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特表2024-506688スクラップを分類するためのプラント及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】スクラップを分類するためのプラント及び方法
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/342 20060101AFI20240206BHJP
   G01N 23/222 20060101ALI20240206BHJP
   G01N 23/223 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
B07C5/342
G01N23/222
G01N23/223
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548899
(86)(22)【出願日】2022-02-14
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 IB2022051285
(87)【国際公開番号】W WO2022172238
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】102021000003347
(32)【優先日】2021-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510152666
【氏名又は名称】ダニエリ アンド シー.オフィス メカニケ エスピーエー
【氏名又は名称原語表記】DANIELI&C.OFFICINE MECCANICHE SPA
【住所又は居所原語表記】Via Nazionale,41-33042 Buttrio(UD),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ガグリアルディ,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】マッティンツィオリ,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】パスティ,アンドレア
【テーマコード(参考)】
2G001
3F079
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001AA04
2G001BA02
2G001BA04
2G001CA01
2G001CA02
2G001JA09
2G001KA01
2G001LA09
2G001PA03
2G001PA11
3F079AB00
3F079BA28
3F079CA29
3F079CA31
3F079CB04
3F079CB11
3F079CB28
3F079CC02
3F079DA02
3F079DA12
(57)【要約】
本発明は、スクラップをその化学組成にしたがって分類するためのプラントに関する。プラントは、スクラップを切断するように適合された剪断機(10;110);剪断機の下流側にある、剪断された材料の化学組成を分析する分析装置(28;128);剪断された材料を分析装置(28;128)に輸送するための、複数の振動フィーダ及びコンベヤを含む輸送手段(20、26;109、126、140、142、144、146);及び分析された材料(30;145)をその化学組成にしたがって分別するように適合された放出システム(26;32、34、36、38;150)を含む。関連する方法において、剪断(101)ののち、剪断された材料(107)の化学分析が続き、それが、異なる化学組成を有する剪断されたスクラップの分画への分別を可能にする。本発明は、たとえば銅含有量によって区別される様々なタイプのスクラップの溶解炉への供給を最適化するのに役立つ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)スクラップを切断するように適合された剪断機(10;110);
(b)剪断機(10;110)の下流側にある、剪断された材料(145)の化学組成を分析する分析装置(28;128);
(c)前記剪断された材料(145)を前記分析装置(28;128)に輸送するための輸送手段(20、26;126、140、142、144、146、148);及び
(d)分析された材料(30;145)を、前記分析装置(28;128)によって決定されたその化学組成にしたがって分別するように適合された放出システム(26;32、34、36、38;150)
を含み、
前記輸送手段が複数の振動要素及びコンベヤを含む、スクラップをその化学組成にしたがって分類するためのプラント。
【請求項2】
前記剪断機(10;110)と前記分析装置(28;128)との間に、
(e)剪断された材料を磁性材料と非磁性材料とに分別するための磁気分離装置(22;122)が配設され;
前記輸送手段が、
(c-1)剪断された材料を前記剪断機から前記磁気分離装置に運ぶための第一の輸送手段(20;111);及び
(c-2)少なくとも磁性材料を前記磁気分離装置(22;122)から前記分析装置(28;128)に輸送するための第二の輸送手段(26;126、140、142、144、146)
を含む、請求項1記載のスクラップを分類するためのプラント。
【請求項3】
前記剪断された材料を、前記磁気分離装置(22;122)をバイパスすることによってじかに前記分析装置(28;128)に輸送するように適合された第三の輸送手段、又は磁気分離装置をプロセス流束から移動させるための手段及び磁気分離装置に代わって材料の経路を塞ぐように適合されたシュート又は類似物を含む、請求項2記載のスクラップを分類するためのプラント。
【請求項4】
前記分析装置(28;128)がXRF分析装置、LIBS分析装置又は中性子放射化分析装置、好ましくは中性子放射化分析装置、特にPGNAAシステムである、請求項1~3のいずれか1項記載のスクラップを分類するためのプラント。
【請求項5】
前記分析装置(28;128)が前記輸送手段(26;146)上に位置する、請求項4記載のスクラップを分類するためのプラント。
【請求項6】
前記分析装置が位置するところの前記輸送手段が傾斜コンベヤ又は水平コンベヤである、請求項5記載のスクラップを分類するためのプラント。
【請求項7】
ブレード、スパイク及びエンボス加工要素から選択される、輸送される材料をほぐすように適合されたシステムが、輸送手段中、分析装置の上流側に配設されている、請求項1~6のいずれか1項記載のスクラップを分類するためのプラント。
【請求項8】
分析された材料を、前記分析装置によって決定されたその化学組成にしたがって分別するための前記放出システムが、ラジアルコンベヤベルト(26)、複数のデュアルトラックコンベヤベルトを有するマルチコンベヤベルト(32、34、36、38)又はスイベルシュート(150)から選択される輸送手段である、請求項1~7のいずれか1項記載のスクラップを分類するためのプラント。
【請求項9】
以下の順序で配設された以下の機械:
―剪断機、好ましくは傾斜剪断機(110)、
―振動テーブル(109)、
―ドラム磁石(122)、
―ドラム磁石(122)から分離させた鉄系材料を分析装置(128;228)に輸送するための、又は非鉄系材料を周辺区域に降ろすための、ラジアルコンベヤ(126;226)、
―第一の振動フィーダ(140;240)、
―第二の振動フィーダ(142;242)
