。
【数1】
【0124】
上に提供された方程式では、Cは流れコンダクタンスであり、filt()はフィルタ関数であり、Qは流れパラメータデータであり、ωmotorはモータ速度である。一部の構成では、フィルタ関数はローパスフィルタである。一部の例では、流れパラメータデータは、デバイス流れセンサによって発生された流量信号である。流れコンダクタンスは、時間が経ってもほぼ一定であり、従ってローパスフィルタを使用して推定することができる。コントローラは、現在のモータ速度及び測定された流量を使用して、各反復で瞬間流れコンダクタンスを測定する。コントローラは、フィルタリングされた流れコンダクタンスを決定するために、瞬間流れコンダクタンスをフィルタリングすることができる。
【0125】
コントローラは、差が著しい差であるかどうかを確認するために、瞬間流れコンダクタンスをフィルタリングされた流れコンダクタンスと比較することができる。差が著しい場合、例えばカニューレが取り付けられた又は切り離されたなどの、何らかの物理システムが変化した傾向がある。瞬間流れコンダクタンスは、2つの変数の差を取ること、及び最低又は最高閾値と比較することにより、フィルタリングされた流れコンダクタンスと比較することができる。差が閾値を超える又は下回る場合、差は著しいとみなされ、コントローラは、フィルタリングされた流れコンダクタンスをリセットすることができる。コントローラは、瞬間流れコンダクタンスとフィルタリングされた流れコンダクタンスとの差に基づいて、フィルタリングされた流れコンダクタンスの計算においてフィルタ関数のフィルタ係数を変えることもできる。これにより、流れコンダクタンスの変動が高い時、例えばカニューレがまず取り付けられた時などに、フィルタリングされた流れコンダクタンスをより迅速に変えることができる。
【0126】
瞬間流れコンダクタンスとフィルタリングされた流れコンダクタンスとの差が、閾値を超えない場合、差は著しくないとみなされ、コントローラは、流量へのモータの効果を推定することができる。コントローラは、フィルタリングされた流れコンダクタンス及びモータ速度を使用して、効果の値を出力することができる。値は、前処理した流量データに達するために、流量データから減じる又は別法により取り除くことができる。前処理した流量データは、患者の呼吸流をより多く示すことができる(しかし前処理した流量データは、依然として信号ノイズを含む可能性がある)。
【0127】
コントローラは、流れコンダクタンスにおける最近の変化を追跡することもできる。変化は、最後の2つの瞬間流れコンダクタンスの間の差を累計に加えることによって追跡することができ、次いで経時的に減衰される。減衰した累計は、流れ伝導性におけるフィルタリングされた最近の変化を獲得するためにフィルタリングされる。流れ伝導性におけるフィルタリングされた最近の変化は、前処理した流量データに沿って周波数分析アルゴリズムの更なる部分に使用することができる。
【0128】
鼻の分時換気量及び最大吸気流
上に論じたように、吸気及び呼気は封止されたシステム内で測定することが比較的容易である一方で、呼吸パラメータは、封止されていないシステム内で測定することがはるかに困難である。経鼻高流量システムなどの封止されていないシステム内では、システムの開いた性質により(封止されていない患者インタフェースの使用に起因して)、所望の信号は弱いことが多く、ノイズによって不明瞭であるので、患者の吸気及び呼気を判定することがより著しく困難になる。
【0129】
本開示は、封止されていないシステム(例えば高流量システム内で使用される封止されていない鼻カニューレ)内で重要な患者の呼吸パラメータを推定する信頼できる方法を提供する。コントローラは、鼻の分時換気量(MV
n)を推定し、最大吸気流
【数2】
を推定するように構成することができる。鼻の分時換気量(MV
n)は、特に封止されていないシステム内の呼吸パラメータを推定するための本方法の概念のために生成される測定である。概念として、鼻の分時換気量(MV
n)は、従来の分時換気量に類似することがあるが、鼻空洞(すなわち1分当たりに鼻空洞に入る又は出るガスの容積)との関係のみで測定する。経鼻高流量システム内の開いた性質のために、鼻の分時換気量(MV
n)は、従来の分時換気量の測定と異なり、鼻の分時換気量(MV
n)は、従来の分時換気量と同じであるとみなすべきではない。鼻の分時換気量(MV
n)及び最大吸気流
【数3】
の推定値を獲得するために、ガス流パラメータの分析を行う開示された工程は、封止されていない鼻システムを使用する時に、重要な患者の呼吸パラメータを推定する信頼できる方法を提供することができる。更に、鼻の分時換気量(MV
n)及び最大吸気流
【数4】
の変化率及び/又は傾向は、実際の値と対照的に(又は加えて)監視することができる。鼻の分時換気量(MV
n)及び最大吸気流
【数5】
の変化率及び/又は傾向を監視することは、あまり誤差を受けない経鼻高流量治療効果の堅牢な表示を提供することができる。
【0130】
鼻の分時換気量(MV
n)及び/若しくは最大吸気流
【数6】
の値を推定し、並びに/又は前述した値のそれぞれの変化率を監視する機能は、封止されていない高流量システム内で新しい機能を可能にする。推定された呼吸パラメータは、治療効果の価値ある表示を提供し、治療結果を向上する助けとなることを可能にする。例えば封止されていない経鼻高流量システム内の鼻の分時換気量(MV
n)及び最大吸気流
【数7】
の変化を計算して監視する機能は、患者が現在の治療パラメータに肯定的に応答しない時に、ユーザ又は医療従事者が治療パラメータ(例えばデバイス流量)を調整し、又は患者インタフェースを変えることができる。一部の構成では、封止されていない経鼻高流量システム内の鼻の分時換気量(MV
n)及び最大吸気流
【数8】
の変化を認知していることにより、患者が現在の治療パラメータに肯定的に応答しない時に、ユーザ又は医療従事者は、治療パラメータ(例えばデバイスの流量)をより適切に、正確に、及び/若しくは確実に変え、又は患者インタフェースを変えることができる。一部の例では、封止されていない経鼻高流量システム内で頻繁に遭遇する問題により、十分な(例えば治療的に効率的な)流量が、ユーザ又は医療従事者により設定されているかどうかがわかる。推定された鼻の分時換気量(MV
n)及び/又は最大吸気流
【数9】
の計算、並びにこれらの値の関連した傾向は、治療が提供されている間に、ユーザ又は医療従事者が流量を調整することができる、フィードバック・ループを提供するのを助けることができる。封止されていない経鼻高流量システムは、閉じたフィードバック・ループ内の流量を自動的に調整するように構成することもできる。一部の構成では、鼻の分時換気量(MV
n)及び/又は最大吸気流
【数10】
は、流量又は他の治療パラメータを調整するために、閉ループのフィードバック制御システムへの入力として通すことができる。一部の例では、追加入力は、流量又は他の治療パラメータを調整するために、閉ループのフィードバック制御システムに通すことができる。これらは、例えば鼻の分時換気量(MV
n)及び/若しくは最大吸気流
【数11】
の値、鼻の分時換気量(MV
n)及び/若しくは最大吸気流
【数12】
の変化率、鼻の分時換気量(MV
n)及び/若しくは最大吸気流
【数13】
の傾向、並びに/又は鼻の分時換気量(MV
n)及び/若しくは最大吸気流
【数14】
を表す他の値を含むことができる。
【0131】
推定された鼻の分時換気量(MV
n)及び/又は最大吸気流
【数15】
についての情報は、治療の無効性を示す特定の値に基づいて起動するように構成された、警報、通知、及び/又は表示を提供するために使用することができる。これは、患者の健康及び経鼻高流量治療の効き目についてのより多くの情報をユーザ及び医療従事者に提供することができる。これは、治療パラメータのより正確な調整を促し又は調整を可能にすることができることにより、結果を向上させる。
【0132】
鼻の分時換気量
コントローラは、鼻の分時換気量(MV
n)の推定値を計算するように構成された工程を含むことができる。デバイスの分時換気量(MV
device)は、デバイスの分時換気量を表し、空気の平均容積の測定値は、1分当たりにデバイスに押し入れ、押し出される。封止されていないシステム内の鼻カニューレ・インタフェースの漏れ性が高いので、患者の真の分時換気量を正確に決定することは非常に難しい可能性がある。これは、特に高流量治療が提供されている間は当てはまる。鼻の分時換気量(MV
n)の推定値は、従ってカニューレの適合(例えばカニューレの大きさ、モデルの寸法)及びカニューレを通るガスの既知の一定流量を特徴付ける手動入力を使用することによって計算することができる。鼻の分時換気量(MV
n)は、デバイスの分時換気量(MV
device)を鼻の分時換気量(MV
n)の信号又は測定に変換するために、較正定数(Κ
n)をデバイスの分時換気量(MV
device)に適用することによって概算することができる。一部の構成では、鼻の分時換気量(MV
n)、デバイスの分時換気量(MV
device)、及び最大吸気流
【数16】
は、離散値又は一連の離散値(例えば連続した事前推定値)であってもよい。一部の例では、一連の離散値は、デバイスの分時換気量(MV
device)、鼻の分時換気量(MV
n)、又は最大吸気流
【数17】
の第1の推定値から始まり、デバイス使用(治療)セッションの最後まで続いてもよい。別法として、前述の推定値のそれぞれの一連の離散値は、特定の時間枠を表し、新しい値が推定される際に引き続き上書きされてもよい。例えば前述の推定値のそれぞれの一連の離散値は、最近の時間にわたるそれらの値を表してもよい。一部の構成では、時間は、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、15~20分、20~25分、25~30分、30~35分、35~40分、40~45分、45~50分、50~55分、55~60分、60~65分、65~70分、15~30分、30~45分、45~60分、及び終点を含む、一覧にされたそれらの範囲内のあらゆる値であることが可能である。
【0133】
図22A、22B、22C、及び22Dは、鼻の分時換気量を推定する方法に対する4つのフローチャートを示す。
図22Aは、鼻の分時換気量1000を推定する単純化した方法を示す。
図22B、22C、及び22Dは、鼻の分時換気量1100を推定するより詳細な方法を示す。以下に論じるように、鼻の分時換気量(MV
n)を決定するために、デバイスの分時換気量(MV
device)の推定値がまず計算されなければならない。
【0134】
図22Aに示されたように、工程は、治療パラメータの効果を監視して決定するために、鼻の分時換気量(MV
n)を獲得し、鼻の分時換気量(MV
n)を使用するためにデバイスの分時換気量(MV
device)に適用することができる。鼻の分時換気量1000を推定する方法は、ステップ1002で生の流れデータを獲得することから始まる。生の流れデータは、超音波流れセンサなどの流量センサから取得することができる。鼻の分時換気量1000を推定する方法は、ステップ1004で不要な信号成分を除去するために、生の流れデータを前処理することを含むことができる。不要な信号成分の除去は、上により詳細に記載されている。不要な信号成分は、流れ発生器モータから存在する可能性がある。一部の構成では、不要な信号成分は、他の源(例えばノイズ)から発生する可能性があり、不要な信号成分は、主に流れ発生器モータに由来する可能性がある。例えば前処理された流れデータは、患者の呼吸活動と関連した成分を含む、流量信号であることが可能である。例えば患者の呼吸活動に関連した成分は、流量の大きさの変化として(例えば変動として)流量信号に含まれることがある。一旦前処理されると、流れデータは、患者の呼吸データを代表することができる。方法1000は、データが十分な品質からなると仮定すると、前処理されたデータが、デバイスの分時換気量(MV
device)を計算するために、デバイスの分時換気量アルゴリズムに通すことができる、ステップ1006を含むことができる。一旦デバイスの分時換気量(MV
device)が獲得されると、方法1000のステップ1008は、任意選択でデバイスの分時換気量(MV
device)を鼻の分時換気量(MV
n)に変換することを含むことができる。鼻の分時換気量(MV
n)は、スカラ較正定数を使用して、デバイスの分時換気量(MV
device)を変換すること及び/又は変形することによって推定することができる。以下により詳細に論じるように、スカラ較正定数は、鼻カニューレ及び現在の流量に対する手動入力パラメータを使用することによって決定することができる。一旦鼻の分時換気量(MV
n)の推定値が計算されると、方法1000は、ステップ1010で患者の鼻の分時換気量、鼻の分時換気量の変化率、及び/又は鼻の分時換気量の傾向を監視することができる。患者の鼻の分時換気量、鼻の分時換気量の変化率、及び/又は鼻の分時換気量の傾向についての情報は、ステップ1012でユーザ及び/又は医療従事者に情報を提供するために使用することができる。鼻の分時換気量(MV
n)に関連した情報は、表示されたデータ、警報、及び/又は通知の形であることが可能である。上に論じたように、これにより、治療結果を向上させるためにユーザ及び/又は医療従事者が治療パラメータを調整することができる。
【0135】
図22Bは、鼻の分時換気量1100を推定する方法のより詳細なフローチャートを示す。方法1000と同様に、方法1100は、ステップ1102で生の流れデータを獲得することから始まる。生の流れデータは、超音波流れセンサなどの流量センサから取得することができる。方法1100は、ステップ1104で不要な信号成分を除去するために生の流れデータを前処理することを含むことができる。不要な信号成分の除去は、上により詳細に記載されている。不要な信号成分は、流れ発生器モータから存在する可能性がある。一旦前処理されると、流れデータは、患者の呼吸データを代表することができる。処理された流れデータは、次いでデータの品質が十分に良好であるかどうかを判定するために、ステップ1106で分析することができる。そうでない場合、流れデータは廃棄され、方法1100はステップ1102に戻り、生の流れデータを受信するために待機する。
