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特表2024-506922サンプリングプローブおよびその自動分離デバイス、ならびに使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】サンプリングプローブおよびその自動分離デバイス、ならびに使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/10 20060101AFI20240207BHJP
【FI】
G01N1/10 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548969
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 CN2022076885
(87)【国際公開番号】W WO2022174819
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】202110193177.8
(32)【優先日】2021-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514216801
【氏名又は名称】バオシャン アイアン アンド スティール カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【弁理士】
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(72)【発明者】
【氏名】ディン、イェ
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ルイミン
(72)【発明者】
【氏名】イェ、チャンホン
(72)【発明者】
【氏名】シェン、チェン
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA11
2G052AC24
2G052AD06
2G052AD32
2G052AD52
2G052BA15
2G052CA40
2G052EC02
(57)【要約】
サンプリングプローブおよびサンプリングプローブ自動分離デバイス、ならびに使用方法が提供される。サンプリングプローブは、プローブ尾部領域(1)とプローブ尾部領域(1)の上端に接続されたプローブサンプリング領域(2)とを含む。プローブサンプリング領域(2)は、ツーピース鋳型ハウジング部品(3)とツーピース鋳型ハウジング部品(3)の内部に配置されたサンプル(4)とを含む。ツーピース鋳型ハウジング部品(3)は、燃焼および溶融することができる粘着テープによって巻かれて固定されている。自動分離デバイスは、サンプリングプローブを切断するための切断デバイス(5)、および傾斜底部プレートを含む。傾斜底部プレートの前端は、切断デバイス(5)に近接して設置されている。傾斜底部プレートは、前端から後端へと下方に徐々に傾斜する。第1位置調整デバイス(9)、第1分離デバイス(10)、第2位置調整デバイス(11)、および第2分離デバイス(12)は、傾斜底部プレートの前端と後端との間に連続して配置されている。ハウジングからサンプルを分離することが困難であるという問題が効果的に解決され得るだけでなく、各部品が抱えている作動機構の状況が、各部品の姿勢に対する拘束によって回避される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブ尾部領域と、該プローブ尾部領域の上端に接続されたプローブサンプリング領域とを含むサンプリングプローブであって、
該プローブサンプリング領域が、ハウジング、該ハウジングに配置されたツーピース鋳型ハウジング部品、および該ツーピース鋳型ハウジング部品の内部に配置されたサンプルを含み;
該ツーピース鋳型ハウジング部品が、燃焼および溶融することができる粘着テープによって巻かれて固定されている、サンプリングプローブ。
【請求項2】
請求項1に記載のサンプリングプローブにおけるプローブサンプリング領域を切断するための切断デバイスと、傾斜底部プレートとを含む、サンプリングプローブのための自動分離デバイスであって、
該傾斜底部プレートが、前端から後端へと下方に傾斜しており、該傾斜底部プレートの該前端が該切断デバイスに近接しており、そして該傾斜底部プレートの該後端が該切断デバイスから離れて設置されており;および
第1位置調整デバイス、第1分離デバイス、第2位置調整デバイス、および第2分離デバイスが、該傾斜底部プレートの該前端と該傾斜底部プレートの該後端との間に連続して配置されている、自動分離デバイス。
【請求項3】
第1位置調整デバイスが、傾斜底部プレートの前端から傾斜底部プレートの後端への方向に連続して配置された少なくとも2つの衝突点を含み;および/または
切断デバイスが、せん断デバイス、絞りデバイスまたは鋸断デバイスを含む、
請求項2に記載のサンプリングプローブのための自動分離デバイス。
【請求項4】
衝突位置が反転衝突点および拘束衝突点を含み、そして該反転衝突点が、プローブサンプリング領域の端面に当接するために用いられ、および該拘束衝突点が、プローブサンプリング領域の外周側に当接するために用いられる、請求項3に記載のサンプリングプローブのための自動分離デバイス。
【請求項5】
傾斜底部プレートの上面における反転衝突点と拘束衝突点との間の距離が、プローブサンプリング領域の端面の半径よりも小さくない、請求項4に記載のサンプリングプローブのための自動分離デバイス。
【請求項6】
第1分離デバイスが第1サイドプレート、第2サイドプレートおよび反転プレートを含み、
該第1サイドプレートおよび該第2サイドプレートが、傾斜底部プレートの上面に接続されており、それによって第1シュートを形成し、
該第1シュート内に位置する該傾斜底部プレートに落下開口部が設けられており、および該反転プレートが該傾斜底部プレートの下面に接続されており、そして該落下開口部を覆い;
