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特表2024-506916PTCヒータ要素、電気ヒータ装置及びPTCヒータ要素を使用する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】PTCヒータ要素、電気ヒータ装置及びPTCヒータ要素を使用する方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/14 20060101AFI20240207BHJP
   H05B 3/03 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
H05B3/14 A
H05B3/03
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548815
(86)(22)【出願日】2022-02-14
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 EP2022053499
(87)【国際公開番号】W WO2022171857
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】102021103480.9
(32)【優先日】2021-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518379278
【氏名又は名称】テーデーカー エレクトロニクス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】コイニー,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】クレン,ミハエル
(72)【発明者】
【氏名】パフ,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ビグル,シュテファン
【テーマコード(参考)】
3K092
【Fターム(参考)】
3K092PP15
3K092QA06
3K092QB21
3K092QB43
3K092QB45
3K092QC24
3K092RF17
3K092RF22
3K092VV04
(57)【要約】
電気ヒータ装置のためのPTCヒータ要素(1)が記載され、PTCヒータ要素(2)は、
- 少なくとも1つのPTC要素(2)であって、少なくとも1つの電極(3)が、PTC要素(2)の電気コンタクトのために前記PTC要素(2)の表面(2a,2b,2c))上に形成されている、少なくとも1つのPTC要素(2)と、
- PTC要素(2)の電極(3)の電気接続のための、少なくとも1つのさらなるコンタクト(4)と、
- 電気絶縁性に形成されている少なくとも1つのキャリア層(5)と、を備え、
PTC要素(2)の厚さ(d)は、≦500μmであり、
PTCヒータ要素(1)の高さ(H)は500μmと2500μmとの間である。
さらに電気ヒータ装置及びPTCヒータ要素(1)を自動車に使用する方法について記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気ヒータ装置のためのPTCヒータ要素(1)であって、
- 少なくとも1つのPTC要素(2)であって、少なくとも1つの電極(3)が前記PTC要素(2)の電気コンタクトのために前記PTC要素(2)の表面(2a,2b,2c))上に形成されている、少なくとも1つのPTC要素(2)と、
- 前記PTC要素(2)の前記電極(3)の電気接続のための、少なくとも1つのさらなるコンタクト(4)と、
- 少なくとも1つのキャリア層(5)であって、前記キャリア層(5)は電気絶縁性に形成されている、少なくとも1つのキャリア層(5)と、を備え、
前記PTC要素(2)の厚さ(d)は、≦500μmであり、
前記PTCヒータ要素(1)の高さ(H)は500μmと2500μmとの間である、
PTCヒータ要素。
【請求項2】
前記PTCヒータ要素(2)の横方向寸法(L)は、両方向において、10mmと250mmとの間である、
請求項1記載のPTCヒータ要素。
【請求項3】
前記少なくとも1つの電極(3)は前記少なくとも1つのPTC要素(2)の表面上に平坦に形成されたものである、
請求項1又は2記載のPTCヒータ要素。
【請求項4】
前記PTC要素(2)の上面(2a)及び/又は下面(2b)上にそれぞれ少なくとも1つの電極(3)が形成されているか、及び/又は、前記PTC要素(2)の側面(2c)に電極(3)が形成されている、
請求項1乃至3いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項5】
前記少なくとも1つの電極(3)は、ストリップ形状、矩形状、櫛形状、又はインターディジタル構造として形成されており、及び/又は、
前記電極(3)は前記PTC要素(2)の前記表面(2a,2b,2c)上に、スパッタリング、メッキ、プリンティング又はドクターブレードやスキージによりコーティングされたものである、
請求項1乃至4いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項6】
前記さらなるコンタクト(4)は自立するように形成されているか、又は前記さらなるコンタクト(4)は前記キャリア層(5)上にスパッタリング、プリンティング又はドクターブレードやスキージによってコーティングされたものである、
請求項1乃至5いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項7】
前記さらなるコンタクト(4)は前記キャリア層(5)に統合されており、前記さらなるコンタクト(4)は前記キャリア層(5)の表面(5a)の≦50μm下方に配置されている、
請求項1乃至5いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項8】
前記さらなるコンタクト(4)の幾何学的形状は前記PTC要素(2)の前記電極(3)の幾何学的形状に適合している、
請求項1乃至7いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項9】
前記さらなるコンタクト(4)の厚さは<10μmである、
請求項1乃至8いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項10】
前記少なくとも1つのさらなるコンタクト(4)は、クランプ、接着、焼結、又は高温はんだ付けによって、前記少なくとも1つの電極(3)に導電的に接続されている、
請求項1乃至9いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項11】
前記キャリア層(5)は高熱伝導性を有するセラミック材料及び/又は耐熱性プラスチックを含む、
請求項1乃至10いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項12】
前記キャリア層(5)はAlN、Si、Al、又はSiCを含み、及び/又は、前記キャリア層(5)は、ポリイミド又はエポキシ樹脂を含む、
請求項1乃至11いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項13】
前記キャリア層(5)は150μmと1000μmとの間の厚さを有する、
