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特表2024-506995SiC固体材料を生成する方法及びデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】SiC固体材料を生成する方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   C30B 29/36 20060101AFI20240207BHJP
【FI】
C30B29/36 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559160
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-08-01
(86)【国際出願番号】 EP2021085492
(87)【国際公開番号】W WO2022123079
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】102020215755.3
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2021/082331
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523223054
【氏名又は名称】ザディアン テクノロジーズ ソシエテ パル アクシオン サンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【弁理士】
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】クロスマン イーヴォ
(72)【発明者】
【氏名】シャッフ フリードリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ティーフェル ヒルマー リヒャルト
(72)【発明者】
【氏名】セラン カガン
【テーマコード(参考)】
4G077
【Fターム(参考)】
4G077AA02
4G077AA03
4G077AB01
4G077AB10
4G077BE08
4G077DA02
4G077DB02
4G077DB05
4G077DB07
4G077EG22
4G077HA06
(57)【要約】
【課題】本発明は、炭化珪素(SiC)の低コスト供給を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明は、特に多形3Cの好ましくは細長のSiC固体を生成する方法に関する。本発明による方法は、好ましくは、少なくとも以下の段階:Siを備える少なくとも第1のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、Cを備える少なくとも1つの第2のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、処理チャンバに配置された少なくとも1つの分離要素を加熱するために分離要素を電気的に活性化する段階と、200μm/hよりも高い堆積速度を設定する段階とを備え、1バールよりも高い処理チャンバ内の圧力が、第1のソースガス及び/又は第2のソースガスの導入によって発生され、堆積要素の面は、1300℃と1800℃の間の範囲内の温度まで加熱される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのSiC結晶を生成する方法であって、
第1のタイプのSiCの生成のためのCVD反応器(850)を与える段階と、
SiとCとを備えるソース媒体を発生させるために少なくとも1つのソースガス、特に第1のソースガス、特にSiCl3(CH3)を処理チャンバ(856)の中に導入する段階と、
好ましくはHを備える少なくとも1つの搬送ガスを前記処理チャンバ(856)の中に導入する段階と、
前記処理チャンバ(856)に配置された少なくとも1つのSiC成長基板(857)を該SiC成長基板(857)加熱するために電気的に活性化する段階であって、
前記SiC成長基板(857)の面が、1300℃と1800℃の間の範囲内の温度まで加熱される、
前記電気的に活性化する段階と、
前記第1のタイプのSiCを前記SiC成長基板(857)の上に特に200μm/hよりも高い堆積速度で堆積させる段階であって、該堆積されたSiCが、好ましくは多結晶SiCである前記堆積させる段階と、
前記第1のタイプの前記堆積SiCを前記CVD反応器(850)から取り出す段階と、
前記取り出されたSiCを前記第1のタイプの断片化SiCに又は前記第1のタイプのSiCの1又は複数の固形物に変容させる段階と、
第2のタイプのSiCの生成のためのPVT反応器(100)を与える段階であって、
前記PVT反応器(100)が、
外面(242)と内面(240)とを有する炉ハウジング(108)を備える炉ユニット(102)と、
少なくとも1つのるつぼユニット(106)であって、
前記るつぼユニット(106)が、前記炉ハウジング(108)の内側に配置され、
前記るつぼハウジング(110)が、るつぼハウジング(110)を備え、
前記るつぼハウジング(110)が、外面(112)と、るつぼ容積(116)を少なくとも部分的に定める内面(114)とを有し、
ソース材料(120)を受け入れるための受け入れ空間(118)が、前記るつぼ容積(116)の内側に配置又は形成され、
定められたシードウェーハ(18)を保持するためのシードホルダユニット(122)が、前記るつぼ容積(116)の内側に配置され、該シードウェーハホルダ(122)が、シードウェーハ(18)を保持し、
前記炉ハウジングの内壁(240)及び該るつぼハウジングの外壁(112)が、炉容積(104)を定める、
前記るつぼユニット(106)と、
前記ソース材料(120)を加熱するための少なくとも1つの加熱ユニット(124)であって、
前記ソース材料(120)を受け入れるための前記受け入れ空間(118)が、前記加熱ユニット(124)の上方にかつ前記シードホルダユニット(122)の下方に少なくとも部分的に配置される、
前記加熱ユニット(124)と、
を備える、
前記与える段階と、
前記受け入れ空間(118)の中に前記第1のタイプの前記断片化SiCを追加する段階又は該第1のタイプのSiCの1又は複数の固形物をソース材料(120)として追加する段階と、
前記第1のタイプの前記SiCを前記PVT反応器(100)の内側で昇華させる段階と、
前記昇華したSiCを前記第2のタイプのSiCとして前記シードウェーハ(18)上に堆積させる段階と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも1つのソースガスと少なくとも1つの搬送ガスとを導入する前記段階は、
少なくとも第1の給送媒体、特に、第1のソースガスを前記処理チャンバ(856)の中に導入する段階であって、該第1の給送媒体が、Siを備え、特に、Si給送媒体ソースが、一般式SiH4-yy(X=[Cl、F、Br、J]及びy=[0...4]に従ってSiガスを提供し、該第1の給送媒体が、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する前記導入する段階、及び
少なくとも第2の給送媒体、特に、第2のソースガスを前記処理チャンバ(856)の中に導入する段階であって、該第2の給送媒体が、C、特に、天然ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン、及び/又はアセチレンを備え、該第2の給送媒体が、少なくとも99.9999%(重量ppm)の前記物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する前記導入する段階、及び
少なくとも99.9999%(重量ppm)の前記物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する搬送ガスを導入する段階、又は
1つの給送媒体、特に、ソースガスを前記処理チャンバ(856)の中に導入する段階であって、該給送媒体が、Si及びC、特に、SiCl3(CH3)を備え、該給送媒体が、少なくとも99.9999%(重量ppm)の前記物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する前記導入する段階、及び
少なくとも99.9999%(重量ppm)の前記物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する搬送ガスを導入する段階、
を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記断片化SiCは、少なくとも100μmの平均長さを有するSiC粒子(920)を表す、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記SiC粒子(920)は、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い前記物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物を有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記SiC粒子(920)は、2ppm(重量)よりも低い前記物質Nの不純物、及び100ppb(重量)よりも低い前記物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物を有する、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記SiC粒子(920)は、10ppb(重量)よりも低い前記物質Tiの不純物を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記SiC粒子は、10ppm(重量)よりも低い前記物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い金属Ti、V、Fe、Niのうちの全ての合計の不純物を有する、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記SiC粒子(920)の見かけ密度が、1.4g/cm3よりも高い、
ことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記SiC粒子(920)の前記見かけ密度は、1.6g/cm3よりも高い、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記SiC粒子(920)のタップ密度が、1.6g/cm3よりも高い、
ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記SiC粒子(920)の前記タップ密度は、1.8g/cm3よりも高い、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
SiCの前記1又は複数の固形物の各々が、
0.3kgよりも重く、好ましくは、少なくとも1kgの質量と、
少なくとも1cm、好ましくは、少なくとも5cmの厚みと、
10cmよりも長く、好ましくは、少なくとも25cm又は少なくとも50cmの長さと、
10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い前記物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物と、
によって特徴付けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項13】
SiCの前記1又は複数の固形物の各々が、2ppm(重量)よりも低い前記物質Nの不純物、及び100ppb(重量)よりも低い前記物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物を有する、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
SiCの前記1又は複数の固形物の各々が、10ppb(重量)よりも低い前記物質Tiの不純物を有する、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
SiCの前記1又は複数の固形物の各々が、10ppm(重量)よりも低い前記物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い金属Ti、V、Fe、Niのうちの全ての合計の不純物を有する、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
1バールよりも高い圧力を前記処理チャンバ(856)の内側に、Siを提供する前記第1のソースガスとCを提供する前記第2のソースガスとの混合物の定められた量を該処理チャンバの中に導入することによって設定する段階であって、該定められた量が、
毎時かつSiC成長面のcm2当たり前記混合物の0.32gと毎時かつ該SiC成長面のcm2当たりSi及びC含有ソースガスの10gと、
の間の量である前記設定する段階、又は
1バールよりも高い圧力を前記処理チャンバ(856)の内側に、1又は複数のSi及びC含有ソースガスの定められた量を該処理チャンバの中に導入することによって設定する段階であって、該定められた量が、
毎時かつ前記SiC成長面のcm2当たり前記1又は複数のSi及びC含有ソースガスの0.32gと毎時かつ前記SiC成長面のcm2当たり該Si及びC含有ソースガスの10gと、
の間の量である前記設定する段階、
によって特徴付けられる請求項8から請求項11のいずれか1項又は請求項14から請求項15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
1バールよりも高い圧力を前記処理チャンバ(856)の内側に設定する段階、
を特徴とする請求項8から請求項11のいずれか1項又は請求項14から請求項15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記処理チャンバ(856)は、ベースプレート(862)と、側壁セクション(864a)と、上壁セクション(864b)とによって取り囲まれ、該側壁セクションの50%(質量)よりも多く、及び該上壁セクションの50%(質量)よりも多く、及び該ベースプレートの50%(質量)よりも多くが、金属、特に鋼鉄で作られる、
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ベースプレート及び/又は側壁セクションセンサ及び/又は上壁セクションセンサユニットが、該ベースプレート及び/又は側壁セクション及び/又は上壁セクションの温度を検出するためにかつ温度信号又は温度データを出力するために提供され、及び/又は冷却流体温度センサが、冷却流体の温度を検出するために提供され、
流体案内ユニットを通して前記冷却流体を順送するための流体順送ユニットが提供される、
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記流体順送ユニットは、前記ベースプレート及び/又は側壁セクション及び/又は上壁セクションセンサユニット、及び/又は冷却流体温度センサによって提供される前記温度信号又は温度データに依存して作動されるように構成される、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記SiC成長基板は、該SiC成長基板の長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cmの平均周囲を有し、又は複数のSiC成長基板が、それぞれの該SiC成長基板の該長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cmのSiC成長基板当たりの平均周囲を有する、
ことを特徴とする請求項14から請求項20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記SiC成長基板(857)上に堆積する前記SiCは、10ppm(重量)よりも低い前記物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低く、好ましくは500ppb(重量)よりも低い前記物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物を有する、
ことを特徴とする請求項14から請求項21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記SiC成長基板(857)上に堆積する前記SiCは、2ppm(重量)よりも低い前記物質Nの不純物、及び100ppb(重量)よりも低い前記物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物を有する、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記SiC成長基板(857)上に堆積する前記SiCは、10ppb(重量)よりも低い前記物質Tiの不純物を有する、
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記SiC成長基板(857)上に堆積する前記SiCは、10ppm(重量)よりも低い前記物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)、特に500ppb(重量)よりも低い前記金属Ti、V、Fe、Niのうちの全ての合計の不純物を有する、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項26】
通気ガスを出力するためのガス出口ユニットと、
通気ガス再循環ユニットであって、
前記通気ガス再循環ユニットが、前記ガス出口ユニットに接続され、
前記通気ガス再循環ユニットが、前記通気ガスを第1の流体にかつ第2の流体に分離するための少なくとも分離ユニットを備え、
前記第1の流体が、液体であり、前記第2の流体が、ガスであり、
前記第1の流体を格納する又は伝導するための第1のストレージ及び/又は伝導要素が、前記分離ユニットの一部である又は該分離ユニットと結合され、かつ
前記第2の流体を格納する又は伝導するための第2のストレージ及び/又は伝導要素が、前記分離ユニットの一部である又は該分離ユニットと結合される、
前記通気ガス再循環ユニットと、
を特徴とする請求項14から請求項25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
ソース媒体を処理チャンバの内側に提供する前記段階は、少なくともクロロシラン類の混合物を備える前記第1の流体を前記通気ガス再循環ユニットから該処理チャンバの中に給送する段階を備える、
ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記CVD反応器850の中に導入される前記ガスは、99.9999%(重量ppm)よりも低い1つ、複数、又は全ての以下の物質、すなわち、B(ホウ素)、Al(アルミニウム)、P(リン)、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)を備える、
ことを特徴とする請求項14から請求項27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記るつぼ容積の内側にガス流れを引き起こすためのるつぼガス流れユニット(170)が提供され、該るつぼガス流れユニット(170)は、該るつぼ容積(116)の中にガスを伝導するためのるつぼガス入口チューブ(172)と、該るつぼ容積(116)からガスを伝導するためのるつぼガス出口チューブ(174)とを備える、
ことを特徴とする請求項14から請求項28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
成長案内器(231)が、るつぼハウジング(110)の内側に配置され、
前記成長案内器(231)は、前記ガス流れをシードホルダユニット(122)の方向の中に案内するための成長-案内器-ガス-経路-セクション-境界(232)を形成し、
前記成長案内器(231)及び前記シードホルダユニット(122)は、ガス流れ通路(236)を形成する、
ことを特徴とし、かつ
少なくとも搬送ガスを前記るつぼガス入口チューブ(172)を通して前記るつぼ容積(116)の中に伝導することにより、かつ少なくとも該搬送ガスを前記るつぼガス出口チューブ(174)を通して該るつぼ容積(116)から外に伝導することにより、該るつぼ容積(116)を通るガス流れを確立する段階、
前記るつぼガス入口チューブ(172)を通して前記るつぼ容積(116)の中へのガス流れを制御することにより、前記ガス流れ通路を通る定められたガス流速を確立する段階、及び/又は
前記るつぼガス出口チューブ(174)を通して前記るつぼ容積(116)から外へのガス流れを制御することにより、前記ガス流れ通路を通る前記定められたガス流速を確立する段階であって、
前記定められたガス流速が、1cm/sと10cm/sの間、好ましくは、2cm/sと6cm/sの間である、
前記確立する段階、
によって特徴付けられる請求項14から請求項29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記受け入れ空間(118)は、前記るつぼガス入口チューブ(172)と前記シードホルダユニット(122)の間に位置付けられる、
ことを特徴とし、かつ
ガス流れを前記受け入れ空間(118)の周りで及び/又は該受け入れ空間(118)を通して伝導する段階、
によって特徴付けられる請求項14から請求項30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
少なくともSi2C昇華蒸気、SiC2昇華蒸気、及びSi昇華蒸気を取り込むためのフィルタユニット(130)が、前記シードホルダユニット(122)と前記るつぼガス出口チューブ(174)の間で前記るつぼ容積(116)の内側に配置され、
前記フィルタユニット(130)は、フィルタ入力面(140)からフィルタ出力面(142)までのフィルタ-ユニット-ガス-流れ-経路(147)を形成し、該フィルタガス流れ経路は、前記るつぼガス入口チューブ(172)と前記るつぼガス出口チューブ(174)の間のガス流れ経路の一部であり、該フィルタユニット(130)は、好ましくは、高さS1を有し、該フィルタユニット(130)を通る該フィルタ-ユニット-ガス-流れ-経路(147)は、好ましくは、長さS2を有し、S2は、S1と比較して少なくとも2倍、特に10倍長い、
ことを特徴とし、かつ
ガスを前記ガス流れ通路から前記フィルタ入力面(140)まで、該フィルタ入力面(140)から前記フィルタユニット(130)を通してフィルタ出力面(142)まで、かつ該フィルタ出力面から前記るつぼガス出口チューブ(174)まで案内する段階、
によって特徴付けられる請求項14から請求項31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記るつぼ容積(116)の内側にるつぼ容積圧力(P1)を設定するための圧力ユニット(132)が提供され、該圧力ユニット(132)は、2666,45Paよりも高く、好ましくは5000Paよりも高く、又は2666,45Paと50000,00Paの間の範囲にあるるつぼ容積圧力(P1)を引き起こすように構成される、
ことを特徴とし、かつ
前記るつぼ容積の内側に2666,45Paよりも高く、好ましくは5000Paよりも高く、又は2666,45Paと50000,00Paの間の範囲にあるるつぼ容積圧力(P1)を発生させる段階、
によって特徴付けられる請求項14から請求項32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
請求項33に従って少なくとも1つのSiC結晶(17)を生成する方法であって、
前記PVT反応器(100)は、るつぼガス流れユニット(170)を備え、該るつぼガス流れユニット(170)は、ガスを前記るつぼ容積(116)の中に伝導するためのるつぼガス入口チューブ(172)を備え、該るつぼガス入口チューブ(172)は、前記受け入れ空間(118)の下方に垂直方向に配置される、
ことを特徴とし、かつ
ガスを前記るつぼガス流れユニット(170)を通じて前記るつぼハウジングの中に伝導する段階、
を特徴とする方法。
【請求項35】
請求項33又は請求項34に従って生成されたSiC結晶(17)。
【請求項36】
1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い前記物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物を有する、
ことを特徴とする請求項35に記載のSiC結晶(17)。
【請求項37】
100ppb(重量)よりも低い前記物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物を有する、
ことを特徴とする請求項36に記載のSiC結晶(17)。
【請求項38】
10ppb(重量)よりも低い前記物質Tiの不純物を有する、
ことを特徴とする請求項37に記載のSiC結晶(17)。
【請求項39】
1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い前記金属Ti、V、Fe、Niのうちの全ての合計の不純物を有する、
ことを特徴とする請求項37に記載のSiC結晶(17)。
【請求項40】
400cm3よりも大きく、好ましくは5000cm3よりも大きく、最も好ましくは10000cm3よりも大きい容積を有するモノリシックブロックを形成する単結晶SiC結晶である、
ことを特徴とする請求項37、請求項38、又は請求項39に記載のSiC結晶(17)。
【請求項41】
SiCの生成のためのシステムであって、
PVTソース材料としての第1のタイプのSiCの生成のためのCVD反応器(850)であって、
ベースプレート(862)、側壁セクション(864a)、及び上壁セクション(864b)によって少なくとも取り囲まれた処理チャンバ(856)と、
ソース媒体を発生させるために前記処理チャンバ(856)の反応空間の中に1又は複数の給送媒体を給送するためのガス入口ユニット(866)であって、
前記ガス入口ユニット(866)が、少なくとも1つの給送媒体ソース(851)と結合され、
Si及びC給送媒体ソース(851)が、少なくともSi及びC、特にSiCl3(CH3)を提供し、搬送ガス給送媒体ソース(853)が、搬送ガス、特にH2を提供し、又は
前記ガス入口ユニット(866)が、少なくとも2つの給送媒体ソース(851、852)と結合され、
Si給送媒体ソース(851)が、少なくともSiを提供し、特に、該Si給送媒体ソースが、一般式SiH4-yy(X=[Cl、F、Br、J]及びy=[0...4]に従ってSiガスを提供し、C給送媒体ソース(852)が、少なくともC、特に、天然ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン、及び/又はアセチレンを提供し、搬送ガス媒体ソース(853)が、搬送ガス、特にH2を提供する、
前記ガス入口ユニット(866)と、
SiCを堆積させるために前記処理チャンバ(856)の内側に配置された特に3個又は4個又は6個又は8個又は16個又は32個又は64個よりも多い、又は128個まで又は256個までの1又は複数のSiC成長基板(857)であって、
各SiC成長基板(857)が、第1の電力接続部(859a)及び第2の電力接続部(859b)を備え、
前記第1の電力接続部(859a)が、第1の金属電極(206a)であり、前記第2の電力接続部(859b)が、第2の金属電極(206b)であり、
各SiC成長基板(857)が、前記第1のタイプのSiCが該SiC成長基板の上に堆積されるように、該SiC成長基板(857)の外面又は該堆積SiCの面を1300℃と1800℃の間の温度まで特に抵抗加熱、好ましくは内部抵抗加熱を用いて加熱するための少なくとも1つの第1の金属電極(206a)と少なくとも1つの第2の金属電極(206b)との間に結合され、
前記CVD反応器からの前記第1のタイプの前記堆積SiCが、第2のタイプのSiCの生成のためのPVT反応器(100)に使用され、
前記PVT反応器(100)が、
炉ユニット(102)、
を備え、
前記炉ユニット(102)が、外面(242)と内面(240)とを有する炉ハウジング(108)を備える、
前記1又は複数のSiC成長基板(857)と、
少なくとも1つのるつぼユニット(106)であって、
前記るつぼユニット(106)が、前記炉ハウジング(108)の内側に配置され、
前記るつぼユニット(106)が、るつぼハウジング(110)を備え、
前記るつぼハウジング(110)が、外面(112)と、るつぼ容積(116)を少なくとも部分的に定める内面(114)とを有し、
前記CVD反応器からの前記第1のタイプの前記SiCの形態にあるソース材料(120)を受け入れるための受け入れ空間(118)が、前記るつぼ容積(116)の内側に配置又は形成され、
定められたシードウェーハ(18)を保持するためのシードホルダユニット(122)が、前記るつぼ容積(116)の内側に配置され、該シードウェーハホルダ(122)が、シードウェーハ(18)を保持し、
前記炉ハウジング内壁(240)及び前記るつぼハウジング外壁(112)が、炉容積(104)を定める、
前記少なくとも1つのるつぼユニット(106)と、
前記CVD反応器からの前記第1のタイプの前記SiCの形態にある前記ソース材料(120)を加熱するための少なくとも1つの加熱ユニット(124)であって、
前記CVD反応器からの前記第1のタイプの前記SiCの形態にある前記ソース材料(120)を受け入れるための前記受け入れ空間(118)が、前記加熱ユニット(124)の上方にかつ前記シードホルダユニット(122)の下方に少なくとも部分的に配置される、
前記少なくとも1つの加熱ユニット(124)と、
前記CVD反応器からの前記第1のタイプの前記SiCをソース材料(120)として前記受け入れ空間(118)の中に追加する段階と、
前記第1のタイプの前記SiCを前記PVT反応器(100)の内側で昇華させる段階と、
前記昇華した前記SiCを前記第2のタイプのSiCとして前記シードウェーハ(18)上に堆積させる段階と、
を少なくとも備える前記CVD反応器(850)、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項42】
前記第1の金属電極(206a)及び前記第2の金属電極(206b)は、好ましくは、前記反応空間から遮断される、
ことを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
請求項1から請求項34のいずれか1項に記載の前記方法を実施するためのものである、
ことを特徴とする請求項41又は請求項42に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1による少なくとも1つのSiC結晶、特にSiC単結晶の生成のための方法に関連し、請求項35によるSiC結晶に関連し、かつ請求項41によるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
炭化珪素(SiC)ウェーハに基づく電力電子機器は、SiCがより高い電圧、温度、及び周波数で作動することを可能にするそのより広いバンドギャップに主に起因して従来の珪素(Si)ウェーハに基づくものに優る改善された性能を示す。電気車両(EV)への世界規模の移行が勢いを増す中で、高性能SiCベースの電力電子機器への関心が益々高まっているが、SiCウェーハは、Siウェーハよりもかなり高価なままに留まっている。
【0003】
現在、SiC単結晶の商業生産のための優勢な方法は、物理蒸気搬送(PVT)である。
【0004】
現時点で、使用される工業用SiCソース材料は、商業用アチソン工程を通じて生成され、次に、粉末化及び酸浸出によって更に精製される。アチソン工程は、工業規模でのSiCソース材料の生成に対して未だに唯一の公知の工程である。酸浸出は、SiCから微量金属を抽出するのに使用されるが、粒子の面から約1ミクロン未満の深さに浸透するだけである。すなわち、粒子は、この浸透層が粒子の全体積の十分な比率を構成するように十分に小さい必要がある。その結果、粉末SiC粒子は、典型的には、200-300ミクロンの平均粒径を有する必要がある。この平均粒径では、この材料は、約99.99%又は99.999%まで、それぞれ他に4N又は5N純度と呼ばれるものまで精製することができるだけである。
【0005】
一部の場合に、SiCソース材料を生成するのに、特にグラファイト粉末と混合されて焼結された珪素粉末が使用される。SiC材料を粉末化することは、取り扱い及び空気への露出中に汚染に対する大きい面積を生成する。懸念される主な汚染物質は、微量金属、窒素、及び酸素である。
【0006】
これらの酸浸出又は焼結を受けたSiC材料の単に中庸な4N又は5N純度にも関わらず、それらは、高価であり、かつ得られるSiCウェーハの全体的に高いコストに有意に寄与する。中庸な純度はまた、不純物が結晶内に欠陥を引き起こし、これを次にスライスしてウェーハにするのではなく廃棄しなければならない点で高いウェーハコストに寄与する。言い換えれば、ソース材料内の不純物は、低い結晶収量に寄与する。
【0007】
SiCソース材料内の微量金属の存在は、PVTによって成長した得られる単結晶SiCブールの結晶欠陥に関する主な根本原因であると考えられる。現在、転位のような結晶欠陥に関する単結晶SiCブールの品質は、珪素又はGaAsのような他の半導体結晶を数桁下回っている。これらの結晶欠陥は、SiC電気デバイス(殆どの場合に垂直デバイスである)内の望ましくない電気短絡に至り、かつ電気デバイス収量を低減する。従って、ソース材料不純物からもたらされる結晶欠陥を防止するためのより良いソリューションを見つけることが必須である。
【0008】
更に、単結晶SiCブールから製造されるSiCウェーハ内の金属不純物は、SiC電気デバイスを製造するためのその後のインプラント及びドーピング技術と相互作用し、これは、デバイス不良に至る可能性があると考えられ、かつ電気デバイス収量を低減する。
【0009】
更に、不純物、特に窒素の濃度又は帯域は、ブール内で増大し、これは、所要範囲外である場合がある又はウェーハの一方の側から別の側まで変化する導電性を有するウェーハを同じブール内の異なる高さからもたらす。RF用途のための半絶縁性SiCウェーハの場合に、非常に低い導電性が必要とされ、従って、微量金属及び窒素の非常に低い濃度がウェーハ内で許容可能である。電力用途のための導電性SiCウェーハの場合に、ある一定の量の導電性が必要である。しかし、この導電性は、成長時間全体中にPVTるつぼの中に窒素ガスを提供することによってSiCブール全体を通して均一に達成される。
【0010】
SiCソース材料の形状因子も、PVT成長に重要である。粉末ソース材料は、昇華のための大きい初期表面積及び従って高い初期昇華速度を提供する。高い昇華速度は、全ての蒸発SiC化学種を結晶の中に組み込むことができずにるつぼの他の部分上の寄生多結晶堆積物になる事象では不経済である可能性がある。より悪いことに、結晶成長面の前にある高濃度のSiC化学種は、気相での核形成と非晶の形成又は単結晶ブール内の多結晶包含とに至る可能性がある。経時的に、粉末ソース材料は、互いに焼結する傾向を有し、実質的に低減した表面積を有する単一ブロックの材料を生成し、従って、昇華速度をテーリングする。粉末ソース材料に関するこのスパイキング及びテーリング昇華曲線は、成長した結晶内の欠陥の可能性を有する全体的に緩慢な成長をもたらす。最終的に、粉末ソース材料は、約1.2g/cm3の低いタップ密度を有し、これは、るつぼの中に装填することができる材料の質量及び従って成長させることができる結晶のサイズを制限する。
【0011】
文献GB1128757は、SiCの薄いコーティングの堆積のための方法を開示している。しかし、GB1128757の教示は、PVTソース材料としての大量のSiCの生成のための方法に関連していない。
【0012】
DE1184738(B)は、加熱グラファイト本体上の水素の存在下で1:1のモル比率でハロゲン化珪素を四塩化炭素と反応させることによって単結晶及び多結晶形態の炭化珪素結晶を生成する方法を開示している。この工程では、1体積パーセントのシリコンクロロホルム、1体積パーセントの四塩化炭素及び水素の混合物が、最初に、緻密な炭化珪素層がグラファイト本体上に形成されるまで400から600l/hの流量でグラファイト本体の上を通され、次に、1500から1600℃で250から350l/hの流量で堆積本体の上を通される。
【0013】
この従来技術は、それが大規模工業工程で安価に生成される高純度SiCに対する今日の要件を満足しないので不利である。SiCは、効率を高めるために多くの技術分野、特に電力用途及び/又は電子モビリティに使用されている。SiCを必要とする製品が大規模市場にアクセス可能であるために、製造コストは低減されなければならず、及び/又は品質は高められなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】GB1128757
【特許文献2】DE1184738(B)
【特許文献3】US 2018169704
【特許文献4】US 2009/120848
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、炭化珪素(SiC)の低コスト供給を提供することが本発明の目的である。これに加えて又はこれに代えて、高純度SiCが提供されるべきである。これに加えて又はこれに代えて、SiCは、非常に高速に提供されるべきである。これに加えて又はこれに代えて、SiCは、非常に有効に生成可能であるべきである。これに加えて又はこれに代えて、有利な特質を有する単結晶SiCが生成されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記で言及した目的は、好ましくはUPSiCである特にPVTソース材料の生成のためのSiC生成反応器によって解決される。本発明によるSiC生成反応器は、少なくとも処理チャンバと、ソース媒体を発生させるために1又は複数の給送媒体を処理チャンバの反応空間の中に給送するためのガス入口ユニットと、SiCを堆積させるために処理チャンバの内側に配置された1又は複数のSiC成長基板、特により多いか又は64個までのSiC成長基板とを備える。
【0017】
このソリューションは、このSiC生成反応器を使用してSiC材料、特にPVTソース材料を工業規模で生成することができるので有益である。
【0018】
本発明の好ましい実施形態により、各SiC成長基板は、第1の電力接続部及び第2の電力接続部を備え、第1の電力接続部は、第1の金属電極であり、第2の電力接続部は、第2の金属電極であり、第1の金属電極及び第2の金属電極は、好ましくは処理チャンバの内側の反応空間から遮断され、各SiC成長基板は、SiC成長基板の外面又は堆積SiCの面を1300℃と1800℃の間の温度まで特に抵抗加熱を用いて、好ましくは内部抵抗加熱によって加熱するために少なくとも1つの第1の金属電極と少なくとも1つの第2の金属電極の間に結合される。この実施形態は、SiC成長基板を非常に有効な方式で加熱することができるので有益である。
【0019】
流れる電流は、入口電極と出口電極を必要とするので、これらの電極は、好ましくは、12ペア又は18ペア又は24ペア又は36ペア又はそれよりも多いような複数のペアに好ましくは配置される。堆積基板、それぞれ、SiC成長基板は、好ましくは、電極ペアの各電極、特に金属電極(第1及び第2の金属電極)に取り付けられ、基板は、その上部で電気回路を完成させるように基板と同じ材料の交差部材、それぞれ、ブリッジによって接続される。堆積基板、それぞれ、SiC成長基板は、好ましくは、中間部品、それぞれ、チャックを通じて電極に取り付けられる。チャックは、好ましくは、電流が集中して抵抗加熱が強まるように電極から堆積基板まで延びる低減する断面積を有する。チャックの目的は、下側のより広い端部で堆積温度よりも低い温度を維持し、かつ上側のより狭い端部で堆積温度よりも高い温度を維持することである。チャックは、好ましくは、形状が円錐形である。チャック、堆積基板、及びブリッジは、好ましくは、グラファイトから、又はより好ましくは50000ppmよりも低く、好ましくは5000ppmよりも低く、非常に好ましくは500ppmよりも少ない全灰含有量を有する高純度グラファイトから作られる。堆積基板はまた、好ましくは、SiCから作られる。本発明の更に別の態様により、第1の金属電極とSiC成長基板の間の接触は、第2の金属電極とSiC成長基板の間の接触とは異なる平面内である。第2の電極は、好ましくは、処理チャンバの反対側に及び/又はベルジャーの一部として配置される又は提供することができる。
【0020】
処理チャンバは、本発明の好ましい実施形態により、ベースプレートと側壁セクションと上壁セクションとによって少なくとも取り囲まれる。この実施形態は、処理チャンバをベースプレートと側壁セクションと上壁セクションとによって隔離する、それぞれ、定めることができるので有益である。ベースプレートにはまた、好ましくは、複数のガス入口ポートと1又は複数のガス出口ポートとが配置される。ガス入口ポート及び出口ポートは、未使用給送ガスが堆積基板上の堆積面と絶えず接触状態にもたらされるように、給送ガスの最適流れをCVD反応器、それぞれ、SiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器の内側に生成するように配置される。
【0021】
ガス入口ユニットは、本発明の更に別の好ましい実施形態により、少なくとも1つの給送媒体ソースと結合され、1つの給送媒体ソースは、Si及びC給送媒体ソースであり、Si及びC給送媒体ソースは、少なくともSi及びC、特にSiCl3(CH3)を提供し、搬送ガス給送媒体ソースは、搬送ガス、特にH2を提供し、又はガス入口ユニットは、少なくとも2つの給送媒体ソースと結合され、2つの給送媒体ソースのうちの一方は、Si給送媒体ソースであり、Si給送媒体ソースは、少なくともSi、特に一般式SiH4-yXy(X=[Cl、F、Br、J]及びy=[0..4]に従うSiガスを提供し、2つの給送媒体ソースのうちの別の一方は、C給送媒体ソースであり、C給送媒体ソースは、少なくともC、特に天然ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン、及び/又はアセチレンを提供し、搬送ガス媒体ソースは、搬送ガス、特にH2を提供する。
【0022】
これに代えて、第1の給送媒体は、Si給送媒体、特に一般式SiH4-yXy(X=[Cl、F、Br、J]及びy=[0..4]に従うSiガスであり、ガス入口ユニットは、少なくとも1つの給送媒体ソースと結合され、Si及びC給送媒体ソースは、少なくともSi及びC、特にSiCl3(CH3)を提供し、搬送ガス給送媒体ソースは、搬送ガス、特にH2を提供し、又はガス入口ユニットは、少なくとも2つの給送媒体ソースと結合され、Si給送媒体ソースは、少なくともSiを提供し、特に、Si給送媒体ソースは、第1の給送媒体を提供し、第1の給送媒体は、Si給送媒体、特に一般式SiH4-yXy(X=[Cl、F、Br、J]及びy=[0...4]に従うSiガスであり、C給送媒体ソースは、少なくともCを提供し、特に、C給送媒体ソースは、第2の給送媒体を提供し、第2の給送媒体は、C給送媒体、特に天然ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン、及び/又はアセチレンであり、搬送ガス媒体ソースは、第3の給送媒体を提供し、第3の給送媒体は、搬送ガス、特にH2である。
【0023】
天然ガスは、好ましくは、複数の成分を有するガスを定め、最大の成分はメタンであり、特に50%(質量)よりも多くがメタンであり、好ましくは、70%(質量)よりも多くがメタンであり、非常に好ましくは、90%(質量)よりも多くがメタンであり、最も好ましくは、95%(質量)よりも多く又は99%(質量)よりも多くがメタンである。
【0024】
すなわち、SiC生成反応器、それぞれ、CVD SiC装置はまた、好ましくは、給送ガスをガス入口ユニットに給送するための給送ガスユニット、それぞれ、媒体供給ユニットで装備される。給送ガスユニット、それぞれ、媒体供給ユニットは、給送ガスがCVD反応器、それぞれ、SiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器の中にポンピングされる前に適正温度まで加熱されて適正比で混合されることを保証する。給送ガスユニット、それぞれ、媒体供給ユニットは、給送ガスをそのそれぞれのソース、特にストレージタンクからCVD反応器、それぞれ、SiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器の周りまで搬送するパイプ及びポンプで始まる。ここで、好ましくは各給送ガスの質量流量は、好ましくは、全体処理制御ユニットに接続された個別の質量流量計によって様々な給送ガスの適正比に到達することができるように制御される。更に、別々の給送ガスが、好ましくは、特に媒体供給ユニットの混合ユニット内で混合され、ガス入口ユニット、特にその複数のガス入口ポートを通してCVD反応器、それぞれ、SiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器の中にポンピングされる。好ましくは、給送ガスユニット、それぞれ、媒体供給ユニットは、STC及び/又はTCSのようなSi含有ガスと、メタンのようなC含有ガスと、Hのような搬送ガスとを含む3つの給送ガスを混合することができる。本発明の別の好ましい実施形態では、MTCSのようなSiとCとの両方を含有する給送ガスが存在し、給送ガスユニットは、3つではなく2つのガス、すなわち、MTCSとHとを混合する。STC、TCS、及びMTCSは、室温で液体であることに注意しなければならない。従って、これらの給送液体が、他の給送ガスと即座に混合する給送ガスになるように、これらの給送液体を最初に加熱するための予備加熱器が、ガス入口ユニットの上流、特に給送ガスユニット、それぞれ、媒体供給ユニットの上流に必要である可能性がある。
【0025】
好ましくは、これらのガスは、SiとCの間に1:1の原子比率が存在するように混合される。一部の場合に、SiとCの間に異なる原子比率が存在するようにこれらのガスを混合することがより好ましい場合がある。時には、より高い堆積速度を達成するために、堆積面は、1300℃から1600℃の堆積温度範囲の高い方の終端に維持することが望ましい。しかし、そのような条件下では、SiC内への余分なCの堆積の可能性がある。この余分なCの堆積は、Si:C比が1:1よりも高く、好ましくは、1:1.1、1:1.2、又は1:1.3になるように給送ガスを混合することによって緩和することができる。それとは逆に、時には、低速で応力不在の堆積をもたらすために、堆積面は、堆積温度範囲の低い方の終端に維持することが望ましい。そのような条件下では、SiC内への余分なSiの堆積の可能性がある。余分なSiの堆積は、Si:C比が1:1よりも低く、好ましくは、1:0.9、1:0.8、又は1:0.7になるように給送ガスを混合することによって緩和することができる。
【0026】
給送ガス混合物に関する更に重要な考察は、Si及びCに対するHの原子比率である。余分なHは、Si及びCを薄めて堆積速度を低減する可能性がある。同様に、余分なHは、CVD反応器、それぞれ、SiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器から流出する通気ガスの体積を増大させ、これらの通気ガスのいずれかの処理及び再循環を複雑にする場合もある。その一方で不十分なHは、化学連鎖反応を遅延させ、SiCの堆積をもたらす場合がある。Siに対するH2のモル比は、好ましくは、2:1から10:1の範囲にあり、より好ましくは、4:1と6:1の間である。
【0027】
本発明の更に別の実施形態により、1つのSiC生成反応器の内側に4個よりも多く又は最大で4個、好ましくは、6個よりも多く又は8個よりも多く又は最大でこれらの個数、非常に好ましくは、16個よりも多く、32個よりも多く、又は64個よりも多く又は最大でこれらの個数、最も好ましくは、最大で128個又は最大で256個のSiC成長基板を配置することができる。
【0028】
この実施形態は、追加のSiC成長基板を追加することによってSiC反応器の出力を有意に増大することができるので有益である。
【0029】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、処理チャンバ内への1又は複数の給送媒体の給送媒体サプライを設定するための制御ユニットが提供され、制御ユニットは、1分当たりの給送媒体サプライ(質量)の最小量と1分当たりの給送媒体サプライ(質量)の最大量の間で給送媒体サプライを設定するように構成され、1分当たりの給送媒体サプライ(質量)の最小量は、定められた質量成長速度でのSiの最小堆積量(質量)及びCの最小堆積量(質量)に対応し、定められた質量成長速度は、SiC成長面1cm2当たり毎時0.1gよりも高く、1分当たりの給送媒体サプライの最大量は、給送媒体サプライの最小量と比較して最大で30%(質量)、最大で20%(質量)、最大で10%(質量)、最大で5%(質量)、又は最大で3%(質量)高い。この実施形態は、給送媒体サプライを望ましいSiC条件に依存して制御することができるので有益である。
【0030】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、制御ユニットは、SiC成長基板を通る電流量を制御してSiC成長基板の面温度を維持するか又は堆積SiCの面温度を設定するように構成される。この実施形態は、所要の温度条件を設定することによってSiCの堆積を維持することができるので有益である。
【0031】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、制御ユニットは、定められた面成長速度及び/又は定められた半径方向成長速度でSiCを絶え間なく堆積させるために電流量及び給送媒体サプライを少なくとも1時間、好ましくは、少なくとも2時間、4時間、又は6時間にわたって制御するように構成される。この実施形態は、大きいSiC固体を発生させることができるので有益である。
【0032】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、制御ユニットは、電流量を修正するように構成されたハードウエア配置であり、生成工程開始からの第1の定められた期間の範囲の電流量の修正は、予め定められている。この実施形態は、ハードウエアを定められた工程に適応させることができ、従って、追加のセンサが必要ではないので有益である。好ましくは、第1の期間は、1時間又はそれよりも長く、又は生成工程の持続時間の最大で60%、生成工程の持続時間の最大で80%、生成工程の持続時間の最大で90%、又は生成工程の持続時間の最大で100%である。好ましくは、ハードウエア配置は、給送媒体サプライを修正するように構成され、生成工程の開始からの第2の定められた期間の範囲の給送媒体サプライの修正は予め定められており、第2の期間は、1時間又はそれよりも長く、又は生成工程の持続時間の最大で60%、生成工程の持続時間の最大で80%、生成工程の持続時間の最大で90%、又は生成工程の持続時間の最大で100%である。
【0033】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、少なくとも1つのセンサが提供され、センサは、センサ信号又はセンサデータを制御ユニットに提供するために制御ユニットと結合され、制御ユニットは、少なくとも1つのセンサのセンサ信号又はセンサデータに依存して電流量及び給送媒体サプライを制御し、少なくとも1つのセンサは、基板のうちの少なくとも1つの面温度をモニタするための温度センサである。少なくとも1つの温度センサは、好ましくは、カメラ、特にIRカメラであり、好ましくは、複数の温度センサが提供され、温度センサの個数は、SiC成長基板の個数に対応し、SiC成長基板10個毎に少なくとも1つ、特に、2個、5個、10個、又は20個の温度センサが提供され、又はSiC成長基板5個毎に少なくとも1つ、特に、2個、5個、10個、又は20個の温度センサが提供され、又はSiC成長基板2個毎に少なくとも1つ、特に、2個、5個、10個、又は20個の温度センサが提供され、好ましくは、温度センサは、測定温度、特に面温度を表す温度センサ信号又は温度センサデータを出力する。この実施形態は、SiC生成反応器の内側の状態を即座に調節することができるので有益である。
【0034】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、少なくとも1つの基板直径測定センサが提供され、好ましくは、基板直径測定センサは、基板直径の成長を決定するためのIRカメラであり、好ましくは、測定基板直径又はその変動を表す直径測定信号又は直径測定データ、及び/又は基板直径の成長を決定するための電気抵抗変化を決定するための抵抗直径手段を出力し、好ましくは、測定基板直径又はその変動を表す直径測定信号又は直径測定データを出力する。この実施形態は、電流量又は給送媒体サプライのような測定データ又は値パラメータの依存性を修正、特に高めることができるので有益である。
【0035】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、1又は複数のバルブが提供され、1又は複数のバルブは、測定温度に依存し、特に温度センサ信号又は温度センサデータに依存して作動されるように構成され、及び/又は測定基板直径に依存し、特に直径測定信号又は直径測定データに依存して作動されるように構成される。1又は複数のバルブは、ガス入口ユニットの一部とすることができる。この実施形態は、給送媒体流れ及び/又は通気ガス流れを制御することができるので有益である。従って、本発明の更に別の好ましい実施形態により、制御ユニットは、経時的に少なくとも1つのSiC成長基板の電気活性化を強めるように、特に堆積SiCの面を1300℃と1800℃の間の温度まで加熱するように構成される。
【0036】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、電流を提供するための電源ユニットは、直径測定信号又は直径測定データに依存して電流を提供するように構成される。この実施形態は、給送媒体流れ及び/又は通気ガス流れを制御することができるので有益である。
【0037】
すなわち、好ましくは、制御ユニットは、温度センサ信号又は温度センサデータ、及び/又は直径測定信号又は直径測定データを受け入れてそれらを処理するように、及び/又は1又は複数のバルブ及び/又は電源ユニットを制御するように構成される。
【0038】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、制御ユニットは、SiCを設定堆積速度、特に垂直堆積速度で2時間よりも長く、特に、3時間よりも長く又は最大で3時間、5時間よりも長く又は最大で5時間、8時間よりも長く又は最大で8時間、好ましくは、10時間よりも長く又は最大で10時間、非常に好ましくは、15時間よりも長く又は最大で15時間、最も好ましくは、24時間よりも長く又は最大で24時間、最大で72時間、又は最大で100時間にわたって堆積させるために給送媒体流れ及び堆積SiCの面の温度を制御するように構成される。この実施形態は、大量のSiCを成長させることができるので有益である。
【0039】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、ベースプレートは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素、特にベース冷却要素を備え、及び/又は側壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素、特にベルジャー冷却要素を備え、及び/又は上壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素、特にベルジャー冷却要素を備える。
【0040】
