(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】ナイフ駆動装置および切断装置
(51)【国際特許分類】
B26D 1/56 20060101AFI20240208BHJP
B26D 5/16 20060101ALI20240208BHJP
B23D 25/02 20060101ALI20240208BHJP
H01M 4/04 20060101ALI20240208BHJP
H01M 4/139 20100101ALI20240208BHJP
【FI】
B26D1/56 A
B26D5/16
B26D1/56 F
B23D25/02
H01M4/04 Z
H01M4/139
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554825
(86)(22)【出願日】2022-05-10
(85)【翻訳文提出日】2022-09-12
(86)【国際出願番号】 CN2022092030
(87)【国際公開番号】W WO2023142300
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】202220238775.2
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】郭益泰
(72)【発明者】
【氏名】文志華
(72)【発明者】
【氏名】李克強
(72)【発明者】
【氏名】史云茹
(72)【発明者】
【氏名】張聡
(72)【発明者】
【氏名】王建磊
【テーマコード(参考)】
3C024
3C039
5H050
【Fターム(参考)】
3C024BB06
3C039EA11
5H050AA15
5H050BA16
5H050BA17
5H050GA04
5H050GA29
(57)【要約】
本出願は、リチウム電池製造の技術分野に関し、具体的には、切断装置のナイフを駆動して帯状材料を切断するためのナイフ駆動装置および切断装置に関し、シート本体と、摺動可能に接続されたスライドレールおよびスライドブロックからなる摺動コンポーネントと、を含み、前記スライドブロックは前記シート本体に接続され、前記スライドブロックと前記シート本体とは、前記スライドレールに対して帯状材料の送り方向に沿って往復移動し、前記スライドレールおよびスライドブロックの少なくとも一方は非金属材料である。非金属材料のスライドレールまたはスライドブロックを設けることで、前記接続手段により形成された駆動装置は動作中、金属材料の摩耗が比較的に小さく、かつ金属粒子が発生しないので、切断駆動中に金属粒子が落下して電池の安全上のリスクを引き起こすという問題を緩和することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断装置中のナイフを駆動して帯状材料を切断するためのナイフ駆動装置であって、
シート本体と、
摺動可能に接続されたスライドレールおよびスライドブロックからなる摺動コンポーネントと、
を含み、
前記スライドブロックは前記シート本体に接続され、前記スライドブロックと前記シート本体とは、前記スライドレールに対して帯状材料の送り方向に沿って往復移動し、
前記スライドレールおよびスライドブロックの少なくとも一方は非金属材料である、ナイフ駆動装置。
【請求項2】
前記シート本体に接続された接続ブロックと、
第1端および第2端を有し、前記第1端は前記接続ブロックに接続され、前記第2端は前記ナイフに接続されたナイフ駆動ロッドと、
をさらに含み、
前記接続ブロックおよび前記ナイフ駆動ロッドの少なくとも一方は非金属材料である、請求項1に記載のナイフ駆動装置。
【請求項3】
前記接続ブロックに、前記ナイフ駆動ロッドの第1端を収容するための接続溝が設けられ、前記接続溝と前記ナイフ駆動ロッドの第1端とは隙間嵌合される、請求項2に記載のナイフ駆動装置。
【請求項4】
前記隙間嵌合は、前記ナイフ駆動ロッドの第1端の径方向幅が前記接続溝の径方向幅よりも小さいものである、請求項3に記載のナイフ駆動装置。
【請求項5】
前記接続溝および前記ナイフ駆動ロッドの第1端はT字形である、請求項3または4に記載のナイフ駆動装置。
【請求項6】
前記摺動コンポーネントに接続された切断駆動コンポーネントをさらに含み、
