(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】拡散バリア形成のための方法及び湿式化学組成物
(51)【国際特許分類】
H01L 21/316 20060101AFI20240207BHJP
【FI】
H01L21/316 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547619
(86)(22)【出願日】2022-02-07
(85)【翻訳文提出日】2023-09-05
(86)【国際出願番号】 US2022015447
(87)【国際公開番号】W WO2022170169
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501407311
【氏名又は名称】マクダーミッド エンソン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ハートゥビーズ、リチャード、ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ヤルコブソン、エリック
(72)【発明者】
【氏名】スン、シャオペン
(72)【発明者】
【氏名】ウィルキンス、テイラー、エル.
(72)【発明者】
【氏名】ナジャール、エリー、 エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】シャオ、ウェンボー
【テーマコード(参考)】
5F058
【Fターム(参考)】
5F058BA10
5F058BA20
5F058BB01
5F058BB02
5F058BB06
5F058BC03
5F058BC04
5F058BD05
5F058BD06
5F058BF46
5F058BH05
5F058BJ02
(57)【要約】
湿式プロセスによって誘電体又は半導体基板上に拡散バリア層を形成する方法。本方法は、誘電体又は半導体基板を、上に拡散バリア層を堆積させるための基板を調製することが可能な1つ以上の吸着性促進成分を含む前処理水溶液で処理する工程と、処理された誘電体又は半導体基板を、その上の拡散バリア層に、(任意選択的に、1つ以上のドーピング金属と共に)マンガン化合物及び無機pH緩衝剤を含む堆積溶液と接触させる工程と、を含み、拡散バリア層が、酸化マンガンを含む。また、誘電体又は半導体基板を処理して、その上に拡散バリア層を形成するための二部品キットも含まれる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体又は半導体基板上に拡散バリア層を堆積させる方法であって、前記方法が、
a)前記誘電体又は半導体基板を前処理水溶液で処理することと、
b)前記処理された誘電体又は半導体基板を、マンガン化合物及び無機pH緩衝剤を含む堆積水溶液と接触させて、前記誘電体又は半導体基板上に前記拡散バリア層を堆積させることであって、前記拡散バリア層が、酸化マンガンを含む、堆積させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記誘電体又は半導体基板を、前記前処理水溶液で処理して、上に前記拡散バリア層を堆積させるために前記基板を調製し、前記前処理水溶液が、1つ以上の吸着性促進成分を含み、前記1つ以上の吸着性促進成分が、1つ以上のカチオン性窒素、ケイ素、及び/又は炭素系ポリマー若しくはオリゴマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記前処理水溶液が、1つ以上の追加の成分を含み、前記1つ以上の追加の成分が、アルカリ剤、吸着性向上剤、接着性促進剤、分散剤、乳化剤、カップリング剤、界面活性剤、銅源、塩化物源、及び先述のものの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記拡散バリア層を熱処理する工程を更に含み、前記熱処理工程が、フォーミングガス中でのアニーリングによって実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記アニーリング工程が、酸化マンガンをMn
xSi
yO
zに変換する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記基板が、酸化ケイ素、窒化ケイ素、水素化オキシ炭化ケイ素、SiCH、SiCNH、他の誘電体及び半導体材料、ケイ素系低誘電率誘電体、多孔質誘電体、超低誘電率誘電体材料、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、及び先述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される、誘電体又は半導体基板である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記基板を前記堆積水溶液と接触させた後に、前記基板が、水ですすがれる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基板を前記前処理積水溶液と接触させた後に、前記基板が、水ですすがれる、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上の接着性促進成分が、四級窒素系ポリマー、有機官能性シラン、シロキサン、ポリアクリレート、及び先述のもののうちの1つ以上の組み合わせを含むからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記マンガン化合物が、マンガン酸塩又は過マンガン酸塩化合物から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記マンガン化合物が、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸マグネシウム、過マンガン酸マグネシウム、過マンガン酸亜鉛、及び先述のものの組み合わせからなる群から選択される過マンガン酸塩化合物である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記無機pH緩衝剤が、ホウ酸、ホウ酸塩、リン酸、及びリン酸塩からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記マンガン堆積溶液のpHが、約2~約7である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記マンガン堆積溶液が、前記拡散バリア層の接着性、連続性、及び均一性を向上させるために、マンガンと共にドーピング共堆積金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
共堆積金属が、亜鉛、コバルト、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、レニウム、パラジウム、ロジウム、白金、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、チタン、ジルコニウム、タンタル、マグネシウム、及び先述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の金属を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記拡散バリア層の上に金属層を堆積させる工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記金属が、銅又は銅合金を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
誘電体又は半導体基板を処理して、その上に拡散バリア層を形成するための二部品キットであって、前記キットが、
