(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】状態検出回路及び遠隔操作可能スイッチ
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20240207BHJP
H01H 45/08 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
G01R31/00
H01H45/08 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545215
(86)(22)【出願日】2022-02-02
(85)【翻訳文提出日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 EP2022052430
(87)【国際公開番号】W WO2022167463
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】102021102714.4
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518379278
【氏名又は名称】テーデーカー エレクトロニクス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】グルナック,アルミン
【テーマコード(参考)】
2G036
【Fターム(参考)】
2G036AA14
2G036AA19
2G036BB06
2G036BB07
(57)【要約】
消費電流が低減され、信頼性が向上した改良された状態検出回路が提供される。状態検出回路は、電圧レギュレータと出力スイッチとの間にホールセンサ回路を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
状態検出回路であって、
- ホールセンサを有するホールセンサ回路と、
- 電圧レギュレータと、
- 出力スイッチと、
を備え、
- 前記ホールセンサ回路は、前記電圧レギュレータと前記出力スイッチとの間に接続されている、
状態検出回路。
【請求項2】
前記ホールセンサはバイナリ出力信号を提供する、
請求項1記載の状態検出回路。
【請求項3】
出力接続部をさらに備え、
前記出力スイッチは、前記出力接続部における前記ホールセンサの磁気環境にしたがって、遠隔操作可能スイッチのスイッチング状態を提供するために設けられている、
請求項1又は2記載の状態検出回路。
【請求項4】
供給接続部及びアース接続部をさらに備える、
請求項1乃至3いずれか1項記載の状態検出回路。
【請求項5】
前記ホールセンサは、前記ホールセンサ回路の3つの異なるラインと接続されている、
請求項1乃至4いずれか1項記載の状態検出回路。
【請求項6】
前記ホールセンサは、
- アース及び前記出力スイッチと接続されており、
- 前記電圧レギュレータの出力と電気的に結合されている、
請求項1乃至5いずれか1項記載の状態検出回路。
【請求項7】
- 前記ホールセンサ回路は、さらに抵抗要素及び容量要素を備え、
- 前記抵抗要素は、前記電圧レギュレータの出力と前記ホールセンサの第1接続部との間に接続されており、
- 前記容量要素は、前記ホールセンサの第1接続部とアースとの間に接続されている、
請求項1乃至6いずれか1項記載の状態検出回路。
【請求項8】
前記供給接続部と前記電圧レギュレータの入力との間に第1ダイオードをさらに備える、
請求項1乃至7いずれか1項記載の状態検出回路。
【請求項9】
前記出力接続部とアースとの間に第1ダイオード回路をさらに備える、
請求項1乃至8いずれか1項記載の状態検出回路。
【請求項10】
アースと前記供給接続部との間に第2ダイオード回路をさらに備える、
請求項1乃至9いずれか1項記載の状態検出回路。
【請求項11】
前記ホールセンサの前記第1接続部と前記ホールセンサの前記第2接続部との間に第2抵抗要素をさらに備える、
請求項1乃至10いずれか1項記載の状態検出回路。
【請求項12】
アースと前記出力スイッチとの間に第3抵抗要素をさらに備える、
請求項1乃至11いずれか1項記載の状態検出回路。
【請求項13】
前記出力スイッチは、半導体スイッチ及び/又は保護半導体スイッチを備える、
請求項1乃至12いずれか1項記載の状態検出回路。
