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  • 特表-2軸船用の省エネルギー構成 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】2軸船用の省エネルギー構成
(51)【国際特許分類】
   B63H 5/08 20060101AFI20240206BHJP
【FI】
B63H5/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548625
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 EP2022054337
(87)【国際公開番号】W WO2022180008
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】202021100922.5
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518190020
【氏名又は名称】ベッカー マリン システムズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】becker marine systems GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】ヘニング クールマン
(57)【要約】
2軸船の推進力要件を低減するための改良された構成(10)を形成するために、構成(10)は第1のプロペラ(20)及び第2のプロペラ(21)並びに第1の案内装置(30)及び第2の案内装置(31)を備え、船舶(100)の前進方向(F)において、第1の案内装置(30)は第1のプロペラ(20)の前方に配置され、第2の案内装置(31)は第2のプロペラ(21)の前方に配置され、第1のプロペラ(20)及び第2のプロペラ(21)は第1のプロペラシャフト及び第2のプロペラシャフトに取り付けられ、第1のプロペラシャフトは第1のプロペラ軸(22)を画定し、第2のプロペラシャフトは第2のプロペラ軸(23)を画定し、第1の案内装置(30)及び第2の案内装置(31)の各々はプロペラ軸(22、23)から延在する少なくとも1つのフィン(32、33)を備え、第1の案内装置(30)及び第2の案内装置(31)のフィン(32、33)はそれぞれ船舶の舷側(101、102)に向かって外向きに延在する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2軸船の推進力要件を低減するための構成(10)であって、第1のプロペラ(20)及び第2のプロペラ(21)を備え、第1の案内装置(30)及び第2の案内装置(31)を備え、船舶(100)の前進方向(F)において、前記第1の案内装置(30)が前記第1のプロペラ(20)の前方に配置され、前記第2の案内装置(31)が前記第2のプロペラ(21)の前方に配置され、前記第1のプロペラ(20)及び前記第2のプロペラ(21)は、第1のプロペラシャフト及び第2のプロペラシャフトに取り付けられ、前記第1のプロペラシャフトは第1のプロペラ軸(22)を画定し、前記第2のプロペラシャフトは第2のプロペラ軸(23)を画定し、
前記第1の案内装置(30)及び前記第2の案内装置(31)の各々は、前記プロペラ軸(22、23)から延在する少なくとも1つのフィン(32、33)を備え、前記第1の案内装置(30)及び前記第2の案内装置(31)の前記フィン(32、33)は、それぞれ前記船舶の舷側(101、102)に向かって外向きに延在する、構成(10)。
【請求項2】
前記第1の案内装置(30)及び前記第2の案内装置(31)の各々が、少なくとも1つの前記フィン(32、33)を備える、請求項1に記載の構成(10)。
【請求項3】
前記第1及び第2の案内装置(30、31)の少なくとも2つの前記フィン(32、33)は、相互に角度(A)をなし、前記案内装置(30、31)の少なくとも2つの前記フィン(32、33)が、シャフト軸受(40)の領域に、特に、前記船舶(100)の前記第1及び第2のプロペラシャフトを支持するよう設計された船尾管のシェル上に、取り付けられ、又は前記船舶の船体に取り付けられた、請求項1又は2に記載の構成。
【請求項4】
前記案内装置(30、31)の少なくとも1つの前記フィン(32、33)が、前記第1及び第2のプロペラ(20、21)が操作される場合に予旋回を生成するように設定され、前記予旋回が、少なくとも1つの非対称スケグ(110)によって生成される予旋回がない又は低減された前記プロペラ(20、21)の流入範囲(130)においてそれぞれの前記案内装置(30、31)によって生成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の構成。
