(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】物理上りリンクチャネルの信頼性を向上させる上りリンク電力制御
(51)【国際特許分類】
H04W 52/42 20090101AFI20240208BHJP
H04W 52/32 20090101ALI20240208BHJP
H04W 52/08 20090101ALI20240208BHJP
H04B 7/0408 20170101ALI20240208BHJP
H04L 1/08 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
H04W52/42
H04W52/32
H04W52/08
H04B7/0408
H04L1/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541091
(86)(22)【出願日】2021-01-08
(85)【翻訳文提出日】2023-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2021070809
(87)【国際公開番号】W WO2022147751
(87)【国際公開日】2022-07-14
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ユウシュ
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ, チュンハイ
(72)【発明者】
【氏名】イエ, チュンワン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ダウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ソン, ハイトン
(72)【発明者】
【氏名】フー, ホン
(72)【発明者】
【氏名】ニウ, フアニン
(72)【発明者】
【氏名】ファコーリアン, セイエド アリ アクバル
(72)【発明者】
【氏名】イエ, シゲン
(72)【発明者】
【氏名】ツァン, ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ウェイドン
【テーマコード(参考)】
5K014
5K067
【Fターム(参考)】
5K014DA03
5K014DA04
5K067AA21
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067GG08
(57)【要約】
本出願は、繰り返しを有するチャネルのための上りリンク電力制御の装置、システム、及び方法を含むデバイス及び構成要素に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
命令を有する1つ以上のコンピュータ可読媒体であって、前記命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されると、ユーザ機器(UE)に、
基地局から、410メガヘルツ(MHz)~7125MHzの周波数範囲内での通信のための電力制御設定情報を受信させ、
前記電力制御設定情報から、ある物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)伝送の第1の繰り返しに使用する第1の電力制御パラメータを選択させ、
前記電力制御設定情報から、前記PUCCH伝送の第2の繰り返しに使用する第2の電力制御パラメータを選択させ、
前記第1の電力制御パラメータを第1のビームに適用して、前記PUCCH伝送の前記第1の繰り返しを送信させ、
前記第2の電力制御パラメータを第2のビームに適用して、前記PUCCH伝送の前記第2の繰り返しを送信させる、
1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項2】
前記電力制御設定情報がP0セット及び複数の伝搬損失基準信号(RS)を設定するためのものであり、
前記第1の電力制御パラメータが、前記P0セットからの第1のP0と、前記複数の伝搬損失RSからの第1の伝搬損失RSとを含み、前記第2の電力制御パラメータが、前記P0セットからの第2のP0と、前記複数の伝搬損失RSからの第2の伝搬損失RSとを含む、請求項1に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項3】
前記電力制御設定情報が第1及び第2のP0セット並びに第1及び第2の複数の伝搬損失参照基準信号(RS)を設定するためのものであり、前記第1の電力制御パラメータが、前記第1のP0セットからの第1のP0と前記第1の複数の伝搬損失RSからの第1の伝搬損失RSとを含み、前記第2の電力制御パラメータが、前記第2のP0セットからの第2のP0と前記第2の複数の伝搬損失RSからの第2の伝搬損失RSとを含む、請求項1又は2に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項4】
前記命令が、実行されると、前記UEに更に、
PUCCHのために複数の閉ループ電力制御プロセスが有効にされていることを検出させ、
前記PUCCH伝送の前記第1の繰り返しに第1の閉ループ電力制御プロセスを適用させ、
前記PUCCH伝送の前記第2の繰り返しに第2の閉ループ電力制御プロセスを適用させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項5】
前記UEが、前記電力制御設定情報を、無線リソース制御シグナリングによってPUCCH電力制御情報要素(IE)の中で受信する、請求項1から4のいずれか一項に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項6】
前記電力制御設定情報が少なくとも2つの電力制御(PC)パラメータセットを設定するためのものであり、前記命令が、実行されると、前記UEに、
前記少なくとも2つのPCパラメータセットを、前記PUCCH伝送の複数の繰り返しに巡回マッピングパターン又は順次マッピングパターンに基づいてマッピングさせ、前記巡回マッピングパターンが連続した繰り返しにマッピングされたPCパラメータセットを巡回させるためのものであり、前記順次マッピングパターンが個別のPCパラメータセットを連続した繰り返しにマッピングするためのものである、請求項1から5のいずれか一項に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記命令が、実行されると、前記UEに更に、前記電力制御設定情報をPUCCHリソースの設定として、無線リソース制御(RRC)シグナリング又は媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)によって受信させる、請求項1から6のいずれか一項に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記命令が、実行されると、前記UEに更に、前記PUCCHリソース又は前記PUCCHリソースを含むPUCCHリソースのグループのための1つ以上の電力制御パラメータを設定するために、MAC CEによって前記電力制御設定情報を受信させる、請求項1から7のいずれか一項に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記UEが第1のサービングセル内で前記MAC CEを受信し、前記MAC CEが、前記PUCCHリソース又はPUCCHリソースの前記グループのための前記1つ以上の電力制御パラメータを、RRCシグナリングによって設定されたサービングセルリスト内の第2のサービングセル又は複数のサービングセルのために設定するためのものである、請求項1から8のいずれか一項に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記UEが、RRCシグナリングを介して電力制御パラメータの初期設定を受信し、前記PUCCHリソース又は前記PUCCHリソースを含むPUCCHリソースのグループのための1つ以上の電力制御パラメータを更新するために、MAC CEによって前記電力制御設定情報を受信することになっている、請求項1から9のいずれか一項に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記PUCCHリソースが第1のPUCCHリソースであり、前記命令が、実行されると、前記UEに更に、前記電力制御設定情報を前記第1のPUCCHリソースと前記第2のPUCCHリソースの両方の設定として受信させ、前記第1のPUCCHリソースと前記第2のPUCCHリソースの両方で同じ上りリンク制御情報を送信せよとの指令を基地局から受信させる、請求項1から10のいずれか一項に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記命令が、実行されると、前記UEに更に、前記電力制御設定情報を、複数の電力制御パラメータセットの設定として受信させ、前記複数の電力制御パラメータセットのうちの少なくとも1つの指示を下りリンク制御情報(DCI)シグナリングを介して更に受信させる、請求項1から11のいずれか一項に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
複数の電力制御パラメータを記憶するためのメモリと、
前記メモリに結合された処理回路と、を備え、前記処理回路が、
ある物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)リソースのために複数のホップで1つのスロット内に送信する上りリンク制御情報(UCI)を符号化し、
前記複数の電力制御パラメータからの第1の電力制御パラメータを使用して前記複数のホップのうちの第1のホップを送信し、
前記複数の電力制御パラメータからの前記第1の電力制御パラメータ又は第2の電力制御パラメータを使用して前記複数のホップのうちの第2のホップを送信するためのものである、
ユーザ機器。
【請求項14】
前記処理回路が更に、第1の電力制御パラメータを第1の空間関係設定の中で受信し、前記第2の電力制御パラメータを第2の空間関係設定の中で受信するためのものである、請求項13に記載のユーザ機器。
【請求項15】
前記第1の電力制御パラメータが電力制御パラメータの共通セットであり、前記処理回路が更に、電力制御パラメータの前記共通セットを使用して前記第1及び第2のホップを送信するものである、請求項13又は14に記載のユーザ機器。
【請求項16】
前記処理回路が更に、前記第1の電力制御パラメータを、制御シグナリングであって、無線リソース制御シグナリング、メディアアクセス制御制御要素シグナリング、又は下りリンク制御情報シグナリングを含む制御シグナリングを介して受信し、前記第1の電力制御パラメータを使用して前記第1及び第2のホップの両方を送信するためのものである、請求項13から15のいずれか一項に記載のユーザ機器。
【請求項17】
前記複数の電力制御パラメータが410メガヘルツ(MHz)~7125MHzの周波数範囲内の通信のためのものであり、前記処理回路が更に、
前記第1のホップに関連する電力制御パラメータの第1のセットから前記第1の電力制御パラメータを選択し、
前記第2のホップに関連する電力制御パラメータの第2のセットから前記第2の電力制御パラメータを選択する、ためのものである、請求項13から16のいずれか一項に記載のユーザ機器。
【請求項18】
基地局を動作させる方法であって、
1つ以上の下りリンク制御情報(DCI)を、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)伝送の複数の繰り返しであって、前記PUCCH伝送の前記複数の繰り返しが1つ以上の閉ループ電力制御プロセスに関連している、PUCCH伝送の複数の繰り返しをスケジュールするように、また電力制御(TPC)コマンドであって、前記TPCコマンドが前記1つ以上の閉ループ電力制御プロセスに関連する上りリンク電力を調整するためのものである、TPCコマンドを含むように生成することと、
前記1つ以上のDCIをユーザ機器(UE)に送信することと、
前記複数の繰り返しのうちの少なくとも1つの繰り返しを受信することと、を含む、方法。
【請求項19】
前記複数の繰り返しが1つの閉ループ電力制御プロセスに関連し、前記TPCコマンドが前記複数の繰り返しの全てに適用されるためのものである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記1つ以上の閉ループ電力制御プロセスが第1のプロセス及び第2のプロセスを含み、前記複数の繰り返しのうちの第1の繰り返しが前記第1のプロセスに関連し、前記複数の繰り返しのうちの第2の繰り返しが前記第2のプロセスに関連し、前記方法が、
前記UEに、前記TPCコマンドを前記第1の繰り返しに適用せよとの指令を、無線リソース制御シグナリング、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)、又は下りリンク制御情報を使用して送信することを更に含む、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
前記1つ以上の閉ループ電力制御プロセスが第1のプロセス及び第2のプロセスを含み、前記複数の繰り返しのうちの第1の繰り返しが前記第1のプロセスに関連し、前記複数の繰り返しのうちの第2の繰り返しが前記第2のプロセスに関連し、前記TPCコマンドが前記第1及び第2の繰り返しの上りリンク送信電力を共通の調整値で調整するように前記UEに指令するためのものである、請求項18から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記1つ以上の閉ループ電力制御プロセスが第1のプロセス及び第2のプロセスを含み、前記複数の繰り返しのうちの第1の繰り返しが前記第1のプロセスに関連し、前記複数の繰り返しのうちの第2の繰り返しが前記第2のプロセスに関連し、前記TPCコマンドが、前記第1の繰り返しの上りリンク送信電力を第1の調整値で調整し、前記第2の繰り返しの上りリンク送信電力を第2の調整値で調整するように前記UEに指令するためのものである、請求項18から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記TPCコマンドが、事前定義された、又は媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)によって設定される複数の電力調整ペアのうちの1つを参照する少なくとも2つのビットを含む、請求項18から22のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、ユーザ機器(UE)における干渉及び電力消費を制限しながら効果的な上りリンク通信を提供する、上りリンク電力制御を提供する。上りリンク電力を制御するために、電力制御パラメータがUEに提供され得る。3GPPのリリース15及びリリース16では、電力制御パラメータは以下のように導出される。空間関係が設定される場合、電力制御パラメータは空間関係設定内に設定される。空間関係は、周波数範囲2(FR2)、すなわち24,250メガヘルツ(MHz)~52,600MHzにのみ適用可能である。空間関係が設定されない場合、デフォルトの電力制御パラメータが、無線リソース制御(RRC)シグナリングによって設定された各電力制御パラメータリスト内の最初の電力制御パラメータから選択され得る。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【
