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特表2024-506793プローブカードを製作するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】プローブカードを製作するための方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/073 20060101AFI20240207BHJP
   G01R 1/067 20060101ALI20240207BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
G01R1/073 E
G01R1/067 C
G01R1/067 G
H01L21/66 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540557
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 EP2022054086
(87)【国際公開番号】W WO2022175458
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】00176/21
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523243166
【氏名又は名称】エクサドン アーゲー
【氏名又は名称原語表記】EXADDON AG
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】リン, クン‐シェン
(72)【発明者】
【氏名】ヘップ, エドガー
(72)【発明者】
【氏名】ケルマンス, ヴァーベ
(72)【発明者】
【氏名】シュエルヒ, パトリック
【テーマコード(参考)】
2G011
4M106
【Fターム(参考)】
2G011AA02
2G011AA16
2G011AB01
2G011AC14
2G011AC32
2G011AE03
2G011AF07
4M106BA01
4M106DD03
4M106DD10
(57)【要約】
プローブカードを製作するための方法であって、方法が、キャリアボードを準備するステップであって、キャリアボードの表面が、少なくとも1つのプローブガイド部分を有する、準備するステップと、少なくとも1つのプローブガイド部分に直接導電性材料を用いて付加製造を実行してプローブガイド部分にプローブを生成することによってプローブを生成するステップと、を含み、付加製造が、プローブガイド部分に導電性材料を直接積層することを含む、方法が、本明細書で開示されている。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブカードを製作するための方法であって、前記方法が、キャリアボードを準備するステップであって、前記キャリアボードの表面が、少なくとも1つのプローブガイド部分を有する、準備するステップと、
前記少なくとも1つのプローブガイド部分に直接導電性材料を用いて付加製造を実行して前記プローブガイド部分にプローブを生成することによって、前記プローブを生成するステップと、を含み、前記付加製造が、前記プローブガイド部分に前記導電性材料を直接積層することを含む、方法。
【請求項2】
前記付加製造が、マイクロ電鋳印刷である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プローブが、ニードル本体およびニードル先端を備え、前記付加製造によって前記プローブを生成する前記ステップが、
a.積層することによって前記ニードル本体をプローブガイド部分に生成するステップであって、前記ニードル本体が、前記キャリアボードに対して垂直に配置されていない少なくとも1つのセクションを含む、生成するステップと、
b.付加製造によって前記ニードル本体に前記ニードル先端を生成するステップと、
を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ニードル本体および前記ニードル先端が、硬度が異なる導電性材料でそれぞれ作製されており、好ましくは、前記ニードル先端の硬度が、前記ニードル本体の硬度よりも高い、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
電気めっきを施して表面層を生成するステップをさらに含み、特に、前記電気めっきを施すステップが、前記プローブの前記表面で実行されて前記プローブの前記表面に前記表面層を生成する、
請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
