(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】ENT器具のための可撓性センサアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20240207BHJP
A61B 18/14 20060101ALI20240207BHJP
A61B 17/24 20060101ALI20240207BHJP
A61F 11/00 20220101ALI20240207BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B18/14
A61B17/24
A61F11/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549880
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(85)【翻訳文提出日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 IB2022051442
(87)【国際公開番号】W WO2022175877
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516389190
【氏名又は名称】アクラレント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Acclarent, Inc.
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】タルク・フランクリン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】バル-タル・メイル
(72)【発明者】
【氏名】グリナー・バディム
(72)【発明者】
【氏名】エブラヒミ・ババク
(72)【発明者】
【氏名】ホッド・ウリエル
(72)【発明者】
【氏名】バス・シュバユ
(72)【発明者】
【氏名】ライト・アリソン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】フエンテス-オルテガ・セサル
(72)【発明者】
【氏名】サラザール・ヘンリー・エフ
(72)【発明者】
【氏名】パルシ・ジェットミア
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK13
4C160KK37
4C160MM03
4C160MM06
4C160MM32
(57)【要約】
ENT外科用器具は、シャフトアセンブリと、可撓性基材と、可撓性基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースとを含む。シャフトアセンブリは、患者の耳、鼻、又は喉の解剖学的通路に適合するようにサイズ決定及び構成された遠位端を有する。可撓性基材は、シャフトの少なくとも一部分に沿って延在する。少なくとも1つのセンサトレースは、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、少なくとも1つの同心ループ部分は、少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ENT外科用器具であって、
(a)患者の耳、鼻、又は喉の解剖学的通路に適合するようにサイズ決定及び構成された遠位端を有するシャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトの少なくとも一部分に沿って延在する可撓性基材と、
(c)前記可撓性基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースであって、前記少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、前記少なくとも1つの同心ループ部分が、少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定する、少なくとも1つの導電性センサトレースと、を備える、ENT外科用器具。
【請求項2】
前記少なくとも1つのナビゲーションセンサが、近位ナビゲーションセンサ及び少なくとも1つの遠位ナビゲーションセンサを含む、請求項1に記載のENT外科用器具。
【請求項3】
前記少なくとも1つの遠位ナビゲーションセンサが、一対の横方向に隣接する遠位ナビゲーションセンサを含む、請求項2に記載のENT外科用器具。
【請求項4】
前記近位ナビゲーションセンサ及び前記遠位ナビゲーションセンサが、互いに電気的に絶縁されている、請求項2又は3に記載のENT外科用器具。
【請求項5】
前記可撓性基材が、上面及び底面を含み、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサが、前記上面上に位置付けられた上部ナビゲーションセンサ、及び前記上部ナビゲーションセンサの反対側の前記底面上に位置付けられた底部ナビゲーションセンサを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のENT外科用器具。
【請求項6】
前記上部ナビゲーションセンサ及び前記底部ナビゲーションセンサが、互いに電気的に結合されている、請求項5に記載のENT外科用器具。
【請求項7】
前記少なくとも1つのセンサトレースの近位端に電気的に結合された少なくとも1つのセンサリードを更に備え、前記少なくとも1つのセンサリードが、プロセッサに動作可能に結合されるように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のENT外科用器具。
【請求項8】
前記少なくとも1つのセンサリードが、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサに対して近位に位置付けられている、請求項7に記載のENT外科用器具。
【請求項9】
前記可撓性基材が、長方形又は蛇行形状のうちの少なくとも1つである、請求項1~8のいずれか一項に記載のENT外科用器具。
【請求項10】
前記可撓性基材が、平坦構成と少なくとも1つの湾曲構成との間で移行するように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のENT外科用器具。
【請求項11】
前記シャフトアセンブリが、シャフト部材を含み、前記可撓性基材が、前記シャフト部材に固定されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のENT外科用器具。
【請求項12】
前記シャフト部材が、内側弦を含み、前記可撓性基材が、平坦構成では前記内側弦に沿って配設される、請求項11に記載のENT外科用器具。
【請求項13】
前記シャフト部材が、円筒形内面を含み、前記可撓性基材が、少なくとも1つの湾曲構成では前記円筒形内面に沿って配設される、請求項11に記載のENT外科用器具。
【請求項14】
前記シャフト部材が、円筒形外面を含み、前記可撓性基材が、少なくとも1つの湾曲構成では前記円筒形外面に沿って配設される、請求項11に記載のENT外科用器具。
【請求項15】
前記シャフトアセンブリが、可撓性部分を含み、前記可撓性基材が、前記可撓性部分に沿って延在する、請求項1~14のいずれか一項に記載のENT外科用器具。
【請求項16】
ENT外科用器具であって、
(a)患者の耳、鼻、又は喉の解剖学的通路に適合するようにサイズ決定及び構成された遠位端を有するシャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトの少なくとも一部分に沿って延在しており、上面と底面とを有する、可撓性基材と、
(c)前記上面上に形成された近位上部導電性センサトレースであって、前記近位上部センサトレースが、近位上部同心ループ部分を含み、前記近位上部同心ループ部分が、近位上部ナビゲーションセンサを画定する、近位上部導電性センサトレースと、
(d)前記上面上に形成された少なくとも1つの遠位上部導電性センサトレースであって、前記少なくとも1つの遠位上部センサトレースが、少なくとも1つの遠位上部同心ループ部分を含み、前記少なくとも1つの遠位上部同心ループ部分が、少なくとも1つの遠位上部ナビゲーションセンサを画定する、少なくとも1つの遠位上部導電性センサトレースと、
(e)前記底面上に形成された近位底部導電性センサトレースであって、前記近位底部センサトレースが、近位底部同心ループ部分を含み、前記近位底部同心ループ部分が、近位底部ナビゲーションセンサを画定する、近位底部導電性センサトレースと、
(f)前記底面上に形成された少なくとも1つの遠位底部導電性センサトレースであって、前記少なくとも1つの遠位底部センサトレースが、少なくとも1つの遠位底部同心ループ部分を含み、前記少なくとも1つの遠位底部同心ループ部分が、少なくとも1つの遠位底部ナビゲーションセンサを画定する、少なくとも1つの遠位底部導電性センサトレースと、を備える、ENT外科用器具。
【請求項17】
前記近位底部センサトレースが、前記近位上部センサトレースの反対側に位置付けられ、前記少なくとも1つの遠位底部センサトレースが、前記少なくとも1つの遠位上部センサトレースの反対側に位置付けられている、請求項16に記載のENT外科用器具。
【請求項18】
前記少なくとも1つの遠位上部センサトレースが、一対の横方向に隣接する遠位上部センサトレースを含み、前記少なくとも1つの遠位底部センサトレースが、一対の横方向に隣接する遠位底部センサトレースを含む、請求項16又は17に記載のENT外科用器具。
【請求項19】
装置であって、
(a)患者の耳、鼻、又は喉の解剖学的通路に適合するようにサイズ決定及び構成された遠位端を有するシャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトの少なくとも一部分に沿って延在する可撓性基材と、
(c)前記可撓性基材上に位置付けられた少なくとも1つのナビゲーションセンサと、
(d)前記可撓性基材上に形成された少なくとも1つの導電性カメラトレースであって、前記少なくとも1つのカメラトレースが、カメラをプロセッサ又は電源のうちの少なくとも1つに動作可能に結合するように構成されている、少なくとも1つの導電性カメラトレースと、を備える、装置。
【請求項20】
前記可撓性基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースを更に備え、前記少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、前記少なくとも1つの同心ループ部分が、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つのナビゲーションセンサが、近位ナビゲーションセンサ及び遠位ナビゲーションセンサを含む、請求項19又は20に記載の装置。
【請求項22】
前記可撓性基材が、上面及び底面を含み、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサが、前記上面上に位置付けられた上部ナビゲーションセンサ、及び前記上部ナビゲーションセンサの反対側の前記底面上に位置付けられた底部ナビゲーションセンサを含む、請求項19~21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記可撓性基材が、表面を含み、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサが、前記表面上に位置付けられており、前記少なくとも1つのカメラトレースが、前記表面上に形成されている、請求項19~22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つのカメラトレースの近位端に電気的に結合された少なくとも1つの近位カメラリードを更に備え、前記少なくとも1つの近位カメラリードが、プロセッサ又は電源のうちの前記少なくとも1つに動作可能に結合されるように構成されている、請求項19~23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つの近位カメラリードが、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサに対して近位に位置付けられている、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つのカメラトレースの遠位端に電気的に結合された少なくとも1つの遠位カメラリードを更に備え、前記少なくとも1つの遠位カメラリードが、前記カメラに動作可能に結合されるように構成されている、請求項19~25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記少なくとも1つの遠位カメラリードが、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサに対して遠位に位置付けられている、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記少なくとも1つのカメラトレースが、複数のカメラトレースを含む、請求項19~27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記複数のカメラトレースが、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサの横方向側面に位置する、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記カメラを更に備え、前記少なくとも1つのカメラトレースが、前記カメラに動作可能に結合されている、請求項19~29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
前記プロセッサ又は前記電源のうちの少なくとも1つを更に備え、前記少なくとも1つのカメラトレースが、プロセッサ又は前記電源のうちの前記少なくとも1つに動作可能に結合されている、請求項19~30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記シャフトアセンブリが、可撓性部分を含み、前記可撓性基材が、前記可撓性部分に固定されており、前記可撓性基材が、前記可撓性部分と共に曲がるように更に構成されている、請求項19~31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
前記シャフトアセンブリが、組織にRFエネルギーを印加するように動作可能な1つ又は2つ以上の電極を含む、請求項19~32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
装置であって、
(a)カメラと、
(b)プロセッサと、
(c)電源と、
(d)可撓性基材と、
(e)前記可撓性基材上に位置付けられた少なくとも1つのナビゲーションセンサと、
(f)前記可撓性基材上に形成された第1の導電性カメラトレース及び第2の導電性カメラトレースと、を備え、
前記第1のカメラトレースが、前記カメラを前記プロセッサに動作可能に結合し、前記第2のカメラトレースが、前記カメラを前記電源に動作可能に結合する、装置。
【請求項35】
前記可撓性基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースを更に備え、前記少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、前記少なくとも1つの同心ループ部分が、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定する、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
装置であって、
(a)患者の耳、鼻、又は喉の解剖学的通路に適合するようにサイズ決定及び構成された遠位端を有するシャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトの少なくとも一部分に沿って位置付けられた基材と、
(c)前記基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースであって、前記少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、前記少なくとも1つの同心ループ部分が、少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定する、少なくとも1つの導電性センサトレースと、
(d)前記基材上に位置付けられた少なくとも1つの温度センサと、を備える、装置。
【請求項37】
前記少なくとも1つの温度センサが、前記少なくとも1つのセンサトレースの温度を検出するように構成されている、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記少なくとも1つの温度センサが、熱電対又はサーミスタのうちの少なくとも1つを含む、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
プロセッサを更に備え、前記プロセッサは、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサが位置信号を前記プロセッサに通信するように動作可能であり、かつ前記少なくとも1つの温度センサが温度信号を前記プロセッサに通信するように動作可能であるように、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサ及び前記少なくとも1つの温度センサに動作可能に結合されている、請求項37又は38に記載の装置。
【請求項40】
前記プロセッサが、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサによって前記プロセッサに通信された前記位置信号に基づいて、かつ前記少なくとも1つの温度センサによって前記プロセッサに通信された前記温度信号に基づいて、場所の座標を判定するように構成されている、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記プロセッサは、前記温度信号が、検出された前記温度の変化を示すことに応答して、前記場所の座標に補正率を適用するように構成されている、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記プロセッサが、検出された前記温度の変化を前記少なくとも1つのセンサトレースの電気抵抗の変化に相関させるように構成されている、請求項40又は41に記載の装置。
【請求項43】
前記基材が、表面を含み、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサが、前記表面上に位置付けられており、前記少なくとも1つの温度センサが、前記表面上に位置付けられている、請求項36~42のいずれか一項に記載の装置。
【請求項44】
前記基材が、可撓性である、請求項36~43のいずれか一項に記載の装置。
【請求項45】
前記少なくとも1つのナビゲーションセンサが、近位ナビゲーションセンサ及び遠位ナビゲーションセンサを含む、請求項36~44のいずれか一項に記載の装置。
【請求項46】
前記少なくとも1つの温度センサが、前記近位ナビゲーションセンサの近くに位置付けられた少なくとも1つの近位温度センサ、及び前記遠位ナビゲーションセンサの近くに位置付けられた少なくとも1つの遠位温度センサを含む、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記少なくとも1つの近位温度センサが、前記近位ナビゲーションセンサに対して近位に位置付けられており、前記少なくとも1つの遠位温度センサが、前記遠位ナビゲーションセンサに対して近位に、かつ前記近位ナビゲーションセンサに対して遠位に位置付けられている、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記少なくとも1つの温度センサが、一対の横方向に隣接する温度センサを含む、請求項36~47のいずれか一項に記載の装置。
【請求項49】
ENT外科用器具であって、
(a)熱を生成するように構成された電動構成要素と、
(b)前記少なくとも1つのナビゲーションセンサが、前記電動構成要素によって生成された前記熱に曝露される、請求項36~48のいずれか一項に記載の装置と、を備える、ENT外科用器具。
【請求項50】
前記電動構成要素が、(i)RFエネルギーを組織に送達するように構成された電極、又は(ii)組織を断ち切るための切断部材を駆動するように構成されたモータのうちの少なくとも1つを含む、請求項49に記載のENT外科用器具。
【請求項51】
装置であって、
(a)患者の耳、鼻、又は喉の解剖学的通路に適合するようにサイズ決定及び構成された遠位端を有するシャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトの少なくとも一部分に沿って延在する基材と、
(c)前記基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースであって、前記少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、前記少なくとも1つの同心ループ部分が、少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定する、少なくとも1つの導電性センサトレースと、
(d)プロセッサと、を備え、
前記プロセッサが、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサに動作可能に結合されており、前記プロセッサが、前記少なくとも1つのセンサトレースの温度を監視するように構成されている、装置。
【請求項52】
装置であって、
(a)器具を受容するようにサイズ決定された管腔を画定する内側シャフトと、
(b)前記内側シャフトに対してしっかりと固定された外側シャフトであって、前記内側シャフトと同軸に配置されている、外側シャフトと、
(c)前記内側シャフトと前記外側シャフトとの間に半径方向に挟まれた第1のナビゲーションセンサであって、三次元空間における前記第1のナビゲーションセンサの位置を示す信号を生成するように動作可能である、第1のナビゲーションセンサと、を備える、装置。
【請求項53】
前記管腔が、組織切削器具のシャフトアセンブリを受容するようサイズ決定されている、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
シャフトアセンブリを有する組織切削器具を更に備え、前記管腔が、前記組織切削器具の前記シャフトアセンブリを受容するようにサイズ決定されている、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記組織切削器具の前記シャフトアセンブリが、組織を受容するように構成された横断開口部を有し、前記内側シャフト及び前記外側シャフトは各々、前記組織切削器具の前記シャフトアセンブリが前記管腔内に完全に挿入されたときに、前記横断開口部の曝露を提供するようにサイズ決定された長さを有する、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
前記第1のナビゲーションセンサは、前記組織切削器具の前記シャフトアセンブリが前記管腔内に完全に挿入されたときに、前記横断開口部に近接して、かつその近位に位置するように構成されている、請求項55に記載の装置。
【請求項57】
前記内側シャフトと前記外側シャフトとの間に半径方向に挟まれた可撓性基材を更に備え、前記第1のナビゲーションセンサが、フレックス回路の一部として前記可撓性基材上に位置付けられている、請求項52~56のいずれか一項に記載の装置。
【請求項58】
前記可撓性基材が、前記内側シャフトの長さに沿って、かつ前記外側シャフトの長さに沿って延在する、請求項57に記載の装置。
【請求項59】
前記可撓性基材が、遠位端を有し、前記第1のナビゲーションセンサが、前記可撓性基材の前記遠位端に位置付けられている、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記内側シャフトと前記外側シャフトとの間に半径方向に挟まれた第2のナビゲーションセンサを更に備え、前記第2のナビゲーションセンサが、三次元空間における前記第2のナビゲーションセンサの位置を示す信号を生成するように動作可能である、請求項52~59のいずれか一項に記載の装置。
【請求項61】
前記第2のナビゲーションセンサが、前記第1のナビゲーションセンサの近位に位置付けられている、請求項60に記載の装置。
【請求項62】
前記内側シャフトと前記外側シャフトとの間に半径方向に挟まれた可撓性基材を更に備え、前記第1のナビゲーションセンサ及び前記第2のナビゲーションセンサが各々、フレックス回路の一部として前記可撓性基材上に位置付けられている、請求項60又は61に記載の装置。
【請求項63】
ハブを更に備え、前記ハブが、前記内側シャフト又は前記外側シャフトのうちの一方若しくは両方の近位端に位置付けられている、請求項52~62のいずれか一項に記載の装置。
【請求項64】
前記ハブが、前記管腔内に受容された器具と取り外し可能に結合するように構成されている、請求項63に記載の装置。
【請求項65】
前記内側シャフトが、開放遠位端及び開放近位端を有する、請求項52~64のいずれか一項に記載の装置。
【請求項66】
前記外側シャフトが、開放遠位端及び開放近位端を有する、請求項52~65のいずれか一項に記載の装置。
【請求項67】
装置であって、
(a)外面と、長さと、遠位端とを有する外側シャフトを含むシャフトアセンブリと、
(b)フレックス回路と、を備え、前記フレックス回路は、
(i)前記外側シャフトの前記外面に固定された可撓性基材であって、前記可撓性基材の少なくとも一部分が、前記外側シャフトの前記長さに沿って延在する、可撓性基材と、
(ii)前記可撓性基材に固定された複数の電極であって、前記電極が、前記外側シャフトの前記遠位端又はその近くに位置付けられており、前記電極が、組織にRFエネルギーを印加し、それによって、前記組織を切除するように動作可能である、複数の電極と、を含む、装置。
【請求項68】
前記電極が、前記外側シャフトの前記遠位端に沿って延在するアレイをなして配置されている、請求項67に記載の装置。
【請求項69】
前記電極が、前記外側シャフトの前記遠位端の近位の領域に沿った前記外側シャフトの前記長さの一部分に沿って延在するアレイをなして配置されている、請求項67又は68に記載の装置。
【請求項70】
前記外側シャフトが、円周を画定しており、前記電極が、前記外側シャフトの前記円周の周囲に延在するアレイをなして配置されている、請求項67~69のいずれか一項に記載の装置。
【請求項71】
前記電極が、2つの電極を含み、前記2つの電極の各々が、略半円形状を有する、請求項70に記載の装置。
【請求項72】
前記電極が、複数の正方形又は長方形の電極を含む、請求項70に記載の装置。
【請求項73】
前記外側シャフトが、円周を画定しており、前記可撓性基材が、長手方向に延在する部分と円周方向に延在する部分とを含み、前記長手方向に延在する部分が、前記外側シャフトの前記長さに沿って延在しており、前記円周方向に延在する部分が、前記外側シャフトの前記円周の周囲に延在する、請求項67~72のいずれか一項に記載の装置。
【請求項74】
前記長手方向に延在する部分が、遠位端を有し、前記円周方向に延在する部分が、前記長手方向に延在する部分の前記遠位端に位置する、請求項73に記載の装置。
【請求項75】
前記電極のうちの少なくともいくつかが、円周方向に延在するアレイをなして、前記円周方向に延在する部分に沿って位置付けられている、請求項73又は74に記載の装置。
【請求項76】
前記外側シャフトが、組織を受容するように構成された開口部を更に画定しており、前記シャフトアセンブリが、前記開口部に受容された組織を断ち切るように構成された切断シャフトを更に含む、請求項67~75のいずれか一項に記載の装置。
【請求項77】
前記開口部は、前記開口部の少なくとも一部分が前記シャフトに沿って長手方向に延在するように、前記外側シャフト上で横断配向を有する、請求項76に記載の装置。
【請求項78】
前記電極のうちの少なくともいくつかが、前記開口部と並んでアレイをなして長手方向に延在する、請求項77に記載の装置。
【請求項79】
前記電極のうちの少なくともいくつかが、前記開口部の近位に位置付けられている、請求項76又は77に記載の装置。
【請求項80】
前記電極のうちの少なくともいくつかが、前記開口部の遠位に位置付けられている、請求項76~79のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
画像誘導手術(image-guided surgery、IGS)は、コンピュータを使用して、患者の身体内に挿入された器具の場所の、術前に得られた画像(例えば、CTスキャン又はMRIスキャン、3Dマップなど)のセットに対するリアルタイムの相関を得ることで、コンピュータシステムが器具の現在の場所を術前に得られた画像に重ねる技術である。IGS手技で使用できる電磁IGSナビゲーションシステムの例は、Biosense-Webster,Inc.(Irvine,California)によるCARTO(登録商標)3 Systemである。いくつかのIGS手技では、術野のデジタルトモグラフィスキャン(例えば、CT又はMRI、3Dマップなど)を外科手術の前に得る。次に、特別にプログラムされたコンピュータを使用して、デジタルトモグラフィスキャンデータをデジタルマップに変換する。外科手術中、センサ(例えば、電磁場を放出し、かつ/又は外部で生成された電磁場に応答する電磁コイル)を有する特別な器具を使用して手技を実行し、同時に、センサがコンピュータに各外科用器具の現在位置を示すデータを送る。コンピュータは、センサから受信したデータを、術前トモグラフィスキャンから作成されたデジタルマップと相関付ける。トモグラフィスキャン画像は、スキャン画像内に示される解剖学的構造に対する各外科用器具のリアルタイム位置を示す指示(例えば、十字線又は照明ドットなど)と共にビデオモニタ上に表示される。したがって、外科医が器具自体を体内のその現在の場所において直接視覚化することができない場合であっても、外科医は、ビデオモニタを見ることによって各センサ搭載器具の正確な位置を知ることができる。
【0002】
一部の症例においては、患者の解剖学的通路の拡張が望ましい場合がある。これには、副鼻腔の口の拡張(例えば、副鼻腔炎を治療するため)、喉頭の拡張、耳管の拡張、耳、鼻、又は喉内の他の通路の拡張などが含まれ得る。解剖学的通路を拡張する1つの方法としては、ガイドワイヤ及びカテーテルを用いて解剖学的通路内に膨張可能なバルーンを配置し、続いてバルーンを、流体(例えば、生理食塩水)を用いて膨張させて解剖学的通路を拡張することが挙げられる。例えば、拡張可能なバルーンを副鼻腔の口の中に位置付け、次に膨張させることによって、粘膜の切開又は任意の骨の除去を必要とせずに、口に隣接する骨を再構築することにより口を拡張することができる。その後、拡張した口によって、罹患した副鼻腔からの排液及びその副鼻腔の通気を改善することができる。
【0003】
耳管拡張との関連で、拡張カテーテル又は他の拡張器具を耳管に挿入し、続いて、これを膨張させるか、ないしは別の方法で拡張することによって耳管を拡張することができる。拡張された耳管は、鼻咽頭から中耳への通気を改善し、更に中耳から鼻咽頭への排液を改善することができる。
【0004】
単独の操作者のみによって行われる手技などにおいて、解剖学的通路内に拡張カテーテル又は他のENT器具を容易に制御して配置できることが望ましい場合がある。これまでに解剖学的通路内に拡張カテーテル又は他のENT器具を配置するためのいくつかのシステム及び方法が製造され、使用されているが、本発明者らに先行して、添付の特許請求の範囲に記載される本発明を製造又は使用した者はいないと考える。
【図面の簡単な説明】
【0005】
以下の図面及び詳細な説明は、単に例示的であることを意図しており、本発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【
図1】例示的な医療手技椅子に着座した患者に使用される例示的な手術ナビゲーションシステムの概略図を示す。
【
図2】可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを有する例示的な器具の斜視図を示す。
【
図3】
図2の器具の遠位部分の斜視図を示しており、平坦構成でシャフトの内径にわたって延在する可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを示す。
【
図4】
図3の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの上面図を示す。
【
図5】
図3の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの底面図を示す。
【
図6】
図3の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの近位部分の上面図を示す。
【
図7】
図3の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの中間部分の上面図を示す。
【
図8】
図3の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの遠位部分の上面図を示す。
【
図9】
図3の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの近位部分の底面図を示す。
【
図10】
図3の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの中間部分の底面図を示す。
【
図11】
図3の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの遠位部分の底面図を示す。
【
図12】
図3の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの概略回路図を示す。
【
図13】
図2の器具の遠位部分の斜視図を示しており、湾曲構成でシャフトの内側円筒面に沿って配設された可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを示す。
【
図14】別の例示的な可撓性ナビゲーションセンサアセンブリに結合された、
図2の器具の可視化及び灌注アセンブリの遠位部分の斜視図を示す。
【
図15】
図14の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの上面図を示す。
