(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】フレグランス送達組成物
(51)【国際特許分類】
C11B 9/00 20060101AFI20240206BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20240206BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20240206BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
C11B9/00 G
C11B9/00 U
A61K8/60
A61Q13/00 102
A61K8/49
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549048
(86)(22)【出願日】2022-02-09
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 EP2022053180
(87)【国際公開番号】W WO2022171707
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519067297
【氏名又は名称】タミンコ・ビー・ヴイ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100168066
【氏名又は名称】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】アファロ,フェデリコ
(72)【発明者】
【氏名】ファン・デル・ブールグ,ステファン
【テーマコード(参考)】
4C083
4H059
【Fターム(参考)】
4C083AC102
4C083AC152
4C083AC342
4C083AC841
4C083AC842
4C083AD211
4C083AD212
4C083KK03
4H059BA12
4H059BA15
4H059BA35
4H059BB06
4H059BB14
4H059BB15
4H059BB19
4H059BB22
4H059BB44
4H059BB45
4H059BC10
4H059CA92
4H059DA09
4H059EA35
(57)【要約】
パーソナルケアおよびホームケア配合物における使用に好適なフレグランス送達組成物であって、一般式(I
F)による少なくとも1つのフレグランス定着剤、式(II
A)-(II
H)のフレグランス補助定着剤のうちから選択される少なくとも1つのフレグランス補助定着剤、および少なくとも1つのフレグランス成分を含み、前記フレグランス成分が、補助定着剤と異なる、組成物。一般式(Ip)では、R
3~R
10のそれぞれは、COR
1であり、各R
1は、独立して、メチルまたはイソプロピルであり、但し、少なくとも1つのR
1がイソプロピルであることを条件とする。特に、定着剤は、イソ酪酸酢酸スクロースであり、補助定着剤は、γ-デルタラクトン(y-deltalactone)およびクマリンである。組成物は、向上したフレグランス寿命を所有し、それにより長時間にわたりフレグランス放出が延長される。本発明は、組成物を製造するための方法、組成物および希釈剤を含む希釈組成物、組成物または希釈組成物を含むパーソナルおよびホームケア配合物、ならびにパーソナルおよびホームケア配合物を製造するための組成物または希釈組成物の使用にさらに関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレグランス送達組成物[以下組成物(F)]であって、組成物(F)の合計重量に対して:
a)10.00から70.00重量パーセント[以下wt.%]の少なくとも1つのフレグランス定着剤[以下定着剤(Fix)]を含み、前記定着剤(Fix)が、一般式(I
F)を有し、
【化1】
(式中、
- R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
10のそれぞれは、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現においてCOR
1であり、R
1のそれぞれが、独立して、メチルまたはイソプロピルから選択され、
但し、少なくとも1つのR
1がイソプロピルであることを条件とする。)
b)2.50から50.00wt.%の少なくとも1つのフレグランス補助定着剤[以下補助定着剤(c-F)]を含み、前記補助定着剤(c-F)が、式(II
A)[以下分類(I)の補助定着剤(c-F)]、式(II
B)[以下分類(II)の補助定着剤(c-F)]、式(II
c)[以下分類(III)の補助定着剤(c-F)]、式(II
D)[以下分類(IV)の補助定着剤(c-F)]、式(II
E)[以下分類(V)の補助定着剤(c-F)]、式(II
F)[以下分類(VI)の補助定着剤(c-F)]、式(II
G)[以下分類(VII)の補助定着剤(c-F)]または式(II
H)[以下分類(VIII)の補助定着剤(c-F)]の補助定着剤のうちから選択される補助定着剤であり、
【化2】
(式中、ダッシュ結合は、任意選択の二重結合を表し、但し、式(II
A)に二重結合が存在する場合、R
16が存在しないことを条件とし;式(II
B)における縮合5員ラクトン環に二重結合が存在する場合、R
19が存在しないことを条件とし、
- mおよびnのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12から選択される整数であり、
- R
11、R
12、R
31およびR
32のそれぞれは、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現において、独立して、水素、C
1~8アルキル、C
2~8アルケニルまたはOHから選択され、R
11およびR
12が、一緒に=Oを形成し得て、
- R
13、R
15、R
16、R
18、R
19、R
20、R
21、R
22、R
24、R
26、R
27、R
29、R
30、R
33、R
35、R
36、R
37、R
38およびR
39のそれぞれは、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現において、独立して、水素またはメチルから選択され、R
15およびR
19が、=CH
2を一緒に形成し得、但し、式(II
B)の縮合5員ラクトン環に二重結合が存在しないことを条件とし;R
37およびR
38が、C
3シクロアルキルを一緒に形成し得、但し、式(II
H)の縮合6員ラクトン環に二重結合が存在しないことを条件とし、
- R
14およびR
34のそれぞれが、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現において、独立して、水素、C
1~8アルキルまたはC
2~8アルケニルから選択され、
- R
17のそれぞれが、独立して、水素、メチルまたはOHから選択され、
- R
23およびR
25のそれぞれが、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現において、独立して、水素、C
1~4アルキルまたはC
2~4アルケニルから選択され、
- R
28のそれぞれが、独立して、水素またはC
1~4アルキルから選択される。)
c)少なくとも1.00wt.%の少なくとも1つのフレグランス成分を含み、前記フレグランス成分が、補助定着剤(c-F)と異なる、
組成物(F)。
【請求項2】
定着剤(Fix)が、以下の式(I
F1)を有する、
【化3】
(式中、
- R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
10のそれぞれが、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現においてCOR
1であり、R
1のそれぞれが、独立して、メチルまたはイソプロピルから選択され、但し、少なくとも1つのR
1がイソプロピルであることを条件とする。)
請求項1に記載の組成物(F)。
【請求項3】
定着剤(Fix)が、組成物(F)の合計重量に対して、12.00から65.00wt.%の量、または14.00から60.00wt.%の量、または16.00から55.00wt.%の量、または16.00から50.00wt.%の量、または18.00から45.00wt.%の量、または18.00から40.00wt.%の量、または20.00から35.00wt.%の量、または20.00から30.00wt.%の量で存在する、請求項1または2に記載の組成物(F)。
【請求項4】
補助定着剤(c-F)が、以下の式(II
A1-1)から(II
A1-3)、または(II
A2-1)、または(II
F1-1)から(II
F1-2)、または(II
F2-1)から(II
F2-2)、または(II
F3-1)、または(II
H1)から(II
H2)
【化4】
(式中、
- mおよびnのそれぞれが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12から選択される整数であり、
- R
11およびR
31のそれぞれが、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現において、独立して、水素またはC
2~8アルケニルから選択され、
- R
13、R
15、R
17、R
33、R
35、R
36、R
37、R
38およびR
39のそれぞれが、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現において、独立して、水素またはメチルから選択され、R
37およびR
38が、C
3シクロアルキルを一緒に形成し得、但し、式(II
H)の縮合6員ラクトン環に二重結合が存在しないことを条件とし、
- R
14およびR
34のそれぞれが、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現において、独立して、水素またはC
1~8アルキルから選択される。)
の補助定着剤から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物(F)。
【請求項5】
補助定着剤(c-F)が、以下の式(II
A1-1a)から(II
A1-1p)、または(II
A1-2a)から(II
A1-2e)、または(II
A2-1a)から(II
A2-1b)、または(II
F1-1a)から(II
F1-1j)、または(II
F1-2a)から(II
F1-2b)、または(II
F2-1a)、または(II
F2-2a)、または(II
F3-1a)から(II
F3-1b)、または(II
H1-1)、または(II
H2-1)
【化5-1】
【化5-2】
【化5-3】
の補助定着剤から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物(F)。
【請求項6】
補助定着剤(c-F)が、以下の式(II
A1-1f)または(II
H1-1)
【化6】
の補助定着剤から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物(F)。
【請求項7】
補助定着剤(c-F)が、組成物(F)の合計重量に対して、5.00から45.00wt.%の量、または7.50から40.00wt.%の量、または7.50から35.00wt.%の量、または10.00から30.00wt.%の量、または10.00から25.00wt.%の量、または12.50から20.00wt.%の量で存在する、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物(F)。
【請求項8】
組成物(F)が、一般式(III)による少なくとも1つのアルコールを含み、
【化7】
(式中、
- pのそれぞれが、1から400の範囲の整数であり、
- qのそれぞれが、1、2または3から選択される整数であり、
- R
40のそれぞれが、独立して、水素、メチル、エチルまたはOHから選択され、
- R
41のそれぞれが、独立して、水素、メチルまたはエチルから選択され、
- R
42のそれぞれが、独立して、メチルまたはOHから選択される。)
少なくとも1つのアルコールは、定着剤(Fix)に対する少なくとも1つのアルコールの重量比が少なくとも1から20で存在する、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物(F)。
【請求項9】
定着剤(Fix)に対する一般式(III)による少なくとも1つのアルコールの重量比が、少なくとも1から17、または少なくとも1から14、または少なくとも1から12、または少なくとも1から10、または少なくとも1から7、または少なくとも1から5である、請求項8に記載の組成物(F)。
【請求項10】
一般式(III)による少なくとも1つのアルコールが、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2-メチル-1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、グリセロール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルまたはポリオキシアルキレンコポリマーから選択される、請求項8または9に記載の組成物(F)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物(F)を製造するための方法であって、
- 10.00から70.00wt.%、または12.00から65.00wt.%、または14.00から60.00wt.%、または16.00から55.00wt.%、または16.00から50.00wt.%、または18.00から45.00wt.%、または18.00から40.00wt.%、または20.00から35.00wt.%、または20.00から30.00wt.%の、請求項1から2に定義した定着剤(Fix)、
- 2.50から50.00wt.%、または5.00から45.00wt.%、または7.50から40.00wt.%、または7.50から35.00wt.%、または10.00から30.00wt.%、または10.00から25.00wt.%、または12.50から20.00wt.%の、請求項1および請求項4から6に定義した補助定着剤(c-F)、
- 任意選択の、請求項8に定義した一般式(III)による少なくとも1つのアルコールであり、上で詳述した定着剤(Fix)に対する少なくとも1つのアルコールの重量比が、少なくとも1から20、または少なくとも1から17、または少なくとも1から14、または少なくとも1から12、または少なくとも1から10、または少なくとも1から7、または少なくとも1から5で存在する、少なくとも1つのアルコール、
- 請求項1および請求項4から6に記載した補助定着剤(c-F)と異なる、少なくとも1.00wt.%、または少なくとも5.00wt.%、または少なくとも10.00wt.%、または少なくとも12.50wt.%、または少なくとも15.00wt.%の少なくとも1つのフレグランス成分、
- 任意選択の水
を十分に混和するステップを含み、
すべてのwt.%が、組成物(F)の合計重量に対する、
方法。
【請求項12】
定着剤(Fix)を最初に、以下の式(III
1)によるアルコールの少なくとも一部に、完全にまたはほぼ完全に溶解してから、
【化8】
(式中、
- pのそれぞれが、1、2または3から選択される整数であり、
- qのそれぞれが、1、2または3から選択される整数であり、
- R
40のそれぞれが、独立して、水素、メチル、エチルまたはOHから選択され、
- R
41のそれぞれが、独立して、水素、メチルまたはエチルから選択され、
- R
42のそれぞれが、独立して、メチルまたはOHから選択される。)
補助定着剤(c-F)、補助定着剤(c-F)と異なる少なくとも1つのフレグランス成分および任意選択の水と混合する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物(F)、および希釈剤[以下希釈剤(dil)]を含む、希釈組成物(F)[以下組成物(F
D)]。
【請求項14】
希釈剤(dil)に対する組成物(F)の重量比が、1から10に等しい、もしくは少なくとも1から10、または1から100に等しい、もしくは少なくとも1から100、または1から1000に等しい、もしくは少なくとも1から1000、または1から10000に等しい、もしくは少なくとも1から10000である、請求項13に記載の組成物(F
D)。
【請求項15】
パーソナルおよびホームケア配合物であって、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物(F)、または請求項13もしくは14に記載の組成物(F
D)を、前記パーソナルおよびホームケア配合物の合計重量に対して、0.01wt.%から100.00wt.%、または0.10wt.%から80.00wt.%、または0.20wt.%から60.00wt.%の量で含む、パーソナルおよびホームケア配合物。
【請求項16】
パーソナルおよびホームケア配合物を製造するための、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物(F)、または請求項13もしくは14に記載の組成物(F
D)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルケアおよびホームケア配合物における使用に好適なフレグランス送達組成物であって、向上したフレグランス寿命を所有し、それにより長時間にわたりフレグランス放出が延長される、フレグランス送達組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
フレグランス送達組成物は、とりわけパーソナルケアおよびホームケア配合物における使用に関しては、至る所で見られ、フレグランスは、これらの配合物に総じて心地よい匂いをもたらす。しかし、パーソナルケアおよびホームケア配合物におけるフレグランスの迅速な蒸発の結果として、一般に、フレグランスプロファイルは、使用者の直接的環境において、使用者および他者により知覚されるフレグランス特性およびフレグランス強度に関して、時間につれて急速に低下する。結果として、フレグランス産業において、時間に応じたフレグランスの知覚を延長するための新たな技術を見出す需要は常に存在する。そのような需要は、例えば香料およびデオドラントのケースのように、急速に蒸発する傾向がある揮発性成分が高度に豊富なフレグランス配合物を扱う場合に特に関連する。さらに、この低下が知覚される程度は、多くの消費者製品に存在する有機溶媒、例えばパーソナルケア製品(例えばコロン、ボディスプラッシュなど)における多量のエタノールの迅速な蒸発により、さらに高まる。したがって、初期のフレグランス特性の大部分を長期間にわたって保つフレグランス送達組成物を有し、それにより、フレグランス特性の改善した寿命を有する前記組成物を得ることが望ましい。