a)上に酸化マンガンを堆積させるための前記基板を調製することが可能な、1つ以上の吸着性促進成分を含む、前処理水溶液と、
b)マンガン堆積溶液であって、前記マンガン堆積溶液が、マンガン化合物及び無機pH緩衝剤を含む、マンガン堆積溶液と、を含む、キット。
【請求項19】
前記吸着性促進成分が、1つ以上の窒素、ケイ素、及び/又は炭素系カチオン性ポリマー若しくはオリゴマーを含む、請求項18に記載のキット。
【請求項20】
前記前処理水溶液が、1つ以上の追加の成分を含み、前記1つ以上の追加の成分が、アルカリ剤、吸着性向上剤、接着性促進剤、分散剤、乳化剤、カップリング剤、界面活性剤、銅源、塩化物源、及び先述のものの組み合わせからなる群から選択される、請求項18に記載のキット。
【請求項21】
前記マンガン堆積溶液が、前記酸化マンガン膜の接着性、連続性、及び均一性を向上させるために、マンガンと共にドーピング金属を含み、共堆積ドーピング金属が、亜鉛、コバルト、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、レニウム、パラジウム、ロジウム、白金、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、チタン、ジルコニウム、タンタル、マグネシウム、及び先述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の金属を含む、請求項18に記載のキット。
【請求項22】
上に酸化マンガンを堆積させるための誘電体又は半導体基板を調製するための前処理水溶液であって、前記前処理水溶液が、1つ以上の吸着性促進成分を含み、前記1つ以上の吸着性促進成分が、1つ以上の窒素、ケイ素、及び/又は炭素系カチオン性ポリマー若しくはオリゴマーを含み、前記前処理水溶液が、
a.アルカリ剤、
b.吸着性向上剤、
c.界面活性剤、
d.銅イオン源、及び
e.塩化物源、から選択される1つ以上の成分を更に含む、前処理水溶液。
【請求項23】
請求項1に記載のプロセスによって形成された拡散バリア層を上に有する、誘電体又は半導体基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、相互接続製造のために誘電体及び半導体材料上に拡散バリアを形成する湿式方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路デバイスは、典型的には、半導体基板内又は半導体基板上に形成されたトランジスタ、キャパシタ、及び抵抗器などの回路素子を含む。相互接続構造は、ディスクリート回路素子を機能回路に電気的に結合又は接続するために使用される。
【0003】
これらの相互接続構造は、銅及びコバルトを含む様々な金属及び金属合金から製造することができる。金属としての銅は、銀に次いで2番目に最良の導体であり、多くの場合、多くのICメタライゼーション用途のための主要な導体金属として最も可能性の高い選択肢である。銅はまた、ボイド形成及び故障をもたらし得る拡散及びエレクトロマイグレーション(electromigration、EM)の傾向があることが周知であり、したがって、拡散バリア内に完全に封入する必要がある。したがって、これらの相互接続構造は、典型的には、タンタル又は窒化タンタル、及びそれらの組み合わせ(例えば、窒化タンタル/タンタル)などのバリア層を含む。
【0004】
バリア層の材料は、注意深く選択する必要がある。バリア層が厚すぎると、銅配線の一部分を占有し、実効配線抵抗を増加させる。一方、バリア層が薄すぎると、効率的な金属バリア層として機能せず、デバイス性能に影響を与え、低い信頼性を生じ得る。更に、デバイスサイズが縮小するにつれて、相互接続構造のためのバリア層及びキャップ層も縮小する(すなわち、より薄くなる)が、バリア特性を保持する必要がある。
【0005】
メタライゼーションは、半導体デバイスの製造シーケンスにおける重要な工程である。本発明は、SiO2、Si3N4、SixCyOZ、Si、Ge、GaAsなどの誘電体若しくは半導体材料、又はIC製造に使用される他の誘電体若しくは半導体材料上に、拡散バリア金属及び/又は金属酸化物を直接堆積させるために使用することができる、プロセス及び組成物を対象とする。
【0006】
従来、誘電体又は半導体材料上への金属又は金属酸化物の堆積のために、拡散バリア層は、物理蒸着(physical vapor deposition、PVD)、化学蒸着(chemical vapor deposition、CVD)、又は原子層堆積(atomic layer deposition、ALD)などの乾式真空プロセスを使用して堆積される。しかしながら、これらの乾式真空処理工程は、以下を含むいくつかの制限及び欠点を有する。
【0007】
真空プロセスは、湿式堆積法(電気化学堆積(electrochemical deposition、ECD)又は無電解堆積(electroless deposition、ELD)など)よりも顕著に高価である。乾式真空法は、これらの真空プロセスを実行し、維持するために、高度に特殊化され洗練された処理ツール、専用の送達インフラストラクチャを用いる特殊高純度ガス、前駆体材料、及び高純度ターゲット材料を必要とする。
【0008】
真空金属堆積速度は、非常に低い場合があり、したがって、真空処理時間は、湿式ECD/ELD工程の場合よりも真空工程の場合の方がはるかに長くなり得、それによって全体的なファブ生産性が低減する。
【0009】
IC形状が、新しい技術ノードごとにスケールダウンされるにつれて、導電性シード層の厚さと組み合わせた真空拡散バリアの均一な被覆率及び厚さは、困難を提示し、ひいては、後続のCu ECDメタライゼーションギャップ充填工程では問題となる。
【0010】
Ta及びTa窒化物などの真空拡散バリアは、Cuよりも低い導電率を有し、これらの層が、はるかに導電性の高いCuによって占有されていた可能性のある体積を占めるので、相互接続金属スタックの導電率を減少させる。
【0011】
MnxSiyOzを形成するために、乾式真空法(CVD、PVD、及びALD)によってSi上に堆積され、熱処理されたMn膜は、Cu拡散に対して優れた拡散バリア特性を有することが報告されている。しかしながら、これらの乾式真空法は、長い処理時間及び真空装置の使用を必要とする。
【0012】
したがって、これらの乾式真空法の欠点を克服する、マンガン膜を堆積させて誘電体又は半導体基板上に拡散バリア層を形成する方法を開発することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0013】
誘電体又は半導体材料上に、金属相互接続のための改善されたバリア層を提供するためのプロセスを提供することが、本発明の目的である。
【0014】
1つ以上の金属でドープすることができる誘電体又は半導体材料上に、金属相互接続のための酸化マンガンバリア層を調製するためのプロセスを提供することが、本発明の別の目的である。
【0015】
誘電体又は半導体材料上に、金属相互接続のための酸化マンガンバリア層を堆積させるための湿式プロセスを提供することが、本発明のなお別の目的である。
【0016】
金属化銅層などの金属化層のための酸化マンガンバリア層を提供するための湿式プロセスを提供することが、本発明のなお別の目的である。
【0017】
そのために、一実施形態では、本発明は、概して、誘電体又は半導体基板上に拡散バリア層を堆積させる方法に関し、方法が、
1.誘電体又は半導体基板を前処理水溶液で処理する工程と、
2.処理された誘電体又は半導体基板を、マンガン化合物及び無機pH緩衝剤を含む堆積水溶液と接触させて、誘電体又は半導体基板上に拡散バリアを堆積させる工程であって、拡散バリア層が、酸化マンガンを含む、工程と、
3.任意選択的に、その後堆積される銅への拡散バリア層の接着性を更に向上させるために、工程b)の後に工程a)を繰り返す工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下、本発明は、以下の図面を参照して、記載される。