―第一のコンベヤ(144;244)、
―分析装置(128;228)を備えた第二のコンベヤ(146;246)、
―第三のより高速のコンベヤ(148;248)、
―スイベルシュート(150;250)
を含み、
コンベヤ及びフィーダの長さが、すなわち第一のフィーダの場合の約2mから第三のコンベヤの場合の40mまで異なることができる、請求項1~8のいずれか1項記載のスクラップを分類するためのプラント。
【請求項10】
前記ラジアルコンベヤ(126;226)が上向きに傾斜又は上行し、前記第三のコンベヤ(148;248)が上向きに傾斜又は上行し、前記第一の振動フィーダ(140;240)、前記第二の振動フィーダ(142;242)及び前記第一のコンベヤ(144;244)がカスケード式に配設され、前記第一のコンベヤ(144;244)が水平であり、前記スイベルシュート(150;250)が下向きに傾斜又は下行し、
(I)前記第一のフィーダ(240)、前記第二のフィーダ(242)及び前記第二のコンベヤ(246)が水平である;又は
(ii)前記第一のフィーダ(240)及び前記第二のフィーダ(142)が下向きに傾斜又は下行し、前記第二のコンベヤ(146)が上向きに傾斜又は上行する、請求項9記載のスクラップを分類するためのプラント。
【請求項11】
コンベヤ及びフィーダの長さが、前記ラジアルコンベヤの場合で14~18mであり;第一の振動フィーダの場合で4~6mであり;第二の振動フィーダの場合で2~4mであり;第一のコンベヤの場合で5~7mであり;第二のコンベヤの場合で10~30mであり;第三のコンベヤの場合で16~22mであり;スイベルシュートの場合で6~8mである、請求項9又は10記載のスクラップを分類するためのプラント。
【請求項12】
以下の段階:
(I)スクラップの剪断(100);
(II)剪断された材料(107)の、好ましくはその輸送中の、化学組成の分析(107);及び
(III)好ましくは輸送手段を援用する、段階(II)で決定された化学組成に依存する、分析された材料の分画(F1、F2、F3、F4)への分別(111)
を含み、スクラップが、その分析の前に、複数の振動フィーダ及びコンベヤ上で輸送に付される、スクラップを分類する方法。
【請求項13】
段階(I)と段階(II)との間に、剪断された材料の磁気分離(101)が起こって材料を磁性分画(105)と非磁性分画(103)とに分別し、段階(II)中、磁性分画(105)だけが分析され、非磁性分画(103)が捨てられる、請求項12記載のスクラップを分類する方法。
【請求項14】
分析装置への剪断された材料の輸送が、輸送手段上で、好ましくは振動により、剪断された材料の均質化及び/又はその高さの減少を提供する、請求項12又は13記載のスクラップを分類する方法。
【請求項15】
分画(F1、F2、F3、F4)が、鋼中に様々な量の鉄及び/又は望まれない元素、特に様々な量の銅を含む、請求項12~14のいずれか1項記載のスクラップを分類する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学組成によって、特にその銅含有量によって区別される様々なタイプのスクラップを異なる分画へと分別することを可能にする、剪断されたスクラップを分類するためのプラント及び方法に関する。プラント及び方法は、様々な形態の剪断を使用することができ、所与サイズ又は重量のスクラップに限定されない。
【背景技術】
【0002】
製鉄所において、スクラップは生産プロセスの基礎であり、その購入は主な費用項目の一つであり、単独で、販売される最終製品の約40%を占める。
【0003】
一般的に、スクラップは、重量、サイズ及び出所にしたがって様々なサブクラスへと分別され、それに含まれる鉄の割合に依存する純度(ひいては価格)の点できわめて多様である。鉄の割合が低ければ低いほど、スクラップの品質は低下する。第二に、一部の元素、主に銅及びスズを金属浴から可能な限り除去しなければならない。理由は、特定のしきい値を超えるそれらの濃度は製品の欠陥及び質的低下を招くからである。したがって、純度の二つの特性がスクラップの幾何学的及び寸法的特性に組み込まれ、これらのうち第二の特性が、いわゆる「溶解損失」に影響を及ぼす。
【0004】
寸法の観点から、鉄系スクラップは少なくとも四つのカテゴリーへと分別することができ、各カテゴリーが、溶解炉が供給を受けるときのバスケットを釣り合わせるのに有用である。一般的に、スクラップの分類は複雑であり、地域の市場に依存する。したがって、以下の開示は、一般的かつ簡素化されたケーススタディに基づくものである。
【0005】
考慮することができる最初のグループは、不活性含有物及び非常に多様な残渣を含有する、通常は小さなサイズのシュレッダスクラップのグループである。したがって、バスケットに装填されるときの高い密度を特徴とし、通常、バスケットの底を構成するために使用される。このタイプのスクラップは、主に、自動車、家電製品及び都市金属廃棄物のスクラップ処置及び破砕に由来するものである。一般に、粉砕はハンマーミル又はシュレッダ中で実施され、それがすべての成分を処理と同時に粉砕する。この断片化が大量の小さな成分を生じさせ、それらの成分が、磁気ドラム、渦電流カーペット、エアブローデバイスなどの分離システムを使用して選別される。
【0006】
したがって、産出物は、主に鉄系材料と非鉄系材料とに分けられ、可能ならば、銅、アルミニウムならびに可能ならば軽質プラスチック及び重質プラスチックを含む不活性材料の間で分けられる。
【0007】
スクラップの第二のカテゴリーは、建物の解体から生じる、様々なサイズの材料の混合物がコンクリートなどの残骸と様々に凝集しているスクラップであり、これは、輸送可能な部分へと切断されるが、非常に大きくなることもある。このカテゴリーはまた、収蔵物又は他の意味で廃退的なスクラップからの材料を含むこともある。この材料は特に貴重ではなく、他のより貴重な材料と混合され、バスケットへの適切な充填を可能にするため、サイズを減らされる(必要ならば)べきである。
【0008】
スクラップの第三のカテゴリーは、成形及び加工廃棄物に由来するスクラップである。この場合、品質は高く、汚染物質は限られ、その結果、溶解損失は低く、残る問題は破片のサイズである。一般に、成形プレートは、各プレートで作製することができるピースの数を最大化するためにかなりのサイズを有する。したがって、容易に移動可能にするためには、はじめに切り分けなければならない。
【0009】
スクラップの主なカテゴリーの四つ目は、かなりのサイズのスクラップ金属廃棄物、たとえば鉄塔、レール、構造用ビーム、鋼板及びかなりの重量の他の材料からなる、高性能マシンによる切断を要するスクラップである。この場合もまた、スクラップの質は一般に良好であるが、輸送の困難さはかなりのものである。これらは通常、炉への容易な装填を可能にするためには処理されなければならない、均質かつ明確に規定されたカテゴリーの材料である。
【0010】
周知のように、製鉄所は、鋳込みごとに異なる数のバスケット(平均2~3個)を使用する。あるいはまた、コンベア又は振動ベルトによる連続装填が使用される。
【0011】
しかし、溶解炉に供給されるスクラップは、常に同じタイプとは限らないか、いずれにしても、不均質である。スクラップをできるだけ均一に処分し、一定の溶融時間を達成するために装入混合物を偏りのない状態に保つために、上記様々なカテゴリーのスクラップを様々な割合で混合することが一般的である。装填材料は以下の特性を有しなければならない。
