(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】メソテリンポリペプチドに結合する分子
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20240206BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20240206BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20240206BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20240206BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20240206BHJP
C07K 14/705 20060101ALI20240206BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20240206BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20240206BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20240206BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240206BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240206BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20240206BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240206BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240206BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240206BHJP
A61K 35/17 20150101ALI20240206BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C12N15/12
C12N15/62 Z
C07K16/28
C07K19/00
C07K14/705
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61K39/395 N
A61K47/68
A61P35/00
A61K45/00 101
A61P43/00 121
A61K35/17
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548823
(86)(22)【出願日】2022-02-15
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 US2022016481
(87)【国際公開番号】W WO2022177913
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】501102988
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ ピッツバーグ -オブ ザ コモンウェルス システム オブ ハイヤー エデュケイション
【住所又は居所原語表記】1st Floor Gardner Steel Conference Center,130 Thackeray Avenue,Pittsburgh PA 15260,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディミトロフ,ディミター スタンチェフ
(72)【発明者】
【氏名】スン,ゼーフア
(72)【発明者】
【氏名】メロアス,ジョン ダブリュ.
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C085
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA90X
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA25
4B065CA44
4C076CC27
4C076CC41
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC751
4C085AA14
4C085BB11
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB63
4C087NA14
4C087ZB26
4C087ZC75
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045BA72
4H045CA40
4H045DA50
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA72
4H045FA74
(57)【要約】
本明細書は、結合分子(たとえば、抗体、抗体フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)をメソテリンポリペプチドに結合させることに関わる、方法および材料を提供する。たとえば、メソテリンポリペプチドに結合する結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)、ならびにがんを有する哺乳動物(たとえばヒト)を治療するために1以上のそのような結合分子を使用するための方法および材料を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号1(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号1)、配列番号2(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号2)、および配列番号3(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号3)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(ii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号9(または1、2もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号9)、配列番号10(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号10)、および配列番号11(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号11)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(iii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号17(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号17)、配列番号18(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号18)、および配列番号19(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号19)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域:
(iv)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号25(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号25)、配列番号26(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号26)、および配列番号27(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号27)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(v)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号33(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号33)、配列番号34(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号34)、および配列番号35(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号35)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(vi)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号41(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号41)、配列番号42(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号42)、および配列番号43(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号43)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(vii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号49(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号49)、配列番号50(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号50)および配列番号51(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号51)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(viii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号57(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号57)、配列番号58(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号58)、および配列番号59(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号59)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(ix)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号65(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号65)、配列番号66(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号66)、および配列番号67(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号67)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(x)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号73(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号73)、配列番号74(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号74)、および配列番号75(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号75)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(xi)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号81(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号81)、配列番号82(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号82)、および配列番号83(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号83)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;または
(xii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号89(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号89)、配列番号90(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号90)、および配列番号91(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号91)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域:
を含む、抗体。
【請求項2】
前記抗体が、配列番号97または配列番号531に結合する能力を含有する、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
(i)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号1(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号1)、配列番号2(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号2)、および配列番号3(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号3)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(ii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号9(または1、2もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号9)、配列番号10(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号10)、および配列番号11(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号11)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(iii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号17(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号17)、配列番号18(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号18)、および配列番号19(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号19)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域:
(iv)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号25(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号25)、配列番号26(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号26)、および配列番号27(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号27)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(v)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号33(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号33)、配列番号34(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号34)、および配列番号35(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号35)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(vi)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号41(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号41)、配列番号42(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号42)、および配列番号43(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号43)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(vii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号49(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号49)、配列番号50(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号50)および配列番号51(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号51)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(viii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号57(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号57)、配列番号58(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号58)、および配列番号59(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号59)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(ix)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号65(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号65)、配列番号66(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号66)、および配列番号67(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号67)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(x)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号73(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号73)、配列番号74(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号74)、および配列番号75(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号75)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(xi)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号81(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号81)、配列番号82(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号82)、および配列番号83(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号83)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;または
(xii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号89(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号89)、配列番号90(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号90)、および配列番号91(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号91)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域:
を含む、抗原結合フラグメント。
【請求項4】
前記抗原結合フラグメントが、配列番号97または配列番号531に結合する能力を含有する、請求項3に記載の抗原結合フラグメント。
【請求項5】
前記抗体が、モノクローナル抗体である、請求項1または2に記載の抗体。
【請求項6】
前記抗原結合フラグメントが、モノクローナルである、請求項3または4に記載の抗原結合フラグメント。
【請求項7】
(i)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号1(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号1)、配列番号2(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号2)、および配列番号3(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号3)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(ii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号9(または1、2もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号9)、配列番号10(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号10)、および配列番号11(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号11)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(iii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号17(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号17)、配列番号18(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号18)、および配列番号19(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号19)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域:
(iv)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号25(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号25)、配列番号26(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号26)、および配列番号27(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号27)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(v)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号33(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号33)、配列番号34(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号34)、および配列番号35(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号35)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(vi)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号41(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号41)、配列番号42(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号42)、および配列番号43(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号43)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(vii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号49(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号49)、配列番号50(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号50)および配列番号51(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号51)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(viii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号57(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号57)、配列番号58(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号58)、および配列番号59(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号59)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(ix)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号65(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号65)、配列番号66(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号66)、および配列番号67(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号67)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(x)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号73(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号73)、配列番号74(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号74)、および配列番号75(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号75)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;
(xi)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号81(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号81)、配列番号82(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号82)、および配列番号83(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号83)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域;または
(xii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号89(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号89)、配列番号90(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号90)、および配列番号91(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号91)に記載されるアミノ酸配列を含む、ドメインもしくは領域:
を含む、抗体ドメイン。
【請求項8】
前記抗体ドメインが、配列番号97または配列番号531に結合する能力を含有する、請求項7に記載の抗体ドメイン。
【請求項9】
前記抗体ドメインが、モノクローナルである、請求項6または7に記載の抗体ドメイン。
【請求項10】
抗原結合ドメイン、ヒンジ、膜貫通ドメイン、および1以上のシグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体であって、前記抗原結合ドメインが、請求項1~9のいずれか1つに記載の抗体、抗原結合フラグメント、または抗体ドメインを含む、キメラ抗原受容体。
【請求項11】
前記抗原結合ドメインが、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含む、請求項10に記載のキメラ抗原受容体。
【請求項12】
前記抗原結合ドメインが、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含む、請求項10に記載のキメラ抗原受容体。
【請求項13】
前記ヒンジが、
図16に記載されるヒンジを含む、請求項10~12のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
【請求項14】
前記膜貫通ドメインが、
図17に記載される膜貫通ドメインを含む、請求項10~13のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
【請求項15】
前記キメラ抗原受容体が、
図18に記載される1以上のシグナル伝達ドメインを含む、請求項10~14のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
【請求項16】
請求項10~15のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体を含む細胞。
【請求項17】
前記細胞が、T細胞、幹細胞、またはNK細胞である、請求項16に記載の細胞。
【請求項18】
第1の抗原結合ドメイン、リンカー、および第2の抗原結合ドメインを含む細胞エンゲージャーであって、前記第1の抗原結合ドメインが、請求項1~9のいずれか1つに記載の抗体、抗原結合フラグメント、または抗体ドメインを含む、細胞エンゲージャー。
【請求項19】
前記第1の抗原結合ドメインが、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含む、請求項18に記載の細胞エンゲージャー。
【請求項20】
前記第1の抗原結合ドメインが、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含む、請求項18に記載の細胞エンゲージャー。
【請求項21】
前記リンカーが、
図15または
図16に記載のリンカーを含む、請求項18~20のいずれか1つに記載の細胞エンゲージャー。
【請求項22】
前記第2の抗原結合ドメインがT細胞の表面上に発現されるポリペプチドに結合する、請求項18~21のいずれか1つに記載の細胞エンゲージャー。
【請求項23】
前記のT細胞の表面上に発現されるポリペプチドがCD3ポリペプチドである、請求項22に記載の細胞エンゲージャー。
【請求項24】
前記第2の抗原結合ドメインが、
図19に記載される抗原結合ドメインである、請求項22に記載の細胞エンゲージャー。
【請求項25】
前記第2の抗原結合ドメインがNK細胞の表面上に発現されるポリペプチドに結合する、請求項18~21のいずれか1つに記載の細胞エンゲージャー。
【請求項26】
前記のNK細胞の表面に発現されるポリペプチドが、CD16a、NKG2A、NKG2D、NKp30、NKp44、またはNKp46ポリペプチドである、請求項25に記載の細胞エンゲージャー。
【請求項27】
前記第2の抗原結合ドメインが、
図20に記載される抗原結合ドメインである、請求項25に記載の細胞エンゲージャー。
【請求項28】
前記細胞エンゲージャーが、第3の抗原結合ドメインを含む、請求項18~27のいずれか1つに記載の細胞エンゲージャー。
【請求項29】
前記第3の抗原結合ドメインが、NK細胞の表面上に発現されるポリペプチドに結合する、請求項28に記載の細胞エンゲージャー。
【請求項30】
前記のNK細胞の表面上に発現されるポリペプチドが、CD16a、NKG2A、NKG2D、NKp30、NKp44、またはNKp46ポリペプチドである、請求項29に記載の細胞エンゲージャー。
【請求項31】
前記第3の抗原結合ドメインが、
図20に記載される抗原結合ドメインである、請求項29に記載の細胞エンゲージャー。
【請求項32】
請求項1~9のいずれか1つに記載の前記抗体、前記抗原結合フラグメント、または前記抗体ドメインの少なくとも一部をコードする核酸配列を含む、核酸。
【請求項33】
請求項10~15のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体、または請求項18~31のいずれか1つに記載の細胞エンゲージャーをコードする核酸配列を含む、核酸。
【請求項34】
請求項32または33に記載の核酸を含む、宿主細胞。
【請求項35】
請求項10~15のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体、または請求項18~31のいずれか1つに記載の細胞エンゲージャーを発現する、宿主細胞。
【請求項36】
薬物に共有結合している抗原結合ドメインを含む抗体薬物複合体(ADC)であって、前記抗原結合ドメインが、請求項1~9のいずれか1つに記載の抗体、抗原結合フラグメント、または抗体ドメインを含む、抗体薬物複合体(ADC)。
【請求項37】
前記抗原結合ドメインが、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含む、請求項36に記載のADC。
【請求項38】
前記抗原結合ドメインが、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含む、請求項36に記載のADC。
【請求項39】
前記薬物が、アウリスタチン、メルタンシン、またはピロロベンゾジアゼピン(PBD)二量体からなる一群から選択される、請求項36~38のいずれか1つに記載のADC。
【請求項40】
請求項1~9のいずれか1つに記載の抗体、抗原結合フラグメント、または抗体ドメインを含む、組成物。
【請求項41】
請求項18~31のいずれか1つに記載の細胞エンゲージャーを含む、組成物。
【請求項42】
請求項16、17、34、および35のいずれか1つに記載の細胞を含む、組成物。
【請求項43】
請求項36~39のいずれか1つに記載のADCを含む、組成物。
【請求項44】
前記組成物がチェックポイント阻害薬を含む、請求項40~43のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項45】
前記チェックポイント阻害剤が、セミプリマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、JTX-4014、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、シンチリマブ、チスレリズマブ、トリパリマブ、ドスタルリマブ、INCMGA00012、AMP-224、AMP-514、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、KN035、CK-301、AUNP12、CA-170、BMS-986189、およびイピリムマブからなる一群から選択される、請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
がんを有する哺乳動物を治療する方法であって、その方法が、前記哺乳動物に、請求項40~45のいずれか1つに記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項47】
がんを有する哺乳動物を治療する方法であって、その方法が、
(a)前記哺乳動物に、請求項40~45のいずれか1つに記載の前記組成物を投与すること、および
(b)前記哺乳動物に、チェックポイント阻害薬を含む組成物を投与すること:
を含む、方法。
【請求項48】
前記哺乳動物がヒトである、請求項46または47に記載の方法。
【請求項49】
結合分子をメソテリンポリペプチドに結合させる方法であって、その方法が、前記メソテリンポリペプチドを、請求項1~9のいずれか1つに記載の抗体、抗原結合フラグメント、または抗体ドメインと接触させることを含む、方法。
【請求項50】
結合分子をメソテリンポリペプチドに結合させる方法であって、その方法が、前記メソテリンポリペプチドを、請求項10~15のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体、請求項18~31のいずれか1つに記載の細胞エンゲージャー、または請求項36~39のいずれか1つに記載のADCと接触させることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年2月16日出願の米国仮出願第63/150,008号の利益を主張する。先行出願の開示は、本願の開示の一部とみなされ、参照により本願開示に組み入れられる。
【0002】
背景
技術分野
本明細書は、分子(たとえば、抗体、抗体フラグメント、抗体ドメイン、キメラ抗原受容体(CAR)、細胞エンゲージャー(cell engager)、または抗体薬物複合体(ADC))を、メソテリン(mesothelin)ポリペプチドに結合させることに関わる、方法および材料に関するものである。たとえば、本明細書は、メソテリンポリペプチドに結合する結合分子(binder)(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、またはADC)、ならびにそのような結合分子を用いてがんを治療するための方法および材料を提供する。本明細書はまた、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有する1以上の結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、または細胞エンゲージャー)を発現するようにデザインされた細胞(たとえば、宿主細胞)、およびそのような細胞を用いてがんを治療するための方法および材料を提供する。
【背景技術】
【0003】
背景情報
メソテリンは、胸膜、心膜、および腹膜の中皮細胞で通常発現されている分化抗原である。最近の研究から、メソテリンは、中皮腫、膵臓腺がん、卵巣がんの約70%、および肺腺がんの50%など、いくつかのヒトがんにおいて高度に発現されていることが実証された(Hassan et al., J. Clin. Oncol., 34(34):4171-4179 (2016); and Hassan et al., Eur. J. Cancer, 44(1):46-53 (2008))。メソテリン遺伝子は71kDの前駆体をコードしており、この前駆体は巨核球増強因子(MPF)と呼ばれる可溶性31kDaのN末端タンパク質、およびメソテリンと称される40kDaの膜結合型断片にプロセシングされる。メソテリンは40kDaのグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカー膜表面糖タンパク質である。
【0004】
メソテリンを標的とするアマツキシマブ、BAY94-9343(別名Anetumab Ravtansine)、およびDMOT4039Aは、中皮腫、卵巣腺がん、膵臓腺がん、および肺腺がんなどのメソテリン陽性腫瘍を治療するために開発された(Hassan et al., Clin. Cancer Res., 20(23):5927-5936 (2014);Golfier et al., Mol. Cancer Ther., 13(6):1537-1548 (2014);およびWeekes et al., Mol. Cancer Ther., 15(3):439-447 (2016))。
【発明の概要】
【0005】
概要
本明細書は、分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、またはADC)を、メソテリンポリペプチドに結合させることに関わる、方法および材料を提供する。たとえば、本明細書は、メソテリンポリペプチドに結合する結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、またはADC)、ならびに、1以上のそのような結合分子を用いて、がんを有する哺乳動物(たとえば、ヒト)を治療するための、方法および材料を提供する。
【0006】
本明細書はまた、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有する1以上の結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、または細胞エンゲージャー)を発現するようにデザインされた細胞(たとえば、宿主細胞)、ならびにそのような細胞を用いてがんを治療するための方法および材料を提供する。
【0007】
本明細書に記載されるように、結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、1以上のCAR、1以上の細胞エンゲージャー、および/または1以上のADC)は、メソテリンポリペプチドと結合する能力を有するようにデザインすることができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、またはADC)は、配列番号97もしくは配列番号531に記載のヒトメソテリンポリペプチドのアミノ酸配列(たとえば、
図1を参照のこと)を含むポリペプチド、または基本的にそのアミノ酸配列からなるポリペプチド、またはそのアミノ酸配列からなるポリペプチドに結合する能力を有することがありうる。
【0008】
一部の場合では、本明細書で提供される抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)の3つの相補性決定領域(CDR)の単一セット(たとえば、配列番号1~3;配列番号9~11;配列番号17~19;配列番号25~27;配列番号33~35;配列番号41~43;配列番号49~51;配列番号57~59;配列番号65~67;配列番号73~75;配列番号81~83;または配列番号89~91)を、遺伝子工学によりCARに導入し、メソテリン+細胞(たとえば、メソテリン+腫瘍細胞および/またはメソテリン+腫瘍血管系)を標的とする能力を有するCAR+細胞(CAR+ T細胞、CAR+人工多能性幹細胞などのCAR+幹細胞、またはCAR+ナチュラルキラー(NK)細胞)を作製することができる;遺伝子工学によりFc領域を含む抗体構造に導入し、メソテリン+細胞(たとえば、メソテリン+腫瘍細胞および/またはメソテリン+腫瘍血管系)を標的とする能力を有する抗体を作製して、標的メソテリン+細胞に対する抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を誘導することができる;ならびに/または、遺伝子工学により二重特異性T細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)、二重特異性キラーエンゲージャー(たとえば、BiKE)および/もしくは三重特異性キラーエンゲージャー(たとえばTriKE)に導入し、メソテリン+細胞(たとえば、メソテリン+腫瘍細胞および/またはメソテリン+腫瘍血管系)を標的とする能力を有する細胞エンゲージャーを作製して、標的メソテリン+細胞に対する1以上の免疫応答(たとえば、Fc含有抗体の不在下で細胞エンゲージャーを使用した、T細胞免疫応答および/またはADCC)を誘導することができる。BiKEおよびTriKEを介した死滅は、Fcドメインによって開始されないにもかかわらず、ADCCと称されることがあることを注記する。
【0009】
さらに、本明細書に記載されるように、本明細書で提供される結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、および/または1以上の抗体ドメイン)は、結合分子および薬物を含む複合体を作製するために使用することができる。たとえば、完全長抗体-薬物複合体、Fab-薬物複合体、および/または抗体ドメイン-薬物複合体などのADCは、複合体を作製するために本明細書で提供される適当な結合分子を含むようにデザインすることができる。このような複合体は、がん細胞(たとえば、メソテリン+がん細胞)またはがん血管系(たとえば、メソテリン+がん血管系)などの標的細胞に薬物ペイロードを送達するために使用することができる。
【0010】
また本明細書に記載されるように、本明細書で提供される結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、1以上の細胞エンゲージャー、および/または1以上のADC)は、がんを有する哺乳動物(たとえば、ヒト)を治療するために使用することができる。たとえば、がん(たとえば、メソテリン+がん)を有する哺乳動物(たとえば、ヒト)に、本明細書に記載の1以上の結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、1以上の細胞エンゲージャー、および/または1以上のADC)を含む組成物を投与して、哺乳動物体内のがん細胞の数を減少させ、哺乳動物体内のがん細胞に対するADCCを誘導し、および/または、哺乳動物のがんによる生存期間を増加させることができる。
【0011】
また本明細書に記載されるように、細胞(たとえば、宿主細胞)は、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有する1以上の結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、または細胞エンゲージャー)を発現するようにデザインすることができる。たとえば、T細胞(たとえば、CTL)、幹細胞(たとえば、人工多能性幹細胞)、もしくはNK細胞などの細胞は、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有する1以上のCARを発現するように操作することができる。このような細胞(たとえば、メソテリン特異的CAR+ T細胞もしくはNK細胞)は、がんの治療に使用することができる。
【0012】
一部の場合において、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、および/または抗体ドメイン)は、メソテリンポリペプチドの有無を検出するために使用することができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、および/または抗体ドメイン)は、哺乳動物(たとえば、ヒト)から得られた検体(たとえば、腫瘍生検などの生体試料)がメソテリン+細胞(たとえば、メソテリン+がん細胞)を含んでいるか否かを決定するために使用することができる。メソテリンポリペプチド(たとえば、メソテリン+がん細胞)の有無を検出する能力を有することによって、臨床医、医療従事者、および患者が、可能な治療の選択肢についてより良い判断を下せるようにすることができる。たとえば、哺乳動物体内にメソテリン+がん細胞が検出されることによって、臨床医、医療従事者、および患者に、メソテリン+がん細胞を標的とする適当な抗がん治療を選択させるようにすることができる。このようなメソテリン+がん細胞を標的とする治療法としては、アマツキシマブ、BAY94-9343、およびDMOT4039Aなどの抗メソテリン抗体、および/もしくは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有する本明細書に記載の1以上の結合分子の投与、ならびに/または、本明細書に記載の結合分子を発現するようにデザインされた1以上の細胞(たとえば、メソテリン特異的CAR+ T細胞もしくはNK細胞)の投与を挙げることができる。
【0013】
概して、本明細書の第1の態様は、以下を含む(または基本的に以下からなる、または以下からなる)抗体を特徴とする:(i)配列番号1(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号1)、配列番号2(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号2)、および配列番号3(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号3)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(ii)配列番号9(または1個、2個もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失もしくは置換を有する配列番号9)、配列番号10(または1個、2個もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失もしくは置換を有する配列番号10)、および配列番号11(または1個、2個もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失もしくは置換を有する配列番号11)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(iii)配列番号17(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号17)、配列番号18(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号18)、および配列番号19(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号19)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(iv)配列番号25(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号25)、配列番号26(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号26)、および配列番号27(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号27)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(v)配列番号33(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号33)、配列番号34(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号34)、および配列番号35(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号35)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(vi)配列番号41(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号41)、配列番号42(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号42)、および配列番号43(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号43)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(vii)配列番号49(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号49)、配列番号50(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号50)、および配列番号51(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号51)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(viii)配列番号57(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号57)、配列番号58(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号58)、および配列番号59(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号59)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(ix)配列番号65(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号65)、配列番号66(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号66)、および配列番号67(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号67)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(x)配列番号73(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号73)、配列番号74(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号74)、および配列番号75(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号75)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(xi)配列番号81(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号81)、配列番号82(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号82)、および配列番号83(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号83)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;または(xii)配列番号89(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号89)、配列番号90(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号90)、および配列番号91(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号91)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域。この抗体は配列番号97または配列番号531に結合する能力を有しうる。抗体は、(i)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号8に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体は、(ii)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号16に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体は、(iii)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号24に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体は、(iv)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号32に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体は、(v)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号40に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体は、(vi)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号48に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体は、(vii)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号56に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体は、(viii)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号64に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体は、(ix)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号72に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体は、(x)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号80に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体は、(xi)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号88に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体は、(xii)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号96に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体はモノクローナル抗体とすることができる。抗体はscFv抗体であってもよい。