図1】いくつかの実施形態による、ネットワーク環境を示す図である。
【0003】
【
図2】いくつかの実施形態による、繰り返しに対する電力制御パラメータセットのマッピングを示す図である。
【0004】
【
図3】いくつかの実施形態による、電力制御パラメータセットをシグナリングするための2つのシナリオを示す図である。
【0005】
【
図4】いくつかの実施形態による、スロット内ホッピングを示す図である。
【0006】
【
図5】いくつかの実施形態による、動作フロー/アルゴリズム構造を示す図である。
【0007】
【
図6】いくつかの実施形態による、別の動作フロー/アルゴリズム構造を示す図である。
【0008】
【
図7】いくつかの実施形態による、別の動作フロー/アルゴリズム構造を示す図である。
【0009】
【
図8】いくつかの実施形態による、デバイスのビームフォーミング構成要素を示す図である。
【0010】
【
図9】いくつかの実施形態による、ユーザ機器を示す図である。
【0011】
【
図10】いくつかの実施形態による、gNBを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明は、添付の図面を参照する。同じ参照番号が、同じ又は類似の要素を識別するために、異なる図面において使用される場合がある。以下の記載において、限定するためではなく説明の目的上、様々な実施形態の様々な態様の完全な理解を提供するために、特定の構造、アーキテクチャ、インタフェース、技法等の具体的な詳細を説明する。しかし、様々な実施形態の様々な態様が、これらの具体的な詳細から逸脱した他の例において実施され得ることは、本開示の利益を有する技術分野の当業者には明らかであろう。場合によっては、様々な実施形態の説明を不必要な詳細によって不明瞭にしないように、周知のデバイス、回路、及び方法の説明は省略される。本開示の目的のために、「A又はB」は、(A)、(B)、又は(A及びB)を意味する。
【0013】
以下は、本開示で使用され得る用語の用語集である。
【0014】
本明細書で使用するとき、「回路」という用語は、電子回路、論理回路、プロセッサ(共有、専用又はグループ)又はメモリ(共有、専用又はグループ)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルデバイス(FPD)(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、複合PLD(CPLD)、大容量PLD(HCPLD)、構造化ASIC、プログラマブルシステムオンチップ(SoC))、デジタル信号プロセッサ(DSP)などの、説明された機能を提供するように構成されたハードウェア構成要素を指すか、その一部であるか又は含む。いくつかの実施形態では、回路は、1つ以上のソフトウェア又はファームウェアプログラムを実行して、記載された機能の少なくとも一部を提供することができる。「回路」という用語はまた、1つ以上のハードウェア要素(又は、電気システム若しくは電子システムにおいて使用される回路の組み合わせ)と、使用されるプログラムコードを組み合わせて、そのプログラムコードの機能を実行することを指すことができる。これらの実施形態では、ハードウェア要素とプログラムコードとの組み合わせは、特定のタイプの回路と呼ばれ得る。
【0015】
本明細書で使用するとき、「プロセッサ回路」という用語は、一連の算術演算若しくは論理演算、又はデジタルデータの記録、記憶若しくは転送を順次自動的に実行することができる回路を指すか、その一部であるか、又はそれを含む。「プロセッサ回路」という用語は、アプリケーションプロセッサ、ベースバンドプロセッサ、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置、シングルコアプロセッサ、デュアルコアプロセッサ、トリプルコアプロセッサ、クアドコアプロセッサ、あるいはプログラムコード、ソフトウェアモジュール若しくは機能プロセスなどのコンピュータ実行可能命令を実行する、又は他の方法で動作させることができる任意の他のデバイスを指し得る。
【0016】
本明細書で使用するとき、「インタフェース回路」という用語は、2つ以上の構成要素又はデバイス間の情報の交換を可能にする回路を指すか、その一部であるか、又はそれを含む。用語「インタフェース回路」は、1つ以上のハードウェアインタフェース、例えば、バス、I/Oインタフェース、周辺構成要素インタフェース、ネットワークインタフェースカード、又は同様のものを指すことがある。
【0017】
本明細書で使用される「ユーザ機器」又は「UE」という用語は、無線通信機能を有するデバイスを指し、通信ネットワーク内のネットワークリソースのリモートユーザを表すことができる。「ユーザ機器」又は「UE」という用語は、クライアント、モバイル、モバイルデバイス、モバイル端末、ユーザ端末、モバイルユニット、モバイルステーション、モバイルユーザ、加入者、ユーザ、リモートステーション、アクセスエージェント、ユーザエージェント、受信機、無線機器、再構成可能無線機器、再構成可能モバイルデバイスなどと同義であると考えられてもよく、それらと呼ばれてもよい。更に、「ユーザ機器」又は「UE」という用語は、任意のタイプの無線/有線デバイス又は無線通信インタフェースを含む任意のコンピューティングデバイスを含んでもよい。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「コンピュータシステム」は、任意のタイプの相互接続された電子デバイス、コンピュータデバイス、又はそれらの構成要素を指す。加えて、「コンピュータシステム」又は「システム」という用語は、互いに通信可能に結合されたコンピュータの様々な構成要素を指すことができる。更に、「コンピュータシステム」又は「システム」という用語は、互いに通信可能に結合され、コンピューティングリソース又はネットワーキングリソースを共有するように構成された複数のコンピュータデバイス又は複数のコンピューティングシステムを指すことができる。
【0019】
本明細書で使用するとき、「リソース」という用語は、物理的な又は仮想のデバイス、コンピューティング環境内の物理的な又は仮想の構成要素、又は特定のデバイス内の物理的な又は仮想の構成要素、例えば、コンピュータデバイス、機械的デバイス、メモリ空間、プロセッサ/CPU時間、プロセッサ/CPU使用量、プロセッサ及びアクセラレータ負荷、ハードウェア時間又は使用量、電力、入出力動作、ポート又はネットワークソケット、チャネル/リンク割り当て、スループット、メモリ使用量、ストレージ、ネットワーク、データベース及びアプリケーション、ワークロードユニット等を指す。「ハードウェアリソース」は、物理的ハードウェア要素(単数又は複数)によって提供される計算リソース、記憶リソース又はネットワークリソースを指し得る。「仮想化リソース」は、仮想化インフラストラクチャによってアプリケーション、デバイス、システム等に提供される、計算リソース、ストレージリソース、又はネットワークリソースを指すことができる。「ネットワークリソース」又は「通信リソース」という用語は、通信ネットワークを介してコンピュータデバイス/システムによってアクセス可能なリソースを指すことができる。「システムリソース」という用語は、サービスを提供するための任意の種類の共有エンティティを指し得、コンピューティングリソース又はネットワークリソースを含み得る。システムリソースは、そのようなシステムリソースが単一のホスト又は複数のホスト上に存在し、明確に識別可能であるサーバを介してアクセス可能である、コヒーレント機能、ネットワークデータオブジェクト又はサービスのセットと考えることができる。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「チャネル」は、データ又はデータストリームを通信するために使用される有形又は非有形のいずれかの伝送媒体を指す。「チャネル」という用語は、「通信チャネル」、「データ通信チャネル」、「伝送チャネル」、「データ伝送チャネル」、「アクセスチャネル」、「データアクセスチャネル」、「リンク」、「データリンク」、「キャリア」、「高周波キャリア」又はデータが通信される経路又は媒体を示す任意の他の同様の用語と同義又は同等であり得る。加えて、本明細書で使用するとき、用語「リンク」は、情報を送受信する目的での2つのデバイス間の接続を指す。
【0021】
本明細書で使用するとき、「インスタンス化する」、「インスタンス化」等の用語は、インスタンスの作成を指す。「インスタンス」はまた、例えばプログラムコードの実行中に発生し得るオブジェクトの具体的な発生を指す。
【0022】
「接続される」という用語は、共通の通信プロトコル層にある2つ以上の要素が、通信チャネル、リンク、インタフェース又は参照点を介して互いに確立されたシグナリング関係を有することを意味し得る。
【0023】
本明細書で使用するとき、「ネットワーク要素」という用語は、有線又は無線通信ネットワークサービスを提供するために使用される物理的な又は仮想化された機器又はインフラストラクチャを指す。「ネットワーク要素」という用語は、ネットワーク化コンピュータ、ネットワーク用ハードウェア、ネットワーク機器、ネットワークノード、仮想化ネットワーク機能などと同義であるとみなされ得、又はそのように呼ばれ得る。
【0024】
「情報要素」という用語は、1つ以上のフィールドを含む構造要素を指す。「フィールド」という用語は、情報要素、又はコンテンツを含むデータ要素の個々のコンテンツを指す。情報要素は、1つ以上の更なる情報要素を含み得る。
【0025】
図1は、いくつかの実施形態による、ネットワーク環境100を示す。ネットワーク環境100は、UE104と1つ以上の基地局(単数又は複数)108とを含んでもよい。基地局108は、1つ以上の無線サービングセル、例えば、3GPP New Radio(NR)セルを提供してもよく、それを通して、UE104は基地局108と通信してもよい。
【0026】
UE104と基地局(単数又は複数)108は、第5世代(Fifth Generation、5G)NRシステム規格を定義するものなど、3GPP技術仕様に準拠したエアインタフェースを介して通信してもよい。基地局(単数又は複数)108は、5Gコアネットワークに結合された次世代無線アクセスネットワーク(NG-RAN)ノードを含んでもよい。NG-RANノードは、UE104に向けてNRユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル終了を提供するgNB、又はUE104に向けて進化型ユニバーサル地上波無線アクセス(E-UTRA)ユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル終了を提供するng-eNBのいずれかであり得る。
【0027】
基地局(単数又は複数)108は、1つ以上の分散アンテナパネル(AP)、例えば、AP116及びAP120と結合されていてもよい。分散AP116/120は、送受信ポイント(TRP)又は他のデバイスに実装されていてもよい。一般に、基地局(単数又は複数)108はスケジューリングを含めた通信プロトコルスタックの動作の大部分を実行してもよく、一方でAP116/120は分散アンテナとして機能してもよい。いくつかの実施形態では、AP116/120は、通信プロトコルスタックのいくつかの下位レベルの動作(例えば、アナログ物理(PHY)層の動作)を実行し得る。
【0028】
基地局(単数又は複数)108はAP116/120を使用して、信号がUE104に送信されるか、UE104から受信され得る複数の点を地理的に分離してもよい。これは、UE104と通信するために多入力、多出力、及びビームフォーミング拡張を使用する柔軟性を増加させ得る。AP116/120は、UE104に下りリンク伝送を送信し、UE104から上りリンク伝送を受信するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、AP116及び120によって提供される分散送信/受信能力は、1つ以上の基地局からの協調マルチポイント又はキャリアアグリゲーションシステムのために使用され得る。
【0029】
ネットワーク環境100は、基地局(単数又は複数)108がAP116/120を通してUE104と通信している様子を示すが、様々な実施形態では、ネットワーク環境100は、UE104のために無線アクセスネットワーク接続を容易にする、いくつかの他のネットワーク要素(例えば、基地局、TRP、eNBなど)を含んでもよい。
【0030】
基地局(単数又は複数)108は、トランスポートチャネル上に論理チャネルをマッピングし、物理チャネル上にトランスポートチャネルをマッピングすることによって、下りリンク方向に情報(例えば、データ及び制御シグナリング)を送信し得る。論理チャネルは、無線リンク制御(RLC)層とメディアアクセス制御(MAC)層との間でデータを転送することができる。トランスポートチャネルは、MAC層とPHY層との間でデータを転送することができ、物理チャネルは、エアインタフェースを介して情報を転送することができる。
【0031】
UE104上のAP116及び1つ以上のアンテナパネルは、受信又は送信ビームフォーミングを可能にするアンテナ要素のアレイを含み得る。ビームフォーミングは、アンテナ利得及び全体的なシステム性能を増加させる上りリンクビーム及び下りリンクビームを判定して使用することによって、上りリンクバジェット及び下りリンクバジェットを改善し得る。UE104及び基地局108は、基準信号測定値及びチャネル対称性仮定に基づくビーム管理動作を使用して、所望の上りリンク-下りリンクビームペアを判定してもよい。
【0032】
下りリンク方向では、基地局108は同期信号ブロック(SSB)及びチャネル状態情報基準信号(CSI-RS)を送信してもよく、これらは、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)伝送及び物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)伝送を送信/受信するための所望の下りリンクビームペアを判定するために、UE104によって測定される。いくつかの実施形態では、ネットワーク要素は、上りリンク/下りリンクビーム一致を仮定し、所望の下りリンクビームペアを、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)伝送及び物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)伝送のための所望の上りリンクビームペアとして使用してもよい。いくつかの実施形態では、ビームペアは、UE104によって送信されるサウンディング基準信号(SRS)に基づいて、上りリンク方向について独立して判定されてもよい。様々な実施形態で、ビーム管理は、上りリンクビーム及び下りリンクビームの初期取得、並びに上りリンクビーム及び下りリンクビームの後の改良などの異なる段階を含んでもよい。