該第1シュートが、該傾斜底部プレートの前端から後端への方向へと徐々に小さくなる構造として配置されており、そして該第1シュートの出口の最小サイズが、ツーピース鋳型ハウジング部品の最大サイズよりも大きくかつプローブサンプリング領域の断面直径よりも小さい、請求項2に記載のサンプリングプローブのための自動分離デバイス。
【請求項7】
第1サイドプレートの高さおよび第2サイドプレートの高さが両方とも、プローブサンプリング領域の断面半径よりも大きい、請求項6に記載のサンプリングプローブのための自動分離デバイス。
【請求項8】
第2位置調整デバイスが第2シュートを含み、そして該第2シュートの入口が第1シュートの出口と連通している、請求項6に記載のサンプリングプローブのための自動分離デバイス。
【請求項9】
第2シュートの内部側壁が、角度が変化する曲面として設定されている、請求項8に記載のサンプリングプローブのための自動分離デバイス。
【請求項10】
第2分離デバイスが、第3サイドプレート、第4サイドプレートおよびサンプル抽出領域を含み;ここで
該第3サイドプレートおよび該第4サイドプレートが傾斜底部プレートの上面に接続されており、それによって第3シュートを形成し;
該第3シュートの入口が第2シュートの出口と連通しており;
該サンプル抽出領域が該第3シュートの低位置に位置している、請求項8に記載のサンプリングプローブのための自動分離デバイス。
【請求項11】
第3シュートが、傾斜底部プレートの前端から後端への方向へと徐々に大きくなる構造として配置されており、そして第3サイドプレートおよび第4サイドプレートの傾斜角度が、該傾斜底部プレートの該前端から該後端への方向へと徐々に増加する、請求項10に記載のサンプリングプローブのための自動分離デバイス。
【請求項12】
第3シュートの入口のサイズが、ツーピース鋳型ハウジング部品が結合状態にある場合に形成されるシリンダーの高さよりも大きく、かつ該ツーピース鋳型ハウジング部品が結合状態にある場合に形成される該シリンダーの直径よりも小さい、請求項11に記載のサンプリングプローブのための自動分離デバイス。
【請求項13】
反転プレートが、調整可能ヒンジによって傾斜底部プレートの下面に接続されている、請求項6に記載のサンプリングプローブのための自動分離デバイス。
【請求項14】
第3シュートの下端に仕切りプレートがさらに設けられている、請求項10に記載のサンプリングプローブのための自動分離デバイス。
【請求項15】
第3シュートの下端に矩形開口部が設けられており、そして該矩形開口部に、サンプル抽出領域に近接するその縁上に遮断プレートが設けられている、請求項10に記載のサンプリングプローブのための自動分離デバイス。
【請求項16】
傾斜底部プレートが、第1傾斜底部プレートと、該第1傾斜底部プレートの後端に接続された第2傾斜底部プレートとを含む、請求項2に記載のサンプリングプローブのための自動分離デバイス。
【請求項17】
傾斜底部プレートが30°の傾斜角度を有する、請求項2に記載のサンプリングプローブのための自動分離デバイス。
【請求項18】
以下の工程:
1)サンプリングプローブの軸方向中心線を切断デバイスの作動方向に対して垂直に保持する工程;
2)該サンプリングプローブの一端に関して該サンプリングプローブと該切断デバイスとの間の位置関係を測定および調整し、そして調整後、該サンプリングプローブの位置を印付けし記録する工程;
3)該切断デバイスによって切断された該サンプリングプローブの位置に従って、傾斜底部プレート上の第1位置調整デバイスの取付位置を事前に決定する工程;
4)該傾斜底部プレートの傾斜角度を調整する工程;
5)同じ仕様を有する複数のサンプリングプローブを該切断デバイスによって繰り返し切断し、そして第1分離デバイス、第2位置調整デバイスおよび第2分離デバイスを調整する工程;および
6)工程5)において調整工程を完了した後、最終取付位置を決定し、それによって自動分離デバイスを得る工程
を含む、請求項2~17のいずれか1項に記載の自動分離デバイスに基づく使用方法。
【請求項19】
工程5)における調整が、以下の工程:
5.1)サンプリングプローブから切断したプローブサンプリング領域の衝突位置を観察し、第1位置調整デバイス上の拘束衝突点が該プローブサンプリング領域の側面に位置するように第1位置調整デバイスを調整し、そして次いで、第1シュートと衝突するプローブサンプリング領域の位置に従って第1分離デバイス上の拘束衝突点の位置を精密に調整する工程;
5.2)落下開口部を開口し、そして該落下開口部におけるツーピース鋳型ハウジング部品およびサンプルの分離を観察する工程;および
5.3)第2位置調整デバイスおよび第2分離デバイスにおけるツーピース鋳型ハウジング部品およびサンプルの運動状態を観察し、そして該ツーピース鋳型ハウジング部品および該サンプルが第3シュートからうまく分離されるまで該第2位置調整デバイスおよび該第2分離デバイスを調整する工程
を具体的に含む、請求項18に記載の使用方法。
【請求項20】
傾斜底部プレートが30°の傾斜角度を有する、請求項18に記載の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、冶金の技術分野、特にサンプリングプローブおよびその自動分離デバイス、ならびに使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
冶金生産において、添加物の種類および量ならびに温度に従った製錬の終点、溶融プールにおける溶融金属の炭素含有量および他の化学組成物を決定することが必要である。これらの化学組成物の含有量を正確に得るため、サンプルを取り、そして空気圧サンプル送出デバイスによって分析のための実験室に送る必要がある。現在、製錬エリアは、主に、温度測定のための複合プローブを取り付け、そして温度測定ガンにサンプリングし、そして次いで製錬液体に温度測定ガンを手動で挿入することによって測定される。サンプリング後のプローブサンプルの分離操作に関し、先行技術において通常手動が採用され、従って製錬エリアの全体的な自動化レベルを制限する。
【0003】
