(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】埋込可能モニタのための無線通信および電力節約
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20240206BHJP
A61B 5/145 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
A61B5/145
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548304
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 US2021073041
(87)【国際公開番号】W WO2022140766
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522168305
【氏名又は名称】ヴェーリス ヘルス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル, ジェイムズ ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ソーレソン, アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, セオドア シー.
(72)【発明者】
【氏名】コーツ, ジャイミ オーミストン
【テーマコード(参考)】
4C038
4C117
【Fターム(参考)】
4C038KK01
4C038KK04
4C038KK08
4C038KK10
4C038KL02
4C038KL07
4C038KX01
4C117XB01
4C117XB03
4C117XB04
4C117XC21
4C117XD22
4C117XE05
4C117XE15
4C117XE16
4C117XE17
4C117XE23
4C117XE26
4C117XE27
4C117XE29
4C117XE30
4C117XE37
4C117XE38
4C117XE48
4C117XE75
4C117XH12
4C117XH27
4C117XJ13
4C117XL27
4C117XN07
4C117XQ18
(57)【要約】
埋込可能デバイスおよび関連付けられるデバイス、システム、および方法が、本明細書に開示される。本技術のデバイスおよびシステムは、遠隔患者および/またはデバイス監視のためのプラットフォームを提供する、電子コンポーネントを装備し得る。埋込可能デバイスおよび/またはその1つまたはそれを上回るコンポーネントの動作は、ある条件に応じて、経時的に変調されることができる。本変調は、例えば、外部デバイスとの無線データ通信をある時間間隔に限定すること、感知要素によるデータ収集のパラメータを変動させること、および/または電子コンポーネントに供給される電力を制御することを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋込可能血管アクセスデバイスであって、
流体リザーバと、
前記リザーバにわたって配置されるカバーと、
カテーテルと噛合するように構成される出口ポートであって、前記出口ポートは、前記流体リザーバに流体的に結合される、出口ポートと、
前記デバイスが患者内に埋込されている間、生理学的データを捕捉するように構成される1つまたはそれを上回るセンサと、
第1の通信リンクを介して前記生理学的データを1つまたはそれを上回る外部デバイスに伝送するように構成される第1の無線送受信機と、
第2の通信リンクを介して1つまたはそれを上回る外部デバイスと通信するように構成される第2の無線送受信機と
を備え、
前記デバイスは、低電力の第1の状態とより高電力の第2の状態との間で遷移するように構成される、埋込可能血管アクセスデバイス。
【請求項2】
前記第1の通信リンクは、BluetoothリンクまたはWiFiリンクのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
第2の通信ネットワークは、近距離無線通信(NFC)リンクを備える、前記請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1の無線送受信機は、Bluetooth送受信機を備える、前記請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1の無線送受信機は、前記デバイスが前記第1の状態にある間、非アクティブであり、前記第1の無線送受信機は、前記デバイスが前記第2の状態にある間、アクティブである、前記請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1の無線送受信機は、前記デバイスが前記第2の状態にある間にのみデータを伝送する、前記請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1の状態は、より低電力のスタンバイ状態であり、前記第2の状態は、より高電力の動作状態である、前記請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記スタンバイ状態では、前記デバイスは、前記第1の無線送受信機を介してデータを伝送せず、前記動作状態では、前記デバイスは、前記第1の無線送受信機を介してデータを伝送する、前記請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスは、トリガ事象後、前記第1の状態と前記第2の状態との間で遷移するように構成される、前記請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記トリガ事象は、所定の閾値を上回るまたは下回るものに該当する生理学的パラメータの測定、所定の範囲外に該当する生理学的パラメータの測定、所定の時間の経過、または外部デバイスからの変調信号の受信のうちの少なくとも1つを備える、前記請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記変調信号は、NFCコイルを介して受信される無線信号を備える、前記請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記デバイスは、第2のトリガ事象後、前記第2の状態から前記第1の状態に戻るように遷移するように構成される、前記請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第2のトリガ事象は、所定の範囲内に該当する生理学的パラメータの測定、所定の閾値を上回るまたは下回るものに該当する生理学的パラメータの測定、所定の時間の経過、または外部デバイスへのデータ伝送の完了のうちの少なくとも1つを備える、前記請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1の状態では、少なくとも1つの感知要素は、第1のサンプリング周波数を有し、前記第2の状態では、前記少なくとも1つの感知要素は、前記第1のものを上回る第2のサンプリング周波数を有する、前記請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記センサは、EKGセンサ、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、パルスオキシメータ、圧力センサ、光センサ、pHセンサ、血液ガスセンサ、血球数センサ、または血液化学センサのうちの1つまたはそれを上回るものを備える、前記請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記生理学的データは、EKG読取値、脈拍数、血圧、温度、検出された運動データ、血液酸素化、pHデータ、または血液成分データのうちの1つまたはそれを上回るものを備える、前記請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記第1の無線リンクまたは前記第2の無線リンクのうちの少なくとも1つは、近距離無線通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth、ZigBee、Wi-Fi、誘導結合、または容量結合のうちの1つまたはそれを上回るものを備える、前記請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項18】
方法であって、
埋込可能モニタの第1の無線送受信機において、第1の通信リンクを経由して、第1の信号を受信することと、
前記第1の信号を受信した後、前記埋込可能モニタを低電力の第1の状態からより高電力の第2の状態に遷移させることと、
患者内に埋込されている間、少なくとも1つの生理学的パラメータを感知することと、
前記第2の状態にある間、前記第1のものと異なる第2の無線送受信機を介して、第2の通信リンクを経由して、前記少なくとも1つの生理学的パラメータと関連付けられるデータを1つまたはそれを上回る外部デバイスに伝送することと
を含む、方法。
【請求項19】
前記第1の通信リンクは、BluetoothまたはWiFiリンクのうちの少なくとも1つを備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
第2の通信ネットワークは、近距離無線通信(NFC)リンクを備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の無線送受信機は、Bluetooth送受信機を備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の無線送受信機は、前記デバイスが前記第1の状態にある間、非アクティブであり、前記第1の無線送受信機は、前記デバイスが前記第2の状態にある間、アクティブである、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の無線送受信機は、前記デバイスが前記第2の状態にある間にのみデータを伝送する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の状態は、より低電力のスタンバイ状態であり、前記第2の状態は、より高電力の動作状態である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記スタンバイ状態では、前記デバイスは、前記第1の無線送受信機を介してデータを伝送せず、前記動作状態では、前記デバイスは、前記第1の無線送受信機を介してデータを伝送する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記デバイスは、トリガ事象後、前記第1の状態と前記第2の状態との間で遷移する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記トリガ事象は、所定の閾値を上回るまたは下回るものに該当する生理学的パラメータの測定、所定の閾値を上回るまたは下回る変化率を示す生理学的パラメータの測定、所定の範囲外に該当する生理学的パラメータの測定、所定の時間の経過、または外部デバイスからの変調信号の受信のうちの少なくとも1つを備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記変調信号は、NFCコイルを介して受信される無線信号を備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
第2のトリガ事象後、前記第2の状態から前記第1の状態に戻るように遷移することをさらに含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記第2のトリガ事象は、所定の範囲内に該当する生理学的パラメータの測定、所定の閾値を上回るまたは下回るものに該当する生理学的パラメータの測定、所定の時間の経過、または外部デバイスへのデータ伝送の完了のうちの少なくとも1つを備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の状態では、少なくとも1つの感知要素は、第1のサンプリング周波数を有し、前記第2の状態では、前記少なくとも1つの感知要素は、前記第1のものを上回る第2のサンプリング周波数を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記センサは、EKGセンサ、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、パルスオキシメータ、圧力センサ、光センサ、pHセンサ、血液ガスセンサ、または血液化学センサのうちの1つまたはそれを上回るものを備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記生理学的データは、EKG読取値、脈拍数、血圧、温度、検出された運動データ、血液酸素化、pHデータ、または血液成分データのうちの1つまたはそれを上回るものを備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記第1の無線リンクまたは前記第2の無線リンクのうちの少なくとも1つは、近距離無線通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth、ZigBee、Wi-Fi、誘導結合、または容量結合のうちの1つまたはそれを上回るものを備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2020年12月21日に出願された、米国仮特許出願第63/199,360号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本技術は、埋込可能医療デバイスおよび関連付けられるシステムおよび使用の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
血管アクセスデバイス(例えば、血管アクセスポート)は、化学療法剤等の静脈内薬剤を投与する目的のために、患者の中心静脈系への比較的に迅速かつ容易なアクセスを提供する、低侵襲性の外科的に埋込されるデバイスである。従来の血管アクセスデバイスは、療法剤または流体の頻繁な繰り返しの静脈内投与、繰り返しの採血を要求する患者のために、および/または困難な血管アクセスを伴う患者のために一般的に使用される。
【0004】
血管アクセスデバイスは、血液の流れとの直接連通を確立するように意図される、無数の典型的にはカテーテルに関連するデバイスを含む。そのようなデバイスは、限定ではないが、とりわけ、血管アクセスポート(VAP)、末梢挿入中心カテーテル(PICC)、ミッドライン、末梢IVを含む。簡略化の目的のために、本開示は、全体を通したいくつかの場所において、血管アクセスポート(VPA)または一般的な名称における「ポート」に言及する。
【0005】
血管アクセスデバイスは、典型的には、カテーテルに取り付けられたリザーバを含む。ユニット全体は、低侵襲性外科的手技を使用して、患者の身体内に完全に設置される。殆どの場合では、リザーバは、鎖骨のちょうど下方の上側胸壁内に生成される小型ポケット内に設置され、カテーテルは、上大静脈または右心房内に静置する先端を伴って内頸静脈または鎖骨下静脈の中に挿入される。しかしながら、血管アクセスデバイスは、身体の他の部分内に、および/または代替部位に位置付けられたカテーテルも伴って、設置されることができる。従来のデバイスでは、リザーバは、典型的には、上を覆う皮膚が突出し、臨床医が触診を使用し、これが薬剤注入または試験のための血液の吸引のために使用されるべきであるときのアクセスのためにデバイスを位置特定することを可能にするように、嵩張る。自己シールカバー(例えば、厚いシリコーン膜)が、リザーバにわたって配置され、それをシールし、皮膚を通してポートの中に挿入される非コアリング(例えば、ヒューバー型)針を使用して、繰り返しのアクセスを可能にする。本アクセス手技は、針と、血管アクセスデバイスと、カテーテルと、血管空間との間に流体連通が存在し、それによって、経皮針を介した薬剤の注入または血液の吸引を可能にする、システムを確立する。
【0006】
従来の血管アクセスデバイスは、臨床医が触診によってデバイスを位置特定することを可能にするために、設計上嵩張る。臨床医によって正確にアクセスされるために、血管アクセスデバイスは、可視化されるか、または皮膚下で触診されるかのいずれかが必要である。加えて、従来の血管アクセスポートは、いかなる電子コンポーネントおよびいかなる内部電源も有していない。故に、改良された血管アクセスデバイスの必要性が、存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術は、血管アクセスデバイスおよびそのようなデバイスのための無線通信および電力節約の機構を対象とする。主題の技術は、例えば、
図1-14Dの参照を含む、下記に説明される種々の側面に従って例証される。主題の技術の側面の種々の実施例が、便宜上、付番された付記(1、2、3等)として説明される。これらは、実施例として提供され、主題の技術を限定しない。
1.埋込可能血管アクセスデバイスであって、
流体リザーバと、
リザーバにわたって配置される、カバーと、
カテーテルと噛合するように構成される、出口ポートであって、出口ポートは、流体リザーバに流体的に結合される、出口ポートと、
本デバイスが患者内に埋込されている間、生理学的データを捕捉するように構成される、1つまたはそれを上回るセンサと、
第1の通信リンクを介して生理学的データを1つまたはそれを上回る外部デバイスに伝送するように構成される、第1の無線送受信機と、
第2の通信リンクを介して1つまたはそれを上回る外部デバイスと通信するように構成される、第2の無線送受信機と、
を備え、
本デバイスは、低電力の第1の状態とより高電力の第2の状態との間で遷移するように構成される、埋込可能血管アクセスデバイス。
2.第1の通信リンクは、Bluetooth(登録商標)またはWiFiリンクのうちの少なくとも1つを備える、付記1に記載のデバイス。
3.第2の通信ネットワークは、近距離無線通信(NFC)リンクを備える、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
4.第1の無線送受信機は、Bluetooth送受信機を備える、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
5.第1の無線送受信機は、本デバイスが第1の状態にある間、非アクティブであり、第1の無線送受信機は、本デバイスが第2の状態にある間、アクティブである、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
6.第1の無線送受信機は、本デバイスが第2の状態にある間にのみデータを伝送する、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
7.第1の状態は、より低電力のスタンバイ状態であり、第2の状態は、より高電力の動作状態である、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
8.スタンバイ状態では、本デバイスは、第1の無線送受信機を介してデータを伝送せず、動作状態では、本デバイスは、第1の無線送受信機を介してデータを伝送する、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
