(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】自動化された供給方法、及びロボット化された自動倉庫
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240207BHJP
B65G 1/06 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
B65G1/04 505Z
B65G1/06 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545211
(86)(22)【出願日】2022-02-01
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 EP2022052346
(87)【国際公開番号】W WO2022167418
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523281478
【氏名又は名称】ロクサーヌ
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ソリニャック,ジャン-ピエール
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF01
3F022JJ09
3F022LL34
3F022MM01
3F022MM11
(57)【要約】
ロボット化された自動倉庫(20)は:
‐複数のビン(21)を所定の位置に保持するための、少なくとも2つの水平固定支持体(28)であって、各上記水平固定支持体は「固定支持体」と呼ばれる高さにある、水平固定支持体(28);
‐水平移動において少なくとも1つのビンを支持するよう構成された、少なくとも1つのコンベア(27)であって、各コンベアは各固定支持体高さとは異なる搬送高さに位置決めされ、少なくとも1つの上記コンベアは、2つの水平固定支持体の間に位置決めされる、コンベア(27);及び
‐ピッキングヘッド(39)と、上記ピッキングヘッドを移動させるためのモータ(34、38)とを備える、少なくとも1つの可動輸送台(23)であって、ビンをビン支持体上に取り上げ、これを搬送高さまで垂直に移動させ、移動させた上記ビンを、この搬送高さに配置された上記コンベアに機械的に接続するよう構成された、可動輸送台(23)
を備える。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
‐配送対象の製品を含む複数のビン(21)を所定の位置に保持するための、少なくとも2つの水平固定支持体であって、各前記水平固定支持体は「固定支持体」と呼ばれる高さにある、水平固定支持体;
‐水平移動において少なくとも1つの前記ビンを支持するよう構成された、少なくとも1つのコンベア(27)であって、各前記コンベアは各前記固定支持体の高さとは異なる搬送高さに位置決めされ、少なくとも1つの前記コンベアは、2つの前記水平固定支持体の間に位置決めされる、コンベア(27);及び
‐ピッキングヘッド(39)と、前記ピッキングヘッドを移動させるためのモータ(34、38)とを備える、少なくとも1つの可動輸送台(23)であって、単一の前記ビンをビン支持体上に取り上げ、前記ビンを前記搬送高さまで垂直に移動させ、移動させた前記ビンを、前記搬送高さに配置された前記コンベアに機械的に接続するよう構成された、可動輸送台(23)
を備えることを特徴とする、ロボット化された自動倉庫(20)。
【請求項2】
少なくとも1つの前記ビン(21)は、前記ピッキングヘッド(39)に面する側面に、開放容積を形成する下向きに折り畳まれた縁部(42)を有し、前記ピッキングヘッドは、前記ビンの前記縁部の折り畳み部分に進入するよう構成された上部を有する前記ビン支持体を備える、請求項1に記載の倉庫(20)。
【請求項3】
少なくとも1つの前記ビン(21)は、前記固定支持体に面する側面に、開放容積を形成する下向きに折り畳まれた縁部(42)を有し、前記固定支持体は、前記ビンの前記縁部の折り畳み部分に進入するよう構成された上部を有する横材(26)を備える、請求項1又は2に記載の倉庫(20)。
【請求項4】
