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▶ アルトゥーロ ソリス エレーラの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】水処理のための方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/68 20230101AFI20240207BHJP
   B01F 21/00 20220101ALI20240207BHJP
   B01F 23/23 20220101ALI20240207BHJP
   B01F 23/236 20220101ALI20240207BHJP
   C02F 1/32 20230101ALI20240207BHJP
   C02F 1/30 20230101ALI20240207BHJP
   B01F 101/14 20220101ALN20240207BHJP
【FI】
C02F1/68 520B
B01F21/00
B01F23/23
B01F23/236
C02F1/68 510B
C02F1/68 520K
C02F1/68 520G
C02F1/68 530F
C02F1/68 530E
C02F1/68 540B
C02F1/32
C02F1/30
B01F101:14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540698
(86)(22)【出願日】2022-01-07
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 IB2022050117
(87)【国際公開番号】W WO2022153153
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】63/136,375
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523247197
【氏名又は名称】アルトゥーロ ソリス エレーラ
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】アルトゥーロ ソリス エレーラ
【テーマコード(参考)】
4D037
4G035
【Fターム(参考)】
4D037AA01
4D037AA02
4D037AA06
4D037AA11
4D037AB02
4D037AB18
4D037BA17
4D037BA18
4D037BB08
4D037CA07
4D037CA12
4G035AA01
4G035AB04
4G035AE05
4G035AE17
(57)【要約】
水を酸素添加処理するプロセスは、少なくとも1つのメラニンデバイスを電磁エネルギーの供給源の存在下で水体に接触させて、水分子の解離及び自由分子状酸素の放出を生じさせることで、水の溶存酸素レベルを増加させて含酸素水を生成することを含む。メラニンデバイスは、メラニン及び化学的に不活性な基材からなる。メラニンは、メラニンが水全体に分散することを防止するように基材内に保持される。電磁エネルギーは、200nm~900nmの波長を有する可視光又は不可視光エネルギーである。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を酸素添加処理するプロセスであって、少なくとも1つのメラニンデバイスを電磁エネルギーの供給源の存在下で水体に接触させて、水分子の解離及び自由分子状酸素の放出を生じさせることで、前記水の溶存酸素レベルを増加させて含酸素水を生成することを備え、
前記少なくとも1つのメラニンデバイスは、メラニン及び基材からなり、
前記基材はメラニンに対して化学的に不活性であり、シリコン、シリカ、カルシウム、アルミニウム、ポリエチレン、鉄、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、金、銀、ガラス、ポリカーボネート、カルシウム長石、石英、凝灰岩、玉石粘土、シリカ、砂、シルト、粘土、セメント剤、チタン、水素、リン、マンガン、フッ素、バリウム、炭素、ストロンチウム、硫黄、ジルコニウム、タングステン、バナジウム、塩素、ルビジウム、クロム、銅、窒素、ニッケル及び亜鉛からなる群から選択される1以上の材料を含み、
前記メラニンは、該メラニンが前記水全体に分散することを防止するように前記基材内に保持され、
前記電磁エネルギーは、200nm~900nmの波長を有する可視光又は不可視光エネルギーである、プロセス。
【請求項2】
前記基材は、酸素、シリコン、アルミニウム、鉄、カルシウム、ナトリウム、カリウム及びマグネシウムの混合物を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記少なくとも1つのメラニンデバイスは、前記少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約44.8重量%の酸素、前記少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約25.7重量%のSi、前記少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約7.5重量%のAl、前記少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