【0014】
第2の態様において、本明細書は、以下を含む(または基本的に以下からなる、または以下からなる)抗原結合フラグメントを特徴とする:(i)配列番号1(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号1)、配列番号2(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号2)、および配列番号3(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号3)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(ii)配列番号9(または1個、2個もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失もしくは置換を有する配列番号9)、配列番号10(または1個、2個もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失もしくは置換を有する配列番号10)、および配列番号11(または1個、2個もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失もしくは置換を有する配列番号11)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(iii)配列番号17(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号17)、配列番号18(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号18)、および配列番号19(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号19)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(iv)配列番号25(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号25)、配列番号26(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号26)、および配列番号27(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号27)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(v)配列番号33(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号33)、配列番号34(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号34)、および配列番号35(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号35)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(vi)配列番号41(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号41)、配列番号42(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号42)、および配列番号43(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号43)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(vii)配列番号49(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号49)、配列番号50(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号50)、および配列番号51(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号51)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(viii)配列番号57(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号57)、配列番号58(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号58)、および配列番号59(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号59)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(ix)配列番号65(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号65)、配列番号66(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号66)、および配列番号67(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号67)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(x)配列番号73(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号73)、配列番号74(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号74)、および配列番号75(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号75)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(xi)配列番号81(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号81)、配列番号82(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号82)、および配列番号83(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号83)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;または(xii)配列番号89(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号89)、配列番号90(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号90)、および配列番号91(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号91)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域。この抗原結合フラグメントは、配列番号97または配列番号531に結合する能力を有しうる。抗原結合フラグメントは、(i)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号8に記載のアミノ酸配列に対して少sなくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗原結合フラグメントは、(ii)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号16に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗原結合フラグメントは、(iii)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号24に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗原結合フラグメントは、(iv)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号32に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗原結合フラグメントは、(v)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号40に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗原結合フラグメントは、(vi)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号48に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗原結合フラグメントは、(vii)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号56に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗原結合フラグメントは、(viii)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号64に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗原結合フラグメントは、(ix)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号72に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗原結合フラグメントは、(x)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号80に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗原結合フラグメントは、(xi)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号88に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗原結合フラグメントは、(xii)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号96に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗原結合フラグメントはモノクローナルとすることができる。抗原結合フラグメントはFabであってもよい。
【0015】
第3の態様において、本明細書は、以下を含む(または基本的に以下からなる、または以下からなる)抗体ドメインを特徴とする:(i)配列番号1(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号1)、配列番号2(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号2)、および配列番号3(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号3)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(ii)配列番号9(または1個、2個もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失もしくは置換を有する配列番号9)、配列番号10(または1個、2個もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失もしくは置換を有する配列番号10)、および配列番号11(または1個、2個もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失もしくは置換を有する配列番号11)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(iii)配列番号17(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号17)、配列番号18(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号18)、および配列番号19(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号19)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(iv)配列番号25(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号25)、配列番号26(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号26)、および配列番号27(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号27)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(v)配列番号33(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号33)、配列番号34(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号34)、および配列番号35(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号35)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(vi)配列番号41(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号41)、配列番号42(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号42)、および配列番号43(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号43)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(vii)配列番号49(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号49)、配列番号50(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号50)、および配列番号51(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号51)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(viii)配列番号57(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号57)、配列番号58(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号58)、および配列番号59(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号59)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(ix)配列番号65(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号65)、配列番号66(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号66)、および配列番号67(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号67)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(x)配列番号73(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号73)、配列番号74(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号74)、および配列番号75(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号75)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;(xi)配列番号81(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号81)、配列番号82(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号82)、および配列番号83(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号83)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域;または(xii)配列番号89(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号89)、配列番号90(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号90)、および配列番号91(または1個、2個、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号91)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメインもしくは領域。この抗体ドメインは、配列番号97または配列番号531に結合する能力を有しうる。抗体ドメインは、(i)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号8に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体ドメインは、(ii)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号16に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体ドメインは、(iii)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号24に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体ドメインは、(iv)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号32に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体ドメインは、(v)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号40に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体ドメインは、(vi)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号48に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体ドメインは、(vii)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号56に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体ドメインは、(viii)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号64に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体ドメインは、(ix)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号72に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体ドメインは、(x)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号80に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体ドメインは、(xi)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号88に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体ドメインは、(xii)の重鎖可変ドメインもしくは領域を含むことができる。重鎖可変ドメインもしくは領域は、配列番号96に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。抗体ドメインはモノクローナルとすることができる。抗体ドメインはVHドメインであってもよい。
【0016】
別の態様において、本明細書は、抗原結合ドメイン、ヒンジ、膜貫通ドメイン、および1以上のシグナル伝達ドメインを含む(または基本的にそれらからなる、またはそれらからなる)キメラ抗原受容体を特徴とするが、この抗原結合ドメインは、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインを含む(または基本的にそれらからなる、またはそれらからなる)。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含むことができる。抗原結合ドメインはメソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含むことができる。ヒンジは、
図16に示すヒンジを含むことができる。膜貫通ドメインは、
図17に記載の膜貫通ドメインを含むことができる。キメラ抗原受容体は、
図18に記載の1以上のシグナル伝達ドメインを含むことができる。
【0017】
別の態様において、本明細書は、抗原結合ドメイン、ヒンジ、膜貫通ドメイン、および1以上のシグナル伝達ドメインを含む(または本質的にそれらからなる、またはそれらからなる)キメラ抗原受容体を含む細胞を特徴とするが、この抗原結合ドメインは、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインを含む(または基本的にそれらからなる、またはそれらからなる)。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含むことができる。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含むことができる。ヒンジは、
図16に示すヒンジを含むことができる。膜貫通ドメインは、
図17に記載の膜貫通ドメインを含むことができる。キメラ抗原受容体は、
図18に記載の1以上のシグナル伝達ドメインを含むことができる。細胞は、T細胞、幹細胞、またはNK細胞とすることができる。
【0018】
別の態様において、本明細書は、単離された細胞集団を特徴とするが、この集団の少なくとも1つの細胞は、抗原結合ドメイン、ヒンジ、膜貫通ドメイン、および1以上のシグナル伝達ドメインを含む(または基本的にそれらからなる、またはそれらからなる)キメラ抗原受容体を含んでおり、この抗原結合ドメインは、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインを含む(または基本的にそれらからなる、またはそれらからなる)。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含むことができる。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含むことができる。ヒンジは、
図16に示すヒンジを含むことができる。膜貫通ドメインは、
図17に記載の膜貫通ドメインを含むことができる。キメラ抗原受容体は、
図18に記載の1以上のシグナル伝達ドメインを含むことができる。細胞は、T細胞、幹細胞、またはNK細胞とすることができる。いくつかの実施形態において、細胞集団の細胞のうち少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%が、キメラ抗原受容体を含むことができる。
【0019】
別の態様において、本明細書は、第1の抗原結合ドメイン、リンカー、および第2の抗原結合ドメインを含む(または基本的にそれらからなる、またはそれらからなる)細胞エンゲージャーを特徴とするが、この抗原結合ドメインは、上記第1の態様の抗体、上記第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記第3の態様の抗体ドメインを含む(または基本的にそれらからなる、またはそれらからなる)。第1の抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含むことができる。第1の抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含むことができる。リンカーは、
図15または
図16に示すリンカーを含むことができる。第2の抗原結合ドメインは、T細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合することができる。T細胞の表面に発現されるポリペプチドは、CD3ポリペプチドとすることができる。第2の抗原結合ドメインは、
図19に記載の抗原結合ドメインとすることができる。第2の抗原結合ドメインは、NK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合することができる。NK細胞の表面に発現されるポリペプチドは、CD16a、NKG2A、NKG2D、NKp30、NKp44、またはNKp46ポリペプチドとすることができる。第2の抗原結合ドメインは、
図20に記載の抗原結合ドメインとすることができる。細胞エンゲージャーは、第3の抗原結合ドメインを含むことができる。第3の抗原結合ドメインは、NK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合することができる。NK細胞の表面に発現されるポリペプチドは、CD16a、NKG2A、NKG2D、NKp30、NKp44、またはNKp46ポリペプチドとすることができる。第3の抗原結合ドメインは、
図20に示す抗原結合ドメインとすることができる。
【0020】
別の態様において、本明細書は、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインの少なくとも一部をコードする核酸配列を含む(または基本的にその核酸配列からなる、またはその核酸配列からなる)核酸を特徴とする。核酸配列は、上記の第1の態様の(i)~(xii)のいずれか1つの重鎖可変ドメインもしくは領域をコードすることができる。核酸は、ウイルスベクターとすることができる。核酸はファージミドであってもよい。
【0021】
別の態様において、本明細書は、キメラ抗原受容体をコードする核酸配列を含む(または基本的にその核酸配列からなる、またはその核酸配列からなる)核酸を特徴とするが、このキメラ抗原受容体は、抗原結合ドメイン、ヒンジ、膜貫通ドメイン、および1以上のシグナル伝達ドメインを含み(または基本的にそれらからなり、またはそれらからなり)、この抗原結合ドメインは、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインを含む(または基本的にそれらからなる、またはそれらからなる)。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含むことができる。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含むことができる。ヒンジは、
図16に示すヒンジを含むことができる。膜貫通ドメインは、
図17に記載の膜貫通ドメインを含むことができる。キメラ抗原受容体は、
図18に記載の1以上のシグナル伝達ドメインを含むことができる。核酸は、ウイルスベクターとすることができる。核酸は、ファージミドであってもよい。
【0022】
別の態様において、本明細書は、細胞エンゲージャーをコードする核酸配列を含む(または基本的にその核酸配列からなる、またはその核酸配列からなる)核酸を特徴とするが、この細胞エンゲージャーは、第1の抗原結合ドメイン、リンカー、および第2の抗原結合ドメインを含み(または基本的にそれらからなり、またはそれらからなり)、この抗原結合ドメインは、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインを含む(または基本的にそれらからなる、またはそれらからなる)。第1の抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含むことができる。第1の抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含むことができる。リンカーは、
図15または
図16に示すリンカーを含むことができる。第2の抗原結合ドメインは、T細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合することができる。T細胞の表面に発現されるポリペプチドは、CD3ポリペプチドとすることができる。第2の抗原結合ドメインは、
図19に記載の抗原結合ドメインとすることができる。第2の抗原結合ドメインは、NK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合することができる。NK細胞の表面に発現されるポリペプチドは、CD16a、NKG2A、NKG2D、NKp30、NKp44、またはNKp46ポリペプチドとすることができる。第2の抗原結合ドメインは、
図20に記載の抗原結合ドメインとすることができる。細胞エンゲージャーは、第3の抗原結合ドメインを含むことができる。第3の抗原結合ドメインは、NK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合することができる。NK細胞の表面に発現されるポリペプチドは、CD16a、NKG2A、NKG2D、NKp30、NKp44、またはNKp46ポリペプチドとすることができる。第3の抗原結合ドメインは、
図20に記載の抗原結合ドメインとすることができる。核酸は、ウイルスベクターとすることができる。核酸は、ファージミドであってもよい。
【0023】
別の態様において、本明細書は、前2項のいずれか一方の核酸を含む宿主細胞を特徴とする。別の態様において、本明細書は、単離された細胞集団を特徴とするが、この集団の少なくとも1つの細胞は、前2項のいずれか一方の核酸を含む。いくつかの実施形態において、集団の細胞のうち少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%が、前2項のいずれか一方の核酸を含むことができる。
【0024】
別の態様において、本明細書は、キメラ抗原受容体を発現する宿主細胞を特徴とするが、このキメラ抗原受容体は、抗原結合ドメイン、ヒンジ、膜貫通ドメイン、および1以上のシグナル伝達ドメインを含み(または基本的にそれらからなり、またはそれらからなり)、この抗原結合ドメインは、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインを含む(または基本的にそれらからなる、またはそれらからなる)。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含むことができる。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含むことができる。ヒンジは、
図16に示すヒンジを含むことができる。膜貫通ドメインは、
図17に記載の膜貫通ドメインを含むことができる。キメラ抗原受容体は、
図18に記載の1以上のシグナル伝達ドメインを含むことができる。宿主細胞は、T細胞、幹細胞、またはNK細胞とすることができる。
【0025】
別の態様において、本明細書は、単離された宿主細胞集団を特徴とするが、この集団の少なくとも1つの宿主細胞は、キメラ抗原受容体を発現し、このキメラ抗原受容体は、抗原結合ドメイン、ヒンジ、膜貫通ドメイン、および1以上のシグナル伝達ドメインを含み(または基本的にそれらからなり、またはそれらからなり)、この抗原結合ドメインは、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインを含む(または基本的にそれらからなる、またはそれらからなる)。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含むことができる。抗原結合ドメインはメソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含むことができる。ヒンジは、
図16に示すヒンジを含むことができる。膜貫通ドメインは、
図17に記載の膜貫通ドメインを含むことができる。キメラ抗原受容体は、
図18に記載の1以上のシグナル伝達ドメインを含むことができる。宿主細胞は、T細胞、幹細胞、またはNK細胞とすることができる。いくつかの実施形態において、集団の宿主細胞のうち少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%が、キメラ抗原受容体を発現することができる。
【0026】
別の態様において、本明細書は、細胞エンゲージャーを発現する宿主細胞を特徴とするが、この細胞エンゲージャーは、第1の抗原結合ドメイン、リンカー、および第2の抗原結合ドメインを含み(または基本的にそれらからなり、またはそれらからなり)、この抗原結合ドメインは、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインを含む(または基本的にそれらからなる、またはそれらからなる)。第1の抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含むことができる。第1の抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含むことができる。リンカーは、
図15または
図16に示すリンカーを含むことができる。第2の抗原結合ドメインは、T細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合することができる。T細胞の表面に発現されるポリペプチドは、CD3ポリペプチドとすることができる。第2の抗原結合ドメインは、
図19に記載の抗原結合ドメインとすることができる。第2の抗原結合ドメインは、NK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合することができる。NK細胞の表面に発現されるポリペプチドは、CD16a、NKG2A、NKG2D、NKp30、NKp44、またはNKp46ポリペプチドとすることができる。第2の抗原結合ドメインは、
図20に記載の抗原結合ドメインとすることができる。細胞エンゲージャーは、第3の抗原結合ドメインを含むことができる。第3の抗原結合ドメインは、NK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合することができる。NK細胞の表面に発現されるポリペプチドは、CD16a、NKG2A、NKG2D、NKp30、NKp44、またはNKp46ポリペプチドとすることができる。第3の抗原結合ドメインは、
図20に示す抗原結合ドメインとすることができる。宿主細胞は、T細胞、幹細胞、またはNK細胞とすることができる。
【0027】
別の態様において、本明細書は、単離された宿主細胞の集団を特徴とするが、この集団の少なくとも1つの宿主細胞は、細胞エンゲージャーを発現し、この細胞エンゲージャーは、第1の抗原結合ドメイン、リンカー、第2の抗原結合ドメインを含み(または基本的にそれらからなり、またはそれらからなり)、この抗原結合ドメインは上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインを含む(または基本的にそれらからなる、またはそれらからなる)。第1の抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含むことができる。第1の抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含むことができる。リンカーは、
図15または
図16に示すリンカーを含むことができる。第2の抗原結合ドメインは、T細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合することができる。T細胞の表面に発現されるポリペプチドは、CD3ポリペプチドとすることができる。第2の抗原結合ドメインは、
図19に記載の抗原結合ドメインとすることができる。第2の抗原結合ドメインは、NK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合することができる。NK細胞の表面に発現されるポリペプチドは、CD16a、NKG2A、NKG2D、NKp30、NKp44、またはNKp46ポリペプチドとすることができる。第2の抗原結合ドメインは、
図20に記載の抗原結合ドメインとすることができる。細胞エンゲージャーは、第3の抗原結合ドメインを含むことができる。第3の抗原結合ドメインは、NK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合することができる。NK細胞の表面に発現されるポリペプチドは、CD16a、NKG2A、NKG2D、NKp30、NKp44、またはNKp46ポリペプチドとすることができる。第3の抗原結合ドメインは、
図20に示す抗原結合ドメインとすることができる。宿主細胞は、T細胞、幹細胞、またはNK細胞とすることができる。いくつかの実施形態において、集団の宿主細胞のうち少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%が、細胞エンゲージャーを発現することができる。
【0028】
別の態様において、本明細書は、薬物と共有結合した抗原結合ドメインを含む(または基本的にそれからなる、またはそれからなる)抗体薬物複合体(ADC)を特徴とするが、この抗原結合ドメインは、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインを含む。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含むことができる。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含むことができる。薬物は、アウリスタチン、メルタンシン、またはピロロベンゾジアゼピン(PBD)二量体からなる一群から選択することができる。
【0029】
別の態様において、本明細書は、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインを含む(または基本的にそれからなる、またはそれからなる)組成物を特徴とする。組成物は、上記の第1の態様の抗体を含むことができる。組成物は、上記の第2の態様の抗原結合フラグメントを含む。組成物は、上記の第3の態様の抗体ドメインを含むことができる。組成物は、チェックポイント阻害薬を含むことができる。チェックポイント阻害薬は、セミプリマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、JTX-4014、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、シンチリマブ、チスレリズマブ、トリパリマブ、ドスタルリマブ、INCMGA00012、AMP-224、AMP-514、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、KN035、CK-301、AUNP12、CA-170、BMS-986189、およびイピリムマブからなる一群から選択することができる。
【0030】
別の態様において、本明細書は、第1の抗原結合ドメイン、リンカー、および第2の抗原結合ドメインを含む(または基本的にそれらからなる、またはそれらからなる)細胞エンゲージャーを含む(または基本的にそれからなる、またはそれからなる)組成物を特徴とするが、この抗原結合ドメインは、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインを含む(または基本的にそれからなる、またはそれからなる)。第1の抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含むことができる。第1の抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含むことができる。リンカーは、
図15または
図16に示すリンカーを含むことができる。第2の抗原結合ドメインは、T細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合することができる。T細胞の表面に発現されるポリペプチドは、CD3ポリペプチドとすることができる。第2の抗原結合ドメインは、
図19に記載の抗原結合ドメインとすることができる。第2の抗原結合ドメインは、NK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合することができる。NK細胞の表面に発現されるポリペプチドは、CD16a、NKG2A、NKG2D、NKp30、NKp44、またはNKp46ポリペプチドとすることができる。第2の抗原結合ドメインは、
図20に記載の抗原結合ドメインとすることができる。細胞エンゲージャーは、第3の抗原結合ドメインを含むことができる。第3の抗原結合ドメインは、NK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合することができる。NK細胞の表面に発現されるポリペプチドは、CD16a、NKG2A、NKG2D、NKp30、NKp44、またはNKp46ポリペプチドとすることができる。第3の抗原結合ドメインは、
図20に記載の抗原結合ドメインとすることができる。組成物は、チェックポイント阻害薬を含むことができる。チェックポイント阻害薬は、セミプリマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、JTX-4014、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、シンチリマブ、チスレリズマブ、トリパリマブ、ドスタルリマブ、INCMGA00012、AMP-224、AMP-514、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、KN035、CK-301、AUNP12、CA-170、BMS-986189、およびイピリムマブからなる一群から選択することができる。
【0031】
別の態様において、本明細書は、抗原結合ドメイン、ヒンジ、膜貫通ドメイン、および1以上のシグナル伝達ドメインを含む(または基本的にそれらからなる、またはそれらからなる)キメラ抗原受容体を含む(または基本的にそれからなる、またはそれからなる)組成物を特徴とするが、この抗原結合ドメインは、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインを含む(または基本的にそれからなる、またはそれからなる)。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含むことができる。抗原結合ドメインはメソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含むことができる。ヒンジは、
図16に示すヒンジを含むことができる。膜貫通ドメインは、
図17に記載の膜貫通ドメインを含むことができる。キメラ抗原受容体は、
図18に記載の1以上のシグナル伝達ドメインを含むことができる。細胞は、T細胞、幹細胞、またはNK細胞とすることができる。組成物は、チェックポイント阻害薬を含むことができる。チェックポイント阻害薬は、セミプリマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、JTX-4014、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、シンチリマブ、チスレリズマブ、トリパリマブ、ドスタルリマブ、INCMGA00012、AMP-224、AMP-514、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、KN035、CK-301、AUNP12、CA-170、BMS-986189、およびイピリムマブからなる一群から選択することができる。
【0032】
別の態様において、本明細書は、キメラ抗原受容体を発現する細胞を含む(または基本的にその細胞からなる、またはその細胞からなる)組成物を特徴とするが、このキメラ抗原受容体は、抗原結合ドメイン、ヒンジ、膜貫通ドメイン、および1以上のシグナル伝達ドメインを含み(または基本的にそれらからなり、またはそれらからなり)、この抗原結合ドメインは、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインを含む(または基本的にそれからなる、またはそれからなる)。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含むことができる。抗原結合ドメインはメソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含むことができる。ヒンジは、
図16に示すヒンジを含むことができる。膜貫通ドメインは、
図17に記載の膜貫通ドメインを含むことができる。キメラ抗原受容体は、
図18に記載の1以上のシグナル伝達ドメインを含むことができる。宿主細胞は、T細胞、幹細胞、またはNK細胞とすることができる。組成物は、チェックポイント阻害薬を含むことができる。チェックポイント阻害薬は、セミプリマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、JTX-4014、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、シンチリマブ、チスレリズマブ、トリパリマブ、ドスタルリマブ、INCMGA00012、AMP-224、AMP-514、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、KN035、CK-301、AUNP12、CA-170、BMS-986189、およびイピリムマブからなる一群から選択することができる。
【0033】
別の態様において、本明細書は、薬物と共有結合した抗原結合ドメインを含む(または基本的にそれからなる、またはそれからなる)ADCを含む(または基本的にそれからなる、またはそれからなる)組成物を特徴とするが、ここで抗原結合ドメインは、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインを含む。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含むことができる。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含むことができる。薬物は、アウリスタチン、メルタンシン、またはピロロベンゾジアゼピン(PBD)二量体からなる一群から選択することができる。組成物は、チェックポイント阻害薬を含むことができる。チェックポイント阻害薬は、セミプリマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、JTX-4014、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、シンチリマブ、チスレリズマブ、トリパリマブ、ドスタルリマブ、INCMGA00012、AMP-224、AMP-514、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、KN035、CK-301、AUNP12、CA-170、BMS-986189、およびイピリムマブからなる一群から選択することができる。
【0034】
別の態様において、本明細書は、がんを有する哺乳動物を治療する方法を特徴とする。その方法は、哺乳動物に、前記5項のいずれかの組成物を投与することを含む(または基本的にそのことからなる、またはそのことからなる)。哺乳動物はヒトとすることができる。がんは、メソテリン+がんとすることができる。メソテリン+ がんは、メソテリン+ 中皮腫がん、メソテリン+ 卵巣がん、メソテリン+ 膵臓がん、メソテリン+ 肺がんおよびメソテリン+ 胆管がんからなる一群から選択することができる。投与ステップの後、哺乳動物体内のがん細胞の数を減少させることができる。
【0035】
別の態様において、本明細書は、がんを有する哺乳動物を治療する方法を特徴とする。その方法は、(a)哺乳動物に、前記5項のいずれかの組成物を投与すること、および(b)哺乳動物に、チェックポイント阻害薬を含む組成物を投与すること、を含む(または基本的にそれらからなる、またはそれらからなる)。哺乳動物はヒトとすることができる。請求項135~136のいずれか1つに記載の方法では、がんは、メソテリン+ がんとすることができる。請求項137に記載の方法では、メソテリン+ がんは、メソテリン+ 中皮腫がん、メソテリン+ 卵巣がん、メソテリン+ 膵臓がん、メソテリン+ 肺がん、およびメソテリン+ 胆管がんからなる一群から選択することができる。請求項135~138のいずれか1つに記載の方法では、チェックポイント阻害薬は、セミプリマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、JTX-4014、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、シンチリマブ、チスレリズマブ、トリパリマブ、ドスタルリマブ、INCMGA00012、AMP-224、AMP-514、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、KN035、CK-301、AUNP12、CA-170、BMS-986189、およびイピリムマブからなる一群から選択することができる。請求項135~139のいずれか1つに記載の方法では、ステップ(a)および(b)の投与後に、哺乳動物体内のがん細胞の数を減少させることができる。
【0036】
別の態様において、本明細書は、結合分子をメソテリンポリペプチドに結合させる方法を特徴とする。その方法は、メソテリンポリペプチドを、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインと接触させることを含む(または基本的にそのことからなる、または、そのことからなる)。接触はin vitroで行うことができる。接触はin vivoで行うことができる。接触は、哺乳動物に、抗体、抗原結合フラグメント、または抗体ドメインを投与することにより、哺乳動物体内で実施することができる。哺乳動物はヒトとすることができる。