【請求項14】
前記電圧レギュレータは、4Vと36Vとの間の入力電圧において、3Vと15Vとの間の出力電圧、又は5Vの出力電圧を提供するために適合しており、設けられている、
請求項1乃至13いずれか1項記載の状態検出回路。
【請求項15】
前記ホールセンサは、半導体スイッチと、前記半導体スイッチのゲート接続部に接続されたホール要素と、を備える、
請求項1乃至14いずれか1項記載の状態検出回路。
【請求項16】
前記供給接続部とアースとの間に接続されている第2容量要素をさらに備える、
請求項1乃至15いずれか1項記載の状態検出回路。
【請求項17】
遠隔操作可能スイッチであって、
- 電気スイッチと、前記電気スイッチのスイッチング状態を提供するために設けられた、請求項1乃至16いずれか1項記載の状態検出回路とを備える、
遠隔操作可能スイッチ。
【請求項18】
リレー、コンタクタ、高電圧コンタクタから選択されている、
請求項17記載の遠隔操作可能スイッチ。
【請求項19】
前記状態検出回路は、「意図したとおりに閉じている」か及び/又は「意図したように開いている」かを通知する、
請求項17又は18記載の遠隔操作可能スイッチ。
【請求項20】
前記遠隔操作可能スイッチを外部回路環境に接続するために適合しており、設けられた、導電体上のマーキングをさらに含む、
請求項17乃至19いずれか1項記載の遠隔操作可能スイッチ。
【請求項21】
前記導電体は接続ラインであり、前記マーキングは逆極性を警告する警告ラベルである、
請求項17乃至20いずれか1項記載の遠隔操作可能スイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば遠隔操作可能スイッチのための状態検出回路、及び、対応する状態検出回路を備えた遠隔操作可能スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔操作可能スイッチは、要望に応じて電極間の電気的接触を確立したり、要望に応じて電極間の電気的接続を切断したりできる回路素子である。このため、スイッチング状態を遠隔で制御することが可能である。
【0003】
リレーやパワーコンタクタ(Leistungsschuetze)は、このような遠隔操作可能スイッチを実現する可能性がある。
【0004】
その機能を制御するためには、一般的に、スイッチング状態を制御するだけでなく、例えば、故障時にスイッチング実際状態とスイッチング設定値状態との差を検出するために、スイッチング状態を出力することが望ましい。
【0005】
WO2017/129823A1から、リレーのスイッチング状態を外部回路環境に伝達できるように意図されたリードコンタクトを有するリレーが知られている。
【0006】
WO2020/043515A1から、スイッチング実際状態を伝達するためのホールスイッチを回路に有するパワーコンタクタが知られている。
【0007】
遠隔操作可能スイッチ、例えばパワーコンタクタは、概して負荷回路をオン・オフできる制御回路を備えている。このようなコンタクタの考えられる1つの用途は、例えば電気自動車においてバッテリと電気モータとの間の電気的接続を確立し又は切断することである。このように、パワーコンタクタは、例えば450Vの、特に高電圧において、対応する故障の際に電源と負荷、すなわちバッテリと電気モータを切り離すことができる安全部品の機能を有することができる。
【0008】
例えば、上述の刊行物から知られる遠隔操作可能スイッチは、通常5Vの動作電圧に適している。さらに、消費電流が比較的大きい。さらに、接続ライン(Anschlussleitungen)の逆極性の際に、電子機器が損傷する危険性がある。さらに、静電気帯電や過電圧パルスによって電子機器が破壊される可能性もある。
【0009】
さらに、リードコンタクトはスイッチング状態を出力するためのシンプルなソリューションである。しかし、リードコンタクトの信頼性は、特に外部磁界の存在下で改善することができる。
【0010】
既知のホールスイッチを有する遠隔操作可能スイッチは、上記のような欠点を有する。
【0011】
したがって、スイッチング状態検出回路の信頼性を向上させることが望まれている。特に、外部回路環境を改良された遠隔作動可能スイッチに特に適合させる必要なく、信頼性が向上した状態検出回路及び対応する遠隔操作可能スイッチが望まれている。さらに、消費電流が低減された遠隔作動可能スイッチが望まれている。
