(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】ストーマインプラントアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61F 5/445 20060101AFI20240207BHJP
【FI】
A61F5/445
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573490
(86)(22)【出願日】2022-02-17
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 AU2022050106
(87)【国際公開番号】W WO2022174288
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523311753
【氏名又は名称】ベッラ,ジョン
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベッラ,ジョン
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC31
4C098CE03
4C098CE14
4C098CE18
(57)【要約】
本発明は、排出口に係合するように構成された開口部を有する基部を備えるストーマインプラントアセンブリに関する。基部は、対象者の身体に係合するように構成され、排出口は、そこを通る穴を備える。排出口は、第2の接続部を解放可能に固定するように構成された接続部を有する遠位端を備える。本ストーマプラントアセンブリは、現在利用可能なストーマプラントアセンブリと関連付けられた欠点のうちのいくつかを緩和する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストーマインプラントアセンブリであって、
排出口と係合するように構成された開口部を有する基部を備え、基部は、対象者の身体に係合するように構成され、かつ、排出口は、そこを通る穴を備え、
排出口は、第2の接続部を解放可能に固定するように構成された接続部を有する遠位端を備える、ストーマインプラントアセンブリ。
【請求項2】
第2の接続部を有するカバーをさらに備える、請求項1に記載のストーマインプラントアセンブリ。
【請求項3】
接続部は雄ねじを備える、請求項1または2に記載のストーマインプラントアセンブリ。
【請求項4】
第2の接続部は雌ねじを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のストーマインプラントアセンブリ。
【請求項5】
基部は1つまたは複数の係合開口部を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のストーマインプラントアセンブリ。
【請求項6】
1つ以上の係合開口部は、開口部の周りに同心円状に位置する、請求項5に記載のストーマインプラントアセンブリ。
【請求項7】
カバーは、カバーと排出口との間にシールを形成するように構成されたシール部材を備える、請求項2~6のいずれか一項に記載のストーマインプラントアセンブリ。
【請求項8】
カバーは逆止弁を備える、請求項2~7のいずれか一項に記載のストーマインプラントアセンブリ。
【請求項9】
カバーは、ストーマバッグに接続するように構成される、またはストーマバッグと共に形成される、請求項2~8のいずれか一項に記載のストーマインプラントアセンブリ。
【請求項10】
逆止弁は、ボール逆止弁またはダイアフラム逆止弁である、請求項8または9に記載のストーマインプラントアセンブリ。
【請求項11】
基部、排出口、および/またはカバーは、生体適合性材料で形成される、請求項1~10のいずれか一項に記載のストーマインプラントアセンブリ。
【請求項12】
生体適合性材料はPEEKである、請求項11に記載のストーマインプラントアセンブリ。
【請求項13】
人工肛門形成術における使用のための、請求項1~12のいずれか一項に記載のストーマインプラントアセンブリ。
【請求項14】
人工肛門形成術において使用されるときの、請求項1~13のいずれか一項に記載のストーマインプラントアセンブリ。
【請求項15】
ストーマインプラントアセンブリを対象者にはめ込むための方法であって、
皮膚の下の基部の開口部を対象者の腹部内の切開部と位置合わせさせるステップであって、開口部は、排出口に係合するように構成される、位置合わせさせるステップと、
部切開を通して排出口を基部と固定するステップであって、排出口は遠位端を備え、遠位端は第2の接続部を解放可能に固定するように構成された接続部を有し、排出口は、そこを通る穴を備える、固定するステップと、
を含み、