【請求項5】
前記フィン(32、33)は長さ(L)を有し、前記フィン(32、33)の前記長さ(L)は、前記プロペラ(20、21)のプロペラ半径の65%~110%、好ましくは80%~110%、特に好ましくは90%~105%、最も好ましくは100%に相当する、請求項1から4のいずれか一項に記載の構成。
【請求項6】
前記第1及び第2の案内装置(30、31)の少なくとも2つの前記フィン(32、33)が、接続バー(50)によって相互に接続された、請求項2から5のいずれか一項に記載の構成。
【請求項7】
前記接続バー(50)が、前記フィン(32、33)の長さ(L)に沿って、前記フィンの前記長さの30%以上70%以下に配置され、好ましくは45%以上55%以下に配置され、特に好ましくは前記フィン(32、33)の前記長さ(L)の50%において中心配置された、請求項6に記載の構成。
【請求項8】
前記接続バー(50)が前記接続バー(50)の長さ及び/又は幅に沿って直線状又は曲線状に形成された、請求項6又は7に記載の構成。
【請求項9】
前記案内装置(30、31)の各々が、2つのみのフィン(32、33)を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の構成。
【請求項10】
前記プロペラ(20、21)は二重反転プロペラ(20、21)として設計され、前記第1の案内装置(30)は前記第1のプロペラ(20)の衝突側に配置され、前記第2の案内装置(31)は前記第2のプロペラ(21)の衝突側に配置される、請求項1から9のいずれか一項に記載の構成。
【請求項11】
前記案内装置(30、31)が、前記船舶(100)の垂直対称面(S)に対して相互に略鏡面対称に位置決めされた、請求項1から10のいずれか一項に記載の構成。
【請求項12】
少なくとも1つの前記フィン(32、33)がその長さ(L)に沿って一定の又は変化するプロファイリング及び/又は位置を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の構成。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の構成(10)を備える、特に2軸船である船舶(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のプロペラ及び第2のプロペラを備え、第1の案内装置及び第2の案内装置を備え、船舶の前進方向に沿って見たとき、第1の案内装置が第1のプロペラの前方に配置され、第2の案内装置が第2のプロペラの前方に配置された、2軸船の推進力要件を低減するための構成に関する。さらに、本発明は、このような構成を備える船舶、特に2軸船に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶の推進力要件を低減するための様々な装置が既に知られている。例えば、船舶の進行方向におけるプロペラの上流側のリングノズルは、プロペラへの流入を最適化することで、船舶のエネルギー消費に好影響を与えることができる。
【0003】
さらに、水と船体との間の摩擦損失又は旋回損失を低減する能動装置が知られている。このような装置は、船体に沿って分布されて船体の摩擦を低減するノズルを介して気泡を生成することができ、さらなる省エネルギーを可能とする。
【0004】
例えば、2軸船などの非対称のスケグ又は船尾を有する船では、スケグの非対称性によって、一部の領域においてプロペラへの流入の予旋回がすでに発生している。しかしながら、予旋回はスケグ後方の流れ方向に配置されたプロペラの前方では均一には形成されず、これはプロペラにとって最適でない流入が起こり得ることを意味する。しかしながら、駆動力要件を低減するための周知の解決策は、予旋回の目標とされた最適化には使用できない。
【0005】
本発明の課題は、推進力要件を低減するため又は2軸船の消費電力を低減するための改良された構成を形成することである。
【発明の概要】
【0006】
この問題は、請求項1及び請求項12に示された特徴によって解決される。本発明のさらなる好ましい実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0007】
本発明の一態様によると、2軸船の推進力要件を低減するための構成が提供される。
【0008】
構成は、第1のプロペラ及び第2のプロペラを備える。さらに、構成は、第1の案内装置及び第2の案内装置を備え、船舶の前進方向に沿って見たとき、第1の案内装置が第1のプロペラの前方に配置され、第2の案内装置が第2のプロペラの前方に配置される。
【0009】
第1のプロペラ及び第2のプロペラは、第1のプロペラシャフト及び第2のプロペラシャフトに取り付けられ、第1のプロペラシャフトは第1のプロペラ軸を画定し、第2のプロペラシャフトは第2のプロペラ軸を画定する。