現在使用されているサンプリングプローブの外側は、管状ペーパーハウジングからなり、そしてプローブの内側は、異なる金属サンプル鋳型ボックスに従って種々の形態を有する。より一般的な形態の1つは、シリンダー状フラットサンプルであり、そしてサンプルのための鋳型ボックスのハウジングは、ツーピース構造のものであり、これは金属クランプによって固定されて一体となる。この金属クランプは、サンプリングされた溶融金属がその中で固化されるプロセスにおいてツーピース鋳型ボックスハウジングが常に結合状態で保持されることを確保するために使用され、その結果、溶融金属の得られた固化したサンプルは、縁にバリを有しない均一なシリンダーである。
【0004】
中国特許CN203545142Uは、サンプルを自動的に曝露するためのデバイスを開示し、ここで、プローブがまず支持デバイスによってその外面上に固定され、サンプルを有するプローブが分配デバイスによって分配され、そしてハウジングを有するサンプルが、パンチによって、プローブの分配された領域から追い出される。ハウジングおよびサンプルを含む充填材は、導入デバイスを通じてハウジング取り外しデバイスに導入され、ここでハウジングは、サンプリングの間サンプルハウジングを閉じたまま保持するためのクランプを含む。ハウジング取り外しデバイスは、底部プレート、振動モーター、遠心デバイス、衝突体などを含む。底部プレートは下方に傾斜しており、そして底部プレートの底面には振動モーターが設けられている。底部プレートの振動により、サンプルはハウジング取り外しデバイスにおける遠心デバイスに向かって動かされる。遠心デバイスの下のギャップは、分離したサンプルおよびハウジングが通過するだけの大きさであり、そして分離していないサンプルおよびハウジングは、遠心デバイスによって衝突体に向かう衝撃を得る。衝突体の衝突により、物体は大抵の場合分解する。分解したサンプル、ハウジングおよび充填材は、遠心デバイスの下のギャップを通過してサンプル抽出領域に向かって動く。サンプル抽出領域に達する前に、分解したサンプル、ハウジングおよび充填材は、その上にハウジングおよび充填材のためのチャネルが配置されている遮断層によって遮断され、その結果、ハウジングと充填材とはチャネルを通って分離され、そしてサンプルはそのサイズのせいでチャネルを通過することができず、従ってサンプルは遮断層によって案内されそして最後にサンプル抽出領域に入る。デバイスは多数の作動機構、複雑な構造、高コスト、大掛かりなメンテナンス後作業を有し、そして信頼性を保証することは困難である。クランプを有するハウジング部品が衝突体に衝突することを遠心デバイスによって可能にする方法は、大抵の場合でサンプルがハウジングから分離されることを確保し得るだけであり、クランプがあまりにもきつく取り付けられている状況に対処することは困難であり、そしてサンプルをハウジングから分離することは困難である。さらに、デバイスは各部品の姿勢に対する拘束を有さず、その結果、部品の任意の姿勢のせいで、遠心デバイスと底部プレートとの間のギャップで詰まりが容易に起こる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
要約
先行技術における上述の欠点を鑑みて、本発明の目的は、サンプルとハウジングとの間の困難な分離の問題を効果的に解決し得るだけでなく、各部品の姿勢に対する拘束によって作動機構と部品との間の詰まりを回避し得る、サンプリングプローブ、自動分離デバイス、およびその使用方法を提供することである。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は以下の技術的解決法を採用する。
【0007】
1つの局面において、プローブ尾部領域と、該プローブ尾部領域の上端に接続されたプローブサンプリング領域とを含むサンプリングプローブであって、
該プローブサンプリング領域が、ハウジング、該ハウジングに配置されたツーピース鋳型ハウジング部品、および該ツーピース鋳型ハウジング部品の内部に配置されたサンプルを含み;
該ツーピース鋳型ハウジング部品が、燃焼および溶融することができる粘着テープによって巻かれて固定されている、サンプリングプローブが提供される。
【0008】
別の局面において、サンプリングプローブにおけるプローブサンプリング領域を切断するための切断デバイスと、傾斜底部プレートとを含む、サンプリングプローブのための自動分離デバイスであって;
該傾斜底部プレートが、前端から後端へと下方に傾斜しており、該傾斜底部プレートの該前端が該切断デバイスに近接しており、そして該傾斜底部プレートの該後端が該切断デバイスから離れて設置されており;
第1位置調整デバイス、第1分離デバイス、第2位置調整デバイス、および第2分離デバイスが、該傾斜底部プレートの該前端と該傾斜底部プレートの該後端との間に連続して配置されている、自動分離デバイスが提供される。傾斜底部プレートは斜め下方に配置されているので、傾斜底部プレートの上面には、第1位置調整デバイス、第1分離デバイス、第2位置調整デバイスおよび第2分離デバイスが上端から下端へと連続して設けられているとも言える。
【0009】
切断デバイスは、サンプルおよびツーピース鋳型ハウジング部品を含むプローブサンプリング領域をサンプリングプローブから切断するために用いられ、そして切断デバイスの切断面は、フラットシリンダー状サンプルおよびツーピース鋳型ハウジング部品のための案内チャネルの開口部に位置しており、そしてツーピース鋳型ハウジング部品が結合状態にある場合に形成されるシリンダーの側面に正接している。
【0010】
好ましくは、第1位置調整デバイスは、傾斜底部プレートの前端から傾斜底部プレートの後端への方向に連続して配置されている少なくとも2つの衝突点、または傾斜底部プレートの上面に上端から下端へと連続して配置されている少なくとも2つの衝突点を含み;および/または
任意の範囲の切断デバイスは、せん断デバイス、絞りデバイスまたは鋸断デバイスを含むが、これらに限定されない。
【0011】
好ましくは、衝突点は、反転衝突点および拘束衝突点を含み;ここで