約4.7重量%のFe、前記少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約3.4重量%のCa、前記少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約2.6重量%のNa、前記少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約2.4重量%のK、前記少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約1.9重量%のMg、及び前記少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約5重量%のメラニンを含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記メラニンはユーメラニンである、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記含酸素水の前記溶存酸素レベルは約6mg/Lである、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
12℃~30℃の温度で行われる請求項1から5のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年1月12日出願の米国仮特許出願第63/136375号に優先権を主張し、その開示が参照によりここに取り込まれる。
【0002】
本発明の実施形態は、水処理のための、特に、例えば、含酸素飲料水及び灌漑用水を生成する地下水及び雑排水の処理のためのシステム及び方法に関する。本発明のシステム及び方法はまた、再生利用の目的の廃水処理のために又は周囲環境への排水を安全なものとするために利用され得る。
【背景技術】
【0003】
本発明の基礎は、メラニンに基づく形態物の使用である。メラニンは、水分子を解離及び再形成し、それにより、植物の葉緑素と同様に酸素及び水素を同時に生成する本来的な能力を有する。しかし、メラニンは可視光及び不可視光の双方を含む全ての電磁放射線を吸収するので、メラニンは、葉緑素とは異なり、昼夜を問わず常に水分子を解離することができる。
【0004】
人体内では、水分子の解離により、身体は解離した水分子から酸素及び水素を同時に受容することが可能となり、それにより、外部又は人工的供給源からの酸素は身体に不要となる。酸素が非天然の経路を通じて、例えば、挿管によって身体に導入される場合、肺を通る空気は、細胞の含水量に起因して、肺胞の薄い壁を通過して血流に達することができないことが多く、結果として肺機能を低減する。したがって、身体がその内部に存在する酸素を得る生物学的手段が重要となる。身体内に含まれる水分子の解離は、最も自然な酸素源を与える。
【0005】
したがって、ヒトに消費される水が、人体が水分子を容易かつ適切に解離することを可能とする特定の特性を有することが、望ましい。特に、人体内のメラニンによって適切に解離されてから身体での使用のために酸素及び水素を生成することができる、各100万個の水分子に対して少なくとも100個の酸素分子を有する含酸素水を使用することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明は、水、例えば、人々に供給される飲料水中の溶存酸素及び水素のレベルを増加させるシステム及び方法に関する。好ましくは、本発明は、6mg/L以上の溶存酸素レベルを有する処理水をもたらす。
【0007】
実施形態1:一態様において、本発明は、水を酸素添加処理するプロセスに関し、そのプロセスは、少なくとも1つのメラニンデバイスを電磁エネルギーの供給源の存在下で水体に接触させて、水分子の解離及び自由分子状酸素の放出を生じさせることで、水の溶存酸素レベルを増加させて含酸素水を生成することを備え、少なくとも1つのメラニンデバイスは、メラニン及び基材からなり、基材はメラニンに対して化学的に不活性であり、シリコン、シリカ、カルシウム、アルミニウム、ポリエチレン、鉄、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、金、銀、ガラス、ポリカーボネート、カルシウム長石、石英、凝灰岩、玉石粘土、シリカ、砂、シルト、粘土、セメント剤、チタン、水素、リン、マンガン、フッ素、バリウム、炭素、ストロンチウム、硫黄、ジルコニウム、タングステン、バナジウム、塩素、ルビジウム、クロム、銅、窒素、ニッケル及び亜鉛からなる群から選択される1以上の材料を含み、メラニンは、メラニンが水全体に分散することを防止するように基材内に保持され、電磁エネルギーは、200nm~900nmの波長を有する可視光又は不可視光エネルギーである。
【0008】
実施形態2:一態様において、本発明は実施形態1に係るプロセスに関し 基材は、酸素、シリコン、アルミニウム、鉄、カルシウム、ナトリウム、カリウム及びマグネシウムの混合物を含む。
【0009】