【
図16】
図14の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの底面図を示す。
【
図17】
図14の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの近位部分の上面図を示す。
【
図18】
図14の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの中間部分の上面図を示す。
【
図19】
図14の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの遠位部分の上面図を示す。
【
図20】
図14の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの近位部分の底面図を示す。
【
図21】
図14の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの中間部分の底面図を示す。
【
図22】
図14の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの遠位部分の底面図を示す。
【
図23】
図14の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリから受信された信号から、ENT器具の一部分の場所の座標を判定するための例示的な方法のフロー図を示す。
【
図24】可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを有する別の例示的な器具の斜視図を示す。
【
図25A】
図24の器具の遠位部分の斜視図を示しており、直線構成の器具の可撓性遠位シャフト部分を示し、第1の湾曲構成で可撓性遠位部分の内側円筒面に沿って配設された可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを更に示す。
【
図25B】
図24の器具の遠位部分の斜視図を示しており、屈曲構成の器具の可撓性遠位シャフト部分を示し、第2の湾曲構成で可撓性遠位部分の内側円筒面に沿って配設された可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを更に示す。
【
図26A】平坦構成の
図25Aの可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの斜視図を示す。
【
図26B】横方向湾曲、長手方向直線構成の
図25Aの可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの側面図を示す。
【
図26C】横方向湾曲、長手方向屈曲構成の
図25Aの可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの側面図を示す。
【
図27A】可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを有する例示的な吸引器具の遠位部分の斜視図を示しており、直線構成の吸引器具の可鍛性シャフトを示し、第1の湾曲構成で可鍛性シャフトの外側円筒面に沿って配設された可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを更に示す。
【
図27B】
図27Aの吸引器具の遠位部分の斜視図を示しており、屈曲構成の吸引器具の可鍛性シャフトを示し、第2の湾曲構成で可鍛性シャフトの外側円筒面に沿って配設された可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを更に示す。
【
図27C】
図27Aの吸引器具の遠位部分の斜視図を示しており、二重屈曲構成の吸引器具の可鍛性シャフトを示し、第3の湾曲構成で可鍛性シャフトの外側円筒面に沿って配設された可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを更に示す。
【
図28】可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを有する例示的な組織切削器具の斜視図を示す。
【
図29】
図28の組織切削器具の外側チューブの斜視図を示しており、第1の湾曲構成で外側チューブの外側円筒面に沿って配設された可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを示す。
【
図30】平坦構成の
図29の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの上面図を示す。
【
図31】平坦構成の
図29の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの底面図を示す。
【
図32】平坦構成の
図29の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの近位部分の上面図を示す。
【
図33】平坦構成の
図29の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの中間部分の上面図を示す。
【
図34】平坦構成の
図29の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの遠位部分の上面図を示す。
【
図35】平坦構成の
図29の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの近位部分の底面図を示す。
【
図36】平坦構成の
図29の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの中間部分の底面図を示す。
【
図37】平坦構成の
図29の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリの遠位部分の底面図を示す。
【
図38】
図29の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを有する別の例示的な組織切削器具の斜視図を示しており、第2の湾曲構成で外側チューブの外側円筒面に沿って配設された可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを示す。
【
図39】組織切削器具に取り外し可能に固定されたナビゲーションアダプタシースを有する別の例示的な組織切削器具の斜視図を示す。
【
図40】
図39の組織切削器具及びナビゲーションアダプタシースの斜視図を示しており、ナビゲーションアダプタシースが組織切削器具から取り外されている。
【
図41】
図39のナビゲーションアダプタシースのシャフトアセンブリの分解斜視図を示す。
【
図42】
図39の線42ー42に沿ってとられた、
図41のシャフトアセンブリの断面端面図を示す。
【
図43】
図39の組織切削器具及びナビゲーションアダプタシースの遠位部分の斜視図を示しており、ナビゲーションアダプタシースが組織切削器具に固定されており、フレックス回路の位置付けを明らかにするためにシャフトアセンブリの外側シャフトが省略されている。
【
図44】可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを較正するための例示的な方法のフロー図を示す。
【
図45】
図44の方法を使用して取得された例示的な幾何学的測定の写真を示す。
【
図46】組み込まれたアブレーションフレックス回路の第1の例を有する、別の例示的な組織切削器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図を示す。
【
図47】組み込まれたアブレーションフレックス回路の第2の例を有する、別の例示的な組織切削器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図を示す。
【
図48】組み込まれたアブレーションフレックス回路の第3の例を有する、別の例示的な組織切削器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図を示す。
【
図49】組み込まれたアブレーションフレックス回路の第4の例を有する、別の例示的な組織切削器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、例示として本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである以下の説明から当業者に明らかになるであろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なるかつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものとしてみなされるべきである。
【0007】
本開示を明確にするために、本明細書において、「近位」及び「遠位」という用語は、遠位外科用エンドエフェクタを有する外科用器具を握持する外科医又は他の操作者に対して定義される。「近位」という用語は、外科医のより近くに配置された要素の位置を指し、「遠位」という用語は、外科用器具の外科用エンドエフェクタのより近くにかつ外科医からより遠くに配置された要素の位置を指す。更に、図面を参照して「上側」、「下側」、「垂直」、「水平」などの空間的用語が本明細書で使用される限り、このような用語は、例示的な記述目的にのみ使用され、限定する又は絶対的であることを意図するものではないことが理解されよう。その点において、本明細書に開示されるものなどの外科用器具を、本明細書で図示及び記載するものに限定されない様々な向き及び位置で使用してもよいことが理解されよう。
【0008】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲の「約」及び「およそ」という用語は、構成要素の部分又は集合が、本明細書で記載されているその本来の目的のために機能することを可能とするような好適な寸法の許容範囲を示すものである。
【0009】
I.例示的な画像誘導手術ナビゲーションシステム
患者(patient、P)の頭部(head、H)内で医療手技を実施するとき、特に器具が患者(P)の頭部(H)内の器具の作業要素の内視鏡視野を得ることが困難又は不可能である場所にある場合に、患者(P)の頭部(H)内の器具の位置に関する情報を有することが望ましい場合がある。
図1は、画像誘導を使用してENT手技を実行することを可能にする例示的なIGSナビゲーションシステム(50)を示す。本明細書に記載されている構成要素及び動作性を有することに加えて、又はそれに代えて、IGSナビゲーションシステム(50)は、2010年5月18日に発行された「Methods and Devices for Performing Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」と題した米国特許第7,720,521号、及び2014年12月11日に公開され、現在は放棄されている「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」と題した米国特許公開第2014/0364725号の教示のうちの少なくともいくつかに従って構築され、かつ動作可能であってもよい。
【0010】
本実施例のIGSナビゲーションシステム(50)は、磁場発生器アセンブリ(60)を含み、磁場発生器アセンブリ(60)は、馬蹄形フレーム(62)に組み込まれた磁場発生器(64)のセットを備える。磁場発生器(64)は、患者(P)の頭部(H)の周りに異なる周波数の交流磁場を生成するように動作可能である。以下に説明される器具のうちのいずれかなどの器具が、患者(P)の頭部(H)の中に挿入されてもよい。そのような器具は、独立型デバイスであってもよく、又はエンドエフェクタ上に位置付けられてもよい。本実施例では、フレーム(62)が椅子(70)に装着され、フレーム(62)が患者(P)の頭部(H)に隣接して位置するように患者(P)は椅子(70)に着座する。ほんの一例として、椅子(70)及び/又は磁場発生器アセンブリ(60)は、2020年2月18日に発行された「Apparatus to Secure Field Generating Device to Chair」と題した米国特許第10,561,370号の教示のうちの少なくともいくつかに従って構成され、かつ動作可能であり得る。
【0011】
本実施例のIGSナビゲーションシステム(50)は、更に、プロセッサ(52)を備え、プロセッサ(52)は、IGSナビゲーションシステム(50)の磁場発生器(64)及び他の要素を制御する。例えば、プロセッサ(52)は、磁場発生器(64)を駆動して交流電磁場を生成し、器具からの信号を処理して患者(P)の頭部(H)内における器具内のナビゲーションセンサ又は位置センサの場所を判定するように動作可能である。プロセッサ(52)は、1つ又は2つ以上のメモリと通信する処理ユニット(例えば、組み合わせ論理回路又は他の類似の回路を使用してソフトウェア命令を評価及び実行するように配置された一組の電子回路)を備える。本実施例のプロセッサ(52)は、キーパッド及び/又はマウス若しくはトラックボールなどのポインティングデバイスを含む動作制御部(54)を備えるコンソール(58)内に装着されている。医師は、外科手技を実行しながら、動作制御部(54)を使用して、プロセッサ(52)と相互作用する。
【0012】
図示はしないが、器具は、磁場発生器(64)によって生成された交流磁場内への位置付けに応答するナビゲーションセンサ又は位置センサを含んでもよい。結合ユニット(図示せず)は器具の近位端に固定され得、コンソール(58)と器具との間のデータ及び他の信号の通信を提供するように構成され得る。結合ユニットは、データ及び他の信号の有線又は無線通信を提供することができる。
【0013】
いくつかの変形例では、器具のナビゲーションセンサ又は位置センサは、器具の遠位端又はその近くに少なくとも1つのコイルを備え得る。磁場発生器(64)によって生成された交流電磁場の中にこのようなコイルが位置付けされると、交流磁場がコイルの中に電流を生成し得、この電流は、器具内の導電路に沿って、及び結合ユニットを介して更にプロセッサ(52)に通信され得る。この現象により、IGSナビゲーションシステム(50)が、三次元空間内(すなわち、患者(P)の頭部(H)内)の器具の遠位端の場所を判定することが可能となり得る。これを実現するために、プロセッサ(52)は、器具の遠位端の場所の座標を、器具内のコイルの位置関連信号から計算するアルゴリズムを実行する。したがって、ナビゲーションセンサは、三次元空間内のセンサのリアルタイム位置を示す信号を生成することによって、位置センサとして機能することができる。
【0014】
プロセッサ(52)は、プロセッサ(52)のメモリに記憶されたソフトウェアを使用して、IGSナビゲーションシステム(50)を較正し、動作させる。このような動作は、磁場発生器(64)を駆動することと、器具からのデータを処理することと、動作制御部(54)からのデータを処理することと、ディスプレイスクリーン(56)を駆動することと、を含む。いくつかの実装形態では、動作はまた、IGSナビゲーションシステム(50)の1つ又は2つ以上の安全機構又は機能の監視及び施行も含み得る。プロセッサ(52)は、患者の頭部(H)のビデオカメラ画像、患者の頭部(H)のCTスキャン画像、及び/又は患者の鼻腔内及び患者の鼻腔に隣接する解剖学的構造のコンピュータ生成三次元モデルに対する器具の遠位端の位置を示すディスプレイスクリーン(56)を介して、リアルタイムでビデオを提供するように更に動作可能である。ディスプレイスクリーン(56)は、外科手技中にこのような画像を同時に及び/又は互いに重ね合わせて表示することができる。そのようなディスプレイ画像は、また、患者の頭部(H)に挿入された器具のグラフィカル表現を含むことができ、それにより、操作者がリアルタイムでその実際の場所にある器具の仮想レンダリングを見ることができるようになる。ほんの一例として、ディスプレイスクリーン(56)は、2019年11月5日に発行された「Guidewire Navigation for Sinuplasty」と題した米国特許第10,463,242号の教示のうちの少なくともいくつかに従って画像を提供し得る。操作者が内視鏡も使用している場合には、内視鏡画像もディスプレイスクリーン(56)に提供することができる。
【0015】
ディスプレイスクリーン(56)を介して提供される画像は、操作者が患者の頭部(H)内で器具を操縦し、かつ別様に操作する際の誘導を支援し得る。また、以下に記載するように、手術用器具の他の構成要素及び他の種類の手術用器具は、上記のナビゲーションセンサのようなナビゲーションセンサを組み込んでもよいことを理解されたい。
【0016】
II.可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを備える例示的なENT器具
いくつかの事例では、簡略化された及び/若しくはより安価なセンサ製造及び較正、低減されたセンササイズ及び/若しくはプロファイル、並びに/又は様々な異なるタイプのENT器具との改善されたセンサ統合を容易にするために、従来のコイルセンサの代替として、ENT器具のための可撓性ナビゲーションセンサアセンブリ(例えば、プリント回路基板)を提供することが望ましい場合がある。以下に説明する例示的な可撓性ナビゲーションセンサアセンブリ(110、210、410、510、610)の各々が、そのように機能し得る。以下に提供される例は、様々な特定のENT器具(100、400、500、600、700)の文脈において考察されているが、可撓性ナビゲーションセンサアセンブリ(110、210、410、510、610)を使用して、任意の他の好適なENT器具にナビゲーション能力を提供することができる。可撓性ナビゲーションセンサアセンブリ(110、210、410、510、610)が使用され得る他の好適な方法が、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明白であろう。また、以下に説明する可撓性回路プリント回路基板(printed circuit board、PCB)及び他のフレックス回路特徴の全ては、単一の層のみ又は複数の層を含むことができることを理解されたい。
【0017】
A.矩形の二重層可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを備える例示的な器具
図2~
図13は、拡張カテーテルを解剖学的通路内に誘導し、それによって解剖学的通路を拡張し、他の器具を解剖学的通路内に誘導し、かつ/又はRFエネルギーを解剖学的通路の中又はその近くの組織に送達するために使用され得る器具(100)の一例を示す。例えば、器具(100)は、副鼻腔口の拡張(例えば、副鼻腔炎を治療するため)、喉頭の拡張、耳管の拡張、耳、鼻、又は喉内の他の通路の拡張などのために使用されてもよい。追加的に、又は代替的に、器具(100)は、神経(例えば、後鼻神経)を切除するか、鼻甲介を切除するか、又は患者の頭部における任意の他の種類の解剖学的構造を切除する、電気穿孔する(例えば、治療薬の吸収を促進するためなど)、若しくは抵抗加熱を適用するために使用されてもよい。
【0018】
この実施例の器具(100)は、ハンドルアセンブリ(102)、シャフトアセンブリ(104)、並びに視覚化及び灌注アセンブリ(108)とナビゲーションセンサアセンブリ(110)とを有するナビゲーション、視覚化及び灌注アセンブリ(106)を含む。器具(100)は、膨張流体源(図示せず)と結合され得、膨張流体源は、バルーンを膨張させ、それによって解剖学的通路を拡張するために、器具(100)内に配設された拡張カテーテル(図示せず)のバルーンに膨張流体を選択的に供給するように動作可能であってもよい。追加的に、又は代替的に、器具(100)は、RF発生器(101)と結合され得、RF発生器(101)は、シャフトアセンブリ(104)の遠位端にある電極(121、122)を介して組織に送達するためのRF電気外科エネルギーを生成し、それによって、組織を切除するか、電気穿孔するか、又は組織に抵抗加熱を適用するように動作可能であり得る。
【0019】
この例のハンドルアセンブリ(102)は、本体(112)及び少なくとも1つのスライダ(114)を含む。本体(112)は、パワーグリップ、ペンシルグリップ、又は任意の他の好適な種類のグリップなどを介して、操作者の片手で握持して操作されるようにサイズ決定され、かつそのように構成されている。各スライダ(114)は、本体(112)に対して長手方向に並進するように動作可能である。スライダ(114)は、ガイドワイヤ又はカテーテル(例えば、拡張カテーテル又はエネルギーカテーテル)(図示せず)のうちの少なくとも1つと結合され、したがって、そのようなガイドワイヤ又はカテーテルを長手方向に並進させるように動作可能である。いくつかの変形例では、別のスライダ(図示せず)が、ガイドワイヤ又はカテーテルの他方を長手方向に並進させるように動作可能であってもよい。
【0020】
本実施例のシャフトアセンブリ(104)は、剛性部分(116)、剛性部分(116)の遠位にある可撓性部分(118)、及び開放遠位端(120)を含む。プルワイヤ(図示せず)は、可撓性部分(118)と結合され、かつハンドルアセンブリ(102)の偏向制御ノブ(122)と結合されている。偏向制御ノブ(122)は、プルワイヤを近位に選択的に後退させるために、シャフトアセンブリ(104)の長手方向軸線に垂直な軸を中心として、本体(112)に対して回転可能である。プルワイヤが近位に後退すると、可撓性部分(118)が曲がり、それにより、遠位端(120)を剛性部分(116)の長手方向軸線から横方向に離れて偏向させる。したがって、偏向制御ノブ(122)、プルワイヤ、及び可撓性部分(118)が協働して、シャフトアセンブリ(104)に操縦性を付与する。ほんの一例として、シャフトアセンブリ(104)のこのような操縦性は、2020年5月22日に出願された「Shaft Deflection Control Assembly for ENT Guide Instrument」と題した米国特許出願第63/028,609号の教示のうちの少なくともいくつかに従って提供され得る。他の変形例は、偏向制御ノブ(122)の代わりに、可撓性部分(118)の操縦を駆動するためのいくつかの他の種類のユーザ入力機構を提供してもよい。いくつかの代替の変形例では、偏向制御ノブ(122)は省略され、可撓性部分(118)は、可鍛性である。なお他の変形例では、シャフトアセンブリ(104)の全長は、剛性である。
【0021】
シャフトアセンブリ(104)はまた、剛性部分(116)の長手方向軸線を中心として、ハンドルアセンブリ(102)に対して回転可能である。このような回転は、ハンドルアセンブリ(102)の本体(112)と回転可能に結合された回転制御ノブ(124)を介して駆動され得る。代替的に、シャフトアセンブリ(104)は、いくつかの他の形態のユーザ入力を介して回転されてもよいか、又は、ハンドルアセンブリ(102)に対して回転不可能であってもよい。また、本明細書に記載されるハンドルアセンブリ(102)の例は、単に例示的な例であることを理解されたい。シャフトアセンブリ(104)は、代わりに、任意の他の好適な種類のハンドルアセンブリ又は他の支持体と結合されてもよい。
【0022】
図3に最もよく示されるように、ナビゲーション、可視化、及び灌注アセンブリ(106)は、シャフトアセンブリ(104)内に配設されており、シャフトアセンブリ(104)にナビゲーション能力を提供し、シャフトアセンブリ(104)の遠位端(120)より遠位にある標的組織部位において、可視化及び灌注を提供するように動作可能である。
【0023】
これに関して、ナビゲーション、可視化、及び灌注アセンブリ(106)のナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、シャフトアセンブリ(104)内に配設されており、シャフトアセンブリ(104)にナビゲーション能力を提供するように動作可能である。より具体的には、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の中心を通ってその内径にわたって略水平に延在しており、略平坦な(例えば、平面)構成を有する。
【0024】
ここで
図4~
図11を参照すると、この例のナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、可撓性プリント回路基板(PCB)の形態で提供され、複数のトレース(130、132、134、136)、複数の対応するトレースリード(例えば、パッド)(138a、138b、138c、138d)、及び複数の接地リード(139a、139b、139c、139d)が上に形成された(例えば、印刷された、かつ/又は埋め込まれた)細長い略矩形のフレックス回路基材(126)を含む。示されるように、基材(126)は、近位端(140)と遠位端(141)との間で長手方向に、第1の側部(142)と第2の側部(143)との間で横方向に、かつ上面(144)と底面(145)との間で垂直に延在する。本実施例の基材(126)は、上面(144)と底面(145)との間に延在する一対の貫通孔(146)を含む。貫通孔(146)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)をシャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)並びに/又は可視化及び灌注アセンブリ(108)などの器具(100)の任意の他の構成要素に固定するためのそれぞれのピン(図示せず)又は他の好適な締結具を受容するように構成され得る。示される変形例では、基材(126)はまた、近位端(140)と第2の側部(143)との間に延在する近位ベベル(148)を含む。近位ベベル(148)は、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)に対して、かつ/又は可視化及び灌注アセンブリ(108)などの器具(100)の任意の他の構成要素に対して、所望の位置に近位端(140)を配置するのを支援するように構成され得る。
【0025】
基材(126)は、ポリイミド又は液晶ポリマー(liquid crystal polymer、LCP)などの電気絶縁性の可撓性プラスチック材料から形成されてもよい。例えば、ポリイミドで形成されたそのような基材(126)は、自然に平坦構成に向かって弾性的に付勢され得るので、基材(126)の比較的平坦構成を維持することが望ましい場合、基材(126)は、ポリイミドで形成されてもよい。代替的に、LCPで形成された基材(126)は、以下に記載されるように、そのような複雑な幾何学的形状に適応するように、かつ/又は増加した可撓性を提供するように熱成形され得るので、基材(126)のより複雑な幾何学的構成及び/又は増加した可撓性が所望される場合、基材(126)は、LCPで形成されてもよい。いずれにしても、トレース(130、132、134、136)、リード(138a、138b、138c、138d)、及び接地リード(139a、139b、139c、139d)は各々、銅などの導電性金属材料で形成されてもよい。ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、シャフトアセンブリ(104)内に適合し、それと同時に、依然として、作業チャネル(149)がシャフトアセンブリ(104)に沿って(例えば、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)の上方に)延在するための空間を許容し、それによって、追加の器具類(例えば、拡張カテーテル及び/又はエネルギーカテーテル)、吸引、流体などが、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)に隣接する開放遠位端(120)を通過することを許容するように好適にサイズ決定されている。この点に関して、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、少なくとも従来のコイルセンサと比較して、比較的低い外形を有し得る。いくつかの変形例では、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、約50ミクロンの厚さを有してもよい。
【0026】
図4及び
図5に示すように、トレース(130、132、134、136)は、基材(126)の上面(144)上に各々形成された近位上部トレース(130)及び遠位上部トレース(132)、並びに対応する上部トレース(130、132)の反対側かつ/又は平行な基材(126)の底面(145)上に各々形成された近位底部トレース(134)及び遠位底部トレース(136)を含む。同様に、リード(138a、138b、138c、138d)は、基材(126)の上面(144)上に各々形成された第1及び第2の上部リード(138a、138b)、並びに対応する上部リード(138a、138b)の反対側かつ/又は平行な基材(126)の底面(145)上に各々形成された第1及び第2の底部リード(138c、138d)を含む。接地リード(139a、139b、139c、139d)は、基材(126)の上面(144)上に各々形成された第1及び第2の上部接地リード(139a、139b)、並びに基材(126)の底面(145)上に各々形成された第1及び第2の底部接地リード(139c、139d)を含む。上部トレース(130、132)、上部リード(138a、138b)、及び上部接地リード(139a、139b)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)の上部フレックス回路層を集合的に画定し、底部トレース(134、136)、底部リード(138c、138d)、及び底部接地リード(139c、139d)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)の底部フレックス回路層を集合的に画定する。
【0027】
ここで
図6~
図11を参照すると、トレース(130、132、134、136)は各々、それぞれの第1の長手方向部分(130a、132a、134a、136a)、同心ループ部分(130b、132b、134b、136b)、及び第2の長手方向部分(130c、132c、134c、136c)を含む。示されるように、遠位トレース(132、136)の同心ループ部分(132b、136b)は、それぞれの近位トレース(130、134)の同心ループ部分(130b、134b)に対して遠位に位置付けられている。
【0028】
第1の上部リード(138a)は、近位上部トレース(130)の第1の長手方向部分(130a)の近位端に電気的に結合されている。近位上部トレース(130)の第1の長手方向部分(130a)は、その近位端から遠位に延在しており、その遠位端において、対応するビアによって近位底部トレース(134)の第1の長手方向部分(134a)の遠位端に電気的に結合されている。近位底部トレース(134)の第1の長手方向部分(134a)は、その遠位端から第1の底部リード(138c)に向かって近位に延在しており、その近位端において、近位底部トレース(134)の第2の長手方向部分(134c)の近位端に電気的に結合されている。近位底部トレース(134)の第2の長手方向部分(134c)は、その近位端から遠位に延在しており、その遠位端において、近位底部トレース(134)の同心ループ部分(134b)の半径方向外側端に電気的に結合されている。近位底部トレース(134)の同心ループ部分(134b)は、その半径方向外側端から半径方向内向きに螺旋を描き、その半径方向内側端において、対応するビアによって近位上部トレース(130)の同心ループ部分(130b)の半径方向内側端に電気的に結合されている。近位上部トレース(130)の同心ループ部分(130b)は、その半径方向内側端から半径方向外向きに螺旋を描き、その半径方向外側端において、近位上部トレース(130)の第2の長手方向部分(130c)の遠位端に電気的に結合されている。近位上部トレース(130)の第2の長手方向部分(130c)は、その遠位端から第1の上部リード(138b)に向かって近位に延在しており、その近位端において、対応するビアによって第1の底部リード(138c)に電気的に結合されている。
【0029】
第2の上部リード(138b)は、遠位上部トレース(132)の第1の長手方向部分(132a)の近位端に電気的に結合されている。遠位上部トレース(132)の第1の長手方向部分(132a)は、その近位端から遠位に延在しており、その遠位端において、対応するビアによって遠位底部トレース(136)の第1の長手方向部分(136a)の遠位端に電気的に結合されている。遠位底部トレース(136)の第1の長手方向部分(136a)は、その遠位端から第2の底部リード(138d)に向かって近位に延在しており、その近位端において、遠位底部トレース(136)の第2の長手方向部分(136c)の近位端に電気的に結合されている。遠位底部トレース(136)の第2の長手方向部分(136c)は、その近位端から遠位に延在しており、その遠位端において、遠位底部トレース(136)の同心ループ部分(136b)の半径方向外側端に電気的に結合されている。遠位底部トレース(136)の同心ループ部分(136b)は、その半径方向外側端から半径方向内向きに螺旋を描き、その半径方向内側端において、対応するビアによって遠位上部トレース(132)の同心ループ部分(132b)の半径方向内側端に電気的に結合されている。遠位上部トレース(132)の同心ループ部分(132b)は、その半径方向内側端から半径方向外向きに螺旋を描き、その半径方向外側端において、遠位上部トレース(132)の第2の長手方向部分(132c)の遠位端に電気的に結合されている。遠位上部トレース(132)の第2の長手方向部分(132c)は、その遠位端から第2の上部リード(138b)に向かって近位に延在しており、その近位端において、対応するビアによって第2の底部リード(138d)に電気的に結合されている。
【0030】
したがって、電流は、概して、第1の上部リード(138a)に沿って、近位上部トレース(130)の第1の長手方向部分(130a)、近位底部トレース(134)の第1の長手方向部分(134a)、近位底部トレース(134)の第2の長手方向部分(134c)、近位底部トレース(134)の同心ループ部分(134b)、近位上部トレース(130)の同心ループ部分(130b)、近位上部トレース(130)の第2の長手方向部分(130c)、第1の底部リード(138c)に流れ得る。代替的に、電流は、概して、第1の底部リード(138c)に沿って、近位上部トレース(130)の第2の長手方向部分(130c)、近位上部トレース(130)の同心ループ部分(130b)、近位底部トレース(134)の同心ループ部分(134b)、近位底部トレース(134)の第2の長手方向部分(134c)、近位底部トレース(134)の第1の長手方向部分(134a)、近位上部トレース(130)の第1の長手方向部分(130a)、第1の上部リード(138a)に流れ得る。