少なくとも2つの水平な前記コンベア(27)と、2つの連続する前記コンベアの間の2つの前記固定支持体(28)とを備え、前記水平なコンベアはそれぞれ、2つの前記固定支持体によって上下から囲まれる、請求項1~3のいずれか1項に記載の倉庫(20)。
【請求項5】
前記コンベアが各前記ビン(21)を運搬する各前記コンベア(27)の端部に、電動アームを備え、前記電動アームは、各前記コンベア上の各前記ビンを取り上げて、前記ビンを二次コンベアに接続するように構成される、請求項1~4のいずれか1項に記載の倉庫(20)。
【請求項6】
前記電動アームは各前記ビンを回転させる、請求項5に記載の倉庫(20)。
【請求項7】
取り出される前記ビン(21)に応じて前記可動輸送台がたどるルートを決定するために、前記可動輸送台(23)の経路を前記固定支持体(28)の平面に対して平行に制御するための手段(49)を備え、前記ルートは、取り出される前記ビンを支承する異なる複数の前記固定支持体を連続的にたどる、請求項1~6のいずれか1項に記載の倉庫(20)。
【請求項8】
前記可動輸送台(23)は、ある前記ビン(21)内に存在する少なくとも1つの前記製品を自動的に認識するための手段を備える、請求項1~7のいずれか1項に記載の倉庫(20)。
【請求項9】
前記可動輸送台(23)は、前記倉庫内の最軽量の前記製品の単位重量よりも高い精度を有する計量デバイスを備える、請求項1~8のいずれか1項に記載の倉庫(20)。
【請求項10】
空の前記ビンを空きビン保管エリアに移すためのコンベアも備える、請求項1~9のいずれか1項に記載の倉庫(20)。
【請求項11】
倉庫(20)内のビン(21)の中に存在する製品を供給するための方法(60)であって、
前記倉庫(20)は:
‐複数の前記ビンを所定の位置に保持するための、少なくとも2つの水平固定支持体(28)であって、各前記水平固定支持体は「固定支持体」と呼ばれる高さにある、水平固定支持体(28);
‐水平移動において少なくとも1つの前記ビンを支持するよう構成された、少なくとも1つのコンベア(27)であって、各前記コンベアは各前記固定支持体の高さとは異なる搬送高さに位置決めされ、少なくとも1つの前記コンベアは、2つの前記水平固定支持体の間に位置決めされる、コンベア(27);及び
‐ピッキングヘッド(39)と、前記ピッキングヘッドを移動させるためのモータ(34、38)とを備える、少なくとも1つの可動輸送台(23)
を備え、
前記方法は、前記可動輸送台によって実行される以下のステップ:
‐ビン支持体上の単一の前記ビンを取り上げるステップ(64~67);
‐取り上げた前記ビンを、搬送高さまで垂直に移動させるステップ(70);及び
‐前記ビンと、前記搬送高さに配置された前記コンベアとの間を機械的に連結するステップ(71、72、73)
を含むことを特徴とする、方法(60)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動化された供給方法、及びロボット化された自動倉庫に関する。本発明は、製品の流通又は生産における保管及び取り出しに使用される、設備及び技法の分野に関する。本発明は特に:スペアパーツ若しくはユニット製品、特に遠隔地で販売される製品の、保管及び流通;自動販売機;又は図書館の書籍及び文書のアーカイブ化に適用される。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野で公知の自動倉庫は、コンピュータシステムで識別される保管ユニットを画定する、平行な列に配設された棚を備える。これらの棚は高さ方向及び長さ方向の両方に延在し、上記保管ユニットは、棚又は引き出しの、物品を保管するための部分が占める場所によって画定される。1つの棚の各ユニットの座標は、床に対する高度と、対応する列に関連付けられた原点からの距離とによって定義できる。棚は通常、背中合わせのペアで配設される。これらの異なる複数の列は互いから等間隔となっており、これにより、コンピュータシステムによって遠隔制御されるロボットマニピュレータのための循環通路が画定される。これらのロボットマニピュレータはそれぞれピッキングアームを備え、これは空間の3つの次元に移動させることができ、これによって上記ピッキングアームをユニットに対向する位置に持って来て、保管対象の物品を該ユニットに置く、又は物品を該ユニットから取り上げることができる。これらの物品はパレット化されていてもよい。