実施形態3:一態様において、本発明は実施形態2に係るプロセスに関し、少なくとも1つのメラニンデバイスは、少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約44.8重量%の酸素、少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約25.7重量%のSi、少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約7.5重量%のAl、少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約4.7重量%のFe、少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約3.4重量%のCa、少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約2.6重量%のNa、少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約2.4重量%のK、少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約1.9重量%のMg、及び少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約5重量%のメラニンを含む。
【0010】
実施形態4:一態様において、本発明は先行する実施形態のいずれかに係るプロセスに関し、メラニンはユーメラニンである。
【0011】
実施形態5:一態様において、本発明は先行する実施形態のいずれかに係るプロセスに関し、含酸素水の溶存酸素レベルは約6mg/Lである。
【0012】
実施形態6:一態様において、本発明は先行する実施形態のいずれかに係るプロセスに関し、プロセスは12℃~30℃の温度で行われる。
【0013】
本発明の上記の概要及び下記の詳細な説明は、添付図面と併せて読まれるとより深く理解されることになる。本発明を説明する目的のため、図面には現時点で好適な実施形態が図示される。ただし、本発明は図示する厳密な配置及び手段に限定されないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】本発明の実施形態に係るメラニンデバイスの、図1Bと同じ部分であるが数秒間ずれて撮影された顕微鏡写真を示す図である。
図1B】本発明の実施形態に係るメラニンデバイスの、図1Aと同じ部分であるが数秒間ずれて撮影された顕微鏡写真を示す図である。
図2】光の存在下で水に接触した場合の本発明の実施形態に係るメラニンデバイスから発散する水素及び酸素気泡を示す写真を含む図である。
図3A】2つの異なるフラスコシステムの写真であり、その一方は、本発明の実施形態に係る雨水及びメラニンデバイスを含み、他方は雨水のみを含む図である。
図3B】2つの異なるフラスコシステムの写真であり、その一方は、本発明の実施形態に係る雨水及びメラニンデバイスを含み、他方は雨水のみを含む図である。
図4A】本発明の実施形態に係るメラニンデバイスを含むタンクシステムの写真である。
図4B】本発明の実施形態に係るメラニンデバイスを含むタンクシステムの写真である。
図4C】本発明の実施形態に係るメラニンデバイスを含むタンクシステムの写真である。
図4D】本発明の実施形態に係るメラニンデバイスを含むタンクシステムの写真である。
図5】約4年経過後に図4A~4Dに示すタンクシステムから採取されたサンプルを示す図である。
図6A】本発明の実施形態に係るメラニンデバイスを含まない水道水システムの溶存酸素レベルをグラフで示す図である。
図6B】本発明の実施形態に係るメラニンデバイスを含む水道水システムの溶存酸素レベルをグラフで示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここに言及される全ての特許及び公開公報は、参照により取り込まれる。特に断りがない限り、ここに使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が関係する技術の当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。それ以外では、ここに使用される特定の用語は、本明細書に説明するような意味を有する。
【0016】
ここで使用するように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明示的にそれ以外を規定しない限り、複数のものを含むことが注記されなければならない。
【0017】
ここで使用するように、用語「メラニン材料」とは、メラニン、メラニン前駆体、メラニン誘導体、メラニン類似体及びメラニン変異体のことをいい、単純な直鎖脂肪族又は芳香族で、天然及び合成のメラニン、ユーメラニン、フェオメラニン、ニューロメラニン、ポリヒドロキシインドール、アロメラニン、フミン酸、フラーレン、グラファイト、ポリインドールキノン、アセチレンブラック、ピロールブラック、インドールブラック、ベンゼンブラック、チオフェンブラック、アニリンブラック、水和形態のポリキノン、セピオメラニン、ドーパブラック、ドーパミンブラック、アドレナリンブラック、カテコールブラック、4-アミンカテコールブラック、又はこれらの、フェノール類、アミノフェノール類若しくはジフェノール類、インドールポリフェノール類、キノン類、セミキノン類若しくはハイドロキノン類としての前駆体、L-チロシン、L-ドーパミン、モルホリン、オルトベンゾキノン、ジモルホリン、ポルフィリンブラック、プテリンブラック及びオモクロムブラックを含む。ここで使用される用語「メラニン」は、上記の可能性ある材料の全てを包含する。
【0018】