【0037】
別の態様において、本明細書は、結合分子をメソテリンポリペプチドに結合させる方法を特徴とする。その方法は、メソテリンポリペプチドを、キメラ抗原受容体と接触させることを含む(または基本的にそのことからなる、または、そのことからなる)が、このキメラ抗原受容体は、抗原結合ドメイン、ヒンジ、膜貫通ドメイン、および1以上のシグナル伝達ドメインを含み(または基本的にそれらからなり、またはそれらからなり)、この抗原結合ドメインは、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインを含む(または基本的にそれからなる、またはそれからなる)。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含むことができる。抗原結合ドメインはメソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含むことができる。ヒンジは、
図16に示すヒンジを含むことができる。膜貫通ドメインは、
図17に記載の膜貫通ドメインを含むことができる。キメラ抗原受容体は、
図18に記載の1以上のシグナル伝達ドメインを含むことができる。接触はin vitroで行うことができる。接触はin vivoで行うことができる。接触は、哺乳動物に、キメラ抗原受容体、細胞エンゲージャー、またはADCを投与することにより、哺乳動物体内で実施することができる。哺乳動物はヒトとすることができる。
【0038】
別の態様において、本明細書は、結合分子をメソテリンポリペプチドに結合させる方法を特徴とする。その方法は、メソテリンポリペプチドを細胞エンゲージャーと接触させることを含む(または基本的にそのことからなる、またはそのことからなる)が、この細胞エンゲージャーは第1の抗原結合ドメイン、リンカー、および第2の抗原結合ドメインを含み(または基本的にそれらからなり、またはそれらからなり)、この抗原結合ドメインは、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインを含む(または基本的にそれからなる、またはそれからなる)。第1の抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含むことができる。第1の抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含むことができる。リンカーは、
図15または
図16に示すリンカーを含むことができる。第2の抗原結合ドメインは、T細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合することができる。T細胞の表面に発現されるポリペプチドは、CD3ポリペプチドとすることができる。第2の抗原結合ドメインは、
図19に記載の抗原結合ドメインとすることができる。第2の抗原結合ドメインは、NK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合することができる。NK細胞の表面に発現されるポリペプチドは、CD16a、NKG2A、NKG2D、NKp30、NKp44、またはNKp46ポリペプチドとすることができる。第2の抗原結合ドメインは、
図20に記載の抗原結合ドメインとすることができる。細胞エンゲージャーは、第3の抗原結合ドメインを含むことができる。第3の抗原結合ドメインは、NK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合することができる。NK細胞の表面に発現されるポリペプチドは、CD16a、NKG2A、NKG2D、NKp30、NKp44、またはNKp46ポリペプチドとすることができる。第3の抗原結合ドメインは、
図20に記載の抗原結合ドメインとすることができる。接触はin vitroで行うことができる。接触はin vivoで行うことができる。接触は、キメラ抗原受容体、細胞エンゲージャー、またはADCを哺乳動物に投与することにより、哺乳動物体内で実施することができる。哺乳動物はヒトとすることができる。
【0039】
別の態様において、本明細書は、結合分子をメソテリンポリペプチドに結合させる方法を特徴とする。その方法は、メソテリンポリペプチドを、薬物と共有結合した抗原結合ドメインを含む(または基本的にそれからなる、またはそれからなる)ADCと接触させることを含む(または基本的にそのことからなる、またはそのことからなる)が、この抗原結合ドメインは、上記の第1の態様の抗体、上記の第2の態様の抗原結合フラグメント、または上記の第3の態様の抗体ドメインを含む。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含むことができる。抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含むことができる。薬物は、アウリスタチン、メルタンシン、またはピロロベンゾジアゼピン(PBD)二量体からなる一群から選択することができる。接触はin vitroで行うことができる。接触はin vivoで行うことができる。接触は、キメラ抗原受容体、細胞エンゲージャー、またはADCを哺乳動物に投与することにより、哺乳動物体内で実施することができる。哺乳動物はヒトとすることができる。
【0040】
特に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示の関わる技術分野において当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。方法および材料は、本開示で使用するために本明細書に記載されているが、当技術分野で公知の他の適当な方法および材料を使用することも可能である。材料、方法、および実施例は、例示に過ぎず、限定を意図するものではない。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、配列、データベースエントリ、および他の参考文献は、参照によりその全体が組み入れられる。矛盾がある場合には、定義を含めて、本明細書が優先する。
【0041】
本発明の1以上の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。本発明の他の特徴、目的、および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】
図1は、ヒトメソテリンポリペプチド(配列番号97)のアミノ酸残基1~630を示す。このヒトメソテリンポリペプチドの下線を付したアミノ酸配列(残基296~606)は、断片(配列番号531)を示している。
【
図2】
図2は、クローン#1(ab1)と名付けられたVHドメインのアミノ酸配列を示す。CDRおよびフレームワーク配列も表示されている。
【
図3】
図3は、クローン#2(ab2)と名付けられたVHドメインのアミノ酸配列を示す。CDRおよびフレームワーク配列も表示されている。
【
図4】
図4は、クローン#3(ab3)と名付けられたVHドメインのアミノ酸配列を示す。CDRおよびフレームワーク配列も表示されている。
【
図5】
図5は、クローン#4(ab4)と名付けられたVHドメインのアミノ酸配列を示す。CDRおよびフレームワーク配列も表示されている。
【
図6】
図6は、クローン#5(ab5)と名付けられたVHドメインのアミノ酸配列を示す。CDRおよびフレームワーク配列も表示されている。
【
図7】
図7は、クローン#6(ab6)と名付けられたVHドメインのアミノ酸配列を示す。CDRおよびフレームワーク配列も表示されている。
【
図8】
図8は、クローン#7(ab7)と名付けられたVHドメインのアミノ酸配列を示す。CDRおよびフレームワーク配列も表示されている。
【
図9】
図9は、クローン#8(ab8)と名付けられたVHドメインのアミノ酸配列を示す。CDRおよびフレームワーク配列も表示されている。
【
図10】
図10は、クローン#9(ab9)と名付けられたVHドメインのアミノ酸配列を示す。CDRおよびフレームワーク配列も表示されている。
【
図11】
図11は、クローン#10(ab10)と名付けられたVHドメインのアミノ酸配列を示す。CDRおよびフレームワーク配列も表示されている。
【
図12】
図12は、クローン#11(ab11)と名付けられたVHドメインのアミノ酸配列を示す。CDRおよびフレームワーク配列も表示されている。
【
図13】
図13は、クローン#12(ab12)と名付けられたVHドメインのアミノ酸配列を示す。CDRおよびフレームワーク配列も表示されている。
【
図14-1】
図14は、クローン#1~#12の指示されたドメインをコードする核酸配列を示す。
【
図15】
図15は、scFv、CAR、または細胞エンゲージャーに使用することができる、代表的なリンカーのアミノ酸配列を示す。
【
図16】
図16は、CARをデザインするために使用することができる、代表的なヒンジのアミノ酸配列を示す。
【
図17】
図17は、CARをデザインするために使用することができる、代表的な膜貫通ドメインのアミノ酸配列を示す。
【
図18】
図18は、CARをデザインするために使用することができる、代表的な細胞内シグナル伝達ドメインのアミノ酸配列を示す。
【
図19】
図19は、T細胞に結合する細胞エンゲージャーをデザインするために使用することができる、代表的な抗原結合ドメインのアミノ酸配列を示す。
【
図20-1】
図20は、NK細胞に結合する細胞エンゲージャーをデザインするために使用することができる、代表的な抗原結合ドメインのアミノ酸配列を示す。
【
図21】
図21は、CARを発現するようにデザインされた典型的なCAR構築物の概略図である。プロモーター配列(たとえば、CMV前初期(immediate early)プロモーター配列)にシグナルペプチド配列(たとえば、GM-CSFシグナルペプチド配列)が続き、その次に、本明細書で提供される結合分子(たとえば、本明細書で提供されるVHドメインのCDR1、CDR2、およびCDR3のような3つのCDRの1セットを含む結合分子であって、この3つのCDRは、たとえば、配列番号1~3;配列番号9~11;配列番号17~19;配列番号25~27;配列番号33~35;配列番号41~43;配列番号49~51;配列番号57~59;配列番号65~67;配列番号73~75;配列番号81~83;または配列番号89~91である)があり、さらにCD8ヒンジ配列(たとえば、配列番号533)、続いてCD8膜貫通配列(たとえば、配列番号534)があり、その次にヒト4-1BB(CD137)細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号141)、さらにヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号140)が続くと考えられる。
【
図22】
図22は、クローン#1のVHドメインの3つのCDRを用いて作製された結合分子を含むようにデザインされたCAR(CAR #1)のアミノ酸配列、およびそのCARをコードする核酸配列を示す。クローン#1のVHドメイン配列(配列番号8)に続いて、CD8ヒンジ配列(たとえば、配列番号533)があり、続いてCD8膜貫通配列(たとえば、配列番号534)、次にヒト4-1BB(CD137)細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号141)があり、ヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号140)が続く。
【
図23】
図23は、クローン#2のVHドメインの3つのCDRを用いて作製された結合分子を含むようにデザインされたCAR(CAR #2)のアミノ酸配列、およびそのCARをコードする核酸配列を示す。クローン#2のVHドメイン配列(配列番号16)に続いて、CD8ヒンジ配列(たとえば、配列番号533)があり、続いてCD8膜貫通配列(たとえば、配列番号534)、次にヒト4-1BB(CD137)細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号141)があり、ヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号140)が続く。
【
図24】
図24は、クローン#3のVHドメインの3つのCDRを用いて作製された結合分子を含むようにデザインされたCAR(CAR #3)のアミノ酸配列、およびそのCARをコードする核酸配列を示す。クローン#3のVHドメイン配列(配列番号24)に続いて、CD8ヒンジ配列(たとえば、配列番号533)があり、続いてCD8膜貫通配列(たとえば、配列番号534)、次にヒト4-1BB(CD137)細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号141)があり、ヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号140)が続く。
【
図25】
図25は、クローン#4のVHドメインの3つのCDRを用いて作製された結合分子を含むようにデザインされたCAR(CAR #4)のアミノ酸配列、およびそのCARをコードする核酸配列を示す。クローン#4のVHドメイン配列(配列番号32)に続いて、CD8ヒンジ配列(たとえば、配列番号533)があり、続いてCD8膜貫通配列(たとえば、配列番号534)、次にヒト4-1BB(CD137)細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号141)があり、ヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号140)が続く。
【
図26】
図26は、クローン#5のVHドメインの3つのCDRを用いて作製された結合分子を含むようにデザインされたCAR(CAR #5)のアミノ酸配列、およびそのCARをコードする核酸配列を示す。クローン#5のVHドメイン配列(配列番号40)に続いて、CD8ヒンジ配列(たとえば、配列番号533)があり、続いてCD8膜貫通配列(たとえば、配列番号534)、次にヒト4-1BB(CD137)細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号141)があり、ヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号140)が続く。
【
図27】
図27は、クローン#6のVHドメインの3つのCDRを用いて作製された結合分子を含むようにデザインされたCAR(CAR #6)のアミノ酸配列、およびそのCARをコードする核酸配列を示す。クローン#6のVHドメイン配列(配列番号48)に続いて、CD8ヒンジ配列(たとえば、配列番号533)があり、続いてCD8膜貫通配列(たとえば、配列番号534)、次にヒト4-1BB(CD137)細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号141)があり、ヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号140)が続く。
【
図28】
図28は、クローン#7のVHドメインの3つのCDRを用いて作製された結合分子を含むようにデザインされたCAR(CAR #7)のアミノ酸配列、およびそのCARをコードする核酸配列を示す。クローン#7のVHドメイン配列(配列番号56)に続いて、CD8ヒンジ配列(たとえば、配列番号533)があり、続いてCD8膜貫通配列(たとえば、配列番号534)、次にヒト4-1BB(CD137)細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号141)があり、ヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号140)が続く。
【
図29】
図29は、クローン#8のVHドメインの3つのCDRを用いて作製された結合分子を含むようにデザインされたCAR(CAR #8)のアミノ酸配列、およびそのCARをコードする核酸配列を示す。クローン#8のVHドメイン配列(配列番号64)に続いて、CD8ヒンジ配列(たとえば、配列番号533)があり、続いてCD8膜貫通配列(たとえば、配列番号534)、次にヒト4-1BB(CD137)細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号141)があり、ヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号140)が続く。
【
図30】
図30は、クローン#9のVHドメインの3つのCDRを用いて作製された結合分子を含むようにデザインされたCAR(CAR #9)のアミノ酸配列、およびそのCARをコードする核酸配列を示す。クローン#9のVHドメイン配列(配列番号72)に続いて、CD8ヒンジ配列(たとえば、配列番号533)があり、続いてCD8膜貫通配列(たとえば、配列番号534)、次にヒト4-1BB(CD137)細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号141)があり、ヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号140)が続く。
【
図31】
図31は、クローン#10のVHドメインの3つのCDRを用いて作製された結合分子を含むようにデザインされたCAR(CAR #10)のアミノ酸配列、およびそのCARをコードする核酸配列を示す。クローン#10のVHドメイン配列(配列番号80)に続いて、CD8ヒンジ配列(たとえば、配列番号533)があり、続いてCD8膜貫通配列(たとえば、配列番号534)、次にヒト4-1BB(CD137)細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号141)があり、ヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号140)が続く。
【
図32】
図32は、クローン#11のVHドメインの3つのCDRを用いて作製された結合分子を含むようにデザインされたCAR(CAR #11)のアミノ酸配列、およびそのCARをコードする核酸配列を示す。クローン#11のVHドメイン配列(配列番号88)に続いて、CD8ヒンジ配列(たとえば、配列番号533)があり、続いてCD8膜貫通配列(たとえば、配列番号534)、次にヒト4-1BB(CD137)細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号141)があり、ヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号140)が続く。
【
図33】
図33は、クローン#12のVHドメインの3つのCDRを用いて作製された結合分子を含むようにデザインされたCAR(CAR #12)のアミノ酸配列、およびそのCARをコードする核酸配列を示す。クローン#12のVHドメイン配列(配列番号96)に続いて、CD8ヒンジ配列(たとえば、配列番号533)があり、続いてCD8膜貫通配列(たとえば、配列番号534)、次にヒト4-1BB(CD137)細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号141)があり、ヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン配列(たとえば、配列番号140)が続く。
【
図34】
図34は、エフェクター細胞(CAR#4またはCAR#12をトランスフェクトしたT細胞)による標的細胞(AsPC1)の溶解パーセントをプロットしたグラフである。対照エフェクター細胞として、非導入T細胞(Mock)を用いた。
【
図35】
図35は、エフェクター細胞(CAR#4を導入したT細胞)による標的細胞(NCI H2452)の溶解パーセントをプロットしたグラフである。対照エフェクター細胞として、非導入T細胞(Mock)を用いた。
【発明を実施するための形態】
【0043】
詳細な説明
本明細書は、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する(たとえば、特異的に結合する)結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、およびADC)を提供する。たとえば、本明細書では、配列番号97または配列番号531(たとえば
図1を参照のこと)に記載のアミノ酸を含むか、基本的にそのアミノ酸からなるか、またはそのアミノ酸からなるポリペプチドに結合する(たとえば、特異的に結合する)結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、およびADC)が提供される。
【0044】
本明細書で使用される「抗体」という用語には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、キメラ抗体、少なくとも2つの抗体から形成される多重特異性抗体(たとえば、二重特異性抗体)、ダイアボディ、一本鎖可変フラグメント抗体(たとえば、scFv抗体)、およびタンデム一本鎖可変フラグメント抗体(たとえば、taFv)が含まれる。ダイアボディは、それぞれ重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを有する2つの鎖を含むことができるが、この可変ドメインは同一抗体由来であっても、異なる抗体由来であってもよい(たとえば、Hornig and Faerber-Schwarz, Methods Mol. Biol., 907:713-27 (2012);およびBrinkmann and Kontermann, MAbs., 9(2):182-212 (2017)を参照のこと)。2つの可変領域は、ポリペプチドリンカー(たとえば、5~10残基の長さを有するポリペプチドリンカー、または
図15に記載されるようなポリペプチドリンカー)によって連結することができる。場合によっては、ダイアボディの重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメイン対の一方または両方に、ドメイン間ジスルフィド結合が存在することがある。scFvは、重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインが直接連結されているか、またはポリペプチドリンカー(たとえば、8~18残基の長さを有するポリペプチドリンカー、または
図15に記載されるようなポリペプチドリンカー)を介して連結されている、一本鎖ポリペプチド抗体である。Chen et al., Adv. Drug Deliv. Rev., 65(10):1357-1369 (2013) も参照のこと。scFvは、重鎖可変ドメインに軽鎖可変ドメインが続く方向性を有するようにデザインすることができるが、軽鎖可変ドメインに重鎖可変ドメインが続く方向性を有するようにデザインすることもできる。いずれの場合も、任意のリンカーを2つのドメインの間に配置することができる。
【0045】
本明細書で提供される抗体は、本明細書に記載のCDR(たとえば、表37に記載のCDR)を含んでいてもよく、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体となるように構成することができる。一部の場合では、本明細書で提供される抗体は、本明細書に記載のCDR(たとえば、表37に記載のCDR)を含んでいてもよく、モノクローナル抗体とすることができる。一部の場合では、本明細書で提供される抗体は、本明細書に記載のCDR(たとえば、表37に記載のCDR)を含んでいてもよく、scFv抗体として構成することができる。
【0046】
本明細書で使用される「抗原結合フラグメント」という用語は、抗原に結合する能力を有する抗体のフラグメント(たとえば、ヒト化抗体のフラグメント、ヒト抗体のフラグメント、またはキメラ抗体のフラグメント)を指す。抗原結合フラグメントの例としては、Fab、Fab'、またはF(ab')2 抗原結合フラグメントが挙げられるが、それに限定されない。本明細書で提供される抗原結合フラグメントは、本明細書に記載のCDR(たとえば、表37に記載のCDR)を含んでいてもよく、ヒト抗原結合フラグメント、ヒト化抗原結合フラグメント、またはキメラ抗原結合フラグメントとなるように構成することができる。一部の場合では、本明細書で提供される抗原結合フラグメントは、本明細書に記載のCDR(たとえば、表37に記載のCDR)を含んでいてもよく、モノクローナル抗原結合フラグメントとすることができる。一部の場合では、本明細書で提供される抗原結合フラグメントは、本明細書に記載のCDR(たとえば、表37に記載のCDR)を含んでいてもよく、Fab抗体として構成されることもある。
【0047】
本明細書で使用される「抗体ドメイン」という用語は、抗体の1以上の他のドメインのない、重鎖可変ドメイン(VHドメイン)または軽鎖可変ドメイン(VLドメイン)などの抗体ドメインを指す。一部の場合では、抗体ドメインは、抗原に結合する能力を有する単一の抗体ドメイン(たとえば、VHドメインまたはVLドメイン)とすることができる。本明細書で提供される抗体ドメインは、本明細書に記載のCDR(たとえば、表37に記載のCDR)を含んでいてもよく、ヒト抗体ドメイン(たとえば、ヒトVHドメイン)、ヒト化抗体ドメイン(たとえば、ヒト化VHドメイン)、またはキメラ抗体ドメイン(たとえば、キメラVHドメイン)とすることができる。一部の場合では、本明細書で提供される抗体ドメインは、本明細書に記載のCDR(たとえば、表37に記載のCDR)を含んでいてもよく、モノクローナル抗体ドメインとすることができる。いくつかの例において、本明細書で提供される抗体ドメインは、本明細書に記載のCDR(たとえば、表37に記載のCDR)を含んでいてもよく、単一のVHドメインまたは単一のVLドメインとして遺伝子工学で作製することができる。
【0048】
本明細書で提供される抗メソテリン抗体、抗メソテリン抗原結合フラグメント、または抗メソテリン抗体ドメインは、IgA型、IgD型、IgE型、IgG型、またはIgM型のものであると考えられ、これにはたとえば、IgG1型、IgG2型、IgG3型、IgG4型、IgM1型、およびIgM2型などのIgG型またはIgM型が含まれるが、それらに限定されない。一部の場合では、本明細書で提供される抗体(たとえば、抗メソテリン抗体)は、scFv抗体とすることができる。一部の場合では、本明細書で提供される抗原結合フラグメント(たとえば、抗メソテリン抗体フラグメント)は、Fabとすることができる。一部の場合では、本明細書で提供される抗体(たとえば、抗メソテリン抗体)は、VHおよびVLの両者からなる完全な、インタクトな抗体であってもよい。一部の場合では、本明細書で提供される抗体ドメイン(たとえば、抗メソテリン抗体ドメイン)は、VHドメインとすることができる。
【0049】
本明細書で使用される「キメラ抗原受容体」という用語は、抗原結合ドメイン、任意のヒンジ、膜貫通ドメイン、および1以上の細胞内シグナル伝達ドメインを含むようにデザインされた、キメラポリペプチドを指す。本明細書に記載されるように、本明細書で提供されるCARの抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合するようにデザインすることができる。たとえば、本明細書で提供されるCARは、本明細書に記載の抗体、抗原結合フラグメント、および/または抗体ドメインの構成要素(たとえば、CDRの組み合わせ)を抗原結合ドメインとして含むように、デザインすることができるが、ただし、その抗原結合ドメインがメソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有することを条件とする。いくつかの例において、本明細書で提供されるCARは、本明細書で提供される抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)の3つ1組のCDR(たとえば、CDR1、CDR2、およびCDR3)を含む抗原結合ドメインを含むようにデザインすることができる(たとえば、配列番号1~3;配列番号9~11;配列番号17~19;配列番号25~27;配列番号33~35;配列番号41~43;配列番号49~51;配列番号57~59;配列番号65~67;配列番号73~75;配列番号81~83;または配列番号89~91)。一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARの抗原結合ドメインは、本明細書に記載のVHドメインまたは本明細書に記載のscFv抗体を含むようにデザインすることができる。
【0050】
一部の場合では、本明細書で提供されるCARは、ヒンジを含むようにデザインすることができる。任意の適当なヒンジを使用して、本明細書に記載のCARをデザインすることができる。本明細書に記載のCARを作製するために使用することができるヒンジの例としては、Ig由来のヒンジ(たとえば、 IgG1由来ヒンジ、IgG2由来ヒンジ、またはIgG4由来ヒンジ)、CD2ドメインおよびCD3ドメインを含有するIg由来ヒンジ、CD2ドメインを含有しCD3ドメインを欠くIg由来ヒンジ、CD3ドメインを含有しCD2ドメインを欠くIg由来ヒンジ、CD2ドメインを欠きCD3ドメインを欠くIg由来ヒンジ、CD8α由来ヒンジ、CD28由来ヒンジ、およびCD3ζ由来ヒンジが挙げられるが、それらに限定されない。本明細書で提供されるCARは、任意の適当な長さのヒンジを含むようにデザインすることができる。たとえば、本明細書で提供されるCARは、アミノ酸残基の長さが約3から約75(たとえば、約3から約65、約3から約50、約5から約75、約10から約75、約5から約50、約10から約50、約10から約40、または約10から約30)であるヒンジを含むようにデザインすることができる。一部の場合では、リンカー配列をヒンジとして使用して、本明細書に記載のCARを作製することができる。たとえば、
図15に示されるリンカー配列のいずれか1つを、本明細書に記載されるCARのヒンジとして使用することができる。
【0051】
一部の場合において、本明細書で提供されるCARは、
図16または
図15に示されるアミノ酸配列の1つを含むか、基本的にその1つからなるか、またはその1つからなるヒンジを含むようにデザインすることができる。一部の場合では、本明細書で提供されるCARは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸の欠失、付加、置換、またはそれらの組み合わせを有する、
図16または
図15に示されるアミノ酸配列の1つを含むか、基本的にその1つからなるか、またはその1つからなるヒンジを含むようにデザインすることができる。いくつかの例では、本明細書で提供されるCARは、2個以下、3個以下、4個以下、5個以下、6個以下、7個以下、8個以下、9個以下、または10個以下のアミノ酸の欠失、付加、置換、またはそれらの組み合わせを有する
図16または
図17に記載のアミノ酸配列の1つを含むか、基本的にその1つからなるか、またはその1つからなる、ヒンジを含むようにデザインすることができる。
【0052】
本明細書で提供されるCARは、任意の適当な膜貫通ドメインを含むようにデザインすることができる。たとえば、本明細書で提供されるCARの膜貫通ドメインは、CD3ζ膜貫通ドメイン、CD4膜貫通ドメイン、CD8α膜貫通ドメイン、CD28膜貫通ドメイン、および4-1BB膜貫通ドメインとすることができるが、これに限定されない。一部の場合では、本明細書で提供されるCARは、
図17に記載のアミノ酸配列の1つを含むか、基本的にその1つからなるか、またはその1つからなる膜貫通ドメインを含むようにデザインすることができる。一部の場合では、本明細書で提供されるCARは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸の欠失、付加、置換、またはそれらの組み合わせを有する
図17に記載のアミノ酸配列の1つを含むか、基本的にその1つからなるか、またはその1つからなる、膜貫通ドメインを含むようにデザインすることができる。一部の場合では、本明細書で提供されるCARは、2個以下、3個以下、4個以下、5個以下、6個以下、7個以下、8個以下、9個以下、または10個以下のアミノ酸の欠失、付加、置換、またはそれらの組み合わせを有する
図17に記載のアミノ酸配列の1つを含むか、基本的にその1つからなるか、またはその1つからなる、膜貫通ドメインを含むようにデザインすることができる。
【0053】
本明細書で提供されるCARは、1以上の細胞内シグナル伝達ドメインを含むようにデザインすることができる。たとえば、本明細書で提供されるCARは、1つ、2つ、3つ、または4つの細胞内シグナル伝達ドメインを含むようにデザインすることができる。任意の適当な細胞内シグナル伝達ドメイン、または細胞内シグナル伝達ドメインの組み合わせを用いて、本明細書に記載のCARを作製することができる。本明細書に記載のCARを作製するために使用できる細胞内シグナル伝達ドメインの例としては、CD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン、CD27細胞内シグナル伝達ドメイン、CD28細胞内シグナル伝達ドメイン、OX40(CD134)細胞内シグナル伝達ドメイン、4-1BB(CD137)細胞内シグナル伝達ドメイン、CD278細胞内シグナル伝達ドメイン、DAP10細胞内シグナル伝達ドメイン、およびDAP12細胞内シグナル伝達ドメインが挙げられるが、それらに限定されない。一部の場合では、本明細書に記載のCARは、CD3ζ細胞内シグナル伝達ドメインを有する第1世代CARとしてデザインすることができる。一部の場合では、本明細書に記載のCARは、CD28細胞内シグナル伝達ドメインに続いてCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメインを有する第2世代CARとしてデザインすることができる。いくつかの事例において、本明細書に記載のCARは、(a)CD28細胞内シグナル伝達ドメインに続いて(b)CD27細胞内シグナル伝達ドメイン、OX40細胞内シグナル伝達ドメイン、もしくは4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインがあり、その次に(c)CD3ζ細胞内シグナル伝達ドメインを有する、第3世代CARとしてデザインすることができる。一部の場合では、本明細書で提供されるCARは、
図18に示されるアミノ酸配列の1つを含むか、基本的にその1つからなるか、またはその1つからなる、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含むようにデザインすることができる。一部の場合では、本明細書で提供されるCARは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸の欠失、付加、置換、またはそれらの組み合わせを有する
図18に記載のアミノ酸配列の1つを含むか、基本的にその1つからなるか、またはその1つからなる、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含むようにデザインすることができるが、ただし、その細胞内シグナル伝達ドメインが、細胞内シグナル伝達を活性化する少なくともある程度の活性を有することを条件とする。一部の場合では、本明細書で提供されるCARは、2個以下、3個以下、4個以下、5個以下、6個以下、7個以下、8個以下、9個以下、または10個以下のアミノ酸の欠失、付加、置換、またはそれらの組み合わせを有する、
図18に記載のアミノ酸配列の1つを含むか、基本的にその1つからなるか、またはその1つからなる、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含むようにデザインすることができるが、ただし、その細胞内シグナル伝達ドメインが、細胞内シグナル伝達を活性化する少なくともある程度の活性を有することを条件とする。
【0054】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号1、配列番号2、および配列番号3を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、その次に、
図17に記載の膜貫通ドメインのような膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号1、配列番号2、および配列番号3を含むVHドメインに続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むようにデザインすることができる。
【0055】
いくつかの例では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号8を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、次に、
図17に記載の膜貫通ドメインなどの膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号8に続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むように設計することができる。
【0056】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号9、配列番号10、および配列番号11を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、その次に、
図17に記載の膜貫通ドメインのような膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号9、配列番号10、および配列番号11を含むVHドメインに続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むようにデザインすることができる。
【0057】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号16を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、次に、
図17に記載の膜貫通ドメインなどの膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号16に続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むように設計することができる。
【0058】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号17、配列番号18、および配列番号19を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、その次に、
図17に記載の膜貫通ドメインのような膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号17、配列番号18、および配列番号19を含むVHドメインに続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むようにデザインすることができる。
【0059】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号24を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、次に、
図17に記載の膜貫通ドメインなどの膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号24に続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むように設計することができる。
【0060】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号25、配列番号26、および配列番号27を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、その次に、
図17に記載の膜貫通ドメインのような膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号25、配列番号26、および配列番号27を含むVHドメインに続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むようにデザインすることができる。
【0061】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号32を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、次に、
図17に記載の膜貫通ドメインなどの膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号32に続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むように設計することができる。
【0062】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号33、配列番号34、および配列番号35を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、その次に、
図17に記載の膜貫通ドメインのような膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号33、配列番号34、および配列番号35を含むVHドメインに続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むようにデザインすることができる。
【0063】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号40を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、次に、
図17に記載の膜貫通ドメインなどの膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号40に続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むように設計することができる。
【0064】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号41、配列番号42、および配列番号43を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、その次に、
図17に記載の膜貫通ドメインのような膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号41、配列番号42、および配列番号43を含むVHドメインに続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むようにデザインすることができる。
【0065】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号48を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、次に、
図17に記載の膜貫通ドメインなどの膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号48に続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むように設計することができる。
【0066】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号49、配列番号50、および配列番号51を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、その次に、
図17に記載の膜貫通ドメインのような膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号49、配列番号50、および配列番号51を含むVHドメインに続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むようにデザインすることができる。
【0067】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号56を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、次に、
図17に記載の膜貫通ドメインなどの膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号56に続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むように設計することができる。
【0068】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号57、配列番号58、および配列番号59を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、その次に、
図17に記載の膜貫通ドメインのような膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号57、配列番号58、および配列番号59を含むVHドメインに続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むようにデザインすることができる。
【0069】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号64を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、次に、
図17に記載の膜貫通ドメインなどの膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号64に続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むように設計することができる。
【0070】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号65、配列番号66、および配列番号67を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、その次に、
図17に記載の膜貫通ドメインのような膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号65、配列番号66、および配列番号67を含むVHドメインに続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むようにデザインすることができる。
【0071】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号72を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、次に、
図17に記載の膜貫通ドメインなどの膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号72に続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むように設計することができる。
【0072】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号73、配列番号74、および配列番号75を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、その次に、
図17に記載の膜貫通ドメインのような膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号73、配列番号74、および配列番号75を含むVHドメインに続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むようにデザインすることができる。
【0073】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号80を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、次に、
図17に記載の膜貫通ドメインなどの膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号80に続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むように設計することができる。
【0074】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号81、配列番号82、および配列番号83を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、その次に、
図17に記載の膜貫通ドメインのような膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号81、配列番号82、および配列番号83を含むVHドメインに続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むようにデザインすることができる。
【0075】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号88を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、次に、
図17に記載の膜貫通ドメインなどの膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号88に続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むように設計することができる。
【0076】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号89、配列番号90、および配列番号91を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、その次に、
図17に記載の膜貫通ドメインのような膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号89、配列番号90、および配列番号91を含むVHドメインに続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むようにデザインすることができる。
【0077】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号96を含むVHドメインに続いて、
図15または
図16に記載のヒンジ/リンカーなどのヒンジ(たとえば、ヒトCD8αヒンジ)、次に、
図17に記載の膜貫通ドメインなどの膜貫通ドメイン(たとえば、ヒトCD8α膜貫通ドメイン)、続いて、
図18に記載の1以上の細胞内シグナル伝達ドメインのような1以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインに続いてヒトCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン)を含むようにデザインすることができる。たとえば、メソテリンポリペプチドを標的とするCARは、配列番号96に続いて、配列番号131、配列番号137があり、その次に配列番号141、続いて配列番号140を含むように設計することができる。
【0078】
本明細書で使用される「細胞エンゲージャー」という用語は、2つ以上の抗原結合ドメイン(たとえば、2つ、3つ、または4つの抗原結合ドメイン)を含み、2つの細胞を結びつける能力を有するポリペプチドのことをいう。細胞エンゲージャーの例としては、BiTE、BiKE、およびTriKEがあるが、これに限定されない。概して、本明細書で提供される細胞エンゲージャーは、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する少なくとも1つの抗原結合ドメイン、および細胞(たとえば、T細胞またはNK細胞)の表面に発現される抗原に結合する能力を有する少なくとも1つの抗原結合ドメインを含むようにデザインすることができる。一部の場合では、本明細書に記載の細胞エンゲージャーは、細胞エンゲージャーの2つ以上の抗原結合ドメインを介して、メソテリン+細胞(たとえば、メソテリン+がん細胞)を別の細胞(たとえば、T細胞またはNK細胞)に結びつけることができる。
【0079】
細胞エンゲージャーが、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する抗原結合ドメイン、および2つ以上の他の抗原結合ドメイン(たとえば、2つ、3つ、または4つの他の抗原結合ドメイン)を含んでいる場合、そうした他の抗原結合ドメインはそれぞれ、異なる細胞型の表面に発現される異なる抗原に結合することができるが、同じ細胞型の表面に発現される異なる抗原に結合することもできる。たとえば、TriKEは、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する第1の抗原結合ドメイン、NK細胞表面に発現される第1の抗原(たとえば、CD16aポリペプチドなどのCD16ポリペプチド)に結合する能力を有する第2の抗原結合ドメイン、およびNK細胞表面に発現される第2の抗原(たとえば、NKG2Aポリペプチド)に結合する能力を有する第3の抗原結合ドメインを有するようにデザインすることができる。
【0080】
本明細書に記載されるように、本明細書で提供される細胞エンゲージャーの少なくとも1つの抗原結合ドメインは、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合するようにデザインすることができる。たとえば、本明細書で提供される細胞エンゲージャーは、本明細書に記載の抗体、抗原結合フラグメント、および/または抗体ドメインの構成要素(たとえば、CDRの組み合わせ)を、抗原結合ドメインとして含むようにデザインすることができるが、ただしその抗原結合ドメインがメソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有することを条件とする。一部の例では、本明細書で提供される細胞エンゲージャーは、本明細書で提供される抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)の3つのCDR(たとえば、CDR1、CDR2、およびCDR3)の一組(たとえば、配列番号1~3;配列番号9~11;配列番号17~19;配列番号25~27;配列番号33~35;配列番号41~43;配列番号49~51;配列番号57~59;配列番号65~67;配列番号73~75;配列番号81~83;または配列番号89~91)を含む抗原結合ドメインを含むようにデザインすることができる。
【0081】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャーの抗原結合ドメインは、本明細書に記載のVHドメイン、または本明細書に記載のscFv/Fab抗体を含むようにデザインすることができる。一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインを、メソテリン+細胞を標的とする細胞エンゲージャーの抗原結合ドメインとして使用することができる。
【0082】