蒸着、スパッタリング、および/または原子層堆積によって表面層または層スタックを形成するステップをさらに含む、請求項3~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ニードル本体および任意選択的に前記ニードル先端が、螺旋構造を備える、請求項3~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ニードル本体が、複数の脚、好ましくは3つの脚を備える、請求項3~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記キャリアボードに対して垂直に配置されていない前記少なくとも1つのセクションが、弾性を有する、請求項3~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記プローブガイド部分に前記導電性材料を直接積層することが、前記プローブガイド部分または前記キャリアボードの複数の異なるプローブガイド部分の異なる場所で複数回繰り返されて、複数のプローブを生成する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
2つの直接隣り合うプローブ間、特に、前記2つの直接隣り合うプローブのそれぞれのニードル先端間の距離が、10μm~1000μm、好ましくは10μm~60μmである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
生成された前記プローブが、1つ以上のコーティング材料でコーティングされ、前記コーティング材料が、前記プローブが生成された前記導電性材料とは異なる、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法によって製造されたプローブカードであって、前記プローブカードが、少なくとも1つのプローブガイド部分(11)を有するキャリアボード(10)と、付加製造によって導電性材料から作製されたプローブ(20)と、を備え、前記プローブ(20)と前記プローブガイド部分(11)とが、互いに直接物質的に結合されている、プローブカード。
【請求項14】
前記プローブ(20)が、ニードル本体(21)およびニードル先端(22)を備え、前記ニードル本体(21)が、前記キャリアボード(10)に対して垂直に配置されていない少なくとも1つのセクション(21a)を含む、請求項13に記載のプローブカード。
【請求項15】
前記キャリアボードに対して垂直に配置されていない前記ニードル本体の前記少なくとも1つのセクション(21a)が、弾性を有する、請求項14に記載のプローブカード。
【請求項16】
前記ニードル本体(21)および任意選択的に前記ニードル先端(22)が、螺旋構造を備える、請求項14または15に記載のプローブカード。
【請求項17】
前記ニードル本体(21)が、複数の脚、好ましくは3つの脚を備える、請求項14~16のいずれか一項に記載のプローブカード。
【請求項18】
前記キャリアボード(10)が、複数のプローブガイド部分(11)および複数のプローブ(20)を備え、前記複数のプローブ(20)の各々が、前記ガイド部分(11)のうちの1つに直接物質的に結合されている、請求項13~17のいずれか一項に記載のプローブカード。
【請求項19】
2つの直接隣り合うプローブ(20)間、特に、前記2つの直接隣り合うプローブ(20)のそれぞれのニードル先端(22)間の距離が、10μm~1000μm、好ましくは10μm~60μmである、請求項18に記載のプローブカード。
【請求項20】
前記プローブ(20)が、前記導電性材料とは異なる1つ以上のコーティング材料のコーティングを備える、請求項13~19のいずれか一項に記載のプローブカード。
【請求項21】
ウェハ検査のための、請求項13~20のいずれか一項に記載のプローブカードの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブカードを製作するための方法、そのような方法によって得られたプローブカード、および製作されたプローブカードの使用を提供する。
【背景技術】
【0002】
プローブカードは、検査システムによって検査される半導体ウェハまたはICチップに使用される重要な構成要素およびインターフェースであり、プローブカードの主な機能は、回路導通および空間サイズ適合を達成することを含む。
【0003】
従来のプローブカードの概略構造図である図1を参照する。プローブカードは、通常、キャリアボード90と、キャリアボード90の前方端部に装着されたプローブアセンブリ91(プローブヘッドとも呼ばれる)と、を備え、プローブアセンブリ91は、複数のプローブ93を、2つの平行なガイドプレート92を貫通させることによって形成されている。プローブ93の一端は接続端部931であり、他端は検査端部932である。
【0004】
