(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】未分配所得を使用して証券の正しい所得を計算するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/00 20230101AFI20240207BHJP
【FI】
G06Q40/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571241
(86)(22)【出願日】2022-02-01
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 US2022014780
(87)【国際公開番号】W WO2022165435
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523292924
【氏名又は名称】フェアシェアズ、インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523292935
【氏名又は名称】ボイデル、デイヴィッド
(71)【出願人】
【識別番号】523292946
【氏名又は名称】ローズベリー、ジェレミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボイデル、デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ローズベリー、ジェレミー
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB01
(57)【要約】
正しい所得を計算するためのシステムであって、システムは、ユーザデータを取得するように構成されたサーバと、サーバに動作可能に接続されたシステムデータベースと、を含み、サーバが、未分配所得を使用して、取得されたユーザデータ、証券データ、及び分配データのうちの1以上を使用して、購入後の最初の支払い期間の終了時に証券が依然として所有されている場合における、証券の購入後の最初の分配金における、証券の正しい所得を、式を使用して計算するようにさらに構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
未分配所得を使用して、証券の購入後に受け取った最初の分配金におけるユーザの正しい所得を計算するためのシステムであって、
前記システムを制御するように構成されたサーバであって、前記サーバが、前記未分配所得を使用して、前記証券の購入後に受け取った前記最初の分配金における前記ユーザに対する前記正しい所得を計算するようにさらに構成され、前記サーバが、前記システムによって使用可能なユーザデータを取得するようにさらに構成され、前記ユーザデータが、前記ユーザによる前記証券の購入に関するユーザ購入データを含み、前記ユーザデータが、前記証券の購入後の最初の支払い期間の終了時に前記証券が依然として所有されているか否かに関する情報をさらに含む、サーバと、
前記サーバに動作可能に接続されたシステムデータベースであって、前記システムによって使用可能な証券データ及び前記システムによって使用可能な分配データのうちの1以上を含み、前記サーバが、前記取得されたユーザデータ、前記証券データ、及び前記分配データのうちの1以上を使用して、前記未分配所得を使用して、前記購入後の前記最初の支払い期間の終了時に前記証券が依然として所有されている場合における、前記証券の購入後の前記最初の分配金における前記ユーザの前記証券の正しい所得を、以下の式を使用して計算するようにさらに構成され、
【数1】
式中、S=購入された株式の数、D=1株当たりの総分配金、T=支払い期間が開始されてからの経過時間、L=支払い期間の総時間である、システムデータベースと、
前記ユーザデータ、前記計算された正しい所得、前記未分配所得、及び前記計算された分配指数のうちの1以上を格納するように構成されたストレージであって、前記サーバが、前記ストレージから前記ユーザデータを取得するようにさらに構成されており、前記サーバが、前記計算された正しい所得及び前記未分配所得のうちの前記1以上を前記ストレージに送信するようにさらに構成されている、ストレージと、
を備える、システム。
【請求項2】
ユーザによって操作されるユーザデバイスをさらに備え、前記ユーザデバイスが、前記サーバに動作可能に接続される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ユーザデバイスが、デスクトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレット、携帯電話、及びスマートウォッチのうちの1以上を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
ネットワークをさらに備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ネットワークが、前記サーバと前記ユーザデバイスとを動作可能に接続するサーバ-デバイスネットワーク接続、前記サーバと前記システムデータベースとを動作可能に接続するサーバ-データベースネットワーク接続、及び前記サーバと前記ストレージとを動作可能に接続するサーバ-ストレージネットワーク接続のうちの1以上を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記サーバが、ネットワーク接続、クラウド、及び有線接続のうちの1以上を介して前記ユーザデバイスと通信する、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記サーバが、前記サーバにログインするための前記ユーザデバイスによる使用に適したログインモジュールを備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記サーバが、前記サーバへのログインの成功後に前記サーバとインターフェースするために前記ユーザデバイスによって使用されるのに適したユーザインターフェースをさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記サーバが、前記ユーザデバイスから前記ユーザデータを取得する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記サーバが、前記ユーザインターフェースを介して前記ユーザデータを取得する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムデータベースが、証券データベース及び分配データベースのうちの1以上を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムデータベースが、証券データベースと分配データベースの両方を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記証券データベースが、証券データを含み、前記証券データが、対象の課税管轄における所得を生み出す証券のリストを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記証券データが、処理される証券タイプを識別するタグをさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記システムデータベースが、リレーショナル・データベース・サービスを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記分配データベースが、証券分配に関する分配データを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記分配データベースが履歴証券データをさらに含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記履歴証券データが、証券分配の履歴に関するデータを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記分配データベースが、外部データソースから分配データを取得するように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記サーバが、前記計算された正しい所得及び前記未分配所得のうちの1以上を、前記ユーザデバイス及び前記ユーザによって許可された仲介者のうちの1以上にエクスポートするようにさらに構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項21】
前記サーバが、前記計算された正しい所得及び前記未分配所得のうちの1以上を、前記ユーザデバイス及び前記ユーザによって許可された仲介者のうちの1以上にエクスポートするようにさらに構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項22】
前記仲介者が、会計士、税務顧問、ブローカー・ディーラ、及び証券保管機関のうちの1以上を含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記証券が、1以上の分配タイプで分配する、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記分配タイプが、所得、現金、短期資本利得、長期資本利得、特別分配金、及び資本の払い戻しを含むリストから選択される、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記サーバが、前記証券からの各分配タイプについて正しい所得及び未分配所得を計算するようにさらに構成される、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記サーバが、各分配タイプについて計算された前記正しい所得及び前記未分配所得のうちの1以上を前記ストレージに送信する、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記サーバが、各分配タイプについて計算された前記正しい所得と前記未分配所得の両方を前記ストレージに送信する、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記ネットワークが、前記サーバと前記仲介者とを動作可能に接続するサーバ-仲介者ネットワーク接続をさらに備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項29】
前記サーバが、前記取得されたユーザデータ、前記証券データ、及び前記分配データを使用して、前記正しい所得を計算する、請求項1に記載のシステム。
【請求項30】
未分配所得を使用して、証券の購入後に受け取った最初の分配金におけるユーザの正しい所得を計算するための方法であって、
システムを制御するように構成されたサーバを含むシステムを使用し、前記サーバが、前記未分配所得を使用して、前記証券の前記購入後に受け取った前記最初の分配金における前記ユーザの正しい所得を計算するようにさらに構成され、前記サーバが、前記システムによって使用可能なユーザデータを取得するようにさらに構成され、前記ユーザデータが、前記ユーザによる前記証券の購入に関するユーザ購入データを含み、前記ユーザデータが、前記証券の購入後の最初の支払い期間の終了時に前記証券が依然として所有されているか否かに関する情報をさらに含み、前記システムが、前記サーバに動作可能に接続されたシステムデータベースをさらに備え、前記システムデータベースが、前記システムによって使用可能な証券データ及び前記システムによって使用可能な分配データのうちの1以上を含み、前記サーバによって、ストレージから前記ユーザデータを取得し、
前記サーバによって、前記未分配所得を使用して、前記取得されたユーザデータ、前記証券データ、及び前記分配データのうちの1以上を使用して、前記購入後の最初の支払い期間の終了時に前記証券が依然として所有されている場合における、前記証券の前記購入後の前記最初の分配金における前記ユーザの前記証券の正しい所得を、以下の式を使用して計算し、
