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特表2024-507013試料用の容器及び該容器を用いた試料検査方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】試料用の容器及び該容器を用いた試料検査方法
(51)【国際特許分類】
   B01L 3/00 20060101AFI20240207BHJP
【FI】
B01L3/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574757
(86)(22)【出願日】2022-02-23
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 EP2022054511
(87)【国際公開番号】W WO2022180089
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】21158992.4
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523320869
【氏名又は名称】パウル マリエンフェルド ゲーエムベーハー アンド シーオー.ケージー
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マリエンフェルド、ゲルト
【テーマコード(参考)】
4G057
【Fターム(参考)】
4G057AB00
(57)【要約】
本発明は、試料用の容器に関する。容器に収容された試料の光学的検査又は分光学的検査を改善するため、容器軸に垂直な底部と、底部に隣接する第1の壁部と、第1の壁部に隣接する第2の壁部と、を含み、第2の壁部は、容器軸に対して20°以上の角度で傾斜する容器が提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料(320)用の容器(100、200)であって、
容器軸(105、205)に垂直な底部(110、210)と、
前記底部(110、210)に隣接する第1の壁部(121、221)と、
前記第1の壁部(110、210)に隣接する第2の壁部(131、231)と、を含み、
前記第2の壁部(131、231)は、前記容器軸(105、205)に対して20°以上の角度で傾斜し、
前記容器(100、200)は多角形の基本形状を有し、
前記容器(100、200)の材質は透明である容器(100、200)。
【請求項2】
前記第1の壁部(121、221)は、前記容器軸(105、205)に対して0.5°以上、好ましくは1.0°以上、特に好ましくは1.5°以上の角度で傾斜し、及び/又は、
前記第1の壁部(121、221)は、前記容器軸(105、205)に対して25°以下、好ましくは10°以下、特に好ましくは5°以下の角度で傾斜する請求項1に記載の容器(100、200)。
【請求項3】
前記容器(100、200)は、前記第2の壁部(131、231)に隣接する第3の壁部(141、241)を含み、
前記第3の壁部(141、241)は、前記容器軸(105、205)に対して2°以上の角度で傾斜する請求項1又は2に記載の容器(100、200)。
【請求項4】
前記容器(100、200)は、第1の壁面(101、201)、第2の壁面(102、202)、第3の壁面(103、203)、及び第4の壁面(104、204)を有する請求項1~3のいずれか一項に記載の容器(100、200)。
【請求項5】
前記第1の壁面(101)は、前記第1、第2、及び第3の壁部(121、131、141)を含み、
前記第3の壁面(103)は、前記第1、第2、及び第3の壁部(123、133、143)を含み、
前記第3の壁面(103)の前記第1の壁部(123)は、前記容器軸(105)に対して、前記第1の壁面(101)の前記第1の壁部(121)より大きい傾斜を有し、特に、前記第3の壁面(103)の前記第1の壁部(123)は、前記容器軸(105)に対して、前記第1の壁面(101)の前記第1の壁部(121)より2°以上、好ましくは5°以上大きい傾斜を有する請求項4に記載の容器(100)。
【請求項6】
前記第1の壁面(101)は、前記第1、第2、及び第3の壁部(121、131、141)を含み、
前記第3の壁面(103)は、前記第1、第2、及び第3の壁部(123、133、143)を含み、
前記第3の壁面(103)の前記第2の壁部(133)は、前記容器軸(105)に対して、前記第1の壁面(101)の前記第2の壁部(131)より小さい傾斜を有し、特に、前記第3の壁面(103)の前記第2の壁部(133)は、前記容器軸(105)に対して、前記第1の壁面(101)の前記第2の壁部(131)より2°以上、好ましくは5°以上小さい傾斜を有する請求項4又は5に記載の容器(100)。
【請求項7】
前記第1の壁面(101)は、前記第1、第2、及び第3の壁部(121、131、141)を含み、
前記第2及び/又は第4の壁面(102、104)は、それぞれ前記第1、第2、及び第3の壁部(122、124、132、134、142、144)を含み、
前記第2の壁面(102)及び/又は前記第4の壁面(104)の前記第1の壁部(122、124)は、前記容器軸(105)に対して、前記第1の壁面(101)の前記第1の壁部(121)より大きい傾斜を有し、特に、前記第2の壁面(102)及び/又は前記第4の壁面(104)の前記第1の壁部(122、124)は、前記容器軸(105)に対して、前記第1の壁面(101)の前記第1の壁部(121)より1°以上、好ましくは2°以上大きい傾斜を有する請求項4~6のいずれか一項に記載の容器(100)。
【請求項8】
前記第1の壁面(101)は、前記第1、第2、及び第3の壁部(121、131、141)を含み、
前記第2及び/又は第4の壁面(102、104)は、それぞれ前記第1、第2、及び第3の壁部(122、124、132、134、142、144)を含み、
前記第2の壁面(102)及び/又は前記第4の壁面(104)の前記第2の壁部(132、134)は、前記容器軸(105)に対して、前記第1の壁面(101)の前記第2の壁部(131)より小さい傾斜を有し、特に、前記第2の壁面(102)及び/又は前記第4の壁面(104)の前記第2の壁部(132、134)は、前記容器軸(105)に対して、前記第1の壁面(101)の前記第2の壁部(131)より1°以上、好ましくは2°以上小さい傾斜を有する請求項4~7のいずれか一項に記載の容器(100)。
【請求項9】
前記第1、第2、第3、及び第4の壁面(201、202、203、204)の各々は、前記第1の壁部(221)及び/又は前記第2の壁部(231)及び/又は前記第3の壁部(241)を含む請求項4に記載の容器(200)。
【請求項10】
試料(320)用の容器(100、200)であって、
容器軸(105、205)に垂直な底部(110、210)と、
前記底部(110、210)に隣接する第1の壁部(121、221)と、を含み、
前記第1の壁部(121、221)は、前記容器軸(105、205)に対して1.9°±0.3°又はそのn倍(nは1より大きい整数)の角度で傾斜し、
前記容器は多角形の基本形状を有する容器(100、200)。
【請求項11】
前記容器(100、200)は、射出成形容器(100、200)であり、及び/又は、前記容器(100、200)は、熱可塑性樹脂を含むか又は熱可塑性樹脂から構成され、及び/又は、
前記容器(100、200)は、ブロック共重合体を含むか又はブロック共重合体から構成され、特に環状ブロック共重合体を含むか又は環状ブロック共重合体から構成される請求項1~10のいずれか一項に記載の容器(100、200)。
【請求項12】
前記容器(100、200)の少なくとも一部は、
ASTM D792に従って測定された密度が、1.00g/cm以下、好ましくは0.98g/cm以下、より好ましくは0.96g/cm以下、特に好ましくは0.92g/cm~0.96g/cm、及び/又は、
ASTM D570に従って測定された吸水率が、5%未満、好ましくは2.0%未満、より好ましくは0.5%未満、及び/又は、
ASTM D1238に従って2.6kg、260℃で測定されたメルトフローレートが、1.0cm/10分以上、好ましくは7.0cm/10分以上、より好ましくは100.0cm/10分以上、より好ましくは2.0cm/10分~250.0cm/10分、及び/又は、
ASTM D1003に従って測定された3mmの透過率が、50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、
ASTM D1003に従って測定された3mmのヘイズが、5.0%未満、好ましくは3.0%未満、より好ましくは1.5%未満、より好ましくは1.0%未満、及び/又は、
反射率が、5.0未満、好ましくは3.0未満、より好ましくは2.5未満、及び/又は、
ASTM D1525に従って1kg、50℃/時間で測定されたビカット軟化点が、70℃以上、好ましくは85℃以上、より好ましくは100℃以上、より好ましくは90℃~130℃、及び/又は、
ASTM D648に従って0.455MPa、2℃/分で測定された熱たわみ温度が、50℃以上、好ましくは60℃以上、より好ましくは75℃以上、より好ましくは60℃~115℃、及び/又は、
ASTM D790に従って測定された曲げ強度が、30MPa以上、好ましくは40MPa以上、より好ましくは50MPa以上、より好ましくは40MPa~80MPa、及び/又は、
ASTM D790に従って測定された曲げ弾性率が、600MPa以上、好ましくは1000MPa以上、より好ましくは1400MPa以上、より好ましくは1000MPa~3000MPa、及び/又は、
ASTM D638に従って測定された引張強度、Y.P.又はB.P.が、15MPa以上、好ましくは25MPa以上、より好ましくは30MPa以上、より好ましくは20MPa~50MPa、及び/又は、
ASTM D638に従って測定された歪みが、5%以上、好ましくは8%以上、より好ましくは10%以上、より好ましくは8%~40%、及び/又は、