キャリアボード90には、上述した複数のプローブ93の接続端部931に接触するための複数のプローブ接続ガイド94が片側に設けられている。複数のプローブ93の配置は、通常非常に密であるため、キャリアボード90には好適な空間トランスが設けられている。分配回路95が、回路構成空間を拡大するために使用されており、その結果、空間適合回路95は回路ボード96に接続され得る。いくつかの製造業者はまた、回路基板96をプローブカードの一部とみなすか、または回路ボード96を検査システムの一部と考える。
【0005】
従来のプローブ93は、慣習的な加工方法によって製造されるため、製造中に寸法誤差が生じる可能性があり、かつ検査される半導体デバイス97の複数の半導体端子971間に高さの差が生じる可能性がある。したがって、プローブ93は、通常、適切な弾性を生成するための湾曲セクション933を含むように設計されている。プローブ93の検査端部932が半導体被検査デバイス97の半導体端子971に触れたとき、複数のプローブ93と複数の半導体端子971とが接触したときにプローブ93の長さの違いおよび半導体端子971の高さの違いにかかわらず、複数のプローブ93と複数の半導体端子971とが全て接触することとなるように、適切な弾性変形が湾曲セクション933に生成される。
【0006】
しかしながら、従来の複数のプローブ93は、正確に配置および位置決めされなければならず、プローブ93間の距離が維持されなければならず、それによって、プローブカード93は、正確な検出のための通常の動作を実行することができる。複数のプローブ93を同時に位置決めする従来の方法は、上述したように、複数のプローブ93を、2つの平行なガイドプレート92を貫通させることによるものである。組立ては、比較的労働集約的かつ時間がかかり、組立ての問題に悩まされ易く、ずれがしばしば生じる。プローブ93の製造中に発生する誤差は、測定の精度に深刻な影響を及ぼす可能性がある。次に、プローブ93が浮き上がっているため、プローブ93とプローブガイド部分94との間の接触不良の問題が生じる場合がある。半導体産業における小型化に対応して、プローブカードは微細なピッチを有する必要がある。一例として、マイクロLEDは、非常に小さいピッチ、例えば約20μmを必要とする。ニードル93とニードルガイドプレート92との間の組立てはより困難であり、組立品質を維持することも困難である。上記の理由は全て、接触不良、プローブカードのインピーダンス整合不良、およびプローブカードの製作コストの増加という問題を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明の主な目的は、第1の態様において、プローブカードの製作に適用することができるプローブカードを製作するための方法であって、プローブカードが、従来のニードルガイドプレートの設定を排除するだけでなく、良好な電気的接触を提供することもできる、方法を提供することである。上記の目的を達成するために、本発明によるプローブカードを製作するための方法は、キャリアボードまたは基板を準備するステップであって、キャリアボードまたは基板の表面が、少なくとも1つのプローブガイド部分を有する、準備するステップと、少なくとも1つのプローブガイド部分に直接導電性材料を用いて付加製造を実行してプローブガイド部分にプローブを生成することによってプローブを生成するステップと、を含み、付加製造は、プローブガイド部分に導電性材料を直接積層することを含む。
【0008】
プローブガイド部分へのプローブの直接付加製造によって、プローブガイド部分へのプローブ装着、位置合わせステップなどの、面倒な組立てステップが不要になる。さらに、プローブの付加製造は、プローブの異なるセクションに異なる材料を採用することを可能にし、プローブの寸法、例えばプローブ直径を変更することも可能にし、これは、特定の挙動、特に、定義されたプローブセクションに機械的および/または電気的挙動を作り出す利点を提示する。
【0009】
キャリアボードまたは基板は、例えば、多層有機キャリア(MLO)および多層セラミックキャリアなどのプリント回路基板(PCB)に加えて、ウェハまたは他の材料の形態で実装され得る。(MLC)、ガラスキャリア(GLASS)、またはシリコンインターポーザ(Siliconインターポーザ)。
【0010】
プローブガイド部分11は、プローブの電気的接続をキャリアボードのそれぞれの電気接続に提供するように構成されている。典型的には、各プローブおよび各プローブガイド部分は、キャリアボードの電気的接続に関連付けられている。したがって、プローブガイド部分は、プローブの接続部分と考えられ得る。いくつかの実施形態では、プローブガイド部分は、特に丸い輪郭を有するプレート状の形状を有し得る。プローブガイド部分は、銅、銀、金パラジウム、または他の好適な導電材料などの電気的導電性材料から作製され得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、プローブの付加製造のために使用される導電性材料は、銅、ニッケル、またはニッケル合金であり得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、付加製造は、マイクロ電鋳印刷である。
