(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】発電機の出力電力制御方法、装置及び発電機システム
(51)【国際特許分類】
H02P 9/00 20060101AFI20240207BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20240207BHJP
H02M 3/00 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
H02P9/00 A
H02M7/48 Z
H02M3/00 Z
H02P9/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551079
(86)(22)【出願日】2022-04-11
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 CN2022086165
(87)【国際公開番号】W WO2022218270
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】202110405228.9
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518141882
【氏名又は名称】深▲せん▼市正浩創新科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】EcoFlow Inc.
【住所又は居所原語表記】Floor 1, Building E, Factory Building, Jiehe Industrial City, Shuitian Community, Shiyan Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong 518000 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】王 雷
(72)【発明者】
【氏名】陳 熙
【テーマコード(参考)】
5H590
5H730
5H770
【Fターム(参考)】
5H590AA02
5H590CA07
5H590CD03
5H590CE05
5H590EA13
5H590EB14
5H590FB02
5H590GA06
5H590HA02
5H590HA04
5H590JA02
5H590JA12
5H590JA13
5H590JA14
5H590JB02
5H730AS17
5H770CA03
(57)【要約】
発電機の出力電力制御方法は、発電機の出力電圧値、目標被制御回路の出力電流値、目標被制御回路の出力電圧値、発電機の過負荷電圧参考値、目標被制御回路の出力電圧参考値、及び目標被制御回路の出力電流参考値に基づいて、前記目標被制御回路を制御するための目標制御量を決定し、前記目標制御量に基づいて、対応する駆動信号を生成して前記目標被制御回路の出力電力を調整することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機の出力電力制御方法であって、前記発電機の出力端に、少なくとも2つの出力回路が設けられ、前記出力回路のうちの少なくとも1つの出力回路が目標被制御回路として配置され、前記出力電力制御方法は、
前記発電機の出力電圧値、前記目標被制御回路の出力電流値、及び前記目標被制御回路の出力電圧値を獲得するステップと、
前記発電機の過負荷電圧参考値、前記目標被制御回路の出力電圧参考値、及び前記目標被制御回路の出力電流参考値を獲得するステップと、
前記発電機の出力電圧値、前記目標被制御回路の出力電流値、前記目標被制御回路の出力電圧値、前記発電機の過負荷電圧参考値、前記目標被制御回路の出力電圧参考値、及び前記目標被制御回路の出力電流参考値に基づいて計算して、目標制御量を得るステップと、
前記目標制御量に基づいて駆動信号を生成し、前記目標被制御回路が前記駆動信号に従って出力電力を調整するように、前記駆動信号を前記目標被制御回路に送信するステップと、を含むことを特徴とする発電機の出力電力制御方法。
【請求項2】
前記発電機の出力電圧値、前記目標被制御回路の出力電流値、前記目標被制御回路の出力電圧値、前記発電機の過負荷電圧参考値、前記目標被制御回路の出力電圧参考値、及び前記目標被制御回路の出力電流参考値に基づいて、前記目標被制御回路を制御するための制御量を決定することは、
前記発電機の出力電圧値及び前記過負荷電圧参考値に基づいて計算して、第1差値を得、前記第1差値に基づいて第1電流ループ所定値を得ることと、
前記第1電流ループ所定値と前記出力電流参考値との小さい方の値を第1比較値として、前記第1比較値及び前記目標被制御回路の出力電流値に基づいて計算して、第2差値を得、前記第2差値に基づいて第1制御量を得ることと、
前記目標被制御回路の出力電圧参考値及び前記目標被制御回路の出力電圧値に基づいて計算して、第3差値を得、前記第3差値に基づいて第2制御量を得ることと、
前記第1制御量と前記第2制御量との小さい方の値を前記目標制御量とする、ことを特徴とする請求項1に記載の発電機の出力電力制御方法。
【請求項3】
前記発電機の出力電圧値、前記目標被制御回路の出力電流値、前記目標被制御回路の出力電圧値、前記発電機の過負荷電圧参考値、前記目標被制御回路の出力電圧参考値、及び前記目標被制御回路の出力電流参考値に基づいて、前記目標被制御回路を制御するための制御量を決定することは、
前記発電機の出力電圧値及び前記過負荷電圧参考値に基づいて計算して、第4差値を得、前記第4差値に基づいて第2電流ループ所定値を得ることと、
前記目標被制御回路の出力電流参考値及び前記目標被制御回路の出力電流に基づいて計算して、第5差値を得、前記第5差値に基づいて第3制御量を得ることと、
前記目標被制御回路の出力電圧参考値及び前記目標被制御回路の出力電圧値に基づいて計算して、第6差値を得、前記第6差値に基づいて第4制御量を得ることと、
前記第3制御量と前記第4制御量との小さい方の値を第2比較値として、前記第2比較値を前記第2電流ループ所定値と比較して、前記第2比較値と前記第2電流ループ所定値との小さい方の値を前記目標制御量とする、ことを特徴とする請求項1に記載の発電機の出力電力制御方法。
【請求項4】
差値に基づいて対応する制御量を得ることは、各差値に対してPID調整又はPI調整を行って、対応する制御量を得ることである、ことを特徴とする請求項3に記載の発電機の出力電力制御方法。