【数2】
式中、S=購入された株式の数、D=1株当たりの総分配金、T=支払い期間が開始されてからの経過時間、及びL=支払い期間の総時間であり、前記システムが、前記ユーザデータ、前記計算された正しい所得、前記未分配所得、及び前記計算された分配指数のうちの1以上を格納するように構成されたストレージをさらに備え、前記サーバが、前記ストレージから前記ユーザデータを取得するようにさらに構成され、
前記サーバによって、前記計算された正しい所得及び前記未分配所得のうちの1以上を前記ストレージに送信すること
を含む、方法。
【請求項31】
前記送信するステップが、前記サーバによって、前記計算された正しい所得と前記未分配所得の両方を前記ストレージに送信することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ストレージが、前記ユーザデータ、前記計算された正しい所得、前記未分配所得、及び前記計算された分配指数のうちの前記1以上を格納するように構成される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記ストレージが、前記ユーザデータ、前記計算された正しい所得、前記未分配所得、及び前記計算された分配指数を格納するように構成される、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記システムが、ユーザによって操作されるユーザデバイスをさらに備え、前記ユーザデバイスが、前記サーバに動作可能に接続され、前記取得するステップが、前記ユーザデバイスから前記ユーザデータを取得することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記証券が、1以上の分配タイプで分配する、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記分配タイプが、所得、現金、短期資本利得、長期資本利得、特別分配金、及び資本の払い戻しを含むリストから選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記計算するステップが、前記サーバによって、前記証券からの各分配タイプについて正しい所得を計算するサブステップを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記計算するステップが、前記サーバによって、前記証券からの各分配タイプの前記正しい所得を計算するサブステップの後に実行される、各分配タイプについて計算された前記正しい所得を前記ストレージに格納するサブステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記計算するステップが、前記取得されたユーザデータ、前記証券データ、及び前記分配データを使用して前記正しい所得を計算することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項40】
未分配所得を使用して、証券の購入後に受け取った最初の分配金におけるユーザの正しい所得を計算するためのシステムであって、
前記システムを制御するように構成されたサーバであって、前記サーバが、前記未分配所得を使用して、前記証券の購入後に受け取った前記最初の分配金における前記ユーザに対する正しい所得を計算するようにさらに構成され、前記サーバが、前記システムによって使用可能なユーザデータを取得するようにさらに構成され、前記ユーザデータが、前記ユーザによる前記証券の購入に関するユーザ購入データを含み、前記ユーザデータが、前記証券の購入後の最初の支払い期間の終了時に前記証券が依然として所有されているか否かに関する情報をさらに含む、サーバと、
前記サーバに動作可能に接続されたシステムデータベースであって、証券データベースと分配データベースの両方を含み、前記証券データベースが証券データを含み、前記証券データが対象の課税管轄における所得を生み出す証券のリストを含み、前記証券データが処理される証券タイプを識別するタグをさらに含み、前記システムデータベースがリレーショナル・データベース・サービスを含み、前記分配データベースが証券分配に関する分配データを含み、前記分配データベースが履歴証券データをさらに含み、前記履歴証券データが証券分配の履歴に関するデータを含み、前記分配データベースが外部データソースから分配データを取得するように構成されている、システムデータベースと、
前記ユーザによって操作されるユーザデバイスであって、前記ユーザデバイスが、前記サーバに動作可能に接続され、前記サーバが、ネットワーク接続、クラウド、及び有線接続のうちの1以上を介して前記ユーザデバイスと通信し、前記サーバが、前記サーバにログインするために前記ユーザデバイスによって使用されるのに適したログインモジュールを備え、前記サーバが、前記サーバへのログインの成功後に前記サーバとインターフェースするために前記ユーザデバイスによって使用されるのに適したユーザインターフェースをさらに備え、前記サーバが、前記ユーザインターフェースを介して前記ユーザデバイスから前記ユーザデータを取得し、前記サーバが、前記取得されたユーザデータ、前記証券データ、及び前記分配データを使用して、前記未分配所得を使用して、前記購入後の前記最初の支払い期間の終了時に前記証券が依然として所有されている場合における、前記証券の購入後の前記最初の分配金における前記ユーザの前記証券の正しい所得を、以下の式を使用して計算するようにさらに構成され、
【数3】
式中、S=購入された株式の数、D=1株当たりの総分配金、T=支払い期間が開始されてからの経過時間、及びL=支払い期間の総時間であり、ストレージが、前記計算された正しい所得と前記未分配所得の両方を格納するようにさらに構成されており、前記サーバが、前記計算された正しい所得と前記未分配所得の両方を前記ストレージに送信するようにさらに構成されており、前記サーバが、前記計算された正しい所得と前記未分配所得の両方を前記ユーザデバイス及び前記ユーザによって許可された仲介者のうちの1以上にエクスポートするようにさらに構成されており、前記仲介者が、会計士、税務顧問、ブローカー・ディーラ、及び証券保管機関のうちの1以上を含み、前記証券が、1以上の分配タイプで分配し、前記分配タイプが、所得、現金、短期資本利得、短期資本利得、長期資本利得、特別分配金、及び資本の払い戻しを含むリストから選択される、ユーザデバイスと、
前記ユーザデータ、前記計算された正しい所得、前記未分配所得、及び前記計算された分配指数のうちの1以上を格納するように構成されたストレージであって、前記サーバが、前記ストレージから前記ユーザデータを取得するようにさらに構成される、ストレージであって、前記サーバが、前記証券からの各分配タイプについて正しい所得を計算するようにさらに構成され、前記サーバが、各分配タイプについて計算された前記正しい所得を前記ストレージに送信する、ストレージと、
前記サーバ、前記ユーザデバイス、前記システムデータベース、前記証券データソース、前記ストレージ、及び前記仲介者のうちの2つ以上を動作可能に接続するように構成されたネットワークであって、前記サーバと前記ユーザデバイスとを動作可能に接続するサーバ-デバイスネットワーク接続、前記サーバと前記システムデータベースとを動作可能に接続するサーバ-データベースネットワーク接続、前記サーバと前記ストレージとを動作可能に接続するサーバ-ストレージネットワーク接続、及び前記サーバと前記仲介者とを動作可能に接続するサーバ-仲介者ネットワーク接続のうちの1以上を備える、ネットワークと、
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年2月1日に出願された「Method and System for Computing Per-Share Distributable Income of a Security」と題する米国仮特許出願第63/144,450号、及び2021年6月23日に出願された「Method and System for Computing Investment Risk Associated with Purchasing and Selling Income-Producing Securities」と題する米国仮特許出願第63/214,150号の優先権の利益を主張し、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本出願は、本出願と同じ譲受人に譲渡された以下の出願の主題に関連する主題を含む。本出願と同時に出願された、Boydellらによる「METHOD AND SYSTEM FOR COMPUTING HIDDEN INVESTMENT COST DISCLOSABLE TO PURCHASERS AND SELLERS OF INCOME-PRODUCING SECURITIES」と題する出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施形態は、未分配所得を使用して証券(有価証券)の正しい所得を計算するための方法及びシステムを提供する。
【0004】
未分配所得を使用して証券の購入後に受け取った最初の分配金におけるユーザの正しい所得を計算するためのシステムであって、システムを制御するように構成されたサーバであって、サーバが、未分配所得を使用して、証券の購入後に受け取った最初の分配金におけるユーザの正しい所得を計算するようにさらに構成され、サーバが、システムによって使用可能なユーザデータを取得するようにさらに構成され、ユーザデータが、ユーザによる証券の購入に関するユーザ購入データを含み、ユーザデータが、証券の購入後の最初の支払い期間の終了時に証券が依然として所有されているか否かに関する情報をさらに含む、サーバと、サーバに動作可能に接続されたシステムデータベースであって、システムによって使用可能な証券データ及びシステムによって使用可能な分配データのうちの1以上を含み、サーバが、未分配所得を使用して、及び、取得されたユーザデータ、証券データ、及び分配データのうちの1以上を使用して、以下の式を使用して、購入後の最初の支払い期間の終了時に証券が依然として所有されている場合における、証券の購入後の最初の分配金におけるユーザの証券の正しい所得を計算するようにさらに構成され、
【数1】
式中、S=購入された株式の数、D=1株当たりの総分配金、T=支払い期間が開始されてからの経過時間、L=支払い期間の総時間である、システムデータベースと、ユーザデータ、計算された正しい所得、未分配所得、及び計算された分配指数のうちの1以上を格納するように構成されたストレージであって、サーバが、ストレージからユーザデータを取得するようにさらに構成され、サーバが、計算された正しい所得及び未分配所得のうちの1以上をストレージに送信するようにさらに構成される、ストレージと、を含む。
【0005】
未分配所得を使用して証券の購入後に受け取った最初の分配金におけるユーザの正しい所得を計算するための方法であって、システムを制御するように構成されたサーバを備えるシステムを使用し、サーバが、未分配所得を使用して、証券の購入後に受け取った最初の分配金におけるユーザの正しい所得を計算するようにさらに構成され、サーバが、システムによって使用可能なユーザデータを取得するようにさらに構成され、ユーザデータが、ユーザによる証券の購入に関するユーザ購入データを含み、ユーザデータが、証券の購入後の最初の支払い期間の終了時に証券が依然として所有されているか否かに関する情報をさらに含み、システムが、サーバに動作可能に接続されたシステムデータベースをさらに備え、システムデータベースが、システムによって使用可能な証券データ、及びシステムによって使用可能な分配データのうちの1以上を含み、サーバによってユーザデータを取得することを含み、サーバによって、未分配所得を使用して、及び、取得されたユーザデータ、証券データ、及び分配データのうちの1以上を使用して、以下の式を使用して、購入後の最初の支払い期間の終了時に証券が依然として所有されている場合における、証券の購入後の最初の分配金におけるユーザの証券の正しい所得を計算し、
