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特表2024-506604床材用の減衰層の要素及び関連する減衰層
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】床材用の減衰層の要素及び関連する減衰層
(51)【国際特許分類】
   E01C 13/02 20060101AFI20240206BHJP
   E04F 15/22 20060101ALI20240206BHJP
   E01C 13/00 20060101ALI20240206BHJP
   E02D 31/08 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
E01C13/02
E04F15/22
E01C13/00
E02D31/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547611
(86)(22)【出願日】2022-02-09
(85)【翻訳文提出日】2023-09-06
(86)【国際出願番号】 IT2022050026
(87)【国際公開番号】W WO2022172310
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】102021000003242
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523297479
【氏名又は名称】トレ ディ エッセ.エレ.エーレ. ア ソシオ ウニコ
【氏名又は名称原語表記】TRE DI S.R.L. A SOCIO UNICO
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マリタノ,エドアード
【テーマコード(参考)】
2D051
2E220
【Fターム(参考)】
2D051AA06
2D051AB04
2D051CA01
2D051CA02
2D051DA14
2D051HA01
2E220AA60
2E220AB07
2E220AB10
2E220EA03
2E220GA07X
2E220GA33X
2E220GB15X
2E220GB22X
2E220GB33X
(57)【要約】
減衰層(200)の要素(1)は、複数の貫通開口(4)を備えるフレーム(2)と、それぞれの貫通開口(4)に配置されると共に、フレームに帰属して各貫通開口(4)に対して互いに対向する2つの取り付け領域(6)を構造的連続性をもって架橋するところの、フレームから突出する複数の支持体(5)とを備える。フレーム(2)は、ノード(11)で互いに接続された長尺要素(10,12)を備える網状構造を有し、各支持体(5)が、2つの取り付け領域(6)でのみフレーム(2)に取り付けられ、各貫通開口(4)が、2つの取り付け領域(6)と、2つの取り付け領域(6)を接合する2つのそれぞれのフレーム部分とによって画定される。各フレーム部分は、互いに平行ではない少なくとも2つの長尺要素(10,12)を備え、当該2つの長尺要素の少なくとも一方が、縦方向(100)と少なくとも部分的に平行でない展開部を有してなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床材(201)用の減衰層(200)の要素(1)において、
- 当該要素の第1の面(3)を形成するフレーム(2)であって、複数の貫通開口(4)を備えてなる、フレーム(2)と、
- 前記第1の面(3)に対して反対側で前記フレーム(2)から突出する複数の支持体(5)であって、各支持体(5)が、前記複数の貫通開口のそれぞれの貫通開口(4)に配置されるとともに、前記フレーム(2)に帰属し且つ前記それぞれの貫通開口(4)に対して互いに対向する2つの取り付け領域(6)を構造的連続性をもって架橋する、複数の支持体(5)と、
を備え、
前記フレーム(2)は、ノード(11)で互いに接続される長尺要素(10,12)を備える網状構造を有し、
前記2つの取り付け領域(6)は、縦方向(100)に沿って互いに対向して配置され、
各支持体(5)は、前記2つの取り付け領域(6)においてのみ前記フレーム(2)に取り付けられ、
各貫通開口(4)は、前記2つの取り付け領域(6)と、前記貫通開口(4)の両側で前記2つの取り付け領域(6)をそれぞれ接合する2つのそれぞれのフレーム部分とによって画定され、
各フレーム部分は、少なくとも部分的に、互いに平行ではない少なくとも2つの長尺要素(10,12)を備え、前記2つの長尺要素(10,12)のうちの少なくとも一方は、前記縦方向(100)と少なくとも部分的に平行ではない展開部を有する、
ことを特徴とする要素(1)。
【請求項2】
各フレーム部分は、全体として前記少なくとも2つの長尺要素(10)を備え、前記少なくとも2つの長尺要素(10)の各々は、少なくとも部分的に前記縦方向(100)と平行でないとともに、前記縦方向(100)に対して実質的に垂直な横方向(101)と平行でなく更には実質的に平行でもない展開部を有し、
各フレーム部分の前記少なくとも2つの長尺要素(10)が相互に連続している、請求項1に記載の要素(1)。
【請求項3】
前記少なくとも2つの長尺要素(10)は、直線的な展開部を有するとともに、それらの間にそれぞれの貫通開口(4)の方を向く接続角度(17)を規定し、前記接続角度(17)が90°以上170°以下である、請求項2に記載の要素(1)。
【請求項4】
前記フレーム(2)は、前記縦方向(100)と、前記縦方向(100)に対して略垂直な横方向(101)とを含む平面上で実質的に展開し、前記網状構造が規則的であり、各ノード(11)は、少なくとも3つの長尺要素(10,12)間の接続点であり、各長尺要素(10,12)が直線的であり、