【0136】
しかしデータが十分な品質からなると判定された場合、データは、方法1100が、処理されたデータを使用してデバイスの分時換気量(MVdevice)を計算するステップ1112に進むことができる。データは、大きい一過性ピーク(恐らくインタフェースの調整に起因する)を含まない場合、十分な品質からなるとみなすことができる。デバイスの分時換気量(MVdevice)は、1分当たりにデバイスに押し入れ、押し出される空気の平均容積を測定する。ステップ1112に示されたように、デバイスの分時換気量(MVdevice)を計算するための工程は、まず最小二乗基準を使用して流れデータにスプラインを適合することによって行うことができる。流れデータは、例えば直近の予めフィルタリングした流量データ点であってもよい。一部の構成では、最小二乗基準は、まず前処理された流れデータ(例えば呼吸信号)を概算し、次いで換気量を推定するためにスプラインに沿って積分する。
【0137】
方法1100は、デバイスの分時換気量(MV
device)の瞬間推定値が、スプラインを使用して計算されるステップ1116を含むことができる。一部の例では、スプラインの使用は、代替方法(例えばデータの統計的測定を発生するように構成された一連のフィルタ)より有益であることが可能であるのは、広範囲のサンプリング周波数にわたってより良好に行う(すなわちデータをより正確に適合/書き入れる)ことができるからである。これは、以下により詳細に記載される。方法1000は、デバイスの分時換気量(MV
device)の瞬間推定値を計算する3つの異なる方法を含むことができる。デバイスの分時換気量(MV
device)の推定値は、ガス流のパラメータのデータ
【数18】
に適合された直線の第1項の絶対値の積分値を、選択されたフィルタリングされた流量データ点が網羅する時間範囲で除算した値(すなわち0次スプライン)を表す。デバイスの分時換気量(MV
device)の推定値は、ガス流のパラメータのデータ
【数19】
に適合された直線の絶対値の積分値を、選択されたフィルタリングされた流量データ点が網羅する時間範囲で除算した値(すなわち1次スプライン)によって表される。デバイスの分時換気量(MV
device)の瞬間推定値を計算するために、推定値は1秒にわたって取ることができ、又は20個の推定値は1秒にわたって取ることができる(すなわち20Hzのサンプリング周波数)。推定値を計算するための時間は、少なくとも1~120秒、1~60秒、60~120秒、1~10秒、10~20秒、20~30秒、30~40秒、40~50秒、50~60秒、60~70秒、70~80秒、80~90秒、90~100秒、100~110秒、110~120秒の範囲のいずれか1つ、又は1秒、10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、60秒、70秒、80秒、90秒、100秒、110秒、及び120秒の少なくとも1つであることが可能である。
【0138】
デバイスの分時換気量(MVdevice)の推定値は、ガス流のパラメータ(すなわちデータの書き入れのためにスプラインを使用することなく計算した)のデータに適合された曲線の絶対値の平均を表す。あらゆる前述の推定値は、入力として方法1100に使用することができるが、それぞれは、センサデータ及び患者の呼吸数における偶発誤差に依存して利点及び欠点を有する。方法1100は、信号に適合された直線の第1項の絶対値の積分を表す、デバイスの分時換気量(MVdevice)の推定値を使用することができる。この推定値は、偶発誤差に最も耐性があり、最も影響を受け難い一方で、呼吸数にも最も影響を受ける。
【0139】
一旦方法1100が、ステップ1114でデバイスの分時換気量(MVdevice)の推定値を獲得すると、デバイスの分時換気量(MVdevice)は、任意選択で、ステップ1118で鼻の分時換気量(MVn)の推定値に変換することができる。デバイスの分時換気量(MVdevice)は、任意選択でスカラ較正定数(Κn)を使用して鼻の分時換気量(MVn)に変換することができる。ステップ1108及びステップ1110に示されたように、較正定数(Κn)は、任意選択で、ステップ1108で手動入力の患者インタフェース・パラメータを使用して少なくとも一部を計算し、次いでステップ1110でスカラ較正値を決定することができる。手動入力される患者インタフェース・パラメータは、鼻カニューレ及び現在の流量に関連付けることができる。これらのパラメータは、これに限定されないが、カニューレの型、患者の体格、鼻孔閉塞(又はその推定値)、及び鼻孔径を含むことができる。これらのパラメータは、前述のカニューレの型、患者の体格、及び鼻孔径を推定することができる。別法により、これらのパラメータは、デバイスにより、例えば自動周辺構成要素検出システムを使用すること、又は流量センサから流れデータを受信することにより、自動的に決定することができる。較正定数(Κn)は、出口流れセンサを備えた完全封止顔マスクが、患者の鼻カニューレの上に一時的に置かれた、較正段階又は工程を介して計算されてもよい。完全封止顔マスクを使用して、様々な流れパラメータを捕捉することができ、較正定数決定関数、アルゴリズム、又は方法に入力することができる。別法により、較正定数は、コントローラ内で計算される流れコンダクタンスの推定値から引き出されてもよい。
【0140】
一旦鼻の分時換気量(MVn)の推定値が計算されると、方法1100は、ステップ1120で患者の鼻の分時換気量、鼻の分時換気量の変化率、及び/又は鼻の分時換気量の傾向を監視することができる。患者の鼻の分時換気量、鼻の分時換気量の変化率、及び/又は鼻の分時換気量の傾向についての情報は、ステップ1122でユーザ及び/又は医療従事者に情報を提供するために使用することができる。上に論じたように、鼻の分時換気量(MVn)に関連した情報は、表示されたデータ、警報、及び/又は通知の形であることが可能である。鼻の分時換気量(MVn)自体、鼻の分時換気量(MVn)の変化率、又は鼻の分時換気量(MVn)の長期の傾向のいずれかを監視することにより、デバイス・コントローラは、ユーザ及び/又は医療従事者に対して聴覚、視覚、若しくは聴覚-視覚警報、又は通知を提示するように構成されてもよい。これらの警報は、流量などの治療パラメータを調整するためにプロンプトを含むことができる。警報は、提案された閾値又は手動入力した閾値に基づいて起動するように構成することができる。上に論じたように、これにより、治療結果を向上させるためにユーザ及び/又は医療従事者が治療パラメータを調整することができる。鼻の分時換気量(MVn)の傾向も、プロット、チャート、又はグラフとしてデバイス・スクリーンに表示することができる。示された傾向データに基づいて、通知及び/又は警報は、それらに基づいて起動することができる。
【0141】
図22Cは、鼻の分時換気量1200を推定する方法の別のより詳細なフローチャートを示す。方法1000及び方法1100と同様に、方法1200は、ステップ1202で生の流れデータを獲得することから始まる。生の流れデータは、超音波流れセンサなどの流量センサから取得することができる。一部の構成では、ステップ1204で、生の流れデータは、まずデータの品質が十分に良好かどうかを判定するために分析される。生の流れデータが十分な品質からなると判定された場合、データは、不要な信号成分を除去するために前処理することができる。生の流れデータが不十分な品質のものである場合、流れデータは、廃棄され、方法1200はステップ1202に戻り、追加の生の流れデータを受信するために待機する。一部の例では、方法1200は、ステップ1206で不要な信号成分を除去するために、生の流れデータを前処理することを含むことができる。不要な信号成分の除去は、上により詳細に記載されている。不要な信号成分は、流れ発生器モータから存在する可能性がある。一旦前処理されると、流れデータは、患者の呼吸データを代表することができる。一部の構成では、一旦流れデータが前処理されると、データは、方法1200が流れデータに曲線を適合させる、ステップ1212に進むことができる。データは、大きい一過性ピーク(恐らくインタフェースの調整に起因する)を含まない場合、十分な品質からなるとみなすことができる。デバイスの分時換気量(MV
device)は、1分当たりにデバイスに押し入れ、押し出される空気の平均容積を測定する。流れデータに曲線を適合するための工程は、まず最小二乗基準を使用して流れデータにスプラインを適合することによって行うことができる。一部の構成では、適合された直線は、以下によって(近似的に)表すことができる。
【数20】
【0142】
上に提供された方程式では、mは流れデータの平均に対応する適合パラメータであり、sは傾斜(すなわち勾配)であり、t*は、正規化された時間パラメータの線形範囲である。一部の構成では、t*は、正規化された時間パラメータの線形範囲であり、流れデータ内の「最も古い」時点は、-1に等しく、流れデータ内の最も「直近の」時点は、1に等しい。
【0143】
一部の構成では、関数近似の他の方法も使用されてもよい。流れデータは、例えば最も直近の予めフィルタリングされた流量データ点であってもよい。一部の例では、最小二乗法は、前処理された流れデータ(例えば呼吸信号)を概算するために使用することができ、次いで換気量を推定するためにスプラインに沿って積分する。一部の構成では、コントローラは、1つ又は複数の関数を流れパラメータの変化データの選択された部分に適合するために、種々の直線及び/又は曲線適合法を行うことができる。これは、例えば回帰分析、内挿、外挿、線形最小二乗、非線形最小二乗、総最小二乗、単純線形回帰、堅牢な単純線形回帰、多項式回帰、直交回帰、デミング回帰、線形折れ線回帰、回帰希釈、及び/又はその他の非限定例の技法を含むことができる。一部の構成では、少なくとも上記を含む1つ又は複数の関数は、曲線を発生することができる。一部の構成では、曲線は直線であることが可能である。本明細書に記載された直線又は曲線は、複数の曲線、頂点、及び/又は他の特徴を含むことができる。本明細書に記載された直線は、真っ直ぐ、傾斜している、及び/又は水平であることが可能である。一部の例では、本明細書に記載された直線は、最良の適合線であることが可能である。
【0144】
方法1200は、デバイスの分時換気量(MV
device)の瞬間推定値が、適合されたスプラインによって構築された曲線のデータを使用して計算される、ステップ1214を含むことができる。方法1000は、デバイスの分時換気量(MV
device)の瞬間推定値を計算する3つの異なる方法を含むことができる。デバイスの分時換気量(MV
device)の推定値は、ガス流のパラメータのデータ
【数21】
に適合された直線の第1項の絶対値の積分値を、選択されたフィルタリングされた流量データ点が網羅する時間範囲で除算した値(すなわち0次スプライン)によって表される。デバイスの分時換気量(MV
device)の推定値は、ガス流のパラメータのデータ
【数22】
に適合された直線の絶対値の積分値を、選択されたフィルタリングされた流量データ点が網羅する時間範囲で除算した値(すなわち1次スプライン)によって表される。デバイスの分時換気量(MV
device)の瞬間推定値を計算するために、推定値は1秒にわたって取ることができ、又は20個の推定値は1秒にわたって取ることができる(すなわち20Hzのサンプリング周波数)。推定値を計算するための時間は、少なくとも1~120秒、1~60秒、60~120秒、1~10秒、10~20秒、20~30秒、30~40秒、40~50秒、50~60秒、60~70秒、70~80秒、80~90秒、90~100秒、100~110秒、110~120秒の範囲のいずれか1つ、又は1秒、10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、60秒、70秒、80秒、90秒、100秒、110秒、及び120秒の少なくとも1つであることが可能である。
【0145】
デバイスの分時換気量(MVdevice)の推定値は、ガス流のパラメータ(すなわちデータの書き入れのためにスプラインを使用することなく計算した)のデータに適合された曲線の絶対値の平均を表す。あらゆる前述の推定値は、入力として方法1200に使用することができるが、それぞれは、センサデータ及び患者の呼吸数における偶発誤差に依存して利点及び欠点を有する。方法1200は、信号に適合された直線の第1項の絶対値の積分を表す、デバイスの分時換気量(MVdevice)の推定値を使用することができる。この推定値は、偶発誤差に最も耐性があり、最も影響を受け難い一方で、呼吸数にも最も影響を受ける。一部の実装形態では、方法1200は、ステップ1212を飛ばすことができ、前処理された流れデータは、方法1200が、選択された前処理された流量データ点の平均を直接計算することができる、ステップ1214に直接進むことができる。
【0146】
