(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】コンピュータ支援手術計画
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20240207BHJP
A61B 34/10 20160101ALI20240207BHJP
A61F 2/40 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B34/10
A61F2/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547514
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-25
(86)【国際出願番号】 US2022014192
(87)【国際公開番号】W WO2022169678
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521418414
【氏名又は名称】ホウメディカ・オステオニクス・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Howmedica Osteonics Corp.
【住所又は居所原語表記】325 Corporate Drive Mahwah, NJ 07430, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャウィ、ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ウルボイ、マヌエル・ジャン-マリー
(72)【発明者】
【氏名】デュクロク、エミリー
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA11
4C097BB10
4C097CC05
4C097SC03
(57)【要約】
方法は、コンピューティングシステムによって、1つ又は複数の手術パラメータの値を指定する1つ又は複数の外科医選好パラメータを取得することと、ここにおいて、手術パラメータは、手術中に患者の関節窩に取り付けられる関節窩インプラントのための1つ又は複数の位置決めパラメータを含み、コンピューティングシステムによって、患者の1つ又は複数の解剖学的パラメータ及び外科医選好パラメータに基づいて、1つ又は複数の提案手術オプションを決定することと、ここで、手術オプションの各々は、関節窩インプラントのための位置決めパラメータと関節窩インプラントのタイプとの異なる組合せに対応し、コンピューティングシステムによって、表示のために1つ又は複数の提案手術オプションを出力することと、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングシステムによって、1つ又は複数の手術パラメータの値を指定する1つ又は複数の外科医選好パラメータを取得することと、ここにおいて、前記手術パラメータは、手術中に患者の関節窩に取り付けられる関節窩インプラントのための1つ又は複数の位置決めパラメータを含み、
前記コンピューティングシステムによって、前記患者の1つ又は複数の解剖学的パラメータ及び前記外科医選好パラメータに基づいて、1つ又は複数の提案手術オプションを決定することと、ここで、前記提案手術オプションの各々は、前記関節窩インプラントのための前記位置決めパラメータと前記関節窩インプラントのタイプとの異なる組合せに対応し、
前記コンピューティングシステムによって、前記1つ又は複数の提案手術オプションを出力することと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記1つ又は複数の提案手術オプションを決定することは、
1つ又は複数のトライアルベクトルのセットを生成することと、ここにおいて、前記トライアルベクトルのセット中の各トライアルベクトルは、前記手術パラメータのうちの1つ又は複数を含み、
前記トライアルベクトルのセット中の各トライアルベクトルについて、
前記トライアルベクトルの前記手術パラメータ及び前記解剖学的パラメータに基づいて入力値を決定することと、
前記入力値に基づいて前記トライアルベクトルについてのコスト値を決定することと、
前記トライアルベクトルについての前記コスト値に基づいて、前記提案手術オプションのうちの1つとして前記トライアルベクトルを含めるかどうかを決定することと、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トライアルベクトルについての前記コスト値を決定することは、
前記入力値の線形結合に基づいて前記トライアルベクトルについての第1の予備コスト値を決定することと、
前記トライアルベクトルの前記手術パラメータと前記手術パラメータの標準値との間の差に基づいて、前記トライアルベクトルについての第2の予備コスト値を決定することと、
前記トライアルベクトルについての前記第1の予備コスト値及び前記トライアルベクトルについての前記第2の予備コスト値に基づいて、前記トライアルベクトルについての前記コスト値を決定することと、
を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記トライアルベクトルのセットを生成することは、
1つ又は複数の残りの関節窩インプラントタイプのセットを決定するために、前記外科医選好パラメータに基づいて関節窩インプラントタイプを除外することと、
前記トライアルベクトルが前記残りの関節窩インプラントタイプのセット中の関節窩インプラントタイプのみを含むように前記トライアルベクトルを生成することと、
を備える、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記トライアルベクトルのセットを生成することは、
前記患者の前記解剖学的パラメータに基づいて前記関節窩インプラントのサイズを決定することと、
前記トライアルベクトルが前記決定されたサイズを有する関節窩インプラントのみを含むように前記トライアルベクトルを生成することと、
を備える、請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記トライアルベクトルのセットを生成することは、現在のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新することによって、前記トライアルベクトルのセットにおいて新しいトライアルベクトルを生成することを備える、請求項2~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記トライアルベクトルのセットを生成することは、
前記トライアルベクトルのセット中の現在のトライアルベクトルについての前記コスト値と、前記トライアルベクトルのセット中の前のトライアルベクトルのコスト値との比較に基づいて、前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表すかどうかを決定することと、
前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表さないことに基づいて、前記現在のトライアルベクトルを前記前のトライアルベクトルに戻すことと、
前記トライアルベクトルのセット中の新しい現在のトライアルベクトルを決定するために、前記現在のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新することと、
を備える、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記提案手術オプションのうちの1つとして前記トライアルベクトルを含めるかどうかを決定することは、前記トライアルベクトルについての前記コスト値が閾値を超えるかどうかを決定することを備える、請求項2~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ又は複数の提案手術オプションを決定することは、
1つ又は複数の残りの関節窩インプラントタイプのセットを決定するために、前記外科医選好パラメータに基づいて関節窩インプラントタイプをフィルタリングすることと、
前記患者の前記解剖学的パラメータに基づいて、前記関節窩インプラントのサイズを決定することと、
1つ又は複数の手術パラメータを含む現在のトライアルベクトルを生成することと、ここにおいて、前記現在のトライアルベクトルにおける関節窩インプラントのタイプは、前記残りの関節窩インプラントタイプに限定されており、
前記現在のトライアルベクトルの前記手術パラメータ及び前記解剖学的パラメータに基づいて入力値を決定することと、
前記入力値の線形結合に基づいて前記現在のトライアルベクトルについての第1の予備コスト値を決定することと、
前記現在のトライアルベクトルの前記手術パラメータと前記手術パラメータの標準値との間の差に基づいて、前記現在のトライアルベクトルについての第2の予備コスト値を決定することと、
前記現在のトライアルベクトルについての前記第1の予備コスト値及び前記現在のトライアルベクトルについての前記第2の予備コスト値に基づいて、前記現在のトライアルベクトルについてのコスト値を決定することと、
前記現在のトライアルベクトルについての前記コスト値と、前のトライアルベクトルのコスト値との比較に基づいて、前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表すかどうかを決定することと、
前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表さないことに基づいて、前記現在のトライアルベクトルを前記前のトライアルベクトルに戻すことと、
新しい現在のトライアルベクトルを決定するために、前記現在のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新することと、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
1つ又は複数の手術パラメータの値を指定する1つ又は複数の外科医選好パラメータを記憶するように構成されたメモリと、ここにおいて、前記手術パラメータは、手術中に患者の関節窩に取り付けられる関節窩インプラントのための1つ又は複数の位置決めパラメータを含み、
回路内で実装される1つ又は複数のプロセッサと、
を備え、前記1つ又は複数のプロセッサは、
前記患者の1つ又は複数の解剖学的パラメータ及び前記外科医選好パラメータに基づいて、1つ又は複数の提案手術オプションを決定することと、ここで、前記提案手術オプションの各々は、前記関節窩インプラントのための前記位置決めパラメータと関節窩インプラントのタイプとの異なる組合せに対応し、
表示のために前記1つ又は複数の提案手術オプションを出力することと、
を行うように構成されている、コンピューティングシステム。
【請求項11】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記1つ又は複数の提案手術オプションを決定することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、
1つ又は複数のトライアルベクトルのセットを生成することと、ここにおいて、前記トライアルベクトルのセット中の各トライアルベクトルは、前記手術パラメータのうちの1つ又は複数を含み、
前記トライアルベクトルのセット中の各トライアルベクトルについて、
前記トライアルベクトルの前記手術パラメータ及び前記解剖学的パラメータに基づいて入力値を決定することと、
前記入力値に基づいて前記トライアルベクトルについてのコスト値を決定することと、
前記トライアルベクトルについての前記コスト値に基づいて、前記提案手術オプションのうちの1つとして前記トライアルベクトルを含めるかどうかを決定することと、
を行うように構成されている、請求項10に記載のコンピューティングシステム。
【請求項12】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記トライアルベクトルについての前記コスト値を決定することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、
前記入力値の線形結合に基づいて前記トライアルベクトルについての第1の予備コスト値を決定することと、
前記トライアルベクトルの前記手術パラメータと前記手術パラメータの標準値との間の差に基づいて、前記トライアルベクトルについての第2の予備コスト値を決定することと、
前記トライアルベクトルについての前記第1の予備コスト値及び前記トライアルベクトルについての前記第2の予備コスト値に基づいて、前記トライアルベクトルについての前記コスト値を決定することと、
を行うように構成されている、請求項11に記載のコンピューティングシステム。
【請求項13】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記トライアルベクトルのセットを生成することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、
1つ又は複数の残りの関節窩インプラントタイプのセットを決定するために、前記外科医選好パラメータに基づいて関節窩インプラントタイプを除外することと、
前記トライアルベクトルが前記残りの関節窩インプラントタイプのセット中の関節窩インプラントタイプのみを含むように前記トライアルベクトルを生成することと、
を行うように構成されている、請求項11又は12に記載のコンピューティングシステム。
【請求項14】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記トライアルベクトルのセットを生成することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、
前記患者の前記解剖学的パラメータに基づいて前記関節窩インプラントのサイズを決定することと、
前記トライアルベクトルが前記決定されたサイズを有する関節窩インプラントのみを含むように前記トライアルベクトルを生成することと、
を行うように構成されている、請求項11~13のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
【請求項15】
前記トライアルベクトルのセットを生成することは、前記トライアルベクトルのセット中の前のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新することによって、現在のトライアルベクトルを生成することを備える、請求項11~14のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
【請求項16】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記トライアルベクトルのセットを生成することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、
前記トライアルベクトルのセット中の現在のトライアルベクトルについての前記コスト値と、前記トライアルベクトルのセット中の前のトライアルベクトルのコスト値との比較に基づいて、前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表すかどうかを決定することと、
前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表さないことに基づいて、前記現在のトライアルベクトルを前記前のトライアルベクトルに戻すことと、
