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特表2024-507041両親媒性アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】両親媒性アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/37 20060101AFI20240208BHJP
   C08G 65/26 20060101ALI20240208BHJP
   C08G 73/04 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
C11D3/37
C08G65/26
C08G73/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023537943
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-06-21
(86)【国際出願番号】 EP2021087054
(87)【国際公開番号】W WO2022136409
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】20217099.9
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21176906.2
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521037411
【氏名又は名称】ベーアーエスエフ・エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】テュルク,ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】エンゲルト,ズザネ カリナ
(72)【発明者】
【氏名】リスト,ユーゲン
(72)【発明者】
【氏名】ハイドル,アレクサンダー ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】エーベルト,ソフィア
【テーマコード(参考)】
4H003
4J005
4J043
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB19
4H003AB31
4H003AC08
4H003AD04
4H003BA09
4H003BA12
4H003DA01
4H003DA17
4H003DB02
4H003EA08
4H003EA12
4H003EA15
4H003EA16
4H003EA19
4H003EA21
4H003EA28
4H003EB04
4H003EB08
4H003EB13
4H003EB24
4H003EB28
4H003EC01
4H003EC02
4H003EC03
4H003ED02
4H003FA04
4H003FA06
4H003FA09
4H003FA16
4J005AA14
4J005BB01
4J005BD05
4J043PA11
4J043QA04
4J043QA17
4J043SA05
4J043SA32
4J043SA78
4J043YB29
4J043ZA60
4J043ZB34
4J043ZB60
(57)【要約】
本発明は、工程a)~d)を含む方法によって得ることが可能であり、両親媒性を有する新規なアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンに関する。工程a)によれば、こうしたポリアルキレンイミン又はポリアミンを、第1のアルキレンオキシド(AO1)と反応させて、第1の中間体(I1)を得る。工程b)において、上記の第1の中間体(I1)を、ラクトン及び/又はヒドロキシ炭酸と反応させて、第2の中間体(I2)を得、これに工程c)が続き、ここで上記の第2の中間体(I2)を、エチレンオキシドと反応させて、第3の中間体(I3)を得る。その後、上記の第2の中間体(I3)を、工程d)で第2のアルキレンオキシド(AO2)と反応させて、本発明の新規なアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを得る。本発明は、更に、かかるアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを調製するためのこうした方法、のみならず、例えば、洗浄組成物、並びに/又は布地ケア及びホームケア生成物中でのかかる化合物の使用に関する。更に、本発明は、こうしたこれらの組成物又は製品にも関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンであって、下記の工程a)~c):
a)i)少なくとも1つのポリアルキレンイミン又は少なくとも1つのポリアミンと、ii)少なくとも1つの第1のアルキレンオキシド(AO1)との反応であって、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基あたり0.25~7.0モルのアルキレンオキシド(AO1)が用いられて、第1の中間体(I1)を得る、反応と、
b)前記第1の中間体(I1)と、少なくとも1つのラクトン及び/又は少なくとも1つのヒドロキシ炭酸との反応であって、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基(工程aで用いられた)あたり0.25~10モルのラクトン及び/又はヒドロキシ炭酸が用いられて、第2の中間体(I2)を得る、反応と、
c)前記第2の中間体(I2)と、少なくとも1つの第2のアルキレンオキシド(AO2)との反応であって、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基(工程aで用いられた)あたり少なくとも1モルのアルキレンオキシド(AO2)が用いられて、前記アルコキシル化ポリアルキレンイミン又は前記アルコキシル化ポリアミンを得る、反応と、
を含む方法によって得ることが可能な、アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項2】
工程a)で用いられた前記少なくとも1つのポリアルキレンイミン又は前記少なくとも1つのポリアミンは、一般式(I)に従って定義され、
【化1】
式中、前記変数はそれぞれ下記のとおり定義され:
Rは、同一か又は異なる
i)直鎖若しくは分枝鎖のC~C12アルキレン基、又は
ii)以下の式(III)のエーテルアルキル単位であって:
【化2】
式中、前記変数はそれぞれ下記のとおり定義され:
10、R11、R12は同一か若しくは異なる、直鎖若しくは分枝鎖のC~Cアルキレン基を表し、
dは0~50の範囲の値を有する整数である、エーテルアルキル単位、又は
iii)任意選択的に少なくとも1つのC~Cアルキルで置換されたC~C10シクロアルキレン基、を表し、
Bは、分枝による前記ポリアルキレンイミンの延長を表し、
y及びzは、それぞれ0~150の範囲の値を有する整数であり、
好ましくは、Rは、同一か又は異なる
i)直鎖若しくは分枝鎖のC~C12アルキレン基であって、より好ましくはRがエチレン、プロピレン、若しくはヘキサメチレンである、アルキレン基、又は
ii)任意選択的に少なくとも1つのC~Cアルキルで置換されたC~C10シクロアルキレン基であって、より好ましくは、Rが、少なくとも1つのメチル若しくはエチルで置換された少なくとも1つのC~Cシクロアルキレン基である、シクロアルキレン基、を表す、
請求項1に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項3】
一般式(IIa)の少なくとも1つの残基を含有し、
【化3】
式中、前記変数はそれぞれ下記のとおり定義され:
は、C~C22-(1,2-アルキレン)基を表し、
は、水素、並びに/又はC~C22アルキル、及び/若しくはC~C22アラルキルを表し、
は、直鎖又は分枝鎖のC~C22アルキレン基を表し、
は、C~C22-(1,2-アルキレン)基を表し、
mは、少なくとも1~10の値を有する整数であり、
nは、少なくとも5~100の値を有する整数であり、
pは、少なくとも1~5の値を有する整数であり、
好ましくは、一般式(IIa)内の前記変数は以下のとおりに定義され:
は、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、及び/若しくは1,2-ブチレン、最も好ましくは1,2-エチレンを表し、並びに/又は
は、水素、及び/若しくはC~Cアルキル、好ましくは水素、メチル、及び/若しくはエチル、最も好ましくは水素を表し、並びに/又は
は、直鎖若しくは分枝鎖のC~C10アルキレン基、好ましくは直鎖若しくは分枝鎖のC~Cアルキレン基を表し、並びに/又は
は、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、1,2-ブチレン、及び/若しくは1,2-ペンチレンを表し、より好ましくは、1,2-プロピレン及び/若しくは1,2-ブチレンを表し、並びに/又は
mは、1~5、好ましくは1~3の範囲の値を有する整数であり、並びに/又は
nは、8~40、好ましくは10~25の範囲の値を有する整数であり、並びに/又は
pは、1若しくは2である、
請求項1又は2に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項4】
一般式(IIb)の少なくとも1つの残基を含有し、
【化4】
式中、前記変数はそれぞれ下記のとおり定義され:
は、C~C22-(1,2-アルキレン)基を表し、
は、水素、並びに/又はC~C22アルキル、及び/若しくはC~C22アラルキルを表し、
は、直鎖又は分枝鎖のC~C22アルキレン基を表し、
mは、少なくとも1~10の値を有する整数であり、
nは、少なくとも5~100の値を有する整数であり、
好ましくは、一般式(IIb)内の前記変数は以下のとおりに定義され:
は、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、及び/若しくは1,2-ブチレン、最も好ましくは1,2-エチレンを表し、並びに/又は
は、水素、及び/若しくはC~Cアルキル、好ましくは水素、メチル、及び/若しくはエチル、最も好ましくは水素を表し、並びに/又は
は、直鎖若しくは分枝鎖のC~C10アルキレン基、好ましくは直鎖若しくは分枝鎖のC~Cアルキレン基を表し、並びに/又は
mは、1~5、好ましくは1~3の範囲の値を有する整数であり、並びに/又は
nは、8~40、好ましくは10~25の範囲の値を有する整数である、
請求項1~3のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項5】
一般式(IIc)の少なくとも1つの残基を含有し、
【化5】
式中、前記変数は下記のとおり定義され:
は、C~C22-(1,2-アルキレン)基を表し、
は水素及び/又はC~C22アルキルを表し、
nは、少なくとも5~100の値を有する整数であり、
好ましくは、一般式(IIc)内の前記変数は以下のとおりに定義され:
は、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、及び/若しくは1,2-ブチレン、最も好ましくは1,2-エチレンを表し、並びに/又は
は、水素、及び/若しくはC~Cアルキル、好ましくは水素、メチル、及び/若しくはエチル、最も好ましくは水素を表し、並びに/又は
nは、8~40、好ましくは10~25の範囲の値を有する整数である、
請求項1~4のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項6】
残基(IIa)は、工程a)で用いられる前記ポリアルキレンイミン又は前記ポリアミンのアミノ基に結合した全残基(IIa)、(IIb)、及び(IIc)の少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、更により好ましくは少なくとも95重量%を占める、請求項1~5のいずれか一項に記載のアルコキシル化イミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項7】
i)工程a)は水の存在下、及び/若しくは塩基触媒の存在下で実施され、並びに/又は
ii)工程a)で用いられる前記ポリアルキレンイミン又は前記ポリアミンの重量平均分子量(Mw)は、50~10000g/モルの範囲内、好ましくは500~5000g/モルの範囲内、より好ましくは600~2000g/モルの範囲内にある、
請求項1~6のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項8】
前記変数はそれぞれ下記のとおり定義され:
Rは、エチレン及び/又はプロピレン、好ましくはエチレンであり、
y+zの和は、9~120の範囲、好ましくは10~20の範囲の値を有する整数である、
請求項2~7のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン。
【請求項9】
yは0~10の範囲の値を有する整数であり、
zは0であり、
Rは、同一か又は異なる、式(III)の直鎖又は分枝鎖のC~C12アルキレン基又はエーテルアルキル単位を表し、式中、
dは1~5であり、
10、R11、R12は、独立して、直鎖又は分枝鎖のC~Cアルキレン基から選択される、
請求項2~7のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアミン。
【請求項10】
前記アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン中に存在する窒素原子の最大100%が四級化され、好ましくは、前記アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン中に存在する前記窒素原子の四級化の程度は、10%~95%の範囲内にある、請求項1~9のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項11】
i)工程b)において、前記ラクトンはカプロラクトンであり、並びに/又は
ii)工程b)において、前記ヒドロキシ炭酸は乳酸若しくはグリコール酸であり、並びに/又は
iii)工程a)において、前記第1のアルキレンオキシド(AO1)は、少なくとも1つのC~C22エポキシド、好ましくはエチレンオキシド及び/若しくはプロピレンオキシドであり、並びに/又は
iv)工程c)において、前記第2のアルキレンオキシド(AO2)は、少なくとも1つのC~C22エポキシド、好ましくはエチレンオキシド、若しくはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物である、
請求項1~10のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項12】
i)工程a)において、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基あたり0.5~2モル、好ましくは0.75~1.5モルのアルキレンオキシド(AO1)が用いられ、並びに/又は
ii)工程b)において、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基(工程aで用いられた)あたり0.5~3モル、好ましくは1~2モルのラクトン及び/若しくはヒドロキシ炭酸が用いられ、並びに/又は
iii)工程c)において、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基(工程aで用いられた)あたり5~30モル、好ましくは8~20モルのアルキレンオキシド(AO2)が用いられる、
請求項1~11のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項13】
洗浄組成物中の、布地ケア及びホームケア生成物中の、化粧品配合物中の、原油エマルジョン破壊剤としての、インクジェットインク用顔料分散体中の、電気めっき用配合物中の、セメント系組成物中の、及び/又は農薬配合物用分散剤としての、請求項1~12のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンの使用。
【請求項14】
i)粘土の除去、並びに/又は
ii)粒子状の染みの汚れの除去、並びに/又は
iii)汚れの分散及び/若しくは乳化、並びに/又は
iv)後の再汚染の際の除去を改善するための処理表面の修飾、並びに/又は
v)白色度の改善、並びに/又は
vi)リパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、及びペルオキシダーゼからなるリストから選択される少なくとも1つの酵素、並びに上記の種類のうち少なくとも2つの組み合わせが存在する場合、追加的に、油性/脂肪性染み、食品の染みの除去、及び/若しくは複合染みの除去の改善のための、洗浄組成物、並びに/又は布地ケア及びホームケア生成物における、好ましくは洗浄組成物における、請求項13に記載の使用であって、
上記の選択肢i)~vi)のそれぞれは、好ましくは洗濯物ケア組成物、より好ましくは洗濯洗剤組成物で使用するためのものである、使用。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを含む、洗浄組成物、布地ケア及びホームケア生成物、化粧品配合物、原油エマルジョン破壊剤、インクジェットインク用顔料分散体、電気めっき用配合物、セメント系組成物、及び/又は農薬配合物用分散剤、
好ましくは、請求項1~11のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを含む、洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア生成物、より好ましくは洗濯配合物。
【請求項16】
i)粘土の除去、並びに/又は
ii)粒子状の染みの汚れの除去、並びに/又は
iii)汚れの分散及び/若しくは乳化、並びに/又は
iv)後の再汚染の際の除去を改善するための処理表面の修飾、並びに/又は
v)白色度の改善のための、並びに/又は
vi)リパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、及びペルオキシダーゼからなるリストから選択される少なくとも1つの酵素、並びに上記の種類のうち少なくとも2つの組み合わせが存在する場合、追加的に、油性/脂肪性染み、食品の染みの除去、及び/若しくは複合染みの除去の改善のためであり、並びに/又は
vii)リパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、及びペルオキシダーゼから選択される少なくとも1つの酵素、並びに上記の種類のうち少なくとも2つの組み合わせを追加的に含み、並びに/又は
viii)vii)の少なくとも1つの酵素が存在する場合、油性/脂肪性染みの除去、食品の染みの除去、及び/若しくは複合染みの除去の改善
のための、請求項15に記載の洗浄組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工程a)~d)を含む方法によって得ることが可能であり、両親媒性を有する新規なアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンに関する。工程a)によれば、こうしたポリアルキレンイミン又はポリアミンを、第1のアルキレンオキシド(AO1)と反応させて、第1の中間体(I1)を得る。工程b)において、上記の第1の中間体(I1)を、ラクトン及び/又はヒドロキシ炭酸と反応させて、第2の中間体(I2)を得、これに工程c)が続き、ここで上記の第2の中間体(I2)を、エチレンオキシドと反応させて、第3の中間体(I3)を得る。その後、上記の第2の中間体(I3)を、工程d)で第2のアルキレンオキシド(AO2)と反応させて、本発明の新規なアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを得る。本発明は、更に、かかるアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを調製するためのこうした方法、のみならず、例えば、洗浄組成物、並びに/又は布地ケア及びホームケア生成物中でのかかる化合物の使用、に関する。更に、本発明は、こうしたこれらの組成物又は製品にも関する。
【背景技術】
【0002】
気候変動のために、冷水条件を改善することにより1回の水洗いあたりのCO2排出量を大きく低減させることが、今日の医薬品及び化粧品(D&C)業界の最も重要な目標の1つである。D&C業界のもう1つの重要な目標は、洗濯配合物のサステイナビリティを改善し、生態系における非分解性ポリマーの蓄積を回避するための、生分解性ポリマーに対するニーズである。特に油性及び脂肪性の染みの部類に対する冷水洗浄性能を改善するための技術的障害は極めて大きいが、両親媒性アルコキシル化ポリアミン、特にポリエチレンイミン(PEI)などのポリアルキレンイミンをベースとするものが、こうした条件下で油性/脂肪性の汚れの除去に貢献可能であることが、文献で既に知られている。しかし、これらの構造は生分解性ではない。
【0003】
国際公開第2015/028191号パンフレットは、5~18個のポリエチレンオキシド単位を含むポリエチレンオキシドの内側ブロックと、1~5個のポリアルキレンオキシド単位を含むポリアルキレンオキシドの中間ブロックと、2~14個のポリエチレンオキシド単位を含むポリエチレンオキシドの外側ブロックと、を有する水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミンに関する。中間ブロックは、ポリプロピレンオキシド単位、ポリブチレンオキシド単位、及び/又はポリペンテンオキシド単位から形成される。更に、国際公開第2015/028191号パンフレットは、水溶性アルコキシル化ポリアミンに関する。
【0004】
国際公開第2020/187648号パンフレットは、一般式(I)のポリアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンにも関する。当該明細書に記載される化合物は、例えば化粧品配合物内で採用され得る。しかしながら、国際公開第2020/187648号パンフレット内で開示される特定の化合物は、本発明の対応する化合物とは異なる。国際公開第2020/187648号パンフレットの置換基は、ラクトン及び/又はヒドロキシ炭酸をベースとした断片を一切含まないため。
