(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】後方散乱通信
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20230101AFI20240206BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240206BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20240206BHJP
【FI】
H04W72/04
H04W84/12
H04W84/10 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547656
(86)(22)【出願日】2022-02-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 US2022015678
(87)【国際公開番号】W WO2022170267
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】510030995
【氏名又は名称】インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】マハリンガム,ナギ
(72)【発明者】
【氏名】プラガダ,ラヴィクマール
(72)【発明者】
【氏名】ハク,タンビール
(72)【発明者】
【氏名】エルコトバイ,フセイン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA43
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE35
5K067HH22
(57)【要約】
後方散乱に基づく無線送信のためのシステム、方法、及びデバイス。後方散乱指示メッセージ(BID)は、アクセスポイント(AP)から受信される。問い合わせ信号が受信される。アップリンクデータは、BID及び問い合わせ信号に基づいてAPに送信される。いくつかの実装形態では、問い合わせ信号はAPから受信される。いくつかの実装形態では、BIDは後方散乱持続時間を示し、アップリンクデータは後方散乱持続時間の間にAPに送信される。いくつかの実装形態では、アップリンクデータは、問い合わせ信号を受信するのと同時にAPに送信される。いくつかの実装形態では、エネルギーは問い合わせ信号から収穫される。いくつかの実装形態では、アップリンクデータは、問い合わせ信号から収穫されたエネルギーに基づいて、問い合わせ信号に続いてAPに送信される。いくつかの実装形態では、問い合わせ信号は、チャネル状態に基づく、かつ/又はWTRUからの後方散乱に基づく補償信号を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ステーション(STA)において実装される方法であって、
後方散乱機会及びダウンリンク(DL)信号強度閾値を示す後方散乱指示(BID)メッセージを受信することと、
前記BIDメッセージ中に示されたリソースユニット(RU)上で受信されたDL送信の信号強度が前記DL信号強度閾値を超えていることに基づいて、後方散乱送信を生成するために、前記DL送信を後方散乱させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記DL送信の前記後方散乱が、前記DL信号の持続時間が前記後方散乱送信に関連付けられたペイロード送信要件を超えていることに基づいて起こる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記DL送信の強度が前記DL信号強度閾値を超えていないことに基づいて、別の後方散乱送信を生成するために、前記BIDメッセージ中に示されたリソースユニット上で受信された別のSTAからのアップリンク(UL)送信を後方散乱させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記UL送信を前記後方散乱させることが、前記UL送信の信号強度がUL信号強度閾値を超えていることと、前記UL送信の持続時間が他の後方散乱送信に関連付けられたペイロード送信要件を超えていることと、に基づいて起こる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記BIDメッセージ、DLフレーム中のプリアンブル、又は専用基準信号に基づいて、前記DL送信の信号強度を測定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記DL信号強度閾値及び前記UL信号強度閾値が同じ閾値である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記BIDメッセージが管理メッセージを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記BIDメッセージが肯定応答メッセージを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記DL信号強度閾値がサービス品質(QoS)に関連付けられている、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記後方散乱送信が、前記DL送信の信号強度が前記DL信号強度閾値を超えていることと、前記DL送信がペイロード送信要件を超えていることとに基づいて生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
無線ステーション(STA)であって、
後方散乱機会及びダウンリンク(DL)信号強度閾値を示す後方散乱指示(BID)メッセージを受信するように構成された受信機と、
前記BIDメッセージ中に示されたリソースユニット(RU)上で受信されたDL送信の信号強度が前記DL信号強度閾値を超えていることに基づいて、後方散乱送信を生成するために、前記DL送信を後方散乱させるように構成された送信機と、を備える、STA。
【請求項12】
前記送信機が、前記DL信号の持続時間が前記後方散乱送信に関連付けられたペイロード送信要件を超えていることに基づいて、前記DL送信を後方散乱させるように更に構成されている、請求項11に記載のSTA。
【請求項13】
前記送信機が、前記DL送信の強度が前記DL信号強度閾値を超えていないことに基づいて、別の後方散乱送信を生成するために、前記BIDメッセージ中に示されたリソースユニット上で受信された別のSTAからのアップリンク(UL)送信を後方散乱させるように更に構成されている、請求項11に記載のSTA。
【請求項14】
前記送信機が、前記UL送信の信号強度がUL信号強度閾値を超えていることと、前記UL送信の持続時間が他の後方散乱送信に関連付けられたペイロード送信要件を超えていることと、に基づいて、前記UL送信を後方散乱させるように更に構成されている、請求項13に記載のSTA。
【請求項15】
前記受信機が、前記BIDメッセージ、DLフレーム中のプリアンブル、又は専用基準信号に基づいて、前記DL送信の信号強度を測定するように更に構成されている、請求項11に記載のSTA。
【請求項16】
前記DL信号強度閾値及び前記UL信号強度閾値が、同じ閾値である、請求項14に記載のSTA。
【請求項17】
前記BIDメッセージが管理メッセージを含む、請求項11に記載のSTA。
【請求項18】
前記BIDメッセージが肯定応答メッセージを含む、請求項11に記載のSTA。
【請求項19】
前記DL信号強度閾値がサービス品質(QoS)に関連付けられている、請求項11に記載のSTA。
【請求項20】
前記送信機が、前記DL送信の信号強度が前記DL信号強度閾値を超えていることと、前記DL送信がペイロード送信要件を超えていることと、に基づいて、前記後方散乱送信を生成するように更に構成されている、請求項11に記載のSTA。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年2月8日に出願された米国特許仮出願第63/147,079号及び2021年8月20日に出願された米国特許仮出願第63/235,469号の利益を主張するものであり、それらの内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
省電力機能は、デバイスにおける電力を節約するために、エンドユーザデバイスに関するIEEE及び3GPP規格において実装される。後方散乱送信機は、入射波形を反射又は吸収して、オンオフキーイングを模倣する。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの実装形態は、後方散乱に基づく無線送信のためのシステム、方法、及び/又はデバイスを提供する。後方散乱指示メッセージ(backscatter indication message、BID)は、アクセスポイント(access point、AP)から受信される。問い合わせ信号が受信される。アップリンクデータは、BID及び問い合わせ信号に基づいてAPに送信される。いくつかの実装形態では、問い合わせ信号はAPから受信される。いくつかの実装形態では、BIDは後方散乱持続時間を示し、アップリンクデータは後方散乱持続時間の間にAPに送信される。いくつかの実装形態では、アップリンクデータは、問い合わせ信号を受信するのと同時にAPに送信される。いくつかの実装形態では、エネルギーは問い合わせ信号から収穫される。いくつかの実装形態では、アップリンクデータは、問い合わせ信号から収穫されたエネルギーに基づいて、問い合わせ信号に続いてAPに送信される。いくつかの実装形態では、問い合わせ信号は、チャネル状態に基づく、かつ/又はWTRUからの後方散乱に基づく補償信号を含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
より詳細な理解は、添付の図面と併せて例として与えられる以下の説明から得られ得、図中の同様の参照番号は、同様の要素を示す。
【
図1A】1つ以上の開示された実施形態が実装され得る、例示的な通信システムを示すシステム図である。
【
図1B】一実施形態による、
図1Aに示される通信システム内で使用され得る、例示的な無線送信/受信ユニット(wireless transmit/receive unit、WTRU)を示すシステム図である。
【
図1C】一実施形態による、
図1Aに示される通信システム内で使用され得る、例示的な無線アクセスネットワーク(radio access network、RAN)及び例示的なコアネットワーク(core network、CN)を示すシステム図である。
【
図1D】一実施形態による、
図1Aに示される通信システム内で使用され得る、更なる例示的なRAN及び更なる例示的なCNを示すシステム図である。
【
図2】802.11ahフレームワークにおける例示的な後方散乱を示す図である。
【
図3】例示的なBIDメッセージフォーマットを説明する表である。
【
図4】例示的なメッセージ及び関連するフォーマットを示すブロック図である。
【
図5】802.11システムにおける例示的な後方散乱を示す図である。
【
図6A】例示的なエネルギー収穫及び後方散乱を示す。
【
図7】802.11axシステムにおける後方散乱通信を可能にする例示的な通信を示す。
【
図8】DL受信信号がQoS要件に基づいて第1の閾値を上回るか又は下回る場合のBSTAの動作を示すフロー図である。
【
図9】後方散乱送信における例示的な干渉を示すシステム図である。
【
図10】逆推定を介してDLチャネル状態を学習するための例示的なフレームワークを示す。
【
図12】チャネル推定のためのAPにおける例示的な制御ループを示す。
【
図13】マルチキャリア、マルチSTA推定のための例示的な制御ループを示す。
【
図14】APによるBSTAの例示的なバッファ推定を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
いくつかの実装形態は、無線ステーションSTAにおいて実装される方法を提供する。STAは、後方散乱機会及びダウンリンク(downlink、DL)信号強度閾値を示す後方散乱指示(BID)メッセージを受信する。STAは、BIDメッセージ中に示されたリソースユニット(resource unit、RU)上で受信されたDL送信の信号強度がDL信号強度閾値を超えていることに基づいて、後方散乱送信を生成するために、DL送信を後方散乱させる。
【0006】
いくつかの実装形態では、DL送信の後方散乱は、DL信号の持続時間が後方散乱送信に関連付けられたペイロード送信要件を超えていることに基づいて起こる。いくつかの実装形態は、DL送信の強度がDL信号強度閾値を超えていないことに基づいて、別の後方散乱送信を生成するために、BIDメッセージ中に示されたリソースユニット上で受信された別のSTAからのアップリンク(uplink、UL)送信を後方散乱させることを含む。いくつかの実装形態では、UL送信を後方散乱させることは、UL送信の信号強度がUL信号強度閾値を超えていることと、UL送信の持続時間が他の後方散乱送信に関連付けられたペイロード送信要件を超えていることとに基づいて起こる。いくつかの実装形態は、BIDメッセージ、DLフレーム中のプリアンブル、又は専用基準信号に基づいて、DL送信の信号強度を測定することを含む。いくつかの実装形態では、DL信号強度閾値及びUL信号強度閾値は、同じ閾値である。いくつかの実装形態では、BIDメッセージは管理メッセージを含む。いくつかの実装形態では、BIDメッセージは肯定応答メッセージを含む。いくつかの実装形態では、DL信号強度閾値はサービス品質(quality of service、QoS)に関連付けられている。いくつかの実装形態では、後方散乱送信は、DL送信の信号強度がDL信号強度閾値を超えていることと、DL送信がペイロード送信要件を超えていることとに基づいて生成される。
【0007】
いくつかの実装形態はSTAを提供する。STAは、後方散乱機会及びDL信号強度閾値を示すBIDメッセージを受信するように構成された受信機を含む。STAはまた、BIDメッセージ中に示されたRU上で受信されたDL送信の信号強度がDL信号強度閾値を超えていることに基づいて、後方散乱送信を生成するために、DL送信を後方散乱させるように構成された送信機も含む。
【0008】
いくつかの実装形態では、送信機はまた、DL信号の持続時間が後方散乱送信に関連付けられたペイロード送信要件を超えていることに基づいて、DL送信を後方散乱させるように構成されている。いくつかの実装形態では、送信機はまた、DL送信の強度がDL信号強度閾値を超えていないことに基づいて、別の後方散乱送信を生成するために、BIDメッセージ中に示されたリソースユニット上で受信された別のSTAからのUL送信を後方散乱させるように構成されている。いくつかの実装形態では、送信機はまた、UL送信の信号強度がUL信号強度閾値を超えていることと、UL送信の持続時間が他の後方散乱送信に関連付けられたペイロード送信要件を超えていることと、に基づいて、UL送信を後方散乱させるように構成されている。いくつかの実装形態では、受信機はまた、BIDメッセージ、DLフレーム中のプリアンブル、又は専用基準信号に基づいて、DL送信の信号強度を測定するように構成されている。いくつかの実装形態では、DL信号強度閾値及びUL信号強度閾値は、同じ閾値である。いくつかの実装形態では、BIDメッセージは管理メッセージを含む。いくつかの実装形態では、BIDメッセージは肯定応答メッセージを含む。いくつかの実装形態では、DL信号強度閾値はQoSに関連付けられている。いくつかの実装形態では、送信機はまた、DL送信の信号強度がDL信号強度閾値を超えていることと、DL送信がペイロード送信要件を超えていることとに基づいて、後方散乱送信を生成するように構成されている。
【0009】
図1Aは、1つ以上の開示された実施形態が実装され得る、例示的な通信システム100を示す図である。通信システム100は、音声、データ、ビデオ、メッセージ伝達、ブロードキャストなどのコンテンツを、複数の無線ユーザに提供する、多重アクセスシステムであり得る。通信システム100は、複数の無線ユーザが、無線帯域幅を含むシステムリソースの共有を通じて、上記のようなコンテンツにアクセスすることを可能にし得る。例えば、通信システム100は、符号分割多重アクセス(code division multiple access、CDMA)、時分割多重アクセス(time division multiple access、TDMA)、周波数分割多重アクセス(frequency division multiple、FDMA)、直交FDMA(orthogonal FDMA、OFDMA)、シングルキャリアFDMA(single-carrier FDMA、SC-FDMA)、ゼロテールユニークワード離散フーリエ変換拡散OFDM(zero-tail unique-word discrete Fourier transform Spread OFDM、ZT-UW-DFT-S-OFDM)、ユニークワードOFDM(unique word OFDM、UW-OFDM)、リソースブロックフィルタ型OFDM、フィルタバンクマルチキャリア(filter bank multicarrier、FBMC)などの1つ以上のチャネルアクセス方法を用い得る。
【0010】
図1Aに示すように、通信システム100は、無線送信/受信ユニット(WTRU)102a、102b、102c、102d、無線アクセスネットワーク(RAN)104、コアネットワーク(CN)106、公衆交換電話ネットワーク(public switched telephone network、PSTN)108、インターネット110、及び他のネットワーク112を含み得るが、開示された実施形態は、任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、及び/又はネットワーク要素を企図することが理解されるであろう。WTRU102a、102b、102c、102dの各々は、無線環境において動作し、かつ/又は通信するように構成された、任意のタイプのデバイスであり得る。例として、いずれもステーション(station、STA)と称され得るWTRU102a、102b、102c、102dは、無線信号を送信及び/又は受信するように構成され得、ユーザ機器(user equipment、UE)、モバイルステーション、固定又はモバイル加入者ユニット、加入ベースのユニット、ポケットベル、携帯電話、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、無線センサ、ホットスポット又はMi-Fiデバイス、モノのインターネット(Internet of Things、IoT)デバイス、時計又は他のウェアラブル、ヘッドマウントディスプレイ(head-mounted display、HMD)、車両、ドローン、医療デバイス及び用途(例えば、遠隔手術)、産業デバイス及び用途(例えば、産業及び/又は自動処理チェーンコンテキストで動作するロボット及び/又は他の無線デバイス)、消費者電子デバイス、商業及び/又は産業無線ネットワークで動作するデバイスなどを含み得る。WTRU102a、102b、102c、及び102dのいずれも、互換的にUEと称され得る。
【0011】
通信システム100はまた、基地局114a及び/又は基地局114bを含み得る。基地局114a、114bの各々は、CN106、インターネット110、及び/又は他のネットワーク112などの1つ以上の通信ネットワークへのアクセスを容易にするために、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの少なくとも1つと無線でインターフェース接続するように構成された任意のタイプのデバイスであり得る。例として、基地局114a、114bは、基地トランシーバ局(base transceiver station、BTS)、ノードB、eノードB(eNode B、eNB)、ホームノードB、ホームeノードB、gノードB(gNB)などの次世代ノードB、新無線(NR)ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(access point、AP)、無線ルータなどであり得る。基地局114a、114bは各々単一の要素として示されているが、基地局114a、114bは、任意の数の相互接続された基地局及び/又はネットワーク要素を含み得ることが理解されるであろう。
【0012】
基地局114aは、RAN104の一部であり得、これはまた、基地局コントローラ(base station controller、BSC)、無線ネットワークコントローラ(radio network controller、RNC)、リレーノードなどの他の基地局、及び/又はネットワーク要素(図示せず)を含み得る。基地局114a及び/又は基地局114bは、セル(図示せず)と称され得る1つ以上のキャリア周波数で無線信号を送信及び/又は受信するように構成され得る。これらの周波数は、認可スペクトル、未認可スペクトル、又は認可スペクトル及び未認可スペクトルの組み合わせであり得る。セルは、相対的に固定され得るか又は経時的に変化し得る特定の地理的エリアに、無線サービスのカバレッジを提供し得る。セルは、更にセルセクタに分割され得る。例えば、基地局114aと関連付けられたセルは、3つのセクタに分割され得る。したがって、一実施形態では、基地局114aは、3つのトランシーバを、すなわち、セルのセクタごとに1つのトランシーバを含み得る。一実施形態では、基地局114aは、多重入力多重出力(multiple-input multiple output、MIMO)技術を用い得、セルのセクタごとに複数のトランシーバを利用し得る。例えば、ビームフォーミングを使用して、所望の空間方向に信号を送信し、かつ/又は受信し得る。
【0013】
基地局114a、114bは、エアインターフェース116を介して、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つ以上と通信し得るが、このエアインターフェース116は、任意の好適な無線通信リンク(例えば、無線周波数(radio frequency、RF)、マイクロ波、センチメートル波、マイクロメートル波、赤外線(infrared、IR)、紫外線(ultraviolet、UV)、可視光など)であり得る。エアインターフェース116は、任意の好適な無線アクセス技術(radio access technology、RAT)を使用して確立され得る。
【0014】
より具体的には、上記のように、通信システム100は、多重アクセスシステムであり得、例えば、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMAなどの、1つ以上のチャネルアクセススキームを用い得る。例えば、RAN104及びWTRU102a、102b、102cの基地局114aは、広帯域CDMA(wideband CDMA、WCDMA)を使用してエアインターフェース116を確立し得る、ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunications System、UMTS)地上無線アクセス(Terrestrial Radio Access、UTRA)などの無線技術を実装し得る。WCDMAは、高速パケットアクセス(High-Speed Packet Access、HSPA)及び/又は進化型HSPA(HSPA+)などの通信プロトコルを含み得る。HSPAは、高速ダウンリンク(Downlink、DL)パケットアクセス(High-Speed Downlink Packet Access、HSDPA)及び/又は高速アップリンク(Uplink、UL)パケットアクセス(High-Speed Uplink Packet Access、HSUPA)を含み得る。
【0015】