ASTM D256に従って測定されたアイゾット衝撃強度が、1kgcm/cm以上、好ましくは1.5kgcm/cm以上、より好ましくは2.0kgcm/cm以上、より好ましくは1.5kgcm/cm~5.0kgcm/cm、及び/又は、
サリチル酸メチル、ジベンジルエーテル、1部のベンジルアルコールと2部の安息香酸ベンジルの混合物、4部の安息香酸ベンジルと1部のジフェニルエーテルの混合物、桂皮酸エチル、及び/又は2,2’-チオジエタノールに対する耐薬品性、及び/又は、
ポリスチレンの自家蛍光に対する、試料厚さ1mm、350nmの励起光での400nm~460nmの自家蛍光が、50%以下、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下、
のうち1つ以上の特性を有する材料からなる請求項1~11のいずれか一項に記載の容器(100、200)。
【請求項13】
試料(320)、特に生物学的試料を検査するための方法であって、
請求項1~12のいずれか一項に記載の容器(100、200)に試料(320)を投入するステップと、
前記試料(320)を照射するステップと、
前記試料の発光を記録するステップと、を含み、
前記試料(320)の発光は、照射方向に対して実質的に垂直に記録される方法。
【請求項14】
試料(320)の光シート顕微鏡検査中、好ましくは光シート蛍光顕微鏡検査中に、前記試料(320)を収容するための、請求項1~12のいずれか一項に記載の容器(100、200)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試料、特に生物学的試料用の容器に関する。さらに、本開示は、試料検査方法、及び、検査中に試料を収容するための容器の使用に関する。
【0002】
組織試料を検査するために、例えば、生体(例えば、ヒトや動物)の体から組織が取り出され、組織は処理された後、光学的に検査される。処理には、組織の脱水と透明化が含まれ、組織の脱水によく使用されるアルコールは透明化プロセス中に除去することができる。処理された試料は、数ミクロンの厚さのスライスに分割された後、スライド上に配置又はマウントされる。この試料は染色することもできる。試料が置かれたスライドは、容器に入れられ、液体で覆われる。試料は容器の底に直接接着してもよい。容器は(薄)板ガラスで覆ってもよい。その後、切片化及び染色された組織試料は、例えば透過光や蛍光を用いて顕微鏡検査によって光学的に検査することができる。検査は生体の体外で行われる。しかしながら、この検査では、試料の切片の三次元的位置に関する情報は得られない。すなわち、組織内の細胞や組織の成分の三次元的位置を決定することはできない。
【0003】
容器に液体を入れると、液体と容器壁の表面との間に相互作用が生じる。液体と容器壁の材質によっては、液体と容器壁の接触部分に液体表面の曲率(凹面又は凸面)が形成される。凹メニスカスとも呼ばれる液体の曲面は、液体で覆われた容器内の試料の検査に支障をきたしたり、歪めたりするレンズとして機能する。
【0004】
したがって、本発明は、特に試料が液体で覆われている場合、また、放射線源と放射線受光器が試料と一直線上にない場合に、容器に収容された試料の光学的又は分光学的検査を改善する容器を提供することを目的とする。
【0005】
本発明の他の目的は、容器内の試料の複数の面を検査することができ、これにより三次元検査の実施を可能にする容器を提供することである。
【0006】
さらに別の目的は、コスト効率よく製造できる容器を提供することである。
【0007】
本目的は、独立請求項の対象及び方法によって達成される。有利な発展形は、従属請求項に記載される。
【0008】
試料用容器は、底部、第1の壁部、及び第2の壁部を含む。容器軸は、底部に対して垂直に配向又は配置されている。第1の壁部は底部に隣接する。第2の壁部は第1の壁部に隣接する。第2の壁部は、容器軸に対して20°以上の角度で傾斜する。すなわち、容器は平坦な底面を有しており、底面を囲み上方に突出する第1の壁部がこの底面に隣接している。これにより、第1の壁部は、底面と共に第1の受容空間を形成する。第1の壁部には、第1の壁部とは異なる傾斜を有する第2の壁部が隣接している。これにより、第2の壁部は、第1の受容空間の上方の第2の受容空間を囲む。
【0009】
試料用容器は、底部、第1の壁部、及び第2の壁部を含み得る。容器軸は、底部に対して垂直に配向又は配置されている。第1の壁部は底部に隣接し、第2の壁部は第1の壁部に隣接する。第1の壁部の高さの半分における容器の断面積は、第2の壁部の高さの半分における容器の断面積より(5%以上又は10%以上)小さくてもよい。高さの半分とは、容器軸方向におけるそれぞれの壁部の全高の半分であり得る。
【0010】
すなわち、容器は平坦な底面を有しており、底面を囲み上方に突出する第1の壁部がこの底面に隣接している。これにより、第1の壁部は、底面と共に第1の受容空間を形成する。第1の壁部には、第1の壁部とは異なる傾斜を有する第2の壁部が隣接している。これにより、第2の壁部は、第1の受容空間の上方の第2の受容空間を囲む。
【0011】
第2の壁部の構成により、光学的又は分光学的検査に支障をきたす液面の傾斜が観察領域の外側になるように、液体を容器内に導入することができる。上述したように、試料をスライドに付着させ、スライドを容器内に配置してもよい。
【0012】
底部に平行又は容器軸に垂直であり、(少なくとも一方側で)第1の壁部によって区画される面において、液面は、実質的に(±5°)平坦であるか、実質的に(±5°)湾曲していないか、底部に実質的に(±5°)平行であるか、又は容器軸に実質的に(±5°)垂直である。これにより、検査に支障をきたすことなく、底部全体に試料を配置することができる。これにより、試料は第1の受容空間内に置かれ、液体に囲まれる。液体は第2の受容空間まで満たされる。したがって、メニスカスが形成される可能性があるのは第2の受容空間の端部領域のみであり、光学的検査のために試料に放射線を照射した際に、メニスカスが破壊的な影響を及ぼさない。
【0013】
試料は生物学的試料、例えば組織試料であってもよい。試料は、物質の混合物、例えば、物質の均一混合物又は不均一混合物であってもよい。試料は純物質であってもよい。
【0014】
底部は、200mm以上の面積を有し得る。特に、底部は、400mm以上又は500mm以上の面積を有し得る。底部の面積は、5000mm以下、好ましくは4000mm以下、より好ましくは3000mm以下、より好ましくは2500mm以下であり得る。底部の面積は、特に好ましくは200mm~5000mmである。
【0015】
少なくとも容器の内部に面する底部の表面は、その全域にわたって平面であるように構成され得る。
【0016】
第1の壁部は、底部と一体的に形成されてもよい。
【0017】
第1の壁部と容器軸との間に角度が形成されてもよい。第1の壁部は、容器軸に対してこの角度で傾斜してもよい。容器軸と第1の壁部との間の角度は、0.5°以上であり得る。容器軸と第1の壁部との間の角度は、好ましくは1.0°以上又は1.5°以上である。容器軸と第1の壁部との間の角度は、50°以下、好ましくは40°以下、より好ましくは30°以下、より好ましくは25°以下、より好ましくは10°以下、より好ましくは5°以下であり得る。特に、容器軸と第1の壁部との間の角度は、0.5°~50°、好ましくは0.5°~30°、より好ましくは0.5°~10°である。容器軸と第1の壁部との間の角度は、特に好ましくは1.0°~3.0°又は1.5°~2.5°である。
【0018】
第1の壁部と容器軸との間に角度が形成されなくてもよい。第1の壁部は、容器軸と平行であってもよい。第1の壁部と底部との間の角度は、実質的に90°であってもよい。
【0019】
第1の壁部は、5mm以上、好ましくは7mm以上、より好ましくは10mm以上、より好ましくは15mm以上、より好ましくは24mm以上の(容器軸方向の)高さを有し得る。第1の壁部の高さは、100mm以下、好ましくは80mm以下、より好ましくは60mm以下、より好ましくは50mm以下、より好ましくは30mm以下、より好ましくは25mm又は15mm以下であり得る。第1の壁部の高さは、5mm~100mm、好ましくは7mm~60mmであり得る。
【0020】
第1の壁部は、5mm以上、より好ましくは10mm以上、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上、より好ましくは35mm又は40mm以上の(容器軸方向に垂直な方向の)幅を有し得る。第1の壁部の幅は、150mm以下、好ましくは130mm以下、より好ましくは110mm以下、より好ましくは90mm以下、より好ましくは70mm以下、より好ましくは50mm以下であり得る。第1の壁部の幅は、5mm~150mm、好ましくは10mm~100mm、より好ましくは30mm~60mmであり得る。この幅は、第1の壁部の最大幅であってもよい。
【0021】
第1の壁部の幅は、その高さより5mm以上大きくてもよい。
【0022】
第1の壁部は、平面であるように構成され得る。
【0023】
第2の壁部は、第1の壁部と一体的に形成されてもよい。
【0024】
第2の壁部と容器軸との間には角度が形成される。第2の壁部は、容器軸に対してこの角度で傾斜する。角度は、30°以上、好ましくは40°以上、より好ましくは50°以上、より好ましくは55°以上、より好ましくは60°以上であり得る。第2の壁部と容器軸との間の角度は、90°以下であり得る。第2の壁部と容器軸との間の角度は、好ましくは80°以下、より好ましくは75°以下である。第2の壁部と容器軸との間の角度は、20°~90°、好ましくは30°~80°、より好ましくは40°~70°であり得る。
【0025】
第2の壁部は、0.5mm以上、好ましくは1mm以上、より好ましくは1.5mm以上の(容器軸方向の)高さを有し得る。第2の壁部の高さは、30mm以下、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下であり得る。第2の壁部の高さは、0.5mm~30mm、好ましくは1mm~20mmであり得る。