【
図1】実施例1による誘電体表面上の緻密なMnO
2膜を示す、上から見たSEMを示す。
【
図2】実施例3による誘電体表面上の緻密なMnO
2膜を示す、上から見たSEMを示す。
【
図3】実施例4による露出ケイ素表面上の緻密なMnO
2膜を示す、上から見たSEMを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、湿式プロセスに基づいて、誘電体及び半導体材料上に、金属相互接続のための拡散バリア層を堆積させるための方法を対象とする。本発明の湿式プロセスは、顕著に短い処理時間及び関連する高い生産性、真空装置/使い捨て品の必要性の排除、並びに相互接続の高い導電性が挙げられる、拡散バリア層を形成する従来の乾式真空プロセスを上回るいくつかの重要な利点を提供する。
【0020】
本発明は、MnO2堆積のための湿式方法について記載しており、その後、真空、還元雰囲気、又は水素プラズマ中での熱処理の任意選択的な工程を伴う。
【0021】
マンガンは、そのバリア性能、接着性、連続性、核形成密度、及び均一性を向上させるために、1つ以上の金属でドープされ得る。ドーピング金属の例としては、亜鉛、コバルト、ルテニウム、パラジウム、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、チタン、タングステン、レニウム、タンタルなどが挙げられる。
【0022】
本明細書で使用する場合、「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「その(the)」とは、文脈がそうでない旨を明確に指示しない限り、単数及び複数の両方の指示対象を意味する。
【0023】
本明細書で使用する場合、「約」という用語は、パラメータ、量、持続時間などの測定可能な値を意味し、具体的に列挙された値の、及びその値からの、+/-15%以下の変動、好ましくは+/-10%以下の変動、より好ましくは+/-5%以下の変動、更により好ましくは+/-1%以下の変動、なおもより好ましくは+/-0.1%以下の変動を、このような変動が本明細書に記載される本発明で実施するために適切である限り、含むことを意味する。更に、修飾語「約」が意味する値は、それ自体が本明細書に具体的に開示されていることも理解されたい。
【0024】
本明細書で使用する場合、「下(beneath)」、「下方(below)」、「下側(lower)」、「上方(above)」、「上側(upper)」などの、空間に関する用語は、図で示されるように、別の要素又は特徴に対する1つの要素又は特徴の関係性について記載するための記載を容易にするために使用される。空間的に相対的な用語は、図内に図示される配向に加えて、使用中又は動作中のデバイスの異なる配向を包含することが意図され得る。例えば、図中のデバイスが裏返される場合、他の要素又は特徴部の「下方」又は「下」として記載される要素は、次いで、他の要素又は特徴部の「上方」に配向されることになる。したがって、「下」という例示的な用語は、上方及び下方の方向の両方を包含し得る。デバイスは、(90度で又は他の配向で回転させて)別様に配向されてもよく、及び空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈されて本明細書で使用されてもよい。「前部(front)」及び「後部(back)」という用語は、限定することを意図するものではなく、適切な場合に交換可能であることが意図されていることが更に理解される。
【0025】
本明細書で使用する場合、「含む(comprises)」及び/又は「含むこと(comprising)」という用語は、記載の特徴、整数、工程、動作、要素、及び/又は構成成分の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成成分、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しない。
【0026】
本発明は、概して、誘電体又は半導体基板上に酸化マンガンバリア層を堆積させる湿式方法に関する。MnxSiyOzが形成されると、拡散バリアとして機能し得る。
【0027】
一実施形態では、本発明は、概して、誘電体又は半導体基板上に拡散バリアを堆積させる方法に関し、方法が、
1.誘電体又は半導体基板を前処理水溶液で処理する工程と、
2.処理された誘電体又は半導体基板を、マンガン化合物及び無機pH緩衝剤を含む堆積水溶液と接触させて、誘電体又は半導体基板上に拡散バリアを堆積させる工程であって、拡散バリア層が、酸化マンガンを含む、工程と、
3.任意選択的に、その後堆積される金属(すなわち、銅)への拡散バリア層の接着性を更に向上させるために、工程b)の後に工程a)を繰り返す工程と、を含む。
【0028】
本明細書に記載されるように、前処理水溶液は、上に酸化マンガンを堆積させるための誘電体又は半導体基板を調製することが可能な、1つ以上の吸着性促進成分を含む。一実施形態では、1つ以上の吸着性促進成分は、1つ以上の窒素、ケイ素、及び/又は炭素(N、Si、及び/又はC)系カチオン性ポリマーを含む。これらの窒素、ケイ素、及び/又は炭素系カチオン性ポリマー若しくはオリゴマーは、典型的には、窒素、ケイ素、及び/又は炭素原子を含有するカチオン性官能基を有する。窒素系カチオン性官能基の場合、一級窒素原子、二級窒素原子、三級窒素原子、又は四級窒素原子であり得る。窒素、ケイ素、及び/又は炭素系カチオン性ポリマー若しくはオリゴマーは、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定して、約50~約1,000,000Daの範囲の平均分子量、より好ましくは約400~10,000の範囲の重量平均分子量を有し得る。一実施形態では、カチオン性ポリマー又はオリゴマーは、四級窒素系カチオン性ポリマー若しくはオリゴマー、又はケイ素系カチオン性ポリマー若しくはオリゴマーである。
【0029】
ポリマーは、窒素、ケイ素、及び/又は炭素系カチオン性官能基を含有するモノマーの重合によって形成され、このモノマーは、例えば、2~12個の炭素原子、より好ましくは2~8個の炭素原子を有するアルキレンイミン、アリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム塩、ビニルピリジン、リジン、メチルビニルピリジン、p-ビニルピリジン、シロキサン、及び先述のもののうちの1つ以上の組み合わせであり得る。
【0030】
窒素系カチオン性ポリマー及びオリゴマーの例としては、アミノ官能性置換ポリシロキサンポリマー、ポリエチレンイミン、メチルアミノエチル樹脂、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、及び他が挙げられる。オレフィンアルコールのエステル、アミノアルキルエステル、エーテルアルコールのエステル、シクロアルキルエステル、並びにUnion Carbide Corp.からNSR N-10、NSR N3000、及びNSR 301の商品名で入手可能な材料などのハロゲン化アルコールとポリエチレンオキシドとのエステルも、本発明の実施に使用することができ、例えば、その主題全体が参照により本明細書に組み込まれる、Catanoらの米国特許第6,375,731号に記載されている。
【0031】