【0003】
先述の直接的な結果として、長期間にわたるフレグランス強度維持は、商用フレグランス消費者製品に重要であるので、これは、過去数年以上にわたるフレグランス設計のリサーチにおいて、幅広く調査された分野であった。
【0004】
従来技術では、上で言及されている問題を解決するために、本質的にはフレグランスプロファイルをより長持ちさせるために、多くのアプローチおよび様々な材料が記載されている。一般的に、これらの方略は、フレグランス送達組成物の付着を改善する担体および/またはカプセル化材料の使用、特定のフレグランス成分、本質的には(より)低い揮発性を有するフレグランス成分の適正な選択、または例えば無臭フレグランス定着剤もしくはフレグランス調節剤を使用することによるフレグランス成分の放出速度のコントロールに集中している。
【0005】
フレグランス定着剤は、フレグランス全体の放出遅延を増大させ、個々のフレグランス成分の蒸発を遅くし、かつ調和させ、その結果、フレグランス全体が長時間にわたり放出される一方、フレグランスは、理想的には実質的に変わらずに留まる。公知のフレグランス定着剤の大半の効果は、フレグランス成分の低下した揮発性に基づき、これは、例えば双極子形成、水素架橋結合、吸着効果または共沸混合物の形成での、前記フレグランス成分の蒸気圧の低下による。無臭フレグランス定着剤の使用は公知であり、従来技術に記載されている。フレグランス定着剤は、一方では、フレグランス効率の観点から使用され得、本質的にはフレグランス定着剤が、フレグランス配合物中のフレグランス成分の一部に置き換わって、前記フレグランス配合物のフレグランス性能の全体を維持し、また一方では、フレグランス寿命の観点から使用され得、本質的にはフレグランス定着剤が、フレグランス配合物のトップに添加されながらも、前記フレグランス配合物のフレグランス寿命を延長する。あるフレグランス定着剤は、当業界では、フレグランス寿命を伸ばすこと、またはフレグランス送達組成物中の特定のフレグランス成分を保持することが提案されている。この観点において、フレグランス保持における改善はいずれも、パーソナルケアまたはホームケア配合物の心地よい香りが、消費者の許容性および総合的な(商業的)嗜好性に影響を与えるのに重要な役割を果たすのと同様に、きわめて望ましいと考えられる。
【0006】
例えば、WO2020/058193A1は、改善したフレグランス寿命を達成する、特に、乾燥した洗濯布地からの長時間にわたる延長したフレグランス放出を得るための、水性布地柔軟剤組成物におけるフレグランス定着剤としての、ある炭水化物エステル、例えばスクロース炭水化物エステルの使用について記載している。
【0007】
さらに、JPH0261174AおよびJPH1143863Aは、それぞれ衣類用柔軟仕上げ剤および家庭洗濯用液体布地柔軟剤組成物を開示しており、柔軟仕上げ剤および液体布地柔軟剤組成物のいずれも、様々なフレグランス成分または香料原料の存在下で、スクロース炭水化物エステルとしてスクロースオクタアセテートを含む。
【0008】
イソ酪酸酢酸スクロースが、飲料の増量剤であることは、当業界で公知である。飲料の増量剤は、香味油に添加されて、エマルションの安定性を増加させる。低密度および高密度の増量剤を有する香味油は、全体の油相密度を、水性相の密度近くに上昇させて、重力分離を阻害する。さらに、テルペノイド分子、例えばシトロネラールおよびシトラールにより、イソ酪酸酢酸スクロースと効率的に組み合わせた場合、香味料成分の揮発性の低下が実証されたことが記載されている(Masters of Science Thesis by Kelsey M. Kanyuck, North Carolina State University、abstract of the respective Thesis、58頁;75~76頁の表3.2.および3.3.)。
【0009】
さらに、ラクトンを含有するフレグランス成分または香料原料は、それ自体がフレグランス定着性を所有することが公知である。例えば、γ-デカラクトンおよびクマリンは、文献において、フレグランス定着性について把握されており、クマリンは、干草のようなほろ苦い匂いを有する、最も重要かつ幅広く使用される芳香性化学物質の1つである。しかし、これらのフレグランス成分の大多数はかなり高価であり、それにより必然的にパーソナルおよびホームケア配合物が割高になり、これらのフレグランス成分自体、合成的に生成される場合、市販の基材からスタートする多段階合成を必要とすることが多い。さらに、Health & Consumer Protection Directorate-General of the European Commissionおよびその他多数により行われた研究によれば、クマリンは、消費者において皮膚のアレルギー接触反応を導く可能性があることが頻繁に示された。したがって、国際香粧品香料協会(IFRA)のガイドラインでは、パーソナルおよびホームケア配合物、例えばデオドラント、ハンドクリームおよび香料中におけるクマリンの使用を制限させる誘導実験に基づいた濃度限界が示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の観点のいずれにおいても、フレグランス送達組成物のフレグランス寿命を維持し、特に前記フレグランス送達組成物が長時間にわたり維持されたフレグランス放出の延長を示す一方、よりコスト効率が高く、より環境に配慮し、より有害ではない、改善した前記フレグランス送達組成物の継続した、かつさらなる需要が、依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは今般、驚くべきことに、上で言及されている需要を満たす、改善したフレグランス送達組成物を提供することが可能であることを見出した。
したがって、フレグランス送達組成物[以下組成物(F)]であって、
組成物(F)の合計重量に対して、
a)10.00から70.00重量パーセント[以下wt.%]の少なくとも1つのフレグランス定着剤[以下定着剤(Fix)]を含み、前記定着剤(Fix)は、一般式(IF)を有し、
【0012】
【0013】
(式中、
R3、R4、R8、R6、R7、R8、R9およびR10のそれぞれは、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現においてCOR1であり、R1のそれぞれは、独立して、メチルまたはイソプロピルから選択され、但し、少なくとも1つのR1がイソプロピルであることを条件とする。)
b)2.50から50.00wt.%の少なくとも1つのフレグランス補助定着剤(co-fixative)[以下補助定着剤(c-F)]を含み、前記補助定着剤(c-F)は、式(IIA)[以下分類(I)の補助定着剤(c-F)]、式(IIB)[以下分類(II)の補助定着剤(c-F)]、式(IIc)[以下分類(III)の補助定着剤(c-F)]、式(IID)[以下分類(IV)の補助定着剤(c-F)]、式(IIE)[以下分類(V)の補助定着剤(c-F)]、式(IIF)[以下分類(VI)の補助定着剤(c-F)]、式(IIG)[以下分類(VII)の補助定着剤(c-F)]または式(IIH)[以下分類(VIII)の補助定着剤(c-F)]の補助定着剤のうちから選択される補助定着剤であり
【0014】
【0015】
(式中、ダッシュ結合は、任意選択の二重結合を表し、但し、式(IIA)に二重結合が存在する場合、R16が存在しないことを条件とし;式(IIB)における縮合5員ラクトン環に二重結合が存在する場合、R19が存在しないことを条件とし、
- mおよびnのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12から選択される整数であり、
- R11、R12、R31およびR32のそれぞれは、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現において、独立して、水素、C1~8アルキル、C2~8アルケニルまたはOHから選択され、R11およびR12は、一緒に=Oを形成し得て、
- R13、R15、R16、R18、R19、R20、R21、R22、R24、R26、R27、R29、R30、R33、R35、R36、R37、R38およびR39のそれぞれは、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現において、独立して、水素またはメチルから選択され、R18およびR19は、=CH2を一緒に形成し得、但し、式(IIB)の縮合5員ラクトン環に二重結合が存在しないことを条件とし;R37およびR38は、C3シクロアルキルを一緒に形成し得、但し、式(IIH)の縮合6員ラクトン環に二重結合が存在しないことを条件とし、
- R14およびR34のそれぞれは、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現において、独立して、水素、C1~8アルキルまたはC2~8アルケニルから選択され、
- R17のそれぞれは、独立して、水素、メチルまたはOHから選択され、
- R23およびR25のそれぞれは、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現において、独立して、水素、C1~4アルキルまたはC2~4アルケニルから選択され、
- R28のそれぞれは、独立して、水素またはC1~4アルキルから選択される。)、
c)少なくとも1.00wt.%の少なくとも1つのフレグランス成分を含み、前記フレグランス成分は、補助定着剤(c-F)と異なる、組成物(F)
をここに提供する。
【0016】
別の態様では、本発明は、上で詳述されている組成物(F)を製造するための方法をさらに提供する。
別の態様では、本発明は、上で詳述されている組成物(F)、および希釈剤[以下希釈剤(dil)]を含む希釈組成物(F)[以下組成物(FD)]をさらに提供する。
【0017】
別の態様では、本発明は、上で詳述されている組成物(F)または組成物(FD)を含むパーソナルおよびホームケア配合物をさらに提供する。
別の態様では、本発明は、パーソナルおよびホームケア配合物を製造するための、上で詳述されている組成物(F)または組成物(FD)の使用をさらに提供する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
組成物(F)
本発明の文脈内で、「含む(comprising)」という用語は、以後に列挙されている手段に制限されると解釈されるべきではなく、他の要素またはステップを排除しない。言及される定められた特徴、整数、ステップまたは成分の存在を明記するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップもしくは成分、またはそれらの群の存在または追加を除外しないと解釈される必要がある。したがって、「成分AおよびBを含む組成物」という表現の範囲は、成分AおよびBのみからなる組成物に限定されるべきではない。これは、本発明に関して、組成物の関連性がある成分が、AおよびBのみであることを意味する。したがって、「含む」および「含む(including)」という用語は、より制限的な用語「本質的に~からなる(consisting essentially of)」および「からなる(consisting of)」を包含する。
【0019】
本明細書で使用される「任意選択の」または「任意選択で」という用語は、続いて記載される事象または状況が、発生する可能性がある、または発生しない可能性があること、また、記載は、前記事象または状況が発生する場合、および発生しない場合を含むことを意味する。
【0020】
本発明者らは、驚くべきことに、上で詳述されている少なくとも1つのフレグランス定着剤[以下定着剤(Fix)]を、上で詳述されている少なくとも1つのフレグランス補助定着剤[以下補助定着剤(c-F)]および少なくとも1つのフレグランス成分と組み合わせて使用し、前記フレグランス成分が、上で詳述されている補助定着剤(c-F)と異なることにより、補助定着剤(c-F)が、フレグランス送達組成物[以下組成物(F)]において、定着剤(Fix)に部分的に置き換えられ得、それにより、前記組成物(F)のフレグランス寿命を維持し、ひいてはその性能全体を保持し、特に少なくとも1つのフレグランス成分が長時間にわたり放出される一方、よりコスト効率が高く、より環境に配慮し、より有害ではない、改善した組成物(F)が首尾よく得られることを見出した。さらに、本発明者らは、したがって、実施例で実証されているように、前記組成物(F)が、長時間にわたり、様々なフレグランス成分の維持されたフレグランス放出の延長を示すことを見出した。
【0021】
本発明の文脈内で、「少なくとも1つのフレグランス定着剤[以下定着剤(Fix)]」、「少なくとも1つのフレグランス補助定着剤[以下補助定着剤(c-F)]」および「少なくとも1つのフレグランス成分」という表現は、1つまたは1つ超の定着剤(Fix)、1つまたは1つ超の補助定着剤(c-F)および1つまたは1つ超のフレグランス成分をそれぞれ表すことが意図されている。定着剤(Fix)の混合物、補助定着剤(c-F)の混合物およびフレグランス成分の混合物は、本発明の目的にもそれぞれ使用され得る。
【0022】
以下の文中、「定着剤(Fix)」、「補助定着剤(c-F)」および「フレグランス成分」という表現は、本発明の目的に関して、複数形および単数形の両方で理解され、つまり本発明の組成物(F)は、1つまたは1つ超の定着剤(Fix)、1つまたは1つ超の補助定着剤(c-F)および1つまたは1つ超のフレグランス成分を含み得る。
【0023】
本発明に関連して、「定着剤(Fix)」という用語は、フレグランス全体に対して放出遅延を増大させ、個々のフレグランス成分の蒸発を調和させ、その結果、フレグランスが長時間にわたり放出される一方、フレグランスプロファイルが変わらずに留まる物質を表すことが意図されている。
【0024】
本発明の文脈内で、「10.00から70.00重量パーセント[以下wt.%]の少なくとも1つのフレグランス定着剤[以下定着剤(Fix)]」という表現は、組成物(F)が、1つの定着剤(Fix)のみを含有する場合の定着剤(Fix)の量、または組成物(F)が1つ超の定着剤(Fix)を含有する場合の定着剤(Fix)の量の総計を指す。したがって、1つ超の定着剤(Fix)が存在する場合、これは、組成物(F)の合計重量に対して10.00から70.00wt.%の範囲に及ぶ前記定着剤(Fix)それぞれの量の総計であることが必要であることを意味する。
【0025】
本明細書で使用される「アルキル」および「アルケニル」という用語は、当業界で一般的に理解される最も広い意味を有し、直鎖状、分岐状またはそれらの組合せである部分を含み得る。
【0026】
「アルキル」という用語は、単体で、または組み合わせて、直鎖状または分岐状のアルカンに由来するラジカルを意味し、例えば、CF~Gアルキルは、FからG個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキルラジカルを定義し、例えばC1~4アルキルは、1から4個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキルラジカル、例としてメチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル(イソプロピル)、1-ブチル、2-ブチル、2-メチル-2-プロピル(tert-ブチル)、2-メチル-1-プロピル(イソブチル)を定義する。
【0027】
「アルケニル」という用語は、単体で、または組み合わせて、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する直鎖状または分岐状炭化水素を意味し、例えばCH~Iアルケニルは、HからI個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルケニルラジカルを定義し、例えばC2~4アルケニルは、2から4個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルケニルラジカルを定義する。C2~4アルケニル基の例は、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニルなどを含む。
【0028】
「シクロアルキル」という用語は、単体で、または組み合わせて、環状のアルカンに由来するラジカルを意味し、例えば、CL~Mシクロアルキルは、LからM個の炭素原子を有する環状アルキルラジカルを定義し、例えばC3~6シクロアルキルは、3から6個の炭素原子を有する環状アルキルラジカル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを定義する。
【0029】
本発明によれば、組成物(F)は、定着剤(Fix)を含み、前記定着剤(Fix)は、一般式(IF)を有する。
【0030】
【0031】
(式中、
- R3、R4、R8、R6、R7、R8、R9およびR10のそれぞれは、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現においてCOR1であり、R1のそれぞれは、独立して、メチルまたはイソプロピルから選択され、但し、少なくとも1つのR1がイソプロピルであることを条件とする。)
この理論に束縛されないが、本発明者らは、多数のエステル基が、式(IF)による定着剤(Fix)中のグリコシド結合を保護し得、それにより、上で詳述されているそれぞれの定着剤(Fix)の長期間にわたるより高い安定性が得られると考えている。
【0032】
上で詳述されている定着剤(Fix)は、異なる置換基を含む、上で詳述されている一般式(IF)による定着剤(Fix)の混合物を含み得ることが理解される。具体的には、すぐ上の実施形態で言及されている完全にエステル化された定着剤(Fix)は、上で詳述されている一般式(IF)による定着剤(Fix)の混合物であり得、この混合物は、例えば、8個のイソブチレート基を有する定着剤(Fix)、ならびに、2個のアセテート基および6個のイソブチレート基、また場合により、異なる比のエステル基置換基を有する他の同族体を有する定着剤(Fix)をそれぞれ含む。