それによって、ストーマインプラントアセンブリを対象者にはめ込む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具の分野に関する。より詳細には、本発明は、ストーマインプラントアセンブリおよび、ストーマインプラントアセンブリを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景に対するいかなる言及も、本明細書においては、そのような技術が、オーストラリアまたは他の場所での共通の一般知識を構成するという了解として解釈されるべきではない。
【0003】
腹部の感染症、結腸もしくは直腸の損傷、または腸の部分的もしくは完全閉塞は、人に重大な合併症を引き起こし得る。この点で、人工肛門形成術が、一時的または永久的のいずれかの解決策として必要とされ得る。
【0004】
人工肛門形成術は、腹壁を通して大腸の一端を移動する外科手技である。この点に関して、結腸は、ストーマを作成するために腹壁内の切開を通じて迂回される。ストーマは、ベッセル(ストーマバッグなど)が便および尿などの体液を収集するために利用され得る開口部を説明するために使用される用語である。
【0005】
典型的には、ストーマバッグは、接着テープによって患者の皮膚に取り付けられる。しかしながら、この様式での取り付けは、漏れ、深刻な皮膚炎、および感染症を起こしやすく、このことが、不快感および生活の質の低下をもたらし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書の上に述べられるような問題のうちの1つ以上を解決すること、または消費者に商用の代替品を提供することが有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様において、それが唯一または実際の広範な態様である必要はないが、本発明は、ストーマインプラントアセンブリであって、
排出口と係合するように構成された開口部を有する基部備え、基部は、対象者の身体に係合するように構成され、
排出口は、第2の接続部を解放可能に固定するように構成された接続部を有する遠位端を備え、排出口は、そこを通る穴を備える、ストーマインプラントアセンブリに属する。
【0008】
特定の実施形態において、基部は、1つ以上の係合孔を備える。或る実施形態において、1つ以上の係合孔は、開口部の周りに同心円状に位置する。
【0009】
好ましい実施形態において、基部は、環状基部である。
【0010】
一実施形態において、排出口および基部は、締まりばめ構成を形成する。1つの実施形態において、排出口および基部は、実質的に流体密封のシールを形成する。一実施形態において、排出口および基部は、流体密封のシールを形成する。
【0011】
1つの実施形態において、ストーマインプラントアセンブリは、第2の接続部を具備するキャップおよび/またはストーマバッグをさらに備える。第2の接続部は、接続部に対して相互的または相補的である。シールは、好適には、第2の接続部と第1の接続部との間、およびそれらの間の任意の部材の間に形成される。
【0012】
特定の実施形態において、穴は、排出口の長手方向軸線に沿って中心へ延びる。好ましい実施形態において、使用中、穴は、基部に対して垂直である。1つの実施形態において、排出口の穴は、約5mm~約50mm、約10mm~約40mm、約11mm~約39mm、約10mm~約15mm、約16mm~約35mm、約30mm~約40mm、約11mm、または約39mmの直径を有する。
【0013】
好ましくは、排出口は、基部と締まりばめを形成する部分と接続部との間に空間を備える。好ましくは、空間は、少なくとも約3mm、少なくとも約5mm、約3mm~約10mm、または約5mmの長さである。
【0014】
1つの実施形態において、接続部は、排出口の遠位端に、またはこれに隣接して位置する。一実施形態において、接続部は、排出口の遠位端に隣接して位置する。或るの実施形態において、接続部は、排出口の遠位端に位置する。特定の実施形態において、接続部は、排出口の周りにフランジまたは延長部を備える。延長部またはフランジは、排出口から離れる方へ延びる。
【0015】
特定の実施形態において、接続部は、一対の離間突出部を備える。1つの実施形態において、一対の離間突出部は、それらの間に湾曲した溝を形成する。いくつかの実施形態において、離間突出部は、クリップを受容するように構成される。
【0016】
1つの実施形態において、ストーマインプラントアセンブリは、クリップをさらに備える。一実施形態において、クリップは、調節可能クリップである。実施形態において、クリップは、偏向クリップである。実施形態において、クリップは、開構成と閉構成との間で動作可能である。一実施形態において、クリップは、閉構成の方に偏向している。
【0017】
一実施形態において、クリップは、第1の端および第2の端を有する細長部材を備える。一実施形態において、細長部材は、ループを形成する。さらなる実施形態において、第2の端は、第1の端を超えて延び、鋭角を形成してループに当接する。
【0018】
一実施形態において、接続部は、雄ねじを備える。一実施形態において、雄ねじは、排出口の遠位端に、またはこれに隣接して位置する。
【0019】
