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特表2024-507064光音響および超音波の撮像装置、ならびに画像形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】光音響および超音波の撮像装置、ならびに画像形成方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/13 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A61B8/13
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543082
(86)(22)【出願日】2021-09-02
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 KR2021011871
(87)【国際公開番号】W WO2023017891
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0105598
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523268918
【氏名又は名称】オプティコ インク.,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】キム, チョル ホン
(72)【発明者】
【氏名】チェ, ウォン ソク
(72)【発明者】
【氏名】パク, ウン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】チョン, スン ワン
(72)【発明者】
【氏名】イ, チャン ヨプ
(72)【発明者】
【氏名】ハン, ムン ギュ
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD01
4C601DD10
4C601DD14
4C601DE16
4C601GB04
4C601JB28
4C601JB48
4C601JC09
(57)【要約】
光音響および超音波の撮像装置は、レーザを生成するように構成されたレーザ光源と、超音波生成信号を生成するように構成された超音波源と、レーザを受光し、このレーザを対象物に放射するように構成されたレーザ放射装置、ならびに、超音波生成信号を受信し、超音波を対象物に放射し、対象物から生成および反射された光音響信号および超音波信号を検出するように構成された超音波トランスデューサを含む撮像プローブと、超音波トランスデューサによって検出された光音響信号および超音波信号に基づいて、レーザから対象物内の組織の画像を形成し、超音波から対象物内の組織の画像を形成するように構成された演算ユニットとを備える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザを生成するように構成されたレーザ光源と、
超音波生成信号を生成するように構成された超音波源と、
前記レーザを受光し、前記レーザを対象物に放射するように構成されたレーザ放射装置、ならびに、前記超音波生成信号を受信し、超音波を前記対象物に放射し、前記対象物から生成および反射された光音響信号および超音波信号を検出するように構成された超音波トランスデューサを含む撮像プローブと、
前記レーザから前記対象物内の組織の画像を形成し、前記超音波トランスデューサによって検出された前記超音波信号に基づいて、前記超音波から前記対象物内の組織の画像を形成するように構成された演算ユニットと
を備える、光音響および超音波の撮像装置。
【請求項2】
前記演算ユニットが、前記超音波トランスデューサから前記対象物に放射される前記超音波から、前記対象物の輪郭プロファイルを取得する、請求項1に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項3】
前記光音響および超音波の撮像装置が、距離センサをさらに備え、
前記距離センサが、前記対象物までの距離を検出し、
前記演算ユニットが、前記距離センサによって検出される前記距離から、前記対象物の輪郭プロファイルを取得する、請求項1に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像プローブが、前記対象物の前記輪郭プロファイルに沿って移動しながら、前記レーザおよび前記超音波を放射し、
前記演算ユニットが、前記輪郭プロファイルに従って前記画像の高さを調整することによって、前記対象物内の前記組織の前記画像を形成する、請求項2または3に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項5】
前記レーザ光源が、2つ以上の異なる波長のレーザを形成および供給する、請求項1に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項6】
前記レーザからの前記対象物の前記組織の前記画像が、前記対象物の皮膚、背景組織、および血管のうちの1つまたは複数の画像を含む、請求項1に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項7】
前記超音波からの、前記対象物内の前記組織の前記画像が、前記対象物内の血管の画像、前記対象物の皮膚の画像、および前記対象物の骨の画像のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項8】
