(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】シガーの外皮及びそれを含む加熱式喫煙製品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/02 20060101AFI20240207BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20240207BHJP
【FI】
A24D1/02
A24D1/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509524
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-02-16
(86)【国際出願番号】 KR2022020423
(87)【国際公開番号】W WO2023128415
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0193601
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0164574
(32)【優先日】2022-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アン、キ ジン
(72)【発明者】
【氏名】コ、ウォンヨウン
(72)【発明者】
【氏名】ムーン、スンミン
(72)【発明者】
【氏名】キム、スー ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒェオン タエ
(72)【発明者】
【氏名】パク、チャン ジン
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045AA50
4B045AB11
(57)【要約】
本発明は、喫煙物品を包むシガーの外皮であって、前記シガーの外皮は、シガーの葉を50重量%以上含むものであり、前記喫煙物品は加熱式喫煙物品であるシガーの外皮と、前記シガーの外皮を含む喫煙物品及びその製造方法に関する。前記シガーの外皮は120cN/mm以上の引張強度を有し、加熱式喫煙物品に適用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙物品を包むシガーの外皮であって、
前記シガーの外皮は、シガーの葉を50重量%以上含むものであり、
前記喫煙物品は、加熱式喫煙物品である、シガーの外皮。
【請求項2】
前記シガーの外皮は、120cN/mm以上の引張強度を有するものである、請求項1に記載のシガーの外皮。
【請求項3】
前記シガーはシガーの葉の主脈を含み、シガーの葉の葉舌は含まない、請求項1に記載のシガーの外皮。
【請求項4】
前記シガーの外皮は、パルプをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のシガーの外皮。
【請求項5】
前記パルプは、ハードパルプ及びソフトパルプのうちの1つ以上を含む、請求項4に記載のシガーの外皮。
【請求項6】
前記パルプは、ハードパルプ及びソフトパルプを0.1-99.9:99.9-0.1の重量比に混合したものである、請求項5に記載のシガーの外皮。
【請求項7】
喫煙物品を包むシガーの外皮の製造方法であって、
シガーの葉を叩解するステップ(S1)と、
パルプを叩解するステップ(S2)と、
前記S1ステップ及びS2ステップで叩解されたシガーの葉及びパルプを混合するステップ(S3)と、
前記混合されたシガー及びパルプを抄紙するステップ(S4)と、
を含み、
前記喫煙物品は、加熱式喫煙物品である、
シガーの外皮の製造方法。
【請求項8】
前記シガーの外皮は、シガーの葉を50重量%以上含む、請求項7に記載のシガーの外皮の製造方法。
【請求項9】
前記S4ステップの抄紙は、長網抄紙機又は円網抄紙機を用いて行われる、請求項7に記載のシガーの外皮の製造方法。
【請求項10】
前記シガーはシガーの葉の主脈を含むものであり、シガーの葉の葉舌は含まない、請求項7に記載のシガーの外皮の製造方法。
【請求項11】
前記パルプは、ハードパルプ及びソフトパルプのうちの1つ以上を含む、請求項7に記載のシガーの外皮の製造方法。
【請求項12】
前記パルプは、ハードパルプ及びソフトパルプが0.1-99.9:99.9-0.1の重量比に混合されたものである、請求項11に記載のシガーの外皮の製造方法。