請求項1乃至12いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項14】
PTCヒータ要素(1)のさらなるコンタクトのために、前記キャリア層(5)の表面(5a)上に少なくとも1つの金属層(6)をさらに備える、
請求項1乃至13いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項15】
前記金属層(6)は1μmと100μmとの間の厚さを有する、
請求項14記載のPTCヒータ要素。
【請求項16】
前記少なくとも1つのPTC要素(2)は、セラミック材料、金属セラミック材料、又は、有機セラミック材料を含む、
請求項1乃至15いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項17】
前記少なくとも1つのPTC要素(2)の材料は低い比抵抗を有する、
請求項1乃至16いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項18】
前記少なくとも1つのPTC要素(2)の材料はビスマス及び鉛を含まない材料を含む、
請求項1乃至17いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項19】
前記少なくとも1つのPTC要素(2)は低温PTC要素である、
請求項1乃至18いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項20】
前記PTC要素(2)の厚さ(d)は≦250μmである、
請求項1乃至19いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項21】
少なくとも1つのPTC要素(2)及び/又は少なくとも1つのキャリア層(5)は、面平行に形成されている、
請求項1乃至20いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項22】
前記少なくとも1つのPTC要素(2)は<100μmの面平行性を有し、及び/又は、前記少なくとも1つのキャリア層(5)は<500μmの面平行性を有する、
請求項21記載のPTCヒータ要素。
【請求項23】
前記少なくとも1つのPTC要素(2)は少なくとも部分的に前記キャリア層(5)の中に埋め込まれている、
請求項1乃至22いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項24】
複数のPTC要素(2)を備え、
相前後して連続する2つのPTC要素(2)の間の中空空間は耐熱性の充填材で充填されている、
請求項1乃至23いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項25】
複数のPTC要素(2)を備え、
相前後して連続する2つのPTC要素(2)の間の中空空間は、それぞれのPTC要素(2)のコンタクトのために、電極(3)で充填されている、
請求項1乃至24いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項26】
前記それぞれのPTC要素のコンタクトは前記PTC要素(2)の端面から行われる、
請求項25記載のPTCヒータ要素。
【請求項27】
複数のさらなるコンタクト(4)を備え、
それぞれの前記さらなるコンタクト(4)はストリップ形状に形成されている、
請求項1乃至26いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項28】
前記さらなるコンタクト(4)は前記PTC要素(2)の上面(2a)及び下面(2b)上に交互に形成されたものである、
請求項27記載のPTCヒータ要素。
【請求項29】
前記少なくとも1つのPTC要素(2)と前記少なくとも1つのさらなるコンタクト(4)との間の電気接続のために少なくとも1つの接続要素(10)をさらに含む、
請求項1乃至28いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項30】
前記少なくとも1つの接続要素(10)はストリップ形状に形成されたものである、
請求項29記載のPTCヒータ要素。
【請求項31】
複数の接続要素(10)を備え、
それぞれの前記接続要素(10)は、少なくとも、前記PTC要素(2)のそれぞれの前記さらなるコンタクト(4)とそれぞれの前記電極(3)との間に形成されたものである、
請求項29又は30記載のPTCヒータ要素。
【請求項32】
前記少なくとも1つの接続要素(10)は導電性接着剤を含む、
請求項29乃至31いずれか1項記載のPTCヒータ要素。
【請求項33】
- 少なくとも1つの、請求項1乃至32いずれか1項記載のPTCヒータ要素(1)と
- 熱を排出する面を有する少なくとも1つの要素と、
を備える、電気ヒータ装置。
【請求項34】
自動車内で請求項1乃至32いずれか1項記載のPTCヒータ要素を使用する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒータ要素、特にPTCヒータ要素に関する。
本発明はさらに、PTCヒータ要素を備える電気ヒータ装置に関する。
本発明はさらに、自動車、例えば電気自動車へのPTCヒータ要素を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PTC(「正温度係数(Positive Temperature Coefficient)」:サーミスタ(Kaltleiter))ヒータ要素を装備したヒータレジスタは、その温度依存性抵抗としての特性により、一定の温度に達すると自動的に消費電力が制限されるという利点がある。この特性は、ヒータレジスタの過負荷を避けるための安全機能としてだけでなく、自己調整効果により駆動制御を非常にシンプルにする。。
【0003】
電気自動車での使用は、高電圧バッテリ(200~400V、場合によっては800V)で直接レジスタを動作させることを示唆している。このため、絶縁強度を相応に設計する必要がある。通常、PTC要素は対向する2つの面上で導体路によって電気的にコンタクトしている。導体路は基板によって担持され、反対側で発生する熱をデカップリングする。
【0004】
デカップリング可能な熱出力は、上述の層構造を通る熱経路に強く依存する。熱は、発生点(PTC)からコンタクトを介して、基板を通って抽出表面又はデカップリング表面(Auskopplungsflaeche)まで到達しなければならない。ここで、ヒータ要素を最適化するための熱的及び電気的な考慮は、しばしば背反する議論にさらされる。つまり、従来技術による設計は、出力密度、熱敏捷性、絶縁能力又は堅牢性、及び、信頼性の間の妥協の産物である。
【0005】
例えば、PTC要素の製造業者とヒータ要素の製造業者が同じではないという事実は、PTC要素が幾何学的公差、組み立て工程での輸送及び取り扱いなどの面で一定の要件を満たさなければならないことを意味する。つまり、合理的な労力のフレーム内で、PTC要素の一定の最小厚さを下回ることができない。
【0006】
PTC要素を(金属)ヒートシンクに直接接続することも熱的に最適である。しかしながら、高電圧システム(230V ~00V)では電気絶縁が必要なため、システム電圧をラジエータから十分に分離する非導電性バリアが必要である。さらに、異なる極間の空間距離と沿面距離(Luft- und Kriechstrecken)(電気自動車の高電圧ヒータでは通常4mm)を維持する必要があるが、これは絶縁材料を使用することによってのみ達成できる。
