(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】熱処理による線維性インプラントのクリンピング
(51)【国際特許分類】
A61F 2/07 20130101AFI20240207BHJP
【FI】
A61F2/07
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547537
(86)(22)【出願日】2022-02-07
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 EP2022052872
(87)【国際公開番号】W WO2022167651
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521435950
【氏名又は名称】ステンティット ベスローテン フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】Stentit BV
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100145791
【氏名又は名称】加藤 志麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100158481
【氏名又は名称】石原 俊秀
(72)【発明者】
【氏名】サンダース,バート
(72)【発明者】
【氏名】トロメレン,マリア,アリダ,アントニア
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA15
4C097AA16
4C097BB01
4C097BB09
4C097CC04
4C097DD01
4C097EE09
4C097EE11
4C097MM05
(57)【要約】
本発明は、線維性医療装置に関し、より具体的には、本発明は、熱処理を使用して、線維性管状インプラントを支持装置または送達装置上にクリンプする方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置を作製する方法であって、
線維性構造(10)を準備するステップ;
前記線維性構造(10)をアニーリングするステップ
を含む、方法。
【請求項2】
以下のさらなるステップ:
ポリマーでできた線維性管状導管を準備するステップ;および
しぼんで、折り畳まれたバルーンカテーテルのクロッシングプロファイルと比べて同様のまたはわずかに大きい内径を有する線維性管状導管を準備するステップ;
そのバルーンカテーテル上に前記線維性管状導管を配置するステップ;
前記線維性管状導管を、その融解転移温度未満の熱処理に曝すことにより、そのバルーンカテーテル上に前記線維性管状導管をクリンプするステップ
を含むことを特徴とする、請求項1の方法。
【請求項3】
以下のさらなるステップ:
線維性構造(10)として、ポリマーでできた線維性管状導管を準備するステップ;および
前記線維性管状導管の内径と比べて同様または小さいサイズの外径の、固定された内部担体上に、前記線維性管状導管を配置するステップ;
前記線維性管状導管を、その融解転移温度未満の熱処理に曝すことにより、その固定された内部担体上に前記線維性管状導管を拘束するステップ
を含むことを特徴とする、請求項1の方法。
【請求項4】
以下のさらなるステップ:
前記線維性管状導管を前記バルーンカテーテルにクリンプした後、前記線維性管状導管のアニーリングが継続されるステップ
を含むことを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
以下のさらなるステップ:
異なる温度、時間、ならびに冷却および加熱の繰返し、またはそれらの任意の組合せを有するサイクルに前記線維性構造(10)が曝されるステップ
を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
以下のさらなるステップ:
前記線維性構造(10)が、気体、液体または固体媒体を介する対流の少なくとも1つによる熱に曝されるステップ
を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
以下のさらなるステップ:
バルーン(14)の材料、および/または、バルーンカテーテルの他の部分の材料を直接には加熱しないように波長が選択された赤外線により、前記線維性構造(10)が加熱されるステップ
を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
アニールされた線維性構造(10)を含む、医療装置。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項により入手されることを特徴とする、請求項8に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置を作製する方法、およびさらに線維性構造を含む医療装置に関する。