前記超音波トランスデューサが、前記対象物に前記超音波を供給するように構成され、かつアレイ状に配置された複数のトランスデューサを備える、請求項1に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項9】
前記超音波トランスデューサが、前記対象物に前記超音波を供給するように構成され、かつアレイ状に配置された複数のトランスデューサを備える、請求項1に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項10】
前記超音波源が、前記レーザ光源および前記超音波トランスデューサを制御して、前記レーザおよび前記超音波を互いに同期して放射する、請求項1に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項11】
前記対象物を上部に配置するように構成された診察台をさらに備え、
前記診察台が、
前記対象物を固定するように構成された対象物固定部分と、
前記撮像プローブを前記対象物の上方に配置および移動させるように構成された移動構造体と、
前記対象物と前記撮像プローブの間に超音波信号および光音響信号を送出するための媒質で満たされた容器と
を備える、請求項1に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項12】
対象物の光音響画像および超音波画像を形成する方法であって、
(a)前記対象物の輪郭プロファイルを形成することと、
(b)前記輪郭プロファイルに従って、レーザ光および超音波を前記対象物に供給することと、
(c)前記レーザ光から生成された光音響信号、および前記超音波から生成された超音波信号を検出することによって、前記対象物の光音響画像および超音波画像を形成することと
を含む、方法。
【請求項13】
工程(a)が、超音波トランスデューサまたは距離センサを使用して、前記対象物までの距離を計算することによって、前記対象物の前記輪郭プロファイルを形成することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
工程(b)が、前記対象物と超音波トランスデューサの間の距離、および前記対象物とレーザ放射装置の間の距離を一定に維持することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
工程(b)が、前記対象物全体の前記輪郭プロファイルを形成した後に実行される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
工程(a)が、前記対象物のある特定の領域に実行され、
工程(b)が、前記領域の輪郭プロファイルに沿って移動しながら実行される、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記対象物の前記光音響画像を形成することが、
周辺組織の背景信号を検出することと、
前記背景信号の代表値を計算することと、
前記背景信号の前記代表値に基づいて、前記対象物の画像を補正することと
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記代表値が、前記背景信号の平均輝度である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記対象物の前記画像の前記補正が、前記光音響画像の画素輝度を、前記代表値で除算することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
工程(c)が、前記輪郭プロファイルに従って、前記画像の高さを調整することにより、前記対象物内の組織の画像を形成することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
工程(b)が、前記超音波と前記レーザを、互いに同期して放射することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
工程(b)が、異なる波長を有する2つ以上のレーザ・ビームを放射することを含み、
工程(c)が、異なる波長を有する前記放射された2つ以上のレーザ・ビームから光音響画像を形成することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項23】
(d)前記光音響画像および前記超音波画像から、ヘモグロビン濃度、血液酸素飽和度、血管分布密度、および血管深度を計算することをさらに含む、請求項12に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光音響および超音波の撮像装置、ならびに光音響画像および超音波画像を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
末梢動脈疾患のある患者において血液循環を評価するには、末梢血管の画像が重要である。ドップラー超音波画像、コンピュータ断層撮影(CT)、または磁気共鳴(MR)血管造影など、数多くの血管撮像技術が臨床用に実行されるが、微小血管を視覚化するための空間分解能は一般に低い。血管の画像を得るために造影剤を注入しなければならないので、CT血管造影およびMR血管造影は定期健診には適していない。ドップラー超音波検査は、比較的安全ではあるが解像度が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