実施形態において、ストーマインプラントアセンブリは、カバーをさらに備える。或る実施形態において、カバーは、第2の接続部を備える。一実施形態において、第2の接続部は、雌ねじを備える。雌ねじは、雄ねじに対して相互的である。
【0020】
1つの実施形態において、カバーは、カバーと排出口との間にシールを形成するように構成されたシール部材を備える。1つの実施形態において、シール部材は、O-リングの形態を取る。
【0021】
或る実施形態において、カバーは、逆止弁を備える。実施形態において、カバーは、ストーマバッグと接続するように構成されるか、またはこれと共に形成される。実施形態において、逆止弁は、ボール逆止弁またはダイアフラム逆止弁である。
【0022】
1つの実施形態において、基部、排出口、および/またはカバーは、生体適合性材料で形成される。1つの実施形態において、材料は、好適には、高分子である。一実施形態において、材料は、半結晶性熱可塑性物質である。実施形態において、材料は、ポリエーテルエーテルケトンである。好ましい実施形態において、材料は、PEEKポリエーテルエーテルケトンである。
【0023】
一実施形態において、人工肛門形成術における使用のためのストーマインプラントアセンブリ。さらなる実施形態において、人工肛門形成術において使用されるときのストーマインプラントアセンブリ。
【0024】
第2の態様において、本発明は、ストーマインプラントアセンブリを対象者にはめ込むための方法であって、
皮膚の下の基部の開口部を対象者の腹部内の切開と位置合わせさせるステップであって、開口部は、排出口に係合するように構成される、位置合わせステップと、
切開を通して排出口を基部に固定するステップであって、排出口は、第2の接続部を解放可能に固定するように構成された接続部を有する遠位端を備え、排出口は、そこを通る穴を備える、固定するステップと、
を含み、
それによって、ストーマインプラントアセンブリを対象者にはめ込む、方法に属する。
【0025】
ストーマインプラントアセンブリおよびその構成要素は、実質的に、第1の態様について本明細書の上に説明されるようなものであってもよい。
【0026】
1つの実施形態において、本方法は、穴を通して対象者のストーマを位置決めするステップをさらに含む。
【0027】
一実施形態において、本方法は、第2の接続部を備えるストーマバッグまたはキャップを接続部の上に位置決めするステップをさらに含む。さらなる実施形態において、本方法は、第2の接続部および接続部の上でクリップを係合させるステップをさらに含む。
【0028】
実施形態において、本方法は、第2の接続部の上でクリップを解除するステップをさらに含む。この点に関して、別のストーマバッグまたはキャップを接続部の上に置き、それらの上にクリップを位置決めする、さらなるステップが存在してもよい。
【0029】
1つの実施形態において、本方法は、第2の接続部を備えるカバーを、排出口の接続部の上に位置決めするステップをさらに含む。
【0030】
実施形態において、本方法は、ストーマバッグをカバーのストーマバッグ接続部分に接続するステップをさらに含む。
【0031】
上記および以下に続く説明における個々の章において言及される本発明の様々な特徴および実施形態は、適切な場合、変更すべきところを変更して、他の章にも適用する。結果的に、1つの章に記載される特徴は、適切な場合、他の章に記載される特徴と組み合わされ得る。
【0032】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるものとする。
【0033】
本発明を理解するのを助けるため、および当業者が本発明を実用することを可能にするため、本発明の実施形態は、添付の図面を参照して、単に例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明のストーマインプラントアセンブリの実施形態を示す図である。
【
図2】
図1のストーマインプラントアセンブリの分解組立図である。
【
図4】排出口に固定される基部の実施形態を示す図である。
【
図7】ストーマバッグのためのシールを示す図である。
【
図9】尿管に接続されるストーマインプラントアセンブリを示す図である。
【
図10】大腸に接続されるストーマインプラントアセンブリを示す図である。
【
図11】ストーマインプラントアセンブリの別の実施形態を示す図である。
【
図12】
図11のストーマインプラントアセンブリの断面を示す図である。
【
図13】ストーマインプラントアセンブリのさらに別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の実施形態は、主にストーマインプラントアセンブリに属する。したがって、アセンブリおよび方法ステップは、本説明の利益を有する当業者には容易に明白である過度の詳細事項により本開示を不明瞭にすることがないように、本発明の実施形態を理解するために必要である特定の詳細事項のみを示して、図面において簡潔な概略形態で例証されている。
【0036】
本明細書において、第1および第2、左および右などの形容詞は、任意の実際のそのような関係または順序を必ずしも必要または示唆することなく、1つの要素または行為を別の要素または行為から区別するためだけに使用されてもよい。
