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特表2024-506978宝石構成の宝飾品(結晶中の結晶)を製造するための方法
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  • 特表-宝石構成の宝飾品(結晶中の結晶)を製造するための方法 図1
  • 特表-宝石構成の宝飾品(結晶中の結晶)を製造するための方法 図2
  • 特表-宝石構成の宝飾品(結晶中の結晶)を製造するための方法 図3
  • 特表-宝石構成の宝飾品(結晶中の結晶)を製造するための方法 図4
  • 特表-宝石構成の宝飾品(結晶中の結晶)を製造するための方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】宝石構成の宝飾品(結晶中の結晶)を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   A44C 27/00 20060101AFI20240207BHJP
   A44C 13/00 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
A44C27/00
A44C13/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550162
(86)(22)【出願日】2022-02-15
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 GR2022000006
(87)【国際公開番号】W WO2022175698
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】20210100103
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523313539
【氏名又は名称】アダマンテイオス イアギディス
【氏名又は名称原語表記】Adamantios Yiagidis
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】アダマンテイオス イアギディス
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114AA21
3B114HH13
3B114JB03
(57)【要約】
本方法は、装飾品を製造するためのジェムストーンの構成に関する。ジェムストーンの構成は、従来は、機械的方法(折り畳み、ノッチ)によってソケット内に保持することによって行われ、この方法は、ジェムストーンの一部を隠し、美的結果を低減し、ジェムストーンの損傷おおび劣化のリスクにさらす。提案される方法は、基本構成の任意の部分を隠さず、あらゆる種類の損傷から保護し、放射効果(輝き)および外観を強調する、透明-半透明のレベル(2)、(1)および(3)によってそれぞれ側方、上方および下方を覆われるソケット-開口部(4)内でジェムストーンの構成(7)を展開する。構成全体はジェムストーンのみからなる単一体を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジェムストーン合成の方法であって、構造は、ジェムストーン(1)、(2)および(3)の3つの連続する透明または半透明のレベルにおいて展開され、その中間レベル(2)は、内部に基本構成(7)の材料が配置される開口部(4)を有し、これはこのようにして平面(2)の壁によって横方向に覆われ、下面(1)および上面(3)は、他の方向から基本構成を覆い、したがって、基本構成をすべての側から視認できることを保証する、ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
アパーチャ(4)の周囲(5)の側面の断面が、任意の構成、すなわち、真っ直ぐな垂直、傾斜した直線、曲線、または任意の形状、例えばT字形であり得ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記開口部(4)の周囲が、前記基本構成(7)のジェムストーンの対応する溝-スライドと協働する溝-スライド(8)を有し、前記基本構成(7)が前記開口部(4)内にしっかりと保持されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
一つはめの宝石の場合、単一片が前記基本構成(7)を構成することを特徴とする、請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記基本構成(7)が、モザイクの場合、前記開口部(4)内で利用可能な空間の全部または一部を覆うように協働する複数の断片で構成されることを特徴とする、請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項6】
前記基本構成(7)の構成要素が、互いに対して接線方向である特定の側に追加の溝-スライドを有し、前記基本構成がそれを構成する構成要素間で一緒に保持されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記基本構成(7)を構成する構成要素が、互いに同じ高さではなく、それらの範囲にわたって同じ高さではなく、したがって、前記構成要素間の境界面により覆われるまたは覆われない陥凹、間隙、および突起を作り出すことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ジェムストーン(gemstone)が埋め込まれた宝飾品を製造するプロセスにおいて、これらのジェムストーンを宝飾品に取り付けるために行われる方法は、以下の通りである:一つはめの宝石(solitaire)の場合、別個のシート(セル)が金属メッシュに形成されて、ジェムストーンを受け入れ、下部のファセットで支持する。次いで、ジェムストーンをそのセル内に保持するために、金属セルの側面をジェムストーンの上面に折り曲げ、このジェムストーンを宝飾品上に固定する。
【背景技術】
