(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】低次MIMO空間ストリームを介したメッシュネットワーク範囲拡大および信頼性向上
(51)【国際特許分類】
H04W 28/18 20090101AFI20240207BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240207BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20240207BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240207BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20240207BHJP
【FI】
H04W28/18 110
H04W84/12
H04W24/10
H04W16/28 130
H04W84/18 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540573
(86)(22)【出願日】2022-02-04
(85)【翻訳文提出日】2023-08-30
(86)【国際出願番号】 US2022070528
(87)【国際公開番号】W WO2022174215
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェン,ユー
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ,ジーフェン
(72)【発明者】
【氏名】デュブリ,スリニバサ・クマール
(72)【発明者】
【氏名】ヘイズ,レイモンド・レイノルズ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイズ,ケビン・エヌ
(72)【発明者】
【氏名】ウー,デル-ウォエイ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA01
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067EE23
5K067HH21
5K067KK02
5K067KK03
5K067LL11
(57)【要約】
本文献は、IEEE802.11ネットワーキング技術を実装する無線メッシュネットワークのための範囲および信頼性の改善を説明する。最適化された速度制御アルゴリズムを使用して中間距離範囲および遠距離範囲で空間ストリームの数Nをより小さい値に低減することにより、より高いリンクバジェットに対してより低い最大データスループット限定を先制的にトレードオフする。このようにより高いリンクバジェットは、ネットワークスループットの代わりにリンクバジェットを最大限にするためにMIMO RFチャンネルのNxN空間の多様性を利用することにより、より長距離の範囲およびより高いRFリンクの信頼性を実現する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線メッシュルータにより無線メッシュネットワークの無線通信範囲および信頼性を改善するための方法であって、
前記無線メッシュルータと第1の無線デバイスとの間のリンク品質の第1の示度を測定するステップと、
リンク品質の前記測定した第1の示度に基づいて前記無線通信のための空間ストリームの数を決定するステップと、
前記無線通信のためのチャンネル帯域幅ならびに変調および符号化方式MCSを選択するために空間ストリームの前記決定した数を使用するステップと、
空間ストリームの前記決定した数、前記選択したチャンネル帯域幅、および前記選択したMCSを使用して、前記無線通信のための無線送受信機を構成するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記構成した無線送受信機を使用して前記第1の無線デバイスと通信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の無線デバイスは、
別の無線メッシュルータ、または、
無線ステーションSTAデバイス
を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
リンク品質の前記第1の示度は、
受信信号強度指標RSSI、
受信チャンネルパワー指標RCPI、
データスループット、
データパケット誤り率PER、または、
変調および符号化方式MCS、
のうちの1つまたは複数を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記無線通信のための前記チャンネル帯域幅ならびに前記変調および符号化方式を選択するために空間ストリームの前記決定した数を前記使用するステップは、
チャンネル帯域幅ならびに変調および符号化方式の2次元参照テーブルでの検索のための入力として、空間ストリームの前記決定した数を使用することを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記選択したチャンネル帯域幅は、
20MHzのチャンネル帯域幅、
40MHzのチャンネル帯域幅、
80MHzのチャンネル帯域幅、
160MHzのチャンネル帯域幅、または、
320MHzのチャンネル帯域幅、
を含む、先行する請求項にいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記選択したMCSは、
MCS0であるMCS、
MCS1であるMCS、
MCS2であるMCS、
MCS3であるMCS、
MCS4であるMCS、
MCS5であるMCS、
MCS6であるMCS、
MCS7であるMCS、
MCS8であるMCS、
MCS9であるMCS、
MCS10であるMCS、
MCS11であるMCS、
MCS12であるMCS、または、
MCS13であるMCS、
を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
空間ストリームの前記数は、1つまたは複数の空間ストリームを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記無線メッシュネットワークは、