前記トライアルベクトルのセット中の新しい現在のトライアルベクトルを決定するために、前記現在のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新することと、
を行うように構成されている、請求項11~15のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
【請求項17】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記提案手術オプションのうちの1つとして前記トライアルベクトルを含めるかどうかを決定することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、前記トライアルベクトルについての前記コスト値が閾値を超えるかどうかを決定するように構成されている、請求項11~16のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
【請求項18】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記1つ又は複数の提案手術オプションを決定することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、
1つ又は複数の残りの関節窩インプラントタイプのセットを決定するために、前記外科医選好パラメータに基づいて関節窩インプラントタイプをフィルタリングすることと、
前記患者の前記解剖学的パラメータに基づいて、前記関節窩インプラントのサイズを決定することと、
1つ又は複数の手術パラメータを含む現在のトライアルベクトルを生成することと、ここにおいて、前記現在のトライアルベクトルにおける関節窩インプラントのタイプは、前記残りの関節窩インプラントタイプに限定されており、
前記現在のトライアルベクトルの前記手術パラメータ及び前記解剖学的パラメータに基づいて入力値を決定することと、
前記入力値の線形結合に基づいて前記現在のトライアルベクトルについての第1の予備コスト値を決定することと、
前記現在のトライアルベクトルの前記手術パラメータと前記手術パラメータの標準値との間の差に基づいて、前記現在のトライアルベクトルについての第2の予備コスト値を決定することと、
前記現在のトライアルベクトルについての前記第1の予備コスト値及び前記現在のトライアルベクトルについての前記第2の予備コスト値に基づいて、前記現在のトライアルベクトルについてのコスト値を決定することと、
前記現在のトライアルベクトルについての前記コスト値と、前のトライアルベクトルのコスト値との比較に基づいて、前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表すかどうかを決定することと、
前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表さないことに基づいて、前記現在のトライアルベクトルを前記前のトライアルベクトルに戻すことと、
新しい現在のトライアルベクトルを決定するために、前記現在のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新することと、
を行うように構成されている、請求項10に記載のコンピューティングシステム。
【請求項19】
請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を行うための手段を備えるコンピューティングシステム。
【請求項20】
実行されるとコンピューティングシステムの1つ又は複数のプロセッサに、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を行わせる命令を記憶した、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001] 本願は、2021年2月5日に出願された米国仮特許出願第63/146,278号の優先権を主張するものであり、その内容全体が参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002] 肩関節置換術は、複雑なタイプの整形外科手術である。しかしながら、肩関節置換術は、多くの患者において痛みを和らげ可動域を回復することができるので、ますます一般的になってきている。肩関節置換術の複雑さが、多くの外科医、特に肩関節置換術を頻繁に行わない外科医が肩関節置換術を行うことの支障になってきた。したがって、外科医が肩関節置換術などの複雑な手術を計画するのを助けるために、コンピュータ化された手術計画システムが開発されている。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 本開示は、コンピュータ化された手術計画システムを改善するための様々な技法について説明する。コンピュータ化された手術計画システムの実装に関連する1つの課題は、コンピュータ化された手術計画システムが、個々の外科医の好みと一致する肩関節置換術のための手術計画を生成することをいかに確実にするかである。例えば、コンピュータ化された手術計画システムは、肩関節置換術のための様々な手術オプションに関する複数の予測を生成するために、機械学習(ML)モデルを使用し得る。一般に、MLモデルを訓練するために、多数の訓練データセット(例えば、個々の手術に関するデータ)を使用する必要があり得る。少なくともMLモデルを訓練するために必要な症例の数に起因して、個々の外科医の好みに基づいて予測を生成するために個々の外科医ごとに別個のMLモデルを訓練することは、非実用的であり得る。これは、肩関節置換術を頻繁には行わない外科医に関して特に当てはまり得るが、その理由は、単純にそのような外科医が、MLモデルを十分に訓練するほど十分な肩関節置換術を行っていないからである。本開示は、この問題に対処することができ、手術計画システムが個々の外科医の好みに合わせた手術提案を生成することを可能にする技法について、記憶要件の低減及びコンピューティングリソースの利用の低減という関連付けられた利益と共に説明する。
【0004】
[0004] 1つの実施例では、本開示は、コンピューティングシステムによって、1つ又は複数の手術パラメータの値を指定する1つ又は複数の外科医選好パラメータを取得することと、ここにおいて、手術パラメータは、手術中に患者の関節窩に取り付けられる関節窩インプラントのための1つ又は複数の位置決めパラメータを含み、コンピューティングシステムによって、患者の1つ又は複数の解剖学的パラメータ及び外科医選好パラメータに基づいて、1つ又は複数の提案手術オプション(suggested surgical options)を決定することと、ここで、手術オプションの各々は、関節窩インプラントのための位置決めパラメータと関節窩インプラントのタイプとの異なる組合せに対応し、コンピューティングシステムによって、1つ又は複数の提案手術オプションを出力することと、を備える方法について説明する。
【0005】
[0005] 別の実施例では、本開示は、1つ又は複数の手術パラメータの値を指定する1つ又は複数の外科医選好パラメータを記憶するように構成されたメモリと、ここにおいて、手術パラメータは、手術中に患者の関節窩に取り付けられる関節窩インプラントのための1つ又は複数の位置決めパラメータを含み、回路内で実装される1つ又は複数のプロセッサと、を備え、1つ又は複数のプロセッサは、患者の1つ又は複数の解剖学的パラメータ及び外科医選好パラメータに基づいて、1つ又は複数の提案手術オプションを決定することと、ここで、手術オプションの各々は、関節窩インプラントのための位置決めパラメータと関節窩インプラントのタイプとの異なる組合せに対応し、表示のために1つ又は複数の提案手術オプションを出力することと、を行うように構成されているコンピューティングシステムについて説明する。
【0006】
[0006] 他の実施例では、本開示は、本開示の方法を行うための手段を備えるコンピューティングシステムと、実行されるとコンピューティングシステムの1つ又は複数のプロセッサに、本開示の方法を行わせる命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体とについて説明する。
【0007】
[0007] 本開示の様々な実施例の詳細が、添付の図面及び以下の説明に記載されている。様々な特徴、目的、及び利点が、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】[0008] 本開示の1つ又は複数の技法に係る手術支援システムのブロック図である。
【
図2】[0009] 本開示の1つ又は複数の技法に係る手術計画システムの例示的な詳細を例示するブロック図である。
【
図3】[0010] 本開示の1つ又は複数の技法に係る例示的な手術計画ユーザインターフェースを例示する概念図である。
【
図4A】[0011] 本開示の1つ又は複数の技法に係る、解剖学的肩関節置換術についての外科医選好パラメータを選択するための例示的な手術計画ユーザインターフェースを例示する概念図である。
【
図4B】[0012] 本開示の1つ又は複数の技法に係る、反転型肩関節置換術についての外科医選好パラメータを選択するための例示的な手術計画ユーザインターフェースを例示する概念図である。
【
図5】[0013] 本開示の1つ又は複数の技法に係る、解剖学的肩関節置換術のための手術提案を示す例示的な手術計画ユーザインターフェースを例示する概念図である。
【
図6】[0014] 本開示の1つ又は複数の技法に係る、反転型肩関節置換術のための手術提案を示す例示的な手術計画ユーザインターフェースを例示する概念図である。
【
図7】[0015] 本開示の1つ又は複数の技法に係る、手術計画システムの例示的な動作を例示するフローチャートである。
【
図8】[0016] 本開示の1つ又は複数の技法に係る、関節窩インプラントのための1つ又は複数の提案手術オプションを決定するためのパラメータ予測ユニットの例示的な動作を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0017] 本開示の特定の実施例について添付の図面を参照して説明し、ここでは、同様の参照番号は同様の要素を示す。しかしながら、添付の図面は、本明細書で説明される様々な実装形態を例示しているにすぎず、本明細書で説明される様々な技術の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。図面は、本開示の様々な実施例を示し、説明するものである。以下の説明では、多数の詳細が記載されている。しかしながら、当業者であれば、本発明がこれらの詳細なしに実施され得ること、及び説明された実施例からの多数の変形例又は修正例が可能であり得ることが理解されよう。
【0010】
[0018] 本開示は、手術を計画することに関連するシステム及び方法について説明する。換言すれば、本開示は、手術の自動計画のための技法について説明する。手術計画、例えば、Wright Medical Group NV によって製造されるBLUEPRINT(商標)システム又は別の手術計画プラットフォームによって生成される手術計画は、手術に関する様々な情報を含み得る。例えば、手術計画は、外科医などのユーザによって患者に対して行われるステップに関する情報を含み得る。例示的なステップは、例えば、骨若しくは組織の準備ステップ、並びに/又は補綴材などのインプラントコンポーネント及び関連するハードウェア若しくは媒体の選択、修正、及び/又は配置のためのステップを含み得る。更に、手術計画内の情報は、様々な実施例において、ユーザによって選択又は修正されることになるインプラントコンポーネントの寸法、形状、角度、表面輪郭、及び/又は向き、骨若しくは組織の準備ステップにおいてユーザによって骨若しくは組織において画定されることになる寸法、形状、角度、表面輪郭、及び/又は向き、並びに/或いはユーザによる、患者の骨若しくは組織に対するインプラントコンポーネントの配置を画定する位置、軸、平面、角度、及び/又は侵入点を含み得る。患者の解剖学的特徴の寸法、形状、角度、表面輪郭、及び/又は向きなどの情報は、撮像(例えば、X線、CT、MRI、超音波、又は他の画像)の解析、直接観察、又は他の技法から導出され得る。
【0011】
[0019] 本明細書で説明されるように、コンピューティングシステムは、1つ又は複数の手術パラメータの値を指定する1つ又は複数の外科医選好パラメータを取得し得る。手術パラメータは、手術中に患者の関節窩に取り付けられる関節窩インプラントのための1つ又は複数の位置決めパラメータを含み得る。更に、コンピューティングシステムは、患者の1つ又は複数の解剖学的パラメータ及び外科医選好パラメータに基づいて、手術中に患者の関節窩に関節窩インプラントを取り付けるための1つ又は複数の提案手術オプションを決定し得る。手術オプションの各々は、手術パラメータの値の異なる組合せに対応する。コンピューティングシステムは、表示のために、1つ又は複数の提案手術オプションを出力し得る。
【0012】
[0020]
図1は、本開示の1つ又は複数の技法に係る例示的な手術支援システム100を例示するブロック図である。
図1の実施例では、手術支援システム100は、本開示で説明される1つ又は複数の例示的な技法を行うように構成されたコンピューティングシステムの一例であるコンピューティングシステム102を含む。コンピューティングシステム102は、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、及び他のタイプのコンピューティングデバイスなど、様々なタイプのコンピューティングデバイスを含み得る。コンピューティングシステム102は、処理回路104、メモリ106、ディスプレイ108、及び通信インターフェース110を含む。ディスプレイ108は、コンピューティングシステム102がサーバコンピュータを備える実施例などでは任意選択であり得る。更に、
図1の実施例では、手術支援システム100は、ローカルデバイス112及び通信ネットワーク114を含む。
【0013】
[0021] 処理回路104の例には、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ハードウェア、又はそれらの任意の組合せが含まれる。一般に、処理回路104は、固定機能回路、プログラマブル回路、又はそれらの組合せとして実装され得る。固定機能回路とは、特定の機能を提供し、実行することができる動作に関して予め設定されている回路を指す。プログラマブル回路とは、様々なタスクを実行し、実行することができる動作において柔軟な機能を提供するようにプログラムされ得る回路を指す。例えば、プログラマブル回路は、ソフトウェア又はファームウェアの命令によって定義される様式でプログラマブル回路を動作させるソフトウェア又はファームウェアを実行し得る。固定機能回路は、(例えば、パラメータを受信又はパラメータを出力するように)ソフトウェア命令を実行し得るが、固定機能回路が行う動作のタイプは一般に不変である。いくつかの実施例では、1つ又は複数のユニットは、別個の回路ブロック(固定機能又はプログラマブル)であってもよいし、いくつかの実施例では、1つ又は複数のユニットは、集積回路であってもよい。
【0014】
[0022] 処理回路104は、プログラマブル回路から形成される、算術論理演算ユニット(ALU)、初等関数ユニット(EFU)、デジタル回路、アナログ回路、及び/又はプログラマブルコアを含み得る。プログラマブル回路によって実行されるソフトウェアを使用して処理回路104の動作が行われる実施例では、メモリ106は、処理回路104が受け取り実行するソフトウェアのオブジェクトコードを記憶してもよいし、又は処理回路104内の別のメモリ(図示せず)がそのような命令を記憶してもよい。ソフトウェアの例には、手術計画のために設計されたソフトウェアが含まれる。処理回路104は、本開示においてコンピューティングシステム102に帰するアクションを行い得る。
