(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】加熱板を有するエアロゾル生成装置用加熱炉、加熱炉を有するエアロゾル生成装置及び加熱炉の組み立て方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20240207BHJP
H05B 3/06 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
A24F40/46
H05B3/06 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541653
(86)(22)【出願日】2022-02-23
(85)【翻訳文提出日】2023-08-28
(86)【国際出願番号】 EP2022054516
(87)【国際公開番号】W WO2022180091
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア ガルシア, エドゥアルド ホセ
【テーマコード(参考)】
3K092
4B162
【Fターム(参考)】
3K092PP20
3K092QB32
3K092SS04
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC12
4B162AC22
4B162AC31
4B162AC41
(57)【要約】
エアロゾル生成装置用加熱炉(10)は、第1の終端及び第2の終端並びに少なくとも1個の平坦な支持壁(16)を含む管状部材(12)であって、平坦な支持壁(16)が第1の終端と第2の終端との間で管状部材(12)の内部管状空洞を横断して伸長する管状部材(12)と、管状部材(12)の第2の終端を貫通して伸長する電気接続部(24)を含む平坦な支持壁(16)に取り付けられた少なくとも1個の平坦な加熱器(18)と、第2の終端を少なくとも部分的に閉じるべく構成された少なくとも1個の閉鎖具(26)とを含む。エアロゾル生成装置は少なくとも1個のそのような加熱炉を有している。エアロゾル生成装置用の加熱炉を組み立てる方法において、2個の開口端を有する管状部材が設けられていて、平坦な加熱器が取り付けられた少なくとも1個の平坦な支持壁が、開口端の一方に貫通挿入され、閉鎖具を貫通して伸長する電気接続部により一方の終端が閉鎖される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置用の加熱炉(10)であって、
-第1の終端及び第2の終端並びに少なくとも1個の平坦な支持壁(16)を含む管状部材(12)であって、前記平坦な支持壁(16)が前記第1の終端と前記第2の終端との間で前記管状部材(12)の内部管状空洞を横断して伸長する管状部材(12)と、
-前記管状部材(12)の前記第2の終端を貫通して伸長する電気接続部(24)を含む前記平坦な支持壁(16)に取り付けられた少なくとも1個の平坦な加熱器(18)と、
-前記第2の終端を少なくとも部分的に閉じるべく構成された少なくとも1個の閉鎖具(26)とを含む加熱炉(10)。
【請求項2】
前記平坦な加熱器(18)が、前記管状部材(12)の中央空洞部分(20)を前記管状部材(12)の周辺空洞部分(22)から分離する、請求項1に記載の加熱炉(10)。
【請求項3】
前記管状部材(12)の前記中央空洞部分(20)の容積が前記周辺空洞部分(22)よりも大きい、請求項2に記載の加熱炉(10)。
【請求項4】
前記平坦な加熱器(18)がプレート及びそれに取り付けられた加熱要素を含んでいる、請求項1~3のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
【請求項5】
前記平坦な加熱器(18)がセラミック又は金属プレートに印刷された加熱器軌道を含んでいる、請求項1~4のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
【請求項6】
前記加熱要素が前記中央空洞部分(20)に面している、請求項1~5のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
【請求項7】
前記加熱要素が前記周辺空洞部(22)に面している、請求項1~5のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
【請求項8】
前記平坦な支持壁(16)が、前記平坦な加熱器(18)を貫通挿入すべく構成されたレール等の誘導部材のペアを含んでいる、請求項1~7のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
【請求項9】
前記管状部材(12)が、前記第1の終端と前記第2の終端との間で前記管状部材(12)の前記内部管状空洞を横断して伸長する少なくとも2個の平坦な支持壁(16)を含み、各々の平坦な支持壁(16)が少なくとも1個の平坦な加熱器(18)を含んでいる、請求項1~8のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
【請求項10】
前記平坦な加熱器(18)が直列又は並列に載置されている、請求項9に記載の加熱炉(10)。
【請求項11】
前記平坦な加熱器(18)が抵抗性又は誘導性である、請求項1~10のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
【請求項12】
前記管状部材(12)及び/又は閉鎖具(26)が、PEEK等の高耐熱性プラスチック、ステンレス鋼等の金属、又はこれらの組み合わせから製造されている、請求項1~11のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
【請求項13】
前記閉鎖具(26)が蓋又は栓である、請求項1~12のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の少なくとも1個の加熱炉を有しているエアロゾル生成装置。
【請求項15】
エアロゾル生成装置用の加熱炉を組み立てる方法であって、2個の開口端を有する管状部材が設けられていて、平坦な加熱器が取り付けられた少なくとも1個の平坦な支持壁が、前記開口端の一方に貫通挿入され、閉鎖具を貫通して伸長する電気接続部により一方の終端が閉鎖される方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置用の加熱炉、そのような加熱炉を有するエアロゾル生成装置及び加熱炉の組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル生成装置は、タバコ等の従来の喫煙物品を代替するものとして普及している。このような装置では、エアロゾルが加熱されるが、これは通常、周囲に薄膜加熱器が巻かれた略管状の炉により実現される。エアロゾル形成物品、例えばタバコ基材である棒剤が管状加熱器に挿入されて加熱される。従来の薄膜加熱器は、少なくとも部分的に手作業で行う多くの組み立て作業を必要とする。
【0003】
これは中国実用新案第209995365U号明細書に示すような湾曲した加熱プレートにも当てはまる。更に、欧州特許第3228199B1号明細書に示すような可動加熱プレートをタバコ基材である棒剤に接触させる方法は比較的複雑である。最後に、中国特許出願公開第109965350A号明細書は、加熱器プレートが外部に固定された多角形の支持管を示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これを前提に、本発明の本質的な目的は、製造が容易且つ安価であると同時に、必要な熱伝導を維持するエアロゾル生成装置用の炉を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的は、請求項1の主題により解決され、当該請求項によれば炉は、管状部材と、その内部管状空洞を横断して伸長する少なくとも1個の平坦な支持壁とを有している。少なくとも1個の平坦な加熱器が平坦な支持壁に取り付けられ、電気接続部が、適切な閉鎖具により閉鎖可能な管状部材の第2の終端を貫通して伸長している。このような炉は、製造が容易であると同時に、管状部材内に挿入された棒剤への必要な熱伝導を、平坦な加熱器が取り付けられた支持壁との接触により保証できることが分かる。更に、加熱器の嵩高を棒剤との接点にまで減らせるという事実により、構成を簡素化することができる。更に、従来の加熱炉と比較して、管状部材が第1の断熱材として機能するため断熱材の必要性が少ない。特に、平坦な加熱器と管状部材との接触が、例えば管状部材と平坦な加熱器との間に設けられた適当なレールに沿った線接触等に限定されるという事実に起因して、(棒剤ではなく)管状部材への不要な熱伝導を最小限に抑えることができる。
【0006】
管状部材は、例えば円筒形状を有していてよく、例えば平坦な加熱器及び/又は少なくとも1個の平坦な加熱器が取り付けられた平坦な支持壁を挿入可能にすべく内側にレールを有していてよい。平坦な加熱器は、例えば長方形のプレートとして設けられていてよい。加熱器プレートの個数に関して、現時点では3個が好適であるが、一般に2個又は4個も可能であり、単一加熱器プレート又は5個以上の加熱器プレートも同様に、本発明の範囲内にある。
【0007】
空気流に関して、効率的であると分かっている従来の空気流構成と比較して好適に差異が無い。しかし、管状部材における平坦な支持壁の特定の配置の結果として空気流をより容易に配置することができる。特に、管状部材と少なくとも1個の平坦な支持壁との間に空気流路を配置することができる。空気流路は更に、第1の終端に設けられた空気入口及び/又は空気流路と内部管状空洞との間に設けられた流路を含んでいてよい。流路は、平坦な支持壁に、例えば支持壁を横断する通路として、典型的には空洞の底部の近傍に、及び/又は棒剤内への空気の流入を許す閉鎖具内に形成されてよい。いずれの場合も、空気は棒剤が位置する空洞と連通することができる。
【0008】
複数の好適な実施形態について更なる請求項に記述している。
【0009】
構造が単純であるため、平坦な加熱器は本質的に、管状部材の中央空洞部をその周辺空洞部から分離し、中央空洞部は好適に周辺空洞部よりも大きい。このように、中央空洞部は棒剤を収容するのに充分な程度に大きくでき、平坦な加熱器を載置可能にして断熱に寄与する周辺空洞部を設けることができるが、管状部材全体としての大きさは顕著に増大しない。周辺空洞部は上述のように空気流路として機能することができる。
【0010】
平坦な加熱器は構造が比較的単純であるため、プレート及びそれに取り付けられた加熱要素を含んでいてよい。
【0011】