【0002】
特に、本発明は、線維性医療装置に関し、より具体的には、本発明は、熱処理を使用して、線維性管状インプラントを支持装置または送達装置上にクリンプする方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ステントは、心血管疾患を患う患者を治療するために、そのようなインプラントが、例えば、血管閉塞を開放できる、病変を密封することができる、特定の標的部位に薬物を送達することができる、弁または膜の血管内送達を可能にすることができる場合に使用され、破裂を防ぐために動脈瘤をシールドするためにさえも使用され得る。
【0004】
ステントは主に、腔内介入を使用して、低侵襲的に送達される。したがって、それらのインプラントは、宿主の内部で幾何学的転移を経て、小径から大径に至る。このやり方で、インプラントは、小切開を介して送達することができ、血管系の内側に留置され得て、その場所から動かないように、元来の動脈に付着する、および/または元来の動脈を過度に伸長させる。ある特定のサブクラスのステント、いわゆる「バルーン拡張型ステント」は、バルーンカテーテルを使用することで体内に配置され得る。したがって、そのステントは、移植手順中、送達バルーン上に強固に取り付けられている必要がある。取り付けたら、その上にインプラントが取り付けられたバルーンカテーテルが、体内に挿入され、血管系を通して標的部位へと導かれる。正しい場所で、バルーンに加圧可能であり、それにより、バルーンが膨張することとなる。このやり方で、加圧バルーンが、インプラントを押し開けて直径拡大を強制し、血管系内へのインプラントの配置を確保することができる。
【0005】
移植手順中のステントの移動を防ぐためには、バルーン上でのステントの適切な取付けが必要とされ、それは通常、クリンピングと呼ばれる方法を使用して行われる。ここでは、バルーン拡張型ステントは通常、固体壁管から作製され、それにより、例えば、レーザ切断を使用して、別個のステントパターンが生み出され得る。通常、この固体壁管の直径が、ステントの呼び径を定義する。ステントの呼び径は常に、バルーンの、しぼんだ、折り畳まれたクロッシングプロファイルよりも大きい。したがって、バルーン上にステントを取り付けるためには、ステントは、クリンピング処理を受ける必要があり、それにより、ステント呼び径が小さくなり、カテーテル上のしぼんだバルーンの直径に一致する。まず、ステントは、カテーテル上のマーカーに関して、正確にバルーン上に配置されることとなる。その場所に着いたら、ステントを、機械的にクリンプし、それにより、外部圧縮が、ステントを、あらかじめ折り畳まれたバルーン上に強固に取り付ける。このステップは、ステント材料内の内部ひずみおよび内部応力を軽減してリコイルを防ぐために、圧縮下の熱処理を含み得る。
【0006】
再生医療の分野内では、線維性インプラントが、例えば、心血管に関係する用途においてますます使用されつつある。線維性インプラントは、宿主細胞に対して、線維からなるネットワークと相互作用する能力を与え、組織成分の回復を目指す再生応答を誘発する。最近の発明は、ステント術の用途に向けて線維性管状インプラントを使用する可能性を探求している(国際公開第2017118755号)。それらの線維性導管(fibrous conduit)は、マイクロファイバおよび/またはナノファイバからなるネットワークでできており、そのネットワークの中で、バルーン膨張が、その線維性ネットワークの再構成を誘導して直径拡大に適応させる。このアプローチの欠点は、そのような構築物における別個のステントパターンの欠如が、バルーン上のステントを機械的にクリンプする能力を制限することである。この場合、それらの線維性導管には、他の任意の従来のステントクリンピングアプローチにおけるような、ステントストラットを互いに向かって移動させて導管の直径を小さくさせるマクロなボイドが存在しない。その代わりに、クリンピングに必要とされる高い半径方向外力の印加が、応力の蓄積をもたらし、限られた直径減少を引き起こし、最終的にそのような線維性ステントの座屈を引き起こす。
【0007】
米国特許第8,052,912号明細書は、ポリマーステントの、温度制御されたクリンピング法を記載する。
【0008】
Abhari等は、アニーリングが、電界紡糸されたポリジオキサノンフィラメントの機械的特性および分解に及ぼす効果を記載する(Abhari et al., Journal of the mechanical behavior of biomedical materials 67 (2017), p. 127-134)。
【0009】
Li等は、ポリ乳酸(PLA)の電界紡糸およびアニーリングによる環境効率(eco-efficient)微多孔膜の開発を記載する(Li et al, Journal of Membrane Science 436 (2013), p. 57-67)。
【発明の概要】
【0010】