【0003】
上記列の寸法を原因として、ロボットマニピュレータは動作が遅くなり、物品を置いたり取り上げたりするためのタイムスケールがあまりに長くなる。
【0004】
可動輸送台を備えた棚を開示する特許文献1~3が公知であり、各輸送台は、ビンを備えた棚の上方又は下方に配置された単一のコンベアまで、水平及び垂直に移動する。しかしながら、各輸送台の移動時間が長く、各パッケージの準備時間が長くなる。実際のところ、新しいパッケージは1つ前のパッケージが完了した後でしか準備できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国公開特許第2012/029687号
【特許文献2】米国公開特許第2008/152466号
【特許文献3】米国特許第7381022号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、これらの欠点の全て又は一部を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、第1の態様によると、本発明は:
‐配送対象の製品を含む複数のビンを所定の位置に保持するための、少なくとも2つの水平固定支持体であって、各上記水平固定支持体は「固定支持体」と呼ばれる高さにある、水平固定支持体;
‐水平移動において少なくとも1つのビンを支持するよう構成された、少なくとも1つのコンベアであって、各コンベアは各固定支持体高さとは異なる搬送高さに位置決めされ、少なくとも1つのコンベアは、2つの水平固定支持体の間に位置決めされる、コンベア;及び
‐ピッキングヘッドと、上記ピッキングヘッドを移動させるためのモータとを備える、少なくとも1つの可動輸送台であって、単一のビンをビン支持体上に取り上げ、これを搬送高さまで垂直に移動させ、移動させた上記ビンを、この搬送高さに配置された上記コンベアに機械的に接続するよう構成された、可動輸送台
を備える、ロボット化された自動倉庫に関する。
【0008】
これらの構成により、ピッキングヘッド及びビンが実質的に垂直方向に小さく移動するため、各ビンは極めて迅速に取り上げられてコンベア上に配置される。従って、本発明の主題である倉庫は、例えば1時間である単位時間につき、多数の部品又は製品を供給できる。
【0009】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのビンは、上記ピッキングヘッドに面する側面に、開放容積を形成する下向きに折り畳まれた縁部を有し、上記ピッキングヘッドは、上記ビンのこの縁部の折り畳み部分に進入するよう構成された上部を有するビン支持体を備える。
【0010】
これらの構成により、上記上部を上記ビンの上記縁部の上方に位置決めした後で持ち上げることからなる、上記ピッキングヘッドによって行われる簡単な移動が、上記可動輸送台によって上記ビンを取り上げるために十分なものとなる。その結果、上記可動輸送台の、従って上記倉庫の動作速度が特に速くなる。
【0011】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのビンは、上記固定支持体に面する側面に、開放容積を形成する下向きに折り畳まれた縁部を有し、上記固定支持体は、上記ビンのこの縁部の折り畳み部分に進入するよう構成された上部を有する横材を備える。
【0012】
これらの構成により、折り畳まれた上記縁部を上記固定支持体の上記横材の一部分の上方に位置決めした後、上記ビンを下降させることからなる、上記ビンの簡単な移動が、上記ビンを上記固定支持体で保持するために十分なものとなる。この移動は、ビンを運搬する上記ピッキングヘッドによって実施される。その結果、上記可動輸送台の、従って上記倉庫の動作速度が特に速くなる。
【0013】
いくつかの実施形態では、上記ロボット化された自動倉庫は、少なくとも2つの水平なコンベアと、2つの連続するコンベアの間の2つの固定支持体とを備え、水平なコンベアはそれぞれ、2つの固定支持体によって上下から囲まれる。
【0014】
これにより、各上記コンベアを、該コンベアの直近の上下にある2つの固定支持体に関連付けることができ、これにより、前記ピッキングヘッドがビンを取り上げてコンベアに接続するための移動時間が制限される。