【0007】
通電によってジュール熱が発生すると、PTC要素自体が熱源として機能する。しかしながら、これは材料内で均一に発生するわけではなく、幾何学的形状及び材料の不均一性の可能性によっては、コンポーネント内の電界分布により温度勾配が発生する可能性がある。ホットスポットから出発して、熱がさらに輸送される前に、まず要素の表面に到達しなければならない。PTCセラミックの熱伝導率は比較的低い(通常、~5W/mK)ため、これは非常にゆっくりと緩慢に起こる可能性がある。
【0008】
文献EP3101999A1には、自動車の電気加熱装置用のPTC加熱要素が記載されており、このPTC加熱要素は、改良された方法で外側が電気絶縁されており、また、電気絶縁層を介してPTC要素から熱放散表面へ適切な熱伝達を行う必要性も考慮されている。この目的のために、PTC要素が通電される少なくとも1つの導電性トラックの外面に接し、箔とその上に塗布された良好な熱伝導性を有する電気絶縁バルク体とからなる電気絶縁層が提供される。
【0009】
文献US2017/0223776A1には、少なくとも1つのPTC電気加熱要素と、PTC電気加熱要素の外面に配置された放射フィン(Strahlungsrippen)とを有する電気加熱装置が記載されている。PTC電気ヒータ要素と接触していない放射フィン上の表面は帯電していない。導体路と放熱フィンとの間には絶縁層が設けられている。
【0010】
また、文献DE112017006124T5には、導体路と冷却フィンとの間に絶縁層を有するヒータ装置が記載されている。この電気ヒータは、複数のPTC要素と、PTC要素から伝達される熱を放熱する放熱フィンと、電極板を絶縁する樹脂板と、積層方向の両側から積層体を押圧する圧縮バネとを備えている。
【0011】
文献EP1182908B1には、少なくとも1つのPTC要素と、PTC要素に接触する2つのコンタクト板を備えたPTCヒータ装置が記載されている。PTC要素の表面をコンタクトプレートと接続するために、両面に接着剤が塗布された金属箔が設けられている。コンタクト板の絶縁は施されていない。
【0012】
リンク https://air-lab.de/index.html では、最適な熱抽出(Waermeauskopplung)のためにアルミニウム冷却フィンに直接コンタクトするヒータ阻止について説明している。この場合、電気絶縁は行われない。
【発明の概要】
【0013】
本発明の課題は、上記の問題を解決するPTCヒータ要素及び電気ヒータ装置を提供することである。
【0014】
この課題は、独立請求項によるPTCヒータ要素、電気ヒータ装置、及びPTCヒータ要素の使用によって解決される
【0015】
一態様によれば、PTCヒータ要素が記載される。PTCヒータ要素は、電気ヒータ装置、例えばヒータレジスタに組み込まれるように設計されている。PTCヒータ要素は、自動車、例えば電気自動車(xEV-x Electrical Vehicle)に使用されるように設計されている。
【0016】
PTCヒータ要素は、少なくとも1つのPTC要素を有する。好ましくは、PTCヒータ要素は複数のPTC要素、例えば5個、10個又は20個のPTC要素を有する。相前後して連続する(aufeinanderfolgenden)2つのPTC要素間の空洞は、耐熱性充填材で充填することができる。充填材は湿気の侵入に対する機械的保護又はバリアとして、及び、(空気の代わりの)追加の熱伝導体として機能する。
【0017】
PTC要素は熱を発生させる役割を果たす。PTC要素は、電気コンタクトのための、少なくとも1つの電極、特に2つの電極を有する。電極はPTC要素の表面に形成されている。
【0018】
PTCヒータ要素はさらに、少なくとも1つのさらなるコンタクトを有する。さらなるコンタクトは、PTC要素の電極の電気接続の役割を果たす。さらなるコンタクトは、例えば、銅、アルミニウム及び/又はタングステンを含むことができる。
【0019】
PTCヒータ要素はまた、少なくとも1つのキャリア層を有する。キャリア層はPTC要素を少なくとも部分的に、好ましくは完全に取り囲む。キャリア層は電気絶縁性である。キャリア層は高熱伝導性を有する。キャリア層は、PTCヒータ要素を機械的に安定させ、電気的に絶縁する役割を果たす。
【0020】
PTCヒータ要素は非常にコンパクトである。PTCヒータ要素は表面積が大きく、薄く構成されている。PTCヒータ要素は極めて小さい体積を有する。PTC要素の厚さは、好ましくは≦500μm、好ましくは<250μm、例えば10μm~150μm、さらには<2μmである。PTCヒータ要素の高さは500μmから2500μmの間である。PTCヒータ要素(2)の横方向寸法(L)は、両方向(長さ及び幅)において、10mmと250mmとの間である。
【0021】
好ましくは、PTCヒータ要素は面平行に設計される。特に、キャリア層は好ましくは面平行である。PTC要素も好ましくは面平行に設計される。
【0022】
基板/キャリア層の表面がより適切に画定(besser definiert)されているほど、より薄くでき、(アルミニウム・ヒートシンクなどへの)熱移行をより効率的に行うことができる。具体的には、PTC要素(~27×13mm):<100μm、理想:<30μm;(AlN又はAlOx)キャリア層:(165×35mm):500μm、理想:<100μm。
【0023】
PTCヒータ要素の性能には、PTC要素とキャリア層の平坦度と平行度が重要である。少なくとも1つのPTC要素の表面/キャリア層の表面が相応に適切に画定されていない場合、隙間をレベリングコンパウンドやポッティングコンパウンド(Ausgleichs- oder Vergussmasse)で充填する必要があり、熱抵抗を増加させる。コンポーネントが精密に仕上げられているほど、隙間は薄くなる。
【0024】
好ましくは、少なくとも1つのPTC要素は非常に薄く設計されており、特に≦250μmの厚さを有し、平面平行度は<100μmである。特に好ましくは、PTC要素の平面平行度は<30μmである。好ましくは、キャリア層の平面平行度は<500μm、特に好ましくは<100μmである。上述したPTCヒータ要素の構成により、極めてコンパクトな設計が可能となり、ひいては電気ヒータ装置への高度な組み込みが可能となる。これにより、従来技術のヒータ装置と比較して、より迅速かつ効率的なヒータ効果(車内など)が保証される。材料使用量の削減による軽量化により、xEVの走行距離の増加が可能になり、低材料消費は、資源の節約とエコロジカルなフットプリントの(des oekologischen Fussabdrucks)削減に貢献する。
【0025】
材料及び/又は接続技術の適切な組み合わせにより、ヒータ要素レベルでの幾何学的形状の最適化とともに、PTCヒータ要素の体積及び熱抽出は、電力密度、熱応答、及び堅牢性と信頼性が、技術水準に比べて大幅に改善されるように最適化される。
【0026】
一実施形態によれば、電極は少なくとも1つのPTC要素の表面上に平坦に配置される。電極はPTC要素の表面上に直接形成される。電極は、PTC要素の表面上にスパッタリング、メッキ、プリンティング、又は、ドクターブレードやスキージによってコーティング(gerakelt)されたものであり得る。
【0027】
