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特表2024-506755医療処置におけるナビゲーション支援
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】医療処置におけるナビゲーション支援
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/12 20060101AFI20240206BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20240206BHJP
   A61B 6/00 20240101ALI20240206BHJP
【FI】
A61B6/12
A61B34/20
A61B6/00 570
A61B6/00 550P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570477
(86)(22)【出願日】2022-02-02
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 IB2022050879
(87)【国際公開番号】W WO2022167940
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】63/199,935
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523293644
【氏名又は名称】コルディガイド リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レヴィ、ヨニ
(72)【発明者】
【氏名】ベイヤー、ラファエル
(72)【発明者】
【氏名】ゼエビ、イェホシュア ワイ.
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093AA24
4C093FF35
(57)【要約】
医療処置におけるナビゲーション支援のための方法であって、前記方法は、(i)OOI及び背景をとらえた評価画像を取得することであって、評価画像は、他の時点で取得され、その時点にある間は、1つ又は複数の注入剤は、BVSのうちの少なくとも1つを通って流れないことと、(ii)特徴を抽出するようにトレーニングされた機械学習プロセスによって評価画像の評価画像特徴を決定することと、(iii)BVSマップ情報に基づいて、評価画像のための予測BVSマップを生成することと、(iv)予測BVSマップとOOIの動的な移動とを生み出すことに反応することとを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療処置におけるナビゲーション支援のための方法であって、
(a)関心対象物(OOI)及び背景をとらえた参照画像を取得することであって、前記OOIは、血管セグメント(BVS)を含むことができ、前記参照画像は、(i)異なる時点で、(ii)1つ又は複数の注入剤が前記BVSの少なくとも1つを通って流れる間に取得されることと、
(b)参照画像特徴を抽出するようにトレーニングされた機械学習プロセスによって前記参照画像の前記参照画像特徴を決定することと、
(c)前記参照画像特徴に基づいて、前記参照画像のための参照BVSマップ情報を生成することと、
(d)前記OOI及び前記背景をとらえた評価画像を取得することであって、前記評価画像は、他の時点で取得され、その時点にある間は、前記1つ又は複数の注入剤は、前記BVSのうちの前記少なくとも1つを通って流れないことと、
(e)評価画像特徴を抽出するようにトレーニングされた前記機械学習プロセスによって前記評価画像の評価画像特徴を決定することと、
(f)前記参照BVSマップ情報に基づいて、前記評価画像のための予測BVSマップを生成することと、
(g)前記予測BVSマップの前記生成に反応することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記参照BVSマップ情報は、参照BVSマップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
所与の評価画像の予測BVSマップを生成することは、対応する参照画像を選択することと、前記対応する参照画像の参照BVSマップに基づいて前記予測BVSマップを生成することとを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記選択は、対応する参照画像の背景と前記所与の評価画像の背景との間の類似性に基づいている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記評価画像特徴及び前記参照画像特徴は、背景特徴を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記機械学習プロセスは、異なる画像特徴に対して異なるヘッドを有するニューラル・ネットワークによって実施することができ、前記異なるヘッドは、前記ニューラル・ネットワークの表現層から分岐する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記類似性は、前記表現層の出力に基づいて決定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記選択は、前記対応する参照画像及び所与の評価画像のそれぞれの内部の少なくとも1つのアンカーの存在に基づいている、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記評価画像特徴及び前記参照画像特徴は、分類特徴と、OOI中心線特徴と、BVS配向特徴とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記評価画像特徴及び前記参照画像特徴は、さらに、OOIから背景までの距離特徴と血管接合特徴とを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記評価画像特徴及び前記参照画像特徴は、テクスチャ特徴を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(e)及び(f)は、一度に1つの評価画像で実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記機械学習プロセスは、異なる画像特徴に対して異なるヘッドを有するニューラル・ネットワークによって実施することができ、前記異なるヘッドは、前記ニューラル・ネットワークの表現層から分岐する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記反応することは、前記評価画像上に前記予測BVSマップのオーバーレイに関与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記関与することは、対応する評価画像上に予測BVSマップをオーバーレイすることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記関与することは、対応する評価画像上に予測BVSマップを位置合わせすることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記位置合わせは、前記予測BVSマップ及び対応する評価画像のそれぞれの内部の少なくとも1つのアンカーの存在に基づいている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記位置合わせは、1つ又は複数の評価画像特徴に基づいている、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記位置合わせは、BVSの分岐の位置に基づいている、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記反応することは、評価画像内の関心位置で視覚的マークを提供することを含み、前記関心位置は、マン・マシン・インターフェースから提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