一実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、進化型UMTS地上無線アクセス(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access、E-UTRA)などの無線技術を実装し得、これは、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)及び/又はLTE-Advanced(LTE-Advanced、LTE-A)及び/又はLTE-Advanced Pro(LTE-A Pro)を使用してエアインターフェース116を確立し得る。
【0016】
一実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、NR無線アクセスなどの無線技術を実装し得、これは、NRを使用してエアインターフェース116を確立し得る。
【0017】
一実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、複数の無線アクセス技術を実装し得る。例えば、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、例えば、デュアルコネクティビティ(dual connectivity、DC)原理を使用して、LTE無線アクセス及びNR無線アクセスを一緒に実装し得る。したがって、WTRU102a、102b、102cによって利用されるエアインターフェースは、複数のタイプの基地局(例えば、eNB及びgNB)に/から伝送される複数のタイプの無線アクセス技術及び/又は送信によって特徴付けられ得る。
【0018】
他の実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、IEEE802.11(すなわち、無線フィデリティ(Wireless Fidelity、WiFi)、IEEE802.16(すなわち、ワイマックス(Worldwide Interoperability for Microwave Access、WiMAX)、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000 EV-DO、暫定規格2000(IS-2000)、暫定規格95(IS-95)、暫定規格856(IS-856)、汎欧州デジタル移動電話方式(Global System for Mobile communications、GSM)、GSM進化型高速データレート(Enhanced Data rates for GSM Evolution、EDGE)、GSM EDGE(GERAN)などの無線技術を実装し得る。
【0019】
図1Aの基地局114bは、例えば、無線ルータ、ホームノードB、ホームeノードB又はアクセスポイントであり得、事業所、家庭、車両、キャンパス、工業施設、(例えば、ドローンによる使用のための)空中回廊、道路などの場所などの局所的エリアにおける無線接続を容易にするために、任意の好適なRATを利用し得る。一実施形態では、基地局114b及びWTRU102c、102dは、IEEE802.11などの無線技術を実装して、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)を確立し得る。一実施形態では、基地局114b及びWTRU102c、102dは、IEEE802.15などの無線技術を実装して、無線パーソナルエリアネットワーク(wireless personal area network、WPAN)を確立し得る。更に別の一実施形態では、基地局114b及びWTRU102c、102dは、セルラベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、NRなど)を利用して、ピコセル又はフェムトセルを確立し得る。
図1Aに示すように、基地局114bは、インターネット110への直接接続を有し得る。したがって、基地局114bは、CN106を介してインターネット110にアクセスする必要がない場合がある。
【0020】
RAN104は、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つ以上に、音声、データ、アプリケーション、及び/又はボイスオーバインターネットプロトコル(voice over internet protocol、VoIP)サービスを提供するように構成された任意のタイプのネットワークであり得る、CN106と通信し得る。データは、例えば、異なるスループット要件、待ち時間要件、エラー許容要件、信頼性要件、データスループット要件、モビリティ要件などの、様々なサービス品質(quality of service、QoS)要件を有し得る。CN106は、通話制御、ビリングサービス、モバイルロケーションベースのサービス、プリペイド通話、インターネット接続性、映像配信などを提供し、かつ/又はユーザ認証などの高レベルセキュリティ機能を実施し得る。
図1Aには示されていないが、RAN104及び/又はCN106は、RAN104と同じRAT又は異なるRATを用いる他のRANと直接又は間接的に通信し得ることが理解されよう。例えば、NR無線技術を利用し得るRAN104に接続されることに加えて、CN106はまた、GSM、UMTS、CDMA2000、WiMAX、E-UTRA又はWiFi無線技術を用いて別のRAN(図示せず)と通信し得る。
【0021】
CN106はまた、WTRU102a、102b、102c、102dがPSTN108、インターネット110、及び/又は他のネットワーク112にアクセスするためのゲートウェイとして機能し得る。PSTN108は、基本電話サービス(plain old telephone service、POTS)を提供する公衆交換電話網を含み得る。インターネット110は、相互接続されたコンピュータネットワーク及びデバイスのグローバルシステムを含み得るが、これらのネットワーク及びデバイスは、送信制御プロトコル(transmission control protocol、TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(user datagram protocol、UDP)、及び/又はTCP/IPインターネットプロトコルスイートのインターネットプロトコル(internet protocol、IP)などの、共通通信プロトコルを使用する。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有及び/又は運営される、有線及び/又は無線通信ネットワークを含み得る。例えば、ネットワーク112は、RAN104と同じRAT又は異なるRATを用い得る1つ以上のRANに接続された別のCNを含み得る。
【0022】
通信システム100におけるWTRU102a、102b、102c、102dのいくつか又は全ては、マルチモード能力を含み得る(例えば、WTRU102a、102b、102c、102dは、異なる無線リンクを介して異なる無線ネットワークと通信するための複数のトランシーバを含み得る)。例えば、
図1Aに示されるWTRU102cは、セルラベースの無線技術を用い得る基地局114a、及びIEEE802無線技術を用い得る基地局114bと通信するように構成され得る。
【0023】
図1Bは、例示的なWTRU102を示すシステム図である。
図1Bに示すように、WTRU102は、とりわけ、プロセッサ118、トランシーバ120、送信/受信要素122、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、非リムーバブルメモリ130、リムーバブルメモリ132、電源134、全地球測位システム(global positioning system、GPS)チップセット136、及び/又は他の周辺機器138を含み得る。WTRU102は、一実施形態との一貫性を有したまま、前述の要素の任意の部分的組み合わせを含み得ることが理解されよう。
【0024】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連付けられた1つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)、任意の他のタイプの集積回路(integrated circuit、IC)、状態機械などであり得る。プロセッサ118は、信号コーディング、データ処理、電力制御、入力/出力処理、及び/又はWTRU102が無線環境で動作することを可能にする任意の他の機能性を実施し得る。プロセッサ118は、送信/受信要素122に結合され得るトランシーバ120に結合され得る。
図1Bは、プロセッサ118及びトランシーバ120を別個のコンポーネントとして示すが、プロセッサ118及びトランシーバ120は、電子パッケージ又はチップにおいて一緒に統合され得るということが理解されよう。
【0025】
送信/受信要素122は、エアインターフェース116を介して基地局(例えば、基地局114a)に信号を送信するか又は基地局(例えば、基地局114a)から信号を受信するように構成され得る。例えば、一実施形態では、送信/受信要素122は、RF信号を送信し、かつ/又は受信するように構成されたアンテナであり得る。一実施形態では、送信/受信要素122は、例えば、IR、UV又は可視光信号を送信し、かつ/又は受信するように構成されたエミッタ/検出器であり得る。更に別の実施形態では、送信/受信要素122は、RF信号及び光信号の両方を送信し、かつ/又は受信するように構成され得る。送信/受信要素122は、無線信号の任意の組み合わせを送信し、かつ/又は受信するように構成され得るということが理解されよう。
【0026】
送信/受信要素122は、単一の要素として
図1Bに示されているが、WTRU102は、任意の数の送信/受信要素122を含み得る。より具体的には、WTRU102は、MIMO技術を用い得る。したがって、一実施形態では、WTRU102は、エアインターフェース116を介して無線信号を送受信するための2つ以上の送信/受信要素122(例えば、複数のアンテナ)を含み得る。
【0027】
トランシーバ120は、送信/受信要素122によって送信される信号を変調し、送信/受信要素122によって受信される信号を復調するように構成され得る。上記のように、WTRU102は、マルチモード能力を有し得る。したがって、トランシーバ120は、例えば、NR及びIEEE802.11などの複数のRATを介してWTRU102が通信することを可能にするための複数のトランシーバを含み得る。
【0028】
WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、及び/又はディスプレイ/タッチパッド128(例えば、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)表示ユニット若しくは有機発光ダイオード(organic light-emitting diode、OLED)表示ユニット)に結合され得、これらからユーザが入力したデータを受信し得る。プロセッサ118はまた、ユーザデータをスピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、及び/又はディスプレイ/タッチパッド128に出力し得る。加えて、プロセッサ118は、非リムーバブルメモリ130及び/又はリムーバブルメモリ132などの任意のタイプの好適なメモリから情報にアクセスし、かつ当該メモリにデータを記憶し得る。非リムーバブルメモリ130は、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)、ハードディスク、又は任意の他のタイプのメモリ記憶デバイスを含み得る。リムーバブルメモリ132は、加入者識別モジュール(subscriber identity module、SIM)カード、メモリスティック、セキュアデジタル(secure digital、SD)メモリカードなどを含み得る。他の実施形態では、プロセッサ118は、サーバ又はホームコンピュータ(図示せず)上など、WTRU102上に物理的に配置されていないメモリから情報にアクセスし、かつ当該メモリにデータを記憶し得る。
【0029】
プロセッサ118は、電源134から電力を受電し得るが、WTRU102における他のコンポーネントに電力を分配し、かつ/又は制御するように構成され得る。電源134は、WTRU102に電力を供給するための任意の好適なデバイスであり得る。例えば、電源134は、1つ以上の乾電池(例えば、ニッケルカドミウム(nickel-cadmium、NiCd)、ニッケル亜鉛(nickel-zinc、NiZn)、ニッケル金属水素化物(nickel metal hydride、NiMH)、リチウムイオン(lithium-ion、Li-ion)など)、太陽電池、燃料電池などを含み得る。
【0030】
プロセッサ118はまた、GPSチップセット136に結合され得、これは、WTRU102の現在の場所に関する位置情報(例えば、経度及び緯度)を提供するように構成され得る。GPSチップセット136からの情報に加えて又はその代わりに、WTRU102は、基地局(例えば、基地局114a、114b)からエアインターフェース116を介して位置情報を受信し、かつ/又は2つ以上の近くの基地局から受信されている信号のタイミングに基づいて、その場所を判定し得る。WTRU102は、一実施形態との一貫性を有したまま、任意の好適な位置判定方法によって位置情報を取得し得るということが理解されよう。
【0031】
プロセッサ118は、他の周辺機器138に更に結合され得、他の周辺機器138には、追加の特徴、機能、及び/又は有線若しくは無線接続を提供する1つ以上のソフトウェア及び/又はハードウェアモジュールが含まれ得る。例えば、周辺機器138には、加速度計、電子コンパス、衛星トランシーバ、(写真及び/又はビデオのための)デジタルカメラ、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)ポート、振動デバイス、テレビトランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(frequency modulated、FM)無線ユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、仮想現実及び/又は拡張現実(Virtual Reality/Augmented Reality、VR/AR)デバイス、アクティビティトラッカなどが含まれ得る。周辺機器138は、1つ以上のセンサを含み得る。センサは、ジャイロスコープ、加速度計、ホール効果センサ、磁力計、配向センサ、近接センサ、温度センサ、時間センサ、ジオロケーションセンサ、高度計、光センサ、タッチセンサ、磁力計、気圧計、ジェスチャセンサ、生体認証センサ、湿度センサなどのうちの1つ以上であり得る。
【0032】
WTRU102は、(例えば、(例えば、送信のための)UL及び(例えば、受信のための)DLの両方の特定のサブフレームと関連付けられた)信号の一部又は全部の送受信が、同時及び/又は一緒であり得る、全二重無線機を含み得る。全二重無線機は、ハードウェア(例えば、チョーク)又はプロセッサを介した信号処理(例えば、別個のプロセッサ(図示せず)又はプロセッサ118を介して)のいずれかを介して自己干渉を低減し、かつ又は実質的に排除するための干渉管理ユニットを含み得る。一実施形態では、WTRU102は、(例えば、(例えば、送信のための)UL又は(例えば、受信のための)DLのいずれかの特定のサブフレームと関連付けられた)信号の一部又は全部の送受信の半二重無線機を含み得る。
【0033】
図1Cは、一実施形態によるRAN104及びCN106を図示するシステム図である。上記のように、RAN104は、E-UTRA無線技術を用いて、エアインターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信し得る。RAN104はまた、CN106と通信し得る。
【0034】
RAN104は、eノード-B160a、160b、160cを含み得るが、RAN104は、一実施形態との一貫性を有しながら、任意の数のeノード-Bを含み得るということが理解されよう。eノード-B160a、160b、160cは各々、エアインターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つ以上のトランシーバを含み得る。一実施形態では、eノード-B160a、160b、160cは、MIMO技術を実装し得る。したがって、eノード-B160aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aに無線信号を送信し、かつ/又はWTRU102aから無線信号を受信し得る。
【0035】
eノード-B160a、160b、160cの各々は、特定のセル(図示せず)と関連付けられ得、UL及び/又はDLにおいて、無線リソース管理意思決定、ハンドオーバ意思決定、ユーザのスケジューリングなどを処理するように構成され得る。
図1Cに示すように、eノード-B160a、160b、160cは、X2インターフェースを介して互いに通信し得る。
【0036】
図1Cに示されるCN106は、モビリティ管理エンティティ(mobility management entity、MME)162、サービングゲートウェイ(serving gateway、SGW)164、及びパケットデータネットワーク(packet data network、PDN)ゲートウェイ(packet data gateway、PGW)166を含み得る。前述の要素は、CN106の一部として示されているが、これらの要素のうちのいずれかも、CNオペレータ以外のエンティティによって所有及び/又は運営され得ることが理解されよう。
【0037】
MME162は、S1インターフェースを介して、RAN104におけるeノード-B162a、162b、162cの各々に接続され得、かつ制御ノードとして機能し得る。例えば、MME162は、WTRU102a、102b、102cのユーザを認証すること、ベアラのアクティブ化/非アクティブ化、WTRU102a、102b、102cの初期アタッチ中に特定のサービス中のゲートウェイを選択すること、などの役割を果たし得る。MME162は、RAN104と、GSM及び/又はWCDMAなどの他の無線技術を採用する他のRAN(図示せず)との間で切り替えるための制御プレーン機能を提供し得る。
【0038】
SGW164は、S1インターフェースを介してRAN104におけるeノード-B160a、160b、160cの各々に接続され得る。SGW164は、概して、ユーザデータパケットをWTRU102a、102b、102cに/それらからルーティングし、かつ転送し得る。SGW164は、eノード B間ハンドオーバ中にユーザプレーンをアンカする機能、DLデータがWTRU102a、102b、102cに利用可能であるときにページングをトリガする機能、WTRU102a、102b、102cのコンテキストを管理かつ記憶する機能などの、他の機能を実施し得る。
【0039】
SGW164は、PGW166に接続され得、PGW166は、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするために、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供し得る。
【0040】
CN106は、他のネットワークとの通信を容易にし得る。例えば、CN106は、WTRU102a、102b、102cと従来の地上回線通信デバイスとの間の通信を容易にするために、PSTN108などの回路交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供し得る。例えば、CN106は、CN106とPSTN108との間のインターフェースとして機能するIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IP multimedia subsystem、IMS)サーバ)を含み得るか、又はそれと通信し得る。加えて、CN106は、WTRU102a、102b、102cに他のネットワーク112へのアクセスを提供し得、他のネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有される、かつ/又は動作される他の有線及び/又は無線ネットワークを含み得る。
【0041】
WTRUは、無線端末として
図1A~
図1Dに記載されているが、特定の代表的な実施形態では、そのような端末は、通信ネットワークとの(例えば、一時的又は永久的に)有線通信インターフェースを使用し得ることが企図される。
【0042】
代表的な実施形態では、他のネットワーク112は、WLANであり得る。
【0043】
インフラストラクチャ基本サービスセット(Basic Service Set、BSS)モードのWLANは、BSSのアクセスポイント(Access Point、AP)及びAPと関連付けられた1つ以上のステーション(station、STA)を有し得る。APは、BSS内に、かつ/又はBSS外にトラフィックを搬送する配信システム(Distribution System、DS)又は別のタイプの有線/無線ネットワークへのアクセス又はインターフェースを有し得る。BSS外から生じる、STAへのトラフィックは、APを通って到達し得、STAに配信され得る。STAからBSS外の宛先への生じるトラフィックは、APに伝送されて、それぞれの宛先に配信され得る。BSS内のSTA間のトラフィックは、例えば、APを介して伝送され得、ソースSTAは、APにトラフィックを伝送し得、APは、トラフィックを宛先STAに配信し得る。BSS内のSTA間のトラフィックは、ピアツーピアトラフィックとしてみなされ得る、かつ/又は称され得る。ピアツーピアトラフィックは、ソースSTAと宛先STAとの間で(例えば、それらの間で直接的に)、直接リンクセットアップ(direct link setup、DLS)で伝送され得る。特定の代表的な実施形態では、DLSは、802.11e DLS又は802.11zトンネル化DLS(tunneled DLS、TDLS)を使用し得る。独立BSS(Independent BSS、IBSS)モードを使用するWLANは、APを有しない場合があり、IBSS内又はそれを使用するSTA(例えば、STAの全部)は、互いに直接通信し得る。通信のIBSSモードは、本明細書では、「アドホック」通信モードと称され得る。
【0044】
802.11acインフラストラクチャ動作モード又は同様の動作モードを使用するときに、APは、プライマリチャネルなどの固定チャネル上にビーコンを送信し得る。一次チャネルは、固定幅(例えば、20MHz幅の帯域幅)又は動的に設定された幅であり得る。プライマリチャネルは、BSSの動作チャネルであり得、APとの接続を確立するためにSTAによって使用され得る。特定の代表的な実施形態では、衝突回避を用いるキャリア感知多重アクセス(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance、CSMA/CA)は、例えば、802.11システムにおいて実装され得る。CSMA/CAの場合、APを含むSTA(例えば、全てのSTA)は、プライマリチャネルを感知し得る。プライマリチャネルが特定のSTAによってビジーであると感知され/検出され、かつ/又は判定される場合、特定のSTAは、バックオフされ得る。1つのSTA(例えば、1つのステーションのみ)は、所与のBSSにおいて、任意の所与の時間に送信し得る。
【0045】
高スループット(High Throughput、HT)STAは、通信のための40MHz幅のチャネルを使用し得るが、この40MHz幅のチャネルは、例えば、プライマリ20MHzチャネルと、隣接又は非隣接の20MHzチャネルとの組み合わせを介して形成され得る。
【0046】