【0013】
いくつかの実施形態では、プローブが、ニードル本体およびニードル先端を備え、付加製造によってプローブを生成するステップが、積層することによってニードル本体をプローブガイド部分に生成するステップであって、ニードル本体が、キャリアボードまたは基板に対して垂直ではない、例えば垂直に延在しない少なくとも1つのセクションを含む、生成するステップと、付加製造によってニードル本体にニードル先端を生成するステップと、を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、ニードル本体およびニードル先端は、それぞれ異なる硬度を有する導電性材料から構成されている。好ましくは、ニードル先端の硬度は、ニードル本体の硬度よりも高い。
【0015】
いくつかの実施形態では、プローブ製造方法は、特に、プローブ、特にニードル本体に層スタックを形成するための、電気めっきを施して表面層を形成するステップをさらに含み、電気めっきを施すステップは、特に、プローブ、すなわち成長中のプローブの表面で実行されて、プローブの表面に表面層を形成する。表面層は、導電性材料とは異なり得る。例えば、表面層は、いくつかの実施形態では、金、白金、パラジウム、ロジウム、グラフェン、ベリリウム、ニッケルを含むかもしくはそれらからなり得、または他の好適な導体および他の材料で作製され得る。
【0016】
追加的または代替的に、プローブ製造方法は、いくつかの実施形態では、特に、プローブ、特にニードル本体に表面層または層スタックを形成するための、蒸着、スパッタリング、原子層堆積、または任意の他の物理的もしくは化学的堆積技法のうちの1つ以上の堆積技法をさらに含む。形成された表面層は、いくつかの実施形態では、追加の表面層、すなわち電気めっきを施すステップによって生成された表面層としての別の表面層であり得る。
【0017】
層は、金、白金、パラジウム、ロジウム、グラフェン、ベリリウム、ニッケルを含むかもしくはそれらからなり得、または他の好適な導体および他の材料で作製され得る。このような層は、プローブの機械的性能、導電性、および電気的接触能力に関して有益である。
【0018】
いくつかの実施形態では、ニードル先端およびニードル本体は、異なる材料で作製されている。あるいは、ニードル先端およびニードル本体は、同じ材料で作製されている。
【0019】
いくつかの実施形態では、ニードル本体および任意選択的にニードル先端は、螺旋構造を備える。螺旋構造は、例えば、1つ以上のコイルを備え得る。いくつかの実施形態では、螺旋構造は、ばねであり得る。典型的には、螺旋構造は、キャリアボードおよび/またはプローブガイド部分から延在する。
【0020】
いくつかの実施形態では、各プローブのニードル本体は、複数の脚、好ましくは少なくとも3つの脚、より好ましくは3つの脚を有する。そのような実施形態は、複数の脚が、それぞれのプローブの、特にニードル先端の自己センタリングを提供し、したがって精度を高めるため、有益である。脚は、典型的には、プローブガイド部分と直接接触し、プローブガイド部分からニードル先端に向かって垂直に延在することが理解される。
【0021】
いくつかの実施形態では、キャリアボードに対して垂直に配置されていないニードル本体の少なくとも1つのセクションは、弾性を有し、例えば弾性挙動を示す。したがって、プローブは弾力的であり、これは異なるプローブ間およびプローブと標的接触パッドとの間の高さの差を補償することを可能にする。
【0022】
いくつかの実施形態では、プローブガイド部分に導電性材料を直接積層することが、プローブガイド部分またはキャリアボードの複数の異なるプローブガイド部分の異なる場所で複数回繰り返されて、複数のプローブを生成する。そのような実施形態は、キャリアボードに複数のプローブを生成することを可能にする。典型的には、1つのプローブガイド部分が単一のプローブに接続される。したがって、キャリアボードの場合、プローブガイド部分の数はプローブの数に等しくあり得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、2つの直接隣り合うプローブ間、特に、2つの直接隣り合うプローブのそれぞれのニードル先端間の距離は、10μm~1000μm、好ましくは10μm~60μmである。
【0024】
いくつかの実施形態では、生成されたプローブが、コーティング材料でコーティングされ、コーティング材料は、プローブが生成された導電性材料とは異なる。コーティング材料は、例えば、導電性材料として異なる導電性、異なる硬度、および/または他の異なる材料特性を有し得る。
【0025】