IEEE802.11nの無線ネットワーク、
Wi-Fi4の無線ネットワーク、
IEEE802.11аcの無線ネットワーク、
Wi-Fi5の無線ネットワーク、
IEEE802.11axの無線ネットワーク、
Wi-Fi6の無線ネットワーク、または、
Wi-Fi6Eの無線ネットワーク、
を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
リンク品質の前記測定した第1の示度に基づいて前記無線通信のための空間ストリームの前記数を決定するステップは、リンク品質の前記測定した第1の示度を少なくとも1つの閾値と比較することを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記無線メッシュルータと第2の無線デバイスとの間のリンク品質の第2の示度を測定するステップと、
リンク品質の前記測定した第2の示度に基づいて前記無線通信のための空間ストリームの数を決定するステップと、
前記無線通信のためのチャンネル帯域幅ならびに変調および符号化方式MCSを選択するために空間ストリームの前記決定した数を使用するステップと、
空間ストリームの前記決定した数、前記選択したチャンネル帯域幅、および前記選択したMCSを使用して、前記無線通信のための無線送受信機を構成するステップと、
前記構成した無線送受信機を使用して前記第2の無線デバイスと通信するステップと、
をさらに含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
1つまたは複数の無線送受信機と、
先行する請求項のいずれか1項に記載の方法を実施するように構成された速度コントローラアプリケーションを実装するためのプロセッサおよびメモリシステムと、
を含む、無線メッシュアクセスルータ。
【請求項13】
ネットワークインターフェイスをさらに含む、請求項12に記載の無線メッシュアクセスルータ。
【請求項14】
前記無線メッシュアクセスルータは、前記ネットワークインターフェイスを使用してバックホールリンクで他の無線メッシュアクセスルータと通信するように構成されている、請求項13に記載の無線メッシュアクセスルータ。
【請求項15】
プロセッサによる実行に反応して、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法を実施するように装置に指示する命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
Wi-Fiメッシュネットワークルータは、NxM多入力、多出力(MIMO:Multiple-Input,Multiple-Output)チャンネルがネットワークデータスループットを最大限にすることを目的としてN個の空間データストリームを伝達するのに完全に利用される場合に、リンクバジェット制限のために範囲の限定および信頼性の問題に悩まされる。スループットを最大限にすることは、Wi-Fiメッシュネットワークルータのカバーする範囲に影響を与える。しかし、より一貫性のあるWi-Fiカバレッジ(Wi-Fi coverage)をユーザに提供する速度適応技法を変える好機が存在する。
【発明の概要】
【0002】
概要
本概要は、低次MIMO空間ストリームを介したメッシュネットワーク範囲拡大および信頼性向上の単純化された概念を紹介するために提供されるものである。これらの単純化された概念は以下の発明を実施するための形態でさらに説明される。本概要は特許請求される主題の本質的な特徴を明らかにすることを意図されず、また、特許請求される主題の範囲を決定するために使用されることを意図されない。
【課題を解決するための手段】
【0003】
ある態様において、無線メッシュルータによる無線メッシュネットワークでの無線通信のための、また特には、無線メッシュルータによる無線メッシュネットワークにおける無線通信範囲および信頼性を改善するための、方法、デバイス、システム、および手段は、無線メッシュルータと別の無線デバイスとの間のリンク品質の示度を測定するメッシュルータを説明する。無線メッシュルータがリンク品質の測定した示度に基づいて無線通信のための空間ストロームの数を決定し、無線通信のためのチャンネル帯域幅ならびに変調および符号化方式(MCS:Modulation and Coding Scheme)を選択するのに、空間ストリームの決定した数を使用する。無線メッシュルータは、空間ストリームの決定した数、選択したチャンネル帯域幅、および選択したMCSを使用して無線通信のための無線送受信機を構成する。無線メッシュルータは、構成した無線送受信機を使用して他の無線デバイスと通信することができる。
【0004】
ある態様によると、無線メッシュ(アクセス)ルータは、1つまたは複数の無線送受信機と、速度コントローラアプリケーションを記憶し、速度コントローラアプリケーションを実行すると、本明細書で説明される任意の態様または実施形態の方法を実施するプロセッサおよびメモリシステムと、を含む。
【0005】
低次MIMO空間ストリームを介したメッシュネットワーク範囲拡大および信頼性向上の態様は、以下の図面を作用して説明される。図面全体を通して、同様の特徴および構成要素に言及するときに同じ符号が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】低次MIMO空間ストリームを介してメッシュネットワーク範囲拡大および信頼性向上の種々の態様が実施され得る、例示の無線ネットワーク環境を示す図である。
【
図2】低次MIMO空間ストリームを介してメッシュネットワーク範囲拡大および信頼性向上の種々の態様を実施することができる、メッシュルータおよびクライアントデバイスのための例示のデバイスダイアグラムを示す図である。
【
図3】低次MIMO空間ストリームを介してのメッシュネットワーク範囲拡大および信頼性向上の種々の態様による空間ストリームの数およびチャンネル帯域幅の種々の組み合わせのための例示のスループット対経路損失を示す図である。
【
