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特表2024-506975電気モータハウジング及び電気モータの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】電気モータハウジング及び電気モータの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B22D 19/00 20060101AFI20240207BHJP
   B22D 19/04 20060101ALI20240207BHJP
   B22C 1/00 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
B22D19/00 T
B22D19/04
B22C1/00 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550144
(86)(22)【出願日】2022-02-11
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 EP2022053397
(87)【国際公開番号】W WO2022175183
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】102021104024.8
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】21206171.7
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523313333
【氏名又は名称】エー・グループ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルツェ、ペーター
(72)【発明者】
【氏名】クレツ、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ペータース、ケニース
【テーマコード(参考)】
4E092
【Fターム(参考)】
4E092AA01
4E092BA20
4E092CA03
(57)【要約】
本発明は、電気モータウジングを製造するための方法であって、(a)支持体(22)の支持体内部チャンバ内に少なくともステータ部品(30)を位置決めすることと、(b)前記支持体(22)上に鋳造コア(42)を配置することと、(c)そして、前記支持体(22)および前記鋳造コア(42)の周囲に前記液体金属を鋳造し、前記液体金属の前記固化の結果として、ステータ部品(30)と鋳物(26)との間にトルク耐性接続を得ることと、を具備する方法に関連する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータハウジングを製造するための方法であって、
(a)少なくともステータ部品(30)を、支持体(22)の支持体内部チャンバ内に位置決めすることと、
(b)前記支持体(22)上に鋳造コア(42)を配置することと、
(c)前記支持体(22)および前記鋳造コア(42)の周りに前記液体金属を鋳造し、前記液体金属の前記固化の結果として、ステータ部品(30)と鋳物(26)との間にトルク耐性接続を得ることと、を具備する、
方法。
【請求項2】
前記方法は、
(a)前記支持体(2”)は、前記支持体(22)の前記内部チャンバ(28)が鋳造金型(24)に対して密閉されるように、前記鋳造金型(24)内に配置され、
(b)鋳造は、前記内部チャンバ(28)に液体金属が入らないように実行される、
ことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項3】
前記方法は、
(a)鋳造は、前記支持体(22)が半径方向内側に変形するほど大きくなるように選択された注入圧力(p)で実行され、および/または、
(b)前記注入圧力(p)および/または緻密化圧力(p)は、前記ステータ部品(30)と前記鋳物(42)との間にトルク耐性接続が形成されるように選択される、
ことを特徴とする上記請求項のいずれか一項の方法。
【請求項4】
前記方法は、
(a)前記支持体(22)を前記鋳造金型(24)内に配置した後、少なくとも2つの鋳造金型部分(47.1、47.2)を互いに向かって移動させることによって前記鋳造金型(24)を閉じることと、
(b)前記少なくとも2つの金型部分(47.1、47.2)が前記支持体(22)に向かって移動されると、前記支持体は、特にその支持体の端面(48)において、前記鋳造金型(24)に対して密閉される、
ことを特徴とする上記請求項のいずれか一項の方法。
【請求項5】
前記方法は、
前記ステータ部品(30)が、前記鋳造金型(24)内に固定されること、
を特徴とする上記請求項のいずれか一項の方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記ステータ部品(30)は、前記ステータ内部チャンバ(28)が、型から取り出した後の内部寸法が、前記支持体(22)内に位置決めした後と同じ内部寸法を有するような半径方向強度を有する、
ことを特徴とする上記請求項のいずれか一項の方法。
【請求項7】
前記方法は、
前記支持体(22)の周囲に前記液体金属を鋳造する前に、前記ステータ部品(30)が前記支持体(22)に永久的に接続されていないこと、
を特徴とする上記請求項のいずれか一項の方法。
【請求項8】
前記方法は、
(a)前記鋳造コア(42)は、塩成型部品(18)またはソルトコアを備えたパイプを具備し、
(b)前記方法は、前記塩成型部品(18)または前記ソルトコア(46)を溶解するステップを含み、
(c)前記塩成型部品(18)または前記ソルトコア(46)を前記溶解することで、チャネル(14)を得ること、
を特徴とする上記請求項のいずれか一項の方法。
【請求項9】
前記方法は、
(a)前記ステータ部品(30)は、そのステータ部品外側上にステータ部品凸部および/またはステータ部品凹部を有し、
前記支持体(22)は、その支持体内側上に支持体凹部、前記凹部は前記ステータ部品凸部との形状嵌合接続を形成する、および/または、前記ステータ部品凹部との形状嵌合接続を形成する、支持体凸部、を有し、および/または、
(b)前記ステータ部品(30)は、そのステータ部品端面の少なくとも一つ上にステータ部品凸部および/またはステータ部品凹部を有し、
前記支持体(22)は、その支持体内側上に支持体凹部、前記凹部は前記ステータ部品凸部との形状嵌合接続を形成する、および/または、前記ステータ凹部との形状嵌合接続を形成する、支持体凸部、を有する、
ことを特徴とする上記請求項のいずれか一項の方法。
【請求項10】
前記方法は、
前記鋳造コア(42)は、鋳造中に、支持体(22)によって支持され、特に前記支持体(22)に対して載置すること、
を特徴とする上記請求項のいずれか一項の方法。
【請求項11】
前記方法は、
(a)前記支持体(22)は、少なくとも部分的に、円筒形の側面を有し、特に少なくとも部分的には管状であり、および/または
(b)液体金属は、前記支持体の、周囲または上に、鋳造され、および/または
(c)前記鋳造部品(42)は、少なくとも部分的に、前記支持体(22)を螺旋状に取り囲む、
ことを特徴とする上記請求項のいずれか一項の方法。
【請求項12】
前記方法は、
(i)塩または塩混合物を、支持体(22)を取り囲む塩成型部型(19)に導入し、前記塩成型部品が前記支持体(22)に対して載置されるように、前記塩または前記塩混合物を支持体(22)に接触させ、
(ii)前記塩成型部品(18)および前記支持体(22)を一括して型から抜き出すことと、
(iii)前記塩成型部品(18)および前記支持体(22)を前記鋳造金型内に配置し、前記塩成型部品(18)は、前記鋳造金型内に配置するまで前記支持体から分離されない、
ことを特徴とする上記請求項のいずれか一項の方法。
【請求項13】
前記方法は、
(a)塩または塩混合物を前記塩成型部品金型(19)に前記導入することは、コアシュート金型への塩または前記塩混合物のコアシュートであり、および/または
(b)前記塩または塩混合物は可溶性ガラスを含む、
ことを特徴とする請求項13の方法。
【請求項14】
前記方法は、
(a)前記塩成型部品鋳造金型(20)は、前記支持体(22)を取り囲む、または含み、
(b)前記塩成型部品鋳造金型(20)は、前記塩成型部品のネガティブ構造を含み、