反転衝突点は、切断後に傾斜底部プレートに落ちるプローブサンプリング領域の端面に当接するために用いられ、そして拘束衝突点は、プローブサンプリング領域の外周側に当接するために用いられ;すなわち、切断デバイスによってせん断された後、プローブサンプリング領域はサンプリングプローブから分離され、そして傾斜底部プレートが位置する領域に入る。反転衝突点は、プローブサンプリング領域の端面に当接し得、そして拘束衝突点は、プローブサンプリング領域の外周側に当接し得る。
【0012】
好ましくは、傾斜底部プレートの上面における反転衝突点と拘束衝突点との間の距離は、プローブサンプリング領域の端面の半径よりも小さくない。この解決法は、プローブサンプリング領域が衝突後に傾斜底部プレートから飛び出すのを拘束することが可能であるように採用される。傾斜底部プレートの上面における反転衝突点と拘束衝突点との間の距離がプローブサンプリング領域の端面の半径よりも小さい場合、プローブサンプリング領域は、衝突の間、重力の方向とは反対の分力に供され、プローブサンプリング領域の垂れ下がった状態での飛び出しを引き起こす。
【0013】
好ましくは、第1分離デバイスは第1サイドプレート、第2サイドプレートおよび反転プレートを含み;ここで
第1サイドプレートおよび第2サイドプレートは傾斜底部プレートの上面に接続されており、それによって第1シュートを形成する。すなわち、第1サイドプレート、第2サイドプレートおよび傾斜底部プレートの間で形成されるチャネルは第1シュートと呼ばれる;
第1シュートに位置する傾斜底部プレートには落下開口部が設けられ、そして反転プレートが傾斜底部プレートの下面に接続され、かつ落下開口部を部分的にまたは完全に覆い得る;
第1シュートは傾斜底部プレートの前端から後端への方向に徐々に小さくなる構造として配置され、そして第1シュートの出口の最小サイズは、ツーピース鋳型ハウジング部品の最大サイズよりも大きく、かつプローブサンプリング領域の断面直径よりも小さい。すなわち、第1シュートの出口での第3サイドプレートと第4サイドプレートとの間の距離は、ツーピース鋳型ハウジング部品の最大サイズよりも大きく、かつプローブサンプリング領域のハウジングの断面直径よりも小さく、その結果、ツーピース鋳型ハウジング部品は第1シュートの出口をスムーズに通過し得、そしてプローブサンプリング領域のハウジングは遮られる。
【0014】
好ましくは、第1サイドプレートの高さおよび第2サイドプレートの高さは、両方ともプローブサンプリング領域のハウジングの断面半径よりも大きく、プローブサンプリング領域のハウジングが第1シュートの外へひっくり返るのを防止する。
【0015】
好ましくは、第2位置調整デバイスは第2シュートを含み、そして第2シュートの入口は第1シュートの出口と連通している。
【0016】
好ましくは、第2シュートの内部側壁は、角度が変化する曲面として設定され、ツーピース鋳型ハウジング部品およびサンプルをそこに案内して、第2シュートに入る際の横たわった状態から側面に沿って直立して転がる状態に徐々に変化する。第2シュートの具体的な形状は、上記目的が達成され得る限り特に限定されない。
【0017】
好ましくは、第2分離デバイスは第3サイドプレート、第4サイドプレートおよびサンプル抽出領域を含み;ここで
第3サイドプレートおよび第4サイドプレートは傾斜底部プレートの上面に接続されており、それによって第3シュートを形成する;
第3シュートの入口は第2シュートの出口と連通しており;
サンプル抽出領域は第3シュートの低位置に、または第3シュートの尾部に位置する。
【0018】
好ましくは、第3シュートは傾斜底部プレートの前端から後端への方向に徐々に大きくなる構造として配置され、そして第3サイドプレートおよび第4サイドプレートの傾斜角度は傾斜底部プレートの前端から後端への方向に徐々に増加する。特に、第3サイドプレートおよび第4サイドプレートは前端から後端へと徐々に外側にめくり返り、あるいは第3サイドプレートおよび第4サイドプレートの傾斜角度は反対方向に関して徐々に増加する。
【0019】
好ましくは、第3シュートの入口のサイズは、ツーピース鋳型ハウジング部品が結合状態にある場合に形成されるシリンダーの高さよりも大きく、かつツーピース鋳型ハウジング部品が結合状態にある場合に形成されるシリンダーの直径よりも小さい。あるいは、第3シュートの入口での第3サイドプレートと第4サイドプレートとの間の距離は、ツーピース鋳型ハウジング部品が結合状態にある場合に形成されるシリンダーの高さよりも大きく、かつツーピース鋳型ハウジング部品が結合状態にある場合に形成されるシリンダーの直径よりも小さく、それによりツーピース鋳型ハウジング部品がシリンダーの側面に沿って転がるよう案内する。
【0020】
好ましくは、反転プレートは調整可能ヒンジによって傾斜底部プレートの下面に接続されている。
【0021】
好ましくは、第3シュートの下端(または尾部)には仕切りプレートがさらに設けられる。
【0022】
好ましくは、第3シュートの下端(または尾部に近接する位置)には矩形開口部が設けられ、そして矩形開口部には、サンプル抽出領域に近接するその縁に遮断プレートが設けられ、すなわち、矩形開口部の終端には遮断プレートが設けられる。
【0023】
好ましくは、傾斜底部プレートは、第1傾斜底部プレートと、第1傾斜底部プレートの後端に接続された第2傾斜底部プレートとを含む。
【0024】
好ましくは、傾斜底部プレートの傾斜角度は30°である。あるいは、サンプリングプローブ自動分離デバイスが水平に設置される場合、傾斜底部プレートと水平方向との間の傾斜角度は30°であり、それによりサンプルが自動分離デバイス上を前端から後端へと移動するよう案内する。さらに、複数の傾斜底部プレートを有する実施態様において、傾斜底部プレートは異なる傾斜角度を有し得る。
【0025】
さらに別の局面において、以下の工程を含む、自動分離デバイスの使用方法が提供される:
1)サンプリングプローブの軸方向中心線を切断デバイスの作動方向に対して垂直に保持し、またはサンプリングプローブの軸を切断デバイスの切断面に対して垂直に保持する工程;