―バスケットの装填に伴うダウンタイムを可能な限り減らすことによって炉装填プロセスを容易にする;
―装入及びアーク穿孔段階中の炉の崩壊及び損傷を最小限にするようなやり方でバスケット内に分散させることができる;
―製造される鋼の組成限界と適合する残留元素(Cu、Sn)の含有量を有する;
―鉄系スクラップが完成品に及ぼす強い影響を考慮して、競争力のある平均費用を有する。
【0012】
以下の例は、様々なタイプのスクラップとのバスケットの構成の概念を記し、鋳込みの成功のために各カテゴリーのスクラップが有効な機能を果たす方法を例示する。
【0013】
炉の底の完全性を保持し、溶銑残留物(ホットヒール)の飛散を減らすために、軽いスクラップを底に配置し、その後、黒鉛電極の破損を避けるために、重いスクラップ(約0.90t/m3)の層をこのより低い位置に配置し、平均的なスクラップ層(約0.70t/m3)で覆う。最上層もまた、アークによる迅速な穿孔及びルーフパネルの保護を保証するために、軽いスクラップで形成される。
【0014】
バスケットは、スクラップヤードからの様々なタイプのスクラップを通常はクレーンによって取り出すことによって構成され、それは、様々なタイプのスクラップを分離し、特に、不純物(たとえば銅)を含有するスクラップストックを識別することが重要になることを意味する。理由は、不純物は、最終的には金属浴中に残り、何らかの方法で除去又は希釈しなければならなくなるからである。
【0015】
現在、スクラップは、トラック又はコンテナワゴンによって製鉄所に搬入され、実質量が確認されたのち、分類され、貯蔵区域に搬入される。入ってくる多種多様な材料は、多くの場合、経験豊富なオペレータによって彼らの年功にしたがって実施される格付けプロセスを必要とする。
【0016】
装填物の購入に至る手順は、トラック全体が計量されることを必要とする。その後、スクラップはスクラップヤードの区域に降ろされ、トラックは、自重を測定するために再計量される。価格は、質量差に基づいて、次いで、降ろされた実際の材料に基づいて決定される。この重量には、適当なスクラップの大部分が含まれることは明らかであるが、多くの場合、不適当なスクラップ及び役に立たない又は溶融プロセスに有害である他の材料、たとえばプラスチック、土壌、紙なども一部に含まれる。
【0017】
同じく非常に異なる寸法で構成されたこのスクラップの集合体は、多くの場合、クレーンで装填された材料と、折り曲げられ、束ね合わされた材料との間で輸送中に形成された塊りへと集群しており、それは、ほぐすことが容易ではないことを意味する。スクラップのもう一つの有意な部分は、サイズが大きすぎてバスケットへの容易な装填を許さない場合がある。この理由のため、多くのプラントは、これらのスクラップのパイルを切断するために特別な剪断機を使用する傾向がある。しかし、これらの過程すべてによっても未解決のまま残る問題は、処理されるスクラップの純度の問題である。実際、剪断機は、それに与えられるものは、多少なりとも純粋な鉄であろうと、多少なりとも重要な微量の他の望まれない物質を含んでいようと、何であれ切断する。このスクラップの組成は不明であり、純粋に寸法的な分別が、スクラップヤードで実施される、又は、せいぜい、スクラップのより表面的な目視分析に基づくことができ、有意量の望まれない元素が溶融されて、生産品質の低下を招く危険がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、前述の欠点を解消し、スクラップの重量又はサイズだけでなく、その化学組成にも準じる分類を可能にするプラント及び方法を提案することである。
【0019】
本発明のさらなる目的は、可能な限り最適化され、望まれない元素を最小限微量しか含有しない、鋳込みのためのスクラップ量を構成することができ、生産プロセスの終了時に完成品の品質及び規制要求事項を満たすことができるようにする、製鉄所によって使用されるスクラップ分類ためのプラント及び方法を提供することである。本発明のもう一つの目的は、溶融プロセスで使用された残留元素、特に銅に関する不確かさを減らし、ひいては、装入混合物の管理をさらに最適化することを可能にする、スクラップの有意部分の分類のためのプラント及び方法を見いだす必要性に見られる。
【0020】
本発明の他の目的及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の第一の態様において、目的は、
(a)スクラップを切断するのに適した剪断機;
(b)剪断機の下流側にある、剪断された材料の化学組成を分析する分析装置;
(c)前記剪断された材料を前記分析装置に運ぶための輸送手段;及び
(d)分析された材料を、前記分析装置によって決定されたその化学組成にしたがって分別するように適合された放出システム
を含み、輸送手段が複数の振動要素及びコンベヤを含む、スクラップをその化学組成にしたがって分類するためのプラントによって達成される。
【0022】
当然、プラントは複数の分析装置を含んでもよい。
【0023】
これらの剪断機は通常、コンテナで構成され、そのコンテナの中に、機械アームによってスクラップの塊りが降ろされる。コンテナは一般に、いくつかの可動壁を備え、通常、三つの軸で圧縮する。側壁はコンテナの内側に向かってつぶれ、蓋は押し下がり、底からはピストンを通して材料がつぶされ、出口側に向けて押される。
【0024】
剪断機は通常、圧縮コンテナからの出口に設置され、油圧的に昇降する直線的又は傾斜したブレード(作用力を切れ刃に沿って分散させるため、ギロチン型)を有し、生産物は、出口に向けて押されるとき、通常は40cm~1.2mの間の様々な長さの凝集塊へと切断される。切断を容易にするために、多くの場合、剪断ブレードの反対側にカウンタブレードが装着されている。剪断機は低速切断のために設計されている。すなわち、1分間に数回の切断を実施することができる(通常、1時間あたり300回の切断サイクル)。一部の剪断機は、スクラップヤードの様々な部分から材料を装填するために、車輪又はトラック上に可動モードで配設される;でなければ、剪断機は据置きであり、その場合、スクラップを剪断機まで運び込まなければならない。必要な切断力が小さい場合、すなわち小型の機械においては、機械易動性が好まれる。大部分の易動性剪断機は水平コンテナを有し、軽量で低密度のスクラップを扱う場合に特に適している。
【0025】
通常、スクラップを切断するための水平剪断機は、材料を装填するためのコンテナと、スクラップを出口まで輸送して処理済みスクラップを降ろすための供給シリンダ(切断ブレードを有する剪断シリンダにより、出口の直前でクラップを切断するようなやり方で制限される)とを含む。すべてが油圧制御ユニットによって制御される。
【0026】
あるいはまた、より大きくより重いスクラップ金属の処理の場合、傾斜型の固定剪断機が使用され、この剪断機は、重力を利用することにより、後方ならびに側方及び/又は上部シリンダを不要にし、代わりに余剰オイルを使用して、より大きな切断圧で剪断を提供することができる。材料の切断中及び切断の合間に材料を剪断機の出口に保持するジョーの存在により、切断を容易にすることができる。これらの機械は一般に、コンテナの出口区域を塞ぐための油圧駆動栓を有する。
【0027】