【0033】
PUCCH伝送の信頼性及び網羅率を改善するために、UE104は、PUCCH伝送の複数の繰り返しを送信してもよい。繰り返しを送信するのは、同じスロット内でもよいし、異なるスロット内でもよい。本明細書で使用される場合、同じ情報を含む各々のPUCCH伝送は、そのPUCCH伝送がオリジナルの、又は最初のPUCCH伝送であっても、繰り返しと呼ばれ得る。
【0034】
基地局(単数又は複数)108は、RRCシグナリング、MAC制御要素(CE)シグナリング、及び下りリンク制御情報(DCI)の任意の組み合せを使用して電力制御設定情報をUE104に提供することによって、上りリンクチャネルの上りリンク送信電力を制御してもよい。電力制御設定情報は、限定はしないが、P0(dBm単位の上りリンク電力値)、アルファ(上りリンク電力制御の伝搬損失補償係数の考え得る値)、伝搬損失基準信号(RS)、及び閉ループインデックスなどの電力制御パラメータを設定してもよい。基地局(単数又は複数)108は、例えばPUSCH、PUCCH、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)、及びサウンディング基準信号(SRS)を含めた、異なる上りリンクチャネルの上りリンク電力制御パラメータを別々に制御してもよい。
【0035】
PUSCHのための電力制御は、開ループ方式又は閉ループ方式で実行されてもよく、本明細書で別様に記載される場合を除いて、3GPP技術仕様(TS)38.213 v16.3.0(2020-09)のセクション7.1に記載されたものと類似していてもよい。PUCCHのための電力制御は、閉ループ方式を使用して実行してもよく、本明細書で別様に記載される場合を除いて、3GPP TS 38.213のセクション7.2に記載されたものと類似していてもよい。閉ループの電力制御プロセスは、基地局(単数又は複数)108から送信電力制御(TPC)コマンドの形で受信されたフィードバックに基づいてもよい。TPCコマンドは、PDCCH上でDCIを通してUE104に送信されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、基地局(単数又は複数)108はDCIフォーマット2_2を使用してTPCコマンドを送信してもよい。DCIペイロードは、そのTPCコマンドが適用されるべき調整状態をシグナリングしてもよい。3GPP TS 38.213のセクション7.2.1に記載されているように、次いで、PUCCHのための閉ループ電力制御プロセスが、TPCコマンド累算g
b,f,c(i,l)を以下のように決定することによって動作してもよい。
【数1】
ここで、δ
PUCCH,b,f,c(m,l)は、調整状態‘l’に対するm番目のTPCコマンドを表す。いくつかの実施形態では、TPCコマンドは2ビットを含んでもよく、ここで、0、1、2、及び3の値はそれぞれ、電力を-1dB、0dB、1dB、及び3dBだけ調整するためのコマンドを示す。以下に記載するいくつかの実施形態は、他のTPCコマンドを提供する。
【0037】
いくつかの実施形態では、基地局v108は、PUCCHの電力制御のためのUE固有のパラメータを設定するために、PUCCH電力制御(PUCCH-PowerControl)情報要素(IE)をUE104に送信してもよい。PUCCH-PowerControl IEは、以下の通りであってもよい。
【数2】
【0038】
PUCCH-PowerControl IEのフィールドは、3GPP TS 38.331 v16.2.0(2020-09)に記載されたものと類似していてもよい。P0-PUCCH-Valueフィールドは、PUCCHのための上りリンク送信電力値(P0)を1デシベル(dB)のステップサイズで含んでもよい。deltaF-PUCCH-f0フィールドは、PUCCHフォーマット0のためのUE送信電力オフセット(deltaF)値を含んでもよい(かつ他のdeltaFフィールドも同様に、対応するPUCCHフォーマットのためのdeltaF値を含んでもよい)。p0-Setフィールドは、PUCCHのための専用P0値をもつセット(例えば、P01、P02、...)を含んでもよい。pathlossReferenceRSsは、UE104がPUCCH電力制御のために伝搬損失推定値を測定すべき基準信号のセット(例えば、チャネル状態情報基準信号(CSI-RS)又は同期信号ブロック(SSB))を提供する。
【0039】
UE104が空間関係設定(例えば、以下に示すPUCCH-SpatialRelationInfo IE)を有して設定されていない場合、UE104は、P0-PUCCHの1番目のインスタンス、例えば識別情報「0」を有するインスタンスを選択してもよい。
【0040】
上述したように、空間関係は、FR2内で設定されていてもよい。あるPUCCH伝送のための空間関係設定及びPUCCH電力制御のパラメータは、PUCCH-SpatialRelationInfo IEをUE104に送信する基地局(単数又は複数)108によって設定されてもよい。PUCCH-SpatialRelationInfo IEは、以下の通りであってもよい。
【数3】
【0041】
PUCCH-SpatialRelationInfo IEのフィールドは、3GPP TS 38.331に記載されたものと類似していてもよい。pucch-PathlossReferenceRS-ID及びp0-PUCCH Idは、PUCCH-PowerControl IEに定義されたPUCCH-PathlossReferenceRS及びP0-PUCCHの特定のインスタンスを指してもよい。closedLoopIndexは、閉ループ電力制御プロセスを特定してもよい。
【0042】
基地局(単数又は複数)108は各PUCCHリソースのPUCCH-SpatialRelationInfo IEを使用して、空間関係のリストを設定してもよい。基地局(単数又は複数)108は次いで、MAC CEを使用して、設定された空間関係のうちの1つ又は2つを選択してもよい。FR2についてのPUCCH信頼性拡張をサポートするために、リリース17では2つの空間関係が斟酌されてもよい。これにより、UE104が、同じTRP又は異なるTRPに異なるPUCCH繰り返しを送信するために異なるビームを適用できるようになり得る。
【0043】
現在の最先端技術には、2つ以上のビームによって搬送され、2つ以上のTRPに送信される可能性のある複数の繰り返しを有するPUCCH伝送のための上りリンク送信電力制御を効率的に制御することに関して、いくつかの課題がある。概して、現在の最先端技術では少なくとも3つの問題への適切な取り組みがなされていない。
【0044】
第1の問題では、空間関係はFR1には適用可能でないので、異なるPUCCH繰り返しのために異なる電力制御パラメータのサポートを定義する必要があり得る。
【0045】
第2の問題では、スロット内マルチビーム動作をサポートするためにビームホッピングが提供される場合、同一スロット内のPUCCH伝送のために、異なるホップに異なるビームが適用されることがある。したがって、この、FR1及びFR2の両方での通信のためのシナリオにおいて上りリンク電力制御をどのように実行するかを定義する必要があり得る。
【0046】
第3の問題は、DCIによって指示されるTPCコマンドに基づいて閉ループ電力制御係数を更新することに関係し得る。繰り返しによるPUCCH/PUSCH信頼性向上のためには、FR1及びFR2の両方での通信のために、各繰り返しにTPCコマンドをどのように適用するかについて取り組む必要があり得る。
【0047】
例えば、第1の問題で説明したように、FR1についてPUCCH電力制御強化を提供するために、以下のオプションが提供される。
【0048】
第1のオプションであるオプション1では、異なるPUCCH繰り返しに異なるデフォルト電力制御パラメータが適用されてもよい。前述したように、異なるPUCCH繰り返しが異なるTRPに送信されてもよい。したがって、これらの異なるPUCCH繰り返しに関して個別に上りリンク送信電力を制御する柔軟性をシステムに備えることが有利であり得る。オプション1は、独立して、又は互いに関連して使用され得る少なくとも2つのサブオプションを含み得る。
【0049】
第1のサブオプションであるオプション1-1では、あるセットの第1の諸パラメータを第1のビームに適用してもよく、一方で、そのセットの第2の諸パラメータを第2のビームに適用してもよい。例えば、PUCCH-PowerControl IEによって設定されたP0-setは、第1のP0及び第2のP0を含む複数のP0と、第1の伝搬損失RS及び第2の伝搬損失RSを含む複数のpathlossReferenceRSとを含み得る。オプション1-1では、P0セット内の第1のP0を第1のビームに適用し、P0セット内の第2のP0を第2のビームに適用してもよい。同様に、複数のpathlossReferenceRSのうちの第1の伝搬損失RSを第1のビームに適用し、複数のpathlossReferenceRSのうちの第2の伝搬損失RSを第2のビームに適用してもよい。
【0050】
第2のサブオプションであるオプション1-2では、基地局(単数又は複数)は、パラメータの追加のセットを設定してもよく、各セットの最初のパラメータがそれぞれのビームに適用される。例えば、PUCCH-Power-Control IEは、複数のP0セット及び複数のpathlossReferenceRSセットを設定し得る。第1のP0セット内の第1のP0を第1のビームに適用し得る一方で、第2のP0セット内の第1のP0を第2のビームに適用し得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、そのPUCCHに対して2つの閉ループ電力制御プロセスが有効化されている場合、異なる繰り返しに異なる閉ループ電力制御プロセスインデックスが適用されてもよい。これにより、基地局(単数又は複数)108に、異なるPUCCH繰り返しに異なるループが望まれるか否かに関して柔軟性が得られる。いくつかの事例では、PUCCH繰り返しに複数の電力制御パラメータセットが適用されるとき、基地局(単数又は複数)108は、2つの閉ループ電力制御プロセスを有効にしてもよい(例えば、2つの調整状態を有効にする)。例えば、閉ループ電力制御式である式1に関して、lの値は、2つの電力制御パラメータセットで異なり得る。したがって、各PCパラメータセットに対応する異なる繰り返しに、異なるgが適用されることになる。
【0052】
他の実施形態では、PUCCHに対して閉ループ電力制御プロセスが有効化されているか否かにかかわらず、第1の閉ループ電力制御プロセスが適用されてもよい。例えば、2つ以上の閉ループ電力制御プロセスが有効化されている場合であっても、全てのPUCCH繰り返しに第1の閉ループ電力制御プロセスが適用されてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、オプション1-2は、PUCCH-PowerControl IEを以下の通りに更新することによって有効化されてもよい。
【数4】
【0054】
以前のPUCCH-PowerControl IEを参照すれば分かるように、このPUCCH-PowerControl IEは、P0-Set1及びpathlossReferenceRSs1などの追加のセットを設定するように更新されている。したがって、P0-Setからの第1のP0を第1のビームのPUCCH繰り返しに適用し、P0-Set1からの第1のP0を第2のビームのPUCCH繰り返しに適用することができる。同様に、pathlossReferenceRSからの伝搬損失RSを第1のビームのPUCCH繰り返しに適用し、pathlossReferenceRSからの伝搬損失RSを第2のビームのPUCCH繰り返しに適用することができる。他の実施形態では、追加/代替の電力制御(PC)パラメータセットが提供されてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、基地局(単数又は複数)108はPCパラメータセット(例えばP0、伝搬損失RS、閉ループインデックスを含む)とPUCCH繰り返しとの間のマッピングをもたせてUE104を設定してもよい。マッピングは、RRCシグナリング、MAC CE、又はDCIによって設定されてもよい。いくつかの実施形態では、マッピングは、例えば、3GPP TSに事前定義され得る。
【0056】
図2は、いくつかの実施形態による、2つのパラメータセットを4つのPUCCH繰り返しにマッピングするために使用され得る2つのマッピング方式を示す。具体的には、巡回マッピング204は、連続したPUCCH繰り返しについてパラメータセットが巡回することを示す。例えば、繰り返し1にPCパラメータセット1が適用され、次のPUCCH繰り返しである繰り返し2にはPCパラメータセット2が適用され、次のPUCCH繰り返しである繰り返し3にはPCパラメータセット1が適用され、セットの最後のPUCCH繰り返しにPCパラメータセット2が適用される。
【0057】
順次マッピング208では、連続したPUCCH繰り返しに個別のパラメータセットがマッピングされてもよい。例えば、PUCCH繰り返し1及び2にPCパラメータセット1がマッピングされ、次いで、PUCCH繰り返し3及び4にPCパラメータセット2がマッピングされてもよい。
【0058】
様々な実施形態で、類似した概念を適用することによって、他の数のPUCCH繰り返し及びPCパラメータセットが使用されてもよい。
【0059】
第2のオプションであるオプション2では、PUCCH-SpatialRelation IEを有さないPUCCHリソース(例えばFR1内)のための電力制御パラメータが、上位層のシグナリングによって設定されてもよい。例えば、基地局(単数又は複数)108は、PUCCH電力制御パラメータを設定するために、RRCシグナリング又はMAC CEを介して設定情報を送信してもよい。オプション2は、独立して、又は互いに関連して使用され得る少なくとも2つのサブオプションを含み得る。
【0060】
第1のサブオプションであるオプション2-1では、PUCCHリソースのための電力制御パラメータの1つ又は2つのセットがRRCによって設定されてもよい。例えば基地局(単数又は複数)は、電力制御パラメータの1つ又は複数のセットを有するリソースを設定するようにPUCCHリソースIEを生成してもよい。電力制御パラメータのセットを1つ有するPUCCHリソースIEは、以下のように示される。
【数5】
【0061】
PUCCH-Resource IEは、PUCCH-Config IEの構成要素であってもよい。PUCCH-Resource IEのフィールドは、3GPP TS 38.331に記載されたものと類似していてもよい。ただし、本実施形態によれば、PUCCH-Resource IEはまた、示すように、PUCCH伝搬損失RS ID、P0-PUCCH ID、及び閉ループインデックスを有するPCパラメータセットを含んでもよい。
【0062】
電力制御パラメータのセットを2つ有するPUCCHリソースIEは、以下のように示される。