人間から、前記関心位置の説明を受信することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記反応することは、評価画像内の関心位置で前記視覚的マークを表示することを含み、前記関心位置は、マン・マシン・インターフェースから提供される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記OOIは、前記BVSの少なくともいくつかに挿入された少なくとも1つの医療要素を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの医療要素は、カテーテルと、1つ又は複数のガイドワイヤとを備える、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記参照画像及び前記評価画像は、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)処置の間に取得される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
非一時的コンピュータ可読媒体は、前記参照画像及び前記評価画像のうちの少なくとも1つの画像内の少なくとも1つのアンカーを発見すること、及び、その発見に反応することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記機械学習プロセスは、表現層から分岐する異なるヘッドを有するニューラル・ネットワークによって実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記機械学習プロセスは、同じフレームの異なるビュー間の類似性を強化する自己学習トレーニング・プロセスによってトレーニングされる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記自己学習トレーニング・プロセスは、前記表現層の出力に基づいている、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記機械学習プロセスは、前記ニューラル・ネットワークに入力された入力画像と実質的に同一の再構築された入力画像を、前記ニューラル・ネットワークの前記ヘッドのうちの1つから出力するための自己学習トレーニング・プロセスによってトレーニングされる、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記機械学習プロセスは、教師ありプロセスを使用してトレーニングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記機械学習プロセスは、教師なしプロセスを使用してトレーニングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
事前定義された状況を検出することと、前記事前定義された状況に反応することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
請求項1から33までのいずれか一項に記載の方法を実行するための命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項35】
請求項1から33までのいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されたコンピュータ化されたシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、医療処置におけるナビゲーション支援に関するものである。
【背景技術】
【0002】
経皮的冠動脈インターベンション(PCI:Percutaneous Cronary interventions)は、X線透視下で、すべて手動で行われるいくつかのステップを含む。このステップは、冠動脈の起始部(心門)へのガイド・カテーテル(GC:Guide Catheter)挿入と、動脈に沿った、治療される病変/狭窄部を横切るワイヤ・ナビゲーションと、さまざまな条件下での治療部位への駆動バルーン、ステント、及び他のデバイスとを含む。一連のステップは、以下を含む。
【0003】
治療領域(右又は左の冠動脈)の心門へのガイド・カテーテルの挿入。カテーテルの位置をガイドし、それを一定に保ち、治療される動脈系(右又は左)の心門にそれが確実に留まるようにする。
【0004】
病変部位につながる動脈経路に沿ったワイヤ・ナビゲーションであって、病変部位をワイヤと交差させ、遠位血管パーキング位置まで進むワイヤ・ナビゲーション。
【0005】
病変の交差に成功した後、バルーンは病変まで進み、その後膨張を伴って病変を拡張し、ステントを展開する。
【0006】
適切なステントの選択(直径及び長さ)の後、ステントは、動脈の治療部分全体を覆うように配置され、動脈を広げるために膨張し、動脈壁に隣接したままとどまる。
【0007】
他のいくつかの方法は、血管内超音波法(IVUS:intravascular ultrasound)、光干渉断層撮影(OCT:optical coherence tomography)、レーザ・カテーテル・アブレーション、アテレクトミー技術などの画像診断及び治療のために使用することができる。
【0008】
これらの原則に従った作業は、トレーニング及び専門知識を必要とする。熟練した医師は、すべての詳細に同時に注意を払うことができるが、あまり熟練していない操作者は、インターベンションの全体的な状況を見ることができず、最適でない治療又はミスにつながる場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
カテーテルに基づくインターベンション処置の場合、GCの遠位端は、血管内動脈ツリーへの入口を示すか、又は、処置の後半に、GWの先端は、動的に移動する背景及びBVSに対して追跡する必要がある。このロードマップに沿った冠動脈のロードマップについて心臓病専門医/操作者が利用可能な視覚的フィードバックは、組織及び挿入されたデバイス(tissue-and-inserted-devices)のX線陰影によって得られ、モニタリング・スクリーン上に投影され、心臓病専門医及び彼のアシスタント・チームの前方に位置付けられる。
【0010】
GC、GW、ステント、その他のデバイス及び動脈ロードマップの視認性を高めるために、特に、動脈分岐部の重要な接合部で、GWが病変を生成する障害物又は妨害物に到達すると、心臓病専門医は、造影剤を注入する。しかしながら、注入中にはっきりと表示されている動脈ツリーは、洗い流されると数秒で消える。
【0011】
造影剤の注入は、病気にかかった部位のナビゲーション、診断、又は、治療を支援するために、処置全体にわたるワイヤ及びデバイス・ナビゲーション並びに位置決めの間に数回必要になる。医療処置に使用される造影剤は、腎臓に有害であり、医療処置中の使用量は、最小限に抑える必要がある。
【0012】