線維性構造を有する医療装置の熱処理(いわゆるアニーリング)用の新規かつ代替的な方法を記載および提供することが、本発明の目的であり、特に、その方法では、そのような構造の機械的特性が高まり得て、かつ例えば、そのような線維性構造を有するステントのバルーンカテーテル上での固定に関する改善された解決策が提供され得る。
【0011】
本発明は、独立請求項により定義される。さらなる実施形態が、従属請求項の主題である。
【0012】
特に、本発明により、医療装置を作製する方法であって、少なくとも以下のステップ:
- 線維性構造を準備するステップ、および
- 前記線維性構造をアニーリングするステップ
を含む、方法が提供される。
【0013】
本発明は、移植手順の実施中に、ステントをバルーンに強固に取り付けてステント移動を防ぐためには、アニーリング時の線維性導管の本質的なクリンピング挙動を使用することで、そのような導管が、バルーンカテーテルシステム上にクリンプされ得るという一般的な着想および概念に基づく。
【0014】
このやり方で、本発明は、従来のステントクリンピング装置を使用する必要なしに、線維性インプラントのクリンプを誘導して送達バルーン上に導管を固定するために、構築物を熱処理、例えばアニーリング法に曝すことにより、線維性管状導管をバルーンカテーテルシステム上にクリンプすることによる当該技術分野を進歩させる。
【0015】
線維性構造は、好ましくは、マイクロメートルまたはナノメートル範囲のポリマー繊維のネットワークでできている。特に、米国特許第10,813,777号明細書に言及する。
【0016】
本開示の関連でのアニーリングは、特に、物体が、高温に曝されるプロセスであると理解されるべきである。この高温はさらに、電界紡糸された構築物に適用した場合、付加的効果を有し得る。本開示の関連での電界紡糸は、特に、ポリマー材料が溶媒中に溶解されるプロセスであると理解されるべきである。コレクタおよびポリマー溶液に電圧差を印加しながら、ポリマージェットを、そのような溶液から引き出し得る。溶液からコレクタまたは回転マンドレルに向かって引き出されるそのジェットの距離にわたって、溶媒が蒸発することとなる。その結果、ポリマー材料が固化することとなる。ポリマー鎖が短時間でロックされることとなるので、ポリマー分子鎖内ならびにポリマー繊維の内部、さらには細線維化された構築物または導管全体にさえも応力およびひずみが蓄積し得る。アニーリングステップが、このポリマー分子鎖、繊維、およびネットワークの緩和を可能にすることに役立ち、蓄積した応力およびひずみを解放することとなる。
【0017】
アニーリングの他の特徴は、形状記憶を誘導し得ることである。電界紡糸の場合、アニーリングは、処理中に構築物内に蓄積された応力およびひずみを解放する。物体に伸長を誘導するために加えられた負荷を超えると、新たな応力およびひずみが構築物内に蓄積することとなる。伸長を引き起こす負荷を解放すると、構造は、アニーリング直後かつ伸長前の初期状態である、その、エネルギー的に最も安定な構成に戻ろうとする。しかしながら、電界紡糸された構築物が、伸長中にアニーリングされた場合、伸長が物体に引き起こした応力およびひずみは消散する。アニーリングステップ後に、伸長を引き起こした負荷を除去した場合、構築物はその伸長した構成のままになる。これにより、物体は新しい「形状記憶」を獲得する。
【0018】
電界紡糸された導管をステント用途に使用すると(国際公開第2017118755号)、インプラントの性能を改善し、用途に望ましい直径で導管をアニールすることができる。それは、ステントを3mmの動脈内部に配置することを目的とする場合、導管を3mmまたはそれより少し大きいサイズでアニールして、形状記憶を誘導することを意味する。後に導管を、移植に向けてクリンプまたは圧縮すると、インプラントが、その形状記憶に戻り、動脈内部でさらに拡張することとなる。それが、ステントの潜在的なリコイルを制限することとなる。
【0019】
電界紡糸された導管に対してアニーリングステップを適用する他の付加的効果は、高温が、電界紡糸後に導管内に依然として残っている潜在的な溶媒の蒸発を援助する可能性である。電界紡糸プロセス中に、溶液から引き出してポリマー繊維を形成する際、全ての溶媒が完全に蒸発した訳ではない可能性がある。小粒子さえも、依然としてポリマー繊維内にトラップされている可能性がある。本明細書では、高温が、構築物を加熱し、溶媒の蒸発を容易にすることとなる。それにより、ポリマー繊維の結晶化度が高まることとなり、ガラス転移温度Tgが上昇することとなり、ポリマー構築物がさらに強度を高めることとなる。
【0020】
アニーリングはさらに、ポリマー材料の結晶性ドメインに影響を及ぼす。その点で、より小さい結晶化断片が、より大きな断片に成長し得る。したがって、アニーリングはさらに、ポリマー構築物の延性を高め得る。その際、アニーリング処理なしの場合よりも大きな、破壊までの伸長に適応させることが有益であろう。そのタイプの構造がステント術の用途に向けて使用される場合、これは、電界紡糸された導管を膨張させる能力に影響を与える(国際公開第2017118755号)。このやり方で、そのようなメッシュ中の個々のポリマー繊維は、バルーンカテーテルにより膨張させる場合、ポリマー繊維が破壊するであろう前に、より大きな塑性変形を可能にすることとなる。