この実施形態は、本発明が超高純度バルクCVD SiCの大量商業生産のためのSiC CVD装置を開示するので有益である。SiC CVD装置内の中心機器は、CVDユニット、それぞれ、CVD反応器、それぞれ、SiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器である。好ましくは、CVD反応器、それぞれ、SiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器は、冷却要素、特に二重壁の流体冷却、特に水冷却又は油冷却式下側ハウジング、それぞれ、ベースプレートと、二重壁液体冷却式上側ハウジング、それぞれ、ベルジャーとを備える。好ましくは、ベースプレート、特にベルジャーの内壁は、CVD反応器、それぞれ、SiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器の作動温度に適合する使用温度を有する材料で製造される。特に、ベルジャーの内壁は、ステンレス鋼から製造することができる。好ましくは、この内壁は、放射エネルギを反射して戻し、熱損失を最小にし、従って、電気代を最小にするために、これに加えて又はこれに代えて、好ましくは、銀又は好ましくは金のような反射コーティングで被覆される。好ましくは、ベルジャー及び/又はベースプレートは、高温に耐えるステンレス鋼で製造される。しかし、クロム、ニッケル、セリウム、又はイットリウムが添加された現在の高温鋼は、最大で1300℃の温度への耐性を有する(空気中で)。一例として、鋼鉄EN1.4742(X10CrAlSi18)は、最大で1000℃の温度の耐熱性を有する。別の例では、合金鋼EN2.4816(UNS N06600)は、1250℃の温度に耐え、1370℃よりも高いと融解するが、その引張強度は、1100℃よりも高い温度では室温値の10%よりも低い場所まで降下する。従って、これらの鋼鉄のうちのいずれも、1300℃よりも高いSiC吸収に必要とされる非常に高い温度に耐えることができない。
【0041】
従って、ベルジャー及び/又はベースプレートの温度を高温ステンレス鋼の使用に対して許容可能なレベルまで低減するために冷却要素を提供することが有利である。
【0042】
好ましくは、堆積基板を抵抗加熱するために、CVD反応器、それぞれ、SiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器への電気貫通接続部を提供するための1又は複数の流体冷却式、特に水冷却又は油冷却式電極がベースプレートに配置される。本発明の更に別の好ましい実施形態により、冷却要素は能動冷却要素である。
【0043】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションは、冷却流体を案内するための冷却流体案内ユニットを備え、冷却流体案内ユニットは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの加熱を1300℃よりも低い温度に制限するように構成される。この実施形態は、金属、特に鋼鉄のベルジャーを提供することができるので有益である。鋼鉄ベルジャーは、石英ベルジャーと比較して有意により大きく生成することができるので有益である。
【0044】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの温度を検出して温度信号又は温度データ出力するためにベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニットが提供され、冷却流体を流体案内ユニットを通して順送するために流体順送ユニットが提供される。この実施形態は、冷却流体及び/又は処理チャンバの損失又は汚染を有することなく絶え間ない冷却を行うことができるので有益である。
【0045】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、流体順送ユニットは、ベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニットによって提供される温度信号又は温度データに依存して作動されるように構成される。この実施形態は、ベルジャー及び/又はベースプレートが1000℃よりも低く、好ましくは、800℃よりも低く、非常に好ましくは、400℃よりも低い温度で作動される場合、又はベルジャー及び/又はベースプレートが1000℃よりも低く、好ましくは、800℃よりも低く、非常に好ましくは、400℃よりも低い温度まで冷却される場合に金属不純物を回避することができるので有益である。
【0046】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、冷却流体は油又は水であり、好ましくは、水は、少なくとも1つの添加剤、特に防錆剤及び/又は防汚剤(殺生物剤)を備える。この実施形態は、SiC生成反応器の欠陥又は汚染を回避するように冷却液を改質することができるので有益である。
【0047】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、冷却要素は受動冷却要素である。この実施形態は、受動冷却要素が定常的なモニタを必要としないので有益である。
【0048】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、冷却要素は、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの研磨鋼鉄面によって少なくとも部分的に形成される。本発明の更に別の好ましい実施形態により、冷却要素はコーティングであり、コーティングは、研磨鋼鉄面の上に形成され、熱を反射するように構成される。本発明の更に別の好ましい実施形態により、コーティングは金属コーティングであり、又は金属、特に、銀、金、クロム、又は合金のコーティング、特にCuNi合金を備える。本発明の更に別の好ましい実施形態により、研磨鋼鉄面及び/又はコーティングの放射率は、0.3よりも小さく、特に0.1よりも小さいか又は0.03よりも小さい。この実施形態は、研磨面及び/又はコーティングに起因して高い熱放射量をSiC成長面に反射して戻すことができるので有益である。
【0049】
すなわち、本発明の更に別の好ましい実施形態により、ベルジャー面の少なくとも1つのセクション及び/又はベースユニット面の少なくとも1つのセクションは、コーティング、特に反射コーティングを備え、ベルジャー面のこのセクション及び/又はベースユニット面のこのセクションは、反応空間の境界を形成し、コーティングは金属コーティングであり、特に、金、銀、アルミニウム、及び/又はプラチナを備える又はこれらから構成され、及び/又は1回の生成稼働中に放射される放射エネルギのうちの少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、又は少なくとも20%をコーティング上に反射するように構成される。
【0050】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、ベースプレートは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの能動冷却要素と1つの受動冷却要素とを備え、及び/又は側壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの能動冷却要素と1つの受動冷却要素とを備え、及び/又は上壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの能動冷却要素と1つの受動冷却要素とを備える。
【0051】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、側壁セクション及び上壁セクションは、ベルジャーによって形成され、好ましくは、ベルジャーは、ベースプレートに対して移動可能である。本発明の更に別の好ましい実施形態により、側壁セクションの50%(質量)よりも多く、上壁セクションの50%(質量)よりも多く、及び/又はベースプレートの50%(質量)よりも多くは、金属、特に鋼鉄で製造される。この実施形態は、大きい鋼鉄ベルジャーを製造し、処理チャンバ体積の有意な増加、従って、潜在的なSiC材料の有意な増加をもたらすことができるので有益である。従って、本発明の更に別の好ましい実施形態により、好ましくは、ベースユニットとのインタフェースを形成するための接触領域を備えるベルジャーが提供され、インタフェースは、気相化学種の漏出を防ぐために密封され、ベルジャーはベルジャー冷却ユニットを備え、ベルジャー冷却要素は、ベルジャー冷却液を保持又は案内するための少なくとも1つのチャネル、トレンチ、又は凹部を形成し、ベルジャー冷却要素は、ベルジャーの少なくとも1つのセクション、好ましくは、ベルジャー全体を定められた温度よりも低くなるまで冷却するように、又は生成稼働中に毎分定められた熱量を除去するように構成される。好ましくは、ベルジャー冷却要素及び/又はベースプレート冷却要素は、制御ユニットによって制御される。これに加えて又はこれに代えて、ベルジャー冷却要素及び/又はベース冷却要素は、互いに結合されて1つの主冷却ユニットを形成する。
【0052】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、ベースユニットは、それを冷却するための少なくとも1つのベース冷却要素を備え、ベース冷却要素は、ベース冷却液を保持又は案内するための少なくとも1つのチャネル、トレンチ、又は凹部を形成する。本発明の更に別の好ましい実施形態により、ベース冷却要素は、第1の金属電極のうちの少なくとも1つの区域内に、好ましくは、少なくとも1つの第2の金属電極の区域内にも配置され、反応器の内側で第1の金属電極のうちの少なくとも1つの区域内に、好ましくは、少なくとも1つの第2の金属電極の区域内にも配置されたベースユニット、特にその面を定められた温度よりも低くなるまで冷却するように、又はベースユニットから毎分定められた熱量を除去するように構成され、又はベース冷却要素は、完全生成稼働中にベースユニット全体を定められた温度よりも低くなるまで冷却するように、又は生成稼働中に毎分定められた熱量を除去するように構成される。この実施形態は、SiC反応器を損壊することなく電極を高電流で作動させることができるので有益である。
【0053】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、第1の金属電極とSiC成長基板は、第1のグラファイトチャックを通じて互いに接続され、及び/又は第2の金属電極とSiC成長基板は、第2のグラファイトチャックを通じて互いに接続される。この実施形態は、SiC成長基板の中に電流を均等な方式で導入することができるので有益である。本発明の更に別の好ましい実施形態により、第1のグラファイトチャック及び/又は第2のグラファイトチャックは、ベースユニットに装着される。
【0054】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、好ましくは、ベースユニットの第1の側からベースユニットに進入する第1の金属電極及び第2の金属電極の金属化学種による反応チャンバの金属化学種汚染を回避するために、第1の金属電極及び第2の金属電極は、反応チャンバから密封され、好ましくは、ベースユニットの内側で第1の側と反対にあるベースユニットの他方の側まで延び、第1の金属電極、好ましくは、更に第2の金属電極は、ベースユニットの他方の側に形成されたベースユニットの処理チャンバ面の下方にある密封レベルまでベースユニットの内側を延びる。この実施形態は、反応空間の汚染を回避することができるので有益である。
【0055】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、密封レベルと処理チャンバ面の間に密封壁部材が形成され、密封壁部材は、SiC成長基板を第1の金属電極から、好ましくは、更に第2の金属電極から分離する。この実施形態は、短絡を防止することができるので有益である。
【0056】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、制御ユニットは、SiC成長基板を通る電流量を制御してSiC成長基板の面温度を維持するか又は堆積SiCの面温度を設定するように構成され、電流を提供するための電源ユニットに結合され、電源ユニットは、制御ユニットによって提供される電源データ又は電源信号を受け入れるように構成され、及び/又は処理チャンバ内への1又は複数の給送媒体の給送媒体サプライに関して、制御ユニットは、1又は複数の給送媒体をガス入口ユニットに給送するための媒体供給ユニットに結合され、媒体供給ユニットは、制御ユニットによって提供される媒体供給データ又は媒体供給信号を受け入れるように構成され、及び/又はベースユニットの冷却に関して制御ユニットは、ベースユニットを冷却するためのベース冷却要素に結合され、ベース冷却要素は、制御ユニットによって提供されるベース冷却データ又はベース冷却信号を受け入れるように構成され、及び/又はベルジャーの冷却に関して制御ユニットは、ベルジャーを冷却するためのベルジャー冷却要素に結合され、ベルジャー冷却要素は、制御ユニットによって提供されるベルジャー冷却データ又はベルジャー冷却信号を受け入れるように構成され、及び/又は制御ユニットは、特に、少なくとも電源ユニット及び媒体供給ユニットを制御することによって200μm/hよりも高い堆積速度、特に垂直堆積速度を設定するように構成される。この実施形態は、制御ユニットが複数のパラメータを制御することができ、従って、加熱ユニットと供給ユニットと冷却ユニットとを同時に作動させることによって出力を増大することができるので有益である。
【0057】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、媒体供給ユニットは、1又は複数の給送媒体を処理チャンバの中に1バールよりも高い、特に1.2バールよりも高い、好ましくは、1.5バールよりも高い、非常に好ましくは、2バール、3バール、4バール、5バールそれぞれよりも高い、特に最大で10バール又は最大で20バールの圧力で供給するように構成される。本発明の更に別の好ましい実施形態により、これに加えて又はこれに代えて、媒体供給ユニットは、1又は複数の給送媒体及び搬送ガスを処理チャンバの中に1バールよりも高い、特に1.2バール、1.5バール、2バール、3バール、4バール、又は5バールよりも高い圧力で供給するように構成される。この実施形態は、処理チャンバの内側で材料密度が高く、それによって大量のSi材料及びC材料がSiC成長面に到達し、従って、高度なSiC成長をもたらすので有益である。
【0058】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、少なくとも1つのSiC成長基板、好ましくは、複数のSiC成長基板又は全てのSiC成長基板は、I字状、E字状、又はU字状に形成され、少なくとも1つのSiC成長基板、複数のSiC成長基板、又は全てのSiC成長基板は、ベースユニット、特に密封壁部材を通して第1の金属電極に接続され、及び/又は少なくとも1つのSiC成長基板、好ましくは、複数のSiC成長基板又は全てのSiC成長基板は、I字状、E字状、又はU字状に形成され、少なくとも1つのSiC成長基板、複数のSiC成長基板、又は全てのSiC成長基板は、ベースユニット、特に密封壁部材を通して第2の金属電極に接続される。この実施形態は、特にU字形状に関してSiC成長基板の長さをI字形状の長さのほぼ2×又は約2×にすることができるので有益である。更に、U字形SiC成長基板の電極は、同じ壁部材、特にベースプレートに装着することができる。
【0059】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、入口ユニットは、処理チャンバの内側、特に、SiC成長基板の面又はその上に堆積したSiCの面まで20mmよりも短く、10mmよりも短く、又は2mmよりも短い距離内に乱流ガス流れを引き起こすための複数のオリフィスを備える。堆積SiCの面は、成長するので、特に絶え間なく成長するので、乱流を維持される領域は変化する場合がある。この実施形態は、乱流に起因してより多くのSi材料及びC材料がSiC成長基板面又はSiC成長面に到達することによって堆積速度を高めることができるので有益である。
【0060】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、制御ユニットは、1又は複数の給送媒体を処理チャンバの中に給送するように媒体供給ユニットを制御するように構成され、1又は複数の給送媒体は、Si=1及びC=0.8から1.1までのモル比Si:Cを備え、又はSi=1及びC=0.8から1.1までの原子比率Si:Cを備える。この実施形態は、望ましい材料比を制御及び設定することができるので有益である。すなわち、処理チャンバ内への1つの給送媒体及び搬送ガスの給送媒体サプライを設定するための制御ユニットが提供され、好ましくは、制御ユニットは、定められたモル比及び/又は定められた原子比率にある1つの給送媒体を処理チャンバの中に給送するように媒体供給ユニットを制御するように構成され、1つの給送媒体と搬送ガスとは、Si=1及びH=2から10まで、好ましくは、5から10まで、非常に好ましくは、5から7までの定められたモル比Si:Hを備え、又はSi=1及びH=2から10まで、好ましくは、5から10まで、非常に好ましくは、5から7までの定められた原子比率Si:Hを備え、又は処理チャンバ内への複数の給送媒体の給送媒体サプライを設定するための制御ユニットでは、制御ユニットは、複数の給送媒体を定められたモル比及び/又は定められた原子比率で処理チャンバの中に給送するように媒体供給ユニットを制御するように構成され、複数の給送媒体は、Si=1及びC=0.8から1.1までの定められたモル比Si:C、又はSi=1及びC=0.8から1.1までの定められた原子比率Si:Cを備える。
【0061】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、Si及びC給送媒体ソースは、入口ユニットの少なくとも1つのSi及びC給送媒体オリフィスと結合され、搬送ガス給送媒体ソースは、入口ユニットの少なくとも1つの搬送ガスオリフィスと結合され、好ましくは、Si及びC給送媒体オリフィスと搬送ガスオリフィスとは互いに異なり、又はSi及びC給送媒体ソースと搬送ガス給送媒体ソースとは、少なくとも1つの共通の混合要素及び/又は案内要素、特にパイプと結合され、少なくとも1つの共通の混合要素及び/又は案内要素は、入口ユニットの少なくとも1つのオリフィスと結合される。
【0062】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、Si及びC給送媒体をSi及びC給送媒体ソースから入口ユニットの少なくとも1つのオリフィスを通して反応空間の中に給送するためのSi及びC供給デバイスが提供され、及び/又は搬送ガス給送媒体を搬送ガス給送媒体ソースから入口ユニットの少なくとも1つのオリフィスを通して反応空間の中に給送するための搬送ガス供給デバイスが提供され、及び/又はSi及びC給送媒体と搬送ガス給送媒体との混合物を共通の混合要素及び/又は案内要素から入口ユニットの少なくとも1つのオリフィスを通して反応空間の中に入れるための給送媒体供給デバイスが提供される。
【0063】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、これに代えて、Si給送媒体ソースは、入口ユニットの少なくとも1つのSi給送媒体ソースオリフィスと結合され、C給送媒体ソースは、入口ユニットの少なくとも1つのC給送媒体ソースオリフィスと結合され、搬送ガス媒体ソースは、入口ユニットの少なくとも1つの搬送ガス給送媒体ソースオリフィスと結合され、Si給送媒体ソースオリフィス、C給送媒体ソースオリフィス、及び/又は搬送ガス給送媒体ソースオリフィスは互いに異なるか、又はSi給送媒体ソースとC給送媒体ソースは、少なくとも1つの共通の混合要素及び/又は案内要素、特にパイプと結合され、少なくとも1つの共通の混合要素及び/又は案内要素は、入口ユニットの少なくとも1つのオリフィスと結合され、又はSi給送媒体ソースと搬送ガス給送媒体ソースは、少なくとも1つの共通の混合要素及び/又は案内要素、特にパイプと結合され、少なくとも1つの共通の混合要素及び/又は案内要素は、入口ユニットの少なくとも1つのオリフィスと結合され、又はC給送媒体ソースと搬送ガス給送媒体ソースは、少なくとも1つの共通の混合要素及び/又は案内要素、特にパイプと結合され、少なくとも1つの共通の混合要素及び/又は案内要素は、入口ユニットの少なくとも1つのオリフィスと結合され、又はSi給送媒体ソースとC給送媒体ソースと搬送ガス給送媒体ソースは、少なくとも1つの共通の混合要素及び/又は案内要素、特にパイプと結合され、少なくとも1つの共通の混合要素及び/又は案内要素は、入口ユニットの少なくとも1つのオリフィスと結合される。
【0064】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、Si給送媒体をSi給送媒体ソースから入口ユニットの少なくとも1つのオリフィスを通して反応空間の中に給送するためのSi供給デバイスが提供され、及び/又はC給送媒体をC給送媒体ソースから入口ユニットの少なくとも1つのオリフィスを通して反応空間の中に給送するためのC供給デバイスが提供され、及び/又は搬送ガスを搬送ガス給送媒体ソースから入口ユニットの少なくとも1つのオリフィスを通して反応空間の中に給送するための搬送ガス供給デバイスが提供される。Si供給デバイス、C供給デバイス、及び/又は搬送ガス供給デバイスは、好ましくは、ポンプ、特に圧力ポンプである。
【0065】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、反応空間からガスを除去するための少なくとも1つの出口ユニット又は通気ガス出口は、ベルジャーの一部及び/又はベースユニットの一部として提供される。この実施形態は、使用されたガスは、処理チャンバの外に誘導することができ、従って、Si及びCの量は、排出されない通気ガスの存在による影響をそれほど受けないので有益である。本発明の更に別の好ましい実施形態により、反応空間からガスを除去するためにポンプデバイスが出口ユニットと結合され、ポンプデバイスは、好ましくは、真空ポンプである。
【0066】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、Si給送媒体ソースは、少なくとも6N、特に7N、好ましくは、8N、又は非常に好ましくは、9N純度を有するSi給送媒体を提供するように構成され、C給送媒体ソースは、少なくとも6N、特に7N、好ましくは、8N、又は非常に好ましくは、9N純度を有するC給送媒体を提供するように構成され、又はSi及びC給送媒体ソースは、少なくとも6N、特に7N、好ましくは、8N、又は非常に好ましくは、9N純度を有するSi及びC給送媒体を提供するように構成され、搬送ガス給送媒体ソースは、少なくとも6N、特に7N、好ましくは、8N、又は非常に好ましくは、9N純度を有する搬送ガス給送媒体を提供するように構成される。従って、Siを備え、物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Ni、特に、これらの物質のうちの1つ、好ましくは、複数、非常に好ましくは、大部分、又は最も好ましくは、全ての少なくとも99.99999%(重量ppm)を除く純度を有する少なくとも第1の給送媒体、特に第1のソースガスを処理チャンバの中に導入する段階と、Cを備え、物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Ni、特に、これらの物質のうちの1つ、好ましくは、複数、非常に好ましくは、大部分、又は最も好ましくは、全ての少なくとも99.99999%(重量ppm)を除く純度を有する少なくとも第2の給送媒体、特に第2のソースガスを処理チャンバの中に導入する段階と、物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Ni、特に、これらの物質のうちの1つ、好ましくは、複数、非常に好ましくは、大部分、又は最も好ましくは、全ての少なくとも99.99999%(重量ppm)を除く純度を有する搬送ガスを導入する段階とを実施することができ、又はSi及びCを備え、物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Ni、特に、これらの物質のうちの1つ、好ましくは、複数、非常に好ましくは、大部分、又は最も好ましくは、全ての少なくとも99.99999%(重量ppm)を除く純度を有する給送媒体、特にソースガスを処理チャンバの中に導入する段階と、物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Ni、特に、これらの物質のうちの1つ、好ましくは、複数、非常に好ましくは、大部分、又は最も好ましくは、全ての少なくとも99.99999%(重量ppm)を除く純度を有する搬送ガスを導入する段階とを実施することができる。従って、本発明は、最初に製造された時に少なくとも8N又は好ましくは9Nであり、好ましくは、その後の取り扱い及び使用最中の面汚染を最小にする顆粒又は固体の形状因子で供給されるSiCソース材料の生成のためのCVD反応器を開示する。この超高純度のSiCソース材料(UPSiC)は、使用給送ガスを蒸留のような有効な技術を用いて非常に高いレベルまで精製することができるCVD反応器又は工程によって製造される。SiC又はPVTソース材料SiC、特にUPSiCは、一般的に、最初に長くて厚いロッドの形態で堆積され、次に、PVTるつぼに使用するための形状又はサイズに脱凝集、特に切断又は粉砕される。好ましくは、粉砕機器は、SiCを汚染しない材料で製造され、更に、微粉体を除去し、面純度を保証するために更に別の酸エッチング段階の可能性もある。この実施形態は、有利な昇華特性を有する大きくて非常に高純度の粒子を生成することができるので有益である。エッチング段階が実施される場合に、特にHF/HNO3によって少数の原子層(Siエッチングでの10~50μmと比較して1μmよりも薄い)が除去されることになる。これは、エッチングに起因してアニール処理後の青褐色系色を除去することができるので有益である。これに加えて又はこれに代えて、例えば、HCl:HF:H2O2から構成される酸性選別酸及び/又は異なる酸機構を用いて酸化物層を除去することができる。
【0067】
堆積基板、それぞれ、SiC成長基板が堆積温度範囲まで加熱されて給送ガス混合物がCVD反応器、それぞれ、SiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器の中に導入された時に、化学気相蒸着が発生する。給送ガス混合物が加熱された堆積基板に接触すると、与えられたエネルギは、一連の正化学反応及び逆化学反応を起こし、その結果は、堆積基板上への固体SiCの堆積である。給送ガス混合物がSTC及びメタンを備える場合に、正味の反応を次式として要約することができる。
SiCl4+CH4=SiC+4HCl
【0068】
全てのSi含有分子及び全てのC含有分子が堆積面との接触状態になり、堆積反応を受けるわけではないことに注意しなければならない。従って、給送ガスがSiCとして基板上に堆積するよりも速く給送ガスをポンピングすることが好ましい。例えば、堆積面1平方センチメートル当たり毎時XモルのSiCが堆積されている場合に、Aが8と10の間の範囲にある時に毎時AXモルのSiとAXモルのCとをCVD反応器、それぞれ、SiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器の中にポンピングすることが必要である場合がある。このAが小さいほど、給送ガスから堆積SiCへの変換効率が高くなる。この効率は、給送ガス混合物と堆積面との接触を最大にするようにCVD反応器、それぞれ、SiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器の内側のガス流れを最適化することによって改善される。
【0069】
本発明の更に別の好ましい実施形態に従って反応空間の境界を定めるベースユニットの面と、反応空間の境界を定めるベルジャー面の上面セクションとは、第1の距離を空けて離間配置され、ベルジャー面の上面セクションは、高さ方向にベースユニット面まで最遠距離で配置され、第1の距離は最遠距離であり、1又は複数のSiC成長基板は、高さ方向に第2の距離にわたって延び、第2の距離は、第1の距離の高さの90%未満を有するか又は第1の距離の高さの90%未満を有するか又は第1の距離の高さの80%未満を有するか又は第1の距離の高さの75%未満を有するか又は第1の距離の高さの70%未満を有するか、又は1又は複数のSiC成長基板は、高さ方向に第2の距離にわたって延び、第1の距離は、第2の距離と比較して最大で10%、最大で20%、最大で30%、又は最大で50%長い。本発明の更に別の好ましい実施形態により、第1の距離は、100cmよりも長く、最大で100cm、又は正確に100cm、好ましくは、130cmよりも長く、最大で130cm、又は正確に130cm、150cmよりも長く、最大で150cm、又は正確に150cm、非常に好ましくは、170cmよりも長く、最大で170cm、又は正確に170cm、200cmよりも長く、最大で200cm、又は正確に200cm、250cmよりも長く、最大で250cm、又は正確に250cm、又は300cmよりも長く、最大で300cm、又は正確に300cmであり、及び/又は反応空間の内径は、50cmよりも長く、70cmよりも長く、最大で70cm、又は正確に70cm、100cmよりも長く、最大で100cm、又は正確に100cm、好ましくは、120cmよりも長く、最大で120cm、又は正確に120cm、又は非常に好ましくは、150cmよりも長く、最大で150cm、又は正確に150cmである。この実施形態は、SiC生成反応器の内側で大きいSiC成長基板を使用することができ、上述のことで生成効率を高めることができるので有益である。
【0070】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、ベルジャーとベースユニットの間のインタフェースはシーリングを備え、シーリングは、1バールよりも大きくなく、特に2バール又は5バールよりも大きくなく、非常に好ましくは、1バールと20バールの間である圧力に耐えるように構成される。この実施形態は、処理チャンバの内側に高い給送媒体密度を発生させてSiC成長基板への有利なSi及びCの供給をもたらすことができるので有益である。
【0071】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、反応空間の境界を定めるベルジャー、特にその面、及び/又は反応空間の境界を定めるベースユニット、特にその面は、化学処理、特に苛性ソーダに特に少なくとも30秒、少なくとも60秒、又は少なくとも5分にわたって耐えるように構成される。この実施形態は、再使用に向けてベルジャーを洗浄又は最適化することができるので有益である。
【0072】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、SiC成長基板は、1kgよりも重く、特に5kgよりも重く又は最大で5kg、好ましくは、50kgよりも重く又は最大で50kg、又は非常に好ましくは、200kgよりも重く又は最大で200kg、最も好ましくは、500kgよりも重く又は最大で500kgの質量と、少なくとも1cm、特に2cmよりも大きく又は最大で2cm、好ましくは、5cmよりも大きく又は最大で5cm、好ましくは、10cmよりも大きく又は最大で10cm、又は非常に好ましくは、20cmよりも大きく又は最大で20cm又は50cmよりも大きく又は最大で50cmの厚みとを有するSiC固体を保持するように構成される。この実施形態は、大量のSiC材料又はPVTソース材料を生成することができるので有益である。
【0073】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、反応空間体積は、1つのSiC固体の生成又は複数のSi容器保存場所の同時生成を可能にし、SiC固体は、1kgよりも重く、特に5kgよりも重く又は最大で5kg、好ましくは、50kgよりも重く又は最大で50kg、又は非常に好ましくは、200kgよりも重く又は最大で200kg、最も好ましくは、500kgよりも重く又は最大で500kgの質量と、少なくとも1cm、特に2cmよりも大きく又は最大で2cm、好ましくは、5cmよりも大きく又は最大で5cm、好ましくは、10cmよりも大きく又は最大で10cm、非常に好ましくは、20cmよりも大きく又は最大で20cm、又は最も好ましくは、50cmよりも大きく又は最大で50cmの厚みとを有するか、又は複数又は全てのSiC固体は、1kgよりも重く、特に5kgよりも重く又は最大で5kg、好ましくは、50kgよりも重く又は最大で50kg、又は非常に好ましくは、200kgよりも重く又は最大で200kg、最も好ましくは、500kgよりも重く又は最大で500kgの質量と、少なくとも1cm、特に2cmよりも大きく又は最大で2cm、好ましくは、5cmよりも大きく又は最大で5cm、好ましくは、10cmよりも大きく又は最大で10cm、非常に好ましくは、20cmよりも大きく又は最大で20cm、又は最も好ましくは、50cmよりも大きく又は最大で50cmの厚みとを有する。この実施形態は、大量のSiC材料又はPVTソース材料を生成することができるので有益である。
【0074】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、SiC成長基板は、好ましくは、細長の単体構造基板である。好ましくは、単体構造基板は、同じか又は類似の直径及び/又は同じか又は類似の断面形状を有する複数のセクションを備える。直径、特に電流の流れ方向に直交する直径は、少なくとも単体構造基板の長さの50%、好ましくは、少なくとも単体構造基板の長さの70%、非常に好ましくは、少なくとも単体構造基板の長さの90%、最も好ましくは、少なくとも単体構造基板の長さの95%に沿って同じか又は同様であり、同様とは、最大直径が最小直径の200%よりも小さく、好ましくは、最小直径の150%よりも小さく、非常に好ましくは、最小直径の110%よりも小さく、最も好ましくは、最小直径の105%よりも小さいことを意味する。本発明の更に別の好ましい実施形態により、SiC成長基板は、少なくとも2つの細長基板部品を備える多体構造基板であり、これら少なくとも2つの細長の特に直線形及び/又は曲線形の基板部品は、一列に配置され、特に端面により、好ましくは、直接に互いに接触する。好ましくは、少なくとも1つの基板部品、好ましくは、2又は2よりも多い基板部品は、電流の流れ方向に曲線を形成する。基板部品、特に直線形及び/又は曲線形の基板部品の電流の流れ方向に直交する直径は、好ましくは、同じであり、又は最大直径は、最小直径の200%よりも小さく、好ましくは、150%よりも小さく、又は非常に好ましくは、110%よりも小さく、最も好ましくは、105%よりも小さい。本発明の更に別の好ましい実施形態により、SiC成長基板は、3又は3よりも多い基板部品を備え、接触する基板部品間の基板部品接触面は、同じか又は類似の形状及び/又は同じか又は類似のサイズを有し、類似のサイズは、基板部品接触面の最大面サイズが、最小基板部品接触面の面サイズの200%よりも小さく、好ましくは、最小基板部品接触面の面サイズの150%よりも小さく、非常に好ましくは、最小基板部品接触面の面サイズの110%よりも小さく、又は非常に好ましくは、最小基板部品接触面の面サイズの105%よりも小さいことを意味する。
【0075】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、SiC成長基板は長さを有し、第1の端部を通して1つ又は少なくとも1つの第1の金属電極と少なくとも間接的に結合され、更に第2の端部を通して1つ又は少なくとも1つの第2の金属電極と少なくとも間接的に結合され、SiC成長基板の第1の端部と第1の金属電極の間の距離は、SiC成長基板の長さの20%よりも短く、好ましくは、SiC成長基板の長さの10%よりも短く、最も好ましくは、SiC成長基板の長さの5%よりも短い。好ましくは、SiC成長基板の長さは、SiC成長基板の中心の電流の流れ方向の物理的延長である。
【0076】
CVD反応器、それぞれ、SiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器の内側の全堆積面積は、より多くの堆積物がSiC成長基板上に蓄積し、堆積物の円周が成長する時に経時的に成長することに更に注意しなければならない。SiC成長基板は、好ましくは、直径が少なくとも1.0cmであり、例えば、高さが最大で250cmである細身のロッドとすることができる。このSiC成長基板は、それが堆積SiCに起因して例えば10cmの直径に到達した時に、開始時よりも比率で10倍大きい全面積を有する。従って、堆積実行の途中にこの体積堆積速度増大に適合するために全給送ガス混合物流量を増大することも必要である。
【0077】
SiC成長基板は、堆積層が、例えば、20cmの全直径に到達することができるようにこの層を蓄積させることができる。この時点で、円周は約60cmであり、垂直堆積速度が毎時1mmである場合に、体積堆積速度は、ロッド高さ1cm当たり毎時6cm3である。しかし、実行を通じた平均体積堆積速度は、細身のロッドがそのような小さい直径で開始するので、実際には1cm当たり毎時3cm3に近い。
【0078】
本発明により、平均体積堆積速度は、大きい開始面積を有する堆積基板、それぞれ、SiC成長基板を利用することによって高められる。1cmの直径の細身のロッドが、高さ1cm当たり約3cmの面積を有するのに対して薄い10cm幅のリボンの形態にある堆積基板は、高さ1cm当たり20cmの開始面積として実質的に平均体積堆積速度を劇的に増大させ、同じ量のSiCをかなりより短い実行時間内に堆積させることを可能にする。従って、CVD反応器、それぞれ、SiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器は、1年間により多くの工程を実施することができる。その結果、同じ全トン数のSiCを製造するのに少ないCVD反応器、それぞれ、SiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器が必要とされる。従って、大きい開始面積を有する堆積基板を使用することは、本発明の好ましい実施形態である。
【0079】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、SiC成長基板は、SiC成長基板の長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cm、好ましくは、少なくとも7cm、非常に好ましくは、少なくとも10cmの平均周囲を有するか、又は複数のSiC成長基板は、SiC成長基板毎にそれぞれのSiC成長基板の長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cm、好ましくは、少なくとも7cm、非常に好ましくは、少なくとも10cmの平均周囲を有する。好ましくは、SiC成長基板は、最大で25cm、好ましくは、最大で50cm、又は非常に好ましくは、最大で100cmの平均周囲を有する。非常に好ましくは、SiC成長基板は、5cmと100cmとの間、好ましくは、6cmと50cmとの間、非常に好ましくは、7cmと25cmとの間、最も好ましくは、7.5cmと15cmの間の平均周囲を有するか又は5cmと20cmとの間、好ましくは、5cmと15cmとの間、非常に好ましくは、5cmと12cmの間の平均周囲を有する。この実施形態は、大きい周囲に起因して高い体積成長を発生させることができるので有益である。従って、同じ量のSiCをかなり高速に生成することができる。
【0080】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、SiC成長基板は、SiC又はC、特にグラファイトを備え、又はこれらから構成され、又は複数のSiC成長基板は、SiC又はC、特にグラファイトを備え、又はこれらから構成される。従って、グラファイト及び炭素-炭素複合材は、SiCのための堆積基板として使用に対して好ましい材料である。これらの材料は、機械的手段及び燃焼によってSiCから容易に分離することができ、SiC上のppmレベルの残留Cは、単結晶SiCのPVT成長のためのソース材料としてSiCの性能に対して有害ではない。しかし、残留CをSiC面から除去することができる。
【0081】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、SiC成長基板の長さ方向に直交するか又はそれに対して垂直な断面の形状は、少なくともセクション毎に、好ましくは、SiC成長基板の長さの50%よりも多くに沿って、非常に好ましくは、SiC成長基板の長さの90%よりも多くに沿って円形形状とは異なる。
【0082】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、断面区域(A)と周囲(U)の間の比(U/A)は、1.2 1/cmよりも大きく、好ましくは、1.5 1/cmよりも大きく、非常に好ましくは、2 1/cmよりも大きく、最も好ましくは、2.5 1/cmよりも大きい。この実施形態は、高い比(U/A)がより高い体積成長を可能にするので有益である。
【0083】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、SiC成長基板は、少なくとも1つの炭素リボン、特にグラファイトリボンによって形成され、少なくとも1つの炭素リボンは、第1のリボン端部と第2のリボン端部とを備え、第1のリボン端部は、第1の金属電極と結合され、第2のリボン端部は、第2の金属電極と結合され、又は複数のSiC成長基板の各々は、少なくとも1つの炭素リボン、特にグラファイトリボンによって形成され、SiC成長基板毎に少なくとも1つの炭素リボンが、第1のリボン端部と第2のリボン端部とを備え、第1のリボン端部は、それぞれのSiC成長基板の第1の金属電極と結合され、第2のリボン端部は、それぞれのSiC成長基板の第2の金属電極と結合される。この実施形態は、炭素リボン又はグラファイトリボンが大きい面と小さい体積とを有することができ、従って、処理チャンバの体積を用いてより多くのSiCを同時に成長させることができるので有益である。本発明の更に別の好ましい実施形態により、炭素リボン、特にグラファイトリボンは、硬化剤を備える。
【0084】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、SiC成長基板は、複数のロッドによって形成され、各ロッドは、第1のロッド端部と第2のロッド端部とを有し、全ての第1のロッド端部は、同じ第1の金属電極と結合され、全ての第2のロッド端部は、同じ第2の金属電極と結合され、又は複数のSiC成長基板の各々は、複数のロッドによって形成され、各ロッドは、第1のロッド端部と第2のロッド端部とを有し、全ての第1のロッド端部は、それぞれのSiC成長基板の同じ第1の金属電極と結合され、全ての第2のロッド端部は、それぞれのSiC成長基板の同じ第2の金属電極と結合される。本発明の更に別の好ましい実施形態により、SiC成長基板のロッドは、互いに接触するか又は互いに距離を空けて配置される。本発明の更に別の好ましい実施形態により、SiC成長基板は、3又は3よりも多いロッドを備え、又は複数のSiC成長基板の各々は、3又は3よりも多いロッドを備える。この実施形態は、使用ロッドを標準の構成要素とすることができ、従って、例えば、グラファイトリボンと比較すると廉価であるので有益である。
【0085】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、SiC成長基板は、少なくとも1つの金属ロッドによって形成され、金属ロッドは、第1の金属ロッド端部と第2の金属ロッド端部とを有し、第1の金属ロッド端部は、第1の金属電極と結合され、第2の金属ロッド端部は、第2の金属電極と結合され、又は複数のSiC成長基板の各々は、少なくとも1つの金属ロッドによって形成され、各金属ロッドは、第1の金属ロッド端部と第2の金属ロッド端部とを有し、第1の金属ロッド端部は、それぞれのSiC成長基板の第1の金属電極と結合され、第2の金属ロッド端部は、それぞれのSiC成長基板の第2の金属電極と結合される。この実施形態は、金属ロッドが廉価であり、複数の形状、特に高い比(U/A)で供給することができるので有益である。
【0086】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、金属ロッドはコーティングを備え、コーティングは、好ましくは、SiCを備え、及び/又は好ましくはコーティングは、2μmよりも大きく、好ましくは、100μmよりも大きく、又は非常に好ましくは、500μmよりも大きい厚み、又は2μmと5mmの間、特に100μmと1mmの間の厚みを有する。この実施形態は、成長した固体を金属ロッドからより確実に取り外すことができ、又はSiC固体を金属ロッドから取り外した後にSiC固体上により少ない金属粒子しか残らないので有益である。金属又は合金によって製造された堆積基板、それぞれ、SiC成長基板も、その後のSiC生成工程でのこれらの基板の複数回使用適性に起因して好ましい。ここで、基板の金属が堆積中にSiC材料体の中に侵入することを防止するために、1又は複数のコーティング(好ましくは、1000μm厚よりも薄く、非常に好ましくは、500μm厚よりも薄く、最も好ましくは、100μm厚よりも薄い炭素層のような)を使用することができると考えられる。
【0087】
堆積工程中に、給送ガス混合物は、好ましくは、絶えずCVD反応器、それぞれ、SiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器の中にポンピングされ、通気ガスは、好ましくは、絶えず反応器から流出する。堆積反応に起因して通気ガスの組成は、給送ガス混合物とかなり異なる。第1に、正味の堆積反応によって示すように、多大な量のHClが発生し、未反応の給送ガスと共に通気ガス中に存在する。第2に、他のSi含有分子の形成をもたらす副反応が発生する。例えば、給送ガス混合物がSTCを含有する場合に、一部のTCSがCVD反応器、それぞれ、SiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器の中に副反応として形成されることになり、通気ガス中で流出することになる。
【0088】
SiCの小量生産では、変換効率が比較的低く、高いモル比のHと共に堆積されるSiCと比較して大きいSi含有ガスとC含有ガスとのモル比が使用されたとしても、通気ガスを再循環することが有利ではない場合がある。従って、本発明の一実施形態では、通気ガスは、最初に洗浄器に送られ、そこで全てのSi含有化合物及びHClを除去するために水と接触される。次に、通気ガスはフレアに送られ、そこで天然ガスを用いて燃焼される。その結果、無害の少量のCO2が空気中に排気される。その一方でスクラブ洗浄液は、更に別の処理、利用、及び廃棄に向けて再利用会社に送られる。
【0089】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、通気ガスを取り出すためのガス出口ユニットと通気ガス再循環ユニットとが提供され、通気ガス再循環ユニットはガス出口ユニットに接続され、通気ガスを第1の流体と第2の流体とに分離するための少なくとも分離ユニットを備え、第1の流体は液体であり、第2の流体はガスであり、第1の流体を格納するか又は伝導するための第1のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットの一部であり又はそれと結合され、第2の流体を格納するか又は伝導するための第2のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットの一部であるか又はそれと結合される。この実施形態は、ソース材料コストを有意に低減することができるので有益である。好ましくは、分離ユニットは、5バールよりも高い圧力と-30℃よりも低い温度とで作動される。従って、好ましくは、通気ガスは、低温蒸留塔とすることができる分離ユニットの中に給送され、そこでSi含有化合物が、気体形態から液体形態に凝縮し、塔を下降して底から流出し、一方で残りのHガス、HClガス、及びメタンガスは、塔を増大して上部から流出する。液体は、第1の流体であり、好ましくは、主としてHCl及びクロロシランを備え、低い百分率のH2ガス及びCガスを有する。ガスは、好ましくは、主としてH2及びCガスを備え、低い百分率のHCl及びクロロシランを有する。
【0090】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、通気ガス再循環ユニットは、第1の流体を少なくとも2つの部分、すなわち、クロロシラン類混合物と、HClとH2と少なくとも1つのC含有分子との混合物とに分離し、好ましくは、少なくとも3つの部分、すなわち、クロロシラン類混合物と、HClと、H2と少なくとも1つのC含有分子との混合物とに分離するための更に別の分離ユニットを備え、第1のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットを更に別の分離ユニットに接続する。この実施形態は、HCl、H2、及び少なくとも1つのC含有分子をSiC材料又はPVTソース材料の生成に向けてSiC生成反応器の処理チャンバの中に直接給送することができるので有益である。好ましくは、更に別の分離ユニットは、5バールよりも高い圧力と-30℃よりも低い温度及び/又は100℃よりも高い温度とで作動するように構成される。
【0091】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、更に別の分離ユニットは、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素、HClのストレージ要素及び/又は伝導要素、並びにH2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素と結合される。
【0092】
本発明の関連では、「C」は、「少なくとも1つのC含有分子」と理解することができ、従って、H2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素は、これに代えて、H2及び少なくとも1つのC含有分子のストレージ要素及び/又は伝導要素と理解することができるであろう。
【0093】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素は、クロロシラン類混合物を処理チャンバの中に伝導するためのクロロシラン類混合物質量流束経路のセクションを形成する。この実施形態は、クロロシラン類を混合物として使用することができるので有益である。従って、クロロシラン類混合物を個々のクロロシランの分離に関して更に処理する必要はない。
【0094】
従って、本発明に起因して少なくとも6N、好ましくは、7N、又はより好ましくは、8NのSiCソース材料を大規模に製造することができ、供給されて使用された給送ガスは、第1のSiC原料生成反応器の通気ガスから再循環して戻される。この再循環は、混合物中のHペアCの原子比率を測定し、C含有ガス中の水素と炭素との全体のHペアCモル比が所要範囲にあるように適切な構成比のH水素とC含有ガスとをCVD反応器にこの混合物と共に供給することによって達成される。CVD反応とその後の低温蒸留の両方での所与の条件下では、いずれの炭素もメタンとして存在する。CVD反応ではメタンから派生するいずれの副生成物も、より高い沸点を有することになり、低温蒸留では気相から分離される。メタンは、例えば、炎イオン化検出器、いずれかの方式(例えば、FTIR又はNIR)の赤外線分光測定、又はキャビティリング-ダウン分光測定(最も影響されやすい検出限界を有する)のようなインライン又はオンラインの測定(PAT、工程解析技術)、又は数秒以内に所要の精度で結果をもたらすいずれかの他のインライン又はオンラインの解析法によって定量することができる。水素含有量は、ガス混合物の測定全質量流量と定量メタン濃度とで算定することができる。元の給送ガス混合物のモル比を維持するために、好ましくは、損失が補償される。この実施形態は、通気ガスの再循環に起因して再循環されるSi、C、及びH2の純度が更に高められ、従って、SiC生成物の純度が一層良好であるので有益である。
【0095】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、クロロシラン類混合物のSiの量を測定するためのSi質量流束測定ユニットは、処理チャンバの前、特に混合デバイスの前の質量流束経路の一部として好ましくは更に別のSi給送媒体を提供する更に別のSi給送媒体ソースとして提供される。本発明の更に別の好ましい実施形態により、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素は、クロロシラン類混合物を更に別のSiC生成反応器の更に別の処理チャンバの中に伝導するためのクロロシラン類混合物質量流束経路のセクションを形成する。この実施形態は、給送ソースからの給送媒体又は再循環ユニットからの給送媒体が使用される場合に正確に制御することができるので有益である。これに加えて又はこれに代えて、再循環ユニットの給送媒体が十分ではない場合に、給送ソースからの給送媒体を再循環ユニットからの給送媒体に追加することができる。
【0096】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、H2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素は、H2及び少なくとも1つのC含有分子を処理チャンバの中に伝導するためのH2及びCの質量流束経路のセクションを形成する。更に、HClが存在することが可能である。本発明の更に別の好ましい実施形態により、H2と少なくとも1つのC含有分子との混合物のCの量を測定するためのC質量流束測定ユニットは、処理チャンバの前、特に混合デバイスの前のH2及びCの質量流束経路の一部として好ましくは更に別のC給送媒体を提供する更に別のC給送媒体ソースとして提供される。本発明の更に別の好ましい実施形態により、H2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素は、H2及び少なくとも1つのC含有分子を更に別のSiC生成反応器の更に別の処理チャンバの中に伝導するためのH2及びCの質量流束経路のセクションを形成する。本発明の更に別の好ましい実施形態により、第2のストレージ要素及び/又は伝導要素は、H2及び少なくとも1つのC含有分子を備える第2の流体を処理チャンバの中に伝導するためのH2及びCの質量流束経路のセクションを形成し、第2のストレージ要素及び/又は伝導要素とH2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素とは、好ましくは、流体結合される。本発明の更に別の好ましい実施形態により、第2のストレージ要素及び/又は伝導要素は、H2及び少なくとも1つのC含有分子を備える第2の流体を処理チャンバの中に伝導するための更に別のH2及びCの質量流束経路のセクションを形成する。本発明の更に別の好ましい実施形態により、第2の流体のCの量を測定するための更に別のC質量流束測定ユニットは、処理チャンバの前、特に混合デバイスの前の更に別のH2及びCの質量流束経路の一部として提供される。この実施形態は、クロロシランの使用に加えて、H2及び少なくとも1つのC含有分子も再循環され、従って、全体の効率が高められるので有益である。
【0097】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、第2のストレージ要素及び/又は伝導要素は、第2の流体を燃焼させるためのフレアユニットと結合される。
【0098】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、5バールよりも高い圧力まで通気ガスを圧縮するための第1の圧縮器が、分離ユニットの一部として又はガス出口ユニットと分離ユニットの間のガス流路内に設けられる。本発明の更に別の好ましい実施形態により、5バールよりも高い圧力まで第1の流体を圧縮するための更に別の圧縮器が、更に別の分離ユニットの一部として又は分離ユニットと更に別の分離ユニットの間のガス流路内に設けられる。
【0099】
更に別の分離ユニットは、好ましくは、極低温蒸留ユニットを備え、本発明の更に別の好ましい実施形態により、極低温蒸留ユニットは、好ましくは、-180℃と-40℃の間の温度で作動されるように構成される。
【0100】
この実施形態は、TCSが31.8℃の沸点を有し、STCが57.7℃の沸点を有するので有益である。低いが実質的に異なるそのような沸点を有することにより、TCSとSTCとを互いに、更に微量金属のようないずれかの重い汚染物質から従来の蒸留法及び蒸留装置によって有効かつ経済的に分離することができる。その一方でNからのメタンの精製は、より複雑な極低温蒸留を必要とする。メタンの沸点は-161.6℃であり、Nの沸点は-195.8℃である。従って、蒸留塔は、メタンが液体であり、塔の底に向けて進行し、窒素が気体であり、塔の上部に向けて進行するようなこれらの温度の間であるいずれかの温度で作動させることができる。