【数6】
【0063】
このPUCCHリソースIEは、上記で図示及び説明されたものと類似していてもよい。ただし、このPUCCHリソースIEはまた、PUCCH伝搬損失RS ID1、P0-PUCCH ID1、及び閉ループインデックス1を有する第2のPCパラメータセットを含んでもよい。
【0064】
このようにして、このPUCCHリソースを使用して、PUCCH空間関係の外に電力制御パラメータの1つ又は2つのセットを設定してもよい。これにより、異なるPUCCHリソースのために異なる電力制御パラメータを選択するために、基地局(単数又は複数)108に更なる柔軟性が与えられ得る。
【0065】
第2のサブオプションであるサブオプション2-2では、PUCCHリソース又はPUCCHリソースのグループのための電力制御パラメータの一部又は全部がMAC CEによって設定されてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、サブオプション2-1を使用して、追加の設定としてMAC CEが受信される前に電力制御パラメータを提供してもよい。いくつかの実施形態では、追加の設定によって、最初に設定された電力制御パラメータを更新してもよいし、又は特定の1つのリソースに使用するために複数のPCパラメータセットのうちの1つを選択してもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、MAC CEは、1つ又は複数のサービングセル内のPUCCHリソースのための電力制御パラメータを更新し得る。いくつかの実施形態では、MAC CEを送信するサービングセル又は別のサービングセルのために電力制御パラメータが更新されてもよい。MAC CEが複数のサービングセル内のPUCCHリソースの電力制御パラメータを更新する実施形態では、MAC CEは、MAC CE自体に備わっている、又はRRCシグナリングによって以前に設定されたサービングセルリストを使用することによって、それを行ってもよい。
【0068】
サブオプション2-1又はサブオプション2-2のいずれかでは、PUCCHリソースに電力制御パラメータの1つ又は2つのセットが適用されてもよい。
【0069】
特定の1つのPUCCHリソースに1つの電力制御パラメータのセットが適用される場合、基地局(単数又は複数)108は、その同じUCIを報告するためにN個のPUCCHリソース(ここで、N>1、例えばN=2)をトリガしてもよい。したがって、N個のPUCCHリソースの各々は、それ自体の電力制御パラメータのセットに関連していてもよい。このようにして、異なるPUCCH繰り返しを搬送する異なるPUCCHリソースは、意図されたターゲットTRPに適した電力制御パラメータを有し得る。
【0070】
2つの電力制御パラメータのセットが特定の1つのPUCCHリソースに適用される場合、PUCCH繰り返しに対するPCパラメータセットのマッピングは、基地局(単数又は複数)108によって、RRCシグナリング、MAC CE、又はDCIを使用して事前定義又は設定されてもよい。例えば、PCパラメータセットは、
図2に関して上記で説明したものと類似して、巡回マッピング又は順次マッピングを使用してPUCCH繰り返しにマッピングされてもよい。
【0071】
第3のオプションであるオプション3では、PUCCH-SpatialRelationを有さないPUCCHリソースのためのM個のPCパラメータセットが、例えばRRCシグナリングなどの上位層のシグナリング、又はMAC CEによって設定されてもよく、ここで、M≧2である。次いで、DCIを使用して、M個のPCパラメータセットからPUCCH伝送のために1つ又は2つのセットを選択してもよい。
【0072】
図3は、いくつかの実施形態による、PCパラメータセットのシグナリングの2つのシナリオを示す。シナリオ304では、PCパラメータセット(単数又は複数)はRRC、MAC CE、及びDCIシグナリングの組み合せによって提供されてもよい。例えば、基地局(単数又は複数)108は、RRCシグナリングを使用して、PCパラメータセット(0~7)でUE104を設定してもよい(例えばM=8)。しばらく後に、基地局(単数又は複数)108は複数のPCパラメータセットをアクティブ化するために、UE104にMAC CEを送信してもよい。1つ以上のアクティブ化されたPCパラメータセットが、複数のDCIコードポイントの各々に対応してもよい。図示するように、PCパラメータセット1及び2が第1のDCIコードポイント(例えばコードポイント=0)に対応してもよい。PCパラメータセット0が第2のDCIコードポイント(例えばコードポイント=1)に対応してもよい。PCパラメータセット3及び4が第3のDCIコードポイント(例えばコードポイント=2)に対応してもよい。PCパラメータセット1及び2が第4のDCIコードポイント(例えばコードポイント=3)に対応してもよい。しばらく後に、基地局(単数又は複数)108は、後続の上りリンク伝送に適用すべきPCパラメータセットに対応するDCIコードポイント値をもつDCIを送信してもよい。図示するように、PCパラメータセット3及び4を選択するためにDCIコードポイント=2が送信されてもよい。
【0073】
シナリオ308では、PCパラメータセット(単数又は複数)はRRC及びMAC CEシグナリングによって提供されてもよい。例えば、基地局(単数又は複数)108は、上記で説明したものと類似したRRCシグナリングを使用して、複数のPCパラメータセットでUE104を設定してもよい。ただし、上記で説明したように、基地局(単数又は複数)108がMAC CEを使用して複数のコードポイントに対応するPCパラメータセットをアクティブ化する代わりに、そのMAC CEは1つのコードポイントに対応する1つ又は2つのPCパラメータセットのみをアクティブ化してもよい。したがって、この実施形態では、後続の伝送に適用すべきPCパラメータセットを指示するためにDCIシグナリングは必要ではない。
【0074】
2つ以上のPCパラメータセットが適用のために選択される場合、PUCCH繰り返しに対するパラメータセットのマッピングは、上記で説明したものと類似していてもよい。例えば、マッピングは事前定義されてもよいし、又は設定シグナリングによって提供されてもよい。マッピングは、巡回マッピング又は順次マッピングを含み得る。
【0075】
図4は、いくつかの実施形態による、スロット内ビームホッピングを使用したPUCCH信頼性強化を説明するシグナリング
図400を示す。シグナリング
図400は、PUCCHリソース1のための第1のホップとしてビーム1を使用して送信される第1のPUCCH繰り返し404と、PUCCHリソース1のための第2のホップとしてビーム2を使用して送信される第2のPUCCH繰り返し408とを含む。第1のホップ及び第2のホップは、同じ、又は異なるTRPに同じスロット内で送信されてもよい。
【0076】
電力制御は、PUCCHリソースに空間関係設定が提供されているか否かに基づいて、PUCCH繰り返し404を搬送するホップと408を搬送するホップとに別様に適用されてもよい。
【0077】
PUCCHリソースに空間関係設定が提供される実施形態の第1のオプションでは、異なるPUCCH空間関係設定に対応する異なる電力制御パラメータを各ホップに適用してもよい。例えば、第1の空間関係設定からの電力制御パラメータをPUCCH繰り返し404(ホップ1)に適用し、第2の空間関係設定からの電力制御パラメータをPUCCH繰り返し408(ホップ2)に適用してもよい。電力制御は、1つの伝送機会内のN個のシンボルごとに(例えば、ホップごとに)実行されてもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、UE104での上りリンク電力調整を円滑化するために、ホップ間にギャップが設けられてもよい。ギャップは、特定的又は一般的に、UE104に関連する電力変換遅延に基づいてもよい。いくつかの実施形態では、ギャップは、基地局(単数又は複数)108によって事前定義若しくは設定されてもよいし、又はUE104によって報告されてもよい。例えば、UE104がUE104の能力を報告し、基地局(単数又は複数)108がそれに応じてギャップを設定してもよい。
【0079】
PUCCHリソースに空間関係設定が提供される実施形態の第2のオプションでは、PUCCH空間関係設定のうちの1つに対応する電力制御パラメータが両方のホップに適用されてもよい。この実施形態では、PUCCH繰り返し404及び408の両方は、それらが異なるビームによって送信される場合であっても、同じ電力で同じTRPに送信されてもよい。それでも、電力制御は伝送機会ごとに(例えば、ホップごとに)実行されてもよい。ホップに適用すべきPUCCH空間関係設定は、事前定義されてもよい。例えば、最小又は最大のIDを有するPUCCH空間関係設定が適用されてもよい。他の実施形態では、ホップに適用すべきPUCCH空間関係設定は、基地局(単数又は複数)108によってRRCシグナリング又はMAC CEを使用して設定されてもよい。
【0080】
PUCCHリソースに空間関係設定が提供される実施形態のための第3のオプションでは、電力制御パラメータの共通セットが両方のホップに適用されてもよい。RRC、MAC CE、又はDCIによって設定され得る電力制御パラメータの共通セットは、空間関係の中の任意のPCパラメータを無効化してもよい。
【0081】
PUCCHリソース(例えばFR1内)に空間関係設定が提供されない実施形態のための第1のオプションでは、電力制御パラメータの異なるセットが各ホップに適用されてもよい。いくつかの実施形態では、電力制御パラメータの異なるセットは、サブオプション1~3に関して上記で説明したものと類似した様式で、PUCCHリソースに対して設定されてもよい。PUCCH繰り返し404を有する第1のホップにPCパラメータセットの第1のセットが適用されてもよく、PUCCH繰り返し408を有する第2のホップにPCパラメータセットの第2のセットが適用されてもよい。
【0082】
2つ以上のホップがサポートされる場合、ホップに対するPCパラメータセットのマッピングは、繰り返しに対するPCパラメータセットのマッピングに関して上述したものと類似していてもよい。例えば、ホップ対セットのマッピングは、RRCシグナリング、MAC CE、又はDCIによって事前定義又は設定されてもよい。いくつかの実施形態では、ホップ対セットのマッピングは、
図2に関して示して説明したものと類似した巡回マッピング又は順次マッピングに基づいてもよい。
【0083】
電力制御は、ホップごとに実行されてもよい。いくつかの実施形態では、UE104の電力変換遅延に適応するために、基地局(単数又は複数)108によってギャップが事前定義又は設定されてもよい。いくつかの実施形態では、ギャップは、電力変換に適応するための所望のギャップサイズを要求する、あるいは指示するUE報告に基づいてもよい。
【0084】
PUCCHリソースに空間関係設定が提供されない実施形態のための第2のオプションでは、例えばPUCCH繰り返し404を有する第1のホップ及びPUCCH繰り返し408を有する第2のホップを含む、複数のホップに電力制御パラメータの共通セットが適用されてもよい。電力制御パラメータの共通セットは、RRCシグナリング、MAC CE、又はDCIによって設定されてもよい。
【0085】
上述の第3の問題に取り組むために、DCI内のTPCコマンドが、対応する電力制御プロセスを有する繰り返しでPUCCHのために適用されてもよい。PUCCH繰り返しは、同じ閉ループPCプロセスに基づいてもよいし、異なる閉ループPCプロセスに基づいてもよい。
【0086】
PUCCH繰り返しが同じ閉ループPCプロセスに基づく場合、その設定された閉ループPCプロセスのための全てのPUCCH繰り返しに、そのTPCコマンドが適用されてもよい。いくつかの実施形態では、更なる拡張として、共通の閉ループPCプロセスが、繰り返しを有するPUCCHリソースに適用されてもよい。
【0087】
PUCCH繰り返しが異なる閉ループPCプロセスに対応する場合、少なくとも4つのオプションのうちの1つが使用されてもよい。これらのオプションの説明のために、PUCCH繰り返し1が第1の閉ループインデックスを有するPCパラメータセットに関連し、かつPUCCH繰り返し2が第2の閉ループインデックスを有するPCパラメータセットに関連する例を検討する。
【0088】
第1のオプションでは、TPCコマンドは閉ループPCプロセスのうちの1つに適用されてもよい。TPCコマンドが適用され得る閉ループPCプロセスは、RRCシグナリング、MAC CE、若しくはDCIによって事前定義又は設定されてもよい。したがって、受信されたTPCコマンドが第2の閉ループインデックスを有する閉ループPCプロセスに関連する場合、UE104は、TPCコマンドによって指示された電力制御係数をPUCCH繰り返し2に適用してもよい。
【0089】
第2のオプションでは、TPCコマンドは、指示された同じ値を使用して両方の閉ループPCプロセスに適用されてもよい。したがって、UE104は、TPCコマンドによって指示された電力制御係数をPUCCH繰り返し1及び2の両方に適用してもよい。
【0090】
第3のオプションでは、TPCコマンドの指示は、例えば、RRCシグナリング又はMAC CEなどの上位層シグナリングによって設定されてもよい。一例では、1つのMAC CEが、各TPCコマンドについて、適用される閉ループPCプロセス(単数又は複数)又は閉ループPC係数の値を設定することができる。例えば、2ビットTPCコマンドの場合、そのMAC CEは、4つの状態、例えば、{0dB,0dB}、{1dB,3dB}、{3dB,3dB}、及び{-1dB,and 0dB}についての指示を与え得る。値のペアの1番目の値は第1の閉ループPCプロセスに対応するように設定されてもよく、値のペアの2番目の値は第2の閉ループPCプロセスに対応してもよい。MAC CEによって設定されるこれらの4つの状態は、TPCコマンド0、1、2、及び3に対応し得る。基地局(単数又は複数)108が「1」のTPCコマンドを送信する場合、UE104は、第1の閉ループPCプロセスに関連する第1のPUCCH繰り返しに1dB調整を適用し、第2の閉ループPCプロセスに関連する第2のPUCCH繰り返しに3dB調整を適用してもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、MAC CEは、相互サービングセル設定をサポートしてもよい。例えば、MAC CEは、第1のサービングセル内で受信されて、第2のサービングセル内でTPCコマンドを設定してもよい。
【0092】
第4のオプションでは、TPCコマンド指示は事前定義されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、TPCコマンド指示は、表1に示す通りに事前定義されてもよい。
【表1】
【0093】
このようにして、基地局(単数又は複数)は、UEがPUCCH繰り返し1に1dB調整を適用し、PUCCH繰り返し2に0dB調整を適用することを指示するために、例えば2という値のTPCコマンド値を送信してもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、例えば、表1によって事前定義されたTPCコマンド指示はデフォルト値であってもよく、デフォルト値は、第3のオプションに関して上記で説明したものなどの後続のMAC CE設定によって無効化されてもよい。
