(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】電気巻線要素
(51)【国際特許分類】
H02K 3/04 20060101AFI20240207BHJP
H02K 3/14 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
H02K3/04 E
H02K3/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547849
(86)(22)【出願日】2022-02-07
(85)【翻訳文提出日】2023-09-20
(86)【国際出願番号】 EP2022052910
(87)【国際公開番号】W WO2022171580
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】300002942
【氏名又は名称】ザ ユニバーシティ オブ ブリストル
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】シンプソン, ニック
【テーマコード(参考)】
5H603
【Fターム(参考)】
5H603AA07
5H603BB01
5H603BB07
5H603BB12
5H603CA01
5H603CA05
5H603CB02
5H603CB03
5H603CC03
5H603CD11
5H603CE02
5H603CE05
(57)【要約】
本出願は、電気機械用の電気巻線要素(100;150;160)に関する。電気巻線要素(100;150;160)は、単一の細長い第1の導電部材を有する第1の端部分(105)と、第2の単一の細長い第2の導電部材を有する第2の端部分(106)と、第1の端部分(105)と第2の端部分(106)との間を導電的に接続するように電気的に並列に配置された複数の中間導電部材(120;152;162)を有する中間部分(107;108;151;160;161)と、を有する。本出願はまた、ステータ(20)および電気機械(10)に関する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械用の電気巻線要素であって、
単一の第1の導電部材を有する第1の端部分と、
単一の第2の導電部材を備える第2の端部分と、
前記第1の端部分と前記第2の端部分との間を導電的に接続するように電気的に並列配置で配置された複数の中間導電部材を備えるる中間部分と、
を備える、電気巻線要素。
【請求項2】
第1の端部分を有する第1の脚部と、
第2の端部分を有する第2の脚部と、
前記第1の脚部および第2の脚部の間の端部旋回部分と、
を備える、請求項1に記載の電気巻線要素。
【請求項3】
前記中間部分は、前記第1の端部分および前記端部旋回部の間の前記第1の脚部に規定される、請求項1又は2に記載の電気巻線要素。
【請求項4】
前記端部旋回部分は、単一の細長い導電部材を備える、請求項3に記載の電気巻線要素。
【請求項5】
前記中間部分は、第1の中間部分であり、前記電気巻線要素は、前記第2の脚部に規定され、電気的に並列配置に配置された複数の第2の中間導電部材を備える第2の中間部分を備える、請求項2~4のいずれか一項に記載の電気巻線要素。
【請求項6】
前記第2の脚部は、前記第1の脚部に対して少なくとも実質的に平行に延びる、請求項2~5のいずれか一項に記載の電気巻線要素。
【請求項7】
前記第1の端部分、前記第2の端部分および前記中間部分または各中間部分は、一体配置として形成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の電気巻線要素。
【請求項8】
前記第1の端部分、前記第2の端部分および前記中間部分または各中間部分は、一体に形成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の電気巻線要素。
【請求項9】
前記第1の端部分、前記第2の端部分および前記中間部分または各中間部分は、共に導電配置を規定し、前記電気巻線要素は、絶縁配置を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の電気巻線要素。
【請求項10】
前記絶縁配置、は、前記複数の中間導電部材間を電気的に絶縁する、請求項9に記載の電気巻線要素。
【請求項11】
前記中間部分は、転位された配置を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の電気巻線要素。
【請求項12】
前記複数の中間導電部材は、螺旋状の配置を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の電気巻線要素。
【請求項13】
前記中間部分は、少なくとも2つの中間セグメントを備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の電気巻線要素。
【請求項14】
前記中間部分は、前記少なくとも2つの中間セグメントの隣接する中間セグメント間にバッフルセグメントを備える、請求項13に記載の電気巻線要素。
【請求項15】
少なくとも1つの中間セグメントは、他の中間セグメントの少なくとも1つとは異なるジオメトリを備える、請求項13又は14に記載の電気巻線要素。
【請求項16】