9.本デバイスは、トリガ事象後、第1の状態と第2の状態との間で遷移するように構成される、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
10.トリガ事象は、所定の閾値を上回るまたは下回るものに該当する生理学的パラメータの測定を備える、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
11.トリガ事象は、所定の範囲外に該当する生理学的パラメータの測定を備える、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
12.トリガ事象は、所定の時間の経過を備える、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
13.トリガ事象は、外部デバイスからの変調信号の受信を備える、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
14.変調信号は、NFCコイルを介して受信される無線信号を備える、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
15.本デバイスは、第2のトリガ事象後、第2の状態から第1の状態に戻るように遷移するように構成される、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
16.第2のトリガ事象は、所定の範囲内に該当する生理学的パラメータの測定を備える、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
17.第2のトリガ事象は、所定の閾値を上回るまたは下回るものに該当する生理学的パラメータの測定を備える、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
18.第2のトリガ事象は、所定の閾値よりも高いまたは低いレートにおいて変化する生理学的パラメータの測定を備える、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
19.第2のトリガ事象は、所定の時間の経過を備える、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
20.第2のトリガ事象は、外部デバイスへのデータ伝送の完了を備える、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
21.第1の状態では、少なくとも1つの感知要素は、第1のサンプリング周波数を有し、第2の状態では、少なくとも1つの感知要素は、第1のものを上回る第2のサンプリング周波数を有する、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
22.センサは、EKGセンサ、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、パルスオキシメータ、圧力センサ、光センサ、pHセンサ、血液ガスセンサ、血球数センサ、または血液化学センサのうちの1つまたはそれを上回るものを備える、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
23.生理学的データは、EKG読取値、脈拍数、血圧、温度、検出された運動データ、血液酸素化、pHデータ、または血液成分データのうちの1つまたはそれを上回るものを備える、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
24.リザーバに流体的に結合される、カテーテルをさらに備える、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
25.第1の無線リンクは、近距離無線通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth、ZigBee、Wi-Fi、誘導結合、または容量結合のうちの1つまたはそれを上回るものを備える、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
26.第2の無線リンクは、近距離無線通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth、ZigBee、Wi-Fi、誘導結合、または容量結合のうちの1つまたはそれを上回るものを備える、先述の付記のいずれか1項に記載のデバイス。
27.方法であって、
埋込可能モニタの第1の無線送受信機において、第1の通信リンクを経由して、第1の信号を受信することと、
第1の信号を受信した後、埋込可能モニタを低電力の第1の状態からより高電力の第2の状態に遷移させることと、
患者内に埋込されている間、少なくとも1つの生理学的パラメータを感知することと、
第2の状態にある間、第1のものと異なる第2の無線送受信機を介して、第2の通信リンクを経由して、少なくとも1つの生理学的パラメータと関連付けられるデータを1つまたはそれを上回る外部デバイスに伝送することと、
を含む、方法。
28.第1の通信リンクは、BluetoothまたはWiFiリンクのうちの少なくとも1つを備える、付記27に記載の方法。
29.第2の通信ネットワークは、近距離無線通信(NFC)リンクを備える、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
30.第1の無線送受信機は、Bluetooth送受信機を備える、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
31.第1の無線送受信機は、本デバイスが第1の状態にある間、非アクティブであり、第1の無線送受信機は、本デバイスが第2の状態にある間、アクティブである、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
32.第1の無線送受信機は、本デバイスが第2の状態にある間にのみデータを伝送する、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
33.第1の状態は、より低電力のスタンバイ状態であり、第2の状態は、より高電力の動作状態である、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
34.スタンバイ状態では、本デバイスは、第1の無線送受信機を介してデータを伝送せず、動作状態では、本デバイスは、第1の無線送受信機を介してデータを伝送する、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
35.本デバイスは、トリガ事象後、第1の状態と第2の状態との間で遷移する、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
36.トリガ事象は、所定の閾値を上回るまたは下回るものに該当する生理学的パラメータの測定を備える、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
37.トリガ事象は、所定の閾値を上回るまたは下回る変化率を示す生理学的パラメータの測定を備える、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
38.トリガ事象は、所定の範囲外に該当する生理学的パラメータの測定を備える、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
39.トリガ事象は、所定の時間の経過を備える、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
40.トリガ事象は、外部デバイスからの変調信号の受信を備える、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
41.変調信号は、NFCコイルを介して受信される無線信号を備える、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
42.第2のトリガ事象後、第2の状態から第1の状態に戻るように遷移することをさらに含む、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
43.トリガ事象は、所定の範囲内に該当する生理学的パラメータの測定を備える、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
44.トリガ事象は、所定の閾値を上回るまたは下回るものに該当する生理学的パラメータの測定を備える、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
45.トリガ事象は、所定の時間の経過を備える、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
46.トリガ事象は、外部デバイスへのデータ伝送の完了を備える、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
47.第1の状態では、少なくとも1つの感知要素は、第1のサンプリング周波数を有し、第2の状態では、少なくとも1つの感知要素は、第1のものを上回る第2のサンプリング周波数を有する、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
48.センサは、EKGセンサ、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、パルスオキシメータ、圧力センサ、光センサ、pHセンサ、血液ガスセンサ、または血液化学センサのうちの1つまたはそれを上回るものを備える、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
49.生理学的データは、EKG読取値、脈拍数、血圧、温度、検出された運動データ、血液酸素化、pHデータ、または血液成分データのうちの1つまたはそれを上回るものを備える、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
50.第1の無線リンクは、近距離無線通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth、ZigBee、Wi-Fi、誘導結合、または容量結合のうちの1つまたはそれを上回るものを備える、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
51.第2の無線リンクは、近距離無線通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth、ZigBee、Wi-Fi、誘導結合、または容量結合のうちの1つまたはそれを上回るものを備える、先述の付記のいずれか1項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本技術による、監視システムの概略表現である。
【0009】
【
図2】
図2は、本技術による、
図1のシステムとの併用のために構成される、血管アクセスデバイスの実施例を示す。
【0010】
【
図3】
図3は、患者の身体内に埋込される、
図2の血管アクセスデバイスを示す。
【0011】
【
図4】
図4は、本技術による、埋込可能デバイスと、照会デバイスと、1つまたはそれを上回る遠隔コンピューティングデバイスとの間の通信のための環境の概略ブロック図である。
【0012】
【
図5】
図5は、本技術による、埋込可能デバイスと照会デバイスとの間の通信のための環境の概略ブロック図である。
【0013】
【
図6A】
図6Aは、本技術による、アンテナの概略上面図を示す。
【0014】
【
図6B】
図6Bは、本技術による、回路基板の概略上面図を示す。
【0015】
【
図6C】
図6Cは、本技術による、電子機器アセンブリの概略側面図を示す。
【0016】
【
図7A】
図7Aは、本技術による、アンテナの概略上面図を示す。
【0017】
【
図7B】
図7Bは、本技術による、回路基板の概略上面図を示す。
【0018】
【
図7C】
図7Cは、本技術による、電子機器アセンブリの概略側面図を示す。
【0019】
【
図8】
図8は、本技術による、埋込可能デバイスのための種々の例示的動作電力状態を図示する。
【0020】
【
図9】
図9は、本技術による、埋込可能デバイスと照会デバイスとの間の通信のための環境の概略ブロック図である。
【0021】
【
図10】
図10は、本技術による、データを取得および伝送する例示的プロセスのフロー図である。
【0022】
【
図11】
図11は、本技術による、照会デバイスと通信する埋込可能デバイスの概略図である。
【0023】
【
図12】
図12は、本技術による、埋込可能デバイスの動作の例示的方法を図示する、フロー図である。
【0024】
【
図13】
図13A-13Cは、埋込可能デバイスを介して健康チェックを開始するためのソフトウェアアプリケーションの例示的グラフィカルユーザインターフェースを図示する。
【0025】
【
図14】
図14A-14Dは、治療に関連する情報に関して患者にクエリを行うためのソフトウェアアプリケーションの例示的グラフィカルユーザインターフェースを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
詳細な説明
本技術のデバイスおよびシステムは、遠隔患者および/またはデバイス監視のためのプラットフォームを提供する、電子コンポーネントを装備してもよい。血管アクセスデバイスが、本開示全体を通して実施例として説明されるが、本技術の側面は、任意の好適な埋込可能医療デバイスにおいて具現化されることができる。種々の実施形態では、本明細書に開示される血管アクセスデバイスは、患者の健康、本デバイスの性能、治療ステータス、および/または患者処置を強化するための他のパラメータを特徴付けるデータを取得するように構成される、感知要素を含んでもよい。例えば、埋込可能デバイスの感知要素は、血管アクセスデバイスが患者内に埋込されている間、患者生理学的データを取得するように構成されることができる。本技術のデバイスは、データに基づいて、1つまたはそれを上回るパラメータ(例えば、生理学的パラメータ、デバイス性能パラメータ等)を決定する(例えば、計算する、または別様に発生させる、または取得する)ように構成されることができる。本システムは、例えば、即時の医療措置または入院を要求する医学的条件の1つまたはそれを上回る症状を示す、ある生理学的パラメータを決定し得る。そのような生理学的パラメータは、温度、患者移動/活動レベル、心拍数、呼吸数、血中酸素飽和度、および/または本明細書に説明される他の好適なパラメータに関連するものを含むことができる。これらのパラメータに基づいて、本システムは、患者が病気を発症している、または病気を発症する危険性がある、または療法からの合併症を被っているというインジケーションを患者および/または臨床医に提供し得る。本技術のシステムは、化学療法が、直ちに治療されない場合に患者にとって致命的であり得る多くの副作用を有するため、化学療法を受ける癌患者にとって特に有益であり得る。本明細書に開示される血管アクセスデバイス、システム、および方法は、既知の症状の早期検出を可能にし、それによって、患者生存率および全体的な生活の質を改善する。加えて、または代替として、本技術のシステムは、1つまたはそれを上回るデバイス性能パラメータを決定するように構成されることができる。例えば、血管アクセスデバイスは、本デバイス内の流率を特徴付けるデータを取得するように構成される、感知要素を含むことができ、データに基づいて、本システムは、本デバイスが閉塞されているかどうか、および/または閉塞の程度を決定することができる。このように(およびその他で)、本技術のデバイス、システム、および方法は、埋込可能デバイスの性能の監視および埋込可能デバイスに関する任意の問題の早期検出のために構成されることができる。
【0027】
加えて、埋込可能デバイスは、生理学的パラメータを監視し、デバイス通信履歴をログ付けするだけではなく、また、患者の人口統計、診断、治療歴、およびPOLST(生命維持治療に関する医師の指示書)ステータスについての情報を含有する、データ記憶および通信技術を含有してもよい。いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイスは、照会デバイスまたは他の遠隔コンピューティングデバイスとの無線通信のために構成されることができる。照会デバイスはまた、例えば、電磁誘導充電を介して、血管アクセスデバイスのバッテリを無線で再充電してもよい。
【0028】
電力消費を限定するために、いくつかの事例では、埋込可能デバイスが、ある条件に応じて、経時的にその動作を変調させることが、有益であり得る。本変調は、外部デバイスとの無線データ通信をある時間間隔に限定することを含むことができる。加えて、または代替として、デバイス動作の変調は、データを能動的に収集する感知要素を変動させること、および/または感知要素のうちのいくつかまたは全てのサンプリング周波数を調節することを含むことができる。いくつかの実施例では、ある時間間隔の間、埋込可能デバイスは、データが、感知要素を介して取得され、ローカルデータ記憶装置内に記憶されるが、データが、外部デバイスに(例えば、Wi-FiまたはBluetoothを使用して)無線で伝送されない、低電力スタンバイ状態において動作してもよい。変調信号に応答して、埋込可能デバイスは、生理学的データ(および/または他のデータ)が1つまたはそれを上回る外部デバイスに伝送される、完全動作状態に「ウェイクアップする」(例えば、アクティブ化する)ことができる。変調信号は、スマートフォンまたは他の照会デバイス(例えば、近距離無線通信(NFC)コイルを介して等)、埋込可能デバイスによって担持されるコントローラおよび/または感知要素、および/または別の好適な源から生じることができる。別の変調信号を受信した後、および/または所定の期間が経過した後、埋込可能デバイスは、低電力スタンバイ状態に戻ってもよい。いくつかの実施形態では、埋込可能デバイスは、変調信号に応答して、「スリープする」(例えば、非アクティブ化する、または低電力モードに入る)ことができる。したがって、経時的に本デバイスの動作を変動させることによって、埋込可能デバイスの全体的電力消費は、低減され、バッテリ寿命は、それに応じて延長されることができる。これは、有益なこととして、患者または臨床医が埋込可能デバイスを能動的に再充電する、またはさらには交換する必要性を低減させる、または排除することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、埋込可能デバイスは、トリガ事象が生じた後、2つまたはそれを上回る状態の間で(例えば、スタンバイ状態から動作状態に、および逆もまた同様である等)遷移するように構成されることができる。トリガ事象は、所定の閾値を上回るまたは下回るものに該当する生理学的パラメータの測定、所定の範囲外に該当する生理学的パラメータの測定、所定の時間の経過、変調信号の受信、変調信号の中断、およびその他を備えることができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、埋込可能デバイスの動作は、感知要素を介して収集されたデータに基づいて、変調されることができる。例えば、患者の生理学的パラメータが、ある範囲から逸脱する(例えば、許容可能な値の所定の範囲外に該当する、患者の履歴ベースラインから離れてあるパーセンテージを上回って逸脱する等)場合、埋込可能デバイスは、1つまたはそれを上回る感知要素のサンプリング周波数を増加させることによって、および/または1つまたはそれを上回る遠隔デバイスへの無線データ伝送を開始することによって、その動作を変調させてもよい。そのような伝送は、本デバイスを介して検出された生理学的パラメータおよび/または患者、臨床医、または他のエンティティへのアラートを含むことができる。いくつかの実施形態では、埋込可能デバイスは、いったん患者の生理学的パラメータが、許容可能なレベルに戻る(例えば、許容可能な値の所定の範囲内にある、患者の履歴ベースラインにより近接して移動する等)と、低電力またはスタンバイ状態に復帰してもよい。例えば、患者が、発熱している(例えば、所定の閾値を超える、温度測定値、温度測定値の変化率等によって示されるように)場合、埋込可能デバイスを介した温度測定および/または他の測定の周波数は、より頻繁に、および/またはより高い分解能においてデータを取得するために、増加することができる。患者の温度が、許容可能な値に戻る場合、および/またはそのとき、温度測定および/または他の測定の周波数は、低減されることができる。いくつかの実施形態では、埋込可能デバイスによって測定されたパラメータが、所定の持続時間にわたって許容可能な範囲内に留まる場合、1つまたはそれを上回る感知要素のサンプリング周波数は、範囲外のパラメータが検出されるまで、減少されることができる。いくつかの実施形態では、感知要素データ収集および/またはデータ伝送のレートは、臨床測定に対する自動応答および/または臨床医または患者からの入力に基づいて、変動することができる。患者が、医学的条件を発症するより低いリスクを有する際、データサンプリング率は、減少することができ、医学的条件を発症する患者のリスクが、上昇する際、データサンプリング率は、増加することができる。例えば、患者が、侵襲性の高リスクの医療手技(例えば、放射線、化学療法、外科手術等)を最近受けた場合、臨床医は、医療手技と患者の最初の経過観察予約との間の期間にわたってデータサンプリング率を上昇させるように、患者の埋込可能デバイスに入力を提供することができる。
