(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】電子署名デバイスのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 21/31 20130101AFI20240206BHJP
【FI】
G06F21/31
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547582
(86)(22)【出願日】2022-02-07
(85)【翻訳文提出日】2023-08-03
(86)【国際出願番号】 IB2022051035
(87)【国際公開番号】W WO2022168013
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523296782
【氏名又は名称】シーゲル,ジョナサン
(71)【出願人】
【識別番号】523296793
【氏名又は名称】ヴァイサー,ジェームス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】シーゲル,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイサー,ジェームス
(57)【要約】
物理的オブジェクトに具現化された電子スタンプデバイスは、安全で検証可能な電子署名を提供できる。本電子スタンプデバイスは、電子的なものにせよ物理的なものにせよ、デバイスが文書に適用されるときに複数のタッチポイントを検出するためのタッチポイント検出技術を備える。本タッチポイント検出技術は例えば、任意の適切なセンサ、または加速度計、ジャイロスコープ、磁力計もしくはIMU(慣性測定ユニット)、圧力センサ、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。加速度計は3D加速度計を備え得る。ジャイロスコープは3Dジャイロスコープを備え得る。IMUは加速度計及びジャイロスコープを含む。このようなセンサを複数装備することもできる。
【選択図】
図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
署名ユーザの許可に基づいて文書に電子署名を適用するための電子署名デバイスであって、
タッチポイント検出技術と、
複数の命令を格納するメモリと、
前記命令を実行するプロセッサと、を備え、
前記命令は電子署名の命令を備え、
前記署名ユーザは前記デバイスを物理的に操作して署名用の前記文書に物理的に接触し、
前記タッチポイント検出技術は複数のタッチポイントにおける前記文書への物理的な接触を検出し、
前記プロセッサは前記複数のタッチポイントの検出に基づいて前記電子署名の命令を実行する、
前記電子署名デバイス。
【請求項2】
前記文書は、電子的に格納された文書を備え、
前記タッチポイント検出技術は、前記文書の表示への物理的な接触を検出する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記文書は物理媒体を備え、
前記タッチポイント検出技術は前記物理媒体への物理的接触を検出する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記タッチポイント検出技術は、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計またはIMU(慣性測定ユニット)、圧力センサ、またはそれらの組み合わせから成るグループから選択されるセンサを備え、
前記プロセッサは前記センサまたはセンサの組み合わせからタッチポイント検出データを受信する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記加速度計は3D加速度計を備える、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ジャイロスコープは3Dジャイロスコープを備える、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記タッチポイント検出技術は、IMU及び圧力センサを備える、請求項4に記載のデバイス。
【請求項8】
前記タッチポイント検出技術は、前記タッチポイントの順序及び/または相対位置、及び/または前記デバイスが、署名される前記文書に接触するときに前記タッチポイントが作成される相対速度を検出する、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記タッチポイント検出技術は前記プロセッサにデータを提供し、前記プロセッサは前記タッチポイントの順序及び/または相対位置、及び/または前記デバイスが、署名される前記文書に接触するときに前記タッチポイントが作成される相対速度を検出するために、前記メモリに格納された命令を実行する、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
前記メモリは、定義されたコードのネイティブ命令セットを格納するように構成され、
前記プロセッサは、メモリに格納された前記定義されたコードのネイティブ命令セットから選択された対応する基本命令を受信することに応答して、定義された基本動作セットを実行するように構成され、
前記メモリは、前記タッチポイント検出データにしたがって、前記センサまたはセンサの組み合わせからタッチポイント検出データを受信するために前記ネイティブ命令セットから選択された第1機械コードセットと、複数のタッチポイントを分析するために前記ネイティブ命令セットから選択された第2機械コードセットとを格納する、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記メモリは、前記署名ユーザの許可を受信するために前記ネイティブ命令セットから選択された第3機械コードセットと、前記電子署名を適用するために前記ネイティブ命令セットから選択された第4機械コードセットとを格納する、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
署名ユーザの許可に基づいて文書に電子署名を適用するためのシステムであって、請求項9に記載のデバイスを備えるとともに、ユーザコンピュータデバイスをさらに備え、
前記文書は前記ユーザコンピュータデバイスを介してアクセス可能であり、