【0010】
本発明によると、第1の案内装置及び第2の案内装置の各々は、プロペラ軸から延在する少なくとも1つのフィンを備え、第1の案内装置及び第2の案内装置のフィンは船舶の舷側に向かって外向きに延在する。
【0011】
特に、第1の案内装置及び第2の案内装置の少なくとも1つのフィンは、予旋回が低減された領域に配置される。
【0012】
さらに、少なくとも1つのフィンが、例えば、プロペラ軸から放射状に又は実質的に放射状に延在してもよい。
【0013】
第1の案内装置のフィンは船舶の第1の舷側に向かって延在し、一方、第2の案内装置のフィンは船舶の第2の舷側、特に、船舶の第1の舷側と反対の側に向かって延在する。特に、第1の案内装置のフィンは右舷側に向かって延在し、第2の案内装置のフィンは左舷側に向かって延在し得る。2つの案内装置のフィンは、内向きに、すなわち、プロペラ間の領域内には延在しない。したがって、フィンは、プロペラ間の内部領域には設けられない。
【0014】
プロペラの回転の方向は内向きに向けられる場合、案内装置を外側に、特に側方のスケグに配置することが規定される。結果として、本構成の案内装置は、予旋回が低減され又は存在しないプロペラの衝突側に配置される。
【0015】
プロペラへの流入の残余の領域では、プロペラの周囲のスケグの非対称性によって予旋回がすでに発生している。したがって、2つの案内装置は、予旋回のない流入の領域にのみ配置され得る。案内装置を使用することによって、プロペラへの流入時にセクションごとに予旋回が生成され得る。これは、予旋回によって実質的に完全に衝突させられるプロペラへの流入をもたらす。
【0016】
プロペラに流れ込む水塊の領域における目標とされた又は領域ごとの予旋回の生成によって、流量損失が低減する。スケグの形状によって決定される指定領域において水流と案内装置との間には、相互作用がある。
【0017】
このような案内装置の使用を必要とする領域は、プロペラの前方の船舶の進行方向でフローシミュレーションを用いて決定され得る。特に、このようなフローシミュレーションは、CFD(数値流体力学)フローシミュレーションであり得る。
【0018】
好ましくは、第1の案内装置及び第2の案内装置の各々は、少なくとも2つのフィンを備える。
【0019】
好ましい実施形態において、第1の案内装置及び第2の案内装置の少なくとも2つのフィンは相互に角度をなし、案内装置の少なくとも2つのフィンがシャフト軸受の領域内に、特に、船舶の第1及び第2のプロペラシャフトを支持するよう設計された船尾管の外側のシェルに向かって、又は船尾材の領域内で船舶の船体に向かって取り付けられる。それぞれの案内装置の2つのフィン間の角度は、軸受を始点としてフィンの回転軸として画定され得る。
【0020】
案内装置の2つのフィンの間の角度又は案内装置の少なくとも3つのフィンの間の複数の角度は、予旋回が低減された領域にフィンが広がることでその水流がプロペラに当たる前に予旋回を対応する水流に最適に適用するように選択され得る。
【0021】
少なくとも3つのフィンの間の角度は、定義された予旋回分布がプロペラへの流入に対して生成可能となるように、同一となるように又は異なるように選択され得る。予旋回分布は、プロペラに流れ込む水塊の断面領域に沿って変化する予旋回を生成し得る。
【0022】
さらなる実施形態によると、案内装置の少なくとも1つのフィンが第1及び第2のプロペラへの流入時に予旋回を生成するように設計され、予旋回が少なくとも1つの非対称スケグ又は船尾によって生成される予旋回がない又は低減されたプロペラへの流入領域においてそれぞれの案内装置によって生成される。この対策は、流入が発生するにつれて断面領域全体に沿って均一な又はより均一なプロペラへの流入をもたらす。
【0023】
案内装置による水塊の目標とされる影響は、旋回損失を最小限にし、結果として船舶の動力要件の節約をもたらす。
【0024】
プロペラへの流入は、フィンがプロペラのプロペラ半径の65%~110%、好ましくは80%~110%、特に好ましくは90%~105%、最も好ましくはその100%に相当する長さを有する場合、正確に調整可能となる。特に、これは、船体に加えて、案内装置によって導入される抵抗を低減し得る。
【0025】
案内装置ごとに少なくとも2つのフィンが設けられる場合、特に、第1及び第2の案内装置の少なくとも2つのフィンが接続バーによって接続される場合、案内装置のフィンは構造的に補強され得る。
【0026】
さらに、例えば、リングセグメント又は少なくとも2つのフィン間の直線接続部の形態で作動可能な少なくとも1本の接続バーは、プロペラの流れにさらに影響を与え得る。これは、接続バーをプロファイリングし及び/又は歪ませ若しくは捻じることによって達成され得る。
【0027】