特に効率的な仕方で、加熱器は、セラミック材料又は金属プレートに印刷された加熱器軌道を含んでいてよい。加熱器はまた、抵抗加熱ファイバーマット又はグリッド或いはプレート上にコーティングされた加熱層であってよい。加熱コーティングは、プレートの電気絶縁材料に化学的に結合されていてよい。例えば、導電性材料のコーティングは、金属、金属酸化物又は炭素である。プレートは、同時係属中の欧州特許第21155871.3号明細書に記述されているようにPEEK又は電気絶縁層がコーティングされた金属製等の耐熱プレートであってよい。
【0012】
第1のシミュレーションにおいて、加熱要素が中央空洞部分に面している構造、又は加熱要素が周辺空洞部分に面している代替的構造の両方が、中央空洞部分に収容された棒剤を効率的に加熱できることが分かっている。加熱要素が中央空洞部に面している場合、熱伝導を有利に最大化できる。
【0013】
特に製造を容易にすべく、平坦な支持壁は、平坦な加熱器を貫通挿入すべく構成されたレール等の誘導部材のペアを含んでいてよい。同様に、管状部材は、支持壁を挿入すべく構成されたそのような誘導部材の1個以上のペアを有していてよい。
【0014】
平坦な加熱器は金属シールドを含んでいてよい。金属シールドは平坦な加熱器に取り付けられていてよい。金属シールドは、中央空洞部分に面している平坦な加熱器の側面の全部又は一部を覆うように配置及び寸法決めされていてよい。代替的に、金属シールドは、周辺空洞部分に面している平坦な加熱器の側面の全部又は一部を覆うように配置及び寸法決めされていてよい。また、2個の金属シールドを平坦な加熱器の各側面に1個ずつ設けることも考えられる。金属シールドは、平坦な加熱器の厚さよりも薄い金属プレートであってよい。金属シールドは、管状部材の第1の終端に折り曲げ部位を有していてよく、当該折り曲げ部位は金属シールドの残りの部分に対して折り曲げられている。折り曲げ部位は丸い縁を有していてよい。
【0015】
平坦な加熱器に金属シールドを取り付けることにより、平坦な加熱器を物理的衝撃から保護することができ、これはセラミック材料を含む平坦な加熱器の場合に特に重要であり得る。更に、当該構成により、金属シールドを設けたことに起因して平坦な加熱器の摺動特性が向上するため、例えば平坦な加熱器の挿入が容易になる。
【0016】
金属シールドに関する特徴は、以下に述べる本開示/発明の第2~第5の態様の構成に適用できる。
【0017】
加熱効率を高めて個々の加熱パターンを可能にすべく、管状部材は、自身の内部空洞を横断して伸長する少なくとも2個の平坦な支持壁を含んでいてよく、各々の平坦な支持壁は少なくとも1個の平坦な加熱器を含んでいる。2個の平坦な支持壁は互いに平行に設けることができるため、棒剤を2個の対向する面から効率的に加熱することができる。
【0018】
この構成において、平坦な加熱器は、異なる加熱パターンを設けるべく直列又は並列に載置することができる。この状況において、たとえ複数の加熱器が設けられ、且つ同時に動作すべく構成されていても、これらを別々に設けることにより炉の組み立てが簡素化される。
【0019】
効率的な加熱を、抵抗性の平坦な加熱器と誘導性の加熱要素の両方、換言すれば抵抗性及び/又は誘導性加熱器の両方により行うことができる。
【0020】
加熱要素の安全な載置に関して、支持プレートと加熱要素との間に電気絶縁層が設けられていてよい。
【0021】
この状況において、電気絶縁ポリマー又はセラミック或いはDLCが電気絶縁層に好適な場合がある。加熱要素はまた、例えばシリコン接着剤により支持プレートに接着することができる。加熱要素はまた、電気絶縁コーティング(例:DLC)及び当該コーティング上に直接印刷又は堆積された抵抗層(例:チタン)等により支持プレートに直接適用されていてよい。
【0022】
管状部材は、その外壁の形状に関して、実質的に円形の断面形状、又は、たとえ好適ではないにせよ四角形、多角形、又は長円等、他の形状を有していてよい。
【0023】
管状部材及び閉鎖具の材質に関して、PEEK又はシリコン等の耐熱プラスチック、ステンレス鋼等の金属、或いはこれらの組み合わせから製造することができる。
【0024】
閉鎖具の形状に関して、蓋又は栓が有益であることが分かっている。別個の蓋又は栓は、管状部材の製造及び装置の組み立て方法を可能にする。
【0025】
本発明は更に、エアロゾル生成装置用の加熱炉を組み立てる方法を提供するものであり、当該方法において、2個の開放端を有する管状部材を設けることにより、1個以上の平坦な加熱器を開放端の一方を貫通挿入することができ、次いで当該開放端は、電気接続部を通過させながら、好適には蓋又は栓等の閉鎖具により閉鎖される。ここでは第1の終端と称する他方の終端は棒剤を挿入できるように開いたままである。
【0026】
この状況において、組み立てのバラツキが少ないことが期待される。
本開示/発明の更なる態様
上述の発明に加え、本開示/発明は更に以下の発明的態様に関する。この点に関して、上述の発明は本開示/発明の第1の態様とみなすことができ、以下の態様は各々第2~第5の態様と表記する。
【0027】
第1の態様に関して上で述べた特徴と同じ用語で表記する、或いは構造的及び/又は機能的に対応する第2の態様~第5の態様のうち1個の特徴は、第1の態様の各特徴と同じ特徴を有していてよいことを理解されたい。同様に、第1の態様に関して上で述べた、第2~第5の態様のうち1個の特徴と同じ用語で表記する、又は第2~第5の態様のうち1個の特徴と構造的及び/又は機能的に対応する特徴は、第2~第5の態様のうち1個の各々の特徴と同じ特徴を有していてよい。特に、これは、管状部材、分離壁、及び加熱器/加熱要素/平坦な加熱器に適用できる。特に、第1及び第5の態様の平坦な加熱器は、第2及び第3の態様の加熱器と同一であっても、又は対応していてもよく、逆も成り立つ。同様に、第1及び第5の態様の平坦な加熱器と第2及び第3の態様の加熱器は第4の態様の加熱要素と同一であっても、又は対応していてもよく、逆も成り立つ。
【0028】
ある態様に関連する特徴は、別の態様に関連する特徴から独立していても、又は当該別の態様に関連する特徴と組み合わされてもよい。
第2の態様
第2の態様は、エアロゾル生成装置用の加熱炉、及びそのような炉を有するエアロゾル生成装置並びにシステムに関する。
【0029】
エアロゾル生成装置は、タバコ等の従来の喫煙物品を代替するものとして普及している。このような装置では、エアロゾルが加熱されるが、これは通常、周囲に薄膜加熱器が巻かれた略管状の炉により実現される。エアロゾル形成物品、例えばタバコ基材である棒剤が管状加熱器に挿入されて加熱される。従来の薄膜加熱器は、少なくとも部分的に手作業で行う多くの組み立て作業を必要とする。
【0030】
これは中国実用新案第209995365U号明細書に示すような湾曲した加熱プレートにも当てはまる。更に、欧州特許第3228199B1号明細書に示すような可動加熱プレートをタバコ基材である棒剤に接触させる方法は比較的複雑である。最後に、中国特許出願公開第109965350A号明細書は、加熱器プレートが外部に固定された多角形の支持管を示している。
第2の態様の概要
これを前提に、第2の態様の本質的な目的は、製造が容易且つ安価であると同時に、必要な熱伝導を維持するエアロゾル生成装置用の炉を提供することである。
【0031】
上述の目的は、第2の態様の項目1の主題により解決され、当該項目によれば、炉は、管状部材と、当該部材の内部管状空洞に固定され且つ横断して伸長する少なくとも1個の分離壁を有している。分離壁は、厚さ及び材料に応じて、僅かに弾力性を有していてよい。少なくとも1個の加熱器が分離壁に取り付けられていて、電気接続部が、適当な閉鎖具により閉鎖することができる管状部材の第2の終端を貫通して伸長できる。このような炉は、製造が容易であると同時に、管状部材内に挿入された棒剤への必要な熱伝導を、加熱器が取り付けられた分離壁との接触により保証できる。効率的な加熱を、抵抗性の平坦な加熱器と誘導性の加熱要素の両方、換言すれば抵抗性及び/又は誘導性加熱器の両方により行うことができる。
【0032】
更に、分離壁は、タバコ基材である棒剤等のエアロゾル発生物品を挿入するための加熱空洞を空気流空洞から分離する。空気流空洞は、管状部材の第1の終端で開口しており、空気が空気流空洞から加熱空洞に流れるように第2の終端で加熱空洞と連通している。従って、この空気流を適切に設計することにより、所望の圧力損失を実現することができる。特に、棒剤位置が空気流に与える影響、結果的には圧力損失を大幅に低減することができる。換言すれば、棒剤の位置を良好に画定することができ、特に、1個以上の分離壁に設けられた1個以上の加熱器と効率的に熱伝導接触させることができる。棒剤位置とは独立に、空気流路及び圧力低下は、加熱空洞を空気流空洞から分離する分離壁の位置及び構造により画定される。その結果、圧力低下が大幅に安定化する。更に、外側の包装紙との空気接触が低減されることにより顕著な薄い風味が防止される。
【0033】
再び、換言すれば、典型的に平坦な分離壁は、加熱空洞を形成する管状部材の中央空洞部分を、空気流空洞を形成する自身の周辺空洞部分から分離し、中央空洞部分の容積は好適には周辺空洞部分よりも大きい。このように、中央空洞部分を棒剤の収容に充分な程度に大きくでき、且つ典型的に平坦な加熱器の載置を可能にして断熱に寄与する周辺空洞部分を設けることができるが、管状部材全体としての大きさが顕著に増大することはない。管状部材は、例えば円筒形状を有していてよく、例えば平坦な加熱器及び/又は少なくとも1個の平坦な加熱器が取り付けられた平坦な分離壁の挿入を可能にすべく内側にレールを有していてよい。平坦な加熱器は、例えば長方形のプレートとして設けられていてよい。
【0034】
第2の態様の複数の好適な実施形態を第2の態様の項目化された主題として更に記述する。
【0035】
分離壁は一般に任意の適当な形状を有していてよいが、特に容易に製造でき、且つその目的を効率的に果たすことができるため、本質的平坦な分離壁が現在好適である。
【0036】
加熱効率を高めて個々の加熱パターンを可能にすべく、管状部材は、自身の内部空洞を横断して伸長する少なくとも2個の平坦な分離壁を含んでいてよく、各々の分離壁は少なくとも1個の加熱器を含んでいる。2個の平坦な分離壁は互いに平行に設けることができるため、棒剤を2個の対向する面から効率的に加熱することができる。上述の第1の分離壁に対応して、第2の分離壁は、第2の空気流空洞を加熱空洞から分離する。
【0037】
1個以上の分離壁が第2の加熱器又は追加的な加熱器を含んでいてよい。いずれの場合も、2個以上の加熱器が存在する場合、異なる加熱パターンを設けるべく直列又は並列に載置することができる。この状況において、たとえ複数の加熱器が設けられ、且つ同時に動作すべく構成されていても、これらを別々に設けることにより炉の組み立てが簡素化される。
【0038】
構造が単純であるため、現時点では、加熱炉の管状部材の長手軸方向平面の両側に2個の分離壁を対向させて好適には対称に配置することが好適である。分離壁は、分離壁間の距離よりも直径が大きい棒剤を第1と第2の加熱器の間の挿入位置で変形及び圧縮可能にする距離に配置されている。