【0031】
同様に、電流は、概して、第2の上部リード(138b)に沿って、遠位上部トレース(132)の第1の長手方向部分(132a)、遠位底部トレース(136)の第1の長手方向部分(136a)、遠位底部トレース(136)の第2の長手方向部分(136c)、遠位底部トレース(136)の同心ループ部分(136b)、遠位上部トレース(132)の同心ループ部分(132b)、遠位上部トレース(132)の第2の長手方向部分(132c)、第2の底部リード(138d)に流れ得る。代替的に、電流は、概して、第2の底部リード(138d)に沿って、遠位上部トレース(132)の第2の長手方向部分(132c)、遠位上部トレース(132)の同心ループ部分(132b)、遠位底部トレース(136)の同心ループ部分(136b)、遠位底部トレース(136)の第2の長手方向部分(136c)、遠位底部トレース(136)の第1の長手方向部分(136a)、遠位上部トレース(132)の第1の長手方向部分(132a)、第2の上部リード(138b)に流れ得る。
【0032】
同心ループ部分(130b、132b、134b、136b)が、磁場発生器(64)によって生成された交流磁場の中に位置付けられると、交流磁場は、同心ループ部分(130b、132b、134b、136b)の中に電流を生成することができ、この電流は、それぞれの長手方向部分(130a、132a、134a、136a、130c、132c、134c、136c)に沿って、リード(138a、138b、138c、138d)に電気的に結合された結合ユニット(図示せず)などを介して、プロセッサ(52)に伝達され得る。このようにして、各同心ループ部分(130b、132b、134b、136b)は、それぞれのナビゲーションセンサ(150、152、154、156)を画定しており、それぞれのナビゲーションセンサは、それぞれのナビゲーションセンサ(150、152、154、156)の位置を示し、それによって、三次元空間における器具(100)の少なくとも一部分(例えば、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118))の位置を示す信号を生成するように動作可能である。そのような位置関連信号によって生成された位置データは、操作者に視覚的表示を提供して、器具(100)のシャフトアセンブリ(104)が患者(P)内のどこに位置するかをリアルタイムで操作者に示すために、プロセッサ(52)によって処理することができる。このような視覚的表示は、患者の解剖学的構造の、手術前に得らされた1つ又は2つ以上の画像(例えば、CTスキャン)上のオーバーレイとして提供されてもよい。
【0033】
示される実施例では、遠位ナビゲーションセンサ(152、156)は、遠位端(120)のナビゲーションを容易にするために、シャフトアセンブリ(104)の遠位端(120)に、又はその近くに位置付けられており、一方、近位ナビゲーションセンサ(150、154)は、例えば、可撓性部分(118)の方向及び/又は配向を識別するのを支援するために、可撓性部分(118)の近位端又はその近くに位置付けられてもよい。あくまで更なる例として、遠位ナビゲーションセンサ(152、156)は、遠位端(120)が剛性部分(116)の長手方向軸線から離れるように横方向に偏向すると、遠位ナビゲーションセンサ(152、156)が剛性部分(116)の長手方向軸線から離れるように横方向に偏向するように、可撓性部分(118)の遠位領域に位置付けられてもよい。逆に、近位ナビゲーションセンサ(150、154)は、遠位端(120)が剛性部分(116)の長手方向軸線から離れて横方向に偏向すると、近位ナビゲーションセンサ(150、154)が剛性部分(116)の長手方向軸線から離れて横方向に偏向しないように、可撓性部分(118)の近位に位置付けられてもよい。このようなシナリオでは、近位ナビゲーションセンサ(150、154)からの位置データを遠位ナビゲーションセンサ(152、156)からの位置データと比較して、IGSナビゲーションシステム(50)の基準系に対する遠位端(120)の横方向の偏向の程度を正確に判定することができる。当然ながら、ナビゲーションセンサ(150、152、154、156)は、ナビゲーションが所望される器具(100)の構成要素に対して任意の他の好適な場所に位置付けられてもよく、任意の他の好適な方法で使用されてもよい。
【0034】
いくつかの変形例では、基材(126)の近位端(140)と遠位端(141)との間に画定されたナビゲーションセンサアセンブリ(110)の長さは、遠位端(120)のナビゲーションを容易にするために、遠位ナビゲーションセンサ(152、156)をシャフトアセンブリ(104)の遠位端(120)又はその近くに位置付けると同時に、リード(138a、138b、138c、138d)を、リード(138a、138b、138c、138d)が(例えば、介在する電線又はケーブルなしで)結合ユニットに直接電気的に結合され得る十分に近位の場所に位置付けるのに十分な大きさであってもよい。この点に関して、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、シャフトアセンブリ(104)の長さと実質的に等しいか又はそれよりも長い長さを有してもよく、その結果、リード(138a、138b、138c、138d)は、ハンドルアセンブリ(110)の本体(112)内に、又は本体に対して近位にさえ位置付けられ得る。例えば、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、数メートル程度の長さを有してもよい。このようにして、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、位置関連信号を生成すること、及び位置関連信号を結合ユニットに送信することの両方を、それらの間に配線される電線又はケーブルを必要とすることなく行うことができる。
【0035】
ナビゲーションセンサ(150、152、154、156)は各々、交流磁場の中に位置付けられたときに電流を生成するための任意の他の好適な様式で構成されてもよいことが理解されよう。例えば、ナビゲーションセンサ(150、152、154、156)を画定する各同心ループ部分(130b、132b、134b、136b)の同心ループの数は、示された数より多くても少なくてもよい。追加的に、又は代替的に、各同心ループ部分(130b、132b、134b、136b)の任意の1つ又は2つ以上の寸法(例えば、高さ、幅、長さ、及び/又は厚さ)は、図示される寸法より大きくても小さくてもよい。図示された同心ループ部分(130b、132b、134b、136b)は各々、略矩形であるが、同心ループ部分(130b、132b、134b、136b)は各々、任意の他の好適な形状を有してもよい。例えば、同心ループ部分(130b、132b、134b、136b)は各々、略円形であってもよく、任意の好適な直径を有してもよい。
【0036】
上部トレース(130、132)又は底部トレース(134、136)のいずれかのみが、位置関連信号をプロセッサ(52)に通信することが可能であってもよく、したがって、底部トレース(134、136)によってプロセッサ(52)に通信される位置関連信号は、上部トレース(130、132)によって通信されるものに対して冗長であってもよいことが理解されよう。そのような冗長性は、上部トレース(130、132)によって通信された位置関連信号によって生成された位置データを検証することによって、上部トレース(130、132)によって提供された位置関連信号の信頼性を改善することができる。追加的に、又は代替的に、上部トレース(130、132)及び底部トレース(134、136)によって通信された位置関連信号は、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の配向を判定するために使用され得る。
【0037】
いくつかの変形例では、対応する底部トレース(134、136)に対する上部トレース(130、132)の対向配置は、電磁干渉又は「ノイズ」(そうでなければ、従来のコイルセンサ配置に典型的に存在するリード(138a、138b、138c、138d)用のツイストペア線がないために、トレース(130、132、134、136)内を流れる電流によって引き起こされ得る)を実質的に低減又は排除し、それによって、プロセッサ(52)に通信された位置関連信号の精度及び信頼性を改善するのを助け支援することができる。
図12に概略的に示されるように、電流は、上部トレース(130、132)において第1の方向に流れてもよく、対応する底部トレース(134、136)において第1の方向と反対かつ平行である第2の方向に流れてもよい。例えば、電流は、上部同心ループ部分(130b、132b)において第1の方向(例えば、時計回り又は反時計回りのうちの一方)に流れてもよく、対応する下部同心ループ部分(134b、136b)において第1の方向と反対かつ平行である第2の方向(例えば、時計回り又は反時計回りのうちの他方)に流れてもよい。同様に、電流は、上部長手方向部分(130a、132a、130c、132c)において第1の方向(例えば、近位又は遠位のうちの一方)に流れてもよく、対応する下部長手方向部分(134a、136a、134c、136c)において第1の方向と反対かつ並行である第2の方向(例えば、近位又は遠位のうちの他方)に流れてもよい。上部トレース(130、132)において第1の方向に流れる電流及び対応する底部トレース(134、136)において第2の方向に流れる電流は、互いに実質的に同じ大きさを有してもよい。したがって、上部トレース(130、132)内の電流によって引き起こされた磁場ノイズ及び対応する底部トレース(134、136)内の電流によって引き起こされた磁場ノイズは、実質的に等しく、互いに反対であり得、その結果、磁場ノイズは互いに打ち消し合い、それによって、両方とも実質的に低減又は排除される。したがって、上部又は下部フレックス回路層のいずれかのみが位置関連信号を提供することが可能であり得るが、両方の層を有する冗長性は、ノイズ低減利益を提供し得る。いくつかの変形例では、より多くの又はより少ないフレックス回路層が提供されてもよい。例えば、上部又は下部フレックス回路層のいずれかが省略されてもよい。
【0038】
いくつかの他の変形例では、対応する底部リード(138c、138d)に対する上部リード(138a、138b)の対向配置は、トレース(130、132、134、136)の近位終端で拾われる電磁ノイズを実質的に低減又は排除するのを支援することができる。例えば、第1の上部リード(138a)の極性は、第1の底部リード(138c)の極性と反対であってもよく、その結果、近位上部トレース(130)の近位終端からの任意のピックアップノイズ及び近位底部トレース(134)の近位端からの任意のピックアップノイズが互いに打ち消し合い、それにより、両方とも実質的に低減又は排除される。同様に、第2の上部リード(138b)の極性は、第2の底部リード(138d)の極性と反対であってもよく、その結果、遠位上部トレース(132)の近位終端からの任意のピックアップノイズ及び遠位底部トレース(136)の近位終端からの任意のピックアップノイズは、互いに打ち消し合い、それにより、両方とも実質的に低減又は排除される。
【0039】
本実施例のナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、単一の遠位上部ナビゲーションセンサ(152)及び単一の遠位底部ナビゲーションセンサ(156)を含むが、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、代替的に、複数の遠位上部ナビゲーションセンサ(152)及び/又は遠位底部ナビゲーションセンサ(156)を含んでもよい。例えば、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、一対の横方向に隣接する遠位上部ナビゲーションセンサ(152)及び/又は一対の横方向に隣接する遠位底部ナビゲーションセンサ(156)を含んでもよい。このような一対の遠位上部及び/又は底部ナビゲーションセンサ(152、156)は、ナビゲーションセンサ(150、152、154、156)の位置関連信号からプロセッサ(52)によって計算されたシャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の場所の座標の精度を改善することを支援し得る。場合によっては、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、以下に説明するように、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の略円筒形表面に沿って配設されてもよく、その結果、そのような対の一方の遠位上部及び/又は底部ナビゲーションセンサ(152、156)は、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の第1の側面に配設されてもよく、そのような対の他方の遠位上部及び/又は底部ナビゲーションセンサ(152、156)は、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の第2の側面に配設されてもよい。このようにして、一対の遠位上部及び/又は底部ナビゲーションセンサ(152、156)は、可撓性部分(118)の両側面の場所を示す位置関連信号を提供することができ、これは、可撓性部分(118)が屈曲構成にあるときなどに、プロセッサ(52)によって計算された場所の座標の精度を改善することができる。
【0040】
本実施例のナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、ナビゲーションセンサ(150、152、154、156)がシャフトアセンブリ(104)の位置を示す信号を生成するように動作可能であるように、シャフトアセンブリ(104)内に配設されるが、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、代替的に、器具(100)の任意の他の構成要素の位置を示す信号を生成するために、そのような他の構成要素上に位置付けられてもよい。更に、本実施例のナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の中心を通ってその内径にわたって略水平に延在しており、略平坦構成を有するが、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、代替的に、シャフトアセンブリ(104)上又は内部の任意の他の好適な位置に配設されてもよく、任意の他の好適な構成を有してもよい。例えば、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の任意の好適な弦にわたって延在してもよい。
【0041】
図13に示すように、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、可視化及び灌注アセンブリ(108)の下方のシャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の略円筒形内面に沿って配設されてもよく、略湾曲構成を有してもよく、その結果、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、円筒形内面の曲率半径に対応する曲率半径で、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の長手方向軸の周りで湾曲し、それによって、可撓性部分(118)の内周に適合する。この構成では、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、より大きな作業チャネル(149a)がシャフトアセンブリ(104)に沿って(例えば、可視化及び灌注アセンブリ(108)の上方に)延在するための比較的大きな空間を可能にし得る。代替的に、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の略円筒形外面に沿って配設されてもよく、略湾曲構成を有してもよく、その結果、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、円筒形外面の曲率半径に対応する曲率半径で、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の長手方向軸の周りで湾曲し、それによって、可撓性部分(118)の外周に適合する。
【0042】
いずれにしても、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、上述のように、作業チャネル(149、149a)のための空間がシャフトアセンブリ(104)に沿って延在することを可能にすることができ、その結果、解剖学的通路を拡張するための拡張カテーテルのバルーンの膨張中、及び/又はエネルギーカテーテルの電極を介した組織へのRFエネルギーの送達中など、カテーテル(例えば、拡張カテーテル又はエネルギーカテーテル)が作業チャネル(149、149a)を通って遠位に前進する間、及び/又はそのようなカテーテルが作業チャネル(149、149a)内に位置付けられたままである間、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、位置関連信号をプロセッサ(52)に連続的に通信することができる。換言すれば、可撓性部分(118)のナビゲーションは、互いに干渉することなく、解剖学的通路の拡張と同時に、及び/又は組織へのRFエネルギーの送達と同時に行われ得る。
【0043】
上述したように、本実施例のナビゲーション、可視化、及び灌注アセンブリ(106)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)の直下のシャフトアセンブリ(104)内に配設された可視化及び灌注アセンブリ(108)を更に含む。視覚化及び灌注アセンブリ(108)は、シャフトアセンブリ(104)の遠位端(120)の遠位にある標的組織部位において、視覚化及び灌注を提供するように動作可能である。再び
図3を参照すると、この例の視覚化及び灌注アセンブリ(108)は、プレート部材(160)、カメラ(161)、一対の照明要素(162、163)、及び一対の流体導管(164、165)を含む。カメラ(161)は、カメラであって、シャフトアセンブリ(104)内に適合し、それと同時に、依然として、作業チャネル(149)がシャフトアセンブリ(104)に沿って延在するための空間を許容し、それによって、追加の器具類、吸引、流体などが、カメラ(161)に隣接する開放遠位端(120)を通過することを許容するように好適にサイズ決定されている、カメラの形態であってもよい。
【0044】
照明要素(162、163)は、カメラ(161)の視野を照明するように構成され、かつ動作可能である。照明要素(162)は、カメラ(161)の一方の側面に位置付けられ、照明要素(163)は、カメラ(161)の他方の側面に位置付けられている。本実施例では、2つの照明要素(162、163)が使用されているが、他の変形例では、1つの照明要素(162、163)のみ、又は3つ以上の照明要素(162、163)を使用してもよい。本実施例では、照明要素(162、163)は、LEDを含む。いくつかの他の変形例では、照明要素(162、163)は、光ファイバ構成要素を含む。例えば、各照明要素(162、163)は、1つ又は2つ以上のそれぞれの光ファイバ又は光ファイバ束と光学的に結合されたレンズを含んでもよい。このような光ファイバ又は光ファイバ束は、シャフトアセンブリ(104)に沿って延在してもよく、ハンドルアセンブリ(110)(又はシャフトアセンブリ(104)がそこから延在するいくつかの他の本体)に組み込まれるか、又は別様に提供される光源と光学的に結合されてもよい。
【0045】
導管(164、165)は、この実施例ではカメラ(161)の横方向に位置している。具体的には、導管(164)は、カメラ(161)に対して外側に位置付けられている一方で、照明要素(162)に対して内側に位置付けられている。導管(165)は、カメラ(161)に対して外側に位置付けられている一方で、照明要素(163)に対して内側に位置付けられている。いくつかの変形例では、両方の導管(164、165)は、液体(例えば、生理食塩水など)の供給源と流体連通している。いくつかの他の変形例では、両方の導管(164、165)は、吸引の供給源と流体連通している。いくつかの他の変形例では、一方の導管(164又は165)は、液体の供給源と流体連通し、他方の導管(165又は164)は、吸引の供給源と流体連通している。なお他の変形例では、導管(164、165)の一方又は両方は、弁アセンブリと流体連通してもよく、弁アセンブリは、液体の供給源及び吸引の供給源と結合されている。このような変形例では、弁アセンブリは、導管(164、165)の一方又は両方を液体の供給源又は吸引の供給源と選択的に結合するために使用されてもよい。導管(164、165)のいずれか又は両方を液体の供給源及び/又は吸引の供給源と結合してもよい様々な好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。導管(164、165)のうちの少なくとも一方が液体の供給源と連通している変形例では、このような導管(164、165)は、このような液体をカメラ(161)の遠位端に送達するために使用されてもよい。カメラ(161)の遠位端を液体で洗い流すことによって、導管(164、165)は、カメラ(161)の遠位端がデブリに近づかないようにし、それにより、カメラ(161)を介して適切な視覚化を維持するために使用され得る。導管(164、165)のうちの少なくとも一方が吸引の供給源と連通している変形例では、このような導管(164、165)は、過剰な液体(例えば、他方の導管(164)を介して排出された液体など)を引き出すために使用されてもよい。
【0046】
この例のプレート部材(160)は、プレート(166)、及び一対の横方向に延在するタブ(167、168)を含む。プレート(166)は、カメラ(161)の上方に位置付けられ、したがって、作業チャネル(149)に沿って前進する他の器具によってカメラ(161)が引っ掛かり、場合によっては損傷を受けることを避けるように機能し得る。示される実施形態では、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)は、プレート(166)の上に更に位置付けられ、したがって、同様に、カメラ(161)がそのような器具によって引っ掛かるのを遮蔽する役割を果たし得る。タブ(167、168)は、導管(164、165)のそれぞれの遠位端の場所に対応するように位置付けられている。具体的には、タブ(167)は、導管(164)の遠位端のすぐ遠位に位置付けられている。タブ(168)は、導管(165)の遠位端のすぐ遠位に位置付けられている。タブ(167)は、タブ(167)の近位面と導管(164)の遠位端との間に間隙(図示せず)を残すように更に位置付けられてもよく、同様の間隙が、タブ(168)の近位面と導管(165)の遠位端との間に残されてもよい。これらの間隙は、液体が導管(164、165)の遠位端から逃げることを可能にするようにサイズ決定され、導管(164、165)の遠位端を介して吸引が適用されることを可能にしてもよい。しかしながら、タブ(167、168)の存在は、導管(164、165)の遠位端を介して排出された液体をカメラ(161)に向かって迂回させるのを支援してもよい。換言すれば、液体が導管(164、165)のいずれか又は両方に沿って搬送され、このような液体がこのような導管(164、165)の遠位端から出るとき、対応するタブ(167、168)は、排出された液体をカメラ(161)の遠位端に向けて迂回させ、それにより、カメラ(161)からデブリを洗い流すのを支援してもよい。いくつかの他の変形例では、タブ(167、168)は省略される。プレート部材(160)は、単に任意選択であるに過ぎない。
【0047】
上記に加えて、視覚化及び灌注アセンブリ(108)の少なくとも一部、並びに/又は器具(100)の他の構成要素は、2020年6月11日に出願された「ENT Guide with Advanceable Instrument and Advanceable Endoscope Shaft」と題した米国特許仮出願第63/037,640号、2021年1月27日に出願された「ENT Instrument with Ablation Loop and Ablation Needles」と題した米国特許仮出願第63/142,098号の教示のうちの少なくともいくつかに従って構成され、かつ動作可能であってもよい。
【0048】
いくつかの変形例では、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)がシャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の内径又は他の弦にわたって延在する平坦構成にある場合(
図3参照)、第2の作業チャネル(図示せず)がナビゲーションセンサアセンブリ(110)に対して作業チャネル(149)の反対側(例えば、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)の下方)に提供され得るように、又はナビゲーションセンサアセンブリ(110)がシャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の円筒形内面に沿って配設された湾曲構成にある場合(
図13参照)、作業チャネル(149)の内部断面寸法が拡大され得るように、可視化及び灌注アセンブリ(108)は省略されてもよい。
【0049】
器具(100)は、解剖学的通路を拡張するため、かつ/又は患者の耳、鼻、若しくは咽喉内の組織にRFエネルギーを送達するために説明されてきたが、器具(100)は、例えば、診断的手技、電気生理学的マッピング、電気生理学的カテーテル誘導手術、及び/又は心臓アブレーション手技を含む他の外科的機能を実行するように適合され得ることが理解されよう。
【0050】
B.ナビゲーションセンサアセンブリ上に組み込まれたカメラ回路及び温度センサを有する例示的なナビゲーション、視覚化、及び灌注アセンブリ
場合によっては、例えば、シャフトアセンブリ(104)に沿ってカメラ(161)にワイヤ又はケーブルを配線する必要性を排除するために、可視化及び灌注アセンブリ(108)のカメラ(161)用の回路がそのナビゲーションセンサアセンブリ上に組み込まれたナビゲーション、可視化及び灌注アセンブリを提供することが望ましい場合がある。カメラ(161)用の回路を、他の目的のために(例えば、ナビゲーションセンサアセンブリ回路などのために)既に使用されているフレックス回路に組み込むことは、ナビゲーション、可視化、及び灌注アセンブリ(106)と比較して、柔軟性の増加及び/又はサイズの低減を提供し得る。結果として、作業チャネル(149)の内部断面寸法が拡大されてもよく、かつ/又はシャフトアセンブリ(104)の外部断面寸法が低減されてもよい。追加的に、又は代替的に、温度変化によって悪影響を受け得るナビゲーションセンサアセンブリを介して判定される場所の座標の精度を改善するためなどに、そのようなナビゲーションセンサアセンブリに関連付けられた温度を監視することが望ましい場合がある。
図14~
図23は、そのような機能を有し、ナビゲーション、可視化、及び灌注アセンブリ(206)の代わりに器具(100)に組み込まれ得るナビゲーション、可視化、及び灌注アセンブリ(106)の例を示す。ナビゲーション、可視化、及び灌注アセンブリ(206)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(210)及びナビゲーションセンサアセンブリ(210)の直下に配設された可視化及び灌注アセンブリ(108)を有し、特に記載のない限り、ナビゲーション、可視化、及び灌注アセンブリ(106)と同様であってもよい。
【0051】
ここで
図15~
図22を参照すると、この例のナビゲーションセンサアセンブリ(210)は、可撓性プリント回路基板(PCB)の形態で提供され、複数の熱電対(227a、227b、227c、227d)、カメラトレース(228a、228b、228c、228d)、対応するカメラトレースリード(229a、229b、229c、229d、229e、229f、229g、229h)、センサトレース(230、232、234、236)、対応するセンサトレースリード(238a、238、238c、238d)、及びその上に形成された(例えば、印刷された、かつ/又は埋め込まれた)接地リード(239a、239b)を有する細長い略矩形のフレックス回路基材(226)を含む。示されるように、基材(226)は、近位端(240)と遠位端(241)との間で長手方向に、第1の側部(242)と第2の側部(243)との間で横方向に、かつ上面(244)と底面(245)との間で垂直に延在する。本実施例の基材(226)は、上面(244)と底面(245)との間に延在する貫通孔(246)を含む。貫通孔(246)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(210)をシャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)及び/又は可視化及び灌注アセンブリ(108)などの器具(100)の任意の他の構成要素に固定するためのピン(図示せず)又は他の好適な締結具を受容するように構成され得る。示される変形例では、基材(226)はまた、近位端(240)と第1の側面(242)との間に延在する近位ベベル(248)を含む。近位ベベル(248)は、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)に対して、かつ/又は可視化及び灌注アセンブリ(108)などの器具(100)の任意の他の構成要素に対して、所望の位置に近位端(240)を配置するのを支援するように構成され得る。
【0052】
基材(226)は、ポリイミド又は液晶ポリマー(LCP)などの電気絶縁性の可撓性プラスチック材料から形成されてもよい。例えば、ポリイミドで形成されたそのような基材(226)は、自然に平坦構成に向かって弾性的に付勢され得るので、基材(226)の比較的平坦構成を維持することが望ましい場合、基材(226)は、ポリイミドで形成されてもよい。代替的に、LCPで形成された基材(226)は、以下に記載されるように、そのような複雑な幾何学的形状に適応するように、かつ/又は増加した可撓性を提供するように熱成形され得るので、基材(226)のより複雑な幾何学的構成及び/又は増加した可撓性が所望される場合、基材(226)は、LCPで形成されてもよい。いずれにしても、センサトレース(230、232、234、236)、センサリード(238a、238b、238c、238d)、カメラトレース(228a、228b、228c、228d)、及びカメラリード(229a、229b、229c、229d、229e、229f、229g、229h)は各々、銅などの導電性金属材料から形成されてもよい。ナビゲーションセンサアセンブリ(210)は、シャフトアセンブリ(104)内に適合し、それと同時に、依然として、作業チャネル(149)がシャフトアセンブリ(104)に沿って(例えば、ナビゲーションセンサアセンブリ(210)の上方に)延在するための空間を許容し、それによって、追加の器具類(例えば、拡張カテーテル及び/又はエネルギーカテーテル)、吸引、流体などが、ナビゲーションセンサアセンブリ(210)に隣接する開放遠位端(120)を通過することを許容するように好適にサイズ決定されている。この点に関して、ナビゲーションセンサアセンブリ(210)は、少なくとも従来のコイルセンサと比較して、比較的低い外形を有し得る。いくつかの変形例では、ナビゲーションセンサアセンブリ(210)は、約50ミクロンの厚さを有してもよい。
【0053】
図15及び
図16に示すように、センサトレース(230、232、234、236)は、基材(226)の上面(244)上に各々形成された近位上部センサトレース(230)及び遠位上部センサトレース(232)、並びに対応する上部センサトレース(230、232)の反対側かつ/又は平行な基材(226)の底面(245)上に各々形成された近位底部センサトレース(234)及び遠位底部センサトレース(236)を含む。センサリード(238a、238b、238c、238d)は、基材(226)の上面(244)上に各々形成された第1及び第2の外側センサリード(238a、238b)並びに第1及び第2の内側センサリード(238c、238d)を含む。カメラトレース(228a、228b、228c、228d)は、基材(226)の上面(244)上に各々形成された第1及び第2の外側カメラトレース(228a、228b)並びに第1及び第2の内側カメラトレース(228c、228d)を含む。カメラリード(229a、229b、229c、229d、229e、229f、229g、229h)は、基材(226)の上面(244)上に各々形成された第1及び第2の近位外側カメラリード(229a、229b)、第1及び第2の近位内側カメラリード(229c、229d)、第1及び第2の遠位外側カメラリード(229e、229f)、並びに第1及び第2の遠位内側カメラリード(229g、229h)を含む。接地リード(239a、239b)は、基材(226)の上面(244)上に各々形成された第1及び第2の近位接地リード(239a、239b)を含む。熱電対(227a、227b、227c、227d)は、基材(226)の上面(244)上に各々形成された第1及び第2の近位熱電対(227a、227b)並びに第1及び第2の遠位熱電対(227c、227d)を含む。上部センサトレース(230、232)、センサリード(238a、238b、238c、238d)、カメラトレース(228a、228b、228c、228d)、カメラリード(229a、229b、229c、229d、229e、229f、229g、229h)、接地リード(239a、239b)、及び熱電対(227a、227b、227c、227d)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(210)の上部フレックス回路層を集合的に画定し、下部センサトレース(234、236)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(210)の下部フレックス回路層を集合的に画定する。
【0054】
ここで
図17~