各貫通開口(4)は、平面視で、縦方向対称軸及び横方向対称横を有する六角形形状を有し、前記六角形形状が前記縦方向(100)に沿う主展開部を有し、各貫通開口(4)は、実質的に横方向展開部を伴うとともにそれぞれ前記2つの取り付け領域(6)を備える2つの第1の長尺要素(12)と、2対の連続する第2の長尺要素(10)であって各対が前記貫通開口の両側で前記2つの第1の長尺要素(12)を接続してなる第2の長尺要素(10)とによって画定され、
それぞれの第1の長尺要素(12)は、それぞれの取り付け領域(6)によって自由のままにされた2つの横方向端部を有し、前記少なくとも2つの長尺要素(10)が前記第2の長尺要素(10)と一致し、各フレーム部分は、全体として前記少なくとも2つの長尺要素(10)のみを備えるとともに、前記2つの第1の長尺要素(12)のそれぞれの横方向端部を更に備える、請求項2又は3に記載の要素(1)。
【請求項5】
各貫通開口(4)は、唯一のそれぞれの支持体(5)と関連付けられ、前記貫通開口(4)は全てが互いに等しく、前記支持体(5)は全てが互いに等しく、各支持体(5)は、平面視で、前記縦方向(100)に沿う主展開部を有するとともに、前記取り付け領域(6)にそれぞれ隣接する2つの端部(13)を備え、前記支持体の前記端部(13)の少なくとも一方又は両方は、平面視で、前記支持体から前記フレームまで少なくとも縦方向に移動するに従い横方向で先細るテーパー形状を有し、
1つ以上の支持体(5)の各々は、好ましくは縦方向で長尺な1つ以上のそれぞれの貫通開口(14)を備え、1つ以上の支持体(5)の各々は、好ましくは前記フレーム(2)の方を向いた各支持体の1つの面上に配置されてなる1つ以上のそれぞれのリブ(21)を備え、前記1つ以上のそれぞれのリブ(21)は、前記各支持体(5)の主展開部と実質的に平行に展開する、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
各支持体(5)は、前記取り付け領域(6)にそれぞれ隣接する2つの端部(13)を備え、前記第1の面(3)に対して直交し且つ前記縦方向(100)を含む垂直平面内において、各支持体の各端部(13)は、前記それぞれの取り付け領域(6)における前記フレーム(2)の前記第1の面(3)と共に、それぞれの支持体(5)の方を向いたそれぞれの取付角度(20)を形成し、前記取付角度(20)は、0°以上45°以下、好ましくは30°以下であり、
前記垂直平面内において、各支持体(5)は、前記2つの取り付け領域(6)の間に、円弧展開部を有し、好ましくは前記円弧展開部の少なくとも一部に関して凹面が前記フレーム(2)の方を向いている、請求項1~5のいずれか一項に記載の要素(1)。
【請求項7】
各支持体(5)は、前記垂直平面内において、0°に等しい取付角度(20)を伴う正弦波状の展開部を有する、請求項6に記載の要素(1)。
【請求項8】
前記複数の支持体(5)は、支持体の少なくとも第1及び第2のグループを備え、
各グループは、支持体(5)のそれぞれの複数の列(7,8)を備え、前記第1のグループの列(7)は、前記縦方向(100)に対して実質的に垂直な横方向(101)に沿って前記第2のグループの列(8)と散在され、
前記第1のグループの支持体(5)は、前記支持体(5)の縦方向長さの略半分に等しい縦方向オフセットだけ前記縦方向(100)に対し、前記第2のグループの支持体に対して互い違いに配置され、各列(7,8)の支持体(5)は全てが前記横方向(101)に対して互いに位置合わせされる、請求項1~7のいずれか一項に記載の要素(1)。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の減衰層の要素(1)の複数個を並べて配置してなる、床材(201)用の減衰層(200)。
【請求項10】
- 小型の基材(202)と、
- 前記基材を覆って配置される表面層(203)と、
- 前記基材(202)と前記表面層(203)との間に介在される請求項9に記載の床材用の減衰層(200)であって、当該減衰層の各要素(1)の第1の面(3)が前記表面層(203)の方を向いている、減衰層(200)と、
を備え、
前記表面層(203)が合成芝マット及び粒状充填材を備えている、
ことを特徴とする床材(201)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床材(フローリング)、例えば、人工芝の競技場、運動競技場、スポーツ施設の床などのスポーツ用途の床材(フローリング)のための減衰層の要素に関する。本発明はまた、そのような要素で作られた減衰層、及び当該減衰層を備える床材に関する。
【背景技術】
【0002】
減衰層は、それらが一部を成すスポーツ用途の床材の動的応答に寄与する。
実質的に平坦なフレームと、そのようなフレーム上に配設されてフレームから突出する複数の支持体とを備える構造体を有する減衰層が知られている。減衰層と下側支持基材との間の機械的相互作用がこれらの支持体において生じる。
【0003】
特許文献1は、粘土基材と、合成芝マットと、基材と合成芝マットとの間に配置される中間弾性支持構造体とを備える合成芝床材について記載しており、支持構造体は波状に延在し、それにより、所望の柔軟性を与える片持ち部分を形成し、排水のためにスロットが支持構造体に設けられる。
特許文献2は、床材用の減衰層の要素について記載している。
特許文献3は、床材タイルの連結アセンブリ、及びアセンブリに供給される減衰タイルについて記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開WO2011/036600号(A2)
【特許文献2】国際公開WO2019/145985号
【特許文献3】国際公開WO2014/169328号(A1)
【発明の概要】
【0005】
本出願人は、前述の減衰層との関連で、アスリート(又はボール)と、そのような減衰層を組み込むスポーツ用途の床材との間の相互作用に関して、特に床材に伝達される応力に対する動的応答に関して、例えばアスリートの地面への接触(例えば、ランニング中)、又はアスリートの地面への落下、又は更にはボールの跳ね返りに続く応力の減衰能力の観点から、既知の減衰層を改善することが望ましいことに留意した。