【0095】
他の実施形態では、第4のオプションのためのTPCコマンドのために追加ビットが加えられてもよい。そのようなTPCコマンドにDCIフォーマットが適応できるように、RRCパラメータが導入されてもよい。
【0096】
図5は、いくつかの実施形態による、動作フロー/アルゴリズム構造500を示す。動作フロー/アルゴリズム構造500は、例えばUE104若しくはUE900などのUE、又は、例えばベースバンドプロセッサ904Aなどの、そのUEの構成要素によって、実行又は実装されてもよい。
【0097】
動作フロー/アルゴリズム構造500は、504で、FR1通信についてのPC設定情報を受信することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、PC設定情報は、1つ以上のPUCCHリソース設定、例えばPUCCH-Resource IE内、又は1つ以上のPUCCH電力制御設定、例えばPUCCH-PowerControl内で受信されてもよい。様々な実施形態で、PC設定情報は、1つ以上の制御シグナリング層を介して受信されてもよい。例えば、PC設定情報は、RRCシグナリング、MAC CE又はDCIによって送信されてもよい。本明細書の他の箇所で説明するように、いくつかの実施形態は、異なる制御信号の組み合わせを使用するPC設定情報の伝送を含む。例えば、PCパラメータを最初に設定するためにRRCシグナリングを使用し、一方で、PCパラメータを更新するため、又は設定されたPCパラメータのどれを上りリンク伝送のために使用するかに関するより詳細な指令を与えるために、MAC CE又はDCIを使用してもよい。
【0098】
PC設定情報は、1つのPUCCHリソースに対して設定されてもよいし、又はPUCCHリソースのグループに対して設定されてもよい。PUCCHリソース(単数又は複数)は、その中でPC設定情報が送信される同一のサービングセル内にあってもよいし、又は異なるサービングセル内にあってもよい。
【0099】
PC設定情報は、例えばP0、伝搬損失RS、及び閉ループインデックスを含む、複数のPCパラメータを設定してもよい。これらのパラメータは、1つ以上のセット又はサブセットの中に設定されてもよい。例えば、一実施形態では、PCパラメータは、P0セット及び複数の伝搬損失RSを含んでもよい。別の実施形態では、個々のPCパラメータセットがP0セットと伝搬損失RSのリストとを含んで、複数のPCパラメータセットが設定されてもよい。
【0100】
動作フロー/アルゴリズム構造500は、508で、PUCCH伝送の第1の繰り返しに使用する第1のPCパラメータを選択することと、512で、PUCCH伝送の第2の繰り返しに使用する第2のPCパラメータを選択することと、を更に含んでもよい。どのPCパラメータを異なる繰り返しに適用するかを決定することは、本明細書で説明する実施形態のいずれかに関して説明されるように達成されてもよい。例えば、P0セットの第1のP0が第1の繰り返しに適用されてもよく、P0セットの第2のP0が第2の繰り返しに適用されてもよい、第1のPCパラメータリストのP0セットの第1のP0が第1の繰り返しに適用されてもよく、第2のPCパラメータリストのP0セットの第1のP0が第2の繰り返しに適用されてもよい、などである。異なる繰り返しに適用する伝搬損失RSもまた、P0値と類似の様式で選択されてもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、2つ以上のPCパラメータセットが設定されているとき、個々のPCパラメータセットは、巡回又は順次マッピングパターンを使用して個々の繰り返しにマッピングされてもよい。いくつかの実施形態では、PUCCH繰り返しに対するPCパラメータセットのマッピングは事前定義されてもよく、又はgNBシグナリング(例えば、RRCシグナリング、MAC CE、又はDCI)に基づいてもよい。
【0102】
動作フロー/アルゴリズム構造500は、516で、第1のビームに第1のPCパラメータを適用して第1の繰り返し、及び第2のビームに第2のPCパラメータを適用して第2の繰り返しを送信することを更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の繰り返しは第1のビームを使用して第1のTRPに送信され、第2の繰り返しは第2のビームを使用して第2のTRPに送信されてもよい。これらの繰り返しの各々に適用される電力制御パラメータを適応させるための柔軟性を提供することによって、伝送の信頼性及び効率の両方を高めることができる。
【0103】
図6は、いくつかの実施形態による動作フロー/アルゴリズム構造600を示す。動作フロー/アルゴリズム構造600は、例えば、UE104若しくはUE900などのUE、又はその構成要素、例えば、ベースバンドプロセッサ904Aによって実行又は実装され得る。
【0104】
動作フロー/アルゴリズム構造600は、604で、あるPUCCHリソースのための複数のホップで1つのスロット内に送信すべきUCIを符号化することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、例えば異なるホップについて上りリンク送信電力が異なる場合に、UEによって実行され得る電力変換に適応するために、連続したホップ間に時間的ギャップが提供されてもよい。このギャップは、gNBによって事前定義又は設定されてもよい。
【0105】
あるスロットの複数のホップの各々で、同じUCIが送信されてもよい。このスロット内ビームホッピングによって、PUCCHリソースで搬送されるUCIの信頼性を向上し得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、空間関係設定情報が提供されてもよい。この設定情報は、例えば、PUCCHリソースがFR2内にある場合に提供されてもよい。1つ以上の空間関係設定は、1つ以上のPCパラメータを提供してもよい。
【0107】
他の実施形態では、空間関係設定情報が提供されなくてもよい。これは、PUCCHリソースがFR1内にある場合に当てはまり得る。様々な実施形態で、PUCCHリソースごとに1つ以上の電力制御パラメータが設定されてもよい。
【0108】
いくつかの実施形態では、空間関係設定情報が提供されるか否かにかかわらず、電力制御パラメータの共通セットが設定されてもよい。
【0109】
動作フロー/アルゴリズム構造600は、608で、第1のPCパラメータを使用して第1のホップを送信することと、612で、第1又は第2のPCパラメータを使用して第2のホップを送信することとを更に含んでもよい。電力制御パラメータの共通セットが提供される場合、第1のPCパラメータは共通セットとみなされてもよく、第1及び第2のホップの両方に適用されてもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、PCパラメータは、PUCCHリソースに提供される第1及び第2の空間関係設定の中で受信されてもよい。UEは、空間関係設定のうちの1つによって提供されるPCパラメータ(608及び612で説明される「第1の電力制御パラメータ」)を第1及び第2のホップの両方に適用してもよいし、又は、第1の空間関係設定によって提供される第1のPCパラメータを第1のホップに適用し、第2の空間関係設定によって提供される第2のPCパラメータを第2のホップに適用してもよい。
【0111】
空間関係が設定されない実施形態では、UEは、繰り返しを有するPUCCHリソースのためのPCパラメータの複数のセットで設定されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のPCパラメータはPCパラメータの第1のセットからのものであってもよく、第2のPCパラメータはPCパラメータの第2のセットからのものであってもよい。
【0112】
図7は、いくつかの実施形態による動作フロー/アルゴリズム構造700を示す。動作フロー/アルゴリズム構造700は、例えば、基地局(単数又は複数)104若しくはgNB1000などの基地局、又はその構成要素、例えばベースバンドプロセッサ1004Aによって、実行又は実装されてもよい。
【0113】
動作フロー/アルゴリズム構造700は、704で、1つ以上のDCIを、PUCCH繰り返しをスケジュールするように、またTPCコマンドを提供するように、生成することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、1つのDCIが、PUCCH繰り返しをスケジュールすることと、TPCコマンドを提供することとの両方を行ってもよい。他の実施形態では、第1のDCIがPUCCH繰り返しをスケジュールし、第2のDCIがTPCコマンドを提供してもよい。
【0114】
PUCCH繰り返しは、1つ以上の閉ループPCプロセスに関連していてもよい。TPCコマンドは、閉ループPCプロセスに関連する上りリンク電力を調整せよとの指令であってもよい。複数の繰り返しが1つの閉ループPCプロセスに関連している場合、そのTPCコマンドは繰り返しの全てに適用されてもよい。繰り返しがそれぞれ閉ループPCプロセスに関連している場合、TPCコマンドは、複数のプロセス/繰り返しのうちの1つに適用される1つの係数を提供してもよい、プロセスの全て(又はあるサブセット)に適用される1つの係数を提供してもよい、又は複数のプロセス/繰り返しにそれぞれ適用される複数の係数を提供してもよい。いくつかの実施形態では、複数のプロセス/繰り返しにそれぞれ適用される複数の係数を提供するために、TPCコマンドは、閉ループ電力制御係数の値のペアに対応する設定済みのコードポイントを参照する、1ビット又は2ビットのコマンドであってもよい。その対応は、例えば、3GPP TSによって事前定義されてもよいし、又はRRC若しくはMAC CEによって設定されてもよい。
【0115】
動作フロー/アルゴリズム構造700は、708で、1つ以上のDCIをUEに送信することを更に含んでもよい。DCIは、1つのPDCCH内で1つ以上のTRPから送信されてもよい。
【0116】
動作フロー/アルゴリズム構造700は、712で、少なくとも1つのPUCCH繰り返しを受信することを更に含んでもよい。PUCCH繰り返しは、TPCコマンドに基づく上りリンク送信電力でUEから送信されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のPUCCH繰り返しが1つ以上のTRPによって受信されてもよい。これらの繰り返しは、異なるビームを使用して異なるTRPに送信されてもよい。
【0117】
図8は、いくつかの実施形態によるビームフォーミング回路800を示す。ビームフォーミング回路800は、第1のアンテナパネルであるパネル1 1004と、第2のアンテナパネルであるパネル2 808とを含んでもよい。各アンテナパネルは、いくつかのアンテナ素子を含んでもよい。他の実施形態は、他の数のアンテナパネルを含み得る。
【0118】
デジタルビームフォーミング(BF)構成要素828は、例えば、
図12のベースバンドプロセッサ1204Aなどのベースバンドプロセッサから入力ベースバンド(BB)信号を受信してもよい。デジタルBF構成要素828は、BB信号をプリコーディングするために複素重みに依拠してもよく、ビームフォーミングされたBB信号を並列無線周波数(RF)チェーン820/1124に提供してもよい。
【0119】
各RFチェーン820/824は、BB信号をアナログ領域に変換するデジタルアナログ変換器と、ベースバンド信号をRF信号に混合するミキサと、伝送のためにRF信号を増幅する電力増幅器とを含んでもよい。RFチェーン820/824は、本明細書に記載するように異なるビームのための上りリンク送信電力制御を個々に調整するために、PC入力を受信してもよい。
【0120】
RF信号はアナログBF構成要素812/816に提供されてもよく、アナログBF構成要素812/816は、アナログ領域において位相シフトを提供することによって追加的にビームフォーミングを適用してもよい。次いで、RF信号は、伝送のためにアンテナパネル804/808に提供されてもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、本明細書で示すハイブリッドビームフォーミングの代わりに、ビームフォーミングがデジタル領域においてのみ、又はアナログ領域においてのみ行われてもよい。
【0122】
様々な実施形態で、ベースバンドプロセッサ内に存在し得る制御回路が、それぞれのアンテナパネルで送信ビームを提供するために、アナログ/デジタルBF構成要素にBF重みを提供してもよい。これらのBF重みは、本明細書に記載するようにサービングセルの指向性プロビジョニングを提供するために、制御回路によって決定されてもよい。いくつかの実施形態では、BF構成要素とアンテナパネルが一緒に動作して、ビームを所望の方向に向ける能力をもつ動的フェーズドアレイを提供してもよい。
【0123】
図9は、いくつかの実施形態によるUE900を示す。UE900は、
図1のUE104と類似、かつ実質的に交換可能であってもよい。
【0124】
UE900は、携帯電話、コンピュータ、タブレット、工業用無線センサ(例えば、マイクロフォン、二酸化炭素センサ、圧力センサ、湿度センサ、温度計、動きセンサ、加速度計、レーザスキャナ、流体レベルセンサ、在庫センサ、電圧/電流計、アクチュエータなど)、ビデオ監視/モニタリングデバイス(例えば、カメラ、ビデオカメラなど)、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ)、relaxed-IoTデバイスなどの任意のモバイルコンピューティングデバイス又は非モバイルコンピューティングデバイスであり得る。
【0125】
UE900は、プロセッサ904、RFインタフェース回路908、メモリ/ストレージ912、ユーザインタフェース916、センサ920、ドライバ回路922、電源管理用集積回路(PMIC)924、アンテナ構造926及びバッテリ928を含み得る。UE900の構成要素は、集積回路(IC)、その一部分、個別の電子デバイス、又は他のモジュール、ロジック、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせとして実装され得る。
図9のブロック図は、UE900の構成要素の一部のハイレベル図を示すことを意図している。しかしながら、示されている構成要素のいくつかは省略されてもよく、追加の構成要素が存在してもよく、示されている構成要素の異なる配置が他の実施態様で発生してもよい。
【0126】
UE900の構成要素は1つ以上の相互接続部932を介して様々な他の構成要素と結合されていてもよく、1つ以上の相互接続部は、様々な回路構成要素(共通の又は異なるチップ若しくはチップセット上)を互いに相互作用させ得る、任意の種類のインタフェース、入出力部、(ローカル、システム又は拡張)バス、伝送線、トレース、光学接続部などを表してもよい。
【0127】