一旦方法1200が、ステップ1214でデバイスの分時換気量(MVdevice)の推定値を獲得すると、デバイスの分時換気量(MVdevice)は、任意選択で、ステップ1218で鼻の分時換気量(MVn)の推定値に変換することができる。デバイスの分時換気量(MVdevice)が、鼻の分時換気量(MVn)の推定値に変換される前に、フィルタが、ステップ1216で瞬間デバイスの分時換気量(MVdevice)を平均するために適用することができる。一部の構成では、前に記載されたステップの多重反復にわたって捕捉されたそれぞれの推定値又は一連の推定値は、フィルタ(例えば指数フィルタ)を使用して、平均又は「平滑に」することができる。一部の例では、このステップは、最初の推定値の後だが、いかなる追加処理ステップ(すなわち鼻の分時換気量(MVn)の推定値に変換する)より前に、起きることが可能である。一部の構成では、デバイスの分時換気量(MVdevice)は、スカラ較正定数(Κn)を使用して、鼻の分時換気量(MVn)に変換することができる。ステップ1208及びステップ1210に示されたように、較正定数(Κn)は、任意選択で、ステップ1208で手動入力の患者インタフェース・パラメータを使用して少なくとも一部を計算し、次いでステップ1210でスカラ較正値を決定することができる。手動入力される患者インタフェース・パラメータは、鼻カニューレ及び現在の流量に関連付けることができる。これらのパラメータは、これに限定されないが、カニューレの型、患者の体格、鼻孔閉塞(又はその推定値)、及び鼻孔径を含むことができる。これらのパラメータは、前述のカニューレの型、患者の体格、及び鼻孔径を推定することができる。別法により、これらのパラメータは、デバイスにより、例えば自動周辺構成要素検出システムを使用すること、又は流量センサから流れデータを受信することにより、自動的に決定することができる。較正定数(Κn)は、出口流れセンサを備えた完全封止顔マスクが、患者の鼻カニューレの上に一時的に置かれた、較正段階又は工程を介して計算されてもよい。完全封止顔マスクを使用して、様々な流れパラメータを捕捉することができ、較正定数決定関数、アルゴリズム、又は方法に入力することができる。別法により、較正定数は、コントローラ内で計算される流れコンダクタンスの推定値から引き出されてもよい。流れコンダクタンスは、ガスの決定された流量及び流量の決定された圧力に基づいて、コントローラ内で計算されてもよい。別法により、数個の流れコンダクタンス値は、コントローラがルックアップテーブルから流れコンダクタンスを選択するように構成される、ルックアップテーブル内に記憶されてもよい。
【0147】
一旦鼻の分時換気量(MVn)の推定値が計算されると、方法1200は、ステップ1220で患者の鼻の分時換気量、鼻の分時換気量の変化率、及び/又は鼻の分時換気量の傾向を監視することができる。患者の鼻の分時換気量、鼻の分時換気量の変化率、及び/又は鼻の分時換気量の傾向についての情報は、ステップ1222でユーザ及び/又は医療従事者に情報を提供するために使用することができる。上に論じたように、鼻の分時換気量(MVn)に関連した情報は、表示されたデータ、警報、及び/又は通知の形であることが可能である。鼻の分時換気量(MVn)自体、鼻の分時換気量(MVn)の変化率、又は鼻の分時換気量(MVn)の長期の傾向のいずれかを監視することにより、デバイス・コントローラは、ユーザ及び/又は医療従事者に対して聴覚、視覚、若しくは聴覚-視覚警報、又は通知を提示するように構成されてもよい。これらの警報は、流量などの治療パラメータを調整するためにプロンプトを含むことができる。警報は、提案された閾値又は手動入力した閾値に基づいて起動するように構成することができる。上に論じたように、これにより、治療結果を向上させるためにユーザ及び/又は医療従事者が治療パラメータを調整することができる。鼻の分時換気量(MVn)の傾向も、プロット、チャート、又はグラフとしてデバイス・スクリーンに表示することができる。示された傾向データに基づいて、通知及び/又は警報は、それらに基づいて起動することができる。
【0148】
一部の構成では、デバイスの分時換気量(MV
device)の推定値が決定され、フィルタリングされ、次いで流量信号(例えば0次スプライン)に適合された直線の第1項の絶対値の積分を取ることに関与する推定値を取ることにより、鼻の分時換気量(MV
n)に変換される。一部の例では、デバイスの分時換気量(MV
device)は、上に論じた3つ全ての手法を使用して、データ点のそれぞれに対して推定される。前に述べたように、3つの方法は以下を含む、(1)デバイスの分時換気量(MV
device)の推定値は、ガス流のパラメータのデータ
【数23】
に適合された直線の第1項の絶対値の積分値を、選択されたフィルタリングされた流量データ点が網羅する時間範囲で除算した値(すなわち、0次スプライン)で表され、(2)デバイスの分時換気量(MV
device)の推定値は、ガス流のパラメータのデータ
【数24】
に適合された直線の絶対値の積分値を、選択されたフィルタリングされた流量データ点が網羅する時間範囲で除算した値(すなわち、1次スプライン)で表され、(3)デバイスの分時換気量(MV
device)の推定値は、ガス流のパラメータのデータに適合された(すなわち、データの書き入れに対してスプラインを使用することなく計算した)曲線の絶対値の平均を表す。
【0149】
図22Dは、デバイスの分時換気量(MV
device)が、上に論じた3つ全ての手法を使用して、データ点のそれぞれに対して推定される、鼻の分時換気量1300を推定する方法の別のフローチャートを示す。方法1000、1100、1200と同様に、方法1300は、ステップ1302で生の流れデータを獲得することから始まる。生の流れデータは、超音波流れセンサなどの流量センサから取得することができる。一部の構成では、ステップ1304で、生の流れデータは、まずデータの品質が十分に良好かどうかを判定するために分析される。生の流れデータが十分な品質からなると判定された場合、データは、不要な信号成分を除去するために前処理することができる。生の流れデータが不十分な品質のものである場合、流れデータは、廃棄され、方法1300はステップ1302に戻り、追加の生の流れデータを受信するために待機する。一部の例では、方法1300は、ステップ1306で不要な信号成分を除去するために、生の流れデータを前処理することを含むことができる。不要な信号成分の除去は、上により詳細に記載されている。不要な信号成分は、流れ発生器モータから存在する可能性がある。一旦前処理されると、流れデータは、患者の呼吸データを代表することができる。一部の構成では、一旦流れデータが前処理されると、データは、方法1300が流れデータに曲線を適合させる、ステップ1312に進むことができる。データは、大きい一過性ピーク(恐らくインタフェースの調整に起因する)を含まない場合、十分な品質からなるとみなすことができる。デバイスの分時換気量(MV
device)は、1分当たりにデバイスに押し入れ、押し出される空気の平均容積を測定する。流れデータに曲線を適合するための工程は、まず最小二乗基準を使用して流れデータにスプラインを適合することによって行うことができる。一部の構成では、適合された直線は、以下によって(近似的に)表すことができる。
【数25】
【0150】
上に提供された方程式では、mは流れデータの平均に対応する適合パラメータであり、sは傾斜(すなわち勾配)であり、t*は、正規化された時間パラメータの線形範囲である。一部の構成では、t*は、正規化された時間パラメータの線形範囲であり、流れデータ内の「最も古い」時点は、-1に等しく、流れデータ内の最も「直近の」時点は、1に等しい。
【0151】
一部の構成では、関数近似の他の方法も使用されてもよい。流れデータは、例えば最も直近の予めフィルタリングされた流量データ点であってもよい。一部の例では、最小二乗法は、前処理された流れデータ(例えば呼吸信号)を概算するために使用することができ、次いで換気量を推定するためにスプラインに沿って積分する。一部の構成では、コントローラは、1つ又は複数の関数を流れパラメータの変化データの選択された部分に適合するために、種々の直線及び/又は曲線適合法を行うことができる。これは、例えば回帰分析、内挿、外挿、線形最小二乗、非線形最小二乗、総最小二乗、単純線形回帰、堅牢な単純線形回帰、多項式回帰、直交回帰、デミング回帰、線形折れ線回帰、回帰希釈、及び/又はその他の非限定例の技法を含むことができる。一部の構成では、少なくとも上記を含む1つ又は複数の関数は、曲線を発生することができる。一部の構成では、曲線は直線であることが可能である。本明細書に記載された直線又は曲線は、複数の曲線、頂点、及び/又は他の特徴を含むことができる。本明細書に記載された直線は、真っ直ぐ、傾斜している、及び/又は水平であることが可能である。一部の例では、本明細書に記載された直線は、最良の適合線であることが可能である。
【0152】
方法1300は、デバイスの分時換気量(MV
device)の3つの瞬間推定値が、適合されたスプラインによって構築された曲線のデータを使用して計算される、ステップ1314を含むことができる。方法1300は、デバイスの分時換気量(MV
device)の瞬間推定値を計算する3つの異なる方法を含むことができる。一部の構成では、3つの推定値の1つは、ガス流のパラメータのデータ
【数26】
に適合された直線の第1項の絶対値の積分値を、選択されたフィルタリングされた流量データ点が網羅する時間範囲で除算した値(すなわち0次スプライン)によって表される、デバイスの分時換気量(MV
device)の推定値である。一部の例では、3つの推定値の別の1つは、ガス流のパラメータのデータ
【数27】
に適合された直線の絶対値の積分値を、選択されたフィルタリングされた流量データ点が網羅する時間範囲で除算した値(すなわち1次スプライン)によって表される、デバイスの分時換気量(MV
device)の推定値である。デバイスの分時換気量(MV
device)の瞬間推定値を計算するために、推定値は1秒にわたって取ることができ、又は20個の推定値は1秒にわたって取ることができる(すなわち20Hzのサンプリング周波数)。推定値を計算するための時間は、少なくとも1~120秒、1~60秒、60~120秒、1~10秒、10~20秒、20~30秒、30~40秒、40~50秒、50~60秒、60~70秒、70~80秒、80~90秒、90~100秒、100~110秒、110~120秒の範囲のいずれか1つ、又は1秒、10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、60秒、70秒、80秒、90秒、100秒、110秒、及び120秒の少なくとも1つであることが可能である。一部の構成では、3つの推定値の別の1つは、ガス流のパラメータ(すなわちデータの書き入れのためにスプラインを使用することなく計算した)のデータに適合された曲線の絶対値の平均によって表されたデバイスの分時換気量(MV
device)の推定値である。一部の構成では、第1のMV
deviceの推定値(すなわち0次スプライン)は、ノイズに最も耐性があり/ノイズに最も影響を受け難く、患者の呼吸数によって最も影響も受ける。一部の例では、第2のMV
deviceの推定値(すなわち1次スプライン)は、非常にノイズに依存するが、呼吸数にあまり依存しない。一部の構成では、第3のMV
deviceの推定値(すなわちスプライン/書き入れがなく、推定値は、一連の瞬間絶対値を直接平均する)は、ノイズによって非常に影響を及ぼされ、呼吸数に依存しない。3つ全ての推定値は、流れの変形であり、送風機の流れ出力に従って変化することを意味することを更に留意されたい。
【0153】
一部の構成では、方法1300は、ステップ1312を飛ばすことができ、前処理された流れデータは、方法1300が、選択された前処理された流量データ点の平均を直接計算することができる、ステップ1314に直接進むことができる。
【0154】
一旦方法1300が、ステップ1314でデバイスの分時換気量(MVdevice)の3つの推定値を獲得すると、フィルタは、ステップ1316で瞬間デバイスの分時換気量(MVdevice)を平均するために、デバイスの分時換気量(MVdevice)に適用することができる。一部の構成では、前に記載されたステップの多重反復にわたって捕捉されたそれぞれの推定値又は一連の推定値は、フィルタ(例えば指数フィルタ)を使用して、平均又は「平滑に」することができる。一部の例では、このステップは、最初の推定値の後だが、いかなる追加処理ステップ(すなわち鼻の分時換気量(MVn)の推定値に変換する)より前に、起きることが可能である。
【0155】
方法1300には、3つの測定値(すなわち第1のMVdeviceの推定値、第2のMVdeviceの推定値、及び第3のMVdeviceの推定値)、並びに推定されたデバイスの分時換気量信号を構築する及び/若しくは貢献することができる、3つの未知の値又は信号成分が存在する。これらの未知の値及び信号成分は、例えばノイズ、呼吸数(例えば患者によって誘発された流速の変化)、及び基本的なデバイスの分時換気量信号を含むことができる。従って、ノイズ、呼吸数、及びデバイスの分時換気量に対する表式を引き出すために同時に解き得る3つの分析表式又は方程式が1組存在する。一部の構成では、3つの分析表式又は方程式を同時に解くことは、非常に計算コストが高い可能性があり、従って医療デバイスなどの埋め込まれたデバイス・アプリケーションでハードウェアを処理する需要がある。一部の構成では、方法1300では、方法1300のアルゴリズムは、推定値のそれぞれに使用したデータ点の数に従って、3つのMVdeviceの推定値を正規化するために、まずステップ1318に進む。一部の例では、方法1300は、ノイズ補正係数を計算することができるステップ1320を含むことができ、ノイズ補正係数は、信号ノイズ比と関係がある。ステップ1320におけるノイズ補正係数の計算は、「呼吸流治療システム内の患者の取付検出」という名称で2020年3月4日に出願された、本出願人の出願番号、国際特許出願第PCT/IB2020/051816号に開示されたあらゆる計算と類似することが可能であり、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。一部の構成では、正規化されたMVdeviceの推定値の1つ又は複数に関連するノイズ補正係数が、計算されてもよい。
【0156】
一部の構成では、方法1300は、アルゴリズムが、正規化された分時換気量の推定値及びノイズ補正係数をデバイスの分時換気量(MVdevice)の推定値の1つに関連付ける既定の適合された曲線を使用することができる、ステップ1322を含むことができる。一部の構成では、適合関数は、少なくとも部分的にいくつかの数値に由来した項を含んでもよい。一部の構成では、この補正された曲線は、デバイスの分時換気量(MVdevice)に対する分析表式の出力を概算することができる。これは、最小ノイズ及び呼吸数の依存性を有するデバイスの分時換気量(MVdevice)を提供することができる。