【0005】
英国特許出願公開第2562172号明細書は、その組成物が顔料分散体として採用される、一般式(I)の特定の官能化ポリアルキレンイミンポリマーに関する。英国特許出願公開第2562172号明細書は、アルキレンオキシドをベースとした断片、続いてラクトン及び/又はヒドロキシ炭酸をベースとした断片、続いてエチレンオキシドをベースとした断片、再び続いて別のアルキレンオキシドをベースとした断片を有する任意の置換基を含有するアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを一切開示していない。
【0006】
国際公開第95/32272号パンフレットは、汚れ分散性能を強化するためのエトキシル化及び/又はプロポキシル化ポリアルキレンアミンポリマーであって、窒素あたり0.5~10の平均エトキシル化/プロポキシル化を有する、ポリマーを説明している。
【0007】
欧州特許出願公開第0759440号明細書は、ポリウレタンなどの化合物の末端基におけるホスホン化をベースとする固形分のための分散剤を開示している。こうしたポリウレタンは、アミンとアルキレンオキシド又はアルキレンカーボネートとの反応によって得られ、ここでは対応するアミンのNH官能基の50~100%がオキシレート化される。その後、対応する中間体(アミノアルコール)をヒドロキシカルボン酸又は二酸及びジオールと再び反応させてポリエステルを得るか、或いは、ジイソシアネートとの対応する反応を実施して、かかるポリウレタンを得る。その後の最後の反応工程で、第2の反応工程の様々な個々の中間体がホスホン化(phosphonated)される。結果的に、欧州特許出願公開第A0759440号明細書は、下記で定義する工程a)~d)を含む方法によって得ることが可能な、本発明のアルコキシル化ポリアルキル化イミン(alkoxylated polyalkylated imine)又はアルコキシル化ポリアミンを一切開示していない。
【0008】
本発明の目的は、ポリアルキレンイミン主鎖又はポリアミン主鎖をベースとする新規な化合物を提供することにある。更に、これらの新規な化合物は、組成物内で用いられる場合に、その生分解性に関して有益な特性を有するべきである。
【0009】
米国特許出願公開第2020/392286号明細書は、少なくとも1つのエーテル単位Eと少なくとも1つのエステル単位とからなる少なくとも1つのセグメントであって、エーテル単位とエステル単位とは、エーテル結合又はエステル結合によって接続され、エーテル単位及びエステル単位は、ランダムな順序で配置されている、少なくとも1つのセグメントと、少なくとも1つのセグメントに共有結合している少なくとも1つの酸性基と、を含む、酸官能性化合物に関する。米国特許出願公開第2020/392286号明細書は、下記で定義する工程a)~d)を含む方法によって得ることが可能な、本発明のアルコキシル化ポリアルキル化イミン又はアルコキシル化ポリアミンを一切開示していない。
【0010】
米国特許出願公開第2015/122742号明細書は、ラクトン/アルキレンオキシドポリマーをベースとする、エマルジョン、特にオイルフィールドエマルジョンを破壊する乳化破壊剤に関する。これらのポリマーは、ヒドロキシル及び/又はアミン含有ベース化合物と、少なくとも1つのラクトンモノマー及び少なくとも1つのアルキレンオキシドモノマーとの付加反応から作製される。米国特許出願公開第2015/122742号明細書は、下記で定義する工程a)~d)を含む方法によって得ることが可能な、本発明のアルコキシル化ポリアルキル化イミン又はアルコキシル化ポリアミンを一切開示していない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、下記の工程a)~d)を含む方法によって得ることが可能なアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンによって達成される:
a)i)少なくとも1つのポリアルキレンイミン又は少なくとも1つのポリアミンと、ii)少なくとも1つの第1のアルキレンオキシド(AO1)との反応であって、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基あたり0.25~7.0モルのアルキレンオキシド(AO1)が用いられて、第1の中間体(I1)を得る、反応、
b)第1の中間体(I1)と、少なくとも1つのラクトン及び/又は少なくとも1つのヒドロキシ炭酸との反応であって、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基(工程aで用いられた)あたり0.25~10モルのラクトン及び/又はヒドロキシ炭酸が用いられて、第2の中間体(I2)を得る、反応、
c)第2の中間体(I2)とエチレンオキシドとの反応であって、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基(工程aで用いられた)あたり1~100モルのエチレンオキシドが用いられて、第3の中間体(I3)を得る、反応、
d)第3の中間体(I3)と、少なくとも1つの第2のアルキレンオキシド(AO2)との反応であって、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基(工程aで用いられた)あたり少なくとも1モルのアルキレンオキシド(AO2)が用いられて、アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを得、工程d)で1つのみの第2のアルキレンオキシド(AO2)が用いられる場合は、第2のアルキレンオキシド(AO2)はエチレンオキシドとは異なる、反応。
【0012】
本発明のアルコキシル化化合物は、洗浄組成物中で用いられ得る。これらは、例えば脂肪及び/又は油の除去に関して、従来技術の対応するアルコキシル化化合物と比較して少なくとも匹敵する、且つ好ましくは更にはより改善された、上記の組成物の洗浄性能をもたらす。他にも、本発明のアルコキシル化化合物は、組成物中、例えば、洗浄組成物中に用いられると、改善された生分解性をもたらす。
【0013】
本発明のアルコキシル化化合物の利点は、特に、本発明の方法の工程d)中でエチレンオキシドよりも多量にアルキレンオキシドを用いることに起因するその両親媒性に見ることができる。本発明の化合物は、良好な生分解性と両親媒性とを組み合わせる。
【0014】
もう1つの利点は、本発明の化合物を含有する対応する洗剤配合物、例えば、好ましくは洗濯配合物及び手動食器洗い配合物に重点を置き、液体洗濯及び液体手動食器洗い配合物に主な重点を置き、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、水、及び本発明の化合物を含有する液体洗濯配合物及び洗濯のための単一の単回用量に特に強い重点を置いた、少なくとも1つの界面活性剤及び本発明の化合物を含有する液体及び固体(粉末)配合物に見ることができる。
【0015】
本発明の目的のため、例えば式(IIa)の基Rのために、下記で定義されるC~C22アルキルなどの定義は、この置換基(基)が、1~22個の炭素原子を有するアルキル基であることを意味する。アルキル基は、直鎖若しくは分枝鎖状、又は任意選択的に環状のいずれかであってよい。環状構成要素及び直鎖構成要素の両方を有するアルキル基も、同様にこの定義の範囲内にある。C~Cアルキル基などのその他のアルキル基も同様である。アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、sec-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、2-エチルヘキシル、tert-ブチル(tert-Bu/t-Bu)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、又はドデシルである。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「C~C22アルキレン」は、2、3、4、5、6、10、12、又は最大22個の炭素原子からなる飽和、二価、直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を指し、例としては、エタン-1,2-ジイル(「エチレン」)、プロパン-1,3-ジイルプロパン-1,2-ジイル、2-メチルプロパン-1,2-ジイル、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、ブタン-1,3-ジイル(=1-メチルプロパン-1,3-ジイル)、ブタン-1,2-ジイル(「1,2-ブチレン」)、ブタン-2,3-ジイル、2-メチル-ブタン-1,3-ジイル、3-メチル-ブタン-1,3-ジイル(=1,1-ジメチルプロパン-1,3-ジイル)、ペンタン-1,4-ジイル、ペンタン-1,5-ジイル、ペンタン-2,5-ジイル、2-メチルペンタン-2,5-ジイル(=1,1-ジメチルブタン-1,3-ジイル)、及びヘキサン-1,6-ジイルが挙げられる。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「C~C10シクロアルキレン」は、5、6、7、8、9、又は10個の炭素原子からなる飽和、二価炭化水素を指し、ここで炭素原子の対応する数のうち全て又は少なくとも一部が環(cycle)(環(ring))を形成する。炭素原子の対応する数のうち全てが環を形成するわけではない場合、こうして残る炭素原子(すなわち、環形成しない炭素原子)は、対応するC~C10シクロアルキレン基のメタン-1,1-ジイル(「メチレン」)断片又はエタン-1,2-ジイル(「エチレン」)断片を形成する。上記の対応するメチレン又はエチレン断片の2つの価のうち1つは、一般式(I)内の隣接する窒素原子に結合し、上記の断片のうち第2の価は、上記のC~C10シクロアルキレン基の環状断片に結合する。
【0018】
換言すると、C~C10シクロアルキレン基は、その環状断片に加えて、一般式(I)内で隣接する窒素原子に対するC~C10シクロアルキレン基の環状断片の架橋又はリンカーを構成するいくつかの非環状断片も含み得る。こうした炭素リンカー原子の数は、通常は3以下、好ましくは1又は2である。例えば、Cシクロアルキレン基は、1つのC環及び1つのCリンカーを含み得る。
【0019】
それ自体の対応する炭化水素環は、非置換であってもよく、又はC~Cアルキルによる少なくとも一置換であってもよい。C~C10シクロアルキレン基の炭素原子の数を決定する上で、対応するC~Cアルキル置換基の炭素原子は考慮されないことに留意されたい。これとは対照的に、こうしたC~C10シクロアルキレン基の炭素原子の数は、いかなる置換基も用いず、環状断片の炭素原子、及び任意選択的に存在する炭素リンカー原子(メチレン又はエチレン断片)の数のみによって決定される。
【0020】
~C10シクロアルキレンの例としては、シクロペンタン-1,2-ジイル、シクロヘキサン-1,2-ジイル、シクロヘキサン-1,3-ジイル、シクロヘキサン-1,4-ジイル、3-(メタン-1,1-ジイル)-シクロヘキサン-1,3-ジイル、シクロヘプタン-1,3-ジイル、又はシクロオクタン-1,4-ジイルが挙げられ、上記の基はそれぞれ、C~Cアルキルで少なくとも一置換され得る。
【0021】
対応するC~C10シクロアルキレン基は、同じ環サイズを有する2つ以上の個別のシクロアルキレン基の混合物として用いられることが好ましい。環のそれぞれ2又は4位でメチルと一置換されたシクロヘキサン-1,3-ジイルの混合物を用いることが特に好ましい。2つの化合物の比は、好ましくは95:5~75:25の範囲内、最も好ましくは約85:15(4-メチル対2-メチル)である。
【0022】
3-(メタン-1,1-ジイル)-シクロヘキサン-1,3-ジイルが、その環状断片に加えて非環状断片を有するC~C10シクロアルキレン基の好ましい例である。この特定の事例では、非環状断片はCリンカーであり、環状断片はC環であり、Cシクロアルキレン基をもたらす。3-(メタン-1,1-ジイル)-シクロヘキサン-1,3-ジイルは、少なくとも1つのC~Cアルキル、好ましくは3つのメチル基、特に3,5,5-トリメチルでも置換され得る。後者は、一般式(I)の主鎖として用いられ得るイソホロンジアミンの断片である。
【0023】
本発明の目的のため、例えば式(IIa)中の基Rに関して、下記で定義される用語「アラルキル」は、置換基(基)がアルキル置換基(「アルキル」)と結合した芳香族「ar」であることを意味する。芳香族「ar」部分は、単環式、二環式、又は任意選択的に多環式芳香族であってよい。多環式芳香族の場合、個別の環は、任意選択的に完全に又は部分的に飽和していてもよい。アリールの好ましい例は、フェニル、ナフチル、又はアントラシルであり、特にフェニルである。
【0024】
本発明に関連して、用語「ポリアルキレンイミン」は、特に、本発明の方法の、遊離体として工程a)内で、又は工程d)内で得られるものなどの対応するアルコキシル化化合物の主鎖内で用いられるこうした化合物の分枝に関して、対応する用語「ポリアミン」と異なる。本発明に関連するポリアミンは、その主鎖内に一級及び/又は二級アミノ部分を含有するものの、三級アミノ部分を含有しない(主に)直鎖状化合物(アルコキシル化を一切考慮せず、その主鎖に関して)であるが、対応するポリアルキレンイミンは、本発明によれば、(アルコキシル化を一切考慮せず、その主鎖に関して)一級及び/又は二級アミノ部分に加えて、ポリマー主鎖(基本骨格)内で(直鎖状の)主鎖をいくつかの側鎖へと分枝させる三級アミノ部分を強制的に含有する(主に)分枝分子である。主鎖として、及びアルコキシル化化合物としての両方でのポリアルキレンイミンは、一般式(I)の定義に該当する化合物であり、式中、zは少なくとも1の整数である。これとは対照的に、主鎖として、及びアルコキシル化化合物としての両方でのポリアミンは、式(I)の化合物であり、式中、zは0である。
【0025】
このため、本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミンは、アルキレン基R(下記で定義する)によって連結され、ランダム配列で下記の部分の形態である、一級、二級、及び三級アミン窒素原子を含む基本骨格(主鎖)を有する:
- 基本骨格の主鎖及び側鎖を終端させ、続いてその水素原子がアルキレンオキシ単位によって置換される、一級アミノ部分:
【化1】
- その水素原子が続いてアルキレンオキシ単位によって置換される、二級アミノ部分:
【化2】
- 主鎖及び側鎖を分枝させる三級アミノ部分。
【化3】
【0026】
完全を期すため、一般式(I)の化合物のポリアルキレンイミン主鎖の分枝を示す変数Bは、2倍、3倍、又は更にはより高い分枝度を含む、-[-NH-R]-、HN-R、又はこれらの組み合わせなどの断片を含み得ることが示される。上記の三級アミノ部分は、ポリアミン化合物の主鎖中には存在しない。分枝度は、例えば、NMRスペクトロスコピー、例えばH-NMR、又は好ましくは13C-NMRによって決定され得る。
【0027】
対応するアルコキシル化化合物を得るために、基本ポリアルキレンイミン又はポリアミン骨格の一級及び/又は二級アミノ基の水素原子は、下記で定義する式(IIa)又は(IIb)のものなどの置換基によって置換される。
【0028】
本発明に関連して、用語「ポリアルキレンイミン主鎖」は、アルコキシル化されていない本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミンの断片に関する。ポリアルキレンイミン主鎖は、最初に工程a)で少なくとも1つの第1のアルキレンオキシド(AO1)と反応され、続いて(工程b)で)少なくとも1つのラクトン又はヒドロキシ炭酸と反応され、続いて工程c)でエトキシル化され、続いて工程d)で少なくとも1つの第2のアルキレンオキシド(AO2)と再度アルコキシル化されて、本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン(「アルコキシル化化合物」)を得るための遊離体として、本発明で用いられる。工程d)では、少なくとも1つの第2のアルキレンオキシド(AO2)は、工程c)で用いられるエチレンオキシドとは異ならなくてはならない。こうしたポリアルキレンイミン(主鎖又は非アルコキシル化化合物)は、当業者に既知である。こうした種類の化合物の例は、ポリエチレンイミン(PEI)、例えばPEI600、PEI800、又はPEI2000であり、これらも市販されている。
【0029】
本発明に関連して、用語「ポリアミン主鎖」は、アルコキシル化されていない本発明のアルコキシル化ポリアミンの断片に関する。ポリアミン主鎖は、最初に工程a)における少なくとも1つの第1のアルキレンオキシド(AO1)と反応され、続いて(工程b)で)少なくとも1つのラクトン又はヒドロキシ炭酸と反応され、続いて工程c)でエトキシル化され、続いて工程d)で少なくとも1つの第2のアルキレンオキシド(AO2)と再度アルコキシル化されて、本発明のアルコキシル化ポリアミン(「アルコキシル化化合物」)を得るための遊離体として、本発明で用いられる。工程d)では、少なくとも1つの第2のアルキレンオキシド(AO2)は、工程c)で用いられるエチレンオキシドとは異ならなくてはならない。こうしたポリアミン(主鎖又は非アルコキシル化化合物)は、当業者に既知である。
【0030】
本発明に関連して、用語「NH官能基」は下記のとおり定義される:(主に)直鎖アミン、例えばN4アミン又はヘキサメチレンジアミンなどのジ-及びオリゴアミンの場合、構造自体が、一級、二級、及び三級アミンの内容に関する情報を提供する。一級アミノ基(-NH2)は、2つのNH官能基を有し、二級アミノ基はNH官能基を1つのみ有し、三級アミノは、結果的に、反応性のNH官能基を有さない。モノマーエチレンイミン(C2H5N)の重合から得られるものなどの(主に)分枝ポリエチレンイミンの場合、対応するポリマー(ポリエチレンイミン)は、一級、二級、及び三級アミノ基の混合物を含有する。一級、二級、及び三級アミノ基の厳密な分布は、Lukovkin G.M.,Pshezhetsky V.S.,Murtazaeva G.A.:Europ.Polymer Journal 1973,9,559-565及びSt.Pierre T.,Geckle M.:ACS Polym.Prep.1981,22,128-129で説明されるとおりに決定することができる。ラクトン又はヒドロキシ酸及びアルキレンオキシドで修飾する場合、ポリエチレンイミンは一級、二級、及び三級アミノ基の1:1:1混合物からなり、したがって、エチレンイミンなどの用いられるモノマーのモル質量に近い量が、平均して1つの(反応性)NH官能基で寄与することが想定される。これは、繰り返し単位の分子量である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明を、以下のとおりより詳細に説明する。
【0032】
本発明は、下記の工程a)~d)を含む方法によって得ることが可能なアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンに関する:
a)i)少なくとも1つのポリアルキレンイミン又は少なくとも1つのポリアミンと、ii)少なくとも1つの第1のアルキレンオキシド(AO1)との反応であって、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基あたり0.25~7.0モル、好ましくは0.25~5.0モルのアルキレンオキシド(AO1)が用いられて、第1の中間体(I1)を得る、反応、
b)第1の中間体(I1)と、少なくとも1つのラクトン及び/又は少なくとも1つのヒドロキシ炭酸との反応であって、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基(工程aで用いられた)あたり0.25~10モルのラクトン及び/又はヒドロキシ炭酸が用いられて、第2の中間体(I2)を得る、反応、
c)第2の中間体(I2)とエチレンオキシドとの反応であって、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基(工程aで用いられた)あたり1~100モルのエチレンオキシドが用いられて、第3の中間体(I3)を得る、反応、
d)第3の中間体(I3)と、少なくとも1つの第2のアルキレンオキシド(AO2)との反応であって、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基(工程aで用いられた)あたり少なくとも1モルのアルキレンオキシド(AO2)が用いられて、アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを得、工程d)で1つのみの第2のアルキレンオキシド(AO2)が用いられる場合は、第2のアルキレンオキシド(AO2)はエチレンオキシドとは異なる、反応。
【0033】
工程a)で用いられるポリアルキレンイミン又はポリアミンは、当業者に既知の化合物のいずれかであってよい。工程a)で用いられるポリアルキレンイミン又はポリアミンは、一般式(I)に従って定義されることが好ましく、
【化4】
式中、変数はそれぞれ下記のとおり定義され:
Rは、同一か又は異なる
i)直鎖若しくは分枝鎖のC~C12アルキレン基、又は
ii)以下の式(III)のエーテルアルキル単位であって:
【化5】
式中、変数はそれぞれ下記のとおり定義され:
10、R11、R12は同一か若しくは異なる、直鎖又は分枝鎖のC~Cアルキレン基を表し、
dは0~50の範囲の値を有する整数であるエーテルアルキル単位、又は
iii)任意選択的に少なくとも1つのC~Cアルキルで置換されたC~C10シクロアルキレン基を表し、
Bは、分枝によるポリアルキレンイミンの延長を表し、
y及びzは、それぞれ0~150の範囲の値を有する整数であり、
好ましくは、Rは、同一か又は異なる
i)直鎖若しくは分枝鎖のC~C12アルキレン基であって、より好ましくはRがエチレン、プロピレン、若しくはヘキサメチレンである、アルキレン基、又は
ii)任意選択的に少なくとも1つのC~Cアルキルで置換されたC~C10シクロアルキレン基であって、より好ましくは、Rが、少なくとも1つのメチル若しくはエチルで置換された少なくとも1つのC~Cシクロアルキレン基である、シクロアルキレン基を表す。