【0015】
いくつかの実施形態では、上記ロボット化された自動倉庫は、上記コンベアが各ビンを運搬する各コンベアの端部に、電動アームを備え、上記電動アームは、各コンベア上の各ビンを取り上げて、このビンを二次コンベアに接続するように構成される。
【0016】
これらの構成により、固定支持体に挟まれたコンベアによって倉庫から出るビンを、梱包のため又は製品の製造のためにオペレータ又は機械が利用できるようになる。
【0017】
いくつかの実施形態では、上記電動アームは各上記ビンを回転させる。
【0018】
これらの構成により、上記電動アームの移動は迅速なものとすることができ、上記二次コンベアは、上記固定支持体に挟まれた上記コンベアの平面の外とすることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、上記ロボット化された自動倉庫は、取り出されるビンに応じて上記可動輸送台がたどるルートを決定するために、上記可動輸送台の経路を上記固定支持体の平面に対して平行に制御するための手段を備え、このルートは、取り出されるこれらのビンを支承する異なる複数の固定支持体を連続的にたどる。
【0020】
本発明者らは、このタイプのルートによって、可動輸送台が異なる複数の固定支持体上の複数のビン取り上げ位置間を往復するルートと比較して、ビンの取り出し速度を向上させることができると判断した。
【0021】
いくつかの実施形態では、上記可動輸送台は、ビン内に存在する少なくとも1つの製品を自動的に認識するための手段を備える。
【0022】
これらの構成により、ビンとこのビンに入れられた製品との間に発生し得るミスマッチが、ロボット化された自動倉庫によって直接検出される。これにより、エラーへの対処をより複雑なものにしてしまう可能性がある、倉庫からの取り出し後の手動での又は第三者による作業が削減される。
【0023】
この自動認識は例えば、カメラ、及び/又は精密計量によって実施できる。カメラを使用する場合、上記カメラが供給する画像の処理は、コンテナ内の製品の位置の、2次元又は3次元的な指示を含むことができる。続いてこの位置を用いて、ピッキングデバイスが上記製品を取り上げることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、上記可動輸送台は、上記倉庫内の最軽量の製品の単位重量よりも高い精度を有する計量デバイスを備える。
【0025】
従って、ビンを取り出すたびに自動在庫重量チェックが実施され、製品の個数が記憶され、及び/又は該ビン内の製品の残りの重量が記憶される。
【0026】
いくつかの実施形態では、上記ロボット化された自動倉庫は、空のビンを空きビン保管エリアに移すためのコンベアも備える。
【0027】
これらの構成により、製品供給期間外に、空のビンに製品を再充填して、このビンを、例えば製品の供給に使用されるものと同一のコンベア及び同一の可動輸送台を用いて、固定支持体上に戻すことができる。
【0028】
例えば、梱包及び出荷のための製品の供給は日中に行われ、翌日のための製品の再供給は夜間に行われる。
【0029】
第2の態様によると、本発明は、倉庫内のビンの中に存在する製品を供給するための方法に関し、上記倉庫は:
‐複数の上記ビンを所定の位置に保持するための、少なくとも2つの水平固定支持体であって、各上記水平固定支持体は「固定支持体」と呼ばれる高さにある、水平固定支持体;
‐水平移動において少なくとも1つのビンを支持するよう構成された、少なくとも1つのコンベアであって、各コンベアは各固定支持体高さとは異なる搬送高さに位置決めされ、少なくとも1つのコンベアは、2つの水平固定支持体の間に位置決めされる、コンベア;及び
‐ピッキングヘッドと、上記ピッキングヘッドを移動させるためのモータとを備える、少なくとも1つの可動輸送台
を備え、
上記方法は、上記可動輸送台によって実行される以下のステップ:
‐ビン支持体上の単一のビンを取り上げるステップ;
‐取り上げた上記ビンを、搬送高さまで垂直に移動させるステップ;及び
‐上記ビンと、この搬送高さに配置された上記コンベアとの間を機械的に連結するステップ
を含む。
【0030】
本方法の特徴、利点、及び目的は、本発明の主題である倉庫と同様であるため、ここでは繰り返さない。