【数2】
式中、S=購入された株式の数、D=1株当たりの総分配金、T=支払い期間が開始されてからの経過時間、及びL=支払い期間の総時間であり、システムが、ユーザデータ、計算された正しい所得、未分配所得、及び計算された分配指数のうちの1以上を格納するように構成されたストレージをさらに備え、サーバが、ストレージからユーザデータを取得するようにさらに構成され、サーバによって、計算された正しい所得及び未分配所得のうちの1以上をストレージに送信することと、を含む。
【0006】
未分配所得を使用して証券の購入後に受け取った最初の分配金におけるユーザの正しい所得を計算するためのシステムであって、システムを制御するように構成されたサーバであって、サーバが、未分配所得を使用して、証券の購入後に受け取った最初の分配でのユーザの正しい所得を計算するようにさらに構成され、サーバが、システムによって使用可能なユーザデータを取得するようにさらに構成され、ユーザデータが、ユーザによる証券の購入に関するユーザ購入データを含み、ユーザデータが、証券の購入後の最初の支払い期間の終了時に証券が依然として所有されているか否かに関する情報をさらに含む、サーバと、サーバに動作可能に接続されたシステムデータベースであって、証券データベースと分配データベースの両方を含み、証券データベースが証券データを含み、証券データが対象の課税管轄におけるすべての所得を生み出す証券のリストを含み、証券データが処理される証券タイプを識別するタグをさらに含み、システムデータベースがリレーショナル・データベース・サービスを含み、分配データベースが証券分配に関する分配データを含み、分配データベースが履歴証券データをさらに含み、履歴証券データが証券分配の履歴に関するデータを含み、分配データベースが外部データソースから分配データを取得するように構成されている、システムデータベースと、ユーザによって操作されるユーザデバイスであって、ユーザデバイスがサーバに動作可能に接続され、サーバが、ネットワーク接続、クラウド、及び有線接続のうちの1以上を介してユーザデバイスと通信し、サーバが、サーバにログインするためにユーザデバイスによって使用されるのに適したログインモジュールを備え、サーバが、サーバへのログインの成功後にサーバとインターフェースするためにユーザデバイスによって使用されるのに適したユーザインターフェースをさらに備え、サーバが、ユーザインターフェースを介してユーザデバイスからユーザデータを取得し、サーバが、未分配所得を使用して、及び、取得されたユーザデータ、証券データ、及び分配データを使用して、購入後の最初の支払い期間の終了時に証券が依然として所有されている場合における、証券の購入後の最初の分配金におけるユーザの証券の正しい所得を、以下の式を使用して、計算するようにさらに構成され、
【数3】
式中、S=購入された株式の数、D=1株当たりの総分配金、T=支払い期間が開始されてからの経過時間、及びL=支払い期間の総時間であり、ストレージが、計算された正しい所得と未分配所得の両方を格納するようにさらに構成されており、サーバが、計算された正しい所得と未分配所得の両方をストレージに送信するようにさらに構成されており、サーバが、計算された正しい所得と未分配所得の両方をユーザデバイス及びユーザによって許可された仲介者のうちの1以上にエクスポートするようにさらに構成されており、仲介者が、会計士、税務顧問、ブローカー・ディーラ、及び証券保管機関のうちの1以上を含み、証券が、1以上の分配タイプで分配され、分配タイプが、所得、現金、短期資本利得、長期資本利得、特別分配金、及び資本の払い戻しを含むリストから選択される、ユーザデバイスと、ユーザデータ、計算された正しい所得、未分配所得、及び計算された分配指数のうちの1以上を格納するように構成されたストレージであって、サーバが、ストレージからユーザデータを取得するようにさらに構成され、サーバが、証券の各分配タイプについての正しい所得を計算するようにさらに構成され、サーバが、各分配タイプについて計算された正しい所得をストレージに送信する、ストレージと、サーバ、ユーザデバイス、システムデータベース、証券データソース、ストレージ、及び仲介者のうちの2つ以上を動作可能に接続するように構成されたネットワークであって、ネットワークが、サーバとユーザデバイスとを動作可能に接続するサーバ-デバイスネットワーク接続、サーバとシステムデータベースとを動作可能に接続するサーバ-データベースネットワーク接続、サーバとストレージとを動作可能に接続するサーバ-ストレージネットワーク接続、及びサーバと仲介者とを動作可能に接続するサーバ-仲介者ネットワーク接続のうちの1以上を含む、ネットワークと、を含む。
【0007】
図面は、例示のみを目的として様々な実施形態を示す。当業者は、以下の説明から、本明細書に記載された原理から逸脱することなく、本明細書に示された構造及び方法の代替実施形態が使用され得ることを容易に認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】未分配所得を使用して証券の正しい所得を計算するための例示的なシステムを示す。
【
図2】未分配所得を使用して証券の正しい所得を計算するための例示的なシステムを示す。
【
図3】未分配所得を使用して証券の正しい所得を計算するためのシステムによって計算された、証券の支払い期間の日に対してプロットされた証券の価格を示すグラフである。
【
図4A】システムがよりわずかに複雑な例の分配指数を作成する方法を示す一対の棒グラフである。
【
図4B】システムがよりわずかに複雑な例の分配指数を作成する方法を示す一対の棒グラフである。
【
図5】未分配所得を使用して証券の正しい所得を計算するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、多くの異なる形態で実施形態が可能であるが、図面に示されており、本明細書では、本開示が本発明の原理の例示と見なされるべきであり、本発明を図示及び説明された特定の実施形態に限定することを意図しないことを理解した上で、1以上の特定の実施形態を詳細に説明する。以下の説明及び図面のいくつかの図では、図面のいくつかの図の同じ、同様の、又は対応する部分を説明するために、同様の参照番号が使用される。
【0010】
本発明の実施形態は、証券(有価証券)を購入する投資家に、負うべきでない税金を支払わせるグローバル株式市場の問題を解決する。グローバル株式市場は、株主に所得を分配するために「最後の記録上の所有者(last holder of record)」システムを使用している。「最後の記録上の所有者」システムでは、支払い期間の最終日に株式を所有している最後の投資家は、それらの株式が保有されていた期間にかかわらず、全体の金融分配を受け取る権利を有する。例えば、投資家1が1年間にわたって所得を生み出す証券の株式を保有し、その後、支払い期間の終了の1日前にそれらの株式を投資家2に販売した場合、投資家2が株式を1日所有しただけであっても、投資家1は今度の分配金のいずれも受け取らず、投資家2が分配金の全部を受け取る。
【0011】
現在の「最後の記録上の所有者」システムは、証券の価格に、証券によって証券の株主に支払うべき証券の未分配所得を含む。したがって、所得を生み出す証券を購入する投資家は、それらの証券において2つの別個の非常に異なる利息又は利益(interests)を購入している。投資家の資本(資金)の大部分は、実際の証券を購入するために使用される。しかしながら、投資家の資本のうちのより少ない部分は、既に獲得したものの、その証券が将来の日付に分配するであろう、まだ未分配の所得を購入するために使用される。証券の未分配所得における副次的利益を購入するために使用された投資家の資本は、完全な分配金として投資家に払い戻される。しかしながら、証券の未分配所得のこの払い戻しは、所得であるべきではない。これは、投資家の初期資本の一部の払い戻しに相当し、所得を得たわけではないため、課税対象から除外されるべきである。これが現在の「最後の記録上の所有者」システムの問題である。
【0012】
例えば、投資家が1株当たり100ドルの証券を購入し、翌日2.00ドルの分配金が支払われる場合、分配金が支払われると、証券の価格は1株当たり100ドルから98.00ドルに下落し、投資家は1株当たり2.00ドルの分配金を受け取る。投資家は2.00ドルの株式価値を失い、2.00ドルの分配金を得ているので、これはゼロサム・ゲームに見えるかもしれない。しかしながら、このシナリオでは、投資家は、投資家が受け取る2.00ドルの分配金に対して税金を支払うことになるため、投資家は損失を被る。税率を50%と仮定すると、投資家は1.00ドルを課税され、純投資額は99.00ドルとなる。この投資家は、24時間に満たない間に自己資本の1%を失ったことになる。
【0013】
この投資家が損失を経験した理由は、購入した分配金が返されたときに、投資家が資本の払い戻し(return of capital)に対して課税されたからである。資本の払い戻しは、課税対象とすべきではない。本発明の実施形態は、既存のシステムにおけるこの欠陥を修正するための方法及びシステムを提供する。
【0014】
本発明の実施形態は、ユーザの資本の払い戻しを表し、したがって課税から除外されるべきである分配金の量を決定する。本発明の実施形態はさらに、獲得され、したがって適切に課税対象となる分配金の量を決定する。
【0015】
未分配所得を使用して証券の正しい所得を計算するためのシステムの構成要素は、クラウドベースのシステムアーキテクチャを使用して構築することができる。代替的又は追加的に、システムは、物理的なオンサイト構成要素を使用して構築することができる。
【0016】
図1は、未分配所得を使用して証券の正しい所得を計算するための例示的なシステム100を示す。
図1は、物理的なオンサイト構成要素を使用して構築及び動作させることができるシステム100を示す。代替的又は追加的に、
図1に示すシステム100は、クラウドベースのシステムアーキテクチャを使用して構築及び動作させることもできる。必ずしもこれに限らないが、好ましくは、
図1は、物理的なオンサイト構成要素と共に使用するのに適したシステム100を示す。例えば、クラウドベースのシステムアーキテクチャの場合、クラウドベースのシステムは、ワシントン州シアトルのAmazon.com(www.amazon.com)(登録商標)の子会社であるAmazon Web Services(AWS)(登録商標)によって販売されているシステムを含む。
【0017】
システム100は、サーバ110を備え、サーバ110は、データを処理すること、及びシステム100を制御することの1以上を行うように構成される。サーバ110は、データを処理するために使用可能なコンピュータコードを備える。システム100は、ユーザとしても知られるユーザ(図示せず)によって操作されるユーザデバイス120をさらに備え、ユーザデバイス120は、サーバ110に動作可能に接続される。例えば、ユーザデバイス120は、デスクトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレット、携帯電話、スマートウォッチ、及び別のユーザデバイスのうちの1以上を含む。サーバ110及びユーザデバイス120は、互いに通信するように構成される。図示のように、システムは、ネットワーク125をさらに備える。
【0018】
例えば、サーバ110は、ネットワーク125、クラウド、有線接続、及び別の接続のうちの1以上を使用するネットワーク接続を介してユーザデバイス120と通信する。ネットワークは、サーバ110とユーザデバイス120とを動作可能に接続するサーバ-デバイスネットワーク接続125Aを備える。図示のように、サーバ110は、サーバ-デバイスネットワーク接続125Aを介してユーザデバイス120と通信する。ネットワーク125は、有線ネットワーク、無線ネットワーク、及び別のネットワークのうちの1以上を含む。ネットワーク125は有線ネットワークを含むことが好ましいが、必ずしもそうである必要はない。