【0034】
完全を期すため、一般式(I)のポリアルキレンイミン化合物の分枝を示す変数Bは、2倍、3倍、又は更にはより高い分枝度を含む、-[-NH-R]-、HN-R、又はこれらの組み合わせなどの断片を含み得ることが示される。式(I)内のこうした種類の化合物の場合、変数zは0であるため、一般式(I)のポリアミン化合物内に、主鎖の分枝によって生じる上記の三級アミノ部分は存在しない。
【0035】
本発明の好ましい実施形態では、アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンは、一般式(IIa)の少なくとも1つの残基を含有し、
【化6】
式中、変数はそれぞれ下記のとおり定義され:
は、C~C22-(1,2-アルキレン)基を表し、
は、水素、並びに/又はC~C22アルキル、及び/若しくはC~C22アラルキルを表し、
は、直鎖又は分枝鎖のC~C22アルキレン基を表し、
は、C~C22-(1,2-アルキレン)基を表し、
は、1,2-エチレンを表し、
mは、少なくとも1~10の値を有する整数であり、
nは、少なくとも5~100の値を有する整数であり、
oは、少なくとも1~100の値を有する整数であり、
pは、少なくとも1~5の値を有する整数であり、
好ましくは、一般式(IIa)内の変数は以下のとおりに定義され:
は、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、及び/若しくは1,2-ブチレン、最も好ましくは1,2-プロピレンを表し、並びに/又は
は、水素、及び/若しくはC~Cアルキル、好ましくは水素、メチル、及び/若しくはエチル、最も好ましくは水素を表し、並びに/又は
は、直鎖若しくは分枝鎖のC~C10アルキレン基、好ましくは直鎖若しくは分枝鎖のC~Cアルキレン基を表し、並びに/又は
は、1,2-エチレン及び/若しくは1,2-プロピレン、好ましくは1,2-プロピレンを表し、並びに/又は
は、1,2-エチレンを表し、並びに/又は
mは、1~5、好ましくは1~3の範囲の値を有する整数であり、並びに/又は
nは、10~50、好ましくは15~30の範囲の値を有する整数であり、並びに/又は
oは、10~50、好ましくは20~35の範囲の値を有する整数であり、並びに/又は
pは、1若しくは2である。
【0036】
別の好ましい実施形態では、アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンは、一般式(IIa)の少なくとも1つの残基を含有し、
【化7】
式中、変数はそれぞれ下記のとおり定義され:
は、C~C22-(1,2-アルキレン)基を表し、
は、水素、並びに/又はC~C22アルキル、及び/若しくはC~C22アラルキルを表し、
は、直鎖又は分枝鎖のC~C22アルキレン基を表し、
は、C~C22-(1,2-アルキレン)基を表し、
mは、少なくとも1~10の値を有する整数であり、
nは、少なくとも5~100の値を有する整数であり、
pは、少なくとも1~5の値を有する整数であり、
好ましくは、一般式(IIa)内の変数は以下のとおりに定義され:
は、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、及び/若しくは1,2-ブチレン、最も好ましくは1,2-エチレンを表し、並びに/又は
は、水素、及び/若しくはC~Cアルキル、好ましくは水素、メチル、及び/若しくはエチル、最も好ましくは水素を表し、並びに/又は
は、直鎖若しくは分枝鎖のC~C10アルキレン基、好ましくは直鎖若しくは分枝鎖のC~Cアルキレン基を表し、並びに/又は
は、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、1,2-ブチレン、及び/若しくは1,2-ペンチレンを表し、より好ましくは、1,2-プロピレン及び/若しくは1,2-ブチレンを表し、並びに/又は
mは、1~5、好ましくは1~3の範囲の値を有する整数であり、並びに/又は
nは、8~40、好ましくは10~25の範囲の値を有する整数であり、並びに/又は
pは、1若しくは2である。
【0037】
上記の一般式(IIa)の少なくとも1つの残基の存在に加えて、アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンは、一般式(IIb)の少なくとも1つの残基を含有することが好ましく、
【化8】
式中、変数はそれぞれ下記のとおり定義され:
は、C~C22-(1,2-アルキレン)基を表し、
は、水素、並びに/又はC~C22アルキル、及び/若しくはC~C22アラルキルを表し、
は、直鎖又は分枝鎖のC~C22アルキレン基を表し、
は、1,2-エチレンを表し、
mは、少なくとも1~10の値を有する整数であり、
nは、少なくとも5~100の値を有する整数であり、
oは、少なくとも1~100の値を有する整数であり、
好ましくは、一般式(IIb)内の変数は以下のとおりに定義され:
は、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、及び/若しくは1,2-ブチレン、最も好ましくは1,2-プロピレンを表し、並びに/又は
は、水素、及び/若しくはC~Cアルキル、好ましくは水素、メチル、及び/若しくはエチル、最も好ましくは水素を表し、並びに/又は
は、直鎖若しくは分枝鎖のC~C10アルキレン基、好ましくは直鎖若しくは分枝鎖のC~Cアルキレン基を表し、並びに/又は
は、1,2-エチレンを表し、並びに/又は
mは、1~5、好ましくは1~3の範囲の値を有する整数であり、並びに/又は
nは、10~50、好ましくは15~30の範囲の値を有する整数であり、並びに/又は
oは、10~50、好ましくは20~35の範囲の値を有する整数である。
【0038】
本発明の別の実施形態では、アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンは、一般式(IIc)の少なくとも1つの残基を含有することが好ましく、
【化9】
式中、変数は下記のとおり定義され:
は、C~C22-(1,2-アルキレン)基を表し、
は、水素及び/又はC~C22アルキルを表し、
は、1,2-エチレンを表し、
nは、少なくとも5~100の値を有する整数であり、
oは、少なくとも0~100の値を有する整数であり、
好ましくは、一般式(IIc)内の変数は以下のとおりに定義され:
は、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、及び/若しくは1,2-ブチレン、最も好ましくは1,2-プロピレンを表し、並びに/又は
は、水素、及び/若しくはC~Cアルキル、好ましくは水素、メチル、及び/若しくはエチル、最も好ましくは水素を表し、並びに/又は
は、1,2-エチレンを表し、並びに/又は
nは、10~50、好ましくは15~30の範囲の値を有する整数であり、並びに/又は
oは、10~50、好ましくは20~35の範囲の値を有する整数である。
【0039】
別の好ましい実施形態は、残基(IIa)が、工程a)で用いられるポリアルキレンイミン又はポリアミンのアミノ基に結合した全残基(IIa)、(IIb)、及び(IIIc)の少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、更により好ましくは少なくとも95重量%を占める、アルコキシル化イミン又はアルコキシル化ポリアミンに関する。
【0040】
本発明の別の実施形態では、以下が好ましい:
i)工程a)は水の存在下、及び/若しくは塩基触媒の存在下で実施され、並びに/又は
ii)工程a)で用いられるポリアルキレンイミン又はポリアミンの重量平均分子量(Mw)は、50~10000g/モルの範囲内、好ましくは500~5000g/モルの範囲内、より好ましくは600~2500g/モルの範囲内にあり、並びに/又は
iv)少なくとも2つの異なるアルキレンオキシドが、工程d)で第2のアルキレンオキシド(AO2)として順序どおりに用いられ、好ましくは、エチレンオキシド、続いてプロピレンオキシドが、工程d)で第2のアルキレンオキシド(AO2)として順序どおりに用いられ、並びに/又は
v)工程d)で、第2のアルキレンオキシド(AO2)は、>80重量%、好ましくは>90重量%のプロピレンオキシド及び/若しくは1,2-ブチレンオキシドを含み、並びに/又は
vi)一般式(IIc)の残基は、アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン上の全残基の>50%を占めない。
【0041】
当業者には、それぞれの重量平均分子量(M)を決定/測定する方法は既知である。これは、例えばサイズ排除クロマトグラフィー(GPCなど)によって実施可能である。好ましくは、(M)値は以下の方法によって決定される:OECD TG 118(1996)、これは、詳細には、OECD(1996),Test No.118:Determination of the Number-Average Molecular Weight and the Molecular Weight Distribution of Polymers using Gel Permeation Chromatography,OECD Guidelines for the Testing of Chemicals,Section 1,OECD Publishing、Parisを意味し、インターネット上の、例えばhttps://doi.org/10.1787/9789264069848-enでも利用可能である。
【0042】
本発明の別の実施形態は、上記の(こうした)アルコキシル化ポリアルキレンイミンのみに関し、変数がそれぞれ下記のとおり定義されることが好ましい:
Rは、エチレン及び/又はプロピレン、好ましくはエチレンであり、
y+zの和は、9~120の範囲、好ましくは10~20の範囲の値を有する整数である。
【0043】
本発明の別の実施形態は、上記の(こうした)アルコキシル化ポリアミンのみに関し、
yは、0~10の範囲の値を有する整数であり、
zは、0であり、
Rは、同一か又は異なる、式(III)の直鎖又は分枝鎖のC~C12アルキレン基又はエーテルアルキル単位を表し、式中、
dは1~5であり、
10、R11、R12は、独立して、直鎖又は分枝鎖のC~Cアルキレン基から選択される
ことが好ましい。
【0044】
本発明の別の実施形態では、アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン中に存在する窒素原子の最大100%が四級化され、好ましくは、アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン中に存在する窒素原子の四級化の程度は、10%~95%の範囲内にあることが好ましい。
【0045】
本発明の別の実施形態では、
i)工程b)において、ラクトンはカプロラクトンであり、並びに/又は
ii)工程b)において、ヒドロキシ炭酸は乳酸若しくはグリコール酸であり、並びに/又は
iii)工程a)において、第1のアルキレンオキシド(AO1)は、少なくとも1つのC~C22エポキシド、好ましくはエチレンオキシド及び/若しくはプロピレンオキシド、より好ましくはプロピレンオキシドであり、並びに/又は
iv)工程d)において、第2のアルキレンオキシド(AO2)はプロピレンオキシドを含み、好ましくは、エチレンオキシド、続いてプロピレンオキシドが、第2のアルキレンオキシド(AO2)として順序どおりに用いられ、並びに/又は
v)工程d)で、第2のアルキレンオキシド(AO2)は、>80重量%、好ましくは>90重量%のプロピレンオキシド及び/若しくは1,2-ブチレンオキシドを含む
ことが好ましい。
【0046】
本発明の別の実施形態では、
i)工程a)において、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基あたり0.5~2モル、好ましくは0.75~1.5モルのアルキレンオキシド(AO1)が用いられ、並びに/又は
ii)工程b)において、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基(工程aで用いられた)あたり0.5~3モル、好ましくは1~2モルのラクトン及び/若しくはヒドロキシ炭酸が用いられ、並びに/又は
iii)工程c)において、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基(工程aで用いられた)あたり10~50モル、好ましくは20~35モルのエチレンオキシドが用いられ、並びに/又は
iv)工程d)において、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基(工程aで用いられた)あたり10~50モル、好ましくは15~30モルのアルキレンオキシド(AO2)が用いられ、並びに/又は
v)アルキオキシル化(alkyoxylated)ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンは両親媒性である
ことが好ましい。
【0047】
本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンは四級化されてもよい。好適な四級化度は、最大で100%、具体的には10~95%である。四級化は、好ましくは、C~C22アルキル基、C~Cアルキル基、及び/又はC~C22アラルキル基を導入することによって達成され、対応するハロゲン化アルキル及び硫酸ジアルキルと反応させることによる従来通りの方法で行われ得る。
【0048】
四級化は、アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを、これらが用いられる化粧品組成物などの特定の組成物に合わせて調整するのに、並びに、配合物のより良好な適合性及び/又は相安定性を達成するのに、有利であり得る。
【0049】
アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンの四級化は、好ましくは、例えばC~C22アルキル、C~Cアルキル基、及び/又はC~C22アラルキル、アリール、若しくはアルキルアリール基を導入することによって達成され、例えば国際公開第09/060059号パンフレットで説明されるように、対応するハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、及び硫酸ジアルキルと反応させることによる従来通りの方法で行われ得る。
【0050】
四級化は、例えば、アルコキシル化ポリアミン又はアルコキシル化ポリアルキレンイミンを、アルキル化剤、例えばC~Cハロゲン化アルキル、例えば臭化メチル、塩化メチル、塩化エチル、ヨウ化メチル、臭化n-ブチル、臭化イソプロピルと、又はハロゲン化アラルキル、例えば塩化ベンジル、臭化ベンジルと、又は塩基の存在下でジ-C~C22硫酸アルキルと、特に硫酸ジメチル又は硫酸ジエチルと、反応させることによって達成され得る。好適な塩基は、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムである。
【0051】
アルキル化剤の量は、ポリマー中でアミノ基が四級化する量、すなわち四級化部分の量を決定する。
【0052】
四級化部分の量は、非四級化アミンと四級化アミンとのアミン数の差から計算することができる。
【0053】
アミン数は、DIN16945に記載される方法に従って決定することができる。
【0054】
四級化は、溶媒を全く使わずに実施することができる。しかしながら、水、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンなどの溶媒又は希釈剤を用いてもよい。反応温度は、通常は10℃~150℃の範囲内であり、好ましくは50℃~100℃である。
【0055】
本発明の別の主題は、上記のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを調製するための方法である。以下で、工程a)~d)(上記)をより詳細に説明する。下記の情報は、対応する方法によって入手可能なこうした上記のポリマーにも適用される。本方法内では、(こうした)ポリアルキレンイミン又は(こうした)ポリアミンを、工程a)に従って、最初に、第1のアルキレンオキシド(AO1)と反応させ、続いて、工程b)で、対応する中間体(I1)と、少なくとも1つのラクトン及び/又は少なくとも1つのヒドロキシ炭酸とを反応させ、続いて工程c)でエトキシル化し、続いて(工程dで)少なくとも1つの第2のアルキレンオキシド(AO2)と反応させ(少なくとも1つのアルキレンオキシドは(工程cの)エチレンオキシドとは異なる)、その結果、対応するアルコキシル化化合物を得る。
【0056】
工程a)に従ってポリアルキレンイミン又はポリアミンが、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドと反応させられるこうしたアルコキシル化プロセスは、当業者に既知であることに留意されたい。同じ方法を、それぞれ工程c)内又は工程d)内で本発明に適用することができ、ここで第1のアルキレンオキシド、及びその後ラクトン又はヒドロキシル炭素酸(hydroxyl carbon acid)と反応させることによって得られた対応する中間体(I2)は、最初にエトキシル化プロセス(工程c)の)、続いてその後の工程d)で第2のアルコキシル化プロセスを受ける。
【0057】
対応する工程の変換率は、NMR分光法などの当業者に既知の方法に従って決定することができる。例えば、第1の反応工程、第2の反応工程、及び/又は第3の反応工程のいずれも、13C-NMR分光法及び/又はH-NMR分光法によってモニタリングすることができる。
【0058】
アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを調製するための本発明の方法の第2の工程b)に関連して、工程a)で得られた対応する中間体(I1)は、少なくとも1つのラクトン及び/又は少なくとも1つのヒドロキシ炭素酸(hydroxycarbon acid)と反応させられる。こうしたこの第2の反応工程は、当業者に既知である。
【0059】
しかしながら、この第2の反応工程b)では、反応温度が50~200℃の範囲内、より好ましくは70~180℃、最も好ましくは100~160℃の範囲内であることが好ましい。
【0060】
この第2の反応工程b)は、少なくとも1つの溶媒及び/又は少なくとも1つの触媒の存在下で実施され得る。しかしながら、第2の反応工程b)では、対応する工程が、一切の溶媒及び/又は触媒なしに実施されることが好ましい。好適な溶媒は、好ましくは、キシレン、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、メチル-tert.ブチルエーテル又はジエチルエーテルから選択される。好ましい触媒は、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ金属アルコキシド、例えばKOMe又はNaOMeから選択される。
【0061】
上述したように、こうした本発明の方法の第1、第3、及び/又は第4の反応工程(工程a)、c)、及びd))(アルコキシル化、特にエトキシル化)は、当業者に既知である。こうしたアルコキシル化(本発明の方法の第1、第3、及び第4の反応工程)は、互いに独立して一工程の反応として実施されてもよく、或いはこうしたアルコキシル化が2つ以上の個別の工程へと分割されてもよい。
【0062】
本発明内では、工程a)、c)、及び/又はd)に関連して、対応する工程(アルコキシル化)が単一工程の反応として実施されることが好ましい。
【0063】
本発明の好ましい実施形態では、アルコキシル化工程(a)は、一切の触媒の不在下であるが、水の存在下で単一工程の反応として実施される。
【0064】
本発明の別の実施形態では、アルコキシル化工程(a)は、少なくとも2工程で実施され、第1の工程は、一切の触媒の不在下であるが水の存在下で実施され、第2の(及び任意選択的にこれ以上の工程)は、触媒の存在下であるが水の不在下で実施される。
【0065】
水の不在とは、本発明では、残留する水のレベルが1重量%未満の水、好ましくは0.5重量%未満の水、より好ましくは0.25重量%未満の水と定義される。
【0066】
この好ましい実施形態では、アルコキシル化工程(c)及び(d)は、少なくとも1つの触媒の存在下、及び/又は水の不在下で実施される。
【0067】
このアルコキシル化工程(a)の少なくとも2工程の反応変形例、並びにこれらのアルコキシル化工程((c)及び(d))の単一工程の反応では、触媒は、好ましくは塩基性触媒である。好適な触媒の例は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化カルシウム、アルカリ金属アルコキシド、具体的にはナトリウム及びカリウムC~Cアルコキシド、例えばナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、及びカリウムtert-ブトキシド、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水素化物、例えば水素化ナトリウム及び水素化カルシウム、並びにアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムである。アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属アルコキシドが好ましく、水酸化カリウム、カリウムメトキシド、及びカリウムtert-ブトキシドが特に好ましい。塩基の典型的な使用量は、ポリアルキレンイミン又はポリアミン、ヒドロキシ炭酸、及びアルキレンオキシドの総量に基づいて0.05~10重量%、具体的には0.5~2重量%である。
【0068】
アルコキシル化工程(a)が少なくとも2工程で実施される場合、第1の工程は、一切の触媒の不在下であるが水の存在下で実施される。この手順では、ポリアルキレンイミン又はポリアミンの第一の初期アルコキシル化が実施される。この工程a)の第1の部分では、ポリアルキレンイミン又はポリアミンは、1モルのそれぞれNH部分又はNH官能基あたり約1モルのアルキレンオキシドに対応する、使用されるアルキレンオキシドの総量の一部のみと反応させられる。(工程a)の第1の部分の)この反応は、一般的には水溶液中に触媒の存在なしで、70~200℃、好ましくは80~160℃で、最大10バール、具体的には最大8バールの圧力下で行われる。工程a)のこの第1の部分の含水量は、1重量%超、好ましくは5重量%超、より好ましくは10重量%超である。