前記切断駆動コンポーネントの駆動下で、前記摺動コンポーネントは帯状材料の送り方向と垂直な方向に沿って往復移動する、請求項1~5のいずれか1項に記載のナイフ駆動装置。
【請求項7】
前記切断駆動コンポーネントは、互いに接続された切断駆動モータ、およびカムフォロア構造を有し、前記カムフォロア構造は前記摺動コンポーネントに接続される、請求項6に記載のナイフ駆動装置。
【請求項8】
前記シート本体に接続されたフォロア駆動コンポーネントをさらに含み、
前記フォロア駆動コンポーネントの駆動下で、前記シート本体は前記帯状材料の送り方向に沿って往復移動する、請求項1~7のいずれか1項に記載のナイフ駆動装置。
【請求項9】
前記シート本体は、相互に接続された第1接続板および第2接続板を含み、
前記第1接続板は、さらに前記スライドブロックおよび前記接続ブロックにそれぞれ接続され、
前記第2接続板は、さらに前記フォロア駆動コンポーネントに接続される、ことを特徴とする請求項8に記載のナイフ駆動装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のナイフ駆動装置を含む切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年01月28日に提出された「ナイフ駆動装置および切断装置」という中国特許出願第202220238775.2号の優先権を主張し、その出願のすべての内容が援用によって本文に組み込まれる。
【0002】
本出願は、リチウム電池製造の技術分野に関し、特にナイフ駆動装置および切断装置に関する。
【背景技術】
【0003】
リチウムイオン電池のポールピースにスラリーを塗布し、乾燥、および圧延して、カレントコレクタおよび両面塗膜を有する3層複合構造を形成する。そして、電池設計構造および仕様に合わせてポールピースを切断する。一般に、捲回型電池の場合、設計幅に合わせてポールピースをスリットし、ラミネート型電池の場合、ポールピースを適切にシート状に切断する。
【0004】
現在、電池ポールピースの切断には高い効率が要求されているため、ポールピース切断装置はフォロア切断機構として、つまり、ポールピース帯状材料の送り速度を落とすことなく、ポールピース切断装置のナイフを帯状材料の送り方向に沿って移動させ、帯状材料の送り速度と同じか又はそれに近い速度で帯状材料を切断し、切断効率を向上させるように設計されている。しかし、上記フォロア切断中、各機構間に様々な作用力、例えば、摩擦力が発生することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の目的は、ナイフ駆動装置の部材間の相互作用力による金属粒子の落下に起因して電池の安全上のリスクを引き起こすという問題を緩和することができるナイフ駆動装置および切断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1側面によれば、本出願は、切断装置のナイフを駆動して帯状材料を切断するためのナイフ駆動装置を提供し、シート本体と、摺動可能に接続されたスライドレールおよびスライドブロックを有する摺動コンポーネントと、を含み、前記スライドブロックは前記シート本体に接続され、前記スライドブロックおよび前記シート本体は、前記スライドレールに対して帯状材料の送り方向に沿って往復移動し、前記スライドレールおよびスライドブロックの少なくとも一方は非金属材料である。
【0007】
摺動コンポーネントを構成するスライドレールまたはスライドブロックの一方を非金属材料から製造することにより、上記接続方法によって形成された構造は動作中、金属材料の摩耗が比較的に小さく、かつ金属粒子が発生しないので、切断駆動中に金属粒子が落下して電池の安全上のリスクを引き起こすという問題を緩和することができる。
【0008】
いくつかの実施例では、前記ナイフ駆動装置は、前記シート本体に接続された接続ブロックと、第1端および第2端を有し、前記第1端は前記接続ブロックに接続され、前記第2端は前記ナイフに接続されたナイフ駆動ロッドと、をさらに含み、前記接続ブロックおよび前記ナイフ駆動ロッドの少なくとも一方は非金属材料である。
【0009】