同様に、患者及び心臓病チームの両方に対する電離放射線の影響を最小限に抑えるために、X線の量を可能な限り低レベルに減少させる必要がある。これらの安全対策により、画質が著しく劣化し、GC及びGWと、その軌道とが頻繁にフェーディングすることになり、病変の治療がこのような永続的な展開を必要とするたびに、これらの継続的な表示は、インターベンション処置のリアルタイムの計画及び実行、並びに、バルーンの展開及びそれに続くステントの位置決めに極めて重要である。
【0013】
投影された画像の連続性及び品質の低下により、ステントの展開のワイヤ・ナビゲーション精度の容易さが損なわれる可能性がある。リマインダとして、ステント留置が完了してステントが位置決めされると、追加のステントは、しばしば最適ではない結果を修正するために必要とされ、その結果、再狭窄などの長期にわたる有害な臨床的結果を有する可能性のある望ましくない影響が生じる可能性がある。
【0014】
本発明としてみなされる主題は、明細書の結論部分で特に指摘され、明確に主張される。しかしながら、本発明は、その目的、特徴及び利点とともに、構成及び動作方法の両方に関して、添付の図面を参照しながら、以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】方法の一実例を示す。
図2】方法の一実例を示す。
図3】方法の一実例を示す。
図4】コンピュータ化されたシステムの一実例を示す。
図5】評価画像の一実例である。
図6】オーバーレイ画像の一実例である。
図7】評価画像の一実例である。
図8】オーバーレイ画像の一実例である。
図9】評価画像の一実例である。
図10】オーバーレイ画像の一実例である。
図11】評価画像の一実例である。
図12】オーバーレイ画像の一実例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が記載されている。しかしながら、当業者であれば、本発明は、これらの具体的な詳細がなくても実施できることが理解されよう。他の例では、周知の方法、手順、及び構成要素は、本発明を分かりにくくしないように詳細に説明していない。
【0017】
図示の簡略化及び明瞭化のために、図に示される要素は必ずしも縮尺通りに描かれていないことが理解されるであろう。例えば、いくつかの要素の寸法は、明確にするために他の要素と比べて誇張されていてもよい。さらに、適切であると考えられる場合、対応する要素又は類似の要素を示すために、参照番号が図面の間で繰り返されてもよい。
【0018】
本発明の例示的な実施例は、大部分が、当業者に知られている電子部品及び回路を使用して実施され得るため、本発明の基礎となる概念の理解及び鑑賞のために、並びに、本発明の教示をわかりにくくしたり、妨げたりしないようにするために、上述のように必要と考えられる範囲以上の詳細は説明されない。
【0019】
本明細書における方法へのいかなる言及も、その方法を実行することが可能なシステムに準用されるべきであり、コンピュータによって実行されると、結果として方法を実行することになる命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体に準用されるべきである。
【0020】
本明細書におけるシステムへのいかなる言及も、そのシステムによって実行することができる方法に準用されるべきであり、コンピュータによって実行されると、結果として方法を実行することになる命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体に準用されるべきである。
【0021】
本明細書及び/又は図面は、コンピュータ化されたシステムに言及している場合がある。コンピュータ化されたシステムは、プロセッサ、例えば、処理回路を含むことができる。処理回路は、中央処理装置(CPU:central processing unit)及び/又は、特定用途向け集積回路(ASIC:application-specific integrated circuit)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:field programmable gate array)、フルカスタム集積回路などの1つ若しくは複数の他の集積回路、又はそのような集積回路の組み合わせとして実施することができる。コンピュータ化されたシステムは、1つ又は複数のサーバ、1つ又は複数のラップトップ・コンピュータ、1つ又は複数のウェアラブル・コンピュータ、1つ又は複数のスマートフォン、1つ又は複数の集積回路などであってもよい。
【0022】
本明細書及び/又は図面に示される任意の方法の任意のステップの任意の組合せが提供され得る。
【0023】
特許請求の範囲のいずれかの任意の主題の任意の組み合わせが提供されてもよい。
【0024】
本明細書及び/又は図面に示されるシステム、ユニット、構成要素、プロセッサ、センサの任意の組み合わせが提供されてもよい。
【0025】
以下の本文のいくつかは、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)や、カテーテル、ガイドワイヤなどの医療要素を指してもよいが、提案された解決策は、使用される他のいかなる医療処置又は医療デバイスにも準用可能である。
【0026】
提案された解決策は、1つ又は複数の造影剤が流れる血管セグメント(BVS:blood vessel segment)をとらえた参照画像から情報を取得し、可視造影剤が存在しない評価画像に関するBVSマップ情報を提供するために使用する。これにより、心臓病専門医/操作者は、より少ない注入で医療要素をBVSを通してナビゲートすることができ、より安全で、医療処置を実行するために必要な注入材料の量が減少する。
【0027】
画像(参照画像及び/又は評価画像)は、静止画像又はビデオ・セグメントであってもよい。
【0028】
オーバーレイという用語は、第1の情報ユニットを第2の情報ユニット上に表示することを意味している。例えば、予測BVSマップは、評価画像の画素上に、オーバーレイされる。
【0029】
図1は、医療処置におけるナビゲーション支援のための方法100の一実例を示す。
【0030】
方法100は、関心対象物(OOI:object of interest)及び背景をとらえた参照画像を取得するステップ110によって開始することができる。
【0031】
OOIは、血管セグメント(BVS)を含み得る。
【0032】
OOIは、(BVS以外の)他の要素、例えば、少なくとも1つの医療要素も含み得る。少なくとも1つの医療要素は、BVSの少なくともいくつかに挿入することができる。
【0033】
少なくとも1つの医療要素は、方法100の実行に関連する医療処置に基づいて選択することができる。
【0034】
例えば、少なくとも1つの医療要素は、カテーテル、1つ又は複数のガイドワイヤ、バルーン、ステントなどのうちの少なくともいくつかを含み得る。
【0035】
(BVS以外の)OOIに相当するものは、人間による方法、テスト画像の分析に用いる方法などの任意の方法で定義することができる。
【0036】
OOIは、モニタリングされている医療処置に基づいて選択することができる。
【0037】
参照画像は、(i)異なる時点で、及び(ii)1つ又は複数の注入剤がBVSのうちの少なくとも1つを通って流れる間に、取得することができる。
【0038】
参照画像及び追加の参照画像が同一の時点で取得され得ることに留意されたい。評価画像についても同様である。説明を簡単にするために、以下の本文は、異なる時点で取得された画像について言及する。
【0039】
ステップ110の後には、特徴を抽出するようにトレーニングされた機械学習プロセスによって参照画像の参照画像特徴を決定するステップ120が続いてもよい。