【0037】
「備える」または「含む」などの言葉は、要素のリストを具備するプロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素だけを含むのではなく、そのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の要素を含めた、明示的に列挙されない他の要素を含み得るように、非排他的な包含を規定することが意図される。
【0038】
本明細書で使用される場合、用語「約」は、その量が、名目上は、用語「約」の後に続く数字であるが、実際の量が、この正確な数字から、重要でない程度まで変化し得ることを意味する。
【0039】
本明細書で使用される場合、用語「ストーマバッグ」は、ストーマを経て身体からの流体を収集するために利用される、防水パウチを指す。「ストーマバッグ」は、人工肛門形成術バッグまたはオストミーバッグとしても知られている。
【0040】
本明細書で使用される場合、用語「ストーマ」は、身体から流体を収集するためにベッセルが利用され得る、腹部内の開口部を指す。
【0041】
図に提供される寸法は、単に例示目的のためであるということを理解されたい。
【0042】
本発明は、改善されたストーマインプラントアセンブリが、身体からの排泄物および/または他の流体を収集するために利用され得るという成果を前提としている。本発明は、ストーマバッグが、皮膚炎、感染症、不快感、および/または漏れの問題を軽減しながら、対象者の身体から流体を収集することを可能にする。
【0043】
図1に示されるのは、本発明のストーマインプラントアセンブリの実施形態である。
図2は、
図1のストーマインプラントアセンブリの分解組立バージョンを示す。ストーマインプラントアセンブリ100は、開口部(図示せず)および排出口120を有する基部110を備える。基部110は、排出口120に係合するように構成される。さらに、基部110は、基部110が皮膚の下にあり、排出口120が対象者の腹部内の切開を通過するように、皮膚下で対象者の身体に係合するように構成される。
【0044】
図1に示される実施形態において、ストーマインプラントアセンブリ100は、クリップ130をさらに備えてもよい。1つの実施形態において、クリップ130は、調節可能クリップである。ストーマインプラントアセンブリ100は、ストーマバッグのためのキャップまたはシールをさらに備えてもよい。
図1に示される実施形態において、ストーマインプラントアセンブリ100は、ストーマバッグ(例示目的のために示されない)のシール140と共に示される。
【0045】
図3に示されるのは、基部110の実施形態である。基部110は、開口部111を備える。1つの実施形態において、開口部111は、基部110内に中心位置される。示される実施形態において、基部110は、環状の形態を取る。基部110は、皮膚の下に置かれるように構成される。基部110の開口部111は、切開部と位置合わせされ、排出口120は、切開部を通じて基部110に固定されてもよい。1つの実施形態において、基部110は、排出口120が基部110と締まりばめ(または摩擦ばめ)構成を形成するように寸法が決定される。締まりばめは、有利には、排出口が基部に容易に取り付けられることを可能にする。しかしながら、当業者に知られている他の取り付け形態が、排出口120を基部110に取り付けるために利用され得ることを理解されたい。ストーマは、体液が身体から外部に収集されることができるように、排出口120を通されてもよい。
【0046】
基部110が皮膚の下にあることにより、基部110が漏れに対するバリアを形成することを可能にする。1つの実施形態において、基部110は、1つ以上の係合開口部112を備える。或る実施形態において、1つ以上の係合開口部は、開口部の周りに同心円状に位置する。1つ以上の係合開口部112は、対象者へのより確実な取り付けを可能にし、漏れの問題を軽減すると考えられる。
【0047】
1つの実施形態において、基部110は、人体と生体適合性のある材料で形成される。1つの実施形態において、基部110は、チタンで形成される。1つの実施形態において、材料は、好適にはポリマーである。一実施形態において、材料は、半結晶性熱可塑性物質である。実施形態において、材料は、ポリエーテルエーテルケトンである。好ましい実施形態において、材料は、PEEKポリエーテルエーテルケトンである。PEEKポリエーテルエーテルケトンの1つの供給源は、Rochlingによって製造される商品名SustaPEEK MG(Medical Grade)PEEKとして提供される。
【0048】
図4に示されるのは、排出口120と締まりばめを形成する基部110の実施形態である。
図5に示されるのは、
図4に示される実施形態の側面図である。排出口120は、(基部110と干渉係合状態にある)近位端および遠位端を備える。近位端は、基部110と干渉構成を形成するように寸法が決定される。排出口120の遠位端は、接続部分125を備える。接続部分125は、キャップ、ストーマシール、またはカバーに係合するように構成される(本明細書内で以後より詳細に述べられる)。