【0006】
したがって、本出願人は、例えば応力の高い吸収能力の観点から、応力に対して所望の動的応答をもたらすことができる、フレームと、そのようなフレーム上に配設されて、そのようなフレームから突出する複数の支持体とを有する、床材用の減衰層の要素(及び関連する減衰層)を提供するという課題に直面している。
【0007】
本出願人によれば、上記の課題は、添付の特許請求の範囲に係る、及び/又は以下の特徴を有する床材用の減衰層の要素によって解決される。
【0008】
一態様によれば、本発明は、床材用の減衰層の要素に関するものであり、該要素は、
- 要素の第1の面を形成するフレームであって、複数の貫通開口を備える、フレームと、
- 第1の面に対して反対側でフレームから突出する複数の支持体であって、各支持体が、複数の貫通開口のそれぞれの貫通開口に配置されるとともに、フレームに属してそれぞれの貫通開口に対して互いに対向する2つの取り付け領域を、構造的連続性をもって跨ぐ(架橋する)、複数の支持体と、
を備える。
【0009】
好ましくは、フレームは、ノードで互いに接続される長尺要素を備える網状構造を有する。
好ましくは、2つの取り付け領域は、縦方向に沿って互いに対向して配置される。
好ましくは、各支持体は、2つの取り付け領域においてのみフレームに取り付けられている。
好ましくは、各貫通開口は、2つの取り付け領域と、貫通開口の(横方向/横断方向で)両側で2つの取り付け領域をそれぞれ接合する2つのそれぞれのフレーム部分とによって画定される。
好ましくは、各フレーム部分は(少なくとも部分的に)、互いに平行でない少なくとも2つの長尺要素を備え、2つの長尺要素のうちの少なくとも一方は、(少なくとも部分的に)縦方向と(更には実質的に)平行でない展開部を有する。
【0010】
一態様によれば、本発明は、並んで配置されるところの、本発明に係る減衰層の複数の要素を備える床材用の減衰層に関する。
【0011】
一態様によれば、本発明は、
- 小型基材と、
- 基材上にわたって配置される表面層と、
- 基材と表面層との間に介在される本発明に係る床材用の減衰層であって、減衰層の各要素の第1の面が表面層の方を向く、減衰層と、
を備える床材に関する。
【0012】
好ましくは、表面層は、合成芝マット、更に一般的には粒状充填材を備える。
【0013】
本出願人によれば、支持体は、それぞれの貫通開口(換言すれば、各支持体の縦方向中央部分は、縦方向に対して実質的に垂直な横方向に沿って移動するフレームを実質的に含まない)に対して縦方向で対向する2つの取り付け領域においてのみフレームを跨いでいるため、支持体が(一般的には実質的に垂直な)応力を受けると、支持体は(弾性的に)変形し、それにより、それぞれの取り付け領域から互いに縦方向で離れる。言い換えると、支持体は、垂直応力を、実質的に縦方向に沿うそれぞれのフレーム部分の伸長力に変換する。
【0014】
フレーム部分(それぞれの支持体を含まない)は、互いに平行ではない少なくとも2つの長尺要素をそれぞれ備え、少なくとも1つの長尺要素が縦方向と平行ではない展開部を有するため、前述の縦方向伸長力を受けたときに、それら自体の形状の(弾性)変形によって正確に縦方向に沿って延びることができるように成形される。実際に、支持体による伸長作用に続いて、応力がない状態で非縦方向の展開部を有する長尺要素は、それ自体が縦方向に対してより整列されるように配置される傾向があり、その結果、フレーム部分が縦方向に延びる。
このようにして、支持体に加えてフレームも有利に弾性変形に関与し、したがって応力の全体的な吸収を促進する。
【0015】
網状構造体は、前述の変形に特に適していることに加えて、その構造強度を同時に危険に晒すことなく、軽量性及び排水能力を要素に与える。
2つの長尺要素は、1つ以上の曲線の長尺要素の一部であり得ることが分かる。
【0016】
幾何学的要素(例えば、直線、平面、表面など)に言及される「実質的に垂直な(直交する)」とは、これらの要素が90°+/-5°の角度を形成することを意味する。
上記の幾何学的要素に対し言及される「実質的に平行」とは、これらの要素が0°+/-5°の角度を形成することを意味する。
「縦方向の」、「縦方向に」などは、縦方向と(実質的に)平行であることを意味する。
「横方向(横断方向)の」、「横方向(横断方向)に」などは、縦方向に対して(実質的に)垂直な横方向と(実質的に)平行なことを意味する。
「垂直の」、「垂直に」などは、縦方向及び横方向によって規定される平面に対して(実質的に)垂直であることを意味する。
【0017】
前述の態様の1つ以上における本発明は、以下の好ましい特徴のうちの1つ以上を有することができる。即ち、
好ましくは、フレーム(及び第1の面)は、実質的に、縦方向及び横方向を含む平面上に展開する。このようにして、フレームは、基材の一般に平面的な立体構造に適合する。
好ましくは、前記網状構造体は規則的である(すなわち、常に繰り返されるベースパターンを伴う)。規則的な構造は、動的応答の空間的均一性を与える。
好ましくは、各ノードは、少なくとも3つ(より好ましくは3つ以下)の長尺要素間の接続点である。
好ましくは、各長尺要素は直線状である(降伏リスクを低減するため)。
好ましくは、各貫通開口は、ただ1つのそれぞれの支持体に関連付けられる。このようにして、構造強度及び/又は要素に対する所望の動的応答が改善される。
好ましくは、貫通開口は全てが互いに等しい。好ましくは、支持体は全てが互いに等しい。このようにして、要素の動的応答の均一性がもたらされる。
【0018】
好ましくは、各貫通開口は、プラント(平面視)で、六角形形状を有する。この形状は、前述の縦方向の延びを得るのに特に適しており、及び/又は開口の高い表面密度を可能にする。