非常に高いスループット(Very High Throughput、VHT)のSTAは、20MHz、40MHz、80MHz、及び/又は160MHz幅のチャネルをサポートし得る。上記の40MHz及び/又は80MHz幅のチャネルは、連続する複数の20MHzチャネルを組み合わせることによって形成され得る。160MHzチャネルは、8つの連続する20MHzチャネルを組み合わせることによって、又は80+80構成と称され得る2つの連続していない80MHzチャネルを組み合わせることによって、形成され得る。80+80構成の場合、チャネル符号化後、データは、データを2つのストリームに分割し得るセグメントパーサを通過し得る。逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform、IFFT)処理及び時間ドメイン処理は、各ストリームで別々に行われ得る。ストリームは、2つの80MHzチャネルにマッピングされ得、データは、送信STAによって送信され得る。受信STAの受信機では、80+80構成に対する上記で説明される動作は逆にされ得、組み合わされたデータを媒体アクセス制御(Medium Access Control、MAC)に伝送し得る。
【0047】
サブ1GHzの動作モードは、802.11af及び802.11ahによってサポートされる。チャネル動作帯域幅及びキャリアは、802.11n及び802.11acで使用されるものと比較して、802.11af及び802.11ahでは低減される。802.11afは、TVホワイトスペース(TV White Space、TVWS)スペクトルで5MHz、10MHz、及び20MHzの帯域幅をサポートし、802.11ahは、非TVWSスペクトルを使用して、1MHz、2MHz、4MHz、8MHz、及び16MHzの帯域幅をサポートする。代表的な実施形態によれば、802.11ahは、マクロカバレッジエリアにおけるMTCデバイスなどのメータタイプの制御/マシンタイプ通信(Machine-Type Communications、MTC)をサポートし得る。MTCデバイスは、例えば、特定の、かつ/又は限定された帯域幅のためのサポート(例えば、そのためのみのサポート)を含む、特定の能力を有し得る。MTCデバイスは、(例えば、非常に長いバッテリ寿命を維持するために)閾値を超えるバッテリ寿命を有するバッテリを含み得る。
【0048】
複数のチャネル、並びに802.11n、802.11ac、802.11af、及び802.11ahなどのチャネル帯域幅をサポートし得るWLANシステムは、プライマリチャネルとして指定され得るチャネルを含む。プライマリチャネルは、BSSにおける全てのSTAによってサポートされる最大共通動作帯域幅に等しい帯域幅を有し得る。プライマリチャネルの帯域幅は、最小帯域幅動作モードをサポートするBSSで動作する全てのSTAの中から、STAによって設定され、かつ/又は制限され得る。802.11ahの例では、プライマリチャネルは、AP及びBSSにおける他のSTAが2MHz、4MHz、8MHz、16MHz、及び/又は他のチャネル帯域幅動作モードをサポートする場合であっても、1MHzモードをサポートする(例えば、それのみをサポートする)STA(例えば、MTCタイプデバイス)に対して1MHz幅であり得る。キャリア感知及び/又はネットワーク配分ベクトル(Network Allocation Vector、NAV)設定は、プライマリチャネルの状態に依存し得る。例えば、一次チャネルがビジーである場合、APに送信する(1MHz動作モードのみをサポートする)STAにより、利用可能な周波数帯域の大部分がアイドル状態になったとしても、利用可能な周波数帯域の全てがビジーであるとみなされ得る。
【0049】
米国では、802.11ahにより使用され得る利用可能な周波数帯域は、902MHz~928MHzである。韓国では、利用可能な周波数帯域は917.5MHz~923.5MHzである。日本では、利用可能な周波数帯域は916.5MHz~927.5MHzである。802.11ahに利用可能な総帯域幅は、国のコードに応じて6MHz~26MHzである。
【0050】
図1Dは、一実施形態によるRAN104及びCN106を示すシステム図である。上記のように、RAN104は、NR無線技術を用いて、エアインターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信し得る。RAN104はまた、CN106と通信し得る。
【0051】
RAN104は、gNB180a、180b、180cを含み得るが、RAN104は、一実施形態との一貫性を維持しながら、任意の数のgNBを含み得ることが理解されよう。gNB180a、180b、180cは各々、エアインターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つ以上のトランシーバを含み得る。一実施形態では、gNB180a、180b、180cは、MIMO技術を実装し得る。例えば、gNB180a、108bは、ビームフォーミングを利用して、gNB180a、180b、180cに信号を送信し、かつ/又は受信し得る。したがって、gNB180aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aに無線信号を送信し得る、かつ/又はWTRU102aから無線信号を受信し得る。一実施形態では、gNB180a、180b、180cは、キャリアアグリゲーション技術を実装し得る。例えば、gNB180aは、複数のコンポーネントキャリアをWTRU102a(図示せず)に送信し得る。これらのコンポーネントキャリアのサブセットは、未認可スペクトル上にあり得、残りのコンポーネントキャリアは、認可スペクトル上にあり得る。一実施形態では、gNB180a、180b、180cは、協調マルチポイント(Coordinated Multi-Point、CoMP)技術を実装し得る。例えば、WTRU102aは、gNB180a及びgNB180b(及び/又はgNB180c)からの協調送信を受信し得る。
【0052】
WTRU102a、102b、102cは、拡張可能なヌメロロジと関連付けられた送信を使用して、gNB180a、180b、180cと通信し得る。例えば、OFDMシンボル間隔及び/又はOFDMサブキャリア間隔は、無線送信スペクトルの異なる送信、異なるセル、及び/又は異なる部分に対して変化し得る。WTRU102a、102b、102cは、様々な若しくは拡張可能な長さのサブフレーム又は送信時間間隔(transmission time interval、TTI)を使用して(例えば、様々な数のOFDMシンボル及び/又は様々な長さの絶対時間の持続し変化する時間を含む)、gNB180a、180b、180cと通信し得る。
【0053】
gNB180a、180b、180cは、スタンドアロン構成及び/又は非スタンドアロン構成でWTRU102a、102b、102cと通信するように構成され得る。スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、他のRAN(例えば、eノード-B160a、160b、160cなど)にアクセスすることなく、gNB180a、180b、180cと通信し得る。スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、モビリティアンカポイントとしてgNB180a、180b、180cのうちの1つ以上を利用し得る。スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、未認可バンドにおける信号を使用して、gNB180a、180b、180cと通信し得る。非スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、gNB180a、180b、180cと通信し、これらに接続する一方で、eノード-B160a、160b、160cなどの別のRANとも通信し、これらに接続し得る。例えば、WTRU102a、102b、102cは、1つ以上のgNB180a、180b、180c及び1つ以上のeノード-B160a、160b、160cと実質的に同時に通信するためのDC原理を実装し得る。非スタンドアロン構成では、eノード-B160a、160b、160cは、WTRU102a、102b、102cのモビリティアンカとして機能し得るが、gNB180a、180b、180cは、WTRU102a、102b、102cをサービス提供するための追加のカバレッジ及び/又はスループットを提供し得る。
【0054】
gNB180a、180b、180cの各々は、特定のセル(図示せず)に関連付けられ得、無線リソース管理意思決定、ハンドオーバ決定、UL及び/又はDLにおけるユーザのスケジューリング、ネットワークスライスのサポート、DC、NRとE-UTRAとの間の相互作用、ユーザプレーン機能(User Plane Function、UPF)184a、184bに対するユーザプレーンデータのルーティング、アクセス及びモビリティ管理機能(Access and Mobility Management Function、AMF)182a、182bに対する制御プレーン情報のルーティングなどを処理するように構成され得る。
図1Dに示すように、gNB180a、180b、180cは、Xnインターフェースを介して互いに通信し得る。
【0055】
図1Dに示されるCN106は、少なくとも1つのAMF182a、182b、少なくとも1つのUPF184a、184b、少なくとも1つのセッション管理機能(Session Management Function、SMF)183a、183b、及び場合によってはデータネットワーク(Data Network、DN)185a、185bを含み得る。前述の要素は、CN106の一部として示されているが、これらの要素のうちのいずれかも、CNオペレータ以外のエンティティによって所有及び/又は運営され得ることが理解されよう。
【0056】
AMF182a、182bは、N2インターフェースを介してRAN104におけるgNB180a、180b、180cのうちの1つ以上に接続され得、制御ノードとして機能し得る。例えば、AMF182a、182bは、WTRU102a、102b、102cのユーザ認証、ネットワークスライスのためのサポート(例えば、異なる要件を有する異なるプロトコルデータユニット(protocol data unit、PDU)セッションの処理)、登録のSMF183a、183bの選択、登録エリアの管理、非アクセス層(non-access stratum、NAS)信号伝達の終了、モビリティ管理などの役割を果たし得る。ネットワークスライスは、WTRU102a、102b、102cを利用しているサービスのタイプに基づいて、WTRU102a、102b、102cのCNサポートをカスタマイズするために、AMF182a、182bによって使用され得る。例えば、異なるネットワークスライスは、超高信頼低レイテンシ(ultra-reliable low latency、URLLC)アクセスに依存するサービス、拡張大規模モバイルブロードバンド(enhanced massive mobile broadband、eMBB)アクセスに依存するサービス、MTCアクセスのためのサービスなどのような、異なる使用事例に対して確立され得る。AMF182a、182bは、RAN104と、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、及び/又はWiFiなどの非-3GPPアクセス技術などの他の無線技術を用いる他のRAN(図示せず)との間で切り替えるための制御プレーン機能を提供し得る。
【0057】
SMF183a、183bは、N11インターフェースを介して、CN106内のAMF182a、182bに接続され得る。SMF183a、183bはまた、N4インターフェースを介して、CN106内のUPF184a、184bに接続され得る。SMF183a、183bは、UPF184a、184bを選択及び制御し、UPF184a、184bを通るトラフィックのルーティングを構成し得る。SMF183a、183bは、UE IPアドレスを管理及び配分する機能、PDUセッションを管理する機能、ポリシー実施及びQoSを制御する機能、DLデータ通知を提供する機能などのような、他の機能を実施し得る。PDUセッションタイプは、IPベース、非IPベース、イーサネットベースなどであり得る。
【0058】
UPF184a、184bは、N3インターフェースを介して、RAN104内のgNB180a、180b、180cのうちの1つ以上に接続され得、これにより、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするために、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供し得る。UPF184、184bは、パケットのルーティング及び転送、ユーザプレーンポリシーの実施、マルチホームPDUセッションのサポート、ユーザプレーンQoSの処理、DLパケットのバッファリング、モビリティアンカリングなどの他の機能を実施し得る。
【0059】
CN106は、他のネットワークとの通信を容易にし得る。例えば、CN106は、CN106とPSTN108との間のインターフェースとして機能するIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IP multimedia subsystem、IMS)サーバ)を含み得るか、又はそれと通信し得る。加えて、CN106は、WTRU102a、102b、102cに他のネットワーク112へのアクセスを提供し得、他のネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有される、かつ/又は動作される他の有線及び/又は無線ネットワークを含み得る。一実施形態では、WTRU102a、102b、102cは、UPF184a、184bへのN3インターフェース及びUPF184a、184bとDN185a、185bとの間のN6インターフェースを介して、UPF184a、184bを通じて、ローカルDN185a、185bに接続され得る。
【0060】
図1A~
図1D、及び
図1A~
図1Dの対応する説明を鑑みると、WTRU102a~d、基地局114a~b、eノード-B 160a~c、MME162、SGW164、PGW166、gNB180a~c、AMF182a~b、UPF184a~b、SMF183a~b、DN185a~b、及び/又は本明細書に記載の任意の他のデバイスのうちの1つ以上に関して本明細書に記載の機能のうちの、1つ以上又は全ては、1つ以上のエミュレーションデバイス(図示せず)によって実施され得る。エミュレーションデバイスは、本明細書に説明される機能の1つ以上又は全てをエミュレートするように構成された1つ以上のデバイスであり得る。例えば、エミュレーションデバイスを使用して、他のデバイスを試験し、かつ/又はネットワーク及び/若しくはWTRU機能をシミュレートし得る。
【0061】
エミュレーションデバイスは、ラボ環境及び/又はオペレータネットワーク環境における他のデバイスの1つ以上の試験を実装するように設計され得る。例えば、1つ以上のエミュレーションデバイスは、通信ネットワーク内の他のデバイスを試験するために、有線及び/又は無線通信ネットワークの一部として完全に若しくは部分的に実装され、かつ/又は展開されている間、1つ以上若しくは全ての機能を実施し得る。1つ以上のエミュレーションデバイスは、有線及び/又は無線通信ネットワークの一部として一時的に実装/展開されている間、1つ以上若しくは全ての機能を実施し得る。エミュレーションデバイスは、オーバザエアの無線通信を使用して、試験する及び/又は試験を実施する目的で、別のデバイスに直接結合され得る。
【0062】
1つ以上のエミュレーションデバイスは、有線及び/又は無線通信ネットワークの一部として実装/展開されていない間、全てを含む1つ以上の機能を実施し得る。例えば、エミュレーションデバイスは、1つ以上のコンポーネントの試験を実装するために、試験実験室での試験シナリオ、並びに/又は展開されていない(例えば、試験用の)有線及び/若しくは無線通信ネットワークにおいて利用され得る。1つ以上のエミュレーションデバイスは、試験機器であり得る。RF回路(例えば、1つ以上のアンテナを含み得る)を介した直接RF結合及び/又は無線通信は、データを送信する、かつ/又は受信するように、エミュレーションデバイスによって使用され得る。
本明細書では、とりわけ、以下の頭字語が使用される。アクセスポイント(AP)、後方散乱指示(BID)、後方散乱STA(Backscatter STA、BSTA)、伝送可(Clear To Send、CTS)、ダウンリンク(DL)、モノのインターネット(IoT)、問い合わせ信号(Interrogation Signal、INT_SIG)、インターネットプロトコル(IP)、媒体アクセス制御(MAC)、多重入力多重出力(MIMO)、直交周波数分割多重(OFDM)、物理層(Physical Layer、PHY)、ページング機会(Paging Opportunity、PO)、電力最適化波形(Power-Optimized Waveform、POW)、省電力モード(Power Save Mode、PSM)、制限付きアクセスウィンドウ(Restricted Access Window、RAW)、伝送要求(Request To Send、RTS)、ターゲットウェイクアップ時間(Target Wakeup Time、TWT)、ウェイクアップ受信機(Wake-Up Receiver、WuR)、ウェイクアップパケット(Wake-Up Packet、WuP)、無線アクセス技術(RAT)、無線フロントエンド(Radio Front-end、RF)、伝送要求(RTS)、ステーション(WiFiデバイス)(STA)、送信/受信(Transmit/Receive、TX/RX)、送信情報マップ(Transmission Information Map、TIM)、ユーザ機器(UE)、アップリンク(UL)、及びゼロエネルギー(Zero-energy、ZE)。
【0063】
IEEE及び3GPPの両方は、例えば、アクセスデバイス(例えば、802.11アクセスポイント(AP)又は3GPP eNB)からサービスを取得する、エンドユーザデバイス(例えば、802.11STA、3GPP UE)のための電力節約特徴を含む。STA及びUEは、本明細書では例示的なエンドユーザデバイスとして使用されるが、これらの例の代わりに、任意の好適なエンドユーザデバイスが使用可能であることに留意されたい。AP及びeNBは、本明細書では例示的なアクセスデバイスとして使用されるが、これらの例の代わりに、任意の好適なアクセスデバイスが使用可能であることにも留意されたい。省電力機能を実現するデバイスは、省電力モード(PSM)で動作していると呼ぶことができる。典型的なPSM手順は、エンドユーザデバイスがアクセスデバイスとスリープサイクルをネゴシエートすること、スリープサイクルごとにスリープすること(例えば、PSMに入ること)、事前にネゴシエートされた条件(例えば、周期性又はイベント発生)ごとにウェイクアップすること、「ウェイク期間」に入った後に受信又は送信のためにバッファリングされたデータを示すこと、「ウェイク期間」中にデータ送信又はデータ受信を実施すること、及び(例えば、データ送信又は受信において小康状態があるときに)PSMを再開することを含む。場合によっては、周期的で有限ではあるが比較的長い持続時間を「ウェイクサイクル」とみなすことができ、そのサイクル内の一部分をエンドユーザデバイスの「ウェイク期間」とみなすことができる。
【0064】
デバイスがウェイクされる場合、デバイスがアクティブである期間であるウェイクサイクル内の持続時間は、受信又は送信のためのキュー内の保留中のデータの量に依存し得る。場合によっては、エンドユーザデバイスがウェイクした後、エンドユーザデバイスは、ウェイクサイクルの持続時間全体を通してアクティブのままであり得る。「ウェイク期間」中に、受信及び/又は送信のためにデータが保留中であることの指示がない場合、エンドユーザデバイスは、ウェイク期間の終わりにスリープを再開する(例えば、PSMを再開する)し得る。PSMに入るのは、典型的にはエネルギー節約の目的である。場合によっては、デバイスがスリープできる時間が長いほど、エンドユーザデバイスの電源の待機時間が長くなる。
【0065】
802.11仕様のより新しいバージョンは、ターゲットウェイクアップ時間(TWT)を組み込んでいる。TWT実装形態は、APが、個々のステーションが媒体にアクセスするための特定の時間又は時間のセットを定義することを可能にする機能を含み得る。STA及びAPは、競い合うSTA間の競合及び重複の量をAPが制御することを可能にするために、予想されるアクティビティ持続時間を示す情報を交換し得る。TWTの使用は、APとSTAとの間でネゴシエートされ得る。いくつかの実装形態では、TWTは、制限付きアクセスウィンドウ(RAW)に関与する。RAWは、例えば、(RAWと呼ばれる)特定の時間期間中に所与のグループに属するステーションのみにチャネルアクセスを制限することによって、基本サービスセット(BSS)内のステーションをグループに区分することを容易にする。言い換えれば、特定のSTA又はSTA(又は他のデバイス)のグループのみが、RAWの間にチャネルにアクセスすることを許可される。場合によっては、これは、競合を低減し、かつ/又は多くのステーションからの同時送信を回避するという利点を有する。
【0066】
いくつかの実装形態では、RAW内でグループ化されたSTAは、媒体へのアクセスを獲得するためにアクセススロットを求めて競合する。アクセススロットは、特定のSTAに制限され、特定のSTA又はSTAのグループによってチャネルアクセスのために選択され得るRAW内の時間期間である。いくつかの実装形態では、アクセススロットを求める競合の量は、平均して、RAW内でグループ化されたSTAの数と、STAごとの通話モデル要件とに比例する。通話モデルという用語は、セッション到着(データが到着する時間)、アソシエーション持続時間、及びセッションごとのデータ要件を決定する、STAに適用され得るプロセスを指す。場合によっては、TWTは、例えば、それらのTWTが到着するまでSTAスリープ状態を容易にすることによって、ネットワークエネルギー消費を低減するために使用され得る。
【0067】
上記の特徴は、典型的に、STAのための電力節約を提供するために実装され得る。そのようなSTAは、モノのインターネット(IOT)デバイスなど、任意の好適なデバイスに組み込むことができる。例示的なIOTデバイスは、化学センサ(例えば、油漏れセンサ、煙霧検知器など)、環境モニタ(例えば、温度センサ及び/又は圧力センサ、埋め込み地震モニタなど)、並びにイベント報告メータ(例えば、パーキングメータ満了、電気使用報告など)を含む。そのようなデバイスは、(例えば、典型的な802.11STAに対して)比較的低いデータレート要件を有し得、(例えば数時間/数日に1回、又は更には数週間に1回、例えば数百ビット/秒~数キロビット/秒ほどの)バースト性データトラフィックを送信し得る。
【0068】
そのようなデバイスは、ほとんどの時間PSMモードのままであり得、タスク(例えば、周期的監視)を実施するためにウェイクアップし得、指定された時間に、情報(例えば、測定値又は他のデータ)をサーバに報告するために無線データ通信に関与し得る。そのようなIOTセンサは、アクセス不可能な場所(例えば、地震被害を推定するためにカリフォルニア州及び日本で使用されるような壁埋め込み型の地震モニタ)であって、それらのデバイス内の電源を周期的間隔で交換することが非実用的であろう場所に配備され得る。したがって、様々な電源からエネルギーを収穫し、その電力リザーブを送信機能及び受信機能のために使用することができるデバイスは、使用可能性を延長するという利点を有し得る。RXチェーン及びTXチェーンに電力供給するためにエネルギーを収穫することが可能なデバイスは、将来、より一般的になる可能性がある。また、電力をあまり大量消費しない送信チェーンを伴うアーキテクチャも、将来ユビキタスになる可能性がある。いくつかの実装形態では、後方散乱送信機はそのようなアーキテクチャをサポートする。
【0069】