【0049】
排出口120は、そこを通る穴129を備える。穴129は、排出口120の長手方向軸線を通って延びる。穴129は、排出口120内に中心に位置される。穴129は、好ましくは、使用中、基部110の表面に対して略垂直である。ストーマは、好適には、排出口120内の穴129を通される。
【0050】
示される実施形態において、接続部125は、径方向外向きに延びる一対の離間突出部126a、126bを備える。離間突出部126aおよび126bは、排出口120の遠位端の周りに延びる溝127を形成する。溝127は、
図4に示されるように、凹溝の形態にあってもよい。これは、有利には、耐水シールを形成するために平滑な表面を提供すると考えられる。
【0051】
別の実施形態において、接続部は、好適には、外側ねじ付き面を備えてもよい。この点に関して、接続部は、好適には、雌ねじ付部によって受容されるように構成された雄ねじ付部を備えてもよい。接続ポート
【0052】
好ましくは、排出口120は、基部110と締まりばめを形成する部分と接続部125との間に空間121を備える。好ましくは、空間121は、少なくとも約3mm、少なくとも約5mm、約3mm-約10mm、または約5mmである。これは、有利には、接続部125が、使用中、対象者のストーマ周囲皮膚から離間されることを可能にする。これは、有利には、接続部125に留められたまたは固定されたストーマバッグが皮膚から離間されることを可能にする。これは、有利には、皮膚炎、感染症、および/または不快感の問題を軽減する。さらに、これは、ストーマバッグを患者に接着するために接着剤を利用する必要性を軽減する。
【0053】
1つの実施形態において、排出口120は、生体適合性材料または複合材料で形成される。1つの実施形態において、排出口120は、チタンまたはポリウレタンで形成される。1つの実施形態において、材料は、好適にはポリマーである。一実施形態において、材料は、半結晶性熱可塑性物質である。実施形態において、材料は、ポリエーテルエーテルケトンである。好ましい実施形態において、材料は、PEEKポリエーテルエーテルケトンである。PEEKポリエーテルエーテルケトンの1つの供給源は、Rochlingによって製造される商品名SustaPEEK MG(Medical Grade)PEEKとして提供される。
【0054】
図6に示されるのは、接続部125と係合するように構成されたクリップ130の実施形態である。先に述べたように、クリップ130は、調節可能クリップである。
図6に示される実施形態において、クリップ130は、付勢されている。この点に関して、クリップ130は、接続部125へ固定するために利用されることができる。クリップ130および接続部125(およびそれらの間の任意の部材)は、それらの間にシールを形成する。好ましくは、形成されるシールは、実質的に耐水である。
【0055】
クリップ130は、細長部材135を備える。細長部材135は、第1の端部135aおよび第2の端部135bを備える。細長部材は、それがループ131を形成するように成形される。示されるように、細長部材135のループ131は、細長部材135の第1の端部135aと接続せず、むしろ、第2の端部135bは、第1の端部135aを超えて延び(矢印132によって示される)、鋭角を形成して、第1の端部135aに隣接する細長部材135の部分に当接する。示されるように、細長部材125は、ループ131に当接する。このような成形は、ループ131の直径が容易に調節されることを可能にする。この点に関して、鋭角は、第2の端135bがループ131に係合しないように区域133に圧力を印加することによって減少されることができ、これにより、ループ131が直径を拡大し、接続部125の2つの突出部のうちの一方の上および溝127の上に適合することを可能にする。1つの実施形態において、クリップは、付勢クリップである。圧力が解放されると、区域133は、ループ131に係合し、その直径を減少させる。これにより、クリップ130が接続部125に係合し、それらの間にシールを形成することを可能にする。クリップ130は、開構成(圧力が区域133に印加され、実質的に円形の部分131の直径が拡大されるとき)と閉構成(圧力が区域133に印加されず、ループ131の著系がより小さいとき)との間で動作可能であるということを理解されたい。閉構成は、接続部125に圧力を印加し、それらの間にシールを形成するということを理解されたい。
【0056】
図7は、ストーマバッグのシール140を示す。シール140は、ストーマバッグと共に利用されるように構成される。シールは、ストーマバッグ内の開口部と共に利用されてもよい。例えば、シール140は、ストーマバッグ内の孔をシールするために利用されてもよい。シール140は、次いで、シール140(および故にストーマバッグ)を排出口120に固定するためにクリップ130と共に利用されることができる。