【請求項13】
請求項7から12のいずれか一項に記載のシガーの外皮の製造方法によって製造されたシガーの外皮を含む、加熱式喫煙物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シガーの外皮、それを含む加熱式喫煙製品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タバコの原料及びエアゾール生成基材を含むタバコ充填材を巻タバコ紙の内側に充填して形成されたタバコのロッドを有する加熱式喫煙製品に対する関心が高まっている。前記加熱式喫煙製品は、加熱装置における電気ヒーターによってタバコの原料を燃焼させることなく加熱し、タバコの充填材で生成されたエアゾールをユーザに伝達するタイプの喫煙物品である。電気ヒーターとして、ブレード状やロッド状など様々な形状のヒーターが実用化されており、使用時にタバコのロッドの先端面から電気ヒーターを挿入することでタバコのロッドが加熱装置に装着される。
【0003】
一方、シガーは、タバコの葉を巻いて作った喫煙製品であって、タバコの原料を包む材料にタバコの葉を含有することを特徴とある。前記シガー関連の喫煙製品は、シガー固有の味を好む消費者によって着実に消費されており、シガーの喫煙は長時間行われるため、シガリロのように薄い形態を有するシガーも提案されている。
【0004】
このようにシガーの葉が適用された巻タバコ紙を含む喫煙製品に対する選好が着実にあったが、現在主に消費されている加熱式喫煙物品に適用されるには従来におけるシガーの外皮の引張強度が足りないという限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
大韓民国公開特許第2021-0115609号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、加熱式喫煙物品に適用されるシガーの外皮とそれを含む加熱式喫煙物品を提供することにある。
【0007】
しかし、本発明が解決しようとする課題は、以上で言及したものなどに制限されず、言及されない更なる課題は下記の記載によって当該の分野当業者にとって明確に理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は喫煙物品を包むシガーの外皮であって、前記シガーの外皮は、シガーの葉を50重量%以上含むものであり、前記喫煙物品は加熱式喫煙物品であるシガーの外皮を提供する。
【0009】
本発明の一実施形態に係る前記シガーの外皮は、120cN/mm以上の引張強度を有するものである。
【0010】
本発明の他の実施形態に係る前記シガーはシガーの葉の主脈を含み、シガーの葉の葉舌は含まないものである。
【0011】
本発明の他の実施形態に係る前記シガーの外皮は、パルプをさらに含むことができる。
【0012】
本発明の他の実施形態に係る前記パルプは、ハードパルプ及びソフトパルプのうちの1つ以上を含むことができる。
【0013】
本発明の他の実施形態に係る前記パルプは、ハードパルプ及びソフトパルプを0.1-99.9:99.9-0.1の重量比に混合したものである。
【0014】
また、本発明は、喫煙物品を包むシガーの外皮の製造方法であって、シガーの葉を叩解するステップ(S1)と、パルプを叩解するステップ(S2)と、前記S1ステップ及びS2ステップで叩解されたシガーの葉及びパルプを混合するステップ(S3)と、前記混合されたシガー及びパルプを抄紙するステップ(S4)とを含み、前記喫煙物品は、加熱式喫煙物品であるシガーの外皮の製造方法を提供する。
【0015】
本発明の更なる実施形態に係る前記シガーの外皮は、シガーの葉を50重量%以上含むことができる。
【0016】
本発明の更なる実施形態に係る前記S4ステップの抄紙は、長網抄紙機又は円網抄紙機を用いて行われることができる。
【0017】
それと共に、本発明は、前記製造方法によって製造されたシガーの外皮を含む加熱式喫煙物品を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、加熱式喫煙製品に使用できるシガーの葉を含むシガーの外皮を提供するものであって、前記シガーの外皮はシガーの葉を含みながらも引張強度に優れ、加熱式喫煙製品にも適用できることを特徴とする。前記シガーの外皮にはシガーの葉が含まれることで味わいの深さが増加し、タバコの風味が増大し、外観も差別化されていることを特徴とする。