第2の態様では、好ましくは本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる方法によって製造されたプローブカードが提供される。プローブカードは、少なくとも1つのプローブガイド部分を有するキャリアボードと、導電性材料から作製されたプローブと、を備え、プローブおよびプローブガイド部分は、互いに直接物質的に結合されている。直接物質的に結合されたプローブガイド部分およびプローブは、互いに直接的に、すなわち追加の接着剤なしで結合されていることが理解される。接続は、典型的には、材料結合によってのみ達成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、プローブは、ニードル本体およびニードル先端を備え、ニードル本体は、キャリアボードに対して垂直に配置されていない少なくとも1つのセクションを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、キャリアボードに対して垂直に配置されていないニードル本体の少なくとも1つのセクションは、弾性を有する。
【0028】
いくつかの実施形態では、ニードル本体および任意選択的にニードル先端は、螺旋構造を備える。
【0029】
いくつかの実施形態では、ニードル本体は、複数の脚、好ましくは少なくとも3つの脚、より好ましくは3つの脚を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、キャリアボードは、複数のプローブガイド部分および複数のプローブを備え、複数のプローブの各々は、プローブガイド部分のうちの1つに直接物質的に結合されており、特に、接着されている。典型的には、各プローブガイド部分は、単一のプローブのみに物質的に結合され得、特に、接着され得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、2つの直接隣り合うプローブ間、特に、2つの直接隣り合うプローブのそれぞれのニードル先端間の距離は、10μm~1000μm、好ましくは10μm~60μmである。
【0032】
いくつかの実施形態では、プローブは、導電性材料とは異なるコーティング材料のコーティングを備える。
【0033】
本発明の第3の態様は、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによるプローブカードの、揺れ検査のための、特に半導体の揺れ検査のための使用を含む。
【0034】
先行技術と比較して、本発明は、三次元印刷を使用して、プローブガイド部分に積層することによってプローブを直接生成し、これにより、従来のニードルガイドプレートの設定を排除し、同時に良好な検出結果を提供することができる。加えて、プローブおよびプローブ導通部は、良好で安定した電気的接続効果を生じさせることができる。次に、三次元印刷によって、同じキャリアボード/基板に様々な長さ、ピッチ、サイズ、または形状のプローブを直接構築することが容易であり、その結果、同じプローブカードに2つ以上のプローブがあり、最良の性能およびより良好な検出結果を有する様々な半導体デバイスパッド/バンプを達成する。さらに、3D印刷または付加製造の技術は、毎回1000μm未満の厚さ、さらには0.2μmの厚さに達することができる。したがって、プローブが3D印刷によって直接成層される場合、ばらつきのアドバンテージを最小限に抑えて高い精度を有することとなる。加えて、半導体高速検査におけるインピーダンス不整合の問題に対応して、本発明の実施態様は、制御されたより短い距離、および先行技術よりも安定した構造をプローブに提供して、インピーダンスを改善することができる。本発明による改良は、高速検査を必要とする様々な半導体産業に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】従来のプローブカードの構造の概略図である。
図2】本発明の第1の実施形態によるプローブ製造方法の概略図である。
図3】本発明の第1の実施形態におけるプローブを構築するステップの概略図である。
図4】本発明の第1の実施形態のプローブの断面図である。
図5】本発明の第1の実施形態によるプローブアレイの概略図である。
図6】プローブカードに適用された本発明の第1の実施形態の概略図である。
図7】本発明の第1の実施形態のプローブ形状変更の概略図(1)である。
図8】本発明の第1の実施形態におけるプローブ形状変更の概略図(2)である。
図9】本発明の第2の実施形態におけるプローブを構築するステップの概略図である。
図10】本発明の第2の実施形態のプローブの側面図である。
図11】本発明の第2の実施形態のプローブの斜視図である。
図12】本発明の第2の実施形態におけるプローブ形状変更の概略図(1)である。
図13】本発明の第2の実施形態のプローブ形状変更の概略図(2)である。
図14】本発明の第3の実施形態のマルチプローブ実装の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1から図3を参照すると、一実施形態に示すプローブ製造方法は、