【発明の概要】
【0012】
この目的のために、独立請求項1及び同等の請求項による状態検出回路、又は状態検出回路を備えた遠隔操作可能スイッチが提供される。従属請求項は、有利な実施形態を示す。
【0013】
状態検出回路は、ホールセンサを有するホールセンサ回路を備える。さらに、状態検出回路は、電圧レギュレータと出力スイッチとを有する。ホールセンサ回路は、電圧レギュレータと出力スイッチとの間に接続されている。
【0014】
このホールセンサ回路、電圧レギュレータ及び出力スイッチの回路構成により、動作電圧5Vだけでなく、広い電圧範囲の動作電圧に対応する状態検出回路を提供することができる。さらに、既知の状態検出回路に比べて消費電流が大幅に低減されている。WO2020/043515A1の状態検出回路の消費電流は最大20mAであるが、本発明の状態検出回路は最大消費電流が5mA以下、例えば2.4mAであることが可能である。
【0015】
電圧レギュレータを介して、外部供給電圧は状態検出回路に電力を供給することができる。出力スイッチは、例えば関連する遠隔操作可能スイッチのスイッチング状態を外部回路環境に伝達するために使用することができる。
【0016】
さらに、状態検出回路の電子回路の逆極性安全性(Verpolungssicherheit)が改善され、外部回路環境に誤って接続されても損傷しないように、接続ライン(Anschlussleitungen)を構成することも可能である。
【0017】
また、静電気や過電圧パルスによって電子機器が破壊されないように、状態検出回路の高感度部品を構成することも可能である。
【0018】
上記に示した状態検出回路は、WO2020/043515A1から知られているような検出回路とは基本的に異なる。WO2020/043515A1からは、例えば、
図3Bのような、ホールセンサ19と半導体スイッチ207との間にオペアンプ203が接続された状態検出回路が知られている。
【0019】
これに対し、上述した状態検出回路では、ホール回路の一部であるホールセンサを電圧レギュレータと出力スイッチとの間に接続する構成を規定している。
【0020】
さらに、WO2020/043515A1の検出回路には、本発明の状態検出回路の電圧レギュレータに相当するものはなく、上述の状態検出回路には、WO2020/043515A1のオペアンプ203に相当するものはない。したがって、上述の状態検出回路は、WO2020/043515A1の検出回路の回路トポロジーとは根本的に異なる。
【0021】
上記のように、状態検出回路は広い範囲の供給電圧で動作することができるため、状態検出回路はユニバーサルに適用可能である。したがって、追加の開発努力なしに、対応する遠隔操作可能スイッチを改善し、消費電流を削減するために、従来の検出回路を置き換えることもできる。供給電圧の範囲は、例えば4V以上36V以下とすることができる。
【0022】
ホールセンサがバイナリ出力信号を提供することができる。
【0023】
電圧レギュレータと出力スイッチとの間にホールセンサ回路を有する回路構成により、ホールセンサとしてバイナリ出力信号を生成する素子を使用することが可能となる。WO2020/043515A1のホールセンサは、1つのスイッチング状態に対して5~7mAの電流を出力するように設計されている。もう一方のスイッチング状態を示すために、ホールセンサは12mA~17mAの電流を出力する。このように、WO2020/043515A1のホールセンサは、比較的高い消費電流を有する電流源であるが、一方で、本発明の状態検出回路によるホールセンサのバイナリ出力信号は、後続の回路素子による評価が容易であり、より低いエネルギ消費を可能にする。
【0024】
状態検出回路が出力接続部をさらに備えることも可能である。そして、出力接続部のホールセンサの磁気環境に応じて、遠隔操作可能スイッチのスイッチング状態を提供するために出力スイッチが設けられており、もちろん相応に適合している。
【0025】
ホールセンサはホール効果を利用し、即ちホールセンサの磁気環境を検出する。
【0026】