図22を参照すると、センサトレース(230、232、234、236)は各々、それぞれの第1の長手方向部分(230a、232a、234a、236a)、同心ループ部分(230b、232b、234b、236b)、及び第2の長手方向部分(230c、232c、234c、236c)を含む。示されるように、遠位トレース(232、236)の同心ループ部分(232b、236b)は、それぞれの近位トレース(230、234)の同心ループ部分(230b、234b)に対して遠位に位置付けられている。更に、同心ループ部分(230b、232b、234b、236b)は各々、カメラトレース(228a、228b、228c、228d)によって横方向に隣接される。
【0055】
第1の外側センサリード(238a)は、遠位上部トレース(232)の第1の長手方向部分(232a)の近位端に電気的に結合されている。遠位上部トレース(232)の第1の長手方向部分(232a)は、その近位端から遠位に延在しており、その遠位端において、遠位底部トレース(236)の第1の長手方向部分(236a)の遠位端に電気的に結合されている。遠位底部トレース(236)の第1の長手方向部分(236a)は、その遠位端から、第1の外側センサリード(238a)の反対側の底面(245)上の場所に向かって近位に延在しており、その近位端において、遠位底部トレース(236)の第2の長手方向部分(236c)の近位端に電気的に結合されている。遠位底部トレース(236)の第2の長手方向部分(236c)は、その近位端から遠位に延在しており、その遠位端において、遠位底部トレース(236)の同心ループ部分(236b)の半径方向外側端に電気的に結合されている。遠位底部トレース(236)の同心ループ部分(236b)は、その半径方向外側端から半径方向内向きに螺旋を描き、その半径方向内側端において、遠位上部トレース(232)の同心ループ部分(232b)の半径方向内側端に電気的に結合されている。遠位上部トレース(232)の同心ループ部分(232b)は、その半径方向内側端から半径方向外向きに螺旋を描き、その半径方向外側端において、遠位上部トレース(232)の第2の長手方向部分(232c)の遠位端に電気的に結合されている。遠位上部トレース(232)の第2の長手方向部分(232c)は、その遠位端から第1の内側センサリード(238c)に向かって近位に延在しており、その近位端において、ら第1の内側センサリード(238c)に電気的に結合されている。
【0056】
第2の外側センサリード(238b)は、近位上部トレース(230)の第1の長手方向部分(230a)の近位端に電気的に結合されている。近位上部トレース(230)の第1の長手方向部分(230a)は、その近位端から遠位に延在しており、その遠位端において、近位底部トレース(234)の第1の長手方向部分(234a)の遠位端に電気的に結合されている。近位底部トレース(234)の第1の長手方向部分(234a)は、その遠位端から、第2の外側センサリード(238b)の反対側の底面(245)上の場所に向かって近位に延在しており、その近位端において、近位底部トレース(234)の第2の長手方向部分(234c)の近位端に電気的に結合されている。近位底部トレース(234)の第2の長手方向部分(234c)は、その近位端から遠位に延在しており、その遠位端において、近位底部トレース(234)の同心ループ部分(234b)の半径方向外側端に電気的に結合されている。近位底部トレース(234)の同心ループ部分(234b)は、その半径方向外側端から半径方向内向きに螺旋を描き、その半径方向内側端において、近位上部トレース(230)の同心ループ部分(230b)の半径方向内側端に電気的に結合されている。近位上部トレース(230)の同心ループ部分(230b)は、その半径方向内側端から半径方向外向きに螺旋を描き、その半径方向外側端において、近位上部トレース(230)の第2の長手方向部分(230c)の遠位端に電気的に結合されている。近位上部トレース(230)の第2の長手方向部分(230c)は、その遠位端から第2の内側センサリード(238d)に向かって近位に延在しており、その近位端において、第2の内側センサリード(238d)に電気的に結合されている。
【0057】
上記と同様に、各同心ループ部分(230、232、234、236)は、それぞれのナビゲーションセンサ(250、252、254、256)を画定しており、それぞれのナビゲーションセンサは、それぞれのナビゲーションセンサ(250、252、254、256)の位置を示し、それによって、三次元空間における器具(100)の少なくとも一部分(例えば、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118))の位置を示す信号を生成するように動作可能である。そのような位置関連信号によって生成された位置データは、操作者に視覚的表示を提供して、器具(100)のシャフトアセンブリ(104)が患者(P)内のどこに位置するかをリアルタイムで操作者に示すために、プロセッサ(52)によって処理することができる。このような視覚的表示は、患者の解剖学的構造の、手術前に得らされた1つ又は2つ以上の画像(例えば、CTスキャン)上のオーバーレイとして提供されてもよい。
【0058】
第1の近位外側カメラリード(229a)は、第1の外側カメラトレース(228a)の近位端に電気的に結合されており、第1の外側カメラトレース(228a)は、その近位端から第1の遠位外側カメラリード(229e)まで遠位に延在しており、その遠位端において、第1の遠位外側カメラリード(229e)に電気的に結合されている。第2の近位外側カメラリード(229b)は、第2の外側カメラトレース(228b)の近位端に電気的に結合されており、第2の外側カメラトレース(228b)は、その近位端から第2の遠位外側カメラリード(229f)まで遠位に延在しており、その遠位端において、第2の遠位外側カメラリード(229f)に電気的に結合されている。第1の近位内側カメラリード(229c)は、第1の内側カメラトレース(228c)の近位端に電気的に結合されており、第1の内側カメラトレース(228c)は、その近位端から第1の遠位内側カメラリード(229g)まで遠位に延在しており、その遠位端において、第1の遠位内側カメラリード(229g)に電気的に結合されている。第2の近位内側カメラリード(229d)は、第2の外側カメラトレース(228d)の近位端に電気的に結合されており、第2の外側カメラトレース(228d)は、その近位端から第2の遠位内側カメラリード(229h)まで遠位に延在しており、その遠位端において、第2の遠位内側カメラリード(229h)に電気的に結合されている。
【0059】
したがって、電流及び/又は画像信号は、概して、第1の外側カメラトレース(228a)を介して、第1の近位外側カメラリード線(229a)と遠位外側カメラリード線(229e)との間、第2の外側カメラトレース(228b)を介して、第2の近位外側カメラリード線(229b)と遠位外側カメラリード線(229f)との間、第1の内側カメラトレース(228c)を介して、第1の近位内側カメラリード線(229e)と遠位内側カメラリード線(229g)との間、かつ/又は第2の内側カメラトレース(228d)を介して、第2の近位内側カメラリード線(229d)と遠位内側カメラリード線(229h)との間を流れ得る。このようにして、カメラトレース(228a、228b、228c、228d)及びカメラリード(229a、229b、229c、229d、229e、229f、229g、229h)を使用して、視覚化及び灌注アセンブリ(108)のカメラ(161)をプロセッサ(52)に動作可能に結合して、カメラ(161)からプロセッサ(52)に画像信号を送信することができ(これにより、ディスプレイスクリーン(56)を介して、リアルタイムでビデオを提供することができる)、かつ/又はカメラ(161)に電力を供給するために、カメラ(161)を電源(図示せず)に動作可能に結合することができる。
【0060】
いくつかの変形例では、基材(226)の近位端(240)と遠位端(241)との間に画定されたナビゲーションセンサアセンブリ(210)の長さは、遠位端(120)のナビゲーションを容易にするために、遠位ナビゲーションセンサ(252、256)をシャフトアセンブリ(104)の遠位端(120)又はその近くに位置付けると同時に、センサリード(238a、238b、238c、238d)を、センサリード(238a、238b、238c、238d)が(例えば、介在する電線又はケーブルなしで)結合ユニットに直接電気的に結合され得る十分に近位の場所に位置付けるのに十分な大きさであってもよい。同様に、ナビゲーションセンサアセンブリ(210)の長さは、遠位カメラリード(229e、229f、229g、229h)を、遠位カメラリード(229e、229f、229g、229h)がカメラ(161)に直接電気的に結合され得る十分に遠位の場所に(例えば、電気ワイヤ又はケーブルを介在させることなく)位置付ける一方で、近位カメラリード(229a、229b、229c、229d)を、近位カメラリード(229a、229b、229c、229d)が結合ユニットに直接電気的に結合され得る十分に近位の場所に(例えば、電気ワイヤ又はケーブルを介在させることなく)位置付けるのに十分な大きさであってもよい。これに関して、ナビゲーションセンサアセンブリ(210)は、シャフトアセンブリ(104)の長さと実質的に等しいか又はそれよりも長い長さを有してもよく、その結果、センサリード(238a、238b、238c、238d)及び/又は近位カメラリード(229a、229b、229c、229d)がハンドルアセンブリ(110)の本体(112)内に、又はそれに対して近位にさえ位置付けられ得る。例えば、ナビゲーションセンサアセンブリ(210)は、数メートル程度の長さを有してもよい。このようにして、ナビゲーションセンサアセンブリ(210)は、位置関連信号を生成すること、及び位置関連信号を結合ユニットに送信することの両方を、それらの間に配線される電線又はケーブルを必要とすることなく行うことができ、また、カメラ(161)に電力を供給すること、及びカメラ(161)から結合ユニットに画像信号を送信することの両方を、それらの間に配線される電線又はケーブルを必要とせずに行うことができる。
【0061】
上述したように、本実施例のナビゲーションセンサアセンブリ(210)は、基材(226)の上面(244)上に位置付けられた熱電対(227a、227b、227c、227d)の形態の複数の温度センサを更に含む。再び
図15を参照すると、近位熱電対(227a、227b)は各々、近位上部ナビゲーションセンサ(250)の比較的近くに位置付けられており、遠位熱電対(227c、227d)は各々、遠位上部ナビゲーションセンサ(252)の比較的近くに位置付けられている。したがって、近位熱電対(227a、227b)は、近位上部ナビゲーションセンサ(252)又はその近くの基材(226)及び/又は周囲環境の温度を検出するように動作してもよく、遠位熱電対(227c、227d)は、遠位上部ナビゲーションセンサ(250)又はその近くの基材(226)及び/又は周囲環境の温度を検出するように動作してもよい。各熱電対(227a、227b、227c、227d)は、それぞれの検出された温度を示し、それによって、それぞれのナビゲーションセンサ(250、252)の温度を示す信号を生成するように動作可能である。そのような温度関連信号によって生成された温度データは、ナビゲーションセンサ(250、252、254、256)の位置関連信号からプロセッサ(52)によって計算された場所の座標の精度を改善するために、プロセッサ(52)によって処理されてもよい。
【0062】
この点に関して、ナビゲーションセンサ(250、252、254、256)の温度の変化(例えば、上昇)は、それぞれの同心ループ部分(230b、232b、234b、236b)の抵抗の対応する変化を引き起こす可能性があり、それは次に、結果として生じる位置関連信号からプロセッサ(52)によって計算された場所の座標の精度が悪影響を受ける可能性があるように、交流磁場によってそこに生成された誘導電流の対応する変化を引き起こす可能性があることが理解されるであろう。そのような温度変化は、プロセッサ(52)が、温度データに基づいて場所の座標の計算を調整して、温度変化によって引き起こされた任意の抵抗変化を補正することができるように、それらの対応する抵抗変化に直接相関させることができる。
【0063】
ここで
図23を参照すると、ナビゲーションセンサ(250、252、254、256)からプロセッサ(52)によって受信された位置関連信号に基づいて、更に熱電対(227a、227b、227c、227d)からプロセッサ(52)によって受信された温度関連信号に基づいて、場所の座標を判定する方法(301)が提供される。方法(301)は、ステップ(303)から始まり、ここで、温度関連信号は、ナビゲーションセンサ(250、252、254、256)の第1の温度が周囲温度に等しく、その結果、考慮されるべきナビゲーションセンサ(250、252、254、256)における温度変化誘発抵抗変化がないことを示し、プロセッサ(52)は、ナビゲーションセンサ(250、252、254、256)から受信された位置関連信号に基づいて、正確な場所の座標を計算する。
【0064】
方法(301)は、ステップ(303)からステップ(305)に進み、ここで、温度関連信号は、ナビゲーションセンサ(250、252、254、256)の第2の温度が周囲温度よりも高く、ナビゲーションセンサ(250、252、254、256)における温度変化誘起抵抗変化が考慮される必要があり得ることを示し、プロセッサ(52)は、ナビゲーションセンサ(250、252、254、256)から受信された位置関連信号に基づいて、抵抗変化-シフトされた場所の座標を計算する。そのような温度上昇は、例えば、作業チャネル(149)内の電動器具類(例えば、エネルギーカテーテル、外科用シェーバなど)を動作させることによって引き起こされ得る。いずれにしても、方法(301)は、ステップ(305)からステップ(307)に進み、プロセッサ(52)は、第1の温度から第2の温度への温度変化(例えば、第1の温度と第2の温度との差)を計算する。
【0065】
方法(301)は、ステップ(307)からステップ(309)に進み、プロセッサ(52)は、温度変化によって引き起こされる抵抗変化を考慮するために、温度変化をそれぞれの補正率に相関させる記憶されたナビゲーションシフトモデルを介して、温度変化に基づいて、補正率を判定する。方法(301)は、ステップ(309)からステップ(311)に進み、プロセッサ(52)は、補正率を抵抗変化-シフトされた場所の座標に適用し、それによって、第1の温度と第2の温度との間の温度変化によって引き起こされる抵抗変化を考慮した正確な場所の座標を判定する。
【0066】
熱電対(227a、227b、227c、227d)の形態の温度センサが示されているが、サーミスタなどの任意の他の好適なタイプの温度センサが使用されてもよい。いくつかの変形例では、熱電対(227a、227b、227c、227d)は、温度変化が典型的でない場合(例えば、作業チャネル(149)内で非電動器具類を動作させるとき)などには省略されてもよい。他の変形例では、ナビゲーションセンサ(250、252、254、256)の温度の変化は、それぞれの同心ループ部分(230b、232b、234b、236b)のインピーダンスの変化を検出することによって判定され得る。例えば、銅は比較的大きな熱膨張係数を有し、その結果、インピーダンス変化はそれらの対応する温度変化に直接相関することが理解されるであろう。したがって、プロセッサ(52)は、インピーダンスデータに基づいて、場所の座標の計算を調整して、上述したものと同様の様式で、温度変化によって引き起こされた任意の抵抗変化を補正することができる。
【0067】
C.蛇行形状の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを有する例示的な器具
図24~
図26Cは、解剖学的通路を拡張する、かつ/又は組織にRFエネルギーを送達するために使用され得る器具(400)の別の例を示す。例えば、器具(400)は、副鼻腔口の拡張(例えば、副鼻腔炎を治療するため)、喉頭の拡張、耳管の拡張、耳、鼻、又は喉内の他の通路の拡張などのために使用されてもよい。追加的に、又は代替的に、器具(400)は、神経(例えば、後鼻神経)を切除する、鼻甲介を切除する、又は患者の頭部における任意の他の種類の解剖学的構造を切除する、電気穿孔する(例えば、治療薬の吸収を促進するためなど)、若しくは抵抗加熱を適用するために使用されてもよい。この例の器具(400)は、ハンドルアセンブリ(102)、シャフトアセンブリ(104)、及びナビゲーションセンサアセンブリ(410)を含み、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)は、別途記載されている場合を除いて、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)と同様であってもよい。
【0068】
器具(400)は、膨張流体源(図示せず)と結合されてもよく、膨張流体源は、バルーンを膨張させ、それによって解剖学的通路を拡張するために、器具(400)の拡張カテーテル(図示せず)のバルーンに膨張流体を選択的に供給するように動作可能であってもよい。追加的に、又は代替的に、器具(400)は、RF発生器(101)と結合され得、RF発生器(101)は、シャフトアセンブリ(104)の遠位端にある電極(121、122)を介して組織に送達するためのRF電気外科エネルギーを生成し、それによって、組織を切除するか、電気穿孔するか、又は組織に抵抗加熱を適用するように動作可能であり得る。
図25Aから
図25Bへの移行は、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)が直線構成(
図25A)から屈曲構成(
図25B)に曲がり、それによって、遠位端(120)を剛性部分(116)の長手方向軸線から離れるように横方向に偏向させることを示す。
【0069】
図25A及び
図25Bに最も良く示されるように、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)は、シャフトアセンブリ(104)内に配設され、シャフトアセンブリ(104)にナビゲーション能力を提供するように動作可能である。より具体的には、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)が可撓性部分(118)の円筒形内面の曲率半径に対応する曲率半径で、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の長手方向軸線の周りで湾曲し、それによって、可撓性部分(118)の内周に適合する少なくとも1つの略湾曲構成で、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の略円筒形内面に沿って配設されている。
【0070】
ここで
図26A~
図26Cを参照すると、この例のナビゲーションセンサアセンブリ(410)は、可撓性プリント回路基板(PCB)の形態で提供され、一対の横方向に隣接する遠位ナビゲーションセンサ(452、453)及び対応するリード(図示せず)が位置付けられた蛇行形状のフレックス回路基材(426)を含む。示されるように、基材(426)は、近位端(440)と遠位端(441)との間で長手方向に、第1の側部(442)と第2の側部(443)との間で横方向に、かつ上面(444)と底面(445)との間で垂直に延在する。
【0071】
基材(426)は、ポリイミド又は液晶ポリマー(LCP)などの電気絶縁性の可撓性プラスチック材料から形成されてもよい。例えば、ポリイミドで形成されたそのような基材(426)は、自然に平坦構成に向かって弾性的に付勢され得るので、基材(426)の比較的平坦構成を維持することが望ましい場合、基材(426)は、ポリイミドで形成されてもよい。代替的に、LCPで形成された基材(426)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)が直線構成と屈曲構成との間でシャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)と共に曲がることを可能にするためなど、そのような複雑な幾何学的形状に適応するように、かつ/又は増加した可撓性を提供するように熱成形され得るので、基材(426)のより複雑な幾何学的構成及び/又は増加した可撓性が所望される場合、基材(426)は、LCPで形成されてもよい。いずれにしても、遠位ナビゲーションセンサ(452、453)は、基材(426)の上面(444)上に形成されたそれぞれの導電性トレース(図示せず)の同心ループ部分によって画定されてもよく、上述のように、それぞれのナビゲーションセンサ(452、453)の位置を示す信号を生成するように動作可能であってもよい。ナビゲーションセンサアセンブリ(410)は、シャフトアセンブリ(104)内に適合し、それと同時に、依然として、作業チャネル(449)がシャフトアセンブリ(104)に沿って(例えば、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)の上方に)延在するための空間を許容し、それによって、追加の器具類(例えば、拡張カテーテル及び/又はエネルギーカテーテル)、吸引、流体などが、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)に隣接する開放遠位端(120)を通過することを許容するように好適にサイズ決定されている。この点に関して、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)は、少なくとも従来のコイルセンサと比較して、比較的低い外形を有し得る。いくつかの変形例では、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)は、約50ミクロンの厚さを有してもよい。
【0072】
基材(426)の蛇行形状の構成は、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)の基材(126)の略矩形構成と比較して、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)に低減された幾何学的制約及び改善された可撓性を提供し得ることが理解されよう。したがって、基材(426)は、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)のような可鍛性又は方向付け可能なデバイスなど、基材(426)のより複雑な幾何学的構成及び/又は可撓性の増加が望ましい場合に使用され得る。
【0073】
図26Aで最もよく分かるように、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)は、基材(426)が最初に形成されるとき、かつ/又はその上に遠位ナビゲーションセンサ(452、453)を最初に位置付ける間など、最初は略平坦構成を有し得る。示されるように、長手方向中心線(C)は、基材(426)に沿って延在する。
図26Bで最もよく分かるように、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)は、横方向湾曲、長手方向直線構成をとることができ、この構成では、基材(426)の側部(442、443)が長手方向中心線(C)から上向きに湾曲し、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)が長手方向に延在する。したがって、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)は、可撓性部分(118)内に配設されたときに、可撓性部分(118)の円筒状内面の曲率半径に対応する曲率半径で、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の長手方向軸線の周りで湾曲し、それによって可撓性部分(118)の内周に適合し得る。
図26Cで最もよく分かるように、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)は、横方向湾曲、長手方向屈曲構成をとることができ、この構成では、基材(426)の側部(442、443)が長手方向中心線(C)から上向きに湾曲し、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)が長手方向から少なくとも部分的に偏向する。ナビゲーションセンサアセンブリ(410)は、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)がその直線構成にあるとき、その横方向湾曲、長手方向直線構成にあってもよく、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)は、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)がその屈曲構成にあるとき、その横方向湾曲、長手方向屈曲構成にあってもよい。このようにして、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)は、可撓性部分(118)がその直線構成にあるか又は屈曲構成にあるかに関係なく、可撓性部分(118)のナビゲーションが行われ得るように、可撓性部分(118)のその直線構成と屈曲構成との間の屈曲に適応し得る。
【0074】
示される実施例では、遠位ナビゲーションセンサ(452、453)は、遠位端(120)のナビゲーションを容易にするために、シャフトアセンブリ(104)の遠位端(120)又はその近くに位置付けられている。しかしながら、ナビゲーションセンサ(452、453)は、ナビゲーションが望まれる器具(400)の構成要素に対して、任意の他の好適な場所に位置付けられてもよいことが理解されよう。一方の遠位ナビゲーションセンサ(452、453)は、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の第1の側面上に配設されてもよく、他方の遠位ナビゲーションセンサ(452、453)は、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の第2の側面上に配設されてもよいことも理解されよう。このようにして、遠位ナビゲーションセンサ(452、453)は、可撓性部分(118)の両側面の場所を示す位置関連信号を提供することができ、これは、可撓性部分(118)が屈曲構成にあるときなどに、プロセッサ(52)によって計算された場所の座標の精度を改善することができる。いくつかの変形例では、単一の遠位ナビゲーションセンサ(452、453)のみが提供されてもよい。他の変形例では、1つ又は2つ以上の近位上部ナビゲーションセンサ(図示せず)が提供されてもよい。更に他の変形例では、遠位及び/又は近位底部ナビゲーションセンサ(図示せず)は、上述のように電磁ノイズを低減又は排除するためなどに、対応する上部ナビゲーションセンサ(452、453)の反対側の基材(426)の底面(445)上に提供されてもよい。いくつかの変形例はまた、可撓性部分(118)の遠位にある1つ又は2つ以上のナビゲーションセンサ(452、453)と、可撓性部分(118)の近位にある別の1つ又は2つ以上のナビゲーションセンサ(452、453)との組み合わせを提供してもよい。
【0075】
本実施例のナビゲーションセンサアセンブリ(410)は、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の略円筒形内面に沿って配設されるが、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)は、代替的に、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)が可撓性部分(118)の円筒形外面の曲率半径に対応する曲率半径で、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の長手方向軸線の周りで湾曲し、それによって、可撓性部分(118)の外周に適合する少なくとも1つの略湾曲構成で、シャフトアセンブリ(104)の可撓性部分(118)の略円筒形外面に沿って配設されてもよい。いずれにしても、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)は、上述のように、作業チャネル(449)のための空間がシャフトアセンブリ(104)に沿って延在することを可能にすることができ、その結果、解剖学的通路を拡張するための拡張カテーテルのバルーンの膨張中、及び/又はエネルギーカテーテルの電極を介した組織へのRFエネルギーの送達中など、カテーテル(例えば、拡張カテーテル又はエネルギーカテーテル)が作業チャネル(449)を通って遠位に前進する間、及び/又はそのようなカテーテルが作業チャネル(449)内に位置付けられたままである間、ナビゲーションセンサアセンブリ(410)は、位置関連信号をプロセッサ(52)に連続的に通信することができる。換言すれば、可撓性部分(118)のナビゲーションは、互いに干渉することなく、解剖学的通路の拡張と同時に、及び/又は組織へのRFエネルギーの送達と同時に行われ得る。
【0076】
D.蛇行形状の可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを有する例示的な吸引器具
図27A~
図27Cは、解剖学的通路の近く又は内部の異物及び/又は望ましくない物質(例えば、流体及び/又はデブリ)の除去を容易にするために、外科手技中に吸引を提供するために使用され得る器具(500)の例を示す。例えば、器具(500)は、FESS手技中、副鼻腔形成術手技中、及び/又は様々な他のENT手技中に、副鼻腔、喉頭、耳管、耳、鼻、又は喉内の他の通路などから流体及び/又はデブリを取り除くために使用され得る。この例の器具(500)は、ハンドル(図示せず)から開放遠位吸引先端(520)まで遠位に延在する細長い可鍛性シャフト(516)、及び別様に説明される場合を除いてナビゲーションセンサアセンブリ(410)と同様であり得るナビゲーションセンサアセンブリ(510)を含む。器具(500)は吸引源(図示せず)と結合されてもよく、この吸引源は、器具(500)を通して過剰な流体及び/又はデブリを近位に引き込むのに十分な吸引を手術部位に選択的に提供するように動作可能であってもよい。
図27Aから
図27Cへの移行は、直線構成(
図27A)から屈曲及び二重屈曲構成(それぞれ、
図27B及び27C)へ曲がり、それによって、遠位吸引先端(520)を可鍛性シャフト(516)の近位長手方向軸線から離れて横方向に偏向させる、可鍛性シャフト(516)を示す。
【0077】
示されるように、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、可鍛性シャフト(516)の外部に配設されており、可鍛性シャフト(516)にナビゲーション能力を提供するように動作可能である。より具体的には、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)が可鍛性シャフト(516))の円筒形外面の曲率半径に対応する曲率半径で、可鍛性シャフト(516)の長手方向軸線の周りで湾曲し、それによって、可鍛性シャフト(516)の外周に適合する少なくとも1つの略湾曲構成で、可鍛性シャフト(516)の略円筒形外面に沿って配設されている。
【0078】
この例のナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、可撓性プリント回路基板(PCB)の形態で提供され、横方向に隣接する一対の遠位ナビゲーションセンサ(552、553)及び対応するリード(図示せず)が位置付けられた蛇行形状のフレックス回路基材(526)を含む。示されるように、基材(526)は、近位端(540)と遠位端(541)との間で長手方向に、第1の側部(542)と第2の側部(543)との間で横方向に、かつ上面(544)と底面(図示せず)との間で垂直に延在する。
【0079】
基材(526)は、ポリイミド又は液晶ポリマー(LCP)などの電気絶縁性の可撓性プラスチック材料から形成されてもよい。例えば、ポリイミドで形成されたそのような基材(526)は、自然に平坦構成に向かって弾性的に付勢され得るので、基材(526)の比較的平坦構成を維持することが望ましい場合、基材(526)は、ポリイミドで形成されてもよい。代替的に、LCPで形成された基材(526)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)が直線構成、屈曲構成、及び二重屈曲構成の間で可鍛性シャフト(516))と共に曲がることを可能にするためなど、そのような複雑な幾何学的形状に適応するように、かつ/又は増加した可撓性を提供するように熱成形され得るので、基材(526)のより複雑な幾何学的構成及び/又は増加した可撓性が所望される場合、基材(526)は、LCPで形成されてもよい。いずれにしても、遠位ナビゲーションセンサ(552、553)は、基材(526)の上面(544)上に形成されたそれぞれの導電性トレース(図示せず)の同心ループ部分によって画定されてもよく、上述のように、それぞれのナビゲーションセンサ(552、553)の位置を示す信号を生成するように動作可能であってもよい。ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、作業チャネル(549)が可鍛性シャフト(516)に沿って延在することを妨害することなく、可鍛性シャフト(516)の外部に適合し、それによって、追加の器具類、吸引、流体などが開放遠位吸引先端(520)を通過することを許容し、それと同時にまた、組織が引っ掛かるリスクを最小化するために、可鍛性シャフト(516)の外部と略同一平面のままであるように好適にサイズ決定されている。この点に関して、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、少なくとも従来のコイルセンサと比較して、比較的低い外形を有し得る。いくつかの変形例では、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、約50ミクロンの厚さを有してもよい。
【0080】
いくつかの変形例では、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、基材(526)が最初に形成されるとき、かつ/又はその上に遠位ナビゲーションセンサ(552、553)を最初に位置付ける間など、最初はナビゲーションセンサアセンブリ(410)の構成と同様の略平坦構成(図示せず)を有し得る。