【0040】
参照画像特徴の任意の組み合わせ、及び/又は任意の数の参照画像特徴が存在し得る。同様のことが、評価画像特徴にも準用可能である。
【0041】
画像特徴の非限定的な実例は、以下の少なくともいくつかを含む。
a.分類特徴。分類特徴は、任意の画像要素(画素又は画素のセット)を、背景又はOOIなどの複数のクラスに分類できる。分類は、OOIの異なるクラス、例えば、BVS、医療要素などに対して行うことができる。
b.OOI中心線特徴。BVSの中心における画像要素。
c.BVS配向特徴。
d.OOIから背景までの距離特徴。任意の距離は、任意の方法で計算することができる。画素のOOIから背景までの距離は、例えば、最も近い背景画素までの距離であってもよい。例えば、OOIの中心線画素からOOIの境界に向かって移動するときに、その距離は減少する。
e.血管分岐特徴。
f.テクスチャ特徴。
【0042】
任意のOOIの形状、及び/又はサイズ、及び/又は位置、及び/又は向き、及び/又はテクスチャに関する任意の特徴が提供されてもよい。
【0043】
機械学習プロセスは、(i)教師ありプロセスを使用して、又は(ii)教師なしプロセスを使用して、又は(iii)教師ありプロセスと教師なしプロセスとの組み合わせを使用して、トレーニングすることができる。例えば、機械学習プロセスは、自己学習トレーニングを使用してトレーニングすることができる。
【0044】
機械学習プロセスは、1つ又は複数のニューラル・ネットワークによって実施されてもよい。例えば、機械学習プロセスは、表現層から分岐するさまざまなヘッドを有するニューラル・ネットワークによって実施されてもよい。
【0045】
機械学習プロセスは、同一のフレームの異なるビュー間の類似性を強化する自己学習トレーニング・プロセスによってトレーニングすることができる。これは、機械学習プロセスにトレーニング画像のさまざまなビューを提供することと、表現層の実質的に同じ出力(例えば、特徴ベクトル)を出力するために機械学習プロセスを強化することとを含むことができる。異なるビューは、ノイズ、平行移動、回転、又はスケールのうちの少なくとも1つによって、互いに異なっていてもよい。
【0046】
さらに又は代わりに、機械学習プロセスは、ニューラル・ネットワークのヘッドのうちの1つから、ニューラル・ネットワークに入力された入力画像と実質的に同一であり得る再構築された入力画像を出力するために、自己学習トレーニング・プロセスによってトレーニングすることができる。
【0047】
ステップ120の後には、参照画像特徴に基づいて、参照画像のための参照BVSマップ情報を生成するステップ130が続いてもよい。
【0048】
参照BVSマップ情報は、参照BVSマップを含み得る。例えば、各参照画像のためのBVSマップを提供する。
【0049】
患者は、参照画像の取得中に呼吸し、参照画像の取得中に追加的な動きを行うことができる。参照BVSマップ情報は、剛体(テーブル、X線源)又は非剛体(呼吸、心臓の鼓動)のいずれかのあらゆる種類の動きを反映することができる。
【0050】
BVSマップ情報は、経時的にBVSマップの変化を表すモデルであってもよい。任意のモデルが提供されてもよい。
【0051】
BVSマップは、任意の方法で、例えば、有向非巡回グラフ(DAG:directed acyclic graph)によって表されてもよい。
【0052】
例えば、参照画像の動脈の中心線が、動脈ツリーを形成してもよい。動脈ツリーの心門は、カテーテルの位置にあってもよい。心門から枝葉のそれぞれに至る軌道が、血流の方向を規定し、これは、DAGとして表すことができる。
【0053】
この方法はまた、モデル、グラフ、又はOOIの未処理画素よりもコンパクトな別の表現によってOOIを表すことを含むこともできる。
【0054】
例えば、OOIは、曲線に沿って厚さが変化する区分線形一次元曲線によって表すことができる。
【0055】
モデル及び/又はグラフを使用することによって、BVS及び/又は他のOOIのコンパクトで正確な表現が提供され、したがって、(例えば、評価画像と同様の参照画像を見つける際の)メモリ・リソース、計算資源が節約される。
【0056】
参照BVSマップは、BVSをとらえた参照画像の未処理画素を含むことができる。或いは、参照BVSマップが、モデルによって、及び/又は、ツリーによって、又は未処理画素よりもコンパクトな他の任意の方法によって表されるとき、計算資源及び/又はメモリ・リソースが節約される。さらに、未処理画素は、ノイズが多い可能性があり、モデル及び/又はツリーを使用することによって、ノイズが少なく、より正確になる可能性がある。
【0057】
ステップ130の後には、OOI及び背景をとらえた評価画像を取得するステップ140が続いてもよい。評価画像は、他の時点で取得されてもよく、その時点にある間は、1つ又は複数の注入剤は、BVSのうちの少なくとも1つを通って流れない。
【0058】
方法100は、画像中の造影剤の有無によって、参照画像と評価画像とを区別することができる。無い状態(Absence)は、造影剤の痕跡が全くないこと、又はわずかな痕跡(「わずかな(insignificant)」は、使用者によって、又は任意の他の方法によって定義することができ、画像のBVSマップを確立することができない量を含み得る)を有することを意味していてもよい。
【0059】
ステップ140の後には、特徴を抽出するようにトレーニングされた機械学習プロセスによって評価画像の評価画像特徴を決定するステップ150が続いてもよい。
【0060】
ステップ150の後には、参照BVSマップ情報に基づいて、評価画像のための予測BVSマップを生成するステップ160が続いてもよい。
【0061】
参照画像ごとに参照BVSマップがあると仮定すると、ステップ160は、ステップ162及び164を含み得る。ステップ162の後には、ステップ164が続いてもよい。
【0062】
ステップ162は、評価画像について、対応する参照画像を選択することを含み得る。
【0063】
対応する参照画像は、評価画像の背景と同様の背景を有していてもよい。例えば、対応する参照画像は、ステップ110の間に取得された参照画像の背景のうち最も類似した背景を有していてもよい。
【0064】
類似性は、任意の方法で、任意の行列(matric)又は公式を使用して決定することができる。
【0065】
類似性は、参照画像の1つ又は複数の背景特徴(ステップ120の間に決定され得る)と、評価画像の1つ又は複数の背景特徴(ステップ150の間に決定され得る)との間で決定され得る。
【0066】
ステップ120及び150の間に使用される機械学習プロセスは、異なる画像特徴に対して異なるヘッドを有するニューラル・ネットワークによって実施され得る。異なるヘッドは、ニューラル・ネットワークの表現層から分岐する。類似性は、表現層の出力に基づいて決定され得る。
【0067】
さらに又は代わりに、選択は、対応する参照画像のそれぞれ1つ及び所与の評価画像内の少なくとも1つのアンカーの存在に基づいてもよい。この場合、ステップ162は、評価画像及び対応する参照画像内の同じ1つ又は複数のアンカーの同じ外観を検索することを含み得る。
【0068】
ステップ164は、対応する参照画像の参照BVSマップに基づいて、予測BVSマップ(評価画像用)を生成することを含み得る。
【0069】
ステップ164は、対応する参照画像の参照BVSマップを、評価画像の予測BVSマップとして提供することを含み得る。
【0070】
ステップ164は、位置合わせ及び/又は任意の他の処理を含み得る。
【0071】
ステップ160は、予測BVSマップ内の1つ又は複数の医療要素の位置を推定するステップ166を含み得る。