遠隔操作可能スイッチ、例えばリレーやパワーコンタクタ(Leistungsschuetze)は、概して、第1電極及び第2電極、並びに、遠隔操作可能スイッチ内でその位置を変えることができる導電体を備えている。特に、導電体は、2つの電極を電気的に接続するために2つの電極に機械的に接触させることができ、両電極間の電気的接続を切断するために両電極の少なくとも一方から機械的に切り離すことができる。遠隔操作可能スイッチの導電体に磁石を機械的に接続することができ、この磁石は、スイッチング状態に応じて導電体と同様にその位置を変化させる。ホールセンサは、好ましくは、遠隔操作可能スイッチに対して固定的に配置され、スイッチング状態が変化すると、磁石とホールセンサの感応領域との間の距離も変化する。したがって、遠隔操作可能スイッチが作動すると、ホールセンサの磁気環境が変化する。このようにして、関連する遠隔操作可能スイッチのスイッチング状態に対応するこの情報は、状態検出回路の出力接続部において外部回路環境に提供することができる。
【0027】
ホールセンサの使用には、ホールセンサが機械的摩耗なしに作動するため、状態検出回路の信頼性と耐用年数が向上するという利点がある。
【0028】
状態検出回路は、供給接続部とアース接続部とをさらに備えることも可能である。
【0029】
供給接続部を介して、状態検出回路に供給電圧を供給することができる。アース接続部を介して、状態検出回路を外部回路環境のアース電位に接続することができる。
【0030】
電圧レギュレータと出力スイッチとの間にホールセンサ回路を有する状態検出回路の構成により、適切に機能するために、供給接続部を広範囲の供給電圧を受け入れるのに適合させることが可能になる。4V~36Vのどの電圧でも、状態検出回路を動作させるための許容可能な供給電圧として十分である可能性がある。
【0031】
ホールセンサはホールセンサ回路の3つの異なるラインに接続されている可能性がある。
【0032】
したがって、ホールセンサがホールセンサ回路の3つの異なるラインに接続される構成は、WO2020/043515A1のホールセンサ周辺の回路環境とは大幅に異なるホールセンサの回路環境を表している。WO2020/043515A1の
図3Bは、ホールセンサ19がその回路環境において正確に2つのラインに接続されていることを明確に示している。
【0033】
上記のような状態検出回路は、信頼性を向上させ、消費電流を削減する新規かつ改良された構成を提供する。ホールセンサがアース及び出力スイッチに接続され、さらに電圧レギュレータの出力に電気的に結合されることも可能である。
【0034】
アースへの接続と出力スイッチへの接続は、直接接続であることができる。つまり、ホールセンサがアースに直接接続され、出力スイッチに直接接続されることが可能である。
【0035】
ホールセンサ回路が、抵抗要素と容量要素とをさらに含むことも可能である。抵抗要素は、電圧レギュレータの出力とホールセンサの第1接続部との間に接続されることができる。容量要素はさらに、ホールセンサの第1接続部とアースとの間に接続されることができる。
【0036】
第1抵抗要素は、50Ω~150Ω、例えば100Ωの抵抗値を有する。容量要素は、5nF~15nF、例えば10nFの静電容量を有する。容量要素は、50Vの公称電圧を有し、5V~50Vの電圧範囲で問題なく動作する。
【0037】
抵抗要素と容量要素が一緒になってRCフィルタの一部を形成することも可能である。このフィルタは、電圧レギュレータの供給電圧のリップルを低減し、ホールセンサの供給電圧を平滑化することができる。
【0038】
状態検出回路が第1ダイオードをさらに備えることも可能である。第1ダイオードは、供給接続部と電圧レギュレータの入力との間に接続することができる。
【0039】
第1ダイオードは逆極性保護ダイオードとすることができ、誤った逆極性(falscher Verpolung)の場合に状態検出回路を損傷から保護する。誤った逆極性に対する保護は、60Vの高さの電圧まで可能である。順方向電圧は0.5Vとすることができる。連続電流負荷は30mA、最大短時間電流負荷は2Aである。
【0040】
状態検出回路は、出力接続部とアースとの間に第1ダイオード回路をさらに備えることも可能である。
【0041】
第1ダイオード回路は、逆方向に配置され直列接続された2つのダイオードを有することができる。第1ダイオード回路は、40Vの降伏電圧(Durchbruchspannung)を有することができる。第1ダイオード回路は、出力スイッチを過電圧から保護することができる。
【0042】