【0021】
さらに、本方法は、以下のさらなるステップ:
- ポリマーでできた線維性管状導管を準備するステップ;
- しぼんだ、折り畳まれたバルーンカテーテルのクロッシングプロファイルと比べて同様のまたはわずかに大きい内径を有する線維性管状導管を準備するステップ;
- そのバルーンカテーテル上に線維性管状導管を配置するステップ;および
- 線維性管状導管を、その融解転移温度(melt transition temperature)未満の熱処理に曝すことにより、そのバルーンカテーテル上に線維性管状導管をクリンプするステップ
を含み得る。
【0022】
医療装置の線維性構造は、電界紡糸プロセスを用いて入手または製造され得る。
【0023】
線維性構造は、ステントまたはグラフト等であり得る。
【0024】
線維性構造は、生体適合性ポリマー製、特に、生分解性ポリマー製でもあり得る。
【0025】
インプラント型ポリマーステント用の材料は、生体適合性ポリマーであり得る。生体適合性ポリマー繊維材料は、特に、以下:
- 生体吸収性(bioresorbable)ポリマー(例えば、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(D-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド)を含むポリ乳酸(PLA)、ならびにポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(4-ヒドロキシブチレート)、ポリ(エステルアミド)(PEA)、ポリウレタン、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリビニルピロリドン、およびそれらのコポリマー、例えば、ポリ(L-ラクチド/DL-ラクチド)、ポリ(L-ラクチド/D-ラクチド)、ポリ(L-ラクチド/グリコリド)、ポリ(L-ラクチド/カプロラクトン)、ポリ(DL-ラクチド/グリコリド))、
- 非生体吸収性材料(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアリールエーテルケトン、ナイロン、フッ素化エチレンプロピレン、ポリブテステル(polybutester)、およびシリコーン、またはそれらのコポリマー)、
- 生体成分(例えば、ヒアルロナン、コラーゲン、ゼラチン、キトサン、アルギネート、アロエ/ペクチン、セルロース、または自家、アレルゲン、もしくは異種起源のいずれかの組織に由来する他の生体物質)、
- またはそれらの組合せ
を含み得るが、それらに限定されない。
【0026】
有利には、ポリマー繊維は、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(D-ラクチド)、ポリグリコリド、またはそれらの組合せを、ポリ(DL-ラクチド)、ポリ(ラクチド-co-グリコール酸)、またはポリ(DL-ラクチド-co-グリコール酸)のいずれかであるコポリマーの形で含み得る。
【0027】
特に、前記の結晶性または半結晶性のポリマー材料は、生理的深部体温(physiological core body temperature)を上回るガラス転移温度(Tg)を有し得る。
【0028】
特に、アニーリングは、ポリマー鎖の内部応力を軽減し、鎖がより結晶性の構造になることを可能にする。
【0029】
効果として、線維性構造が、クリンプ可能になり、管状導管として適用されると、内径を減少させることとなる。この特徴は、そのような管状導管をバルーンカテーテル上にクリンプしてその取付けを確保するために使用できる。
【0030】
さらに、腔内ステント装置として使用する場合に、動脈を広げることができるように、アニーリングは、それらの線維性構造、例えば、管状導管をより堅固にする。したがって、バルーンカテーテルにより管状導管を膨張させるために必要とされる圧力の量にも影響を及ぼす。
【0031】
アニーリングステップは、装置の強度および剛性を改善するために決定的である。
【0032】
管状導管として、アニーリングはさらに、リコイル特性への効果を有し得る。それは、バルーンの膨張後に、膨張した導管が、初期の非膨張構成へとある程度戻り得ることを意味する。その点で、管状導管のアニーリングは、リコイルの量を減らし得る。
【0033】
アニーリング法は、温度の選択、加熱および冷却の時間、加熱速度および冷却速度、ならびにこれを繰り返したいサイクル数を用いて調整できるが、それらに限定されない。
【0034】