各実施形態は、超音波画像の構造情報に基づいて、高解像度のデュアルモード光音響(PA)画像/超音波画像から画像をもたらすことを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態による光音響および超音波の撮像装置は、レーザを生成するように構成されたレーザ光源と、超音波生成信号を生成するように構成された超音波源と、レーザを受光し、このレーザを対象物に放射するように構成されたレーザ放射装置、ならびに、超音波生成信号を受信し、超音波を対象物に放射し、対象物から生成および反射された光音響信号および超音波信号を検出するように構成された超音波トランスデューサを含む撮像プローブと、レーザから対象物内の組織の画像を形成し、超音波トランスデューサによって検出された超音波信号に基づいて、超音波から対象物内の組織の画像を形成するように構成された演算ユニットとを備える。
【0005】
実施形態の一態様によれば、撮像プローブは、対象物の輪郭プロファイルに沿って移動しながら、レーザおよび超音波を放射してもよい。
【0006】
実施形態の一態様によれば、レーザ光源は、2つ以上の異なる波長を有するレーザを形成および供給してもよい。
【0007】
実施形態の一態様によれば、対象物内の組織の画像は、この対象物内の血管の画像でもよい。
【0008】
実施形態の一態様によれば、超音波からの対象物内の組織の画像は、この対象物内の血管の画像、対象物の皮膚の画像、および対象物の骨の画像のうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0009】
実施形態の一態様によれば、超音波トランスデューサは、超音波を対象物に供給するように構成されて、アレイ状に配置された、複数のトランスデューサを備えてもよい。
【0010】
実施形態の一態様によれば、光音響および超音波の撮像装置は、距離センサをさらに備えてもよく、この距離センサは、レーザが対象物に放射される前に、この対象物までの距離を検出することによって、対象物の輪郭プロファイルを形成してもよい。
【0011】
実施形態の一態様によれば、超音波源は、レーザ光源および超音波トランスデューサを制御して、レーザと超音波を互いに同期して放射してもよい。
【0012】
実施形態の一態様によれば、光音響および超音波の撮像装置は、対象物を上部に配置するように構成された診察台をさらに備えてもよく、この診察台は、対象物を固定するように構成された対象物固定部分と、撮像プローブを対象物上に配置および移動させるように構成された移動構造体と、対象物と撮像プローブの間に超音波信号および光音響信号を送出するための媒質で満たされた容器とを備えてもよい。
【0013】
一実施形態による、対象物の光音響画像および超音波画像を形成する方法は、(a)対象物の輪郭プロファイルを形成することと、(b)この輪郭プロファイルに従って、レーザ光および超音波を対象物に供給することと、(c)レーザ光から生成された光音響信号、および超音波から生成された超音波信号を検出することによって、対象物の光音響画像および超音波画像を形成することとを含む。
【0014】
実施形態の一態様によれば、工程(a)は、超音波トランスデューサまたは距離センサを使用して、対象物までの距離を計算することによって、対象物の輪郭プロファイルを形成することを含んでもよい。
【0015】
実施形態の一態様によれば、工程(b)は、対象物と超音波トランスデューサの間の距離、および対象物とレーザ放射装置の間の距離を一定に維持することを含んでもよい。
【0016】
実施形態の一態様によれば、工程(b)は、対象物全体の輪郭プロファイルを形成した後に実行されてもよい。
【0017】
実施形態の一態様によれば、工程(a)は、対象物のある特定の領域に実行されてもよく、工程(b)は、この領域の輪郭プロファイルに沿って移動しながら実行されてもよい。
【0018】
実施形態の一態様によれば、対象物の光音響画像の形成は、周辺組織の背景信号を検出することと、この背景信号の代表値を計算することと、この背景信号の代表値に基づいて、対象物の画像を補正することとを含んでもよい。
【0019】
実施形態の一態様によれば、代表値は、背景信号の平均輝度でもよい。
【0020】
実施形態の一態様によれば、対象物の画像の補正は、光音響画像の画素輝度をこの代表値で除算することを含んでもよい。
【0021】
実施形態の一態様によれば、超音波とレーザは、互いに同期して放射されてもよい。
【0022】
実施形態の一態様によれば、工程(b)は、異なる波長を有する2つ以上のレーザ・ビームによって実行されてもよく、工程(c)は、異なる波長を有する2つ以上の放射されたレーザ・ビームから光音響画像を形成することを含んでもよい。
【0023】
実施形態の一態様によれば、この方法は、(d)光音響画像および超音波画像から、ヘモグロビン濃度、血液酸素飽和度、血管分布密度、および血管深度を計算することをさらに含んでもよい。
【0024】
実施形態の一態様によれば、この方法は、(d)光音響画像および超音波画像から、ヘモグロビン濃度、血液酸素飽和度、血管分布密度、および血管深度を計算することをさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0025】
各実施形態は、光音響血管画像を用いて、様々な構造体(たとえば、皮膚、骨、血管)の画像の組合せから抽出された複数構造画像をもたらす。さらに、輪郭走査技法を使用して、対象物の輪郭に沿って走査を実行することによって、画像の解像度を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、一実施形態による光音響/超音波撮像装置(1)の概要のブロック図である。
図2図2は、一実施形態による光音響および超音波の撮像法の概要の流れ図である。
図3図3(a)、図3(b)、および図3(c)は、一実施形態による光音響/超音波撮像装置の動作を示す概略図である。