【0101】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、1又は複数の給送媒体の流体流れを制御するための制御ユニットは、SiC生成反応器の一部であり、複数の給送媒体は、第1の媒体と第2の媒体と第3の媒体とを備え、更に別のSi給送媒体及び/又は更に別のC給送媒体が、ガス入口ユニットを通して処理チャンバの中に供給される。好ましくは、更に別のSi給送媒体は、少なくとも95%(質量)、少なくとも98%(質量)、少なくとも99%(質量)、少なくとも99,9%(質量)、少なくとも99,99%(質量)、又は少なくとも99,999%(質量)のクロロシラン類混合物から構成される。好ましくは、更に別のC給送媒体は、少なくとも1つのC含有分子と、H2と、HClと、クロロシラン類混合物とを備え、少なくとも3%(質量)、好ましくは、少なくとも5%(質量)、又は非常に好ましくは、少なくとも10%(質量)のC又は少なくとも1つのC含有分子を備え、最大で10%(質量)、好ましくは、0.001%(質量)と10%(質量)との間、非常に好ましくは、1%(質量)と5%(質量)の間のHClを備え、5%(質量)よりも多い、好ましくは、10%(質量)よりも多いか又は非常に好ましくは25%(質量)よりも多いH2を備え、更に0.01%(質量)よりも多く、好ましくは、1%(質量)よりも多く、非常に好ましくは、0.001%(質量)と10%(質量)の間のクロロシラン類混合物を備える。
【0102】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、クロロシラン類混合物を加熱して液体形態から気体形態に転移させるために流体の流れ方向に更に別の分離ユニットとガス入口ユニットの間に加熱ユニットが配置される。
【0103】
上記に言及した目的はまた、少なくとも下記の段階:
ベースプレートと、側壁セクションと、上壁セクションとによって少なくとも取り囲まれ、好ましくは、本発明によるSiC生成反応器の処理チャンバである処理チャンバの内側にソース媒体を提供し、処理チャンバに配置された少なくとも1つのSiC成長基板、好ましくは、複数のSiC成長基板を電気的に活性化し、それを1300℃と2000℃の間の範囲の温度まで加熱する段階と、ソース媒体からSi及びCを取り出すために及び取り出したSi及びCをSiCとしてSiC成長基板上に堆積させ、それによって好ましくは多結晶SiCから構成されるSiC固体を形成するために、特に200μm/hよりも高く、好ましくは、300μm/hよりも高く、非常に好ましくは、500μm/hよりも高い堆積速度を設定する段階と、
を備える特に多形3CのSiCから構成されるPVTソース材料の生成のためのPVTソース材料生成方法によって解決される。
【0104】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、各SiC成長基板は、第1の電力接続部と第2の電力接続部とを備え、第1の電力接続部は第1の金属電極であり、第2の電力接続部は第2の金属電極であり、好ましくは、第1の金属電極及び第2の金属電極は、処理チャンバの反応空間から遮断される。
【0105】
好ましくは、PVTソース材料生成方法は、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの定められた温度、特に1300℃よりも高い加熱を防止する段階を備える。
【0106】
本方法は、超高純度バルクCVD SiCを製造することができるので有益である。本発明では、バルクCVD SiCは、独立した形態にあり、別の材料上のコーティングではないCVD SiCを意味する。従って、バルクCVD SiCは、「バルク」が焼結SiCのような他の形態のSiCと比較して最大に密な性質を示すことを意味しない。本発明により、SiC、特に多結晶SiC、特に3C結晶多形が製造される。
【0107】
PVTソース材料生成方法は、これに代えて、SiC生成方法、特にCVD反応器によって実施されるSiC生成方法として理解することができることに注意しなければならない。
【0108】
本発明により、上記に言及した目的は、請求項1により特に多形3Cの好ましくは細長のSiC固体を生成する方法によって解決される。好ましくは、本発明による方法は、少なくとも下記の段階:
Siを備える少なくとも第1のソースガスを処理チャンバの中に導入する段階、Cを備える少なくとも1つの第2のソースガスを処理チャンバの中に導入する段階、処理チャンバに配置された少なくとも1つの堆積要素を加熱するためにそれを帯電させる段階、200μm/hよりも高い堆積速度を設定する段階、及び第1のソースガス及び/又は第2のソースガスの導入によって1バールよりも高い圧力が処理チャンバ内で発生し、堆積要素の面が、1300℃と1700℃の間の範囲の温度まで加熱される段階、
を備える。
【0109】
このソリューションは、選択パラメータに起因して堆積要素の非常に高速な成長が可能であるので有益である。この急速成長は、全体のコストに対して多大な影響を有し、従来技術と比較してSiCを有意に低いコストで生成することを可能にする。
【0110】
本発明の好ましい実施形態により、本発明による方法は、好ましくは、Hを備える少なくとも1つの搬送ガスを処理チャンバの中に導入する段階を備える。
【0111】
この実施形態は、搬送ガスを用いて処理チャンバ内に有利なガス流れを発生させることができるので有益である。
【0112】
本発明により、上記に言及した目的は、請求項3により特に多形3Cの好ましくは細長のSiC固体を生成する方法によって解決される。好ましくは、本発明による本方法は、以下の段階:
SiとCとを備える少なくとも1つのソースガス、特に第1のソースガス、特にSiCl3(CH3)を処理チャンバの中に導入する段階、好ましくは、Hを備える少なくとも1つの搬送ガスを処理チャンバの中に導入する段階、処理チャンバに配置された少なくとも1つの堆積要素を加熱するためにそれを帯電させる段階、200μm/hよりも高い堆積速度を設定する段階、及びソースガス及び/又は搬送ガスの導入によって1バールよりも高い圧力が処理チャンバ内に発生し、堆積要素の面が、1300℃と1700℃の間又は1300℃と1700℃の間の範囲の温度まで加熱される段階、
を備える。
【0113】
このソリューションは、選択パラメータに起因して堆積要素の非常に高速な成長が可能であるので有益である。この急速成長は、全体のコストに対して多大な影響を有し、従来技術と比較してSiCを有意に低いコストで生成することを可能にする。
【0114】
本発明の好ましい実施形態により、上述の方法は、Cを備える少なくとも第2のソースガスを処理チャンバの中に導入する段階を更に備える。
【0115】
本発明の更に別の好ましい実施形態は、以下の説明部分及び/又は従属請求項の主題である。
【0116】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、第1のソースガス及び/又は第2のソースガスの導入は、2バールと10バールの間の圧力、好ましくは、4バールと8バールの間の圧力、特に好ましくは、5バールと7バールとの間、特に6バールの圧力を処理チャンバ内に発生させる。
【0117】
この実施形態は、圧力の増大が、堆積要素上にSiCの形態で配置されるか又はそれを通して堆積要素を成長させる出発物質をより多く提供するので有利である。
【0118】
本発明の別の好ましい実施形態により、堆積要素の面は、1450℃と1700℃の間の範囲の温度、特に1500℃と1600℃の間又は1490℃と1680℃の間の範囲の温度まで加熱される。
【0119】
この実施形態は、非常に純粋なSiCが堆積要素上に堆積される環境が提供されるので有利である。特に、過度に低い温度では、堆積要素上に堆積されるSiの比率が増大し、過度に高い温度では、堆積要素上に堆積されるCの比率が増大することが認識されている。しかし、言及した温度範囲では、SiCは最も純粋である。
【0120】
本発明の別の好ましい実施形態により、第1のソースガスは、第1の供給手段を通して処理チャンバの中に導入され、第2のソースガスは、第2の供給手段を通して処理チャンバの中に導入され、又は第1のソースガスと第2のソースガスとは、処理チャンバ内への導入の前に混合されて供給手段を通して処理チャンバの中に導入され、ソースガスは、Si=1とC=0.8から1.1のモル比Si:C及び/又はSi=1とC=0.8から1.1の原子比率Si:Cで混合されて処理チャンバの中に導入される。これらの比は、SiC固体材料のSi:C=1:1の比をこれら2つのガスのモル比によって非常に正確に調節することを可能にするので有利である。
【0121】
この実施形態は、非常に高純度のSiCが堆積要素に堆積されるガス組成が提供されるので有利である。
【0122】
本発明の別の好ましい実施形態により、搬送ガスはHを備え、ソースガスと搬送ガスとは、Si=1とC=0.8から1.1とH=2~10とのモル比Si:C:H、特にSi=1とC=0.9から1とH=3~5とのモル比Si:C:H、及び/又はSi=1とC=0.8から1.1とH=2~10との原子比率Si:C:H、特にSi=1とC=0.9から1とH=3~5との原子比率Si:C:Hで存在し、処理チャンバの中に導入される。
【0123】
堆積中に、好ましくは、H2:SiCl4:CH4=5:1:1、これに代えて、H2:SiCl4:CH4=6:1:1、これに代えて、H2:SiCl4:CH4=7:1:1、これに代えて、H2:SiCl4:CH4=8:1:1、これに代えて、H2:SiCl4:CH4=9:1:1、これに代えて、H2:SiCl4:CH4=10:1:1の原子比率又はモル比が存在する。
【0124】
従って、堆積中のH2とSiCl4とCH4の間の原子比率又はモル比は、好ましくは、5:1:1と10:1:1の間である。
【0125】
好ましくは、設定された原子比率又はモル比は、堆積中に一定に保たれ、これは、流量を変更する場合にも当て嵌めることができる。特に好ましくは、全圧又は処理チャンバ内の圧力も、堆積中に一定に保たれる。
【0126】
この実施形態は、非常に高純度のSiCを堆積要素に非常に高速で堆積させるガス組成を提供し、有利なガス搬送が処理チャンバ内に達成されるので有利である。
【0127】
本発明の別の好ましい実施形態により、堆積速度は、300μm/hと2500μm/hの間の範囲、取りわけ、350μm/hと1200μm/hの間の範囲、取りわけ、400μm/hと1000μm/hの間の範囲、特に420μm/hと800μm/hの間に設定される。
【0128】
この実施形態は、SiC材料の生成が、かなり都合よく変更可能であるので有利である。
【0129】
本発明の別の好ましい実施形態により、第1のソースガスは、SiCl4、SiHCl3、又はSiCl4であり、第2のソースガスは、CH4又はC3H8であり、好ましくは、第1のソースガスはSiCl4であり、第2のソースガスはCH4であり、又は好ましくは、第1のソースガスはSiHCl3であり、第2のソースガスはCH4であり、又は好ましくは、第1のソースガスはSiCl4であり、第2のソースガスはC3H8である。
【0130】
この実施形態は、これらのソースガスが、堆積に最適なSi及びCの供給を可能にするので有利である。
【0131】
好ましくは、1又は複数のソースガス及び/又は搬送ガスは、少なくとも99.9999%(重量ppm)の不純物、特に、物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する。
【0132】
すなわち、好ましくは、1重量ppmよりも少ない不純物、特に物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niが、膨張する1又は複数のガス及び/又は搬送ガスの成分であり、又は0.1重量ppmよりも少ない不純物、特に物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niが、膨張する1又は複数のガス及び/又は搬送ガスの成分であり、又は0.01重量ppmよりも少ない混在物、特に物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niが、膨張する1又は複数のガス及び/又は搬送ガスの組成物である。
【0133】
特に好ましくは、1重量ppmよりも少ない物質Bは、膨張する1又は複数のガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、1重量ppmよりも少ない物質Alは、膨張する1又は複数のガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、1重量ppmよりも少ない物質Pは、膨張する1又は複数のガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、1重量ppmよりも少ない物質Tiは、1又は複数のソースガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、1重量ppmよりも少ない物質Vは、膨張する1又は複数のガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、1重量ppmよりも少ない物質Feは、膨張する1又は複数のガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、1重量ppmよりも少ない物質Niは、膨張する1又は複数のガス及び/又は搬送ガスの組成物である。
【0134】
特に好ましくは、0.1重量ppmよりも少ない物質Bは、膨張する1又は複数のガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、0.1重量ppmよりも少ない物質Alは、1又は複数のソースガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、0.1重量ppmよりも少ない物質Pは、膨張する1又は複数のガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、0.1重量ppmよりも少ない物質Tiは、1又は複数のソースガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、0.1重量ppmよりも少ない物質Vは、膨張する1又は複数のガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、0.1重量ppmよりも少ない物質Feは、1又は複数のソースガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、0.1重量ppmよりも少ない物質Niは、1又は複数のソースガス及び/又は搬送ガスの組成物である。
【0135】
特に好ましくは、0.01重量ppmよりも少ない物質Bは、1又は複数のソースガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、0.01重量ppmよりも少ない物質Alは、1又は複数のソースガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、0.01重量ppmよりも少ない物質Pは、1又は複数のソースガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、0.01重量ppmよりも少ない物質Tiは、1又は複数のソースガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、0.01重量ppmよりも少ない物質Vは、1又は複数のソースガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、0.01重量ppmよりも少ない物質Feは、1又は複数のソースガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、0.01重量ppmよりも少ない物質Niは、1又は複数のソースガス及び/又は搬送ガスの組成物である。特に好ましくは、1重量ppmよりも少ない物質の窒素(N)は、1又は複数のソースガス及び/又は搬送ガスの組成物である。
【0136】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、温度測定デバイス、特に高温計を用いて堆積要素の面温度が測定される。好ましくは、温度測定デバイスは、温度信号及び/又は温度データを出力する。特に好ましくは、制御デバイスが、分離要素の電気負荷を温度信号及び/又は温度データの関数として修正する、特に増大させる。
【0137】
この実施形態は、成長からもたらされる不益な効果を補償することができるので有利である。特に、SiCの形成又は堆積の結果として堆積要素の質量が増大し、その結果、堆積要素の温度は、同じ電気負荷で変化し、特に低下する。この温度低下は、Si含有量の増大をもたらすと考えられる。電気印加を修正すること、特に増大させること、特に電流量を増大することにより、温度変化を補償するか又は反転させることができる。
【0138】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、温度測定デバイスは、5分よりも短く、特に3分よりも短く、又は2分よりも短く、又は1分よりも短く、又は30秒よりも短い期間で温度測定を実行して温度信号及び/又は温度データを出力する。好ましくは、ターゲット温度又はターゲット温度範囲が定められる。好ましくは、制御デバイスは、温度信号及び/又は温度データが定められた閾値温度よりも低い面温度を表すや否や電気印加の増大を制御し、従って、閾値温度は、設定温度よりも予め決められた値だけ低い温度又は設定温度範囲の下限である。好ましくは、予め決められた値は、10℃よりも低く、又は5℃よりも低く、又は3℃よりも低く、又は2℃よりも低く、又は1.5℃よりも低く、又は1℃よりも低い。
【0139】
この実施形態は、非常に正確な温度変化を検出し、補償するか又は反転させることができるので有利である。その結果、非常に高い純度をもたらすことができる。この非常に高い純度により、好ましくは、電流量又は電流強度は、堆積期間にわたって最大で1.1倍、1.5倍、1.8倍、2倍、2.3倍、2.5倍、2.8倍、3倍、3.5倍、5倍、又は10倍だけ増大することができる。この非常に高い純度により、好ましくは、電流量又は電流強度は、堆積期間にわたって少なくとも1.1倍、1.5倍、1.8倍、2倍、2.3倍、2.5倍、2.8倍、3倍、3.5倍、5倍、又は10倍だけ増大することができる。
【0140】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、ソースガス、特に第1のソースガス及び/又は第2のソースガスから処理チャンバの中に連続的又は段階的に単位時間毎により多くの量が、特に定められた比で導入される。好ましくは、より多くのソースガス、特に第1のソースガス及び/又は第2のソースガスが、処理チャンバの中に時間の関数として導入され、及び/又は電気負荷の関数として導入される。
【0141】
この実施形態は、ソースガスの質量を堆積要素の面増大に適応させることができるので有利である。その結果、好ましくは、生成工程を通して処理チャンバ内で最適な量(質量)のSi及びCを維持することができる。
【0142】
上記に言及した目的はまた、特に多形3Cの好ましくは細長のSiC固体を生成することを目的とし、特に上述の方法を請求項12に従って実施するためのデバイスによって解決される。好ましくは、本発明によるこのデバイスは、帯電可能な堆積要素を受け入れるための少なくとも1つの処理チャンバと、Siを備える第1のソースガスと、Cを備える第2のソースガスと、第1の供給デバイス及び/又は第2の供給デバイスと、第1のソースガス及び/又は第2のソースガスを1バールよりも高い圧力で処理チャンバの中に導入するための第1の供給手段及び/又は第2の供給手段と、堆積要素の面温度を測定するための温度測定手段と、200μm/hよりも高い堆積速度を設定するための制御手段とを備える。好ましくは、制御デバイスは、面温度を発生させるために1300℃から1700℃調節可能である分離要素への電気印加を調節することができる。
【0143】
上記に言及した目的はまた、特に多形3Cの好ましくは細長のSiC固体を生成することを目的とし、特に上述の方法を請求項13に従って実施するためのデバイスによって解決される。好ましくは、本発明によるこのデバイスは、帯電可能な堆積要素を受け入れるための少なくとも1つの処理チャンバと、SiとCとを備える少なくとも1つのソースガス、特にSiCl3(CH3)及び好ましくは、Hを備える搬送ガスと、ソースガス及び/又は搬送ガスを1バールよりも高い圧力で処理チャンバの中に導入するための第1の供給手段及び/又は第2の供給手段と、堆積要素の面温度を測定するための温度測定手段と、200μm/hよりも高い堆積速度を設定するための制御手段とを備える。好ましくは、制御手段は、面温度をもたらすために1300℃から1700℃調節可能である分離要素への電気印加を調節する機能を有する。
【0144】
特に好ましくは、全ての実施形態で本発明内で説明する分離要素は、好ましくは、グラファイト、炭素、又はSiCから構成され、又はグラファイト又は炭素及び/又はSiCを有する好ましくは細長本体である。分離要素をグラファイト又は炭素で製造し、その上に特に5mmよりも薄いか又は2mmよりも薄いか又は1mmよりも薄いか又は0.1mmよりも薄い厚みを有するSiC板を配置するか又はそれで覆うことも可能である。これに代えて、SiC層をグラファイト上に成長させることも可能である。SiC板及び/又はSiC成長層は、例えば、単結晶又は多結晶とすることができる。好ましくは、堆積要素は、その長手方向延長の第1の端部の領域内、特に長手方向延長の第2の端部よりも長手方向延長の第1の端部に近い場所で第1の電気接点に結合される。これに加えて、好ましくは、堆積要素は、その長手方向延長の第2の端部の領域内、特に長手方向延長の第1の端部よりも第2の端部に近い場所で第1の電気接点に結合される。好ましくは、分離要素を加熱するために、これら2つの接点の一方を通して分離要素の中に電流が導入され、他方の接点を通して分離要素から放電される。
【0145】
更に、上記に言及した目的は、請求項14による少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度及び/又は3.21g/cm3の密度を有するSiC固体状態材料、特に3C-SiC固体状態材料によって解決される。
【0146】
好ましくは、SiC固体材料又は堆積要素(堆積工程の終了後の)は、少なくとも又は正確に4インチ、少なくとも又は正確に又は最大で6インチ、少なくとも又は正確に又は最大で8インチ、又は少なくとも又は正確に又は最大で10インチの直径を有する。
【0147】
好ましくは、本発明によるSiC固体状態材料は、請求項1から請求項11のいずれか1項による方法によって生成される。好ましくは、SiC固体状態材料は、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する。従って、好ましくは、1重量ppmよりも少ないか又は0.1重量ppmよりも少ないか又は0.01重量ppmよりも少ない物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niは、SiC固体材料の一部である。
【0148】
特に好ましいのは、SiC材料の1重量ppmよりも少ない物質B成分である。特に好ましいのは、SiC材料の1重量ppmよりも少ない物質Al成分である。特に好ましいのは、SiC材料の1重量ppmよりも少ない物質P成分である。特に好ましいのは、SiC材料の1重量ppmよりも少ない物質Ti成分である。特に好ましいのは、SiC材料の1重量ppmよりも少ない物質V成分である。特に好ましいのは、SiC材料の1重量ppmよりも少ない物質Fe成分である。特に好ましいのは、SiC材料の1重量ppmよりも少ない物質Ni成分である。
【0149】
特に好ましいのは、SiC材料の1重量ppmよりも少ない物質B成分である。特に好ましいのは、SiC材料の1重量ppmよりも少ない物質Al成分である。特に好ましいのは、SiC材料の1重量ppmよりも少ない物質P成分である。特に好ましいのは、SiC材料の1重量ppmよりも少ない物質Ti成分である。特に好ましいのは、SiC材料の1重量ppmよりも少ない物質V成分である。特に好ましいのは、SiC材料の1重量ppmよりも少ない物質Fe成分である。特に好ましいのは、SiC材料の1重量ppmよりも少ない物質Ni成分である。
【0150】
特に好ましいのは、SiC材料の0.1重量ppmよりも少ない物質B成分である。特に好ましいのは、SiC材料の0.1重量ppmよりも少ない物質Al成分である。特に好ましくは、0.1重量ppmよりも少ない物質Pは、SiC材料の組成物である。特に好ましいのは、SiC材料の0.1重量ppmよりも少ない物質Ti成分である。特に好ましくは、0.1重量ppmよりも少ない物質Vは、SiC材料の組成物である。特に好ましいのは、SiC材料の0.1重量ppmよりも少ない物質Fe成分である。特に好ましいのは、SiC材料の0.1重量ppmよりも少ない物質Ni成分である。
【0151】
特に好ましいのは、SiC材料の0.01重量ppmよりも少ない物質B成分である。特に好ましいのは、SiC材料の0.01重量ppmよりも少ない物質Al成分である。特に好ましくは、0.01重量ppmよりも少ない物質Pは、SiC材料の組成物である。特に好ましいのは、SiC材料の0.01重量ppmよりも少ない物質Ti成分である。特に好ましくは、0.01重量ppmよりも少ない物質Vは、SiC材料の組成物である。特に好ましいのは、SiC材料の0.01重量ppmよりも少ない物質Fe成分である。特に好ましくは、0.01重量ppmよりも少ない物質Niは、SiC材料の組成物である。
【0152】
本特許明細書の状況では、好ましくは、ppmは、重量ppmであると理解されるものとする。
【0153】
これに加えて、窒素は、SiCソース材料からPVT SiC結晶の中に取り込まれて電気特性を変化させるので、低窒素(N)含有量が好ましい。一部の場合に、PVT工程中にSiC結晶に窒素がドープされ、このドーピングは、PVT工程中に好ましくはNガスの追加によって行われる。この場合であっても、ソース材料内の高窒素含有量は、SiC結晶内に不均一な窒素分布をもたらす場合がある。従って、本発明により、SiCソース材料の窒素含有量を非常に低レベルに保つことも有益である。
【0154】
これは、本発明による本説明の方法により、特に定められた品質のソースガスを使用することによって解決される。従って、得られるSiCソース材料は、元素分析によって測定した場合に、10.5ppm(重量)未満にほぼ対応する30000ppba(原子)未満の元素N含有量を有する。
【0155】
特に好ましくは、10重量ppmよりも少ない物質Nは、SiC材料の組成物である。
【0156】
特に好ましくは、2000重量ppbよりも低い物質Nは、SiC材料の組成物である。
【0157】
特に好ましくは、1000重量ppbよりも低い物質Nは、SiC材料の組成物である。
【0158】
特に好ましくは、500重量ppbよりも低い物質Nは、SiC材料の組成物である。
【0159】
これに加えて、上記に言及した本発明はまた、多くの他の元素の他の不純物も更に抑制する。以下の表1は、グロー放電質量分光測定を用いた典型的な測定結果を示している。
【0160】
【表1】


表1
【0161】
上述の表1は、本発明によって生成されてグロー放電質量分光測定によって測定された1つのSiCサンプルの不純物レベルを示している。特に、元素Na、Mg、S、K、Ca、及びPbは、本発明のSiCの純度に従って有利である0.1重量ppmよりも少ない濃度を有する。
【0162】
【表2】


表2
【0163】
上述の表2は、本発明による方法によって異なる処理パラメータを用いて生成された異なるSiCサンプルの元素分析を示している。窒素含有量は不定であり、全ての場合に1重量ppmを下回ったままに留めることができる。特に、窒素含有量は、より好ましい工程条件下では100重量ppbを下回ったままに留めることができる。
【0164】
更に、上記に言及した目的は、単結晶SiCを生成するためのPVT反応器内で請求項14によるSiC固体状態材料を使用することによって解決される。
【0165】
更に、上記に言及した目的は、単結晶SiCの生成のためのPVT(PVT=物理蒸気搬送)反応器内で上述のSiC固体状態材料又は請求項14によるSiC固体状態材料を使用することによって解決される。
【0166】
このソリューションは、高純度のSiC固体状態材料が、PVT工程のための非常に有利な出発物質を与えるので有利である。その一方でこの材料は、固体状態ブロックとして利用可能であるので有利である。次に、この固体ブロックは、定められた最小のサイズ、質量、又は体積を有する破片に破砕することができる。好ましくは、少なくとも50(重量)%、少なくとも70(重量)%、少なくとも80(重量)%、少なくとも90(重量)%、又は少なくとも950(重量)%のSiC固体材料が、0.5cm3よりも大きく、又は1cm3よりも大きく、又は1.5cm3よりも大きく、又は2cm3又は5cm3の体積を有する破片に破壊される。
【0167】
これに代えて、固体ブロックは、複数の好ましくは少なくとも実質的に均等な小片に、特に固体ブロックの長手軸線又は延び方向に対して直角に分割、特に割裂又は鋸引きすることができる。好ましくは、分割された小片は、0.5cm、1cm、3cm、又は5cmの最小厚、特に最大で20cm、30cm、又は50cmの厚みを有する薄片である。両方の場合に(破砕又は分割)、最小サイズを有する固体を提供することができる。これらのサイズの固体の供給は、SiC固体材料(出発物質)を加熱する時に、出発物質内でPVT工程のための超微粒出発物質と比較して大きく均等性の高い温度分布が可能であり、その結果、出発物質の大きく均等性の高い蒸発がもたらされる。更に、超微粒出発物質の場合に、増大する蒸気及び個々の材料破片での材料取り出しに起因して個々の材料破片間の相対移動が発生し、その結果、結晶成長工程に悪影響を及ぼす乱流がもたらされる。これらの欠点は、より大きい破片又は断片を使用することによって排除される。
【0168】
このソリューションは、より大きい破片又は断片に起因して超微粒材料が使用される時よりも全面積が有意に小さいことで更に有利である。従って、全面積は、PVT工程中の調節のためのパラメータとして決定され、かつ使用することが容易である。
【0169】
このソリューションは、本発明によって生成されるSiC固体状態材料の低い密度に起因して固体状態材料の面を形成する境界層の転移をより急速に起こすことができることで更に有利である。
【0170】
本発明によって生成されるSiC固体状態材料、特に3C-SiC固体状態材料は、好ましくは、下記で説明する少なくとも以下の特徴を有する反応器、炉デバイス、又はPVT反応器の中に導入される。そのような新しい反応器は、好ましくは、結晶の成長、特にSiC結晶の成長のための反応器又はPVT反応器である。この反応器又は炉デバイスは、少なくとも1つ又は2以上又は正確に1つのるつぼ又はるつぼユニットを更に備え、少なくとも1つのるつぼ又はるつぼユニットは、炉容積の中に配置される。るつぼ又はるつぼユニットは、外面と、るつぼ容積を少なくとも部分的に定める内面とを有するハウジングを形成するつぼハウジングを備える、それを有する、又はそれを形成する。るつぼ容積の中には出発物質を受け入れるための受け入れ空間が配置又は形成される。好ましくは、定められたシードウェーハ18を受け入れるためのシードホルダユニットも設けられ、特にるつぼ容積の中に配置され、又はそのようなシードホルダユニットは、るつぼ容積の中に配置可能である。反応器又はオーブンデバイスは、特に、出発物質及び/又はるつぼユニットのるつぼハウジングを加熱するための少なくとも1つの加熱ユニットを更に有する。シードホルダユニットが提供される場合に、出発物質を受け入れるための受け入れ空間は、好ましくは、少なくとも部分的に加熱ユニットとシードホルダユニットの間に配置される。
【0171】
このオーブンデバイスは、上記に言及した目的のうちの少なくとも1つ又はこれらの目的のいくつか又は全てを解消するように1又は2以上の方法で修正することができる点で有利である。
【0172】
更に別の好ましい実施形態は、更に別の明細書部分及び/又は従属請求項の主題である。
【0173】
本発明の好ましい実施形態により、炉装置は、作動中にるつぼ又はるつぼユニットの内部からるつぼユニットを取り囲む炉容積の一部分内への珪素ガスの漏出を防止するための少なくとも1つの漏出防止デバイスを更に含む。この設計は、漏出し易いSi蒸気の欠点が排除されるので有利である。
【0174】
本発明の別の好ましい実施形態により、漏出防止剤の群から漏出防止剤が選択される。好ましくは、漏出防止手段の群は、少なくとも、(a)複数の面部分を覆うためのカバー要素、及び/又はるつぼユニットのるつぼハウジングの容積セクションの密度を増大させるための密度増大要素、(b)Siガスを回収するためのフィルタユニット、及び/又は(c)るつぼユニットの内側に第1の圧力を確立し、炉の内側であるがるつぼユニットの外側に第1の圧力よりも高い第2の圧力を確立するための圧力ユニット、(d)るつぼユニットのハウジング部分間に配置されたシールを備える。この実施形態は、炉デバイスの改善をもたらすいくつかの特徴が提供されるので有利である。そのようなオーブン装置には、漏出防止手段の上述の群の特徴のうちの1又は2以上又は全てを提供することができる。従って、本発明は、特に異なる製品、特に異なる特性を有する結晶への異なる必要性に対するソリューションを更に提供する。
【0175】
本発明の別の好ましい実施形態により、漏出防止剤は、るつぼ容積からるつぼハウジングを通って炉容積の中に入る特にSi蒸気の昇華蒸気の漏出を特に少なくとも50%(質量)、少なくとも80%(質量)、少なくとも90%(質量)、99%(質量)よりも多く、又は少なくとも99.9%(質量)低減する。この実施形態は、漏出し易いSi蒸気が有意に低減する炉に起因してるつぼハウジング及び加熱ユニットのような構成要素を複数回、特に10回よりも多く、又は20回よりも多く、又は50回よりも多く、又は100回よりも多く再使用することができるので有利である。従って、るつぼユニット、るつぼハウジング、るつぼユニットの各セクション、又はるつぼハウジングの各セクションは、特にSi蒸気に関して10-2cm2/sよりも低いか又は10-5cm2/sよりも低いか又は10-10cm2/sよりも低い透過率を有する。
【0176】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、2000℃よりも高く、特に少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、又は最大で3500℃、又は少なくとも最大で3500℃、又は最大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐えるために、るつぼハウジングは炭素を備え、特にるつぼハウジングの少なくとも50%(質量)が炭素から構成され、好ましくは、るつぼハウジングの少なくとも80%(質量)が炭素から構成され、最も好ましくは、るつぼハウジングの少なくとも90%(質量)又は全体が炭素から構成され、特にるつぼハウジングは、少なくとも90%(質量)のグラファイトを備える又はグラファイトから構成される。好ましくは、るつぼハウジングは、珪素ガス(Si蒸気)に対して不透過性を有する。この設計は、Si蒸気がるつぼハウジングを通って浸透し、るつぼハウジング及びその外側にある構成要素を損壊させることを防止するので有利である。これに加えて又はこれに代えて、るつぼユニット、るつぼハウジング構造体、又はるつぼハウジングは、ガラス状炭素被覆グラファイト、固体ガラス状炭素、パイロ炭素被覆グラファイト、炭化タンタル被覆グラファイト、及び/又は固体炭化タンタルを有する。
【0177】
本発明の別の好ましい実施形態により、漏出防止手段は、ハウジングの面、特に内面及び/又は外面を覆うための又はハウジングの複数の面部分、特にハウジングの内面の複数の面部分及び/又はハウジングの外面の複数の面部分を覆うためのカバー要素である。この実施形態は、カバー要素をハウジングの面上に発生させることができ、又はハウジングの面に取り付けることができるので有利である。一方でこれら2つの段階(発生段階/取り付け段階)のいずれも、費用効果的で信頼性の高い方式を用いて実施することができる。
【0178】
本発明の別の好ましい実施形態により、カバー要素は密封要素であり、密封要素はコーティングである。好ましくは、コーティングは、工程中に発生し、るつぼ容積からるつぼハウジングを通って炉容積の中に入る昇華蒸気、特にSi蒸気の漏出を特に少なくとも50%(質量)、少なくとも80%(質量)、少なくとも90%(質量)、99%(質量)よりも多く、又は少なくとも99.9%(質量)低減する材料又はその組合せから構成される。
【0179】
好ましくは、コーティングは、2000℃よりも高く、特に、少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、又は最大で3500℃、又は少なくとも最大で3500℃、最又は大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐える。この実施形態は、修正されたるつぼユニットが少なくとも2つの材料層を有し、1つの層がるつぼ外皮を形成し、他の層がSi蒸気の透過率を低減するので有利である。最も好ましくは、コーティングは、少なくとも炭素、特にパイロ炭素とガラス質炭素とを備える材料群から選択される1又は2以上の材料を備える。従って、るつぼユニット、特にるつぼハウジング又はるつぼユニットのハウジングは、好ましくは、パイロ炭素及び/又はガラス状炭素で被覆される。好ましくは、パイロ炭素層は、10μmよりも大きく又は最大で10μm、特に、20μmよりも大きく又は最大で20μm、50μmよりも大きく又は最大で50μm、100μmよりも大きく又は最大で100μm、200μmよりも大きく又は最大で200μm、又は500μmよりも大きく又は最大で500μmの厚みを有する。好ましくは、ガラス状炭素層は、10μmよりも大きく又は最大で10μm、特に、20μmよりも大きく又は最大で20μm、50μmよりも大きく又は最大で50μm、100μmよりも大きく又は最大で100μm、100μmよりも大きく又は最大で100μm、200μmよりも大きく又は最大で200μm、又は500μmよりも大きく又は最大で500μmの厚みを有する。
【0180】
更に別の好ましい実施形態により、コーティングは、化学気相蒸着によって生成され、又は特に前駆体材料上に特にフェノールホルムアルデヒドを印刷すること及びその後の熱分解によって生成される。この実施形態は、コーティングを信頼性の高い方式で発生させることができるので有利である。
【0181】
本発明の別の好ましい実施形態により、漏出防止剤は、るつぼユニットのるつぼハウジングの容積部分の密度を増大させるための密度増大要素又は密封要素であり、密度増大要素は、るつぼハウジングの内部構造体に配置又は達成され、密度増大要素は密封要素である。コーティングは、工程中に発生し、るつぼ容積からるつぼハウジングを通って炉容積の中に入る昇華蒸気、特にSi蒸気の漏出を特に少なくとも50%(質量)、少なくとも80%(質量)、少なくとも90%(質量)、99%(質量)よりも多く、又は少なくとも99.9%(質量)防止する。この実施形態は、るつぼユニットの寸法が同じか又は類似のままに留まるか又は修正による影響を受けないので有利である。好ましくは、密封要素は、るつぼハウジングの内側に含浸又は堆積によって達成される。
【0182】
本発明の別の好ましい実施形態により、漏出防止手段は、Siガスを回収するためのフィルタユニットである。フィルタユニットはフィルタ本体を備え、フィルタ本体は、SiC化学種蒸気と、Si蒸気と、処理ガスとを含有するガスをフィルタ本体の中に導入するためのフィルタ入力面又はフィルタ入力セクションと、濾過された処理ガスを出力するための出力セクション又はフィルタ出力面とを有する。フィルタ入力面とフィルタ出力面の間には、SiC化学種蒸気、特にSi蒸気を吸着して凝縮させるための捕捉セクションを形成するフィルタ要素が配置される。従って、好ましくは、フィルタの材料は、その面上へのSi蒸気の吸収及び凝縮をもたらすようになっている。この設計は、るつぼユニットの内側のSi蒸気の全量をフィルタユニットを利用して有意に低減することができるので有利である。これは、漏出する可能性があるSi蒸気の量も有意に低減する。最も好ましくは、Si蒸気の全てが、好ましくは、フィルタの内面上に凝縮液膜として回収される。これに加えて又はこれに代えて、温度がSiの融点を下周り、蒸気凝縮物が実際に凝固するセクションが、フィルタの最上部分内に定められる。好ましくは、Si蒸気は粒子に凝固せず、フィルタの内面上に好ましくは固体膜が生成される。この膜は、非晶体又は多結晶である場合がある。余分なSi2C及びSiC2の蒸気は、好ましくは、フィルタの下側領域にも到達し、その内面上に好ましくは固体多結晶堆積物として堆積される。
【0183】
本発明の好ましい実施形態により、フィルタ要素は、フィルタの入口面から出口面までのガス流路を形成又は定める。フィルタ要素は高さS1を有し、フィルタ要素を通るガス流路は長さS2を有し、S2は、S1よりも好ましくは少なくとも10倍長く、特に、S1よりも少なくとも100倍長く、又はS1よりも少なくとも又は最大で1000倍長く、又はS1よりも少なくとも又は最大で10000倍長い。この実施形態は、フィルタユニットは、原材料、特に稼働中に使用されるか又は必要とされる原材料の蒸発によって発生したSi蒸気のうちの50%(質量)よりも多く又は最大で50%(質量)、特に50%(質量)よりも多く又は最大で50%(質量)、70%(質量)よりも多く又は最大で70%(質量)、90%(質量)よりも多く又は最大で90%(質量)、95%(質量)よりも多く又は最大で95%(質量)、99%(質量)よりも多く又は最大で99%(質量)を吸収又は捕捉する機能を有するので有利である。好ましくは、「1稼働」は、結晶、特にSiC結晶、SiCブロック、又はSiCブールの発生又は生成を意味する。
【0184】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタユニットは、るつぼユニットハウジングの第1の部分と、るつぼユニットハウジングの第2の部分、特にるつぼ蓋又はフィルタ蓋との間に配置される。るつぼユニットのハウジングの第1の部分のうちの少なくとも50%(体積)、特に少なくとも80%(体積)、又は少なくとも90%(体積)は、垂直方向にシードホルダユニットの下方に配置され、るつぼユニットのハウジングの第1の部分とシードホルダの間に第1のるつぼ容積が存在し、第1のるつぼ容積は、そのうちの少なくとも80%、好ましくは、90%、又は更に好ましくは100%は、一般的な圧力下で珪素の凝縮温度Tcよりも高いように作動させることができる。更に、るつぼユニットハウジングの第1の部分のうちの最大で50%(体積)、最大で20%(体積)、又は最大で10%(体積)は、垂直にシードホルダユニットの上方に配置される。これに代えて、るつぼユニットの第1のハウジング部分のうちの少なくとも50%(体積)、特に少なくとも80%(体積)又は90%(体積)は、垂直方向にシードホルダユニットの上方に配置される。好ましくは、第2のるつぼ容積は、るつぼユニットのハウジングの第2の部分とシードホルダユニットの間に配置される。フィルタ要素のうちの少なくとも60%、好ましくは、80%、又はより好ましくは、90%は、凝縮温度Tcよりも低い。従って、フィルタユニットのフィルタ要素内の熱条件は、Si蒸気の凝縮を可能にする。従って、フィルタ要素は、Siを非常に実質的に凝縮させるか又は捕捉することができる。
【0185】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタユニットは、ハウジングの第1の部分の第1の壁部分とハウジングの第2の部分の更に別の壁部分との間に配置され、フィルタ本体は、フィルタ外面を形成し、フィルタ外面は、ハウジングの第1の部分の第1の壁部分とハウジングの第2の部分の更に別の壁部分とを接続し、フィルタ外面は、この架橋ユニットの外面の一部を形成する。この実施形態は、るつぼユニットのるつぼハウジングの材料の量を増大することなく、大きいサイズのフィルタユニットを使用することができるので有利である。
【0186】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタ外面は、フィルタ面カバー要素を備える。フィルタ面カバー要素は、好ましくは、密封要素であり、密封要素は、好ましくは、コーティングであり、コーティングは、好ましくは、フィルタ面上に生成され、又はフィルタ面に取り付けられるか、又はフィルタ面を形成する。好ましくは、コーティングは、工程中に発生し、るつぼ容積からるつぼハウジングを通って炉容積の中に入る昇華蒸気、特にSi蒸気の漏出を特に少なくとも50%(質量)、少なくとも80%(質量)、少なくとも90%(質量)、99%(質量)よりも多く、又は少なくとも99.9%(質量)低減する材料又はその組合せから構成される。コーティングは、2000℃よりも高く、特に少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、又は最大で3500℃、又は少なくとも最大で3500℃、又は最大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐える。
【0187】
コーティングは、少なくとも炭素、特にパイロ炭素とガラス状炭素とを備える材料群から選択される1又は2以上の材料を有する。従って、好ましくは、コーティングは、ガラス-炭素コーティング、パイロ炭素コーティング、ガラス-炭素下塗りコーティングとパイロ炭素上塗りコーティング、又はパイロ炭素下塗りコーティングとガラス-炭素上塗りコーティングである。従って、フィルタユニット、特にその外面は、好ましくは、パイロ炭素及び/又はガラス状炭素で被覆される。好ましくは、パイロ炭素層は、10μmよりも大きく又は最大で10μm、特に、20μmよりも大きく又は最大で20μm、50μmよりも大きく又は最大で50μm、100μmよりも大きく又は最大で100μm、200μmよりも大きく又は最大で200μm、又は500μmよりも大きく又は最大で500μmの厚みを有する。好ましくは、ガラス状炭素層は、10μmよりも大きく又は最大で10μm、特に、20μmよりも大きく又は最大で20μm、50μmよりも大きく又は最大で50μm、100μmよりも大きく又は最大で100μm、200μmよりも大きく又は最大で200μm、又は500μmよりも大きく又は最大で500μmの厚みを有する。
【0188】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタ本体は、内側フィルタ面を形成する。フィルタ内面又はフィルタ内面は、好ましくは、フィルタ外面と同軸に配置される。フィルタ本体は、形状が好ましくは、環状である。外側フィルタ面は、好ましくは、円筒形状を有し、及び/又は内側フィルタ面は、好ましくは、円筒形状を有する。フィルタ外面及びフィルタ内面は、垂直方向に延びる。この実施形態は、フィルタユニットを円形るつぼユニット及び/又は円形るつぼ容積を有するつぼユニットに使用することができるので有利である。従って、フィルタユニット、又はそれが中に位置付けられた炉装置は、いずれの実質的な修正も必要とせず、従って、本発明による炉装置を低コストで製造することができる。
【0189】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、フィルタ内面は、更に別のフィルタ内面カバー要素を備える。更に別のフィルタ内面カバー要素は、好ましくは、密封要素であり、密封要素は、好ましくは、コーティングである。好ましくは、コーティングは、フィルタ面上に被覆され、又はフィルタ面に取り付けられるか、又はフィルタ面を形成する。好ましくは、コーティングは、工程中に発生し、るつぼ容積からるつぼハウジングを通って炉容積の中に至る昇華蒸気、特にSi蒸気の漏出を特に少なくとも50%(質量)、少なくとも80%(質量)、少なくとも90%(質量)、99%(質量)よりも多く、又は少なくとも99.9%(質量)低減する材料又はその組合せから構成される。
【0190】
好ましくは、コーティングは、2000℃よりも高く、特に2200℃よりも高い温度、又は2000℃よりも高く、特に少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、最大で3500℃、少なくとも最大で3500℃、最大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐える。好ましくは、コーティングは、少なくとも炭素、特にパイロ炭素とガラス状炭素とを備える材料群から選択される1又は2以上の材料を有する。従って、フィルタユニット、特にその内面は、好ましくは、パイロ炭素及び/又はガラス状炭素で被覆される。好ましくは、パイロ炭素層は、10μmよりも大きく又は最大で10μm、特に、20μmよりも大きく又は最大で20μm、50μmよりも大きく又は最大で50μm、100μmよりも大きく又は最大で100μm、200μmよりも大きく又は最大で200μm、又は500μmよりも大きく又は最大で500μmの厚みを有する。好ましくは、ガラス状炭素層は、10μmよりも大きく又は最大で10μm、特に、20μmよりも大きく又は最大で20μm、50μmよりも大きく又は最大で50μm、100μmよりも大きく又は最大で100μm、200μmよりも大きく又は最大で200μm、又は500μmよりも大きく又は最大で500μmの厚みを有する。
【0191】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタ要素は、フィルタ粒子と結合剤とを備えるフィルタ要素部材を備える。フィルタ粒子は、炭素を備え又はそれから構成され、結合剤は、フィルタ粒子間を固定された互いの相対位置に保持する。フィルタ粒子は、2000℃よりも高い温度、特に2000℃よりも高く、特に2000℃よりも高く、特に少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、最大で3500℃、少なくとも最大で3500℃、最大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐える。結合剤は、2000℃よりも高い温度、特に2000℃、特に少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、又は最大で3500℃、又は少なくとも最大で3500℃、又は最大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐える。この実施形態は、炉装置の作動中にるつぼユニット内の条件に耐えることができるフィルタユニットが提供されるので有利である。更に、フィルタ粒子と結合剤との組合せは、フィルタユニットの外面積と比較して実質的に大きく、特に最大で又は少なくとも10倍、最大で又は少なくとも100倍、最大で又は少なくとも1000倍、又は最大で又は少なくとも10000倍大きい面積を形成する。この実施形態は、フィルタユニットは、出発物質、特に1回の通過で各々必要とされる出発物質の蒸発によって発生したSi蒸気のうちの50%(質量)よりも多く又は最大で50%(質量)、特に、50%(質量)よりも多く又は最大で50%(質量)、70%(質量)よりも多く又は最大で70%(質量)、90%(質量)よりも多く又は最大で90%(質量)、95%(質量)よりも多く又は最大で95%(質量)、99%(質量)よりも多く又は最大で99%(質量)を吸収するか又は組み込む機能を有することで更に有利である。
【0192】
本発明の別の好ましい実施形態により、結合剤は澱粉を備える又は加工澱粉を備える。
【0193】
この実施形態は、結合剤は、2000℃よりも高い温度、特に2000℃よりも高く又は最大で2000℃、特に少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、最大で3500℃、少なくとも最大で3500℃、最大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐えるので有利である。結合剤は、2000℃よりも高い温度、特に2000℃、特に少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、最大で3500℃、少なくとも最大で3500℃、最大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐える。
【0194】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、ガス入口は、受け入れ空間とシードホルダユニットの間に配置され、好ましくは、ガス入口は、垂直方向にシードホルダユニットよりも受け入れ空間に向けて近い場所に配置され、特に、シードホルダユニットとガス入口の間の垂直距離は、好ましくは、受け入れ空間とガス入口の間の垂直距離の2倍よりも大きく、特に、受け入れ空間とガス入口の間の垂直距離の5倍よりも大きく、又は受け入れ空間とガス入口の間の垂直距離の8倍よりも大きく、又は受け入れ空間とガス入口の間の垂直距離の10倍よりも大きく、又は受け入れ空間とガス入口の間の垂直距離の20倍よりも大きい。この実施形態は、出発物質の蒸気をシードウェーハ18又は結晶の成長前線に均等に到達させるガス流れを確立することができるので有利である。
【0195】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、ガス入口は、ガス案内要素又はガス分配要素によって覆われる。好ましくは、ガス分配要素は、るつぼユニットの底面、特にるつぼユニットの内側底面と平行に延びる。これに加えて又はこれに代えて、ガス分配要素は、水平平面内を延びる。この実施形態は、導入ガスを環状受け入れ空間に及び従って受け入れ空間に存在する出発物質又は受け入れ空間から流れ出る出発物質蒸気に均等に分配することができるので有利である。蒸発原材料は、熱駆動拡散によって移動する。これに加えて又はこれに代えて、蒸発原材料は、注入ガス、特にAr及び/又はN2の対流によって移動する。
【0196】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、ガス分配要素は、るつぼユニットの底面、特にるつぼユニットの内側底面から定められた距離に配置される。ガス分配要素の底側と、るつぼユニットの底面との間の垂直方向の定められた距離は、好ましくは、受け入れ空間とガス入口の間の垂直距離の0.5×よりも小さい(すなわち、受け入れ空間とガス入口の間の垂直距離の半分よりも短い)、又は受け入れ空間とガス入口の間の垂直距離の0.3×よりも短く、又は受け入れ空間とガス入口の間の垂直距離の0.1×よりも短く、又は受け入れ空間とガス入口の間の垂直距離の0.05×よりも短い。
【0197】
本発明の別の好ましい実施形態により、ガス分配要素は、ガスバッフルである。好ましくは、ガスバッフルは、下面と上面を形成する。好ましくは、下面と上面は、少なくともセクション毎に互いに平行に延びる。好ましくは、下面と上面の間の距離は、受け入れ空間とガス入口の間の距離の0.5×よりも短く、又は受け入れ空間とガス入口の間の距離の0.3×よりも短く、又は受け入れ空間とガス入口の間の距離の0.1×よりも短く、又は受け入れ空間とガス入口の間の距離の0.05×よりも短い。この実施形態は、真に薄いガス分配プレートを使用することができるので有利である。この薄いガス分配プレートは、それが多大な量の材料を必要としないので有利である。更に、このガス分配プレートは、それによって覆われた下側部分から放射される放射熱に影響を及ぼさない。
【0198】
本発明の別の好ましい実施形態により、漏出を防止するための手段は、るつぼユニットの内側に第1の圧力を確立し、かつ炉の内側であるがるつぼユニットの外側に第1の圧力よりも高い第2の圧力を確立するための圧力ユニットであり、第2の圧力は、200トルを下周り、特に100トルを下周り、又は50トルを下周り、特に0.01トルと30トルの間である。好ましくは、第2の圧力は、第1の圧力よりも最大で10トル、最大で20トル、最大で50トル、最大で100トル、又は最大で180トル高い。この実施形態は、るつぼユニットの周りのより高い圧力に起因してSi蒸気の漏出が防止されるので有利である。
【0199】