電極は、好ましい熱抽出を達成するために、できるだけ大きな面積で設計される。電極は、例えば、ストリップ形状、矩形状、櫛形状、又はインターディジタル構造(Interdigitalstruktur)として形成され得る。電極は、沿面距離を確保し(Kriechstrecken freizuhalten)、電気的フラッシュオーバー(elektrischen Ueberschlag)を回避するために、互いに十分な距離が必要である。これにより、特に信頼性の高いPTCヒータ要素が得られる。
【0028】
例えば、少なくとも1つの電極はPTC要素の上面又は下面に配置されている。また、2つの電極を上面又は下面に形成することもできる。また、上面及び下面にそれぞれ1つの電極を形成することもできる。
【0029】
あるいは、電極をPTC要素の側面、特に相対向する側面に形成することもできる。これにより、熱経路と電気経路が互いに分離され、特定のメーカーに有利な新しい設計や組み立てが可能になる。さらに、製造に起因するPTC要素の材料不均一性をより適切に制御又は回避することができる。
【0030】
一実施形態によれば、さらなるコンタクトは自立するように形成されている。換言すると、キャリア層はPTCヒータ要素の他の構成要素を安定化するだけである。しかし、キャリア層は、さらなるコンタクトを安定化するために(必ずしも)必要ではない。
【0031】
あるいは、さらなるコンタクトは、機械的安定化のためにキャリア層上に適用されることもできる。例えば、キャリア層上にスパッタリング、プリンティング、又はドクターブレードやスキージによってコーティングされることができる。
【0032】
一実施形態によれば、さらなるコンタクトはキャリア層に一体化されている。換言すると、さらなるコンタクトはキャリア層の内側領域に形成される。この場合、さらなるコンタクトは、キャリア層の表面の≦50μm下方に配置されている。
【0033】
実施形態によれば、さらなるコンタクトの形状は、PTC要素の電極の幾何学的形状に適合される。例えば、さらなるコンタクトは可能な限り大面積で薄く設計される。例えば、さらなるコンタクトの厚さは<10μmである。これにより、PTCヒータ要素の熱抽出が増加し、効率が向上する。
【0034】
一実施形態によれば、さらなるコンタクトは、クランプ、焼結、接着、又は高温はんだ付けによって、少なくとも1つの電極に導電的に接続される。標準的な接続技術を使用することにより、製造コストを削減することができ、その結果、特に費用対効果の高いPTCヒータ要素を提供することができる。
【0035】
一実施形態によれば、キャリア層は150μmから1000μmの間の厚さを有する。これにより、キャリア層はPTCヒータ要素の電力密度を最適化するために非常にコンパクトで薄く設計されるが、PTCヒータ要素の堅牢性と安定性を確保するのに十分な厚さを有する。
【0036】
一実施形態によれば、キャリア層は、高い熱伝導性と良好な絶縁特性を有するセラミック材料を含む。例えば、キャリア層はAlN、Si、Al、又はSiCを有する。これらの材料は、熱抽出を最適化し、PTCヒータの電力密度と熱応答性を高めるのに理想的である。
【0037】
あるいは、キャリア層は耐熱性プラスチックを含むことができる。例えば、キャリア層はポリイミド又はエポキシ樹脂からなる。プラスチックの低い熱伝導率(10W/mK未満)のため、キャリア層の厚さは、熱抵抗を低く保ち、PTCヒータ要素の高電力密度を達成するために、十分に薄くなければならない。
【0038】
あるいは、キャリア層は、セラミック材料とプラスチックに基づくハイブリッドソリューション(Hybridloesung)を含むこともできる。例えば、キャリア層はプラスチック層及びセラミック層を有することができる。最適な熱抽出を達成するためには、プラスチック層はセラミック層よりもかなり薄くなければならない。
【0039】
一実施形態によれば、PTCヒータ要素は、キャリア層の表面上に少なくとも1つの金属層をさらに有する。金属層は、PTCヒータ要素のさらなるコンタクト、例えばラジエータへの接続のために使用される。金属層は、例えば、Cu、Al又はWを含むことができる。金属層は非常に薄く形成されている。好ましくは、金属層は1μmと100μmとの間の厚さを有する。金属層の厚さが薄いため、PTCヒータ要素の熱結合に悪影響はない。
【0040】
一実施形態によれば、少なくとも1つのPTC要素は、セラミック材料、金属セラミック材料又は有機セラミック材料を含む。例えば、PTC要素はPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を含む。標準的な材料を使用することで、特に費用対効果の高いPTCヒータ要素を実現できる。
【0041】
あるいは、PTC要素はビスマスをベースにすることもできる。これには、PTC要素が鉛フリーであるという利点を有する。あるいは、PTC要素はビスマスと鉛を含まない材料を使用することもできる。
【0042】
一実施形態によれば、少なくとも1つのPTC要素の材料は低い比抵抗(geringen spezifischen Widerstand)を有する。例えば、比抵抗は<5000Ωcm、例えば1000Ωcmである。その結果、動作点以下でPTC効果を大幅に低減することができ、したがって、従来のHV PTCと比較して、各スイッチオンプロセス(Einschaltvorgang)でのエネルギ消費/突入電流(Einschaltstrom)を大幅に低減することができる。これは、他の電子コンポーネントへの負荷の低減(突入電流の低減)につながるだけでなく、電気自動車の航続距離のさらなる向上にもつながる。
【0043】
一実施形態によれば、PTC要素は低温PTC要素である。これには、相応のPTC要素を完全にビスマス及び鉛を含まない材料から製造できるという特別な利点がある。
【0044】
一実施形態によれば、PTCヒータ要素は複数のPTC要素を有する。PTC要素は、キャリア層上に互いに隣り合って(benachbart zueinander)又は相前後して連続して(aufeinander nachfolgend)配置されている。特に、PTC要素は、ヒータ要素の主長手軸Xに沿った方向に相前後して連続して配置されている。さらに、PTC要素は、主長手軸Xに垂直な方向(すなわち、横軸Yに沿った方向)に相前後して連続して配置される。
【0045】
設計上、相前後して連続するPTC要素の間には空洞が生じる。相前後して連続する2つのPTC要素間の空洞には、それぞれのPTC要素の電気コンタクトのための電極を充填することができる。特に、主長手軸Xに沿った空洞には電極材料を充填することができる。
【0046】
つまり、それぞれのPTC要素の相対向する側面から電極によるコンタクトが行われる。換言すると、PTC要素のコンタクトはPTC要素の一方の端面(Stirnseite)から行われる。この場合、PTC要素の上面と下面には電極がない。これにより、熱経路と電気経路が分離され、特定のメーカーに有利な新しい設計や組み立てが可能になる。さらに、製造に起因するPTC要素の材料不均一性をより適切に制御又は回避することができる(besser beherrschbar bzw. umgehbar)ようになる。
【0047】
電極材料が充填されていないPTC要素間の残りの空洞(主長手方向に垂直な空洞)は、例えば、PTC要素間の熱コンタクトを改善するために、上述の充填材で充填することができる。
【0048】
一実施形態によれば、PTCヒータ要素は複数のさらなるコンタクトを有する。さらなるコンタクトはキャリア層の直接上に形成されている。換言すると、さらなるコンタクトとキャリア層との間にはPTCヒータ要素のさらなるコンポーネントは配置されていない。
【0049】