異なるジオメトリは異なるピッチを備える、請求項15に記載の電気巻線要素。
【請求項17】
前記電気巻線要素は、前記電気巻線要素の長さに沿って、ほぼ一定の横断面積を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の電気巻線要素。
【請求項18】
前記電気巻線要素は、ヘアピン巻線要素である、請求項1~17のいずれか一項に記載の電気巻線要素。
【請求項19】
前記細長い導電部材の各々は、矩形のプロファイルを備える、請求項1~18のいずれか一項に記載の電気巻線要素。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の電気巻線要素を複数備える電気機械用ステータ。
【請求項21】
電気機械用ステータであって、
有効長を規定するステータコアと、
前記ステータコアから延びる第1の固体導電端部、前記ステータコアから延びる第2の固体導電端と、前記第1の端部と第2の端部との間の有効セクションを有する電気巻線部材であって、
前記有効セクションは、少なくとも実質的に前記ステータコアの有効長の長さに沿って細長い転位導電セクションを備える、電気巻線部材と、
を備える、ステータ。
【請求項22】
前記第1の固体導電端部は、隣接する電気巻線部材の隣接する接合端部分に接合するための接合端部分を規定し、前記第2の固体導電端部は、端部旋回部分を規定する、請求項21に記載のステータ。
【請求項23】
前記電気巻線部材は、第1の脚部と、第2の脚部と、前記第1の脚部と前記第2の脚部との間の端部旋回部分とを備え、前記細長い転位導電セクションが前記第1の脚部上にあるヘアピン部材である、請求項22に記載のステータ。
【請求項24】
請求項1~19のいずれか一項に記載の電気巻線要素と請求項21~23のいずれか一項に記載のステータとの少なくとも1つを備える電気機械。
【請求項25】
電気機械用の電気巻線要素であって、
固体導電性の第1の端部セクションと、
固体導電性の第2の端部セクションと、
前記固体導電性の第1の端部セクションおよび第2の端部セクションの間に導電的に接続された転位された導電性の細長い中間セクションと、
を備える、電気巻線要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]この出願は、電気巻線要素に関する。この出願はまた、ステータおよび電気機械に関する。
【0002】
【背景】
【0003】
[0002]電気機械は、典型的には、電磁コイルを形成するためにコイル巻線としても知られる巻線を備える。巻線は、たとえば、モータ、発電機および変圧器の磁場を提供する。回転システムのステータは、巻線とステータコアとを備えることができる。巻線は、異なる巻線構成をとることができる。回転システムのロータは、巻線を備えることができる。
【0004】
【概要】
【0005】
[0003]一態様によれば、電気機械用の電気巻線要素であって、単一の第1の導電性部材を含む第1の端部分と、単一の第2の導電性部材を含む第2の端部分と、第1の端部分と第2の端部分との間に導電的に接続される中間部分であって、電気的に並列に配置された複数の中間導電部材を含む、中間部分と、を備える。
【0006】
[0004]この配置は、変化する電流を運ぶときに誘導される表皮効果として知られる導電部材内の渦電流損失を低減するのに役立つ。
【0007】
[0005]複数の中間導電部材は、転位されてもよい。
【0008】
[0006]この配置は、寄生循環電流の低減を助ける。このような配置は、電気機械の損失を低減し、効率を向上させるのに役立つ。電気的に並列に配置された複数の中間導電部材を提供することによって、中間導電部材間に誘導される電圧が均衡し、循環電流が最小化され、したがって損失が最小化されることを確実にするのに役立つ。
【0009】
[0007]端部分に単一の導電性部材を設けることは、複数の巻線要素からの巻線構成の製造を助ける。
【0010】
[0008]単一の第1の導電性部材は、細長いものであってもよい。単一の第2の導電性部材は、細長いものであってもよい。各中間導電部材は、細長いものであってもよい。
【0011】
[0009]本明細書中で使用される場合、用語「電気的に並列な配置」は、複数の電気経路を形成する配置を意味し、電気的に並列な配置を形成する特徴は、必ずしも物理的に並列な配置ではない。
【0012】
[0010]本明細書で使用されるように、「~の間に導電的に接続された」という用語は、必ずしも2つの特徴部が間に直接接続されていることを意味するものではなく、そのような配置は、それらの間に一つ又は複数の特徴部を含んでもよい。
【0013】
[0011]複数の中間導電部材は、一致してもよい。各中間導電部材は、螺旋状であってもよい。このような螺旋配置は、例えば、矩形螺旋、円形螺旋、または他の螺旋形状であってよい。複数の中間導電部材は、多重螺旋配置を形成してもよい。
【0014】
[0012]第1の端部分は、単一の導電性経路を規定してもよい。第2の端部分は、単一の導電性経路を規定してもよい。
【0015】
[0013]第1の端部分は、中実部材であってもよい。第2の端部分は、中実部材であってもよい。各中間導電部材は、固体部材であってもよい。
【0016】
[0014]電気巻線要素は、第1の端部分を有する第1の脚部と、第2の端部分を有する第2の脚部と、第1の脚部と前記第2の脚部との間の端部旋回部分と、を備えてもよい。