【請求項5】
発電機の出力電力制御装置であって、前記発電機の出力端に、少なくとも2つの出力回路が設けられ、前記出力回路のうちの少なくとも1つの出力回路が目標被制御回路として配置され、前記出力電力制御装置は、
前記発電機の出力電圧値、前記目標被制御回路の出力電流値、及び前記目標被制御回路の出力電圧値を獲得するための第1獲得回路と、
前記発電機の過負荷電圧参考値、前記目標被制御回路の出力電圧参考値、及び前記目標被制御回路の出力電流参考値を獲得するための第2獲得回路と、
前記発電機の出力電圧値、前記目標被制御回路の出力電流値、前記目標被制御回路の出力電圧値、前記発電機の過負荷電圧参考値、前記目標被制御回路の出力電圧参考値、及び前記目標被制御回路の出力電流参考値に基づいて計算して、目標制御量を得るためのフィードバック回路と、
前記目標制御量に基づいて駆動信号を生成し、前記目標被制御回路が前記駆動信号に従って出力電力を調整するように、前記駆動信号を前記目標被制御回路に送信するための制御回路と、を含むことを特徴とする発電機の出力電力制御装置。
【請求項6】
前記フィードバック回路は、第1加算器、第2加算器、第3加算器、第1調整器、第2調整器、第3調整器、第1比較器、及び第2比較器を含み、
前記第1加算器の第1入力端は、前記第2獲得回路の第1出力端に接続され、前記過負荷電圧参考値を受信するために使用され、前記第1加算器の第2入力端は、前記第1獲得回路の第1出力端に接続され、前記発電機の出力電圧値を受信するために使用され、前記第1加算器の出力端は、前記第1調整器の入力端に接続され、
前記第1調整器の出力端は、前記第1比較器の第1入力端に接続され、
前記第1比較器の第2入力端は、前記第2獲得回路の第2出力端に接続され、前記出力電流参考値を受信するために使用され、前記第1比較器の出力端は、前記第2加算器の第1入力端に接続され、
前記第2加算器の第2入力端は、前記第1獲得回路の第2出力端に接続され、前記出力電流値を受信するために使用され、前記第2加算器の出力端は、前記第2調整器の入力端に接続され、
前記第2調整器の出力端は、前記第2比較器の第1入力端に接続され、
前記第3加算器の第1入力端は、前記第2獲得回路の第3出力端に接続され、前記目標被制御回路の出力電圧参考値を受信するために使用され、前記第3加算器の第2入力端は、前記第1獲得回路の第3出力端に接続され、前記目標被制御回路の出力電圧値を受信するために使用され、前記第3加算器の出力端は、前記第2比較器の第2入力端に接続され、
前記第2比較器の出力端は、前記制御回路の入力端に接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の発電機の出力電力制御装置。
【請求項7】
前記フィードバック回路は、第4加算器、第5加算器、第6加算器、第4調整器、第5調整器、第6調整器、第3比較器、及び第4比較器を含み、
前記第4加算器の第1入力端は、前記第2獲得回路の第1出力端に接続され、前記過負荷電圧参考値を受信するために使用され、前記第4加算器の第2入力端は、前記第1獲得回路の第1出力端に接続され、前記発電機の出力電圧値を受信するために使用され、前記第4加算器の出力端は、前記第4調整器の入力端に接続され、
前記第4調整器の出力端は、前記第4比較器の第1入力端に接続され、
前記第5加算器の第1入力端は、前記第2獲得回路の第2出力端に接続され、前記目標被制御回路の出力電流参考値を受信するために使用され、前記第5加算器の第2入力端は、前記第1獲得回路の第2出力端に接続され、前記目標被制御回路の出力電流値を受信するために使用され、前記第5加算器の出力端は、前記第5調整器の入力端に接続され、
前記第5調整器の出力端は、前記第3比較器の第1入力端に接続され、
前記第6加算器の第1入力端は、前記第2獲得回路の第3出力端に接続され、前記目標被制御回路の出力電圧参考値を受信するために使用され、前記第6加算器の第2入力端は、前記第1獲得回路の第3出力端に接続され、前記目標被制御回路の出力電圧値を受信するために使用され、前記第6加算器の出力端は、前記第6調整器の入力端に接続され、
前記第6調整器の出力端は、前記第3比較器の第2入力端に接続され、
前記第3比較器の出力端は、前記第4比較器の第2入力端に接続され、
前記第4比較器の出力端は、前記制御回路の入力端に接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の発電機の出力電力制御装置。
【請求項8】
各調整器は、PID調整器又はPI調整器である、ことを特徴とする請求項7に記載の発電機の出力電力制御装置。
【請求項9】
発電機システムであって、
出力端に少なくとも2つの出力回路が設けられ、前記出力回路のうちの少なくとも1つの出力回路が目標被制御回路として配置される発電機と、
出力電力制御装置と、を含み、前記出力電力制御装置は、
前記発電機の出力電圧値、前記目標被制御回路の出力電流値、及び前記目標被制御回路の出力電圧値を獲得するための第1獲得回路と、
前記発電機の過負荷電圧参考値、前記目標被制御回路の出力電圧参考値、及び前記目標被制御回路の出力電流参考値を獲得するための第2獲得回路と、
前記発電機の出力電圧値、前記目標被制御回路の出力電流値、前記目標被制御回路の出力電圧値、前記発電機の過負荷電圧参考値、前記目標被制御回路の出力電圧参考値、及び前記目標被制御回路の出力電流参考値に基づいて計算して、目標制御量を得るためのフィードバック回路と、
前記目標制御量に基づいて駆動信号を生成し、前記目標被制御回路が前記駆動信号に従って出力電力を調整するように、前記駆動信号を前記目標被制御回路に送信するための制御回路と、を含むことを特徴とする発電機の発電機システム。
【請求項10】
前記発電機の出力端には、2つの出力回路が接続され、2つの出力回路は、インバータ回路とDC/DC回路を含み、前記DC/DC回路は目標被制御回路である、ことを特徴とする請求項9に記載の発電機システム。
【請求項11】
エネルギー蓄積回路をさらに含み、前記エネルギー蓄積回路は、前記DC/DC回路の出力端に接続される、ことを特徴とする請求項10に記載の発電機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2021年04月15日に中国専利局に提出された、名称を「発電機の出力電力制御方法、装置、システム及び電子機器」とする第202110405228.9号の中国特許出願の優先権を主張し、その内容はすべて参照により本出願に組み込まれる。