【0031】
本技術の埋込可能デバイスは、1つまたはそれを上回る生理学的パラメータが、予期される範囲外に該当するとき、ほぼリアルタイムで患者および/または臨床医にアラートすることができる。本ほぼリアルタイムの監視は、臨床医が、より迅速に介入し、患者の症状に対処するための好適な手段をとり得るため、改善された患者転帰につながることができる。そのような介入は、付加的療法剤を投与すること、現在の療法剤の投与量を修正すること、ある生活習慣の変更を推奨すること、または任意の他の好適な措置をとることを含み得る。最近の測定値に対して測定周波数を調整することによって、患者の健康は、検出された生理学的パラメータがそうすることを正当化するとき、密接に監視される一方、患者の生理学的パラメータが正常な範囲内にあるとき、バッテリ寿命を節約することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、照会デバイスは、スマートフォン、タブレット、または患者の手で保持され得る他のモバイルデバイスの形態をとることができる。動作時、患者は、照会デバイスによって伝送される(例えば、NFCコイルを介して伝送される等)変調信号が、埋込可能デバイスにおいて受信され得るように、埋込可能デバイスにわたって照会デバイスを設置し得る。下記により詳細に説明されるように、スマートフォン、タブレット、または他のモバイルデバイスは、患者からユーザ入力を受信し、関連する臨床情報を患者に提示するように構成される、専用ソフトウェアアプリケーション(本明細書では「アプリ」とも称される)の形態におけるソフトウェアを実行することができる。アプリは、患者健康記録、履歴センサデータ、治療する臨床医または他の提供者からの入力、または任意の他の好適なデータを記憶する、遠隔サーバ等の付加的外部データソースにアクセスするように構成されることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、患者は、ソフトウェアアプリケーションを使用し、埋込可能デバイスの動作状態を制御および変調させることができる。例えば、患者は、アプリを介して、モバイルデバイスに変調信号を伝送させることができ、これは、ひいては、埋込可能デバイスをウェイクアップさせる(すなわち、低電力状態から完全動作状態に遷移させる)。いくつかの実施形態では、ソフトウェアアプリケーションは、埋込可能デバイスによって取得されたデータのグラフィカル表現を含むことができる、および/または患者が症状、薬剤、予約、および他の好適な情報に関する情報を打ち込むための入力フィールドを含むことができる。いくつかの実施形態では、患者は、埋込可能デバイスによる全体的電力消費を限定するように、患者が開始し得る埋込可能デバイスの照会またはウェイクアップの回数において限定されてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、NFC信号(または他の好適な無線信号)が、本デバイスの動作の変調の代わりに、またはそれに加えて、埋込可能デバイスの位置特定のために使用されることができる。例えば、NFC信号が隣接する照会デバイスを介して伝送されることに応答して、埋込可能デバイスは、1つまたはそれを上回るLEDを照明する、振動する、突出要素を作動させる、任意の他の位置特定信号を放出する、または埋込可能デバイスの位置特定を促進し得る任意の他のアクションを実施してもよい。加えて、または代替として、NFC信号は、埋込可能デバイスに対する所望の位置におけるモバイルデバイスの位置付けを誘導するために使用されることができる。一実施例として、モバイルデバイスは、例えば、埋込可能デバイスの検出された場所がある重畳されたグラフィカル表現(例えば、十字線、ドット、埋込可能デバイスの画像等)によって示される、患者の身体のカメラフィードを表示することによって、埋込可能デバイスの場所の拡張現実可視化を表示してもよい。そのような位置特定は、視覚的に、または触診のみを介して位置特定することが困難であり得る、薄型の埋込可能血管アクセスデバイスの場合に特に有用であり得る。
【0035】
当業者によって理解されるであろうように、種々の他の並替が、可能性として考えられる。加えて、いくつかの実施例は、低電力スタンバイ状態および完全動作状態に言及するが、様々な電力消費および他の特性を有する、多くの中間状態が存在し得ることが明白となるであろう。例えば、複数の感知要素を有する埋込可能デバイスが、各要素を独立してオンまたはオフにしてもよく、また、感知要素毎にサンプリングまたはポーリングスケジュールを修正してもよい。また、(例えば、Wi-Fi、Bluetooth、または他の好適な通信規格を使用する)無線データ伝送のレートまたはスケジュールは、連続体に沿って修正されることができ、オン/オフ様式のみでトグルされる必要はない。いくつかの実施形態では、電力消費のレートは、例えば、測定のサンプリング周波数を通常の完全動作レベルを上回り、超えるまで増加させることによって、要求に応じて増加されることができる。これは、データのさらなる分解能を達成するために、時間においてより短い持続時間にわたって実施されてもよい。
【0036】
(監視システム概観)
図1は、本技術による、監視システム10の概略表現である。システム10は、患者の胸部の上側領域に沿った皮下場所において等、ヒト患者H内に埋込されるように構成される、血管アクセスデバイス100(または「デバイス100」)を含むことができる。
図1に示されるように、デバイス100は、患者の健康を示す1つまたはそれを上回る生理学的パラメータを決定するためにシステム10によって使用される、生理学的測定値を取得するように構成される、感知要素110を含んでもよい。いくつかの実施形態では、システム10は、生理学的パラメータに基づいて、医学的条件(敗血症等)または関連付けられる症状を検出し、検出された条件のインジケーションを、患者、介護者、および/または医療処置チームに提供してもよい。
【0037】
図1に図式的に示されるように、デバイス100は、例えば、スマートデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、またはプロセッサおよびメモリを有する他のハンドヘルドデバイス)、特殊用途照会デバイス、または他の好適なデバイスであり得る、ローカルコンピューティングデバイス150と無線で通信するように構成されてもよい。デバイス100とローカルコンピューティングデバイス150との間の通信は、例えば、近距離無線通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth、ZigBee、Wi-Fi、誘導結合、容量結合、または任意の他の好適な無線通信リンクによって仲介されることができる。デバイス100は、例えば、感知要素110を介して取得される生理学的測定値、患者医療記録、デバイス性能メトリック(例えば、バッテリレベル、エラーログ等)、またはデバイス100によって記憶された任意の他のそのようなデータを含む、データを伝送してもよい。いくつかの実施形態では、伝送されたデータは、ローカルコンピューティングデバイス150への伝送の間にセキュリティを維持するように、暗号化または別様に難読化される。ローカルコンピューティングデバイス150はまた、例えば、感知要素110を介して、ある生理学的測定値を取得するため、位置特定信号を放出するため、または他の機能を実施するために、命令を血管アクセスデバイス100に提供してもよい。いくつかの実施形態では、ローカルコンピューティングデバイス150は、例えば、電磁誘導充電を介して、デバイス100のバッテリを無線で再充電するように構成されてもよい。
【0038】
システム10はさらに、第1の遠隔コンピューティングデバイス160(またはサーバ)を含んでもよく、ローカルコンピューティングデバイス150は、ひいては、有線または無線通信リンク(例えば、インターネット、公衆および私設イントラネット、ローカルまたは拡張Wi-Fiネットワーク、携帯電話の基地局、旧来の電話システム(POTS)等)を経由して、第1の遠隔コンピューティングデバイス160と通信してもよい。第1の遠隔コンピューティングデバイス160は、1つまたはそれを上回る独自のプロセッサと、メモリとを含んでもよい。メモリは、プロセッサによって実行可能な命令を記憶するように構成される、有形の非一過性コンピュータ可読媒体であってもよい。メモリはまた、遠隔データベースとして機能するように構成されてもよい、すなわち、メモリは、ローカルコンピューティングデバイス150から受信されるデータ(1つまたはそれを上回る生理学的測定値またはパラメータおよび/または他の患者情報等)を恒久的または一時的に記憶するように構成されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、第1の遠隔コンピューティングデバイス160は、加えて、または代替として、例えば、病院、医療提供者、医療記録データベース、保険会社、または患者データおよび/またはデバイスデータをセキュアに記憶する責任を負う他のエンティティと関連付けられるサーバコンピュータを含むことができる。遠隔場所170(例えば、病院、診療所、保険事務所、医療記録データベース、オペレータの自宅等)で、オペレータが、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、またはプロセッサおよびメモリを有する他のハンドヘルドデバイス)、または他の好適なデバイスであり得る、第2の遠隔コンピューティングデバイス172を介して、データにアクセスしてもよい。オペレータは、例えば、ウェブベースのアプリケーションを介して、データにアクセスしてもよい。いくつかの実施形態では、デバイス100によって提供される、難読化されたデータは、遠隔場所170において難読化解除(例えば、非暗号化)されることができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、デバイス100は、ローカルコンピューティングデバイス150の仲介を伴わずに、遠隔コンピューティングデバイス160および/または172と通信してもよい。例えば、血管アクセスデバイス100は、Wi-Fiまたは他の無線通信リンクを介して、インターネット等のネットワークに接続されてもよい。他の実施形態では、デバイス100は、ひいては、遠隔コンピューティングデバイス160および/または172と通信する、ローカルコンピューティングデバイス150のみと通信してもよい。
【0041】
図2は、本技術のシステム10との併用のために構成される、血管アクセスデバイス100(または「デバイス100」)の実施例を示す。
図2に示されるように、デバイス100は、ヒト患者内に埋込されるように構成される、筐体102と、筐体102内に含有される、流体リザーバ104と、リザーバ104に隣接し、(
図3に関して下記により詳細に説明されるように)リザーバ104への流体(療法剤または診断剤等)の送達のためにそれを通して針を受容するように構成される、隔壁106とを備える。筐体102は、針の穿刺を防止するために十分な剛性および強度を提供する、生体適合性プラスチック、金属、セラミック、医療グレードシリコーン、または他の材料から作製されてもよい。隔壁106は、例えば、シリコーンまたは他の変形可能な自己シール生体適合性材料から作製される、自己シール膜であり得る。いくつかの実施形態では、デバイス100は、筐体102から遠位に延在し、リザーバ104と流体連通する、カテーテル130を含んでもよい。例えば、カテーテル130は、返しコネクタまたは他の好適な機械的接続を介して、デバイス100の出口ポートと噛合するように構成されることができる。カテーテル130は、単一または多重管腔カテーテルであってもよい。いくつかの実施形態では、デバイス100は、複数の別個のカテーテルを含む。
【0042】
図3に示されるように、動作時、デバイス100は、例えば、鎖骨のちょうど下方の上側胸壁内に生成される小型ポケット内で、皮膚Sの下で患者内に埋込される。リザーバ104と流体連通するカテーテル130は、上大静脈または右心房内に静置する先端を伴って、血管V、例えば、内頸静脈または鎖骨下静脈の中に挿入される。臨床医は、皮膚Sを通して、自己シール隔壁106を通して、流体リザーバ104の中に針N(例えば、非コアリングまたはヒューバー型針)を挿入する。流体(例えば、薬剤)を患者の血管Vの中に導入するために、臨床医は、針Nを通して流体を前進させ得、これは、次いで、リザーバ104、カテーテル130を通して、血管Vの中に流動する、または医師が、血管Vの中への延期された送達のために、針を通して流体を前進させ、リザーバを充填し得る。血管Vから流体を除去するために(例えば、試験のために血管Vから血液を吸引するために)、臨床医は、針Nを介して吸引力を印加し、それによって、血管Vからカテーテル130の中、流体リザーバ104の中、および針Nの中に流体(例えば、血液)を抜去することができる。手技が完了されると、臨床医は、針Nを除去し、自己シール隔壁106は、閉鎖構成を再開し、デバイス100は、患者の皮膚Sの下の定位置に留まり得る。
【0043】
図2を再び参照すると、デバイス100は、筐体102によって担持される、感知要素110を含む。感知要素110は、患者の生理学的パラメータ、デバイス100の性能パラメータ、および/または患者の治療および/または処置に関連する他の情報を特徴付けるデータを取得するように構成されることができる。単一の感知要素110が、明確にするために図示されるが、デバイス100は、筐体102内に配置される、それに結合される、または別様にそれによって担持される、複数の感知要素110を含んでもよい。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るそのような感知要素110が、筐体102から分離される別個の構造コンポーネント上に配置されてもよい。本明細書に使用されるように、用語「感知要素」は、単一のセンサまたは複数の離散的な別個のセンサを指し得る。
【0044】
デバイス100は、感知要素110に通信可能に結合される、少なくとも1つのコントローラ112を含んでもよい。コントローラ112は、1つまたはそれを上回るプロセッサと、ソフトウェアコンポーネントと、メモリ(図示せず)とを含んでもよい。いくつかの実施例では、1つまたはそれを上回るプロセッサは、メモリ内に記憶された命令に従って、感知要素110によって取得されたデータを処理するように構成される、1つまたはそれを上回るコンピューティングコンポーネントを含む。メモリは、1つまたはそれを上回るプロセッサによって実行可能な命令を記憶するように構成される、有形の非一過性コンピュータ可読媒体であってもよい。例えば、メモリは、ある機能を達成するように1つまたはそれを上回るプロセッサによって実行可能なソフトウェアコンポーネントのうちの1つまたはそれを上回るものをロードされ得る、データ記憶装置であってもよい。いくつかの実施例では、機能は、感知要素110に、患者の健康、本デバイスの性能、治療ステータス、および/または患者処置を強化するための他のパラメータを特徴付けるデータを取得させることを伴ってもよい。別の実施例では、機能は、生理学的データを処理し、1つまたはそれを上回る生理学的パラメータを決定する、および/または決定された生理学的パラメータと関連付けられる1つまたはそれを上回る症状または医学的条件のインジケーションを患者および/または臨床医に提供することを伴ってもよい。
【0045】
コントローラ112はまた、デバイス100と外部コンピューティングデバイス(例えば、ローカルコンピューティングデバイス150、遠隔コンピューティングデバイス160および172等)との間でデータをセキュアに伝送するように構成される、データ通信ユニットを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ112は、患者内に埋込されるとき、位置特定信号(例えば、患者の皮膚を透照する光、振動、磁場等)を放出し、デバイス100を位置特定する際に臨床医を支援するように構成される、位置特定ユニットを含む。コントローラ112はまた、照会デバイス(例えば、ローカルデバイス150または別の好適なデバイス)の存在下にあるとき、デバイス100のバッテリ(図示せず)を再充電するように構成される、無線充電ユニット(コイル等)を含むことができる。
【0046】
システム10は、デバイス100と通信する感知要素110を介して測定値を持続的および/または周期的に取得するように構成されてもよい。感知要素110は、筐体102および/またはカテーテル130によって担持されてもよい、および/または筐体102およびカテーテル130と別個であるが、筐体102および/またはカテーテル130に物理的または通信可能に結合される、感知コンポーネントを含んでもよい。感知要素110は、デバイス100と同一の場所に、または異なる場所に埋込されてもよい、または外部場所で患者上に(例えば、患者の皮膚上に)位置付けられてもよい。感知要素110は、デバイス100に恒久的に結合されてもよい、またはデバイス100に一時的に結合するように構成されてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、感知要素110は、デバイス100が埋込されるとき、感知要素110の一部のみが局所生理学的環境に暴露されるように、筐体102に内蔵される。例えば、感知要素110は、筐体102の外部表面に位置付けられる外部部分と、筐体102内に位置付けられ、コントローラ112に配線される内部部分とを有する、1つまたはそれを上回る電極を備えてもよい。いくつかの実施形態では、感知要素110は、ポートリザーバ104との界面またはリザーバ104およびカテーテル130の接合部における筐体102の内面に位置付けられる、またはカテーテル130の中に延在する、内部部分を有する、1つまたはそれを上回る電極を備えてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、感知要素110は、完全に筐体102内に含有されてもよい。例えば、感知要素110は、筐体102によって封入され、それを通して、パルスオキシメータから放出される光が外部場所まで通過し得、それを通して戻るように、外部場所から反射される光がパルスオキシメータのフォトダイオードによる検出のために通過し得る、筐体102内の窓に隣接して位置付けられる、1つまたはそれを上回るパルスオキシメータを備えてもよい。そのような実施形態では、窓は、例えば、筐体102の外壁内の定位置に鑞接されるサファイア窓であってもよい。