(c)前記ネガティブ構造が、前記液体塩または前記液体塩混合物が前記支持体(22)と接触するように、前記支持体(22)に隣接すること、
を特徴とする上記請求項のいずれか一項の方法。
【請求項15】
前記方法は、
(a)ロータ(32)を前記ハウジング、特に前記支持体(22)に、挿入すること、および/または
(b)流体、特に液体が第1の接続部(12)を通ってチャネル(14)に流入し、第2の接続部によって前記チャネル(14)から流出できるように、前記チャネルを前記第1の接続部(12)および前記第2の接続部(12)に接続すること、
を特徴とする、上記請求項のいずれか一項の方法。
【請求項16】
電気モータハウジング(10)を製造するための鋳造部品製造システムであって、
(a)塩成型部品を製造するための塩成型部品製造機であって、
(i)塩成型部品金型(20)と、
(ii)自動的に、
支持体を封入し、
塩または塩混合物を前記塩成型部品金型(2)に導入して、前記塩または塩混合物を支持体(22)に接触させるように、ように設計された挿入デバイスと、
(iii)前記塩成型部品(18)を離型して、プレブランクを得る、離型デバイスと、を具備する、塩成型部品製造機と、
(b)前記塩成型部品(18)の周囲に金属を射出成型して、ブランクを得るための射出成型機と、
前記射出成型機は、前記支持体を取り囲む(22)ように構成された射出成型金型を備え、
(c)前記塩成型部を溶解して、前記ハウジングを得る、塩成型部品取り外しデバイスと、を具備する、
鋳造部品製造システム。
【請求項17】
前記鋳造部品製造システムは、
(a)ステータ部品を前記支持体(22)に自動的に挿入するように構成されたステータ挿入デバイスと、
(b)前記プレブランクを、前記塩成型部品製造機から前記射出成型機に移動させるための第1のハンドリングデバイス、および/または、
(c)前記ブランクを、前記射出成型機から前記塩成型部品取り外しデバイスに移動させるためのハンドリングデバイス、
を特徴とする請求項16の鋳造部品製造システム。
【請求項18】
(a)少なくとも部分的には直線的に延びていない冷却チャネルが内部に延びる、ワンピース鋳造電気モータハウジングを備え、
(b)全体的に同一の鋳造材料から製造される前記ハウジングまたはハウジング部品、
を特徴とする電気モータ(34)。
【請求項19】
前記電気モータ(34)は、
非円形の断面を有する前記チャネル(14)を特徴とする、
請求項18の電気モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気モータハウジングの形態の鋳造部品を製造する方法に関する。第2の態様によれば、本発明は、ワンピース、および/またはモノブロック鋳造ハウジング、または、少なくとも複数のセクションで、直線に延びない、冷却チャネルが延在するハウジング部品を具備する、電気モータハウジングおよび電気モータを製造するための鋳造部品製造システムに関連する。
【背景技術】
【0002】
このような電気モータは、例えば、電気自動車において使用される。避けられない廃熱を排出するために、電気モータのハウジング内には、少なくとも1つの冷却チャネルが提供され、それには、冷却流体、多くの場合水または水溶液、場合によっては油が流される。
【0003】
このハウジングを、内側部分と、内側部分を取り囲む外側部分とを具備する2つの部分からなる部品として製造することが知られている。この場合、内側部分の外側に溝が付けられ、この溝は、外側部分の内側と相互作用し、冷却チャネルを形成する。このことの欠点は、二つのハウジングの半分の寸法安定性に対して、高い要求を課すことである。寸法安定性、品質、および2つの構成要素の接続のタイプが、アセンブリの硬さを決定する。冷却液の漏れが発生した場合、モータの動作安全性が損なわれ得る。
【0004】
例えば、2枚のアルミニウムシート間の高圧内部成形によって製造されたパイプラインの周囲に鋳造することも知られている。このパイプラインが、通常は射出成型によって達成される、周辺の鋳造による機械的応力に耐えるために、パイプラインにはサポート材(通常は塩)が含まれていることが多く、後で洗い流される。しかし、多くの場合では、冷却液への熱の伝達は予想ほど高くないことがわかっている。
【0005】
EP 3 208 013 A1には、複雑な形状を有する構成要素を鋳造する方法が記載されている。この方法では、少なくとも一つのモールド部分が塩から作成されたロストモールドで構成される、鋳造金型が使用される。コンポーネントの外部形状を決定する、鋳造金型の外側部分、またはコンポーネントの内部形状を決定する鋳造金型の内側部分は、少なくとも2つのセグメントで構成されます。したがって、鋳造によって滑らかな表面を備えたコイルなどの複雑な部品を製造することも可能である。
【0006】
EP 1 293 276 A2には、ソルトコアを使用したインサートを含むダイカストコンポーネントを製造するためのデバイスが記載されている。インサートは鋳造中のコアを支持する。インサートとコアの間には、鋳造金属に対してしっかりと接続されている。
【0007】
EP 2 647 451 A1には、ホットチャンバーダイカストによるソルトコアの製造方法が記載されている。このダイカスト法では、計量デバイスコンポーネントへの溶融塩の付着が防止する。
【0008】
DE 10 2014 007 889 A1は、ダイカストにおける使用に適した塩体の製造方法を開示している。この方法では、まず、ポリマー発泡体から塩体のモデルが作成される。このモデルは、成型材料を使用して型枠に成型され、溶融塩が流し込まれる。この過程において、ポリマーフォームが分解される。
【0009】
DE 10 2012 002 331 A1には、アルミニウムダイカストにおいて使用される、ソルトコアの製造方法が記載されている。この目的を達成するために、対応する塩混合物を加熱し、それによって半固体の塩ペーストを形成し、これを押出機によってコア型に注入する。その後、ソルトコアが型から取り出される。
【0010】
電気モータを製造するため、ステータ部品とハウジングとを確実に接続することも必要とされる。電気モータの効率の程度が、ロータとステータとの間のエアギャップに依存することを考えると、ステータ部品を取り付ける際には、厳しい公差を遵守する必要があり、コストがかかる。さらに、ステータ部品が耐トルクな方法でハウジングに接続されることを確実にする必要がある。このことは、複雑な製造を必要とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1a】本発明における方法によって製造された、本発明の鋳造部品の斜視図。
図1b】本発明における方法の範囲内で使用される塩成型部品の斜視図。
図2a】射出成型金型内に配置され、長方形の断面を有する、図1bの塩成型部品を上から見た図。
図2b】冷却チャネルが円形の断面を有する代替実施形態の完成した鋳造部品の断面図。
図3a】本発明の電気モータ用の、本発明の鋳造部品のチャネルの断面図。
図3b】第2の実施形態による、本発明による電気モータ用の本発明による鋳造部品のチャネルを通る断面図。
図4a】本発明の方法のシーケンスを概略的に示す第1の図。
図4b】本発明の方法のシーケンスを概略的に示す第2の図。
図4c】本発明の方法のシーケンスを概略的に示す第3の図。
図4d】本発明の方法のシーケンスを概略的に示す第4の図。
図4e】本発明の方法のシーケンスを概略的に示す第5の図。
図4f】本発明の方法のシーケンスを概略的に示す第6の図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、従来技術の欠点を軽減することを目的とする。
【0013】
本発明は、請求項1の特徴を有する方法によって課題を解決する。
【0014】
第2の態様によれば、本発明は、冷却チャネルに隣接するハウジングまたはハウジングコンポーネントが全体的に同一の鋳造材料から製造される、請求項1の前文の電気モータによって問題を解決する。換言すれば、冷却チャネルは、塩成型部品の鋳造中に生成または固化されなかった材料または本体によって、半径方向に完全には縛られていない。特に、冷却チャネルはインサートによって縛られていない。むしろ、冷却チャネルは、ハウジングまたはハウジングコンポーネントの残りの部分が作られているのと同じ材料によって、少なくとも半径方向に縛られている。特に、ハウジングには冷却チャネルの領域に継ぎ目がない。好適な実施形態によれば、ハウジングまたはハウジングコンポーネントは、全体的に同一の鋳造材料で作られる。