さらに、状態検出回路が第2ダイオード回路を有することも可能である。この第2ダイオード回路は、アースと供給接続部との間に接続されることができる。
【0043】
第2ダイオード回路も、逆方向に配置され直列接続された2つのダイオードを有することができる。
【0044】
第2ダイオード回路は、40Vの降伏電圧を有することができる。第2のダイオード回路は双方向TVSダイオードとして設計することができる。第2ダイオード回路は、その降伏電圧に達すると導通状態になり、その背後の回路要素を過電圧から保護するために短絡回路を生成することができる。このようにして、状態検出回路は逆極性から確実に保護される。
【0045】
状態検出回路は第2抵抗要素をさらに有することも可能である。第2抵抗要素は、ホールセンサの第1接続部とホールセンサの第2接続部との間に接続することができる。
【0046】
第2抵抗要素はホールセンサのプルアップ抵抗を形成することができ、50kΩ~150kΩ、例えば100kΩの抵抗値を有する。第2抵抗要素は、ホールセンサの出力信号を安定させるために使用することができる。
【0047】
さらに、状態検出回路は第3抵抗要素を有することが可能である。第3抵抗要素は、アースと出力スイッチとの間に接続することができる。
【0048】
第3抵抗要素は、100Ω~200Ωの抵抗値、例えば150Ωの抵抗値を有することができる。出力スイッチは、第3抵抗要素を介してその電位がアース電位に対して明確に定義されるように、アースへの結合を得ることができる。
【0049】
出力スイッチは、半導体スイッチ及び/又は保護半導体スイッチを備えることが可能である。
【0050】
半導体スイッチには電界効果トランジスタ(FET)を用いることができる。
【0051】
半導体スイッチは、4Vから60Vの動作電圧を有することができ、ホールセンサを外部回路環境に直接接続することなく、ホールセンサの出力信号に応じてスイッチング状態情報を外部回路環境に転送することを意図している。
【0052】
純粋な半導体スイッチに加えて、出力スイッチは、半導体スイッチを許容されない動作パラメータ、例えば電流だけでなく過度に高い電圧から保護する保護素子をさらに有することができる。すなわち、出力スイッチは、いわゆる保護FET(ProFET)であるか、又は、保護FETを有することができる。
【0053】
電圧レギュレータは、4V~36Vの入力電圧に対して3V~15Vの出力電圧を提供するように設計されており、提供するのに適合していることが可能である。電圧レギュレータの出力電圧は特に5Vとすることができる。電圧レギュレータは基本的にホールセンサ回路に電気エネルギを供給する。
【0054】
ホールセンサ回路のホールセンサが、半導体スイッチと、半導体スイッチのゲート端子に接続されたホール素子とを備えることも可能である。ホールセンサの半導体スイッチは、電界効果トランジスタであることも可能である。
【0055】
ホールセンサが3つのラインを介して回路環境に接続されるこの構成は、本発明の状態検出回路の構成を、例えばWO2020/043515A1の対応する検出回路と区別する。
【0056】
さらに、状態検出回路が第2容量素子を有することも可能である。この第2容量素子は、供給接続部とアースとの間に接続されることができる。
【0057】
第2容量素子は、50nF~150nF、例えば100nFの容量を有することができ、状態検出回路の供給端子における高電圧ピークを吸収する平滑コンデンサとして作用する。第2容量性素子が適宜充電されると、第2ダイオード回路はスイッチスルー(durchschalten)し、電圧ピークをアースに散逸させることができる。
【0058】
対応する遠隔操作可能スイッチは、例えば上述したように、電気スイッチと状態検出回路とを有することができる。状態検出回路は、その特殊な構成により、電気スイッチのスイッチング状態を確実に検出し、それを外部回路環境に提供することができるように設計されており、提供することができる。
【0059】
遠隔操作可能スイッチは、リレー、コンタクタ、高圧コンタクタから選択されることも可能である。
【0060】
遠隔操作可能スイッチの場合、状態検出回路は、スイッチのスイッチング状態が「意図された閉」及び/又は「意図された開」であるか否かを通知することが可能である。
【0061】