【0033】
本発明の一般式(IF)による定着剤(Fix)は、市販であり得る、または化学的に合成され(synthetized)得る。一般に、定着剤(Fix)のアルコール前駆体は、当業界で公知の方法によりエステル化され得る。上で詳述されている一般式(IF)による好適な定着剤(Fix)の前記合成は、例えばとりわけ米国特許第3,096,324号および第6,977,275号明細書に記載されている、当業者に公知の従来の方法を使用して実行され得、それらの内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
上で詳述されている一般式(IF)による定着剤(Fix)は、いくつかのキラル中心を有し、立体化学的異性体形態として存在し得る。本明細書で使用される「立体化学的異性体形態」という用語は、同じ配列の結合により結合した同じ原子から構成されているが、異なる三次元構造を有する、考えられるすべての化合物を定義する。この観点において、別途言及されない限り、または指し示されない限り、上で詳述されている一般式(IF)による定着剤(Fix)におけるキラル中心のそれぞれは、(R)-または(S)-配置を取ることができる。
【0035】
別途言及されない限り、または指し示されない限り、本明細書で指定される式(IF)による定着剤(Fix)の化学名称は、前記化合物が所有し得る、考えられるすべての立体化学的異性体形態の混合物を包含する。前記混合物は、前記化合物の基本的な分子構造のすべてのジアステレオ異性体および/または鏡像異性体を含有し得る。本発明の化合物のすべての立体化学的異性体形態は、純粋な形態の、または互いに混合されたどちらも、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0036】
本明細書で指定される式(IF)による定着剤(Fix)の純粋立体異性体、および本明細書で言及される中間体は、前記化合物の同じ基本的な分子構造の他の鏡像異性体またはジアステレオ異性体形態を実質的に含まない異性体と定義される。特に、「立体異性的に純粋な」という用語は、少なくとも80%の立体異性体過剰率(本質的には最小90%の1つの異性体、および最大10%の他の考えられる異性体)から、100%の立体異性体過剰率(すなわち100%の1つの異性体、また、他のものはない)までを有する化合物または中間体、さらに特には、90%から100%までの立体異性体過剰率を有する、より一層特には、94%から100%までの立体異性体過剰率を有する、最も特には、97%から100%までの立体異性体過剰率を有する化合物または中間体に関わる。「鏡像異性的に純粋」および「ジアステレオ異性的に純粋」という用語は、同様に、しかし、それぞれ当該混合物の鏡像異性体過剰率およびジアステレオ異性体過剰率を考慮すると理解されるべきである。
【0037】
本発明の化合物および中間体の純粋立体異性体は、当業界で公知の適用手順により得られる。例えば、鏡像異性体は、キラル固定相を使用して、クロマトグラフィー技術により分離され得る。前記純粋立体化学的異性体も、適切な出発材料の対応する純粋立体化学的異性体形態に由来し得るが、但し、反応が立体特異的に発生することを条件とする。望ましくは、特定の立体異性体が望ましい場合、前記化合物は、調製の立体特異的方法により合成される。これらの方法は、有利には、鏡像異性的に純粋な出発材料を用いる。
【0038】
本発明による組成物(F)に使用するための、一般式(IF)による好ましい定着剤(Fix)は、式(IF1)[以下定着剤(Fix1)]の定着剤である。
【0039】
【0040】
(式中、
- R3、R4、R8、R6、R7、R8、R9およびR10のそれぞれは、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現においてCOR1であり、R1のそれぞれは、独立して、メチルまたはイソプロピルから選択され、但し、少なくとも1つのR1がイソプロピルであることを条件とする。)
式(IF1)の好適な定着剤(Fix1)の非限定的な例は、スクロースオクトイソブチレート、スクロースヘプタイソブチレートアセテート、スクロースヘキサエイソブチレートジアセテート(sucrose hexaeisobutyrate diacetate)、スクロースペンタイソブチレートトリアセテート、スクローステトライソブチレートテトラアセテート、スクローストリイソブチレートペンタアセテートを含む。
【0041】
本発明による組成物(F)における使用に好適な式(IF1)の市販の定着剤(Fix1)の非制限的な例は、Eastman Chemical Companyから入手できるイソ酪酸酢酸スクロースSAIB-100であり、これは、公知の技術を使用して、スクロースを無水酢酸および無水イソ酪酸と反応させ、続いて、高真空蒸留を使用して大規模に精製することにより調製できる。SAIB-100における酢酸:イソ酪酸エステル基のおおよその比は、2:6である。SAIB-100は、匂いがない。
【0042】
式(IF)による定着剤(Fix)について上に記載されているすべての定義および選好は、この実施形態、および以下に記載されているさらなる実施形態すべてに等しく当てはまることがさらに理解される。
【0043】
上述の通り、上で詳述されている一般式(IF)による定着剤(Fix)の量は、組成物(F)の合計重量に対して10.00から70.00wt.%である。
有利には、上で詳述されている一般式(IF)による定着剤(Fix)の量は、組成物(F)の合計重量に対して、12.00wt.%以上、または14.00wt.%以上、または16.00wt.%以上、または18.00wt.%以上、または20.00wt.%以上である。
【0044】
上で詳述されている一般式(IF)による定着剤(Fix)の量の上限は、組成物(F)の合計重量に対して、65.00wt.%以下、または60.00wt.%以下、または55.00wt.%以下、または50.00wt.%以下、または45.00wt.%以下、または40.00wt.%以下、または35.00wt.%以下、または30.00wt.%以下であることがさらに理解される。
【0045】
本発明の組成物(F)の好ましい実施形態では、上で詳述されている一般式(IF)による定着剤(Fix)は、組成物(F)の合計重量に対して、12.00から65.00wt.%の量、または14.00から60.00wt.%の量、または16.00から55.00wt.%の量、または16.00から50.00wt.%の量、または18.00から45.00wt.%の量、または18.00から40.00wt.%の量、または20.00から35.00wt.%の量、または20.00から30.00wt.%の量で存在する。
【0046】
本発明の文脈内で、「補助定着剤(c-F)」という用語は、上で詳述されている定着剤(Fix)に加えて組成物(F)に添加される物質であって、それにより前記定着剤(Fix)のフレグランス定着性を強化し、その際、様々なフレグランス成分のフレグランス寿命が改善され、その結果、消費者によるフレグランスプロファイルの知覚の改善または延長が達成される物質を表すことが意図されている。
【0047】
上で詳述されている補助定着剤(c-F)は、それ自体がフレグランス定着性を所有することも公知である。しかし、これらの補助定着剤(c-F)の大多数は、かなり高価であり、それにより必然的に高価なパーソナルおよびホームケア配合物が生じ、これらのフレグランス成分自体は、合成的に生成される場合、市販の基材からスタートする多段階合成を必要とすることが多い。さらに、これらの補助定着剤(c-F)のいくつかは、消費者において皮膚のアレルギー接触反応を導く可能性があることさえ示された。したがって、これらのケースでは、パーソナルおよびホームケア配合物における使用は、ある濃度限界に制限される。
【0048】
本発明者らは今般、驚くべきことに、上で詳述されている式(IIA)、式(IIB)、式(IIc)、式(IID)、式(IIE)、式(IIF)、式(IIG)または式(IIH)のラクトン化合物が、前記定着剤(Fix)のフレグランス定着性を強化する性質を所有し、その際、様々なフレグランス成分のフレグランス寿命が改善され、その結果、消費者によるフレグランスプロファイルの知覚の改善または延長が達成されることを見出した。
【0049】
本発明者らは、驚くべきことに、ラクトンを含有する化合物であり、上で詳述されている式(IIA)、式(IIB)、式(IIc)、式(IID)、式(IIE)、式(IIF)、式(IIG)または式(IIH)の補助定着剤である補助定着剤(c-F)が、組成物(F)において、上で詳述されている定着剤(Fix)で部分的に置き換えられ得、前記定着剤(Fix)は最初に、消費者により知覚されるフレグランスプロファイルの特性にそれ自体加わらず、次にそれにより、前記組成物(F)のフレグランス寿命を維持し、ひいては組成物(F)の性能全体を保持する一方、よりコスト効率が高く、より環境に配慮し、より有害ではない、改善した組成物(F)が首尾よく得られることも見出した。特に前記組成物(F)内に含まれる少なくとも1つのフレグランス成分が長時間にわたり放出され、その結果、消費者によるフレグランスプロファイルの維持された知覚の延長が達成される。
【0050】
本発明によれば、組成物(F)は、補助定着剤(c-F)をさらに含み、前記補助定着剤(c-F)は、式(IIA)[以下分類(I)の補助定着剤(c-F)]、式(IIB)[以下分類(II)の補助定着剤(c-F)]、式(IIc)[以下分類(III)の補助定着剤(c-F)]、式(IID)[以下分類(IV)の補助定着剤(c-F)]、式(IIE)[以下分類(V)の補助定着剤(c-F)]、式(IIF)[以下分類(VI)の補助定着剤(c-F)]、式(IIG)[以下分類(VII)の補助定着剤(c-F)]または式(IIH)[以下分類(VIII)の補助定着剤(c-F)]の補助定着剤のうちから選択される補助定着剤である。
【0051】
【0052】
(式中、
ダッシュ結合は、任意選択の二重結合を表し、但し、式(IIA)に二重結合が存在する場合、R16が存在しないことを条件とし;式(IIB)における縮合5員ラクトン環に二重結合が存在する場合、R19が存在しないことを条件とし、
- mおよびnのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12から選択される整数であり、
- R11、R12、R31およびR32のそれぞれは、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現において、独立して、水素、C1~8アルキル、C2~8アルケニルまたはOHから選択され、R11およびR12は、一緒に=Oを形成し得て、
- R13、R15、R16、R18、R19、R20、R21、R22、R24、R26、R27、R29、R30、R33、R35、R36、R37、R38およびR39のそれぞれは、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現において、独立して、水素またはメチルから選択され、R18およびR19は、=CH2を一緒に形成し得、但し、式(IIB)の縮合5員ラクトン環に二重結合が存在しないことを条件とし、R37およびR38は、C3シクロアルキルを一緒に形成し得、但し、式(IIH)の縮合6員ラクトン環に二重結合が存在しないことを条件とし、
- R14およびR34のそれぞれは、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現において、独立して、水素、C1~8アルキルまたはC2~8アルケニルから選択され、
- R17のそれぞれは、独立して、水素、メチルまたはOHから選択され、
- R23およびR25のそれぞれは、互いに等しく、または異なって、それぞれの出現において、独立して、水素、C1~4アルキルまたはC2~4アルケニルから選択され、
- R28のそれぞれは、独立して、水素またはC1~4アルキルから選択される。)
本発明の一実施形態によれば、補助定着剤(c-F)は、式(IIA)の補助定着剤(c-F)[以下分類(I)の補助定着剤(c-F)]であり、式(IIA)の前記補助定着剤(c-F)は、式(IIA1)の補助定着剤[以下分類(I1)の補助定着剤(c-F)]または式(IIA2)の補助定着剤[以下分類(I2)の補助定着剤(c-F)]のうちから選択される補助定着剤(c-F)である。
【0053】
【0054】
(式中、m、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17は、式(IIA)について上で定義されているものと同じ意味を有する。)
本発明の好ましい実施形態によれば、分類(I1)の補助定着剤(c-F)は、式(IIA1-1)の補助定着剤(c-F)[以下分類(I1-1)の補助定着剤(c-F)]である。
【0055】
【0056】
(式中、
- mのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12から選択される整数であり、
- R13のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択され、
- R14のそれぞれは、独立して、水素またはC1~8アルキルから選択され、
- R15のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択される。)
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、mのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10から選択される整数であり、またはmのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7もしくは8から選択される整数であり、またはmのそれぞれは、0、1、2、3、4、5もしくは6から選択される整数であり、またはmのそれぞれは、1、2、3、4、5もしくは6から選択される整数である。望ましくは、mのそれぞれは、2、3、4、5または6から選択される整数であり、より望ましくは、mのそれぞれは、3、4、5または6から選択される整数である。
【0057】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R13のそれぞれは、メチルである。
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R14のそれぞれは、独立して、水素もしくはC1~6アルキルから選択され、またはR14のそれぞれは、独立して、水素もしくはC1~4アルキルから選択され、またはR14のそれぞれは、独立して、水素、メチル、エチル、プロピルもしくはイソプロピルから選択され、またはR14のそれぞれは、独立して、水素、メチルもしくはエチルから選択される。望ましくは、R14のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択され、より望ましくは、R14のそれぞれは水素である。
【0058】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R15のそれぞれは水素である。
分類(I1-1)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIA1-1a)から(IIA1-1p)の補助定着剤から選択される。
【0059】
【0060】
【0061】
分類(I1-1)の最も好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIA1-1f)の補助定着剤である。
【0062】
【0063】
本発明の一実施形態によれば、分類(I1)の補助定着剤(c-F)は、式(IIA1-2)の補助定着剤(c-F)[以下分類(I1-2)の補助定着剤(c-F)]である。
【0064】
【0065】
(式中、
- mのそれぞれは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12から選択される整数であり、
- R11のそれぞれは、独立して、水素またはC2~8アルケニルから選択され、
- R14のそれぞれは、独立して、水素またはC1~8アルキルから選択され、
- R15のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択される。)
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、mのそれぞれは、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10から選択される整数であり、またはmのそれぞれは、1、2、3、4、5、6、7もしくは8から選択される整数であり、またはmのそれぞれは、1、2、3、4、5もしくは6から選択される整数であり、またはmのそれぞれは、1、2、3、4もしくは5から選択される整数であり、またはmのそれぞれは、1、2、3もしくは4から選択される整数であり、またはmのそれぞれは、1、2または3から選択される整数である。望ましくは、mのそれぞれは、1または2から選択される整数である。
【0066】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R11のそれぞれは、独立して、水素もしくはC2~7アルケニルから選択され、またはR11のそれぞれは、独立して、水素もしくはC2~6アルケニルから選択される。望ましくは、R11のそれぞれは、独立して、水素またはC2~4アルケニルから選択される。
【0067】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R14のそれぞれは、独立して、水素もしくはC1~6アルキルから選択され、またはR14のそれぞれは、独立して、水素もしくはC1~4アルキルから選択され、またはR14のそれぞれは、独立して、水素、メチル、エチル、プロピルもしくはイソプロピルから選択され、またはR14のそれぞれは、独立して、水素、メチルまたはエチルから選択される。望ましくは、R14のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択される。
【0068】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R15のそれぞれは水素である。
分類(I1-2)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIA1-2a)から(IIA1-2e)の補助定着剤から選択される。