【0019】
サーバ110は、サーバ110にログインするためにユーザデバイス120によって使用されるのに適したログインモジュール(図示せず)を備える。システム100は、サーバ110へのログインの成功後にサーバ110とインターフェースするためにユーザデバイス120によって使用されるのに適したユーザインターフェース(図示せず)をさらに備える。サーバ110をユーザデバイス120に接続するサーバ-デバイスネットワーク接続125Aを介して、ユーザ(図示せず)は、ユーザデバイス120を使用して、サーバ110によって提供されるログインモジュールにアクセスする。例えば、サーバ-デバイスネットワーク接続125Aはインターネット接続を含むことができ、ネットワーク125の残りは有線ネットワークを含む。ログインモジュールを使用して、ユーザデバイス120は、ユーザインターフェースを介してサーバ110にアクセスする。ユーザインターフェースを介してユーザデバイス120を使用して、ユーザ(図示せず)はユーザデータ127をアップロードする。ユーザインターフェースは、サーバ-デバイスネットワーク接続125Aを介してサーバ110にユーザデータ127を送信する。
【0020】
システム100はシステムデータベース130をさらに備え、システムデータベース130は、サーバ-データベースネットワーク接続125Bを介してサーバ110に動作可能に接続される。システムデータベース130は、証券データベース135及び分配データベース140のうちの1以上を含む。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、システムデータベース130は、証券データベース135と分配データベース140の両方を含む。代替的又は追加的に、証券データベース135及び分配データベース140のうちの1以上は、システムデータベース130の外部に配置される。例えば、証券データベース135と分配データベース140の両方がシステムデータベース130に含まれていない場合、動作可能なネットワーク接続(図示せず)が証券データベース135をサーバ110に接続し、第2の動作可能なネットワーク接続(図示せず)が分配データベース140をサーバ110に接続する。
【0021】
証券データベース135は、証券名、証券ティッカーシンボル、及び他の関連情報を含む証券のマスタリストを含む。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、証券データベース135は、証券データを含み、証券データは、対象の課税管轄(tax jurisdiction of interest)における所得を生み出す証券のリストを含む。必ずしもそうとは限らないが、最も好ましくは、証券データベース135は、対象の課税管轄におけるすべての所得を生み出す証券のリストを含む。例えば、証券データベース135は、処理される証券タイプを識別する証券タグをさらに含む。証券データベース135は、証券タグを使用して、各証券がどのタイプの証券であるかを示す。例えば、証券タグは、証券が株式であるか又は投資ファンドであるかを示す。例えば、証券タグは、証券所得がどのようにして課税されるかを識別する。例えば、証券タグは、証券が対象の管轄で課税対象であるか否かをさらに示す。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、証券データベース135は、リレーショナル・データベース・サービスを含む。
【0022】
分配データベース140は、証券分配に関してシステム100によって使用可能な分配データをサーバ110から受信すること、及び分配データを格納することのうちの1以上を行うように構成される。例えば、分配データは、証券データベース135内の証券から発生したすべての分配の会計を含む。分配データベース140は、物理的な分配データベース及びクラウドベースの分配データベースのうちの1以上を含む。分配データベース140は、サーバ110からのデータの受信、サーバ110によって使用可能なデータの格納、及びサーバ-データベースネットワーク接続125Bを介したサーバ110へのデータのエクスポートのうちの1以上を行うように構成される。分配データベース140は、サーバ110からデータを受信し、サーバ110が使用可能なデータを格納し、サーバ110から必要なデータの要求を受信し、必要なデータをサーバ110にエクスポートするように構成されることが好ましいが、必ずしもそうである必要はない。
【0023】
必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、分配データベース140は履歴証券データをさらに含む。必ずしもそうとは限らないが、履歴証券データは、証券分配の履歴に関するデータを含むことが好ましい。分配データベース140は、外部データソースから取引データを取得してもよい。例えば、外部データソースは、ニューヨークのブルームバーグ(www.bloomberg.com)(登録商標)、コネチカット州ノーウォークのファクトセット(FactSet)(www.factset.com)、カナダ、オンタリオ州トロントのトムソン・ロイター・コーポレーション(www.thomsonreuters.com)(登録商標)、及び任意の他の外部データソースのうちの1以上を含むことができる。
【0024】
システム100は、データを格納するように構成されたストレージ150をさらに備える。ネットワーク125は、サーバ110とユーザデバイス120とを動作可能に接続するサーバ-デバイスネットワーク接続125A、サーバ110とシステムデータベース130とを動作可能に接続するサーバ-データベースネットワーク接続125B、及びサーバ110とストレージ150とを動作可能に接続するサーバ-ージネットワーク接続125Cのうちの1以上を含む。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、図示のように、ネットワーク125は、サーバ110とユーザデバイス120とを動作可能に接続するサーバ-デバイスネットワーク接続125Aと、サーバ110とシステムデータベース130とを動作可能に接続するサーバ-データベースネットワーク接続125Bと、サーバ110とストレージ150とを動作可能に接続するサーバ-ストレージネットワーク接続125Cとを備える。
【0025】
サーバ110は、サーバ-デバイスネットワーク接続125Aを介してユーザデバイス120からユーザデータ127を取得する。サーバ-データベースネットワーク接続125Bを介して、サーバは、システムデータベース130にアクセスして、未分配所得を計算するために必要な証券情報を取得する。それによって取得した証券情報を使用し、未分配所得を計算するための方法を使用して、サーバ110は、ユーザデータ127を処理し、未分配所得を計算することで、計算データ154を生成する。例えば、計算データ154は、計算された正しい所得を含む。サーバ110は、サーバ110をストレージ150に接続するサーバ-ストレージネットワーク接続125Cを介して、ユーザデータ127及び計算データ154のうちの1以上をストレージ150に送信する。必ずしもそうである必要はないが、サーバ110は、サーバ-ストレージネットワーク接続125Cを介して、ユーザデータ127及び計算データ154の両方をストレージ150に送信することが好ましい。ストレージ150は、ユーザデータ127、計算された正しい所得、未分配所得、及び計算された分配指数のうちの1以上を格納する。ストレージ150はまた、計算データ154、ログデータ156、プロフィールデータ158、及びその他のデータ160のうちの1以上を格納する。ログデータ156は、ユーザログイン、ユーザデータのユーザアップロード、サーバ110とシステムデータベース130との間のサーバ-データベースネットワーク接続125Bを介したデータの送信、サーバ110とストレージ150との間のサーバ-ストレージネットワーク接続125Bを介したデータの送信、計算データ154に対するユーザ要求、及び任意の他のシステムイベントを含む、システム100内で行われるイベントの記録を含む。プロフィールデータ158は、ユーザプロフィールを作成するときにユーザによって提出されたプロフィール情報を含む。プロフィール情報は、プロフィール写真、ユーザ名、名前、住所、電話番号、ファックス番号、電子メール(Eメール)アドレス、ソーシャルメディアハンドル名、及びその他のプロフィール情報のうちの1以上を含む。例えば、プロフィール写真は、ユーザの写真及びその他の写真のうちの1以上を含む。その他のデータ160は、システム100に関するデータ、システム100に関するメトリックを生成するために使用されるデータ、ユーザによって処理されたデータを測定するように構成されたダッシュボード、及びさらなる他のデータのうちの1以上を含む。
ユーザデバイス120を使用するユーザ及びユーザによって許可された仲介者(図示せず)のうちの1以上は、計算された正しい所得を含む計算データ154を受信するように要求することができる。次いで、サーバ110は、計算された正しい所得を含む計算データ154を、ユーザデバイス120及びユーザによって許可された仲介者のうちの1以上にエクスポートして戻す。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、サーバ110は、計算された正しい所得及び未分配所得のうちの1以上をユーザデバイス及び仲介者のうちの1又は複数にエクスポートするように構成される。最も好ましくは、必ずしもそうとは限らないが、サーバ110は、計算された正しい所得と未分配所得の両方をユーザデバイス及び仲介者のうちの1以上にエクスポートするように構成される。
【0026】
例えば、仲介者は、会計士、税務顧問、ブローカー・ディーラ、及び証券保管機関のうちの1以上を含む。ネットワークは、サーバ110と仲介者とを動作可能に接続するサーバ-仲介者ネットワーク接続をさらに備える。
【0027】
サーバ-デバイスネットワーク接続125Aを介してユーザデバイス120を使用して、ユーザは計算データ154を要求することができる。代替的又は追加的に、サーバ110は、サーバ-ストレージネットワーク接続125Cを介してユーザデバイス120に要求された計算データ154を送信するようにストレージ150に命令する。次いで、サーバ110は、ユーザデバイス120を介してサーバ-デバイスネットワーク接続125Aを介して、ユーザ(図示せず)及びユーザによって指名された仲介者(図示せず)のうちの1以上に、要求された計算データ154を送信する。
【0028】
図2は、未分配所得を使用して証券の正しい所得を計算するための例示的なシステム200を示す。
図2は、クラウドベースのシステムアーキテクチャを使用して構築及び操作されるシステム200を示す。例えば、クラウドベースのシステムは、ワシントン州シアトルのAmazon.com(www.amazon.com)(登録商標)の子会社であるAmazon Web Services(AWS)(登録商標)によって販売されているシステムを含む。
【0029】
システム200は、仮想プライベートクラウド205を備える。仮想プライベートクラウド205は、未分配所得を使用して証券の正しい所得を計算するための方法及びシステムを実行するシステムの構成要素を備える。仮想プライベートクラウド205は、サーバ210A~210Bを備える。図示のように、仮想プライベートクラウド205は、第1のサーバ210A及び第2のサーバ210Bの2つのサーバを備える。サーバ210A~210Bは、データを処理すること、及び仮想プライベートクラウド205を制御することのうちの1以上を行うように構成される。例えば、サーバのうちの1以上は、ワシントン州シアトルのAmazon.com(www.amazon.com)(登録商標)の子会社であるAmazon Web Services(AWS)(登録商標)によって運営されるAmazon Elastic Cloud Compute(EC2)(登録商標)サーバを含む。システムは、任意選択的に、プライベートサブネット215A~215Bをさらに含む。図示されるように、仮想プライベートクラウド205は、第1のプライベートサブネット215A及び第2のプライベートサブネット215Bの2つのプライベートサブネットを含む。サーバ210A~210Bのうちの少なくとも1つが、任意選択的に、プライベートサブネット215A-215Bに含まれ得る。図示されるように、第1のプライベートサブネット215Aは第1のサーバ210Aを備え、第2のプライベートサブネット215Bは第2のサーバ210Bを備える。