【0015】
本発明の利点は、ステータ部品をハウジングに容易に接続できることである。これにより、ステータキャリアは、電気モータハウジングに接続され、冷却チャネルは、1回のみの射出成型プロセスで作成され得る。
【0016】
本発明のさらなる利点は、例えばステータから、ハウジングの一部に導入される熱が、鋳造材料、すなわち鋳造部品を鋳造する材料、の熱伝導によって冷却チャネルに伝導されることである。特に、これは、鋳造材料とチャネルを取り囲む鋳造インサートとの間の転移点を克服することを必要としない。
【0017】
本発明の利点は、ハウジングまたはハウジングコンポーネントが、2つの部分ハウジングまたは部分ハウジングコンポーネントを接合することによって製造されることを必要とせず、一般に単一の鋳造プロセスで製造できることである。したがって、通常、製造プロセスはより単純である。
【0018】
本説明の文脈において、溶融金属は、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、またはこれらの金属の少なくとも1つの合金を含むことが好ましい。簡単のため、以下では、溶融金属の代わりに液体金属についても言及し得る。溶融金属には、繊維や粒子などの非金属コンポーネントが含まれ得る。
【0019】
ステータ部品は、電気モータハウジングから作られる電気モータの動作中にステータとして機能するコンポーネントである。特に、ステータ部品は、磁界を発生させるための少なくとも1つのコイルを含むことが好ましい。
【0020】
鋳造コアは、支持体ではなく、固体の形態で射出成型金型に挿入され、射出成型中に完全には溶解しないコンポーネントであると理解されている。好ましい実施形態によれば、鋳造コアは塩成型部品である。代替の実施形態によれば、鋳造コアは塩で満たされたパイプである。
【0021】
塩成型部品は、特に、塩、特に塩混合物、を含む、または、で作られた三次元物体を指し、ブランクから除去できる程度に水によって不安定になる可能性がある。ソルト成型部品はソルトコアとも呼ばれ得る。塩成型部品は、好ましくは、少なくとも20重量パーセント、特に少なくとも30重量パーセント、より好ましくは少なくとも50重量パーセントの塩または塩混合物から構成される。塩成型部品は、粒状材料、例えば無機材料、特に砂で作られた粒状物を含んでもよい。ただし、これは必須ではありません。
【0022】
塩成型部品は、一般に脆い。したがって、この塩コンポーネントは、ダイカストによって、鋳造される、および取り扱われることに十分な強度を持たないことが予想される。しかしながら、驚くべきことに、特に支持体が使用される場合、このことが実際に可能であることが証明された。
【0023】
支持体の支持体内部チャンバにおけるステータ部品の位置決めは、特に、ステータ部品が、その長手方向の延長の、少なくとも半分、特に少なくとも3分の2、好ましくは少なくとも0.9倍、にわたって半径方向に支持体によって取り囲まれることを意味することが理解されている。
【0024】
特に、ステータ部品は、支持体と接触するように位置決めされる。好ましくは、ステータ部品と支持体は、ISO 284 4.2010に従って、すきまばめ(クリアランスフィット)または中間ばめ(トランジションフィット)を形成する。ステータ部品と支持体との隙間は、少なくとも1/10mmであることが好ましい。これは、ステータ部品が、支持体に対して、少なくとも1つの半径方向に少なくとも10分の1ミリメートル移動できることを意味すると理解される。
【0025】
位置決めとは、例えば、取り付けまたは挿入、特に押し込みである。
【0026】
電気モータは、電気エネルギーを運動エネルギー、特に回転運動エネルギー、に変換できるデバイスであると理解されている。電気モータが原理的には発電機としても動作され得るので、この説明の意味における電気モータは、発電機であるとも理解される。
【0027】
好ましくは、このプロセスは、支持体の周りの液体材料を鋳造するによって製造された電気モータハウジングを型から取り出すステップを含む。
【0028】
好ましくは、この方法は、電気モータを形成するように、ステータ部品のステータ内部チャンバにロータを組み込むステップを含む。
【0029】
好ましい実施形態によれば、支持体は、支持体の内部チャンバが鋳造金型に対して密閉されるように、型内に配置される。鋳造金型は、好ましくは、射出成型金型である。射出成型金型は、少なくとも2つの金型部品で構成される。射出成型金型が正確に2つの金型部品を具備する場合、好ましい実施形態に従って提供されるように、これらの金型部品は半金型とも称される。
【0030】
好ましくは、支持体の周りの鋳造は、液体金属が内部に入らないように実行される。これにより、ステータ部品が液体金属と接触することがなくなる。
【0031】
何かの周りに鋳造するプロセスは、必ずしもではないが、何かの上に鋳造することを意味すると理解され得る。何かの周りに鋳造することは、何かの上に鋳造することには、なり得ない。
【0032】
好ましくは、鋳造コアは、端の開口部を除いて、鋳物によって完全に封じられるような方法で周囲に鋳造される。
【0033】
好ましい実施形態によれば、鋳造は、支持体が半径方向内側に変形するほど大きくなるように選択された注入圧力で実行される。特に、支持体は、ステータ部品と支持体との間に耐トルク接続が形成されるように変形する。
【0034】
代替的または追加的に、注入圧力および/または緻密化圧力は、好ましくは、ステータ部品と鋳物との間に耐トルク接続が形成されるように選択される。
【0035】
好ましい実施形態によれば、この方法は、支持体を鋳造金型内に配置した後、少なくとも2つの鋳造金型部分を互いに向かって移動させることによって鋳造金型を閉じるステップを含む。好ましくは、少なくとも2つの型部分が支持体に向かって移動するとき、支持体は、特にその支持体の端面において、鋳造金型に対してシールされる。これは、液体金属が、支持体の内部チャンバに入らないことを確実するための簡潔な方法です。
【0036】
好ましくは、ステータ部品は、鋳造金型内に固定される。このことは、鋳造金型に対するステータ部品の移動を防止する手段であると理解される。これにより、鋳造金型で製造されるすべてのステータ部品が、鋳造金型に対して、したがって製造されるそれぞれのハウジングに対して、ハウジングの輪郭に対して、常に同じ位置にあることが保証される。したがって、非常に小さい位置公差でロータを位置決めすることが可能である。これにより、小さなエアギャップが形成されるようにロータを製造できるようになり、電気モータの効率が向上する。
【0037】
射出成型の間、ステータ部品は、固定されていることによって、鋳造金型に対して移動しない。支持体が変形した場合、支持体は、ステータ部品、および、したがってその後のハウジングの輪郭に対して、局所的に移動するが、ステータ部品は移動しない。
【0038】
好ましくは、ステータ部品は、ステータ内部チャンバにおいて、鋳物を金型から取り出した後の内部寸法が、支持体内に配置した後およびその周りに鋳造する前の内部寸法と同じであるような半径方向強度を有する。ステータ内部チャンバが同じ内部寸法を有するという特徴は、特に、ステータ内部チャンバの内径が最大で3/10mm、特に最大で2/10mm減少することを意味すると理解される。内径は、ステータ内部チャンバのいかなる点にも接触しない最大直径の仮想円筒の直径である。
【0039】
好ましくは、ステータ部品は、鋳造前にステータ部品が支持体とプレスフィットを形成しないように、支持体の内部チャンバ内に位置決めされる。特に、ステータ部品は、すきまばめまたは中間ばめを形成する。
【0040】
鋳造コアは、好ましくは、塩成型部品またはソルトコアを備えたパイプである。パイプは、好ましくは、金属、特にアルミニウム合金、特に鍛造アルミニウム合金で作られる。
【0041】
この方法は、好ましくは、特に水または別の溶媒を用いて、塩成型部品またはソルトコアを溶解するステップを含む。このことは、塩成型部品またはソルトコアを溶解することでチャネルを得る場合に有益である。チャネルは、好ましくは、冷却チャネルである。冷却チャネルは、冷却流体で洗い流すことができるチャネルであると理解される。この目的のために、電気モータハウジングは、好ましくは、冷却流体が冷却流体接続部の1つを通って冷却チャネルに流入し、冷却流体接続部の少なくとも1つを通って冷却チャネルから流出できるように、少なくとも2つの冷却流体接続部を有する。
