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特表2024-506781駆動ベルト用のリングセットの組立て方法におけるリングの周方向の長さの較正プロセス
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  • 特表-駆動ベルト用のリングセットの組立て方法におけるリングの周方向の長さの較正プロセス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】駆動ベルト用のリングセットの組立て方法におけるリングの周方向の長さの較正プロセス
(51)【国際特許分類】
   B21D 53/14 20060101AFI20240207BHJP
   B21B 5/00 20060101ALI20240207BHJP
   C21D 9/40 20060101ALI20240207BHJP
   C21D 1/06 20060101ALI20240207BHJP
   B21D 3/14 20060101ALI20240207BHJP
   F16G 5/16 20060101ALI20240207BHJP
   C21D 11/00 20060101ALN20240207BHJP
【FI】
B21D53/14
B21B5/00
C21D9/40 A
C21D1/06 A
B21D3/14 J
F16G5/16 B
C21D11/00 102
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539057
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-07-14
(86)【国際出願番号】 EP2021025514
(87)【国際公開番号】W WO2022135743
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】1043882
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】レネ ナウテン
(72)【発明者】
【氏名】マリア デル カルメン ミコ ペレペレス
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン フェルメール
【テーマコード(参考)】
4K038
4K042
【Fターム(参考)】
4K038AA01
4K038CA01
4K038DA01
4K038DA05
4K042AA23
4K042BA03
4K042DC02
4K042DC04
(57)【要約】
互いに重ねて配置されるフレキシブルなリング(32)のセット(31)を組み立てるための方法であって、プロセスステップ(VII)を含み、各々のフレキシブルなリング(32)は、リングセット(31)内のリング(32)の意図された半径方向の位置に対応する各々の所定の直径または周方向の長さまでリング(32)を引き伸ばすことによって較正される、方法。本発明によれば、フレキシブルなリング(32)の所定の前記直径または周方向の長さは、フレキシブルなリング(32)の測定された厚さに関連して決定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに重ねて配置される多数のフレキシブルなリング(31)から成るリングセット(31)を組み立てるための方法であって、
較正プロセスステップ(VII)であって、前記リングセット(31)の前記リング(32)を個別に所定の周方向の長さまたは直径に引き伸ばし、リング(32)ごとの所定の前記長さまたは直径を、前記リングセット(31)の別の前記リング(32)に対する前記リングセット(31)の前記リング(32)の各々の位置によって少なくとも部分的に決定する、較正プロセスステップ(VII)を含む、リングセット(31)を組み立てるための方法において、
場合により、前記リングセット(31)の最も外側の前記リング(32)を除いて、前記リングセット(31)の個々の前記リング(32)の厚さを前記較正プロセスステップ(VII)で測定し、
リング(32)ごとの所定の前記長さまたは直径を、このようなリング(32)自体の測定された前記厚さ、または前記リングセット(31)のそれぞれ隣り合うリング(32)の、特にそれぞれ内側で隣り合うリング(32)の測定された前記厚さに関連して付加的に決定する
ことを特徴とする、リングセット(31)を組み立てるための方法。
【請求項2】
前記リングセット(31)の各々のリング(32)の前記厚さを、前記リング(32)の周に沿った多数の位置で測定することを特徴とする、請求項1記載のリングセット(31)組立て方法。
【請求項3】