一実施形態では、本発明は、水を処理するための、より具体的には、水を酸素添加、水素添加及び精製するための電気化学的なシステム及び方法に関する。方法は、少なくとも1つのメラニン材料を、好ましくは自然光又は人工光の存在下で、処理対象の原水に接触させて水分子の解離に影響を与え、酸素及び水素分子を生成することを含む。光は、好ましくは、主に200~900ナノメートルで構成される波長を有する。メラニン材料は、好ましくは、更なる詳細を以下に説明するように、メラニンデバイス内に構成されることによって原水から単離される。
【0019】
処理対象の原水、より具体的には酸素添加及び水素添加される原水は、これらに限定されないが、雨水、地下水、流出水、海水、廃水、雑排水、蒸留水など、任意の水供給源から生じ得ることが理解されるはずである。
【0020】
一実施形態では、原水は、容器に収容され、光(自然又は人工光)に曝露される。水は、好ましくは、ただし排他的にではなく、室温に維持され、より具体的には、約20℃の温度に維持される。
【0021】
容器は、任意のサイズ及び形状のものであり得る。適切な容器の例は、これらに限定されないが、フラスコ、バケツ、タンク、反応器又は貯水槽を含む。容器は、撹拌されてもされなくてもよい。容器の形状は、例えば、立方体形状、筒体、球形状、菱形状、多面体形状、矩形状、平凹形状、平凸形状、両凸形状、集光するために光に露出される側にマイクロレンズを有して他方側が平坦な両凹形状、円錐形状、角柱形状、楕円柱形状、角錐形状、直錐台、切頭球状セグメント、球状セグメント、球状扇形状、筒状孔を有する球形状、円錐状孔を有する球体、円環体(円断面リング)、斜方切断筒体、筒状楔形状、半角柱樽形状などであり得る。
【0022】
好ましくは、容器は、光の透過を可能とするために透明又は半透明材料からなる。例えば、使用されることになる光の波長に応じて、容器は、容器の壁部が紫外線放射線を吸収しないように、石英からなっていてもよい。特定の波長の光が検出及び利用される場合、容器の材料は、対象となる電気機械的スペクトルからの波長の最大の透明度又は吸収度を可能とする色のものであり得る。容器は、その電磁放射線の透過特性がシステム設計の最終ニーズに適合するガラス又は任意のポリマーからなり得る。設計を強化するのに使用可能な波長は、好ましくは、排他的にではなく、200ナノメートルから900ナノメートルまでを含む。あるいは、容器は、不透明材料から形成されてもよいが、水及びそこに配置されたメラニンデバイスへの光の接触を可能とする1つの開放端を有する。
【0023】
他の実施形態では、水は収容されないが、メラニン材料に接触するために自由流動するものである。収容されない水の例は、これらに限定されないが、海、海洋、湖、河川、小川(ストリーム)、小川(クリーク)などの水を含む。そのような水の自由流動体は、天然に発生するものであってもよいし、人工的なものであってもよい。
【0024】
最も好ましくは、システムが処理対象の原水を容器内に含むのか、収容されるが自由流動体内にあるかにかかわらず、メラニンは光エネルギー(光子)を吸収することによって水分子をO及びHに酸化させるので、システムは、好ましくは、原水及びメラニンデバイスの光への曝露を最大化するように設計される。O及びH分子はもっぱら光を用いてメラニンデバイスによって生成されるが、酸素及び水素の生成は、メラニンに金属、電解質、有機分子及び無機分子をドープすることなどの他の手段によって、光の特性を制御することによって、又は容器の特性を制御して原水の光への曝露及びメラニン形態物を最適化することによって増加可能である。
【0025】
本発明の実施形態によると、メラニン材料は、メラニン、メラニン前駆体、メラニン誘導体、メラニン類似体及びメラニン変異体から選択される。好適な実施形態では、メラニン材料は、天然メラニン及び合成メラニンから選択される。好ましくは、メラニン材料は、ユーメラニンである。メラニンは、L-チロシンなどのメラニンのアミノ酸前駆体から合成可能である。ただし、メラニン材料は、メラニン材料を化学的に合成すること並びに植物及び動物などの天然供給源からメラニン材料を単離することなど、本開示の観点において当技術で周知の任意の方法によって取得され得る。
【0026】
好ましくは、メラニン材料は1以上の担体材料の基材又は構成物に埋め込まれ、それにより、メラニン材料を処理対象の原水から単離し、水中のメラニン分子の希釈、分散及び減成を減速するメラニンデバイスを形成する。好ましくは、メラニンは、メラニンが水全体に分散されるのを防止するように基材内に保持される。したがって、メラニン材料は、数十年存続して水素添加及び酸素添加作用を行い得る。
【0027】
好適な実施形態では、好ましくはユーメラニンであるメラニンは、メラニンに適合する少なくとも1つの担体材料に含浸され、あるいは埋め込まれるが、メラニンと化学的に反応しない。好ましくは、1以上の担体材料は、水にも溶解しない。メラニンデバイスを形成するのに使用され得る担体材料の例は、これらに限定されないが、シリコン、シリカ、カルシウム、アルミニウム、ポリエチレン、鉄、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、金、銀、ガラス、ポリカーボネートなど及びこれらの組合せを含む。一実施形態では、メラニンデバイスの担体材料は、長石カルシウム、石英、凝灰岩、玉石粘土、シリカ、砂、シルト、粘土及びこれらの混合物、並びに/又はCaCO及びAl/Fe酸化物などのセメント剤などの、天然に存在する要素又は材料である。メラニンは、このような要素及び材料に非常に容易に含浸される。