それぞれのさらなるコンタクトは、例えば、ストリップ形状である。好ましくは、さらなるコンタクトは、キャリア層の金属化ストリップとして形成される。好ましくは、さらなるコンタクトは、PTCヒータ要素の主長手方向に完全に沿って延在する。
【0050】
さらなるコンタクトは、PTC要素(特に電極)の上部及び下部に交互に形成されていることができる。これにより、PTC要素の電極の確実なコンタクトが保証される。
【0051】
一実施形態によれば、PTCヒータ要素は、少なくとも1つのPTC要素と少なくとも1つのさらなるコンタクトとの間の電気接続のための少なくとも1つの接続要素をさらに備える。好ましくは、PTCヒータ要素は複数の接続要素を有する。
【0052】
少なくとも1つの接続要素は、ストリップ形状に形成されている。それぞれの接続要素は、好ましくは、PTCヒータ要素の主長手方向に沿って少なくとも部分的に延在する。それぞれの接続要素は、少なくとも、それぞれのさらなるコンタクトとそれぞれの電極との間に形成される。それぞれの接続要素は、少なくとも1つのPTC要素の電極と直接コンタクトしている。接続要素はまた、少なくとも1つの、好ましくは正確に1つのさらなるコンタクトと直接コンタクトしている。好ましくは、少なくとも1つの接続要素は導電性接着剤を有する。
【0053】
接続要素を使用すると、電極とさらなるコンタクトとの間の導電的及び機械的に強固な接続を簡単な方法で確保することができる。さらなる態様によれば、電気ヒータ装置、例えばヒータレジスタが記載されている。電気ヒータ装置は、熱放出面、例えば冷却フィンを有する部品を備える。電気ヒータ装置は、少なくとも1つのPTCヒータ要素、好ましくは上述のPTCヒータ要素をさらに備える。PTCヒータ要素に関して開示されるすべての特性は、その結果、それぞれの他の態様に関しても相応に開示され、その逆もまた同様である。
【0054】
最適化されたPTCヒータ要素の設計により、ヒータ装置への高度な組み込みが可能である。これにより、迅速かつ効率的なヒータ効果が得られる(例えば車内など)。
【0055】
さらなる態様によれば、自動車、例えば電気自動車における上述のPTCヒータ要素の使用が記載される。PTCヒータ要素は極めてコンパクトな設計であるため、どのような設置状況にも適している。さらに、PTCヒータ素子は、最適な熱抽出、ひいては高い電力密度と信頼性を確保することができる。
【0056】
以下に説明する図面は、縮尺に忠実であると理解されるものではない。むしろ、個々の寸法は、より良く表現するために拡大、縮小、あるいは歪曲されることがある。
【0057】
互いに類似している要素や同じ機能を担う要素には、同じ参照符号を付ける。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1図1は、従来技術におけるPTCヒータ要素を示す図である。
図2図2は、従来技術における、さらなるPTCヒータ要素を示す図である。
図3図3は、従来技術における、さらなるヒータ要素を示す図である。
図4図4は、従来技術における、さらなるPTCヒータ要素を示す図である。
図5図5は、2つの異なる比抵抗における、HVPTCセラミックの抵抗-温度挙動を示す図である。
図6図6は、第1実施形態によるPTCヒータ要素を示す断面図である。
図7図7は、さらなる実施形態によるPTCヒータ要素を示す断面図である。
図8図8は、さらなる実施形態によるPTCヒータ要素を示す断面図である。
図9a図9a~9dは、PTCヒータ要素のためのPTC要素を示す斜視図である。
図9b図9a~9dは、PTCヒータ要素のためのPTC要素を示す斜視図である。
図9c図9a~9dは、PTCヒータ要素のためのPTC要素を示す斜視図である。
図9d図9a~9dは、PTCヒータ要素のためのPTC要素を示す斜視図である。
図10図10は、さらなる実施形態によるPTCヒータ要素を示す斜視図である。
図11a図11aは、図6によるPTCヒータ要素の一部を示す斜視図である。
図11b図11bは、図10によるPTCヒータ要素の一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1は、従来技術のPTCヒータ要素100の断面図である。PTCヒータ要素100は、複数(本実施形態では4つ)の、熱生成のためのPTC要素101を有する。PTC要素101は、PTCヒータ要素100の長手方向において相前後して連続して配置され、空隙によって互いに分離されている。
【0060】
電気コンタクト102(例えば銅製)は、PTC要素101の電気接続のために、PTC要素101の上面及び下面に配置されている。
【0061】
PTCヒータ要素100はさらに絶縁層103を備え、絶縁層103は、電気コンタクト102上に配置されており、PTCヒータ要素100を外部、特に、電気PTCヒータ要素100の外面に形成される熱分配器又はラジエータ104から電気的に絶縁する。
【0062】
図2は、従来技術によるさらなるPTCヒータ要素110の断面図を示す。ここでも、PTC要素111は電気コンタクト112の間に配置されている。プラスチック(例えばポリイミド)製の絶縁層113が電気コンタクト112上に形成され、ヒータ要素110を電気的に絶縁している。
【0063】
図3は、従来技術によるさらなるPTCヒータ要素120の断面図を示す。PTC要素121は電気コンタクト122によって接続され、プラスチックモールディング123(例えばエポキシ樹脂)によって外部から絶縁されている。PTC要素121はモールディング123によって完全に取り囲まれている。
【0064】
図4は、従来技術によるさらなるPTCヒータ要素130の断面図を示す。ここで、PTC要素131は、最適な熱抽出を達成するために、ラジエータ132と直接コンタクトしている。電気絶縁はない。
【0065】
図6は、第1実施形態によるPTCヒータ要素1の断面図を示す。PTCヒータ要素1は、自動車、例えば電気自動車に使用されるように設計されている。PTCヒータ要素1は、ラジエータ又はヒートシンクを有する電気装置(例えば電気ヒータ装置)に組み込まれるように設計されている(明示的に図示せず)。
【0066】
PTCヒータ要素1は、複数のPTC要素2を有する(図9a~図9dも参照)。PTCヒータ要素1はさらに、電極/電気コンタクト3、さらなるコンタクト/導体路4、及びキャリア層/基板5を有する。
【0067】
PTC要素2は熱源として機能する。特に、PTC要素2に通電することでジュール熱が発生する。この実施形態では、ヒータ要素1は5個のPTC要素2を有する。もちろん、5個より多いPTC要素2、例えば8個又は10個のPTC要素2を設けてもよいし、5個より少ないPTC要素2、例えば2個のPTC要素2又は1個のPTC要素2を設けてもよい。PTC要素2の数は、特に、PTCヒータ要素1に対する要求、その材料組成、及び、例えば自動車の中などの設置状況に依存する。
【0068】
PTC要素2は、PTCヒータ要素1の主長手軸Xに沿って、順々に又は相前後して連続して(nacheinander bzw. aufeinanderfolgend)配置されている。セラミック材料、金属セラミック材料又は有機セラミック材料を含む。例えば、PTC要素はPZTセラミックを含む。ビスマスをベースとする代替的組成も考えられる。これには、PTC要素2を鉛フリーにできるという利点がある。PTC要素2を完全に鉛及びビスマスフリーにすることも考えられる。
【0069】