図27Aで最もよく分かるように、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、横方向湾曲、長手方向直線構成をとることができ、この構成では、基材(526)の側部(542、543)が基材(526)の長手方向中心線(図示せず)から下向きに湾曲し、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)が長手方向に延在する。したがって、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、可鍛性シャフト(516)の外部に配設されたときに、可鍛性シャフト(516)の円筒形外面の曲率半径に対応する曲率半径で、可鍛性シャフト(516)の長手方向軸線の周りで湾曲し、それによって可鍛性シャフト(516)の外周に適合し得る。
【0081】
図27Bで最もよく分かるように、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、横方向湾曲、長手方向屈曲構成をとることができ、この構成では、基材(526)の側部(542、543)が基材(526)の長手方向中心線から下向きに湾曲し、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)が、その長さに沿った第1の場所で、長手方向から少なくとも部分的に偏向する。
【0082】
図27Cで最もよく分かるように、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、横方向湾曲、長手方向二重屈曲構成をとることができ、この構成では、基材(526)の側部(542、543)が基材(526)の長手方向中心線から下向きに湾曲し、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)が、その長さに沿った第1の場所及び第2の場所で、長手方向から少なくとも部分的に偏向する。ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、可鍛性シャフト(516)がその直線構成にあるとき、その横方向湾曲、長手方向直線構成にあり得、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、可鍛性シャフト(516)がその屈曲構成にあるとき、その横方向湾曲、長手方向屈曲構成にあり得、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、可鍛性シャフト(516)がその二重屈曲構にあるとき、その横方向湾曲、長手方向二重屈曲構成にあり得る。このようにして、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、可撓性部分(516)がその直線構成にあるか、屈曲構成にあるか、又は二重屈曲構成にあるかに関係なく、可撓性部分(516)のナビゲーションが行われ得るように、その直線構成、屈曲構成、及び二重屈曲構成の間での可鍛性シャフト(516)の屈曲に適応し得る。
【0083】
示される実施例では、遠位ナビゲーションセンサ(552、553)は、遠位吸引先端(520)のナビゲーションを容易にするために、可鍛性シャフト(516)の遠位吸引先端(520)又はその近くに位置付けられている。しかしながら、ナビゲーションセンサ(552、553)は、ナビゲーションが望まれる器具(500)の構成要素に対して、任意の他の好適な場所に位置付けられてもよいことが理解されよう。一方の遠位ナビゲーションセンサ(552、553)は、可鍛性シャフト(516)の第1の側面上に配設されてもよく、他方の遠位ナビゲーションセンサ(552、553)は、可鍛性シャフト(516)の第2の側面上に配設されてもよいことも理解されよう。このようにして、遠位ナビゲーションセンサ(552、553)は、可鍛性シャフト(516)の両側面の場所を示す位置関連信号を提供することができ、これは、可鍛性シャフト(516)が屈曲及び/又は二重屈曲構成にあるときなどに、プロセッサ(52)によって計算された場所の座標の精度を改善することができる。いくつかの変形例では、単一の遠位ナビゲーションセンサ(552、553)のみが提供されてもよい。他の変形例では、1つ又は2つ以上の近位上部ナビゲーションセンサ(図示せず)が提供されてもよい。更に他の変形例では、遠位及び/又は近位底部ナビゲーションセンサ(図示せず)は、上述のように電磁ノイズを低減又は排除するためなどに、対応する上部ナビゲーションセンサ(552、553)の反対側の基材(526)の底面(545)上に提供されてもよい。いくつかの変形例はまた、可鍛性シャフト(516)の長さに沿った様々な長手方向位置に位置するいくつかのナビゲーションセンサ(552、553)を提供してもよい。このような位置付けにより、IGSナビゲーションシステム(50)は、操作者が可鍛性シャフト(516)に適用したその場限りの屈曲構成がどのようなものであっても、患者(P)内の可鍛性シャフト(516)の全長の位置及び配向を判定することができる。
【0084】
本実施例のナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、可鍛性シャフト(516)の略円筒形外面の略円筒形内面に沿って配設されるが、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、代替的に、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)が可鍛性シャフト(516)の円筒形内面の曲率半径に対応する曲率半径で、可鍛性シャフト(516)の長手方向軸線の周りで湾曲し、それによって、可鍛性シャフト(516)の内周に適合する少なくとも1つの略湾曲構成で、可鍛性シャフト(516)の略円筒形内面に沿って配設されてもよい。いずれにしても、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、作業チャネル(549)のための空間が上述のように可鍛性シャフト(516)に沿って延在することを可能にすることができ、その結果、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、作業チャネル(549)を通して近位に流体及び/又はデブリを吸引している間、位置関連信号をプロセッサ(52)に連続的に通信して、解剖学的通路の近く又は内部からそのような流体及び/又はデブリを取り除くことができる。換言すれば、解剖学的通路からの流体及び/又はデブリの除去及び可鍛性シャフト(516)のナビゲーションは、互いに干渉することなく同時に行われ得る。
【0085】
ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、吸引を提供するために器具(500)に組み込まれて示されているが、ナビゲーションセンサアセンブリ(510)は、例えば、可鍛性シャフトを有するプロービング器具又はキューレット器具を含む、ENT手技中に他の機能を実行するための器具などの任意の他の好適な外科用器具に組み込まれてもよいことが理解されよう。
【0086】
E.直線可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを有する例示的な切削器具
図28~
図37は、解剖学的通路から骨組織などの組織を断ち切り、かつ除去するために使用され得る器具(600)の一例を示す。例えば、器具(600)は、骨組織及び隣接する粘膜組織を鼻腔から、かつ任意の他の好適な場所から断ち切り、かつ除去するために使用されてもよい。この例の器具(600)は、ハンドルアセンブリ(602)、ハブ(603)、シャフトアセンブリ(604)、及びナビゲーションセンサアセンブリ(610)を含み、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)は、別途記載されている場合を除いて、ナビゲーションセンサアセンブリ(110)と同様であってもよい。器具(600)は吸引源(図示せず)と結合されてもよく、この吸引源は、器具(600)を通して断ち切られた組織を近位に引き込むのに十分な吸引を手術部位に選択的に提供するように動作可能であってもよい。
【0087】
この例のハンドルアセンブリ(602)は、パワーグリップ、ペンシルグリップ、又は任意の他の好適な種類のグリップなどを介して、操作者の片手で握持して操作されるようにサイズ決定され、かつそのように構成されている、本体(612)を含む。ハンドルアセンブリ(602)は、切断器具(600)の操作のための制御部を備えていてもよい、又は制御部は、遠隔に配置されていてもよい。器具(600)は更に、吸引源に動作可能に接続され、かつ手術部位から骨組織などの組織を吸引することを可能にするよう構成されてもよい、吸引ポート(613)を更に含む。ハンドルアセンブリ(602)内の電動駆動アセンブリ(図示せず)によって、回転運動がシャフトアセンブリ(604)へと送達されるが、任意の好適な回転又は振動運動源も利用することができる。例えば、このような運動源は、ハンドルアセンブリ(602)内に収容されていてもよく、外部にあってハンドルアセンブリ(602)に接続可能であってもよい。電源(図示せず)を電動駆動アセンブリに接続して、使用のために器具(600)に電力供給することができる。追加的又は代替的に、ハンドルアセンブリ(602)はバッテリ(図示せず)を収容し得る。
【0088】
シャフトアセンブリ(604)は、概して、長手方向直線、剛性、外側シャフト(616)及び内側切断部材(618)を含み、これらは合わせて、手術部位から組織を受容して除去するように構成される。チューブを含み得る切断部材(618)は、外側シャフト(616)の長手方向に延在する管腔内に配設されており、遠位部分において、シャフトアセンブリ(604)の長手方向軸線の周りを回転するように構成されている。切断部材(618)は、管腔を画定し、ハンドルアセンブリ(612)へと近位方向に延在して、電動駆動アセンブリに接続し、これが切断部材(618)を外側シャフト(616)に対して回転駆動させる。外側シャフト(616)は、内側切断部材(618)の切断窓開口部(図示せず)と協働するように構成された横方向シャフト窓開口部(621)を含む。そのような構成は、2019年12月26日に公開の、「Surgical Shaver with Feature to Detect Window State」と題された米国公開第2019/0388117号の教示のうちのいずれかに従って、構成され、動作可能であり得る。
【0089】
シャフトアセンブリ(604)はまた、シャフトアセンブリ(604)の長手方向軸線を中心として、ハンドルアセンブリ(610)に対して回転可能である。このような回転は、ハンドルアセンブリ(610)の本体(612)と回転可能に結合された回転制御ノブ(614)を介して駆動され得る。代替的に、シャフトアセンブリ(604)は、いくつかの他の形態のユーザ入力を介して回転されてもよいか、又は、ハンドルアセンブリ(610)に対して回転不可能であってもよい。また、本明細書に記載されるハンドルアセンブリ(610)の例は、単に例示的な例であることを理解されたい。シャフトアセンブリ(604)は、代わりに、任意の他の好適な種類のハンドルアセンブリ又は他の支持体と結合されてもよい。
【0090】
図29に最もよく示されるように、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)は、外側シャフト(616)の外部に配設されており、外側シャフト(616)にナビゲーション能力を提供するように動作可能である。より具体的には、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)が外側シャフト(616)の円筒形外面の曲率半径に対応する曲率半径で、外側シャフト(616)の長手方向軸線の周りで湾曲し、それによって、外側シャフト(616)の外周に適合する略湾曲構成で、外側シャフト(616)の略円筒形外面に沿って配設されている。いくつかの変形例では、器具(600)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)がシースと外側シャフト(616)との間に差し込まれ得るように、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)の半径方向外向きに外側シャフト(616)の少なくとも一部分の周りに同軸に位置付けられたシース(図示せず)を含んでもよい。
【0091】
ここで
図30~
図37を参照すると、この例のナビゲーションセンサアセンブリ(610)は、可撓性プリント回路基板(PCB)の形態で提供され、複数のトレース(630、632、633、634、636、637)、複数の対応するトレースリード(638a、638b、638c、638d、638e、638f)、及び複数の接地リード(639a、639b)が上に形成された(例えば、印刷された、かつ/又は埋め込まれた)細長い略矩形のフレックス回路基材(626)を含む。示されるように、基材(626)は、近位端(640)と遠位端(641)との間で長手方向に、第1の側部(642)と第2の側部(643)との間で横方向に、かつ上面(644)と底面(645)との間で垂直に延在する。本実施例の基材(626)は、上面(644)と底面(645)との間に延在する複数の貫通孔(646)を含む。貫通孔(646)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)を可撓性外側シャフト(616)並びに/又は器具(600)の任意の他の構成要素に固定するためのそれぞれのピン(図示せず)又は他の好適な締結具を受容するように構成され得る。示される変形例では、基材(626)はまた、近位端(640)と第1の側面(642)との間に延在する近位ベベル(648)を含む。近位ベベル(648)は、外側シャフト(616)に対して、かつ/又は器具(600)の任意の他の構成要素に対して、所望の位置に近位端(640)を配置するのを支援するように構成され得る。
【0092】
基材(626)は、ポリイミド又は液晶ポリマー(LCP)などの電気絶縁性の可撓性プラスチック材料から形成されてもよい。例えば、ポリイミドで形成されたそのような基材(626)は、自然に平坦構成に向かって弾性的に付勢され得るので、基材(626)の比較的平坦構成を維持することが望ましい場合、基材(626)は、ポリイミドで形成されてもよい。代替的に、LCPで形成された基材(626)は、そのような複雑な幾何学的形状に適応するように、かつ/又は増加した可撓性を提供するように熱成形され得るので、基材(626)のより複雑な幾何学的構成及び/又は増加した可撓性が所望される場合、基材(626)は、LCPで形成されてもよい。いずれにしても、トレース(630、632、633、634、636、637)及びリード(638a、638b、638c、638d、638e、638f)は各々、銅などの導電性金属材料で形成されてもよい。ナビゲーションセンサアセンブリ(610)は、外側シャフト(616)の内腔を妨害することなく、外側シャフト(616)の外部に適合し、それによって、内部切断部材(618)が内部に回転可能に配設されることを許容し、それと同時にまた、組織が引っ掛かるリスクを最小化するために、外側シャフト(616)の外部と略同一平面のままであるように好適にサイズ決定されている。この点に関して、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)は、少なくとも従来のコイルセンサと比較して、比較的低い外形を有し得る。いくつかの変形例では、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)は、約50ミクロンの厚さを有してもよい。
【0093】
図30及び
図31に示すように、トレース(630、632、633、634、636、637)は、基材(626)の上面(644)上に各々形成された近位上部トレース(630)、第1の遠位上部トレース(632)、及び第2の遠位上部トレース(633)、並びに対応する上部トレース(630、632、633)の反対側かつ/又は平行な基材(626)の底面(645)上に各々形成された近位底部トレース(634)、第1の遠位底部トレース(636)、及び第2の遠位底部トレース(637)を含む。同様に、リード(638a、638b、638c、638d、638e、638f)は、基材(626)の上面(644)上に各々形成された近位上部リード(638a)並びに第1及び第2の遠位上部リード(638b、638c)、並びに対応する上部リード(638a、638b、638c)の反対側かつ/又は平行な基材(626)の底面(645)上に各々形成された近位底部リード(638d)並びに第1及び第2の遠位底部リード(638e、638f)を含む。接地リード(639a、639b)は、基材(626)の上面(644)上に各々形成された第1及び第2の接地リード(639a、639b)を含む。上部トレース(630、632、633)、上部リード(638a、638b、638c)、及び接地リード(639a、639b)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)の上部フレックス回路層を集合的に画定し、底部トレース(634、636、637)及び底部リード(638d、638e、638f)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)の下部フレックス回路層を集合的に画定する。
【0094】
ここで
図32~
図37を参照すると、トレース(630、632、633、634、636、637)は各々、それぞれの第1の長手方向部分(630a、632a、633a、634a、636a、637a)、同心ループ部分(630b、632b、633b、634b、636b、637b)、及び第2の長手方向部分(630c、632c、633c、634c、636c、637c)を含む。示されるように、遠位トレース(632、633、636、637)の同心ループ部分(632b、633b、636b、637b)は、それぞれの近位トレース(630、634)の同心ループ部分(630b、634b)に対して遠位に位置付けられている。
【0095】
近位上部リード(638a)は、近位上部トレース(630)の第1の長手方向部分(630a)の近位端に電気的に結合されている。近位上部トレース(630)の第1の長手方向部分(630a)は、その近位端から遠位に延在しており、その遠位端において、近位底部トレース(634)の第1の長手方向部分(634a)の遠位端に電気的に結合されている。近位底部トレース(634)の第1の長手方向部分(634a)は、その遠位端から近位底部リード(638d)に向かって近位に延在しており、その近位端において、近位底部トレース(634)の第2の長手方向部分(634c)の近位端に電気的に結合されている。近位底部トレース(634)の第2の長手方向部分(634c)は、その近位端から遠位に延在しており、その遠位端において、近位底部トレース(634)の同心ループ部分(634b)の半径方向外側端に電気的に結合されている。近位底部トレース(634)の同心ループ部分(634b)は、その半径方向外側端から半径方向内向きに螺旋を描き、その半径方向内側端において、近位上部トレース(630)の同心ループ部分(630b)の半径方向内側端に電気的に結合されている。近位上部トレース(630)の同心ループ部分(630b)は、その半径方向内側端から半径方向外向きに螺旋を描き、その半径方向外側端において、近位上部トレース(630)の第2の長手方向部分(630c)の遠位端に電気的に結合されている。近位上部トレース(630)の第2の長手方向部分(630c)は、その遠位端から近位上部リード(638a)に向かって近位に延在しており、その近位端において、近位底部リード(638d)に電気的に結合されている。
【0096】
第1の遠位上部リード(638b)は、第1の遠位上部トレース(632)の第1の長手方向部分(632a)の近位端に電気的に結合されている。第1の遠位上部トレース(632)の第1の長手方向部分(632a)は、その近位端から遠位に延在しており、その遠位端において、第1の遠位底部トレース(636)の第1の長手方向部分(636a)の遠位端に電気的に結合されている。第1の遠位底部トレース(636)の第1の長手方向部分(636a)は、その遠位端から第1の遠位底部リード(638e)に向かって近位に延在しており、その近位端において、第1の遠位底部トレース(636)の第2の長手方向部分(636c)の近位端に電気的に結合されている。第1の遠位底部トレース(636)の第2の長手方向部分(636c)は、その近位端から遠位に延在しており、その遠位端において、第1の遠位底部トレース(636)の同心ループ部分(636b)の半径方向外側端に電気的に結合されている。第1の遠位底部トレース(636)の同心ループ部分(636b)は、その半径方向外側端から半径方向内向きに螺旋を描き、その半径方向内側端において、第1の遠位上部トレース(632)の同心ループ部分(632b)の半径方向内側端に電気的に結合されている。第1の遠位上部トレース(632)の同心ループ部分(632b)は、その半径方向内側端から半径方向外向きに螺旋を描き、その半径方向外側端において、第1の遠位上部トレース(632)の第2の長手方向部分(632c)の遠位端に電気的に結合されている。第1の遠位上部トレース(632)の第2の長手方向部分(632c)は、その遠位端から第1の遠位上部リード(638b)に向かって近位に延在しており、その近位端において、第1の遠位底部リード(638e)に電気的に結合されている。
【0097】
第2の遠位上部リード(638c)は、第2の遠位上部トレース(633)の第1の長手方向部分(633a)の近位端に電気的に結合されている。第2の遠位上部トレース(633)の第1の長手方向部分(633a)は、その近位端から遠位に延在しており、その遠位端において、第2の遠位底部トレース(637)の第1の長手方向部分(637a)の遠位端に電気的に結合されている。第2の遠位底部トレース(637)の第1の長手方向部分(637a)は、その遠位端から第2の遠位底部リード(638f)に向かって近位に延在しており、その近位端において、第2の遠位底部トレース(637)の第2の長手方向部分(637c)の近位端に電気的に結合されている。第2の遠位底部トレース(637)の第2の長手方向部分(637c)は、その近位端から遠位に延在しており、その遠位端において、第2の遠位底部トレース(637)の同心ループ部分(637b)の半径方向外側端に電気的に結合されている。第2の遠位底部トレース(637)の同心ループ部分(637b)は、その半径方向外側端から半径方向内向きに螺旋を描き、その半径方向内側端において、第2の遠位上部トレース(633)の同心ループ部分(633b)の半径方向内側端に電気的に結合されている。第2の遠位上部トレース(633)の同心ループ部分(633b)は、その半径方向内側端から半径方向外向きに螺旋を描き、その半径方向外側端において、第2の遠位上部トレース(633)の第2の長手方向部分(633c)の遠位端に電気的に結合されている。第2の遠位上部トレース(633)の第2の長手方向部分(633c)は、その遠位端から第2の遠位上部リード(638c)に向かって近位に延在しており、その近位端において、第2の遠位底部リード(638f)に電気的に結合されている。
【0098】
上記と同様に、各同心ループ部分(630b、632b、633b、634b、636b、637b)は、それぞれのナビゲーションセンサ(650、652、653、654、656、657)を画定しており、それぞれのナビゲーションセンサは、それぞれのナビゲーションセンサ(650、652、653、654、656、657)の位置を示し、それによって、三次元空間における器具(500)の少なくとも一部分(例えば、外側シャフト(616))の位置を示す信号を生成するように動作可能である。そのような位置関連信号によって生成された位置データは、操作者に視覚的表示を提供して、器具(600)の外側シャフト(616)が患者(P)内のどこに位置するかをリアルタイムで操作者に示すために、プロセッサ(52)によって処理することができる。このような視覚的表示は、患者の解剖学的構造の、手術前に得らされた1つ又は2つ以上の画像(例えば、CTスキャン)上のオーバーレイとして提供されてもよい。
【0099】
示される例では、遠位ナビゲーションセンサ(652、653、656、657)は、横方向シャフト窓開口部(621)のナビゲーションを容易にするために、外側シャフト(616)の横方向シャフト窓開口部(621)又はその近くに位置付けられており、一方、近位ナビゲーションセンサ(650、654)は、例えば、外側シャフト(616))の方向及び/又は配向を識別するのを支援するために、外側シャフト(616)に沿った任意の好適な場所に位置付けられてもよい。しかしながら、ナビゲーションセンサ(650、652、653、654、656、657)は、ナビゲーションが望まれる器具(600)の構成要素に対して、任意の他の好適な場所に位置付けられてもよいことが理解されよう。また、図示の例では、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)は、一対の横方向に隣接する遠位上部ナビゲーションセンサ(652、653)及び一対の横方向に隣接する遠位底部ナビゲーションセンサ(656、657)を含む。このような対の遠位上部ナビゲーションセンサ(652、653)及び遠位底部ナビゲーションセンサ(656、657)は、ナビゲーションセンサ(650、652、653、654、656、657)の位置関連信号からプロセッサ(52)によって計算された外側シャフト(616))の場所の座標の精度を改善することを支援し得る。これに関して、本変形例のナビゲーションセンサアセンブリ(610)は、一方の遠位上部ナビゲーションセンサ(652、653)及び一方の遠位底部ナビゲーションセンサ(656、657)が外側シャフト(616)の第1の側面上に配設され、他方の遠位上部ナビゲーションセンサ(652、653)及び他方の遠位底部ナビゲーションセンサ(656、657)が外側シャフト(616)の第2の側面上に配設され得るように、外側シャフト(616)の略円筒形外面に沿って配設されている。このようにして、対の遠位上部及び底部ナビゲーションセンサ(652、653、656、657)は、外側シャフト(616)の両側面の場所を示す位置関連信号を提供することができ、これは、プロセッサ(52)によって計算された場所の座標の精度を改善することができる。
【0100】
いくつかの変形例では、基材(626)の近位端(640)と遠位端(641)との間に画定されたナビゲーションセンサアセンブリ(610)の長さは、横方向シャフト窓開口部(621)のナビゲーションを容易にするために、遠位ナビゲーションセンサ(652、653、656、657)を外側シャフト(616)の横方向シャフト窓開口部(621)又はその近くに位置付けると同時に、リード(638a、638b、638c、638d、638e、638f)を、リード(638a、638b、638c、638d、638e、638f)が(例えば、介在する電線又はケーブルなしで)結合ユニットに直接電気的に結合され得る十分に近位の位置に位置付けるのに十分な大きさであってもよい。この点に関して、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)は、シャフトアセンブリ(604)の長さと実質的に等しいか又はそれよりも長い長さを有してもよく、その結果、リード(638a、638b、638c、638d、638e、638f)は、ハンドルアセンブリ(610)の本体(612)内に、又は本体に対して近位にさえ位置付けられ得る。例えば、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)は、数メートル程度の長さを有してもよい。このようにして、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)は、位置関連信号を生成すること、及び位置関連信号を結合ユニットに送信することの両方を、それらの間に配線される電線又はケーブルを必要とすることなく行うことができる。
【0101】
本実施例のナビゲーションセンサアセンブリ(610)は、外側シャフト(616)の略円筒形外面の略円筒形内面に沿って配設されるが、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)は、代替的に、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)が外側シャフト(616)の円筒形内面の曲率半径に対応する曲率半径で、外側シャフト(616)の長手方向軸線の周りで湾曲し、それによって、外側シャフト(616)の内周に適合する略湾曲構成で、外側シャフト(616)の略円筒形内面に沿って配設されてもよい。いずれにしても、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)は、組織の断ち切り及び/又は吸引中にナビゲーションセンサアセンブリ(610)が位置関連信号をプロセッサ(52)に連続的に通信することができるように、管腔のための空間が上述のように外側シャフト(616)に沿って延在することを可能にすることができる。換言すれば、組織の切断/吸引及び外側シャフト(616)のナビゲーションは、互いに干渉することなく同時に行われ得る。
【0102】
図示されていないが、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)は、基材(626)の温度及び/又は少なくとも1つのナビゲーションセンサ(650、652、653、654、656、657)又はその近くの周囲環境の温度を検出し、上述のものと同様の様式で、ナビゲーションセンサ(650、652、653、654、656、657)の位置関連信号からプロセッサ(52)によって計算された場所の座標の精度を改善するために、プロセッサ(52)によって処理され得る、検出された温度を示す信号を生成するために、基材(626)上に形成された(例えば、印刷された、かつ/又は埋め込まれた)少なくとも1つの温度センサを含んでもよい。この点に関して、切断部材(618)を外側シャフト(616)に対して回転可能に駆動するための電動駆動アセンブリの動作は、シャフトアセンブリ(604)の温度の上昇を引き起こす場合があり、これは次に、ナビゲーションセンサ(650、652、653、654、656、657)における温度変化誘発抵抗変化を引き起こす場合があることが理解されよう。他の変形例では、ナビゲーションセンサ(650、652、653、654、656、657)の温度の変化は、それぞれの同心ループ部分(630b、632b、633b、634b、636b、637b)のインピーダンスの変化を検出することによって判定され得る。いずれにしても、プロセッサ(52)は、温度データに基づいて、場所の座標の計算を調整して、温度変化によって引き起こされた任意の抵抗変化を補正することができる。
【0103】
F.屈曲可撓性ナビゲーションセンサアセンブリを有する例示的な切削器具
図38は解剖学的通路から骨組織などの組織を断ち切り、かつ除去するために使用され得る器具(700)の別の例を示す。例えば、器具(700)は、骨組織を鼻腔及び任意の他の好適な場所から断ち切り、かつ除去するために使用されてもよい。この例の器具(700)は、ハンドルアセンブリ(図示せず)、ハブ(703)、シャフトアセンブリ(704)、及びナビゲーションセンサアセンブリ(610)を含み、別途記載されている場合を除いて、器具(600)と同様であってもよい。器具(700)は吸引源(図示せず)と結合されてもよく、この吸引源は、器具(700)を通して断ち切られた組織を近位に引き込むのに十分な吸引を手術部位に選択的に提供するように動作可能であってもよい。
【0104】
シャフトアセンブリ(704)は、概して、長手方向屈曲、剛性、外側シャフト(716)及び内側切断部材(図示せず)を含み、これらは合わせて、手術部位から組織を受容して除去するように構成される。いくつかの変形例では、外側シャフト(716)の遠位部分は、外側シャフト(716)の近位部分に対して、約60°の角度で配向されてもよい。いずれにしても、外側シャフト(716)は、内側切断部材の切断窓開口部(図示せず)と協働するように構成された横方向シャフト窓開口部(図示せず)を含む。
【0105】
示されるように、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)は、外側シャフト(716)の外部に配設されており、外側シャフト(716)にナビゲーション能力を提供するように動作可能である。より具体的には、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(610)が外側シャフト(716)の円筒形外面の曲率半径に対応する曲率半径で、外側シャフト(716)の長手方向軸線の周りで湾曲し、それによって、外側シャフト(716)の外周に適合する略湾曲構成で、外側シャフト(716)の略円筒形外面に沿って配設されている。ナビゲーションセンサアセンブリ(610)はまた、外側シャフト(716)の長手方向屈曲に適合するように、長手方向に曲がる。
【0106】
III.例示的なナビゲーションアダプタシース
上述のように、一体型ナビゲーションセンサを有するフレックス回路を備えた器具を提供することが望ましい場合がある。また、1つ又は2つ以上の一体型ナビゲーションセンサを有するフレックス回路を有するアダプタを提供することが望ましい場合があり、そのようなアダプタは、そうでなければナビゲーションセンサを欠いている器具と容易に結合され得る。そのようなシナリオでは、アダプタは、器具にナビゲーション能力を付与することができる。同様に、1つ又は2つ以上の一体型ナビゲーションセンサを有するフレックス回路を備えたアダプタを、1つ又は2つ以上のナビゲーションセンサを既に有する器具と組み合わせて使用することが望ましい場合があり、アダプタの1つ又は2つ以上のナビゲーションセンサからの位置データは、器具の1つ又は2つ以上のナビゲーションセンサからの位置データを補足することができる。そのようなシナリオでは、アダプタは、器具に対するナビゲーション能力を強化することができる。上記のシナリオのうちのいずれかにおいて、アダプタは、器具に嵩を追加することを回避し、手術野内で器具と容易に組み立てられるように構成されてもよい。
【0107】
図39~
図43は、アダプタシース(1100)の形態で、上述の利点及び機能性を提供し得るアダプタの例を示す。本実施例では、アダプタシース(1100)は、組織切削器具(1000)と結合されている。この例の組織切削器具(1000)は、本体(1002)、吸引ポート(1004)、回転制御ノブ(1006)、電源コネクタ(1008)、ハブ(1010)、及びシャフトアセンブリ(1020)を含む。本体(1002)は、操作者によって把持されるように構成されている。吸引ポート(1004)は、吸引源と結合するように構成されており、その結果、組織切削器具(1000)の動作中に組織及び流体を引き込むために吸引が適用され得る。回転制御ノブ(1006)は、シャフトアセンブリ(1020)を、シャフトアセンブリ(1020)の長手方向軸線を中心に再配向させるように、本体(1002)に対して回転可能である。電源コネクタ(1008)は、電源と結合して、本体(1002)内のモータ(図示せず)に電力を提供するように構成されている。モータは、当該技術分野において既知の様式で、シャフトアセンブリ(1020)の切断シャフト(図示せず)を駆動するように動作可能である。