各々のリング(32)を、前記リング(32)の厚さを測定する前に、2つのローラ(15)の周りに配置し、その後、前記ローラ(15)同士を互いに離れる方向に移動させて、各々の前記リング(32)に張力をかけ、その後、各々の前記リング(32)の前記厚さを測定することを特徴とする、請求項1または2記載のリングセット(31)組立て方法。
【請求項4】
前記較正プロセスステップ(VII)において、前記ローラ(15)を同時に回転させて、前記ローラ(15)同士をさらに互いに離れる方向に移動させることによって、各々の前記リング(32)を所定の周方向の前記長さまたは直径に引き伸ばすことを特徴とする、請求項3記載のリングセット(31)組立て方法。
【請求項5】
前記較正プロセスステップ(VII)の前に、前記リングセット(31)の前記リング(32)を圧延プロセスステップ(V)に供し、前記リング(32)の前記厚さを減じることを特徴とする、請求項4記載のリングセット(31)組立て方法。
【請求項6】
前記較正プロセスステップ(VII)後、前記リング(32)を互いに重ねて配置して(VIII)、前記リングセット(31)を形成し、その後、前記リングセット(31)全体を窒化熱処理(IX)に供することを特徴とする、請求項5記載のリングセット(31)組立て方法。
【請求項7】
前記リングセット(31)を形成するために前記リング(32)を互いに重ねて配置するプロセスステップ(VIII)において、前記リングセット(31)の隣り合うリング(32)の対の間に間隙(34)を提供することを特徴とする、請求項6記載のリングセット(31)組立て方法。
【請求項8】
前記リングセット(31)の前記リング(32)を、前記リングセット(31)を形成するために前記リング(32)が引き続き互いに重ねて配置される(VIII)のと同じ順序で前記較正プロセスステップ(VII)に供することを特徴とする、請求項6または7記載のリングセット(31)組立て方法。
【請求項9】
前記リングセット(31)の隣り合う2つのリング(32)の各対の間において、リング(32)ごとの所定の周方向の前記長さまたは直径を、前記隣り合う2つのリング(32)のうちの少なくとも1つのリングの測定された前記厚さと、前記隣り合う2つのリング(32)の間に提供される前記間隙(34)の所望の寸法との両方によって決定されるステップサイズで段階的に変化させることを特徴とする、請求項6から8までのいずれか1項記載のリングセット(31)組立て方法。
【請求項10】
場合により、前記リングセット(31)の最も外側のリング(32)を除いて、各々のリング(32)の所定の周方向の前記長さまたは直径を、各々の前記リング(32)自体の測定された前記厚さによって決定し、前記リングセット(31)を、リング(32)を前記リングセット(31)の前記最も外側のリング(32)から内側に連続的に重ねて配置することによって組み立てることを特徴とする、請求項6から9までのいずれか1項記載のリングセット(31)組立て方法。
【請求項11】
場合により、前記リングセット(31)の最も内側のリング(32)を除いて、各々のリング(32)の所定の周方向の前記長さまたは直径を、それぞれ内側で隣り合うリング(32)の測定された前記厚さによって決定し、前記リングセット(31)を、リング(32)を前記リングセット(31)の前記最も内側のリング(32)から外側に連続的に重ねて配置することによって組み立てることを特徴とする、請求項6から9までのいずれか1項記載のリングセット(31)組立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駆動ベルト用のリングセットの組立て方法、特に組立て方法におけるリングの周方向の長さの較正プロセスに関する。駆動ベルトは、主に自動車に適用される周知の無段変速機の2つの調整可能なプーリ間での動力伝達のための手段として主に使用されている。
【0002】
この種の駆動ベルトは一般に周知であり、各々が互いに重ねて配置される多数のフレキシブルなリングから成る1つ以上のリングセットに摺動可能に組み込まれる、比較的薄い多数の横断要素から構成される。この種の駆動ベルトでは、横断要素は、リングセットに接続されておらず、特に変速機の作動中にリングセットの周に沿って摺動することができる。また、リングセットの個々のリングは、相互に摺動することができる。
【0003】