前記電子署名の適用は、請求項9に記載のデバイスから前記ユーザコンピュータデバイスに送信される、前記システム。
【請求項13】
前記ユーザコンピュータデバイスはモバイル通信デバイスを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ユーザコンピュータデバイスは第2メモリ及び第2プロセッサを備え、
前記第2メモリは定義されたコードのネイティブ命令セットを格納するように構成され、
前記第2プロセッサは、前記第2メモリに格納された前記定義されたコードのネイティブ命令セットから選択された対応する基本命令を受信することに応答して、定義された基本動作セットを実行するように構成され、
前記第2メモリは、前記タッチポイント検出データにしたがって、請求項9に記載のデバイスからタッチポイント検出データを受信するために前記ネイティブ命令セットから選択された第1機械コードセットと、複数のタッチポイントを分析するために前記ネイティブ命令セットから選択された第2機械コードセットとを格納する、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2メモリは、前記署名ユーザの前記許可を受信するために前記ネイティブ命令セットから選択された第3機械コードセットを格納し、
前記許可が受信されない場合は、前記電子署名は前記文書に適用されない、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ユーザコンピュータデバイスはユーザアプリインターフェースをさらに備え、
前記第2メモリは前記ユーザアプリインターフェースを動作させるために前記ネイティブ命令セットから選択された第4機械コードセットと、前記ユーザアプリインターフェースを介して前記ユーザから文書情報を受信するために前記ネイティブ命令セットから選択された第5機械コードセットをと格納する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
サーバゲートウェイ及びコンピュータネットワークをさらに備え、
前記ユーザコンピュータデバイスは、前記コンピュータネットワークを介して前記サーバゲートウェイと通信を行い、
前記第2メモリは、前記サーバゲートウェイに署名用の文書に関する情報を送信するために前記ネイティブ命令セットから選択された第6機械コードセットを格納する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記サーバゲートウェイは第3プロセッサ及び第3メモリを備え、
前記第3メモリは定義されたコードのネイティブ命令セットを格納するように構成され、
前記第3プロセッサは、前記第3メモリに格納された前記定義されたコードのネイティブ命令セットから選択された対応する基本命令を受信することに応答して、定義された基本動作セットを実行するように構成され、
前記第3メモリは、前記ユーザコンピュータデバイスから文書情報を受信するために前記ネイティブ命令セットから選択された第1機械コードセットと、請求項9に記載のデバイスから署名情報を受信するために前記ネイティブ命令セットから選択された第2機械コードセットと、直接または間接的に、特定の文書に対する署名許可及び適用を判定するための分析機能を実行するために前記ネイティブ命令セットから選択された第3機械コードセットとを格納する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記ユーザコンピュータデバイスは請求項9に記載のデバイスと無線通信または有線通信を行う、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記ユーザコンピュータデバイスは、請求項9に記載のデバイスに接続されるまたは請求項9に記載のデバイスと一体的に形成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記タッチポイント検出技術は、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計またはIMU(慣性測定ユニット)、圧力センサ、またはそれらの組み合わせから成るグループから選択されるセンサを備え、
前記プロセッサは前記センサまたはセンサの組み合わせからタッチポイント検出データを受信する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項22】
前記加速度計は3D加速度計を備える、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記ジャイロスコープは3Dジャイロスコープを備える、請求項21または22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記タッチポイント検出技術はIMU及び圧力センサを備える、請求項21~23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記タッチポイント検出技術は、前記タッチポイントの順序及び/または相対位置、及び/または前記デバイスが、署名される前記文書にが接触するときに前記タッチポイントが作成される相対速度を検出する、上記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項26】
前記タッチポイント検出技術は前記プロセッサにデータを提供し、前記プロセッサは、タッチポイントの順序及び/または相対位置、及び/または署名を行う文書にデバイスが接触するときにタッチポイントが作成される相対速度を検出する、上記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項27】
前記メモリは、定義されたコードのネイティブ命令セットを格納するように構成され、
前記プロセッサは、メモリに格納された前記定義されたコードのネイティブ命令セットから選択された対応する基本命令を受信することに応答して、定義された基本動作セットを実行するように構成され、
前記メモリは、前記タッチポイント検出データにしたがって、前記センサまたはセンサの組み合わせからタッチポイント検出データを受信するために前記ネイティブ命令セットから選択された第1機械コードセットと、複数のタッチポイントを分析するために前記ネイティブ命令セットから選択された第2機械コードセットとを格納する、上記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項28】