【0028】
一実施形態では、担体材料は、地殻の材質を模擬する。一実施形態では、メラニンデバイスの組成構成は以下の通りである。
酸素-メラニンデバイスの総重量に基づいて約44.8重量%
Si-メラニンデバイスの総重量に基づいて約25.7重量%
Al-メラニンデバイスの総重量に基づいて約7.5重量%
Fe-メラニンデバイスの総重量に基づいて約4.7重量%
Ca-メラニンデバイスの総重量に基づいて約3.4重量%
Na-メラニンデバイスの総重量に基づいて約2.6重量%
K-メラニンデバイスの総重量に基づいて約2.4重量%
Mg-メラニンデバイスの総重量に基づいて約1.9重量%
メラニン-メラニンデバイスの総重量に基づいて約5重量%
その他-メラニンデバイスの総重量に基づいて約2.6重量%
【0029】
メラニンデバイスに使用され得る他の材料の例は、これらに限定されないが、チタン、水素、リン、マンガン、フッ素、バリウム、炭素、ストロンチウム、硫黄、ジルコニウム、タングステン、バナジウム、塩素、ルビジウム、クロム、銅、窒素、ニッケル、亜鉛などを含む。
【0030】
一実施形態では、メラニンデバイスは、好ましくは3重量%~8重量%のメラニン材料、より好ましくは3重量%~5重量%のメラニン材料、最も好ましくは約5重量%のメラニン材料である。
【0031】
図1A及び1Bを参照すると、本発明に係るメラニンデバイスの、同じ部分であるが相互に数秒間ずれて撮影された2枚の顕微鏡写真が示される。2枚の写真の間の時間差は、メラニンの存在によって、担体材料及びメラニンデバイス全体の構造におけるわずかな変化の目視が短い期間でも可能であることの証拠となる。
【0032】
メラニンは、任意の周知の又は開発途上の適宜の手段によって担体材料に保持され、又は埋め込まれ得る。一実施形態では、メラニン材料は、接着によって担体材料に埋め込まれる。他の実施形態では、メラニン材料は、圧縮によって担体材料に埋め込まれる。これは、メラニンが他の要素に結合するための多数の結合部位を有しているために可能となる。
【0033】
説明用の例として、ブロックの形状であって担体材料の混合物に埋め込まれたメラニン材料を含むメラニンデバイスは、担体材料、精製水及びユーメラニンを非活性材料からなる立方形状容器内で合成することによって作製され得る。好ましくは、ユーメラニンは、5g/Lの濃度の精製水において添加される。担体材料は、酸素、シリコン、アルミニウム、鉄、カルシウム、ナトリウム、カリウム及びマグネシウムを含む。成分はともに混合され、混合物は容器内でそのまま硬化し(cure or harden)、それにより、硬化した混合物は容器の形状をとる。
【0034】
メラニンデバイスは任意の寸法又は形状をとり得ることが理解されるはずである。例えば、メラニンデバイスは、概ね平面状又は平坦であり、筒体、楕円、角錐、球体、矩形、立方体などとして形成され得る。好適な実施形態では、メラニンデバイスの寸法及び全体的幾何形状は、処理対象の水の体積及び自然の動きに適合し、又はそれに応じる。
【0035】
メラニンデバイス内のメラニン及び担体材料の相対濃度は、例えば、特定の最終用途又は適用のニーズを満たすために、上記に開示した範囲外で変えられてもよいことも理解されるはずである。
【0036】
メラニンデバイスは、原水の全部又は一部に接触し得る。原水が容器に収容される一実施形態では、メラニンデバイスは、水の全部(すなわち、収容された水の全体積)と接触するように概ね水体の中心に浸漬される。水が容器に収容される他の実施形態では、メラニンデバイスは、収容された水の一部のみと接触するがそこに浸漬されないように、水面上に配置される。水が収容されない(すなわち、自由流動する)他の実施形態では、メラニンデバイスは、水の全体積と接触するように水面下に浸漬され、又は水の一部のみと接触するように水面に配置される。
【0037】
一実施形態では、単一のメラニンデバイスのみが、その酸素添加及び水素添加のために水と接触するように配置される。他の実施形態では、複数のメラニンデバイスが、その酸素添加及び水素添加のために水と接触される。水の酸素添加及び水素添加の速度は多様な要因に依存し、その各々は所望の溶存酸素レベルを達成するように必要に応じて調整され得ることが理解されるはずである。例えば、水分子の解離速度並びに結果として水の酸素添加の速度及び水中の溶存酸素のレベルは、メラニンデバイスの寸法、形状及び/又は表面積、使用されるメラニンデバイスの数、各メラニンデバイスに埋め込まれるメラニン材料の量、処理対象の水の体積、光の特性、光に対する原水の曝露の程度などを変化させることによって制御可能である。一実施形態では、メラニンはその機能を数百年にわたって発揮し得るので、メラニン形態物は永久的に水と接触状態に維持されてもよい。
【0038】
一実施形態では、5体積%のメラニン材料の1立方センチメートルのメラノブロックデバイスが、50mLの水の処理に有効である。ただし、メラニンデバイスの組成、全体体積/サイズ、形状などは、処理対象の水の特性(すなわち、汚染レベル、圧力、温度など)、処理対象の水が曝露される光の量、メラニンデバイスが処理対象の水に配置される深さ、及び溶存酸素レベルの所望の変化などの複数の要因に応じて変動し得ることが理解されるはずである。好ましくは、メラニンデバイスは、含酸素水中に6mg/L以上の溶存酸素レベルを達成するように配合される。
【0039】