例えば、ポリマーベースの線維性ステント中でのような線維性構造の機械的特性を改善するために、そのような構造は、「アニーリング」とよく呼ばれる熱処理から利益を得る。従来の結晶性ポリマー、例えば、ポリ乳酸(PLA)は、堅固であるものの、脆い傾向にもある。例えそうだとしても、ポリマーのグレードおよび分子量しだいで、PLAは、およそ60℃~65℃の比較的低いガラス転移温度(Tg)およびおよそ185℃~195℃の融点(Tm)を有する。体温を上回るTgのため、そのようなポリマーは、TgにおけるかTg超であるもののTm未満でポリマーを加熱することにより、アニーリングステップから利益を得ることができ、それは、PLAの脆化傾向を下げて、その延性を高める。ポリマー組成に依存して、ガラス転移温度は異なることとなる。そのため、例えば、ポリ(DL-ラクチド)のTgは、およそ50℃~55℃、ポリグリコリドのTgは、およそ40℃~50℃、ポリ(ε-カプロラクトン)のTgは、およそ-60℃、50/50DL-ラクチド/グリコリドコポリマーは、およそ45℃~50℃、85/15L-ラクチド/グリコリドコポリマーのTgは、およそ55℃~60℃、および70/30L-ラクチド/ε-カプロラクトンコポリマーのTgは、およそ15℃~25℃である。ポリマー組成にかかわらず、使用されるポリマーの分子量も、Tgを数度変化させ得る。誤解を避けるために、材料のTgは、固定の単一値ではなく、その範囲ではポリマーがガラス転移状態である、主に最適条件を有する、温度の範囲である。
【0035】
線維性構造、例えば、線維性管状導管の、電界紡糸による製造中、ポリマー繊維は、溶媒の蒸発による急速固化を経て、ポリマー鎖が、ある立体配座にロックされる。それが、材料、したがってポリマー繊維内での応力および張力の蓄積を生み出す。ポリマーをTgに加熱することにより、ポリマー鎖はもっと自由に動けるようになり、応力が消散する。そのようなアニーリング処理が、非アニール構築物と比べて、強度および耐久性を40%、ならびに剛性を25%高め得ることは、珍しくない。アニーリングの他の効果は、材料内の応力緩和ゆえ、物体が、変形およびクリンプを受け得ることである。
【0036】
さらに、本方法は、以下のさらなるステップ:
- 線維性構造として、ポリマーでできた線維性管状導管を準備するステップ;
- 線維性管状導管の内径と比べて同様または小さいサイズの外径の、固定された内部担体上に、線維性管状導管を配置するステップ;および
- 線維性管状導管を、その融解転移温度未満の熱処理に曝すことにより、その固定された内部担体上に線維性管状導管を拘束するステップ
を含み得る。
【0037】
このやり方で、非常に効果的な、内部担体へのクリンピングが達成され得る。これらのステップは、線維性構造が、安全に、さらにはバランスよく内部担体に取り付けられることを確保する。内部担体は、ステントの場合、バルーンカテーテルのバルーンであり得て、該ステントは、バルーンカテーテルにより留置されるため非膨張バルーンの外側に取り付けられる必要がある。
【0038】
本方法の他の実施形態では、方法が、以下のさらなるステップ、線維性管状導管をバルーンカテーテルにクリンプした後、線維性管状導管のアニーリングが継続されるステップ、を含む。
【0039】
アニーリングの継続を利用して、線維性構造の機械的特性が、前記の、アニーリングの機構によりさらに高まり得ると同時に、クリンピング後の、およびクリンピングによる形状および寸法が維持される。
【0040】
さらに、本方法は、以下のさらなるステップ:
異なる温度、時間、ならびに冷却および加熱の繰返し、またはそれらの任意の組合せを有するサイクルに線維性構造が曝されるステップを含み得る。熱処理のこの変形形態により、線維性構造内の内部(機械的)応力が低下し得て、均質構造および全般的な内部応力レベルが達成され得る。
【0041】
さらに、本方法は、以下のさらなるステップ:
線維性構造が、ガス、液体媒体または固体媒体を介する対流の少なくとも1つによる熱に曝されるステップを含み得る。このやり方で、均一な温度処理を達成できる。均一な温度処理を用いて、かつ温度が、線維性構造の全ての部分において同時に、ほぼ同じレベルであることを確保することにより、線維性構造全体にわたる均一な機械的特性が入手されて、不均一な加熱に起因する機械的応力またはすでに既存の機械的応力さえも低下または除去される。
【0042】
代替的または付加的に、本方法は、以下のさらなるステップ:
バルーンの、および/またはバルーンカテーテルの他の部分の材料を直接には加熱しないように波長が選択された赤外線により、線維性構造が加熱されるステップを含み得る。それにより、線維性構造のみが熱処理されて、線維性構造の特性が影響を受ける。さらに、バルーン、同じくバルーンカテーテルが、熱操作および加熱されないか、もしくはあまりされない、またはその温度の点で影響を受けないため、熱要因によるその寸法の変化がないか、もしくは少ない。それが、線維性構造の寸法に関する高精度の達成、特に、その直径および長さに関するステントの寸法の確保に役立つ。
【0043】
さらに、本発明は、医療装置に関する。したがって、該医療装置は、アニールされた線維性構造を含む。
【0044】