前記メモリは、前記署名ユーザの許可を受信するために前記ネイティブ命令セットから選択された第3機械コードセットと、前記電子署名を適用するために前記ネイティブ命令セットから選択された第4機械コードセットとを格納する、上記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項29】
署名ユーザの許可に基づいて文書に電子署名を適用するためのシステムであって、上記請求項のいずれかに記載のデバイスを備えるとともに、ユーザコンピュータデバイスをさらに備え、
前記文書は前記ユーザコンピュータデバイスを介してアクセス可能であり、
前記電子署名の適用は、上記請求項のいずれかに記載のデバイスから前記ユーザコンピュータデバイスに送信される、前記システム。
【請求項30】
前記ユーザコンピュータデバイスはモバイル通信デバイスを備える、上記請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項31】
前記ユーザコンピュータデバイスは第2メモリ及び第2プロセッサを備え、
前記第2メモリは定義されたコードのネイティブ命令セットを格納するように構成され、
前記第2プロセッサは、前記第2メモリに格納された前記定義されたコードのネイティブ命令セットから選択された対応する基本命令を受信することに応答して、定義された基本動作セットを実行するように構成され、
前記第2メモリは、前記タッチポイント検出データにしたがって、上記請求項のいずれかに記載のデバイスからタッチポイント検出データを受信するために前記ネイティブ命令セットから選択された第1機械コードセットと、複数のタッチポイントを分析するために前記ネイティブ命令セットから選択された第2機械コードセットとを格納する、上記請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項32】
前記第2メモリは、前記署名ユーザの前記許可を受信するために前記ネイティブ命令セットから選択された第3機械コードセットを格納し、
前記許可が受信されない場合は、前記電子署名は前記文書に適用されない、上記請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項33】
前記ユーザコンピュータデバイスはユーザアプリインターフェースをさらに備え、
前記第2メモリは前記ユーザアプリインターフェースを動作させるために前記ネイティブ命令セットから選択された第4機械コードセットと、前記ユーザアプリインターフェースを介して前記ユーザから文書情報を受信するためにネイティブ命令セットから選択された第5機械コードセットとを格納する、上記請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項34】
サーバゲートウェイ及びコンピュータネットワークをさらに備え、
前記ユーザコンピュータデバイスは、前記コンピュータネットワークを介して前記サーバゲートウェイと通信を行い、
前記第2メモリは、前記サーバゲートウェイに署名用の文書に関する情報を送信するために前記ネイティブ命令セットから選択された第6機械コードセットを格納する、上記請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項35】
前記サーバゲートウェイは第3プロセッサ及び第3メモリを備え、
前記第3メモリは定義されたコードのネイティブ命令セットを格納するように構成され、
前記第3プロセッサは、前記第3メモリに格納された前記定義されたコードのネイティブ命令セットから選択された対応する基本命令を受信することに応答して、定義された基本動作セットを実行するように構成され、
前記第3メモリは、前記ユーザコンピュータデバイスから文書情報を受信するために前記ネイティブ命令セットから選択された第1機械コードセットと、請求項9に記載のデバイスから署名情報を受信するために前記ネイティブ命令セットから選択された第2機械コードセットと、直接または間接的に、特定の文書に対する署名許可及び適用を判定するための分析機能を実行するために前記ネイティブ命令セットから選択された第3機械コードセットとを格納する、上記請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項36】
前記ユーザコンピュータデバイスは上記請求項のいずれかのデバイスと無線通信または有線通信を行う、上記請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項37】
前記ユーザコンピュータデバイスは、上記請求項のいずれかに記載のデバイスに接続されるまたは上記請求項のいずれかに記載のデバイスと一体的に形成される、上記請求項のいずれかに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は一般に、電子署名のためのシステム及び方法に関し、より具体的には、物理デバイスを用いて電子署名を行うためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば文書及び/またはアクションに対する許可または同意を示すための物理署名は、様々な形式を取り得る。多くの国で、個人または企業を問わず、拘束力のある許可または同意を示すものとして、伝統的に手書きの署名が使われてきた。企業の場合、手書きの署名は、企業を代表して署名する権限を与えられた個人によって提供される。
【0003】
他の国の中には、スタンプ付き物理デバイスの使用が手書きの署名の代わりに伝統的に使用されているところもある。物理デバイスとは、例えば「印」または「ハンコ」のことである。スタンプ付き物理デバイスは、個人または企業の許可または同意を示すために使用され得る。企業の場合、会社の物理的署名デバイス(複数可)を個人が保持している場合、会社を拘束する個人の権限の取り消しが困難または不可能な場合があるという点でさらに複雑な問題が生じる。
【0004】
物理デバイスの代わりに電子デバイスを使用する場合の様々な解決策が検討されてきた。ただし、これらの解決策には様々な欠点がある。特に、これらの解決策には一般に、電子スタンプまたは「印」/「ハンコ」などの物理署名デバイスに加えて、署名を受け取るための表面として機能する特別な電子デバイスを必要とする。
【発明の概要】