【0017】
[0015]電気巻線要素は、複数の端部旋回部分を備えることができる。第1の端部分および第2の端部分のうちの少なくとも1つは、端部旋回部分であってもよい。第1の端部および第2の端部のうちの少なくとも1つは、脚部間の旋回部分を規定してもよい。
【0018】
[0016]中間部分は、第1の端部分と端部旋回部との間の第1の脚部に規定されてもよい。
【0019】
[0017]端部旋回部分は、単一の導電性部材を備えることができる。
【0020】
[0018]端部旋回部分は、単一の導電性経路を規定してもよい。
【0021】
[0019]端部旋回部分は、中実部材であってもよい。
【0022】
[0020]中間部分は、第1の中間部分であってもよく、電気巻線要素は、電気的に並列に配置された複数の第2の中間導電部材を含む第2の脚部に規定された第2の中間部分を含んでもよい。
【0023】
[0021]第2の脚部は、第1の脚部と少なくとも実質的に平行に延びることができる。
【0024】
[0022]第1の端部分、第2の端部分および各中間部分は、一体の構成要素として形成されてもよい。
【0025】
[0023]第1の端部分、第2の端部分および各中間部分は、一体に形成されてもよい。
【0026】
[0024]第1の端部分、第2の端部分、および各中間部分は、一緒に、導電性配置部を規定してもよく、電気巻線要素は、絶縁性配置部を備えてもよい。
【0027】
[0025]絶縁配置部は、複数の細長い導電性部材の間を電気的に絶縁することができる。
【0028】
[0026]本明細書で使用される場合、「電気的に絶縁する」という用語は、複数の細長い導電性部材の材料よりも大きな電気絶縁値を有する材料を意味する。
【0029】
[0027]絶縁配置部は、複数の細長い導電性部材の隣接する導電性部材を分離することができる。
【0030】
[0028]絶縁配置部は、絶縁コアを備えてもよい。
【0031】
[0029]絶縁コアは、中間部分の長さに沿って延びることができる。
【0032】
[0030]絶縁コアは、第1の端部および第2の端部の少なくとも一方の長さに沿って延びることができる。絶縁コアは、端部旋回部分の長さに沿って延びることができる。絶縁コアは、電気巻線要素の長さに沿って延びることができる。
【0033】
[0031]中間の細長い部分は、転位された配置を含むことができる。複数の細長い導電性部材は、螺旋配置を含むことができる。
【0034】
[0032]中間部分は、少なくとも2つの中間セグメントを含むことができる。少なくとも2つの中間セグメントは、細長い軸方向に互いに隣接して配列されてもよい。
【0035】
[0033]中間部分は、少なくとも2つの中間セグメントの隣接する中間セグメント間にバッフルセグメントを備えることができる。
【0036】
[0034]バッフルセグメントまたは各バッフルセグメントは、中間部分の細長い軸に対して垂直に延びることができる。
【0037】
[0035]少なくとも1つの中間セグメントは、他の中間セグメントの少なくとも1つとは異なるジオメトリを備えることができる。
【0038】
[0036]移行セグメントは、少なくとも2つの中間セグメントの間にあってよい。ジオメトリは、移行セグメント内の少なくとも2つの中間セグメントのジオメトリ間で移行することができる。
【0039】
[0037]異なる形状は、異なるピッチを備えることができる。
【0040】
[0038]中間セクションは、矩形のプロファイルを有してもよい。
【0041】
[0039]電気巻線要素は、電気巻線要素の長さに沿って実質的に一定の横断面積を有してよい。
【0042】
[0040]電気巻線要素は、ヘアピン巻線要素であってもよい。
【0043】
[0041]導電部材の各々は、矩形のプロファイルを備えることができる。
【0044】
[0042]一態様によれば、先行する請求項の複数の電気巻線要素を備えた電気機械用ステータが提供される。
【0045】
[0043]一態様によれば、任意の先行する請求項の複数の電気巻線要素を備えた電気機械用ロータが提供される。
【0046】
[0044]一態様によれば、電気機械用ステータであって、有効長を規定するステータコアと、ステータコアから延びる固体導電性の第1の端部と、ステータコアから延びる固体導電性の第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の有効セクションとを有する電気巻線要素と、を備え、有効セクションは、少なくとも実質的にステータコアの有効長の長さに沿って細長い転位された導電セクションを備える。
【0047】
[0045]細長い転位された導電セクションの長さは、ステータコアの有効長の長さよりも大きくてもよい。このような配置は、有効長の外側の漏れ磁場(fringing field)内の磁束が、電流のバランスを更にとるために、転位されたセクションによって捕捉されることを可能にするのに役立つ。細長い転位導電セクションの長さは、ステータコアの有効長よりも短くてもよい。各端部で有効長内に延びる固体導電性端部の一部分を有することは、転位された導電セクション上の曲げまたはねじれ操作によって引き起こされる損傷を制限および/または防止するのに役立ち得る。
【0048】