後方散乱は、STA、WTRU、又は他の無線通信デバイスが、入射RF信号/波形を使用して、(a)そのアップリンク送信に電力を供給するのに必要なエネルギーを収穫し、かつ/又は(b)反射/後方散乱されたRF信号/波形をアンテナ負荷のセットを介して変調する技法である。いくつかの実装形態では、後方散乱という用語は、必ずしもエネルギー収穫を伴うとは限らないが、いくつかの実装形態は、エネルギー収穫を後方散乱の一部として定義する場合がある。後方散乱は典型的に、オンオフキーイングを模倣するために入射波形を反射又は吸収することを含む。異なる実装形態は、後方散乱概念の変形形態を含むことに留意されたい。例えば、問い合わせ信号、キャリア波発生器などと呼ぶことができる入射波形は、特に後方散乱を目的として(すなわち、後方散乱専用で)提供されてもよいか、又は特に後方散乱を目的として提供されるわけではない(すなわち、日和見的後方散乱のための)信号であってもよい。専用問い合わせ信号は、STA、UE、AP、ノードB、WTRUなどの任意の好適なソースによって提供され得る。そのようなソースは、専用ソースと呼ばれ得る。日和見的問い合わせ信号は、周囲ソース(例えば、Wi-Fi、TV信号など)などの任意の好適なソースによって特に後方散乱のために提供されるわけではない任意の好適な信号、及び後方散乱のために特に提供されるわけではない他のデバイス(例えば、STA、UE、AP、ノードB、WTRUなど)からの信号を含み得る。そのようなソースは、日和見的ソースと呼ばれ得る。
【0070】
持続可能性への注目が高まりによって、省電力及びエネルギー効率の分野に大きな関心が集まっている。例えば、普及している周囲ソースはWi-Fiである。いくつかの実装形態では、例えば、広範な採用を可能にするために、既存のフレームワークに組み込むことができるソースを使用して後方散乱させることが好ましい。言い換えれば、いくつかの実装形態では、後方散乱させないレガシーデバイスと後方散乱させることができるデバイスとが、レガシーデバイスを混乱させることなく、かつ/又はレガシーデバイスソフトウェア若しくはハードウェアへの更新を必要とすることなく、環境内に共存することが有益である。
【0071】
いくつかの実装形態は、既存の、新しい、又は再利用されるメッセージ若しくは他の信号を含む。いくつかの例示的なメッセージは、本明細書では特定の名前を使用して定義されるが、それらの特定の名前は単なる例示であることに留意されたい。いくつかの実装形態は、同じ、同様の、又は重複する機能を提供する、異なる名前を有する好適な信号を含む。
【0072】
いくつかの実装形態では、後方散乱ステーション(BSTA)は、信号を後方散乱させることによって情報を送信することができるデバイスである。いくつかの実装形態では、BSTAは、超低電力デバイス又はゼロエネルギーデバイスを含み得る。いくつかの実装形態では、伝送可タイプA(Clear To Send Type A、CTSA)メッセージが、RTSBの受信成功及びRTSB(伝送準備完了/伝送要求信号)によって示されるような通信開始要求の受諾を示す、受信機からイニシエータへの応答として使用され得る。いくつかの実装形態では、CTSAは、BSTAを送信責任から無期限に延期する。いくつかの実装形態では、CTSAは単一のイニシエータにアドレス指定され、同じメッセージが、ニーモニックと呼ばれ得る短縮された識別情報をイニシエータに割り当てる。いくつかの実装形態では、BSTAがCTSAを受信していない場合、BSTAは、後でRTSBを送信しないように強制され得る。
【0073】
いくつかの実装形態では、伝送要求タイプB(Request to Send Type B、RTSB)メッセージが、後方散乱の機会を要求するBSTAによって送信される。いくつかの実装形態では、RTSBメッセージは、後方散乱のための要求された持続時間を指定する持続時間フィールド若しくは他の指示、及び/又は後方散乱のみが可能であることを示す、後方散乱インジケータフラグと呼ばれ得るフラグを含む。いくつかの実装形態では、受信機は、要求を受け入れるメッセージのイニシエータ(すなわち、RTSBを送信するBSTA)にCTSAで応答する。
【0074】
いくつかの実装形態では、RTSBへの応答として、伝送可タイプB(CTSB)メッセージが送信され得る。いくつかの実装形態では、受信機は、CTSBメッセージを使用して応答して、全てのBSTAが後方散乱送信の開始を要求することからバックオフするように強制する(すなわち、特定の時間期間の間、送信要求(RTSB)を送信/伝送することを控える)。いくつかの実装形態では、CTSBメッセージはブロードキャストアドレスに伝送される。いくつかの実装形態では、CTSBは、既存のバックオフ機構(例えば、802.11フレームワークにおいて既に使用されている、例えば、分散協調機能(Distributed Coordination Function、DCF)におけるバックオフ方法)に基づくバックオフ機構の一部であり得る。
【0075】
いくつかの実装形態では、後方散乱指示メッセージ(BID)メッセージが、APによって、1つ以上の識別されたBSTAに送信される。いくつかの実装形態では、BIDは、短縮された識別情報(例えば、ニーモニック)に基づいてBSTAにアドレス指定される。いくつかの実装形態では、BIDメッセージは、以前にRTSBをAPに伝送しており、かつCTSAを延期されたBSTAに伝送される。いくつかの実装形態では、BIDメッセージは、例えば、TWT構成に起因して、特定の時間中にウェイクアップすることが(例えば、先験的に)予想されるBSTAに伝送される。いくつかの実装形態では、BIDメッセージは後方散乱持続時間を示し、後方散乱持続時間は、RTSB中で要求された持続時間に等しくても等しくなくてもよい。
【0076】
いくつかの実装形態では、APは、バッファ状態報告要求(Buffer Status Report Request、BSR REQ)をBSTAに送信して、BSRをAPに伝送するようにBSTAに指示する。いくつかの実装形態では、特定のBSTAは、公称6バイトMACアドレスによってアドレス指定される。いくつかの実装形態では、BSTAは直接アドレス指定されず、むしろ、BSTAはブロードキャストアドレスにアドレス指定される。いくつかの実装形態では、(例えば、応答の数を制限し、媒体へのアクセスを制御するために、又はバッファ状態報告のコンテンツを決定する(すなわち、フィルタリングする)ために、)APはまた、マスク及び/又はKビット値(すなわち、バッファ状態報告中に特定のコンテンツのみを含めるようにBSTAに示すためにAPが使用することのできる値)も含み得、それによって、BSTAは、それらの応答をフィルタリングする。
【0077】
いくつかの実装形態では、バッファ状態報告(Buffer Status Report、BSR RPT)は、BSR REQに応答して(例えば、請求型応答として)BSTAによって送信される。いくつかの実装形態では、BSR RPTは、BSTAのデータバッファが何らかのコンテンツを有するかどうかにかかわらず、請求時に(例えば、BSR REQを受信した後に)BSTAによって送信される。いくつかの実装形態では、バッファが非0値である場合、BSTAは、BSR RPT中の量子化されたバッファ状態を示し、例えば、特定のビット(例えば、MSBのNビット(例えば、4ビット))を0に保つ。いくつかの実装形態では、バッファが0値である場合、BSTAは、代わりに、例えば、特定のビット(例えば、MSBのNビット(例えば、4ビット))を1に設定したまま、BSR RPT中のリンク品質メトリックを示す。いくつかの実装形態では、APは、MSBのNビットを解釈して、BSRが有効である(すなわち、バッファ状態を含む)かどうか、又はBSRがBSTAのリンク品質を反映するかどうかを検出する。
【0078】
いくつかの実装形態では、クリアBID(CLR BID)メッセージが、APによってBSTAに送信されて、BSTAのうちの1つ以上に割り当てられたニーモニックをクリアする。いくつかの実装形態では、APは、ニーモニックが割り当てられた1つ以上のBSTAのリストを含み、リスト上のBSTAは、それらのニーモニックをクリアする。いくつかの実装形態では、APは、CLR BIDメッセージ中で受信機のニーモニックを指定せず、CLR BIDメッセージを受信する全てのBSTAは、それらのニーモニックをクリアする。
【0079】
いくつかの実装形態では、BID短縮ACK(BIDA)は、ニーモニックが割り当てられた1つ以上のBSTAに対する短縮されたブロック肯定応答である。短縮ブロックackは、各ビット位置が、ヘッダ内のそれらの正確な位置に一致する対応するニーモニックに対するACK又はNACKを表す16進表現である。言い換えれば、短縮ブロックACK 0xFAは、インデックス8及び6中のBSTAを除く全てのニーモニックについてのACKを指す。
【0080】
いくつかの実装形態では、問い合わせ信号(INT_SIG)(キャリア波(carrier wave、CW)とも呼ばれる)は、特定の応答をトリガするために受信機に伝送される任意の電子信号である。後方散乱の文脈において、いくつかの実装形態では、INT_SIGは、何らかの意図された受信者に情報を後方散乱させるために受信機が使用することができる信号である。いくつかの実装形態では、AP、ノードB、WTRU、又は他の好適なデバイスは、STA、UE、WTRU、又は他の好適なデバイスなどの別のデバイスによる後方散乱のためにINT_SIGを送信する。
【0081】
いくつかの実装形態では、BSTAは、例えばINT_SIG又はCWなどの周囲信号又は専用信号に基づいて、例えばUL上で後方散乱させることが可能である。
【0082】
いくつかの実装形態では、既存のフレーム(例えば、802.11MACフレーム)中の既存のフィールド(例えば、持続時間フィールド)は、例えば、既存のフレーム中のスペアフィールドを使用して、又は規格において指定されていない既存のフレームの既存のフィールド中の値を信号伝達することによって、オーバーロードされ得る。これは、例えば、フレームフォーマットの定義が変化しないので、後方互換性を提供するという利点を有し得る。いくつかの実装形態では、より古いデバイスは、有効なフレームを見るが、解読することができない値を有するのに対して、より新しいデバイスは、有効なフレーム及び解読可能な値を見る。
【0083】
いくつかの実装形態では、ニーモニックは、より永久的な識別情報に対する一時的な置換識別情報である。例えば、いくつかの実装形態では、送信機アドレス(transmitter address、TA)ニーモニックは、送信機のための一時的な置換識別情報であり、受信機アドレス(receiver address、RA)ニーモニックは、受信機のための一時的な置換識別情報である。いくつかの実装形態では、RAニーモニック及びTAニーモニックは、デバイスの場合も同じであり得る。いくつかの実装形態では、ニーモニックは永久的な識別情報よりも短い。いくつかの実装形態では、これは、信号伝達オーバーヘッドがより低いという利点を有する。いくつかの実装形態では、ニーモニックは、APがニーモニックを有効であるとみなす存続期間中は一意である。いくつかの実装形態では、ニーモニックを割り当てたデバイス(この例ではAP)は、ニーモニックが衝突しない(すなわち、同じAPによってサービスされる2つ以上のデバイスによって使用されない)ことを保証する責任を負う。いくつかの実装形態では、被割り当て側は、ニーモニックが衝突している(すなわち、同じAPによってサービスされる2つ以上のデバイスによって使用される)場合に、どのデバイスがニーモニックによってアドレス指定されるかに関する曖昧さを解決する責任を負う。
【0084】
いくつかの実装形態では、組織固有識別子(Organizationally Unique Identifier、OUI)は、製造業者などの組織を一意に識別する識別子(例えば、MACアドレスの最初の3バイト)である。例えば、いくつかの実装形態では、Aruba(商標)デバイスは、Aruba用に製造されたデバイス(例えば、相手先ブランド設計製造された(original design manufactured、ODM)、相手先商標製造された(original equipment manufactured、OEM)、又は自社製造された)の任意のMACアドレスの最初の3バイトがAruba OUIに設定されている。例えば、Aruba OUIは、例えば、Cisco(商標)又はMediaTek(商標)OUIとは異なる。
【0085】
いくつかの実装形態では、エポックは、例えば、インフラストラクチャノードによって維持される有限の周期的な持続時間を指す用語である。いくつかの実装形態では、インフラストラクチャノードは、明確に定義されたネットワーク(すなわち、AP又はインフラストラクチャノードなどの中央コントローラを有する中央集権型ネットワーク)内の各エポック中に同様の機能を適用する(又は同様の機能を実行する)ことができる。いくつかの実装形態では、エポック(epoch)とは、インフラストラクチャノードが、機能を完了まで実行させることなく通常の機能を実行するために適用することができる時間フレームである。言い換えれば、いくつかの実装形態では、エポックは、特定のタスクがエポック内に完了できない場合であっても、インフラストラクチャノードがシステムリソースをプリエンプトし、取り戻すことを可能にする。いくつかの実装形態では、場合によっては、保留中のアクティビティは、次のエポックで発生するよう待機することができる。
【0086】
いくつかの実装形態では、トライス(trice)は、エポック内の可変サブユニットである。いくつかの実装形態では、エポックは、ある数(例えば、T)のトライスを含む。いくつかの実装形態では、インフラストラクチャノードは、1つのアクティビティに1つのトライスを割り当て、別のアクティビティに別のトライスを割り当てる。例えば、単一のトライスは、インフラストラクチャノードによってサービスされるBSTAによるエネルギー収穫のために専用化され、最適化され、又は別様に指定され得る。いくつかの実装形態では、サービスされるSTAによって実施され得るアクティビティへの各トライスの決定及び割り当ては、実装固有である。いくつかの実装形態では、サービスされるSTAによって実施することができるアクティビティへの各トライスの決定及び割り当ては、インフラストラクチャノード(すなわち、この文脈ではAP)によって行われる。
【0087】
いくつかの実装形態は、802.11ahフレームワークにおける後方散乱を含む。いくつかの実装形態では、後方散乱デバイス(本明細書では後方散乱STA又はBSTAと呼ぶことがある)は、アップリンク送信を実施するために802.11仕様の様々な態様を利用する。
【0088】
図2は、802.11ahフレームワークにおける例示的な後方散乱を示す図である。
図2は、APと、複数のレガシーSTA(すなわち、後方散乱させるように構成されていないSTA)と、グループ1及び2(BSTA1及びBSTA2)にグループ化された複数の後方散乱STAとを含む例示的なネットワークにおけるメッセージを示す。図中において、エンティティに関連付けられた線の上方のブロックは、対応するエンティティによる送信を表し、線の下方のブロックは、対応するエンティティによる受信を表す。
【0089】
明示的に示されていないが、BSTA1及び2は、TWTを用いて構成されてもされなくてもよく、RAWウィンドウ内に(例えば、連続する又は非連続の)制限されたアクセススロットのセットを有するように、APによってグループ化され得る。いくつかの実装形態では、BSTAは、関連付けを作成するときに、スロット並びにそれらのそれぞれのRAW及び/又はRAWの周期性がもしあればそれを認識する。いくつかの実装形態では、TWTを有するBSTAは、TWTの開始時間までスリープするように構成され得る。いくつかの実装形態では、そのようなBSTAは、いくつかのビーコン(例えば、TWTウィンドウ及び/又はウェイク持続時間の外側にあるビーコン)を読み取ることをスキップし得る。いくつかのBSTAは、構成されたTWTを有しない場合があり、そのようなBSTAは、ビーコンを周期的に受信し得、関連付けの時間中にRAWスロットを用いて構成され得る。
【0090】
APは、TWTを用いて構成されAPに関連付けられる全てのデバイスのためのウェイクアップスケジュールを維持する。この例示的な
図2では、RAWウィンドウの開始の前に、APは、必要な競合解決を実施し、自己宛CTSを伝送することによって媒体へのアクセスを獲得し、デバイスに、自己宛CTS中に示される持続時間の間だけ媒体が占有されていることを示す。
図2は、後方散乱通信を可能にするために(例えば、IEEE802.11ahをサポートする)既存のネットワーク上で行われ得る例示的な修正を示す。
【0091】
図2において、APは、DIFフレーム間スペース(DCF Inter Frame Space、DIFS)に続くバックオフ期間中に媒体を感知し、次いで、自己宛CTSメッセージを送信する。いくつかの実装形態では、レガシーSTAはまた、DCFフレーム間スペース(DCFS)中に媒体を感知し、バックオフする。
【0092】
APが自己宛CTSを送信した後、レガシーSTAは、媒体がビジーである時間期間を示す、APからの自己宛CTSの受信に基づいてそれらのNAVベクトルを設定する。BSTAは、後方散乱のためにレガシーSTAのNAV内に存在し得る機会を求める。
【0093】
この例では、TWTが構成されたBSTAは、
図1においてRAWとしてマークされた時間フレーム内でウェイクアップし得る。TWTが構成されてない他のBSTAは、ビーコンを読み取ろうと求め、それらのBSTA自体又は近隣中の他のBSTA/STAのいずれかのための受信機会を探し得る。
【0094】
いずれの場合も、BSTAを円滑にするために、APは、1つ以上のBSTAの識別情報、及び関連する持続時間を示すBIDメッセージを送信する。いくつかの実装形態では、APは、それがBIDを伝送するときに存在することになる競合の量の間でトレードオフすることができる。したがって、いくつかの実装形態では、APは、BIDメッセージを制限し、所望の量の競合を達成するだけの数のBSTA識別情報、及び/又は所望の量の競合を達成するだけの長さの持続時間のみを信号伝達し得る。例えば、いくつかの実装形態では、(例えば、BIDメッセージサイズ制限に起因して)少数のBSTAのみがBIDメッセージ中に示され得る場合、APは、APが次にBIDメッセージを送信するときにBSTAの直交セットに機会を与えることができるように、後方散乱機会をより小さい持続時間に保つ。
【0095】
いくつかの実装形態では、APがより頻繁にBIDメッセージを送信することにより、より多くのチャネルオーバーヘッドをもたらし得るが、例えば、APがBSTAのより狭いセットをターゲットにしていることに起因して、競合レートを効果的に低減し得る。
【0096】
図2において、APは、BSTAが後方散乱させるためのINT_SIGとしてキャリア波(キャリアとマークされている)を送信し、BSTAから後方散乱された信号を受信するという意味で、帯域内全二重で動作しているものとして効果的に示されている。いくつかの実装形態では、例えば、APが別の送受信ポイント(transmit-receive point、TRP)、アンテナ、若しくは他のエンティティ、又は周囲RF信号を使用して、BSTAが使用するためのINT_SIGを提供し、APが対応する後方散乱信号を受信することができる場合において、このタイプの動作は必要ではないことに留意されたい。
【0097】
いくつかの実装形態では、APが、例えば、RAW内で送信する何らかのBSTAの可能性を予想して、BSTAの少なくともいくつかにおいてTWTを構成した場合、APは、チャネルへのアクセスを獲得し、INT_SIGを送信する。いくつかの実装形態では、問い合わせ信号は、APにアップリンクデータを送信するために後方散乱STA(BSTA1、BSTA2)によって使用される。いくつかの実装形態では、TWTが構成されたそれらのBSTAはまた、例えば、それらの指定されたRAWスロット内でのみ、リソースを求めて競合し得ることに留意されたい。
【0098】
いくつかの実装形態では、TWTが構成されていないBSTAはDCFを実施することになるが、チャネルがAPによってより早く(例えば、自己宛CTSによって)確保されているので、BSTAは、NAVベクトルによって設定された持続時間の間、チャネルをビジーとして扱い得る。しかしながら、いくつかの実装形態では、自己宛CTSがAPによって伝送される場合、BSTAは、CTS持続時間を無視し得、後方散乱機会を求め得る。後方散乱を容易にするために、いくつかの実装形態では、APは、後方散乱指示(BID)メッセージとINT_SIGとを交互に送信してもよい。これは
図2に反映されており、例えば、キャリアとBIDが交互になっている。いくつかの事例では(例えば、示されているように)、APが1つ以上の後方散乱送信を受信した後、APは、1つ以上の後方散乱送信に肯定応答するために、BIDメッセージの代わりにBIDAを伝送し得る。BIDAメッセージの後に、短縮フレーム間スペース(short inter-frame space、SIFS)持続時間が続き得、連続するRAW間にガード間隔が導入され得る。BIDが送信されるたびに、後方散乱STAのうちの1つ以上の識別情報がBIDメッセージ中に示されてもよい。いくつかの実装形態では、BIDメッセージ中に識別情報が示されない場合、APは、任意のBSTAがその機会に送信することを可能にする。いくつかの実装形態では、APは、競合の確率がゼロ又は低いと判定した場合(例えば、競合が閾値競合を下回る場合)、そのようにすることができる。いくつかの実装形態では、BSTAは、完全な6バイトMACアドレス指定方式ではなく、(例えば、上述したように)短縮されたニーモニックによってBIDメッセージ指示において識別される。
【0099】
図3は、BIDメッセージの例示的なフォーマットを説明する表である。いくつかの実装形態では、BIDメッセージは、802.11管理メッセージの後にモデル化される。例えば、802.11MACメッセージは、2ビットのタイプフィールド及び4ビットの制御サブタイプフィールドを有する。したがって、この例では、16個の可能な制御サブタイプがある。16個のサブタイプは、802.11仕様において既に最大限に利用されており、新たなサブタイプを追加することは不可能である。しかしながら、いくつかの実装形態では、802.11MACヘッダ中の他のフィールドを解釈することによって特定のサブタイプをオーバーロードすることが可能である。
【0100】
図3の表は、802.11規格のセクション8.2.4.2を反映しており、BIDメッセージのフォーマットとしていくつかの実装形態において使用可能な持続時間/IDフィールドを説明している。いくつかの実装形態では、
図3に示されるフィールドが、802.11管理フレーム中の持続時間/IDフィールドの代わりに使用される。802.11規格によれば、持続時間フィールドは16ビットであり、2ビットが予約される。更に、使用可能な14ビットは全てが定義されているわけではない。802.11仕様では、表にない任意の値はSTAによって無視され得ること、又は解釈不可能な持続時間(例えば、表に含まれない値)を有するMACペイロードの受信時に最大持続時間のNAVベクトルが設定されることを示す。したがって、いくつかの実装形態では、規格のより新しいバージョンに準拠するより新しいデバイスがそれらのバージョンを正確に解釈する一方で、規格の最新バージョンにアップグレードされていないより古いデバイスがMACフレームを無視するように(又は解釈不可能な持続時間フィールドに起因して、新たなエントリをこの表に指定及び/又は追加することが可能である。
【0101】
いくつかの実装形態は、802.11においてMACフレームを使用して後方散乱を可能にする。
図3に示される持続時間フィールドの例は例示的なものであり、他のフィールドも除外されない。例えば、同一又は類似の目標を達成するために、代替フィールド及び/又は未使用フィールドをオーバーロード又は使用することが可能である。
【0102】