駆動ベルトのリングは、代替的にフープ、ループまたはエンドレスバンドと呼ばれ、鋼、特にマルエージング鋼から製造され、マルエージング鋼は、とりわけ、引張強度と(曲げ)疲労強度とが大きいという機械的な特性と、鋼材をシート状の基材から最終製品のリングの所望の形状および所望の材料特性に向けて加工する比較的有利な実現性とを兼ね備えており、所望の材料特性は、理想的にはリングの周に沿って変化しないことが求められる。これらの所望の材料特性は、大きな引張強度の特性と、リングの長手方向の曲げを可能にする十分な弾性および延性の特性とを兼ね備えたリングのコア材料の相当な硬さと、リングに耐摩耗性を提供するための大幅に硬い外層または表面層とを備える。また、相当な残留圧縮応力がリングの表面層に加えられており、金属疲労に対する高い耐性が提供される。この後者の特徴は特に重要である。なぜなら、リングは、変速機の駆動ベルトの耐用年数の間、多数の(引張)荷重サイクルおよび曲げサイクルに曝されるからである。
【0004】
このような駆動ベルトのための全体的な製造方法は、当該技術分野において周知である。具体的には、駆動ベルトのリングセット構成要素に関して、例えば、欧州特許出願公開第1815160号明細書は、プレート状の基材を曲げて溶接し、円筒形状、すなわち、管にする製造方法を開示している。管は、その元の材料特性を回復するために、すなわち、プレートの曲げと管の溶接とにより導入された内部応力/残留応力および/または不均質な微細構造を大幅に取り除くために焼き鈍しされる。
【0005】
焼き鈍しされた管は、例えばスリットプロセスまたはレーザ切断プロセスで多数のフープに切断される。(フープの半径方向に向けられた主表面と、フープの軸線方向に向けられた側面との間の)フープのエッジは、典型的に、エッジからばりを除去するために、かつ/またはばりを丸み付けるために、すなわち、バレル研磨プロセスまたはレーザ溶融プロセスで処理される。フープは、所望の厚さまで圧延されて長くなり、フープは、典型的に、最終製品では約0.185mmになる。圧延後、フープは、周方向でフレキシブルであり、リングまたはバンドと呼ばれ、フープは、その元の材料特性を回復するために、すなわち、フープの圧延により導入された内部応力/残留応力および/または不均質な微細構造を大幅に取り除くために焼き鈍しされる。
【0006】
焼き鈍しされたリングは較正され、較正のプロセスステップでは、これらのリングは、2つのローラの周りに個別に巻き掛けられ、回転中にこれらの較正ローラを強制的に互いに引き離すことによって引き伸ばされる。特に、各リングは、リングセット内のリングの意図された半径方向の位置に対応する各々の所定の直径または周方向の長さまで引き伸ばされる。このリングの較正のプロセスステップでは、欧州特許出願公開第1403551号明細書で詳細に説明されているように、リングのいわゆるカール半径を定義する残留応力分布もリングに課せられる。特に、較正ローラの直径が、較正後のそのような残留応力分布を大きく左右する。実際、このような直径は、最大応力レベルが、変速機の駆動ベルトの作動中、(リングの最大に屈曲したセクションでの)リングの半径方向の外側表面と同様に、(リングの真っ直ぐにされたセクションでの)リングの半径方向の内側表面でも実質的に均等に発生し、それによって、リングの最大応力レベルが最小化されることを実現するために、慎重に選択される。
【0007】
リングの較正後、リングセットは、典型的には半径方向外側から内側に、すなわち、リングの周方向の長さが減少する順にリングを互いに重ねて配置することによって組み立てられる。リングセットの半径方向に隣り合うリングの各々の対の間、すなわち、各々の対の各々の内側リングの外側の半径と各々の外側リングの内側の半径との間には、小さな間隙、すなわち、遊びのみが許容され、その駆動ベルトの用途におけるリングセットの全体としての疲労強度が最大化されている。典型的に、リングのこのような半径方向の遊びは、数ミクロンの負の遊びから約10ミクロン程度の正の遊びまでの間で変化する。
【0008】
組立て後、リングセットは、リングの靭性を高めるための析出硬化と、リングの外側表面層に残留圧縮応力を導入するための(表面)窒化とによって熱処理される。
【0009】
析出硬化はエージングとしても周知であり、摂氏400度(℃)を超える温度にリングを加熱することによって実現される。この温度では、微細な金属析出物が、リング素材全体のランダムな位置に生じて成長する。析出物が成長するにつれて、リング材料の硬さは、一般的に最大硬さ値に達するまで増大し、その後、リング材料の硬さは、典型的には再び減少し始める(いわゆるオーバーエージング)。リング表面の(激しい)酸化を防止するために、析出硬化は、通常、窒素ガスまたは窒素ガスに水素ガスを混合した不活性雰囲気または還元性プロセス雰囲気中で行われる。
【0010】