これにより、スイッチの実際状態が、意図されたスイッチの設定状態と同じであるか、あるいはエラーがあり、スイッチが意図されたスイッチ状態(開又は閉)を有さず、閉であるべき場合に開であるか、開であるべき場合に閉であるか、あるいは全閉でも全開でもない状態であるかを明確に検出することができる。
【0062】
状態検出回路の回路素子は、回路基板の片面又は両面に配置することができる。回路基板は、遠隔操作可能スイッチの底部に配置することができる。さらに、回路基板は、従来の遠隔操作可能スイッチに適合するような寸法を有することができる。特に、回路基板は円形であることができ、10~15mm、例えば8.5mm、12.5mm又は13.9mmの直径を有することができる。好ましい実施形態の動作原理と詳細を以下の概略図に示す。
【0063】
遠隔操作可能スイッチ(FS)は、導電体上にマーキングをさらに備えることが可能である。この導体は、スイッチを外部の回路環境に接続するために設計されており、適している。
【0064】
また、導体を接続配線とし、マーキングを逆極性に対する警告ラベルとすることも可能である。このようなマーキングは、逆極性に対する保護を向上させることが可能である構成である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】
図1は、いくつかの回路ブロックの相対的なアレンジメントを示す図である。
【
図2】
図2は、好ましい実施形態のさらなる回路要素を備えた回路図を示す図である。
【
図3】
図3は、ホールセンサのホール要素の回路環境を示す図である。
【
図4】
図4は、遠隔操作可能スイッチの機能要素を示す図である。
【
図5】
図5は、さらに好ましい実施形態の回路要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
図1に状態検出回路ZESのブロック図を示す。状態検出回路は、電圧レギュレータSR、ホールセンサ回路HSS、及び出力スイッチASを備える。ホールセンサ回路はホールセンサHSを含む。ホールセンサ回路HSSは、電圧レギュレータSRと出力スイッチASとの間に接続されている。状態検出回路はまた、供給電圧用の入力SUPと、スイッチング状態を外部回路環境に転送する出力OUTとを有する。出力スイッチASは、ホールセンサ回路HSSと出力接続部OUTとの間に接続されている。オプションとして、出力スイッチASは供給接続部SUPに接続される。
【0067】
供給接続部SUPと出力接続部OUTの矢印の方向は、対応する電力の方向を示す。
【0068】
ホールセンサ回路及びそのホールセンサを電圧レギュレータと出力スイッチとの間に配置する構成により、状態検出回路は、既知の遠隔操作可能スイッチの対応する状態検出回路とは根本的に異なっている。新たな構成の結果、状態検出回路は、従来の遠隔操作か可能スイッチとの互換性を保ちながら、より低い電力要件とより高い信頼性とを有することが可能となる。
【0069】
図2は、さらなる回路要素を備えた状態検出回路ZESの実施形態を示す。アース電位に接続することができるさらなる接続部がある。特に、電圧レギュレータSR、ホールセンサ回路HSS、出力スイッチASはアースに接続することができる。
【0070】
ホールセンサ回路HSSにおいて、ホールセンサHSの第1接続部HS1は、第1抵抗要素R1を介して電圧レギュレータSRの第1出力接続部SR1に接続されている。ホールセンサ回路HSSの第2接続部HS2は、出力スイッチASの入力に接続されている。ホールセンサHSのさらなる接続部はアースに接続されている。
【0071】
第1容量要素C1は、ホールセンサHSの第1接続部HS1とアースとの間に接続される。プルアップ抵抗R2は、ホールセンサHSの第1接続部HS1とホールセンサHSの第2接続部HS2との間に接続される。
【0072】
第1ダイオードD1は、電源接続SUPと電圧レギュレータSRとの間に接続されている。第1ダイオードD1は、状態検出回路の誤った極性反転に対する逆極性保護ダイオードを表す。
【0073】
第1ダイオード回路DS1は、出力接続部OUTとアースとの間に接続されている。第1ダイオード回路DS1は、過電圧に対する保護を提供する。特に、第1ダイオード回路DS1は、出力スイッチASを過電圧から保護することができる。
【0074】