医療装置は、本方法、または記載された可能な実施形態の1つによる、特に前記の方法を用いて入手可能である。さらなる詳細を、図面において説明することとなる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明の一実施形態によるアニーリングの効果を示す。
【
図2】
図1に示すアニーリングと関連した、移動力(dislodgement force)への効果を示す。
【
図3】
図1に示す1.1mm(または1107μm)の初期内径を有するステントからのアニーリングと関連した、しぼんだバルーンの外径にもっと近い初期内径を有するステントの移動力を示す。
【
図4】電界紡糸された試料の機械的特性に及ぼすアニーリング時間の効果に関するグラフを示す。
【
図5】示差走査熱量測定により測定した、電界紡糸された試料に及ぼすアニーリングの効果に関するグラフを示す。
【
図6】ステント術の用途に向けて「形状記憶」を誘導するための、電界紡糸された試料に及ぼすアニーリングの効果の略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、本発明の一実施形態によるアニーリングの効果を示す。
【0047】
電界紡糸した線維性構造の実施例は、アニーリングの効果を例証するために示す。
【0048】
用語「ステント」は、血管壁に対する支持を提供する構造に関する。
【0049】
用語「アニーリング」は、その過程でインプラントが、強度、靭性、硬度、および延性を改善し得る熱処理に関する。
【0050】
用語「生体吸収性(bioabsorbable)」、「生分解性」、「生体吸収性」は、身体により分解および除去され得る材料の能力に関する。
【0051】
本発明の示される実施形態は、ここでは、線維性構造10、例えば、医療装置を形成する管状導管、すなわちインプラント型ステント12である。
【0052】
このステントは、例えば、患者の心血管または他の任意の他の管での使用および留置を目的としている。
【0053】
管状導管、すなわちステント12は、好ましくはミクロ範囲および/またはナノメートル範囲の繊維からなる。
【0054】
それらの繊維は、生体吸収性材料からなり得る。
【0055】
特に、線維性構造は、生体適合性ポリマー製、特に、生分解性ポリマー製でもあり得る。
【0056】
線維性構造用、例えば、インプラント型ポリマーステント用の材料は、生体適合性ポリマーであり得る。生体適合性ポリマー繊維材料は、特に、以下:
- 生体吸収性ポリマー(例えば、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(D-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド)を含むポリ乳酸(PLA)、ならびにポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(4-ヒドロキシブチレート)、ポリ(エステルアミド)(PEA)、ポリウレタン、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリビニルピロリドン、およびそれらのコポリマー、例えば、ポリ(L-ラクチド/DL-ラクチド)、ポリ(L-ラクチド/D-ラクチド)、ポリ(L-ラクチド/グリコリド)、ポリ(L-ラクチド/カプロラクトン)、ポリ(DL-ラクチド/グリコリド))、
- 非生体吸収性材料(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアリールエーテルケトン、ナイロン、フッ素化エチレンプロピレン、ポリブテステル、およびシリコーン、またはそれらのコポリマー)、
- 生体成分(例えば、ヒアルロナン、コラーゲン、ゼラチン、キトサン、アルギネート、アロエ/ペクチン、セルロース、または自家、アレルゲン、もしくは異種起源のいずれかの組織に由来する他の生体物質)、
- またはそれらの組合せ
を含み得るが、それらに限定されない。
【0057】
有利には、ポリマー繊維は、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(D-ラクチド)、ポリグリコリド、またはそれらの組合せを、ポリ(DL-ラクチド)、ポリ(ラクチド-co-グリコール酸)、またはポリ(DL-ラクチド-co-グリコール酸)のいずれかであるコポリマーの形で含み得る。
【0058】
特に、前記の結晶性または半結晶性のポリマー材料は、生理的深部体温を上回るガラス転移温度(Tg)を有し得る。
【0059】
繊維は、スタック繊維(stacked fiber)の層のネットワークを形成する。
【0060】
繊維は、ランダムに組織化されるか、整列した繊維からなるか、またはそれらの組合せのいずれかであるネットワークを形成できる。
【0061】