本明細書に記載されるように、細胞エンゲージャーは、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する少なくとも1つの抗原結合ドメイン、および少なくとも1つの他の抗原結合ドメインを含むようにデザインすることができる。その少なくとも1つの他の抗原結合ドメインは、細胞表面に発現される任意の適当な抗原に結合する能力を有することができる。たとえば、メソテリン+細胞とT細胞を結びつけるBiTEのような細胞エンゲージャーをデザインする場合、細胞エンゲージャーには、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する抗原結合ドメイン、およびT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメインを含めることができる。本明細書で提供される細胞エンゲージャーの抗原結合ドメインによって標的化されうる、T細胞の表面に発現されるポリペプチドの例としては、CD3ポリペプチドが挙げられるがそれに限定されない。本明細書で提供される細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)を作製するために使用することができる、T細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメインの例としては、抗CD3 scFvおよび抗CD3 VHドメインがあるがこれに限定されない。T細胞の表面に発現されるポリペプチド(たとえば、CD3)に結合する能力を有する抗原結合ドメインとして使用することができるアミノ酸配列の追加の例は、米国特許第6,750,325号に記載されている(たとえば、米国特許第6,750,325号の配列表を参照のこと)。
【0083】
一部の場合では、本明細書で提供される細胞エンゲージャーは、
図19に記載のアミノ酸配列の1つを含むか、基本的にその1つからなるか、またはその1つからなる、抗原結合ドメインを含むようにデザインすることができる。いくつかの例において、本明細書で提供される細胞エンゲージャーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸の欠失、付加、置換、またはそれらの組合せを有する、
図19に記載のアミノ酸配列の1つを含むか、基本的にその1つからなるか、またはその1つからなる、抗原結合ドメインを含むようにデザインすることができるが、ただしその抗原結合ドメインがT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有することを条件とする。一部の場合では、本明細書で提供される細胞エンゲージャーは、2個以下、3個以下、4個以下、5個以下、6個以下、7個以下、8個以下、9個以下、もしくは10個以下のアミノ酸の欠失、付加、置換、またはそれらの組合せを有する、
図19に記載のアミノ酸配列の1つを含むか、基本的にその1つからなるか、またはその1つからなる、抗原結合ドメインを含むようにデザインすることができるが、ただしその抗原結合ドメインがT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有することを条件とする。
【0084】
メソテリン+細胞とNK細胞とを結びつけるBiKEもしくはTriKEなどの細胞エンゲージャーをデザインする場合、細胞エンゲージャーは、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する抗原結合ドメイン、およびNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上(たとえば、1つ、2つ、または3つ)の抗原結合ドメインを含むことができる。本明細書で提供される細胞エンゲージャーの抗原結合ドメインによって標的化されうる、NK細胞の表面に発現されるポリペプチドの例としては、CD16ポリペプチド(たとえば、CD16aポリペプチド)、NKG2Aポリペプチド、NKG2Dポリペプチド、NKp30ポリペプチド、NKp44ポリペプチド、およびNKp46ポリペプチドが挙げられるが、それらに限定されない。本明細書で提供される細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)を作製するために使用することができる、NK細胞の表面上に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメインの例としては、抗CD16a scFv、抗NKG2A scFv、抗NKG2D scFv、抗NKp30 scFv(たとえば、BioLegendカタログ#325207を参照のこと)、抗NKp44 scFvs、抗NKp46 scFvs、抗CD16a VHドメイン、抗NKG2A VHドメイン、抗NKG2D VHドメイン、抗NKp30 VHドメイン、抗NKp44 VHドメイン、および抗NKp46 VHドメインが挙げられるが、それらに限定されない。NK細胞の表面に発現されるポリペプチド(たとえば、CD16、NKG2A、NKG2D、またはNKp46)に結合する能力を有する抗原結合ドメインとして使用することができるアミノ酸配列の追加の例は、McCall et al. (Mol. Immunol., 36(7):433-445 (1999);たとえば抗CD16 scFv 配列を参照のこと);国際特許出願公開番号PCT/US2017/048721(たとえば、抗CD16a結合ドメインのCDRおよび配列表を参照のこと);米国特許出願公開第2011/0052606号(たとえば、Z199などの抗NKG2A抗体のCDRおよび配列表を参照のこと);米国特許出願公開第2011/0150870号(たとえば、抗NKG2D抗体のCDRおよび配列表を参照のこと);米国特許出願公開第2018/0369373号(たとえば、抗NKp46抗体のCDRおよび配列表を参照のこと);および米国特許出願公開第2017/0368169号(たとえば、抗NKp46抗体のCDRおよび配列表を参照のこと)に記載されている。
【0085】
一部の事例において、本明細書で提供される細胞エンゲージャーは、
図20に記載の1以上のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなる、抗原結合ドメイン(たとえば、scFvまたはVH)を含むようにデザインすることができる。一部の場合では、本明細書で提供される細胞エンゲージャーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸の欠失、付加、置換、またはそれらの組み合わせを有する、
図20に記載のアミノ酸配列の1つを含むか、基本的にその1つからなるか、またはその1つからなる、抗原結合ドメイン(たとえば、scFvまたはVH)を含むようにデザインすることができるが、ただしその抗原結合ドメインがNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有することを条件とする。一部の場合では、本明細書で提供される細胞エンゲージャーは、2個以下、3個以下、4個以下、5個以下、6個以下、7個以下、8個以下、9個以下、または10個以下のアミノ酸の欠失、付加、置換、またはそれらの組み合わせを有する、
図20に記載のアミノ酸配列の1つを含むか、基本的にその1つからなるか、またはその1つからなる、抗原結合ドメイン(たとえば、scFvまたはVH)を含むようにデザインすることができるが、ただしその抗原結合ドメインがNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有することを条件とする。
【0086】
一部の場合では、本明細書で提供される細胞エンゲージャーは、それぞれの抗原結合ドメイン間に配置されたリンカーを含むようにデザインすることができる。任意の適当なリンカーを使用して、本明細書で提供される細胞エンゲージャーをデザインすることができる。本明細書に記載される細胞エンゲージャーを作製するために使用することができるリンカーの例には、
図15に記載のリンカー配列が含まれるがそれに限定されない。本明細書で提供される細胞エンゲージャーは、任意の適当な長さのリンカーを含むようにデザインすることができる。たとえば、本明細書で提供される細胞エンゲージャーは、アミノ酸残基が約3~約100(たとえば、約3~約90、約3~約80、約3~約70、約3~約60、約3~約50、約3~約40、約3~約30、約3~約20、約3~約15、約5~約100、約10~約100、約20~約100、約30~約100、約40~約100、約50~約100、約60~約100、約70~約100、約10~約50、約10~約40、約10~約30、約10~約20、または約12~約17)個の長さのリンカーを含むようにデザインすることができる。一部の場合では、本明細書で提供される細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号112)リンカーを含むようにデザインすることができる。一部の場合では、本明細書に記載のCARのヒンジをリンカーとして使用して、本明細書に記載の細胞エンゲージャーを作製することができる。たとえば、
図16に記載の配列のいずれか1つを、本明細書に記載の細胞エンゲージャーのリンカーとして使用することができる。
【0087】
一部の場合では、本明細書で提供される細胞エンゲージャーは、
図15または
図16に示されるアミノ酸配列の1つを含むか、基本的にその1つからなるか、またはその1つからなるリンカーを含むようにデザインすることができる。一部の場合では、本明細書で提供される細胞エンゲージャーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸の欠失、付加、置換、またはそれらの組み合わせを有する、
図15または
図16に示されるアミノ酸配列の1つを含むか、基本的にその1つからなるか、またはその1つからなるリンカーを含むようにデザインすることができる。一部の場合では、本明細書で提供される細胞エンゲージャーは、2個以下、3個以下、4個以下、5個以下、6個以下、7個以下、8個以下、9個以下、または10個以下のアミノ酸の欠失、付加、置換、またはそれらの組み合わせを有する、
図15または
図16に記載のアミノ酸配列の1つを含むか、基本的にその1つからなるか、またはその1つからなるリンカーを含むようにデザインすることができる。
【0088】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号1、配列番号2、および配列番号3を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0089】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号8を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0090】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号1、配列番号2、および配列番号3を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0091】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号8を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0092】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号9、配列番号10、および配列番号11を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0093】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号16を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0094】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号9、配列番号10、および配列番号11を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0095】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号16を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0096】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号17、配列番号18、および配列番号19を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0097】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号24を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0098】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号17、配列番号18、および配列番号19を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0099】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号24を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0100】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号25、配列番号26、および配列番号27を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0101】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号32を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0102】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号25、配列番号26、および配列番号27を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0103】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号32を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0104】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号33、配列番号34、および配列番号35を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0105】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号40を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0106】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号33、配列番号34、および配列番号35を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0107】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号40を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0108】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号41、配列番号42、および配列番号43を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0109】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号48を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0110】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号41、配列番号42、および配列番号43を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0111】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号48を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0112】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号49、配列番号50、および配列番号51を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0113】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号56を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0114】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号49、配列番号50、および配列番号51を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0115】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号56を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0116】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号57、配列番号58、および配列番号59を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0117】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号64を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0118】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号57、配列番号58、および配列番号59を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0119】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号64を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0120】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号65、配列番号66、および配列番号67を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0121】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号72を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0122】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号65、配列番号66、および配列番号67を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0123】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号72を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0124】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号73、配列番号74、および配列番号75を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0125】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号80を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0126】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号73、配列番号74、および配列番号75を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0127】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号80を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0128】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号81、配列番号82、および配列番号83を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0129】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号88を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0130】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号81、配列番号82、および配列番号83を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0131】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号88を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0132】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号89、配列番号90、および配列番号91を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0133】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiTE)は、配列番号96を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にT細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する抗原結合ドメイン(たとえば、抗ヒトCD3 scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0134】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号89、配列番号90、および配列番号91を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0135】
一部の場合では、メソテリンポリペプチドを標的とする細胞エンゲージャー(たとえば、BiKEまたはTriKE)は、配列番号96を含むVHドメイン、続いて、
図15または
図16に記載のリンカー/ヒンジなどのリンカー(たとえば、配列番号112)、その後にNK細胞の表面に発現されるポリペプチドに結合する能力を有する1以上の抗原結合ドメイン(たとえば、BiKEについては抗ヒトCD16a scFv、またはTriKEについては抗ヒトCD16a scFvおよび抗ヒトNKG2A scFv)を含むようにデザインすることができる。
【0136】
ある実施形態において、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号1(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号1の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号2(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号2の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号3(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号3の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。これらのCDRを有し、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有するこのような抗体ドメインの例としては、
図2に示すVHドメインがあるが、これに限定されない。
【0137】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)であって、配列番号1(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号1の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号2(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号2の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号3(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号3の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを有する、前記結合分子は、任意の適当なフレームワーク領域を含みうる。たとえば、このような結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号4(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号4の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域1、配列番号5(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号5の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域2、配列番号6(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号6の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域3、および配列番号7(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号7の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域4を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0138】
一部の場合では、
図2に記載のCDRのいずれかを有する結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、
図2に示されるようなフレームワーク領域を含むようにデザインすることができるが、別の抗体もしくは抗体フラグメント由来の1以上のフレームワーク領域を含むようにデザインすることもできる。たとえば、抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、
図2に記載の3つのCDR、および
図2に記載のフレームワーク領域を有するようにデザインすることができるが、ただし、配列番号4に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1は、配列番号12に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号20に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号28に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号36に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号44に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号52に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号60に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号68に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号76に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号84に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、または配列番号92に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1で置き換えられる。別の例では、FabまたはscFvは、(a)
図2に記載の3つのCDR、(b)
図2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13に示されるフレームワーク領域、および(c)軽鎖可変ドメインを含むようにデザインすることができる。
【0139】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号8に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号8に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(a)配列番号8に記載のアミノ酸配列と100パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0140】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号1、2、および3に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号8に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号1、2、および3に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号8に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0141】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号8に記載のアミノ酸配列、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する、配列番号8に記載のアミノ酸を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有しうるものであって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含むことができるが、ただし、その重鎖可変ドメインが配列番号1、2、および3に記載のアミノ酸配列を含むことを条件とする。
【0142】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(i)配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR1、(ii)配列番号2に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR2、および(iii)配列番号3に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR3、を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるCDR1」とは、配列番号1の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR1、配列番号1のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1、および/または配列番号1のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるCDR1の例としては、表1に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0143】
【0144】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるCDR2」とは、配列番号2の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR2、配列番号2のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2、および/または配列番号2のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるCDR2の例としては、表2に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0145】
【0146】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるCDR3」とは、配列番号3の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR3、配列番号3のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3、および/または配列番号3のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるCDR3の例としては、表3に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0147】
【0148】
ある実施形態において、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号9(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号9の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号10(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号10の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号11(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号11の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。これらのCDRを有し、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有するこのような抗体ドメインの例としては、
図3に示すVHドメインがあるがこれに限定されない。
【0149】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)であって、配列番号9(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号9の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号10(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号10の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号11(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号11の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを有する、前記結合分子は、任意の適当なフレームワーク領域を含みうる。たとえば、このような結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号12(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号12の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域1、配列番号13(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号13の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域2、配列番号14(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号14の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域3、および配列番号15(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号15の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域4を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0150】
一部の場合では、
図3に記載のCDRのいずれかを有する結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、
図3に示されるようなフレームワーク領域を含むようにデザインすることができるが、別の抗体もしくは抗体フラグメント由来の1以上のフレームワーク領域を含むようにデザインすることもできる。たとえば、抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、
図3に記載の3つのCDR、および
図3に記載のフレームワーク領域を有するようにデザインすることができるが、ただし、配列番号12に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1は、配列番号4に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号20に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号28に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号36に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号44に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号52に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号60に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号68に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号76に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号84に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、または配列番号92に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1で置き換えられる。別の例では、FabまたはscFvは、(a)
図3に記載の3つのCDR、(b)
図2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13に示されるフレームワーク領域、および(c)軽鎖可変ドメインを含むようにデザインすることができる。
【0151】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号16に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号16に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(a)配列番号16に記載のアミノ酸配列と100パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0152】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号9、10、および11に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号16に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号9、10、および11に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号16に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0153】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号16に記載のアミノ酸配列、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号16に記載のアミノ酸を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有しうるものであって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号16に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含むことができるが、ただし、その重鎖可変ドメインが配列番号9、10、および11に記載のアミノ酸配列を含むことを条件とする。
【0154】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(i)配列番号9に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR1、(ii)配列番号10に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR2、および(iii)配列番号11に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR3、を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号9に記載のアミノ酸配列からなるCDR1」とは、配列番号1の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR1、配列番号9のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1、および/または配列番号9のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号9に記載のアミノ酸配列からなるCDR1の例としては、表4に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0155】
【0156】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるCDR2」とは、配列番号10の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR2、配列番号10のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2、および/または配列番号10のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるCDR2の例としては、表5に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0157】
【0158】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号11に記載のアミノ酸配列からなるCDR3」とは、配列番号11の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR3、配列番号11のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3、および/または配列番号11のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号11に記載のアミノ酸配列からなるCDR3の例としては、表6に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0159】
【0160】
ある実施形態において、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号17(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号17の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号18(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号18の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号19(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号19の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。これらのCDRを有し、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有するこのような抗体ドメインの例としては、
図4に示すVHドメインがあるがこれに限定されない。
【0161】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)であって、配列番号17または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号17の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号18(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号18の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号19(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号19の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを有する、前記結合分子は、任意の適当なフレームワーク領域を含みうる。たとえば、このような結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号20(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号20の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域1、配列番号21(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号21の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域2、配列番号22(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号22の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域3、および配列番号23(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号23の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域4を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0162】
一部の場合では、
図4に記載のCDRのいずれかを有する結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、
図4に示されるようなフレームワーク領域を含むようにデザインすることができるが、別の抗体もしくは抗体フラグメント由来の1以上のフレームワーク領域を含むようにデザインすることもできる。たとえば、抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、
図4に記載の3つのCDR、および
図4に記載のフレームワーク領域を有するようにデザインすることができるが、ただし、配列番号20に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1は、配列番号4に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号12に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号28に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号36に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号44に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号52に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号60に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号68に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号76に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号84に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、または配列番号92に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1で置き換えられる。別の例では、FabまたはscFvは、(a)
図4に記載の3つのCDR、(b)
図2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13に示されるフレームワーク領域、および(c)軽鎖可変ドメインを含むようにデザインすることができる。
【0163】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号24に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号24に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(a)配列番号24に記載のアミノ酸配列と100パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0164】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号17、18、および19に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号24に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号17、18、および19に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号24に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0165】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号24に記載のアミノ酸配列、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号24に記載のアミノ酸を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有しうるものであって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号24に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含むことができるが、ただし、その重鎖可変ドメインが配列番号17、18、および19に記載のアミノ酸配列を含むことを条件とする。
【0166】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(i)配列番号17に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR1、(ii)配列番号18に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR2、および(iii)配列番号19に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR3、を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号17に記載のアミノ酸配列からなるCDR1」とは、配列番号1の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR1、配列番号1のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1、および/または配列番号1のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号17に記載のアミノ酸配列からなるCDR1の例としては、表7に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0167】
【0168】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号18に記載のアミノ酸配列からなるCDR2」とは、配列番号18の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR2、配列番号18のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2、および/または配列番号18のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号18に記載のアミノ酸配列からなるCDR2の例としては、表8に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0169】