接続ブロックおよびナイフ駆動ロッドの一方を非金属材料から製造することにより、上記接続方法によって形成された構造は、動作中、金属材料の摩耗が比較的に小さく、かつ金属粒子が発生しないので、切断駆動中金属粒子が落下して電池の安全上のリスクを引き起こすという問題を緩和することができる。
【0010】
いくつかの実施例では、前記接続ブロックに、前記ナイフ駆動ロッドの第1端を収容するための接続溝が設けられ、前記接続溝と前記ナイフ駆動ロッドの第1端とは隙間嵌合される。隙間嵌合の接続方式により、接続ブロックとナイフ駆動ロッドが簡単に接続され得、ある程度の取付位置の公差をもって、取付がさらに容易になる。
【0011】
いくつかの実施例では、前記隙間嵌合は、前記ナイフ駆動ロッドの第1端の径方向幅が前記接続溝の径方向幅よりも小さくなるものである。前記径方向幅の差を設定することで、ナイフ駆動ロッドの取付および交換がより容易になり、ある程度の製造および取付誤差が許容され得る。
【0012】
いくつかの実施例では、前記接続溝および前記ナイフ駆動ロッドの第1端はT字形である。T字形の接続溝およびT字形の第1端は構造が簡単で、生産プロセスが比較的少さく、かつ着脱しやすく、便利な接続方式である。
【0013】
いくつかの実施例では、前記ナイフ駆動装置は、切断駆動コンポーネントをさらに含み、前記摺動コンポーネントは、前記切断駆動コンポーネントに接続され、前記切断駆動コンポーネントの駆動下で、帯状材料の送り方向と垂直な方向に沿って往復移動する。摺動コンポーネントと切断駆動コンポーネントの接続により、切断のための駆動力がナイフにさらに伝達され、摺動コンポーネントのスライドレールおよびスライドブロックの少なくとも一方が非金属材料であるため、両者が相互作用するとき、金属粒子が発生しないので、安全上のリスクをさらに回避することもできる。
【0014】
いくつかの実施例では、前記切断駆動コンポーネントは、互いに接続された切断駆動モータとカムフォロア構造を含み、前記カムフォロア構造は前記摺動コンポーネントに接続される。上記構造により、切断駆動モータの回転運動を帯状材料の送り方向と垂直な方向の往復移動に変換して、帯状材料の切断を可能とする。
【0015】
いくつかの実施例では、前記ナイフ駆動装置は、フォロア駆動コンポーネントをさらに含み、前記シート本体は前記フォロア駆動コンポーネントに接続され、前記フォロア駆動コンポーネントの駆動下で帯状材料の送り方向に沿って往復移動する。フォロア切断中、帯状材料の送り方向と一致する駆動力を提供し、ナイフを帯状材料と同期させて前進し、フォロア切断が完了した後帯状材料の送り方向と反対する駆動力を提供し、ナイフを回復させ、送り方向の往復移動を実現する。
【0016】
いくつかの実施例では、前記シート本体は、互いに接続された第1接続板および第2接続板を含み、前記第1接続板は、前記スライドブロックと前記接続ブロックにさらに接続され、前記第2接続板は前記フォロア駆動コンポーネントにさらに接続される。シート本体を第1接続板と第2接続板の2つの部分に分けることにより、他の部材と組み合わせてより柔軟に取り付けることができる。
【0017】
第2側面によれば、本出願は、上記実施例のナイフ駆動装置を含む切断装置を提供する。
【0018】
上記説明は、本出願の技術的解決策をより明確に理解できるようにするためのものであり、本出願の技術的手段をより明確に説明するために明細補の内容に従って実施でき、本出願の上記および他の目的、特徴および利点をより明白に理解できるようにするために、以下、本出願の具体的な実施形態を挙げる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本出願の実施例の技術的解決策をより明確に説明するために、以下、本出願の実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介するが、以下説明される図面は本出願のいくつかの実施例を例示するものに過ぎず、当業者にとって、創造的な労働をすることなくこれらの図面に基づいて他の図面を得ることは明らかである。
【0020】
【
図1】本出願のいくつかの実施例のナイフ駆動装置の構造概略図である。
【
図2】本出願のいくつかの実施例の駆動装置の可動アダプタ部の箇所の構造拡大図である。
【