【0069】
上記の、本発明の代替的な方法のアルコキシル化反応(工程a)の第2の部分は、典型的には、単一工程のアルコキシル化反応(工程(c)及び(d))に関して上述されたものと同じ種類の触媒の存在下で行われる。
【0070】
全ての水の不在下でのアルコキシル化の触媒工程は、物質中(変形例a)又は有機溶媒中(変形例b)で行われ得る。以下で指定するプロセス条件は、アルコキシル化反応の両方の工程で使用することができる。
【0071】
変形例a)では、第1の工程で触媒の添加後に得られた初期アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はポリアミンの水溶液を、最初に脱水する。これは、80~150℃に加熱し、30ミリバール未満の減圧下で水を留去することによる単純な方法で実行可能である。それに続くアルキレンオキシドとの反応は、典型的には70~200℃、好ましくは100~180℃で、及び最大10バール、具体的には最大8バールの圧力下で、並びに約100~160℃での約0.5~4時間の連続攪拌時間で達成され、それぞれの事例で一定圧力が続く。
【0072】
変形例b)に好適な反応媒体は、具体的には非極性及び極性の非プロトン性有機溶媒である。特に好適な非極性の非プロトン性溶媒の例としては、脂肪族及び芳香族炭化水素、例えばヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、及びキシレンが挙げられる。特に好適な極性の非プロトン性溶媒の例は、エーテル、具体的にはテトラヒドロフラン及びジオキサンなどの環状エーテル、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミドなどのN,N-ジアルキルアミド、並びにN-メチルピロリドンなどのN-アルキルラクタムである。当然ながら、これらの非プロトン性溶媒の混合物を使用することも可能である。好ましい溶媒は、キシレン及びトルエンである。
【0073】
変形例b)でも、第1の工程で、触媒及び溶媒を添加した後に得られる溶液は、最初に脱水されるが、これは有利には、好ましくは穏やかな窒素流によって補助しながら、120~180℃の温度で水を分離することによって行われる。これに続くアルキレンオキシドとの反応は、変形例a)にあるとおりに達成され得る。
【0074】
変形例a)では、アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はポリアミンは物質中で直接得られ、所望に応じて水溶液へと変換され得る。変形例b)では、有機溶媒が典型的には除去され、水と置き換えられる。生成物は、当然ながら、物質中で単離されてもよい。
【0075】
例えば、式(IIa)、式(IIb)、及び/又は式(IIc)によると、残基の量は、用いられる遊離体の化学量論、個々の工程内の反応温度、用いられる触媒の量及び/若しくは種類、並びに/又は選択される溶媒などのいくつかの因子によって制御可能である。本発明の好ましい実施形態では、一般式(IIc)の残基は、アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン上の全残基の>50%を占めない。
【0076】
本発明のより好ましい実施形態では、上記及び下記で詳細に説明されるアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンは、本発明の化合物の調製のために工程a)で用いられたポリアルキレンイミン又はポリアミンのアミノ基に結合した全残基(IIa)、(IIb)、及び(IIc)の総量に基づいて、少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、更により好ましくは少なくとも95重量%の残基(IIa)を含む。
【0077】
別の実施形態では、アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンは、所望に応じて、乾燥させ、続いて重合化し、任意選択的に後処理することによって、固体ポリマー、例えば流し込み可能なポリマーへと変換され得る。乾燥法は、当業者に既知である。
【0078】
乾燥は、例えば、噴霧乾燥、円筒乾燥、又は別の温風若しくは熱接触乾燥によって行われ得る。真空乾燥又は凍結乾燥による乾燥もまた可能である。原理上は、乾燥のためのあらゆる他の方法が同様に好適である。噴霧乾燥などの噴霧を用いた乾燥法、及び円筒乾燥などの表面接触による乾燥法が、好ましい方法である。
【0079】
高温気体又は熱風中に噴霧することによる噴霧乾燥がより好ましい。
【0080】
当業者は、例えば固形分を使用される乾燥法に対して最適化することによって特定のポリマー溶液又は分散液を最適化することを熟知している。
【0081】
しかしながら、例えばポリマー溶液又は分散液が望まれる場合、乾燥を省くことも可能である。
【0082】
保護ガス下で乾燥させることが可能であり、これは、処理の結果を更に改善する。
【0083】
本発明の別の主題は、布地ケア及びホームケア生成物中の、化粧品配合物中の、原油エマルジョン破壊剤としての、インクジェットインク用顔料分散体中の、電気めっき用配合物中の、セメント系組成物中の、及び/又は農薬配合物用分散剤としての、好ましくは洗浄組成物、並びに/又は布地ケア及びホームケア生成物中、特に油性及び脂肪性の染みの除去を改善するための洗浄組成物中の、上記のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンの使用であり、ここで洗浄組成物は、好ましくは洗濯洗剤配合物及び/又は手動食器洗い用洗剤配合物であり、より好ましくは液体洗濯洗剤配合物及び/又は液体手動食器洗い用洗剤配合物である。
【0084】
本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンは、化粧品配合物に、原油エマルジョン破壊剤として、インクジェットインク用顔料分散体中に、電気めっき用配合物、セメント系組成物中に、添加され得る。しかしながら、本発明の化合物は、水洗い又は洗浄組成物に添加(使用)されてもよい。
【0085】
したがって、本発明の別の主題は、上記で定義された少なくとも1つのアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを含む、洗浄組成物、布地ケア及びホームケア生成物、業務用洗浄生成物、化粧品配合物、原油エマルジョン破壊剤、インクジェットインク用顔料分散体、電気めっき用配合物、セメント系組成物、並びに/又は農薬配合物用分散剤である。
【0086】
好ましくは、これは、上記で定義された少なくとも1つのアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを含む、洗浄組成物、並びに/又は布地ケア及びホームケア生成物、並びに/又は業務用洗浄生成物である。特に、これは、油性及び脂肪性の染みの除去を改善するための洗浄組成物、好ましくは洗濯洗剤配合物及び/又は手動食器洗い用洗剤配合物、より好ましくは液体洗濯洗剤配合物及び/又は液体手動食器洗い用洗剤配合物である。
【0087】
本発明内では、洗浄組成物が(上記の少なくとも1つのアルコキシル化ポリアルキレンイミン又は少なくとも1つのアルコキシル化ポリアミンの他に)、好ましくは1つ以上のリパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、及びペルオキシダーゼから選択される少なくとも1つの酵素、並びに上記の種類のうち少なくとも2つの組み合わせを追加で含むことも好ましい。
【0088】
したがって、本発明の別の主題は、上記で定義された本発明の少なくとも1つのポリマーを含む布地ケア及びホームケア生成物及び業務用(I&I:industrial and institutional)洗浄生成物などの洗浄組成物、具体的には油性及び/又は脂肪性の染みを除去するための洗浄組成物である。
【0089】
本明細書に記載される少なくとも1つの本発明のポリマーは、上記の本発明の洗浄組成物中に、こうした組成物の総重量に対して0.1~10、好ましくは約0.25%~5%、より好ましくは約0.5%~約3%、最も好ましくは約1%~約3%の濃度で存在し、こうした洗浄組成物は、約1重量%~約70重量%の界面活性剤系を更に含んでもよく、好ましくはこれを更に含む。
【0090】
好ましくは、こうした本発明の洗浄組成物は、布地ケア及びホームケア生成物又は業務用(I&I)洗浄生成物、好ましくは布地ケア及びホームケア生成物、より好ましくは、少なくとも1つの本発明のポリマーを含み、任意選択的に少なくとも1つの界面活性剤又は界面活性剤系を更に含んで、改善された汚れの除去、分散、及び/若しくは乳化、並びに/又は処理された表面の改質、及び/若しくは処理された表面の白色度維持を提供する、洗濯洗剤又は手動食器洗い洗剤である。
【0091】
更により好ましくは、少なくとも1つの本発明のポリマーを含み、任意選択的に少なくとも1つの界面活性剤又は界面活性剤系を更に含む本発明の洗浄組成物は、洗濯及び手動食器洗い用途の中で一次洗浄(すなわち、染みの除去)を目的とするものであり、更により具体的には、布地及び食器上のものなどの油性及び脂肪性の染みの除去を目的とするものであり、且つ、リパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、及びペルオキシダーゼ、並びに上記の種類の酵素うち少なくとも2つの組み合わせからなるリストから選択される少なくとも1つの酵素を追加で含み得る。
【0092】
本発明の一実施形態では、本発明のポリマーは、粒子状の染み並びに/又は油性及び脂肪性の染みの汚れ除去のために、並びに、更には、好ましくは洗濯物ケアにおける白色度維持のために用いることができる。
【0093】
1つの好ましい実施形態では、本発明の洗浄組成物は、液体又は固体洗濯洗剤組成物である。
【0094】
別の好ましい実施形態では、本発明の洗浄組成物は、手動又は自動食器洗い用の液体又は固体(例えば、粉末又は錠剤/単位用量)洗剤組成物、好ましくは液体手動食器洗い洗剤組成物である。
【0095】
別の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、硬材、タイル、セラミック、プラスチック、皮革、金属、ガラスなどの様々な表面の洗浄に使用することができる硬質表面洗浄組成物である。
【0096】
別の実施形態では、洗浄組成物は、シャンプー組成物、ボディウォッシュ配合物、液体又は固体せっけんなどのパーソナルケア及びペットケア組成物で使用するため設計される。
【0097】
一実施形態では、本発明の本発明のポリマーは、一次界面活性剤としてC10~C15アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、及び、非イオン性、カチオン性、両性、双性イオン性、若しくはその他のアニオン性界面活性剤、又はこれらの混合物から選択される、1つ以上の追加の界面活性剤を含む界面活性剤系を含む洗浄組成物で用いることができる。
【0098】
更なる実施形態では、本発明の本発明のポリマーは、一次界面活性剤として1~5のエトキシ単位を含むC8~C18の直鎖又は分枝鎖アルキルエーテル硫酸塩、及び、非イオン性、カチオン性、両性、双性イオン性、若しくはその他のアニオン性界面活性剤、又はこれらの混合物から選択される、1つ以上の追加の界面活性剤を含む、任意の種類の洗濯洗剤などの洗浄組成物で用いることができる。
【0099】
更なる実施形態では、本発明の本発明のポリマーは、一次界面活性剤として5~10のエトキシ単位を含むC12~C18のアルキルエトキシレート界面活性剤、及び、アニオン性、カチオン性、両性、双性イオン性、若しくはその他の非イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物から選択される、1つ以上の追加の界面活性剤を含む、任意の種類の洗濯洗剤などの洗浄組成物で用いることができる。
【0100】
本発明の一実施形態では、本発明のポリマーは、好ましくは洗濯又は食器洗い配合物、より好ましくは、それぞれが少なくとも1つの界面活性剤、好ましくは少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を更に含む液体洗濯又は手動食器洗い配合物などの、洗浄組成物の一構成要素である。
【0101】
これらの実施形態における追加の界面活性剤の選択は、用途及び望まれる効果によって決まり得る。
【0102】
洗浄組成物、配合物、及びそれらの成分の説明
語句「洗浄組成物」とは、本明細書で使用するとき、汚れた材料の洗浄用に設計された組成物及び配合物を含む。こうした組成物及び配合物としては、任意の種類の汚れた材料又は表面を洗浄するために設計されたものが挙げられる。
【0103】
「業務用洗浄」用組成物としては、タイル、カーペット、PVC面、木製面、金属面、ラッカー塗装面を含む任意の種類の表面用硬質表面洗浄剤など、任意の種類の汚れた材料又は面の洗浄に使用するためのものなどの、業務用洗浄で使用するために設計された洗浄組成物が挙げられる。
【0104】
「布地ケア及びホームケア用組成物」としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地柔軟化組成物、布地改良組成物、布地フレッシュニング組成物、洗濯物用前洗い剤、洗濯物用前処理剤、洗濯物用添加剤、噴霧生成物、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯物すすぎ添加剤、水洗い添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン掛け補助剤、食器洗い組成物、硬質表面洗浄組成物、単位容量配合物、遅延送達配合物、多孔質基材又は不織布シート上又は中に含まれる洗剤、並びに、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかとなり得る他の好適な形態が挙げられるがこれらに限定されない洗浄組成物が挙げられる。こうした組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用されてもよく、或いは、洗濯作業のすすぎ又は水洗いサイクル中、好ましくは洗濯又は食器洗い作業の水洗いサイクル中に添加されてもよい。
【0105】
本発明の洗浄組成物は、任意の形態、すなわち、液体;粉末、顆粒、粒塊、ペースト、錠剤、パウチ、棒、ゲルなどの固体;エマルジョン;二区画又は多区画容器中で送達される種類;単一相又は多相単位用量;噴霧又は発泡体洗剤;ウェットタイプ拭取り繊維(即ち、Mackeyらの米国特許第6,121,165号明細書に記載されているものなどの不織布材料と組み合わせた洗浄組成物);ユーザ又は消費者により水で活性化される乾燥拭取り繊維(即ち、Fowlerらの米国特許第5,980,931号明細書に記載されているものなどの不織布材料と組み合わせた洗浄組成物);及び他の均質、不均質、又は単一相若しくは多相洗浄生成物の形態であってよい。
【0106】
本発明の液体洗浄組成物は、好ましくは50~10000mPa*sの粘度を有し、液体手動食器洗い洗浄組成物(又は液体手動「食器洗い組成物」)は、20 1/s及び20℃で、好ましくは100~10000mPa*s、より好ましくは200~5000mPa*s、最も好ましくは500~3000mPa*sの粘度を有し、液体洗濯洗浄組成物は、20 1/s及び20℃で、好ましくは50~3000mPa*s、より好ましくは100~1500mPa*s、最も好ましくは200~1000mPa*sの粘度を有する。
【0107】
本発明の液体洗浄組成物は、任意の好適なpH値を有し得る。好ましくは、組成物のpHは4~14に調整される。より好ましくは、組成物は、6~13、更により好ましくは6~10、最も好ましくは7~9のpHを有する。組成物のpHは、当該技術分野において既知のpH改質成分を使用して調整することができ、25℃の脱塩水中で10%生成物濃度として測定される。例えば、NaOHが使用されてもよく、NaOHの実際の重量%は変化してもよく、例えばpH8.0などの所望のpHに整えられてもよい。本発明の一実施形態では、7超のpHが、アミン類、好ましくはアルカノールアミン、より好ましくはトリエタノールアミンを使用することによって調整されてもよい。
【0108】
布地ケア及びホームケア生成物、並びに業務用洗浄配合物など、より具体的には洗濯及び手動食器洗い洗剤などの洗浄組成物は、当業者に既知である。それぞれの用途に関連する当業者に既知の任意の組成物などは、特にこうした組成物がその使用分野で用いられる場合、少なくとも1つの本発明のポリマー、好ましくはこうした組成物内で特定の性質を発現させるのに好適な量の少なくとも1つのポリマーを含めることによって、本発明との関係で用いることができる。
【0109】
洗剤配合物、特に液体洗剤配合物、好ましくは濃縮液体洗剤配合物、又は洗濯用の単一の単回用量用の添加剤としての本発明のポリマーの使用も、本発明の一態様である。
【0110】
本発明の洗浄組成物は、補助洗浄添加剤(本明細書では「補助剤」と省略されもする)を含有してもよく、好ましくはこれを含有し、こうした補助剤は、好ましくは上記で定義された界面活性剤系に追加される。
【0111】
好適な補助洗浄添加剤としては、ビルダー、コビルダー、構造化剤又は増粘剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、高分子汚れ遊離剤、高分子分散剤などの分散剤、高分子油脂洗浄剤、可溶化剤、キレート剤、酵素、酵素安定化系、漂白化合物、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、光沢剤、悪臭抑制剤、顔料、染料、乳白剤、色調剤、移染防止剤、キレート剤、泡促進剤類、泡抑制剤(消泡剤)、色スペックル、銀ケア、変色防止剤及び/又は耐食剤、アルカリ性供給源、pH調整剤、pH緩衝剤、ヒドロトロープ、スクラブ粒子、抗菌剤、酸化防止剤、柔軟剤、担体、加工助剤、プロ香料、並びに香料が挙げられる。
【0112】
液体洗浄組成物は、追加で、レオロジー調整/変性剤、皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚若返り活性物質、及び溶媒のうち少なくとも1つを含んでもよく、好ましくはそれを含む。
【0113】
固体組成物は、追加で、充填剤、ブリーチ、漂白活性化剤、及び触媒材料のうち少なくとも1つを含んでもよく、好ましくはこれを含む。
【0114】
こうした洗浄補助剤の好適な例及び使用レベルは、国際公開第99/05242号パンフレット、米国特許第5,576,282号明細書、同第6,306,812B1号明細書、及び同第6,326,348B1号明細書に見出される。
【0115】
当業者は、洗浄性界面活性剤は、汚れた材料に対して、洗浄、染み除去、又は洗濯効果を提供する任意の界面活性剤又は界面活性剤の混合物を包含することを理解するであろう。
【0116】
したがって、布地ケア及びホームケア生成物、並びに業務用洗浄用配合物など、より具体的には洗濯及び手動食器洗い洗剤などの本発明の洗浄組成物は、上記で説明され、下記でより詳細に説明されるものとして、好ましくは界面活性剤系、及びより好ましくは更に補助剤を、追加で含む。
【0117】
界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの組み合わせから選択される、1つの界面活性剤、又は界面活性剤の組み合わせから構成され得る。当業者は、洗剤用の界面活性剤系は、汚れた材料に対して、洗浄、染み除去、又は洗濯効果を提供する任意の界面活性剤又は界面活性剤の混合物を包含することを理解するであろう。
【0118】
本発明の洗浄組成物は、好ましくは、所望の洗浄性質を提供するのに十分な量で界面活性剤系を含む。いくつかの実施形態では、洗浄組成物は、組成物の約1重量%~約70重量%の界面活性剤系を含む。その他の実施形態では、液体洗浄組成物は、組成物の約2重量%~約60重量%の界面活性剤系を含む。更なる実施形態では、洗浄組成物は、組成物の約5重量%~約30重量%の界面活性剤系を含む。界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの組み合わせから選択される洗浄性界面活性剤を含み得る。
【0119】
(a)洗濯組成物
洗濯配合物において、アニオン性界面活性剤は、通常はこうした配合物内で圧倒的に最大の界面活性剤の割合に寄与する。したがって、好ましくは、洗濯で使用するための本発明の洗浄組成物は、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤と、任意選択的に、更に、本明細書に記載される界面活性剤クラスのいずれかから、好ましくは非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤及び/又はカチオン性界面活性剤から選択される界面活性剤と、を含む。
【0120】
本明細書で有用な2つ以上の界面活性剤の組み合わせにも用いられ得るアニオン性界面活性剤の非限定的な例としては、C9~C20の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、C10~C20の一級の分枝鎖及びランダムアルキル硫酸塩(AS);C10~C18の二級(2,3)のアルキル硫酸塩;式中、xが1~30であるC10~C18のアルキルアルコキシ硫酸塩(AExS);1~5のエトキシ単位を含むC10~C18のアルキルアルコキシカルボン酸塩;米国特許第6,020,303号明細書及び同第6,060,443号明細書に記載される中鎖分枝アルキル硫酸塩;米国特許第6,008,181号明細書及び同第6,020,303号明細書に記載される中鎖分枝鎖アルキルアルコキシ硫酸塩;国際公開第99/05243号パンフレット、同第99/05242号パンフレット、及び同第99/05244号パンフレットに記載される修飾アルキルベンゼンスルホン酸塩(MLAS);メチルエステルスルホン酸塩(MES);並びにα-オレフィンスルホン酸塩(AOS)が挙げられる。
【0121】
