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  • 特表-加熱式ヘアブラシ 図1
  • 特表-加熱式ヘアブラシ 図2
  • 特表-加熱式ヘアブラシ 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】加熱式ヘアブラシ
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/48 20060101AFI20240206BHJP
   A46B 11/08 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
A45D20/48
A46B11/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548227
(86)(22)【出願日】2022-02-10
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 EP2022053193
(87)【国際公開番号】W WO2022171714
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】21156459.6
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】レリーフェルト マーク ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ネイダム アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
3B040
3B202
【Fターム(参考)】
3B040DF02
3B040DF08
3B202AA11
3B202BA15
3B202GA01
(57)【要約】
加熱式ヘアブラシBは、加熱式突起HPと、非加熱式突起NHPと、加熱式突起HPの温度を制御する制御ユニットCと、加熱式突起HPの位置に対する非加熱式突起NHPの位置を制御するメカニズムFC、SCとを含む。第1のモードIでは、非加熱式突起NHPは加熱式突起HPを超えて延在し、加熱式突起HPの温度は100℃を超え、第2のモードでは、非加熱式突起NHPは加熱式突起HPを超えて延在せず、加熱式突起HPの温度は50℃を超えない。加熱式突起HPは第1の担体FCに接続され、非加熱式突起NHPは第2の担体SCに接続される。一実施形態では、第1の担体と第2の担体との間の距離dは変更可能であり、第1のモードIでは、距離dは第2のモードIIにおけるよりも小さい。別の実施形態では、第2の担体SCは第1の担体FCに対して横方向に移動可能であり、これにより、第1のモードIでは、非加熱式突起NHPは加熱式突起HPと平行であり、これにより、非加熱式突起NHPは加熱式突起HPを超えて延在し、第2のモードIIでは、非加熱式突起NHPは加熱式突起HPに対して傾斜しており、これにより、非加熱式突起NHPは加熱式突起HPを超えて延在しない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱式突起と、
非加熱式突起と、
前記加熱式突起の温度を制御する制御ユニットと、
を含む、加熱式ヘアブラシにおいて、
前記加熱式ヘアブラシは、前記加熱式突起の位置に対する前記非加熱式突起の位置を制御するメカニズムを含み、
第1のモードでは、前記非加熱式突起は前記加熱式突起を超えて延在し、前記加熱式突起の温度は100℃を超え、
第2のモードでは、前記非加熱式突起は前記加熱式突起を超えて延在せず、前記加熱式突起の温度は50℃を超えないことを特徴とする、加熱式ヘアブラシ。
【請求項2】
前記加熱式突起は、第1の担体に接続され、
前記非加熱式突起は、第2の担体に接続され、
前記第1の担体と前記第2の担体との間の距離は変更可能であり、前記第1のモードでは、前記距離は前記第2のモードにおけるよりも小さい、請求項1に記載の加熱式ヘアブラシ。
【請求項3】
前記加熱式突起は、第1の担体に接続され、
前記非加熱式突起は、第2の担体に接続され、前記第2の担体は前記第1の担体に対して横方向に移動可能であり、これにより、前記第1のモードでは、前記非加熱式突起は前記加熱式突起と平行であり、これにより、前記非加熱式突起は前記加熱式突起を超えて延在し、前記第2のモードでは、前記非加熱式突起は前記加熱式突起に対して傾斜しており、これにより、前記非加熱式突起は前記加熱式突起を超えて延在しない、請求項1に記載の加熱式ヘアブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱式ヘアブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
加熱式ヘアブラシの1つの例として、加熱式毛と、加熱式毛よりも長い非加熱式毛とを備えたPhilips社の加熱式矯正ブラシBHH880が挙げられる。このブラシには使用者の髪質に適した2つの温度設定(170℃と200℃)がある。
【0003】