一実施形態では、1つ以上の吸着性促進成分は、例として、限定されないが、Gelest N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン-プロピルトリメトキシシラン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン-(トリメトキシシリル)プロパン、オリゴマー共加水分解物、Gelest N-3-[(アミノ(ポリプロピレンオキシ)]アミノプロピルトリメトキシシラン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]ポリプロピレンオキシドジアミン又は3-アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、3-[トリス(メトキシエトキシエトキシ)シリル]プロピルアミン、9,9-ビス[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]-2,5,8-トリオキサ-9-シラドデカン-12-アミンなどのアミノ置換ポリシロキサンを含むポリシロキサン;γ-アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シランからなる群から選択され得る。アミノ官能性ポリシロキサンの一例は、Evonik Industries AGから入手可能な、Dynasylan(登録商標)Hydrosil 1151(水性3-アミノプロピルシラン加水分解物)の商品名で入手可能である。
【0032】
これらの吸着性促進成分は、水溶液中で単独で又は他の成分と組み合わせて使用することができる。一実施形態では、前処理水溶液は、1~500g/L、より好ましくは3~150g/L、より好ましくは25~125g/Lの濃度で、1つ以上のカチオン性窒素、ケイ素、及び/又は炭素系ポリマーを含む。
【0033】
1つ以上の追加の成分としては、1つ以上のアルカリ剤、吸着性向上剤、接着性促進剤、分散剤、乳化剤、カップリング剤、及び/又は界面活性剤を挙げることができる。任意選択的に、前処理水溶液はまた、第二銅イオン及び/又は塩化物源を含み得る。
【0034】
本発明による前処理溶液の一例は、
1つ以上の吸着性促進成分を含み、吸着性促進成分が、
a.アルカリ剤、
b.吸着性向上剤、
c.界面活性剤、
d.銅イオン源、
e.塩化物イオン源、のうちの1つ以上と組み合わせた、1つ以上のカチオン性窒素、ケイ素、及び/又は炭素系ポリマー若しくはオリゴマーを含む。
【0035】
好適なアルカリ源としては、限定されないが、アルカノールアミン、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、セスキ炭酸ナトリウム、セスキ炭酸カリウムなど、又はそれらの組み合わせ)、アルカリ金属ホウ酸塩(例えば、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウムなど、又はそれらの組み合わせ)、アルカリ金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウムなど、又はそれらの組み合わせ)など、又はそれらの組み合わせが挙げられる。1つの好ましい実施形態では、アルカリ源としては、アルカノールアミンが挙げられる。
【0036】
好ましい実施形態では、アルカリ源としては、エタノールアミン及び/又は炭酸塩を挙げることができ、これらは、単独で又は組み合わせて使用され得る。更に好ましい態様では、アルカリ源としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2-(2-アミノエトキシ)エタノール(DGA)、及び/又はアルカリ金属炭酸塩が挙げられる。使用される場合、アルカリ剤は、0.5~10g/Lの範囲、より好ましくは2~8g/Lの範囲内の濃度で前処理溶液中に存在し得る。
【0037】
吸着性向上剤は、好ましくは、トリエタノールアミン(triethanolamine、TEA)、ジエタノールアミン(diethanolamine、DEA)、3-アミノ-1-プロパノール、アミノ-2-プロパノールなどのアルカノールアミンからなる群から選択される。好ましい実施形態では、吸着性向上剤は、モノエタノールアミンとトリエタノールアミンとの混合物を含む。容易に明らかであるように、トリエタノールアミン及びジエタノールアミンは、アルカノールアミンであり、したがって、組成物中でアルカリ剤及び吸着性向上剤の両方として機能することができる。前処理溶液中で使用される場合、1つ以上の吸着性向上剤の濃度は、約0.01~約5g/L、より好ましくは約0.05~約0.5g/Lの範囲にあり得る。
【0038】
一実施形態では、界面活性剤は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含む。例えば、界面活性剤は、以下の一般式(1)によって表される界面活性剤を含み得る:
RO(CH2CH(CH3)O)x(CH2CH2O)yH (1)
【0039】
一般式(1)において、Rは、3~20個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくは12個の炭素原子を有するアルキル基であり、x及びyは、それぞれ、オキシプロピレン部分及びオキシエチレン部分の重合度を表す値である。一実施形態では、xは、約1~20、より好ましくは約3~10の値を有し、yは、約1~20、より好ましくは約3~10の値を有する。市販のポリオキシアルキレンアルキルエーテル化合物としては、例えば、全てKao Co.,Ltd.から入手可能なEMULGEN LS-106、EMULGEN LS-110、EMULGEN LS-114、及びEMULGEN MS-110が挙げられる。
【0040】
一実施形態では、界面活性剤は、接着性促進剤、分散剤、乳化剤、及び/又はカップリング剤の役割を果たすことができる。
【0041】
前処理溶液はまた、任意選択的ではあるが、好ましくは、銅源を含有する。一実施形態では、銅源は、硫酸銅五水和物、又は別の好適な銅塩である。
【0042】
前処理溶液はまた、任意選択的ではあるが、好ましくは、塩化物源を含有する。一実施形態では、塩化物源は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、塩化第二銅、又は別の市販の塩化物源からなる群から選択される。
【0043】
誘電体基板の表面を前処理するのに十分な時間の間、誘電体基板を前処理溶液に浸漬させるか、又は接触させることによって、誘電体又は半導体基板を前処理溶液と接触させる。吸着は、吸着/脱着速度平衡を生じる非常に迅速なプロセスである。この吸着/脱着平衡点に達したら、誘電体基板を、前処理溶液から取り出すことができる。一実施形態では、約15秒~約10分間、より好ましくは約20秒~約6分間、最も好ましくは約30秒~約4分間の間、誘電体基板を前処理溶液と接触させる。
【0044】
誘電体基板を前処理溶液と接触させている間、前処理溶液の温度は、典型的には、約20~約80℃、より好ましくは約40~約50℃の範囲に維持される。前処理溶液と接触させた後、誘電体基板は、好ましくは水、より好ましくは脱イオン水ですすがれて、誘電体基板から過剰な前処理溶液が除去される。
【0045】
この前処理工程は、酸化マンガン堆積のために誘電体又は半導体基板の表面を調製する。本明細書に記載の前処理工程を伴わない場合、酸化マンガン堆積は、一般に、非常に効果が低いであろう。
【0046】
誘電体又は半導体基板を前処理溶液と接触させ、次いですすいだ後、前処理された誘電体又は半導体基板を本明細書に記載の酸化マンガン堆積溶液と接触させる。
【0047】
酸化マンガン堆積溶液は、好ましくは、好適なマンガン化合物及び無機pH緩衝剤を含む。
【0048】
一実施形態では、マンガン化合物は、酸化剤である。例えば、マンガン化合物は、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、若しくは過マンガン酸マグネシウム、又はそれらの組み合わせなどのマンガン塩を含み得る。過マンガン酸ナトリウムが最も可溶性であるが、顕著な濃度でのその存在は、ダマシンプロセスにおいて望ましくない。したがって、過マンガン酸マグネシウム又は過マンガン酸亜鉛などの、代替的な過マンガン酸塩が好ましい。