好ましくは、前記六角形形状は、縦方向対称軸及び横方向対称軸を有する。
好ましくは、前記六角形形状は、縦方向に沿う主展開部を有する。このようにして、横方向に沿って高い線密度で開口を配置することが可能である。
好ましくは、各開口は、(実質的に)横方向の展開部を伴うとともにそれぞれが2つの取り付け領域(より好ましくはそれぞれの長尺要素の中央位置にある)を備える2つの第1の長尺要素と、2対の連続する第2の長尺要素とによって画定され、各対が貫通開口の両側で2つの第1の長尺要素を接続する。
【0019】
好ましくは、それぞれの第1の長尺要素は、それぞれの取り付け領域(換言すれば、取り付け領域は、第1の長尺要素のうちの1つよりも短い横方向長さを有する)によって自由のままにされる2つの横方向端部を有する。このようにして、第1の長尺要素の自由部分は、それぞれのフレーム部分の前述の縦方向の延びに関与することができる。
【0020】
好ましくは、少なくとも2つの長尺要素は、第2の長尺要素と一致する。
好ましくは、各フレーム部分は、全体として少なくとも2つの長尺要素を備える。
好ましくは、各フレーム部分は、全体として少なくとも2つの長尺要素のみを備える。
好ましくは、少なくとも2つの長尺要素のそれぞれは、縦方向と平行でない展開部を(少なくとも部分的に)有する。
好ましくは、少なくとも2つの長尺要素のそれぞれは、(少なくとも部分的に)横方向と(更には実質的に)平行でない展開部を有する。
好ましくは、各フレーム部分は、2つの第1の長尺要素のそれぞれの横方向端部を更に備える。
好ましくは、各フレーム部分の少なくとも2つの長尺要素は、互いに連続している。
上記の6つの段落の特徴のうちの1つ以上は、フレーム部分の縦方向延び特性を向上させる。
【0021】
好ましくは、少なくとも2つの長尺要素は、直線的な展開部を有し、それらの間に(又はそれらの延長部の間に)それぞれの貫通開口の方を向く接続角度を規定する。このようにして、2つのフレーム部分(又は少なくとも接続角度にあるそれぞれの中央部分)は、前述の縦方向の延びに続いて、横方向に沿って互いに近づく(及び前述の角度は幅が増大する傾向がある)。いかなる理論にも限定するものではないが、本出願人は、前述の横方向の近づき及び結果として生じる開口の横方向の収縮が、縦方向の延びを補償する傾向があり、したがってフレーム部分の縦方向の延びを更に容易にし、したがってフレームによる応力の吸収を改善すると考えている。開口の横方向収縮のこの効果は、凹面が開口(例えば、楕円状の開口を有する)の方を向く1つ以上の曲線状の長尺要素によっても得られることが分かる。
また、この横方向の収縮も、各支持体が2つの取り付け領域においてのみフレームに取り付けられ、したがって横方向に押圧しないという事実によって促進される。
【0022】
国際公開WO2014/169328号(A1)に記載された、フレームに取り付けるための縦方向アーム及び横方向アームの両方を有する支持体の比較例の場合、支持体は、それらの変形に続いて、開口を各方向に広げる傾向があり、それにより、開口が垂直方向に沿う延びを補償するために一方向に収縮することができる場合よりもフレーム(網状ではない)の変形が硬くなる。
【0023】
好ましくは、前記接続角度は、90°以上、より好ましくは100°以上、更により好ましくは120°以上、170°以下である。これらの値は、フレーム部分の縦方向の延びに有利である。
【0024】
好ましくは、各支持体は、プラント(平面視)において縦方向に沿う主展開部を有する(すなわち、横方向展開部は、縦方向展開部よりも低い)。このようにして、支持体は、応力を縦方向に伝達するのに適するように成形される。
好ましくは、各支持体は、取り付け領域にそれぞれ隣接する2つの端部を備える。好ましくは、各支持体は、端部間に縦方向で介在される中央部分を備える(中央部分は、下の基材上の支持体のために設けられる)。好ましくは、中央部分は、第1の面の反対側の(好ましくは平坦な)第2の支持面を形成する。使用時に、第2の面は、一般に、小型基材の方を向く。
【0025】
一実施形態において、全ての支持体の中央部分は、同じ平面に接している。このようにして、要素は構造的に単純である。
1つの別の実施形態において、第1の部分複数の支持体の中央部分は、第2の部分複数の支持体の中央部分の第2の接平面から垂直にオフセットされた第1の平面に接する(より好ましくは、第1の部分複数に対して相補的である)。このようにして、垂直荷重が増大するにつれて、第1の部分複数の支持体の漸進的な圧潰は、第2の部分複数の支持体を支持面に漸進的に接触させる。このようにして、要素の動的応答は、受けられる応力の強度にしたがって可変である。
【0026】
好ましくは、第1の面に対して垂直であって縦方向を含む垂直平面において、各(又は1つ以上の)支持体の各端部は、それぞれの取り付け領域においてフレームの第1の面と共に、それぞれの支持体の方を向くそれぞれの取付角度を形成し、前記取付角度は、0°以上45°以下、より好ましくは30°以下、更により好ましくは20°以下又は10°である。取付角度を規定する目的で、垂直平面上で、取り付け領域に属する点、例えば取り付け領域の中心点におけるそれぞれの端部の展開線に接する直線を考えることができる。そのような特徴は、支持体が垂直成分(すなわち、第1の面に対して垂直な成分)に勝る第1の面と平行な成分を有する応力をフレームに伝達するように、端部がフレーム自体に対して傾斜してフレームに取り付くことができるようにする。このようにして、要素が受ける応力は、支持体の(弾性)変形を引き起こすだけでなく、フレームにも関与し、それぞれのフレーム部分の前述の縦方向延び特性と相乗的にフレームを(弾性的に)変形させる。その結果、弾性要素の所望の全体的な動的応答効率が得られる。取付角度が45°よりかなり大きい(例えば、支持体の端部がフレームに対するそれぞれの取り付け領域においてほぼ垂直である)前述の特許文献に記載された既知の減衰層では、代わりに、応力がほぼ垂直にフレームに伝達される。言い換えると、要素が受ける応力は、フレームに関与することなく支持体のみを実質的に変形させる。更に、要素(例えば、取り付け領域において)は基材に付着する傾向があり、したがって応力に対して弾性的に応答する能力を制限する。