【0026】
第2の壁部は、5mm以上、より好ましくは10mm以上、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上、より好ましくは40mm又は50mm以上の(容器軸方向に垂直な方向の)幅を有し得る。第2の壁部の幅は、150mm以下、好ましくは130mm以下、より好ましくは110mm以下、より好ましくは90mm以下、より好ましくは70mm以下、より好ましくは60mm以下であり得る。第2の壁部の幅は、5mm~150mm、好ましくは10mm~100mm、より好ましくは40mm~70mmであり得る。この幅は、第1の壁部の最大幅であってもよい。
【0027】
第3の壁部が第2の壁部に隣接してもよい。第3の壁部は、第2の壁部と一体的に形成されてもよい。これにより、第3の壁部は、第2の受容空間の上方に配置された第3の受容空間を囲む。
【0028】
第3の壁部と容器軸との間に角度が形成されてもよい。第3の壁部は、容器軸に対してこの角度で傾斜してもよい。角度は、1°以上、好ましくは2°以上、より好ましくは3°以上、より好ましくは4°以上、より好ましくは5°以上であり得る。第3の壁部と容器軸との間の角度は、50°以下であり得る。第3の壁部と容器軸との間の角度は、好ましくは40°以下、より好ましくは30°以下、より好ましくは20°以下、より好ましくは10°以下、より好ましくは8°以下である。第3の壁部と容器軸との間の角度は、1°~50°、好ましくは2°~30°、より好ましくは3°~10°であり得る。
【0029】
第3の壁部は、1mm以上、好ましくは5mm以上、より好ましくは8mm以上の(容器軸方向の)高さを有し得る。第3の壁部の高さは、100mm以下、好ましくは50mm以下、より好ましくは30mm以下、より好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下であり得る。第3の壁部の高さは、1mm~100mm、好ましくは1mm~50mm、より好ましくは5mm~20mmであり得る。
【0030】
第3の壁部は、5mm以上、より好ましくは10mm以上、より好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上、より好ましくは40mm又は50mm以上の(容器軸方向に垂直な方向の)幅を有し得る。第3の壁部の幅は、150mm以下、好ましくは130mm以下、より好ましくは110mm以下、より好ましくは90mm以下、より好ましくは80mm以下、より好ましくは70mm以下であり得る。第3の壁部の幅は、5mm~150mm、好ましくは10mm~100mm、より好ましくは40mm~70mmであり得る。この幅は、第1の壁部の最大幅であってもよい。
【0031】
容器は、底部と反対側に開口部を有し得る。開口部は、1つ又は複数の第3の壁部によって画定され得る。開口部は、底部より大きな面積を有し得る。容器の開口部が(底部に対して)大きな面積を有することで、容器の底部における撮像が、容器内の試料の上方にある対物レンズの開口数を可能な限り最適に利用できる。この容器の構成により、試料から発せられる光の進路が妨げられるのを抑えることができる。必要に応じて、レンズを容器内、特に第3の壁部によって形成される第3の受容空間内に降下させてもよい。
【0032】
1つ又は複数の壁面の壁部(の角度又は傾斜)は、対物レンズの開口数を利用できるように、特に可能な限り最適に利用できるように、選択することができる。
【0033】
容器の開口部の縁部は、(容器軸方向に)一定の高さを有してもよい。容器の開口部によって画定される平面は、底部に平行であってもよい。
【0034】
第2の壁部は、容器軸方向において第1の壁部に隣接してもよい。第3の壁部は、容器軸方向において第2の壁部に隣接してもよい。
【0035】
第1の壁部は、容器軸に対して、第2の壁部とは異なる傾斜を有してもよい。第2の壁部は、容器軸に対して、第3の壁部とは異なる傾斜を有してもよい。
【0036】
上記の第1の壁部、第2の壁部、及び/又は第3の壁部は、容器の第1の壁面の壁部であってもよい。第1の壁面は、第1の壁部、第2の壁部、及び第3の壁部から構成されてもよいし、これらの壁部を含んでもよい。
【0037】
容器、特に底部は、第1の壁面、第2の壁面、第3の壁面、及び第4の壁面を有する多角形の基本形状を有してもよい。
【0038】
第2の壁面は、第1の壁部、第2の壁部、及び第3の壁部を含むか、又はこれらから構成されてもよい。第2の壁面の第1の壁部、第2の壁部、及び第3の壁部は、それぞれ、第1の壁面の第1の壁部、第2の壁部、及び第3の壁部と等しくてもよい。
【0039】
第3の壁面は、第1の壁部、第2の壁部、及び第3の壁部を含むか、又はこれらから構成されてもよい。第3の壁面の第1の壁部、第2の壁部、及び第3の壁部は、それぞれ、第1の壁面の第1の壁部、第2の壁部、及び第3の壁部と等しくてもよい。
【0040】
第4の壁面は、第1の壁部、第2の壁部、及び第3の壁部を含むか、又はこれらから構成されてもよい。第4の壁面の第1の壁部、第2の壁部、及び第3の壁部は、それぞれ、第1の壁面の第1の壁部、第2の壁部、及び第3の壁部と等しくてもよい。
【0041】
多角形の基本形状は、長方形の基本形状、特に正方形の基本形状であってもよい。多角形の基本形状は、好ましくは、正方形ではなく長方形である。同様に、多角形の基本形状はn角形でもよい(nは4より大きい整数である)。
【0042】
容器、特に底部の基本形状は、弦を持つ楕円、特に円に相当してもよい。弦は壁の第1の辺に相当する。この場合、光の入射点は、弦の領域、すなわち平面領域にある。
【0043】
同様に、第3の壁面の第1の壁部、第2の壁部、及び第3の壁部は、それぞれ、(容器軸に対して)第1の壁面の第1の壁部、第2の壁部、及び第3の壁部とは異なる傾斜を有してもよい。
【0044】
第3の壁面の第1の壁部は、容器軸に対して、第1の壁面の第1の壁部より大きい傾斜を有してもよい。第3の壁面の第1の壁部は、容器軸に対して、第1の壁面の第1の壁部より、好ましくは2°以上又は5°以上大きい角度で傾斜していてもよい。
【0045】
第3の壁面の第1の壁部は、容器軸に対して、第1の壁面の第1の壁部より30°以下、好ましくは20°以下、より好ましくは15°以下大きい角度で傾斜していてもよい。
【0046】
第3の壁面の第2の壁部は、容器軸に対して、第1の壁面の第2の壁部より小さい傾斜を有してもよい。第3の壁面の第2の壁部は、容器軸に対して、第1の壁面の第2の壁部より、好ましくは2°以上又は5°以上小さい傾斜を有してもよい。
【0047】
第3の壁面の第2の壁部は、容器軸に対して、第1の壁面の第2の壁部より30°以下、好ましくは20°以下、より好ましくは15°以下小さい角度で傾斜していてもよい。
【0048】
第2の壁面の第1の壁部、第2の壁部、及び第3の壁部は、それぞれ、(容器軸に対して)第1の壁面の第1の壁部、第2の壁部、及び第3の壁部とは異なる傾斜を有してもよい。
【0049】
第2の壁面の第1の壁部は、容器軸に対して、第1の壁面の第1の壁部より大きい傾斜を有してもよい。容器軸に対する第2の壁面の第1の壁部の傾斜は、容器軸に対する第1の壁面の第1の壁部の傾斜より、好ましくは1°以上又は2°以上大きい。
【0050】
第2の壁面の第1の壁部は、容器軸に対して、第1の壁面の第1の壁部より、20°以下、好ましくは10°以下、より好ましくは5°以下大きい角度で傾斜していてもよい。
【0051】
同様に、第2の壁面の第2の壁部は、容器軸に対して、第1の壁面の第2の壁部より小さい傾斜を有してもよい。容器軸に対する第2の壁面の第2の壁部の傾斜は、容器軸に対する第1の壁面の第2の壁部の傾斜より、好ましくは1°以上又は2°以上小さい。
【0052】
第2の壁面の第2の壁部は、容器軸に対して、第1の壁面の第1の壁部より20°以下、好ましくは10°以下、より好ましくは5°以下小さい角度で傾斜していてもよい。
【0053】
第4の壁面の第1の壁部、第2の壁部、及び第3の壁部は、それぞれ、(容器軸に対して)第1の壁面の第1の壁部、第2の壁部、及び第3の壁部とは異なる傾斜を有してもよい。
【0054】
第4の壁面の第1の壁部は、容器軸に対して、第1の壁面の第1の壁部より大きい傾斜を有してもよい。容器軸に対する第4の壁面の第1の壁部の傾斜は、容器軸に対する第1の壁面の第1の壁部の傾斜より、好ましくは1°以上又は2°以上大きい。
【0055】
第4の壁面の第1の壁部は、容器軸に対して、第1の壁面の第1の壁部より、20°以下、好ましくは10°以下、より好ましくは5°以下大きい角度で傾斜していてもよい。
【0056】
第4の壁面の第2の壁部は、容器軸に対して、第1の壁面の第2の壁部より小さい傾斜を有してもよい。容器軸に対する第4の壁面の第2の壁部の傾斜は、容器軸に対する第1の壁面の第2の壁部の傾斜より、好ましくは1°以上又は2°以上小さい。
【0057】
第4の壁面の第2の壁部は、容器軸に対して、第1の壁面の第1の壁部より20°以下、好ましくは10°以下、より好ましくは5°以下小さい角度で傾斜していてもよい。
【0058】
試料用容器は、底部及び第1の壁部を含み得る。容器軸は、底部に対して垂直に配向又は配置されている。第1の壁部は底部に隣接する。第1の壁部は、容器軸に対して1.9°±0.7°又はそのn倍(nは1より大きい整数)の角度で傾斜する。
【0059】
第1の壁部に対する容器軸の1.9°±0.7°又はそのn倍(nは1より大きい整数)の傾斜は、本明細書に記載される全ての容器に適用することができる。
【0060】
第1の壁部の1.9°±0.7°の傾斜は、1.2°~2.6°の範囲を規定する。n倍(n>1の整数)は、この範囲内の値にnを乗算した値に相当する。例えば、1.5°は1.9°±0.7°の範囲にあり、nが3であれば、4.5°の傾斜が与えられる。あるいは、2.2°は1.9°±0.7°の範囲にあり、nが3であれば、6.6°の傾斜が与えられる。
【0061】