図4図4(a)は、超音波3次元画像(volumetric image)から得られる皮膚の画像の一例である。図4(b)は、超音波3次元画像から得られる骨の画像の一例である。図4(c)は、超音波3次元画像から得られる血管画像の一例である。
図5図5は、対象物(T)である足の微小血管の光音響画像の一例である。
図6図6(a)は、関連技術に基づいて、撮像プローブを直線的に移動させることによって得られる超音波画像(US)および光音響画像(PA)の表示である。図6(b)は、一実施形態による、対象物の輪郭プロファイルに従って撮像プローブを移動させることによって得られる超音波画像(US)および光音響画像(PA)の表示である。図6(c)は、左の図は、関連技術に基づいて、撮像プローブを直線的に移動させることによって光音響画像の形式で得られる血管画像(PA)であり、右の図は、酸素飽和度(PA-sO)を示す光音響画像である。図6(d)は、左の図は、一実施形態による、対象物の輪郭プロファイルに従って撮像プローブを移動させることによって光音響画像の形式で得られる血管画像(PA)であり、右の図は、酸素飽和度(PA-sO)を示す光音響画像である。
図7図7(a)は、関連技術の光音響画像(PA)技法によって得られる、ヘモグロビン濃度(HbT)、酸素飽和度(sO)、および皮下血管深度(Depth)を示す図である。図7(b)は、一実施形態による、対象物(T)での組織の画像を補正するための光音響画像(PA)技法によって得られる、ヘモグロビン濃度(HbT)、酸素飽和度(sO)、および皮下血管深度(Depth)を示す図である。
図8図8は、一実施形態による、5回測定された異なる4人の人たちの総ヘモグロビン濃度(HbT)、酸素飽和度(sO)、血管密度、および平均深度の平均値を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、添付図面を参照して、各実施形態を説明する。
【0028】
図1は、一実施形態による光音響/超音波撮像装置1の概要のブロック図である。図1を参照すると、光音響/超音波撮像装置1は、レーザを形成するためのレーザ光源120と、超音波生成信号を形成するための超音波源142と、レーザを受光し、このレーザを対象物Tに放射するためのレーザ放射装置220、ならびに、超音波生成信号を受信し、超音波を対象物に放射し、対象物から生成される光音響画像および超音波信号を検出するための超音波トランスデューサ240を含む撮像プローブ200と、レーザによって対象物T内の組織の画像を形成し、超音波トランスデューサ240によって検出された超音波信号に基づいて、超音波による対象物T内の組織の画像を形成するように構成された演算ユニット146とを備える。
【0029】
図1を参照すると、この実施形態による光音響/超音波撮像装置1は、レーザ光源120および超音波ユニット140を備える。レーザ光源120は、所定の波長を有するレーザを形成する。たとえば、レーザ光源120から供給されるレーザは、パルス繰返し率が1Hz~20Hzのパルス・レーザでもよい。たとえば、レーザ光源20は、供給される光を制御してもよく、たとえば、OPOTEK Inc.製のPhocus Mobile製品でもよい。レーザ光源120は、様々な波長を有する複数のレーザ・ビームを形成および供給してもよい。
【0030】
超音波ユニット140は、超音波トランスデューサ240によって検出された信号を受信し、画像化を実行するように構成された、超音波源142および演算ユニット146を備えてもよい。図1に示す実施形態では、演算ユニット146は、超音波ユニット140に含まれる。しかし、本明細書に示されていない実施形態においては、演算ユニットは、超音波トランスデューサによって検出された信号を受信し、この信号に演算を実行した後に画像化を実行して、画像を形成するように構成された別個の構成要素でもよい。
【0031】
超音波源142は、所定の周波数の超音波を形成および供給する。一実施形態では、超音波源142によって供給される超音波は、中心周波数が5.5MHz~11.5MHzの超音波でもよい。たとえば、超音波源142は、Alpinion Medical Systems Co.Ltd.製の超音波システムECUBE 12Rでもよい。
【0032】
レーザのパルス繰返し率が10Hzのとき、1つまたは複数の連続したレーザ・パルスから、1つの光音響画像を得ることができ、利用可能なフレーム・レートは、光音響画像と超音波画像(US)の両方において10Hz以下でもよい。しかし、これはほんの一例であり、利用可能なフレーム・レートは、10Hzより高くても低くてもよい。
【0033】
撮像プローブ200は、レーザを受光し、このレーザを対象物Tに供給するように構成されたレーザ放射装置220と、超音波を受信し、この超音波を対象物Tに供給するように構成された1つまたは複数の超音波トランスデューサ240とを備える。一実施形態では、レーザ放射装置220は、レーザ光源120に接続された複数の光ファイバ・バンドルを備えてもよく、対象物Tに線形レーザを放射してもよい。超音波トランスデューサ240は、アレイ状に配置された1つまたは複数のトランスデューサ、たとえば、アレイ状に配置された128個のトランスデューサを備えてもよい。これは、ほんの例示的なことである。超音波トランスデューサ240は、超音波源142から供給される超音波生成信号を受信し、この超音波生成信号に対応する超音波を形成し、この超音波を対象物Tに供給する。超音波トランスデューサ240およびレーザ放射装置220は、それぞれ、制御装置によって制御されるモータ駆動装置(図示せず)によって移動されてもよい。
【0034】