[0046]固体導電性の第1の端部は、隣接する電気巻線要素の隣接する接合端部に接合するための接合端部を規定することができ、固体導電性の第2の端部は、端部旋回部分を規定する。
【0049】
[0047]電気巻線要素は、第1の脚部、第2の脚部、および第1の脚部と第2の脚部との間の端旋回部分を備えたヘアピン要素であってもよく、細長い転位された導電セクションは第1の脚部上にある。
【0050】
[0048]細長い転位された導電セクションは、細長い転位された第1の導電セクションであってもよい。細長い転位された第2の導電セクションが第2の脚部上にあってもよい。
【0051】
[0049]第1の脚部は径方向内脚部であってよく、第2の脚部は径方向外脚部であってよい。ステータは、外ステータであってもよい。
【0052】
[0050]第1の脚部は径方向外脚部とすることができ、第2の脚部は径方向内脚部とすることができる。ステータは、内ステータであってもよい。
【0053】
[0051]一態様によれば、上述した電気巻線要素の少なくとも1つを備えた電気機械が提供される。
【0054】
[0052]電気機械は、ロータおよびステータを備えることができる。ロータとステータとの間に空隙を規定することができる。第1の脚部は、空隙近位脚部であってよい。第2の脚部は、空隙遠位脚部であってよい。すなわち、第1の脚部は第2の脚部よりも空隙に近い。
【0055】
[0053]一態様によれば、上述のステータと上述のロータとの少なくとも1つを備えた電気機械が提供される。
【0056】
[0054]一態様によれば、電気機械用の電気巻線要素であって、 固体導電性の第1の端部セクションと、固体導電性の第2の端部セクションと、固体導電性の第1の端部セクションおよび第2の端部セクションの間に導電的に接続された転位導電性の細長い中間セクションと、を備える。
【0057】
[0055]これら及び他の利点および特徴は、図面に関連した以下の説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
[0056]添付の図面を参照することによって、実施例としてのみ更に本発明を説明する。
【
図2】
図2は、複数の巻線要素を備えた
図1の電気モータの巻線の斜視図である。
【
図4】
図4は、
図2の巻線を含むステータの横断面側面図である。
【
図8】
図8は、
図3の巻線要素の脚部の端部分を通る横断面図である。
【
図9】
図9は、
図3の巻線要素の脚部の中間部分を通る横断面図である。
【
図10】
図10は、
図3の巻線要素の脚部の端部分の別の実施形態を通る横断面図である。
【
図11】
図11は、巻線要素の別の実施形態の脚部の一部の側面図である。
【
図13】
図13は、巻線要素の別の実施形態の脚部の一部の側面図である。
【
図14】
図14は、ステータの別の実施形態の横断面図である。
【0059】
【詳細な説明】
【0060】
[0058]電気モータ10を
図1に示す。電気モータ10は、ステータ20とロータ30とを備えている。シャフト40がロータ30から延びている。ステータ20とロータ30との間には空隙11が規定されている。電気モータ10は、回転機械である。電気モータ10は、電気機械である。電気モータ10は、多くの用途、例えば、電気車両牽引、補助モータ、航空機発電機、電気航空機プロパルサー、船舶用途、及び他の産業用及び家庭用用途に使用することができる。
【0061】
[0059]構成は本明細書では電気モータを参照して説明されるが、この構成は他の電気機械、たとえば、発電機およびインダクタに適用されてもよいことが理解されるであろう。さらに、そのような構成はステータ巻線に限定されず、実施形態ではロータ巻線に適用される。さらに、この構成は、外部ステータを参照して本明細書に記載されるが、他の構成、たとえば、内部ステータを有する構成が想定されることが理解されるであろう。本明細書では回転システムに関して説明するが、この構成はリニアシステムに適用されてもよいことが理解されるであろう。
【0062】
[0060]電気モータ10の巻線50が
図2に示されている。巻線50は、巻線要素100のアレイ51を含む。アレイ51は、巻線部材としても知られる複数の巻線要素100を備える。1つのそのような巻線要素100が、
図3に示される。電気モータ10のステータ20は、
図4に示される。ステータ20は、巻線50と、コアとも呼ばれるコアパック60とを含む。巻線要素100のアレイ51は、環を形成する。
【0063】
[0061]各巻線要素100は、巻線50の旋回部を形成する。隣接する巻線要素100は互いに電気的に接続されている。巻線50はヘアピン巻線であり、各巻線要素100はヘアピン巻線要素を形成している。他の構成も想定される。たとえば、実施形態における巻線は、集中巻線である。このような実施形態における各巻線要素は、複数の巻線を含む。旋回部は、共通の磁気軸を有してもよい。複数の集中コイルを電気的に直列および/または並列に接続して、グループ/位相を形成することができる。集中コイルは、個別にまたはグループ/位相で接続されてもよい。巻線要素100は、コアパック60内の対応するステータスロット61に受容される。各巻線要素100は、対応するステータスロット61内に摺動されて、巻線要素100を整列させる。従って、巻線要素100は、所望の構成で支持される。実施形態において、巻線要素100は、巻線要素100を置いて支持するために、歯などの部材上に摺動されてもよい。別の実施形態において、ステータは、スロットを持たない構成であり、たとえば、形成された支持体を有し、たとえば、ガラス繊維、複合材料、およびエポキシ樹脂のうちの一つ又は複数を使用して、巻線に機械的支持を提供する。巻線は、カプセル化されてもよい。