窒化により、付加的に硬化され、さらに圧縮応力がかけられた表面層が提供される。窒化では、少なくとも典型的に適用されるガス軟窒化の変形では、リングは、アンモニアガス(NH)を含むプロセス雰囲気中で400℃を超える温度に保たれる。このような温度では、アンモニア分子がリングの表面で解離し、水素ガスと窒素原子とが形成され、後者の窒素原子がリング材料の結晶格子に進入する。窒化プロセスが継続すると、窒素原子が拡散によって表面からリング材料内に移動し、したがって、増大した厚さの窒化表面層を備えたリングが提供される。窒化層の厚さと、リング表面での硬さおよび残留圧縮応力などの密接に関連する材料特性とは、窒化プロセスによって得られ、したがって、窒化プロセス雰囲気の組成、特に雰囲気中のアンモニア濃度と、窒化プロセスの温度および持続時間とに左右される。
【0011】
駆動ベルトを所与の変速機の用途で実際に使用する場合、窒化物層の厚さが、変速機における駆動ベルトの機械的な性能と耐用年数とを大きく決定する。特に、窒化物層が薄すぎる場合には、リングの摩耗特性および疲労特性が最適でなくなり、または窒化物層が厚すぎる場合には、リングの材料が脆くなりすぎて、動作中にリングの応力レベルが弾性限界を超える可能性がある。いずれの場合にも、リングひいては駆動ベルト全体がその完全な潜在能力を発揮できなくなるばかりか、早期に故障する可能性さえある。したがって、窒化物層の厚さのための目標値が決定されると、そのような目標厚さが駆動ベルトの(大量)製造において正確かつ一貫して実現されることが極めて望ましい。
【0012】
リングセットが、リングの較正後に組み立てられる場合、リングセットの内部に位置するリング同士の半径方向に向けられた表面同士は、表面同士の間で半径方向に僅かな間隙のみを有して互いに近接している必要があり、それにより、窒化後の最終製品で所望の小さな半径方向のリングの遊びが実現される。したがって、リングセットの外部表面に比べて相当少ないアンモニアガスがリングセットの内部に供給されかつ/または利用され得る。リングセットの外部表面は、全てのリングの軸線方向に向けられた側面と、リングセットの半径方向の最も内側のリングの半径方向の内側表面と、リングセットの半径方向の最も外側のリングの半径方向の外側表面とによって構成されている。その結果、リングセットの内部表面(すなわち、リングセットの隣り合うリングの対の間で互いに向き合うリングの半径方向に向けられた表面)における窒化物層の厚さは、リングセットの前記外部表面における窒化物層の厚さよりも小さくなる。しかしながら、リングセットの窒化のこの特定の態様は問題にはならない。なぜなら、リングセットのこれらの内部表面は、横断要素または変速機プーリに当接しない、すなわち、リングセットの外部表面よりも少ない接触応力しか被らないからである。
【0013】
換言すれば、窒化物層の目標厚さは、リングセットの前記外部表面よりも前記内部表面において薄くてもよい。それにもかかわらず、駆動ベルトの(大量)製造では、そのような窒化物層の目標厚さの値が可能な限り正確かつ一貫して実現されることが極めて望ましい。しかしながら、実際には、リングセットの前記内部表面での窒化物層は、リングセットの前記外部表面ほど正確かつ/または一貫して形成されていないことが観察されている。本発明は、この点において、公知のリングセット製造方法を改善することを目的としている。すなわち、本発明は、窒化物層をリングセットの内部、すなわち、リングセットの隣り合うリングの対の間で互いに向かい合うリングの半径方向に向けられた表面に形成する際の精度および/または一貫性を改善することを目的としている。
【0014】
本発明によれば、このような改良は、以下の請求項1記載のリングセット組立て方法に見られる。この新規の組立て方法により、リングセットが組み立てられるときに、リングセットの隣り合うリング同士の間の半径方向の間隙が、より正確かつより一貫して実現される。その結果、プロセスガスが、窒化時にリングセットの隣り合うリングの全ての対の間に実質的に均等に流入することができ、その結果、窒化物層が、リングセットの個々のリング同士の間により均一に好適に形成される。代替的に、リングセットの隣り合うリングの異なる対の間にそれぞれ異なる間隙が提供されてもよい。本発明の後者の態様は、駆動ベルトの動作中にリングセットの個々のリングが被る引張応力に影響を与えるために、かつ/または異なるリングの対の窒化物層の厚さを区別するために、望ましいことがある。また、本発明のこの後者の態様は、窒化において典型的に起こるリングの周方向の小さいが顕著な成長、すなわち、リングの伸長に影響を与えるために適用することができる。
【0015】
特に、本発明によれば、リングの厚さが、リングの較正のプロセスステップの一部として測定される。この測定されたリングの厚さは、リングの較正において所望の(内側もしくは外側の)直径または(内側もしくは外側の)周方向の長さを決定するとき、すなわち、リングの較正において較正ローラ同士の間に提供(すなわち強制)される最終的な最大距離を決定するときに考慮される。したがって、本発明は、リングの圧延後の個々のリング同士の間のリングの厚さのばらつきを考慮に入れる。これらの後者の厚さのばらつきは、リング全体の厚さに比べて小さいものの、これらの後者の厚さのばらつきは、最終製品で前記半径方向のリングの遊びを実現するために窒化プロセスでリング同士の間に必要とされる前記半径方向の間隙と同じ大きさのオーダーにある、つまり、マイクロメートルの範囲にある。このような厚さ測定は、非接触式、例えば光学的に実施されることが好ましく、リングの較正におけるリングの引伸し前、しかし、好ましくは、リングの引伸し中に実施することができる。