好適なアニオン性界面活性剤の好ましい例は、C~C12アルキル硫酸塩の、C12~C18脂肪族アルコールエーテル硫酸塩の、C12~C18脂肪族アルコールポリエーテル硫酸塩の、エトキシル化C~C12アルキルフェノール(エトキシル化:3~50モルのエチレンオキシド/モル)の硫酸半エステルの、C12~C18アルキルスルホン酸の、C12~C18スルホ脂肪酸アルキルエステルの、例えば、C12~C18スルホ脂肪酸メチルエステルの、C10~C18アルキルアリールスルホン酸の、好ましくはn-C10~C18アルキルベンゼンスルホン酸の、C10~C18アルキルアルコキシカルボン酸塩の、並びに例えばC~C24カルボン酸などのセッケンの、アルカリ金属及びアンモニウム塩である。上記の化合物のアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。
【0122】
本発明の一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、n-C10~C18アルキルベンゼンスルホン酸から、及び、本発明に関連して、具体的にはエトキシル化C12~C18アルカノール(エトキシル化:1~50モルのエチレンオキシド/モル)の、好ましくはn-C12~C18アルカノールの硫酸半エステルである、脂肪族アルコールポリエーテル硫酸塩から選択される。
【0123】
本発明の一実施形態では、分枝鎖(すなわち合成)C11~C18アルカノール(エトキシル化:1~50モルのエチレンオキシド/モル)から誘導されたアルコールポリエーテル硫酸塩も用いられ得る。
【0124】
好ましくは、C12~C18脂肪族アルコールに基づく、又は分枝鎖(すなわち合成)C11~C18アルコールに基づく、どちらの種類のアルコキシル化アルキル硫酸塩のアルコキシル化基もエトキシル化基であり、アルコキシル化アルキル硫酸塩のいずれかの平均エトキシル化度は、1~5、好ましくは1~3である。
【0125】
好ましくは、本発明の洗濯洗剤配合物は、その他の構成要素並びに水及び/又は溶媒を含む特定の組成物の全体に基づき、少なくとも1重量%~50重量%の、好ましくは約2重量%以上~約30重量%以下の範囲の、より好ましくは3重量%以上~25重量%以下の範囲の、最も好ましくは5重量%以上~25重量%以下の範囲の、上記の1つ以上のアニオン性界面活性剤を含む。
【0126】
本発明の好ましい実施形態では、アニオン性界面活性剤は、C10~C15直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩、1~5のエトキシ単位を含むC10~C18アルキルエーテル硫酸塩、及びC10~C18アルキル硫酸塩から選択される。
【0127】
2つ以上のその他の界面活性剤の組み合わせで用いられ得る非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、以下が挙げられる:C8~C18アルキルエトキシレート、例えば、ShellからのNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤;BASFからのPLURONIC(登録商標)としてのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルコキシレート;米国特許第6,153,577号明細書、同第6,020,303号明細書、及び同第6,093,856号明細書で論じられるC14~C22中鎖分枝鎖状アルキルアルコキシレート(BAEx)(式中xは1~30である);1986年1月26日発行Llenadoの米国特許第4,565,647号明細書で論じられるアルキル多糖;特に、米国特許第4,483,780号明細書及び同第4,483,779号明細書で論じられるアルキルポリグリコシド;米国特許第5,332,528号明細書で論じられるポリヒドロキシ脂肪酸アミド;並びに米国特許第6,482,994号及び国際公開第01/42408号パンフレットで論じられるエーテル末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤。
【0128】
非イオン性界面活性剤の好ましい例は、特に、アルコキシル化アルコール及びアルコキシル化脂肪族アルコール、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの二元及び多元ブロックコポリマー、並びにソルビタンとエチレンオキシド又はプロピレンオキシドとの反応生成物、更には、アルキルフェノールエトキシレート、アルキルグリコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド(グルカミド)である。(追加の)両性界面活性剤の例は、いわゆるアミンオキシドである。
【0129】
アルコキシル化アルコール及びアルコキシル化脂肪族アルコールの好ましい例は、例えば、一般式(A)の化合物であり、
【化10】
式中、変数は下記のとおり定義される:
R1は直鎖C1~C10アルキル、好ましくはエチル、特に好ましくはメチルから選択され、
R2はC8~C22アルキル、例えばn-C8H17、n-C10H21、n-C12H25、n-C14H29、n-C16H33、又はn-C18H37から選択され、
R3は、C1~C10-アルキル、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、sec-ペンチル、ネオペンチル、1,2-ジメチルプロピル、イソアミル、n-ヘキシル、イソヘキシル、sec-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、2-エチルヘキシル、n-ノニル、n-デシル、又はイソデシルから選択され、
m及びnは、0~300の範囲内であり、ここでnとmとの合計は少なくとも1である。好ましくは、mは1~100の範囲内であり、nは0~30の範囲内である。
【0130】
本明細書では、一般式(A)の化合物は、ブロックコポリマー又はランダムコポリマーであってよく、ブロックコポリマーが好ましい。
【0131】
アルコキシル化アルコール及びアルコキシル化脂肪族アルコールのその他の好ましい例は、例えば、一般式(B)の化合物であり、
【化11】
式中、変数は下記のとおり定義される:
は同じか又は異なり、直鎖C~Cアルキルから選択され、好ましくはそれぞれの場合で同一であってエチルであり、特に好ましくはメチルであり、
はC~C20アルキル、特にn-C17、n-C1021、n-C1225、n-C1429、n-C1633、n-C1837から選択され、
aは、0~6、好ましくは1~6の範囲内の数であり、
bは、0~20、好ましくは4~20の範囲内の数であり、
dは、4~25の範囲内の数である。
【0132】
好ましくは、a及びbのうち少なくとも1つは0を上回る。
【0133】
本明細書では、一般式(B)の化合物は、ブロックコポリマー又はランダムコポリマーであってよく、ブロックコポリマーが好ましい。
【0134】
更に好適な非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドからなる二元及び多元ブロックコポリマーから選択される。更に好適な非イオン性界面活性剤は、エトキシル化又はプロポキシル化ソルビタンエステルから選択される。アルキルフェノールエトキシレート又はアルキルポリグリコシド又はポリヒドロキシ脂肪酸アミド(グルカミド)も同様に好適である。好適な更なる非イオン性界面活性剤の概説は、欧州特許出願公開第A0851023号明細書及び独国特許出願公開第A19819187号明細書で見ることができる。
【0135】
2つ以上の異なる非イオン性界面活性剤の混合物も、当然ながら存在し得る。
【0136】
本発明の好ましい実施形態では、非イオン性界面活性剤は、C12/14及びC16/18脂肪族アルコールアルコキシレート(alkoholalkoxylates)、C13/15オキソアルコールアルコキシレート、C13アルコールアルコキシレート、並びに2-プロピルヘプチルアルコールアルコキシレートから選択され、これらはそれぞれ、3~15のエトキシ単位、好ましくは5~10のエトキシ単位、又は1~3のプロポキシ単位及び2~15のエトキシ単位を含む。
【0137】
2つ以上のその他の界面活性剤の組み合わせでも用いられ得る両性界面活性剤の非限定的な例としては、以下が挙げられる:約8~約18の炭素原子からなる1つのアルキル部分と、約1~約3の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分からなる群から選択される2つの部分とを含む水溶性アミンオキシド、並びに約10~約18の炭素原子からなる1つのアルキル部分と、約1~約3の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分からなる群から選択される部分とを含む水溶性スルホキシド。国際公開第01/32816号パンフレット、米国特許第4,681,704号明細書、及び同第4,133,779号明細書を参照されたい。好適な界面活性剤としては、いわゆるアミンオキシド、例えばラウリルジメチルアミンオキシド(「ラウラミンオキシド」)が挙げられる。
【0138】
両性界面活性剤の好ましい例は、アミンオキシドである。好ましいアミンオキシドは、アルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシド、特にココジメチルアミノオキシドである。アミンオキシドは、直鎖又は中鎖分枝状アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖アミンオキシドとしては、1つのR1=C8~18アルキル部分と、C1~C3アルキル基及びC1~C3ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される2つのR2及びR3部分とを含有する水溶性アミンオキシドが挙げられる。好ましくは、アミンオキシドは以下の式を特徴とし:
R1-N(R2)(R3)-O
式中、R1はC8~18アルキルであり、R2及びR3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、及び3-ヒドロキシプロピルからなる群から選択される。直鎖アミンオキシド界面活性剤としては、特に、直鎖C10~C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖C8~C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを挙げることができる。好ましいアミンオキシドとしては、直鎖C10、直鎖C10~C12、及び直鎖C12~C14アルキルジメチルアミンオキシドが挙げられる。本明細書で使用するとき、「中鎖分枝状」とは、アミンオキシドが、n1個の炭素原子を有する1つのアルキル部分を有し、このアルキル部分上の1つのアルキル分枝がn2個の炭素原子を有することを意味する。アルキル分枝は、アルキル部分上の窒素からのα炭素上に位置する。アミンオキシドにおけるこの種の分枝は、当該技術分野において、内部アミンオキシドとしても知られている。n1とn2との合計は、10~24個の炭素原子、好ましくは12~20個、より好ましくは10~16個である。1つのアルキル部分と1つのアルキル分枝とが対称となるように、1つのアルキル部分の炭素原子数(n1)は、1つのアルキル分枝の炭素原子数(n2)とおよそ同じでなければならない。本明細書で使用するとき、「対称」とは、本明細書で使用される中鎖分枝状アミンオキシドの少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%~100重量%において、(n1-n2)が5以下、好ましくは4、最も好ましくは0~4の炭素原子であることを意味する。アミンオキシドは、C1~C3アルキル、C1~C3ヒドロキシアルキル基、又は平均して約1~約3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基から独立して選択される2つの部分を更に含む。好ましくは、2個の部分は、C1~C3アルキルから選択され、より好ましくは、両方が、C1アルキルとして選択される。
【0139】
本発明の好ましい実施形態では、両性界面活性剤は、C8~C18アルキル-ジメチルアミンオキシド及びC8~C18アルキル-ジ(ヒドロキシエチル)アミンオキシドから選択される。
【0140】
洗浄組成物は、2つ以上のその他の界面活性剤の組み合わせにも用いられ得る双性イオン性界面活性剤も含有し得る。
【0141】
好適な双性イオン性界面活性剤としては、ベタイン類、例えばアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミダゾリニウムベタイン(amidazoliniumbetaine)、スルホベタイン(INCIスルタイン)、及びホスホベタインが挙げられる。好適なベタイン及びスルホベタインの例は、以下のとおりである(INCIに従い指定される):アーモンドアミドプロピルベタイン、アプリコットアミドプロピルベタイン、アボカドアミドプロピルベタイン、ババスアミドプロピルベタイン、ベヘナミドプロピルベタイン、ベヘニルベタイン、キャノーラミドプロピルベタイン、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、カルニチン、セチルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタイン、ココヒドロキシスルタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、ココスルタイン、デシルベタイン、ジヒドロキシエチルオレイルグリシネート、ジヒドロキシエチルソイグリシネート、ジヒドロキシエチルステアリルグリシネート、ジヒドロキシエチルタローグリシネート、ジメチコーンプロピルPG-ベタイン、エルカミドプロピルヒドロキシスルタイン、水素添加タローベタイン、イソステアラミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルスルタイン、ミルクアミドプロピルベタイン、ミンクアミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレイルベタイン、オリーブアミドプロピルベタイン、ヤシアミドプロピルベタイン、パルミタミドプロピルベタイン、パルミトイルカルニチン、ヤシ核脂肪酸アミドプロピルベタイン、ポリテトラフルオロエチレンアセトキシプロピルベタイン、リシノールアミドプロピルベタイン、セサミドプロピルベタイン、ソイアミドプロピルベタイン、ステアルアミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、タローアミドプロピルベタイン、タローアミドプロピルヒドロキシスルタイン、タローベタイン、タロージヒドロキシエチルベタイン、ウンデシレンアミドプロピルベタイン、及び小麦胚芽アミドプロピルベタイン。
【0142】
好ましいベタインは、例えばC12~C18アルキルベタイン及びスルホベタインである。双性イオン性界面活性剤は、好ましくは、ベタイン界面活性剤であり、より好ましくはココアミドプロピルベタイン界面活性剤である。
【0143】
2つ以上のその他の界面活性剤の組み合わせで用いられ得るカチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、最大26個の炭素原子を有し得る四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、これとしては、米国特許第6,136,769号明細書で論じられるアルコキシル化四級アンモニウム(AQA)界面活性剤;米国特許第6,004,922号明細書で論じられるジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;国際公開第98/35002号パンフレット、同第98/35003号パンフレット、同第98/35004号パンフレット、同第98/35005号パンフレット、及び同第98/35006号パンフレットで論じられるポリアミンカチオン性界面活性剤;米国特許第4,228,042号明細書、同第4,239,660号明細書、同第4,260,529号明細書、及び同第6,022,844号明細書で論じられるカチオン性エステル界面活性剤、並びに米国特許第6,221,825号明細書及び国際公開特許第00/47708号パンフレットで論じられるアミノ界面活性剤類、特に、アミドプロピルジメチルアミン(APA)が挙げられる。
【0144】
本発明の組成物は、少なくとも1つのビルダーを含み得る。本発明との関係において、ビルダーと、別の箇所で「コビルダー」と称される構成要素との間で区別はなされない。ビルダーの例は、本明細書で以下錯化剤とも称される錯化剤、イオン交換化合物、及び沈殿剤である。ビルダーは、クエン酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、炭酸塩、ホスホン酸塩、アミノカルボン酸塩、及びポリカルボン酸塩から選択される。
【0145】
本発明との関係において、クエン酸塩という用語は、モノ-及びジアルカリ金属塩、特にクエン酸のモノナトリウム塩、好ましくは三ナトリウム塩、クエン酸のアンモニウム塩又は置換アンモニウム塩、並びにクエン酸を含む。クエン酸塩は、無水化合物として、又は例えばクエン酸ナトリウム二水和物などの水和物として用いてもよい。クエン酸塩の量は、無水クエン酸三ナトリウムを参照して計算される。
【0146】
リン酸塩という用語は、メタリン酸ナトリウム、オルトリン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、及びトリポリリン酸ナトリウムなどのポリリン酸塩を含む。しかし、好ましくは、本発明の組成物は、リン酸水素を包含するリン酸塩及びポリリン酸塩を含まず、例えばリン酸三ナトリウム、三ポリリン酸五ナトリウム、及びメタリン酸六ナトリウムを含まない(「リン酸塩不含有」)。リン酸塩及びポリリン酸塩との関係において、「~を含まない」とは、本発明との関連では、リン酸塩及びポリリン酸塩の含有量が、合計で、重量測定によって測定して各組成の10ppm~0.2重量%の範囲内であると意味するものと理解されたい。
【0147】
炭酸塩という用語は、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩を含み、ナトリウム塩が好ましい。特にNaCOが好ましい。
【0148】
ホスホン酸塩の例は、ヒドロキシアルカンホスホン酸塩及びアミノアルカンホスホン酸塩である。ヒドロキシアルカンホスホン酸塩の中でも、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸塩(HEDP)が、ビルダーとして特に重要である。これは、好ましくはナトリウム塩として用いられ、ジナトリウム塩は中性であり、テトラナトリウム塩はアルカリ性である(pH9)。好適なアミノアルカンホスホン酸塩は、好ましくはエチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸塩(EDTMP)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸塩(DTPMP)、及びこれらの高級同族体である。これらは、好ましくは中性反応ナトリウム塩の形態で、例えば、EDTMPのヘキサナトリウム塩、又はDTPMPのヘプタ及びオクタナトリウム塩として用いられる。
【0149】
アミノカルボン酸塩及びポリカルボン酸塩の例は、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミンテトラアセテート、ジエチレントリアミンペンタアセテート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、プロピレンジアミンテトラ酢酸、エタノール-ジグリシン、メチルグリシンジアセテート、及びグルタミンジアセテートである。アミノカルボン酸塩及びポリカルボン酸塩という用語は、これらの対応する非置換又は置換アンモニウム塩、及びナトリウム塩などのアルカリ金属塩、特に対応する完全中和化合物のアルカリ金属塩も含む。
【0150】
本発明との関連において、ケイ酸塩は、特に二ケイ酸ナトリウム、及びメタケイ酸ナトリウム、例えばゼオライト及び層状ケイ酸塩などのアルモケイ酸塩(alumosilicate)、特に式α-NaSi、β-NaSi、及びδ-NaSiのものを含む。
【0151】
本発明の組成物は、上記で述べられていない材料から選択される1つ以上のビルダーを含み得る。ビルダーの例は、α-ヒドロキシプロピオン酸及び酸化デンプンである。
【0152】
本発明の一実施形態では、ビルダーはポリカルボン酸塩から選択される。用語「ポリカルボン酸塩」は、コハク酸、C~C16アルキルジサクシネート、C~C16アルケニルジサクシネート、エチレンジアミンN,N’-ジコハク酸、酒石酸二酢酸塩、アルカリ金属マロン酸塩、酒石酸モノ酢酸塩、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、及びシクロペンタンテトラカルボン酸などの、非重合性のポリカルボン酸塩を含む。
【0153】
オリゴマー又はポリマー性のポリカルボン酸塩は、例えば、ポリアスパラギン酸、又は、具体的には(メタ)アクリル酸ホモポリマー若しくは(メタ)アクリル酸コポリマーのアルカリ金属塩である。
【0154】
好適なコモノマーは、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸無水物、イタコン酸、及びシトラコン酸などのモノエチレン性不飽和ジカルボン酸である。好適なポリマーは、具体的には、好ましくは、重量平均分子量Mを2000~40000g/モル、好ましくは2000~10000g/モル、特に3000~8000g/モルの範囲で有する、ポリアクリル酸である。更に好適なコポリマー性ポリカルボン酸塩は、具体的には、アクリル酸とメタクリル酸とのもの、並びにアクリル酸又はメタクリル酸とマレイン酸及び/又はフマル酸とのものである。
【0155】
モノエチレン性不飽和C~C10モノ若しくはC~C10ジカルボン酸又はその無水物、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、及びシトラコン酸からなる群からの少なくとも1つのモノマーと、以下で列挙する少なくとも1つの親水性又は疎水性改質コモノマーとのコポリマーを用いることも可能である。
【0156】