特に適当であるものは、傾斜した(すなわち約10°の角度で)可動ブレードを、傾斜した(すなわち約30°で)底と組み合わせて有し、好ましくは、たとえば約560トンの力を有する横方向圧縮要素を有し、スラストシリンダを有しない剪断機である。また、剪断力は2,000トンの値に達し、幅1,200mm、長さ400~1,200mmの切断寸法を得ることができる。連続的な自動化形態で作動するこのタイプの剪断機は、毎時100トンを超える生産率レベルに達する。スクラップは、重力により、傾斜した底に沿って傾斜したブレードの方向に滑り、底とブレードは、それらの間に約140°の角度を実現する。横方向及び垂直方向のレジューサが材料を高密度化し、その寸法を適合させる。
【0028】
上記に例示した値は、本文全体を通して記されるが、好ましい値であり、いずれの場合も排他的ではない。
【0029】
したがって、これらの剪断機は、混合したスクラップの量を、連続鋳込みのバスケット又はコンベアベルト、次いで溶解炉に投入するのに適したコンパクトなサイズの破片又は塊りへと切断することを可能にする。
【0030】
好都合に、プラントは、上記のものに類似する剪断機、好ましくは傾斜コンテナ及びブレードカテゴリーの剪断機から出発する。理由は、これが、すべてのタイプのスクラップを切断することを可能にし、水平剪断機と比べて簡素化された油圧回路を有するからである。しかし、この概念はまた、水平剪断機又は当技術分野において公知の他の剪断機とで実現することもできる。
【0031】
本発明の実施形態において、分析装置は、じかに剪断機の出口に位置することができ、この場合、前記剪断された材料を前記分析装置に輸送するための前記手段は、材料を出口に輸送するための、剪断機中に設けられた手段とで場所が一致するであろう。しかし、本発明の好ましい変形形態は、前記分析装置が剪断機から離れた位置にあり、前記輸送手段が剪断機と分析装置との間の距離を接続することを規定する。この場合、分析装置は、前記輸送手段上に、換言するならば前記輸送手段に沿って配設されてもよいし、前記輸送手段の端部に配設されてもよい。
【0032】
剪断されたスクラップの化学組成の分析が、存在する元素及びそれらの濃度に基づくその分類を可能にして、その後の使用を最適化し、これがまさにスクラップ剪断中に起こる。そのような分析の結果は、剪断機に入るスクラップの事前分類を実施するように働いて、本発明のプラント中でさらなる細分類を許すことができるであろう。
【0033】
好ましくは、剪断された材料を収容するように適合されたコンベアベルト又はカーペットが剪断機の下流側に輸送手段として配設される。前記コンベアカーペットは、モータによって動かすこともできるし、たとえば偏心質量システムによって振動させることもでき、それらの回転運動の和が結果的な供給物を生成する。コンベアカーペットは、好ましくは、材料が重力によってその上に落ちるよう、剪断機コンテナの開口部の下方に配設される。この落下が、コンベアの動作及び/又は振動(振動カーペットの場合)と相まって、スクラップから塵を除去するのに役立つ。区域を清浄しやすくするために、コンベアベルトの周囲に吸気システムを提供することもできる。吸引をその下に配設することが好ましい。また、振動が材料をより均一に分散させて、鉄系材料及び非鉄系材料への可能な磁気分離のためによりよく準備する。
【0034】
本発明の非常に好都合な実施形態において、スクラップ分類プラントは、前記剪断機と前記分析装置との間に配設された、剪断された材料を磁性材料と非磁性材料とに分別するための磁気分離装置を含む。この場合、好都合に、前記輸送手段は、剪断された材料を前記剪断機から前記磁気分離装置に輸送するための第一の輸送手段と、少なくとも磁性材料を前記磁気分離装置から前記分析装置に輸送するための第二の輸送手段とを含む。
【0035】
この変形形態において、剪断後にスクラップがたどる経路は、非磁性材料からの磁性材料の分離、すなわち、鉄系分画及び非鉄系分画への分別を受ける経路である。好ましくは、前記磁気分離装置は、好都合には第一の輸送手段、たとえば簡単なコンベヤカーペット又はより好都合には振動テーブルなどの下流側に配設された、回転する磁気ドラムシステムである。好ましくは、非鉄系材料は、たとえばそれがドラムからじかに落ちて載るところの相対輸送手段から除去される。
【0036】
好ましい実施形態において、磁気ドラムの直径は、剪断機から切り出すことができるスクラップの最小長よりも大きい。たとえば、当該剪断機が少なくとも40cmの切片を切り出すならば、磁気ドラムは少なくとも40cmの直径を有する。しかし、最適な比は、剪断機が達成することができる最大長の1倍~2倍の直径を有するドラムである。したがって、1.2mの剪断の場合、最適なドラムは1.5mの直径を有する。これは、一つの寸法、すなわち剪断機開口部の寸法が1~1.5mの間で等しく固定されたままであるからである。
【0037】
したがって、溶融のためにスクラップを準備し、分類するための好ましいシステムは、好ましくは傾斜ブレード及び底を有する剪断機を有する剪断アセンブリと、不活性、粉末状及び非鉄系の材料を鉄系材料から分離するためのユニットと、分離された鉄系材料の化学組成を少なくとも一部の元素に関して決定するための分析ユニットとで構成される。
【0038】
本発明のさらなる代替形態において、プラントは、剪断された材料を、磁気分離装置をバイパスしながらじかに分析装置に輸送するように適合された第三の輸送手段を提供する。あるいはまた、磁気分離装置をそれぞれの移動手段によってプロセスフローの外へ出し、形成したギャップをたとえばシュートなどで塞ぐことも考えられる。
【0039】
この実施形態は、剪断機に装填されるスクラップがかなりのサイズ及び重量を有し、したがって実質的に純粋であることができる場合に適切である。プラント中で様々なサイズ及び重量のスクラップに作用するためには、磁気分離装置をサービスから除外し、代替手段に交換する措置を講じることが有用である。実際、大きな材料及び/又は重量は持ち上げることができず、分離装置に詰まり、それを損傷させるおそれがある。
【0040】
輸送手段は、磁気分離装置の後の第二の輸送手段の場合、ラジアル/スイングタイプのコンベアベルト、すなわち、円(その中心がスクラップ装填点に一致する)の半径のまわりを移動して、回転の角度に依存して、輸送される材料の様々な送り先を創出することを可能にするコンベアベルトを含むことができる。分析装置がラジアルコンベヤの上流側に位置するならば、送り先は、異なる化学組成を有する材料の様々な分画に相当することができる。ラジアルコンベアは放出システムとして働くことができる。輸送システムは、好ましくは傾斜型であり、底に位置する装入点から材料を持ち上げ、材料を、それが回転するとき沿う周の下に配設されたパイルの上に降ろす。前記パイルそれぞれは、その中に含まれる材料の組成の観点から均質であることを特徴とする。その場合、第二の輸送手段は、ポイント(d)にしたがって分析された材料を細分別するように適合された放出システムとで場所が一致することができる。
【0041】
それ以外の場合、ラジアルコンベアを使用して、材料の流れを、所望により、次の分析装置又は分析を要しない送り先に送ることができる。
【0042】
あるいはまた、放出システムは、複数のデュアルトラックベルトに供給する、好ましくは傾斜型のコンベヤベルトによって実現することもできる。両解決手段は、図1及び2に示す二つの例示的な実施形態を参照してさらに詳細に開示される。これらのタイプの輸送手段は、剪断された材料が、降ろされ、別々の分画に分けられたのち、好ましくはこれらの第二の輸送手段又は代替的に第三の輸送手段上に配設された分析装置で決定された化学組成にしたがって配置されることを可能にする。放出システムのためのもう一つの解決手段が、図3を参照して後述されるスイベルシュートである。
【0043】