【0049】
少なくともいくつかの実施形態では、感知要素110は、筐体102に結合される(例えば、直接取り付けられる、テザーまたは介在構造を介して等)離散的かつ別個の封入体内に含有されることができる。
【0050】
感知要素110は、筐体102によって完全に封入される少なくとも1つのセンサと、筐体102および/またはカテーテル130の直接上にあるか、または筐体102および/またはカテーテル130から分離されている(但し、例えば、有線接続を介して筐体102および/またはカテーテル130に依然として物理的に結合されている)かどうかにかかわらず、部分的または完全に外部場所に位置付けられる、少なくとも1つのセンサとを備えてもよい。いくつかの実施形態では、感知要素110の少なくとも一部は、リザーバ104の内部領域に位置付けられる、および/またはそれに暴露される。
【0051】
いくつかの実施形態では、感知要素110は、1つまたはそれを上回るプロセッサおよび/またはソフトウェアコンポーネントを備える、別個のコントローラ(図示せず)を含んでもよい。そのような実施形態では、感知要素110は、感知要素110によって取得されたデータによって特徴付けられる測定値のうちの少なくともいくつかを処理し、データと関連付けられる1つまたはそれを上回るパラメータを決定し、次いで、(基礎的なデータの有無を問わず)それらのパラメータをデバイス100のコントローラ112に伝送してもよい。いくつかの実施例では、感知要素110は、データをコントローラ112に伝送する前に、測定値のうちの少なくともいくつかを部分的にのみ処理してもよい。そのような実施形態では、コントローラ112はさらに、受信されたデータを処理し、1つまたはそれを上回るパラメータを決定してもよい。ローカルコンピューティングデバイス150および/または遠隔コンピューティングデバイス160、172はまた、感知要素110によって取得される測定値、および/または感知要素110および/またはコントローラ112によって決定されるパラメータのうちのいくつかまたは全てを処理してもよい。
【0052】
本技術のいくつかの側面によると、感知要素110は、メモリを含んでもよい。メモリは、感知要素110によって取得される測定値を恒久的および/または一時的に記憶するように構成される、非一過性コンピュータ可読媒体であってもよい。感知要素110が、その独自のプロセッサを含む、それらの実施形態では、メモリは、プロセッサによって実行可能な命令を記憶するように構成される、有形の非一過性コンピュータ可読媒体であってもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、感知要素110および/またはコントローラ112は、電磁、音響、運動、光学、熱、または生化学感知要素または手段によって、患者情報を識別、監視、および通信してもよい。感知要素110は、例えば、1つまたはそれを上回る温度感知要素(例えば、1つまたはそれを上回る熱電対、1つまたはそれを上回るデジタル温度センサ、1つまたはそれを上回るサーミスタ、または他のタイプの抵抗温度検出器等)、1つまたはそれを上回るインピーダンス感知要素(例えば、1つまたはそれを上回る電極)、1つまたはそれを上回る圧力感知要素、1つまたはそれを上回る光学感知要素、1つまたはそれを上回る流動感知要素(例えば、ドップラ速度感知要素、超音波流量計等)、1つまたはそれを上回る超音波感知要素、1つまたはそれを上回るパルスオキシメータ、1つまたはそれを上回る化学感知要素、1つまたはそれを上回る移動感知要素(例えば、1つまたはそれを上回る加速度計)、1つまたはそれを上回るpH感知要素、心電図(「ECG」または「EKG」)ユニット、1つまたはそれを上回る電気化学感知要素、1つまたはそれを上回る血液動態感知要素、および/または他の好適な感知デバイスを含んでもよい。
【0054】
感知要素110は、ワイヤ、複数のワイヤ、ワイヤ束、磁気ノード、および/またはノードのアレイを用いて、例えば、インピーダンス、電圧、電流、または磁場感知能力を測定および/または検出するように構成される、1つまたはそれを上回る電磁感知要素を備えてもよい。感知要素110は、例えば、ヒト聴覚範囲内、またはヒト聴覚範囲の周波数を下回るまたは上回る音声周波数、鼓動または脈拍パターン、音調ピッチメロディ、および/または楽曲を測定および/または検出するように構成される、1つまたはそれを上回る音響感知要素を備えてもよい。感知要素110は、例えば、振動、移動パルス、移動のパターンまたはリズム、移動の強度、および/または移動の速度を測定および/または検出するように構成される、1つまたはそれを上回る運動感知要素を備えてもよい。運動通信は、信号への認識可能な応答によって生じてもよい。本応答は、振動、パルス、移動パターン、方向、加速度、または移動レートによるものであってもよい。運動通信はまた、応答の欠如によるものであってもよく、その場合、物理的信号、振動、または環境への衝突が、感知要素110の運動応答と区別され得る、周辺組織内の運動応答をもたらす。運動通信はまた、特徴的な入力信号および応答共振によるものであってもよい。感知要素110は、例えば、照明光波長、光強度、オン/オフ光パルス周波数、オン/オフ光パルスパターン、UVまたは「ブラックライト」等の特殊な光で照明されたときの受動グローまたは能動グロー、または認識可能な形状または文字の表示を含み得る、1つまたはそれを上回る光学感知要素を備えてもよい。これはまた、分光法、干渉法、赤外線照明への応答、および/または光学コヒーレンストモグラフィによる特性評価も含む。感知要素110は、デバイス環境が外部手段によって加熱または冷却されるとき、例えば、周辺環境に対するデバイス100温度、デバイス100(またはその部分)の温度、デバイス100および/または感知要素110を囲繞する環境の温度、または周辺に対するデバイス温度の差分変化率を測定および/または検出するように構成される、1つまたはそれを上回る熱感知要素を備えてもよい。感知要素110は、例えば、マイクロアレイチップを用いた、タンパク質、RNA、DNA、抗原、および/またはウイルスの感知のための体液のマイクロ流体輸送を可能にするためのカテーテル、細管、吸上紙、または吸上繊維の使用を含み得る、1つまたはそれを上回る生化学デバイスを備えてもよい。
【0055】
本技術のいくつかの側面では、コントローラ112および/または感知要素110は、ナトリウム、カリウム、塩化物、重炭酸塩、クレアチニン、血中尿素窒素、カルシウム、マグネシウム、およびリン等の血液成分の濃度を検出および/または測定するように構成されてもよい。システム10および/または感知要素110は、肝機能(例えば、AST、ALT、アルカリホスファターゼ、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ、トロポニン等の評価および/または検出によって)、心臓機能(例えば、トロポニンの評価および/または検出によって)、凝固(例えば、プロトロンビン時間(PT)、部分トロンボプラスチン時間(PTT)、および国際標準化比(INR)の決定を介して)、および/または血球数(例えば、ヘモグロビンまたはヘマトクリット、差を伴う白血球レベル、および血小板)を評価するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、システム10および/または感知要素110は、循環腫瘍細胞、循環腫瘍DNA、循環RNA、生殖細胞系または腫瘍DNAの多重遺伝子シークエンシング、サイトカイン、C反応性タンパク質、赤血球沈降率、腫瘍マーカ(PSA、ベータHCG、AFP、LDH、CA125、CA19-9、CEA等)、およびその他等の炎症のマーカを検出および/または測定するように構成されてもよい。
【0056】
システム10は、生理学的測定値および/または1つまたはそれを上回る他の生理学的パラメータに基づいて、1つまたはそれを上回る生理学的パラメータを決定するように構成されてもよい。例えば、システム10は、心拍数、温度、血圧(例えば、収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧)、血流率、血液速度、パルス波速度、体積流率、反射圧力波振幅、増大指数、血流予備能、抵抗予備能、抵抗指数、静電容量予備能、任意の血液細胞レベル、細胞数、または他の細胞測定値(例えば、ヘマトクリット)または任意の血液化学(例えば、血糖、カリウム等、および同等物)、心調律、心電図(ECG)トレーシング、体脂肪率、活動レベル、身体移動、転倒、歩行分析、発作活動、血糖レベル、薬物/薬剤レベル、血液ガス成分および血液ガスレベル(例えば、酸素、二酸化炭素等)、乳酸レベル、ホルモンレベル(コルチゾール、甲状腺ホルモン(T4、T3、遊離T4、遊離T3)、TSH、ACTH、副甲状腺ホルモン等)、および/または前述の測定値およびパラメータの任意の相関および/または導関数(例えば、電圧および/または他の直接測定される値を含む、未加工データ値)等の生理学的パラメータを決定するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、生理学的測定値のうちの1つまたはそれを上回るものは、システム10によるいかなる付加的処理も伴わずに、生理学的パラメータとして利用される、または特徴付けられることができる。
【0057】
加えて、または代替として、感知要素110は、本デバイスの性能、患者の治療等と関連付けられるパラメータを特徴付けるデータを取得するように構成されることができる。例えば、感知要素110は、カテーテル130および/またはリザーバ104内の流率パラメータ、カテーテル130および/またはリザーバ104内の圧力、デバイス100の1つまたはそれを上回る部分の温度、リザーバ104および/またはカテーテル130内の物体(例えば、針、流体、血栓等)の存在および/または位置、機械可読印によってエンコードされる情報等を特徴付けるデータを取得するように構成されることができる。
【0058】
システム10はまた、特定のパラメータの変化率、特定の時間枠にわたる特定のパラメータの変化等の前述のパラメータ(例えば、生理学的パラメータ、デバイス性能パラメータ、治療パラメータ、識別パラメータ等)のうちのいずれかの導関数を決定および/または監視してもよい。いくつかのみの実施例として、システム10は、規定時間にわたる温度、最高温度、最高平均温度、最低温度、所定または計算された温度に対する所定または計算された時間における温度、規定時間にわたる平均温度、最大血流、最小血流、所定または計算された血流に対する所定または計算された時間における血流、経時的な平均血流、最大インピーダンス、最小インピーダンス、所定または計算されたインピーダンスに対する所定または計算された時間におけるインピーダンス、規定時間にわたるインピーダンスの変化、規定時間にわたる温度の変化に対するインピーダンスの変化、経時的な心拍数の変化、経時的な呼吸数の変化、規定時間にわたる、および/または規定日時における活動レベル、および他の好適な導関数として決定するように構成されてもよい。
【0059】
測定値が、1つまたはそれを上回る所定の時間、時間の範囲、計算された時間、および/または測定された事象が生じるとき、またはそれに対する時間に、持続的または周期的に取得されてもよい。同様に、パラメータは、1つまたはそれを上回る所定の時間、時間の範囲、計算された時間、および/または測定された事象が生じるとき、またはそれに対する時間に、持続的または周期的に決定されてもよい。
【0060】
決定されたパラメータに基づいて、本技術のシステム10は、患者の健康、本デバイスの性能および/または健全性、および/または治療のステータスのインジケーションを患者および/または臨床医に提供するように構成される。例えば、コントローラ112は、生理学的パラメータのうちの1つまたはそれを上回るものを所定の閾値または範囲と比較し、比較に基づいて、患者の健康のインジケーションを提供してもよい。例えば、決定された生理学的パラメータが、所定の閾値を上回るまたは下回る、または所定の範囲外である場合、システム10は、患者が決定された生理学的パラメータと関連付けられる症状によって特徴付けられる医学的条件の危険性がある、またはそれをすでに発症しているというインジケーションを提供してもよい。本明細書に使用されるように、「所定の範囲」は、値の設定された範囲を指し、「所定の範囲外」は、(a)所定の範囲に部分的にのみ重複する、または値の所定の範囲のいかなる部分にも重複しない、値の測定または計算された範囲を指す。本明細書に使用されるように、「所定の閾値」は、単一の値または値の範囲を指し、「所定の閾値」「外」であるパラメータは、パラメータが、(a)所定の値を超える、または満たすことができない、測定または計算された値、(b)値の所定の範囲外に該当する、測定または計算された値、(c)値の所定の範囲に部分的にのみ重複する、または値の所定の範囲のいかなる部分にも重複しない、値の測定または計算された範囲、または(d)値のうちのいずれも所定の値と重複しない、値の測定または計算された範囲である、状況を指す。
【0061】
所定のパラメータ閾値および/または範囲は、ルックアップテーブルを生成するように経験的に決定されることができる。ルックアップテーブル値は、例えば、臨床研究、および/または既知の健康または正常な値または値の範囲に基づいて、経験的に決定されることができる。所定の閾値は、加えて、または代替として、特定の患者のベースライン生理学的パラメータ、特定のデバイスのベースライン性能パラメータ等に基づいてもよい。
【0062】
システム10によって検出される、および/または示される医学的条件は、例えば、敗血症、肺塞栓症、転移性脊髄圧迫、貧血、脱水症/体液量減少、嘔吐、肺炎、鬱血性心不全、一般状態、不整脈、好中球減少性発熱、急性心筋梗塞、疼痛、オピオイド毒性、ニコチンまたは他の薬物中毒または依存、高血糖性/糖尿病性ケトアシドーシス、低血糖症、高カリウム血症、高カルシウム血症、低ナトリウム血症、1つまたはそれを上回る脳転移、上大静脈症候群、消化管出血、免疫療法誘発型または放射線肺臓炎、免疫療法誘発型大腸炎、下痢、脳血管障害、脳卒中、病理学的骨折、喀血、吐血、薬剤誘発型QT延長、心臓ブロック、腫瘍溶解症候群、鎌状赤血球貧血クリーゼ、胃不全麻痺/周期性嘔吐症候群、血友病、嚢胞性線維症、慢性疼痛、および/または発作を含んでもよい。本明細書に開示されるシステムおよび/またはデバイスのうちのいずれかは、前述の医学的条件のうちのいずれかに関して患者を監視するために使用されてもよい。
【0063】
図4は、埋込可能デバイス400と、照会デバイス450と、1つまたはそれを上回る遠隔コンピューティングデバイス470との間の通信のための環境の概略ブロック図である。埋込可能デバイス400は、血管アクセスデバイス(例えば、
図1-3に関して上記に説明されるデバイス100)であり得る。いくつかの実施形態では、埋込可能デバイス400は、別の埋込可能医療デバイス、例えば、ペースメーカ、埋込可能心臓除細動器(ICD)、深部脳刺激装置、インスリンポンプ、注入ポート、整形外科デバイス、肺動脈圧モニタ、または電子感知コンポーネントを伴う任意の他の埋込可能医療デバイスであり得る。
【0064】
照会デバイス450は、例えば、デバイス400が患者内に埋込されるとき、埋込可能デバイス400と無線で通信するように構成される、ハンドヘルドデバイスであり得る。本通信は、短距離接続(例えば、近距離無線通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth、ZigBee、Wi-Fi、誘導結合、または容量結合)または他の好適な無線通信リンクを使用して、実行されることができる。種々の実施形態では、埋込可能デバイス400および/または照会デバイス450は、例えば、インターネット等のネットワーク接続を経由して、1つまたはそれを上回る遠隔コンピューティングデバイス470と通信することができる。
【0065】
図示される実施形態では、埋込可能デバイス400は、バッテリ402(例えば、再充電可能バッテリまたは他の電源)と、メモリ404とを含むことができる。メモリ404は、例えば、本明細書に説明される種々のルーチンを実装する、デバイスコンポーネントを制御する、データおよび情報を遠隔コンピュータおよび他のデバイスと通信および交換するため等に要求される、実行可能アプリケーション、試験ソフトウェア、データベース、および他のソフトウェアを記憶する、読取専用メモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)またはSSD等の他の記憶デバイスを含むことができる。埋込可能デバイス400は、いくつかの電子要素(例えば、メモリ404、感知要素110、コイル408、位置特定ユニット410、および/またはデータ通信ユニット412)を含むことができる。これらの要素のうちのいくつかまたは全ては、1つまたはそれを上回るプロセッサ、アナログ/デジタルコンバータ、データ記憶デバイス、無線通信アンテナ、および他の関連付けられる要素を含むことができる。これらの要素のうちのいくつかまたは全ては、プリント回路基板(例えば、剛性または可撓性PCB)または他の好適な基材に電子的に結合される、またはそれによって担持されることができる。いくつかの実施形態では、メモリ404内またはマイクロプロセッサユニット上に記憶されたソフトウェアまたはファームウェアは、デバイス400のデータ収集、通信、位置特定、およびバッテリ寿命を最適化するように構成されることができる。
【0066】
埋込可能デバイス400は、身体内に埋込されている間、1つまたはそれを上回る測定値(例えば、生理学的、デバイス性能等)を取得するように構成される、感知要素110を含む。
図1-3に関して上記に説明されるように、感知要素110は、任意の数の異なる測定値および/または1つまたはそれを上回る他のパラメータを取得するように構成されることができる。実施例に関して、感知要素110は、心拍数、温度、血圧(例えば、収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧)、血流率、血液速度、パルス波速度、体積流率、反射圧力波振幅、増大指数、血流予備能、抵抗予備能、抵抗指数、静電容量予備能、ヘマトクリット、心調律、心電図(ECG)トレーシング、体脂肪率、活動レベル、身体移動、転倒、歩行分析、発作活動、血糖レベル、薬物/薬剤レベル、血液ガス成分および血液ガスレベル(例えば、酸素、二酸化炭素等)、乳酸レベル、ホルモンレベル(コルチゾール、甲状腺ホルモン(T4、T3、遊離T4、遊離T3)、TSH、ACTH、副甲状腺ホルモン等)、および/または前述の測定値およびパラメータの任意の相関および/または導関数(例えば、電圧および/または他の直接測定される値を含む、未加工データ値)等の生理学的パラメータを決定するように構成されてもよい。加えて、または代替として、感知要素110は、本デバイスの温度、本デバイス内の圧力、本デバイス内の流率等のデバイス性能パラメータを決定するように構成されてもよい。