【0019】
本発明の効果は前記効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明又は請求範囲に記載されている発明の構成から推論可能な全ての効果を含むものとして理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシガーの外皮を撮影した写真を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るシガーの外皮の官能評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付する図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明の説明において、関連する公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合にその詳細な説明は省略する。また、本明細書で使用される用語は、本発明の好適な実施形態を適切に表現するために使用される用語として、これは、ユーザ、運用者の意図又は本発明が属する分野の慣例などによって変わり得る。従って、本用語に対する定義は本明細書全般にわたった内容に基づいて行われなければならないのであろう。各図面に提示された同じ参照符号は同じ部材を示す。
【0022】
明細書の全体において、いずれかの部材が他の部材「上に」位置しているとするとき、これはいずれかの部材が他の部材に接している場合だけでなく、2つの部材間に更なる部材が存在する場合も含む。
【0023】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0024】
明細書の全体において、用語「上流」及び「下流」は、ユーザが喫煙物品を用いて外気を吸入するとき、喫煙物品の外部から内部に空気が入ってくる部分が「上流」であり、喫煙物品の内部から外部に空気が出て行く部分が「下流」である。用語「上流」及び「下流」は、喫煙物品を構成している部分又はセグメント間の相対的な位置又は方向を示すために使用される。
【0025】
燃焼式喫煙物品に適用されたシガーの外皮は、引張強度が80cN/mm以下で、加熱式喫煙物品に適用する時に外皮が破損したりもした。シガーの葉を含有して最終の外皮を製造する工程は、その均一な配合が難しく、1次シートタバコの製造後に2次パルプとの配合が必要であるため、工程を2回行わなければならない不便があった。また、該当工程を行うとき、外皮の内部に含まれている成分が抜け出てシガー特有の香りが低減したりもした。
【0026】
ここで、本発明は、消費者にシガー特有の喫味と風味を保持すると共に、加熱式喫煙機器によって喫煙の可能なシガーの外皮を開発して本発明を完成した。
【0027】
以下、本発明のシガーの外皮とそれを含む喫煙物品に対して実施形態及び図面を参照して具体的に説明する。しかし、本発明がこのような実施形態及び図面に制限されることはない。
【0028】
本発明は、喫煙物品を包むシガーの外皮であって、前記シガーの外皮は、シガーの葉を50重量%以上含むものであり、前記喫煙物品は加熱式喫煙物品であるシガーの外皮を提供する。
【0029】
本発明の一実施形態により、前記シガーの外皮にシガーの葉は50重量%以上含まれている。これによって、本発明の喫煙物品は、シガー特有の喫味と風味を有することができる。前記シガーの葉の含量が50重量%未満として含まれる場合、シガー特有の喫味と風味が足りなく、ニコチンの移行量が足りない。より好ましくは、50~66重量%含まれてもよい。
【0030】
本発明の一実施形態により、前記シガーの外皮は、120cN/mm以上の引張強度を有することを特徴とする。これによって、前記シガーの外皮は加熱式喫煙物品に適用されてもよい。前記シガーの外皮は120cN/mm以上の引張強度を有し、喫煙物品に適用して使用するとき、工程中に切れる現像が発生することなく、これにより作業性が大きく向上することを特徴とする。もし、引張強度が120cN/mm未満である場合その作業性が大きく低下し、加熱式喫煙装置に挿入されて使用する時に損傷が発生する恐れがある。
【0031】
本発明の一実施形態により、前記シガーの外皮は、40~80g/m2の秤量を有することを特徴とする。前記シガーの外皮は、40g/m2未満の秤量を有する場合、喫煙物品の他の材料を支持し形を保持する効果が不足し、80g/m2を超過する場合、喫煙物品の製造時に紙の弾性の増大により接着性が不良になるなど、工程が円滑に行われずに作業性が低下する恐れがある。