第1の壁部は、容器軸に対して、好ましくは1.9°±0.5°又はそのn倍(nは1より大きい整数)の角度で傾斜する。より好ましくは、第1の壁部は、容器軸に対して1.9°±0.3°又はそのn倍(nは1より大きい整数)の角度で傾斜する。より好ましくは、第1の壁部は、容器軸に対して、好ましくは1.9°±0.15°又はそのn倍(nは1より大きい整数)の角度で傾斜する。nの整数値は10以下、好ましくは7以下、より好ましくは5以下、より好ましくは3以下であり得る。
【0062】
容器は射出成形容器であってもよい。容器は射出成形によって製造されたものであってもよい。
【0063】
容器全体が一体成形されたものであってもよい。
【0064】
好ましくは、容器の材質は透明である。容器は完全に透明であってもよい。容器の全ての壁面が透明であってもよい。容器の少なくとも1つの壁面が透明であってもよく、好ましくは容器の少なくとも2つの壁面が透明である。容器の少なくとも第1の壁部は透明であってもよい。特に、少なくとも第1の壁面の第1の壁部は透明である。これに代わって又はこれに加えて、第2の壁面の第1の壁部は透明であってもよい。これに代わって又はこれに加えて、第3の壁面の第1の壁部は透明であってもよい。これに代わって又はこれに加えて、第4の壁面の第1の壁部は透明であってもよい。容器は、少なくとも光が照射される箇所では透明であってもよい。
【0065】
容器は、熱可塑性樹脂を含んでもよく、又は熱可塑性樹脂から構成されてもよい。容器は、1種以上の材料を含んでもよく、又は1種以上の材料から構成されてもよい。第1の壁面の第1の壁部は、第1の壁面の第2の壁部及び/又は第3の壁部とは異なる材料を含んでもよく、又は異なる材料から構成されてもよい。これに代わって又はこれに加えて、第2の壁面の第1の壁部は、第2の壁面の第2の壁部及び/又は第3の壁部とは異なる材料を含んでもよく、又は異なる材料から構成されてもよい。これに代わって又はこれに加えて、第3の壁面の第1の壁部は、第3の壁面の第2の壁部及び/又は第3の壁部とは異なる材料を含んでもよく、又は異なる材料から構成されてもよい。これに代わって又はこれに加えて、第4の壁面の第1の壁部は、第4の壁面の第2の壁部及び/又は第3の壁部とは異なる材料を含んでもよく、又は異なる材料から構成されてもよい。
【0066】
容器は、1種以上の顔料を含んでもよい。特に、容器はレーザーマーキングに適した顔料を含む。レーザーマーキングに適した顔料は、レーザーを照射すると変色することができる。
【0067】
容器は、射出成形による製造に適した材料で構成されてもよい。
【0068】
容器の開口部は、1つ又は複数の第3の壁部によって画定され得る。
【0069】
容器の肉厚は0.5mm~5.0mm、好ましくは1.0mm~4.0mm、より好ましくは1.0mm~2.0mmであり得る。
【0070】
容器の高さは、150mm未満、好ましくは120mm未満、より好ましくは100mm未満、より好ましくは80mm未満、より好ましくは50mm未満、より好ましくは30mm未満、より好ましくは25mm未満、より好ましくは15mm未満であり得る。特に、容器の高さは5mm以上又は10mm以上である。
【0071】
容器は、100ml未満、好ましくは75ml未満、より好ましくは50ml未満、さらに好ましくは30ml未満の容積を保持し得る。好ましくは、容器は5ml以上、特に10ml以上の容積を保持する。特に、容器は5ml~50mlの容積を保持し得る。
【0072】
第3の壁面は、第1の壁面と対向していてもよい。第4の壁面は、第2の壁面と対向していてもよい。
【0073】
容器は、(熱可塑性)ポリマーを含んでもよく、又はポリマーから構成されてもよい。ポリマーは共重合体、特にブロック共重合体であってもよい。
【0074】
ポリマーは、ポリスチレン単位の(完全な)水素化によって得られる単位を含んでもよい。ポリマーは、ポリシクロヘキシルエテン単位を含んでもよい。
【0075】
ポリマーは、ポリブタジエン単位の(完全な)水素化によって得られる単位を含んでもよい。ポリマーは、エチレン-1-ブテン共重合体単位を含んでもよい。
【0076】
このポリマーは、スチレン-ブタジエン共重合体の(完全な)水素化によって得ること又は調製することができる。
【0077】
ポリマーはブロック共重合体、特に環状ブロック共重合体であってもよい。
【0078】
ポリマーは、特に380nm~780nmの波長範囲において透明である。
【0079】
容器の一部を特定の材料で構成してもよく、(容器全体を)該材料で構成することが好ましい。
【0080】
材料は、1.00g/cm以下、好ましくは0.98g/cm以下、より好ましくは0.96g/cm以下、特に好ましくは0.92g/cm~0.96g/cmの密度を有し得る。密度は、ASTMD792に従って測定することができる。
【0081】
材料は、5%未満、好ましくは2.0%未満、より好ましくは0.5%未満の吸水率を有し得る。吸水率は、ASTMD570に従って測定することができる。
【0082】
材料は、1.0cm/10分以上、好ましくは7.0cm/10分以上、より好ましくは100.0cm/10分以上、より好ましくは2.0cm/10分~250.0cm/10分のメルトフローレートを有し得る。特に、材料のメルトフローレートは、5.0cm/10分~20.0cm/10分である。メルトフローレートは、ASTMD1238に従って2.6kgの重量で、260℃の温度で測定することができる。
【0083】
材料は、50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上の透過率を有し得る。3mmの透過率は、ASTMD1003に従って測定することができる。
【0084】
材料は、50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、より好ましくは80%~85%の波長488nm及び波長638nmにおける透過率を有し得る。
【0085】
材料は、5.0%未満、好ましくは3.0%未満、より好ましくは1.5%未満、より好ましくは1.0%未満のヘイズを有し得る。3mmのヘイズは、ASTMD1003に従って測定することができる。
【0086】
材料は、5.0未満、好ましくは3.0未満、より好ましくは2.5未満、より好ましくは2.0未満、より好ましくは1.6未満、より好ましくは1.46~1.56の屈折率を有し得る。
【0087】
材料は、70℃以上、好ましくは85℃以上、より好ましくは100℃以上、より好ましくは90℃~130℃のビカット軟化点を有し得る。特に、ビカット軟化点は118℃~128℃である。ビカット軟化点は、ASTMD1525に従って、1kg、50℃/時間で測定することができる。
【0088】
材料は、50℃以上、好ましくは60℃以上、より好ましくは75℃以上、より好ましくは60℃~115℃の熱たわみ温度を有し得る。特に、熱たわみ温度は97℃~108℃である。熱たわみ温度は、ASTMD648に従って、0.455MPa、2℃/分で測定することができる。
【0089】
材料は、30MPa以上、好ましくは40MPa以上、より好ましくは50MPa以上、より好ましくは40MPa~80MPaの曲げ強度を有し得る。特に、曲げ強度は、65MPa~75MPaである。曲げ強度は、ASTMD790に従って測定することができる。
【0090】
材料は、600MPa以上、好ましくは1000MPa以上、より好ましくは1400MPa以上、より好ましくは1000MPa~3000MPaの曲げ弾性率を有し得る。特に、曲げ弾性率は、2200MPa~2600MPaである。曲げ弾性率は、ASTMD790に従って測定することができる。
【0091】
材料は、15MPa以上、好ましくは25MPa以上、より好ましくは30MPa以上、より好ましくは20MPa~50MPaの引張強度(Y.P.又はB.P.)を有し得る。特に、引張強度(Y.P.又はB.P.)は、35MPa~48MPaである。引張強度(Y.P.又はB.P.)は、ASTMD638に従って測定することができる。
【0092】
材料は、5%以上、好ましくは8%以上、より好ましくは10%以上、より好ましくは8%~40%の歪みを有し得る。特に、材料の歪みは20%~29%である。歪みは、ASTMD638に従って測定することができる。
【0093】
材料は、1kgcm/cm以上、好ましくは1.5kgcm/cm以上、より好ましくは2.0kgcm/cm以上、より好ましくは1.5kgcm/cm~5.0kgcm/cmのアイゾット衝撃強度を有し得る。特に、アイゾット衝撃強度は、2.8kgcm/cm~4.4kgcm/cmである。アイゾット衝撃強度は、ASTMD256に従って測定することができる。
【0094】
材料は、サリチル酸メチル(2-ヒドロキシ安息香酸メチルエステル)、ジベンジルエーテル(1,1’-[オキシビス(メチレン)]ビスベンゼン)、1部のベンジルアルコール(フェニルメタノール)と2部の安息香酸ベンジル(安息香酸フェニルメチルエステル)の混合物、4部の安息香酸ベンジル(フェノキシベンゼン、1,1’-オキシビスベンゼン)と1部のジフェニルエーテルの混合物、桂皮酸エチル(3-フェニルプロプ-2-エン酸エチル)、及び/又は2,2’-チオジエタノール(チオジグリコール、ビス(2-ヒドロキシエチル)スルフィド)に対する耐薬品性を有し得る。耐薬品性は、材料又は材料の顆粒の引張強さを調べる(例えば、ASTMD638に準拠)ための試験片を、液体(溶媒)中に室温(23℃)で2日間(48時間又は7日間)(液体によって覆われるように)浸漬することによって求めることができる。2日後、重量損失を測定し、重量損失が5.0%未満、好ましくは1.0%未満であれば、材料は液体に対して耐薬品性を有する。また、2日後に破断伸度を測定し(例えばASTMD638に準拠)、液体に浸していない試験片と比較して破断伸度が50%未満、好ましくは10%未満低下していれば、その材料は液体に対して耐薬品性を有する。
【0095】