【0015】
[0023] メモリ106は、処理回路104によって使用される様々なタイプのデータを記憶し得る。例えば、メモリ106は、1つ又は複数の手術計画に関するデータを記憶し得る。メモリ106は、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)を含むDRAM、磁気抵抗RAM(MRAM)、抵抗RAM(RRAM(登録商標))、ハードディスクドライブ、光ディスク、又は他のタイプの非一時的コンピュータ可読媒体などの様々なメモリデバイスのいずれかによって形成され得る。ディスプレイ108の例には、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、又は別のタイプのディスプレイデバイスが含まれ得る。
【0016】
[0024] 更に、
図1の実施例では、メモリ106は、処理回路104によって実行されると、コンピューティングシステム102に手術計画システム116を提供させるコンピュータ可読命令を含み得る。いくつかの実施例では、手術計画システム116の命令の一部又は全部は、ローカルデバイス112上に記憶され、及び/又はローカルデバイス112の処理回路によって実行される。他の実施例では、手術計画システム116の命令の一部又は全部は、コンピューティングシステム102上に記憶され、及び/又はコンピューティングシステム102の処理回路によって実行される。いくつかの実施例では、ローカルデバイス112は、複合現実感(MR)可視化デバイスであってもよいし、又はそれを含んでもよい。説明を容易にするために、本開示は、処理回路104及び/又はローカルデバイス112の処理回路が手術計画システム116の命令を実行するときにコンピューティングシステム102及び/又はローカルデバイス112によって行われるアクションについて、処理動作が、コンピューティングシステム102、ローカルデバイス112、若しくは両方の組合せの処理回路によって、又は1つ又は複数のクラウドサーバ及び/若しくは1つ又は複数の他のリモートコンピューティングデバイスに関連付けられた処理回路を含む他の処理回路によって、或いはそれと組み合わせて行われ得るという理解の下で、単に、手術計画システム116によって行われるものとして説明する場合がある。
図1の実施例では、メモリ106はまた、手術計画データ117、医用画像データ119、及び外科医選好パラメータ121を含み得る。
【0017】
[0025] 通信インターフェース110は、コンピューティングシステム102が、ネットワーク114を介してローカルデバイス112及び/又は他のデバイスにデータ及び命令を出力し、そこからデータ及び命令を受信することを可能にする。通信インターフェース110は、コンピューティングシステム102がMR可視化デバイス112などの他のコンピューティングシステム及びデバイスに(例えば、ワイヤレスに又はワイヤを使用して)通信することを可能にするハードウェア回路を備え得る。ネットワーク114は、インターネットなどの1つ又は複数のワイドエリアネットワーク、及びローカルエリアネットワークなどを含む様々なタイプの通信ネットワークを含み得る。いくつかの実施例では、ネットワーク114は、ワイヤード及び/又はワイヤレス通信リンクを含み得る。
【0018】
[0026] ローカルデバイス112は、ユーザ118によって使用されるコンピューティングデバイスであり得る。他の実施例では、ユーザ118は、コンピューティングシステム102のコンピューティングデバイスを直接使用し得る。そのような実施例では、ユーザ118は、ディスプレイ108上に表示されたコンテンツを見ることができる。いくつかの実施例では、ローカルデバイス112は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、又は別のタイプのコンピューティングデバイスである。いくつかの実施例では、ローカルデバイス112は、複合現実感(MR)可視化デバイスである。MR可視化デバイスは、外科医であり得るユーザ118に画像コンテンツを表示するために様々な可視化技法を使用し得る。例えば、MR可視化デバイスは、ホログラフィックプロジェクタ、又はMRシーンを提示するための他のタイプのデバイスを含み得る。ローカルデバイス112がMR可視化デバイスであるいくつかの実施例では、ローカルデバイス112は、Microsoft Corporation(アメリカ合衆国ワシントン州レドモンド)から入手可能なMicrosoft HOLOLENS(商標)ヘッドセット、又は例えば導波路を含む同様のMR可視化デバイスなどの同様のデバイスであり得る。HOLOLENS(商標)デバイスは、ユーザ118がホログラフィックレンズを通して現実世界シーンの、すなわち現実世界環境の実際のオブジェクトを見ることを可能にしながら、ホログラフィックレンズ又は導波路を介して3D仮想オブジェクトを提示するために使用され得る。
【0019】
[0027] 上述のように、メモリ106は、処理回路104によって実行されると、コンピューティングシステム102に手術計画システム116を提供させるコンピュータ可読命令を含み得る。手術計画システム116は、外科医が解剖学的肩関節置換術又は反転型肩関節置換術などの手術を計画するのを助けるように構成される。解剖学的肩関節置換術では、外科医は、カップ形状の関節窩インプラントを患者の肩甲骨の関節窩に埋め込み、ボール形状の上腕骨インプラントを患者の上腕骨の近位端に埋め込む。反転型肩関節置換術では、外科医は、ボール形状の関節窩インプラントを患者の肩甲骨の関節窩に埋め込み、カップ形状の上腕骨インプラントを患者の上腕骨の近位端に埋め込む。
【0020】
[0028] 解剖学的肩関節置換術又は反転型肩関節置換術のいずれでも、外科医は、様々な異なるタイプの関節窩インプラント及び上腕骨インプラントの中から選択することができる。例えば、外科医は、キールを有する関節窩インプラント、ペグを有する関節窩インプラント、又は他のタイプの関節窩インプラントの中から選択することができる。更に、外科医は、各タイプの関節窩インプラント内で様々なサイズの中から選択することができる。更に、外科医は、ステム付き上腕骨インプラント、ステムレス上腕骨インプラント、又は他のタイプの上腕骨インプラントの中から選択することができる。同様に、外科医は、各タイプの関節窩インプラント内で様々なサイズの中から選択することができる。任意の1つの関節窩インプラント又は上腕骨インプラントについて、外科医は、関節窩インプラント又は上腕骨インプラントのための様々な配置パラメータの中から選択することができる。例えば、外科医は、関節窩インプラント又は上腕骨インプラントを設置する様々な角度の中から選択することができる。いくつかの実施例では、外科医は、様々な骨準備角度、深さ、及び位置の中から選択することができる。
【0021】
[0029] 多数のタイプのインプラント及び様々な利用可能な配置パラメータがあることを考慮すると、外科医が特定の患者のためにどのタイプのインプラント及びどの配置パラメータを使用すべきかを選択することは困難である場合がある。したがって、手術計画システム116は、外科医が特定の患者のための肩関節置換術を計画しているときに、患者のために使用すべきインプラントのタイプ及び配置パラメータに関する提案手術オプションを生成し得る。肩関節置換術を計画するとき、外科医は、手術計画システム116によって生成される提案手術オプションの中から選択してもよいし、又は他のタイプのインプラント及び/又は手術パラメータを選択してもよい。換言すれば、外科医は、手術計画システム116によって生成される提案手術オプションに限定されない。
【0022】
[0030] 個々の外科医は、インプラントのタイプ及び配置パラメータに関して特定の好みを有し得る。例えば、外科医は、キール型関節窩インプラントの代わりにペグ型関節窩インプラントを常に使用することを好むことがあるが、その理由は、キール型関節窩インプラントよりもペグ型関節窩インプラントを用いるほうが患者の修正率が低くなると感じるからである。別の実施例では、外科医は、関節窩インプラントのインプラント後捻角を10°以下にさせることを好む場合がある。
【0023】
[0031] 外科医の好みを無視すると、手術計画システム116は外科医が使用しない提案手術オプションを生成する結果になり得る。これは何にせよ、提案を生成する手術計画システム116の有用性に対して著しい制限をかける。この問題に対処する1つの手法は、個々の外科医の好みにしたがって行われた手術に基づいて機械学習(ML)モデルを訓練することである。しかしながら、外科医は、外科医のためのMLモデルを訓練するのに十分な訓練データがあるほど十分な手術を完了していないこともある。十分な訓練データがないと、外科医のためのMLモデルは、不十分な提案を生成し得る。更に、異なる外科医のために異なるMLモデルを実装すると、かなりの処理能力及び記憶空間を消費し得る。
【0024】
[0032] 本開示の技法は、この問題に対処し得る。本明細書で説明されるように、手術計画システム116は、手術中に患者の関節窩に取り付けられる関節窩インプラントのための関節窩インプラントタイプ及び位置決めパラメータなどの手術パラメータの範囲を指定する1つ又は複数の外科医選好パラメータ121を取得し得る。更に、手術計画システム116は、患者の1つ又は複数の解剖学的パラメータ及び外科医選好パラメータに基づいて、1つ又は複数の提案手術オプションを決定し得る。提案手術オプションは、インプラントのための位置決めパラメータと関節窩インプラントのタイプとの異なる組合せに対応し得る。
【0025】
[0033] 手術計画システム116が1つ又は複数の解剖学的パラメータ及び外科医選好パラメータに基づいて提案手術オプションを決定するために自動計画をどのように行い得るかの実施例について、以下で詳述する。手術計画システム116は、表示のために1つ又は複数の提案手術オプションを出力し得る。いくつかの実施例では、手術計画システム116は、提案のうちの1つを選択するため、又は代替のインプラントタイプ若しくは配置パラメータを選択するためのユーザ入力のインジケーションを外科医から受信し得る。手術計画システム116は、選択されたインプラントタイプ及び/又は配置パラメータを手術計画データ117に記憶し得る。
【0026】
[0034]
図2は、本開示の1つ又は複数の技法に係る手術計画システム116の例示的な詳細を例示するブロック図である。
図2の実施例では、手術計画システム116は、手術予測ユニット200、選好取得ユニット202、解剖学的パラメータユニット204、パラメータ予測ユニット206、可動域(RoM)ユニット208、及び計画提示ユニット210を含む。他の実施例では、手術計画システム116は、より多くの、より少ない、又は異なるユニットを含み得る。手術予測ユニット200、選好取得ユニット202、解剖学的パラメータユニット204、パラメータ予測ユニット206、RoMユニット208、及び計画提示ユニット210は、プログラマブル処理回路によって実行されるソフトウェアにおいて実装され得る。いくつかの実施例では、手術予測ユニット200、選好取得ユニット202、解剖学的パラメータユニット204、パラメータ予測ユニット206、RoMユニット208、及び計画提示ユニット210のうちの1つ又は複数は、専用ハードウェアを使用して少なくとも部分的に実装され得る。手術予測ユニット200、選好取得ユニット202、解剖学的パラメータユニット204、パラメータ予測ユニット206、RoMユニット208は、コンピュータ支援予測を生成するために協働し得る。
【0027】
[0035] 手術予測ユニット200は、解剖学的肩関節置換術を行うべきか反転型肩関節置換術を行うべきかに関する予測を生成し得る。例えば、手術予測ユニット200は、参照外科医のセットが患者のために解剖学的肩関節置換術を選択する信頼レベル(例えば、推定された確率)を示す第1の信頼値と、参照外科医のセットが患者のために反転型肩関節置換術を選択する信頼レベルを示す第2の信頼値とを生成し得る。この実施例では、手術予測ユニット200は、解剖学的肩関節置換術及び反転型肩関節置換術のどちらのほうが大きい信頼スコアを有するかのインジケーションを出力し得る。
【0028】
[0036] 手術予測ユニット200は、様々な方法の1つで実装され得る。例えば、手術予測ユニット200は、1つ又は複数の人工ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン(SVM)、決定木ネットワーク、ランダムフォレスト、及びナイーブベイズネットワークなどの組合せなど、1つ又は複数の人工知能システムを使用して実装され得る。手術予測ユニット200は、入力データのセットに基づいて解剖学的肩関節置換術を行うべきか反転型肩関節置換術を行うべきかに関する予測を生成し得る。手術予測ユニット200のための入力データの例示的なタイプには、患者の年齢、患者の症状の診断(例えば、重度の腱板断裂、変形性関節症など)、患者の性別、患者の関節窩の向き、患者の関節窩球半径、患者の関節窩前後捻(glenoid version)、患者の関節窩傾斜(glenoid inclination)、患者の上腕骨亜脱臼、患者の関節窩方向、患者の関節窩領域、及び/又は患者に関する他のタイプのデータなどの患者データが含まれ得る。
【0029】
[0037] 選好取得ユニット202は、外科医のための外科医選好パラメータを取得するように構成される。選好取得ユニット202は、取得した外科医選好パラメータを外科医選好パラメータ121として記憶し得る。いくつかの実施例では、外科医選好パラメータは、特定の患者の手術に特有であり得る。いくつかの実施例では、外科医選好パラメータは、その外科医によって処置されるすべての患者にわたって共通であり得る。選好取得ユニット202は、外科医選好パラメータを選択するためのユーザインターフェースを出力し得る。
図4Aは、以下で詳述するが、解剖学的肩関節置換術についての外科医選好パラメータを選択するための例示的なユーザインターフェースを例示する。
図4Bは、以下で詳述するが、反転型肩関節置換術についての外科医選好パラメータを選択するための例示的なユーザインターフェースを例示する。
【0030】
[0038]
図2の実施例に関連して、解剖学的パラメータユニット204は、患者の解剖学的パラメータを決定するように構成される。いくつかの実施例では、解剖学的パラメータユニット204は、ユーザ118からの解剖学的パラメータの入力のインジケーションに基づいて、患者の1つ又は複数の解剖学的パラメータを決定するように構成される。いくつかの実施例では、解剖学的パラメータユニット204は、医用画像データ119に基づいて、患者の1つ又は複数の解剖学的パラメータを決定するように構成される。医用画像データ119は、X線画像、コンピュータ断層撮影(CT)画像、及び磁気共鳴撮像(MRI)画像などを含み得る。患者の解剖学的パラメータの例示的なタイプには、関節窩球半径、関節窩の向き、リバースショルダー角度、臨界肩角、関節窩回旋角度、烏口突起角度、関節窩下結節角度、肩峰指数、肩峰-上腕骨空間、上腕骨亜脱臼率、上腕骨頭半径、上腕骨方向、上腕骨の向き、上腕骨頭中心から関節窩中心までの距離、上腕骨のGiannotti皮質骨指標、上腕骨のTingart皮質骨厚さ、上腕骨の近位骨幹骨密度値、上腕骨の骨幹端海綿骨密度値、上腕骨の骨幹端皮質骨密度値、肩甲骨の骨密度値、関節窩前後捻、関節窩傾斜、上腕骨亜脱臼、及び/又は患者の解剖学的構造に関する他のタイプの情報が含まれ得る。
【0031】