【0072】
推定するステップ166は、同じ医療要素の離間した部分を表す同じ医療要素の画素間でリンクされ得る。例えば、評価画像内に部分的にしか見られないガイドワイヤの離間した部分をリンクする。
【0073】
その推定は、互いに関連する異なる医療要素の離間した画素の間でリンクすることを含み得る。例えば、カテーテルが評価画像内に見られ、カテーテルから延在するガイドワイヤの先端部のみが評価画像内に見られると仮定する。この場合、推定は、(1つ又は複数のBVS内の)ガイドワイヤ先端部とカテーテルとの間でリンクすることを含み得る。
【0074】
ステップ160の後には、予測BVSマップの生成に反応するステップ170が続いてもよい。
【0075】
ステップ170は、評価画像上での、予測BVSマップのオーバーレイに関与することを含み得る。
【0076】
関与することは、
a.予測BVSマップをオーバーレイするためのオーバーレイ情報を生成することと、
b.オーバーレイ情報を、ディスプレイ・コントローラなどの別のコンピュータ化されたエンティティ、又は予測BVSマップによってオーバーレイされた評価画像の表示を担当又はそれに関与する任意のエンティティに送信することと、
c.オーバーレイ情報を記憶することと、
d.オーバーレイ情報の存在について他のコンピュータ化されたエンティティにアラートを送信することと、
e.予測BVSマップを、対応する評価画像上にオーバーレイすることと
のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0077】
オーバーレイ情報は、BVSとは異なる1つ又は複数のOOIについての情報、例えば、1つ又は複数の医療要素をオーバーレイする情報、さらには、評価画像に明確には現れない医療要素の画素を含み得る。
【0078】
ステップ170は、評価画像上の任意のOOIのオーバーレイに関与することを含み得る。
【0079】
ステップ170は、予測BVSを、対応する評価画像と位置合わせすることを含み得る。さらに又は代わりに、ステップ170は、連続するBVSマップを互いに位置合わせすることを含み得る。
【0080】
位置合わせは、予測BVSマップ及び対応する評価画像のそれぞれの内部の少なくとも1つのアンカーの存在に基づいて、及び/又は、連続する予測BVSマップのそれぞれの内部の少なくとも1つのアンカーの存在に基づいていてもよい。
【0081】
位置合わせは、1つ又は複数の評価画像特徴に基づいていてもよい。
【0082】
位置合わせは、BVS接合部の位置に基づいていてもよい。
【0083】
位置合わせは、2つの連続するBVSマップにおける頂点に対してトポロジー保存マップを適用することを含み得る。これが完了すると、エッジ・マッピングが与えられる。最後に、任意の2つの対応するエッジについて、この方法は、エッジ開始点からの(正規化された)距離に従ってポイント・ツー・ポイント対応を確立することができる。
【0084】
ステップ170は、評価画像内の関心位置に視覚的マークを提供することを含み得る。関心位置は、タッチ・スクリーン、キーボード、マウス、音声インターフェースなどのマン・マシン・インターフェースから提供されてもよい。関心位置は、人間(例えば、心臓病専門医/操作者、看護師など)又は非人間エンティティから提供され得る。
【0085】
視覚的マークは、同じ人間(又は同じ非人間エンティティ)によって定義されてもよい。
【0086】
方法100は、関心位置を経時的に追跡して、異なる時点で取得された複数の評価画像内の関心位置にマークを提供することを含むことができる。
【0087】
ステップ110~130の繰り返しごとに、ステップ140~170の複数回の繰り返しがあり得る。
【0088】
ステップ110~130は、コンピュータ化されたシステムによって実行され得るが、ステップ140~170は、同じコンピュータ化されたシステムによって、又は別のコンピュータ化されたシステムによって実行され得る。
【0089】
方法100はまた、1つ又は複数の状況を検索し、任意の検出された状況に反応するステップ145を含み得る。
【0090】
ステップ145の前に、ステップ140を実行してもよい。
【0091】
状況の非限定的な事例は、以下の少なくとも1つを含むことができる。
a.ガイドワイヤ及び/又はカテーテルの位置の急激な変化。
b.ガイドワイヤ及び/又はカテーテルがフレーム(評価画像)から外れる。
c.ガイドワイヤ先端部は、その形状を変化させる。
d.ガイドワイヤ先端部は、動脈側に対して直交(又は実質的に直交)している。
【0092】
ガイドワイヤ及び/又はカテーテルの位置の急激な変化、すなわち急激な変化あたりの量(少なくとも事前定義された位置変化率)は、例えば使用者によって任意の方法で定義することができる。例えば、カテーテルが評価画像の左側に配置され、次の評価画像において、カテーテルが、変位位置(動脈の奥に入りすぎているか、押し戻されているかどちらか)で検出された場合、急激な変化が起きる。この急激な変化は、故障がある(おそらく、ガイドワイヤ又は医療デバイスが動かない)ということを示し得る。
【0093】
ガイドワイヤ先端部は、その形状を変化させる。関心のありそうな形状変化は、任意の方法で定義することができる。わずかな変化(例えば、少なくとも1つの剛体の変形)は、任意の方法で定義することができる。これは、GWが抵抗に対して押圧され、動かない可能性があり、その場合、GWを前方に押し続けることによって、動脈を損傷させる可能性があることを示し得る。この状況を見つけることは、例えば、ガイドワイヤの先端部を示す評価画像の画素、すなわち、ガイドワイヤの「端部」に位置する画素を検索することを含み得る。これらの画素は、先端部の形状を示す。形状は、心臓病専門医/操作者が先端部を設定する方法によって最初に決定されてもよい。初期形状は、先端部が現れる第1の評価画像に現れる可能性がある。初期形状は、関心のある形状の変化を見つけるために、次の評価画像内の先端形状と比較される。
【0094】
ガイドワイヤ先端部は、動脈側に対して直交(又は実質的に直交)しており、この状況では、ガイドワイヤが動脈に穴を開ける危険性がある。この状況は、BVSマップ情報から動脈境界情報を使用することを含み得る。ガイドワイヤの前部が動脈の片側に接近し、その片側の方向がガイドワイヤの先端部の方向に対して直交(又は実質的に直交)している場合、アラートが発信され得る。動脈側の方向は、さまざまな方法で定義することができ、それは、例えば、ガイドワイヤの先端部が見つかる地点における動脈を表す曲線の方向である。ガイドワイヤの先端部の方向は、任意の方法で、例えば、動脈境界付近のガイドワイヤの画素によって定義することができる。先端画素は、例えば、ガイドワイヤの最も前方の画素から引き延ばされた画素であってもよい。
【0095】
1つ又は複数の状況に反応することは、1つ又は複数のアラート、例えば、音声、及び/又は視覚、及び/又は触覚アラートを送信することを含み得る。例えば、オーバーレイされた予測BVSマップを用いて評価画像上にアラートを表示すること、音声アラームを発信したりすることなどである。
【0096】
アラートの強さ、及び/又は種類、及び/又はアラートの頻度は、状況の重大性と相関関係があってもよい。
【0097】
状況の検出は、任意の方法で行うことができ、例えば、ルールに基づいた検出及び/又は任意のその他の非機械学習に基づいた検出であってもよく、機械学習に基づいた検出であってもよい。
【0098】
機械学習に基づいた検出は、特徴を抽出するために使用される機械学習プロセスとは独立していてもよい。或いは、1つ又は複数の事前定義された状況は、特徴を生成するために使用される機械学習プロセスからの出力に基づいて検出することができる。