【0039】
特に容易に製造できるように、管状部材は、分離壁を挿入すべく構成されたレール等の誘導部材の少なくとも1個のペアを含んでいてよい。
【0040】
加熱器は構造が比較的単純であるため、プレート及びそれに取り付けられた加熱要素を含んでいてよい。第1のシミュレーションにおいて、加熱要素が中央空洞部に面している構造又は、加熱要素が周辺空洞部に面している代替的構造は共に、中央空洞部に収容された棒剤を効率的に加熱できることが分かっている。加熱要素が中央空洞部に面している場合、熱伝導を有利に最大化できる。加熱要素が周辺空洞部に面している場合は、空洞内を流れる空気からより高い対流加熱を得ることができる。この構成により、周辺空洞部を流れる空気を、下方から棒剤内に流入する前に予熱することができ、棒剤の加熱が向上する。また、中央空洞部に面している少なくとも1個の加熱器、及び周辺空洞部に面している少なくとも1個の第2の加熱器を有することにより、2個の加熱器を独立に制御可能にすることも考えられる。内部加熱器は棒剤への伝導により更に加熱する一方、外部加熱器は対流により更に多くの空気を加熱するであろう。加熱器プレートの個数に関して、現時点では3個が好適であるが、一般に2個又は4個も可能であり、単一加熱器プレート又は5個以上の加熱器プレートも同様に、第2の態様の範囲内にある。
【0041】
加熱器のプレート上に2個の加熱要素が設けられていることで、1個の加熱要素を中央空洞部に面しているプレート側に設け、別の加熱要素をプレートの周辺空洞部に面している側に設ける構成も考えられる。この構成により、対流による加熱及び伝導による加熱が1個の加熱器で有益に組み合わされる。
【0042】
周辺空洞部分に面しているプレート側に設けられた加熱要素は、中央空洞部分に面しているプレート側に設けられた加熱要素よりも長手方向に沿って長くてよい。特に、周辺空洞部に面しているプレート側に設けられた加熱要素は、中央空洞部に面しているプレート側に設けられた加熱要素よりも10%、好適には20%、より好適には30%長くてよい。その理由は、周辺空洞部分の空気流通路が、棒剤のタバコ部分が占める領域において中央空洞部分よりも長いからである。この構成により、周辺空洞部を流れる空気の適切な予熱を保証できる。
【0043】
上述の第1の態様の場合と同様に、加熱器は、セラミックプレート上に印刷された加熱器軌道等、加熱要素を設けることができるセラミックプレート又は金属プレートを含んでいてよい。このように、上述のような両面に加熱要素を有する両面セラミック加熱器を提供して、上述の利点を実現することができる。
【0044】
両面加熱器に関する特徴は、第1及び第3~第5の態様の構成に適用できる。
【0045】
圧力低下を適切に設計して有利に変化させるべく、加熱炉は、空気流空洞の空気流断面を変化させるべく構成された空気流制御部材を含んでいてよい。換言すれば、空気流空洞を画定する任意の断面積を、恐らくユーザーにより、個々に最適な空気流断面及び結果的に生じる圧力低下を見出すために変化させることができる。
【0046】
この状況において、空気流制御部材は第1の空気流断面と、圧力低下が異なる、特に低減された第2の空気流断面との間を手動で移動可能である。好適には、圧力低下は、40~120mmH2O、好適には50~90mmH2Oの範囲内で制御することができる。
【0047】
空気流制御部材が回転可能ならば、使い易さに関して更に利点がある。
【0048】
本明細書に記述する加熱炉の効率的な製造に関して、上述の管状部材は、鋼又はアルミニウム等の深絞り加工された材料片で形成することができる。代替的に、管状部材は、鋼、アルミニウム、耐熱性ポリマー等の押出成形された材料片で形成することができる。
【0049】
加熱要素の安全な載置に関して、支持プレートと加熱要素との間に電気絶縁層が設けられていてよい。
【0050】
この状況において、電気絶縁ポリマー又はセラミック或いはDLCが電気絶縁層に好適な場合がある。加熱要素はまた、例えばシリコン接着剤により支持プレートに接着することができる。加熱要素はまた、電気絶縁コーティング(例:DLC)及び当該コーティング上に直接印刷又は堆積された抵抗層(例:チタン)等により支持プレートに直接適用されていてよい。
【0051】
上述の閉鎖具、蓋又は栓は、管状部材に機械的に取り付けられた、例えば圧入された、又は溶接された別個の要素から製造されていても、又は管状部材の一体的部分として効率的に設けられていてもよい。
【0052】
管状部材と閉鎖具の材質に関して、PEEK又はシリコン等の耐熱性プラスチック、アルミニウム又はステンレス鋼等の金属、又はこれらの組み合わせから製造することができる。
【0053】
加熱器が、(タバコ基材の)棒剤に直接接触することにより棒剤への直接熱伝導を可能にするように上で述べてきたが、棒剤が管状部材内に挿入される際に加熱器が棒剤から離れて配置される構成を採用することも考えられる。例えば、管状部材の長手軸に沿った方向に垂直な方向における棒剤と加熱器の最短距離は少なくとも0.1mm、好適には少なくとも0.3mm、より好適には少なくとも0.5mm、最も好適には少なくとも0.7mm、好適には1.5mm未満、より好適には1.2mm未満、最も好適には約(1.0±0.1)mmであってよい。
【0054】
この構成により、棒剤のより均質な加熱を実現することができる。更に、この構成は、棒剤の複数の部分の過熱を防止し、雑味を減らし、エアロゾル生成装置の放出の質を向上させることができる。
【0055】
加熱器が棒剤から離れて配置される構成を採用すべく、加熱器を含む分離壁は、加熱器が棒剤に直接接触している場合よりも棒剤から更に離れて配置されていてよい。この場合、適切に予熱されるように空気が誘導されて、棒剤と加熱器との間に形成された隙間ではなく周辺空洞部分を貫通して流れることを依然として保証すべく、加熱炉は、管状部材の第1の終端と第2の終端との間に設けられた空気遮断部、及び空気遮断部と管状部材の第1の終端との間に設けられた少なくとも1個の空気通路開口部を含んでいてよく、少なくとも1個の空気通路開口部は、外部、例えば加熱炉の外部と周辺空洞部(空気流空洞)の間の連通を可能にすべく構成されている。
【0056】
円筒棒剤の場合、空気遮断部はリング形状を有していてよく、すなわち空気遮断部は空気遮断リングであってよい。空気遮断部は一般に、空気遮断リングの位置において、棒剤と加熱器の間の隙間に空気が流入するのを遮断すべく構成及び寸法決めされてよい。円筒棒剤の場合、空気遮断リングの内半径は円筒棒剤の外半径よりも小さくてよい。
【0057】
空気遮断部は、分離壁と一体の部分として形成されていても、又は分離壁に取り付けられた別個の部分、例えば管状部材の第1の終端における部分として形成されてよい。
【0058】
一般に、空気遮断部の位置は、管状部材の第1の終端と第2の終端との間であってよい。しかし、周辺空洞部内を流れる空気の予熱を適切に行うには、空気遮断部を、管状部材の第2の終端よりも第1の終端に近い位置、特に第1の終端に近接した位置に配置することが好適である。空気遮断部は、管状部材の第1の終端に配置されてよい。
【0059】
空気通路開口部は、外部、例えば加熱炉の外部と周辺空洞部との連通を可能にするものであれば、任意の形状の開口部であってよい。例えば、空気通路開口部は、円又は楕円形状を有していてよい。
【0060】
1個よりも多い空気通路開口部が加熱炉に設けられてよい。例えば、空気遮断部が分離壁と一体に形成されている場合、1個以上の空気通路開口部が分離壁に設けられてよい。空気遮断部が分離壁に取り付けられた別個の部品の一部分として形成されている場合、1個以上の空気通路開口が当該別個の部品に設けられていてよい。空気通路開口は管状部材の第1の終端に設けられていてよい。
【0061】
例えば、加熱炉は、棒剤が筒状部材内に挿入される際に少なくとも1個の空気通路開口が、筒状部材の中心長手軸から空気遮断部と棒剤の接点よりも遠い位置に設けられる構成を採用することができる。これにより外部からの空気が、管状部材の中心長手軸方向の方向から見て空気遮断部の後方の領域、すなわち空気遮断部と管状部材の間の領域に形成された加熱炉内の空気通路を通り、空気通路開口部を貫通して周辺空洞部に流入することができる。
【0062】
空気遮断部及び空気通路開口部の更なる特徴は、図面及び添付の記述を考察することにより明らかになろう。
【0063】
空気遮断部及び空気通路開口部の上述の構成により、空気は、空気通路開口部を貫通して、棒剤とは反対向きの加熱器の側に直接流れるよう強制される。これにより、空気を適切に予熱することができ、棒剤のより均質な加熱につながり、棒剤の一部の過熱を防止し、雑味を減らし、エアロゾル生成装置の放出の質を向上させる。
【0064】
空気遮断部及び空気通路開口部に関する特徴は、第1及び第3~第5の態様の構成に適用できる。
【0065】
上でも示したように、第2の態様は更に、本明細書に記述するように制御部及び電気支持部並びに炉を含む筐体を含むエアロゾル生成装置を提供する。
【0066】
この状況において、タバコ棒剤への熱伝導は、炉を取り囲む断熱部材を設けることにより更に向上させることができる。例えば、断熱部材は、真空スリーブ又はセラミック等の繊維含有ケーシングであってよい。
【0067】
最後に、本明細書に記述するエアロゾル生成システムは、上述のエアロゾル生成装置、及び加熱炉内に少なくとも部分的に挿入されたロッド又は棒状のエアロゾル基材を含み、エアロゾル基材は1個以上の分離壁により変形及び圧縮されるべく寸法決めされている。
第3の態様
第3の態様は、エアロゾル生成装置用加熱炉及びそのような炉を有するエアロゾル生成装置に関する。
【0068】
エアロゾル生成装置は、タバコ等の従来の喫煙物品を代替するものとして普及している。このような装置では、エアロゾルが加熱されるが、これは通常、周囲に薄膜加熱器が巻かれた略管状の炉により実現される。エアロゾル形成物品、例えばタバコ基材である棒剤が管状加熱器に挿入されて加熱される。従来の薄膜加熱器は、少なくとも部分的に手作業で行う多くの組み立て作業を必要とする。
【0069】
これは中国実用新案第209995365U号明細書に示すような湾曲した加熱プレートにも当てはまる。更に、欧州特許第3228199B1号明細書に示すような可動加熱プレートをタバコ基材である棒剤に接触させる方法は比較的複雑である。最後に、中国特許出願公開第109965350A号明細書は、加熱器プレートが外部に固定された多角形の支持管を示している。
【0070】
国際公開第201150964A1号パンフレットは、管状の電気絶縁基材、及び当該電気絶縁基材の内側又は外側に設けられた加熱軌道を含む巻かれた加熱要素に関する。エアロゾル形成基材は、管状電気絶縁基材内に挿入することができ、加熱軌道はエアロゾル形成基材を囲むか又は部分的に囲んでいる。
【0071】