【0002】
組成物が複数のジェムストーンを含む場合、ジェムストーンの形状に応じて、正確な位置決めおよび保持のために、角断面のグリッドを作成する。角断面の垂直側面によって形成されるセルは、正確にジェムストーンの形状を有し、角断面の水平側面は、これらのジェムストーンを下から収容し支持するために使用される。グリッドのセルを通して宝石を保持するために、角断面の垂直側面の上部にノッチ-突起-折り曲げ部が作られ、これはジェムストーンの上側の一部と重なり、このようにして金属セル-ソケット内でそれらを保持-安定化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
段落[0001]および[0002]の方法の欠点は以下の通りである。
【0004】
ジェムストーンの上面のノッチ-突起-折り曲げ部が、常に視認でき、ジェムストーンの一部を覆う。
【0005】
宝飾品の下側では、ジェムストーンを収容しその基礎となる角断面金属の水平側面がさらに視認できる。
【0006】
組成物の側方部分は、宝飾品上にジェムストーンを支持-保持する構造全体によって覆われているため、これらの部分を明示する可能性は限られている。
【0007】
上記[0004]、[0005]および[0006]の結果は、ジェムストーンの大部分を隠し、したがって、それらの放射効果(輝き)および外観を低下させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
複合ジェムストーンを合成する提案された方法が、以下の段落に記載されている。本明細書で使用される番号付けは、図1図5に示される番号を付けたセクション-領域を指す。
【0009】
以下に列挙され、本方法を理解するために使用される図は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】構成が展開するレベル(1)および(3)および(2)が等角態様(7)で示される図
図2】レベル(2)が等角態様で展開されて、指標構成(7)、溝-スライド(8)、および内部で基本組成物が展開する開口部(4)を示す図
図3】2つのレベル(1)および(2)が等角図で展開され、基本組成物の座部である表面(6)および基本組成物のサイズを画定する開口部(4)の周囲(5)を示す図
図4】3つのレベル構造の側面図およびレベル(2)(レベル(3)が除去されている)を示す平面図を示す図
図5】前述の図4の平面におけるC-Cの交点として、周囲断面(5)の無限に可能な構成から4つの異なる構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
ジェムストーンの組成物は、下から上へ3つのレベルで展開する。レベル(1)は下に配置されるレベルであり、レベル(3)は上に配置され、レベル(2)はその間に配置される。上および下のレベルは、透明または半透明であり、主に層(2)に関与する基本組成物を覆う。層(2)も透明または半透明であり、貫通アパーチャ-開口部(4)を有し、層(1)上に配置される。このようにして、レベル(2)の貫通アパーチャ-開口部(4)は、レベル(1)の見かけの表面(6)および開口部(4)の周囲(5)の側面に基づいて、ソケットシートに変換される(図3)。
【0012】
ここで、周囲(5)の側面の断面は、任意の構成、すなわち、真っ直ぐな垂直、傾斜した直線、曲線、または任意の形状、例えばT字形などとすることができることに留意されたい。4つの無限に可能な変調を図5に示す。
【0013】
このソケット開口部(4)は、内部でジェムストーンの基本構成(7)が展開するものであり、矩形、正方形、三角形、多角形、円形、楕円形などの任意の形状を有することができる。
【0014】
ジェムストーンの基本構成(7)は、1つから望むだけの数のジェムストーンからなり、各々は任意の形状であり、その形状はテッセレーション(tessellation)を形成する、すなわち互いに補完し、したがって表面(6)全体を覆う。テッセレーションは、達成したい視覚的・美的結果に応じて、第3の軸で展開することもできる。これは、ジェムストーンが、表面を覆う目的だけでなく、容積を覆う目的でも、互いに補完できることを意味する。それらは、必ずしも同じ高さであるとは限らず、またはそれら自体は、全ての範囲において等しくなくてもよい。このように、表面(6)および周囲(5)によって生じる空間を覆うとき(図3)、タイルの位置に関与し、所望の組成をもたらすジェムストーンの配置は、境界面で他の協働するタイルが覆うまたは覆わない陥凹、間隙、および突起を作り出すであろう。場合によっては、ここでも、達成したい視覚的・美的結果に応じて、充填される空間の部分は空のままである。
【0015】
図3の周囲(5)、および図1の基本構成(7)を構成するジェムストーンは、より良好な組立て-保持の理由から、デザインに応じて特定の側面に、図2の溝-スライド(8)を、有することができる。溝(8)の形状は、断面が任意の形状、すなわち矩形(続く形状のように)、三角形、円形などでもよい。
【0016】
レベル(2)で開口部(4)を覆った後、レベル(2)の上にレベル(3)を配置することによって、組成物の封止を行う。
【0017】
組成物全体は、ジェムストーンのみからなる単一体を形成する。次いで、接着剤、ねじ、リベット、ドライバ、または任意の他の適切な取付け方法で宝石中に配置される。
【0018】
この場合、段落[0011]~[0017]に記載の組成方法は、ジェムストーンの組成に関する。
【0019】
従来の方法と比較した、提案された方法の利点を以下に説明する。
【0020】
ジェムストーンの基本組成の上部、下部および側部は、その一部を隠す材料によって覆われるのではなく、空間の全ての側からジェムストーンの基本組成の特性および放射特性を強調する透明なジェムストーン(レベル1、2および3)内で行われる。これは、段落[0004]、[0005]、[0006]および[0007]に記載されているように、従来の方法およびそれに関連する欠点とは全く対照的である。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】