【0027】
好ましくは、垂直平面内において、各支持体は、2つの取り付け領域間に(完全に)円弧展開部を有し、より好ましくは、凹面が円弧展開部の少なくとも一部(例えば、支持要素の中央部分)に関してフレームの方を向く。このようにして、支持体は、支持体の脆弱ポイントを生成する局所的な応力蓄積点(例えば、縁部及び/又は尖頭など)を回避することを可能にする曲線形状を有する。
好ましくは、各支持体は、垂直平面内に、正弦波展開部(例えば、完全な周期に等しい)を有し、好ましくは取付角度が0°に等しい。そのような形状は、応力の吸収に特に有利である。
【0028】

好ましくは、支持体の端部間の少なくとも一方又は端部の両方は、少なくとも支持体からフレームに(縦方向で)移動する、横方向で先細る形状をプラント(平面視)において有する。このようにして、全体的な重量が制限され、更に、実質的に縦方向の軸を中心としたフレームに対する支持体のねじれが容易になり、それにより、例えば応力の吸収に関して動的応答を更に増大させることができる。
好ましくは、1つ以上の支持体のそれぞれは、より好ましくは縦方向で長尺な(互いに同一の)1つ以上のそれぞれの貫通開口を備える。このようにして、要素の重量が更に制限される。
【0029】
一実施形態において、各支持体は、異なる寸法を有する、より好ましくは互いに異なる縦方向長さを有する2つのそれぞれの貫通開口を備える。このようにして、支持体は、より高い空-満杯(empty-to-full)比を有するそれぞれの部分(すなわち、より大きな寸法の開口を備える部分)から始まってより低い空-満杯比を有する部分(すなわち、より小さい開口を備える)に至るまで徐々に増大する方法で弾性的に変形され、従って、受けられる応力にしたがって変化する支持体の動的応答を得ることができる。
【0030】
好ましくは、1つ以上の支持体のそれぞれは、より好ましくはフレームに面するそれぞれの支持体の面に配置される1つ以上(一般に2つ)のそれぞれのリブを備える。好ましくは、1つ以上のそれぞれのリブは、それぞれの支持体の主展開部と(実質的に)平行に展開する。このようにして、支持体の構造強度が高められる。実験的に、出願人は、リブが応力の吸収に関して要素の動的応答を更に改善することに気づいた(例えば、特定の「人工装具」試験の結果が改善される)。
【0031】
好ましくは、複数の支持体は、支持体の(少なくとも)第1及び第2のグループを備え、各グループは、支持体のそれぞれの複数の列を備え、第1のグループの列は、横方向に沿って第2のグループの列と散在される。好ましくは、第1のグループの支持体は、縦方向に対して第2のグループの支持体に対して互い違いに配置される。言い換えると、2つのグループの支持体は、縦方向に沿って他のグループの支持体に対して第1のグループの支持体が並進することによって得られる相互の縦方向変位を有する。このようにして、支持体は、有利な方法でフレームに対して空間的に配設される。実際に、全てが縦方向及び横方向の両方で整列される前述の特許文献の支持体の分布(すなわち、支持体が互いに垂直な行列で分布される)に関して、支持体のこの互い違いの配置は、支持体の同じ寸法を考慮して、支持体のより大きな表面密度及び/又は支持体のより均一な分布を得ることができるようにし、これにより、要素の動的応答が更に改善される(例えば、応力の吸収に関して)。
互い違いの配置は、開口及び支持体の高い表面密度を与えるため、特に六角形又は楕円形の開口により、フレーム部分に縦方向の拡張性を与える前述の特徴と相乗的に作用する。
【0032】
好ましくは、各列の支持体は全て、横方向(例えば、各支持体に関して同じ基準点をとると、そのような基準点は横方向で整列され、すなわち、全て同じ縦方向直線上にある)に対して互いに整列される。このようにすると、列はコンパクトである。
好ましくは、複数のグループは、支持体の第1及び第2のグループから成り、より好ましくは、それぞれの列が個別に交互になっている。この交互配置は、要素の構造を過度に複雑にすることなく所望の動的応答特性を得ることを可能にする。
好ましくは、異なるグループに属する支持体は、支持体の縦方向長さの(実質的に)半分に等しい縦方向オフセットだけ互いに縦方向で互い違いに配置される。言い換えると、支持体の実質的に中央部分は、フレームの取り付け領域と横方向で散在される。この特徴は、フレーム部分の延び能力と相乗的に作用し、所望の減衰特性を与える。
【0033】
好ましくは、フレーム(例えば、各長尺要素)は、1mm以上、より好ましくは2mm以上、及び/又は7mm以下、より好ましくは6mm以下の垂直厚さを有する。各長尺要素は、好ましくは、厚さに等しい一辺の長さを有する正方形の断面を有する。このようにすると、網状構造体は頑丈である。
好ましくは、垂直平面上の減衰層の要素の最大高さは、5mm以上、より好ましくは7mm以上、及び/又は40mm以下、より好ましくは30mm以下である。この高さは、減衰効果を得るのに十分であるが、床材面の全高を過度に変化させない。
【0034】
好ましくは、要素は単一部品である。このようにすると、製造が簡単である(例えば、単一の成形プロセスを介して)。
好ましくは、要素はポリマー材料で作られ、より好ましくは単一のポリマー材料、例えばポリプロピレンで作られる。
好ましくは、要素はモジュール式である。このようにすると、被覆されるべき表面が変化するにつれて適切な数の等しいモジュールを接合することによって減衰層を作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明に従う減衰層の要素の斜視図を示す。