欧州特許出願公開第3337344A号明細書は、エアロゾル化可能な物質(例:ニコチン供給源及び第2の物質供給源)用の第1及び第2の区画11、12を画定する分離壁10を有するカートリッジに関する。区画は、第1及び第2の内部サセプタにより加熱されてよい。
第3の態様の概要
これを前提に、第3の態様の本質的な目的は、製造が容易且つ安価であると同時に、必要な熱伝導を維持するエアロゾル生成装置用の炉を提供することである。
【0072】
上述の目的は、第3の態様の項目1の主題により解決され、当該項目によれば炉は、管状部材と、内部管状空洞を横断して伸長する少なくとも1個の平坦な支持壁とを有している。少なくとも1個の平坦な加熱器が平坦な支持壁に取り付けられ、平坦な支持壁は機械的固定具により管状部材に固定されている。これにより、多数の、例えば数千個の基材棒剤の挿入に充分耐えられる機械的強度が得られる。同時に、機械的固定具は、高温サイクル、及び湿度の変化等の環境変化に対して充分な耐性を有している。更に、機械的固定具は炉の製造を容易にする。
【0073】
このような機械的固定具の様々なコンセプトが考えられ、現時点では特に有利な特性が、平坦な支持壁の側面に設けられた複数のラグ及び凹部、並びにレール等、管状部材の内面に設けられた典型的には2個の相補的要素から期待されている。これらのラグ及び凹部は、ケーブルタイとして知られるものと同様に形成することができるため、平坦な支持壁は、例えば停止位置に達し、次いで反対方向すなわち管状部材の外への動きに対してロックされるまで容易に挿入することができる。このように、棒剤を取り外す際に平坦な支持壁に作用するいかなる力も平坦な支持壁を取り外すことはない。同時に、ストップ又は同様の構造により、棒剤を挿入しても平坦な支持壁が不要な方向に動くことはない。
【0074】
従って、充分な機械的強度が保証される一方で加熱炉の組み立ては容易なままである。更に、例えば平坦な支持壁を管状部材に接着する場合と比較して、上に示したような温度及び環境の変化による影響を低く抑えることが期待できる。
【0075】
電気接続部は、閉鎖具により閉鎖可能な管状部材の第2の終端を貫通して伸長できる。このような炉は、製造が容易であると同時に、管状部材内に挿入された棒剤への必要な熱伝導を、平坦な加熱器が取り付けられた支持壁との接触により保証できることが分かる。更に、加熱器の嵩高を棒剤との接点にまで減らせるという事実により、構成を簡素化することができる。更に、従来の加熱炉と比較して、管状部材が第1の断熱材として機能するため断熱材の必要性が少ない。特に、平坦な加熱器と管状部材との接触が、例えば管状部材と平坦な加熱器との間に設けられた適当なレールに沿った線接触等に限定されるという事実に起因して、(棒剤ではなく)管状部材への不要な熱伝導を最小限に抑えることができる。
【0076】
管状部材は、例えば円筒形状を有していてよく、例えば平坦な加熱器及び/又は少なくとも1個の平坦な加熱器が取り付けられた平坦な支持壁を挿入可能にすべく内側にレールを有していてよい。平坦な加熱器は、例えば長方形のプレートとして設けられていてよい。加熱器プレートの個数に関して、現時点では3個が好適であるが、一般に2個又は4個も可能であり、単一加熱器プレート又は5個以上の加熱器プレートも同様に、第3の態様の範囲内にある。
【0077】
空気流に関して、効率的であると分かっている従来の空気流構成と比較して好適に差異が無い。
【0078】
第3の態様の複数の好適な実施形態を第3の態様の項目化された主題として更に記述する。
【0079】
平坦な加熱器は構造が比較的単純であるため、プレート及びそれに取り付けられた加熱要素を含んでいてよい。特に効率的な仕方で、加熱器は、例えばセラミック材料又は金属プレートに印刷された加熱軌道を含んでいてよい。加熱器はまた、抵抗加熱ファイバーマット又はグリッド或いはプレート上にコーティングされた加熱層であってよい。加熱コーティングは、プレートの電気絶縁材料に化学的に結合されてよい。例えば、導電性材料のコーティングは、金属、金属酸化物又は炭素である。プレートは、同時係属中の欧州特許第21155871.3号明細書に記述されているようにPEEK又は電気絶縁層がコーティングされた金属製等の耐熱プレートであってよい。
【0080】
特に製造を容易にすべく、管状部材は、加熱器を間に挟んで平坦な支持壁を挿入すべく構成されたレール等の少なくとも1対の誘導部材を含んでいてよい。同様に、平坦な支持壁は、管状部材内に挿入すべく構成されたこのような誘導部材の1個以上のペアを有していてよい。
【0081】
機械的に固定された支持壁を含む、堅牢で同時に製造が容易な加熱炉に関して、管状部材及び/又は少なくとも1個の平坦な支持壁を、プラスチック、PEEK、金属等の弾性材料で形成することが効率的であることが分かっている。
【0082】
管状部材及び/又は平坦な支持壁の材料に関して、これらは有利にはPEEK等の耐熱プラスチック、ステンレス鋼等の金属、又はこれらの組み合わせから製造することができる。
【0083】
既に上で示したように、機械的固定具は例えばクランプ固定具であってよく、これは堅牢且つ製造が容易であることが分かっている。
【0084】
機械的固定具は、管状部材の軸方向長さに沿って間隔を空けて配置された少なくとも2個のクランピングリングを含んでいてよく、それらの間に平坦な支持壁をクランプすることができる。
【0085】
クランピングリングの少なくとも1個がセルフロック式であれば組み立てが特に容易になる。
【0086】
加熱効率を高めて個々の加熱パターンを可能にすべく、管状部材は、自身の内部空洞を横断して伸長する少なくとも2個の平坦な支持壁を含んでいてよく、各々の平坦な支持壁は少なくとも1個の平坦な加熱器を含んでいる。2個の平坦な支持壁は平行に、特に互いに対称に設けることができるため、棒剤を2個の対向する面から効率的に加熱することができる。
【0087】
この構成において、平坦な加熱器は、異なる加熱パターンを設けるべく直列又は並列に載置することができる。この状況において、たとえ複数の加熱器が設けられ、且つ同時に動作すべく構成されていても、これらを別々に設けることにより炉の組み立てが簡素化される。
【0088】
効率的な加熱を、抵抗性の平坦な加熱器及び誘導性の加熱器の両方により行うことができる。
【0089】
閉鎖具の形状に関して、蓋又は栓が有益であることが分かっている。
【0090】
構造が単純であるため、平坦な加熱器を有する支持壁は、管状部材の中央空洞部分をその1個以上の周辺空洞部分から本質的に分離し、中央空洞部分は周辺空洞部分よりも容積が大きいことが好適である。このように、中央空洞部は棒剤を収容するのに充分な程度に大きくでき、平坦な加熱器を載置可能にして断熱に寄与する周辺空洞部を設けることができるが、管状部材全体としての大きさは顕著に増大しない。
【0091】
第1のシミュレーションにおいて、加熱要素が中央空洞部分に面している構造、及び加熱要素が周辺空洞部分に面している代替的構造の両方が、中央空洞部分に収容された棒剤を効率的に加熱できることが分かっている。加熱要素が中央空洞部に面している場合、熱伝導を有利に最大化できる。加熱要素が周辺空洞部に面している場合は、空洞内を流れる空気からより高い対流加熱を得ることができる。また、中央空洞部に面している少なくとも1個の加熱器、及び周辺空洞部に面している少なくとも1個の第2の加熱器を有することにより、2個の加熱器を独立に制御可能にすることも考えられる。内部加熱器は棒剤への伝導により更に加熱する一方、外部加熱器は対流により更に多くの空気を加熱するであろう。
【0092】
本開示は更に、エアロゾル生成装置用の加熱炉を組み立てる方法を提供するものであり、当該方法において、2個の開口端を有する管状部材を設けることにより、加熱器を有する1個以上の平坦な支持壁を一方の開口端を貫通挿入して所定の位置に機械的に固定することができる。管状部材は、電気的接続部を貫通させながら閉じることができる。ここでは第1の終端と称する他方の終端は棒剤を挿入できるように開いたままである。
【0093】
この状況において、組み立てのバラツキが少ないことが期待される。
【0094】
第3の態様は更に、制御部、電気供給部、及び本明細書に記述する加熱炉を含む筐体を含んでいるエアロゾル生成装置を提供する。この状況において、断熱部材により炉を包むことにより断熱性を向上させることができる。
第4の態様
第4の態様は、エアロゾル生成装置用加熱器及びそのような加熱器を有するエアロゾル生成装置に関する。
【0095】
エアロゾル生成装置は、タバコ等の従来の喫煙物品を代替するものとして普及している。このような装置では、エアロゾルが加熱されるが、これは通常、周囲に薄膜加熱器が巻かれた略管状の炉により実現される。エアロゾル形成物品、例えばタバコ基材である棒剤が管状加熱器に挿入されて加熱される。従来の薄膜加熱器は、少なくとも部分的に手作業で行う多くの組み立て作業を必要とする。
【0096】
これは中国実用新案第209995365U号明細書に示すような湾曲した加熱プレートにも当てはまる。更に、欧州特許第3228199B1号明細書に示すような可動加熱プレートをタバコ基材である棒剤に接触させる方法は比較的複雑である。最後に、中国特許出願公開第109965350A号明細書は、加熱器プレートが外部に固定された多角形の支持管を示している。
【0097】
中国特許出願公開第110638113A号明細書は、リブを有する支持片により接続された加熱パイプ及び外側断熱パイプを含む断熱システムに関する。米国特許第10368582B2号明細書は、セラミック材料の硬い円柱又は正方形であって表面に窪み又は凹部を有していてよい加熱支持体を含む電子タバコ用加熱要素を示している。最後に、国際公開第201150964A1号パンフレットは、導電軌道を有する平坦な絶縁基板を含むエアロゾル生成装置用の加熱器に関する。
第4の態様の概要
これを前提に、第4の態様の本質的な目的は、製造が容易且つ安価であると同時に、比較的低い熱質量を維持しながら必要な安定性及ぶ強度を提供するエアロゾル生成装置用の加熱器を提供することである。
【0098】
上述の目的は、第4の態様の項目1の主題により解決され、当該項目によれば、加熱器は、支持プレートと、当該支持プレートに取り付けられた少なくとも1個の典型的に全体が平坦な加熱要素とを有している。支持プレートは、長さ、幅及び厚さを有する実質的に立方体であり、厚さは長さ及び幅よりも小さい。支持壁の剛性を高めるべく局所的に少なくとも1個のエンボスが設けられている。エンボスは例えば、曲げに対する剛性を高めるべく1個以上の好適には直線状のリブ、リッジ又はウェブを形成することができる。同時に、1個以上のエンボスの領域においてもプレート厚が本質的に維持されるため、材料の使用量、及びその結果的として質量が低く抑えられる。換言すれば、エンボスはプレートの一方の側で凹形状を有し、反対側で凸形状をなす。剛性の向上は、挿入されたタバコ棒剤との確実な接触を維持するのに特に有効であるため、効率的な熱伝導が実現される。