図4】本明細書で説明される技法の態様によるメッシュルータに概して関連する、低次MIMO空間ストリームを介するメッシュネットワーク範囲拡大および信頼性向上の例示の方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
概略
Wi-Fiメッシュネットワークルータは、NxN多入力、多出力(MIMO)チャンネルがネットワークデータスループットを最大限にすることを目的としてN個の空間データストリームを伝達するのに完全に利用される場合に、リンクバジェット制限のために範囲の限定および信頼性の問題に悩まされる。これらの範囲および信頼性の問題は、特に、Wi-Fi6バックホールを用いる802.11axメッシュルータにおいて深刻であり、ここでは、屋内専用低出力(LPI:Low Power Indoor)の802.11ax6Eデバイスのための規制上の要件により送信パワーが大幅に低下する。変調および符号化方式0(MCS0)を使用するときのLPI送信パワーの低下は、チャンネル帯域幅(例えば、160MHzまたは80MHzのチャンネル帯域幅)に応じて4.5dBから7.5dBまで変化する。
【0008】
Wi-Fiメッシュルータでの速度適応技法を改善することにより、カバレッジ範囲の一貫性が改善され得る。Wi-Fi6バックホールを用いる802.11axメッシュルータにおける範囲および信頼性の問題を克服することはコストを増大させ得、また、メッシュルータの小さいフォームファクターを維持するための選択肢を低減し得る。例えば、3つまたは4つのアンテナまで伝達アンテナの数Nを増大させることにより(N=3またはN=4)、2つのアンテナ(N=2)を使用する場合と比較して、メッシュルータのハードウェアコストが増し、製品デザインのフォームファクターも影響を受ける。速度適応技法を変えることにより、コストを増大させたりまたはメッシュルータの小さいフォームファクターを維持するための選択肢を低減したりすることなく、カバレッジが改善され得る。
【0009】
例示の環境
図1は、メッシュルータ111、メッシュルータ112、およびメッシュルータ113として示される複数のメッシュルータ110を有する例示の環境100を示す。メッシュルータ110は、1つまたは複数のクライアントデバイス130に対しての無線接続性を提供するWi-Fiネットワーク120を一体に提供する。各クライアントデバイス130は、無線通信リンク141および無線通信リンク142として示される1つまたは複数の通信リンク140を通して1つまたは複数のメッシュルータ110と通信することができる。この例では、クライアントデバイス130がスマートフォンとして実装される。スマートフォンとして示されるが、クライアントデバイス130は、移動体通信デバイス、ゲーミングデバイス、メディアデバイス、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、およびスマート家電製品などの、任意適切な計算デバイスまたは電子デバイスとして実装され得る。メッシュルータ110は、IEEE802.11、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n(Wi-Fi4)、IEEE802.11ac(Wi-Fi5)、IEEE802.11ax(Wi-Fi6、Wi-Fi6E)、またはその将来の発展形態などの、1つまたは複数の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN:Wireless Local Area Network)技術を実装することができる。
【0010】
メッシュルータ110は、クライアントデバイス130の間でかつ/またはクライアントデバイスとインターネット180およびリモートサービス190との間でネットワークトラフィックを送るために、151、152、および153で、有線バックホールリンク(例えば、イーサネット)または無線バックホールリンク(メッシュリンク)によって接続される。例えば、メッシュルータ111などの1つまたは複数のメッシュルータは、ケーブルモデムまたはDSLモデムおよび対応する通信リンク101を介する等して、インターネット180に接続するためのネットワークインターフェイスを有する。
【0011】
例示のデバイス
図2は、複数のメッシュルータ110およびクライアントデバイス130の例示のデバイスダイアグラム200を示す。メッシュルータ110およびクライアントデバイス130は、明瞭にするために
図2から省略されている追加の機能およびインターフェイスを有することもできる。
【0012】
メッシュルータ110は、アンテナ202と、無線周波数フロントエンド204(RFフロントエンド204)と、クライアントデバイス130および/または別のメッシュルータとのWLAN(Wi-Fi)通信のために構成された1つまたは複数の送受信機206と、を有する。RFフロントエンド204は、様々な種類の無線通信を容易にするために、送受信機206をアンテナ202に連結または接続することができる。メッシュルータ110のアンテナ202は、互いに同様に構成されるかまたは互いに異なるように構成される複数のアンテナのアレイを有することができる。アンテナ202およびRFフロントエンド204は、IEEE802.11および/またはWi-Fi通信規格によって規定されて送受信機206によって実装される1つまたは複数の周波数帯に合うように調整され得、かつ/またはそのように調整可能である。加えて、アンテナ202、RFフロントエンド204、および/または送受信機206は、クライアントデバイス130および/または別のメッシュルータとの通信の送信および受信のためのビームフォーミングを支援するように構成され得る。
【0013】