[0039] いくつかの実施例では、医用画像データ119に基づいて患者の解剖学的パラメータのうちの1つ又は複数を決定するために、解剖学的パラメータユニット204は、医用画像データ119に基づいて患者の骨(例えば、肩甲骨、上腕骨など)の3次元(3D)モデルを生成し得る。更に、解剖学的パラメータユニット204は、骨の3Dモデルにおける特定の目印を識別するためのプロセスを行い得る。目印は、骨の3Dモデル上又は3Dモデル内にある、3D空間における位置である。次いで、解剖学的パラメータユニット204は、3D空間における目印の位置を使用して解剖学的パラメータのうちの1つ又は複数を計算し得る。例えば、臨界肩角を計算するために、解剖学的パラメータユニット204は、(i)患者の関節窩の縁の最上点(すなわち、第1の目印)から患者の関節窩の縁の最下点(すなわち、第2の目印)までの線と、(ii)患者の関節窩の縁の最下点から患者の肩甲骨の肩峰の最側点(すなわち、第3の目印)までの線との間の角度を決定し得る。解剖学的パラメータユニット204は、目印を識別するために1つ又は複数のタイプのアルゴリズムを使用し得る。例えば、解剖学的パラメータユニット204は、患者の関節窩の縁の点などの特定の目印を識別するために、山登りアルゴリズムを使用し得る。
【0032】
[0040] パラメータ予測ユニット206は、患者の1つ又は複数の解剖学的パラメータ及び外科医選好パラメータに基づいて、1つ又は複数の提案手術オプションを決定し得る。提案手術オプションは、関節窩インプラント、位置決めパラメータ、及び/又は関節窩インプラントの骨準備パラメータの異なる組合せに対応し得る。パラメータ予測ユニット206は、いくつかの段階を含む、提案手術オプションを決定するためのプロセスを行い得る。第1の段階では、パラメータ予測ユニット206は、外科医選好パラメータに基づいて関節窩インプラントタイプをフィルタリングし得る。第2の段階では、パラメータ予測ユニット206は、関節窩インプラントのサイズを決定し得る。第3の段階では、パラメータ予測ユニット206は、トライアルベクトル(trial vectors)についてのコスト値を決定するためにコスト関数を使用し得る。各トライアルベクトルは、位置決めパラメータ及び/又は関節窩インプラントタイプなどの手術パラメータ値のセットである。
図8は、以下で詳述するが、関節窩インプラントのための提案手術オプションを決定するための例示的なプロセスを説明する。
【0033】
[0041] RoMユニット208は、提案手術オプションのうちの1つ又は複数についての患者の肩の可動域(RoM)を決定し得る。RoMユニット208は、患者の肩甲骨、上腕骨(上腕骨インプラントを有する)、及び患者の肩甲骨に取り付けられた関節窩インプラントの組み合わされた3Dモデルを提案手術オプションに対応する手術パラメータと共に使用して、提案手術オプションについての可動域を決定し得る。次いで、RoMユニット208は、上腕骨の3Dモデルを肩甲骨及び関節窩インプラントの3Dモデルに対して1つ又は複数の運動軸に沿って移動させ得る。次いで、各運動軸について、RoMユニット208は、上腕骨のモデルが肩甲骨のモデルと衝突する角度を検出し得る。これらの衝突は、運動軸についての可動域の最も外側の端部を表す。
【0034】
[0042]
図3は、本開示の1つ又は複数の技法に係る例示的な手術計画ユーザインターフェース300を例示する概念図である。計画提示ユニット210(
図2)は、(例えば、ディスプレイ108又はローカルデバイス112(
図1)上に)表示するためのユーザインターフェース300を生成し得る。ユーザ118は、肩関節置換術を計画するプロセスの一部としてインターフェース300を使用し得る。
図3の実施例では、ユーザインターフェース300は、上位ビュー302、正面ビュー304、及び骨モデル306を含む。この実施例では、上位ビュー302は、上位視点からの(すなわち、上位位置から下位方向に見た)患者の肩のX線画像である。この実施例では、正面ビュー304は、前方視点からの(すなわち、前方位置から後方方向に見た)患者の肩のX線画像である。この実施例では、モデル306は、患者の肩の骨の3次元モデルである。上位ビュー302、正面ビュー304、及びモデル306は、ユーザ118が患者の肩に対する肩関節置換術を計画する目的で患者の肩を可視化するのを助け得る。
【0035】
[0043] 更に、手術計画インターフェース300は、患者情報フィールド308、患者解剖学的構造フィールド310、手術予測フィールド312、「解剖学的を計画」ボタン314、及び「反転型を計画」ボタン316を含む。患者情報フィールド308は、氏名情報、年齢情報、及び手術が患者の左肩に対して計画されているか右肩に対して計画されているかに関する情報を含む。患者解剖学的構造フィールド310は、患者の診断、関節窩タイプ、以前の手術、及びF1肩甲下筋フットプリント(F1 sub-scap)に関する情報を含む。手術予測フィールド312は、患者のための予測される肩関節置換術のタイプのインジケーションを含み得る。
図3の実施例では、手術予測フィールド312は、患者のための予測される肩関節置換術のタイプが、66%の確率で反転型肩関節置換術であることを示す。換言すれば、患者に関する情報を考慮すると、訓練データに関連付けられた外科医の大部分が、予測されたタイプの肩関節置換術を行い、予測の信頼レベルが66%である。手術予測ユニット200(
図2)は、例えば、本開示の他の箇所で説明されるように、予測される肩関節置換術のタイプを決定し得る。
【0036】
[0044] ユーザ118は、「解剖学的を計画」ボタン314を選択することによって、解剖学的肩関節置換術を計画するプロセスを開始し得る。ユーザ118は、「反転型を計画」ボタン316を選択することによって、反転型肩関節置換術を計画するプロセスを開始し得る。いくつかの実施例では、ユーザ118は、手術予測フィールド312に示された肩関節置換術のタイプを選択する必要はなく、すなわち、選択することを要求されず、代わりに、示されていない別のタイプの肩関節置換術を選択してもよいことに留意されたい。
【0037】
[0045]
図4Aは、本開示の1つ又は複数の技法に係る、解剖学的肩関節置換術についての外科医選好パラメータを選択するための例示的な手術計画ユーザインターフェース400を例示する概念図である。いくつかの実施例では、選好取得ユニット202(
図2)は、「解剖学的を計画」ボタン314(
図3)を選択するユーザ入力のインジケーションを受信することに応答して、ユーザインターフェース400を提示し得る。
【0038】
[0046]
図4Aの実施例では、ユーザインターフェース400は、固定具(anchorage)チェックボックス402A~402C(まとめて「固定具チェックボックス402」という)を含む。固定具チェックボックス402Aは、キール型固定具を有する関節窩インプラントに対応する。固定具チェックボックス402Bは、ペグ型固定具を有する関節窩インプラントに対応する。固定具チェックボックス402Cは、1つ又は複数のフィン付きペグを含むペグ型固定具を有する関節窩インプラントに対応する。他の実施例では、固定具チェックボックス402は、関節窩インプラントのための他のタイプの固定具の配置構成に対応し得る。ユーザ118(例えば、外科医)は、関節窩インプラントのための固定具の配置構成のどのタイプが、提案手術オプションを決定するためにパラメータ予測ユニット206によって使用され得るかを示すために、固定具チェックボックス402を使用し得る。
【0039】
[0047] 更に、
図4Aの実施例では、ユーザインターフェース400は、範囲選択特徴404A~404F(まとめて「範囲選択特徴404」という)を含む。範囲選択特徴404Aは、関節窩インプラントの最大後捻角(retroversion angle)に対応する。範囲選択特徴404Bは、関節窩インプラントの最大前捻角(anteversion angle)に対応する。範囲選択特徴404Cは、関節窩インプラントの最大下方傾斜角に対応する。範囲選択特徴404Dは、関節窩インプラントの最大上方傾斜角に対応する。範囲選択特徴404Eは、関節窩インプラントの最小設置率に対応する。設置率とは、骨と接触している(すなわち、骨上に設置される)インプラントの設置表面の面積率である。範囲選択特徴404Fは、関節窩インプラントの最大設置率に対応する。
【0040】
[0048]
図4Bは、本開示の1つ又は複数の技法に係る、解剖学的肩関節置換術についての外科医選好パラメータを選択するための例示的な手術計画ユーザインターフェース450を例示する概念図である。いくつかの実施例では、選好取得ユニット202(
図2)は、「反転型を計画」ボタン316(
図3)を選択するユーザ入力のインジケーションを受信することに応答して、ユーザインターフェース450を提示し得る。
【0041】
[0049]
図4Bの実施例では、ユーザインターフェース450は、チェックボックス452A~452D(まとめて「チェックボックス452」という)を含む。チェックボックス452は、外科医が反転型肩関節置換術で使用する意思があるインプラントのタイプに対応する。チェックボックス452Aは、偏心グレノスフィアに対応する。チェックボックス452Bは、135°の頚体角を有する関節窩インプラントに対応する。チェックボックス452Cは、第1のタイプの関節窩インプラントに対応する。チェックボックス452Dは、第2のタイプの関節窩インプラントに対応する。他の実施例では、チェックボックス452は、反転型肩関節置換術で使用される他のタイプのインプラントに対応し得る。ユーザ118(例えば、外科医)は、提案手術オプションを決定するためにパラメータ予測ユニット206によってどのタイプのインプラントが使用され得るかを示すために、チェックボックス452を使用し得る。
【0042】
[0050] 更に、
図4Bの実施例では、ユーザインターフェース450は、範囲選択特徴454A~454E(まとめて「範囲選択特徴454」という)を含む。範囲選択特徴454Aは、関節窩インプラントの最大後捻角に対応する。範囲選択特徴454Bは、関節窩インプラントの最大前捻角に対応する。範囲選択特徴454Cは、関節窩インプラントの最大下方傾斜角に対応する。範囲選択特徴454Dは、関節窩インプラントの最大上方傾斜角に対応する。範囲選択特徴454Eは、関節窩インプラントの最小設置率に対応する。
【0043】
[0051]
図5は、本開示の1つ又は複数の技法に係る、解剖学的肩関節置換術のための手術提案を示す例示的な手術計画ユーザインターフェース500を例示する概念図である。計画提示ユニット210(
図2)は、(例えば、ディスプレイ108又はローカルデバイス112(
図1)上に)表示するためのユーザインターフェース500を生成し得る。いくつかの実施例では、計画提示ユニット210は、(例えば、ユーザインターフェース300(
図3)を介して)外科医選好パラメータを示すユーザ入力のインジケーションを受信した後に、ユーザインターフェース500を生成し得る。
【0044】
[0052]
図5の実施例では、ユーザインターフェース500は、解剖学的肩関節置換術のための手術提案502A、502B(まとめて「手術提案502」という)を示す。手術提案502の各々は、関節窩インプラントのタイプ、関節窩インプラントの固定具タイプ、関節窩インプラントのサイズ、関節窩インプラントの球の半径、関節窩インプラントのオーギュメント(augment)、関節窩インプラントの前後捻、関節窩インプラントの傾斜、及び関節窩インプラントの設置率を示す。関節窩インプラントのオーギュメントとは、大きい関節窩前後捻を補償するデバイスである。他の実施例では、手術提案502は、より多くの、より少ない、又は異なるタイプのデータを示し得る。例えば、いくつかの実施例では、手術提案502は、リーミングの量(例えば、立方ミリメートル単位又はミリメートル単位)を示し得る。いくつかの実施例では、手術提案502は、オーギュメント使用(augmented)の関節窩インプラントのための2つの曲率半径と、オーギュメント使用ではない関節窩インプラントのための単一の曲率半径とを含み得る。ユーザ118は、手術提案502のうちの1つを選択し得る。
図5の実施例では、黒色背景は、手術提案502Aが選択中の手術提案であることを示すために使用される。
【0045】
[0053] 更に、ユーザインターフェース500は、上位ビュー506、正面ビュー508、及びモデル510を含む。上位ビュー506は、上位視点からの(すなわち、上位位置から下位方向に見た)患者の肩のX線画像を示す。上位ビュー506は、選択中の手術提案によって示される位置における、選択中の手術提案によって示されるタイプの関節窩インプラントの外形512を示す。正面ビュー508は、前方視点からの(すなわち、前方位置から後方方向に見た)患者の肩のX線画像を示す。正面ビュー508は、選択中の手術提案によって示される位置における、手術提案によって示されるタイプの関節窩インプラントの外形514を示す。モデル510は、関節窩516が強調された状態の患者の肩甲骨の3Dモデルを示す。
【0046】
[0054] ユーザインターフェース500はまた、解剖学的肩関節置換術及び反転型肩関節置換術のための手術提案の表示を切り替えるための制御部504A、504Bを含む。
【0047】
[0055]
図6は、本開示の1つ又は複数の技法に係る、反転型肩関節置換術のための手術提案を示す例示的な手術計画ユーザインターフェース600を例示する概念図である。計画提示ユニット210(
図2)は、(例えば、ディスプレイ108又はローカルデバイス112(
図1)上に)表示するためのユーザインターフェース600を生成し得る。いくつかの実施例では、計画提示ユニット210は、(例えば、ユーザインターフェース300(
図3)を介して)外科医選好パラメータを示すユーザ入力のインジケーションを受信した後に、ユーザインターフェース600を生成し得る。
【0048】
[0056]
図6の実施例では、ユーザインターフェース600は、反転型肩関節置換術のための手術提案602A、602B(まとめて「手術提案602」という)を示す。手術提案602の各々は、関節窩インプラントのタイプ、関節窩インプラントの直径、関節窩インプラントのグレノスフィアの直径とタイプ(例えば、中心、偏心、傾き付きなど)、対応する上腕骨インプラントの頚体角、関節窩インプラントの前後捻、関節窩インプラントの設置率、及び関節窩インプラントのペグ深さを示す。ユーザ118は、手術提案602のうちの1つを選択し得る。
図6の実施例では、黒色背景は、手術提案602Aが選択中の手術提案であることを示すために使用される。
【0049】
[0057] 更に、ユーザインターフェース600は、上位ビュー606、正面ビュー608、及びモデル610を含む。上位ビュー606は、上位視点からの(すなわち、上位位置から下位方向に見た)患者の肩のX線画像を示す。上位ビュー606は、選択中の手術提案によって示される位置における、選択中の手術提案によって示されるタイプの関節窩インプラントの外形612を示す。正面ビュー608は、前方視点からの(すなわち、前方位置から後方方向に見た)患者の肩のX線画像を示す。正面ビュー608は、選択中の手術提案によって示される位置における、手術提案によって示されるタイプの関節窩インプラントの外形614を示す。モデル610は、関節窩インプラントのファントム画像を有する患者の肩甲骨の3Dモデルを示す。
【0050】
[0058] ユーザインターフェース600はまた、解剖学的肩関節置換術及び反転型肩関節置換術のための手術提案の表示を切り替えるための制御部604A、604Bを含む。
【0051】
[0059]