【0099】
このような加熱器は製造が容易であるのと同時に、管状部材内に挿入された棒剤への必要な熱伝導を、加熱要素が取り付けられた支持プレートとの接触により保証できることが分かっている。更に、加熱器の嵩高を棒剤との接点にまで減らせるという事実により、構成を簡素化することができる。更に、従来の加熱器と比較して、加熱器の管状部材が第1の断熱材として機能できるため、断熱材の必要性が少ない。
【0100】
第4の態様の複数の好適な実施形態を第4の態様の項目化された主題として更に記述する。
【0101】
支持プレートの材質に関して、PEEK等の高耐熱性プラスチック、金属、特にステンレス鋼、又はこれらの組み合わせから製造することができる。
【0102】
第4の態様により、支持プレートの厚さを有利に極めて薄く、すなわち0.5mmよりも薄く、好適には0.1mmよりも薄く、最も好適には約0.07mmに保つことができる。
【0103】
エンボスは、上述のように、ある長さを有し、有利に加熱器の長さ又は軸方向に伸長可能な本質的に直線状のリブを形成することができる。加熱器が管状であると考えれば、その長さ方向は管の長さに対応する。しかし、曲げに対する優れた剛性は、ある角度、特に本質的に長さ方向に垂直に伸長する少なくとも1個のエンボスにより実現することもできる。
【0104】
第1のシミュレーションにより、エンボスが加熱器の最も近い壁に向かって突出している場合、及び反対方向すなわち加熱器に挿入されるタバコ棒剤に向かって突出している場合の両方で第4の態様による利点が使用できることが分かった。
【0105】
少なくとも1個のエンボス、特にリブの断面で見た好適な形状に関して、V又はU字形状が有益であることが分かっている。
【0106】
加熱要素の取り付けに関して、厚さ方向から見た場合に少なくとも部分的に重なり合うことができるため、エンボスによる影響を一切受けない。
【0107】
効率的な加熱を、抵抗性の加熱要素及び誘導性の加熱要素の両方、換言すれば、抵抗性及び/又は誘導性の加熱器の両方により行うことができる。
【0108】
加熱要素の安全な載置に関して、支持プレートと加熱要素との間に電気絶縁層が設けられていてよい。
【0109】
この状況において、電気絶縁ポリマー又はセラミック或いはDLCが電気絶縁層に好適な場合がある。加熱要素はまた、例えばシリコン接着剤により支持プレートに接着することができる。加熱要素はまた、電気絶縁コーティング(例:DLC)及び当該コーティング上に直接印刷又は堆積された抵抗層(例:チタン)等により支持プレートに直接適用することができる。
【0110】
既に示したように、エンボスの最大高が支持プレートの厚さよりも高い場合、安定性は有利に材料の使用量及び嵩高とバランスをとることができる。
【0111】
先に示したように、本明細書に記述する加熱器は、2個の終端を有する管状部材を有するエアロゾル生成装置用の加熱炉に特に適している。加熱器は管状部材内で2個の終端間を伸長する。
【0112】
この状況において、加熱器は好適に管状部材の内壁に取り付けられている。同じく先に示しているように、加熱器の長さはこの第4の態様の実施形態において管状部材の軸方向に沿って伸長する。
【0113】
構造が単純であるため、加熱要素は本質的に、管状部材の中央空洞部をその周辺空洞部から分離し、中央空洞部は好適に周辺空洞部よりも容積が大きい。このように、中央空洞部は棒剤を収容するのに充分な程度に大きくでき、加熱要素の載置を可能にして断熱に寄与する周辺空洞部を設けることができるが、管状部材全体としての大きさは顕著に増大しない。加熱要素は構造が比較的単純であるため、プレート及びそれに取り付けられた加熱要素を含んでいてよい。管状部材は例えば円筒形状を有していてよく、例えば加熱要素及び/又はそれに取り付けられた少なくとも1個の加熱要素を有する支持プレートの挿入を可能にするレールを内側に有していてよい。加熱要素は例えば長方形のプレートとして設けられていてよい。
【0114】
第1のシミュレーションにおいて、加熱要素が中央空洞部分に面している構造、及び加熱要素が周辺空洞部分に面している代替的構造の両方が、中央空洞部分に収容された棒剤を効率的に加熱できることが分かっている。加熱要素が中央空洞部に面している場合、熱伝導を有利に最大化できる。加熱要素が周辺空洞部に面している場合は、空洞内を流れる空気からより高い対流加熱を得ることができる。また、中央空洞部に面している少なくとも1個の加熱器、及び周辺空洞部に面している少なくとも1個の第2の加熱器を有することにより、2個の加熱器を独立に制御可能にすることも考えられる。内部加熱器は棒剤への伝導により更に加熱する一方、外部加熱器は対流により更に多くの空気を加熱するであろう。
【0115】
特に容易に製造できるように、支持プレートは、加熱要素をその中に挿入すべく構成されたレール等の誘導部材のペアを含んでいてよい。支持プレートを挿入すべく構成された誘導部材を任意選択的に有する管状部材にも同じことが言える。
【0116】
加熱効率を高めて個々の加熱パターンを可能にすべく、管状部材は、自身の内部空洞を横断して伸長する少なくとも2個の支持プレートを含んでいてよく、各々の支持プレートは、少なくとも1個の加熱要素を含んでいる。2個の支持プレートは、互いに平行に設けることができるため、棒剤を2個の対向する面から効率的に加熱することができる。この状況において、たとえ複数の加熱器が設けられ、且つ同時に動作すべく構成されていても、これらを別々に設けることにより加熱器の組み立てが簡素化される。
【0117】
この構成において、加熱要素は、異なる加熱パターンを設けるべく直列又は並列に載置することができる。
【0118】
管状部材の閉鎖に関して、蓋又は栓が有益であることが分かっている。
【0119】
空気流に関して、効率的であると分かっている従来の空気流構成と比較して好適に差異が無い。しかし、管状部材における平坦な支持壁の特定の配置の結果として空気流をより容易に配置することができる。特に、管状部材と少なくとも1個の平坦な支持壁との間に空気流路を配置することができる。空気流路は更に、第1の終端に設けられた空気入口及び/又は空気流路と内部管状空洞との間に設けられた流路を含んでいてよい。空気流路は、空気が棒剤内に流入できるように平坦な支持壁及び/又は閉鎖具に形成されてよい。
【0120】
特に、平坦な加熱器と管状部材との接触が、管状部材と平坦な加熱器との間に設けられた適当なレールに沿った線接触等に限定されるため、(棒剤ではなく)管状部材への不要な熱伝導を最小限に抑えることができる。
【0121】
加熱器プレートの個数に関して、現時点では3個が好適だが、一般には2個又は4個も可能であり、単一の加熱器プレート又は5個以上の加熱器プレートも第4の態様の範囲内にある。
第5の態様
第5の態様は、エアロゾル生成装置用の加熱炉に関する。
【0122】
エアロゾル生成装置は、タバコ等の従来の喫煙物品を代替するものとして普及している。このような装置では、エアロゾルが加熱されるが、これは通常、周囲に薄膜加熱器が巻かれた略管状の炉により実現される。エアロゾル形成物品、例えばタバコ基材である棒剤が管状加熱器に挿入されて加熱される。従来の薄膜加熱器は、少なくとも部分的に手作業で行う多くの組み立て作業を必要とする。
【0123】
これは中国実用新案第209995365U号明細書に示すような湾曲した加熱プレートにも当てはまる。更に、欧州特許第3228199B1号明細書に示すような可動加熱プレートをタバコ基材である棒剤に接触させる方法は比較的複雑である。中国特許出願公開第109965350A号明細書は、加熱器プレートが外部に固定された多角形の支持管を示している。
【0124】
中国特許出願公開第110638113A号明細書は、加熱フィルム及びその外側に真空断熱チューブを有する非燃焼式喫煙装置に関する。同様の装置は、国際公開第2020218855A2号パンフレット、中国実用新案第210054651U号明細書及び中国実用新案第208875408U号明細書から知られている。
第5の態様の概要
これを前提に、第5の態様の本質的な目的は、製造が容易且つ安価であると同時に、断熱性を向上させるエアロゾル生成装置用炉を提供することである。
【0125】
上述の目的は、第5の態様の項目1の主題により解決され、当該項目によれば、炉は、管状部材と、当該部材の内部管状空洞を横断して伸長する少なくとも1個の平坦な支持壁とを有している。少なくとも1個の平坦な加熱器が平坦な支持壁に取り付けられ、電気接続部が、適切な閉鎖具により閉鎖可能な管状部材の第2の終端を貫通して伸長している。このような炉は、製造が容易であると同時に、管状部材内に挿入された棒剤への必要な熱伝導を、平坦な加熱器が取り付けられた支持壁との接触により保証できることが分かる。更に、加熱器の嵩高を棒剤との接点にまで減らせるという事実により、構成を簡素化することができる。更に、従来の加熱炉と比較して、管状部材が第1の断熱材として機能するため断熱材の必要性が少ない。
【0126】
特に、平坦な加熱器と管状部材との接触が、例えば管状部材と平坦な加熱器との間に設けられた適当なレールに沿った線接触等に限定されるという事実に起因して、(棒剤ではなく)管状部材への不要な熱伝導を最小限に抑えることができる。更に、管状部材は、真空が封入された少なくとも1個の壁を有するため、断熱特性が更に向上する。特に、真空は優れた断熱特性を有し、且つ壁と一体化することにより、加熱炉を依然として小型に保つことができる。
【0127】
空気流に関して、効率的であると分かっている従来の空気流構成と比較して好適に差異が無い。
第5の態様の複数の好適な実施形態を第5の態様の項目化された主題として更に記述する。
【0128】
管状部材及び閉鎖具の少なくとも一方の壁の材質に関して、PEEK等の耐熱プラスチック、ステンレス鋼等の金属、又はこれらの組み合わせから製造することができる。
【0129】
管状部材は、例えば円筒形状を有していてよく、小さいサイズを更にサポートすると同時に棒剤への必要な熱伝導を可能にする。
【0130】
構造が単純であるため、平坦な加熱器は本質的に、管状部材の中央空洞部をその周辺空洞部から分離し、中央空洞部の好適に周辺空洞部よりも大きい。このように、中央空洞部は棒剤を収容するのに充分な程度に大きくでき、平坦な加熱器を載置可能にして断熱に寄与する周辺空洞部を設けることができるが、管状部材全体としての大きさは顕著に増大しない。
【0131】
平坦な加熱器は構造が比較的単純であるため、プレート及びそれに取り付けられた加熱要素を含んでいてよい。
【0132】
特に効率的な仕方で、加熱器は、セラミック材料又は金属プレートに印刷された加熱器軌道を含んでいてよい。加熱器はまた、抵抗加熱ファイバーマット又はグリッド或いはプレート上にコーティングされた加熱層であってよい。加熱コーティングは、プレートの電気絶縁材料に化学的に結合されていてよい。例えば、導電性材料のコーティングは、金属、金属酸化物又は炭素である。プレートは、同時係属中の欧州特許第21155871.3号明細書に記述されているようにPEEK又は電気絶縁層がコーティングされた金属製等の耐熱プレートであってよい。
