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特表2024-506817空間的に分離されたレーザにわたる散乱信号を使用して液滴遅延を判定するための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】空間的に分離されたレーザにわたる散乱信号を使用して液滴遅延を判定するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/1429 20240101AFI20240207BHJP
   G01N 15/1434 20240101ALI20240207BHJP
   G01N 15/14 20240101ALI20240207BHJP
【FI】
G01N15/14 K
G01N15/14 D
G01N15/14 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544756
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-20
(86)【国際出願番号】 US2021062423
(87)【国際公開番号】W WO2022159190
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】63/141,272
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ガージ,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】オウズリー,キーガン
(72)【発明者】
【氏名】バール,マシュー
(57)【要約】
本開示の態様は、(例えば、粒子分析器内の)フローストリーム内の粒子の液滴遅延を判定するための方法を含む。ある特定の実施形態による方法は、フローストリーム内の粒子に、2つ以上の空間的に分離されたレーザで照射を行うことと、第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の粒子からの光を検出して、第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の検出された光に基づいて、フローストリーム内の粒子の速度を計算することと、計算された速度に基づいて、粒子の液滴遅延を判定することとを含む。2つ以上の空間的に分離されたレーザを有する光源と、主題の方法を実施するための光検出システムとを有するシステム(例えば、粒子分析器)もまた記載される。集積回路と、主題の方法に従って液滴遅延を判定するためのその上に記憶された命令を有する非一時的コンピュータ可読記憶媒体ともまた提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子分析器内のフローストリーム内の複数の粒子についての液滴遅延を判定するための方法であって、
前記フローストリーム内の前記複数の粒子を含む試料に、第1の検査領域内の第1のレーザ及び第2の検査領域内の第2のレーザで照射を行うことと、
第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の各粒子からの光を検出することと、
前記第1の光検出器チャネル及び前記第2の光検出器チャネル内の検出された光に基づいて、前記フローストリーム内の各粒子についての速度を計算することと、
前記粒子についての計算された速度に基づいて、各粒子の前記液滴遅延を判定することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第2のレーザが、前記第1のレーザから下流の位置で、前記フローストリームに照射を行うように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の光検出器チャネル内で検出された前記光に応答して、第1の光検出器信号パルスを生成することと、
前記第2の光検出器チャネル内で検出された前記光に応答して、第2の光検出器信号パルスを生成することと
を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の光検出器信号パルスと前記第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量、前記第1の光検出器信号パルスと前記第2の光検出器信号パルスとの間のピーク時間、又は前記第1の光検出器信号パルス及び前記第2の光検出器信号パルスの一次モーメントのうちの少なくとも1つを判定することを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
各光検出器信号パルスが、電圧パルスである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記粒子から検出される光が、散乱光である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記フローストリーム内の各粒子についての速度が、
前記第1の光検出器信号パルスと前記第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量と、
前記第1のレーザの前記検査領域と前記第2のレーザの前記検査領域との間の距離と
に基づいて計算される、請求項3~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
粒子分析器が、各粒子を含有する小滴を生成するためのフローセルノズルを有するフローセルを備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
各粒子についての前記液滴遅延が、前記フローストリーム内の各粒子についての計算された速度に、前記第1の検査領域又は第2の検査領域と前記フローセルノズルのオリフィスとの間の距離を乗算することによって判定される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、各粒子についての液滴遅延を調整することを更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記フローストリーム内の前記試料に複数のレーザで照射を行うことと、
複数の光検出器チャネル内の各粒子からの光を検出することと、
前記光検出器チャネルの各々内の検出された光に応答して、光検出器信号パルスを生成することと、
2つ以上の前記光検出器チャネル内の前記光検出器信号パルスに基づいて、前記試料内の各粒子についての速度を計算することと
を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のレーザが、互いに200μm以下離間した位置で、前記フローストリームに照射を行うように構成されている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
粒子分析器であって、
第1のレーザ及び第2のレーザを備える光源であって、フローストリーム内の複数の粒子を含む試料に、第1の検査領域内の前記第1のレーザ及び第2の検査領域内の前記第2のレーザで照射を行うように構成されている、光源と、
第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の前記試料内の各粒子からの光を検出するように構成された光検出器を備える、光検出システムと、
プロセッサであって、前記プロセッサに動作可能に結合されたメモリを備え、前記メモリが、前記メモリ上に記憶された命令を有し、前記命令が、前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、
前記第1の光検出器チャネル及び前記第2の光検出器チャネル内の検出された光に基づいて、前記フローストリーム内の各粒子についての速度を計算することと、
前記粒子についての前記計算された速度に基づいて、各粒子の前記液滴遅延を判定することと
を行わせる、プロセッサと
を備える、粒子分析器。
【請求項14】
粒子分析器内のフローストリーム内の試料内の複数の照射が行われた粒子の液滴遅延を判定するためにプログラムされた集積回路であって、
第1の光検出器チャネル内の照射が行われた粒子から検出された光と、第2の光検出器チャネル内で検出された光とに基づいて、前記フローストリーム内の前記試料内の各粒子についての速度を計算するためのプログラミングと、
計算された速度に基づいて、各粒子の前記液滴遅延を判定するためのプログラミングと
を備える、集積回路。
【請求項15】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
粒子分析器内のフローストリーム内の複数の粒子の液滴遅延を判定するための、前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記憶された命令を有し、
前記命令が、
フローストリーム内の前記複数の粒子を含む試料に、第1の検査領域内の第1のレーザ及び第2の検査領域内の第2のレーザで照射を行うためのアルゴリズムと、
第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の各粒子からの光を検出するためのアルゴリズムと、
前記第1の光検出器チャネル及び前記第2の光検出器チャネル内の検出された光に基づいて、前記フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するためのアルゴリズムと、
計算された速度に基づいて、各粒子についての前記液滴遅延を判定するためのアルゴリズムと
を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
フローサイトメータは、血液試料の細胞、又は任意の他のタイプの生体試料若しくは化学試料内の関心対象の粒子などの、流体試料内の粒子を分析及びソートするために使用される。フローセル内では、粒子を含有するストリームの周りに液体シースが形成されて、フローストリームに実質的に均一な速度を付与する。フローストリームは、流体工学システム及び所望のソートレートに適切であるノズル直径を有するノズルを介してフローセルを出る。フローセルは、ストリーム内の粒子(例えば、細胞)を、照射源(例えば、レーザビーム)の中心を通過するように流体力学的に集束させる。
【0002】
フローストリーム内の関心対象の粒子が照射源を通過する交差点は、しばしば検査ポイントと称される。関心対象の粒子(例えば、細胞)が検査ポイントを通って移動すると、照射源(例えば、レーザ)からの光が散乱される。この光は、また、流体試料に添加され、かつある特定の関心対象の細胞に付着した蛍光マーカーなどの、蛍光特性を有する細胞ストリーム内の成分を励起することができる。
【0003】
静電法によって細胞をソートするフローサイトメータでは、所望の細胞は、電気的に帯電された小滴内に含有される。小滴を帯電するために、フローセルは、帯電素子を含む。セルストリームは、実質的に下向きの垂直方向にフローセルを出ることから、小滴も、また、小滴が形成された後に、その方向に伝播する。標的粒子が検査レーザによって検出されるとき、標的粒子を含有する小滴に電荷が与えられる。液滴遅延値は、ターゲット粒子が検出されるレーザ検査ポイントと、小滴が連続フローストリームから分裂するポイントとの間の時間距離である。分裂ポイントの上流では、フローストリームは、連続的で、かつ接続されており、分裂ポイントの下流では、フローストリームは、離散的な小滴として分離されている。一般に、液滴遅延は、検査レーザで標的粒子を検出した後、小滴に電荷を与える前にセルソータが待つこととなる時間の量(液滴当量での)である。フローストリーム内に存在する粒子のサイズの変動、又はフローサイトメータ構成要素のドリフトは、フローストリーム内の液滴が関心対象の粒子を含有するか否かの予測可能性に影響を与える可能性がある。粒子を含有する小滴の不正確な予測(例えば、間違った小滴に電荷を与えること)は、定性分析に有害であり、不正確なセルソーティング、ソートされた試料の汚染、及び生体試料の定量的損失をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様は、フローストリーム内の(例えば、粒子分析器内の)複数の粒子についての液滴遅延を判定する方法を含む。ある特定の実施形態による方法は、フローストリーム内の複数の粒子を有する試料に、2つ以上の空間的に分離されたレーザで照射を行うことと、第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の各粒子からの光を検出して、第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の検出された光に基づいて、フローストリーム内の各粒子の速度を計算することと、計算された速度に基づいて、各粒子の液滴遅延を判定することとを含む。実施形態では、方法は、フローストリーム内の粒子に、第1の検査領域内の第1のレーザ及び第2の検査領域内の第2のレーザで照射を行うことを含む。いくつかの実施形態では、第2の検査領域は、第1のレーザの下流の位置にある。
【0005】
いくつかの実施形態では、方法は、第1の光検出器チャネル内で検出された光に応答して、第1の光検出器信号パルスを生成することと、第2の光検出器チャネル内で検出された光に応答して、第2の光検出器信号パルスを生成することとを含む。いくつかの実施形態では、信号パルスの各々は、各光検出器チャネル内で出力された電圧パルスである。いくつかの実施形態では、各光検出器チャネル内の信号パルスは、照射が行われた粒子からの散乱光から生成される。ある特定の実施形態では、第1の光検出器チャネル内の信号パルスは、第1のレーザによって照射が行われた各粒子からの散乱光に応答して生成され、第2の光検出器チャネル内の信号パルスは、第2のレーザによって照射が行われた各粒子からの散乱光に応答して生成される。
【0006】
フローストリーム内の粒子の速度を計算するために、いくつかの事例では、光検出器信号パルス間の時間の量が判定される。他の事例では、光検出器信号パルス間のピーク時間が判定される。他の事例では、光検出器信号パルスの一次モーメントが判定される。いくつかの事例では、フローストリーム内の各粒子の速度は、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量と、第1のレーザの検査領域と第2のレーザの検査領域との間の距離とに基づいて計算される。他の事例では、フローストリーム内の各粒子の速度は、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間のピーク時間と、第1のレーザの検査領域と第2のレーザの検査領域との間の距離とに基づいて計算される。他の場合、フローストリーム内の各粒子の速度は、光検出器信号パルスの一次モーメントと、第1のレーザの検査領域と第2のレーザの検査領域との間の距離とに基づいて計算される。
【0007】
いくつかの実施形態では、粒子分析器は、試料の粒子をソートするためなど、試料内の各粒子を含有する小滴を生成するためのフローセルノズルを有するフローセルを含む。ある特定の事例では、各粒子の液滴遅延は、フローストリーム内の粒子の計算された速度に、第1の検査領域又は第2の検査領域とフローセルノズルのオリフィスとの間の距離を乗算することによって判定される。いくつかの実施形態では、方法は、フローストリーム内の各粒子の計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、試料内の粒子についての液滴遅延を調整することを更に含む。他の実施形態では、方法は、フローストリーム内の各粒子の計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、粒子分析器の1つ以上のパラメータを調整することを更に含む。例えば、方法は、フローストリーム内の粒子の計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームを増加又は減少させることを含み得る。ある特定の事例では、小滴帯電(例えば、粒子ソータでの)のタイミングが調整され得る。
【0008】
ある特定の実施形態では、フローストリーム内の試料に、複数のレーザで照射が行われ、各粒子からの光は、複数の光検出器チャネル内で検出される。光検出器チャネルの各々内で検出された光に応答して、光検出器信号パルスが生成され、光検出器チャネルのうちの2つ以上内で生成された光検出器信号パルスに基づいて、各粒子についての速度が計算される。いくつかの事例では、複数のレーザの各々からの光が、別個の検出器チャネル内で検出される。いくつかの事例では、複数のレーザは、150μm以下など、120μm以下など、100μm以下など、50μm以下など、10μm以下などの、200μm以下だけ、いくつかの事例では10~150μmなどの1~200μmの範囲で、互いに離間した位置で、フローストリームに照射を行うように位置付けられている。ある特定の事例では、複数のレーザは、第1の検査領域内のフローストリームに照射を行うように構成された第1のレーザと、第1の検査領域から下流にある第2の検査領域内のフローストリームに照射を行うように構成された第2のレーザと、第2の検査領域から下流にある第3の検査領域内のフローストリームに照射を行うように構成された第3のレーザと、第3の検査領域から下流にある第4の検査領域内のフローストリームに照射を行うように構成された第4のレーザとを含む。ある特定の実施形態では、フローストリーム内の照射が行われた各粒子の速度は、3つ以上の光検出器チャネル内で生成された光検出器信号パルスに基づいて計算される。ある特定の事例では、フローストリーム内の照射が行われた各粒子の速度は、全ての光検出器チャネル内で生成された光検出器信号パルスに基づいて計算される。
【0009】
ある特定の事例では、各粒子についての速度及び液滴遅延のうちの1つ以上は、集積回路上で計算される。いくつかの実施形態では、集積回路は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)である。いくつかの実施形態では、集積回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。いくつかの実施形態では、集積回路は、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)である。
【0010】
本開示の態様は、また、主題の方法を実施するためのシステムを含む。いくつかの実施形態では、システムは、第1のレーザ及び第2のレーザを有する光源であって、第1の検査領域内の第1のレーザで、及び第2の検査領域内の第2のレーザで、フローストリーム内の試料の複数の粒子に照射を行うように構成されている、光源と、第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の各粒子からの光を検出するように構成された光検出器を有する光検出システムと、プロセッサであって、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサとを含み、メモリは、メモリ上に記憶された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の検出された光に基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算させ、かつ粒子についての計算された速度に基づいて、各粒子の液滴遅延を判定させる。いくつかの事例では、第2のレーザは、第1のレーザから、150μm以下など、120μm以下など、100μm以下など、50μm以下など、10μm以下などの、200μm以下である位置でなど、下流の位置で、いくつかの事例では、第1のレーザから10~150μmなどの、1~200μmの範囲の下流で、フローストリームに照射を行うように構成されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、メモリは、プロセッサに、第1の光検出器チャネル内で検出された光に応答して、第1の光検出器信号パルスを生成させ、かつ第2の光検出器チャネル内で検出された光に応答して、第2の光検出器信号パルスを生成させる命令を含む。いくつかの事例では、メモリは、プロセッサに、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量をさせる命令を含む。いくつかの事例では、メモリは、プロセッサに、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間のピーク時間を判定させる命令を含む。いくつかの事例では、メモリは、プロセッサに、第1の光検出器信号パルス及び第2の光検出器信号パルスの一次モーメントを判定させる命令を含む。いくつかの実施形態では、光検出器信号パルスのうちの1つ以上は、電圧パルスである。ある特定の実施形態では、光検出器信号パルスの各々は、電圧パルスである。いくつかの事例では、光検出器は、粒子からの散乱光を検出するように構成されている。ある特定の事例では、第1の検出器チャネル内で検出された光は、第1のレーザによって照射が行われた粒子からの散乱光である。ある特定の事例では、第2の検出器チャネル内で検出された光は、第2のレーザによって照射が行われた粒子からの散乱光である。
【0012】
いくつかの実施形態では、メモリは、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量と、第1のレーザの中断領域と第2のレーザの検査領域との間の距離とに基づいて、フローストリーム内の各粒子の速度を計算するための命令を含む。いくつかの事例では、粒子分析器は、各粒子を含有する小滴を生成するためのフローセルノズルを有するフローセルを含む。いくつかの事例では、メモリは、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度に、第1の検査領域又は第2の検査領域とフローセルノズルのオリフィスとの間の距離を乗算することによって、フローストリーム内の各粒子についての液滴遅延を計算するための命令を含む。いくつかの事例では、メモリは、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、液滴遅延を調整するための命令を含む。いくつかの事例では、メモリは、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、粒子分析器の1つ以上のパラメータを調整するための命令を含む。ある特定の事例では、メモリは、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を増加させるための命令を含む。他の事例では、メモリは、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を減少させるための命令を含む。ある特定の事例では、メモリは、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、小滴帯電のタイミングを調整するための命令を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、システムは、複数のレーザを有する光源と、複数の光検出器チャネル内のフローストリーム内の粒子からの光を検出するように構成された光検出システムとを含む。いくつかの事例では、システムは、複数の光検出器の各々内の検出された光に応答して、光検出器信号パルスを生成するための命令と、複数の光検出器チャネルのうちの2つ以上内の光検出器信号パルスに基づいて、試料内の各粒子についての速度を計算するための命令とを有するメモリを含む。いくつかの事例では、複数のレーザは、150μm以下など、120μm以下など、100μm以下など、50μm以下など、10μm以下などの、200μm以下だけ、いくつかの事例では10~150μmなどの1~200μmの範囲で、互いに離間した位置で、フローストリームに照射を行うように構成されている。ある特定の事例では、複数のレーザは、第1の検査領域内のフローストリームに照射を行うように構成された第1のレーザと、第1のレーザから下流の位置で、フローストリームに照射を行うように構成された第2のレーザと、第2のレーザから下流の位置で、フローストリームに照射を行うように構成された第3のレーザと、第3のレーザから下流の位置で、フローストリームに照射を行うように構成された第4のレーザとを含む。いくつかの実施形態では、メモリは、プロセッサによって実行されるときに、複数のレーザの各々によるフローストリームの照射のタイミングを計算するための命令を含む。いくつかの事例では、メモリは、3つ以上の光検出器チャネル内の光検出器信号パルスに基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するための命令を含む。
【0014】
本開示の態様は、また、フローストリーム内の試料内の複数の照射が行われた粒子の液滴遅延を判定するための集積回路を含む。ある特定の実施形態による集積回路は、第1の光検出器チャネル内の照射が行われた粒子から検出された光と、第2の光検出器チャネル内で検出された光とに基づいて、フローストリーム内の試料内の各粒子についての速度を計算するためのプログラミングと、計算された速度に基づいて、各粒子の液滴遅延を判定するためのプログラミングとを含む。いくつかの実施形態では、集積回路は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)である。いくつかの実施形態では、集積回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。いくつかの実施形態では、集積回路は、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)である。
【0015】
いくつかの実施形態では、集積回路は、第1の光検出器からの信号パルスと第2の光検出器からの信号パルスとの間の時間の量を判定するためのプログラミングを含む。いくつかの事例では、集積回路は、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間のピーク時間を判定するためのプログラミングを含む。いくつかの事例では、集積回路は、第1の光検出器信号パルス及び第2の光検出器信号パルスの一次モーメントを判定するためのプログラミングを含む。いくつかの実施形態では、集積回路は、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量に基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するためのプログラミングを含む。いくつかの実施形態では、集積回路は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度に、フローストリームの検査領域と、粒子を含有する小滴を生成するように構成されたフローセルノズルのオリフィスとの間の距離を乗算することによって、各粒子の液滴遅延を計算するためのプログラミングを含む。
【0016】
ある特定の実施形態では、集積回路は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、各粒子についての液滴遅延を調整するためのプログラミングを含む。いくつかの事例では、集積回路は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、粒子分析器の1つ以上のパラメータを調整するためのプログラミングを含む。いくつかの事例では、集積回路は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を増加させるためのプログラミングを含む。他の事例では、集積回路は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を減少させるためのプログラミングを含む。他の事例では、集積回路は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、小滴帯電のタイミングを調整するためのプログラミングを含む。
【0017】