【0099】
方法100は、例えば、別のエンティティと通信するステップ175を含み得る。ステップ175は、通信に反応することも含み得る。
【0100】
通信は、マン・マシン・インターフェースを使用する人間と通信することを含むことができ、及び/又は、通信は、1つ又は複数のコンピュータ化されたシステム、及び/又はネットワーク、及び/又は記憶システムなどと通信することを含むことができる。通信は、一方向であっても双方向であってもよい。任意の通信プロトコルが使用されてもよい。
【0101】
反応することは、例えば、人間がディスプレイを制御できるようにすること、関心位置にマークをつけること、関心位置の後に追跡することなどを含み得る。
【0102】
例えば、心臓病専門医又は他の操作者は、いつでも、画面を「フリーズ」させ、フレームの特定の位置に焦点を合わせ(ズーム・イン)、関心位置にマークをつけることができる。関心位置は、BVSマップの一部であってもよく、そうでなくてもよい。1つ又は複数の関心位置は、マークをつけることができる。2つ以上の関心位置は、関心領域、例えば、狭窄領域を(例えば、境界点を提供することによって)画定することができる。
【0103】
方法100は、関心領域及び/又は1つ若しくは複数の関心位置の追跡を維持することを含み、それらを表示することができる。これにより、特に治療のためのバルーン又はステントを局所化する際に、ナビゲーションがさらに容易になり、したがって、不要な注入が防止される。
【0104】
ステップ175は、ステップ145の一部及び/又はステップ170の一部であってもよく、又は、ステップ145及び/又はステップ170のうちのいずれか1つに含まれなくてもよい。
【0105】
図2は、機械学習プロセスをトレーニングするための方法200を示す。
【0106】
方法200は、方法100のステップ120及び/又はステップ150で見つかった特徴などの画像特徴を見つけるために事前トレーニングされたニューラル・ネットワークを取得するステップ210を含み得る。
【0107】
取得することは、機械学習プロセスを事前トレーニングすること、又は事前トレーニングされた機械学習特徴を受信することを含み得る。
【0108】
事前トレーニングは、複数の人から採取されたBVSの(及び任意選択的に1つ又は複数のOOIの)テスト画像上で実行することができる。1つ又は複数の造影剤は、テスト画像によってとらえられるべきである。
【0109】
機械学習プロセスの事前トレーニングは、教師ありプロセス、又は教師なしプロセス、又は教師ありプロセスと教師なしプロセスとの組み合わせであってもよい。例えば、ステップ210は、自己学習トレーニングを含み得る。
【0110】
機械学習プロセスは、異なる画像特徴に対して異なるヘッドを有するニューラル・ネットワークによって実施することができる。異なるヘッドは、ニューラル・ネットワークの表現層から分岐する。
【0111】
ニューラル・ネットワークの事前トレーニングは、表現層の1つ又は複数の出力に基づいていてもよい。したがって、コスト関数は、表現層の1つ又は複数の出力に適用されてもよい。
【0112】
ニューラル・ネットワークの事前トレーニングは、異なるヘッドの1つ又は複数のうちの1つ又は複数の出力に基づいていてもよい。例えば、1つ又は複数のコスト関数は、異なるヘッドのうちの1つ又は複数のヘッドの出力に適用されてもよい。例えば、異なるヘッドからの損失の加重和は、ニューラル・ネットワークの超過コストとして提供され得る。
【0113】
ニューラル・ネットワークの事前トレーニングは、異なるヘッドの1つ又は複数のうちの1つ又は複数の出力に基づいていてもよく、表現層の1つ又は複数の出力に基づいていてもよい。
【0114】
ニューラル・ネットワークは、Uネット型ニューラル・ネットワークの層を含み得る。U型ニューラル・ネットワークの最後の層は、表現層であってもよい。
【0115】
異なるヘッドがニューラル・ネットワークの異なる層から分岐する場合、表現層は、任意のヘッドが分岐した第1の層であってもよい。
【0116】
ステップ210の後には、関心対象物(OOI)及び背景をとらえた参照画像を取得するステップ110が続いてもよい。
【0117】
ステップ110の後には、(特徴を抽出するように事前トレーニングされた)機械学習プロセスによって参照画像の参照画像特徴を決定するステップ120が続いてもよい。
【0118】
ステップ120の後には、参照画像特徴に基づいて、参照画像のための参照BVSマップ情報を生成するステップ130が続いてもよい。
【0119】
図3は、医療処置におけるナビゲーション支援のための方法300を示す。
【0120】
方法300は、(i)特徴を抽出するように事前トレーニングされた機械学習プロセスと、(ii)参照画像特徴と、(iii)参照画像のための参照BVSマップ情報とを取得するステップ310によって開始することができる。
【0121】
ステップ310の後には、OOI及び背景をとらえた評価画像を取得するステップ140が続いてもよい。評価画像は、他の時点で取得されてもよく、その時点にある間は、1つ又は複数の注入剤は、BVSのうちの少なくとも1つを通って流れない。
【0122】
ステップ140の後には、特徴を抽出するようにトレーニングされた機械学習プロセスによって評価画像の評価画像特徴を決定するステップ150が続いてもよい。
【0123】
ステップ150の後には、参照BVSマップ情報に基づいて、評価画像のための予測BVSマップを生成するステップ160が続いてもよい。
【0124】
ステップ160の後には、予測BVSマップの生成に反応するステップ170が続いてもよい。
【0125】
方法300は、ステップ145及び/又はステップ175を含み得る。
【0126】
図4は、コンピュータ化されたシステム400の一実例を示す。コンピュータ化されたシステム。
【0127】
コンピュータ化されたシステム400は、方法100、及び/又は方法200、及び/又は方法300を実行するように構成されてもよい。
【0128】
コンピュータ化されたシステム400は、機械学習プロセッサ410(例えば、ステップ120及び150を実行することができる)、予測BVVマップ情報生成器420(例えば、ステップ160を実行することができる)、OOIプロセッサ430(例えば、ステップ160の実行に関与することができる)、状況検出器440(例えば、ステップ145を実行することができる)、反応ユニット450(例えば、ステップ170を実行することができる)、通信ユニット460(例えば、ステップ175を実行することができる)、及び、マン・マシン・インターフェース(MMI:man machine interface)470のうちの少なくともいくつかを含み得る。エンティティのいずれかは、1つ若しくは複数の処理回路を含むことができ、又は、1つ若しくは複数の処理回路によって実行されるか、ホストされ得る。MMI470は、視覚MMI、音声MMI、触覚MMI,マウス、キーボードなどであってもよい。
【0129】
図5図12は、画像のペアの実例を示す。各ペアは、評価画像(例えば、図5図7図9及び図11の画像501、503、505及び507のうちの一画像)と、BVSマップ及び他のOOIがオーバーレイされたオーバーレイ画像(例えば、図6図8図10及び図12の画像502、504、506及び508のうちの一画像)とを含む。図5図12は、PCI処置のさまざまな位相を示す。
【0130】
すべての画像は、背景500を示す。評価画像は、カテーテル511、第1のガイドワイヤ512、及び第2のガイドワイヤ513のうちの1つ又は複数の部分を示す。
【0131】