図4は、いくつかの実装形態において802.11フレームワーク内で後方散乱原理を適用することが可能なSTAによって使用可能であり得る(例えば、本明細書で説明される)いくつかの例示的なメッセージを識別する。各例示的メッセージは、例示的フィールドと、バイト単位の各フィールドの例示的長さの指示(括弧内に示される)とを含む。そのようなデバイスは、いくつかの実装形態では、802.11仕様の最新バージョンを実装し得る。実装された802.11バージョンが、例えば以下で説明されるような後方散乱技法を組み込む場合、いくつかの実装形態では、後方散乱STAは、(例えば、持続時間フィールドを解釈することによって)メッセージを正しく解釈することができ、(例えば、本明細書で考察されるように最大持続時間のNAVを設定することによって)メッセージを無視するか、又はデフォルト的に解読不可能若しくは未定義として解釈するレガシーSTAと媒体を共有し得る。
【0103】
図4に示される例示的BIDの例示的持続時間フィールド中の例示的値は、「新たに」指定される(すなわち、802.11規格の以前のバージョンでは定義されない)値(この例では、0x3E87)を含み、したがって、レガシーデバイスは、このMACメッセージを無視する、又は最大長NAVを設定する等、デフォルト的にMACメッセージを解釈する。いくつかの実装形態では、APが、他のSTAがUL送信リソースを必要とすると決定した場合、又はAPが、BSTAの後方散乱を容易にするためにINT_SIGを送信すると決定した場合、APは、実際の(すなわち、802.11規格の以前のバージョンで定義されている)802.11持続時間値(例えば、新たな解釈可能持続時間フィールドの後のフィールド番号3「持続時間802.11データ」)を含むBIDメッセージを送信し得る。
【0104】
いくつかの実装形態では、STAがAPに関連付くと、STAが後方散乱能力を示す場合、APは、短縮されたアドレス(例えば、1バイト)を(例えば、関連付けの間又は関連付け時に)デバイスに割り当てる。短縮されたアドレスはTAニーモニックと呼ばれ得る。いくつかの実装形態では、BIDメッセージは、6バイトTA MACアドレスのハッシュ値又は短縮値を含み得る1つ以上の送信機アドレスニーモニック(例えば、
図4のTAニーモニック1(1)...TAニーモニック(1))を含む。
【0105】
いくつかの実装形態では、TAニーモニックは1バイトであるが、全てのビットが使用されているわけではない。言い換えれば、「実際のTAニーモニック」又はTAニーモニックの識別部分は、いくつかの実装形態では、長さ1バイト未満であり得る。例えば、いくつかの実装形態では、APは、将来の使用のためにTAニーモニックビット(例えば、非識別ビット)のいくつかを予約し得る。いくつかの実装形態では、TAニーモニックは、セッション中で一意に識別可能なBSTAの一時的な識別情報である。セッションという用語は、ここでは、デバイスがデータ通信に参加する特定の持続時間を指す。いくつかの実装形態では、APは、アドレス指定されている、又は(例えば、TX及び/又はRXにおいて)通信しているBSTAの識別情報をAPが認識するように、TAニーモニックの割り当てを調整する。
【0106】
例えば、いくつかの実装形態では、システム内のN個のBSTAのフルセットは、小さいグループごとに(K=N/M)個のBSTAを有するM個のより小さいグループにグループ化され得る。K個のBSTAには、K≦256の例示的なサイズを有するRAWウィンドウ内の1つ以上のスロットが割り当てられ得る。この例では、APは、より小さいグループ内の各BSTAにTAニーモニックを割り当て、それをより小さいグループ内で一意にし得るが、BSTAは、例えば、それらのTWTの外側でウェイクアップしないので、同じTAニーモニックを他のより小さいグループで再使用することができる。いくつかの実装形態では、TAニーモニックのサイズは、デバイスがいくつかのニーモニックを有するMACフレーム(例えば、閾値サイズのMACフレーム)を復号する(又は、例えば、好都合に復号する、若しくは閾値時間内に復号する、若しくは閾値量未満のリソースを使用して復号する)には、MACフレームサイズが大きすぎないようなサイズである。いくつかの実装形態では、いくつかのTAニーモニックは、同じMAC PDU中で連結されて信号伝達され得、BIDメッセージは、各受信TAニーモニックによって解釈されることになる。いくつかの実装形態では、TWTを用いて構成されないBSTAは、いつでも媒体と競合し、媒体にアクセスし得、したがって、それらのBSTAはTWTによって制限されない。そのようなBSTAのために、APは、K個のニーモニックのサブセットを予約することができるか、又はAPは、長形式を使用してそれらに対処することができる。
【0107】
いくつかの実装形態では、例えば、
図2に示されるように、802.11ah準拠であるデバイスが参加し、APからサービスを取得する。いくつかの実装形態では、AP及びBSTAデバイスは、持続時間フィールド中に新たに指定された値を解釈し、非BSTAデバイスとは異なるようにメッセージを解釈することができる。いくつかの実装形態では、BSTAとのDL送信及びUL送信は、802.11ahネットワークのフレームワーク内で起こる。
【0108】
図4は、いくつかの実装形態による、例示的なメッセージ及び関連するフォーマットを示すブロック図である。いくつかの実装形態では、これらのメッセージは制御サブタイプメッセージである。サブタイプは4ビットであるため、いくつかの実装形態では、802.11において新たな制御サブタイプメッセージを定義することは不可能である。したがって、いくつかの実装形態では、持続時間フィールド(16ビット値)は、メッセージペイロードがどのように解釈されるべきかを指定するために修正される。例えば、いくつかの実装形態では、サブタイプが制御であり、持続時間フィールドが16進数の0x1F63に設定されている場合、メッセージは、
図4に示されるようなフォーマットを有するCTSAとして解釈される。
図4に示されたメッセージは、上で考察されており、本明細書を通して適切な場所でも考察されている。
【0109】
図4は、例示的なCTSAフレーム、CTSBフレーム、RTSBフレーム、BIDフレームBSR RPTフレーム、BSR REQフレーム、2つの例示的なCLRBIDフレーム、及びBIDAフレームを示す。
【0110】
例示的なCTSAフレームは、フレーム制御フィールド、持続時間フィールド、RAフィールド、RAニーモニックフィールド、及びFCSフィールドを含む。フレーム制御フィールドは、IEEE802.11フレームタイプ及びサブタイプを識別するために使用され、持続時間フィールドは、後方散乱特定フレームフォーマットを定義するために使用され、RAフィールドは、受信STAアドレスを示し、RAニーモニックフィールドは、アドレスRAを有する受信STAのための割り当てられた短い長さのアドレスである。FCS(フレームチェックシーケンス)は、誤り検出に使用される。示されるように、これらのフィールドは、それぞれ、フレーム内の第1、第2、第3、第4、及び第5の位置にある。これらの例示的なフィールドは、それぞれ、2バイト、2バイト、6バイト、4バイト、及び4バイト長である。いくつかの実装形態では、CTSAフレームは、他のフィールド、これらのフィールドのサブセット、異なるサイズのフィールドを含み、かつ/又はこれらのフィールドを異なるように順序付けることに留意されたい。いくつかの実装形態では、CTSAフレームの機能を果たすフレームは、任意の他の好適な名前で呼ばれる。この例では、CTSAフレームは、0x1F63の値で示されるような持続時間フィールドによって識別される。
【0111】
例示的なCTSBフレームは、フレーム制御フィールド、持続時間フィールド、RAフィールド、及びFCSフィールドを含む。示されるように、これらのフィールドは、それぞれ、フレーム内の第1、第2、第3、及び第4の位置にある。これらの例示的なフィールドは、それぞれ、2バイト、2バイト、6バイト、4バイト長である。いくつかの実装形態では、CTSBフレームは、他のフィールド、これらのフィールドのサブセット、異なるサイズのフィールドを含み、かつ/又はこれらのフィールドを異なるように順序付けることに留意されたい。いくつかの実装形態では、CTSBフレームの機能を果たすフレームは、任意の他の好適な名前で呼ばれる。この例では、CTSBフレームは、0x1F63の値で示されるような持続時間フィールドによって識別され、RAは、ff:ff:ff:ff:ff:ffの値で示される。この例では、RA値、ff:ff:ff:ff:ff:ff(すなわち、全てバイナリ1)は、ブロードキャスト、すなわち全ての受信機がアドレス指定されることを示す)。個々の受信機は、他の実装形態ではこのフィールドによってアドレス指定可能である。
【0112】
例示的なRTSBフレームは、フレーム制御フィールド、2つの持続時間フィールド、RAフィールド、TAフィールド、バインドフィールド、及びFCSフィールドを含む。ここで、第2の持続時間フィールドは、続くフレームを送信するのに必要な時間を示す。RAフィールド及びTAフィールドは、それぞれ、受信STAアドレス及び送信STAアドレスを示す。バインドフィールドは、BSTAがINT_SIGを必要とするか否かを示すフラグである。示されるように、これらのフィールドは、それぞれ、フレーム内の第1、第2、第3、第4、第5、第6、及び第7の位置にある。これらの例示的なフィールドは、それぞれ、2バイト、2バイト、2バイト、6バイト、6バイト、1ビット、及び4バイト長である。いくつかの実装形態では、RTSBフレームは、他のフィールド、これらのフィールドのサブセット、異なるサイズのフィールドを含み、かつ/又はこれらのフィールドを異なるように順序付けることに留意されたい。いくつかの実装形態では、RTSBフレームの機能を果たすフレームは、任意の他の好適な名前で呼ばれる。この例では、RTSBフレームは、0x3E83の値で示されるような持続時間フィールドによって識別される。
【0113】
例示的なBIDフレームは、フレーム制御フィールド、持続時間フィールド、持続時間802.11データフィールド、TAニーモニックフィールド1~n、及びFCSフィールドを含む。ここで、持続時間802.11データフィールドは、TAニーモニックフィールド1~nによって識別されるアドレス指定された各BSTAの後方散乱機会持続時間を示す。TAニーモニックフィールド1~nは、送信(すなわち、後方散乱)STAに割り当てられた短い長さのアドレスを示す。示されるように、これらのフィールドは、それぞれ、フレーム内の第1、第2、第3、第4~第6、及び第7の位置にある。これらの例示的なフィールドは、それぞれ、2バイト、2バイト、2バイト、各1バイト、及び4バイト長である。いくつかの実装形態では、BIDフレームは、他のフィールド、これらのフィールドのサブセット、異なるサイズのフィールドを含み、かつ/又はこれらのフィールドを異なるように順序付けることに留意されたい。いくつかの実装形態では、BIDフレームの機能を果たすフレームは、任意の他の好適な名前で呼ばれる。この例では、BIDフレームは、0x3E87の値で示されるような持続時間フィールドによって識別される。
【0114】
例示的なBSR RPTフレームは、フレーム制御フィールド、持続時間フィールド、持続時間BSデータフィールド、TAフィールド、及びFCSフィールドを含む。ここで、持続時間BSデータフィールドは、バッファ状態又はリンク品質に関する情報を示す。示されるように、これらのフィールドは、それぞれ、フレーム内の第1、第2、第3、第4、及び第5の位置にある。これらの例示的なフィールドは、それぞれ、2バイト、2バイト、2バイト、6バイト、及び4バイト長である。いくつかの実装形態では、BSR RPTフレームは、他のフィールド、これらのフィールドのサブセット、異なるサイズのフィールドを含み、かつ/又はこれらのフィールドを異なるように順序付けることに留意されたい。いくつかの実装形態では、BSR RPTフレームの機能を果たすフレームは、任意の他の好適な名前で呼ばれる。この例では、BSR RPTフレームは、0x3E8Bの値で示されるような持続時間フィールドによって識別される。
【0115】
最初に挙げられた例示的なBSR REQフレームは、フレーム制御フィールド、持続時間フィールド、RAフィールド、TAフィールド、及びFCSフィールドを含む。示されるように、これらのフィールドは、それぞれ、フレーム内の第1、第2、第3、第4、及び第5の位置にある。これらの例示的なフィールドは、それぞれ、2バイト、2バイト、6バイト、6バイト、及び4バイト長である。いくつかの実装形態では、BSR REQフレームは、他のフィールド、これらのフィールドのサブセット、異なるサイズのフィールドを含み、かつ/又はこれらのフィールドを異なるように順序付けることに留意されたい。いくつかの実装形態では、BSR REQフレームの機能を果たすフレームは、任意の他の好適な名前で呼ばれる。この例では、BSR REQフレームは、0x3E8Fの値で示されるような持続時間フィールドによって識別される。
【0116】
第2のリストされた例示的なBSR REQフレームは、フレーム制御フィールド、持続時間フィールド、RAフィールド、マスクフィールド、及びFCSフィールドを含む。ここで、マスクフィールドは、特定タイプのBSR報告(例えば、フィルタリングされた報告)を示す。示されるように、これらのフィールドは、それぞれ、フレーム内の第1、第2、第3、第4、及び第5の位置にある。これらの例示的なフィールドは、それぞれ、2バイト、2バイト、6バイト、6バイト、及び4バイト長である。いくつかの実装形態では、BSR REQフレームは、他のフィールド、これらのフィールドのサブセット、異なるサイズのフィールドを含み、かつ/又はこれらのフィールドを異なるように順序付けることに留意されたい。いくつかの実装形態では、BSR REQフレームの機能を果たすフレームは、任意の他の好適な名前で呼ばれる。この例では、BSR REQフレームは、0x3E8Fの値で示されるような持続時間フィールドによって識別され、RAは、ff:ff:ff:ff:ff:ffの値で示される。この例では、RA値、ff:ff:ff:ff:ff:ff(すなわち、全てバイナリ1)は、ブロードキャスト、すなわち全ての受信機がアドレス指定されることを示す)。個々の受信機は、他の実装形態ではこのフィールドによってアドレス指定可能である。
【0117】
第1のリストされた例示的なCLRBIDフレームは、フレーム制御フィールド、持続時間フィールド、TAニーモニックフィールド1~m、及びFCSフィールドを含む。ここで、TAニーモニックフィールドは、それらの短縮された一時的なIDを使用してアドレス指定されたBSTAを識別するために使用される。示されるように、これらのフィールドは、それぞれ、フレーム内の第1、第2、第3~第5、及び第6の位置にある。これらの例示的なフィールドは、それぞれ、2バイト、2バイト、各1バイト、及び4バイト長である。いくつかの実装形態では、CLRBIDフレームは、他のフィールド、これらのフィールドのサブセット、異なるサイズのフィールドを含み、かつ/又はこれらのフィールドを異なるように順序付けることに留意されたい。いくつかの実装形態では、CLRBIDフレームの機能を果たすフレームは、任意の他の好適な名前で呼ばれる。この例では、CLRBIDフレームは、0x3EE3の値で示されるような持続時間フィールドによって識別される。
【0118】
第2の例示的なCLRBIDフレームは、フレーム制御フィールドと、持続時間フィールドと、FCSフィールドとを含む。示されるように、これらのフィールドは、それぞれ、フレーム内の第1、第2、及び第3の位置にある。これらの例示的なフィールドは、それぞれ、2バイト、2バイト、及び4バイト長である。いくつかの実装形態では、CLRBIDフレームは、他のフィールド、これらのフィールドのサブセット、異なるサイズのフィールドを含み、かつ/又はこれらのフィールドを異なるように順序付けることに留意されたい。いくつかの実装形態では、CLRBIDフレームの機能を果たすフレームは、任意の他の好適な名前で呼ばれる。この例では、CLRBIDフレームは、0x3EE7の値で示されるような持続時間フィールドによって識別される。
【0119】
例示的なBIDAフレームは、フレーム制御フィールド、持続時間フィールド、持続時間802.11データフィールド、TAニーモニックフィールド1~n、短縮ブロックackフィールド、及びFCSフィールドを含む。ここで、短縮ブロックackフィールドは、1つ以上の後方散乱器からの1つ以上の最近受信された後方散乱送信に対する肯定応答を示す。示されるように、これらのフィールドは、それぞれ、フレーム内の第1、第2、第3、第4~第6、第7及び第8の位置にある。これらの例示的なフィールドは、それぞれ、2バイト、2バイト、2バイト、各1バイト、?バイト、及び4バイト長である。ここで、(?)は、短縮ブロックackの長さが動的であり得、肯定応答された後方散乱送信の数に依存することを示す。例えば、いくつかの実装形態では、短縮ブロックackフィールドは1バイト長である。いくつかの実装形態では、CLRBIDフレームは、他のフィールド、これらのフィールドのサブセット、異なるサイズのフィールドを含み、かつ/又はこれらのフィールドを異なるように順序付けることに留意されたい。いくつかの実装形態では、CLRBIDフレームの機能を果たすフレームは、任意の他の好適な名前で呼ばれる。この例では、CLRBIDフレームは、0x3EE3の値で示されるような持続時間フィールドによって識別される。
【0120】
いくつかの実装形態では、BIDメッセージを受信するBSTAは、SIFSの直後に媒体にアクセスすることができるかどうかを決定するために、BIDメッセージ中の送信アドレスニーモニック(TAニーモニック)の存在をスキャンする。いくつかの実装形態では、TAニーモニックは、6バイトTA MACアドレスの代わりに、1バイト短縮アドレスである。いくつかの実装形態では、TAニーモニックは、CTSAメッセージ内でAPによってBSTAに割り当てられる。いくつかの実装形態では、BIDメッセージは、受信BSTAに、後方散乱のために利用可能な持続時間を、例えば「持続時間802.11データ」フィールド中に示す。いくつかの実装形態では、BIDメッセージに含まれるTAニーモニックの数は1~nである。いくつかの実装形態では、BIDメッセージに含まれるTAニーモニックの数は、例えば、APがネットワーク内でどれだけの競合を許容するかに応じて、APによって制御可能である。いくつかの実装形態では、完全にスケジュールされたネットワークにおいて、又は輻輳したネットワークにおいて、APは、TAニーモニックの数を、例えば、BIDメッセージ中でちょうど1に制限し得る。いくつかの実装形態では、BIDメッセージは、以前に送信を要求したが、CTSAを用いて以前に延期された1つ以上のBSTAへのAPによる送信のための延期された認識である。いくつかの実装形態では、APは、帯域内全二重機能を用いて実装され、後方散乱通信を受信することができる。いくつかの実装形態では、後方散乱送信の受信が成功した場合、APは、BID肯定応答(BID acknowledgement、BIDA)メッセージ中でBIDメッセージでピギーバックされた肯定応答を送信する。BIDAメッセージの例示的フォーマットを
図4に示す。いくつかの実装形態では、BIDAは、以前に受信された送信に対するACK(例えば、ブロックACK)も含むことを除いて、BIDメッセージと同様である。
【0121】
典型的な802.11システムでは、隠れノード問題に対処するためにCTS及びRTSが使用されることに留意されたい。隠れノード問題は、受信STA(例えば、この例ではCTSを送信するSTA)が、送信STA(例えば、この例ではRTSを送信するSTA)によって検出されない近くのSTAからの干渉を受けている場合に発生する。グローバルレベルでは、CTS及びRTSは、必ずしも干渉を回避するための機構としてではなく、媒体をポーリング及び予約するための機構として想定することができる。本明細書で考察されるように、CTS及びRTSは、デバイスが対応する要求について肯定応答されるポーリング及び予約機構として概念化することができる。しかしながら、CTS及びRTSは既存の制御メッセージであり、既存の802.11システムの文脈において修正可能ではないことに留意されたい。したがって、いくつかの実装形態では、新たなCTS及びRSTS(例えば、CTSタイプA(CTSA)及びRTSタイプB(RTSB)が、制御フォーマットを介してオーバーロードされたメッセージとして導入される。いくつかの実装形態では、RTSBは、送信が後方散乱のための問い合わせ信号(すなわち、INT_SIG又はキャリア波)の形態の支援を必要とすることを受信機に示すための、BIDフラグを含む。いくつかの実装形態では、CTSBは、ユニキャストアドレスの代わりにブロードキャストアドレスにアドレス指定される。
【0122】
現在の802.11ネットワークでは、送信機アドレス及び受信機アドレス(TA及びRA)は6バイト長である。CTS及びRTSの現在の例では、TA及びRAは単一である(すなわち、CTS及びRTSは、単一のTA及びRAのみにアドレス指定される)。いくつかの実装形態では、CTS及びRTSは、いくつかの展開では必要でない場合があるオーバーヘッドを生成する。したがって、いくつかの実装形態では、BIDメッセージは、いくつかのTAアドレスに同時にアドレス指定され得る。いくつかの実装形態では、BIDAは、同様のフォーマットを有するBIDメッセージ上にピギーバックされた肯定応答メッセージである。いくつかの実装形態では、802.11ネットワークにおけるレガシーアドレス指定は、6バイトMACアドレスを介する。いくつかの実装形態では、第1の3バイトはOUIであり、残りの3バイトはOUIの下の一意のアドレス指定である。いくつかの実装形態では、ニーモニックは、APによって任意のSTA又はBSTAに与えられる一時的な識別情報である。
【0123】
いくつかの実装形態では、ニーモニックは、短期(例えば、閾値時間を下回る、又は閾値メッセージ数を下回る)トランザクションのためにSTAに割り当てられる1バイト値である。いくつかの実装形態では、識別情報は、トランザクションの持続時間の間、APのサービスエリア内で一意である。802.11ahより前の(すなわち、802.11ahに準拠していない)802.11システムでは、媒体へのアクセスは、場合によっては、DCF、拡張分散チャネルアクセス(Enhanced Distributed Channel Access、EDCA)、又はポイント協調機能(Point Coordination Function、PCF)を介する。いくつかのそのようなシステムでは、レガシーデバイスは、クリアチャネルアセスメントを実施し、所定の方法に従うことによって送信及び受信する。いくつかの実装形態では、そのようなレガシーデバイスは、本明細書で提案される様々な変更による影響を受けず、APによってシームレスにサービスされる(例えば、本明細書で提案される変更からの悪影響を被らない)。
【0124】
図5は、802.11システムにおける例示的な後方散乱を示す図である。
図5は、APと、レガシーSTA(すなわち、後方散乱させるように構成されていない、又は後方散乱通信/送信をサポートしないSTA)と、後方散乱STAとを含む例示的なネットワークにおけるメッセージを示す。図中において、エンティティに関連付けられた線の上方のブロックは、対応するエンティティによる送信を表し、線の下方のブロックは、対応するエンティティによる受信を表す。
【0125】