材料は、ポリスチレンの自家蛍光に対して、50%以下、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下の自家蛍光を有し得る。材料とポリスチレンについて、350nmの励起波長(試料厚さ1mm)における自家蛍光を測定し、測定された自家蛍光の値の比を取ってもよい(自家蛍光材料/自家蛍光ポリスチレン)。自家蛍光は、400nm~460nmの波長範囲で考慮することができる。特に、波長420nmにおける自家蛍光を考慮してもよく、この場合、ポリスチレンの自家蛍光に対する材料の自家蛍光は、50%以下、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下であり得る。
【0096】
400nm~900nmの波長範囲で励起した場合に、材料は(測定可能な)自家蛍光を示さなくてもよい。
【0097】
本明細書に開示された各容器は、試料検査方法に使用することができる。試料は生物学的試料であってもよい。試料は容器に入れられる。試料を照射し、試料からの発光を記録する。
【0098】
試料は、放射線源、特にレーザーで照射してもよい。
【0099】
試料の発光は蛍光であってもよい。
【0100】
試料は、容器の第1の壁面の第1の壁部を通して照射されてもよい。
【0101】
試料の発光は、照射方向に対して実質的に(±10°)垂直に記録することができる。
【0102】
試料の発光は、対物レンズを通して収集することができる。
【0103】
本明細書で開示する各容器は、試料の検査中の試料の収容のために収容することができる。
【0104】
検査は顕微鏡検査であってもよく、より好ましくは光シート顕微鏡検査、さらに好ましくは光シート蛍光顕微鏡検査である。
【0105】
本開示の例示的な実施形態を図に示し、以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0106】
図1】容器100の等角図である。
図2】容器100を下方から見た図である。
図3図2に示した容器100の断面A-Aを示す。
図4図2に示した容器100の断面B-Bを示す。
図5】容器200の等角図である。
図6】容器200を下方から見た図である。
図7図6に示した容器200の断面C-Cを示す。
図8図6に示した容器200の断面D-Dを示す。
図9】試料を測定するシステム400を示す。
【0107】
図1及び図2は、容器100を示している。図1では、容器100を等角図で示し、図2では、容器100を下方から見た図で示す。図2では、2つの断面A-A及びB-Bの輪郭が示されている。断面A-A及び断面B-Bは、図3及び図4に示されている。
【0108】
容器100は、底部110及び第1の壁面101を含む。容器100は、第2の壁面102、第3の壁面103、及び第4の壁面104を含んでもよい。
【0109】
一般に、容器100は多角形の基本形状を有する。特に、容器100の底部110は多角形状である。多角形の基本形状又は多角形状は、特に長方形である。
【0110】
第1の壁面101及び第3の壁面103は、第2の壁面102及び第4の壁面104より大きな幅を有してもよい。第1の壁面101及び第3の壁面103の幅は、好ましくは、第2の壁面102及び第4の壁面104の幅より1.5倍以上大きい。
【0111】
図3の断面A-Aでは、第1の壁面101、底部110、及び第3の壁面103が断面で示されている。
【0112】
底部110の(容器の内部に面する)内面は平面であってもよい。底部110には、注入ドーム118があっても底部110の内面が平面になるように、注入ドーム118が設けられていてもよい。注入ドーム118は、容器100を射出成形する際に設けられ得る。
【0113】
底部110、例えば底部110の内面は、容器軸105を画定してもよい。容器軸は、底部110に対して垂直に延びていてもよい。底部110は、容器軸105に垂直な平面を画定してもよい。
【0114】
第1の壁面101は、第1の壁部121、第2の壁部131、及び第3の壁部141を含み得る。
【0115】
第1の壁部121は、特に容器軸105の方向において、底部110に(直接)隣接してもよい。第2の壁部131は、特に容器軸105の方向において、第1の壁部に(直接)隣接してもよい。第3の壁部141は、特に容器軸105の方向において、第2の壁部131に(直接)隣接してもよい。
【0116】
容器軸105と第1の壁部121との間に、角度α121が形成されてもよい。第1の壁部121は、容器軸105に対してこの角度α121で傾斜してもよい。第1の壁部121は、好ましくは、容器軸105に対して外側に(容器100の内部から離れる方向に)傾斜する。
【0117】
角度α121は、1.9°±0.7°又はそのn倍(nは1より大きい整数)であってよい。好ましくは、角度α121は、1.9°±0.5°又はそのn倍(nは1より大きい整数)、より好ましくは1.9°±0.3°又はそのn倍(nは1より大きい整数)、より好ましくは1.90°±0.15°又はそのn倍(nは1より大きい整数)である。
【0118】
容器軸105と第2の壁部131との間に、角度α131が形成されてもよい。第2の壁部131は、容器軸105に対して角度α131で(外側に)傾斜してもよい。
【0119】
容器軸105と第3の壁部141との間に、角度α141が形成されてもよい。第3の壁部141は、容器軸105に対して角度α141で(外側に)傾斜してもよい。
【0120】
第1の壁部121、第2の壁部131、及び第3の壁部141は、それぞれ容器軸105に対して(外側に)傾斜してもよい。
【0121】
底部110における容器100の断面(底部110に平行な断面)は、第1の壁部121における容器100の断面(容器軸105の方向における第1の壁部121の中央部の高さにおける断面)より小さくてもよい。第1の壁部121における容器100の断面(容器軸105の方向における第1の壁部121の中央部の高さにおける断面)は、第2の壁部131における容器100の断面(容器軸105の方向における第2の壁部131の中央部の高さにおける断面)よりも小さくてもよい。第2の壁部131における容器100の断面(容器軸105の方向における第2の壁部131の中央部の高さにおける断面)は、第3の壁部141における容器100の断面(容器軸105の方向における第3の壁部141の中央部の高さにおける断面)より小さくてもよい。
【0122】
容器100の断面は、容器軸105の方向に(連続的に、好ましくは非一定の勾配で)増加してもよい。容器100の設計により、試料検査のために導入される液体の量(透明剤の量)が少なくて済むため、液体又は透明剤を削減することができる。
【0123】
使用者は、上部領域(1つ又は複数の第3の壁部)で容器100を把持することができる。これにより、1つ又は複数の第1の壁部の表面上の指紋や他の表面汚染を低減又は回避することができる。図9を参照して説明されるように、第1の壁部は、放射線によって透過照射され得る。
【0124】
同様に、容器100の上部領域(1つ又は複数の第3の壁部)にラベルを設けてもよい。ラベルは、データマトリックスコード及び/又は連続番号を含んでもよい。ラベルは、容器100に関する情報、及び/又はその中に収容される又は収容した試料に関する情報、及び/又は容器100に導入される又は導入した液体に関する情報を含んでもよい。
【0125】
第1の壁部121と第2の壁部131との間には、容器軸105に対する壁部121、131の傾斜にキンクがある場合がある。キンクは、容器軸105に対する傾斜の急激な変化や不連続な変化から生じ得る。また、第2の壁部131と第3の壁部141との間に、容器軸に対する壁部131、141の傾斜にキンクがある場合がある。
【0126】
第1の壁部121と第2の壁部131との間のキンク、及び/又は、第2の壁部131と第3の壁部141との間のキンクは、容器100における、例えば透明剤の意図された充填レベル又は量の目印として機能し得る。
【0127】
容器軸105と第1の壁部121との間の角度α121は、容器軸105と第2の壁部131との間の角度α131よりも小さくてもよい。容器軸105と第2の壁部131との間の角度α131は、容器軸105と第3の壁部141との間の角度α141よりも大きくてもよい。容器軸105と第1の壁部121との間の角度α121は、容器軸105と第3の壁部141との間の角度α141よりも小さくてもよい。
【0128】
第3の壁面103は、第1の壁部123、第2の壁部133、及び第4の壁部143を含み得る。
【0129】
第3の壁面103の第1の壁部123は、底部110に(直接)隣接してもよい。第3の壁面103の第2の壁部133は、第3の壁面103の第1の壁部133に(直接)隣接してもよい。第3の壁面103の第3の壁部143は、第3の壁面103の第2の壁部133に(直接)隣接してもよい。
【0130】
容器軸105と第3の壁面103の第1の壁部123との間に、角度α123が形成されてもよい。第1の壁部123は、容器軸105に対してこの角度α123で傾斜してもよい。第3の壁面103の第1の壁部123は、好ましくは、容器軸105に対して外側に(容器100の内部から離れる方向に)傾斜する。
【0131】
容器軸105と第3の壁面103の第2の壁部133との間に、角度α133が形成されてもよい。第3の壁面103の第2の壁部133は、容器軸105に対して角度α133で(外側に)傾斜してもよい。
【0132】
容器軸105と第3の壁部143との間に、角度α143が形成されてもよい。第3の壁面103の第3の壁部143は、容器軸105に対して角度α143で(外側に)傾斜してもよい。
【0133】
第3の壁面103の第1の壁部123、第3の壁面103の第2の壁部131、及び第3の壁面103の第3の壁部141は、それぞれ容器軸105に対して(外側に)傾斜してもよい。
【0134】
第3の壁面103の第1の壁部123と第3の壁面103の第2の壁部133との間には、容器軸105に対する壁部123、133の傾斜にキンクがある場合がある。また、第3の壁面103の第2の壁部133と第3の壁面103の第3の壁部143との間には、容器軸105に対する壁部133、143の傾斜にキンクがある場合がある。