接続バーは、フィンの長さに沿って見たときに、好ましくはフィンの長さの30%以上70%以下、特に好ましくはフィンの長さの45%以上55%以下に又は中央に配置されている場合、フィンを特に効率的に支持し得る。1本の接続バーが、複数のフィン、例えば3つ以上のフィンを連結又は接続し得る。
【0028】
さらに、又は代替例として、接続バーは、2つのフィンの先端をともに接続し又は第1のフィンの先端を第2のフィンに機械的に接続し得る。
【0029】
代替的に、2つのフィンの間にそれぞれ位置決めされた複数の接続バーが設けられてもよい。案内装置のすべてのフィンを相互に機械的に連結又は接続する複数の接続バーは、列を形成する。
【0030】
好ましくは、少なくとも1本の接続バーが、少なくとも2つのフィンの間で静的に固定的な又は堅固な接続を生成し得る。
【0031】
他の例示的な実施形態によると、接続バーは、接続バーの長さ及び/又は幅に沿って直線又は曲線形成を有する。少なくとも1本の接続バーは、流入又は水流が、そこを通して特異的に影響され得る軸受表面プロファイルを備えていてもよい。
【0032】
代替的に、少なくとも1本の接続バーは、プロペラへの流入に対してその抗力を最小限にするプロファイルを有していてもよい。
【0033】
構成及び案内装置は、案内装置の各々が2つのみのフィンを備える場合、技術的に特に単純になり得る。
【0034】
代替的に、案内装置の各々は、3つのみのフィンを備えていてもよい。
【0035】
代替的に、案内装置の各々は、1つのみのフィンを備えていてもよい。
【0036】
さらなる実施形態によると、プロペラは二重反転プロペラとして設計され、第1の案内装置は第1のプロペラの衝突側に配置され、第2の案内装置は第2のプロペラの衝突側に配置される。スケグの非対称形状に起因して、予旋回が減少した水の流入又は入水領域は、案内装置によって増幅され得るプロペラの衝突側に形成される。
【0037】
特に、2つのプロペラは、2つの案内装置のフィンが船舶の舷側に向かって外向きに突出している場合に、上部で内向きに、すなわち、船舶のプロペラ間の領域の方向に回転するように設計されている。
【0038】
「内向きに回転する」及び「外向きに回転する」という用語は、それぞれ、プロペラを船舶に設置された状態に関してプロペラの上部にある点(すなわち、12時の位置)を想定した場合のプロペラの回転方向を指す。したがって、プロペラが外向きに回転する場合、回転の上部の点でのプロペラの動きは船舶の外側に向かって外向きに向けられる。プロペラが内向きに回転する場合、回転の上部の点でのプロペラの動きは2つのプロペラの間の領域の方向に内向きに向けられる。
【0039】
案内装置は、船舶の垂直対称面に関して相互に対して略鏡面対称に位置決めされる場合に、特に効率的に船舶に位置決めされ得る。その結果、船舶の直進安定性は、案内装置によって損なわれずに維持され得る。
【0040】
水中を通るプロペラへの流入は、フィンがその長さに沿って一定の又は変化するプロファイリング及び/又は位置を有する場合、案内装置及び対応するフィンを用いて特に正確に制御され得る。
【0041】
本発明の他の態様によると、船舶、特に2軸船が提供される。船舶は、本発明に係る第1の案内装置及び第2の案内装置を有する構成を有する。2つの案内装置は、好ましくはプロペラ軸のシャフト軸受に取り付けられ、船舶の舷側の方向に延在する。特に、第1の案内装置は船舶の第1の舷側、すなわち、右舷側に延在してもよく、第2の案内装置は船舶の第2の舷側、すなわち、左舷側に延在してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】2軸船のプロペラの周囲の予旋回の例示的なシミュレーションである。
図2a】第1の実施形態による本発明に係る構成の斜視図である。
図2b】第2の実施形態による本発明に係る構成の斜視図である。
図3】第2の実施形態による本発明に係る構成の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の複数の例示的な実施形態を図面に基づいて、より詳細に説明する。
【0044】
図1は、図2a及び図3において例として示す2軸船100のプロペラ20、21の領域での予旋回の例示的なシミュレーションを示す。このシミュレーションは、対応する予旋回分布での流水の流入の、すなわち、プロペラ20、21の方向の断面領域を示す。2軸船として設計された船舶100の第1のプロペラ軸22の周囲及び第2のプロペラ軸23の周囲の予旋回が示される。
【0045】
船舶100のスケグ110の非対称形状は、予旋回増加領域120及び予旋回低減又は不在領域130を生成する。対応する矢印の長さは、予旋回の例示的な測定値を示し、明るい網掛け領域はプロペラの回転方向に対して低減した予旋回に対応し、暗い網掛け領域はプロペラの回転方向に対して増加した予旋回に対応する。