水の溶存酸素レベルを増加させることによって水に酸素添加する方法は、少なくとも1つのメラニンデバイス(メラノブロック)を処理対象の水に接触させて配置すること、及びそのアセンブリを特定量の光に曝露することを含む。これは、メラニンが安定することが知られている任意の温度、好ましくは約-150℃~500℃で行われ得る。好適な実施形態によると、方法は、-40℃~100℃、好ましくは0℃~50℃、より好ましくは12℃~30℃、最も好ましくは室温(約25℃)で行われる場合に、より効率的となる。ただし、好適な温度は、圧力、光量、水量、水の汚染物及び所望の溶存酸素レベルの増加量などの変動する実験条件に対して変動し得ることが理解されるはずである。
【0040】
原水とのメラニンデバイスの接触は、水分子の解離を生じさせる。水分子の水素原子及び酸素原子への分離は、水素原子及び酸素原子の非常に安定的な結合に起因して高度に吸エルゴン反応となる。メラニン及び光エネルギーを用いることによって、水分子の水素原子及び酸素原子への分離は、室温で有効となり得る。メラニン及び光の存在下での水分子の解離、並びに自由酸素及び水素の最終的な放出は、以下の反応によって表され得る。
2H(液体)→2H2(気体)+O2(気体)→2H(液体)+4e
【0041】
結果として、空気を介して水に入る溶存酸素に加えて、又は植物副産物として、増加した量の溶存酸素が、メラニンデバイスによって生じた水分子の解離に起因して水中で生成される。図2の写真に示すように、メラニンデバイスから発散する水素及び酸素の気泡は、実際に肉眼で視認可能である。
【0042】
処理対象の原水が植物又は微生物(例えば、細菌又は菌類)を含む場合、これらの植物形態物及び微生物は、それら自体の目的のために(例えば、水に含まれる有機物を分解するために)溶存酸素を利用する。一方、メラニンデバイスの存在に起因して、溶存酸素は、植物形態物及び微生物がそれら自体の目的のために溶存酸素を利用するのにもかかわらず、6mg/L以上の溶存酸素レベルを維持するように水中で生成され続ける。
【0043】
酸素が水体/容器からリークする傾向にあるため、溶存酸素レベルの増加を維持するためには、容器又は水体内の水の解離は、好ましくは連続的かつ一定となる。メラニンが可視光及び不可視光の双方を吸収するので、これが本発明において可能となる。一実施形態では、水に対するメラニン材料の影響は、徐々に増加する水の色の変化によって確認可能である。
【0044】
本開示の観点において当技術で周知の任意の方法は、例えば、溶存酸素に対して感度のある電極システムなど、水の溶存酸素レベルを検出するのに使用され得る。
【0045】
本発明の実施形態に係る水の酸素添加のための方法は、好ましくは、水、自然光及びメラニンデバイス(メラノブロック)の存在しか必要としない。具体的には、メラニンは可視光及び不可視光から光子エネルギーを吸収するので、水分子の解離及び自由酸素の放出を生じさせるのにエネルギーの追加の付与は不要である。したがって、複雑な設定又は保守は不要である。ただし、必要に応じて補完的な光源が利用され得ることが理解されるはずである。また、メラニンは人類に知られた最も安定的な分子の1つであり、数百万年のオーダーと推定される半減期を有するので、メラニン材料は、交換が必要となるまでに数十年にわたって使用可能である。
【0046】
処理水は、酸素添加及び水素添加されることに加えて、本発明の方法及びシステムによって清澄化されることにもなる。すなわち、光の存在下で水と接触するメラニンデバイスは、水分子の解離を生じさせ、さらに水の清澄化を生じさせる。
【0047】
ここで、本発明を、以下の実験的実施例を参照して説明する。ただし、本発明は以下に示す厳密な実験パラメータ及び結果に限定されないことが理解されるべきである。
【0048】
実験1
プラスチックは広く存在する汚染物と考えられるため、蒸留水中の様々な合成プラスチック繊維を、繊維を劣化させる意図でメラニンからのエネルギーに曝露すると、水の溶存酸素レベルの増加がもたらされた。これらの実験の結果を表1に与える。
【0049】
フラスコA-1、A-2、CA-1、CA-2、MC-1及びMC-2は全て同じ量の蒸留水、合成繊維及び複数のメラニンデバイスを含んでいたが、合成繊維の種類がフラスコ間で異なっていた。各メラニンデバイスを、5グラムのユーメラニン、28グラムのシリコン、8グラムのアルミニウム、4グラムのカルシウム、計算量である約40グラムの酸素、及び蒸留水で構成した。
【0050】
フラスコA-1、A-2、CA-1、CA-2、MC-1及びMC-2では、各メラニンデバイスを、合成繊維からなる布で包んだ。フラスコA-3は、フラスコA-1、A-2、CA-1、CA-2、MC-1及びMC-2のものと等量の蒸留水のみを(すなわち、コントロールとして)含んでいた。フラスコCA-3は、フラスコA-1、A-2、CA-1、CA-2、MC-1及びMC-2のものと等量の蒸留水、並びに担体材料のみから構成されたデバイスを含んでいた。その担体材料は、フラスコA-1、A-2、CA-1、CA-2、MC-1及びMC-2のメラニンデバイスを構成するのに使用されたものと同じであった。フラスコMC-3は、フラスコA-1、A-2、CA-1、CA-2、MC-1及びMC-2のものと等量の蒸留水、並びにフラスコA-1、A-2、CA-1、CA-2、MC-1及びMC-2で使用したのと同じ量及び種類のものであるが合成布に包まれていない複数のメラニンデバイスを含んでいた。フラスコA-1、A-2、A-3、CA-1、CA-2、CA-3、MC-1、MC-2及びMC-3の各々の体積は、約500mLであった。