【0057】
シール140は、開口部145を有する本体141を備える。1つの実施形態において、本体部141は、環状の形態を取る。本体141は、第1の表面141aおよび反対側の第2の表面141b(図示せず)を備える。第1の表面141aおよび第2の反対側表面141bは、外面141cおよび内面141dによって接続される。第2の表面141bには、円筒突出部142が設けられている。円筒突出部142は、外壁142cおよび内壁142dを備える。内壁142dは、内面141dと連続している。円筒突出部142は、それが接続部125に係合するように寸法が決定される。一実施形態において、円筒部は、接続部125に対して相補的である。1つの実施形態において、シール140は、円筒突出部142の上へのクリップ130の適用が、円筒突出部を変形させ、接続部125とのシールを形成させるように、弾性および可塑性材料で形成される。これにより、シール140に取り付けられたストーマバッグが、漏れなしに身体からの流体を収集することを可能にする。さらに、クリップ130は、容易に取り外されることができ、またシールを備えるストーマバッグも取り外されことができる。
【0058】
1つの実施形態において、弾性および変形可能材料は、好適にはポリマーである。1つの実施形態において、弾性および変形可能材料は、好適には、ゴムまたはラテックスである。一実施形態において、材料は、半結晶性熱可塑性物質である。実施形態において、材料は、ポリエーテルエーテルケトンである。好ましい実施形態において、材料は、PEEKポリエーテルエーテルケトンである。PEEKポリエーテルエーテルケトンの1つの供給源は、Rochlingによって製造される商品名SustaPEEK MG(Medical Grade)PEEKとして提供される。
【0059】
特定の状況において、ストーマインプラントアセンブリを装着した対象者は、短期間でストーマバッグを取り外すことを望み得る。例えば、対象者は、ストーマバッグが不便となり得る活動に参加することを望む場合がある。これらの状況においては、キャップが、ストーマを閉じるために利用されてもよい。キャップは、好適には、接続部125に対して相互的である第2の接続部を備える。しかしながら、第2の接続部は閉じられ、使用中、ストーマを外的環境に露出しない。好ましくは、キャップは、排出口と共に耐水シールを形成する。
【0060】
図1~
図7に示される実施形態は、尿管(
図9)への接続のために利用されるストーマインプラントアセンブリを描写する。この状況でのストーマインプラントアセンブリの使用は、より小さい穴を必要とする。大腸(
図10)への接続などの他の状況においては、より大きい穴が必要とされ得る。これらの図に示されるように、ストーマインプラントアセンブリ100の基部110は、患者の皮膚の下に存在し、排出口120は、腹部の切開部を通って延びる。
【0061】
図8に示されるのは、基部および排出口の別の実施形態であり、排出口の穴および基部の開口部は、より大きい。説明を容易にするため、上記の場合と同じ番号が利用されており、これらの特徴は、いくつかの寸法を除いて、本明細書の上に説明されるものと実質的に同様である。
【0062】
1つの実施形態において、排出口の穴は、約5mm~約50mm、約10mm~約40mm、約11mm~約39mm、約10mm~約15mm、約16mm~約35mm、約30mm~約40mm、約11mm、または約39mmの直径を有し得る。
【0063】
基部および排出口が円筒形または環状である実施形態において、基部の直径は、排出口の直径よりも大きい。これにより、基部が皮膚の下で対象者に強固に固定することを可能にする。
【0064】
特定の実施形態において、基部の直径は、好適には、20mm~約100mm、約40mm~約90mm、約50mm~70mm、約40mm~約60mm、約60mm~約80mm、約50mm、または約70mmmである。
【0065】
特定の実施形態において、接続部(接続部の最も幅広の部分、離間突出部)は、約15mm~約60mm、約19mm~約47mm、約15mm~約25mm、約45mm~約55mm、約19mm、または約47mmの直径を有する。
【0066】
一実施形態において、空間は、好適には、10mm~約50mm、14mm~約42mm、約10mm~約20mm、約35mm~約45mm、約14mm、または約42mmの直径を有する。
【0067】
図11に示されるのは、別のストーマインプラントアセンブリの実施形態である。ストーマインプラント200は、好適には、開口部211および排出口220を有する基部210を備える。基部210は、排出口220と係合するように構成される。さらに、基部210は、ケース210が皮膚の下にあり、排出口が腹部内の切開部を通過するように、皮膚下で対象者の身体に係合するように構成される。
【0068】
図12は、