図3】本出願のいくつかの実施例の駆動装置の接続ブロックとナイフ駆動ロッドの概略図である。
【0021】
添付図面において、実際の縮尺で描かれていない場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面と実施例を参照して本出願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明および図面は本出願の原理を例示的に説明するために使用されるが、本出願の範囲を制限するものではなく、つまり、本出願は説明される実施例に限定されていない。
【0023】
特に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本出願の技術分野に属する当業者によって一般的に理解され得る意味と同じであり、本明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明する目的のみであり、本出願を限定する意図がなく、本出願の明細書および特許請求の範囲並びに上記図面の説明で使用される「含む」や「有する」およびそれらの任意の変形用語は、非排他的な包含を意図している。
【0024】
本出願の実施例の説明において、「第1」、「第2」などの技術的用語は異なる対象を区別するための目的であり、相対的重要性を指示または暗示するか、示される技術的特徴の数、特定の順序や優先度を暗黙的に示すものとして理解されることはない。本出願の実施例の説明において、「複数」とは、明示的かつ具体的に限定されない限り、2つ以上を意味する。
【0025】
本明細書で言及されている「実施例」とは、実施例に関連する特定特徴、構造または特性が本出願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書の各位置での用語は必ずしも同一の実施例を意味するものではなく、他の実施例と相互に排他的独立または代替な実施例を意味するものではない。当業者にとって、本明細書で説明される実施例は他の実施例と組み合わせることができることを理解されたい。
【0026】
本出願の実施例の説明において、「および/または」の用語は、単に関連する対象の関係を説明するものであり、例えばAおよび/またはBとは、単独のA、AとB、単独のBの3つの関係が存在し得ることを意味する。また、本明細書では「/」とは、一般に前後の関連対象が「または」の関係であることを示す。
【0027】
本出願の実施例の説明において、「複数」の用語とは2つ以上(2つを含む)を意味し、同様に、「複数組」とは、2組以上(2組を含む)を意味し、「複数枚」とは2枚以上(2枚を含む)を意味する。
【0028】
本出願の実施例の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの技術的用語で指示された方位または位置関係は、図面に基づく方位または位置関係であり、本出願の実施例を説明するか、説明を簡略化することのみを目的とし、かかる装置またはデバイスは必ずしも特定の方位を有し、特定の方位で構成および操作されることを指示または暗示するものではないため、本出願の実施例を限定するものとして解釈されるものではない。
【0029】
本出願の実施例の説明において、特に明示および限定されない限り、「取付」、「連結」、「接続」、「固定」などの技術的用語は広義的に解釈され得、例えば、固定的に接続されてもよく、着脱可能に接続されてもよく、または一体に接続されてもよく、さらに、機械的に接続されてもよく、電気的に接続されてもよく、直接に連結されてもよく、中間媒体を介して間接に連結されてもよく、2つのデバイスの内部連通または2つのデバイスの相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて本出願の実施例における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0030】
現在、ポールピース切断工程では、切断精度を確保するために、切断時に帯状材料を停止させたり、速度を落としたりする必要があり、切断効率が低下する。電池ポールピースの切断効率を高めるために、ポールピース帯状材料の送り速度を落とすことなく、ポールピース切断装置のナイフを帯状材料の送りの方向に沿ってフォロア移動させ、帯状材料の送り速度と同じか近い速度で帯状材料を切断する必要がある。上記切断方式をフォロア切断とも呼び、前記ポールピース切断装置をポールピースフォロア切断装置とも呼ぶが、従来のポールピース切断装置は以下の欠点がある。