好適な疎水性コモノマーは、例えば、イソブテン、ジイソブテン、ブテン、ペンテン、ヘキセン及びスチレン、例えば1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン、1-ドコセン、1-テトラコセン、及び1-ヘキサコセン、C22-α-オレフィン、C20~C24-α-オレフィンと平均で1分子当たり12~100の炭素原子を有するポリイソブテンとの混合物などの10個以上の炭素原子を有するオレフィン又はこれらの混合物である。
【0157】
好適な親水性コモノマーは、スルホネート又はホスホネート基を有するモノマー、及びヒドロキシル官能基又はアルキレンオキシド基を有する非イオン性モノマーである。例として、アリルアルコール、イソプレノール、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリ(プロピレンオキシド-コ-エチレンオキシド)(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、及びエトキシポリ(プロピレンオキシド-コ-エチレンオキシド)(メタ)アクリレートを挙げることができる。本明細書では、ポリアルキレングリコールは、1分子当たり3~50、具体的には5~40、特に10~30のアルキレンオキシド単位を含み得る。
【0158】
本明細書で特に好ましいスルホン酸基含有モノマーは、1-アクリルアミド-1-プロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、3-メタクリルアミド-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-(2-プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、2-メチル-2-プロペン-1-スルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3-スルホプロピルアクリレート、2-スルホエチルメタクリレート、3-スルホプロピルメタクリレート、スルホメタクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミド、及びこれらのナトリウム、カリウム、又はアンモニウム塩などの上記酸の塩である。
【0159】
特に好ましいホスホン酸基含有モノマーは、ビニルホスホン酸及びその塩である。
【0160】
更に、両性ポリマーは、ビルダーとしても使用され得る。
【0161】
本発明の組成物は、特に固体配合物の場合、例えば、合計で0.1~70重量%、好ましくは10~50重量%、好ましくは最大20重量%のビルダーを含み得る。本発明の液体配合物は、好ましくは0.1~8重量%の範囲内のビルダーを含む。
【0162】
本発明の配合物は、1つ以上のアルカリ担体を含み得る。アルカリ担体は、例えば、アルカリ性のpHが望まれる場合、少なくとも9のpHを確保する。例えば、上記のアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、及びアルカリ金属メタケイ酸塩、並びに、追加的に、アルカリ金属水酸化物が好適である。いずれの場合でも、好ましいアルカリ金属は、カリウムであり、ナトリウムが特に好ましい。本発明の一実施形態では、7超のpHが、アミン類、好ましくはアルカノールアミン、より好ましくはトリエタノールアミンを使用することによって調整されてもよい。
【0163】
本発明の一実施形態では、本発明の洗濯配合物は、追加的に少なくとも1つの酵素を含む。
【0164】
有用な酵素は、例えば、リパーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、及びペルオキシダーゼから選択される1つ以上のヒドロラーゼ、並びに上記の種類のうち少なくとも2つの組み合わせである。
【0165】
こうした酵素は、有効量の洗浄を提供するのに十分なレベルで組み込まれ得る。好ましい量は、本発明の洗剤組成物の0.001重量%~5重量%の範囲の活性酵素である。酵素と共に、例えばカルシウムイオン、ホウ酸、ボロン酸、プロピレングリコール、及び短鎖カルボン酸などの酵素安定化系も用いられ得る。本発明との関係において、短鎖カルボン酸は、1分子あたり1~3の炭素原子を含むモノカルボン酸から、及び1分子あたり2~6の炭素原子を含むジカルボン酸から選択される。好ましい例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、HOOC(CHCOOH、アジピン酸、及び上記の少なくとも2つの混合物、並びにそれぞれのナトリウム塩及びカリウム塩である。
【0166】
本発明の組成物は、1つ以上の漂白剤(ブリーチ)を含んでもよい。
【0167】
好ましいブリーチは、無水、又は例えば、一水和物として、四水和物若しくはいわゆる二水和物としての、過ホウ酸ナトリウム、無水、又は例えば、一水和物としての過炭酸ナトリウム、及び過硫酸ナトリウムから選択され、いずれの場合でも、用語「過硫酸塩」は、過酸HSO及びペルオキソ二硫酸の塩も含む。
【0168】
これに関連して、いずれの場合でも、アルカリ金属塩は、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属過ホウ酸水素塩、及びアルカリ金属過硫酸水素塩でもあり得る。しかしながら、いずれの場合でもジアルカリ金属塩が好ましい。
【0169】
本発明の配合物は、1つ以上の漂白触媒を含み得る。漂白触媒は、オキサジリジニウム系漂白触媒、漂白増進性遷移金属塩、又は、例えばマンガン-、鉄-、コバルト-、ルテニウム-、若しくはモリブデン-サレン錯体若しくは-カルボニル錯体などの遷移金属錯体から選択され得る。窒素含有の三脚型配位子とマンガン、鉄、コバルト、ルテニウム、モリブデン、チタニウム、バナジウム及び銅との錯体、並びにコバルト-、鉄-、銅-、及びルテニウム-アミン錯体も漂白触媒として使用され得る。
【0170】
本発明の配合物は、例えばテトラアセチルエチレンジアミン、テトラアセチルメチレンジアミン、テトラアセチルグリコールウリル、テトラアセチルヘキシレンジアミン、n-ノナノイル若しくはイソノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩などのアシル化フェノールスルホン酸塩、N-メチルモルホリニウム-アセトニトリル塩(「MMA塩」)、トリメチルアンモニウムアセトニトリル塩、例えばN-ノナノイルスクシンイミドなどのN-アシルイミン、1,5-ジアセチル-2,2-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(「DADHT」)、又はニトリルクアット(トリメチルアンモニウムアセトニトリル塩)などの1つ以上の漂白活性剤を含み得る。
【0171】
本発明の配合物は、1つ以上の腐食阻害剤を含み得る。本発明の場合では、これは、金属の腐食を阻害する化合物を含むものと理解される。好適な腐食阻害剤の例として、トリアゾール、特にベンゾトリアゾール、ビスベンゾトリアゾール、アミノトリアゾール、アルキルアミノトリアゾール、及び例えばヒドロキノン、ピロカテコール、ヒドロキシヒドロキノン、没食子酸、フロログルシノール又はピロガロールなどのフェノール誘導体が挙げられる。
【0172】
本発明の一実施形態では、本発明に記載の配合物は、合計で0.1~1.5重量%の範囲の腐食阻害剤を含む。
【0173】
本発明の配合物は、更に洗浄ポリマー及び/又は汚れ遊離ポリマーも含んでよい。
【0174】
追加の洗浄ポリマーとしては、非限定的に、「多官能性ポリエチレンイミン」(例えばBASFのSokalan(登録商標)HP20)、及び/又は「多官能性ジアミン」(例えばBASFのSokalan(登録商標)HP96)が挙げられ得る。こうした多官能性ポリエチレンイミンは、典型的には、重量平均分子量Mが3000~250000g/モル、好ましくは5000~200000g/モル、より好ましくは8000~100000g/モル、より好ましくは8000~50000g/モル、より好ましくは10000~30000g/モル、最も好ましくは10000~20000g/モルの範囲のエトキシル化ポリエチレンイミンである。好適な多官能性ポリエチレンイミンは、材料の総重量を基準に、80重量%~99重量%、好ましくは85重量%~99重量%、より好ましくは90重量%~98重量%、より好ましくは93重量%~97重量%、又は94重量%~96重量%のエチレンオキシド側鎖を有する。エトキシル化ポリエチレンイミンは、典型的にはポリエチレンイミンコア及びポリエチレンオキシドシェルをベースとする。好適なポリエチレンイミンコア分子は、重量平均分子量Mが500~5000g/モルの範囲のポリエチレンイミンである。好ましくは500~1000g/モルの分子量が用いられ、600~800g/モルのMが更により好ましい。そして、エトキシル化ポリマーは、NH官能基あたりで平均5~50個、好ましくは10~35個、更により好ましくは20~35個のエチレンオキシド(EO)単位を有する。
【0175】
好適な多官能性ジアミンは、典型的にはエトキシル化C2~C12アルキレンジアミンであり、好ましくは、更に四級化され、任意選択的に硫酸化されたヘキサメチレンジアミンである。典型的な多官能性ジアミンは、重量平均分子量Mを、2000~10000g/モル、より好ましくは3000~8000g/モル、最も好ましくは4000~6000g/モルの範囲で有する。本発明の好ましい実施形態では、NH官能基あたり平均で10~50、好ましくは15~40、更により好ましくは20~30のエチレンオキシド(EO)基を含有し、好ましくは2つのカチオン性アンモニウム基及び2つのアニオン性硫酸基を有する、更に四級化及び硫酸化されたエトキシル化ヘキサメチレンジアミンが用いられ得る。
【0176】
本発明の好ましい実施形態では、洗浄組成物は、洗濯洗剤の洗浄性能を改善する、例えば、好ましくは染み除去能力、特にポリエステル布地上の粒子状の染みの一次洗浄力を改善するために、少なくとも1つの多官能性ポリエチレンイミン及び/又は少なくとも1つの多官能性ジアミンを含有し得る。上記の説明による多官能性ポリエチレンイミン若しくは多官能性ジアミン、又はこれらの混合物は、その他の構成要素並びに水及び/又は溶媒を含む特定の組成物の全体に基づいて、一般には0.05~15重量%、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.25~5重量%、更には2重量%までの低い量で、洗濯洗剤及び洗浄組成物に添加され得る。
【0177】
したがって、本発明の一態様は、(i)少なくとも1つの本発明のポリマーと、(ii)多官能性ポリエチレンイミン及び多官能性ジアミン並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1つの化合物と、を含む、洗濯洗剤組成物、具体的には液体洗濯洗剤である。
【0178】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つの本発明のポリマーと、(ii)多官能性ポリエチレンイミン及び多官能性ジアミン並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1つの化合物との比は、10:1~1:10、好ましくは5:1~1:5、より好ましくは3:1~1:3である。
【0179】
本発明のポリマーを含む洗濯配合物は、少なくとも1つの抗菌剤も含み得る。
【0180】
特許国際公開第2021/115912A1号パンフレット(「Formulations comprising a hydrophobically modi-fied polyethyleneimine and one or more enzymes」)の35~39ページに列挙される1つ以上の抗菌剤及び/又は防腐剤が用いられ得る。
【0181】
以下の抗菌剤及び/又は防腐剤が特に好ましい:
4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテル(CAS番号3380-30-1)、更なる名称:Tinosan(登録商標)HP100(BASF)の商品名で1,2-プロピレングリコール中30重量%の4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルの溶液として市販される5-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)フェノール(Diclosan、DCPP):
2-フェノキシエタノール(CAS番号122-99-6、更なる名称:フェノキシエタノール、メチルフェニル-グリコール、フェノキセトール、エチレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、Protectol(登録商標)PE);
2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール(CAS番号52-51-7、更なる名称:2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、Bronopol(登録商標)、Protectol(登録商標)BN、Myacide AS);
グルタルアルデヒド(CAS番号111-30-8、更なる名称:1-5-ペンタンジアール、ペンタン-1,5-ジアール、グルタラール、グルタルジアルデヒド、Protectol(登録商標)GA、Protectol(登録商標)GA50、Myacide(登録商標)GA);
グリオキサール(CAS番号107-22-2;更なる名称:エタンジアール、オキシルアルデヒド(oxylaldehyde)1,2-エタンジアール、Pro-tectol(登録商標)GL);
2-ブチル-ベンゾ[d]イソチアゾール-3-オン(BBIT、CAS番号4299-07-4);
2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン(MIT、CAS番号2682-20-4);
2-オクチル-2H-イソチアゾール-3-オン(OIT、CAS番号26530-20-1);
5-クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン(CIT、CMIT、CAS番号26172-55-4);
5-クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン(CMIT、EINECS 247-500-7)と2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン(MIT、EINECS 220-239-6)との混合物(CMIT/MITの混合物、CAS番号55965-84-9);
1,2-ベンゾイソチアゾール-3(2H)-オン(BIT、CAS番号2634-33-5);
ヘキサ-2,4-ジエン酸(ソルビン酸、CAS番号110-44-1)及びその塩、例えばソルビン酸カルシウム、ソルビン酸ナトリウム
カリウム(E,E)-ヘキサ-2,4-ジエノアート(ソルビン酸カリウム、CAS番号24634-61-5);
乳酸及びその塩;
L-(+)-乳酸(CAS番号79-33-4);
安息香酸及びそのナトリウム塩(CAS番号65-85-0、CAS番号532-32-1)、並びに安息香酸の塩、例えば安息香酸アンモニウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、MEA-安息香酸塩、安息香酸カリウム;
サリチル酸及びその塩、例えばサリチル酸カルシウム、サリチル酸マグネシウム、MEA-サリチル酸塩、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、TEAサリチル酸塩;
塩化ベンザルコニウム、臭化ベンザルコニウム、及びサッカリン酸ベンザルコニウム、例えば塩化ベンザルコニウム、臭化ベンザルコニウム、及びサッカリン酸ベンザルコニウム(CAS番号8001-54-5、63449-41-2、91080-29-4、68989-01-5、68424-85-1、68391-01-5、61789-y71-7、85409-22-9);
ジデシルジメチル塩化アンモニウム(DDAC、CAS番号68424-95-3及びCAS番号7173-51-5);
N-(3-アミノプロピル)-N-ドデシルプロパン-1,3-ジアミン(ジアミン、CAS番号2372-82-9);
過酢酸(CAS番号79-21-0);
過酸化水素(CAS番号7722-84-1);
【0182】
更なる抗菌剤又は防腐剤が、組成物の総重量に対して0.001~10%の濃度で、組成物に添加される。
【0183】
好ましくは、組成物は、濃度0.1~2%で2-フェノキシエタノール、又は濃度0.005~0.6%で4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテル(DCPP)を含有する。
【0184】
したがって、本発明は、更に、細菌の汚染又は増殖から本発明の水性組成物を保護する方法であって、2-フェノキシエタノールの添加を含む、方法に関する。
【0185】
したがって、本発明は、更に、4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテル(DCPP)を含有する固体洗濯洗剤、例えば粉末、顆粒、カプセル、錠剤、バーなど、液体洗濯洗剤、柔軟剤で処理した後に、又はすすぎ後に、生地に対する抗菌効果を提供する方法に関する。
【0186】
本発明の配合物は、水、及び/又は追加の有機溶媒、例えばエタノール又はプロピレングリコールも含み得る。
【0187】
更なる任意成分は、粘度調整剤、カチオン性界面活性剤、発泡増進剤又は発泡低減剤、香料、染料、蛍光増白剤、及び移染防止剤であり得るが、これらに限定されない。
【0188】
(b)食器洗い組成物
本発明の別の態様は、上記の少なくとも1つの本発明のポリマーを含む食器洗い組成物でもある。
【0189】
したがって、本発明の一態様は、手動又は自動食器洗い用途などの食器洗い用途における上記の本発明のポリマーの使用でもある。
【0190】
本発明の食器洗い組成物は、液体、半液体、クリーム、ローション、ゲル、又は固体組成物の形態であってもよく、固体の実施形態は、例えば粉末及び錠剤を包含する。液体組成物は、典型的には手動食器洗い用途に好適であり、一方で、固体配合物及びパウチ配合物(パウチは液体成分に加えて固体も含有し得る)は、典型的には自動食器洗い組成物に好適であるが、世界の一部の地域では、液体自動食器洗い組成物も用いられているため、当然ながら、これも用語「食器洗い組成物」に包含される。
【0191】
食器洗い組成物は、飲料用及びその他のグラス、ビーカー、皿、並びに深鍋及び平鍋などの調理器具、並びにフォーク、スプーン、ナイフなどといったカトラリーなどの、食器類並びに金属及びガラス面への直接的又は間接的塗布を目的としている。
【0192】
食器類、金属、及び/又はガラス表面を洗浄する本発明の方法は、好ましくは液状の食器洗い洗浄組成物を、直接的、又は洗浄器具を用いて表面に塗布する(すなわち、未希釈形態で)工程を含む。組成物は、塗布の(直)前に大規模な希釈を行うことなく、直接処理対象の表面に、且つ/又は布巾、スポンジ、若しくは食器ブラシなどといった洗浄用具若しくは器具に塗布される。洗浄用具又は器具は、組成物が送達される前又は後に湿っていることが好ましい。本発明の方法では、組成物は希釈形態で適用されてもよい。
【0193】
未希釈及び希釈の塗布の両方が、優れた洗浄性能を生じさせる。すなわち、少なくとも1つの本発明のポリマーを含む本発明の配合物は、優秀な脱脂性能を示す。本発明のポリマーの存在によって、食器類、金属及び/又はガラス表面から脂肪及び/又は油性の汚れを除去する労力は、使用される界面活性剤のレベルが従来の組成物におけるものより低い場合であっても低減される。
【0194】
好ましくは、本組成物は、優れた油脂洗浄(脱脂)性能、長期間持続する泡、及び/又は低温に曝露された場合の粘度調整の改善を提供するように配合され、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つ全ての性能が、本発明の食器洗い組成物に存在する。任意選択的な(好ましくは存在する)本発明の手動食器洗い組成物の更なる利点としては、汚れの除去、光沢、及び/又は手の保護が挙げられ、より好ましくは少なくとも2つ、最も好ましくは3つ全ての更なる利点が、本発明の食器洗い組成物に存在する。
【0195】
本発明の一実施形態では、本発明のポリマーは、少なくとも1つの界面活性剤、好ましくは少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を追加的に含む、手動食器洗い配合物の一構成要素である。
【0196】
本発明の別の実施形態では、本発明のポリマーは、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、並びに好ましくは両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤から選択される少なくとも1つのその他の界面活性剤を追加的に含む、手動食器洗い配合物の一構成要素である。本発明の好ましい実施形態では、手動食器洗い配合物は、洗剤組成物の発泡、洗浄力、及び/又は低刺激性を促進するために、少なくとも1つの両性界面活性剤、好ましくはアミンオキシド、若しくは少なくとも1つの双性イオン性界面活性剤、好ましくはベタイン、又はこれらの混合物を含有する。
【0197】
好適なアニオン性界面活性剤の例は、洗濯組成物に関して上記で既に説明されている。
【0198】
食器洗い組成物に好ましいアニオン性界面活性剤は、C10~C15直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩、1~5のエトキシ単位を含むC10~C18アルキルエーテル硫酸塩、及びC10~C18アルキル硫酸塩から選択される。
【0199】
好ましくは、本発明の手動食器洗い用洗剤配合物は、その他の構成要素並びに水及び/又は溶媒を含む特定の組成物の全体に基づき、少なくとも1重量%~50重量%の、好ましくは約3重量%以上~約35重量%以下の範囲の、より好ましくは5重量%以上~30重量%以下の範囲の、最も好ましくは5重量%以上~20重量%以下の範囲の、上記の1つ以上のアニオン性界面活性剤を含む。
【0200】
本発明の食器洗い組成物は、少なくとも1つの両性界面活性剤を含み得る。
【0201】
食器洗い組成物に好適な両性界面活性剤の例は、洗濯組成物に関して既に上記で説明した。
【0202】