【0064】
[0062]ヘアピン巻線構成では、
図3に示すように、巻線要素100は、第1の脚部101および第2の脚部102を備える。第1の脚部101および第2の脚部102は、互いにほぼ平行に延びている。端部旋回部分103は、第1の脚部101と第2の脚部102との間に延びている。端部旋回部分103は、第1の脚部101および第2の脚部102をリンクする。第1の脚部101は、隣接する巻線要素100の第2の脚部分102に当接する。第1の脚部101および第2の脚部102は、互いに対して回転されて、隣接する第1脚部101および第2の脚部102の整列を補助し、巻線要素100の環を形成する。脚部の数が異なる場合がある。実施形態において、スロット当たりの脚部の数は異なってもよい。実施形態における端部旋回部分のジオメトリは、巻線要素間で異なってもよい。
【0065】
[0063]巻線要素100は、第1の端部分105と第2の端部分106とを備える。第1の端部分105は、第1の脚部101の自由端部にある。第2の端部分106は、第2の脚部102の自由端部にある。第1の脚部101および第2の脚部102は、実質的に直線軸に沿って延びる。脚部の軸は平行に延びているが、互いに離間されている。実質的に直線状の軸は、ステータスロットへの挿入を補助するが、脚部の構成は変化させることができ、湾曲または弓形の構成を含むことができることが理解されよう。
【0066】
[0064]端部旋回部分103は、第1の脚部101と第2の脚部102との間に延びている。端部旋回部分103は、ほぼV字形状の構成を有する。V字形状の構成は、第1の脚部101と第2の脚部102とを空間化する。端部旋回部分103は、第1の脚部101との接合部における第1の曲げ部109と、第2の脚部との接合部における第2の曲げ部110とを含む。中央曲げ部111は、端部旋回部分103の中間点に規定される。端部旋回部分103は、第1の脚部101と第2の脚部102との間に延びる円弧状配置のような異なる構成を有してもよいことが理解されるであろう。幾つかの実施形態において、巻線要素は、複数の巻線、たとえば、集中巻線を含み、第1端部分105及び第2の端部分106の一方又は両方が端部旋回部分である。このような配置では、端部分が自由端部として形成されない。このような端部分は、脚部間の旋回部分である。
【0067】
[0065]
図4に示すように、組み立てられたとき、アレイ51の各巻線要素100は、コアパック60によって受容される。ステータ20は、コアセクションとしても知られる有効長62を規定する。有効長62は、コアパック60の長さによって実質的に規定される。巻線要素100は、各端部でコアパック60から突出する。端部旋回部分103はコアパック60の一方の側から延び、第1の部分105および第2の部分106はコアパック60の対向する側から延びる。巻線100の端部旋回部分の側には、端部旋回セクション53が規定されている。巻線100の第1の部分側および第2の部分側は接合セクション54を規定する。有効長62は、端部旋回セクション53と接合セクション54との間で規定される。
図4に示す配置において、形成された位置にアレイ51の巻線要素100が示される。
図4の巻線要素100は、
図2の配置を操作することによって形成される。実施形態において、巻線要素100は、更なる形成ステップを必要としない。
【0068】
[0066]隣接する巻線要素100の隣接する第1の部分105および第2の部分106は、接合セクション54で接合される。隣接する巻線要素100の第1の部分105および第2の部分106は、ろう付け、溶着、機械的固定およびハンダ付けなどの接合技術によって接合される。実施形態における隣接する巻線要素100の第1の部分105および第2の部分106は、一体的に形成される。すなわち、特徴部は分離可能ではない。実施形態において、隣接する巻線要素100の第1の部分105および第2の部分106は、一体の構成要素として形成される。すなわち、巻線要素は、巻線部材としても知られる巻線要素間に接合部が規定されないように、たとえば、付加的な製造によって一緒に形成される。このような配置は、螺旋状の巻線を形成することができる。
【0069】
[0067]
図3および
図4に示されるような巻線要素は、第1の中間部分107および第2の中間部分108を有する。第1の中間部分107は、第1の脚部101に形成されている。第2の中間部分108は、第2の脚部102に形成されている。第1の中間部分107は、第1の端部分105と端部旋回部分103との間に延びている。第2の中間部分108は、第2の端部分106と端部旋回部分103との間に延びている。巻線要素100の中間部分の数および構成は異なってもよい。たとえば、
図14および
図15を参照して以下に説明するように、巻線要素100は、単一の中間部分を備えてもよいし、3つ以上の中間部分を備えてもよい。
【0070】
[0068]この配置において、端部旋回部は中間部分から間隔を置いて配置されるが、実施形態において、端部旋回部は中間部分を備え、さらに/または中間部分が端部旋回部内に延びる。このような配置は、冷却を強化するのに役立つ。