【0031】
切断中、ナイフが帯状材料の送り方向に沿って往復移動し、ポールピース帯状材料の動きに追従して移動する一方、ナイフが帯状材料の送り方向と垂直な方向に沿って往復移動し、ポールピース帯状材料を切断する必要がある。上記二方向の移動中に摩擦力が生じ、互いに摩擦する2つの部材が金属材料であると、摩擦力の作用下で金属粒子が発生し、金属粒子がポールピースに落下してポールピースを直接汚染し、電池内部短絡、自己放電ひいては熱暴走が発生し、さらに電池の安全上のリスクを引き起こす。
【0032】
上記の問題を解決するために、
図1~3に示すように、本出願の実施例は、ナイフを駆動して帯状材料をフォロアして切断するためのナイフ駆動装置100を提供し、切断装置のナイフを駆動して帯状材料を切断し、前記ナイフ駆動装置は、シート本体21および摺動コンポーネント50を含み、前記摺動コンポーネント50は、摺動可能に接続されたスライドレール52およびスライドブロック53を含み、前記スライドブロック53は前記シート本体21に接続され、前記スライドブロック53と前記シート本体21は、前記スライドレール52に対して帯状材料の送り方向に沿って往復移動し、前記スライドレール52およびスライドブロック53の少なくとも一方は非金属材料である。
【0033】
生産中、ポールピースはロールに巻かれ、前記ポールピースは帯状材料とも呼ばれる。切断のとき、前記帯状材料を拡大させ、供給ロールまたは排出ロールの駆動によって転送され、その移動方向は帯状材料の送り方向とも呼ばれる。図面では帯状材料が図示されていなく、説明を容易にするために、前記帯状材料の送り方向をX方向として例を挙げて説明する。シート本体21はフォロア駆動コンポーネント20に接続され、前記フォロア駆動コンポーネント20はシート本体21をX方向、つまり帯状材料の送り方向に沿って往復移動させるように駆動する。摺動コンポーネント50はスライドレール52およびスライドブロック53を含み、前記スライドレール52とスライドブロック53は互いに適合する形状に形成され、スライドブロック53がスライドレール52上をX方向に沿って摺動可能であり、Y方向とZ方向に相対的に移動できない。
図1を例にすると、スライドブロック53の上部とスライドレール52は摺動可能に接続され、下部はシート本体21に接続され、帯状材料の送り方向がX方向であると、フォロア駆動コンポーネント20はシート本体21およびシート本体21に接続されたスライドブロック53を駆動して、スライドレール52に対してX方向に沿って往復移動させる。前記非金属材料はプラスチック、ナイロン材料など、互いに摩擦しても粒子が発生しない材料であり、ここで特に限定されない。
【0034】
スライドレール52とスライドブロック53はすべて金属材料である場合、両者が摺動して摩擦が生じると、発生した金属粒子がポールピースに落下し、安全上のリスクを引き起こす。したがって、スライドレール52とスライドブロック53の一方、またはその両方が非金属材料であると、金属粒子が発生するリスクを回避することができる。
【0035】
本出願のいくつかの実施例によれば、
図1~
図3を参照すると、前記ナイフ駆動装置は、前記シート本体21に接続された接続ブロック40と、第1端11および第2端を有し、前記第1端が前記接続ブロック40に接続され、前記第2端が前記ナイフ(図示しない)に接続されたナイフ駆動ロッド10と、をさらに含み、前記接続ブロック40および前記ナイフ駆動ロッド10の少なくとも一方は非金属材料である。
【0036】
前記接続ブロック40は、シート本体21とナイフ駆動ロッド10の第1端11を接続するために使用され、図ではナイフ駆動ロッド10の上端が例示的に示されている。前記ナイフ駆動ロッド10の下端は帯状材料を切断するためのナイフ(図示しない)を接続し、前記ナイフをY方向に沿って移動させて、帯状材料を切断するために使用される。
【0037】