本出願は、発電機技術の分野に関し、特に発電機の出力電力制御方法、装置及び発電機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ここでの技術は、本出願に関連する背景情報を提供するだけであり、必ずしも例示的な技術を構成するものではない。
【0003】
ガソリン発電機などの発電機は、多重出力を行うと、過負荷の状態になりがちである。従来の過負荷回避策は次のとおりである。
1、時分割にて出力する。AとBの2つを例にとると、A出力のみかB出力のみのいずれかを行う。この方式には、発電機の利用率が比較的低いという欠点がある。
【0004】
2、同時に動作するが、通信によって2つの電力を協調させる。この方式には、回路反応速度が比較的遅いという欠点がある。
【発明の概要】
【0005】
本出願の様々な実施例によれば、本出願の実施例は、発電機の出力電力制御方法、装置及び発電機システムを提供する。
【0006】
具体的には、本出願の実施例は、以下の技術的手段を提供する。
第1態様では、本出願の実施例は、発電機の出力電力制御方法を提供する。前記発電機の出力端に、少なくとも2つの出力回路が設けられ、前記出力回路のうちの少なくとも1つの出力回路が目標被制御回路として配置され、前記出力電力制御方法は、
前記発電機の出力電圧値、前記目標被制御回路の出力電流値、及び前記目標被制御回路の出力電圧値を獲得するステップと、
前記発電機の過負荷電圧参考値、前記目標被制御回路の出力電圧参考値、及び前記目標被制御回路の出力電流参考値を獲得するステップと、
前記発電機の出力電圧値、前記目標被制御回路の出力電流値、前記目標被制御回路の出力電圧値、前記発電機の過負荷電圧参考値、前記目標被制御回路の出力電圧参考値、及び前記目標被制御回路の出力電流参考値に基づいて計算して、目標制御量を得るステップと、
前記目標制御量に基づいて駆動信号を生成し、前記目標被制御回路が前記駆動信号に従って出力電力を調整するように、前記駆動信号を前記目標被制御回路に送信するステップと、を含む。
【0007】
さらに、本出願の実施例は、発電機の出力電力制御装置を提供する。前記発電機の出力端に、少なくとも2つの出力回路が設けられ、前記出力回路のうちの少なくとも1つの出力回路が目標被制御回路として配置され、前記出力電力制御装置は、
前記発電機の出力電圧値、前記目標被制御回路の出力電流値、及び前記目標被制御回路の出力電圧値を獲得するための第1獲得回路と、
前記発電機の過負荷電圧参考値、前記目標被制御回路の出力電圧参考値、及び前記目標被制御回路の出力電流参考値を獲得するための第2獲得回路と、
前記発電機の出力電圧値、前記目標被制御回路の出力電流値、前記目標被制御回路の出力電圧値、前記発電機の過負荷電圧参考値、前記目標被制御回路の出力電圧参考値、及び前記目標被制御回路の出力電流参考値に基づいて計算して、目標制御量を得るためのフィードバック回路と、
前記目標制御量に基づいて駆動信号を生成し、前記目標被制御回路が前記駆動信号に従って出力電力を調整するように、前記駆動信号を前記目標被制御回路に送信するための制御回路と、を含む。
【0008】
第3態様では、本出願の実施例は発電機システムをさらに提供する。この発電機システムは、
発電機であって、前記発電機の出力端に少なくとも2つの出力回路が設けられ、前記出力回路のうちの少なくとも1つの出力回路が目標被制御回路として配置される発電機と、
出力電力制御装置と、を含み、前記出力電力制御装置は、
前記発電機の出力電圧値、前記目標被制御回路の出力電流値、及び前記目標被制御回路の出力電圧値を獲得するための第1獲得回路と、
前記発電機の過負荷電圧参考値、前記目標被制御回路の出力電圧参考値、及び前記目標被制御回路の出力電流参考値を獲得するための第2獲得回路と、
前記発電機の出力電圧値、前記目標被制御回路の出力電流値、前記目標被制御回路の出力電圧値、前記発電機の過負荷電圧参考値、前記目標被制御回路の出力電圧参考値、及び前記目標被制御回路の出力電流参考値に基づいて計算して、目標制御量を得るためのフィードバック回路と、
前記目標制御量に応じて駆動信号を生成し、前記目標被制御回路が前記駆動信号に従って出力電力を調整するように、前記駆動信号を前記目標被制御回路に送信するための制御回路と、を含む。
【0009】
本出願の1つ又は複数の実施例の詳細は、以下の図面及び説明に記載されている。本発明の他の特徴、目的及び利点は、明細書、添付の図面、及び特許請求の範囲からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下、本出願の実施例又は従来技術における技術的手段を更に詳細に説明するために、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。当然のことながら、下記の説明における図面は本出願の幾つかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本出願の一実施例によって提供される発電機の出力回路の模式図である。
【
図2】本出願の一実施例によって提供される発電機の出力電力制御方法のフローチャートである。
【
図3】本出願の一実施例によって提供される発電機の出力電力制御方法の実現方式の第1の模式図である。
【
図4】本出願の一実施例によって提供される発電機の出力電力制御方法の実現方式の第2の模式図である。
【
図5】本出願の一実施例によって提供される発電機の出力電力制御装置の構造模式図である。
【
図6】本出願の一実施例によって提供される電子機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本出願の実施例の目的、技術的手段及び利点を更に明らかにするために、以下では、本出願の実施例の添付図面を参照しながら、本出願の実施例の技術的手段を明確かつ完全に説明する。当然のことながら、ここで説明する実施例は本出願の実施例の全てではなく一部にすぎない。当業者により創造的な作業なしに本願の実施例に基づいて得られる全ての他の実施例は、本願の保護範囲に含まれるべきである。
【0012】
本出願の実施例は、発電機の出力電力制御方法を提供する。この方法は、余剰のある多重負荷の発電機に応用される。発電機の出力端に少なくとも2つの出力回路(