設計上、PTC要素2の間には、主長手軸Xに垂直な空洞が生じることがある。この実施形態では、これらの空洞は耐熱性で熱伝導性の充填材7、例えばシリコーンやエポキシで充填されている。任意選択の充填材7は、機械的保護又は湿気の侵入に対するバリアとして、また(空気の代わりに)追加の熱伝導体として機能する。
【0070】
それぞれのPTC要素2は非常にコンパクトである。特に、それぞれのPTC要素2の主長手軸X(図9aも参照)に垂直の厚さd又は拡がり(Ausdehnung)は、50μmと250μmとの間である。好ましくは、それぞれのPTC要素2の厚さdは200μm以下である。
【0071】
対応する厚さdを達成するために、それぞれのPTC要素2は標準的な工程(プレス工程又は多層構造)で製造することができる。しかながらし、代替的製造方法を用いれば、さらに薄いPTC要素2(10μm~150μm、あるいは2μm未満)も可能である。より薄いPTC層は、スクリーンプリントによってキャリア層5に適用することによって得ることができ、それによってそれぞれのPTC要素2の厚さdを10μmと150μmとの間にすることができる。これらの層厚は、SolGel、インクジェットプリント又はプラズマジェット工程などの塗布工程によってさらに薄くすることができ、厚さd<2μmを達成することができる。
【0072】
それぞれのPTC要素2の横方向の拡がりI(主長手軸Xに沿った拡がり及び横方向の拡がり)は、好ましくは5mmと100mmとの間である(図9a及び9b)。
【0073】
それぞれのPTC要素2の電気接続のために、図9aから図9dに見て取れるように、PTC要素2は電気コンタクト又は電極3を有する。電極3は、それぞれのPTC要素2の表面2a、2b、2cに平坦に形成されている。電極3は、好適な熱抽出を達成するために、できるだけ広い面積に形成されている。また、逆極性の電極3は、アーク放電(Ueberschlaege)を防止するために、互いに十分な距離をとる必要がある。
【0074】
PTC要素2の下面2b及び上面2aに、それぞれ1つの電極を形成することができる(図9b)。しかしながら、2つの電極3を上面2aに形成し、PTC要素2の下面には電極3を形成しないこともでき(図9a及び図9d)、あるいはその逆も可能である。
【0075】
図9cに見て取れるように、電極3を介して、例えばそれぞれのPTC要素2の相対向する側面2cからコンタクトすることも可能である。この場合、上面2aと下面2bには電極3が存在しない。熱経路と電気経路が分離され、特定のメーカーにとって有利な新しい設計や組み立てが可能になる。さらに、製造に起因するPTC要素2の材料不均一性をより適切に制御又は回避することができるようになる。図10及び図11bに、相応にコンタクトするPTC要素2を備えたPTCヒータ要素1の実施形態を示す。
【0076】
電極3は、沿面距離(高電圧ヒータでは通常4mm)を維持しながら、できるだけ大きな表面積になるように設計されている。電極3は、PTC要素の上面2a又は下面2bを少なくとも部分的に覆う。電極3が側面2cに配置されている場合、側面2cを電極3で完全に覆うこともできる。例えば、電極はストリップ形状又は矩形状である(図9a及び9c)。また、櫛形状又はインターディジタル構造も可能である(図9b及び9d)。相互嵌合する電極構造では、電極3間の距離が電気的フラッシュオーバーを避けるために十分な寸法になるように特に留意すべきである。
【0077】
電極3は導電性材料(例えば金属ペースト)を有する。導電性材料は、それぞれのPTC要素2の表面2a、2b、2c上にスパッタリング、プリンティング又はドクターブレードやスキージによってコーティングされたものである。電極3は、好ましくは、スパッタ層又は金属焼成ペーストによって実現される。
【0078】
記載した電極構成(図9a~図9d参照)を使用することにより、従来技術と比較して、PTC材料に関して異なる比抵抗が必要となる。この追加の自由度は、比抵抗が低い場合PTC効果が動作点以下で著しく減少することを意味し、したがって従来のHV(高電圧)PTCに対して、各スイッチオンプロセスでのエネルギ消費又は突入電流が大幅に減少する。これにより、負荷が低くなる(突入電流が低くなる)。
【0079】
図5は、2つの異なる比抵抗におけるHVPTCセラミックの抵抗-温度挙動を示す標準化特性曲線(同じ測定電圧)を示す。低い比抵抗によって、抵抗降下は従来の高い比抵抗に比べて大幅に減少している。
【0080】
電極3に電気的にコンタクトするために、PTCヒータ要素1は、上述の導体路又はさらなるコンタクトをさらに有する。この実施形態では、導体路又はさらなる接点4は、PTCヒータ要素1を貫通してPTC要素2の上面2a及び下面2bに沿って延在する。換言すると、図6によるさらなるコンタクト4は、PTC要素2(又は電極3)とキャリア層5との間に形成されている。特に、さらなるコンタクト4は、PTC要素2の電極3と直接接触している。
【0081】
さらなるコンタクト4は、主長手軸Xに沿って延在する。さらなるコンタクト4は、PTCヒータ要素1の電気接続のために、PTCヒータ要素1の側面1aから出ている。
【0082】
電極3とさらなるコンタクト4との間の導電接続は、様々な技術的解決策を用いて実現することができる。クランプコンタクトは、焼結技術(μAg、μCu、TLPS(Transient Liquid Phase Sintering:過渡液相焼結))又は高温はんだ付けによる接続と同様に可能である。
【0083】
さらなるコンタクト4は自立可能である。これは、それぞれのさらなるコンタクト4の機械的安定化のために、さらなる要素(例えば、キャリア層又は基板5)が必要ないことを意味する。あるいは、さらなるコンタクト4はキャリア層5に適用することができる。この場合、さらなるコンタクト4は、キャリア層5上にスパッタリング、メッキ、プリンティング又はドクターブレードやスキージによってコーティングされたものである。上述したように、図6に見て取れるように、上述した2つの実施形態のさらなるコンタクト4は、電極3と直接電気的及び機械的にコンタクトしている。
【0084】
さらなるコンタクト4は、例えば、銅、アルミニウム、タングステンを有する。しかしながら、他の導電性金属、合金、又は他の導電性材料も、さらなるコンタクト4のために考えられる。それぞれのさらなるコンタクト4の幾何学的形状は、PTC要素2の動作中に電界サージやフラッシュオーバーが発生しないように、PTC要素2の電極3の幾何学的形状に適合している。
【0085】
好ましくは、さらなるコンタクト4は大きな表面積で設計される。それぞれのさらなるコンタクト4は、スペース(Bauraum)を節約するために、できるだけ薄く設計される。好ましくは、さらなるコンタクト4の厚さは<10μmである。これは、すでに上述したように、さらなるコンタクト4がスパッタリング、プリンティング、又は、ドクターブレードやスキージによるコーティング(Rakeln)によってキャリア層5に適用される場合に特に可能である。
【0086】
PTCヒータ要素1はまた、既に導入されているキャリア層5を有する。キャリア層5は、PTCヒータ要素1を外部から電気的に絶縁し、PTCヒータ要素1を機械的に安定させる役割を果たす。PTC要素2はキャリア層5の内側領域全体に配置される。さらなるコンタクト4も少なくとも部分的にキャリア層5に埋め込まれる。
【0087】
キャリア層5は非常に小さい厚さ(主長手軸Xに垂直な拡がり)を有する。例えば、キャリア層5の厚さは150μmと1000μmとの間である。これにより、供給ラインでのオーム損失による熱だけでなくヒータ要素の熱伝達も、可能な限り効率的に外部に伝導することができる。