【0016】
さらに、本発明によれば、リングの較正では、較正ローラの中心線同士の間に提供される前記最大距離Sは、リングセットの順次較正されるリング同士の間で段階的に増加または減少する。例えば、
S[n-1]-S[n]=-π・(D[n-1]+G[n-1]) (1o)
または
S[n+1]-S[n]=π・(D[n]+G[n]) (1i)
ここで、
- [x]は、リングセットの半径方向の最も内側のリングに対応するリング番号[1]から、m個のリングで構成されるリングセットの半径方向の最も外側のリングに対応するリング番号[m]までの範囲のリングセットのリングの位置を表すインデックスであり、
- D[x]は、x番目のリングの測定された厚さを表し、
- G[x]は、較正でリングセットのx番目と(x+1)番目とのリングの対の間に半径方向に提供される間隙を表し、リングセット内の全てのリングの対で同じ値を有してもよい。
【0017】
式(1o)は、リングセットのリングが半径方向の最も外側のリング(インデックス[m])から開始して半径方向に内側に順番に較正される場合に適用され、一方、式(1i)は、リングを内側から外側へ順番に重ねて配置することによってリングセットが組み立てられる場合に適用される。もちろん、較正ローラの中心線同士の間に提供される前記最大距離Sの絶対値を決定する際には、公知の方法、すなわち、計算/推定または測定によって少なくともリングの弾性変形も考慮に入れる必要がある。
【0018】
上記の式(1o;1i)から、最も外側のリングの厚さ(インデックス[m])は、少なくとも本発明の文脈の範囲内では必要ないことが明らかであり、最も外側のリングの厚さの測定は、潜在的に省略することができる。さらに、リングセットが外側から内側に向かって組み立てられる場合、式(1o)は、(前記最も外側のリングを除く)リングの所望の直径または周方向の長さが、リングがそのような所望の直径または周方向の長さに引き伸ばされるときに、したがって、測定される必要のある各々のリング自体の(測定された)厚さによって、部分的に決定されることを示唆している。しかしながら、リングセットが内側から外側に組み立てられる場合、式(1i)は、(前記最も外側のリングを除く)リングの所望の直径または周方向の長さが、リングセットの各々のリングの内部に位置する隣り合うリングの(測定された)厚さによって部分的に決定されることを示唆している。この場合、リングの厚さの測定はまた、リングが引き伸ばされたのちに実施されてもよい。
【0019】
好ましくは、リングの厚さは、リングが較正ローラによって張力をかけられている間に測定される。より好ましくは、前記測定されたリングの厚さは、リングの周に沿った複数の測定値の平均として決定される。ここで、リングは、前記複数の厚さ測定の隙間にまたは前記複数の厚さ測定中にさえも、較正ローラによって回転させることができる。
【0020】
本発明による新規の組立て方法およびその技術的背景を、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】駆動ベルトを備えた周知の無段変速機の概略的に図示した例を提供する図である。
図2】駆動ベルトの断面の斜視図である。
図3】駆動ベルトのリングセット構成要素の公知の全体的な製造方法の現在関連する部分を概略的に示す図である。
図4図3による製造方法でのガス軟窒化の熱処理の図表示を提供する図である。
図5】本発明によるリングの較正のプロセスステップを概略的に示す図である。
【0022】
図1は、自動車のエンジンと駆動輪との間の駆動系に一般に適用される公知の無段変速機の中心部分またはCVTの中心部分を示す。変速機は、2つのプーリ1,2を備えており、各プーリには2つの円錐形プーリディスク4,5が設けられ、プーリディスク4,5の間に主にV字形の溝が画定され、一方のディスク4は、ディスク4が配置される各々のプーリシャフト6,7に沿って軸線方向に移動可能である。駆動ベルト3は、プーリ1,2に巻き掛けられ、回転運動ωとそれに伴うトルクTとが、一方のプーリ1,2から他方のプーリ2,1に伝達される。変速機はまた、一般に、別の各々のプーリディスク5に向かう軸線方向のクランプ力Faxを前記少なくとも1つのディスク4に加える作動手段を備え、その結果、ベルト3が、それらの間にクランプされる。また、これにより、従動プーリ2の回転速度と駆動プーリ1の回転速度との間の変速(速度)比が決定される。