図11に示される実施形態の断面を示す。示されるように、上記の基部100と同様に、基部210は、好適には、開口部211を備える。1つの実施形態において、開口部211は、基部210内に中心に位置する。示される実施形態において、基部210は、環状の形態を取る。基部210は、皮膚の下に置かれるように構成される。基部210の開口部211は、切開部と位置合わせされ、排出口220は、切開部を通して基部210に固定され得る。1つの実施形態において、基部210は、排出口220が基部210と締まりばめ(または摩擦ばめ)構成を形成するように寸法決定される。締まりばめは、有利には、排出口が基部に容易に取り付けられることを可能にする。しかしながら、当業者に知られている他の取付形態が、排出口220を基部210に取り付けるために利用され得ることを理解されたい。ストーマは、体液が身体から外部に収集されることができるように、排出口220を通され得る。1つの実施形態において、排出口220および基部210は、好適には、一体に形成される。別の実施形態において、排出口220および基部は、別個の構成要素である。
【0069】
基部210が皮膚の下にあることにより、基部210が漏れに対するバリアを形成することを可能にする。1つの実施形態において、基部210は、1つ以上の係合孔212を備える。或る実施形態において、1つ以上の係合孔は、孔211の周りに同心円状に位置される。1つ以上の係合孔212は、対象者へのより確実な取り付けを可能にし、漏れの問題を軽減すると考えられる。
【0070】
1つの実施形態において、基部210は、人体と生体適合性のある材料で形成される。1つの実施形態において、基部210は、チタンで形成される。1つの実施形態において、材料は、好適にはポリマーである。一実施形態において、材料は、半結晶性熱可塑性物質である。実施形態において、材料は、ポリエーテルエーテルケトンである。好ましい実施形態において、材料は、PEEKポリエーテルエーテルケトンである。PEEKポリエーテルエーテルケトンの1つの供給源は、Rochlingによって製造される商品名SustaPEEK MG(Medical Grade)PEEKとして提供される。
【0071】
排出口220は、近位端(基部210と干渉係合状態にある)および遠位端を備える。近位端は、基部210と干渉構成を形成するように寸法が決定される。排出口220の遠位端は、接続部225を備える。
図11および
図12に示される実施形態において、接続部は、本明細書で以後述べられるカバー230と共に固定アセンブリの一部を形成する。
図11および
図12に示される実施形態において、カバー230は、接続部225と固定アセンブリを形成する第2の接続部235を備える。接続部225は、第2の接続部235のそれぞれの突出部に係合する1つまたは複数のへこみおよび溝(図示せず)を伴うフランジまたは延長部の形態を取ってもよい。一旦係合されると、突出部は、ねじられることができ、その結果として、カバー230がシールされ、排出口220と共に維持される。突出部は、好適には、へこみの中に挿入され、溝の中へねじられて、そこに強固に取り付けられる。
【0072】
1つの実施形態において、基部110は、人体と生体適合性のある材料で形成される。1つの実施形態において、基部110は、チタンで形成される。1つの実施形態において、材料は、好適にはポリマーである。一実施形態において、材料は、半結晶性熱可塑性物質である。実施形態において、材料は、ポリエーテルエーテルケトンである。好ましい実施形態において、材料は、PEEKポリエーテルエーテルケトンである。PEEKポリエーテルエーテルケトンの1つの供給源は、Rochlingによって製造される商品名SustaPEEK MG(Medical Grade)PEEKとして提供される。
【0073】
1つの実施形態において、排出口220は、人体と生体適合性のある材料で形成される。1つの実施形態において、排出口220は、チタンで形成される。1つの実施形態において、材料は、好適にはポリマーである。一実施形態において、材料は、半結晶性熱可塑性物質である。実施形態において、材料は、ポリエーテルエーテルケトンである。好ましい実施形態において、材料は、PEEKポリエーテルエーテルケトンである。PEEKポリエーテルエーテルケトンの1つの供給源は、Rochlingによって製造される商品名SustaPEEK MG(Medical Grade)PEEKとして提供される。
【0074】
図13に示されるのは、ストーマインプラントアセンブリ200のものと同様の別の実施形態である。説明を容易にするため、および簡潔さのため、同じ番号が利用されている。
図13に示される実施形態と、
図11および
図12の実施形態との主な違いは、排出口の接続部が、その遠位端に、またはそこに隣接して、雄ねじ付部225aを備えることである。1つの実施形態において、排出口は、遠位端に、またはそこに隣接して、接続部を備える。1つの実施形態において、雄ねじ付225aは、排出口220の周りのフランジまたは延長部に設けられてもよい。すなわち、接続部は、排出口から離れる方へ(実質的に垂直の方向に)延びる延長部またはフランジを備える。この延長部またはフランジは、その上に雄ねじを備える。カバー230は、好適には、雄ねじ付部225aに対して補完的である雌ねじ付部235aを備える。1つの実施形態において、雌ねじは、カバーの内面に位置する。これにより、カバー230が、それを排出口の上で単にねじることによって、排出口に容易に固定されることを可能にする。