帯状材料の切断中、前記ナイフ駆動ロッド10には大きい圧力がかかるため、前記ナイフ駆動ロッド10は、通常、金属材料である。前記接続ブロック40は前記ナイフ駆動ロッド10の第1端に接続され、両者間に帯状材料の切断中に相互作用力が発生し、接続ブロック40とナイフ駆動ロッド10はすべて金属材料であると、相作用力により金属粒子が発生する。したがって、非金属材料から接続ブロック40を製造することにより、金属粒子の発生を効果的に回避することができる。もちろん、材料技術の進歩に従い、ナイフ駆動ロッド10は高い構造強度の非金属材料から製造することもでき、このように、接続ブロック40は金属材料または非金属材料であり得る。ナイフ駆動ロッド10および接続ブロック40の少なくとも一方が非金属材料であれば、金属粒子の発生を効果的に回避することができる。
【0038】
本出願のいくつかの実施例によれば、
図1~
図3を参照すると、前記接続ブロック40に、前記ナイフ駆動ロッド10の第1端11を収容するための接続溝41が設けられ、前記接続溝41と前記ナイフ駆動ロッド10の第1端11とは隙間嵌合される。
【0039】
図3に示すように、前記接続溝41は、接続ブロック40に設けられ、前記ナイフ駆動ロッド10の第1端11を収容し、ナイフをY方向に沿って往復移動させるように駆動して帯状材料を切断するとき、前記ナイフ駆動ロッド10が前記接続溝41から外れないようにすればよい。隙間嵌合とは、前記接続溝41と前記ナイフ駆動ロッド10の第1端11が、互いに適合する形状を有し、一定の隙間を空けて取り付けられることを意味する。
【0040】
切断の反力の影響により、長期間の使用後、ナイフ交換などのメンテナンスが必要であり、接続ブロック40とナイフ駆動ロッド10間の機械的接続方式により、接続ブロック40とナイフ駆動ロッド10の着脱がより容易になり、取付およびメンテナンスが容易になる。そして、接続溝とナイフ駆動ロッドの第1端間に一定隙間があるため、取付のとき一定の取付位置公差をもって、取付の難易度を下げることができる。
【0041】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記隙間嵌合とは、前記ナイフ駆動ロッドの第1端11の径方向幅mが前記接続溝41の径方向幅Mよりも小さいものとする。
【0042】
図3に示すように、前記接続溝の径方向幅はMであり、前記ナイフ駆動ロッドの第1端の径方向幅はmであり、かつM>mである。前記径方向幅の差を設定することで、ナイフ駆動ロッドの取付および交換がより容易になり、ある程度の製造および取付誤差が許容され得る。さらに、好ましくは、前記ナイフ駆動ロッドの第1端11の高さと前記接続溝41の高さは基本的に同じであり、ともにhであり、完全に嵌合するのに寄与し、Y方向のナイフ駆動ロッド10と接続ブロック40が相対的に固定され、ナイフ駆動ロッド10がY方向に沿って往復移動するときのナイフ揺れを回避する。
【0043】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記接続溝41と前記ナイフ駆動ロッドの第1端11はT字形である。
【0044】
図3に示すように、前記T字形とは、Z方向に沿った投影がT字形であることを意味する。
【0045】
T字形の接続溝41とT字形の第1端11は構造が簡単で、生産プロセスが比較的少なく、同時に着脱しやすく、便利な接続方式である。
【0046】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記ナイフ駆動装置は、切断駆動コンポーネントをさらに含み、前記摺動コンポーネントは切断駆動コンポーネントに接続され、前記切断駆動コンポーネントの駆動下で帯状材料の送り方向と垂直な方向に沿って往復移動する。
【0047】
前記切断駆動コンポーネントはナイフの切断動作に駆動力を提供し、ナイフがY方向、つまり帯状材料の送り方向と垂直な方向に沿って往復移動して、帯状材料を切断する。
【0048】
摺動コンポーネントと切断駆動コンポーネントの接続により、切断のための駆動力がさらにナイフに伝達され、摺動コンポーネントのスライドレールおよびスライドブロックの少なくとも一方は非金属材料であるため、両者の相互作用下で金属粒子が発生しないので、安全上のリスクをさらに回避することができる。