【0031】
本発明の他の利点、目的、及び特定の特徴は、添付文書に含まれている図面を参照した、本発明の主題である倉庫及び方法の少なくとも1つの特定の実施形態に関する以下の非限定的な説明から、明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、本発明の主題である倉庫の第1の特定の実施形態を、正面部分立面図で示す。
【
図2】
図2は、
図1に示されている倉庫を、側面部分立面図で示す。
【
図3】
図3は、
図1、2に示されている倉庫を、部分上面図で示す。
【
図4】
図4は、
図1~3に示されている倉庫の、ビン、ビン支持体、及びビン輸送コンベアを、側面部分立面図で示す。
【
図6】
図6は、
図1~5に示されている倉庫の部分斜視図である。
【
図8】
図8は、コンベア上に位置決めされたビンの部分斜視図である。
【
図10】
図10は、ビンを固定支持体からコンベアまで移動させる第1のステップにおける、倉庫の側面部分立面図である。
【
図11】
図11は、ビンを固定支持体からコンベアまで移動させる第2のステップにおける、倉庫の側面部分立面図である。
【
図12】
図12は、ビンを固定支持体からコンベアまで移動させる第3のステップにおける、倉庫の側面部分立面図である。
【
図13】
図13は、ビンを固定支持体からコンベアまで移動させる第4のステップにおける、倉庫の側面部分立面図である。
【
図14】
図14は、ビンを固定支持体からコンベアまで移動させる第5のステップにおける、倉庫の側面部分立面図である。
【
図15】
図15は、ビンを固定支持体からコンベアまで移動させる第6のステップにおける、倉庫の側面部分立面図である。
【
図16】
図16は、ビンを固定支持体からコンベアまで移動させる第7のステップにおける、倉庫の側面部分立面図である。
【
図17】
図17は、ビンを固定支持体からコンベアまで移動させる第8のステップにおける、倉庫の側面部分立面図である。
【
図22】
図22は、本発明の主題である倉庫の第2の実施形態を側面部分立面図で示す。
【
図24】
図24は、本発明の主題である倉庫によって製品が供給されるステップを、論理図の形式で示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本説明は非限定的なものとして与えられるものであり、ある実施形態の特徴はそれぞれ、他のいずれの実施形態の他のいずれの特徴と、有利な方法で組み合わせることができる。
【0034】
なお、
図1~21はそれぞれ一定の縮尺であり、異なる図の縮尺は異なっている場合がある。
【0035】
本説明全体を通して、用語「上(upper又はtop)」は、倉庫の通常の使用構成に対応する図である
図1、2、4~19、21において、上部に位置する、又は上部に向かって配向されていることを指す。用語「下(lower)」又は「底部(bottom)」は、これらの図において底部に位置する、又は底部に向かって配向されていることを指す。垂直及び水平の概念はこれらの定義から派生している。用語「内部(inner)」は、倉庫によって画定される凸状の容積の中心付近に位置すること、又は上記中心に向かって配向されていることを指し、「外部(outer)」は、この容積の外側に位置すること、又は外側に向かって配向されていることを指す。倉庫についての用語「長さ(length)」は、
図1、3の水平方向に沿った倉庫の最大水平寸法を指し、「幅(width)」は
図2の水平方向に対応するその最小水平寸法を指す。用語「正面図(front view)」は、倉庫の長さが水平方向、倉庫の高さが垂直方向となる図を指す。用語「側面図(side view)」は、倉庫の幅が水平方向、倉庫の高さが垂直方向となる図を指す。用語「上面図(top view)」は、倉庫の長さが水平方向、倉庫の幅が垂直方向となる図を指す。
【0036】
図1~3は、上部が開いたビン21を支持して移動させる倉庫20を示し、上記ビン21には製品が収容されている。倉庫20は、直立材22及び長手方向部材25を備えた支承構造を有する。可動輸送台23は、上面32がレールを形成する長手方向部材25上において、倉庫20の長さに沿って並進移動し、可動輸送台23はホイール33を備える(
図10を参照)。上記可動輸送台はピッキングヘッド39を備える。