【0051】
これらの結果は、メラニンは水中でpH及び溶存酸素レベルを平衡化する傾向にあることを実証する。より具体的には、時間の経過とともに、メラニンは、周囲の水を約7又は7.4のpHに、かつ約6mg/Lの溶存酸素レベルに平衡化する傾向にある。
【表1】
【0052】
実験2
産業プラントの地面に溜まった雨水を2つのフラスコに収集した。この2つのフラスコは、同体積の雨水を含んでいた。図3Aの写真の右側に示す一方のフラスコは、収集した雨水のみを含んでいた。図3Aの写真の左側に示す他方のフラスコは、収集した雨水及び複数のメラニンデバイスを含んでいた。各メラニンデバイスは、実験1で使用したものと同じであった。収集した雨水の色は、Day1(すなわち、収集日)では両フラスコとも黄色がかっていた。24時間後、pH及び溶存酸素レベルを両フラスコにおいて測定した。24時間後、メラニンデバイスを含まなかったフラスコに収集した雨水は7.8のpH及び11.91mg/Lの溶存酸素レベルを示し、複数のメラニンデバイスを含んでいたフラスコに収集した雨水は11.90のpH及び13.0mg/Lの溶存酸素レベルを示した。
【0053】
4週間の継続期間後、両フラスコのpH及び溶存酸素レベルを再度測定した。これらのフラスコを図3Bに示す。メラニンデバイスを含まないフラスコに収集された雨水は、5.79のpH及び12.2mg/Lの溶存酸素レベルを示した。複数のメラニンデバイスを含むフラスコに収集された雨水は、11.85のpH及び13.2mg/Lの溶存酸素レベルを示した。結果として、メラニンデバイスを含まないフラスコに収集された雨水は、比較的高い溶存酸素レベルを有していたが、酸性となり、多くの用途に適さなかった。一方、複数のメラニンデバイスを含むフラスコに収集された雨水は、酸素添加されただけでなくアルカリ性も維持した。
【0054】
また、図3Bの写真において確認できるように、4週間後、メラニンデバイスが供給された雨水は比較的透明となり、メラニンデバイスは雨水を処理又は清澄化したことを示すが、メラニンデバイスと接触しなかった雨水は依然として比較的黄色であった。これは、雨水に含まれる有機物が溶存酸素を利用する微生物又は細菌によって分解されたことによる。
【0055】
実験3
4個のタンクを水、メラニンデバイス及び有機物、すなわち、植物、魚及び魚餌で満たし、4年間にわたって監視した。メラニンデバイスは、実験1に用いたものと同じであった。各タンクは、異なる種類の魚及び異なる種類の魚餌を含んでいた。タンク1の写真を図4Aに示し、タンク2の写真を図4Bに示し、タンク3の写真を図4Cに示し、タンク4の写真を図4Dに示した。
【0056】
各タンクに含まれる水のpH、溶存酸素レベル及び吸光度の定期的な測定値を4年間にわたって取得し、コントロールである蒸留水と比較した。表2は、4年後のそれらパラメータの各々に対する各タンクの内容物の測定値を与える。
【表2】
【0057】
タンクはそれぞれのタンク内で生成された溶存酸素を消費又は使用する大量の有機物(例えば、藻及び他の植物)を含んでいたが、メラニンデバイスは水分子の解離及び自由酸素の放出を連続的に生じさせていたため、タンクの溶存酸素レベルは比較的高く(すなわち、6mg/L付近又はそれ以上に)維持された。また、4年後に各タンクから取得したサンプルを示す図5の写真において分かるように、水は透明にもなり、それが処理及び清澄化され、メラニンデバイスの存在によって特定の範囲内で精製されたことを示した。
【0058】
実験4
実験2に対して使用されたのと同じ雨水供給源を用いて実験1を繰り返した。2つのフラスコを雨水のみで満たし、第3のフラスコを雨水で満たすとともに複数のメラニンデバイスを供給した。各フラスコのpH、溶存酸素レベル、ブリックス度及び吸光度並びにコントロールである蒸留水のものを即座に測定した。これらの結果を以下の表3に示す。
【表3】
【0059】
1時間を若干超えた後に、各フラスコのpH及び溶存酸素レベル並びにコントロールである蒸留水のものを再度測定した。これらの結果を以下の表4に示す。
【表4】
【0060】
表3及び4の上記結果から分かるように、わずか1時間後であっても、メラニンデバイスの存在は、メラニンデバイスと接触していない雨水サンプルと比較して、最初に溶存酸素レベルの増加をもたらした。1週間後、各フラスコのpH及び溶存酸素レベル並びにコントロールである蒸留水のものを再度測定した。これらの結果を以下の表5に示す。
【表5】
【0061】
上記結果から分かるように、長期間の継続時間後に、メラニンデバイスの存在によって、水の溶存酸素レベルは約6mg/Lに平衡化する。
【0062】
実験5
2つの異なるシステムの水道水を、管理された研究室条件下で分析した。第1のシステム(「システム1」)は、水道水のみを含んでいた。第2のシステム(「システム2」)は、水道水及び実験1で説明したメラニンデバイスを、50mLの水に対して1立方センチメートルのメラニンデバイスの比で含んでいた。窒素ガスを注入して、分子状酸素を(すなわち、水分子の解離から)生成するメラニンデバイスの容量をテストした。具体的には、窒素を注入して最初に両システムの酸素レベルを2mg/L未満まで低下させた。溶存酸素の測定値を、約1時間にわたって30秒毎に両システムについて取得した。両システムの測定値を、図6A及び6Bにグラフで示す。