好ましくは、輸送手段(第一及び/又は第二)は、材料を前記輸送手段上で均一に分散させるための振動フィーダを含む。好都合に、輸送手段はさらに計量手段を含む。本発明の非常に好ましい変形形態において、輸送手段の速度は、測定時間にしたがって分析装置の要求に適応することを可能にするために、調整可能である。
【0044】
輸送手段、特に第二の輸送手段は、好都合には、分析装置の要求にしたがって流量の正確な微調整を最適化するために、すなわちカスケード式に配設されたいくつかの振動要素及び傾斜コンベアの複合体である。
【0045】
好ましくは、輸送手段は、分析装置が位置するところのコンベヤ、好都合には傾斜コンベヤを含み、好ましくは、常に輸送手段の一部を形成する、より高速のさらなるコンベヤが後に続き、このさらなるコンベヤが、分析された材料を、分析装置によって送信された結果に基づいて材料の様々な分画を分離するように適合された放出システムに運ぶ。
【0046】
分析のために材料を準備するのに特に適した二つの実施形態が請求項9~11に規定され、関連する例示的な実施形態が、以下、図3及び6を参照して説明される。本発明者らは、複数の振動フィーダ及びコンベヤを、目的に特に適することがわかった所与の順序で組み合わせた。特に好都合なものは、個々の要素に選択された長さであった。また、前記個々の要素の傾き:水平(プラント床に対して平行)、上行(輸送方向に沿って上向きに傾斜)、下行(輸送方向に沿って下向きに傾斜)又はカスケード式(一つの輸送手段の始端が直前の輸送手段の端部よりも下にある)によって重要な役割が演じられた。
【0047】
上述のタイプの分析装置は、特に、元素Cu、Sn、Zn、P、Mo、Ni、Cr及びMnを検出し、材料を、鉄含有量ではなく、不純物の存在に関して分類することができる。
【0048】
本発明のもう一つの実施形態において、スクラップ装填の点で、非磁性汚染から可能な限り事前に精製された剪断機からの材料を計量するためのシステムが提供される。このような計量システムは、たとえば、ロードセル又は校正済みのばねを使用することができ、この測定値が、ベルト搬送速度データと相まって、材料の流量を経時的に計算することを可能にする。重量に加えて、各パイルは、特定の化学元素の有無又はその元素のしきい値を特徴とする。
【0049】
溶融中の望ましくない成分である銅及びスズを適用例として挙げると、たとえば、銅及び/又はスズの組成が0.2%未満、0.4%未満、1%未満などであるスクラップのパイルを有することができる。本発明の好都合な変形形態において、材料の分類は、それぞれ<0.20%(m/m)、0.20~0.35%(m/m)及び>0.35%(m/m)の銅含有率を特徴とする分画を生じさせる。これが、溶融プロセスのためのスクラップ供給材料のより情報に基づく組成を作製することを可能にする。
【0050】
この分離を得るためには、好ましくは輸送手段に沿って通過中に、すなわち「オンライン」で処理されるスクラップの組成を分析することができなければならない。これに関して、本発明のプラントは化学分析装置を提供する。好ましくは、化学分析装置は、XRF分析装置、LIBS分析装置又は中性子放射化分析装置、好ましくは中性子放射化分析装置、特にPGNAAシステムである。
【0051】
蛍光X線分析法(XRF)は、検査される試料中に存在する、又は検査される試料を構成する化学元素の同定を可能にするX線発光分光技術である。使用される原理は以下のとおりである。適切なエネルギー及び強度のX線を使用して、元素の原子の内殻中に空孔を創出することが可能である。その後、この位置は、最外殻の一つに属する電子によって再び占有され、その電子が、脱励起時、最初の位置と最後の位置との間の電子のエネルギーの差に等しいエネルギーを有する光子を生成する。そのような技術は、好都合に、局所的に使用される(材料組成を瞬間的/局所的に分析することにより)のではなく、所与の質量のスクラップの組成情報を積分することによって使用されるであろう。様々な元素の特徴的なピークが発光スペクトル中で明確に区別される。この技術は、破壊的ではないが、スクラップの表面組成に関する情報しか提供しない。
【0052】
レーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)分析装置は、レーザの短パルスを使用して試料の表面にマイクロプラズマを生成し、少量の試料質量のアブレーションを発生させる。プラズマから放出される光が分光器によって集光され、解析される。周期表の各元素が特定のスペクトルピークと対応する。
【0053】
次いで、たとえば傾斜コンベアの区分に沿って配設された分析装置が、その下を通過する剪断された材料の流れを検査し、様々な化学組成元素をカウントする。透過光発光体が材料の下(又は上)に配置されることができ、受光器が反対側に設置される。最先端技術及び市場は、この目的に使用することができる幅広い範囲の分析システムを提供しており、したがって、ここでさらに詳細な説明は不要である。
【0054】
例示的なシステム動作は以下のとおりである。コンベアの速度及び材料の重量に関するデータに基づいて、又は所与の期間後に、一定量(すなわち1トン)の材料が分析装置の下を通過すると、カウントが終了し、その結果に依存して、検査された量は、元素の共通性の点で最適なパイルの中へ放出される。測定は最小持続時間(すなわち1分)を要するため、一定量のスクラップが通過するのを待つ必要がある。
【0055】
したがって、分析された材料を、前記分析装置によって決定された化学組成にしたがって分別するのに適した放出システムは、好都合には、出ていく材料を異なる位置に降ろすのに適した輸送手段と、計量手段と、重量から流量を計算し、材料流を特定の重量の部分に分別し、さらに、分析装置から受け取ったデータによってそれらを化学的に特性評価して、輸送手段のコマンドを通してそれらを異なるパイル/分画へと送る制御ユニットとの組み合わせである。
【0056】
材料の読み及び分析を支援するために、分析下の層の高さを減らし、可能な限り重ならないようにすることが推奨される。この理由のため、分析装置の上流側の輸送手段中に、材料を「すく」ためのシステム、たとえばブレード又はスパイクを設け、前記システムが材料を通過するとき材料をほぐすことが推奨される。剪断後、材料のサイズはより小さいため、このシステムで処理することはより容易である。
【0057】
あるいはまた、同じ輸送手段は、材料を分析装置に輸送しながらこの作業を実行するように適合されたエンボス加工された要素を備えてもよい。
【0058】
本発明の好ましい実施形態において、他方で、前記第一及び/又は第二の輸送手段は、テーブル、ベルト及び/又は振動フィーダを備える。そのような振動要素は、材料分散を均一化する、換言するならば、非一定の材料流を、化学分析及び磁気分離により適した一定の流れに変えるのに役立つ。振動要素は、一つのバッチと次のバッチとの間に形成するギャップを閉じるという意味で、材料を圧縮する。
【0059】
市場は幅広い範囲の振動要素を提供しており、それらは通常、耐摩耗性の側面を有する平面と、その平面の下にある振動モータとを有する。
【0060】
非常に好都合には、前記分析装置は、前記輸送手段上に、特に、磁気分離装置が存在する場合には前記第二の輸送手段上に位置する。これが、現場での、及び送り先への輸送中での分析を可能にして、時間を節約し、材料が降ろされる前に材料の送り先に関する情報を提供する。
【0061】
非常に好都合には、中性子放射化分析システム、特に即発ガンマ線中性子放射化分析(PGNAA)又はパルス高速熱中性子放射化(PFTNA)をこの目的に使用することもできる。