米国特許出願第2017/112271A1号では、第1の毛セット(毛の少なくとも一部は加熱面を有する)と、加熱面を含まない第2の毛セットと、加熱部及び非加熱部の組み合わせである第3の毛セットと、これらの任意の組み合わせを含むスタイリングブラシが開示されている。模範的な実施形態では、第2の毛セットのうちの少なくとも1つ、及び/又は第3の毛セットの非加熱部のうちの少なくとも1つが、第1の毛セット又は第3の毛セットの加熱部のいずれかを超えて、半径方向外方に延在し、これにより、半径方向に最も外側の構成要素が非加熱接点を構成する。模範的な実施形態では、非加熱式の毛列は外側列として配置され、毛がブラシヘッドに対して移動できるようにブラシヘッドに結合されている。この移動は、回転、長手方向、又は半径方向であってもよい。加熱式の毛列は、毛とブラシヘッドとの相対移動が防止されるように配置される。
【0004】
Jung-Hwan Park、Jeon-Woo Lee、Yeu-Chum Kim、及びMark R. Prausnitzによる論文「The effect of heat on skin permeability」では、中程度の温度(≦100℃)への長時間暴露(>1秒)の影響が十分に特徴付けられているが、最近の研究では、より高温度(>100℃)へのより短時間暴露(<1秒)が皮膚透過性を劇的に向上させることが示唆されていることについて開示されている。この論文では、死体(ヒト及びブタ)から得られた皮膚のテストについて説明されている。
【0005】
T.Samuel Shomker、Jie Zhanag、及びMichael A.Ashburnによる論文「Assessing the Impact of Heat on the Systemic Delivery of Fentanyl Through the Transdermal Fentanyl Delivery System」では、フェンタニルパッチを通過する熱が皮膚温度を薬物吸収に効果的な範囲である41℃±1℃に上昇させる生きた人間に対する実験について説明されている(Jie Zhang,PhD、University of Utah Department of Anesthesia、未発表の結果、1998)。パッチは4時間発熱してから不活性になるように設計されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、特に、改良された加熱式ブラシを提供することを目的とする。本発明は、独立請求項によって規定される。有利な実施形態は、従属請求項に規定される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、頭皮に外用薬(topicals)を塗布すると頭皮及び髪の健康を高めるのに役立ち得るという認識に基づいている。本発明は、外用薬の塗布の有効性を高めるための実用的な解決策を提供することを目的としている。本発明の一態様は、ホットブラシ(例えば、フィリップス社のBHH880)に変更を加えて、頭皮の皮膚などの皮膚に外用薬が吸収されることをより効果的に確実にするために使用できる多機能デバイスを得ることを提案する。第1のモードでは、ホットブラシは従来のホットブラシのように機能するため、安全スペーサ(非加熱式突起)を使用して頭皮をホット要素(加熱式突起)から分離し、約170~200℃で髪をまっすぐにする。第2のモードでは、温度は約40℃~50℃と低くなり、安全スペーサが下げられて、ホット要素が直接頭皮に触れて皮膚を温め、外用薬の皮膚の透過性を向上させることができる。これは、例えば、温度を切り替えるスイッチと結合して機械的に行われる。40℃~50℃の温度では、スパのような快適な体験が得られるため、使用者はゆっくりとデバイスを皮膚の上で動かすだけで、皮膚による外用薬の吸収を効果的に高めるのに十分に長くその温度が適用されることが期待される。
【0008】
本発明の一態様は、加熱式ヘアブラシを提供する。この加熱式ヘアブラシは、加熱式突起と、非加熱式突起と、加熱式突起の温度を制御する制御ユニットと、加熱式突起の位置に対する非加熱式突起の位置を制御するメカニズムとを含む。第1のモードでは、非加熱式突起は加熱式突起を超えて延在し、加熱式突起の温度は100℃を超える。第2のモードでは、非加熱式突起は加熱式突起を超えて延在せず、加熱式突起の温度は50℃を超えない。加熱式突起は第1の担体に接続され、非加熱式突起は第2の担体に接続され得る。一実施形態では、第1の担体と第2の担体との間の距離は変更可能であり、第1のモードでは、距離は第2のモードにおけるよりも小さい。別の実施形態では、第2の担体は第1の担体に対して横方向に移動可能であり、これにより、第1のモードでは、非加熱式突起は加熱式突起と平行であり、これにより、非加熱式突起は加熱式突起を超えて延在し、第2のモードでは、非加熱式突起は加熱式突起に対して傾斜しており、これにより、非加熱式突起は加熱式突起を超えて延在しない。
【0009】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に説明される実施形態から明らかになり、また、当該実施形態を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態を示す。