【0023】
公知の駆動ベルト3の一例が、図2にその断面で詳細に示されており、ベルト3は、各々が、この例では6個の薄くて平坦な、すなわち、帯状のフレキシブルなリング32のセットから成る2つのリングセット31を組み込んでいる。ベルト3は、さらに、複数のプレート状の金属製の横断要素33を備え、これらの横断要素33は、横断要素33の各々の凹部内にそれぞれ位置するリングセット31によって共に保持される。横断要素33は、前記クランプ力Faxを受け止め、いわゆる駆動プーリ1に入力トルクTinが及ぼされるとき、ディスク4,5とベルト3との間の摩擦により、駆動プーリ1の回転が、いわゆる従動プーリ2へと、同様に回転する駆動ベルト3を介して伝達される。
【0024】
CVTの動作中、駆動ベルト3、特にそのリング32は、周期的に変化する引張応力および曲げ応力、すなわち、疲労荷重に曝される。したがって、典型的には、金属疲労に対する耐性、すなわち、リング32の疲労強度が、駆動ベルト3によって伝達される所与のトルクTでの駆動ベルト3の耐用寿命を決定する。したがって、リングセット製造方法の開発における長年にわたる一般的な目標は、必要なリング疲労強度と耐摩耗性とを最小限の材料コストと加工コストとの組み合わせで実現することであった。
【0025】
図3は、公知の駆動ベルト3の製造方法全体の現時点で関連する部分、すなわち、そのリングセット31の製造の現時点で関連する部分を示しており、別個のプロセスステップがローマ数字で示されている。
【0026】
第1のプロセスステップIでは、典型的には、0.3mm~0.6mmの範囲の厚さを有する基材の薄いシートまたはプレート11が円筒形状に曲げられ、第2のプロセスステップIIでは、突き合わされたプレート端部12が共に溶接され、開放された中空の円筒または管13が形成される。プロセスの第3のステップIIIでは、管13が焼き鈍しされる。その後、第4のプロセスステップIVでは、管13が多数の環状のフープ14に切断され、フープ14は、その後、プロセスステップ5Vで圧延されて、伸長される一方、その厚さが0.100~0.250mmの間の値、典型的には約185ミクロンに減少させられる。
【0027】
圧延後、フープ14はリング32と呼ばれる。リング32は、摂氏600度(「℃」)よりも相当高い温度、例えば約800℃でのリング材料の回復および再結晶化によって、前の圧延プロセス(すなわちステップ5V)の加工硬化効果を取り除くための、更なる、すなわち、リング焼き鈍しプロセスステップVIに供される。
【0028】
その後、第7のプロセスステップVIIでは、リング32が較正される。すなわち、リング32が、それぞれ2つのローラの周りに個別に巻き掛けられ、回転させられながら、前記ローラ同士を強制的に互いに引き離すことによって、所定の周方向の長さまで引き伸ばされる。この第7のプロセスステップVIIでは、内部応力分布もまたリング32に課せられる。
【0029】
その後、第8のプロセスステップVIIIでは、リングセット31が、それぞれ相互に適合した適切な周方向の長さを有する多数のリング32から、これらのリング32を互いに積み重ねることによって組み立てられる。図3(および図4)では、単純にするために、リングセット31がただ2個のリング32で示されているが、リングセット31は、典型的に6個~12個のリングで構成される。
【0030】
最後に、リングセット31は、析出硬化またはエージングIX-Aおよびガス軟窒化IX-Nの第9のプロセスステップIXで熱処理される。より具体的には、エージングおよび窒化は、窒素と、水素と、アンモニアガスとから成る制御されたガス雰囲気を含む炉内でリングセット31を400~550℃の温度に加熱することを含む。熱処理の正確なプロセス設定は、リング32の基材(すなわち、マルエージング鋼の合金組成)と、リング32に望まれる機械的な特性とに応じて選択される。この後者の点において、典型的には、少なくとも500HV1.0のコア硬さ、少なくとも800HV0.1の表面硬さおよび25~35ミクロンの、代替的に窒素拡散領域と表記される窒化表面層の厚さを目指すことが指摘される。この場合、上記の熱処理の持続時間は、これらの機械的な特性、プロセス温度およびプロセス雰囲気組成の結果として得られ、実際には、通常、30~90分の範囲の値を有する。
【0031】