図6の実施例には示されていないが、手術提案602の各々は、手術提案602についての予想される可動域を示すデータを含み得る。例えば、手術提案602の各々は、予想される伸展角度、予想される屈曲角度、予想される外転角度、及び予想される内旋角度を示し得る。RoMユニット208は、例えば、本開示の他の箇所で説明される様式で、これらの予想される可動域を決定し得る。
【0052】
[0060]
図7は、本開示の1つ又は複数の技法に係る手術計画システム116の例示的な動作を例示するフローチャートである。
図7の実施例では、手術計画システム116(例えば、選好取得ユニット202(
図2))は、1つ又は複数の手術パラメータの値を指定する1つ又は複数の外科医選好パラメータを取得し得る(700)。手術パラメータは、手術中に患者の関節窩に取り付けられることになる関節窩インプラントのための位置決めパラメータの範囲を示し得る。例えば、手術計画システム116は、ユーザインターフェース400(
図4A)又はユーザインターフェース450(
図4B)などのユーザインターフェースを介して、外科医選好パラメータを取得し得る。
【0053】
[0061] 更に、
図7の実施例では、手術計画システム116(例えば、パラメータ予測ユニット206)は、患者の1つ又は複数の解剖学的パラメータ及び外科医選好パラメータに基づいて、1つ又は複数の提案手術オプションを決定し得る(702)。手術オプションの各々は、関節窩インプラントの位置決めパラメータと関節窩インプラントのタイプとの異なる組合せに対応する。
図8は、以下で詳述されるが、関節窩インプラントのための1つ又は複数の提案手術オプションを決定するためのパラメータ予測ユニット206の例示的な動作を例示するフローチャートである。いくつかの実施例では、1つ又は複数の提案手術オプションを決定することの一環として、パラメータ予測ユニット206は、無効な提案手術オプションを除去するために、提案手術オプション(例えば、
図8の動作を使用して決定された提案手術オプション)をフィルタリングし得る。例えば、パラメータ予測ユニット206は、関節窩の反対側の肩甲骨の境界を貫く固定具を有する関節窩インプラントを含む提案手術オプションを除外し得る。
【0054】
[0062] いくつかの実施例では、手術計画システム116は、患者の関節窩の医用画像データを取得し得る。例えば、手術計画システム116は、メモリ106(
図1)などのメモリから、医用撮像機械(例えば、X線機械、CT機械など)から、医用画像データを取得し得る。医用画像データは、患者の肩の医用画像及び/又はモデルを含み得る。手術計画システム116(例えば、解剖学的パラメータユニット204)は、医用画像データに基づいて患者の1つ又は複数の解剖学的パラメータを決定し得る。
【0055】
[0063]
図7の実施例では、手術計画システム116(例えば、計画提示ユニット210(
図2))は、1つ又は複数の提案手術オプションを出力し得る(704)。例えば、手術計画システム116は、ユーザインターフェース500(
図5)又はユーザインターフェース600(
図6)などのユーザインターフェースに1つ又は複数の提案手術オプションを出力し得る。いくつかの実施例では、手術計画システム116は、MR可視化で表示するために1つ又は複数の提案手術オプションを出力し得る。いくつかの実施例では、手術計画システム116は、従来のモニタ又はスクリーン上に表示するために1つ又は複数の提案手術オプションを出力し得る。いくつかの実施例では、手術計画システム116は、提案手術オプションを可聴的に出力し得る。
【0056】
[0064]
図8は、本開示の1つ又は複数の技法に係る、関節窩インプラントのための1つ又は複数の提案手術オプションを決定するためのパラメータ予測ユニット206の例示的な動作を例示するフローチャートである。
図8の実施例では、パラメータ予測ユニット206は、外科医選好パラメータに基づいて関節窩インプラントタイプをフィルタリングし得る(800)。換言すれば、パラメータ予測ユニット206は、外科医選好パラメータに基づいて関節窩インプラントタイプを除外して、1つ又は複数の残りの関節窩インプラントタイプのセットを決定し得る。関節窩インプラントタイプをフィルタリングするとき、パラメータ予測ユニット206は、すべての利用可能な関節窩インプラントタイプを含む関節窩インプラントのセットから開始し得る。例えば、関節窩インプラントタイプには、キール型固定具を有する関節窩インプラント、ペグ型固定具を有する関節窩インプラント、及び1つ又は複数のフィン付きペグを含むペグ型固定具を有する関節窩インプラントが含まれ得る。更に、この実施例では、外科医がキール型固定具を有する関節窩インプラントを使用したくないことを外科医選好パラメータが示す場合、パラメータ予測ユニット206は、利用可能な関節窩インプラントのリストからキール型固定具を有するすべての関節窩インプラントを除外(例えば、除去)し得る。
【0057】
[0065] 更に、
図8の実施例では、パラメータ予測ユニット206は、患者の解剖学的パラメータに基づいて関節窩インプラントのサイズを決定し得る(802)。例えば、パラメータ予測ユニット206は、患者の関節窩の関節窩領域サイズ(すなわち、解剖学的パラメータ)を決定し得る。この実施例では、関節窩の関節窩領域サイズは、関節窩の縁の内側に含まれる2次元領域である。次いで、パラメータ予測ユニット206は、関節窩の関節窩領域サイズを1つ又は複数の閾値のセットと比較し得る。閾値は、利用可能な関節窩インプラントのリスト中の関節窩インプラントのサイズに対応し得る。いくつかの実施例では、パラメータ予測ユニット206は、関節窩領域サイズ、関節窩長軸の長さ、及び関節窩短軸の長さを決定し得る。関節窩長軸及び関節窩短軸は、関節窩の境界に対応する楕円によって画定される。パラメータ予測ユニット206は、関節窩領域サイズ、関節窩長軸の長さ、及び関節窩短軸の長さに基づいて関節窩インプラントのサイズを決定し得る。例えば、パラメータ予測ユニット206は、関節窩領域サイズ、関節窩長軸の長さ、及び関節窩短軸の長さの組合せを関節窩インプラントのサイズにマッピングするテーブルで関節窩インプラントのサイズを調べ得る。
【0058】
[0066] いくつかの実施例では、パラメータ予測ユニット206が関節窩インプラントのサイズを自動的に決定するのではなくむしろ、パラメータ予測ユニット206は、関節窩インプラントのユーザ指定サイズを示すデータを受信し得る。例えば、パラメータ予測ユニット206は、関節窩インプラントのサイズのユーザ入力のインジケーションを受信し得る。別の実施例では、パラメータ予測ユニット206は、パラメータ予測ユニット206が関節窩インプラントのサイズを決定するために使用し得る規則のセットのインジケーションをユーザ118から受信し得る。このようにして、ユーザ118は、関節窩インプラントのより強固な設置を達成するために、より小さいサイズのインプラントを選択することができ得る。別の実施例では、解剖学的パラメータユニット204が正しくない関節窩領域サイズを決定したとユーザ118が感じることがあるので、ユーザ118は、関節窩インプラントの特定のサイズを選択し得る。別の実施例では、ユーザ118は、骨棘を回避するために、関節窩インプラントの特定のサイズを選択し得る。
【0059】
[0067] 更に、パラメータ予測ユニット206は、現在のトライアルベクトルを生成し得る(803)。トライアルベクトルは、手術パラメータ値のセットである。手術パラメータ値は、手術パラメータの値である。手術パラメータは、関節窩インプラントのタイプ及び配置パラメータを含み得る。例示的な配置パラメータは、関節窩インプラントの前後捻、関節窩インプラントの傾斜、関節窩インプラントの前方位置、関節窩インプラントの側方位置、及び関節窩インプラントの上方位置などを含み得る。トライアルベクトルに含まれ得る関節窩インプラントのタイプは、ステップ800において決定されたフィルタリングされた関節窩インプラントタイプ(すなわち、残りの関節窩インプラントタイプ)のセットの中にある関節窩インプラントのタイプに限定され得る。換言すれば、パラメータ予測ユニット206は、トライアルベクトルが残りの関節窩インプラントタイプのセットの中の関節窩インプラントタイプのみを含むようにトライアルベクトルを生成し得る。いくつかの実施例では、手術パラメータ値は、決定された関節窩インプラントのサイズに限定された関節窩インプラントサイズパラメータを含み得る。換言すれば、パラメータ予測ユニット206は、トライアルベクトルが決定されたサイズを有する関節窩インプラントのみを含むようにトライアルベクトルを生成し得る。
【0060】
[0068] パラメータ予測ユニット206は、現在のトライアルベクトルにおける手術パラメータ値に基づいて入力値を決定し得る(804)。入力値は、パラメータ予測ユニット206が、トライアルベクトルについてのコスト値を決定するためにコスト関数において使用する値を含み得る。パラメータ予測ユニット206は、トライアルベクトルにおける手術パラメータ値及び患者の解剖学的パラメータに基づいて入力値を計算するために1つ又は複数の関数のセットを使用し得る。いくつかの実施例では、関数は、外科医によってパラメータ予測ユニット206に提供される。いくつかの実施例では、関数は事前構成されている。例えば、手術パラメータ値は、関節窩インプラント前後捻角を含んでいてよく、規則は、0°に近い関節窩インプラント前後捻角のほうが0°から遠い角度よりも大きい値を有するように関節窩インプラント前後捻角を入力値に変換する関数を指定し得る。例えば、この実施例では、関数は、最大関節窩インプラント前後捻角から関節窩インプラント前後捻角の絶対値を引いたものに等しくてよい。
【0061】
[0069] 別の実施例では、パラメータ予測ユニット206は、患者の解剖学的パラメータを考慮してトライアルベクトルの手術パラメータが適用されたときにリーミングされる量を決定し、患者の解剖学的パラメータを考慮してトライアルベクトルの手術パラメータが適用されたときのインプラントと骨との間の接触のない領域を決定し、患者の解剖学的パラメータを考慮してトライアルベクトルの手術パラメータが適用されたときのインプラントと骨の丈夫な部分との間の接触のある領域を決定し、患者の解剖学的パラメータを考慮してトライアルベクトルの手術パラメータが適用されたときのインプラントと骨の脆い部分との間の接触のある領域を決定し、患者の解剖学的パラメータを考慮してトライアルベクトルの手術パラメータによって示される関節窩インプラントの半径を決定し、及び/又は手術パラメータに基づいて他の入力値を決定し得る。
【0062】
[0070] 更に、
図8の実施例では、パラメータ予測ユニット206は、入力値に基づいて現在のトライアルベクトルについての第1の予備コスト値を決定し得る(806)。パラメータ予測ユニット206は、入力値の線形結合に基づいてトライアルベクトルについての第1の予備コスト値を、以下の式(1)に示すように決定し得る。
【数1】
上記の式(1)において、C
1はトライアルベクトルについての第1の予備コスト値を示し、iは入力値のインデックスであり、mは入力値の数であり、a
iは入力値iのためのスケーリング係数であり、b
iは入力kの組合せにおける入力値iであり、offsetはオフセット値である。
【0063】
[0071] パラメータ予測ユニット206が入力値の線形結合に基づいてトライアルベクトルについての第1の予備コスト値を決定する1つの実施例では、パラメータ予測ユニット206は、トライアルベクトルについての第1の予備コスト値を以下のように決定し得る。
【数2】
上記の式(2)において、C
1はトライアルベクトルについての第1の予備コスト値を示し、a
1~a
7は重み値を示す。V
Reamedは、トライアルベクトルの手術パラメータが適用されたときにリーミングされる量を示す。A
NoSeatingは、トライアルベクトルの手術パラメータが適用されたときのインプラントと骨との間の接触がない領域を示す。A
StrongSeatingは、トライアルベクトルの手術パラメータが適用されたときのインプラントと骨の丈夫な部分との間の接触のある領域を示す。A
WeakSeatingは、トライアルベクトルの手術パラメータが適用されたときのインプラントと骨の脆い部分との間の接触のある領域を示す。R
implantは、トライアルベクトルの手術パラメータによって示される関節窩インプラントの半径を示す。V
AnchoragePerforationは、関節窩インプラントの固定具(例えば、ペグ)が関節窩の反対側の肩甲骨の境界を貫くかどうか、又は肩甲骨の境界に近づきすぎるかどうかを示す。いくつかの実施例では、固定具が肩甲骨の境界に近づきすぎるかどうかを決定するために、パラメータ予測ユニット206は、固定具の位置を肩甲骨の縮小モデルと比較し、固定具の任意の部分が関節窩の反対側の肩甲骨の縮小モデルの境界を貫通するかどうかを決定し得る。α
Version及びα
Inclinationは固定値である。α
Version及びα
Inclinationは、症例の分析に基づいて決定され得る。
【0064】
[0072] 式(2)において、Pは、トライアルベクトルの手術パラメータ(又は入力値)のいずれかが外科医が好む値と一致しない場合に適用されるペナルティ値を示す。例えば、トライアルベクトルの手術パラメータは、-15°(後捻)~15°(前捻)の範囲であり得る前後捻パラメータを含む。この実施例では、外科医選好パラメータは、10°の最大後捻(すなわち、-10°の前後捻)を指定し得る。したがって、この実施例では、トライアルベクトルの手術パラメータが-15°の前後捻パラメータを含む場合、パラメータ予測ユニット206は、Pをペナルティ値(例えば、100)に等しく設定し得る。そうではなく前後捻パラメータが外科医選好パラメータによって指定された範囲外でない場合、パラメータ予測ユニット206は、Pを非ペナルティ値(例えば、0)に等しく設定し得る。
【0065】
[0073] 式(2)において、VReamed、ANoSeating、AStrongSeating、及びAWeakSeatingは、患者の解剖学的パラメータに基づく。骨の一部分は、骨の密度が指定された閾値未満である場合、脆いとみなされ得る。いくつかの実施例では、骨の一部分は、骨の密度が指定された閾値を上回る場合、丈夫であるとみなされ得る。
【0066】
[0074] 入力値のセットについての第1の予備コスト値を決定することに加えて、パラメータ予測ユニット206は、現在のトライアルベクトルについての第2の予備コスト値を決定し得る(808)。第2の予備コスト値は、トライアルベクトルにおける手術パラメータの値が妥当な範囲内にあることを確実にすることができる一貫性検証(coherence verification)の部分として働き得る。いくつかの実施例では、パラメータ予測ユニット206は、トライアルベクトルの手術パラメータと手術パラメータの標準値(typical values)との間の差に基づいて、トライアルベクトルについての第2の予備コスト値を決定し得る。例えば、パラメータ予測ユニット206は、入力値のセットについての第2の予備コスト値を以下のように決定し得る。
【数3】
上記の式(3)において、C
2は第2の予備コスト値を示し、kは手術パラメータのインデックスであり、nはトライアルベクトルにおける手術パラメータの数を示し、a
kは手術パラメータkの重みを示し、x
kはトライアルベクトルにおける手術パラメータkの値を示し、mean
kは手術が以前に行われた症例の集まりにおける手術パラメータkの値の平均を示し、stdDev
kは手術が以前に行われた症例の集まりにおける手術パラメータkの標準偏差である。上記の式(3)は対数目盛で計算される。上記の式(3)において、トライアルベクトルにおける手術パラメータの各々は、ナイーブベイズガウス分布に従うと想定される。したがって、式(3)は、トライアルベクトルにおける各手術パラメータV