【0108】
切断シャフトを含むことに加えて、シャフトアセンブリ(1020)は、外側シャフト(1030)及びエンドエフェクタ(1022)を含む。エンドエフェクタ(1022)は、シャフトアセンブリ(1020)の遠位端にある。
図43で最もよく分かるように、エンドエフェクタ(1022)は、外側シャフト(1030)の遠位端に形成された横断開口部(1040)を含み、鋸歯状切断縁部(1042)が開口部(1040)の周囲に沿って延在している。切断シャフトは、外側シャフト(1030)の内側に位置付けられており、横断開口部(1040)及び切断縁部(1042)を補完する同様の横断開口部及び切断縁部を含む。本体(1002)内のモータは、シャフトアセンブリ(1020)の長手方向軸線を中心として、外側シャフト(1030)に対する切断シャフトの回転を駆動する。そのような回転中に、切断シャフトによって画定された管腔を介して、吸引が加えられて、組織を開口部(1040)内に引き込み、切断シャフトの切断縁部は、外側シャフト(1030)の切断縁部(1042)と協働して、組織を剪断し、剪断された組織は、吸引の影響下で、切断シャフトの管腔を通して近位に引き込まれる。当業者であれば、組織切削器具(1000)の動作中に、患者内のエンドエフェクタ(1022)のリアルタイム場所を示すナビゲーションセンサからのデータを有することが有益であり得ることを理解するであろう。
【0109】
図39~
図40に示すように、本実施例のアダプタシース(1100)は、ハブ(1110)、ハブ(1110)から遠位に延在するシャフトアセンブリ(1120)、ケーブル(1102)、及びコネクタ(1104)を含む。
図41において最も良く分かるように、シャフトアセンブリ(1120)は、外側シャフト(1130)、フレックス回路(1140)、及び中空内側シャフト(1150)を含む。ハブ(1110)は、外側シャフト(1130)の近位端にしっかりと固定されている。フレックス回路(1140)は、可撓性基材(1142)、一対のナビゲーションセンサ(1144、1146)、及びトレース(図示せず)を含む。可撓性基材(1142)、ナビゲーションセンサ(1144、1146)、及びトレースは、上述した様々な可撓性基材、ナビゲーションセンサ、及びトレースのうちのいずれかと同様に、動作可能に構成されてもよい。フレックス回路(1140)は、ただ1つの単一層又は複数の層を有してもよい。
【0110】
図42に示すように、シャフトアセンブリ(1120)は、内側シャフト(1150)が外側シャフト(1130)内に同軸に入れ子にされ、フレックス回路(1140)が内側シャフト(1150)の外部と外側シャフト(1130)の内部との間に半径方向に挟まれるように構成されている。いくつかの変形例では、シャフトアセンブリ(1120)は、フレックス回路(1140)が内側シャフト(1150)及び/又は外側シャフト(1130)内に埋め込まれるか、又は別様に結合されるように構成されている。いくつかの変形例では、外側シャフト(1130)の遠位端(1132)は、内側シャフト(1150)の遠位端(1152)に溶接されるか、又は別様に固定されている。追加的に、又は代替的に、シャフト(1130、1150)の近位部分は、溶接されるか、又は別様に一緒に固定されてもよい。シャフト(1130、1150)とフレックス回路(1140)との間の関係は、フレックス回路(1140)に対する保護を提供することができ、その結果、シャフトアセンブリ(1120)は、そうでなければ、フレックス回路(1140)の1つ又は2つ以上の特徴部が曝露された場合に、そのような特徴部に損傷を与える可能性がある様々な種類の滅菌手技を受けることができる。この例では、フレックス回路(1140)はシャフト(1130、1150)の間に挟まれているが、フレックス回路(1140)は、任意の他の好適な種類の管状部材の間に挟まれるか、又は別様にそれに対して位置付けられてもよい。
【0111】
内側シャフト(1150)は、組織切削器具(1000)の外側シャフト(1030)の外径に対応する内径(inner diameter、ID)を画定し、その結果、シャフトアセンブリ(1020)がシャフトアセンブリ(1120)に容易に挿入され得、シャフトアセンブリ(1120)がシャフトアセンブリ(1020)に密接に対応する。このような密接な対応により、シャフトアセンブリ(1120)は、シャフトアセンブリ(1020)の外径に実質的に追加されない場合があり、その結果、アダプタシース(1100)の追加は、組織切削器具(1000)の外形を不必要に大きくしない場合がある。換言すれば、アダプタシース(1100)の存在は、組織切削器具(1000)の通常の使用に望ましくなく干渉しない場合がある。
【0112】
アダプタシース(1100)のハブ(1110)は、組織切削器具(1000)のハブ(1010)と係合し、それによって、アダプタシース(1100)を組織切削器具(1000)に対して取り外し可能に固定するように構成されている。あくまで一例として、ハブ(1110)は、スナップ嵌め、締まり嵌め、又はハブ(1010)との任意の他の好適な種類の関係を提供してもよい。
図39及び
図43に示すように、シャフトアセンブリ(1120)の長さは、アダプタシース(1100)が組織切削器具(1000)上に完全に着座したときに、遠位端(1132、1152)がエンドエフェクタ(1022)のすぐ近位側にあるような長さである。外側シャフト(1130)が省略されている
図43にも示されるように、アダプタシース(1100)の遠位ナビゲーションセンサ(1146)は、エンドエフェクタ(1022)に隣接して位置付けられている。したがって、遠位ナビゲーションセンサ(1146)のそのような場所は、遠位ナビゲーションセンサ(1146)がエンドエフェクタ(1022)のリアルタイム位置を容易に示すことを可能にし得る。アダプタシース(1100)の近位ナビゲーションセンサ(1146)は、エンドエフェクタ(1022)から更に近位に位置付けられており、その結果、近位ナビゲーションセンサ(1146)は、シャフトアセンブリ(1020)の対応する近位部分のリアルタイム位置を容易に示すことができる。いくつかの変形例では、近位ナビゲーションセンサ(1146)は省略される。
【0113】
この例では、フレックス回路(1140)の遠位端に1つのナビゲーションセンサ(1144)のみが示されているが、いくつかの変形例は、フレックス回路(1140)の遠位端に2つ又は3つ以上のナビゲーションセンサ(1144)を提供してもよい。同様に、1つのナビゲーションセンサ(1146)のみがナビゲーションセンサ(1144)の近位のフレックス回路(1140)上に示されているが、2つ又は3つ以上のナビゲーションセンサ(1144)が、ナビゲーションセンサ(1146)の近位に提供されてもよい。
【0114】
フレックス回路(1140)のトレースは、位置表示信号をナビゲーションセンサ(1144、1146)からケーブル(1102)に通信するように構成されている。ケーブル(1102)は、これらの位置表示信号をコネクタ(1104)に通信するように構成されている。コネクタ(1104)は、IGSナビゲーションシステム(50)と結合し、それによって、信号をIGSナビゲーションシステム(50)に通信するように構成されている。いくつかの変形例では、コネクタ(1104)は、IGSナビゲーションシステム(50)の対応するソケットに差し込まれるように構成されている。いくつかの他の変形例では、コネクタ(1104)は、位置表示信号IGSナビゲーションシステム(50)を無線で送信するように動作可能な無線送信機を含む。更に他の変形例では、ケーブル(1102)及びコネクタ(1104)が省略され、アダプタシース(1100)の何らかの他の構成要素が、位置表示信号IGSナビゲーションシステム(50)を無線で送信するように構成されている。ほんの一例として、1つ又は2つ以上の無線送信機が、ハブ(1110)に組み込まれてもよい。代替的に、位置表示信号は、任意の他の好適な形式で、IGSナビゲーションシステム(50)に通信されてもよい。
【0115】
いくつかの変形例では、外側シャフト(1130)及び内側シャフト(1150)は各々、金属材料を含む。いくつかの他の変形例では、外側シャフト(1130)及び内側シャフト(1150)は各々、ポリマー材料を含む。いくつかの他の変形例では、外側シャフト(1130)は、金属材料を含み、内側シャフト(1150)は、ポリマー材料を含む。いくつかの他の変形例では、外側シャフト(1130)は、ポリマー材料を含み、内側シャフト(1150)は、金属材料を含む。シャフト(1130、1150)を形成するために使用された材料の種類にかかわらず、シャフト(1130、1150)のいずれか又は両方は、剛性、可鍛性、可撓性であってもよく、かつ/又は任意の他の好適な特性を有してもよい。したがって、本実施例では、シャフト(1130、1150)は直線状であるように示されているが、シャフト(1130、1150)は、代替的に曲がっていてもよく、又は任意の他の種類の非直線構成を有してもよい。シャフト(1130、1150)が曲がっているか、又は任意の他の種類の非直線構成を有する変形例では、シャフト(1130、1150)は、そのような形式で、剛性で構成されてもよく、又は、シャフト(1130、1150)が可鍛性であるか、若しくは別様に可撓性である場合、そのような構成を達成するために操作者によって曲げられてもよい。
【0116】
アダプタシース(1100)は、組織切削器具(1000)との文脈で図示及び説明されているが、アダプタシース(1100)は、任意の他の好適な種類の器具と共に容易に使用することができる。アダプタシース(1100)は、必ずしも組織切削器具(1000)のような組織切削器具の文脈に限定される必要はない。あくまで一例として、アダプタシース(1100)は、内視鏡、様々な種類のENT器具、及び/又は本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかとなるような任意の他の種類の器具の上に適合するように構成されてもよい。アダプタシース(1100)の長さは、アダプタシース(1100)が結合される器具の種類に基づいて、変化してもよい。アダプタシース(1100)が結合される器具の種類にかかわらず、アダプタシース(1100)は、器具がアダプタシース(1100)と共に使用される医療手技の直前に、器具と容易に結合され得る。医療手技が完了した後、アダプタシース(1100)を器具から取り外すことができる。取り外されたアダプタシース(1100)は、処分されてもよく、又はその後の再使用のために滅菌されてもよい。
【0117】
IV.ナビゲーションセンサを較正するための例示的な方法
場合によっては、ナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)を正確かつ確実に較正する1つ又は2つ以上の方法を提供することが望ましい場合があり、この方法は、ナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)とそれぞれの器具(100、400、500、600、700、1000)との間の距離に基づいて、各ナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)の場所及び配向を較正することを含んでもよい。追加的に、又は代替的に、ナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)を較正することは、磁場発生器(64)によって生成された電磁場に対する各ナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)の感度を較正することを含んでもよい。
【0118】
ナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)の較正は、それぞれのナビゲーションセンサアセンブリ(110、210、410、510、610、1100)の製造及び/又はそれぞれのナビゲーションセンサアセンブリ(110、210、410、510、610、1100)の対応する機器(100、400、500、600、700)への適用に少なくとも部分的に直接組み込まれてもよい。例えば、ナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)の感度が判定されると、繰り返し可能な製造教示を使用して、同じ感度を有する同一のナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)を正確かつ確実に再現してもよい。例えば、対応する基材(126、226、426、526、626、1142)上にそれぞれのトレース(130、132、134、136、230、232、234、236、630、632、633、634、636、637)を印刷することによって、可撓性プリント回路基板(PCB)としてナビゲーションセンサアセンブリ(110、210、410、510、610、1144、1146)を形成することは、同じ感度を有する同一のナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)が正確かつ確実に再現され得ることを確実にすることを支援し得る。同様に、ナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)とそれぞれの器具100、400、500、600、700、1000)の遠位先端との間の距離が判定されると、繰り返し可能な適用教示を使用して、同一のナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)を、それぞれの同一の器具(100、400、500、600、700、1000)の遠位先端から同じ距離に正確かつ確実に位置付けることができる。例えば、対応するナビゲーションセンサアセンブリ(110、210、410、510、610、1100)の貫通孔(146、246、646)及び/又はベベル(148、248、648)は、同一のナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)が、それぞれの同一の器具(100、400、500、600、700、1000)の遠位先端から所定の距離に正確かつ確実に位置付けられることを確実にするのを支援し得る。
【0119】
図44及び
図45は、ナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)とそれぞれの器具(100、400、500、600、700、1000)との遠位先端との間の距離を判定するために使用され得る光学較正方法(801)の例を示す。
図44を参照すると、方法(801)は、少なくとも1つのナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)が適用された器具(100、400、500、600、700)が光学測定デバイス内に位置付けられているステップ(803)から始まる。方法(801)は、ステップ(803)からステップ(805)に進み、ステップ(805)で、光学測定デバイスは、ナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)の中心点又は他の基準特徴と器具(100、400、500、600、700、1000)の遠位先端との間の距離を測定する。方法(801)は、ステップ(805)からステップ(807)に進み、ステップ(807)で、光学測定デバイスは、測定された距離をプロセッサに通信する。方法(801)は、ステップ(807)からステップ(809)に進み、ステップ(809)で、光学測定デバイスは、ナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)の幾何学形状を測定する。方法(801)は、ステップ(809)からステップ(811)に進み、ステップ(811)で、光学測定デバイスは、測定された幾何学形状をプロセッサに通信する。ナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)の幾何学形状は、その感度に直接相関してもよく、プロセッサは、いくつかの変形例において、測定された幾何学形状に基づいて、ナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)の感度を判定してもよいことが理解されるであろう。いくつかの変形例では、ステップ(809、811)のうちの1つ又は2つ以上は、ステップ(805、807)のうちの1つ又は2つ以上に先立って、かつ/又はそれと同時に行われてもよい。いずれにしても、方法(801)はステップ(813)に進み、ステップ(813)で、プロセッサは、較正データ(例えば、測定された距離、測定された幾何学的形状、及び/又は判定された感度)を、較正データのその後の取り出しを容易にするために器具(100、400、500、600、700、1000)に動作可能に結合され得るメモリデバイス(例えば、EPROM)に記憶する。
【0120】
図45を参照すると、方法(801)を使用するナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)の例示的な幾何学的測定の写真が示されている。幾何学的測定は、ナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)を形成するそれぞれのトレース(130、132、134、136、230、232、234、236、630、632、633、634、636、637)の各セグメントの厚さを測定すること、及び/又は、ナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)を形成するそれぞれのトレース130、132、134、136、230、232、234、236、630、632、633、634、636、637)の隣接するセグメント間の距離を測定することを含み得る。
【0121】
V.アブレーション電極を有する例示的なフレックス回路
いくつかのシナリオでは、組織切削器具などの器具に、RFアブレーション又は焼灼機能を提供することが望ましい場合がある。そのようなRFアブレーション又は焼灼は、組織の出血を停止させ、他の治療効果を提供し、かつ/又は他の種類の組織効果を提供するために使用されてもよい。このようなRFアブレーション又は焼灼機能を器具に提供するために、フレックス回路技術を利用することが更に望ましい場合がある。そのようなフレックス回路技術使用は、器具の製造を容易にし得る。例えば、器具は、別様に、器具がRFアブレーション又は焼灼機能性を欠いているであろう従来の実践に従って製造されてもよく、フレックス回路は、別様に、従来の器具のシャフトアセンブリに容易に適用されてもよい。追加的に、又は代替的に、フレックス回路は、RFアブレーション又は焼灼機能に構造的に堅牢な支持を提供し、器具のシャフトアセンブリが、RFアブレーション又は焼灼機能の追加にもかかわらず、小さな外形を維持することを可能にしてもよい。RFアブレーション又は焼灼機能を付与するために、フレックス回路アセンブリが組織切削器具にどのように組み込まれ得るかのいくつかの例が、以下でより詳細に説明される。本開示の文脈において、「アブレーション(ablation)」及び「焼灼(cautery)」という用語は、アブレーション単独への言及が焼灼を除外するものとして読まれるべきではなく、焼灼単独への言及がアブレーションを除外するものとして読まれるべきではないように、交換可能に読まれるべきである。
【0122】
図46は、アブレーションフレックス回路(1230)を組み込む、シェーバ器具のためのシャフトアセンブリ(1200)の例を示す。シェーバ器具のシャフトアセンブリ(1200)のみが、
図46に示されている。シャフトアセンブリ(1200)は、外側シャフト(1202)及び内側切断シャフト(1220)を含む。シャフトアセンブリ(1200)は、外側シャフト(1202)の遠位端(1204)に形成された横断開口部(1206)によって形成されたエンドエフェクタ(1210)を画定し、鋸歯状切断縁部(1208)が開口部(1206)の周囲に沿って延在している。切断シャフト(1220)は、外側シャフト(1202)の内側に位置付けられており、横断開口部(1206)及び切断縁部(1208)を補完する同様の横断開口部及び切断縁部(1222)を含む。モータ(図示せず)は、内側切断シャフト(1220)を駆動して、シャフトアセンブリ(1200)によって画定された長手方向軸線を中心として外側シャフト(1202)に対して回転させるように動作可能である。吸引源(図示せず)は、切断シャフト(1220)を通して形成された管腔に吸引を適用し、それによって、組織を横断開口部(1206)内に引き込むように動作可能である。切断シャフト(1220)が外側シャフト(1202)に対して回転すると、切断縁部(1208、1222)は協働して、組織を剪断し、剪断された組織は、吸引の影響下で切断シャフトの管腔を通って近位に引き込まれる。
【0123】
本実施例のフレックス回路(1230)は、可撓性基材(1232)及び複数の電極(1234)を含む。フレックス回路(1230)は、ただ1つの単一層又は複数の層を有してもよい。可撓性基材(1232)は、ポリイミド又はLCPなどの電気絶縁性の可撓性プラスチック材料から形成されてもよい。本実施例の可撓性基材(1232)は、シャフトアセンブリ(1200)の長さに沿って長手方向に延在しており、外側シャフト(1202)の遠位端(1204)の周りに少なくとも部分的に巻き付く。いくつかの変形例では、可撓性基材(1232)は、接着剤を介して、外側シャフト(1202)の外面に固定されている。代替的に、可撓性基材(1232)は、任意の他の好適な形式で外側シャフト(1202)に固定されてもよい。
【0124】
電極(1234)は、電極(1234)が外側シャフト(1202)の遠位端(1204)に位置付けられるように、外側シャフト(1202)の遠位端(1204)の周りに少なくとも部分的に巻き付く可撓性基材(1232)の領域に沿って位置付けられている。電極(1234)は、基材(1232)上に蒸着されてもよく、又は任意の他の好適な形式で基材(1232)に適用されてもよい。可撓性基材(1232)は、電極(1234)と外側シャフト(1202)との間に電気絶縁を提供し、その結果、可撓性基材(1232)は、電極(1234)が外側シャフト(1202)に電気的に通電することを防止する。電極(1234)は、可撓性基材(1232)に沿って形成されているトレース(図示せず)を介して、RF発生器(例えば、上述のRF発生器(101)と同様のもの)と結合されている。いくつかの変形例では、電極(1234)は、電極(1234)と接触している組織に双極RFエネルギーを印加するように動作可能である。いくつかの他の変形例では、電極(1234)は、電極(1234)と接触している組織に単極RFエネルギーを印加するように動作可能である。そのような変形例では、接地パッド(図示せず)は、任意の好適な場所で患者に接触してもよい。双極又は単極RFエネルギーが使用されるかどうかにかかわらず、RFエネルギーは、組織切削動作中に組織を切除し得る。そのようなRFエネルギーは、切断シャフト(1220)が組織を切削している間及び/又はその後に印加されてもよく、その結果、RFエネルギーは、そうでなければ組織切削動作によって引き起こされる出血を止めることができる。この目的のために、電極(1234)を外側シャフト(1202)の遠位端(1204)に位置付けることが有利であり得る。なぜなら、この場所は、組織切削部位に近いからである。
【0125】
図46には示されていないが、フレックス回路(1230)はまた、1つ又は2つ以上の一体型ナビゲーションセンサを含んでもよい。そのようなナビゲーションセンサは、本明細書で説明される他の様々なナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)のうちのいずれかのように構成され、かつ動作可能であり得る。したがって、1つ又は2つ以上の一体型ナビゲーションセンサを含むフレックス回路(1230)の変形例は、患者内のエンドエフェクタ(1210)のリアルタイム位置を判定することを容易にし得る。フレックス回路(1230)はまた、1つ又は2つ以上の一体型温度センサ(例えば、熱電対など)を含んでもよい。このような温度センサは、電極(1234)及び/又は電極(1234)に隣接する組織の温度を感知することができる。温度データは、組織へのRFの送達を調節するために(例えば、組織の過熱を回避するために)、リアルタイムフィードバックとして使用されてもよい。フレックス回路(1230)は、上述のものに加えて又はそれらの代わりに、任意の他の好適な特徴を含んでもよい。変形例の更に別の例として、電極(1234)は、フレックス回路(1230)を使用せずにシャフトアセンブリ(1200)に組み込まれてもよく、その結果、電極(1234)をシャフトアセンブリ(1200)に組み込むために、可撓性基材(1232)が必ずしも必要とされない。
【0126】
図47は、アブレーションフレックス回路(1330)を組み込む、シェーバ器具用のシャフトアセンブリ(1300)の例を示す。シェーバ器具のシャフトアセンブリ(1300)のみが、
図47に示されている。シャフトアセンブリ(1300)は、外側シャフト(1302)及びシャフトアセンブリ(1300)によって画定された長手方向軸線を中心として、外側シャフト(1302)に対して回転するように駆動される内側切断シャフト(1320)を含む。シャフトアセンブリ(1300)は、外側シャフト(1302)の遠位端(1304)に形成された横断開口部(1306)によって形成されたエンドエフェクタ(1310)を画定し、鋸歯状切断縁部(1308)が開口部(1306)の周囲に沿って延在している。切断シャフト(1320)は、外側シャフト(1302)の内側に位置付けられており、横断開口部(1306)及び切断縁部(1308)を補完する同様の横断開口部及び切断縁部(1322)を含む。モータ(図示せず)は、内側切断シャフト(1320)を駆動して、シャフトアセンブリ(1300)によって画定された長手方向軸を中心として外側シャフト(1302)に対して回転させるように動作可能である。吸引源(図示せず)は、切断シャフト(1320)を通して形成された管腔に吸引を適用し、それによって、組織を横断開口部(1306)内に引き込むように動作可能である。切断シャフト(1320)が外側シャフト(1302)に対して回転すると、切断縁部(1308、1322)は協働して、組織を剪断し、剪断された組織は、吸引の影響下で切断シャフトの管腔を通って近位に引き込まれる。
【0127】
本実施例のフレックス回路(1330)は、可撓性基材(1332)及び複数の電極(1334)を含む。フレックス回路(1330)は、ただ1つの単一層又は複数の層を有してもよい。可撓性基材(1332)は、ポリイミド又はLCPなどの電気絶縁性の可撓性プラスチック材料から形成されてもよい。本実施例の可撓性基材(1332)は、シャフトアセンブリ(1300)の長さに沿って長手方向に延在しており、外側シャフト(1302)の遠位端(1304)で、遠位に終端する。いくつかの変形例では、可撓性基材(1332)は、接着剤を介して、外側シャフト(1302)の外面に固定されている。代替的に、可撓性基材(1332)は、任意の他の好適な形式で外側シャフト(1302)に固定されてもよい。可撓性基材(1332)は、外側シャフト(1302)の一方の側部に沿ってのみ延在するものとして示されているが、別の可撓性基材(1332)は、外側シャフト(1302)の他方の側部に沿って延在してもよい。加えて、可撓性基材(1332)のいくつかの変形例は、外側シャフト(1302)の遠位端(1304)の周りに巻き付いてもよい。
【0128】
電極(1334)は、電極(1334)が横断開口部(1306)に沿って位置付けられるように、外側シャフト(1302)の横断開口部(1306)の長手方向に延在する領域に沿って延在する、可撓性基材(1332)の領域に沿って位置付けられている。電極(1334)は、横断開口部(1306)の一方の長手方向に延在する領域のみに沿って位置付けられているように示されているが、いくつかの変形例は、横断開口部(1306)の他方の長手方向に延在する領域に沿って、電極(1334)を提供してもよい。追加的に、又は代替的に、いくつかの変形例は、横断開口部(1306)の長手方向に延在する領域のいずれか又は両方に沿って電極(1334)を提供することに加えて、遠位端(1304)に沿って電極(1334)(例えば、電極(1234)と同様のもの)を提供してもよい。
【0129】
電極(1334)は、基材(1332)上に蒸着されてもよく、又は任意の他の好適な形式で基材(1332)に適用されてもよい。可撓性基材(1332)は、電極(1334)と外側シャフト(1302)との間に電気絶縁を提供し、その結果、可撓性基材(1332)は、電極(1334)が外側シャフト(1302)に電気的に通電することを防止する。電極(1334)は、可撓性基材(1332)に沿って形成されているトレース(図示せず)を介して、RF発生器(例えば、上述のRF発生器(101)と同様のもの)と結合されている。いくつかの変形例では、電極(1334)は、電極(1334)と接触している組織に双極RFエネルギーを印加するように動作可能である。いくつかの他の変形例では、電極(1334)は、電極(1334)と接触している組織に単極RFエネルギーを印加するように動作可能である。そのような変形例では、接地パッド(図示せず)は、任意の好適な場所で患者に接触してもよい。双極又は単極RFエネルギーが使用されるかどうかにかかわらず、RFエネルギーは、組織切削動作中に組織を切除し得る。そのようなRFエネルギーは、切断シャフト(1320)が組織を切削している間及び/又はその後に印加されてもよく、その結果、RFエネルギーは、そうでなければ組織切削動作によって引き起こされる出血を止めることができる。この目的のために、横断開口部(1306)の長手方向に延在する領域のいずれか又は両方に沿って電極(1334)を位置付けることが有利であり得る。なぜなら、この/これらの場所は、組織切削部位に近いからである。
【0130】
図47には示されていないが、フレックス回路アセンブリ(1330)はまた、1つ又は2つ以上の一体型ナビゲーションセンサを含んでもよい。そのようなナビゲーションセンサは、本明細書で説明される他の様々なナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)のうちのいずれかのように構成され、かつ動作可能であり得る。したがって、1つ又は2つ以上の一体型ナビゲーションセンサを含むフレックス回路(1330)の変形例は、患者内のエンドエフェクタ(1310)のリアルタイム位置を判定することを容易にし得る。フレックス回路(1330)はまた、1つ又は2つ以上の一体型温度センサ(例えば、熱電対など)を含んでもよい。このような温度センサは、電極(1334)及び/又は電極(1334)に隣接する組織の温度を感知することができる。温度データは、組織へのRFの送達を調節するために(例えば、組織の過熱を回避するために)、リアルタイムフィードバックとして使用されてもよい。フレックス回路(1330)は、上述のものに加えて又はそれらの代わりに、任意の他の好適な特徴を含んでもよい。変形例の更に別の例として、電極(1334)は、フレックス回路(1330)を使用せずにシャフトアセンブリ(1300)に組み込まれてもよく、その結果、電極(1334)をシャフトアセンブリ(1300)に組み込むために、可撓性基材(1332)が必ずしも必要とされない。
【0131】
図48は、アブレーションフレックス回路(1430)を組み込む、シェーバ器具用のシャフトアセンブリ(1400)の例を示す。シェーバ器具のシャフトアセンブリ(1400)のみが、
図48に示されている。シャフトアセンブリ(1400)は、外側シャフト(1402)及びシャフトアセンブリ(1400)によって画定された長手方向軸線を中心として、外側シャフト(1402)に対して回転するように駆動される内側切断シャフト(1420)を含む。シャフトアセンブリ(1400)は、外側シャフト(1402)の遠位端(1404)に形成された横断開口部(1406)によって形成されたエンドエフェクタ(1410)を画定し、鋸歯状切断縁部(1408)が開口部(1406)の周囲に沿って延在している。切断シャフト(1420)は、外側シャフト(1402)の内側に位置付けられており、横断開口部(1406)及び切断縁部(1408)を補完する同様の横断開口部及び切断縁部(1422)を含む。モータ(図示せず)は、内側切断シャフト(1420)を駆動して、シャフトアセンブリ(1400)によって画定された長手方向軸を中心として外側シャフト(1402)に対して回転させるように動作可能である。吸引源(図示せず)は、切断シャフト(1420)を通して形成された管腔に吸引を適用し、それによって、組織を横断開口部(1406)内に引き込むように動作可能である。切断シャフト(1420)が外側シャフト(1402)に対して回転すると、切断縁部(1408、1422)は協働して、組織を剪断し、剪断された組織は、吸引の影響下で切断シャフトの管腔を通って近位に引き込まれる。
【0132】
本実施例のフレックス回路(1430)は、長手方向に延在する可撓性基材部分(1432)、円周方向に延在する可撓性基材部分(1434)、及び複数の電極(1436)を含む。フレックス回路(1430)は、ただ1つの単一層又は複数の層を有してもよい。可撓性基材部分(1432、1434)は、共に一体的に形成され、円周方向に延在する可撓性基材部分(1434)は、横断開口部(1406)のすぐ近位に位置付けられている。可撓性基材部分(1432、1434)は各々、ポリイミド又はLCPなどの電気絶縁性の可撓性プラスチック材料から形成されている。いくつかの変形例では、基材部分(1432、1434)は、接着剤を介して、外側シャフト(1402)の外面に固定されている。代替的に、可撓性基材部分(1432、1434)は、任意の他の好適な形式でコネクタ部材(1402)に固定されてもよい。長手方向に延在する可撓性基材部分(1432)は、外側シャフト(1402)の一方の側部に沿ってのみ延在するものとして示されているが、別の長手方向に延在する可撓性基材部分(1432)は、外側シャフト(1402)の他方の側部に沿って延在してもよい。加えて、フレックス回路(1430)のいくつかの変形例は、外側シャフト(1402)の遠位端(1404)の周りに巻き付く可撓性基材部分を含んでもよい。
【0133】