【0133】
第1のシミュレーションにおいて、加熱要素が中央空洞部分に面している構造、及び加熱要素が周辺空洞部分に面している代替的構造の両方が、中央空洞部分に収容された棒剤を効率的に加熱できることが分かっている。加熱要素が中央空洞部に面している場合、熱伝導を有利に最大化できる。
【0134】
特に製造を容易にすべく、平坦な支持壁は、平坦な加熱器を貫通挿入すべく構成されたレール等の誘導部材のペアを含んでいてよい。同様に、管状部材は、支持壁を挿入すべく構成されたそのような誘導部材の1個以上のペアを有していてよい。従って、管状部材は、例えば平坦な加熱器及び/又は少なくとも1個の平坦な加熱器が取り付けられた平坦な支持壁を挿入可能にするレールを内側に有していてよい。平坦な加熱器は、例えば長方形のプレートとして設けられていてよい。加熱器プレートの個数に関して、現時点では3個が好適であるが、一般に2個又は4個も可能であり、単一の加熱器プレート又は5枚以上の加熱器プレートも同様に、第5の態様の範囲内にある。プレートの個数を増やすことでより良い熱分布が得られる。しかし、熱分布と装置の複雑さとの間で常にバランスを取る必要がある。用途に応じて3個又は4個のプレートがバランスを取るのに最良な場合がある。
【0135】
加熱効率を高めて個々の加熱パターンを可能にすべく、管状部材は、自身の内部空洞を横断して伸長する少なくとも2個の平坦な支持壁を含んでいてよく、各々の平坦な支持壁は少なくとも1個の平坦な加熱器を含んでいる。2個の平坦な支持壁は互いに平行に設けることができるため、棒剤を2個の対向する面から効率的に加熱することができる。
【0136】
この構成において、平坦な加熱器は、異なる加熱パターンを設けるべく直列又は並列に載置することができる。この状況において、たとえ複数の加熱器が設けられ、且つ同時に動作すべく構成されていても、これらを別々に設けることにより炉の組み立てが簡素化される。
【0137】
効率的な加熱を、抵抗性の平坦な加熱器と誘導性の加熱要素の両方、換言すれば抵抗性及び/又は誘導性加熱器の両方により行うことができる。
【0138】
閉鎖具に関して、PEEK又はシリコン等の耐熱プラスチック、ステンレス鋼等の金属、又はこれらの組み合わせから製造することができ、蓋又は栓の形状は閉鎖具にとり有益であることが分かっている。
【0139】
以下、本発明すなわち第1の態様について、その例示的な複数の実施形態により図面を参照しながら説明する。更に、以下では本開示/発明の第2~第5の態様をその例示的な複数の実施形態により図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【
図1】(本発明/第1の態様の)第1の実施形態による加熱炉の上面図を示す。
【
図2】(本発明/第1の態様の)第2の実施形態による加熱炉の上面図を示す。
【
図3】(本発明/第1の態様の)第1の実施形態の模式的透視図を示す。
【
図4】金属シールドが設けられた
図2の加熱炉を示す。
【
図6】第2の態様の第1の実施形態による加熱炉の側面図を示す。
【
図7】第2の態様の複数の実施形態で使用される加熱器の複数の側面図を示す。
【
図8】第2の態様の第2の実施形態による加熱炉の側面図を示す。
【
図9】第2の態様の第3の実施形態による加熱炉の側面図を示す。
【
図10】空気遮断部及び空気通路開口部が設けられた第2の態様の加熱炉の側面図を示す。
【
図11】空気遮断部及び空気通路開口部が設けられた第2の態様の加熱炉の一部を示す透視断面図を示す。
【
図13】空気遮断部及び空気通路開口部が設けられた第2の態様の加熱炉を示す部分断面透視図を示す。
【
図15】第3の態様の第1の実施形態による加熱炉の透視図を示す。
【
図16】第3の態様の第2の実施形態の模式的側面図を示す。
【
図19-21】第4の態様による支持プレートの上面図を示す。
【
図22】第5の態様に従った加熱炉の上面図を示す。
【
図24-26】第5の態様による管状部材の異なる複数の実施形態の切断透視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0141】
図1から分かるように、加熱炉10は本質的に、少なくとも1個の平坦な加熱器18が取り付けられた2個の本質的に平坦な支持壁16を収容すべく構成された対向レール14の2個のペアを内側に有する円筒管状部材又はカップ12を含んでいる。平坦な支持壁16は本質的に互いに平行であり、各々が比較的大きい中央空洞部分20を2個の周辺空洞部分22から分離する。図示する実施形態において、平坦な加熱器は各々中央空洞部分20に面しており、その結果、図示しないタバコ基材である棒剤に直接接触している。このような直接接触は棒剤への熱伝導に特に有益である。棒剤の直径は平坦な加熱器間の最大距離より大きくてよいため、加熱器間の挿入位置で棒剤を変形及び圧縮することができる。
【0142】
但し、平坦な加熱器14が周辺空洞部22に面している点だけが
図1と異なる
図2の実施形態においても棒剤の充分な加熱を保証できる。
【0143】
図3に示すように、任意の電気接続部24がカップ12の第2(下側)の終端を貫通して伸長しており、当該終端は、接続部が貫通して伸長している状態で、栓26により閉じられている。各々の平坦な加熱器は抵抗性であっても、又は誘導加熱サセプタとして形成されていてもよい。レール及び/又は平坦な支持壁は、カップ12の第1の終端と第2の終端の間の伸長部の全部又は一部に沿って伸長できる。第1の終端と第2の終端の間の全長に沿って伸長している場合、構造は全体として特に安定する。
【0144】
図4に、金属シールド40が、中央空洞部分20に面する側で平坦な加熱器18に取り付けられていること以外は
図2と同じ構成を示す。金属シールドは、加熱器が抵抗軌道を埋め込んだセラミック体から製造されている場合、加熱器を保護することができる。金属シールド40はまた、シールドの縁がレール14(図示せず)に沿って摺動することにより加熱器を挿入する役割も果たすことができる。
【0145】
本発明による加熱炉及びその構成要素に関する更なる詳細は第2~第5の態様から取得でき、特定の構成要素及びそれらの特徴に関するこれら全ての開示内容は引用により本明細書に組み込まれている。
第2の態様
図5から分かるように、加熱炉10は本質的に、少なくとも1個の平坦な加熱器18が取り付けられた2個の本質的に平坦な分離壁16を収容すべく構成された対向レール14の2個のペアを内側に有する円筒管状部材又はカップ12を含んでいる。平坦な分離壁16は本質的に互いに平行であり、各々が比較的大きい中央加熱空洞20を2個の空気流空洞22から分離する。図示する実施形態において、平坦な加熱器は各々中央空洞部分20に面しており、その結果、図示しないタバコ基材である棒剤に直接接触している。このような直接接触は棒剤への熱伝導に特に有益である。
【0146】
図6に示すように、棒剤24は、分かり易さのため、当該特定の実施形態における実際の使用時の場合のようには加熱器18に接触せず、空気はカップ12の第1の開放端26から第2の端28に向かって流れ、そこで加熱空洞20に流入する。空気は次いで本質的に、棒剤24を貫通して第1の終端26に向かって流れ続け、そこで使用者は棒剤24に口で触れることができる。
【0147】
図7に、第2の態様の複数の実施形態で使用できる平坦な加熱器18の側面図を示す。
図7(a)は中央空洞部20に面する平坦な加熱器18の側を示しているが、
図7(b)は空気流空洞22に面する平坦な加熱器18の側を示している。図から分かるように、加熱器18のプレート43に2個の加熱要素44が設けられていて、当該プレートの各側に1個の加熱要素44が設けられた構造を提供する。このケースにおいて、プレート43はセラミックプレートであってよい。上述のように、加熱要素44は、セラミックプレート43に印刷された加熱器軌道として設けられていてよい。このように、両側に加熱要素を有する両面セラミック加熱器を提供して、上述の利点を実現することができる。
【0148】
空気流は、プラットフォーム30が
図5のものと本質的に異なる
図8の実施形態において本質的に同一であり、この場合プラットフォーム30は第2の終端に設けられた閉鎖具32と一体化されていて、棒剤24を支持する役割を果たしながら依然として空気が底部から棒剤内に流入することを許す。この目的のため、プラットフォーム30はリブ、凹部又は突起等、1個以上のエンボスを有していてよい。
図8の中央の矢印にもかかわらず、プラットフォームは空気が棒剤内に流入するのをある程度妨げるため、空気はプラットフォームの側面も通過する。
【0149】
図9の実施形態において、空気流制御部材34を示しており、これは例えば手動で起動可能な絞り弁であってよい。これは無論
図6の実施形態にも適用できる。
【0150】
図10は本質的に、空気遮断部41と空気通路開口部42が加熱炉10に設けられていることを除いて
図6に示す実施形態と同一の構成を示している。
図10において、空気遮断部41は、棒剤24が加熱炉内に挿入される際に棒剤24が貫通挿入される空気遮断リングである。
図10には分離壁16を示していない。しかし、空気遮断部41を分離壁16の一体部分として形成することができ、少なくとも1個の空気通路開口部42を分離壁に配置できることを理解されたい。代替的に、空気遮断部41は、分離壁16に取り付けられた別個の部品の一部として形成することができ、少なくとも1個の空気通路開口部42は別個の部品に設けられていてよい。
【0151】
図10に示す構成において、加熱炉10は、棒剤が管状部材12内に挿入される際に、少なくとも1個の空気通路開口部42が空気遮断部41と棒剤24との接点よりも管状部材12の長手方向の中心軸から更に遠い位置に設けられる構成を採用している。これにより、外部(白い矢印で示す)からの空気が、管状部材の中心長手軸からの方向から見て空気遮断部41の後方の領域、すなわち空気遮断部41と管状部材12の間の領域に形成された加熱炉内の空気通路を通り、空気通路開口部42を通って周辺空洞部(空気流空洞部)22に流入する。
【0152】
図11に、空気遮断部41及び空気通路開口部42が設けられた第2の態様の加熱炉10の一部の透視断面図を示す。
図11において、空気遮断部41は同様に、棒剤24が加熱炉10に挿入される際に棒剤24が貫通挿入される空気遮断リングである。また、2個の平坦な加熱器18も示している。
【0153】
図10の場合と同様に、加熱炉10は、少なくとも1個の空気通路開口部42が、棒剤が管状部材12内に挿入される際に空気遮断部41と棒剤24の間の接点よりも管状部材12の中心長手軸から更に遠い位置に設けられる構成を採用する。この特定の実施形態において、