図2図1の要素のプラント図(平面図)を示す。
図3図2の拡大詳細を示す。
図4図1の側とは反対の側から見た図1の要素の部分斜視図を示す。
図5図1の要素の部分側面図を示す。
図6】本発明に従う床材(フローリング)のスキーム(配置)を示す。
図7a図1の要素のフレームの網状構造体を概略的に示す。
図7b】要素のフレームの網状構造体の実施形態を概略的に示す。
図7c】要素のフレームの網状構造体の実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の特徴及び利点は、添付図面に関連して、本発明の非限定的な例として提示される幾つかの実施形態の以下の詳細な説明によって更に明確になる。
【0037】
図6は、例示的に、コンパクトな基材202(例えば、粘土又はコンクリート製)と、コンパクトな基材の上方に配置されて合成芝マット及び粒状充填材(図示せず)を備える表面層203と、横並びに配置された複数(図では2つ)の減衰層の要素1を備える床材用の減衰層200とを備える床材201を示し、減衰層は基材と表面層との間に介在され、要素1の平坦な第1の面3は表面層の方を向いている。
【0038】
各要素1は、例示的には、単一の部品で作製され、単一のポリマー材料、例えばポリプロピレンで作製され、(減衰層200を作製するための更なる同一の要素との相互接続を目的として)モジュール式である。減衰層の要素1は、例えば、射出成形プロセスによって作製することができる。
好ましくは、減衰層の要素1は弾性的に変形可能である。
【0039】
例示的には、要素1は、第1の面3を形成するとともに縦方向100及び縦方向に垂直な横方向101を含む平面(例えば、図2の平面)上に実質的に展開するフレーム2を備える。
例示的には、フレーム2は、ノード11(図3では点によって象徴的に識別されている)で互いに接続された直線状の長尺要素10、12(詳細には図3を参照)を備える規則的な網状構造(体)を有し、各ノード11は、例示的には3つ及び2つ以下の長尺要素10、12の接続点である。
例示的には、各長尺要素10、12は、約4mmに等しい垂直方向の厚さSと、厚さに等しい一辺の長さを有する正方形の断面とを有する。
【0040】
例示的には、フレーム2は、全てが互いに同一である複数の貫通開口4を備え、貫通開口は、プラントで(平面視で)縦方向100に沿う主展開部を伴う六角形の形状を有し、各貫通開口が縦方向対称軸及び横方向対称軸(図示せず)を有する。
【0041】
例示的には、要素1は、全てが互いに同一の複数の支持体5を備える。
例示的には、支持体5は、第1の面3に対してフレームの反対側でフレーム2から突出し、各支持体5は、複数の貫通開口のそれぞれの貫通開口4に配置されるとともに、フレームに属してそれぞれの貫通開口4に対して互いに縦方向で対向する2つの取り付け領域6を構造的な連続性をもって跨いでいる(架橋している)。
例示的には、各貫通開口4は、唯一のそれぞれの支持体5と関連付けられている。
【0042】
例示的には、各貫通開口4は、横方向展開部を伴うとともにそれぞれの第1の長尺要素12の中央位置に2つの取り付け領域6をそれぞれ備える2つの第1の長尺要素12と、2対の連続する第2の長尺要素10(各対は、開口の横方向の両側から2つの第1の長尺要素12を接続する)とによって画定されている。
例示的には、それぞれの第1の長尺要素12は、それぞれの取り付け領域6から自由のままにされた(そして、取り付け領域6と最も近いノード11との間に備えられる)2つの横方向端部を有する。
【0043】
例示的には、各貫通開口は、取り付け領域によって、及び、貫通開口4の横方向両側で2つの取り付け領域6をそれぞれ接合する2つのフレーム部分によって画定される。
例示的には、各フレーム部分は、それぞれの支持体がなく、互いに連続し且つ2つの別個の第1の長尺要素10にそれぞれ属する2つの端部によって連続する一対の第2の長尺要素12を備える(又は、から成る)。
例示的には、それぞれのフレーム部分ごとに、2つの第2の長尺要素10は、互いに整列されず、それぞれが縦方向100と平行でない展開部を有する。特に、各フレーム部分の2つの第2の長尺要素10は、例示的には、貫通開口4に面する接続角度17を互いの間に規定する。例示的には、接続角度17は約160°に等しい。
【0044】
本発明の目的のために、円弧展開部(つまり、上記のように真っ直ぐではない)を有する長尺要素(又はその一部)は、「縦方向と平行でない展開部」という表現に含まれる。
したがって、一実施形態(図示せず)において、各フレーム部分(又は1つ以上のフレーム部分)は、前述の第2の長尺要素10の一方又は両方の代わりに、少なくとも1つの弓形長尺要素を備えることができる。当該実施形態において、弓形長尺要素の凹面は、好ましくは、それぞれの貫通開口4の方を向いて、貫通開口4の方を向く前述の接続角度17によって得られるのと同様の技術的効果(すなわち、開口の横方向の収縮及び縦方向の延び)を得る(場合によっては異なる実体で)。
【0045】
更なる一実施形態(図7c)では、各貫通開口(又は1つ以上の貫通開口)が長方形の形状を有する。
【0046】
例示的には、それぞれのフレーム部分ごとに、それぞれの第2の長尺要素10は、隣接する第1の長尺要素12の端部と共に、開口4の方を向く(及び接続角度17よりも小さい幅の)更なる接続角度18を規定し、それぞれの更なる接続角度18は、例示的には約100°に等しい。
【0047】
例示的には、各支持体5は、2つの取り付け領域6においてのみフレーム2に取り付けられ、プラントで(平面視で)、縦方向100に沿う主展開部を有する(すなわち、横方向展開部は縦方向展開部よりも低い)。
例示的には、各支持体5は、2つの取り付け領域6にそれぞれ隣接する2つの端部13と、縦方向的にそれぞれの端部13間に介在される中央部分19とを備える。
【0048】