図5の例では、APは、専用キャリアを配置することによって後方散乱STAのための後方散乱を可能にする。例えば、示された自己宛CTSメッセージを送信することによって、媒体へのアクセスを獲得した後、APは、全てのレガシーSTAに、持続時間フィールド中に示された持続時間の間、チャネルが占有されることを示す。この例では、自己宛CTSメッセージは、0xFF:0xFF:0xFF:0xFF:0xFF:0xFFにアドレス指定される(すなわち、全てのSTAにブロードキャストされる)。自己宛CTS送信により、レガシーデバイス(例えば、示されているレガシーSTA)に、自己宛CTSの持続時間フィールド中に示される持続時間の間、NAVベクトルを強制的に設定させる。いくつかの実装形態では、このアドレス(すなわち、ブロードキャストアドレス0xFF:0xFF:0xFF:0xFF:0xFF:0xFF)はまた、後方散乱機会(すなわち、識別された持続時間の間の近いうちに後方散乱機会が生じること)を監視するようにBSTA(例えば、図示される後方散乱STA)に示す。いくつかの実装形態では、BSTAは、例えばSIFS後に、BIDを監視することによって後方散乱機会を監視する。
【0126】
いくつかの実装形態では、BSTAは、CTSBの後の適切なスロットにおいてBIDメッセージを探索する。いくつかの実装形態では、送信の要求は、図中で明示的に強調されていなくても、RTSB及びCTSAを介する(例えば、RTSB及びCTSA/Bの送信は、図中に示されているものに先行し得る)。いくつかの実装形態では、CTSA/Bの後に、RTSBを送信したBSTAによって監視されるBIDメッセージが続く。
【0127】
図5の例では、後方散乱STAは、専用後方散乱機会の利用可能性を示す、サービングAPによって送信された自己宛CTSメッセージを検出し、後方散乱機会構成を搬送するBIDメッセージについてチャネルを監視する。この例では、後方散乱STAは、BID内のニーモニックを介してその識別情報を検出し、BID内の後方散乱ウィンドウの関連する持続時間を受信する。後方散乱STAは、識別されたウィンドウ内で後方散乱チャネルを求めて競合し、サービングAPから肯定応答を受信する。いくつかの実装形態では、例示的なBTSAは、これらのアクションを実施するように構成及び/又はプログラムされた回路を含む。
図5の例では、後方散乱STAは、後方散乱ウィンドウの持続時間の間に後方散乱チャネルを取得し、後方散乱ウィンドウ中にその目的のためにAPによって送信されたキャリア上でAPにデータを後方散乱させる。APは、この例では、後方散乱ウィンドウの終了からSIFS後に後方散乱データの受信を肯定応答する。
【0128】
いくつかの実装形態では、RTSBを送信したデバイス及びCTSAが発行されたそれらのデバイスの識別情報を知って、APは、BSTAによって読み取られるBIDメッセージを送信し、識別されたBSTAは、INT_SIG(キャリア)を利用してAPに後方散乱させる。いくつかの実装形態では、BIDメッセージは、後方散乱機会の持続時間の指示を含む。
【0129】
いくつかの実装形態は、802.11システムにおけるエネルギー収穫及び後方散乱の両方を含む。例えば、
図6A及
図6Bは、例示的なエネルギー収穫及び後方散乱を示す。
図6Bは、
図6Aに示された図の続きである。特に、
図6A及び
図6Bは、電力最適化されたデバイスが、入射信号からエネルギーを収穫することと、後方散乱データに問い合わせ信号を使用することの両方を可能にするために、APが適用し得る例示的なスキーマを示す。
【0130】
図6A及び
図6Bは、AP、レガシーSTA、及び3つの後方散乱STA、後方散乱STA1、後方散乱STA2、及び後方散乱STA3を含む、例示的なネットワークにおけるメッセージを示す。図中において、エンティティに関連付けられた線の上方のブロックは、対応するエンティティによる送信を表し、線の下方のブロックは、対応するエンティティによる受信を表す。
図6A及び
図6Bの異なるトライスにおけるメッセージングは例示に過ぎず、必ずしも時系列のイベントとして解釈されることを意味するものではないことに留意されたい。言い換えれば、
図6A及び
図6Bは、1つのトライスから別のトライスに移動するイベントのカスケードシーケンスとして解釈されることを意味していない。
【0131】
図6A及び
図6Bの例では、APは、1つのエポックによって定義される周期的に動作する。各エポックは、k個の時間トライスに分割される。各時間トライスt、1≦t≦k、は、APによって特定の目的のために選択され得る。
図6A及び
図6Bの4つの例示的なトライスの各々について以下で考察する。
【0132】
いくつかの実装形態では、ネットワークは、様々な802.11プロトコルを採用するレガシーSTAもサポートするように展開され、AP及びBSTAは、これらのレガシーSTAと共存する。
【0133】
図6A及び
図6Bは、APが最初にDCFを実施し、媒体を獲得した例示的なエポックnを示す。例えば、時間トライス1において、APは、DCFフレーム間スペース(DCF interframe space、DIFS)間隔の間チャネルをリッスンし、適宜バックオフすることによって、最初に媒体へのアクセスを獲得したと仮定される。
【0134】
エポックnは、4つの例示的な時間トライスである時間トライス1、時間トライス2、時間トライスk-1、及び時間トライスkを含む。エポックは、任意の好適な数のトライスを含むことができることに留意されたい。この例では、時間トライス1は、例えば、レガシーSTAがそのNAVによってブロックされている間にBSTAの送信をスケジュールするために使用可能であり、時間トライス2は、例えば、BSTAがエネルギーを収穫している間にレガシーSTAからアップリンクデータを送信するために使用可能である。時間トライスk-1は、例えば、レガシーSTAがそのNAVによってブロックされている間に、BSTAが時間トライス1においてスケジュールされたデータをAPに送信する(又は、それらのBSTAが送信すべきデータを有していない場合、エネルギーを収穫する)ために使用可能である。時間トライス kは、BSTAがエネルギーを収穫する間にレガシーSTAにダウンリンクデータを送信するために使用可能である。
【0135】
この例では、時間トライス1は、BSTAの送信をスケジューリングするために使用される。APが媒体へのアクセスを獲得した後、APは、自己宛CTSを送信し、レガシーデバイスにそれらのNAVベクトルを設定させる。したがって、レガシーSTAは、自己宛CTSメッセージを受信し、自己宛CTSメッセージに基づいてそのNAVを設定する。この場合、NAVは、時間トライス1の持続時間の間、レガシーSTAに媒体がビジーであることを示す。図中の時間トライス1において、NAVは、レガシーSTAが時間トライス1の全体にわたって媒体をビジーとして扱っていることを示し、したがって、レガシーSTAは、この時間期間中に送信も受信もしない。APはそれに続いて、BSTAの適切なTWTにおいてBSR REQメッセージを伝送する。この例では、APは、図中に示されるように、単一のBSR REQを送信する。BSRを有するこれらのBSTAは、BSR RPTをAPに送信する。この例では、BSR RPTが示されておらず、BSTAが送信すべきBSRを有していないか、又はTWTを有していないことのいずれかを示している。この例では、BSTAは、構成されたTWTを有しておらず、したがって、RTSBを送信するためにチャネルを求めて競合する。この例では、各BSTAは、RTSBメッセージを送信する前に、DIFSだけ待機し、必要に応じて(破線で示されるように)バックオフすることによって、DCFを実施する。
【0136】
いくつかの実装形態では、BSTAは低電力デバイスであり、後方散乱を介してこれらのRTSBメッセージをAPに送信する。いくつかの実装形態では、RTSBメッセージは、一次送信機を使用して送信されるが、後続及び/又は後のアップリンク送信(例えば、主ペイロード)は、APに後方散乱される。いくつかの実装形態では、そのようなハイブリッド手法は、デバイスの全体的な電力消費の著しい低減をもたらすという利点を有し得る。いくつかの実装形態では、そのようなハイブリッド手法は、ペイロードの一次送信が後方散乱を介して送信されるのに対して、後方散乱なしにチャネルに信頼できるアクセス許可を与えるようにAPに要求することによって、RTSB送信の回復力を高めるという利点を有し得る。そのような実装形態では、同様の手法が、近くのSTAからの干渉を回避又は最小化するために適用され得る。
【0137】
いくつかの実装形態では、BSTAは、利用可能な(例えば、一致する)周囲信号が存在する場合、それらのRTSBを後方散乱させる。いくつかの実装形態では、BTSAは、一致する周囲信号がない場合、それらのRTSBを送信しない。この例では、BSTAは、それらのバッファ中に保留中のデータを有し、必要とされる持続時間、及び後方散乱が更なる送信のために有効化される必要があるかどうかを示すために、(例えば、利用可能な周囲信号に基づいて)INT_SIGなしにRTSBを送信することが可能である。また、RTSBメッセージは、BSTAがUL上で送信するためにINT_SIGを必要とすることをAPに示すバインドフラグを含むこともできる。
【0138】
いくつかの実装形態では、APは、(例えば、SFISなどの適切な遅延の後に)CTSAでBSTAに応答し、例えば、それらBSTAのRAと、一時的な持続時間の間、信号伝達及び/又はアドレス指定のために使用されることになるRAニーモニックとを示す。いくつかの実装形態では、CTSAメッセージは、RAからRAニーモニックへのマッピングを定義する。いくつかの実装形態では、APは、一時的に一意のRAニーモニックを割り当て、例えば、CTSAメッセージ中で、一時的に一意のRAニーモニックを受信BSTAに示す。いくつかの実装形態では、BSTAは、その完全なRAによってアドレス指定される代わりに、RAニーモニックによってアドレス指定される。いくつかの実装形態では、ニーモニックは、送信機能と受信機能の両方のために受信エンティティによって使用される。いくつかの実装形態では、ニーモニックは、BSTAを送信機(TAニーモニック)又は受信機(RAニーモニック)のいずれかとして識別する。いくつかの実装形態では、CTSAメッセージは、RA(及びRAニーモニック)によってアドレス指定されたデバイスに、その要求が受信され、待ち行列に入れられたことを示す。いくつかの実装形態では、CTSAメッセージは、ペイロード及び/又はトラフィックを直ちに伝送することが許可されていることをBSTAに示さない。いくつかの実装形態では、APは、CTSAメッセージの代わりにCTSBメッセージを伝送する。いくつかの実装形態では、受信BSTAが、RAアドレスとして0xFF:0xFF:0xFF:0xFF:0xFF:0xFFが設定された(すなわち、ブロードキャスト)CTSBメッセージを受信した場合、BSTAの全てが送信からバックオフされる(例えば、指定された時間期間の間、又はBSTAがBIDメッセージを検出するまで)。
【0139】
いくつかの実装形態では、CTSBメッセージがAPによって送信された場合、BSTAは、UL上で送信する機会を示すBIDメッセージを検出しようと試みる。BIDメッセージが受信された場合、BSTAは、APによって送信されたINT_SIGを使用して、それらのRAニーモニックを検出し、後方散乱させようと試みる。INT_SIGは、図中においてキャリア波CWとして示されており、
図6A及び
図6Bのトライス k-1に示されている。
【0140】
いくつかの実装形態では、BSTAは、(例えば、検出された自己宛CTSメッセージ並びに/又は連続する数の試行及び/若しくは機会についてのCTSA/CTSBの受信の失敗に基づいて)高競合環境又は隠れノードプローン環境を識別し、EDCA及び主トランシーバを利用してRTSBメッセージを送信し、CTSA/CTSBを受信し、そのRAに対応するRAニーモニックを決定し、割り当てられたTAニーモニックと後方散乱機会持続時間の指示(例えば、BID中の持続時間フィールドによって示される)とを含むBIDを監視及び検出し、かつ専用キャリア波を利用して、割り当てられた後方散乱ウィンドウにおいてそのデータを後方散乱させる。いくつかの実装形態では、例示的なBTSAは、これらのアクションを実施するように構成及び/又はプログラムされた回路を含む。いくつかの実装形態では、後方散乱機会持続時間は、BIDが受信されたときに開始し、持続時間フィールドによって示される時間の間、続く。いくつかの実装形態では、持続時間は、オーバーヘッド(例えば、フレーム間スペースに関する、例えば、切り替え、探索など)を考慮する。
【0141】
時間トライス2は、BSTAがエネルギーを収穫する間にレガシーSTAからのアップリンクデータをスケジューリング及び送信するために使用される。トライス1で設定されたNAVが満了した後、レガシーSTAは、媒体を獲得するためにDIFS及びバックオフを実施し、次いで、アップリンクデータをAPに伝送し、APは、アップリンクデータを肯定応答するためのACKを送信する。この例ではこれが繰り返される。レガシーSTAからのアップリンクデータのスケジューリング及び送信中に、チャネル上のRF波に存在するエネルギーは、BSTAによって日和見的に収穫される。いくつかの実装形態では、トライス1中のCTSA/Bは、BSTAに、特定の時間期間の間、又はBSTAがBIDを検出するまで、送信からバックオフすべきであることを示し得、したがってBSTAはエネルギー収穫のために再ソートされることになる。
【0142】
時間トライスk-1は、レガシーSTAがそのNAVによってブロックされている間に、BSTAが時間トライス1においてスケジュールされたデータをAPに送信する(又は、それらのBSTAが送信すべきデータを有していない場合、エネルギーを収穫する)ために使用される。この例では、APは、BSTAからの送信をスケジュールするBIDを送信し、レガシーSTAのNAVを設定する。後方散乱STA1及び後方散乱STA3は、APによって提供される専用INT_SIG(図中においてCWと呼ばれる)に基づいて、BID中で受信されたスケジュールに従ってデータをAPに後方散乱させる。伝送するデータを有していない、又はデータを送信するようにスケジュールされていない後方散乱STA2は、チャネル上のRF波に存在するエネルギーを日和見的に収穫する。
【0143】
時間トライスKは、BSTAがエネルギーを収穫する間にレガシーSTAにダウンリンクデータを送信することを含む。この例では、APは、ダウンリンク送信がレガシーSTAに送信されることを示し、BSTAに、それらが日和見的にエネルギーを収穫すべきであることを示すBIDを送信する。DIFS及びバックオフの後、APは、レガシーSTAにダウンリンクデータを送信する。レガシーSTAは、ACKを送信してダウンリンクデータの受信を肯定応答する。この例ではこれが繰り返される。レガシーSTAへのダウンリンクデータの送信中、チャネル上のRF波に存在するエネルギーは、BSTAによって日和見的に収穫される。
【0144】
いくつかの実装形態では、APは、レガシーSTAへのダウンリンクメッセージをスケジュールするための特定のトライスを選択する。例えば、いくつかの実装形態では、特定のトライスは、BSTAがエネルギーを収穫するために決定論的により良好であり、これはBIDメッセージ中に示され得る。いくつかの実装形態では、トライスの最初又は「先頭」にBIDメッセージがないことは、その時間トライスにエネルギー収穫のための日和見的間隔があり得ることをBSTAに示す。いくつかの実装形態では、これは、エネルギーがAPからSTAへのDL送信からのものであるか、又はSTAからAPへのUL送信からのものであるかにかかわらず当てはまる。これは、例えば、トライス2及びトライス kにおいて起こる。先に述べたように、APは、BSTAをアドレス指定するためにニーモニックを割り当てて、オーバーヘッドを低く保つ。
【0145】
いくつかの実装形態では、BSTAのバッファ状態を報告するためにBSRRPTメッセージが使用される。いくつかの実装形態では、BSR RPTは2バイトであるが、MSB4ビットは常に0に設定される。いくつかの実装形態では、BSRは量子化表現であり、12ビットによって表される。例えば、BSR RPTにおいて信号伝達される値は、数学的にFLOOR(バイト単位でACTUAL VALUE/BSC_SCALAR)として表される切り捨てられた値であり得、ここで、FLOOR()関数は、切り下げられた整数値を返す。いくつかの実装形態では、BSR_SCALARは、関連付け中にAPによって信号伝達される。いくつかの実装形態では、BSTAが送信すべきバッファリングされたデータを有していない場合、0値のBSRを送信する必要があるであろう。しかし、0値のBSRを送信する代わりに、BSR RPTは品質測定値を含む。いくつかの実装形態では、BSTAは、データが0値でないことをAPが理解するように、MSB4ビット中の0xFでBSRデータをプレフィックスした後に品質報告を送信する。いくつかの実装形態では、最後の12ビットは、SINR又はRSSIなどの測定値を含む。先に述べたように、ニーモニックは、クリアされるまでサブグループ内で一時的かつ一意である。いくつかの実装形態では、APは、CTSAを介して以前に割り当てられたニーモニックがクリアされアドレス指定可能であることを示すために、サブグループ内の全てのBSTAにメッセージ(例えば、CLEARBIDメッセージ)を伝送する。いくつかの実装形態では、APは、その後、例えば、時間エポックN+1においてこれらのニーモニックを他のBSTAに割り当て得る。
【0146】
いくつかの実装形態は、以下の概念のうちの1つ以上を含む。いくつかの実装形態は、後方散乱制御メッセージサブタイプを決定するためにメディアヘッダの既存のフィールドを解釈するデバイスを含む。いくつかの実装形態は、永久的な識別情報(例えば、MACアドレス)の代わりに、半永久的であるがローカルに一意のニーモニック(識別情報)によってデバイスをアドレス指定することを含み、ここで、ニーモニックは短縮された識別情報である。いくつかの実装形態は、指定された持続時間の間、後方散乱の機会が存在することを示す、インフラストラクチャノードからのニーモニックを有する信号を受信するデバイスを含む。いくつかの実装形態は、測定マスクを受信するデバイスと、報告がインフラノードに伝送されなければならないかどうかを決定するために自身のニーモニックに測定マスクを適用するデバイスと、例えばバッファ保留状態に基づいて、代わりに品質測定値を伝送すべきかどうかを決定するデバイスとを含む。いくつかの実装形態は、特定の又は無期限の持続時間の間、UL送信を延期するための信号を受信するデバイスを含む。いくつかの実装形態は、時間エンベロープと、エンベロープ内で許可及び/又は不許可にされるアクセスサブタイプの指示とを受信するデバイスを含み、エンベロープは特定の周期性を維持する。いくつかの実装形態は、周囲信号源又は専用問い合わせ信号の存在を示すことと併せて、後方散乱機会及び持続時間制限を受信するデバイスを含む。いくつかの実装形態は、APが、後方散乱を容易にするために、特定の時間又は時間期間中に非メッセージ搬送キャリアを送信する必要性を決定することを含む。いくつかの実装形態は、APが、エネルギー収穫を容易にするために特定の持続時間にわたってエネルギー搬送キャリアを送信する必要性を決定することを含む。
【0147】
図7は、802.11OFDMAフレームワークにおける例示的なマルチユーザ後方散乱を示す図である。例えば、
図7は、例えば、802.11axシステムのための後方散乱通信を可能にする例示的な通信を示す。
図7は、AP、後方散乱STA、及びレガシーSTAを含む例示的なネットワークにおけるメッセージを示す。
【0148】
図7では、第1の時間期間700の間に、APは、最初にDIFS及びバックオフを実施し、次いで、MU RTSBを送信し、MU CTSBを受信する。レガシーSTAのためのスケジューリング情報は、このフレーム中で提供されないが、前に考察されたように、このフレームを使用してEH機会をBSTAに示すことができる。SIFSの後、APは、プリアンブル及びHEフィールド(後述する)を送信し、スケジュールされたようにダウンリンクリソース上でレガシーSTAであるSTA1、STA2、STA3、STA4、STA5、STA6、STA7、STA8、STA9、及びSTA11にダウンリンク送信を送信する。レガシーSTAは、これらの信号を受信し、マルチユーザブロック肯定応答(multi-user block acknowledgement、MU-BA)をAPに送信する。レガシーSTAへのダウンリンク送信中に、後方散乱STAであるBSTA1、BSTA2、BSTA3、及びBSTA4は、チャネル上のRF波からエネルギーを日和見的に収穫する。MU-BAを受信した後、第2の時間期間702の間に、APは、トリガフレームを送信し、SIFS後に、レガシーSTAであるSTA1及びSTA3からアップリンク送信を受信する。STA1は、割り当てられた時間リソースを埋めるためにその送信をパディングする。これらの送信中に、BSTA2は日和見的にエネルギーを収穫する。APは、MU-BAを送信してアップリンク送信に肯定応答する。MU-BAを送信した後、第3の時間期間704の間に、APは、DCIF及びバックオフを実施し、次いで、MU RTSBを送信し、MU CTSBを受信する。SIFSの後、APは、プリアンブル及びHEフィールド(後述する)を送信し、スケジュールされたようにダウンリンクリソース上でレガシーSTAであるSTA1、STA4、STA5、STA7、STA8、及びSTA9にダウンリンク送信を送信する。また、APは、専用INT_SIG(図中のCW)及び電力最適化波形(図中の専用POW)を送信する。レガシーSTAは、これらの信号を受信し、マルチユーザブロック肯定応答(MU-BA)をAPに送信する。APからのダウンリンク送信の間に、後方散乱STAであるBSTA1、BSTA2、及びBSTA3は、CW信号上で後方散乱し、BSTA5は、電力最適化信号(専用POW)のRF波からエネルギーを収穫する。
図7に関与する様々な技術のより詳細な説明が以下に続く。
【0149】
802.11axを実装するものなど、いくつかの展開では、DL送信及びUL送信は典型的に、APによって集中的に制御されスケジュールされる。以前のバージョンの802.11ネットワークでは、STAは、任意のタイムスロットにおいて、又は制限付きアクセスウィンドウ(RAW)内で競合解決を実施することによって、媒体にアクセスし得る。そのようなネットワークでは、APは、媒体を捕捉し、選択されたSTAにCTSをプリエンプティブに伝送し、STAがDCFを実施する必要性を排除し得る。802.11axでは、APは、媒体をより強力に制御し、DL及びUL上でのマルチユーザ送信を可能にすることができる。
【0150】
図7は、後方散乱通信も可能にしながら、APがDL送信及びUL送信を制御する例示的な実装形態を示す。
図7の例では、APは依然としてチャネルにアクセスするためにDCFを実施し、レガシーデバイスは同様に同じタスクを実施し、媒体を主張することができることに留意されたい。この例では、802.11axフレームは、後方互換性のための「レガシー」プリアンブルで始まる。いくつかの実装形態では、これらのフィールドは、より古いデバイスが、無線上に802.11フレームが存在することを認識することを可能にする。いくつかの実装形態では、これは、CSMA/CAプロトコルが802.11ax送信の存在下で機能し続けることを可能にする。いくつかの実装形態では、「レガシー」プリアンブル及び反復レガシーSIG(Repeated Legacy-SIG、RL-SIG)フィールドは、後方互換性のために、後続の送信のために使用される全ての20MHzサブチャネル中で並列に送信される。いくつかの実装形態では、後続のフィールドは、802.11ax目的のために使用され、シンボルフォーマットの混合を使用し、「レガシー」変調は、低レートフィールド及び後方互換性のために使用されるが、他のフィールドは、802.11axからの近いサブキャリア間隔及びより長いOFDMAシンボルを使用する。
【0151】