本開示の態様は、また、フローストリーム内の試料内の複数の照射が行われた粒子の液滴遅延を判定するための非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。ある特定の実施形態による非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、フローストリーム内の複数の粒子を含む試料に、第1の検査領域内の第1のレーザ及び第2の検査領域内の第2のレーザで照射を行うためのアルゴリズムと、第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の各粒子からの光を検出するためのアルゴリズムと、第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の検出された光に基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するためのアルゴリズムと、計算された速度に基づいて、各粒子の液滴遅延を判定するためのアルゴリズムとを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、第1のレーザから下流の位置で、第2のレーザでフローストリームに照射を行うためのアルゴリズムを有する命令を含む。いくつかの事例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、第1の光検出器チャネル内で検出された光に応答して第1の光検出器信号パルスを生成するためのアルゴリズムと、第2の光検出器チャネル内で検出された光に応答して第2の光検出器信号パルスを生成するためのアルゴリズムとを含む。いくつかの事例では、命令は、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量を判定するためのアルゴリズムを含む。いくつかの事例では、命令は、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間のピーク時間を判定するためのアルゴリズムを含む。いくつかの事例では、命令は、第1の光検出器信号パルス及び第2の光検出器信号パルスの一次モーメントを判定するためのアルゴリズムを含む。いくつかの事例では、命令は、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量と、第1のレーザと第2のレーザとの間の距離とに基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するためのアルゴリズムを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、粒子を含有する小滴を生成するためのフローセルノズルを有するフローセルを有する粒子分析器の一部であり、命令は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度に、第1の検査領域又は第2の検査領域とフローセルノズルのオリフィスとの間の距離を乗算することによって、フローストリーム内の各粒子についての液滴遅延を計算するためのアルゴリズムを含む。いくつかの事例では、命令は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、各粒子の液滴遅延を調整するためのアルゴリズムを含む。いくつかの事例では、命令は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、粒子分析器の1つ以上のパラメータを調整するためのアルゴリズムを含む。ある特定の事例では、命令は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を増加させるための命令を含む。他の事例では、命令は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を減少させるための命令を含む。他の事例では、命令は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度に基づいて、小滴帯電のタイミングを調整するためのアルゴリズムを含む。他の事例では、命令は、フローストリーム内の試料に複数のレーザで照射を行うためのアルゴリズムと、複数の光検出器チャネル内の各粒子からの光を検出するためのアルゴリズムと、光検出器チャネルの各々内の検出された光に応答して光検出器信号パルスを生成するためのアルゴリズムと、光検出器チャネルのうちの2つ以上内の光検出器信号パルスに基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するためのアルゴリズムとを含む。ある特定の事例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、レーザの各々によるフローストリームの照射のタイミングを計算するためのアルゴリズムを有する命令を含む。他の事例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、3つ以上の光検出器チャネル内の光検出器信号パルスに基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するためのアルゴリズムを有する命令を含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明は、添付の図面と併せて読む場合、以下の詳細な説明から最もよく理解することができる。図面には、以下の図が含まれる。
【0021】
図1】ある特定の実施形態による、フローストリーム内の粒子速度の不均一性を示す。
図2A】ある特定の実施形態による、フローストリーム内の粒子の速度を判定することを示し、3つの空間的に分離されたレーザを使用した粒子の照射に応答した信号パルスの生成を示す。
図2B】ある特定の実施形態による、フローストリーム内の粒子の速度を判定することを示し、フローストリームに沿って3つの異なる位置で生成された信号パルスを使用した、フローストリーム内の粒子の速度の計算を示す。
図3】ある特定の実施形態による、フローストリーム内の試料内の複数の粒子の液滴遅延を判定するためのフローチャートを示す。
図4A】ある特定の実施形態による、粒子分析システムの機能ブロック図を示す。
図4B】ある特定の実施形態によるフローサイトメータを示す。
図5】ある特定の実施形態による粒子分析器制御システムの一実施例のための機能ブロック図を示す。
図6A】ある特定の実施形態による、粒子ソータシステムの概略図を示す。
図6B】ある特定の実施形態による、粒子ソータシステムの概略図を示す。
図7】ある特定の実施形態による、コンピューティングシステムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の態様は、フローストリーム内の(例えば、粒子分析器内の)複数の粒子についての液滴遅延を判定する方法を含む。ある特定の実施形態による方法は、フローストリーム内の複数の粒子を有する試料に、2つ以上の空間的に分離されたレーザで照射を行うことと、第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の各粒子からの光を検出して、第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の検出された光に基づいて、フローストリーム内の各粒子の速度を計算することと、計算された速度に基づいて、各粒子の液滴遅延を判定することとを含む。
【0023】
本発明がより詳細に説明される前に、本発明は、説明される特定の実施形態に限定されるものではなく、したがって、もちろん、変化し得ることが理解されるべきである。また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになるため、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する対象となるためのものであり、限定することが意図されるものではないことも理解されるべきである。
【0024】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別段の指示をしない限り、その範囲の上限と下限との間の、下限の単位の10分の1までの各中間値、及びこの記載の範囲内の任意の他の記載される値又は中間値が本発明に包含されると理解する。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、独立して、より小さな範囲に含まれ得、また、記述の範囲内の任意の特定の除外された限界に従うことを条件として、本発明内に包含される。記述の範囲が、限界の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる限界の一方又は両方を除外する範囲も、また、本発明に含まれる。
【0025】
本明細書では、数値の前に「約」という用語が付けられて、ある特定の範囲が提示される。「約」という用語は、本明細書では、それが先行する正確な数、並びにその用語が先行する数に近いか又はほぼそれである数についての文字上の支持を提供するために使用される。ある数が、具体的に列挙された数に近いか又はほぼその数であるかを決定する際に、列挙されていない数に近いか又はほぼその数は、提示される文脈において、具体的に列挙された数の実質的な同等性を提供する数であり得る。
【0026】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者に一般に理解される意味と同じ意味を有する。また、本明細書に記載のものと同様の又は同等な任意の方法及び材料が、本発明の実施又は試験に使用され得るが、代表的な例示的な方法及び材料が以下に記載される。
【0027】
本明細書で引用される全ての刊行物及び特許は、あたかも各個々の刊行物又は特許が参照によって組み込まれるように具体的かつ個々に示されているかのように、参照によって組み込まれ、参照によって本明細書に組み込まれることによって、それらの刊行物が引用される関連した方法及び/又は材料を開示及び記載する。任意の刊行物の引用は、出願日以前のその開示についてのものであり、本発明が、先行発明の特色によってそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。更に、提供される刊行物の日付は、実際の公開日とは異なり得、これらは独立して確認する必要があり得る。
【0028】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、別途文脈が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、あらゆる任意選択の要素を排除するように設計され得ることに更に留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連する「単独で」、「のみ」などのそのような排他的な用語の使用、又は「否定的」限定の使用の先行詞として機能することが意図される。
【0029】
本開示を読むと当業者には明らかであるように、本明細書に記載及び例証される個々の実施形態の各々は、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るか、又はこれらと組み合わされ得る別個の構成要素及び特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙された事象の順序、又は論理的に可能な任意の他の順序で実行され得る。
【0030】
装置及び方法は、機能的な説明を伴う文法的流動性を有するか、又はこれのために記載されるが、特許請求の範囲は、米国特許法第112条下で明示的に策定されない限り、「手段」又は「ステップ」制限の構築によって必ずしもいかようにかに制限されると解釈されるものではなく、均等物の法制定基礎原則の下で特許請求の範囲によって提供される定義の意味及び均等物の全範囲を付与されるものであり、特許請求の範囲が米国特許法第112条下で明示的に策定される場合、米国特許法第112条下で完全な法定均等物が付与されるものであることを明示的に理解されたい。
【0031】
上記にまとめたように、本開示は、フローストリーム内の複数の粒子についての液滴遅延を判定するための方法及びシステム(例えば、粒子分析器の光検出器)を提供する。本開示の実施形態の更なる記載において、第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の各粒子からの光を検出することと、各光検出器チャネル内のフローストリーム内の各粒子の速度を計算することと、計算された速度に基づいて各粒子の液滴遅延を判定することとを含む方法を、最初に、より詳細に記載する。次に、主題の方法を実施するための光源及び光検出器を有するシステム(例えば、粒子分析器)を記載する。また、主題の方法による複数の粒子の各々についての液滴遅延を判定するためのプログラミングを有する非一時的コンピュータ可読記憶媒体及び集積回路を提供する。
【0032】
フローストリーム内の複数の粒子についての液滴遅延を判定するための方法
本開示の態様は、例えば粒子分析器内などの、フローストリーム内の複数の粒子についての液滴遅延を判定するための方法を含む。本明細書に記載の方法は、フローストリーム内の個々の粒子毎の動的な粒子速度判定を提供する。ある特定の事例では、主題の方法は、照射が行われた試料内の関心対象のあらゆる粒子の速度を個々に判定することを提供する。本明細書に記載の方法は、また、リアルタイムでの動的粒子液滴遅延判定と、試料内の関心対象の各粒子についての固有の液滴遅延を判定することとを提供する。ある特定の事例では、主題の方法は、照射が行われた試料内の関心対象のあらゆる粒子の液滴遅延を個々に判定することを提供する。ある特定の実施形態では、主題の方法は、より正確かつ一貫した粒子ソーティングを提供する。いくつかの実施形態では、粒子ソーティングパラメータを、更なるユーザ介入無しに、リアルタイムなどで決定及び調整することができる。実施形態では、主題の開示による粒子ソーティングは、より大きな全体的な粒子ソート収率を呈する。
【0033】
ある特定の実施形態による方法は、フローストリーム内の複数の粒子を有する試料に、2つ以上の空間的に分離されたレーザで照射を行うことを含む。ある特定の実施形態では、フローストリーム内の粒子に、1つ以上の所定の時間間隔で連続波光源で照射が行われる。「連続波光源」という用語は、本明細書では、遮断されない光束を提供し、かつ光強度のほとんど又は全く望ましくない変化を伴わずにフローストリーム内の粒子の照射を維持する光源を指すように、その従来の意味で使用される。いくつかの実施形態では、連続光源は、非パルス化又は非ストロボ照射を放出する。ある特定の実施形態では、連続光源は、実質的に一定の放出光強度を提供する。例えば、連続光源は、照射の時間間隔中に、照射の時間間隔中の放出光強度が0.000001%以下だけ変動する場合を含む、9%以下だけなど、8%以下だけなど、7%以下だけなど、6%以下だけなど、5%以下だけなど、4%以下だけなど、3%以下だけなど、2%以下だけなど、1%以下だけなど、0.5%以下だけなど、0.1%以下だけなど、0.01%以下だけなど、0.001%以下だけなど、0.0001%以下だけなど、0.00001%以下だけなどの、10%以下だけ変動する照射の時間間隔中の放出光強度を提供し得る。光出力の強度は、光検出器タイプの中でも、走査スリットプロファイラ、電荷結合デバイス(増感型電荷結合デバイスICCDなどのCCD)、測位センサ、電力センサ(例えば、熱電対列電力センサ)、光学電力センサ、エネルギーメータ、デジタルレーザ光度計、レーザダイオード検出器を含むがこれらに限定されない、任意の好都合なプロトコルによって測定することができる。
【0034】
ある特定の実施形態では、フローストリーム内の粒子に、1つ以上の所定の時間間隔でパルス光源で照射が行われる。「パルス光源」という用語は、本明細書では、各時間間隔が所定の照射持続時間(すなわち、パルス幅)を有する所定の時間間隔で光を放出する光源を指すための、その従来の意味で使用される。ある特定の実施形態では、パルス光源は、周期的な光の点滅で光検出器に照射を行うように構成されている。例えば、各光パルスの周波数は、100kHz以上を含む、0.0005kHz以上など、0.001kHz以上など、0.005kHz以上など、0.01kHz以上など、0.05kHz以上など、0.1kHz以上など、0.5kHz以上など、1kHz以上など、2.5kHz以上など、5kHz以上など、10kHz以上など、25kHz以上など、50kHz以上などの、0.0001kHz以上であり得る。ある特定の事例では、光源によるパルス照射の周波数は、1kHz~100kHzを含む、0.00005kHz~900kHzなど、0.0001kHz~800kHzなど、0.0005kHz~700kHzなど、0.001kHz~600kHzなど、0.005kHz~500kHzなど、0.01kHz~400kHzなど、0.05kHz~300kHzなど、0.1kHz~200kHzなどの、0.00001kHz~1000kHzの範囲である。各光パルスの光照射の持続時間(すなわち、パルス幅)は、変動してもよく、500ミリ秒以上を含む、0.000005ミリ秒以上など、0.00001ミリ秒以上など、0.00005ミリ秒以上など、0.0001ミリ秒以上など、0.0005ミリ秒以上など、0.001ミリ秒以上など、0.005ミリ秒以上など、0.01ミリ秒以上など、0.05ミリ秒以上など、0.1ミリ秒以上など、0.5ミリ秒以上など、1ミリ秒以上など、2ミリ秒以上など、3ミリ秒以上など、4ミリ秒以上など、5ミリ秒以上など、10ミリ秒以上など、25ミリ秒以上など、50ミリ秒以上など、100ミリ秒以上などの、0.000001ミリ秒以上であり得る。例えば、光照射の持続時間は、10ミリ秒~300ミリ秒を含む、0.000005ミリ秒~950ミリ秒など、0.00001ミリ秒~900ミリ秒など、0.00005ミリ秒~850ミリ秒など、0.0001ミリ秒~800ミリ秒など、0.0005ミリ秒~750ミリ秒など、0.001ミリ秒~700ミリ秒など、0.005ミリ秒~650ミリ秒など、0.01ミリ秒~600ミリ秒など、0.05ミリ秒~550ミリ秒など、0.1ミリ秒~500ミリ秒など、0.5ミリ秒~450ミリ秒など、1ミリ秒~400ミリ秒など、5ミリ秒~350ミリ秒などの、0.000001ミリ秒~1000ミリ秒の範囲であり得る。
【0035】
実施形態では、光源は、任意の便利な光源であってもよく、レーザ光源及び非レーザ光源を含んでもよい。ある特定の実施形態では、光源は、特定の波長又は狭い範囲の波長を放射する狭帯域光源などの、非レーザ光源である。いくつかの事例では、狭帯域光源は、40nm以下など、30nm以下など、25nm以下など、20nm以下など、15nm以下など、10nm以下など、5nm以下など、2nm以下などの、例えば50nm以下などの狭い範囲の波長を有する光を放出し、特定の波長の光(すなわち、単色光)を放出する光源を含む。狭波長LEDなどの、任意の便利な狭帯域光源プロトコルが採用されてもよい。
【0036】
他の実施形態では、光源は、1つ以上の光学バンドパスフィルタ、回折格子、モノクロメータ、又はこれらの任意の組み合わせに結合された、広帯域光源などの、広帯域光源である。いくつかの事例では、広帯域光源は、500nm以上に及ぶものを含む、100nm以上など、150nm以上など、200nm以上など、250nm以上など、300nm以上など、350nm以上など、400nm以上などの、例えば50nm以上に及ぶなどの、広い範囲の波長を有する光を放出する。例えば、ある好適な広帯域光源は、200nm~1500nmの波長を有する光を放出する。好適な広帯域光源の別の実施例は、400nm~1000nmの波長を有する光を放出する光源を含む。広帯域光源の中でも、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、安定化ファイバ結合広帯域光源、連続スペクトルを有する広帯域LED、超高輝度発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広域スペクトルLED白色光源、マルチLED統合白色光源、又はそれらの任意の組み合わせなど、任意の好都合な広帯域光源プロトコルが採用され得る。ある特定の実施形態では、光源は、LEDのアレイを含む。ある特定の事例では、光源は、各単色発光ダイオードが異なる波長を有する光を出力する、複数の単色発光ダイオードを含む。いくつかの事例では、光源は、複数の多色発光ダイオードが、500nm~1200nmを含む、225nm~1475nmなど、250nm~1450nmなど、275nm~1425nmなど、300nm~1400nmなど、325nm~1375nmなど、350nm~1350nmなど、375nm~1325nmなど、400nm~1300nmなど、425nm~1275nmなど、450nm~1250nmなど、475nm~1225nmなどの、200nm~1500nmの範囲のスペクトル幅の範囲を有する光をまとめて出力する場合などの、所定のスペクトル幅を有する光を出力する複数の多色発光ダイオードを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、光源は、パルス波レーザ又は連続波レーザなどのレーザである。例えば、レーザは、紫外線ダイオードレーザ、可視ダイオードレーザ、及び近赤外線ダイオードレーザなどのダイオードレーザであってもよい。他の実施形態では、レーザは、ヘリウムネオン(HeNe)レーザであり得る。いくつかの事例では、レーザは、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、又はキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザ、若しくはそれらの組み合わせなどのガスレーザである。他の事例では、主題のシステムは、スチルベンレーザ、クマリンレーザ、又はローダミンレーザなどの色素レーザを含む。更に他の事例では、関心対象のレーザは、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザ、又は金レーザ、及びそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザを含む。更に他の事例では、主題のシステムは、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、スリムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Ybレーザ、又はセリウムドープレーザ、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、光源は、狭帯域幅光源である。いくつかの事例では、光源は、400nm~800nmを含む、250nm~1250nmなど、300nm~1000nmなど、350nm~900nmなどの、200nm~1500nmの特定の波長を出力する光源である。ある特定の実施形態では、連続波光源は、365nm、385nm、405nm、460nm、490nm、525nm、550nm、580nm、635nm、660nm、740nm、770nm、又は850nmの波長を有する光を放出する。
【0039】
いくつかの実施形態では、光源は、例えば、光源の1つ以上の構成要素の出力スペクトルが、20nm以上だけを含む、2nm以上だけなど、3nm以上だけなど、4nm以上だけなど、5nm以上だけなど、6nm以上だけなど、7nm以上だけなど、8nm以上だけなど、9nm以上だけなど、10nm以上だけなどの、1nm以上だけ重複する場合などの、重複する波長を有する光を放出する。いくつかの実施形態では、光源によって放出される光の波長は、重複を呈さない。例えば、光源の出力スペクトルは、20nm以上だけを含む、2nm以上だけなど、3nm以上だけなど、4nm以上だけなど、5nm以上だけなど、6nm以上だけなど、7nm以上だけなど、8nm以上だけなど、9nm以上だけなど、10nm以上だけなどの、1nm以上だけ分離され得る。
【0040】
実施形態では、フローストリーム内の粒子に、7つ以上を含む、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上の空間的に分離された光源などの、2つ以上の空間的に分離された光源で照射が行われる。いくつかの実施形態では、1つ以上の光源は、レーザであり、フローストリーム内の粒子に、7つ以上を含む、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上の空間的に分離されたレーザなどの、1つ以上の空間的に分離されたレーザで照射が行われる。以下により詳細に記載されるように、各光源は、フローストリーム上の別異する位置に照射を行うように構成されている。いくつかの事例では、光源の各々は、100μm以上だけを含む、0.05μm以上だけなど、0.1μm以上だけなど、0.5μm以上だけなど、1μm以上だけなど、2μm以上だけなど、3μm以上だけなど、4μm以上だけなど、5μm以上だけなど、10μm以上だけなど、15μm以上だけなど、25μm以上だけなど、50μm以上だけなどの、0.01μm以上だけ互いに離間したフローストリーム上の位置に独立に照射を行うように構成されている。例えば、光源の各々は、10μm~100μmを含む、0.05μm~450μmなど、0.1μm~400μmなど、0.5μm~350μmなど、1μm~200μmなど、5μm~150μmなどの、0.01μm~500μmの距離だけ互いに離間したフローストリーム上の位置に独立に照射を行うように構成されている。ある特定の事例では、光源の各々は、5μm以下だけ離間したフローストリーム上の位置を含む、9μm以下など、8μm以下など、7μm以下など、6μm以下などの、10μm以下だけ互いに離間したフローストリーム上の位置に独立に照射を行うように構成されている。
【0041】
いくつかの実施形態では、方法は、フローストリーム内の粒子に、第1の検査領域内の第1のレーザ及び第2の検査領域内の第2のレーザで照射を行うことを含む。各検査領域のサイズは、ノズルオリフィスのサイズ及び試料注入ポートサイズ(以下により詳細に記載されるような)などの、フローストリームを生成するために使用されるフローノズルの特性に応じて変わり得る。実施形態では、検査領域は、10mm以上を含む、0.05mm以上など、0.1mm以上など、0.5mm以上など、1mm以上など、2mm以上など、3mm以上など、5mm以上などの、0.01mm以上である幅を有し得る。検査領域の長さも変わり得、いくつかの事例では、50mm以上を含む、0.1mm以上など、0.5mm以上など、1mm以上など、1.5mm以上など、2mm以上など、3mm以上など、5mm以上など、10以上など、15mm以上など、20mm以上など、25mm以上などの、0.01mm以上に沿った範囲で変わり得る。
【0042】
フローストリームに、100mm以上の距離におけるものを含む、0.005mm以上など、0.01mm以上など、0.05mm以上など、0.1mm以上など、0.5mm以上など、1mm以上など、5mm以上など、10mm以上など、25mm以上などの、0.001mm以上の距離におけるなどの、任意の好適な距離から各光源によって照射が行われ得る。加えて、フローストリームの照射は、30°~60°、例えば90°の角度を含む、15°~85°など、20°~80°など、25°~75°などの、10°~90°の範囲の角度におけるなどの任意の好適な角度であり得る。
【0043】
主題の方法を実施する際に、各粒子からの光は、光検出システムによって検出される。実施形態では、光検出システムは、10個以上の光検出器を含む、2つ以上など、3つ以上など、4つ以上など、5つ以上など、6つ以上など、7つ以上など、8つ以上など、9つ以上などの、1つ以上の光検出器を含む。本主題の方法を実施するための光検出器は、限定されるものではないが、光検出器の中でも、アクティブピクセルセンサ(APS)、象限フォトダイオード、画像センサ、電荷結合デバイス(CCD)、強化電荷結合デバイス(ICCD)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、焦電検出器、光抵抗器、太陽電池、フォトダイオード、光電子増倍管、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体又はフォトダイオード、並びにこれらの組み合わせなどの光センサ又は光検出器を含む、任意の好都合な光検出プロトコルであってもよい。ある特定の実施形態では、光検出器は、1cm~5cmを含む、0.05cm~9cmなど、0.1cm~8cmなど、0.5cm~7cmなどの、0.01cm~10cmの範囲の各領域の活性な検出表面積を有する光電子増倍管などの光電子増倍管である。
【0044】
フローストリーム内の粒子から400個以上の異なる波長の光を測定することを含めて、2つ以上の波長など、5つ以上の異なる波長など、10個以上の異なる波長など、25個以上の異なる波長など、50個以上の異なる波長など、100個以上の異なる波長など、200個以上の異なる波長など、300個以上の異なる波長などの、1つ以上の波長の光が光検出器によって測定され得る。光は、連続的に、又は離散的な間隔で測定され得る。いくつかの事例では、関心対象の検出器は、光の測定を連続的に行うように構成されている。他の事例では、関心対象の検出器は、1000ミリ秒毎を含む、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、又は何らかの他の間隔毎に光を測定するなど、離散間隔において測定するように構成される。
【0045】
光源からの光の測定は、離散的な各間隔中に、10回以上を含めて、2回以上など、3回以上など、5回以上など、1回以上行われ得る。ある特定の実施形態では、光源からの光は、光検出器によって2回以上測定され、ある特定の事例では、データが平均化される。
【0046】