【0042】
好ましい実施形態によれば、ステータ部品は、そのステータ部品の外側に、ステータ部品の凸部および/またはステータ部品の凹部を有し、支持体は、その支持体の内側に、支持体の凹部、前記凹部はステータ部品の凸部と形状嵌合接続(form-fit connection)を形成する、および/または、ステータ部品の凹部と形状嵌合接続を形成する、支持体の凸部と、を有する。当然、凹凸は1対あれば十分である。
【0043】
代替的または追加的に、ステータ部品は、好ましくは、ステータ部品の端面の少なくとも1つに、それぞれ支持体の凹部または支持体の凸部と、形状嵌合接続を形成する、ステータ部品の凸部および/またはステータ部品の凹部を有する。
【0044】
鋳造は、好ましくは、塩成型部品が溶融金属と直接接触するような方法で実行される。溶融金属は、金型の材料となる。
【0045】
好ましくは、鋳造は、ダイカストを指す。特に、鋳造は、少なくとも15MPa(150bar)の最大圧力で実行される。この最大圧力は、鋳造中にコンスタントに適用されるのではなく、特に型の充填が完了した後であることが好ましい。
【0046】
必須ではないが、金属が厳密な意味で液体であることは可能である。唯一の決定的なファクターは、金属が流動できるか否かである。したがって、ペースト状、または生地状の金属も液体金属であるとみなされる。
【0047】
鋳造コア、特に塩成型部品が、少なくとも部分的に湾曲しており、特に円形断面の形状に湾曲している場合、有益である。特に、塩成型部品は、少なくとも部分的に螺旋状になるように設計され得る。
【0048】
鋳造コア、特に(好ましい実施形態で規定されるような)塩成型部が、塩成型部品が周囲に鋳造される鋳造金型に挿入されるときに、支持体によって支持される場合、鋳造部の製造中のプロセスの安全性を高めることができることが証明されている。
【0049】
このことは、鋳造コア、特に塩成型部品が、支持体によって周囲に鋳造されるときに、支持されている場合に、特に有益であり、これは本発明の方法における好ましいステップを表す。
【0050】
支持体の材料は、好ましくは、金属、特にアルミニウム、銅、亜鉛、鋼、またはこれらの金属のうちの1つの合金である。支持体が押出成型コンポーネントである場合、このことは有益である。
【0051】
好ましくは、支持体は、その融点が、支持体上に金属が鋳造される温度よりも、好ましくは少なくとも5ケルビン、特に少なくとも10ケルビン、特に好ましくは少なくとも15ケルビン、高い材料で作られる。好ましくは、支持体は、支持体の周囲に鋳造される金属の融点よりも、好ましくは少なくとも5ケルビン、特に少なくとも10ケルビン、特に好ましくは少なくとも15ケルビン高い融点を有する材料で作られる。
【0052】
好ましくは、支持体は、その融点が、塩または塩混合物の溶融塊の融解温度よりも、好ましくは少なくとも5ケルビン、特に少なくとも10ケルビン、特に好ましくは少なくとも15ケルビン、高い材料で作られる。
【0053】
好ましくは、挿入は、液体塩または液体塩混合物を塩成型部品鋳造金型に注入することである。
【0054】
あるいは、塩または塩混合物の塩成型部品鋳造金型への挿入は、コアシューティングを使用して実行される。コアシューティングプロセスにおいて、好ましくは可溶性ガラスを含む塩粉末の混合物(mixture of salt powder)または塩粉末混合物(salt powder mixture)が、圧力下で、塩成型部品金型に注入され、それにより支持体を形成する。
【0055】
鋳造中の鋳造コア、特に塩成型部品、の支持は、塩成型部品が少なくとも部分的に支持体に対しておよび/または支持体上に載置されるような方法で実行されることが好ましい。鋳造コア、特に塩成型部品が、少なくとも部分的に螺旋状になるように設計される場合、支持体は、少なくとも部分的に、支持体が載置される円筒形の外面を有することが好ましい。その結果、支持体は塩成型部品に半径方向内側に作用する力を吸収することができる。半径方向内側という用語は、円筒形部分の円筒軸の長手方向軸を指す。
【0056】
鋳造は、凝固する溶融金属が支持体との材料/摩擦または形状嵌合接続を形成するような方法で実行されることが好ましい。換言すれば、塩成型部品の周囲に鋳造することは、支持体上に鋳造すること、特に支持体の外側に鋳造することも含む。
【0057】
このことは、支持体が少なくとも50%の鉄からなる材料でできている場合に有益である。この場合には、特に、支持体が、その外側にコーティング、好ましくはニッケルコーティングを含む場合に有益である。このコーティングは、支持体と周囲の鋳物との間の材料接続の形成を促進する。
【0058】
このことは、この方法が、支持体の外表面の輪郭形成および/または粗面化するステップを含む場合に有益である。粗面化とは、DIN EN ISO 4287:2010に準拠した、平均粗さ値を少なくとも1μm、好ましくは少なくとも2μm増加させる、および/または平均粗さ値を少なくとも2倍、好ましくは少なくとも3倍にする処理を意味すると理解されます。
【0059】
このことは、この方法が、支持体の内面の輪郭形成および/または粗面化のステップを含む場合に有益である。
【0060】
輪郭形成および/または粗面化は、好ましくは、レーザー表面処理を介して、および/または機械加工、特に幾何学的に画定された刃先を用いた機械加工によって、実行される。
【0061】
鋳造は、鋳造金型、特に射出成型金型において、実行されることが好ましい。このことは、鋳造前に金型が真空排気された場合に有益である。しかし、このことは、必須ではない。例えば、真空にされていない鋳造金型上で、鋳造を実行することも可能である。あるいは、重力鋳造によって鋳造を実行することもできる。
【0062】
鋳造金型はロストモールド(lost mold)であってもよく、一般に、鋳造金型が、再利用可能、特に金属鋳造金型、である場合に、より安価である。
【0063】
内側の面取りされた円筒の長手方向軸に沿って、支持体は、少なくとも部分的に、特にその長さの50%よりも長くにわたって、円筒形または円錐台形の側面を有することが好ましい。このことは、支持体が少なくとも部分的に管状である場合に有益である。次いで、塩成型部品は、支持体を少なくとも部分的に螺旋状に囲む。
【0064】
塩成型部品をブランクから溶解すると、冷却チャネルが得られることが好ましい。冷却チャネルは、特に、鋳造部品、特にハウジングを、特に水によって冷却することに適したチャネルを示す。この目的のために、冷却チャネルは、特に連続的である、すなわち、冷却流体が、その入口から出口までを通って、連続的に流れることができる。冷却チャネルは、支持体の内面上への冷却チャネルの突出が、内面の、少なくとも10分の1、特に少なくとも8分の1、好ましくは少なくとも6分の1、特に好ましくは少なくとも4分の1、を示すように設計されることが好ましい。代替的または追加的に、塩成型部品は、支持体の内面上への塩成型部品の突出が、内面の、少なくとも10分の1、特に少なくとも8分の1、好ましくは少なくとも6分の1、特に少なくとも4分の1、を示すように設計されることが好ましい。
【0065】
塩成型部品の塩部分は、好ましくは、少なくとも2つの異なる塩を含む塩混合物からなる。塩の少なくとも1つが塩化物、特にアルカリ金属塩化物、である場合、このことは有益である。他の塩は、好ましくは、アルカリ土類炭酸塩などの炭酸塩、または硫酸塩である。このことは、塩成型部品の塩部分が、少なくとも60%、特に少なくとも80%のアルカリ金属塩化物、特に塩化カリウム、および炭酸ナトリウムで構成される場合、特に好ましい。塩成型部品の塩部分が少なくとも60%、特に少なくとも80%の塩化ナトリウムを含むと特に好ましい。
【0066】
このことは、DIN EN 843-1に従った3点曲げテストにおいて、塩混合物から鋳造され、且つ45cm×4cm×3cmの寸法を有する、サンプルの曲げ強度が少なくとも10Mpaになるような方法で、塩混合物が選択される場合に有益である。
【0067】
好ましい実施形態によれば、この方法は、(i)支持体、塩、特に液体塩、または塩混合物、特に液体塩混合物を取り囲む塩成型部品金型に塩または塩混合物を導入し、塩成型部品が支持部に対して載置されるように支持部に接触させるステップと、(ii)支持体と、支持体上に載置され、特に支持体に接続されている塩成型部品とを一括して取り出すステップと、を含む。