【0088】
キャリア層5はさらに、高い熱伝導性と良好な電気絶縁特性を有する材料をさらに含む。この実施形態では、キャリア層5はセラミック材料、例えばAlN、Si、Al又はSiCを含む。熱を特によく伝導するキャリア層5を使用することにより(たとえば、AlNの場合:最大200W/mK)、電気コンタクトのためのケーブル断面積を低減することができる。なぜなら、熱はオーム損失によりキャリア層5を介して直ちに放散されるからである。
【0089】
代替的実施形態では、キャリア層5は耐熱性プラスチック(例えばポリイミド又はエポキシ樹脂)を含むこともできる。この場合、プラスチックの熱伝導率が低い(<10W/mK)ことに基づいて、キャリア層5の厚さは、熱抵抗が十分に小さくなるように薄く設計されなければならない。
【0090】
換言すると、プラスチック製のキャリア層5はセラミックキャリア層よりもはるかに薄くなければならない。特に、プラスチック層は熱輸送を保証するのに十分薄くなければならないが、PTCヒータ要素1の電気絶縁と機械的安定性を保証するのに十分な厚さが必要である。例えば、プラスチック製のキャリア層5は50μmの厚さを有する。キャリア層5内の熱伝導に寄与する面積をできるだけ大きくするために、電気供給ライン(電極3、さらなるコンタクト4)はヒートスプレッダーとしても機能することができる。
【0091】
セラミックベース及びプラスチックベースのキャリア層ハイブリッドソリューションも可能である(後述の図8の説明を参照)。
【0092】
また、本実施形態では、キャリア層5の表面5aに金属層6がさらに形成されている。金属層6は、キャリア層5の上面及び下面を完全に覆っている。金属層6は、(金属)ラジエータ又はヒートシンク(明示的に図示せず)の機械的及び熱コンタクトを容易にする。金属層6は非常に薄い。例えば、金属層6の厚さは、1μmと100μmとの間である。金属層6は、Cu、Al又はWを含む。
【0093】
全体として、PTCヒータ要素1の全高(Bauhoehe)Hは、上述の構造により500μmと2500μmとの間である。PTCヒータ要素1の横方向寸法Lは、両方向において、10mmと250mmとの間である(横寸法L:長さ、すなわち主長手軸Xに沿った拡がり、及び、幅、すなわち主長手軸Xに対して横方向の拡がり)。
【0094】
したがって、PTCヒータ要素1は極めてコンパクトで、特に表面積が大きく、薄い。上述した材料と接続技術とを適切に組み合わせ、ひいてはヒータ要素レベルでの幾何学的形状を最適化することにより、電力密度、熱応答挙動、及び堅牢性と信頼性が、従来の技術水準に比べて大幅に向上するように、PTCヒータ要素1の体積及び熱抽出が最適化される。
【0095】
非常に効率的で、薄く、パワフルなためPTCヒータ要素1の設計により、低温PTCの使用も可能である。これらは、完全にビスマスや鉛を含まない材料で作ることができる。
【0096】
図7は、さらなる実施形態によるPTCヒータ要素1の断面図を示す。図6に示す例とは対照的に、さらなるコンタクト4は、キャリア層5とPTC要素2との間に形成されていない。むしろ、さらなるコンタクト4はキャリア層5に一体化されている。PTCヒータ要素1の側面1aにおいてのみ、PTCヒータ要素1の電気接続を確実にするために、さらなるコンタクト4がキャリア層5から出る(treten aus)。
【0097】
この実施形態では、キャリア層5は好ましくはAlNを含む。それぞれのさらなるコンタクト4は、タングステン(W)層を含む。換言すると、キャリア層5に埋め込まれたさらなるコンタクト4は、好ましくはAlNキャリア層5内のWコンタクトによって実現される。W層は、好ましくは5μm~20μmの厚さを有する。W層は、好ましくはキャリア層5の大面積に実装される。
【0098】
図6に関連して既に記載したように、キャリア層5は、150μm~1000μmの典型的な厚さを有する。W層は、キャリア層5の中央領域内に対称的に形成することも、中央領域に向かってオフセットして形成することもできる。図7による実施形態では、それぞれのさらなるコンタクト4(W層)は、キャリア層5の中央領域からPTC要素2に向かってオフセットして形成されている。いずれにしても、W層はキャリア層5の表面から少なくとも50μm下に配置されている。
【0099】
この実施形態では、PTCヒータ要素1は、貫通部/ビア8をさらに備える。ビア8は、好ましくはタングステンを含む。好ましくは、ビア8はタングステンからなる。しかしながら、ビア8は、他の導電性材料を含むか、又は他の導電性材料からなることもできる。
【0100】
ビア8は、PTCヒータ要素1の主長手軸Xに垂直な方向にキャリア層5を完全に貫通している。ビア8は、PTC要素2の電極3とW層(さらなるコンタクト4)との間の導電接続を確立する。
【0101】
PTCヒータ要素1の特性又は他の構成要素/特徴に関しては、図6に関連する説明を参照されたい。
【0102】
図8は、さらなる実施形態によるPTCヒータ要素1の断面図を示す。この実施形態では、キャリア層5はセラミック材料及びプラスチック材料に基づくハイブリッドソリューションを有する。特に、PTCヒータ要素1は、片面(この場合は上面)に耐熱プラスチック層9(ポリイミドやエポキシ樹脂など)を有する。対向面(ここでは下面)には、図6に関連して既に説明したように、PTCヒータ要素1がセラミック材料製のキャリア層5を有する。もちろん、プラスチック9を下面に形成し、セラミックキャリア材料を上面に形成することもできるす。
【0103】
セラミックキャリア層5は、PTCヒータ要素1を機械的に安定させ、絶縁する役割を果たす(この場合、下面の絶縁)。プラスチック層9は、PTCヒータ要素1を絶縁する役割を果たす(この場合、上面の絶縁)。両方の層は、電気絶縁を確保するのに十分な厚さでなければならないが、熱輸送を確保するのに十分な薄さでなければならない。特に、プラスチックの熱伝導率が低い(<10W/mK)ため、プラスチック層9の厚さは、図6による実施形態に関連してすでに説明したように、熱抵抗を十分低く保つのに薄くなければならない。
【0104】
特に、プラスチック層9はセラミック層5よりも薄い。例えば、本実施形態では、セラミックキャリア層5の厚さはプラスチック層9の厚さの10倍~100倍である。プラスチック層9の厚さは2μmと50μmとの間である。例えば、プラスチック層の厚さは30μmである。セラミックキャリア層5は、PTCヒータ要素1の機械的安定性を確保するために、0.5mmと1mmとの間の厚さを有する。
【0105】
PTCヒータ要素1のさらなる特性又はさらなる構成要素/特徴に関しては、図6に関連する説明を参照されたい。
【0106】
図11aは、上記によるPTCヒータ要素1を示す。特に、図11aは、ヒータ要素1の主長手軸Xに沿って相前後して連続して配置された複数のPTC要素2を示す。PTC要素2はそれぞれ、電極3を介して上面2a又は下面2bからコンタクトしている(特に図6a、図9a、図9b及び図9dを参照)。
【0107】
電極3の接続は、PTC要素2の上面2a又は下面2bから、ストリップ形状のさらなるコンタクト4を介して接続されている。接続要素10、例えば導電性接着剤は、電極3とさらなるコンタクト4との間に形成され、さらなるコンタクト4と電極3との間の電気的及び機械的接続を確立する。
【0108】
さらに、相前後して連続する2つのPTC要素2の間の空洞に充填材7を導入することもできる(明示的に図示せず、図6参照)。
【0109】