いくつかの実施形態では、試料内の各粒子から検出された光は、明視野光検出器で検出された光などの透過光である。他の実施形態では、試料内の各粒子から検出された光は、粒子ルミネッセンス(すなわち、蛍光又はリン光)などの放出光である。これらの実施形態では、各粒子は、2つ以上の光源による照射に応答して蛍光を放出する1つ以上のフルオロフォアを含み得る。例えば、各粒子は、10個以上の光検出器を含む、3つ以上など、4つ以上など、5つ以上など、6つ以上など、7つ以上など、8つ以上など、9つ以上などの、2つ以上の光検出器を含み得る。いくつかの事例では、各粒子は、第1のレーザによる照射に応答して蛍光を放出する第1のフルオロフォアと、第2のレーザによる照射に応答して蛍光を放出する第2のフルオロフォアとを含む。いくつかの実施形態では、関心対象のフルオロフォアとしては、限定されるものではないが、アクリジン染料、アントラキノン染料、アリールメタン染料、ジアリールメタン染料(例えば、ジフェニルメタン染料)、クロロフィル含有染料、トリアリールメタン染料(例えば、トリフェニルメタン染料)、アゾ染料、ジアゾニウム染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、フタロシアニン染料、シアニン染料、非対称シアニン染料、キノン-イミン染料、アジン染料、ユーロジン染料、サフラニン染料、インダミン、インドフェノール染料、フルオリン染料、オキサジン染料、オキサゾン染料、チアジン線量、チアゾール染料、キサンテン染料、フルオレン染料、ピロニン染料、フッ素染料、ローダミン染料、フェナントリジン染料、並びに上記の染料のうちの2つ以上を組み合わせた(例えば、タンデムでの)染料、1つ以上のモノマー染料単位を有するポリマー染料、及びそれらの上記の染料のうちの2つ以上の混合物などの、分析用途(例えば、フローサイトメトリ、撮像など)での使用に好適な染料が挙げられ得る。多数の染料が、例えば、Molecular Probes(Eugene,OR)、Dyomics GmbH(Jena,Germany)、Sigma-Aldrich(St.Louis,MO)、Sirigen,Inc.(Santa Barbara,CA)、及びExciton(Dayton,OH)などの様々な供給源から市販されている。例えば、フルオロフォアとしては、4-アセトアミド-4’-イソチオシアナトスチルベン-2,2’ジスルホン酸;アクリジン、並びにアクリジン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、アクリジンレッド、及びアクリジンイソチオシアネートなどの誘導体;アロフィコシアニン、フィコエリトリン、ペリジニン-クロロフィルタンパク質、5-(2’-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS);4-アミノ-N-[3-ビニルスルホニル)フェニル]ナフタルイミド-3,5ジスルホネート(ルシファーイエローVS);N-(4-アニリノ-1-ナフチル)マレイミド;アントラニルアミド;ブリリアントイエロー;クマリン、及びクマリン、7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7-アミノ-4-トリフルオロメチルクマリン(クマラン151)などの誘導体;シアニン、並びにシアノシン、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、及びCy7などの誘導体;4’,6-ジアミニジノ-2-フェニルインドール(DAPI);5’,5’’-ジブロモピロガロール-スルホンフタレイン(ブロモピロガロールレッド);7-ジエチルアミノ-3-(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン;ジエチルアミノクマリン;ジエチレントリアミン五酢酸塩;4,4’-ジイソチオシアナトジヒドロ-スチルベン-2,2’-ジスルホン酸;4,4’-ジイソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;5-[ジメチルアミノ]ナフタレン-1-スルホニルクロライド(DNS、ダンシルクロライド);4-(4’-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL);4-ジメチルアミノフェニルアゾフェニル-4’-イソチオシアネート(DABITC);エオシン、並びにエオシン及びエオシンイソチオシアネートなどの誘導体;エリスロシン、並びにエリスロシンB及びエリスロシンイソチオシアネートなどの誘導体;エチジウム;フルオレセイン、並びに5-カルボキシフルオレセイン(FAM)、5-(4,6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’7’-ジメトキシ-4’5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フルオレセインクロロトリアジニル、ナフトフルオレセイン、及びQFITC(XRITC)などの誘導体;フルオレスカミン;IR144;IR1446;緑色蛍光タンパク質(GFP);サンゴ礁蛍光タンパク質(RCFP);Lissamine(商標);リサミンローダミン、ルシファーイエロー;マラカイトグリーンイソチオシアネート;4-メチルウンベリフェロン;オルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラローザニリン;ナイルレッド;オレゴングリーン;フェノールレッド;B-フィコエリトリン;o-フタルジアルデヒド;ピレン、並びにピレン、ピレンブチレート及びスクシンイミジル1-ピレンブチレートなどの誘導体;リアクティブレッド4(Cibacron(商標)ブリリアントレッド3B-A);ローダミン、並びに6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、6-カルボキシローダミン(R6G)、4,7-ジクロロローダミンリサミン、ローダミンB塩化スルホニル、ローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101の塩化スルホニル誘導体(テキサスレッド)、N,N,N’,N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)、テトラメチルローダミン、及びテトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)などの誘導体;リボフラビン;ロソリン酸及びテルビウムキレート誘導体;キサンテン;フルオレセインイソチオシアネートデキストランなどの色素共役ポリマー(すなわち、ポリマー結合色素)、並びに2つ以上の色素を(例えば、タンデムで)組み合わせた色素、1つ以上のモノマー色素単位を有するポリマー色素、及び上記の染料のうちの2つ以上の混合物、又はそれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0047】
いくつかの事例では、フルオロフォア(すなわち、染料)は、蛍光ポリマー色素である。主題の方法及びシステムで利用される蛍光ポリマー染料は、様々である。方法のいくつかの事例では、ポリマー色素は、共役ポリマーを含む。共役ポリマー(CP)は、交互の不飽和結合(例えば、二重結合及び/又は三重結合)及び飽和(例えば、単結合)結合の主鎖を含む非局在化電子構造によって特徴付けられ、π電子は、一方の結合から他方の結合に移動することができる。したがって、共役主鎖は、ポリマーの反復単位間の結合角度を制限して、ポリマー色素に、延伸した線状構造を付与し得る。例えば、タンパク質及び核酸は、ポリマーでもあるが、いくつかの場合では、延伸したロッド構造を形成せず、むしろ高次の三次元形状に折り畳まれる。加えて、CPは、「リジッドロッド」ポリマー骨格を形成し、ポリマー骨格鎖に沿ったモノマー反復単位間の制限されたツイスト(例えば、ねじれ)角度を経験し得る。いくつかの事例では、ポリマー色素は、リジッドロッド構造を有するCPを含む。上記にまとめたように、高分子染料の構造特性は、分子の蛍光特性に影響を及ぼし得る。
【0048】
任意の好都合なポリマー色素が、主題の方法及びシステムで利用され得る。いくつかの事例では、高分子染料は、フルオロフォアの蛍光出力を増幅するために光を収集することができる構造を有するマルチクロモフォアである。いくつかの事例では、ポリマー色素は、光を収集し、かつこの光をより長い波長の放出光に効率的に変換することができる。いくつかの場合では、ポリマー色素は、近くの発光種(例えば、「シグナル伝達クロモフォア」)に効率的にエネルギーを伝達することができる光収集マルチクロモフォア系を有する。エネルギー伝達のための機構としては、例えば、共振エネルギー伝達(例えば、Forster(又は蛍光)共振エネルギー伝達、FRET)、量子電荷交換(Dexterエネルギー伝達)などが挙げられる。いくつかの事例では、これらのエネルギー伝達機構は、比較的短距離であり、すなわち、シグナル伝達クロモフォアへの光収集マルチクロモフォア系の近接は、効率的なエネルギー伝達を提供する。効率的なエネルギー伝達のための条件下では、シグナル伝達クロモフォアからの放出の増幅は、光収集マルチクロモフォア系内の個々のクロモフォアの数が多いときに生じ、すなわち、シグナル伝達クロモフォアからの放出は、入射光(「励起光」)が、シグナル伝達クロモフォアがポンプ光によって直接励起されるときよりも、光収集マルチクロモフォア系によって吸収される波長にあるときに、シグナル伝達クロモフォアからの放出は、より強い。
【0049】
マルチクロモフォアは、共役ポリマーであり得る。共役ポリマー(CP)は、非局在化電子構造によって特徴付けられ、化学的標的及び生物学的標的のための高応答性光学レポータとして使用され得る。有効共役長がポリマー鎖の長さよりも実質的に短いため、骨格は、近接した多数の共役セグメントを含有する。したがって、共役ポリマーは、光収集に効率的であり、エネルギー伝達を介した光増幅を可能にする。
【0050】
いくつかの事例では、ポリマーは、直接蛍光レポータ、例えば、高消光係数、高輝度などを有する蛍光ポリマーとして使用され得る。いくつかの事例では、ポリマーは、色又は光学密度が指標として使用される強力な発色団として使用され得る。
【0051】
関心対象の高分子染料として、限定されるものではないが、米国公開第2004/0142344号、同第2008/0293164号、同第2008/0064042号、同第2010/0136702号、同第2011/0256549号、同第2012/0028828号、同第2012/0252986号、同第2013/0190193号、及び同第2016/0025735号(これらの開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる)でGaylord et al.によって、並びにGaylord et al.,J.Am.Chem.Soc.,2001,123(26),pp6417-6418、Feng et al.,Chem.Soc.Rev.,2010,39,2411-2419、及びTraina et al.,J.Am.Chem.Soc,2011,133(32),pp12600-12607(これらの開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる)によって記載されたそれらの染料が挙げられる。
【0052】
ある特定の実施形態では、試料から検出される光は、散乱光である。「散乱光」という用語は、本明細書では、光ビームの反射、屈折、又は偏向などによって、入射ビーム経路から偏向された(例えば、フローストリーム内で流れている)試料内の粒子からの光エネルギーの伝播を指すための、その従来の意味で使用される。ある特定の事例では、フローストリーム内の粒子から検出された散乱光は、前方散乱光(FSC)である。他の事例では、フローストリーム内の粒子から検出された散乱光は、側方散乱光である。更に他の事例では、フローストリーム内の粒子から検出された散乱光は、後方散乱光である。
【0053】
フローストリームからの光は、10個以上の光検出器チャネルを含む、3つ以上など、4つ以上など、5つ以上など、6つ以上など、7つ以上など、8つ以上など、9つ以上などの、2つ以上の光検出器チャネル内で検出される。いくつかの実施形態では、光は、フローストリームに照射を行うために使用される各光源(例えば、各レーザ)に対して異なる光検出器内で検出される。例えば、フローストリーム内の粒子に第1のレーザ及び第2のレーザによって照射が行われる場合、第1のレーザによって照射が行われたフローストリーム内の各粒子からの光は、第1の光検出器チャネル内で検出され得、第2のレーザによって照射が行われたフローストリーム内の各粒子からの光は、第2の光検出器チャネル内で検出され得る。ある特定の実施形態では、第1のレーザによって照射が行われたフローストリーム内の各粒子からの散乱光は、第1の光検出器チャネル内で検出され、第2のレーザによって照射が行われたフローストリーム内の各粒子からの散乱光は、第2の光検出器チャネル内で検出される。
【0054】
実施形態では、検出された光に応答して、1つ以上の信号パルスが各光検出器チャネル内で生成される。いくつかの実施形態では、検出された光に応答して、各光検出器チャネル内で10個以上の信号パルスを生成することを含めて、2つ以上の信号パルスなど、3つ以上の信号パルスなど、4つ以上の信号パルスなど、5つ以上の信号パルスなど、6つ以上の信号パルスなど、7つ以上の信号パルスなど、8つ以上の信号パルスなど、9つ以上の信号パルスなどの、複数の信号パルスが、検出された光に応答して、各光検出器チャネル内で生成される。いくつかの実施形態では、各光源(例えば、各レーザ)によって照射が行われた粒子から検出された光に応答して、1つ以上の信号パルスが異なる光検出器チャネル内で生成される。例えば、フローストリーム内の粒子に第1のレーザ及び第2のレーザによって照射が行われる場合、第1のレーザによって照射が行われた各粒子から検出された光に応答して、第1の光検出器チャネル内で信号パルスが生成され得、第2のレーザによって照射が行われた各粒子から検出された光に応答して、第2の光検出器チャネル内で信号パルスが生成され得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、信号パルスは、電圧パルスである。電圧パルスは、5000mV以上によることを含む、0.005mV以上によるなど、0.01mV以上によるなど、0.05mV以上によるなど、0.1mV以上によるなど、0.5mV以上によるなど、1mV以上によるなど、5mV以上によるなど、10mV以上によるなど、25mV以上によるなど、50mV以上によるなど、100mV以上によるなど、250mV以上によるなど、500mV以上によるなど、1000mV以上によるなど、2500mV以上によるなどの、0.001mV以上のパルスであり得る。いくつかの実施形態では、検出された光が、5000mV以上の所定の閾値を含む、0.00005mV以上など、0.0001mV以上など、0.0005mV以上など、0.001mV以上など、0.005mV以上など、0.01mV以上など、0.05mV以上など、0.1mV以上など、0.5mV以上など、1mV以上など、5mV以上など、10mV以上など、25mV以上など、50mV以上など、100mV以上など、250mV以上など、500mV以上など、1000mV以上など、2500mV以上などの、0.00001mV以上の所定の閾値を超える電圧を生成するときに、各光検出器チャネル内で信号パルスが生成される。
【0056】
いくつかの実施形態では、方法は、光検出器信号パルス間の時間の量を判定することを含む。いくつかの事例では、方法は、10個以上の異なる光検出器チャネル内の信号パルス間の時間の量を判定することを含めて、3つ以上の異なる光検出器チャネルなど、4つ以上の異なる光検出器チャネルなど、5つ以上の異なる光検出器チャネルなど、6つ以上の異なる光検出器チャネルなど、7つ以上の異なる光検出器チャネルなど、8つ以上の異なる光検出器チャネルなど、9つ以上の異なる光検出器チャネルなどの、2つ以上の異なる光検出器チャネル内の信号パルス間の時間の量を判定することを含む。いくつかの事例では、2つ以上の異なる光検出器チャネル内の信号パルス間の時間は、1000μs以上を含む、0.00005μs以上など、0.0001μs以上など、0.0005μs以上など、0.001μs以上など、0.005μs以上など、0.01μs以上など、0.05μs以上など、0.1μs以上など、0.5μs以上など、1μs以上など、5μs以上など、10μs以上など、25μs以上など、50μs以上など、100μs以上など、500μs以上などの、0.00001μs以上であり得る。ある特定の事例では、2つ以上の異なる光検出器チャネル内の信号パルス間の時間は、1μs~500μsを含む、0.0001μs~4000μsなど、0.001μs~3000μsなど、0.01μs~2000μsなど、0.1μs~1000μsなどの、0.00001μs~5000μsの範囲である。
【0057】
いくつかの実施形態では、方法は、光検出器信号パルス間のピーク時間の持続時間を判定することを含む。「ピーク時間」という用語は、本明細書では、各光検出器チャネル内の生成信号パルスのピーク(例えば、信号パルス中の光検出器チャネル内の最高検出電圧の値)間の持続時間を指すための、その従来の意味で使用される。例えば、ピーク時間の持続時間は、10個以上の異なる光検出器チャネル内の信号パルス間のピーク時間の持続時間を判定することを含めて、3つ以上の異なる光検出器チャネルなど、4つ以上の異なる光検出器チャネルなど、5つ以上の異なる光検出器チャネルなど、6つ以上の異なる光検出器チャネルなど、7つ以上の異なる光検出器チャネルなど、8つ以上の異なる光検出器チャネルなど、9つ以上の異なる光検出器チャネルなどの、2つ以上の異なる光検出器チャネル内の信号パルス間で判定され得る。いくつかの事例では、2つ以上の異なる光検出器チャネル内の信号パルス間のピーク時間の持続時間は、1000μs以上を含む、0.00005μs以上など、0.0001μs以上など、0.0005μs以上など、0.001μs以上など、0.005μs以上など、0.01μs以上など、0.05μs以上など、0.1μs以上など、0.5μs以上など、1μs以上など、5μs以上など、10μs以上など、25μs以上など、50μs以上など、100μs以上など、500μs以上などの、0.00001μs以上であり得る。ある特定の事例では、2つ以上の異なる光検出器チャネル内の信号パルス間のピーク時間の持続時間は、1μs~500μsを含む、0.0001μs~4000μsなど、0.001μs~3000μsなど、0.01μs~2000μsなど、0.1μs~1000μsなどの、0.00001μs~5000μsの範囲である。ある特定の実施形態では、方法は、10個以上の光検出器チャネル内の信号パルスの一次モーメントを判定することを含めて、3つ以上の光検出器チャネルなど、4つ以上の光検出器チャネルなど、5つ以上の光検出器チャネルなど、6つ以上の光検出器チャネルなど、7つ以上の光検出器チャネルなど、8つ以上の光検出器チャネルなど、9つ以上の光検出器チャネルなどの、2つ以上の光検出器チャネル内の信号パルスの一次モーメントなどの、各々の光検出器チャネル内の信号パルスの一次モーメントを判定することを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、フローストリーム内の粒子は、フローストリーム内の粒子が独立して異なる速度を有する、不均一な速度によって特徴付けられる。いくつかの事例では、粒子の速度の不均一性は、フローストリーム内の粒子の位置に依存する。コアストリーム及び周囲のシースフローを有するフローストリーム内で、ある特定の事例では、コアストリームの中心近くを流れている粒子の速度は、コアストリームの周囲に沿って流れている粒子の速度よりも高い。図1は、ある特定の実施形態による、フローストリーム内の粒子速度の不均一性を示す。図1では、フローストリーム105が、キュベット100内に形成され、キュベット壁100aで収容されたコアストリーム101及び周囲のシース流体102を含む。図1に示されるように、コアストリーム101の中心を下流へ流れる粒子は、コアストリーム101の周辺(すなわち、コアストリーム101とシース流体102との間の界面)で流れる粒子と比較して、より高い粒子流速103を呈する。
【0059】
いくつかの実施形態では、方法は、フローストリーム内の関心対象の各粒子の速度を計算することを含む。いくつかの事例では、試料内の500個以上の粒子の速度を独立に計算することを含めて、試料内の2つ以上の粒子の速度など、試料内の5つ以上の粒子の速度など、試料内の10個以上の粒子の速度など、試料内の25個以上の粒子の速度など、試料内の50個以上の粒子の速度など、試料内の100個以上の粒子の速度など、試料内の250個以上の粒子の速度などの、試料内の1つ以上の粒子の速度は、独立に判定される。例えば、試料内の粒子のうちの90%以上の速度を独立に計算することを含めて、0.0005%以上など、0.001%以上など、0.005%以上など、0.01%以上など、0.05%以上など、0.1%以上など、0.5%以上など、1%以上など、5%以上など、10%以上など、25%以上など、50%以上など、75%以上などの、試料内の粒子のうちの0.0001%以上の速度は、独立に計算され得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、各粒子についての速度は、2つ以上の光検出器チャネル内の信号パルス間の時間の量と、2つ以上の検査領域間の距離と、に基づいて計算される。一実施形態では、各粒子についての速度は、第1の光検出器チャネルからの信号パルスと第2の光検出器チャネルからの信号パルスとの間の時間の量と、第1のレーザの検査領域と第2のレーザの検査領域との間の距離とに基づいて計算される。いくつかの事例では、第1の検査領域と第2の検査領域との間の距離は、フローストリーム上の第1のレーザによる照射の位置と、フローストリーム上の第2のレーザによる照射の位置との間の距離に基づいて判定される。例えば、ある特定の事例における粒子分析器に応じて、第1の検査領域と第2の検査領域との間の距離は、100μm以上によることを含めて、0.05μm以上によるなど、0.1μm以上によるなど、0.5μm以上によるなど、1μm以上によるなど、2μm以上によるなど、3μm以上によるなど、4μm以上によるなど、5μm以上によるなど、10μm以上によるなど、15μm以上によるなど、25μm以上によるなど、50μm以上によるなど、0.01μm以上である。他の事例では、第1の検査領域と第2の検査領域との間の距離は、10μm~100μmを含む、0.05μm~450μmなど、0.1μm~400μmなど、0.5μm~350μmなど、1μm~200μmなど、5μm~150μmなどの、0.01μm~500μmの範囲である。
【0061】
図2A及び2Bは、ある特定の実施形態によるフローストリーム内の粒子の速度を判定することを示す。図2Aは、3つの空間的に分離されたレーザを使用した粒子の照射に応答した信号パルスの生成を示す。フローストリーム200内の粒子201に、3つの空間的に分離されたレーザ(A、B、C)によって照射が行われる。レーザAによる粒子の照射から検出された光に応答して、信号パルス202Aが光検出器チャネル内で生成される。レーザBによる照射から検出された光に応答して、第2の信号パルス202Bが光検出器チャネル内で生成される。信号パルス202Aと信号パルス202Bとの間の持続時間tは、粒子201が距離d(すなわち、レーザA及びレーザBによる照射のポイントからの)を流れる時間の量である。レーザCによる照射から検出された光に応答して、第3の信号パルス202Cが光検出器チャネル内で生成される。信号パルス202Bと信号パルス202Cとの間の持続時間tは、粒子201が距離d(すなわち、レーザB及びレーザCによる照射のポイントからの)を流れる時間の量である。粒子201の速度は、距離dを時間tで除算することによって、又は距離dを時間tで除算することによって推定される。
【0062】
図2Bは、ある特定の実施形態によるフローストリーム内の粒子の速度を判定することを示す。レーザA、レーザB、及びレーザCは、フローストリーム200の位置Bが位置Aから下流にある場合の種々の位置で、フローストリーム200に照射を行うように構成された空間的に分離された光源である。フローストリーム200の位置Cは、位置A及び位置Bから下流にある。一実施形態では、粒子201の速度は、距離dと、位置Aでの粒子201の光照射に応答して生成された信号パルスと位置Bでの粒子201の光照射に応答して生成された信号パルスとの間の時間の量とに基づいて判定される。別の実施形態では、粒子201の速度は、距離dと、位置Bでの粒子201の光照射に応答して生成された信号パルスと位置Cでの粒子201の光照射に応答して生成された信号パルスとの間の時間の量とに基づいて判定される。
【0063】
実施形態では、各粒子の液滴遅延は、計算された速度と、光源のうちの1つ以上の検査領域とフローセルノズルオリフィスとの間の距離とに基づいて判定される。いくつかの実施形態では、各粒子の液滴遅延は、関心対象の各粒子の計算された速度に、光源のうちの1つ以上の検査領域とフローセルノズルオリフィスとの間の距離を乗算することによって独立に判定される。例えば、ある特定の事例における粒子分析器に応じて、各検査領域とフローセルノズルオリフィスとの間の距離は、100μm以上によることを含めて、0.05μm以上によるなど、0.1μm以上によるなど、0.5μm以上によるなど、1μm以上によるなど、2μm以上によるなど、3μm以上によるなど、4μm以上によるなど、5μm以上によるなど、10μm以上によるなど、15μm以上によるなど、25μm以上によるなど、50μm以上によるなど、独立して0.01μm以上である。他の事例では、各検査領域とフローセルノズルオリフィスとの間の距離は、10μm~100μmを含む、0.05μm~450μmなど、0.1μm~400μmなど、0.5μm~350μmなど、1μm~200μmなど、5μm~150μmなどの、0.01μm~500μmの範囲である。
【0064】
いくつかの実施形態では、方法は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度及び計算された液滴遅延のうちの1つ以上に基づいて、粒子分析器の1つ以上のパラメータを調整することを含む。いくつかの事例では、フローストリームの流量は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度及び計算された液滴遅延のうちの1つ以上に基づいて増加される。ある特定の事例では、流量は、フローストリームの流量を99.9%以上だけ増加させることを含めて、5%以上だけなど、10%以上だけなど、15%以上だけなど、25%以上だけなど、50%以上だけなど、75%以上だけなど、90%以上だけなど、95%以上だけなど、97%以上だけなど、99%以上だけなどの、1%以上だけ増加され得る。いくつかの実施形態では、フローストリームの流量は、1000μL/秒以上を含む、2μL/秒以上など、5μL/秒以上など、10μL/秒以上など、25μL/秒以上など、50μL/秒以上など、100μL/秒以上など、250μL/秒以上など、500μL/秒以上など、750μL/秒以上などの、1μL/秒以上だけ増加される。他の実施形態では、フローストリームの流量は、フローストリームの流量が10mm/秒以上だけ増加される場合を含めて、0.005mm/秒以上だけなど、0.01mm/秒以上だけなど、0.05mm/秒以上だけなど、0.1mm/秒以上だけなど、0.5mm/秒以上だけなど、1mm/秒以上だけなど、5mm/秒以上などの、0.001mm/秒以上だけ増加される。
【0065】
他の事例では、フローストリームの流量は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度及び計算された液滴遅延のうちの1つ以上に基づいて減少される。ある特定の事例では、流量は、フローストリームの流量を99.9%以上だけ減少させることを含めて、5%以上だけなど、10%以上だけなど、15%以上だけなど、25%以上だけなど、50%以上だけなど、75%以上だけなど、90%以上だけなど、95%以上だけなど、97%以上だけなど、99%以上だけなどの、1%以上だけ減少され得る。いくつかの実施形態では、フローストリームの流量は、1000μL/秒以上を含む、2μL/秒以上など、5μL/秒以上など、10μL/秒以上など、25μL/秒以上など、50μL/秒以上など、100μL/秒以上など、250μL/秒以上など、500μL/秒以上など、750μL/秒以上などの、1μL/秒以上だけ減少される。他の実施形態では、フローストリームの流量は、フローストリームの流量が10mm/秒以上だけ減少される場合を含めて、0.005mm/秒以上だけなど、0.01mm/秒以上だけなど、0.05mm/秒以上だけなど、0.1mm/秒以上だけなど、0.5mm/秒以上だけなど、1mm/秒以上だけなど、5mm/秒以上などの、0.001mm/秒以上だけ減少される。
【0066】
いくつかの実施形態では、方法は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度及び計算された液滴遅延のうちの1つ以上に基づいて、小滴帯電のタイミングを調整することを含む。いくつかの事例では、小滴帯電のタイミングは、50%以上だけを含めて、0.05%以上だけなど、0.1%以上だけなど、0.5%以上だけなど、1%以上だけなど、2%以上だけなど、5%以上だけなど、10%以上だけなど、15%以上だけなど、25%以上だけなどの、0.01%以上だけ遅延され得る。例えば、小滴帯電のタイミングは、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度及び計算された液滴遅延に応答して、500μs以上だけ小滴帯電を遅延させることを含めて、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度及び計算された液滴遅延に応答して、0.0005μs以上だけなど、0.001μs以上だけなど、0.005μs以上だけなど、0.01μs以上だけなど、0.05μs以上だけなど、0.1μs以上だけなど、0.5μs以上だけなど、1μs以上だけなど、5μs以上だけなど、10μs以上だけなど、25μs以上だけなど、50μs以上だけなど、100μs以上だけなどの、0.0001μs以上だけ遅延され得る。他の事例では、小滴帯電のタイミングは、50%以上だけを含めて、0.05%以上だけなど、0.1%以上だけなど、0.5%以上だけなど、1%以上だけなど、2%以上だけなど、5%以上だけなど、10%以上だけなど、15%以上だけなど、25%以上だけなどの、0.01%以上だけ早められ得る。例えば、小滴帯電のタイミングは、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度及び計算された液滴遅延に応答して、500μs以上だけを含む、0.0005μs以上だけなど、0.001μs以上だけなど、0.005μs以上だけなど、0.01μs以上だけなど、0.05μs以上だけなど、0.1μs以上だけなど、0.5μs以上だけなど、1μs以上だけなど、5μs以上だけなど、10μs以上だけなど、25μs以上だけなど、50μs以上だけなど、100μs以上だけなどの、0.0001μs以上だけ早められるように調整され得る。