例示的には、第1の面3に対して垂直であって縦方向100を含む垂直平面(例えば、図5の平面と平行な平面)内において、各支持体5は、2つの取り付け領域6間に、それぞれの中央部分19で凹面がフレーム2の方を向く正弦波展開部(2つのそれぞれの変曲点を備える)を有する。
例示的には、前述の垂直平面内において、各支持体の各端部13は、それぞれの取り付け領域6におけるフレームの第1の面3と共に、それぞれの支持体5の方を向くそれぞれの取付角度20を形成し、取付角度20は0°に等しい。換言すれば、各支持体5は、例示的に、正弦波の全空間周期にわたって延びる正弦波展開部を有し、それぞれの端部13の両方は、ゼロの取付角度20でフレーム2に取り付けられる(図5では、正弦波の谷が取り付け領域にある)。
【0049】
取付角度20(図5参照)を規定するために、前述の垂直平面上で、取り付け領域6に属する点P(例えば、取り付け領域の中心点)におけるそれぞれの端部13の展開線50(図5に破線で示す)に接する直線103を例示的に考慮することができる。
0°に等しい取付角度20である図5では、接線103が例示的に第1の面3と平行である。
他の(図示しない)実施形態では、各端部の取付角度が0°~45°の間で変化し得る。
【0050】
1つの(図示しない)実施形態において、支持体は、常にフレームの方を向く凹面、例えば円弧凹面又は放物面セグメント凹面を伴う円弧展開部を有することができる。
【0051】
例示的には、複数の支持体5は、支持体の第1及び第2のグループを備え、各グループはそれぞれ、支持体5の複数の列7、8を備える。
例示的には、第1のグループの列7は、横方向101に沿って第2のグループの列8と散在される(例示的には、それらの列は、Aが列7を示し、Bが列8を示すABAB方式に従って個別に交互にされる)。例示的には、第1のグループの支持体5は、縦方向100に対して第2のグループの支持体に対して互い違いに配置され、支持体5の縦方向長さの半分に等しい縦方向オフセットだけ互い違いに配置される。
【0052】
例示的には、各貫通開口は1つの支持体のみと関連付けられるため、貫通開口4もまた、開口の長さの半分に等しい縦方向オフセットだけ互いに互い違いにされる縦方向の列を成して配置される。互い違いの配置は、開口の高い表面密度を得ることを可能にするため、開口の六角形の形状と特に相乗的である。
実際に、六角形形状の互い違いの配置は、図7a及び図7bを連続線と比較することによって明らかなように、開口間に介在されるフレームのデッドスペースを実質的に0に減少させることを可能にし、図7aは縦方向に互い違いになった(図1の要素1のように、横方向に対して位置合わせされる)六角形の開口を有する網状構造体を概略的に示し、図7bは縦方向に対して整列した六角形の開口を有する代替的な網状構造体(及び横方向のもの)を概略的に示す。図7bの場合、2対の横方向に連続する貫通開口間には、菱形形状のデッドスペース(満杯又は空であり得る)があり、これは図7aには存在しない。
【0053】
縦方向に互い違いに配置された六角形形状の貫通開口は、支持体5のより均一な分布を得ることを更に可能にする。実際に、図7aに示すように、各取り付け領域6(要素1が基材上に存在しない)は、貫通開口の中央部分、したがってそのような貫通開口の支持体5の中央部分19と横方向で散在される。一方、図7bの網状構造では、取り付け領域6は列に沿って整列され、これにより、要素1は、支持体の支持を伴うことなく大きなフレーム領域を有し、これらの領域は、要素1の横方向寸法の実質的に全体にわたって横方向で延びる。
【0054】
貫通開口が円形のプラント(平面視)を有する(図示しない)実施形態であっても、縦方向に対して互い違いの貫通開口の配置は、(国際公開WO2014/169328号A1のように)縦方向及び横方向の両方に関して互いに整列される同じ貫通開口の(すなわち、同じ寸法を有する)配置よりも大きい貫通開口(したがって、支持体の)表面密度、及び(六角形の開口について前述したのと同様の方法での)支持体5のより均一な分布を得ることを可能にする。
【0055】
長方形の開口の場合、貫通開口の表面密度に影響を与えない可能性がある縦方向に対する互い違いの配置(図7c)は、それにもかかわらず、六角形の開口に関して前述したのと同様の方法で、縦方向及び横方向に沿って整列した長方形の貫通開口に対するそれぞれの支持体のより均一な分布を得ることを可能にする。
【0056】
例示的には、各縦方向列7、8の支持体5は全て、横方向101に対して互いに整列している(すなわち、それらは全て同じ縦方向直線上にある)。
図2を参照すると、任意的には、第1のグループの列7は奇数のものであり、第2のグループの列8は偶数のものである。
【0057】
1つの(図示しない)実施形態では、第1及び第2のグループの列は、AABAAB型のパターン、又は2つのグループの列間の交替配置をもたらす任意の他のパターンに従って相互に散在させることができる。
1つの(図示されていない)実施形態において、複数の支持体は、支持体の3つ以上のグループを備えることができ、各グループは、支持体のそれぞれの複数の列を備え、各グループの列は、残りのグループの列と散在し、各グループの支持体は、残りのグループの支持体に対して縦方向に互い違いに配置される。この実施形態では、グループの列が散在するパターンは、例えば、3つのグループ、ABCABC、又はABCBABCなどの場合のように、任意のものとすることができ、支持体の縦方向のオフセットは、例えば、支持体の縦方向の長さの1/3に等しくすることができる。
【0058】
例示的に(図3)、各支持体5の両端部13は、プラントで(平面視で)、支持体からフレームまで縦方向に移動するに伴い横方向で先細る形状(テーパーな形状)を有する。
【0059】
例示的に(図4)、各支持体5は、フレーム2の方を向くそれぞれの支持体の面に配置された2つのそれぞれのリブ21を備え、リブ21は、支持体の表面にレリーフ状態であり、縦方向に延在する。