本発明の別の好ましい実施形態により、パイプシステムは、炉装置の一部である。好ましくは、パイプシステムは、るつぼ容積を真空ユニットに接続する第1のパイプ又はるつぼパイプと、るつぼユニットを取り囲む炉の部分を真空ユニットに接続する第2のパイプ又は炉パイプとを備える。好ましくは、真空ユニットは、るつぼ容積の内側の圧力及びるつぼユニットを取り囲む炉の部分内の圧力を制御するための制御要素を有する。好ましくは、真空ユニットは、るつぼ容積の内側の圧力が第1の閾値を上回ったこと及び/又はるつぼユニットを取り囲む炉の部分の内側の圧力が第2の閾値を上回ったことを制御要素が決定した場合に、るつぼ容積の内側の圧力をるつぼチューブを通して又はるつぼユニットを取り囲む炉の部分の内側の圧力を炉チューブを通して低減する。この実施形態は、るつぼ容積の内側の圧力と炉の内側及びるつぼ容積の周りの圧力との間の圧力差を確実に維持することができるので有利である。
【0200】
本発明の別の好ましい実施形態により、炉システムは、漏出防止手段から構成される群から選択される2又は2よりも多い漏出防止手段を備える。この実施形態は、炉装置が、少なくとも、カバー要素及び/又は密度増大要素と、Siガスを収集するためのフィルタユニットとを備えること、炉装置が、少なくとも、カバー要素及び/又は密度増大要素と、るつぼユニットの内側に第1の圧力を確立し、炉の内側であるがるつぼユニットの外側に第2の圧力を確立するための圧力ユニットとを備えることができ、又は炉デバイスが、少なくとも、るつぼユニットの内側に第1の圧力を確立し、炉の内側であるがるつぼユニットの外側に第2の圧力を確立するための圧力ユニットと、フィルタユニットとを備えるので有利である。
【0201】
しかし、炉デバイスが、少なくとも、カバー要素及び/又は密度増大要素と、Siガスを収集するためのフィルタユニットと、るつぼユニットの内側に第1の圧力を設定し、炉の内側であるがるつぼユニットの外側に第2の圧力を設定するための圧力ユニットとを備えることも可能である。
【0202】
この実施形態は、様々な必要性に依存する要件を満足するように本発明による炉ユニットを備えることができるようにSi蒸気の漏出を様々な方法で防止することができるので有利である。
【0203】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、加熱ユニットは、少なくとも1つの特に水平の加熱要素を備え、加熱要素は、垂直方向に受け入れ空間の下方に配置される。従って、好ましくは、加熱要素は、受け入れ空間に少なくとも部分的に、好ましくは、大部分で又は完全に重なる。この設計は、受け入れ空間と、受け入れ空間によって取り囲まれるるつぼ容積又はるつぼハウジングの部分とをるつぼ容積の下方から加熱することができるので有利である。この下方からの加熱は、受け入れ空間の高さと、受け入れ空間によって取り囲まれるるつぼ容積又はるつぼハウジングの部分の高さとが、小さい直径を有するシードウェーハ18又はより大きい直径を有するシードウェーハ18に対して同じであるので有利である。これは、出発物質を均等に加熱することを可能にする。好ましくは、加熱ユニットは、少なくとも1つの更に別の特に垂直の加熱要素を更に有し、好ましくは、更に別の加熱要素は、るつぼユニットの隣、特にるつぼユニットを取り囲むるつぼユニットの側壁の隣に配置される。好ましくは、加熱要素及び/又は更に別の加熱要素は、るつぼユニットの外側、特にるつぼ容積の外側にある炉インサートの内側に配置される。
【0204】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、受け入れ空間は、るつぼユニットの壁部分又はるつぼユニットの内側の壁部分又は底部分内に形成される。好ましくは、受け入れ空間は、好ましくは、シードホルダユニットの中心軸と同軸の中心軸の周りに延びる。好ましくは、受け入れ空間は、中心軸から定められた距離に配置される。
【0205】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、ガスをるつぼユニットの中に導入するためのガスチューブ又はガス案内デバイスが提供される。ガスチューブ又はガス案内手段、ガスチューブ又はガス案内手段の一部分、ガスチューブ又はガス案内手段に取り付けられたガス入口、又はガスチューブ又はガス案内手段の一部は、少なくとも部分的に、好ましくは、大部分で又は完全に受け入れ空間によって取り囲まれる。好ましくは、ガスチューブ又はガス案内手段は、少なくとも部分的に中心軸の方向に延びる。好ましくは、ガスチューブ又はガス伝導手段は、るつぼユニットの底部分又はるつぼユニットのるつぼハウジングの底部分を通って進入する。この実施形態は、ガスをガス管路又はガス案内デバイスを通してるつぼ容積の中に供給することができるので有利である。更に、ガス入口は受け入れ容積によって取り囲まれるので、ガス入口を通して導入されたガスを受け入れ容積の異なる部分に特に均等に分配することができる。このようにして、注入ガスと蒸発原材料との混合物を特に均等な方式で発生させることができる。
【0206】
本発明の別の好ましい実施形態により、受け入れ空間は環状形状を有する。好ましくは、受け入れ空間は、トレンチ、特に円形トレンチとして又は複数の凹部、特に円形凹部によって成形又は形成される。好ましくは、これらの複数の凹部は、好ましくは、形状が円形である予め決められた輪郭に沿って配置される。この実施形態は、シードウェーハ18の形状が好ましくは円形であるので有利である。従って、出発物質蒸気は、シードウェーハ18の成長面又は成長中の結晶の成長面に有利に接近する。
【0207】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、受け入れ空間と中心軸の間の定められた距離は、定められたシードウェーハ18の直径よりも最大で30%、最大で20%、最大で10%、最大で5%、又は最大で1%短い。これに代えて、受け入れ空間と中心軸の間の定められた距離は、定められたシードウェーハ18の直径よりも最大で1%、最大で5%、最大で10%、最大で20%、又は最大で30%長い。これに代えて、受け入れ空間と中心軸の間の定められた距離は、定められたシードウェーハ18の直径と一致する。この実施形態は、シードウェーハ18の成長面にわたるか又は成長中の結晶の成長面にわたる出発物質蒸気の均等な分配を更に支援するので有利である。
【0208】
本発明の別の好ましい実施形態により、受け入れ空間は、ハウジング底部分又はハウジング底の上方の部分を取り囲む。底セクションは、固体材料セクションである。好ましくは、固体材料セクション又はるつぼの重厚な底セクションは、中心軸からの受け入れ空間の最小距離の0.3×よりも大きく、又は中心軸からの受け入れ空間の最小距離の0.5×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.7×、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.9×、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の1.1×、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の1.5×の高さ(垂直方向の)又は壁厚を有する。この設計は、下側部分又は周囲下側部分を加熱ユニットによって加熱することができるので有利である。下側部分が加熱される場合に、この加熱はまた、シードウェーハ18間の空間、並びにシードウェーハ18を加熱する。下側部分が加熱される場合に、この加熱はまた、シードウェーハ18間の空間、並びにシードウェーハ18を加熱する。下側部分は、好ましくは、固体材料ブロック及び/又はるつぼ形状固体底セクションであるので、シードウェーハ18と底セクションの間の空間の加熱、及びシードウェーハ18又は成長中の結晶の成長面の加熱が、均等な方式を用いて実施される。好ましくは、底部分は、好ましくは、るつぼ本体の面部分である外面部分と、好ましくは、外面部分と平行な内面部分とを有する。これは、底部分を均等に加熱することができるので有利である。底部分の内面部分は、好ましくは、水平平面に配置された好ましくは平坦な面である。好ましくは、内面部分は、シードウェーハ18の面と平行に配置される。この実施形態は、シードウェーハ18と底部分の間の空間、並びにシードウェーハ18及び/又は成長中の結晶の成長面を均等に加熱することができるので有利である。
【0209】
従って、底部分は、るつぼ容積の中に配置され、好ましくは、シードホルダユニットと平行な内面を有する。内面の中心とシードホルダユニットの中心とは、好ましくは、同じ垂直軸上に配置され、底セクションの内面は、好ましくは、シードホルダユニットから定められた距離に配置される。好ましくは、この距離は、受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.5×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.7×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.8×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の1×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の1.2×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の1.5×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の2×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の2.5×よりも大きい。この実施形態は、大きい(広い及び/又は長い)結晶を成長させることができるので有利である。
【0210】
フィルタユニットは、垂直に受け入れチャンバの上方に配置される。この実施形態は、蒸発原材料及び/又は注入ガスが下側るつぼセクションから上側るつぼセクションに流れ、従って、好ましくは、フィルタユニットがガス流路に配置されるので有利である。
【0211】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタユニットと受け入れ空間は、好ましくは、同軸に配置される。この実施形態は、出発物質蒸気及び/又は導入ガス又は出発物質蒸気と導入ガスとの混合物が、好ましくは、円筒形の側壁を均等に通過することができるので有利である。このようにして、出発物質蒸気及び/又は導入ガスの蓄積物を予備曝気することができる。この予備曝気は、結晶が均一に成長することを可能にするので有利である。好ましくは、均等な成長は、結晶の成長区域の全ての面部分での成長速度が定められた範囲にあること、及び/又は欠陥の蓄積及び/又はドーピングが均一に分布することを意味し、用語「均一に分布」は、偏差の許容可能範囲を定める。
【0212】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、フィルタユニットの外径は、受け入れ空間の外径に対応し、及び/又はフィルタユニットの内径は、好ましくは、受け入れ空間の内径に対応する。この実施形態は、ハウジングの形状がいずれの有意な複雑さも引き起こさず、従って、廉価な製造を可能にするので有利である。フィルタユニットの外径は、受け入れ空間の外径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.05×であり、又は受け入れ空間の外径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.1×であり、又は受け入れ空間の外径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.3×であり、又は受け入れ空間の外径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.5×である。これに代えて、受け入れ空間の外径は、フィルタユニットの外径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.05×であり、又はフィルタユニットの外径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.1×であり、又はフィルタユニットの外径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.3×であり、又はフィルタユニットの外径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.5×である。これに加えて又はこれに代えて、受け入れ空間の内径は、フィルタユニットの内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.05×大きく、又は好ましくは、少なくとも又は最大で1.1×大きく、又はフィルタユニットの内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.3×大きく、又はフィルタユニットの内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.5×大きい。これに代えて、フィルタユニットの内径は、受け入れ空間の内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.05×大きく、受け入れ空間の内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.1×大きく、受け入れ空間の内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.3×大きく、受け入れ空間の内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.5×大きい。
【0213】
本発明の別の好ましい実施形態により、出発物質蒸気及び/又は導入ガスをシードホルダユニットと、るつぼユニットの内側底面との間の空間の中に案内するための成長案内要素が垂直方向に受け入れ空間の上方に配置されるか又は設けられる。この実施形態は、成長案内要素が好ましくはいくつかの機能を実施するので有利である。一方で成長案内要素は、出発物質蒸気をシードウェーハ18又は成長中の結晶に案内する。他方で、成長案内要素は、成長中の結晶の半径方向の拡大を制限することによって結晶の形状に影響を及ぼす。
【0214】
本発明の別の好ましい実施形態により、成長案内要素は、第1の壁セクション又は第1の成長案内セクションと、第2の壁セクション又は第2の成長案内セクションとを備える。好ましくは、第1の成長案内セクションは、るつぼハウジングの対応する壁セクションに整合するように成形される。好ましくは、この状況での整合は、るつぼハウジングの壁部分と成長案内部材とが好ましくはピッタリ接続及び/又は圧入接続によって結合されることを意味する。成長案内器の第2の部分は、好ましくは、成長中の結晶の形状を操作するように成形される。本発明の別の好ましい実施形態により、成長案内器の第1の部分と成長案内器の第2の部分とは同軸に配置される。成長案内器の第1のセクションは、中心軸に関する第1の直径の場所に配置され、成長案内器の第2のセクションは、中心軸に関する第2の直径の場所に配置され、第1の直径は、第2の直径と比較して大きい。第1の成長案内セクションと第2の成長案内セクションとは、第3の壁セクション及び第3の成長案内セクションそれぞれによって相互接続され、第3の成長案内セクションは、少なくとも部分的に水平方向に延びる。第1の成長案内セクションと第3の成長案内セクションとは、円弧形セクション及び第4の成長案内セクションそれぞれを形成し、及び/又は第2の成長案内セクションと第3の成長案内セクションとは、60°と120°の間の角度、特に70°と110°の間の角度、特に90°の角度で配置される。第4の成長先導セクションは、例えば、凸面状、凹面状、又は円錐形状を有することができる。第1の壁セクションと、成長支援器の第2のセクションと、成長支援器の第3のセクションとは、好ましくは、成長支援器の一体部分である。好ましくは、成長支援器は、グラファイトで製造される。この実施形態は、成長案内要素が単純であるが有効な形状を有するので有利である。従って、成長案内要素は、費用効果的な方式で製造することができる。
【0215】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタユニットの外径は、成長案内要素の第1の直径よりも少なくとも又は最大で1.05×大きく、又は成長案内要素の第1の直径よりも好ましくは少なくとも又は最大で1.1×大きく、又は成長案内器の第1の直径よりも好ましくは少なくとも又は最大で1.3×大きく、又は成長案内器の第1の直径よりも好ましくは少なくとも又は最大で1.3×大きく、又は成長案内器の第1の直径よりも好ましくは少なくとも又は最大で1.5×大きく、及び/又は成長案内器の第2の直径は、フィルタユニットの内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.05×大きく、又はフィルタユニットの内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.1×大きく、又はフィルタユニットの内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.3×大きく、又はフィルタユニットの内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.5×大きい。
【0216】
成長案内器の第2のセクションの成長案内器の上側垂直端部とシード保持ユニットとは、ガス流れチャネルを形成し、成長案内器の第2のセクションの成長案内器の上側垂直端部とシード保持ユニットの間の最小距離は、成長案内器の第2の直径の0.3×よりも小さく、又は成長案内器の第2の直径の0.1×よりも小さく、又は成長案内器の第2の直径の0.08×よりも小さく、又は成長案内器の第2の直径の0.05×よりも小さく、又は成長案内器の第2の直径の0.03×よりも小さく、又は成長案内器の第2の直径の0.01×よりも小さい。
【0217】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、好ましくは、コーティングは、るつぼ容積内の受け入れ空間、特にその面、及び/又は成長案内要素、成長案内プレート、又はガス分配プレートに付加される。好ましくは、コーティングは、受け入れ空間の境界を定める壁部分及び/又は成長案内要素の境界を定める壁部分を通るSi蒸気の透過率を10-3m2/s、好ましくは、10-11m2/s、又はより好ましくは、10-12m2/sまで低減する材料又はその組合せを有する。
【0218】
好ましくは、コーティングは、2000℃よりも高く、特に少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、又は最大で3500℃、又は少なくとも最大で3500℃、又は最大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐える。この実施形態は、修正された抑制要素及び/又は成長案内要素が、一方が抑制要素及び/又は成長案内要素の構造を形成し、他方がSi蒸気の透過率を低減するか又は回避する少なくとも2つの材料層を有するので有利である。最も好ましくは、コーティングは、少なくとも炭素、特にパイロ炭素とガラス状炭素とを備える材料群から選択される1又は2以上の材料を有する。従って、好ましくは、受け入れ空間及び/又は成長伝導要素は、パイロ炭素及び/又はガラス状炭素で被覆される。好ましくは、パイロ炭素層は、10μmよりも大きく又は最大で10μm、特に、20μmよりも大きく又は最大で20μm、50μmよりも大きく又は最大で50μm、100μmよりも大きく又は最大で100μm、200μmよりも大きく又は最大で200μm、又は500μmよりも大きく又は最大で500μmの厚みを有する。好ましくは、ガラス状炭素層は、10μmよりも大きく又は最大で10μm、特に、20μmよりも大きく又は最大で20μm、50μmよりも大きく又は最大で50μm、100μmよりも大きく又は最大で100μm、200μmよりも大きく又は最大で200μm、又は500μmよりも大きく又は最大で500μmの厚みを有する。更に、好ましい実施形態により、コーティングは、化学気相蒸着によって生成され、又は特に前駆体材料上に特にフェノールホルムアルデヒドを印刷すること及びその後の熱分解によって生成される。この実施形態は、コーティングを信頼性の高い方式で発生させることができるので有利である。
【0219】
本発明の別の好ましい実施形態により、加熱ユニットは、少なくとも1つの加熱要素を備える。好ましくは、加熱要素は、垂直に受け入れ空間の下方及び/又はるつぼユニットの底部分の下方に配置され、るつぼユニットの底部分は、受け入れ空間によって取り囲まれる。この設計は、受け入れ空間及び/又はそれによって取り囲まれる底セクションを加熱要素によって加熱することができるので有利である。好ましくは、加熱要素は、受け入れ空間及び/又はそれによって取り囲まれる底セクションに少なくとも部分的に好ましくは50%よりも多く、70%よりも多く、又は最大で90%まで、又は完全に重なる。この設計は、均等な温度分布を設定することができ、特に均等な温度レベルを発生させることができるので有利である。
【0220】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、炉装置はガス流れユニットを備える。好ましくは、ガス流れユニットは、ガスをるつぼユニットの中又はるつぼ容積の中に伝導するためのガス入口と、ガスをるつぼユニット又はるつぼ容積から引き出すためのガス出口とを有する。好ましくは、ガス入口は、ガス出口よりもるつぼユニットの底に向けて近い場所に配置される。ガス入口とガス出口の両方は、好ましくは、るつぼ容積の中に配置される。この設計は、るつぼ容積内の条件、蒸気の組成、及び/又はるつぼ内の液体の流れ(方向及び/又は速度)に影響を及ぼす又はこれらを制御することができるので有利である。
【0221】
本発明の別の好ましい実施形態により、ガス出口は、ガス搬送手段、特にチューブを備える。好ましくは、ガス出口は、好ましくは、誘導手段、特にチューブの内側に又は誘導手段、特にチューブの一部として配置された又は誘導手段、特にチューブの外壁に取り付けられたセンサ、特に温度センサ及び/又は圧力センサを有する。この実施形態は、温度条件及び/又は圧力条件をモニタすることができるので有利である。
【0222】
これに加えて又はこれに代えて、本発明の更に別の好ましい実施形態により、ガス入口は、ガス伝導手段、特にパイプを備える。好ましくは、ガス入口は、好ましくは、導管手段、特にチューブの内側に又は導管手段、特にチューブの一部として配置された又は導管手段、特にチューブの外壁に取り付けられたセンサ、特に温度センサ及び/又は圧力センサを有する。この実施形態は、温度条件及び/又は圧力条件をモニタすることができるので有利である。
【0223】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、ガス入口及び/又はガス出口内のセンサは高温計である。この実施形態は、高温計が高温に耐えることができるので有利である。同様に、この実施形態は、高温計を複数回用いてそれを非常に費用効果的なソリューションにすることができるので有利である。
【0224】
本発明の別の好ましい実施形態により、ガス入口及び/又はガス出口内のセンサは、制御ユニットとの接続状態にある。この実施形態は、制御ユニットがセンサ信号又はセンサデータを受信するので有利である。従って、制御ユニットは、生成又は成長工程をモニタするために、るつぼユニット内の条件を特にタイムスタンプの関数としてオペレータに出力することができる。これに加えて又はこれに代えて、制御ユニットには、制御規則を与え、この制御規則、時間、及び/又はセンサ出力に依存してオーブン装置を制御することができる。
【0225】
本発明の別の好ましい実施形態により、受け入れ空間は、1つ又は少なくとも1つの連続トレンチ又は複数の凹部によって形成される。トレンチ又は凹部は、るつぼユニット、特にその壁の内面及び/又は底セクションの内側に配置された又は設けられた面を好ましくは少なくとも部分的に、好ましくは実質的に、又は好ましくは完全に取り囲み、好ましくは、受け入れ空間は環状形状を有する。好ましくは、加熱要素は、受け入れ空間の底面のうちの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも90%、又は少なくとも95%と、少なくとも部分的に受け入れ空間によって取り囲まれる面のうちの少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%とを覆っている。少なくとも部分的に受け入れ空間によって取り囲まれる区域は、好ましくは、垂直方向に少なくとも距離V1にわたって延びる固体壁、るつぼ底壁、又はるつぼ底セクションそれぞれに属し、受け入れ空間内では、受け入れ空間底面と受け入れ空間の最下側壁部分の上面との間で距離V2が垂直方向に延び、V2>V1である(すなわち、距離V2の方が垂直方向に大きい)。すなわち、距離V2は、距離V1と比較して大きく、特に、V2>1.1×V1、V2>1.2×V1、V2>1.5×V1、V2>2×V1、V2=V1、V2<V1、特にV2<1.1×V1、V2<1.2×V1、V2<1.5×V1、又はV2<2×V1である。
【0226】
従って、好ましくは、受け入れ空間は、ハウジングの下側部分を取り囲み、かつ特に受け入れ空間によって取り囲まれる面を有する。底部分は、好ましくは、固体材料部分である。好ましくは、固体るつぼ底部分は、受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.3×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.5×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.7×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.9×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の1.1×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の1.5×よりも大きい高さ(垂直方向の)を有する。
【0227】
本発明の別の好ましい実施形態により、底部分は、内面又は受け入れ空間によって取り囲まれる面を有する。底部分の内面は、るつぼ容積の中に好ましくはシードホルダユニットと平行に配置される。内面の中心及びシードホルダの中心、及び/又はシードホルダユニットによって保持されたシードウェーハ18の中心は、好ましくは、同じ垂直軸上に配置される。好ましくは、下側部分の内面は、シードホルダユニットから定められた距離に配置される。好ましくは、この距離は、受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.5×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.7×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.8×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の1×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の1.2×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の1.5×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の2×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の2.5×よりも大きい。この実施形態は、シードウェーハ18又は成長中の結晶上への出発物質蒸気の均等な分配を支援する回転対称形状を少なくともセクション毎に、好ましくは大部分で又は完全に有するので有利である。
【0228】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、受け入れ空間によって取り囲まれる区域は、少なくとも定められたシードウェーハ18の上面のサイズの0.5×のサイズ、少なくとも定められたシードウェーハ18の上面のサイズの0.8×のサイズ、少なくとも定められたシードウェーハ18の上面のサイズの0.9×のサイズ、少なくとも定められたシードウェーハ18の上面のサイズの1×のサイズ、少なくとも定められたシードウェーハ18の上面のサイズの1.1×のサイズを有する。これに加えて又はこれに代えて、受け入れ空間によって取り囲まれる面の中心と、定められたシードウェーハ18の上面の中心とは、好ましくは、同じ垂直軸上に配置される。これに加えて又はこれに代えて、受け入れ空間によって取り囲まれる面と、定められたシードウェーハ18の上面とは、好ましくは、互いに平行に配置される。この実施形態は、熱分配を受け入れ空間によって取り囲まれる面にわたって均等に実施することができるので有利である。
【0229】
本発明の別の好ましい実施形態により、るつぼユニット及び/又は炉内の圧力レベルを制御するために、るつぼユニット内へのガス流れを制御するために、及び/又は加熱ユニットを制御するために制御ユニットが提供される。好ましくは、加熱ユニットは、支持ユニットと平行に、垂直方向に対して直角に、又は水平に等温温度プロファイルを発生させるように制御される。この実施形態は、予め定められた規則及び/又はセンサデータ又はセンサ信号を用いて成長工程をモニタし、上述のユニットのうちの1又は2以上の作動パラメータを変更して結晶の成長を制御することができると考えられるので有利である。
【0230】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタユニットが提供される。好ましくは、フィルタユニットは、シード結晶ホルダユニットを取り囲み、及び/又は好ましくは少なくとも部分的にシード結晶ホルダユニットの上方に配置され、特にフィルタユニットのうちの少なくとも60%(体積)は、シード結晶ホルダユニットの上方に配置される。フィルタユニットは、フィルタ本体を備え、フィルタ本体は、Si蒸気を含有するガスをフィルタ本体の中に導入するためのフィルタ入力面と、濾過されたガスを放出するための出力面とを備え、好ましくは、フィルタ入力面は、垂直方向に出力面のレベルの下方のレベルに配置される。フィルタ入力面と出力面の間には、少なくとも1つ又は正確に1つのフィルタ要素が配置される。フィルタ要素は、フィルタ入力面及び/又は出力面を形成することが可能である。好ましくは、フィルタ要素は、Si蒸気の吸着及び凝縮のための分離区域を形成する。この設計は、Si蒸気をフィルタ要素の内側に捕捉し、従って、Si蒸気によって引き起こされる欠陥を低減することができるので有利である。好ましくは、分離区域は、フィルタ要素体積のうちの少なくとも又は最大で50%(体積)、フィルタ要素体積のうちの少なくとも又は最大で80%(体積)、又はフィルタ要素体積のうちの少なくとも又は最大で90%(体積)を有する。すなわち、フィルタ要素体積のうちの1%~50%(体積)、10%~50%(体積)、又は1%~30%(体積)は、蒸気セクション又は蒸発原材料が蒸気構成にあるセクションであることが可能である。
【0231】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタ要素は、フィルタ入力面から出力面へのガス流路を形成する。好ましくは、フィルタ要素は、高さS1を有し、フィルタ要素を通るガス流路は、長さS2を有し、S2は、S1よりも少なくとも10倍長く、特に、S1よりも100倍又は1000倍長い。この設計は、フィルタ要素が、流動中又は結晶、特にSiC結晶の成長中に発生する全てのSi蒸気を吸収するほど十分な容量を有するので有利である。従って、好ましくは、フィルタ要素は、PVT成長、特にSiC単結晶化中にSi昇華蒸気を組み込むための多孔率の大きい面積を形成する。好ましくは、フィルタ要素は、少なくとも100m2/g又は少なくとも1000m2/gの面積を有する材料を有する。
【0232】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタユニットは、るつぼユニットハウジングの第1の部分とるつぼユニットハウジングの第2の部分との間に配置される。るつぼユニットの第1のハウジング部分のうちの少なくとも50%(体積)、特に少なくとも80%(体積)又は90%(体積)は、垂直方向にシードホルダユニットの下方に配置される。るつぼユニットの第1のハウジング部分とシードホルダの間に第1のるつぼ容積が提供され、第1のるつぼ容積は、第1のるつぼ容積のうちの少なくとも80%、好ましくは、90%、又はより好ましくは、100%は、一般的な圧力下で珪素の凝縮温度Tcよりも高いように作動させることができる。更に、るつぼユニットハウジングの第1の部分のうちの最大で50%(体積)、最大で20%(体積)、又は最大で10%(体積)は、垂直にシードホルダユニットの上方に配置される。これに代えて、るつぼユニットの第1のハウジング部分のうちの少なくとも50%(体積)、特に少なくとも80%(体積)又は90%(体積)は、垂直方向にシードホルダユニットの上方に配置される。好ましくは、るつぼユニットの第2のハウジング部分とシードホルダの間には、第2のるつぼ容積が提供される。フィルタ要素のうちの少なくとも60%、好ましくは80%、又はより好ましくは90%は、凝縮温度Tcよりも低い。この実施形態は、出力材料がTc又はそれよりも高い温度で蒸発するか又はさせられ、又はTc又はそれよりも低い温度で凝縮するか又はさせられるので有利である。従って、Si蒸気が予め決められた温度よりも低い温度で凝縮することを用いてフィルタ要素内にSi凝縮物を捕捉することができる。従って、フィルタ要素は非常に有効である。
【0233】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタユニットは、第1のハウジング部分の第1の壁部分と第2のハウジング部分の更に別の壁部分の間に配置される。好ましくは、フィルタ本体はフィルタ外面を形成する。好ましくは、フィルタ外面は、第1のハウジング部分の第1の壁部分と第2のハウジング部分の更に別の壁部分とを接続する。好ましくは、フィルタ外面は、るつぼユニットの外面の一部を形成する。この実施形態は、1又は2以上の追加のるつぼハウジング部分を必要とすることなく、るつぼユニットの体積を増大させるようにフィルタユニットを配置することができるので有利である。
【0234】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタ外面は、フィルタ外面カバー要素を備える。フィルタ外面カバー要素は、好ましくは、密封要素である。密封要素は、好ましくは、コーティングである。好ましくは、コーティングは、フィルタ面上に達成され、又はフィルタ面に取り付けられ、又はフィルタ面を形成する。好ましくは、コーティングは、工程中に発生し、るつぼ容積からるつぼハウジングを通って炉容積の中に入る昇華蒸気、特にSi蒸気の漏出を特に少なくとも50%(質量)、少なくとも80%(質量)、少なくとも90%(質量)、99%(質量)よりも多く、又は少なくとも99.9%(質量)低減する材料又はその組合せを有する。
【0235】
好ましくは、コーティングは、2000℃よりも高く、特に少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、又は最大で3500℃、又は少なくとも最大で3500℃、又は最大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐える。好ましくは、コーティングは、少なくとも炭素、特にパイロ炭素とガラス質炭素とを備える材料群から選択される1又は2以上の材料を備える。この実施形態は、フィルタユニットは、るつぼユニットの外側障壁を形成することができるので有利である。従って、好ましくは、フィルタユニットは、Siを吸収又は捕捉し、好ましくは、Si蒸気が漏出することを防止する。フィルタ要素の灰分含有量は、好ましくは、5%(質量)よりも低いか又は1%(質量)よりも低い。これは、フィルタ要素の質量のうちの5%未満又は1%未満が灰分であることを意味する。
【0236】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタ本体は、内側フィルタ面を形成する。フィルタ内面は、好ましくは、フィルタ外面と同軸である。フィルタ本体は、好ましくは、形状が環状である。フィルタ外面は、好ましくは、円筒形状を有し、及び/又はフィルタ内面は、好ましくは、円筒形状を有する。フィルタ外面及び/又はフィルタ内面は、垂直方向又は円周方向に最も長い延長を有する。この実施形態は、フィルタユニットをその形状に起因して簡単な方式で配置することができるので有利である。これに加えて又はこれに代えて、フィルタ内面は、シードホルダユニットの上方の空間を取り囲む。シードホルダユニットによって取り囲まれる空間は、フィルタ要素を冷却するための及び/又はシードホルダユニットを冷却するための冷却空間として機能することができる。好ましくは、冷却液を案内するための少なくとも1つの冷却チューブを備える冷却ユニットを提供することができる。この冷却チューブは、るつぼユニットを少なくとも部分的に、少なくとも大部分で(円周方向に50%よりも大きい)、又は完全に取り囲むように配置することができる。これに加えて又はこれに代えて、冷却チューブは、るつぼ容積の内側、特にフィルタ内面によって取り囲まれる空間に配置することができる。しかし、冷却チューブは、るつぼユニットの外側からるつぼユニットの壁及び/又はフィルタユニットの壁を貫通してるつぼ容積の中に、特にフィルタ内面によって取り囲まれる空間の中に延びることも可能である。更に、冷却チューブが炉の外側まで延びることが可能である。この実施形態は、るつぼユニットの内側の温度を有利に制御することができるので有利である。更に、冷却ユニットを用いない状況と比較してかなり急な勾配を有する温度分布プロファイルをるつぼ容積内に設定することが可能である。
【0237】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、フィルタ内面は、更に別のフィルタ内面カバー要素を有する。更に別のフィルタ内面カバー要素は、好ましくは、密封要素である。密封要素は、好ましくは、コーティングであり、好ましくは、コーティングは、フィルタ面上に達成され、又はフィルタ面に取り付けられ、又はフィルタ面を形成する。好ましくは、コーティングは、工程中に発生する昇華蒸気、特にSi蒸気のるつぼ容積からるつぼハウジングを貫通して炉容積の中に戻る特に少なくとも50%(質量)、少なくとも80%(質量)、少なくとも90%(質量)、又は99%(質量)よりも多く、又は少なくとも99.9%(質量)の漏出に抵抗する材料又はその組合せを有する。
【0238】
好ましくは、コーティングは、2000℃よりも高く、特に少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、又は最大で3500℃、又は少なくとも最大で3500℃、又は最大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐える。好ましくは、コーティングは、少なくとも炭素、特にパイロ炭素とガラス質炭素とを備える材料群から選択される1又は2以上の材料を有する。このソリューションは、フィルタの内面によって取り囲まれる空間内へのSi蒸気の漏出が防止されるので有利である。
【0239】
好ましくは、フィルタ要素は、炭化したパン、剛性グラファイト絶縁体、及び/又は可撓性グラファイト絶縁体で製造されたものを含む活性炭ブロック及び/又は1又は2以上の特に異なるグラファイト発泡体から構成される。
【0240】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタ要素は、フィルタ要素部材を備える。フィルタ要素は、好ましくは、フィルタ粒子と結合剤とを備える。好ましくは、フィルタ粒子は、炭素を備える又は炭素材料から構成される。好ましくは、結合剤は、フィルタ粒子を互いに固定された相対的位置に保持する。好ましくは、フィルタ粒子は、2000℃よりも高く、特に少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、又は最大で3500℃、又は少なくとも最大で3500℃、又は最大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐える。好ましくは、フィルタ粒子は、2000℃よりも高く、特に、少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、又は最大で3500℃、又は少なくとも最大で3500℃、又は最大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐える。好ましくは、フィルタ粒子は、1700℃よりも高く、特に2000℃よりも高い温度、特に最大で2000℃、又は2000℃よりも高く、特に少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、又は最大で3500℃、又は少なくとも最大で3500℃、又は最大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐える。このソリューションは、固体フィルタ要素が毒性材料を持たないので有利である。これに加えて、固体フィルタ要素は、低コストで製造することができる。フィルタユニット、特にフィルタ要素は、好ましくは、使い捨て可能なユニット又は要素である。
【0241】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、結合剤は澱粉を備え、又は結合剤は澱粉を備える。
【0242】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、炉システムはガス流れユニットを備える。好ましくは、ガス流れユニットは、ガスをるつぼユニットの中に伝導するためのガス入口と、ガスをるつぼユニットから炉を通して炉の外側に放出するためのガス出口とを有する。好ましくは、ガス入口は、ガス流れ方向にフィルタユニットの上流、特にガス流れ方向に受け入れ空間の上流に配置され、ガス出口は、ガス流れ方向にフィルタユニットの下流に配置される。従って、好ましくは、ガス入口は、るつぼユニット内の移行ゾーンに配置される。好ましくは、移行ゾーンは、シードホルダユニットと受け入れ空間とを更に含む。出発物質は、固体構成から蒸気構成に、更に蒸気構成から固形ターゲット本体に移行させることができる。出発物質は、受け入れ空間の中に堆積させることができ、固形ターゲット本体は、シードホルダユニットによって保持することができる。固形ターゲット本体は、結晶、特にSiC結晶である。ガス入口を通して導入されたガスは、好ましくは、蒸気構成で及び/又は凝固中に出発物質と混合及び/又は反応する。好ましくは、ガス出口は捕捉ゾーンに配置され、捕捉ゾーンは、フィルタユニットの出口面を更に備え、捕捉ゾーン内のガス組成は、好ましくは、Si蒸気非含有であるか又はSi蒸気を持たない。取り込みゾーン内の温度は、好ましくは、Siガス又はSi蒸気の凝固温度よりも低い。この実施形態は、結晶成長工程を操作することができるので有利である。例えば、結晶をドーピングするための1又は2以上のガスを添加することが可能である。これに加えて又はこれに代えて、受け入れ空間からシードウェーハ18又は結晶への蒸気搬送を修正する、特に加速することが可能である。好ましくは、均等な成長は、結晶の成長区域の全ての面部分での成長速度が定められた範囲にあること、及び/又は欠陥の蓄積及び/又はドーピングが均一に分布することを意味し、用語「均一に分布」は、偏差の許容範囲を定める。
【0243】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、フィルタユニットの外径は、受け入れ空間の外径に対応し、及び/又はフィルタユニットの内径は、好ましくは、受け入れ空間の内径に対応する。この実施形態は、ハウジングの形状がいずれの有意な複雑さも引き起こさず、従って、廉価な製造を可能にするので有利である。フィルタユニットの外径は、受け入れチャンバの外径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.05×であり、又は受け入れ空間の外径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.1×であり、又は受け入れ空間の外径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.3×であり、又は受け入れ空間の外径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.5×である。これに代えて、受け入れ空間の外径は、フィルタユニットの外径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.05×であり、又はフィルタユニットの外径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.1×であり、又はフィルタユニットの外径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.3×であり、又はフィルタユニットの外径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.5×である。これに加えて又はこれに代えて、受け入れ空間の内径は、フィルタユニットの内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.05×大きく、又は好ましくは少なくとも又は最大で1.1×大きく、又はフィルタユニットの内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.3×大きく、又はフィルタユニットの内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.5×大きい。これに代えて、フィルタユニットの内径は、受け入れ空間の内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.05×大きく、受け入れ空間の内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.1×大きく、受け入れ空間の内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.3×大きく、受け入れ空間の内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.5×大きい。
【0244】
本発明の別の好ましい実施形態により、出発物質蒸気及び/又は導入ガスをシードホルダユニットと、るつぼユニットの内側底面との間の空間の中に案内するための成長案内要素が、垂直に受け入れ空間の上方に配置される又は設けられる。この実施形態は、成長案内要素が、好ましくは、いくつかの機能を実施するので有利である。一方で、成長案内要素は、出発物質蒸気をシードウェーハ18又は成長中の結晶に案内する。他方で、成長案内要素は、成長中の結晶の半径方向延長を制限することによって結晶の形状に影響を及ぼす。
【0245】
本発明の別の好ましい実施形態により、成長案内要素は、第1の壁セクション又は第1の成長案内セクションと、第2の壁セクション又は第2の成長案内セクションとを備える。好ましくは、第1の成長案内セクションは、るつぼハウジングの対応する壁セクションに整合するように成形される。好ましくは、この状況での整合は、るつぼハウジングの壁部分と成長案内部材とが好ましくはピッタリ接続及び/又は圧入接続によって結合されることを意味する。成長案内器の第2の部分は、好ましくは、成長中の結晶の形状を操作するように成形される。本発明の別の好ましい実施形態により、成長案内器の第1の部分と成長案内器の第2の部分とは同軸に配置される。成長案内器の第1のセクションは、中心軸に関する第1の直径の場所に配置され、成長案内器の第2のセクションは、中心軸に関する第2の直径の場所に配置され、第1の直径は、第2の直径と比較して大きい。第1の成長案内セクションと第2の成長案内セクションは、第3の壁セクション及び第3の成長案内セクションそれぞれによって相互接続され、第3の成長案内セクションは、少なくとも部分的に水平方向に延びる。第1の成長案内セクションと第3の成長案内セクションは、円弧形セクション及び第4の成長案内セクションそれぞれを形成し、及び/又は第2の成長案内セクションと第3の成長案内セクションは、60°と120°の間の角度、特に70°と110°の間の角度、特に90°の角度で配置される。第4の成長先導セクションは、例えば、凸面状、凹面状、又は円錐形状を有することができる。第1の壁セクションと、成長支援器の第2のセクションと、成長支援器の第3のセクションとは、好ましくは、成長支援器の一体部分である。好ましくは、成長支援器は、グラファイトで製造される。この実施形態は、成長案内要素が単純であるが有効な形状を有するので有利である。従って、成長案内要素は、費用効果的な方式で製造することができる。
【0246】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタユニットの外径は、成長案内要素の第1の直径よりも少なくとも又は最大で1.05×大きく、又は成長案内要素の第1の直径よりも好ましくは少なくとも又は最大で1.1×大きく、又は成長案内器の第1の直径よりも好ましくは少なくとも又は最大で1.3×大きく、又は成長案内器の第1の直径よりも好ましくは少なくとも又は最大で1.3×大きく、又は成長案内器の第1の直径よりも好ましくは少なくとも又は最大で1.5×大きく、及び/又は成長案内器の第2の直径は、フィルタユニットの内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.05×大きく、又はフィルタユニットの内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.1×大きく、又はフィルタユニットの内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.3×大きく、又はフィルタユニットの内径と比較して好ましくは少なくとも又は最大で1.5×大きい。
【0247】
成長案内器の第2のセクションの上側垂直端部とシードホルダユニットとは、ガス流れチャネルを形成し、成長案内器の第2のセクションの上側垂直端部とシードホルダユニットの間の最小距離は、成長案内器の第2の直径の0.3×よりも小さく、又は成長案内器の第2の直径の0.1×よりも小さく、又は成長案内器の第2の直径の0.08×よりも小さく、又は成長案内器の第2の直径の0.05×よりも小さく、又は成長案内器の第2の直径の0.03×よりも小さく、又は成長案内器の第2の直径の0.01×よりも小さい。
【0248】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、好ましくは、コーティングは、るつぼ容積内の受け入れ空間、特にその面、及び/又は成長案内要素、成長案内プレート、又はガス分配プレートに付加される。好ましくは、コーティングは、受け入れ空間の境界を定める壁部分及び/又は成長案内要素の境界を定める壁部分を通るSi蒸気の透過率を10-3m2/s、好ましくは、10-11m2/s、又はより好ましくは、10-12m2/sまで低減する材料又はその組合せを有する。
【0249】
好ましくは、コーティングは、2000℃よりも高く、特に少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、又は最大で3500℃、又は少なくとも最大で3500℃、又は最大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐える。この実施形態は、修正された抑制要素及び/又は成長案内要素が、一方が抑制要素及び/又は成長案内要素の構造を形成し、他方がSi蒸気の透過率を低減するか又は回避する少なくとも2つの材料層を有するので有利である。最も好ましくは、コーティングは、少なくとも炭素、特にパイロ炭素とガラス状炭素とを備える材料群から選択される1又は2以上の材料を有する。従って、好ましくは、受け入れ空間及び/又は成長伝導要素は、パイロ炭素及び/又はガラス状炭素で被覆される。好ましくは、パイロ炭素層は、10μmよりも大きく又は最大で10μm、特に、20μmよりも大きく又は最大で20μm、50μmよりも大きく又は最大で50μm、100μmよりも大きく又は最大で100μm、200μmよりも大きく又は最大で200μm、又は500μmよりも大きく又は最大で500μmの厚みを有する。好ましくは、ガラス状炭素層は、10μmよりも大きく又は最大で10μm、特に、20μmよりも大きく又は最大で20μm、50μmよりも大きく又は最大で50μm、100μmよりも大きく又は最大で100μm、200μmよりも大きく又は最大で200μm、又は500μmよりも大きく又は最大で500μmの厚みを有する。更に、好ましい実施形態により、コーティングは、化学気相蒸着によって生成され、又は特に前駆体材料上に特にフェノールホルムアルデヒドを印刷することにより、及びその後の熱分解によって生成される。この実施形態は、コーティングを信頼性の高い方式で発生させることができるので有利である。
【0250】
本発明の別の好ましい実施形態により、加熱ユニットは、少なくとも1つの加熱要素を備える。好ましくは、加熱要素は、垂直に受け入れ空間の下方及び/又はるつぼユニットの底部分の下方に配置され、るつぼユニットの底部分は、受け入れ空間によって取り囲まれる。この設計は、受け入れ空間及び/又はそれによって取り囲まれる底セクションを加熱要素によって加熱することができるので有利である。好ましくは、加熱要素は、受け入れ空間及び/又はそれによって取り囲まれる底セクションに少なくとも部分的に、好ましくは50%よりも多く、70%よりも多く、又は最大で90%まで、又は完全に重なる。この設計は、均等な温度分布を設定することができ、特に均等な温度レベルを発生させることができるので有利である。
【0251】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、炉装置はガス流れユニットを備える。好ましくは、ガス流れユニットは、ガスをるつぼユニットの中に又はるつぼ容積の中に伝導するためのガス入口と、ガスをるつぼユニット又はるつぼ容積から引き出すためのガス出口とを有する。好ましくは、ガス入口は、ガス出口よりもるつぼユニットの底に向けて近い場所に配置される。ガス入口とガス出口の両方は、好ましくは、るつぼ容積の中に配置される。この設計は、るつぼ容積内の条件、蒸気の組成、及び/又はるつぼ内の液体の流れ(方向及び/又は速度)に影響を及ぼす又はこれらを制御することができるので有利である。
【0252】
本発明の別の好ましい実施形態により、ガス出口は、ガス搬送手段、特にチューブを備える。好ましくは、ガス出口は、好ましくは、伝導手段、特にチューブの内側に又は伝導手段、特にチューブの一部として配置された又は伝導手段、特にチューブの外壁に取り付けられたセンサ、特に温度センサ及び/又は圧力センサを有する。この実施形態は、温度条件及び/又は圧力条件をモニタすることができるので有利である。
【0253】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、これに加えて又はこれに代えて、ガス入口は、ガス伝導手段、特にパイプを備える。好ましくは、ガス入口は、好ましくは、導管手段、特にチューブの内側に又は導管手段、特にチューブの一部として配置された又は導管手段、特にチューブの外壁に取り付けられたセンサ、特に温度センサ及び/又は圧力センサを有する。この実施形態は、温度条件及び/又は圧力条件をモニタすることができるので有利である。
【0254】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、ガス入口及び/又はガス出口内のセンサは高温計である。この実施形態は、高温計が高温に耐えることができるので有利である。同様に、この実施形態は、高温計を複数回用いてそれを非常に費用効果的なソリューションにすることができるので有利である。
【0255】
本発明の別の好ましい実施形態により、ガス入口及び/又はガス出口内のセンサは、制御ユニットとの接続状態にある。この実施形態は、制御ユニットがセンサ信号又はセンサデータを受信するので有利である。従って、制御ユニットは、生成又は成長工程をモニタするために、るつぼユニット内の条件を特にタイムスタンプの関数としてオペレータに出力することができる。これに加えて又はこれに代えて、制御ユニットには、制御規則を与え、この制御規則、時間、及び/又はセンサ出力に依存してオーブン装置を制御することができる。