図1に示す)が設けられ、すべての出力回路のうち、少なくとも1つの出力回路は目標被制御回路となる。例えば、1つの場合、発電機の多重出力は、インバータ回路とDC/DC回路の2つの回路を含む。DC/DC回路は、目標被制御回路である。発電機の効率は、一般的に重負荷では比較的に高く、軽負荷では比較的低いことが理解され得る。そのため、エネルギー蓄積装置を追加することで、負荷が軽いときに、発電機を高効率で運転し続け、負荷を差し引いた後の余剰エネルギーをエネルギー蓄積装置に出力することができる。従って、ここでの目標被制御回路は、負荷が軽いときにエンジンを高効率状態で作動させるために設けられるエネルギー蓄積回路と理解することができる。他の実施例では、目標被制御回路は、多重出力の優先度レベルに従って決定することもできる。例えば、優先度レベルの低い回路を目標被制御回路として使用し、発電機が過負荷になったときに、優先度レベルの低い目標被制御回路の出力電力を調整して、優先度レベルの高い出力回路が正常に出力できることを確保する。以下、本実施例で提供される余剰のある多重負荷の発電機に適用される出力電力制御方法について詳細に解釈し説明する。
【0013】
図2は、本出願の実施例によって提供される発電機の出力電力制御方法のフローチャートを示す。
図2に示すように、本出願の実施例によって提供される発電機の出力電力制御方法では、発電機の出力端に少なくとも2つの出力回路が設けられ、すべての出力回路のうち、少なくとも1つの出力回路が目標被制御回路となる。方法は、具体的には、以下のステップ11~ステップ14を含む。
ステップ11では、発電機の出力電圧値、目標被制御回路の出力電流値、及び目標被制御回路の出力電圧値を獲得する。
【0014】
本ステップにおいて、
図1におけるR1とR2からなる電圧収集回路を使用して、発電機の出力電圧値Vbusを収集することができる。電流と電圧検出装置を使用して、目標被制御回路の出力電流値Ioutと出力電圧値Voutを収集することができる。発電機の出力電圧値は、目標被制御回路の入力電圧値である。
【0015】
ステップ12では、発電機の過負荷電圧参考値、目標被制御回路の出力電圧参考値及び目標被制御回路の出力電流参考値を獲得する。
【0016】
過負荷参考電圧値は、発電機の出力電力と出力電圧の変化関係又は変化曲線に応じて決定することができる。通常、正常に動作するときに、発電機の出力電圧は出力電力の増加に伴って変化せず、一定の電圧範囲内で安定する。過負荷が発生すると、発電機の出力電圧は出力電力の増加に伴い急速に低下するため、過負荷参考電圧値を決定することができる。出力電圧が過負荷参考電圧を超えると、発電機はすでに過負荷と見なされる。
【0017】
目標被制御回路の出力電圧参考値及び出力電流参考値は、目標被制御回路に搭載される負荷に必要な給電電圧と給電電流によって設定することができる。出力電圧及び出力電流を対応する参考値と比較することで、発電機が過負荷になったときに、目標被制御回路は対応する電圧及び電流を負荷に出力できることが確保される。
【0018】
ステップ13では、発電機の出力電圧値、目標被制御回路の出力電流値、目標被制御回路の出力電圧値、発電機の過負荷電圧参考値、目標被制御回路の出力電圧参考値、及び目標被制御回路の出力電流参考値に基づいて計算して、目標制御量を得る。
【0019】
ステップ14では、目標制御量に基づいて駆動信号を生成し、目標被制御回路が駆動信号に従って出力電力を調整するように、駆動信号を目標被制御回路に送信する。
【0020】
本実施例では、発電機の出力電圧値Vbus、目標被制御回路の出力電流値Iout、目標被制御回路の出力電圧値Vout、発電機の過負荷電圧参考値Vrefin、目標被制御回路の出力電圧参考値Vrefout及び目標被制御回路の出力電流参考値Irefに基づいて、目標被制御回路を制御するための制御量を決定することができる。本ステップでは、発電機の過負荷電圧参考値Vrefinは、発電機に過負荷現象が発生するか否かを決定するために使用され、目標被制御回路の出力電圧参考値Vrefout及び目標被制御回路の出力電流参考値Irefは、目標被制御回路に対応する負荷に必要な給電状況を決定するために使用されることが理解され得る。従って、発電機の過負荷電圧参考値Vrefin、目標被制御回路の出力電圧参考値Vrefout及び目標被制御回路の出力電流参考値Irefの3つの値の制約によって、発電機に過負荷が発生すると、目標被制御回路の出力電力を低減して過負荷の問題を解決することができる。発電機に過負荷が発生していない場合、目標被制御回路の出力電力を高めて、発電機の出力電力の利用率を向上させることができる。従って、上記の方法は、二重又は多重出力時の発電機の利用率を高めるとともに、過負荷を回避することができる。このことから、本実施例の技術案を採用すると、背景技術における技術案1(時分割出力)の発電機の利用率が比較的低いという問題を解決することができることがわかる。また、本実施例の技術案における目標被制御回路の制御は、目標被制御回路の入力出力パラメーターだけに依存すればよく、発電機の他の出力回路の情報を獲得する必要がなく、即ち、多重出力回路間の追加通信に頼る必要がない。それにより、回路全体の応答速度を効果的に向上させることができ、さらに、背景技術における技術案2(通信によって2つの電力を調製する)の回路応答速度が比較的遅いという問題を解決することができる。このことからわかるように、本実施例では、発電機の出力電圧値、目標被制御回路の出力電流値、目標被制御回路の出力電圧値、発電機の過負荷電圧参考値、目標被制御回路の出力電圧参考値及び目標被制御回路の出力電流参考値に基づいて、目標被制御回路を制御するための制御量を決定するので、目標被制御回路の制御は、目標被制御回路の入力出力パラメーターだけに依存すればよく、多重出力回路間の追加通信に頼る必要がなく、それにより、回路全体の応答速度を効果的に向上させることができる。
【0021】
なお、本実施例では、発電機の過負荷電圧参考値Vrefinの大きさは、発電機の出力電力及び出力電圧曲線に従って決定することができる。発電機の出力電力が過負荷になると、出力電圧は急激に低下し、発電機の出力電圧値がVrefinよりも小さくなると、発電機が過負荷になった状況が出現すると考えられる。
【0022】
さらに、上記の実施例の内容に基づいて、本実施例では、発電機の出力電圧値Vbus、目標被制御回路の出力電流値Iout、目標被制御回路の出力電圧値Vout、発電機の過負荷電圧参考値Vrefin、目標被制御回路の出力電圧参考値Vrefout及び目標被制御回路の出力電流参考値Irefに基づいて、目標被制御回路を制御するための制御量を決定することは、次のような方式で実現することができる。