【0030】
サーバ210A~210Bはそれぞれ、データを処理するために使用可能なコンピュータコードを備える。システム200は、ユーザとしても知られる、ユーザ(図示せず)によって操作されるユーザデバイス220をさらに備え、ユーザデバイス220は、サーバ210A~210Bに動作可能に接続される。例えば、ユーザデバイス220は、デスクトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレット、携帯電話、スマートウォッチ、及び他のユーザデバイスのうちの1以上を含む。サーバ210A~210B及びユーザデバイス220は、互いに通信するように構成される。図示のように、システムは、仮想プライベートクラウド205の構成要素を接続するように構成されたネットワーク226をさらに備える。例えば、ネットワーク226は、有線ネットワーク、無線ネットワーク、及び他のネットワークのうちの1又は複数である。ネットワーク226は、有線ネットワーク及びインターネットのうちの1以上を含むことが好ましいが、必ずしもそうである必要はない。
【0031】
例えば、サーバ210A~210Bは、インターネット226を使用するネットワーク接続、クラウド、有線接続、及び他の接続のうちの1以上を介してユーザデバイス220と通信する。図示のように、ユーザデバイス220は、サーバ210A~210Bの各々に動作可能に接続される。
図2では、
図1とは異なり、ユーザデバイス220とサーバ210A~210Bとの間の動作可能な接続は、複数の他の構成要素を通過する。
【0032】
プライベートクラウド205は、パブリックサブネット227A~227Bをさらに含む。プライベートクラウド205は、ファイアウォール228A~228Bをさらに含む。図示されるように、プライベートクラウド205は、第1のパブリックサブネット227A、第2のプライベートサブネット227B、第1のファイアウォール228A、第2のファイアウォール228B、弾性ロードバランサ229、及びインターネットゲートウェイ230をさらに含む。弾性ロードバランサ229は、ユーザデバイス220を介してアップロードされているデータを処理するために、必要に応じて適切な数のサーバ210A~210Bを起動するように構成される。第1のパブリックサブネット227Aは、第1のファイアウォール228Aを含む。第2のパブリックサブネット227Bは、第2のファイアウォール228Bを含む。例えば、第1のファイアウォール228Aは、ワシントン州シアトルのAmazon.com(www.amazon.com)(登録商標)の子会社であるAmazon Web Services(AWS)(登録商標)によって運営されるNetwork Address Translation(NAT)ゲートウェイ228Aを含む。例えば、第2のファイアウォール228Bは、ワシントン州シアトルのAmazon.com(www.amazon.com)(登録商標)の子会社であるAmazon Web Services(AWS)(登録商標)によって運営されるNATゲートウェイ228Bを含む。インターネットゲートウェイ230は、第1のパブリックサブネット227Aと動作可能に接続されている。インターネットゲートウェイ230は、第2のパブリックサブネット227Bと動作可能に接続されている。インターネットゲートウェイ230はまた、弾性ロードバランサ229と動作可能に接続されている。
【0033】
図示されるように、第1のサーバ210Aは、強調表示された経路を介してユーザデバイス220と通信し、強調表示された経路は、最初に、第1のサーバ210Aを含む第1のプライベートサブネット215Aを通過し、次いで、第1のプライベートサブネット-第1のパブリックサブネット接続235を介して、第1のファイアウォール228Aを含む第1のパブリックサブネット227Aに到達し、次いで、第1のパブリックサブネット-インターネットゲートウェイ接続240を介してインターネットゲートウェイ230に到達し、次いで、インターネット226を介してインターネットゲートウェイ-デバイス接続245を介してユーザデバイス220に到達する。
【0034】
インターネットゲートウェイ230は、サーバ210A~210Bにログインするためのサーバ210A~210Bによる使用に適したログインモジュール250、及びサーバ210A~210Bへのログインの成功後に仮想プライベートクラウド205とユーザデバイス220との間のインターフェースを提供するためのインターネットゲートウェイ230による使用に適したユーザインターフェース255のうちの1以上を提供する。ユーザインターフェース255及びインターネットゲートウェイ230を介して、ユーザ(図示せず)は、サーバ210A~210Bのうちの1以上にユーザデータ260をアップロードする。
【0035】
システム200は、システムデータベース270をさらに備え、システムデータベース270は、第1のサーバ-データベースネットワーク接続272Aを介して第1のサーバ210Aに動作可能に接続され、システムデータベース270は、第2のサーバ-データベースネットワーク接続272Bを介して第2のサーバ210Bに動作可能に接続される。システムデータベース270は、証券データベース275及び分配データベース280のうちの1以上を含む。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、システムデータベース270は、証券データベース275と分配データベース280の両方を含む。代替的又は追加的に、証券データベース275及び分配データベース280のうちの1以上は、システムデータベース270の外部に配置される。例えば、証券データベース275と分配データベース280の両方がシステムデータベース270に含まれていない場合、動作可能なネットワーク接続(図示せず)が証券データベース275をサーバ210A~210Bに接続し、第2の動作可能なネットワーク接続(図示せず)が分配データベースをサーバ210A~210Bに接続する。
【0036】
証券データベース275は、証券名、証券ティッカーシンボル、及びその他の関連情報を含む証券のマスタリストを含む。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、証券データベース275は、証券データを含み、証券データは、対象の課税管轄における所得を生み出す証券のリストを含む。必ずしもそうとは限らないが、最も好ましくは、証券データベース275は、対象の課税管轄における、すべての所得を生み出す証券のリストを含む。証券データベース275は、証券タグを使用して、各証券がどのタイプの証券であるかを示す。例えば、証券タグは、証券が株式又は投資ファンドを含むか否かを示す。例えば、証券タグは、証券所得がどのようにして課税されるかを識別する。例えば、証券タグは、証券が対象の管轄内で課税対象であるか否かをさらに示す。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、証券データベース275は、リレーショナル・データベース・サービスを含む。
【0037】
分配データベース280は、サーバ210A~210Bから証券分配に関してシステム200によって使用可能な分配データを受信すること、及び分配データを格納することのうちの1以上を行うように構成される。例えば、分配データは、証券データベース275内の証券から作成されたすべての分配の会計を含む。分配データベース280は、物理的な分配データベース及びクラウドベースの分配データベースのうちの1以上を含む。分配データベース280は、サーバ210A~210Bからのデータの受信、サーバ210A~210Bによって使用可能なデータの格納、及びサーバ-データベースネットワーク接続272A~272Bを介したサーバ210A~210Bへのデータのエクスポートのうちの1以上を行うように構成される。分配データベース280は、サーバ210A~210Bからデータを受信し、サーバ210A~210Bによって使用可能なデータを格納し、サーバ210A~210Bから必要なデータの要求を受信し、必要なデータをサーバ210A~210Bにエクスポートするように構成されることが好ましいが、必ずしもそうである必要はない。
【0038】
必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、分配データベース280は履歴証券データをさらに含む。必ずしもそうとは限らないが、履歴証券データは、証券分配の履歴に関するデータを含むことが好ましい。分配データベース280は、外部データソースから取引データを取得してもよい。例えば、外部データソースは、ニューヨークのブルームバーグ(www.bloomberg.com)(登録商標)、コネチカット州ノーウォークのファクトセット(www.factset.com)、カナダ、オンタリオ州トロントのトムソン・ロイター・コーポレーション(www.thomsonreuters.com)(登録商標)、及び任意の他の外部データソースのうちの1以上を含むことができる。
【0039】
システム200は、データを格納するように構成されたストレージ285をさらに備える。例えば、ストレージ285は、ワシントン州シアトル所在のAmazon.com(www.amazon.com)(登録商標)の子会社であるAmazon Web Services(AWS)(登録商標)によって運営されているS3ストレージデバイスを含む。
【0040】
サーバ210A~210Bは、ユーザデバイス220からユーザデータ260を取得する。例えば、サーバ210A~210Bは、ユーザインターフェース255を介してユーザデータ260を取得する。サーバ210A~210Bは、システムデータベース270にアクセスして、未分配所得を計算するために必要な証券情報を取得する。それによって取得した証券情報を使用し、未分配所得を計算するための方法を使用して、サーバ210A~210Bは、ユーザデータ260を処理し、未分配所得を計算することで、計算データ287を生成する。例えば、計算データ287は、計算された正しい所得を含む。サーバ210A~210Bは、ユーザデータ260及び計算データ287のうちの1以上を、それぞれのサーバ210A~210Bをストレージ285に接続するそれぞれのサーバ-ストレージネットワーク接続288A~288Bを介してストレージ285に送信する。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、サーバ210A~210Bは、ユーザデータ260及び計算データ287の両方を、それぞれのサーバ-ストレージネットワーク接続288A~288Bを介してストレージ285に送信する。ストレージ285は、ユーザデータ260を格納する。ストレージ285はまた、計算データ287、ログデータ289、プロフィールデータ290、及び他のデータ291のうちの1以上を格納する。ログデータ289は、ユーザログイン、ユーザデータのユーザアップロード、それぞれのサーバ210A~210Bとシステムデータベース270との間のそれぞれのサーバ-データベースネットワーク接続272A~272Bを介したデータの送信、サーバ210A~210Bとストレージ285との間のそれぞれのサーバ-ストレージネットワーク接続288A~288Bを介したデータの送信、計算データ260に対するユーザ要求、及び任意の他のシステムイベントを含む、システム200内で行われるイベントの記録を含む。プロフィールデータ290は、ユーザプロフィールを作成するときにユーザによって提出されたプロフィール情報を含む。プロフィール情報は、プロフィール写真、ユーザ名、名前、住所、電話番号、ファックス番号、電子メール(Eメール)アドレス、ソーシャルメディアハンドル名、及び他のプロフィール情報のうちの1以上を含む。例えば、プロフィール写真は、ユーザの写真及びその他の写真のうちの1以上を含む。他のデータ291は、システム200に関するデータ、システム200に関するメトリックを生成するために使用されるデータ、ユーザによって処理されたデータを測定するように構成されたダッシュボード、及びさらなる他のデータのうちの1以上を含む。