【0256】
本発明の別の好ましい実施形態により、受け入れ空間は、1つ又は少なくとも1つの連続トレンチ又は複数の凹部によって形成される。トレンチ又は凹部は、るつぼユニット、特にその壁の内面及び/又は底セクションの内側に配置された又は設けられた面を好ましくは少なくとも部分的に、好ましくは実質的に、又は好ましくは完全に取り囲み、好ましくは、受け入れ空間は環状形状を有する。好ましくは、加熱要素は、受け入れ空間の底面のうちの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも90%、又は少なくとも95%と、少なくとも部分的に受け入れ空間によって取り囲まれる面のうちの少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%とを覆っている。少なくとも部分的に受け入れ空間によって取り囲まれる区域は、好ましくは、垂直方向に少なくとも距離V1にわたって延びる固体壁、るつぼ底壁、又はるつぼ底セクションそれぞれに属し、受け入れ空間内では、受け入れ空間底面と受け入れ空間の最下側壁部分の上面との間で距離V2が垂直方向に延び、V2>V1である(すなわち、距離V2の方が垂直方向に大きい)。すなわち、距離V2は、距離V1と比較して大きく、特に、V2>1.1×V1、V2>1.2×V1、V2>1.5×V1、V2>2×V1、V2=V1、V2<V1、特にV2<1.1×V1、V2<1.2×V1、V2<1.5×V1、又はV2<2×V1である。
【0257】
従って、好ましくは、受け入れ空間は、ハウジングの下側部分を取り囲み、かつ特に受け入れ空間によって取り囲まれる面を有する。底部分は、好ましくは、固体材料部分である。好ましくは、固体るつぼ底部分は、受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.3×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.5×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.7×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.9×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の1.1×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の1.5×よりも大きい高さ(垂直方向の)を有する。
【0258】
本発明の別の好ましい実施形態により、底部分は、内面又は受け入れ空間によって取り囲まれる面を有する。底部分の内面は、るつぼ容積の中に、好ましくは、シードホルダユニットと平行に配置される。内面の中心及びシードホルダの中心、及び/又はシードホルダユニットによって保持されたシードウェーハ18の中心は、好ましくは、同じ垂直軸上に配置される。好ましくは、下側部分の内面は、シードホルダユニットから定められた距離に配置される。好ましくは、この距離は、受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.5×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.7×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の0.8×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の1×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の1.2×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の1.5×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の2×よりも大きく、又は受け入れ空間と中心軸の間の最小距離の2.5×よりも大きい。この実施形態の形状は、シードウェーハ18又は成長中の結晶上への出発物質蒸気の均等な分配を支援する回転対称形状を少なくともセクション毎に、好ましくは大部分で又は完全に有するので有利である。
【0259】
本発明の別の好ましい実施形態により、受け入れ空間によって取り囲まれる区域は、少なくとも定められたシードウェーハ18の上面のサイズの0.5×のサイズ、少なくとも定められたシードウェーハ18の上面のサイズの0.8×のサイズ、少なくとも定められたシードウェーハ18の上面のサイズの0.9×のサイズ、少なくとも定められたシードウェーハ18の上面のサイズの1×のサイズ、又は少なくとも定められたシードウェーハ18の上面のサイズの1.1×のサイズを有する。これに加えて又はこれに代えて、受け入れ空間によって取り囲まれる面の中心と定められたシードウェーハ18の上面の中心とは、好ましくは、同じ垂直軸上に配置される。これに加えて又はこれに代えて、受け入れ空間によって取り囲まれる面と定められたシードウェーハ18の上面とは、好ましくは、互いに平行に配置される。この実施形態は、熱分配を受け入れ空間によって取り囲まれる面にわたって均等に実施することができるので有利である。
【0260】
本発明の別の好ましい実施形態により、るつぼユニット及び/又は炉内の圧力レベルを制御するために、るつぼユニット内へのガス流れを制御するために、及び/又は加熱ユニットを制御するために制御ユニットが提供される。好ましくは、加熱ユニットは、支持ユニットと平行に、垂直方向に対して直角に又は水平に等温温度プロファイルを発生させるように制御される。この実施形態は、予め定められた規則、及び/又はセンサデータ又はセンサ信号を用いて成長工程をモニタし、上述のユニットのうちの1又は2以上の作動パラメータを変更して結晶の成長を制御することができると考えられるので有利である。
【0261】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタユニットが提供される。好ましくは、フィルタユニットは、シードホルダユニットを取り囲み、及び/又は好ましくは少なくとも部分的にシードホルダユニットの上方に配置され、特にフィルタユニットのうちの少なくとも60%(体積)は、シードホルダユニットの上方に配置される。フィルタユニットは、フィルタ本体を備え、フィルタ本体は、Si蒸気を含有するガスをフィルタ本体の中に導入するためのフィルタ入力面と、濾過されたガスを放出するための出力面とを備え、好ましくは、フィルタ入力面は、垂直方向に出力面のレベルの下方のレベルに配置される。フィルタ入力面と出力面の間には、少なくとも1つ又は正確に1つのフィルタ要素が配置される。フィルタ要素は、フィルタ入力面及び/又は出力面を形成することが可能である。好ましくは、フィルタ要素は、Si蒸気の吸着及び凝縮のための分離領域を形成する。この設計は、Si蒸気をフィルタ要素の内側に捕捉し、従って、Si蒸気によって引き起こされる欠陥を低減することができるので有利である。好ましくは、取り込み区域は、フィルタ要素体積のうちの少なくとも又は最大で50%(体積)、フィルタ要素体積のうちの少なくとも又は最大で80%(体積)、又はフィルタ要素体積のうちの少なくとも又は最大で90%(体積)を有する。従って、フィルタ要素体積のうちの1%~50%(体積)、10%~50%(体積)、又は1%~30%(体積)は、蒸気セクション又は出発物質蒸気が蒸気構成にあるセクションであることが可能である。
【0262】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタ要素は、フィルタ入力面から出力面へのガス流路を形成する。好ましくは、フィルタ要素は高さS1を有し、フィルタ要素を通るガス流路は長さS2を有し、S2は、S1よりも少なくとも10倍長く、特に、S1よりも100倍又は1000倍長い。この設計は、フィルタ要素が、流動中に又は結晶、特にSiC結晶の成長中に発生する全てのSi蒸気を吸収するほど十分な容量を有するので有利である。従って、好ましくは、フィルタ要素は、PVT成長、特にSiC単結晶化中にSi昇華蒸気を組み込むための多孔率の大きい面積を形成する。好ましくは、フィルタ要素は、少なくとも100m2/g又は少なくとも1000m2/gの面積を有する材料を有する。
【0263】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタユニットは、るつぼユニットハウジングの第1の部分とるつぼユニットハウジングの第2の部分との間に配置される。るつぼユニットの第1のハウジング部分のうちの少なくとも50%(体積)、特に少なくとも80%(体積)又は90%(体積)は、垂直方向にシードホルダユニットの下方に配置される。るつぼユニットの第1のハウジング部分とシードホルダユニットの間に第1のるつぼ容積が提供され、第1のるつぼ容積は、第1のるつぼ容積のうちの少なくとも80%、好ましくは90%、又は更に好ましくは100%が一般的な圧力下で珪素の凝縮温度Tcよりも高いように作動させることができる。更に、るつぼユニットハウジングの第1の部分のうちの最大で50%(体積)、最大で20%(体積)、又は最大で10%(体積)は、垂直にシードホルダユニットの上方に配置される。これに代えて、るつぼユニットの第1のハウジング部分のうちの少なくとも50%(体積)、特に少なくとも80%(体積)又は90%(体積)は、垂直方向にシードホルダユニットの上方に配置される。好ましくは、るつぼユニットの第2のハウジング部分とシードホルダの間には、第2のるつぼ容積が提供される。フィルタ要素のうちの少なくとも60%、好ましくは80%、又は更に好ましくは90%は、凝縮温度Tcよりも低い。この実施形態は、出発物質がTc又はそれよりも高い温度で蒸発するか又はさせられ、又はTc又はそれよりも低い温度で凝縮するか又はさせられるので有利である。従って、Si蒸気が予め決められた温度よりも低い温度で凝縮することを用いてフィルタ要素内にSi凝縮物を捕捉することができる。従って、フィルタ要素は非常に有効である。
【0264】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタユニットは、第1のハウジング部分の第1の壁部分と第2のハウジング部分の更に別の壁部分との間に配置される。好ましくは、フィルタ本体はフィルタ外面を形成する。好ましくは、フィルタ外面は、第1のハウジング部分の第1の壁部分と第2のハウジング部分の更に別の壁部分とを接続する。好ましくは、フィルタ外面は、るつぼユニットの外面の一部を形成する。この実施形態は、1又は2以上の追加のるつぼハウジング部分を必要とすることなく、るつぼユニットの体積を増大させるようにフィルタユニットを配置することができるので有利である。
【0265】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタ外面は、フィルタ外面カバー要素を備える。フィルタ外面カバー要素は、好ましくは、密封要素である。密封要素は、好ましくは、コーティングである。好ましくは、コーティングは、フィルタ面上に達成され、又はフィルタ面に取り付けられ、又はフィルタ面を形成する。好ましくは、コーティングは、工程中に発生し、るつぼ容積からるつぼハウジングを通って炉容積の中に入る昇華蒸気、特にSi蒸気の漏出を特に少なくとも50%(質量)、少なくとも80%(質量)、少なくとも90%(質量)、99%(質量)よりも多く、又は少なくとも99.9%(質量)低減する材料又はその組合せを有する。
【0266】
好ましくは、コーティングは、2000℃よりも高く、特に少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、又は最大で3500℃、又は少なくとも最大で3500℃、又は最大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐える。好ましくは、コーティングは、少なくとも炭素、特にパイロ炭素とガラス質炭素とを備える材料群から選択される1又は2以上の材料を備える。この実施形態は、フィルタユニットは、るつぼユニットの外側障壁を形成することができるので有利である。従って、好ましくは、フィルタユニットは、Siを吸収又は捕捉し、好ましくは、Si蒸気が漏出することを防止する。フィルタ要素の灰分含有量は、好ましくは、5%(質量)よりも低いか又は1%(質量)よりも低い。これは、フィルタ要素の質量のうちの5%未満又は1%未満が灰分であることを意味する。
【0267】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタ本体は、内側フィルタ面を形成する。フィルタ内面は、好ましくは、フィルタ外面と同軸である。フィルタ本体は、好ましくは、形状が環状である。フィルタ外面は、好ましくは、円筒形状を有し、及び/又はフィルタ内面は、好ましくは、円筒形状を有する。フィルタ外面及び/又はフィルタ内面は、垂直方向又は円周方向に最も長い延長を有する。この実施形態は、フィルタユニットをその形状に起因して簡単な方式で配置することができるので有利である。これに加えて又はこれに代えて、フィルタ内面は、シードホルダユニットの上方の空間を取り囲む。シードホルダユニットによって取り囲まれる空間は、フィルタ要素を冷却するための及び/又はシードホルダユニットを冷却するための冷却空間として機能することができる。好ましくは、冷却液を案内するための少なくとも1つの冷却チューブを備える冷却ユニットを提供することができる。この冷却チューブは、るつぼユニットを少なくとも部分的に、少なくとも大部分で(円周方向に50%よりも大きく)、又は完全に取り囲むように配置することができる。これに加えて又はこれに代えて、冷却チューブは、るつぼ容積の中に、特にフィルタ内面によって取り囲まれる空間に配置することができる。しかし、冷却チューブが、るつぼユニットの外側からるつぼユニットの壁及び/又はフィルタユニットの壁を貫通してるつぼ容積の中に、特にフィルタ内面によって取り囲まれる空間の中に延びることも可能である。更に、冷却チューブが炉の外側まで延びることが可能である。この実施形態は、るつぼユニットの内側の温度を有利に制御することができるので有利である。更に、冷却ユニットを用いない状況と比較して、かなり急な勾配を有する温度分布プロファイルをるつぼ容積内に設定することが可能である。
【0268】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、フィルタ内面は、更に別のフィルタ内面カバー要素を有する。更に別のフィルタ内面カバー要素は、好ましくは、密封要素である。密封要素は、好ましくは、コーティングであり、好ましくは、コーティングは、フィルタ面上に達成され、又はフィルタ面に取り付けられ、又はフィルタ面を形成する。好ましくは、コーティングは、工程中に発生する昇華蒸気、特にSi蒸気のるつぼ容積からるつぼハウジングを貫通して炉容積の中に戻る特に少なくとも50%(質量)、少なくとも80%(質量)、少なくとも90%(質量)、又は99%(質量)よりも多く、又は少なくとも99.9%(質量)の漏出に抵抗する材料又はその組合せを有する。
【0269】
好ましくは、コーティングは、2000℃よりも高く、特に少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、又は最大で3500℃、又は少なくとも最大で3500℃、又は最大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐える。好ましくは、コーティングは、少なくとも炭素、特にパイロ炭素とガラス質炭素とを備える材料群から選択される1又は2以上の材料を備える。このソリューションは、フィルタの内面によって取り囲まれる空間内へのSi蒸気の漏出を防止するので有利である。
【0270】
好ましくは、フィルタ要素は、炭化したパン、剛性グラファイト絶縁体、及び/又は可撓性グラファイト絶縁体で製造されたものを含む活性炭ブロック及び/又は1又は2以上の特に異なるグラファイト発泡体を備える。
【0271】
本発明の別の好ましい実施形態により、フィルタ要素は、フィルタ要素部材を備える。フィルタ要素は、好ましくは、フィルタ粒子と結合剤を備える。好ましくは、フィルタ粒子は、炭素を備える又は炭素材料から構成される。好ましくは、結合剤は、フィルタ粒子を互いに固定された相対的位置に保持する。好ましくは、フィルタ粒子は、2000℃よりも高く、特に少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、又は最大で3500℃、又は少なくとも最大で3500℃、又は最大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐える。好ましくは、フィルタ粒子は、2000℃よりも高く、特に、少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、又は最大で3500℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐える。好ましくは、フィルタ粒子は、1700℃よりも高く、特に2000℃よりも高い温度、特に最大で2000℃、又は2000℃よりも高く、特に少なくとも又は最大で3000℃、又は少なくとも最大で3000℃、又は最大で3500℃、又は少なくとも最大で3500℃、又は最大で4000℃、又は少なくとも最大で4000℃の温度に耐える。このソリューションは、固体フィルタ要素が毒性材料を持たないので有利である。更に、固体フィルタ要素は、低コストで製造することができる。フィルタユニット、特にフィルタ要素は、好ましくは、使い捨て可能なユニット又は要素である。
【0272】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、結合剤は澱粉を備え、又は結合剤は澱粉を備える。
【0273】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、炉システムはガス流れユニットを備える。好ましくは、ガス流れユニットは、ガスをるつぼユニットの中に伝導するためのガス入口と、ガスをるつぼユニットから炉を通して炉の外側に放出するためのガス出口とを有する。好ましくは、ガス入口は、ガス流れ方向にフィルタユニットの上流、特にガス流れ方向に受け入れ空間の上流に配置され、ガス出口は、ガス流れ方向にフィルタユニットの下流に配置される。従って、好ましくは、ガス入口は、るつぼユニット内の移行ゾーンに配置される。好ましくは、移行ゾーンは、シードホルダユニットと受け入れ空間とを更に含む。出発物質は、固体構成から蒸気構成に、更に蒸気構成から固形ターゲット本体に移行することができる。出発物質は、受け入れ空間の中に堆積させることができ、固形ターゲット本体は、シードホルダユニットによって保持することができる。固形ターゲット本体は、結晶、特にSiC結晶である。ガス入口を通して導入されたガスは、好ましくは、蒸気構成で及び/又は凝固中に出発物質と混合及び/又は反応する。好ましくは、ガス出口は捕捉ゾーン内に位置付けられ、フィルタユニットの流出面を更に備え、捕捉ゾーン内のガス組成は、好ましくは、Si蒸気非含有であるか又はSi蒸気を持たない。取り込みゾーン内の温度は、好ましくは、Siガス又はSi蒸気の凝固温度よりも低い。この実施形態は、結晶成長工程を操作することができるので有利である。例えば、結晶をドーピングするための1又は2以上のガスを添加することが可能である。これに加えて又はこれに代えて、受け入れ空間からシードウェーハ18又は結晶への蒸気搬送を修正する、特に加速することが可能である。これに加えて又はこれに代えて、ガスを定められた温度又は温度範囲で供給することができる。
【0274】
るつぼユニットの中に、るつぼ容積の中に、又は変換ゾーンの中にガス入口を通して不活性ガス、特にアルゴン、又はガス混合物、特にアルゴン及び窒素を導入することができ、又はこれらのガスが導入される。
【0275】
本発明の別の好ましい実施形態により、るつぼハウジングのサイズは、構成可能又は変更可能である。るつぼハウジングは、結晶成長構成で第1の容積VIを取り囲み、コーティング再生構成で第2の容積VIIを取り囲む。結晶成長構成は、結晶の成長中に又はシードウェーハ18上で又はシードウェーハ18の上で成長中の結晶の成長前線での出発物質蒸気の凝固中に存在する構成又は設定を表している。再生構成は、シードホルダユニット18が取り外され、それが存在しないことに起因して結晶成長が不可能である時に存在する設定を表している。再生構成では、好ましくは、フィルタユニットは、るつぼユニットの一部ではなく、結晶成長構成でフィルタユニットの上部に配置される蓋は、好ましくは、結晶成長構成中にフィルタユニットの下端部と接触しているつぼハウジングの側壁部分と接触している。容積VIは、好ましくは、容積VIIと比較して大きく、容積VIは、容積VIIよりも少なくとも10%、少なくとも又は最大で20%、少なくとも又は最大で30%、少なくとも又は最大で40%、少なくとも又は最大で50%、少なくとも又は最大で60%、少なくとも又は最大で70%、少なくとも又は最大で80%、少なくとも又は最大で100%、少なくとも又は最大で100%、少なくとも又は最大で120%、少なくとも又は最大で150%、少なくとも又は最大で200%、又は少なくとも又は最大で250%大きい。この実施形態は、るつぼユニットを使用後に、特に1回の工程又は数回の工程、特に、最大で又は少なくとも3回、最大で又は少なくとも5回、又は最大で又は少なくとも10回の工程の後に再調整することができるので有利である。従って、るつぼユニットの全体使用寿命は非常に長い。加熱ユニットも複数回使用することができるので、これらのことによって非常に費用効果的な炉装置を提供する。
【0276】
好ましくは、ハウジングは、結晶成長構成では層再生構成と比較して更に別の少なくとも1つの壁要素を有する。更に別の壁要素は、好ましくは、あるフィルタユニット又は上述のフィルタユニットである。層再生構成では、フィルタユニットは取り外される。結晶成長構成でフィルタユニットと接触しているハウジングの下側ハウジング壁部分材と、結晶成長構成でフィルタユニットと接触しているハウジングの上側ハウジング壁部分材とは、コーティング再生構成では互いに接触している。コーティング再生構成では、好ましくは、下側ハウジング壁部分材と上側ハウジング壁部分材の間に少なくとも1つのシールが配置される。結晶成長構成では、好ましくは、フィルタユニットと上側ハウジング壁要素の間に少なくとも1つのシールが配置され、好ましくは、フィルタユニットと下側ハウジング壁要素の間に少なくとも1つのシールが配置される。この実施形態は、いずれの構成でも、ガス又は蒸気の漏出が防止されるので有利である。
【0277】
本発明の別の好ましい実施形態により、るつぼユニットは、コーティング再生構成で1つ又は少なくとも1つの受け入れ空間ガス案内要素を備える。受け入れ空間ガス案内要素は、ガスを受け入れ空間の中に案内するために受け入れ空間の中に延びる。この実施形態は、コーティング再生構成中に導入されるガスが、受け入れ空間の面により確実に接触するので有利である。
【0278】
本発明の別の好ましい実施形態により、ガス入口は、るつぼユニット内の変換ゾーンに配置される。変換ゾーンは、好ましくは、シードホルダユニット及び/又は受け入れ空間を備える。この実施形態は、受け入れ空間からシードウェーハ18及び/又は成長中の結晶に上方に流れる出発物質蒸気及び/又は液体組成の流れを修正することができるので有利である。
【0279】
好ましくは、受け入れ空間ガス案内要素は、それぞれのガス分配要素の上に少なくとも部分的に載っており、好ましくは、ガス分配要素は、受け入れ空間ガス案内要素を特にピッタリ接続によって保持する。この実施形態は、取り付けを迅速かつ容易に実施することができるので有利である。
【0280】
受け入れ空間ガス案内要素は、好ましくは、環状又は円形の形状を有する。この実施形態は、矩形受け入れ空間形状のような別の形状と比較して出発物質蒸気の量が結晶のシードウェーハ18上で凝固する材料蒸気の量により確実に適合するので有利である。受け入れ空間ガス案内部材は、好ましくは、炭素を有するか又は炭素及び/又はグラファイトで製造される。
【0281】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、成長導体の第1のセクションと成長導体の第3のセクションとは、特に下側で成長導体の第4のセクションを形成し、及び/又は成長導体の第2のセクションと成長導体の第3のセクションとは、60°と120°の間の角度、特に70°と110°の間の角度、特に90°の角度で配置される。
【0282】
好ましくは、ガス案内部材の第3のセクションの上の面にガスを案内するための成長プレートガス案内部材が提供される。成長プレートガス案内部材は、好ましくは、環状又は円形の形状を有する。成長プレートガス案内部材は、好ましくは、ハウジングの上側又は上部の壁部分の上に配置される。成長プレートガス案内要素は、好ましくは、炭素を有するか又は炭素及び/又はグラファイトで製造される。
【0283】
すなわち、SiC単結晶のPVT成長のための方法及び反応器又は炉装置又は装置は、好ましくは、るつぼユニット及び加熱器を受け入れる機能を有する炉容積を設け、蓋を有し、及び/又は蓋の中に組み込まれた又は蓋に取り付けられたシードホルダを有し、及び/又はシードホルダに取り付けられたSiC単結晶シードを有し、及び/又はるつぼユニットの下方に配置された軸線方向加熱器を有するつぼユニットを成長中の結晶内に半径方向に平坦な等温線を発生させることができるように真空チャンバの内側で断熱する及び/又は内側に与える段階、及び/又は軸線方向熱源とシードの間にソース材料が存在しないようにソース材料をるつぼユニットに配置する段階、及び/又はるつぼユニット内に真空を発生させ、SiC固体材料(本発明による方法から発生する)それぞれのソース材料を加熱して昇華させ、結晶、特にSiC単結晶を成長させる段階を備える。
【0284】
上記に言及した目的はまた、特に、好ましくはUPSiCであるPVTソース材料の生成のためのSiC生成反応器によって解決される。SiC生成反応器は、少なくとも処理チャンバと、1又は複数の給送媒体を処理チャンバの反応空間の中に給送するためのガス入口ユニットとを備え、ガス入口ユニットは、少なくとも1つの給送媒体ソースと結合され、Si及びC給送媒体ソースは、少なくともSi及びC、特にSiCl3(CH3)を提供し、搬送ガス給送媒体ソースは、搬送ガス、特にH2を提供する。これに代えて、ガス入口ユニットは、少なくとも2つの給送媒体ソースと結合され、Si給送媒体ソースは、少なくともSi、特に第1の給送媒体、すなわち、Si給送媒体、特に一般式SiH4-yy(X=[Cl、F、Br、J]及びy=[0...4]に従うSiガスを提供し、C給送媒体ソースは、少なくともC、特に第2の給送媒体、すなわち、C給送媒体、特に、天然ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン、及び/又はアセチレンを提供し、更に搬送ガス媒体ソースがガス入口ユニットと結合されて第3の給送媒体、すなわち、搬送ガス、特にH2を提供する。SiC生成反応器は、SiCを堆積させるために処理チャンバの内側に配置された1又は複数、特に、3個、4個、6個、8個、16個、32個、又は64個よりも多い、最大で128個、又は最大で256個のSiC成長基板を備え、各SiC成長基板は、第1の電力接続部と第2の電力接続部とを備え、第1の電力接続部は第1の金属電極であり、第2の電力接続部は第2の金属電極であり、第1の金属電極及び第2の金属電極は、好ましくは、反応空間から遮断され、各SiC成長基板の外面又は堆積SiCの面を1300℃と1800℃の間の温度まで、特に抵抗加熱、好ましくは、内部抵抗加熱を用いて加熱するために、当該SiC成長基板が、少なくとも1つの第1の金属電極と少なくとも1つの第2の金属電極の間に結合される。好ましくは、SiC生成反応器は、通気ガスを出力するためのガス出口ユニットと通気ガス再循環ユニットとを更に備え、通気ガス再循環ユニットはガス出口ユニットに接続され、通気ガスを第1の流体と第2の流体とに分離するための少なくとも1つの分離ユニットを備え、第1の流体は液体であり、第2の流体はガスであり、第1の流体を格納するか又は伝導するための第1のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットの一部であり又はそれと結合され、第2の流体を格納するか又は伝導するための第2のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットの一部であるか又はそれと結合される。
【0285】
このソリューションは、通気ガスを再使用することができ、従って、再循環量のSi、C、又は少なくとも1つのC含有分子、及びH2をSiC材料、特にPVTソース材料の生成に再度使用することができるので有利である。従って、初期ソースガス量に基づいて、通気ガスを再循環させないSiC生成反応器と比較してかなり多めの量のSiCを生成することができる。
【0286】
好ましくは、通気ガス再循環ユニットは、第1の流体を少なくとも2つの部分、すなわち、クロロシラン類混合物と、HClとH2と少なくとも1つのC含有分子との混合物とに分離するための更に別の分離ユニットを備える。これに代えて、更に別の分離ユニットは、第1の流体を少なくとも3つの部分、すなわち、クロロシラン類混合物と、HClと、H2と少なくとも1つのC含有分子との混合物とに分離し、第1のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットを更に別の分離ユニットに接続する。好ましくは、更に別の分離ユニットは、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素、HClのストレージ要素及び/又は伝導要素、並びにH2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素と結合される。好ましくは、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素は、クロロシラン類混合物を処理チャンバの中に伝導するためのクロロシラン類混合物質量流束経路のセクションを形成する。好ましくは、クロロシラン類混合物のSiの量を測定するためのSi質量流束測定ユニットは、処理チャンバの前、特に混合デバイスの前の質量流束経路の一部として好ましくは更に別のSi給送媒体を提供する更に別のSi給送媒体ソースとして提供される。好ましくは、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素は、クロロシラン類混合物を更に別のSiC生成反応器の更に別の処理チャンバの中に伝導するためのクロロシラン類混合物質量流束経路のセクションを形成する。好ましくは、H2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素は、H2及び少なくとも1つのC含有分子を処理チャンバの中に伝導するためのH2及びCの質量流束経路のセクションを形成する。好ましくは、H2と少なくとも1つのC含有分子との混合物のCの量を測定するためのC質量流束測定ユニットは、処理チャンバの前、特に混合デバイスの前のH2及びCの質量流束経路の一部として、好ましくは更に別のC給送媒体を提供する更に別のC給送媒体ソースとして提供される。好ましくは、H2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素は、H2及び少なくとも1つのC含有分子を更に別のSiC生成反応器の更に別の処理チャンバの中に伝導するためのH2及びCの質量流束経路のセクションを形成する。好ましくは、第2のストレージ要素及び/又は伝導要素は、H2及び少なくとも1つのC含有分子を備える第2の流体を処理チャンバの中に伝導するためのH2及びCの質量流束経路のセクションを形成し、第2のストレージ要素及び/又は伝導要素とH2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素とは、好ましくは、流体結合される。好ましくは、第2のストレージ要素及び/又は伝導要素は、H2及び少なくとも1つのC含有分子を備える第2の流体を処理チャンバの中に伝導するための更に別のH2及びCの質量流束経路のセクションを形成する。好ましくは、第2の流体のCの量を測定するための更に別のC質量流束測定ユニットは、処理チャンバの前、特に混合デバイスの前の更に別のH2及びCの質量流束経路の一部として提供される。これに代えて、第2のストレージ要素及び/又は伝導要素は、第2の流体を燃焼させるためのフレアユニットと結合される。好ましくは、分離ユニットは、5バールよりも高い圧力と-30℃よりも低い温度とで作動するように構成される。好ましくは、5バールよりも高い圧力まで通気ガスを圧縮するための第1の圧縮器が、分離ユニットの一部として又はガス出口ユニットと分離ユニットの間のガス流路内に設けられる。好ましくは、更に別の分離ユニットは、5バールよりも高い圧力と-30℃よりも低い温度及び/又は100℃よりも高い温度とで作動するように構成される。好ましくは、5バールよりも高い圧力まで第1の流体を圧縮するための更に別の圧縮器が、更に別の分離ユニットの一部として又は分離ユニットと更に別の分離ユニットの間のガス流路内に設けられる。更に別の分離ユニットは、好ましくは、極低温蒸留ユニットを備え、極低温蒸留ユニットは、好ましくは、-180℃と-40℃の間の温度で作動するように構成される。1又は複数の給送媒体の流体流れを制御するための制御ユニットは、好ましくは、SiC生成反応器の一部であり、複数の給送媒体は、第1の媒体と第2の媒体と第3の媒体とを備え、更に別のSi給送媒体及び/又は更に別のC給送媒体が、ガス入口ユニットを通して処理チャンバの中に供給される。好ましくは、更に別のSi給送媒体は、少なくとも95%(質量)、少なくとも98%(質量)、少なくとも99%(質量)、少なくとも99,9%(質量)、少なくとも99,99%(質量)、又は少なくとも99,999%(質量)、更に非常に好ましくは、少なくとも99,99999%(質量)のクロロシラン類混合物から構成される。好ましくは、更に別のC給送媒体は、少なくとも1つのC含有分子と、HClと、H2と、クロロシラン類混合物とを備え、少なくとも3%(質量)、好ましくは、少なくとも5%(質量)、又は非常に好ましくは少なくとも10%(質量)のC又は少なくとも1つのC含有分子を備え、最大で10%(質量)、好ましくは、0.001%(質量)と10%(質量)の間、非常に好ましくは、1%(質量)と5%(質量)の間のHClを備え、5%(質量)よりも多い、好ましくは、10%(質量)よりも多い、又は非常に好ましくは25%(質量)よりも多いH2を備え、更に0.01%(質量)よりも多い、好ましくは、1%(質量)よりも多い、非常に好ましくは、0.001%(質量)と10%(質量)の間のクロロシラン類混合物を備える。
【0287】
好ましくは、クロロシラン類混合物を加熱して液体形態から気体形態に移行させるために、流体の流れ方向に更に別の分離ユニットとガス入口ユニットの間に加熱ユニットが配置される。
【0288】
処理チャンバは、ベースプレートと、側壁セクションと、上壁セクションとによって少なくとも取り囲まれ、好ましくは、ベースプレートは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素、特にベース冷却要素を備え、及び/又は好ましくは側壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素、特にベルジャー冷却要素を備え、及び/又は好ましくは上壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素、特にベルジャー冷却要素を備える。冷却要素は、好ましくは、能動的な冷却要素である。好ましくは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションは、冷却流体を案内するための冷却流体案内ユニットを備え、冷却流体案内ユニットは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの加熱を1300℃よりも低い温度に制限するように構成される。好ましくは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの温度を検出し、温度信号又は温度データを出力するためのベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニットが提供され、及び/又は冷却流体の温度を検出するための冷却流体温度センサが提供され、更に、好ましくは、冷却流体を流体案内ユニットを通して順送するための流体順送ユニットが提供され、好ましくは、流体順送ユニットは、ベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニット、及び/又は冷却流体温度センサによって提供される温度信号又は温度データに依存して作動されるように構成される。好ましくは、冷却流体は油又は水であり、好ましくは、水は、少なくとも1つの添加剤、特に防錆剤及び/又は防汚剤(殺生物剤)を備える。冷却要素は、これに加えて又はこれに代えて、受動冷却要素とすることができる。好ましくは、冷却要素は、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの研磨鋼鉄面によって少なくとも部分的に形成される。冷却要素は、好ましくは、コーティングであり、コーティングは、研磨鋼鉄面の上に形成され、熱を反射するように構成される。好ましくは、コーティングは金属コーティングであり、又は金属、特に、銀、金、クロム、又は合金のコーティング、特にCuNi合金を備える。研磨鋼鉄面及び/又はコーティングの放射率は、好ましくは、εe0.3よりも小さく、特に0.1よりも小さいか又は0.03よりも小さい。好ましくは、ベースプレートは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの能動冷却要素と1つの受動冷却要素とを備え、及び/又は好ましくは側壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの能動冷却要素と1つの受動冷却要素とを備え、及び/又は好ましくは上壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの能動冷却要素と1つの受動冷却要素とを備える。側壁セクション及び上壁セクションは、好ましくは、ベルジャーによって形成され、好ましくは、ベルジャーは、ベースプレートに対して移動可能である。好ましくは、側壁セクションの50%(質量)よりも多く、上壁セクションの50%(質量)よりも多く、及び/又はベースプレートの50%(質量)よりも多くは、金属、特に鋼鉄で製造される。
【0289】
好ましくは、SiC成長基板は、その長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cm、好ましくは、少なくとも7cm、非常に好ましくは、少なくとも10cmの平均周囲を有し、又は複数のSiC成長基板は、それぞれのSiC成長基板の長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cm、好ましくは、少なくとも7cm、非常に好ましくは、少なくとも10cmのSiC成長基板毎の平均周囲を有する。このソリューションは、小さいSiC成長基板と比較して体積堆積速度が有意に高く、従って、同じ量のSiC材料を短い時間内に堆積させることが可能であるので有利である。このソリューションは、工程時間を短縮し、従って、SiC生成反応器の効率を高めることを助ける。好ましくは、SiC成長基板は、SiC又はC、特にグラファイトを備え、又はこれらから構成され、又は複数のSiC成長基板は、SiC又はC、特にグラファイトを備え、又はこれらから構成される。SiC成長基板の長さ方向に直交する断面の形状は、少なくともセクション毎に、好ましくは、SiC成長基板の長さの50%よりも多くに沿って、非常に好ましくは、SiC成長基板の長さの90%よりも多くに沿って円形形状とは異なる。断面区域Aと断面の周りの周囲Uとの間の比U/Aは、好ましくは、1.2 1/cmよりも高く、好ましくは、1.5 1/cmよりも高く、非常に好ましくは、2 1/cmよりも高く、最も好ましくは、2.5 1/cmよりも高い。好ましくは、SiC成長基板は、少なくとも1つの炭素リボン、特にグラファイトリボンによって形成され、少なくとも1つの炭素リボンは、第1のリボン端部と第2のリボン端部とを備え、第1のリボン端部は第1の金属電極と結合され、第2のリボン端部は第2の金属電極と結合される。これに代えて、複数のSiC成長基板の各々は、少なくとも1つの炭素リボン、特にグラファイトリボンによって形成され、SiC成長基板毎に少なくとも1つの炭素リボンは、第1のリボン端部と第2のリボン端部とを備え、第1のリボン端部は、それぞれのSiC成長基板の第1の金属電極と結合され、第2のリボン端部は、それぞれのSiC成長基板の第2の金属電極と結合される。炭素リボン、特にグラファイトリボンは、好ましくは、硬化剤を備える。好ましくは、SiC成長基板は、複数のロッドによって形成され、各ロッドは、第1のロッド端部と第2のロッド端部とを有し、全ての第1のロッド端部は、同じ第1の金属電極と結合され、全ての第2のロッド端部は、同じ第2の金属電極と結合される。これに代えて、複数のSiC成長基板の各々は、複数のロッドによって形成され、各ロッドは、第1のロッド端部と第2のロッド端部とを有し、全ての第1のロッド端部は、それぞれのSiC成長基板の同じ第1の金属電極と結合され、全ての第2のロッド端部は、それぞれのSiC成長基板の同じ第2の金属電極と結合される。好ましくは、SiC成長基板のロッドは、互いに接触しているか、又は互いに距離を空けて配置される。SiC成長基板は、好ましくは、3又は3よりも多いロッドを備える。これに代えて、複数のSiC成長基板の各々は、3又は3よりも多いロッドを備える。好ましくは、SiC成長基板は、少なくとも1つの金属ロッドによって形成され、金属ロッドは、第1の金属ロッド端部と第2の金属ロッド端部とを有し、第1の金属ロッド端部は、第1の金属電極と結合され、第2の金属ロッド端部は、第2の金属電極と結合される。これに代えて、複数のSiC成長基板の各々は、少なくとも1つの金属ロッドによって形成され、各金属ロッドは、第1の金属ロッド端部と第2の金属ロッド端部とを有し、第1の金属ロッド端部は、それぞれのSiC成長基板の第1の金属電極と結合され、第2の金属ロッド端部は、それぞれのSiC成長基板の第2の金属電極と結合される。金属ロッドは、好ましくは、コーティングを備え、コーティングは、好ましくは、SiCを備え、及び/又は好ましくは、2μmよりも大きい厚み、好ましくは、100μmよりも大きい厚み、非常に好ましくは、500μmよりも大きい厚み、又は2μmと5mmの間、特に100μmと1mmの間の厚み、又は500μmよりも小さい厚みを有する。
【0290】
上記に言及した目的はまた、SiC生成設備によって解決される。このSiC生成設備は、少なくとも複数のSiC生成反応器、特に本発明によるSiC生成反応器を備え、各SiC生成反応器は、少なくとも処理チャンバと、1又は複数の給送媒体を処理チャンバの中に給送するためのガス入口ユニットと、処理チャンバの内側に配置されたSiC成長基板と、抵抗加熱により、好ましくは、内部抵抗加熱を用いてSiC成長基板を加熱するためにSiC成長基板が間に結合された第1の電力接続部及び第2の電力接続部と、通気ガスを出力するためのガス出口ユニットとを備える。
【0291】
SiC生成設備はまた、好ましくは、通気ガス再循環ユニットを備え、通気ガス再循環ユニットは、SiC生成反応器のガス出口に流体接続され、通気ガスを第1の液相流体と第2の気相流体とに分離するための分離ユニットを備える。
【0292】
上記に言及した目的はまた、特に本発明によるSiC生成反応器を用いた特に多形3CのSiCから構成されるPVTソース材料の生成のためのPVTソース材料生成方法によって解決される。PVTソース材料生成方法は、少なくとも下記の段階、すなわち、処理チャンバの内側にソース媒体を与える段階であって、処理チャンバから通気ガスを出力するためのガス出口ユニットと、通気ガス再循環ユニットとが提供され、通気ガス再循環ユニットがガス出口ユニットに接続され、通気ガスを第1の流体と第2の流体とに分離するための少なくとも1つの分離ユニットを備え、更に、第1の流体を少なくとも2つの部分、すなわち、クロロシラン類混合物と、HClとH2と少なくとも1つのC含有分子との混合物とに分離するか又はこれに代えて少なくとも3つの部分、すなわち、クロロシラン類混合物と、HClと、H2と少なくとも1つのC含有分子との混合物とに分離するための更に別の分離ユニットを備え、第1のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットを更に別の分離ユニットに接続され、更に別の分離ユニットが、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素、好ましくは、HClのストレージ要素及び/又は伝導要素、及び好ましくはH2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素と結合され、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素は、クロロシラン類混合物を処理チャンバの内側に伝導するためのクロロシラン類混合物質量流束経路のセクションを形成する上記与える段階と、
ソース媒体のうちの少なくとも1つの部分を提供するためにクロロシラン類混合物をクロロシラン類混合物質量流束経路を通して処理チャンバの内側に給送する段階と、
処理チャンバに配置された少なくとも1つのSiC成長基板、好ましくは、複数のSiC成長基板であって、各SiC成長基板が、第1の電力接続部と第2の電力接続部とを備え、第1の電力接続部が第1の金属電極であり、第2の電力接続部が第2の金属電極であり、第1の金属電極及び第2の金属電極が、好ましくは、反応空間から遮断される上記複数のSiC成長基板を電気的に活性化し、それを1300℃と2000℃の間の範囲の温度まで加熱し、ソース媒体からSi及びCを出力するために及び取り出したSi及びCをSiC、特に多結晶SiCとしてSiC成長基板上に堆積させるために特に200μm/hよりも高い堆積速度を設定する段階と、
を備える。
【0293】
クロロシラン類混合物のSi質量流束を測定する段階は、更に好ましい段階であり、Si質量流束測定は、処理チャンバの前、特に混合デバイスの前のクロロシラン類混合物質量流束経路の一部として提供されたSi質量流束測定ユニットによって実施される。Si質量流束測定ユニットの出力に依存して混合デバイスへのクロロシラン類混合物の供給を制御する段階は、本方法の別の好ましい段階である。H2とCとを備える第2の流体を処理チャンバの内側に伝導する段階が別の好ましい段階であり、第2の流体は、H2及びCの質量流束経路のセクションを形成する第2のストレージ要素及び/又は伝導要素を通して処理チャンバの内側に流し込まれる。C質量流束を測定する段階が別の好ましい段階であり、C質量流束測定は、処理チャンバの前、特に混合デバイスの前のH2及びCの質量流束経路の一部として提供されたC質量流束測定ユニットによって実施される。C質量流束測定ユニットの出力に依存して第2の流体を与える段階を制御する段階が本方法の別の好ましい段階である。クロロシラン類混合物のSi質量流束を測定する段階が別の好ましい段階であり、Si質量流束測定は、処理チャンバの前、特に混合デバイスの前のクロロシラン類混合物質量流束経路の一部として提供されたSi質量流束測定ユニットによって実施される。H2とCとを備える第2の流体を処理チャンバの内側に伝導する段階が別の好ましい段階であり、第2の流体は、H2及びCの質量流束経路のセクションを形成する第2のストレージ要素及び/又は伝導要素を通して処理チャンバの内側に流し込まれる。C質量流束を測定する段階が別の好ましい段階であり、C質量流束測定は、処理チャンバの前、特に混合デバイスの前のH2及びCの質量流束経路の一部として提供されたC質量流束測定ユニットによって実施される。Si質量流束測定ユニットの出力に依存して混合デバイスへのクロロシラン類混合物の供給を制御する段階が別の好ましい段階であり、更に、C質量流束測定ユニットの出力に依存して第2のカ氏度を与える段階を制御する段階が別の好ましい段階である。好ましくは、処理チャンバは、ベースプレートと、側壁セクションと、上壁セクションとによって少なくとも取り囲まれる。好ましくは、側壁セクションの50%(質量)よりも多く、上壁セクションの50%(質量)よりも多く、及びベースプレートの50%(質量)よりも多くは、金属、特に鋼鉄で製造される。好ましくは、ベースプレートは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素を備え、及び/又は側壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素を備え、及び/又は上壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素を備える。好ましくは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの温度を検出し、温度信号又は温度データを出力するためのベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニットが提供され、及び/又は冷却流体の温度を検出するための冷却流体温度センサが提供され、更に、好ましくは、冷却流体を流体案内ユニットを通して順送するための流体順送ユニットが提供される。好ましくは、流体順送ユニットは、ベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニット、及び/又は冷却流体温度センサによって提供される温度信号又は温度データに依存して作動されるように構成される。好ましくは、ソース媒体を処理チャンバの内側に与える段階は、Siを備えて少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する少なくとも第1の給送媒体、特に第1のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、C、特に、天然ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン、及び/又はアセチレンを備え、少なくとも99.9999%の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する少なくとも第2の給送媒体、特に第2のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する搬送ガスを導入する段階とを更に含む。これに代えて、ソース媒体を処理チャンバの内側に与える段階は、Si及びC、特にSiCl3(CH3)を備えて少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する1つの給送媒体、特にソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する搬送ガスを導入する段階とを備える。
【0294】
Siを提供する第1のソースガスとCを提供する第2のソースガスとの混合物を処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間の混合物量である定められた量で導入することにより、1バールよりも高い圧力を処理チャンバの内側に設定する段階が別の好ましい段階である。Si及びC含有ソースガスを処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間の1又は複数のSi及びC含有ソースガスの量(g/(h cm2))である定められた量で導入することにより、1バールよりも高い圧力を処理チャンバの内側に設定する段階が代替段階である。
【0295】
好ましくは、SiC成長基板は、その長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cmの平均周囲を有し、又は複数のSiC成長基板は、SiC成長基板毎にそれぞれのSiC成長基板の長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cmの平均周囲を有する。
【0296】
好ましくは、SiC成長基板上に堆積するSiCは、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの1つ、好ましくは複数、非常に好ましくは大部分、又は最も好ましくは全ての不純物、又は非常に好ましくは、2ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物及び100ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物又は非常に好ましくは10ppb(重量)よりも低い物質Tiの不純物を有する。これに代えて、SiC成長基板上に堆積するSiCは、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い金属Ti、V、Fe、Niのうちの全ての合計の不純物を有する。
【0297】
本方法は、好ましくは、SiC固体をSiC粒子に脱凝集させる段階を更に備え、SiC粒子は、100μmよりも長い平均長さに脱凝集される。
【0298】
上記に言及した目的は、1kgよりも重い質量と、少なくとも1cmの厚みと、50cmよりも大きい長さとによって特徴付けられ、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物を有するSiC固体を形成するPVTソース材料によって同じく解決される。
【0299】
このソリューションは、大量のSiCソース材料固体がPVTソース材料として有意な利点を有するので有益である。
【0300】
好ましくは、SiC固体は、2ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物及び100ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物、非常に好ましくは、10ppb(重量)よりも低い物質Tiの不純物を有する。これに加えて又はこれに代えて、SiC固体は、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い金属Ti、V、Fe、Niのうちの全ての合計の不純物を有する。
【0301】
好ましくは、SiC固体は、SiC固体の中心軸から定められた距離を空けて境界面を形成し、SiC固体は外面を形成し、外面と境界面は、互いに距離を空けて形成され、この距離は、中心軸に対して直角に延び、外面と境界面の間の平均距離は、境界面と中心軸の間の平均距離と比較して大きい。外面と境界面の間の平均距離は、以下の方式:(最短距離(半径方向)+最長距離(半径方向))/2で算定される。好ましくは、外面と境界面の間の平均距離は、境界面と中心軸の間の平均距離と比較して少なくとも2倍大きい。好ましくは、外面と境界面の間の平均距離は、境界面と中心軸の間の平均距離と比較して少なくとも5倍大きい。好ましくは、境界面は、中心軸に直交する断面の周りに少なくとも5cm、好ましくは、少なくとも7cm、非常に好ましくは、少なくとも10cmの平均周囲を有する。
【0302】
好ましくは、SiC固体は、SiとCとの理想的な化学量論比と比較して30%(質量)よりも低い余剰C、好ましくは、20%(質量)よりも低い余剰C、非常に好ましくは、10%(質量)よりも低い余剰C、又は最も好ましくは、5%(質量)よりも低い余剰Cを備え、及び/又は好ましくは、SiとCとの理想的な化学量論比と比較して30%(質量)よりも低い余剰Si、好ましくは、20%(質量)よりも低い余剰Si、非常に好ましくは、10%(質量)よりも低い余剰Si、又は最も好ましくは、5%(質量)よりも低い余剰Siを備える。
【0303】
好ましくは、PVTソース材料は、多形3CのSiC及び/又は多結晶SiCである。
【0304】
好ましくは、中心軸に直交する断面の形状は、少なくともセクション毎に、好ましくは、中心軸線方向のSiC固体の延長の50%よりも多くに沿って、非常に好ましくは、中心軸線方向のSiC固体の延長の90%よりも多くに沿って、最も好ましくは、中心軸線方向のSiC固体の延長の100%に沿って円形形状とは異なる。
【0305】
断面区域Aと断面区域の周りの周囲Uとの間の比U/Aは、好ましくは、1.2 1/cmよりも高く、好ましくは、1.5 1/cmよりも高く、非常に好ましくは、2 1/cmよりも高く、最も好ましくは、2.5 1/cmよりも高い。境界面は、好ましくは、固体コア部材を取り囲む。好ましくは、コア部材は、グラファイトを備え、又はそれから構成される。これに代えて、コア部材は、SiCから構成されるか又はそれを備える。好ましくは、コア部材のSiCと、外面と境界面の間であるSiCとは、単位体積当たりの余剰C量又は単位体積当たりの余剰Si量に関して又は少なくともこれらに関して異なる。好ましくは、SiCコア部材と境界面の間の前線は、コア部材の中心セクション及び/又はSiC固体の中心セクションと比較して異なる光学特性を有する領域を形成する。