【0170】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号19に記載のアミノ酸配列からなるCDR3」とは、配列番号19の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR3、配列番号19のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3、および/または配列番号19のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号19に記載のアミノ酸配列からなるCDR3の例としては、表9に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0171】
【0172】
ある実施形態において、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号25(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号25の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号26(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号26の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号27(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号27の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。これらのCDRを有し、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有するこのような抗体ドメインの例としては、
図5に示すVHドメインがあるがこれに限定されない。
【0173】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)であって、配列番号25(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号25の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号26(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号26の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号27(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号27の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを有する、前記結合分子は、任意の適当なフレームワーク領域を含みうる。たとえば、このような結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号28(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号28の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域1、配列番号29(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号29の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域2、配列番号30(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号30の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域3、および配列番号31(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号31の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域4を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0174】
一部の場合では、
図5に記載のCDRのいずれかを有する結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、
図5に示されるようなフレームワーク領域を含むようにデザインすることができるが、別の抗体もしくは抗体フラグメント由来の1以上のフレームワーク領域を含むようにデザインすることもできる。たとえば、抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、
図5に記載の3つのCDR、および
図5に記載のフレームワーク領域を有するようにデザインすることができるが、ただし、配列番号28に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1は、配列番号4に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号12に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号20に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号36に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号44に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号52に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号60に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号68に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号76に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号84に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、または配列番号92に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1で置き換えられる。別の例では、FabまたはscFvは、(a)
図5に記載の3つのCDR、(b)
図2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13に示されるフレームワーク領域、および(c)軽鎖可変ドメインを含むようにデザインすることができる。
【0175】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号32に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号32に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(a)配列番号32に記載のアミノ酸配列と100パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0176】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号25、26、および27に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号32に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号25、26、および27に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号32に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0177】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号32に記載のアミノ酸配列、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号32に記載のアミノ酸を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有しうるものであって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号32に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含むことができるが、ただし、その重鎖可変ドメインが配列番号25、26、および27に記載のアミノ酸配列を含むことを条件とする。
【0178】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(i)配列番号25に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR1、(ii)配列番号26に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR2、および(iii)配列番号27に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR3、を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号25に記載のアミノ酸配列からなるCDR1」とは、配列番号25の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR1、配列番号25のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1、および/または配列番号25のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号25に記載のアミノ酸配列からなるCDR1の例としては、表10に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0179】
【0180】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号26に記載のアミノ酸配列からなるCDR2」とは、配列番号26の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR2、配列番号26のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2、および/または配列番号26のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号26に記載のアミノ酸配列からなるCDR2の例としては、表11に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0181】
【0182】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号27に記載のアミノ酸配列からなるCDR3」とは、配列番号27の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR3、配列番号27のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3、および/または配列番号27のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号27に記載のアミノ酸配列からなるCDR3の例としては、表12に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0183】
【0184】
ある実施形態において、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号33(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号33の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号34(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号34の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号35(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号35の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。これらのCDRを有し、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有するこのような抗体ドメインの例としては、
図6に示すVHドメインがあるがこれに限定されない。
【0185】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)であって、配列番号33(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号33の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号34(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号34の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号35(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号35の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを有する、前記結合分子は、任意の適当なフレームワーク領域を含みうる。たとえば、このような結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号36(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号36の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域1、配列番号37(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号37の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域2、配列番号38(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号38の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域3、および配列番号39(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号39の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域4を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0186】
一部の場合では、
図6に記載のCDRのいずれかを有する結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、
図6に示されるようなフレームワーク領域を含むようにデザインすることができるが、別の抗体もしくは抗体フラグメント由来の1以上のフレームワーク領域を含むようにデザインすることもできる。たとえば、抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、
図6に記載の3つのCDR、および
図6に記載のフレームワーク領域を有するようにデザインすることができるが、ただし、配列番号36に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1は、配列番号4に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号12に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号20に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号28に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号44に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号52に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号60に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号68に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号76に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号84に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、または配列番号92に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1で置き換えられる。別の例では、FabまたはscFvは、(a)
図6に記載の3つのCDR、(b)
図2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13に示されるフレームワーク領域、および(c)軽鎖可変ドメインを含むようにデザインすることができる。
【0187】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号40に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号40に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(a)配列番号40に記載のアミノ酸配列と100パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0188】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号33、34、および35に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号40に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号33、34、および35に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号40に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0189】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号40に記載のアミノ酸配列、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号40に記載のアミノ酸を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有しうるものであって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号40に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含むことができるが、ただし、その重鎖可変ドメインが配列番号33、34、および35に記載のアミノ酸配列を含むことを条件とする。
【0190】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(i)配列番号33に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR1、(ii)配列番号34に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR2、および(iii)配列番号35に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR3、を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号33に記載のアミノ酸配列からなるCDR1」とは、配列番号33の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR1、配列番号33のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1、および/または配列番号33のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号33に記載のアミノ酸配列からなるCDR1の例としては、表13に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0191】
【0192】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号34に記載のアミノ酸配列からなるCDR2」とは、配列番号34の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR2、配列番号34のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2、および/または配列番号34のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号34に記載のアミノ酸配列からなるCDR2の例としては、表14に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0193】
【0194】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号35に記載のアミノ酸配列からなるCDR3」とは、配列番号35の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR3、配列番号35のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3、および/または配列番号35のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号35に記載のアミノ酸配列からなるCDR3の例としては、表15に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0195】
【0196】
ある実施形態において、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号41(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号41の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号42(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号42の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号43(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号43の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。これらのCDRを有し、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有するこのような抗体ドメインの例としては、
図7に示すVHドメインがあるがこれに限定されない。
【0197】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)であって、配列番号41(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号41の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号42(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号42の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号43(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号43の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを有する、前記結合分子は、任意の適当なフレームワーク領域を含みうる。たとえば、このような結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号44(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号44の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域1、配列番号45(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号45の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域2、配列番号46(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号46の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域3、および配列番号47(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号47の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域4を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0198】
一部の場合では、
図7に記載のCDRのいずれかを有する結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、
図7に示されるようなフレームワーク領域を含むようにデザインすることができるが、別の抗体もしくは抗体フラグメント由来の1以上のフレームワーク領域を含むようにデザインすることもできる。たとえば、抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、
図7に記載の3つのCDR、および
図7に記載のフレームワーク領域を有するようにデザインすることができるが、ただし、配列番号44に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1は、配列番号4に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号12に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号20に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号28に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号36に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号52に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号60に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号68に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号76に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号84に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、または配列番号92に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1で置き換えられる。別の例では、FabまたはscFvは、(a)
図7に記載の3つのCDR、(b)
図2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13に示されるフレームワーク領域、および(c)軽鎖可変ドメインを含むようにデザインすることができる。
【0199】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号48に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号48に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(a)配列番号48に記載のアミノ酸配列と100パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0200】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号41、42、および43に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号48に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号41、42、および43に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号48に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0201】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号48に記載のアミノ酸配列、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号48に記載のアミノ酸を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有しうるものであって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号48に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含むことができるが、ただし、その重鎖可変ドメインが配列番号41、42、および43に記載のアミノ酸配列を含むことを条件とする。
【0202】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(i)配列番号41に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR1、(ii)配列番号42に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR2、および(iii)配列番号43に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR3、を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号41に記載のアミノ酸配列からなるCDR1」とは、配列番号41の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR1、配列番号41のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1、および/または配列番号41のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号41に記載のアミノ酸配列からなるCDR1の例としては、表16に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0203】
【0204】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号42に記載のアミノ酸配列からなるCDR2」とは、配列番号42の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR2、配列番号42のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2、および/または配列番号42のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号42に記載のアミノ酸配列からなるCDR2の例としては、表17に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0205】
【0206】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号43に記載のアミノ酸配列からなるCDR3」とは、配列番号43の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR3、配列番号43のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3、および/または配列番号43のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号43に記載のアミノ酸配列からなるCDR3の例としては、表18に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0207】
【0208】
別の実施形態において、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号49(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号49の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号50(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号50の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号51(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号51の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。これらのCDRを有し、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有するこのような抗体ドメインの例としては、
図8に示すVHドメインがあるがこれに限定されない。
【0209】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)であって、配列番号49(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号49の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号50(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号50の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号51(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号51の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを有する、前記結合分子は、任意の適当なフレームワーク領域を含みうる。たとえば、このような結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号52(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号52の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域1、配列番号53(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号53の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域2、配列番号54(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号54の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域3、および配列番号55(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号55の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域4を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0210】
一部の場合では、
図8に記載のCDRのいずれかを有する結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、
図8に示されるようなフレームワーク領域を含むようにデザインすることができるが、別の抗体もしくは抗体フラグメント由来の1以上のフレームワーク領域を含むようにデザインすることもできる。たとえば、抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、
図8に記載の3つのCDR、および
図8に記載のフレームワーク領域を有するようにデザインすることができるが、ただし、配列番号52に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1は、配列番号4に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号12に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号20に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号28に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号36に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号44に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号60に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号68に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号76に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号84に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、または配列番号92に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1で置き換えられる。別の例では、FabまたはscFvは、(a)
図8に記載の3つのCDR、(b)
図2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13に示されるフレームワーク領域、および(c)軽鎖可変ドメインを含むようにデザインすることができる。
【0211】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号56に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号56に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(a)配列番号56に記載のアミノ酸配列と100パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0212】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号49、50、および51に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号56に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号49、50、および51に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号56に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0213】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号56に記載のアミノ酸配列、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号56に記載のアミノ酸を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有しうるものであって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号56に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含むことができるが、ただし、その重鎖可変ドメインが配列番号49、50、および51に記載のアミノ酸配列を含むことを条件とする。
【0214】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(i)配列番号49に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR1、(ii)配列番号50に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR2、および(iii)配列番号51に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR3、を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号49に記載のアミノ酸配列からなるCDR1」とは、配列番号49の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR1、配列番号49のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1、および/または配列番号49のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号49に記載のアミノ酸配列からなるCDR1の例としては、表19に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0215】
【0216】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号50に記載のアミノ酸配列からなるCDR2」とは、配列番号50の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR2、配列番号50のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2、および/または配列番号50のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号50に記載のアミノ酸配列からなるCDR2の例としては、表20に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0217】
【0218】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号51に記載のアミノ酸配列からなるCDR3」とは、配列番号51の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR3、配列番号51のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3、および/または配列番号51のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号51に記載のアミノ酸配列からなるCDR3の例としては、表21に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0219】
【0220】
別の実施形態において、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号57(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号57の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号58(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号58の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号59(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号59の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。これらのCDRを有し、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有するこのような抗体ドメインの例としては、
図9に示すVHドメインがあるがこれに限定されない。
【0221】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)であって、配列番号57(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号57の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号58(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号58の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号59(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号59の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを有する、前記結合分子は、任意の適当なフレームワーク領域を含みうる。たとえば、このような結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号60(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号60の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域1、配列番号61(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号61の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域2、配列番号62(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号62の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域3、および配列番号63(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号63の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域4を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0222】
一部の場合では、
図9に記載のCDRのいずれかを有する結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、
図9に示されるようなフレームワーク領域を含むようにデザインすることができるが、別の抗体もしくは抗体フラグメント由来の1以上のフレームワーク領域を含むようにデザインすることもできる。たとえば、抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、
図9に記載の3つのCDR、および
図9に記載のフレームワーク領域を有するようにデザインすることができるが、ただし、配列番号60に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1は、配列番号4に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号12に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号20に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号28に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号36に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号44に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号52に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号68に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号76に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号84に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、または配列番号92に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1で置き換えられる。別の例では、FabまたはscFvは、(a)
図9に記載の3つのCDR、(b)
図2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13に示されるフレームワーク領域、および(c)軽鎖可変ドメインを含むようにデザインすることができる。
【0223】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号64に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号64に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(a)配列番号64に記載のアミノ酸配列と100パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0224】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号57、58、および59に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号64に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号57、58、および59に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号64に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0225】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号64に記載のアミノ酸配列、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号64に記載のアミノ酸を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有しうるものであって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号64に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含むことができるが、ただし、その重鎖可変ドメインが配列番号57、58、および59に記載のアミノ酸配列を含むことを条件とする。
【0226】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(i)配列番号57に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR1、(ii)配列番号58に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR2、および(iii)配列番号59に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR3、を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号57に記載のアミノ酸配列からなるCDR1」とは、配列番号57の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR1、配列番号57のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1、および/または配列番号57のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号57に記載のアミノ酸配列からなるCDR1の例としては、表22に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0227】
【0228】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号58に記載のアミノ酸配列からなるCDR2」とは、配列番号58の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR2、配列番号58のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2、および/または配列番号58のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号58に記載のアミノ酸配列からなるCDR2の例としては、表23に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0229】
【0230】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号59に記載のアミノ酸配列からなるCDR3」とは、配列番号59の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR3、配列番号59のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3、および/または配列番号59のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号59に記載のアミノ酸配列からなるCDR3の例としては、表24に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0231】