【0046】
本発明に係る図2aに示す構成10は、予旋回がない又は好ましくない流入がある領域130にのみ配置された案内装置30、31を備える。
【0047】
図2aは、第1の実施形態による本発明に係る構成10の斜視図を示す。構成10は、2軸船又は船舶100の推進力要件を低減するように作用する。明確性のために、船舶100の船尾セクションの第2の舷側、すなわち、左舷側のみを示す。図3では船舶100の船尾図が示され、両舷側を示す。図2aを、図3を参照して説明する。
【0048】
構成10は、第1のプロペラ20及び第2のプロペラ21を備える。さらに、構成10は、第1の案内装置30及び第2の案内装置31を備える。
【0049】
船舶100の前進方向Fに沿って見たとき、第1の案内装置30は第1のプロペラ20の前方に配置され、第2の案内装置31は第2のプロペラ21の前方に配置される。
【0050】
第1のプロペラ20及び第2のプロペラ21は第1のプロペラシャフト(不図示)及び第2のプロペラシャフト(不図示)に取り付けられ、第1のプロペラシャフトは第1のプロペラ軸22を画定し、第2のプロペラシャフトは第2のプロペラ軸23を画定する。
【0051】
図示する例示的実施形態では、第1の案内装置30及び第2の案内装置31の各々は、プロペラ軸22、23から放射状に延在する2つのフィン32、33を備える。第1の案内装置30及び第2の案内装置31のフィン32、33は、船舶の舷側101、102に向かって外向きに延在する。
【0052】
特に、それぞれ、第1の案内装置30は船舶の第1の舷側、すなわち、右舷側101に延在し、第2の案内装置31は船舶の第2の舷側、すなわち、左舷側102に延在する。
【0053】
第1及び第2の案内装置30、31の2つのフィン32、33は、相互に角度Aをなしている。案内装置30、31の2つのフィン32、33は、例として、シャフト軸受40の領域、特に、船舶100の第1及び第2のプロペラシャフトを支持するように設計された船尾管のシェルに取り付けられる。
【0054】
図2bを参照すると、第2の実施形態による本発明に係る構成10の斜視図が示される。特に、図2bには、図2aに類似する船舶100の側面図を示す。既に説明した実施形態とは対照的に、構成10は、フィン32、33の間に径方向中央に配された接続バー50を備える。
【0055】
フィン32、33は長さLを有し、それはプロペラ20、21のプロペラ半径の100%に相当する。
【0056】
径方向に突出した2つのフィン32、33は、概ね径方向中央に配置された接続バー50を備える。接続バー50は、フィン32、33を構造的に補強可能である。特に、フィン32、33は、接続バー50によって相互に機械的に接続される。
【0057】
図3に、船舶100の船尾図を示す。これにより、構成10全体が図示されている。第1及び第2の案内装置30、31は、それぞれ船尾管及びシャフト軸受40のシェルを始点として、船舶の第1及び第2の舷側101、102の方向にそれぞれ延在している。2つのプロペラの回転方向を、回転の上部の点、すなわち、12時の位置に内向きに配置された2つの矢印Rによって示す。
【0058】
矢印Rの方向に内向きに回転するプロペラ20、21の場合、2つの案内装置30、31は、プロペラ20、21の外側又は衝突側に配置される。したがって、背面からの図に基づいて、案内装置30、31は、午前3時の位置及び午前9時の位置にある。このような構成10の形成において、案内装置30、31は、好ましくは、船舶100の垂直対称面Sに関して相互に対して対称に配置される。
【0059】
このような案内装置30、31の構成は、特に2軸船の場合に、特に高いエネルギー節約量又は燃料削減を達成するために使用され得る。
【0060】
好ましくは、案内装置30、31に加え、船舶にフィン又はノズルを備える他の省エネルギー装置は、プロペラ20、21の領域には配置されず、舵にも配置されない。
【0061】
図3はまた、構成10及び案内装置30、31の対称的な構造を示す。接続片又は接続バー50は、フィン32、33の長さLに沿って見たとき、フィン32、33の概ね中間に取り付けられていることもわかる。
【符号の説明】
【0062】
100 船舶(2軸船)
101 船舶の第1の舷側(右舷側)
102 船舶の第2の舷側(左舷側)
110 船舶のスケグ
120 予旋回増加領域
130 予旋回低減領域
10 構成
20 第1のプロペラ
21 第2のプロペラ
22 第1のプロペラ軸
23 第2のプロペラ軸
30 第1の案内装置
31 第2の案内装置
32 第1の案内装置のフィン
33 第2の案内装置のフィン
40 シャフト軸受
50 接続バー
A 2つのフィン間の角度
F 前進方向
L フィンの長さ
S 船舶の垂直対称面
R 回転方向
図1
図2a
図2b
図3
【国際調査報告】