【0071】
[0069]第1の中間部分107の長さは、実質的に有効長62に対応する。第1の中間部分107は、有効長62と整列する。第2の中間部分108の長さは、実質的に有効長62に対応する。第2の中間部分108は、有効長62と整列する。
【0072】
[0070]巻線要素100は、矩形の横断面外プロファイルを有する。このような配置により、巻線50をコンパクトにすることができる。実施形態において、代替の横断面外プロファイルが想定される。第1の端部105及び第2の端部106並びに第1の中間部107及び第2の中間部108の横断面外プロファイルは、互いに対応している。端部旋回部分103の横断面外プロファイルは、第1の中間部107および第2の中間部108の横断面外プロファイルに対応する。巻線要素100は、長さ方向に沿って一様な横断面積を有する。実施形態において、横断面積および外プロファイルは、要素の部分間で異なってもよい。
【0073】
[0071]次に、
図5-
図9を参照して、中間部分107、108の構成を詳細に説明する。
図5および
図6では、第1の端部105と端部旋回部分103との間に1つの中間部分107が示されている。
図7には、中間部分107の一部の拡大図が示されている。
図8には、一端部分105の横断面図が示されている。
図9には、中間部分107の横断面図が示されている。
【0074】
[0072]中間部分107は、第1の端部分105および端部旋回部分103と一体の構成部品の一部として形成される。中間部分107は、複数の中間導電部材120を備える。第1の中間部分107は、複数の第1の中間導電部材120aを備える。第2の中間部分108は、複数の第2の中間導電部材120bを備える。中間導電部材120は、細長い。複数の中間導電部材120は、ほぼ軸方向に延びている。導電部材120は、斜めになっていてもよく、それは、電気モータ10の長手方向軸に対してある角度で延びている。
【0075】
[0073]複数の中間導電部材120は、導電配置部121を形成する。導電配置部121は、その長さに沿って複数の導電経路を規定する。導電配置部121は、電気的に平行な配置を有する。中間導電部材120は、それぞれ、第1の端部分105と端部旋回部分103との間を電気的に連通する。中間導電部材120は、実質的に螺旋状に配置されている。各中間導電部材120は、中間部分に沿った巻線経路を辿る。
図5および
図6に示すように、各中間導電部材120は、
図6および
図7に示すように、対向する側に沿って中間部分107の長手方向軸に対して弧状の角度方向に、および
図5に示すように、前側および後側に沿って長手方向軸に対して横断方向に延びる。中間導電部材120の各部は、対応する横断面積を有する。従って、中間導電部材120は、その長さに沿って一定の横断面積を有する。中間導電部材120のその長さに沿った構成、たとえば、中間導電部材120の各側における構成は、別の実施形態では異なっていてもよいことが理解されるであろう。したがって、以下に説明するように、中間導電部材120の寸法およびピッチを変更することができる。このような配置は、全体的な性能を最適化するのに役立つ。
【0076】
[0074]中間部分107は、寄生循環電流を低減または除去するのに役立ち、したがって、損失を低減し、効率を改善するのに役立つ。中間導電部材120は、転位された構成を備える。
【0077】
[0075]中間導電部材は、互いに離間されている。間隔123は、隣接する中間導電部材120の間に規定される。間隔123は、実質的に螺旋状の配置を有する。各間隔は、中間部分107に沿った巻線経路に従う。間隔123は、一定の間隔で配置される。
【0078】
[0076]中間部分107は、絶縁配置部130を備える。絶縁配置部130は、隣接する中間導電部材120間を電気的に絶縁するように作用する。絶縁配置部130は、隣接する中間導電部材120間の間隔123によって規定される。絶縁配置部130は、絶縁体131を備える。絶縁体131は、中間導電部材120間の間隔123に配列されている。絶縁体131は単一の本体であるが、実施形態では、複数の本体部分を備える。絶縁体131は、分かり易くするために
図5から
図7までは省略されているが、
図9に示されている。
【0079】
[0077]絶縁体131は、ポリマーコーティングなどの絶縁材料から形成される。絶縁材料は、フィルムであってもよい。絶縁体は、複数の層を備えることができる。絶縁材料は、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミド-イミド(またはポリアミド-ポリイミド)、ポリエステル、ポリウレタン、ナイロン、ガラス繊維、エポキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、アラミド紙およびマイカのうちの一つ又は複数を含むことができる。実施形態において、絶縁配置部130は、部分的または全体的に空隙によって形成される。たとえば、絶縁配置部は、隣接する中間導電部材間の空隙と共に、絶縁材料から形成された絶縁コアを含むことができる。
【0080】