【0037】
図4、5は、直立材22が、ビン21の水平固定支持体28と、ビン21を倉庫20の長さに沿って搬送するための水平コンベア27とを支承している様子を示す。好ましくは、各水平コンベア27は
図4に示されているように2つの水平固定支持体28によって囲まれる。
図4に示されているように、倉庫20は好ましくは、少なくとも2つの水平コンベア27を備える。従って好ましくは、倉庫20は、2つの連続する水平コンベア27の間に2つの固定支持体28を備える。
【0038】
図5、21に示されているように、各水平支持体28は、直立材22にラックを形成する垂直スロットに埋め込まれた歯を備える平坦な要素47と、これらの要素47によって支持された、倉庫の全長にわたって延在する横材26とを備える。
【0039】
図5に示されているように、各ビン21は、第1には支持体及びコンベアの側に、そして第2には輸送台の側に、解放容積を形成する、下向きに折り畳まれた縁部42を有する。支持体及びコンベア側では、この折り畳まれた縁部42は、重力によって、ビン21を固定支持体28上又はコンベア27上に保持する。
【0040】
図5、9に示されているように、各水平コンベア27は、直立材22にラックを形成する垂直スロットに埋め込まれた歯(特に
図8~9を参照)を備える平坦な要素29と、これらの要素29によって支持された、倉庫の全長にわたって延在する横材30とを備える。各横材30は垂直方向の平坦なプレート31を支持し、このプレート31上には歯付きベルト19が走っている。この歯付きベルト19、又はチェーンは、垂直方向の平坦なプレート31の縁部をまたぐリンクを備える。歯付きベルト19は、上記リンクの内部のケーブル48(
図5)によって張力を印加される。
【0041】
コンベア27の終端では、ロータリーエンジン43の出力シャフト45に結合された歯付きギア44が、歯付きベルト19を駆動する。横材30が担持するパッド46は、コンベア27の動作下でのビン21の移動時に、ビン21の案内及び摺動を保証する。
【0042】
コンベアの全てのベルト19は同一方向に動くため、コンベアが担持する全てのビン21は、倉庫20の同一の端部へと運ばれる。図示されていないいくつかの実施形態では、倉庫20はこの端部に電動アームを備え、この電動アームは、各コンベア27上の各ビン21を取り上げて、このビン21を二次コンベアに接続して、オペレータ、又は加工機械、機械加工機械、若しくは組み立て機械がこれを利用できるようにするように、構成される。例えば速度を理由として、上記電動アームは、垂直回転軸に対して各ビン21を回転させ、また場合によっては、このビン21が最初に配置されたコンベアから二次コンベアまで垂直方向に並進移動させる。図示されていないいくつかの実施形態では、倉庫20は、空のビン21を空きビン保管エリアに移すためのコンベアも備える。
【0043】
これより、
図10、18、19を参照して、可動輸送台23について説明する。
【0044】
可動輸送台23は上部に、レール32の上で転動するホイール33を備えたフレーム35上に設置された、モータ34を備える。フレーム35は、ビン21の反対側の1つの柱36と、ビン21の側の2つの柱37とを支持する。ピッキングヘッド39を移動させる水平アクチュエータ38を支持するビンピッキングタレット24は、これら3つの柱36、37の上で垂直方向に移動する。ピッキングヘッド39は垂直矩形の形状を有し、その厚さは、ビン21の折り畳まれた縁部42の幅より小さく、その高さは、ビン21の高さに略等しく、その長さは、ビン21の長さに略等しい。タレット24は、ビン21の全内容物の画像を撮影するよう構成されたカメラ41のための支持体40も備える。
【0045】
ビン21を支持体28からコンベア27まで移動させるためには、まず、
図10に示されているように、ピッキングヘッド39がこのビン21の内側の折り畳まれた縁部42の開口部より完全に下になるよう、タレット24を垂直方向に位置決めする。続いてアクチュエータ38はピッキングヘッド39を移動させ、
図11に示されているように、ピッキングヘッド39を、内側の折り畳まれた縁部42の上方に位置決めする。次にタレット24は上昇して、
図12に示されているようにピッキングヘッド39を内側の折り畳まれた縁部42と係合させ、次に