【0067】
デバイス400はまた、コイル408(例えば、アンテナ)、例えば、円形コイルまたは他の形状を形成するように包被される、ある長さの導電性ワイヤまたは他の材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、コイル408は、デバイス400のリザーバ414を包囲する、伝導性ワイヤであり得る。コイル408は、コイル408を介して受け取られる電気エネルギーが、バッテリ402を再充電するために使用され得るように、バッテリ402に電気的に結合されることができる。いくつかの実施形態では、コイル408はまた、コイル408を介して受け取られる電気エネルギーが、位置特定ユニット410に位置特定信号を放出させるように、位置特定ユニット410に電気的に結合されることができる。加えて、または代替として、コイル408は、コイル408を介して受け取られる電気エネルギーが、データ通信ユニット412にあるアクションを実施させ、例えば、データを照会デバイス450にセキュアに伝送するように、データ通信ユニット412に電気的に結合されることができる。コイル408は、コイル456から電気エネルギーを無線で受け取るように、照会デバイス450のコイル456に誘導結合されることができる。いくつかの実施形態では、無線エネルギーは、誘導結合ではなく、容量結合を介して伝送される。
【0068】
図4を継続して参照すると、埋込可能デバイス400はさらに、位置特定ユニット410を含むことができる。位置特定ユニット410は、位置特定信号を放出するように構成されるエミッタおよび/または好適な動作を実施する、またはマイクロプロセッサユニット上に記憶されたファームウェアに基づく動作を実施するように、メモリ404から命令を読み取る、コントローラ(例えば、中央処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、または任意の他の論理処理ユニット)を含むことができる。位置特定ユニット410は、患者内に埋込されるとき、埋込可能デバイス400から1つまたはそれを上回る位置特定信号を放出し、デバイス400の場所を識別する際に臨床医を支援するように構成されることができる。前述で記述されるように、いくつかの実施形態では、位置特定ユニット410は、照会デバイス450の存在を検出することに応答して、位置特定信号を放出するように構成される。例えば、照会デバイス450のコイル456は、照会デバイス450のコイル456および埋込可能デバイス400のコイル408が誘導結合されるように、2つのデバイスが相互に近接して保持されるとき、埋込可能デバイス400のコイル408内で電流を誘導するために好適な交流電流を用いて駆動されることができる。埋込可能デバイスのコイル408内の誘導電流は、ひいては、位置特定ユニット410に位置特定信号を放出させることができる。いくつかの実施形態では、照会デバイス450は、埋込可能デバイス400の位置特定ユニット410によって放出される位置特定信号を読み取る、検出する、または別様に識別するように構成される、位置特定リーダ466を含むことができる。他の実施形態では、位置特定リーダ466は、照会デバイス450から省略されることができ、臨床医が、位置特定ユニット410によって放出される位置特定信号を直接観察してもよい。
【0069】
種々の実施形態では、位置特定ユニット410は、異なる位置特定信号を放出するように構成されるエミッタの異なる構成を有する、様々な形態をとることができ、照会デバイス450の対応する位置特定リーダ466は、位置特定ユニット410によって放出される特定の位置特定信号を読み取る、または検出するように構成されることができる。以下の実施例のそれぞれにおいて、いくつかの実施形態では、照会デバイス450は、位置特定リーダ466を含まなくてもよく、代わりに、埋込可能デバイス400の位置特定ユニット410から放出される位置特定信号が、ユーザ(例えば、臨床医等)によって直接、または別の好適な器具を使用することによってのいずれかで、読み取られる、識別される、観察される、または検出されてもよい。一実施例では、位置特定ユニット410は、デバイス100を中心として配置される1つまたはそれを上回る光源を含むことができ、位置特定信号は、光源からの光の放出を含むことができる。放出された光は、皮膚を透照し、埋込可能デバイス400の場所を臨床医に示すように構成されることができる。本事例では、位置特定リーダ466は、患者の皮膚を透照する光を識別するように構成される、光センサまたはセンサのアレイを含むことができる。
【0070】
さらなる実施例では、位置特定信号は、様々な他の形態をとってもよい。いくつかの実施形態では、位置特定ユニット410は、可聴音を位置特定信号として放出するように構成される、スピーカを含み、位置特定リーダ466は、放出された音を検出し、その源を位置特定するように構成される、マイクロホンまたは他のデバイスを含む。いくつかの実施形態では、位置特定ユニット410は、1つまたはそれを上回る磁石(例えば、永久磁石または電磁石)を含み、位置特定信号は、磁石によって発生される磁場を含む。例えば、複数の磁石が、埋込可能デバイス400のリザーバの周囲に配置されてもよく、これらの磁石によって発生される磁場は、埋込可能デバイス400のリザーバまたは他の側面の場所を示す様式で、照会デバイス450の位置特定リーダ466によって検出されてもよい。いくつかの実施形態では、位置特定ユニット410は、無線周波数送信機を含み、位置特定信号は、照会デバイス450によって検出され得る無線周波数信号を含む。本事例では、位置特定リーダ466は、照会デバイスによって放出されるシグネチャ無線周波数信号を検出し、信号の源を位置特定するように構成される、アンテナまたは他のデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、位置特定ユニット410は、位置特定信号としての役割を果たすために、ある要素を移動または振動させるように構成される、アクチュエータを含む。いくつかの実施形態では、位置特定ユニット410は、1つまたはそれを上回る超音波トランスデューサを含み、放出された超音波は、照会デバイス450の位置特定リーダ466によって検出されべき位置特定信号としての役割を果たす。いくつかの実施形態では、位置特定ユニット410は、突出部が、デバイス400を位置特定するために臨床医によって触診され得るように、埋込可能デバイスの上側表面から隆起する一時的突出部を生成し得る、少なくとも1つの可動部材を含む。いくつかの実施形態では、位置特定ユニット410は、放射性同位体を含み、位置特定信号は、放射性同位体によって放出される電磁放射線を備える。例えば、位置特定ユニット410は、放射性同位体によって放出される放射線を吸収する、後退可能遮蔽体を含んでもよい。位置特定信号を放出するために、位置特定ユニット410は、遮蔽体を後退させ、それによって、放射性同位体によって放出される放射線が、デバイス400から逃散し、照会デバイス450の位置特定リーダ466によって検出されることを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、位置特定ユニット410は、加熱要素を含み、位置特定信号は、加熱要素から放射する増加された熱シグネチャである。増加された温度は、熱カメラ、温度センサ、または位置特定リーダ466の他の好適な要素を介して、検出されることができる。いくつかの実施形態では、位置特定ユニット410は、位置特定信号としての役割を果たすように、データ通信ユニット412に患者データまたは他の識別データを送信させることができる。位置特定リーダ466は、その位置を三角測量し、デバイス400の場所を識別することによって、信号の源を識別してもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、位置特定ユニット410は、埋込可能デバイス400のコイル408内で電流を誘導する照会デバイス450の特性に基づいて、位置特定信号を放出するかどうかを決定する。例えば、位置特定ユニット410は、照会デバイス450から受け取られる電気エネルギーの電界強度閾値、照会デバイス450から受け取られる電気エネルギーの周波数等の特性を査定してもよい。これらの特性は、事前認可された照会デバイス450のみが、位置特定ユニット410に位置特定信号を放出させることが可能であるように、信頼されている照会デバイス(すなわち、ペアリングのために好適な照会デバイス)と信頼されていない照会デバイス(すなわち、ペアリングのために不適切な照会デバイス)とを区別することを支援することができる。
【0072】
埋込可能デバイス400はまた、(通信リンク460を介して)照会デバイス450と無線で通信するように構成される、データ通信ユニット412を含む。データ通信ユニット412と照会デバイス450との間の通信は、例えば、近距離無線通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth、ZigBee、Wi-Fi、誘導結合、容量結合、または任意の他の好適な無線通信リンクによって仲介されることができる。データ通信ユニット412は、例えば、感知要素110を介して取得される生理学的測定値、患者医療記録、デバイス性能メトリック(例えば、バッテリレベル、エラーログ等)、または埋込可能デバイス400によって取得および/または記憶された任意の他のそのようなデータを含む、データを伝送してもよい。データ通信ユニット412はまた、(通信リンク460を介して)照会デバイス450からデータを受信してもよい。例えば、データ通信ユニット412は、感知要素110を介して、ある生理学的測定値を取得するために、位置特定ユニット410を介して、位置特定信号を放出するために、または他の機能を実施するために、命令を受信してもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、データ通信ユニット412は、埋込可能デバイス400のコイル408内で電流を誘導する照会デバイス450の特性に基づいて、照会デバイス450および/または遠隔コンピューティングデバイス470にデータを伝送するかどうかを決定する。例えば、データ通信ユニット412は、照会デバイス450から受け取られる電気エネルギーの電界強度閾値、照会デバイス450から受け取られる電気エネルギーの周波数等の特性を査定してもよい。これらの特性は、事前認可された照会デバイス450のみが、データ通信ユニット412にデータを照会デバイス450に伝送させることが可能であるように、信頼されている照会デバイス(すなわち、ペアリングのために好適な照会デバイス)と信頼されていない照会デバイス(すなわち、ペアリングのために不適切な照会デバイス)とを区別することを支援することができる。
【0074】
少なくともいくつかの実施形態では、埋込可能デバイス400は、(例えば、照会デバイスを「ウェイクアップ」するために)照会デバイス450をアクティブ状態に遷移させる様式で照会デバイス450と通信してもよい。そのようなウェイクアップ信号は、例えば、所定の閾値を超える1つまたはそれを上回る生理学的パラメータの検出に応じて、または任意の他の好適なトリガ条件に基づいて、開始されてもよい。いくつかの実施形態では、アラート、アラーム、または他の通知が、発生され、患者および/または提供者に伝送されることができる。加えて、または代替として、トリガに続いて、埋込可能デバイス400は、所与の期間にわたってサンプリング率を増加させてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、埋込可能デバイス400はまた、無線通信リンク(例えば、インターネット、公衆および私設イントラネット、ローカルまたは拡張Wi-Fiネットワーク、携帯電話の基地局等)を経由して、遠隔コンピューティングデバイス470と通信してもよい。遠隔コンピューティングデバイス470は、例えば、病院、医療提供者、医療記録データベース、保険会社、または患者データおよび/またはデバイスデータをセキュアに記憶する責任を負う他のエンティティと関連付けられる、サーバコンピュータであり得る。埋込可能デバイス400によって照会デバイス450および/または遠隔コンピューティングデバイスに伝送されたデータは、難読化および/または暗号化されることができる。いくつかの実施形態では、データ通信ユニット412によって提供される、難読化されたデータは、遠隔場所において難読化解除(例えば、非暗号化)されることができる。いくつかの実施形態では、埋込可能デバイス400は、ひいては、遠隔コンピューティングデバイス470と通信する、照会デバイス450のみと直接通信してもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、照会デバイス450および/または遠隔コンピューティングデバイス470のうちの1つまたはそれを上回るものは、ウェアラブルデバイス、別の埋込可能デバイス、または別の好適なデバイスを備えることができる。例えば、本技術の埋込可能デバイス400は、スマートウォッチ、フィットネストラッカ、心拍数モニタ、ペースメータ、インスリンポンプ等と通信するように構成されることができる。そのような付加的デバイスは、データを取得する、および/またはそのようなデータを埋込可能デバイス400に通信する、および/または埋込可能デバイス400からデータを受信するように構成されることができる。
【0077】
埋込可能デバイス400はまた、出口ポート416と流体連通する、リザーバ414を含むことができる。使用時、針420が、流体リザーバ414の中に可撤式に挿入されることができ、カテーテル430が、リザーバ414に流体的に結合され、それによって、流体(例えば、薬剤)の導入または流体の抜去(例えば、試験のための血液の吸引)のための針420とカテーテル430との間の流体経路を確立することができる。いくつかの実施形態では、埋込可能デバイス400は、例えば、流体の送達または抽出を要求しないペースメーカ、深部脳刺激装置、または他の埋込可能デバイスの場合、リザーバまたは出口ポートを省略してもよい。いくつかの実施形態では、埋込可能デバイス400は、付加的機能を果たす他の要素を含んでもよく、例えば、ペースメーカは、電流を心臓導線等に送達するように構成される、ペースメイキングユニットを含むことができる。
【0078】
前述で記述されるように、埋込可能デバイス400は、照会デバイス450と無線で通信するように構成される。照会デバイス450は、例えば、特殊用途照会デバイス、スマートフォン(伝導性コイル等の関連付けられる付属ハードウェアの有無を問わず)、タブレット、または埋込可能デバイス400と通信するように構成される他の好適なコンピューティングデバイスであり得る。照会デバイス450は、電源452(例えば、バッテリまたは外部電力のための有線接続)と、メモリ454と、プロセッサ458とを含むことができる。いくつかの実施形態では、照会デバイス450はまた、情報をユーザに視覚的に表示するように構成される、ディスプレイ462(例えば、電子画面)と、ユーザ入力を受信するように構成される、入力464(例えば、ボタン、タッチスクリーン入力等)とを含むことができる。
【0079】
照会デバイス450はまた、埋込可能デバイスのコイル408と誘導結合するように構成される、コイル456(例えば、NFCコイル等)を含むことができる。例えば、埋込可能デバイス400および照会デバイス450が、相互に近接して設置されるとき、照会デバイス450のコイル456を通して駆動される交流電流が、交流磁場を生成し、これは、ひいては、埋込可能デバイスのコイル408内で電流を誘導する。コイル408内の本誘導電流は、通信のために使用されることができる、および/または、また、バッテリ402を再充電するために、位置特定ユニット410に位置特定信号を放出させるために、および/またはデータ通信ユニット412にデータを照会デバイス450に伝送させる、またはそこからデータを受信させるために、使用されてもよい。
【0080】
照会デバイス450は、埋込可能デバイス400のデータ通信ユニット412と通信するように、および/または遠隔コンピューティングデバイス470と通信するように構成される、通信リンク460を含むことができる。通信リンク460は、有線接続(例えば、イーサネット(登録商標)ポート、ケーブルモデム、FireWireケーブル、Lightningコネクタ、USBポート等)または無線接続(例えば、Wi-Fiアクセスポイント、Bluetooth送受信機、近距離無線通信(NFC)デバイス、および/またはGSM(登録商標)、CDMA、3G、4G、および/または5G技術を利用する無線モデムまたはセルラー無線を含む)を含むことができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、照会デバイス450は、埋込可能デバイス400の位置特定ユニット410を介して放出される位置特定信号を読み取る、識別する、または検出するように構成される、位置特定リーダ466を含むことができる。種々の実施形態では、位置特定リーダ466は、光センサまたはアレイ、マイクロホンまたはマイクロホンのアレイ、磁場プローブ(例えば、ホール効果センサのアレイ)、アンテナまたは他の無線周波数受信機、超音波受信機、電磁センサ、温度センサ、または埋込可能デバイス400の位置特定ユニット410を介して放出される位置特定信号を検出する、識別する、または読み取るように構成される、任意の他のトランスデューサまたはセンサを含むことができる。
【0082】
(埋込可能デバイスのバッテリ電力を節約する選択された実施例)
本明細書に開示される埋込可能デバイスの1つまたはそれを上回る電子コンポーネントの動作は、本デバイスの寿命、本デバイスの性能等を強化するために、変調されることができる。いくつかの実施形態では、埋込可能デバイスの1つまたはそれを上回る電子コンポーネントの動作は、埋込可能デバイスのバッテリ寿命を維持および/または保全するために、変調されることができる。例えば、データ通信ユニット、1つまたはそれを上回る感知要素、コントローラ等の動作は、ある時間間隔に限定されることができる、および/またはある条件に応答することができる。いくつかの実施例では、Bluetooth Low Energyまたは他のそのような通信規格を介したデータ伝送は、埋込可能デバイスの他の機能よりも有意に多くの電力を消費する。したがって、データを照会デバイスに常に伝送するのではなく、データ通信ユニットは、ある所定の条件に従ってのみ、データを伝送するように構成されてもよい。例えば、データ通信ユニットは、変調信号が埋込可能デバイスによって受信された後にのみ、データを伝送するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、照会デバイスは、変調信号としての役割を果たす照会信号を生産するように構成されることができる。また、高周波数における、複数の感知要素からの、および/または複数の時点におけるデータの収集は、実質的な電力消費を要求し得る。故に、埋込可能デバイスのコントローラは、変調信号を受信した後にのみ、埋込可能デバイスの1つまたはそれを上回る感知要素にデータを取得させるように構成されることができる、および/または変調信号を受信した後、1つまたはそれを上回る感知要素によるデータ収集のパラメータ(例えば、周波数、サンプルサイズ等)を変調させるように構成されることができる。
【0083】