【0049】
例えば、過マンガン酸亜鉛の場合、濃度は、好ましくは、約0.1~約5g/Lの範囲内である。
【0050】
マンガン堆積溶液は、無機pH緩衝剤も含み、これは、ホウ酸、ホウ酸塩、リン酸、又はリン酸塩であり得る。一実施形態では、無機pH緩衝剤は、ホウ酸であり、これは高温の過マンガン酸塩溶液中での酸化に対して非常に安定である。本発明の組成物中で使用され得る別の無機pH緩衝剤は、リン酸塩である。本明細書に記載される緩衝剤とは対照的に、多くの従来技術の緩衝剤は有機物であり、したがって酸化に対して脆弱である。過マンガン酸塩中のホウ酸の飽和点は、約15g/Lであるので、溶液中のホウ酸の好ましい濃度は、約5~15g/L、より好ましくは8~12g/Lの範囲内である。
【0051】
相互接続製造には、様々な誘電体基板を使用することができる。しかしながら、例えば、SiCO系低誘電率誘電体基板を含むそれらのいくつかに対して高い接着性を達成することは、困難であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、マンガンと共にドーピング化合物又はドーピング金属を共堆積させることは、酸化マンガン膜の接着性を向上させるのに有益である。
【0052】
これらのドーピング金属の例としては、限定されないが、亜鉛、コバルト、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、レニウム、パラジウム、ロジウム、白金、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、チタン、ジルコニウム、タンタル、マグネシウム、及び他の同様の金属が挙げられ、これらは単独で又は互いに組み合わせて使用され得る。好ましい実施形態では、共堆積されるドーピング金属は、亜鉛、コバルト、ニッケル、クロム、レニウム、パラジウム、ルテニウム、タングステン、チタン、ジルコニウム、タンタル、又はマグネシウムのうちの1つ以上を含む。
【0053】
共堆積されるドーピング金属の性質、起電列におけるその位置、及びその酸化状態の相対的安定性に応じて、その一部又は全てが、酸化物の形態であり得、いくつかの実施形態では、マンガン及びドーピング金属酸化物の両方は、フォーミングガス又は水素プラズマ中でのアニーリングによって金属に還元され得る。
【0054】
任意選択的に、ドーピング金属は、アミノボラン、ヒドラジン、水素化ホウ素、次亜リン酸塩、若しくは他の還元溶液に基づく湿式還元工程、又はフォーミングガス若しくは水素プラズマを使用する乾式還元工程を通じ得る、別個の後続工程で堆積され得る。
【0055】
マンガン堆積溶液中に含まれ得る他のドーピング金属としては、MnO2膜の厚さをより注意深く制御するために、核形成速度及び粒径を変更して、連続性、均一性を改善し、粗さを低減することができる金属が挙げられ、これは、特徴の形状に起因して重要である。これらのドーピング金属としては、限定されないが、例えば、モリブデン、ゲルマニウム、インジウム、ハフニウム、及び/又はバナジウムが挙げられる。
【0056】
あるいは、ドーピング金属は、ドーピング化合物としてマンガン堆積溶液に添加され得る。これらのドーピング化合物の例としては、限定されないが、塩化コバルト、硫酸コバルト、ヘキサフルオロジルコン酸、硫酸ジルコニウム、硫酸クロム、ヘキサフルオロチタン酸、スルファミン酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、硫酸パラジウム、タングステン酸アンモニウム、スルファミン酸ニッケル、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、塩化ルテニウム、塩化タンタル、モリブデン酸アンモニウム、硫酸アルミニウム、硝酸ガリウム、硫酸インジウム、酢酸ハフニウム、硫酸バナジルなどが挙げられる。別の実施形態では、ドーピング化合物は、チタン(4+)二水素ヘキサフルオリドなどのフッ化物塩である。
【0057】
任意選択的に、酸化マンガン堆積溶液は、ポリアクリレート/メタクリレートブロックコポリマーなどのアクリルブロックコポリマーを含み得る。
【0058】
酸化マンガン堆積溶液のpHは、それがマンガン酸化還元電位を制御し、したがって、様々なマンガン酸化状態間の平衡を決定し、ひいては酸化マンガン取り込みに影響を及ぼすので、非常に重要である。一実施形態では、酸化マンガン堆積溶液のpHは、好ましくは約2~約7、より好ましくは約3~約6、より好ましくは約3.5~約5.5である。堆積時間は、約0.5~約10分、より好ましくは約2~6分である。酸化マンガン堆積溶液の温度は、好ましくは約70~約100℃、より好ましくは約80~約90℃の範囲にある。
【0059】
堆積後、酸化マンガン層は、水ですすがれる。一実施形態では、酸化マンガン及び第2の共堆積金属が、別個の工程で堆積される場合、酸化物層は、各工程の後に水ですすがれ得る。
【0060】
一実施形態では、基板は、限定されないが、酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(例えば、Si3N4)、水素化オキシ炭化ケイ素(SiCOH)、SiCH、SiCNH、他の誘電体及び半導体材料、又は他の種類のケイ素系低誘電率誘電体(例えば、k<約4.0)、多孔質誘電体、又は既知のULK(超低誘電率)誘電体材料(k<約2.5)を含む、誘電体材料を含む誘電体基板である。誘電体層の厚さは、誘電体層内に形成されるメタライゼーションの垂直高さ(又は厚さ)を定義し、用途に応じて変動するであろう。別の実施形態では、基板は、ケイ素、ゲルマニウム、及びヒ化ガリウムからなる群から選択され得る、半導体材料である。他の誘電体及び半導体材料もまた、本明細書に記載の湿式プロセスを使用して処理して、その上に拡散バリア層を形成することができる。
【0061】
上に論じられるように、一実施形態では、その後堆積される金属層への拡散バリア層の接着性を更に向上させるために、前処理水溶液は、拡散バリアが堆積された後に誘電体又は半導体基板にその後適用され、この金属層は、銅であり得る。
【0062】
一実施形態では、接着性促進組成物を使用する追加の接着性促進工程が実施され得る。使用される場合、この工程は、前処理工程の前に、マンガン堆積工程の前に、又はマンガン堆積工程の後に実施され得る。使用される場合、この接着性促進組成物は、ポリアクリレートコポリマー及び界面活性剤を含む。好適な界面活性剤としては、限定されないが、ポリエーテルポリオール、ポリアクリレート、アルコールエトキシレート、EO/POブロックコポリマー、アミノプロピオン酸塩、スルホコハク酸塩、ラウラミンオキシド、及び他の同様の化合物が挙げられ、これらは単独で又は組み合わせて使用され得る。ポリアクリレートコポリマーの濃度は、約0,5~約10g/L、より好ましくは約0.5~約5g/Lの範囲にあり得る。界面活性剤の濃度は、約0.1~約10g/L、より好ましくは約0.5~約3.0g/Lの範囲にあり得る。
【0063】
拡散バリア層はまた、拡散バリア層を熱処理する工程を施され得、熱処理工程が、フォーミングガス中でのアニーリングによって実施される。このアニーリング工程は、酸化マンガンをMnxSiyOzに変換する。
【0064】
本発明はまた、概して、誘電体又は半導体基板を処理して、その上に酸化マンガンバリア層を形成するための二部品キットに関し、キットが、
a)上に酸化マンガンを堆積させるための基板を調製することが可能な、1つ以上の吸着性促進成分を含む、前処理水溶液と、
b)酸化マンガン堆積溶液であって、酸化マンガン堆積溶液が、マンガン化合物及び無機pH緩衝剤を含む、酸化マンガン堆積溶液と、を含む。
【0065】
加えて、上に論じられるように、酸化マンガン堆積溶液はまた、1つ以上の共堆積されるドーピング金属若しくはそれらの酸化物、又は1つ以上のドーピング化合物を含み得る。
【0066】