【0069】
【0070】
本発明の一実施形態によれば、分類(I1)の補助定着剤(c-F)は、式(IIA1-3)の補助定着剤(c-F)[以下分類(I1-3)の補助定着剤(c-F)]である。
【0071】
【0072】
(式中、
R14のそれぞれは、C2~8アルケニルであり、
R15のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択される。)
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R14のそれぞれは、C2~7アルケニルであり、またはR14のそれぞれは、C2~6アルケニルであり、またはR14のそれぞれは、C2~5アルケニルである。望ましくは、R14のそれぞれは、C2~4アルケニルである。
【0073】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R15のそれぞれは水素である。
分類(I1-3)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIA1-3a)から(IIA1-3b)の補助定着剤から選択される。
【0074】
【0075】
本発明の一実施形態によれば、分類(I1)の補助定着剤(c-F)は、式(IIA1-4)の補助定着剤(c-F)[以下分類(I1-4)の補助定着剤(c-F)]である。
【0076】
【0077】
(式中、
- mのそれぞれは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12から選択される整数であり、
- R11のそれぞれは、独立して、水素またはOHから選択され、
- R12のそれぞれはHであり、
R11およびR12は、一緒に=Oを形成する。)
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、mのそれぞれは、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10から選択され、またはmのそれぞれは、1、2、3、4、5、6、7もしくは8から選択され、またはmのそれぞれは、1、2、3、4、5もしくは6から選択され、またはmのそれぞれは、1、2、3もしくは4から選択される。望ましくは、mのそれぞれは、1または2から選択され、より望ましくは、mのそれぞれは1である。
【0078】
分類(I1-4)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIA1-4a)から(IIA1-4b)の補助定着剤から選択される。
【0079】
【0080】
本発明の一実施形態によれば、分類(I1)の補助定着剤(c-F)は、式(IIA1-5)の補助定着剤(c-F)[以下分類(I1-5)の補助定着剤(c-F)]である。
【0081】
【0082】
(式中、
- R14のそれぞれは、独立して、水素、C1~8アルキルから選択され、
- R15のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択され、
- R16のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択される。)
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R14のそれぞれは、独立して、水素、C1~6アルキルから選択され、またはR14のそれぞれは、独立して、水素、C1~4アルキルから選択され、またはR14のそれぞれは、独立して、水素、メチル、エチル、プロピルもしくはイソプロピルから選択され、またはR14のそれぞれは、独立して、水素、メチルもしくはエチルから選択される。望ましくは、R14のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択され、より望ましくは、R14のそれぞれは水素である。
【0083】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R15のそれぞれはメチルである。
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R16のそれぞれはメチルである。
【0084】
分類(I1-5)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIA1-5a)の補助定着剤である。
【0085】
【0086】
本発明の一実施形態によれば、分類(I2)の補助定着剤(c-F)は、式(IIA2-1)の補助定着剤(c-F)[以下分類(I2-1)の補助定着剤(c-F)]である。
【0087】
【0088】
(式中、
- mのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12から選択される整数であり、
- R13のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択され、
- R15のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択され、
- R17のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択される。)
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、mのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10から選択される整数であり、またはmのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7もしくは8から選択される整数であり、またはmのそれぞれは、0、1、2、3、4、5もしくは6から選択される整数であり、またはmのそれぞれは、1、2、3、4、5もしくは6から選択される整数である。望ましくは、mのそれぞれは、2、3、4、5または6から選択される整数であり、より望ましくは、mのそれぞれは、3、4、5または6から選択される整数である。
【0089】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R13のそれぞれはメチルである。
分類(I2-1)の好ましい補助定着剤(c-F)は、式(IIA2-1a)から(IIA2-1b)の補助定着剤から選択される。
【0090】
【0091】
本発明の一実施形態によれば、分類(I2)の補助定着剤(c-F)は、式(IIA2-2)の補助定着剤(c-F)[以下分類(I2-2)の補助定着剤(c-F)]である。
【0092】
【0093】
(式中、
- mのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12から選択される整数であり、
- R13のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択され、
- R15のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択される。)
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、mのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10から選択される整数であり、またはmのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7もしくは8から選択される整数であり、またはmのそれぞれは、0、1、2、3、4、5もしくは6から選択される整数であり、またはmのそれぞれは、0、1、2、3もしくは4から選択される整数であり、またはmのそれぞれは、0、1または2から選択される整数である。望ましくは、mのそれぞれは、0または1から選択される整数である。
【0094】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R13のそれぞれはメチルである。
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R15のそれぞれはメチルである。
【0095】
分類(I2-2)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIA2-2a)から(IIA2-2b)の補助定着剤から選択される。
【0096】
【0097】
本発明の一実施形態によれば、補助定着剤(c-F)は、式(IIB)の補助定着剤(c-F)[以下分類(II)の補助定着剤(c-F)]であり、式(IIB)の前記補助定着剤(c-F)は、式(IIB1)の補助定着剤[以下分類(II1)の補助定着剤(c-F)]、式(IIB2)の補助定着剤[以下分類(II2)の補助定着剤(c-F)]または式(IIB3)の補助定着剤[以下分類(II3)の補助定着剤(c-F)]のうちから選択される補助定着剤(c-F)である。
【0098】
【0099】
(式中、R18、R19、R20、R21、R22およびR23は、式(IIB)について上で定義されているものと同じ意味を有する。)
分類(II1)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIB1-1)から(IIB1-3)の補助定着剤から選択される。
【0100】
【0101】
分類(II2)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIB2-1)の補助定着剤である。
【0102】
【0103】
分類(II3)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIB3-1)から(IIB3-2)の補助定着剤から選択される。
【0104】
【0105】
本発明の一実施形態によれば、補助定着剤(c-F)は、式(IIc)の補助定着剤(c-F)[以下分類(III)の補助定着剤(c-F)]である。
【0106】
【0107】
(式中、R24およびR25は、上で定義されている通りである。)
分類(III)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIC-1)の補助定着剤である。
【0108】
【0109】
本発明の一実施形態によれば、補助定着剤(c-F)は、式(IID)の補助定着剤(c-F)[以下分類(IV)の補助定着剤(c-F)]である。
【0110】
【0111】
(式中、R26およびR27は、上で定義されている通りである。)
分類(IV)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IID-1)の補助定着剤である。
【0112】
【0113】
本発明の一実施形態によれば、補助定着剤(c-F)は、式(IIE)の補助定着剤(c-F)[以下分類(V)の補助定着剤(c-F)]であり、式(IIE)の前記補助定着剤(c-F)は、式(IIE1)の補助定着剤[以下分類(V1)の補助定着剤(c-F)]または式(IIE2)の補助定着剤[以下分類(V2)の補助定着剤(c-F)]のうちから選択される補助定着剤(c-F)である。
【0114】
【0115】
(式中、R28、R29およびR30は、式(IIE)について上で定義されているものと同じ意味を有する。)
分類(V1)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIE1-1)から(IIE1-4)の補助定着剤から選択される。
【0116】
【0117】
分類(V2)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIE2-1)の補助定着剤である。
【0118】
【0119】
本発明の一実施形態によれば、補助定着剤(c-F)は、式(IIF)の補助定着剤(c-F)[以下分類(VI)の補助定着剤(c-F)]であり、式(IIF)の前記補助定着剤(c-F)は、式(IIF1)の補助定着剤[以下分類(VI1)の補助定着剤(c-F)]、式(IIF2)の補助定着剤[以下分類(VI2)の補助定着剤(c-F)]または式(IIF3)の補助定着剤[以下分類(VI3)の補助定着剤(c-F)]のうちから選択される補助定着剤(c-F)である。
【0120】
【0121】
(式中、n、R31、R32、R33、R34、R35およびR36は、式(IIF)について上で定義されているものと同じ意味を有する。)
本発明の一実施形態によれば、分類(VI1)の補助定着剤(c-F)は、式(IIF1-1)の補助定着剤(c-F)[以下分類(VI1-1)の補助定着剤(c-F)]である。
【0122】
【0123】
(式中、
- nのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12から選択される整数であり、
- R33のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択され、
- R34のそれぞれは、独立して、水素またはC1~8アルキルから選択され、
- R36のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択される。)
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、nのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7もしくは8から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、0、1、2、3、4、5もしくは6から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、1、2、3、4、5もしくは6から選択される整数である。望ましくは、nのそれぞれは、2、3、4、5または6から選択される整数であり、より望ましくは、nのそれぞれは、3、4、5または6から選択される整数である。
【0124】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R33のそれぞれはメチルである。
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R34のそれぞれは、独立して、水素もしくはC1~6アルキルから選択され、またはR34のそれぞれは、独立して、水素もしくはC1~4アルキルから選択され、またはR34のそれぞれは、独立して、水素、メチル、エチル、プロピルもしくはイソプロピルから選択され、またはR34のそれぞれは、独立して、水素、メチルもしくはエチルから選択される。望ましくは、R34のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択され、より望ましくは、R34のそれぞれは水素である。
【0125】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R36のそれぞれは水素である。
分類(VI1-1)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIF1-1a)から(IIF1-1j)の補助定着剤から選択される。
【0126】
【0127】
本発明の一実施形態によれば、分類(VI1)の補助定着剤(c-F)は、式(IIF1-2)の補助定着剤(c-F)[以下分類(VI1-2)の補助定着剤(c-F)]である。
【0128】
【0129】
(式中、
- nのそれぞれは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12から選択される整数であり、
- R31のそれぞれは、独立して、水素またはC2~8アルケニルから選択され、
- R34のそれぞれは、独立して、水素またはC1~8アルキルから選択される。)
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、nのそれぞれは、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、1、2、3、4、5、6、7もしくは8から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、1、2、3、4、5もしくは6から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、1、2、3、4もしくは5から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、1、2、3もしくは4から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、1、2もしくは3から選択される整数である。望ましくは、nのそれぞれは、1または2から選択される整数である。
【0130】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R11のそれぞれは、独立して、水素もしくはC2~7アルケニルから選択され、またはR31のそれぞれは、独立して、水素もしくはC2~6アルケニルから選択される。望ましくは、R31のそれぞれは、独立して、水素もしくはC2~4アルケニルから選択される。
【0131】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R34のそれぞれは、独立して、水素もしくはC1~6アルキルから選択され、またはR34のそれぞれは、独立して、水素もしくはC1~4アルキルから選択され、またはR34のそれぞれは、独立して、水素、メチル、エチル、プロピルもしくはイソプロピルから選択され、またはR34のそれぞれは、独立して、水素、メチルもしくはエチルから選択される。望ましくは、R34のそれぞれは、独立して、水素もしくはメチルから選択され、より望ましくは、R34のそれぞれは水素である。
【0132】
分類(VI1-2)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIF1-2a)から(IIF1-2b)の補助定着剤から選択される。
【0133】
【0134】
本発明の一実施形態によれば、分類(VI2)の補助定着剤(c-F)は、式(IIF2-1)の補助定着剤(c-F)[以下分類(VI2-1)の補助定着剤(c-F)]である。
【0135】
【0136】
(式中、
- nのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12から選択される整数であり、