【0157】
一部の構成では、方法1300は、デバイスの分時換気量(MVdevice)が、鼻の分時換気量(MVn)の推定値に変換することができる、ステップ1324を含むことができる。一部の例では、一部の構成では、前に記載されたステップの多重反復にわたって捕捉されたそれぞれの推定値又は一連の推定値は、フィルタ(例えば指数フィルタ)を使用して、平均又は「平滑に」することができる。一部の例では、このステップは、最初の推定値の後だが、いかなる追加処理ステップ(すなわち鼻の分時換気量(MVn)の推定値に変換する)より前に、起きることが可能である。一部の構成では、デバイスの分時換気量(MVdevice)は、スカラ較正定数(Κn)を使用して、鼻の分時換気量(MVn)に変換することができる。ステップ1308及びステップ1310に示されたように、較正定数(Κn)は、任意選択で、ステップ1308で手動入力の患者インタフェース・パラメータを使用して少なくとも一部を計算し、次いでステップ1310でスカラ較正値を決定することができる。手動入力される患者インタフェース・パラメータは、鼻カニューレ及び現在の流量に関連付けることができる。これらのパラメータは、これに限定されないが、カニューレの型、患者の体格、鼻孔閉塞(又はその推定値)、及び鼻孔径を含むことができる。これらのパラメータは、前述のカニューレの型、患者の体格、及び鼻孔径を推定することができる。別法により、これらのパラメータは、デバイスにより、例えば自動周辺構成要素検出システムを使用すること、又は流量センサから流れデータを受信することにより、自動的に決定することができる。較正定数(Κn)は、出口流れセンサを備えた完全封止顔マスクが、患者の鼻カニューレの上に一時的に置かれた、較正段階又は工程を介して計算されてもよい。完全封止顔マスクを使用して、様々な流れパラメータを捕捉することができ、較正定数決定関数、アルゴリズム、又は方法に入力することができる。別法により、較正定数は、コントローラ内で計算される流れコンダクタンスの推定値から引き出されてもよい。流れコンダクタンスは、前に記載されたように決定されてもよい。
【0158】
一旦鼻の分時換気量(MVn)の推定値が計算されると、方法1300は、ステップ1326で患者の鼻の分時換気量、鼻の分時換気量の変化率、及び/又は鼻の分時換気量の傾向を監視することができる。患者の鼻の分時換気量、鼻の分時換気量の変化率、及び/又は鼻の分時換気量の傾向についての情報は、ステップ1328でユーザ及び/又は医療従事者に情報を提供するために使用することができる。上に論じたように、鼻の分時換気量(MVn)に関連した情報は、表示されたデータ、警報、及び/又は通知の形であることが可能である。鼻の分時換気量(MVn)自体、鼻の分時換気量(MVn)の変化率、又は鼻の分時換気量(MVn)の長期の傾向のいずれかを監視することにより、デバイス・コントローラは、ユーザ及び/又は医療従事者に対して聴覚、視覚、若しくは聴覚-視覚警報、又は通知を提示するように構成されてもよい。これらの警報は、流量などの治療パラメータを調整するためにプロンプトを含むことができる。警報は、提案された閾値又は手動入力した閾値に基づいて起動するように構成することができる。上に論じたように、これにより、治療結果を向上させるためにユーザ及び/又は医療従事者が治療パラメータを調整することができる。鼻の分時換気量(MVn)の傾向も、プロット、チャート、又はグラフとしてデバイス・スクリーンに表示することができる。示された傾向データに基づいて、通知及び/又は警報は、それらに基づいて起動することができる。
【0159】
図23は、正規化されたデバイスの分時換気量1400を推定する方法のフローチャートを示す。
図22B~22Dに示された方法と違い、鼻の分時換気量を計算する代わりに、呼吸デバイスは、補正されたデバイスの分時換気量を取り、デバイス流量を使用して正規化する。一部の構成では、これにより、流れが変わらずデバイス流量に依存しないデバイスの分時換気量の推定値を出すことができる。一部の例では、推定されたデバイスの分時換気量は、鼻カニューレの適合にも依存せず、最初に推定されたデバイスの分時換気量を鼻の分時換気量に変換することなく、患者の分時換気量の汎用表示を提供することができる。
【0160】
方法1400は、ステップ1402で生の流れデータを獲得することから始まる。生の流れデータは、超音波流れセンサなどの流量センサから取得することができる。一部の構成では、ステップ1404で、生の流れデータは、まずデータの品質が十分に良好かどうかを判定するために分析される。生の流れデータが十分な品質からなると判定された場合、データは、不要な信号成分を除去するために前処理することができる。生の流れデータが不十分な品質のものである場合、流れデータは、廃棄され、方法1400はステップ1402に戻り、追加の生の流れデータを受信するために待機する。一部の例では、方法1400は、ステップ1406で不要な信号成分を除去するために、生の流れデータを前処理することを含むことができる。不要な信号成分の除去は、上により詳細に記載されている。不要な信号成分は、流れ発生器モータから存在する可能性がある。
【0161】
一部の構成では、一旦流れデータが前処理されると、データは、方法1400が流れデータに曲線を適合させる、ステップ1408に進むことができる。データは、大きい一過性ピーク(恐らくインタフェースの調整に起因する)を含まない場合、十分な品質からなるとみなすことができる。デバイスの分時換気量(MV
device)は、1分当たりにデバイスに押し入れ、押し出される空気の平均容積を測定する。流れデータに曲線を適合するための工程は、まず最小二乗基準を使用して流れデータにスプラインを適合することによって行うことができる。一部の構成では、適合された直線は、以下によって(近似的に)表すことができる。
【数28】
【0162】
上に提供された方程式では、mは流れデータの平均に対応する適合パラメータであり、sは傾斜(すなわち勾配)であり、t*は、正規化された時間パラメータの線形範囲である。一部の構成では、t*は、正規化された時間パラメータの線形範囲であり、流れデータ内の「最も古い」時点は、-1に等しく、流れデータ内の最も「直近の」時点は、1に等しい。
【0163】
一部の構成では、関数近似の他の方法も使用されてもよい。流れデータは、例えば最も直近の予めフィルタリングされた流量データ点であってもよい。一部の例では、最小二乗法は、前処理された流れデータ(例えば呼吸信号)を概算するために使用することができ、次いで換気量を推定するためにスプラインに沿って積分する。一部の構成では、コントローラは、1つ又は複数の関数を流れパラメータの変化データの選択された部分に適合するために、種々の直線及び/又は曲線適合法を行うことができる。これは、例えば回帰分析、内挿、外挿、線形最小二乗、非線形最小二乗、総最小二乗、単純線形回帰、堅牢な単純線形回帰、多項式回帰、直交回帰、デミング回帰、線形折れ線回帰、回帰希釈、及び/又はその他の非限定例の技法を含むことができる。一部の構成では、少なくとも上記を含む1つ又は複数の関数は、曲線を発生することができる。一部の構成では、曲線は直線であることが可能である。本明細書に記載された直線又は曲線は、複数の曲線、頂点、及び/又は他の特徴を含むことができる。本明細書に記載された直線は、真っ直ぐ、傾斜している、及び/又は水平であることが可能である。一部の例では、本明細書に記載された直線は、最良の適合線であることが可能である。
【0164】
方法1400は、デバイスの分時換気量(MV
device)の3つの瞬間推定値が、適合されたスプラインによって構築された曲線のデータを使用して計算される、ステップ1410を含むことができる。方法1400は、デバイスの分時換気量(MV
device)の瞬間推定値を計算する3つの異なる方法を含むことができる。一部の構成では、3つの推定値の1つは、ガス流のパラメータのデータ
【数29】
に適合された直線の第1項の絶対値の積分値を、選択されたフィルタリングされた流量データ点が網羅する時間範囲で除算した値(すなわち0次スプライン)によって表される、デバイスの分時換気量(MV
device)の推定値である。一部の例では、3つの推定値の別の1つは、ガス流のパラメータのデータ
【数30】
に適合された直線の絶対値の積分値を、選択されたフィルタリングされた流量データ点が網羅する時間範囲で除算した値(すなわち1次スプライン)によって表される、デバイスの分時換気量(MV
device)の推定値である。デバイスの分時換気量(MV
device)の瞬間推定値を計算するために、推定値は1秒にわたって取ることができ、又は20個の推定値は1秒にわたって取ることができる(すなわち20Hzのサンプリング周波数)。推定値を計算するための時間は、少なくとも1~120秒、1~60秒、60~120秒、1~10秒、10~20秒、20~30秒、30~40秒、40~50秒、50~60秒、60~70秒、70~80秒、80~90秒、90~100秒、100~110秒、110~120秒の範囲のいずれか1つ、又は1秒、10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、60秒、70秒、80秒、90秒、100秒、110秒、及び120秒の少なくとも1つであることが可能である。一部の構成では、3つの推定値の別の1つは、ガス流のパラメータ(すなわちデータの書き入れのためにスプラインを使用することなく計算した)のデータに適合された曲線の絶対値の平均によって表されたデバイスの分時換気量(MV
device)の推定値である。一部の構成では、第1のMV
deviceの推定値(すなわち0次スプライン)は、ノイズに最も耐性があり/ノイズに最も影響を受け難く、患者の呼吸数によって最も影響も受ける。一部の例では、第2のMV
deviceの推定値(すなわち1次スプライン)は、非常にノイズに依存するが、呼吸数にあまり依存しない。一部の構成では、第3のMV
deviceの推定値(すなわちスプライン/書き入れがなく、推定値は、一連の瞬間絶対値を直接平均する)は、ノイズによって非常に影響を及ぼされ、呼吸数に依存しない。3つ全ての推定値は、流れの変形であり、送風機の流れ出力に従って変化することを意味することを更に留意されたい。
【0165】
一部の構成では、方法1400は、ステップ1408を飛ばすことができ、前処理された流れデータは、方法1300が、選択された前処理された流量データ点の平均を直接計算することができる、ステップ1410に直接進むことができる。
【0166】
一旦方法1400が、ステップ1410でデバイスの分時換気量(MVdevice)の3つの推定値を獲得すると、フィルタは、ステップ1412で瞬間デバイスの分時換気量(MVdevice)を平均するために、デバイスの分時換気量(MVdevice)に適用することができる。一部の構成では、前に記載されたステップの多重反復にわたって捕捉されたそれぞれの推定値又は一連の推定値は、フィルタ(例えば指数フィルタ)を使用して、平均又は「平滑に」することができる。一部の例では、このステップは、最初の推定値の後だが、いかなる追加処理ステップ(すなわち鼻の分時換気量(MVn)の推定値に変換する)より前に、起きることが可能である。
【0167】
方法1400には、3つの測定値(すなわち第1のMVdeviceの推定値、第2のMVdeviceの推定値、及び第3のMVdeviceの推定値)、並びに推定されたデバイスの分時換気量信号を構築する及び/若しくは貢献することができる、3つの未知の値又は信号成分が存在する。これらの未知の値及び信号成分は、例えばノイズ、呼吸数(例えば患者によって誘発された流速の変化)、及び基本的なデバイスの分時換気量信号を含むことができる。従って、ノイズ、呼吸数、及びデバイスの分時換気量に対する表式を引き出すために同時に解き得る3つの分析表式又は方程式が1組存在する。一部の構成では、3つの分析表式又は方程式を同時に解くことは、非常に計算コストが高い可能性があり、従って医療デバイスなどの埋め込まれたデバイス・アプリケーションでハードウェアを処理する需要がある。一部の構成では、方法1400では、方法1400のアルゴリズムは、推定値のそれぞれに使用したデータ点の数に従って、3つのMVdeviceの推定値を正規化するために、まずステップ1414に進む。一部の例では、方法1400は、ノイズ補正係数を計算することができるステップ1416を含むことができ、ノイズ補正係数は、信号ノイズ比と関係がある。ステップ1416におけるノイズ補正係数の計算は、「呼吸流治療システム内の患者の取付検出」という名称で2020年3月4日に出願された、本出願人の出願番号、国際特許出願第PCT/IB2020/051816号に開示されたあらゆる計算と類似することが可能であり、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。一部の構成では、正規化されたMVdeviceの推定値の1つ又は複数に関連するノイズ補正係数が、計算されてもよい。
【0168】
一部の構成では、方法1400は、アルゴリズムが、正規化された分時換気量の推定値及びノイズ補正係数をデバイスの分時換気量(MVdevice)の推定値の1つに関連付ける既定の適合された曲線を使用することができる、ステップ1418を含むことができる。一部の構成では、適合関数は、少なくとも部分的にいくつかの数値に由来した項を含んでもよい。一部の構成では、この補正された曲線は、デバイスの分時換気量(MVdevice)に対する分析表式の出力を概算することができる。これは、最小ノイズ及び呼吸数の依存性を有するデバイスの分時換気量(MVdevice)を提供することができる。
【0169】
一部の構成では、方法1400は、補正されたデバイスの分時換気量(MVdevice)がデバイス流量を使用して正規化される、ステップ1420を含むことができる。一部の例では、前のステップで前に使用された同じデータ(すなわち良質な前処理された流量データ)を使用して、補正されたデバイスの分時換気量(MVdevice)に達し、流れが変わらず、デバイス流量に依存しないデバイスの分時換気量の推定値を提供する。前に述べたように、補正されたデバイスの分時換気量(MVdevice)は、鼻カニューレ適合に依存しないことが可能であり、患者の分時換気量の汎用表示を(更に鼻の分時換気量に変換することなく)提供する。