【0049】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記切断駆動コンポーネントは、互いに接続された切断駆動モータ30とカムフォロア構造31を含み、前記カムフォロア構造31は前記摺動コンポーネント50に接続される。
【0050】
前記切断駆動モータは前記ナイフに帯状材料を切断する動力を提供し、カムフォロア構造を介して切断動力が摺動コンポーネントに伝達される。カムフォロア構造はカムおよびベアリングフォロアを含み、カムが切断駆動モータ30の回転軸に取り付けられ、ベアリングフォロアがカムの側面に取り付けられ、カムの駆動下で回転する。上記構造により、切断駆動モータ30の回転運動をY方向に沿った往復移動に変換し、帯状材料の切断を実現する。
【0051】
本出願のいくつかの実施例によれば、フォロア駆動コンポーネント20をさらに含み、前記シート本体21は、前記フォロア駆動コンポーネント20に接続され、前記フォロア駆動コンポーネントの駆動下で帯状材料の送り方向に沿って往復移動する。
【0052】
フォロア駆動コンポーネント20は、X方向、つまり帯状材料の送り方向の往復駆動を提供することに適し、フォロア切断中、帯状材料の送り方向と一致する駆動力を提供し、ナイフを帯状材料と同期させて前進し、フォロア切断が完了した後、帯状材料の送り方向と反対方向の駆動力を提供し、ナイフをリセットさせ、X方向の往復移動を実現することに適している。
【0053】
フォロア駆動コンポーネントは、ラックおよびフォロア駆動モータを含み、ラックはX方向に沿って配置され、駆動モータはシート本体21に取り付けられ、回転軸にラックと嵌合するギアが設けられ、ギアを介してラックと協働してシート本体21をラック上を移動させるように駆動してX方向の往復移動を実現し、かつラックの歯はY方向に沿って設けられるため、シート本体21がY方向に沿って移動可能であり、さらに切断駆動コンポーネントのY方向の駆動に適合することもできる。
【0054】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記シート本体21は、互いに接続された第1接続板21aおよび第2接続板21bを含み、前記第1接続板21aは、さらに前記スライドブロック53と前記接続ブロック40にそれぞれ接続され、前記第2接続板21bは、さらに前記フォロア駆動コンポーネント20にそれぞれ接続される。
【0055】
図1~
図3に示すように、シート本体を第1接続板と第2接続板の2つの部分に分けることにより、他の部材と柔軟に組み合わせて自由に取り付けることができる。前記第1接続板と第2接続板は他の部材と摩擦しないため、金属材料から製造され得、十分な構造強度を有しつつ、金属粒子が発生しなく、もちろん、高い構造強度を有する非金属材料から製造されてもよく、これに限定されない。第1接続板21aはL字形であってもよく、その構造強度をさらに高める。第1接続板21aはスライドブロック53と接続ブロック40を接続し、切断駆動コンポーネントのY方向に沿った動力をナイフに伝達し、ナイフのY方向の往復移動を実現し、帯状材料の切断を達成する。第2接続板21bはフォロア駆動コンポーネント20に接続され、フォロア駆動コンポーネントのX方向に沿った動力をナイフに伝達し、ナイフのX方向、つまり帯状材料の送り方向の往復移動を実現し、帯状材料のフォロアを達成する。
【0056】
本出願のいくつかの実施例によれば、本出願は、任意のナイフ駆動装置100を含む切断装置をさらに提供する。
【0057】
本出願のいくつかの実施例によれば、任意に、前記切断装置はマシーンベース60をさらに含み、マシーンベース60に切断駆動コンポーネント、フォロア駆動コンポーネント20およびY方向線形ガイドレール51が設けられる。前記切断駆動コンポーネントは切断駆動モータ30およびカムフォロア構造31を含み、前記フォロア駆動コンポーネント20はラックを含む。マシーンベース60は少なくともX-Z平面に沿って配置されたベースプレート61およびベースプレート61と垂直で帯状材料の前進方向と平行で、つまりX-Y平面に沿ったスタンドプレート62を含み、ベースプレート61の上面に回転軸がスタンドプレート62に向かう切断駆動モータ30が取り付けられ、その回転軸がスタンドプレート62を貫通する。スタンドプレート62に線形ガイドレール51が取り付けられ、2つの線形ガイドレール51が切断駆動モータ30の両側に別々に配置され、スライドレール52を垂直に摺動し、Y方向の切断駆動力をナイフに伝達するのに適する。