- R33のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択される。)
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、nのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7もしくは8から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、0、1、2、3、4、5もしくは6から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、1、2、3、4、5もしくは6から選択される整数である。望ましくは、nのそれぞれは、2、3、4、5または6から選択される整数であり、より望ましくは、nのそれぞれは、3、4、5または6から選択される整数である。
【0137】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R33のそれぞれはメチルである。
分類(VI2-1)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIF2-1a)の補助定着剤である。
【0138】
【0139】
本発明の一実施形態によれば、分類(VI2)の補助定着剤(c-F)は、式(IIF2-2)の補助定着剤(c-F)[以下分類(VI2-2)の補助定着剤(c-F)]である。
【0140】
【0141】
(式中、
- nのそれぞれは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12から選択される整数であり、
- R31のそれぞれは、独立して、水素またはC2~8アルケニルから選択される。)
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、nのそれぞれは、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、1、2、3、4、5、6、7もしくは8から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、1、2、3、4、5もしくは6から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、1、2、3、4もしくは5から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、1、2、3もしくは4から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、1、2もしくは3から選択される整数である。望ましくは、nのそれぞれは、1または2から選択される整数である。
【0142】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R11のそれぞれは、独立して、水素もしくはC2~7アルケニルから選択され、またはR31のそれぞれは、独立して、水素もしくはC2~6アルケニルから選択される。望ましくは、R31のそれぞれは、独立して、水素もしくはC2~4アルケニルから選択される。
【0143】
分類(VI2-2)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIF2-2a)の補助定着剤である。
【0144】
【0145】
本発明の一実施形態によれば、分類(VI3)の補助定着剤(c-F)は、式(IIF3-1)の補助定着剤(c-F)[以下分類(VI3-1)の補助定着剤(c-F)]である。
【0146】
【0147】
(式中、
- nのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12から選択される整数であり、
- R33のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択され、
- R35のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択される。)
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、nのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、0、1、2、3、4、5、6、7もしくは8から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、0、1、2、3、4、5もしくは6から選択される整数であり、またはnのそれぞれは、0、1、2、3、4もしくは5から選択される整数である。望ましくは、nのそれぞれは、0、1、2、3または4から選択される整数である。
【0148】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R33のそれぞれはメチルである。
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R35のそれぞれは水素である。
【0149】
分類(VI3-1)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIF3-1a)から(IIF3-1b)の補助定着剤から選択される。
【0150】
【0151】
本発明の一実施形態によれば、補助定着剤(c-F)は、式(IIG)の補助定着剤(c-F)[以下分類(VII)の補助定着剤(c-F)]である。
【0152】
【0153】
本発明の一実施形態によれば、補助定着剤(c-F)は、式(IIH)の補助定着剤(c-F)[以下分類(VIII)の補助定着剤(c-F)]であり、式(IIH)の前記補助定着剤(c-F)は、式(IIH1)の補助定着剤[以下分類(VIII1)の補助定着剤(c-F)]または式(IIH2)の補助定着剤[以下分類(VIII2)の補助定着剤(c-F)]のうちから選択される補助定着剤(c-F)である。
【0154】
【0155】
(式中、R37、R38およびR39は、式(IIH)について上で定義されているものと同じ意味を有する。)
分類(VIII1)の最も好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIH1-1)の補助定着剤である。
【0156】
【0157】
分類(VIII2)の好ましい補助定着剤(c-F)は、以下の本明細書の式(IIH2-1)の補助定着剤である。
【0158】
【0159】
本明細書で指定される式(IIA)から式(IIH)の補助定着剤のうちから選択される補助定着剤(c-F)、または上で詳述されている補助定着剤(c-F)の下位群のいずれかの化合物は、少なくとも1つのキラル中心を有し得、立体化学的異性体形態として存在し得る。本明細書で使用される「立体化学的異性体形態」という用語は、同じ配列の結合により結合した同じ原子から構成されているが、異なる三次元構造を有する、考えられるすべての化合物を定義する。この観点において、別途言及されない限り、または指し示されない限り、上で詳述されている式(IIA)から式(IIH)の補助定着剤のうちから選択される補助定着剤(c-F)におけるキラル中心のそれぞれ、または、上で詳述されている補助定着剤(c-F)の下位群のいずれかの化合物は、(R)-または(S)-配置を取ることができる。
【0160】
別途言及されない限り、または指し示されない限り、本明細書で指定される式(IIA)から式(IIH)の補助定着剤のうちから選択される補助定着剤(c-F)、または、上で詳述されている補助定着剤(c-F)の下位群のいずれかの化合物の化学名称は、前記化合物が所有し得る、考えられるすべての立体化学的異性体形態の混合物を包含する。前記混合物は、前記化合物の基本的な分子構造のすべてのジアステレオ異性体および/または鏡像異性体を含有し得る。本発明の化合物のすべての立体化学的異性体形態は、純粋な形態の、または互いに混合されたどちらも、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0161】
本明細書で指定される式(IIA)から式(IIH)の補助定着剤のうちから選択される補助定着剤(c-F)の純粋立体異性体、または、上で詳述されている補助定着剤(c-F)の下位群のいずれかの化合物、および本明細書で言及される中間体は、前記化合物の、同じ基本的な分子構造の他の鏡像異性体またはジアステレオ異性体形態を実質的に含まない異性体と定義される。特に、「立体異性的に純粋な」という用語は、少なくとも80%(本質的には最小90%の1つの異性体、および最大10%の他の考えられる異性体)の立体異性体過剰率から、100%(すなわち100%の1つの異性体、また、他のものはない)までの立体異性体過剰率を有する化合物または中間体、さらには、90%から100%までの立体異性体過剰率を有する、とりわけ、94%から100%までの立体異性体過剰率を有する、殊更、97%から100%までの立体異性体過剰率を有する化合物または中間体に関わる。「鏡像異性的に純粋」および「ジアステレオ異性体的に純粋」という用語は、同様ではあるが、それぞれ当該混合物の鏡像異性体過剰率およびジアステレオ異性体過剰率を考慮していると理解されるべきである。
【0162】
一般に、式(IIA)から式(IIH)の補助定着剤のうちから選択される補助定着剤(c-F)は、ラクトンを製造するための当業界で公知のいずれかの方法により調製され得る。当業界で周知のそのような方法の非限定的な例は、ヒドロキシカルボン酸の分子内エステル化、山口エステル化、バイヤー-ビリガー酸化、アルケンと無水物の金属触媒環化付加反応、非活性化C(sp3)-H結合のC-H官能基化、第一級脂肪族アルコールのアクリル酸へのラジカル添加などである。
【0163】
補助定着剤(c-F)について上で記載されているすべての定義および選好は、この実施形態、および以下に記載されているさらなる実施形態すべてに等しく当てはまることがさらに理解される。
【0164】
上述の通り、上で詳述されている式(IIA)から式(IIH)の補助定着剤のうちから選択される補助定着剤(c-F)の量は、組成物(F)の合計重量に対して、2.50から50.00wt.%である。
【0165】
本発明の文脈内で、2.50から50.00重量パーセント[以下wt.%]の少なくとも1つのフレグランス補助定着剤[以下補助定着剤(c-F)]」という表現は、組成物(F)が1つのみの補助定着剤(c-F)を含有する場合、補助定着剤(c-F)の量を指し、または、組成物(F)が1つ超の補助定着剤(c-F)を含有する場合、補助定着剤(c-F)の総量を指す。したがって、1つ超の補助定着剤(c-F)が存在する場合、これは、組成物(F)の合計重量(total eight)に対して2.50から50.00wt.%の範囲に及ぶ前記補助定着剤(c-F)それぞれの量の総計であることが必須であることを意味する。
【0166】
有利には、上で詳述されている式(IIA)から式(IIH)の補助定着剤のうちから選択される補助定着剤(c-F)の量は、組成物(F)の合計重量に対して、5.00wt.%以上、または7.50wt.%以上、または10.00wt.%以上、または12.50wt.%以上である。
【0167】
上で詳述されている式(IIA)から式(IIH)の補助定着剤のうちから選択される補助定着剤(c-F)の量の上限は、組成物(F)の合計重量に対して、45.00wt.%以下、または40.00wt.%以下、または35.00wt.%以下、または30.00wt.%以下、または25.00wt.%以下、または20.00wt.%以下であることがさらに理解される。
【0168】
本発明の組成物(F)の好ましい実施形態では、上で詳述されている式(IIA)から式(IIH)の補助定着剤のうちから選択される補助定着剤(c-F)は、組成物(F)の合計重量に対して、5.00から45.00wt.%の量、または7.50から40.00wt.%の量、または7.50から35.00wt.%の量、または10.00から30.00wt.%の量、または10.00から25.00wt.%の量、または12.50から20.00wt.%の量で存在する。
【0169】
有利には、上で詳述されている組成物(F)は、一般式(III)による少なくとも1つのアルコールをさらに含み得る。少なくとも1つのアルコールは、上で詳述されている定着剤(Fix)の、組成物(F)における他の原料との、特に上で詳述されている補助定着剤(c-F)、および上で詳述されている補助定着剤(c-F)と異なる少なくとも1つのフレグランス成分との混和性を改善することが見出された。一般式(III)による少なくとも1つのアルコールは、存在する場合、定着剤(Fix)に対する少なくとも1つのアルコールの重量比が、少なくとも1から20で存在する。
【0170】
【0171】
(式中、
- pのそれぞれは、1から400の範囲の整数であり、
- qのそれぞれは、1、2または3から選択される整数であり、
- R40のそれぞれは、独立して、水素、メチル、エチルまたはOHから選択され、
- R41のそれぞれは、独立して、水素、メチルまたはエチルから選択され、
R42のそれぞれは、独立して、メチルまたはOHから選択される。)
本発明の文脈内で、「少なくとも1つのアルコール」という表現は、1つまたは1つ超のアルコールを表すことが意図されている。アルコールの混合物は、本発明の目的にも使用され得る。
【0172】
本文の以下では、「アルコール」という表現は、本発明の目的に関して、複数形および単数形の両方で理解され、つまり本発明の組成物(F)は、1つまたは1つ超のアルコールを含み得る。
【0173】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、pのそれぞれは、1から350の範囲の整数であり、またはpのそれぞれは、1から300の範囲の整数であり、またはpのそれぞれは、1から250の範囲の整数であり、またはpのそれぞれは、1から200の範囲の整数であり、またはpのそれぞれは、1から150の範囲の整数であり、またはpのそれぞれは、1から100の範囲の整数であり、またはpのそれぞれは、1から50の範囲の整数であり、またはpのそれぞれは、1から40の範囲の整数であり、またはpのそれぞれは、1から30の範囲の整数であり、またはpのそれぞれは、1から20の範囲の整数であり、またはpのそれぞれは、1から15の範囲の整数であり、またはpのそれぞれは、1から10の範囲の整数であり、またはpのそれぞれは、1から8の範囲の整数であり、またはpのそれぞれは、1から6の範囲の整数であり、またはpのそれぞれは、1から4の範囲の整数であり、またはpのそれぞれは、1、2または3から選択される整数である。望ましくは、pのそれぞれは、1または2から選択される整数である。
【0174】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R40のそれぞれは、独立して、水素、メチルまたはエチルから選択される。望ましくは、R40のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択される。
【0175】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R41のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択される。望ましくは、R41のそれぞれは水素である。
上で詳述されている一般式(III)の好ましいアルコールは、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2-メチル-1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、グリセロール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(pentaandiol)、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルまたはポリオキシアルキレンコポリマーのうちから選択され得る。
【0176】
以下でより詳細に論じられるように、少なくとも1つのアルコールは、上で詳述されている定着剤(Fix)の、組成物(F)における他の原料との、特に上で詳述されている補助定着剤(c-F)、および上で詳述されている補助定着剤(c-F)と異なる少なくとも1つのフレグランス成分との良好な混和性を確実にする。
【0177】
本発明者らは、以下の本明細書の式(III1)のアルコールが、上で詳述されている定着剤(Fix)を完全に、またはほぼ完全に可溶化する能力のため、とりわけ好適であることを見出した。
【0178】
【0179】
(式中、
- pのそれぞれは、1、2または3から選択される整数であり、
- qのそれぞれは、1、2または3から選択される整数であり、
- R40のそれぞれは、独立して、水素、メチル、エチルまたはOHから選択され、
- R41のそれぞれは、独立して、水素、メチルまたはエチルから選択され、
- R42のそれぞれは、独立して、メチルまたはOHから選択される。)
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、pのそれぞれは、1または2から選択される整数である。
【0180】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、qのそれぞれは、1または2から選択される整数である。
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R40のそれぞれは、独立して、水素、メチルまたはエチルから選択される。望ましくは、R40のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択される。
【0181】
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R41のそれぞれは、独立して、水素またはメチルから選択される。望ましくは、R41のそれぞれは水素である。
本発明による組成物(F)の好ましい実施形態では、R42はOHである。
【0182】
上で詳述されている定着剤(Fix)をほぼ可溶化する、または完全に可溶化する、上で詳述されている式(III1)の好ましいアルコールは、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2-メチル-1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、グリセロールまたは2-メチル-2,4-ペンタンジオールのうちから選択され得る。