[0078]コア132は、中間部分107に沿って延びる。コア132は、中間部分107の長手方向の軸線に沿って延びる。コア132は、絶縁体131の一部を形成する。絶縁体131は、隣接する中間導電部材120間に絶縁バリア133を備える。絶縁バリア133は、中間部分107の長さに沿って延びている。絶縁配置部は、複数の細長い導電部材の材料よりも大きな電気絶縁特性を有し、たとえば、実施形態において、導電部材120に使用される材料に応じて、金属材料を使用することができる。上記の配置は、ステータスロット内に高い導体対絶縁比を提供することを助け、したがって、出力密度を最大化するのを助けるように作用し得る。巻線要素100は、銅、アルミニウムおよび銀などの導電材料から形成される。
【0081】
[0079]この配置における絶縁体131は、中間部分107の長さに沿って延びる。
図8に示すように、絶縁体131は、端部分105内に延びていない。実施形態において、絶縁体131は、端部分105および端部旋回部分103の一方または両方に延びる。たとえば、
図10に示すように、一実施形態において、絶縁コア132は、端部分105内に延びる。
【0082】
[0080]第1の端部分105は、第1の単一の導電部材を規定する。第1の端部分105は、その長さに沿って単一の導電経路を形成する。第1の端部分105は、中実部材である。第2の端部分106は、第2の単一導電部材を規定する。第2の端部分106は、その長さに沿って単一の導電経路を形成する。第2端部分106は、中実部材である。セグメントに分けられた部分の各端部分に固体部材を提供することによって、熱性能を補助することが可能である。固体の端部分および/または端部旋回部分を設けることは、巻線要素100の直流抵抗を最小化するのに役立つ。
【0083】
[0081]各中間導電部材120は、単一の導電部材を規定する。中間導電部材120は、その長さに沿って単一の導電経路を形成する。中間導電部材120は、固体部材である。この配置は、たとえば、有効長において、大きな時間変動磁束密度の領域における交流損失の低減に役立つ。
【0084】
[0082]巻線要素の長さに沿って異なる構成を設けることにより、中間部分に対してより大きな導電横断面積に起因する端部分における直流損失成分の低減を助けることが可能である。
【0085】
[0083]次に
図11および12を参照して、巻線要素150の別の実施形態を説明する。巻線要素150は、上述した巻線要素の実施形態と実質的に同じであるので、詳細な説明は省略する。
図11において、巻線要素150の一部は、1つの中間部分151とともに示される。中間部分の数は異なってもよい。中間部分151は、端部分と端部旋回部分との間に配列されている。
【0086】
[0084]中間部151は、端部および端部旋回部分(図示せず)とともに一体の構成要素の一部として形成されている。中間部分151は、複数の中間導電部材152を備える。中間導電部材152は、細長い。複数の中間導電部材152は、ほぼ軸方向に延びている。
【0087】
[0085]中間部分151は、複数の中間セグメントを含み、本実施形態では、第1の中間セグメント153、第2の中間セグメント154および第3の中間セグメント155である。中間セグメント153、154、155の数は異なってもよい。中間セグメント153、154、155は、軸方向に隣接して配列されている。中間導電部材152の数は、中間導電セグメント153、154、155の間で異なってもよい。
【0088】
[0086]中間導電部材152は、端部材と端部旋回部分との間に延びる。移行セグメント156、157は、隣接する中間セグメント153、154、155の間に延びている。中間セグメント153、154、155は、隣接する各中間セグメント153、154、155とは異なるジオメトリを有する。中間部分151のジオメトリは、移行セグメント156、157でジオメトリ間を移行する。移行セグメント156、157は、隣接する中間セグメントのジオメトリを混合することができる。実施形態における移行セグメントは、以下に説明するようにバッフルセグメントである。1つの移行セグメント156のクローズアップが
図12に示される。
【0089】
[0087]
図11および
図12に示す実施形態において、第1の中間セグメント153は、第2の中間セグメント154とは異なるピッチを有する。本実施形態において、第1の中間セグメント153は、第2の中間セグメント154よりもピッチが大きい。第3の中間セグメント155の構成は、第1の中間セグメント153の構成に対応する。したがって、第2の中間セグメントは、異なるジオメトリの中間セグメントを2つの外セグメントに規定する。各中間セグメントは、互いに異なるピッチを有してもよい。セグメント間のジオメトリの変化は、中間導電部材152のピッチの変化に限定されないことが理解されるであろう。たとえば、中間導電部材152の横断面寸法は、異なる中間セグメント間でその長さに沿って異なる可能性がある。実施形態における異なるジオメトリは、たとえば、
図11に示されるように、異なる長さの中間セグメントを含む。移行セグメントの長さは異なる場合がある。中間導電部材152の数は、中間導電セグメント153、154、155の間で異なってもよい。
【0090】
[0088]
図11に示す配置において、第1の中間セグメント153および第3の中間セグメント155は、有効長の範囲まで延びる。中間部分は、その長さに沿って、衝突磁場の強さに依存して形状が異なる。従って、巻線要素の形状を、その長さに沿った衝突磁場に依存してカスタマイズすることが可能である。