【0067】
他の実施形態では、方法は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度及び計算された液滴遅延のうちの1つ以上に基づいて、液滴駆動周波数を調整することを含む。いくつかの事例では、液滴駆動周波数は、25Hz以上だけを含む、0.01Hz以上だけなど、0.05Hz以上だけなど、0.1Hz以上だけなど、0.25Hz以上だけなど、0.5Hz以上だけなど、1Hz以上だけなど、2.5Hz以上だけなど、5Hz以上だけなど、10Hz以上だけなど増加される。例えば、液滴駆動周波数は、液滴駆動周波数を90%以上だけ増加させることを含めて、5%以上だけなど、10%以上だけなど、15%以上だけなど、25%以上だけなど、50%以上だけなど、75%以上だけなどの、1%以上だけ増加され得る。他の事例では、液滴駆動周波数は、25Hz以上だけを含む、0.01Hz以上だけなど、0.05Hz以上だけなど、0.1Hz以上だけなど、0.25Hz以上だけなど、0.5Hz以上だけなど、1Hz以上だけなど、2.5Hz以上だけなど、5Hz以上だけなど、10Hz以上だけなど低減される。例えば、液滴駆動周波数は、液滴周波数を90%以上だけ低減することを含めて、5%以上だけなど、10%以上だけなど、15%以上だけなど、25%以上だけなど、50%以上だけなど、75%以上だけなどの、1%以上だけ低減され得る。
【0068】
更に他の実施形態では、方法は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度及び計算された液滴遅延のうちの1つ以上に基づいて、液滴遅延を調整することを含む。いくつかの事例では、液滴遅延は、液滴遅延を10μs以上だけ増加させることを含めて、0.01μs以上だけなど、0.05μs以上だけなど、0.1μs以上だけなど、0.3μs以上だけなど、0.5μs以上だけなど、1μs以上だけなど、2.5μs以上だけなど、5μs以上だけなど、7.5μs以上だけなど増加される。例えば、液滴遅延は、液滴遅延を90%以上だけ増加させることを含めて、5%以上だけなど、10%以上だけなど、15%以上だけなど、25%以上だけなど、50%以上だけなど、75%以上だけなどの、1%以上だけ増加され得る。他の事例では、液滴周波数は、液滴遅延を10μs以上だけ低減することを含めて、0.01μs以上だけなど、0.05μs以上だけなど、0.1μs以上だけなど、0.3μs以上だけなど、0.5μs以上だけなど、1μs以上だけなど、2.5μs以上だけなど、5μs以上だけなど、7.5μs以上だけなど低減される。例えば、液滴遅延は、液滴遅延を90%以上だけ低減することを含めて、5%以上だけなど、10%以上だけなど、15%以上だけなど、25%以上だけなど、50%以上だけなど、75%以上だけなどの、1%以上だけ低減され得る。
【0069】
図3は、ある特定の実施形態による、フローストリーム内の試料内の複数の粒子の液滴遅延を判定するためのフローチャートを示す。ステップ301において、フローストリーム内の粒子に、第1のレーザで照射が行われる。第1のレーザで照射が行われた粒子からの光がステップ302において検出され、信号パルスが第1の光検出器チャネル内で生成される。ステップ303において、粒子に、空間的に分離された、かつ第1のレーザから下流の第2のレーザで照射が行われる。第2のレーザで照射が行われた粒子からの光がステップ304において検出され、信号パルスが第2の光検出器チャネル内で生成される。ステップ305において、粒子の速度は、第1のレーザの照射ポイントと第2のレーザの照射ポイントとの間の距離と、第1の光検出器チャネル内で生成された信号パルスと第2の光検出器チャネル内で生成された信号パルスとの間の時間とに基づいて推定される。粒子の液滴遅延は、ステップ306において、推定された速度に基づいて計算される。ある特定の実施形態では、粒子分析器の1つ以上のパラメータが、液滴遅延を増加又は減少させる、フローストリーム流量を増加又は減少させる、小滴帯電タイミングを調整する、及び小滴駆動周波数を調整するなど、推定された粒子速度又は計算された液滴遅延を使用して調整される(ステップ307)。
【0070】
ある特定の実施形態では、方法は、また、試料の粒子をソートすることを含む。「ソートする」という用語は、本明細書では、試料の成分(例えば、細胞を含有する小滴、生体高分子などの非細胞粒子を含有する小滴)を分離すること、いくつかの事例では、分離された成分を1つ以上の試料収集容器に送達することを指すための、その従来の意味で使用される。例えば、方法は、試料の25個以上の成分をソートすることを含めて、3つ以上の成分など、4つ以上の成分など、5つ以上の成分など、10個以上の成分など、15個以上の成分などの、試料の2つ以上の成分をソートすることを含み得る。実施形態では、細胞の生成された画像マスクに基づいて細胞をソートすることを含む方法。
【0071】
細胞をソートする際に、方法は、コンピュータなどを用いた、データ取得(例えば、試料内の関心対象の各粒子の速度を判定すること、各粒子の液滴遅延を判定することなどによって)、分析、及び記録を含み、複数のデータチャネルは、細胞の画像、画像マスク、又はマスクされた画像(例えば、散乱検出器、明視野光検出器、又は蛍光検出器)を生成する際に使用される各検出器からデータを記録する。これらの実施形態では、分析は、各粒子が、デジタル化されたパラメータ値のセットとして存在するように、粒子を分類し、計数することを含む。(以下に記載の)主題のシステムは、関心対象の粒子を背景及びノイズから区別するために、選択されたパラメータでトリガするように設定され得る。
【0072】
次いで、関心対象の特定の部分集団が、集団全体について収集されたデータに基づいて、「ゲーティング」によって更に分析され得る。適切なゲートを選択するために、部分集団のできる限り最良の分離を得るように、データがプロットされる。この手順は、前方光散乱(FSC)対側方(すなわち、直交)光散乱(SSC)を二次元ドットプロット上にプロットすることによって実行され得る。次いで、粒子の部分集団(すなわち、ゲート内のそれらの細胞)が選択され、ゲート内にない粒子が除外される。必要に応じて、コンピュータ画面上のカーソルを使用して、所望の部分集団の周りにラインを描くことによって、ゲートが選択され得る。次いで、ゲート内のそれらの粒子のみが、例えば、蛍光など、これらの粒子の他のパラメータをプロットすることによって、更に分析される。必要に応じて、上記の分析は、試料内の関心対象の粒子の計数をもたらすように構成され得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、方法は、米国特許第第10,006,852号、同第9,952,076号、同第9,933,341号、同第9,784,661号、同第9,726,527号、同第9,453,789号、同第9,200,334号、同第9,097,640号、同第9,095,494号、同第9,092,034号、同第8,975,595号、同第8,753,573号、同第8,233,146号、同第8,140,300号、同第7,544,326号、同第7,201,875号、同第7,129,505号、同第6,821,740号、同第6,813,017号、同第6,809,804号、同第6,372,506号、同第5,700,692号、同第5,643,796号、同第5,627,040号、同第5,620,842号、同第5,602,039に記載されたものなどの試料の成分をソートすることを含み、それらの開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、試料の成分をソートするための方法は、米国特許公開第2017/0299493号に記載されたものなどの、密閉型粒子ソーティングモジュールを用いて粒子(例えば、生体試料内の細胞)をソートすることを含み、その開示が、参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態では、試料の粒子(例えば、細胞)は、米国特許公開第2020/0256781号に記載されたものなどの、複数のソート意思決定ユニットを有するソート意思決定モジュールを使用してソートされ、その開示が、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、試料の成分をソートするための方法は、2017年3月28日に出願された米国特許公開第2017/0299493号に記載されたものなどの、偏光板を有する粒子ソートモジュールを用いて粒子(例えば、生体試料内の細胞)をソートすることを含み、その開示が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0074】
フローストリーム内の複数の粒子の液滴遅延を判定するためのシステム
本開示の態様は、また、フローストリーム内の複数の粒子の液滴遅延を決定するための光源及び光検出システムを有するシステムを含む。実施形態では、システムは、フローストリーム内の複数の粒子に照射を行うように構成された2つ以上の空間的に分離された光源を含む。いくつかの実施形態では、光源は、中断されない光束を提供し、かつ光強度のほとんど又は全く望ましくない変化を伴わずにフローストリーム内の粒子の照射を維持するなどの連続波光源である。いくつかの実施形態では、連続光源は、非パルス化又は非ストロボ照射を放出する。ある特定の実施形態では、連続光源は、実質的に一定の放出光強度を提供する。例えば、連続光源は、照射の時間間隔中に、照射の時間間隔中の放出光強度が0.000001%以下だけ変動する場合を含む、9%以下だけなど、8%以下だけなど、7%以下だけなど、6%以下だけなど、5%以下だけなど、4%以下だけなど、3%以下だけなど、2%以下だけなど、1%以下だけなど、0.5%以下だけなど、0.1%以下だけなど、0.01%以下だけなど、0.001%以下だけなど、0.0001%以下だけなど、0.00001%以下だけなどの、10%以下だけ変動する照射の時間間隔中の放出光強度を提供し得る。光出力の強度は、光検出器タイプの中でも、走査スリットプロファイラ、電荷結合デバイス(増感型電荷結合デバイスICCDなどのCCD)、測位センサ、電力センサ(例えば、熱電対列電力センサ)、光学電力センサ、エネルギーメータ、デジタルレーザ光度計、レーザダイオード検出器を含むがこれらに限定されない、任意の好都合なプロトコルによって測定することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、光源は、光が所定の時間間隔で放出されるなどの、1つ以上のパルス光源を含み、各時間間隔は、所定の照射持続時間(すなわち、パルス幅)を有する。ある特定の実施形態では、パルス光源は、周期的な光の点滅で光検出器に照射を行うように構成されている。例えば、各光パルスの周波数は、100kHz以上を含む、0.0005kHz以上など、0.001kHz以上など、0.005kHz以上など、0.01kHz以上など、0.05kHz以上など、0.1kHz以上など、0.5kHz以上など、1kHz以上など、2.5kHz以上など、5kHz以上など、10kHz以上など、25kHz以上など、50kHz以上などの、0.0001kHz以上であり得る。ある特定の事例では、光源によるパルス照射の周波数は、1kHz~100kHzを含む、0.00005kHz~900kHzなど、0.0001kHz~800kHzなど、0.0005kHz~700kHzなど、0.001kHz~600kHzなど、0.005kHz~500kHzなど、0.01kHz~400kHzなど、0.05kHz~300kHzなど、0.1kHz~200kHzなどの、0.00001kHz~1000kHzの範囲である。各光パルスの光照射の持続時間(すなわち、パルス幅)は、変動してもよく、500ミリ秒以上を含む、0.000005ミリ秒以上など、0.00001ミリ秒以上など、0.00005ミリ秒以上など、0.0001ミリ秒以上など、0.0005ミリ秒以上など、0.001ミリ秒以上など、0.005ミリ秒以上など、0.01ミリ秒以上など、0.05ミリ秒以上など、0.1ミリ秒以上など、0.5ミリ秒以上など、1ミリ秒以上など、2ミリ秒以上など、3ミリ秒以上など、4ミリ秒以上など、5ミリ秒以上など、10ミリ秒以上など、25ミリ秒以上など、50ミリ秒以上など、100ミリ秒以上などの、0.000001ミリ秒以上であり得る。例えば、光照射の持続時間は、10ミリ秒~300ミリ秒を含む、0.000005ミリ秒~950ミリ秒など、0.00001ミリ秒~900ミリ秒など、0.00005ミリ秒~850ミリ秒など、0.0001ミリ秒~800ミリ秒など、0.0005ミリ秒~750ミリ秒など、0.001ミリ秒~700ミリ秒など、0.005ミリ秒~650ミリ秒など、0.01ミリ秒~600ミリ秒など、0.05ミリ秒~550ミリ秒など、0.1ミリ秒~500ミリ秒など、0.5ミリ秒~450ミリ秒など、1ミリ秒~400ミリ秒など、5ミリ秒~350ミリ秒などの、0.000001ミリ秒~1000ミリ秒の範囲であり得る。
【0076】
実施形態では、システムは、任意の便利な光源を含んでもよく、レーザ光源及び非レーザ光源を含んでもよい。ある特定の実施形態では、光源は、特定の波長又は狭い範囲の波長を放射する狭帯域光源などの、非レーザ光源である。いくつかの例では、狭帯域光源は、40nm以下など、30nm以下など、25nm以下など、20nm以下など、15nm以下など、10nm以下など、5nm以下など、2nm以下などの、例えば50nm以下などの狭い範囲の波長を有する光を放出し、特定の波長の光(すなわち、単色光)を放出する光源を含む。狭波長LEDなどの、任意の便利な狭帯域光源プロトコルが採用されてもよい。
【0077】
他の実施形態では、光源は、1つ以上の光学バンドパスフィルタ、回折格子、モノクロメータ、又はこれらの任意の組み合わせに結合された、広帯域光源などの、広帯域光源である。いくつかの事例では、広帯域光源は、500nm以上に及ぶものを含む、100nm以上など、150nm以上など、200nm以上など、250nm以上など、300nm以上など、350nm以上など、400nm以上などの、例えば50nm以上に及ぶ、広い範囲の波長を有する光を放出する。例えば、ある好適な広帯域光源は、200nm~1500nmの波長を有する光を放出する。好適な広帯域光源の別の実施例は、400nm~1000nmの波長を有する光を放出する光源を含む。広帯域光源の中でも、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、安定化ファイバ結合広帯域光源、連続スペクトルを有する広帯域LED、超高輝度発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広域スペクトルLED白色光源、マルチLED統合白色光源、又はそれらの任意の組み合わせなど、任意の好都合な広帯域光源プロトコルが採用され得る。ある特定の実施形態では、光源は、LEDのアレイを含む。ある特定の事例では、光源は、各単色発光ダイオードが異なる波長を有する光を出力する、複数の単色発光ダイオードを含む。いくつかの事例では、光源は、所定のスペクトル幅を有する光を出力する複数の多色発光ダイオードを含み、複数の多色発光ダイオードは、500nm~1200nmを含む、225nm~1475nmなど、250nm~1450nmなど、275nm~1425nmなど、300nm~1400nmなど、325nm~1375nmなど、350nm~1350nmなど、375nm~1325nmなど、400nm~1300nmなど、425nm~1275nmなど、450nm~1250nmなど、475nm~1225nmなどの、200nm~1500nmの範囲のスペクトル幅の範囲を有する光をまとめて出力する。
【0078】
いくつかの実施形態では、光源は、パルス波レーザ又は連続波レーザなどのレーザである。例えば、レーザは、紫外線ダイオードレーザ、可視ダイオードレーザ、及び近赤外線ダイオードレーザなどのダイオードレーザであってもよい。他の実施形態では、レーザは、ヘリウムネオン(HeNe)レーザであり得る。いくつかの事例では、レーザは、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、又はキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザ、若しくはそれらの組み合わせなどのガスレーザである。他の事例では、主題のシステムは、スチルベンレーザ、クマリンレーザ、又はローダミンレーザなどの色素レーザを含む。更に他の事例では、関心対象のレーザは、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザ、又は金レーザ、及びそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザを含む。更に他の事例では、主題のシステムは、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、スリムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Ybレーザ、又はセリウムドープレーザ、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザを含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、光源は、狭帯域幅光源である。いくつかの事例では、光源は、400nm~800nmを含む、250nm~1250nmなど、300nm~1000nmなど、350nm~900nmなどの、200nm~1500nmの特定の波長を出力する光源である。ある特定の実施形態では、連続波光源は、365nm、385nm、405nm、460nm、490nm、525nm、550nm、580nm、635nm、660nm、740nm、770nm、又は850nmの波長を有する光を放出する。
【0080】
いくつかの実施形態では、光源は、例えば、光源の1つ以上の構成要素の出力スペクトルが、20nm以上だけを含む、2nm以上だけなど、3nm以上だけなど、4nm以上だけなど、5nm以上だけなど、6nm以上だけなど、7nm以上だけなど、8nm以上だけなど、9nm以上だけなど、10nm以上だけなどの、1nm以上だけ重複する場合などの、重複する波長を有する光を放出する。いくつかの実施形態では、光源によって放出される光の波長は、重複を呈さない。例えば、光源の出力スペクトルは、20nm以上だけを含む、2nm以上だけなど、3nm以上だけなど、4nm以上だけなど、5nm以上だけなど、6nm以上だけなど、7nm以上だけなど、8nm以上だけなど、9nm以上だけなど、10nm以上だけなどの、1nm以上だけ分離され得る。
【0081】
実施形態では、主題のシステムの光源は、空間的に分離されている。いくつかの実施形態では、システムは、7つ以上の空間的に分離された光源を含む、3つ以上など、4つ以上など、5つ以上など、6つ以上などの、2つ以上の空間的に分離された光源を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の光源は、7つ以上の空間的に分離されたレーザを含む、3つ以上など、4つ以上など、5つ以上など、6つ以上などの、2つ以上の空間的に分離されたレーザである。各光源は、フローストリーム上の別異する位置に照射を行うように構成されている。いくつかの事例では、光源の各々は、100μm以上だけを含む、0.05μm以上だけなど、0.1μm以上だけなど、0.5μm以上だけなど、1μm以上だけなど、2μm以上だけなど、3μm以上だけなど、4μm以上だけなど、5μm以上だけなど、10μm以上だけなど、15μm以上だけなど、25μm以上だけなど、50μm以上だけなどの、0.01μm以上だけ互いに離間したフローストリーム上の位置に独立に照射を行うように構成されている。例えば、光源の各々は、10μm~100μmを含む、0.05μm~450μmなど、0.1μm~400μmなど、0.5μm~350μmなど、1μm~200μmなど、5μm~150μmなどの、0.01μm~500μmの距離だけ互いに離間したフローストリーム上の位置に独立に照射を行うように構成されている。ある特定の事例では、光源の各々は、5μm以下だけ離間したフローストリーム上の位置を含む、9μm以下など、8μm以下など、7μm以下など、6μm以下などの、10μm以下だけ互いに離間したフローストリーム上の位置に独立に照射を行うように構成されている。
【0082】
いくつかの実施形態では、システムは、第1の検査領域内のフローストリームに照射を行うように構成された第1のレーザと、第2の検査領域内の第2のレーザとを含む。各検査領域のサイズは、ノズルオリフィスのサイズ及び試料注入ポートサイズなどの、フローストリームを生成するために使用されるフローノズルの特性に応じて変わり得る。いくつかの実施形態では、検査領域は、10mm以上を含む、0.05mm以上など、0.1mm以上など、0.5mm以上など、1mm以上など、2mm以上など、3mm以上など、5mm以上などの、0.01mm以上である幅を有し得る。検査領域の長さも変わり得、いくつかの事例では、50mm以上を含む、0.1mm以上など、0.5mm以上など、1mm以上など、1.5mm以上など、2mm以上など、3mm以上など、5mm以上など、10以上など、15mm以上など、20mm以上など、25mm以上などの、0.01mm以上に沿った範囲で変わり得る。
【0083】
ある特定の事例での各検査領域は、発生するフローストリームの平面断面の照射を容易にするように構成され得るか、又は所定の長さの拡散場(例えば、拡散レーザ又はランプによる)の照射を容易にするように構成され得る。いくつかの実施形態では、主題のシステムにおけるフローストリームの検査領域は、10mm以上を含む、1mm以上など、2mm以上など、3mm以上など、4mm以上など、5mm以上などなどの、発生するフローストリームの所定の長さの照射を容易にする透明窓を含む。(以下に記載のような)発生するフローストリームに照射を行うために使用される光源に応じて、検査領域は、500nm~800nmを含む、150nm~1400nmなど、200nm~1300nmなど、250nm~1200nmなど、300nm~1100nmなど、350nm~1000nmなど、400nm~900nmなどの、100nm~1500nmの範囲の光を通過させるように構成され得る。
【0084】
各光源は、フローストリームから、100mm以上の距離におけるものを含む、0.005mm以上など、0.01mm以上など、0.05mm以上など、0.1mm以上など、0.5mm以上など、1mm以上など、5mm以上など、10mm以上など、25mm以上などの、0.001mm以上の距離におけるなどの、任意の好適な距離を隔てて位置付けられ得る。加えて、各光源は、フローストリームに対して、30°~60°、例えば90°の角度を含む、15°~85°など、20°~80°など、25°~75°などの、10°~90°の範囲の角度になどの、任意の好適な角度に位置付けられてもよい。
【0085】
ある特定の実施形態による光源は、また、1つ以上の光学調整構成要素を含み得る。「光学調整」という用語は、本明細書では、例えば、照射方向、波長、ビーム幅、ビーム強度、及び焦点などの、光源からの照射の空間幅又は何らかの他の特性を変更することができる任意のデバイスを指すための、その従来の意味で使用される。光学調整プロトコルは、限定されるものではないが、レンズ、ミラー、フィルタ、光ファイバ、波長分離器、ピンホール、スリット、コリメーティングプロトコル、及びそれらの組み合わせを含む、光源の1つ以上の特性を調整する任意の好都合なデバイスであり得る。ある特定の実施形態では、関心対象のシステムは、1つ以上の集束レンズを含む。一例では、集束レンズは、非拡大レンズであってもよい。別の例では、集束レンズは、拡大レンズである。他の実施形態では、関心対象のシステムは、1つ以上のミラーを含む。更に他の実施形態では、関心対象のシステムは、光ファイバを含む。
【0086】
光学調整構成要素が移動するように構成されている場合、光学調整構成要素は、連続的に、又は離散的な間隔で移動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、光学調整構成要素の移動は、連続的である。他の実施形態では、光学調整構成要素は、25mm以上の増分を含む、0.05ミクロン以上など、0.1ミクロン以上など、0.5ミクロン以上など、1ミクロン以上など、10ミクロン以上など、100ミクロン以上など、500ミクロン以上など、1mm以上、5mm以上、10mm以上などの、例えば0.01ミクロン以上などの、離散的な間隔で移動可能である。
【0087】
移動可能な支持ステージに結合されるか、又はモータのタイプの中でも、ステッピングモータ、サーボモータ、ブラシレス電気モータ、ブラシ付きDCモータ、マイクロステップドライブモータ、高分解能ステッピングモータを採用したものなどの、モータ作動並進ステージ、リードスクリュー並進アセンブリ、ギア式並進デバイスと直接結合されるなどの、光学調整構成要素構造を移動させるための任意の変位プロトコルが採用されてもよい。
【0088】
主題のシステムの光検出器は、限定されるものではないが、光検出器の中でも、アクティブピクセルセンサ(APS)、象限フォトダイオード、画像センサ、電荷結合デバイス(CCD)、強化電荷結合デバイス(ICCD)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、焦電検出器、光抵抗器、太陽電池、フォトダイオード、光電子増倍管、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体又はフォトダイオード、並びにそれらの組み合わせなどの光センサ又は光検出器を含む、任意の好都合な光検出プロトコルであり得る。ある特定の実施形態では、光検出器は、1cm~5cmを含む、0.05cm~9cmなど、0.1cm~8cmなど、0.5cm~7cmなどの、0.01cm~10cmの範囲の各領域の活性な検出表面積を有する光電子増倍管などの光電子増倍管である。
【0089】
本開示の実施形態では、光検出器は、400個以上の異なる波長の光を測定することを含めて、5つ以上の異なる波長など、10個以上の異なる波長など、25個以上の異なる波長など、50個以上の異なる波長など、100個以上の異なる波長など、200個以上の異なる波長など、300個以上の異なる波長などの、2つ以上の波長などの、1つ以上の波長の光を測定するように構成され得る。
【0090】
実施形態では、光検出器は、連続的に、又は離散的な間隔で光を測定するように構成され得る。いくつかの事例では、関心対象の検出器は、光の測定を連続的に行うように構成されている。他の事例では、関心対象の検出器は、1000ミリ秒毎を含む、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、又は何らかの他の間隔毎に光を測定するなど、離散間隔において測定するように構成される。
【0091】
光検出器は、離散的な各時間間隔中に、10回以上を含む、2回以上など、3回以上など、5回以上などの、1回以上、光源からの光の測定を行うように構成され得る。ある特定の実施形態では、光源からの光は、光検出器によって2回以上測定され、ある特定の事例では、データが平均化される。
【0092】
いくつかの実施形態では、光検出システムは、粒子ルミネッセンス(すなわち、蛍光又はリン光)などの、試料内の粒子からの放出光を検出するように構成されている。他の実施形態では、光検出システムは、光検出システムが明視野光検出器を含む場合など、透過光を検出するように構成されている。
【0093】
ある特定の実施形態では、光検出システムは、散乱光を検出するように構成されている。実施形態では、本開示による散乱光は、蛍光でもリン光でもない。いくつかの実施形態では、主題のシステムの散乱光検出器によって検出される散乱光は、フローストリーム内の粒子によるミー散乱を含む。他の実施形態では、主題のシステムの散乱光検出器によって検出される散乱光は、フローストリーム内の粒子によるレイリー散乱を含む。更に他の実施形態では、主題のシステムの散乱光検出器によって検出される散乱光は、フローストリーム内の粒子によるミー散乱及びレイリー散乱を含む。散乱光検出器は、側方散乱光検出器、前方散乱光検出器、後方散乱光検出器、及びそれらの組み合わせであり得る。
【0094】
ある特定の実施形態による光検出システムは、非フィルタリング光散乱検出器を含む。「フィルタリング無し」という用語は、本明細書では、試料から光散乱検出器の活性表面への光の1つ以上の波長(例えば、試料に照射を行うために使用されるレーザの光の波長)の伝播を制限、低減、又は別様に限定するように構成された光学構成要素を介して伝達されていない試料からの光を受信する光散乱検出器を指すために使用される。例えば、いくつかの実施形態では、関心対象のフィルタリング無し光散乱検出器は、バンドパスフィルタを介して試料と光通信しない。他の実施形態では、関心対象のフィルタリング無し光散乱検出器は、ダイクロイックミラーを介して試料と光通信しない。ある特定の事例では、試料からの散乱光は、フィルタリング無し光散乱検出器の活性表面に直接伝達される。他の事例では、試料からの散乱光は、光の1つ以上の波長の伝播を低減、制限、又は限定することなく光ビームの方向又は焦点を変化させる光学構成要素などの1つ以上の光伝播光学構成要素を介して、フィルタリング無し光散乱検出器の活性表面に伝達される。ある特定の実施形態では、試料からの散乱光は、1つ以上のビームスプリッタ、ミラー、レンズ、又はコリメータを使用して、フィルタリング無し光散乱検出器の活性表面に伝達される。