オーバーレイ画像の少なくともいくつかは、予測BVSマップ551と、第1のガイドワイヤの推定値516と、第2のガイドワイヤの推定値517と、カテーテルの推定値515とを含む。
【0132】
任意のマーク及び/又は任意の視覚的アラートは、オーバーレイ画像のいずれか又はその他の場所に、提供されてもよい。
【0133】
この出願は、従来技術に比べて著しい技術的改善、特にコンピュータ・サイエンスに改善をもたらす。
【0134】
医療処置におけるナビゲーション支援のための非一次的なコンピュータ可読媒体が提供されてもよく、非一次的なコンピュータ可読媒体は、(a)関心対象物(OOI)及び背景をとらえた参照画像を取得することであって、OOIは、血管セグメント(BVS)を含むことができ、参照画像は、(i)異なる時点で、(ii)1つ又は複数の注入剤がBVSの少なくとも1つを通って流れる間に取得されることと、(b)特徴を抽出するようにトレーニングされた機械学習プロセスによって参照画像の参照画像特徴を決定することと、(c)参照画像特徴に基づいて、参照画像のための参照BVSマップ情報を生成することと、(d)OOI及び背景をとらえた評価画像を取得することであって、評価画像は、他の時点で取得され、その時点にある間は、1つ又は複数の注入剤は、BVSのうちの少なくとも1つを通って流れないことと、(e)特徴を抽出するようにトレーニングされた機械学習プロセスによって評価画像の評価画像特徴を決定することと、(f)参照BVSマップ情報に基づいて、評価画像のための予測BVSマップを生成することと、(g)予測BVSマップの生成に反応することとを含み得る。
【0135】
参照BVSマップ情報は、参照BVSマップを含み得る。
【0136】
所与の評価画像の予測BVSマップを生成することは、対応する参照画像を選択することと、対応する参照画像の参照BVSマップに基づいて予測BVSマップを生成することとを含み得る。
【0137】
選択は、対応する参照画像の背景と、所与の評価画像の背景との間の類似性に基づいていてもよい。
【0138】
評価画像特徴及び参照画像特徴は、背景特徴のための命令を記憶し得る。
【0139】
機械学習プロセスは、異なる画像特徴に対して異なるヘッドを備えたニューラル・ネットワークによって実施することができ、異なるヘッドは、ニューラル・ネットワークの表現層から分岐する。
【0140】
類似性は、表現層の出力に基づいて決定することができる。
【0141】
選択は、対応する参照画像及び所与の評価画像のそれぞれの内部の少なくとも1つのア
ンカーの存在に基づいていてもよい。
【0142】
評価画像特徴及び参照画像特徴は、分類特徴と、OOI中心線特徴と、BVS配向特徴とを含み得る。
【0143】
評価画像特徴及び参照画像特徴は、さらに、OOIから背景までの距離特徴と血管接合特徴とを含み得る。
【0144】
評価画像特徴及び参照画像特徴は、テクスチャ特徴を含み得る。
【0145】
ステップ(e)及び(f)は、一度に1つの評価画像で実行され得る。
【0146】
機械学習プロセスは、異なる画像特徴に対して異なるヘッドを有するニューラル・ネットワークによって実施することができ、異なるヘッドは、ニューラル・ネットワークの表現層から分岐する。
【0147】
反応することは、評価画像上で予測BVSマップのオーバーレイに関与することを含み得る。
【0148】
関与することは、対応する評価画像上で予測BVSマップをオーバーレイすることを含み得る。
【0149】
関与することは、対応する評価画像上で予測BVSマップを位置合わせすることを含み得る。
【0150】
位置合わせは、予測BVSマップ及び対応する評価画像のそれぞれの内部の少なくとも1つのアンカーの存在に基づいていてもよい。
【0151】
位置合わせは、1つ又は複数の評価画像特徴に基づいていてもよい。
【0152】
位置合わせは、BVSの分岐の位置に基づいていてもよい。
【0153】
反応することは、評価画像内の関心位置で視覚的マークを提供することを含むことができ、関心位置は、マン・マシン・インターフェースから提供され得る。
【0154】
非一時的なコンピュータ可動媒体は、人間から、関心位置の説明を受信する命令を記憶し得る。
【0155】
反応することは、評価画像内の関心位置で視覚的マークを表示することを含むことができ、関心位置は、マン・マシン・インターフェースから提供され得る。
【0156】
OOIは、BVSの少なくともいくつかに挿入された少なくとも1つの医療要素を備え得る。
【0157】
少なくとも1つの医療要素は、カテーテルと、1つ又は複数のガイドワイヤとを備え得る。
【0158】
参照画像及び評価画像は、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)処置の間に取得することができる。
【0159】
非一時的コンピュータ可読媒体は、参照画像及び評価画像のうちの少なくとも1つの画像内の少なくとも1つのアンカーを発見するための、及び、その発見に反応するための命令を記憶することができる。
【0160】
機械学習プロセスは、表現層から分岐する異なるヘッドを有するニューラル・ネットワークによって実施することができる。
【0161】
機械学習プロセスは、同じフレームの異なるビュー間の類似性を強化する自己学習トレーニング・プロセスによってトレーニングすることができる。
【0162】
自己学習トレーニング・プロセスは、表現層の出力に基づいていてもよい。
【0163】
機械学習プロセスは、ニューラル・ネットワークに入力された入力画像と実質的に同一の再構築された入力画像を、ニューラル・ネットワークのヘッドのうちの1つから出力するための自己学習トレーニング・プロセスによってトレーニングすることができる。
【0164】
機械学習プロセスは、教師ありプロセスを使用してトレーニングすることができる。
【0165】
機械学習プロセスは、教師なしプロセスを使用してトレーニングすることができる。
【0166】
非一次的コンピュータ可読媒体は、事前定義された状況を検出し、事前定義された状況に反応するための命令を記憶することができる。
【0167】
「備える(comprising)」又は「有する(having)」という用語へのいかなる言及も、「~から成る(consisteing)」、「本質的に~から成る(essentially consisting of)」に準用されるべきである。例えば、特定のステップを含む方法は、それぞれ、追加のステップを含むことができるか、特定のステップに限定することができるか、又は、方法の基本的及び新規の特性にそれぞれ実質的に影響を及ぼさない追加のステップを含むことができる。
【0168】
本発明は、コンピュータ・システムなどのプログラム可能な装置上で動作させるときに本発明による方法のステップを実行するための、又はプログラム可能な装置が本発明によるデバイス若しくはシステムの機能を実行することを可能にするためのコード部分を少なくとも含む、コンピュータ・システムを動作させるためのコンピュータ・プログラムにおいて実施することもできる。コンピュータ・プログラムにより、ストレージ・システムは、ディスク・ドライブをディスク・ドライプ・グループに割り当てることができる。
【0169】
コンピュータ・プログラムは、特定のアプリケーション・プログラム及び/又はオペレーティング・システムなどの命令のリストである。コンピュータ・プログラムは、例えば、サブルーチン、関数、手順、オブジェクト・メソッド、オブジェクト実施、実行可能なアプリケーション、アプレット、サーブレット、ソース・コード、オブジェクト・コード、共有ライブラリ/動的負荷ライブラリ、及び/又は、コンピュータ・システム上で実行するために設計されたその他の命令シーケンスのうちの1つ又は複数を含み得る。