図13に示すように、ピッキングヘッド39の反対側にある外側の折り畳まれた縁部42を、支持体28から係合解除させる。
【0046】
次にアクチュエータ38を後退させて、
図14に示されているように、ビン21をタレット24に近づける。そしてタレット24を、
図14の底部に向かって垂直方向に移動させるか、又はビン21を、このビン21を支持していた支持体28の上方に位置するコンベア27上に位置決めしなければならない場合には、上部に向かって垂直方向に移動させる。
【0047】
外側の折り畳まれた縁部42が歯付きベルト19の上方にない場合、アクチュエータ38を作動させて、該縁部42をそこに置く。続いてタレット24を下降させて、まずビン21の外側の折り畳まれた縁部42を歯付きベルト19に係合させた後、ピッキングヘッド39を内側の折り畳まれた縁部42から係合解除させる。最後にアクチュエータ38を後退させる。輸送台23を倉庫の長さに沿って移動させ、タレット24を倉庫の高さに沿って移動させることにより、ピッキングヘッド39を、コンベア27上に位置決めされることになる別のビン21に対向するように位置決めする。
【0048】
倉庫20の様々なデバイスの動作の順序を決定するために、倉庫20は、これらのデバイスを制御(
図1を参照)するための手段49を備える。制御手段49は例えば、様々なビン21に入れられる製品のデータベースにアクセスしてこれを編集する、コンピュータ及び/又はサーバを備える。制御手段49は特に、取り出されるビンに応じて、固定支持体の平面に対して平行な上記可動輸送台の経路を決定する。好ましくは、制御手段49は、可動輸送台がたどるべきルートを、取り出されるこれらのビンを支承する様々な固定支持体に沿って上記ルートが連続的に延在するように、決定する。例えば、最も高い位置の固定支持体28上で3つのビン21を取り上げて、最も高い位置のコンベア27上に配置し、4番目に高い位置にある固定支持体28上で2つのビン21を取り上げて、2番目に高い位置にあるコンベア27上に配置したい場合、輸送台23はまず、同一の支持体28上にある最初の3つを処理した後、最後の2つを処理する。好ましくは、このルートは支持体に沿って上部から底部まで、又は底部から上部まで延在する。好ましくは、制御手段49は、コンベア27が運搬する全てのビン21の位置を決定し、新たなビン21の軌跡が、ここで考慮されているコンベア27上に既に存在しているビン21の軌跡と交差する可能性がない場合にのみ、この新たなビン21をコンベア27上に位置決めする。
【0049】
図10、18に示されているように、可動輸送台23は、ビン21内に存在する少なくとも1つの製品を自動的に認識するための手段を備える。この認識手段は、図示されている実施形態では、形状、書き込み、及び/又はコード認識ソフトウェアに関連付けられたカメラ41を備える。カメラ41が供給する画像の処理は、ビン内の製品の位置の、2次元又は3次元的な指示を含むことができる。続いて、ピッキングデバイスがこの位置を用いて、製品を取り上げることができる。
【0050】
あるいは、又は補足として、この認識手段は、輸送台23に統合された計量デバイス(非図示)を備え、このデバイスは、倉庫内の最軽量の製品の単位重量よりも高い精度を有する。
【0051】
従って、ビンを取り出すたびに自動在庫重量チェックが実施され、製品の個数が記憶され、及び/又は該ビン内の製品の残りの重量が記憶される。
【0052】
図22に示されている、本発明の主題である倉庫50の第2の実施形態は、第1の実施形態20の複数の要素を有する。倉庫50は、タレット51が移動する平面の両側に、ビン21の列とコンベアとを備える。
図23に示されているように、タレット51は、その垂直移動平面の両側でビン21を取り上げるために垂直回転軸52の周りで回転するため、タレット24に比べて追加の自由度を有する。モータ53はピッキングヘッド39を回転させる。タレット51には、各ビン21の重量を確認して、ビン21内の利用可能な製品の在庫を記憶するための、精密はかり54が組み込まれている。好ましくは、カメラ41はピッキングヘッド39と共に回転するよう、ピッキングヘッド39上に設置される。
【0053】
ビン21内に存在する製品を供給するための方法の実施形態60のうちの1つを、
図24に示す。
【0054】