【0095】
いくつかの実施形態では、光検出システムは、1つ以上のフィルタリング有り光散乱検出器を含む。「フィルタリング有り」という用語は、本明細書では、試料から光散乱検出器の活性表面への光の少なくとも1つ以上の波長(例えば、試料に照射を行うために使用されるレーザの光の波長のうちの1つ以上)の伝播を制限、低減、又は限定するように構成された光学構成要素を介して伝達された試料からの光を受信する光散乱検出器を指すために使用される。光散乱光検出器に伝達される光は、500個以上の異なる波長の光の伝播を限定することを含めて、5つ以上など、10個以上など、25個以上など、50個以上など、100個以上など、200個以上、300個以上などの、1つ以上の異なる波長の光の伝播を限定する光学構成要素を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、試料からの散乱光は、バンドパスフィルタを介してフィルタリング有り光散乱検出器の活性表面に伝達される。他の実施形態では、試料からの散乱光は、ダイクロイックミラーを介してフィルタリング有り光散乱検出器の活性表面に伝達される。
【0096】
散乱光は、散乱光検出器が光照射の入射ビームに対して180°以上の角度で試料内の粒子から光を検出するように構成されている場合を含めて、10°以上など、15°以上など、20°以上など、25°以上など、30°以上など、45°以上など、60°以上など、75°以上など、90°以上など、135°以上など、150°以上などの、1°以上の角度でなど、光照射の入射ビームに対してある角度で各光検出器によって検出され得る。ある特定の事例では、フィルタリング有り光散乱検出器及びフィルタリング無し光散乱検出器のうちの1つ以上は、光検出器が、60°~90°を含む、45°~105°などの、光照射の入射ビームに対して30°~120°に伝播される散乱光を検出するように位置付けられた場合などの、側方散乱光検出器である。ある特定の事例では、フィルタリング有り光散乱検出器及びフィルタリング無し光散乱検出器のうちの1つ以上は、光照射の入射ビームに対して90°の角度に位置付けられた側方散乱光検出器である。他の事例では、フィルタリング有り光散乱検出器及びフィルタリング無し光散乱検出器のうちの1つ以上は、検出器が、光照射の入射ビームに対して、光照射の入射ビームに対して140°~180°を含む、100°~220°など、120°~200°などの、120°~240°に伝播される散乱光を検出するように位置付けられた場合などの、前方散乱検出器である。ある特定の事例では、フィルタリング有り光散乱検出器及びフィルタリング無し光散乱検出器のうちの1つ以上は、光照射の入射ビームに対して180°の角度に伝播される散乱光を検出するように位置付けられた前方散乱光検出器である。更に他の事例では、フィルタリング有り光散乱検出器及びフィルタリング無し光散乱検出器のうちの1つ以上は、光照射の入射ビームに対して、光照射の入射ビームに対して10°~20°を含む、5°~25°などの1°~30°に伝播された散乱光を検出するように位置付けられた後方散乱光検出器である。ある特定の事例では、フィルタリング有り光散乱検出器及びフィルタリング無し光散乱検出器のうちの1つ以上は、光照射の入射ビームに対して30°の角度に伝播される散乱光を検出するように位置付けられた後方散乱光検出器である。
【0097】
フローストリームからの光は、10個以上の光検出器チャネルを含む、3つ以上など、4つ以上など、5つ以上など、6つ以上など、7つ以上など、8つ以上など、9つ以上などの、2つ以上の光検出器チャネル内で検出される。いくつかの実施形態では、光は、フローストリームに照射を行うために使用される各光源(例えば、各レーザ)に対して異なる光検出器内で検出される。例えば、フローストリーム内の粒子に第1のレーザ及び第2のレーザによって照射が行われる場合、第1のレーザによって照射が行われたフローストリーム内の各粒子からの光は、第1の光検出器チャネル内で検出され得、第2のレーザによって照射が行われたフローストリーム内の各粒子からの光は、第2の光検出器チャネル内で検出され得る。ある特定の実施形態では、第1のレーザによって照射が行われたフローストリーム内の各粒子からの散乱光は、第1の光検出器チャネル内で検出され、第2のレーザによって照射が行われたフローストリーム内の各粒子からの散乱光は、第2の光検出器チャネル内で検出される。
【0098】
いくつかの実施形態では、メモリは、検出された光に応答して、プロセッサに、各光検出器チャネル内で1つ以上の信号パルスを生成させる命令を含む。いくつかの事例では、メモリは、検出された光に応答して、各光検出器チャネル内で10個以上の信号パルスを生成することを含めて、2つ以上の信号パルスなど、3つ以上の信号パルスなど、4つ以上の信号パルスなど、5つ以上の信号パルスなど、6つ以上の信号パルスなど、7つ以上の信号パルスなど、8つ以上の信号パルスなど、9つ以上の信号パルスなどの、複数の信号パルスを、検出された光に応答して、各光検出器チャネル内で生成さするための命令を含む。いくつかの事例では、メモリは、各光源(例えば、各レーザ)によって照射が行われた粒子から検出された光に応答して、異なる光検出器チャネル内で1つ以上の信号パルスを生成するための命令を含む。例えば、フローストリーム内の粒子に第1のレーザ及び第2のレーザによって照射が行われる場合、メモリは、第1のレーザによって照射が行われた各粒子から検出された光に応答して、第1の光検出器チャネル内で信号パルスを生成するための命令と、第2のレーザによって照射が行われた各粒子から検出された光に応答して、第2の光検出器チャネル内で信号パルスを生成するための命令とを含み得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、メモリは、プロセッサに光検出器信号パルス間の時間の量を判定させる命令を含む。いくつかの事例では、メモリは、10個以上の異なる光検出器チャネル内の信号パルス間の時間の量を判定するための命令を含む、3つ以上の異なる光検出器チャネルなど、4つ以上の異なる光検出器チャネルなど、5つ以上の異なる光検出器チャネルなど、6つ以上の異なる光検出器チャネルなど、7つ以上の異なる光検出器チャネルなど、8つ以上の異なる光検出器チャネルなど、9つ以上の異なる光検出器チャネルなどの、2つ以上の異なる光検出器チャネル内の信号パルス間の時間の量を判定するための命令を含む。いくつかの事例では、2つ以上の異なる光検出器チャネル内の信号パルス間の時間は、1000μs以上を含む、0.00005μs以上など、0.0001μs以上など、0.0005μs以上など、0.001μs以上など、0.005μs以上など、0.01μs以上など、0.05μs以上など、0.1μs以上など、0.5μs以上など、1μs以上など、5μs以上など、10μs以上など、25μs以上など、50μs以上など、100μs以上など、500μs以上などの、0.00001μs以上であり得る。ある特定の事例では、2つ以上の異なる光検出器チャネル内の信号パルス間の時間は、1μs~500μsを含む、0.0001μs~4000μsなど、0.001μs~3000μsなど、0.01μs~2000μsなど、0.1μs~1000μsなどの、0.00001μs~5000μsの範囲である。
【0100】
いくつかの実施形態では、メモリは、プロセッサに光検出器信号パルス間のピーク時間の持続時間を判定させる命令を含む。いくつかの事例では、メモリは、10個以上の異なる光検出器チャネル内の信号パルス間のピーク時間の持続時間を判定するための命令を含む、3つ以上の異なる光検出器チャネルなど、4つ以上の異なる光検出器チャネルなど、5つ以上の異なる光検出器チャネルなど、6つ以上の異なる光検出器チャネルなど、7つ以上の異なる光検出器チャネルなど、8つ以上の異なる光検出器チャネルなど、9つ以上の異なる光検出器チャネルなどの、2つ以上の異なる光検出器チャネル内の信号パルス間のピーク時間の持続時間を判定するための命令を含む。いくつかの事例では、2つ以上の異なる光検出器チャネル内の信号パルス間のピーク時間の持続時間は、1000μs以上を含む、0.00005μs以上など、0.0001μs以上など、0.0005μs以上など、0.001μs以上など、0.005μs以上など、0.01μs以上など、0.05μs以上など、0.1μs以上など、0.5μs以上など、1μs以上など、5μs以上など、10μs以上など、25μs以上など、50μs以上など、100μs以上など、500μs以上などの、0.00001μs以上であり得る。ある特定の事例では、2つ以上の異なる光検出器チャネル内の信号パルス間のピーク時間の持続時間は、1μs~500μsを含む、0.0001μs~4000μsなど、0.001μs~3000μsなど、0.01μs~2000μsなど、0.1μs~1000μsなどの、0.00001μs~5000μsの範囲である。いくつかの実施形態では、メモリは、光検出器チャネルのうちの10個以上内の信号パルスの一次モーメントを判定することを含めて、3つ以上の光検出器チャネルなど、4つ以上の光検出器チャネルなど、5つ以上の光検出器チャネルなど、6つ以上の光検出器チャネルなど、7つ以上の光検出器チャネルなど、8つ以上の光検出器チャネルなど、9つ以上の光検出器チャネルなどの、2つ以上の光検出器チャネル内の信号パルスの一次モーメントなどの、各々の光検出器チャネル内の信号パルスの一次モーメントをプロセッサに判定させる命令を含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、システムは、メモリを有するプロセッサを含み、メモリは、プロセッサに動作可能に結合されており、メモリは、メモリ上に記憶された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、フローストリーム内の関心対象の各粒子の速度を計算させる。いくつかの事例では、メモリは、試料内の500個以上の粒子の速度を独立に計算することを含めて、試料内の2つ以上の粒子の速度など、試料内の5つ以上の粒子の速度など、試料内の10個以上の粒子の速度など、試料内の25個以上の粒子の速度など、試料内の50個以上の粒子の速度など、試料内の100個以上の粒子の速度など、試料内の250個以上の粒子の速度などの、試料内の1つ以上の粒子の速度を独立に計算するための命令を含む。例えば、メモリは、試料内の粒子のうちの90%以上の速度を独立に計算するための命令を含む、0.0005%以上など、0.001%以上など、0.005%以上など、0.01%以上など、0.05%以上など、0.1%以上など、0.5%以上など、1%以上など、5%以上など、10%以上など、25%以上など、50%以上など、75%以上などの、試料内の粒子のうちの0.0001%以上の速度を独立に計算するための命令を含み得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、メモリは、2つ以上の光検出器チャネル内の信号パルス間の時間の量と、2つ以上の検査領域間の距離とに基づいて、各粒子についての速度をプロセッサに計算させる命令を含む。一実施形態では、メモリは、第1の光検出器チャネルからの信号パルスと第2の光検出器チャネルからの信号パルスとの間の時間の量と、第1のレーザの検査領域と第2のレーザの検査領域との間の距離とに基づいて、各粒子についての速度を計算するための命令を含む。いくつかの事例では、メモリは、フローストリーム上の第1のレーザによる照射の位置と、フローストリーム上の第2のレーザによる照射の位置との間の距離に基づいて、第1の検査領域と第2の検査領域との間の距離を判定するための命令を含む。例えば、ある特定の事例における粒子分析器に応じて、第1の検査領域と第2の検査領域との間の距離は、100μm以上によることを含めて、0.05μm以上によるなど、0.1μm以上によるなど、0.5μm以上によるなど、1μm以上によるなど、2μm以上によるなど、3μm以上によるなど、4μm以上によるなど、5μm以上によるなど、10μm以上によるなど、15μm以上によるなど、25μm以上によるなど、50μm以上によるなど、0.01μm以上である。他の事例では、第1の検査領域と第2の検査領域との間の距離は、10μm~100μmを含む、0.05μm~450μmなど、0.1μm~400μmなど、0.5μm~350μmなど、1μm~200μmなど、5μm~150μmなどの、0.01μm~500μmの範囲である。
【0103】
いくつかの実施形態では、メモリは、計算された速度と、光源のうちの1つ以上の検査領域とフローセルノズルオリフィスとの間の距離とに基づいて、プロセッサに各粒子の液滴遅延を計算させる命令を含む。いくつかの実施形態では、メモリは、関心対象の各粒子の計算された速度に、光源のうちの1つ以上の調査領域とフローセルノズルオリフィスとの間の距離を乗算することによって、各粒子の液滴遅延を独立に判定するための命令を含む。例えば、ある特定の事例における粒子分析器に応じて、各検査領域とフローセルノズルオリフィスとの間の距離は、100μm以上によることを含めて、0.05μm以上によるなど、0.1μm以上によるなど、0.5μm以上によるなど、1μm以上によるなど、2μm以上によるなど、3μm以上によるなど、4μm以上によるなど、5μm以上によるなど、10μm以上によるなど、15μm以上によるなど、25μm以上によるなど、50μm以上によるなど、独立して0.01μm以上である。他の事例では、各検査領域とフローセルノズルオリフィスとの間の距離は、10μm~100μmを含む、0.05μm~450μmなど、0.1μm~400μmなど、0.5μm~350μmなど、1μm~200μmなど、5μm~150μmなどの、0.01μm~500μmの範囲である。
【0104】
ある特定の実施形態では、システムは、メモリを有するプロセッサを含み、メモリは、プロセッサに動作可能に結合されており、メモリは、メモリ上に記憶された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、粒子分析器の1つ以上のパラメータを調整させる。いくつかの事例では、メモリは、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を増加させるための命令を含む。ある特定の事例では、流量は、フローストリームの流量を99.9%以上だけ増加させることを含めて、5%以上だけなど、10%以上だけなど、15%以上だけなど、25%以上だけなど、50%以上だけなど、75%以上だけなど、90%以上だけなど、95%以上だけなど、97%以上だけなど、99%以上だけなどの、1%以上だけ増加され得る。いくつかの実施形態では、フローストリームの流量は、1000μL/秒以上を含む、2μL/秒以上など、5μL/秒以上など、10μL/秒以上など、25μL/秒以上など、50μL/秒以上など、100μL/秒以上など、250μL/秒以上など、500μL/秒以上など、750μL/秒以上などの、1μL/秒以上だけ増加される。他の実施形態では、フローストリームの流量は、フローストリームの流量が10mm/秒以上だけ増加される場合を含めて、0.005mm/秒以上だけなど、0.01mm/秒以上だけなど、0.05mm/秒以上だけなど、0.1mm/秒以上だけなど、0.5mm/秒以上だけなど、1mm/秒以上だけなど、5mm/秒以上だけなどの、0.001mm/秒以上だけ増加される。
【0105】
他の事例では、メモリは、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を減少させるための命令を含む。ある特定の事例では、流量は、フローストリームの流量を99.9%以上だけ減少させることを含めて、5%以上だけなど、10%以上だけなど、15%以上だけなど、25%以上だけなど、50%以上だけなど、75%以上だけなど、90%以上だけなど、95%以上だけなど、97%以上だけなど、99%以上だけなどの、1%以上だけ減少され得る。いくつかの実施形態では、フローストリームの流量は、1000μL/秒以上を含む、2μL/秒以上など、5μL/秒以上など、10μL/秒以上など、25μL/秒以上など、50μL/秒以上など、100μL/秒以上など、250μL/秒以上など、500μL/秒以上など、750μL/秒以上などの、1μL/秒以上だけ減少される。他の実施形態では、フローストリームの流量は、フローストリームの流量が10mm/秒以上だけ減少される場合を含めて、0.005mm/秒以上だけなど、0.01mm/秒以上だけなど、0.05mm/秒以上だけなど、0.1mm/秒以上だけなど、0.5mm/秒以上だけなど、1mm/秒以上だけなど、5mm/秒以上などの、0.001mm/秒以上だけ減少される。
【0106】
他の事例では、メモリは、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、小滴帯電のタイミングを調整するための命令を含む。いくつかの事例では、小滴帯電のタイミングは、50%以上だけを含めて、0.05%以上だけなど、0.1%以上だけなど、0.5%以上だけなど、1%以上だけなど、2%以上だけなど、5%以上だけなど、10%以上だけなど、15%以上だけなど、25%以上だけなどの、0.01%以上だけ遅延され得る。例えば、小滴帯電のタイミングは、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度及び計算された液滴遅延に応答して、500μs以上だけ小滴帯電を遅延させることを含めて、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度及び計算された液滴遅延に応答して、0.0005μs以上だけなど、0.001μs以上だけなど、0.005μs以上だけなど、0.01μs以上だけなど、0.05μs以上だけなど、0.1μs以上だけなど、0.5μs以上だけなど、1μs以上だけなど、5μs以上だけなど、10μs以上だけなど、25μs以上だけなど、50μs以上だけなど、100μs以上だけなどの、0.0001μs以上だけ遅延され得る。他の事例では、小滴帯電のタイミングは、50%以上だけを含めて、0.05%以上だけなど、0.1%以上だけなど、0.5%以上だけなど、1%以上だけなど、2%以上だけなど、5%以上だけなど、10%以上だけなど、15%以上だけなど、25%以上だけなどの、0.01%以上だけ早められ得る。例えば、小滴帯電のタイミングは、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度及び計算された液滴遅延に応答して、500μs以上だけを含む、0.0005μs以上だけなど、0.001μs以上だけなど、0.005μs以上だけなど、0.01μs以上だけなど、0.05μs以上だけなど、0.1μs以上だけなど、0.5μs以上だけなど、1μs以上だけなど、5μs以上だけなど、10μs以上だけなど、25μs以上だけなど、50μs以上だけなど、100μs以上だけなどの、0.0001μs以上だけ早められるように調整され得る。
【0107】
他の事例では、メモリは、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、液滴駆動周波数を調整するための命令を含む。いくつかの事例では、液滴駆動周波数は、25Hz以上だけを含む、0.01Hz以上だけなど、0.05Hz以上だけなど、0.1Hz以上だけなど、0.25Hz以上だけなど、0.5Hz以上だけなど、1Hz以上だけなど、2.5Hz以上だけなど、5Hz以上だけなど、10Hz以上だけなど増加される。例えば、液滴駆動周波数は、液滴駆動周波数を90%以上だけ増加させることを含めて、5%以上だけなど、10%以上だけなど、15%以上だけなど、25%以上だけなど、50%以上だけなど、75%以上だけなどの、1%以上だけ増加され得る。他の事例では、液滴駆動周波数は、25Hz以上だけを含む、0.01Hz以上だけなど、0.05Hz以上だけなど、0.1Hz以上だけなど、0.25Hz以上だけなど、0.5Hz以上だけなど、1Hz以上だけなど、2.5Hz以上だけなど、5Hz以上だけなど、10Hz以上だけなど低減される。例えば、液滴駆動周波数は、液滴周波数を90%以上だけ低減することを含めて、5%以上だけなど、10%以上だけなど、15%以上だけなど、25%以上だけなど、50%以上だけなど、75%以上だけなどの、1%以上だけ低減され得る。
【0108】
他の事例では、メモリは、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、液滴遅延を調整するための命令を含む。いくつかの事例では、液滴遅延は、液滴遅延を10μs以上だけ増加させることを含めて、0.01μs以上だけなど、0.05μs以上だけなど、0.1μs以上だけなど、0.3μs以上だけなど、0.5μs以上だけなど、1μs以上だけなど、2.5μs以上だけなど、5μs以上だけなど、7.5μs以上だけなど増加される。例えば、液滴遅延は、液滴遅延を90%以上だけ増加させることを含めて、5%以上だけなど、10%以上だけなど、15%以上だけなど、25%以上だけなど、50%以上だけなど、75%以上だけなどの、1%以上だけ増加され得る。他の事例では、液滴周波数は、液滴遅延を10μs以上だけ低減することを含めて、0.01μs以上だけなど、0.05μs以上だけなど、0.1μs以上だけなど、0.3μs以上だけなど、0.5μs以上だけなど、1μs以上だけなど、2.5μs以上だけなど、5μs以上だけなど、7.5μs以上だけなど低減される。例えば、液滴遅延は、液滴遅延を90%以上だけ低減することを含めて、5%以上だけなど、10%以上だけなど、15%以上だけなど、25%以上だけなど、50%以上だけなど、75%以上だけなどの、1%以上だけ低減され得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、システムは、フローストリーム内の粒子を伝播するように構成されたフローセルを更に含む。流体試料を試料検査領域に伝播する任意の好都合なフローセルが採用されてもよく、いくつかの実施形態では、フローセルは、長手方向軸を画定する近位円筒形部分と、長手方向軸に対して横方向であるオリフィスを有する平坦な表面で終端する遠位円錐台形部分とを含む。近位円筒形部分の長さ(長手方向軸に沿って測定される)は、4mm~8mmを含む、1.5mm~12.5mmなど、2mm~10mmなど、3mm~9mmなどの、1mm~15mmの範囲で変わり得る。遠位円錐台形部分の長さ(長手方向軸に沿って測定される)も同様に、4mm~7mmを含む、2mm~9mmなど、3mm~8mmなどの、1mm~10mmの範囲で変わり得る。フローセルノズルチャンバの直径は、いくつかの実施形態では、4mm~7mmを含む、2mm~9mmなど、3mm~8mmなどの、1mm~10mmの範囲で変わり得る。
【0110】
ある特定の事例では、フローセルは、円筒形部分を含まず、フローセル内部チャンバ全体が円錐台形に形成されている。これらの実施形態では、円錐台形内部チャンバの長さ(ノズルオリフィスに対して横方向の長手方向軸に沿って測定される)は、4mm~8mmを含む、1.5mm~12.5mmなど、2mm~10mmなど、3mm~9mmなどの、1mm~15mmの範囲であり得る。円錐台形内部チャンバの近位部分の直径は、4mm~7mmを含む、2mm~9mmなど、3mm~8mmなどの、1mm~10mmの範囲であり得る。
【0111】
いくつかの実施形態では、試料フローストリームは、フローセルの遠位縁部でオリフィスから発せられる。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルオリフィスは、任意の好適な形状であってもよく、関心対象の断面形状は、これらに限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、並びに、例えば、平面上部に結合されている放物線底部などの不規則形状を含む。ある特定の実施形態では、関心対象のフローセルは、円形オリフィスを有する。ノズルオリフィスのサイズは、いくつかの実施形態では、150μm~500μmを含む、2μm~17500μmなど、5μm~15000μmなど、10μm~12500μmなど、15μm~10000μmなど、25μm~7500μmなど、50μm~5000μmなど、75μm~1000μmなど、100μm~750μmなどの、1μm~20000μmの範囲で変わり得る。特定の実施形態では、ノズルオリフィスは、100μmである。
【0112】
いくつかの実施形態では、フローセルは、試料をフローセルに提供するように構成されている試料注入ポートを含む。実施形態では、試料注入システムは、フローセル内部チャンバに試料の好適なフローを提供するように構成される。フローストリームの所望の特性に応じて、試料注入ポートによってフローセルチャンバに伝達される試料の速度は、100μL/分以上を含む、2μL/分以上など、3μL/分以上など、5μL/分以上など、10μL/分以上など、15μL/分以上など、25μL/分以上など、50μL/分以上などの、1μL/分以上であってもよく、いくつかの事例では、試料注入ポートによってフローセルチャンバに伝達される試料の速度は、100μL/秒以上を含む、2μL/秒以上など、3μL/秒以上など、5μL/秒以上など、10μL/秒以上など、15μL/秒以上など、25μL/秒以上など、50μL/秒以上などの、1μL/秒以上である。
【0113】
試料注入ポートは、内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスであってもよく、又は、内部チャンバの近位端に位置付けられた導管であってもよい。試料注入ポートが内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスである場合、試料注入ポートオリフィスは、任意の好適な形状であってもよく、関心対象の断面形状は、限定されるものではないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、並びに、例えば、平面上部に結合されている放物線底部などの不規則形状を含む。ある特定の実施形態では、試料注入ポートは、円形オリフィスを有する。試料注入ポートオリフィスのサイズは、形状に応じて変わり得、ある特定の事例では、1.25mm~1.75mm、例えば1.5mmを含む、0.2~3.0mmなど、0.5mm~2.5mmなど、0.75mm~2.25mmなど、1mm~2mmなどの、0.1mm~5.0mmの範囲の開口部を有する。
【0114】
ある特定の事例では、試料注入ポートは、フローセル内部チャンバの近位端に位置付けられた導管である。例えば、試料注入ポートは、フローセルオリフィスに沿った試料注入ポートのオリフィスを有するように配置された導管であってもよい。試料注入ポートが、フローセルオリフィスに沿って配置された導管である場合、試料注入チューブの断面形状は、任意の好適な形状であってもよく、関心対象の断面形状は、これらに限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、並びに、例えば、平面上部に結合されている放物線底部などの不規則形状を含む。導管のオリフィスは、形状に応じて変わり得、ある特定の事例では、1.25mm~1.75mmを含む、例えば0.2~3.0mm、例えば0.5mm~2.5mm、0.75mm~2.25mmなど、1mm~2mmなどの、0.1mm~5.0mmの範囲の開口部を有し、例えば1.5mmである。試料注入ポートの先端部の形状は、試料注入管の断面形状と同じであるか、又は異なってもよい。例えば、試料注入ポートのオリフィスは、5°のベベル角を含む、2°~9°など、3°~8°など、4°~7°などの、1°~10°の範囲のベベル角を有する傾斜した先端部を含み得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、フローセルは、また、フローセルにシース流体を提供するように構成されているシース流体注入ポートも含む。実施形態では、シース流体注入システムは、例えば、試料と併せて、フローセル内部チャンバにシース流体のフローを提供して、試料フローストリームを取り囲むシース流体の積層フローストリームを生成するように構成される。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルチャンバに伝達されるシース流体の速度は、2500μL/秒以上を含む、50μL/秒以上など、75μL/秒以上など、100μL/秒以上など、250μL/秒以上など、500μL/秒以上など、750μL/秒以上など、1000μL/秒以上などの、25μL/秒以上であってもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、シース流体注入ポートは、内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスである。シース流体注入ポートオリフィスは、任意の好適な形状であってもよく、関心対象の断面形状は、これらに限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、並びに、例えば、平面上部に結合されている放物線底部などの不規則形状を含む。試料注入ポートオリフィスのサイズは、形状に応じて変わり得、ある特定の事例では、1.25mm~1.75mm、例えば1.5mmを含む、例えば0.2~3.0mm、例えば0.5mm~2.5mm、0.75mm~2.25mmなど、1mm~2mmなどの、0.1mm~5.0mmの範囲の開口部を有する。
【0117】