図2図2は、本発明の実施形態を示す。
図3図3は、本発明の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、第1のモードI(左図)と第2のモードII(右図)とにおける加熱式ヘアブラシの側面図によって本発明の第1の実施形態を示している。ハンドルHがブラシベースBに取り付けられている。ブラシには加熱式突起HPと非加熱式突起NHPとがある。第1のモードIでは、非加熱式突起NHPは加熱式突起HPを超えて延在する。第2のモードIIでは、非加熱式突起NHPは加熱式突起HPを超えて延在しない。制御ユニットCは、第1モードIでは、加熱式突起HPの温度が100℃を超え(例えば少なくとも150℃、好ましくは約170~200℃)、第2のモードIIでは、加熱式突起HPの温度が通常の皮膚温度よりも高いが50℃を超えないように設定されるように、加熱式突起HPの温度を制御する。第2のモードIIでは、温度は40℃~50℃、例えば40℃~45℃である。制御ユニットCには、使用者が希望の温度と希望のモードI又はIIを設定できるようにするユーザボタン、加熱式突起(HP)又は加熱式突起が取り付けられている第1の担体の実際の温度を測定する温度センサ、及び希望の温度に一致するように実際の温度を制御するプロセッサがある。これらは全て図示していない。
【0012】
加熱式突起HPは、アルミニウムから作られるか、又はコーティング(セラミックなど)でダイカストされてもよい。非加熱式突起NHPは、ガラス繊維充填タイプ又はゴムタイプの材料から作られている場合がある。加熱式突起HPと非加熱式突起NHPは交互に配置される。
【0013】
図2及び図3は、加熱式突起の位置に対する非加熱式突起NHPの位置を制御するメカニズムを作成するやり方を示す2つの実施形態を示している。このメカニズムは、手動で操作しても、アクチュエータ(図示せず)によって操作してもよい。手動で操作した場合、非加熱式突起NHPの位置が第2のモードの位置に設定されている場合、この操作により、制御ユニットは加熱式突起HPの温度を40℃~50℃の値に設定する。アクチュエータによって操作した場合、第2のモードIIを選択したユーザ入力によってトリガされ、コントローラは同時にアクチュエータを制御して第2のモードIIの位置に移動し、加熱式突起HPの温度を40℃~50℃の値に設定する。アクチュエータは、第1のモードIにおいて加熱式突起HPの温度を制御するためにある温度センサによって測定される加熱式突起HPの実際の温度が安全のために十分に低くなった(例えば、50℃を超えない)場合にのみ、第2のモードIIの位置に移動するように制御される。インジケータ(オレンジ色のLEDなど)によって、加熱式突起HPの温度が安全になるのをデバイスが待っていることを使用者に知らせることができる。
【0014】
加熱式突起HPは第1の担体FCに接続され、非加熱式突起NHPは第2の担体SCに接続される。従来どおり、第1の担体FCは、PTCヒータや(金属)セラミックヒータなどのヒータ要素(図示せず)を備える。
【0015】
図2の実施形態では、第1の担体FCと第2の担体SCとの間の距離dは変更可能である。図2は、第2のモードIIでの距離dを示している。第1のモードIでは、距離dは第2のモードIIにおけるよりも小さく、これにより、非加熱式突起NHPは加熱式突起HPを超えて延在する。
【0016】
図3の実施形態では、第2の担体SCは第1の担体FCに対して横方向に移動可能である。第1のモードIでは(図2と同様であるが、距離dが図2に示されているよりも小さい)、非加熱式突起NHPは加熱式突起HPと平行であり、これにより、非加熱式突起NHPは加熱式突起HPを超えて延在する。第2のモードIIでは、非加熱式突起NHPは加熱式突起HPに対して傾斜しており、これにより、非加熱式突起NHPは加熱式突起HPを超えて延在しない。
【0017】
上記の実施形態は、本発明を限定するのではなく、説明するものであり、当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの代替実施形態を設計できることに留意されたい。例えば、第1のモードでは、加熱式突起の温度は、例えば、170℃~200℃で切り替え可能である。特許請求の範囲では、括弧内の任意の参照符号は、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。「含む」という語は、請求項に列挙されている要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。単数形の要素は、当該要素が複数存在することを除外するものではない。本発明は、いくつかの異なる要素を含むハードウェアによって、及び/又は適切にプログラムされたプロセッサによって実装され得る。いくつかの手段を列挙するデバイス請求項において、これらの手段のうちのいくつかは、まったく同一のハードウェアアイテムによって具体化されてもよい。相互に異なる従属請求項に記載される手段、有利に組み合わせて使用されてもよい。
図1
図2
図3
【国際調査報告】