【0068】
好ましくは、この方法は、塩成型部品および支持体を鋳造金型内に配置するステップを含み、塩成型部品は、鋳造金型内に配置されるまで、支持体から分離されない。これにより、塩成型部品が損傷すること、特に破損すること、を効果的に防止する。
【0069】
好ましい実施形態によれば、塩または塩混合物の塩成型部品金型への導入は、コアシューティング金型への塩または塩混合物のコアシューティングである。ここで、塩または塩混合物が可溶性ガラスを含む場合に、有益である。
【0070】
本発明の独立した主題は、鋳造部品、特にハウジング、例えば電気モータハウジングを製造するための方法であって、(a)塩成型部品を製造するステップを含む方法であって、以下のステップを含む:(i)塩、または塩混合物を、支持体、液体塩、または液体塩混合物を囲み、支持体と接触するように、塩成型部品金型に導入すること、(ii)塩成型部品を型から取り外すこと、(b)金属、特にアルミニウムを用いた塩成型部品の周囲に鋳造すること、すなわちブランクを製造すること、(i)塩成型部品は、鋳造中に支持体によって支持され、(ii)支持体は、金属を用いた鋳造によって、凝固した金属で作られた鋳物にしっかりと接続されており、(c)ブランクから塩成型部品を溶解し、鋳造部品を生成する。この説明において特定される、好ましい実施形態はすべて、本発明の態様に適用される。
【0071】
好ましくは、この方法は、鋳造、特に重力鋳造、低圧ダイカストまたは他の特別なダイカストプロセスによって、塩成型部品を製造するステップを含む。例えば、この方法は、(a)塩成型部品金型、特に永久鋳造金型、を製造するステップと、(b)液体塩または液体塩混合物を塩成型部品金型に注入するステップと、(c)塩成型部品を型から取り外すステップと、を含む。
【0072】
あるいは、塩成型部品は、低圧重力ダイカスト、ホットチャンバー法によるダイカスト、またはロストモールドによる手法などの、異なるタイプの鋳造によって製造されてもよい。
【0073】
塩成型部品金型は、塩成型部品のネガティブ構造を含み、支持体を封止する。そして、ネガティブ構造は、液体塩または液体塩混合物が支持体と接触するように、支持体に当接する。その結果、その後の鋳造部品において、チャネルは、支持体に直接的に、当接する。これにより、チャネルまたはチャネル内の流体への小さな熱伝達抵抗が生じる。
【0074】
この方法は、好ましくは、支持体に対してステータ部品を配置するステップを具備する。特に、これは、支持体にステータ部品を取り付けることを含む。液体金属が支持体の周囲に鋳造され、それによって液体金属の凝固の結果としてステータ部品と鋳物との間にトルク耐性接続が形成されると有利である。鋳物は、液体金属が凝固するときに作成される金属構造である。
【0075】
ステータ部品は、電気モータのステータの一体部分、またはステータ自体を意味すると理解される。
【0076】
好ましい実施形態によれば、折り畳み可能コアを備えた鋳造金型が使用される。好ましくは、折り畳み可能コアは、支持パイプ内にステータが取り付けられていない場合、またはステータのどの部分もパイプの内側に載置されていない領域を支持するために、使用される。このことは、折り畳み可能コアが支持体を内側から支持する場合に、有益である。そのため、支持体は、注入圧力による変形から保護される。折り畳みコアとも称され得る、折り畳み可能コアは、折り畳みコアが内側から支持体に載置される、第1の拡張状態にされ、そして、折り畳みコアが支持体に内側から載置されておらず、且つ支持体から取り外すことができる、折り畳まれた状態にされ得るコアを意味すると理解される。
【0077】
この方法は、好ましくは、特に支持体がロータを半径方向に(部分的または完全に)囲むような方法で、ロータをハウジングに挿入するステップを含む。換言すれば、ロータは、好ましくは、少なくとも部分的に、支持体によって半径方向に囲まれるような方法で、配置される。
【0078】
この方法は、好ましくは、チャネルを第1の接続および第2の接続に接続するステップも含む。第1の接続部および第2の接続部は、鋳造部品上に、好ましくは鋳造部品の外側に構成される。この接続は、流体、特に水などの液体が第1の接続部を介してチャネル内に導入され、第2の接続部によってチャネルから外に戻ることができるような方法にされることが好ましい。したがって、チャネルは冷却チャネルとして使用され得る。特に、液冷電気モータまたは発電機は、このようにして得られる。
【0079】
さらに、ステータの導電体の少なくとも一つが、鋳造部品の外側の接続部に接触する場合に、有益である。この方法は、また、電気モータを仕上げるステップを含むことが好ましい。
【0080】
電気モータは、同期モータ、非同期モータ、リラクタンスモータ、または同期モータとリラクタンスモータとの組み合わせであってもよい。
【0081】
このことは、本発明における電気モータまたは発電機の冷却チャネルが鋳込みパイプ(cast-in pipe)によって制限されなければ有益である。塩成型部品を溶解した後、冷却チャネルは、完全に流体、特にガスで満たされる。
【0082】
このことは、チャネルが非円形断面を有する場合に有益である。非円形断面は、内側の円、すなわち断面内に配置された最大直径の円、からの断面の最大偏差が、内側の円の直径の少なくとも5%、特に少なくとも10%、であることを意味すると特に理解される。チャネルがその長手方向の延長部の少なくとも50%にわたって非円形の断面を有する場合に、有益である。特に、断面は角張った形状、例えば長方形であることが好ましい。
【0083】
代替的または追加的に、チャネルが平坦な断面を有する場合に有益である。平坦な断面は、第1の空間方向に延びる断面の最大膨張が、前記方向に垂直な膨張の少なくとも1.5倍、特に少なくとも2倍に対応するように定義される、ことを意味することが理解される。
【0084】
代替的または追加的に、断面が、等しい面積の円の断面のエッジ長よりも、少なくとも10%、特に少なくとも20%長いエッジ長を有する場合に有益である。したがって、鋳造部品からチャネル内の流体への熱伝達が改善される。必須ではないが、断面が少なくとも一つの凹面部を持つことは可能である。同様に、このことは、表面積の増加につながる。
【0085】
本発明は、また、(i)塩成型部品金型、(ii)支持体を取り囲み、液体塩または液体塩混合物が支持体と接触するように、塩成型部品金型に塩または塩混合物を挿入する、ように構成された挿入デバイス、および(iii)塩成型部品を取り外して、プレブランクを作るための離型デバイス、を具備する、(a)塩成型部品を生成するための塩成型部品製造機と、(b)塩成型部品の周りに金属を出射成型して、ブランクを得るための、出射成型機と、(c)塩成型部品を解放して、ハウジングを得るための、塩成型部品取り外しデバイスと、を備えたハウジングを製造するための鋳造部品生産システムを含む。
【0086】
好ましくは、鋳造部品製造システムは、プレブランクを射出成型機に移動させるための第1のハンドリングデバイス、および/またはブランクを塩成型部品取り外しデバイスに移動させるためのハンドリングデバイスを有する。ハンドリングデバイスは、例えば、ロボットである。
【0087】
射出成型機にとって、動作中に支持体を取り囲む射出成型金型を有することは有益である。好ましくは、塩成型部品製造機は、支持体を冷却するための冷却デバイスを有する。このようにして、融点が、液体塩または液体塩混合物の温度を超えない材料からなる支持体が使用され得、これは本発明の好ましい実施形態を表す。
【0088】
以下、添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。それらは、次のことを示す。
【0089】
図1aは、本発明における方法によって製造された、本発明の鋳造部品の斜視図である。
【0090】
図1bは、本発明における方法の範囲内で使用される塩成型部品の斜視図である。
【0091】
図2aは、射出成型金型内に配置され、長方形の断面を有する、図1bの塩成型部品を上から見た図である。
【0092】
図2bは、冷却チャネルが円形の断面を有する代替実施形態の完成した鋳造部品の断面図である。
【0093】
図3aは、本発明の電気モータ用の、本発明の鋳造部品のチャネルを通る断面図である。
【0094】