【0023】
発電機の出力電圧値Vbus及び過負荷電圧参考値Vrefinに基づいて第1差値を算出した後、第1差値に基づいて第1電流ループ所定値Iref1を得る。
第1電流ループ所定値Iref1と出力電流参考値Irefとの小さい方の値を決定し、小さい方の値と目標被制御回路の出力電流値Ioutを計算して第2差値を得た後、第2差値に基づいて第1制御量Iref2を得る。
目標被制御回路の出力電圧参考値Vrefoutと目標被制御回路の出力電圧値Voutを計算して第3差値を得た後、第3差値に基づいて第2制御量Iref3を得る。
第1制御量Iref2と第2制御量Iref3との小さい方の値を、目標被制御回路を制御するための制御量として決定する。
【0024】
本実施例では、
図3に示される実現原理模式図を参照すると、発電機の出力電圧値Vbusと過負荷電圧参考値Vrefinを計算して第1差値を得てから第1調整器102に入力して、第1電流ループ所定値Iref1を得る。G1(S)は、伝達関数を表し、具体的な関数は、必要に応じて設定することができる。一つの実現方式では、発電機の出力電圧値Vbusと過負荷電圧参考値Vrefinを計算して第1差値を得ることは、第1加算器101を用いて実現することができる。
【0025】
図3に示すように、第1電流ループ所定値Iref1と目標被制御回路の出力電流参考値Irefを比較して、第1電流ループ所定値Iref1と目標被制御回路の出力電流参考値Irefとの小さい方の値を決定し、小さい方の値と目標被制御回路の出力電流値Ioutとを計算して第2差値を得てから第2調整器106に入力し、第2調整器106により第1制御量Iref2を出力する。1つの実現方式では、第1電流ループ所定値Iref1と目標被制御回路の出力電流参考値Irefとを比較して、小さい方の値をとることは、第1比較器103を用いて実現することができる。小さい方の値と目標被制御回路の出力電流値Ioutとを計算して第2差値を得ることは、第2加算器104によって得ることができる。
【0026】
図3に示すように、目標被制御回路の出力電圧参考値Vrefoutと目標被制御回路の出力電圧値Voutとを計算して第3差値を得てから第3調整器107に入力し、第3調整器107により第2制御量Iref3を出力する。目標被制御回路の出力電圧参考値Vrefoutと目標被制御回路の出力電圧値Voutとを計算して第3差値を得ることは、第3加算器105を用いて実現することができる。
【0027】
図3に示すように、第1制御量Iref2と第2制御量Iref3を比較して、第1制御量Iref2と第2制御量Iref3との小さい方の値を、目標被制御回路を制御するための制御量として決定する。第1制御量Iref2と第2制御量Iref3との小さい方の値を決定することは、第2比較器108によって実現することができる。
【0028】
図3に示すように、発電機の出力電力が過負荷になると、出力電圧は急激に低下し、出力電圧値がVrefinよりも小さくなると、過負荷の状況が出現すると考えられる。そのため、検出された電圧値Vbusとその点に対応する参考電圧値Vrefinとを計算して、第1差値を得てから第1調整器102に出力し調整して、第1電流ループ所定値Iref1を得る。第1比較器103を用いて第1電流ループ所定値Iref1と目標被制御回路の出力電流参考値Irefとの小さい方をとって、Iref限幅を実現し、その後、目標被制御回路の出力電流Ioutと計算して、第2差値を得てから第2調整器106に送り、第1制御量Iref2を得る。Vrefoutが目標被制御回路の出力電圧参考値であり、検出された電圧Voutとともに第3加算器105に送られて、差が求められた後、第3差値が得られて第3調整器107に送られ、第2制御量Iref3が得られる。第2比較器108を用いて2つの制御量の小さい方をとってから最終の制御量としてPWM制御器に出力し、目標被制御回路を制御する。第1調整器102~第3調整器107は、PID調整器又はPI調整を使用することができ、特に限定されない。このことから、本実施例は、目標被制御回路の入力及び出力をサンプリングして差を求めた後、制御量を決定してDC-DCを調整し、2つの出力回路間の追加通信に頼る必要がないため、回路全体の応答速度を向上させることができることがわかる。
【0029】
さらに、本実施例は、上記の実施例とは異なる実現方式を採用し、具体的な説明は以下のとおりである。
本実施例では、発電機の出力電圧値Vbus、目標被制御回路の出力電流値Iout、目標被制御回路の出力電圧値Vout、発電機の過負荷電圧参考値Vrefin、目標被制御回路の出力電圧参考値Vrefout及び目標被制御回路の出力電流参考値Irefに基づいて、目標被制御回路を制御するための制御量を決定することは、以下の方式で実現することができる。
発電機の出力電圧値Vbusと過負荷電圧参考値Vrefinを計算して第4差値を得た後、第4差値に基づいて第2電流ループ所定値Iref4を得る。
目標被制御回路の出力電流参考値Irefと目標被制御回路の出力電流値Ioutを計算して第5差値を得た後、第5差値に基づいて第3制御量Iref5を得る。
目標被制御回路の出力電圧参考値Vrefoutと目標被制御回路の出力電圧値Voutを計算して第6差値を得た後、第6差値に基づいて第4制御量Iref6を得る。
第3制御量Iref5と第4制御量Iref6との小さい方の値を決定し、小さい方の値と電流ループ所定値とを比較した後、両者のうちの小さい方の値を、目標被制御回路を制御するための制御量としてとる。
【0030】
図4に示すように、発電機の出力電圧値Vbusと過負荷電圧参考値Vrefinを計算して第4差値を得てから第4調整器202に入力し、第2電流ループ所定値Iref4を得る。一つの実現方式では、発電機の出力電圧値Vbusと過負荷電圧参考値Vrefinを計算して第4差値を得ることは、第4加算器201によって実現することができる。
【0031】
図4に示すように、目標被制御回路の出力電流参考値Irefと目標被制御回路の出力電流値Ioutとを比較して第5差値を得てから第5調整器204に入力し、第5調整器204によって第3制御量Iref5を出力する。一つの実現方式では、目標被制御回路の出力電流参考値Irefと目標被制御回路の出力電流値Ioutを計算して第5差値を得ることは、第5加算器203によって実現することができる。