【0005】
背景技術には、安全でありながら追加の電子デバイスを必要とすることなく電子署名を提供できる物理オブジェクトに具現化された電子スタンプデバイスについては教示も示唆もされていない。背景技術には、例えば電子署名に追加のセキュリティを装備するためにタッチポイント検出を用いる電子スタンプデバイスについても教示も示唆もされていない。
【0006】
本発明は、少なくともいくつかの実施形態において、安全でありながら、検証可能な電子署名を提供できる、物理的オブジェクトに埋め込まれた電子スタンプデバイスを提供する。本電子スタンプデバイスは、電子的なものにせよ物理的なものにせよ、デバイスが文書に適用されるときに複数のタッチポイントを検出するためのタッチポイント検出技術を備える。本タッチポイント検出技術は例えば、任意の適切なセンサ、または加速度計、ジャイロスコープ、磁力計もしくはIMU(慣性測定ユニット)、圧力センサ、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。加速度計は3D加速度計を備え得る。ジャイロスコープは3Dジャイロスコープを備え得る。IMUは加速度計及びジャイロスコープを含む。このようなセンサを複数装備することもできる。
【0007】
少なくともいくつかの実施形態にしたがって、タッチポイント検出技術と、複数の命令を格納するメモリと、命令を実行するプロセッサとを備え、命令は電子署名の命令を備え、署名ユーザはデバイスを物理的に操作して署名用の文書に物理的に接触し、タッチポイント検出技術は複数のタッチポイントにおける文書への物理的な接触を検出し、プロセッサはタッチポイントの検出に基づいて電子署名の命令を実行する、署名ユーザの許可に基づいて電子署名を適用するための電子署名デバイスを備える。必要に応じて、文書は電子的に格納された文書を備え、タッチポイント検出技術は、文書の表示への物理的な接触を検出する。必要に応じて、文書は物理媒体を備え、タッチポイント検出技術は物理媒体への物理的接触を検出する。必要に応じて、タッチポイント検出技術は、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計またはIMU(慣性測定ユニット)、圧力センサ、またはそれらの組み合わせから成るグループから選択されるセンサを備え、プロセッサはセンサまたはセンサの組み合わせからタッチポイント検出データを受信する。必要に応じて、加速度計は3D加速度計を備える。必要に応じて、ジャイロスコープは3Dジャイロスコープを備える。必要に応じて、タッチポイント検出技術はIMU及び圧力センサを備える。必要に応じて、タッチポイント検出技術は、タッチポイントの順序及び/または相対位置、及び/またはデバイスが、署名される文書に接触するときにタッチポイントが作成される相対速度を検出する。必要に応じて、タッチポイント検出技術はプロセッサにデータを提供し、プロセッサはタッチポイントの順序及び/または相対位置、及び/またはデバイスが、署名される文書に接触するときにタッチポイントが作成される相対速度を検出するために、メモリに格納された命令を実行する。
【0008】
必要に応じて、メモリは、定義されたコードのネイティブ命令セットを格納するように構成され、プロセッサは、メモリに格納された定義されたコードのネイティブ命令セットから選択された対応する基本命令を受信することに応答して、定義された基本動作セットを実行するように構成され、メモリは、タッチポイント検出データにしたがって、センサまたはセンサの組み合わせからタッチポイント検出データを受信するためにネイティブ命令セットから選択された第1機械コードセットと、複数のタッチポイントを分析するためにネイティブ命令セットから選択された第2機械コードセットとを格納する。必要に応じて、メモリは、署名ユーザの許可を受信するためにネイティブ命令セットから選択された第3機械コードセットと、電子署名を適用するためにネイティブ命令セットから選択された第4機械コードセットとを格納する。
【0009】
少なくともいくつかの実施形態にしたがって、本明細書に記載の任意の実施形態にしたがったデバイスを備えるとともに、ユーザコンピュータデバイスをさらに備え、文書はユーザコンピュータデバイスを介してアクセス可能であり、電子署名の適用は、本発明に記載の任意の実施形態にしたがって、デバイスからユーザコンピュータデバイスに送信される、署名ユーザの許可に基づいて文書に電子署名を適用するためのシステムを備える。必要に応じて、ユーザコンピュータデバイスはモバイル通信デバイスを備える。
【0010】
必要に応じて、ユーザコンピュータデバイスは第2メモリ及び第2プロセッサを備え、第2メモリは定義されたコードのネイティブ命令セットを格納するように構成され、第2プロセッサは、第2メモリに格納された定義されたコードのネイティブ命令セットから選択された対応する基本命令を受信することに応答して、定義された基本動作セットを実行するように構成され、第2メモリは、本発明に記載の任意の実施形態にしたがって、デバイスからタッチポイント検出データを受信するためにネイティブ命令セットから選択された第1機械コードセットと、複数のタッチポイントを分析するためにネイティブ命令セットから選択された第2機械コードセットとを格納する。
【0011】
必要に応じて、第2メモリは、署名ユーザの許可を受信するためにネイティブ命令セットから選択された第3機械コードセットを格納し、許可が受信されない場合は、電子署名は前記文書に適用されない。必要に応じて、ユーザコンピュータデバイスはユーザアプリインターフェースをさらに備え、第2メモリはユーザアプリインターフェースを動作させるためにネイティブ命令セットから選択された第4機械コードセットと、ユーザアプリインターフェースを介してユーザから文書情報を受信するためにネイティブ命令セットから選択された第5機械コードセットとを格納する。
【0012】