【0170】
コンピュータ・プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体などのコンピュータ・プログラム製品に内部的に記憶することができる。コンピュータ・プログラムの全て又はいくつかは、永久的に、取り外し可能に、又は遠隔的に情報処理システム(コンピュータ化されたシステムとも呼ばれる)に結合されたコンピュータ可読媒体上に提供することができる。コンピュータ可読媒体は、例えば、限定されないが、以下のもの、すなわち、ディスク及びテープ記憶媒体を含む磁気記憶媒体や、コンパクト・ディスク媒体(例えば、CD-ROM、CD-Rなど)及びデジタル・ビデオ・ディスク記憶媒体などの光学記憶媒体や、FLASHメモリ、EEPROM、EPROM、ROMなどの半導体ベースのメモリ・ユニットを含む不揮発性記憶媒体や、強磁性デジタル・メモリや、MRAMや、レジスタ、バッファ又はキャッシュ、メイン・メモリ、RAMなどを含む揮発性記憶媒体を、任意の数含むことができる。コンピュータ・プロセスは、典型的に、実行(動作)プログラム又は一部のプログラムと、現在のプログラム値及び状態情報と、プロセスの実行を管理するためのオペレーティング・システムによって使用されるリソースとを含む。オペレーティング・システム(OS:operating system)は、コンピュータのリソースの共有を管理してこれらのリソースにアクセスするために使用されるインターフェースをプログラマーに提供するソフトウェアである。オペレーティング・システムは、システム・データ及びユーザ入力を処理し、タスク及び内部システム・リソースをサービスとしてユーザとシステムのプログラムとに割り当てて管理することによって反応する。コンピュータ・システムは、例えば、少なくとも1つの処理ユニットと、関連付けられたメモリと、多数の入力/出力(I/O:input/output)デバイスとを備え得る。コンピュータ・プログラムが実行されるとき、コンピュータ・システムは、コンピュータ・プログラムに従って情報を処理し、結果として得られる出力情報をI/Oデバイスを介して生成する。
【0171】
上記明細書では、本発明は、本発明の実施例の具体例を参照して説明してきた。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載された本発明のより広い趣旨及び範囲から逸脱することなく、さまざまな修正及び変更を行うことができることは明らかであろう。
【0172】
さらに、明細書及び特許請求の範囲において、「前部」、「後部」、「上部」、「底部」、「~の上方に」「~の下に」などの用語は、たとえあるとしても、説明のために使用され、必ずしも永久的な相対位置を説明するために使用されるわけではない。そのように使用される用語は、本明細書に記載される本明細書の実施例が、例えば、本明細書に図示された、さもなければ記載されたもの以外の向きで動作することができるように、適切な状況下で置き換え可能であることが理解される。
【0173】
当業者であれば、論理ブロック間の境界は単なる例示であり、代替実施例は、論理ブロック若しくは回路要素をマージするか、又は、さまざまな論理ブロック若しくは回路要素に機能性の代替的な分解を課すことができる。したがって、本明細書に示したアーキテクチャは、単なる例示であり、実際には、同じ機能性を実現する他の多くのアーキテクチャを実装することができることを理解されたい。
【0174】
同じ機能性を実現するための構成要素の任意の配置は、所望の機能性が実現されるように効果的に「連係」される。したがって、特定の機能性を実現するために組み合わされた本明細書の任意の2つの構成要素は、アーキテクチャ又は中間構成要素に関係なく、所望の機能性が実現されるように、互いに「連係」されているとみなすことができる。同様に、そのように連係された任意の2つの構成要素は、所望の機能性を実現するために、互いに「動作可能に接続」されているか、又は、「動作可能に結合」されているとみなすことができる。
【0175】
さらに、当業者であれば、上述の動作間の境界が単なる例示であることを認識するであろう。複数の動作は、単一の動作に組み合わされてもよく、単一の動作は、追加の動作に分散されてもよく、動作は、時間的に少なくとも部分的に重複して実行されてもよい。さらに、代替の実施例は、特定の動作の複数の例を含むことができ、動作の順序は、他のさまざまな実施例に変更することができる。
【0176】
また、例えば、一実施例では、例示的な実例は、単一の集積回路上又は同じデバイス内に位置する回路構成として実施されてもよい。或いは、実例は、適切な方法で相互接続された任意の数の別個の集積回路又は別個のデバイスとして実施されてもよい。
【0177】
また、例えば、実例又はその一部は、任意の適切なタイプのハードウェア記述言語など、物理回路構成の、又は物理回路構成に変換可能な論理表現のソフト表現若しくはハード表現として実施されてもよい。
【0178】
また、本発明は、プログラム不可能なハードウェアに実装される物理的なデバイス又はユニットに限定されず、本出願では一般に「コンピュータ・システム」として示されている、メインフレーム、ミニコンピュータ、サーバ、ワークステーション、パーソナル・コンピュータ、ノートパッド、携帯情報端末、電子ゲーム、自動車及びその他の組み込みシステム、携帯電話及びその他のさまざまな無線デバイスなど、適切なプログラム・コードに従って動作させることによって、所望のデバイス機能を実行することができる、プログラム可能なデバイス又はユニットにおいて適用することもできる。
【0179】
しかしながら、他の修正、変形及び代替も可能である。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく、例示として見なされるべきである。
【0180】
特許請求の範囲において、括弧内に配置された参照符号は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。「含む(comprising)」という単語は、特許請求の範囲に記載されているもの以外の他の要素又はステップの存在を排除するものではない。さらに、本明細書で使用される「a」又は「an」という用語は、1つ又は複数として定義される。また、特許請求の範囲における「少なくとも1つ」や「1つ又は複数の」などの導入語句の使用によって、不定冠詞「a」又は「an」による別の請求項要素の導入が、たとえ同じ請求項が「1つ又は複数の」若しくは「少なくとも1つの」という導入語句と「a」若しくは「an」などの不定冠詞を含むときであっても、このような導入された請求項要素を含む任意の特定の請求項を、ただ1つのこのような要素を含む発明に限定することを示唆すると解釈されるべきではない。定冠詞の使用についても同様である。特に明記しない限り、「第1の」及び「第2の」などの用語は、このような用語が説明する要素を任意に区別するために使用される。したがって、これらの用語は、必ずしも、このような要素の時間的又はその他の優先順位付けを示すことを意図するものではない。特定の手段が互いに異なる請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。
【0181】
本発明の特定の機能を本明細書に示して説明してきたが、当業者であれば、多くの修正、置換、変更、及び等価物を思いつくであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨内に入るすべてのこのような修正及び変更を網羅することを意図していることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】