【0232】
別の実施形態において、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号65(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号65の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号66(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号66の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号67(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号67の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。これらのCDRを有し、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有するこのような抗体ドメインの例としては、
図10に示すVHドメインがあるがこれに限定されない。
【0233】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)であって、配列番号65(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号65の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号66(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号66の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号67(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号67の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを有する、前記結合分子は、任意の適当なフレームワーク領域を含みうる。たとえば、このような結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号68(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号68の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域1、配列番号69(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号69の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域2、配列番号70(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号70の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域3、および配列番号71(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号71の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域4を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0234】
一部の場合では、
図10に記載のCDRのいずれかを有する結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、
図10に示されるようなフレームワーク領域を含むようにデザインすることができるが、別の抗体もしくは抗体フラグメント由来の1以上のフレームワーク領域を含むようにデザインすることもできる。たとえば、抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、
図10に記載の3つのCDR、および
図10に記載のフレームワーク領域を有するようにデザインすることができるが、ただし、配列番号68に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1は、配列番号4に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号12に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号20に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号28に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号36に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号44に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号52に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号60に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号76に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号84に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、または配列番号92に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1で置き換えられる。別の例では、FabまたはscFvは、(a)
図10に記載の3つのCDR、(b)
図2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13に示されるフレームワーク領域、および(c)軽鎖可変ドメインを含むようにデザインすることができる。
【0235】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号72に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号72に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(a)配列番号72に記載のアミノ酸配列と100パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0236】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号65、66、および67に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号72に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号65、66、および67に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号72に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0237】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号72に記載のアミノ酸配列、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号72に記載のアミノ酸を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有しうるものであって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号72に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含むことができるが、ただし、その重鎖可変ドメインが配列番号65、66、および67に記載のアミノ酸配列を含むことを条件とする。
【0238】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(i)配列番号65に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR1、(ii)配列番号66に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR2、および(iii)配列番号67に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR3、を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号65に記載のアミノ酸配列からなるCDR1」とは、配列番号65の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR1、配列番号65のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1、および/または配列番号65のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号65に記載のアミノ酸配列からなるCDR1の例としては、表25に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0239】
【0240】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号66に記載のアミノ酸配列からなるCDR2」とは、配列番号66の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR2、配列番号66のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2、および/または配列番号66のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号66に記載のアミノ酸配列からなるCDR2の例としては、表26に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0241】
【0242】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号67に記載のアミノ酸配列からなるCDR3」とは、配列番号67の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR3、配列番号67のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3、および/または配列番号67のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号67に記載のアミノ酸配列からなるCDR3の例としては、表27に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0243】
【0244】
別の実施形態において、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号73(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号73の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号74(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号74の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号75(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号75の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。これらのCDRを有し、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有するこのような抗体ドメインの例としては、
図11に示すVHドメインがあるがこれに限定されない。
【0245】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)であって、配列番号73(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号73の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号74(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号74の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号75(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号75の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを有する、前記結合分子は、任意の適当なフレームワーク領域を含みうる。たとえば、このような結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号76(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号76の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域1、配列番号77(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号77の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域2、配列番号78(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号78の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域3、および配列番号79(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号79の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域4を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0246】
一部の場合では、
図11に記載のCDRのいずれかを有する結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、
図11に示されるようなフレームワーク領域を含むようにデザインすることができるが、別の抗体もしくは抗体フラグメント由来の1以上のフレームワーク領域を含むようにデザインすることもできる。たとえば、抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、
図11に記載の3つのCDR、および
図11に記載のフレームワーク領域を有するようにデザインすることができるが、ただし、配列番号76に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1は、配列番号4に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号12に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号20に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号28に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号36に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号44に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号52に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号60に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号68に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号84に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、または配列番号92に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1で置き換えられる。別の例では、FabまたはscFvは、(a)
図11に記載の3つのCDR、(b)
図2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13に示されるフレームワーク領域、および(c)軽鎖可変ドメインを含むようにデザインすることができる。
【0247】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号80に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号80に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(a)配列番号80に記載のアミノ酸配列と100パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0248】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号73、74、および75に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号80に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号73、74、および75に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号80に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0249】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号80に記載のアミノ酸配列、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号80に記載のアミノ酸を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有しうるものであって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号80に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含むことができるが、ただし、その重鎖可変ドメインが配列番号73、74、および75に記載のアミノ酸配列を含むことを条件とする。
【0250】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(i)配列番号73に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR1、(ii)配列番号74に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR2、および(iii)配列番号75に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR3、を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号73に記載のアミノ酸配列からなるCDR1」とは、配列番号73の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR1、配列番号73のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1、および/または配列番号73のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号73に記載のアミノ酸配列からなるCDR1の例としては、表28に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0251】
【0252】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号74に記載のアミノ酸配列からなるCDR2」とは、配列番号74の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR2、配列番号74のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2、および/または配列番号74のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号74に記載のアミノ酸配列からなるCDR2の例としては、表29に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0253】
【0254】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号75に記載のアミノ酸配列からなるCDR3」とは、配列番号75の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR3、配列番号75のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3、および/または配列番号75のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号75に記載のアミノ酸配列からなるCDR3の例としては、表30に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0255】
【0256】
別の実施形態において、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号81(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号81の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号82(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号82の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号83(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号83の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。これらのCDRを有し、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有するこのような抗体ドメインの例としては、
図12に示すVHドメインがあるがこれに限定されない。
【0257】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)であって、配列番号81(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号81の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号82(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号82の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号83(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号83の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを有する、前記結合分子は、任意の適当なフレームワーク領域を含みうる。たとえば、このような結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号84(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号84の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域1、配列番号85(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号85の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域2、配列番号86(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号86の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域3、および配列番号87(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号87の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域4を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0258】
一部の場合では、
図12に記載のCDRのいずれかを有する結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、
図12に示されるようなフレームワーク領域を含むようにデザインすることができるが、別の抗体もしくは抗体フラグメント由来の1以上のフレームワーク領域を含むようにデザインすることもできる。たとえば、抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、
図12に記載の3つのCDR、および
図12に記載のフレームワーク領域を有するようにデザインすることができるが、ただし、配列番号84に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1は、配列番号4に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号12に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号20に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号28に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号36に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号44に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号52に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号60に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号68に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号76に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、または配列番号92に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1で置き換えられる。別の例では、FabまたはscFvは、(a)
図12に記載の3つのCDR、(b)
図2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13に示されるフレームワーク領域、および(c)軽鎖可変ドメインを含むようにデザインすることができる。
【0259】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号88に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号88に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(a)配列番号88に記載のアミノ酸配列と100パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0260】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号81、82、および83に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号88に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号81、82、および83に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号88に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0261】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号88に記載のアミノ酸配列、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号88に記載のアミノ酸を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有しうるものであって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号88に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含むことができるが、ただし、その重鎖可変ドメインが配列番号81、82、および83に記載のアミノ酸配列を含むことを条件とする。
【0262】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(i)配列番号81に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR1、(ii)配列番号82に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR2、および(iii)配列番号83に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR3、を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号81に記載のアミノ酸配列からなるCDR1」とは、配列番号81の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR1、配列番号81のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1、および/または配列番号81のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号81に記載のアミノ酸配列からなるCDR1の例としては、表31に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0263】
【0264】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号82に記載のアミノ酸配列からなるCDR2」とは、配列番号82の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR2、配列番号82のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2、および/または配列番号82のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号82に記載のアミノ酸配列からなるCDR2の例としては、表32に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0265】
【0266】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号83に記載のアミノ酸配列からなるCDR3」とは、配列番号83の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR3、配列番号83のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3、および/または配列番号83のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号83に記載のアミノ酸配列からなるCDR3の例としては、表33に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0267】
【0268】
別の実施形態において、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号89(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号89の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号90(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号90の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号91(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号91の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。これらのCDRを有し、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有するこのような抗体ドメインの例としては、
図13に示すVHドメインがあるがこれに限定されない。
【0269】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)であって、配列番号89(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号89の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号90(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号90の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、および配列番号91(または1つもしくは2つのアミノ酸改変を有する配列番号91の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変ドメインを有する、前記結合分子は、任意の適当なフレームワーク領域を含みうる。たとえば、このような結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号92(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号92の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域1、配列番号93(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号93の変異型)に示されるアミノ酸配列を有するフレームワーク領域2、配列番号94(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号94の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域3、および配列番号95(または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以上のアミノ酸改変を有する配列番号95の変異型)に記載のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域4を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0270】
一部の場合では、
図13に記載のCDRのいずれかを有する結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、
図13に示されるようなフレームワーク領域を含むようにデザインすることができるが、別の抗体もしくは抗体フラグメント由来の1以上のフレームワーク領域を含むようにデザインすることもできる。たとえば、抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、
図13に記載の3つのCDR、および
図13に記載のフレームワーク領域を有するようにデザインすることができるが、ただし、配列番号92に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1は、配列番号4に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号12に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号20に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号28に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号36に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号44に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号52に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号60に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号68に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、配列番号76に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1、または配列番号84に示すアミノ酸を有するフレームワーク領域1で置き換えられる。別の例では、FabまたはscFvは、(a)
図13に記載の3つのCDR、(b)
図2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13に示されるフレームワーク領域、および(c)軽鎖可変ドメインを含むようにデザインすることができる。
【0271】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号96に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号96に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(a)配列番号96に記載のアミノ酸配列と100パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0272】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号89、90、および91に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号96に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、重鎖可変ドメインが配列番号89、90、および91に記載のアミノ酸配列を含むことを条件として、配列番号96に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。
【0273】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、配列番号96に記載のアミノ酸配列、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号96に記載のアミノ酸を有する重鎖可変ドメインを含むことができる。たとえば、本明細書で提供される抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)は、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有しうるものであって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸改変(たとえば、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、および/またはアミノ酸付加)を有する配列番号96に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含むことができるが、ただし、その重鎖可変ドメインが配列番号89、90、および91に記載のアミノ酸配列を含むことを条件とする。
【0274】
一部の場合では、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、(i)配列番号89に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR1、(ii)配列番号90に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR2、および(iii)配列番号91に記載のアミノ酸配列を含むか、基本的にそのアミノ酸配列からなるか、またはそのアミノ酸配列からなるCDR3、を含む重鎖可変ドメインを含むことができる。本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号89に記載のアミノ酸配列からなるCDR1」とは、配列番号89の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR1、配列番号89のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1、および/または配列番号89のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR1であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号89に記載のアミノ酸配列からなるCDR1の例としては、表34に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0275】
【0276】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号90に記載のアミノ酸配列からなるCDR2」とは、配列番号90の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR2、配列番号90のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2、および/または配列番号90のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR2であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号90に記載のアミノ酸配列からなるCDR2の例としては、表35に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0277】
【0278】
本明細書で使用される場合、「基本的に配列番号91に記載のアミノ酸配列からなるCDR3」とは、配列番号91の中に0、1、または2個のアミノ酸置換を有するCDR3、配列番号91のすぐ前に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3、および/または配列番号91のすぐ後に0、1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を有するCDR3であるが、ただし、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合しうるその基本的能力を維持していることを条件とする。基本的に配列番号91に記載のアミノ酸配列からなるCDR3の例としては、表36に記載のものが挙げられるが、それに限定されない。
【0279】
【0280】
重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを有する一本鎖抗体(たとえば、scFv)をデザインする場合、2つの領域を直接連結することができるが、任意の適当なリンカー配列を用いて連結することもできる。たとえば、配列番号1~3;配列番号9~11;配列番号17~19;配列番号25~27;配列番号33~35;配列番号41~43;配列番号 49~51;配列番号57~59;配列番号65~67;配列番号73~75;配列番号81~83;または配列番号89~91のCDRを有する重鎖可変ドメインは、リンカー配列を介して軽鎖可変ドメインに直接連結することができる。scFvを作製するために重鎖可変ドメインと軽鎖可変ドメインとを連結するために使用することができるリンカー配列の例としては、
図15に記載されるリンカーが挙げられるが、これに限定されない。
【0281】
本明細書中に述べたとおり、本明細書に記載のアミノ酸配列は、アミノ酸の改変(たとえば、明記された数のアミノ酸改変)を含むことができる。このようなアミノ酸改変には、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、アミノ酸付加、および組み合わせたものを含めることができるが、それに限定されない。一部の場合では、アミノ酸改変は、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)の、抗原との結合および/もしくは接触を改善するために、ならびに/または、上記結合分子の機能的活性を向上させるために行うことができる。一部の場合では、明記された配列番号におけるアミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換とすることができる。たとえば、保存的アミノ酸置換は、あるアミノ酸残基を、類似した側鎖を有する別のアミノ酸残基に置換することによって行うことができる。類似した側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーとしては、塩基性側鎖を有するアミノ酸(たとえば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(たとえば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、無電荷極性側鎖を有するアミノ酸(たとえば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(たとえば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐側鎖を有するアミノ酸(たとえば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖を有するアミノ酸(たとえば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を挙げることができる。
【0282】
一部の場合では、明記された配列番号におけるアミノ酸置換は、非保存的アミノ酸置換とすることができる。非保存的アミノ酸置換は、1つのアミノ酸残基を、類似していない側鎖を有する別のアミノ酸残基と置換することによって行うことができる。非保存的置換の例としては、(a)親水性残基(たとえば、セリンまたはスレオニン)を疎水性残基(たとえば、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、バリンまたはアラニン)に置換すること;(b)システインまたはプロリンを他の残基に置換すること;(c)塩基性側鎖を有する残基(たとえば リジン、アルギニン、またはヒスチジン)を酸性側鎖を有する残基(たとえば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)に置換すること;および(d)大きい側鎖を有する残基(たとえば、フェニルアラニン)をグリシンまたは小さい側鎖を有する他の残基に置換すること、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0283】
アミノ酸配列変異体(たとえば、明記された配列番号に関して1以上の改変を含むアミノ酸配列)を作製するための方法には、抗体またはそのフラグメントをコードする核酸の部位特異的変異誘発またはランダム変異誘発(たとえば、PCRによる)を含めることができる。たとえば、Zoller, Curr. Opin. Biotechnol. 3: 348-354 (1992)を参照のこと。天然に存在するアミノ酸も天然に存在しないアミノ酸(たとえば、人工的に誘導体化されたアミノ酸)も、本明細書で提供されるアミノ酸配列変異体を作製するために使用することができる。
【0284】
メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、代表的な数の結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、および/または抗体ドメイン)を、表37でさらに説明する。
【0285】
【0286】
表38には、#1~#12の各クローンを指すために使用することができる別称を収載する。
【0287】
【0288】
本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、任意の適当な方法を用いて作製することができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、組換え宿主細胞で生産することができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)をコードする核酸を構築し、発現ベクターに導入し、適当な宿主細胞において発現させることができる。
図14は、本明細書に記載の代表的な結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、および/または抗体ドメイン)をコードする核酸配列の配列表である。一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、大腸菌(E. coli)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、ラクトバチルス・ゼアエ/カゼイ(Lactobacillus zeae/casei)、またはラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)などの原核生物宿主において組換え生産することができる。本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャー)はまた、酵母(たとえば、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、シュワニオミセス・オクシデンタリス(Schwanniomyces occidentalis)、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、またはヤロウイア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica))、トリコデルマ(Trichoderma)属の糸状菌(たとえば、T. リーゼイ(T. reesei))およびアスペルギルス(Aspergillus)属の糸状菌(たとえば、クロコウジカビ(A. niger)およびコウジカビ(A. oryzae))、リーシュマニア・タレントラエ(Leishmania tarentolae)などの原生動物、昆虫細胞、または哺乳動物細胞(たとえば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、Per.C6細胞、マウス骨髄腫NS0細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、またはヒト胎児由来腎臓細胞株HEK293)などの真核生物宿主において組換え生産することもできる。たとえば、Frenzelらの参考文献(Front Immunol., 4:217 (2013))を参照のこと。
【0289】
一部の場合では、本明細書で提供される抗原結合フラグメントまたは抗体ドメインは、インタクトな抗体をタンパク質分解することによって作製することができる。たとえば、抗原結合フラグメントは、抗体をパパインもしくはペプシンなどの酵素で処理することによって得ることができる。全抗体のパパイン消化を用いると、F(ab)2またはFabフラグメントを作製することができるが、全抗体のペプシン消化を用いると、F(ab')2またはFab'フラグメントを生成することができる。
【0290】
一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、実質的に純粋でありうる。結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)に関して本明細書で使用される「実質的に純粋な」という用語は、結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)が、それが本来結合している他のポリペプチド、脂質、炭水化物、および核酸を実質的に含まないことを指す。したがって、本明細書で提供される実質的に純粋な結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)とは、その天然環境から取り出され、少なくとも60%純粋である、任意の結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)である。本明細書で提供される実質的に純粋な結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、少なくとも約65、70、75、80、85、90、95、または99パーセント純粋であるとすることができる。
【0291】