kについて、トライアルベクトルにおける他のパラメータx
1...x
nの値を考慮して、以下の連鎖規則にしたがって計算することと同等であり得る。
【数4】
【0067】
[0075] 他の実施例では、トライアルベクトルにおける手術パラメータが他の分布に従うと想定してもよい。いくつかの実施例では、異なる手術パラメータについて異なる分布が想定され得る。例えば、設置率が手術パラメータの一例である。多くの外科医は、設置率が100%であることを好むが、100%の設置は、多くの場合一部の患者では達成可能でない。結果として、患者にわたる平均設置率(したがって、設置率の手術パラメータについての分布の平均)は、100%未満(例えば、95%)であり得る。そのため、この実施例では、トライアルベクトルにおける設置率から直接導出される分布とは異なる分布が使用され得る。例えば、分布の平均が100%に等しくなるように設置率から導出された分布を修正するためにバイアス項が使用され得る。
【0068】
[0076] 更に、
図8の実施例では、パラメータ予測ユニット206は、第1の予備コスト値及び第2の予備コスト値に基づいて現在のトライアルベクトルについてのコスト値を決定し得る(810)。例えば、パラメータ予測ユニット206は、トライアルベクトルについてのコスト値を以下のように決定し得る。
C=(C
1+M)*C
2 (4)
上記の式(4)において、Cはトライアルベクトルについてのコスト値を示し、C
1は第1の予備コスト値であり、C
2は第2の予備コスト値であり、Mは(C
1+M)及びC
2が同じ符号を有することを確実にする定数である。
【0069】
[0077] パラメータ予測ユニット206は、トライアルベクトルについてのコスト値が前のトライアルベクトルについてのコスト値よりも小さいかどうかを決定し得る(812)。トライアルベクトルについてのコスト値が前のトライアルベクトルについてのコスト値以上である場合(812の「NO」分岐)、パラメータ予測ユニット206は、トライアルベクトルを前のトライアルベクトルに戻し得る(814)。現在のトライアルベクトルについてのコスト値が前のトライアルベクトルについてのコスト値よりも小さい場合(812の「YES」分岐)、又は現在のトライアルベクトルを前のトライアルベクトルに戻した後、パラメータ予測ユニット206は、停止条件を満たすかどうかを決定し得る(816)。様々な実施例において、停止条件とは、ステップ(816)に到達した特定の回数、残りの関節窩インプラントタイプのセット中のすべての関節窩インプラントタイプを評価した後より低いコスト値が見つからなかった特定の回数などのうちの1つ又は複数であり得る。
【0070】
[0078] 停止条件を満たしていないと決定することに応答して(816の「NO」分岐)、パラメータ予測ユニット206は、新しいトライアルベクトルを生成し(818)、ステップ(804)~(816)を繰り返し得る。パラメータ予測ユニット206は、現在の(又は戻された)トライアルベクトルの手術パラメータ値のうちの1つ(又は複数)を更新することによって、新しいトライアルベクトルを生成し得る。例えば、パラメータ予測ユニット206は、例えば、傾斜角、前後捻角などの手術パラメータ値をインクリメント又はデクリメントすることによって、新しいトライアルベクトルを生成し得る。いくつかの実施例では、パラメータ予測ユニット206は、新しいトライアルベクトルを生成するとき、異なる手術パラメータを異なる量だけインクリメント又はデクリメントし得る。別の実施例では、パラメータ予測ユニット206は、ある関節窩インプラントタイプを、フィルタリングされた関節窩インプラントタイプのセット中の別の関節窩インプラントタイプに変更することによって、新しいトライアルベクトルを生成し得る。
【0071】
[0079] このようにして、パラメータ予測ユニット206は、トライアルベクトルのセット中の現在のトライアルベクトルについてのコスト値と、トライアルベクトルのセット中の前のトライアルベクトルのコスト値との比較に基づいて、現在のトライアルベクトルが前のトライアルベクトルに対する改善を表すかどうかを決定し得る。更に、現在のトライアルベクトルが前のトライアルベクトルに対する改善(例えば、現在のトライアルベクトルについてのコストスコアが前のトライアルベクトルについてのコストスコアよりも小さい)を表さないことに基づいて、パラメータ予測ユニット206は、現在のトライアルベクトルを前のトライアルベクトルに戻し、トライアルベクトルのセット中の新しい現在のトライアルベクトルを決定するために現在のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新し得る。代替的に、現在のトライアルベクトルが前のトライアルベクトルに対する改善を表すことに基づいて、パラメータ予測ユニット206は、現在のトライアルベクトルを前のトライアルベクトルに戻さない。いずれの場合も、パラメータ予測ユニット206は、現在のトライアルベクトルに基づいて新しいトライアルベクトルを生成し得る。
【0072】
[0080] 新しいトライアルベクトルを生成した後、パラメータ予測ユニット206は、新しいトライアルベクトルが現在のトライアルベクトルとして働く状態で、ステップ(804)~(816)を繰り返し得る。このようにして、パラメータ予測ユニット206は、インプラント及び他の手術パラメータの組合せを通してループするアメーバオプティマイザとしての役割をし得る。したがって、パラメータ予測ユニット206は、外科医選好パラメータに基づいて、特定の患者のための最適である可能性のある提案手術オプションを学習し得る。
【0073】
[0081] このようにして、パラメータ予測ユニット206は、1つ又は複数のトライアルベクトルのセットを生成し得、ここで、トライアルベクトルのセット中の各トライアルベクトルが、手術パラメータのうちの1つ又は複数を含む。トライアルベクトルのセット中の各トライアルベクトルについて、パラメータ予測ユニット206は、トライアルベクトルの手術パラメータ及び解剖学的パラメータに基づいて入力値を決定し、入力値に基づいてトライアルベクトルについてのコスト値を決定し得る。
【0074】
[0082] 一方、停止条件を満たした場合(816の「YES」分岐)、パラメータ予測ユニット206は、トライアルベクトルのセット中の最良のトライアルベクトルを決定し得る(820)。最良のトライアルベクトルとは、停止条件を満たしたときに最も低いコスト値を有するトライアルベクトルである。
【0075】
[0083]
図8の評価されたトライアルベクトルの各々は、異なる提案手術オプションに対応し得る。いくつかの実施例では、パラメータ予測ユニット206は、トライアルベクトルをそれらのコスト値に基づいてランク付けし、最も低いコスト値を有する特定の数のトライアルベクトルを提案手術オプションとして設定し得る。いくつかの実施例では、パラメータ予測ユニット206は、トライアルベクトルについてのコスト値に基づいて、提案手術オプションのうちの1つとしてトライアルベクトルを含めるかどうかを決定し得る。例えば、パラメータ予測ユニット206は、トライアルベクトルについてのコスト値が閾値を超えると決定することに基づいて、提案手術オプションのうちの1つとしてトライアルベクトルを含めるかどうかを決定し得る。
【0076】
[0084] 本開示の特定の技法は、肩関節形成術に関連して、特に人間の肩甲骨に関連して説明されている。肩関節形成術の例には、これらに限定されないが、反転型関節形成術、オーギュメント使用の反転型関節形成術、標準全肩関節形成術、オーギュメント使用の全肩関節形成術、及び半関節形成術が含まれる。しかしながら、本技法はそのように限定されず、可視化システムは、任意のタイプの手術での仮想ガイドを含む、仮想ガイダンス情報を提供するために使用され得る。仮想ガイダンスを提供するために手術支援システム100が使用され得る他の例示的な処置には、これらに限定されないが、他のタイプの整形外科手術、「形成術」、「開口術」、「切除術」、「破壊」、若しくは「穿刺」という接尾辞が付いた任意のタイプの処置、肘関節、手首関節、指関節、股関節、膝関節、足関節、若しくは足指関節などの他の関節の整形外科手術、又は正確なガイダンスが望ましい他の任意の整形外科手術が含まれる。例えば、手術支援システム100は、足関節形成術のためのコンピュータ支援計画を提供するために使用され得る。
【0077】
[0085] 本技法は、限られた数の実施例に関連して開示されているが、本開示の利益を有する当業者であれば、そこからの多数の修正例及び変形例を理解するであろう。例えば、説明された実施例の任意の妥当な組合せを実施できることが企図される。添付の特許請求の範囲は、そのような修正例及び変形例を本発明の真の要旨及び範囲に含まれるものとして網羅することを意図するものである。更に、本開示の技法は、概して、人間の解剖学的構造に関連して説明された。しかしながら、本開示の技法は、獣医学の場合には動物の解剖学的構造にも適用され得る。
【0078】
[0086] 実施例に応じて、本明細書で説明されたいずれかの技法の特定の動作又はイベントを異なる順序で行うことができ、追加、統合、又は完全に除外してもよい(例えば、説明されたすべての動作又はイベントが本技法の実施に必要であるわけではない)ことを認識されたい。更に、特定の実施例では、動作又はイベントは、連続的ではなくむしろ、例えば、マルチスレッド処理、割込み処理、又は複数のプロセッサにより同時に行われ得る。
【0079】
[0087] 1つ又は複数の実施例では、説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組合せにおいて実装され得る。ソフトウェアにおいて実装される場合、これら機能は、1つ又は複数の命令若しくはコードとして、コンピュータ可読媒体上に記憶され、又は送信され、ハードウェアベースの処理ユニットによって実行され得る。コンピュータ可読媒体は、データ記憶媒体などの有形媒体に対応するコンピュータ可読記憶媒体、又は、例えば通信プロトコルにしたがって、コンピュータプログラムの1つの場所から別の場所への転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体を含み得る。このように、コンピュータ可読媒体は、一般に、(1)非一時的である有形のコンピュータ可読記憶媒体、又は(2)信号若しくは搬送波などの通信媒体に対応し得る。データ記憶媒体は、本開示で説明された技法の実装のための命令、コード、及び/又はデータ構造を検索するために、1つ又は複数のコンピュータ若しくは1つ又は複数のプロセッサによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読媒体を含み得る。
【0080】
[0088] 限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD-ROM若しくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、又は他の磁気記憶デバイス、フラッシュメモリ、又はデータ構造若しくは命令の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用することができ、かつコンピュータによってアクセスすることができる他の任意の媒体を備え得る。また、任意の接続は、適切にコンピュータ可読媒体と称する。例えば、命令が、ウェブサイト、サーバ、又は他の遠隔ソースから、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、又は赤外線、無線、及びマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、又は赤外線、無線、及びマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。しかしながら、コンピュータ可読記憶媒体及びデータ記憶媒体は、接続、搬送波、信号、又は他の一時的な媒体を含まず、代わりに非一時的な有形記憶媒体を対象とすることを理解されたい。ディスク(disk)及びディスク(disc)は、本明細書で使用されるとき、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、及びブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は通常データを磁気的に再生するが、ディスク(disc)はレーザーを用いて光学的にデータを再生する。上記の組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0081】
[0089] 本開示で説明される動作は、1つ又は複数のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他の同等の集積論理回路若しくは個別論理回路などの、固定機能処理回路、プログラマブル回路、又はそれらの組合せとして実装され得る1つ又は複数のプロセッサによって行われ得る。固定機能回路とは、特定の機能を提供し、実行することができる動作に関して予め設定されている回路を指す。プログラマブル回路とは、様々なタスクを実行し、実行することができる動作において柔軟な機能を提供するようにプログラムされ得る回路を指す。例えば、プログラマブル回路は、ソフトウェア又はファームウェアの命令によって定義される様式でプログラマブル回路を動作させる、ソフトウェア又はファームウェアによって指定された命令を実行し得る。固定機能回路は、(例えば、パラメータを受信又はパラメータを出力するように)ソフトウェア命令を実行し得るが、固定機能回路が行う動作のタイプは一般に不変である。したがって、「プロセッサ」及び「処理回路」という用語は、本明細書で使用されるとき、前述の構造又は本明細書で説明される技法の実装に好適な他の任意の構造のいずれかを指し得る。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングシステムによって、1つ又は複数の手術パラメータの値を指定する1つ又は複数の外科医選好パラメータを取得することと、ここにおいて、前記手術パラメータは、手術中に患者の関節窩に取り付けられる関節窩インプラントのための1つ又は複数の位置決めパラメータを含み、
前記コンピューティングシステムによって、前記患者の1つ又は複数の解剖学的パラメータ及び前記外科医選好パラメータに基づいて、1つ又は複数の提案手術オプションを決定することと、ここで、前記提案手術オプションの各々は、前記関節窩インプラントのための前記位置決めパラメータと前記関節窩インプラントのタイプとの異なる組合せに対応し、
前記コンピューティングシステムによって、前記1つ又は複数の提案手術オプションを出力することと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記1つ又は複数の提案手術オプションを決定することは、
1つ又は複数のトライアルベクトルのセットを生成することと、ここにおいて、前記トライアルベクトルのセット中の各トライアルベクトルは、前記手術パラメータのうちの1つ又は複数を含み、
前記トライアルベクトルのセット中の各トライアルベクトルについて、
前記トライアルベクトルの前記手術パラメータ及び前記解剖学的パラメータに基づいて入力値を決定することと、
前記入力値に基づいて前記トライアルベクトルについてのコスト値を決定することと、
前記トライアルベクトルについての前記コスト値に基づいて、前記提案手術オプションのうちの1つとして前記トライアルベクトルを含めるかどうかを決定することと、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トライアルベクトルについての前記コスト値を決定することは、