ステップS1:キャリアボードまたは基板10を準備し、キャリアボードまたは基板10の表面は、少なくとも1つのプローブガイド部分11を有し、
ステップS2:少なくとも1つのプローブガイド部分に直接導電性材料を用いて付加製造を実行してプローブガイド部分にプローブを生成することによってプローブを生成するステップであり、付加製造は、プローブガイド部分に導電性材料を直接積層することを含み、かつ
ステップS3:電気めっきを施して表面層30、すなわち導電性表面層を生成するステップであり、電気めっきを施すことは、プローブ20の表面で実行され、その結果、表面層30がプローブ20の表面に形成される、ステップを含む。
【0037】
ステップS2は、以下のような一実施形態を示し、付加製造によってプローブを生成するステップは、
ステップS21:積層することによってニードル本体21aをプローブガイド部分に生成するステップであって、ニードル本体が、キャリアボードに対して垂直に配置されていない少なくとも1つのセクション21aを含む、生成するステップと、
ステップS22:付加製造によってニードル本体21にニードル先端22を生成するステップと、を含む。
【0038】
図4に示すように、キャリアボードまたは基板10の主な機能は、アダプタ回路によって電気経路を接続して空間トランスを変換することであり、それによって、プローブ20を検査システムに間接的に接続することができる。キャリアボードまたは基板10は、多層有機キャリア(MLO)および多層セラミックキャリアなどのプリント回路基板(PCB)に加えて、ウェハまたは他の材料の形態で実装され得る。(MLC)、ガラスキャリア(GLASS)、またはシリコンインターポーザ(Siliconインターポーザ)。プローブ20は、必要なプローブガイド部分11を生成するために設けられており、プローブ20は、一般に、内部変換アダプタ回路を通じて検査システムと間接的に接続され得る。プローブ20は、プローブガイド部分11に生成された直接的な三次元印刷層であるため、プローブガイド部分11との十分な接触があることとなり、接触不良または接触面積不足の問題はないこととなる。三次元印刷は、マイクロ電鋳印刷によって、プローブ20を層状に構築することができる。
【0039】
3D印刷の技術は、1000μm以下の厚さ、さらには0.2umの厚さに達することができるため、プローブ20が3D印刷によって直接生成される場合、高精度であるとともにばらつきが少ないという利点を有することとなる。加えて、半導体高速検査におけるインピーダンス不整合の問題に対応して、本発明の実施態様は、制御されたより短い距離、および先行技術よりも安定した構造を有するプローブ20を提供することができる。本発明の改良は、高速検査を必要とする様々な半導体産業に適用される。
【0040】
実施において、ニードル本体21およびニードル先端22は、異なる硬度を有する導体材料で三次元的に印刷され得、それによって、例えばニードル先端22の硬度がニードル本体の硬度よりも高くなる。より弾力性のあるニードル本体21を提供することを目的とする。弾性力は、ニードル先端22のより良好な耐摩耗性および耐変形性を提供する。次に、上述のステップS3が、プローブ20を構築するためにステップS2で使用された導体材料よりも優れた表面層30の材料を形成するための、電気めっきを施すステップに用いられる。例えば、プローブ2は、銅、ニッケル、またはニッケル合金から作製され得、ニードル本体21と先端22との間の差は、ニッケル含有量もしくはニッケル合金の混合タイプまたは全く異なる材料によって調整され得、表面層30は、金、白金、パラジウム、ロジウム、グラフェンであり得るか、または他の良好な導体および他の材料で作製され得る。(表面層30は、プローブ20の表面に配置される。以下の説明では、様々な構成要素の符号の取り違えを避けるために、表面層30のラベル付けを省略する。)。
【0041】
以下では、図5および図6を参照する。3D印刷は、高精度および直接成形の利点を有するため、小型化、高密度、および多数の反復ビルドアップ処理に非常に適している。複数のプローブ20の生成を容易に完了し、複数のプローブ20を検査対象の半導体デバイス40の半導体端子41に対応するように必要なアレイ形態に直接配置する。複数のプローブ20がキャリアボード10のプローブガイド部分11に直接配置されるため、キャリアボード10にプローブ20を取り付ける追加のステップが不要になり、それによって、より効率的な製作プロセスが提供され、かつ製作コストが低減される。
【0042】
図7に示すプローブ20は、図4に示すプローブとは異なる形状を有する。ニードル本体21は、付加製造によってプローブガイド部分11に配置されており、ニードル本体21の底端は、基部21bを有する。弾性セクション21aが、基部21bの垂直方向かつ斜め上方に延在し、弾性セクション21aに先端22が印刷されている。先端22は、基部21bとプローブガイド部分11との間により良好な接続エリアを生成するように、弾性セクション21aの端部に生成されている。