図5は、埋込可能デバイス500と照会デバイス550(例えば、スマートフォン、特殊用途照会デバイス、外部コンピューティングデバイス等のハンドヘルドデバイス)との間の通信のための環境の概略ブロック図である。埋込可能デバイス500は、1つまたはそれを上回る感知要素502と、バッテリ504とを含む。1つまたはそれを上回る感知要素502は、本明細書に開示される感知要素のうちのいずれかに類似し得る。例えば、1つまたはそれを上回る感知要素502は、生理学的データおよび/またはデバイス性能データを取得するように構成されることができる。デバイス500は、加えて、コントローラ506(例えば、超低電力マイクロコントローラ)と、データ通信ユニット508とを含む。いくつかの実施形態では、データ通信ユニット508は、NFC送受信機および/またはBluetooth送受信機を含む。NFCおよびBluetooth送受信機が、ここで実施例として言及されるが、他の実施形態では、他の無線通信規格が、NFCおよび/またはBluetoothの代わりに使用されてもよい。動作時、照会デバイス550を介して伝送された変調信号は、比較的に低い電力を消費する第1の無線通信リンクを経由して受信されることができる。第1の無線通信リンクは、例えば、電磁結合(例えば、NFC等)を備えることができる。変調信号を受信することに応答して、埋込可能デバイス500は、例えば、「ウェイクアップ」し、第2の無線通信リンクを介してデータ通信ユニット508からデータを伝送することによって、その動作を変調させることができる。いくつかの実施形態では、第2の無線通信リンクを介してデータを伝送することは、第1の無線通信リンクを介して変調信号を受信することよりも多くの電力を消費する。そのような第2の無線通信リンクは、直接無線伝送(例えば、WiFi、Bluetooth Low Energy等)を備えてもよい。このように2つの無線通信リンクを利用することによって、埋込可能デバイス500の全体的電力消費は、低減されることができ、バッテリ寿命は、延長されることができる。電磁結合(例えば、NFC)および直接無線伝送(例えば、WiFi、Bluetooth等)が、本明細書に開示されるが、種々の他の選択肢が、より低電力のリンクおよびより高電力のリンクの両方に関する異なる無線リンクに関して可能性として考えられる。
【0084】
図6A-6Cは、本技術による、埋込可能デバイス600のあるコンポーネントの概略図示である。これらの図に示されない埋込可能デバイス600のコンポーネントは、筐体、リザーバ、隔壁、出口ポート、および本明細書に開示される他のコンポーネントを含む。本明細書に開示される埋込可能デバイスのうちのいずれかは、
図6A-6Cに描写されるコンポーネントを含むことができる。同様に、埋込可能デバイス600は、本明細書に開示される他の埋込可能デバイスのコンポーネントまたは特徴のうちのいずれかを含むことができる。
【0085】
図6Aに示されるように、デバイス600は、アンテナ602を備えることができる。アンテナ602は、絶縁材料内に埋設される伝導性ワイヤまたは他の材料のループの形態をとり得る、コイルを備えることができる。いくつかの実施形態では、コイルは、アンテナ602の開口603を画定することができる。開口603は、少なくとも部分的にその中に1つまたはそれを上回る他の電子コンポーネントを受容するように構成されることができる。
図6Aに示されるアンテナ602は、丸形長方形形状を有するが、他の形状も、可能性として考えられる。例えば、アンテナ602は、略円形、卵形、三角形、多角形等であり得る。種々の実施形態によると、アンテナ602は、電気エネルギーを受け取るように、かつ/または放出するように構成されることができる。例えば、アンテナ602は、近距離無線通信のために構成される、NFCアンテナ602を備えることができる。いくつかの実施形態では、アンテナ602は、照会デバイス(またはそのコンポーネント)と誘導結合するように構成される。アンテナ602は、コントローラ(例えば、マイクロコントローラ、チップ等)に電気的に結合されることができる。
【0086】
埋込可能デバイス600はさらに、例えば、
図6Bに描写される上面図に示されるように、回路基板アセンブリ604を含むことができる。回路基板アセンブリ604は、1つまたはそれを上回る電子コンポーネントを担持する(例えば、その上に配置される、接着される、固着される等)ためのプリント回路基板606または他の好適な基材を含むことができる。プリント回路基板606は、感知要素608および/または無線送受信機610を担持することができる。例えば、
図6Bに示されるようないくつかの実施形態では、感知要素608および/または無線送受信機610は、プリント回路基板606の上面上に配置されることができる。一実施例にすぎないが、感知要素608は、光学パルスオキシメータを備えることができる、および/または無線送受信機610は、Bluetooth Low Energy送受信機を備えることができる。さらに、他の実施形態では、異なる感知要素および/または無線送受信機が、使用されることができる。
図6Bは、1つの感知要素608および1つの無線送受信機610を描写するが、デバイス600によって担持される付加的感知要素608および/または無線送受信機610が、存在してもよい。いくつかの実施形態では、バッテリ612は、プリント回路基板606によって担持され、電力を埋込可能デバイス600の種々の電子コンポーネントのうちの1つまたはそれを上回るものに供給するように構成される。
【0087】
図6Bは、長方形形状を伴う1つの部分と、半円形形状を伴う別の部分とを有する、プリント回路基板606を描写するが、プリント回路基板606の多くの他の形状が、可能性として考えられる。いくつかの実施形態では、プリント回路基板606および/またはその1つまたはそれを上回る部分の形状は、少なくとも部分的に、プリント回路基板606を担持するように構成される、埋込可能デバイス600の筐体の形状に基づくことができる。例えば、プリント回路基板606は、埋込可能デバイス600の外面と埋込可能デバイス600のリザーバの側壁との間に画定された空洞内に嵌合するように成形および/または定寸されることができる。
【0088】
本明細書に開示される電子コンポーネント(およびその他)は、種々の構成において配列されることができる。
図6Cは、例示的構成の側面断面図を図式的に図示する。
図6Cに示されるように、アンテナ602は、プリント回路基板606上に配置されることができ、これは、バッテリ612上に配置されることができる(例えば、バッテリ612は、プリント回路基板606の底部側に位置付けられる)。
図6Cでは、アンテナ602は、感知要素608(または送受信機、他のコンポーネント等)のうちの1つまたはそれを上回るものが、少なくとも部分的に、開口603内に位置付けられ得るように、開口603を含む。そのような構成は、アンテナ602がプリント回路基板606の上面と実質的に同一平面に位置付けられることを促進する、または可能にし得る。
【0089】
図7A-7Cは、本技術による、埋込可能デバイス700のあるコンポーネントの概略図示である。これらの図に示されない埋込可能デバイス700のコンポーネントは、筐体、リザーバ、隔壁、出口ポート、および本明細書に開示される他のコンポーネントを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される埋込可能デバイスのうちのいずれかは、
図7A-7Cに描写されるコンポーネントを含むことができる。同様に、埋込可能デバイス700は、本明細書に開示される他の埋込可能デバイスのコンポーネントまたは特徴のうちのいずれかを含むことができる。
【0090】
本技術のアンテナ702は、絶縁材料内に埋設される伝導性ワイヤまたは他の材料のループの形態をとり得る、コイルを備えることができる。例えば、
図7Aに示されるようないくつかの実施形態では、アンテナ702は、開口を備えていない。
図7Aに示されるアンテナ702は、長方形形状を有するが、他の形状も、可能性として考えられる。アンテナ702は、電気エネルギーを受け取るように、かつ/または放出するように構成されることができる。例えば、アンテナ702は、近距離無線通信のために構成される、NFCアンテナ702を備えることができる。いくつかの実施形態では、アンテナ702は、照会デバイス(またはそのコンポーネント)と誘導結合するように構成される。アンテナ702は、コントローラ(例えば、マイクロコントローラ、チップ等)に電気的に結合されることができる。
【0091】
埋込可能デバイス700はさらに、例えば、
図7Bに描写される上面図に示されるように、回路基板アセンブリ704を含むことができる。回路基板アセンブリ704は、1つまたはそれを上回る電子コンポーネントを担持するためのプリント回路基板706または他の好適な基材を含むことができる。プリント回路基板706は、感知要素708(プリント回路基板706の底部側に位置付けられ、
図7Bでは可視ではない)および/または無線送受信機710を担持することができる。無線送受信機710は、プリント回路基板706の上面上に配置される(
図7Bに示されるように)、またはプリント回路基板706の底面上に配置されることができる。いくつかの実施形態では、バッテリ712は、プリント回路基板706によって担持され、電力を埋込可能デバイス700の種々の電子コンポーネントのうちの1つまたはそれを上回るものに供給するように構成される。
【0092】
本明細書に開示される電子コンポーネント(およびその他)は、種々の構成において配列されることができる。
図7Cは、例示的構成の側面断面図を図式的に図示する。
図7Cに示されるように、いくつかの実施形態では、アンテナ702は、バッテリ712上に配置されることができ、これは、プリント回路基板706の上面上に配置されることができる。
【0093】
種々の実施形態では、本技術の埋込可能デバイスは、ある入力条件またはトリガ事象に基づいて、(例えば、電力消費を増加または減少させるために)その動作を変調させることができる。
図8は、埋込可能デバイスおよび/またはそのコンポーネント(例えば、本明細書に開示されるコントローラのうちのいずれか)によってとられ得る、5つの例示的電力状態を図示する。そのような電力状態は、アクティブ状態、アイドル状態、スタンバイ状態、バックアップ状態、オフ状態等を含むことができる。
図8に示される5つの例示的電力状態は、最大電力集約的(例えば、データが収集されることと、外部デバイスに伝送されることとの両方である、「アクティブ」状態)から最小電力集約的(例えば、バッテリ電力が殆どまたは全く使用されない、「オフ」状態)に及ぶ。図示されるように、埋込可能デバイスが種々の低給電状態から完全動作「アクティブ」状態に「ウェイクアップ」するために要求される時間は、より低電力の状態で増加する(例えば、「オフ」状態からウェイクアップするために要求される時間は、「バックアップ」状態からウェイクアップするために要求される時間を上回る)。ここで描写される種々の状態および電力消費値は、例示的にすぎず、埋込可能デバイスが取得し得る低電力状態の種々のタイプおよび埋込可能デバイスをこれらの低電力状態から完全動作「アクティブ」状態にウェイクアップさせるために使用され得る種々の技法を例証する役割を果たす。
【0094】
図8に示されるように、「アクティブ」状態では、本デバイスまたはコントローラによって消費される電力は、動作の周波数の関数である。例えば、12MHzにおいて、電力消費は、32μA/MHzであるが、48MHzにおいて、電力消費は、40μA/MHzである。したがって、電力消費は、クロック周波数を修正することによって変調されることができる。しかしながら、クロック周波数を低減させることはまた、性能を低減させ得る。「アクティブ」、「アイドル」、および「スタンバイ」状態では、十分な電力が、揮発性メモリ内のデータの記憶を支援するために、SRAM等の揮発性メモリに供給されることができる。「アイドル」状態では、電力消費は、約13μA/MHzであり得、これは、12MHzまたは48MHzのいずれかにおける「アクティブ」状態における電力消費を下回る。「スタンバイ」および「バックアップ」状態では、電力消費は、リアルタイムクロック(RTC)が使用されるかどうかに基づいて、変動し得る。例えば、RTCを伴う「スタンバイ」状態における電力消費は、約1.4μAであり得る一方、RTCを伴わない「スタンバイ」状態における電力消費は、約1.2μAであり得る、および/またはRTCを伴う「バックアップ」状態における電力消費は、約650nAであり得る一方、RTCを伴わない「バックアップ」状態における電力消費は、約600nAであり得る。「オフ」状態では、電力消費は、約210nAであり得る。
【0095】
電力状態を「アイドル」から「アクティブ」に増加させることは、約1.2μ秒かかり得、これは、描写されるウェイクアップ時間のうちの最速のものである。例えば、電力状態を「スタンバイ」から「アクティブ」に増加させることは、クロック周波数に基づいて、約5.1μ秒~16μ秒かかり得る、電力状態を「バックアップ」から「アクティブ」に増加させることは、約90μ秒かかり得る、および/または電力状態を「オフ」から「アクティブ」に増加させることは、約2.2m秒かかり得る。
【0096】
「アイドル」状態および/または「スタンバイ」状態では、電力状態の変更は、非同期および/または同期クロックによって引き起こされることができる。「バックアップ」状態では、電力状態の変更は、コントローラが電源オフにされるときであっても時間を測定し得るRTCの割込、ウェイクアップ割込コントローラ(例えば、
図8に示されるようなEXTWAKExピン)の割込、および/またはバッテリバックアップ電力スイッチ(BBPS)の命令によって引き起こされることができる。「オフ」状態では、電力状態の変更は、本デバイスおよび/またはコントローラの外部リセットによって引き起こされてもよい。
【0097】
図9は、埋込可能血管アクセスデバイス900(「デバイス900」)と照会デバイス902との間の通信のための環境の概略ブロック図である。埋込可能デバイス900、照会デバイス902、および/または埋込可能デバイス900および/または照会デバイス902のコンポーネントは、下記に詳述されるものを除いて、本明細書に開示される対応するデバイスおよびコンポーネントに類似し得る。
図9に示されるように、デバイス900は、第1のデータ通信ユニット904と、第2のデータ通信ユニット906とを備えることができ、そのそれぞれは、照会デバイス902と通信するように構成されることができる。
図9は、2つのデータ通信ユニットを描写するが、デバイス900は、任意の好適な数のデータ通信ユニット(例えば、1つ、3つ、4つ等)を含むことができる。デバイス900は、電力をデバイス900の1つまたはそれを上回るコンポーネントに提供するように構成される、バッテリ908を備えることができる。いくつかの実施形態では、バッテリ908は、バッテリ908とデバイス900の1つまたはそれを上回るコンポーネントとの間の電気エネルギーの通信を制御するように構成される、1つまたはそれを上回る電力スイッチ910を介して、デバイス900の1つまたはそれを上回るコンポーネントに電気的に結合される。
図9に示されるように、そのような1つまたはそれを上回るコンポーネントは、1つまたはそれを上回る感知要素912、第1のコントローラ914、第2のコントローラ916、および/または他の好適なコンポーネントを含むことができる。
図9は、2つのコントローラを描写するが、デバイス900は、任意の好適な数のコントローラ(例えば、1つ、3つ、4つ等)を含むことができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、感知要素912のうちの1つまたはそれを上回るものは、電力スイッチ910のうちの第1のものを介してバッテリ908に電気的に結合され、第1のコントローラ914は、電力スイッチ910のうちの第2のものを介してバッテリ908に電気的に結合され、第2のコントローラ916は、電力スイッチ910のうちの第3のものを介してバッテリ908に電気的に結合される。種々の実施形態では、電力スイッチ910のうちの1つは、バッテリ908を感知要素912、第1のコントローラ914、および/または第2のコントローラ916のうちの2つまたはそれを上回るものに電気的に結合することができる。デバイス900は、第1のコントローラ914(
図9参照)、第2のコントローラ916(
図9参照)、感知要素912(
図9に図示せず)、および/またはデバイス900の他のコンポーネントに電気的に結合される、メモリ918を含むことができる。メモリ918は、例えば、本明細書に説明される種々のルーチンを実装する、デバイスコンポーネントを制御する、データを記憶する、および/またはデータおよび情報を遠隔コンピュータおよび他のデバイスと通信および交換するために要求される、実行可能アプリケーション、ソフトウェア、命令、データ、データベース、および/または他のソフトウェアを記憶する、読取専用メモリ(ROM)および/またはランダムアクセスメモリ(RAM)および/またはSSD等の他の記憶デバイスを含むことができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、照会デバイス902と第1のデータ通信ユニット904との間の通信は、照会デバイス902と第2のデータ通信ユニット906との間の通信よりも少ない電力を消費し得る。例えば、Bluetooth通信規格または類似物を介した通信は、NFCまたは類似する規格を介した通信よりも有意に多くの電力を消費し得る。しかしながら、より高い電力を要求する通信リンク(例えば、Bluetooth等)を介したデータの伝送が、速度、データ品質、伝送範囲等に関して望ましくあり得る。したがって、照会デバイス902および第1のデータ通信ユニット904は、本デバイスの動作のアクティブ化および/または変調のためにより低い電力を要求する第1の無線通信リンクに従って、相互と通信するように構成されてもよく、照会デバイス902および第2のデータ通信ユニット906は、より多くの電力を要求する第2の無線通信リンクに従って、相互と通信するように構成されてもよい。加えて、または代替として、第1のコントローラは、第2のコントローラよりも少ない電力を消費するように構成されることができる。種々の実施形態によると、第1のデータ通信ユニット904は、NFC通信規格を介して通信するように構成されることができる、および/または第2のデータ通信ユニット906は、Bluetooth規格を介して通信するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第1のデータ通信ユニット904は、(例えば、照会デバイス902から、埋込可能デバイス900のコンポーネントから、他の埋込可能またはウェアラブルデバイスから等)変調信号を受信するように構成される。第2のデータ通信ユニット906は、埋込可能デバイス900の1つまたはそれを上回る電子コンポーネント(例えば、第2のコントローラ916、メモリ918、第1のコントローラ914等)からデータを受信し、データを別のデバイス(例えば、照会デバイス902、遠隔コンピューティングデバイス、他の埋込可能またはウェアラブルデバイス等)に伝送するように構成されることができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、電力は、埋込可能デバイス900のバッテリ908から感知要素912、第1のコントローラ914、第2のコントローラ916、および/または埋込可能デバイス900の他の電気コンポーネントに供給されることができる。いくつかの実施形態では、バッテリ908は、1つまたはそれを上回る電力スイッチ910を介して、1つまたはそれを上回る電気コンポーネントに間接的に結合されることができる(