図11の2個の矢印で示す空気流は、
図10の模式図と同様である。すなわち、空気は、管状部材12の第1の終端26に設けられた空気通路開口部42を介して加熱炉10に流入し、次いで管状部材12の長手軸方向の線に沿った方向に沿って、且つ空気流空洞22に面する平坦な加熱器18の側面を越えて下方に誘導される。
【0154】
図12に、
図11に示す加熱炉10の部分の別の透視図を示す。4個の加熱器18が、加熱器間の隆起の形状で、分離壁16構造により周方向に互いに等間隔に設けられている。この構造により、加熱器18は、たばこ棒剤24が管状部材12内に挿入される際に加熱器18を棒剤24から離れた状態でたばこ棒剤24の周囲に配置することができる。例えば、管状部材の長手軸に沿った方向に垂直な方向における棒剤と加熱器の間の最短距離は少なくとも0.1mm、好適には少なくとも0.3mm、より好適には少なくとも0.5mm、最も好適には少なくとも0.7mm、好適には1.5mm未満、より好適には1.2mm未満、最も好適には約(1.0±0.1)mmであってよい。この構成により、棒剤のより均質な加熱を実現することができる。更に、この構成は、棒剤の複数の部分の過熱を防止し、雑味を減らし、エアロゾル生成装置の放出の質を向上させることができる。
【0155】
図13に、空気遮断部41及び空気通路開口部42が設けられた第2の態様の加熱炉10の部分断面透視図を示す。
図13には管状部材12も示されている。空気遮断部41、空気通路開口部42、及び加熱器18の構成、並びに装置内に生じる空気流は、
図11、12に関して説明したものと同一である。
【0156】
第2の態様による加熱炉及びその構成要素に関する更なる詳細は、第1及び第3~第5の態様から取得でき、特定の構成要素及びその特徴に関するこれら全ての開示内容は引用により本明細書に組み込まれている。
第3の態様
図14から分かるように、加熱炉10は本質的に、少なくとも1個の平坦な加熱器18が取り付けられた2個の本質的に平坦な支持壁16を収容すべく構成された対向レール14の2個のペアを内側に有する円筒管状部材又はカップ12を含んでいる。平坦な支持壁16は本質的に互いに平行であり、各々が比較的大きい中央空洞部分20を2個の周辺空洞部分22から分離する。図示する実施形態において、平坦な加熱器は各々中央空洞部分20に面しており、その結果、図示しないタバコ基材である棒剤に直接接触している。特に、平坦な加熱器18との距離よりも大きい横方向寸法を有する棒剤を選択することにより、棒剤は空洞部分20内で圧縮状態に維持される。このような直接接触、及び棒剤の変形による可能な圧縮は棒剤への熱伝導に特に有益である。
【0157】
にもかかわらず、平坦な加熱器14が周辺空洞部22に面している本実施形態においても棒剤の充分な加熱を保証できる。
【0158】
図15に示すように、任意の電気接続部24がカップ12の第2(下側)の終端を貫通して伸長しており、当該終端は、接続部が貫通して伸長している状態で、栓26により閉じられている。各々の平坦な加熱器は抵抗性であっても、又は誘導加熱サセプタとして形成されていてもよい。レール及び/又は平坦な支持壁は、カップ12の第1の終端と第2の終端の間の伸長部の全部又は一部に沿って伸長できる。第1の終端と第2の終端の間の全長に沿って伸長している場合、構造は全体として特に安定する。
【0159】
更に、図示するケースにおいて、平坦な支持壁16を機械的に固定する3個のクランピングリング28を示している。
【0160】
図16から分かるように、これはまた、ケーブルタイに使用されるものと同様のラグ30又は突起を有するレールのペアにより実現できる。換言すれば、これらのレールは、一方向、例えば
図16の下から上へ向かう抵抗が反対方向よりも小さくなる。このように、上述の第1の方向においてレール間に挿入された平坦な支持壁16は、特に図示するケースで各レール14に設けられた止め具32に達するまで、過度の力を加えることなく挿入できる。
【0161】
しかし、反対方向、すなわち
図16の下側に向かう方向では抵抗がはるかに大きく、平坦な支持壁を特にロックできるため、この方向への一切の不要な移動が防止される。これは、平坦な支持壁16が挿入された、当該終端に近い栓26により更に支持される。要するに、エアロゾル生成装置用の堅牢且つ製造が容易な加熱炉を提供することができる。
【0162】
第3の態様による加熱炉及びその構成要素に関する更なる詳細は、第1、第2、第4及び第5の態様から取得でき、特定の構成要素及びその特徴に関するこれら全ての開示内容は引用により本明細書に組み込まれている。
第4の態様
図17から分かるように、加熱器10は本質的に、少なくとも1個の加熱要素18が取り付けられた2個の支持プレート16を収容すべく構成された対向レール14の2個のペアを内側に有する円筒管状部材又はカップ12を含んでいる。支持プレート16は本質的に互いに平行であり、各々が比較的大きい中央空洞部分20を2個の周辺空洞部分22から分離する。図示する実施形態において、加熱要素は各々中央空洞部分20に面しており、その結果、図示しないタバコ基材である棒剤に直接接触している。このような直接接触は棒剤への熱伝導に特に有益である。
【0163】
図18に示すように、任意の電気接続部24がカップ12の第2(下側)の終端を貫通して伸長しており、当該終端は、接続部が貫通して伸長している状態で、栓26により閉じられている。各々の加熱要素は抵抗性であっても、又は誘導加熱サセプタとして形成されていてもよい。レール及び/又は支持プレートは、カップ12の第1の終端と第2の終端の間の伸長部の全部又は一部に沿って伸長できる。
【0164】
図19~
図21からも分かるように、加熱要素18は、典型的には支持プレート16よりも小さく、加熱器の長さ方向に伸長する図示する実施形態においてエンボス28と重なり合うことができる。図示する全ての実施形態において、エンボスは最大高、換言すれば支持プレート16の最大表面から伸長する伸長部又は突起を有し、これは支持プレート16の厚さよりも顕著に長い。
図19、21の実施形態において、エンボスは本質的にV字形であり、プレートの幅寸法の約3分の1~4分の1を覆う。
【0165】
上記はエンボスがU字形又は椀形である
図20の実施形態にも当てはまる。任意のエンボスが幅方向に伸長することができ、いずれの場合も支持プレートの剛性を高めることができる。
【0166】
第4の態様による加熱炉及びその構成要素に関する更なる詳細は、第1~第3及び第5の態様から取得でき、特定の構成要素及びその特徴に関するこれらの開示内容は引用により本明細書に組み込まれている。
第5の態様
図22から分かるように、加熱炉10は本質的に、少なくとも1個の平坦な加熱器18が取り付けられた2個の本質的に平坦な支持壁16を収容すべく構成された対向レール14の2個のペアを内側に有する円筒管状部材又はカップ12を含んでいる。平坦な支持壁16は本質的に互いに平行であり、各々が比較的大きい中央空洞部分20を2個の周辺空洞部分22から分離する。図示する実施形態において、平坦な加熱器は各々中央空洞部分20に面しており、その結果、図示しないタバコ基材である棒剤に直接接触している。このような直接接触は棒剤への熱伝導に特に有益である。
【0167】
図22からも分かるように、カップ12の壁28に真空30が封入されており、これによりカップ12の断熱性が顕著に向上する。図示するケースにおいて、真空30は、壁28の2個の同心の壁部分32により画定される。
【0168】
図23に示すように、任意の電気接続部24がカップ12の第2(下側)の終端を貫通して伸長しており、当該終端は、接続部が貫通して伸長している状態で、栓26により閉じられている。各々の平坦な加熱器は抵抗性であっても、又は誘導加熱サセプタとして形成されていてもよい。レール及び/又は平坦な支持壁は、カップ12の第1の終端と第2の終端の間の伸長部の全部又は一部に沿って伸長できる。第1の終端と第2の終端の間の全長に沿って伸長している場合、構造は全体として特に安定する。
【0169】
図24は、
図23による、真空30が封入された2個の壁部32を有する管状部材12の下端を示す。図示する実施形態において、複数の壁部32の間の環状底部34が、壁部32と重なり合って取り付けられた2個の短いカラーを有する部品により形成される。
【0170】
内壁部分32内には、電気接続部24を通過させる細長い開口部38を有する円形底部36がある。
図24では視認できないが、例えば第3の開口部38が、
図24で視認できる2個の開口部38と共に二等辺三角形を形成すべく設けられていてよい。
【0171】
図25は、円形底部36も壁部32の終端から更に離れた位置に設けられていてよいことを示しており、
図26によれば、単一の円形開口部38が設けられていてよい。
【0172】
第5の態様による加熱炉及びその構成要素に関する更なる詳細は、第1~第4の態様から取得でき、特定の構成要素及びその特徴に関するこれら全ての開示内容は引用により本明細書に組み込まれている。
第2~第5の態様の項目化された主題
第2~第5の態様に関連する以下の項目化された主題も本開示/発明の一部を構成する。
【0173】
一態様に関して項目化された主題は、別の態様による項目化された主題から独立していても、又は当該別の態様による項目化された主題と組み合わされていてもよい。また、一態様による項目化された主題は、本発明による請求項の主題、すなわち第1の態様から独立にいていても、又は本発明による請求項の主題と組み合わされていてもよい。
第2の態様
1.エアロゾル生成装置用の加熱炉(10)であって、
-長手軸に沿って伸長していて第1の終端(26)及び第2の終端(28)を含む内部管状空洞を含む管状部材(12)と、
-第2の終端(28)を少なくとも部分的に閉鎖する閉鎖具(22)と、
-管状部材(12)の内部管状空洞に固定されていて、当該内部管状空洞を横断して第1と第2の終端(28)の間を長手軸方向に少なくとも部分的に伸長する少なくとも1個の分離壁(16)とを含み、
分離壁(16)が、エアロゾル生成物品を挿入するための加熱空洞(20)を空気流空洞(22)から分離し、
空気流空洞(22)が管状部材(12)の第1の終端(26)で開口していて、空気流空洞が、空気を空気流空洞(22)から加熱空洞(20)へ流入させるように第2の終端(28)で加熱空洞(20)と連通し、
分離壁(16)が少なくとも1個の加熱器(18)を含んでいる加熱炉(10)。
2.分離壁(16)が平坦である、項目1に記載の加熱炉(10)。
3.第1の空気流空洞(22)から分離した第2の空気流空洞(22)を形成する第2の分離壁(16)を含んでいる、項目1に記載の加熱炉(10)。
4.分離壁(16)が第2の加熱器(18)を含んでいる、項目3に記載の加熱炉(10)。
5.第1及び第2の分離壁(16)が対向し、好適には管状部材(12)の長手軸平坦の各側に対称に配置されている、項目3及び4に記載の加熱炉(10)。