例示的には、各支持体5は、2つのそれぞれの縦方向に長尺な貫通開口14を備える。例示的には、幾つかの支持体5(例えば、要素1の横方向の縁部に配置されたもの)は、異なる縦方向長さを有する2つのそれぞれの貫通開口を有する。
【0060】
図に例示的に示されているように、貫通開口4の六角形形状および支持体5のプラント形状(平面視形状)を考えると、支持体5は、プラントで(平面視において)各開口の広がりの全体を占拠しない。
【0061】
一実施形態(例えば矩形形状を有する貫通開口を伴う図示しない実施形態)では、支持体は、プラントで(平面視において)各貫通開口の広がりのほぼ全体を占めることができる。
【0062】
例示的には、全ての支持体の中央部分19は、同一平面(図示せず)に接しており、使用時には、中央部分19は、基材202の方を向く(例えば、基材202と接触する)(図6参照)。
【0063】
1つの(図示されない)実施形態では、第1の部分複数の支持体の中央部分は、第1の部分複数に対して相補的な第2の部分複数の支持体の中央部分の第2の接平面に対して垂直にオフセットされた第1の平面に接する。
例えば、垂直平面上の要素1の最大高さHは、約15mmに等しい。
【0064】
床材201における減衰層の要素1の使用において、床材201上のアスリートから来る応力は、一般に、減衰層200に向けられた少なくとも垂直成分を有する。減衰層は、支持体の(弾性)変形によって応答し、支持体は、アスリートの応力によって基材202に向かって押しつぶされ、縦方向(長手方向)に伸長して、それぞれの取り付け領域6でフレーム2に推力(スラスト力)を与える。この推力(スラスト力)は、取付角度20が小さいほど、大きな縦方向成分を有する。例示的には、取付角度が0°に等しいため、応力は縦方向100に沿って実質的に完全にフレームに伝達され、したがって推力(スラスト力)は完全に縦方向である。従って、フレーム2は、前述の取付角度の値のおかげもあって、要素1の(弾性)変形に関与し、次いで、特に第2の長尺要素10の各対の間の接続角度17において、及び場合によっては更なる接続角度18においても、網状構造体の(弾性)変形によって支持体によって伝達される縦方向応力を吸収することができる。
【0065】
実際に、支持体5の縦方向の推力を受けて、第2の長尺要素10(力がない場合に縦方向100に対して傾斜している)は、フレーム部分全体に沿って分布する(弾性)変形ではなく、接続角度17でのノード11の(弾性)変形によって縦方向100と整列する傾向がある(すなわち、それらの要素は接続角度17の幅を増大させる傾向がある)。このようにして、貫通開口を画定するフレーム部分の縦方向の延びが達成され、これにより、縦方向の推力を吸収し、したがってアスリートによって加えられる応力を減衰させることが可能になる。
【0066】
フレーム部分が純粋に(実質的に)縦方向である(例えば、開口が長方形のプラント(平面視)を有し、取り付け領域が開口として横方向に広い)比較例の場合、同じ伸長力に関して、この部分の延び長さは、フレーム部分全体に沿って分布するその(弾性)伸びを必要とするため、全体的により制限される。
例示的には、接続角度17がそれぞれの貫通開口の方を向くという事実のおかげで、フレーム部分の縦方向の延びはまた、縦方向の延びを補償するそれらの横方向の収縮を伴い、それを更に容易にする。
【0067】
前述したように、各取り付け領域6がそれぞれの第1の長尺要素12を完全には占有せず、2つの横方向端部を自由のままにするという事実のおかげで、網状構造体は、更なる接続角度18でも(弾性的に)変形することができる。図1図5に示す実施形態では、取り付け領域6から自由のままにされたこれらの横方向端部は、屈曲することができる及び/又はフレーム部分の縦方向の延びを概ね容易にすることができる(例えば、更なる接続角度18でのノード11の(弾性)変形によって、第2の長尺要素10の縦方向100への整列を可能にする)。図7a及び図7bは、前述の応力の結果として変形した構成の網状構造体を破線で概略的に示す。図から分かるように、両方の構造において、要素1は、少なくとも局所的に横方向の収縮を受ける。
【0068】
本出願人は、応力によって直接影響を受ける支持体が、この応力を、(例えば、全ての本体が固定されたフレームの前述の変形に続いて)直接関与しない支持体にも分散させ、したがって、スポーツ選手によって直接応力を受ける支持体よりも多くの数の支持体に応力を分散させる(足及び/又は身体で)という事実のおかげで、要素1が吸収に関して応力に対する所望の動的応答特性を得ることを可能にする、と考える。
【0069】
出願人は、例示された減衰層の要素1を、「Artificial Athlete」又は「Berlin Athlete」と呼ばれる試験によって行われる実験的試験に供した。この試験は、減衰(KA)、垂直変形(VD)、及び、場合によっては弾性エネルギー反発(ER)の(いわゆる高度人工競技試験による)に関して、スポーツのための表面の性能特性を測定することができる特別な機械の使用を含む。
【0070】
この試験は特に、前述の試験の結果として(アスリートにとって最適な条件を確保するために)25%を超える減衰値を必要とする、例えばEN14904(屋内表面用)及び/又はEN14877(屋外表面用)を条件とする、合成芝ピッチなどのスポーツ用途の表面の評価に使用される。減衰層の試験された要素は、前述の人工競技試験において、既知の減衰層で得られる値よりも著しく高い、約50%/60%に等しい減衰結果を得た。
【符号の説明】
【0071】
1 減衰層の要素
2 フレーム
3 第1の面
4 貫通開口
5 支持体
6 取り付け領域
10 長尺要素
11 ノード
12 長尺要素
13 端部
21 リブ
100 縦方向(長手方向)
101 横方向(横断方向)
200 減衰層
201 床材
202 基材
203 表面層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
【国際調査報告】