食器洗い組成物に好ましい両性界面活性剤は、C8~C18アルキル-ジメチルアミンオキシド及びC8~C18アルキル-ジ(ヒドロキシエチル)アミンオキシドから選択される。
【0203】
本発明の手動食器洗い洗剤組成物は、好ましくは、1重量%~15重量%、好ましくは2重量%~12重量%、より好ましくは3重量%~10重量%の両性界面活性剤、好ましくはアミンオキシド界面活性剤の組成物を含む。好ましくは、本発明の組成物は、アニオン性界面活性剤とアルキルジメチルアミンオキシドとの混合物を、約10:1未満、より好ましくは約8:1未満、より好ましくは約5:1~約2:1の重量比で含む。
【0204】
両性界面活性剤を添加することにより、食器洗い組成物中に良好な発泡性を提供する。
【0205】
本発明の食器洗い組成物は、少なくとも1つの双性イオン性界面活性剤を含み得る。
【0206】
食器洗い組成物に好適な双性イオン性界面活性剤の例は、洗濯組成物に関して既に上記で説明した。
【0207】
食器洗い組成物に好ましい双性イオン性界面活性剤は、ベタイン界面活性剤から、より好ましくはココアミドプロピルベタイン界面活性剤から選択される。
【0208】
本発明の好ましい実施形態では、双性イオン性界面活性剤はコカミドプロピルベタインである。
【0209】
本発明の手動食器洗い洗剤組成物は、任意選択的に、1重量%~15重量%、好ましくは2重量%~12重量%、より好ましくは3重量%~10重量%の双性イオン性界面活性剤、好ましくはベタイン界面活性剤の組成物を含む。
【0210】
本発明の食器洗い組成物は、少なくとも1つのカチオン性界面活性剤を含み得る。
【0211】
食器洗い組成物に好適なカチオン性界面活性剤の例は、洗濯組成物に関して既に上記で説明した。
【0212】
カチオン性界面活性剤は、組成物中に存在する場合、有効量で、より好ましくは組成物の0.1重量%~5重量%、好ましくは0.2重量%~2重量%で存在する。
【0213】
本発明の食器洗い組成物は、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0214】
食器洗い組成物に好適な非イオン性界面活性剤の例は、洗濯組成物に関して既に上記で説明した。
【0215】
好ましい非イオン性界面活性剤は、ゲルベアルコールと、アルコール1モル当たり2~18モル、好ましくは2~15モル、より好ましくは5~12モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。本明細書での使用に好適なその他の好ましい非イオン性界面活性剤としては、脂肪族アルコールポリグリコールエーテル、アルキルポリグルコシド、及び脂肪酸グルカミドが挙げられる。
【0216】
本発明の手動食器洗剤組成物は、組成物の0.1重量%~10重量%、好ましくは0.3重量%~5重量%、より好ましくは0.4重量%~2重量%の、平均アルコキシル化度が2~6、好ましくは3~5の直鎖又は分枝鎖C10アルコキシル化非イオン性界面活性剤を含み得る。好ましくは、直鎖又は分枝鎖C10アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、平均エトキシル化度が2~6、好ましくは3~5の分枝鎖C10エトキシル化非イオン性界面活性剤である。好ましくは、組成物は、60重量%~100重量%、好ましくは80重量%~100重量%、より好ましくは100重量%の、分枝鎖C10エトキシル化非イオン性界面活性剤の合計直鎖又は分枝鎖C10アルコキシル化非イオン性界面活性剤を含む。直鎖又は分枝鎖C10アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、好ましくは、平均エトキシル化度が3~5の2-プロピルヘプチルエトキシル化非イオン性界面活性剤である。平均エトキシル化度が4の好適な2-プロピルヘプチルエトキシル化非イオン性界面活性剤は、BASF SE(Ludwigshafen,Germany)から市販されるLutensol(登録商標)XP40である。平均エトキシル化度が3~5の2-プロピルヘプチルエトキシル化非イオン性界面活性剤を使用すると、発泡レベルの改善及び長期間持続する泡がもたらされる。
【0217】
したがって、本発明の一態様は、手動食器洗い洗剤組成物、具体的には、(i)少なくとも1つの本発明のポリマーと、(ii)平均エトキシル化度が3~5の、少なくとも1つの更なる2-プロピルヘプチルエトキシル化非イオン性界面活性剤と、を含む、液体手動食器洗い洗剤組成物である。
【0218】
本発明の食器洗い組成物は、液体手動食器洗い洗剤組成物と水との相溶性を確保するために、有効量の少なくとも1つのヒドロトロープを含み得る。
【0219】
本明細書で使用するのに好適なヒドロトロープとしては、アニオン性ヒドロトロープ、特にキシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、及びキシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、及びトルエンスルホン酸アンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム、及びクメンスルホン酸アンモニウム、並びにこれらの混合物、並びに米国特許第3,915,903号明細書に開示される関連する化合物が挙げられる。
【0220】
本発明の液体手動食器洗い洗剤組成物は、典型的には、ヒドロトロープ、又はこれらの混合物を、合計液体洗剤組成物の0.1重量%~15重量%、好ましくは合計液体手動食器洗い組成物の1重量%~10重量%、最も好ましくは2重量%~5重量%含む。
【0221】
本発明の食器洗い組成物は、少なくとも1つの有機溶媒を含み得る。
【0222】
有機溶媒の例は、C4~C14エーテル及びジエーテル、グリコール、アルコキシル化グリコール、C6~C16グリコールエーテル、アルコキシル化芳香族アルコール、芳香族アルコール、脂肪族分枝アルコール、アルコキシル化脂肪族分枝アルコール、アルコキシル化直鎖C1~C5アルコール、直鎖C1~C5アルコール、アミン、C8~C14アルキル及びシクロアルキル炭化水素及びハロ炭化水素、並びにこれらの混合物である。
【0223】
存在する場合、液体食器洗い組成物は、液体洗剤組成物の0.01重量%~20重量%、好ましくは0.5重量%~15重量%、より好ましくは1重量%~10重量%、最も好ましくは1重量%~5重量%の溶媒を含有する。これらの溶媒は、水などの水性液状担体と組み合わせて使用されてもよく、又はこれらはいかなる水性液状担体も存在することなしに使用されてもよい。溶媒系がより高い場合、粘度の絶対値は低下し得るが、粘度プロファイルに極大点が存在する。
【0224】
本明細書の食器洗い組成物は、更に、その他の必須及び任意成分が溶解、分散、又は懸濁している、水を含む水性液状担体を30重量%~90重量%含み得る。より好ましくは、本発明の組成物は、45重量%~85重量%、更により好ましくは60重量%~80重量%の水性液状担体を含む。しかしながら、水性液状担体は、室温(25℃)で液状であるか又は液状担体中に溶解するその他の物質であって、不活性な充填剤の機能に加えていくつかのその他の機能も果たすことができる、その他の物質を含有してよい。
【0225】
本発明の食器洗い組成物は、少なくとも1つの電解質を含み得る。
【0226】
好適な電解質は、好ましくは無機塩から選択され、更により好ましくは一価の塩から選択され、最も好ましくは塩化ナトリウムである。
【0227】
本発明の液体手動食器洗い組成物は、組成物の0.1重量%~5重量%、好ましくは0.2重量%~2重量%の電解質を含み得る。
【0228】
本発明のポリマーを含む手動食器洗い配合物は、少なくとも1つの抗菌剤も含み得る。
【0229】
食器洗い組成物に好適な抗菌剤の例は、洗濯組成物に関して既に上記で説明した。
【0230】
抗菌剤は、本発明の手動食器洗い組成物に、組成物の総重量に対して0.0001重量%~10重量%の濃度で添加され得る。好ましくは、配合物は、0.01重量%~5重量%、より好ましくは0.1重量%~2重量%の濃度で2-フェノキシエタノール、及び/又は0.001重量%~1重量%、より好ましくは0.002重量%~0.6重量%の濃度で4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルを含有する(全ての場合で、組成物の総重量に対する)。
【0231】
更なる追加の成分は、限定されないが、コンディショニングポリマー、洗浄ポリマー、表面改質ポリマー、汚れ凝集ポリマー、レオロジー改質ポリマー、酵素、構造化剤、ビルダー、キレート剤、環状ジアミン、構造化剤、皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚若返り活性物質、カルボン酸、スクラブ粒子、漂白剤及び漂白活性化剤、香料、悪臭抑制剤、顔料、染料、乳白剤、ビーズ、真珠光沢粒子、マイクロカプセル、抗菌剤、NaOHを含むpH調整剤、並びにモノエタノールアミンなどのアルカノールアミン、並びに緩衝化手段などである。
【0232】
(c)一般的な洗浄組成物及び配合物
好ましい実施形態では、本発明のポリマーが洗濯洗剤中で用いられる。
【0233】
本発明の液体洗濯洗剤は、
0.05~20%の少なくとも1つの本発明のポリマー
1~50%の界面活性剤
0.1~40%のビルダー、コビルダー、及び/又はキレート剤
0.1~50%のその他の補助剤
合計を100%にするための水からなる。
【0234】
好ましい本発明の液体洗濯洗剤は、
0.2~6%の少なくとも1つの本発明のポリマー
5~40%の、C10~C15-LAS及び1~5のエトキシ単位を含むC10~C18アルキルエーテル硫酸塩から選択されるアニオン性界面活性剤
1.5~10%の、3~10のエトキシ単位を含むC10~C18アルキルエトキシレートから選択される非イオン性(nonioic)界面活性剤
2~20%の、C10~C18脂肪酸、ジ-及びトリトリカルボン酸、ヒドロキシ-ジ-及びヒドロキシトリカルボン酸、並びにポリカルボン酸から選択される可溶性有機ビルダー/コビルダー
0.05~5%の、洗剤用途に好適な少なくとも1つの酵素及び好ましくは更に酵素安定化系を含有する酵素系
0.5~20%の、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、又はプロピレングリクロル(propylenglyclol)から選択されるモノ又はジオール
0.1~20%のその他の補助剤
合計を100%にするための水からなる。
【0235】
本発明の固体洗濯洗剤(例えば粉末、顆粒、又は錠剤)は:
0.05~20%の少なくとも1つの本発明のポリマー
1~50%の界面活性剤
0.1~80%のビルダー、コビルダー、及び/又はキレート剤
0~50%の充填剤
0~40%の漂白活性物質
0.1~30%のその他の補助剤及び/又は水からなり、
成分の合計は100%になる。
【0236】
好ましい本発明の固体洗濯洗剤は:
0.2~6%の少なくとも1つの本発明のポリマー
5~30%の、C10~C15-LAS、C10~C18アルキル硫酸塩、及び1~5のエトキシ単位を含むC10~C18アルキルエーテル硫酸塩から選択されるアニオン性界面活性剤
1.5~7.5%の、3~10のエトキシ単位を含むC10~C18アルキルエトキシレートから選択される非イオン性界面活性剤
5~50%の、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ゼオライト、可溶性ケイ酸塩、硫酸ナトリウムから選択される無機ビルダー
0.5~15%の、C10~C18脂肪酸、ジ-及びトリトリカルボン酸、ヒドロキシジ-及びヒドロキシトリカルボン酸、並びにポリカルボン酸から選択されるコビルダー
0.1~5%の、洗剤用途に好適な少なくとも1つの酵素及び好ましくは更に酵素安定化系を含有する酵素系
0.5~20%の、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、又はプロピレングリクロル(propylenglyclol)から選択されるモノ又はジオール
0.1~20%のその他の補助剤
合計を100%にするための水からなる。
【0237】
好ましい実施形態では、本発明のポリマーが手動食器洗い洗剤中で用いられる。
本発明の液体手動食器洗い洗剤は:
0.05~10%の少なくとも1つの本発明のポリマー
1~50%の界面活性剤
0.1~50%のその他の補助剤
合計を100%にするための水からなる。
【0238】
好ましい本発明の液体手動食器洗い洗剤は、
0.2~5%の少なくとも1つの本発明のポリマー
5~40%の、C10~C15-LAS、1~5のエトキシ単位を含むC10~C18アルキルエーテル硫酸塩、及びC10~C18アルキル硫酸塩から選択されるアニオン性界面活性剤
2 10%のコカミドプロピルベタイン
0~10%のラウラミンオキシド
0~2%の、非イオン性界面活性剤、好ましくはC10ゲルベアルコールアルコキシレート
0~5%の酵素、好ましくはアミラーゼ、及び好ましくは更に酵素安定化系
0.5~20%の、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、又はプロピレングリクロル(propylenglyclol)から選択されるモノ又はジオール
0.1~20%のその他の補助剤
合計を100%にするための水からなる。
【0239】
以下の表は、世界の様々な地域及び国家で典型的に採用されている典型的な洗浄条件と関連する典型的な組成物に対応する特定の種類の一般的な洗浄組成物を示す。少なくとも1つの本発明のポリマーは、本明細書に概説されるように好適な量でこうした配合物に添加され得る。
【0240】
【表1】
【0241】
【表2】
【0242】
【表3】
【0243】
【表4】
【0244】
【表5】
【0245】
【表6】
【実施例
【0246】
下記の実施例は、本発明の範囲を限定することなく本発明を更に例示する。
【0247】
例えば式(IIa)のものなどの残基で置換されるアミンの量及び種類、並びに/又は任意選択的に水素の存在は、Lukovkin G.M.,Pshezhetsky V.S.,Murtazaeva G.A.:Europ.Polymer Journal 1973,9,559-565及びSt.Pierre T.,Geckle M.:ACS Polym.Prep.1981,22,128-129でポリエチレンイミンに関して説明されるように、13C-NMR中の一級、二級、及び三級アミノ基を同定することによって決定され得る。
【0248】
13C-NMRスペクトルは、室温でBruker AV-401機器を用いて、CDCl中で記録する。H-NMRスペクトルは、室温でBruker AV-401機器を用いて、CDCl又はCDOD中で記録する。
【0249】
けん化価は、DIN EN ISO 3657:2013に従って測定する。
【0250】
合成実施例:
全ての実施例で、工程b)は工程a)が完了した後に開始し、工程c)は工程b)が完了した後に開始し、工程d)は工程c)が完了した後に開始する。
【0251】
1)本発明の化合物の合成
実施例1:(PEI800+0.9PO/NH+0.9CL/NH+20EO/NH)+4EO/NH+16PO/NH
実施例1a:PEI800+0.9PO/NH
302gのPEI800及び30.2gの水を、鋼鉄製圧力反応容器に投入する。反応容器を窒素でパージして空気を除去し、窒素圧を2バールに設定する。反応容器を100℃に加熱し、14時間以内に368gのプロピレンオキシドを反応容器に投与する。その後、後反応のために反応混合物を100℃に維持する。揮発性化合物を真空下で除去し、668gの黄色い高粘性の生成物を反応容器から除去する。
【0252】
実施例1b:(PEI800+0.9PO/NH)+0.9CL/NH
90gの既に得た生成物を、窒素雰囲気下で、冷却器及び滴下漏斗を装備した4口丸底フラスコに投入する。反応混合物を80℃に加熱し、80℃で97gのカプロラクトンをゆっくり添加する。カプロラクトンを添加した後、温度をゆっくりと120℃に上げ、混合物を120℃で24時間後反応させる。182gの茶色がかった高粘性の液体を得た。
【0253】
実施例1c:(PEI800+0.9PO/NH+0.9CL/NH)+20EO/NH
153gの既に得た生成物を、鋼鉄製圧力反応容器内に充填し、5.0gのカリウムメタノレート(メタノール中32.5重量%)を添加する。80℃、20ミリバールでメタノールを除去する。反応容器を窒素でパージして空気を除去し、窒素圧を1.5バールに設定する。反応容器を120℃に加熱し、12時間以内に682gのエチレンオキシドを反応容器に投与する。混合物を120℃で7時間後反応させる。生成物として790gの薄茶色の固体を得た。
【0254】
実施例1d:(PEI800+0.9PO/NH+0.9CL/NH+20EO/NH)+4EO/NH+16PO/NH
380gの既に得たエトキシレートを、鋼鉄製圧力反応容器内に充填し、2.5gのカリウムメタノレート(メタノール中32.5重量%)を添加する。110℃、20ミリバールでメタノールを除去する。反応容器を窒素でパージして空気を除去し、窒素圧を1バールに設定する。反応容器を130℃に加熱し、1時間以内に62gのエチレンオキシドを反応容器に投与する。混合物を130℃で2時間後反応させる。続いて、6時間以内に130℃で327gのプロピレンオキシドを反応容器に投与する。混合物を130℃で6時間後反応させる。生成物として778gの橙黄色の粘性液体を得た。
【0255】
実施例2:(PEI800+0.9PO/NH+1.8CL/NH+20EO/NH)+4EO/NH+16PO/NH
実施例2a:PEI800+0.9PO/NH
302gのPEI800及び30.2gの水を、鋼鉄製圧力反応容器に投入する。反応容器を窒素でパージして空気を除去し、窒素圧を2バールに設定する。反応容器を100℃に加熱し、14時間以内に368gのプロピレンオキシドを反応容器に投与する。その後、後反応のために反応混合物を100℃に維持する。揮発性化合物を真空下で除去し、668gの黄色い高粘性の生成物を反応容器から除去する。
【0256】
実施例2b:(PEI800+0.9PO/NH)+1.8CL/NH
70gの既に得た生成物を、窒素雰囲気下で、冷却器及び滴下漏斗を装備した4口丸底フラスコに投入する。2.9gのスズII(エチルヘキサノエート)(1モル%)を反応容器に投入する。反応混合物を80℃に加熱し、80℃で169gのカプロラクトンをゆっくり添加する。カプロラクトンを添加した後、温度をゆっくりと120℃に上げ、混合物を120℃で4時間後反応させる。236gの橙黄色の高粘性液体を得た。
【0257】
実施例2c:(PEI800+0.9PO/NH+1.8CL/NH)+20EO/NH
105gの既に得た生成物を、鋼鉄製圧力反応容器内に充填し、2.5gのカリウムメタノレート(メタノール中32.5重量%)を添加する。80℃、20ミリバールでメタノールを除去する。反応容器を窒素でパージして空気を除去し、窒素圧を1.5バールに設定する。反応容器を120℃に加熱し、6時間以内に308gのエチレンオキシドを反応容器に投与する。混合物を120℃で12時間後反応させる。生成物として406gの薄茶色の固体を得た。
【0258】
実施例2d:(PEI800+0.9PO/NH+1.8CL/NH+20EO/NH)+4EO/NH+16PO/NH
140gの既に得たエトキシレートを、鋼鉄製圧力反応容器内に充填し、0.8gのカリウムメタノレート(メタノール中32.5重量%)を添加する。110℃、20ミリバールでメタノールを除去する。反応容器を窒素でパージして空気を除去し、窒素圧を3バールに設定する。反応容器を130℃に加熱し、21gのエチレンオキシドを反応容器に10分間投与する。混合物を130℃で2時間後反応させる。続いて、2時間以内に130℃で110gのプロピレンオキシドを反応容器に投与する。混合物を130℃で5時間後反応させる。生成物として262gの橙黄色の粘性液体を得た。
【0259】
実施例3:(PEI800+0.92EO/NH+0.92CL/NH+20EO/NH)+4EO/NH+16PO/NH
実施例3a:PEI800+0.92EO/NH
800gのPEI800及び80gの水を、鋼鉄製圧力反応容器に投入する。反応容器を窒素でパージして空気を除去し、窒素圧を2バールに設定する。反応容器を100℃に加熱し、13時間以内に755gのエチレンオキシドを反応容器に投与する。その後、後反応のために反応混合物を6時間100℃に維持する。揮発性化合物を真空下で除去し、1550gの黄色い高粘性の生成物を反応容器から除去する。
【0260】
実施例3b:(PEI800+0.92EO/NH)+0.92CL/NH
150gの既に得た生成物を、窒素雰囲気下で、冷却器及び滴下漏斗を装備した4口丸底フラスコに投入する。0.36gのスズII(エチルヘキサノエート)を反応容器に投入する。反応混合物を80℃に加熱し、80℃で207gのカプロラクトンをゆっくり添加する。カプロラクトンを添加した後、温度をゆっくりと160℃に上げ、混合物を160℃で終夜後反応させる。345gの茶色い高粘性の液体を得た。
【0261】
実施例3c:(PEI800+0.92EO/NH+0.92CL/NH)+20EO/NH
150gの既に得たエトキシレートを、鋼鉄製圧力反応容器内に充填し、1.64gのカリウムtert-ブトキシドを添加する。反応容器を窒素でパージして空気を除去し、窒素圧を2.5バールに設定する。反応容器を120℃に加熱し、10時間以内に669gのエチレンオキシドを反応容器に投与する。混合物を120℃で12時間後反応させる。生成物として821gの薄茶色の固体を得た。
【0262】
実施例3d:(PEI800+0.92EO/NH+0.92CL/NH+20EO/NH)+4EO/NH+16PO/NH
380gの既に得たエトキシレートを、鋼鉄製圧力反応容器内に充填し、3.3gのカリウムメタノレート(メタノール中32.5重量%)を添加する。110℃、20ミリバールでメタノールを除去する。反応容器を窒素でパージして空気を除去し、窒素圧を1バールに設定する。反応容器を130℃に加熱し、62gのエチレンオキシドを反応容器に30分間投与する。混合物を130℃で2時間後反応させる。続いて、6時間以内に130℃で327gのプロピレンオキシドを反応容器に投与する。混合物を130℃で5時間後反応させる。生成物として770gの橙黄色の粘性液体を得た。
【0263】
実施例4:(PEI800+1.1BuO/NH+1.1CL/NH+27EO/NH)+18PO/NH