図3bは、第2の実施形態の本発明による電気モータ用の、本発明の鋳造部品のチャネルを通る断面図である。
【0095】
図4a-fは、本発明の方法のシーケンスを概略的に示す図である。
【0096】
図1aは、完成した鋳造部品10の斜視図を示す、ここで、これは電気モータのハウジングである。鋳造部品10は、第1の接続部12.1および第2の接続部12.2を有し、これらは鋳造部品10の内部で図2bにおいて示されるチャネル14に接続されており、前記チャネルは、ここでは、冷却チャネルである。この場合で示されているように、鋳造部品10は、それを他の部品に取り付けるための取り付けフランジ16を具備していてもよい。
【0097】
図1bは、概略的に描かれた塩成型部品金型19における塩成型部品18を示し、ここでは、塩成型部品鋳造金型20の形態である。あるいは、塩成型部品金型19は、また、塩または塩混合物、好ましくは可溶性ガラスを含む、が注入される、コアシューティング金型であり得る。
【0098】
ここで、塩成型部品18は、低圧重力ダイカストによって製造され、次の塩混合物で構成される:62±5%のNaCO、および38±5%のKCl、特に62±3%のNaCO、および38±3%のKCl。あるいは、例えば、52.95±5%のNaCO、および47.05±5%のKCl、特に52.95±3%のNaCO、および47.05±3%のKClからなる塩混合物は、良好な結果をもたらし得る。すべてのパーセントは、重量パーセントである。
【0099】
塩成型部品18は、最初に塩成型部品鋳造金型20、例えば2パーツ塩成型部品鋳造金型20、特に重力ダイカスト鋳造金型を製造することにより、低圧重力ダイカストによって製造される。重力ダイカスト鋳造金型は、好ましくは、熱間加工鋼から製造される。
【0100】
塩成型部品鋳造金型20は、支持体22の周囲に構築される。重力ダイカスト金型20の製造に続いて、液体塩が重力ダイカスト金型20に注入される。
【0101】
塩成型部品18は、移動可能なように、支持体22上で十分に支持されている。そして、塩成型部品18は、鋳造型24(図2aを参照)、特に射出成型金型、に移される。射出成型金型は、好ましくは、二つの部分を有するように設計される。射出成型金型が閉じられると、液体金属、この場合は、アルミニウム合金、特に非共融点から共融点のアルミニウム/シリコン鋳造合金、が鋳造金型に導入され、固化する。
【0102】
図2aは、支持体22上で塩成型部品18が挿入された鋳造金型24を概略的に示す。支持コアの圧縮を防止する折り畳みコア23が概略的に示される。図2aの実施形態において、支持体は、円形の断面を有し、これは、実施形態の他の特性とは独立した好ましい実施形態を表す。
【0103】
図2bは、円形断面を有する塩成型部品によって製造された、完成した鋳造部品10の断面を示す。なお、支持体22は、金属の鋳物であるため、鋳物26に確実に接続されている。支持体22は、好ましくは鋳造ではなく、押し出されており、例えば、この場合には冷却チャネルとして機能するチャネル14が内部チャンバ28に対して確実にシールされるように、空洞が無いことが好ましい。
【0104】
電磁石が取り付けられたステータ30は、後続の組み立てステップで、内部チャンバに取り付けられた。ステータ30は、耐トルク性となるように、支持体22に接続される。
【0105】
このことは、極めて一般的にかつ本実施形態に関して記載された特徴とは関係なく、支持体22および塩成型部品18を鋳造金型24に挿入する前に、ステータ30が支持体22上にすでに配置されている場合に、特に有利である。例えば、ステータ30は、鋳造前にステータ30が支持体22に対して移動可能なように、且つステータ30が支持体22の周りに鋳造されるようなトルクフリーな方法で支持体22に接続されるように、支持体22に対して配置され得る。
【0106】
ステータ30は、支持体22と熱的に接触している。この場合、支持体22は、鍛造アルミニウム合金で作られている。鋳物26は、アルミニウム合金-鋳物合金からなる。しかしながら、支持体22と鋳物は、また、同じアルミニウム合金で作られ得る。
【0107】
そして、ロータ32が取り付けられ、それによって電気モータ34が得られる。
【0108】
図3aは、チャネル14の断面を示す。チャネル14は非円形の断面を有し得ることに留意されたい。図4で示されている場合では、断面は長方形である。
【0109】
図3bは、平らになるように設計された、チャネル14の別の可能な断面を示す。この場合、x方向とも称することができる第1の方向の第1の凹部(a)は、x方向に平行な第2の凹部aの1.5倍よりも大きい。この方向は、y方向とも称され得る。第1凹部aは、断面の内円Iの内円直径Dよりも大幅に大きい。内円Iは、チャネル14のエッジRに接触するが、それと交差しない。
【0110】
図2aは、また、一点鎖線によって、内部補償シリンダの内面36を概略的に示している。内部補償シリンダは、偏差の最小二乗和で支持体22の内面を記載する仮想的な円筒である。内面36への塩成型部品18の突出は、同様に、一点鎖線で示されている。支持体の内面への塩成型部品の突出の表面は、内面の少なくとも10分の1、特に8分の1、好ましくは6分の1,特に好ましくは4分の1を表す。このことは、優れた冷却効果を作る。
【0111】
図4aから4fは、本発明における方法のシーケンスを示す。図4aに示すように、少なくとも一つの電磁石40を具備するステータ30の形態におけるステータ部品は、まず、管状であり得る、支持体22内に配置される。ステータ30は、支持体22に余裕を持って挿入され得ることを理解されたい。
【0112】
この前または後に、ソルトコア46を有する充填パイプ44を指し得る、鋳造コア42が、支持体22上に配置される。図1で上述したように、これは、例えば、支持体22上に鋳造することによって、またはコアシューティングによって、行われる。
【0113】
図4bは、支持体22、鋳造コア42、およびステータ部品30が、射出成型金型であり得る、鋳造型24の内部チャンバ28内に配置される状況を示す。鋳造金型24は、第1の金型半体47.1と第2の金型半体47.2を有する。
【0114】
第2の金型半体47.2が、矢印Pで示されるように、第1の金型半体47.1に向かって移動すると、端面とも呼ばれる第1の支持体端面48.1が、第2の金型半体と接触する。その結果、内部チャンバ28は、充填領域50から確実に分離される。この状況は、図4cで示されている。
【0115】
図4dは、液体金属が、注入圧力pで、充填領域50に注入される次のステップを示す。注入圧力pは、例えば、支持体22が半径方向内側に変形するほど、大きくなるように選択される。これにより、支持体22とステータ部品30との間にトルク耐性接続が得られる。また、支持体22が変形しないように、注入圧力を選択することも可能である。この場合、冷却時に収縮する、結果として得られる鋳物26が、ステータ部品30との耐トルク接続を形成するように、ステータ部品を変形させるほど、緻密化圧力pが大きくなるように選択することが有利である。
【0116】
冷却後、鋳物26は、鋳物26に接続された部品、特にステータ部品30および支持体22と一緒に、電気モータハウジング52を形成する。図4eは、型から取り出した後の電気モータハウジング52を示す。
【0117】
型から取り出した後、図4fに示すように、ロータ28がステータ内部チャンバ54に取り付けられる。ロータ28は、第1のピボットベアリング56.1内に配置される。第2のピボットベアリング56.2は、電気モータハウジング52に接続されたカバーピース52上に配置されている。
【0118】
ソルトコア46/ソルト成型部品18は、溶媒、通常は水が流れる。以上で電気モータ34が完成する。
【符号の説明】
【0119】
10…鋳造部品、ハウジング
12…接続部
14…チャネル
16…取り付けフランジ
18…塩成型部品
19…塩成型部品金型
20…塩成型部品鋳造金型、重力ダイカスト金型
22…支持体
23…折りたたみコア
24…鋳造金型
26…鋳物
28…内部チャンバ
30…ステータ部品、ステータ
32…ロータ
34…電気モータ
36…内側補償シリンダの内面
38…チャネル14の突出
40…電磁石
42…鋳造コア
44…パイプ
46…ソルトコア
47…金型部分、金型半体
48…支持体端面
50…充填エリア
52…電気モータハウジング
54…ステータ内部チャンバ
56…ピボットベアリング
58…カバーピース