本明細書はまた、2つの異なるエピトープに結合し、少なくとも一方がメソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)のエピトープである、二重特異性結合分子(たとえば、二重特異性抗体、二重特異性抗原結合フラグメント、および/または二重特異性抗体ドメイン)を提供する。一部の場合では、本明細書で提供される二重特異性結合分子は、同一のメソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)の2つの異なるエピトープに結合するようにデザインすることができる。一部の場合では、本明細書で提供される二重特異性結合分子は、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)、および異なるポリペプチド(たとえば、CD3ポリペプチド)上のエピトープに結合することができる。二重特異性結合分子は、2つの異なる結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、および/または抗体ドメイン)を化学的に結合することによって作製することができる。二重特異性結合分子はまた、2つの抗体産生細胞を融合して(たとえばハイブリドーマ)、同一細胞内で2つの異なる重鎖および2つの異なる軽鎖を産生するハイブリッド細胞株を作製することによっても、生産することが可能であり、その結果として、たとえば二重特異性IgG分子を得ることができる。Brinkmann and Kontermann, MAbs., 9(2):182-212(2017)を参照のこと。
【0292】
一部の場合では、融合たんぱく質もしくはコンジュゲートを提供するために、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャー)を、別のポリペプチドまたは他の部分に融合またはコンジュゲートする(たとえば、共有結合または非共有結合させる)ことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャー)は、ポリマー(たとえば、ポリエチレングリコール(PEG)、PEGで修飾されたポリエチレンイミン(PEI)(PEI-PEG)、および/またはポリグルタミン酸(PGA)(N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド(HPMA)コポリマー)、ヒアルロン酸、蛍光物質、発光物質、ハプテン、酵素、金属キレート、薬物、放射性同位元素、および/または細胞毒性薬とコンジュゲートすることができる。任意の適当な方法を用いて、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャー)に別のポリペプチドまたは他の部分をコンジュゲートする(たとえば、共有結合または非共有結合させる)ことができる。たとえば、別のポリペプチドまたは他の部分は、米国特許第8,021,661号に記載されている方法を用いて、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャー)にコンジュゲートすることができる。
【0293】
一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、血液循環中、たとえば血液、血清もしくは他の組織中での、その安定化および/または保持力を、たとえば少なくとも1.5倍、2倍、5倍、10倍、または50倍向上させる部位で改変することができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、実質的に非抗原性のポリマーなどの、ポリマーに結合させる(たとえば、共有結合または非共有結合させる)ことができる。本明細書に記載されるように使用することができる実質的に非抗原性のポリマーの例としては、ポリアルキレンオキシドおよびポリエチレンオキシドが挙げられるがこれに限定されない。一部の場合では、本明細書で使用されるポリマーは、任意の適当な分子量を有することができる。たとえば、約200ダルトン~約35,000ダルトン(たとえば、約1,000ダルトン~約15,000ダルトン、または約2,000ダルトン~約12,500ダルトン)の平均分子量を有するポリマーを使用することができる。場合によっては、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、水溶性ポリマーに結合させる(たとえば、共有結合または非共有結合させる)ことができる。本明細書に記載のように使用することができる水溶性ポリマーの例としては、親水性ポリビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシドホモポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン化ポリオール、ならびにそれらのコポリマーおよび/またはそれらのブロックコポリマーが挙げられるが、それに限定されるものではなく、そのコポリマーもしくはブロックコポリマーの水溶性が維持されることを条件とする。
【0294】
一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、1以上のポリオキシアルキレン(たとえば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、またはポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックコポリマー)、ポリメタクリレート、カルボマー、分枝もしくは非分枝多糖、またはそれらの組み合わせと結合させる(たとえば、共有結合または非共有結合させる)ことができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、ポリオキシエチレンに共有結合することができる。
【0295】
本明細書はADCも提供する。本明細書で使用される「ADC」という用語は、(a)抗原結合ドメイン、および(b)その抗原結合ドメインに直接または間接的に共有結合した少なくとも1つの薬物を含むコンジュゲートを指す。一部の場合では、本明細書に記載のADCは、(a)メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する抗原結合ドメイン、および(b)その抗原結合ドメインに直接または間接的に共有結合した少なくとも1つの薬物を含むことができる。本明細書で提供され、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、任意の適当な結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、および/または抗体ドメイン)を、本明細書に記載のADCを作製するための抗原結合ドメインとして使用することができる。たとえば、表37に示す結合分子のいずれかを用いて、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有するADCを作製することができる。本明細書に記載のADCを作製するために使用することができる薬物の例としては、アウリスタチン(たとえば、モノメチルアウリスタチンE(MMAE))、メルタンシン(DM-1)、およびピロロベンゾジアゼピン(PBD)二量体が挙げられるが、これに限定されない。任意の適当なADCリンカーを用いて、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する抗原結合ドメインに1以上の薬物を共有結合させて、本明細書で提供されるADCを作製することができる。たとえば、切断可能または切断不可能なADCリンカーを用いて、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する抗原結合ドメインに1以上の薬物を共有結合させて、本明細書で提供されるADCを作製することができる。本明細書で提供されるADCを作製する目的で、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する抗原結合ドメインに1以上の薬物を共有結合させるために使用することができるADCリンカーの例には、ADCジスルフィドリンカー、ADCヒドラゾンリンカー、ADCペプチドリンカー、ADCチオエーテルリンカー、およびADC PEG含有リンカーなどがあるがこれらに限定されない。
【0296】
本明細書はまた、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャー)の少なくとも一部をコードする核酸配列を有する核酸分子(たとえば、単離された核酸分子)を提供する。たとえば、本明細書で提供される単離された核酸分子は、
図2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13に示すVHドメインをコードする核酸配列を含むことができる。本明細書で提供される核酸(たとえば、単離された核酸分子)は、任意の適当な種類(たとえば、DNA、RNA、またはDNA/RNAハイブリッド)の一本鎖または二本鎖核酸とすることができる。
【0297】
本明細書はまた、本明細書で提供される1以上の核酸を含有するベクター(たとえば、プラスミドベクターまたはウイルスベクター)を提供する。本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャー)の少なくとも一部をコードする核酸配列を有する1以上の核酸を含むようにデザインすることができるプラスミドベクターの例には、ファージミドがあるがそれに限定されない。本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャー)の少なくとも一部をコードする核酸配列を有する1以上の核酸を含むようにデザインすることができるウイルスベクターの例としては、レトロウイルスベクター、パルボウイルスベースのベクター(たとえば、アデノウイルスベースのベクターおよびアデノ随伴ウイルス(AAV)ベースのベクター)、レンチウイルスベクター(たとえば、単純ヘルペス(HSV)ベースのベクター)、ポックスウイルスベクター(たとえば、ワクシニアウイルスベースのベクターおよび鶏痘ウイルスベースのベクター)、ならびにハイブリッドまたはキメラウイルスベクターが挙げられるがこれに限定されない。たとえば、アデノウイルスバックボーンを有し、他に記載されているようなレンチウイルス成分を有するウイルスベクター(Zheng et al., Nat. Biotech., 18(2): 176-80 (2000);WO 98/22143;WO 98/46778;およびWO 00/17376)、またはアデノウイルスバックボーンを有し、他に記載されているようなAAV成分を有するウイルスベクター(Fisher et al., Hum. Gene Ther., 7:2079-2087 (1996))は、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャー)の少なくとも一部をコードする核酸配列を有する1以上の核酸を含むようにデザインすることができる。
【0298】
一部の場合では、本明細書で提供されるベクター(たとえば、プラスミドベクターまたはウイルスベクター)は、本明細書で提供されるscFvまたは抗体ドメイン(たとえば、VHドメイン)をコードする核酸配列を含むことができる。一部の場合では、本明細書で提供されるベクター(たとえば、プラスミドベクターまたはウイルスベクター)は、本明細書で提供されるCARをコードする核酸配列を含むことができる。いくつかの例において、本明細書で提供されるベクター(たとえば、プラスミドベクターまたはウイルスベクター)は、本明細書で提供される細胞エンゲージャーをコードする核酸配列を含むことができる。
【0299】
本明細書で提供されるベクター(たとえば、本明細書で提供されるプラスミドベクターまたはウイルスベクター)は、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャー)の少なくとも一部をコードする核酸配列に機能しうるように連結された、任意の適当なプロモーターおよび他の制御配列(たとえば、転写および翻訳の開始および終止コドン)を含むことができる。一部の場合では、発現を駆動するために使用されるプロモーターは、構成的プロモーターであっても調節可能なプロモーターであってもよい。本明細書に記載のように使用することができる調節可能なプロモーターの例には、誘導性プロモーター、抑制性プロモーター、および組織特異的プロモーターが含まれるが、これに限定されない。本明細書に記載のように使用することができるウイルスプロモーターの例としては、アデノウイルスプロモーター、CMVプロモーター(たとえば、前初期CMVプロモーター)、ワクシニアウイルスプロモーター、およびAAVプロモーターが挙げられるが、これに限定されない。
【0300】
本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャー)の少なくとも一部をコードする核酸配列を有する核酸分子(またはプラスミドベクターもしくはウイルスベクターなどのベクター)を作製するために、任意の適当な方法を使用することができる。たとえば、分子クローニング技術を使用して、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャー)の少なくとも一部をコードする核酸配列を有する核酸分子(またはプラスミドベクターもしくはウイルスベクターなどのベクター)を、他の場所に記載されているように作製することができる(たとえば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd edition, Cold Spring Harbor Laboratory, NY (1989); and Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, Green Publishing Associates and John Wiley & Sons, New York, N.Y. (1994)を参照のこと)。
【0301】
本明細書はまた、本明細書で提供される核酸(たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャー)の少なくとも一部をコードする核酸配列を有する核酸)を含む宿主細胞を提供する。本明細書で提供される1以上の核酸を含むようにデザインすることができる宿主細胞は、原核細胞または真核細胞とすることができる。本明細書で提供される核酸を含むようにデザインすることができる原核細胞としては、大腸菌(E. coli)(たとえば、Tb-1、TG-1、DH5α、XL-Blue MRF(Stratagene)、SA2821、またはY1090細胞)、枯草菌(Bacillus subtilis)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)、またはシュードモナス属(Pseudomonas)(たとえば、緑膿菌(P. aerugenosa))細胞が挙げられるが、それに限定されない。本明細書で提供される核酸を含むようにデザインすることができる真核細胞の例としては、昆虫細胞(たとえば、Sf9細胞またはEa4細胞)、酵母細胞(たとえば、S. セレビシエ(S. cerevisiae)細胞)、および哺乳動物細胞(たとえば、マウス、ラット、ハムスター、サル、またはヒト細胞)が挙げられるが、これらに限定されない。たとえば、VERO細胞、HeLa細胞、3T3細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、W138 BHK細胞、COS-7細胞、およびMDCK細胞は、本明細書で提供される核酸を含むようにデザインすることができる。任意の適当な方法を使用して、本明細書で提供される1以上の核酸(たとえば、本明細書で提供される結合分子の少なくとも一部をコードする核酸配列を有するプラスミドベクターまたはウイルスベクターなどのベクター)を宿主細胞に導入することができる。たとえば、塩化カルシウム処理による形質転換、形質導入、接合、三親交配、DEAEデキストラン法によるトランスフェクション、感染、リポソームによる膜融合、高速DNA被覆微粒子銃、単一細胞への直接的なマイクロインジェクション、エレクトロポレーション、またはこれらの組み合わせを用いて、本明細書で提供される核酸を宿
主細胞に導入することができる(たとえば、Sambrook et al., Molecular Biology: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, NY (1989);Davis et al., Basic Methods in Molecular Biology (1986);およびNeumann et al., EMBO J., 1:841 (1982) を参照のこと)。
【0302】
一部の場合では、T細胞、幹細胞(たとえば、人工多能性幹細胞もしくは間葉系幹細胞)、またはNK細胞などの細胞を、本明細書に記載のCARをコードする1以上の核酸を発現するようにデザインすることができる。たとえば、T細胞の集団に、本明細書に記載のCAR(たとえば、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するCAR)をコードする核酸を発現するように設計されたウイルスベクターを感染させることができる。
【0303】
一部の場合では、T細胞、幹細胞(たとえば、人工多能性幹細胞もしくは間葉系幹細胞)、またはNK細胞などの細胞を、本明細書に記載の細胞エンゲージャーをコードする1以上の核酸を発現するようにデザインすることができる。たとえば、T細胞の集団に、本明細書に記載の細胞エンゲージャー(たとえば、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有する細胞エンゲージャー)をコードする核酸を発現するようにデザインされたウイルスベクターを感染させることができる。
【0304】
一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャー)は、(a)ポリペプチドをコードする核酸を宿主細胞に導入する;(b)ポリペプチドを発現させるのに十分な条件下で、宿主細胞を培養液中で培養する;(c)細胞または培養液からポリペプチドを回収する;ならびに(d)ポリペプチドを(たとえば、少なくとも50、60、70、80、90、95、97、98、または99パーセントの純度となるように)精製する、ことを含む方法を用いて、生産することができる。
【0305】
一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、細胞エンゲージャー、および/またはADC)、本明細書で提供される核酸(たとえば、本明細書で提供される抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャーをコードする核酸)、本明細書で提供されるベクター(たとえば、本明細書で提供される抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャーを発現するようにデザインされたウイルスベクター)、および/または本明細書で提供される宿主細胞(たとえば、本明細書で提供される抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャーを発現するようにデザインされた宿主細胞)は、がんを有する哺乳動物(たとえば、ヒト)に投与してその哺乳動物を治療するための医薬組成物として製剤することができる。一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、細胞エンゲージャー、および/またはADC)、本明細書で提供される核酸(たとえば、本明細書で提供される抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャーをコードする核酸)、本明細書で提供されるベクター(たとえば、本明細書で提供される抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャーを発現するようにデザインされたウイルスベクター)、および/または本明細書で提供される宿主細胞(たとえば、本明細書で提供される抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャーを発現するようにデザインされた宿主細胞)は、哺乳動物(たとえば、ヒト)に投与してその哺乳動物体内のがん細胞の数を減少させ、および/または、がんに罹患している哺乳動物の生存期間を増加させるための医薬組成物として製剤することができる。たとえば、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)に結合する能力を有する、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、細胞エンゲージャー、および/またはADC)は、哺乳動物(たとえば、ヒト)に投与するための医薬組成物として製剤することができる。一部の例において、本明細書で提供される医薬組成物は、たとえば、他の文献に記載されているように、緩衝液、塩、界面活性剤、糖、浸透圧調整剤、またはそれらの組み合わせといった製薬上許容される基剤を含むことができる(Gervasi, et al., Eur. J. Pharmaceutics and Biopharmaceutics, 131:8-24 (2018))。本明細書で提供される医薬組成物を作製するために使用することができる製薬上許容される基剤の例としては、水、乳酸、クエン酸、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、界面活性剤(たとえば、ポリソルベート20、ポリソルベート80、もしくはポロキサマー188)、デキストラン40、または糖(たとえば、ソルビトール、マンニトール、スクロース、デキストロース、もしくはトレハロース)、またはそれらの組み合わせが挙げられるがそれに限定されない。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、細胞エンゲージャー、および/またはADC)(または本明細書で提供される核酸、ベクター、または宿主細胞)を含むようにデザインされた医薬組成物は、緩衝液(たとえば、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ヒスチジン緩衝液、コハク酸緩衝液、リン酸緩衝液、またはヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)緩衝液)、界面活性剤(たとえば、ポリソルベート20、ポリソルベート80、またはポロキサマー188)、およびスクロースなどの糖を含むように製剤することができる。本明細書で提供される医薬組成物中に含めることができる他の成分には、グリシンもしくはアルギニンなどのアミノ酸、アスコルビン酸、メチオニンもしくはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)などの抗酸化剤、エンザルタミド、イマニチブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、スニチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブ、テムシロリムス、エベロリムス、パゾパニブ、クリゾチニブ、ルキソリチニブ、アキシチニブ、ボスチニブ、カボザンチニブ、ポナチニブ、レゴラフィニブ、イブルチニブ、トラメチニブ、ペリホシン(perifosine)、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、バチマスタット、ガネテスピブ、オバトクラクス、ナビトクラクス、タキソール、パクリタキセル、もしくはベバシズマブなどの抗がん剤、またはそれらの組み合わせがあるが、これらに限定されない。たとえば、本明細書で提供される医薬組成物は、本明細書で提供される1以上の結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するCARを発現するようにデザインされた1以上の細胞、1以上の細胞エンゲージャー、および/または、1以上のADC)を、抗PD-1抗体もしくはPD-1阻害薬(たとえば、セミプリマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、JTX-4014、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、シンチリマブ、チスレリズマブ、トリパリマブ、ドスタルリマブ、INCMGA00012、AMP-224、またはAMP-514)、抗PD-L1抗体もしくはPD-L1阻害薬(たとえば、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、KN035、CK-301、AUNP12、CA-170、またはBMS-986189)、および/または抗CTLA-4抗体(たとえば、イピリムマブ)などの1以上のチェックポイント阻害薬と組み合わせて含むように、製剤することができる。
【0306】
一部の場合では、本明細書で提供される1以上の結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するCARを発現するようにデザインされた1以上の細胞、1以上の細胞エンゲージャー、および/または1以上のADC)を含むように医薬組成物を製剤する場合、任意の適当な濃度の結合分子を使用することができる。たとえば、本明細書で提供される医薬組成物は、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR+細胞集団、細胞エンゲージャー、および/またはADC)を、mL当たり約1mg~約500mg(たとえば、1mg~約500mg、約10mg~約500mg、約50mg~約500mg、約100mg~約500mg、約0.5mg~約250mg、約0.5mg~約150mg、約0.5mg~約100mg、約0.5mg~約50mg、約1mg~約300mg、約2mg~約200mg、約10mg~約300mg、約25mg~約300mg、約50mg~約150mg、または約150mg~約300mg)含む液体となるように製剤することができる。別の例において、本明細書で提供される医薬組成物は、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、細胞エンゲージャー、および/またはADC)を、約0.5mg~約500mg(たとえば、1mg~約500mg、約10mg~約500mg、約50mg~約500mg、約100mg~約500mg、約0.5mg~約250mg、約0.5mg~約150mg、約0.5mg~約100mg、約0.5mg~約50mg、約1mg~約300mg、約10mg~約300mg、約25mg~約300mg、約50mg~約150mg、または約150mg~約300mg)含む固体または半固体となるように製剤することができる。一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、および/または抗体ドメイン)を含む医薬組成物は、結合分子の力価が約1×105~約1×1012(たとえば、約1×105~約1×1010、約1×105~約1×108、約1×106~約1×1012、約1×106~約1×1012、約1×108~約1×1012、約1×109~約1×1012、約1×106~約1×1011、または約1×107~約1×1010)となるような力価を有する剤形として、製剤することができる。
【0307】
一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、CAR、および/または細胞エンゲージャー)の少なくとも一部をコードする1以上の核酸(たとえば、ウイルスベクターなどのベクター)を含むように医薬組成物を製剤する場合、任意の適当な濃度の核酸を使用することができる。たとえば、本明細書で提供される医薬組成物は、本明細書で提供される核酸を、mL当たり約0.5mg~約500mg(たとえば、1mg~約500mg、約10mg~約500mg、約50mg~約500mg、約100mg~約500mg、約0.5mg~約250mg、約0.5mg~約150mg、約0.5mg~約100mg、約0. 5mg~約50mg、約1mg~約300mg、約2mg~約200mg、約10mg~約300mg、約25mg~約300mg、約50mg~約150mg、または約150mg~約300mg)含む液体となるように製剤することができる。別の例において、本明細書で提供される薬学的組成物は、本明細書で提供される核酸を、約0.5mg~約500mg(たとえば、1mg~約500mg、約10mg~約500mg、約50mg~約500mg、約100mg~約500mg、約0.5mg~約250mg、約0.5mg~約150mg、約0.5mg~約100mg、約0. 5mg~約50mg、約1mg~約300mg、約10mg~約300mg、約25mg~約300mg、約50mg~約150mg、または約150mg~約300mg)含む固体または半固体となるように製剤することができる。
【0308】
一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、細胞エンゲージャー、および/またはADC)を含むようにデザインされた医薬組成物は、製剤化されたときに結合分子の凝集を低減することができる1以上の薬剤を含むように製剤することができる。本明細書に記載のように使用することができるそのような薬剤の例としては、メチオニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グリシン、グルタミン酸、およびそれらの組み合わせが挙げられるがこれに限定されない。一部の場合では、これらのアミノ酸のうち1以上を、約0.5mM~約145mM(たとえば、約1mM~約145mM、約10mM~約145mM、約100mM~約145mM、約0.5mM~約125mM、約0.5mM~約100mM、約0.5mM~約75mM、または約10mM~約100mM)の濃度で製剤中に含めることができる。
【0309】
本明細書で提供される医薬組成物は、任意の適当な形態をとることができる。たとえば、本明細書で提供される医薬組成物は、液体、半固体、または固体となるようにデザインすることができる。一部の場合では、本明細書で提供される医薬組成物は、溶液(たとえば、注射可能および/または注入可能な溶液)、分散系、懸濁液、錠剤、丸剤、粉末、マイクロエマルション、リポソーム、または坐剤とすることができる。一部の場合では、本明細書で提供される医薬組成物は、凍結乾燥することができる。一部の場合では、本明細書で提供される医薬組成物(たとえば、本明細書で提供される1以上の結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、1以上の細胞エンゲージャー、および/または1以上のADC)を含む医薬組成物)は、急速な放出を防ぐようにデザインされた基剤またはコーティングを用いて製剤することができる。たとえば、本明細書で提供される医薬組成物は、制御放出製剤として、または調節放出製剤として、他の文献(米国特許出願公開第2019/0241667号;第2019/0233522号;および第2019/0233498号)に記載されるように製剤することができる。
【0310】
本明細書はまた、本明細書で提供される1以上の結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、1以上の細胞エンゲージャー、および/または1以上のADC)(または本明細書で提供される核酸、ベクター、または宿主細胞(たとえば、CAR+細胞))を含む組成物(たとえば、本明細書で提供される医薬組成物)を哺乳動物(たとえば、ヒト)に投与する方法を提供する。たとえば、本明細書で提供される1以上の結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、1以上の細胞エンゲージャー、および/または1以上のADC)(または本明細書で提供される核酸、ベクター、および/または宿主細胞(たとえば、CAR+細胞))を含む組成物(たとえば、本明細書で提供される医薬組成物)を、がんを有する哺乳動物(たとえば、ヒト)に投与して、その哺乳動物を治療することができる。一部の場合では、本明細書に提供される1以上の結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、1以上の細胞エンゲージャー、および/または1以上のADC)(または本明細書で提供される核酸、ベクター、および/もしくは宿主細胞(たとえば、CAR+細胞))を含む組成物(たとえば、本明細書に提供される医薬組成物)を、哺乳動物(たとえばヒト)に投与して、哺乳動物内のがん細胞の数を減少させ、および/またはがんに罹患している哺乳動物の生存期間を増加させることができる。
【0311】
本明細書で提供される1以上の結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、1以上の細胞エンゲージャー、および/または1以上のADC)(または本明細書で提供される核酸、ベクター、または宿主細胞(たとえば、CAR+細胞))を含む組成物(たとえば、本明細書で提供される医薬組成物)を使用して、任意の適当ながんを治療することができる。たとえば、がんを有する哺乳動物(たとえば、ヒト)は、本明細書で提供される1以上の結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、1以上の細胞エンゲージャー、および/または1以上のADC)を含む組成物(たとえば、医薬組成物)をその哺乳動物に投与することによって治療することができる。本明細書に記載されるように治療することができるがんの例としては、中皮腫がん、卵巣がん、膵臓がん(たとえば、膵臓腺がん)、肺がん(たとえば、肺腺がん)、および胆管がんが挙げられるがこれに限定されない。いくつかの例において、メソテリン+がん(たとえば、メソテリン+中皮腫がん、メソテリン+卵巣がん、メソテリン+膵臓がん(たとえば、メソテリン+膵臓腺がん)、メソテリン+肺がん(たとえば、メソテリン+肺腺がん)、またはメソテリン+胆管がん)を有する哺乳動物(たとえば、ヒト)に、本明細書で提供される1以上の結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、1以上の細胞エンゲージャー、および/または1以上のADC)を含む組成物(たとえば、医薬組成物)を投与して、その哺乳動物を治療する(たとえば、その哺乳動物内のがん細胞の数を減少させる)ことができる。
【0312】
本明細書で提供される組成物(たとえば、医薬組成物)を哺乳動物(たとえば、ヒト)に投与するために、任意の適当な方法を使用することができる。たとえば、本明細書で提供される組成物(たとえば、本明細書で提供される1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、1以上の細胞エンゲージャー、および/または1以上のADCなどの、本明細書で提供される1以上の結合分子を含む医薬組成物)は、哺乳動物(たとえば、ヒト)に、静脈内に(たとえば、静脈内注射または注入を介して)、皮下に(たとえば、皮下注射を介して)、腹腔内に(たとえば、腹腔内注射を介して)、経口で、吸入を介して、または筋肉内に(たとえば、筋肉内注射を介して)投与することができる。一部の場合では、組成物(たとえば、本明細書で提供される医薬組成物)の投与経路および/または投与方法は、処置を受ける哺乳動物に応じて調整することができる。
【0313】
一部の場合では、本明細書で提供される1以上の結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、1以上の細胞エンゲージャー、および/または1以上のADC)(または本明細書で提供される核酸、ベクター、または宿主細胞(たとえば、CAR+細胞))を含む組成物(たとえば、本明細書で提供される医薬組成物)の有効量は、哺乳動物に有意な毒性を生じることなく、がんを有する哺乳動物内のがん細胞の数を減少させる量とすることができる。一部の場合では、本明細書で提供される1以上の結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、1以上の細胞エンゲージャー、および/または1以上のADC)(または本明細書で提供される核酸、ベクター、または宿主細胞(たとえば、CAR+細胞))を含む組成物(たとえば、本明細書で提供される医薬組成物)の有効量は、同等のがんを有するがその組成物で処置されていない対照哺乳動物と比較して、がんを有する哺乳動物の生存期間を増加させる量とすることができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、抗体ドメイン、細胞エンゲージャー、および/またはADC)の有効量は、約0.001mg/kg~約100mg/kg(たとえば、 約0.001 mg/kg~約90 mg/kg、約0.001 mg/kg~約80 mg/kg、約0.001 mg/kg~約70 mg/kg、約0.001 mg/kg~約60 mg/kg、約0.001 mg/kg~約50 mg/kg、約0.001 mg/kg~約40 mg/kg、約0.001 mg/kg~約30 mg/kg、約0. 005mg/kg~約100mg/kg、約0.01mg/kg~約100mg/kg、約0.05mg/kg~約100mg/kg、約0.1mg/kg~約100mg/kg、約0.5mg/kg~約100mg/kg、約1mg/kg~約100mg/kg、約5mg/kg~約100mg/kg、約0.01mg/kg~約25mg/kg、約0. 1mg/kg~約30mg/kg、約0.15mg/kg~約25mg/kg、約0.2mg/kg~約20mg/kg、約0. 5mg/kg~約20mg/kg、約1mg/kg~約30mg/kg、約1mg/kg~約25mg/kg、約1mg/kg~約20mg/kg、約2mg/kg~約20mg/kg、約5mg/kg~約30mg/kg、約10mg/kg~約30mg/kg、約15mg/kg~約30mg/kg、約20mg/kg~約30mg/kg、約3mg/kg~約30mg/kg、約0. 5mg/kg~約10mg/kg、約1mg/kg~約10mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、または約1mg/kg~約3mg/kg)とすることができる。有効量は一定のままであってもよいが、治療に対する哺乳動物の反応に応じて、スライディングスケールまたは可変的な用量として調整することもできる。個別の適用に使用される実際の有効量には、さまざまな要因が影響を及ぼす可能性がある。たとえば、がんを有する哺乳動物を治療する際のがんの重症度、投与経路、哺乳動物の年齢および一般的な健康状態、添加物の使用、他の薬剤(たとえば、チェックポイント阻害薬)の使用といった他の治療的または予防的治療との併用の可能性、ならびに治療医の判断によって、本明細書で提供される組成物(たとえば、本明細書で提供される1以上の結合分子を含む医薬組成物)が投与される実際の有効量の増減が必要となることがある。
【0314】
一部の場合では、本明細書で提供される1以上の結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、1以上の細胞エンゲージャー、および/または1以上のADC)(または本明細書で提供される核酸、ベクター、または宿主細胞(たとえば、本明細書で提供されるCAR+細胞))を含む組成物(たとえば、本明細書で提供される医薬組成物)の有効な投与回数は、哺乳動物に有意な毒性を生じることなく、がんを有する哺乳動物内のがん細胞の数を減少させる回数とすることができる。一部の場合では、本明細書で提供される1以上の結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、1以上の細胞エンゲージャー、および/または1以上のADC)(または本明細書で提供される核酸、ベクター、または宿主細胞(たとえば、本明細書で提供されるCAR+細胞))を含む組成物(たとえば、本明細書で提供される医薬組成物)の有効な投与回数は、同等のがんを有するがその組成物で処置されていない対照哺乳動物と比較して、がんを有する哺乳動物の生存期間を増加させる回数とすることができる。たとえば、本明細書で提供される1以上の結合分子を含む医薬組成物などの、本明細書で提供される医薬組成物の有効な投与回数は、1日2回~1年に1回程度(たとえば、1日2回~1月に1回程度、1日2回~1週間に1回程度、1日1回~1月に1回程度、または1日1回~1週間に1回程度)とすることができる。一部の場合では、本明細書で提供される1以上の結合分子を含む医薬組成物などの、本明細書で提供される医薬組成物の投与回数は、毎日とすることができる。本明細書で提供される1以上の結合分子を含む医薬組成物などの、本明細書で提供される医薬組成物の投与回数は、一定のままである場合もあるが、治療期間中に変動することもある。さまざまな要因が、個別の適用に使用される実際の有効な回数に影響を及ぼす可能性がある。たとえば、がんの重症度、投与経路、哺乳動物の年齢および一般的な健康状態、添加物の使用、他の薬剤(たとえば、チェックポイント阻害薬)の使用といった他の治療的または予防的治療との併用の可能性、ならびに治療医の判断によって、本明細書で提供される組成物(たとえば、本明細書で提供される1以上の結合分子を含む医薬組成物)の実際の有効な投与回数の増減が必要となることがある。
【0315】
一部の場合では、本明細書で提供される1以上の結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、1以上の細胞エンゲージャー、および/または1以上のADC)(または本明細書で提供される核酸、ベクター、もしくは宿主細胞(たとえば、本明細書で提供されるCAR+細胞))を含む組成物(たとえば、本明細書で提供される医薬組成物)の有効な投与期間は、哺乳動物に有意な毒性を生じることなく、哺乳動物内のがん細胞の数を減少させる期間とすることができる。一部の場合では、本明細書で提供される1以上の結合分子(たとえば、1以上の抗体、1以上の抗原結合フラグメント、1以上の抗体ドメイン、1以上の細胞エンゲージャー、および/または1以上のADC)(または本明細書で提供される核酸、ベクター、もしくは宿主細胞(たとえば、本明細書で提供されるCAR+細胞))を含む組成物(たとえば、本明細書で提供される医薬組成物)の有効な投与期間は、同等のがんを有するがその組成物で処置されていない対照哺乳動物と比較して、がんを有する哺乳動物の生存期間を増加させる期間とすることができる。たとえば、本明細書で提供される1以上の結合分子を含む医薬組成物などの、本明細書で提供される医薬組成物の有効な投与期間は、1回の投与時点から数週間~数ヶ月(たとえば、4~12週間)に至るまでさまざまに変化しうる。複数の要因が、個別の適用に使用される実際の有効な投与期間に影響を及ぼす可能性がある。たとえば、がんの重症度、投与経路、哺乳動物の年齢および一般的健康状態、添加物の使用、他の薬剤(たとえば、チェックポイント阻害薬)の使用といった他の治療的または予防的治療との併用の可能性、ならびに治療医の判断によって、本明細書で提供される組成物(たとえば、本明細書で提供される1以上の結合分子を含む医薬組成物)の実際の有効な投与期間の増減が必要となることがある。
【0316】
一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、および/または抗体ドメイン)は、in vitro、in situ、またはin vivo(たとえば、ヒトなどの哺乳動物体内でのin vivoイメージング)でメソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)の有無を検出するために使用することができる。たとえば、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、および/または抗体ドメイン)は、標識(たとえば、共有結合している放射性標識、酵素標識、発色標識、または蛍光標識)を含むようにデザインすることができる。標識された結合分子を用いて、in vitroで生体試料中のメソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)の有無を検出することができる。本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、および/または抗体ドメイン)を用いて評価することができる生体試料の例としては、血清試料、血漿試料、組織試料、生検試料、細胞株試料、および組織培養試料が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの例において、本明細書に記載されるように評価することができる生体試料には、メソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)を発現しうる、哺乳動物の体組織および/または体細胞、たとえば、白血球、卵巣組織もしくは細胞、前立腺組織もしくは細胞、心臓組織もしくは細胞、胎盤組織もしくは細胞、膵臓組織もしくは細胞、肝臓組織もしくは細胞、脾臓組織もしくは細胞、肺組織もしくは細胞、乳房組織もしくは細胞、頭頸部組織もしくは細胞、子宮内膜組織もしくは細胞、結腸組織もしくは細胞、結腸直腸組織もしくは細胞、子宮頸部組織もしくは細胞、胃組織もしくは細胞、または臍帯組織もしくは細胞などを含めることができる。一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、および/または抗体ドメイン)を、たとえば支持体上に、固定化することが可能であり、その支持体上での生体試料からのメソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)の保持を検出すること、および/またはその逆も可能である。一部の場合では、本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、および/または抗体ドメイン)を、蛍光偏光法、顕微鏡法、ELISA、遠心分離、クロマトグラフィー、および/またはセルソーティング(たとえば、蛍光活性化セルソーティング)などの応用に使用することができる。
【0317】
一部の場合では、本明細書で提供される、標識(たとえば、共有結合で結合している放射性標識)を含有する結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、および/または抗体ドメイン)を用いて、哺乳動物(たとえば、ヒト)体内のメソテリンポリペプチド(たとえば、ヒトメソテリンポリペプチド)の有無を検出することができる。たとえば、放射性標識またはMRI検出可能標識で標識された(たとえば、共有結合により標識された)本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、および/または抗体ドメイン)を哺乳動物(たとえば、ヒト)に投与し、その哺乳動物を、検出可能な標識の検出法を用いて評価することができる。一部の場合では、哺乳動物をスキャンして、哺乳動物体内の、本明細書で提供される標識された結合分子の位置を評価することができる。たとえば、NMRまたは他の断層撮影技術を用いて哺乳動物を画像化することができる。
【0318】
本明細書で提供される結合分子(たとえば、抗体、抗原結合フラグメント、および/または抗体ドメイン)に結合(たとえば、共有結合または非共有結合)させることができる標識の例としては、131I、111In、123I、99mTc、32P、33P、125I、3H、14C、および188Rhなどの放射性標識、フルオレセインおよびローダミンなどの蛍光標識、核磁気共鳴活性標識、陽電子放出断層撮影(「PET」)スキャナーで検出可能な陽電子放出同位体、ルシフェリンなどの化学発光剤、ならびにペルオキシダーゼもしくはホスファターゼなどの酵素マーカーがあるがこれらに限定されない。一部の場合では、短距離検出器プローブで検出可能な同位体のような短距離放射体を使用することもできる。
【0319】
本発明を以下の実施例でさらに説明するが、これらは特許請求の範囲に記載された発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0320】
実施例1 ヒトメソテリンポリペプチドに結合する能力を有する結合分子の取得
ヒトメソテリンポリペプチドに結合するモノクローナル抗体ドメインを同定するために、大規模なファージディスプレイ抗体ドメインライブラリーをパニングしてスクリーニングした。このようなモノクローナル抗体ドメインを同定するために、
図1に示すヒトメソテリンポリペプチドをメソテリン配列のC末端でヒトIgG1のFc領域に融合し、そのメソテリン-Fcポリペプチドを、ヒトVHドメインファージディスプレイライブラリーのパニングに使用した。12個のVHドメイン(クローン:#1、#2、#3、#4、#5、#6、#7、#8、#9、#10、#11、および#12;
図2-13)が同定された。
【0321】
ヒトメソテリンポリペプチドに対する結合親和性および特異性を、ELISAとSPR(Blitz)を用いて検討した。クローン#1-#12は、それぞれ1000 nM、1.6 nM、38 nM、1.7 nM、298 nM、1000 nM、16.4 nM、6.5 nM、944 nM、107 nM、98 nM、および1.3 nMのEC50値を有し、高い結合親和性を示した。すべてのクローンはヒトメソテリンをディスプレイしている293F細胞に結合したが、ヒトメソテリンを欠損している293F細胞には結合しなかったことから、これらのクローンは細胞上に存在するメソテリンに結合できることが示された。クローン#4およびクローン#12はマカクメソテリンと交差反応した。
【0322】
実施例2 ヒトメソテリンポリペプチドに結合する能力を有する結合分子からCARをデザインする
クローン#1-12のVHドメインを用いて、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するCARを発現するようにデザインされたベクターを作製した。たとえば、
図21を参照のこと。CAR #1-CAR #12のアミノ酸配列およびそれらのCARをコードする核酸配列は、それぞれ
図22-33に示されている。CAR #1-CAR #12をコードするベクターを個別にT細胞にトランスフェクトし、それをエフェクター細胞として死滅アッセイに使用した。簡単に述べると、CAR-T細胞を、96ウェルプレート中で、10,000個の標的細胞(AsPC-1がん細胞およびHCI H2452がん細胞)とともに、20:1;10:1;5:1;または2.5:1の比率でインキュベートした(それぞれ、8時間および24時間)。陰性対照として非導入ヒトT細胞(Mock)を用いた。最大LDH放出対照を使用したが、この場合100μLあたり2μLの10% Triton X-100を標的細胞のみのウェルに添加し、10-15分間してから、LDH検出のためにサンプルを回収した。LDHの放出は、LDH-Glo(商標名)Cytotoxicity Assay kit(Promega J2380)を用いて、製造元の指示に従って検出した。細胞毒性パーセントは以下の式で算出した:溶菌率(%)=100×(実験に基づくLDH放出-培地バックグラウンド)/(最大LDH放出対照-培地バックグラウンド)。
【0323】
CAR #4およびCAR #12を発現するT細胞では、8時間培養後にAsPC1細胞の溶解が観察された(
図34)。NCI H2452細胞の溶解は、CAR #4を発現するT細胞で24時間培養後に観察された(
図35)。これらの結果は、本明細書で提供されるCDRおよび/または結合分子を用いて、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するCARをデザインすることができることを示している。
【0324】
実施例3 他の実施形態
(実施形態1)
以下を含む抗体:
(i)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号1(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号1)、配列番号2(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号2)、および配列番号3(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号3)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(ii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号9(または1、2もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号9)、配列番号10(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号10)、および配列番号11(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号11)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(iii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号17(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号17)、配列番号18(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号18)、および配列番号19(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号19)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域:
(iv)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号25(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号25)、配列番号26(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号26)、および配列番号27(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号27)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(v)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号33(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号33)、配列番号34(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号34)、および配列番号35(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号35)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(vi)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号41(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号41)、配列番号42(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号42)、および配列番号43(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号43)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(vii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号49(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号49)、配列番号50(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号50)および配列番号51(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号51)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(viii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号57(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号57)、配列番号58(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号58)、および配列番号59(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号59)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(ix)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号65(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号65)、配列番号66(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号66)、および配列番号67(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号67)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(x)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号73(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号73)、配列番号74(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号74)、および配列番号75(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号75)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(xi)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号81(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号81)、配列番号82(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号82)、および配列番号83(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号83)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;または