図10及び図11bは、さらなる実施形態によるPTCヒータ要素1を示す。PTCヒータ要素1は、既に上述したように、自動車、例えば電気自動車に使用されるように設計されている。PTCヒータ要素1は、ラジエータ又はヒートシンク(明示的に図示せず)を有する電気装置(例えば電気ヒータ装置)に組み込まれるように設計されている。
【0110】
PTCヒータ要素1は、電極/電気コンタクト3、さらなるコンタクト4、及びキャリア層/基板5を有する。キャリア層5は、好ましくはセラミックを含む。PTCヒータ要素1はまた、以下により詳細に説明するように、接続要素10を備える。
【0111】
PTCヒータ要素1は、複数のPTC要素2を有する。PTC要素2は、上記の設計と比較して、PTCヒータ要素1の主長手軸Xに垂直な方向に、より小さい拡がりを有する(特に図11aも参照)。換言すれば、図10及び11aによるPTC要素2は、例えば図11aによるPTC要素2よりも短い長さを有する。
【0112】
PTC要素2は、キャリア層5上に互いに隣接して又は相前後して連続して(benachbart zueinander bzw. aufeinander nachfolgend)配置される。特に、複数のPTC要素2は、ヒータ要素1の主長手軸Xに沿った方向に相前後して連続して配置される。さらに、PTC要素2は、主長手軸Xに垂直な方向に(すなわち、横方向軸Yに沿って)相前後して連続して配置される。
【0113】
図6に関連して既に説明したように、設計上、PTC要素2の間に空洞が生じる(図11aも参照)。この実施形態では、空洞は主長手軸Xに対して平行かつ横方向に延在する(図11b参照)。
【0114】
主長手軸Xに対して横方向の空洞は、上述の実施形態と同様に、耐熱充填材7で充填されることができる(明示的に図示せず、特に図6参照)。これにより、PTC要素2間の熱コンタクトを改善することができる。
【0115】
図10及び図11bによる実施形態では、主縦軸Xに平行なキャビティは、電極材料でさらに充填される。換言すると、2つのPTC素子2に電気的にコンタクトするための電極3は、主長手軸Xに垂直な方向(すなわち横軸Yに沿って)に相対向して連続する2つのPTC素子2の間の主長手軸Xに沿って延在するそれぞれの空洞内に形成される。
【0116】
それぞれの電極3は金属化部を表す。それぞれの電極3は、それぞれのPTC要素2の側面2c(特に短い側面)を完全に覆っている(図9cによる実施形態も参照)。すなわち、図10及び図11bによる実施形態では、PTC要素2のコンタクトは、PTC要素2の一方の端面から行われる。対照的に、上述した実施形態(例えば、図6及び図11aを参照)では、PTC要素2は、PTC要素2の上面2a及び/又は下面2bからコンタクトされる。
【0117】
それぞれの電極3又は金属化部は、PTC要素2間の空洞を完全に充填する。逆極性の電極3は交互に配置される。つまり、横軸Yに沿った方向に相前後して連続する2つのPTC要素2の間の第1空洞は、第1極性の電極3で充填される。横軸Yに沿った方向に連続する第2空洞は、反対極性の電極3で充填される。相前後して連続する2つのPTC要素2は、常に電極3又は金属化部を共有し、したがって共通の金属化部によってコンタクトされる。
【0118】
電極3と電気的にコンタクトするために、PTCヒータ要素1は、上述のさらなるコンタクト4、特に複数のさらなるコンタクト4も有する。さらなるコンタクト4は、PTC要素2(特に電極3)とキャリア層5との間に形成される。
【0119】
このことから、さらなる接点4は、特に、横軸Yの方向に互いに続く2つのPTC要素2の間の界面に形成される。換言すると、さらなるコンタクト4は、少なくとも、主長手軸Xに沿って、又は主長手軸Xに平行に延在する、電極材料で満たされた空洞を覆う。
【0120】
さらなるコンタクト4は、PTC要素2の上面2aと下面2bに交互に配置されている(図11aも参照)。上面2aに形成されたさらなるコンタクト4は、第1極性の端面側電極(stirnseitigen Elektroden)3への電気接続を確立する。下面2bに形成されたさらなるコンタクト4は、反対極性の端面側電極3への電気接続を確立する。
【0121】
さらなるコンタクト4はストリップ形状に設計されている。さらなるコンタクト4は主長手軸Xに沿って完全に延びている。個々のさらなるコンタクト4は、主長手軸Xに沿って互いに平行である。
【0122】
さらなるコンタクト4は、ヒータ要素1の電気コンタクトのために、PTCヒータ要素1の側面1a(図6を参照)から出ることができる。さらなるコンタクト4は、キャリア層5の金属化を表す。特に、この例示的な実施形態におけるさらなるコンタクト4は、キャリア層5の表面5a上の金属化ストリップに対応する。さらなるコンタクト4は、キャリア層5と直接コンタクトしている。
【0123】
電極3とさらなるコンタクト4との間の導電接続は、接続要素10を介して実現される。それぞれの接続要素10は、例えば導電性接着剤を含む。
【0124】
接続要素10は、PTC要素2(特に電極3)とさらなるコンタクト4との間に形成されている。接続要素10は、特にPTC要素2の電極3(ここでは端面側)とさらなるコンタクト4とに直接コンタクトしている。接続要素10はストリップ形状に設計されています。それぞれの接続要素10は、少なくとも部分的に主長手方向軸Xに沿って延在する。
【0125】
図10及び図11bによる実施形態では、それぞれ1つの接続要素10が、横軸Yの方向において相前後して連続する2つのPTC要素2の間の界面に(an der Schnittstelle)形成されている。換言すると、それぞれの接続要素10は、主縦軸Xに平行に延在する、電極材料で満たされた少なくとも1つの空洞を覆う。もちろん、接続要素10は、複数の空洞、したがって2つより多くのPTC要素2にわたって延在するように、より長く形成されていることもできる(明示的に図示せず)。
【0126】
PTC要素2、キャリア層5、さらなるコンタクト4及び電極3に関するすべてのさらなる特徴に関して、特に構成部品の組成及び寸法に関しても、上記の説明を参照されたい。ここに示した対象の記載は、個々の具体的な実施形態に限定されるものではない。むしろ、個々の実施形態の特徴は、技術的に意味がある限り、どのようにでも互いに組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0127】
1 PTCヒータ要素
1a PTCヒータ要素の側面
2 PTC要素
2a PTC要素の上面
2b PTC要素の下面
2c PTC要素の側面
3 電極
4 さらなるコンタクト
5 キャリア層
5a キャリア層の表面
6 金属層
7 充填材
8 貫通部/ビア
9 プラスチック
10 接続要素
l PTC要素の長さ
d PTC要素の厚さ
H PTCヒータ要素の高さ
L PTCヒータ要素の横方向寸法
X PTCヒータ要素の主長手軸
Y PTCヒータ要素の横軸
100 PTCヒータ要素
101 PTC要素
102 電気コンタクト
103 絶縁層
104 ラジエータ
110 PTCヒータ要素
111 PTC要素
112 電気コンタクト
113 絶縁層
120 PTCヒータ要素
121 PTC要素
122 電気コンタクト
123 モールド
130 PTCヒータ要素
131 PTC要素
132 ラジエータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図9c
図9d
図10
図11a-11b】
【国際調査報告】