線維性導管は、繊維形成の製造方法、例えば、電界紡糸により作製可能であり、その方法では、繊維を、ロッド上に集めることができ、線維性ネットワーク壁により構成された管状導管をもたらす。そのような線維性導管を達成するための可能な方法は、例えば、米国特許第10,813,777号明細書に開示される。線維性構造は、好ましくは、マイクロメートルまたはナノメートル範囲のポリマー繊維のネットワークでできている。
【0062】
そのロッドの外径は、折り畳まれた送達バルーンのクロッシングプロファイルをほんのわずかに上回るように選択され得る。
【0063】
線維性管状導管の製造後、管は、バルーンにフィットする特定の長さで切断する必要がある。
【0064】
次いで、線維性管、すなわちステント12を、送達バルーン14上に配置した。
【0065】
線維性管を作った材料であるポリマーのガラス転移温度の範囲またはそれを上回るが、そのポリマーの融解転移温度未満である高温に、ステント12を曝すこととなる。
【0066】
示される実施形態では、以下のプロセスパラメータを適用した。
【0067】
室内大気圧において、予熱した従来の熱風循環炉を使用して熱を加えた。
【0068】
設定温度は、65℃であった。
【0069】
継続時間は、1時間であった。
【0070】
試料を直ちに炉内の熱に曝し、1時間後に取り出して、室温の実験室ベンチ上で冷却させた。
【0071】
アニーリングサイクルは繰り返されなかった。
【0072】
このやり方で、医療装置、本明細書ではインプラント型ステント12を、ステップ:
- 線維性構造を準備するステップ、および
- 前記線維性構造をアニーリングするステップ
を含む方法により提供した。
【0073】
ステント用途に向けた目的の材料をアニールするための通常の温度範囲は、体温を上回って融点未満であり、理想的にはその材料のガラス転移温度あたりである。通常、アニーリングは、定常状態に至るまでに数分から数時間かかる。高熱に長時間曝すことは、ポリマー分解をもたらす可能性があるため、避けるべきである。数回繰り返す、加熱および冷却のサイクルが、適用され得る。
【0074】
高温は、高温に応じたポリマー再組織化が完了するまで、ある一定の時間にわたり維持され得るか、または好ましい任意の時点で中断してもよい。
【0075】
高温は、冷却および加熱のステップからなるサイクルで加えてもよく、各ステップの持続時間は変えてもよい。
【0076】
ポリマーをガラス転移温度へ加熱している間、管状導管はクリンプすることとなり、管の内径がより小さくなることとなる。
【0077】
結果として、線維性管は、開始内径(starting inner diameter)を、選択されたしぼんだバルーンよりわずかにのみ大きく選ぶと、バルーンカテーテル上に自身を固定することとなる。
【0078】
そのため、以下のステップ:
- ポリマーでできた線維性管状導管を準備するステップ;
- しぼんだ、折り畳まれたバルーンカテーテルのクロッシングプロファイルと比べて同様のまたはわずかに大きい内径を有する線維性管状導管を準備するステップ;
- そのバルーンカテーテル上に線維性管状導管を配置するステップ;
- 線維性管状導管を、その融解転移温度未満の熱処理に曝すことにより、そのバルーンカテーテル上に線維性管状導管をクリンプするステップ
をも行った。
【0079】
アニーリングプロセスをクリンピング後に継続することが可能である。
【0080】
図1は、アニーリング前の構造、アニーリング後の構造、およびバルーン14に対する構造、すなわちステント12を示す。
【0081】
バルーン14は、それを用いてステント12が留置されることとなる、バルーンカテーテルのバルーンである。
【0082】
そうすることにより、そのようなアニーリングステップに曝した後、ステントをバルーンからずらすために必要とされることとなる移動力が増大することとなり、それに関し、その内径がdであろうステント12が、選択されたしぼんだバルーンの外径の範囲にもっと近づくと、バルーンカテーテルに一層強固に取り付けられる。
【0083】
図2は、アニーリングと関連した、移動力への効果を示す。一軸引張試験機を使用して、バルーン上に取り付けたステントを、拘束を通して引っ張る。このやり方で、バルーンからステントを引き出すために必要な力の量を測定する。ここでは、初期内径1.1mmを有する、アニールされていないステントは、バルーンカテーテル上でゆるすぎるため、拘束に達する前でさえも、バルーンから簡単に落ちることが分かった。初期内径1.1mmを有する、アニールされたステントは、強固に取り付けられており、バルーンカテーテルから引き出されるために0.5Nを必要とした。これは、バルーンカテーテル上のステントのアニーリングが、移動力を改善したことを確証した。
【0084】
図3は、バルーンの外径にもっと近い初期内径を有するステントを製造することにより、アニーリング後に移動力が、さらに改善さえされ得ることを示す。
【0085】
一実施形態では、例えば、加熱炉内の空気によるか、または液体による熱対流により、線維性管に熱を加えてもよい。
【0086】
他の実施形態では、ポリマーを局所加熱するために、バルーン上に取り付けた線維性管の一部を、カテーテルワイヤは除いて、導電性型上に配置してもよい。