いくつかの実装形態では、HE-SIG-Aフィールド(高効率SIG)(図中の「HEフィールド」)は、後続するパケットについての情報を含み、この情報は、そのパケットがダウンリンクであるかアップリンクであるか、BSSカラー、変調MCSレート、帯域幅及び空間ストリーム情報、並びに送信機会における残り時間などを含む。いくつかの実装形態では、このフィールドは、シングルユーザフレーム、マルチユーザフレーム、及びトリガベースのフレームに対して異なるコンテンツを有し、802.11axの「拡張範囲モード」で繰り返される。いくつかの実装形態では、HE-SIG-Bフィールド(図中において「HEフィールド」とも呼ばれる)は、マルチユーザパケットのためにのみ含まれる。いくつかの実装形態では、HE-SIG-Bフィールドは、全ての受信者に共通の情報と、ユーザ固有の他のフィールドとを含み、したがって、その長さは、送信を受信するユーザの数に依存する。いくつかの実装形態では、OFDMAが使用される場合、HE-SIG-Bクライアント固有フィールドは、後続のパケット送信のために使用される各サブチャネル中で同時に伝送される。いくつかの実装形態では、HE-SIG-Bは別の複素フィールドである。いくつかの実装形態では、HE-SIG-Bは、APがアドレス指定しているクライアントの数、並びに共通及びユーザ固有の2つの異なるタイプの情報に応じて、可変長を有する。
【0152】
いくつかの実装形態では、共通フィールド(図中の「プリアンブル」及び/又は「HEフィールド」の一部)は、使用されることになるOFDMAサブチャネル又はリソースユニット(RU)、例えば、18×26RU又は2×242RUの構造を識別する。いくつかの実装形態では、共通フィールドは、全ての送信に共通である他の情報を含む。いくつかの実装形態では、いくつかのユーザ固有フィールドが共通フィールドに続く。いくつかの実装形態では、APは、これらのフィールドを使用して、各クライアントへの送信方法を識別し、例えば、空間ストリームの数、APが使用するMCS、及び/又はAPがビームフォーミングを使用するかどうかを含む。いくつかの実装形態では、802.11ax仕様は、送信機が、複数の20MHzチャネルにおいて同時にHE-SIG-Bフィールドを形成し、割り当てられたチャネルの総帯域幅を占有することを要求する。したがって、APが80MHzチャネルを使用している場合、各20MHzサブチャネル内に1つずつ、4つのHE-SIG-Bフィールドを送信することになる。
【0153】
802.11axでは、以下の用語が適用され、本明細書でも使用される。基本トリガフレーム:クライアントデバイスがどのようにいつ応答すべきかを指定する。マルチユーザブロックAck要求(Multi-user Block Ack Request、MU-BAR):このトリガフレームは、複数のクライアントデバイスから同時にブロックAckを要求する。ユーザ情報フィールドは、Ackされるべきフレームを指定する。マルチユーザ伝送要求(Multi-user Request To Send、MU-RTS):このトリガフレームは、シングルユーザRTS-CTSと同じようにして、送信前に無線をクリアするために使用される。
【0154】
いくつかの実装形態では、DL上で、APは、マルチユーザをスケジュールし、HEヘッダを埋め(すなわち、APは、プリアンブル/HEフィールドのコンテンツを決定し)、RU上でDLデータを送信する。いくつかの実装形態では、UL上で、APは、それらが利用すべきUL許可を有することをデバイスに信号伝達する。いくつかの実装形態では、この目的のために、APは、トリガフレームを伝送し、利用すべきUL許可を有するSTAの識別情報を送信する。ダウンリンクパケットは、ACK及びトリガを含み得、アップリンク送信は、同様にACKを搬送するトリガベースのフレームを含み得る。いくつかの実装形態では、これらの信号の全てが、APによって制御され、編成される。
【0155】
いくつかの実装形態では、802.11axフレームワークにおける後方散乱を可能にするために、APは、アシストBSRフラグと、アシストBSR信号伝達のための1つ以上のRUの場所とを有するトリガフレームを送信する。APは、周期的にBSTAにクエリを伝送して、UL上での送信のレートと、BSTAが送信すべき保留中のデータを有するかどうかとを決定し得る。
【0156】
いくつかの実装形態では、受信側BSTAがそのバッファ内に保留中のデータを有する場合、受信側BSTAは、アシストBSRのためにマークされた指示されたRUを(例えば、一様にランダムに)選択する。いくつかの実装形態では、トリガフレームに続く現在のフレーム上で、BSTAは、アシストBSRフラグが真に設定されていた場合、選択されたRU上でそのニーモニックと連結されたBSRを送信する。いくつかの実装形態では、(RACHプロセスと同様に)BSRを送信するBSTAの識別情報が知られていないので、ニーモニックは競合解決のために使用される。いくつかの実装形態では、量子化されたBSRにニーモニックが付加され、コンテンツ全体が、例えば追加の保護のために、ニーモニックによってスクランブルされる。
【0157】
いくつかの実装形態では、AP及び/又は協調TRPは、デバイスがそれらのBSRを後方散乱させるために、アシストBSR RU上にINT_SIG(図中のCW)を提供する。BSRがBSTAから(かつ例えばRACHスロットを使用してUL送信を必要とする他のSTAから)受信された後、APは、送信すべきUL送信を有するSTAの識別情報を決定し、それらのUL送信機会及びリソース要件(例えば、RU要件)をBSTAから受信されたBSR要件と突き合わせる。次のフレーム上で十分な容量が利用可能である場合、APは、後続のトリガフレーム上の後方散乱のために、BSTAニーモニック及び対応するRUマッピングを送信する。BIDフラグは、真に設定されてもされなくてもよい。
【0158】
いくつかの実装形態では、BIDフラグが真に設定されている場合、APは、BSTAが後方散乱のために使用することができる指示されたRUのセット上のUL上で送信を有する別のSTAが存在することを保証している。いくつかの実装形態では、通常のSTAは送信する必要性がより高く、BSTAは高い要求を有する可能性が低いので、これは、適度に負荷がかけられたネットワークにおける典型的なケースである。いくつかの実装形態では、BSTAは、後続のトリガフレームと、後方散乱のためのRUマッピングへのBSTAニーモニックと、真に設定されたBIDフラグとを受信して、特定のRU上で後方散乱させる。
【0159】
場合によっては、APは、送信する必要がある通常のSTAが存在しないと決定し、したがって、INT_SIGを提供するために1つ以上のTRP(又はアンテナ)を選択する。そのような場合、AP(又は関連付けられたTRP)は、専用INT_SIGを提供するために任意のRUを割り当ててもよく、特定のSTAのUL送信のために割り当てられることになる特定のRUに限定されない。いくつかの実装形態では、APは、後続のトリガフレームと、後方散乱のために1つ以上のRUにマッピングされたBSTAニーモニックとを送信し、BSTAが任意のRUを選択することができ、特定のRUに限定されないことを示すようにBIDフラグを設定する。このシナリオでは、BSTAは、後方散乱のために自身のニーモニックにマッピングされるRUを(例えば、一様にランダムに)選択する。
【0160】
いくつかの実装形態では、APは、UL送信内でBSTAからエネルギー統計を受信し、エネルギー統計は、BSTAがエネルギーを収穫する必要があることを示し得る。いくつかの実装形態では、APは、より大きい(例えば、単一の20MHzチャネルよりも大きい)帯域幅上で動作している可能性がある。いくつかの実装形態では、APは、例えば、HE-SIG-Bフィールド内の共通フィールド中で、BSTAニーモニック、BSTAに割り当てられた1つ以上の20MHzサブチャネルへのインデックス、エネルギー搬送RUへのインデックス、及び時間スケジュールを送信する。いくつかの実装形態では、時間スケジュールは、開始時間オフセット及び持続時間を示し得、可能な周期的サービスを暗示し得る。いくつかの実装形態では、APは、電力最適化波形(POW)時間スケジュールが周期的であることを示し得るか、又はAPは、POW配信のための異なるスケジュールを決定し、現在有効な時間スケジュールを取り消すことができる。いくつかの実装形態では、APがHE-SIG-Bヘッダ中の共通フィールド中でこれらを示す場合、それは、その機会を消費することを望み得る任意のBSTAに適用される。場合によっては、周期的なPOWの頻度が低すぎる場合があるため、BSTAは、専用のPOW機会を必要とする場合がある。いくつかの実装形態では、BSTAは、そのような場合、APから、1つのサブチャネルへのインデックス、エネルギー搬送RUへのインデックス、開始時間オフセット、及び/又は専用POW機会の持続時間を、例えば、HE-SIG-Bフィールド内のユーザ固有フィールドにおいて、BSTAのニーモニックとともに受信し得る。
【0161】
いくつかの実装形態では、APは、BSTAが通常のダウンリンク送信を介して後方散乱させる場合に、BSTA及び参加デバイスが干渉をフィルタ除去する能力を有するかどうかを決定する必要があり得る。いくつかの実装形態では、APは、例えば、デバイス能力に基づいて、通常のトラフィックを介した日和見的ピギーバック送信ではなく、専用INT_SIG(図中のCW)が必要とされるかどうかを決定し得る。
【0162】
例えば、
図7では、DIFS及びバックオフを実施した後、APは、DLが伝送されることになるSTAを示すためにマルチユーザRTSB(Multi-user RTSB、MU-RTSB)を伝送する。STAは、MU-CTS、MU-CTSA、又はMU-CTSB(図示せず)を送信することによって受諾を示す。APは、OFDMA及び/又はMIMOパラダイムを使用して、STAへの高効率マルチユーザ送信をスケジュールする。送信は、動作帯域幅をカバーする様々なSTAのための1つ以上のリソースユニット(RU)上で発生する。送信は、
図7に示されるように、エネルギーを収穫するためにBSTAによって日和見的に使用される。
【0163】
いくつかの実装形態では、BSTAは、例えば、測定された信号強度に基づいて、それ自体の送信を後方散乱させるために、チャネル上のUL送信を日和見的に利用する。例えば、いくつかの実装形態では、BSTAは、DLアシスト後方散乱機会及びULアシスト後方散乱機会の利用可能性を示すBIDメッセージを受信し、対応する構成(例えば、測定フィルタリング規則を任意選択で含む構成)を含み、DL受信信号強度を(例えば、受信BIDメッセージ、DLフレーム内のプリアンブル、及び/又は専用基準信号に基づいて)測定し、測定されたDL受信信号にフィルタリング規則を適用し、受信信号強度が第1の閾値を下回ると判定し、トリガフレーム及び/又は対応するBIDメッセージをサービングAPから受信して、日和見的ULアシスト後方散乱に適格なRU及び対応する複数の共通若しくはSTA固有の測定閾値(例えば、より低い第2の閾値及び/又はより高い第3の閾値を含むを判定し、第2の閾値と第3の閾値との間の1つ以上のサブ閾値を(例えば、所望のQoS要件に基づいて)判定し、ULフレームの第1の部分中に適格なRU上のサブ帯域及び広帯域受信信号強度を測定し、あるいは代替的に、同じSTAによって送信された前のULフレーム又は複数の前のULフレーム中に適格なRU上のサブ帯域及び広帯域受信信号強度を測定し、所望のQoS要件に基づいて、より低い第2の閾値~より高い第3の閾値内の2つの連続するサブ閾値の間に入る測定信号強度を有する1つ以上のRUを選択し、後方散乱技術を使用して、選択された1つ又は複数のRUを送信及び/又は反射する。いくつかの実装形態では、例示的なBTSAは、これらのアクションを実施するように構成及び/又はプログラムされた回路を含む。ここでの後方散乱はUL送信に基づくので、APにおいて受信された後方散乱信号が妥当な強度であることを保証するために、いくつかの実装形態では、BSTAは、より低い第2の閾値を上回る測定された信号強度を有するRU(例えば、及び対応する送信STA)を選択する。いくつかの実装形態では、BSTA間の衝突を低減するために、BSTAは、RU選択を、より高い第3の閾値を下回る受信信号強度を満たすものに限定することができる。
【0164】
送信はOFDMAであるため、特定のトーンは、他のトーンよりも高い電力で送信される。したがって、いくつかの実装形態では、APは、どのRUがMU-RTSBにおける適切なBSTAのためのエネルギー収穫に最適であるかを、(例えば、トリガフレーム又はスケジューリングフレーム中で)BSTAに示し得る。収穫の必要性に応じて、いくつかの実装形態では、BSTAは、他のSTA向けの情報及び電力搬送RUからエネルギーを収穫し得る。
【0165】
いくつかの実装形態では、APは、UL上での送信のスケジュール及び関連するSTA識別情報とともにトリガフレームを伝送する。いくつかの実装形態では、スケジュールはまた、UL上のランダムアクセス機会も可能にし得る。STAからのUL送信はエネルギーを搬送するものであり、BSTAは、それらを使用してエネルギー収穫を実施することができる。
【0166】
いくつかの実装形態では、APは、帯域内全二重通信を採用することによって、DL送信と後方散乱UL送信とを同時に可能にする。
【0167】
いくつかの実装形態では、BSTAは、DLアシスト後方散乱機会及びULアシスト後方散乱機会の利用可能性を示すBIDメッセージと、DLアシスト後方散乱の第1の閾値、第1の閾値を含む構成、又はより低い第1の閾値と、より低い第1の閾値を上回る1つ以上の追加の閾値と、追加の閾値ごとの関連するQoSとを含む構成とを受信し、(例えば、所望のQoS要件に基づいて)第1の閾値以上の第2の閾値を決定し、(例えば、受信されたBIDメッセージ、DLフレーム中のプリアンブル、及び/又は専用基準信号に基づいて)DL受信信号強度を測定し、受信信号強度がより低い第1の閾値を上回ると決定するか、若しくは所望のQoSに基づいて、受信信号強度がより低い第1の閾値を上回る追加の閾値を上回ると決定し、(例えば、受信されたBIDメッセージ及び/又はDLフレーム中のプリアンブルに基づいて、決定された適格なRUのセットから後方散乱のためにDLフレームの1つ以上のRUを選択し、後方散乱技法を使用して、選択された1つ又は複数のRUを送信及び/又は反射する、いくつかの実装形態では、例示的なBTSAは、これらのアクションを実施するように構成及び/又はプログラムされた回路を含む。いくつかの実装形態では、APは、自己干渉除去を介して受信されたRUに対して帯域内受信動作を実施する。いくつかの実装形態では、構成は、BSTAがDLアシスト後方散乱を考慮すべきかULアシスト後方散乱を考慮すべきかを決定するためにBSTAによって使用される第1の閾値を含み得る。より低い第1の閾値及びより大きい第2の閾値は、それらの必要とされるQoSに基づくRUの選択中にBSTA間の競合を制限するために使用され得る。
【0168】
前述の例において、いくつかの実装形態では、DL信号及び/又はUL信号のいずれも、APによってサービスされるSTAへの、及び/又はSTAからの進行中のアクティブ送信であり得、例えば、既存の送信に加えてそれらの情報を変調するために(例えば、他のSTAに現在割り当てられている既存のキャリア及び/又はRU上でそれらの情報ビットを変調するために)BSTAによって日和見的に利用される。いくつかの実装形態では、例えば、代替的に、DL信号及び/又はUL信号のいずれも、専用電力最適化信号送信(例えば、APから直接伝送されるか、又は関連するSTAと協調してAPによって要求される正弦波送信)であり得る。
【0169】
図8は、例えばBSTAによる例示的な後方散乱を示すフロー
図800である。
【0170】
ステップ802において、BSTAは、DL及び/又はULアシスト後方散乱機会を示すBIDメッセージを受信し、対応する構成を示し得る。いくつかの実装形態では、構成は、信号強度閾値、後方散乱送信に適格なRU、及び/又はUL信号測定構成を示し得る。いくつかの実装形態では、構成は、BSTAがDLアシスト後方散乱を考慮すべきかULアシスト後方散乱を考慮すべきかを決定するためにBSTAによって使用される第1の閾値を含む。より低い第1の閾値(例えば、第2の閾値)及びより高い第2の閾値(例えば、第3の閾値)は、本明細書で更に考察されるように、それらの必要とされるQoSに基づくRUの選択中にBSTA間の競合を制限するために使用され得る。
【0171】
ステップ804において、BSTAは、後方散乱のために潜在的に使用され得るDL信号の受信信号強度を測定する。いくつかの実装形態では、DL受信信号強度は、受信されたBIDメッセージ、DLフレーム中のプリアンブル、又は専用基準信号に基づいて決定される。
【0172】
DL受信信号強度が閾値(例えば、後方散乱送信のためのサービス品質(QoS)要件に関連付けられた閾値)を超えているという条件806で、BSTAは、ステップ808において、後方散乱のためにDLフレームの1つ以上のリソースユニット(RU)を選択する。いくつかの実装形態では、RUは、適格なRUのセットから選択される。いくつかの実装形態では、BSTAは、BIDメッセージ、DLフレーム中のプリアンブルに基づいて、又は任意の他の好適な方法で、適格なRUのセットを決定する。
【0173】
ステップ810において、BSTAは、信号を後方散乱させるために、選択されたRU上のDL信号を変調する。
【0174】
DL受信信号強度が閾値を超えていないという条件806で、BSTAは、ステップ812においてトリガフレーム又は更なるBIDメッセージを受信するのを待機する。
【0175】
ステップ814において、BSTAは、後方散乱のためのULフレームの1つ以上の適格なRUを決定する。いくつかの実装形態では、RUは、適格なRUのセットから選択される。いくつかの実装形態では、BSTAは、トリガフレーム若しくはBIDメッセージに基づいて、又は任意の他の好適な様式で、適格なRUのセットを決定する。
【0176】
ステップ816において、BSTAは、適格なRU上の他のSTAからのUL送信の受信信号強度を測定する。いくつかの実装形態では、BSTAは、ULフレームの第1の部分の間にUL送信の受信信号強度を測定するか、又は測定を、同じSTAからの前のULフレームの以前の測定に基づかせる。
【0177】
ステップ818において、BSTAは、例えば、測定された受信信号強度に基づいて、ULフレームの適格なRUのうちの1つ以上を選択する。
【0178】
UL受信信号強度が閾値(例えば、後方散乱送信のためのサービス品質(QoS)要件に関連する閾値)を超えているという条件820で、BSTAは、信号を後方散乱させるために、選択されたRU上のUL信号を変調する。閾値を超えていない場合、フローはステップ802に戻る。いくつかの実装形態では、この条件は、(例えば、STAがUL送信のソースの場所を知らないので)第2の閾値と第3の閾値との間に入るべきUL信号強度を評価する。
【0179】
フロー
図800は、DL受信信号がQoS要件に基づいて第1の閾値を上回る又は下回るBSTAの動作を示しいくつかの実装形態では、現在の送信間隔中に基準を満たす適格なRUがない場合、BSTAは、後方散乱機会が生じ得る将来の機会にフォールバックする。
【0180】
MU-RTSBは、特定のRU上のSTAに対するDLのスケジュールを示し、INT_SIGである特定のRUをBSTAに示す。特定のRU上でのSTAへのDL送信は干渉されない。特定のRU(CWとして示される)上の問い合わせ信号INT_SIGは、APに後方散乱させるためにBSTAによって使用される。APは、これらの特定のRU上で帯域内受信を実施する。APは、BSTA専用の電力最適化波形(POW)を送信する。
【0181】
いくつかの実装形態は、以下の概念のうちの1つ以上を含む。いくつかの実装形態は、後方散乱要件を示すための1つ以上の時間周波数リソースへのインデックスである、トリガフレームと、トリガフレーム内の競合機会信号とを受信するデバイスを含む。いくつかの実装形態は、競合ベースの後方散乱要求を送信するために時間周波数リソース(例えば、RU)を一様にランダムに選択するデバイスを含む。いくつかの実装形態は、デバイスが、トリガフレームに続く現在のフレーム上で、選択された時間周波数リソース上でそのニーモニックと連結された送信要求を送信することを含む。いくつかの実装形態は、時間周波数リソース上で問い合わせ信号を提供するAP、又は示された競合ベースの時間周波数リソース上で周囲ソース(例えば、APからDL上で受信する他のSTA)を確保するAPを含む。いくつかの実装形態は、APが、DL送信を有する非後方散乱デバイスの識別情報を決定し、それらの機会及びリソース要件を後方散乱デバイスから受信された送信要件と照合することを含む。いくつかの実装形態は、後続のトリガフレームと、リソースマッピングに対するニーモニックと、真に設定された後方散乱フラグとを受信するデバイスを含む。いくつかの実装形態は、ニーモニックにマッピングされた特定のRU上のトリガフレームに続く現在のフレーム上で後方散乱させる後方散乱デバイスを含む。いくつかの実装形態は、後方散乱デバイスが、ヘッダ中の共通フィールドにおいて、1つ以上のエネルギー搬送周波数リソースへのインデックス(又は複数のインデックス)と、タイムスケジュールとを受信することを含む。いくつかの実装形態では、タイムスケジュールは、開始時間オフセット及び/又は持続時間を示す。いくつかの実装形態は、後方散乱デバイスが、そのニーモニックとともに802.11ヘッダのユーザ固有フィールドにおいて、エネルギー搬送リソースへのインデックスとタイムスケジュールとを受信することを含む。開始時間オフセット及び持続時間を含むスケジュール。
【0182】
いくつかの実装形態は、OFDMAネットワークにおける後方散乱を含む。CDMAベースの波形を使用する802.11フレームワークでは、使用される異なるコードワードタイプの数が非常に少なく、その知識がCDMA入射波形を後方散乱させるときに利用され得るので、後方散乱させることがより容易であり得る。しかしながら、ほとんどの展開された802.11ネットワークはOFDM波形を使用し、多くの情報が未知であるので、OFDMなどの変調された波形を後方散乱させることは困難である。それにもかかわらず、OFDMフレームワークにおいて後方散乱を可能にすることが可能である。
【0183】
図9は、後方散乱の異なる態様を示す2つの例示的なシステムを示すシステム図である。最上位のシステムは、BSTAであるa、b、c、d、並びにAPであるAP1及びAP2を含む。この例では、BSTAbは、AP1への送信のためのビットストリーム10101を有する。AP1は(例えば、本明細書で説明する技法を使用して)、BSTAbがUL上で送信する必要があるときのスケジュールを決定し、固定されたより小さいペイロードサイズ及び関連するCRCを有するアグリゲートされたMAC PDU(A-MPDU)を形成することによって、参加している協調AP(AP2)にDLデータ(A-MPDU)を送信する。AP2は、ブロックACK11111をAP1に送信する。いくつかの実装形態では、この手法は、低レートの信頼できる後方散乱に適している。いくつかの実装形態では、AP1によるDLデータ(A-MPDU)の送信中に、BSTAbは、後方散乱を使用して、AP2によって受信された送信と建設的又は破壊的に干渉する(すなわち、AP1に配信する必要がある情報ブロックに基づく)。それに続いて、AP2からAP1によって受信されたブロックACKは、(例えば、チャネルが既に一部のMPDUを破損していない限り)BSTAbからの情報ブロックを効果的に搬送すべきである。
【0184】
最下位のシステムは、BSTAであるw、x、y、z、並びにAPであるAP1及びAP2を含む。この例では、BSTAxは、AP3への送信のためのビットストリーム10101を有する。ビットストリームを後方散乱させるために、BSTAxは、A-MPDU中の各MPDUの持続時間に比例して、AP3からAP4へのDLデータ中で干渉を引き起こすか、又は干渉を引き起こすことを回避する。この例では、チャネルは、BSTAxが1を信号伝達する必要がある時間の間に十分に変更され、チャネルは、BSTAが0を信号伝達する必要がある時間の間に変更されないままである。ジグザグ線は、チャネルが破損されないままであるときの(例えば、1つのMPDU持続時間の)これらの期間を表し、(例えば、1つのMPDU持続時間の)黒いジグザグ線の間のスペースは、BSTAがチャネルを破損するときを示す。チャネルへの断続的な干渉は、BSTAがAP3に送信しようとする情報ペイロード10101を搬送する。この例では、AP4は、DL A-MPDUを復調し、第1、第3、及び第5のMPDUについてCRC合格を見つけ、第2及び第4のMPDUについてCRC不合格を見つける。AP4は、ブロックACKをAP1に伝送し(10101を示す)、AP1はこれをBSTAbからの後方散乱データとして解釈する。