【0306】
PVTソース材料は、CDV反応器内で生成されるので、これに代えて、この材料を「CDV反応器内で生成された材料」又は単に「SiC材料」と名付けることが可能である。
【0307】
上記に言及した目的はまた、本発明によるPVTソース材料の生成のためのPVTソース材料生成方法によって解決される。PVTソース材料生成方法は、少なくとも下記の段階、すなわち、ソース媒体を処理チャンバの内側に与える段階であって、特に一般式SiH4-yy(X=[Cl、F、Br、J]及びy=[0...4]に従うSiを備え、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する少なくとも第1の給送媒体、特に第1のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、C、特に、天然ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン、及び/又はアセチレンを備え、少なくとも99.9999%の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する少なくとも第2の給送媒体、特に第2のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する搬送ガスを導入する段階とを備え、又はSi及びC、特にSiCl3(CH3)を備え、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する1つの給送媒体、特にソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する搬送ガスを導入する段階とを備える上記与える段階と、処理チャンバに配置された少なくとも1つのSiC成長基板、好ましくは、複数のSiC成長基板であって、各SiC成長基板が、第1の電力接続部と第2の電力接続部とを備え、第1の電力接続部が第1の金属電極であり、第2の電力接続部が第2の金属電極であり、第1の金属電極及び第2の金属電極が、好ましくは、処理チャンバの内側で反応空間から遮断されるSiC成長基板を電気的に活性化し、それを1300℃と2000℃の間の範囲の温度まで加熱する段階と、ソース媒体からSi及びCを出力するために、かつ取り出したSi及びCをSiC、特に多結晶SiCとしてSiC成長基板上に堆積させ、それによってSiC固体を形成するために、特に200μm/hよりも高い堆積速度を設定する段階とを備える。
【0308】
1バールよりも高い圧力を処理チャンバの内側に設定する段階が、本方法の更に別の好ましい段階である。Siを提供する第1のソースガスとCを提供する第2のソースガスとの混合物を処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間の混合物量である定められた量で導入する段階が本方法の別の好ましい段階である。Si及びC含有ソースガスを処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間のSi及びC含有ソースガス量である定められた量で導入する段階が本方法の別の好ましい段階である。Siを提供する第1のソースガスとCを提供する第2のソースガスとの混合物を処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間の混合物量である定められた量で導入することにより、1バールよりも高い圧力を処理チャンバの内側に設定する段階が本方法の別の好ましい段階である。Si及びC含有ソースガスを処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間のSi及びC含有ソースガス量である定められた量で導入することにより、1バールよりも高い圧力を処理チャンバの内側に設定する段階が本方法の別の好ましい段階である。経時的に少なくとも1つのSiC成長基板の電気活性化を強める段階、特に堆積SiCの面を1300℃と1800℃の間の温度まで加熱する段階が、本方法の別の好ましい段階である。好ましくは、堆積速度は、200μm/hよりも高く、非常に好ましくは、500μm/hよりも高く、最も好ましくは、800μm/hよりも高く設定される。
【0309】
Si及びCを設定堆積速度で5時間よりも長く、特に、8時間よりも長く又は最大で8時間、12時間よりも長く又は最大で12時間、18時間よりも長く又は最大で18時間、好ましくは、24時間よりも長く又は最大で24時間、非常に好ましくは、48時間よりも長く又は最大で48時間、又は最も好ましくは、72時間よりも長く又は最大で72時間にわたって堆積させる段階が、本方法の別の好ましい段階である。
【0310】
C及びSiの堆積中にSiC固体を5kgよりも重く、特に25kgよりも重く又は最大で25kg、好ましくは、50kgよりも重く又は最大で50kg、非常に好ましくは、200kgよりも重く又は最大で200kg、最も好ましくは、500kgよりも重く又は最大で500kgまで成長させる段階、及び/又はC及びSiの堆積中にSiC固体を少なくとも5cm、特に7cmよりも大きく又は最大で7cm、好ましくは、10cmよりも大きく又は最大で10cm、好ましくは、15cmよりも大きく又は最大で15cm、非常に好ましくは、20cmよりも大きく又は最大で20cm、最も好ましくは、50cmよりも大きく又は最大で50cmの厚みまで成長させる段階が、本方法の別の好ましい段階である。
【0311】
好ましくは、処理チャンバ内への1又は複数の給送媒体の給送媒体サプライを設定するための制御ユニットが提供され、制御ユニットは、給送媒体サプライを1分当たりの給送媒体サプライの最小量(質量)と1分当たりの給送媒体サプライの最大量(質量)との間で設定するように構成され、好ましくは、1分当たりの給送媒体サプライの最小量(質量)は、定められた成長速度でのSi堆積物の最小量(質量)及びC堆積物の最小量(質量)に対応する。
【0312】
好ましくは、1分当たりの給送媒体サプライの最大量は、給送媒体サプライの最小量と比較して最大で30%(質量)、最大で20%(質量)、最大で10%(質量)、最大で5%(質量)、又は最大で3%(質量)高い。
【0313】
処理チャンバは、ベースプレートと、側壁セクションと、上壁セクションとによって少なくとも取り囲まれ、好ましくは、ベースプレートは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素、特にベース冷却要素を備え、及び/又は好ましくは、側壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素、特にベルジャー冷却要素を備え、及び/又は好ましくは、上壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素、特にベルジャー冷却要素を備える。冷却要素は、好ましくは、能動的な冷却要素である。好ましくは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションは、冷却流体を案内するための冷却流体案内ユニットを備え、冷却流体案内ユニットは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの加熱を1300℃よりも低い温度に制限するように構成される。好ましくは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの温度を検出し、温度信号又は温度データを出力するためのベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニットが提供され、及び/又は冷却流体の温度を検出するための冷却流体温度センサが提供され、更に、好ましくは、冷却流体を流体案内ユニットを通して順送するための流体順送ユニットが提供され、好ましくは、流体順送ユニットは、ベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニット、及び/又は冷却流体温度センサによって提供される温度信号又は温度データに依存して作動されるように構成される。好ましくは、冷却流体は油又は水であり、好ましくは、水は、少なくとも1つの添加剤、特に防錆剤及び/又は防汚剤(殺生物剤)を備える。冷却要素は、これに加えて又はこれに代えて、受動冷却要素とすることができる。好ましくは、冷却要素は、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの研磨鋼鉄面によって少なくとも部分的に形成される。冷却要素は、好ましくは、コーティングであり、コーティングは、研磨鋼鉄面の上に形成され、熱を反射するように構成される。好ましくは、コーティングは金属コーティングであり、又は金属、特に、銀、金、クロム、又は合金のコーティング、特にCuNi合金を備える。研磨鋼鉄面及び/又はコーティングの放射率は、好ましくは、εe0.3よりも小さく、特に0.1よりも小さいか又は0.03よりも小さい。好ましくは、ベースプレートは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの能動冷却要素と1つの受動冷却要素とを備え、及び/又は好ましくは、側壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの能動冷却要素と1つの受動冷却要素とを備え、及び/又は好ましくは、上壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの能動冷却要素と1つの受動冷却要素とを備える。側壁セクション及び上壁セクションは、好ましくは、ベルジャーによって形成され、好ましくは、ベルジャーは、ベースプレートに対して移動可能である。好ましくは、側壁セクションの50%(質量)よりも多く、上壁セクションの50%(質量)よりも多く、及び/又はベースプレートの50%(質量)よりも多くは、金属、特に鋼鉄で製造される。
【0314】
好ましくは、通気ガスを出力するためのガス出口ユニットと通気ガス再循環ユニットとが提供され、好ましくは、上述の方法に従って作動される。通気ガス再循環ユニットは、ガス出口ユニットに接続され、通気ガスを第1の流体と第2の流体とに分離するための少なくとも1つの分離ユニットを備え、第1の流体は液体であり、第2の流体はガスであり、第1の流体を格納するか又は伝導するための第1のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットの一部であり又はそれと結合され、第2の流体を格納するか又は伝導するための第2のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットの一部であるか又はそれと結合される。好ましくは、ソース媒体を処理チャンバの内側に与える段階は、通気ガス再循環ユニットから処理チャンバの内側に第1の流体を給送する段階を備え、第1の流体は、少なくともクロロシラン類混合物を備える。好ましくは、通気ガス再循環ユニットは、第1の流体を少なくとも2つの部分、すなわち、クロロシラン類混合物と、HClとH2と少なくとも1つのC含有分子との混合物とに分離し、好ましくは、少なくとも3つの部分、すなわち、クロロシラン類混合物と、HClと、H2と少なくとも1つのC含有分子との混合物とに分離するための更に別の分離ユニットを備え、第1のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットを更に別の分離ユニットに接続され、更に別の分離ユニットは、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素、HClのストレージ要素及び/又は伝導要素、並びにH2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素と結合され、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素は、クロロシラン類混合物を処理チャンバの内側に伝導するためのクロロシラン類混合物質量流束経路のセクションを形成し、クロロシラン類混合物のSiの量を測定するためのSi質量流束測定ユニットは、処理チャンバの前、特に混合デバイスの前の質量流束経路の一部として好ましくは更に別のSi給送媒体を提供する更に別のSi給送媒体ソースとして提供される。
【0315】
好ましくは、SiC成長基板は、その長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cmの平均周囲を有し、又は複数のSiC成長基板は、SiC成長基板毎にそれぞれのSiC成長基板の長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cmの平均周囲を有する。
【0316】
PVTソース材料はCDV反応器内で生成されるので、これに代えて、PVTソース材料生成方法を「CVD反応器内を用いて実施されるSiC材料生成方法」又は単に「SiC材料生成方法」と名付けることが可能である。
【0317】
上記に言及した目的はまた、100μmよりも長い平均長さを有し、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物を有するSiC粒子から構成されるPVTソース材料によって解決される。
【0318】
このソリューションは、100μmよりも大きいサイズ(長さ)の非常に高い純度の粒子が、特にPVTソース材料として非常に有利な特質を有するので有益である。
【0319】
好ましくは、SiC粒子は、2ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物及び100ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物、非常に好ましくは、10ppb(重量)よりも低い物質Tiの不純物を有する。これに加えて又はこれに代えて、好ましくは、SiC粒子は、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い金属Ti、V、Fe、Niのうちの全ての合計の不純物を有する。
【0320】
SiC粒子の見かけ密度は、好ましくは、1.4g/cm3よりも高く、非常に好ましくは、1.6g/cm3よりも高い。SiC粒子のタップ密度は、好ましくは、1.6g/cm3よりも高く、非常に好ましくは、1.8g/cm3よりも高い。ここで、見かけ密度は、ISO697に従って測定され、タップ密度は、ISO787に従って測定される。
【0321】
好ましくは、PVTソース材料は、PVTソース材料の生成のためのPVTソース材料生成方法に従って生成され、PVTソース材料生成方法は、処理チャンバの内側にソース媒体を与える段階であって、特に一般式SiH4-yy(X=[Cl、F、Br、J]及びy=[0...4]に従うSiを備え、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する少なくとも第1の給送媒体、特に第1のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、C、特に、天然ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン、及び/又はアセチレンを備え、少なくとも99.9999%の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する少なくとも第2の給送媒体、特に第2のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する搬送ガスを導入する段階とを備え、又はSi及びC、特にSiCl3(CH3)を備え、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する1つの給送媒体、特にソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する搬送ガスを導入する段階とを備える上記与える段階と、処理チャンバに配置された少なくとも1つのSiC成長基板、好ましくは、複数のSiC成長基板を電気的に活性化し、それを1300℃と2000℃の間の範囲の温度まで加熱する段階と、ソース媒体からSi及びCを出力するために、かつ取り出したSi及びCをSiC、特に多結晶SiCとしてSiC成長基板上に堆積させ、それによってSiC固体を形成するために、特に200μm/hよりも高い堆積速度を設定する段階と、SiC固体を100μmよりも長い平均長さを有するSiC粒子に脱凝集させる段階とを備える。好ましくは、PVTソース材料は、多形3CのSiC及び/又は多結晶SiCである。SiC粒子の平均長さは、好ましくは、500μmよりも長く、非常に好ましくは、1000μmよりも長く、最も好ましくは、2000μmよりも長い。好ましくは、SiC粒子は、SiとCとの理想的な化学量論比と比較して30%(質量)よりも低い余剰C、好ましくは、20%(質量)よりも低い余剰C、非常に好ましくは、10%(質量)よりも低い余剰C、又は最も好ましくは、5%(質量)よりも低い余剰Cを備える。好ましくは、SiC粒子は、SiとCとの理想的な化学量論比と比較して30%(質量)よりも低い余剰Si、好ましくは、20%(質量)よりも低い余剰Si、非常に好ましくは、10%(質量)よりも低い余剰Si、又は最も好ましくは、5%(質量)よりも低い余剰Siを備える。
【0322】
PVTソース材料は、CDV反応器内で生成されるので、これに代えて、この材料を「CDV反応器内で生成された材料」又は単に「SiC材料」と名付けることが可能である。
【0323】
上記に言及した目的はまた、PVTソース材料ロットによって解決される。このPVTソース材料ロットは、本発明によるPVTソース材料を少なくとも1kgを備える。
【0324】
上記に言及した目的はまた、本発明によるPVTソース材料の生成のためのPVTソース材料生成方法によって解決される。好ましくは、PVTソース材料生成方法は、ソース媒体を処理チャンバの内側に与える段階であって、特に一般式SiH4-yy(X=[Cl、F、Br、J]及びy=[0...4]に従うSiを備え、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する少なくとも第1の給送媒体、特に第1のソースガスを処理チャンバ(856)の中に導入する段階と、C、特に、天然ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン、及び/又はアセチレンを備え、少なくとも99.9999%の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する少なくとも第2の給送媒体、特に第2のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する搬送ガスを導入する段階とを備え、又はSi及びC、特にSiCl3(CH3)を備えて少なくとも99.99999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する1つの給送媒体、特にソースガスを処理チャンバ(856)の中に導入する段階と、少なくとも99.99999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する搬送ガスを導入する段階とを備える上記与える段階と、処理チャンバに配置された少なくとも1つのSiC成長基板、好ましくは、複数のSiC成長基板であって、各SiC成長基板が、第1の電力接続部と第2の電力接続部とを備え、第1の電力接続部が第1の金属電極であり、第2の電力接続部が第2の金属電極であり、第1の金属電極及び第2の金属電極が、好ましくは、処理チャンバの内側で反応空間から遮断される上記SiC成長基板を電気的に活性化し、それを1300℃と2000℃の間の範囲の温度まで加熱する段階と、ソース媒体からSi及びCを出力するために、かつ取り出したSi及びCをSiC、特に多結晶SiCとしてSiC成長基板上に堆積させ、それによってSiC固体を形成するために、特に200μm/hよりも高い堆積速度を設定する段階と、SiC固体を100μmよりも長い平均長さを有するSiC粒子に脱凝集させる段階とを備える。本方法は、非常に高い純度のSiC材料を工業規模で生成することができるので有益である。
【0325】
1バールよりも高い圧力を処理チャンバの内側に設定する段階が、方法の好ましい段階である。
【0326】
Siを提供する第1のソースガスとCを提供する第2のソースガスとの混合物を処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間の混合物量である定められた量で導入する段階が本方法の別の好ましい段階である。これに代えて、Si及びC含有ソースガスを処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間のSi及びC含有ソースガス量である定められた量で導入する段階が本方法の別の好ましい段階である。これに代えて、Siを提供する第1のソースガスとCを提供する第2のソースガスとの混合物を処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間の混合物量である定められた量で導入することにより、1バールよりも高い圧力を処理チャンバの内側に設定する段階が本方法の別の好ましい段階である。代替段階は、Si及びC含有ソースガスを処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間のSi及びC含有ソースガス量である定められた量で導入することにより、1バールよりも高い圧力を処理チャンバの内側に設定する段階である。
【0327】
経時的に少なくとも1つのSiC成長基板の電気活性化を強める段階、特に堆積SiCの面を1300℃と1800℃の間の温度まで加熱する段階が、本方法の別の好ましい段階である。好ましくは、堆積速度は、200μm/hよりも高く、非常に好ましくは、500μm/hよりも高く、最も好ましくは、800μm/hよりも高く設定される。
【0328】
Si及びCを設定堆積速度で5時間よりも長く、特に、8時間よりも長く又は最大で8時間、12時間よりも長く又は最大で12時間、18時間よりも長く又は最大で18時間、好ましくは、24時間よりも長く又は最大で24時間、非常に好ましくは、48時間よりも長く又は最大で48時間、又は最も好ましくは、72時間よりも長く又は最大で72時間にわたって堆積させる段階が、本方法の別の好ましい段階である。
【0329】
C及びSiの堆積中にSiC固体を5kgよりも重く、特に25kgよりも重く又は最大で25kg、好ましくは、50kgよりも重く又は最大で50kg、非常に好ましくは、200kgよりも重く又は最大で200kg、最も好ましくは、500kgよりも重く又は最大で500kgまで成長させる段階、並びにC及びSiの堆積中にSiC固体を少なくとも5cm、特に7cmよりも大きく又は最大で7cm、好ましくは、10cmよりも大きく又は最大で10cm、好ましくは、15cmよりも大きく又は最大で15cm、非常に好ましくは、20cmよりも大きく又は最大で20cm、最も好ましくは、50cmよりも大きく又は最大で50cmの厚みまで成長させる段階が、本方法の別の好ましい段階である。
【0330】
好ましくは、処理チャンバ内への1又は複数の給送媒体の給送媒体サプライを設定するための制御ユニットが提供され、制御ユニットは、給送媒体サプライを1分当たりの給送媒体サプライの最小量(質量)と1分当たりの給送媒体サプライの最大量(質量)との間で設定するように構成することができ、好ましくは、1分当たりの給送媒体サプライの最小量(質量)は、定められた成長速度でのSi堆積物の最小量(質量)及びC堆積物の最小量(質量)に対応する。
【0331】
好ましくは、1分当たりの給送媒体サプライの最大量は、給送媒体サプライの最小量と比較して最大で30%(質量)、最大で20%(質量)、最大で10%(質量)、最大で5%(質量)、又は最大で3%(質量)高い。
【0332】
処理チャンバは、ベースプレートと、側壁セクションと、上壁セクションとによって少なくとも取り囲まれ、好ましくは、ベースプレートは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素、特にベース冷却要素を備え、及び/又は好ましくは、側壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素、特にベルジャー冷却要素を備え、及び/又は好ましくは、上壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素、特にベルジャー冷却要素を備える。冷却要素は、好ましくは、能動的な冷却要素である。好ましくは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションは、冷却流体を案内するための冷却流体案内ユニットを備え、冷却流体案内ユニットは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの加熱を1300℃よりも低い温度に制限するように構成される。好ましくは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの温度を検出し、温度信号又は温度データを出力するためのベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニットが提供され、及び/又は冷却流体の温度を検出するための冷却流体温度センサが提供され、更に、好ましくは、冷却流体を流体案内ユニットを通して順送するための流体順送ユニットが提供され、好ましくは、流体順送ユニットは、ベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニット、及び/又は冷却流体温度センサによって提供される温度信号又は温度データに依存して作動されるように構成される。好ましくは、冷却流体は油又は水であり、好ましくは、水は、少なくとも1つの添加剤、特に防錆剤及び/又は防汚剤(殺生物剤)を備える。冷却要素は、これに加えて又はこれに代えて、受動冷却要素とすることができる。好ましくは、冷却要素は、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの研磨鋼鉄面によって少なくとも部分的に形成される。冷却要素は、好ましくは、コーティングであり、コーティングは、研磨鋼鉄面の上に形成され、熱を反射するように構成される。好ましくは、コーティングは金属コーティングであり、又は金属、特に、銀、金、クロム、又は合金のコーティング、特にCuNi合金を備える。研磨鋼鉄面及び/又はコーティングの放射率は、好ましくは、εe0.3よりも小さく、特に0.1よりも小さいか又は0.03よりも小さい。好ましくは、ベースプレートは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの能動冷却要素と1つの受動冷却要素とを備え、及び/又は好ましくは、側壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの能動冷却要素と1つの受動冷却要素とを備え、及び/又は好ましくは、上壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの能動冷却要素と1つの受動冷却要素とを備える。側壁セクション及び上壁セクションは、好ましくは、ベルジャーによって形成され、好ましくは、ベルジャーは、ベースプレートに対して移動可能である。好ましくは、側壁セクションの50%(質量)よりも多く、上壁セクションの50%(質量)よりも多く、及び/又はベースプレートの50%(質量)よりも多くは、金属、特に鋼鉄で製造される。
【0333】
好ましくは、通気ガスを出力するためのガス出口ユニットと通気ガス再循環ユニットとが提供され、好ましくは、上述の方法に従って作動される。通気ガス再循環ユニットはガス出口ユニットに接続され、通気ガスを第1の流体と第2の流体とに分離するための少なくとも1つの分離ユニットを備え、第1の流体は液体であり、第2の流体はガスであり、第1の流体を格納するか又は伝導するための第1のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットの一部であり又はそれと結合され、第2の流体を格納するか又は伝導するための第2のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットの一部であるか又はそれと結合される。好ましくは、ソース媒体を処理チャンバの内側に与える段階は、通気ガス再循環ユニットから処理チャンバの内側に第1の流体を給送する段階を備え、第1の流体は、少なくともクロロシラン類混合物を備える。好ましくは、通気ガス再循環ユニットは、第1の流体を少なくとも2つの部分、すなわち、クロロシラン類混合物と、HClとH2と少なくとも1つのC含有分子との混合物とに分離し、好ましくは、少なくとも3つの部分、すなわち、クロロシラン類混合物と、HClと、H2と少なくとも1つのC含有分子との混合物とに分離するための更に別の分離ユニットを備え、第1のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットを更に別の分離ユニットに接続され、更に別の分離ユニットは、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素、HClのストレージ要素及び/又は伝導要素、並びにH2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素と結合され、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素は、クロロシラン類混合物を処理チャンバの内側に伝導するためのクロロシラン類混合物質量流束経路のセクションを形成し、クロロシラン類混合物のSiの量を測定するためのSi質量流束測定ユニットは、処理チャンバの前、特に混合デバイスの前の質量流束経路の一部として好ましくは更に別のSi給送媒体を提供する更に別のSi給送媒体ソースとして提供される。
【0334】
好ましくは、SiC成長基板は、その長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cmの平均周囲を有し、又は複数のSiC成長基板は、SiC成長基板毎にそれぞれのSiC成長基板の長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cmの平均周囲を有する。
【0335】
PVTソース材料はCDV反応器内で生成されるので、これに代えて、PVTソース材料生成方法を「CVD反応器内を用いて実施されるSiC材料生成方法」又は単に「SiC材料生成方法」と名付けることが可能である。
【0336】
上記に言及した目的はまた、少なくとも1つのSiC結晶の生成のための方法によって解決される。本方法は、第1のタイプのSiCの生成のためのCVD反応器を与える段階と、SiとCとを備えるソース媒体を発生させるために少なくとも1つのソースガス、特に第1のソースガス、特にSiCl3(CH3)を処理チャンバの内側に導入する段階と、好ましくは、Hを備える少なくとも1つの搬送ガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、処理チャンバに配置された少なくとも1つのSiC成長基板を加熱するためにそれを電気的に活性化し、その面を1300℃と1800℃の間の範囲内の温度まで加熱する段階と、第1のタイプのSiCをSiC成長基板上に、特に200μm/hよりも高い堆積速度で堆積させる段階であって、SiCの堆積物が好ましくは多結晶のSiCである上記堆積させる段階と、第1のタイプの堆積SiCをCVD反応器から出力する段階と、取り出されたSiCを第1のタイプの断片化SiC又は1又は複数の第1のタイプの固形物SiCに変容させる段階と、第2のタイプのSiCの生成のためのPVT反応器を与える段階する段階とを備える。PVT反応器は、外面と内面とを有する炉ハウジングを備える炉ユニットと、少なくとも1つのるつぼユニットであって、炉ハウジングの内側に配置されたるつぼハウジングを備え、るつぼハウジングが外面と内面とを有し、内面が、るつぼ容積を少なくとも部分的に定め、るつぼ容積の内側にソース材料を受け入れるための受け入れ空間が配置又は形成され、るつぼ容積の内側に、定められたシードウェーハを保持するためのシードホルダユニットが配置され、シードウェーハホルダがシードウェーハを保持し、炉ハウジング内壁とるつぼハウジング外壁が、炉容積を定める上記るつぼユニットと、ソース材料を加熱するための少なくとも1つの加熱ユニットであって、ソース材料を受け入れるための受け入れ空間が加熱ユニットの上方かつシードホルダユニットの下方に少なくとも部分的に配置される上記加熱ユニットとを備える。本方法は、受け入れ空間の中に第1のタイプの断片化SiCを追加するか又は第1のタイプのSiCの1又は複数の固形物をソース材料として追加する段階と、第1のタイプのSiCをPVT反応器の内側で昇華させる段階と、昇華したSiCをシードウェーハ上に第2のタイプのSiCとして堆積させる段階とを更に含む。本方法は、PVTソース材料とSiC結晶の両方が非常に効率的な方式で非常に高い品質で生成されるので有益である。
【0337】
好ましくは、少なくとも1つのソースガスと少なくとも1つの搬送ガスとを導入する段階は、Siを備え、特に一般式SiH4-yy(X=[Cl、F、Br、J]及びy=[0...4]に従うSiガスを提供するSi給送媒体ソースであり、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する少なくとも第1の給送媒体、特に第1のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、C、特に、天然ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン、及び/又はアセチレンを備え、少なくとも99.9999%の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する少なくとも第2の給送媒体、特に第2のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する搬送ガスを導入する段階とを備える。これに代えて、少なくとも1つのソースガスと少なくとも1つの搬送ガスとを導入する段階は、好ましくは、Si及びC、特にSiCl3(CH3)を備え、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する1つの給送媒体、特にソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する搬送ガスを導入する段階とを備える。好ましくは、断片化SiCは、少なくとも100μmの平均長さを有するSiC粒子に対応する。
【0338】
好ましくは、SiC粒子は、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物を有し、非常に好ましくは、2ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物及び100ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物又は10ppb(重量)よりも低い物質Tiの不純物を有する。これに代えて、SiC粒子は、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い金属Ti、V、Fe、Niのうちの全ての合計の不純物を有する。SiC粒子の見かけ密度は、好ましくは、1.4g/cm3よりも高く、非常に好ましくは、1.6g/cm3よりも高い。SiC粒子のタップ密度は、好ましくは、1.6g/cm3よりも高く、非常に好ましくは、1.8g/cm3よりも高い。
【0339】
好ましくは、SiCの1又は複数の固形物の各々は、0.3kgよりも重く、好ましくは、少なくとも1kgの質量と、少なくとも1cm、好ましくは、少なくとも5cmの厚みと、10cmよりも長く、好ましくは、少なくとも25cm又は少なくとも50cmの長さと、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物とによって特徴付けられる。好ましくは、SiCの1又は複数の固形物の各々は、2ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物及び100ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物又は10ppb(重量)よりも低い物質Tiの不純物を有する。これに代えて、SiCの1又は複数の固形物の各々は、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い金属Ti、V、Fe、Niのうちの全ての合計の不純物を有する。
【0340】
1バールよりも高い圧力を処理チャンバの内側に設定する段階が、本方法の別の好ましい段階である。
【0341】
Siを提供する第1のソースガスとCを提供する第2のソースガスとの混合物を処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間の混合物量である定められた量で導入する段階が本方法の別の好ましい段階である。これに代えて、Si及びC含有ソースガスを処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間のSi及びC含有ソースガス量である定められた量で導入する段階が本方法の別の好ましい段階である。これに代えて、Siを提供する第1のソースガスとCを提供する第2のソースガスとの混合物を処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間の混合物量である定められた量で導入することにより、1バールよりも高い圧力を処理チャンバの内側に設定する段階が本方法の別の好ましい段階である。これに代えて、Si及びC含有ソースガスを処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間のSi及びC含有ソースガス量である定められた量で導入することにより、1バールよりも高い圧力を処理チャンバの内側に設定する段階が本方法の別の好ましい段階である。好ましくは、処理チャンバは、ベースプレートと、側壁セクションと、上壁セクションとによって取り囲まれ、側壁セクションの50%よりも多く、上壁セクションの50%よりも多く、及びベースプレートの50%よりも多くが、金属、特に鋼鉄で製造される。好ましくは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの温度を検出し、温度信号又は温度データを出力するためのベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニットが提供され、及び/又は冷却流体の温度を検出するための冷却流体温度センサが提供され、更に、好ましくは、冷却流体を流体案内ユニットを通して順送するための流体順送ユニットが提供される。好ましくは、流体順送ユニットは、ベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニット、及び/又は冷却流体温度センサによって提供される温度信号又は温度データに依存して作動されるように構成される。好ましくは、SiC成長基板は、その長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cmの平均周囲を有し、又は複数のSiC成長基板は、SiC成長基板毎にそれぞれのSiC成長基板の長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cmの平均周囲を有する。SiC成長基板上に堆積するSiCは、好ましくは、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物を有し、非常に好ましくは、2ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物及び100ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物又は10ppb(重量)よりも低い物質Tiの不純物を有する。これに代えて、SiC成長基板上に堆積するSiCは、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い金属Ti、V、Fe、Niのうちの全ての合計の不純物を有する。好ましくは、通気ガスを出力するためのガス出口ユニットと通気ガス再循環ユニットは、本発明の方法の一部に従って作動されるユニットとして提供され、通気ガス再循環ユニットはガス出口ユニットに接続され、通気ガスを第1の流体と第2の流体とに分離するための少なくとも1つの分離ユニットを備え、第1の流体は液体であり、第2の流体はガスであり、第1の流体を格納するか又は伝導するための第1のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットの一部であり又はそれと結合され、第2の流体を格納するか又は伝導するための第2のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットの一部であるか又はそれと結合される。更に、本方法は、好ましくは、ソース媒体を処理チャンバの内側に与える段階を備え、好ましくは、この段階は、通気ガス再循環ユニットから処理チャンバの内側に第1の流体を給送する段階を備え、第1の流体は、少なくともクロロシラン類混合物を備える。好ましくは、CVD反応器の中に導入されるガスは、99.9999%(重量ppm)よりも低い物質B(ホウ素)、Al(アルミニウム)、P(リン)、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)のうちの1つ、複数、又は全てを備える。好ましくは、るつぼ容積の内側にガス流れをもたらすためのるつぼガス流れユニットが提供され、るつぼガス流れユニットは、るつぼ容積の中にガスを伝導するためのるつぼガス入口チューブと、るつぼ容積からガスを伝導するためのるつぼガス出口チューブとを備える。好ましくは、るつぼハウジングの内側に成長案内器が配置され、成長案内器は、ガス流れをシードホルダユニットの方向に案内するための成長-案内器-ガス-経路-セクション-境界を形成し、成長案内器とシードホルダユニットとがガス流路を形成する。好ましくは、本方法は、少なくとも搬送ガスをるつぼガス入口チューブを通してるつぼ容積の中に伝導すること、及び少なくともこの搬送ガスをるつぼガス出口チューブを通してるつぼ容積から外に伝導することにより、るつぼ容積を通るガス流れを確立する段階、るつぼガス入口チューブを通ってるつぼ容積の中に入るガス流れを制御することにより、ガス流路を通る定められたガス流速を確立する段階、及び/又はるつぼガス出口チューブを通ってるつぼ容積の外に出るガス流れを制御することにより、ガス流路を通る定められたガス流速を確立する段階を備え、定められたガス流速は、1cm/sと10cm/sの間、好ましくは、2cm/sと6cm/sの間である。
【0342】
好ましくは、受け入れ空間は、るつぼガス入口とシードホルダユニットの間に位置付けられる。好ましくは、本方法は、ガス流れを受け入れ空間の周りに及び/又はそれを通して伝導する段階を備える。
【0343】
少なくともSi2C昇華蒸気、SiC2昇華蒸気、及びSi昇華蒸気を取り込むために、好ましくは、るつぼ容積の内側でシードホルダユニットと、るつぼガス出口チューブとの間にフィルタユニットが配置され、フィルタユニットは、フィルタ入力面からフィルタ出力面へのフィルタユニットガス流路を形成し、フィルタガス流路は、るつぼガス入口チューブと、るつぼガス出口チューブとの間のガス流路の一部であり、フィルタユニットは、好ましくは、高さS1を有し、フィルタユニットを貫通するフィルタユニットガス流路は、好ましくは、長さS2を有し、S2は、S1と比較して少なくとも2倍、特に10倍長い。好ましくは、本方法は、ガスをガス流路からフィルタ入力面に、フィルタ入力面からフィルタユニットを通してフィルタ出力面に、更にフィルタ出力面からるつぼガス出口チューブに案内する段階を備える。
【0344】
好ましくは、るつぼ容積の内側に、るつぼ容積圧力を設定するための圧力ユニットが提供され、圧力ユニットは、2666,45Paよりも高く、好ましくは、5000Paよりも高く、又は2666,45Paと50000,00Paの間の範囲にあるるつぼ容積圧力をもたらすように構成される。好ましくは、本方法は、るつぼ容積の内側に2666,45Paよりも高く、好ましくは、5000Paよりも高く、又は2666,45Paと50000,00Paの間の範囲にあるるつぼ容積圧力を発生させる段階を備える。
【0345】
好ましくは、PVT反応器は、るつぼガス流れユニットを備え、るつぼガス流れユニットは、ガスをるつぼ容積の中に伝導するためのるつぼガス入口チューブを備え、るつぼガス入口チューブは、垂直方向に受け入れ空間の下方に配置される。好ましくは、本方法は、ガスをるつぼガス流れユニットを通してるつぼハウジングの中に伝導する段階を備える。
【0346】
上記に言及した目的はまた、PVTソース材料として第1のタイプのSiCの生成のためのCVD反応器を備えるSiCの生成のためのシステムによって解決される。CVD反応器は、少なくとも、ベースプレートと側壁セクションと上壁セクションとによって少なくとも取り囲まれた処理チャンバと、ソース媒体を発生させるために処理チャンバの反応空間の中に1又は複数の給送媒体を給送するためのガス入口ユニットであって、少なくとも1つの給送媒体ソースと結合され、Si及びC給送媒体ソースが、少なくともSi及びC、特にSiCl3(CH3)を提供し、搬送ガス給送媒体ソースは、搬送ガス、特にH2を提供し、又は少なくとも2つの給送媒体ソースと結合され、Si給送媒体ソースは、少なくともSi、特に一般式SiH4-yy(X=[Cl、F、Br、J]及びy=[0...4]に従うSiガスを提供し、C給送媒体ソースは、少なくともC、特に、天然ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン、及び/又はアセチレンを提供し、搬送ガス媒体ソースは、搬送ガス、特にH2を提供する上記ガス入口ユニットと、SiCを堆積させるために処理チャンバの内側に配置された1又は複数、特に、3個、4個、6個、8個、16個、32個、又は64個よりも多い、最大で128個、又は最大で256個のSiC成長基板であって、各SiC成長基板が、第1の電力接続部と第2の電力接続部とを備え、第1の電力接続部が第1の金属電極であり、第2の電力接続部が第2の金属電極であり、第1のタイプのSiCが各SiC成長基板上に堆積されるように当該SiC成長基板の外面又は堆積SiCの面を1300℃と1800℃の間の温度まで、特に抵抗加熱、好ましくは、内部抵抗加熱を用いて加熱するために、当該SiC成長基板が、少なくとも1つの第1の金属電極と少なくとも1つの第2の金属電極の間に結合され、CVD反応器からの第1のタイプの堆積SiCが、第2のタイプのSiCの生成に向けてPVT反応器に使用される上記SiC成長基板とを備えるCVD反応器を備える。PVT反応器は、外面と内面とを有する炉ハウジングを備える炉ユニットと、少なくとも1つのるつぼユニットであって、炉ハウジングの内側に配置されたるつぼハウジングを備え、るつぼハウジングが外面と内面とを有し、内面が、るつぼ容積を少なくとも部分的に定め、るつぼ容積の内側に、CVD反応器からの第1のタイプのSiCの形態にあるソース材料を受け入れるための受け入れ空間が配置又は形成され、るつぼ容積の内側に、定められたシードウェーハを保持するためのシードホルダユニットが配置され、シードウェーハホルダがシードウェーハを保持し、炉ハウジング内壁とるつぼハウジング外壁が、炉容積を定める上記るつぼユニットと、CVD反応器からの第1のタイプのSiCの形態にあるソース材料を加熱するための少なくとも1つの加熱ユニットであって、CVD反応器からの第1のタイプのSiCの形態にあるソース材料を受け入れるための受け入れ空間が、加熱ユニットの上方かつシードホルダユニットの下方に少なくとも部分的に配置される上記加熱ユニットとを備える。更に、システムは、CVD反応器からの第1のタイプのSiCをソース材料として受け入れ空間の中に追加する段階と、PVT反応器の内側で第1のタイプのSiCを昇華させる段階と、昇華したSiCをシードウェーハ上に第2のタイプのSiCとして堆積させる段階とを引き起こす。好ましくは、第1の金属電極及び第2の金属電極は、処理チャンバの内側で反応空間から遮断される。
【0347】
上記に言及した目的はまた、特にPVTソース材料としてのUPSiCの生成のためのSiC生成反応器によって解決される。好ましくは、このSiC生成反応器は、少なくとも、ベースプレートと、側壁セクションと、上壁セクションとによって少なくとも取り囲まれた処理チャンバと、ソース媒体を発生させるために処理チャンバの反応空間の中に1又は複数の給送媒体を給送するためのガス入口ユニットとを備え、ガス入口ユニットは、少なくとも1つの給送媒体ソースと結合され、Si及びC給送媒体ソースは、少なくともSi及びC、特にSiCl3(CH3)を提供し、搬送ガス給送媒体ソースは、搬送ガス、特にH2を提供する。これに代えて、ガス入口ユニットは、少なくとも2つの給送媒体ソースと結合することができ、Si給送媒体ソースは、少なくともSi、特に一般式SiH4-yy(X=[Cl、F、Br、J]及びy=[0...4]に従うSiガスを提供し、C給送媒体ソースは、少なくともC、特に、天然ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン、及び/又はアセチレンを提供し、搬送ガス媒体ソースは、搬送ガス、特にH2を提供する。SiC生成反応器は、SiCを堆積させるために処理チャンバの内側に配置された1又は複数、特に、3個、4個、6個、8個、16個、32個、又は64個よりも多い、最大で128個、又は最大で256個のSiC成長基板を更に備え、各SiC成長基板は、第1の電力接続部と第2の電力接続部とを備え、第1の電力接続部は第1の金属電極であり、第2の電力接続部は第2の金属電極であり、第1の金属電極及び第2の金属電極は、好ましくは、反応空間から遮断され、各SiC成長基板の外面又は堆積SiCの面を1300℃と1800℃の間の温度まで、特に抵抗加熱、好ましくは、内部抵抗加熱を用いて加熱するために、当該SiC成長基板は、少なくとも1つの第1の金属電極と少なくとも1つの第2の金属電極の間に結合される。好ましくは、SiC成長基板は、その長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cm、好ましくは、少なくとも7cm、非常に好ましくは、少なくとも10cmの平均周囲を有し、又は複数のSiC成長基板は、それぞれのSiC成長基板の長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cm、好ましくは、少なくとも7cm、非常に好ましくは、少なくとも10cmのSiC成長基板毎の平均周囲を有する。このソリューションは、小さいSiC成長基板と比較して体積堆積速度が有意に高く、従って、同じ量のSiC材料を短い時間内に堆積させることが可能であるので有益である。このソリューションは、工程時間を短縮し、従って、SiC生成反応器の効率を高めることを助ける。好ましくは、SiC成長基板は、SiC又はC、特にグラファイトを備え、又はこれらから構成され、又は複数のSiC成長基板は、SiC又はC、特にグラファイトを備え、又はこれらから構成される。SiC成長基板の長さ方向に直交する断面の形状は、少なくともセクション毎に、好ましくは、SiC成長基板の長さの50%よりも多くに沿って、非常に好ましくは、SiC成長基板の長さの90%よりも多くに沿って円形形状とは異なる。断面区域Aと断面区域の周りの周囲Uとの間の比U/Aは、好ましくは、1.2 1/cmよりも高く、好ましくは、1.5 1/cmよりも高く、非常に好ましくは、2 1/cmよりも高く、最も好ましくは、2.5 1/cmよりも高い。好ましくは、SiC成長基板は、少なくとも1つの炭素リボン、特にグラファイトリボンによって形成され、少なくとも1つの炭素リボンは、第1のリボン端部と第2のリボン端部とを備え、第1のリボン端部は第1の金属電極と結合され、第2のリボン端部は第2の金属電極と結合される。これに代えて、複数のSiC成長基板の各々は、少なくとも1つの炭素リボン、特にグラファイトリボンによって形成され、SiC成長基板毎に、少なくとも1つの炭素リボンは、第1のリボン端部と第2のリボン端部とを備え、第1のリボン端部は、それぞれのSiC成長基板の第1の金属電極と結合され、第2のリボン端部は、それぞれのSiC成長基板の第2の金属電極と結合される。炭素リボン、特にグラファイトリボンは、好ましくは、硬化剤を備える。好ましくは、SiC成長基板は、複数のロッドによって形成され、各ロッドは、第1のロッド端部と第2のロッド端部とを有し、全ての第1のロッド端部が、同じ第1の金属電極と結合され、全ての第2のロッド端部が、同じ第2の金属電極と結合される。これに代えて、複数のSiC成長基板の各々は、複数のロッドによって形成され、各ロッドは、第1のロッド端部と第2のロッド端部とを有し、全ての第1のロッド端部が、それぞれのSiC成長基板の同じ第1の金属電極と結合され、全ての第2のロッド端部が、それぞれのSiC成長基板の同じ第2の金属電極と結合される。好ましくは、SiC成長基板のロッドは、互いに接触しているか、又は互いに距離を空けて配置される。SiC成長基板は、好ましくは、3又は3よりも多いロッドを備える。これに代えて、複数のSiC成長基板の各々は、3又は3よりも多いロッドを備える。好ましくは、SiC成長基板は、少なくとも1つの金属ロッドによって形成され、金属ロッドは、第1の金属ロッド端部と第2の金属ロッド端部とを有し、第1の金属ロッド端部は、第1の金属電極と結合され、第2の金属ロッド端部は、第2の金属電極と結合される。これに代えて、複数のSiC成長基板の各々は、少なくとも1つの金属ロッドによって形成され、各金属ロッドは、第1の金属ロッド端部と第2の金属ロッド端部とを有し、第1の金属ロッド端部は、それぞれのSiC成長基板の第1の金属電極と結合され、第2の金属ロッド端部は、それぞれのSiC成長基板の第2の金属電極と結合される。金属ロッドは、好ましくは、コーティングを備え、コーティングは、好ましくは、SiCを備え、及び/又は好ましくは、2μmよりも大きい厚み、好ましくは、100μmよりも大きい厚み、非常に好ましくは、500μmよりも大きい厚み、又は2μmと5mmの間、特に100μmと1mmの間の厚み、又は500μmよりも小さい厚みを有する。好ましくは、ベースプレートは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素、特にベース冷却要素を備え、及び/又は好ましくは側壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素、特にベルジャー冷却要素を備え、及び/又は好ましくは上壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素、特にベルジャー冷却要素を備える。冷却要素は、好ましくは、能動的な冷却要素である。好ましくは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションは、冷却流体を案内するための冷却流体案内ユニットを備え、冷却流体案内ユニットは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの加熱を1300℃よりも低い温度に制限するように構成される。好ましくは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの温度を検出し、温度信号又は温度データを出力するためのベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニットが提供され、及び/又は冷却流体の温度を検出するための冷却流体温度センサが提供され、更に、好ましくは、冷却流体を流体案内ユニットを通して順送するための流体順送ユニットが提供され、好ましくは、流体順送ユニットは、ベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニット、及び/又は冷却流体温度センサによって提供される温度信号又は温度データに依存して作動されるように構成される。好ましくは、冷却流体は油又は水であり、好ましくは、水は、少なくとも1つの添加剤、特に防錆剤及び/又は防汚剤(殺生物剤)を備える。冷却要素は、これに加えて又はこれに代えて、受動冷却要素とすることができる。好ましくは、冷却要素は、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの研磨鋼鉄面によって少なくとも部分的に形成される。冷却要素は、好ましくは、コーティングであり、コーティングは、研磨鋼鉄面の上に形成され、熱を反射するように構成される。好ましくは、コーティングは金属コーティングであり、又は金属、特に、銀、金、クロム、又は合金のコーティング、特にCuNi合金を備える。研磨鋼鉄面及び/又はコーティングの放射率は、好ましくは、0.3よりも小さく、特に0.1よりも小さいか又は0.03よりも小さい。好ましくは、ベースプレートは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの能動冷却要素と1つの受動冷却要素とを備え、及び/又は好ましくは、側壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの能動冷却要素と1つの受動冷却要素とを備え、及び/又は好ましくは、上壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの能動冷却要素と1つの受動冷却要素とを備える。側壁セクション及び上壁セクションは、好ましくは、ベルジャーによって形成され、好ましくは、ベルジャーは、ベースプレートに対して移動可能である。好ましくは、側壁セクションの50%(質量)よりも多く、上壁セクションの50%(質量)よりも多く、及び/又はベースプレートの50%(質量)よりも多くは、金属、特に鋼鉄で製造される。好ましくは、通気ガスを出力するためのガス出口ユニットと通気ガス再循環ユニットは、SiC生成反応器の一部として提供され、通気ガス再循環ユニットはガス出口ユニットに接続され、通気ガスを第1の流体と第2の流体とに分離するための少なくとも1つの分離ユニットを備え、第1の流体は液体であり、第2の流体はガスであり、第1の流体を格納するか又は伝導するための第1のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットの一部であり又はそれと結合され、第2の流体を格納するか又は伝導するための第2のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットの一部であるか又はそれと結合される。好ましくは、通気ガス再循環ユニットは、第1の流体を少なくとも2つの部分、すなわち、クロロシラン類混合物と、HClとH2と少なくとも1つのC含有分子との混合物とに分離するための更に別の分離ユニットを備える。これに代えて、更に別の分離ユニットは、第1の流体を少なくとも3つの部分、すなわち、クロロシラン類混合物と、HClと、H2と少なくとも1つのC含有分子との混合物とに分離し、第1のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットを更に別の分離ユニットに接続され、更に別の分離ユニットは、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素、HClのストレージ要素及び/又は伝導要素、並びにH2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素と結合され、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素は、クロロシラン類混合物を処理チャンバの内側に伝導するためのクロロシラン類混合物質量流束経路のセクションを形成し、クロロシラン類混合物のSiの量を測定するためのSi質量流束測定ユニットは、処理チャンバの前、特に混合デバイスの前の質量流束経路の一部として好ましくは更に別のSi給送媒体を提供する更に別のSi給送媒体ソースとして提供される。