前記入力値の線形結合に基づいて前記トライアルベクトルについての第1の予備コスト値を決定することと、
前記トライアルベクトルの前記手術パラメータと前記手術パラメータの標準値との間の差に基づいて、前記トライアルベクトルについての第2の予備コスト値を決定することと、
前記トライアルベクトルについての前記第1の予備コスト値及び前記トライアルベクトルについての前記第2の予備コスト値に基づいて、前記トライアルベクトルについての前記コスト値を決定することと、
を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記トライアルベクトルのセットを生成することは、
1つ又は複数の残りの関節窩インプラントタイプのセットを決定するために、前記外科医選好パラメータに基づいて関節窩インプラントタイプを除外することと、
前記トライアルベクトルが前記残りの関節窩インプラントタイプのセット中の関節窩インプラントタイプのみを含むように前記トライアルベクトルを生成することと、
を備える、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記トライアルベクトルのセットを生成することは、
前記患者の前記解剖学的パラメータに基づいて前記関節窩インプラントのサイズを決定することと、
前記トライアルベクトルが前記決定されたサイズを有する関節窩インプラントのみを含むように前記トライアルベクトルを生成することと、
を備える、請求項2
又は3に記載の方法。
【請求項6】
前記トライアルベクトルのセットを生成することは、現在のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新することによって、前記トライアルベクトルのセットにおいて新しいトライアルベクトルを生成することを備える、請求項2
又は3に記載の方法。
【請求項7】
前記トライアルベクトルのセットを生成することは、
前記トライアルベクトルのセット中の現在のトライアルベクトルについての前記コスト値と、前記トライアルベクトルのセット中の前のトライアルベクトルのコスト値との比較に基づいて、前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表すかどうかを決定することと、
前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表さないことに基づいて、前記現在のトライアルベクトルを前記前のトライアルベクトルに戻すことと、
前記トライアルベクトルのセット中の新しい現在のトライアルベクトルを決定するために、前記現在のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新することと、
を備える、請求項
2又は3に記載の方法。
【請求項8】
前記提案手術オプションのうちの1つとして前記トライアルベクトルを含めるかどうかを決定することは、前記トライアルベクトルについての前記コスト値が閾値を超えるかどうかを決定することを備える、請求項2
又は3に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ又は複数の提案手術オプションを決定することは、
1つ又は複数の残りの関節窩インプラントタイプのセットを決定するために、前記外科医選好パラメータに基づいて関節窩インプラントタイプをフィルタリングすることと、
前記患者の前記解剖学的パラメータに基づいて、前記関節窩インプラントのサイズを決定することと、
1つ又は複数の手術パラメータを含む現在のトライアルベクトルを生成することと、ここにおいて、前記現在のトライアルベクトルにおける関節窩インプラントのタイプは、前記残りの関節窩インプラントタイプに限定されており、
前記現在のトライアルベクトルの前記手術パラメータ及び前記解剖学的パラメータに基づいて入力値を決定することと、
前記入力値の線形結合に基づいて前記現在のトライアルベクトルについての第1の予備コスト値を決定することと、
前記現在のトライアルベクトルの前記手術パラメータと前記手術パラメータの標準値との間の差に基づいて、前記現在のトライアルベクトルについての第2の予備コスト値を決定することと、
前記現在のトライアルベクトルについての前記第1の予備コスト値及び前記現在のトライアルベクトルについての前記第2の予備コスト値に基づいて、前記現在のトライアルベクトルについてのコスト値を決定することと、
前記現在のトライアルベクトルについての前記コスト値と、前のトライアルベクトルのコスト値との比較に基づいて、前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表すかどうかを決定することと、
前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表さないことに基づいて、前記現在のトライアルベクトルを前記前のトライアルベクトルに戻すことと、
新しい現在のトライアルベクトルを決定するために、前記現在のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新することと、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
1つ又は複数の手術パラメータの値を指定する1つ又は複数の外科医選好パラメータを記憶するように構成されたメモリと、ここにおいて、前記手術パラメータは、手術中に患者の関節窩に取り付けられる関節窩インプラントのための1つ又は複数の位置決めパラメータを含み、
回路内で実装される1つ又は複数のプロセッサと、
を備え、前記1つ又は複数のプロセッサは、
前記患者の1つ又は複数の解剖学的パラメータ及び前記外科医選好パラメータに基づいて、1つ又は複数の提案手術オプションを決定することと、ここで、前記提案手術オプションの各々は、前記関節窩インプラントのための前記位置決めパラメータと関節窩インプラントのタイプとの異なる組合せに対応し、
表示のために前記1つ又は複数の提案手術オプションを出力することと、
を行うように構成されている、コンピューティングシステム。
【請求項11】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記1つ又は複数の提案手術オプションを決定することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、
1つ又は複数のトライアルベクトルのセットを生成することと、ここにおいて、前記トライアルベクトルのセット中の各トライアルベクトルは、前記手術パラメータのうちの1つ又は複数を含み、
前記トライアルベクトルのセット中の各トライアルベクトルについて、
前記トライアルベクトルの前記手術パラメータ及び前記解剖学的パラメータに基づいて入力値を決定することと、
前記入力値に基づいて前記トライアルベクトルについてのコスト値を決定することと、
前記トライアルベクトルについての前記コスト値に基づいて、前記提案手術オプションのうちの1つとして前記トライアルベクトルを含めるかどうかを決定することと、
を行うように構成されている、請求項10に記載のコンピューティングシステム。
【請求項12】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記トライアルベクトルについての前記コスト値を決定することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、
前記入力値の線形結合に基づいて前記トライアルベクトルについての第1の予備コスト値を決定することと、
前記トライアルベクトルの前記手術パラメータと前記手術パラメータの標準値との間の差に基づいて、前記トライアルベクトルについての第2の予備コスト値を決定することと、
前記トライアルベクトルについての前記第1の予備コスト値及び前記トライアルベクトルについての前記第2の予備コスト値に基づいて、前記トライアルベクトルについての前記コスト値を決定することと、
を行うように構成されている、請求項11に記載のコンピューティングシステム。
【請求項13】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記トライアルベクトルのセットを生成することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、
1つ又は複数の残りの関節窩インプラントタイプのセットを決定するために、前記外科医選好パラメータに基づいて関節窩インプラントタイプを除外することと、
前記トライアルベクトルが前記残りの関節窩インプラントタイプのセット中の関節窩インプラントタイプのみを含むように前記トライアルベクトルを生成することと、
を行うように構成されている、請求項11又は12に記載のコンピューティングシステム。
【請求項14】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記トライアルベクトルのセットを生成することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、
前記患者の前記解剖学的パラメータに基づいて前記関節窩インプラントのサイズを決定することと、
前記トライアルベクトルが前記決定されたサイズを有する関節窩インプラントのみを含むように前記トライアルベクトルを生成することと、
を行うように構成されている、請求項11
又は12に記載のコンピューティングシステム。
【請求項15】
前記トライアルベクトルのセットを生成することは、前記トライアルベクトルのセット中の前のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新することによって、現在のトライアルベクトルを生成することを備える、請求項11
又は12に記載のコンピューティングシステム。
【請求項16】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記トライアルベクトルのセットを生成することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、
前記トライアルベクトルのセット中の現在のトライアルベクトルについての前記コスト値と、前記トライアルベクトルのセット中の前のトライアルベクトルのコスト値との比較に基づいて、前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表すかどうかを決定することと、
前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表さないことに基づいて、前記現在のトライアルベクトルを前記前のトライアルベクトルに戻すことと、
前記トライアルベクトルのセット中の新しい現在のトライアルベクトルを決定するために、前記現在のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新することと、
を行うように構成されている、請求項11
又は12に記載のコンピューティングシステム。
【請求項17】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記提案手術オプションのうちの1つとして前記トライアルベクトルを含めるかどうかを決定することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、前記トライアルベクトルについての前記コスト値が閾値を超えるかどうかを決定するように構成されている、請求項11
又は12に記載のコンピューティングシステム。
【請求項18】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記1つ又は複数の提案手術オプションを決定することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、
1つ又は複数の残りの関節窩インプラントタイプのセットを決定するために、前記外科医選好パラメータに基づいて関節窩インプラントタイプをフィルタリングすることと、
前記患者の前記解剖学的パラメータに基づいて、前記関節窩インプラントのサイズを決定することと、
1つ又は複数の手術パラメータを含む現在のトライアルベクトルを生成することと、ここにおいて、前記現在のトライアルベクトルにおける関節窩インプラントのタイプは、前記残りの関節窩インプラントタイプに限定されており、
前記現在のトライアルベクトルの前記手術パラメータ及び前記解剖学的パラメータに基づいて入力値を決定することと、
前記入力値の線形結合に基づいて前記現在のトライアルベクトルについての第1の予備コスト値を決定することと、
前記現在のトライアルベクトルの前記手術パラメータと前記手術パラメータの標準値との間の差に基づいて、前記現在のトライアルベクトルについての第2の予備コスト値を決定することと、
前記現在のトライアルベクトルについての前記第1の予備コスト値及び前記現在のトライアルベクトルについての前記第2の予備コスト値に基づいて、前記現在のトライアルベクトルについてのコスト値を決定することと、
前記現在のトライアルベクトルについての前記コスト値と、前のトライアルベクトルのコスト値との比較に基づいて、前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表すかどうかを決定することと、
前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表さないことに基づいて、前記現在のトライアルベクトルを前記前のトライアルベクトルに戻すことと、
新しい現在のトライアルベクトルを決定するために、前記現在のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新することと、
を行うように構成されている、請求項10に記載のコンピューティングシステム。
【請求項19】
実行されるとコンピューティングシステムの1つ又は複数のプロセッサに、
1つ又は複数の手術パラメータの値を指定する1つ又は複数の外科医選好パラメータを取得することと、ここにおいて、前記手術パラメータは、手術中に患者の関節窩に取り付けられる関節窩インプラントのための1つ又は複数の位置決めパラメータを含み、
前記患者の1つ又は複数の解剖学的パラメータ及び前記外科医選好パラメータに基づいて、1つ又は複数の提案手術オプションを決定することと、ここで、前記提案手術オプションの各々は、前記関節窩インプラントのための前記位置決めパラメータと前記関節窩インプラントのタイプとの異なる組合せに対応し、
前記1つ又は複数の提案手術オプションを出力することと、
を行わせる命令を記憶した、コンピュータ可読記憶媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
[0089] 本開示で説明される動作は、1つ又は複数のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他の同等の集積論理回路若しくは個別論理回路などの、固定機能処理回路、プログラマブル回路、又はそれらの組合せとして実装され得る1つ又は複数のプロセッサによって行われ得る。固定機能回路とは、特定の機能を提供し、実行することができる動作に関して予め設定されている回路を指す。プログラマブル回路とは、様々なタスクを実行し、実行することができる動作において柔軟な機能を提供するようにプログラムされ得る回路を指す。例えば、プログラマブル回路は、ソフトウェア又はファームウェアの命令によって定義される様式でプログラマブル回路を動作させる、ソフトウェア又はファームウェアによって指定された命令を実行し得る。固定機能回路は、(例えば、パラメータを受信又はパラメータを出力するように)ソフトウェア命令を実行し得るが、固定機能回路が行う動作のタイプは一般に不変である。したがって、「プロセッサ」及び「処理回路」という用語は、本明細書で使用されるとき、前述の構造又は本明細書で説明される技法の実装に好適な他の任意の構造のいずれかを指し得る。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] コンピューティングシステムによって、1つ又は複数の手術パラメータの値を指定する1つ又は複数の外科医選好パラメータを取得することと、ここにおいて、前記手術パラメータは、手術中に患者の関節窩に取り付けられる関節窩インプラントのための1つ又は複数の位置決めパラメータを含み、