第2ダイオード回路DS2は、供給接続部SUPとアースとの間に接続されている。第2ダイオード回路DS2は、供給接続部SUPにおける過電圧からその背後にある回路素子を保護する。第2ダイオード回路DS2の降伏電圧を超えると、電圧ピークがアースに放電される。
【0075】
第3抵抗要素R3はグランドと出力スイッチASの間に接続され、グランドに対して定められた電位を出力スイッチASに与える。
【0076】
図3は、ホールセンサHSの可能な内部構造を示す。ホール要素HE及び半導体スイッチHLSが含まれることができる。ホール要素HEは、遠隔操作可能スイッチの可動導電体上の磁石の静止位置近傍に配置され、その近傍の磁界を検出する。ホール要素HEは半導体スイッチHLSのベースに接続されている。全体として、ホールセンサHSは、3つの配線を介して回路環境に接続され、ホール要素の磁気環境に関して、半導体スイッチHLSを介してその出力にバイナリ出力信号を提供する。その際、ホールセンサHSの半導体スイッチHLSは、基本的に出力スイッチASに結合又は直接接続されている。
【0077】
図4は、遠隔操作可能スイッチFSの中心要素を示している。遠隔操作可能スイッチFSは、第1電極EL1及び第2電極EL2並びに導電体Lを備えている。導電体Lはスライド要素SCHに取り付けられることができる。導電体は、スライド要素SSCHを介して、例えば磁気コイルMSによって駆動されることにより、第1電極EL1及び第2電極EL2に押し付けられたり、電極EL1、EL2から引き離されたりすることができる。これにより、遠隔操作可能スイッチは、電極EL1、EL2間の電気接点を閉じたり開いたりすることができる。磁気コイルMSは、相応の電流によって遠隔制御することができる。スライド要素SCHに固定的に接続された磁石Mは、導電体Lの位置に応じてその位置も変化し、したがって、ホールセンサHSの磁気環境が変化する。ホールセンサHSは、その磁気環境に基づいて、導電体Lのスイッチング状態に関連するバイナリ信号を外部回路環境に送信することができる。状態検出回路の回路素子又は回路ブロックは、ホールセンサHSに接続されるプリント回路基板LPの片面又は両面に配置することができる。配線基板LPは、遠隔操作可能スイッチFSの底部領域に配置され、固定されることができる。配線基板LPは、従来の遠隔操作可能スイッチFSの対応する凹部で使用できるようなサイズ及び形状を有することができる。このようにして、スイッチESの他のスイッチ要素を変更することなく、一般的な遠隔操作可能スイッチの消費電力を低減し、信頼性を高めることができる。
【0078】
図5は、
図2による回路に基づく状態検出回路の好ましい形態を示す。例えば、
図2の回路と比較して、
図5による回路の出力スイッチは、供給接続部Supに接続される代わりに、アースに直接接続される。さらに、
図5による回路は、第3抵抗要素R3を欠いており、
図5による回路の出力スイッチは、R3を介したアースへの相応の接続を欠いている。
図2による回路の第1ダイオードD1は、
図5による実施形態にはもはや含まれない。第2抵抗素子R2の抵抗値は2kΩ~10kΩ、例えば4.7kΩとすることができる。出力スイッチASは、3極(半導体)スイッチ、例えばFETとして設計することができる。
【0079】
状態検出回路及び遠隔操作可能スイッチは、説明した実施形態に限定されない。状態検出回路は、例えば、温度を検出するためのさらなる回路要素や、エラーを検出するための相応のスイッチのハウジングに印加される電圧を検出するためのさらなる回路素子を有することもできる。
【符号の説明】
【0080】
AS 出力スイッチ
C1 第1容量要素
C2 第2容量要素
D1 第1ダイオード
DS1 第1ダイオード回路
DS2 第2ダイオード回路
EL1 遠隔操作可能スイッチの第1電極
EL2 遠隔操作可能スイッチの第2電極
ES 遠隔操作可能スイッチの電気スイッチ
FS 遠隔操作可能スイッチ
HE ホール要素
HLS 半導体スイッチ
HS ホールセンサ
HS1 ホールセンサの第1出力
HS2 ホールセンサの第2出力
HSS ホールセンサ回路
L 可動導電体
LP 導体プレート
M マグネット
MS マグネットコイル
OUT 出力接続部
R1 第1抵抗要素
R2 第2抵抗要素
R3 第3抵抗要素
SCH スライド要素
SR 電圧レギュレータ
SR1 電圧レギュレータの第1出力
SUP 供給接続部
ZES 状態検出回路
【国際調査報告】