いくつかの実施形態では、システムは、フローセルを通じてフローストリームを伝搬させるためにフローセルと流体連通するポンプを更に含む。フローセルを通るフローストリームのフローを制御するために、任意の好都合な流体ポンププロトコルが、採用されてもよい。ある特定の事例では、システムは、パルスダンパを有する蠕動ポンプなどの、蠕動ポンプを含む。主題のシステム内のポンプは、フローストリーム内の試料から光を検出するために好適な速度でフローセルを通して流体を伝達するように構成されている。いくつかの事例では、フローセル内の試料フローの速度は、1000μL/分以上を含む、2μL/分以上など、3μL/分以上など、5μL/分以上など、10μL/分以上など、25μL/分以上など、50μL/分以上など、75μL/分以上など、100μL/分以上など、250μL/分以上など、500μL/分以上など、750μL/分以上などの、1μL/分(マイクロリットル毎分)以上である。例えば、システムは、10μL/分~50μL/分を含む、1uL/分~250uL/分など、1uL/分~100uL/分など、2μL/分~90μL/分など、3μL/分~80μL/分など、4μL/分~70μL/分など、5μL/分~60μL/分などの、1μL/分~500μL/分の範囲の速度でフローセルを通して試料を流すように構成されたポンプを含み得る。ある特定の実施形態では、フローストリームの流量は、5μL/分~6μL/分である。
【0118】
ある特定の実施形態では、主題のシステムは、フローサイトメトリックシステムである。好適なフローサイトメトリシステムは、限定されるものではないが、Ormerod(ed.)、Flow Cytometry:A Practical Approach,Oxford Univ.Press(1997)、Jaroszeski et al.(eds.),Flow Cytometry Protocols,Methods in Molecular Biology No.91,Humana Press(1997)、Practical Flow Cytometry,3rd ed.,Wiley-Liss(1995)、Virgo,et al.(2012)Ann Clin Biochem.Jan;49(pt1):17-28、Linden,et.al.,Semin Throm Hemost.2004 Oct;30(5):502-11、Alison,et al.J Pathol,2010 Dec;222(4):335-344、及びHerbig,et al.(2007)Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.24(3):203-255に記載されたものを含んでもよく、それらの開示が、参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の事例では、関心対象のフローサイトメトリシステムとしては、BD Biosciences FACSCanto(商標)IIフローサイトメータ、BD Accuri(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSCelesta(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVerse(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)フローサイトメータ、 BD Biosciences LSRFortessa(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortess(商標)X-20フローサイトメータ、及びBD Biosciences FACSCalibur(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSCount(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)セルソータ、及びBD Biosciences Via(商標)セルソータ、 BD Biosciences Influx(商標)セルソータ、BD Biosciences Jazz(商標)セルソータ、BD Biosciences Aria(商標)セルソータ、及びBD Biosciences FACSMelody(商標)セルソータなどが挙げられる。
【0119】
いくつかの実施形態では、主題のシステムは、米国特許第10,006,852号、同第9,952,076号、同第9,933,341号、同第9,784,661号、同第9,726,527号、同第9,453,789号、同第9,200,334号、同第9,097,640号、同第9,095,494号、同第9,092,034号、同第8,975,595号、同第8,753,573号、同第8,233,146号、同第8,140,300号、同第7,544,326号、同第7,201,875号、同第7,129,505号、同第6,821,740号、同第6,813,017号、同第6,809,804号、同第6,372,506号、同第5,700,692号、同第5,643,796号、同第5,627,040号、同第5,620,842号、同第5,602,039号に記載されたものなどの粒子ソーティングシステムであり、それらの開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0120】
いくつかの実施形態では、主題のシステムは、米国特許公開第2017/0299493号に記載されたものなどの、密閉された粒子ソーティングモジュールを用いて粒子をソートするように構成されており、その開示が、参照により、本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態では、試料の粒子(例えば、細胞)は、米国特許公開第2020/0256781号に記載されたものなどの、複数のソート意思決定ユニットを有するソート意思決定モジュールを使用してソートされ、その開示が、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、主題のシステムは、2017年3月28日に出願された米国特許公開第2017/0299493号に記載されたものなどの、偏向板を有する粒子ソーティングモジュールを含み、その開示が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0121】
ある特定の事例では、関心対象のシステムは、Diebold,et al.Nature Photonics Vol.7(10);806-810(2013)に記載されたもの、並びに米国特許第9,423,353号、同第9,784,661号、及び同第10,006,852号、及び米国特許公開第2017/0133857号、及び同第2017/0350803号に記載されたものなどの、高周波タグ付き発光を使用する蛍光撮像(FIRE)によって、フローストリーム内の粒子を撮像するように構成されたフローサイトメトリシステムであり、それらの開示が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0122】
いくつかの実施形態では、システムは、粒子分析システム401(図4A)を使用して、粒子を収集容器中に物理的にソートすることの有無にかかわらず、粒子を分析及び特性評価することができる、粒子分析器である。図4Aは、計算ベースの試料分析及び粒子特性評価のための粒子分析システムの機能ブロック図を示す。いくつかの実施形態では、粒子分析システム401は、フローシステムである。図4Aに示される粒子分析システム401は、全体的又は部分的に、本明細書に記載の方法を実行するように構成され得る。粒子分析システム401は、流体工学システム402を含む。流体工学システム402は、試料管405と、試料の粒子403(例えば、細胞)が共通試料経路409に沿って内部を移動する、試料管内の移動流体カラムとを含み得るか、又はそれらと連結され得る。
【0123】
粒子分析システム401は、各粒子が共通試料経路に沿って1つ以上の検出ステーションを通過するときに、各粒子から信号を収集するように構成された検出システム404を含む。検出ステーション408は、概して、共通試料経路の監視エリア407を指す。いくつかの実施態様では、検出は、粒子403が監視エリア407を通過するときに、それらの粒子の光、又は1つ以上の他の特性を検出することを含み得る。図4Aでは、1つの監視エリア407を有する1つの検出ステーション408が示されている。粒子分析システム401のいくつかの実施態様は、複数の検出ステーションを含むことができる。更に、いくつかの検出ステーションは、2つ以上の領域を監視することができる。
【0124】
各信号には、各粒子に対してデータポイントを形成するための信号値が割り当てられる。上述したように、このデータは、事象データと称され得る。データポイントは、粒子に対して測定されたそれぞれの特性の値を含む多次元データポイントであり得る。検出システム404は、一連のそのようなデータポイントを第1の時間間隔で収集するように構成されている。
【0125】
粒子分析システム401は、また、制御システム306も含むことができる。制御システム406は、1つ以上のプロセッサ、振幅制御回路、及び/又は周波数制御回路を含むことができる。示された制御システムは、流体工学システム402に動作可能に関連付けられ得る。制御システムは、ポアソン分布、及び第1の期間中に検出システム404によって収集されたデータポイントの数に基づいて、第1の期間の少なくとも一部分について計算された信号周波数を生成するように構成され得る。制御システム406は、第1の期間の一部分におけるデータポイントの数に基づいて、実験的な信号周波数を生成するように更に構成され得る。制御システム406は、追加的に、実験的な信号周波数を、計算された信号周波数又は所定の信号周波数のそれと比較することができる。
【0126】
図4Bは、本発明の例示的な実施形態による、フローサイトメトリのためのシステム400を示す。このシステム400は、フローサイトメータ410、コントローラ/プロセッサ490、及びメモリ495を含む。フローサイトメータ410は、1つ以上の励起レーザ415a~415c、集束レンズ420、フローチャンバ425、前方散乱検出器430、側方散乱検出器435、蛍光収集レンズ440、1つ以上のビームスプリッタ445a~445g、1つ以上のバンドパスフィルタ450a~450e、1つ以上のロングパス(「LP」)フィルタ455a~455b、及び1つ以上の蛍光検出器460a~460fを含む。
【0127】
励起レーザ115a~cは、レーザビームの形態の光を放出する。励起レーザ415a~415cから放出されるレーザビームの波長は、図4Bの例示的なシステムにおいて、それぞれ、488nm、633nm、及び325nmである。レーザビームは、まず、ビームスプリッタ445a及び445bのうちの1つ以上を通して導かれる。ビームスプリッタ445aは、488nmの光を透過し、633nmの光を反射する。ビームスプリッタ445bは、UV光(10~400nmの範囲の波長を有する光)を透過し、488nm及び633nmの光を反射する。
【0128】
次いで、レーザビームは、集束レンズ420に導かれ、集束レンズ420は、試料の粒子がフローチャンバ425内に位置する流体ストリームの部分上にビームを集束させる。フローチャンバは、調査のために、通常一度に1つ、ストリーム中の粒子を集束レーザビームに誘導する流体工学システムの一部である。フローチャンバは、ベンチトップフローサイトメータ内にフローセルを、又はストリームインエアサイトメータ内にノズル先端部を備えることができる。
【0129】
レーザビームからの光は、粒子のサイズ、内部構造、及び粒子の上若しくは中に付属されるか若しくは自然に存在する1つ以上の蛍光分子の存在などの粒子の特性に応じて、様々な異なる波長での再放出を伴う回折、屈折、反射、散乱、及び吸収によって、試料内の粒子と相互作用する。蛍光放出、並びに回折光、屈折光、反射光、及び散乱光は、ビームスプリッタ445a~445g、バンドパスフィルタ450a~450e、ロングパスフィルタ455a~455b、及び蛍光収集レンズ440のうちの1つ以上を通して、前方散乱検出器430、側方散乱検出器435、及び1つ以上の蛍光検出器460a~460fのうちの1つ以上へと経路設定され得る。
【0130】
蛍光収集レンズ440は、粒子レーザビーム間の相互作用から放出された光を収集し、1つ以上のビームスプリッタ及びフィルタに向けてその光を経路設定する。バンドパスフィルタ450a~450eなどのバンドパスフィルタは、狭い波長範囲がフィルタを通過することを可能にする。例えば、バンドパスフィルタ450aは、510/20フィルタである。第1番目の数字は、スペクトル帯域の中心を表す。第2番目の数字は、スペクトル帯域の範囲を提供する。したがって、510/20フィルタは、スペクトル帯域の中心の各側に10nm、又は500nm~520nmに広がる。ショートパスフィルタは、指定された波長以下の光の波長を透過する。ロングパスフィルタ455a~455bなどのロングパスフィルタは、指定された波長以上の光の波長を透過する。例えば、670nmのロングパスフィルタであるロングパスフィルタ455aは、670nm以上の光を透過する。フィルタは、特定の蛍光色素に対する検出器の特異性を最適化するために選択される場合が多い。それらのフィルタは、検出器に透過された光のスペクトル帯域が蛍光色素の放出ピークに近くなるように構成され得る。
【0131】
ビームスプリッタは、異なる波長の光を、異なる方向に導く。ビームスプリッタは、ショートパス及びロングパスなどのフィルタ特性によって特徴付けられ得る。例えば、ビームスプリッタ445gは、620SPビームスプリッタであり、これは、ビームスプリッタ445gが、620nm以下の波長の光を透過し、620nmよりも長い波長の光を異なる方向に反射させることを意味する。一実施形態では、ビームスプリッタ445a~445gは、ダイクロイックミラーなどの光学ミラーを含むことができる。
【0132】
前方散乱検出器430は、フローセルを通る直接ビームから軸外にわずかに離れて位置付けられ、回折光、粒子を通って又はその周りをほとんど前方方向に移動する励起光を検出するように構成される。前方散乱検出器によって検出された光の強度は、粒子のサイズ全体に依存する。前方散乱検出器は、フォトダイオードを含むことができる。側方散乱検出器435は、粒子の表面及び内部構造からの回折光及び反射光を検出するように構成され、粒子構造が複雑になるにつれて増加する傾向がある。粒子に関連付けられた蛍光分子からの蛍光放出は、1つ以上の蛍光検出器460a~460fによって検出され得る。側方散乱検出器435及び蛍光検出器は、光電子増倍管を含むことができる。前方散乱検出器430、側方散乱検出器435、及び蛍光検出器で検出された信号は、検出器によって電子信号(電圧)に変換され得る。このデータは、試料に関する情報を提供することができる。
【0133】
当業者は、本発明の一実施形態によるフローサイトメータが、図4Bに示されるフローサイトメータに限定されず、当該技術分野で既知の任意のフローサイトメータを含み得ることを認識する。例えば、フローサイトメータは、様々な波長で、かつ様々な異なる構成で、任意の数のレーザ、ビームスプリッタ、フィルタ、及び検出器を有してもよい。
【0134】
動作中、フローサイトメータの動作は、コントローラ/プロセッサ490によって制御され、検出器からの測定データは、メモリ495内に記憶されて、コントローラ/プロセッサ490によって処理され得る。明示的には示されていないが、コントローラ/プロセッサ190は、検出器に結合されて、その検出器から出力信号を受け取り、また、フローサイトメータ400の電気構成要素及び電気機械構成要素に結合されて、レーザ、流体流パラメータなどを制御することができる。入力/出力(I/O)機能部497は、システム内にも提供され得る。メモリ495、コントローラ/プロセッサ490、及びI/O497は、全体的に、フローサイトメータ410の不可欠な部分として提供され得る。そのような実施形態では、ディスプレイは、また、フローサイトメータ400のユーザに実験的なデータを提示するための、I/O機能部497の一部も形成し得る。代替的に、メモリ495及びコントローラ/プロセッサ490及びI/O機能部の一部又は全ては、汎用コンピュータなどの1つ以上の外部デバイスの一部であってもよい。いくつかの実施形態では、メモリ495及びコントローラ/プロセッサ490の一部又は全ては、フローサイトメータ410と無線又は有線で通信することができる。メモリ495及びI/O497と併せて、コントローラ/プロセッサ490は、フローサイトメータ実験の調製及び分析に関連する様々な機能を実行するように構成され得る。
【0135】
図4Bに例示されるシステムは、フローセル425から各検出器へのビーム経路におけるフィルタ及び/又はスプリッタの構成によって画定されるように、6つの異なる波長帯域(本明細書では、所与の検出器についての「フィルタウィンドウ」と称され得る)内の蛍光を検出する6つの異なる検出器を含む。フローサイトメータ実験に使用される異なる蛍光分子は、それら独自の特性波長帯域の光を放出する。実験に使用される特定の蛍光標識、及びそれらの関連する蛍光放出帯域は、検出器のフィルタウィンドウと概ね一致するように、選択され得る。ただし、より多くの検出器が提供され、かつより多くの標識が利用されるため、フィルタウィンドウと蛍光放出スペクトルとの間の完全な対応は、不可能である。特定の蛍光分子の放出スペクトルのピークは、1つの特定の検出器のフィルタウィンドウ内に存在する場合があるが、その標識の発光スペクトルの一部が、また、1つ以上の他の検出器のフィルタウィンドウとも重複することは、一般的に正しい。これは、こぼれ信号と称され得る。I/O497は、蛍光標識のパネルを有するフローサイトメータ実験、及び複数のマーカーを有する複数の細胞母集団に関係するデータを受信するように構成され得、各細胞母集団は、複数のマーカーのサブセットを有する。I/O497は、また、1つ以上のマーカーを1つ以上の細胞母集団に割り当てる生体データ、マーカー濃度データ、発光スペクトルデータ、1つ以上のマーカーに標識を割り当てるデータ、及びサイトメータ構成データも受信するように構成され得る。標識スペクトル特性及びフローサイトメータ構成データなどのフローサイトメータ実験データも、また、メモリ495内に記憶され得る。コントローラ/プロセッサ490は、マーカーに対する標識の1つ以上の割り当てを評価するように構成され得る。
【0136】
図5は、生体事象を分析及び表示するための、分析コントローラ500などの、粒子分析器制御システムの一実施例の機能ブロック図を示す。分析コントローラ500は、生体事象のグラフィック表示を制御するための様々なプロセスを実施するように構成され得る。
【0137】
粒子分析器又はソーティングシステム502は、生体事象データを取得するように構成され得る。例えば、フローサイトメータは、フローサイトメトリック事象データを生成することができる。粒子分析器502は、生体事象データを分析コントローラ500に提供するように構成され得る。データ通信チャネルが、粒子分析器又はソーティングシステム502と分析コントローラ500との間に含まれ得る。生体事象データは、データ通信チャネルを介して、分析コントローラ500に提供され得る。
【0138】
分析コントローラ500は、粒子分析器又はソーティングシステム502から生体事象データを受信するように構成され得る。粒子分析器又はソーティングシステム502から受信された生体事象データは、フローサイトメトリック事象データを含むことができる。分析コントローラ500は、生体事象データの第1のプロットを含むグラフィカル表示を表示デバイス506に提供するように構成され得る。分析コントローラ500は、関心対象の領域を、表示デバイス506によって示される生体事象データの母集団の周辺のゲートとして、例えば、第1のプロット上に重ねられて、レンダリングするように更に構成され得る。いくつかの実施形態では、そのゲートは、単一パラメータのヒストグラム又は二変量プロット上に描かれる、関心対象の1個以上の画像領域の論理結合であり得る。いくつかの実施形態では、そのディスプレイを使用して、粒子パラメータ又は飽和した検出器データを表示することができる。
【0139】
分析コントローラ500は、ゲート内の表示デバイス506上に生体事象データを、ゲートの外側の生体事象データ内の他の事象とは異なって表示するように更に構成され得る。例えば、分析コントローラ500は、ゲート内に含まれる生体事象データの色を、ゲートの外側の生体事象データの色とは区別するようレンダリングするように構成され得る。表示デバイス506は、モニタ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、又はグラフィカルインターフェースを提示するように構成されている他の電子デバイスとして、実装され得る。
【0140】
分析コントローラ500は、第1の入力デバイスからゲートを識別するゲート選択信号を受信するように構成され得る。例えば、第1の入力デバイスは、マウス510として実装され得る。このマウス510は、表示デバイス506を介して表示又は操作されるゲートを識別する分析コントローラ500に対して、(例えば、カーソルをそこに位置決めするときに、所望のゲートをクリックすることによって)ゲート選択信号を始動させることができる。いくつかの実施態様では、第1のデバイスは、キーボード508、又はタッチスクリーン、入力用ペン、光検出器、若しくは音声認識システムなどの、入力信号を分析コントローラ500に提供するための他の手段として実装され得る。いくつかの入力デバイスは、複数の入力機能を含み得る。そのような実施態様では、入力機能は、各々、入力デバイスとみなされ得る。例えば、図5に示されるように、マウス510は、右マウスボタン及び左マウスボタンを含み得、それらの各々は、起動事象を生成し得る。
【0141】
この起動事象は、分析コントローラ500に、データが表示される方法、データのどの部分が実際に表示デバイス506上に表示されるかを変更させ、かつ/又は粒子ソーティングの対象の母集団の選択などの更なる処理への入力を提供させ得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、分析コントローラ500は、ゲート選択がマウス510によっていつ始動されたかを検出するように構成され得る。分析コントローラ500は、プロットの視覚化を自動的に修正して、ゲート制御プロセスを容易にするように更に構成され得る。この修正は、分析コントローラ500によって受信された生体事象データの特定の分布に基づき得る。
【0143】
分析コントローラ500は、記憶デバイス504に接続され得る。この記憶デバイス504は、分析コントローラ500から生体事象データを受信及び記憶するように構成され得る。記憶デバイス504は、また、分析コントローラ500からフローサイトメトリック事象データも受信及び記憶するように構成され得る。記憶デバイス504は、分析コントローラ500によって、フローサイトメトリック事象データなどの生体事象データの検索を可能にするように更に構成され得る。
【0144】
表示デバイス506は、分析コントローラ500から表示データを受信するように構成され得る。表示データは、生体事象データのプロット、及びそのプロットの区画の輪郭を描くゲートを含み得る。表示デバイス506は、粒子分析器502、記憶デバイス504、キーボード508、及び/又はマウス510からの入力と併せて、分析コントローラ500から受信した入力に従って提示された情報を変更するように更に構成され得る。
【0145】
いくつかの実施態様では、分析コントローラ500は、ユーザインターフェースを生成して、ソーティングのための例示的な事象を受信することができる。例えば、このユーザインターフェースは、例示的な事象又は例示的な画像を受信するための制御を含むことができる。例示的な事象若しくは画像、又は例示的ゲートは、試料についての事象データの収集前に、又は試料の一部分についての事象の初期セットに基づいて提供され得る。
【0146】
図6Aは、本明細書に提示される一実施形態による、粒子ソータシステム600(例えば、粒子分析器又はソーティングシステム502)の概略図である。いくつかの実施形態では、粒子ソータシステム600は、セルソータシステムである。図6Aに示されるように、液滴形成トランスデューサ602(例えば、圧電発振器)は、流体導管601に結合されており、流体導管601は、ノズル603に結合され得るか、ノズル603を含み得るか、又はノズル603であり得る。流体導管601内で、シース流体604が、粒子609を含む試料流体606を流体力学的に集束させて移動流体カラム608(例えば、ストリーム)とする。移動流体カラム608内で、粒子609(例えば、細胞)は、1列縦隊に並べられて、監視エリア611(例えば、レーザストリーム交差点)を横切り、照射源612(例えば、レーザ)によって照射が行われる。液滴形成トランスデューサ602の振動によって、移動流体カラム608は、複数の液滴610に分断され、そのうちのいくつかは、粒子609を含有する。
【0147】
動作中、検出ステーション614(例えば、事象検出器)は、関心対象の粒子(又は関心対象の細胞)が監視エリア611を横切るときを識別する。検出ステーション614は、タイミング回路628に入力供給し、次いで、タイミング回路628は、フラッシュ電荷回路630に入力供給する。時限液滴遅延(Δt)によって通知される液滴分裂ポイントでは、フラッシュ電荷が移動流体カラム608に与えられ得、したがって、関心対象の液滴が電荷を担う。関心対象の液滴は、ソートされるべき1つ以上の粒子又は細胞を含み得る。次いで、荷電液滴を、偏向板(図示せず)を作動させることによってソートして、液滴を、収集管、又はウェル若しくはマイクロウェルが特別の関心対象の液滴に関連付けられ得るマルチウェル若しくはマイクロウェル試料プレートなどの、容器内に偏向させることができる。図6Aに示されるように、液滴は、ドレイン受容器638内に収集され得る。
【0148】
検出システム616(例えば、液滴境界検出器)は、関心対象の粒子が監視エリア611を通過するときに、液滴駆動信号の位相を自動的に判定する役割を果たす。例示的な液滴境界検出器が、米国特許第7,679,039号に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。検出システム616は、機器が、液滴内の検出された各粒子の位置を正確に計算することを可能にする。検出システム616は、振幅信号620及び/又は位相信号618に入力供給し得、振幅信号620及び/又は位相信号618は、次いで、振幅制御回路626及び/又は周波数制御回路624に(増幅器622を介して)入力供給する。振幅制御回路626及び/又は周波数制御回路624は、次いで、液滴形成トランスデューサ602を制御する。振幅制御回路626及び/又は周波数制御回路624は、制御システム内に含まれ得る。
【0149】
いくつかの実装態様では、ソートエレクトロニクス(例えば、検出システム616、検出ステーション614、及びプロセッサ640)は、検出された事象と検出された事象に基づくソート意思決定とを記憶するように構成されたメモリと結合され得る。ソート意思決定は、粒子に対する事象データに含まれ得る。いくつかの実装態様では、検出システム616及び検出ステーション614は、単一の検出ユニットとして実装され得るか、又は事象測定値が、検出システム616若しくは検出ステーション614のうちの一方によって収集され、かつ非収集要素に提供され得るように、通信可能に連結され得る。
【0150】
図6Bは、本明細書に提示される一実施形態による、粒子ソータシステムの概略図である。図6Bに示される粒子ソータシステム600は、偏向板652及び654を含む。バーブ内のストリーム帯電ワイヤを介して電荷が与えられ得る。これにより、分析のために粒子610を含有する小滴610のストリームが作り出される。粒子に、光散乱及び蛍光情報を生成するために、1つ以上の光源(例えば、レーザ)で照射が行われ得る。粒子についての情報は、ソーティングエレクトロニクス又は他の検出システム(図6Bには図示せず)によるなどして分析される。偏向板652及び654は、独立に制御されて、荷電小滴を誘引又は反発して、小滴を目的の収集受容器(例えば、672、674、676、又は678のうちの1つ)に向けて誘導し得る。図6Bに示されるように、偏向板652及び654は、粒子を第1の経路662に沿って受容器674に向けて、又は第2の経路668に沿って受容器678に向けて導くように制御され得る。粒子が関心対象でない(例えば、指定されたソート範囲内の散乱又は照明情報を呈さない)場合、偏向板は、粒子がフロー経路664に沿って進み続けることを可能にし得る。そのような非荷電の小滴は、吸引器670を介してなど、廃棄物容器内に移行し得る。
【0151】
ソーティングエレクトロニクスは、測定値の収集を始動し、粒子に関する蛍光信号を受信し、偏向板をどのように調整して粒子のソーティングを引き起こすかを決定するために含まれ得る。図6Bに示される実施形態の例示的実装態様としては、Becton,Dickinson and Company(Franklin Lakes,NJ)によって市販されているBD FACSAria(登録商標)系のフローサイトメータが挙げられる。
【0152】
コンピュータ制御システム
本開示の態様は、コンピュータ制御システムを更に含み、システムは、完全な自動化又は部分的な自動化のための1つ以上のコンピュータを更に含む。いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータを含み、コンピュータプログラムは、コンピュータ上にロードされたときに、フローストリーム内の複数の粒子を含む試料に、第1の検査領域内の第1のレーザ及び第2の検査領域内の第2のレーザで照射を行うための命令と、第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の各粒子からの光を検出するための命令と、第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の検出された光に基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するための命令と、計算された速度に基づいて、各粒子の液滴遅延を判定するための命令とを含む。