a…膨張
R…エッジ
…エッジ長さ
…内円直径
I…内円
…緻密化圧力
…注入圧力
P…矢印
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
【手続補正書】
【提出日】2024-01-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータハウジングを製造するための方法であって、
(a)少なくともステータ部品(30)を、支持体(22)の支持体内部チャンバ(28)内に位置決めすることと、
(b)前記支持体(22)上に鋳造コア(42)を配置することと、
(c)前記支持体(22)および前記鋳造コア(42)の周りに体金属を鋳造し、前記液体金属の化の結果として、前記ステータ部品(30)と鋳物(26)との間にトルク耐性接続を得ることと、を具備する、
方法。
【請求項2】
前記方法は、
(a)前記支持体(22)は、前記支持体(22)の前記内部チャンバ(28)が鋳造金型(24)に対して密閉されるように、前記鋳造金型(24)内に配置され、
(b)鋳造は、前記内部チャンバ(28)に液体金属が入らないように実行される、
ことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項3】
前記方法は、
(a)鋳造は、前記支持体(22)が半径方向内側に変形するほど大きくなるように選択された注入圧力(pS)で実行され、および/または、
(b)前記注入圧力(pS)および/または緻密化圧力(pN)は、前記ステータ部品(30)と前記鋳物(26)との間にトルク耐性接続が形成されるように選択される、
ことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項4】
前記方法は、
(a)前記支持体(22)を前記鋳造金型(24)内に配置した後、少なくとも2つの鋳造金型部分(47.1、47.2)を互いに向かって移動させることによって前記鋳造金型(24)を閉じることと、
(b)前記少なくとも2つの金型部分(47.1、47.2)が前記支持体(22)に向かって移動されると、前記支持体(22)は、特にその支持体の端面(48)において、前記鋳造金型(24)に対して密閉される、
ことを特徴とする請求項2の方法。
【請求項5】
前記方法は、
前記ステータ部品(30)が、前記鋳造金型(24)内に固定されること、
を特徴とする請求項2の方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記ステータ部品(30)は、テータ内部チャンバ(54)が、型から取り出した後の内部寸法が、前記支持体(22)内に位置決めした後と同じ内部寸法を有するような半径方向強度を有する、
ことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項7】
前記方法は、
前記支持体(22)の周囲に前記液体金属を鋳造する前に、前記ステータ部品(30)が前記支持体(22)に永久的に接続されていないこと、
を特徴とする請求項1の方法。
【請求項8】
前記方法は、
(a)前記鋳造コア(42)は、塩成型部品(18)またはソルトコア(46)を備えたパイプを具備し、
(b)前記方法は、前記塩成型部品(18)または前記ソルトコア(46)を溶解するステップを含み、
(c)前記塩成型部品(18)または前記ソルトコア(46)を前記溶解することで、チャネル(14)を得ること、
を特徴とする請求項1の方法。
【請求項9】
前記方法は、
(a)前記ステータ部品(30)は、そのステータ部品外側上にステータ部品凸部および/またはステータ部品凹部を有し、
前記支持体(22)は、その支持体内側上に支持体凹部、前記凹部は前記ステータ部品凸部との形状嵌合接続を形成する、および/または、前記ステータ部品凹部との形状嵌合接続を形成する、支持体凸部、を有し、および/または、
(b)前記ステータ部品(30)は、そのステータ部品端面の少なくとも一つ上にステータ部品凸部および/またはステータ部品凹部を有し、
前記支持体(22)は、その支持体内側上に支持体凹部、前記凹部は前記ステータ部品凸部との形状嵌合接続を形成する、および/または、前記ステータ凹部との形状嵌合接続を形成する、支持体凸部、を有する、
ことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項10】
前記方法は、
前記鋳造コア(42)は、鋳造中に、前記支持体(22)によって支持され、特に前記支持体(22)に対して載置すること、
を特徴とする請求項1の方法。
【請求項11】
前記方法は、
(a)前記支持体(22)は、少なくとも部分的に、円筒形の側面を有し、特に少なくとも部分的には管状であり、および/または
(b)液体金属は、前記支持体の、周囲または上に、鋳造され、および/または
(c)造部品(10)は、少なくとも部分的に、前記支持体(22)を螺旋状に取り囲む、
ことを特徴とする請求項10の方法。
【請求項12】
前記方法は、
(i)塩または塩混合物を、前記支持体(22)を取り囲む塩成型部型(19)に導入し、前記塩成型部品(18)が前記支持体(22)に対して載置されるように、前記塩または前記塩混合物を前記支持体(22)に接触させ、
(ii)前記塩成型部品(18)および前記支持体(22)を一括して型から抜き出すことと、
(iii)前記塩成型部品(18)および前記支持体(22)を前記鋳造金型(24)内に配置し、前記塩成型部品(18)は、前記鋳造金型(24)内に配置するまで前記支持体(22)から分離されない、
ことを特徴とする請求項10の方法。
【請求項13】
前記方法は、
(a)塩または塩混合物を前記塩成型部品金型(19)に前記導入することは、コアシュート金型への塩または前記塩混合物のコアシュートであり、および/または
(b)前記塩または塩混合物は可溶性ガラスを含む、
ことを特徴とする請求項12の方法。
【請求項14】
前記方法は、
(a)前記塩成型部品鋳造金型(20)は、前記支持体(22)を取り囲む、または含み、
(b)前記塩成型部品鋳造金型(20)は、前記塩成型部品のネガティブ構造を含み、
(c)前記ネガティブ構造が、前記液体塩または前記液体塩混合物が前記支持体(22)と接触するように、前記支持体(22)に隣接すること、
を特徴とする請求項12の方法。
【請求項15】
前記方法は、
(a)ロータ(32)を前記ハウジング、特に前記支持体(22)に、挿入すること、および/または
(b)流体、特に液体が第1の接続部(12)を通ってチャネル(14)に流入し、第2の接続部によって前記チャネル(14)から流出できるように、前記チャネル(14)を前記第1の接続部(12)および前記第2の接続部(12)に接続すること、
を特徴とする、請求項1の方法。
【請求項16】
電気モータハウジング(10)を製造するための鋳造部品製造システムであって、
(a)塩成型部品を製造するための塩成型部品製造機であって、
(i)塩成型部品金型(19)と、
(ii)自動的に、
支持体(22)を封入し、
塩または塩混合物を前記塩成型部品金型(19)に導入して、前記塩または塩混合物を前記支持体(22)に接触させるように、ように設計された挿入デバイスと、
(iii)前記塩成型部品(18)を離型して、プレブランクを得る、離型デバイスと、を具備する、塩成型部品製造機と、
(b)前記塩成型部品(18)の周囲に金属を射出成型して、ブランクを得るための射出成型機と、
前記射出成型機は、前記支持体(22)を取り囲むうに構成された射出成型金型を備え、
(c)前記塩成型部を溶解して、前記ハウジングを得る、塩成型部品取り外しデバイスと、を具備する、
鋳造部品製造システム。
【請求項17】
前記鋳造部品製造システムは、
(a)ステータ部品を前記支持体(22)に自動的に挿入するように構成されたステータ挿入デバイスと、
(b)前記プレブランクを、前記塩成型部品製造機から前記射出成型機に移動させるための第1のハンドリングデバイス、および/または、
(c)前記ブランクを、前記射出成型機から前記塩成型部品取り外しデバイスに移動させるためのハンドリングデバイス、
を特徴とする請求項16の鋳造部品製造システム。
【請求項18】
(a)少なくとも部分的には直線的に延びていない冷却チャネルが内部に延びる、ワンピース鋳造電気モータハウジングを備え、
(b)前記ハウジングまたはハウジング部品が全体的に同一の鋳造材料から製造されること
を特徴とする電気モータ(34)。