【0041】
サーバ210A~210Bを使用するユーザ及びユーザによって許可された仲介者(図示せず)のうちの1以上は、計算された正しい所得を含む計算データ287を受信するように要求することができる。次いで、サーバ210A~210Bのうちの1又は複数は、計算された正しい所得を含む計算データ287を、ユーザデバイス220及びユーザによって許可された仲介者のうちの1以上にエクスポートして戻す。例えば、仲介者は、会計士、税務顧問、ブローカー・ディーラ、及び証券保管機関のうちの1以上を含む。
【0042】
サーバ210A~210Bを使用して、ユーザは計算データ287を要求することができる。代替的又は追加的に、ユーザ要求に応答して、サーバ210A~210Bは、要求された計算データ287をユーザデバイス220に送信するようにストレージ285に命令する。
【0043】
システムは、電子コンポーネント、ハードウェアコンポーネント、及びコンピュータソフトウェアコンポーネントのうちの1以上などの複数のコンポーネントを含む。いくつかのそのような構成要素は、システム内で組み合わせたり分割したりすることができる。システムの例示的な構成要素は、当業者には理解されるように、いくつかのプログラミング言語のいずれかで書かれた、又は実装されたコンピュータ命令のセット及び/又はシリーズを含む。
【0044】
一例におけるシステムは、1以上のコンピュータ可読信号担持媒体を使用する。コンピュータ可読信号担持媒体は、本発明の1以上の実装の1以上の部分を実行するためのソフトウェア、ファームウェア、及び/又はアセンブリ言語を格納する。一例におけるシステムのためのコンピュータ可読信号担持媒体は、磁気、電気、光学、生物学、及び原子データ記憶媒体のうちの1以上を含む。例えば、コンピュータ可読信号担持媒体は、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスクドライブ、ダウンロード可能ファイル、「クラウド」で実行可能なファイル、電子メモリ、及び別のコンピュータ可読信号担持媒体のうちの1以上を含む。
【0045】
本出願の目的のために、未分配所得は、所得を生み出す証券を購入する際に税控除としてユーザが請求することができる資本の払い戻しに等しい。未分配所得は、購入した1株当たりの未分配所得に、購入された株式の数を乗じたものに等しい。購入の場合、未分配所得は、ユーザによって購入され、その後、分配金が支払われるときにユーザに払い戻される。システムは、購入済み株式が支払い期間の終了時に保有されていることを要求する。例えば、ユーザは、税控除として資本の払い戻しを請求することができる。システムは、分配指数を使用して未分配所得を計算する。
【0046】
したがって、証券の購入後に受け取った最初の分配金におけるユーザの正しい所得は、以下の式によって決定される。
(1)正しい所得=(受取分配金-未分配所得)
式中、受取分配金は、ユーザが受け取った分配金であり、未分配所得は、購入した1株当たりの未分配所得に、購入された株式の数を乗算したものである。未分配所得は、ユーザへの資本の払い戻しを表す。この資本の払い戻しは、課税対象となるべきではない。ユーザが納税申告書において資本の払い戻しの税控除を請求しない場合、ユーザは自分が獲得しなかった所得に対して税金を支払うことになり、証券を購入したユーザに税金を超過支払いさせる。証券購入の場合、サーバは未分配所得を計算する。次いで、サーバは、計算された正しい所得及び計算された未分配所得のうちの1以上をストレージに送信する。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、サーバは、計算された正しい所得と計算された未分配所得の両方をストレージに送信する。未分配所得は、正しい所得を計算するためにユーザの納税申告書を調整するために使用される。正しい所得は、未分配所得を含む。
【0047】
本出願の目的のために、「1株当たりの分配指数」としても知られる分配指数は、利息の支払い期間に対する1株当たりの証券の未分配所得の推定値、及び利息の支払い期間に対する1株当たりの証券の未分配所得の正確な値のうちの1以上を含む。本発明の実施形態によれば、分配指数を証券の価格で除算して、利息の支払い期間の未分配所得割合を計算することができる。投資ファンドの場合、分配指数は、支払い期間内に少なくとも1回変化する変数を含む。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、投資ファンドの場合、分配指数は、支払い期間の間において毎日変化する変数を含む。したがって、購入の場合、分配指数に株式数を乗算したものは、証券の所有者が購入した所得、本システムが所得分配金から控除する所得を表す。したがって、本発明者らのシステムは、購入された後にユーザに払い戻された未分配所得の一部について資本の払い戻しをユーザが請求することを可能にすることによって、証券の所有者が不当に課税されることを回避することを可能にする。資本の払い戻しは、ユーザの税金から控除されるべきである。資本の払い戻しの請求は、請求された控除額だけユーザの所得を減少させる。
【0048】
分配データは、証券の分配指数を計算するために使用可能な情報を含む。本発明の実施形態によれば、システムは、証券のための分配データのデータベースを生成する。本発明のさらなる実施形態によれば、システムは、データのための複数のデータベースを生成し、データベースのうちの少なくとも1つは、証券のための分配指数を計算するために使用可能な金融分配情報を含む。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、金融分配情報を含むデータベースの各々は、証券の分配指数を計算するために使用可能である。分配指数を計算するために使用可能な金融分配情報は、ブルームバーグ(登録商標)、ファクトセット、及びRefinitiv(登録商標)のうちの1以上などの金融データソースから取得することができる。金融分配情報は、証券の配当落ち日、配当金の発表日、CUSIP(Committee on Uniform Security Identification Procedures)識別子、他の一意の証券識別子、ティッカーシンボル、分配支払い頻度、カスタム証券タグ、証券の支払い期間情報、証券の1株当たりの期間総分配金、証券の分配のタイプ、証券の保有期間要件、及び証券収入、証券利益、証券タイプ、及び証券の分配に関連する税情報のうちの1以上に関連する情報のうちの1以上を含む。例えば、保有期間要件は、対象の管轄における証券に対する優先的な課税のための保有期間要件を含む。
【0049】
本発明のさらなる実施形態によれば、分配指数の計算に続いて、分配指数をデータベースに格納することができる。代替的又は追加的に、分配指数はオンデマンドで計算することができる。本発明のさらに他の実施形態によれば、代替的又は追加的に、分配割合をデータベースに格納することができる。本発明のさらに別の実施形態によれば、システムは、分配指数を使用して、利息期間の証券に対する累積分配所得を計算する。例えば、利息期間は、支払い期間に含まれる利息日、支払い期間に含まれる利息時間、及び支払い期間に含まれる時間枠のうちの1以上を含む。代替的又は追加的に、システムは、単一の計算で分配指数を計算する。
【0050】
本発明の他の実施形態によれば、分配が証券によって宣言された支払い期間の終了後、システムはユーザデータを取得する。例えば、ユーザデータは、証券購入又は売却の会計、税ロット(tax lot)、口座番号、税ロット識別番号、買い持ち(ロングポジション)識別子、売り持ち(ショートポジション)識別子、ティッカーシンボル、税コスト、税務基準額、及び一意の証券識別子のうちの1以上を含む。例えば、証券識別子は、CUSIP識別子を含む。例えば、ユーザデータは、証券購入又は売却の日、券購入又は売却の時間、及び購入又は売却した株式の数のうちの1以上を含む。例えば、必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、購入の場合、ユーザデータは、支払い期間中のユーザによる購入を記述し、ユーザは、支払い期間の終了時に購入された証券を依然として所有していることを記述する。例えば、システムは、ユーザの税ロット履歴及びユーザの取引履歴のうちの1以上を取得する。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、証券によって分配が宣言された支払い期間の終了後、システムは、支払い期間中にユーザによって購入され、支払い期間の終了時にユーザによって依然として所有されている株式の日数、時間、及び数の会計を取得する。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、証券によって分配が宣言された支払い期間の終了後、システムは、口座番号、税ロット、税ロット識別番号、買い持ち識別子、売り持ち識別子、ティッカーシンボル、税コスト、税務基準額、及び証券識別子をさらに取得する。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、証券によって分配が宣言された支払い期間の終了後、システムは、支払い期間中のすべての購入及び/又は売却について、支払い期間中にすべてのユーザによって購入され、支払い期間の終了時にそれぞれのユーザによって依然として所有されている株式の日数、時間、及び数の会計を取得する。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、証券によって分配が宣言された支払い期間の終了後、システムは、支払い期間中のすべての購入及び/又は売却について、口座番号、税ロット、税ロット識別番号、買い持ち識別子、売り持ち識別子、ティッカーシンボル、税コスト、税務基準額、及び証券識別子、口座番号、税ロット識別番号、買い持ち又は売り持ち識別子、税コスト、税務基準額、及びCUSIP又は一意の証券識別子をさらに取得する。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、システムは、ユーザ、ユーザのためのブローカー、ブローカーのための証券保管機関、代行業者(transfer agent)、記録保持機関、及びユーザ情報を保有する別のエンティティのうちの1以上から情報を取得する。
【0051】
本発明の他の実施形態によれば、システムは、適格な証券購入及び証券売却のうちの1以上に関する情報を取得する。適格な証券購入は、利息の支払い期間中に購入された証券株式を含み、この証券株式は、利息の支払い期間の終了時に依然として所有されている。
【0052】
必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、サーバは、複数の証券、複数のユーザ、及び複数の支払い期間のうちの1以上について適格な証券購入情報を取得する。次いで、サーバは、適格な証券購入に関する情報を処理する。次いで、サーバは、適格な証券の購入から未分配所得を計算する。
【0053】
関連する支払い期間に発生する証券の適格な購入について、システムは、株式が購入された時点で、購入された株式の数に分配指数を乗算する。
【0054】