以下、本発明は、以下の非限定的な実施例に従って記載される。
【0067】
実施例1:
A.前処理溶液は、以下の表1に従って調製し、酸化マンガン堆積溶液は、以下の表2に従って調製した。
【0068】
【0069】
【0070】
誘電体基板は、以下のプロセスシーケンスに従って処理した。
プロセスシーケンス:
A)表面処理溶液#1、4分、50℃
B)脱イオン水(Deionized water、DIW)すすぎ
C)MnO2堆積溶液、4分、85℃
D)DIWすすぎ
E)N2乾燥
【0071】
試料表面分析:
5%(v/v)の過酸化水素と共に10%(v/v)の硫酸を含有する10mLの剥離溶液中で、ウエハクーポン試料を剥離した。誘導結合プラズマ(inductively coupled plasma、ICP)原子発光分光法によって0.5300mg/LのMnが検出された一方で、ブランク対照試料からは0.0500mg/L未満のMnが検出された。
【0072】
したがって、実施例1に記載のプロセスは、誘電体層の表面上に酸化マンガン層を生成した。
図1は、誘電体表面上のMnO
2膜を示す、上から見たSEM画像を示す。
【0073】
誘電体ウエハクーポンの代わりに露出ケイ素クーポンを使用して、この実施例を繰り返した。処理後、ケイ素クーポンに、Cu堆積及び400℃でのアニーリングを施した。その後、裏面上のケイ化銅形成についてクーポンを検査した。酸化マンガン膜は、効果的な拡散バリアとして機能することが見出された。
【0074】
実施例2:
前処理溶液は、以下の表3に従って調製し、酸化マンガン堆積溶液は、実施例1の表2に従って調製した。
【0075】
【0076】
実施例1に記載のプロセスシーケンスに従って、誘電体基板を処理した。
【0077】
実施例1と同様に、5%(v/v)の過酸化水素と共に10%(v/v)の硫酸を含有する10mLの剥離溶液中で、ウエハクーポン試料を剥離した。ICPによって0.0500mg/LのMnが検出された一方で、ブランク対照試料からは<0.0500mg/LのMnが検出された。
【0078】
誘電体ウエハクーポンの代わりに露出ケイ素クーポンを使用して、この実施例を繰り返した。処理後、ケイ素クーポンに、Cu堆積及び400℃でのアニーリングを施した。その後、裏側のケイ化銅形成について、クーポンを検査した。酸化マンガン膜は、効果的な拡散バリアとして機能することが見出された。
【0079】
実施例3:
前処理溶液は、以下の表4に従って調製し、酸化マンガン堆積溶液は、実施例1の表2に従って調製した。
【0080】
【0081】
誘電体基板は、以下のプロセスシーケンスに従って処理した。
プロセスシーケンス:
A)表面処理溶液、1分、RT
B)脱イオン水(DIW)すすぎ、20秒
C)MnO2堆積溶液、4分、85℃
D)軽いDIWすすぎ
E)硬化、10分、80℃
【0082】
実施例1と同様に、5%(v/v)の過酸化水素と共に10%(v/v)の硫酸を含有する10mLの剥離溶液中で、ウエハクーポン試料を剥離した。ICPによって0.1100mg/LのMnが検出された一方で、ブランク対照試料からは<0.0500mg/LのMnが検出された。
【0083】
図2は、誘電体表面上のMnO
2膜を示す、上から見たSEM画像を示す。
【0084】
誘電体ウエハクーポンの代わりに露出ケイ素クーポンを使用して、この実施例を繰り返した。処理後、ケイ素クーポンに、Cu堆積及び400℃でのアニーリングを施した。その後、裏面上のケイ化銅形成についてクーポンを検査した。酸化マンガン膜は、効果的な拡散バリアとして機能することが見出された。
【0085】
実施例4:
また、ウエハクーポン試料を露出ケイ素基板上に調製した。実施例1と同様に、5%(v/v)の過酸化水素と共に10%(v/v)の硫酸を含有する10mLの剥離溶液中で、ウエハクーポン試料を剥離した。ICPによって0.2300mg/LのMnが検出された一方で、ブランク対照試料からは<0.0500mg/LのMnが検出された。
【0086】
記載のプロセスは、誘電体及び半導体基板の両方に対して、上に金属層を堆積させるために効果的な酸化マンガンバリア層を堆積させることができる。
【0087】
図3は、露出Si基板上のMnO
2膜を示す、上から見たSEM画像を示す。
【0088】
実施例5:
前処理溶液は、以下の表5に従って調製し、酸化マンガン堆積溶液は、実施例1の表2に従って調製した。
【0089】
【0090】
実施例1に記載のプロセスシーケンスに従って、誘電体基板を処理した。
【0091】
実施例1と同様に、5%(v/v)の過酸化水素と共に10%(v/v)の硫酸を含有する10mLの剥離溶液中で、ウエハクーポン試料を剥離した。ICPによって0.0946mg/LのMnが検出された一方で、ブランク対照試料からは<0.0500mg/LのMnが検出された。
【0092】
誘電体ウエハクーポンの代わりに露出ケイ素クーポンを使用して、この実施例を繰り返した。処理後、ケイ素クーポンに、Cu堆積及び400℃でのアニーリングを施した。その後、裏側のケイ化銅形成について、クーポンを検査した。酸化マンガン膜は、効果的な拡散バリアとして機能することが見出された。
【0093】
実施例6.
ウエハクーポン試料を、実施例1からの表1に記載の溶液で前処理し、次いで、共堆積金属化合物を添加した実施例1からの表2に記載の酸化マンガン堆積溶液で処理した。試験した共堆積金属は、以下のものを含んでいた:
1.Zn、
2.Co、
3.Ti、
4.Zr、
5.Pd、
6.堆積を伴わないブランク誘電体対照試料
【0094】
実施例1に記載のプロセスシーケンスに従って、誘電体基板を処理した。
【0095】
ICPは、Zn、Co、Ti、Zr、及びPdを含ませた試料においてMnを検出した。値は、それぞれ0.171mg/L、0.292mg/L、0.396mg/L、0.458mg/L、0.31mg/Lであった。ブランク対照試料は、<0.05mg/LのMnのICP結果を有した。
【0096】
X線光電子分光法(X-ray photoelectron spectroscopy、XPS)を使用して、4つのウエハクーポン試料を分析した。それらのうちの2つを、実施例1からの表1に記載の溶液で前処理し、次いで、Znを添加した実施例1からの表2に記載のマンガン堆積溶液で処理し、他の2つは、堆積を伴わないブランク誘電体対照試料であった。共堆積MnZn膜を有する1つの試料調査は、13.7at%のMn及び0.9at%のZnを示し、他のMnZn試料は、14.4at%のMn及び1.2at%のZnを示した。
【0097】
誘電体ウエハクーポンの代わりに露出ケイ素クーポンを使用して、この実施例を繰り返した。処理後、ケイ素クーポンに、Cu堆積及び400℃でのアニーリングを施した。その後、裏側のケイ化銅形成について、クーポンを検査した。酸化マンガン膜は、効果的な拡散バリアとして機能することが見出された。
【0098】
実施例7:
HS-1151の濃度を30g/Lから15g/Lまで低減したことを除いて、実施例3からの表4に記載の溶液でウエハクーポン試料を前処理した。次いで、ウエハクーポン試料を酸化マンガン堆積溶液で処理した。試験した堆積溶液を、以下の表6及び表7に記載する。
【0099】
【0100】
【0101】
実施例3に記載のプロセスシーケンスに従って、誘電体基板を処理した。
【0102】
実施例1と同様に、5%(v/v)の過酸化水素と共に10%(v/v)の硫酸を含有する10mLの剥離溶液中で、ウエハクーポン試料を剥離した。コポリマー(1)及びコポリマー(2)で処理した試料についての検出されたMnのICP値は、それぞれ0.2070mg/L及び0.1570mg/Lであった。ブランク対照試料は、<0.0500mg/LのMnのICP結果を有した。
【0103】
記載のプロセスは、上に金属層を堆積させるために効果的な酸化マンガンバリア層を堆積させることができる。本明細書に記載の湿式プロセスは、誘電体/半導体基板と酸化マンガンバリア層との間の接着性を向上させた。