【0170】
一旦正規化されたデバイスの分時換気量(MVdevice)の推定値が計算されると、方法1400は、ステップ1422で患者の鼻の分時換気量、鼻の分時換気量の変化率、及び/又は鼻の分時換気量の傾向を監視することができる。患者の鼻の分時換気量、鼻の分時換気量の変化率、及び/又は鼻の分時換気量の傾向についての情報は、ステップ1424でユーザ及び/又は医療従事者に情報を提供するために使用することができる。上に論じたように、正規化されたデバイスの分時換気量(MVdevice)に関連した情報は、表示されたデータ、警報、及び/又は通知の形であることが可能である。正規化されたデバイスの分時換気量(MVdevice)自体、正規化されたデバイスの分時換気量(MVdevice)の変化率、又は正規化されたデバイスの分時換気量(MVdevice)の長期の傾向のいずれかを監視することにより、デバイス・コントローラは、ユーザ及び/又は医療従事者に対して聴覚、視覚、若しくは聴覚-視覚警報、又は通知を提示するように構成されてもよい。これらの警報は、流量などの治療パラメータを調整するためにプロンプトを含むことができる。警報は、提案された閾値又は手動入力した閾値に基づいて起動するように構成することができる。上に論じたように、これにより、治療結果を向上させるためにユーザ及び/又は医療従事者が治療パラメータを調整することができる。正規化されたデバイスの分時換気量(MVdevice)の傾向も、プロット、チャート、又はグラフとしてデバイス・スクリーンに表示することができる。示された傾向データに基づいて、通知及び/又は警報は、それらに基づいて起動することができる。一部の例では、患者の鼻の分時換気量は、正規化されたデバイスの分時換気量を監視することにより、間接的に監視することができる。
【0171】
ユーザ及び/又は医療従事者は、その平均又は瞬時値と対照的に鼻の分時換気量(MVn)の変化率を監視することができる。較正定数(Κn)の決定は、困難であり、潜在的に不正確で信頼できない可能性がある。場合によっては、鼻の分時換気量(MVn)の即値を直接使用することは、即値の精度及び/又は信頼性の問題のために、利点が限定されることがある。一部の構成では、鼻の分時換気量(MVn)の即値の精度及び/又は信頼性は、較正定数(Κn)の精度及び/又は信頼性のために限定されることがある。しかし特定の例における鼻の分時換気量(MVn)の値は、著しい誤差を有することがある一方で、鼻の分時換気量(MVn)の傾向は、患者の呼吸努力を経時的に正確に又は確実に表す。例えば、鼻の分時換気量(MVn)の低減又は増加傾向は、治療の効果又は患者の健康の悪化を示すことができる。鼻の分時換気量(MVn)の主観性に起因して、鼻の分時換気量(MVn)の変化又は傾向は、即値自体と対照的にユーザ及び医療従事者により有益である可能性がある。鼻の分時換気量(MVn)は、各患者の鼻の分時換気量(MVn)の読取値が、各患者の個々の身長、質量、その他の結果と異なることがあるので、主観的である可能性がある。患者間で著しい差があり、臨床医が単一の鼻の分時換気量(MVn)値のみに基づいて、あらゆる強力な結論を引き出すことは難しいことがある。例えば鼻の分時換気量(MVn)が経時的に増加する場合、これは、治療パラメータが、患者の肺を経時的に増強するのに効果的であると、ユーザ及び/又は医療従事者に示すことができる。しかし鼻の分時換気量(MVn)が経時的に低減する場合、これは、患者の肺機能が悪化しているとユーザ又は医療従事者に示すことができる。例えば、鼻の分時換気量(MVn)の低減は、喘息症状の悪化、瘢痕組織の増加、患者のエネルギーの低減、細菌又はウイルス感染の増加、及び肺内の流体の増加を示すことができる。鼻の分時換気量(MVn)の傾向情報は、経鼻高流量システムが家庭の場で使用する時に、特に有益である可能性がある。傾向情報は、ユーザが個々のデータ点及び値を解釈するノウハウを必要とすることなく、患者の悪化を同定するのを助けることができる。
【0172】
呼吸数RRがわかる場合、患者の1回換気量(V
T)の推定値は、鼻の分時換気量(MV
n)を使用して以下のように計算されてもよい。
【数31】
1回換気量(V
T)の値は、特に患者の肺全体の死腔がわかる時に、別の呼吸努力又は健康表示として有益である可能性がある。1回換気量(V
T)は、臨床医及び他の医療従事者によってよく理解され、使用される共通基準であるので、鼻の分時換気量(MV
n)に加えて又は別法として、1回換気量(V
T)の情報又は警報を提供するのに役立つ可能性がある。1回換気量の推定値は、呼吸治療装置のディスプレイ上に表示されてもよい。推定された1回換気量は、患者の報告に組み込むために、リモートサーバ又は遠隔患者管理システムにも送信されてもよい。一構成では、呼吸装置は、推定された1回換気量が閾値を下回る場合、警報(例えば可聴及び視覚警報)も発してもよい。推定された1回換気量が閾値を超える場合も警報を発してもよい。一例では、臨床医は、呼吸装置のユーザインタフェース(例えばタッチスクリーン又はタッチスクリーンとボタンの組合せ)を介して、最低1回換気量閾値を設定することができることがある。コントローラは、上記のように1回換気量を繰り返し推定し、臨床医の設定閾値と比較するように構成されてもよい。1回換気量が設定閾値を下回る場合は、患者の1回換気量が十分ではないことを臨床医に示すために警報が発せられてもよい。任意選択で、上限も設定されてもよく、1回換気量が上限を超えた場合に警報が提供されてもよい。
【0173】
最大吸気流
コントローラは、最大吸気流
【数32】
の推定値を計算するように構成された工程を含むことができる。最大吸気流
【数33】
の推定値は、患者の最大吸気流の指標である。最大吸気流
【数34】
の推定値は、患者の呼吸需要及び努力を推定するために使用することができる。
【0174】
最大吸気流
【数35】
は、別のスカラ較正定数を使用して、鼻の分時換気量(MV
n)を変換及び/又は変形することによって推定することができる。これは、スケール因子としての実数を鼻の分時換気量(MV
n)の推定値に単純に適用することによって行うことができる。鼻の分時換気量(MV
n)を推定するための方法に類似して、較正定数(Κ
p)は、最大吸気流
【数36】
がほぼΚ
pMV
nであるように、鼻の分時換気量(MV
n)に適用されてもよい。較正定数(Κ
p)は、3~6の間、又は3、4、5、若しくは6であることが可能である。
【0175】
図24は、最大吸気流1500を推定する方法のフローチャートを示す。方法1500は、ステップ1502で生の流れデータを獲得することから始まる。生の流れデータは、超音波流れセンサなどの流量センサから取得することができる。方法1500は、ステップ1504で不要な信号成分を除去するために、生の流れデータを前処理することを含むことができる。不要な信号成分の除去は、上により詳細に記載されている(例えば方法1000のステップ1004、方法1100のステップ1104、方法1200のステップ1206、及び方法1300のステップ1306)。不要な信号成分は、流れ発生器モータから存在する可能性がある。一旦前処理されると、流れデータは、患者の呼吸データを表すことができる。方法1500は、データが十分な品質からなると仮定すると、前処理されたデータが、デバイスの分時換気量(MV
device)を計算するために、デバイスの分時換気量アルゴリズムに通すことができる、ステップ1506を含むことができる。一旦デバイスの分時換気量(MV
device)が獲得されると、方法1500は、任意選択で、デバイスの分時換気量(MV
device)を鼻の分時換気量(MV
n)に変換することを含むことができる。上により詳細に記載されたように、鼻の分時換気量(MV
n)は、スカラ較正定数を使用して、デバイスの分時換気量(MV
device)を変換すること及び/又は変形することによって推定することができる。前に論じたように、スカラ較正定数は、鼻カニューレ及び現在の流量に対する手動入力パラメータを使用することによって決定することができる。一部の構成では、鼻の分時換気量(MV
n)が獲得された場合は、最大吸気流
【数37】
は、ステップ1508でスカラ較正定数(Κ
p)を使用して、鼻の分時換気量(MV
n)を変換及び/又は変形することによって推定することができる。上に論じたように、較正定数(Κ
p)は、3~6の間、又は3、4、5、若しくは6である可能性がある。
【0176】
最大吸気流
【数38】
を推定することは、患者の吸気需要が満たされていないとコントローラが判定した場合、流量設定を増加するために、ユーザ又は医療従事者にプロンプトを提供するために使用することができるので、有益である可能性がある。一部の構成では、これは、患者が周囲空気を巻き込むことがあることをユーザ又は医療従事者に示すことができる。これは、提供されたガス混合物を希釈する可能性があり、吸入酸素濃度(FiO
2)が低下し、潜在的に高流量治療の利点の一部を損なうので、望ましくない。一部の例では、患者の最大吸気流
【数39】
が満たされた場合、これは、治療デバイスによって出力されたガス混合物のO
2分率が、患者によって吸入されたガス混合物の吸入酸素分率(FiO
2)である(ほぼ近い)ことを、ユーザ又は医療従事者に示す。吸入酸素分率(FiO
2)についてのより詳細は、以下に論じる。一部の例では、流量に対する推奨は、ユーザ又は医療従事者に表示することができる。
【0177】
最大吸気流
【数40】
の傾向及び/又は変化率は、ユーザ及び/又は医療従事者に貴重な情報を提供することができる。例えば、最大吸気流
【数41】
が経時的に増加する場合、これは、治療パラメータが、患者の肺を経時的に増強するのに効果的であると、ユーザ及び/又は医療従事者に示すことができる。しかし最大吸気流
【数42】
が経時的に低減する場合、これは、患者の肺機能が悪化しているとユーザに示すことができる。例えば、最大吸気流
【数43】
の低減は、喘息症状の悪化、瘢痕組織の増加、患者のエネルギーの低減、細菌又はウイルス感染の増加、及び肺内の流体の増加を示すことができる。最大吸気流
【数44】
の傾向情報は、経鼻高流量システムが家庭の場で使用する時に、特に有益である可能性がある。傾向情報は、ユーザが個々のデータ点及び値を解釈するノウハウを必要とすることなく、患者の悪化を同定するのを助けることができる。
【0178】
しばしばユーザ及び/又は医療従事者は、流量を調整する代わりに、吸入酸素分率(FiO2)を増加させる目的で、酸素濃度を供給で調整する。これは所望の効果を持つことができる一方で、代わりに流量を増加する方がより有利である可能性がある。供給時点で設定する吸入酸素分率(FiO2)は、封止されていないシステム内のインタフェースの漏れのために、患者が実際に受領する吸入酸素分率(FiO2)と必ずしも一致しない。代わりにデバイス流量を増加することにより、これは、受領した吸入酸素分率(FiO2)を供給時点で設定した所望の吸入酸素分率(FiO2)に近づける役に立つことができる。一部の構成では、デバイス出力が患者の最大吸気需要を満たすかどうかを理解することにより、流量はそれに応じて調整することができる。
【0179】
デバイス・コントローラは、最大吸気流
【数45】
又はその変化率が、規定閾値外の場合に、ユーザ及び/又は医療従事者に対して聴覚及び/若しくは視覚警報又は通知を提示するように構成することができる。閾値は、デバイスにより、又はユーザ及び/若しくは医療従事者による手動入力によって提案することができる。最大吸気流
【数46】
は、最大吸気流
【数47】
が特定のレベルを下回る時に、離断警報を含むことができる。例えば、最大吸気流
【数48】
が5L/分を下回る場合、患者の著しい悪化又はデバイスからの患者の離断を示すことができる。
【0180】
最大吸気流
【数49】
の傾向も、デバイス・スクリーン上に表示されてもよい。デバイス・スクリーンは、プロット、チャート、又はグラフとして最大吸気流
【数50】
の可視化を提供することができる。コントローラは、最大吸気流
【数51】
に基づいて通知又は警報を起動することができる。最大吸気流は、携帯機器又はリモートサーバ又は遠隔患者管理システムに送信されてもよい。最大吸気流は、遠隔患者管理システムで患者の報告に組み込まれてもよい。最大吸気流及び/又は鼻の分時換気量は、治療セッションの終わりに遠隔患者管理システムに送信されてもよい。別法により、この決定されたデータは、治療中に遠隔システムに一定間隔で送信されてもよい。推定された1回換気量も、遠隔患者管理システムに送信されてもよい。鼻の分時換気量、最大吸気流も、好ましくは呼吸治療装置のディスプレイ上に表示される。
【0181】
一部の構成では、呼吸治療装置は、例えば患者の最大吸気流量に一致又はわずかに超える設定された流量に達するために、決定された患者パラメータの1つに基づいて制御されてもよい。患者の最大吸気流が推定されて、設定された流量と比較されてもよい。コントローラは、推定された最大吸気流が、設定された流量を超える場合、流量を増加させてもよい。流量が患者の推定最大吸気流を著しく超える場合、コントローラは、流量を低減してもよい。同様に、コントローラは、設定された閾値に従って流量及びユーザの推定された鼻の分時換気量を提供するように、送風機を制御してもよい。臨床医は、鼻の分時換気量の閾値を手動で設定することができてもよい。次いでコントローラが、一定時間にわたって現在の鼻の分時換気量を推定し、それが閾値を下回ることを見出した場合、流量は調整(増加)されてもよい。調整の大きさは、設定された閾値と推定された鼻の分時換気量値との差に少なくとも部分的に基づいてもよい。
【0182】
専門用語
状況が明らかにそうではないと要求しない限り、本明細書及び特許請求の範囲を通して、単語「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、及び同種のものは、排他的又は網羅的意味とは対照的に包括的意味で、すなわち「これに限定されないが、含む」意味に解釈されるべきである。