前記コンピューティングシステムによって、前記患者の1つ又は複数の解剖学的パラメータ及び前記外科医選好パラメータに基づいて、1つ又は複数の提案手術オプションを決定することと、ここで、前記提案手術オプションの各々は、前記関節窩インプラントのための前記位置決めパラメータと前記関節窩インプラントのタイプとの異なる組合せに対応し、
前記コンピューティングシステムによって、前記1つ又は複数の提案手術オプションを出力することと、
を備える、方法。
[2] 前記1つ又は複数の提案手術オプションを決定することは、
1つ又は複数のトライアルベクトルのセットを生成することと、ここにおいて、前記トライアルベクトルのセット中の各トライアルベクトルは、前記手術パラメータのうちの1つ又は複数を含み、
前記トライアルベクトルのセット中の各トライアルベクトルについて、
前記トライアルベクトルの前記手術パラメータ及び前記解剖学的パラメータに基づいて入力値を決定することと、
前記入力値に基づいて前記トライアルベクトルについてのコスト値を決定することと、
前記トライアルベクトルについての前記コスト値に基づいて、前記提案手術オプションのうちの1つとして前記トライアルベクトルを含めるかどうかを決定することと、
を備える、[1]に記載の方法。
[3] 前記トライアルベクトルについての前記コスト値を決定することは、
前記入力値の線形結合に基づいて前記トライアルベクトルについての第1の予備コスト値を決定することと、
前記トライアルベクトルの前記手術パラメータと前記手術パラメータの標準値との間の差に基づいて、前記トライアルベクトルについての第2の予備コスト値を決定することと、
前記トライアルベクトルについての前記第1の予備コスト値及び前記トライアルベクトルについての前記第2の予備コスト値に基づいて、前記トライアルベクトルについての前記コスト値を決定することと、
を備える、[2]に記載の方法。
[4] 前記トライアルベクトルのセットを生成することは、
1つ又は複数の残りの関節窩インプラントタイプのセットを決定するために、前記外科医選好パラメータに基づいて関節窩インプラントタイプを除外することと、
前記トライアルベクトルが前記残りの関節窩インプラントタイプのセット中の関節窩インプラントタイプのみを含むように前記トライアルベクトルを生成することと、
を備える、[2]又は[3]に記載の方法。
[5] 前記トライアルベクトルのセットを生成することは、
前記患者の前記解剖学的パラメータに基づいて前記関節窩インプラントのサイズを決定することと、
前記トライアルベクトルが前記決定されたサイズを有する関節窩インプラントのみを含むように前記トライアルベクトルを生成することと、
を備える、[2]~[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6] 前記トライアルベクトルのセットを生成することは、現在のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新することによって、前記トライアルベクトルのセットにおいて新しいトライアルベクトルを生成することを備える、[2]~[5]のいずれか一項に記載の方法。
[7] 前記トライアルベクトルのセットを生成することは、
前記トライアルベクトルのセット中の現在のトライアルベクトルについての前記コスト値と、前記トライアルベクトルのセット中の前のトライアルベクトルのコスト値との比較に基づいて、前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表すかどうかを決定することと、
前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表さないことに基づいて、前記現在のトライアルベクトルを前記前のトライアルベクトルに戻すことと、
前記トライアルベクトルのセット中の新しい現在のトライアルベクトルを決定するために、前記現在のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新することと、
を備える、[2]~[6]のいずれか一項に記載の方法。
[8] 前記提案手術オプションのうちの1つとして前記トライアルベクトルを含めるかどうかを決定することは、前記トライアルベクトルについての前記コスト値が閾値を超えるかどうかを決定することを備える、[2]~[7]のいずれか一項に記載の方法。
[9] 前記1つ又は複数の提案手術オプションを決定することは、
1つ又は複数の残りの関節窩インプラントタイプのセットを決定するために、前記外科医選好パラメータに基づいて関節窩インプラントタイプをフィルタリングすることと、
前記患者の前記解剖学的パラメータに基づいて、前記関節窩インプラントのサイズを決定することと、
1つ又は複数の手術パラメータを含む現在のトライアルベクトルを生成することと、ここにおいて、前記現在のトライアルベクトルにおける関節窩インプラントのタイプは、前記残りの関節窩インプラントタイプに限定されており、
前記現在のトライアルベクトルの前記手術パラメータ及び前記解剖学的パラメータに基づいて入力値を決定することと、
前記入力値の線形結合に基づいて前記現在のトライアルベクトルについての第1の予備コスト値を決定することと、
前記現在のトライアルベクトルの前記手術パラメータと前記手術パラメータの標準値との間の差に基づいて、前記現在のトライアルベクトルについての第2の予備コスト値を決定することと、
前記現在のトライアルベクトルについての前記第1の予備コスト値及び前記現在のトライアルベクトルについての前記第2の予備コスト値に基づいて、前記現在のトライアルベクトルについてのコスト値を決定することと、
前記現在のトライアルベクトルについての前記コスト値と、前のトライアルベクトルのコスト値との比較に基づいて、前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表すかどうかを決定することと、
前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表さないことに基づいて、前記現在のトライアルベクトルを前記前のトライアルベクトルに戻すことと、
新しい現在のトライアルベクトルを決定するために、前記現在のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新することと、
を備える、[1]に記載の方法。
[10] 1つ又は複数の手術パラメータの値を指定する1つ又は複数の外科医選好パラメータを記憶するように構成されたメモリと、ここにおいて、前記手術パラメータは、手術中に患者の関節窩に取り付けられる関節窩インプラントのための1つ又は複数の位置決めパラメータを含み、
回路内で実装される1つ又は複数のプロセッサと、
を備え、前記1つ又は複数のプロセッサは、
前記患者の1つ又は複数の解剖学的パラメータ及び前記外科医選好パラメータに基づいて、1つ又は複数の提案手術オプションを決定することと、ここで、前記提案手術オプションの各々は、前記関節窩インプラントのための前記位置決めパラメータと関節窩インプラントのタイプとの異なる組合せに対応し、
表示のために前記1つ又は複数の提案手術オプションを出力することと、
を行うように構成されている、コンピューティングシステム。
[11] 前記1つ又は複数のプロセッサは、前記1つ又は複数の提案手術オプションを決定することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、
1つ又は複数のトライアルベクトルのセットを生成することと、ここにおいて、前記トライアルベクトルのセット中の各トライアルベクトルは、前記手術パラメータのうちの1つ又は複数を含み、
前記トライアルベクトルのセット中の各トライアルベクトルについて、
前記トライアルベクトルの前記手術パラメータ及び前記解剖学的パラメータに基づいて入力値を決定することと、
前記入力値に基づいて前記トライアルベクトルについてのコスト値を決定することと、
前記トライアルベクトルについての前記コスト値に基づいて、前記提案手術オプションのうちの1つとして前記トライアルベクトルを含めるかどうかを決定することと、
を行うように構成されている、[10]に記載のコンピューティングシステム。
[12] 前記1つ又は複数のプロセッサは、前記トライアルベクトルについての前記コスト値を決定することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、
前記入力値の線形結合に基づいて前記トライアルベクトルについての第1の予備コスト値を決定することと、
前記トライアルベクトルの前記手術パラメータと前記手術パラメータの標準値との間の差に基づいて、前記トライアルベクトルについての第2の予備コスト値を決定することと、
前記トライアルベクトルについての前記第1の予備コスト値及び前記トライアルベクトルについての前記第2の予備コスト値に基づいて、前記トライアルベクトルについての前記コスト値を決定することと、
を行うように構成されている、[11]に記載のコンピューティングシステム。
[13] 前記1つ又は複数のプロセッサは、前記トライアルベクトルのセットを生成することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、
1つ又は複数の残りの関節窩インプラントタイプのセットを決定するために、前記外科医選好パラメータに基づいて関節窩インプラントタイプを除外することと、
前記トライアルベクトルが前記残りの関節窩インプラントタイプのセット中の関節窩インプラントタイプのみを含むように前記トライアルベクトルを生成することと、
を行うように構成されている、[11]又は[12]に記載のコンピューティングシステム。
[14] 前記1つ又は複数のプロセッサは、前記トライアルベクトルのセットを生成することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、
前記患者の前記解剖学的パラメータに基づいて前記関節窩インプラントのサイズを決定することと、
前記トライアルベクトルが前記決定されたサイズを有する関節窩インプラントのみを含むように前記トライアルベクトルを生成することと、
を行うように構成されている、[11]~[13]のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
[15] 前記トライアルベクトルのセットを生成することは、前記トライアルベクトルのセット中の前のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新することによって、現在のトライアルベクトルを生成することを備える、[11]~[14]のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
[16] 前記1つ又は複数のプロセッサは、前記トライアルベクトルのセットを生成することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、
前記トライアルベクトルのセット中の現在のトライアルベクトルについての前記コスト値と、前記トライアルベクトルのセット中の前のトライアルベクトルのコスト値との比較に基づいて、前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表すかどうかを決定することと、
前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表さないことに基づいて、前記現在のトライアルベクトルを前記前のトライアルベクトルに戻すことと、
前記トライアルベクトルのセット中の新しい現在のトライアルベクトルを決定するために、前記現在のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新することと、
を行うように構成されている、[11]~[15]のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
[17] 前記1つ又は複数のプロセッサは、前記提案手術オプションのうちの1つとして前記トライアルベクトルを含めるかどうかを決定することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、前記トライアルベクトルについての前記コスト値が閾値を超えるかどうかを決定するように構成されている、[11]~[16]のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
[18] 前記1つ又は複数のプロセッサは、前記1つ又は複数の提案手術オプションを決定することの一環として、前記1つ又は複数のプロセッサが、
1つ又は複数の残りの関節窩インプラントタイプのセットを決定するために、前記外科医選好パラメータに基づいて関節窩インプラントタイプをフィルタリングすることと、
前記患者の前記解剖学的パラメータに基づいて、前記関節窩インプラントのサイズを決定することと、
1つ又は複数の手術パラメータを含む現在のトライアルベクトルを生成することと、ここにおいて、前記現在のトライアルベクトルにおける関節窩インプラントのタイプは、前記残りの関節窩インプラントタイプに限定されており、
前記現在のトライアルベクトルの前記手術パラメータ及び前記解剖学的パラメータに基づいて入力値を決定することと、
前記入力値の線形結合に基づいて前記現在のトライアルベクトルについての第1の予備コスト値を決定することと、
前記現在のトライアルベクトルの前記手術パラメータと前記手術パラメータの標準値との間の差に基づいて、前記現在のトライアルベクトルについての第2の予備コスト値を決定することと、
前記現在のトライアルベクトルについての前記第1の予備コスト値及び前記現在のトライアルベクトルについての前記第2の予備コスト値に基づいて、前記現在のトライアルベクトルについてのコスト値を決定することと、
前記現在のトライアルベクトルについての前記コスト値と、前のトライアルベクトルのコスト値との比較に基づいて、前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表すかどうかを決定することと、
前記現在のトライアルベクトルが前記前のトライアルベクトルに対する改善を表さないことに基づいて、前記現在のトライアルベクトルを前記前のトライアルベクトルに戻すことと、
新しい現在のトライアルベクトルを決定するために、前記現在のトライアルベクトルの1つ又は複数の手術パラメータを更新することと、
を行うように構成されている、[10]に記載のコンピューティングシステム。
[19] [1]~[9]のいずれか一項に記載の方法を行うための手段を備えるコンピューティングシステム。
[20] 実行されるとコンピューティングシステムの1つ又は複数のプロセッサに、[1]~[9]のいずれか一項に記載の方法を行わせる命令を記憶した、コンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】