【0032】
本発明の一実施形態により、前記シガーの外皮は、50~180umの厚さを有することを特徴とする。前記シガーの外皮は、50um未満の厚さを有する場合、喫煙物品の他の材料を支持して形を保持する効果が不足し、180umを超過する場合、喫煙物品の製造時に紙の弾性の増大により接着性が不良になるなど、工程が円滑に製造されずに作業性が低下する恐れがある。
【0033】
本発明の一実施形態により、前記シガーの外皮は、0.5~3%の延伸率を有することを特徴とする。前記シガーの外皮は、0.5%未満の延伸率を有する場合、喫煙物品の製造時に切れる現像が生じて作業性が低下する恐れがあり、延伸率が3%を超過する場合、過剰な延伸によって喫煙物品の他の材料を支持して形を保持する効果が低下する恐れがある。
【0034】
本発明の一実施形態により、前記シガーの外皮は、20~80CUの多孔性(porosity)を有することを特徴とする。前記多孔性は、コレスタ単位(Coresta Unit、CU)に表示し、1kPaの圧力下で1cm2のサンプルを通過する空気の体積流量を示す値(cm3/cm2.min at 1kPa)である。前記シガーの外皮は、20CU(cm3/cm2.min at 1kPa)未満の多孔性を有する場合、喫煙物品の使用時に外気がよく流入されないことで、喫煙時に吸う快感に影響を及ぼし、多孔性が80CU(cm3/cm2.min at 1kPa)を超過する場合、過剰な多孔性により外気が過度に流入して喫煙物品の喫煙時の風味(喫煙品質)が低下して無駄な吸引を誘発しかねない。さらに好ましくは、本発明のシガーの外皮は50CU~80CUの多孔性を有するとき、喫煙物品の使用時に風味が優れることを特徴とする。
【0035】
本発明の一実施形態により、前記シガーの外皮は、5~15の平滑度(SS)及び5~15の平滑度(RS)を有することを特徴とする。表面平滑度(SS)は、喫煙物品5未満の平滑度を有する場合に作業性が低下する恐れがあり、15を超過する場合にシガー葉の特有の感性が足りなくて選好度が低下する恐れがある。裏面平滑度(RS)は5未満の平滑度を有する場合、喫煙物品の製造時に接着剤の塗りやすさが足りなく接着部の破れが誘発し、15を超過する場合、スリップ(滑り)によって刻草の包装において均一性が低下する恐れがある。
【0036】
前記平滑度はベック法(Bekk Smoothness)に基づいて測定される方法で、紙と理想的な平面との間の空気の流れを測定する方法として時間単位(秒)が大きいほど平滑であることを意味する。前記シガーの外皮は、通常の紙とは異なって、シガーの葉が含まれていることにより平滑度は一般の紙よりも低いが、5未満の平滑度を有する場合、喫煙物品の製造時にかかる現像が生じることで作業性が低下し、平滑度が15を超過する場合、シガーラッパー特有の感性が足りなくて選好度が低下する恐れがある。
【0037】
本発明の一実施形態により、前記シガーの外皮は、パルプ成分とシガーの葉が混合して製造されるものである。前記シガーの外皮のパルプ成分は、ハードパルプ(広葉樹パルプ)及びソフトパルプ(針葉樹パルプ)のうちの1つ以上を含んでもよい。前記パルプは、ハードパルプ及びソフトパルプのうちの1つのみを含んでもよく、0.1-99.9:99.9-0.1の重量比で混合されたものであってもよく、好ましくは、ハードパルプ及びソフトパルプが20-80:80-20の重量比で混合されてもよい。前記好ましい混合範囲で加熱式喫煙物品に使用するのに適した引張強度を示す。ハードパルプを多く含むほど引張強度は増加するものの、伸長率及びシガーの葉の脱落が増大し、反対に、ソフトパルプを多く含むほど伸長率及びシガーの葉の脱落は低減するものの、引張強度は低下することから、適切な配合を使用しなければならない。
【0038】
前記外皮に使用されるシガーの葉は、シガーの葉の主脈が主に活用されるもので、シガーの葉の葉舌はほとんど含まないことを特徴とする。前記シガーの葉の主脈は全体用いられるシガー100重量%に対して90重量%以上含まれており、シガーの葉の葉舌は1重量%未満であり、実質的にほとんど含まれなくてもよい。
【0039】
本発明の一実施形態により、前記シガーの外皮にはシガーに類似の幹形状の印刷を含んでもよい。前記印刷の方法は、喫煙製品に適用される印刷方式であれば制限されることなく適用可能である。