【0183】
本開示は特定の実施形態及び例に関して記載されてきたが、本開示は、具体的に開示された実施形態を超えて他の代替実施形態に広がり、及び/又は修正形態及びその等価物を使用し明らかであることが、当業者には理解されよう。加えて、本開示の実施形態の複数の変形が示され、詳細に記載されてきたが、本開示の範囲内である他の修正形態が、当業者には容易に明らかになろう。実施形態の特定の特徴及び態様の様々な組合せ又は部分的組合せが行われてもよく、依然として本開示の範囲内に収まることも企図される。例えば一実施形態に関連した上記の特徴は、本明細書に記載された異なる実施形態と共に使用することができ、組合せは依然として本開示の範囲内に収まる。開示された実施形態の様々な特徴及び態様は、本開示の実施形態の異なるモードを形成するために、互いに組合せ、又は取り替えることができることを理解するべきである。このように本明細書の開示の範囲は、上記の特定の実施形態によって制限されるべきではないことを意図する。それに応じて、特段の記載がない限り、又は明らかに矛盾しない限り、本発明の各実施形態は、本明細書に記載されたその基本的な特徴に加えて、本明細書に開示された本発明の実施形態から互いに本明細書に記載されたような1つ又は複数の特徴を含んでもよい。
【0184】
具体的な態様、実施形態、若しくは例と併せて記載された特徴、材料、特性、又は群は、それと矛盾しない限り、本明細書の本章又はいずれかに記載されたあらゆる他の態様、実施形態若しくは例に適用可能であることを理解されたい。(あらゆる添付の特許請求の範囲、概要及び図面を含む)本明細書に開示された全ての特徴、及び/又はそのように開示されたあらゆる方法若しくは工程の全てのステップは、そのような特徴及び/又はステップの少なくとも一部が互いに相容れない組合せを除き、あらゆる組合せで組み合わされてもよい。保護は、あらゆる前述の実施形態の詳細に限定されない。保護は、(あらゆる添付の特許請求の範囲、概要及び図面を含む)本明細書に開示された特徴のあらゆる新規のもの、若しくはあらゆる新規の組合せ、或いはそのように開示されたあらゆる方法若しくは工程のステップのあらゆる新規のもの又はあらゆる新規の組合せに広がる。
【0185】
更に、別個の実装形態に関して本開示に記載された特定の特徴は、単一の実装形態に組み合わせて実装することもできる。逆に単一の実装形態に関して記載された様々な特徴は、複数の実装形態に別個に、又はあらゆる適切な部分的組合せで実装することもできる。その上、特徴は特定の組合せで作用するように上に記載されていることがあるが、主張された組合せからの1つ又は複数の特徴は、場合によっては、その組合せから削除することができ、組合せは、部分的組合せ又は部分的組合せの変形として主張されてもよい。
【0186】
その上、作動は特定の順番で図面に描かれ、又は本明細書に記載されることがある一方で、そのような作動は、所望の結果を達成するために、示された具体的な順番若しくは連続した順番で行う必要はなく、又は全ての作動を実行する必要はない。描かれていない又は記載されていない他の作動は、例示的方法及び工程に組み込むことができる。例えば1つ又は複数の追加の作動は、あらゆる記載された作動の前、後、同時に、又は間に行うことができる。更に作動は、他の実装形態に再配置又は再配列されてもよい。一部の実施形態では、示され及び/又は開示された工程で行う実際のステップは、図に示されたステップと異なってもよいことが、当業者には認識されよう。実施形態に依存して、上記の特定のステップは取り除かれてもよく、その他が追加されてもよい。更に上に開示された特定の実施形態の特徴及び属性は、追加の実施形態を形成するために異なる方法で組み合わされてもよく、その全ては本開示の範囲内に収まる。また上記の実装形態の様々なシステム構成要素の分離は、全ての実装形態のそのような分離が必要であると理解されるべきではなく、記載された構成要素及びシステムは、単一の製品又は複数の製品のパッケージに一緒に統合することが概ね可能であることを理解するべきである。
【0187】
本開示のために、特定の態様、利点、及び新規の特徴が、本明細書に記載されている。必ずしも全てのそのような利点が、あらゆる具体的な実施形態により達成され得るわけではない。このように例えば、本開示が、本明細書に教示され若しくは提案され得るような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示されたような1つの利点若しくは利点の群を達成する方法で、具現化又は実行されてもよいことが当業者には認識されよう。
【0188】
使用された「can」、「could」、「might」又は「may」などの仮定的な言語は、別段に明記されていない限り、又は使用される文脈内で異なって理解されない限り、一般には、ある特定の実施形態がある特定の特徴、要素及び/又はステップを含むが、他の実施形態はそれらを含まないことを伝えることを意図する。従って、そのような仮定的な言語は一般に、特徴、要素及び/又はステップがいかなる方法でも1つ又は複数の実施形態のために必要とされること、或いは1つ又は複数の実施形態が、他のユーザ入力若しくはプロンプトを用いて、又は用いずに、これらの特徴、要素及び/又はステップが任意の特定の実施形態に含まれるか、又は任意の特定の実施形態において実行されるべきかどうかを判定するための論理を必ず含むことを示唆するように意図するものではない。
【0189】
用語「約(approximately)」、「約(about)」、「概して(generally)」、及び「実質的に(substantially)」などの本明細書で使用される程度の言語は、本明細書で使用する場合、依然として所望の機能を行う、若しくは所望の結果を達成する、記載された値、量、又は特性に近い値、量、又は特性を表す。例えば用語「約(approximately)」、「約(about)」、「概して(generally)」、及び「実質的に(substantially)」は、記載された量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、及び0.01%未満の量を指してもよい。
【0190】
例示及び/又は好ましい特徴
1.封止されていない呼吸インタフェースを使用して、患者に呼吸治療を送達するように構成された呼吸デバイスであって、デバイスは、
コントローラを含み、コントローラは、
デバイスが封止されていないユーザインタフェースと共に使用されている間に、呼吸デバイスのガス流の、患者の呼吸を示す、パラメータのデータを受信し、
デバイスの分時換気量又はデバイスの分時換気量を示すパラメータを決定し、
ユーザの分時換気量を示すように構成される、呼吸デバイス。
2.コントローラは、ノイズを除去するためにガス流のパラメータのデータを処理するように更に構成される、段落1に記載の呼吸デバイス。
3.コントローラは、ガス流のパラメータに対するモータの影響に関連するノイズを除去するように構成される、段落2に記載の呼吸デバイス。
4.コントローラは、モータ速度についてのデータを受信するように構成され、ガス流のパラメータは、モータ速度が予め設定された閾値を下回る場合に廃棄される、段落3に記載の呼吸デバイス。
5.コントローラは、ガス流のパラメータが不十分な品質のものであるとコントローラが判定した場合、ガス流のパラメータを廃棄するように構成される、段落1~3のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
6.ガス流のパラメータは、大きい一過性ピークを含むので、不十分な品質のものである、段落5に記載の呼吸デバイス。
7.デバイスの分時換気量を決定することは、ガス流のパラメータのデータに複数のスプラインを適合することを含み、複数のスプラインは、最小二乗基準を使用して適合され、デバイスの分時換気量は、複数のスプラインに沿って積分することによって決定される、段落1~6のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
8.デバイスの分時換気量を決定することは、ガス流のパラメータのデータに適合された直線の第1項の絶対値の積分を決定することを含む、段落1~6のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
9.デバイスの分時換気量を決定することは、ガス流のパラメータのデータに適合された直線の絶対値の積分を時間範囲で除算した値を決定することを含む、段落1~6のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
10.デバイスの分時換気量を決定することは、時間範囲内の時点の範囲にわたるガス流のパラメータのデータに適合された直線の絶対値の平均を含む、段落1~6のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
11.コントローラは、デバイスの分時換気量に基づいて正規化されたデバイスの分時換気量を計算するように構成される、段落1~10のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
12.コントローラは、正規化されたデバイスの分時換気量に相関したノイズ補正係数を計算するように構成される、段落11に記載の呼吸デバイス。
13.コントローラは、正規化されたデバイスの分時換気量とノイズ補正係数をデバイスの分時換気量と関連付けることにより、補正されたデバイスの分時換気量を計算するように構成される、段落12に記載の呼吸デバイス。
14.デバイスの分時換気量は、鼻の分時換気量に変換される、段落1~13のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
15.デバイスの分時換気量は、スカラ較正定数を使用して鼻の分時換気量に変換される、段落14に記載の呼吸デバイス。
16.スカラ較正定数は、鼻カニューレ又は現在の流量に関連する患者インタフェース・パラメータを入力することによって決定される、段落15に記載の呼吸デバイス。
17.スカラ較正定数は、カニューレの型、患者の体格、及び鼻孔径、並びに/又はユーザの鼻の閉塞量の少なくとも1つを入力することによって決定される、段落15に記載の呼吸デバイス。
18.スカラ較正定数は、呼吸デバイスの少なくとも1つの流れパラメータを測定するために、患者が封止されていない鼻カニューレを着用している間、封止された顔マスクを患者の顔の上に一時的に置くことによって計算される、段落15に記載の呼吸デバイス。
19.コントローラは、鼻の分時換気量、鼻の分時換気量の変化率、及び鼻の分時換気量の傾向の少なくとも1つを監視するように更に構成される、段落1~18のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
20.呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、鼻の分時換気量に関連するデータを表示するように構成される、段落1~19のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
21.呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、鼻の分時換気量の変化率に関連するデータを表示するように構成される、段落1~19のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
22.呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、鼻の分時換気量の傾向に関連するデータを表示するように構成される、段落1~19のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
23.呼吸デバイスは、鼻の分時換気量が、予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落1~22のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
24.呼吸デバイスは、鼻の分時換気量の率が、予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落1~22のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
25.呼吸デバイスは、鼻の分時換気量の傾向が、予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落1~22のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
26.呼吸デバイスは、患者インタフェースを含み、患者インタフェースは、鼻カニューレを含む、段落1~25のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
27.呼吸デバイスは、経鼻高流量治療を送達するように構成される、段落1~26のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
28.患者へのガス流を加湿するように構成された加湿器を更に含む、段落1~27のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
29.封止されていない呼吸インタフェースを使用して、患者に呼吸治療を送達するように構成された呼吸デバイスであって、デバイスは、患者の呼吸に関連した情報を提供するように構成され、デバイスは、
コントローラを含み、コントローラは、
呼吸デバイスのガス流の、患者の呼吸を示す、パラメータのデータを受信し、
ノイズを除去するためにガス流のパラメータのデータを処理し、
ガス流のパラメータが、十分な品質からなるかどうかを判定し、
デバイスの分時換気量を決定し、
スカラ較正定数を使用してデバイスの分時換気量を鼻の分時換気量に変換するように構成される、呼吸デバイス。