2)サンプリングプローブの一端に関してサンプリングプローブと切断デバイスとの間の位置関係を測定および調整し、そして調整後、サンプリングプローブの位置を印付けし記録する工程;印付けし記録することは、サンプリングプローブの内部構造が公知であることを意味し、そしてサンプリングプローブと切断デバイスとの間の位置関係が測定されそしてサンプリングプローブのサンプリング終端に関して調整され、その結果、切断デバイスの切断面は、ツーピース鋳型ハウジング部品が結合状態にある場合に形成されるシリンダーの側面に正接する位置に位置する;
3)切断デバイスによって切断されるサンプリングプローブの位置に従って傾斜底部プレート上の第1位置調整デバイスの取付位置を事前に決定する工程;
4)傾斜底部プレートの傾斜角度を調整する工程;
5)同じ仕様を有する複数のサンプリングプローブを切断デバイスによって繰り返し切断し、そして第1分離デバイス、第2位置調整デバイスおよび第2分離デバイスを調整する工程;および
6)工程5)において調整工程を完了した後、最終取付位置を決定し、それによって自動分離デバイスを得る工程。
【0026】
好ましくは、工程5)における調整は、以下の工程を具体的に含む:
5.1)サンプリングプローブから切断されたプローブサンプリング領域の衝突位置を観察し、その上の拘束衝突点がプローブサンプリング領域の側面に位置するよう第1位置調整デバイスを調整し、そして次いで、第1シュートに衝突するプローブサンプリング領域の位置に従って第1分離デバイス上の拘束衝突点の位置を精密に調整する工程;
5.2)落下開口部内でのツーピース鋳型ハウジング部品とサンプルとの分離を観察するために落下開口部が開口している;および
5.3)第2位置調整デバイスおよび第2分離デバイスにおけるツーピース鋳型ハウジング部品およびサンプルの運動状態を観察し、そしてツーピース鋳型ハウジング部品およびサンプルが第3シュートから首尾よく分離されるまで、第2位置調整デバイスおよび第2分離デバイスを調整する工程。
【0027】
好ましくは、工程4)において、傾斜底部プレートの傾斜角度は30°に調整される。
【0028】
本発明によって提供されるサンプリングプローブ、サンプル自動分離デバイスおよびその使用方法は、以下の有益な効果をさらに有する:
1)本発明の自動分離デバイスは、プローブ自体の重力作用を十分に活用し、そして案内しかつその運動および姿勢を制限することによってサンプルからのプローブの自動分離を実現する;
2)本発明の自動分離デバイスは、より少ない作動機構、単純な構造、低コストを有し、そして維持が容易であり、これは、部品の困難な姿勢拘束によって引き起こされる作動機構を有する部品間の詰まりを効果的に回避する;
3)本発明のサンプリングプローブは、燃焼および溶融することができる粘着テープによって巻かれたツーピース鋳型ハウジング部品を採用し、これは、サンプリングの間、ハウジングが結合状態で保持される要件を満足し、そしてハウジング部品を固定するために使用される粘着テープは、サンプリング後の高温での金属の作用によって燃焼および溶融されるので、固定クランプの締めすぎによって引き起こされるサンプルからハウジングを分離することが困難であるという先行技術の問題は、解決される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明によるサンプリングプローブの構造模式図である;
図2図2は、本発明によるサンプリングプローブにおけるプローブサンプリング領域の、ハウジングに配置されたツーピース鋳型ハウジング部品および該ツーピース鋳型ハウジング部品に配置されたサンプルの構造模式図である;
図3図3は、本発明による自動分離デバイスの構造模式図である;
図4図4は、本発明による自動分離デバイスにおける第1位置調整デバイス上の拘束衝突点および反転衝突点の模式図である;
図5図5は、本発明による自動分離デバイスにおける第1分離デバイスの構造模式図である;
図6図6は、本発明による自動分離デバイスにおける第2位置調整デバイスの構造模式図である;
図7図7は、本発明による自動分離デバイスの第2分離デバイスの第1の実施態様の模式図である;
図8図8は、本発明による自動分離デバイスの第2分離デバイスの第2の実施態様の模式図である;および
図9図9は、本発明による自動分離デバイスに沿った本発明によるサンプリングプローブにおけるプローブサンプリング領域の運動追跡の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
詳細な説明
本発明の上記技術的解決法をよりよく理解することができるために、本発明の技術的解決法は、添付の図面および実施態様とともにさらに説明される。
【0031】
図1および2を参照して、本発明によって提供されるサンプリングプローブは、プローブ尾部領域1と、プローブ尾部領域1の上端に接続されたプローブサンプリング領域2とを含み;プローブサンプリング領域2は、ペーパーハウジング、ペーパーハウジング中に配置されたツーピース鋳型ハウジング部品3、およびツーピース鋳型ハウジング部品3中に配置されたサンプル4を含み;ツーピース鋳型ハウジング部品3は、燃焼および溶融することができる粘着テープによって巻かれて固定されている。
【0032】
本発明の自動分離デバイスにおいて、切断デバイス5は、そのサンプリングが完了したサンプリングプローブを、図1における切断デバイス5の作動方向に対して垂直な方向に置き、サンプリングプローブを2つの部分、すなわちプローブ尾部領域1およびプローブサンプリング領域2に切断する。切断デバイス5の作動方向によって形成される切断面は、フラットシリンダーおよびツーピース鋳型ハウジング部品3の案内チャネル6に位置し、そしてツーピース鋳型ハウジング部品3が結合状態にある場合に形成されるシリンダー状側面に正接している。切断デバイス5の機能は、サンプリングプローブのペーパーハウジングを押し出しそして変形させることであり、そして変形した開口部形状はツーピース鋳型ハウジング部品3にとって好ましく、そしてサンプル4が外に出る。
【0033】