【0040】
本発明の更なる実施形態により、喫煙物品を包むシガーの外皮の製造方法であって、シガーの葉を叩解するステップ(S1)と、パルプを叩解するステップ(S2)と、前記S1ステップ及びS2ステップで叩解されたシガーの葉及びパルプを混合するステップ(S3)と、前記混合されたシガーの葉及びパルプを抄紙するステップ(S4)とを含み、前記喫煙物品は、加熱式喫煙物品であるシガーの外皮の製造方法を提供することができる。
【0041】
本発明の更なる実施形態により、前記S1ステップ及びS2ステップは、それぞれ独立的に実行されてもよい。本発明では、前記S1ステップ及びS2ステップを独立的に行った後、S3ステップでそれぞれ独立的に叩解されたシガーの葉及びパルプを混合して使用することで、均一な配合が可能な長所があり、工程が簡単に実行されるため作業の便宜性が上昇し、作業時間が縮小することを特徴とする。
【0042】
また、前記独立した叩解進行によってシガーの葉におけるニコチンの溶出が減少し、喫煙物品のニコチンの移行量を増加させ得る。
【0043】
本発明の製造方法は、通常の製紙工程を応用して実行されることができる。通常、製紙工程は、パルプの製造工程、組成工程、抄紙工程、加工工程、及び完成工程の順に行われる。
【0044】
パルプの製造工程は、木材やその他の繊維植物で機械的、化学的な処理などによって繊維を分離して抜き取る工程であり、組成工程は、製紙工程で必要とする材料を準備する工程であって、解離、叩解、精選し、一部は薬品処理して抄紙工程で使用されるようにする工程である。
【0045】
このようなパルプは原木などを一定の大きさに切断し、これを皮むき機(barker)に入れて表面の皮をむいた後、グラインダー(grinder)に水と共に入れて摩砕した後、不純物を精選(screen)して紙料を取得できる。
【0046】
抄紙工程は、組成工程で精選された紙料を抄紙化する工程であり、抄紙工程を簡略に察すると、紙料を均一に射出及び配分してシートが形成される過程と、シート化された紙料がプレスロールを通過しながら機械的に圧縮及び脱水が行われる過程と、スチームを用いてシート状態の紙料を乾燥させる過程と、ロールを介して紙の厚さ調節及び表面を平坦化した後連続工程あるいは分離した加工機械を利用した加工工程に連結される。加工工程なしに乾燥やカレンダ後に巻取られてもよい。
【0047】
ここで、抄紙工程は、長網抄紙と円網抄紙とに区分される。紙層の形成過程で金網部がエンドレス上の長い網からなるものを長網式抄紙機といい、大きい円筒状のシリンダからなるものを円網式抄紙機という。
【0048】
ここで、本発明の他の実施形態により、前記S4ステップの抄紙は、長網抄紙機又は円網抄紙機を用いて実行されてもよい。円網と長網の全てを活用してもよいが、好ましくは、円網抄紙機を活用して外皮のシート形成を増大させ得る。
【0049】
本発明の他の実施形態により、前記S4ステップの抄紙が完了した後、シガーの外皮をカレンダーリングするステップ(S5)をさらに含んでもよい。前記カレンダーリングは、オフライン又はオンライン方式を介して行われ、前記過程を介して印刷適性が増大して引張強度が上向される。
【0050】
本発明の他の実施形態により、上記ステップS5後に、茎状の印刷を行うステップS6をさらに含んでもよい。前記印刷方法は、喫煙製品に適用される印刷方式であれば制限されることなく適用可能である。
【0051】
また、本発明は、前記シガーの外皮を含む喫煙物品を提供することができる。
【0052】
本発明の他の実施形態により、喫煙物質部と、前記喫煙物質部よりも下流に位置する冷却部と、前記冷却部よりも下流に位置するフィルタ部を備え、前記喫煙物品を包むシガーの外皮を含む喫煙物品を提供する。本発明において「喫煙物品」(smoking article)とは、喫煙可能な任意の製品又は喫煙体験を提供できる任意の製品を意味する。特に、本発明では、前記喫煙物品は加熱式電子タバコのようなエアゾールを発生させ得る喫煙可能物品を意味する。
【0053】
本発明の他の実施形態により、前記喫煙物質部と、前記喫煙物質部よりも下流に位置する冷却部と、前記冷却部よりも下流に位置するフィルタ部は長手方向に連結されたものであってもよい。即ち、前記フィルタ部は、喫煙物質部で最も下流、即ち、喫煙者と最も近い方向(下流方向)に位置し、喫煙物質部は、喫煙者と最も上流、即ち、喫煙者と最も遠い方向(上流方向)に配置することができる。
【0054】