【0153】
実施形態では、システムは、入力モジュール、処理モジュール、及び出力モジュールを含む。主題のシステムは、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の両方を含んでもよく、ハードウェア構成要素は、例えば、サーバの形態で1つ以上のプラットフォームの形態をとってもよく、その結果、システムの機能要素、すなわち、特定のタスク(情報の入出力の管理、情報の処理など)を実行するシステムのそれらの要素は、システムに表される1つ以上のコンピュータプラットフォーム上で及びそれにわたってソフトウェアアプリケーションの実行によって実行されてもよい。
【0154】
システムは、ディスプレイ及びオペレータ入力デバイスを含んでもよい。オペレータ入力デバイスは、例えば、キーボード、マウスなどであってもよい。処理モジュールは、主題の方法のステップを実行するために記憶された命令を有するメモリにアクセスするプロセッサを含む。処理モジュールは、オペレーティングシステム、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラ、システムメモリ、メモリ記憶デバイス、及び入出力コントローラ、キャッシュメモリ、データバックアップユニット、並びに多くの他のデバイスを含み得る。プロセッサは、市販のプロセッサであり得るか、又は利用可能であるか、若しくは利用可能になる他のプロセッサのうちの1つであり得る。プロセッサは、オペレーティングシステムを実行し、オペレーティングシステムは、周知の方法でファームウェア及びハードウェアとインターフェース接続し、当該技術分野で既知であるように、Java、Perl、C++、他の高級言語又は低級言語、並びにそれらの組み合わせなどの様々なプログラミング言語で記述され得る様々なコンピュータプログラムの機能を、プロセッサが連携及び実行することを容易にする。オペレーティングシステムは、通常、プロセッサと協調して、コンピュータの他の構成要素の機能を調整し、実行する。オペレーティングシステムは、また、全て既知の技術に従って、スケジューリング、入出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、並びに通信制御及び関連サービスを提供する。プロセッサは、任意の好適なアナログ又はデジタルシステムであり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、第1の光信号及び第2の光信号に基づいて、ユーザが、光源をフローストリームと手動で位置合わせさせることを可能にするアナログ電子機器を含む。いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えば、負帰還制御などのフィードバック制御を提供するアナログ電子機器を含む。
【0155】
システムメモリは、様々な既知又は将来のメモリ記憶デバイスのいずれかであり得る。例としては、任意の一般的に入手可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、常駐ハードディスク若しくはテープなどの磁気媒体、リードライトコンパクトディスクなどの光学媒体、フラッシュメモリデバイス、又は他のメモリ記憶デバイスが挙げられる。メモリ記憶デバイスは、コンパクトディスクドライブ、テープドライブ、リムーバブルハードディスクドライブ、又はディスクドライブを含む、様々な既知又は将来のデバイスのいずれかであり得る。そのようなタイプのメモリ記憶デバイスは、通常、それぞれ、コンパクトディスク、磁気テープ、リムーバブルハードディスク、又は磁気ディスクなどのプログラム記憶媒体(図示せず)から読み出し、及び/又はプログラム記憶媒体に書き込む。これらのプログラム記憶媒体のいずれか、又は現在使用されている、若しくは後に開発され得る他のものは、コンピュータプログラム製品とみなされ得る。理解されるように、これらのプログラム記憶媒体は、通常、コンピュータソフトウェアプログラム及び/又はデータを記憶する。コンピュータ制御ロジックとも呼ばれるコンピュータソフトウェアプログラムは、通常、システムメモリ、及び/又はメモリ記憶デバイスと併せて使用されるプログラム記憶デバイスに記憶される。
【0156】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム製品は、内部に記憶された制御ロジック(プログラムコードを含むコンピュータソフトウェアプログラム)を有するコンピュータ使用可能媒体を備えて記載される。制御ロジックは、プロセッサによって実行されるとコンピュータ、プロセッサに、本明細書に記載された機能を実行させる。他の実施形態では、いくつかの機能は、例えば、ハードウェアステートマシンを使用して、主にハードウェア内に実装される。本明細書に記載される機能を実行するためのハードウェアステートマシンの実装は、関連技術分野の当業者には明らかである。
【0157】
メモリは、磁気、光学、又はソリッドステート記憶デバイス(磁気若しくは光学ディスク、又はテープ、又はRAM、又は固定型若しくは携帯型のいずれかの任意の他の好適なデバイスを含む)などの、プロセッサがデータを記憶し、取り出すことができる任意の好適なデバイスであり得る。プロセッサは、必要なプログラムコードを担持するコンピュータ可読媒体から好適にプログラムされた汎用デジタルマイクロプロセッサを含み得る。プログラミングは、通信チャネルを介してプロセッサにリモートで提供され得るか、又はメモリ又は何らかの他の携帯型若しくは固定型のコンピュータ可読記憶媒体などのコンピュータプログラム製品に、メモリと一緒にそれらのデバイスのいずれかを使用して、あらかじめ保存され得る。例えば、磁気又は光学ディスクは、プログラミングを担持し得、ディスクライタ/リーダによって読み取ることができる。本発明のシステムは、例えば、コンピュータプログラム製品の形態のプログラミング、上記の方法を実施する際に使用するためのアルゴリズムも含む。本発明によるプログラミングは、コンピュータ可読媒体、例えば、コンピュータによって直接読み取り及びアクセスすることができる任意の媒体に記録され得る。そのような媒体としては、以下に限定されないが、磁気ディスク、ハードディスク記憶媒体、及び磁気テープなどの磁気記憶媒体、CD-ROMなどの光学記憶媒体、RAM及びROMなどの電気記憶媒体、ポータブルフラッシュドライブ、並びに磁気/光学記憶媒体などのこれらのカテゴリのハイブリッドが挙げられる。
【0158】
プロセッサは、また、リモート位置でユーザと通信するための通信チャネルへのアクセスを有し得る。リモート位置とは、ユーザがシステムと直接接触せず、広域ネットワーク(「WAN」)、電話ネットワーク、衛星ネットワーク、又は携帯電話(すなわち、スマートフォン)を含む任意の他の好適な通信チャネルに接続されたコンピュータなど、外部デバイスから入力マネージャに入力情報を中継することを意味する。
【0159】
いくつかの実施形態では、本開示によるシステムは、通信インターフェースを含むように構成され得る。いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、ネットワーク及び/又は別のデバイスと通信するための受信機及び/又は送信機を含む。通信インターフェースは、無線周波数(RF)通信(例えば、無線周波数特定(RFID)、ジグビー通信プロトコル、WiFi、赤外線、無線ユニバーサルシリアルバス(USB)、超広帯域(UWB)、Bluetooth(登録商標)通信プロトコル、及び符号分割多元接続(CDMA)又はモバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)などのセルラー通信を含むが、これらに限定されない、有線又は無線通信のために構成され得る。
【0160】
一実施形態では、通信インターフェースは、主題のシステムと、同様の補完的データ通信のために構成される(例えば、診療所又は病院環境における)コンピュータ端末などの他の外部デバイスとの間のデータ通信を可能にするために、例えば、USBポート、RS-232ポート、又は任意の他の好適な電気接続ポートなどの物理ポート又はインターフェースなど、1つ以上の通信ポートを含むように構成される。
【0161】
一実施形態では、通信インターフェースは、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信、又は任意の他の好適な無線通信プロトコルのために構成され、主題のシステムが、コンピュータ端末及び/又はネットワーク、通信可能な携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント、又はユーザが併せて使用し得る任意の他の通信デバイスなどの、他のデバイスと通信することを可能にする。
【0162】
一実施形態では、通信インターフェースは、携帯電話ネットワーク、ショートメッセージサービス(SMS)、インターネットに接続されたローカルエリアネットワーク(LAN)上のパーソナルコンピュータ(PC)への無線接続、又はWiFiホットスポットでのインターネットへのWiFi接続を介して、インターネットプロトコル(IP)を利用するデータ転送のための接続を提供するように構成されている。
【0163】
一実施形態では、主題のシステムは、例えば、802.11若しくはBluetooth(登録商標)RFプロトコル、又はIrDA赤外線プロトコルなどの共通標準を使用して、通信インターフェースを介してサーバデバイスと無線で通信するように構成されている。サーバデバイスは、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)若しくはノートブックコンピュータなどの別のポータブルデバイス、又はデスクトップコンピュータ、アプライアンスなどのより大きなデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、サーバデバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ、並びにボタン、キーボード、マウス、又はタッチスクリーンなどの入力デバイスを有する。
【0164】
いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、上述の通信プロトコル及び/又は機構のうちの1つ以上を使用して、ネットワーク又はサーバデバイスと、主題のシステム内、例えば、任意選択のデータ記憶ユニット内に記憶されたデータを自動的に又は半自動で通信するように構成されている。
【0165】
出力コントローラは、人間であろうと機械であろうと、ローカルであろうとリモートであろうと、ユーザに情報を提示するための様々な既知の表示デバイスのいずれかのためのコントローラを含み得る。表示デバイスのうちの1つが視覚情報を提供する場合、この情報は、通常、画素のアレイとして論理的及び/又は物理的に編成され得る。グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラは、システムとユーザとの間にグラフィカル入力及び出力インターフェースを提供するための、及びユーザ入力を処理するための、様々な既知又は将来のソフトウェアプログラムのいずれかを含み得る。コンピュータの機能要素は、システムバスを介して互いに通信し得る。これらの通信のいくつかは、ネットワーク又は他のタイプのリモート通信を使用する代替の実施形態で達成され得る。出力マネージャは、また、既知の技術に従って、例えば、インターネット、電話、又は衛星ネットワークを介して、リモート位置でユーザに、処理モジュールによって生成された情報を提供し得る。出力マネージャによるデータの提示は、様々な既知の技術に従って実施され得る。いくつかの例として、データは、SQL、HTML、若しくはXMLドキュメント、電子メール若しくは他のファイル、又は他の形態のデータを含み得る。データは、ユーザが追加のSQL、HTML、XML、又は他のドキュメント若しくはデータをリモートソースから取り出すことができるように、インターネットURLアドレスを含み得る。主題のシステム内に存在する1つ以上のプラットフォームは、通常、一般的にサーバと称されるコンピュータのクラスのものであるが、任意のタイプの既知のコンピュータプラットフォーム又は将来開発されるタイプであってもよい。また一方、それらは、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、又は他のコンピュータタイプであってもよい。それらは、任意の既知又は将来のタイプのケーブル配線、又はネットワーク化されているか、又はされていないかのいずれかの無線システムを含む、他の通信システムを介して接続され得る。それらは、同一場所に配置され得るか、又は物理的に分離され得る。場合により、選定されたコンピュータプラットフォームのタイプ及び/又は構成に応じて、様々なオペレーティングシステムが、コンピュータプラットフォームのいずれかで採用され得る。適切なオペレーティングシステムとしては、Windows NT(登録商標)、Windows XP、Windows 7、Windows 8、iOS、Sun Solaris、Linux(登録商標)、OS/400、Compaq Tru64 Unix、SGI IRIX、Siemens Reliant Unixなどが挙げられる。
【0166】
図7は、ある特定の実施形態による、例示的なコンピューティングデバイス600の一般的なアーキテクチャを示す。図7に示されるコンピューティングデバイス700の一般的なアーキテクチャは、コンピュータハードウェア及びソフトウェア構成要素の配置を含む。コンピューティングデバイス700は、図7に示される要素よりも多くの(又はよりも少ない)要素を含み得る。ただし、有効な開示を提供するためには、これらの一般的に伝統的な要素の全てが、必ずしも示される必要はない。図示のように、コンピューティングデバイス700は、処理ユニット710、ネットワークインターフェース720、コンピュータ可読媒体ドライブ730、入力/出力デバイスインターフェース740、ディスプレイ750、及び入力デバイス760を含み、それらの全ては、通信バスを経由して互いに通信することができる。ネットワークインターフェース720は、1つ以上のネットワーク又はコンピューティングシステムに対するコネクティビティを提供し得る。したがって、処理ユニット710は、ネットワークを介して、他のコンピューティングシステム又はサービスから情報及び命令を受信することができる。処理ユニット710は、また、メモリ770との間でも通信することができ、入力/出力デバイスインターフェース740を介して、任意選択のディスプレイ750のための出力情報を更に提供することができる。入力/出力デバイスインターフェース740は、また、キーボード、マウス、デジタルペン、マイクロフォン、タッチスクリーン、ジェスチャー認識システム、音声認識システム、ゲームパッド、加速度計、ジャイロスコープ、又は他の入力デバイスなどの、任意選択の入力デバイス760から入力を受信することもできる。
【0167】
メモリ770は、処理ユニット710が順番に実行して1つ以上の実施形態を実施するコンピュータプログラム命令(いくつかの実施形態では、モジュール又は構成要素としてグループ化される)を含むことができる。メモリ770は、一般的に、RAM、ROM、及び/又は他の永続的、補助的、又は非一時的なコンピュータ可読媒体を含む。メモリ770は、コンピューティングデバイス700の一般的な管理及び動作において、処理ユニット710によって使用されるためのコンピュータプログラム命令を提供するオペレーティングシステム772を記憶することができる。メモリ770は、本開示の態様を実装するためのコンピュータプログラム命令及び他の情報を更に含むことができる。
【0168】
コンピュータ可読記憶媒体
本開示の態様は、主題の方法を実施するための命令を有する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を更に含む。コンピュータ可読記憶媒体は、本明細書に記載の方法を実施するためのシステムの完全な自動化又は部分的な自動化のために、1つ以上のコンピュータの上で採用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法による命令は、「プログラミング」の形態でコンピュータ可読媒体にコード化され得、この場合、「コンピュータ可読媒体」という用語は、本明細書で使用される場合、実行及び処理のために命令及びデータをコンピュータに提供することに関与する任意の非一時的記憶媒体を指す。好適な非一時的記憶媒体の例は、磁気ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROM、DVD-ROM、Blue-rayディスク、ソリッドステートディスク、及びネットワーク接続型記憶装置(NAS)を含むが、このようなデバイスが、コンピュータの内部にあるか、又は外部にあるかを問わない。情報を含むファイルは、コンピュータ可読媒体に「記憶」することができ、ここで、「記憶」とは、その情報がコンピュータによって後日アクセス可能及び検索可能であるように、その情報を記録することを意味する。本明細書に記載のコンピュータ実施方法は、任意の数のコンピュータプログラミング言語のうちの1つ以上で記述することができるプログラミングを使用して、実行され得る。そのような言語としては、例えば、Java(Sun Microsystems,Inc.、Santa Clara,CA)、Visual Basic(Microsoft Corp.、Redmond,WA)、及びC++(AT&T Corp.、Bedminster,NJ)、並びに任意の多くの他の言語が挙げられる。
【0169】
いくつかの実施形態では、関心対象のコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読記憶媒体上に記憶されたコンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムは、命令であって、コンピュータ上にロードされたときに、フローストリーム内の複数の粒子を含む試料に、第1の検査領域内の第1のレーザ及び第2の検査領域内の第2のレーザで照射を行うためのアルゴリズムと、第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の各粒子からの光を検出するためのアルゴリズムと、第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の検出された光に基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するためのアルゴリズムと、計算された速度に基づいて、各粒子の液滴遅延を判定するためのアルゴリズムとを有する命令を含む。
【0170】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、第1のレーザから下流の位置で、第2のレーザでフローストリームに照射を行うためのアルゴリズムを有する命令を含む。いくつかの事例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、第1の光検出器チャネル内で検出された光に応答して、第1の光検出器信号パルスを生成するためのアルゴリズムと、第2の光検出器チャネル内で検出された光に応答して、第2の光検出器信号パルスを生成するためのアルゴリズムとを含む。いくつかの事例では、命令は、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量を判定するためのアルゴリズムを含む。いくつかの事例では、命令は、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間のピーク時間を判定するためのアルゴリズムを含む。いくつかの事例では、命令は、第1の光検出器信号パルス及び第2の光検出器信号パルスの一次モーメントを判定するためのアルゴリズムを含む。いくつかの事例では、命令は、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量と、第1のレーザと第2のレーザとの間の距離とに基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するためのアルゴリズムを含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、粒子を含有する小滴を生成するためのフローセルノズルを有するフローセルを有する粒子分析器の一部であり、命令は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度に、第1の検査領域又は第2の検査領域とフローセルノズルのオリフィスとの間の距離を乗算することによって、フローストリーム内の各粒子についての液滴遅延を計算するためのアルゴリズムを含む。いくつかの事例では、命令は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、各粒子の液滴遅延を調整するためのアルゴリズムを含む。いくつかの事例では、命令は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、粒子分析器の1つ以上のパラメータを調整するためのアルゴリズムを含む。ある特定の事例では、命令は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を増加させるための命令を含む。他の事例では、命令は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を減少させるための命令を含む。他の事例では、命令は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度に基づいて、小滴帯電のタイミングを調整するためのアルゴリズムを含む。他の事例では、命令は、フローストリーム内の試料に複数のレーザで照射を行うためのアルゴリズムと、複数の光検出器チャネル内の各粒子からの光を検出するためのアルゴリズムと、光検出器チャネルの各々内の検出された光に応答して、光検出器信号パルスを生成するためのアルゴリズムと、光検出器チャネルのうちの2つ以上内の光検出器信号パルスに基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するためのアルゴリズムとを含む。ある特定の事例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、レーザの各々によるフローストリームの照射のタイミングを計算するためのアルゴリズムを有する命令を含む。他の事例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、3つ以上の光検出器チャネル内の光検出器信号パルスに基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するためのアルゴリズムを有する命令を含む。
【0172】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、ディスプレイ及びオペレータ入力デバイスを有する1つ以上のコンピュータシステム上で採用され得る。オペレータ入力デバイスは、例えば、キーボード、マウスなどであってもよい。処理モジュールは、主題の方法のステップを実行するために記憶された命令を有するメモリにアクセスするプロセッサを含む。処理モジュールは、オペレーティングシステム、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラ、システムメモリ、メモリ記憶デバイス、及び入出力コントローラ、キャッシュメモリ、データバックアップユニット、並びに多くの他のデバイスを含み得る。プロセッサは、市販のプロセッサであり得るか、又は利用可能であるか、若しくは利用可能になる他のプロセッサのうちの1つであり得る。プロセッサは、オペレーティングシステムを実行し、オペレーティングシステムは、周知の方法でファームウェア及びハードウェアとインターフェース接続し、当該技術分野で既知であるように、Java、Perl、C++、他の高級言語又は低級言語、並びにそれらの組み合わせなどの様々なプログラミング言語で記述され得る様々なコンピュータプログラムの機能を、プロセッサが連携及び実行することを容易にする。オペレーティングシステムは、通常、プロセッサと協調して、コンピュータの他の構成要素の機能を調整し、実行する。オペレーティングシステムは、また、全て既知の技術に従って、スケジューリング、入出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、並びに通信制御及び関連サービスを提供する。
【0173】
集積回路デバイス
本開示の態様は、また、本明細書に記載の方法に従って、フローストリーム内の試料内の複数の照射が行われた粒子の液滴遅延を判定するための集積回路を含む。ある特定の実施形態による集積回路は、第1の光検出器チャネル内の照射が行われた粒子から検出された光と、第2の光検出器チャネル内で検出された光とに基づいて、フローストリーム内の試料内の各粒子についての速度を計算するためのプログラミングと、計算された速度に基づいて、各粒子の液滴遅延を判定するためのプログラミングとを含む。いくつかの実施形態では、集積回路は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)である。いくつかの実施形態では、集積回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。いくつかの実施形態では、集積回路は、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)である。
【0174】
いくつかの実施形態では、集積回路は、第1の光検出器からの信号パルスと第2の光検出器からの信号パルスとの間の時間の量を判定するためのプログラミングを含む。いくつかの事例では、集積回路は、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間のピーク時間を判定するためのプログラミングを含む。いくつかの事例では、集積回路は、第1の光検出器信号パルス及び第2の光検出器信号パルスの一次モーメントを判定するためのプログラミングを含む。いくつかの実施形態では、集積回路は、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量に基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するためのプログラミングを含む。いくつかの実施形態では、集積回路は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度に、フローストリームの検査領域と、粒子を含有する小滴を生成するように構成されたフローセルノズルのオリフィスとの間の距離を乗算することによって、各粒子の液滴遅延を計算するためのプログラミングを含む。
【0175】
ある特定の実施形態では、集積回路は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、各粒子についての液滴遅延を調整するためのプログラミングを含む。いくつかの事例では、集積回路は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、粒子分析器の1つ以上のパラメータを調整するためのプログラミングを含む。いくつかの事例では、集積回路は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を増加させるためのプログラミングを含む。他の事例では、集積回路は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を減少させるためのプログラミングを含む。他の事例では、集積回路は、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、小滴帯電のタイミングを調整するためのプログラミングを含む。
【0176】
キット
主題のシステムの1つ以上の構成要素を有するキットもまた提供される。ある特定の実施形態によるキットは、2つの連続波レーザなどの2つ以上の光源と、光検出器(例えば、光電子増倍管)とを含む。キットは、また、フローセルノズル、及びフローストリームに照射を行うためのキュベットを含んでもよい。キットは、また、レンズ、ミラー、フィルタ、光ファイバ、波長分離器、ピンホール、スリット、コリメーティングプロトコル、及びそれらの組み合わせなどの光調整構成要素を含んでもよい。
【0177】
上記の構成要素に加えて、主題のキットは、主題の方法を実施するための命令を(ある特定の実施形態では)更に含み得る。これらの説明書は、様々な形態で主題のキット内に存在し得、そのうちの1つ以上が、キット内に存在し得る。これらの説明書が存在し得る1つの形態は、例えば、情報が印刷される1枚又は複数枚の紙などの好適な媒体又は基板上、キットのパッケージ中、添付文書などの中の印刷情報としてである。これらの説明書の更に別の形態は、情報が記録されたコンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)、ポータブルフラッシュドライブなどである。存在し得る、これらの説明書の更に別の形態は、隔たったサイトで情報にアクセスするために、インターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。
【0178】
有用性