プロセッサ904は、例えば、ベースバンドプロセッサ回路(BB)904A、中央処理装置回路(CPU)904B及びグラフィック処理装置回路(GPU)904Cなどのプロセッサ回路を含んでもよい。プロセッサ904は、メモリ/ストレージ912からのプログラムコード、ソフトウェアモジュール又は機能プロセスなどのコンピュータ実行可能命令を実行するか、又は別様に動作させるかして、本明細書に記載される動作をUE900に実行させる、任意の種類の回路又はプロセッサ回路を含み得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、ベースバンドプロセッサ回路904Aは、3GPP準拠ネットワークを介して通信するために、メモリ/ストレージ912内の通信プロトコルスタック936にアクセスし得る。一般に、ベースバンドプロセッサ回路904Aは、通信プロトコルスタックにアクセスして、PHY層、MAC層、RLC層、PDCP層、SDAP層及びPDU層にてユーザプレーン機能を実行し、またPHY層、MAC層、RLC層、PDCP層、RRC層及び非アクセス層にて制御プレーン機能を実行し得る。いくつかの実施形態では、PHY層の動作は、追加的/代替的に、RFインタフェース回路908の構成要素によって実行されてもよい。
【0129】
ベースバンドプロセッサ回路904Aは、3GPP準拠ネットワーク内で情報を運ぶベースバンド信号又は波形を生成又は処理し得る。いくつかの実施形態では、NRのための波形は、上りリンク又は下りリンクにおける巡回プレフィックスOFDM(CP-OFDM)、及び上りリンクにおける離散フーリエ変換スプレッドOFDM(DFT-S-OFDM)に基づいてもよい。
【0130】
メモリ/ストレージ912は、本明細書に記載される様々な動作をUE900に実行させるためにプロセッサ904の1つ以上によって実行され得る命令を含む1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、通信プロトコルスタック936)を含み得る。メモリ/ストレージ912はまた、他の箇所に記載される上りリンク電力制御プロセスでアクセスされる電力制御設定情報を記憶してもよい。
【0131】
メモリ/ストレージ912は、UE900の全体に分散され得る任意の種類の揮発性又は不揮発性メモリを含む。いくつかの実施形態では、メモリ/ストレージ912のいくつかはプロセッサ904自体(例えば、L1及びL2キャッシュ)に配置されてもよく、一方で、他のメモリ/ストレージ912はプロセッサ904の外部にあるが、メモリインタフェースを介してアクセス可能である。メモリ/ストレージ912は、非限定的に、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートメモリ、又は任意の他のタイプのメモリデバイス技術などの、任意の好適な揮発性又は不揮発性メモリを含み得る。
【0132】
RFインタフェース回路908は、無線アクセスネットワークを介してUE900が他のデバイスと通信することを可能にする送受信器回路及び無線周波数フロントモジュール(RFEM)を含み得る。RFインタフェース回路908は、送信経路又は受信経路に配置された様々な要素を含んでもよい。これらの要素は、例えば、スイッチ、混合器、増幅器、フィルタ、合成器回路、制御回路などを含み得る。
【0133】
受信経路では、RFEMは、アンテナ構造926を介してエアインタフェースから放射信号を受信し、信号をフィルタリング及び増幅してもよい(低ノイズ増幅器を用いて)。この信号は送受信機の受信器に提供されてもよく、そのRF信号を受信器がベースバンド信号にダウンコンバートし、それがプロセッサ904のベースバンドプロセッサに提供される。
【0134】
送信経路では、送受信機の送信機は、ベースバンドプロセッサから受信されたベースバンド信号をアップコンバートし、RF信号をRFEMに提供する。RFEMは、RF信号がアンテナ926を介してエアインタフェースをわたって放射される前に、電力増幅器によってRF信号を増幅してもよい。
【0135】
様々な実施形態で、RFインタフェース回路908は、NRアクセス技術に準拠した様式で信号を送受信するように構成されてもよい。
【0136】
アンテナ926は、電気信号を電波に変換して空気中を伝わるようにし、受信された電波を電気信号に変換するアンテナ要素を備えてもよい。アンテナ要素は、1つ以上のアンテナパネルに配置され得る。アンテナ926は、ビームフォーミング及びマルチ入力マルチ出力通信を可能にするために、全方向性、指向性又はそれらの組み合わせであるアンテナパネルを有してもよい。アンテナ926は、マイクロストリップアンテナ、1つ以上のプリント回路基板の表面上に製作されたプリントアンテナ、パッチアンテナ、フェーズドアレイアンテナなどを含み得る。アンテナ926は、FR1又はFR2内の帯域を含む特定の周波数帯域のために設計された1つ以上のパネルを有し得る。
【0137】
ユーザインタフェース回路916は、UE900とのユーザ対話を可能にするように設計された様々な入出力(I/O)デバイスを含む。ユーザインタフェース916は、入力デバイス回路及び出力デバイス回路を含む。入力デバイス回路は、とりわけ、1つ以上の物理的又は仮想的ボタン(例えば、リセットボタン)、物理キーボード、キーパッド、マウス、タッチパッド、タッチスクリーン、マイクロフォン、スキャナ、ヘッドセット、などを含む入力を受け付けるための任意の物理的手段又は仮想的手段を含む。出力デバイス回路は、センサ読み取り値、アクチュエータ位置(単数又は複数)、又は他の同様の情報等の情報を表示するか、又は他の方法で情報を伝達するための任意の物理的又は仮想的手段を含む。出力デバイス回路は、とりわけ、1つ以上の単純な視覚出力/インジケータ(例えば、発光ダイオード「LED」などのバイナリ状態インジケータ及び複数文字の視覚出力、又はディスプレイデバイス若しくはタッチスクリーン(例えば、液晶ディスプレイ「LCD」、LEDディスプレイ、量子ドットディスプレイ、プロジェクタなど)などのより複雑な出力を含む、任意の数若しくは組み合わせのオーディオディスプレイ又は視覚ディスプレイを含んでもよく、文字、グラフィック、マルチメディアオブジェクトなどの出力は、UE1100の動作から生成若しくは作成される。
【0138】
センサ920は、環境内の事象又は変化を検出し、検出された事象に関する情報(センサデータ)を何らかの他のデバイス、モジュール、サブシステムなどに送信することを目的とするデバイス、モジュール又はサブシステムを含み得る。そのようなセンサの例としては、とりわけ、加速度計、ジャイロスコープ又は磁力計を含む慣性計測ユニット;3軸加速度計、3軸ジャイロスコープ又は磁力計を含む微小電気機械システム又はナノ電気機械システム;レベルセンサ;流量センサ;温度センサ(例えば、サーミスタ);圧力センサ;気圧センサ;重力計;高度計;画像キャプチャデバイス(例えば、カメラ又はレンズレス開口);光検出及び測距センサ;近接センサ(例えば、赤外線検出器など);深度センサ;周囲光センサ;超音波送受信機、マイクロフォン又は他の類似の音声キャプチャデバイス、などが挙げられる。
【0139】
ドライバ回路922は、UE900に組み込まれた、UE1100に取り付けられた、又は他の方法でUE900と通信可能に結合された特定のデバイスを制御するように動作するソフトウェア及びハードウェア要素を含むことができる。ドライバ回路922は、他の構成要素が、UE900内に存在してもよい、又はUE900に接続されていてもよい様々な入出力(I/O)デバイスと相互作用するか、それらを制御することを可能にする個別のドライバを含んでもよい。例えば、ドライバ回路922は、ディスプレイデバイスへのアクセスを制御及び許可するためのディスプレイドライバと、タッチスクリーンインタフェースへのアクセスを制御及び許可するためのタッチスクリーンドライバと、センサ回路920のセンサ読み取り値を取得してセンサ回路920へのアクセスを制御及び許可するためのセンサドライバと、電子機械構成要素のアクチュエータ位置を取得するための、又は電気機械構成要素へのアクセスを制御及び許可するためのドライバと、埋め込み型画像キャプチャデバイスへのアクセスを制御及び許可するためのカメラドライバと、1つ以上のオーディオデバイスへのアクセスを制御及び許可するためのオーディオドライバとを含んでもよい。
【0140】
PMIC924は、UE900の様々な構成要素に提供される電力を管理し得る。特に、プロセッサ904に関して、PMIC924は、電源選択、電圧スケーリング、バッテリ充電又はDC-DC変換を制御し得る。
【0141】
いくつかの実施形態では、PMIC924は、本明細書で論じるDRXを含む、UE900の様々な省電力機構を制御してもよく、又は他の場合にはその一部であってもよい。
【0142】
バッテリ928は、UE900に電力を供給してもよいが、いくつかの例では、UE900は、固定位置にデプロイされて取り付けられてもよく、送電網に結合された電源を有してもよい。バッテリ928は、リチウムイオンバッテリや、空気亜鉛バッテリ、アルミニウム空気バッテリ、リチウム空気バッテリなどの金属空気バッテリなどであってもよい。車両ベースの適用例などのいくつかの実装形態では、バッテリ928は、典型的な自動車用鉛酸バッテリであってもよい。
【0143】
図10は、いくつかの実施形態によるgNB1000を示す。gNBノード1000は、
図1の基地局(単数又は複数)108と類似、かつ、実質的に交換可能であってもよい。
【0144】
gNB1000は、プロセッサ1004、RFインタフェース回路1008、コアネットワーク「CN」インタフェース回路1012、メモリ/ストレージ回路1016、及びアンテナ構造1026を含んでもよい。
【0145】
gNB1000の構成要素は、1つ以上の相互接続部1028を介して様々な他の構成要素と結合していてもよい。
【0146】
プロセッサ1004、RFインタフェース回路1008、メモリ/ストレージ回路1016(通信プロトコルスタック1010を含む)、アンテナ構造1026及び相互接続部1028は、
図10に関して図示及び説明した同様の名称の要素と類似していてもよい。
【0147】
CNインタフェース回路1012は、コアネットワーク、例えば第5世代コアネットワーク「5GC」に対する接続性を、キャリアイーサネットプロトコル又は何らかの他の好適なプロトコルなどの5GC準拠ネットワークインタフェースプロトコルを使用して提供してもよい。ネットワーク接続性は、光ファイバ又は無線バックホールを介してgNB1000へ、又はgNB1000から提供されてもよい。CNインタフェース回路1012は、前述したプロトコルのうちの1つ以上を使用して通信するための1つ以上の専用プロセッサ又はFPGAを含んでもよい。いくつかの実装形態では、CNインタフェース回路1012は、同じ、又は異なるプロトコルを使用して他のネットワークへの接続性を提供するための複数のコントローラを含んでもよい。
【0148】
いくつかの実施形態では、gNB1000は、アンテナ構造1026、CNインタフェース回路、又は他のインタフェース回路を使用して、TRP102又は106などのTRPと結合されていてもよい。
【0149】
個人特定可能な情報の使用は、ユーザのプライバシーを維持するための業界若しくは政府の要件を満たす又は超えるとして一般に認識されているプライバシーポリシ及びプラクティスに従うべきであることに十分に理解されたい。特に、個人特定可能な情報データは、意図されない若しくは許可されていないアクセス又は使用のリスクを最小限に抑えるように管理し取り扱うべきであり、許可された使用の性質はユーザに明確に示されるべきである。
【0150】
1つ以上の実施形態については、前述の図のうちの1つ以上に記載されている構成要素のうちの少なくとも1つは、以下の例示的なセクションに記載しているような1つ以上の動作、技術、プロセス又は方法を実行するように構成され得る。例えば、前述の図のうちの1つ以上に関連して上記に説明したベースバンド回路は、以下に記載される例のうちの1つ以上に従って動作するように構成されていてもよい。別の例として、前述の図のうちの1つ以上に関連して上記に説明したようなUE、基地局、ネットワーク要素などと関連付けられた回路は、実施例セクションにおいて以下に記載する例のうちの1つ以上に従って動作するように構成されている場合がある。
実施例
【0151】
以下のセクションには、更なる例示的な実施形態が提示される。
【0152】
実施例1はUEを動作させる方法を含み、方法は、基地局から、410メガヘルツ(MHz)~7125MHzの周波数範囲内での通信のための電力制御設定情報を受信することと、電力制御設定情報から、ある物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)伝送の第1の繰り返しに使用する第1の電力制御パラメータを選択することと、電力制御設定情報から、PUCCH伝送の第2の繰り返しに使用する第2の電力制御パラメータを選択することと、第1の電力制御パラメータを第1のビームに適用して、PUCCH伝送の第1の繰り返しを送信することと、第2の電力制御パラメータを第2のビームに適用して、PUCCH伝送の第2の繰り返しを送信することと、を含む。
【0153】
実施例2は実施例1又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、電力制御設定情報はP0セット及び複数の伝搬損失基準信号(RS)を設定するためのものであり、第1の電力制御パラメータはP0セットからの第1のP0と複数の伝搬損失RSからの第1の伝搬損失RSとを含み、第2の電力制御パラメータはP0セットからの第2のP0と複数の伝搬損失RSからの第2の伝搬損失RSとを含む。
【0154】
実施例3は実施例1又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、電力制御設定情報は第1及び第2のP0セット並びに第1及び第2の複数の伝搬損失参照基準信号(RS)を設定するためのものであり、第1の電力制御パラメータは第1のP0セットからの第1のP0と第1の複数の伝搬損失RSからの第1の伝搬損失RSとを含み、第2の電力制御パラメータは第2のP0セットからの第2のP0と第2の複数の伝搬損失RSからの第2の伝搬損失RSとを含む。
【0155】
実施例4は実施例1又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、PUCCHのために複数の閉ループ電力制御プロセスが有効にされていることを検出することと、PUCCH伝送の第1の繰り返しに第1の閉ループ電力制御プロセスを適用することと、PUCCH伝送の第2の繰り返しに第2の閉ループ電力制御プロセスを適用することと、を更に含む。
【0156】
実施例5は実施例1又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、UEは、電力制御設定情報を、無線リソース制御シグナリングによってPUCCH電力制御情報要素(IE)の中で受信することになっている。
【0157】