【0087】
さらに他の実施形態では、線維性管のポリマーを加熱するのみでバルーンカテーテルの材料は加熱しないように波長が最適化された赤外光にポリマー線維性管を曝してもよい。
【0088】
線維性管の熱処理は、線維性管にわたって一様である必要はない。
【0089】
一実施形態では、線維性管の末端が、管の中心とは異なる熱処理を受けてもよい。さらに他の実施形態では、選択的熱パターンを線維性インプラントに適用してもよい。
【0090】
線維性管を直径でクリンプさせる能力の使用に加えて、加熱ステップを適用した場合、重大な効果は、線維性管が剛性を高めるであろうことである。
【0091】
その際、線維性管は、アニーリングステップ後にはアニーリングステップ前よりも大きい、外部印加された機械負荷を抑制できる。このやり方で、線維性管の強度を調整できる。一実施形態では、用途が狭窄病変を開放することである、臨床現場におけるステントとして線維性管を使用する。
【0092】
狭窄の重症度に応じて、この病変により外部印加される機械負荷は、ステントが耐え得る最大外部印加負荷を下回るべきであるが、製造の際にその線維性管のアニーリング法を調整することにより適合可能である。
【0093】
図4は、電界紡糸された試料の機械的特性に及ぼすアニーリング時間の効果に関するグラフを示す。
【0094】
ここで、アニーリング法の加熱時間を30分から60分に延長することによる機械的クラッシュ特性の向上。加熱時間の延長は、電界紡糸された構造を10%および20%のいずれかの水平クラッシュ圧縮に曝した場合に、クラッシュ力を上昇させる。
【0095】
左側は、10%の水平圧縮を伴う、30分(試料1=S1)のアニーリングの効果を60分(試料2=S2)と比べて示す。クラッシュが、およそ0.035N/mm(30分のアニーリングおよび10%の水平圧縮)のレベルから、0.06N/mm(60分のアニーリングおよび10%の水平圧縮)超に上昇する。
【0096】
右側は、20%の水平圧縮を伴う、30分のアニーリングの効果を60分と比べて示す。
【0097】
右側は、20%の水平圧縮を伴う、30分(試料3=S3)のアニーリングの効果を60分(試料4=S4)と比べて示す。クラッシュが、およそ0.085N/mm(30分のアニーリングおよび20%の水平圧縮)のレベルから、0.11N/mm(60分のアニーリングおよび20%の水平圧縮)超に上昇する。
【0098】
アニーリングの効果は、電界紡糸された構造の圧縮によりさらに高まり得ることが分かる(
図6も参照)。
【0099】
図5は、示差走査熱量測定により測定した、電界紡糸された試料に及ぼすアニーリングの効果に関するグラフを示す。
【0100】
示差走査熱量測定により測定して、アニーリングステップに曝した後、試料S5では、電界紡糸された構造(ここでは、電界紡糸された導管)のTgの、58.0℃に達する上昇が、32.9℃のTgを有するアニールされなかった試料(試料S6)と比べて、認められ得る。
【0101】
図6は、ステント術の用途に向けて「形状記憶」を誘導するための、電界紡糸された試料に及ぼすアニーリングの効果の略図を示す。
【0102】
図6では、形状記憶を誘導するために、アニーリングがどのように使用され得るかの方法を開示する。これは、移植目的の導管をクリンピングまたは圧縮する場合に、インプラントの配置と同時に、ステントのリコイルを制限するためにその形状記憶構成に戻ろうとするステント用途に向けて有益であろう。
【0103】
電界紡糸された試料は、ここでは、ステップAでの電界紡糸後に呼び径を有するステント12である。「形状記憶」を誘導するために、この状態でアニールする。
【0104】
次いで、アニーリング後、ステント12(基本的に、直径d1および壁厚T1を有する管状導管である)は、ステップBでのクリンピングにより、より小径に縮み、直径d2は減少したものの壁厚T2は増大した、留置の準備ができたステント構造をもたらす。壁厚T2は、壁厚T1よりも大きい。通常、この、クリンピングのステップは、それを用いてステント12が留置されることになる、バルーンカテーテルの非膨張バルーン上にステント12が配置されるように行われる。
【0105】
ステップCでは、ステント12を、膨張により留置する、例えば、血管内に移植する。そこでステントは、およそ36~37℃の温度に曝され、完全に濡れた状態である。
【0106】
そのような条件では、材料が、その呼び径に戻りやすく、それによって、ステント12自身が血管内壁に対して拡張することとなる状況が生じることとなるため、ステップDに示すように、自己固定効果が得られる。
【符号の説明】
【0107】
10 線維性構造
12 ステント
14 (バルーンカテーテルの)バルーン
d 線維性構造の内径
S1 試料1
S2 試料2
S3 試料3
S4 試料4
S5 試料5
S6 試料6
d1 直径
d2 直径
T1 壁厚
T2 壁厚
A ステップA
B ステップB
C ステップC
D ステップD-
【国際調査報告】