【0104】
誘電体ウエハクーポンの代わりに露出ケイ素クーポンを使用してこの実施例を繰り返した。処理後、ケイ素クーポンに、Cu堆積及び400℃でのアニーリングを施した。その後、裏面上のケイ化銅形成についてクーポンを検査した。酸化マンガン膜は、効果的な拡散バリアとして機能することが見出された。
【0105】
実施例8:
HS-1151の濃度を30g/Lから15g/Lまで低減したことを除いて、実施例3からの表4に記載の溶液でウエハクーポン試料を前処理した。次いで、ウエハクーポン試料を、以下の表8に記載の酸化マンガン堆積溶液で処理した。
【0106】
【0107】
適合する金属塩は、実施例6に見出すことができる。
【0108】
実施例3に記載のプロセスシーケンスに従って、誘電体基板を処理した。
【0109】
実施例1と同様に、5%(v/v)の過酸化水素と共に10%(v/v)の硫酸を含有する10mLの剥離溶液中で、ウエハクーポン試料を剥離した。ICP分析は、試料中に0.156mg/LのMnを検出した。ブランク対照試料は、<0.0500mg/LのMnのICP結果を有した。
【0110】
記載のプロセスは、上に金属層を堆積させるために効果的な酸化マンガンバリア層を堆積させることができる。本明細書に記載の湿式プロセスは、誘電体/半導体基板と酸化マンガンバリア層との間の接着性を向上させた。
【0111】
誘電体ウエハクーポンの代わりに露出ケイ素クーポンを使用して、この実施例を繰り返した。処理後、ケイ素クーポンに、Cu堆積及び400℃でのアニーリングを施した。その後、裏面上のケイ化銅形成についてクーポンを検査した。酸化マンガン膜は、効果的な拡散バリアとして機能することが見出された。
【0112】
実施例9:
HS-1151の濃度を30g/Lから15g/Lまで低減したことを除いて、実施例3からの表4に記載の溶液でウエハクーポン試料を前処理した。次いで、ウエハクーポン試料を、表2に記載の酸化マンガン堆積溶液で処理した。前処理の前、堆積工程の前、又は堆積工程の後のいずれかに適用することができる追加の工程を、以下の表9に記載する。
【0113】
【0114】
この追加の接着性促進工程を、周囲温度で1分間適用した。この追加の接着性促進工程を適用した後、クーポンをDI水ですすいだ。
【0115】
試験した界面活性剤を、以下に列挙する。
1.エチレンジアミン開始ポリエーテルポリオール
2.ポリアクリレート系界面活性剤
3.アルコールEO/PO
4.アミノプロピオン酸塩
5.スルホコハク酸塩
6.ラウラミンオキシド
【0116】
実施例1と同様に、5%(v/v)の過酸化水素と共に10%(v/v)の硫酸を含有する10mLの剥離溶液中で、ウエハクーポン試料を剥離した。この追加の接着性促進工程が前処理工程の前に適用された試料におけるTCP分析は、0.170mg/LのMnを検出した。この追加の接着性促進工程が堆積工程の前に適用された試料におけるICP分析は、0.116mg/LのMnを検出した。この追加の接着性促進工程が堆積工程の後に適用された試料におけるICP分析は、0.188mg/LのMnを検出した。ブランク対照試料は、<0.0500mg/LのMnのICP結果を有した。
【0117】
記載のプロセスは、上に金属層を堆積させるために効果的な酸化マンガンバリア層を堆積させることができる。本明細書に記載の湿式プロセスは、誘電体/半導体基板と酸化マンガンバリア層との間の接着性を向上させた。
【0118】
誘電体ウエハクーポンの代わりに露出ケイ素クーポンを使用して、この実施例を繰り返した。処理後、ケイ素クーポンに、Cu堆積及び400℃でのアニーリングを施した。その後、裏側のケイ化銅形成について、クーポンを検査した。酸化マンガン膜は、効果的な拡散バリアとして機能することが見出された。
【0119】
実施例10:
HS-1151の濃度を30g/Lから15g/Lまで低減したことを除いて、実施例3からの表4に記載の溶液でウエハクーポン試料を前処理した。次いで、ウエハクーポン試料を、以下の表10に記載の酸化マンガン堆積溶液で処理した。
【0120】
【0121】
実施例3に記載のプロセスシーケンスに従って、誘電体基板を処理した。
【0122】
実施例1と同様に、5%(v/v)の過酸化水素と共に10%(v/v)の硫酸を含有する10mLの剥離溶液中で、ウエハクーポン試料を剥離した。この試料について検出されたMnのICP値は、0.1940mg/Lであった。ブランク対照試料は、<0.0500mg/LのMnのICP結果を有した。
【0123】
その中に記載のプロセスは、上に金属層を堆積させるために効果的な酸化マンガンバリア層を堆積させることができる。本明細書に記載の湿式プロセスは、誘電体/半導体基板と酸化マンガンバリア層との間の接着性を向上させた。
【0124】
誘電体ウエハクーポンの代わりに露出ケイ素クーポンを使用して、この実施例を繰り返した。処理後、ケイ素クーポンに、Cu堆積及び400℃でのアニーリングを施した。その後、裏側のケイ化銅形成について、クーポンを検査した。酸化マンガン膜は、効果的な拡散バリアとして機能することが見出された。
【0125】
実施例11:
HS-1151の濃度を30g/Lから15g/Lまで低減したことを除いて、実施例3の表4に記載の溶液でウエハクーポン試料を前処理した。次いで、ウエハクーポン試料を、以下の表11に記載の酸化マンガン堆積溶液で処理した。
【0126】
【0127】
塩酸を使用して、堆積溶液のpHをpH3.5まで低減した。
【0128】
実施例3に記載のプロセスシーケンスに従って、誘電体基板を処理した。
【0129】
実施例1と同様に、5%(v/v)の過酸化水素と共に10%(v/v)の硫酸を含有する10mLの剥離溶液中で、ウエハクーポン試料を剥離した。ICPによって0.1912mg/LのMnが検出された一方で、ブランク対照試料からは<0.0500mg/LのMnが検出された。
【0130】
誘電体ウエハクーポンの代わりに露出ケイ素クーポンを使用して、この実施例を繰り返した。処理後、ケイ素クーポンに、Cu堆積及び400℃でのアニーリングを施した。その後、裏面上のケイ化銅形成についてクーポンを検査した。酸化マンガン膜は、効果的な拡散バリアとして機能することが見出された。
【0131】
次いで、実施例1~11に従って生成された試料に、拡散バリア性能評価を施した。試料を、PVDによって堆積される銅でコーティングし、電気化学堆積(electrochemical deposition、ECD)銅で電気めっきした。その後、500℃の熱アニーリング後の誘電体のシート抵抗(sheet resistance、Rs)を測定することによって、MnxSiyOz拡散バリアの性能を評価した。拡散バリア性能が乏しいことによって、シート抵抗の増加が生じ、表面から誘電体のバルクへの銅の拡散が示された。
【0132】
結果は、本明細書に記載のプロセスによって堆積されたMn系湿式拡散バリア膜が、優れたバリア性能を示すことができることを実証した。
【0133】
比較例1.
ウエハクーポン試料を、実施例1の表2に詳述した酸化マンガン堆積溶液でのみ処理した。
【0134】
誘電体基板は、以下のプロセスシーケンスに従って処理した。
プロセスシーケンス:
A.MnO2堆積溶液、4分、85℃
B.DIWすすぎ
C.N2乾燥
【0135】
実施例1と同様に、5%(v/v)の過酸化水素と共に10%(v/v)の硫酸を含有する10mLの剥離溶液中で、ウエハクーポン試料を剥離した。処理した試料について検出されたMnのICP値は、<0.0500mg/Lであった。ブランク対照試料は、<0.0500mg/LのMnのICP結果を有した。
【0136】
クーポンの裏面上のケイ化銅形成は、堆積された膜が拡散バリアとして機能しなかったことを示した。
【0137】
したがって、前処理工程を追加しなければ、プロセスは、効果的な酸化マンガンバリア層を堆積させることが可能ではない。
【0138】
比較例2.