実施例6は実施例1又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、電力制御設定情報は少なくとも2つの電力制御(PC)パラメータセットを設定するためのものであり、方法は、少なくとも2つのPCパラメータセットを、PUCCH伝送の複数の繰り返しに巡回マッピングパターン又は順次マッピングパターンに基づいてマッピングすることを更に含み、巡回マッピングパターンは連続した繰り返しにマッピングされたPCパラメータセットを巡回させるためのものであり、順次マッピングパターンは個別のPCパラメータセットを連続した繰り返しにマッピングするためのものである。
【0158】
実施例7は実施例1又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、電力制御設定情報をPUCCHリソースの設定として、無線リソース制御(RRC)シグナリング又は媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)によって受信することを更に含む。
【0159】
実施例8は実施例7又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、当該PUCCHリソース、又は当該PUCCHリソースを含むPUCCHリソースのグループのための1つ以上の電力制御パラメータを設定するために、MAC CEによって電力制御設定情報を受信することを更に含む。
【0160】
実施例9は実施例8又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、第1のサービングセル内でMAC CEを受信することを更に含み、MAC CEは、当該PUCCHリソース又はPUCCHリソースの当該グループのための1つ以上の電力制御パラメータを、RRCシグナリングによって設定されたサービングセルリスト内の第2のサービングセル又は複数のサービングセルのために設定するためのものである。
【0161】
実施例10は実施例7又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、RRCシグナリングを介して電力制御パラメータの初期設定を受信することと、当該PUCCHリソース又は当該PUCCHリソースを含むPUCCHリソースのグループのための1つ以上の電力制御パラメータを更新するために、MAC CEによる電力制御設定情報を受信することと、を更に含む。
【0162】
実施例11は実施例7又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、当該PUCCHリソースは第1のPUCCHリソースであり、方法は、電力制御設定情報を第1及び第2のPUCCHリソースの両方の設定として受信することと、第1及び第2のPUCCHリソースの両方で同じ上りリンク制御情報を送信せよとの指令を基地局から受信することと、を更に含む。
【0163】
実施例12は実施例7又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、電力制御設定情報を複数の電力制御パラメータセットの設定として受信することと、複数の電力制御パラメータセットのうちの少なくとも1つの指示を、下りリンク制御情報(DCI)シグナリングを介して更に受信することと、を更に含む。
【0164】
実施例13はUEを動作させる方法を含んでもよく、方法は、複数の電力制御パラメータを記憶することと、ある物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)リソースのための複数のホップで1つのスロット内に送信する上りリンク制御情報(UCI)を符号化することと、複数の電力制御パラメータからの第1の電力制御パラメータを使用して複数のホップのうちの第1のホップを送信することと、複数の電力制御パラメータからの第1の電力制御パラメータ又は第2の電力制御パラメータを使用して複数のホップのうちの第2のホップを送信することと、を含む。
【0165】
実施例14は実施例13又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、第1の電力制御パラメータを第1の空間関係設定の中で受信することと、第2の電力制御パラメータを第2の空間関係設定の中で受信することと、を更に含む。
【0166】
実施例15は実施例13又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、第1の電力制御パラメータは電力制御パラメータの共通セットであり、方法は、電力制御パラメータの共通セットを使用して第1及び第2のホップを送信することを更に含む。
【0167】
実施例16は実施例13又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、第1の電力制御パラメータを、制御シグナリングであって、制御シグナリングが無線リソース制御シグナリング、メディアアクセス制御制御要素シグナリング、又は下りリンク制御情報シグナリングを含む、制御シグナリングを介して受信することと、第1の電力制御パラメータを使用して第1及び第2のホップの両方を送信することと、を更に含む。
【0168】
実施例17は実施例13又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、複数の電力制御パラメータは410メガヘルツ(MHz)~7125MHzまでの周波数範囲内の通信のためのものであり、方法は、第1の電力制御パラメータを、第1のホップに関連する電力制御パラメータの第1のセットから選択することと、第2の電力制御パラメータを、第2のホップに関連する電力制御パラメータの第2のセットから選択することと、を更に含む。
【0169】
実施例18は基地局を動作させる方法を含んでもよく、方法は、1つ以上の下りリンク制御情報(DCI)を、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)伝送の複数の繰り返しであって、PUCCH伝送の複数の繰り返しが1つ以上の閉ループ電力制御プロセスに関連している、PUCCH伝送の複数の繰り返しをスケジュールするように、また電力制御(TPC)コマンドであって、TCPコマンドが1つ以上の閉ループ電力制御プロセスに関連する上りリンク電力を調整するためのものである、TPCコマンドを含むように生成することと、1つ以上のDCIをユーザ機器(UE)に送信することと、複数の繰り返しのうちの少なくとも1つの繰り返しを受信することと、を含む。
【0170】
実施例19は実施例18又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、複数の繰り返しは1つの閉ループ電力制御プロセスに関連し、TPCコマンドは複数の繰り返しの全てに適用されるためのものである。
【0171】
実施例20は実施例18又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、1つ以上の閉ループ電力制御プロセスは第1のプロセス及び第2のプロセスを含み、複数の繰り返しのうちの第1の繰り返しは第1のプロセスに関連し、複数の繰り返しのうちの第2の繰り返しは第2のプロセスに関連し、方法は、UEに、TPCコマンドを第1の繰り返しに適用せよとの指令を、無線リソース制御シグナリング、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)、又は下りリンク制御情報を使用して送信することを更に含む。
【0172】
実施例21は実施例18又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、1つ以上の閉ループ電力制御プロセスは第1のプロセス及び第2のプロセスを含み、複数の繰り返しのうちの第1の繰り返しは第1のプロセスに関連し、複数の繰り返しのうちの第2の繰り返しは第2のプロセスに関連し、TPCコマンドは、第1及び第2の繰り返しの上りリンク送信電力を共通の調整値で調整せよとUEに指令するためのものである。
【0173】
実施例22は実施例18又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、1つ以上の閉ループ電力制御プロセスは第1のプロセス及び第2のプロセスを含み、複数の繰り返しのうちの第1の繰り返しは第1のプロセスに関連し、複数の繰り返しのうちの第2の繰り返しは第2のプロセスに関連し、TPCコマンドは、第1の繰り返しの上りリンク送信電力を第1の調整値で調整し、第2の繰り返しの上りリンク送信電力を第2の調整値で調整せよとUEに指令するためのものである。
【0174】
実施例23は実施例22又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、TPCコマンドは、事前定義された、又は媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)によって設定される複数の電力調整ペアのうちの1つを参照する少なくとも2ビットを含む。
【0175】
実施例24は、実施例1~23のいずれかに記載の、若しくはそれに関連する方法の、又は本明細書に記載のいずれかの他の方法若しくはプロセスの、1つ以上の要素を実行する手段を含む装置を含んでもよい。
【0176】
実施例25は、命令を含む1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体であって、その命令が、電子デバイスの1つ以上のプロセッサによって命令が実行されると、実施例1~23のいずれかに記載の、若しくはそれに関連する方法の、又は本明細書に記載のいずれかの他の方法若しくはプロセスの、1つ以上の要素を電子デバイスに実行させる、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0177】
実施例26は、実施例1~23のいずれかに記載の、若しくはそれに関連する方法の、又は本明細書に記載のいずれかの他の方法若しくはプロセスの、1つ以上の要素を実行するためのロジック、モジュール又は回路を備える装置を含んでもよい。
【0178】
実施例27は、実施例1~23のいずれか若しくはその一部若しくは部分に記載の、又はそれに関連する、方法、技術、又はプロセスを含んでもよい。
【0179】
実施例28は、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行されると、実施例1~23のいずれか若しくはその一部に記載の、又はそれに関連する、方法、技術又はプロセスを1つ以上のプロセッサに実行させる命令を含む1つ以上のコンピュータ可読媒体と、を備える装置を含んでもよい。
【0180】
実施例29は、実施例1~23のいずれか若しくはその一部若しくは部分に記載の、又はそれに関連する信号を含んでもよい。
【0181】
実施例30は、実施例1~23のいずれか若しくはその一部若しくは部分に記載の、若しくはそれに関連する、又は本開示に別様に記載された、データグラム、情報要素、パケット、フレーム、セグメント、PDU又はメッセージを含んでもよい。
【0182】
実施例31は、実施例1~23のいずれか若しくはその一部若しくは部分に記載の、若しくはそれに関連する、又は本開示に別様に記載されたデータによって符号化された信号を含んでもよい。
【0183】
実施例32は、実施例1~23のいずれか若しくはその一部若しくは部分に記載の、若しくはそれに関連する、又は本開示に別様に記載された、データグラム、IE、パケット、フレーム、セグメント、PDU又はメッセージによって符号化された信号を含んでもよい。
【0184】
実施例33は、コンピュータ可読命令であって、1つ以上のプロセッサによるコンピュータ可読命令の実行が、実施例1~23のいずれか若しくはその一部に記載の、又はそれに関連する、方法、技術又はプロセスを1つ以上のプロセッサに遂行させるためのものであるコンピュータ可読命令を搬送する電磁信号を含んでもよい。
【0185】
実施例34は、命令を含むコンピュータプログラムであって、処理要素によるプログラムの実行が、実施例1~23のいずれか若しくはその一部に記載の、又はそれに関連する、方法、技術又はプロセスを処理要素に遂行させるためのものである、コンピュータプログラムを含んでもよい。
【0186】
実施例35は、本明細書に図示され記載される通りの無線ネットワーク内の信号を含んでもよい。
【0187】
実施例36は、本明細書に図示され記載される通りに無線ネットワーク内で通信する方法を含んでもよい。
【0188】
実施例37は、本明細書に図示され記載される通りに無線通信を提供するためのシステムを含んでもよい。
【0189】
実施例38は、本明細書に図示され記載される通りに無線通信を提供するためのデバイスを含んでもよい。
【0190】
上記の実施例のいずれも、特に明記しない限り、任意の他の実施例(又は実施例の組み合わせ)と組み合わせることができる。1つ以上の実装形態の前述の説明は、例示及び説明を提供するが、網羅的であることを意図するものではなく、又は、実施形態の範囲を開示される正確な形態に限定することを意図するものではない。修正及び変形は、上記の教示を踏まえて可能であり、又は様々な実施形態の実践から習得することができる。
【0191】
上記の実施形態は、かなり詳細に記載されているが、上記の開示が完全に理解されれば、多数の変形形態及び修正形態が当業者には明らかになる。以下の特許請求の範囲は、全てのそのような変形形態及び修正形態を包含すると解釈されることが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
命令を有する1つ以上のコンピュータ可読媒体であって、前記命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されると、ユーザ機器(UE)に、
基地局から、410メガヘルツ(MHz)~7125MHzの周波数範囲内での通信のための電力制御設定情報を受信させ、
前記電力制御設定情報から、ある物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)伝送の第1の繰り返しに使用する第1の電力制御パラメータを選択させ、
前記電力制御設定情報から、前記PUCCH伝送の第2の繰り返しに使用する第2の電力制御パラメータを選択させ、
前記第1の電力制御パラメータを第1のビームに適用して、前記PUCCH伝送の前記第1の繰り返しを送信させ、
前記第2の電力制御パラメータを第2のビームに適用して、前記PUCCH伝送の前記第2の繰り返しを送信させる、
1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項2】
前記電力制御設定情報がP0セット及び複数の伝搬損失基準信号(RS)を設定するためのものであり、
前記第1の電力制御パラメータが、前記P0セットからの第1のP0と、前記複数の伝搬損失RSからの第1の伝搬損失RSとを含み、前記第2の電力制御パラメータが、前記P0セットからの第2のP0と、前記複数の伝搬損失RSからの第2の伝搬損失RSとを含む、請求項1に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項3】
前記電力制御設定情報が第1及び第2のP0セット並びに第1及び第2の複数の伝搬損