メッシュルータ110がプロセッサ208およびコンピュータ可読記憶媒体210(CRM(computer-readable storage media)210)をさらに有する。プロセッサ208は、シリコン、ポリシリコン、high-K誘電体、および銅などの、多様な材料で構成されたシングルコアプロセッサまたはマルチプルコアプロセッサとなり得る。CRM210は、メッシュルータ110のデバイスデータ212を記憶するのに有用である、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、不揮発RAM(NVRAM:non-volatile RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、またはフラッシュメモリなどの任意適切なメモリまたは記憶デバイスを有することができる。デバイスデータ212は、クライアントデバイス130との通信を可能にするためにまたはメッシュルータ110の間のメッシュリンク通信のためにプロセッサ208によって実行可能である、ネットワークスケジューリングデータ、無線資源管理データ、アプリケーション、および/またはメッシュルータ110のオペレーティングシステムを含む。
【0014】
CRM210は、一実装形態において(示されるように)CRM210上に具現化されるアクセスポイントマネージャ214をさらに有することができる。別法としてまたは加えて、アクセスポイントマネージャ214は、全体としてまたは部分的に、メッシュルータ110の他の構成要素と一体であるかまたは分離するハードウェア論理または回路として実装され得る。少なくともいくつかの態様では、アクセスポイントマネージャ214は、クライアントデバイス130および/または別のメッシュルータ110との通信のための、ならびに、ネットワークインターフェイス220を介してのインターネット180でのデータの通信のための、送受信機206を構成する。少なくともいくつかの態様では、アクセスポイントマネージャ214は、本明細書で説明される低次MIMO空間ストリームを介したメッシュネットワーク範囲拡大および信頼性向上のための技法を実施するためのRFフロントエンド202および送受信機206を構成する。
【0015】
CRM210は、一実装形態でCRM210上に具現化される(示されるように)速度コントローラ216および参照テーブル218をさらに有する。別法としてはまたは加えて、速度コントローラ216は、全体としてまたは部分的に、メッシュルータ110の他の構成要素と一体であるかまたは分離するハードウェア論理または回路として実装され得る。速度コントローラ216は、無線通信のための構成を決定するためのリンク品質の測定値および参照テーブル218を使用する。速度コントローラ216は、変調および符号化方式(MCS)ならびに無線通信のためのチャンネル帯域幅を含む参照テーブル218での検索を実施するためにリンク品質の測定値を使用する。代替の実装形態では、参照テーブル218は、送受信機206に含まれるWi-Fiチップセットに含まれ得る。各MCSは、変調タイプなどの構成パラメータを規定する。
【0016】
クライアントデバイス130は、アンテナ252と、無線周波数フロントエンド254(RFフロントエンド254)と、Wi-Fiネットワーク120(メッシュネットワーク120)内でメッシュルータ110と通信するための1つまたは複数の送受信機256と、を有する。クライアントデバイス130のRFフロントエンド254は、様々な種類の無線通信を容易にするために送受信機256をアンテナ252に連結または接続することができる。クライアントデバイス130のアンテナ252は、互いに同様に構成されるかまたは互いに異なるように構成される複数のアンテナのアレイを有することができる。アンテナ252およびRFフロントエンド254は、IEEE802.11およびWi-Fi通信規格によって規定されて送受信機256によって実装される1つまたは複数の周波数帯に合うように調整され得、かつ/またはそのように調整可能である。加えて、アンテナ252、RFフロントエンド254、および/または送受信機256は、メッシュルータ110との通信の送信および受信のためのビームフォーミングを支援するように構成され得る。
【0017】
クライアントデバイス130は、プロセッサ258およびコンピュータ可読記憶媒体260(CRM260)をさらに有する。プロセッサ258は、シリコン、ポリシリコン、high-K誘電体、および銅などの、多様な材料で構成されたシングルコアプロセッサまたはマルチプルコアプロセッサとなり得る。本明細書で説明されるコンピュータ可読記憶媒体は、信号を伝搬することを排除する。CRM260は、クライアントデバイス130のデバイスデータ262を記憶するのに使用可能である、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、不揮発RAM(NVRAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、またはフラッシュメモリなどの任意の適切なメモリまたは記憶デバイスを有することができる。デバイスデータ262は、メッシュルータ110との無線通信、信号伝達、およびユーザインタラクション(user interaction)を可能にするためにプロセッサ258によって実行可能である、ユーザデータ、マルチメディアデータ、ビームフォーミングコードブック、アプリケーション、および/またはクライアントデバイス130のオペレーティングシステムを含む。
【0018】
CRM260は、クライアントデバイスマネージャ264をさらに有する。別法としてまたは加えて、クライアントデバイスマネージャ264は、全体または一部が、クライアントデバイス130の他の構成要素と一体であるかまたは分離するハードウェア論理または回路として実装され得る。クライアントデイバスマネージャ264は、WLANステーション(STA)の機能を実装するための送受信機256を構成する。
【0019】
メッシュネットワーク範囲拡大および信頼性を改善するための速度適応
802.11axメッシュネットワークは、中間距離範囲および遠距離範囲でデータトラフィックのためのN個の空間ストリームを伝達するNxN MIMOチャンネルを完全に利用することによりデータスループットが意図的に最大限にされることでオペレーションの範囲およびRFリンクの信頼性を制限する無線周波数(RF)リンクバジェットを有する。最大データスループットを最適化する速度適応技法は、より広範囲の空間にわたってカバレッジおよびひいては接続性を提供するのに不十分である可能性がある。
【0020】