【0075】
カバー230は、好適には、排出口220とシールを形成するシール部材を備えてもよい。このシールの非限定的な例は、リングである。一実施形態において、シールは、O-リング236である。カバー230が排出口220に固定されると、シール部材は、排出口220とカバー230との間で変形する。これにより、シールがそれらの間に形成されることを可能にする。実質的に耐水のシールが、基部と、排出口と、カバーとの間に形成されることを理解されたい。好ましい実施形態において、流体密封シールが、基部と、排出口と、カバーとの間に形成される。
【0076】
カバー230は、体液が接続されることを可能にするストーマバッグ接続部をさらに備えてもよい。ストーマバッグ接続部237は、ストーマバッグと接続し、またこれとシールするように構成される。1つの実施形態において、カバー230は、ストーマバッグと共に形成されてもよい。1つの実施形態において、ストーマバッグ接続部は、体液が一方向に(身体から外へ、およびストーマバッグ内へ)のみ流れるように、一方向弁を備えるか、またはストーマバッグ接続部が一方向弁である。1つの実施形態において、ストーマバッグ接続部は逆止弁を備える。逆流防止弁の非限定的な例は、ダイアフラム逆止弁、ボール逆止弁、スイング逆止弁、バタフライ逆止弁、ならびに上部および傾斜ディスク逆止弁である。しかしながら、当業者は、任意の逆流防止弁が利用されてもよいことを理解するものとする。
【0077】
1つの実施形態において、カバーは、ストーマバッグ接続部を備えない。先に述べたように、対象者は、ストーマバッグが不便となり得る活動に参加することを望む場合がある。これらの状況においては、カバーが、ストーマを閉じるために利用されてもよい。このカバーは、好適には、接続部125に対して相互的である第2の接続部分を備える。しかしながら、第2の接続部は閉じられ、使用中、ストーマを外的環境に露出しない。好ましくは、カバーは、排出口と耐水シールを形成してもよい。
【0078】
1つの実施形態において、カバー230は、人体と生体適合性のある材料で形成される。1つの実施形態において、カバー230は、チタンで形成される。1つの実施形態において、材料は、好適にはポリマーである。一実施形態において、材料は、半結晶性熱可塑性物質である。実施形態において、材料はポリエーテルエーテルケトンである。好ましい実施形態において、材料はPEEKポリエーテルエーテルケトンである。PEEKポリエーテルエーテルケトンの1つの供給源は、Rochlingによって製造される商品名SustaPEEK MG(Medical Grade)PEEKとして提供される。
【0079】
1つの実施形態において、本発明は、カバーに属するものである。カバーは、排出口に固定するように構成される。カバーは、好適には、ストーマバッグに接続可能であるか、ストーマバッグと共に形成される。この点に関して、消費者は、一旦ストーマインプラントアセンブリが設置されると、カバーおよび/またはカバーを備えるストーマバッグを購入してもよい。
【0080】
使用中、ストーマインプラントアセンブリは、皮膚の下の基部の開口部を対象者の腹部内の切開部と位置合わせさせることによって、対象者にはめ込まれてもよい。この点に関して、開口部は、排出口と係合するように構成される。排出口は、次いで、腹部内の切開部を通して基部と固定される。排出口は遠位端を備え、遠位端は、第2の接続部を解放可能に固定するように構成された接続部を有する。ストーマは、好適には、穴を通じて位置決めされる。
【0081】
ストーマバッグまたはキャップの第2の接続部を接続部の上に位置決めする、さらなるステップが存在してもよい。
【0082】
ストーマバッグまたはキャップの第2の接続部および接続部の上でクリップを係合させる、さらなるステップが存在してもよい。
【0083】
ストーマバッグまたはキャップの上でクリップを解除する別のステップが存在してもよい。この点に関して、キャップの別のストーマバッグを接続部の上に置き、それに固定するためにその上にクリップを位置決めするさらなるステップが存在してもよい。
【0084】
本発明の様々な実施形態の上記説明は、説明の目的のために当業者に提供される。排他的であること、または本発明を単一の開示した実施形態に限定することは意図されない。上で述べたように、本発明に対する多数の代替形態および変異形は、上記教示の当業者には明白であるものとする。したがって、いくつかの代替の実施形態が具体的に論じられているが、他の実施形態は、当業者には明白である、または当業者によって比較的容易に発案されるものとする。したがって、本発明は、本明細書内で論じられた本発明のすべての代替形態、修正形態、および変形形態、ならびに上に説明された発明の趣旨および範囲内に入る他の実施形態を包含することが意図される。
【国際調査報告】