必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、関連する支払い期間に発生する適格な証券購入の場合、サーバは、購入された株式の数に、その株式が購入されたときの分配指数を乗算する。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、関連する支払い期間に発生する適格な証券購入ごとに、サーバは、購入された株式の数に、その株式が購入されたときの分配指数を乗算する。証券の適格な購入は、利息の支払い期間中に発生した購入であって、購入された株式が支払い期間の終了時に依然として所有されているものとして定義される。同じ支払い期間内の証券の購入とそれに続く売却は、分配金を獲得しないので、システムが調整を行う必要がある分配はない。
【0055】
「最後の記録上の所有者」システムは、所得を生み出す証券を所有し、分配金が支払われる前に証券を売却したユーザに所得を支払う方法を持たない。現在の「最後の記録上の所有者」システムの下では、この場合、未分配所得が証券の価格に発生し、未分配所得に等しい量だけ証券価格を押し上げる。したがって、売却者は、その証券を売却する際に、価格上昇に起因する資本利得(資産売却益)の形で比例配分獲得所得を受け取る。しかしながら、多くの課税管轄では、分配所得は資本利得よりも低い税率で課税される。これにより、証券の売却者は、税率が悪いために所得を失う可能性がある。
【0056】
システムは、以下の式を使用して、所得を生み出す証券を販売するときのユーザの正しい所得を計算する。
(2)証券に対する正しい所得=S*(D*(C-Q))
式中、S=ユーザが売却したい株式の数、式中、D=1株当たりの分配指数、C=資本利得の税率又は最高税率、Q=適格所得に対する税率又は最低税率である。
【0057】
同じ支払い期間に購入され、続いて売却された証券は、対象の課税管轄の保有期間が満たされた場合、所得再分類の対象となる。これにより、ユーザは、所得に対してより低い税率を適用される。支払い期間が終了する前に購入されてから売却される証券は、分配金を受け取らない。したがって、システムは、分配金が支払われなかったため、資本の払い戻しを請求しない。
【0058】
支払い期間の経過割合は、支払い期間の開始から購入又は販売の日及び時間まで経過した時間の長さを、支払い期間の全長で除算したものからなる。いくつかの証券タイプでは、支払い期間の経過割合は1.00に等しくなり得る。例えば、IBM(International Business Machines社)などの企業発行株式の分配指数は1.00に等しくなり得る。
【0059】
サーバは、以下の式を使用して分配指数を計算する。
【数4】
式中、Dは、支払い期間中の1株当たりの証券の総分配金であり、割合
支払い期間は、購入時に経過した支払い期間の割合である。購入時に経過した支払い期間(割合
支払い期間)の割合は、以下の式を使用して計算することができる。
(4)割合
支払い期間=T/L
式中、T=支払い期間が開始されてからの経過時間、L=支払い期間の総時間である。
【0060】
したがって、分配指数を計算する式は、以下のように表される。
【数5】
式中、D=1株当たりの総分配金、T=支払い期間が開始されてからの経過時間、L=支払い期間の総時間である。
【0061】
サーバは、購入された株式の数に分配指数を乗算することによって、ユーザが購入した、税目的で再分類の対象となる、未分配所得額に等しい結果を生成する。未分配所得の購入された部分は、分配金が支払われたときにユーザに払い戻され、したがって、ユーザが自身の資本の払い戻し時に税を支払うことを回避することができるように、税目的で再分類される対象となる。本発明の実施形態を使用すると、ユーザは自分が獲得したものに対してのみ税金を支払うことになる。
【0062】
サーバは、以下の式を使用して未分配所得を計算する。
【数6】
式中、S=購入された株式の数、D=1株当たりの総分配金、T=支払い期間開始からの経過時間、L=支払い期間の総時間であり、
S*(D*割合
支払い期間)=S*(D*T/L)
式中、S=購入された株式の数、D=1株当たりの総分配金、割合
支払い期間は購入又は販売時に経過した支払い期間の割合、T=支払い期間開始からの経過時間、L=支払い期間の総時間である。
【0063】
正しい所得とは、正しく課税対象となるべき所得と定義される。サーバは、以下の式を使用して、所得を生み出す証券の購入に対する正しい所得を計算する。
【数7】
式中、D=1株当たりの総分配金、S=購入された株式の数、割合
支払い期間は購入時又は売却時に経過した支払い期間の割合、T=支払い期間開始からの経過時間、L=支払い期間の総時間である。システムは、取得されたユーザデータ、証券データ、及び分配データのうちの1以上を使用して正しい所得を計算する。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、システムは、取得されたユーザデータ、証券データ、及び分配データを使用して正しい所得を計算し、
【0064】
サーバは、以下の式を使用して、証券の価格に対する総分配金の比率を表す1株当たりの分配指数割合を計算する。
【数8】
式中、D=1株当たりの総分配金、T=支払い期間が開始されてからの経過時間、L=支払い期間の総時間、及びP=分配指数割合が計算された時点の証券の価格である。
【0065】
単一の証券は、1以上のタイプの分配を行うことができる。例えば、証券は、少なくとも2つのタイプの分配を行うことができる。単一の証券によって発行可能なこれらの複数の分配は、異なる支払い期間及び異なる分配頻度のうちの1以上を有することができる。例えば、証券は、所得、現金、短期資本利得、長期資本利得、特別分配金、資本の払い戻し、及び他の分配タイプのうちの1以上を分配することができる。様々なタイプの分配の用語は、国ごとに、また管轄ごとに異なる。例えば、所得分配金の支払い期間は3ヶ月とすることができる。例えば、長期資本利得の支払い期間は12ヶ月とすることができる。例えば、短期資本利得の支払い期間を12ヶ月とすることができる。分配頻度は様々であり、証券発行者によって設定される。サーバは、証券から作成された分配のタイプごとに分配指数を計算するように構成される。サーバは、すべての分配タイプを処理するように構成される。分配の名称及びタイプは、課税管轄によって異なり得る。本発明の実施形態は、分配名称又は課税管轄にかかわらず、任意の分配タイプを処理するように構成される。
【0066】
少なくとも1つの分配タイプについて、サーバは、分配タイプに従って作成された分配を使用して、式(6)に従って正しい所得を計算する。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、各分配タイプについて、サーバは、各分配タイプに対して行われた分配を使用して式(6)に従って正しい所得を計算する。次いで、サーバは、各分配タイプについて計算された正しい所得及び各分配タイプについて計算された未分配所得のうちの1以上をストレージに送信する。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、サーバは次に、各分配タイプについて計算された正しい所得と各分配タイプについて計算された未分配所得の両方をストレージに送信する。
【0067】
本発明の他の実施形態によれば、システムは、証券の市場価値から分配指数値を減算することによって、証券の真の適正市場価値を計算する。
【0068】
本発明のさらなる実施形態によれば、システムは、各証券がその分配金を支払った後、1年間にわたってリアルタイムで実行することができる。代替的又は追加的に、システムは、データベースが分配指数を構築するのに必要な関連データを含む任意の期間又は証券にわたって履歴的に実行することができる。
【0069】
本発明の他の実施形態によれば、システムを使用して、以前に提出された納税申告を補正することができる。
【0070】
本発明のさらなる実施形態によれば、システムは、複数の国及び複数の課税管轄のうちの1以上においてユーザの取引を処理するように構成することができる。本発明のさらに他の実施形態によれば、システムは、所得データを対象の国におけるユーザの納税申告書の対応する所得税カテゴリにマッピングすることによって、複数の国におけるユーザの取引を処理する。代替的又は追加的に、システムは、課税管轄内のユーザの納税申告書上の対応する所得税カテゴリに所得データをマッピングすることによって、複数の課税管轄内のユーザの取引を処理する。本発明のさらに他の実施形態によれば、システムは、複数の課税管轄におけるユーザの正しい所得に関するレポートを生成する。そして、システムは、レポートをストレージに格納する。
【0071】
本発明の他の実施形態によれば、システムは、証券のための税目的の所得の再分類をサポートするレポートを生成することができる。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、システムは、証券ごとの税目的の所得の再分類をサポートするレポートを生成することができる。例えば、レポートは、正しい所得の額、獲得所得の額、売却分配所得の額、売却分配所得のタイプ、再分類可能及び非課税の1以上とすることができる未分配所得の額、資本の払い戻しの額、処理された税ロットの調整された証券基準額、処理された取引の調整された証券基準額、及び適切に課税されることを保証するためにユーザの納税申告書に対して行われる必要がある調整を示すデータのうちの1以上を含む。
【0072】
以下の表は、システムがどのようにしてユーザが証券の価格に分配金が含まれる結果としての損失を回避しようとすることを可能にするかの例を提示する。
【表1】
【0073】
このユーザは1株当たり100.00ドルで証券の株式を購入した。証券は翌日に2.00ドルの分配金を支払う。証券の価値は、支払可能な分配分だけ減少するので、証券価格は100.00ドルから98.00ドルに低下する。ユーザは、2.00ドルの課税対象の分配金を受け取る。例えば、40%の税率で分配金が課税対象となる場合、課税後分配金は1.20ドルの価値がある。分配金に証券を加えた課税後の価値は、99.20ドルに等しい。したがって、このユーザは、24時間未満で80%のマイナスの払い戻しを実現した。このユーザの所得分配金は2.00ドルと計算されるが、2.00ドルはユーザの資本の払い戻しとして適切に再分類される。このユーザは、投資資本の払い戻し時に課税されるべきではないので、損失を経験すべきではなく、このことをユーザはシステムを使用して文書化することができる。
【0074】
図3は、証券の支払い期間の日に対してプロットされた証券の価格を示すグラフである。
図3はまた、ユーザによって購入される配当の一部、及び獲得され、したがって正しい所得を構成する配当の一部を示す。以下の表は、ユーザの投資に関するデータを表形式で提示する。
【表2】
図3は、システムが、所得を生み出す証券の所得を、それが支払い期間にわたる蓄積するにつれて、計算することができることを示している。
図3は、30日間の支払い期間にわたって一定の価格を有し、価格の構成要素となる未分配所得を1株当たり1.00ドル蓄積する証券を示す。支払い期間の18日目にこの証券を購入するユーザは、1株当たり0.60ドルの未分配所得を購入する。このユーザは、その後、支払い期間の終了までに、さらに1株当たり0.40ドルの所得を獲得することになる。分配金がユーザに支払われる30日目の配当落ち日には、証券は1.00ドル低下する。この図は、購入された未分配所得と、システムによって計算された獲得所得との間の差額を示す。システムはユーザに、獲得した分配所得に対して1株当たり0.40ドルのみ課税される可能性があることを通知する。代替的又は追加的に、システムは、1.00ドルの分配金のうち、1株当たり0.40ドルだけが獲得所得であることを反映するように、分配金を再分類する。
【0075】
図4A~
図4Bは、よりわずかに複雑な例について分配指数が作成され得る方法を示す一対の棒グラフである。以下の表は、ユーザの投資に関するデータを表形式で提示する。
【表3】