電極(1436)は、電極(1436)が横断開口部(1406)のすぐ近位に位置付けられるように、円周方向に延在する可撓性基材部分(1434)に沿って位置付けられている。本実施例では、電極(1436)は、外側シャフト(1402)の全周の周りに広がるアレイをなして配置された別個の正方形又は長方形として形成される。いくつかの変形例では、電極(1436)の円周アレイに加えて、フレックス回路(1430)は、横断開口部(1406)の一方又は両方の長手方向に延在する領域に沿って長手方向に延在する1つ又は2つ以上の電極(例えば、電極(1336)と同様のもの)を含む。追加的に、又は代替的に、フレックス回路(1430)のいくつかの変形例は、電極(1436)の円周アレイに加えて、外側シャフト(1402)の遠位端(1404)に1つ又は2つ以上の電極(例えば、電極(1236)と同様のもの)を含んでもよい。
【0134】
電極(1434)は、基材(1432)上に蒸着されてもよく、又は任意の他の好適な形式で基材(1432)に適用されてもよい。可撓性基材(1432)は、電極(1434)と外側シャフト(1402)との間に電気絶縁を提供し、その結果、可撓性基材(1432)は、電極(1434)が外側シャフト(1402)に電気的に通電することを防止する。電極(1434)は、可撓性基材(1432)に沿って形成されているトレース(図示せず)を介して、RF発生器(例えば、上述のRF発生器(101)と同様のもの)と結合されている。いくつかの変形例では、電極(1434)は、電極(1434)と接触している組織に双極RFエネルギーを印加するように動作可能である。いくつかの他の変形例では、電極(1434)は、電極(1434)と接触している組織に単極RFエネルギーを印加するように動作可能である。そのような変形例では、接地パッド(図示せず)は、任意の好適な場所で患者に接触してもよい。双極又は単極RFエネルギーが使用されるかどうかにかかわらず、RFエネルギーは、組織切削動作中に組織を切除し得る。そのようなRFエネルギーは、切断シャフト(1420)が組織を切削している間及び/又はその後に印加されてもよく、その結果、RFエネルギーは、そうでなければ組織切削動作によって引き起こされる出血を止めることができる。この目的のために、電極(1434)を横断開口部(1406)のすぐ近位に位置付けることが有利であり得る。なぜなら、この場所は、組織切削部位に近いからである。
【0135】
図48には示されていないが、フレックス回路アセンブリ(1430)はまた、1つ又は2つ以上の一体型ナビゲーションセンサを含んでもよい。そのようなナビゲーションセンサは、本明細書で説明される他の様々なナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)のうちのいずれかのように構成され、かつ動作可能であり得る。したがって、1つ又は2つ以上の一体型ナビゲーションセンサを含むフレックス回路(1430)の変形例は、患者内のエンドエフェクタ(1410)のリアルタイム位置を判定することを容易にし得る。フレックス回路(1430)はまた、1つ又は2つ以上の一体型温度センサ(例えば、熱電対など)を含んでもよい。このような温度センサは、電極(1434)及び/又は電極(1434)に隣接する組織の温度を感知することができる。温度データは、組織へのRFの送達を調節するために(例えば、組織の過熱を回避するために)、リアルタイムフィードバックとして使用されてもよい。フレックス回路(1430)は、上述のものに加えて又はそれらの代わりに、任意の他の好適な特徴を含んでもよい。変形例の更に別の例として、電極(1434)は、フレックス回路(1430)を使用せずにシャフトアセンブリ(1400)に組み込まれてもよく、その結果、電極(1434)をシャフトアセンブリ(1400)に組み込むために、可撓性基材(1432)が必ずしも必要とされない。
【0136】
図49は、アブレーションフレックス回路(1530)を組み込む、シェーバ器具用のシャフトアセンブリ(1500)の例を示す。シェーバ器具のシャフトアセンブリ(1500)のみが、
図49に示されている。シャフトアセンブリ(1500)は、外側シャフト(1502)及びシャフトアセンブリ(1500)によって画定された長手方向軸線を中心として、外側シャフト(1502)に対して回転するように駆動される内側切断シャフト(1520)を含む。シャフトアセンブリ(1500)は、外側シャフト(1502)の遠位端(1504)に形成された横断開口部(1506)によって形成されたエンドエフェクタ(1510)を画定し、鋸歯状切断縁部(1508)が開口部(1506)の周囲に沿って延在している。切断シャフト(1520)は、外側シャフト(1502)の内側に位置付けられており、横断開口部(1506)及び切断縁部(1508)を補完する同様の横断開口部及び切断縁部(1522)を含む。モータ(図示せず)は、内側切断シャフト(1520)を駆動して、シャフトアセンブリ(1500)によって画定された長手方向軸を中心として外側シャフト(1502)に対して回転させるように動作可能である。吸引源(図示せず)は、切断シャフト(1520)を通して形成された管腔に吸引を適用し、それによって、組織を横断開口部(1506)内に引き込むように動作可能である。切断シャフト(1520)が外側シャフト(1502)に対して回転すると、切断縁部(1508、1522)は協働して、組織を剪断し、剪断された組織は、吸引の影響下で切断シャフトの管腔を通って近位に引き込まれる。
【0137】
本実施例のフレックス回路(1530)は、長手方向に延在する可撓性基材部分(1532)、円周方向に延在する可撓性基材部分(1534)、及び一対の電極(1536)を含む。フレックス回路(1530)は、ただ1つの単一層又は複数の層を有してもよい。可撓性基材部分(1532、1534)は、共に一体的に形成され、円周方向に延在する可撓性基材部分(1534)は、横断開口部(1506)のすぐ近位に位置付けられている。可撓性基材部分(1532、1534)は各々、ポリイミド又はLCPなどの電気絶縁性の可撓性プラスチック材料から形成されている。いくつかの変形例では、基材部分(1532、1534)は、接着剤を介して、外側シャフト(1502)の外面に固定されている。代替的に、可撓性基材部分(1532、1534)は、任意の他の好適な形式でコネクタ部材(1502)に固定されてもよい。長手方向に延在する可撓性基材部分(1532)は、外側シャフト(1502)の一方の側部に沿ってのみ延在するものとして示されているが、別の長手方向に延在する可撓性基材部分(1532)は、外側シャフト(1502)の他方の側部に沿って延在してもよい。加えて、フレックス回路(1530)のいくつかの変形例は、外側シャフト(1502)の遠位端(1504)の周りに巻き付く可撓性基材部分を含んでもよい。
【0138】
電極(1536)は、電極(1536)が横断開口部(1506)のすぐ近位に位置付けられるように、円周方向に延在する可撓性基材部分(1534)に沿って位置付けられている。本実施例では、電極(1536)は、外側シャフト(1502)の円周の周りに共に広がる2つの別個のストリップとして形成され、小さな間隙が電極(1536)の自由端の間に画定される。したがって、電極(1536)は、実質的に半円形である。いくつかの変形例では、電極(1536)の円周配置に加えて、フレックス回路(1530)は、横断開口部(1506)の一方又は両方の長手方向に延在する領域に沿って長手方向に延在する1つ又は2つ以上の電極(例えば、電極(1336)と同様のもの)を含む。追加的に、又は代替的に、フレックス回路(1530)のいくつかの変形例は、電極(1536)の円周配置に加えて、外側シャフト(1502)の遠位端(1504)に1つ又は2つ以上の電極(例えば、電極(1236)と同様のもの)を含んでもよい。
【0139】
電極(1534)は、基材(1532)上に蒸着されてもよく、又は任意の他の好適な形式で基材(1532)に適用されてもよい。可撓性基材(1532)は、電極(1534)と外側シャフト(1502)との間に電気絶縁を提供し、その結果、可撓性基材(1532)は、電極(1534)が外側シャフト(1502)に電気的に通電することを防止する。電極(1534)は、可撓性基材(1532)に沿って形成されているトレース(図示せず)を介して、RF発生器(例えば、上述のRF発生器(101)と同様のもの)と結合されている。いくつかの変形例では、電極(1534)は、電極(1534)と接触している組織に双極RFエネルギーを印加するように動作可能である。いくつかの他の変形例では、電極(1534)は、電極(1534)と接触している組織に単極RFエネルギーを印加するように動作可能である。そのような変形例では、接地パッド(図示せず)は、任意の好適な場所で患者に接触してもよい。双極又は単極RFエネルギーが使用されるかどうかにかかわらず、RFエネルギーは、組織切削動作中に組織を切除し得る。そのようなRFエネルギーは、切断シャフト(1520)が組織を切削している間及び/又はその後に印加されてもよく、その結果、RFエネルギーは、そうでなければ組織切削動作によって引き起こされる出血を止めることができる。この目的のために、電極(1534)を横断開口部(1506)のすぐ近位に位置付けることが有利であり得る。なぜなら、この場所は、組織切削部位に近いからである。
【0140】
図49には示されていないが、フレックス回路アセンブリ(1530)はまた、1つ又は2つ以上の一体型ナビゲーションセンサを含んでもよい。そのようなナビゲーションセンサは、本明細書で説明される他の様々なナビゲーションセンサ(150、152、154、156、250、252、254、256、452、453、552、553、650、652、653、654、656、657、1144、1146)のうちのいずれかのように構成され、かつ動作可能であり得る。したがって、1つ又は2つ以上の一体型ナビゲーションセンサを含むフレックス回路(1530)の変形例は、患者内のエンドエフェクタ(1510)のリアルタイム位置を判定することを容易にし得る。フレックス回路(1530)はまた、1つ又は2つ以上の一体型温度センサ(例えば、熱電対など)を含んでもよい。このような温度センサは、電極(1534)及び/又は電極(1534)に隣接する組織の温度を感知することができる。温度データは、組織へのRFの送達を調節するために(例えば、組織の過熱を回避するために)、リアルタイムフィードバックとして使用されてもよい。フレックス回路(1530)は、上述のものに加えて又はそれらの代わりに、任意の他の好適な特徴を含んでもよい。変形例の更に別の例として、電極(1534)は、フレックス回路(1530)を使用せずにシャフトアセンブリ(1400)に組み込まれてもよく、その結果、電極(1534)をシャフトアセンブリ(1500)に組み込むために、可撓性基材(1532)が必ずしも必要とされない。
【0141】
フレックス回路(1230、1330、1430、1530)は、組織切削器具シャフトアセンブリ(1200、1300、1400、1500)に関連して図示及び説明されているが、フレックス回路(1230、1330、1430、1530)のようなフレックス回路アセンブリは、任意の他の好適な種類の器具と共に容易に使用され得る。フレックス回路(1230、1330、1430、1530)のようなフレックス回路アセンブリは、必ずしも組織切削器具の文脈に限定される必要はない。あくまで一例として、フレックス回路(1230、1330、1430、1530)のようなフレックス回路アセンブリは、内視鏡、様々な種類のENT器具、及び/又は本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかとなるような任意の他の種類の器具と組み込まれてもよい。
【0142】
VI.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせる又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得る特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。一切の権利放棄が意図されていない。以下の実施例は、単に例示的な目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用され得ることが企図される。また、いくつかの変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略し得ることも企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であるとみなされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由で追加されたものとみなされるべきではない。
【実施例1】
【0143】
ENT外科用器具であって、(a)患者の耳、鼻、又は喉の解剖学的通路に適合するようにサイズ決定及び構成された遠位端を有するシャフトアセンブリと、(b)シャフトの少なくとも一部分に沿って延在する可撓性基材と、(c)可撓性基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースであって、少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、少なくとも1つの同心ループ部分が、少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定する、少なくとも1つの導電性センサトレースと、を備える、ENT外科用器具。
【実施例2】
【0144】
少なくとも1つのナビゲーションセンサが、近位ナビゲーションセンサ及び少なくとも1つの遠位ナビゲーションセンサを含む、実施例1に記載のENT外科用器具。
【実施例3】
【0145】
少なくとも1つの遠位ナビゲーションセンサが、一対の横方向に隣接する遠位ナビゲーションセンサを含む、実施例2に記載のENT外科用器具。
【実施例4】
【0146】
近位ナビゲーションセンサ及び遠位ナビゲーションセンサが、互いに電気的に絶縁されている、実施例2又は3に記載のENT外科用器具。
【実施例5】
【0147】
可撓性基材が、上面及び底面を含み、少なくとも1つのナビゲーションセンサが、上面上に位置付けられた上部ナビゲーションセンサ、及び上部ナビゲーションセンサの反対側の底面上に位置付けられた底部ナビゲーションセンサを含む、実施例1~4のいずれか1つに記載のENT外科用器具。
【実施例6】
【0148】
上部ナビゲーションセンサ及び結合底部ナビゲーションセンサが、互いに電気的にされている、実施例5に記載のENT外科用器具。
【実施例7】
【0149】
少なくとも1つのセンサトレースの近位端に電気的に結合された少なくとも1つのセンサリードを更に備え、少なくとも1つのセンサリードが、プロセッサに動作可能に結合されるように構成されている、実施例1~6のいずれか1つに記載のENT外科用器具。
【実施例8】
【0150】
少なくとも1つのセンサリードが、少なくとも1つのナビゲーションセンサに対して近位に位置付けられている、実施例7に記載のENT外科用器具。
【実施例9】
【0151】
可撓性基材が、長方形又は蛇行形状のうちの少なくとも1つである、実施例1~8のいずれか1つに記載のENT外科用器具。
【実施例10】
【0152】
可撓性基材が、平坦構成と少なくとも1つの湾曲構成との間で移行するように構成されている、実施例1~9のいずれか1つに記載のENT外科用器具。
【実施例11】
【0153】
シャフトアセンブリが、シャフト部材を含み、可撓性基材が、シャフト部材に固定されている、実施例1~10のいずれか1つに記載のENT外科用器具。
【実施例12】
【0154】
シャフト部材が、内側弦を含み、可撓性基材が、平坦構成では内側弦に沿って配設される、実施例11に記載のENT外科用器具。
【実施例13】
【0155】
シャフト部材が、円筒形内面を含み、可撓性基材が、少なくとも1つの湾曲構成では円筒形内面に沿って配設される、実施例11に記載のENT外科用器具。
【実施例14】
【0156】
シャフト部材が、円筒形外面を含み、可撓性基材が、少なくとも1つの湾曲構成では円筒形外面に沿って配設される、実施例11に記載のENT外科用器具。
【実施例15】
【0157】
シャフトアセンブリが、可撓性部分を含み、可撓性基材が、可撓性部分に沿って延在する、実施例1~14のいずれか1つに記載のENT外科用器具。
【実施例16】
【0158】
ENT外科用器具であって、(a)患者の耳、鼻、又は喉の解剖学的通路に適合するようにサイズ決定及び構成された遠位端を有するシャフトアセンブリと、(b)シャフトの少なくとも一部分に沿って延在しており、上面と底面とを有する、可撓性基材と、(c)上面上に形成された近位上部導電性センサトレースであって、近位上部センサトレースが、近位上部同心ループ部分を含み、近位上部同心ループ部分が、近位上部ナビゲーションセンサを画定する、近位上部導電性センサトレースと、(d)上面上に形成された少なくとも1つの遠位上部導電性センサトレースであって、少なくとも1つの遠位上部センサトレースが、少なくとも1つの遠位上部同心ループ部分を含み、少なくとも1つの遠位上部同心ループ部分が、少なくとも1つの遠位上部ナビゲーションセンサを画定する、少なくとも1つの遠位上部導電性センサトレースと、(e)底面上に形成された近位底部導電性センサトレースであって、近位底部センサトレースが、近位底部同心ループ部分を含み、近位底部同心ループ部分が、近位底部ナビゲーションセンサを画定する、近位底部導電性センサトレースと、(f)底面上に形成された少なくとも1つの遠位底部導電性センサトレースであって、少なくとも1つの遠位底部センサトレースが、少なくとも1つの遠位底部同心ループ部分を含み、少なくとも1つの遠位底部同心ループ部分が、少なくとも1つの遠位底部ナビゲーションセンサを画定する、少なくとも1つの遠位底部導電性センサトレースと、を備える、ENT外科用器具。
【実施例17】
【0159】
近位底部センサトレースが、近位上部センサトレースの反対側に位置付けられ、少なくとも1つの遠位底部センサトレースが、少なくとも1つの遠位上部センサトレースの反対側に位置付けられている、実施例16に記載のENT外科用器具。
【実施例18】
【0160】
少なくとも1つの遠位上部センサトレースが、一対の横方向に隣接する遠位上部センサトレースを含み、少なくとも1つの遠位底部センサトレースが、一対の横方向に隣接する遠位底部センサトレースを含む、実施例16又は17に記載のENT外科用器具。
【実施例19】
【0161】
(i)可撓性基材と、(ii)可撓性基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースとを有するENT外科用器具を使用する方法であって、少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、少なくとも1つの同心ループ部分が、少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定し、方法は、(a)患者の耳、鼻、又は喉のうちの少なくとも1つの中の解剖学的通路に可撓性基材を挿入することと、(b)少なくとも1つのナビゲーションセンサを電磁場に曝露することと、(c)少なくとも1つのナビゲーションセンサを電磁場に曝露する行為に応答して、少なくとも1つのナビゲーションセンサを介して信号を生成することと、(d)生成された信号に基づいて、解剖学的通路を通して、ENT外科用器具の遠位部分をナビゲートすることと、(e)ENT外科用器具を介して解剖学的通路を治療することと、を含む、方法。
【実施例20】
【0162】
ENT外科用器具を介して解剖学的通路を治療する行為が、解剖学的通路を拡張すること、解剖学的通路内の組織にRFエネルギーを印加すること、解剖学的通路内の組織を断ち切ること、又は解剖学的通路からデブリを除去することのうちの少なくとも1つを含む、実施例19に記載の方法。
【実施例21】
【0163】
装置であって、(a)患者の耳、鼻、又は喉の解剖学的通路に適合するようにサイズ決定及び構成された遠位端を有するシャフトアセンブリと、(b)シャフトの少なくとも一部分に沿って延在する可撓性基材と、(c)可撓性基材上に位置付けられた少なくとも1つのナビゲーションセンサと、(d)可撓性基材上に形成された少なくとも1つの導電性カメラトレースであって、結合少なくとも1つのカメラトレースが、カメラをプロセッサ又は電源のうちの少なくとも1つに動作可能にするように構成されている、少なくとも1つの導電性カメラトレースと、を備える、装置。
【実施例22】
【0164】
可撓性基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースを更に備え、少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、少なくとも1つの同心ループ部分が、少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定する、実施例21に記載の装置。
【実施例23】
【0165】
少なくとも1つのナビゲーションセンサが、近位ナビゲーションセンサ及び遠位ナビゲーションセンサを含む、実施例21又は22に記載の装置。
【実施例24】
【0166】
可撓性基材が、上面及び底面を含み、少なくとも1つのナビゲーションセンサが、上面上に位置付けられた上部ナビゲーションセンサ、及び上部ナビゲーションセンサの反対側の底面上に位置付けられた底部ナビゲーションセンサを含む、実施例21~23のいずれか1つに記載の装置。
【実施例25】
【0167】
可撓性基材が、表面を含み、少なくとも1つのナビゲーションセンサが、表面上に位置付けられており、少なくとも1つのカメラトレースが、表面上に形成されている、実施例21~24のいずれか1つに記載の装置。
【実施例26】
【0168】
少なくとも1つのカメラトレースの近位端に電気的にされた少なくとも1つの近位カメラリードを更に備え、結合少なくとも1つの近位カメラリードが、プロセッサ又は電源のうちの少なくとも1つに動作可能に結合されるように構成されている、実施例21~25のいずれか1つに記載の装置。
【実施例27】
【0169】
少なくとも1つの近位カメラリードが、少なくとも1つのナビゲーションセンサに対して近位に位置付けられている、実施例26に記載の装置。
【実施例28】
【0170】
少なくとも1つのカメラトレースの遠位端に電気的にされた少なくとも1つの遠位カメラリードを更に備え、少なくとも1つの遠位カメラリードが、結合カメラに動作可能に結合されるように構成されている、実施例21~27のいずれか1つに記載の装置。
【実施例29】
【0171】
少なくとも1つの遠位カメラリードが、少なくとも1つのナビゲーションセンサに対して遠位に位置付けられている、実施例28に記載の装置。
【実施例30】
【0172】
少なくとも1つのカメラトレースが、複数のカメラトレースを含む、実施例21~29のいずれか1つに記載の装置。
【実施例31】
【0173】
複数のカメラトレースが、少なくとも1つのナビゲーションセンサの横方向側面に位置する、実施例30に記載の装置。
【実施例32】
【0174】
カメラを更に備え、少なくとも1つのカメラトレースが、結合カメラに動作可能にされている、実施例21~31のいずれか1つに記載の装置。
【実施例33】
【0175】
プロセッサ又は電源のうちの少なくとも1つを更に備え、少なくとも1つのカメラトレースが、プロセッサ又は電源のうちの結合少なくとも1つに動作可能にされている、実施例21~32のいずれか1つに記載の装置。
【実施例34】
【0176】
シャフトアセンブリが、可撓性部分を含み、可撓性基材が、可撓性部分に固定されており、可撓性基材が、可撓性部分と共に曲がるように更に構成されている、実施例21~33のいずれか1つに記載の装置。
【実施例35】
【0177】
シャフトアセンブリが、組織にRFエネルギーを印加するように動作可能な1つ又は2つ以上の電極を含む、実施例21~34のいずれか1つに記載の装置。
【実施例36】
【0178】
装置であって、(a)カメラと、(b)プロセッサと、(c)電源と、(d)可撓性基材と、(e)可撓性基材上に位置付けられた少なくとも1つのナビゲーションセンサと、(f)可撓性基材上に形成された第1の導電性カメラトレース及び第2の導電性カメラトレースと、を備え、第1のカメラトレースが、カメラをプロセッサに動作可能に結合し、第2のカメラトレースが、カメラを電源に動作可能に結合する、装置。
【実施例37】
【0179】
可撓性基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースを更に備え、少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、少なくとも1つの同心ループ部分が、少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定する、実施例36に記載の装置。
【実施例38】
【0180】
(i)可撓性基材と、(ii)可撓性基材上に位置付けられた少なくとも1つのナビゲーションセンサと、(iii)可撓性基材上に形成された少なくとも1つの導電性カメラトレースとを有する装置を使用する方法であって、方法は、(a)結合少なくとも1つのカメラトレースを介して、カメラをプロセッサ又は電源のうちの少なくとも1つに動作可能にすることと、(b)患者の解剖学的通路に可撓性基材を挿入することと、(c)少なくとも1つのナビゲーションセンサを電磁場に曝露することと、(d)少なくとも1つのナビゲーションセンサを電磁場に曝露する行為に応答して少なくとも1つのナビゲーションセンサを介して、信号を生成することと、(e)生成された信号に基づいて、解剖学的通路を通して、装置の遠位部分をナビゲートすることと、(f)カメラを介して、装置の遠位部分の遠位にある解剖学的通路の一部分を視覚化することと、を含む、方法。
【実施例39】
【0181】
解剖学的通路を通して、装置の遠位部分をナビゲートする行為が、可撓性基材を曲げることを含む、実施例38に記載の方法。
【実施例40】
【0182】
解剖学的通路内の組織にRFエネルギーを印加することを更に含む、実施例38又は39に記載の方法。
【実施例41】
【0183】
装置であって、(a)患者の耳、鼻、又は喉の解剖学的通路に適合するようにサイズ決定及び構成された遠位端を有するシャフトアセンブリと、(b)シャフトの少なくとも一部分に沿って位置付けられた基材と、(c)基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースであって、少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、少なくとも1つの同心ループ部分が、少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定する、少なくとも1つの導電性センサトレースと、(d)基材上に位置付けられた少なくとも1つの温度センサと、を備える、装置。
【実施例42】
【0184】
少なくとも1つの温度センサが、少なくとも1つのセンサトレースの温度を検出するように構成されている、実施例41に記載の装置。
【実施例43】
【0185】
少なくとも1つの温度センサが、熱電対又はサーミスタのうちの少なくとも1つを含む、実施例42に記載の装置。
【実施例44】
【0186】
プロセッサを更に備え、プロセッサは、少なくとも1つのナビゲーションセンサが位置信号をプロセッサに通信するように動作可能であり、かつ少なくとも1つの温度センサが温度信号をプロセッサに通信するように動作可能であるように、少なくとも1つのナビゲーションセンサ及び結合少なくとも1つの温度センサに動作可能にされている、実施例42又は43に記載の装置。
【実施例45】
【0187】
プロセッサが、少なくとも1つのナビゲーションセンサによってプロセッサに通信された位置信号に基づいて、かつ少なくとも1つの温度センサによってプロセッサに通信された温度信号に基づいて、場所の座標を判定するように構成されている、実施例44に記載の装置。
【実施例46】
【0188】
プロセッサは、温度信号が、検出された温度の変化を示すことに応答して、場所の座標に補正率を適用するように構成されている、実施例45に記載の装置。
【実施例47】
【0189】
プロセッサが、検出された温度の変化を少なくとも1つのセンサトレースの電気抵抗の変化に相関させるように構成されている、実施例45又は46に記載の装置。
【実施例48】
【0190】
基材が、表面を含み、少なくとも1つのナビゲーションセンサが、表面上に位置付けられており、少なくとも1つの温度センサが、表面上に位置付けられている、実施例41~47のいずれか1つに記載の装置。
【実施例49】
【0191】
基材が、可撓性である、実施例41~48のいずれか1つに記載の装置。
【実施例50】
【0192】
少なくとも1つのナビゲーションセンサが、近位ナビゲーションセンサ及び遠位ナビゲーションセンサを含む、実施例41~49のいずれか1つに記載の装置。
【実施例51】
【0193】
少なくとも1つの温度センサが、近位ナビゲーションセンサの近くに位置付けられた少なくとも1つの近位温度センサ、及び遠位ナビゲーションセンサの近くに位置付けられた少なくとも1つの遠位温度センサを含む、実施例50に記載の装置。
【実施例52】
【0194】
少なくとも1つの近位温度センサが、近位ナビゲーションセンサに対して近位に位置付けられており、少なくとも1つの遠位温度センサが、遠位ナビゲーションセンサに対して近位に、かつ近位ナビゲーションセンサに対して遠位に位置付けられている、実施例51に記載の装置。
【実施例53】
【0195】
少なくとも1つの温度センサが、一対の横方向に隣接する温度センサを含む、実施例41~52のいずれか1つに記載の装置。
【実施例54】
【0196】
ENT外科用器具であって、(a)熱を生成するように構成された電動構成要素と、(b)少なくとも1つのナビゲーションセンサが、電動構成要素によって生成された熱に曝露される、実施例41~53のいずれか1つに記載の装置と、を備える、ENT外科用器具。
【実施例55】
【0197】
電動構成要素が、(i)RFエネルギーを組織に送達するように構成された電極、又は(ii)組織を断ち切るための切断部材を駆動するように構成されたモータのうちの少なくとも1つを含む、実施例54に記載のENT外科用器具。
【実施例56】
【0198】
装置であって、(a)患者の耳、鼻、又は喉の解剖学的通路に適合するようにサイズ決定及び構成された遠位端を有するシャフトアセンブリと、(b)シャフトの少なくとも一部分に沿って延在する基材と、(c)基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースであって、少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、少なくとも1つの同心ループ部分が、少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定する、少なくとも1つの導電性センサトレースと、(d)プロセッサと、を備え、プロセッサが、少なくとも1つのナビゲーションセンサに動作可能にされており、プロセッサが、結合少なくとも1つのセンサトレースの温度を監視するように構成されている、装置。
【実施例57】
【0199】
(i)基材と、(ii)基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースとを有する装置を使用する方法であって、少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、少なくとも1つの同心ループ部分が、少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定し、方法は、(a)患者の解剖学的通路に可撓性基材を解剖学的通路に挿入することと、(b)少なくとも1つのナビゲーションセンサを電磁場に曝露することと、(c)少なくとも1つのナビゲーションセンサを電磁場に曝露する行為に応答して、少なくとも1つのナビゲーションセンサを介して信号を生成することと、(d)生成された信号に基づいて、場所の座標を判定することと、(e)少なくとも1つのセンサトレースの温度変化を検出することと、(f)少なくとも1つのセンサトレースの温度変化を検出する行為に応答して、場所の座標を調整することと、を含む、方法。
【実施例58】
【0200】
場所の座標を調整する行為が、場所の座標に補正率を適用することを含み、補正率が、検出された温度変化に対応する、実施例57に記載の方法。
【実施例59】
【0201】
少なくとも1つのセンサトレースの温度変化を検出する行為が、温度センサを介して行われる、実施例57又は58に記載の方法。
【実施例60】
【0202】
少なくとも1つのセンサトレースの温度変化を検出する行為が、少なくとも1つのセンサトレースの電気インピーダンス変化を検出することを含む、実施例57又は58に記載の方法。
【実施例61】
【0203】
装置であって、(a)器具を受容するようにサイズ決定された管腔を画定する内側シャフトと、(b)内側シャフトに対してしっかりと固定された外側シャフトであって、内側シャフトと同軸に配置されている、外側シャフトと、(c)内側シャフトと外側シャフトとの間に半径方向に挟まれた第1のナビゲーションセンサであって、三次元空間における第1のナビゲーションセンサの位置を示す信号を生成するように動作可能である、第1のナビゲーションセンサと、を備える、装置。
【実施例62】
【0204】
管腔が、組織切削器具のシャフトアセンブリを受容するようサイズ決定されている、実施例61に記載の装置。
【実施例63】
【0205】
シャフトアセンブリを有する組織切削器具を更に備え、管腔が、組織切削器具のシャフトアセンブリを受容するようにサイズ決定されている、実施例62に記載の装置。
【実施例64】
【0206】
組織切削器具のシャフトアセンブリが、組織を受容するように構成された横断開口部を有し、内側シャフト及び外側シャフトは各々、組織切削器具のシャフトアセンブリが管腔内に完全に挿入されたときに、横断開口部の曝露を提供するようにサイズ決定された長さを有する、実施例63に記載の装置。
【実施例65】
【0207】
第1のナビゲーションセンサは、組織切削器具のシャフトアセンブリが管腔内に完全に挿入されたときに、横断開口部に近接して、かつその近位に位置するように構成されている、実施例64に記載の装置。
【実施例66】
【0208】
内側シャフトと外側シャフトとの間に半径方向に挟まれた可撓性基材を更に備え、第1のナビゲーションセンサが、フレックス回路の一部として可撓性基材上に位置付けられている、実施例61~65のいずれか1つに記載の装置。
【実施例67】
【0209】
可撓性基材が、内側シャフトの長さに沿って、かつ外側シャフトの長さに沿って延在する、実施例66に記載の装置。
【実施例68】
【0210】
可撓性基材が、遠位端を有し、第1のナビゲーションセンサが、可撓性基材の遠位端に位置付けられている、実施例67に記載の装置。
【実施例69】
【0211】
内側シャフトと外側シャフトとの間に半径方向に挟まれた第2のナビゲーションセンサ更に備え、第2のナビゲーションセンサが、三次元空間における第2のナビゲーションセンサの位置を示す信号を生成するように動作可能である、実施例61~68のいずれか1つに記載の装置。