【0183】
少なくとも1つのアルコールについて上で記載されているすべての定義および選好は、この実施形態、および以下に記載されているさらなる実施形態すべてに等しく当てはまることがさらに理解される。
【0184】
上述の通り、上で詳述されている一般式(III)による少なくとも1つのアルコールは、上で詳述されている組成物(F)に存在する場合、定着剤(Fix)に対する少なくとも1つのアルコールの重量比が、少なくとも1から20で存在する。
【0185】
本発明の文脈内で、「少なくとも1つのアルコールは、定着剤(Fix)に対する少なくとも1つのアルコールの重量比が、少なくとも1から20で存在する」という表現は、組成物(F)が一般式(III)による1つのみのアルコールを含有する場合、アルコールの量を指し、または、組成物(F)が一般式(III)による1つ超のアルコールを含有する場合、アルコールの量の総計を指す。したがって、一般式(III)による1つ超のアルコールが存在する場合、これは、定着剤(Fix)に対する少なくとも1つのアルコールの重量比が少なくとも1から20であることを満たす、前記アルコールそれぞれの量の総計であることが必須であることと意味する。
【0186】
有利には、上で詳述されている定着剤(Fix)に対する、上で詳述されている一般式(III)による少なくとも1つのアルコール対の重量比は、少なくとも1から17、または少なくとも1から14、または少なくとも1から12、または少なくとも1から10、または少なくとも1から7、または少なくとも1から5である。
【0187】
上で詳述されている定着剤(Fix)に対する、上で詳述されている一般式(III)による少なくとも1つのアルコールの重量比の上限は、重要ではないことがさらに理解される。望ましくは、定着剤(Fix)に対する少なくとも1つのアルコールの重量比は、多くとも20から1、または多くとも15から1、または多くとも10から1、または多くとも7から1、または多くとも4から1、または多くとも1から1、または多くとも1から2である。
【0188】
本発明の組成物(F)の好ましい実施形態では、上で詳述されている定着剤(Fix)に対する、上で詳述されている一般式(III)による少なくとも1つのアルコールの重量比は、(1対17)から(20対1)、または(1対14)から(15対1)、または(1対12)から(10対1)、または(1対10)から(10対1)、または(1対7)から(7対1)、または(1対7)から(4対1)、または(1対5)から(1対1)、または(1対5)から(1対2)である。
【0189】
本発明によれば、組成物(F)は、少なくとも1つのフレグランス成分をさらに含み、前記フレグランス成分は、上で詳述されている補助定着剤(c-F)と異なる。
本発明による組成物(F)は、天然および/または合成起源のすべての種類のフレグランス成分を含有し得、前記フレグランス成分は、上で詳述されている式(IIA)から式(IIH)の補助定着剤のうちから選択される補助定着剤(c-F)と異なることが理解される。これらのフレグランス成分は、賦香および/または芳香消費者製品の当業者に周知であり、例えばPerfume Flavors and Chemicals、第I巻およびII巻、S. Arctander(1969年)およびUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, Laundry Detergents、Smulders, E.ら(2007年)に詳細に記載されている。
【0190】
本明細書で使用される「少なくとも1つのフレグランス成分」という用語は、個々または単一のフレグランス成分または物質、ならびにそれらの混合物を指すと理解されるものとする。
【0191】
複数のフレグランス成分が組成物(F)に存在することは、一般的である。好ましくは、本発明の組成物(F)は、2つ以上の、好ましくは3つ以上の、より好ましくは4つ以上の、より好ましくは5つ以上の、より好ましくは6つ以上の、またはさらに7つ以上の異なるフレグランス成分を含む。
【0192】
本発明による組成物(F)に使用するための好適なフレグランス成分は、アルデヒドフレグランス成分、ケトンフレグランス成分、シッフ塩基および他の天然、合成または人工フレグランス成分、例えばとりわけUS7,601,681B2に記載されている香料原料およびフレグランス成分を含むが、それらに限定されない。
【0193】
上で詳述されている組成物(F)に使用するための好適なフレグランス成分の非限定的な例は、アネトール、ベンズアルデヒド、デシルアルデヒド、ペンチル(アミル)アセテート、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、ギ酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、酢酸イソボルニル、カンフェン、シトラール、cis-シトラール(ネラール)、シトロネラール、シトロネロール、酢酸シトロネリル、パラ-シメン、デカナール、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメチルフェニルカルビノール、ユーカリプトール、trans-シトラール(ゲラニアール)、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、ゲラニルニトリル、ヘリオナール、cis-3-ヘキセノール、cis-3-ヘキセニルアセテート、酢酸フェニルエチル、ジヒドロシトロネラール、D-リモネン、L-リモネン、リナロールオキシド、テトラヒドロリナロール(tetrahydolinalool)、酢酸リナリル、プロピオン酸リナリル、アントラニル酸エチル、アントラニル酸メチル、アルファ-メチルイオノン、メチルノニルアセトアルデヒド、メチルベンジルカルビニルアセテート、L-メンチルアセテート、DL-イソメントン、ミルセン、酢酸ミルセニル、ミルセノール、ネロール、酢酸ネリル、酢酸ノニル、酢酸プレニル、2-フェニルエタノール、フェニルアセトアルデヒド、アルファ-ピネン、ベータ-ピネン、ガンマ-テルピネン、アルファ-テルピネオール、ベータ-テルピネオール、アルファ-テルピニルアセテート、(4-tert-ブチルシクロヘキシル)アセテート、(E)-アルファ-ダマスコン、(E)-ベータ-ダマスコン、ウンデシレン酸アルデヒド、アルファ-ペンチルシンナムアルデヒド、サリチル酸イソアミル、ベータ-カリオフィレン、アルファ-セドレン、シンナミルアルコール、シマル(cymal)、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、ジメチルベンジルカルビノール、エチルバニリン、オイゲノール、イソ-オイゲノール、ジヒドロ-ノルシクロペンタジエニルアセテート、ジヒドロ-ノルシクロペンタジエニルプロピオネート、ヘリオトロピン、サリチル酸シクロヘキシル、サリチル酸ヘキシル、アルファ-イソメチルイオノン、ネロリドール、パチョリアルコール、6-フェニル-1-ヘキサノール、ベータ-セリネン、(2,2,2-トリクロロ-1-フェニルエチル)アセテート、クエン酸トリメチル、バニリン、3,4-ジメトキシベンズアルデヒド、ベンゾフェノン、サリチル酸ベンジル、エチレンブラシレート、ガラクソリド(1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-4,6,6,7,8,8-ヘキサメチルシクロペンタガンマ-2-ベンゾピランの商品名)、ヘキシルシンナミックアルデヒド、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)シクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド(リラール)、メチルセドリルケトン、ジヒドロイソジャスモネート、ジヒドロジャスモン酸メチル、ベータ-ナフチルメチルケトン、ムスクインダノン、ムスクケトン、ムスクチベテン、2-フェニルエチル2-フェニルアセテート、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート、シクロペンタン酢酸3-オキソ-2-ペンチル-メチルエステル(へディオン)、プロパ-2-エニル2-(3-メチルブトキシ)アセテート(グリコール酸アミルアリル)、イソEスーパー(1-(1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-エタノンの商品名)、ケイ皮酸エチル、エチルジヒドロシンナメート、バンガロール(bangalol)、2,4,6-トリメチルベンズアルデヒド、2,6-ジメチル-2-ヘプタノール、イソ酪酸フェネチル、エチルヘキシルケトン、ブチルプロピルケトン、プロピルアミルケトン、エチルアミルケトン、ジブチルケトン、ヘプチルメチルケトン、ヘキシルメチルケトン、4,5-ジヒドロトルエン、カプリル酸アルデヒド、安息香酸イソプロピル、シクロヘキサンプロピオン酸、L-カルボン、カンホレンアルデヒド、カプリル酸、カプリル酸アルコール、クミンアルデヒド、1-エチル-4-ニトロベンゼン、ギ酸ヘプチル、4-イソプロピルフェノール、2-イソプロピルフェノール、3-イソプロピルフェノール、4-メチル-1-フェニル-2-ペンタノン、2-プロピルフラン、カプロン酸アリル、スチレン、イソオイゲノールメチルエーテル、オイゲノールメチルエーテル、インドナフテン、スベリン酸ジエチル、L-メントン、イソ酪酸パラ-クレシル、酪酸ブチル、ヘキサン酸エチル、吉草酸プロピル、プロパン酸n-ペンチル、2,6-キシレノール、2,4-キシレノール、2,5-キシレノール、3,5-キシレノール、2,3-キシレノール、3,4-キシレノール、ヘキシルメチルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ケイ皮酸メチル、ジ-イソブチルケトン、安息香酸エチル、2-メチル安息香酸メチル、4-メチル安息香酸メチル、3-メチル安息香酸メチル、n-酪酸sec-ブチル、パラ-アニス酸エチル、2-エチル-1-ヘキサノール、イソ酪酸ベンジル、酢酸2-エチルブチル、イソブタン酸イソブチル、イソ吉草酸プロピル、レピジン、2-エチルベンズアルデヒド、4-エチルベンズアルデヒド、オルト-エチルフェノール、パラ-エチルフェノール、メタ-エチルフェノール、パラ-イソプロピルベンジルアルコール、2-エチルヘキサナール、エチルアミルカルビノール、(+)-プレゴン、クマロン、trans-3,3,5-トリメチルシクロヘキサノールおよびフェンキルアルコールを含む。
【0194】
本発明による組成物(F)の一実施形態では、フレグランス付着および寿命を増大させるために、高度に水溶性のフレグランス成分は、好ましくは避けるべきである。フレグランス成分の水溶解度は、計算されたフレグランス成分のオクタノール/水分配係数から判定され得、これはcLogPとして表現される。フレグランス成分のcLogP値は、オクタノールと水との間における前記フレグランス成分の分配係数から計算された対数である。cLogP値が高いほど、疎水性が高くなる。フレグランス成分のcLogP値は、市販のソフトウェア、例えばPerkinElmer Informaticsから入手できるChemDraw Professional 17 Suiteを使用することにより、フレグランス成分の分子構造から計算され得る。一般に、cLogP値が高いほど、フレグランス成分の寿命が長くなる。
【0195】
2.0以上のcLogP値を有する好適なフレグランス成分の非限定的な例は、とりわけ、イソEスーパー、シトロネロール、ケイ皮酸エチル、バンガロール、2,4,6-トリメチルベンズアルデヒド、ヘキシルシンナミックアルデヒド、2,6-ジメチル-2-ヘプタノール、ジイソブチルカルビノール、パラ-シメン、ジヒドロミルセノール、サリチル酸エチル、イソ酪酸フェネチル、エチルヘキシルケトン、プロピルアミルケトン、ジブチルケトン、ヘプチルメチルケトン、プロパ-2-エニル2-(3-メチルブトキシ)アセテート(グリコール酸アミルアリル)、4,5-ジヒドロトルエン、カプリル酸アルデヒド、シトラール、ゲラニアール、ネラール、安息香酸イソプロピル、シクロヘキサンプロピオン酸、左旋性-カルボン、カンホレンアルデヒド、カプリル酸、カプリル酸アルコール、クミンアルデヒド、1-エチル-4-ニトロベンゼン、ギ酸ヘプチル、4-イソプロピルフェノール、2-イソプロピルフェノール、3-イソプロピルフェノール、アリルジスルフィド、4-メチル-1-フェニル-2-ペンタノン、2-プロピルフラン、カプロン酸アリル、スチレン、イソオイゲノールメチルエーテル、インドナフテン、スベリン酸ジエチル、l-メントン、メントンラセミ体、イソ酪酸p-クレシル、酪酸ブチル、ヘキサン酸エチル、吉草酸プロピル、プロパン酸n-ペンチル、酢酸ヘキシル、ヘプタン酸メチル、trans-3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、エチルp-アニセート、2-エチル-1-ヘキサノール、イソ酪酸ベンジル、2,5-ジメチルチオフェン、2-ブテン酸イソブチル、カプリルニトリル、酢酸イソ-ボルニル、カルバクロール、ネロール、ゲラニオール、cis-ジャスモン、インドール、ジヒドロジャスモン酸メチル、1-ビニルヘプタノール、ユーカリプトール、4-テルピネオール(4-terpinenol)、ジヒドロカルベオール、2-メトキシ安息香酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、2-エチルヘキサナール、ガラクソリド(1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-4,6,6,7,8,8-ヘキサメチルシクロペンタガンマ-2-ベンゾピランの商品名)、エチルアミルカルビノール、2-オクタノール、エチルメチルフェニルグリシデート、ジイソブチルケトン、クマロン、イソ吉草酸プロピル、酪酸イソブチル、プロパン酸イソペンチル、酢酸2-エチルブチル、6-メチル-テトラヒドロキノリン、オイゲニルメチルエーテル、エチルジヒドロシンナメート、3,5-ジメトキシトルエン、トルエン、安息香酸エチル、n-ブチロフェノン、アルファ-テルピネオール、酢酸ゲラニル、酢酸リナリル、バーテネックス(Vertenex)、d-リモネン、2-メチル安息香酸メチル、4-メチル安息香酸メチル、3-メチル安息香酸メチル、sec.ブチルn-ブチレート、1,4-シネオール、フェンキルアルコール、ピナノール、cis-2-ピナノール、2,4-ジメチルアセトフェノン、オイゲノール、イソオイゲノール、サフロール、2-オクチン酸メチル、o-メチルアニソール、p-クレシルメチルエーテル、メチル-n-メチルアントラニレート、シクロペンタン酢酸3-オキソ-2-ペンチル-メチルエステル(ヘディオン)、アントラニル酸エチル、リナロール、酪酸フェニル、エチレングリコールジブチレート、フタル酸ジエチル、フェニルメルカプタン、キューミックアルコール、m-トルキノリン、6-メチルキノリン、レピジン、2-エチルベンズアルデヒド、4-エチルベンズアルデヒド、o-エチルフェノール、p-エチルフェノール、m-エチルフェノール、(+)-プレゴン、2,4-ジメチルベンズアルデヒド、イソキシルアルデヒド、ソルビン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、1,3-ジメチルブチルアセテート、イソブタン酸イソブチル、2,6-キシレノール、2,4-キシレノール、2,5-キシレノール、3,5-キシレノール、ケイ皮酸メチル、ヘキシルメチルエーテル、ベンジルエチルエーテル、サリチル酸メチル、ブチルプロピルケトン、エチルアミルケトン、ヘキシルメチルケトン、2,3-キシレノール、3,4-キシレノール、シクロペンタデナノリドおよびフェニルエチル2-フェニルアセテートを含む。
【0196】
関連するフレグランス成分の蒸気圧および沸点も、フレグランス成分が急速に蒸発しないことを確実にするのに重要なパラメーターである。高沸点フレグランス成分は、よりゆっくり蒸発し、より長持ちするフレグランス知覚が得られる。蒸気圧および沸点は、市販のソフトウェアプログラムの1つ、例えばACDソフトウェアACD/Boiling Point calculatorバージョン4.0を使用して計算され得る。あるいは、沸点および蒸気圧は、熱分析により、例えばASTM E1782に従って測定され得る。蒸気圧および沸点の計算または測定に加えて、そのいずれも、様々な参考文献、例えばCRC Handbook of Chemicals and Physicsの様々な版、およびChemical Properties Handbook、Yaw, Carl L編、McGraw-Hill Publishing Company、1999年で見出され得る。
【0197】
2.0以上のcLogP値および250℃以上の沸点を有する好適なフレグランス成分の非限定的な例は、とりわけアリルシクロヘキサンプロピオネート、安息香酸アミル、ケイ皮酸アミル、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、サリチル酸イソアミル、オーランチオール(ヒドロキシ-シトロネラール-メチルアントラニレートの商品名)、ベンゾフェノン、シクロペンタン酢酸3-オキソ-2-ペンチル-メチルエステル(ヘディオン)、サリチル酸ベンジル、パラ-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、イソブチルキノロン、ベータ-カリオフィレン、カジネン、セドロール、酢酸セドリル、ギ酸セドリル、ケイ皮酸シンナミル、サリチル酸シクロヘキシル、シクラメンアルデヒド、ジヒドロイソジャスモネート、ジフェニルメタン、ジフェニルオキシド、イソEスーパー(1-(1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-エタノンの商品名)、エチレンブラシレート、エチルメチルフェニルグリシデート、エチルウンデシレネート、ガラクソリド(1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-4,6,6,7,8,8-ヘキサメチルシクロペンタ-ガンマ-2-ベンゾピランの商品名)、オイゲノール、イソ-オイゲノール、インドール、ケイ皮酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル、メチル-n-アントラニル酸メチル、ベータ-メチルナフチルケトン、ゲラニルアントラニレート、ゲラニルフェニルアセテート、ヘキセニルサリチレート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、サリチル酸ヘキシル、アルファ-イロン、リリアール(パラ-tert-ブチル-アルファ-メチルヒドロシンナミックアルデヒドの商品名)、安息香酸リナリル、2-メトキシナフタレン、メチルジヒドロジャスモン、ガンマ-n-メチルイオノン、ムスクインダノン、ムスクケトン、ムスクチベチン、ミリスチシン、パチョリアルコール、ファントリド(5-アセチル-1,1,2,3,3,6-ヘキサメチルインダンの商品名)、安息香酸フェニルエチル、フェニル酢酸フェニルエチル、フェニルヘプタノール、フェニルヘキサノール、アルファ-サンタロール、酢酸ベチベリル、ヤラ-ヤラ、イランゲンを含む。