図4では、第9のプロセスステップIXの窒化の部分が、図3に示されるリングセット31の断面B-Bで概略的に示されている。図4では、図示の隣り合うリング32の対の間の間隙34が極めて誇張されている(すなわち、実際には、そのような間隙34は、リング32の厚さよりも大幅に小さく、すなわち、10%よりかなり小さい)。リング32に窒化表面層を設けるために、リングセット31は、図4に4つの円、つまり、窒素原子を表す大きな円と、アンモニア分子の水素原子を表す3つの小さな円とでそれぞれ概略的に表される気体のアンモニア分子を含むプロセス雰囲気に浸漬される。アンモニア分子の少なくとも一部は、リング32の表面で解離し、それによって、3つの水素原子が放出されて1つの窒素原子がリング32の結晶格子に進入することを可能にする。このアンモニア解離反応は、図4において破線の楕円の内部に模式的に表現されている。アンモニアの解離反応の一部として、放出された水素原子が結合して、水素ガスが形成される。したがって、アンモニアの解離反応は、以下のような式:
2NH→2[N]+3H (2)
で表すことができる。
【0032】
このアンモニアの解離反応(2)の速度は、プロセス温度とプロセス雰囲気中のアンモニア濃度とに比例し、プロセス雰囲気中の水素濃度に反比例することが周知である。しかしながら、リングセット31内の隣り合うリング32の各対の間の間隙34の内部では、アンモニア濃度は、典型的にリングセット31の外部よりも低くなる。結局のところ、この間隙34の内部では、アンモニアは主に(ガス)拡散によって供給されるが、間隙34の外部では、プロセス雰囲気の強制循環もまたアンモニアの供給(および水素の除去)に利用可能である。さらに、間隙34の内部のアンモニア拡散の経路長さは、リングセット31の外部までのものよりもはるかに長い。これは、間隙34の内部のアンモニア濃度が、得られる窒化物層の厚さと同様に間隙34のサイズに大きく左右されることを意味する。
【0033】
したがって、つまるところ、リング32の窒化物層の厚さのばらつきを有利に最小化するために、リングセット31の組立ての前記第8のプロセスステップVIIIでは、リングセット31の隣り合う各対のリング32の間に生じる間隙34の精度および/または整合性が改善される。本発明によれば、このような改善は、リングの較正のプロセスステップVIIにおいて得られるリング32の直径または(内側の)周方向の長さを、リングセット31内のその各々のリング32の半径方向の位置に関連してだけでなく、リング32の実際の厚さにも関連して決定することによって実現される。ここで、そのようなリングの厚さは、リングの較正のプロセスステップVIIの一部として測定される。
【0034】
好ましくは、本発明によれば、図5に概略的に示されるように、リングの較正のプロセスステップVIIは、ここで、4つの段階で実施される。リングの較正の第1の段階(1)では、リング32が、2つの較正ローラ15の周りに配置される。リングの較正の第2の段階(2)では、2つの較正ローラ15は、リング32が2つの較正ローラ15の間に真っ直ぐに延在するまで、すなわち、最小の弾性伸びで2つの較正ローラ15の間に張られるまで、互いに離れる方向に移動させられる。リングの較正の第3の段階(3)では、リング32が、較正ローラ15の一方または両方を(回転)駆動することによって回転させられながら、リング32の厚さDが、リング32の周に沿って数カ所で測定され、そのような厚さDの平均値が決定される。好ましくは、リングの厚さDは、リングの周に沿って継続的に測定されて、平均化される。最後に、リングの較正の第4の段階(4)では、2つの較正ローラ15が、さらに互いに離れる方向に移動させられ、2つの較正ローラ15の中心線の間の距離Sが増大させられ、それにより、リング32が塑性変形させられ、その後、リング32の測定された(平均)厚さDを考慮した所望の直径または(内側の)周方向の長さに達する。もちろん、当該技術分野で既に知られて実践されているように、リングの張力を解除する際のリング32の弾性的なスプリングバックおよび場合により別の影響要因もまた同様に考慮する必要がある。
【0035】
本発明は、前述の説明全体および添付図面の全ての詳細に加えて、添付の特許請求の範囲の全ての特徴にも関し、それらを含む。特許請求の範囲における括弧内の参照は、その範囲を限定するものではなく、単に各々の特徴の非拘束的な例として提供されるものである。特許請求された特徴は、場合に応じて、所与の製品または所与のプロセスに個別に適用することができるが、そのような特徴の2つ以上の任意の組み合わせを適用することも可能である。
【0036】
本開示によって表される発明は、本明細書で明示的に言及される実施形態および/または実施例に限定されるものではなく、関連分野の当業者の範囲内にあるそれらの修正、変更および実際の応用も包含する。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-08-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに重ねて配置される多数のフレキシブルなリング(3)から成るリングセット(31)を組み立てる方法であって、