撮像プローブ200に含まれる超音波トランスデューサ240およびレーザ放射装置220は、レーザ放射装置220からのレーザ・ビーム、および超音波トランスデューサ240からの超音波が、撮像プローブ200の下方の所定の位置で画像平面に一致するように設けられる。一実施形態では、レーザ・ビームおよび超音波は、撮像プローブ200の下方10~50mmにおいて互いに一致するように供給され、たとえば、対象物Tでの深さ30mmの位置で互いに一致してもよい。
【0035】
超音波トランスデューサ240からの超音波は、対象物Tに供給される。供給されたこの超音波から、対象物T内の組織および構造に対応する超音波信号が生成され、この信号が対象物Tの外側に供給される。
【0036】
レーザ放射装置220から対象物Tに供給されるレーザ光は、対象物T内の組織に吸収される。レーザ光を吸収する、対象物T内の組織に対応する超音波帯域での信号が形成され、この信号が対象物Tの外側に供給される。
【0037】
対象物Tから供給される超音波信号は、超音波トランスデューサ240によって検出される。超音波トランスデューサ240によって検出された超音波信号は、演算ユニット146に供給される。演算ユニット146は、対象物Tに供給されるレーザから生成された信号を検出し、たとえば、フーリエ領域再構築(Fourier domain reconstruction)技法を使用して、光音響画像を形成する。
【0038】
演算ユニット146は、対象物Tに供給される超音波から、対象物Tにおいて形成される信号を検出し、たとえば、遅延和ビームフォーミング(delay-and-sum beamforming)を実行することによって超音波画像を再構築する。一実施形態では、再構築された光音響画像および超音波画像は、それぞれ、演算ユニット146によって、画像信号の形式で生成、表示、および記憶されてもよい。
【0039】
本明細書に示されていない実施形態においては、撮像プローブは、対象物までの距離を測定することによって、対象物の輪郭プロファイルを得るように構成された距離センサをさらに備えてもよい。
【0040】
上記構成を有する光音響/超音波撮像装置1の動作を以下に述べる。図2は、一実施形態による光音響および超音波の撮像法の概要の流れ図である。図2を参照すると、この実施形態による、光音響画像および超音波画像を形成する方法は、(a)対象物の輪郭プロファイルを形成することと(S100)、(b)この輪郭プロファイルに従って、レーザ光および超音波を対象物に供給することと(S200)、(c)レーザ光から生成された光音響信号、および超音波から生成された超音波信号を検出することによって、対象物の光音響画像および超音波画像を形成することと(S300)を含む。
【0041】
超音波トランスデューサ240を用いて対象物Tを走査することによって、対象物Tの輪郭が得られる。一実施形態では、超音波トランスデューサ240を使用して、皮膚の超音波画像が得られる。輪郭を得るために皮膚の画像を得るプロセスを迅速に実行するために、皮膚を検出するプロセスは簡略化されることが好ましい。一実施形態では、超音波の強度によって閾値を設定し、ボックスカー・フィルタリング(boxcar filtering)またはメディアン・フィルタリングを使用して平滑化プロセスを実行することによって、皮膚を検出するプロセスを実行してもよい。皮膚の取得された超音波画像のX軸方向での中央値を選択することによって、対象物Tの高さに対応する輪郭プロファイルが得られる。
【0042】
撮像プローブ200が、Y軸方向に一定速度で走査を実行し、対象物Tの高さによってZ軸方向に移動するようにモータ駆動装置(図示せず)を制御するために、対象物Tの高さに対応する、取得済みの輪郭プロファイルが使用される。
【0043】
この実施形態による輪郭の取得は、対象物Tを光音響/超音波撮像する前に実行されてもよい。一実施形態では、光音響/超音波撮像は、輪郭を取得した後に実行されてもよい。すなわち、対象物Tの輪郭が取得された後、取得されたこの輪郭に従って光音響/超音波撮像を実行してもよい。別の実施形態では、対象物Tの所定部分の輪郭を取得してもよく、この輪郭に従って所定部分に光音響/超音波撮像を実行してもよく、輪郭の取得および光音響/超音波撮像の実行を繰り返し実行してもよい。本明細書に示されていない実施形態においては、輪郭の取得は、距離センサによって実行されてもよい。
【0044】
図3(a)、図3(b)、および図3(c)は、一実施形態による光音響/超音波撮像装置の動作を示す概略図である。図3(a)、図3(b)、および図3(c)の実施形態では、対象物Tが人間の足である場合が示してある。しかし、この場合はほんの一例であり、検出される物体、たとえば、足、手、大腿部、ふくらはぎ、上腕、前腕、または胴体を、対象物Tとして設定してもよい。
【0045】
対象物Tは、この対象物Tに撮像プロセスを実行するための診察台(図示せず)に配置されてもよい。この診察台は、撮像プロセス中に対象物Tを固定するための、対象物固定部分(図示せず)を備えてもよい。この診察台は、撮像プローブ200が、対象物T上を移動しながら撮像を実行できるようにするためのレールおよびフレームを含む移動構造体(図示せず)を備えてもよい。この移動構造体は、撮像プローブ200を、X軸、Y軸、およびZ軸の方向に移動させるための電気移動構造体でもよい。
【0046】
診察台は、対象物Tを媒質に浸漬するための容器(図示せず)を備えてもよく、この容器は、超音波信号および光音響信号を送出するための媒質で満たされる。一実施形態では、対象物固定部分は、対象物Tを容器に浸漬することによって対象物Tを固定してもよく、対象物Tが浸漬される液体は水でもよい。
【0047】
図3(a)および図3(c)の実施形態では、撮像プローブ200はY軸に沿って移動し、演算ユニット146は、撮像プローブ200が移動するそれぞれの位置で得られる光音響/超音波画像を積み重ねることによって、3次元画像を形成する。