ある態様では、最適化された速度制御アルゴリズムを使用して中間距離範囲または遠距離範囲での空間ストリームの数Nをより小さい値(例えば、N=2の場合はN-1、またはN=3の場合はN-2)まで低減することにより、より高いリンクバジェットに対してより低い最大データスループット限定を先制的にトレードオフする。このようにより高いリンクバジェットは、ネットワークスループットの代わりにリンクバジェットを最大限にするためにMIMO RFチャンネルのNxN空間の多様性を利用することにより、より長距離の範囲およびより高いRFリンクの信頼性を実現する。
【0021】
例えば、801.11ax(Wi-Fi 6E)の160MHzの帯域幅は、範囲を増大させながらおよびメッシュネットワーク120の信頼性を向上させながら、空間ストリームの数をN-1(N=2の場合)またはN-2(N=3の場合)に低減して、メッシュリンク(例えば、メッシュリンク151、152、および153)およびデータリンク(例えば、無線リンク141および142)での十分なデータスループットを支援することができる。
【0022】
多くのWi-Fiアクセスポイント、Wi-Fiメッシュルータ、およびWi-Fiチップセットでの従来の速度適応技法は、ステーション(STA)デバイス(例えば、クライアントデバイス130)または別のメッシュルータとの通信リンクのためのパケット誤り率(PER:packet error rate)を測定する。これらの従来の技法は、変調および符号化方式(MCS)、空間ストリームの数(NSS:number of spatial streams)、ならびにチャンネル帯域幅の3次元参照テーブルで検索を実施するために、測定したPERを使用する。通常、これらの技法は、リンク品質を改善するためにNSSまたはチャンネル帯域幅を変える前に、STA(または、他のメッシュルータ)とのリンク品質を改善する(測定したPERを低減する)ことの試みのために最初にMCSを修正する(例えば、MSC0と同程度までMCSを低減する)。
【0023】
一態様では、Wi-Fiメッシュルータの速度制御コントローラ(例えば、速度コントローラ216)は、STAまたは別のWi-Fiメッシュルータからの受信したパケット伝達の受信信号強度指標(RSSI:Received Signal Strength Indicator)または受信チャンネルパワー指標(RCPI:Received Channel Power Indicator)を測定する。RSSIまたはRCPIに基づいて、速度コントローラは、STAまたは他のWi-Fiメッシュルータとの無線リンクのための空間ストリームの数(NSS)を選択し、NSSの値をWi-Fiチップセットに提供する。Wi-Fiチップセットは、変調および符号化方式(MCS)ならびにチャンネル帯域幅の2次元参照テーブルで検索を実施するために、このNSS値を使用する。別法として、速度コントローラ216は、CRM210に含まれる参照テーブル218で検索を実施することができる。NNS値と共にMCSおよびチャンネル帯域幅の得られた構成は、Wi-FiメッシュルータとSTAまたは他のWi-Fiメッシュルータとの間の無線リンクのためのWi-Fi送受信機を構成するのに使用される。
【0024】
代替的態様では、Wi-Fiメッシュルータの速度制御コントローラ(例えば、速度コントローラ216)は、STAまたは他のWi-Fiメッシュルータとの無線リンクのための空間ストリームの数(NSS)を選択するための入力として、STAまたは別のWi-Fiメッシュルータとの進行中の通信のデータスループットを使用し、NSSの値をWi-Fiチップセットに提供する。上の態様と同様に、Wi-Fiチップセットは、変調および符号化方式(MCS)ならびにチャンネル帯域幅の2次元参照テーブルで検索を実施するために、このNSS値を使用する。別法として、速度コントローラ216は、CRM210に含まれる参照テーブル218で検索を実施することができる。NNS値と共にMCSおよびチャンネル帯域幅の得られた構成は、Wi-FiメッシュルータとSTAまたは他のWi-Fiメッシュルータとの間の無線リンクのためのWi-Fi送受信機を構成するために使用される。
【0025】
別の態様では、Wi-Fiメッシュルータの速度制御コントローラ(例えば、速度コントローラ216)は、STAまたは他のWi-Fiメッシュルータとの無線リンクのための空間ストリームの数(NSS)を選択するための入力として、STAまたは別のWi-Fiメッシュルータとの通信のための使用中の進行中のMCSを使用し、NSSの値をWi-Fiチップセットに提供する。上の態様と同様に、Wi-Fiチップセットは、変調および符号化方式(MCS)ならびにチャンネル帯域幅の2次元参照テーブルで検索を実施するために、このNSS値を使用する。別法として、速度コントローラ216は、CMR210に含まれる参照テーブル218で検索を実施することができる。NSS値と共にMCSおよびチャンネルの帯域幅の得られた構成は、Wi-FiメッシュルータとSTAまたは別のWi-Fiメッシュルータとの間の無線リンクのためのWi-Fi送受信機を構成するために使用される。
【0026】
図3は、低次元MIMO空間ストリームを介してのメッシュネットワーク範囲拡大および信頼性向上の種々の態様に従う、空間ストリームの数およびチャンネル帯域幅の種々の組み合わせのための例示のデータスループット対経路損失を示す。
図3の点線NSS2-80は、80MHzのチャンネル帯域幅で2つの空間ストリーム(NSS=2)を維持する従来の速度コントローラを使用するWi-Fiメッシュルータのためのデータスループットを示す。
【0027】
上で考察した態様では、速度コントローラ216は、RSSI、RCPI、データスループット、または進行中のMCSに基づいて、空間ストリームの数とチャンネル帯域幅との間のスイッチ点を選択する。この例では、無線メッシュルータは、Wi-Fiカバレッジエリアを最適化するために速度コントローラ216によって選択された3つの領域302、304、および306で動作する。3つの領域が示されるが、任意の適切な数の領域が使用され得る。例えば、領域302におけるより低い経路損失値では(一般に、より高いRSSI、より高いRCPI、高いデータスループット、またはより高いMCSに対応する)、速度コントローラ216は、STAまたは別のWi-FiメッシュルータとのWi-Fi通信のための送受信機206を構成するために160MHzのチャンネル帯域幅(