必要に応じて、システムは、サーバゲートウェイ及びコンピュータネットワークをさらに備え、ユーザコンピュータデバイスは、コンピュータネットワークを介してサーバゲートウェイと通信を行い、第2メモリは、サーバゲートウェイに署名用の文書に関する情報を送信するためにネイティブ命令セットから選択された第6機械コードセットを格納する。必要に応じて、サーバゲートウェイは第3プロセッサ及び第3メモリを備え、第3メモリは定義されたコードのネイティブ命令セットを格納するように構成され、第3プロセッサは、第3メモリに格納された定義されたコードのネイティブ命令セットから選択された対応する基本命令を受信することに応答して、定義された基本動作セットを実行するように構成され、第3メモリは、ユーザコンピュータデバイスから文書情報を受信するためにネイティブ命令セットから選択された第1機械コードセットと、本発明に記載の任意の実施形態にしたがってデバイスから署名情報を受信するためにネイティブ命令セットから選択された第2機械コードセットと、直接または間接的に、特定の文書に対する署名許可及び適用を判定するための分析機能を実行するためにネイティブ命令セットから選択された第3機械コードセットとを格納する。必要に応じて、ユーザコンピュータデバイスは、本明細書に記載の任意の実施形態にしたがってデバイスと無線または有線通信する。必要に応じて、ユーザコンピュータデバイスは、本明細書に記載の任意の実施形態にしたがってデバイスに接続されるか、または本明細書に記載の任意の実施形態にしたがってデバイスと一体的に形成される。
【0013】
本発明のさらなる特徴及び利点は以下の詳細な説明に記載され、詳細な説明によって明らかになり、本発明の実施によって習得され得る。前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものであり、本発明のさらなる説明を提供することを意図している。
【0014】
本発明の方法及びシステムの実施形態には、特定の選択されたタスクまたはステップを手動で、自動的に、またはそれらの組み合わせで実行または完了することが含まれる。さらに、本発明の方法及びシステムの好ましい実施形態の実際の計装及び機器によれば、いくつかの選択されたステップは、ハードウェアによって、または任意のファームウェアの任意のオペレーティングシステム上のソフトウェアによって、またはそれらの組み合わせによって実装され得る。例えば、ハードウェアとして、本発明の選択されたステップをチップまたは回路として実装することができる。ソフトウェアとして、本発明の選択されたステップは、任意の適切なオペレーティングシステムを使用するコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として実装することができる。いずれにせよ、本発明の方法及びシステムの選択されたステップは、複数の命令を実行するためのコンピューティングプラットフォームなどのデータプロセッサによって実行されるものとして説明することができる。
【0015】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、本発明が属する当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に開示される材料、方法、及び例は、例示的なものに過ぎず、限定することを意図するものではない。
【0016】
本明細書で説明されるアルゴリズムは、例えばデータ分析を実施するための、一連の機能、ステップ、1つまたは複数の方法、または1つまたは複数のプロセスを指し得る。
【0017】
本開示の装置、デバイス、方法、及びシステムの実施形態には、特定の選択されたタスクまたはステップを手動で、自動的に、またはそれらの組み合わせで実行または完了することが含まれる。具体的には、いくつかの選択されたステップは、ハードウェアまたはオペレーティングシステム上のソフトウェア、ファームウェア、及び/またはそれらの組み合わせによって実装することができる。例えば、ハードウェアの場合、本開示の少なくともいくつかの実施形態の選択されたステップは、チップまたは回路(例えば、ASIC)として実装することができる。ソフトウェアの場合、本開示の少なくともいくつかの実施形態の選択されたステップは、オペレーティングシステムを使用してコンピュータ(例えば、コンピュータのプロセッサ)によって実行される多数のソフトウェア命令として実装することができる。いずれの場合においても、本開示の少なくともいくつかの実施形態の選択されたステップは、複数の命令を実行するためのコンピューティングプラットフォームなどのプロセッサによって実行されるものとして説明することができる。プロセッサは、予め定義されたコードのネイティブ命令セットから選択された対応する命令を受信したことに応答して、予め定義された動作セットを実行するように構成される。
【0018】
特定の機能を実行する(または実行させる)ように構成されたソフトウェア(例えば、アプリケーション、コンピュータ命令)は、その機能を実行するための「モジュール」と呼ばれることもあり、また、こういった機能を実行するための「プロセッサ」と呼ばれることもある。したがってプロセッサは、いくつかの実施形態にしたがって、ハードウェアコンポーネントであってもよく、いくつかの実施形態にしたがって、ソフトウェアコンポーネントであってもよい。
【0019】
さらにこの目的のために、いくつかの実施形態においては、プロセッサはモジュールと呼ばれることもあり、いくつかの実施形態においては、プロセッサは1つまたは複数のモジュールを備えることもあり、この場合モジュールは、コンピュータデバイスに1つまたは複数の特定の機能を実行及び/または達成させるコンピュータデバイス(例えば、プロセッサ)上で動作可能な命令、アプリケーション、ソフトウェアのセットであり得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、「コンピュータ」、「コンピュータネットワーク」、及び/または「コンピュータネットワーク上で動作するコンピュータ」に関して説明する。プロセッサ(「データプロセッサ」「プリプロセッサ」と呼ばれることも「プロセッサ」と呼ばれることもある)及び1つまたは複数の命令を実行する機能を備えたデバイスは、コンピュータ、コンピュータデバイス、及びプロセッサ(例えば、上記を参照)として説明される場合があり、仮想またはクラウドベースのプロセッサ、携帯用小型無線呼び出し機、及び/または同様のデバイスと外部的通信が可能なパーソナルコンピュータ(PC)、サーバ、セルラー方式の電話、IP電話、スマートフォン、PDA(パーソナルデジタルアシスタント)、シンクライアント、モバイル通信デバイス、スマートウォッチ、ヘッドマウントディスプレイ、または他のウェアラブルを含むがこれらに限定されない点に留意する。相互に通信を行う2つ以上のこういったデバイスは、「コンピュータネットワーク」であり得る。
【0021】