【0048】
撮像プローブ200が電気ステージ(図示せず)によってY軸方向に移動するステップ・サイズは、超音波トランスデューサアレイの-6dBビーム幅よりも小さくてよい。たとえば、撮像プローブ200がY軸方向に移動するステップ・サイズは、0.5mmよりも小さくてよい。
【0049】
撮像プローブ200が、レーザおよび超音波を対象物Tに供給することによって対象物Tを走査する幅wは、対象物Tの幅よりも小さくてよい。この場合、対象物Tが固定されている間に複数回の走査を実行することによって、対象物T全体の光音響画像および超音波画像を得ることができる。
【0050】
図3(c)に示すように、レーザおよび超音波を供給し、撮像プローブ200を用いて走査を実行するプロセスは、対象物の輪郭プロファイルに対応するように撮像プローブ200の高さを調整することによって実行されてもよい。したがって、図3(c)の右側部分に示すように、輪郭プロファイルに対応するように撮像プローブ200の焦点を調整することによって、撮像を実行する。それに応じて、関連技術での解像度よりも高い解像度を有する画像を得ることが可能である。
【0051】
対象物T全体の画像を得るために、走査が実行され、この走査によって得られる光音響画像および超音波画像が、コンピュータ・ソフトウェアによって合成されて、3次元(3D)画像を形成する。一実施形態では、走査を複数回実行することによって、対象物T全体の画像を得てもよい。一実施形態では、コンピュータ・ソフトウェアによって、3D画像を得てもよい。
【0052】
一実施形態では、輪郭を走査することによって、対象物Tと同じ高さで得られる光音響/超音波画像の元の輪郭の構造情報を再構築するために、この輪郭の高さに従ってこの画像の高さを調整してもよく、コンピュータ・ソフトウェアによって、複数の走査結果を合成してもよい。
【0053】
対象物T全体の光音響/超音波画像から3次元画像が取得されてもよく、この対象物Tの不可欠な成分が抽出される。対象物の超音波3次元画像には、皮膚(高エコー)、骨(高エコーであるが、その下部は非エコー)、および血管(高エコーであるが、その内部は非エコー)など、明るさに従って様々な構造が示してある。
【0054】
図4(a)は、超音波3次元画像から得られる皮膚の画像の一例である。輝度情報から平滑面を検出して皮膚の位置を検出することによって、皮膚の超音波画像を得る。たとえば、この平滑面の検出は、前述の通りコンピュータ・ソフトウェアを用いて実行されてもよい。
【0055】
図4(b)は、超音波3次元画像から得られる骨の画像の一例である。超音波画像では、骨は皮膚よりも暗いが、明るい点のように表示される。皮膚についての情報が得られた後、皮膚の輝度を下げ、骨の輝度を上げるための画素輝度調整プロセスが実行され、その後、ソフトウェアによって骨を検出することができる。たとえば、Log-Gaborフィルタ(Log-Gabor filter)によって骨の境界を検出することによって、または画素輝度を反転させ、コンピュータ・ソフトウェアを用いて骨の下部の輪郭を検出することによって、骨の画像を取得してもよい。
【0056】
図4(c)は、超音波3次元画像から得られる血管画像の一例である。超音波画像では、血管の内部が暗く(輝度が低く)表示される。色反転によって、ブロック血管(block vessel)の内部は明るく見え、血管内の血液に対応する画素が血管の形で連結されているかどうかを、Frangiフィルタ(Frangi filter)を使用して判定することによって、血管画像を得ることができる。
【0057】
図5は、対象物(T)である足の微小血管の光音響画像の一例である。レーザ放射装置220から供給されるレーザ光が、対象物Tに供給され、この対象物Tを透過する。対象物T内の組織は、透過するレーザ光を吸収し、超音波帯域での信号を外部に供給する。演算ユニット146は、前述の通り形成された超音波帯域での信号を検出して、光音響画像を形成する。
【0058】
しかし、対象物Tに供給されるレーザ光は散乱することがあり、また、このレーザ光が皮膚を透過する深さが増すにつれて、レーザ光の強度が低下するので、信号強度が十分な画像を形成するように、背景信号に信号処理が実行される。対象物Tに供給されるレーザ光から、血管周辺の組織の背景信号が形成され、この背景信号を形成するレーザは、血管周辺の組織に供給されるレーザと同じ傾向で減衰することになると予想される。
【0059】
したがって、血管信号を除いた背景信号を抽出することによって代表値を計算してもよく、対象物T内の位置の代表値の傾向を特定することによって、光が減衰する際の傾向を特定してもよい。たとえば、背景信号の代表値は、ある特定の領域内での背景信号の強度の平均値でもよい。
【0060】
したがって、この代表値の傾向は、対象物Tを透過するレーザ光の減衰の傾向に対応し、対象物T内の組織の画像を補正することによって形成される画像は、図5に示す対象物T内の血管の画像と実質的に同じである。たとえば、組織の光音響画像での画素輝度を、代表値の傾向で除算することによって、対象物T内の組織の画像を補正する方法を実行してもよい。
【0061】
実験例
以下に、添付図面を参照して、一実施形態の実験例を説明する。図6(a)は、関連技術に基づき、撮像プローブを直線的に移動させることによって得られる超音波画像(US)および光音響画像(PA)の表示であり、図6(b)は、一実施形態による、対象物の輪郭プロファイルに従って撮像プローブを移動させることによって得られる超音波画像(US)および光音響画像(PA)の表示である。図6(a)および図6(b)を参照すると、関連技術によれば、黄色の破線で示される焦点面の下方の対象物に撮像が実行された。しかし、一実施形態によれば、対象物の輪郭プロファイルに従って撮像プローブを移動させることによって、この対象物に撮像が実行され、したがって、焦点面に従って対象物が撮像された。