【0091】
[0089]次に
図13を参照して、巻線要素160の別の実施形態を説明する。巻線要素160は、上述した巻線要素の実施形態と実質的に同じであるので、詳細な説明は省略する。
図13では、巻線要素160の一部が1つの中間部分161とともに示されている。中間部分の数は異なってもよい。中間部分161は、端部分105と端部旋回部分103との間に配列されている。
【0092】
[0090]中間部分161は、端部分105および端部旋回部分103とともに一体の構成要素の一部として形成される。中間部分161は、複数の中間導電部材162を備える。中間導電部材162は、細長い。複数の中間導電部材162は、ほぼ軸方向に延びている。
【0093】
[0091]中間部分161は、複数の中間セグメントを備え、この実施形態では、第1、第2、第3および第4中間セグメント163である。中間セグメント163の数は異なっていてもよい。中間セグメント163は、軸方向に隣接して配列されている。各中間導電部材162は、中間導電部材162を横切って延びている。
【0094】
[0092]中間導電部材162は、端部材105と端部旋回部分103との間に延びている。本実施形態において、中間セグメント163は、隣接する各中間セグメント163と同じジオメトリを有する。隣接する中間セグメント161のジオメトリは異なっていてもよい。移行セグメントは、隣接する中間セグメント163の間に延びている。移行セグメントは、バッフル166である。
【0095】
[0093]各バッフルまたはバッフルセグメント166は、隣接する中間導電部材162間の間隔のブレーク(break)を備える。バッフル166は、固体セクションを形成する。各バッフルセグメント166は、中間部分160の細長い軸に対して垂直に延びる。
【0096】
[0094]各バッフルセグメント166は、中間部分160を中間セグメントに細分化する固体導体材料の短いセクションを備える。バッフルセグメント166は、転位された配置に機械的支持の利益を提供するのに役立つ。バッフル配置は、中間部分160を偶数の同一のセグメント化されたセクションに分割する。このような配置は、電磁気的利益を提供するのに役立つ。実施形態において、バッフル配置は、中間部分160を奇数の同一のセグメント化されたセクションに分割する。
【0097】
[0095]上述し、
図14および
図15を参照して説明するように、組み立てられたとき、アレイ51の各巻線要素100は、コアパック60によって受容される。ステータ20は、有効長62を規定する。巻線要素100は、各端部でコアパック60から突出する。端部旋回部分103はコアパック60の一方の側から延び、第1の部分105および第2の部分106はコアパック60の対向する側から延びる。上述したように、第1の脚部101および第2の脚部102はそれぞれ、対応する中間部分107、108を有し、対応する第1の中間部分107および第2の中間部分108は同じジオメトリを有する。実施形態において、第2の中間部分108は、第1の中間部分107とは異なるジオメトリを有する。たとえば、実施形態における第1の中間部107のピッチは、第2の中間部108のピッチよりも大きい。代替的に又は追加的に、中間導電部材の数は異なっていてもよい。たとえば、実施形態における第1の中間部分107の中間導電部材の数は、第2の中間部分108の中間導電部材の数よりも多い。
【0098】
[0096]
図14および
図15に示すように、第1の脚部101は、第2の脚部102から径方向内部にある。第1の脚部101は、第2の脚部102よりもステータとロータとの間の空隙に近い。
図14および
図15に示す実施形態において、第2の脚部102は、中間部分を有することなく形成される。固体脚部を使用することは、たとえば、より大きな横断面積を提供することによって、DC損失の低減を助け、また、より低い熱抵抗を有する固体導体から生じる熱伝導率を増加させるのに役立ち、システムの利点を提供することが可能である。
【0099】
[0097]上述した実施形態において、巻線要素は離散要素であるが、別の実施形態において、巻線要素は一体の構成要素として形成されることが理解されよう。すなわち、巻線要素は、巻線部材としても知られる巻線要素間に接合部が規定されないように、例えば付加的な製造によって一緒に形成される。異なる製造手段、例えば、金属添加剤の製造、及び間隔を形成するためのレーザー彫刻のような高度な成形及び切断が考えられる。
【0100】
[0098]上述の配置は、導体が時間的に変化する磁界に晒される電磁デバイスに一般的に適用可能である。
【0101】
[0099]この開示は、限定された数の実施形態のみに関連して詳細に提供されるが、本開示がそのような開示された実施形態に限定されないことは容易に理解されるべきである。むしろ、この開示は、これまで記載されていないが、特許請求の範囲の精神および範囲に相応する任意の数の変形、変更、代替または同等の配置を組み込むように修正することができる。さらに、この開示の様々な実施形態が説明されてきたが、例示的実施形態は、説明された例示的態様の幾つかのみを含み得ることが理解されるべきである。従って、この開示は、前述の説明によって限定されるとは考えられないが、添付の特許請求の範囲の範囲によってのみ限定される。
【国際調査報告】