ツーピース鋳型ハウジング部品3は、組み立ての間に燃焼および溶融することができる粘着テープによって巻かれて固定されており、そしてサンプリングの間、ツーピース鋳型ハウジング部品3は、燃焼および溶融することができる粘着テープの作用下で結合状態が保持され;サンプル4が取られた後、燃焼および溶融することができる粘着テープは溶融金属によって燃焼および溶融され、そして次いで、案内チャネル6を通ってツーピース鋳型ハウジング部品3に入る溶融金属は、固体状態に固化される。切断デバイス5の作用によって、ツーピース鋳型ハウジング部品3中のサンプル4、および案内チャネル6を流れる高温金属によって形成されるシャンク形状の金属は、破壊され分離され、そしてサンプル4は均一なフラットシリンダーである。
【0034】
図3に示すように、本発明によって提供されるサンプリングプローブ自動分離デバイスは、サンプリングプローブを切断するための切断デバイス5、および切断デバイス5の下流に位置する傾斜底部プレートを含む。
【0035】
傾斜底部プレートは、前端から後端へと下方に傾斜しており、傾斜底部プレートの上端(すなわち、前端)は切断デバイス5に近接して設置されており;傾斜底部プレートの下端(すなわち、後端)は切断デバイス5から遠く離れており、そして前端が位置する水平面よりも低い。
【0036】
好ましくは、傾斜底部プレートの下方への傾斜角度は30°であり、すなわち、傾斜底部プレートと水平面との間の傾斜角度は30°である。
【0037】
いくつかの実施態様において、傾斜底部プレートは、第1傾斜底部プレート7と、第1傾斜底部プレート7の下端(または後端)に接続された第2傾斜底部プレート8とを含み得る。この実施態様において、第1傾斜底部プレート7および第2傾斜底部プレート8は同一のプレートである。
【0038】
第1位置調整デバイス9、第1分離デバイス10、第2位置調整デバイス11および第2分離デバイス12は、傾斜底部プレートの上端と傾斜底部プレートの下端との間に連続して配置されている。
【0039】
サンプリングプローブが切断デバイス5によって切断された後、プローブサンプリング領域2は第1傾斜底部プレート7に落下し、そしてプローブサンプリング領域2は、水平状態から第1傾斜底部プレート7に沿って滑り落ちる状態へと変化する。
【0040】
第1位置調整デバイス9は、拘束衝突点901(この実施態様における拘束衝突点901は細長棒である)、反転衝突点902(この実施態様における反転衝突点902もまた細長棒である)および複数の案内点903(この実施態様における案内点903は案内棒、すなわち、細長棒であり、これは設定位置に従って案内する役割を果たし得る)を含み、これらは傾斜底部プレートの上端から傾斜底部プレートの下端へと順番に配置されており、そして全て第1傾斜底部プレート7の上面に設置されている。この実施態様において、反転衝突点902は1つの反転衝突点を提供し、そして拘束衝突点901は1つの拘束衝突点を提供するが、本願は反転衝突点および拘束衝突点の数を限定しない。プローブサンプリング領域2の滑り落ちた端面は反転衝突点902と衝突し(図4に示すように)、そしてプローブサンプリング領域2の側面は拘束衝突点901と衝突し、そして次いで横転し、その結果サンプル4を有するツーピース鋳型ハウジング部品3の開口側は徐々に下向けになり、そして案内点903によって案内されて第1分離デバイス10に落ちる。
【0041】
第1分離デバイス10は、第1サイドプレート1001、第2サイドプレート1002および反転プレート1003を含む。
【0042】
第1サイドプレート1001および第2サイドプレート1002は、第1傾斜底部プレート7の上面に設置され、それによって第1シュート1005を形成する;第1サイドプレート1001および第2サイドプレート1002の下の、第1シュート1005が位置する第1傾斜底部プレート7に落下開口部1004が設けられ、反転プレート1003は傾斜底部プレートの下面に接続され、そして落下開口部1004を覆い、そして落下開口部1004のサイズは、プローブサンプリング領域2がスムーズに通過するのを確保する。
【0043】
第1シュート1005は、徐々に小さくなる構造として配置され、第1シュート1005の下部での出口の最小サイズは、ツーピース鋳型ハウジング部品3の最大サイズよりも大きく、かつプローブサンプリング領域2の断面直径よりも小さく、それによりプローブサンプリング領域2のペーパーハウジングをペーパーハウジング内部のツーピース鋳型ハウジング部品3から分離する。
【0044】
落下開口部1004は第1サイドプレート1001と第2サイドプレート1002との間に形成され、そして第1シュート1005の出口は第1サイドプレート1001の下端と第2サイドプレート1002の下端との間に形成される。反転プレート1003は、調整可能ヒンジ1006によって第1傾斜底部プレート7の下面に接続され、そして落下開口部1004の位置を覆い得る(図5に示すように)。
【0045】
プローブサンプリング領域2は、開口側が徐々に下方に向くよう横向きになり、慣性のせいで第1シュート1005になだれ込み、この瞬間、プローブサンプリング領域2と第1傾斜底部プレート7との間に力は存在しない。プローブサンプリング領域2の開口側は第1シュート1005の下部でサイドプレートと出口で衝突し、そしてプローブサンプリング領域2は、そのサイズが第1シュート1005の出口を通過することができないので、第1シュートにおいて遮られ;プローブサンプリング領域2およびツーピース鋳型ハウジング部品3のサンプル4は、次いで第1シュート1005の下部で出口から飛び出し続け得る。プローブサンプリング領域2のペーパーハウジングは、それ自体の重力作用により、第1傾斜底部プレート7の下面に設置された反転プレート1003が下方へとひっくり返るのを可能にし、そして落下開口部1004を通過して分離デバイスから外に出て、その結果、サンプル4およびツーピース鋳型ハウジング部品3からのプローブサンプリング領域2のペーパーハウジングの分離が完了する。
【0046】
第1サイドプレート1001および第2サイドプレート1002の高さは、プローブサンプリング領域2の断面半径よりも少なくとも大きいべきであり、プローブサンプリング領域2が慣性のせいで第1サイドプレート1001および第2サイドプレート1002の外へ直接ひっくり返るのを防止する。
【0047】