【0062】
したがって、図6(b)の画像の解像度および信号強度は、関連技術による図6(a)の画像の解像度および信号強度よりも大きいことがわかる。
【0063】
図6(c)の左の図は、関連技術に基づき、撮像プローブを直線的に移動させることによって光音響画像の形式で得られる血管画像(PA)であり、図6(c)の右の図は、酸素飽和度(PA-sO)を示す光音響画像である。図6(d)の左の図は、一実施形態による、対象物の輪郭プロファイルに従って撮像プローブを移動させることによって光音響画像の形式で得られる血管画像(PA)であり、図6(d)の右の図は、酸素飽和度(PA-sO)を示す光音響画像である。
【0064】
図6(c)および図6(d)を参照すると、この実施形態によって得られる、血管の光音響画像および酸素吸収率の画像がより詳細に示されており、したがって、各画像は、関連技術と比較して、相対的に高い解像度、および実際の酸素飽和度に近い値を有することがわかる。
【0065】
図7(a)は、関連技術の光音響画像(PA)の技法によって得られる、総ヘモグロビン濃度(HbT)、酸素飽和度(sO)、および皮下血管深度(Depth)を示し、図7(b)は、一実施形態による、対象物(T)での組織の画像を補正するための光音響画像(PA)技法によって得られる、ヘモグロビン濃度(HbT)、酸素飽和度(sO)、および皮下血管深度(Depth)を示す。
【0066】
たとえば、酸化ヘモグロビンまたは非酸化ヘモグロビンの光吸収率が、レーザの波長によって変化するという事実に基づいて、総ヘモグロビン濃度(HbT)および酸素飽和度(sO)を測定した。2波長以上(一実施形態では4波長)を有するレーザ光を放射することによって形成および取得される、光音響画像の画素での酸化/非酸化ヘモグロビン濃度を1次方程式によって計算してもよく、この酸化/非酸化ヘモグロビン濃度を加算することによって総ヘモグロビン濃度(HbT)を計算してもよく、酸化ヘモグロビン濃度を総ヘモグロビン濃度(HbT)で除算することによって酸素飽和度(sO)を計算してもよい。
【0067】
たとえば、超音波画像および光音響画像から皮膚の位置を検出することによって、皮下血管深度(Depth)を計算してもよく、各血管に対応する画素の位置を計算し、これを皮膚の画素の位置からの垂直距離として表してもよく、光音響画像から皮膚の位置が検出されるときには、2波長以上を有するレーザ光から得られる光音響画像での皮膚内のメラニン成分の光吸収率を、ヘモグロビンについての上記説明と同様の1次方程式を使用して計算することによって、メラニン分布形から皮膚の位置を検出してもよい。
【0068】
図7(a)および図7(b)を参照すると、総ヘモグロビン濃度(HbT)を示す図、ならびに酸素飽和度(sO)および皮下組織深度を示す図からは、一実施形態による対象物T内の組織の画像を補正することによって形成される画像の解像度が、相対的に高いことがわかる。
【0069】
図8は、一実施形態による、5回測定された異なる4人の人たちの総ヘモグロビン濃度(HbT)、酸素飽和度(sO)、血管密度および平均深度の平均値を示すグラフである。たとえば、ヘモグロビン濃度(HbT)、酸素飽和度(sO)および平均深度は、総ヘモグロビン濃度(HbT)の画像に基づいて予め決定された閾値以上の値をそれぞれが有する画素を選択し、選択されたこの画素の位置でのヘモグロビン濃度(HbT)、酸素飽和度(sO)および深度の平均を計算することによって、計算されてもよい。たとえば、ヘモグロビン濃度(HbT)の画像に基づいて予め決定された閾値以上の値をそれぞれが有する画素が占める総面積を、対象物Tの総面積で除算することによって、血管密度を計算してもよい。
【0070】
図8に示すように、異なる4人の人たちから測定される結果のずれは大きくない。したがって、この結果からは、この実施形態において再現する可能性は高いことがわかる。
【0071】
本開示の理解を助けるため、各図面に示す実施形態を参照してこれまで本開示を説明してきたが、各実施形態は、例示的なものに過ぎず、様々な修正を加えてもよく、同等な実施形態を実施してもよいことが、当業者には理解されよう。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザを生成するように構成されたレーザ光源と、
超音波生成信号を生成するように構成された超音波源と、
前記レーザを受光し、前記レーザを対象物に放射するように構成されたレーザ放射装置、ならびに、前記超音波生成信号を受信し、超音波を前記対象物に放射し、前記対象物から生成および反射された光音響信号および超音波信号を検出するように構成された超音波トランスデューサを含む撮像プローブと、
前記レーザから前記対象物内の組織の画像を形成し、前記超音波トランスデューサによって検出された前記超音波信号に基づいて、前記超音波から前記対象物内の組織の画像を形成するように構成された演算ユニットと
を備える、光音響および超音波の撮像装置。
【請求項2】
前記演算ユニットが、前記超音波トランスデューサから前記対象物に放射される前記超音波から、前記対象物の輪郭プロファイルを取得する、請求項1に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項3】
前記光音響および超音波の撮像装置が、距離センサをさらに備え、
前記距離センサが、前記対象物までの距離を検出し、