本明細書は、単なる例示しとして、添付の図面を参照してここに説明される。ここで図面を特に詳細に参照すると、示されている詳細は一例であり、本発明の好適な実施形態の例示的な説明のみを目的としており、本発明の原理及び概念的態様の最も有用で容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示されていることを強調する。
【0022】
この点について、本発明の構造的な詳細を本発明の基本的理解に必要である以上に示す試みはなされておらず、図面を用いて行われる説明は、本発明の種々の形態が実際にどのように具体化され得るかを当業者に対して明らかにするものである。本発明のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲及び図面を参照することでより良く理解できるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】少なくともいくつかの実施形態にしたがって、電子署名デバイスのためのシステムを示す。
【
図1B】少なくともいくつかの実施形態にしたがって、システムの代替実施形態を示す。
【
図1C】少なくともいくつかの実施形態にしたがって、システムの別の代替実施形態を示す。
【
図2A】
図1に示される非限定的な例示的電子署名デバイスを示す。
【
図2B】
図1Aに示される電子署名デバイスの追加の非限定的な例示的実施形態を示す。
【
図3】ユーザが電子署名デバイスに対して認証を行い、文書への署名を可能にする非限定的な例示的フローを示す。
【発明の詳細な説明】
【0024】
安全な電子署名デバイスのための新しいシステム及び方法を説明する際に、提供された例が網羅的なものであると見なすべきではない。ここでは一つの実施形態について説明するが、本発明の範囲及び性質から逸脱することなく、さらなる変更が可能であることを理解されたい。
【0025】
ここで図面を参照すると、紙または他の固体媒体及びデジタル媒体を含むがこれらに限定されない様々な媒体の文書に署名することができる電子署名デバイスのシステム及び方法、ならびに少なくともいくつかの例示的な実施形態が示されている。
【0026】
図1Aは、少なくともいくつかの実施形態にしたがって、電子署名デバイスのためのシステムを示す。
図1Aに示すように、システム100は、ユーザコンピュータデバイス102、サーバゲートウェイ112、及び電子署名デバイス136を備える。ユーザコンピュータデバイス102及びサーバゲートウェイ120は、好適には、コンピュータネットワーク116を介して通信を行う。
【0027】
ユーザコンピュータデバイス102は、1つまたは複数のプログラムまたはコンピュータ情報を含むがこれらに限定されない情報及びデータを保存するための電子ストレージ108を備える。ユーザコンピュータデバイス102はまた、ユーザ入力デバイス104、ユーザ表示デバイス106、プロセッサ110、及びコンピュータ可読命令111を備える。コンピュータ可読命令111は、ユーザアプリインターフェース112を含むがこれに限定されないユーザコンピュータデバイス102を操作するための命令を備える。ユーザコンピュータデバイス102が電子署名デバイス136と通信状態にある場合、こういった通信は、直接有線通信あるいは無線通信であり得る。
【0028】
電子署名デバイス136により、ユーザは、固体媒体上、紙などの物理媒体上、あるいはデジタル媒体上のいずれの文書にも署名することができる。ユーザが電子署名デバイス136を介して文書に署名すると、電子署名デバイス136は、署名の位置、ユーザ認証、及び必要に応じて、実際に文書に署名された場合の圧力または他のセンサのインジケーションも含まれるが、これらに限定されない情報をユーザコンピュータデバイス102に伝達する。
【0029】
電子署名デバイス136は例えば、印またはハンコの形状で動作し、物理媒体上、紙などの固体媒体上、デジタル媒体上の文書に電子署名デバイス136を押し付けるユーザの動作が、実際に文書に署名が行われたことを示す。必要に応じて、電子署名デバイス136は、認証がデバイス自体を介するのかユーザコンピュータデバイス102を介するのかに関わらず、ユーザ認証を要求する。必要に応じて、ユーザは、ハンコまたは印による署名の表示を、ユーザコンピュータデバイス102を介して電子署名デバイス136にダウンロードすることを選択し得る。
【0030】
あるいは、電子署名デバイス136には、ユーザが操作できるように、予めロードされた1つまたは複数のハンコまたは印が付属していてもよい。ただし、必要に応じて、署名が承認される前にそのような許可が更新されている必要がある。例えば、ユーザに特定のハンコまたは印の標章を使用する権限がすでにない場合、電子署名デバイス136にもその権限はなく、少なくとも特定の形式の印またはハンコに関しては機能しない。電子署名デバイス136からの情報は、ユーザコンピュータデバイス102に伝達され、その後、コンピュータネットワーク116を介してサーバゲートウェイ120に伝達される。
【0031】
サーバゲートウェイ120は、電子ストレージ122、プロセッサ130、及び機械可読命令131を備える。機械可読命令131は、ユーザコンピュータデバイス102と通信し、そこから情報を受信するためのサーバアプリインターフェース132を含む。機械可読命令131はまた、例えば、ユーザ及び/または電子署名デバイス136の認証をサポートするための、分析エンジン134を動作させる命令も含む。
【0032】
プロセッサ110の機能は、好適には、任意の適切な計算プロセッサによって実行される機能に関連し、一般には、特定のシステムの通信機能及び/または論理機能を実装するために使用される回路を有するデバイスまたはデバイスの組み合わせを指す。例えばプロセッサは、デジタル信号プロセッサデバイス、マイクロプロセッサデバイス、及び様々なアナログデジタル変換器、デジタルアナログ変換器、及び他のサポート回路及び/または前述の組み合わせを含み得る。システムの制御及び信号処理機能は、それぞれの能力にしたがって、これらの処理デバイスの間に割り当てられる。プロセッサは、コンピュータ実行可能プログラムコードに基づいて1つまたは複数のソフトウェアプログラムを動作させる機能をさらに含み得、このプログラムコードは、この非限定的な例において、メモリ111などのメモリに格納され得る。本明細書で使用されるように、プロセッサは、例えば、コンピュータ可読媒体で体現された特定のコンピュータ実行可能プログラムコードを実行することによってその機能を実行する1つまたは複数の汎用回路を有することによって、及び/またはその機能を実行する1つまたは複数の特定用途向け回路を有することによって、様々な方法で特定の機能を実行するように「構成され」得る。