6.第1及び第2の分離壁(16)が、管状部材(12)の長手軸に平行に伸長する管状部材(12)のサイドレールに載置されている、項目2~5のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
7.加熱器(18)がプレート及びそれに取り付けられた加熱要素を含んでいる、項目2~6のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
8.空気流空洞の空気流断面を変化させるべく構成されたフロー制御部材を含んでいる、項目2~7のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
9.空気流制御部材が、第1の空気流断面と圧力低下が低減された第2の空気流断面の間を手動で移動可能である、項目8に記載の加熱炉(10)。
10.空気流制御部材が回転可能である、項目9に記載の加熱炉(10)。
11.管状部材(12)が、鋼又はアルミニウム等の金属の深絞り片で形成されている、項目1~10のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
12.閉鎖具(22)が、管状部材(12)に機械的に取り付け又は溶接された別個の要素で形成されているか、或いは管状部材(12)の一体部分である、項目1~11のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
13.制御部、電気供給部、及び項目1~12のいずれか1項に記載の炉を含む筐体を含んでいるエアロゾル生成装置。
14.炉が熱断熱部材に包まれている、項目12に記載のエアロゾル生成装置。
15.項目1~10のいずれか1項に記載のエアロゾル生成装置と、加熱炉(10)内に少なくとも部分的に挿入される棒状のエアロゾル基体とを含み、エアロゾル基体が、1個の分離壁(16)又は複数の分離壁(16)により変形及び圧縮されるべく寸法決めされているエアロゾル生成システム。
第3の態様
1.エアロゾル生成装置用の加熱炉(10)であって、
-棒状のエアロゾル発生基体を挿入する空洞(20、22)、基体を受容すべく開放された第1の終端、及び第2の終端を含む管状部材(12)と、
-第1の終端と第2の終端との間で管状部材(12)の内部を横断して伸長し、空洞(20、22)を少なくとも部分的に分離する少なくとも1個の平坦な支持壁(16)と、
-平坦な支持壁(16)に取り付けられた少なくとも1個の加熱器(18)とを含み、
平坦な支持壁(16)は、機械的固定具により管状部材(12)に固定されている加熱炉(10)。
2.加熱器(18)が、プレートと、それに取り付けられた加熱軌道等の加熱要素とを含む、項目1に記載の加熱炉(10)。
3.管状部材(12)が、平坦な支持壁(16)を間に挿入すべく構成された複数のレール(14)等の内部誘導部材を含んでいる、項目1又は2に記載の加熱炉(10)。
4.管状部材(12)及び/又は平坦な支持壁(16)が弾性材料で形成されている、項目1~3のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
5.管状部材(12)及び/又は平坦な支持壁(16)がPEEKで形成されている、項目4に記載の加熱炉(10)。
6.機械的固定具がクランプ固定具である、項目1~5のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
7.機械的固定具が、管状部材(12)の軸方向長さに沿って間隔を置いて配置された少なくとも2個のクランピングリング(28)を含んでいる、項目6に記載の加熱炉(10)。
8.クランピングリングがセルフロック式である、項目7に記載の加熱炉(10)。
9.管状部材(12)が、第1の終端と第2の終端との間で管状部材(12)の内部管状空洞(20、22)を横断して伸長する少なくとも2個の平坦な支持壁(16)を含み、各々の平坦な支持壁(16)が少なくとも1個の加熱器(18)を含んでいる、項目1~8のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
10.蓋又は栓(26)等の閉鎖具を更に含んでいる、項目1~9のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
11.空洞(20)を分離する第2の平坦な支持壁(16)を含んでいる、項目1~10のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
12.第2の平坦な支持壁(16)が第2の加熱器(18)を含んでいる、項目11に記載の加熱炉(10)。
13.第1及び第2の平坦な支持壁(16)が対向し、好適には管状部材(12)の長手軸方向平面の両側に対称に配置されている、項目11又は12に記載の加熱炉(10)。
14.制御部、電気供給部、及び項目1~13のいずれか1項に記載の加熱炉(10)を含む筐体を含んでいる、エアロゾル生成装置。
15.炉が熱断熱部材に包まれている、項目14に記載のエアロゾル生成装置。
第4の態様
1.支持プレート(16)と、支持プレート(16)の表面に取り付けられた加熱要素(18)とを含むエアロゾル生成装置用加熱器(10)であって、支持プレート(16)が長さ、幅及び厚さを有する実質的に立方体であり、厚さが長さ及び幅よりも小さく、支持プレート(16)が局所的に少なくとも1個のエンボスを有している、エアロゾル生成装置用加熱器(10)。
2.支持プレート(16)が、金属、好適にはステンレス鋼、PEEK等の高耐熱性プラスチック、又はこれらの組み合わせから製造されている、項目2に記載の加熱器(10)。
3.支持プレート(16)の厚さが、0.5mmよりも薄い、好適には0.1mmよりも薄い、最も好適には約0.07mmである、項目1~2のいずれか1項に記載の加熱器(10)。
4.エンボスがリブを有し、リブの長さが加熱器(10)の長さ方向に伸長し、深さが加熱器(10)の厚さ方向に伸長する、項目1~3のいずれか1項に記載の加熱器(10)。
5.支持プレート(16)が、加熱要素(18)が取り付けられた壁の表面の方向又は加熱要素(18)が取り付けられた表面とは反対側の壁の表面の方向に突出するリブを有している、項目1~4のいずれか1項に記載の加熱器(10)。
6.リブの断面がV字形又はU字形である、項目5に記載の加熱器。
7.加熱要素(18)とリブが、厚さ方向から見た場合に少なくとも部分的に重なっている、項目4~6のいずれか1項に記載の加熱器(10)。
8.加熱要素(18)が抵抗又は誘導加熱可能である、項目1~7のいずれか1項に記載の加熱器(10)。
9.支持プレート(16)と加熱要素(18)との間に電気絶縁層を含んでいる、項目1~8のいずれか1項に記載の加熱器(10)。
10.電気絶縁層が、電気絶縁ポリマー又はセラミック又はDLCである、項目9に記載の加熱器(10)。
11.エンボスが、支持プレート(16)の厚さよりも高い最大高を有している、項目1~10のいずれか1項に記載の加熱器(10)。
12.項目1~11のいずれか1項に記載の加熱器(10)と、第1の終端及び第2の終端と、項目1~11のいずれかに記載の少なくとも1個の加熱器(10)とを含む管状部材(12)とを含む加熱炉を含み、加熱器(10)が、第1の終端と第2の終端の間で管状部材(12)内を伸長する、エアロゾル生成装置。
13.加熱器(10)が管状部材(12)の内壁に取り付けられている、項目12に記載のエアロゾル生成装置。
14.加熱器(10)の長さが、管状部材(12)の軸方向に沿って伸長する、項目12又は13に記載のエアロゾル生成装置。
15.加熱器(10)が、エアロゾル形成基体を受容する管状部材(12)の中央空洞部分(20)を、管状部材(12)の周辺空洞部分(22)から分離する、項目12~14のいずれか1項に記載のエアロゾル生成装置。
第5の態様
1.真空(30)が封入された少なくとも1個の壁(28)を含む管状部材(12)と、管状部材(12)の内部管状空洞を横断して伸長する少なくとも1個の平坦な加熱器(18)とを含むエアロゾル生成装置用の加熱炉(10)であって、少なくとも1個の平坦な加熱器(18)が、管状部材(12)の第2の終端を貫通して伸長する電気接続部(24)を含む平坦な支持壁(16)に取り付けられており、少なくとも1個の閉鎖具(26)が、第2の終端を少なくとも部分的に閉鎖すべく構成されている加熱炉(10)。
2.少なくとも1個の壁(28)が金属製である、項目1に記載の加熱炉(10)。
3.少なくとも1個の壁(28)がPEEK等の高温耐性のプラスチック材料から製造されている、項目1又は2に記載の加熱炉(10)。
4.管状部材(12)が円筒形である、項目1~3のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
5.管状部材(12)の中央空洞部分(20)の容積が周辺空洞部分(22)よりも大きい、項目1~4のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
6.平坦な加熱器(18)が、プレート及びそれに取り付けられた加熱要素を含んでいる、項目1~5のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
7.平坦な加熱器(18)が、セラミック又は金属プレートに印刷された加熱器軌道を含んでいる、項目6に記載の加熱炉(10)。
8.加熱要素が中央空洞部分(20)又は周辺空洞部分(22)に面している、項目6又は7に記載の加熱炉(10)。
9.平坦な支持壁(16)が、平坦な加熱器(18)をその中に挿入すべく構成されたレール(14)等の誘導部材のペアを含んでいる、項目1~8のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
10.管状部材(12)が、第1の終端と第2の終端との間で管状部材(12)の内部管状空洞を横断して伸長する少なくとも2個の平坦な支持壁(16)を含み、各々の平坦な支持壁(16)が少なくとも1個の平坦な加熱器(18)を含んでいる、項目1~9のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
11.平坦な加熱器(18)が直列又は並列に取り付けられている、項目10に記載の加熱炉(10)。
12.平坦な加熱器(18)が抵抗性又は誘導性である、項目1~11のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
13.閉鎖具(26)が、PEEK、金属又はこれらの組み合わせ等の高温耐性のプラスチック材料から製造されている、項目1~12のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
14.閉鎖具(26)が蓋又は栓である、項目1~13のいずれか1項に記載の加熱炉(10)。
【国際調査報告】