ステップ61では、制御手段49は、倉庫20による出力において、供給対象の製品のリストを受け取る。
【0055】
ステップ62では、制御手段49はデータベースにアクセスすることによって、倉庫20内に製品が存在することを確認し、これらの製品を含むビン21の位置を決定する。製品が倉庫20にない場合、制御手段49は在庫及び注文を管理するための手段にメッセージを返す。
【0056】
ステップ63では、制御手段49は、供給対象の製品を含むビン21の間の最速のルートを決定する。複数のビン21に同一の製品が入っている場合、制御手段49はこれらのビンの中から、供給速度が最適化されるものを選択する。供給したい同一の製品の個数により、上記製品を含む2つ以上のビン21を取り出す必要がある場合、制御手段49は、供給速度に応じてビンの選択を最適化するか、又は製品の供給後に倉庫20内で利用可能なままとなるビン21の個数を最大化する。
【0057】
ステップ64では、制御手段49は、取り出されることになる次のビン21に対向するように、輸送台23の位置決めを制御する(
図10を参照)。
【0058】
ステップ65では、制御手段49は、ピッキングヘッド39の上昇と、ビン21の内側の折り畳まれた縁部42の、ピッキングヘッド39による係合とを制御する(
図11、12を参照)。
【0059】
ステップ66では、制御手段49は、ピッキングヘッド39の上昇と、ビン21の持ち上げと、このビン21の外側の折り畳まれた縁部42の、これを支承する支持体28からの係合解除とを制御する(
図13を参照)。なお、ステップ65、66は、ピッキングヘッド39の単一の連続的かつ均一な移動によって実施される。
【0060】
ステップ67では、制御手段49は、倉庫内へのビン21の引き込みを制御する(
図14を参照)。
【0061】
ステップ68では、制御手段49はカメラ41を用いて、ビン21内にあるはずの供給対象の製品の存在と、輸送台23が運搬するビン21の内容物とをチェックする。任意に、制御手段49は、輸送台23に組み込まれた計量デバイス(非図示)を用いてビン21の内容物を計量し、ビン21内に存在する製品の個数を決定する。
【0062】
任意のものであるステップ69では、制御手段49は、内容物の重量の影響下でのビン21の機械的変形を推定する。この変形は、ビン21の外側の折り畳まれた縁部42の、下向きの変位に対応する。
【0063】
あるいは、特に輸送台42が計量デバイスを備えない場合、制御手段49は例えば、例えば発光ダイオード(非図示)であるパルス光源を、カメラ41が撮影する画像の部分のみに対して発光するように追加し、倉庫20の幅に対して平行なビン21の縁部における、この光源が発した光の反射の位置を決定することによって、カメラ41を用いて上記変形を決定する。上記縁部は、内側の折り畳まれた縁部42から外側の折り畳まれた縁部42までのビン21の縁部を含む。
【0064】
ステップ70では、制御手段49は、ビン21の外側の折り畳まれた縁部42が、このビン21が取り上げられた支持体28に最も近いコンベア27の歯付きベルト19のわずかに上方、例えば1センチメートル上の高さとなる搬送高さまでの、ビン21の垂直移動を制御する。
【0065】
ステップ71では、制御手段49は、輸送台23が運搬するビン21の外側の折り畳まれた縁部42の、このコンベア27の歯付きベルト19の上方での位置決めを制御する(
図15を参照)。当然のことながら、ステップ70の垂直移動と、ステップ71の水平移動とは、組み合わせて単一の連続した軌跡とすることができる。
【0066】
ステップ72では、制御手段49は、ピッキングヘッド39の下降と、ビン21の外側の折り畳まれた縁部42の、歯付きベルト19内での係合とを制御する(
図16を参照)。
【0067】
ステップ73では、制御手段49は、ピッキングヘッド39の下降と、ビン21の内側の縁部42の、ピッキングヘッド39からの係合解除とを制御する(
図17を参照)。なお、ステップ62、63は、ピッキングヘッドの単一の連続的かつ均一な移動によって実施される。
【0068】
ステップ74では、ルートが完了していない場合に、輸送台23のルート上の次のビン21のためにステップ64に戻る。同時に制御手段49はデータベースに、ビン21、及び倉庫20から取り出された製品を記録する。
【国際調査報告】