失基準信号(RS)を設定するためのものであり、前記第1の電力制御パラメータが、前記第1のP0セットからの第1のP0と前記第1の複数の伝搬損失RSからの第1の伝搬損失RSとを含み、前記第2の電力制御パラメータが、前記第2のP0セットからの第2のP0と前記第2の複数の伝搬損失RSからの第2の伝搬損失RSとを含む、請求項
1に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項4】
前記命令が、実行されると、前記UEに更に、
PUCCHのために複数の閉ループ電力制御プロセスが有効にされていることを検出させ、
前記PUCCH伝送の前記第1の繰り返しに第1の閉ループ電力制御プロセスを適用させ、
前記PUCCH伝送の前記第2の繰り返しに第2の閉ループ電力制御プロセスを適用させる、
請求項
1に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項5】
前記電力制御設定情報が少なくとも2つの電力制御(PC)パラメータセットを設定するためのものであり、前記命令が、実行されると、前記UEに、
前記少なくとも2つのPCパラメータセットを、前記PUCCH伝送の複数の繰り返しに巡回マッピングパターン又は順次マッピングパターンに基づいてマッピングさせ、前記巡回マッピングパターンが連続した繰り返しにマッピングされたPCパラメータセットを巡回させるためのものであり、前記順次マッピングパターンが個別のPCパラメータセットを連続した繰り返しにマッピングするためのものである、請求項
1に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項6】
前記命令が、実行されると、前記UEに更に、前記電力制御設定情報をPUCCHリソースの設定として、無線リソース制御(RRC)シグナリング又は媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)によって受信させる、請求項
1に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記命令が、実行されると、前記UEに更に、前記PUCCHリソース又は前記PUCCHリソースを含むPUCCHリソースのグループのための1つ以上の電力制御パラメータを設定するために、MAC CEによって前記電力制御設定情報を受信させる、請求項
6に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記UEが第1のサービングセル内で前記MAC CEを受信し、前記MAC CEが、前記PUCCHリソース又はPUCCHリソースの前記グループのための前記1つ以上の電力制御パラメータを、RRCシグナリングによって設定されたサービングセルリスト内の第2のサービングセル又は複数のサービングセルのために設定するためのものである、請求項
7に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記UEが、RRCシグナリングを介して電力制御パラメータの初期設定を受信し、前記PUCCHリソース又は前記PUCCHリソースを含むPUCCHリソースのグループのための1つ以上の電力制御パラメータを更新するために、MAC CEによって前記電力制御設定情報を受信することになっている、請求項
6に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記PUCCHリソースが第1のPUCCHリソースであり、前記命令が、実行されると、前記UEに更に、前記電力制御設定情報を前記第1のPUCCHリソースと前記第2のPUCCHリソースの両方の設定として受信させ、前記第1のPUCCHリソースと前記第2のPUCCHリソースの両方で同じ上りリンク制御情報を送信せよとの指令を
前記基地局から受信させる、請求項
6に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記命令が、実行されると、前記UEに更に、前記電力制御設定情報を、複数の電力制御パラメータセットの設定として受信させ、前記複数の電力制御パラメータセットのうちの少なくとも1つの指示を下りリンク制御情報(DCI)シグナリングを介して更に受信させる、請求項
1に記載の1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
複数の電力制御パラメータを記憶するためのメモリと、
前記メモリに結合された処理回路と、を備え、前記処理回路が、
ある物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)リソースのために複数のホップで1つのスロット内に送信する上りリンク制御情報(UCI)を符号化し、
前記複数の電力制御パラメータからの第1の電力制御パラメータを使用して前記複数のホップのうちの第1のホップを送信し、
前記複数の電力制御パラメータからの前記第1の電力制御パラメータ又は第2の電力制御パラメータを使用して前記複数のホップのうちの第2のホップを送信するためのものである、
ユーザ機器。
【請求項13】
前記処理回路が更に、
前記第1の電力制御パラメータを第1の空間関係設定の中で受信し、前記第2の電力制御パラメータを第2の空間関係設定の中で受信するためのものである、請求項
12に記載のユーザ機器。
【請求項14】
前記第1の電力制御パラメータが電力制御パラメータの共通セットであり、前記処理回路が更に、電力制御パラメータの前記共通セットを使用して前記第1及び第2のホップを送信するものである、請求項
12に記載のユーザ機器。
【請求項15】
前記処理回路が更に、前記第1の電力制御パラメータを、制御シグナリングであって、無線リソース制御シグナリング、メディアアクセス制御制御要素シグナリング、又は下りリンク制御情報シグナリングを含む制御シグナリングを介して受信し、前記第1の電力制御パラメータを使用して前記第1及び第2のホップの両方を送信するためのものである、請求項
12に記載のユーザ機器。
【請求項16】
基地局を動作させる方法であって、
1つ以上の下りリンク制御情報(DCI)を、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)伝送の複数の繰り返しであって、前記PUCCH伝送の前記複数の繰り返しが1つ以上の閉ループ電力制御プロセスに関連している、PUCCH伝送の複数の繰り返しをスケジュールするように、また電力制御(TPC)コマンドであって、前記TPCコマンドが前記1つ以上の閉ループ電力制御プロセスに関連する上りリンク電力を調整するためのものである、TPCコマンドを含むように生成することと、
前記1つ以上のDCIをユーザ機器(UE)に送信することと、
前記複数の繰り返しのうちの少なくとも1つの繰り返しを受信することと、を含む、方法。
【請求項17】
前記複数の繰り返しが1つの閉ループ電力制御プロセスに関連し、前記TPCコマンドが前記複数の繰り返しの全てに適用されるためのものである、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上の閉ループ電力制御プロセスが第1のプロセス及び第2のプロセスを含み、前記複数の繰り返しのうちの第1の繰り返しが前記第1のプロセスに関連し、前記複数の繰り返しのうちの第2の繰り返しが前記第2のプロセスに関連し、前記方法が、
前記UEに、前記TPCコマンドを前記第1の繰り返しに適用せよとの指令を、無線リソース制御シグナリング、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)、又は下りリンク制御情報を使用して送信することを更に含む、請求項
16に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ以上の閉ループ電力制御プロセスが第1のプロセス及び第2のプロセスを含み、前記複数の繰り返しのうちの第1の繰り返しが前記第1のプロセスに関連し、前記複数の繰り返しのうちの第2の繰り返しが前記第2のプロセスに関連し、前記TPCコマンドが前記第1及び第2の繰り返しの上りリンク送信電力を共通の調整値で調整するように前記UEに指令するためのものである、請求項
16に記載の方法。
【請求項20】
前記1つ以上の閉ループ電力制御プロセスが第1のプロセス及び第2のプロセスを含み、前記複数の繰り返しのうちの第1の繰り返しが前記第1のプロセスに関連し、前記複数の繰り返しのうちの第2の繰り返しが前記第2のプロセスに関連し、前記TPCコマンドが、前記第1の繰り返しの上りリンク送信電力を第1の調整値で調整し、前記第2の繰り返しの上りリンク送信電力を第2の調整値で調整するように前記UEに指令するためのものである、請求項
16に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
特定の1つのPUCCHリソースに1つの電力制御パラメータのセットが適用される場合、基地局(単数又は複数)108は、その同じ上りリンク制御情報(UCI)を報告するためにN個のPUCCHリソース(ここで、N>1、例えばN=2)をトリガしてもよい。したがって、N個のPUCCHリソースの各々は、それ自体の電力制御パラメータのセットに関連していてもよい。このようにして、異なるPUCCH繰り返しを搬送する異なるPUCCHリソースは、意図されたターゲットTRPに適した電力制御パラメータを有し得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
図3は、いくつかの実施形態による、PCパラメータセットのシグナリングの2つのシナリオを示す。シナリオ304では、PCパラメータセット(単数又は複数)はRRC、MAC CE、及びDCIシグナリングの組み合せによって提供されてもよい。例えば、基地局(単数又は複数)108は、RRCシグナリングを使用して、PCパラメータセット(0~7)でUE104を設定してもよい(例えばM=8)。しばらく後に、基地局(単数又は複数)108は複数のPCパラメータセットをアクティブ化するために、UE104にMAC CEを送信してもよい。1つ以上のアクティブ化されたPCパラメータセットが、複数のDCIコードポイントの各々に対応してもよい。図示するように、PCパラメータセット
0及び
1が第1のDCIコードポイント(例えばコードポイント=0)に対応してもよい。PCパラメータセット0が第2のDCIコードポイント(例えばコードポイント=1)に対応してもよい。PCパラメータセット3及び4が第3のDCIコードポイント(例えばコードポイント=2)に対応してもよい。PCパラメータセット1及び2が第4のDCIコードポイント(例えばコードポイント=3)に対応してもよい。しばらく後に、基地局(単数又は複数)108は、後続の上りリンク伝送に適用すべきPCパラメータセットに対応するDCIコードポイント値をもつDCIを送信してもよい。図示するように、PCパラメータセット3及び4を選択するためにDCIコードポイント=2が送信されてもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
PUCCHリソース(例えばFR1内)に空間関係設定が提供されない実施形態のための第1のオプションでは、電力制御パラメータの異なるセットが各ホップに適用されてもよい。いくつかの実施形態では、電力制御パラメータの異なるセットは、上記で説明したものと類似した様式で、PUCCHリソースに対して設定されてもよい。PUCCH繰り返し404を有する第1のホップにPCパラメータセットの第1のセットが適用されてもよく、PUCCH繰り返し408を有する第2のホップにPCパラメータセットの第2のセットが適用されてもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
第3のオプションでは、TPCコマンドの指示は、例えば、RRCシグナリング又はMAC CEなどの上位層シグナリングによって設定されてもよい。一例では、1つのMAC CEが、各TPCコマンドについて、適用される閉ループPCプロセス(単数又は複数)又は閉ループPC係数の値を設定することができる。例えば、2ビットTPCコマンドの場合、そのMAC CEは、4つの状態、例えば、{0dB,0dB}、{1dB,3dB}、{3dB,3dB}、及び{-1dB, 0dB}についての指示を与え得る。値のペアの1番目の値は第1の閉ループPCプロセスに対応するように設定されてもよく、値のペアの2番目の値は第2の閉ループPCプロセスに対応してもよい。MAC CEによって設定されるこれらの4つの状態は、TPCコマンド0、1、2、及び3に対応し得る。基地局(単数又は複数)108が「1」のTPCコマンドを送信する場合、UE104は、第1の閉ループPCプロセスに関連する第1のPUCCH繰り返しに1dB調整を適用し、第2の閉ループPCプロセスに関連する第2のPUCCH繰り返しに3dB調整を適用してもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0112
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0112】
図7は、いくつかの実施形態による動作フロー/アルゴリズム構造700を示す。動作フロー/アルゴリズム構造700は、例えば、基地局(単数又は複数)10
8若しくはgNB1000などの基地局、又はその構成要素、例えばベースバンドプロセッサ1004Aによって、実行又は実装されてもよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0117
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0117】
図8は、いくつかの実施形態によるビームフォーミング回路800を示す。ビームフォーミング回路800は、第1のアンテナパネルであるパネル1
804と、第2のアンテナパネルであるパネル2 808とを含んでもよい。各アンテナパネルは、いくつかのアンテナ素子を含んでもよい。他の実施形態は、他の数のアンテナパネルを含み得る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0118】
デジタルビームフォーミング(BF)構成要素828は、ベースバンドプロセッサから入力ベースバンド(BB)信号を受信してもよい。デジタルBF構成要素828は、BB信号をプリコーディングするために複素重みに依拠してもよく、ビームフォーミングされたBB信号を並列無線周波数(RF)チェーン820/824に提供してもよい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0154
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0154】
実施例3は実施例1又は本明細書のいくつかの他の実施例の方法を含んでもよく、電力制御設定情報は第1及び第2のP0セット並びに第1及び第2の複数の伝搬損失基準信号(RS)を設定するためのものであり、第1の電力制御パラメータは第1のP0セットからの第1のP0と第1の複数の伝搬損失RSからの第1の伝搬損失RSとを含み、第2の電力制御パラメータは第2のP0セットからの第2のP0と第2の複数の伝搬損失RSからの第2の伝搬損失RSとを含む。
【国際調査報告】