前記演算ユニットが、前記距離センサによって検出される前記距離から、前記対象物の輪郭プロファイルを取得する、請求項1に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像プローブが、前記対象物の前記輪郭プロファイルに沿って移動しながら、前記レーザおよび前記超音波を放射し、
前記演算ユニットが、前記輪郭プロファイルに従って前記画像の高さを調整することによって、前記対象物内の前記組織の前記画像を形成する、請求項2または3に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項5】
前記レーザ光源が、2つ以上の異なる波長のレーザを形成および供給する、請求項1に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項6】
前記レーザからの前記対象物の前記組織の前記画像が、前記対象物の皮膚、背景組織、および血管のうちの1つまたは複数の画像を含む、請求項1に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項7】
前記超音波からの、前記対象物内の前記組織の前記画像が、前記対象物内の血管の画像、前記対象物の皮膚の画像、および前記対象物の骨の画像のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項8】
前記超音波トランスデューサが、前記対象物に前記超音波を供給するように構成され、かつアレイ状に配置された複数のトランスデューサを備える、請求項1に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項9】
前記超音波源が、前記レーザ光源および前記超音波トランスデューサを制御して、前記レーザおよび前記超音波を互いに同期して放射する、請求項1に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項10】
前記対象物を上部に配置するように構成された診察台をさらに備え、
前記診察台が、
前記対象物を固定するように構成された対象物固定部分と、
前記撮像プローブを前記対象物の上方に配置および移動させるように構成された移動構造体と、
前記対象物と前記撮像プローブの間に超音波信号および光音響信号を送出するための媒質で満たされた容器と
を備える、請求項1に記載の光音響および超音波の撮像装置。
【請求項11】
対象物の光音響画像および超音波画像を形成する方法であって、
(a)前記対象物の輪郭プロファイルを形成することと、
(b)前記輪郭プロファイルに従って、レーザ光および超音波を前記対象物に供給することと、
(c)前記レーザ光から生成された光音響信号、および前記超音波から生成された超音波信号を検出することによって、前記対象物の光音響画像および超音波画像を形成することと
を含む、方法。
【請求項12】
工程(a)が、超音波トランスデューサまたは距離センサを使用して、前記対象物までの距離を計算することによって、前記対象物の前記輪郭プロファイルを形成することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
工程(b)が、前記対象物と超音波トランスデューサの間の距離、および前記対象物とレーザ放射装置の間の距離を一定に維持することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
工程(b)が、前記対象物全体の前記輪郭プロファイルを形成した後に実行される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
工程(a)が、前記対象物のある特定の領域に実行され、
工程(b)が、前記領域の輪郭プロファイルに沿って移動しながら実行される、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記対象物の前記光音響画像を形成することが、
周辺組織の背景信号を検出することと、
前記背景信号の代表値を計算することと、
前記背景信号の前記代表値に基づいて、前記対象物の画像を補正することと
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記代表値が、前記背景信号の平均輝度である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記対象物の前記画像の前記補正が、前記光音響画像の画素輝度を、前記代表値で除算することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
工程(c)が、前記輪郭プロファイルに従って、前記画像の高さを調整することにより、前記対象物内の組織の画像を形成することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
工程(b)が、前記超音波と前記レーザを、互いに同期して放射することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
工程(b)が、異なる波長を有する2つ以上のレーザ・ビームを放射することを含み、
工程(c)が、異なる波長を有する前記放射された2つ以上のレーザ・ビームから光音響画像を形成することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
(d)前記光音響画像および前記超音波画像から、ヘモグロビン濃度、血液酸素飽和度、血管分布密度、および血管深度を計算することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【国際調査報告】