【0348】
本発明はまた、特に多形3CのSiCから構成されるPVTソース材料の生成のためのPVTソース材料生成方法又はSiC生成方法によって解決される。PVTソース材料生成方法は、少なくとも、ソース媒体を処理チャンバの内側に与える段階を備える。処理チャンバは、本発明によるSiC生成反応器の処理チャンバとすることができる。本方法は、処理チャンバに配置された少なくとも1つのSiC成長基板、好ましくは、複数のSiC成長基板であって、各SiC成長基板が、第1の電力接続部と第2の電力接続部とを備え、第1の電力接続部が第1の金属電極であり、第2の電力接続部が第2の金属電極であり、第1の金属電極及び第2の金属電極が、好ましくは、処理チャンバの内側で反応空間から遮断され、SiC成長基板の長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cmの平均周囲を有する上記SiC成長基板、又はSiC成長基板毎にそれぞれのSiC成長基板の長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cmの平均周囲を有する上記複数のSiC成長基板を電気的に活性化し、それを1300℃と2000℃の間の範囲の温度まで加熱する段階と、ソース媒体からSi及びCを出力するために、かつ取り出したSi及びCをSiC、特に多結晶SiCとしてSiC成長基板上に堆積させ、それによってSiC固体を形成するために、特に200μm/hよりも高い堆積速度を設定する段階とを備える。本方法は、PVTソース材料として使用することができる大量のSiC材料を急速な方式で生成することができるので有益である。
【0349】
SiC成長基板上に堆積するSiCは、好ましくは、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物を有し、非常に好ましくは、2ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物及び100ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物又は10ppb(重量)よりも低い物質Tiの不純物を有する。これに代えて、SiC成長基板上に堆積するSiCは、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い金属Ti、V、Fe、Niのうちの全ての合計の不純物を有する。
【0350】
好ましくは、ソース媒体を処理チャンバの内側に与える段階は、Siを備え、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する少なくとも第1の給送媒体、特に第1のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、C、特に、天然ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン、及び/又はアセチレンを備え、少なくとも99.9999%の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する少なくとも第2の給送媒体、特に第2のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、少なくとも99.9999%(重量ppm)の不純物を除く純度を有する搬送ガスを導入する段階とを備える。これに代えて、本方法は、Si及びC、特にSiCl3(CH3)を備え、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する1つの給送媒体、特にソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する搬送ガスを導入する段階とを備える。1バールよりも高い圧力を処理チャンバの内側に設定する段階は、更に別の好ましい段階である。好ましくは、本方法は、Siを提供する第1のソースガスとCを提供する第2のソースガスとの混合物を処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間の混合物量である定められた量で導入する段階、又はSi及びC含有ソースガスを処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間のSi及びC含有ソースガス量である定められた量で導入する段階を備える。代替段階は、Siを提供する第1のソースガスとCを提供する第2のソースガスとの混合物を処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間の混合物量である定められた量で導入することにより、1バールよりも高い圧力を処理チャンバの内側に設定する段階、又はSi及びC含有ソースガスを処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間のSi及びC含有ソースガス量である定められた量で導入することにより、1バールよりも高い圧力を処理チャンバの内側に設定する段階である。
【0351】
経時的に少なくとも1つのSiC成長基板の電気活性化を強める段階、特に堆積SiCの面又はSiC成長面を1300℃と1800℃の間の温度まで加熱する段階が、本方法の別の好ましい段階である。
【0352】
好ましくは、通気ガスを出力するためのガス出口ユニットと通気ガス再循環ユニットとが提供され、好ましくは、上述の方法に従って作動される。通気ガス再循環ユニットはガス出口ユニットに接続され、通気ガスを第1の流体と第2の流体とに分離するための少なくとも1つの分離ユニットを備え、第1の流体は液体であり、第2の流体はガスであり、第1の流体を格納するか又は伝導するための第1のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットの一部であり又はそれと結合され、第2の流体を格納するか又は伝導するための第2のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットの一部であるか又はそれと結合される。好ましくは、ソース媒体を処理チャンバの内側に与える段階は、通気ガス再循環ユニットから処理チャンバの内側に第1の流体を給送する段階を備え、第1の流体は、少なくともクロロシラン類混合物を備える。SiC固体を100μmよりも長い平均長さを有するSiC粒子に脱凝集させる段階が、方法の更に別の好ましい段階である。
【0353】
上記に言及した目的はまた、特にPVTソース材料のUPSiCの生成のためのSiC生成反応器によって解決される。好ましくは、このSiC生成反応器は、ベースプレートと、側壁セクションと、上壁セクションとによって少なくとも取り囲まれた処理チャンバと、ソース媒体を発生させるために処理チャンバの反応空間の中に1又は複数の給送媒体を給送するためのガス入口ユニットとを少なくとも備え、ガス入口ユニットは、少なくとも1つの給送媒体ソースと結合され、Si及びC給送媒体ソースは、少なくともSi及びC、特にSiCl3(CH3)を提供し、搬送ガス給送媒体ソースは、搬送ガス、特にH2を提供する。これに代えて、ガス入口ユニットは、少なくとも2つの給送媒体ソースと結合することができ、Si給送媒体ソースは、少なくともSi、特に一般式SiH4-yy(X=[Cl、F、Br、J]及びy=[0...4]に従うSiガスを提供し、C給送媒体ソースは、少なくともC、特に、天然ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン、及び/又はアセチレンを提供し、搬送ガス媒体ソースは、搬送ガス、特にH2を提供する。SiC生成反応器は、SiCを堆積させるために処理チャンバの内側に配置された1又は複数、特に、3個、4個、6個、8個、16個、32個、又は64個よりも多い、最大で128個、又は最大で256個のSiC成長基板を更に備え、各SiC成長基板は、第1の電力接続部と第2の電力接続部とを備え、第1の電力接続部は第1の金属電極であり、第2の電力接続部は第2の金属電極であり、第1の金属電極及び第2の金属電極は、好ましくは、反応空間から遮断され、各SiC成長基板の外面又は堆積SiCの面を1300℃と1800℃の間の温度まで、特に抵抗加熱、好ましくは、内部抵抗加熱を用いて加熱するために、当該SiC成長基板は、少なくとも1つの第1の金属電極と少なくとも1つの第2の金属電極の間に結合される。好ましくは、ベースプレートは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素、特にベース冷却要素を備え、及び/又は側壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素、特にベルジャー冷却要素を備え、及び/又は上壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素、特にベルジャー冷却要素を備える。冷却要素は、好ましくは、能動的な冷却要素である。好ましくは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションは、冷却流体を案内するための冷却流体案内ユニットを備え、冷却流体案内ユニットは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの加熱を1300℃よりも低い温度に制限するように構成される。好ましくは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの温度を検出し、温度信号又は温度データを出力するためのベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニットが提供され、及び/又は冷却流体の温度を検出するための冷却流体温度センサが提供され、更に、冷却流体を流体案内ユニットを通して順送するための流体順送ユニットが提供され、好ましくは、流体順送ユニットは、ベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニット、及び/又は冷却流体温度センサによって提供される温度信号又は温度データに依存して作動されるように構成される。このソリューションは、ベースプレート、側壁セクション、及び上壁セクションを金属、特に鋼鉄で製造することができるので有益である。金属のベースプレート、側壁セクション、及び上壁セクションは、より大きい反応器の製作を可能にし、従って、出力を増大するか又はコストを低減することを助ける。
【0354】
好ましくは、冷却流体は油又は水であり、好ましくは、水は、少なくとも1つの添加剤、特に防錆剤及び/又は防汚剤(殺生物剤)を備える。冷却要素は、好ましくは、受動冷却要素である。好ましくは、冷却要素は、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの研磨鋼鉄面によって少なくとも部分的に形成される。冷却要素は、好ましくは、コーティングであり、コーティングは、研磨鋼鉄面の上に形成され、熱を反射するように構成される。好ましくは、コーティングは金属コーティングであり、又は金属、特に、銀、金、クロム、又は合金のコーティング、特にCuNi合金を備える。研磨鋼鉄面及び/又はコーティングの放射率は、好ましくは、εe0.3よりも小さく、特に0.1よりも小さいか又は0.03よりも小さい。好ましくは、ベースプレートは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの能動冷却要素と1つの受動冷却要素とを備え、及び/又は側壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの能動冷却要素と1つの受動冷却要素とを備え、及び/又は上壁セクションは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの能動冷却要素と1つの受動冷却要素とを備える。側壁セクション及び上壁セクションは、好ましくは、ベルジャーによって形成され、好ましくは、ベルジャーは、ベースプレートに対して移動可能である。側壁セクションの50%(質量)よりも多く、上壁セクションの50%(質量)よりも多く、及び/又はベースプレートの50%(質量)よりも多くは、金属、特に鋼鉄で製造される。好ましくは、SiC成長基板は、その長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cmの平均周囲を有し、又は複数のSiC成長基板は、SiC成長基板毎にそれぞれのSiC成長基板の長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cmの平均周囲を有する。好ましくは、SiC成長基板は、SiC又はC、特にグラファイトを備え、又はこれらから構成され、又は複数のSiC成長基板は、SiC又はC、特にグラファイトを備え、又はこれらから構成される。好ましくは、SiC成長基板の長さ方向に直交する断面の形状は、少なくともセクション毎に、好ましくは、SiC成長基板の長さの50%よりも多くに沿って、非常に好ましくは、SiC成長基板の長さの90%よりも多くに沿って円形形状とは異なる。断面区域Aと断面区域の周りの周囲Uとの間の比U/Aは、好ましくは、1.2 1/cmよりも高く、好ましくは、1.5 1/cmよりも高く、非常に好ましくは、2 1/cmよりも高く、最も好ましくは、2.5 1/cmよりも高い。好ましくは、SiC成長基板は、少なくとも1つの炭素リボン、特にグラファイトリボンによって形成され、少なくとも1つの炭素リボンは、第1のリボン端部と第2のリボン端部とを備え、第1のリボン端部は第1の金属電極と結合され、第2のリボン端部は第2の金属電極と結合される。これに代えて、複数のSiC成長基板の各々は、少なくとも1つの炭素リボン、特にグラファイトリボンによって形成され、SiC成長基板毎に少なくとも1つの炭素リボンが、第1のリボン端部と第2のリボン端部とを備え、第1のリボン端部(884)は、それぞれのSiC成長基板の第1の金属電極と結合され、第2のリボン端部は、それぞれのSiC成長基板の第2の金属電極と結合される。好ましくは、SiC成長基板は、複数のロッドによって形成され、各ロッドは、第1のロッド端部と第2のロッド端部とを有し、全ての第1のロッド端部が、同じ第1の金属電極と結合され、全ての第2のロッド端部が、同じ第2の金属電極と結合される。これに代えて、複数のSiC成長基板の各々は、複数のロッドによって形成され、各ロッドは、第1のロッド端部と第2のロッド端部とを有し、全ての第1のロッド端部が、それぞれのSiC成長基板の同じ第1の金属電極と結合され、全ての第2のロッド端部が、それぞれのSiC成長基板の同じ第2の金属電極と結合される。好ましくは、SiC成長基板は、少なくとも1つの金属ロッドによって形成され、金属ロッドは、第1の金属ロッド端部と第2の金属ロッド端部とを有し、第1の金属ロッド端部は、第1の金属電極と結合され、第2の金属ロッド端部は、第2の金属電極と結合される。これに代えて、複数のSiC成長基板の各々は、少なくとも1つの金属ロッドによって形成され、各金属ロッドは、第1の金属ロッド端部と第2の金属ロッド端部とを有し、第1の金属ロッド端部は、それぞれのSiC成長基板の第1の金属電極と結合され、第2の金属ロッド端部は、それぞれのSiC成長基板の第2の金属電極と結合される。好ましくは、通気ガスを出力するためのガス出口ユニットと通気ガス再循環ユニットとが提供され、通気ガス再循環ユニットはガス出口ユニットに接続され、通気ガスを第1の流体と第2の流体とに分離するための少なくとも1つの分離ユニットを備え、第1の流体は液体であり、第2の流体はガスであり、第1の流体を格納するか又は伝導するための第1のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットの一部であり又はそれと結合され、第2の流体を格納するか又は伝導するための第2のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットの一部であるか又はそれと結合される。
【0355】
好ましくは、通気ガス再循環ユニットは、第1の流体を少なくとも2つの部分、すなわち、クロロシラン類混合物と、HClとH2と少なくとも1つのC含有分子との混合物とに分離し、好ましくは、少なくとも、クロロシラン類混合物、HCl、及びH2と少なくとも1つのC含有分子との混合物である3つの部分に分離するための更に別の分離ユニットを備え、第1のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットを更に別の分離ユニットに接続され、更に別の分離ユニットは、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素、HClのストレージ要素及び/又は伝導要素、並びにH2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素と結合され、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素は、クロロシラン類混合物を処理チャンバの内側に伝導するためのクロロシラン類混合物質量流束経路のセクションを形成し、クロロシラン類混合物のSiの量を測定するためのSi質量流束測定ユニットは、処理チャンバの前、特に混合デバイスの前の質量流束経路の一部として好ましくは更に別のSi給送媒体を提供する更に別のSi給送媒体ソースとして提供される。
【0356】
上記に言及した目的はまた、特に多形3CのSiCから構成されるPVTソース材料の生成方法によって解決される。PVTソース材料は、CVD反応器内で生成されるSiC材料として理解することができる。上述の方法は、ベースプレートと、側壁セクションと、上壁セクションとによって少なくとも取り囲まれた処理チャンバであって、ベースプレートが、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素を備え、及び/又は側壁セクションが、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素を備え、及び/又は上壁セクションが、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素を備える上記処理チャンバの内側にソース媒体を与える段階と、処理チャンバに配置された少なくとも1つのSiC成長基板、好ましくは、複数のSiC成長基板であって、各SiC成長基板が、第1の電力接続部と第2の電力接続部とを備え、第1の電力接続部が第1の金属電極であり、第2の電力接続部が第2の金属電極であり、第1の金属電極及び第2の金属電極が、好ましくは、反応空間から遮断される上記SiC成長基板を電気的に活性化し、それを1300℃と2000℃の間の範囲の温度まで加熱する段階と、ソース媒体からSi及びCを出力するために、かつ取り出したSi及びCをSiC、特に多結晶SiCとしてSiC成長基板上に堆積させ、それによってSiC固体を形成するために、特に200μm/hよりも高い堆積速度を設定する段階と、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの定められた温度、特に1000℃よりも高い加熱を防止する段階とを備える。好ましくは、側壁セクションの50%(質量)よりも多く、上壁セクションの50%(質量)よりも多く、及びベースプレートの50%(質量)よりも多くは、金属、特に鋼鉄で製造される。好ましくは、ベースプレート、側壁セクション、及び/又は上壁セクションの温度を検出し、温度信号又は温度データを出力するためのベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニットが提供され、及び/又は冷却流体の温度を検出するための冷却流体温度センサが提供され、更に、好ましくは、冷却流体を流体案内ユニットを通して順送するための流体順送ユニットが提供される。流体順送ユニットは、ベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニット、及び/又は冷却流体温度センサによって提供される温度信号又は温度データに依存して作動されるように構成することができる。好ましくは、ソース媒体を処理チャンバの内側に与える段階は、Siを備え、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する少なくとも第1の給送媒体、特に第1のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、C、特に、天然ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン、及び/又はアセチレンを備え、少なくとも99.9999%の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する少なくとも第2の給送媒体、特に第2のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する搬送ガスを導入する段階とを備える。代替段階は、Si及びC、特にSiCl3(CH3)を備え、少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する1つの給送媒体、特にソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階、並びに少なくとも99.9999%(重量ppm)の物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niを除く純度を有する搬送ガスを導入する段階である。好ましくは、本方法は、処理チャンバの内側に1バールよりも高い圧力を設定する段階を更に備える。Siを提供する第1のソースガスとCを提供する第2のソースガスとの混合物を処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間の混合物量である定められた量で導入する段階が方法も好ましい。Si及びC含有ソースガスを処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間のSi及びC含有ソースガス量である定められた量で導入する段階が好ましい。Siを提供する第1のソースガスとCを提供する第2のソースガスとの混合物を処理チャンバの内側に定められた量で導入することにより、1バールよりも高い圧力を処理チャンバの内側に設定する段階が更に別の好ましい段階である。好ましくは、定められた量は、SiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間の混合物量である。Si及びC含有ソースガスを処理チャンバの内側にSiC成長面1cm2当たり毎時0.32gとSiC成長面1cm2当たり毎時10gとの間のSi及びC含有ソースガス量である定められた量で導入することにより、1バールよりも高い圧力を処理チャンバの内側に設定する段階が方法の代替段階である。
【0357】
生産稼働の開始時に、SiC成長面は、処理チャンバの内側でSiCを堆積させることができる全てのSiC成長基板の面である。SiC成長基板上へのSiCの堆積に起因して、堆積SiCは、新しい面を形成し、この新しい面は、SiC成長面である。
【0358】
好ましくは、SiC成長基板は、その長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cmの平均周囲を有し、又は複数のSiC成長基板は、SiC成長基板毎にそれぞれのSiC成長基板の長さ方向に直交する断面区域の周りに少なくとも5cmの平均周囲を有する。
【0359】
好ましくは、SiC成長基板上に堆積するSiCは、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの1つ、好ましくは複数、非常に好ましくは大部分、又は最も好ましくは全ての不純物、又は非常に好ましくは、2ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物及び100ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物、又は最も好ましくは、10ppb(重量)よりも低い物質Tiの不純物を有する。これに代えて、SiC成長基板上に堆積するSiCは、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い金属Ti、V、Fe、Niのうちの全ての合計の不純物を有する。
【0360】
好ましくは、通気ガスを出力するためのガス出口ユニットと通気ガス再循環ユニットは、本発明の方法の一部として作動されるユニットとして提供され、通気ガス再循環ユニットはガス出口ユニットに接続され、通気ガスを第1の流体と第2の流体とに分離するための少なくとも1つの分離ユニットを備え、第1の流体は液体であり、第2の流体はガスであり、第1の流体を格納するか又は伝導するための第1のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットの一部であり又はそれと結合され、第2の流体を格納するか又は伝導するための第2のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニットの一部であるか又はそれと結合される。更に、本方法は、好ましくは、ソース媒体を処理チャンバの内側に与える段階を備え、好ましくは、この段階は、通気ガス再循環ユニットから処理チャンバの内側に第1の流体を給送する段階を備え、第1の流体は、少なくともクロロシラン類混合物を備える。SiC固体を100μmよりも長い平均長さを有するSiC粒子に脱凝集させる段階が、方法の更に別の好ましい段階である。
【0361】
上記に言及した目的はまた、上述の方法のうちのいずれかに従って生成されたPVTソース材料によって解決される。
【0362】
上記に言及した目的はまた、少なくとも1つのSiC結晶の生成のための方法によって解決される。少なくとも1つのSiC結晶の生成のための方法は、外面と内面とを有する炉ハウジングを備える炉ユニットと、少なくとも1つのるつぼユニットであって、炉ハウジングの内側に配置されたるつぼハウジングを備え、るつぼハウジングが外面と内面とを有し、内面が、るつぼ容積を少なくとも部分的に定め、るつぼ容積の内側に、ソース材料を受け入れるための受け入れ空間が配置又は形成され、るつぼ容積の内側に、定められたシードウェーハを保持するためのシードホルダユニットが配置され、シードウェーハホルダがシードウェーハを保持し、炉ハウジング内壁とるつぼハウジング外壁が、炉容積を定める上記るつぼユニットと、ソース材料を加熱するための少なくとも1つの加熱ユニットであって、ソース材料を受け入れるための受け入れ空間が、加熱ユニットの上方かつシードホルダユニットの下方に少なくとも部分的に配置される上記加熱ユニットとを備える少なくとも1つのSiC結晶の生成のためのPVT反応器を与える段階と、本明細書に開示する方法に従って生成されたか、又は本明細書に開示するCVD反応器内でソース材料として生成されたPVTソース材料を受け入れ空間の中に追加する段階と、加えたPVTソース材料を昇華させる段階と、昇華したSiCをシードウェーハ上に堆積させ、それによって少なくとも1つ又は正確に1つのSiC結晶を形成する段階とを備える。このソリューションは、PVT炉の特性に起因してSiC結晶が急速に成長するので有益である。更に、PVTソース材料は特定の形状因子(100μmよりも大きい長さを有する粒子)を有するので、昇華が非常に効率的な方式で発生する。
【0363】
本発明の好ましい実施形態により、PVT反応器は、るつぼガス流れユニットを備え、るつぼガス流れユニットは、ガスをるつぼ容積の中に伝導するためのるつぼガス入口チューブを備え、るつぼガス入口チューブは、垂直方向に受け入れ空間の下方に配置され、好ましくは、本方法は、ガスをるつぼガス流れユニットを通してるつぼハウジングの中に伝導する段階を更に備える。
【0364】
上記に言及した目的はまた、本明細書に開示する本発明による方法に従って生成されたSiC結晶によって解決される。
【0365】
上記に言及した目的はまた、1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物、非常に好ましくは、100ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物、又は10ppb(重量)よりも低い物質Tiの不純物を有するSiC結晶によって解決される。
【0366】
これに加えて又はこれに代えて、SiC結晶は、1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い金属Ti、V、Fe、Niのうちの全ての合計の不純物を有する。
【0367】
本発明の更に別の好ましい実施形態により、SiC結晶は、モノリシックブロックを形成する単結晶SiC結晶であり、モノリシックブロックは、100cm3よりも大きく、好ましくは、500cm3よりも大きく、最も好ましくは、1000cm3よりも大きい容積を有する。最も好ましくは、モノリシックブロックは、400cm3よりも大きく、好ましくは、5000cm3よりも大きく、最も好ましくは、10000cm3よりも大きい容積を有する。
【0368】
「複数の物質」の代わりに用語「複数の元素」、又は「物質」の代わりに用語「元素」を使用することが可能である。
【0369】
本発明の更に別の利点、目的、及び特徴を本発明によるデバイスを示す添付図面の以下の説明を参照して説明する。これらの図内で機能に関して少なくとも実質的に対応する本発明によるデバイスの構成要素又は要素を同じ参照符号で記す場合があり、それによってこれらの構成要素又は要素を全ての図で付番又は説明する必要が省かれる。
【0370】
以下で説明する図の個々の又は全ての表現は、好ましくは、構成図面と見なされるものとし、すなわち、1又は複数の図からもたらされる寸法、比率、関数関係、及び/又は配置は、好ましくは、本発明によるデバイス、本発明による生成物、又は本発明による方法のものに正確に又は好ましくは実質的に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0371】
図1】本発明による方法を実施するためのデバイスの例を示す概略図である。
図2】本発明によるSiC固体材料が開始材料として導入されるPVT反応器の例を示す概略図である。
図3】本発明によるSiC CVD装置の例を示し、同じく通気ガス処理ユニットを示す図である。
図4】本発明によるSiC CVD装置の例を示し、同じく通気ガス回収ユニットを示す図である。
図5】3つのガスを使用する本発明による給送ガスユニットの例を示す図である。
図6】2つのガスを使用する本発明による給送ガスユニットの例を示す図である。
図7】本発明によるCVDユニット側面視野断面の例を示す図である。
図7a】本発明によるCVDユニットに対する温度及び圧力制御方法の例を示す図である。
図8】本発明によるCVDユニット下側ハウジング上面視野の例を示す図である。
図9a-9f】図9a~9fは、本発明による堆積基板の例を示す図である。
図10】本発明による通気ガス処理ユニットの例を示す図である。
図11】本発明による通気ガス回収ユニットの例を示す図である。
図12a】本発明によるCVD反応器によって生成された1つのSiC粒子の例を示す図である。
図12b】本発明によるCVD反応器によって生成された複数のSiC粒子の例を示す図である。
図12c】本発明によるCVD反応器によって生成された複数のSiC粒子の例を示す図である。
図13】本発明によるPVT反応器の更に別の例を示す図である。
図14】本発明によりCVD反応器内に生成されたSiC材料の写真の例を示す図である。
図15】本発明による通気ガス回収ユニットの更に別の例を示す図である。
図16】本発明による好ましいシステム設定の例を示す図である。
図17】粉砕ユニットの概略的な例を示す図である。
図18】エッチングユニットの概略的な例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0372】
図1は、SiC材料、特に3C-SiC材料を生成するための製造デバイス850の例を示している。このデバイス850は、第1の給送デバイス851と、第2の給送デバイス852と、第3の給送デバイス853とを備える。好ましくは、第1の給送デバイス851は、特に、第1のソース流体、特に第1のソース液体又は第1のソースガスの質量流れを制御するための第1の質量流れコントローラとして設計され、第1のソース流体は、好ましくは、Si、特に例えば一般組成SiH4-mClmのシラン/クロロシラン又は一般組成SiR4-mClmのオルガノクロロシランを備える(ここで、R=水素、炭化水素、又はクロロ炭化水素である)。好ましくは、第2の給送デバイス852は、特に、第2のソース流体、特に第2のソース液体又は第2のソースガスの質量流れを制御するための第2の質量流れコントローラとして設計され、第2のソース流体は、好ましくは、C、例えば、好ましくは、沸点<100℃である炭化水素又はクロロ炭化水素、特に好ましくは、メタンを備える。好ましくは、第3の給送デバイス853は、特に、搬送流体、特に搬送ガスの質量流れを制御するための第3の質量流れコントローラとして設計され、搬送流体又は搬送ガスは、好ましくは、それぞれH又はH2、又は水素と不活性ガスとの混合物を備える。
【0373】
参照符号854は、ソース流体及び/又は搬送流体を互いに特に予め決められた比で混合することができる混合デバイス又は混合器を示している。参照符号855は、混合デバイス854から供給することができる流体混合物をそれによって蒸発させることができる蒸発デバイス又は蒸発器を示している。
【0374】
次に、流体混合物蒸気は、圧力容器として設計された処理チャンバ856又は分離容器に供給される。少なくとも1つの堆積要素857、好ましくは、いくつかの堆積要素857が処理チャンバ856に配置され、これらの堆積要素857に流体混合物蒸気からSi及びCが堆積し、SiCが形成される。
【0375】
参照符号858は、好ましくは、堆積要素857の面温度を決定するために設けられ、好ましくは、データ技術及び/又は信号技術によって制御デバイス(図示せず)に接続された温度測定デバイスを示している。
【0376】
参照符号859は、特に、分離要素857を加熱するためにその中に電気エネルギを導入するためのエネルギソースを示している。エネルギソース859は、それにより、好ましくは、信号及び/又はデータに関して制御デバイスにも接続される。好ましくは、制御デバイスは、堆積要素857を通じたエネルギ供給、特に電力供給を温度測定デバイス858によって出力された測定信号及び/又は測定データに依存して制御する。
【0377】
更に、圧力保持デバイスを参照符号860に示している。圧力保持デバイス860は、好ましくは、圧力調整式バルブによって又は下流の排気ガス処理システムの作動圧力によって実施することができる。
【0378】
図2は、本発明の原理による炉又は炉装置100又はPVT炉又はPVT反応器の実施形態を示しており、本発明によって生成されたSiC固体材料、特に3C-SiCは、好ましくは単結晶SiC固体材料の生成のための出発物質としてこのPVT炉又はPVT反応器の中に導入される。炉100は、円筒形の形状を有し、かつ下側炉ユニット又は下側炉ハウジング2と上側炉ユニット又は上側炉ハウジング3とを備え、両方共に炉容積104を定める一般的に二重壁水冷却ステンレス鋼構造のものである。下側炉ハウジング2は炉ガス入口4を有し、上側炉ハウジング3は、炉真空出口又は炉真空出口204を有する。炉容積104の内側には、るつぼ脚13によって支持されたるつぼユニットがある。るつぼユニットの下には軸線方向加熱要素214があり、るつぼユニットの側部の周りには半径方向加熱要素212がある。軸線方向加熱要素214の下には底部絶縁体8があり、半径方向加熱要素212の周りには側部絶縁体9がある。下側炉るつぼハウジング152は、環状トレンチによって取り囲まれてソース材料50が中に装填された剛性中心部分を有する。るつぼガス入口チューブ172が、下側るつぼハウジング152の下側中心部分に対して密封し、アルゴン及び窒素のような処理ガスが、中実中心部分内のウェルを貫流し、ガス分配プレート190によってるつぼ容積の中に分配される。るつぼガス入口チューブ又はるつぼガス入口パイプ172は、炉下側ハウジング2を通って延びる調節可能るつぼガス入口5に接続される。
【0379】
るつぼ下側ハウジング152はまた、結晶17の側部の周りの熱場及び蒸気流れを調整するのに使用される成長伝導要素230を含む。結晶17は、シードホルダ122に取り付けられたシードウェーハ18上で成長する。シードホルダ122は、厚壁管状フィルタ又はフィルタユニット130の下側内縁に対して密封する。下側るつぼハウジング152は、フィルタ130の下側外縁に対して密封する。フィルタは、余剰SiC2昇華蒸気及びSi2C昇華蒸気の除去に向けて面積を増大させるためのフィルタ溝22を含む。フィルタ130はまた、その内壁及び外壁上にSi蒸気の透過率を最小にするためのフィルタ外面コーティング158、164を含む。
【0380】
フィルタ130の上側外縁は、るつぼ蓋又はフィルタカバー107又はるつぼ上側ハウジング154に対して密封し、これらの蓋又はカバー又はハウジングは、るつぼ真空出口チューブ174に対して密封する。るつぼ真空出口チューブ174は、炉上側ハウジング3を通って延びる調節可能るつぼ真空出口26に接続される。全ての密封面にはシール20が設けられる。
【0381】
るつぼガス入口チューブ172と、るつぼユニットと、シードホルダユニット122と、フィルタ130と、フィルタカバー107と、るつぼ真空出口チューブ174とは、るつぼ容積116を定める。ガス分配プレート190の底部の温度は、高温計によって下側高温計視線7に沿って測定される。シードホルダ122の上部の温度は、高温計によって上側高温計視線28に沿って測定される。
【0382】
オーブン100は、高温及び低圧の条件下で作動される。最初に、酸化を防止するために、オーブン容積104及びるつぼ容積116から、アルゴンのような不活性ガスを用いて空気がパージされる。次に、軸線方向加熱要素214及び半径方向加熱要素212を用いて、ガス分配プレート190の底部の温度が典型的に2200~2400℃の範囲にあり、結晶成長面の温度が典型的に2000~2200℃の範囲にあり、結晶17を通して平坦な半径方向等温線を有するような熱場が、るつぼ容積116の内側に達成される。結晶17のより低い温度は、シード結晶ホルダ122の上方に絶縁体を殆ど又は全く持たず、熱が結晶17及びシード結晶ホルダ122を通して上側炉ハウジング3の水冷却内壁まで放射することを可能にすることによって得られる。
【0383】
結晶の成長中のるつぼ容積116の内側の圧力は、典型的に0.1~50トルの範囲にあり、炉容積104の内側の圧力よりも若干低い。るつぼ容積116の内側のこの負の相対圧力は、炉容積104内への昇華蒸気の漏出を最小にする。
【0384】
上述の温度及び圧力の条件下では、出発物質は、昇華してSi、SiC2、及びSi2C蒸気を放出する。出発物質50とより低い温度の結晶17との間の温度勾配は、これらの昇華蒸気を結晶17に向けて駆動し、そこでSiC2及びSi2Cが結晶17の中に取り込まれた状態になり、結晶の成長をもたらす。余剰SiC2蒸気及びSi2C蒸気は、シードホルダユニット122の側部、フィルタ130の下面、及びるつぼユニットの上側内壁上に多結晶堆積物を形成する。一実施形態では、アルゴン及び/又は窒素の低い流量は、結晶17への昇華蒸気の熱駆動式拡散を対流によって支援する。別の実施形態では、結晶17をドーピングしてその電気特性を修正するために、低流量の窒素が追加される。ガスは、ガス分配プレート190から半径方向外向きに流れ、出発物質50から上昇する昇華蒸気と混合する。
【0385】
炉容積104内の全ての構成要素は、作動温度及び作動圧力に適合し、結晶17を汚染しない材料で製造される。一実施形態では、底部絶縁体8及び側部絶縁体9は、グラファイトフェルト又はグラファイト発泡体で製造することができる。軸線方向加熱要素214及び半径方向加熱要素212は、グラファイトで製造することができ、るつぼ脚13及びるつぼガス入口チューブ172も同様とすることができる。
【0386】
るつぼベース152、ガス分配プレート又はガス分配プレート190、ワックス隆起伝導要素230、及びシードホルダ122は、Si蒸気の透過も最小にする材料で製造することができる。これらの材料は、ガラス質浸潤グラファイト、ガラス状炭素、パイロ炭素被覆グラファイト、並びに炭化タンタルのセラミック及びコーティングを含む。グラファイトが、10-1cm/sの透過率を有するのに対して、ガラス質浸潤グラファイトは、10-3cm/sの透過率を有し、ガラス状炭素は、10-11cm/sの透過率を有し、パイロ炭素被覆グラファイトは、10-12cm/sの透過率を有する。原料50を昇華させることによって発生し、上述の構成要素にそれほど透過しないか又は結晶17内に埋め込まれるSi蒸気は、成長案内要素230と結晶17又は成長中の結晶との間を通ってフィルタ130に流入する。
【0387】
フィルタ130は、大きい面積を有する多孔率材料を備える。一実施形態では、この材料は、約2,000m2/gの単位面積を有し、澱粉炭化物のような高温結合剤に結合された活性炭粉末である。フィルタ130の内壁及び外壁は、Si蒸気の透過を最小にする材料で製造されたフィルタ外面コーティング158、164を有する。一実施形態では、この材料は、ガラス状炭素コーティングである。Si蒸気は、フィルタの外面コーティング158、164を実質的に透過しないので、Si蒸気は上昇してフィルタ130の中に更に深く入り、最終的にフィルタ130の上側部分内でより低い温度に起因して凝縮する。
【0388】
すなわち、本発明は、以下に列挙する特徴又は段階のうちの複数のもの又は全てを有する単結晶、特にSiC単結晶のPVT成長のための方法又は炉デバイス又は装置に関連すると考えられる。
【0389】
るつぼユニットと加熱要素と絶縁体とを格納する機能を有し、更に調節可能下側るつぼガス入口チューブと調節可能上側るつぼ真空出口チューブとを更に有する炉ハウジングを与える段階。両方共にSi蒸気に対して実質的に不透過性のものであるるつぼユニットと成長案内体とを与える段階。るつぼユニットにSiCソース材料を装填する段階。
【0390】
Si昇華蒸気を捕捉することを目的とし、Si蒸気に対して実質的に不透過性のものであるコーティングが被覆された垂直管状の外面及び内面を有し、更に上側及び下側の外周密封肩部を有する大きい面積の環状多孔率フィルタ、シードホルダを備えるるつぼユニットのための蓋アセンブリを与える段階。Si蒸気に対して実質的に不透過性のものであるコーティングで被覆され、上側及び下側の外周密封肩部を有する複数のフィルタ要素、同じくSi蒸気に対して実質的に不透過性のものであり、フィルタの下側内開口部に取り付けられてそれを密封するシードホルダ、シードホルダに取り付けられたSiC単結晶シード、フィルタの上側外周密封肩部に対して密封し、同じくるつぼの真空出口チューブに対して密封するフィルタキャップを備えるフィルタ。
【0391】
るつぼガス入口チューブが、るつぼユニットに対して押圧して密封し、るつぼユニットが、フィルタの下側外周密封肩部に対して押圧して密封し、フィルタの上側外周密封肩部が、フィルタキャップに対して押圧して密封し、フィルタキャップが、るつぼ真空出口チューブに対して押圧して密封するように、るつぼガス入口チューブを上昇させ、かつるつぼ真空出口チューブを下降させる段階。密封インタフェースの気密性を改善するために、全ての密封インタフェースにシールを与える段階。
【0392】
るつぼユニットとフィルタアセンブリとによって定められるつぼ容積内に不活性真空を生成する段階。個別の炉ガス入口と個別の炉真空出口とによって炉容積内に不活性真空を生成する段階。
【0393】
るつぼ容積を炉容積よりも低い圧力に維持する段階。出発物質の加熱及び昇華の段階。
【0394】
必要に応じて、るつぼユニット内への搬送ガス及びドーパントガスの流れを活性化する段階。Si蒸気をフィルタ内に拘束し、Si蒸気が、るつぼユニット、加熱要素、絶縁体、及び炉容積内のいずれかの他の構成要素に浸透してそれらを被覆することを防止しながら、結晶を成長させる段階。
【0395】
従って、好ましくは、昇華するSi蒸気がるつぼハウジング壁、加熱要素、及び絶縁体に浸透することが防止されるSiC単結晶の生成のためのPVT炉を提供する。第1に、上述の構成要素内へのSi蒸気の浸透は、これらの構成要素の熱特性を変化させ、熱場が安定しないことに起因して良好な結晶を成長させることを困難にする。第2に、これらの構成要素の物理構造は、Siによって最終的に破壊される。従って、本発明のPVT炉は、そのような浸潤を回避する。
【0396】
好ましくは、この浸潤回避は、るつぼハウジングの壁、特に内壁をSi蒸気に対して不透過性のものにすることにより、及び/又は特に吸着及び凝縮によって又はフィルタとすることができる面上への堆積によってるつぼ容積の内側にあるガス混合物からSi蒸気を除去することによって達成される。この面は、例えば、るつぼユニットの内側、又はるつぼユニットの外側であるが炉の内側に位置付けることができ、又は炉ユニット全体の外側に位置付けることさえ可能である。この面が、るつぼユニットの外側に位置付けられる場合に、好ましくは、この面をるつぼ容積に機能的に接続するために、少なくとも1つのパイプ又はパイプシステムを用いて流体連通が与えられる。
【0397】
このようにして、加熱要素を炉容積の中に導入することができ、加熱要素は、それがSi蒸気によって破壊されることを危惧することなく、大きい直径のブールの成長に必要な熱場を発生させることができる。このようにして、絶縁体及びるつぼハウジングの寿命を劇的に延長することができる。更に、これらの材料の全てが安定した熱特性を有するので、仕様を満足するブールのより高い収量が可能である。
【0398】
原理的に、本発明はまた、炉装置100内への特に結晶を成長させるための特にSiC結晶、特に単結晶を成長させるための炉装置100内への本発明によって生成されたSiC固体材料、特に3C-SiCの導入に関する。炉装置は、炉ユニット104を備え、炉ユニット102は、炉ハウジング108と、炉ハウジング108の中に配置され、るつぼハウジング110を備える少なくとも1つのるつぼユニットであって、ハウジング110が外面112と内面114とを備え、内面114が、るつぼ容積116を少なくとも部分的に定め、るつぼ容積116の中に出発物質50を受け入れるための受け入れ空間118が配置又は形成され、るつぼ容積116の中に定められたシードウェーハ18を保持するためのシードホルダユニット122が配置される上記るつぼユニットと、出発物質50を加熱するための少なくとも1つの加熱ユニット124であって、出発物質50を受け入れるための受け入れ空間118が、少なくとも部分的に加熱ユニット124とシードホルダユニット122の間に配置される上記加熱ユニット124とを備える。
【0399】
更に、本発明は、反応器100に、より具体的には結晶成長のためのより具体的にはSiC結晶成長のための反応器100に関する。反応器は、炉102を備え、炉102は、炉チャンバ104と、その中に配置されてフレーム構造108を備える少なくとも1つのるつぼであって、フレーム構造108がハウジング110を備え、ハウジング110が外面112と内面114とを備え、内面114がるつぼチャンバ116を少なくとも部分的に形成し、出発物質50を受け入れるための受け入れ空間118が、るつぼチャンバ116内に配置又は形成され、定められたシードウェーハを保持するためのシードホルダユニット122が、るつぼチャンバ116内に配置される上記少なくとも1つのるつぼと、ソース材料50を加熱するための少なくとも1つの加熱ユニット124であって、ソース材料50を受け入れるための受け入れ空間118が、少なくとも部分的に加熱ユニット124とシードホルダユニット122の間に配置される上記加熱ユニット124とを備える。
【0400】
すなわち、本発明は、特に結晶多形3Cの好ましくは細長のSiC固体を生成する方法に関する。好ましくは、本発明による方法は、少なくとも以下の段階:
Siを備える少なくとも第1のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、
Cを備える少なくとも第2のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、
処理チャンバに配置された少なくとも1つの分離要素を加熱するためにそれを電気的に活性化する段階と、
200μm/hよりも高い堆積速度を設定する段階と、
を備え、
第1のソースガス及び/又は第2のソースガスの導入により、1バールよりも高い圧力が処理チャンバ内で発生し、
堆積要素の面が、1300℃と1700℃の間の範囲の温度まで加熱される。
【0401】
本発明の1つの好ましい実施形態では、図3は、特にSiCの生成のためのこの実施形態によるとSiC通気ガス処理を備えるSiC、特にUPSiCの生成反応器850の好ましい主ユニットを示している。個別の給送ガス98は、それぞれのストレージユニットから給送ガスユニット1000にポンピングされ、そこで所要の質量比で混合されて給送ガス混合物198が形成される。給送ガス混合物198は、CVDユニット、CVD反応器、又はSiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器850に供給され、そこで堆積反応が発生してSiCロッド298及び通気ガス296の生成がもたらされる。通気ガス296は、通気ガス処理ユニット500に移送され、そこで好ましくは洗浄器入口水496を用いて通気ガス296からSi含有化合物及びHClが除去される。吸収したSi含有化合物及びHClを含有する洗浄器出口水598が放出され、洗浄された通気ガスは、燃焼に向けて好ましくはフレアに送られる。フレアは、天然ガスのようなフレア燃焼ガス497を用いて洗浄された通気ガスの燃焼をもたらすことができ、得られるフレア排気ガスが放出される。
【0402】
SiCロッド298は、好ましくは、粉砕ユニット300に搬送され、そこで所要の形状因子、例えば、顆粒まで減径される。同様に、好ましくは、いずれの異質材料も、例えば、グラファイトシードロッドが、それによるいずれの残留汚染も最小にするように、例えば、SiCを少なくとも1500℃加熱していずれの残留グラファイトも焼き尽くすことによって分離される。SiC、特にUPSiCの顆粒398は、好ましくは、酸エッチングユニット400に搬送され、そこで、好ましくは、これに加えて又はこれに代えて、酸浴中での酸エッチング面洗浄段階を受ける。最終的に、酸浴後に濯がれて乾燥させたSiC、特にUPSiCのエッチングされた顆粒498は、梱包及び出荷に向けて待機する。
【0403】
本発明の別の好ましい実施形態では、図4は、この場合は通気ガスが再循環するSiC、特にUPSiC全体のCVD装置850の主ユニットを示している。ここで、通気ガス296は、CVDユニット、CVD反応器、又はSiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器850から流出し、通気ガス再循環ユニット600に移送される。好ましくは、通気ガス296からHClが分離され、通気ガス再循環ユニット600からHCl放出物696として流出する。次に、再循環通気ガス698は、CVDユニット、CVD反応器、又はSiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器850に供給して戻され、それによって所要の未使用給送ガス混合物198の量が低減し、生成コストが低減する。
【0404】
図3及び図2で説明した装置では生成物純度が非常に有益であるので、好ましくは、給送ガス又はいずれかの中間及び最終の生成物の中にいずれの汚染物質も、特に微量金属及び窒素又は酸素も招き入れることのないように細心の注意が図られる。事実上全ての機器及び配管は、金属、特に異なる合金鋼から加工されるが、非常に好ましくは、給送ガス及び生成物内への金属粒子の混入が最小にされる温度に保たれる。好ましくは、給送ガス及び生成物は、窒素及び/又は酸素の汚染をもたらす可能性があると考えられるいずれの湿気又は空気からも更に隔離される。窒素は、タンク、パイプ、及び容器内でブランケットガス及びパージガスとして使用することができると考えられるが、好ましくは、脱気機器を用いていずれの液体原材料からも除去され、窒素汚染の可能性を最小にするために、好ましくは、いずれの窒素パージガスも水素を用いて追い出される。
【0405】
図5は、給送ガスユニット1000での給送ガス混合物1160への3つ個別の給送ガスの調製の例を示している。最初に、好ましくは、工業用C含有ガス1040、好ましくは、天然ガスを余剰窒素を取り除いて精製し、SiC、特にUPSiCの製造に使用するほど十分な純度のC含有ガス111をもたらす必要がある。従って、非常に好ましくは、工業用C含有ガス1040は、極低温蒸留ユニット105に移送され、そこでの低温が、工業用C含有ガス1040を液体状態に凝縮させる。いずれの汚染窒素も気体状態に留まり、Nガス放出物1070として極低温蒸留ユニット105の上部から流出する。一方でC含有液体1130は、好ましくは、極低温蒸留ユニット105の底部から流出し、好ましくは、C含有液体蒸発器1090にポンピングされ、そこで蒸発してC含有ガス111になる。C含有ガス111の質量流量が質量流量計1120によって調節され、適正流量のC含有ガスが、好ましくは、混合器又は混合デバイス854に移送される。