【0058】
マシーンベース60を設け、切断駆動モータ30、フォロア駆動コンポーネント20および線形ガイドレール51をマシーンベース60に取り付けることにより、空間レイアウトを最適化し、構造全体がより合理的かつコンパクトにすることができる。
【0059】
最後に、以上の各実施例は本出願の技術的解決策を例示するためにのみ使用され、これらに限定されなく、前記の各実施例を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者は、前記各実施例に記載の技術的解決策を修正したり、一部または全部の技術的特徴を同等置換したりすることができ、それらの修正や同等置換は、対応の技術的解決策の本質を本出願の各実施例の技術的解決策の範囲から外すものではないことを理解されたい。
【符号の説明】
【0060】
100 ナイフ駆動装置
10 ナイフ駆動ロッド
11 ナイフ駆動ロッドの第1端
20 フォロア駆動コンポーネント
21 シート本体
21a 第1接続板
21b 第2接続板
30 切断駆動モータ
31 カムフォロア装置
40 接続ブロック
41 接続溝
50 摺動コンポーネント
51 線形ガイドレール
52 スライドレール
53 スライドブロック
60 マシーンベース
61 ベースプレート
62 スタンドプレート
【手続補正書】
【提出日】2022-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断装置中のナイフを駆動して帯状材料を切断するためのナイフ駆動装置であって、
シート本体と、
摺動可能に接続されたスライドレールおよびスライドブロックからなる摺動コンポーネントと、
を含み、
前記スライドブロックは前記シート本体に接続され、前記スライドブロックと前記シート本体とは、前記スライドレールに対して帯状材料の送り方向に沿って往復移動し、
前記スライドレールおよびスライドブロックの少なくとも一方は非金属材料である、ナイフ駆動装置。
【請求項2】
前記シート本体に接続された接続ブロックと、
第1端および第2端を有し、前記第1端は前記接続ブロックに接続され、前記第2端は前記ナイフに接続されたナイフ駆動ロッドと、
をさらに含み、
前記接続ブロックおよび前記ナイフ駆動ロッドの少なくとも一方は非金属材料である、請求項1に記載のナイフ駆動装置。
【請求項3】
前記接続ブロックに、前記ナイフ駆動ロッドの第1端を収容するための接続溝が設けられ、前記接続溝と前記ナイフ駆動ロッドの第1端とは隙間嵌合される、請求項2に記載のナイフ駆動装置。
【請求項4】
前記隙間嵌合は、前記ナイフ駆動ロッドの第1端の径方向幅が前記接続溝の径方向幅よりも小さいものである、請求項3に記載のナイフ駆動装置。
【請求項5】
前記接続溝および前記ナイフ駆動ロッドの第1端はT字形である、請求項3または4に記載のナイフ駆動装置。
【請求項6】
前記摺動コンポーネントに接続された切断駆動コンポーネントをさらに含み、
前記切断駆動コンポーネントの駆動下で、前記摺動コンポーネントは帯状材料の送り方向と垂直な方向に沿って往復移動する、請求項
1に記載のナイフ駆動装置。
【請求項7】
前記切断駆動コンポーネントは、互いに接続された切断駆動モータ、およびカムフォロア構造を有し、前記カムフォロア構造は前記摺動コンポーネントに接続される、請求項6に記載のナイフ駆動装置。
【請求項8】
前記シート本体に接続されたフォロア駆動コンポーネントをさらに含み、
前記フォロア駆動コンポーネントの駆動下で、前記シート本体は前記帯状材料の送り方向に沿って往復移動する、請求項
2に記載のナイフ駆動装置。
【請求項9】
前記シート本体は、相互に接続された第1接続板および第2接続板を含み、
前記第1接続板は、さらに前記スライドブロックおよび前記接続ブロックにそれぞれ接続され、
前記第2接続板は、さらに前記フォロア駆動コンポーネントに接続される、ことを特徴とする請求項8に記載のナイフ駆動装置。
【請求項10】
請求項1~
4、6~9のいずれか1項に記載のナイフ駆動装置を含む切断装置。
【国際調査報告】