【請求項19】
前記電気モータ(34)は、
非円形の断面を有する前記冷却チャネを特徴とする、
請求項18の電気モータ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0118】
ソルトコア46/ソルト成型部品18は、溶媒、通常は水が流れる。以上で電気モータ34が完成する。
以下に、本出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
電気モータハウジングを製造するための方法であって、
(a)少なくともステータ部品(30)を、支持体(22)の支持体内部チャンバ内に位置決めすることと、
(b)前記支持体(22)上に鋳造コア(42)を配置することと、
(c)前記支持体(22)および前記鋳造コア(42)の周りに前記液体金属を鋳造し、前記液体金属の前記固化の結果として、ステータ部品(30)と鋳物(26)との間にトルク耐性接続を得ることと、を具備する、
方法。
[2]
前記方法は、
(a)前記支持体(2”)は、前記支持体(22)の前記内部チャンバ(28)が鋳造金型(24)に対して密閉されるように、前記鋳造金型(24)内に配置され、
(b)鋳造は、前記内部チャンバ(28)に液体金属が入らないように実行される、
ことを特徴とする[1]の方法。
[3]
前記方法は、
(a)鋳造は、前記支持体(22)が半径方向内側に変形するほど大きくなるように選択された注入圧力(pS)で実行され、および/または、
(b)前記注入圧力(pS)および/または緻密化圧力(pN)は、前記ステータ部品(30)と前記鋳物(42)との間にトルク耐性接続が形成されるように選択される、
ことを特徴とする上記[1]-[2]のいずれか一項の方法。
[4]
前記方法は、
(a)前記支持体(22)を前記鋳造金型(24)内に配置した後、少なくとも2つの鋳造金型部分(47.1、47.2)を互いに向かって移動させることによって前記鋳造金型(24)を閉じることと、
(b)前記少なくとも2つの金型部分(47.1、47.2)が前記支持体(22)に向かって移動されると、前記支持体は、特にその支持体の端面(48)において、前記鋳造金型(24)に対して密閉される、
ことを特徴とする上記[1]-[3]のいずれか一項の方法。
[5]
前記方法は、
前記ステータ部品(30)が、前記鋳造金型(24)内に固定されること、
を特徴とする上記[1]-[4]のいずれか一項の方法。
[6]
前記方法は、
前記ステータ部品(30)は、前記ステータ内部チャンバ(28)が、型から取り出した後の内部寸法が、前記支持体(22)内に位置決めした後と同じ内部寸法を有するような半径方向強度を有する、
ことを特徴とする上記[1]-[5]のいずれか一項の方法。
[7]
前記方法は、
前記支持体(22)の周囲に前記液体金属を鋳造する前に、前記ステータ部品(30)が前記支持体(22)に永久的に接続されていないこと、
を特徴とする上記[1]-[6]のいずれか一項の方法。
[8]
前記方法は、
(a)前記鋳造コア(42)は、塩成型部品(18)またはソルトコアを備えたパイプを具備し、
(b)前記方法は、前記塩成型部品(18)または前記ソルトコア(46)を溶解するステップを含み、
(c)前記塩成型部品(18)または前記ソルトコア(46)を前記溶解することで、チャネル(14)を得ること、
を特徴とする上記[1]-[7]のいずれか一項の方法。
[9]
前記方法は、
(a)前記ステータ部品(30)は、そのステータ部品外側上にステータ部品凸部および/またはステータ部品凹部を有し、
前記支持体(22)は、その支持体内側上に支持体凹部、前記凹部は前記ステータ部品凸部との形状嵌合接続を形成する、および/または、前記ステータ部品凹部との形状嵌合接続を形成する、支持体凸部、を有し、および/または、
(b)前記ステータ部品(30)は、そのステータ部品端面の少なくとも一つ上にステータ部品凸部および/またはステータ部品凹部を有し、
前記支持体(22)は、その支持体内側上に支持体凹部、前記凹部は前記ステータ部品凸部との形状嵌合接続を形成する、および/または、前記ステータ凹部との形状嵌合接続を形成する、支持体凸部、を有する、
ことを特徴とする上記[1]-[8]のいずれか一項の方法。
[10]
前記方法は、
前記鋳造コア(42)は、鋳造中に、支持体(22)によって支持され、特に前記支持体(22)に対して載置すること、
を特徴とする上記[1]-[9]のいずれか一項の方法。
[11]
前記方法は、
(a)前記支持体(22)は、少なくとも部分的に、円筒形の側面を有し、特に少なくとも部分的には管状であり、および/または
(b)液体金属は、前記支持体の、周囲または上に、鋳造され、および/または
(c)前記鋳造部品(42)は、少なくとも部分的に、前記支持体(22)を螺旋状に取り囲む、
ことを特徴とする上記[1]-[10]のいずれか一項の方法。
[12]
前記方法は、
(i)塩または塩混合物を、支持体(22)を取り囲む塩成型部型(19)に導入し、前記塩成型部品が前記支持体(22)に対して載置されるように、前記塩または前記塩混合物を支持体(22)に接触させ、
(ii)前記塩成型部品(18)および前記支持体(22)を一括して型から抜き出すことと、
(iii)前記塩成型部品(18)および前記支持体(22)を前記鋳造金型内に配置し、前記塩成型部品(18)は、前記鋳造金型内に配置するまで前記支持体から分離されない、
ことを特徴とする上記[1]-[11]のいずれか一項の方法。
[13]
前記方法は、
(a)塩または塩混合物を前記塩成型部品金型(19)に前記導入することは、コアシュート金型への塩または前記塩混合物のコアシュートであり、および/または
(b)前記塩または塩混合物は可溶性ガラスを含む、
ことを特徴とする[13]の方法。
[14]
前記方法は、
(a)前記塩成型部品鋳造金型(20)は、前記支持体(22)を取り囲む、または含み、
(b)前記塩成型部品鋳造金型(20)は、前記塩成型部品のネガティブ構造を含み、
(c)前記ネガティブ構造が、前記液体塩または前記液体塩混合物が前記支持体(22)と接触するように、前記支持体(22)に隣接すること、
を特徴とする上記[1]-[13]のいずれか一項の方法。
[15]
前記方法は、
(a)ロータ(32)を前記ハウジング、特に前記支持体(22)に、挿入すること、および/または
(b)流体、特に液体が第1の接続部(12)を通ってチャネル(14)に流入し、第2の接続部によって前記チャネル(14)から流出できるように、前記チャネルを前記第1の接続部(12)および前記第2の接続部(12)に接続すること、
を特徴とする、上記[1]-[14]のいずれか一項の方法。
[16]
電気モータハウジング(10)を製造するための鋳造部品製造システムであって、
(a)塩成型部品を製造するための塩成型部品製造機であって、
(i)塩成型部品金型(20)と、
(ii)自動的に、
支持体を封入し、
塩または塩混合物を前記塩成型部品金型(2)に導入して、前記塩または塩混合物を支持体(22)に接触させるように、ように設計された挿入デバイスと、
(iii)前記塩成型部品(18)を離型して、プレブランクを得る、離型デバイスと、を具備する、塩成型部品製造機と、
(b)前記塩成型部品(18)の周囲に金属を射出成型して、ブランクを得るための射出成型機と、
前記射出成型機は、前記支持体を取り囲む(22)ように構成された射出成型金型を備え、
(c)前記塩成型部を溶解して、前記ハウジングを得る、塩成型部品取り外しデバイスと、を具備する、
鋳造部品製造システム。
[17]
前記鋳造部品製造システムは、
(a)ステータ部品を前記支持体(22)に自動的に挿入するように構成されたステータ挿入デバイスと、
(b)前記プレブランクを、前記塩成型部品製造機から前記射出成型機に移動させるための第1のハンドリングデバイス、および/または、
(c)前記ブランクを、前記射出成型機から前記塩成型部品取り外しデバイスに移動させるためのハンドリングデバイス、
を特徴とする[16]の鋳造部品製造システム。
[18]
(a)少なくとも部分的には直線的に延びていない冷却チャネルが内部に延びる、ワンピース鋳造電気モータハウジングを備え、
(b)全体的に同一の鋳造材料から製造される前記ハウジングまたはハウジング部品、
を特徴とする電気モータ(34)。
[19]
前記電気モータ(34)は、
非円形の断面を有する前記チャネル(14)を特徴とする、
[18]の電気モータ。
【国際調査報告】