【0062】
中性子放射化による即時又は即発ガンマ線分析は、バルク材料の化学組成を決定するためにオンライン分析システムで使用することができる非接触かつ非破壊的な分析技術である。
【0063】
中性子は、衝突を受けた材料内の元素と相互作用し、次いでそれが測定可能なガンマ線を放出する。各元素は、原子核への中性子の吸収によって生じた励起ののち、安定状態に戻るとき、特徴的なエネルギーの光子を放出する。熱中性子、もっと正確には低エネルギー中性子(<0.025eV)が原子核に接近又は衝突すると、中性子と原子核との間で相互作用が起こる。すると、原子は中性子を吸収し、質量数を+1増大させて励起状態になる。原子は、その脱励起中、各元素に特徴的であるガンマ線の範囲の光子を放出する。この光子は、核反応の瞬間に放出されるため、「プロンプト」と呼ばれる。
【0064】
【数1】
【0065】
放出されたガンマ線は、放出元の原子と対応する独特のエネルギーを有する。本質的に、放出されるガンマ線は元素の「指紋」のようなものである。放出されたガンマ線が検出され、エネルギースペクトルが生成され、そのエネルギースペクトルが、存在する元素及びその量に関する情報を与える。
【0066】
PGNAA及びPFTNAオンライン分析装置は、たとえばシンチレーション検出器を使用してガンマ線を検出する。これらの検出器は高純度結晶構造からなり、この結晶構造が、ガンマ線に曝露されると、結晶に入射するガンマ線のエネルギーに比例するエネルギーの光子を生成する。結晶に結合された光電子増倍管が光パルスを電気信号に変換する。生成された電気パルスを増幅し、分析して、特定の元素に関する情報を得る。最先端技術は、当業者が容易に識別することができるいくつかの代替検出器を知っている。
【0067】
中性子放射化プロセスは、任意の試料中、周期表の実質すべての元素を、固体状態、液体状態又は気体状態を問わず、同定することができる放射線分析法であるが、元素の検出可能性及び定量化の限界がすべての元素で同じではない。
【0068】
放出された光子エネルギーからは定性的な結果が得られ(存在する元素の同定)、このエネルギーの光子カウントからは定量的な結果が得られる(スクラップ中に存在する元素の量)。結果は、元素ごとのピークを有するエネルギーの関数として光子の「カウント」を表すエネルギースペクトルで表される。
【0069】
分析技術に使用される中性子は、放射性同位体、多くの場合、カリホルニウム252(252Cf)又は中性子発生システムによって提供される。放射性同位体は自発的核分裂を起こし、分析プロセスに使用される中性子を生成する。中性子発生器の中性子は加速器中で電気的に生成される。すでに市販されているコンパクトな解決手段を中性子供給源として使用することができる。これらは、重水素-重水素の核融合反応(D+ →n+3He)を使用して2.5MeV中性子を生成する、又は重水素-三重水素の核融合反応(D+T→n+4He)を使用して14.5MeV中性子を生成する小型加速器からなる。モジュレータと呼ばれる物質(たとえば水、重水又は黒鉛)を介して、又は中性子そのものと試料との衝突を介して、中性子の速度をその熱化点(約0.025eVのエネルギー)まで下げることが可能である。これらのタイプの供給源(より一般的な供給源252Cfと比較して)の使用は、パルスビームを創出することを可能にするが、放射性同位体は連続的な中性子束を生成する。
【0070】
危険な放射性同位体は連続的な中性子束を生成するが、上記反応に基づくシステムは電気によって中性子をパルス状に生成して、ガンマ線検出器が中性子-原子核相互作用を区別することを可能にする。高周波パルスは電気的な中性子供給源でしか得ることができない。
【0071】
電気的に作動するシステムは、中性子放出を止めることができる最高レベルの安全性を保証し、したがって、分析システムのユーザの被曝を減らす。中性子エネルギーの増加はいくつかの分析上の利点をもたらす。最も重要な利点は、炭素及び酸素をも分析する能力である。より高い中性子エネルギーはまた、全体的な感度改善を生じさせる。放射化ゾーンにおける幅広い質量変動を処理する能力及び粒子サイズの独立性が、PFTNAベースの分析装置の追加的利点である。
【0072】
ガンマ線放射化化学的中性子分析装置は分析対象材料の断面全体に浸透して、その表面だけでなく材料全体の均一な測定を提供する。XRF、LIBS、X線回折法及び他のスペクトル解析技術などの表面分析技術は、材料の全量を表すことはできない限られた深さ及び表面しか測定しない。それらは複数のセンサを要するが、より高い精度及び積分時間を有する。
【0073】
中性子放射化技術の有用性は、以下に示すいくつかの特別な特徴にある。
―いくつかの元素の同時定性的同定(エネルギースペクトル中のピークの位置)及び量(ピークのスケーリング領域)の(少なくとも近似的な)評価。
―試料との直接接触又は試料の一部分の捕集を要さず、ひいては、分析される試料が損傷を受けない、非破壊技術であること。また、時間を要する試料の準備が回避される。
―荷電粒子ではないため、中性子は、クーロン反発による影響を受けず、目標物質により深く浸透することができる。これは、表面分析しか実行しないXRF、LIBS及びハイパースペクトルイメージング技術とは異なる。
【0074】
中性子放射化分析の問題は、中性子供給源から放出された中性子が分析対象の材料の外の物質をも励起し、次いでそれがガンマ線を発生させ、その存在が検出器によって識別されることである。この現象に対抗するために、好都合には、中性子を捕捉するための様々なシールドが測定システム内に設けられて、中性子線が、好ましくは、測定される材料のみに影響し、したがって、所望のガンマ線を汚染する「外来性ガンマ線」が生成されないようにする。シールド材は、ホウ素又はリチウムなどの中性子毒を含むプラスチックからなることができる。シールド厚さの選択が、中性子の減弱をたとえば1/8に調整することを可能にする。また、リチウム又はホウ素エポキシ樹脂コーティングの使用が有用である。特許明細書US8,138,480B2が、コンベヤベルト上でじかにバルク材料の組成を決定することなど、考え得るシールド及び解決手段を提供している。
【0075】
化学組成は、百分率で表すこともできるし、材料流量に関する情報が利用可能であるならば、質量、モル又は重量値を示す絶対値で表すこともできる。
【0076】
文献においては、試料を数分間(すなわち10分間)分析することにより、この技術を使用して測定することができる周期表の様々な元素の濃度限界の推定値を見いだすことが可能である。ニッケル場合、検出レベルは<0.01%と報告され;鉄、クロム、銅及び硫黄の場合、検出レベルは0.01~0.1%と報告され;アルミニウム及びケイ素の場合、検出レベルは0.1~0.3%と報告され;モリブデンの場合、検出レベルは0.3~1%と報告され;スズの場合、測定時間10分で3~10%の値が見られる。したがって、スクラップ分析において最も対象となる元素が一般に良好な検出可能性レベルを示す。
【0077】
本発明のシステムは、スクラップの定性的及び定量的組成に関する情報を提供して、重要な利点を提供する。
【0078】
規制限界と比較すると、測定された化学組成は、投入材料が、該当するEU法によって要求される含有量を超える、又は超えないことを証明して、溶解炉又はリンツ・ドナウィッツ法の場合の酸素転炉のために様々なスクラップ分画の混合物を構成する目的にも、材料の分類を可能にすることができる。これは、バスケット中の材料を変更して、希釈を通して金属及び非金属含有量を調整し、修正するための手段を提供する。