【0032】
図4に示すように、目標被制御回路の出力電圧参考値Vrefoutと目標被制御回路の出力電圧値Voutとを比較して第6差値を得てから第6調整器206に入力し、第6調整器206によって第4制御量Iref6を出力する。目標被制御回路の出力電圧参考値Vrefoutと目標被制御回路の出力電圧値Voutとを比較して第6差値を得ることは、第6加算器205によって実現することができる。
【0033】
図4に示すように、第3制御量Iref5と第4制御量Iref6を比較して、第3制御量Iref5と第4制御量Iref6との小さい方の値を決定し、次に小さい方の値と第2電流ループ所定値Iref4とを比較した後、両者のうちの小さい方の値を、目標被制御回路を制御するための制御量としてとる。
【0034】
理解されるように、
図3と比較して、
図4は、別のフィードバックループ制御構造である。
図4は、直接に目標被制御回路の出力側を制御して制御量を決定し、入力側に応じて制御量を決定し、次に2つの制御量の小さい方をとって、最終的な制御量を決定する。なお、
図3と
図4は2つの異なる実現方式であり、具体的な使用の場合、適切な実現方式を選択して使用することができる。
【0035】
さらに、上記の実施例の内容に基づいて、差値に基づいて対応する制御量を得ることは、差値に対してPID調整又はPI調整を行って、対応する制御量を得ることである。このことから、上記の第1調整器102、第2調整器106、第3調整器107、第4調整器202、第5調整器204及び第6調整器206は、PID調整器又はPI調整器であり得ることがわかる。
【0036】
理解されるように、PI調整器は、線形制御器であり、所定値と実際の出力値により制御偏差を構成し、偏差の比例と積分を線形的に結合して制御量を構成し、被制御対象を制御する。PID制御器は、プロセス制御において、偏差の比例(P)、積分(I)及び微分(D)によって制御を行うものであり制御器、最も広く使用されている自動制御器であり、原理が簡単であり、実現が容易であり、適用範囲が広く、制御パラメーターが互いに独立し、パラメーターの選定が比較的簡単であるなどの利点を有する。
【0037】
さらに、上記の実施例の内容に基づいて、本実施例では、目標被制御回路は、パルス幅変調PWMを採用して変調を行うことができる。それに対応して、制御回路は、制御量に応じて目標被制御回路を制御することができ、それにより、目標被制御回路を制御する目的を実現する。例えば、一実施例では、制御回路はPWM制御器を採用することができる。
【0038】
本出願の別の実施例は、発電機の出力電力制御装置を提供する。発電機の出力端には少なくとも2つの出力回路が設けられる。すべての出力回路のうち、少なくとも1つの出力回路は目標被制御回路となる。
図5を参照すると、装置は、
発電機の出力電圧値、目標被制御回路の出力電流値、及び目標被制御回路の出力電圧値を獲得するための第1獲得回路21と、
発電機の過負荷電圧参考値、目標被制御回路の出力電圧参考値、及び目標被制御回路の出力電流参考値を獲得するための第2獲得回路22と、
発電機の出力電圧値、目標被制御回路の出力電流値、目標被制御回路の出力電圧値、発電機の過負荷電圧参考値、目標被制御回路の出力電圧参考値及び目標被制御回路の出力電流参考値に基づいて、目標被制御回路を制御するための制御量を決定するためのフィードバック回路23と、
制御量に応じて、対応する駆動信号を生成して、目標被制御回路の出力電力を調整するための制御回路24と、を含む。
【0039】
本実施例で提供される発電機の出力電力制御装置は、上記の実施例の発電機の出力電力制御方法を実施するのに使用することができ、その動作原理及び有益な効果は同様であるため、ここでは繰り返さない。具体的な内容は、上記の実施例の説明を参照できる。
【0040】
上記の実施例の内容に基づいて、本実施例では、フィードバック回路23は、第1加算器101、第2加算器104、第3加算器105、第1調整器102、第2調整器106、第3調整器107、第1比較器103及び第2比較器108を含む。
第1加算器101の第1入力端は、第2獲得回路22の第1出力端に接続され、過負荷電圧参考値Vrefinを受信するために使用され、第1加算器101の第2入力端は、第1獲得回路21の第1出力端に接続され、発電機の出力電圧値Vbusを受信するために使用され、第1加算器101の出力端は、第1調整器102の入力端に接続される。
第1調整器102の出力端は、第1比較器103の第1入力端に接続される。
第1比較器103の第2入力端は、第2獲得回路22の第2出力端に接続され、出力電流参考値Irefを受信するために使用され、第1比較器103の出力端は、第2加算器104の第1入力端に接続される。
第2加算器104の第2入力端は、第1獲得回路21の第2出力端に接続され、出力電流値Ioutを受信するために使用され、第2加算器104の出力端は、第2調整器106の入力端に接続される。
第2調整器106の出力端は、第2比較器108の第1入力端に接続される。
第3加算器105の第1入力端は、第2獲得回路22の第3出力端に接続され、目標被制御回路の出力電圧参考値Vrefoutを受信するために使用され、第3加算器105の第2入力端は、第1獲得回路21の第3出力端に接続され、目標被制御回路の出力電圧値Voutを受信するために使用され、第3加算器105の出力端は、第2比較器108の第2入力端に接続される。
第2比較器108の出力端は、制御回路の入力端に接続される。
【0041】
第1加算器101は、発電機の出力電圧Vbusと過負荷電圧参考値Vrefinを計算して第1差値を得るために使用される。第1調整器102は、第1加算器101によって出力された第1差値に基づいて、第1電流ループ所定値Iref1を得るために使用される。第1比較器103は、第1電流ループ所定値Iref1と出力電流参考値Irefとの小さい方の値を決定するために使用される。第2加算器104は、第1比較器103によって得られた小さい方の値と目標被制御回路の出力電流値Ioutを計算して第2差値を得るために使用される。第2調整器106は、第2比較器108によって出力された第2差値に基づいて、第1制御量Iref2を得るために使用される。第3加算器105は、目標被制御回路の出力電圧参考値Vrefoutと目標被制御回路の出力電圧値Voutを計算して第3差値を得るために使用される。第3調整器107は、第3加算器105によって出力された第3差値に基づいて、第2制御量Iref3を得るために使用される。第2比較器108は、第1制御量Iref2と第2制御量Iref3との小さい方の値を決定するために使用される。第1制御器は、第2比較器108によって出力された小さい方の値を、目標被制御回路を制御するための制御量とするために使用される。