本発明の他の実施形態により、前記喫煙物質部にはエアゾール生成物質を含む。前記エアゾール生成物質は、エアゾール(aerosol)を発生させ得る物質を意味し、固体又は液相であってもよい。
【0055】
例えば、固体のエアゾール生成物質はシートタバコ、刻草、再構成タバコなどタバコの原料を基礎にする固体物質を含み、特に、本発明の喫煙物品の喫煙物質部には固体物質として特にシガーの葉が含まれてもよい。
【0056】
液相のエアゾール生成基材は、ニコチン、タバコ抽出物及び/又は様々な香味剤を基礎にする液相組成物を含んでもよい。しかし、本発明の範囲が前記挙げられている例示に限定されることはない。
【0057】
より具体的な例として、液相のエアゾール生成物質は、プロピレングリコール(PG)及びグリセリン(GLY)のうち少なくとも1つを含んでもよく、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びオレイルアルコールのうち少なくとも1つをさらに含んでもよい。異なる例として、エアゾール生成物質は、ニコチン、水分及び加香物質のうち少なくとも1つをさらに含んでもよい。更なる例として、エアゾール生成物質は、シナモン、カプサイシンなどの様々な添加物質をさらに含んでもよい。エアゾール生成物質は、流動性が大きい液体物質だけでなくジェル又は固形分の形態の物質を含んでもよい。このように、エアゾール生成物質の組成成分は実施形態により多様に選択され、その組成比率も実施形態に応じて変わり得る。以下の明細書において液相は、液相のエアゾール生成物質を称するものである。
【0058】
本発明の他の実施形態により、喫煙物質部には固体のエアゾール生成物質が含まれるものであるか、前記固体のエアゾール生成物質と液相のエアゾール生成物質が全て含まれたものであってもよい。前記喫煙物質部の長さは概略15mm~75mmであってもよい。
【0059】
本発明の他の実施形態により前記喫煙物品はフィルタ部を含むことができる。例えば、前記フィルタ部は、モノフィルタ、二重フィルタ又は三重フィルタであってもよい。また、前記フィルタ部は、多孔性マトリックス構造、チューブ構造、及び紙管構造(paper tube)のうち少なくとも1つ以上のフィルタを含んでもよい。前記フィルタは、高分子、紙、アセチルセルロース、活性炭及び炭素のうち少なくとも1つを含む繊維状、フィラメント状、又はその2つを含むフィルタートウを含んでもよい。しかし、これに限定されることはない。数個の実施形態において、フィルタ物質は炭素を含む吸着剤、活性炭などのように当技術分野で幅広く知られている少なくとも1つのフィルタ物質をさらに含んでもよい。また、前記フィルタ部は、フィルタを包むチップペーパー及び/又はフィルタ巻紙をさらに含んでもよく、前記チップペーパーとフィルタ巻紙は、例として紙の素材であり、これに限定されることはない。
【0060】
前記フィルタ部は香味が発生するように製造されてもよい。一例として、フィルタ部に加香液が噴射されてもよく、加香液が塗布された別途の繊維がフィルタ部の内部に挿入されてもよい。
【0061】
また、フィルタ部には少なくとも1つのカプセルが含まれてもよい。ここで、カプセルは香味を発生させる機能を行い、エアゾールを発生させる機能を行う。例えば、カプセルは、香料を含む液体を被膜で包んだ構造であってもよい。カプセルは球状又は円筒状の形状を有するが、これに制限されることはない。
【0062】
また、前記冷却部は、高分子物質又は生分解性の高分子物質に製造されることができる。例えば、冷却部は、純粋なポリ乳酸だけで製造されてもよいが、これに限定されない。又は、冷却部は、複数の孔が空けられたアセチルセルロースフィルタで製造されてもよい。しかし、冷却部は上述した例に限定されることなく、エアゾールが冷却される機能を行うことができれば、制限されることなく該当する。
【0063】
一方、本発明の喫煙製品にはせん断フィルタがさらに含まれてもよい。せん断フィルタは喫煙製品において、フィルタ部に対向する一側に位置する。せん断フィルタは、喫煙製品の喫煙物質部が外部に離脱することを防止することができ、喫煙中に喫煙製品から液相化されたエアゾールが加熱式喫煙装置に流れて行くことを防止することができる。
【0064】
さらに、本開示の数個の実施形態に係る喫煙物品が適用され得る例示的な加熱式喫煙装置に対して簡略に説明することにする。
【0065】