【0033】
また、必要に応じて、メモリ111は、複数のコードから成る定義されたネイティブ命令セットを格納するように構成される。プロセッサ110は、メモリ111に格納された定義されたコードのネイティブ命令セットから選択された対応する基本命令を受け取ることに応答して、定義された基本動作セットを実行するように構成される。例えば、これに限定されないが、メモリ111は、署名用の文書に関して、ユーザアプリインターフェース112を介してユーザから文書情報を受信するためにネイティブ命令セットから選択された第1機械コードセットと、こういった文書情報をサーバゲートウェイ120に送信するためにネイティブ命令セットから選択された第2機械コードセットを格納し得る。必要に応じて、電子デバイス136は、署名される特定の文書に関して、電子署名許可を送信するためにネイティブ命令セットから選択された第3機械コードセットをメモリ111が格納するように、ユーザコンピュータデバイス102と通信する。
【0034】
必要に応じて、かつ好適には、メモリ111は、電子デバイス136からタッチポイント検出データを受信するためのネイティブ命令セットから選択された第4機械コードセットと、こういったタッチポイント検出データをサーバゲートウェイ120に送信するためのネイティブ命令セットから選択された第5機械コードセットを格納する。
【0035】
タッチポイント検出データに関しては、電子デバイス136は、複数のタッチポイントを検出するための適切なタッチポイント検出技術を備えていることが好ましい。タッチポイント検出技術は例えば、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計もしくはIMU(慣性測定ユニット)、圧力センサ、またはこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、任意の適切なセンサまたはこれらの組み合わせを備え得る。加速度計は3D加速度計を備え得る。ジャイロスコープは3Dジャイロスコープを備え得る。IMUは加速度計及びジャイロスコープを含む。このようなセンサを複数装備することもできる。タッチポイント検出技術では、タッチポイントの順序及び/または相対位置、及び/または署名を行う文書に電子デバイス136が接触するときにタッチポイントが作成される相対速度を検出できることが好ましい。
【0036】
同様に、サーバゲートウェイ120は、本明細書に記載のサーバゲートウェイ120の機能を含むがこれに限定されない、プロセッサ130と、関連するまたは少なくとも同様の機能を有する機械可読命令131を備えたメモリと、を備えることが好ましい。例えば、限定されないが、メモリ131は、特定の文書への署名許可及び適用の決定を含むがこれらに限定されない、ユーザコンピュータデバイス102から文書情報を受信するためのネイティブ命令セットから選択された第1機械コードセットと、電子署名デバイス136から署名情報を受信するためのネイティブ命令セットから選択された第2機械コードセットと、直接的または間接的に、分析エンジン134の機能を実行するためのネイティブ命令セットから選択された第3機械コードセットとを格納し得る。署名情報は、タッチポイント検出技術によるタッチポイント検出データを含んでいることが好ましく、このデータは後に、許可プロセスの一部として分析エンジン134によって分析されることが好ましい。
【0037】
図1Bは、少なくともいくつかの実施形態にしたがって、システムの代替実施形態を示す。システム100Bは、ユーザコンピュータデバイス102と一体化的に形成されるか、または物理的に接続される電子署名デバイス138を特徴とする。電子署名デバイス138は、別の状況では、
図1Aに示される電子署名デバイス136のそれと同様に動作してもよいが、例えば、携帯電話の一部を形成してもよく、または例えばドングルまたは他の直接付属品として携帯電話に取り付けられてもよい。
【0038】
電子署名デバイス138はまた、例えばラップトップまたはiPadであり得るユーザコンピュータデバイス102と接続されるか、または一体的に形成されてもよい。
【0039】
電子署名デバイス138は、例えばセンサなどのタッチポイント検出技術に関して、
図1Aについて説明したのと同じまたは類似の技術を特徴とすることが好ましい。メモリ111に格納された前述の命令はまた、認証データ及び/またはタッチポイント検出データを含むがこれらに限定されないデータをサーバゲートウェイ120に送信するための命令も含むことが好ましい。
【0040】
図1Cは、システム100Cとして、システムのさらに別の代替実施形態を示す。システム100Cに示されるように、スタンドアロン署名デバイス140は、コンピュータネットワーク116を介してサーバゲートウェイ120と直接通信を行う。スタンドアロン署名デバイス140は、電子ストレージ148、プロセッサ150、及びメモリ141に格納されたコンピュータ可読命令など、ユーザコンピュータデバイス102の前述のコンポーネントの多くを備える。メモリ141内のコンピュータ可読命令は現在、ユーザを認証するための及び/または署名または表示自体を認証するための認証156をサポートしている。命令は、サーバゲートウェイ120に認証を伝達するための命令も含んでいることが好ましい。
【0041】
認証156は、署名または他の証印が実際に合法なものとして承認されるように、サーバゲートウェイ120に対してスタンドアロン署名デバイス142を許可する役割を果たしてもよい。スタンドアロン署名デバイス140はまた、前述した、タッチポイント検出技術の非限定的な例である慣性測定ユニット(IMU)152及び/または圧力センサ154を備えることが好ましい。IMU 152は例えば、加速度計、ジャイロスコープなどからの読み取り値を提供し、スタンドアロン署名デバイス140の向きを示し、署名が実際に出現したことを示すためにも使用され得る。
【0042】