(xii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号89(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号89)、配列番号90(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号90)、および配列番号91(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号91)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域。
(実施形態2)
前記抗体が、配列番号97または配列番号531に結合する能力を含有する、実施形態1に記載の抗体。
(実施形態3)
前記抗体が、前記(i)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態1または2のいずれか1つに記載の抗体。
(実施形態4)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号8に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態3に記載の抗体。
(実施形態5)
前記抗体が、前記(ii)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態1または2のいずれか1つに記載の抗体。
(実施形態6)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号16に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態5に記載の抗体。
(実施形態7)
前記抗体が、前記(iii)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態1または2のいずれか1つに記載の抗体。
(実施形態8)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号24に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態7に記載の抗体。
(実施形態9)
前記抗体が、前記(iv)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態1または2のいずれか1つに記載の抗体。
(実施形態10)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号32に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態9に記載の抗体。
(実施形態11)
前記抗体が、前記(v)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態1または2のいずれか1つに記載の抗体。
(実施形態12)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号40に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態11に記載の抗体。
(実施形態13)
前記抗体が、前記(vi)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態1または2のいずれか1つに記載の抗体。
(実施形態14)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号48に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態13に記載の抗体。
(実施形態15)
前記抗体が、前記(vii)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態1または2のいずれか1つに記載の抗体。
(実施形態16)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号56に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態15に記載の抗体。
(実施形態17)
前記抗体が、前記(viii)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態1または2のいずれか1つに記載の抗体。
(実施形態18)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号64に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態17に記載の抗体。
(実施形態19)
前記抗体が、前記(ix)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態1または2のいずれか1つに記載の抗体。
(実施形態20)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号72に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態20に記載の抗体。
(実施形態21)
前記抗体が、前記(x)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態1または2のいずれか1つに記載の抗体。
(実施形態22)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号80に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態21に記載の抗体。
(実施形態23)
前記抗体が、前記(xi)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態1または2のいずれか1つに記載の抗体。
(実施形態24)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号88に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態23に記載の抗体。
(実施形態25)
前記抗体が、前記(xii)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態1または2のいずれか1つに記載の抗体。
(実施形態26)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号96に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態25に記載の抗体。
(実施形態27)
以下を含む抗原結合フラグメント:
(i)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号1(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号1)、配列番号2(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号2)、および配列番号3(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号3)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(ii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号9(または1、2もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号9)、配列番号10(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号10)、および配列番号11(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号11)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(iii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号17(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号17)、配列番号18(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号18)、および配列番号19(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号19)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域:
(iv)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号25(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号25)、配列番号26(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号26)、および配列番号27(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号27)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(v)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号33(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号33)、配列番号34(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号34)、および配列番号35(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号35)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(vi)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号41(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号41)、配列番号42(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号42)、および配列番号43(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号43)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(vii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号49(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号49)、配列番号50(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号50)および配列番号51(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号51)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(viii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号57(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号57)、配列番号58(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号58)、および配列番号59(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号59)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(ix)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号65(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号65)、配列番号66(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号66)、および配列番号67(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号67)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(x)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号73(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号73)、配列番号74(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号74)、および配列番号75(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号75)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(xi)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号81(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号81)、配列番号82(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号82)、および配列番号83(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号83)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;または
(xii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号89(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号89)、配列番号90(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号90)、および配列番号91(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号91)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域。
(実施形態28)
前記抗原結合フラグメントが、配列番号97または配列番号531に結合する能力を含有する、実施形態27に記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態29)
前記抗原結合フラグメントが、前記(i)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態27または28のいずれか1つに記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態30)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号8に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態29に記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態31)
前記抗原結合フラグメントが、前記(ii)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態27または28のいずれか1つに記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態32)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号16に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態31に記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態33)
前記抗原結合フラグメントが、前記(iii)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態27または28のいずれか1つに記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態34)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号24に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態33に記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態35)
前記抗原結合フラグメントが、前記(iv)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態27または28いずれか1つに記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態36)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号32に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態35に記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態37)
前記抗原結合フラグメントが、前記(v)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態27または28のいずれか1つに記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態38)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号40に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態37に記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態39)
前記抗原結合フラグメントが、前記(vi)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態27または28のいずれか1つに記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態40)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号48に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態39に記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態41)
前記抗原結合フラグメントが、前記(vii)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態27または28のいずれか1つに記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態42)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号56に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態41に記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態43)
前記抗原結合フラグメントが、前記(viii)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態27または28のいずれか1つに記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態44)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号64に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態43に記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態45)
前記抗原結合フラグメントが、前記(ix)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態27または28のいずれか1つに記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態46)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号72に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態45に記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態47)
前記抗原結合フラグメントが、前記(x)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態27または28のいずれか1つに記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態48)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号80に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態47に記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態49)
前記抗原結合フラグメントが、前記(xi)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態27または28のいずれか1つに記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態50)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号88に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態49に記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態51)
前記抗原結合フラグメントが、前記(xii)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態27または28のいずれか1つに記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態52)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号96に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態51に記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態53)
前記抗体がモノクローナル抗体である、実施形態1~26のいずれか1つに記載の抗体。
(実施形態54)
前記抗体がscFv抗体である、実施形態1~26および53のいずれか1つに記載の抗体。
(実施形態55)
前記抗原結合フラグメントがモノクローナルである、実施形態27~52のいずれか1つに記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態56)
前記抗原結合フラグメントがFabである、実施形態27~52および55のいずれか1つに記載の抗原結合フラグメント。
(実施形態57)
以下を含む抗体ドメイン:
(i)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号1(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号1)、配列番号2(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号2)、および配列番号3(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号3)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(ii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号9(または1、2もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号9)、配列番号10(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号10)、および配列番号11(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号11)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(iii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号17(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号17)、配列番号18(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号18)、および配列番号19(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号19)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域:
(iv)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号25(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号25)、配列番号26(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号26)、および配列番号27(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号27)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(v)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号33(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号33)、配列番号34(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号34)、および配列番号35(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号35)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(vi)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号41(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号41)、配列番号42(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号42)、および配列番号43(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号43)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(vii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号49(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号49)、配列番号50(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号50)および配列番号51(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号51)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(viii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号57(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号57)、配列番号58(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号58)、および配列番号59(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号59)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(ix)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号65(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号65)、配列番号66(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号66)、および配列番号67(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号67)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(x)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号73(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号73)、配列番号74(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号74)、および配列番号75(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号75)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;
(xi)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号81(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号81)、配列番号82(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号82)、および配列番号83(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号83)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域;または
(xii)重鎖可変ドメインもしくは領域であって、配列番号89(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号89)、配列番号90(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号90)、および配列番号91(または1、2、もしくは3個のアミノ酸の付加、欠失、もしくは置換を有する配列番号91)に記載されるアミノ酸配列を含む、前記ドメインもしくは領域。
(実施形態58)
前記抗体ドメインが、配列番号97または配列番号531に結合する能力を含有する、実施形態57に記載の抗体ドメイン。
(実施形態59)
前記抗体ドメインが、前記(i)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態57または58のいずれか1つに記載の抗体ドメイン。
(実施形態60)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号8に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態59に記載の抗体ドメイン。
(実施形態61)
前記抗体ドメインが、前記(ii)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態57または58のいずれか1つに記載の抗体ドメイン。
(実施形態62)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号16に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態59に記載の抗体ドメイン。
(実施形態63)
前記抗体ドメインが、前記(iii)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態57または58のいずれか1つに記載の抗体ドメイン。
(実施形態64)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号24に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態59に記載の抗体ドメイン。
(実施形態65)
前記抗体ドメインが、前記(iv)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態57または58のいずれか1つに記載の抗体ドメイン。
(実施形態66)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号32に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態59に記載の抗体ドメイン。
(実施形態67)
前記抗体ドメインが、前記(v)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態57または58のいずれか1つに記載の抗体ドメイン。
(実施形態68)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号40に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態59に記載の抗体ドメイン。
(実施形態69)
前記抗体ドメインが、前記(vi)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態57または58のいずれか1つに記載の抗体ドメイン。
(実施形態70)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号48に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態59に記載の抗体ドメイン。
(実施形態71)
前記抗体ドメインが、前記(vii)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態57または58のいずれか1つに記載の抗体ドメイン。
(実施形態72)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号56に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態59に記載の抗体ドメイン。
(実施形態73)
前記抗体ドメインが、前記(viii)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態57または58のいずれか1つに記載の抗体ドメイン。
(実施形態74)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号64に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態59に記載の抗体ドメイン。
(実施形態75)
前記抗体ドメインが、前記(ix)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態57または58のいずれか1つに記載の抗体ドメイン。
(実施形態76)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号72に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態59に記載の抗体ドメイン。
(実施形態77)
前記抗体ドメインが、前記(x)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態57または58のいずれか1つに記載の抗体ドメイン。
(実施形態78)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号80に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態59に記載の抗体ドメイン。
(実施形態79)
前記抗体ドメインが、前記(xi)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態57または58のいずれか1つに記載の抗体ドメイン。
(実施形態80)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号88に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態59に記載の抗体ドメイン。
(実施形態81)
前記抗体ドメインが、前記(xii)の前記重鎖可変ドメインもしくは領域を含む、実施形態57または58のいずれか1つに記載の抗体ドメイン。
(実施形態82)
前記重鎖可変ドメインもしくは領域が、配列番号96に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態59に記載の抗体ドメイン。
(実施形態83)
前記抗体ドメインがモノクローナルである、実施形態57~82のいずれか1つに記載の抗体ドメイン。
(実施形態84)
前記抗体ドメインがVHドメインである、実施形態57~83のいずれか1つに記載の抗体ドメイン。
(実施形態85)
抗原結合ドメイン、ヒンジ、膜貫通ドメイン、および1以上のシグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体であって、前記抗原結合ドメインが、実施形態1~84のいずれか1つに記載の抗体、抗原結合フラグメント、または抗体ドメインを含む、前記キメラ抗原受容体。
(実施形態86)
前記抗原結合ドメインが、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含む、実施形態85に記載のキメラ抗原受容体。
(実施形態87)
前記抗原結合ドメインが、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含む、実施形態85に記載のキメラ抗原受容体。
(実施形態88)
前記ヒンジが、
図16に記載されるヒンジを含む、実施形態85~87のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
(実施形態89)
前記膜貫通ドメインが、
図17に記載される膜貫通ドメインを含む、実施形態85~88のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
(実施形態90)
前記キメラ抗原受容体が、
図18に記載される1以上のシグナル伝達ドメインを含む、実施形態85~89のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
(実施形態91)
実施形態85~90のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体を含む細胞。
(実施形態92)
前記細胞が、T細胞、幹細胞、またはNK細胞である、実施形態91に記載の細胞。
(実施形態93)
第1の抗原結合ドメイン、リンカー、および第2の抗原結合ドメインを含む細胞エンゲージャーであって、前記第1の抗原結合ドメインが、実施形態1~84のいずれか1つに記載の抗体、抗原結合フラグメント、または抗体ドメインを含む、前記細胞エンゲージャー。
(実施形態94)
前記第1の抗原結合ドメインが、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含む、実施形態93に記載の細胞エンゲージャー。
(実施形態95)
前記第1の抗原結合ドメインが、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含む、実施形態93に記載の細胞エンゲージャー。
(実施形態96)
前記リンカーが、
図15または
図16に記載のリンカーを含む、実施形態93~95のいずれか1つに記載の細胞エンゲージャー。
(実施形態97)
前記第2の抗原結合ドメインがT細胞の表面上に発現されるポリペプチドに結合する、実施形態93~96のいずれか1つに記載の細胞エンゲージャー。
(実施形態98)
前記のT細胞の表面上に発現されるポリペプチドがCD3ポリペプチドである、実施形態97に記載の細胞エンゲージャー。
(実施形態99)
前記第2の抗原結合ドメインが、
図19に記載される抗原結合ドメインである、実施形態97に記載の細胞エンゲージャー。
(実施形態100)
前記第2の抗原結合ドメインがNK細胞の表面上に発現されるポリペプチドに結合する、実施形態93~96のいずれか1つに記載の細胞エンゲージャー。
(実施形態101)
前記のNK細胞の表面に発現されるポリペプチドが、CD16a、NKG2A、NKG2D、NKp30、NKp44、またはNKp46ポリペプチドである、実施形態100に記載の細胞エンゲージャー。
(実施形態102)
前記第2の抗原結合ドメインが、
図20に記載される抗原結合ドメインである、実施形態100に記載の細胞エンゲージャー。
(実施形態103)
前記細胞エンゲージャーが、第3の抗原結合ドメインを含む、実施形態93~102のいずれか1つに記載の細胞エンゲージャー。
(実施形態104)
前記第3の抗原結合ドメインが、NK細胞の表面上に発現されるポリペプチドに結合する、実施形態103に記載の細胞エンゲージャー。
(実施形態105)
前記のNK細胞の表面上に発現されるポリペプチドが、CD16a、NKG2A、NKG2D、NKp30、NKp44、またはNKp46ポリペプチドである、実施形態104に記載の細胞エンゲージャー。
(実施形態106)
前記第3の抗原結合ドメインが、
図20に記載される抗原結合ドメインである、実施形態104に記載の細胞エンゲージャー。
(実施形態107)
実施形態1~84のいずれか1つに記載の前記抗体、前記抗原結合フラグメント、または前記抗体ドメインの少なくとも一部をコードする核酸配列を含む、核酸。
(実施形態108)
前記核酸配列が、実施形態1の前記(i)~(xii)のいずれか1つに記載の前記重鎖可変ドメインまたは領域をコードする、実施形態107に記載の核酸。
(実施形態109)
前記核酸がウイルスベクターである、実施形態107または108のいずれか1つに記載の核酸。
(実施形態110)
前記核酸がファージミドである、実施形態107または108のいずれか1つに記載の核酸。
(実施形態111)
実施形態85~90のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体、または実施形態93~106のいずれか1つに記載の細胞エンゲージャーをコードする核酸配列を含む、核酸。
(実施形態112)
前記核酸がウイルスベクターである、実施形態111に記載の核酸。
(実施形態113)
前記核酸がファージミドである、実施形態111に記載の核酸。
(実施形態114)
実施形態111~113のいずれか1つに記載の核酸を含む、宿主細胞。
(実施形態115)
実施形態85~90のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体、または実施形態93~106のいずれか1つに記載の細胞エンゲージャーを発現する、宿主細胞。
(実施形態116)
前記宿主細胞が、T細胞、幹細胞、またはNK細胞である、実施形態114または115のいずれか1つに記載の宿主細胞。
(実施形態117)
薬物に共有結合している抗原結合ドメインを含む抗体薬物複合体(ADC)であって、前記抗原結合ドメインが、実施形態1~84のいずれか1つに記載の抗体、抗原結合フラグメント、または抗体ドメインを含む、前記抗体薬物複合体(ADC)。
(実施形態118)
前記抗原結合ドメインが、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するscFvを含む、実施形態117に記載のADC。
(実施形態119)
前記抗原結合ドメインが、メソテリンポリペプチドに結合する能力を有するVHドメインを含む、実施形態117に記載のADC。
(実施形態120)
前記薬物が、アウリスタチン、メルタンシン、またはピロロベンゾジアゼピン(PBD)二量体からなる一群から選択される、実施形態117~119のいずれか1つに記載のADC。
(実施形態121)
実施形態1~84のいずれか1つに記載の抗体、抗原結合フラグメント、または抗体ドメインを含む、組成物。
(実施形態122)
前記組成物が、実施形態1~26、53、および54のいずれか1つに記載の前記抗体を含む、実施形態121に記載の組成物。
(実施形態123)
前記組成物が、実施形態27~52、55、および56のいずれか1つに記載の前記抗原結合フラグメントを含む、実施形態121に記載の組成物。
(実施形態124)
前記組成物が、実施形態57~84のいずれか1つに記載の前記抗体ドメインを含む、実施形態121に記載の組成物。
(実施形態125)
実施形態93~106のいずれか1つに記載の細胞エンゲージャーを含む、組成物。
(実施形態126)
実施形態91、92、および114~116のいずれか1つに記載の細胞を含む、組成物。
(実施形態127)
実施形態117~120のいずれか1つに記載のADCを含む、組成物。
(実施形態128)
前記組成物がチェックポイント阻害薬を含む、実施形態121~127のいずれか1つに記載の組成物。
(実施形態129)
前記チェックポイント阻害剤が、セミプリマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、JTX-4014、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、シンチリマブ、チスレリズマブ、トリパリマブ、ドスタルリマブ、INCMGA00012、AMP-224、AMP-514、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、KN035、CK-301、AUNP12、CA-170、BMS-986189、およびイピリムマブからなる一群から選択される、実施形態128に記載の組成物。
(実施形態130)
がんを有する哺乳動物を治療する方法であって、その方法が、前記哺乳動物に、実施形態121~129のいずれか1つに記載の組成物を投与することを含む、前記方法。
(実施形態131)
前記哺乳動物がヒトである、実施形態130に記載の方法。
(実施形態132)
前記がんがメソテリン
+がんである、実施形態130または131のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態133)
前記メソテリン
+がんが、メソテリン
+中皮腫がん、メソテリン
+卵巣がん、メソテリン
+膵臓がん、メソテリン
+肺がん、およびメソテリン
+胆管がんからなる一群から選択される、実施形態133に記載の方法。
(実施形態134)
前記の投与ステップの後に、前記哺乳動物体内のがん細胞の数が減少する、実施形態130~133のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態135)
がんを有する哺乳動物を治療する方法であって、その方法が、
(a)前記哺乳動物に、実施形態121~127のいずれか1つに記載の前記組成物を投与すること、および
(b)前記哺乳動物に、チェックポイント阻害薬を含む組成物を投与すること
を含む、前記方法。
(実施形態136)
前記哺乳動物がヒトである、実施形態135に記載の方法。
(実施形態137)
前記がんがメソテリン
+がんである、実施形態135または136のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態138)
前記メソテリン
+がんが、メソテリン
+中皮腫がん、メソテリン
+卵巣がん、メソテリン
+膵臓がん、メソテリン
+肺がん、およびメソテリン
+胆管がんからなる一群から選択される、実施形態137に記載の方法。
(実施形態139)
前記チェックポイント阻害薬が、セミプリマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、JTX-4014、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、シンチリマブ、チスレリズマブ、トリパリマブ、ドスタルリマブ、INCMGA00012、AMP-224、AMP-514、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、KN035、CK-301、AUNP12、CA-170、BMS-986189、およびイピリムマブからなる一群から選択される、実施形態135~138のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態140)
前記投与ステップ(a)および(b)の後に、前記哺乳動物体内のがん細胞の数が減少する、実施形態135~139のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態141)
結合分子をメソテリンポリペプチドに結合させる方法であって、その方法が、前記メソテリンポリペプチドを、実施形態1~84のいずれか1つに記載の抗体、抗原結合フラグメント、または抗体ドメインと接触させることを含む、前記方法。
(実施形態142)
前記接触がin vitroで行われる、実施形態141に記載の方法。
(実施形態143)
前記接触がin vivoで行われる、実施形態141に記載の方法。
(実施形態144)
前記接触が、前記抗体、前記抗原結合フラグメント、または前記抗体ドメインを哺乳動物に投与することによって前記哺乳動物体内で行われる、実施形態143に記載の方法。
(実施形態145)
前記哺乳動物がヒトである、実施形態144に記載の方法。
(実施形態146)
結合分子をメソテリンポリペプチドに結合させる方法であって、その方法が、前記メソテリンポリペプチドを、実施形態85~90のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体、実施形態93~106のいずれか1つに記載の細胞エンゲージャー、または実施形態117~120のいずれか1つに記載のADCと接触させることを含む、前記方法。
(実施形態147)
前記接触がin vitroで行われる、実施形態146に記載の方法。
(実施形態148)
前記接触がin vivoで行われる、実施形態146に記載の方法。
(実施形態149)
前記接触が、前記キメラ抗原受容体、前記細胞エンゲージャー、または前記ADCを哺乳動物に投与することによって、前記哺乳動物体内で行われる、実施形態148に記載の方法。
(実施形態150)
前記哺乳動物がヒトである、実施形態149に記載の方法。
【0325】
他の実施形態
当然のことながら、本発明はその詳細な説明とともに記述されているが、前述の説明は、添付のクレームの範囲によって規定される本発明の範囲を例示することを意図するものであって、本発明の範囲を限定するものではない。他の態様、利点、および変更は、以下のクレームの範囲に含まれる。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2023-10-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年2月16日出願の米国仮出願第63/150,008号の利益を主張する。先行出願の開示は、本願の開示の一部とみなされ、参照により本願開示に組み入れられる。
配列表
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出された配列表を包含し、参照によりその全体が組み入れられる。前記ASCIIコピーは、2022年3月25日に作成され、名称は48881-0026WO1_SL.txt、サイズは234,246バイトである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】