【0076】
図4Aは、従来技術のシステムの下で支払われ、実際の所得を計算するためにシステムを使用する税の差額を示す。
図4Bは、従来技術のシステムの下での、実際の所得を計算するためのシステムを使用した、課税対象所得の差額を示す。
図4A~
図4Bは、システムを使用して、ユーザが、課税対象とすべきでない資本の払い戻しに対する税金の支払いを回避することができる方法を示す。
図4A~
図4Bは、購入者が15日目及び27日目に同じ証券の購入を2回行う状況を示す。これらの図は、従来技術のシステムによる結果と、実際の所得を計算するためのシステムによるユーザの結果とを示している。証券は、支払い期間の終了時に1株当たり1.00ドルの分配を行う。ユーザは15日目及び27日目に1,000株を購入する。15日目に、両方の投資家は500ドルの未分配所得を購入する。27日目に、ユーザは900ドルの未分配所得を購入する。従来技術の「最後の記録上の所有者」システムの下では、ユーザは、購入ごとに1000ドルの課税対象分配所得を、又は2000ドルの総課税対象分配所得を有する。実際の所得を計算するためのシステムを使用すると、ユーザは、第1の取引からの500ドルの購入分配所得と第2の取引からの900ドルの購入分配所得とを控除することができ、総額1,400ドルの資本の払い戻し控除となる。したがって、従来技術のシステムの下でのユーザの課税対象所得は2000ドルであり、実際の所得を計算するためのシステムを使用するユーザの課税対象所得は600ドルである。
【0077】
40%の税率を仮定すると、従来技術のシステムでは、ユーザは800ドルの税金を支払う。実際の所得を計算するためのシステムを使用すると、ユーザは240ドルの税金を負担することになる。
図4A~
図4Bは、従来技術と実際の所得を計算するためのシステムとの2つのシステムの下でのユーザの支払われた税の差額及び課税対象所得の差額を示す。
【0078】
図5は、未分配所得を使用して証券の正しい所得を計算するための方法500のフローチャートである。
【0079】
方法500におけるステップの順序は、
図5に示される順序、又は以下の説明の記載に制約されない。ステップのいくつかは、最終結果に影響を与えることなく異なる順序で行われ得る。
【0080】
ステップ510において、システムを制御するように構成されたサーバを含むシステムを使用して、サーバは、未分配所得を使用して、証券の購入後に受け取った最初の分配金におけるユーザに対する正しい所得を計算するようにさらに構成され、サーバは、システムによって使用可能なユーザデータを取得するようにさらに構成され、ユーザデータは、ユーザによる証券の購入に関するユーザ購入データを含み、ユーザデータは、証券の購入後の最初の支払い期間の終了時に証券が依然として所有されているか否かに関する情報をさらに含み、システムは、サーバに動作可能に接続されたシステムデータベースをさらに含み、システムデータベースは、システムによって使用可能な証券データ及びシステムによって使用可能な分配データのうちの1以上を含み、サーバは、ユーザデータを取得する。ブロック510はその後、制御をブロック520に移す。
【0081】
ステップ520において、サーバは、未分配所得を使用して、取得されたユーザデータ、証券データ、及び分配データのうちの1以上を使用して、購入後の最初の支払い期間の終了時に証券が依然として所有されている場合における、証券の購入後の最初の分配金におけるユーザの証券の正しい所得を、以下の式を使用して計算する。
【数9】
式中、S=購入された株式の数、D=1株当たりの総分配金、T=支払い期間が開始されてからの経過時間、L=支払い期間の総時間である。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、計算ステップは、取得されたユーザデータ、証券データ、及び分配データを使用して正しい所得を計算することを含む。ブロック520はその後、制御をブロック530に移す。
【0082】
ステップ530において、サーバは、計算された正しい所得及び未分配所得のうちの1以上をストレージに送信する。ブロック530はその後、処理を終了する。
【0083】
ソフトウェア又はコードを含む本明細書に記載の任意のロジック又はアプリケーションは、コンピュータシステム又は他のシステム内の命令実行システムによって、又はそれに関連して使用するための任意の非一時的コンピュータ可読媒体で実施することができる。この意味で、ロジックは、例えば、コンピュータ可読媒体からフェッチすることができ、命令実行システムによって実行することができる命令及び宣言を含む命令文を含むことができる。本開示の文脈では、コンピュータ可読媒体は、命令実行システムによって、又はそれに関連して使用するための本明細書に記載のロジック又はアプリケーションを含む、格納する、又は維持することができる任意の媒体とすることができる。例えば、コンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、USBフラッシュドライブ、メモリカード、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)又はデジタル多用途ディスク(DVD)などの光ディスク、磁気テープ、及び他のメモリ構成要素のうちの1以上を含んでもよい。例えば、RAMは、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)、及び他の形態のRAMのうちの1以上を含んでもよい。例えば、ROMは、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、及び他の形態のROMのうちの1以上を含んでもよい。
【0084】
付録は、金融分配を公平に割り振るための方法の擬似コードを含む。
【0085】
本発明の実施形態の利点は、証券の未分配所得を獲得所得分配金から分離することができ、それによって、潜在的に、未分配所得が課税対象所得の形態で返される場合に、所得を生み出す証券の購入者が自己資本の払い戻しに不当に課税されることから保護するのを助けることができることである。したがって、このシステムは、証券の所有者が未分配所得に対して不当に課税されることを回避することを可能にする。
【0086】
本発明の実施形態の別の利点は、ユーザが、購入した所得ではなく、実際に獲得した所得に応じてより正確に課税されることを求めるようにユーザが準備する情報を備えることができることである。
【0087】
本発明の実施形態のさらに他の利点は、それらが、ユーザの総分配金を未分配所得の量だけ減少させることによってユーザ所得の正確な課税を促進することである。
【0088】
本発明の実施形態のさらなる利点は、ユーザが投資ファンドを購入するときに発生する資本利得をより正確に再分類することを求めることを可能にできることである。例えば、ユーザは、本発明の実施形態を使用して、投資ファンドから受け取った資本利得分配を再分類して、ユーザの投資ファンドの税対象資本利得分配の比例配分を正確に計算することを求めることができる。
【0089】
本発明の実施形態のさらなる利点は、ユーザが証券を購入した期間にユーザが獲得した所得の、税目的のための誤った分類を回避することである。本発明の実施形態の別の利点は、本発明がなければユーザが負うよりも多くの税金を支払う可能性があるために不可逆的な投資損失をもたらす危険性を回避することである。
【0090】
本発明の実施形態によって提供されるさらなる利点は、所得を生み出す証券の購入者によって獲得された所得を正確に分類するための手段を提供することで、ユーザによって支払われた税金が正確になり、証券から獲得された実際の所得をより良く表すようにすることである。
【0091】
本発明の実施形態によって提供されるさらなる利点は、証券の未分配所得を計算するための方法及びシステムを使用して、以前に提出された納税申告を補正して、以前の税年度において獲得された所得を正確に反映する能力を提供することである。
【0092】
本発明の実施形態によって提供されるさらに他の利点は、購入者は未分配所得に対して課税され、売却者は未分配所得によって生じる資本利得に対して課税されるという、現在のシステムの下で発生する二重課税を回避することである。
【0093】
上記の代表的な実施形態は、例示的な構成において特定の構成要素を使用して説明されているが、他の代表的な実施形態は、異なる構成及び/又は異なる構成要素を使用して実装することができることが当業者には理解されよう。例えば、特定のステップ及び特定の構成要素の順序は、本発明の機能を実質的に損なうことなく変更することができることが当業者によって理解されよう。
【0094】
本明細書で詳細に説明された代表的な実施形態及び開示された主題は、限定ではなく例及び例示として提示されている。当業者であれば、記載された実施形態の形態及び詳細に様々な変更を加えて、本発明の範囲内にとどまる同等の実施形態をもたらすことができることを理解するであろう。したがって、上記の説明における主題は、例示として解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されるべきではないことが意図される。
【0095】
付録
以下は、未分配所得を使用して証券の正しい所得を計算するための方法及びシステムの擬似コードである。
#ステップ1:税ロットファイルをアップロードする(オープン/クローズド)
#ステップ2:要求されるフィールドについてすべての税ロット記録を検証する
1.オープンの税ロットファイルの場合
account_id
cot
cusip
long_short
open_date
open_id
security
tax_class
tax_cost
unit_total
units
2.クローズドの税ロットファイルの場合
account_id
close_date
cot
cusip
long_short
open_date
open_id
security
tax_class
tax_cost
unit_total
units
total_book_gain_loss
#ステップ3:税ロットで定義されているcusipとopen_dateに基づいて配当日をフェッチする
dividend_date=select
up_coming_dividend_date,
previous_ex_dividend_date,
announcement_date,
dividend_frequency,
dividend_rate
from
dividend_data
where
cusip=cusip AND
open_date>=previous_ex_dividend_date AND
open_date < dividend_ex_date
#ステップ4:dividend_type及びsecurity_tagの規則を使用して、以下のリストから欠落値を計算する
1.up_coming_dividend_date
2.previous_dividend_date
#ステップ5:以下のように中間値を計算する
days_in_pmt_period=up_coming_dividend_date-previous_dividend_date
days_since_pmt_period=open_date-previous_dividend_date+1
distribution_factor=days_since_pmt_period / days_in_pmt_period
calculated_tax=up_coming_dividend_amount * distribution_factor * units
#ステップ6:配当タイプ及び証券・タグの規則に基づいて、前のステップで計算されたcalculated_taxを以下のtax_bucketのうちの1つに追加する
1.qualified_income_tax_deduction
2.ordinary_jncome_tax_deduction
3.Iong_term_tax_deduction
4.roc_tax_deduction
【国際調査報告】