図9参照)。例えば、電力スイッチ910は、第1のデータ通信ユニット901が変調信号を受信した後、バッテリ908から1つまたはそれを上回る感知要素912、第1のコントローラ914、または第2のコントローラ916のうちの少なくとも1つへの電気エネルギーの流動を可能にする、促進する、および/または増加させることができる。1つまたはそれを上回る感知要素912、第1のコントローラ914、または第2のコントローラ916はそれぞれ、明確に異なる電力スイッチ910を介してバッテリ908に間接的に結合されることができる、および/または1つまたはそれを上回る感知要素912、第1のコントローラ914、または第2のコントローラ916のうちの1つまたはそれを上回るものは、同一の電力スイッチ910を介してバッテリ908に間接的に結合されることができる。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る感知要素912、第1のコントローラ914、または第2のコントローラ916のうちの少なくとも1つは、バッテリ908に直接電気的に結合されることができる。
【0101】
図7を参照して記述されるように、いくつかの実施形態では、デバイス900および/またはその1つまたはそれを上回るコンポーネントは、デバイス900および/またはコンポーネントのある機能性が限定および/または変調される、低電力状態を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、第2のコントローラ916は、変調信号が第1のデータ通信ユニット904によって受信されるまで、低電力状態に留まることができる。種々の実施形態では、低電力状態にある間、デバイス900の少なくともいくつかのコンポーネントまたは機能は、動作しなくてもよい。いったん変調信号が受信されると、第2のコントローラ916に電気的に結合される電力スイッチ910は、より多くの電力がバッテリ908から第2のコントローラ916に伝送されることを可能にし、第2のコントローラ916をより高電力の状態に入らせ、第2のデータ通信ユニット906が第2のコントローラ916からデータを伝送することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、第2のコントローラ916は、限定された期間にわたってのみより高電力の状態を維持する。種々の実施形態によると、1つまたはそれを上回る感知要素912は、持続的および/または周期的にデータを取得するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、感知要素912によるデータ収集は、少なくとも部分的に、第1のデータ通信ユニット904によって受信される任意の変調信号(またはその欠如)から独立する。加えて、または代替として、第1のデータ通信ユニット904による変調信号の受信は、感知要素912によるデータ収集を可能にする、促進する、および/または変調させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、感知要素912は、ベースライン周波数においてデータを取得することができる。変調信号が、第1のデータ通信ユニット904によって受信される場合、第1のコントローラ914は、より多くの、および/またはより高い忠実度のデータを捕捉するために、感知要素912により大きい周波数においてデータを取得させることができる。いくつかの実施例では、感知要素912は、変調信号の不在下でデータを収集しない場合がある。むしろ、いったん変調信号が第1のデータ通信ユニット904によって受信されると、第1のコントローラ914は、(例えば、所定の時間量にわたって、所定の数のサンプルにわたって、変調信号が第1のデータ通信ユニット904によってもはや検出されなくなるまで等)感知要素912にデータを一時的に取得させることができる。
【0102】
図10は、
図9および/またはその他を参照して説明される埋込可能デバイス900等の埋込可能デバイスを介してデータを取得および伝送するための例示的プロセス1000のフロー図である。プロセス1000は、第1のデータ通信ユニットにおいて変調信号を受信することを含むことができる(プロセス部分1002)。いくつかの実施形態では、変調信号は、照会デバイスによって放出される。例えば、変調信号は、随意に、埋込可能デバイスに近接近して位置付けられる、照会デバイスのアンテナによって放出される電気エネルギーを備えることができる。なおも他の変調信号も、本明細書に開示されるように、可能性として考えられる。
【0103】
プロセス部分1004において、プロセス1000は、変調信号を受信した後、および/または変調信号に応答して、埋込可能デバイスの1つまたはそれを上回る電気コンポーネントの電力状態を修正することを含むことができる。そのような電子コンポーネントは、1つまたはそれを上回る感知要素および/または1つまたはそれを上回るコントローラ(例えば、第1および第2のコントローラ914、916、コントローラ506等)を備えることができる。電気コンポーネントの電力状態を修正することは、バッテリからコンポーネントへの電力の流動を調整することを含むことができる。例えば、変調信号に応答して、プロセス1000は、より多くの電気エネルギーがバッテリからコンポーネントに流動することを可能にされるように、バッテリおよび電気コンポーネントに電気的に結合される電力スイッチの構成を変更することを含むことができる。いくつかの実施形態では、電気コンポーネントの電力状態は、埋込可能デバイスの1つまたはそれを上回るコントローラによって受信されるデータに基づいて、修正されることができる。種々の実施形態では、第1のコントローラは、第1のコントローラによって受信される生理学的データに基づいて、第2のコントローラの電力状態の増加を引き起こすことができる。例えば、第1のコントローラが、感知要素から生理学的データを受信し、患者の酸素レベルが異常であることを決定する場合、第1のコントローラは、第2のコントローラが、生理学的データを遠隔コンピューティングデバイスに伝送し、そこで、データが、ユーザ(例えば、患者、臨床医等)によって解釈および/または監視され得るように、第2のコントローラの電力状態の変化を引き起こすことができる。したがって、電力状態のこれらおよび他の変化は、外部照会デバイスからの変調信号の受信によって引き起こされない場合がある。
【0104】
依然として
図10を参照すると、プロセス部分1006において、プロセス1000は、埋込可能デバイスの1つまたはそれを上回る感知要素を介してデータを取得することを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る感知要素は、持続的および/または周期的にデータを取得するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、感知要素によるデータ収集は、少なくとも部分的に、第1のデータ通信ユニットによって受信される任意の変調信号(またはその欠如)から独立する。加えて、または代替として、第1のデータ通信ユニットによる変調信号の受信は、感知要素によるデータ収集を可能にする、促進する、および/または変調させることができる。
【0105】
プロセス部分1008において、プロセス1000は、第1のコントローラにおいてデータを受信することを含むことができる。いくつかの実施形態では、埋込可能デバイスの1つまたはそれを上回る感知要素は、1つまたはそれを上回る感知要素によって取得されたデータを第1のコントローラに通信するように構成される。第1のコントローラは、本明細書に開示されるような超低電力コントローラまたは任意の他の好適なコントローラであり得る。いくつかの実施形態では、第1のコントローラおよび/または1つまたはそれを上回る感知要素は、データを埋込可能デバイスの別個のメモリに通信するように構成されることができる。加えて、または代替として、データは、第1のコントローラおよび/または1つまたはそれを上回る感知要素のメモリ内に記憶されることができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、本技術の埋込可能デバイスは、少量の電力を消費するように構成される、第1のコントローラと、大量の電力を消費するように構成される、第2のコントローラとを備えることができる。例えば、
図9を参照して説明されるように、デバイスは、動作の所与の周波数に関してより少ない電力を使用して本デバイスの感知要素と通信するように構成される、第1のコントローラと、動作の所与の周波数においてより多い電力を要求し得る、照会デバイスおよび/または遠隔コンピューティングデバイスにデータを伝送するために第2のデータ通信ユニットと通信するように構成される、第2のコントローラとを備えることができる。したがって、プロセス部分1010において、プロセス1000は、第2のコントローラにおいてデータを受信することを含むことができ、プロセス部分1012において、プロセス1000は、第2のデータ通信ユニットにおいてデータを受信することを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のコントローラは、データを第2のコントローラに伝送するように構成される。加えて、または代替として、データは、埋込可能デバイスの別個のメモリから第2のコントローラに通信されることができる。種々の実施形態では、1つまたはそれを上回る感知要素は、データを第2のコントローラに伝送するように構成されることができる。
【0107】
プロセス部分1014において、プロセス1000は、第2のデータ通信ユニットからデータを伝送することを含むことができる。例えば、第2のデータ通信ユニットは、データを照会デバイスおよび/または遠隔コンピューティングデバイスに伝送することができる。いくつかの実施形態では、例えば、
図10に示されるように、プロセス部分1016において、プロセス1000は、1つまたはそれを上回る電気コンポーネントの電力状態を修正することを含むことができる。例えば、第2のデータ通信ユニットから(例えば、遠隔コンピューティングデバイス等に)データを伝送した後、プロセス1000は、第1および第2のコントローラのうちの一方または両方を、第1および/または第2のコントローラがより少ない電力を消費する電力状態に入らせることを含むことができる。
【0108】
本技術の変調信号は、多くの形態を備えることができる。例えば、変調信号は、照会デバイスによって放出され、第1のデータ通信ユニットによって受け取られる、電気エネルギーを備える。いくつかの実施形態では、埋込可能デバイスは、変調信号を検出するように構成される、感知要素を備えることができる。例えば、埋込可能デバイスは、容量性スイッチ、ホール効果センサ、誘導センサ、または別の非接触センサを備えることができる。加えて、または代替として、変調信号は、埋込可能デバイスに印加され、埋込可能デバイスによって担持される感知要素によって検出される、力、モーメント、圧力等を備えることができる。例えば、埋込可能デバイスは、患者の皮膚を通して(例えば、ユーザが本デバイスを物理的にタップすることを介して等)埋込可能デバイスに印加される圧力を検出するように構成される、トランスデューサを備えることができる。いくつかの実施形態では、埋込可能デバイスは、ボタンが押圧されると、変調信号が発生および検出されるように、患者の皮膚を通してユーザによって押圧されるように構成される、ボタンを備えることができる。
【0109】
本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかでは、埋込可能デバイスの電子コンポーネント(例えば、感知要素、第1および第2のコントローラのいずれか等)のうちの1つまたはそれを上回るものの動作は、1つまたはそれを上回る具体的パラメータを有する変調信号によって変調される(例えば、低電力モードを終了する、データを収集する等)ように構成されることができる。例えば、変調信号が、ユーザが患者の皮膚を通して本デバイス上を押圧することによって、埋込可能デバイスに印加される圧力を備える実施形態では、1つまたはそれを上回る電子コンポーネントの動作は、変調信号が、本デバイスに対する所定の数の増加される圧力(例えば、「タップ」)の周期、具体的シーケンスにおける、および/または具体的周波数における本デバイスに対する所定の数の増加される圧力(例えば、「タップ」)の周期、少なくとも所定の期間にわたって本デバイスに印加される圧力等を備える場合、変調されることができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、変調信号は、生理学的パラメータ、生理学的パラメータの変化、生理学的パラメータのパターン等を備えることができる。生理学的パラメータは、埋込可能デバイスによって担持される感知要素および/またはウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ等)および/または別の埋込可能デバイス(例えば、ペースメーカ、インスリンポンプ等)等の別のデバイスによって担持される感知要素によって検出されることができる。いくつかの実施形態では、本技術のデバイス(例えば、デバイス100)は、他の埋込可能およびウェアラブルデバイスと通信することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、異常なデータを持続的にスクリーニングし、頻繁に再充電され得る、グロス測定ツールとして生理学的データを取得することができる。そのようなウェアラブルデバイスは、ひいては、変調信号を埋込可能デバイスに送信し、埋込可能デバイスに高忠実度のデータを取得および/または伝送させ得る。変調信号は、運動パラメータおよび/または活動パラメータ、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、温度パラメータ、血中酸素飽和度パラメータ等を備えることができる。生理学的パラメータまたはその導関数に応答する埋込可能デバイスの1つまたはそれを上回る電子コンポーネントのアクティブ化は、医学的条件を予測および/または治療するために有用であり得る。例えば、埋込可能デバイスは、患者が不調であることを示し得る、心拍数および温度の増加に応答して、データを収集および/または伝送するようにアクティブ化されることができる。そのようなデータは、(例えば、より高電力の通信リンクを介して)患者および/または介護者に通信されることができる。
【0111】
種々の実施形態によると、生理学的パラメータは、本デバイスをアクティブ化するために、ユーザによって意図的に修正されることができる。例えば、変調信号は、埋込可能デバイスの感知要素によって検出される、少なくとも所定の大きさの温度の変化を備えることができる。これらおよび他の実施形態では、ユーザは、埋込可能デバイスにわたる患者の皮膚上に氷嚢または加熱パッドを設置し、本デバイスをアクティブ化するために十分な温度の変化を引き起こすことができる。いくつかの実施例では、変調信号は、患者の具体的移動を備えることができる。例えば、患者のスマートウォッチは、患者が具体的移動(例えば、具体的方向における手の振り、具体的回数の手首の回転等)を実施していることを決定することができ、移動に応答して埋込可能デバイスに変調信号を通信することができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、本技術による埋込可能デバイスは、オーディオデータに応答してその動作を変調させるように構成されることができる。例えば、埋込可能デバイスは、音波を電気信号に変換するように構成される、1つまたはそれを上回るマイクロホンまたは任意の他のトランスデューサを備えることができる。1つまたはそれを上回るマイクロホンは、本明細書に開示されるコントローラのうちのいずれかに電気的に結合される、および/またはオーディオデータを処理するように構成される、コントローラを含むことができる。一実施例にすぎないが、ユーザまたはデバイス(例えば、照会デバイス、遠隔コンピューティングデバイス等)は、マイクロホンによって検出される音声コマンドを発生させることができる。コントローラは、音声コマンドが既知である、および/または信頼されているかどうかを決定し、決定に基づいて、本デバイスまたはそのコンポーネントに、所定の論理に従ってその動作を変調させることができる。例えば、患者は、「デバイス、データを私の携帯電話に送信して」と声に出して言うことができ、本音波は、埋込可能デバイスによって担持されるマイクロホンによって検出され、オーディオデータに変換されることができ、コントローラは、実質的な電力を使用して照会または遠隔デバイスにデータを伝送するように構成される、コントローラおよび/またはデータ通信ユニットの電力状態を増加させることができる。加えて、または代替として、患者は、「デバイス、低電力モードに入って」と声に出して言うことができ、埋込可能デバイスの1つまたはそれを上回る電気コンポーネントは、低電力モードに入ることができる、および/または1つまたはそれを上回るコンポーネントへの電気エネルギーの流動は、(例えば、電力スイッチを介して)限定されることができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、オーディオデータの特性(例えば、波長、振幅、ピッチ等)に基づいて、音声コマンドが既知である、および/または信頼されているかどうかを決定することができる。
【0113】
患者の保健医療は、多くの場合、患者自身、患者の配偶者、患者の介護者、医療専門家等を含む、複数の利害関係者を伴う。したがって、患者の処置における利害関係者が、患者の健康、患者の埋込可能デバイスの健全性等に関するデータを取得することが可能であることが、有用であり得る。いくつかの実施形態では、本技術の変調信号は、患者の処置における利害関係者からの要求を備えることができる。例えば、臨床医は、データに関する要求を遠隔コンピューティングデバイス(例えば、モバイル電話、コンピュータ等)から埋込可能デバイスに送信することができる。データに関するそのような要求は、限定ではないが、近距離無線通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth、ZigBee、Wi-Fi、誘導結合、または容量結合等の無線通信リンクを介して埋込可能デバイスに送信されることができる。いくつかの実施形態では、通信リンクは、機密の患者データを保護するために、セキュアにされる、および/または信頼性を確保されることができる。加えて、または代替として、埋込可能デバイスおよび/または遠隔コンピューティングデバイスは、データに関する要求が埋込可能デバイスに送信されると、患者、介護者、臨床医等への通知またはアラートを発生させるように構成されることができる。そのような通知は、可聴、視覚的、および/または触覚的通知を備えてもよい。
【0114】
図11は、照会デバイスと通信する埋込可能デバイスの概略図である。示されるように、埋込可能モジュール(例えば、埋込可能血管アクセスデバイス)は、第1の無線通信リンクおよび第2の無線通信リンクを介して近傍の照会デバイス(例えば、スマートフォンまたは他のモバイルデバイス)と通信するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第1および第2の無線通信リンクは、2つの異なる無線通信リンクを備える。いくつかの実施形態では、第1の無線通信リンクを介した通信は、第2の無線通信リンクを介した通信よりも少ない電力を消費する。これらおよび他の実施形態では、第1の無線通信リンクは、NFCリンクを備えることができ、第2の無線通信リンクは、Bluetooth通信リンク(例えば、Bluetooth Low Energy等)を備えることができる。