【0185】
この例では、例えば、ネットワーク内に存在し得る多数のレガシーSTAを、それらを修正する必要なく利用して、バイスタティックな後方散乱が有効化される。いくつかの実装形態では、後方散乱データ自体は、例えば、STAの検出の失敗が意図的な干渉によるものであり、劣化したチャネル状態によるものではないことを保証するために、FCS又はCRCフィールドを含み得る。いくつかの実装形態では、これは、実際には、BSTAがレガシーSTAに十分に近く、著しい破壊的干渉を引き起こす場合にのみ適用可能である。いくつかの実装形態では、このことが実用的である展開シナリオが存在する。
【0186】
いくつかの実装形態では、BSTAは、専用後方散乱機会を示す自己宛CTSメッセージを検出し、受信信号強度が第1の閾値を下回ると判定することと、近隣STAのUL送信を監視し、かつ第2の閾値を上回る第1のSTAからの受信信号強度を検出することと、主トランシーバを利用して、バイスタティック送信を要求するRTSBを第1のSTAに伝送することと、確認及びバイスタティック後方散乱機会構成(例えば、第1のSTAにアドレス指定されたA-MPDU内のMPDUの数に関する情報を含む)を受信することと、A-MPDU内で利用可能なMPDUの数と、単数又は複数のいずれかである後方散乱機会の数とに基づいて、送信のために利用可能な(例えば、オーバーヘッドビットを含む)情報ビットの総数を決定することと、第1のSTAに送信されるA-MPDU内の特定のMPDUへの相殺的干渉及び/又は残りのMPDUへの建設的干渉を引き起こすことによってDL信号を変調するためにバイスタティック後方散乱機会構成を利用することであって、MPDUの受信における各成功又は失敗は、BSTAからのACKであれば後方散乱ビット-1に対応し、NACKであれば後方散乱ビット-0に対応する、利用することと、を行う。いくつかの実装形態では、例示的なBTSAは、これらのアクションを実施するように構成及び/又はプログラムされた回路を含む。
【0187】
図9の例は、任意のSTAに宛てられたDLデータがない時間インスタンスにおいて協調APに送信するAPを示す。しかしながら、
図9では、協調AP(例えば、AP2又はAP4)は、STAを表すこともできる。STAに偶然一致するデータがある例示的な場合、いくつかの実装形態では、AP3はSTAに送信することができ、BSTAは上記と同じ手順を実施する。この場合、いくつかの実装形態では、STAは、A-MPDU内の2つのMPDUについてのCRC失敗を示すブロックACKを伝送し、いくつかの実装形態では、AP3は、その情報をSTAに再送信する。いくつかの実装形態では、この使用事例は、送信レートが非常に低く、後方散乱の必要性の頻度が非常に低いBSTAをカバーすることに留意されたい。そのような場合、いくつかの実装形態では、後方散乱を可能にするためにチャネルへの干渉を意図的に引き起こすことにより、再送信レートの極めて最小限の増加をもたらし、オーバーヘッドとして無視できる。いくつかの実装形態では、この手法は、最小限のデータレート要件を有する(BSTAである)IOTセンサをサポートするために、いくつかのSTAと少数の協調APとを有するシステムをサポートするのに十分であることが示され得る。いくつかの実装形態では、結果として生じるアグリゲートシステム容量は著しく低減されず、APによってサポートされるSTA数も著しく増加する。
【0188】
図10は、逆推定を介してDLチャネル状態を決定するように構成された例示的なシステム1000を示す。
図10の例では、低電力BSTA1004は、電子回路を動作させるためにエネルギー収穫を使用する。ここで、BSTA1004はエネルギー収穫を実施し、AP1006はBSTA1004の収穫レートを決定する。これを容易にするために、この例では、AP1006は、(例えば、潜在的に意図的な)歪み1010の存在下でBSTA1004からの後方散乱アップリンク1008を測定する。いくつかの実装形態では、ダウンリンク問い合わせ信号1012は、後方散乱アップリンク1008よりも著しく大きい電力でBSTA1004によって受信される。いくつかの実装形態では、AP上の受信機1014がダウンリンク入射波形を推定することができる場合、受信機1014は制御フィードバックループ1016を実装し、送信時に補償するようにAPの送信機1018に示すことができる。
【0189】
図11は、チャネル障害の例示的な送信側補償を示す線グラフ1100である。例えば、
図11では、APからの送信信号1102は、いくつかのトーンの振幅として描かれている。信号1104は、ゼロエネルギー(ZE)デバイス(図中のZE)とも呼ばれるBSTAにおける実際の入射信号を示す。周波数選択性障害を示すことが目的である場合、入射INT_SIGは、等しくない電力レベルで受信されることに留意されたい。これが後方散乱のための入力信号である場合、実際の後方散乱信号1106は更に劣化し、これが通信の信頼性を低下させる。APがBSTA/ZEデバイスにおける入射信号を推定することができる場合、APは、送信を事前補償して、BSTAにおける入射波形をより高い品質に到達させることができる。補償された送信信号1108は、例えば、チャネルを逆推定する能力に基づいて、APが送信波形を事前補償した結果を示す。ZEにおける補償された入射信号1110は、補償された送信が発生した場合のチャネル障害に続く実際の入射信号を示す。いくつかの実装形態では、
図11に示される手法は、非LOSチャネル上に存在し得るマルチパス、歪みを補償することによって、各ZEにおける入射波形を可能にする。いくつかの実装形態では、チャネル中の障害を推定することによって位相及び振幅を変更するために、APにおいて制御ループが必要とされる。いくつかの実装形態では、APは、エネルギー収穫ターゲットを変更すること、及び/又は送信された波形を変更することによって、変動するチャネル利得を補償する。代替的に、APがチャネル障害を推定することができる場合、APは、最良の波形を表すチャネルに適切な所定のかつ/又は記憶された波形を使用する。いくつかの実装形態では、APは、具体的に推定されたチャネルに対して履歴的に最良に実施された特定の波形を使用する。いくつかの実装形態では、記憶された波形及び/又は所定の波形は、チャネルが十分に逆推定されることができる場合、最良の波形を表すAPによって使用される。
【0190】
図12は、チャネル推定のためにAP1202において実装される例示的な制御ループ1200を示す。AP1202は、コントローラ1210及びフィルタ1212を含む。コントローラ1210は、無線チャネル1204を介して送信される波形を選択して、後方散乱器1206に電力を供給する。基準ベクトル1214は、収穫されたエネルギーの推定値と、後方散乱器1204によって後方散乱ベクトルに符号化された基準Ref(y)1232との比較のために入力される。
【0191】
無線チャネル1204は、ダウンリンク利得行列1220及びアップリンク利得行列1222、ノイズ1224、並びに歪み1226によって示されるフェージングの影響を組み込む。
【0192】
後方散乱器1206には、受信信号yのエネルギーを蓄積及び/又は収穫するInc(y)1230と、アクセスポイントが逆方向チャネル推定を実施するのを助けるために受信信号yの上の後方散乱ベクトルに変調された基準信号であるRef(y)1232とを含む。
【0193】
いくつかの実装形態では、例えば、APの近くに他のデバイスが存在することに起因して、無線チャネル1204上で生じ得る変化する伝搬状態及び歪みに適応するために、APにおいて補償が実施される。いくつかの実装形態では、ZE後方散乱器1206における受信波形は、例えば
図12に示されるように、減衰された制御ベクトルと歪みとの線形結合としてモデル化することができる。いくつかの実装形態では、これにより、APがいくつかの決定を行うことが可能となる。例えば、APは、一定の等幅サブキャリアに分割されたものとして、かつ/又は可変幅サブキャリアとして、RFスペクトルを使用することを決定し得る。いくつかの実装形態では、
図12に示される利得行列は、例えば、無線チャネル1204がメモリレスであり線形であるので、疎であり得る。いくつかの実装形態では、数学的に、この理由により、非対角要素(トーン間のクロス乗積)は0値である。
【0194】
図13は、BSTA1306を含む、チャネル1304のマルチキャリア、マルチSTA推定のための例示的な制御ループ1300を示す。
【0195】
AP1302は、コントローラ1310及びフィルタ1312を含む。コントローラ1310は、無線チャネル1304を介して送信される波形を選択して、後方散乱器1306に電力を供給する。基準ベクトル1314は、収穫されたエネルギーの推定値と、後方散乱器1304によって後方散乱ベクトルに符号化された基準Ref(y)1332との比較のために入力される。
【0196】
無線チャネル1304は、ダウンリンク利得行列1320及びアップリンク利得行列1322、ノイズ1324、並びに歪み1326によって示されるフェージングの影響を組み込む。
【0197】
後方散乱器1306には、受信信号y1、y2、及びykのエネルギーを蓄積及び/又は収穫するInc(y)1330と、アクセスポイントが逆方向チャネル推定を実施するのを助けるために受信信号yの上の後方散乱ベクトルに変調された基準信号であるRef(y)1332とを含む。
【0198】
いくつかの実装形態では、制御ループ1300は、AP1302が、BSTAごとに1つずつ、K個のサブキャリアから結合解除されるように制御ループをモデル化することを可能にする。いくつかの実装形態では、波形閉ループ追跡システムは、サブキャリア追跡から結合解除される。いくつかの実装形態では、サブキャリアは、電力収穫回路を介してBSTAの受信機レベルで結合される。
図13は、複数のBSTAが逆方向チャネル推定され得る例示的なマルチキャリア拡張を示す。このように、いくつかの実装形態では、フレームワークが確立され、それによって、AP1302は、将来の時間に使用することができる、波形又はパターン及び関連する推定チャネルをカタログ化することができる。いくつかの実装形態では、AP1302は、BSTA1306における収穫レート推定に基づいて、エネルギー収穫が必要かどうかを決定する。いくつかの実装形態では、AP1302は、後方散乱されたチャネル及び伝搬状態を逆推定することによって、BSTA1306のエネルギー収穫レートを(例えば、BSTAからのフィードバックなしに自律的に)推定する。いくつかの実装形態では、AP1302は、後方散乱チャネル中の障害を推定することによってキャリア又はサブキャリアの位相及び振幅を変更するための制御ループを実装する。いくつかの実装形態では、AP1302は、エネルギー収穫ターゲットを変更することによって、変動するチャネル利得を適応的に補償する。いくつかの実装形態では、AP1302は、推定されたチャネルに適切な波形をカタログ化し、BSTAにおける最良の入射波形を表す現在推定されたチャネルに適切な所定の又はカタログ化された波形のセットを使用する。いくつかの実装形態では、AP1302は、制御ベクトルを使用して、一定の等幅サブキャリア及び/又は可変幅サブキャリアに分割されたRFスペクトルを決定して、エネルギー収穫レートを最大化する。
【0199】
図14は、APによるBSTAの例示的なバッファ推定を示す。
図14は、個別にアドレス指定されるBSR要求の数を制限するためにマスクがどのように使用され得るかの例を示す。例えば、マスク(0011)を適用することは、(単一の)BSR要求が、(1111、0111、1011、0011)を含むブランチ(##11)の下で定義されたニーモニックを有する全てのBSTAにアドレス指定されることを示す。代替的に、マスク(0111)が適用される場合、(単一の)BSR要求は、(1111、0111)を含むブランチ(#111)の下で定義されたニーモニックを有するBSTAのみにアドレス指定される。
【0200】
いくつかの実装形態では、例えば、本明細書で説明されるように、APは、後方散乱送信のためのチャネルをいつ制御するかを決定する。いくつかの実装形態では、APは、DCFを実行し、自己宛CTSを送信し、BSTAアクティビティのための持続時間の間、媒体を予約することによってそれを実施する。いくつかの実装形態では、APは、それらの場合、媒体を保護する必要性が存在するかどうかを決定する。いくつかの実装形態では、APは、BSTAを周期的にポーリングし、それらにバッファ状態報告を送信するように要求する。いくつかの実装形態では、各BSTAにBSRを伝送することはオーバーヘッドであり、いくつかのBSTAは、送信するものを有さず、それらのバッファ中に0バイトを有し得る。
【0201】
これを最小限に抑えるために、いくつかの実装形態では、APは、BSTAをいくつかの均一なセットにグループ化し、各セットにおいて、BSTAからのUL送信のための組み合わされた要件はほぼ等しい。いくつかの実装形態では、これは、履歴アクティビティから、又はデバイス能力に基づいて推定される。言い換えれば、いくつかの実装形態では、APは、グループが他と比較してより多くの後方散乱の必要性でAPを圧倒しないように、均一なグループを促進する。
【0202】
これを可能にするために、いくつかの実装形態では、APは、前のセクションで詳述したようにニーモニックを割り当てる。いくつかの実装形態では、所定数のビットが一意の識別番号として使用される。いくつかの実装形態では、第2の所定数のビットが、プロービングのためにAPによって使用されるランダム値のために使用される。いくつかの実装形態では、APは、ランダム値の指定されたグループ内のランダム値を有する各BSTAに応答するように要求するコマンドを送信する。
【0203】
いくつかの実装形態では、例えば、
図14に示されるように、APは、Arbit_Valと呼ばれることがある調停値、例えばマスクを送信し、BSTAは、ビット単位の論理演算を実施して、応答する必要性を決定する。例えば、いくつかの実装形態では、式(ニーモニック&Arbit_Val)>0が「0」(偽)と評価される場合、調停がBSTAに関与しないので、BSTAは応答しない。いくつかの実装形態では、デバイスのN%超が同時に媒体にアクセスする必要がないように、APが調停値と以前に割り当てられたニーモニックとを決定することができることに留意されたい。いくつかの実装形態では、式が0より大きいと評価され、BSTAがバッファ内にデータを有する場合、BSTAはバッファ状態を送信する。いくつかの実装形態では、上記の式が0より大きいと評価されるが、BSTAがバッファ内にデータを有しない場合、BSTAはバッファ状態を送信しない。いくつかの実装形態では、構造化された様式でこれを実施することによって、毎回Arbit_Valマスク中のビット数が1だけ増加され、最終的に、決定間隔にわたる全てのBSTAのBSRが、衝突なしで既知となる。いくつかの実装形態では、APは、一意の識別番号を決定するためにツリー探索及びアロハ技法を採用するように構成することができる。
【0204】
いくつかの実装形態は、エンベロープ内で許可される時間及びアクセスサブタイプの後方散乱ウィンドウを受信するデバイスを含み、ここで、エンベロープは特定の周期性を維持する。いくつかの実装形態は、時間周波数リソースのセット上で入射信号を後方散乱させることによって競合ベースのアクセス要求を実施するデバイスを含む。いくつかの実装形態は、デバイスが、将来の後方散乱機会のためにアップリンクデータ送信を延期する肯定応答を受信することを含む。いくつかの実装形態は、永久的な識別情報(例えば、MACアドレス)によってアドレス指定される代わりに、将来の機会にローカルに一意のニーモニック(識別情報)によってアドレス指定されるデバイスを含み、ニーモニックは短縮された識別情報である。いくつかの実装形態は、指定された持続時間の間、後方散乱の機会が存在することを示す、信号とそのニーモニックを有する持続時間制限とをインフラストラクチャノードから受信するデバイスを含む。いくつかの実装形態は、時間周波数リソースのセット上で入射信号を後方散乱させることによって無競合アクセスを実施するデバイスを含む。いくつかの実装形態は、測定マスクを受信し、そのニーモニックに測定マスクを適用して、報告がインフラストラクチャノードに伝送される必要があるかどうかを決定するデバイスを含み、いくつかの実装形態では、デバイスは、バッファ保留状態に基づいて、代わりに品質測定値を伝送すべきかどうかを決定する。いくつかの実装形態は、エネルギー収穫を容易にするために、特定の持続時間にわたってエネルギー搬送キャリアを受信するデバイスを含む。
【0205】
特徴及び要素は、特定の組み合わせにおいて上で説明されているが、当業者は、各特徴又は要素が単独で又は他の特徴及び要素との任意の組み合わせで使用され得ることを理解されよう。加えて、本明細書に説明される方法は、コンピュータ又はプロセッサによる実行のためにコンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア又はファームウェアに実装され得る。コンピュータ可読媒体の例には、電子信号(有線又は無線接続を介して送信される)及びコンピュータ可読記憶媒体が含まれる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内部ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気媒体、磁気光学媒体及びCD-ROMディスク及びデジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)などの光学媒体が挙げられるが、これらに限定されない。ソフトウェアと関連付けられたプロセッサを使用して、WTRU、UE、端末、基地局、RNC又は任意のホストコンピュータにおいて使用するための無線周波数トランシーバを実装し得る。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ステーション(STA)において実装される方法であって、
後方散乱機会及びダウンリンク(DL)信号強度閾値を示す後方散乱指示(BID)メッセージを受信することと、
前記BIDメッセージ中に示されたリソースユニット(RU)上で受信されたDL送信の信号強度が前記DL信号強度閾値を超えていることに基づいて、後方散乱送信を生成するために、前記DL送信を後方散乱させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記DL送信の前記後方散乱が、前記DL信号の持続時間が前記後方散乱送信に関連付けられたペイロード送信要件を超えていることに基づいて起こる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記DL送信の強度が前記DL信号強度閾値を超えていないことに基づいて、別の後方散乱送信を生成するために、前記BIDメッセージ中に示されたリソースユニット上で受信された別のSTAからのアップリンク(UL)送信を後方散乱させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記UL送信を前記後方散乱させることが、前記UL送信の信号強度がUL信号強度閾値を超えていることと、前記UL送信の持続時間が他の後方散乱送信に関連付けられたペイロード送信要件を超えていることと、に基づいて起こる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記BIDメッセージ、DLフレーム中のプリアンブル、又は専用基準信号に基づいて、前記DL送信の信号強度を測定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記DL信号強度閾値及び前記UL信号強度閾値が同じ閾値である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記BIDメッセージが管理メッセージを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記BIDメッセージが肯定応答メッセージを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記DL信号強度閾値がサービス品質(QoS)に関連付けられている、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記後方散乱送信が、前記DL送信の信号強度が前記DL信号強度閾値を超えていることと、前記DL送信がペイロード送信要件を超えていることと、に基づいて生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
無線ステーション(STA)であって、
後方散乱機会及びダウンリンク(DL)信号強度閾値を示す後方散乱指示(BID)メッセージを受信するように構成された受信機と、
前記BIDメッセージ中に示されたリソースユニット(RU)上で受信されたDL送信の信号強度が前記DL信号強度閾値を超えていることに基づいて、後方散乱送信を生成するために、前記DL送信を後方散乱させるように構成された送信機と、を備える、STA。
【請求項12】
前記送信機が、前記DL信号の持続時間が前記後方散乱送信に関連付けられたペイロード送信要件を超えていることに基づいて、前記DL送信を後方散乱させるように更に構成されている、請求項11に記載のSTA。
【請求項13】
前記送信機が、前記DL送信の強度が前記DL信号強度閾値を超えていないことに基づいて、別の後方散乱送信を生成するために、前記BIDメッセージ中に示されたリソースユニット上で受信された別のSTAからのアップリンク(UL)送信を後方散乱させるように更に構成されている、請求項11に記載のSTA。
【請求項14】
前記送信機が、前記UL送信の信号強度がUL信号強度閾値を超えていることと、前記UL送信の持続時間が他の後方散乱送信に関連付けられたペイロード送信要件を超えていることと、に基づいて、前記UL送信を後方散乱させるように更に構成されている、請求項13に記載のSTA。
【請求項15】
前記受信機が、前記BIDメッセージ、DLフレーム中のプリアンブル、又は専用基準信号に基づいて、前記DL送信の信号強度を測定するように更に構成されている、請求項11に記載のSTA。
【請求項16】
前記DL信号強度閾値及び前記UL信号強度閾値が、同じ閾値である、請求項14に記載のSTA。
【請求項17】
前記BIDメッセージが、管理メッセージ又は肯定応答メッセージを含む、請求項11に記載のSTA。
【請求項18】
前記DL信号強度閾値がサービス品質(QoS)に関連付けられている、請求項11に記載のSTA。
【請求項19】
前記送信機が、前記DL送信の信号強度が前記DL信号強度閾値を超えていることと、前記DL送信がペイロード送信要件を超えていることと、に基づいて、前記後方散乱送信を生成するように更に構成されている、請求項11に記載のSTA。
【請求項20】
無線ステーション(STA)において実装される方法であって、
後方散乱機会及びダウンリンク(DL)信号強度閾値を示す後方散乱指示(BID)メッセージを受信することと、
DL送信の信号強度に基づいて、後方散乱送信を生成するために、前記BIDメッセージ中に示されたリソースユニット(RU)上で受信された送信を後方散乱させることと、を含み、
前記DL送信の前記信号強度が前記DL信号強度閾値を超えている場合、前記送信が、受信されたDL信号に基づいて後方散乱され、
前記DL送信の前記信号強度が前記DL信号強度閾値を超えていない場合、前記送信が、受信されたアップリンク(UL)信号に基づいて後方散乱される、方法。
【国際調査報告】