【0042】
さらに、上記の実施例とは異なり、本実施例では、フィードバック回路23は、第4加算器201、第5加算器203、第6加算器205、第4調整器202、第5調整器204、第6調整器206、第3比較器207及び第4比較器208を含む。
【0043】
第4加算器201の第1入力端は、第2獲得回路22の第1出力端に接続され、過負荷電圧参考値Vrefinを受信するために使用され、第4加算器201の第2入力端は、第1獲得回路21の第1出力端に接続され、発電機の出力電圧値Voutを受信するために使用され、第4加算器201の出力端は第4調整器202の入力端に接続される。
【0044】
第4調整器202の出力端は、第4比較器208の第1入力端に接続される。
【0045】
第5加算器203の第1入力端は、第2獲得回路22の第2出力端に接続され、目標被制御回路の出力電流参考値Irefを受信するために使用され、第5加算器203の第2入力端は、第1獲得回路21の第2出力端に接続され、目標被制御回路の出力電流値Ioutを受信するために使用され、第5加算器203の出力端は、第3比較器207の第1入力端に接続される。
【0046】
第5調整器204の出力端は、第3比較器の第1入力端に接続される。
【0047】
第6加算器205の第1入力端は、第2獲得回路22の第3出力端に接続され、目標被制御回路の出力電圧参考値Vrefoutを受信するために使用され、第6加算器205の第2入力端は、第1獲得回路21の第3出力端に接続され、目標被制御回路の出力電圧値Voutを受信するために使用され、第6加算器205の出力端は、第3比較器207の第2入力端に接続される。
【0048】
第6調整器206の出力端は、第3比較器207の第2入力端に接続される。第3比較器207の出力端は、第4比較器208の第2入力端に接続される。
【0049】
第4比較器208の出力端は、制御回路の入力端に接続される。
【0050】
第4加算器201は、発電機の出力電圧と過負荷電圧参考値を計算して第4差値を得るために使用される。第4調整器202は、第4比較器208の第4差値に基づいて、第2電流ループ所定値を得るために使用される。第5加算器203は、目標被制御回路の出力第2電流参考値と目標被制御回路の出力電流値を計算して第5差値を得るために使用される。第5調整器204は、第5比較器によって出力された第5差値に基づいて、第3制御量を得るために使用される。第6加算器205は、目標被制御回路の出力電圧参考値と目標被制御回路の出力電圧値を計算して第6差値を得るために使用される。第6調整器206は、第6比較器によって出力された第6差値に基づいて、第4制御量を得るために使用される。第3比較器207は、第3制御量と第4制御量との小さい方の値を決定するために使用される。
【0051】
第4比較器208は、第3比較器207の小さい方の値と第2電流ループ所定値とを比較してから、両者のうちの小さい方の値をとるために使用される。
【0052】
第2制御器は、第4比較器208の小さい方の値を、目標被制御回路を制御するための制御量とするために使用される。
【0053】
本実施例では、発電機の出力電圧値Vbus、目標被制御回路の出力電流値Iout、目標被制御回路の出力電圧値Vout、発電機の過負荷電圧参考値Vrefin、目標被制御回路の出力電圧参考値Vrefout及び目標被制御回路の出力電流参考値Irefに基づいて、目標被制御回路を制御するための制御量を決定するので、目標被制御回路の制御は、目標被制御回路の入力パラメーター(発電機の出力電圧値Vbus、即ち、目標被制御回路の入力電圧)、出力パラメーター(目標被制御回路の出力電流値Ioutと目標被制御回路の出力電圧値Vout)、発電機の過負荷電圧参考値Vrefin、目標被制御回路の出力電圧参考値Vrefout及び目標被制御回路の出力電流参考値Irefの比較結果だけに依存すればよく、多重出力回路間の追加通信に頼る必要がなく、それにより、回路全体の応答速度を効果的に向上させることができる。同時に、本出願は、発電機の出力電圧値Vbusに基づいて、過負荷が発生するか否かを決定することができるので、過負荷時に、検出した出力電圧値Vbusに基づいて、目標被制御回路を制御することができる。そのため、実施例は、二重又は多重出力時の発電機の利用率を高めるとともに、過負荷を回避することができる。
【0054】
理解されるように、
図3と比較して、
図4は、別のフィードバックループ制御構造である。
図4は、直接に目標被制御回路の出力側を制御して制御量を決定し、入力側に応じて制御量を決定し、次に2つの制御量の小さい方をとって、最終的な制御量を決定する。なお、
図3と
図4は2つの異なる実現方式であり、具体的な使用の場合、適切な実現方式を選択して使用することができる。
【0055】
本実施例では、各調整ユニットが差値に基づいて対応する制御量を得るとき、具体的には、差値に対してPID調整又はPI調整を行って、対応する制御量を得る。各調整器は、PID調整器又はPI調整器であり得る。
【0056】
本出願の実施例で提供される発電機の出力電力制御装置は、上記の実施例の発電機の出力電力制御方法を実施するために使用することができ、その動作原理及び有益な効果は同様であるため、ここでは詳しく説明されない。具体的な内容は、上記の実施例の説明を参照できる。
【0057】
なお、本実施例では、本出願の実施例に係る装置内の各モジュールを一体化してもよいし、分離して配置してもよい。上記のモジュールは、1つのモジュールにまとめることも、さらに複数のサブモジュールに分割することもできる。
【0058】
同じ発明概念に基づいて、本出願のまた別の実施例は発電機システムを提供する。このシステムは、発電機、及び上記の実施例の発電機の出力電力制御装置を含む。
【0059】
本実施例では、発電機システムは、ガソリン発電機システムであってもよいし、ディーゼル発電機システムであってもよいし、他の発電機システムであってもよいが、本実施例ではこれを限定しない。
【0060】