主題の方法、システム、及びコンピュータシステムは、粒子の識別、特性評価、及びソーティングを最適化することが望ましい、様々な用途での使用を見出す。主題の方法及びシステムは、リアルタイムで動的な粒子速度及び液滴遅延決定を提供する。本開示は、また、フローサイトメトリにおける使用も見出され、ここでは改善されたセルソーティング精度、強化された粒子収集、低減されたエネルギー消費、粒子帯電効率、より正確な粒子帯電、及びセルソーティング中の強化された粒子偏向を有するフローサイトメータを提供することが望ましい。実施形態では、本開示は、フローサイトメータによる試料分析中のユーザ入力又は手動調整の必要性を低減させる。ある特定の実施形態では、主題の方法及びシステムは、完全に自動化されたプロトコルを提供し、その結果、使用中のフローサイトメータへの調整が、任意のヒト入力があっても、ほとんど必要としない。
【0179】
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本明細書に記載される開示は、以下の付記によっても定義される。
【0180】
1.粒子分析器内のフローストリーム内の複数の粒子についての液滴遅延を判定するための方法であって、
フローストリーム内の複数の粒子を含む試料に、第1の検査領域内の第1のレーザ及び第2の検査領域内の第2のレーザで照射を行うことと、
第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の各粒子からの光を検出することと、
第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の検出された光に基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算することと、
粒子についての計算された速度に基づいて、各粒子の液滴遅延を判定することと
を含む、方法。
2.第2のレーザが、第1のレーザから下流の位置で、フローストリームに照射を行うように構成されている、付記1に記載の方法。
3.第2のレーザが、第1のレーザから200μm以下の下流の位置で、フローストリームに照射を行うように構成されている、付記2に記載の方法。
4.第1の光検出器チャネル内で検出された光に応答して、第1の光検出器信号パルスを生成することと、
第2の光検出器チャネル内で検出された光に応答して、第2の光検出器信号パルスを生成することと
を含む、付記1~3のいずれか一つに記載の方法。
5.第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量を判定することを更に含む、付記4に記載の方法。
【0181】
6.第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間のピーク時間を判定することを更に含む、付記4に記載の方法。
7.第1の光検出器信号パルス及び第2の光検出器信号パルスの一次モーメントを判定することを更に含む、付記4に記載の方法。
8.各光検出器信号パルスが、電圧パルスである、付記4~7のいずれか一つに記載の方法。
9.粒子から検出される光が、散乱光である、付記1~8のいずれか一つに記載の方法。
10.第1の光検出器チャネル内で検出された光が、第1のレーザによって照射が行われた粒子からの散乱光を含む、付記9に記載の方法。
【0182】
11.第2の光検出器チャネル内で検出された光が、第2のレーザによって照射が行われた粒子からの散乱光を含む、付記9又は10に記載の方法。
12.フローストリーム内の各粒子についての速度が、
第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量と、
第1のレーザの検査領域と第2のレーザの検査領域との間の距離と
に基づいて計算される、付記4~11のいずれか一つに記載の方法。
13.粒子分析器が、各粒子を含有する小滴を生成するためのフローセルノズルを有するフローセルを備える、付記1~12のいずれか一つに記載の方法。
14.各粒子についての液滴遅延が、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度に、第1の検査領域又は第2の検査領域とフローセルノズルのオリフィスとの間の距離を乗算することによって判定される、付記13に記載の方法。
15.フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、各粒子についての液滴遅延を調整することを更に含む、付記1~14のいずれか一つに記載の方法。
【0183】
16.フローストリーム内の各粒子についての計算された速度及び計算された液滴遅延のうちの1つ以上に基づいて、粒子分析器の1つ以上のパラメータを調整することを更に含む、付記1~14のいずれか一つに記載の方法。
17.フローストリーム内の各粒子についての計算された速度及び計算された液滴遅延のうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を増加させることを含む、付記16に記載の方法。
18.フローストリーム内の各粒子についての計算された速度及び計算された液滴遅延のうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を減少させることを含む、付記16に記載の方法。
19.フローストリーム内の各粒子についての計算された速度及び計算された液滴遅延のうちの1つ以上に基づいて、小滴帯電のタイミングを調整することを含む、付記16~18のいずれか一つに記載の方法。
20.フローストリーム内の試料に複数のレーザで照射を行うことと、
複数の光検出器チャネル内の各粒子からの光を検出することと、
光検出器チャネルの各々内の検出された光に応答して、光検出器信号パルスを生成することと、
2つ以上の光検出器チャネル内の光検出器信号パルスに基づいて、試料内の各粒子についての速度を計算することと
を含む、付記1~19のいずれか一つに記載の方法。
【0184】
21.複数のレーザが、互いに200μm以下離間した位置で、フローストリームに照射を行うように構成されている、付記20に記載の方法。
22.複数のレーザが、
第1のレーザから下流の位置で、フローストリームに照射を行うように構成された第2のレーザと、
第2のレーザから下流の位置で、フローストリームに照射を行うように構成された第3のレーザと、
第3のレーザから下流の位置で、フローストリームに照射を行うように構成された第4のレーザと
を備える、付記20又は21に記載の方法。
23.レーザの各々によるフローストリームの照射のタイミングを計算することを更に含む、付記20~22のいずれか一つに記載の方法。
24.フローストリーム内の各粒子についての速度が、3つ以上の光検出器チャネル内の光検出器信号パルスに基づいて計算される、付記20~23のいずれか一つに記載の方法。
25.レーザのうちの1つ以上が、連続波レーザである、付記1~24のいずれか一つに記載の方法。
【0185】
26.フローストリーム内の各粒子についての速度が、集積回路上で計算される、付記1~25のいずれか一つに記載の方法。
27.各粒子の液滴遅延が、集積回路上で判定される、付記1~26のいずれか一つに記載の方法。
28.集積回路が、フィールドプログラマブルゲートアレイである、付記26又は27に記載の方法。
【0186】
29.粒子分析器であって、
第1のレーザ及び第2のレーザを備える光源であって、フローストリーム内の複数の粒子を含む試料に、第1の検査領域内の第1のレーザ及び第2の検査領域内の第2のレーザで照射を行うように構成されている、光源と、
第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の試料内の各粒子からの光を検出するように構成された光検出器を備える、光検出システムと、
プロセッサであって、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを備え、メモリが、メモリ上に記憶された命令を有し、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、
第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の検出された光に基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算することと、
粒子についての計算された速度に基づいて、各粒子の液滴遅延を判定することと
を行わせる、プロセッサと
を備える、粒子分析器。
30.第2のレーザが、第1のレーザから下流の位置で、フローストリームに照射を行うように構成されている、付記29に記載の粒子分析器。
31.第2のレーザが、第1のレーザから200μm以下の下流の位置で、フローストリームに照射を行うように構成されている、付記30に記載の粒子分析器。
32.メモリが、メモリ上に記憶された命令を有し、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、
第1の光検出器チャネル内で検出された光に応答して、第1の光検出器信号パルスを生成することと、
第2の光検出器チャネル内で検出された光に応答して、第2の光検出器信号パルスを生成することと
を行わせる、付記29~31のいずれか一つに記載の粒子分析器。
33.メモリが、メモリ上に記憶された命令を有し、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量を判定させる、付記32に記載の粒子分析器。
【0187】
34.メモリが、メモリ上に記憶された命令を有し、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間のピーク時間を判定させる、付記32に記載の粒子分析器。
35.メモリが、メモリ上に記憶された命令を有し、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、第1の光検出器信号パルス及び第2の光検出器信号パルスの一次モーメントを判定させる、付記32に記載の粒子分析器。
36.各光検出器信号パルスが、電圧パルスである、付記32~35のいずれか一つに記載の粒子分析器。
37.光検出器が、粒子からの散乱光を検出するように構成されている、付記29~36のいずれか一つに記載の粒子分析器。
38.第1の光検出器チャネル内で検出された光が、第1のレーザによって照射が行われた粒子からの散乱光を含む、付記37に記載の粒子分析器。
【0188】
39.第2の光検出器チャネル内で検出された光が、第2のレーザによって照射が行われた粒子からの散乱光を含む、付記37又は38に記載の粒子分析器。
40.メモリが、メモリ上に記憶された命令を有し、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、
第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量と、第1のレーザの検査領域と第2のレーザの検査領域との間の距離とに基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算させる、付記32~39のいずれか一つに記載の粒子分析器。
41.粒子分析器が、各粒子を含有する小滴を生成するためのフローセルノズルを有するフローセルを備える、付記29~40のいずれか一つに記載の粒子分析器。
42.メモリが、メモリ上に記憶された命令を有し、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度に、第1の検査領域又は第2の検査領域とフローセルノズルのオリフィスとの間の距離を乗算することによって、フローストリーム内の各粒子についての液滴遅延を計算させる、付記41に記載の粒子分析器。
43.メモリが、メモリ上に記憶された命令を有し、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、各粒子についての液滴遅延を調整させる、付記29~42のいずれか一つに記載の粒子分析器。
【0189】
44.メモリが、メモリ上に記憶された命令を有し、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、粒子分析器の1つ以上のパラメータを調整させる、付記29~43のいずれか一つに記載の粒子分析器。
45.メモリが、メモリ上に記憶された命令を有し、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を増加させる、付記44に記載の粒子分析器。
46.メモリが、メモリ上に記憶された命令を有し、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を減少させる、付記44に記載の粒子分析器。
47.メモリが、メモリ上に記憶された命令を有し、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、小滴帯電のタイミングを調整させる、付記45又は46に記載の粒子分析器。
48.システムが、
複数のレーザを備える光源と、
複数の光検出器チャネル内の粒子からの光を検出するように構成された光検出器を備える光検出システムと、
プロセッサであって、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを備え、メモリが、メモリ上に記憶された命令を有し、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、
光検出器チャネルの各々内の検出された光に応答して、光検出器信号パルスを生成することと、
光検出器チャネルのうちの2つ以上内の光検出器信号パルスに基づいて、試料内の各粒子についての速度を計算することと
を行わせる、プロセッサと
を備える、付記29~47のいずれか一つに記載の粒子分析器。
【0190】
49.複数のレーザが、互いに200μm以下離間した位置で、フローストリームに照射を行うように構成されている、付記48に記載の粒子分析器。
50.複数のレーザが、
第1のレーザから下流の位置で、フローストリームに照射を行うように構成された第2のレーザと、
第2のレーザから下流の位置で、フローストリームに照射を行うように構成された第3のレーザと、
第3のレーザから下流の位置で、フローストリームに照射を行うように構成された第4のレーザと
を備える、付記48又は49に記載の粒子分析器。
51.メモリが、メモリ上に記憶された命令を有し、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、レーザの各々によるフローストリームの照射のタイミングを計算させる、付記48~50のいずれか一つに記載の粒子分析器。
52.メモリが、メモリ上に記憶された命令を有し、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、3つ以上の光検出器チャネル内の光検出器信号パルスに基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算させる、付記48~51のいずれか一つに記載の粒子分析器。
53.レーザのうちの1つ以上が、連続波レーザである、付記29~52のいずれか一つに記載の粒子分析器。
【0191】
54.粒子分析器が、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するようにプログラムされた集積回路を備える、付記29~53のいずれか一つに記載の粒子分析器。
55.粒子分析器が、フローストリーム内の各粒子についての液滴遅延を計算するようにプログラムされた集積回路を備える、付記29~54のいずれか一つに記載の粒子分析器。
56.集積回路が、フィールドプログラマブルゲートアレイである、付記54又は55に記載の粒子分析器。
57.光検出器が、フォトダイオードを含む、付記29~56のいずれか一つに記載の粒子分析器。
58.光検出器が、光電子増倍管を含む、付記29~57のいずれか一つに記載の粒子分析器ム。
【0192】
59.粒子分析器が、フローサイトメータの一部である、付記29~58のいずれか一つに記載の粒子分析器。
60.フローセルが、シース流体入力及びサンプル入力を含む、付記41~59のいずれか一つに記載の粒子分析器。
61.メモリが、メモリ上に記憶された命令を有し、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度に基づいて、シース流体の入力流量を増加させる、付記60に記載の粒子分析器。
62.メモリが、メモリ上に記憶された命令を有し、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度に基づいて、サンプルの入力流量を増加させる、付記61に記載の粒子分析器。
【0193】
63.粒子分析器内のフローストリーム内の試料内の複数の照射が行われた粒子の液滴遅延を判定するためにプログラムされた集積回路であって、
第1の光検出器チャネル内の照射が行われた粒子から検出された光と、第2の光検出器チャネル内で検出された光とに基づいて、フローストリーム内の試料内の各粒子についての速度を計算するためのプログラミングと、
計算された速度に基づいて、各粒子の液滴遅延を判定するためのプログラミングと
を備える、集積回路。
64.第1の光検出器チャネル内で検出された光に応答して、第1の光検出器信号パルスを生成することと、第2の光検出器チャネル内で検出された光に応答して、第2の光検出器信号パルスを生成することとのためのプログラミングを含む、付記63に記載の集積回路。
65.第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量を判定するためのプログラミングを含む、付記63に記載の集積回路。
66.第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間のピーク時間を判定するためのプログラミングを含む、付記63に記載の集積回路。
67.第1の光検出器信号パルス及び第2の光検出器信号パルスの一次モーメントを判定するためのプログラミングを含む、付記63に記載の集積回路。
【0194】
68.各光検出器信号パルスが、電圧パルスである、付記64~67のいずれか一つに記載の集積回路。
69.第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量に基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するためのプログラミングを含む、付記64~68のいずれか一つに記載の集積回路。
70.フローストリーム内の各粒子についての計算された速度に、フローストリームの検査領域と、粒子を含有する小滴を生成するように構成されたフローセルノズルのオリフィスとの間の距離を乗算することによって、各粒子の液滴遅延を計算するためのプログラミングを含む、付記63~69のいずれか一つに記載の集積回路。
71.フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、各粒子についての液滴遅延を調整するためのプログラミングを含む、付記63~70のいずれか一つに記載の集積回路。
72.フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、粒子分析器の1つ以上のパラメータを調整するためのプログラミングを含む、付記63~71のいずれか一つに記載の集積回路。
【0195】
73.フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を増加させるためのプログラミングを含む、付記72に記載の集積回路。
74.フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を減少させるためのプログラミングを含む、付記72に記載の集積回路。
75.フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、小滴帯電のタイミングを調整するためのプログラミングを含む、付記72~74のいずれか一つに記載の集積回路。
76.フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)である、付記63~75のいずれか一つに記載の集積回路。
77.特定用途向け集積回路(ASIC)を含む、付記63~75のいずれか一つに記載の集積回路。
78.複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)を含む、付記63~75のいずれか一つに記載の集積回路。
【0196】
79.非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
粒子分析器内のフローストリーム内の複数の粒子の液滴遅延を判定するための、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記憶された命令を備え、
命令が、
フローストリーム内の複数の粒子を含む試料に、第1の検査領域内の第1のレーザ及び第2の検査領域内の第2のレーザで照射を行うためのアルゴリズムと、
第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の各粒子からの光を検出するためのアルゴリズムと、
第1の光検出器チャネル及び第2の光検出器チャネル内の検出された光に基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するためのアルゴリズムと、
計算された速度に基づいて、各粒子についての液滴遅延を判定するためのアルゴリズムと
を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
80.命令が、第1のレーザから下流の位置で、フローストリームに第2のレーザで照射を行うためのアルゴリズムを含む、付記79に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
81.命令が、
第1の光検出器チャネル内で検出された光に応答して、第1の光検出器信号パルスを生成するためのアルゴリズムと、
第2の光検出器チャネル内で検出された光に応答して、第2の光検出器信号パルスを生成するためのアルゴリズムと
を含む、付記79又は80に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
82.命令が、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量を判定するためのアルゴリズムを含む、付記81に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
83.命令が、第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間のピーク時間を判定するためのアルゴリズムを含む、付記82に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0197】
84.命令が、第1の光検出器信号パルス及び第2の光検出器信号パルスの一次モーメントを判定するためのアルゴリズムを含む、付記82に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
85.命令が、
第1の光検出器信号パルスと第2の光検出器信号パルスとの間の時間の量と、第1のレーザと第2のレーザとの間の距離とに基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するためのアルゴリズムを含む、付記81~84のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
86.粒子分析器が、粒子を含有する小滴を生成するためのフローセルノズルを有するフローセルを備え、命令が、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度に、第1の検査領域又は第2の検査領域とフローセルノズルのオリフィスとの間の距離を乗算することによって、フローストリーム内の各粒子についての液滴遅延を計算するためのアルゴリズムを含む、付記79~85のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
87.命令が、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、各粒子の液滴遅延を調整するためのアルゴリズムを含む、付記79~86のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
88.命令が、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、粒子分析器の1つ以上のパラメータを調整するためのアルゴリズムを含む、付記79~87のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0198】
89.命令が、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を増加させるためのアルゴリズムを含む、付記88に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
90.命令が、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度と、計算された液滴遅延とのうちの1つ以上に基づいて、フローストリームの流量を減少させるためのアルゴリズムを含む、付記88に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
91.命令が、フローストリーム内の各粒子についての計算された速度に基づいて、小滴帯電のタイミングを調整するためのアルゴリズムを含む、付記88~90のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
92.命令が、
フローストリーム内の試料に複数のレーザで照射を行うためのアルゴリズムと、
複数の光検出器チャネル内の各粒子からの光を検出するためのアルゴリズムと、
光検出器チャネルの各々内の検出された光に応答して、光検出器信号パルスを生成するためのアルゴリズムと、
光検出器チャネルのうちの2つ以上内の光検出器信号パルスに基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するためのアルゴリズムと
を含む、付記79~91のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
93.命令が、レーザの各々によるフローストリームの照射のタイミングを計算するためのアルゴリズムを含む、付記92に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
94.命令が、3つ以上の光検出器チャネル内の光検出器信号パルスに基づいて、フローストリーム内の各粒子についての速度を計算するためのアルゴリズムを含む、付記92又は93に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0199】
前述の発明は、明確な理解のために例示及び例によって多少詳しく説明されてきたが、当業者であれば、本発明の教示に照らして、添付の特許請求の範囲の趣旨又は範囲から逸脱することなく、それらの発明に対してある特定の変更及び修正が行われ得ることは、容易に明らかである。
【0200】
したがって、先述したものは、本発明の原理を単に例示しているに過ぎない。当業者は、本明細書に明示的に記載又は示されていないが、本発明の原理を具現化し、その趣旨及び範囲内に含まれる様々な構成を考案することが可能であることが理解される。更に、本明細書に列挙される全ての例及び条件付き言語は、主に、本発明の原理及び本発明者によって当該技術分野を促進するために寄与する概念を閲読者が理解することを支援する点を意図しており、そのような具体的に列挙される例及び条件に限定されるものではないと解釈されるものである。更に、本発明の原理、態様、及び実施形態、並びにそれらの特定の実施例を列挙する本明細書の全ての記述は、それらの構造的及び機能的同等物の両方を包含することが意図される。加えて、そのような同等物は、現在知られている同等物及び将来開発される同等物の両方、すなわち、構造に関係なく、同じ機能を実施する開発される任意の要素を含むことが意図される。更に、本明細書に開示のいかなるものも、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に列挙されているか否かにかかわらず、公共に供することを意図しない。
【0201】
したがって、本発明の範囲は、本明細書に示され、記載される例示的な実施形態に限定されることを意図されていない。むしろ、本発明の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。特許請求の範囲において、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は、特許請求の範囲への限定の始まりの正確な語句「のための手段」又は正確な語句「のためのステップ」が列挙されている場合にのみ、そのような特許請求の範囲に限定するために行使されると明示的に定義され、そのような正確な語句が、特許請求の範囲への限定において使用されない場合、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は行使されない。
【0202】
相互参照
米国特許法第119条(e)に従って、本出願は、2021年1月25日に出願された米国仮特許出願第63/141,272号の出願日に対する優先権を主張し、その出願の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
【国際調査報告】