実施例4a:PEI800+1.1BuO/NH
250gのPEI800及び25gの水を、鋼鉄製圧力反応容器に投入する。反応容器を窒素でパージして空気を除去し、窒素圧を1.5バールに設定する。反応容器を100℃に加熱し、14時間以内に461gのブチレンオキシドを反応容器に投与する。その後、後反応のために反応混合物を100℃に維持する。揮発性化合物を真空下で除去し、702gの薄黄色の高粘性の生成物を反応容器から除去する。
【0264】
実施例4b:(PEI800+1.1BuO/NH)+1.1CL/NH
180gの既に得た生成物を、窒素雰囲気下で、冷却器及び滴下漏斗を装備した4口丸底フラスコに投入する。生成物を80℃に加熱し、80℃で190gのカプロラクトンをゆっくり添加する。カプロラクトンを添加した後、温度をゆっくりと160℃に上げ、混合物を160℃で30時間後反応させる。360gの薄茶色い弱粘性の液体を得た。
【0265】
実施例4c:(PEI800+1.1BuO/NH+1.1CL/NH)+27EO/NH+18PO/NH
100gの既に得た生成物を、鋼鉄製圧力反応容器内に充填し、6.2gのカリウムメタノレート(メタノール中32.5重量%)を添加する。90℃、20ミリバールでメタノールを除去する。反応容器を窒素でパージして空気を除去し、窒素圧を2バールに設定する。反応容器を130℃に加熱し、10時間以内に481gのエチレンオキシドを反応容器に投与する。混合物を130℃で6時間後反応させる。続いて、8時間以内に423gのプロピレンオキシドを反応容器に投与する。混合物を130℃で6時間後反応させる。残留アルキレンオキシドを蒸発させた後、生成物として1002gの暗橙黄色の高粘性液体を得た。
【0266】
2)比較実施例
比較実施例1:エトキシル化及びプロポキシル化したPEI600(24EO-16PO)
本実施例は、国際公開第95/32272号パンフレットに記載されるとおり2段階アルコキシル化法によって調製する。
【0267】
3適用実験
油性/脂肪性染みに対する一次洗浄性能
一次洗浄力を決定するために、コットン、ポリコットン、及びポリエステル布地(CFT,Vlaardingen,The Netherlands)上の16種類の異なる油性/脂肪性染みに対する洗浄性能を、反射率計(Datacolor SF600plus)を用いて洗浄後の染みと汚れていない白色布地との色差(ΔE)を決定することによって測定した。16種類の異なる円形の油性/脂肪性染み(口紅、化粧品、牛脂、フライ油脂、焦げたバター、ヤシ油、皮脂BEY、皮脂Tefo、襟染み;全て異なる布地上)を含む各実験を6回反復し、得られたデータを用いて平均ΔE値を計算した。
【0268】
これらのΔE値を使用して、各個別の染みに関するいわゆる「標準化洗浄性能」(ΔΔE)を計算した。「標準化洗浄性能」(ΔΔE)とは、本発明の両親媒性アルコキシル化ポリアルキレンイミン若しくはアルコキシル化ポリアミン又は比較実施例ポリマーをそれぞれ含む洗濯洗剤と、本発明の両親媒性アルコキシル化ポリアルキレンイミン若しくはアルコキシル化ポリアミン又は比較実施例ポリマーをそれぞれ含まない洗濯洗剤との性能差である。
【0269】
表5は洗濯洗剤の組成を示し、表6は洗浄試験条件を示し、表7は、得られた標準化洗浄性能を要約する。表7に示す標準化洗浄性能は、16種類の染み全ての標準化洗浄性能の合計である。ΔΔE値の合計が大きいほど、洗浄性能に対する本発明の両親媒性アルコキシル化ポリアルキレンイミン若しくはアルコキシル化ポリアミン又は比較実施例ポリマーそれぞれの正の寄与が大きい。
【0270】
【表7】
【0271】
【表8】
【0272】
【表9】
【0273】
試験結果:
測定値の誤差は、+/-10ΔΔE単位である。したがって、10超の任意の値(ΔΔE合計)は、対応するポリマーが、対応する洗剤配合物の全体的洗浄性能に対する方向性且つ可視の寄与を示すことを意味し、20超の任意の値(ΔΔE合計)は、対応するポリマーが、全体的洗浄性能に対する著しい寄与さえも示す、すなわち、対応するポリマーが配合物の著しい改善をもたらすことを意味する。
【0274】
生分解データ:
排水中の生分解を、OECD301Fマノメーター呼吸計測法を用いて3重に試験した。OECD301Fは、酸素消費量を測定することによって試料の生分解を測定する好気性検査である。測定された体積の培地に対して、公称で炭素の唯一の供給源である100mg/Lの試験物質を、接種材料(30mg/L、Mannheimの廃水処理プラントから採取した曝気汚泥)と共に添加する。これを、一定温度(20℃)の密閉したフラスコ内で28日間攪拌する。OxiTop(登録商標)C(Xylem 35 Analytics Germany Sales GmbH & Co KG)を使用して装置内圧力の変化を測定することによって、酸素消費量を決定する。放出された二酸化炭素は、水酸化ナトリウム溶液中に吸収される。硝化作用による酸素の使用を防ぐために、硝化阻害剤をフラスコに添加する。試験物質の生分解中に微生物個体群によって取り込まれる酸素量(並行して実施されるブランク接種材料による取り込みに対して補正される)を、ThOD(理論酸素要求量、化合物の元素分析によって測定される)のパーセンテージとして表す。陽性対照のグルコース/グルコサミンを、各キャビネットの試験試料と共に実施する。
【0275】
【表10】
【0276】
試験結果:
本発明の材料(ポリマー1~4)のみが、28日後のOECD301F試験で有意な生分解特性(>10%)を示す。したがって、本発明の材料(ポリマー1~4)のみが、洗浄性能(すなわち、配合物の可視的な改善)と生分解との良好な組み合わせを示す。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンであって、下記の工程a)~d)
a)i)少なくとも1つのポリアルキレンイミン又は少なくとも1つのポリアミンと、ii)少なくとも1つの第1のアルキレンオキシド(AO1)との反応であって、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基あたり0.25~7.0モルのアルキレンオキシド(AO1)が用いられて、第1の中間体(I1)を得る、反応と、
b)前記第1の中間体(I1)と、少なくとも1つのラクトン及び/又は少なくとも1つのヒドロキシ炭酸との反応であって、工程a)で用いられた1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基あたり0.25~10モルのラクトン及び/又はヒドロキシ炭酸が用いられて、第2の中間体(I2)を得る、反応と、
c)前記第2の中間体(I2)とエチレンオキシドとの反応であって、工程a)で用いられた1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基あたり1~100モルのエチレンオキシドが用いられて、第3の中間体(I3)を得る、反応と、
d)前記第3の中間体(I3)と、少なくとも1つの第2のアルキレンオキシド(AO2)との反応であって、工程a)で用いられた1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基あたり少なくとも1モルのアルキレンオキシド(AO2)が用いられて、前記アルコキシル化ポリアルキレンイミン又は前記アルコキシル化ポリアミンを得、工程d)で1つのみの第2のアルキレンオキシド(AO2)が用いられる場合は、前記第2のアルキレンオキシド(AO2)はエチレンオキシドとは異なる、反応と
を含む方法によって得ることが可能な、アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項2】
工程a)で用いられた前記少なくとも1つのポリアルキレンイミン又は前記少なくとも1つのポリアミンは、一般式(I)に従って定義され、
【化1】
式中、前記変数はそれぞれ下記のとおり定義され:
Rは、同一か又は異なる
i)直鎖若しくは分枝鎖のC~C12アルキレン基、又は
ii)以下の式(III)のエーテルアルキル単位であって:
【化2】
式中、前記変数はそれぞれ下記のとおり定義され:
10、R11、R12は同一か若しくは異なる、直鎖若しくは分枝鎖のC~Cアルキレン基を表し、
dは0~50の範囲の値を有する整数である、エーテルアルキル単位、又は
iii)任意選択的に少なくとも1つのC~Cアルキルで置換されたC~C10シクロアルキレン基、を表し、
Bは、分枝による前記ポリアルキレンイミンの延長を表し、
y及びzは、それぞれ0~150の範囲の値を有する整数であり、
好ましくは、Rは、同一か又は異なる
i)直鎖若しくは分枝鎖のC~C12アルキレン基であって、より好ましくはRがエチレン、プロピレン、若しくはヘキサメチレンである、アルキレン基、又は
ii)任意選択的に少なくとも1つのC~Cアルキルで置換されたC~C10シクロアルキレン基であって、より好ましくは、Rが、少なくとも1つのメチル若しくはエチルで置換された少なくとも1つのC~Cシクロアルキレン基である、シクロアルキレン基、
を表す、
請求項1に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項3】
一般式(IIa)の少なくとも1つの残基を含有し、
【化3】
式中、前記変数はそれぞれ下記のとおり定義され:
はC~C22-(1,2-アルキレン)基を表し、
は、水素、並びに/又はC~C22アルキル、及び/若しくはC~C22アラルキルを表し、
は、直鎖又は分枝鎖のC~C22アルキレン基を表し、
はC~C22-(1,2-アルキレン)基を表し、
は1,2-エチレンを表し、
mは、少なくとも1~10の値を有する整数であり、
nは、少なくとも5~100の値を有する整数であり、
oは、少なくとも1~100の値を有する整数であり、
pは、少なくとも1~5の値を有する整数であり、
好ましくは、一般式(IIa)内の前記変数は以下のとおりに定義され:
は、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、及び/若しくは1,2-ブチレン、最も好ましくは1,2-プロピレンを表し、並びに/又は
は、水素、及び/若しくはC~Cアルキル、好ましくは水素、メチル、及び/若しくはエチル、最も好ましくは水素を表し、並びに/又は
は、直鎖若しくは分枝鎖のC~C10アルキレン基、好ましくは直鎖若しくは分枝鎖のC~Cアルキレン基を表し、並びに/又は
は、1,2-エチレン及び/若しくは1,2-プロピレン、好ましくは、1,2-プロピレンを表し、並びに/又は
は、1,2-エチレンを表し、並びに/又は
mは、1~5、好ましくは1~3の範囲の値を有する整数であり、並びに/又は
nは、10~50、好ましくは15~30の範囲の値を有する整数であり、並びに/又は
oは、10~50、好ましくは20~35の範囲の値を有する整数であり、並びに/又は
pは、1若しくは2である、
請求項1又は2に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項4】
一般式(IIb)の少なくとも1つの残基を含有し、
【化4】
式中、前記変数はそれぞれ下記のとおり定義され:
は、C~C22-(1,2-アルキレン)基を表し、
は、水素、並びに/又はC~C22アルキル、及び/若しくはC~C22アラルキルを表し、
は、直鎖又は分枝鎖のC~C22アルキレン基を表し、
は、1,2-エチレンを表し、
mは、少なくとも1~10の値を有する整数であり、
nは、少なくとも5~100の値を有する整数であり、
oは、少なくとも1~100の値を有する整数であり、
好ましくは、一般式(IIb)内の前記変数は以下のとおりに定義され:
は、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、及び/若しくは1,2-ブチレン、最も好ましくは1,2-プロピレンを表し、並びに/又は
は、水素、及び/若しくはC~Cアルキル、好ましくは水素、メチル、及び/若しくはエチル、最も好ましくは水素を表し、並びに/又は
は、直鎖若しくは分枝鎖のC~C10アルキレン基、好ましくは直鎖若しくは分枝鎖のC~Cアルキレン基を表し、並びに/又は
は、1,2-エチレンを表し、並びに/又は
mは、1~5、好ましくは1~3の範囲の値を有する整数であり、並びに/又は
nは、10~50、好ましくは15~30の範囲の値を有する整数であり、並びに/又は
oは、10~50、好ましくは20~35の範囲の値を有する整数である、
請求項1~3のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項5】
一般式(IIc)の少なくとも1つの残基を含有し、
【化5】
式中、前記変数は下記のとおり定義され:
は、C~C22-(1,2-アルキレン)基を表し、
は、水素及び/又はC~C22アルキルを表し、
は、1,2-エチレンを表し、
nは、少なくとも5~100の値を有する整数であり、
oは、少なくとも0~100の値を有する整数であり、
好ましくは、一般式(IIc)内の前記変数は以下のとおりに定義され:
は、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、及び/若しくは1,2-ブチレン、最も好ましくは1,2-プロピレンを表し、並びに/又は
は、水素、及び/若しくはC~Cアルキル、好ましくは水素、メチル、及び/若しくはエチル、最も好ましくは水素を表し、並びに/又は
は、1,2-エチレンを表し、並びに/又は
nは、10~50、好ましくは15~30の範囲の値を有する整数であり、並びに/又は
oは、10~50、好ましくは20~35の範囲の値を有する整数である、
請求項1~4のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項6】
残基(IIa)は、工程a)で用いられる前記ポリアルキレンイミン又は前記ポリアミンのアミノ基に結合した全残基(IIa)、(IIb)、及び(IIc)の少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、更により好ましくは少なくとも95重量%を占める、請求項~5のいずれか一項に記載のアルコキシル化イミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項7】
i)工程a)は水の存在下、及び/若しくは塩基触媒の存在下で実施され、並びに/又は
ii)工程a)で用いられる前記ポリアルキレンイミン又は前記ポリアミンの重量平均分子量(Mw)は、50~10000g/モルの範囲内、好ましくは500~5000g/モルの範囲内、より好ましくは600~2500g/モルの範囲内にあり、並びに/又は
iii)少なくとも2つの異なるアルキレンオキシドが、工程d)で第2のアルキレンオキシド(AO2)として順序どおりに用いられ、好ましくは、エチレンオキシド、続いてプロピレンオキシドが、工程d)で第2のアルキレンオキシド(AO2)として順序どおりに用いられ、並びに/又は
iv)工程d)で、前記第2のアルキレンオキシド(AO2)は、>80重量%、好ましくは>90重量%のプロピレンオキシド及び/若しくは1,2-ブチレンオキシドを含み、並びに/又は
v)一般式(IIc)の残基は、前記アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン上の全残基の>50%を占めない、
請求項~6のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項8】
前記変数はそれぞれ下記のとおり定義され:
Rはエチレン及び/又はプロピレン、好ましくはエチレンであり、
y+zの和は、9~120の範囲、好ましくは10~20の範囲の値を有する整数である、
請求項2~7のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン。
【請求項9】
yは0~10の範囲の値を有する整数であり、
zは0であり、
Rは、同一か又は異なる、式(III)の直鎖又は分枝鎖のC~C12アルキレン基又はエーテルアルキル単位を表し、式中、
dは1~5であり、
10、R11、R12は、独立して、直鎖又は分枝鎖のC~Cアルキレン基から選択される、
請求項2~7のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアミン。
【請求項10】
前記アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン中に存在する窒素原子の最大100%が四級化され、好ましくは、前記アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン中に存在する前記窒素原子の四級化の程度は、10%~95%の範囲内にある、請求項1~9のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項11】
i)工程b)において、前記ラクトンはカプロラクトンであり、並びに/又は
ii)工程b)において、前記ヒドロキシ炭酸は乳酸若しくはグリコール酸であり、並びに/又は
iii)工程a)において、前記第1のアルキレンオキシド(AO1)は、少なくとも1つのC~C22エポキシド、好ましくはエチレンオキシド及び/若しくはプロピレンオキシド、より好ましくはプロピレンオキシドであり、並びに/又は
iv)工程d)において、前記第2のアルキレンオキシド(AO2)はプロピレンオキシドを含み、好ましくは、エチレンオキシド、続いてプロピレンオキシドが、第2のアルキレンオキシド(AO2)として順序どおりに用いられ、並びに/又は
v)工程d)において、前記第2のアルキレンオキシド(AO2)は、>80重量%、好ましくは>90重量%のプロピレンオキシド及び/若しくは1,2-ブチレンオキシドを含む、
請求項1~10のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項12】
i)工程a)において、1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基あたり0.5~2モル、好ましくは0.75~1.5モルのアルキレンオキシド(AO1)が用いられ、並びに/又は
ii)工程b)において、工程a)で用いられた1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基あたり0.5~3モル、好ましくは1~2モルのラクトン及び/若しくはヒドロキシ炭酸が用いられ、並びに/又は
iii)工程c)において、工程a)で用いられた1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基あたり10~50モル、好ましくは20~35モルのエチレンオキシドが用いられ、並びに/又は
iv)工程d)において、工程a)で用いられた1モルのポリアルキレンイミン又はポリアミンのNH官能基あたり10~50モル、好ましくは15~30モルのアルキレンオキシド(AO2)が用いられ、並びに/又は
v)前記アルキオキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンは両親媒性である、
請求項1~11のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミン。
【請求項13】
洗浄組成物中の、布地ケア及びホームケア生成物中の、化粧品配合物中の、原油エマルジョン破壊剤としての、インクジェットインク用顔料分散体中の、電気めっき用配合物中の、セメント系組成物中の、及び/又は農薬配合物用分散剤としての、請求項1~12のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンの使用。
【請求項14】
i)粘土の除去、並びに/又は
ii)粒子状の染みの汚れの除去、並びに/又は
iii)汚れの分散及び/若しくは乳化、並びに/又は
iv)後の再汚染の際の除去を改善するための処理表面の修飾、並びに/又は
v)白色度の改善、並びに/又は
vi)リパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、及びペルオキシダーゼからなるリストから選択される少なくとも1つの酵素、並びに上記の種類のうち少なくとも2つの組み合わせが存在する場合、追加的に、油性/脂肪性染み、食品の染みの除去、及び/若しくは複合染みの除去の改善のための、洗浄組成物、並びに/又は布地ケア及びホームケア生成物における、好ましくは洗浄組成物における、請求項13に記載の使用であって、
上記の選択肢i)~vi)のそれぞれは、好ましくは洗濯物ケア組成物、より好ましくは洗濯洗剤組成物で使用するためのものである、使用。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを含む、洗浄組成物、布地ケア及びホームケア生成物、化粧品配合物、原油エマルジョン破壊剤、インクジェットインク用顔料分散体、電気めっき用配合物、セメント系組成物、及び/又は農薬配合物用分散剤、
好ましくは、請求項1~11のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを含む、洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア生成物、より好ましくは洗濯配合物。
【請求項16】
i)粘土の除去、並びに/又は
ii)粒子状の染みの汚れの除去、並びに/又は
iii)汚れの分散及び/若しくは乳化、並びに/又は
iv)後の再汚染の際の除去を改善するための処理表面の修飾、並びに/又は
v)白色度の改善のための、並びに/又は
vi)リパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、及びペルオキシダーゼからなるリストから選択される少なくとも1つの酵素、並びに上記の種類のうち少なくとも2つの組み合わせが存在する場合、追加的に、油性/脂肪性染み、食品の染みの除去、及び/若しくは複合染みの除去の改善のためであり、並びに/又は
vii)リパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、及びペルオキシダーゼから選択される少なくとも1つの酵素、並びに上記の種類のうち少なくとも2つの組み合わせを追加的に含み、並びに/又は
viii)vii)の少なくとも1つの酵素が存在する場合、油性/脂肪性染みの除去、食品の染みの除去、及び/若しくは複合染みの除去の改善のための、請求項15に記載の洗浄組成物。
【国際調査報告】