前記加熱式喫煙装置は、ハウジング、ヒーター、制御部、及びバッテリを含んでもよい。但し、前記構成要素は例示であって、本発明が属する技術分野の当業者であれば、前記構成要素の他に異なる汎用的な構成要素をさらに含むことが可能であることが分かる。例えば、加熱式喫煙装置は、装置の状態を出力する出力モジュール(e.g.モータ、ディスプレイ)及び/又はユーザの入力(e.g.装置オン/オフなど)を受けるための入力モジュール(e.g.ボタン)などをさらに含んでもよい。以下、加熱式喫煙装置の各構成要素について説明する。
【0066】
ハウジングは、加熱式喫煙装置の外観を形成している。また、ハウジングは、喫煙物品を受容するための収容空間を形成することができる。収容空間に受容されている喫煙物品は、ヒーターによって加熱されることで煙及び/又はエアゾールを発生させ、発生した煙及び/又はエアゾールは、ユーザの口部を介して吸入される。ここで、喫煙物品は、上述した本開示の数個の実施形態に係る喫煙物品に対応するものである。
【0067】
次に、ヒーターは、収容空間に受容されている喫煙物品を加熱することによって煙及び/又はエアゾールを発生させることができる。前記ヒーターは、受容された喫煙物品の内部を加熱する内部加熱式であるか、又は喫煙物品の外部を加熱する外部加熱式に実現され得る。また、ヒーターは、電気抵抗性ヒーターに実現されてもよく、誘導加熱式に実現されてもよい。このように、喫煙物品を加熱して煙及び/又はエアゾールを発生させることができれば、ヒーターはいかなる方式に具現されても構わない。
【0068】
次に、制御部は、加熱式喫煙装置の動作を全般的に制御することができる。例えば、制御部は、ヒーターとバッテリの動作を制御し、加熱式喫煙装置に含まれている異なる構成要素の動作も制御できる。制御部は、バッテリが供給する電力、ヒーターの加熱温度などを制御する。また、制御部は、加熱式喫煙装置の構成それぞれの状態を確認し、加熱式喫煙装置が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0069】
制御部は、少なくとも1つのプロセッサによって実現されることができる。前記プロセッサは、複数の論理ゲートのアレイに実現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサと、このマイクロプロセッサに実行されるプログラムの格納されたメモリの組み合わせで実現されてもよい。また、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、制御部が異なる形態のハードウェアに実現可能であることを自明に理解できる。
【0070】
次に、バッテリは、加熱式喫煙装置が動作するために使用される電力を供給することができる。例えば、バッテリは、ヒーターに電力を供給し、制御部が動作するために必要な電力を供給することができる。
【0071】
また、バッテリは、加熱式喫煙装置に設置されたディスプレイ、センサ、モータなどの追加的な電気的な構成要素が動作するために必要な電力を供給することができる。
【0072】
また、特に、本発明の喫煙物品は、液相のエアゾール形成基材が共に使用されるハイブリッド型加熱式喫煙装置に使用され得る。前記ハイブリッド型の加熱式喫煙装置は、蒸気化器と喫煙物品が並列に配置されたデバイスであるか、又は蒸気化器と喫煙物品が直列に配置されたデバイスであってもよい。但し、本開示の範囲がこのような例示に限定されるものではなく、加熱式喫煙装置内の配置形態はいくらでも変形され得る。
【0073】
上述したように加熱式喫煙装置は、蒸気化器をさらに含んでもよい。但し、これは本開示の目的を達成するための好適な実施形態に過ぎず、必要に応じて一部の構成要素が追加されたり省略されたりすることはもちろんである。
【0074】
前記蒸気化器は、液相のエアゾール形成基材を気化させてエアゾールを発生させることができる。例えば、蒸気化器は、液相のエアゾール形成基材を格納する液相貯蔵槽、格納されている液相を吸収するウィク(wick)及び吸収された液相を気化させる液相気化要素を含んで構成されることができる。ここで、液相気化要素は加熱要素として実現されてもよく、超音波振動を介して液相を気化させる振動要素として実現されてもよいし、別の形態に実現されてもよい。また、本開示の範囲がこのような例示に限定されることなく、蒸気化器は他の方式に実現されてもよい。例えば、蒸気化器は、ウィクを含まない構造で実現されてもよい。
【0075】