【0135】
容器軸105と第3の壁面103の第1の壁部123との間の角度α123は、容器軸105と第3の壁面103の第2の壁部133との間の角度α133よりも小さくてもよい。容器軸105と第3の壁面103の第2の壁部133との間の角度α133は、容器軸105と第3の壁面103の第3の壁部143との間の角度α143よりも大きくてもよい。容器軸105と第1の壁部123との間の角度α123は、容器軸105と第3の壁面103の第3の壁部143との間の角度α143よりも大きくてもよい。
【0136】
第1の壁面101の第1の壁部121は、第3の壁面103の第1の壁部123に対向してもよい。第1の壁面101の第1の壁部121は、第3の壁面103の第1の壁部123と実質的に(容器軸105の方向に±10%)同じ高さを有してもよい。
【0137】
第1の壁面101の第2の壁部131は、第3の壁面103の第2の壁部133に対向してもよい。第1の壁面101の第2の壁部131は、第3の壁面103の第2の壁部133と実質的に(±10%)同じ高さを有してもよい。
【0138】
第1の壁面101の第3の壁部141は、第3の壁面103の第3の壁部143に対向してもよい。第1の壁面101の第3の壁部141は、第3の壁面103の第3の壁部143と実質的に(±10%)同じ高さを有してもよい。
【0139】
容器軸105と第1の壁面103の第1の壁部121との間の角度α121は、容器軸105と第3の壁面103の第1の壁部123との間の角度α123よりも小さくてもよい。
【0140】
容器軸105と第1の壁面101の第2の壁部131との間の角度α131は、容器軸105と第3の壁面103の第2の壁部133との間の角度α123よりも大きくてもよい。
【0141】
図4は、図2に示した断面B-Bを示す。底部110、第2の壁面102、及び第4壁面104が断面化されている。
【0142】
第2の壁面102は、第1の壁部122、第2の壁部132、及び第3の壁部142を含み得る。
【0143】
第2の壁面102の第1の壁部122は、特に容器軸105の方向において、底部110に(直接)隣接してもよい。第2の壁面102の第2の壁部132は、特に容器軸105の方向において、第2の壁面102の第1の壁部122に(直接)隣接してもよい。第2の壁面102の第3の壁部142は、特に容器軸105の方向において、第2の壁面102の第2の壁部132に(直接)隣接してもよい。
【0144】
容器軸105と第2の壁面102の第1の壁部122との間に、角度α122が形成されてもよい。第2の壁面102の第1の壁部122は、容器軸105に対して角度α122で傾斜してもよい。第2の壁面102の第1の壁部122は、好ましくは、容器軸105に対して外側に(容器100の内部から離れる方向に)傾斜する。
【0145】
容器軸105と第2の壁面102の第2の壁部132との間に、角度α132が形成されてもよい。第2の壁面102の第2の壁部132は、容器軸105に対して角度α132で(外側に)傾斜してもよい。
【0146】
容器軸105と第2の壁面102の第3の壁部142との間に、角度α142が形成されてもよい。第2の壁面102の第3の壁部142は、容器軸105に対して角度α142で(外側に)傾斜してもよい。
【0147】
第2の壁面102の第1の壁部122、第2の壁面102の第2の壁部132、及び第2の壁面102の第3の壁部142は、それぞれ容器軸105に対して(外側に)傾斜してもよい。
【0148】
第2の壁面102の第1の壁部122と第2の壁面102の第2の壁部132との間には、容器軸105に対する壁部122、132の傾斜にキンクがある場合がある。また、第2の壁面102の第2の壁部132と第2の壁面102の第3の壁部142との間には、容器軸105に対する壁部132、142の傾斜にキンクがある場合がある。
【0149】
容器軸105と第2の壁面102の第1の壁部122との間の角度α122は、容器軸105と第2の壁面102の第2の壁部132との間の角度α132よりも小さくてもよい。容器軸105と第2の壁面102の第2の壁部132との間の角度α132は、容器軸105と第2の壁面102の第3の壁部142との間の角度α142よりも大きくてもよい。容器軸105と第2の壁面102の第1の壁部122との間の角度α122は、容器軸105と第2の壁面102の第3の壁部142との間の角度α142よりも小さくてもよい。
【0150】
第4の壁面104は、第1の壁部124、第2の壁部134、及び第3の壁部144を含み得る。
【0151】
第4の壁面104の第1の壁部124は、特に容器軸105の方向において、底部110に(直接)隣接してもよい。第4の壁面104の第2の壁部134は、特に容器軸105の方向において、第4の壁面104の第1の壁部124に(直接)隣接してもよい。第4の壁面104の第3の壁部144は、特に容器軸105の方向において、第4の壁面104の第2の壁部134に(直接)隣接してもよい。
【0152】
容器軸105と第4の壁面104の第1の壁部124との間に、角度α124が形成されてもよい。第4の壁面104の第1の壁部124は、容器軸105に対して角度α124で傾斜してもよい。第4の壁面104の第1の壁部124は、好ましくは、容器軸105に対して外側に(容器100の内部から離れる方向に)傾斜する。
【0153】
容器軸105と第4の壁面104の第2の壁部134との間に、角度α134が形成されてもよい。第4の壁面104の第2の壁部134は、容器軸105に対して角度α134で(外側に)傾斜してもよい。
【0154】
容器軸105と第4の壁面104の第3の壁部144との間に、角度α144が形成されてもよい。第4の壁面104の第3の壁部144は、容器軸105に対して角度α144で(外側に)傾斜してもよい。
【0155】
第4の壁面104の第1の壁部124、第4の壁面104の第2の壁部134、及び第4の壁面104の第3の壁部144は、それぞれ容器軸105に対して(外側に)傾斜してもよい。
【0156】
第4の壁面104の第1の壁部124と第4の壁面104の第2の壁部134との間には、容器軸105に対する壁部124、134の傾斜にキンクがある場合がある。また、第4の壁面104の第2の壁部134と第4の壁面104の第3の壁部144との間に、容器軸105に対する壁部134、144の傾斜にキンクがある場合がある。
【0157】
容器軸105と第4の壁面104の第1の壁部124との間の角度α124は、容器軸105と第4の壁面104の第2の壁部134との間の角度α134よりも小さくてもよい。容器軸105と第4の壁面104の第2の壁部134との間の角度α134は、容器軸105と第4の壁面104の第3の壁部144との間の角度α144よりも大きくてもよい。容器軸105と第4の壁面104の第1の壁部124との間の角度α124は、容器軸105と第4の壁面104の第3の壁部144との間の角度α144よりも小さくてもよい。
【0158】
容器軸105と第2の壁面102の第1の壁部122との間の角度α122は、容器軸105と第4の壁面104の第1の壁部124との間の角度α124と実質的に(±2%又は±1%)同じ高さを有してもよい。容器軸105と第2の壁面102の第2の壁部132との間の角度α132は、容器軸105と第4の壁面104の第2の壁部134との間の角度α134と実質的に(±2%又は±1%)同じ高さを有してもよい。容器軸105と第2の壁面102の第3の壁部142との間の角度α142は、容器軸105と第4の壁面104の第3の壁部144との間の角度α144と実質的に(±2%又は±1%)同じ高さを有してもよい。
【0159】
容器軸105と第2の壁面102の第1の壁部122との間の角度α122は、容器軸105と第1の壁面101の第1の壁部121との間の角度α121よりも大きくてもよい。
【0160】
容器軸105と第4の壁面104の第1の壁部124との間の角度α124は、容器軸105と第1の壁面101の第1の壁部121との間の角度α121よりも大きくてもよい。
【0161】
容器軸105と第2の壁面102の第2の壁部132との間の角度α132は、容器軸105と第1の壁面101の第2の壁部131との間の角度α131よりも小さくてもよい。
【0162】
容器軸105と第4の壁面104の第2の壁部134との間の角度α134は、容器軸105と第1の壁面101の第2の壁部131との間の角度α131よりも小さくてもよい。
【0163】
図5及び図6には、容器200が示されている。図5では、容器200は等角図で示され、図6では、容器200は底面図で示されている。図6には、図7及び図8に示される断面CC及び断面D-Dが示されている。
【0164】
容器200は、底部210、第1の壁面201、第2の壁面202、第3の壁面203、及び第4の壁面204を含んでもよい。
【0165】
容器200は、一般に多角形の基本形状を有し、好ましくは容器200の底部210は多角形状を有する。多角形の基本形状又は多角形状は、長方形であってもよい。
【0166】
容器200、特に容器200の底部210は、マーク211、212、213、214を含むことができる。マーク211、212、213、214の各々は、壁面201、202、203、204のうちの1つに割り当てることができる。マーク211、212、213、214は、壁面201、202、203、204を識別するために使用することができる。例えば、マーク211、212、213、214は、連続した数字、例えば1、2、3、4であってもよいし、マーク211、212、213、214は、連続した文字、例えばA、B、C、Dであってもよい。
【0167】
図7は、底部210、第1の壁面201、及び第3の壁面203が断面化された断面CCを示す。
【0168】
底部210の(容器200の内部に面する)内面は平面であってもよい。底部210には、注入ドーム218があっても底部210の内面が平面になるように、注入ドーム218が設けられていてもよい。注入ドーム218は、容器100を射出成形する際に設けられ得る。
【0169】