第2位置調整デバイス11は、第2傾斜底部プレート8の上面に設置された第2シュート1101を含み、そしてサンプル4およびツーピース鋳型ハウジング部品3の姿勢を調整するために用いられる。第2シュート1101の内壁は、種々の角度を有する曲面1102として配置され、そして第2シュート1101の入口1103は第1シュート1005の出口と連通している。第1シュート1005から滑り落ちるサンプル4およびツーピース鋳型ハウジング部品3は、第2シュート1101を通過し、任意の姿勢からほとんど直立状態、すなわち、鋳型ハウジング部品3の側面に沿って転がる状態へと段階的に調整され、そして第2分離デバイス12に入る。
【0048】
第2分離デバイス12は、傾斜角度を有する第3サイドプレート1201および傾斜角度を有する第4サイドプレート1202を含み、そして第3シュート1203は第3サイドプレート1201と第4サイドプレート1202との間に形成される。
【0049】
第3サイドプレート1201および第4サイドプレート1202は第2傾斜底部プレート8の上面に接続され、第3サイドプレート1201および第4サイドプレート1202の上端は傾斜底部プレートの上端に向くよう配置され、そして第3サイドプレート1201および第4サイドプレート1202の下端は傾斜底部プレートの下端に向くよう配置される。第3サイドプレートおよび第4サイドプレートは、傾斜底部プレートの前端から後端への方向に徐々に外側にめくり返る(あるいは第3サイドプレートおよび第4サイドプレートの傾斜の角度は反対方向に徐々に増加する)。第3サイドプレート1201と第4サイドプレート1202との間の距離は前端から後端へと徐々に大きくなる。
【0050】
第3シュート1203の入口は第2シュート1101の出口1105と連通し、そして第3シュート1203の入口のサイズは、ツーピース鋳型ハウジング部品3が結合状態にある場合に形成されるシリンダーの高さよりも大きく、かつツーピース鋳型ハウジング部品3が結合状態にある場合に形成されるシリンダーの直径よりも小さいべきである。
【0051】
サンプル4は標準的なフラットシリンダーであり、これは第2分離デバイス12に入る際には直立状態にあり、次いで第3シュート1203において直線に沿って転がり滑り落ち、そして第3シュート1203の中心線位置に常に位置し、一方、ツーピース鋳型ハウジング部品3は、面取りした面を有するせいで、滑り落ちる間、直立状態から第3サイドプレート1201および第4サイドプレート1202に沿って転がる状態へと徐々に変化する。第3サイドプレート1201および第4サイドプレート1202の外側への傾斜の角度が徐々に増加するので、および第3シュート1203が前端から後端へと徐々に広くなるので、ツーピース鋳型ハウジング部品3は第3シュート1203の中心線から徐々に外れ、そしてツーピース鋳型ハウジング部品3とサンプル4との間の距離は、ツーピース鋳型ハウジング部品3とサンプル4とが完全に分離するまでだんだんと大きくなり、次いでサンプル4は第3シュート1203の出口に位置するサンプル抽出領域1204に落ちる。
【0052】
再び図4を参照して、反転衝突点902によって提供される反転衝突点と拘束衝突点901および第1傾斜底部プレート7によって提供される拘束衝突点との間の距離は、プローブサンプリング領域2の端面の半径よりも小さくない;プローブサンプリング領域2が図4に示すように第1傾斜底部プレート7に対して垂直な軸方向断面に関して左領域および右領域に分割される場合、反転衝突点および拘束衝突位置は同じ領域に位置するべきである。
【0053】
再び図5を参照して、第1傾斜底部プレート7の下面には、落下開口部1004において、下方にひっくり返る反転プレート1003が調整可能ヒンジ1006によって設けられる。慣性によって第1シュート1005になだれ込むプローブサンプリング領域2は、第1シュート1005の下部で出口に衝突する。サンプル4およびツーピース鋳型ハウジング部品3は出口から第2シュートに滑り込み、そしてプローブサンプリング領域2のペーパーハウジングは、それ自体の重力により、反転プレート1003を下方にひっくり返すことができ、それによって落下開口部1004から落ちてサンプル4およびツーピース鋳型ハウジング部品3からのプローブサンプリング領域2のペーパーハウジングの分離を完了する。調整可能ヒンジ1006による反転プレート1003のひっくり返しを実現することに加えて、反転プレート1003の開閉は空気シリンダーによって制御することができる。さらに、プローブサンプリング領域2は、それ自体の慣性のせいで、落下開口部1004から落ちない。プローブサンプリング領域2が第1シュート1005の出口に衝突する前にプローブサンプリング領域2と第1傾斜底部プレート7との間に作用する力が存在しないからである。その結果、いくつかの実施態様において反転プレート1003は省略され得る。
【0054】
図6を参照して、第2シュート1101の内壁は種々の角度を有する曲面1102として設定され、曲面1102は、第2シュート1101の入口1103において第2シュート1101の底部プレート1104に平行であり、そして曲面1102は、第2シュート1101の出口1105において第2シュート1101の底部プレート1104に対して垂直である。
【0055】
図7を参照して、ここで第3シュート1203の第1の実施態様が示される。2つの仕切りプレート1205が第3シュート1203の出口位置において傾斜底部プレートに設置される。サンプル抽出領域1204は、第3シュート1203の出口位置の終端に位置しており、そして2つの仕切りプレート1205の間に位置している。サンプル4は、第3シュート1203の中心線上で直線に沿って転がり滑り落ち、2つの仕切りプレート1205の間のチャネルに滑り込み、そして下のサンプル抽出領域1204に落ち、一方、ツーピース鋳型ハウジング部品3は、面取りされた面を有するせいで、第3サイドプレート1201および第4サイドプレート1202に対して転がらず、仕切りプレート1205と第3サイドプレート1201との間のチャネルおよび仕切りプレート1205と第4サイドプレート1202との間のチャネルに滑り込み、鋳型ハウジング部品領域に落ちる。
【0056】