蒸気化器で発生したエアロゾルは、喫煙物品を通過してユーザの口部を介して吸入できる。蒸気化器の液相気化要素は制御部によって制御されることができる。
【0076】
以下、実施形態と比較例を通じて発明の構成及びそれによる効果をより詳細に説明する。しかし、本実施形態は、本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこの実施形態に限定されることはない。
【0077】
[実施形態1]
シガーの葉(51wt%)及び混合パルプ(Soft and Hard)(49wt%)を準備し、叩解過程を経てから混合した。前記混合パルプは、ソフトパルプ及びハードパルプを20:80の重量比として含み、前記シガーの葉は葉舌を含まない。
【0078】
前記混合物を長網抄紙機に比べて引張強度を強く実現する円網抄紙機を用いて抄紙した後、シガーの外皮を製造した。製造されたシガーの外皮をカレンダーリング加工した後、シガーの葉の模様を印刷した。
【0079】
[比較例1]
比較のために、シガーの葉(10wt%)及び混合パルプ(90wt%)を粉砕して混合した後、叩解過程を経て混合した。前記混合物を長網抄紙機用いて抄紙した後、シガーの外皮を製造した。製造された外皮をカレンダーリング加工した後、シガーの葉の模様を印刷した。
【0080】
製造されたシガーの外皮の成分を確認して下記の表1に示した。
【0081】
【0082】
<シガーの外皮の物理性確認>
製造された最終の外皮に対して物理的性質を確認し、下記の表2に示した。下記の引張強度及び延伸率分析のために引張試験機(AG-5000G、Universal Testing Machine)が使用され、ASTM D638に基づいた。クロスヘッドの速度は0.3mm/min、荷重は50kgであった。
【0083】
【0084】
前記表1で確認されるように、現行のシガーの外皮と比較して、引張強度が40cN/mm以上に増加し、50CUとして適切な多孔性を有し、平滑度は増加した。
【0085】
<シガーの最終外皮適用喫煙物品の製造作業性評価>
実施形態1及び比較例のシガーの最終外皮を用いて、媒質部、冷却部、及びフィルタ部を含む加熱式喫煙物品を製造した。前記加熱式喫煙物品は、
図1に示したように、最後のステップでシガーの外皮を包んで完成される。前記加熱式喫煙物品の作業性評価のために、実施形態ごとに巻タバコ紙の適用可能な製造速度、接着特性、巻タバコ紙の切れ、接着剤汚染、及び消火率評価を行って表3に示した。
【0086】
【0087】
前記表2に示したように、比較例1のシガーの外皮と比較して実施形態1のシガーの外皮を用いた場合、巻タバコ紙が切れる現像が少なくて製造速度も優秀であった。
【0088】
<シガーの最終外皮適用喫煙物品の煙成分分析>
製造された喫煙物品に対してISO喫煙条件に応じて20個の喫煙物品を自動喫煙装置で喫煙し、パッドに捕集されたニコチン、プロピレングリコール、グリセリン及び水の含量を測定して下記の表4に示した。
【0089】
【0090】
前記結果から、実施形態1のシガーの外皮を適用した場合、ニコチンの移行量が増加することが確認される。
【0091】
<シガーの最終外皮適用喫煙物品の官能評価>
20人のパネルを介して、前記の実施形態1及び比較例1のシガーの外皮で製造された喫煙物品の味を評価して
図2に示した。
【0092】
図2を参照して確認されるように、ニコチンの増大による喫味強度、刺激性は増加し、全体的なタバコの風味は更に良くなることが確認された。
【0093】
上述したように実施形態がたとえ限定された実施形態及び図面によって説明されたが、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記記載から様々な修正及び変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順実行されたり、及び/又は説明された構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合わせられたり、他の構成要素又は均等物によって代替、置換されても適切な結果を達成することができる。従って、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されて定められるものではなく、特許請求の範囲及び特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【国際調査報告】