【0406】
予め精製された水素ガス102も、好ましくは、質量流量計1120に通され、C含有ガス111との適正比又は定められた比で混合器又は混合デバイス854に供給される。最後に、予め精製されたSi含有液体106、好ましくは、四塩化珪素(STC)が、Si含有液体蒸発器1080に供給され、蒸発してSi含有ガス110になる。このSi含有ガス110も、好ましくは、質量流量計1120に供給され、好ましくは、水素ガス102及び/又はC含有ガス111に対する適正な又は定められた質量流量で混合器114に送られる。混合器114は、3つのガスが均一に混合され、給送ガス混合物1160を出力することを保証する。
【0407】
図6に示す本発明の別の好ましい実施形態では、単一C/Si含有液体1180がSi含有液体蒸発器1080内で蒸発してC/Si含有ガス1200になる。このC/Si含有ガス1200は、好ましくは、質量流量計1120に送られ、好ましくは、そこでこのガスの質量流量は、好ましくは、同じく質量流量計1120を通した水素ガス102との所要又は定められた質量比をもたらすように調節される。2つのガスは、好ましくは、混合器又は混合デバイス854内で均一な混合物に混合されて給送ガス混合物1160として流出する。
【0408】
図7は、本発明の1つの好ましい実施形態のCVDユニット、CVD反応器、又はSiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器850を示している。好ましくは、CVDユニット、CVD反応器、又はSiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器850は、好ましくは、流体冷却、特に油冷却又は水冷却式下側ハウジング2040又はベースプレートに特に1又は複数のガスケットを通じて密封され、好ましくは、少なくとも6バールまで、特に2バールと15バールの間の圧力まで加圧することができる堆積チャンバ又は処理チャンバ856を生成する流体冷却、特に油冷却又は水冷却式鋼鉄上側ハウジング202又はベルジャーを備える。好ましくは、給送ガス混合物1160は、堆積チャンバ又は処理チャンバ856に複数の給送ガス入口2140を通って流入し、通気ガス2120は、好ましくは、ガス出口ユニット又は通気ガス出口216を通って流出する。堆積チャンバの内側には、好ましくは、グラファイト、炭化珪素又は金属で製造された好ましくはそれぞれ複数の自己抵抗加熱堆積基板、SiC成長基板857が提供され、好ましくは、グラファイトで製造されたチャック208に接続される。更に、チャック208は、好ましくは、銅で製造され、外部電力ソースに接続することができるようにベースプレートを通過する水冷却電極206に接続される。好ましくは、堆積基板、SiC成長基板857は、それぞれ、交差部材203を通してペアで配置されて抵抗加熱のための電気回路を完成する。
【0409】
チャック208の目的は、好ましくは、850℃と400℃の間の温度範囲にある電極206と、好ましくは、1300℃と1600℃の温度範囲にある堆積基板、それぞれ、SiC成長基板857間に温度勾配を生成することである。好ましくは、チャック208は、縮小し続ける電流断面を有し、その結果として益々強まる抵抗加熱をもたらすことによってこの温度勾配を達成する。従って、チャック208は、好ましくは、円錐形状を有する。このようにして、CVD SiC外皮211が堆積したそれぞれ最終的な堆積基板、SiC成長基板857が底部で構造的に強い接続部を有し、崩壊するか又は横倒しになることのないようにCVD SiC外皮211の堆積の開始点を好ましくは例えばチャック208の中ほどの高さの点に制御することができる。
【0410】
好ましくは、複数の給送ガス入口2140は、それぞれ未使用給送ガスと堆積基板、SiC成長基板857上に堆積中のCVD SiC外皮211の面との接触を最大に増大させるように堆積チャンバ又は処理チャンバ856の内側に乱流ガス流れパターンをもたらすように設計される。これに加えて又はこれに代えて、ガス乱流発生装置は、特に処理チャンバの内側に設けることができる。ガス乱流発生装置は、換気装置又は循環ポンプとすることができる。ガス乱流発生装置は、所与の量のCVD SiC外皮211を生成するのに最小限の余剰給送ガス混合物1160しか使用されないことを保証する。未反応給送ガス混合物、並びに変性Si含有ガス及びHClを含有する通気ガス2120は、流入する給送ガス混合物1160によって堆積チャンバ又は処理チャンバ856から通気ガス出口を通して押し出される。
【0411】
図7aは、CVDユニットのための温度及び圧力の制御方法を示している。好ましくは、流体冷却、特に油冷却又は水冷却される点検窓213を通ることが好ましい温度測定経路209に沿ってCVD SiC外皮211の温度を測定するように温度制御ユニット又は温度測定デバイス858が配置される。好ましくは、温度制御ユニット又は温度測定デバイス858は、CVD SiC外皮の面の温度を測定し、この温度が望ましい温度よりも低いか又は超えるかに依存して堆積基板、それぞれ、SiC成長基板857への電力をそれぞれ増大又は低減する信号を電源ユニット又はエネルギソース859に送る。電源ユニット、それぞれ、エネルギソース859は、流体冷却、特に油冷却又は水冷却式電極206に配線接続され、これらの電極への電圧及び/又は電流を相応に調節する。堆積基板、それぞれ、SiC成長基板857は、電流の流れに対する完全な電気回路を形成するようにペアで配線されてその上に接続交差部材を有する。
【0412】
堆積チャンバ又は処理チャンバ856の内側の圧力は、それを感知してこのチャンバからの通気ガス2120の流量を増減させる圧力制御ユニット又は圧力維持デバイス860によって調節される。
【0413】
従って、図7及び図7aに示すように、好ましくは、本発明によるSiC生成反応器850は、少なくとも処理チャンバ856を備え、処理チャンバ856は、ベースプレート862と側壁セクション864aと上壁セクション864bとによって少なくとも取り囲まれる。好ましくは、反応器850は、処理チャンバ856の内側にソース媒体を発生させるために1又は複数の給送媒体を処理チャンバ856の反応空間の中に給送するためのガス入口ユニット866を備える。好ましくは、ベースプレート862は、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素868、870、880、特にベース冷却要素を備え、及び/又は好ましくは、側壁セクション864aは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素868、870、880、特にベルジャー冷却要素を備え、及び/又は好ましくは、上壁セクション864bは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するための少なくとも1つの冷却要素868、870、880、特にベルジャー冷却要素を備える。冷却要素868は、能動冷却要素870とすることができ、従って、好ましくは、ベースプレート862、側壁セクション864a、及び/又は上壁セクション864bは、冷却流体を案内するための冷却流体案内ユニット872、874、876を備え、これらの冷却流体案内ユニットは、ベースプレート862、側壁セクション864a、及び/又は上壁セクション864bの加熱を1000℃よりも低い温度に制限するように構成される。更に、ベースプレート862、側壁セクション864a、及び/又は上壁セクション864bの温度を検出して温度信号又は温度データを出力するために、ベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニット890を提供することが可能である。少なくとも1つのベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニット890を処理チャンバの内面の一部として又は面上に、特にベースプレート862、側壁セクション864a、又は上壁セクション864bの面上に配置することができる。これに加えて又はこれに代えて、1又は2以上のベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニット890をベースプレート862の内側、側壁セクション864aの内側、又は上壁セクション864bの内側に設けることができる。これに加えて又はこれに代えて、冷却流体案内ユニット870を通して案内される冷却流体の温度を検出するための冷却流体温度センサ820を提供することができる。流体案内ユニット872、874、876を通して冷却流体を順送するための流体順送ユニット873を提供することができ、好ましくは、流体順送ユニット873は、ベースプレートセンサユニット、側壁セクションセンサユニット、及び/又は上壁セクションセンサユニット890、及び/又は冷却流体温度センサ892によって提供される温度信号又は温度データに依存して作動されるように構成される。冷却流体は、油又は好ましくは水とすることができ、好ましくは、水は、少なくとも1つの添加剤、特に防錆剤及び/又は防汚剤(殺生物剤)を備える。
【0414】
これに加えて又はこれに代えて、冷却要素868は、受動冷却要素880とすることができる。従って、冷却要素868は、ベースプレート862、側壁セクション864a、及び/又は上壁セクション864bの研磨鋼鉄面865により、好ましくは、ベースプレート862、側壁セクション864a、及び上壁セクション864bの研磨鋼鉄面865によって少なくとも部分的に形成することができる。受動冷却要素868はコーティング867とすることができ、好ましくは、コーティング867は、研磨鋼鉄面865の上に形成され、熱を反射するように構成される。コーティング867は、金属コーティングとすることができ、又は金属、特に銀、金、又はクロムを備え、又は合金コーティング、特にCuNi合金とすることができる。研磨鋼鉄面865及び/又はコーティング867の放射率は、0.3であり、特に0.1よりも小さく、非常に好ましくは、0.03よりも小さい。
【0415】
ベースプレート862は、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するために少なくとも1つの能動冷却要素870と1つの受動冷却要素880とを備えることができ、及び/又は側壁セクション864aは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するために少なくとも1つの能動冷却要素870と1つの受動冷却要素880とを備えることができ、及び/又は上壁セクション864bは、それを定められた温度よりも高く加熱することを防止するために少なくとも1つの能動冷却要素870と1つの受動冷却要素880とを備えることができる。
【0416】
好ましくは、側壁セクション864a及び上壁セクション864bは、ベルジャー864によって形成され、好ましくは、ベルジャー864は、ベースプレート862に対して移動可能である。
【0417】
図8は、CVDユニット、CVD反応器、又はSiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器850の下側ハウジング2040又はベースプレートの1つの好ましい実施形態の上面図を示している。ここで、2つの同心リングに配置された流体冷却、特に油冷却又は水冷却式合計で24個の電極206があり、内側リング内に8個の電極206が配置され、外側リング内に16個の電極206が配置される。2つのリングの間に、複数の給送ガス入口2140が配置される。ここで、8つの給送ガス入口2140がある。2つのリングの間の等しい間隔の給送ガス入口2140の配置は、未使用給送ガスと堆積基板、それぞれ、SiC成長基板857との最大の接触を与える。交差部材203は、各ペアの2つの堆積基板、それぞれ、SiC成長基板857の間の電気接続部を形成する。堆積反応中に形成される通気ガス2120は、堆積チャンバ又は処理チャンバ856から1又は2以上のガス出口ユニット又は通気ガス出口216を通して除去される。この配置は、複数の給送ガス入口2140と整合された複数の堆積基板、それぞれ、SiC成長基板857が、給送ガス混合物1160の最小限の使用でCVD SiC外皮211の高い体積堆積速度を可能にするので有益である。
【0418】
図9は、複数の堆積基板、それぞれ、SiC成長基板857を有し、堆積基板、それぞれ、SiC成長基板857の開始面積を増大させることだけでどのように体積堆積速度を更に高めることができるかを例証している。図9aは、約1cmの直径を有するほぼロッド形の低面積堆積基板857を示している。従って、実行の開始時に、ロッドの高さ1cm当たりの堆積に対する標準面積219は、3.14cm2/cmである。0.1cm/時間の垂直堆積速度及び70時間の実行時間を仮定すると、7cm厚のCVD SiC外皮211が基板857上に堆積し、従って、実行終了時標準面積220は47.1cm2/cmである。この幾何学形状では、実行終了時標準面積に対する実行開始時標準面積の比は、6.67%しかなく低い。その結果、平均体積堆積速度も、2.51cm3/時間で低い。堆積したCVD SiC、特にUPSiCの全体積は、175.84cm3しかない。
【0419】
それとは対照的に、本発明の好ましい実施形態で利用される高面積基板222は、好ましくは、5cmよりも大きい周囲を有し、好ましくは、プレート形である。14cmの幅と0.2cmの厚みとを有する基板222が利用される場合に、この基板は、28.40cm2/cmの実行開始時高面積223を与える。上述の場合のように、0.1cm/時間の垂直堆積速度及び70時間の実行時間を仮定すると、7cm厚のCVD SiC外皮211が基板222上に堆積し、実行終了時高面積224は72.36cm2/cmである。実行終了時高面積に対する実行開始時高面積の比は、39.25%までかなり改善され、同じく平均体積堆積速度は5.04である。堆積したCVD SiC、特にUPSiCの全体積は、352.66cm3で2倍大きい。すなわち、堆積基板の形状を変えることにより、比較的低い資金支出しか伴うことなく、装置の生成機能を高め、特に2倍にすることができることは本発明の発見である。
【0420】
本発明の更に別の態様として、高面積抵抗自己加熱式グラファイト基板の使用は、単結晶SiCブールのPVT生成のための好ましくは超高純度のソース材料として当該材料が適正に機能するのに必要とされる限度範囲にいずれの残留炭素汚染も収まるように堆積CVD SiC外皮211からの基板の十分な分離を変わらずに可能にしながら費用効果的な加熱の利益を提供することが発見された。本発明の更に別の好ましい実施形態では、そのようなグラファイト高面積基板は、水性又は溶剤ベースのスラリを付加し、それを乾燥させることによってSiC、特にUPSiCの粉末で被覆される。これは、CVD SiC外皮211を炭化珪素ハンマーのような適切な非汚染ツールを用いて単純に砕き割ることによってCVD SiC外皮211を基板から容易に分離することを可能にする分離層を基板と堆積CVD SiC外皮211の間に生成する。
【0421】
基本的に、本発明の1つの好ましい実施形態では、CVDユニット、CVD反応器、又はSiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器850には、複数の高面積基板222が装備される。この装備は、体積堆積速度が最大に高められるので有益である。
【0422】
すなわち、特にPVTソース材料として使用するための特にUPSiCの生成に対して好ましいSiC生成反応器850は、処理チャンバ856を備え、処理チャンバ856は、ベースプレート862と側壁セクション864aと上壁セクション864bとによって少なくとも取り囲まれ、特に側壁セクション864a及び上壁セクション864bは、ベルジャー864の一部である。好ましいSiC生成反応器850は、ソース媒体を発生させるために1又は複数の給送媒体を処理チャンバ856の反応空間966の中に給送するためのガス入口ユニット866を更に備え、1又は複数のSiC成長基板857は、SiCを堆積させるために処理チャンバ856の内側に配置される。従って、給送ガスによって提供されたSi及びCがソース媒体を形成し、SiC成長基板857上に堆積する。各SiC成長基板857は、第1の電力接続部859aと第2の電力接続部859bとを備え、第1の電力接続部859aは第1の金属電極206aであり、第2の電力接続部859bは第2の金属電極206bであり、第1の金属電極206a及び第2の金属電極206bは、好ましくは、処理チャンバ856の反応空間から遮断される。各SiC成長基板857は、特に抵抗加熱により、好ましくは、内部抵抗加熱を用いてSiC成長基板857の外面又は堆積SiCの面を1300℃と1800℃の間の温度まで加熱するために少なくとも1つの第1の金属電極206aと少なくとも1つの第2の金属電極206bの間に結合される。非常に好ましくは、SiC成長基板857は、その長さ方向に直交する断面218の周りに少なくとも5cm、好ましくは、少なくとも7cm、非常に好ましくは、少なくとも10cmの平均周囲970を有し、又は複数のSiC成長基板857は、それぞれのSiC成長基板857の長さ方向に直交する断面218の周りに少なくとも5cm、好ましくは、少なくとも7cm、非常に好ましくは、少なくとも10cmのSiC成長基板857毎の平均周囲を有する。円形断面を有する円筒形SiC成長基板857の場合に、周囲970(図9cを参照されたい)は、周囲=直径×πの計算式に従って算定される。矩形SiC成長基板857の場合に、周囲は、周囲=2a+2bの計算式に従って算定される。SiC成長基板857は、SiC又はC、特にグラファイトを備え、又はそれから構成され、又は複数のSiC成長基板857は、SiC又はC、特にグラファイトを備え、又はそれから構成される。
【0423】
SiC成長基板857の長さ方向に直交する断面218の好ましい形状は、少なくともセクション毎に、好ましくは、SiC成長基板857の長さの50%よりも多くに沿って、非常に好ましくは、SiC成長基板857の長さの90%よりも多くに沿って円形形状とは異なる。断面区域A 218と断面区域218の周りの周囲U 226との間の比U/Aは、1.2 1/cmよりも高く、好ましくは、1.5 1/cmよりも高く、非常に好ましくは、2 1/cmよりも高く、最も好ましくは、2.5 1/cmよりも高い。
【0424】
図9dは、好ましくは、少なくとも1つの炭素リボン、特にグラファイトリボンによって形成されたSiC成長基板857の例を示しており、少なくとも1つの炭素リボン882は、第1のリボン端部884と第2のリボン端部886とを備え、第1のリボン端部882が第1の金属電極206aと結合され、第2のリボン端部886が第2の金属電極206bと結合され、又は複数のSiC成長基板857の各々は、少なくとも1つの炭素リボン882、特にグラファイトリボンによって形成され、SiC成長基板857毎の少なくとも1つの炭素リボン882が、第1のリボン端部884と第2のリボン端部886とを備え、第1のリボン端部884が、それぞれのSiC成長基板857の第1の金属電極206aと結合され、第2のリボン端部886が、それぞれのSiC成長基板857の第2の金属電極206bと結合される。
【0425】
炭素リボン882、特にグラファイトリボンは、好ましくは、硬化剤を備える。
【0426】
図9eに示すように、1つのSiC成長基板857は、複数のロッド894、896、898によって形成され、各ロッド894、896、898は、第1のロッド端部899と第2のロッド端部900とを有し、全ての第1のロッド端部899が、同じ第1の金属電極206aと結合され、全ての第2のロッド端部900が、同じ第2の金属電極206bと結合される。本発明の開示により、複数のロッド894、896、898が同じ第1の金属電極206a及び第2の金属電極206bに接続される限り、これら複数のロッド894、896、898で1つのSiC成長基板857を製造することができる。この1つのSiC成長基板857は、図9eの組合せからもたらされ、複数のSiC成長基板857の各々が複数のロッド894、896、898によって形成され、各ロッド894、896、898は、第1のロッド端部899と第2のロッド端部900とを有し、全ての第1のロッド端部899が、それぞれのSiC成長基板857の同じ第1の金属電極206aと結合され、全ての第2のロッド端部900が、それぞれのSiC成長基板857の同じ第2の金属電極206bと結合される。SiC成長基板857のロッド894、896、898は、好ましくは、互いに接触しているか又は互いに距離を空けて配置される。SiC成長基板857は、3又は3よりも多いロッド894、896、898を備え、又は複数のSiC成長基板857の各々は、3又は3よりも多いロッド894、896、898を備える。
【0427】
図9fは、SiC成長基板857が、少なくとも1つの金属ロッド902によって形成され、金属ロッド902が、第1の金属ロッド端部904と第2の金属ロッド端部906とを有し、第1の金属ロッド端部904が、第1の金属電極206aと結合され、第2の金属ロッド端部906が、第2の金属電極206bと結合される更に別の好ましい実施形態を示している。これに代えて、複数のSiC成長基板857の各々は、少なくとも1つの金属ロッド902によって形成され、各金属ロッド902が、第1の金属ロッド端部904と第2の金属ロッド端部906とを有し、第1の金属ロッド端部904が、それぞれのSiC成長基板857の第1の金属電極206aと結合され、第2の金属ロッド端部906が、それぞれのSiC成長基板857の第2の金属電極206bと結合される。
【0428】
金属ロッド902は、好ましくは、コーティング903を備え、コーティング903は、好ましくは、SiCを備え、及び/又は好ましくは2μmよりも大きい厚み、好ましくは100μmよりも大きい厚み、非常に好ましくは500μmよりも大きい厚み、又は2μmと5mmの間、特に100μmと1mmの間の厚み、又は500μmよりも小さい厚みを有する。
【0429】
図10は、通気ガス296が再循環されるのではなく処理されて放出される本発明の1つの好ましい実施形態でのSiC、特にUPSiCのCVD装置850の通気ガス処理ユニット500を示している。通気ガス296は、CVDユニット、CVD反応器、又はSiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器850から、通気ガス処理ユニット500のフィルタユニット502に移送され、そこでガス中に形成された可能性があるいずれの微粒子も除去される。次に、濾過された通気ガス504は、好ましくは、洗浄器ユニット506に送られ、そこで好ましくは、洗浄器入口流体、特に水496の中に吸収される。次に、好ましくは、いずれのSi含有化合物及びHClを含有する洗浄器出口水598も洗浄器から流出し、特に廃棄に向けて処理されることになる。その後に、洗浄された通気ガス512が、好ましくは、フレアユニット514に送られ、そこでフレア燃焼ガス497、好ましくは、天然ガスを用いて燃焼され、その得られるフレア排気ガス596は、放出に適している。
【0430】
図11は、通気ガス296が処理されて放出されるのではなく再循環される本発明の別の好ましい実施形態でのSiC、特にUPSiCのCVD装置850の通気ガス再循環ユニット600の例である。通気ガス296は、CVDユニット、CVD反応器、又はSiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器850から、好ましくは、-30℃から-196℃の温度範囲で作動する低温蒸留ユニット602に移送される。この温度範囲では、いずれのSi含有ガスも凝縮し、蒸留ユニット602の底部からSi含有液体体混合物604として流出する。このSi含有液体体混合物604はHMW蒸留ユニット606に定期的に移送され、HMW蒸留ユニット606は、Si含有液体体混合物604を蒸発させ、一方でいずれの高分子量化合物も液体に留まり、HMW蒸留ユニット606の底部からHMW液体放出物608として流出する温度範囲で作動する。
【0431】
一方で、HMW蒸留ユニット606の上部からSi含有ガス混合物620が流出し、存在するSiの質量を決定するSi検出ユニット622を通過する。Si検出ユニット622は、この情報をSiC、特にUPSiCのCVD装置850の中央処理制御ユニットに通信し、次に、中央処理制御ユニットは、Si含有ガス混合物620とSi含有ガス110とで到着するSiの合計質量が、H/C含有ガス混合物616とC含有ガス111とで到着するCの合計質量と望ましい比になるようにSi含有ガス110のライン上の質量流量計1120を調節する。一方で、低温蒸留ユニット602の上部からは低温蒸留ガス610が流出し、好ましくは、-140℃と-40℃の間の温度範囲で作動する極低温蒸留ユニットに送られる。この温度範囲では、H/C含有ガス混合物616は気体形態に留まるが、HClは凝縮し、極低温蒸留ユニット612の底部からHCl液体放出物696として除去され、廃棄に向けて更に処理されることになる。
【0432】
H/C含有ガス混合物616は、存在するH及びCの質量を決定するH/C検出ユニットを通過する。H/C検出ユニットは、この情報をSiC、特にUPSiCのCVD装置850の中央処理制御ユニットに通信し、次に、中央処理制御ユニットは、HとCとSiとの全ての質量比が望ましい範囲に収まるように水素ガス102のライン及びC含有ガス111のライン上の質量流量計1120を調節する。
【0433】
図12aは、ISO13322-2によるFmaxと類似の方式で定められたSiC粒子920の長さを示している。SiC粒子920は、本発明によるSiC生成反応器850内で生成され、その後に脱凝集されたものである。「平均長さ」の用語は、複数の粒子の長さが加算されて粒子の個数によって割り算され、その結果がこれら複数の粒子の平均長さであるとして定める。
【0434】
図12bは、本発明によって生成されたPVTソース材料の複数のSiC粒子920を示している。複数のSiC粒子920は、バッチとして供給され、好ましくは、1.4g/cm3よりも高く、特に1.6g/cm3よりも高い見かけ密度を有する。
【0435】
図12cは、SiC固体921を示している。SiC固体921は、その中心軸までの定められた距離内に境界面930を形成し、更に外面224を形成し、外面224と境界面930とは、互いに距離を空けて形成される。この距離は、好ましくは、中心軸に対して直角に延び、外面224と境界面930の間の平均距離は、好ましくは、境界面930と中心軸の間の平均距離と比較して大きい。外面224と境界面930の間の平均距離は、(最短距離(半径方向)+最長距離(半径方向))/2の方式で算定される。
【0436】
図13は、本発明によるPVT反応器100の更に別の例を示している。図2に示すPVT反応器100も同じ技術原理に基づいており、従って、これらのPVT反応器100の一方(図2又は図13)からの特徴を他方のPVT反応器100と交換するか又はそれに追加することができることを理解されるものとする。同様に、図1図7、及び図8に示すCVD反応器850も同じ技術原理に基づいており、従って、これらのCVD反応器850のうちの1つ(図1図6、又は図7)からの特徴を他方のPVT反応器850と交換するか又はそれに追加することができることも理解されるものとする。
【0437】
更に、好ましくは、本発明によるシステムは、図1図7、又は図8のいずれかによるCVD反応器と図2又は図13によるPVT反応器とを備える。炉装置100は、好ましくは、るつぼガス流れユニット170を備える。るつぼガス流れユニット170は、好ましくは、るつぼ容積116の中にガスを伝導するためのるつぼガス入口チューブ172を備え、るつぼガス入口チューブ172は、非常に好ましくは、受け入れ空間118の下方で垂直方向に配置される。受け入れ空間118は、ガス流れを受け入れ空間118の周りに及び/又はそれを通して伝導するために、るつぼガス入口チューブ172とシードホルダユニット122の間に位置付けられる。
【0438】
ソース材料保持プレート278を提供することができ、ソース材料保持プレート278は、好ましくは、受け入れ空間118の底セクションを形成する上面370と、好ましくは、ソース-材料-保持-プレート-ガス-流れ-経路-境界-セクションを形成する下面372とを備える。好ましくは、ソース材料保持プレート278は、複数の特に10個よりも多い、好ましくは、50個よりも多い、非常に好ましくは、最大で100個の又は最も好ましくは、最大で1000個又は1000個よりも多い貫通孔282を備え、これら複数の貫通孔282は、ソース材料保持プレート278の上面370からソース材料保持プレート278の本体を貫通してソース材料保持プレート278の下面372まで延びる。複数の貫通孔282の少なくとも大部分は、12mmよりも小さく、特に10mmよりも小さく、好ましくは、6mmよりも小さく、非常に好ましくは、2mmよりも小さく、最も好ましくは、1mm又はそれよりも小さい直径を有する。ソース材料保持プレート278の本体を貫通する貫通孔282の個数は、好ましくは、ソース材料保持プレート278の上面370の面サイズに依存し、上面370の面サイズ10cm2当たり少なくとも1つの貫通孔282が提供される。10cm2当たりの貫通孔282の個数は、好ましくは、ソース材料保持プレート278の半径方向外側セクション内でソース材料保持プレートの半径方向内側セクションと比較して多く、半径方向内側セクションは、ソース材料保持プレート278の半径方向延長の最大で20%、30%、40%、又は50%まで延び、ソース材料保持プレート278の半径方向外側セクションは、ソース材料保持プレート278の半径方向内側セクションと半径方向端部の間を延びる。好ましくは、ソース材料保持プレート278の下面372は、るつぼハウジング110の底壁セクション207と共に、ガスをるつぼガス入口チューブ172から受け入れ空間118又はその周りに、特にソース材料保持プレート278の貫通孔282に案内するためのガス案内間隙280又はガス案内チャネルを形成する。これに加えて又はこれに代えて、るつぼ容積116の内側に、るつぼ容積圧力P1を設定するための圧力ユニット132が提供され、圧力ユニット132は、2666,45Paよりも高く、好ましくは、5000Paよりも高く、又は2666,45Paと50000,00Paの間の範囲にあるるつぼ容積圧力P1をもたらすように構成される。好ましくは、るつぼ容積116からガスを除去するためのるつぼガス出口チューブ174が提供され、るつぼガス入口チューブ172は、ガス流れ方向に好ましくは、フィルタユニット130の前に配置され、るつぼガス出口チューブ174は、ガス流れ方向に好ましくはフィルタユニット130の後部に配置される。フィルタユニット130は、少なくとも、Si2C昇華蒸気、SiC2昇華蒸気、及びSi昇華蒸気を取り込むために、るつぼ容積116の内側でるつぼガス入口チューブ172と、るつぼガス出口チューブ174の間に配置することができる。フィルタユニット130は、好ましくは、フィルタ入力面140からフィルタ出力面142へのフィルタユニットガス流路147を形成し、フィルタガス流路は、るつぼガス入口チューブ172と、るつぼガス出口チューブ174の間のガス流路の一部であり、フィルタユニット130は、好ましくは、高さS1を有し、フィルタユニット130を貫通するフィルタユニットガス流路147は、好ましくは、長さS2を有し、S2は、S1と比較して少なくとも2倍、特に10倍長い。フィルタユニット130は、好ましくは、フィルタ外面156を形成し、フィルタ外面156は、フィルタ外面カバー要素158を備え、フィルタ外面カバー要素158は密封要素であり、密封要素は、好ましくは、フィルタコーティング135であり、フィルタコーティング135は、フィルタ外面156で発生するか又はそれに取り付けられるか、又はそれを形成する。フィルタ外面156のフィルタコーティング135は、好ましくは、10μmよりも大きい厚み、特に20μmよりも大きいか又は最大でその厚み、50μmよりも大きいか又は最大でその厚み、100μmよりも大きいか又は最大でその厚み、200μmよりも大きいか又は最大でその厚み、又は500μmよりも大きいか又は最大でその厚みを有するパイロ炭素層によって形成され、及び/又は10μmよりも大きい厚み、特に20μmよりも大きいか又は最大でその厚み、50μmよりも大きいか又は最大でその厚み、100μmよりも大きいか又は最大でその厚み、200μmよりも大きいか又は最大でその厚み、又は500μmよりも大きいか又は最大でその厚みを有するガラス状炭素層によって形成される。
【0439】
図14は、本発明によって生成されたPVTソース材料の顕微鏡画像を示している。この図から、生成されたPVTソース材料が、好ましくは多結晶のSiC材料であることを見ることができる。
【0440】
PVTソース材料は、SiC粒子920として供給することができ、SiC粒子の平均長さは100μmよりも長く、SiC粒子は、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物を有する。
【0441】
これに代えて、PVTソース材料は、1kgよりも重い質量と、少なくとも1cmの好ましくは5cmよりも大きく、非常に好ましくは、10cmよりも大きく、又は最も好ましくは、15cmよりも大きい厚みと、25cmよりも長く、又は好ましくは、50cmよりも大きい長さとを有するSiC固体921として供給することができる。SiC固体921は、10ppm(重量)よりも低い物質Nの不純物、及び1000ppb(重量)よりも低い、特に500ppb(重量)よりも低い物質B、Al、P、Ti、V、Fe、Niのうちの各々の不純物を有する。
【0442】
図15は、通気ガス再循環ユニット600の更に別の例を示している。この例により、通気ガス再循環ユニット600は、少なくとも1つのSiC生成反応器850の通気ガス216を出力するために少なくとも1つのガス出口ユニットに取り付けられる又は結合される。
【0443】
好ましくは、通気ガス再循環ユニット600は、通気ガス216を第1の流体962と第2の流体964とに分離するための少なくとも分離ユニット602を備える。第1の流体962は、好ましくは、液体であり、第2の流体964は、好ましくは、ガスである。第1の流体624を格納するか又は伝導するための第1のストレージ要素及び/又は伝導要素は、分離ユニット602の一部であり又はそれと結合され、第2の流体964を格納するか又は伝導するための第2のストレージ要素及び/又は伝導要素626が、分離ユニット602の一部であるか又はそれと結合される。
【0444】
通気ガス再循環ユニット600は、好ましくは、第1の流体を少なくとも2つの部分、すなわち、(a)クロロシラン類混合物と、(b)HClとH2と少なくとも1つのC含有分子との混合物とに分離するための更に別の分離ユニット612を備える。これに代えて、更に別の分離ユニット612は、第1の流体を少なくとも3つの部分、すなわち、(a)クロロシラン類混合物と、(b)HClと、(c)H2と少なくとも1つのC含有分子との混合物とに分離する。好ましくは、第1のストレージ要素及び/又は伝導要素624は、分離ユニット602と更に別の分離ユニット612とを接続する。好ましくは、更に別の分離ユニット612は、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素628、HClのストレージ要素及び/又は伝導要素630、並びにH2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素632と結合される。好ましくは、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素628は、クロロシラン類混合物を処理チャンバ856の中に、特に混合デバイス854の中に伝導するためのクロロシラン類混合物質量流束経路のセクションを形成する。
【0445】
クロロシラン類混合物のSiの量を測定するためのSi質量流束測定ユニット622は、処理チャンバ856の前、特に混合デバイス854の前の質量流束経路の一部として設けることができる。好ましくは、Si質量流束は、更に別のSi給送媒体を与える更に別のSi給送媒体ソースとして機能する。好ましくは、クロロシラン類混合物は、ランダム混合物とすることができ、又は異なるクロロシランのランダム組成を有することができることに注意しなければならない。これに代えて、クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素628は、クロロシラン類混合物を更に別のSiC生成反応器950の更に別の処理チャンバ952の中に、特に流路948を通して伝導するためのクロロシラン類混合物質量流束経路のセクションを形成する。
【0446】
好ましくは、H2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素632は、H2及び少なくとも1つのC含有分子を処理チャンバ850の中に伝導するためのH2及びCの質量流束経路のセクションを形成する。好ましくは、H2と少なくとも1つのC含有分子との混合物のCの量を測定するためのC質量流束測定ユニット618は、処理チャンバ856の前、特に混合デバイス854の前のH2及びCの質量流束経路の一部として好ましくは更に別のC給送媒体を提供する更に別のC給送媒体ソースとして提供される。これに代えて、H2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素632は、H2及び少なくとも1つのC含有分子を更に別のSiC生成反応器950の更に別の処理チャンバ952の中に、特に流路949を通して伝導するためのH2及びCの質量流束経路のセクションを形成する。
【0447】
好ましくは、第2のストレージ要素及び/又は伝導要素626は、H2及び少なくとも1つのC含有分子を備える第2の流体を処理チャンバ856の中に伝導するためのH2及びCの質量流束経路のセクションを形成し、第2のストレージ要素及び/又は伝導要素626とH2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素632とは、好ましくは、流体結合される。
【0448】
好ましくは、第2のストレージ要素及び/又は伝導要素626は、H2とCとを備える第2の流体を処理チャンバ856の中に伝導するための更に別のH2及びCの質量流束経路のセクションを形成する。好ましくは、第2の流体のCの量を測定するための更に別のC質量流束測定ユニットは、処理チャンバ856の前、特に混合デバイス854の前の更に別のH2及びCの質量流束経路の一部として提供される。混合デバイス854は、ガス入口ユニット866の一部とすることができ、又はそれに属することができ、又はそのサブユニットとすることができる。第2のストレージ要素及び/又は伝導要素626は、第2の流体を燃焼させるためのフレアユニットと結合することができる。
【0449】
非常に好ましくは、分離ユニット602は、5バールよりも高い圧力と-30℃よりも低い温度とで作動するように構成される。
【0450】
通気ガスを5バールよりも高い圧力まで圧縮するための第1の圧縮器634は、分離ユニット602の一部として又はガス出口ユニット216と分離ユニット602の間のガス流路内に設けることができる。非常に好ましくは、更に別の分離ユニット612は、5バールよりも高い圧力と-30℃よりも低い温度及び/又は100℃よりも高い温度とで作動するように構成される。第1の流体を5バールよりも高い圧力まで圧縮するための更に別の圧縮器636は、更に別の分離ユニット612の一部として又は分離ユニット602と更に別の分離ユニット612の間のガス流路内に設けることができる。更に別の分離ユニット612は、非常に好ましくは、極低温蒸留ユニットを備え、好ましくは、極低温蒸留ユニットは、-180℃と-40℃の間の温度で作動されるように構成される。
【0451】
1又は複数の給送媒体の流体流れを制御するための制御ユニット929は、好ましくは、SiC生成反応器850の一部であり、複数の給送媒体は、ガス入口ユニットを通って処理チャンバ856の中に入る第1の媒体、第2の媒体、第3の媒体、並びに更に別のSi給送媒体及び/又は更に別のC給送媒体を備える。非常に好ましくは、更に別のSi給送媒体は、少なくとも95%(質量)、少なくとも98%(質量)、少なくとも99%(質量)、少なくとも99,9%(質量)、少なくとも99,99%(質量)、又は少なくとも99,999%(質量)のクロロシラン類混合物から構成される。これに加えて又はこれに代えて、好ましくは、更に別のC給送媒体は、少なくとも1つのC含有分子と、H2と、HClと、クロロシラン類混合物とを備える。非常に好ましくは、更に別のC給送媒体は、少なくとも1つのC含有分子と、HClと、H2と、クロロシラン類混合物とを備え、少なくとも3%(質量)、好ましくは、少なくとも5%(質量)、又は非常に好ましくは、少なくとも10%(質量)のC又は少なくとも1つのC含有分子を備え、最大で10%(質量)、好ましくは、0.001%(質量)と10%(質量)との間、非常に好ましくは、1%(質量)と5%(質量)の間のHClを備え、5%(質量)よりも多い、好ましくは、10%(質量)よりも多い、又は非常に好ましくは、25%(質量)よりも多いH2を備え、更に0.01%(質量)よりも多い、好ましくは、1%(質量)よりも多い、非常に好ましくは、0.001%(質量)と10%(質量)の間のクロロシラン類混合物を備える。
【0452】
これに加えて、クロロシラン類混合物を加熱し、それを液体形態から気体形態に移行させるための加熱ユニット954を更に別の分離ユニットとガス入口ユニットとの間で流体の流れ方向に特に更に別の分離ユニット612の一部として配置することができる。
【0453】
図16は、本発明によるシステム999の例を示している。本発明のシステム999は、少なくとも1つのSiC生成反応器850と、1つのPVT反応器100とを備え、SiC生成反応器850は、単結晶SiCを生成するためにPVT反応器100に使用されるSiCソース材料を生成する。
【0454】
図16により、これに加えて又はこれに代えて、複数のSiC生成反応器850、950を提供することが可能である。これに加えて又はこれに代えて、複数のPVT反応器100を提供することが可能である。更に、SiC生成反応器850は、通気ガス再循環ユニット600を備えることが可能である。これに代えて、複数のSiC生成反応器850、950を通気ガス再循環ユニット600を通して接続することが可能である。すなわち、第1のSiC生成反応器850の通気ガスを再循環し、他方のSiC生成反応器950に対するソース材料として使用することができる。従って、通気ガス再循環ユニット600の少なくとも何らかの出力、特にSi、C、及びH2の成分を同じか又は別のSiC生成反応器850のための給送ガスとして使用することができる。矢印972は、これに代えて、通気ガス再循環ユニット600の出力を通気ガスを放出したCVD反応器850に対して使用することができることを示している。
【0455】
すなわち、上記に言及したシステムに起因して、本発明は、少なくとも1つのSiC結晶の生成のための方法を提供する。好ましくは、本方法は、第1のタイプのSiCの生成のためのCVD反応器850を与える段階と、SiとCとを備えるソース媒体を発生させるために少なくとも1つのソースガス、特に第1のソースガス、特にSiCl3(CH3)を処理チャンバ856の中に導入する段階と、好ましくは、Hを備える少なくとも1つの搬送ガスを処理チャンバ856の中に導入する段階と、処理チャンバ856に配置された少なくとも1つのSiC成長基板857を加熱するためにそれを電気的に活性化し、その面を1300℃と1800℃の間の範囲内の温度まで加熱する段階と、第1のタイプのSiCをSiC成長基板857上に特に200μm/hよりも高い堆積速度で堆積させる段階であって、堆積SiCが、好ましくは、多結晶のSiCである上記堆積させる段階と、第1のタイプの堆積SiCをCVD反応器850から出力する段階と、好ましくは取り出されたSiCを第1のタイプの断片化SiC又は1又は複数の第1のタイプの固形物SiCに変容させる段階と、第2のタイプのSiCの生成のためのPVT反応器100を与える段階と、PVT反応器100の受け入れ空間118の中にソース材料120として第1のタイプのSiCの好ましくは破片を追加するか又は第1のタイプのSiCの1又は複数の固形物を追加する段階と、第1のタイプのSiCをPVT反応器100の内側で昇華させる段階と、昇華されたSiCをシードウェーハ18上に第2のタイプのSiCとして堆積させる段階とを備える。
【0456】
PVT反応器100は、これにより、好ましくは、外面242と内面240とを有する炉ハウジング108を備える炉ユニット102と、炉ハウジング108の内側に配置され、るつぼハウジング110を備える少なくとも1つのるつぼユニット106であって、るつぼハウジング110が外面112と内面114とを有し、内面114が、るつぼ容積116を少なくとも部分的に定め、るつぼ容積116の内側に、ソース材料120を受け入れるための受け入れ空間118が配置又は形成され、るつぼ容積116の内側に、定められたシードウェーハ18を保持するためのシードホルダユニット122が配置され、シードウェーハホルダ122が、シードウェーハ18を保持し、炉ハウジング内壁240とるつぼハウジング外壁112とが炉容積104を定める上記るつぼユニット106と、ソース材料120を加熱するための少なくとも1つの加熱ユニット124であって、ソース材料120を受け入れるための受け入れ空間118が、加熱ユニット124の上方かつシードホルダユニット122の下方に少なくとも部分的に配置される上記加熱ユニット124とを備える。
【0457】
図17は、通信ユニット699を示している。
【0458】
堆積工程の終了時に、反応器をパージして不活性にした後に、ベルジャーは、CVD反応器から肉厚ロッドを除去するために持ち上げることができる。この工程は、収穫として公知である。
【0459】
収穫されたロッドは、PVT処理のための形状に転換しなければならない。この形状は、切断ロッドセグメント又は様々なサイズの破砕チップ及びチャンクのいずれかとすることができる。
【0460】
炭化珪素のような硬質かつ脆性固体を小片に粉砕する異なる方法が公知である。最も一般的なものは機械的手法である。SiCロッド又はそのより大きい破片は、好ましくは、ジョー破砕機又はロール破砕機である破砕機の中に給送される。間隙距離、回転速度、又は揺動振幅のような調節可能機械パラメータが、最終粒径分布を決定する。大量の微粉及び/又は高い汚染レベルを回避するために、破砕機の多段適用が可能である。これらの破砕機は、直列に順序付けられ、ここで、1つの破砕機の出口は、異なる機械パラメータを有するその後の破砕機の給送開口部と直接的に接続されるか、又はベルトコンベヤ又は振動シュートのような搬送デバイスを通して間接的に接続されるかのいずれかである。最後に、過小サイズの材料を除去し、過大サイズの材料を粉砕工程に戻すために、粉砕された小片を分類しなければならない。
【0461】
代替破砕方法も適用可能である。1つの公知の方法は、熱割断である。硬質脆性材料のロッドが加熱され、例えば、低温流体内への急速浸漬によって高温度勾配で冷却される。
【0462】
典型的に、不規則な固体材料小片を複数のサイズ階級に分類するために機械駆動式選別機械が使用される。使用される選別機械の要約は、US 2018169704に説明されている。固体材料小片を分類する機械的手法は、US 2009/120848に開示されたより柔軟な光電子方法によって拡張することができる。
【0463】
グラファイトが出発物質として使用される場合に、出発基板と炭化珪素層の間のインタフェースが予め決められた破壊点として作用するので、粉砕工程は、出発基板を掘削する。これを用いて、空気又は酸素が富化されたいずれかのガス混合物の存在下で少なくとも900℃から1400℃までアニール処理/加熱することにより、グラファイト基板を生成物から容易に取り外すことができる。面の色は、珪素酸化物の薄層(100~300nm)によって引き起こされる灰色から青褐色系までの変化を示している。この変化は、酸処理によって容易に除去することができる。
【0464】
図18は、エッチングユニット799を示している。好ましくは、エッチングユニットは、以下のユニット:エッチング槽800、水槽(水カスケード)801、乾燥ユニット802、パッケージ化ユニット803を備える。特に本明細書により、参照番号810は、エッチングされたSiCを示し、参照番号811は、酸非含有SiCを示し、参照番号812は、乾燥されたSiCを示し、参照番号813は、充填SiCを示している。
【0465】
すなわち、本発明は、特に多形3Cの好ましくは細長のSiC固体を生成する方法に関する。好ましくは、本発明による方法は、少なくとも、以下の段階:
Siを備える少なくとも第1のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、
Cを備える少なくとも第2のソースガスを処理チャンバの内側に導入する段階と、
処理チャンバに配置された少なくとも1つの分離要素を加熱するためにそれを電気的に活性化する段階と、
200μm/hよりも高い堆積速度を設定する段階と、
を備え、
第1のソースガス及び/又は第2のソースガスの導入により、1バールよりも高い圧力が処理チャンバ内に発生し、かつ
堆積要素の面は、1300℃と1800℃の間の範囲内の温度まで加熱される。
【0466】
参照符号のリスト
2 炉ハウジング(下側部分)
3 炉ハウジング(上側部分)
4 炉ガス入口
5 るつぼガス入口
7 るつぼガス入口接続部品
8 底部絶縁体
9 側部絶縁体
13 るつぼ脚
17 結晶
18 シードウェーハ
20 シール
22 フィルタ溝又はフィルタ孔
26 るつぼ真空出口
28 高温計視線
50 ソース材料
100 炉、炉装置、又はPVT反応器
102 水素ガス
104 炉容積
105 極低温蒸留ユニット
106 Si含有液体
107 るつぼ蓋又はフィルタカバー
108 炉ハウジング
110 るつぼハウジング
112 外面
116 るつぼ容積
118 受け入れ空間
120 PVTソース材料
122 シードホルダ
130 フィルタ
132 圧力ユニット
135 フィルタコーティング
140 フィルタ入力面
142 フィルタ出力面
147 フィルタユニットガス流路
152 るつぼベース
156 フィルタ外面
158 フィルタ外面コーティング
164 フィルタの外面コーティング
170 るつぼガス流れユニット
172 るつぼガス入口チューブ
174 るつぼ真空出口チューブ
198 給送ガス混合物
202 上側ハウジング
203 交差部材
204 オーブン真空出口
206a 第1の電極
206b 第2の電極
208 チャック
209 温度測定経路
212 半径方向加熱要素
211 CVD SiC外皮又はSiC固体
213 点検窓
214 加熱要素
216 通気ガス出口又はガス出口ユニット
218 断面
219 稼働開始時標準面積
220 稼働終了時標準面積
222 高面積基板
223 稼働開始時高面積
224 稼働終了時高面積
226 周囲
230 成長案内要素
231 成長案内要素の上部
278 ソース材料保持プレート
280 ガス案内間隙
282 貫通孔
296 通気ガス
298 UPSiCロッド
300 粉砕ユニット
370 ソース材料保持プレートの上面
372 ソース材料保持プレートの下面
398 UPSiC顆粒
400 酸エッチングユニット
496 洗浄器入口水
497 フレア燃焼ガス
498 UPSiCエッチングされた顆粒
500 通気ガス処理ユニット
502 通気ガスフィルタユニット
504 濾過された通気ガス
506 洗浄器ユニット
512 洗浄された通気ガス
514 フレアユニット
596 フレア排気ガス
598 洗浄器出口水
600 通気ガス再循環ユニット
602 低温蒸留ユニット又は分離ユニット
604 Si含有液体体混合物
606 HMW蒸留ユニット
608 HMW液体放出物
610 低温蒸留ガス
612 極低温蒸留ユニット又は更に別の分離ユニット
616 H/C含有ガス混合物
618 H/C検出ユニット又はC質量流束測定ユニット
620 Si含有ガス混合物
622 Si検出ユニット又はSi質量流束測定ユニット
624 第1のストレージ要素及び/又は伝導要素
626 第2のストレージ要素及び/又は伝導要素
628 クロロシラン類混合物のストレージ要素及び/又は伝導要素
630 HClのストレージ要素及び/又は伝導要素
632 H2及びCのストレージ要素及び/又は伝導要素
634 第1の圧縮器
636 更に別の圧縮器
696 HCl液体放出物
698 再循環通気ガス
699 粉砕ユニット
700 予備破砕機
701 破砕機
702 選別機械(過小サイズ除去)
703 選別機械(過大サイズ除去)
704 アニール炉
710 予備破砕されたSiC
711 破砕されたSiC(全ての粒径)
712 過小サイズの粒子を持たない破砕されたSiC(1...30mm)
713 過小サイズのSiC(0...1mm)
714 破砕段階に戻される過大サイズのSiC(>12mm)
715 SiC生成物(1...12mm)
716 アニール処理されたSiC(グラファイト非含有、1...12mm)
799 エッチングユニット
800 エッチング槽
801 水槽(水カスケード)
802 乾燥ユニット
803 パッケージ化ユニット
810 エッチングされたSiC
811 酸非含有SiC
812 乾燥されたSiC
813 仕様に従って装填されたSiC
850 製造デバイス、CVDユニット、CVD反応器、それぞれ、SiC生成反応器、特にSiC PVTソース材料生成反応器
851 第1の給送デバイス、それぞれ、第1の給送媒体ソース
852 第2の給送デバイス、それぞれ、第2の給送媒体ソース
853 第3の給送デバイス、それぞれ、第3の給送媒体ソース、それぞれ、搬送ガス給送媒体ソース
854 混合デバイス
855 蒸発デバイス
856 処理チャンバ
857 分離要素又はSiC成長基板又は堆積基板
858 温度測定デバイス又は温度制御ユニット
859 エネルギソース、特に電源
859a 第1の電力接続部
859b 第2の電力接続部
860 圧力維持デバイス又は圧力制御ユニット
861 SiC成長基板の外面又はSiC成長面
862 ベースプレート
864 ベルジャー
864a 側壁セクション
864b 上壁セクション
865 金属面
866 ガス入口ユニット
867 反射コーティング
868 冷却要素
870 能動冷却要素
872 冷却流体案内ユニット
873 流体順送ユニット
874 パイプ
876 内壁と外壁の間の中空空間
880 受動冷却要素
882 リボン
884 第1のリボン端部
886 第2のリボン端部
890 ベースプレート及び/又は側壁セクション及び/又は上壁セクションセンサユニット
892 冷却流体温度センサ
894 第1のロッド
896 第2のロッド
898 第3のロッド
899 第1のロッド端部
900 第2のロッド端部
902 金属ロッド
903 SiC成長基板のコーティング
904 第1の金属ロッド端部
906 第2の金属ロッド端部
920 SiC粒子
921 SiC固体
922 PVTソース材料
924 PVTソース材料ロット
926 制御デバイス又は制御ユニット
930 境界面
932 断面区域
934 コア部材
948 更に別のSiC生成反応器950への追加又は代替経路
949 更に別のSiC生成反応器950への追加又は代替の更に別の経路
950 SiCの生成のための更に別のSiC生成反応器、それぞれ、CVD反応器
952 更に別のSiC生成反応器の更に別の処理チャンバ
954 加熱ユニット
956 クロロシラン類の混合物
958 HCl
959 HClをクロロシランに変換するための更に別の処理段階
960 H2と少なくとも1つのC含有分子との混合物
962 第1の流体
964 第2の流体
966 反応空間
968 SiC生成反応器内で生成されたPVTソース材料のPVT反応器への順送
970 周囲
972 矢印
999 システム
1000 給送ガスユニット
1040 工業用C含有ガス
1070 Nガス放出物
1080 Si含有液体蒸発器
1090 C含有液体蒸発器
1120 質量流量計
1130 C含有液体
1160 給送ガス混合物
1180 C/Si含有液体
1200 C/Si含有ガス
2040 下側ハウジング
2120 通気ガス
2140 給送ガス入口
CA 中心軸
PL 粒子長
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図7a
図8
図9a
図9b
図9c
図9d
図9e
図9f
図10
図11
図12a
図12b
図12c
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】