図3の実線NSS2-160によって示される)および適切なMCS(例えば、MCS0からMCS13)を選択するために速度適応検索のためにWi-Fiチップセットにより使用されるNSS=2のための値を送受信機206内のWi-Fiチップセットに送る。
【0028】
この例を継続すると、経路損失が増大する条件下で(一般に、中程度のRSSI、中程度のRCPI、中程度のデータスループット、または中程度のMCSに対応する)、速度コントローラ216は、NSS=1の値を用いる領域304での動作を選択することにより、Wi-Fiカバレッジエリアを最適化する。速度コントローラ216は、STAまたは別のWi-FiメッシュルータとのWi-Fi通信のための送受信機206を構成するために160MHzのチャンネル帯域幅(
図3の短破線NSS1-160によって示される)および適切なMCSを選択するために速度適応検索のためにWi-Fiチップセットにより使用されるNSS=1のための値を送受信機206内のWi-Fiチップセットに送る。
【0029】
この例を継続すると、経路損失が最大である条件下で(一般に、低いRSSI、低いRCPI、低いデータスループット、または低いMCSに対応する)、速度コントローラ216は、NSS=1の値を用いる領域306での動作を選択することにより、Wi-Fiカバレッジエリアを最適化する。速度コントローラ216は、STAまたは別のWi-FiメッシュルータとのWi-Fi通信のための送受信機206を構成するために80MHzのチャンネル帯域幅(
図3の長破線NSS1-80によって示される)および適切なMCSを選択するために速度適応検索のためにWi-Fiチップセットにより使用されるNSS=1のための値を送受信機206内のWi-Fiチップセットに送る。
【0030】
適切なスイッチ点308および310を選択することにより、速度コントローラ216は、高いデータスループットを維持しながらWi-Fiカバレッジを増大させる、空間ストリームの数およびチャンネル帯域幅の構成を選択する。この例は1つまたは複数の空間ストリームおよび2つのチャンネル帯域幅を使用するものとして示されているが、説明される技法は、任意の数の空間ストリーム(例えば、1つ~8つの空間ストリーム)および任意適切な帯域幅の任意の数のチャンネル帯域幅(例えば、20MHz、40MHz、80MHz、160MHz、および/または320MHzのチャンネル帯域幅)に適用可能である。
【0031】
例示の方法
図4を参照して、低次元のMIMO空間ストリームを介してのメッシュネットワーク範囲拡大および信頼性向上の1つまたは複数の態様による例示の方法400を説明する。方法ブロックの説明順序は、限定として解釈されることを意図されず、方法または代替の方法を実装するために、説明される方法ブロックのうちの任意の数の方法ブロックが任意の順序で組み合わされ得るかまたは省略され得る。一般に、本明細書で説明されるコンポーネント、モジュール、方法、および動作のうちの任意が、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア(例えば、固定された論理回路)、またはその任意の組み合わせを使用して、実装され得る。例示の方法のいくつかの動作は、ローカルであり、かつ/またはコンピュータ処理システムに対してリモートである、コンピュータ可読記憶メモリに記憶される実行可能命令の一般的な文脈で説明され得、実装形態は、ソフトウェアアプリケーション、プログラム、および機能などを含むことができる。別法としてまたは加えて、本明細書で説明される機能性のうちの任意の機能性は、少なくとも部分的に、フィールドプラグラマグルゲートアレイ(FPGA:Field-programmable Gate Array)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application-specific Integrated Circuit)、特定用途向け標準製品(ASSP:Application-specific Standard Product)、システムオンチップシステム(SоCs)、および複合プログラム可能論理回路(CPLD:Complex Programmable Logic Device)などを含むがこれに限定されない、1つまたは複数のハードウェア論理コンポーネントによって、実施され得る。
【0032】
図4は、無線メッシュルータ110に概して関連する、低次元MIMO空間ストリームを介するメッシュネットワーク範囲拡大および信頼性向上の例示の方法400を示す。ブロック402で、無線メッシュルータは、無線メッシュルータと別の無線デバイスとの間のリンク品質の示度を測定する。例えば、無線メッシュルータ(例、無線メッシュルータ111、112、または113)は、リンク品質(例、RSSI、RCPI、データスループット、PER、またはMCS)を測定する。
【0033】
ブロック404で、無線メッシュルータは、リンク品質の測定した示度またはリンク品質の測定した示度の組み合わせに基づいて、無線通信のための空間ストリームの数を決定する(例えば、低減する)。例えば、無線メッシュルータ内の速度コントローラ(例えば、速度コントローラ216)は、リンク品質の測定した示度に基づいて、空間ストリームの数を決定する。例として、無線メッシュルータの速度コントローラは、空間ストリームの数を決定するために、リンク品質の測定した示度を少なくとも1つの閾値(および/または、値の1つまたは複数の領域)と比較することができる。
【0034】
ブロック406で、空間ストリームの決定した数を使用して、無線メッシュルータは、無線通信のためのチャンネル帯域幅ならびに変調および符号化方式(MCS)を選択する。例えば、速度コントローラは、参照テーブル(例えば、参照テーブル218)でチャンネル帯域幅およびMCSを検索するために空間ストリームの決定した数を使用する。例えば、参照テーブルは、以下の帯域幅:20MHzのチャンネル帯域幅、40MHzのチャンネル帯域幅、80MHzのチャンネル帯域、160MHzのチャンネル帯域幅、および320MHzのチャンネル帯域幅、のうちの2つ以上を含むことができ、例えばすべてを含むことができる。別法としてまたは加えて、参照テーブルは、以下のMCSすなわち、MCS0であるMCS、MCS1であるMCS、MCS2であるMCS、MCS3であるMCS、MCS4であるMCS、MCS5であるMCS、MCS6であるMCS、MCS7であるMCS、MCS8であるMCS、MCS9であるMCS、MCS10であるMCS、MCS11であるMCS、MCS12であるMCS、およびMCS13であるMCS、のうちの2つ以上を含むことができ、例えばすべてを含むことができる。