30.コントローラは、ガス流のパラメータに対するモータの影響に関連するノイズを除去するように構成される、段落29に記載の呼吸デバイス。
31.コントローラは、モータ速度についてのデータを受信するように構成され、ガス流のパラメータは、モータ速度が予め設定された閾値を下回る場合に廃棄される、段落30に記載の呼吸デバイス。
32.ガス流のパラメータは、大きい一過性ピークを含むので、不十分な品質のものである、段落31に記載の呼吸デバイス。
33.デバイスの分時換気量を決定することは、ガス流のパラメータのデータに複数のスプラインを適合することを含み、複数のスプラインは、最小二乗基準を使用して適合され、デバイスの分時換気量は、複数のスプラインに沿って積分することによって決定される、段落29~32のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
34.デバイスの分時換気量を決定することは、ガス流のパラメータのデータに適合された直線の第1項の絶対値の積分を決定することを含む、段落29~32のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
35.デバイスの分時換気量を決定することは、ガス流のパラメータのデータに適合された直線の絶対値の積分を時間範囲で除算した値を含む、段落29~32のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
36.デバイスの分時換気量を決定することは、時間範囲内の時点の範囲にわたるガス流のパラメータのデータに適合された直線の絶対値の平均を含む、段落29~32のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
37.コントローラは、デバイスの分時換気量に基づいて正規化されたデバイスの分時換気量を計算するように構成される、段落29~36のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
38.コントローラは、正規化されたデバイスの分時換気量に相関したノイズ補正係数を計算するように構成される、段落37に記載の呼吸デバイス。
39.コントローラは、正規化されたデバイスの分時換気量とノイズ補正係数をデバイスの分時換気量と関連付けることにより、補正されたデバイスの分時換気量を計算するように構成される、段落38に記載の呼吸デバイス。
40.スカラ較正定数は、鼻カニューレ又は現在の流量に関連する患者インタフェース・パラメータを入力することによって決定される、段落39に記載の呼吸デバイス。
41.スカラ較正定数は、カニューレの型、患者の体格、及び鼻孔径の少なくとも1つを入力することによって決定される、段落39に記載の呼吸デバイス。
42.スカラ較正定数は、呼吸デバイスの少なくとも1つの流れパラメータを測定するために、患者が鼻カニューレを着用している間、封止された顔マスクを患者の顔の上に一時的に置くことによって計算される、段落39に記載の呼吸デバイス。
43.コントローラは、鼻の分時換気量、鼻の分時換気量の変化率、及び鼻の分時換気量の傾向の少なくとも1つを監視するように更に構成される、段落29~42のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
44.呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、鼻の分時換気量に関連するデータを表示するように構成される、段落29~43のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
45.呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、鼻の分時換気量の変化率に関連するデータを表示するように構成される、段落29~43のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
46.呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、鼻の分時換気量の傾向に関連するデータを表示するように構成される、段落29~43のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
47.呼吸デバイスは、鼻の分時換気量が、予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落26~46のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
48.呼吸デバイスは、鼻の分時換気量の変化率が、予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落29~46のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
49.呼吸デバイスは、鼻の分時換気量の傾向が、予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落29~46のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
50.呼吸デバイスは、患者インタフェースを含み、患者インタフェースは、鼻カニューレを含む、段落29~49のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
51.呼吸デバイスは、経鼻高流量治療を送達するように構成される、段落29~50のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
52.患者へのガス流を加湿するように構成された加湿器を更に含む、段落29~51のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
53.封止されていない呼吸インタフェースを使用して、患者に呼吸治療を送達するように構成された呼吸デバイスであって、デバイスは、患者の呼吸に関連した情報を提供するように構成され、デバイスは、
コントローラを含み、コントローラは、
呼吸デバイスのガス流の、患者の呼吸を示す、パラメータのデータを受信し、
患者の最大吸気流を決定するように構成される、呼吸デバイス。
54.コントローラは、デバイスの分時換気量を決定するように構成される、段落53に記載の呼吸デバイス。
55.患者の最大吸気流は、デバイスの分時換気量に基づく、段落54に記載の呼吸デバイス。
56.コントローラは、ノイズを除去するためにガス流のパラメータのデータを処理するように更に構成される、段落53~55のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
57.コントローラは、ガス流のパラメータに対するモータの影響に関連するノイズを除去するように構成される、段落56に記載の呼吸デバイス。
58.コントローラは、モータ速度についてのデータを受信するように構成され、ガス流のパラメータは、モータ速度が予め設定された閾値を下回る場合に廃棄される、段落57に記載の呼吸デバイス。
59.コントローラは、ガス流のパラメータが不十分な品質のものであるとコントローラが判定した場合、ガス流のパラメータを廃棄するように構成される、段落53~58のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
60.ガス流のパラメータは、大きい一過性ピークを含むので、不十分な品質のものである、段落59に記載の呼吸デバイス。
61.デバイスの分時換気量を決定することは、ガス流のパラメータのデータに複数のスプラインを適合することを含み、複数のスプラインは、最小二乗基準を使用して適合され、デバイスの分時換気量は、複数のスプラインに沿って積分することによって決定される、段落54~60のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
62.デバイスの分時換気量を決定することは、ガス流のパラメータのデータに適合された直線の第1項の絶対値の積分を決定することを含む、段落54~61のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
63.デバイスの分時換気量を決定することは、ガス流のパラメータのデータに適合された直線の絶対値の積分を時間範囲で除算した値を含む、段落54~62のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
64.デバイスの分時換気量を決定することは、時間範囲内の時点の範囲にわたるガス流のパラメータのデータに適合された直線の絶対値の平均を含む、段落54~63のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
65.コントローラは、デバイスの分時換気量に基づいて正規化されたデバイスの分時換気量を計算するように構成される、段落53~64のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
66.コントローラは、正規化されたデバイスの分時換気量に相関したノイズ補正係数を計算するように構成される、段落65に記載の呼吸デバイス。
67.コントローラは、正規化されたデバイスの分時換気量とノイズ補正係数をデバイスの分時換気量と関連付けることにより、補正されたデバイスの分時換気量を計算するように構成される、段落66に記載の呼吸デバイス。
68.コントローラは、デバイスの分時換気量を鼻の分時換気量に変換するように更に構成される、段落54~67のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
69.デバイスの分時換気量は、スカラ較正定数を使用して鼻の分時換気量に変換される、段落68に記載の呼吸デバイス。
70.スカラ較正定数は、鼻カニューレ又は現在の流量に関連する患者インタフェース・パラメータを入力することによって決定される、段落69に記載の呼吸デバイス。
71.スカラ較正定数は、カニューレの型、患者の体格、及び鼻孔径の少なくとも1つを入力することによって決定される、段落70に記載の呼吸デバイス。
72.スカラ較正定数は、呼吸デバイスの少なくとも1つの流れパラメータを測定するために、患者が封止されていない鼻カニューレを着用している間、封止された顔マスクを患者の顔の上に一時的に置くことによって計算される、段落71に記載の呼吸デバイス。
73.患者の最大吸気流は、較正定数を適用することにより、鼻の分時換気量を変換することによって決定される、段落68~72のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
74.較正定数は3である、段落73に記載の呼吸デバイス。
75.較正定数は4である、段落73に記載の呼吸デバイス。
76.較正定数は5である、段落73に記載の呼吸デバイス。
77.較正定数は6である、段落73に記載の呼吸デバイス。
78.較正定数は3~6の間である、段落73に記載の呼吸デバイス。
79.コントローラは、少なくとも最大吸気流又は最大吸気流の変化率を監視するように更に構成される、段落53~78のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
80.呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、最大吸気流に関連するデータを表示するように構成される、段落53~79のいずれか一つに記載の呼吸。
81.呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、最大吸気流の変化率に関連するデータを表示するように構成される、段落53~80のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
82.呼吸デバイスは、最大吸気流が予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落53~81のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
83.呼吸デバイスは、最大吸気流の変化率が予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落53~82のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
84.呼吸デバイスは、患者インタフェースを含み、患者インタフェースは、鼻カニューレを含む、段落53~83のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
85.呼吸デバイスは、経鼻高流量治療を送達するように構成される、段落53~84のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
86.患者へのガス流を加湿するように構成された加湿器を更に含む、段落54~85のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
87.封止されていない呼吸インタフェースを使用して、患者に呼吸治療を送達するように構成された呼吸デバイスであって、デバイスは、患者の呼吸に関連した情報を提供するように構成され、デバイスは、
コントローラを含み、コントローラは、
デバイスが封止されていないユーザインタフェースと共に使用されている間に、呼吸デバイスのガス流の流量を受信し、
受信したガスの流量に基づいて呼吸パラメータを決定するように構成され、呼吸パラメータは患者の分時換気量を示す、呼吸デバイス。
88.コントローラは、グラフィカル・ユーザインタフェース上に呼吸パラメータを表示するように構成される、段落87に記載の呼吸デバイス。