本出願の実施例で提供される発電機システムは、上述した実施例の発電機の出力電力制御装置を含むので、本実施例で提供される発電機システムは、上述した実施例と類似する有益な効果を有するため、ここでは詳しく説明されない。具体的な内容は、上記の実施例の説明を参照できる。
【0061】
図1に示すように、一実施例では、発電機の出力端には、2つの出力回路が接続され、2つの出力回路は、インバータ回路とDC/DC回路を含む。DC/DC回路は、目標被制御回路である。インバータ回路は、発電機によって出力された電気を交流に変換してから出力するために使用され、DC/DC回路は、発電機によって出力された電気を直流に変換してから出力するために使用される。即ち、本実施例では、インバータ回路の優先度レベルは、DC/DC回路の優先度レベルよりも高く、過負荷が出現すると、DC/DC回路の入力及び出力に応じてDC/DC回路を制御し、それにより、インバータ回路の給電を確保するとともに、発電機に過負荷が出現しないことを確保するように、DC/DC回路の出力電力に対する調整を実現する。
【0062】
一実施例では、発電機システムはエネルギー蓄積回路をさらに含む。エネルギー蓄積回路は、DC/DC回路の出力端に接続され、それにより、DC/DC回路を利用してエネルギー蓄積回路を充電することができる。即ち、発電機の外部への出力にまだ余剰がある場合、発電機の余剰電気をエネルギー蓄積回路に蓄積することができる。エネルギー蓄積回路に電池モジュールが設けられ、電気エネルギーを蓄積することができることが理解され得る。発電機に過負荷が発生すると、DC/DC回路のエネルギー蓄積回路に対する出力電力を低減することができ、それにより、他の出力回路の出力給電を保証する。
【0063】
同じ発明概念に基づいて、本出願のまた別の実施例は電子機器を提供する。
図6を参照すると、電子機器は、具体的には、プロセッサ701、メモリ702、通信インターフェース703、及び通信バス704を含む。
プロセッサ701、メモリ702、通信インターフェース703は、通信バス704を介して互いに通信する。
プロセッサ701は、メモリ702内のコンピュターブログラムを呼び出すために使用される。プロセッサは、コンピュータプログラムを実行する際に、上記の発電機の出力電力制御方法のすべてのステップを実現する。
【0064】
コンピュータプログラムによって実行され得る詳細な機能及び拡張された機能は、上記の実施例の説明を参照することができることが理解され得る。
【0065】
同じ発明概念に基づいて、本出願のまた別の実施例は、非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。この非一時的なコンピュータ可読媒体には、コンピュータプログラムが記憶されている。このコンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、上記の発電機の出力電力制御方法のすべてのステップを実現する。
【0066】
コンピュータプログラムによって実行され得る詳細な機能及び拡張された機能は、上記の実施例の説明を参照することができることが理解され得る。
【0067】
また、上記のメモリにおける論理命令は、ソフトウェア機能ユニットの形で実現され、かつ独立した製品として販売または使用されるとき、コンピュータ可読記憶媒体内に記憶されてもよい。そのような理解に基づいて、本出願の技術的手段の本質的な部分、即ち、従来技術に貢献する部分、又はこの技術的手段の一部は、ソフトウェア製品の式で表すことができる。このコンピュータソフトウェア製品は、記録媒体に記憶され、コンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ又はネットワーク装置などであってもよい)に本出願の各実施例の方法の全部若しくは一部のステップを実行させるための複数の命令を含む。前記記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、ディスクまたは光ディスクなどの様々なプログラム・コードを記憶可能である媒体を含む。
【0068】
以上実施形態の説明に基づいて、当業者は、各実施形態がソフトウェア及び必要な汎用ハードウェアプラットフォームの組み合わせにより実現されてもよく、もちろんハードウェアにより実現されてもよいことを明らかに理解できる。このような理解に基づいて、上記の技術的手段の本質的な部分、即ち、従来技術に貢献する部分は、ソフトウェア製品の形で表すことができる。該コンピュータソフトウェア製品は、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスクなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されることができ、1つのコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワークデバイスなどであってもよい)に各実施例又は実施例の幾つかの部分の発電機の出力電力制御方法を実行させるための複数の命令を含む。
【0069】
また、本出願では、第1や第2などのような関係用語は、ある実在物又は操作を別の実在物又は操作と区別するためにのみ使用され、これらの実在物又は操作の間にこのような実際の関係又は順序が存在することは、必ずしも必要となるか又は示唆されているわけではない。また、用語「備える」、「含む」又はその他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図している。一連の要素を備えるプロセス、方法、物品又は装置は、これらの要素だけでなく、明示的に列挙されていない他の要素も含むか、又はそのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素も含む。より多くの制限がない場合、「1つの……を含む」という文で限定される要素は、その要素を含むプロセス、方法、物品又は機器における他の同じ要素の存在を排除するものではない。
【0070】
なお、以上の実施例は、本出願の技術的手段を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではない。上記した実施例を参照して本出願について詳述したが、当業者であれば、上記各実施例に記載の技術的手段を修正し、又はその一部の技術特徴を均等物で置き換えることができる。これらの修正や置き換えは、対応する技術的手段の本質を本出願の各実施例の技術的手段の精神及び範囲から逸脱させない。
【国際調査報告】