【0035】
ブロック408で、無線メッシュルータは、空間ストリームの決定した数、選択したチャンネル帯域幅、および選択したMCSを使用して無線通信のための無線送受信機を構成する。例えば、速度コントローラ216および/またはアクセスポイントマネージャ214は、空間ストリームの決定した数、選択したチャンネル帯域幅、および選択したMCSを使用して無線通信のための無線送受信機(例えば、送受信機206)を構成する。
【0036】
以下でいくつかの例を説明する:
例1
無線メッシュルータにより無線メッシュネットワークの無線通信範囲および信頼性を改善するための方法であって、
無線メッシュルータと第1の無線デバイスとの間のリンク品質の第1の示度を測定するステップと、
リンク品質の測定した第1の示度に基づいて無線通信のための空間ストリームの数を決定するステップと、
無線通信のためのチャンネル帯域幅ならびに変調および符号化方式MCSを選択するために空間ストリームの決定した数を使用するステップと、
空間ストリームの決定した数、選択したチャンネル帯域幅、および選択したMCSを使用して、無線通信のための無線送受信機を構成するステップと、
を含む、方法。
【0037】
例2
構成した無線送受信機を使用して第1の無線デバイスと通信するステップをさらに含む、例1の方法。
【0038】
例3
第1の無線デバイスは、
別の無線メッシュルータ、または、
無線ステーションSTAデバイス
を含む、例1または例2の方法。
【0039】
例4
リンク品質の第1の示度は、
受信信号強度指標RSSI、
受信チャンネルパワー指標RCPI、
データスループット、
データパケット誤り率PER、または、
変調および符号化方式MCS、
のうちの1つまたは複数を含む、先行する例のいずれか1つの例の方法。
【0040】
例5
無線通信のためのチャンネル帯域幅ならびに変調および符号化方式を選択するために空間ストリームの決定した数を使用するステップは、
チャンネル帯域幅ならびに変調および符号化方式2次元参照テーブルでの検索のための入力として、空間ストリームの決定した数を使用すること
を含む。先行する例のいずれか1つの例の方法。
【0041】
例6
選択したチャンネル帯域幅は、
20MHzのチャンネル帯域幅、
40MHzのチャンネル帯域幅、
80MHzのチャンネル帯域幅、
160MHzのチャンネル帯域幅、または、
320MHzのチャンネル帯域幅、
を含む、先行する例のうちのいずれか1つの例の方法。
【0042】
例7
選択したMCSは、
MCS0であるMCS、
MCS1であるMCS、
MCS2であるMCS、
MCS3であるMCS、
MCS4であるMCS、
MCS5であるMCS、
MCS6であるMCS、
MCS7であるMCS、
MCS8であるMCS、
MCS9であるMCS、
MCS10であるMCS、
MCS11であるMCS、
MCS12であるMCS、または、
MCS13であるMCS、
を含む、先行する例のうちのいずれか1つの例の方法。
【0043】
例8
空間ストリームの数は、1つまたは複数の空間ストリームを含む、先行する例のうちのいずれか1つの例の方法。
【0044】
例9
無線メッシュネットワークは、
IEEE802.11nの無線ネットワーク、
Wi-Fi4の無線ネットワーク、
IEEE802.11аcの無線ネットワーク、
Wi-Fi5の無線ネットワーク、
IEEE802.11axの無線ネットワーク、
Wi-Fi6の無線ネットワーク、または、
Wi-Fi6Eの無線ネットワーク、
を含む、先行する例のうちのいずれか1つの例の方法。
【0045】
例10
リンク品質の測定した第1の示度に基づいて無線通信のための空間ストリームの数を決定することは、リンク品質の測定した第1の示度を少なくとも1つの閾値と比較することを含む、先行する例のうちのいずれか1つの例の方法。
【0046】
例11
無線メッシュルータと第2の無線デバイスとの間のリンク品質の第2の示度を測定するステップと、
リンク品質の測定した第2の示度に基づいて無線通信のための空間ストリームの数を決定するステップと、
無線通信のためのチャンネル帯域幅ならびに変調および符号化方式MCSを選択するために空間ストリームの決定した数を使用するステップと、
空間ストリームの決定した数、選択した帯域幅、および選択したMCSを使用して、無線通信のための無線送受信機を構成するステップと、
構成した無線送受信機を使用して第2の無線デバイスと通信するステップと、
をさらに含む、先行する例のうちのいずれか1つの例の方法。
【0047】
例12
1つまたは複数の無線送受信機と、
先行する例のいずれか1つの方法を実施するように構成された速度コントローラアプリケーションを実装するためのプロセッサおよびメモリシステムと、
を含む、無線メッシュアクセスルータ。
【0048】
例13
ネットワークインターフェイスをさらに含む、例12の無線メッシュアクセスルータ。
【0049】
例14
無線メッシュアクセスルータは、ネットワークインターフェイスを使用してバックホールリンクで他の無線メッシュアクセスルータと通信するように構成されている、例13の無線メッシュアクセスルータ。
【0050】
例15
プロセッサによる実行に反応して、例1から11までのいずれか1つの例の方法を実施するように装置に指示する命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【0051】