図11に示されるように、照会デバイスは、第1の無線通信リンクを介して埋込可能モジュールの第1のデータ通信ユニットのアンテナと通信するように構成されることができる。例えば、第1の無線通信リンクが、NFCリンクを備える実施形態では、第1のデータ通信アンテナは、NFCアンテナを備えることができる。第1のデータ通信ユニットアンテナは、第1のデータ通信ユニットチップ(例えば、
図11に示されるような)に電気的に結合されることができる、および/または第1のデータ通信チップは、統合された第1のデータ通信アンテナを備えることができる。いくつかの実施形態では、第1のデータ通信ユニットチップは、感知要素(例えば、
図11の第1の感知要素)に電気的に結合されることができる。そのような感知要素は、少なくとも部分的に、第1のデータ通信ユニットアンテナによって受け取られた電気エネルギーによって給電されることができ、したがって、バッテリ供給電力の必要性を伴わずに、外部から給電されてもよい。
【0115】
第1のデータ通信チップは、バッテリおよび/または1つまたはそれを上回る付加的電子コンポーネントに電気的に結合される、電力スイッチに電気的に結合されることができる。
図11に示されるように、電力スイッチは、1つまたはそれを上回る付加的電力スイッチ、1つまたはそれを上回る低ドロップアウト調整器、1つまたはそれを上回る感知要素、1つまたはそれを上回るコントローラ、または他の電子コンポーネントに電気的に結合されることができる。したがって、そのような電子コンポーネントは、電力スイッチを介してバッテリから電気エネルギーを受け取るように構成されることができる、および/または電力スイッチは、少なくとも部分的に、バッテリから電気コンポーネントへの電気エネルギーの送達を制御または調整することができる。
図11に示されるように、電力スイッチは、低ドロップアウト調整器に電気的に結合されることができる。低ドロップアウト調整器のうちの1つ、いくつか、または全ては、1つまたはそれを上回る感知要素および/または1つまたはそれを上回る付加的電力スイッチに電気的に結合されることができる。いくつかの実施形態では、低ドロップ調整器が、ひいては、第1のコントローラに電気的に結合される、第1の電力スイッチおよび/または、ひいては、第2のコントローラに電気的に結合される、第2の電力スイッチに電気的に結合されることができる。本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかでは、埋込可能デバイスは、1つまたはそれを上回るコントローラに電気的に結合され得る、メモリを含むことができる(例えば、
図11参照)。
【0116】
図11に示されるように、いくつかの実施形態では、感知要素のうちの1つまたはそれを上回るものは、第1のコントローラに電気的に結合され、これは、ひいては、メモリおよび/または第2のコントローラに電気的に結合されることができる。第2のコントローラは、第1のコントローラ、メモリ、および/または第2のデータ通信ユニットに電気的に結合されることができる。第2のデータ通信ユニットは、第2の無線通信リンクを介して別のデバイス(例えば、照会デバイス、遠隔コンピューティングデバイス等)と通信するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第2のデータ通信ユニットは、チップおよび/またはアンテナを備える。したがって、電気エネルギー、それによって、データは、感知要素から第1のコントローラに、メモリに、および/または第2のコントローラに、第2のコントローラから、第2のデータ通信ユニットを介して他のデバイスに伝送されることができる。
【0117】
動作時、照会デバイスは、第1の無線通信リンクを介して埋込可能モジュールと通信することができる。第1のデータ通信ユニットアンテナに結合される、第1のデータ通信ユニットチップは、電力スイッチリセットを開始することができ、これは、随意に、感知要素に、データを取得させる、および/または感知要素がデータを取得する方法を変調させてもよい。感知要素によって取得されたデータは、第1のコントローラに伝送され、随意に、第1のコントローラからメモリに伝送されることができる。第2のコントローラは、第1のコントローラおよび/またはメモリからデータを受信することができ、例えば、第2のデータ通信ユニットを介した伝送によって、第2の無線通信リンクを介して、記憶されたデータを照会デバイスに伝送することができる。このように、埋込可能モジュールは、変調信号が第1の無線通信リンクを介して受信されるまで、低電力状態(例えば、データが感知要素を介して収集されるが、無線で伝送されない、データが感知要素によって能動的に収集されない等)において動作してもよく、その時点で、埋込可能モジュールは、第2の無線通信リンクを介してデータを伝送することができる。
【0118】
図12は、本技術による、埋込可能デバイスの動作を図示する、例示的フロー図である。具体的通信モダリティ(例えば、NFC、BLE)および感知モダリティ(例えば、O
2、RR、HR、温度、活動等)が、
図12に示されるが、他の通信および/または感知モダリティも、可能性として考えられる。例えば、別の電磁結合および/または低電力通信規格が、NFCの代わりに、および/またはそれに加えて使用されることができる。いくつかの実施形態では、別の直接無線伝送および/またはより高電力の通信規格が、Bluetooth Low Energyの代わりに、および/またはそれに加えて使用されることができる。同様に、具体的数のコンポーネント(例えば、NFC1、NFC2、NFC3、NFC4等)およびタイプのコンポーネント(例えば、ULPコントローラ、BLEコントローラ等)が、描写されるが、他の数およびタイプのそのようなコンポーネントも、可能性として考えられる。
図12に示される数値パラメータ(例えば、8時間、15分等)は、例示的であることを意図している。そのような数値パラメータは、非網羅的であり、他の適切な数値パラメータで代用されてもよい。
【0119】
図示されるように、フローは、NFC信号(「NFC1」)の受信または超低電力マイクロコントローラ(ULPコントローラ)を初期化させる本デバイスの初期電源オンから開始されることができる。本初期化はまた、NFC信号(「NFC2」)が受信され、リセットおよび更新を引き起こす場合に行われることができ、その場合では、電力は、瞬間的にオフに切り替えられる。初期化後、埋込可能デバイスの周辺機器が、初期化され、タイマが、リセットされ、Bluetooth Low Energyコントローラが、初期化され、照会デバイスとの接続が、確立される。コントローラが、データが伝送されることができる状態であることを示す場合、データ転送が、(例えば、Bluetooth Low Energy送受信機を介して)開始される。データが伝送された後、Bluetooth Low Energyコントローラは、これが再び初期化されるまで、低電力モードに戻されることができる。
【0120】
初期化に再び目を向けると、タイマがリセットされた後、種々のセンサが、種々のタイミング構成に従って、データを収集することができる(例えば、酸素レベルが、8時間毎に測定される、心拍数が、2時間毎に検出される等)。これらの測定値は、Bluetoothリンクを介した伝送のために内部メモリ内に記憶されることができる。感知ルーチンのうちのいずれかが、アクティブである場合、コントローラは、そのアクティブ状態に留まる。しかし、ルーチンのうちのいずれも、アクティブではないとき、コントローラは、エネルギーを節約するように、低電力モードに復帰することができる。
【0121】
図12に図示されるフローは、ある時間間隔にわたって低電力状態において埋込可能デバイスのあるコンポーネントを維持し、電力を節約しながら、また、有用なデータを近傍の照会デバイスに伝送するように、ある所定の時間においてのみこれらのコンポーネントを完全動作状態に選択的に遷移させる一実施例にすぎない。種々の実施形態では、特定のコンポーネントおよびコンポーネントを高電力状態と低電力状態との間で遷移させるトリガまたは他の条件は、変動することができる。
【0122】
(埋込可能デバイスとの併用のためのモバイルデバイスアプリケーションの選択された実施例)
図1に関して前述で記述されるように、本技術のシステム(例えば、システム10)は、ひいては、埋込可能デバイス100と通信し得る、ローカルコンピューティングデバイス150と通信し得る、第1の遠隔コンピューティングデバイス160を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の遠隔コンピューティングデバイス160は、例えば、病院、医療提供者、医療記録データベース、保険会社、または患者データおよび/またはデバイスデータをセキュアに記憶する責任を負う他のエンティティと関連付けられるサーバコンピュータを含むことができる。遠隔場所170(例えば、病院、診療所、保険事務所、医療記録データベース、オペレータの自宅等)で、オペレータが、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、またはプロセッサおよびメモリを有する他のハンドヘルドデバイス)、または他の好適なデバイスであり得る、第2の遠隔コンピューティングデバイス172を介して、データにアクセスしてもよい。オペレータは、例えば、ウェブベースのアプリケーションを介して、データにアクセスしてもよい。いくつかの実施形態では、デバイス100によって提供される、難読化されたデータは、遠隔場所170において難読化解除(例えば、非暗号化)されることができる。
【0123】
上記に記述されるように、埋込可能デバイス100は、患者に複数の機能を果たすユーザインターフェースを提供するであろうモバイルアプリケーション(例えば、スマートフォンまたはタブレット等のローカルコンピューティングデバイス150上で実行されるソフトウェア)と通信してもよい。アプリケーション上で、患者は、埋込可能デバイス100から発する自身の独自のデータおよびメトリックを閲覧および追跡することができる。患者はまた、これが自身の癌および腫瘍療法に関連する際、自身の症状に関する情報を打ち込むことができる。アプリケーションから、患者は、緊急事態の場合に、自身の処置チームまたは任意の家族および他の指定された介護者に直接連絡することができる。最後に、患者は、アプリケーション上の教育リソースを通して、自身の症状および自宅でそれらを管理する方法について学習することが可能であろう。
【0124】
図13A-13Cは、ユーザが照会デバイスとしてモバイルデバイスを使用して健康チェックを実施するための例示的ユーザインターフェースを図示する。
図13Aに示されるように、アプリケーションは、ユーザの胸部の近傍に(または埋込可能デバイスが位置する場所のどこにでも隣接して)携帯電話を保持するようにユーザをプロンプトすることができる。
図13Bは、照会デバイスが埋込可能デバイスと相互作用する(例えば、NFCを介してウェイクアップ信号を伝送する)間、かつ埋込可能デバイスがデータを収集し、(例えば、Bluetoothリンクを介して)照会デバイスに伝送する間に表示され得る、グラフィックを図示する。ユーザが、「結果」ボタンを選択すると、インターフェースは、
図13Cに示されるものに遷移することができ、これは、ユーザが詳細を見ることを可能にする。インターフェースはまた、画面の下側部分に沿った傾斜線に示されるように、経時的なユーザの測定値のグラフィカル表現を含むことができる。本グラフィカル表現は、患者のパラメータ(例えば、体温、酸素レベル)が患者の履歴ベースラインに対して有意に低下または下降している場合に特に有用であり得る、迅速に判別可能な信号を患者に提供することができる。いくつかの実施形態では、患者の生理学的データが照会デバイスに伝送され、ユーザに表示された後、埋込可能デバイスは、低電力またはスタンバイ状態に復帰することができる。
【0125】
図14A-14Cは、ここでは、患者に関する種々の出力および入力に関連する、ソフトウェアアプリケーションのための付加的ユーザインターフェースを図示する。
図14Aでは、リマインダが、患者の次回の予約に関して提示される。いったんユーザが、インターフェース上で「質疑応答」を選択すると、ユーザは、ユーザが要求される検査室試験または撮像予約を完了したかどうか、処方された薬剤を服用したかどうか、または種々の症状を被ったかどうか等、(例えば、
図14B-14Dに示されるインターフェースを介して)ある情報を提供するようにプロンプトされることができる。いくつかの実施形態では、症状インターフェースはまた、ユーザが、画像(例えば、モバイルデバイスのカメラを介して捕捉された)、オーディオファイル(例えば、自身の状態または症状を説明するユーザの声の記録)、または任意の他の好適なユーザ入力等の他の入力を提供することを可能にすることができる。そのような情報を遠隔で収集することによって、臨床医は、患者が病院または診療所まで移動することを要求することなく、患者の経過を監視することができる。
【0126】
種々の実施形態では、本明細書に開示されるような遠隔監視システムは、埋込可能デバイス100を介して収集されたデータを分析することができる。いくつかの実施形態では、複数の異なる埋込可能デバイス100が、癌患者および患者の転帰に関する大量のデータを集約するためにアクセスされることができる。機械学習および深層学習技術が、次いで、敗血症等の合併症の発症と関連付けられる事項を識別するために採用されてもよい。次に、人工知能対応アルゴリズムが、合併症および臨床的低下の初期兆候を示す患者を先を見越して識別し、処置チームにアラートし、利益が最大限にされるときにタイムリーな介入をトリガするために利用されてもよい。そのようなデータ分析解決策は、それらが、自身の患者の転帰をより良好に理解し、データを使用し、処置を改善し、費用を低減させることができるため、健康システムおよび製薬会社等の第三者にとって特に有益であり得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような遠隔監視システムは、現在の腫瘍学ワークフローに統合され、収集および分析されたデータを臨床チームの手元に置くことができる。いくつかの実施形態では、埋込可能デバイスおよび/または本システムから発生されたデータは、病院/医療システム電子医療記録に直接プッシュされることができ、そこで、これは、患者データの残りの部分と同一の場所における患者チャートにおいて閲覧されることができる。バイタルサインデータが、既存のフローチャートに取り込まれ、通院の合間に患者に起きていることを臨床チームに示すことができる。本システムから発するアラートは、本デバイスからの測定値が規定範囲外(すなわち、発熱を示すある閾値を上回る温度)に該当するときに発生されてもよい。これらのアラートは、勤務時間の間のトリアージのために、診療所の既存のアラートシステムに直接送られてもよい。勤務時間後、アラートは、待機中の医師またはDoctor on Demand等の遠隔医療サービスのいずれかに送信されることができる。
【0128】
(結論)
実施形態のうちの多くが、患者監視のための血管アクセスデバイスに関して上記に説明されるが、本技術は、他のタイプの埋込可能医療デバイス(例えば、ペースメーカ、埋込可能心臓除細動器(ICD)、深部脳刺激装置、インスリンポンプ、注入ポート、整形外科デバイス、および肺動脈圧モニタ等の監視デバイス)等の他の用途および/または他のアプローチに適用可能である。また、本明細書に説明されるものに加えた他の実施形態も、本技術の範囲内である。加えて、本技術のいくつかの他の実施形態は、本明細書に説明されるものと異なる構成、コンポーネント、または手順を有することができる。当業者は、したがって、故に、本技術が、付加的要素を伴う他の実施形態を有し得ること、または本技術が、上記に示され、説明される、特徴のうちのいくつかを伴わない他の実施形態を有し得ることを理解するであろう。
【0129】
本技術の実施形態の上記の詳細な説明は、包括的であること、または本技術を上記に開示される精密な形態に限定することを意図していない。文脈が許容する場合、単数形または複数形の用語はまた、それぞれ、複数形または単数形の用語も含み得る。本技術の具体的実施形態およびそれに関する実施例が、例証目的のために上記に説明されるが、当業者が認識するであろうように、種々の同等の修正が、本技術の範囲内で可能性として考えられる。例えば、ステップが、所与の順序で提示されるが、代替実施形態は、異なる順序でステップを実施してもよい。本明細書に説明される種々の実施形態はまた、さらなる実施形態を提供するように組み合わせられてもよい。
【0130】
本明細書および添付される請求項の目的のために、別様に示されない限り、温度、生理学的パラメータのパーセンテージ変化、血液成分の濃度、心拍数、呼吸数、および本明細書および請求項において使用される他の数値を表す全ての数は、全ての事例において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるものである。故に、反対に示されない限り、以下の明細書および添付される請求項に記載される数値パラメータは、本発明によって取得されることが追求される所望の性質に応じて変動し得る、近似値である。少なくとも、請求項の範囲への均等論の適用を限定するための試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告される有効桁の数に照らして、かつ通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。
【0131】
本発明の広範な範囲を記載する数値範囲およびパラメータが近似値であるにもかかわらず、具体的実施例に記載される数値は、可能な限り精密に報告される。しかしながら、いかなる数値も、本質的に、それらの個別の試験測定において見出される標準偏差から必然的にもたらされるある誤差を含有する。また、本明細書に開示される全ての範囲は、その中に包摂されるありとあらゆる部分範囲を包含するように理解されるものである。例えば、「1~10」の範囲は、1の最小値と10の最大値との間の(およびそれらを含む)ありとあらゆる部分範囲、すなわち、1に等しい、またはそれを上回る最小値と、10に等しい、またはそれを下回る最大値とを有する、ありとあらゆる部分範囲、例えば、5.5~10を含む。
【0132】
また、単語「または」が、2つまたはそれを上回る項目のリストを参照して、他の項目から排他的な単一の項目のみを意味するように明示的に限定されない限り、次いで、そのようなリスト内の「または」の使用は、(a)リスト内の任意の単一の項目、(b)リスト内の項目の全て、または(c)リスト内の項目の任意の組み合わせを含むものとして解釈されるものである。加えて、用語「~を備える」は、任意のより多数の同一の特徴および/または付加的タイプの他の特徴が除外されないように、少なくとも列挙される特徴を含むことを意味するために、全体を通して使用される。また、具体的実施形態が、例証の目的のために本明細書に説明されているが、種々の修正が、本技術から逸脱することなく行われ得ることも理解されたい。さらに、本技術のある実施形態と関連付けられる利点が、それらの実施形態の文脈において説明されているが、他の実施形態はまた、そのような利点を呈し得、全ての実施形態が、必ずしも本技術の範囲内に該当するためにそのような利点を呈する必要があるわけではない。故に、本開示および関連付けられる技術は、本明細書に明示的に示されない、または説明されない、他の実施形態を包含することができる。
【国際調査報告】