【0063】
ほぼ即時に、メラニンデバイスの影響が確認可能であった。メラニンデバイスを含まないシステム1のDOレベルは、1時間の期間中に定常的に減少し、最終的には0.5mg/L以下で(より具体的には、約0.38mg/Lで)一定化した。結果として、システム1は、窒素の存在を補償することができず、それを克服して分子状酸素を生成することはできなかった。これに対して、メラニンデバイスを含むシステム2のDOレベルは最初に減少したが、DOレベルの急上昇が約10分後に確認され、約1時間後のDOレベルは1.0mg/Lよりも若干高かった(より具体的には、約1.1mg/Lであった)。システム2の、より高いDOレベルは、メラニンデバイスの存在にのみに起因し得る。
【0064】
結果として、本発明に係るメラニンデバイスは、一定の水分子の解離により、窒素ガスの存在下でもそれを克服して分子状酸素(O)を一定に生成又は放出できることが分かった。
【0065】
上記の実施形態及び実施例に対してその広範な発明のコンセプトから逸脱することなく変形がなされ得ることは当業者には分かるはずである。したがって、本発明は開示した特定の実施形態に限定されず、ここに規定するような本発明の主旨及び範囲内の変形例を包含することが意図されていることが理解される。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
【手続補正書】
【提出日】2023-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を酸素添加処理するプロセスであって、少なくとも1つのメラニンデバイスを電磁エネルギーの供給源の存在下で水体に接触させて、水分子の解離及び自由分子状酸素の放出を生じさせることで、前記水の溶存酸素レベルを増加させて含酸素水を生成することを備え、
前記少なくとも1つのメラニンデバイスは、メラニン及び基材からなり、
前記基材はメラニン に対して化学的に不活性であり、シリコン、シリカ、カルシウム、アルミニウム、ポリエチレン、鉄、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、金、銀、ガラス、ポリカーボネート、カルシウム長石、石英、凝灰岩、玉石粘土、シリカ、砂、シルト、粘土、セメント剤、チタン、水素、リン、マンガン、フッ素、バリウム、炭素、ストロンチウム、硫黄、ジルコニウム、タングステン、バナジウム、塩素、ルビジウム、クロム、銅、窒素、ニッケル及び亜鉛からなる群から選択される1以上の材料を含み、
前記メラニンは、該メラニンが前記水全体に分散することを防止するように前記基材内に保持され、
前記電磁エネルギーは、200nm~900nmの波長を有する可視光又は不可視光エネルギーである、プロセス。
【請求項2】
前記メラミンデバイスは、3重量%~8重量%のメラニンである請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記メラニンデバイスは、3重量%~5重量%のメラニンである請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記メラニンは、水1リットル当たり約5グラムのメラニン濃度で存在する請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記基材は、酸素、シリコン、アルミニウム、鉄、カルシウム、ナトリウム、カリウム及びマグネシウムの混合物を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記少なくとも1つのメラニンデバイスは、前記少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約44.8重量%の酸素、前記少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約25.7重量%のSi、前記少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約7.5重量%のAl、前記少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約4.7重量%のFe、前記少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約3.4重量%のCa、前記少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約2.6重量%のNa、前記少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約2.4重量%のK、前記少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約1.9重量%のMg、及び前記少なくとも1つのメラニンデバイスの総重量に基づいて約5重量%のメラニンを含む、請求項2に記載のプロセス。
【請求項7】
前記メラニンはユーメラニンである、請求項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記含酸素水の前記溶存酸素レベルは約6mg/L以上である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
12℃~30℃の温度で行われる請求項1に記載のプロセス。
【国際調査報告】