底部210、例えば底部210の内面は、容器軸205を画定してもよい。容器軸205は、底部210に対して垂直に延びていてもよい。底部210は、容器軸205に垂直な平面を画定してもよい。
【0170】
第1の壁面201は、第1の壁部221、第2の壁部231、及び第3の壁部241を含み得る。
【0171】
第1の壁部221は、特に容器軸205の方向において、底部210に(直接)隣接してもよい。第2の壁部231は、特に容器軸205の方向において、第1の壁部221に(直接)隣接してもよい。第3の壁部241は、特に容器軸205の方向において、第2の壁部231に(直接)隣接してもよい。
【0172】
容器軸205と第1の壁部221との間に、角度α221が形成されてもよい。第1の壁部221は、容器軸205に対してこの角度α221で傾斜してもよい。第1の壁部221は、好ましくは、容器軸205に対して外側に(容器200の内部から離れる方向に)傾斜する。
【0173】
容器軸205と第2の壁部231との間に、角度α231が形成されてもよい。第2の壁部231は、容器軸205に対して角度α231で(外側に)傾斜してもよい。
【0174】
容器軸205と第3の壁部241との間に、角度α241が形成されてもよい。第3の壁部241は、容器軸205に対して角度α241で(外側に)傾斜してもよい。
【0175】
第1の壁部221、第2の壁部231、及び第3の壁部241は、それぞれ容器軸205に対して(外側に)傾斜してもよい。
【0176】
底部210における容器200の断面(底部210に平行な断面)は、第1の壁部221における容器200の断面(容器軸205の方向における第1の壁部221の中央部の高さにおける断面)より小さくてもよい。第1の壁部221における容器200の断面(容器軸205の方向における第1の壁部221の中央部の高さにおける断面)は、第2の壁部231における容器200の断面(容器軸205の方向における第2の壁部231の中央部の高さにおける断面)よりも小さくてもよい。第2の壁部231における容器200の断面(容器軸205の方向における第2の壁部231の中央部の高さにおける断面)は、第3の壁部241における容器200の断面(容器軸205の方向における第3の壁部241の中央部の高さにおける断面)より小さくてもよい。
【0177】
第1の壁部221と第2の壁部231との間には、容器軸205に対する壁部221、231の傾斜にキンクがある場合がある。キンクは、容器軸205に対する傾斜の急激な変化や不連続な変化から生じ得る。第2の壁部231と第3の壁部241との間には、容器軸205に対する壁部231、241の傾斜にキンクがある場合がある。
【0178】
容器軸205と第1の壁部221との間の角度α221は、容器軸205と第2の壁部231との間の角度α231よりも小さくてもよい。容器軸205と第2の壁部231との間の角度α231は、容器軸205と第3の壁部241との間の角度α241よりも大きくてもよい。容器軸205と第1の壁部221との間の角度α221は、容器軸205と第3の壁部241との間の角度α241よりも小さくてもよい。
【0179】
第3の壁面203は、第1の壁部223、第2の壁部233、及び第4の壁部243を含み得る。
【0180】
第3の壁面203の第1の壁部223は、底部210に(直接)隣接してもよい。第3の壁面203の第2の壁部233は、第3の壁面203の第1の壁部233に(直接)隣接してもよい。第3の壁面203の第3の壁部243は、第3の壁面203の第2の壁部233に(直接)隣接してもよい。
【0181】
第1の壁面201の第1の壁部221は、第3の壁面203の第1の壁部223に対向する。第1の壁面201の第1の壁部221は、第3の壁面203の第1の壁部223と実質的に(容器軸205の方向に±10%)同じ高さを有してもよい。
【0182】
第1の壁面201の第2の壁部231は、第3の壁面203の第2の壁部233と対向してもよい。第1の壁面201の第2の壁部231は、第3の壁面203の第2の壁部233と実質的に(±10%)同じ高さを有してもよい。
【0183】
第1の壁面201の第3の壁部241は、第3の壁面203の第3の壁部243に対向してもよい。第1の壁面201の第3の壁部241は、第3の壁面203の第3の壁部243と実質的に(±10%)同じ高さを有してもよい。
【0184】
第3の壁面203の第1の壁部223の傾斜は、第1の壁面201の第1の壁部221の傾斜に相当するか、又は等しくてもよい。第3の壁面203の第2の壁部233の傾斜は、第1の壁面201の第2の壁部231の傾斜に相当するか、又は等しくてもよい。第3の壁面203の第3の壁部243の傾斜は、第1の壁面201の第3の壁部241の傾斜に相当するか、又は等しくてもよい。
【0185】
一般に、第3の壁面203は、容器軸205に対して第1の壁面201を鏡映するように、第1の壁面201に対応する。一般に、容器軸205は、底部210の中心に形成される。
【0186】
図8は、図6に示された断面D-Dを示しており、底部210、第2の壁面202、及び第4の壁面204が断面化されている。
【0187】
第2の壁面202は、第1の壁部222、第2の壁部232、及び第3の壁部242を含み得る。
【0188】
第2の壁面202の第1の壁部222は、第1の壁面201の第1の壁部221の特徴を有してもよい。第2の壁面202の第2の壁部232は、第1の壁面201の第2の壁部231の特徴を有してもよい。第2の壁面202の第3の壁部242は、第1の壁面201の第3の壁部241の特徴を有してもよい。
【0189】
第4の壁面204は、第1の壁部224、第2の壁部234、及び第3の壁部244を含み得る。
【0190】
第4の壁面204の第1の壁部224は、第1の壁面201の第1の壁部221の特徴を有してもよい。第4の壁面204の第2の壁部234は、第1の壁面201の第2の壁部231の特徴を有してもよい。第4の壁面204の第3の壁部244は、第1の壁面201の第3の壁部241の特徴を有してもよい。
【0191】
一般に、容器200の第1の壁面201は、容器100の第1の壁面101の特徴を有してもよい。容器200の第2の壁面202は、容器100の第2の壁面102の特徴を有してもよい。容器200の第3の壁面203は、容器100の第3の壁面103の特徴を有してもよい。容器200の第4の壁面204は、容器100の第4の壁面104の特徴を有してもよい。同様に、容器100の壁面101、102、103、104は、それぞれ容器200の壁面201、202、203、204の特徴を有してもよい。
【0192】
一般に、他の角度又は傾斜より大きい角度又は傾斜は、少なくとも1°、2°、3°、又は5°大きい。一般に、他の角度又は傾斜よりも小さい角度又は傾斜は、少なくとも1°、2°、3°、又は5°小さい。
【0193】
図9は、試料320を測定するシステム400を示している。試料320は容器100に入れることができる。図9では容器100を例として示しているが、容器200を用いてもよい。
【0194】
試料320は、2mm以上、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上、より好ましくは20mm以上の(容器軸方向)高さを有し得る。
【0195】
容器100内には、液体330を導入することができる。液体330により、試料320を完全に覆うことができる。液体330の表面は、容器100の壁との接触部で湾曲し得る。接触部にはメニスカス331、332が形成される。液体330は、容器100の1つ又は複数の第1の壁部の断面に平行な液体330の表面が実質的に(±5°)平面となるように、容器100内に投入することができる。容器の1つ又は複数の第1の壁部の断面が、液体330の表面に投影されてもよい。したがって、液体330の表面における面積は、第1の壁部の断面と同じ寸法を有すると考えることができる。
【0196】
システムは、放射線源300を含んでもよい。放射源300はレーザーであってもよい。放射線源300によって、試料320を照射することができる。試料320は、好ましくは、容器100の第1の壁部を通して放射線源300によって照射される。試料320の発光は、照射によって励起されてもよい。試料320は、容器の壁面のうち1つ、又は壁面の少なくとも2つ、又は全ての壁面を通して照射されてもよい。壁面の異なる面を順次照射してもよい。壁面の1面又は2面以上を同時に照射してもよい。
【0197】
システム400は、放射線受光器350を含んでもよい。放射線受光器350はカメラであってもよい。放射線受光器350は、試料320の発光を記録することができる。放射線源300、試料320、及び放射線受光器350は、好ましくは(直)線上に存在しない。放射線受光器350は、試料320の発光が、放射線源300による試料320の照射方向に対して実質的に(±10°)垂直に記録可能又は記録されるように配置されてもよい。放射線受光器350は、試料320の発光が容器100の底部に対して実質的に(±10°)垂直に受光可能又は受光されるように配置されてもよい。
【0198】
試料320と放射線受光器350の間に対物レンズを配置してもよい。
【0199】
対物レンズは、試料320の照射中又は測定中、少なくとも部分的に液体330に浸漬されてもよい。また、レンズは、試料320の照射中、液面上に配置されてもよい。
【0200】
容器100の開口部は、例えば1枚以上のガラス板によって、試料320の照射中に覆われてもよい。
【0201】
例えば、放射線源300は、容器100の第1の壁部を通して試料320を照射することができる。第1の壁面は、1.9°±0.7°又はそのn倍の傾斜を有するため、また、放射線源300から試料320への放射線の経路上の界面の屈折率により、放射線源330からの放射線は、放射線が底部に平行、また試料320が液体で覆われている場合は液面に平行に試料320に入射するように、角度(整数)を補正することができる。同時に、容器は、射出成形プロセス(抜き勾配)を用いて安価に製造することができる。
【0202】