89.コントローラは、ガス流に基づいてデバイスの分時換気量を決定するように構成され、コントローラは、デバイスの分時換気量に基づいて患者の分時換気量を決定するように構成される、段落87又は88のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
90.コントローラは、ノイズを除去するためにガス流の流量を処理するように更に構成される、段落87~89のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
91.コントローラは、ガス流のパラメータに対するモータの影響に関連するノイズを除去するように構成される、段落90に記載の呼吸デバイス。
92.コントローラは、モータ速度についてのデータを受信するように構成され、ガス流のパラメータは、モータ速度が予め設定された閾値を下回る場合に廃棄される、段落91に記載の呼吸デバイス。
93.コントローラは、ガス流の流量が不十分な品質のものであるとコントローラが判定した場合、ガス流の流量を廃棄するように構成される、段落87~92のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
94.ガス流の流量は、大きい一過性ピークを含むので、不十分な品質のものである、段落93に記載の呼吸デバイス。
95.コントローラは、段落7~10のいずれか一つに記載のデバイスの分時換気量を決定するように構成され、患者の分時換気量は、上記の段落のいずれか1つ又は複数に画定されたように計算されてもよい、段落87~94のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
96.封止されていない呼吸インタフェースを使用して、患者に呼吸治療を送達するように構成された呼吸デバイスであって、デバイスは、患者の呼吸に関連した情報を提供するように構成され、デバイスは、
コントローラを含み、コントローラは、
デバイスが封止されていないユーザインタフェースと共に使用されている間に、呼吸デバイスのガス流の流量を受信し、
受信したガスの流量に基づいて患者の最大吸気流を決定するように構成される、呼吸デバイス。
97.コントローラは、グラフィカル・ユーザインタフェース上に患者の最大吸気流を表示するように構成される、段落96に記載の呼吸デバイス。
98.コントローラは、デバイスの分時換気量に基づいて患者の最大吸気流を決定するように構成される、段落96又は97のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
99.デバイスの分時換気量は、ガス流の流量に基づき、ガス流の流量は、段落56~60のいずれか一つに従って前処理される、段落96~98のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
100.デバイスの分時換気量は、段落61~64のいずれか一つに従って計算される、段落96~99のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
101.コントローラは、段落68~78のいずれか一つに従ってデバイスの分時換気量を鼻の分時換気量に変換するように構成される、段落96~100のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
102.コントローラは、少なくとも最大吸気流又は最大吸気流の変化率を監視するように構成される、段落96~101のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
103.呼吸デバイスは、ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、最大吸気流又は最大吸気流の変化率の少なくとも1つに関連するデータを表示するように構成される、段落96~102のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
104.呼吸デバイスは、最大吸気流が予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落96~103のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
105.呼吸デバイスは、最大吸気流の変化率が予め設定された閾値を超える又は下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落96~104のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
106.コントローラは、1回換気量を決定し、1回換気量が予め設定された閾値を下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落1~28のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
107.コントローラは、1回換気量を決定し、1回換気量が予め設定された閾値を下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落29~52のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
108.コントローラは、1回換気量を決定し、1回換気量が予め設定された閾値を下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落53~86のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
109.コントローラは、1回換気量を決定し、1回換気量が予め設定された閾値を下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落87~95のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
110.コントローラは、1回換気量を決定し、1回換気量が予め設定された閾値を下回る時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落96~105のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
111.コントローラは、デバイス流量を使用して、補正されたデバイスの分時換気量を正規化するように構成される、段落1~28のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
112.呼吸デバイスは、補正されたデバイスの分時換気量、補正されたデバイスの分時換気量の変化率、及び補正されたデバイスの分時換気量の傾向の少なくとも1つに関連するデータを表示するように構成されたディスプレイを更に含む、段落111のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
113.呼吸デバイスは、補正されたデバイスの分時換気量が予め設定された閾値を超える又は下回る、補正されたデバイスの分時換気量の変化率が予め設定された閾値を超える又は下回る、及び補正されたデバイスの分時換気量の傾向が予め設定された閾値を超える又は下回るのうち少なくとも1つの時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落111又は112のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
114.コントローラは、デバイス流量を使用して、補正されたデバイスの分時換気量を正規化するように構成される、段落29~52のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
115.呼吸デバイスは、補正されたデバイスの分時換気量、補正されたデバイスの分時換気量の変化率、及び補正されたデバイスの分時換気量の傾向の少なくとも1つに関連するデータを表示するように構成されたディスプレイを更に含む、段落114のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
116.呼吸デバイスは、補正されたデバイスの分時換気量が予め設定された閾値を超える又は下回る、補正されたデバイスの分時換気量の変化率が予め設定された閾値を超える又は下回る、及び補正されたデバイスの分時換気量の傾向が予め設定された閾値を超える又は下回るのうち少なくとも1つの時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落114又は115のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
117.コントローラは、デバイス流量を使用して、補正されたデバイスの分時換気量を正規化するように構成される、段落53~86のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
118.呼吸デバイスは、補正されたデバイスの分時換気量、補正されたデバイスの分時換気量の変化率、及び補正されたデバイスの分時換気量の傾向の少なくとも1つに関連するデータを表示するように構成されたディスプレイを更に含む、段落117に記載の呼吸デバイス。
119.呼吸デバイスは、補正されたデバイスの分時換気量が予め設定された閾値を超える又は下回る、補正されたデバイスの分時換気量の変化率が予め設定された閾値を超える又は下回る、及び補正されたデバイスの分時換気量の傾向が予め設定された閾値を超える又は下回るのうち少なくとも1つの時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落117又は118のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
120.コントローラは、デバイス流量を使用して、補正されたデバイスの分時換気量を正規化するように構成される、段落87~95のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
121.呼吸デバイスは、補正されたデバイスの分時換気量、補正されたデバイスの分時換気量の変化率、及び補正されたデバイスの分時換気量の傾向の少なくとも1つに関連するデータを表示するように構成されたディスプレイを更に含む、段落120のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
122.呼吸デバイスは、補正されたデバイスの分時換気量が予め設定された閾値を超える又は下回る、補正されたデバイスの分時換気量の変化率が予め設定された閾値を超える又は下回る、及び補正されたデバイスの分時換気量の傾向が予め設定された閾値を超える又は下回るのうち少なくとも1つの時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落120又は121のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
123.コントローラは、デバイス流量を使用して、補正されたデバイスの分時換気量を正規化するように構成される、段落96~105のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
124.呼吸デバイスは、補正されたデバイスの分時換気量、補正されたデバイスの分時換気量の変化率、及び補正されたデバイスの分時換気量の傾向の少なくとも1つに関連するデータを表示するように構成されたディスプレイを更に含む、段落123のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
125.呼吸デバイスは、補正されたデバイスの分時換気量が予め設定された閾値を超える又は下回る、補正されたデバイスの分時換気量の変化率が予め設定された閾値を超える又は下回る、及び補正されたデバイスの分時換気量の傾向が予め設定された閾値を超える又は下回るのうち少なくとも1つの時に、警報又は通知を起動するように構成される、段落123又は124のいずれか一つに記載の呼吸デバイス。
126.封止されていない呼吸インタフェースを使用して、患者に呼吸治療を送達するように構成された呼吸デバイスであって、
送風機と、
加湿器と、
少なくとも一部がハウジング内に保持される送風機及び加湿器を保持するハウジングと、
ハウジング内に形成されたガス入口と、
ガス入口から送風機及び加湿器を通って延在するガス流路であって、
加湿器は送風機と流体連通し、
送風機はガス入口と流体連通する、ガス流路と
ガス流路内に置かれた1つ又は複数の流れセンサであって、1つ又は複数の流れセンサは、ガスの流れデータを測定するように構成される、1つ又は複数の流れセンサと、
ハウジング内に置かれたコントローラであって、コントローラは、送風機、加湿器及び1つ又は複数の流れセンサと電気連通し、コントローラは、送風機及び加湿器の作動を制御するように構成され、
コントローラは、
1つ又は複数の流れセンサから流れデータを受信し、コントローラは、ノイズを除去するために流れデータをフィルタリングし、ユーザへの分時換気量を決定するために、受信した流れデータを処理するように構成され、
決定された分時換気量をディスプレイに提供するように構成される、コントローラと、
ディスプレイと電気連通するディスプレイであって、ユーザへの分時換気量はディスプレイに提示される、ディスプレイとを含む、呼吸デバイス。
127.コントローラは、段落1~125のいずれか1つ又は複数の段落に記載の機能を行うように構成される、段落126に記載の呼吸デバイス。
128.ユーザを管理するための呼吸システムであって、
段落1~127のいずれか一つに記載の呼吸デバイスと、
呼吸デバイスと無線連通する遠隔患者管理システムであって、遠隔患者管理システムは、ユーザの分時換気量を受信し、受信した分時換気量を記憶し、記憶した分時換気量を特定のユーザに関連付けるように構成される、遠隔患者管理システムとを含む、呼吸システム。
【国際調査報告】