図8を参照して、ここで第3シュート1203の第2の実施態様が示される。傾斜底部プレートの中心線には、第3シュート1203の出口位置において、矩形開口部1206が設けられる。サンプル抽出領域1204に近接する矩形開口部1206の縁(すなわち、矩形開口部の終端)には、遮断プレート1207が設けられる。サンプル抽出領域1204は矩形開口部1206の下に位置する。サンプル4は、第3シュート1203の中心線上で直線に沿って転がり滑り落ち、そして矩形開口部1206から下のサンプル抽出領域1204に落ち、一方、ツーピース鋳型ハウジング部品3は、面取りされた面を有するせいで、第3サイドプレート1201および第4サイドプレート1202に対して転がらず、第3シュート1203の出口から滑り落ち、そしてハウジング部品収集領域に落ちる。
【0057】
図9を参照して、本発明はまた、以下の工程を含む、自動分離デバイスの使用方法を提供する:
1)図1に示すように、サンプリングプローブの初期組み立ての間のサンプル入口13およびツーピース鋳型ハウジング部品3の相対位置は固定されそして公知であるので、サンプリングプローブの外観を観察し、結合状態のツーピース鋳型ハウジング部品3によって形成されるフラットシリンダーの2つの円形端面をサンプル入口13の位置に従って切断デバイス5の作動方向に対して垂直に保持し、そしてサンプル入口13を水平方向に配置する工程;
2)切断面は、フラットシリンダー状サンプル4およびツーピース鋳型ハウジング部品3の案内チャネル6に位置し、そしてツーピース鋳型ハウジング部品3が結合状態にある場合に形成されるシリンダーの側面に正接する。プローブサンプリング領域2の最上端部に関し、公知のプローブサンプリング領域2の最上端面と切断面との間の距離は91 mmであると測定され、そしてプローブサンプリング領域2の前端面と切断デバイス5との間の位置関係は91 mm離れているように調整される。調整されたプローブサンプリング領域2の位置は、切断デバイス5に印が付けられそして記録され、その結果、プローブサンプリング領域2は続く試験で同じ位置で切断される;
3)第1傾斜底部プレート7の上面に対する拘束衝突点901、反転衝突点902、および案内点903の取付位置を、切断デバイス5によって切断されるプローブサンプリング領域2の位置に従って事前に決定する工程。反転衝突点902はプローブサンプリング領域2の端部に位置し、一方、拘束衝突点901はプローブサンプリング領域2の側面に位置し、そして拘束衝突点901と第1傾斜底部プレート7との間の距離ならびに反転衝突点902と第1傾斜底部プレート7との距離は、両方ともプローブサンプリング領域2の端面の半径よりも小さくない;
4)第1傾斜底部プレート7の角度を水平方向から30°であるように調整し、第2傾斜底部プレート8の初期角度を第1傾斜底部プレート7の角度と一致するよう維持し、そして第1傾斜底部プレート7の下面上の反転プレート1003を閉じた位置に保持し、すなわち、落下開口部1004を覆う工程;
5)サンプリングプローブを切断デバイス5によって切断し、複数の試験を繰り返し、そして第1分離デバイス10、第2位置調整デバイス11および第2分離デバイス12を調整する工程;および
6)工程5)における調整工程が完了した後、自動分離デバイスが製造される。
【0058】
工程5)における調整は、以下の工程を具体的に含む:
5.1)プローブサンプリング領域2のひっくり返る姿勢を観察し、そして拘束衝突点がプローブサンプリング領域2の側面に位置するよう拘束衝突点901を精密に調整し;第1シュート1005に衝突するプローブサンプリング領域2の位置に従って反転衝突点902の位置を精密に調整し;第1シュート1005に衝突するプローブサンプリング領域2の位置が第1分離デバイス10の第1サイドプレート1001に位置する場合、反転衝突点を右に精密に調整し;第1シュート1005に衝突するプローブサンプリング領域2の位置が第1分離デバイス10の第2サイドプレート1002に位置する場合、反転衝突点を左に精密に調整する。第1シュート1005に衝突するプローブサンプリング領域2の位置は、複数の試行後、第1シュート1005の下部で出口に位置する;
5.2)次いで、第1傾斜底部プレート7の下面上の反転プレート1003をひっくり返し、サンプル4およびツーピース鋳型ハウジング部品3がプローブサンプリング領域2からスムーズに分離し得るかどうかを観察し;サンプル4およびツーピース鋳型ハウジング部品3が分離されるべきプローブサンプリング領域2から滑り落ちる前にプローブサンプリング領域2が落下開口部1004から落ちた場合、第1傾斜底部プレート7の傾斜角度を増加し、それにより、サンプル4およびツーピース鋳型ハウジング部品3がプローブサンプリング領域2から第2シュート1101に滑り落ちるまでプローブサンプリング領域2に十分な衝撃を提供し、そしてプローブサンプリング領域2のペーパーハウジングが落下開口部1004を通って自動分離デバイスから落ちる;
5.3)第2位置調整デバイス11および第2分離デバイス12の第3シュート1203におけるサンプル4およびツーピース鋳型ハウジング部品3の運動状態を観察し、そして第3シュート1203におけるサンプル4およびツーピース鋳型ハウジング部品3の速度がゼロまで減少した場合、およびサンプル4およびツーピース鋳型ハウジング部品3が第3シュート1203に詰まったせいでスムーズに滑り落ちることができない場合、第2傾斜底部プレート8の傾斜角度を増加させ;サンプル4およびツーピース鋳型ハウジング部品3の速度が速すぎる場合、およびサンプル4およびツーピース鋳型ハウジング部品3が、第2位置調整デバイス11を通過した後、第3シュート1203から直接飛び出す場合、サンプル4およびツーピース鋳型ハウジング部品3が第3シュート1203の出口でスムーズに分離されるまで、第2傾斜底部プレート8の傾斜角度を減少させる。
【0059】
上記実施態様は本発明を説明しそして本発明を限定しないことを意図すること、および本発明の真の精神内で上記実施態様になされる変形および改変は添付の特許請求の範囲内に含まれることを意図することは、当業者によって理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】