さらにまたは代替として、圧力センサ154は、文書が紙などの固体または物理形態であるかデジタル形式であるかに関わらず、スタンドアロン署名デバイス140が実際に文書に押し付けられたことを示し得る。いずれの場合でも、必要に応じて、電子文書がユーザコンピュータデバイス102に格納されているか、あるいはユーザがスタンドアロン署名デバイス140及び認証モジュール156を介して認証を提供する必要があるため、ユーザは、ユーザコンピュータデバイス102を介して認証を実行することを要求される場合があり、これによりユーザが認証され、署名または他の証印が本物として承認される。文書情報は、ユーザコンピュータデバイス102からサーバゲートウェイ120(図示せず)に直接送信されてもよく、スタンドアロン署名デバイス140に送信されてからサーバゲートウェイ120に送信されてもよい。
【0043】
好適には、スタンドアロン署名デバイス140は、前述のIMU 152及び/または圧力センサ154からのデータを処理することにより、タッチポイント検出のためにメモリ141に格納された命令を備える。前述したように、タッチポイント検出は、タッチポイントの順序、圧力量、タッチポイントの出現速度などを検出することを備え得る。こういった情報は次に、認証156を通じて処理されてから、サーバゲートウェイ120に送信され得る。
【0044】
図2Aは、
図1に示される電子署名デバイスの非限定的な例を示す。電子署名デバイス136は、ユーザコンピュータデバイス102との通信を可能にする通信モジュール200を備えるように示される。さらに、電子署名デバイス136は、プロセッサ202及びメモリ204を備えることが好ましい。
【0045】
メモリ200は命令208を提供する。これらの命令208は、書き換え可能なファームウェアとして提供されてもよく、あるいは、一度だけ書き込まれた後に何度も読み取られてもよい。命令208は、タッチポイント検出データを分析し、認証を提供するための命令を備えていることが好ましい。必要に応じて、電子ストレージ206は、例えば、電子署名デバイス136に関連付けられる1つまたは複数の証印または署名を格納するための追加の命令または追加のデータを備える。
【0046】
本実施形態では、電子署名デバイス136は、前述したように、署名が実際に実行されたことを示すために方向及び加速度に関する情報を提供するIMU 210で機能する。このような情報は、タッチポイント検出データを提供するための命令208にしたがって分析されることが好ましい。次に、署名が登録され実行されたという事実は、プロセッサ202を経由する命令208を介して分析され、この情報は通信モジュール200を介して図示されていないユーザコンピュータデバイスに送られ得る。
【0047】
図2Bは、
図1Aに示される電子署名デバイス136の追加の非限定的な例示的実施形態を示す。図示されるように、
図2Bでは、IMUが圧力センサ212A及び圧力センサ212Bと置き換わっており、圧力センサ212が選択可能に複数示されている。圧力センサ212は好ましくは少なくとも2つ、必要に応じて3つ以上含まれる。各圧力センサは、文書が紙などの固体の物理形態であっても、電子文書のような電子形態であっても、電子署名デバイス136が文書に押し付けられたときの圧力を記録することによって、署名行為が発生したことを示す。
【0048】
図3は、ユーザが電子署名デバイス136に対して認証を行うと、文書に署名できることに関する例示的な非限定的フローを示す。フロー300に示すように、このフローは、302でユーザがデバイスの認証を行ったときに開始する。ユーザは、
図1に関連して示すように、スタンドアロン電子署名デバイス142として直接、または例えばユーザコンピュータデバイスを介して間接的にデバイスを認証し得る。
【0049】
認証後、デバイスは304で較正される。これには例えば、デバイスがセンサを登録できるように署名を様々な方向に配置したり、例えば圧力センサなどの固体基板に署名を押しつけたりすることで、センサが適切に動作していることを確認し、後の測定精度のためにセンサ機能を較正するといった1つまたは複数のアクションをデバイスで行うことが含まれ得る。
【0050】
必要に応じて、306では、署名が例えばファイルとしてダウンロードされる。これは例えば、スタンドアロン電子署名デバイス142が複数の署名を格納できる場合に発生する可能性があり、こういった署名は保存されたイベントであり得るが、セキュリティ上の理由から、必要に応じて、署名は使用直前にのみダウンロードしてもよく、再認証及び別の遠隔デバイスを介した認証ソースへの再接続を要求する場合は、電子署名デバイス136のメモリから削除してもよい。署名が予めダウンロードされている場合でも、毎回認証が必要になる場合がある。
【0051】
デバイスは308において文書の署名領域に配置され、その文書に署名を行う場合は、署名を310に配置する。例えば印またはハンコの場合、必要に応じて、デバイスは、紙を含むがこれに限定されない固体媒体あるいは電子文書などの物理基材に押し付けられ、電子文書の場合、圧力は、画面に対して加えられる。次に、312で署名が承認される。認証の組み合わせが本物かどうかに関わらず、この署名が他の情報とともに配置され承認されたことを理解されたい。その後314で、文書は署名されたものとして格納される。
【0052】
明確にするために別個の実施形態の文脈において説明される本発明のある特徴を、単一の実施形態において組み合わせで提供することもできることが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において説明される本発明の様々な特徴を、別々に、または任意の好適な副組み合わせで提供することもできる。
【0053】
本発明をその特定の実施形態と併せて説明してきたが、多くの代替形態、修正形態及び変形形態が当業者には明らかであることは明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神及び広い範囲内にある全てのそのような代替形態、修正形態及び変形形態を包含することが意図されている。本明細書で言及される全ての刊行物、特許または特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許または特許出願が参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、本出願における任意の参考文献の引用または特定は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることの承認として解釈されるべきではない。
【国際調査報告】