較正プロセスステップ(VII)であって、前記リングセット(31)の前記リング(32)を個別に所定の周方向の長さまたは直径に引き伸ばし、リング(32)ごとの所定の前記長さまたは直径を、前記リングセット(31)の別の前記リング(32)に対する前記リングセット(31)の前記リング(32)の各々の位置によって少なくとも部分的に決定する、較正プロセスステップ(VII)を含む、リングセット(31)を組み立てる方法において、
記リングセット(31)の、最も外側のリング(32)を除く少なくとも個々の前記リング(32)の厚さを前記較正プロセスステップ(VII)で測定し、
リング(32)ごとの所定の前記長さまたは直径を、このようなリング(32)自体の測定された前記厚さ、または前記リングセット(31)のそれぞれ隣り合うリング(32)の、特にそれぞれ内側で隣り合うリング(32)の測定された前記厚さに関連して付加的に決定する
ことを特徴とする、リングセット(31)を組み立てる方法。
【請求項2】
前記リングセット(31)の各々のリング(32)の前記厚さを、前記リング(32)の周に沿った多数の位置で測定することを特徴とする、請求項1記載のリングセット(31)を組み立てる方法。
【請求項3】
各々のリング(32)を、前記リング(32)の厚さを測定する前に、2つのローラ(15)の周りに配置し、その後、前記ローラ(15)同士を互いに離れる方向に移動させて、各々の前記リング(32)に張力をかけ、その後、各々の前記リング(32)の前記厚さを測定することを特徴とする、請求項1または2記載のリングセット(31)を組み立てる方法。
【請求項4】
前記較正プロセスステップ(VII)において、前記ローラ(15)を同時に回転させて、前記ローラ(15)同士をさらに互いに離れる方向に移動させることによって、各々の前記リング(32)を所定の周方向の前記長さまたは直径に引き伸ばすことを特徴とする、請求項3記載のリングセット(31)を組み立てる方法。
【請求項5】
前記較正プロセスステップ(VII)の前に、前記リングセット(31)の前記リング(32)を圧延プロセスステップ(V)に供し、前記リング(32)の前記厚さを減じることを特徴とする、請求項4記載のリングセット(31)を組み立てる方法。
【請求項6】
前記較正プロセスステップ(VII)後、前記リング(32)を互いに重ねて配置して(VIII)、前記リングセット(31)を形成し、その後、前記リングセット(31)全体を窒化熱処理(IX)に供することを特徴とする、請求項5記載のリングセット(31)を組み立てる方法。
【請求項7】
前記リングセット(31)を形成するために前記リング(32)を互いに重ねて配置するプロセスステップ(VIII)において、前記リングセット(31)の隣り合うリング(32)の対の間に間隙(34)を提供することを特徴とする、請求項6記載のリングセット(31)を組み立てる方法。
【請求項8】
前記リングセット(31)の隣り合う2つのリング(32)の各対の間において、リング(32)ごとの所定の周方向の前記長さまたは直径を、前記隣り合う2つのリング(32)のうちの少なくとも1つのリングの測定された前記厚さと、前記隣り合う2つのリング(32)の間に提供される前記間隙(34)の所望の寸法との両方によって決定されるステップサイズで段階的に変化させることを特徴とする、請求項7記載のリングセット(31)を組み立てる方法。
【請求項9】
前記リングセット(31)の前記リング(32)を、前記リングセット(31)を形成するために前記リング(32)が引き続き互いに重ねて配置される(VIII)のと同じ順序で前記較正プロセスステップ(VII)に供することを特徴とする、請求項6または7記載のリングセット(31)を組み立てる方法。
【請求項10】
記リングセット(31)の最も外側のリング(32)を除く少なくとも各々のリング(32)の所定の周方向の前記長さまたは直径を、各々の前記リング(32)自体の測定された前記厚さによって決定し、前記リングセット(31)を、リング(32)を前記リングセット(31)の前記最も外側のリング(32)から内側に連続的に重ねて配置することによって組み立てることを特徴とする、請求項6から9までのいずれか1項記載のリングセット(31)を組み立てる方法。
【請求項11】
記リングセット(31)の最も内側のリング(32)を除く少なくとも各々のリング(32)の所定の周方向の前記長さまたは直径を、それぞれ内側で隣り合うリング(32)の測定された前記厚さによって決定し、前記リングセット(31)を、リング(32)を前記リングセット(31)の前記最も内側のリング(32)から外側に連続的に重ねて配置することによって組み立てることを特徴とする、請求項6から9までのいずれか1項記載のリングセット(31)を組み立てる方法。
【国際調査報告】