【0198】
本発明による組成物(F)の代替実施形態では、組成物(F)におけるすべてのフレグランス成分の平均cLogP値は、2.0以上、または2.5以上、または2.75以上、または3.0以上である。
【0199】
平均cLogP値は、組成物(F)におけるすべてのフレグランス成分のcLogP値を合算すること、およびフレグランスの数で割ることにより判定される。
少なくとも1つのフレグランス成分について上で記載されているすべての定義および選好は、この実施形態、および以下に記載されているさらなる実施形態すべてに等しく当てはまることがさらに理解される。
【0200】
上述の通り、少なくとも1つのフレグランス成分の量は、組成物(F)の合計重量に対して、少なくとも1.00wt.%であり、前記フレグランス成分は、上で詳述されている補助定着剤(c-F)と異なる。
【0201】
本発明の文脈内で、「少なくとも1つのフレグランス成分の少なくとも1.00重量パーセント[以下wt.%]」という表現は、組成物(F)が1つのみのフレグランス成分を含有する場合、フレグランス成分の量を指し、または、組成物(F)が1つ超のフレグランス成分を含有する場合、フレグランス成分の量の総計を指す。したがって、1つ超のフレグランス成分が存在する場合、これは、組成物(F)の合計重量に対して、少なくとも1.00wt.%である前記フレグランス成分それぞれの量の総計であることが必須と意味する。
【0202】
有利には、少なくとも1つのフレグランス成分の量は、組成物(F)の合計重量に対して、少なくとも5.00wt.%、または少なくとも10.00wt.%、または少なくとも12.50wt.%、または少なくとも15.00wt.%であり、前記フレグランス成分は、上で詳述されている補助定着剤(c-F)と異なる。
【0203】
少なくとも1つのフレグランス成分の量の上限は重要ではなく、前記フレグランス成分は、上で詳述されている補助定着剤(c-F)と異なることがさらに理解される。望ましくは、少なくとも1つのフレグランス成分の量は、組成物(F)の合計重量に対して、70.00wt.%未満、または55.00wt.%未満、または40.00wt.%未満、または30.00wt.%未満であり、前記フレグランス成分は、上で詳述されている補助定着剤(c-F)と異なる。
【0204】
本発明の組成物(F)の好ましい実施形態では、少なくとも1つのフレグランス成分は、組成物(F)の合計重量に対して、5.00から70.00wt.%の量、または10.00から55.00wt.%の量、または12.50から40.00wt.%の量、または15.00から30.00wt.%の量で存在し、前記フレグランス成分は、上で詳述されている補助定着剤(c-F)と異なる。
【0205】
上で詳述されている組成物(F)の最終用途に応じて、組成物(F)は、水をさらに含み得る。好ましくは、組成物(F)が水を含む場合、脱塩水が使用される。
典型的には、水の量は、上で詳述されている組成物(F)に存在する場合、組成物(F)の合計重量に対して、0.00wt.%から25.00wt.%、または0.00wt.%から20.00wt.%、または0.00wt.%から15.00wt.%、または0.00wt.%から10.00wt.%、または0.00wt.%から5.00wt.%である。
【0206】
本発明の別の態様は、上で詳述されている組成物(F)を製造するための方法である。
上記のすべての定義および選好は、以下に記載されているさらなる実施形態すべてに等しく当てはまることがさらに理解される。
【0207】
本発明の組成物(F)は、当業界で公知の多彩な方法により調製され得る。本発明の組成物(F)を製造するために、当業界で公知のいくつかの方法は、十分使用できる。
本発明の一実施形態では、上で詳述されている組成物(F)を製造するための方法は、上で詳述されている一般式(IF)による少なくとも1つの定着剤(Fix)、上で詳述されている式(IIA)から式(IIH)の補助定着剤のうちから選択される少なくとも1つの補助定着剤(c-F)、任意選択で、上で詳述されている一般式(III)による少なくとも1つのアルコール、少なくとも1つのフレグランス成分、および任意選択で水を、十分に混和するステップを含み、前記少なくとも1つのフレグランス成分は、上で詳述されている補助定着剤(c-F)と異なる。
【0208】
好ましい実施形態では、上で詳述されている組成物(F)を製造するための方法は、
- 12.00から65.00wt.%、または14.00から60.00wt.%、または16.00から55.00wt.%、または16.00から50.00、または18.00から45.00、または18.00から40.00、または20.00から35.00、または20.00から30.00の、上で詳述されている定着剤(Fix)、
- 5.00から45.00wt.%、または7.50から40.00wt.%、または7.50から35.00wt.%、または10.00から30.00wt.%、または10.00から25.00wt.%、または12.50から20.00wt.%の、上で詳述されている補助定着剤(c-F)、
- 任意選択の、上で詳述されている一般式(III)による少なくとも1つのアルコールであり、上で詳述されている定着剤(Fix)に対する少なくとも1つのアルコールの重量比が、少なくとも1から20、または少なくとも1から17、または少なくとも1から14、または少なくとも1から12、または少なくとも1から10、または少なくとも1から7、または少なくとも1から5で存在する、少なくとも1つのアルコール、
- 少なくとも5.00wt.%、または少なくとも10.00wt.%、または少なくとも12.50wt.%、または少なくとも15.00wt.%の、上で詳述されている補助定着剤(c-F)と異なる少なくとも1つのフレグランス成分、
- 任意選択の水
を十分に混和するステップを含み、
すべてのwt.%は、組成物(F)の合計重量に対する。
【0209】
典型的には、上で詳述されている十分に混和する前記ステップは、旧来からの混合機およびブレンダー、高強度混合機ならびに電気スターラーを使用することにより実行され得る。
【0210】
当業者は、一般的慣行に従って、例えば、とりわけ最適な時間、速度、重量、体積およびバッチ量を使用して、十分に混和する前記ステップを実行することが理解される。
上で詳述されている組成物(F)を製造するための方法の好ましい実施形態では、定着剤(Fix)は最初に、上で詳述されている式(III1)を有するアルコールの少なくとも一部に、完全にまたはほぼ完全に溶解してから、上で詳述されている補助定着剤(c-F)、上で詳述されている補助定着剤(c-F)と異なる少なくとも1つのフレグランス成分、および任意選択の水と混合し、その結果、定着剤(Fix)は、他の原料との良好な混和性を呈する。
【0211】
上で詳述されている式(III1)の好ましいアルコールは、上で詳述されている定着剤(Fix)をほぼ可溶化する、または完全に可溶化するために、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2-メチル-1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、グリセロールまたは2-メチル-2,4-ペンタンジオールのうちから選択され得る。
【0212】
一般に、定着剤(Fix)、および上で詳述されている式(III1)を有する少なくとも1つのアルコールは、上で詳述されている式(III1)を有する定着剤(Fix)対少なくとも1つのアルコールの重量比が、(20対1)から(1対20)、または(15対1)から(1対15)、または(10対1)から(1対10)、または(5対1)から(1対5)の範囲である、溶液を形成する。
【0213】
上記のすべての定義および選好は、以下に記載されているさらなる実施形態すべてに等しく当てはまることがさらに理解される。
別の態様では、本発明は、希釈組成物(F)[以下組成物(FD)]にも関し、前記組成物(FD)は、上で詳述されている組成物(F)および希釈剤[以下希釈剤(dil)]を含む。
【0214】
本発明における使用に好適な希釈剤(dil)のうち、とりわけ水および/または有機溶媒が挙げられ得る。
希釈剤が有機溶媒である場合、前記有機溶媒は、上で詳述されている一般式(III)による少なくとも1つのアルコールに等しくてもよく、または異なってもよい。一般式(III)による少なくとも1つのアルコールと異なる有機溶媒の非限定的な例は、とりわけエステル、例えば酢酸メチル、酢酸エチルおよび酢酸n-ブチル、アセトン、パラフィンおよび中鎖トリグリセリド(MCT)を含む。
【0215】
本発明の組成物(FD)は、当業者に公知の多彩な方法により調製され得る。例えば、組成物(FD)は、上で詳述されている組成物(F)を、上で詳述されている希釈剤で希釈することにより得られる。
【0216】
好ましくは、上で詳述されている組成物(FD)では、上で詳述されている希釈剤(dil)に対する、上で詳述されている組成物(F)の重量比は、1から10に等しい、もしくは少なくとも1から10、または1から100に等しい、もしくは少なくとも1から100、または1から1000に等しい、もしくは少なくとも1から1000、または1から10000に等しい、もしくは少なくとも1から10000である。
【0217】
上記のすべての定義および選好は、以下に記載されているさらなる実施形態すべてに等しく当てはまることがさらに理解される。
本発明のさらなる態様は、上で詳述されている組成物(F)、または上で詳述されている組成物(FD)を含む、パーソナルケアおよびホームケア配合物である。
【0218】
パーソナルケア配合物の非限定的な例は、とりわけ香料、デオドラント、制汗剤、制汗剤/デオドラント、ボディスプラッシュ、シェービング製品、スキンクリーム、スキンクレンジング配合物、スキンローション、保湿剤、化粧水、液状石鹸、浴用製品、シャワーゲル、クレンジング製品、シャンプー、コンディショナー、ムース、スタイリングゲル、ヘアスプレー、ヘアダイ、ヘアカラー製品、ヘアブリーチ、ウェービング製品、縮毛矯正剤、マニキュア、除光液、ネイルクリームおよびローション、キューティクル柔軟剤、サンスクリーン、昆虫忌避剤およびアンチエイジング製品、口紅、ファンデーション、フェイスパウダー、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、メーキャップ、ペットグルーミング製品、マスカラを含む。
【0219】
家庭用配合物の非限定的な例は、とりわけ洗濯洗剤、布地柔軟剤、セントブースター、ファブリックフレッシュナー、食器洗浄液、木材および家具つや出し剤、フロアつや出し剤、タブおよびタイルクリーナー、便器クリーナー、硬質表面、例えば合成ポリマー表面、天然石、木材、タイルまたは磁器のクリーナー、キッチンクリーナー、浴室クリーナー、フロアクリーナー、オーブンクリーナー、窓クリーナー、防曇剤、ドレインクリーナー、自動食洗機洗剤およびシート化剤、カーペットクリーナー、プレウォッシュスポッター(prewash spotters)、錆クリーナー、自動車ケア製品、皮革クリーナー、皮革コンディショナー、ルームエアフレッシュナー、においマスキング剤およびスケール除去剤を含む。
【0220】
本発明の範囲内において、前記パーソナルおよびホームケア配合物に含まれる、上で詳述されている組成物(F)の量、または上で詳述されている組成物(FD)の量は、得られるパーソナルおよびホームケア用途の目標とされる、また望ましい性質のために、特定のパーソナルおよびホームケア配合物に応じて幅広く変動し得る。
【0221】
一般に、前記パーソナルおよびホームケア配合物における、上で詳述されている本発明の組成物(F)の量または上で詳述されている組成物(FD)の量は、パーソナルおよびホームケア配合物の合計重量に対して、0.01wt.%から100.00wt.%、または0.10wt.%から80.00wt.%、または0.20wt.%から60.00wt.%で変動し得る。
【0222】
本発明のある実施形態によれば、上で詳述されているパーソナルおよびホームケア配合物は、少なくとも1つの界面活性剤をさらに含み得る。
本発明の文脈内で、「少なくとも1つの界面活性剤」という表現は、1つまたは1つ超の界面活性剤を表すことが意図されている。界面活性剤の混合物は、本発明の目的にも使用され得る。本文の以後では、「界面活性剤」という用語は、本発明の目的に関して、複数形および単数形の両方で理解される。
【0223】
上で詳述されているパーソナルおよびホームケア配合物に存在する場合、界面活性剤は、望ましくはこれらの配合物を安定させために使用でき、その結果、混合物は単一の液相を維持する。
【0224】
好適な界面活性剤は、パーソナルおよびホームケア配合物の当業者に周知である。
好適な界面活性剤は、非イオン界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤およびそれらの組合せを含むが、それらに限定されない。
【0225】
カチオン性界面活性剤の非限定的な例は、とりわけ臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルメチルアンモニウムブロミド、ジタロウジメチルアンモニウムメチルスルフェート、ジ(水素化タロウ)ジメチルアンモニウムメチルスルフェート、ジ(水素化タロウ)ジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムメチル-スルフェート、ジココジメチルアンモニウムメチルスルフェート、ジ(水素化タロウ)ジメチルイミダゾリニウムメチルスルフェート、1-エチレン-ビス(2-タロウ-1-メチル)イミダゾリニウムメチルスルフェート、メチル-ビス(水素化タロウアミドエチル)-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルスルフェート、メチルビ(タロウアミドエチル)-2-ヒドロキシプロピルアンモニウムメチルスルフェート(methyl bi(tallowamidoethyl)-2-hydroxypropyl ammonium methylsulfate)、N,N-ジ(タロウオイル-オキシ-エチル)-N,N-ジメチルアンモニウムメチルスルフェート、N,N-ジ(タロウオイル-オキシ-プロピル)-N,N-ジメチルアンモニウムメチルスルフェート、水酸化オクチルトリメチルアンモニウム、水酸化ドデシルトリメチルアンモニウム、水酸化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、水酸化オクチルジメチルベンジルアンモニウム、水酸化デシルジメチルベンジルアンモニウム、水酸化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、水酸化ビーフタロウトリメチルアンモニウムおよび水酸化ヤシ油トリメチルアンモニウムを含む。
【0226】
アニオン性界面活性剤の非限定的な例は、とりわけラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、硫酸ドデシルナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ジオクチルナトリウムスルホスクシネート、ペルフルオロオクタンスルホネート、ペルフルオロブタンスルホネート、アルキル-アリールエーテルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、ヘキシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸およびミリスチルベンゼンスルホン酸を含む。
【0227】
両性界面活性剤の非限定的な例は、とりわけアルキルベタイン、アルキルジメチルベタイン、アルキルアミドベタイン(alkylamido betaine)、アルキルアミドベタイン(alkyl amide betaine)、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルジメチルアンモニウムベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン;アルキル、アルキルアンホグリシネート、アルキルアンホカルボキシグリシネート、アルキルまたはアルキル置換イミダゾリンモノカルボキシレート、アルキルまたはアルキル置換イミダゾリジカルボキシレート、モノカルボン酸アルキルのナトリウム塩、モノカルボン酸アルキルのナトリウム塩、アルキルベータアミノ酸、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アルキルエーテルヒドロキシスルタイン、アルキルアミドプロピルジメチルアンモニアアセテート、アルキルアンホモノアセテート、アルキルアンホジアセテート、アルキルジプロピオネート、アルキルアンホジプロピオネート、アルキルイミノジプロピオネート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルベータアミノプロピオン酸、アルキルジプロピオネート、アルキルベータイミノジプロピオネート、分岐またはn-アルキルジメチルアミドプロピオネート、アルキルカルボキシル化プロピオネート、アルキルイミダゾリン、メチルアルキルイミダゾリンおよびフッ素化アルキル両性混合物を含む。
【0228】
非イオン界面活性剤の非限定的な例は、一般的にポリエトキシ化脂肪酸、植物油、脂肪族アルコール、アルコールアルコキシレート、アルコキシル化アルキルアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアルコール、脂肪酸のポリオールエステル、脂肪酸のポリオキシエチレンエステル、脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリアルキレンオキシドブロックコポリマーおよびエトキシ化アルキルメルカプタンを含む。