【0079】
本発明の第二の態様は、以下の段階:
(I)スクラップの剪断;
(II)剪断された材料の化学組成の分析;及び
(III)段階(II)で決定された化学組成にしたがって、分析された材料の分画への分別
を含み、スクラップが、その分析の前に、複数の振動フィーダ及びコンベヤ上で輸送される、スクラップを分類する方法に関する。
【0080】
好都合に、段階(III)における分別は、決定された化学組成及び流量(測定されるならば)にしたがって剪断されたスクラップの様々な分画を創出する放出輸送手段のそれぞれの管理によって起こる。他のやり方としては、輸送される材料を、輸送手段の特定の前進期間に相当する切片へと切り分けることが可能である。
【0081】
分析は、好ましくは、本発明のプラントに関して上述したXRF、LIBS又は中性子放射化法により、好ましくは輸送中に実施される。
【0082】
好都合に、入ってくるスクラップがサイズ及び重量を減らされているならば、段階(I)と段階(II)との間で、剪断された材料の磁気分離が起こって、それを磁性分画と非磁性分画とに分別し、段階(II)中、磁性分画だけが分析され、非磁性分画は捨てられる。このようにして、純粋に非鉄系の材料の多くは捨てられる。計量又はたとえばカメラによる目視チェックから得ることができるスクラップのサイズ又は重量に関する情報に基づき、剪断された材料を、磁気選別を含むルート又はバイパスルートに送ることが可能である。好ましくは、本方法の適用中に類似の化学組成の剪断されたスクラップの部分を内部に常に蓄積することによって生成された分画は、鋼中に様々な量の鉄及び/又は望まれない元素、たとえば銅を含む。
【0083】
分析される前に、材料は、好ましくは、好ましくは本発明のプラント中で、材料を分析装置の要件に適合させる、特に、所要測定時間に対応させるために、振動、特に傾斜輸送及び特定の速度条件に付される。これに関して、特定の長さの異なるコンベアの組み合わせもまた、役立つ。
【0084】
本発明のスクラップ分類ためのプラント及び方法を用いると、大量のバルク材料(数十トンのオーダ)の化学組成を短時間(数分のオーダ)で決定して、それを分類し、分離することが可能である。好ましくは、分析は、剪断されたスクラップを剪断機から取り出す輸送手段に沿って起こる。本発明の好ましい変形形態において、段階(III)における分別は、分析装置の下流側にある輸送手段に対し、同じ又は少なくとも類似する化学組成の剪断されたスクラップの部分を同じ分画中に降ろすよう指示することによって起こる。この目的のために、ラジアルコンベアベルト又はデュアルトラックマルチコンベヤベルト又はスイベルシュートを使用することが有用である。
【0085】
本発明の一態様に関して開示された特徴及び利点は、必要な変更を加えたうえで、本発明の他の態様に移すこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
産業上の利用可能性は、たとえば、鉄及び/又は混入物もしくは微量元素、特に銅の含有量ならびに結果的に、精錬炉又は類似の炉内での使用を目的としたバスケット中の組成物の所期の取り扱いに基づく規制的側面にしたがって剪断されたスクラップを分類することが可能になる瞬間から明らかである。
【0087】
前記目的及び利点は、例としてのみ提供される本発明の好ましい実施例の開示中にさらに強調されるであろう。
【0088】
本発明の変形形態及びさらなる特徴が従属請求項の目的である。本発明によるスクラップ分類ためのプラント及び方法の好ましい例示的な実施形態の説明は、添付図面を参照しながら非限定的な例としてのみ記される。特に、別段の指定がない限り、プラント及び個々の構成要素の数、形状、寸法及び材料は異なることができ、本発明の概念を逸脱することなく等価の要素を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
図1】本発明によるスクラップ分類ためのプラントの概念をブロック図で示す。
図2】剪断され、分析された材料の様々な分画を物理的に分別するための、剪断機の下流側にある輸送手段の変形形態を示す。
図3】本発明によるスクラップ分類プラントの詳細な実施形態を側面図(上)及び平面図(下)で示す。
図4図3に示す輸送手段上に位置する分析装置を示す。
図5】本発明によるスクラップ分類方法の実施形態をブロック図で示す。
図6】本発明によるスクラップ分類プラントのもう一つの詳細な実施形態を側面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0090】
好ましい実施例の詳細な説明
図1には、本発明によるスクラップ分類プラントの概念がブロック図で示されている。たとえば水平方向の剪断機10がコンテナ12を含み、このコンテナに、クレーンなどのデバイス14により、矢印aにしたがってスクラップを装填することができる。剪断機10は、スクラップ(図示せず)を剪断機10の出口にある切断デバイス18に向けて進めるための押し出しデバイス16を含む。あるいはまた、上記のように、傾斜剪断機を使用することもできる。剪断された材料(図示せず)は、材料の磁気分離のための磁気ドラム22に対面するコンベアベルト20に載って剪断機10を離れる。分離された非磁性材料は、コンベヤベルト24に載ってプラントからそらされ、磁性材料は、材料の化学組成をじかにコンベアベルト26上で分析する分析装置28を備えたさらなるコンベアベルト26に載って材料の流れ方向bに流れ続ける。
【0091】
磁気ドラム22は、強磁性スクラップをそれ自体に引き寄せたのち、それを、磁気ドラムの反対にあるシュート(図示せず)の中に空け、ベルト26に送る。非磁性材料は、ドラム22によって引き寄せられることなく、コンベアベルトから落下し、最終的にホッパ(図示せず)の中に達し、溶融に使用されない特別なパイルに送るのに適した第二のコンベアベルト24に達する。
【0092】
たとえば分析装置そのものの中に位置する制御ユニットが、分析装置から受信したデータに基づいて、ベルト上の所与の区分に現在存在するスクラップのタイプを識別し、それを相対的な分画F1とF2とに分類する。検出された分画のタイプに依存して、制御ユニットは、コンベヤベルト26に対し、矢印cにしたがってその位置を変更して(実線で示す位置と破線で示す位置との間で)、入ってくる材料を、決定された分画F1、F2に対応するパイルの上に降ろすよう命令する。これは、ラジアルコンベア中で輸送手段と放出システムとを組み合わせる非常に簡素化されたシステムであり、当然、輸送手段の後に放出システムが続くようなやり方で実現することもできる。
【0093】
図2は、図1のベルト26に代わる(ただし、図示しない分析装置を同じく含む)、剪断され、分析された材料の様々な分画(F1~F4)を物理的に分別するための、剪断機の下流側にある輸送手段及び放出システムの変形形態を示す。この場合、制御ユニット(図示せず)が、回転不能な傾斜コンベヤベルト32上に到達した、剪断され、分析された材料30を、それがデュアルトラックコンベヤベルト34上に配置されたとき(矢印x)、材料30の化学組成に依存してベルト34の進行方向を選択することにより、後続のデュアルトラックベルト36又は38上に送ると(矢印y1及びy2)、そこから、材料は、それぞれのベルト36、38の相対移動方向を常にセットしながら、分画F1~F4を含むそれぞれのパイルに向けて送られる(矢印z1、z2、z3、z4)。剪断され、分析された材料がどの分画に属するかを決定するための基準は、鉄含有量及び/又は望ましくない元素の存在であることができる。