容器100の第3の壁面の第1の壁部が、照射が行われる壁面の第1の壁部より傾斜していることで、乱反射を回避することができる。特に、放射線源330の照射によって完全に透過される小さな試料の場合、第3の壁面の第1の壁部が照射が行われる壁面の第1の壁部より傾斜していないと、放射線は試料330の方向に反射される可能性がある。
【0203】
容器100又は容器100の底部110の長方形(非正方形)の基本形状は、照射方向に沿った光シート(放射源300)の最適薄層部分(レイリー長)及び照射方向に垂直な方向の対物レンズの照射野に対応してもよい。
【0204】
以下、番号を付した例示的な実施形態を開示する。
1.試料(320)用の容器(100、200)であって、容器軸(105、205)に垂直な底部(110、210)と、底部(110、210)に隣接する第1の壁部(121、221)と、第1の壁部(110、210)に隣接する第2の壁部(131、231)と、を含み、第2の壁部(131、231)は、容器軸(105、205)に対して20°以上の角度で傾斜する容器(100、200)。
【0205】
2.第1の壁部(121、221)は、容器軸(105、205)に対して0.5°以上、好ましくは1.0°以上、特に好ましくは1.5°以上の角度で傾斜し、及び/又は、第1の壁部(121、221)は、容器軸(105、205)に対して25°以下、好ましくは10°以下、特に好ましくは5°以下の角度で傾斜する実施例1による容器(100、200)。
【0206】
3.容器(100、200)は、第2の壁部(131、231)に隣接する第3の壁部(141、241)を含み、第3の壁部(141、241)は、容器軸(105、205)に対して2°以上の角度で傾斜する実施例1又は2による容器(100、200)。
【0207】
4.容器(100、200)は多角形、特に長方形又は四角形の基本形状を有し、第1の壁面(101、201)、第2の壁面(102、202)、第3の壁面(103、203)、及び第4の壁面(104、204)を有する実施例1~3のいずれかによる容器(100、200)。
【0208】
5.第1の壁面(101)は、第1、第2、及び第3の壁部(121、131、141)を含み、第3の壁面(103)は、第1、第2、及び第3の壁部(123、133、143)を含み、第3の壁面(103)の第1の壁部(123)は、容器軸(105)に対して、第1の壁面(101)の第1の壁部(121)より大きい傾斜を有し、特に、第3の壁面(103)の第1の壁部(123)は、容器軸(105)に対して、第1の壁面(101)の第1の壁部(121)より2°以上、好ましくは5°以上大きい傾斜を有する実施例4による容器(100)。
【0209】
6.第1の壁面(101)は、第1、第2、及び第3の壁部(121、131、141)を含み、第3の壁面(103)は、第1、第2、及び第3の壁部(123、133、143)を含み、第3の壁面(103)の第2の壁部(133)は、容器軸(105)に対して、第1の壁面(101)の第2の壁部(131)より小さい傾斜を有し、特に、第3の壁面(103)の第2の壁部(133)は、容器軸(105)に対して、第1の壁面(101)の第2の壁部(131)より2°以上、好ましくは5°以上小さい傾斜を有する実施例4又は5による容器(100)。
【0210】
7.第1の壁面(101)は、第1、第2、及び第3の壁部(121、131、141)を含み、第2及び/又は第4の壁面(102、104)は、それぞれ第1、第2、及び第3の壁部(122、124、132、134、142、144)を含み、第2の壁面(102)及び/又は第4の壁面(104)の第1の壁部(122、124)は、容器軸(105)に対して、第1の壁面(101)の第1の壁部(121)より大きい傾斜を有し、特に、第2の壁面(102)及び/又は第4の壁面(104)の第1の壁部(122、124)は、容器軸(105)に対して、第1の壁面(101)の第1の壁部(121)より1°以上、好ましくは2°以上大きい傾斜を有する実施例4~6のいずれかによる容器(100)。
【0211】
8.第1の壁面(101)は、第1、第2、及び第3の壁部(121、131、141)を含み、第2及び/又は第4の壁面(102、104)は、それぞれ第1、第2、及び第3の壁部(122、124、132、134、142、144)を含み、第2の壁面(102)及び/又は第4の壁面(104)の第2の壁部(132、134)は、容器軸(105)に対して、第1の壁面(101)の第2の壁部(131)より小さい傾斜を有し、特に、第2の壁面(102)及び/又は第4の壁面(104)の第2の壁部(132、134)は、容器軸(105)に対して、第1の壁面(101)の第2の壁部(131)より1°以上、好ましくは2°以上小さい傾斜を有する実施例4~7のいずれかによる容器(100)。
【0212】
9.第1、第2、第3、及び第4の壁面(201、202、203、204)の各々は、第1の壁部(221)及び/又は第2の壁部(231)及び/又は第3の壁部(241)を含む実施例4による容器(200)。
【0213】
10.試料(320)用の容器(100、200)であって、容器軸(105、205)に垂直な底部(110、210)と、底部(110、210)に隣接する第1の壁部(121、221)と、を含み、第1の壁部(121、221)は、容器軸(105、205)に対して1.9°±0.7°又はそのn倍(nは1より大きい整数)の角度で傾斜する容器(100、200)。
【0214】
11.第1の壁部(121、221)は、容器軸(105、205)に対して1.9°±0.5°、特に1.9°±0.3°又はそのn倍(nは1より大きい整数)の角度で傾斜する実施例10による容器(100、200)。
【0215】
12.容器(100、200)は、射出成形容器(100、200)であり、及び/又は、容器(100、200)は、熱可塑性樹脂を含むか又は熱可塑性樹脂から構成され、及び/又は、容器(100、200)は、ブロック共重合体を含むか又はブロック共重合体から構成され、特に環状ブロック共重合体を含むか又は環状ブロック共重合体から構成される実施例1~11のいずれかによる容器(100、200)。
【0216】
13.容器(100、200)の少なくとも一部は、ASTMD792に従って測定された密度が、1.00g/cm以下、好ましくは0.98g/cm以下、より好ましくは0.96g/cm以下、特に好ましくは0.92g/cm~0.96g/cm、及び/又は、ASTMD570に従って測定された吸水率が、5%未満、好ましくは2.0%未満、より好ましくは0.5%未満、及び/又は、ASTMD1238に従って2.6kg、260℃で測定されたメルトフローレートが、1.0cm/10分以上、好ましくは7.0cm/10分以上、より好ましくは100.0cm/10分以上、より好ましくは2.0cm/10分~250.0cm/10分、及び/又は、ASTMD1003に従って測定された3mmの透過率が、50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、ASTMD1003に従って測定された3mmのヘイズが、5.0%未満、好ましくは3.0%未満、より好ましくは1.5%未満、より好ましくは1.0%未満、及び/又は、反射率が、5.0未満、好ましくは3.0未満、より好ましくは2.5未満、及び/又は、ASTMD1525に従って1kg、50℃/時間で測定されたビカット軟化点が、70℃以上、好ましくは85℃以上、より好ましくは100℃以上、より好ましくは90℃~130℃、及び/又は、ASTMD648に従って0.455MPa、2℃/分で測定された熱たわみ温度が、50℃以上、好ましくは60℃以上、より好ましくは75℃以上、より好ましくは60℃~115℃、及び/又は、ASTMD790に従って測定された曲げ強度が、30MPa以上、好ましくは40MPa以上、より好ましくは50MPa以上、より好ましくは40MPa~80MPa、及び/又は、ASTMD790に従って測定された曲げ弾性率が、600MPa以上、好ましくは1000MPa以上、より好ましくは1400MPa以上、より好ましくは1000MPa~3000MPa、及び/又は、ASTMD638に従って測定された引張強度、Y.P.又はB.P.が、15MPa以上、好ましくは25MPa以上、より好ましくは30MPa以上、より好ましくは20MPa~50MPa、及び/又は、ASTMD638に従って測定された歪みが、5%以上、好ましくは8%以上、より好ましくは10%以上、より好ましくは8%~40%、及び/又は、ASTMD256に従って測定されたアイゾット衝撃強度が、1kgcm/cm以上、好ましくは1.5kgcm/cm以上、より好ましくは2.0kgcm/cm以上、より好ましくは1.5kgcm/cm~5.0kgcm/cm、及び/又は、サリチル酸メチル、ジベンジルエーテル、1部のベンジルアルコールと2部の安息香酸ベンジルの混合物、4部の安息香酸ベンジルと1部のジフェニルエーテルの混合物、桂皮酸エチル、及び/又は2,2’-チオジエタノールに対する耐薬品性、及び/又は、ポリスチレンの自家蛍光に対する、試料厚さ1mm、350nmの励起光での400nm~460nmの自家蛍光が、50%以下、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下、のうち1つ以上の特性を有する材料からなる実施例1~12のいずれかによる容器(100、200)。
【0217】
14.試料(320)、特に生物学的試料を検査するための方法であって、実施例1~13のいずれかによる容器(100、200)に試料(320)を投入するステップと、試料(320)を照射するステップと、試料の発光を記録するステップと、を含む方法。
【0218】
15.試料(320)の検査中、好ましくは顕微鏡検査中、より好ましくは光シート顕微鏡検査中、より好ましくは光シート蛍光顕微鏡検査中に、試料(320)を収容するための、実施例1~13のいずれかによる容器(100、200)の使用。
図1
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【国際調査報告】