前処理溶液は、実施例3に示される表4に従って調製した。酸化マンガン堆積溶液は、実施例1の表2に従って調製した。
【0139】
誘電体基板は、以下のプロセスシーケンスに従って処理した。
プロセスシーケンス:
A)表面処理溶液、1分、RT
B)脱イオン水(DIW)すすぎ、20秒
C)MnO2堆積溶液、4分、85℃
D)軽いDIWすすぎ
【0140】
実施例1と同様に、5%(v/v)の過酸化水素と共に10%(v/v)の硫酸を含有する10mLの剥離溶液中で、ウエハクーポン試料を剥離した。処理した試料について検出されたMnのICP値は、<0.0500mg/Lであった。ブランク対照試料は、<0.0500mg/LのMnのICP結果を有した。
【0141】
クーポンの裏面上のケイ化銅形成は堆積された膜が拡散バリアとして機能しなかったことを示した。
【0142】
プロセスは、効果的な酸化マンガンバリア層を堆積させることが可能ではない。十分なマンガンバリア層を堆積させるために、酸化マンガン堆積工程の後にウエハクーポン試料を硬化させる必要がある。
【0143】
したがって、本明細書に記載のプロセスは、上に金属層を堆積させるために効果的な酸化マンガンバリア層を堆積させることが可能である。実施例から分かるように、本明細書に記載のプロセスに従って処理された試料において、未処理試料と比較して、少なくとも0.05mg/L、又は少なくとも0.010mg/L、又は0.20mg/L、又は更には少なくとも0.50mg/Lの量でマンガンがICPによって検出された。本明細書に記載の湿式プロセスは、従来の方法とは対照的に、必要とする処理時間が顕著に短く、相互接続のより高い導電率を生じる。
【0144】
最後に、以下の特許請求の範囲は、言語の問題が含まれ得るので、本明細書に記載の本発明の一般的かつ具体的な特色の全て、及び本発明の範囲の全ての記載を網羅することを意図することも理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体又は半導体基板上に拡散バリア層を堆積させる方法であって、前記方法が、
a)前記誘電体又は半導体基板を前処理水溶液で処理することと、
b)前記処理された誘電体又は半導体基板を、マンガン化合物及び無機pH緩衝剤を含む堆積水溶液と接触させて、前記誘電体又は半導体基板上に前記拡散バリア層を堆積させることであって、前記拡散バリア層が、酸化マンガンを含む、堆積させることを含む、方法。
【請求項2】
前記誘電体又は半導体基板を、前記前処理水溶液で処理して、上に前記拡散バリア層を堆積させるために前記基板を調製し、前記前処理水溶液が、1つ以上の吸着性促進成分を含み、前記1つ以上の吸着性促進成分が、1つ以上のカチオン性窒素、ケイ素、及び/又は炭素系ポリマー若しくはオリゴマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記前処理水溶液が、1つ以上の追加の成分を含み、前記1つ以上の追加の成分が、アルカリ剤、吸着性向上剤、接着性促進剤、分散剤、乳化剤、カップリング剤、界面活性剤、銅源、塩化物源、及び先述のものの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記拡散バリア層を熱処理する工程を更に含み、前記熱処理工程が、フォーミングガス中でのアニーリングによって実施され、前記アニーリングステップが、酸化マンガンをMn
xSi
yO
zに変換する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基板が、酸化ケイ素、窒化ケイ素、水素化オキシ炭化ケイ素、SiCH、SiCNH、他の誘電体及び半導体材料、ケイ素系低誘電率誘電体、多孔質誘電体、超低誘電率誘電体材料、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、及び先述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される、誘電体又は半導体基板である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基板を前記堆積水溶液と接触させた後に、前記基板が、水ですすがれる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上の接着性促進成分が、四級窒素系ポリマー、有機官能性シラン、シロキサン、ポリアクリレート、及び先述のもののうちの1つ以上の組み合わせを含むからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記マンガン化合物が、マンガン酸塩又は過マンガン酸塩化合物から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記マンガン化合物が、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸マグネシウム、過マンガン酸亜鉛、及び先述のものの組み合わせからなる群から選択される過マンガン酸塩化合物である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記無機pH緩衝剤が、ホウ酸、ホウ酸塩、リン酸、及びリン酸塩からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記マンガン堆積溶液のpHが、約2~約7である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記マンガン堆積溶液が、前記拡散バリア層の接着性、連続性、及び均一性を向上させるために、マンガンと共にドーピング共堆積金属を含み、前記共堆積金属が、亜鉛、コバルト、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、レニウム、パラジウム、ロジウム、白金、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、チタン、ジルコニウム、タンタル、マグネシウム、及び先述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記拡散バリア層の上に金属層を堆積させる工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記金属が、銅又は銅合金を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
誘電体又は半導体基板を処理して、その上に拡散バリア層を形成するための二部品キットであって、前記キットが、
a)上に酸化マンガンを堆積させるための前記基板を調製することが可能な、1つ以上の吸着性促進成分を含む、前処理水溶液と、
b)マンガン堆積溶液であって、前記マンガン堆積溶液が、マンガン化合物及び無機pH緩衝剤を含む、マンガン堆積溶液と、を含む、キット。
【請求項16】
前記吸着性促進成分が、1つ以上の窒素、ケイ素、及び/又は炭素系カチオン性ポリマー若しくはオリゴマーを含む、請求項15に記載のキット。
【請求項17】
前記前処理水溶液が、1つ以上の追加の成分を含み、前記1つ以上の追加の成分が、アルカリ剤、吸着性向上剤、接着性促進剤、分散剤、乳化剤、カップリング剤、界面活性剤、銅源、塩化物源、及び先述のものの組み合わせからなる群から選択される、請求項15に記載のキット。
【請求項18】
前記マンガン堆積溶液が、前記酸化マンガン膜の接着性、連続性、及び均一性を向上させるために、マンガンと共にドーピング金属を含み、共堆積ドーピング金属が、亜鉛、コバルト、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、レニウム、パラジウム、ロジウム、白金、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、チタン、ジルコニウム、タンタル、マグネシウム、及び先述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の金属を含む、請求項15に記載のキット。
【請求項19】
上に酸化マンガンを堆積させるための誘電体又は半導体基板を調製するための前処理水溶液であって、前記前処理水溶液が、1つ以上の吸着性促進成分を含み、前記1つ以上の吸着性促進成分が、1つ以上の窒素、ケイ素、及び/又は炭素系カチオン性ポリマー若しくはオリゴマーを含み、前記前処理水溶液が、
a.アルカリ剤、
b.吸着性向上剤、
c.界面活性剤、
d.銅イオン源、及び
e.塩化物源、から選択される2つ以上の成分を更に含む、前処理水溶液。
【請求項20】
請求項1に記載のプロセスによって形成された拡散バリア層を上に有する、誘電体又は半導体基板。
【国際調査報告】