【0094】
適当な剪断機、適当な輸送手段及び使用可能な磁気分離装置に関する詳細は、本発明の説明部分に見いだすことができる。剪断機に荷を装填する方法もまた、上記のように様々であることができ、当然、分画の数も様々であることができる。また、分別材料をスクラップヤードに落とすのではなく、それを、異なるプラント(たとえば溶解炉)にじかに輸送したり(そこで使用されることができる)、ワゴン又はトラックに積み込んで他の場所に輸送したりすることも考えられる。輸送手段は、様々なタイプのコンベヤで構成されることができ、好都合には、振動フィーダなどを含むこともできる。
【0095】
図3は、傾斜型剪断機110と、それに続く、剪断された材料を均質化し、後続の永久磁石磁気ドラム122(すなわち、1,220mmの直径及び2,100mmの幅を有する)中での磁気分離に備えてそれを準備するための振動テーブル109とを提供するスクラップ分類プラントの好ましい実施形態を示す。非鉄系材料はコンベヤ124によって除去される。ドラム122の下流側には、矢印yの方向への回転によってとられる位置に依存して、鉄系材料を分析装置に輸送する、又は地面に降ろすためのラジアルコンベヤ126が配設されている。鉄系材料は、ラジアルコンベヤ126から第一振動フィーダ140の上に落ち、そこから第二振動フィーダ142の上に落ち、それが材料の高さをさらに減らし、その分散を均一化する。その後にコンベヤ144が続き、このコンベヤが、材料を、材料の組成をオンラインで決定する分析装置128を備えた傾斜コンベヤ146に輸送する。分析装置128の通過後、分析された材料は高速コンベヤ148の上に落ち、この高速コンベヤが、重力によって材料をスイベルシュート150の上に降ろすと、このスイベルシュートが、分析装置制御装置128から受信した値に基づいて、特定の金属、特に銅の様々な濃度にしたがって分別された材料を異なるコンテナ152に注ぎ入れる。コンベア及びフィーダの長さは、第一のフィーダの場合の数メートル、たとえば約2.75メートルから高速コンベアの場合の20メートルまで異なることができる。長さは、当業者により、分析装置によって求められるタイミング及び材料の均質度に基づいて選択される。輸送手段の調整可能な速度、輸送手段の傾斜及び輸送される材料の計量もまた、分析時間を最適化するのに役立つ。
【0096】
図4は、図3に示すように鉄系材料145を運ぶ輸送手段146上に位置する分析装置128を示す。フレーム129が中性子供給源170を支持し、この中性子供給源が、鉄系材料145を貫通する中性子を放出し(矢印x)、次いでその鉄系材料が光線を放出し(矢印y)、その光線が検出器172によって識別され、分析装置制御ユニット中で分析される。
【0097】
コンテナ152は、好都合には計量テーブル上に配置された状態で、移動可能であることができる。このようにして充填されたコンテナは、化学組成及び重量に関して明確に規定されており、溶解炉に供給するために対応するバスケットに送られることができる。
【0098】
たとえば、図3のコンテナの配設においては、>0.30%(m/m)、0.20~0.30%(m/m)及び<0.20%(m/m)の銅を含む銅分画を得ることが可能である。分析システムは、検出された元素の濃度を正確なタイミングで積分して、望ましい限界内に設定されたコンテナごとの合計平均濃度を提供する。
【0099】
図5は、本発明によるスクラップ分類方法の実施形態をブロック図で示す。スクラップ剪断100段階の後に、主材料流束b1から非磁性材料103を分離する(矢印b2)ことによる、剪断された材料の磁気分離101が続く。磁性材料105は、その化学組成に関して分析され続ける(107)。検出されたデータは制御ユニット109に達し(矢印v)、この制御ユニットが、分析された材料がそれぞれの分画に属するかどうかを決定し、主流束方向b1に沿って供給された輸送手段111に対し、材料を、異なる分画F1、F2、F3、F4に対応する異なるパイルに送る(bz)よう命令する。これに関して、回転可能なコンベアベルト(図1に示す)又はデュアルトラックマルチコンベアベルト(図2に示す)又は図3に示すスイベルシュート又は他の等価の手段が有用であるといえる。当業者は、材料を放出し、分離するための他の解決手段を見いだすことができるであろう。
【0100】
図6は、本発明によるスクラップ分類プラントのもう一つの詳細な実施形態を側面図で示す。剪断機及び磁気ドラム、特に永久磁石を有する磁気ドラム(図示せず)がラジアルコンベヤ226の上流側に配設されている。ラジアルコンベヤ226は、鉄系材料を、分析装置228に運ぶ、又は周辺区域のパイルNFの中に降ろす。鉄系材料は、傾斜ラジアルコンベヤ226から(分析装置の方向に)第一の水平振動フィーダ240の上に落ち、そこから第二の水平振動フィーダ242の上に落ち、それが材料の高さをさらに減らし、その分散を均一化する。その後に、水平に配設されたコンベヤ244が続き、このコンベヤが、材料を、材料の組成をオンラインで決定する二つの分析装置228を備えたさらなる水平コンベヤ246に運ぶ。システム245が、嵩のある部品をブロックするため、及び/又は計量のために、コンベヤ246の始端に配設されている。分析装置228の通過後、分析された材料はコンベヤ248の上に落ち、この高速コンベヤが、重力によって高速で材料をスイベルシュート250の上に降ろすと、このスイベルシュートが、分析装置制御装置228から受信した値に基づいて、特定の金属、特に銅の目標濃度レベルにしたがって分別された材料を異なるパイルF1、F2に注ぎ入れる。
【0101】
図3及び6に示す実施形態のコンベア及びフィーダの長さは、例示的な形態においては以下の範囲である。ラジアルコンベヤの場合、14~18mであり;第一の振動フィーダの場合、4~6mであり;第二の振動フィーダの場合、2~4mであり;分析装置を備えたコンベア(それ自体、長さ10~30m)に接続するコンベアの場合、5~7mであり;高速コンベアの場合、16~22mであり;スイベルシュートの場合、6~8mである。
【0102】
実行段階において、本発明の目的を逸脱することなく、本発明に包含されるスクラップ分類のためのプラント及び方法に部品が追加されてもよいし、記載されていないさらなる修飾又は変更がスクラップ分類のためのプラント及び方法に加えられてもよい。そのような修飾又はそのような変更が以下の特許請求の範囲に入るならば、それらはすべて本特許の下で保護されるとみなされるべきである。実際、使用される材料ならびに寸法、数及び形状は、具体的な用途と適合性である限り、かつ別段の指定がない限り、要件に応じて異なることができる。具体的な例を参照しながら本発明を説明したが、当業者は、特許請求の範囲に記載された特徴を有し、ひいては、すべて特許請求の範囲に規定される保護の範囲に入る、他の等価形態の分析プラント及び方法を数多く創出することができるであろう。
【0103】
本発明は、化学組成に関する特定の基準によって分離された分画を得て、それにより、とりわけ、溶解炉バスケットのために用意された、特に銅含有量に関して最適化され、標的化された(それが、銅含有量が低いより大きな部分を識別することを可能にする)スクラップ混合物の生産を可能にするような、剪断機を出るスクラップを分類するための効果的なプラント及び方法を提案する目的を達成した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】