【0229】
好ましい非イオン界面活性剤は、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ノノキシノール、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリエトキシ化獣脂アミン、ココアミドモノエタノールアミン、ココアミドジエトールアミン、ポロキサマー、モノステアリン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン(sorbitan monosetearate)、トリステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノラウレート(すなわちPEG(20)ソルビタンモノラウレートまたはTween 20)、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド、ラウリルジメチルアミンオキシド、Brij(商標)、グリセロール、エチレンオキシド単位の数が2から200で変動するグリセリルポリエチレングリコールリシノレエート(PEG)、ポリグリセリルエステル、モノオレイン酸ポリグリセリル、モノカプリル酸デカグリセリル、ジカプリル酸プロピレングリコール、モノステアリン酸トリグリセロールおよび水素化およびエトキシ化ヒマシ油のうちから選択され得る。
【0230】
界面活性剤の量に関して、当業者は、前記当業者により公知の標準的および一般的慣習に従って、前記界面活性剤を好適な量で実用することが理解される。
典型的には、界面活性剤の量は、前記パーソナルおよびホームケア配合物に存在する場合、パーソナルおよびホームケア配合物の合計重量に対して、0.01wt.%から50.00wt.%、または0.20wt.%から40.00wt.%、または1.00wt.%から30.00wt.%、または2.00wt.%から20.00wt.%である。
【0231】
本発明のある実施形態によれば、上で詳述されているパーソナルおよびホームケア配合物は、外観、保存、運搬、取扱いおよび/または性能を向上させる少なくとも1つの追加の原料[以下原料(Ic)]をさらに含み得る。
【0232】
本発明の文脈内で、「少なくとも1つの追加の原料[以下原料(Ic)]」という表現は、1つまたは1つ超の原料(Ic)を表すことが意図されている。原料(Ic)の混合物は、本発明の目的にも使用され得る。本文の以後では、「原料(Ic)」という表現は、本発明の目的に関して、複数形および単数形の両方で理解される。
【0233】
パーソナルおよびホームケア配合物の前記原料(Ic)は、当業者に公知である。原料(Ic)の非限定的な例は、とりわけpH改質剤、例えば塩酸、乳酸、クエン酸、酢酸、酒石酸、コハク酸またはリンゴ酸、防腐剤、例えば殺菌剤、殺菌薬、増粘剤、pH緩衝剤、無機または有機塩、例えば水溶性カリウム、ナトリウム、カルシウムまたはマグネシウム塩、蛍光増白剤、布地クリスピング剤(fabric crisping agent)、粘度調整剤、粘度付与剤(viscosity donating agent)、抗酸化剤、ビタミン、スポッティング剤(spotting agents)、着色剤、染料、例えばシェーディング染料、直接染料、酸性染料、疎水性染料、反応染料または染料コンジュゲート、染料固着剤または染料移行阻害剤、脂肪複合剤(fatty complexing agents)、補助柔軟剤、香料担体、レチノイド、シリコーン、ヒドロトロープ、再付着防止剤、汚れ落とし剤(soil-release agents)、高分子電解質、収縮防止剤、皺防止剤、酸化防止剤、消泡剤、酵素、還元剤、ハーブ抽出物、粘度制御剤、顔料、サンスクリーンまたはサンブロック化合物、錆落とし剤、ドレープ付与剤、帯電防止剤、アイロン助剤、真珠光沢剤(pearlisers)および/または乳白剤、湿り汚れ除去剤(wet soiling reduction agents)、例えばポリオルガノシロキサン、天然油/抽出物、加工助剤、例えば電解質、衛生用剤、例えば抗菌剤および抗真菌薬、皮膚に有益な作用剤(skin benefit agents)、スキンコンディショナー、保湿剤ならびにフィラー、例えばヒュームドシリカ、沈降シリカ、クレイ、カーボンブラック、シリコーン樹脂または炭酸カルシウムを含む。
【0234】
追加の原料(Ic)の量に関して、当業者は、前記追加の原料(Ic)を、当業者により公知の標準的および一般的慣行に従って好適な量で実用することが理解される。
典型的には、原料(Ic)の量は、前記パーソナルおよびホームケア配合物に存在する場合、パーソナルおよびホームケア配合物の合計重量に対して、0.05wt.%から20.00wt.%、または0.10wt.%から10.00wt.%、または0.10wt.%から5.00wt.%である。
【0235】
上記のすべての定義および選好は、以下に記載されているさらなる実施形態すべてに等しく当てはまることがさらに理解される。
本発明のさらなる態様は、パーソナルおよびホームケア配合物を製造するための、上で詳述されている組成物(F)、または上で詳述されている組成物(FD)の使用である。
【実施例】
【0236】
本発明は、以下の実施例への言及で、以下により詳細に記載され、実施例の目的は、例証に過ぎず、本発明の範囲を限定することは意図されていない。
GC-MS実験用の組成物(F)を製造するための一般的手順:
実施例1(Ex1)は、表1で記載および列挙されている様々な成分すべてを、清潔な容器中で、完全な溶解が達成されるまで混和および均質化することにより調製した。様々な成分の混和は、電気スターラーを使用して実行した。
【0237】
次いで、測定実験を実行できるようにするために、続いて実施例1(Ex1)をエタノールおよび水で希釈して、表1で列挙されている実施例1D(Ex1D)を得た。
表1で列挙されている実施例2D~3D(Ex2DからEx3D)および比較例4D~9D(CEx4DからCEx9D)は、実施例1(Ex1)および実施例1D(Ex1D)と同様にして調製し、すなわち実施例2~3(Ex2からEx3)および比較例4~9(CEx4からCEx9)(示されていない)は、エタノールおよび水を使用して、続いて希釈して、実施例2D~3D(Ex2DからEx3D)および比較例4D~9D(CEx4DからCEx9D)を得た。
【0238】
実施例1D~3D(Ex1DからEx3D)および比較例4D~7D(CEx4DからCEx7D)に関して、式(IF1)による定着剤(Fix)は、Eastman Chemical CompanyからのSAIB-100として利用できるイソ酪酸酢酸スクロースであった。SAIB-100における酢酸:イソ酪酸エステル基のおおよその比は、2:6である。
【0239】
比較例8D(CEx8D)に関して、式(IF1)による定着剤(Fix)は一切使用されない。
比較例9D(CEx9D)に関して、式(IF1)による定着剤(Fix)の代わりに、Merck(Sigma Aldrich)から市販されているスクロースオクタアセテート、品目コード252603-250Gを使用した。
【0240】
実施例1D(Ex1D)および比較例8D~9D(CEx8DからCEx9D)では、(R)-および(S)-鏡像異性体の混合物として市販されている、0.625wt.%の式(IIA1-1f)による補助定着剤(c-F)(CAS 706-14-9)、および0.625wt.%の式(IIH1-1)による補助定着剤(c-F)(CAS 91-64-5)が使用される。
【0241】
実施例2D(Ex2D)では、(R)-および(S)-鏡像異性体の混合物として市販されている1.52wt.%の式(IIA1-1f)による補助定着剤(c-F)(CAS 706-14-9)、ならびに1.52wt.%の式(IIH1-1)による補助定着剤(c-F)(CAS 91-64-5)が使用される。
【0242】
実施例3D(CEx3D)では、(R)-および(S)-鏡像異性体の混合物として市販されている0.092wt.%の式(IIA1-1f)による補助定着剤(c-F)(CAS 706-14-9)、ならびに0.092wt.%の式(IIH1-1)による補助定着剤(c-F)(CAS 91-64-5)が使用される。
【0243】
比較例4D(CEx4D)では、E-およびZ-異性体、本質的にはそれぞれゲラニアールおよびネラールの混合物として市販されている1.25wt.%のシトラール(CAS 5392-40-5)が使用される。
【0244】
比較例5D(CEx5D)では、cis-およびtrans-立体異性体それぞれの混合物として市販されている1.25wt.%のヘディオン(CAS 24851-98-7)が使用される。
【0245】
比較例6D(CEx6D)では、フタル酸ジエチル(DEP)中のcis-およびtrans-立体異性体それぞれの混合物として市販されている1.25wt.%のガラクソリド(CAS 1222-05-5)が使用される。
【0246】
表1におけるすべての内容物は、特に定めのない限り、それぞれの組成物の合計重量に対するwt.%で示されている。
表1には、以下に記載するGCテスト方法に従って測定された3つのフレグランス成分、ベンジルアルコール(CAS 100-51-6)、2-フェニルエタノール(CAS 60-12-8)およびプロパ-2-エニル2-(3-メチルブトキシ)アセテート(CAS 67634-00-8)それぞれに対する、量の合計損失パーセント(%)をさらにまとめる。結果を表1にまとめる。
【0247】
分析測定方法
試料調製および試料保存
実験試料は、75μLの実施例1D~3D(Ex1DからEx3D)および比較例4D~9D(CEx4DからCEx9D)の組成物を、別個の無香吸取紙片に、マイクロピペットを使用して適用する、すなわち吸い取らせることによりそれぞれ調製した。75μLの実施例1D~3D(Ex1DからEx3D)および比較例4D~9D(CEx4DからCEx9D)の組成物を、それぞれの吸取紙片に距離5cmにわたり均等に分布させた。各吸取紙片に以下の適切な時間タグ:T8hおよびT16hをあらかじめコード化した。吸い取り後、各吸取紙片は、開いたバイアル中に、前記吸取紙片を前記開いたバイアルの内側壁に一切接触させずに垂直に置きつつ、各吸取紙片をそれぞれのバイアル上のロープの断片に洗濯ばさみで取り付けた。それぞれの吸取紙の保存中、十分な空気更新を確実にして、吸取紙片間でのいかなる匂いの相互汚染も避けた。各吸取紙片を、指定された時間、すなわち、8時間後または16時間後にロープから除去した。除去後、上で言及されている5cmの各吸取紙片を別個のバイアルに入れ、続いて3mLのエタノールで抽出した。抽出後、2分の時間間隔中に、各エタノール抽出物を最大速度でボルテックスした。次に、GCバイアルを各抽出のために満たし、以下に記載するGCテスト方法後に、各抽出に対するGC分析をスタートした。様々なフレグランスのピーク面積を、時間の関数としてモニターした(すなわち、8時間対16時間)。
【0248】
GCテスト方法
GC分析は、OpenLab 2.1ソフトウェアおよびHP-1(60m×0.32mm×1μm)カラムを備えたAgilent GC 7890B機器を使用して行った。較正は行わなかった。分析後、目的の各化合物についてのピーク面積を判定する。ピークの積分は、ソフトウェアにより自動的に行われ、手作業で確認した。別個の測定の間で、エタノールをブランク注入として注入して、カラムの汚染を防止した。
【0249】
具体的なGC方法のパラメーターは、以下である:
- 注入口:
・注入器温度:300℃;
・注入体積:1.0μL;
・分割比:1/5;
- カラム:
・HP-1:60m×0.32mm×1μm(Agilent #19091 Z-216);
- 担体ガス:
・He;
・流量:3.0mL/min;
・定圧;
- オーブン:
・60℃ - 1min;
・15℃/min - 325℃ - 8min;
- 検出器:
・タイプ:FID;
・検出器温度:330℃;
・H2流量:30mL/min;
・空気流量:300mL/min;
・(He)+カラム流量:20mL/minとする
【0250】
【0251】
表1における実験結果は、比較例8D(CEx8D)に含有される式(IIA1-1f)および式(IIH-1)による補助定着剤(c-F)が、実施例3D(Ex3D)における式(IF)による定着剤(Fix)により部分的に置き換えられると、フレグランス成分のベンジルアルコール、2-フェニルエタノールおよびプロパ-2-エニル2-(3-メチルブトキシ)アセテート(グリコール酸アミルアリル)のそれぞれで、残量における損失が検出されなかったことを実証している。
【0252】
表1における実験結果は、比較例7D(CEx7D)において、式(IF)による定着剤(Fix)が単独で存在すると、すなわち、補助定着剤(c-F)が一切ないと、フレグランス成分のベンジルアルコール、2-フェニルエタノールおよびプロパ-2-エニル2-(3-メチルブトキシ)アセテート(グリコール酸アミルアリル)のそれぞれで残量における損失が生じることをさらに実証している。同じことが、必要な変更を加えて、式(IIA1-1f)および式(IIH1-1)による補助定着剤(c-F)の存在下でスクロースオクタアセテートを含有する比較例9D(CEx9D)に当てはまる。一方、実施例1D(Ex1D)は、比較例9D(CEx9D)に含有されるスクロースオクタアセテートが、式(IF)による定着剤(Fix)により置き換えられると、ベンジルアルコール、2-フェニルエタノールおよびプロパ-2-エニル2-(3-メチルブトキシ)アセテート(グリコール酸アミルアリル)の量の完全な保持が再度観察され、ひいてはそれによりフレグランス寿命が維持され、組成物(F)の性能全体が保持されることを実証している。
【0253】
寿命テスト(フレグランス強度の感覚分析)用の組成物(F)を製造するための一般的手順:
表2に列挙される実施例10D~11D(Ex10DからEx11D)および比較例12D(CEx12D)は、実施例1(Ex1)および実施例1D(Ex1D)と同様に調製し、すなわち実施例10~11(Ex10からEx11)および比較例12(CEx12)(示されていない)は、続いてエタノールおよび水を使用して希釈して、実施例10D~11D(Ex10DからEx11D)および比較例12D(CEx12D)を得た。
【0254】
実施例10D~11D(Ex10DからEx11D)に関して、式(IF1)による定着剤(Fix)は、Eastman Chemical CompanyからのSAIB-100として利用できるイソ酪酸酢酸スクロースであった。SAIB-100における酢酸:イソ酪酸エステル基のおおよその比は、2:6である。
【0255】
比較例12D(CEx12D)に関して、式(IF1)による定着剤(Fix)は、一切使用されない。
実施例10D~11D(Ex10DからEx11D)および比較例12D(CEx12D)では、Holland Aromaticsから市販されている2.0wt.%の多成分フレグランス混合物「Perfume Floneysuckle & Sandalwood」(商品コード1-28569)が使用される。多成分フレグランス混合物「Perfume Honeysuckle & Sandalwood」は、式(IIH1-1)による6.0wt.%の補助定着剤(c-F)(CAS 91 -64-5)を含有する。
【0256】
表2におけるすべての内容物は、特に定めのない限り、それぞれの組成物の合計重量に対するwt.%で示される。
表2には、以下に記載する嗅覚評価の方法論に従って測定した、実施例10D~11D(Ex10DからEx11D)、および比較例12D(CEx12D)の組成物のそれぞれに対応する、時間に応じた全体のフレグランス強度の展開をさらにまとめる。対応する結果を、表2にまとめる。
【0257】
測定方法
試料調製および試料保存
実施例10D~11D(Ex10DからEx11D)および比較例12D(CEx12D)の組成物のフレグランス強度は、標準VDI 3882パート1に従って、嗅覚評価測定により評価し、前記嗅覚評価測定は、6名の選抜および訓練されたパネリストにより、異なる時点において室温にて実施された。これらの6名の選抜および訓練されたパネリストは、標準EN 13725:2019に従って選抜され、n-ブタノール参照尺度(n-butanol reference scale)で訓練された。
【0258】
試料は、50μLのそれぞれの組成物を、別個の無香吸取紙に、マイクロピペットを使用して適用することにより調製した。実施例10D~11D(Ex10DからEx11D)および比較例12D(CEx12D)の組成物のそれぞれでは、6枚の吸取紙を調製した(テストされる組成物当たり、各パネリストに1枚)。実施例10D~11D(Ex10DからEx11D)および比較例12D(CEx12D)の50μLの組成物を、それぞれの吸取紙片に距離5cmにわたり均等に分布させた。吸い取り後、各吸取紙片は、室温にて保持し、吸取紙ホルダーに6枚ごとに固定した。吸取紙をホルダーに固定する際には、十分に注意を払って吸取紙片が互いに重なることを避けた。吸取紙ホルダーを、それぞれ直径45mmを有する、開いたガラスチューブ中に入れた。ガラスチューブを次いで固定し、ボードの上で保存し、前記ボードを、2つの通気グリッドの下に位置させて、適正かつ十分な空気更新を確実にした。このように、様々な実施例の吸取紙片間でのいかなる匂いの相互汚染も避けた。
【0259】
吸取紙片を、24時間おきに上記の6名の選抜および訓練されたパネリストに提示した。各試料および各時点で、パネリストは、前記試料の対応する嗅覚プロファイル(フレグランス強度)をそれぞれ記載した。この目的のために、パネリストは、感覚分析キャビンに着席した。吸取紙片をパネリストに順々に配布した。さらに、コーヒー豆が入った小さいジャーを、パネリストが鼻を「リセットする」ために、自由に利用できるようにした。詳細な知覚測定に関して、パネリストの各メンバーは、それぞれの吸取紙片でサンプリングされる組成物を嗅ぎ、対応する強度を、0から5(5=匂い強度がきわめて高い;4=匂い強度が高い;3=匂い強度が中等度;2=匂い強度が弱い;1=匂い強度がきわめて弱い;0=匂いが知覚できない)に及ぶ尺度で評価した。それぞれの組成物の平均フレグランス強度を、個々の測定結果それぞれの算術平均に従って計算する。
【0260】
【0261】
表2における実験結果は、式(IF1)による定着剤(Fix)が、式(IIH-1)による補助定着剤(c-F)を含有する実施例10D~11D(Ex10DからEx11D)における組成物に添加される場合、前記組成物のフレグランス強度は、式(IF1)による定着剤(Fix)がない比較例12D(CEx12D)の組成物それぞれと比較して、維持されたことを実証している。
【国際調査報告】