【実施例70】
【0212】
第2のナビゲーションセンサが、第1のナビゲーションセンサの近位に位置付けられている、実施例69に記載の装置。
【実施例71】
【0213】
内側シャフトと外側シャフトとの間に半径方向に挟まれた可撓性基材を更に備え、第1のナビゲーションセンサ及び第2のナビゲーションセンサが各々、フレックス回路の一部として可撓性基材上に位置付けられている、実施例69又は70に記載の装置。
【実施例72】
【0214】
ハブを更に備え、ハブが、内側シャフト又は外側シャフトのうちの一方若しくは両方の近位端に位置付けられている、実施例61~71のいずれか1つに記載の装置。
【実施例73】
【0215】
ハブが、結合管腔内に受容された器具と取り外し可能にするように構成されている、実施例72に記載の装置。
【実施例74】
【0216】
内側シャフトが、開放遠位端及び開放近位端を有する、実施例61~73のいずれか1つに記載の装置。
【実施例75】
【0217】
外側シャフトが、開放遠位端及び開放近位端を有する、実施例61~74のいずれか1つに記載の装置。
【実施例76】
【0218】
装置であって、(a)外面と、長さと、遠位端とを有する外側シャフトを含むシャフトアセンブリと、(b)フレックス回路と、を備え、フレックス回路は、(i)外側シャフトの外面に固定された可撓性基材であって、可撓性基材の少なくとも一部分が、外側シャフトの長さに沿って延在する、可撓性基材と、(ii)可撓性基材に固定された複数の電極であって、電極が、外側シャフトの遠位端又はその近くに位置付けられており、電極が、組織にRFエネルギーを印加し、それによって、組織を切除するように動作可能である、複数の電極と、を含む、装置。
【実施例77】
【0219】
電極が、外側シャフトの遠位端に沿って延在するアレイをなして配置されている、実施例76に記載の装置。
【実施例78】
【0220】
電極が、外側シャフトの遠位端の近位の領域に沿った外側シャフトの長さの一部分に沿って延在するアレイをなして配置されている、実施例76又は77に記載の装置。
【実施例79】
【0221】
外側シャフトが、円周を画定しており、電極が、外側シャフトの円周の周囲に延在するアレイをなして配置されている、実施例76~78のいずれか1つに記載の装置。
【実施例80】
【0222】
電極が、2つの電極を含み、2つの電極の各々が、略半円形状を有する、実施例79に記載の装置。
【実施例81】
【0223】
電極が、複数の正方形又は長方形の電極を含む、実施例79に記載の装置。
【実施例82】
【0224】
外側シャフトが、円周を画定しており、可撓性基材が、長手方向に延在する部分と円周方向に延在する部分とを含み、長手方向に延在する部分が、外側シャフトの長さに沿って延在しており、円周方向に延在する部分が、外側シャフトの円周の周囲に延在する、実施例76~81のいずれか1つに記載の装置。
【実施例83】
【0225】
長手方向に延在する部分が、遠位端を有し、円周方向延在部分が、長手方向延在部分の遠位端に位置する、実施例82に記載の装置。
【実施例84】
【0226】
電極のうちの少なくともいくつかが、円周方向に延在するアレイをなして、円周方向に延在する部分に沿って位置付けられている、実施例82又は83に記載の装置。
【実施例85】
【0227】
外側シャフトが、組織を受容するように構成された開口部を更に画定しており、シャフトアセンブリが、開口部に受容された組織を断ち切るように構成された切断シャフトを更に含む、実施例76~84のいずれか1つに記載の装置。
【実施例86】
【0228】
開口部は、開口部の少なくとも一部分がシャフトに沿って長手方向に延在するように、外側シャフト上で横断配向を有する、実施例85に記載の装置。
【実施例87】
【0229】
電極のうちの少なくともいくつかが、開口部と並んでアレイをなして長手方向に延在する、実施例86に記載の装置。
【実施例88】
【0230】
電極のうちの少なくともいくつかが、開口部の近位に位置付けられている、実施例85又は86に記載の装置。
【実施例89】
【0231】
電極のうちの少なくともいくつかが、開口部の遠位に位置付けられている、実施例85~88のいずれか1つに記載の装置。
【0232】
VII.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0233】
上で説明されるデバイスの変形例は、1回の使用後に処分するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計され得る。変形例は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整されてもよい。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の任意の組み合わせを含んでもよい。具体的には、デバイスのいくつかの変形例は分解されてもよく、また、デバイスの任意の数の特定の部分又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換され得る又は取り外され得る。特定の部品の洗浄及び/又は交換後、デバイスのいくつかの変形例を、再調整用の施設において、又は手技の直前にユーザによってのいずれかで、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0234】
単に例として、本明細書に記載される変形例は、手技の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックのような密閉及び封止された容器に入れる。次に、容器及びデバイスは、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線など、容器を透過することができる放射線場に置かれ得る。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌されたデバイスは、後の使用のために、滅菌容器内に保管され得る。デバイスはまた、ベータ線若しくはガンマ線、エチレンオキシド、又は蒸気を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の任意のその他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0235】
本発明の様々な実施形態を示し記載してきたが、当業者による適切な修正により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化が実現され得る。そのような可能な修正のいくつかについて述べたが、その他の修正は当業者には明らかであろう。例えば、上で考察された実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであり、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び操作の詳細に限定されないことが理解される。
【0236】
〔実施の態様〕
(1) ENT外科用器具であって、
(a)患者の耳、鼻、又は喉の解剖学的通路に適合するようにサイズ決定及び構成された遠位端を有するシャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトの少なくとも一部分に沿って延在する可撓性基材と、
(c)前記可撓性基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースであって、前記少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、前記少なくとも1つの同心ループ部分が、少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定する、少なくとも1つの導電性センサトレースと、を備える、ENT外科用器具。
(2) 前記少なくとも1つのナビゲーションセンサが、近位ナビゲーションセンサ及び少なくとも1つの遠位ナビゲーションセンサを含む、実施態様1に記載のENT外科用器具。
(3) 前記少なくとも1つの遠位ナビゲーションセンサが、一対の横方向に隣接する遠位ナビゲーションセンサを含む、実施態様2に記載のENT外科用器具。
(4) 前記近位ナビゲーションセンサ及び前記遠位ナビゲーションセンサが、互いに電気的に絶縁されている、実施態様2又は3に記載のENT外科用器具。
(5) 前記可撓性基材が、上面及び底面を含み、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサが、前記上面上に位置付けられた上部ナビゲーションセンサ、及び前記上部ナビゲーションセンサの反対側の前記底面上に位置付けられた底部ナビゲーションセンサを含む、実施態様1~4のいずれかに記載のENT外科用器具。
【0237】
(6) 前記上部ナビゲーションセンサ及び前記底部ナビゲーションセンサが、互いに電気的に結合されている、実施態様5に記載のENT外科用器具。
(7) 前記少なくとも1つのセンサトレースの近位端に電気的に結合された少なくとも1つのセンサリードを更に備え、前記少なくとも1つのセンサリードが、プロセッサに動作可能に結合されるように構成されている、実施態様1~6のいずれかに記載のENT外科用器具。
(8) 前記少なくとも1つのセンサリードが、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサに対して近位に位置付けられている、実施態様7に記載のENT外科用器具。
(9) 前記可撓性基材が、長方形又は蛇行形状のうちの少なくとも1つである、実施態様1~8のいずれかに記載のENT外科用器具。
(10) 前記可撓性基材が、平坦構成と少なくとも1つの湾曲構成との間で移行するように構成されている、実施態様1~9のいずれかに記載のENT外科用器具。
【0238】
(11) 前記シャフトアセンブリが、シャフト部材を含み、前記可撓性基材が、前記シャフト部材に固定されている、実施態様1~10のいずれかに記載のENT外科用器具。
(12) 前記シャフト部材が、内側弦を含み、前記可撓性基材が、平坦構成では前記内側弦に沿って配設される、実施態様11に記載のENT外科用器具。
(13) 前記シャフト部材が、円筒形内面を含み、前記可撓性基材が、少なくとも1つの湾曲構成では前記円筒形内面に沿って配設される、実施態様11に記載のENT外科用器具。
(14) 前記シャフト部材が、円筒形外面を含み、前記可撓性基材が、少なくとも1つの湾曲構成では前記円筒形外面に沿って配設される、実施態様11に記載のENT外科用器具。
(15) 前記シャフトアセンブリが、可撓性部分を含み、前記可撓性基材が、前記可撓性部分に沿って延在する、実施態様1~14のいずれかに記載のENT外科用器具。
【0239】
(16) ENT外科用器具であって、
(a)患者の耳、鼻、又は喉の解剖学的通路に適合するようにサイズ決定及び構成された遠位端を有するシャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトの少なくとも一部分に沿って延在しており、上面と底面とを有する、可撓性基材と、
(c)前記上面上に形成された近位上部導電性センサトレースであって、前記近位上部センサトレースが、近位上部同心ループ部分を含み、前記近位上部同心ループ部分が、近位上部ナビゲーションセンサを画定する、近位上部導電性センサトレースと、
(d)前記上面上に形成された少なくとも1つの遠位上部導電性センサトレースであって、前記少なくとも1つの遠位上部センサトレースが、少なくとも1つの遠位上部同心ループ部分を含み、前記少なくとも1つの遠位上部同心ループ部分が、少なくとも1つの遠位上部ナビゲーションセンサを画定する、少なくとも1つの遠位上部導電性センサトレースと、
(e)前記底面上に形成された近位底部導電性センサトレースであって、前記近位底部センサトレースが、近位底部同心ループ部分を含み、前記近位底部同心ループ部分が、近位底部ナビゲーションセンサを画定する、近位底部導電性センサトレースと、
(f)前記底面上に形成された少なくとも1つの遠位底部導電性センサトレースであって、前記少なくとも1つの遠位底部センサトレースが、少なくとも1つの遠位底部同心ループ部分を含み、前記少なくとも1つの遠位底部同心ループ部分が、少なくとも1つの遠位底部ナビゲーションセンサを画定する、少なくとも1つの遠位底部導電性センサトレースと、を備える、ENT外科用器具。
(17) 前記近位底部センサトレースが、前記近位上部センサトレースの反対側に位置付けられ、前記少なくとも1つの遠位底部センサトレースが、前記少なくとも1つの遠位上部センサトレースの反対側に位置付けられている、実施態様16に記載のENT外科用器具。
(18) 前記少なくとも1つの遠位上部センサトレースが、一対の横方向に隣接する遠位上部センサトレースを含み、前記少なくとも1つの遠位底部センサトレースが、一対の横方向に隣接する遠位底部センサトレースを含む、実施態様16又は17に記載のENT外科用器具。
(19) (i)可撓性基材と、(ii)前記可撓性基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースとを有するENT外科用器具を使用する方法であって、前記少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、前記少なくとも1つの同心ループ部分が、少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定し、前記方法は、
(a)患者の耳、鼻、又は喉のうちの少なくとも1つの中の解剖学的通路に前記可撓性基材を挿入することと、
(b)前記少なくとも1つのナビゲーションセンサを電磁場に曝露することと、
(c)前記少なくとも1つのナビゲーションセンサを前記電磁場に曝露する行為に応答して、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサを介して信号を生成することと、
(d)生成された前記信号に基づいて、前記解剖学的通路を通して、前記ENT外科用器具の遠位部分をナビゲートすることと、
(e)前記ENT外科用器具を介して前記解剖学的通路を治療することと、を含む、方法。
(20) 前記ENT外科用器具を介して前記解剖学的通路を治療する前記行為が、前記解剖学的通路を拡張すること、前記解剖学的通路内の組織にRFエネルギーを印加すること、前記解剖学的通路内の組織を断ち切ること、又は前記解剖学的通路からデブリを除去することのうちの少なくとも1つを含む、実施態様19に記載の方法。
【0240】
(21) 装置であって、
(a)患者の耳、鼻、又は喉の解剖学的通路に適合するようにサイズ決定及び構成された遠位端を有するシャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトの少なくとも一部分に沿って延在する可撓性基材と、
(c)前記可撓性基材上に位置付けられた少なくとも1つのナビゲーションセンサと、
(d)前記可撓性基材上に形成された少なくとも1つの導電性カメラトレースであって、前記少なくとも1つのカメラトレースが、カメラをプロセッサ又は電源のうちの少なくとも1つに動作可能に結合するように構成されている、少なくとも1つの導電性カメラトレースと、を備える、装置。
(22) 前記可撓性基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースを更に備え、前記少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、前記少なくとも1つの同心ループ部分が、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定する、実施態様21に記載の装置。
(23) 前記少なくとも1つのナビゲーションセンサが、近位ナビゲーションセンサ及び遠位ナビゲーションセンサを含む、実施態様21又は22に記載の装置。
(24) 前記可撓性基材が、上面及び底面を含み、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサが、前記上面上に位置付けられた上部ナビゲーションセンサ、及び前記上部ナビゲーションセンサの反対側の前記底面上に位置付けられた底部ナビゲーションセンサを含む、実施態様21~23のいずれかに記載の装置。
(25) 前記可撓性基材が、表面を含み、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサが、前記表面上に位置付けられており、前記少なくとも1つのカメラトレースが、前記表面上に形成されている、実施態様21~24のいずれかに記載の装置。
【0241】
(26) 前記少なくとも1つのカメラトレースの近位端に電気的に結合された少なくとも1つの近位カメラリードを更に備え、前記少なくとも1つの近位カメラリードが、プロセッサ又は電源のうちの前記少なくとも1つに動作可能に結合されるように構成されている、実施態様21~25のいずれかに記載の装置。
(27) 前記少なくとも1つの近位カメラリードが、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサに対して近位に位置付けられている、実施態様26に記載の装置。
(28) 前記少なくとも1つのカメラトレースの遠位端に電気的に結合された少なくとも1つの遠位カメラリードを更に備え、前記少なくとも1つの遠位カメラリードが、前記カメラに動作可能に結合されるように構成されている、実施態様21~27のいずれかに記載の装置。
(29) 前記少なくとも1つの遠位カメラリードが、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサに対して遠位に位置付けられている、実施態様28に記載の装置。
(30) 前記少なくとも1つのカメラトレースが、複数のカメラトレースを含む、実施態様21~29のいずれかに記載の装置。
【0242】
(31) 前記複数のカメラトレースが、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサの横方向側面に位置する、実施態様30に記載の装置。
(32) 前記カメラを更に備え、前記少なくとも1つのカメラトレースが、前記カメラに動作可能に結合されている、実施態様21~31のいずれかに記載の装置。
(33) 前記プロセッサ又は前記電源のうちの少なくとも1つを更に備え、前記少なくとも1つのカメラトレースが、プロセッサ又は前記電源のうちの前記少なくとも1つに動作可能に結合されている、実施態様21~32のいずれかに記載の装置。
(34) 前記シャフトアセンブリが、可撓性部分を含み、前記可撓性基材が、前記可撓性部分に固定されており、前記可撓性基材が、前記可撓性部分と共に曲がるように更に構成されている、実施態様21~33のいずれかに記載の装置。
(35) 前記シャフトアセンブリが、組織にRFエネルギーを印加するように動作可能な1つ又は2つ以上の電極を含む、実施態様21~34のいずれかに記載の装置。
【0243】
(36) 装置であって、
(a)カメラと、
(b)プロセッサと、
(c)電源と、
(d)可撓性基材と、
(e)前記可撓性基材上に位置付けられた少なくとも1つのナビゲーションセンサと、
(f)前記可撓性基材上に形成された第1の導電性カメラトレース及び第2の導電性カメラトレースと、を備え、
前記第1のカメラトレースが、前記カメラを前記プロセッサに動作可能に結合し、前記第2のカメラトレースが、前記カメラを前記電源に動作可能に結合する、装置。
(37) 前記可撓性基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースを更に備え、前記少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、前記少なくとも1つの同心ループ部分が、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定する、実施態様36に記載の装置。
(38) (i)可撓性基材と、(ii)前記可撓性基材上に位置付けられた少なくとも1つのナビゲーションセンサと、(iii)前記可撓性基材上に形成された少なくとも1つの導電性カメラトレースとを有する装置を使用する方法であって、前記方法は、
(a)前記少なくとも1つのカメラトレースを介して、カメラをプロセッサ又は電源のうちの少なくとも1つに動作可能に結合することと、
(b)患者の解剖学的通路に前記可撓性基材を挿入することと、
(c)前記少なくとも1つのナビゲーションセンサを電磁場に曝露することと、
(d)前記少なくとも1つのナビゲーションセンサを前記電磁場に曝露する行為に応答して、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサを介して信号を生成することと、
(e)生成された前記信号に基づいて、前記解剖学的通路を通して、前記装置の遠位部分をナビゲートすることと、
(f)前記カメラを介して、前記装置の前記遠位部分の遠位にある前記解剖学的通路の一部分を視覚化することと、を含む、方法。
(39) 前記解剖学的通路を通して、前記装置の前記遠位部分をナビゲートする行為が、前記可撓性基材を曲げることを含む、実施態様38に記載の方法。
(40) 前記解剖学的通路内の組織にRFエネルギーを印加することを更に含む、実施態様38又は39に記載の方法。
【0244】
(41) 装置であって、
(a)患者の耳、鼻、又は喉の解剖学的通路に適合するようにサイズ決定及び構成された遠位端を有するシャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトの少なくとも一部分に沿って位置付けられた基材と、
(c)前記基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースであって、前記少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、前記少なくとも1つの同心ループ部分が、少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定する、少なくとも1つの導電性センサトレースと、
(d)前記基材上に位置付けられた少なくとも1つの温度センサと、を備える、装置。
(42) 前記少なくとも1つの温度センサが、前記少なくとも1つのセンサトレースの温度を検出するように構成されている、実施態様41に記載の装置。
(43) 前記少なくとも1つの温度センサが、熱電対又はサーミスタのうちの少なくとも1つを含む、実施態様42に記載の装置。
(44) プロセッサを更に備え、前記プロセッサは、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサが位置信号を前記プロセッサに通信するように動作可能であり、かつ前記少なくとも1つの温度センサが温度信号を前記プロセッサに通信するように動作可能であるように、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサ及び前記少なくとも1つの温度センサに動作可能に結合されている、実施態様42又は43に記載の装置。
(45) 前記プロセッサが、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサによって前記プロセッサに通信された前記位置信号に基づいて、かつ前記少なくとも1つの温度センサによって前記プロセッサに通信された前記温度信号に基づいて、場所の座標を判定するように構成されている、実施態様44に記載の装置。
【0245】
(46) 前記プロセッサは、前記温度信号が、検出された前記温度の変化を示すことに応答して、前記場所の座標に補正率を適用するように構成されている、実施態様45に記載の装置。
(47) 前記プロセッサが、検出された前記温度の変化を前記少なくとも1つのセンサトレースの電気抵抗の変化に相関させるように構成されている、実施態様45又は46に記載の装置。
(48) 前記基材が、表面を含み、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサが、前記表面上に位置付けられており、前記少なくとも1つの温度センサが、前記表面上に位置付けられている、実施態様41~47のいずれかに記載の装置。
(49) 前記基材が、可撓性である、実施態様41~48のいずれかに記載の装置。
(50) 前記少なくとも1つのナビゲーションセンサが、近位ナビゲーションセンサ及び遠位ナビゲーションセンサを含む、実施態様41~49のいずれかに記載の装置。
【0246】
(51) 前記少なくとも1つの温度センサが、前記近位ナビゲーションセンサの近くに位置付けられた少なくとも1つの近位温度センサ、及び前記遠位ナビゲーションセンサの近くに位置付けられた少なくとも1つの遠位温度センサを含む、実施態様50に記載の装置。
(52) 前記少なくとも1つの近位温度センサが、前記近位ナビゲーションセンサに対して近位に位置付けられており、前記少なくとも1つの遠位温度センサが、前記遠位ナビゲーションセンサに対して近位に、かつ前記近位ナビゲーションセンサに対して遠位に位置付けられている、実施態様51に記載の装置。
(53) 前記少なくとも1つの温度センサが、一対の横方向に隣接する温度センサを含む、実施態様41~52のいずれかに記載の装置。
(54) ENT外科用器具であって、
(a)熱を生成するように構成された電動構成要素と、
(b)前記少なくとも1つのナビゲーションセンサが、前記電動構成要素によって生成された前記熱に曝露される、実施態様41~53のいずれかに記載の装置と、を備える、ENT外科用器具。
(55) 前記電動構成要素が、(i)RFエネルギーを組織に送達するように構成された電極、又は(ii)組織を断ち切るための切断部材を駆動するように構成されたモータのうちの少なくとも1つを含む、実施態様54に記載のENT外科用器具。
【0247】
(56) 装置であって、
(a)患者の耳、鼻、又は喉の解剖学的通路に適合するようにサイズ決定及び構成された遠位端を有するシャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトの少なくとも一部分に沿って延在する基材と、
(c)前記基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースであって、前記少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、前記少なくとも1つの同心ループ部分が、少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定する、少なくとも1つの導電性センサトレースと、
(d)プロセッサと、を備え、
前記プロセッサが、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサに動作可能に結合されており、前記プロセッサが、前記少なくとも1つのセンサトレースの温度を監視するように構成されている、装置。
(57) (i)基材と、(ii)前記基材上に形成された少なくとも1つの導電性センサトレースとを有する装置を使用する方法であって、前記少なくとも1つのセンサトレースが、少なくとも1つの同心ループ部分を含み、前記少なくとも1つの同心ループ部分が、少なくとも1つのナビゲーションセンサを画定し、前記方法は、
(a)患者の解剖学的通路に前記可撓性基材を挿入することと、
(b)前記少なくとも1つのナビゲーションセンサを電磁場に曝露することと、
(c)前記少なくとも1つのナビゲーションセンサを前記電磁場に曝露する行為に応答して、前記少なくとも1つのナビゲーションセンサを介して信号を生成することと、
(d)生成された前記信号に基づいて、場所の座標を判定することと、
(e)前記少なくとも1つのセンサトレースの温度変化を検出することと、
(f)前記少なくとも1つのセンサトレースの温度変化を検出する行為に応答して、前記場所の座標を調整することと、を含む、方法。
(58) 前記場所の座標を調整する行為が、前記場所の座標に補正率を適用することを含み、前記補正率が、検出された前記温度変化に対応する、実施態様57に記載の方法。
(59) 前記少なくとも1つのセンサトレースの温度変化を検出する前記行為が、温度センサを介して行われる、実施態様57又は58に記載の方法。
(60) 前記少なくとも1つのセンサトレースの温度変化を検出する前記行為が、前記少なくとも1つのセンサトレースの電気インピーダンス変化を検出することを含む、実施態様57又は58に記載の方法。
【0248】
(61) 装置であって、
(a)器具を受容するようにサイズ決定された管腔を画定する内側シャフトと、
(b)前記内側シャフトに対してしっかりと固定された外側シャフトであって、前記内側シャフトと同軸に配置されている、外側シャフトと、
(c)前記内側シャフトと前記外側シャフトとの間に半径方向に挟まれた第1のナビゲーションセンサであって、三次元空間における前記第1のナビゲーションセンサの位置を示す信号を生成するように動作可能である、第1のナビゲーションセンサと、を備える、装置。
(62) 前記管腔が、組織切削器具のシャフトアセンブリを受容するようサイズ決定されている、実施態様61に記載の装置。
(63) シャフトアセンブリを有する組織切削器具を更に備え、前記管腔が、前記組織切削器具の前記シャフトアセンブリを受容するようにサイズ決定されている、実施態様62に記載の装置。
(64) 前記組織切削器具の前記シャフトアセンブリが、組織を受容するように構成された横断開口部を有し、前記内側シャフト及び前記外側シャフトは各々、前記組織切削器具の前記シャフトアセンブリが前記管腔内に完全に挿入されたときに、前記横断開口部の曝露を提供するようにサイズ決定された長さを有する、実施態様63に記載の装置。
(65) 前記第1のナビゲーションセンサは、前記組織切削器具の前記シャフトアセンブリが前記管腔内に完全に挿入されたときに、前記横断開口部に近接して、かつその近位に位置するように構成されている、実施態様64に記載の装置。
【0249】
(66) 前記内側シャフトと前記外側シャフトとの間に半径方向に挟まれた可撓性基材を更に備え、前記第1のナビゲーションセンサが、フレックス回路の一部として前記可撓性基材上に位置付けられている、実施態様61~65のいずれかに記載の装置。
(67) 前記可撓性基材が、前記内側シャフトの長さに沿って、かつ前記外側シャフトの長さに沿って延在する、実施態様66に記載の装置。
(68) 前記可撓性基材が、遠位端を有し、前記第1のナビゲーションセンサが、前記可撓性基材の前記遠位端に位置付けられている、実施態様67に記載の装置。
(69) 前記内側シャフトと前記外側シャフトとの間に半径方向に挟まれた第2のナビゲーションセンサを更に備え、前記第2のナビゲーションセンサが、三次元空間における前記第2のナビゲーションセンサの位置を示す信号を生成するように動作可能である、実施態様61~68のいずれかに記載の装置。
(70) 前記第2のナビゲーションセンサが、前記第1のナビゲーションセンサの近位に位置付けられている、実施態様69に記載の装置。
【0250】
(71) 前記内側シャフトと前記外側シャフトとの間に半径方向に挟まれた可撓性基材を更に備え、前記第1のナビゲーションセンサ及び前記第2のナビゲーションセンサが各々、フレックス回路の一部として前記可撓性基材上に位置付けられている、実施態様69又は70に記載の装置。
(72) ハブを更に備え、前記ハブが、前記内側シャフト又は前記外側シャフトのうちの一方若しくは両方の近位端に位置付けられている、実施態様61~71のいずれかに記載の装置。
(73) 前記ハブが、前記管腔内に受容された器具と取り外し可能に結合するように構成されている、実施態様72に記載の装置。
(74) 前記内側シャフトが、開放遠位端及び開放近位端を有する、実施態様61~73のいずれかに記載の装置。
(75) 前記外側シャフトが、開放遠位端及び開放近位端を有する、実施態様61~74のいずれかに記載の装置。
【0251】
(76) 装置であって、
(a)外面と、長さと、遠位端とを有する外側シャフトを含むシャフトアセンブリと、
(b)フレックス回路と、を備え、前記フレックス回路は、
(i)前記外側シャフトの前記外面に固定された可撓性基材であって、前記可撓性基材の少なくとも一部分が、前記外側シャフトの前記長さに沿って延在する、可撓性基材と、
(ii)前記可撓性基材に固定された複数の電極であって、前記電極が、前記外側シャフトの前記遠位端又はその近くに位置付けられており、前記電極が、組織にRFエネルギーを印加し、それによって、前記組織を切除するように動作可能である、複数の電極と、を含む、装置。
(77) 前記電極が、前記外側シャフトの前記遠位端に沿って延在するアレイをなして配置されている、実施態様76に記載の装置。
(78) 前記電極が、前記外側シャフトの前記遠位端の近位の領域に沿った前記外側シャフトの前記長さの一部分に沿って延在するアレイをなして配置されている、実施態様76又は77に記載の装置。
(79) 前記外側シャフトが、円周を画定しており、前記電極が、前記外側シャフトの前記円周の周囲に延在するアレイをなして配置されている、実施態様76~78のいずれかに記載の装置。
(80) 前記電極が、2つの電極を含み、前記2つの電極の各々が、略半円形状を有する、実施態様79に記載の装置。
【0252】
(81) 前記電極が、複数の正方形又は長方形の電極を含む、実施態様79に記載の装置。
(82) 前記外側シャフトが、円周を画定しており、前記可撓性基材が、長手方向に延在する部分と円周方向に延在する部分とを含み、前記長手方向に延在する部分が、前記外側シャフトの前記長さに沿って延在しており、前記円周方向に延在する部分が、前記外側シャフトの前記円周の周囲に延在する、実施態様76~81のいずれかに記載の装置。
(83) 前記長手方向に延在する部分が、遠位端を有し、前記円周方向に延在する部分が、前記長手方向に延在する部分の前記遠位端に位置する、実施態様82に記載の装置。
(84) 前記電極のうちの少なくともいくつかが、円周方向に延在するアレイをなして、前記円周方向に延在する部分に沿って位置付けられている、実施態様82又は83に記載の装置。
(85) 前記外側シャフトが、組織を受容するように構成された開口部を更に画定しており、前記シャフトアセンブリが、前記開口部に受容された組織を断ち切るように構成された切断シャフトを更に含む、実施態様76~84のいずれかに記載の装置。
【0253】
(86) 前記開口部は、前記開口部の少なくとも一部分が前記シャフトに沿って長手方向に延在するように、前記外側シャフト上で横断配向を有する、実施態様85に記載の装置。
(87) 前記電極のうちの少なくともいくつかが、前記開口部と並んでアレイをなして長手方向に延在する、実施態様86に記載の装置。
(88) 前記電極のうちの少なくともいくつかが、前記開口部の近位に位置付けられている、実施態様85又は86に記載の装置。
(89) 前記電極のうちの少なくともいくつかが、前記開口部の遠位に位置付けられている、実施態様85~88のいずれかに記載の装置。