低次MIMO空間ストリームを介したメッシュネットワーク範囲拡大および信頼性向上の態様を、特徴および/または方法に特有の専門用語で説明してきたが、添付の特許請求の範囲の主題は、説明される具体的な特徴または方法のみに必ずしも限定されない。むしろ、具体的な特徴および方法は、低次MIMO空間ストリームを介したメッシュネットワーク範囲拡大および信頼性向上の例示の実施形態として開示され、他の等価の特徴および方法は、添付の特許請求の範囲に含まれることを意図される。さらに、多様な異なる態様が説明され、説明される各々の態様が独立して実装され得るかまたは1つもしくは複数の他の説明される態様と関連して実装され得ることが認識されよう。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線メッシュルータにより無線メッシュネットワークの無線通信範囲および信頼性を改善するための方法であって、
前記無線メッシュルータと第1の無線デバイスとの間のリンク品質の第1の示度を測定するステップと、
リンク品質の前記測定した第1の示度に基づいて前記無線通信のための空間ストリームの数を決定するステップと、
前記無線通信のためのチャンネル帯域幅ならびに変調および符号化方式MCSを選択するために空間ストリームの前記決定した数を使用するステップと、
空間ストリームの前記決定した数、前記選択したチャンネル帯域幅、および前記選択したMCSを使用して、前記無線通信のための無線送受信機を構成するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記構成した無線送受信機を使用して前記第1の無線デバイスと通信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の無線デバイスは、
別の無線メッシュルータ、または、
無線ステーションSTAデバイス
を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
リンク品質の前記第1の示度は、
受信信号強度指標RSSI、
受信チャンネルパワー指標RCPI、
データスループット、
データパケット誤り率PER、または、
変調および符号化方式MCS、
のうちの1つまたは複数を含む、請求項
1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記無線通信のための前記チャンネル帯域幅ならびに前記変調および符号化方式を選択するために空間ストリームの前記決定した数を前記使用するステップは、
チャンネル帯域幅ならびに変調および符号化方式の2次元参照テーブルでの検索のための入力として、空間ストリームの前記決定した数を使用することを含む、請求項
1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記選択したチャンネル帯域幅は、
20MHzのチャンネル帯域幅、
40MHzのチャンネル帯域幅、
80MHzのチャンネル帯域幅、
160MHzのチャンネル帯域幅、または、
320MHzのチャンネル帯域幅、
を含む、請求項
1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記選択したMCSは、
MCS0であるMCS、
MCS1であるMCS、
MCS2であるMCS、
MCS3であるMCS、
MCS4であるMCS、
MCS5であるMCS、
MCS6であるMCS、
MCS7であるMCS、
MCS8であるMCS、
MCS9であるMCS、
MCS10であるMCS、
MCS11であるMCS、
MCS12であるMCS、または、
MCS13であるMCS、
を含む、請求項
1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
空間ストリームの前記数は、1つまたは複数の空間ストリームを含む、請求項
1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記無線メッシュネットワークは、
IEEE802.11nの無線ネットワーク、
Wi-Fi4の無線ネットワーク、
IEEE802.11аcの無線ネットワーク、
Wi-Fi5の無線ネットワーク、
IEEE802.11axの無線ネットワーク、
Wi-Fi6の無線ネットワーク、または、
Wi-Fi6Eの無線ネットワーク、
を含む、請求項
1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
リンク品質の前記測定した第1の示度に基づいて前記無線通信のための空間ストリームの前記数を決定するステップは、リンク品質の前記測定した第1の示度を少なくとも1つの閾値と比較することを含む、請求項
1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記無線メッシュルータと第2の無線デバイスとの間のリンク品質の第2の示度を測定するステップと、
リンク品質の前記測定した第2の示度に基づいて前記無線通信のための空間ストリームの数を決定するステップと、
前記無線通信のためのチャンネル帯域幅ならびに変調および符号化方式MCSを選択するために空間ストリームの前記決定した数を使用するステップと、
空間ストリームの前記決定した数、前記選択したチャンネル帯域幅、および前記選択したMCSを使用して、前記無線通信のための無線送受信機を構成するステップと、
前記構成した無線送受信機を使用して前記第2の無線デバイスと通信するステップと、をさらに含む、請求項
1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
1つまたは複数の無線送受信機と、
請求項
1~11のいずれか1項に記載の方法を実施するように構成された速度コントローラアプリケーションを実装するためのプロセッサおよびメモリシステムと、
を含む、無線メッシュアクセスルータ。
【請求項13】
ネットワークインターフェイスをさらに含む、請求項12に記載の無線メッシュアクセスルータ。
【請求項14】
前記無線メッシュアクセスルータは、前記ネットワークインターフェイスを使用してバックホールリンクで他の無線メッシュアクセスルータと通信するように構成されている、請求項13に記載の無線メッシュアクセスルータ。
【請求項15】
プロセッサによる実行に
応答して、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法を実施するように装置に指示する命令を含む、コンピュータ
プログラム。
【国際調査報告】