【0043】
図8は、本発明による方法の一実施形態に従って製作された別のプローブ20を示している。図8に示すプローブ20は、図4に示すプローブとは異なる形状を有する。ニードル本体21は、プローブガイド部分11に付加製造することによって生成されており、弾性セクション21aは、螺旋構造を有し、ニードル本体21の本質的に全体をカバーする。ニードル先端22は、ニードル本体21の端部に付加製造によって生成されている。、螺旋状弾性セクション21aを通じてより良好な弾性効果を生み出すために。
【0044】
図9から図11は、本発明の別の実施形態に従ってプローブを構築するステップの概略図である。また、本実施形態は、ステップS1、ステップS2、およびステップS3を含む。しかしながら、当実施形態は、層ごとにプローブを生成するステップが、
ステップS23:プローブガイド部分11に直接付加製造によって複数のニードル本体21を生成し、複数のニードル本体21の各ニードル本体21が、キャリアボード10に対して垂直ではない少なくとも1つの弾性セクション21aを有し、かつ
ステップ24:複数のニードル本体21に付加製造によってニードル先端22を生成して対応するニードル先端22を生成するステップである、ステップを含むという点で、図2に示す実施形態とは異なる。
【0045】
ニードル本体21のS字状の弾性セクション21aが設けられるように複数のニードル本体が発生した。プローブガイド部分11間に複数の接合領域が形成され得、構造応力を高めることができる。全体的な導電効果を向上させるために、ニードル先端22は複数のニードル本体21に形成されており、したがって、複数のニードル本体21はニードル先端22に固定されている。ニードル先端22が力を受けると、圧力はニードル本体21に均等に分配され得、各ニードル本体21は弾性変形をもたらし得、それによって、ニードル先端22の後退が伴う。これにより、プローブ20はより堅牢となりかつ耐久性を有することとなり、良好な検出効果も有する。このようなプローブ20の構造および機能は、慣習的な方法では製造することができない。この実施形態は、本発明がプローブ接続部分11の導電性材料を直接使用して、三次元印刷層によってプローブを生成することをさらに証明することができる。20の技術は、より複雑な構造変更およびより繊細な設計を有するプローブ20を提供することができる。
【0046】
図12は、第2の実施形態に示す方法に従って製作されたプローブ20であり、図12に示すプローブ20は、3つの脚を含むニードル本体21を備える。セクション21aは、螺旋構造をさらに備え、ニードル本体21全体をカバーする。
【0047】
図13に示すプローブ20は、図12に示すプローブと同様のニードル本体21を有し、これもまた3つの脚を備える。セクション21aは、螺旋構造を備え、本質的にニードル本体21全体をカバーする。主な違いは、ニードル本体21の長さおよび弾性セクション21aの螺旋形状にある。複数のニードル本体21の端部におけるニードル先端22の位置が変更されており、プローブ20の全長およびセクション21aの傾斜角度が異なり、これはニードルの弾性挙動に大きく影響することとなる。
【0048】
図14は、同じキャリアボード10に直接製造された様々な長さ、間隔、サイズ、または形状のプローブ20を示している。単一の長さ、単一のサイズ、または単一の形状の複数のプローブ20がアレイ状に組み合わされた図1の一般的な実施態様と比較して、この実施形態は、検査される半導体物体40の表面の半導体端子41が異なる高さまたは異なるピッチで配置されている場合に生じる先行技術の問題を克服することができる。本発明によるプローブカードは、付加製造によって直接同じキャリア10に様々な長さ、間隔、サイズ、または形状のプローブ20を含むことができ、その結果、同じキャリア10に2つ以上のタイプが存在する。追加的または代替的に、弾性または弾力性プローブを提供することによって、高さの差に対応することができる。
【0049】
上記は、本発明の好ましい実施形態を例示するための一例にすぎず、実施の範囲を限定することを意図するものではない。全ての単純な置換および等価な変更は、本発明の特許出願の範囲および特許明細書の内容に従って行った。いずれも本発明の特許出願の範囲に属する。
【符号の説明】
【0050】
10 キャリアボード
11 プローブガイド部分
20 プローブ
21 ニードル本体
21a ニードル本体のセクション
21b ニードル本体の基部
22 ニードル先端
30 表面
90 キャリアボード
91 プローブアセンブリ
92 ガイドプレート
93 プローブ
931 接続端部
932 検査側
933 湾曲セクション
94 プローブコネクタ
95 空間適合回路
96 回路ボード
97 被検査半導体デバイス
971 半導体端子

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】